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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-30
(54)【発明の名称】電池パック及び電気自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/289 20210101AFI20230123BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20230123BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20230123BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20230123BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20230123BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20230123BHJP
   H01M 50/282 20210101ALI20230123BHJP
   H01M 50/231 20210101ALI20230123BHJP
   H01M 50/224 20210101ALI20230123BHJP
   H01M 50/276 20210101ALI20230123BHJP
   H01M 50/222 20210101ALI20230123BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20230123BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20230123BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20230123BHJP
【FI】
H01M50/289
H01M50/209
H01M50/289 101
H01M50/291
H01M50/293
H01M50/103
H01M50/271 Z
H01M50/282
H01M50/231
H01M50/224
H01M50/276
H01M50/222
H01M50/55 101
H01M50/284
H01M50/249
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528565
(86)(22)【出願日】2020-10-22
(85)【翻訳文提出日】2022-07-15
(86)【国際出願番号】 CN2020122891
(87)【国際公開番号】W WO2021098440
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】201911129785.1
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】何▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼▲華▼▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】朱燕
(72)【発明者】
【氏名】▲譚▼亮▲穏▼
(72)【発明者】
【氏名】万▲龍▼
【テーマコード(参考)】
5H011
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H011CC05
5H011CC06
5H011KK01
5H040AA02
5H040AS07
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040CC05
5H040CC28
5H040JJ03
5H040LL01
5H040LL04
5H040NN01
5H043AA05
5H043AA16
5H043AA19
5H043CA04
5H043CA05
5H043CA22
5H043DA05
5H043HA12
(57)【要約】
本願は、電池パック及び電気自動車に関する。電池パックは、底面及び頂面を有するケースを含み、ケース内に電池モジュールが設置され、電池モジュールは、構造補強部材と、複数の単電池を接続して形成された電池配列とを含み、単電池の外表面は、ケースの底面に面する底面と、ケースの頂面に面する頂面と、第1側面と、2つの反対側に位置する第2側面とを含み、第1側面の面積は、最大であり、複数の単電池は、第1方向に沿って、第2側面が対向するように配列されて電池配列を形成し、構造補強部材は、電池配列における各単電池の第1側面に固定して貼り付けられ、電池モジュールは、前記ケースの底面に当接して前記ケース内に支持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面及び頂面を有するケースと、
前記ケース内に位置する電池モジュールと、を含み、
前記電池モジュールは、複数の単電池を含む電池配列と、構造補強部材とを含み、前記電池配列における少なくとも一部の前記単電池は、前記構造補強部材により接続され、前記単電池の外表面は、前記ケース内の底面に面する底面と、前記ケース内の頂面に面する頂面と、側面とを含み、前記側面は、第1側面及び2つの反対側に位置する第2側面を含み、前記第1側面は、前記単電池の全ての外表面のうち、面積が最大の表面であり、電池モジュール内に前記単電池が順に配列され、隣接する2つの前記単電池の第2側面が対向して設置され、前記単電池の配列方向は、第1方向であり、
前記構造補強部材は、前記構造補強部材に接続された単電池の第1側面に固定して貼り付けられ、前記構造補強部材の第2方向に沿う寸法は、T1であり、T1=0.5~5mmであり、前記第1方向は、前記第2方向と垂直であり、
前記電池モジュールは、前記ケースの底面に当接して前記ケース内に支持される、ことを特徴とする電池パック。
【請求項2】
前記電池配列において、前記構造補強部材に接続された単電池の数は、電池配列に含まれる単電池の数の半分以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記電池配列において第1方向に沿って数えて奇数番号の単電池又は偶数番号の単電池は、前記構造補強部材に接続される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記構造補強部材は、前記電池配列における各単電池の第1側面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項5】
前記側面は、2つの反対側に位置する第1側面を含み、前記構造補強部材は、2つあり、それぞれ電池配列の両側に位置し、1つの構造補強部材は、電池配列における各単電池の一側の第1側面に固定して貼り付けられ、もう1つの構造補強部材は、電池配列における各単電池の他側の第1側面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項6】
前記構造補強部材は、前記電池配列における第1方向に沿う両端の単電池の第1側面の一部の表面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項7】
前記単電池の第1方向に沿う寸法は、最大である、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項8】
前記電池モジュールは、第1方向に沿ってケースの一側から他側に延在する、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項9】
前記電池モジュールにおける全ての単電池の第1側面は、同一の平面にある、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項10】
前記構造補強部材の、前記電池配列に貼り合わせられる面を、第1表面とし、前記電池配列の、前記構造補強部材に貼り合わせられる面を、第2表面としたとき、前記第1表面と前記第2表面とは、マッチングして設置される、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項11】
前記構造補強部材は、長方形の板体である、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項12】
前記構造補強部材は、「L」字状の板体であり、前記「L」字状の板体の「|」(縦棒)部分は、前記電池配列における単電池の第1側面に貼り合わせられ、かつ固定接続される、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項13】
前記「L」字状の板体の「-」(横棒)部分は、前記電池配列における単電池の底面に貼り合わせられ、かつ固定接続される、ことを特徴とする請求項12に記載の電池パック。
【請求項14】
前記構造補強部材は、「コ」字状の板体であり、前記電池配列は、前記「コ」字状の板体内に設置され、かつ前記「コ」字状の板体の「|」(縦棒)部分は、前記電池配列における単電池の第1側面に貼り合わせられ、かつ固定接続される、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項15】
前記「コ」字状の板体の2つの「-」(横棒)部分は、それぞれ前記電池配列における単電池の頂面と単電池の底面に貼り合わせられる、ことを特徴とする請求項14に記載の電池パック。
【請求項16】
(それぞれの「コ」字状の板体の2つの「-」(横棒)部分の面積]≦
(前記電池配列の底面又は頂面の面積)
である、ことを特徴とする請求項15に記載の電池パック。
【請求項17】
前記電池配列において前記構造補強部材に接続された各単電池の第1側面と、前記構造補強部材との間に、構造用接着剤が設置される、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項18】
前記構造補強部材は、金属板を含む、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項19】
前記電池パックは、互いに垂直なX方向、Y方向及びZ方向を有し、前記ケース内の底面とケース内の頂面は、Z方向において対向し、前記電池パックは、X方向に沿って配列される複数の電池モジュールを含み、前記第1方向は、Y方向と平行であり、前記第2方向は、X方向と平行である、ことを特徴とする請求項1~18のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項20】
前記単電池は、略直方体であり、長さL、高さH、及び、厚さDを有し、LがDより大きく、かつLがHより大きく、前記単電池は、長さ方向がY方向に沿って延在し、高さ方向がZ方向に沿って延在し、厚さ方向がX方向に沿って延在し、前記構造補強部材は、長方形の板体であり、かつ厚さT1を有し、前記長方形の板体は、長さ方向がY方向に沿って延在し、厚さ方向がX方向に沿って延在する、ことを特徴とする請求項19に記載の電池パック。
【請求項21】
前記単電池の厚さは、10~90mmである、ことを特徴とする請求項20に記載の電池パック。
【請求項22】
前記単電池は、それぞれ互いに平行な底面と頂面、2つの平行な第1側面、2つの平行な第2側面の6つの表面を含み、2つの平行な第1側面は、単電池の厚さ方向において反対側に位置する、ことを特徴とする請求項20又は21に記載の電池パック。
【請求項23】
少なくとも2つの隣接する電池モジュールのうちの1つの電池モジュールにおける単電池ともう1つの電池モジュールにおける単電池とは、互い違いに配列される、ことを特徴とする請求項19~22のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項24】
少なくとも2つの隣接する電池モジュールのうちの1つの電池モジュールにおける単電池の数は、もう1つの電池モジュールにおける単電池の数より大きい、ことを特徴とする請求項23に記載の電池パック。
【請求項25】
前記もう1つの電池モジュールに、該電池モジュールにおける単電池の第2側面に接着されて前記電池配列を形成する補強ブロックが設置される、ことを特徴とする請求項24に記載の電池パック。
【請求項26】
前記隣接する2つの電池モジュールの長さは、等しい、ことを特徴とする請求項25に記載の電池パック。
【請求項27】
隣接する2つの前記電池配列の間に、電池冷却風路を形成する隙間が存在する、ことを特徴とする請求項19~26のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項28】
隣接する2つの前記電池配列の間に、冷却板が設置される隙間が存在する、ことを特徴とする請求項19~27のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項29】
前記電池モジュールは、前記Y方向に沿って互いに反対側に設置された第1端部及び第2端部を含み、前記ケースは、前記Y方向に沿って対向して設置された第1フレーム及び第2フレームを含み、前記電池モジュールは、前記第1フレームと第2フレームとの間に設置され、前記電池モジュールは、第1端部が前記第1フレームに支持され、第2端部が前記第2フレームに支持される、ことを特徴とする請求項19~28のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項30】
前記第1フレームに第1支持段差が設置され、前記第2フレームに第2支持段差が設置され、前記電池モジュールは、第1端部が前記第1支持段差に支持され、第2端部が前記第2支持段差に支持される、ことを特徴とする請求項29に記載の電池パック。
【請求項31】
前記ケースは、前記X方向に沿って対向して設置された第3フレーム及び第4フレームを含み、複数の前記電池モジュールは、前記X方向に沿って前記第3フレームと第4フレームとの間に並列に配列される、ことを特徴とする請求項19~30のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項32】
前記ケース内に前記Y方向に沿って1つの前記電池モジュールが設置される、ことを特徴とする請求項19~31のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項33】
少なくとも2つの隣接する前記電池モジュールの間に補強板が設置される、ことを特徴とする請求項19~32のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項34】
前記補強板は、前記補強板の両側に位置する電池モジュールに固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項33に記載の電池パック。
【請求項35】
少なくとも1つの電池モジュールの構造補強部材の厚さは、10~35mmである、ことを特徴とする請求項20~34のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項36】
前記ケースは、共に収容空間を画定するトレイ及び上部カバーを含み、前記電池モジュールは、前記収容空間内に位置し、電池モジュールにおける単電池は、底面が前記トレイの内表面に固定して貼り付けられ、頂面が前記上部カバーの内表面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1~35のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項37】
前記トレイ及び/又は前記上部カバーは、2層のアルミニウム板と、前記2層のアルミニウム板の間に挟まれた鋼板又は発泡アルミニウム板とを含む多層複合構造である、ことを特徴とする請求項36に記載の電池パック。
【請求項38】
前記トレイ及び/又は前記上部カバーは、2層の繊維複合層と、前記2層の繊維複合層の間に挟まれた発泡材料層とを含む多層複合構造である、ことを特徴とする請求項37に記載の電池パック。
【請求項39】
前記繊維複合層は、ガラス繊維層及び/又は炭素繊維層を含む、ことを特徴とする請求項38に記載の電池パック。
【請求項40】
前記電池モジュールにおける単電池の電極端子は、前記単電池の頂面に位置する、ことを特徴とする請求項1~39のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項41】
前記電池パックは、電池管理システムをさらに含む、ことを特徴とする請求項1~40のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項42】
請求項1~41のいずれか1項に記載の電池パックを含む、ことを特徴とする電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディー カンパニー リミテッドが2019年11月18日に出願した、発明の名称「電池パック及び電気自動車」の中国特許出願第201911129785.1号の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、電池の分野に属し、特に電池パック及び電気自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、電気自動車に適用される動力電池パックは、主にパック本体と、パック本体内に取り付けられた複数の電池モジュールとを含み、電池モジュールは、順に配列された複数の電池で構成された電池アレイと、電池アレイの両側に設置された側板と、電池アレイの両端に設置された端板とを含む。側板と端板は、電池アレイに対する固定を実現するために、ねじ又はタイロッド又は溶接の方式で接続される。電池モジュールは、組立が終了した後にねじなどの締結具によりパック本体内に取り付けられ、かつ電池パックの強度を向上させるために、一般的に電池パック内に補強ビームを設置する必要がある。端板、側板、補強ビーム及び締結具などの構造部材を増設するため、電池パック全体の重量が大きく、また、パック本体の内部空間の利用率が低下し、そのエネルギー密度がユーザの電気自動車の航続能力に対する需要を満たすことができない。また、このような構造は、組立過程が煩雑であり、組立工程が複雑であり、まず電池を電池モジュールに組み立て、次に電池モジュールをパック本体内に取り付ける必要があるため、手間や物資などのコストが増加する。
【0004】
上記問題を解決するために、従来の実用新案CN201822274851.1には、第1電池ブロック、第2電池ブロック及び液冷板を含む電池モジュールが提供され、第1電池ブロック及び第2電池ブロックは、いずれも水平方向に沿って配列された複数の単電池を含み、かつ電池ブロックにおける各単電池が横になって配置される(すなわち、単電池の対向する2つの大きい面が垂直方向に沿って配列される)。液冷板は、垂直方向に沿って、第1電池ブロックと第2電池ブロックとの間に設置され、かつ液冷板の2つの側面がそれぞれ熱伝導性を有する接着剤により第1電池ブロックと第2電池ブロックに接着される。該電池モジュールについて、単電池を取り付け固定するための構造部材が省略されるため、組立プロセスが簡略化されるが、このような電池モジュールの全体的な構造強度が低い。また、液冷板の冷却効果を保証するために、液冷板の内部に冷却液を収容するための収容キャビティが設置され、かつ収容キャビティは一定の厚さを有する必要がある。しかしながら、このような構造の液冷板は、その強度が低いため、それが破損して冷却液が流出することによる単電池の短絡を回避するための大きすぎる構造的な力に耐えることができず、したがって、液冷板は、電池モジュールに対して補強及び支持の作用を果たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、構造が簡単で、組み立てやすく、かつ高い構造強度、高い空間利用率及びエネルギー密度を有する電池パック及び電気自動車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1態様に係る電池パックは、内部に底面及び頂面を有するケースと、前記ケース内に位置する電池モジュールと、を含み、前記電池モジュールは、複数の単電池を含む電池配列と、構造補強部材とを含み、前記電池配列における少なくとも一部の前記単電池は、前記構造補強部材により接続され、前記単電池の外表面は、前記ケース内の底面に面する底面と、前記ケース内の頂面に面する頂面と、側面とを含み、前記側面は、第1側面及び2つの反対側に位置する第2側面を含み、前記第1側面は、前記単電池の全ての外表面のうち、面積が最大の表面であり、電池モジュール内に前記単電池が順に配列され、隣接する2つの前記単電池の第2側面が対向して設置され、前記単電池の配列方向は、第1方向であり、前記構造補強部材は、前記構造補強部材に接続された単電池の第1側面に固定して貼り付けられ、前記構造補強部材の第2方向に沿う寸法は、T1であり、T1=0.5~5mmであり、前記第1方向は、前記第2方向と垂直であり、前記電池モジュールは、前記ケースの底面に当接して前記ケース内に支持される。
【0007】
本願のいくつかの実施形態において、前記電池配列において、前記構造補強部材に接続された単電池の数は、電池配列に含まれる単電池の数の半分以上である。
【0008】
本願のいくつかの実施形態において、前記電池配列において第1方向に沿って数えて奇数番号の単電池又は偶数番号の単電池は、前記構造補強部材に接続される。
【0009】
本願のいくつかの実施形態において、前記構造補強部材は、前記電池配列における各単電池の第1側面に固定して貼り付けられる。
【0010】
本願のいくつかの実施形態において、前記側面は、2つの反対側に位置する第1側面を含み、前記構造補強部材は、2つあり、それぞれ電池配列の両側に位置し、1つの構造補強部材は、電池配列における各単電池の一側の第1側面に固定して貼り付けられ、もう1つの構造補強部材は、電池配列における各単電池の他側の第1側面に固定して貼り付けられる。
【0011】
本願のいくつかの実施形態において、前記構造補強部材は、前記電池配列における第1方向に沿う両端の単電池の第1側面の一部の表面に固定して貼り付けられる。
【0012】
本願のいくつかの実施形態において、前記単電池の第1方向に沿う寸法は、最大である。
【0013】
本願のいくつかの実施形態において、前記電池モジュールは、第1方向に沿ってケースの一側から他側に延在する。
【0014】
本願のいくつかの実施形態において、前記電池モジュールにおける全ての単電池の第1側面は、同一の平面にある。
【0015】
本願のいくつかの実施形態において、前記構造補強部材の前記電池配列に貼り合わせられる面は、第1表面と表記され、前記電池配列の前記構造補強部材に貼り合わせられる面は、第2表面と表記され、前記第1表面と前記第2表面とは、マッチングして設置される。
【0016】
本願のいくつかの実施形態において、前記構造補強部材は、長方形の板体である。
【0017】
本願のいくつかの実施形態において、前記構造補強部材は、「L」字状の板体であり、前記「L」字状の板体の「|」(縦棒)部分は、前記電池配列における単電池の第1側面に貼り合わせられ、かつ固定接続される。
【0018】
本願のいくつかの実施形態において、前記「L」字状の板体の「-」(横棒)部分は、前記電池配列における単電池の底面に貼り合わせられ、かつ固定接続される。本願のいくつかの実施形態において、前記構造補強部材は、「[」字状(又は「コ」字状)の板体であり、前記電池配列は、前記「[」字状(又は「コ」字状)の板体内に設置され、かつ前記「[」字状(又は「コ」字状)の板体の「|」(縦棒)部分は、前記電池配列における単電池の第1側面に貼り合わせられ、かつ固定接続される。
【0019】
本願のいくつかの実施形態において、前記「[」字状(又は「コ」字状)の板体の2つの「-」(横棒)部分は、それぞれ前記電池配列における単電池の頂面と単電池の底面に貼り合わせられる。
【0020】
本願のいくつかの実施形態において、前記「[」字状(又は「コ」字状)の板体の2つの「-」(横棒)部分の単一部分の面積≦前記電池配列の底面又は頂面の面積である。
【0021】
本願のいくつかの実施形態において、前記電池配列における各単電池の第1側面と前記構造補強部材との間にいずれも構造用接着剤が設置される。
【0022】
本願のいくつかの実施形態において、前記構造補強部材は、金属板を含む。
【0023】
本願のいくつかの実施形態において、前記電池パックは、互いに垂直なX方向、Y方向及びZ方向を有し、前記ケース内の底面とケース内の頂面は、Z方向において対向し、前記電池パックは、X方向に沿って配列される複数の電池モジュールを含み、前記第1方向は、Y方向と平行であり、前記第2方向は、X方向と平行である。
【0024】
本願のいくつかの実施形態において、前記単電池は、略直方体であり、長さL、高さH及び厚さDを有し、LがDより大きく、かつLがHより大きく、前記単電池は、長さ方向がY方向に沿って延在し、高さ方向がZ方向に沿って延在し、厚さ方向がX方向に沿って延在し、前記構造補強部材は、長方形の板体であり、かつ厚さT1を有し、前記長方形の板体は、長さ方向がY方向に沿って延在し、厚さ方向がX方向に沿って延在する。
【0025】
本願のいくつかの実施形態において、前記単電池の厚さは、10~90mmである。
【0026】
本願のいくつかの実施形態において、前記単電池は、それぞれ互いに平行な底面と頂面、2つの平行な第1側面、2つの平行な第2側面の6つの表面を含み、2つの平行な第1側面は、単電池の厚さ方向において反対側に位置する。
【0027】
本願のいくつかの実施形態において、少なくとも2つの隣接する電池モジュールのうちの1つの電池モジュールにおける単電池ともう1つの電池モジュールにおける単電池とは、互い違いに配列される。
【0028】
本願のいくつかの実施形態において、少なくとも2つの隣接する電池モジュールのうちの1つの電池モジュールにおける単電池の数は、もう1つの電池モジュールにおける単電池の数より大きい。
【0029】
本願のいくつかの実施形態において、前記もう1つの電池モジュールに、該電池モジュールにおける単電池の第2側面に接着されて前記電池配列を形成する補強ブロックが設置される。
【0030】
本願のいくつかの実施形態において、前記隣接する2つの電池モジュールの長さは、等しい。
【0031】
本願のいくつかの実施形態において、隣接する2つの前記電池配列の間に、電池冷却風路を形成する隙間が存在する。
【0032】
本願のいくつかの実施形態において、隣接する2つの前記電池配列の間に、冷却板が設置される隙間が存在する。
【0033】
本願のいくつかの実施形態において、前記電池モジュールは、前記Y方向に沿って反対側に位置して設置された第1端部及び第2端部を含み、前記ケースは、前記Y方向に沿って対向して設置された第1フレーム及び第2フレームを含み、前記電池モジュールは、前記第1フレームと第2フレームとの間に設置され、前記電池モジュールの第1端部が前記第1フレームに支持され、前記電池モジュールの第2端部が前記第2フレームに支持される。
【0034】
本願のいくつかの実施形態において、前記第1フレームに第1支持段差が設置され、前記第2フレームに第2支持段差が設置され、前記電池モジュールは、第1端部が前記第1支持段差に支持され、第2端部が前記第2支持段差に支持される。
【0035】
本願のいくつかの実施形態において、前記ケースは、前記X方向に沿って対向して設置された第3フレーム及び第4フレームを含み、複数の前記電池モジュールは、前記X方向に沿って前記第3フレームと第4フレームとの間に並列に配列される。
【0036】
本願のいくつかの実施形態において、前記ケース内に前記Y方向において1つの前記電池モジュールが設置される。
【0037】
本願のいくつかの実施形態において、少なくとも2つの隣接する前記電池モジュールの間に補強板が設置される。
【0038】
本願のいくつかの実施形態において、前記補強板は、前記補強板の両側に位置する電池モジュールに固定して貼り付けられる。
【0039】
本願のいくつかの実施形態において、少なくとも1つの電池モジュールの構造補強部材の厚さは、10~35mmである。
【0040】
本願のいくつかの実施形態において、前記ケースは、共に収容空間を画定するトレイ及び上部カバーを含み、前記電池モジュールは、前記収容空間内に位置し、電池モジュールにおける単電池は、底面が前記トレイの内表面に固定して貼り付けられ、頂面が前記上部カバーの内表面に固定して貼り付けられる。
【0041】
本願のいくつかの実施形態において、前記電池配列において、前記複数の単電池は、底面が前記トレイの内表面に固定して貼り付けられ、かつ頂面が前記上部カバーの内表面に固定して貼り付けられる。
【0042】
本願のいくつかの実施形態において、前記トレイ及び/又は前記上部カバーは、2層のアルミニウム板と、前記2層のアルミニウム板の間に挟まれた鋼板又は発泡アルミニウム板とを含む多層複合構造である。
【0043】
本願のいくつかの実施形態において、前記トレイ及び/又は前記上部カバーは、2層の繊維複合層と、前記2層の繊維複合層の間に挟まれた発泡材料層とを含む多層複合構造である。
【0044】
本願のいくつかの実施形態において、前記繊維複合層は、ガラス繊維層及び/又は炭素繊維層を含む。
【0045】
本願のいくつかの実施形態において、前記電池モジュールにおける単電池の電極端子は、前記単電池の頂面に位置する。
【0046】
本願のいくつかの実施形態において、前記電池パックは、電池管理システムをさらに含む。
【0047】
他の態様では、本願に係る電気自動車は、上記電池パックを含む。
【発明の効果】
【0048】
従来技術に比べて、本願の有益な効果は以下のとおりである。本願によれば、複数の単電池は、構造補強部材により一体に接続され、電池モジュールを形成し、該電池モジュールは、寸法が長く、強度が高く、ケースに支持され、それ自体が支持の作用を果たすことができ、かつケースの構造強度を補強するクロスメンバ又はサイドメンバとして使用されてもよいため、電池パックにおけるクロスメンバ及び/又はサイドメンバの使用を減少させ、さらに電池パックにクロスメンバ及び/又はサイドメンバを使用しなくてもよく、すなわち、電池モジュール自体は、クロスメンバ及び/又はサイドメンバの代わりに電池パックの構造強度を保証し、電池パックが外力の作用下で変形しにくいことを確保することができ、それによりクロスメンバ及び/又はサイドメンバがケースに占める空間を減少させ、ケースの空間利用率を向上させ、単電池をケースにできるだけ多く配置して、電池パック全体の容量、電圧及び航続能力を向上させることができる。
【0049】
また、本願に係る電池モジュールは、従来の電池モジュールに比べて、端板の使用を減少させ、かつ電池パックにクロスメンバ及び/又はサイドメンバを配置する必要がないため、電池パックの製造プロセスを簡略化し、単電池の組立の複雑度を低下させ、生産コストを低減する一方、電池パックと電池パック全体の重量を軽減し、電池パックの軽量化を実現する。特に、動力電池パックが電気自動車に取り付けられる場合、電気自動車の航続能力を向上させ、電気自動車の軽量化を実現することもできる。
【0050】
本願の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか又は本願の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図面は、本願のさらなる理解を提供し、明細書の一部を構成するものであり、以下の具体的な実施形態と共に本願を説明するものであるが、本願を限定するものではない。図面において、以下のとおりである。
【0052】
図1】本願の実施形態に係る電池パックの概略構成図である。
図2】本願の実施形態に係る複数の電池モジュールの概略構成図である。
図3】本願の実施形態に係るケースの概略構成図である。
図4】本願の実施形態に係る電池配列と構造補強部材とが接続される概略構成図である。
図5】本願の別の実施形態に係る電池配列と構造補強部材とが接続される概略構成図である。
図6】本願の実施形態に係る電池モジュールの概略分解図である。
図7】本願のさらに別の実施形態に係る電池配列と構造補強部材とが接続される概略構成図である。
図8】本願の実施形態に係る構造補強部材の概略構成図である。
図9】本願のさらに別の実施形態に係る構造補強部材の概略構成図である。
図10】本願に係る単電池の概略構成図である。
図11】本願に係る別の電池モジュールの概略構成図である。
図12】本願に係る複数の電池モジュールが積み重ねられる概略構成図である。
図13】本願に係る別の電池パックである。
図14】従来技術に係る電池パックである。
図15】別の従来技術に係る電池パックである。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、本願の実施形態を詳細に説明し、上記実施形態の例は、図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照して説明される実施形態は、例示的なものであり、本願を解釈するものに過ぎず、本願を限定するものとして理解すべきではない。
【0054】
なお、本願の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「高さ」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有し、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを指示するか又は示唆するものではないため、本願を限定するものとして理解してはならない。
【0055】
図1及び図3に示すように、本願に係る電池パック300は、内部に底面101及び頂面を有するケース100と、上記ケース100内に位置する電池モジュール200とを含み、上記電池モジュール200は、複数の単電池203を含む電池配列201と、構造補強部材202とを含み、上記電池配列201における少なくとも一部の上記単電池203は、上記構造補強部材202により接続される。
【0056】
上記単電池203の外表面は、底面、頂面及び側面を含み、上記単電池の底面204が上記ケース100内の底面に面し、上記単電池の頂面205が上記ケース100内の頂面に面し、上記側面は、第1側面206及び2つの反対側に位置する第2側面207を含み、上記第1側面206は、上記単電池203の全ての外表面のうち、面積が最大の表面であり、電池モジュール200内に上記単電池203が順に配列され、隣接する2つの上記単電池203の第2側面207が対向して設置され、前記単電池203の配列方向は、第1方向であり、上記構造補強部材202は、上記構造補強部材202に接続された単電池203の第1側面206に固定して貼り付けられ、上記電池モジュール200は、上記ケース100の底面に当接して上記ケース100内に支持される。
【0057】
本願において、ケース100について、ケース100内にケースの底面101及びケースの頂面(ケースの底面101に対向し、図示せず)を有する。ここで、ケースの底面101とケースの頂面とは、ケース100の高さ方向において対向する2つの面を指す。いくつかの具体的な実施形態において、ケース100は、底板及びシールカバーを含み、底板及びシールカバーが電池を収容するための収容キャビティを画定し、ケースの底面101が底板の内表面を指し、ケース100の頂面がシールカバーの内表面を指す。
【0058】
本願において、単電池203の形状は、限定されず、様々であってもよく、規則的な幾何学的形状であってもよく、不規則な幾何学的形状であってもよく、例えば、方形、円形、多角形、三角形であってもよく、異形電池のように任意の形状であってもよい。本願は、単電池203の形状を限定するものではないことが理解される。
【0059】
本願において、複数の単電池203は、配列されて電池配列201を形成し、隣接する2つの単電池203の間の強度が一般的に低く、電池配列201は、構造補強部材に固定して接着され、構造補強部材202は、単電池203の面積が最大の側面に接着されて、接着面の面積を保証することにより、接着面の構造強度を保証する。
【0060】
本願において、構造用接着剤により構造補強部材と電池配列201を一体に貼り付けることができ、この場合の構造用接着剤は、好ましくは熱伝導機能を有する構造用接着剤であり、接着するとともに、熱を電池の外部に伝導することができる。従来の電池モジュールの組立過程において、まず複数の単電池203を大きい面(面積が最大の表面)と大きい面が対向するように配列して電池配列201を形成し、次に単電池203の配列方向に沿って、電池配列の両側に側板を設置し、このような組立方式において、複数の単電池203は、大きい面と大きい面が対向するように配列されるが、本願において、電池配列201において、複数の単電池203は、面積が小さい第2側面207(小さい面)が対向するように配列されて電池配列201を形成し、すなわち「小さい面」と「小さい面」が対向するように配列され、この2種の配列方式を比べると、本願の配列方式は、電池モジュール200の全体的な構造強度の向上にさらに役立つ。
【0061】
本願のいくつかの実施形態において、電池モジュール200の第1方向に沿う寸法は、400~2500mmである。別の実施形態において、電池モジュール200の第1方向に沿う寸法は、600~2500mmである。
【0062】
従来技術において、例えば、特許文献CN201822274851.1において、電池ブロックにおいて、複数の単電池は、小さい面と小さい面が対向するように配列されるが、複数の単電池203は、横になって配列される(2つの大きい面がそれぞれ底面と頂面に向かう)。
【0063】
電池パックがZ方向(高さ方向)の作用力を受けると、単電池の面積が最大の第1側面が最も変形しやすく、構造補強部材を水平に配置する場合(単電池が横になって配置される)、電池パックがZ方向の作用力を受けると、Z方向の力により構造補強部材が電池モジュールの厚さ方向に沿って曲げやすく、単電池自体も厚さ方向に沿って変形しやすく、両者の変形を防止するために、一般的に以下の1~3の解決方法がある。
【0064】
1、電池パックの底板を非常に厚くするが、電池パックの重量を増加させ、電池パックの重量エネルギー密度を低下させる。
【0065】
2、トレイ底板を中空構造に設計し、キャビティに補強構造を設置することにより、電池パックの重量を軽減することができるが、トレイの加工の難易度及び設計の難易度を実質的に向上させ、また、トレイの高さを増加させて、電池パックの体積エネルギー密度を低下させる。
【0066】
3、トレイ底板に補強リブを設置し、単電池を電池モジュールに組み立て、次に電池モジュールを補強リブに固定し、電池モジュールの取付要件を満たすために、補強リブの厚さが一般的に10~20mmであり、補強リブが電池パックの空間を占め、電池パックの体積利用率を低下させる。
【0067】
本願において、電池配列201において、単電池203は、立てて配置され(大きい面が底面又は頂面に接触しない)、この場合、構造補強部材は、箱体の高さ方向に配置され、構造補強部材の強度がより大きく、電池配列201全体の構造強度を向上させることができ、電池モジュール200がZ方向の力を受けると、Z方向の力により構造補強部材202が電池モジュール200の厚さ方向に沿って曲げやすいが、構造補強部材202と電池との緊密な接続とトレイの4つのフレームの支持及び保護作用により、構造補強部材202の厚さ方向に沿う変形及び単電池203の第1側面206の変形を大幅に防止し、電池の厚さ方向に沿う信頼性を保証する。
【0068】
本願において、構造補強部材202の第2方向に沿う寸法と単電池の重量は、0.15mm・kg-1<T1/G<7mm・kg-1、かつT1=0.5~5mmに限定され、電池モジュール全体の強度要件を満たすだけでなく、構造補強部材の寸法をできるだけ小さくすることができ、該構造補強部材の寸法は、従来技術における補強リブの厚さ(10~20mm)より明らかに小さい。
【0069】
いくつかの好ましい実施形態において、構造補強部材の第2方向に沿う寸法T1と単電池の重量Gは、0.25mm・kg-1≦T1/G≦5.8mm・kg-1という関係式を満たす。
【0070】
従来技術において、単電池は、寸法が小さいため、自体で支持するという作用を果たすことができず、本願において、構造補強部材202を用いて複数の単電池203を接続して寸法が400~2500mm又は600~2500mmの電池モジュール200を形成し、複数の単電池203からなる全体は、構造強度がそのいずれかの単電池203の強度よりはるかに大きく、かつ電池モジュール200が十分に長いため、電池モジュール200の両端がケースの底面101に直接的に支持することができ、すなわち、電池モジュール200は、補強構造の代わりに電池パック300の構造強度を保証し、それにより電池パック300におけるクロスメンバ及び/又はサイドメンバの使用を減少させ、さらに電池パック300にクロスメンバ及び/又はサイドメンバを使用しなくてもよく、その結果、クロスメンバ及び/又はサイドメンバが電池パック300に占める空間を減少させ、電池パック300の空間利用率を向上させ、単電池203を電池パック300にできるだけ多く配置して、電池パック300全体の容量、電圧及び航続能力を向上させることができる。
【0071】
本願において、電池モジュール200がケースの底面101に当接することは、電池モジュール200がケースの底面101に直接的に接触して支持されることであってもよく、電池モジュール200が他の構造部材によりケースの底面101に間接的に接触するか又は接続されることであってもよく、当業者であれば、具体的な作業条件の要件に基づいて設置することができ、本願において限定されない。
【0072】
本願の一実施形態において、複数の単電池203を順に配列して形成された電池配列201において、全ての単電池203の第1側面206が構造補強部材202に接続されてもよく、一部の単電池203の第1側面206のみが構造補強部材202に接続されてもよく、すなわち、電池配列201における複数の単電池203は、2組に分けられ、1組の単電池203は、構造補強部材202に固定して貼り付けられ、もう1組の単電池203は、構造補強部材202に固定して貼り付けられない。電池モジュール200の全体的な構造強度を向上させるために、構造補強部材202に接続された単電池203の数は、電池配列201に含まれる単電池203の数の半分以上である。
【0073】
なお、電池配列201における一部の単電池203の第1側面206が構造補強部材202に接続される場合、該一部の単電池203は、電池配列201において連続的に配列されてもよく、間隔を隔てて配列されてもよく、すなわち、構造補強部材202に接続された単電池203と構造補強部材202に接続されない単電池203が交差して配列されて電池配列201を形成する。
【0074】
いくつかの具体的な実施形態において、上記電池配列201において第1方向に沿って数えて奇数番号の単電池203又は偶数番号の単電池203は、上記構造補強部材202に接続される。本願において、第1側面206は、複数であってもよく、いくつかの実施形態において、側面は、2つの反対側に位置する第1側面206を含み、上記構造補強部材202は、2つあり、それぞれ電池配列201の両側に位置し、1つの構造補強部材202は、電池配列201における各単電池203の一側の第1側面206に固定して貼り付けられ、もう1つの構造補強部材202は、電池配列201における各単電池203の他側の第1側面206に固定して貼り付けられる。電池配列201において対向して設置された両側に構造補強部材202を同時に設置することにより、電池モジュール200の強度をさらに向上させることができる。
【0075】
本願において、単電池203の第1側面206の全領域が全て構造補強部材202に貼り付けられてもよく、一部の単電池203の第1側面206の一部の領域が構造補強部材202に貼り付けられてもよく、いくつかの実施形態において、図4に示すように、構造補強部材202が中間部分の単電池203の第1側面206の全領域に固定して貼り付けられるため、電池モジュール200の全体的な構造強度及び安定性は、依然として高く、電池配列201の両端に位置する単電池203の第1側面206の一部の領域が構造補強部材202に貼り付けられるため、電池モジュール200の全体的な強度及び安定性に影響を与えないとともに、コストを低減することができる。
【0076】
本願において、単電池203の第1方向に沿う寸法が最大であるため、最も少ない単電池203を、強度がより高い電池モジュール200に配列することができる。
【0077】
なお、単電池203の配列方向、すなわち第1方向は、単電池203の数が増加する方向である。
【0078】
本願において、電池モジュール200は、第1方向に沿ってケース100の一側からケース100の他側に延在し、すなわち、複数の電池モジュール200がケース100内に配列される場合、第1方向に、1つの電池モジュール200のみが配置され、2つ以上の電池モジュール200を収容することはない。第1方向に沿って単一の電池モジュール200のみが設置されるため、複数の単電池203のコンパクトな積み重ねを実現しやすい。
【0079】
本願において、電池配列201において、複数の単電池203の第1側面206が同一の平面にあることにより、構造補強部材202は、同時に全ての単電池203の第1側面206に確実に固定して貼り付けることができ、電池モジュール200の安定性及び強度もより高い。
【0080】
本願において、構造補強部材202の形状は、特に限定されず、自体が一定の構造強度を有し、複数の単電池203を一体に接続する場合、電池モジュール200の構造強度を向上させることができればよく、変形しにくい。
【0081】
いくつかの実施形態において、構造補強部材202の電池配列201に貼り合わせられる面は、第1表面と表記され、電池配列201の構造補強部材202に貼り合わせられる面は、第2表面と表記され、第1表面と第2表面とは、マッチングして設置される。
【0082】
なお、本願において、マッチング設置について、構造補強部材202が補強及び固定の作用を果たすことができるように、構造補強部材202の第1表面と電池配列201の第2表面とを貼り合わせて設置することができればよく、構造補強部材202の形状及び面積は、特に限定されず、いくつかの具体的な実施形態において、構造補強部材202の第1表面と電池配列201の第2表面とは、形状が同じであり、かつ対応して設置される。第1表面と第2表面の形状が同じであるため、構造補強部材202が電池配列201により密着しやすい。
【0083】
当然のことながら、第1表面と第2表面の形状が異なってもよい。例えば、電池配列201における単電池203がいずれも直方体構造の角形電池であり(電池配列201も直方体状である)、構造補強部材202が長方形の板体である場合、電池パック300の強度が要件を満たすか又はケース100内の電池モジュール200の組立空間に対して特定の要件があり、かつ構造補強部材202により電池配列201における全ての単電池203を一体に接続し、電池モジュール200の強度を保証することができるとき、構造補強部材202の面積を電池配列201の第2表面の面積より小さくすることができ、例えば、長方形の構造補強部材202の長さが電池配列201の長さより小さく、構造補強部材202の幅が電池配列201の幅より小さい。この場合、電池モジュール200の長さが電池配列201の長さであり、電池モジュール200の幅が電池配列201の幅であり、電池モジュール200の厚さが電池配列201の厚さである。
【0084】
当然のことながら、いくつかの実施形態において、構造補強部材202の面積は、電池配列201の第2表面の面積より大きくてもよく、例えば、長方形の構造補強部材202の長さが電池配列201の長さより大きく、構造補強部材202の幅が電池配列201の幅より大きい。
【0085】
本願のいくつかの実施形態において、構造補強部材202は、長方形の板体である。
【0086】
本願のいくつかの実施形態において、構造補強部材202は、「L」字状の板体であり、「L」字状の板体の「|」(縦棒)部分は、電池配列201における単電池203の第1側面206に貼り合わせられ、かつ固定接続される。
【0087】
本願のいくつかの実施形態において、図9に示すように、「L」字状の板体の「|」(縦棒)部分の電池配列201における単電池203の第1側面206に貼り合わせられる側面は、第1板面208と表記され、電池配列201の第1板面208に貼り合わせられる側面は、第3表面と表記され、第1板面208と第3表面とは、形状が同じであり、かつ対応して設置される。
【0088】
本願のいくつかの実施形態において、「L」字状の板体の「-」(横棒)部分は、電池配列201における単電池の底面204に貼り合わせられ、かつ固定接続される。
【0089】
「L」字状の板体の「-」(横棒)部分の電池配列201における単電池の底面204に貼り合わせられる面は、第2板面210と表記され、電池配列201の第2板面210に貼り合わせられる面は、第4表面と表記され、第2板面210と第4表面とは、形状が同じであり、面積が等しく、かつ対応して設置される。
【0090】
このようにして、ケース100の構造を大幅に簡略化し、電池パック300の空間利用率及び電池パック300のエネルギー密度を向上させるだけでなく、構造補強部材202により電池配列における全ての単電池203を一体に接続することができ、電池モジュール200の強度を向上させ、電池パック300内の補強リブが占める空間を減少させ、さらに電池パック300の重量を低減することができる。
【0091】
本願のいくつかの実施形態において、構造補強部材202は、「[」字状(又は「コ」字状)の板体であり、電池配列201は、「[」字状(又は「コ」字状)の板体内に設置され、「[」字状(又は「コ」字状)の板体の「|」(縦棒)部分は、電池配列201における単電池203の第1側面206に貼り合わせられ、かつ固定接続される。
【0092】
本願のいくつかの実施形態において、「[」字状(又は「コ」字状)の板体の「|」(縦棒)部分の電池配列201における単電池203の第1側面206に貼り合わせられる側面は、第3板面209と表記され、電池配列201の第3板面209に貼り合わせられる側面は、第7表面と表記され、第3板面209と第7表面とは、形状が同じであり、面積が等しく、かつ対応して設置される。
【0093】
本願のいくつかの実施形態において、「[」字状(又は「コ」字状)の板体の2つの「-」(横棒)部分は、それぞれ電池配列201における単電池の頂面205と単電池の底面204に貼り合わせられる。
【0094】
本願のいくつかの実施形態において、上記「[」字状(又は「コ」字状)の板体の2つの「-」(横棒)部分の単一部分の面積≦上記電池配列の底面又は頂面の面積である。
【0095】
本願のいくつかの実施形態において、「[」字状(又は「コ」字状)の板体の電池配列201における単電池の底面204に貼り合わせられる面は、第4板面211と表記され、電池配列201の第4板面211に貼り合わせられる面は、第5表面と表記され、第4板面211と第5表面とは、形状が同じであり、面積が等しく、かつ対応して設置される。
【0096】
本願のいくつかの実施形態において、「[」字状(又は「コ」字状)の板体の電池配列201における単電池203の頂面に貼り合わせられる面は、第5板面212と表記され、電池配列211の第5板面212に貼り合わせられる面は、第6表面と表記され、第5板面212は、長方形であり、かつ該長方形の面積が第6表面の面積より小さい。このようにして、ケース100の構造を大幅に簡略化し、電池パック300の空間利用率及び電池パック300のエネルギー密度を向上させるだけでなく、構造補強部材202により電池配列における全ての単電池203を一体に接続することができ、電池モジュール200の強度を向上させ、電池パック300内の補強リブが占める空間を減少させ、さらに電池パック300の重量を低減することができる。
【0097】
本願のいくつかの実施形態において、図6に示すように、電池配列201における各単電池203の第1側面206と構造補強部材202との間にいずれも構造用接着剤213が設置され、すなわち、単電池203と構造補強部材202とは、構造用接着剤213により接着される。
【0098】
好ましくは、構造用接着剤213は、熱伝導性を有する構造用接着剤213である。熱伝導性を有する構造用接着剤213は、構造補強部材202と単電池203の第1側面206との高い接着効果を保証するだけでなく、単電池203の動作中に発生した熱を伝導することができる。好ましくは、熱伝導性を有する構造用接着剤213の厚さは、0.5~20mmである。
【0099】
本願のいくつかの実施形態において、構造補強部材202は、金属板である。例えば、該金属板は、鋼板又はアルミニウム板であってもよく、金属板の構造強度が高く、かつ放熱性能も高い。本願のいくつかの実施形態において、金属板の厚さは、0.8~3.5mmである。好ましくは、金属板の厚さは、1~2.5mmである。構造補強部材202が薄すぎると、電池モジュール200の構造強度に影響を与え、構造補強部材202が厚すぎると、電池パック300の重量及び空間を占め、電池パック300の設計に不利である。
【0100】
発明のいくつかの実施形態において、上記電池パック300は、互いに垂直なX方向、Y方向及びZ方向を有し、上記ケース内の底面101とケース内の頂面は、Z方向において対向し、上記電池パック300は、X方向に沿って配列される複数の電池モジュール200を含み、上記第1方向は、Y方向と平行であり、上記第2方向は、X方向と平行である。
【0101】
本願において、X方向、Y方向及びZ方向は、方位を示すものに過ぎず、ケース100の具体的な形状を限定するものではない。
【0102】
本願のいくつかの実施形態において、上記単電池は、略直方体であり、長さL、高さH及び厚さDを有し、LがDより大きく、かつLがHより大きく、上記単電池203は、長さ方向がY方向に沿って延在し、高さ方向がZ方向に沿って延在し、厚さ方向がX方向に沿って延在し、上記構造補強部材は、長方形の板体であり、かつ第2方向に沿う寸法が厚さT1であり、上記長方形の板体は、長さ方向がY方向に沿って延在し、厚さ方向がX方向に沿って延在する。
【0103】
該実施形態において、単電池203が直方体であり、構造補強部材202が長方形の板体である場合、電池モジュール200の長さは、上述した電池モジュール200の第1方向に沿う寸法であり、長方形の板体の厚さは、上述した構造補強部材202の第2方向に沿う寸法T1である。
【0104】
該実施形態において、単電池203が略直方体構造であることは、単電池203が直方体状又は立方体状であってもよく、局所に異形があるが、ほぼ直方体状又は立方体状であってもよく、一部に切り欠き、突起、面取り、弧度、及び曲げ部位があるが、全体的にほぼ直方体状又は立方体状であってもよいと理解され得る。
【0105】
該実施形態において、構造補強部材202が略長方形の板体であることは、構造補強部材202が直方体状又は立方体状であってもよく、局所に異形があるが、ほぼ直方体状又は立方体状であってもよく、一部に切り欠き、突起、面取り、弧度、及び曲げ部位があるが、全体的にほぼ直方体状又は立方体状であってもよいと理解され得る。
【0106】
該実施形態において、構造補強部材202と単電池203とをより安定して貼り付け、耐用年数をより長くするために、構造補強部材の厚さT1と上記単電池の厚さDは、T1/D>0.012、より好ましくは、0.4≦T1/D≦0.9という関係式を満たし、本願の発明者は、大量の実験により、構造補強部材の厚さT1と上記単電池の厚さDが上記関係式を満たす場合、電池パックが国家標準GB/T 31467.3-2015の振動及び押出性能に関する要件を満たすことができることを発見した。
【0107】
いくつかの具体的な実施形態において、上記単電池の厚さは、10~90mmである。それにより、構造補強部材と単電池との接着強度がより高い。
【0108】
該実施形態において、単電池203は、それぞれ2つの平行な底面と頂面、2つの平行な第1側面206、2つの平行な第2側面207の6つの表面を含み、2つの平行な第1側面206は、単電池203の厚さ方向において反対側に位置されている。
【0109】
該実施形態において、単電池203の第1側面206は、その長さ方向及び幅方向に沿って形成された面であり(第1側面206は2つの反対側に位置する面を含む)、単電池203の第2側面207は、その長さ方向及び厚さ方向に沿って形成された面であり(第2側面207も2つの反対側に位置する面を含む)、単電池の底面204、頂面は、いずれもその幅方向及び厚さ方向に沿って形成された面である。
【0110】
電池配列201における単電池203をいずれも直方体構造の角形電池とすることにより、構造補強部材202が電池配列201における各単電池203の第1側面206に容易に貼り合わせられ、かつ固定接続され、構造補強部材202により電池配列201における全ての単電池203を直方体状の全体として接続することにより、組立プロセスが簡略化される。また、直方体状の電池モジュール200は、ケース100内に補強ビームの作用をよりよく果たし、ケース100内の補強リブの使用を減少させることができ、このようにして、電池パック300の全体的な重量を軽減することに役立つだけでなく、ケース100の構造を大幅に簡略化することができ、それにより電池パック300の空間利用率及び電池パック300のエネルギー密度を向上させることに役立つ。
【0111】
なお、電池配列201に含まれる複数の単電池203の形状は、同じであっても異なってもよく、例えば、電池配列201における単電池203は、いずれも直方体構造の角形電池であってもよいが、電池配列201における単電池203の寸法(長さL、高さH、厚さD)が互いに異なってもよく、各単電池203の寸法が実際の必要に応じて柔軟に設定し選択されてもよい。
【0112】
電池パックの全体的な強度をさらに向上させるために、本願のいくつかの実施形態において、少なくとも2つの隣接する電池モジュール200のうちの1つの電池モジュール200における単電池203ともう1つの電池モジュール200における単電池203とは、互い違いに配列される。
【0113】
従来技術において、図14及び図15に示すように、全ての単電池が配列される場合、各方向にいずれも直線に沿って整列し、このような方式の利点は、簡単な配列及びプロセスであるが、もたらした問題は、2つの単電池の間の隙間が電池パック全体の構造の弱点であり、一旦電池パックが押圧、衝突などの極端な状況に曝されると、これらの隙間のために電池パックが無効になりやすいことである。これにより、現在の電気自動車の設計思想を形成し、電池が電池パック内に配置され、内部の電池を保護し、衝突を防止するためにトレイを必要とする。また、車両全体に対しても対応する構造補強が行われ、車両全体のレベルから電池パックを保護する。これは、電気自動車の設計及び製造の難易度を実質的に向上させ、また、構造上の保護作用のために車両全体の構造も補強されるため、電気自動車の軽量化設計をうまく実現することができない。
【0114】
本願において、図12及び図13に示すように、2つの隣接する電池モジュール200における単電池203は、一方向において互い違いに配置される。
【0115】
なお、互い違いに設置することにより、単電池203と単電池203との間の接触面である第2側面207が同一直線に位置せず、それによりそのうちの1つの電池モジュール200において、単電池203と単電池203との間の弱点をもう1つの電池モジュール200により補うことができ、電池パックが外力を受けると、これらの弱点のために無効になることが発生しにくい。
【0116】
該実施形態において、互い違いに設置することは、隣接する2つの電池モジュール200における全ての単電池203がいずれも互い違いに設置されてもよく、隣接する2つの電池モジュール200における一部の単電池203が互い違いに設置されてもよく、全ての2つの隣接する電池モジュール200における単電池203が互い違いに設置されてもよく、間隔を隔てて設置された電池モジュール200における単電池203が互い違いに設置されてもよいと理解され得る。
【0117】
具体的には、電池パックに6つの電池モジュールが設置され、以下の状況(一)~(三)がある。
【0118】
(一)、第1電池モジュールと第2電池モジュールにおける単電池203が互い違いに設置され、第2電池モジュールと第3電池モジュールにおける単電池203が互い違いに設置され、第3電池モジュールと第4電池モジュールにおける単電池203が互い違いに設置され、第4電池モジュールと第5電池モジュールにおける単電池203が互い違いに設置され、かつ第5電池モジュールと第6電池モジュールにおける単電池203が互い違いに設置される。
【0119】
(二)、第1電池モジュールと第2電池モジュールにおける単電池203が整列して設置され、第2電池モジュールと第3電池モジュールにおける単電池203が互い違いに設置され、第3電池モジュールと第4電池モジュールにおける単電池203が整列して設置され、第4電池モジュールと第5電池モジュールにおける単電池203が互い違いに設置され、かつ第5電池モジュールと第6電池モジュールにおける単電池203が整列して設置される。
【0120】
(三)、第1電池モジュールと第2電池モジュールにおける単電池203が互い違いに設置され、第2電池モジュールと第3電池モジュールにおける単電池203が整列して設置され、第3電池モジュールと第4電池モジュールにおける単電池203が互い違いに設置され、第4電池モジュールと第5電池モジュールにおける単電池203が整列して設置され、かつ第5電池モジュールと第6電池モジュールにおける単電池203が互い違いに設置される。
【0121】
換言すれば、該実施形態において、一部の隣接する電池モジュールにおける単電池203が整列して設置され、他の一部の隣接する電池モジュールにおける単電池203が互い違いに設置されてもよく、全ての隣接する電池モジュールにおける単電池203が互い違いに設置されてもよい。
【0122】
互い違いに設置することを実現するために、互い違いに設置された2つの隣接する電池モジュール200における単電池203の大きさは、等しくなくてもよい。
【0123】
単電池203の一致性を保証するために、同じ大きさの単電池203を用い、互い違いに設置することを実現するために、少なくとも2つの隣接する電池モジュール200のうちの1つの電池モジュール200における単電池203の数は、もう1つの電池モジュール200における単電池203の数より大きい。
【0124】
具体的には、Aと表記される電池モジュール200における単電池203の数がn(n>1、かつnが整数である)であると、Bと表記されるもう1つの電池モジュール200における単電池203の数が最大n-1である。図12に示すように、電池モジュールAと電池モジュールBは、交互に配列されて、ABAB...の構造を形成してもよく、AABBAA...を形成してもよい。最後に図13に示すように、電池モジュール200の配列が終了した後に、外部にケース100を設置して、電池パック300を形成する。この設計を用いると、好ましくは、単電池203同士の間、単電池203とケース100との間に構造用接着剤を用いて接着し、電池パック300の内部が一体にしっかりと形成されるために、好ましくは、接着剤注入の方式で接着する。
【0125】
上記実施形態において、2つの隣接する電池モジュール200における単電池203の数が等しくない場合、単電池203の数が少ない電池モジュール200の長さは、隣接するもう1つの電池モジュール200の長さより小さく、電池パック300の全体的な強度を保証するために、図11に示すように、該電池モジュール200に補強ブロック218が設置され、上記補強ブロック218が該電池モジュール200における単電池203の第2側面207に接着されて上記電池配列201を形成することにより、上記隣接する2つの電池モジュール200の長さが等しく、電池パックの全体的な強度が高いことを保証する。
【0126】
上記実施形態において、補強ブロック218の該電池モジュール200における具体的な位置は、特に限定されず、電池モジュール200の一端に位置してもよく、電池モジュール200における2つの隣接する単電池203の間に位置してもよく、補強ブロック218の数は、限定されず、1つ以上であってもよい。複数の補強ブロック218は、単電池203の間に間隔を隔てて設置されてもよく、隣接して設置されてもよい。
【0127】
上記実施形態において、例えば、ABAB...の構造について、2つの構造補強部材202の間の電池配列201と構造補強部材201は、堅固な「工」字状の構造を形成し、隣接する3つの電池モジュール200は、別の「工」字状の構造を形成し、密に配列された「工」字状の構造により電池パック300の全体的な強度を向上させ、この構造を用いると、構造補強部材201の厚さを大幅に低減することができ、電池パック300全体の構造強度を支持し、疑似ハニカム状の構造を形成することができる。また、電池パック300の内部は中実体ではないため、少量の空隙も衝撃などの極端な状況による衝撃力を吸収することができる。この構造の電池パック300は、自動車の底部に設置され、車両全体の構造強度をよく支持し、車両全体の強度設計を容易にすることができ、それにより車両全体の設計コスト及び難易度を低下させ、周期を短くする。
【0128】
本願のいくつかの実施形態において、電池配列201のうちの隣接する2つの電池配列201の間に、電池冷却風路を形成する隙間が存在する。当然のことながら、該隙間は、単電池203の動作中に発生した膨張を許す。本願のいくつかの実施形態において、単電池203に対して冷却及び放熱を行うために、該隙間に冷却板を設置してもよい。
【0129】
本願のいくつかの実施形態において、電池モジュール200は、Y方向に沿って反対側に位置して設置された第1端部214及び第2端部215を含み、ケース100は、Y方向に沿って対向して設置された第1フレーム103及び第2フレーム104を含み、電池モジュール200は、第1フレーム103と第2フレーム104との間に設置され、電池モジュール200の第1端部214が第1フレーム103に支持され、電池モジュール200の第2端部215が第2フレーム104に支持される。換言すれば、電池モジュール200は、第1フレーム103と第2フレーム104との間に延在する。
【0130】
本実施形態において、電池モジュール200の第1端部214と第2端部215は、それぞれ第1フレーム103と第2フレーム104に支持され、電池モジュール200は、第1フレーム103及び第2フレーム104により直接的に支持されてもよく、すなわち、それぞれ第1フレーム103及び第2フレーム104に配置されてもよく、さらに第1フレーム103及び第2フレーム104に固定されてもよく、具体的な固定方式について以下に詳細に説明され、特定の支持及び固定方式について、本願は限定しない。
【0131】
本願の技術的思想では、一実施形態において、Y方向に沿って、第1フレーム103と第2フレーム104との間の距離は、電池モジュール200の寸法とマッチングし、ここで、マッチングは、2つのフレーム又は以下に説明される2つの側壁の間の間隔に1つの電池モジュール200を嵌合させて取り付けることができることであり、本願の目的を達成するために、このような嵌合は、隙間嵌め、締り嵌め、締結嵌合、固定嵌合などの様々な嵌合方式であってもよい。
【0132】
本願のいくつかの実施形態において、電池モジュール200の第1端部214は、第1フレーム103に直接的又は間接的に支持されてもよく、電池モジュール200の第2端部215は、第2フレーム104に直接的又は間接的に支持されてもよい。直接とは、電池モジュール200の第1端部214と第1フレーム103とが直接的に接触し嵌合支持され、電池モジュール200の第2端部215と第2フレーム104とが直接的に接触し嵌合することを意味し、間接とは、例えば、いくつかの実施形態において、電池モジュール200の第1端部214が第1端板214により第1フレーム103に嵌合支持され、電池モジュール200の第2端部215が第2フレーム104に嵌合支持されることを意味する。
【0133】
また、従来技術に比べて、本願に係る電池モジュール200は、第1フレーム103と第2フレーム104との間に延在し、電池モジュール200の両端は、それぞれ第1フレーム103と第2フレーム104に支持され、電池モジュール200自体は、ケース100の構造強度を補強するためのクロスメンバ又はサイドメンバとして使用することができ、すなわち、ケース100内にその構造強度を補強するための補強構造を設置する必要がなく、電池モジュール200自体は、補強構造の代わりにケース100の構造強度を保証し、ケース100が外力の作用下で変形しにくいことを確保することができる。そして、体積が一定である場合、従来技術における単電池203の寸法が小さく、長さが短いため、単電池203の反対側に位置する両端がケース100内に対向して設置された2つのフレームに嵌合することができず、単電池203自体が支持の作用を果たすことができない。
【0134】
本願のいくつかの実施形態において、第1フレーム103に第1支持段差107が設置され、第2フレーム104に第2支持段差(図示せず)が設置され、電池モジュール200は、第1端部214が第1支持段差107に支持され、第2端部215が第2支持段差108に支持される。
【0135】
電池モジュール200は複数あり、複数の電池モジュール200は、X方向に沿って並設される。複数の電池モジュール200は、ケース100内に直接的に配置し配列され、このような構造設計により、単電池203を取り付け固定するための構造部材を省略し、電池パック300の全体的な重量を軽減することに役立つだけでなく、組立プロセスを簡略化することができ、生産コストを低減することに役立つ。
【0136】
なお、電池モジュール200が複数ある場合、各電池モジュール200の形状及び寸法、及び各電池モジュール200における単電池203の形状及び数は、同じであっても異なってもよい。例えば、複数の電池配列201における単電池203がいずれも直方体構造の角形電池である場合、複数の電池モジュール200における単電池203の数、単電池203の寸法(長さl、幅h、厚さd)が互いに異なってもよく、各単電池203の寸法が実際の必要に応じて柔軟に設定し選択されてもよい。
【0137】
本願のいくつかの実施形態において、図3に示すように、ケース100は、X方向に沿って対向して設置された第3フレーム111及び第4フレーム112を含み、複数の電池モジュール200は、X方向に沿って第3フレーム111と第4フレーム112との間に並列に配列される。一実施形態において、ケース100を矩形又は正方形に形成するために、第1フレーム103及び第2フレーム104は、第3フレーム111及び第4フレーム112に垂直に接続される。他の実施形態において、ケース100を台形、平行四辺形などに形成するために、第1フレーム103と第2フレーム104は、互いに平行であってもよく、第3フレーム111及び第4フレーム112は、第1フレーム103及び第2フレーム104と角度をなして設置されてもよい。本願は、第1フレーム103、第2フレーム104、第3フレーム111、第4フレーム112で構成されたケース100の具体的な形状を限定しない。
【0138】
本願のいくつかの実施形態において、第3フレーム111は、第3フレーム111に隣接して設置された電池モジュール200に対して第4フレーム112に向かう作用力を印加し、第4フレーム112は、第4フレーム112に隣接して設置された電池モジュール200に対して第3フレーム111に向かう作用力を印加することにより、複数の電池モジュール200は、X方向に沿って第3フレーム111と第4フレーム112との間に密に配列されて、互いに貼り合わせることができる。また、第3フレーム111及び第4フレーム112は、X方向において複数の電池モジュール200を位置規制することができ、特に電池モジュール200がわずかに膨張する場合、電池モジュール200に対して緩衝し内向きの圧力を提供するという作用を果たし、電池モジュール200の膨張量及び変形量が大きすぎることを防止することができる。
【0139】
特に電池モジュール200に防爆弁及び電流遮断装置(CID)が設置された場合、第3フレーム111及び第4フレーム112により電池モジュール200の膨張を効果的に制限することができ、電池モジュール200が故障して膨張すると、内部に防爆弁又は電流遮断装置(CID)内の反転シートを突き破るのに十分な気圧があるため、電池モジュール200を短絡させ、電池モジュール200の安全を保証し、電池モジュール200の爆発を防止する。
【0140】
電池パック300の全体的な強度をさらに向上させるために、本願のいくつかの実施形態において、少なくとも2つの隣接する電池モジュール200の間に補強板が設置される。補強板が設置されることにより、電池配列201が三次元方向に受ける衝撃力をよりよく吸収し、電池配列201の全体的な機械的強度を向上させることができる。
【0141】
本願において、補強板は、アルミニウム板又は鋼板であってもよく、補強板の数が限定されず、1つ以上であってもよく、補強板の数が複数である場合、2つずつの隣接する電池モジュール200の間に補強板が設置されてもよく、一部のみの隣接する電池モジュール200の間に補強板が設置されてもよい。
【0142】
単電池203を電池パック300全体に容易にコンパクトに積み重ねるために、本願のいくつかの実施形態において、補強板の形状は、単電池203の外形とほぼ類似することができる。補強板は、両側に位置する電池モジュール200に固定して貼り付けられることにより、電池パック300の全体構造を向上させる。
【0143】
電池パック300の全体的な強度を向上させるために、本願の別の実施形態において、少なくとも1つの電池モジュール200の構造補強部材202の厚さを直接的に厚くすることができ、いくつかの具体的な実施形態において、少なくとも1つの電池モジュールの構造補強部材の厚さは、10~35mmである。
【0144】
他の構造補強部材の厚さが0.5~3.5mmであることに比べて、厚くすることにより、複数の単電池203を構造補強部材202により接続して得られた全体は、電池パック300を補強するという作用を果たすことができる一方、構造補強部材202自体も電池パック300の構造を補強するという作用を果たすことができる。二重補強作用により、電池パック300の全体的な機械的強度がより高い。
【0145】
本願において、ケース100は、共に収容空間を画定するトレイ及び上部カバーを含み、上記電池モジュール200は、上記収容空間内に位置する。
【0146】
本願において、複数の単電池の底面204は、トレイの内表面に固定して貼り付けられ、かつ複数の単電池の頂面205は、上部カバーの内表面に固定して貼り付けられる。複数の単電池203の頂面及び底面をそれぞれケース100の内表面に貼り付けることにより、電池パック300を一体型構造に設計することができ、いわゆる一体型設計とは、電池パック300の剛性及び強度を大幅に向上させ、機械的安全信頼性を向上させるために、電池パック300を高い剛性を有する構造部材に設計することである。使用時に該一体型電池パック300の構造強度を車両全体の構造強度の一部とし、従来の設計思想とは逆であり、車両全体で電池パックを保護する必要がなく、電池パックにより車両の構造強度を強化することができ、該設計により、車両全体のフレームにおける電池パックの構造強度を保護するための設計構造を簡略化し、さらに除去し、車両全体の軽量化の設計要件を実現し、車両全体の設計及び製造コストを低減し、車両全体の生産効率を向上させることができる。
【0147】
発明において、内表面は、単電池203に隣接する側の表面を指す。
【0148】
なお、複数の単電池の頂面205は、上部カバーの内表面に直接的に固定して接着されてもよく、上部カバーの内表面に間接的に固定されてもよい。
【0149】
本願のいくつかの実施形態において、上部カバー及び/又はトレイは、多層複合構造であってもよく、電池パックが車両全体の衝撃をよりよく受け、構造強度を向上させることができる。
【0150】
例えば、いくつかの具体的な実施形態において、多層複合構造は、2層のアルミニウム板と、上記2層のアルミニウム板の間に挟まれた鋼板又は発泡アルミニウム板とを含み、すなわち、多層複合構造は、アルミニウム板/発泡アルミニウム板/アルミニウム板であるか又はアルミニウム板/鋼板/アルミニウム板である。
【0151】
別の具体的な実施形態において、多層複合構造は、2層の繊維複合層と、上記2層の繊維複合層の間に挟まれた発泡材料層とを含む。
【0152】
発泡材料層は、ポリウレタンフォーム又はフェノールフォーム材料などの発泡ポリマー材料を含み、発泡材料層を用いると、熱伝導率が低く、高い保温効果を果たすことができ、また発泡材料の密度が低く、シールカバーが鋼板又はアルミニウム合金を用いることに比べて、電池パックがより軽量化される。
【0153】
上記繊維複合層は、ガラス繊維層及び/又は炭素繊維層を含む。すなわち、多層複合層は、ガラス繊維層/発泡材料層/ガラス繊維層、炭素繊維層/発泡材料層/炭素繊維層、又は、ガラス繊維層/発泡材料層/炭素繊維層であってもよく、電池パックの上部カバー及び/又はトレイを発泡材料層と発泡材料層の内側及び外側に分布する繊維複合層に設計し、繊維層は、高い引張強度及び弾性率を有し、電池パックの内部圧力が一定の範囲内に増大しても依然として変形しないように維持するだけでなく、遮炎と断熱を効果的に行うことができ、電池パックの極端な状況での安全性能を向上させる。
【0154】
一体型電池パックの構造強度は、車両全体の構造強度の一部とすることができ、電池パックは、車両全体の構造強度を強化し、車両全体のフレームにおける電池パックの構造強度を保護するための設計構造を簡略化し、車両全体の軽量化の設計要件を満たし、車両全体の設計及び製造コストを低減し、車両全体の生産効率を向上させることができる。図4及び図10に示すように、電池モジュール200を電池パック300の内部に容易に配置するために、電池モジュール200における単電池203の電極端子216は、上記単電池203の頂面に位置する。電極端子216のうちの1つは正電極端子であり、もう1つは負電極端子であり、単電池203の電極端子216は、電池タブ217により直列接続されるか又は並列接続される。
【0155】
本願において、上記ケース100は、電池管理システムをさらに含む。
【0156】
本願の第2態様に係る電気自動車は、上記電池パック300を含む。該電気自動車は、航続能力が高く、コストが低い。
【0157】
なお、本願の説明において、別に明確な規定及び限定がない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続であってもよく、一体的な接続であってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接的な連結であってもよく、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0158】
本明細書の説明において、用語「実施形態」、「具体的な実施形態」、「例」などを参照する説明は、該実施形態又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同一の実施形態又は例に限定されるものではない。そして、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施形態又は例において適切に組み合わせることができる。
【0159】
本願の実施形態を例示して説明したが、当業者であれば理解できるように、本願の原理及び趣旨から逸脱しない場合、これらの実施形態に対して、様々な変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって限定される。
(具体的な実施例1~5)
【0160】
図2に示される方式で4つの直方体状の単電池203をY方向に沿って配列し、4つの単電池の同じ側を構造補強部材202により接続して電池モジュール200を形成し、構造補強部材202の形状は、図4に示すように長方形の板体であり、このような12個の電池モジュール200をX方向に沿って図1に示すようなケース100内に配列・配置し、各電池モジュール200の両端を第1フレーム103と第2フレーム104に支持し、次に上部カバーで密封して電池パックを形成する。各実施例における構造補強部材202及び単電池203は、以下の条件を満たし、標準番号がGB/T 31467.3-2015の「電動自動車用リチウムイオン動力蓄電池パック及びシステム 第3部分:安全性要求とテスト方法」に基づいて、テスト結果は、表1に示すとおりである。
(具体的な実施例6~14)
【0161】
図7に示される方式で4つの直方体状の単電池203をY方向に沿って配列し、4つの単電池203の2つの大きい面にいずれも構造補強部材202が接続される。構造補強部材202の形状は、図4に示すように長方形の板体であり、この4つの単電池203を1つの電池モジュール200に組み立て、このような12個の電池モジュール200をX方向に沿って図1に示すようなケース100内に配列・配置し、各電池モジュール200の両端を第1フレーム103と第2フレーム104に支持し、次に上部カバーで密封して電池パックを形成する。該実施例における構造補強部材及び単電池203は、以下の表1の条件を満たし、標準番号がGB/T 31467.3-2015の「電動自動車用リチウムイオン動力蓄電池パック及びシステム 第3部分:安全性要求とテスト方法」に基づいて、テスト結果は、表1に示すとおりである。
【0162】
表1 異なる仕様の電池モジュールを含む電池の耐振動及び耐押圧性能のテスト結果
【表1】
【0163】
以上の表のテスト結果から分かるように、本願に係る電池パックは、強度が高く、耐振動及び耐押圧性能に対する要件を満たすことができる。
【符号の説明】
【0164】
100、ケース;101、ケースの底面;103、第1フレーム;104、第2フレーム;107、第1支持段差;111、第3フレーム;112、第4フレーム;200、電池モジュール;201、電池配列;202、構造補強部材;203、単電池;204、単電池の底面;205、単電池の頂面;206、第1側面;207、第2側面;208、第1板面;209、第3板面;210、第2板面;211、第4板面;212、第5板面;213、構造用接着剤;214、第1端部;215、第2端部;216、電極端子;217、電池タブ;218、補強ブロック;300、電池パック;L、単電池の長さ;D、単電池の厚さ;H、単電池の高さ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2022-07-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面及び頂面を有するケースと、
前記ケース内に位置する電池モジュールと、を含み、
前記電池モジュールは、複数の単電池を含む電池配列と、構造補強部材とを含み、前記電池配列における少なくとも一部の前記単電池は、前記構造補強部材により接続され、前記単電池の外表面は、前記ケース内の底面に面する底面と、前記ケース内の頂面に面する頂面と、側面とを含み、前記側面は、第1側面及び2つの反対側に位置する第2側面を含み、前記第1側面は、前記単電池の全ての外表面のうち、面積が最大の表面であり、電池モジュール内に前記単電池が順に配列され、隣接する2つの前記単電池の第2側面が対向して設置され、前記単電池の配列方向は、第1方向であり、
記電池モジュールは、前記ケースの底面に当接して前記ケース内に支持される、ことを特徴とする電池パック。
【請求項2】
前記構造補強部材は、前記構造補強部材に接続された単電池の第1側面に固定して貼り付けられ、前記構造補強部材の第2方向に沿う寸法は、T1であり、T1=0.5~5mmであり、前記第1方向は、前記第2方向と垂直である、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記電池配列において、前記構造補強部材に接続された単電池の数は、電池配列に含まれる単電池の数の半分以上である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記構造補強部材は、前記電池配列における各単電池の第1側面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項5】
前記側面は、2つの反対側に位置する第1側面を含み、前記構造補強部材は、2つあり、それぞれ電池配列の両側に位置し、1つの構造補強部材は、電池配列における各単電池の一側の第1側面に固定して貼り付けられ、もう1つの構造補強部材は、電池配列における各単電池の他側の第1側面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項6】
前記構造補強部材は、前記電池配列における第1方向に沿う両端の単電池の第1側面の一部の表面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項7】
前記単電池の第1方向に沿う寸法は、最大である、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項8】
前記電池モジュールは、第1方向に沿ってケースの一側から他側に延在する、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項9】
前記構造補強部材は、長方形の板体である、ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項10】
前記電池配列において前記構造補強部材に接続された各単電池の第1側面と、前記構造補強部材との間に、構造用接着剤が設置される、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項11】
前記構造補強部材は、金属板を含む、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項12】
前記電池パックは、互いに垂直なX方向、Y方向及びZ方向を有し、前記ケース内の底面とケース内の頂面は、Z方向において対向し、前記電池パックは、X方向に沿って配列される複数の電池モジュールを含み、前記第1方向は、Y方向と平行であり、第2方向は、X方向と平行である、ことを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項13】
前記単電池は、略直方体であり、長さL、高さH、及び、厚さDを有し、LがDより大きく、かつLがHより大きく、前記単電池は、長さ方向がY方向に沿って延在し、高さ方向がZ方向に沿って延在し、厚さ方向がX方向に沿って延在し、前記構造補強部材は、長方形の板体であり、かつ厚さT1を有し、前記長方形の板体は、長さ方向がY方向に沿って延在し、厚さ方向がX方向に沿って延在する、ことを特徴とする請求項12に記載の電池パック。
【請求項14】
前記単電池の厚さは、10~90mmである、ことを特徴とする請求項13に記載の電池パック。
【請求項15】
前記単電池は、それぞれ互いに平行な底面と頂面、2つの平行な第1側面、2つの平行な第2側面の6つの表面を含み、2つの平行な第1側面は、単電池の厚さ方向において反対側に位置する、ことを特徴とする請求項13又は14に記載の電池パック。
【請求項16】
少なくとも2つの隣接する電池モジュールのうちの1つの電池モジュールにおける単電池ともう1つの電池モジュールにおける単電池とは、互い違いに配列される、ことを特徴とする請求項1215のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項17】
前記もう1つの電池モジュールに、該電池モジュールにおける単電池の第2側面に接着されて前記電池配列を形成する補強ブロックが設置される、ことを特徴とする請求項16に記載の電池パック。
【請求項18】
隣接する2つの前記電池配列の間に、電池冷却風路を形成する隙間が存在する、ことを特徴とする請求項1217のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項19】
隣接する2つの前記電池配列の間に、冷却板が設置される隙間が存在する、ことを特徴とする請求項1218のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項20】
前記電池モジュールは、前記Y方向に沿って互いに反対側に設置された第1端部及び第2端部を含み、前記ケースは、前記Y方向に沿って対向して設置された第1フレーム及び第2フレームを含み、前記電池モジュールは、前記第1フレームと第2フレームとの間に設置され、前記電池モジュールは、第1端部が前記第1フレームに支持され、第2端部が前記第2フレームに支持される、ことを特徴とする請求項1219のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項21】
前記第1フレームに第1支持段差が設置され、前記第2フレームに第2支持段差が設置され、前記電池モジュールは、第1端部が前記第1支持段差に支持され、第2端部が前記第2支持段差に支持される、ことを特徴とする請求項20に記載の電池パック。
【請求項22】
前記ケースは、前記X方向に沿って対向して設置された第3フレーム及び第4フレームを含み、複数の前記電池モジュールは、前記X方向に沿って前記第3フレームと第4フレームとの間に並列に配列される、ことを特徴とする請求項1221のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項23】
前記ケース内に前記Y方向に沿って1つの前記電池モジュールが設置される、ことを特徴とする請求項1222のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項24】
少なくとも2つの隣接する前記電池モジュールの間に補強板が設置される、ことを特徴とする請求項1223のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項25】
前記補強板は、前記補強板の両側に位置する電池モジュールに固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項24に記載の電池パック。
【請求項26】
少なくとも1つの電池モジュールの構造補強部材の厚さは、10~35mmである、ことを特徴とする請求項1325のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項27】
前記ケースは、共に収容空間を画定するトレイ及び上部カバーを含み、前記電池モジュールは、前記収容空間内に位置し、電池モジュールにおける単電池は、底面が前記トレイの内表面に固定して貼り付けられ、頂面が前記上部カバーの内表面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1~26のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項28】
前記トレイ及び/又は前記上部カバーは、2層のアルミニウム板と、前記2層のアルミニウム板の間に挟まれた鋼板又は発泡アルミニウム板とを含む多層複合構造である、ことを特徴とする請求項27に記載の電池パック。
【請求項29】
前記トレイ及び/又は前記上部カバーは、2層の繊維複合層と、前記2層の繊維複合層の間に挟まれた発泡材料層とを含む多層複合構造である、ことを特徴とする請求項28に記載の電池パック。
【請求項30】
前記繊維複合層は、ガラス繊維層及び/又は炭素繊維層を含む、ことを特徴とする請求項29に記載の電池パック。
【請求項31】
前記電池モジュールにおける単電池の電極端子は、前記単電池の頂面に位置する、ことを特徴とする請求項1~30のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項32】
請求項1~31のいずれか1項に記載の電池パックを含む、ことを特徴とする電気自動車。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0109
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0109】
該実施形態において、単電池203の第1側面206は、その長さ方向及び幅方向に沿って形成された面であり(第1側面206は2つの反対側に位置する面を含む)、単電池203の第2側面207は、その方向及び厚さ方向に沿って形成された面であり(第2側面207も2つの反対側に位置する面を含む)、単電池の底面204、頂面は、いずれもその長さ方向及び厚さ方向に沿って形成された面である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0127
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0127】
上記実施形態において、例えば、ABAB...の構造について、2つの構造補強部材202の間の電池配列201と構造補強部材202は、堅固な「工」字状の構造を形成し、隣接する3つの電池モジュール200は、別の「工」字状の構造を形成し、密に配列された「工」字状の構造により電池パック300の全体的な強度を向上させ、この構造を用いると、構造補強部材202の厚さを大幅に低減することができ、電池パック300全体の構造強度を支持し、疑似ハニカム状の構造を形成することができる。また、電池パック300の内部は中実体ではないため、少量の空隙も衝撃などの極端な状況による衝撃力を吸収することができる。この構造の電池パック300は、自動車の底部に設置され、車両全体の構造強度をよく支持し、車両全体の強度設計を容易にすることができ、それにより車両全体の設計コスト及び難易度を低下させ、周期を短くする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0132
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0132】
本願のいくつかの実施形態において、電池モジュール200の第1端部214は、第1フレーム103に直接的又は間接的に支持されてもよく、電池モジュール200の第2端部215は、第2フレーム104に直接的又は間接的に支持されてもよい。直接とは、電池モジュール200の第1端部214と第1フレーム103とが直接的に接触し嵌合支持され、電池モジュール200の第2端部215と第2フレーム104とが直接的に接触し嵌合することを意味し、間接とは、例えば、いくつかの実施形態において、電池モジュール200の第1端部214が第1端板により第1フレーム103に嵌合支持され、電池モジュール200の第2端部215が第2フレーム104に嵌合支持されることを意味する。
【国際調査報告】