(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-30
(54)【発明の名称】不活性雰囲気下で容器への粉体の移送を可能にする付加製造粉体供給用モジュール
(51)【国際特許分類】
B22F 12/52 20210101AFI20230123BHJP
B22F 10/20 20210101ALI20230123BHJP
B22F 12/84 20210101ALI20230123BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20230123BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20230123BHJP
B28B 1/30 20060101ALI20230123BHJP
【FI】
B22F12/52
B22F10/20
B22F12/84
B33Y10/00
B33Y30/00
B28B1/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528997
(86)(22)【出願日】2020-11-17
(85)【翻訳文提出日】2022-07-14
(86)【国際出願番号】 FR2020052103
(87)【国際公開番号】W WO2021099732
(87)【国際公開日】2021-05-27
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517160927
【氏名又は名称】アッドアップ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】エル ウアッツァーニ タイビ アリ
(72)【発明者】
【氏名】アンジェル ルドヴィク
【テーマコード(参考)】
4G052
4K018
【Fターム(参考)】
4G052DA02
4G052DB12
4G052DC06
4K018CA44
4K018EA51
(57)【要約】
付加製造粉体を供給するための提供モジュール(2)であって、
付加製造粉体を貯蔵するための主ホッパー(29)であって、前記主ホッパー(29)内に位置する前記粉体から物体を付加製造するように構成された製造モジュール(4)に接続されるように設計されている、主ホッパー(29)と、
前記製造モジュール(4)に接続され且つ前記製造モジュール(4)内に位置する前記粉体を受けるように設計されている、前記提供モジュール(2)の入口(211)と、
容器(28)を受け入れるように設計され、シール方式で閉じることができるグローブボックス(25)と、
前記グローブボックス(25)内に位置する前記粉体を前記主ホッパー(29)に移送するように構成された供給回路と、
を備える、提供モジュール(2)において、
前記供給回路とは異なり、前記容器(28)が前記グローブボックス(25)内に受けられたときに、前記提供モジュール(2)の前記入口(211)から前記容器(28)に前記付加製造粉体を移送するように構成されている抽出回路を更に備え、
前記グローブボックス(25)は、前記グローブボックス(25)が閉じられている間、前記容器(28)が粉体で満たされると前記容器(28)を閉じるようにするグローブ(251)を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造粉体を供給するための提供モジュール(2)であって、
付加製造粉体を貯蔵するための主ホッパー(29)であって、前記主ホッパー(29)内に位置する前記粉体から物体を付加製造するように構成された製造モジュール(4)に接続されるように設計されている主ホッパー(29)と、
前記製造モジュール(4)に接続され且つ前記製造モジュール(4)内に位置する粉体を受けるように設計されている、前記提供モジュール(2)の入口(211)と、
容器(28)を受け入れるように設計され、シール方式で閉じることができるグローブボックス(25)と、
前記グローブボックス(25)内に位置する粉体を前記主ホッパー(29)に移送するように構成された供給回路と、
を備えている提供モジュール(2)において、
前記供給回路とは異なる抽出回路であって、前記容器(28)が前記グローブボックス(25)内に受けられたときに、前記提供モジュール(2)の前記入口(211)から前記容器(28)に前記付加製造粉体を移送するように構成されている抽出回路を更に備え、
前記グローブボックス(25)は、前記グローブボックス(25)が閉じられている間、前記容器(28)が粉体で満たされると前記容器(28)を閉じるようにするグローブ(251)を含む、
ことを特徴とする提供モジュール(2)。
【請求項2】
前記グローブボックス(25)が、前記グローブボックス(25)と前記主ホッパー(29)との間にドア(291)を備え、前記ドアが、前記グローブボックス(25)と前記主ホッパー(29)との間で前記供給回路が開いている第1の位置と、前記供給回路が閉じて前記グローブボックス(25)が前記主ホッパー(29)からシール状態で分離されている第2の位置と、の間で移動可能である、
請求項1に記載の供給モジュール(2)。
【請求項3】
前記主ホッパー(29)に接続されたリザーバ(37)であって、前記主ホッパー(29)の下方に位置し、製造ダクト(392)によって前記製造モジュール(4)に接続されるように設計された出口(371)を含む、リザーバ(37)と、
前記リザーバ(37)内に位置する付加製造粉体を前記提供モジュール(2)の前記入口(211)に向けて再配向するように構成された戻り回路(391)と、
前記リザーバ(37)の前記出口(371)から前記提供モジュール(2)の前記入口(211)に粉体を吸引するように設計された循環誘導システムと、
を備える、
請求項1又は2に記載の提供モジュール(2)。
【請求項4】
前記抽出回路がダイバータ(27、30)を備え、
前記提供モジュール(2)は更に、前記ダイバータ(27、30)を前記リザーバ(37)に接続し、前記ダイバータ(27、30)から前記リザーバ(37)に直接粉体を移送するように設計されたバイパス回路(31)を備え、
前記バイパス回路(31)が、
前記提供モジュール(2)の入口(211)から到来する付加製造粉体が前記グローブボックス(25)に向かって選択的に再配向される抽出構成と、
前記提供モジュールの入口(211)から到来する付加製造粉体が前記バイパス回路に選択的に再配向されるループバック構成と、
で前記ダイバータ(27、30)を構成することができる、
請求項3による提供モジュール(2)。
【請求項5】
付加製造装置(1)であって、
請求項1~4の1項に記載の付加製造粉体を提供する提供モジュール(2)と、
前記主ホッパー(29)内に位置する前記粉体から物体を付加製造するように構成された製造モジュール(4)と、
を備え、
前記主ホッパー(29)が、前記製造モジュール(4)に接続され、前記提供モジュール(2)の前記入口(211)が、前記製造モジュール(4)に接続されている付加製造装置(1)。
【請求項6】
前記物体が付加製造されているときに固化されない粉体を回収するため、及び回収された前記粉体を前記提供モジュール(2)の入口(211)に向けて再配向するための回収システム(53、55)を更に備える、
請求項5に記載の付加製造装置(1)。
【請求項7】
請求項1から4の1項に記載の提供モジュール(2)、又は請求項5及び6の何れかに記載の装置を用いて付加製造粉体を移し替える方法であって、
空の容器を前記グローブボックス(25)に挿入(E3)し、次いで前記グローブボックス(25)をシール状態で閉じる(E4)ステップと、
前記容器に前記提供モジュール(2)の入口(211)から移送された付加製造粉体が充填されると、前記グローブボックス(25)を閉じた間、前記容器を閉じるように前記容器を取り扱う(E74)ステップと、
を含む、
移し替える方法。
【請求項8】
前記リザーバ(37)から前記提供モジュール(2)の入口(211)に前記粉体を搬送する(E6)ステップを含む、
請求項3または4に記載の提供モジュール(2)を用いた請求項7に記載の移し替え方法。
【請求項9】
前記回収システム(53、55)から前記提供モジュール(2)の入口(211)に粉体を搬送するステップ(P1)を含む、請求項6に記載の装置を用いた請求項8に記載の付加製造粉体の移し替え方法。
【請求項10】
事前粉体篩い分けステップ(P3)を含む、請求項7から9の1項に記載の付加製造粉体の移し替え方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付加製造装置の一般的な分野に関し、より詳細には、保護雰囲気下で付加製造装置に粉体を充填するためのモジュールの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
選択的付加製造は、粉体材料(金属粉体、セラミック粉体、その他)の連続した層状の選択された領域を固化することによって、3次元物体を生成するものである。
【0003】
従来、付加製造装置は、不活性且つ制御された雰囲気下で付加製造粉体を充填し、特に反応性粉体の場合に吸入又は爆発の可能性からオペレータを保護するようにしている。
【0004】
そのために、付加製造装置は、通常、グローブボックスを有する粉体充填モジュールを備える。粉体が包装された容器又はポットは、ハウジング内に置かれ、ハウジング内に雰囲気が生成された後、オペレータによって手動で開けられる。
【0005】
従来、付加製造装置はまた、充填モジュールに接続された粉体貯蔵及び提供モジュールを備える。粉体は、充填モジュールから貯蔵及び提供モジュールに移送され、ここで篩い分けられ、次いで、バッファホッパーに入れられて使用を保留する。
【0006】
付加製造装置はまた、貯蔵及び提供モジュールに接続された製造モジュールを備える。粉体は、バッファホッパーから製造モジュールに移送され、ここで層状に分散された後、固化され、3次元オブジェクトを製造する。
【0007】
物体が製造された後、バッファホッパーは、未使用の粉体の特定の残留量を含むことがある。
【0008】
異なる組成の粉体、又は同じ組成で別の粉体製造バッチから流入する粉体から次の製造物体を製造する必要がある場合、未使用の粉体をバッファホッパーから除去する必要がある。
【0009】
現在、付加製造装置から未使用の粉体を排出するために、自動吸引ユニットが使用されている。これらのユニットでは、未使用の粉末を、簡単に移動できるほど少い量で容器に再包装化することはできない。特に、不活性雰囲気下において、搬送可能な容器に未使用の粉体を充填することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、未使用の粉体を保護雰囲気下で少量で包装することが可能な付加製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、本発明の関連において、付加製造粉体を貯蔵するための主ホッパーであって、前記主ホッパー内に位置する前記粉体から物体を付加製造するように構成された製造モジュールに接続されるように設計されている、主ホッパーと、
前記製造モジュールに接続され且つ前記製造モジュール内に位置する前記粉体を受けるように設計されている、前記提供モジュールの入口と、
容器を受け入れるように設計され、シール方式で閉じることができるグローブボックスと、
前記グローブボックス内に位置する前記粉体を前記主ホッパーに移送するように構成された供給回路と、
を備える、提供モジュールにおいて、
前記供給回路とは異なり、前記容器が前記グローブボックス内に受けられたときに、前記提供モジュールの前記入口から前記容器に前記付加製造粉体を移送するように構成されている抽出回路を更に備え、
前記グローブボックスは、前記グローブボックスが閉じられている間、前記容器が粉体で満たされると前記容器を閉じるようにするグローブを含む、
ことを特徴とする、付加製造粉体を供給するための提供モジュールによって達成される。
【0012】
戻り回路とハウジングの存在により、ハウジング内に置かれた空の容器に粉体を移動させることができる。このようにして、未使用の粉体を移し替えることができる。このような提供モジュールは、有利には、単独で又は組み合わせて考慮される以下の様々な特徴又はステップによって補完される。
すなわち、グローブボックスは、グローブボックスと主ホッパーとの間にドアを備え、ドアが、グローブボックスと主ホッパーとの間で供給回路が開いている第1の位置と、供給回路が閉じてグローブボックスが主ホッパーからシール状態で分離されている第2の位置と、の間で移動可能であり、
主ホッパーに接続されたリザーバであって、主ホッパーの下方に位置し、製造ダクトによって製造モジュールに接続されるように設計された出口を含む、リザーバと、
リザーバ内に位置する付加製造粉体を提供モジュールの入口に向けて再配向するように構成された戻り回路と、
リザーバの出口から提供モジュールの入口に粉体を吸引するように設計された循環誘導システムと、
を備え、
抽出回路がダイバータを備え、
提供モジュールは更に、ダイバータをリザーバに接続し、ダイバータからリザーバに直接粉体を移送するように設計されたバイパス回路を備え、
バイパス回路が、
提供モジュールの入口から到来する付加製造粉体がグローブボックスに向かって選択的に再配向される抽出構成と、
提供モジュールの入口から到来する付加製造粉体がバイパス回路に選択的に再配向されるループバック構成と、
でダイバータを構成することができる。
【0013】
本発明はまた、上記のような付加製造粉体を提供するためのモジュールを備えた付加製造装置に関するものであり、
主ホッパー内に位置する粉体から物体を付加製造するように構成された製造モジュールと、
を備え、
主ホッパーが、製造モジュールに接続され、提供モジュールの入口が、製造モジュールに接続されている。
【0014】
有利には、任意選択的ではあるが、本装置は、物体が付加製造されているときに固化されない粉体を回収するため、及び回収された粉体を提供モジュールの入口に向けて再配向するための回収システムによって補完することができる。
【0015】
本発明はまた、上記に記載されたように、提供モジュールを用いて、又は付加製造装置を用いて付加製造粉体を移し替えるための方法であって、
空の容器をグローブボックス内に挿入し、次いでグローブボックスをシール状態で閉じるステップと、
容器に提供モジュールの入口から移送された付加製造粉体が充填されると、グローブボックスを閉じた間、容器を閉じるように容器を取り扱うステップと、
を含む。このような方法は、有利には、単独で又は組み合わせて考慮される以下の様々なステップ、
すなわち、
粉体をリザーバから提供モジュールの入口に搬送するステップと、
回収システムから提供モジュールの入口に粉体を搬送するステップと、
事前の粉体篩い分けステップと、
によって補完される。
【0016】
本発明の更なる特徴及び利点は、純粋に例示的で非限定的であり且つ添付図面と併せて読まれるべき以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態による付加製造装置の概略図である。
【
図2】付加製造粉体を移替える本発明の一実施形態による方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、粉体提供モジュール2と製造モジュール4とを備えた付加製造装置1を示す図である。
【0019】
(提供モジュール)
提供モジュール2は、その上部において、第1のガス排出回路23に接続された吸引システム21を備える。吸引システム21は、吸引システム21の底部に位置する入口211と出口213とを有する。吸引システム21は、入口211において、吸引システム21の内部に向けて吸引力を発生させるように設計される。第1のガス排出回路23は、吸引力を発生させるための真空ポンプを備えることができる。吸引システム21は、入口211から付加製造粉体を受け取り、これを貯蔵するように設計される。貯蔵された粉体は、吸引システム21の底部に位置し、出口213を介して取り出すことができる。吸引システム21は、粉体が第1の排出回路23に入らないように、粉体フィルタを備えることができる。吸引システム21は、例えばサイクロフィルタ22のような、粉体をガスから分離することを可能にする装置を備える。粉体を気体から分離するための他の装置としては、フィルタを備えるフィルタチャンバ、サイクロン又は排出ボックスが存在する。
【0020】
提供モジュール2は、吸引システム21の下方に位置するハウジング25を備える。ハウジング25は、チャンバを定める様々な壁を含む。ハウジング25は、チャンバが装置の外部に対して気密シールされた容積であるように閉じることができる。ハウジングは、ハウジングの内部に配置された物体を移動させて取り扱うことができるように設計されている。特に、ハウジングは、チャンバが閉じている間にチャンバ内の物体を移動させて取り扱うための器具を備える。
【0021】
ハウジング25は、特に、グローブボックスとすることができる。この場合、ハウジングは、ハウジングの気密性が維持されるように、グローブボックス251が設けられる2つのオリフィスを有する。グローブ251は、チャンバが閉じている間にチャンバ内の物体を移動させ、取り扱うための器具である。オペレータは、グローブ251を装着することにより、グローブボックス25の内部に位置する物体をグローブボックスの外部から取り扱うことができる。オペレータが取り扱われる物体を観察できるように、グローブボックスの壁を透明にすることができる。
【0022】
特に、物体は、付加製造粉体を収容するように設計された容器又はポット28であってもよい。容器及びポットは、蓋によって閉じることができる。
【0023】
ハウジングの器具は、チャンバが閉じている間、チャンバ内の容器又はポット28を移動及び閉鎖するように設計されている。
【0024】
ハウジング25の壁の1つは、第1のドア253を有する。第1のドア253は、容器が装置外部からチャンバ内へ、又はチャンバから装置外部へ移動可能な開位置と、チャンバが装置外部からシール状態で分離される閉位置との間で移動可能である。第1のドア253は、ハウジングが外部から気密分離されるように閉鎖することができる。また、容器又はポットを閉じるように、蓋を内外に移動させることも可能である。
【0025】
ハウジング25は、1又は2以上の容器を保管し積み重ねることができる通過領域255を備えることができる。
【0026】
ハウジング25は、酸素センサ257を含むことができる。センサ257は、ハウジング内の酸素分画を測定するように設計される。
【0027】
ハウジング25は、空気を供給するための供給回路259と、不活性ガスを供給するための供給回路2511とを含むことができる。不活性ガスは、特に、二窒素又はアルゴンとすることができる。
【0028】
ハウジング25は、吸引力を発生させるための真空ポンプを含むことができる第2のガス排出回路2513を備えることができる。
【0029】
空気を供給するための供給回路259、不活性ガスを供給するための供給回路2511、及び第2のガス排出回路2513の組立体は、チャンバ内の酸素分画及び不活性ガス分画を制御することを可能にするガスストリーム制御システムを定める。
【0030】
提供モジュール2は、吸引システム21の下方に位置する計量システム27を備える。計量システム27は、吸引システム21の出口213に接続されている。吸引システム21内に貯蔵され、吸引システム21の底部に位置する粉体は、出口213を介して計量システム27に向けて抽出することができる。
【0031】
吸引システム21と計量システム27との間には、バルブ24が配置されている。開構成のバルブ24は粉体の通過を可能にし、閉構成のバルブ24は、吸引システム21を計量システム27からシール状態に分離することを可能にする。吸引システム21が粉体を吸引しているとき、バルブ24は閉鎖され、吸引が入口211においてのみ発生し、吸引システム21の内部に向けられるようになる。バルブ24の閉鎖は、吸引システム21において粉体の吸引を開始することによって自動的にトリガすることができる。
【0032】
計量システム27は、計量システム内に貯蔵された粉体から正確な量の粉体を分離することを可能にする。この正確な量は、計量システム27の出口271に供給することができる。出口271は、ハウジング25の内部に配置され、バルブ28を有する。開構成のバルブ28は、計量システム27からハウジング25の内部に向かって粉体を通過させることができ、閉構成のバルブ28は、計量システム27をハウジング25の内部からシール状態で分離することが可能となる。
【0033】
バルブ28は、特に、ハウジング25の第1のドア253が開位置にあるときに閉鎖される。
【0034】
計量システムは、例えば、計量スクリューとすることができる。計量スクリューは、従来では水平方向である方向に延びるバレルに組み込まれる。スクリューを動作させ、粉体が吸引装置21から開放バルブ24を介して計量装置27に流れ込むと、粉体はスクリューによってバレルが延びる方向に出口271に向かって搬送される。
【0035】
また、計量システムは、2つのバルブを含むエアロックとすることができる。エアロックは、所定の容積を有し、吸引装置21の側部に位置する第1のバルブを通して粉体が充填される際に、正確な量の粉体を隔離することが可能となる。その後、ある容積の粉体は、ハウジング25の側部に位置する第2のバルブを介してハウジング25に移送することができる。
【0036】
ハウジング25は、ハウジング25の内側で計量システム27の出口271の下方に粉体の容器を受け入れるように設計された移し替え領域を備えることができる。
【0037】
提供モジュール2は、ハウジング25の下方に位置する主ホッパー29を備える。主ホッパー29は、付加製造粉体を貯蔵することを可能にする容器である。
【0038】
主ホッパー29は、裁頭円錐形を有する容積を有し、多量の製造粉体を貯蔵することができるように設計されている。主ホッパー29は、裁頭円錐形の軸が垂直であり、裁頭円錐形の容積がホッパーの底部でより小さな水平断面を有するように配向される。主ホッパー29は、主ホッパーの底部に位置する出口293を有する。
【0039】
ハウジング25は、チャンバと主ホッパー29との間に配置され、チャンバ内に位置する粉体を主ホッパー29に移送可能な開位置と、チャンバを主ホッパー29からシール状態に分離する閉位置との間で移動可能な第2のドア291を備える。
【0040】
第2のドア291又は隔離ドア291は、例えば隔離バルブ291である。第2のドア291は、ハウジングと主ホッパーの間に、制御された方法で気密開閉可能な通路を定める。通路は、オペレータがハウジング25から主ホッパー29に粉体のポットの内容物を空にすることができるように、垂直方向に向けられ十分に広くすることができる。
【0041】
提供モジュール2は、ダイバータを備える。ダイバータは、1つの入口と2つの出口とを備える。
【0042】
ダイバーの入口は、計量システム27の入口であり、吸引システム21の出口213に接続されている。ダイバータの第1の出口は、計量システム27の出口271である。
【0043】
ダイバータの第2の出口は、計量システム27を垂直方向に通過する。第2の出口は、吸引システム21から注がれた粉体が計量システム27に到達する方向の継続とすることができる。第2の出口は、バイパス回路31に接続されている。バイパス回路31は、ダイバータの第2の出口と主ホッパー29とを直接接続する。バイパスチャネル31は、垂直方向に配向され、グローブボックス内を通過することができる。バイパス回路31を通過した粉体は、ハウジング25の何れの壁にも到達せず、ハウジング25の雰囲気と直接接触することはない。詳細には、バルブ28が閉じている場合、バイパス回路31を通過する粉体は、ハウジング25の雰囲気と接触しない。
【0044】
第2の出口は、バルブ30によって制御される。開構成のバルブ30は、計量システム27からバイパスチャネル31に向けた粉体の通過を許容し、閉構成のバルブ30は、計量システム27からバイパスチャネル31に向けた粉体の通過を阻止する。
【0045】
ダイバータを抽出構成に構成することも可能であり、この場合、計量システムの出口における粉体は、グローブボックス25に向けて選択的に配向される。この構成では、バルブ30は閉鎖構成であり、計量システムの出口271に向かって粉体を搬送するように計量スクリューが動作設定される。
【0046】
ダイバータをループバック構成に構成することも可能であり、この場合、計量システム21の出口における粉体は、ダイバータの第2の出口に向かって選択的に配向される。この構成では、バルブ30は開放構成であり、計量スクリューは静止状態である。
【0047】
従って、ダイバータは、計量システム27とバルブ30とによって形成されていると考えることができる。
【0048】
提供モジュール2は、主ホッパー29の下方に配置された計量装置33を備える。計量装置33は、篩35の内部に含まれるスクリーンを損傷しないように、篩35に送られる粉体の流量を調節することを可能にする。計量装置33は、主ホッパーの出口293に接続されている。計量装置33は、計量装置33の底部に位置する出口331を有する。
【0049】
提供モジュール2は、計量装置33の下方に位置する篩35を備える。篩35は、計量装置33の出口331に接続されている。この篩によって、粉体の凝集塊を濾過し、レセプタクル351内の残りの粉体からこれら凝集塊を分離することが可能となる。篩は、吸引力を発生させるための真空ポンプを備えることができる第3の排出回路353を含む。
【0050】
提供モジュール2は、篩35の下方に位置するリザーバ37を備える。リザーバ37は、大量の製造粉体を貯蔵するように設計された裁頭円錐形を有する容積を有するホッパーとすることができる。このホッパーは、裁頭円錐形の軸が垂直であり、裁頭円錐形の容積がホッパーの底部でより小さい水平断面を有するように配向することができる。リザーバ37は、リザーバの底部に位置する出口371を有する。
【0051】
第2のドア291が開位置にあるときに、粉体をグローブボックス25からリザーバ37に移送することが可能である。その後、粉体は、グローブボックス25から、主ホッパー29、計量装置33、篩35、次いで最後にリザーバ37に順次通過することができる。このようにして、グローブボックス25内に位置する粉体を主ホッパー29に、又は更に進んでリザーバ37に移送するように構成された供給回路を定めることが可能である。ハウジングと主ホッパーの間の通路を定め、制御された方法で気密的に開閉可能な第2のドア291は、供給回路を開閉することが可能である。
【0052】
提供モジュール2は、乾燥不活性ガス供給システム36を備える。供給システム36は、篩35に接続されたダクト352において乾燥不活性ガスのストリームを供給することができる。ダクト352を通過する乾燥不活性ガスのストリームは、下から上に向かって篩を通過する粉体に遭遇するように、下から上方に向けて配向される。ダクト352を介して篩35に到達した不活性ガスのストリームはまた、リザーバ37の上部に拡散する。
【0053】
ダクト352と第3の排出回路353は、不活性ガスのストリームが、1つの同じ方向で、ダクト352を順次通過し、篩を通過する粉体に遭遇して、最後に第3の排出回路353を通過できるように、1つの同じ方向で整列することができる。
【0054】
供給システム36はまた、リザーバ37の底部、例えば出口371に接続されたダクト372において乾燥不活性ガスのストリームを供給することができる。
【0055】
リザーバの出口371は、リターン回路391に接続されている。リターン回路391は、リザーバ37の出口371と吸引システム21の入口211とを接続する。リターン回路391は、リザーバ37の出口371とハウジング25とを接続する。リザーバ37から吸引システム21を介して粉体ハウジング25に向けて粉体を搬送することが可能である。吸引システム21は、リターン回路391を介して、リザーバ37から吸引システム21に向けて粉体を吸引することができる。
【0056】
また、リザーバの出口371は、製造ダクト392に接続されている。製造ダクト392は、リザーバ37の出口371と製造モジュール4とを接続し、リザーバ37に含まれる粉体を製造モジュール4に移送することができるようになる。
【0057】
篩35は、リザーバ37に収容されて製造モジュール4に移送される粉体が、製造モジュール4に送られる前にできる限り遅れて篩われるように、リザーバ37の直上に配置されている。
【0058】
リザーバ37は、主ホッパー29よりも小さな容積を有することができる。リザーバ37の役割は、製造モジュール4又は吸引システム21の何れかに搬送される直前の粉体を貯蔵することである。リザーバ37は、バッファホッパーと呼ぶことができる。
【0059】
主ホッパー29は、1又は2以上の3次元物体の付加製造に必要な製造粉体の大部分を収容するように設計されている。主ホッパー29に収容された粉体は、製造モジュール4に移送されることが意図される。そのために、主ホッパー29は、主ホッパー29に位置する粉体から物体を付加製造するように構成された製造モジュール4に接続されるように設計される。主ホッパー29は、計量装置33、篩35、リザーバ又はバッファホッパー37、及び最後に製造ダクト392を通過する粉体の循環によって、製造モジュールに接続される。
【0060】
提供モジュール2は、粉体を出口371から戻り回路391又は製造ダクト392に分流することを可能にするコントローラ39を備える。
【0061】
提供モジュール2は、第1のガス排出回路23上に配置された湿分センサ201を備えることができる。この湿分センサ201により、吸引システム21により排出されるガスの湿度レベル、すなわち吸引システム21の入口211の上流側の湿度レベルを知ることが可能となる。
【0062】
提供モジュール2は、主ホッパー29の上部に配置された湿分センサ202を備えることができる。この湿分センサ202により、主ホッパー29内の湿度レベルを知ることができ、主ホッパー29内に存在する可能性のある粉体の湿度レベルに関する情報を直接提供することができる。
【0063】
提供モジュール2は、乾燥不活性ガス供給システム36に接続された湿分センサ203を備えることができる。この湿分センサ203により、篩35又はリザーバ37に送られる乾燥不活性ガスの湿度レベルを知ることが可能となる。
【0064】
提供モジュール2は、吸引システム21を含む循環誘導システムを備える。
【0065】
吸引システム21は、リザーバ37から戻り回路391を介して吸引システム21に向かって粉体を吸引することができる。
【0066】
(製造モジュール)
その上部において、製造モジュール4は、第4のガス排出回路43に接続された第2の吸引システム41を備える。第2の吸引システム41は、第2の吸引システム41の底部に位置する入口411及び出口413を有する。第2の吸引システム41は、入口411に第2の吸引システム41の内部へ向けられる吸引力を発生するように設計される。第2の吸引システム41の入口411は、製造ダクト392に接続されている。第4のガス排出回路43は、吸引力を発生させる真空ポンプを備えることができる。第2の吸引システム41は、第4のガス排出回路43に粉体が入らないように粉体フィルタを備えることができる。第2の吸引装置41は、例えばサイクロンなど、粉体をガスから分離することが可能な装置を備える。粉体をガスから分離するための他の装置は、例えば、フィルタを含むフィルタチャンバ、サイクロフィルタ、又は排出ボックスなどが存在する。第2の吸引装置41は、入口411から付加製造粉体を受け取り、これを貯蔵するように設計されている。貯蔵された粉体は、第2の吸引装置41の底部に位置し、出口413を介して取り出すことができる。
【0067】
製造モジュール4は、第2の吸引システム41の下方に位置するエアロック45を備える。エアロック45は、不活性化及び圧力の観点で印刷筐体の混乱を避けるように、プリンタチャンバが第2の吸引システム41と連通することなく、粉体を移送することを可能にする。
【0068】
製造モジュール4は、3次元物体が製造される筐体49の両側に1つずつ配置された発散スクリュー47及び収束スクリュー51を含む。筐体49は、プリンタチャンバである。
【0069】
製造モジュール4は、製造終了時に拡散され固化されなかった粉体を回収する粉体回収システムを備える。
【0070】
回収システムは、粉体を吸引するように設計された吸引管53を備えることができる。吸引管53は、吸引管の入口を構成する吸引ノズル533を備える。粉体は、ノズルにて吸引されて、吸引管53の出口を構成する管の他端に移送される。製造機械1は、吸引管53の出口と吸引システム21の入口211とを接続する第1の回収ダクト531を備えることができる。
【0071】
回収システムは、収束スクリュー51から到来する粉体を回収するように設計された余剰空気ロック55を備えることができる。
【0072】
製造装置1は、余剰エアロック55と吸引システム21の入口211とを接続する第2の回収ダクト551を備えることができる。
【0073】
余剰エアロック55は、不活性化及び圧力の点で印刷筐体の混乱を避けるように、プリンタチャンバが第2の回収ダクト551と連通することなく粉体を移送することを可能にする。
【0074】
製造装置1はまた、回収システムから吸引システム21に向かって制御された方法で粉体を循環させるように設計された第2のコントローラを備えることができる。この点で、入口211は、提供モジュール2の入口と呼ばれることができ、この入口は、製造モジュール4に接続され、製造モジュール4内に配置された粉体を受けるように設計されている。
【0075】
製造装置1は、本明細書で述べた粉体の循環を可能にするために、ダクト391、392、531、551の交差点に十分なバルブを備えていることに留意されたい。
【0076】
また、入口211からグローブボックス25に粉体を移送することが可能であることに留意されたい。粉体は、吸引システム21、吸引システム21の出口213、計量システム27、抽出構成で構成されたダイバータ27、30、及び最後にグローブボックス25を順次通過する。より具体的には、グローブボックス25に到達した粉体は、グローブボックス25に収容された容器に流し込むことができる。このように、供給回路とは異なる抽出回路があり、容器がグローブボックス25に受けられたときに、提供モジュール2の入口211から容器に付加製造粉体を移送するように構成され、抽出回路はダイバータ27、30を含む。
【0077】
(充填方法)
提供モジュール2は、以下に説明するステップに従って、製造粉体の充填及び篩い分けを可能にする。初期状態では、ハウジング25は気密閉鎖されて、容器は入っておらず、主ホッパー29及びリザーバ37は粉体が空の状態である。ハウジングと主ホッパーの間で第2のドア291によって定められる通路は、最初は気密閉鎖されている。
【0078】
第1のステップS1の間、ハウジング内部の酸素分画は、少なくとも18%に到達するように調節される。酸素センサ257は、ハウジング25の内部の酸素分画の測定値を取得する。測定値に応じて、空気供給回路259は、酸素分画を増加させるように作動される。ガス排出回路2513は、ハウジング25内の大気圧を実質的に維持するように作動される。酸素センサ257により、ハウジング内の酸素分画が少なくとも18%であることを保証することが可能である。
【0079】
第2のステップS2の間、ハウジング25のドア253が開かれ、粉体の容器が挿入されるか、又は粉体の複数の容器がハウジング25に挿入される。容器は、ハウジング25の通過領域255に配置することができる。
【0080】
第3のステップS3の間、ハウジング25のドア253が閉じられ、ハウジング内の酸素分画が2%未満であるように調節される。不活性ガス供給回路2511は、酸素分画を減少させるように作動される。ガス排出回路2513は、ハウジング25内の大気圧を実質的に維持するように作動される。酸素分画を2%未満に減少することは、不活性化と呼ぶことができる。酸素センサ257により、ハウジング内の酸素分画が2%未満であることを確保することができる。
【0081】
第4のステップS4の間、主ホッパー29は充填される。隔離ドア291は、ハウジングと主ホッパーの間の通路を開放するように作動される。オペレータは、器具251によって、通過領域255において全体容器を取り扱い、容器が開けられて、容器の内容物が通路を通って主ホッパー29に注がれるようにする。例えば、オペレータは、ハウジング25のグローブボックスを装着し、通過領域255内の全体容器を把持し、容器を開けて、容器の内容物を通路を通して主ホッパー29に注ぐ。オペレータは、空の容器を通過領域255に戻して、ハウジング内の全ての容器が空になるまで同じように進める。
【0082】
第5のステップS5の間、隔離ドア291が閉じられ、ハウジングと主ホッパーの間の通路を気密閉鎖するようにする。
【0083】
第6のステップS6の間、ハウジング内部の酸素分画は、少なくとも18%に到達するように調節される。空気供給回路259は、酸素分画を増加させるように作動される。ガス排出回路2513は、ハウジング25内の大気圧を実質的に維持するように作動される。酸素センサ257により、ハウジング内で酸素分画が少なくとも18%であることを確保することができる。
【0084】
第7ステップS7の間、ハウジング25のドア253は開かれ、粉体の空の容器(複数可)がハウジング25から取り出される。
【0085】
第8のステップS8の間、ハウジング25のドア253が気密閉鎖される。
【0086】
第9のステップS9の間、粉体は篩い分けされ、リザーバ37に貯蔵される。主ホッパー29に収容された粉体は、計量装置33を介して篩35に移送される。篩35は、粉体を篩い分け、過剰に大きい粉体の塊及び凝集体を抽出する。これらの塊は、レセプタクル351に移送され、レセプタクルに貯蔵される。篩い分けられた粉体は、篩35を通過してリザーバ37に入り、ここで使用前の粉体が貯蔵される。
【0087】
(移し替え方法)
提供モジュール2は、未使用の製造粉体を移し替えることを可能とする。リザーバ37に初期配置されている未使用の粉体を移し替えるためのプロセスが、以下のステップに従って記載される。初期状態では、ハウジング25は、気密閉鎖されており、容器は入っておらず、リザーバ37には未使用の粉体が収容されている。ハウジングと主ホッパーの間で隔離ドア291によって定められる通路は、最初は気密閉鎖されている。
【0088】
未使用の粉体が主ホッパー29に収容されている場合、リザーバ37に移送されることに留意されたい。この移送は、任意選択的に、リザーバ37の容積が未使用の粉体の全てを収容するのに十分でない場合に複数回実施することができる。
【0089】
第1のステップE1の間、ハウジング内部の酸素分画は、少なくとも18%に到達するように調節される。酸素センサ257は、ハウジング25の内部の酸素分画の測定値を取得する。測定値に応じて、空気供給回路259は、酸素分画を増加させるように作動される。ガス排出回路2513は、ハウジング25内の大気圧を実質的に維持するように作動される。酸素センサ257により、ハウジング内の酸素分画が少なくとも18%であることを確保することが可能である。
【0090】
第2のステップE2の間、ハウジング25のドア253は開かれる。
【0091】
第3のステップE3の間、空の容器が挿入され、又は複数の空の容器がハウジング25に挿入される。容器は、ハウジング25の通過領域255に配置することができる。また、容器の蓋が挿入される。容器は、開いた状態で搬入することができる。特に、容器が不活性雰囲気、すなわち、2%未満の酸素と少なくとも98%の不活性ガスのガス組成を有する場合、容器は閉鎖状態で搬入することができる。
【0092】
第4のステップE4の間、ハウジング25のドア253は気密閉鎖される。第5のステップE5の間、ハウジング内の酸素分画は2%以下に調節される。不活性ガス供給回路2511は、酸素分画を減少させるように作動される。
【0093】
ガス排出回路2513は、ハウジング25内の大気圧を実質的に維持するように作動される。酸素センサ257により、ハウジング内の酸素分画が2%以下であることを保証することが可能である。
【0094】
第6のステップE6の間、未使用の粉体は、リザーバ37又は主ホッパー29から吸引システム21に移送される。コントローラ39は、リザーバの出口371が戻り回路391に接続されるように作動される。
【0095】
リザーバの上部と下部に接続された不活性ガス供給回路372は、未使用の粉体をリターン回路391に入れるように作動する。吸引システム21は、吸引システム21の内部に向けられる吸引力を入口211で発生させるように作動する。この作動設定は、濃相モード、希薄相モード、その他の様々な可能な移送モードに従って行うことができる。循環ダクト内の粉体濃度及びガスストリームの速度は、この目的のために制御することができる。
【0096】
第7ステップE7の間、サブステップのシーケンスが実行される。
【0097】
このシーケンスは、抽出構成で構成されたダイバータによって実行される。
【0098】
第1のサブステップE71の間、空の容器が、計量システムの下方の通過領域255から移し替え領域に移動される。
【0099】
第2のサブステップE72の間、計量システム27は、吸引システム21内に貯蔵された粉体から所定量の粉体を分離するように作動される。この量は、容器の最大容量以下である。
【0100】
第3のサブステップE73の間、計量システムは、粉体を抽出するように作動される。容器の位置によって、粉体がその後で容器に入ることが可能になる。
【0101】
第4のサブステップE74の間、容器及びその蓋が器具251を使用して取り扱われ、蓋によって容器を閉じるようにする。オペレータは、蓋によって容器を閉じ、充填された容器を移行領域に配置する。
【0102】
未使用の粉体が吸引システム内に残っている場合、及び空の容器が移行領域に残っている場合、サブステップのシーケンスが再開される。2つの条件が満たされる場合、シーケンスは再開され、サブステップE71、E72、E73及びE74は、新しい空の容器を用いて実行される。そうでない場合、シーケンスは中断され、第8のステップE8が実行される。
【0103】
第8のステップE8の間、ハウジング内部の酸素分画は、少なくとも18%に到達するように調節される。空気供給回路259は、酸素分画を増加させるように作動される。ガス排出回路2513は、ハウジング25内の大気圧を実質的に維持するように作動される。酸素センサ257により、ハウジング内の酸素分画が少なくとも18%であることを確保することが可能である。
【0104】
第9のステップE9の間、ハウジング25のドア253が開かれる。
【0105】
第1の0のステップE10の間、充填され閉じられた1又は複数の容器が、ハウジング25から取り出される。
【0106】
第1の1のステップE11の間、ハウジングのドアが気密閉鎖される。
【0107】
提供モジュール2は、主ホッパー29に粉体の容器を充填することを可能にするハウジング25と、吸引システム21、計量システム27、主ホッパー、粉体計量装置33、粉体篩35及びリザーバ37の両方を備える。
【0108】
製造プロセスが終了したときに、リザーバ37にまだ粉体が貯蔵されている場合、未使用の粉体は、戻り回路391を介して吸引システム21に搬送することができる。
【0109】
次いで、計量システムの下流側に位置するハウジングの存在により、吸引システム21からハウジング内に配置された空容器に未使用の粉体を搬送することが可能となる。未使用の粉体を移し替えることが可能である。
【0110】
未使用の粉体は、先行技術よりも小さな部分に再包装化することができる。この小さな部分は、粉体容器と同様に、オペレータが取り扱って移動できる程度に軽量である。この再包装化は、ハウジングによって保護された雰囲気下で実施することができる。
【0111】
計量システム27とバイパスダクト31により、粉体を吸引システムからハウジング25又は主ホッパー29の何れかに循環させることができることに留意されたい。このようにして、先行技術と同様に、製造モジュール4からの未使用の粉体を再利用する前に、移し替えることなく、再度篩い分けすることが可能である。これは、吸引システム21が未使用の粉体を吸引し、その後、当該粉体がバイパス導管31を介して主ホッパー29に直接移動することができることに起因する。その後、未使用の粉体を篩い分けしてリザーバ37に貯蔵することができる。
【0112】
(製造モジュールからの粉体を移し替えするための方法)
記載された移し替え方法において、未使用の粉体は、最初はリザーバ37又は主ホッパー29内に位置している。
【0113】
また、提供モジュール2は、製造モジュール4に最初に位置する未使用の製造粉体を移し替えることが可能である。この場合、製造粉体は、製造モジュール4に移送され、その後、3次元物体の製造プロセスの間に拡散されていた。このプロセスが終了した時点で固化されておらず且つ製造物体を取り囲んでいる粉体の一部は、吸引管53を介して回収システムにより回収され、また余剰粉体と呼ばれる非固化粉体の別の一部は、収束スクリュー及び余剰エアロックを介して回収される。
【0114】
ステップP1において、未使用の粉体は、吸引システム21に搬送される。粉体は、吸引システム21によって吸引され、第1の回収ダクト531を通過し又は第2の回収ダクト551を通過する。
【0115】
ステップP1の終了時、未使用の粉体は、吸引システム21に収容される。
【0116】
未使用の粉体が廃棄されることになる場合、上記で記載されたステップE7~E11によって、移し替え方法が継続される。
【0117】
未使用の粉体が後で再利用される場合、未使用の粉体を再度篩い分けした後に移し替えることが望ましい。この場合、移し替えプロセスは、以下のステップを含む。
【0118】
ステップP2の間、未使用の粉体は主ホッパー29に移動され、ダイバータ(27,30)は、吸引システム21に含まれる未使用の粉体がバイパスチャネル31に搬送されるようにループバック構成で構成される。次いで、未使用の粉体は、吸引システム21の出口213からバイパスチャネル31を介して主ホッパー29に向かって流れる。
【0119】
ステップP3の間、篩35は、未使用の粉体を篩い分ける。主ホッパー29に収容された粉体は、計量装置33を介して篩35に移送される。篩35は、粉体を篩い分け、過剰に大きい粉体の塊及び凝集体を抽出する。これらの塊は、レセプタクル351に移送され、レセプタクルに貯蔵される。
【0120】
ステップP3の終了時、篩い分けられた粉体は、篩35から離れ、リザーバ37に入る。
【0121】
移し替え方法の残りの部分は、既に上に記載されたステップE1~E11に従う。
【0122】
回収チャネル531及び551の存在により、回収システムが、製造モジュール2において回収された非固化粉体を吸引システム21に搬送することが可能である。次いで、この粉体は、例えば粉体の容器など、オペレータにより移動される十分に少量で包装化することができる。
【0123】
次いで、計量システムの下流側に位置するハウジングの存在により、未使用の粉体を吸引システム21からハウジングに配置された空の容器に注ぐことが可能となる。この場所に配置されるハウジング25によって、保護雰囲気下で未使用の粉体を移し替えることが可能である。この使用により、廃棄される前にオペレータにより搬送できる量の再包装を保護雰囲気下で行うことが可能となる。
【0124】
この粉体は、移し替えの前に再篩い分けすることができる点を留意されたい。ダイバータ27、30により、粉体を吸引システム21からバイパスダクト31を介して主ホッパー29に搬送することが可能である。この未使用の粉体は、その後、篩35によって再篩い分けすることができる。その後、未使用の篩い分けされた粉体は、リターン回路391を介して吸引システム21に戻される。吸引システム21から、今回は粉体を再包装化のためにハウジング25に向けて注ぐことができ、ダイバータ27、30は抽出構成で構成されている。従って、その後の再利用の可能性のために貯蔵前にオペレータによって搬送できる量の粉体を保護雰囲気下で再包装化することが可能である。
【国際調査報告】