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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-30
(54)【発明の名称】荷電粒子結像システム
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/244 20060101AFI20230123BHJP
   H01J 37/28 20060101ALI20230123BHJP
【FI】
H01J37/244
H01J37/28 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529383
(86)(22)【出願日】2020-11-03
(85)【翻訳文提出日】2022-05-19
(86)【国際出願番号】 EP2020080793
(87)【国際公開番号】W WO2021099105
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】16/688,985
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501493587
【氏名又は名称】アイシーティー インテグレーテッド サーキット テスティング ゲゼルシャフト フィーア ハルプライタープリーフテヒニック エム ベー ハー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】フィルンケス マチアス
(72)【発明者】
【氏名】ランパースベルガー フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】ラニオ シュテファン
【テーマコード(参考)】
5C101
【Fターム(参考)】
5C101AA03
5C101CC13
5C101GG05
5C101GG44
(57)【要約】
後方散乱電子検出器モジュールを備える二次荷電粒子結像システムであって、前記後方散乱電子検出器モジュールが軸を中心として第1の角度位置5452と第2の角度位置5454との間で回転可能である、二次荷電粒子結像システム。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸を中心として第1の角度位置(5452)と第2の角度位置(5454)との間で回転可能な、後方散乱電子検出器モジュール、
を備える、二次荷電粒子結像システム。
【請求項2】
前記後方散乱電子検出器モジュールが後方散乱電子検出器素子(1470)を備え、前記第2の角度位置(5454)において、
前記後方散乱電子検出器素子(1470)が信号荷電粒子ビーム(1102)の光軸(1103)上に配置され、
前記後方散乱電子検出器素子(1470)が前記ビームベンダ(1392)と前記レンズ系(1610)との間にあり、
前記後方散乱電子検出器素子(1470)が信号荷電粒子ビーム(1102)の後方散乱電子を収集するように構成され、
前記後方散乱電子検出器素子(1470)が信号荷電粒子ビーム(1102)の最小断面の点に、または前記最小断面の点に隣接して配置されている、
ことのうちの少なくとも1つが当てはまる、
請求項1に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項3】
前記後方散乱電子検出器モジュールがアパーチャ(1460)を備え、前記第1の角度位置(5452)において、
前記アパーチャ(1460)が前記第1の角度位置(5452)において信号荷電粒子ビーム(1102)の光軸(1103)上に配置され、
前記アパーチャ(1460)が前記第1の角度位置(5452)において信号荷電粒子ビーム(1102)の光軸(1103)上に配置され、
前記アパーチャ(1460)が、信号荷電粒子ビーム(1102)が前記アパーチャ(1460)を通過することを可能にするように構成され、
前記アパーチャ(1460)が、信号荷電粒子ビーム(1102)が前記アパーチャ(1460)を通過することを可能にするように構成されている、
ことのうちの少なくとも1つが当てはまる、
請求項1または2に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項4】
ビームベンダ(1392)をさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項5】
前記二次荷電粒子結像システムが前記第1の角度位置(5452)において二次電子を検出するように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項6】
前記二次荷電粒子結像システムが前記第2の角度位置(5454)において後方散乱電子を検出するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項7】
後方散乱電子検出器アクチュエータモジュール(3440)をさらに備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項8】
前記後方散乱電子検出器アクチュエータモジュール(3440)が第1のリミットストップおよび第2のリミットストップを備える、請求項7に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項9】
前記後方散乱電子モジュールが前記第1のリミットストップにおいて前記第1の角度位置(5452)にあり、前記後方散乱電子モジュールが前記第2のリミットストップにおいて前記第2の角度位置(5454)にある、請求項8に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項10】
前記後方散乱電子検出器アクチュエータモジュール(3440)が前記後方散乱電子検出器モジュールを前記第1の角度位置(5452)と前記第2の角度位置(5454)との間で回転させるように構成されている、請求項7~9のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項11】
前記後方散乱電子モジュールがアーム(2420)を備え、前記アーム(2420)が前記軸にヒンジ継手ピン(3422)を備える、請求項1~10のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項12】
可撓性エンクロージャ(3430)をさらに備える、請求項1~11のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項13】
前記可撓性エンクロージャ(3430)が、第1の端部において、前記ヒンジ継手ピン(3422)と前記後方散乱電子検出器モジュールの後方散乱電子検出器素子(1470)との間で前記アーム(2420)に密封結合されている、請求項11および12に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項14】
前記可撓性エンクロージャ(3430)が第2の端部においてハウジング(2220)に密封結合されている、請求項12または13に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項15】
前記可撓性エンクロージャ(3430)が可撓性ホースまたはベローズである、請求項12~14のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項16】
前記可撓性エンクロージャ(3430)が前記後方散乱電子検出器モジュールの後方散乱電子検出器素子(1470)を真空状態に維持し、前記ヒンジ継手(3422;3424)を周囲条件に維持するように構成されている、請求項12~15のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項17】
前記第1の角度位置(5452)と前記第2の角度位置(5454)との角度分離が10度未満である、請求項1~16のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムを備える荷電粒子ビーム装置。
【請求項19】
請求項1~17のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムを備えるマルチビーム荷電粒子ビーム装置。
【請求項20】
軸を中心として後方散乱電子検出器モジュールを第1の角度位置(5452)と第2の角度位置(5454)との間で回転させること(802)を含む、二次荷電粒子結像システムを動作させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、詳細には、試料上の像生成のための走査荷電粒子ビーム装置に関する。態様は、詳細には、二次荷電粒子結像システムに関する。別の態様は、後方散乱電子検出器モジュールを含む走査型電子顕微鏡に関する。さらなる態様は、二次荷電粒子結像システムを動作させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
荷電粒子ビーム装置は、製造中の半導体デバイスの検査、リソグラフィ用の露光システム、検出装置、および試験システムを含むがこれらに限定されない複数の産業分野において多くの機能を有する。したがって、マイクロメートルおよびナノメートルスケール内の試料の構造化および検査に対する高い需要が存在する。
【0003】
マイクロメートルおよびナノメートルスケールのプロセス制御、検査、または構造化は、電子顕微鏡または電子ビームパターン発生器などの荷電粒子ビーム装置内で生成され集束される荷電粒子ビーム、例えば電子ビームを用いて行われることが多い。荷電粒子ビームは、その短い波長のために、例えば光子ビームと比較して優れた空間分解能を提供する。
【0004】
荷電粒子ビーム装置は、通常、荷電粒子結像システムを利用する。荷電粒子結像システムは、シングルビームまたはマルチビーム結像用に構成することができる。以下では、性能が改善された荷電粒子結像システムについて説明する。
【発明の概要】
【0005】
上記に鑑みて、二次荷電粒子結像システム、荷電粒子ビーム装置、および二次荷電粒子結像システムを動作させる方法が提供される。
【0006】
一態様によると、二次荷電粒子結像システムは、後方散乱電子検出器モジュールを含み、後方散乱電子検出器モジュールは、軸を中心として第1の角度位置と第2の角度位置との間で回転可能である。
【0007】
一態様によると、荷電粒子ビーム装置は、二次荷電粒子結像システムを含む。
【0008】
一態様によると、二次荷電粒子結像システムを動作させる方法は、軸を中心として後方散乱電子検出器を第1の角度位置と第2の角度位置との間で回転させることを含む。
【0009】
本明細書に記載の実施形態と組み合わせることができるさらなる利点、特徴、態様、および詳細は、従属請求項、説明、および図面から明らかである。
【0010】
図面を参照して詳細を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本明細書に記載の実施形態による二次荷電粒子結像システムの簡略化された側面概略図である。
図2】本明細書に記載の実施形態による二次荷電粒子結像システムの簡略化された上面概略図である。
図3】本明細書に記載の実施形態による後方散乱電子検出器モジュールおよび後方散乱電子検出器アクチュエータモジュールの簡略化された側面概略図である。
図4A】機械的ヒンジ継手を有するアームの簡略化された擬似3D表現であり、アームは本明細書に記載の実施形態による後方散乱電子検出器モジュールのものである。
図4B】機械的ヒンジ継手を有するアームの簡略化された擬似3D表現であり、アームは本明細書に記載の実施形態による後方散乱電子検出器モジュールのものである。
図5A】本明細書に記載の実施形態による、第1の角度位置における後方散乱電子検出器モジュールの簡略化された側面概略図である。
図5B】本明細書に記載の実施形態による、第2の角度位置における後方散乱電子検出器モジュールの簡略化された側面概略図である。
図6A】本明細書に記載の実施形態による、第1の角度位置における後方散乱電子検出器モジュールのアパーチャおよび後方散乱電子検出器素子の拡大簡略側面概略図である。
図6B】本明細書に記載の実施形態による、第2の角度位置における後方散乱電子検出器モジュールのアパーチャおよび後方散乱電子検出器素子の拡大簡略側面概略図である。
図7】本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置の簡略化された概略側面概略図である。
図8】本明細書に記載の実施形態による二次荷電粒子結像システムを動作させるための方法の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、様々な実施形態を詳細に参照し、その1つまたは複数の例を各図に示す。各例は、説明のために提供されており、限定を意味するものではない。例えば、一実施形態の一部として図示または説明される特徴は、さらなる実施形態をもたらすために、任意の他の実施形態に対して、または任意の他の実施形態と併せて使用することができる。本開示は、そのような修正および変形を含むことが意図されている。
【0013】
以下の図面の説明において、同じ参照番号は、同じまたは類似の構成要素を指す。全体に、個々の実施形態に対する相違点のみについて説明する。特に明記しない限り、一実施形態における部分または態様の説明は、別の実施形態における対応する部分または態様にも同様に適用される。
【0014】
図で使用される参照番号は、単に例示のためのものである。本明細書に記載される態様は、いかなる特定の実施形態にも限定されない。代わりに、本明細書に記載の任意の態様は、別段の指定がない限り、本明細書に記載の任意の他の態様または実施形態と組み合わせることができる。
【0015】
図1は、二次荷電粒子結像システムの簡略化された側面概略図を示す。本明細書に記載の実施形態によると、二次荷電粒子結像システムは、後方散乱電子検出器モジュールを含む。
【0016】
後方散乱電子検出器モジュール1400は、電子ビームカラム内の後方散乱電子、例えば軸上後方散乱電子を収集および/または検出するように構成することができる。例えば、後方散乱電子は、信号荷電粒子ビーム1102の後方散乱電子とすることができる。後方散乱電子検出器モジュール1400は、信号荷電粒子ビーム1102を通過させることができるように構成することができる。実施形態によると、後方散乱電子検出器モジュール1400は、第1の位置5452と第2の位置5454との間などで移動可能および/または回転可能であるように構成することができる。第1の位置5452および第2の位置5454は、角度位置であってもよい。一例では、後方散乱電子検出器モジュール1400は、第1の位置5452において、信号荷電粒子ビーム1102が後方散乱電子モジュールを通過することができるように構成することができる。後方散乱電子検出器モジュール1400は、第2の位置5454において、信号荷電粒子ビーム1102の後方散乱電子および/または信号を収集および/または検出するように構成することができる。
【0017】
それに応じて、後方散乱電子検出器モジュール1400は、アパーチャ1460を含むことができる。後方散乱電子検出器モジュール1400は、後方散乱電子検出器素子1470を含むことができる。アパーチャ1460および後方散乱電子検出器素子1470は、後方散乱電子検出器ホルダ1450上に配置されていてもよい。アパーチャ1460および後方散乱電子検出器素子1470は、1つの平面または互いに平行な複数の平面に配置されていてもよい。例えば、後方散乱電子検出器素子1470は、後方散乱電子検出器ホルダ1450上に支持され、アパーチャ1460は、後方散乱電子検出器ホルダ1450内に形成されている。別の例では、アパーチャ1460は、光軸1103上の位置に固定されていてもよく、後方散乱電子検出器ホルダ1450は、第1の位置5452と第2の位置5454との間で移動可能である。光軸1103は、信号荷電粒子ビーム1102の光軸である。好ましい実施形態では、後方散乱電子検出器モジュール1400が第1の位置5452にあるとき、アパーチャ1460は、光軸1103上に配置され、後方散乱電子検出器素子1470は、光軸1103から外れて配置される。好ましい実施形態では、後方散乱電子検出器モジュール1400が第2の位置5454にあるとき、後方散乱電子検出器素子1470は、光軸1103上に配置され、アパーチャ1460は、光軸1103から外れて配置される。「光軸上」という語句は、信号荷電粒子ビーム1102の位置と少なくとも部分的に、好ましくは実質的に重なり合うまたは一致する位置として理解することができる。「光軸から外れて」という語句は、信号荷電粒子ビーム1102の位置と少なくとも部分的に、好ましくは実質的に、さらにより好ましくは完全に別個であるかまたは重ならない位置として理解することができる。
【0018】
一実施形態によると、後方散乱電子検出器モジュール1400は、後方散乱電子検出器素子1470およびアパーチャ1460を含む。代替として、アパーチャ1460は凹部によって置き換えられてもよく、または後方散乱電子検出器モジュール1400は、信号電子または信号荷電粒子ビーム1102が後方散乱電子検出器モジュール1400の隣を通過することができるように十分に大きい角度移動可能であってもよい。
【0019】
実施形態では、二次荷電粒子光学モジュールおよび/またはビームベンダが存在してもよい。後方散乱電子検出器モジュール1400は、二次荷電粒子光学モジュール1600の前および/またはビームベンダ1392の後に配置されてもよい。例えば、後方散乱電子検出器モジュール1400は、二次荷電粒子光学モジュール1600とビームベンダ1392との間に配置されてもよい。後方散乱電子検出器モジュール1400、アパーチャ1460および/または後方散乱電子検出器素子1470は、ビームベンダ1392の後または下流に配置されてもよい。後方散乱電子検出器モジュールは、ビームベンダの直ぐ後もしくは直後または下流に配置されてもよい。後方散乱電子検出器素子1470および/またはアパーチャ1460は、二次荷電粒子光学モジュール1600の前または上流に配置されてもよい。後方散乱電子検出器モジュールは、二次荷電粒子光学モジュール1600の直ぐ前もしくは直前または上流に配置されてもよい。「後/前」および/または「下流/上流」は、信号荷電粒子ビーム1102の伝搬に対して理解することができる。例えば、「下流」は「後」と同様であると理解することができ、逆も同様であり、「上流」は「前」と同様であると理解することができる。
【0020】
それに応じて、一例では、二次荷電粒子光学モジュール1600および/またはアパーチャ1460は、第1の位置5452において機能的な位置にある。別の例では、信号荷電粒子ビーム1102は、第1の位置5452において、後方散乱電子検出器モジュール1400を通過する。同様に、さらなる例では、後方散乱電子検出器モジュール1400および/または後方散乱電子検出器素子1470は、第2の位置5454において機能的な位置にある。さらに別の例では、信号荷電粒子ビーム1102は、第2の位置5454において、後方散乱電子検出器モジュール1400および/または後方散乱電子検出器素子1470によって遮断および/または検出される。したがって、一例では、二次荷電粒子光学モジュール1600、アパーチャ1460、およびビームベンダ1392は、第1の位置5452において光軸1103上に、特にこの順序で配置されている。別の例では、二次荷電粒子光学モジュール1600、後方散乱電子検出器素子1470、およびビームベンダ1392は、第2の位置5454において光軸1103上に、特にこの順序で配置されている。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態では、後方散乱電子検出器モジュール1400および/または後方散乱電子検出器素子1470は、信号荷電粒子ビーム1102の最小断面の点に、またはそれに隣接して配置可能であってもよい。信号荷電粒子ビーム1102の最小断面の点は、ビームベンダ1392の後または下流、特にビームベンダ1392の直後にあってもよい。実施形態では、後方散乱電子検出器モジュール1400および/または第2のレンズ1616をビームベンダ1392のできるだけ近くに配置することが有益であると考えられる。
【0021】
後方散乱電子検出器素子1470などの後方散乱電子検出器モジュール1400を上述したように配置することで、後方散乱電子効率の良好な性能を提供することができる。例えば、検出効率は、後方散乱電子検出器素子1470などの後方散乱電子検出器モジュール1400を二次荷電粒子光学モジュール1600の後または下流に配置することと比較して、最大30%改善することができる。
【0022】
図1は、二次荷電粒子結像システムの簡略化された側面概略図を示す。本明細書に記載の実施形態によると、二次荷電粒子結像システムは、ビームベンダを含む。
【0023】
ビームベンダ1392は、信号荷電粒子ビーム1102を曲げるためのものであってもよい。ビームベンダ1392は、扇形、特に半球の扇形の形状または断面を有することができる。ビームベンダ1392は、ビームベンダ1392に入射する信号荷電粒子ビーム1102の進行方向がビームベンダ1392から出射する信号荷電粒子ビーム1102の進行方向と比較した場合に異なるように、信号荷電粒子ビーム1102の方向を変化させるように構成することができる。ビームベンダ1392は、信号荷電粒子ビーム1102を一次荷電粒子ビーム7101からさらに離れるように誘導するように配置することができる。例えば、ビームベンダ1392は、特に静電的手段によって信号荷電粒子ビーム1102を偏向させることができる。ビームベンダ1392は、ビーム分離手段の下流に配置することができる。ビーム分離は、一次荷電粒子ビームを二次荷電粒子ビームから分離する手段として理解することができる。二次荷電粒子ビーム1102は、試料7350から生じる荷電粒子ビームとして理解することができる。一次荷電粒子ビーム7101は、試料7350に衝突する荷電粒子ビームとして理解することができる。ビームベンダは、球形または扇形ビームベンダであってもよい。ビームベンダ1392は、荷電粒子ビームを偏向および/または無収差で集束させることができる。
【0024】
実施形態では、信号荷電粒子ビーム1102に作用するビームベンダ1392は、信号荷電粒子ビーム1102に対して第2のレンズ1616の上流に配置されている。図1の描画面において、ビームベンダ1392は、第2のレンズ1616の右側に配置されている。図示するように、信号荷電粒子ビーム1102は、下からビームベンダ1392に入り、ビームベンダ1392を通って進む。ビームベンダを出る信号荷電粒子ビーム1102は、実質的に水平方向に沿って進む。信号荷電粒子ビーム1102は、ビームベンダ1392からレンズ系1610の第2のレンズ1616に進むことができる。図1に示すように、第2のレンズ1616は、信号荷電粒子ビーム1102に対して、ビームベンダ1392および/または後方散乱電子検出器モジュール1400の下流に配置することができる。好ましい実施形態では、第2のレンズ1616は、後方散乱電子検出器モジュールを出る信号荷電粒子ビーム1102に作用する次の要素であってもよい。二次荷電粒子ビームの開口角は、本明細書に記載されるように、ビームベンダ1392を出る信号荷電粒子ビームの開口角であってもよい。
【0025】
図1は、二次荷電粒子結像システムの簡略化された側面概略図を示す。本明細書に記載の実施形態によると、二次荷電粒子結像システムは、二次荷電粒子光学モジュールを含む。
【0026】
実施形態では、二次荷電粒子光学モジュール1600は、レンズ系1610を含む。レンズ系1610は、第1のレンズ1612および第2のレンズ1616を含むことができる。第1のレンズ1612は、第2のレンズ1616から離間していてもよい。例えば、第1のレンズ1612と第2のレンズ1616との間の距離は、40~200mmの範囲にあってもよい。
【0027】
図1の描画面に対して、第1のレンズ1612および/または第2のレンズ1616は、垂直(「上下」)方向に沿って延在する。第1のレンズ1612は、アパーチャプレート1650と第2のレンズ1616との間に配置されてもよい。
【0028】
図1の描画面において、信号荷電粒子ビーム1102は、右から左に進む。信号荷電粒子ビーム1102は、レンズ系1610の第2のレンズ1616の右側から第2のレンズ1616に入射する。図1に示される信号荷電粒子ビーム1102は、第2のレンズ1616を通過し、続いてレンズ系1610の第1のレンズ1612を通過する。図示するように、レンズ系1610を通って進む信号荷電粒子ビーム1102は、実質的に光軸1103に沿って進む。
【0029】
第1のレンズ1612および/または第2のレンズ1616は、信号荷電粒子ビーム1102を成形し、集束させ、および/またはデフォーカスするように適合させることができる。第1のレンズ1612および/または第2のレンズ1616は、信号荷電粒子ビーム1102の開口角を調整するように適合させることができる。所望に応じて信号荷電粒子ビーム1102を発散または収束させることができる。したがって、検出器装置1900による信号荷電粒子の収集効率を向上させることができる。信号荷電粒子ビーム1102の開口角は、信号荷電粒子ビーム1102の伝搬に対してレンズ系1610の上流に配置されたビームベンダを出射する信号荷電粒子ビーム1102の開口角であってもよい。
【0030】
レンズ系1610は、信号荷電粒子ビーム1102の1つまたは2つのクロスオーバを提供するように適合されてもよい。あるいは、レンズ系1610は、信号荷電粒子ビームがクロスオーバなしにレンズ系1610を通過することを可能にするように適合されてもよい。
【0031】
第1のレンズ1612は、静電レンズ部分および/または磁気レンズ部分を含むことができる。第1のレンズ1612は、静電レンズ部分および磁気レンズ部分の両方を含む複合レンズであってもよい。同様に、第2のレンズ1616は、静電レンズ部分および/または磁気レンズ部分を含むことができる。第1のレンズ1612の静電レンズ部分および/または第2のレンズ1616の静電レンズ部分は、信号荷電粒子ビームを成形し、集束させ、および/またはデフォーカスさせるように適合させることができる。第1のレンズ1612および/または第2のレンズ1616の磁気レンズ部分は、対物レンズのラーモア回転を補償するように適合させることができる。
【0032】
実施形態では、第2のレンズ1616を後方散乱電子検出器モジュール1400および/またはビームベンダ1392のできるだけ近くに配置することが有益であると考えられる。第1のレンズ1612をビームベンダ1392から十分遠くに離して配置することも有益であると考えられる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によると、後方散乱電子検出器モジュール1400と第2のレンズ1616との間の距離は、60mm以下、特に45mm以下、より詳細には35mm以下である。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によると、ビームベンダ1392と第1のレンズ1612との間の距離は、50mm以上、より詳細には100mm以上、例えば115mm以上である。
【0033】
第1のレンズ1612は、磁界を生成するように適合された第1の磁気レンズ部分1614を含むことができる。第1の磁気レンズ部分1614は、磁界を生成するためのコイルを含むことができる。第1の磁気レンズ部分1614は、鉄クラッドを有していてもよい。同様に、第2のレンズ1616は、第2の磁気レンズ部分1618を含むことができる。第2の磁気レンズ部分1618は、第1の磁気レンズ部分1614と比較して同様の構成要素を含んでもよい。第1の磁気レンズ部分1614および/または第2の磁気レンズ部分1618は、信号荷電粒子ビーム1102のラーモア回転を補償するように適合させることができる。ラーモア回転は、荷電粒子ビーム装置の対物レンズによって生成される磁界、例えば磁界(図1には図示せず)の強度の変動に起因して、信号荷電粒子ビーム1102に導入されることがある。第1の磁気レンズ部分1614および/または第2の磁気レンズ部分1618は、信号荷電粒子ビーム1102を回転させるように適合させることができる。信号荷電粒子ビーム1102の回転は、アパーチャプレート1650によって規定される光軸1103の周りの回転であってもよく、時計回りまたは反時計回りの回転であってもよい。第1の磁気レンズ部分1614は、信号荷電粒子ビーム1102を第1の角度A1だけ回転させるように適合させることができる。第1の角度A1は、-45~45度の範囲にあってもよい。したがって、-45度から45度までのラーモア回転を第1の磁気レンズ部分によって補償することができる。第2の磁気レンズ部分1618は、信号荷電粒子ビーム1102を第2の角度A2だけ回転させるように適合させることができる。第2の角度A2は、-45~45度の範囲にあってもよい。したがって、-45度から45度までのラーモア回転を第2の磁気レンズ部分によって補償することができる。例えば図1に示すレンズ系1610などの、第1のレンズが第1の磁気レンズ部分を含み、第2のレンズが第2の磁気レンズ部分を含むレンズ系は、-|A1|-|A2|から|A1|+|A2|までの範囲にある全角度だけ信号荷電粒子ビームを回転させるように適合させることができ、ここで|A1|および|A2|は、A1およびA2の絶対値をそれぞれ表す。したがって、-|A1|-|A2|から|A1|+|A2|までの範囲にあるラーモア回転は、レンズ系によって補償することができる。例えば、-90度~90度のラーモア回転を補償することができる。
【0034】
第1のレンズに含まれる第1の磁気レンズ部分および/または第2のレンズに含まれる第2の磁気レンズ部分を用いて信号荷電粒子ビームのラーモア回転を補償する利点は、ラーモア回転を補償するためのアパーチャプレートおよび/または検出器装置の機械的回転が不要であることである。
【0035】
第1のレンズ1612は、静電レンズ部分(図示せず)と第1の磁気レンズ部分1614とを含む複合レンズであってもよい。静電レンズ部分を含むが第1の磁気レンズ部分を含まない第1のレンズと比較して、複合レンズは、二次荷電粒子ビームに影響を与えるための追加の自由度を提供する。特に、第1の磁気レンズ部分1614によって提供される2つのこのような追加の自由度は、第1の磁気レンズ部分1614に含まれるコイルを通過する電流の大きさおよび方向を含むことができる。同様の考察が、第2のレンズが複合レンズである実施形態にも適用される。
【0036】
第1の磁気レンズ部分1614によって生成される磁界は、アパーチャプレート1650上への信号荷電粒子ビーム1102の集束に影響を与えることができる。このような集束効果は、第1のレンズ1612の静電レンズ部分の励起を適切な値に設定することによって補償またはさらに拡大することができる。例えば、集束効果は、静電レンズ部分の屈折力を減少または増加させることによって影響を受けることがある。したがって、信号荷電粒子ビーム1102を、所望のやり方で、成形し、集束させ、および/またはデフォーカスすることができる。したがって、第1の磁気レンズ部分1614と静電レンズ部分との複合作用を介して、第1のレンズ1612は、対物レンズのラーモア回転を補償し、ならびに/あるいは信号荷電粒子ビーム1102を成形し、集束させ、および/またはデフォーカスするように構成することができる。同様の考察が、第2のレンズが複合レンズである実施形態にも適用される。
【0037】
第1のレンズ1612および第2のレンズ1616の両方が磁気レンズ部分を含む図1の例示の代替として、本明細書に記載する他の実施形態によると、第1のレンズ1612および第2のレンズ1616の一方のみが、ラーモア回転を補償するための磁気レンズ部分を含むことがあってもよい。実施形態によると、第1のレンズおよび第2のレンズの少なくとも一方が対物レンズのラーモア回転を補償するための磁気レンズ部分を備える。
【0038】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるさらなる実施形態によると、第1のレンズおよび第2のレンズは、静電レンズ部分を含むかまたは静電レンズ部分から構成されている。例えば、第1のレンズおよび第2のレンズは、磁気レンズ部分を含まない。任意の修正形態として、特にこのような実施形態では、ラーモア回転は、コイル、例えばラーモア回転コイルによって提供または補償することができる。例えば、ラーモア回転コイルは、第1のレンズおよび/または第2のレンズの下流にあり得る。
【0039】
実施形態によると、二次荷電粒子光学モジュール1600は、コントローラ1630を含むことができる。図1に示されるコントローラ1630は、第1のレンズ1612の励起および第2のレンズ1616の励起を制御するように構成することができる。第1のレンズ1612の励起を制御することは、第1のレンズ1612の静電レンズ部分の励起を制御すること、および/または第1のレンズ1612の磁気レンズ部分の励起を制御することを含むことができる。同様の考察が、第2のレンズ1616が静電および/または磁気レンズ部分を含む場合にも適用される。
【0040】
第1のレンズ1612の静電レンズ部分は、電界を生成するための1つまたは複数の電極を含むことができる。電界を生成させるために電極に電位を印加することができる。電界は、コントローラ1630の制御下で生成されてもよい。特に、電界の強度は、コントローラ1630の制御によって制御され、決定され、および/または制御下で調整されてもよい。第1のレンズ1612の磁気レンズ部分はそれぞれ、磁界を生成するための1つまたは複数のコイルを含むことができる。磁界を生成するためにコイルに電流を流すことができる。磁界は、コントローラ1630の制御下で生成されてもよい。特に、磁界の強度ならびにコイルを通る電流方向によって決定される磁界方向は、コントローラ1630の制御によって制御され、決定され、および/または制御下で調整されてもよい。同様の考察が、第2のレンズ1616に含まれる静電レンズ部分および/または磁気レンズ部分にも適用される。本明細書に記載の実施形態によると、第1のレンズは、静電レンズ部分、磁気レンズ部分、または静電レンズ部分と磁気レンズ部分の両方を含むことができる。本明細書に記載の実施形態によると、第2のレンズは、静電レンズ部分、磁気レンズ部分、または静電レンズ部分と磁気レンズ部分の両方を含むことができる。第1のレンズおよび/または第2のレンズに復号静電磁気レンズを提供すること、すなわち静電レンズ部分と磁気レンズ部分とを有することは、特にラーモア回転に関して、信号荷電粒子ビームを調整する際の自由度を高めることができる場合がある。
【0041】
コントローラ1630は、第1のレンズ1612の励起と第2のレンズ1616の励起を独立して制御するように構成することができる。したがって、コントローラ1630は、第1のレンズ1612による信号荷電粒子ビーム1102の集束、デフォーカスおよび/または成形を、第2のレンズ1616による信号荷電粒子ビーム1102の集束、デフォーカスおよび/または成形の制御とは独立して制御できるようにすることができる。第1のレンズ1612の励起と第2のレンズ1616の励起を独立して制御することにより、二次荷電粒子結像システムのトポグラフィ検出モードにおいて、信号荷電粒子ビーム1102の第1のサブビームが第1の開口部1653を通過して第1の検出素子1970によって検出され、信号荷電粒子ビーム1102の中央サブビームが中央開口部1655を通過して中央検出素子1950によって検出され、信号荷電粒子ビーム1102の第2のサブビームが第2の開口部1657を通過して第2の検出素子1930によって検出される。
【0042】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によると、コントローラ240は、第1のレンズ1612の励起および第2のレンズ1616の励起を適合させることによって、トポグラフィ検出モードと明視野検出モードとを切り替えるように構成することができる。第1の瞬間において、第1のレンズ1612の励起および第2のレンズ1616の励起は、トポグラフィ検出モードで信号荷電粒子ビーム1102を結像するために、コントローラ1630の制御下で第1の構成に設定することができる。第2の、例えば後の瞬間に、第1のレンズ1612の励起および第2のレンズ1616の励起は、明視野検出モードで信号荷電粒子ビーム1102を結像するために、コントローラ1630の制御下で第2の構成に設定することができる。したがって、システムの柔軟性が向上する。
【0043】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によると、二次荷電粒子結像システムは、後方散乱電子検出器モジュール1400を第1の位置5452と第2の位置5454との間でそれぞれ回転させることによって、二次荷電粒子検出モードと後方散乱電子検出モードとを切り替えるように構成することができる。したがって、システムの柔軟性がさらに向上する。
【0044】
トポグラフィ検出モードまたは明視野検出モードのいずれかのみに従って動作するように構成されたシステムと比較して、トポグラフィ検出モードと明視野検出モードとを切り替えるように構成されたコントローラを有することの利点は、例えばトポグラフィ情報、試料上の欠陥、試料の化学成分などに関する試料の複数の態様を単一のシステムによって分析することができることである。
【0045】
図1は、二次荷電粒子結像システムの簡略化された側面概略図を示す。本明細書に記載の実施形態によると、二次荷電粒子結像システムは、アパーチャプレートを含む。
【0046】
アパーチャプレート1650は、第1の開口部1653、中央開口部1655、および/または第2の開口部1657を含むことができる。第1の開口部1653は、第2の開口部1657から離れていてもよい。アパーチャプレート1650は、第1のレンズ1612および/または第2のレンズ1616に対して平行におよび/または離間して配置することができる。第1の開口部1653は、垂直方向に対して、アパーチャプレート1650の上部に形成されていてもよい。中央開口部1655は、アパーチャプレート1650の中央部に形成されていてもよい。第2の開口部1657は、アパーチャプレート1650の下部に形成されていてもよい。アパーチャプレート1650は、光軸1103を規定することができる。一例では、アパーチャプレート1650の中心と第1のレンズ1612の中心との間の距離は、40~200mmの範囲にあってもよい。
【0047】
アパーチャプレート1650、第1のレンズ1612および/または第2のレンズ1616は、検出器装置1900によって規定される平面に平行であってもよい。
【0048】
第1の開口部1653、中央開口部1655、および第2の開口部1657に加えて、アパーチャプレート1650は、さらなる開口部を含むことができる。例えば、アパーチャプレート1650は、5つの開口部を含むことができる。第1の開口部1653、第2の開口部1657および任意のさらなる開口部は、アパーチャプレート1650が光軸1103に対して4回回転対称を有するように、光軸1103の周りに配置されてもよい。第1の開口部1653、第2の開口部1657、および任意のさらなる開口部は、光軸1103に対して半径方向外向きの開口部であってもよい。一例では、中央開口部1655の直径または対応する寸法は、1mm~4mmであってもよい。別の例では、第1の開口部1653、第2の開口部1657および/またはさらなる開口部は、3mm~15mmの範囲の直径または対応する寸法を有することができる。さらに別の例では、第1の開口部の中心と第2の開口部の中心との間の距離は、4~15mmの範囲にあってもよい。
【0049】
アパーチャプレート1650は、整数N個のさらなる開口部を含むことができ、第1の開口部1653、第2の開口部1657、およびN個のさらなる開口部は、アパーチャプレート1650がアパーチャプレート1650の光軸1103に対してN+2回回転対称を有するように、アパーチャプレート1650の光軸1103の周りに配置される。
【0050】
さらに別の例では、アパーチャプレートは、5mm以上の厚さを有してもよく、より詳細には、厚さは10mm~20mmであってもよい。アパーチャプレートの厚さは、アパーチャプレートの軸方向および/またはアパーチャプレートによって規定される光軸に平行な方向の厚さであってもよい。10mm~20mmの厚さを有することで、信号荷電粒子ビームのサブビームの分離を高めることができる。分離を高めることにより、検出素子、例えば第1の検出素子、第2の検出素子および/または中央検出素子が5mmの直径を有する標準的なピンダイオードであってもよい検出器装置を利用することが可能になる。したがって、実現可能な検出器装置の設計を提供することができる。さらに、アパーチャプレートと検出器装置との間に生成される加速度場のリーチスルー(reach-through)がアパーチャプレートの厚さによって影響されるという事実に照らして、アパーチャプレートの最小厚さを少なくとも5mmとすることにより動作電圧が低減されるという有益な副次的効果がある。したがって、より良好な高電圧耐性、信頼性および安定性を提供することができる。
【0051】
二次荷電粒子ビームの伝播に対して、アパーチャプレートは検出器装置の上流に配置されている。
【0052】
図1は、二次荷電粒子結像システムの簡略化された側面概略図を示す。本明細書に記載の実施形態によると、二次荷電粒子結像システムは、1つまたは複数の偏向素子を含む。
【0053】
1つまたは複数の偏向素子は、信号荷電粒子ビーム1102に影響を与えるように構成することができる。1つまたは複数の偏向素子を設けることによって、信号荷電粒子ビーム1102が試料から検出器装置1900に移動する際に、信号荷電粒子によって運ばれる情報がより容易に保存される。図示するように、第1の偏向素子1720および第2の偏向素子1710は、ビームベンダ1392と検出器装置1900との間に配置されてもよい。代替の実施形態によると、二次荷電粒子結像システムは、第2の偏向素子1710なしで第1の偏向素子1720を含むことができ、またはその逆も可能であり、あるいはビームベンダ1392と検出器装置1900との間に配置された追加の偏向素子を含むことができる。第3の偏向素子(図示せず)は、ビームベンダ1392と第2のレンズ1616との間に設けられてもよい。あるいは、信号荷電粒子ビーム1102に対して、ビームベンダ1392の上流に第3の偏向素子を設けてもよい。例えば、第3の偏向素子は、本明細書に記載されるようなビーム分離器とビームベンダとの間に設けられてもよい。第3の偏向素子は、検出器装置上での信号荷電粒子ビームのアライメントおよび/または結像を改善する。それに応じて、信号の生成、したがってコントラストを改善することができる。信号の生成が改善されることで、特にEBI用途のスループットが良好になる。第3の偏向素子は、ビームベンダ1392を出る信号荷電粒子ビーム1102が通過する次の偏向素子であってもよい。第3の偏向素子は、信号荷電粒子ビーム1102に対して、ビームベンダ1392または後方散乱電子検出器モジュール1400の直ぐ下流に配置することができる。あるいは、第3の偏向素子は、第1のレンズ1612と検出器装置1900との間に設けられてもよい。上述したように、ビームベンダと第2のレンズとの間または第1のレンズと検出器装置との間に第3の偏向素子を設けることは、例えば第3の偏向素子をビーム分離器とビームベンダとの間に配置すること(信号荷電粒子ビームと一次荷電粒子ビームとの分離が不十分)と比較して、第3の偏向素子に対する潜在的な空間制約がそれほど重要ではないという利点を有する。第3の偏向素子をビーム分離器とビームベンダとの間に配置することで、信号荷電粒子ビームの逆走査(anti-scanning)を改善することができる。特に、視野の中心から始まる信号荷電粒子ビームの軸に対して、軸外位置から発する信号荷電粒子ビームの偏差をより容易に補償することができる。
【0054】
図1に示すように、第2の偏向素子1710は、第1のレンズ1612と第2のレンズ1616との間に配置することができる。第2の偏向素子1710は、第2のレンズ1616から第1のレンズ1612に進む信号荷電粒子ビーム1102に影響を与えることができる。第1の偏向素子1720は、アパーチャプレート1650と第1のレンズ1612との間に配置することができる。第1の偏向素子1720は、第1のレンズ1612からアパーチャプレート11650に進む信号荷電粒子ビーム1102に影響を与えることができる。第1の偏向素子1720および/または第2の偏向素子1710は、図1に示すように、光軸1103に整列していてもよい。光軸1103は、第1の偏向素子1720を通っておよび/または第2の偏向素子1710を通って長手方向に延びていてもよい。
【0055】
例えば図1に示す第1の偏向素子1720および/または第2の偏向素子1710などの信号荷電粒子ビームに影響を与える偏向素子は、静電偏向部分および/または磁気偏向部分を含むことができる。静電偏向部分は、静電双極子、四極子、またはより高次の多極素子を含むことができる。磁気偏向部分は、磁気双極子、四極子、またはより高次の多極素子を含むことができる。偏向素子は、アパーチャプレートによって規定された光軸の両側に配置されたおよび/または信号荷電粒子ビームの両側に配置された2つの偏向プレートを含むことができる。2つの方向に偏向するために、2つの垂直な双極子場が提供されてもよく、または1つの双極子場を可能にするように動作させることができる2つの偏向器が設けられてもよく、1つの双極子場は、2つの偏向器の動作に応じて回転させることができる。例えば、2つの偏向器の個々の場は、90°などの70°~110°角度を別々に囲むことができる。図1に示すように、第1の偏向素子1720および/または第2の偏向素子1710はそれぞれ、信号荷電粒子ビームを第1の方向に偏向するための2つの偏向板を含むことができる。
【0056】
信号荷電粒子ビームに影響を与える偏向素子は、例えば明視野検出モードにおいて、信号荷電粒子ビームをアパーチャプレートの光軸と整列するように適合させることができる。追加的にまたは代替的に、偏向素子、例えば本明細書に記載されるような第3の偏向素子は、信号荷電粒子ビームを逆走査するように適合されてもよい。信号荷電粒子ビームは、一次荷電粒子ビームが試料上で走査される荷電粒子ビーム装置において逆走査されてもよい。試料上で一次荷電粒子ビームを走査すると、信号荷電粒子ビームの望ましくない偏向がもたらされることがあり、検出器装置に衝突する信号荷電粒子ビームの位置および/またはアパーチャプレートに対する信号荷電粒子ビームの位置は、試料上で走査される一次荷電粒子ビームの位置に依存することがある。この依存性により、検出品質が悪くなり、像が不鮮明になる可能性がある。例えば図1に示す第1の偏向素子1720および/または第2の偏向素子1710による信号荷電粒子ビームの逆走査は、一次荷電粒子ビームを走査することから生じる信号荷電粒子ビームの偏向を補償することができ、および/または試料上で走査される一次荷電粒子ビームの位置とは無関係に、信号荷電粒子ビームをターゲット軸、例えばアパーチャプレートによって規定される光軸と整列させることができる。したがって、信号荷電粒子ビームの軸外収差を回避することができる。信号荷電粒子ビームの逆走査は、大きな視野を有する荷電粒子ビーム装置にとって特に有益であることがある。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によると、荷電粒子ビーム装置の視野は、500μm以上であってもよい。
【0057】
偏向素子を用いて信号荷電粒子ビームの逆走査を行うために、偏向素子に偏向電圧を印加することができる。偏向電圧は、一次荷電粒子ビームの走査に起因する信号荷電粒子ビームの偏向を補償するために、一次荷電粒子ビームの走査と同期させることができる。
【0058】
信号荷電粒子ビームを逆走査するように構成された偏向素子は、信号荷電粒子ビームに対して、アパーチャプレートの上流、第1のレンズの上流、および/または第1のレンズと第2のレンズとの間に配置することができる。アパーチャプレートの下流で信号荷電粒子ビームを逆走査することと比較して、アパーチャプレートの上流で逆走査することは、信号荷電粒子ビームをターゲット軸とより容易に整列させることができるという利点を有する。さらに、アパーチャプレートの上流での逆走査は、エネルギーフィルタが光軸1103に対する信号荷電粒子ビームの位置に対する感度を増大させるため、エネルギーフィルタがアパーチャプレートに設けられているシステムにとって有利である場合がある。
【0059】
図1は、二次荷電粒子結像システムの簡略化された側面概略図を示す。本明細書に記載の実施形態によると、二次荷電粒子結像システムは、検出器装置を含む。
【0060】
検出器装置1900は、第1の検出素子1970、中央検出素子1950、および/または第2の検出素子1930を含むことができる。第2の検出素子1930は、第1の検出素子1970から離間していてもよい。第1の検出素子1970、中央検出素子1950、および/または第2の検出素子1930は、検出器装置1900のホルダによって支持することができる。ホルダは、第1の検出素子1970、中央検出素子1950、および/または第2の検出素子1930が取り付けられ得るホルダプレートを含むことができる。図1に示すように、第1の検出素子1970、中央検出素子1950、および/または第2の検出素子1930は、垂直方向に関して、検出器装置1900の上部、中央部、および/または下部にそれぞれ配置されてもよい。第1の検出素子1970および第1の開口部1653は、光軸1103を含む基準面の第1の側に配置されてもよい。第2の検出素子1930および第2の開口部1657は、基準面の第2の側に配置されてもよく、第2の側は第1の側の反対側である。
【0061】
第1の検出素子1970、中央検出素子1950、および第2の検出素子1930に加えて、検出器装置1900は、さらなる検出素子を含んでもよい。例えば、検出器装置1900は、5つの検出素子、および/またはアパーチャプレート1650に設けられた開口部の数と同じ数の検出素子を含むことができる。検出素子のそれぞれは、アパーチャプレート1650の1つの対応する開口部と関連付けられてもよい。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によると、検出器装置1900は、整数N個のさらなる検出素子を含み、整数Nは、0であるか、または0よりも大きい。
【0062】
例えば、第1の検出素子1970、中央検出素子1950、および/または第2の検出素子1930などの検出器装置1900の検出素子は、例えば、pinダイオード検出器またはシンチレータ検出器であってもよい。特にEBI用途では、高スループットが望まれ、その結果、非常に高速なセンサが必要とされる。したがって、pinダイオード検出器を使用することができる。得られる帯域幅は、pinダイオード検出器のサイズに依存することがある。1mm2以下のセンサ面積を利用することができる。
【0063】
検出器装置1900の第1の検出素子1970、中央検出素子1950、第2の検出素子1930、および/またはさらなる検出素子は、互いに空間的に分離されてもよい個々の検出器であってもよい。検出器装置の検出素子によって得られた個々の信号は、コントラストを高めるために合成する(例えば、減算する)ことができる。例えば、互いに近接して配置される検出素子と比較して、例えば、空間的に分離された検出素子を有するセグメント化されたpinダイオードは、アクティブセグメントを分離するpinダイオード領域に関する問題(例えば、帯電、信号損失、クロストーク)をより容易に克服することができるという利点を提供する。さらに、空間的に分離された検出素子は、安価で、開発サイクルが短く、センサ設計の柔軟性が向上し、および/または製品化までの時間が速くなる。
【0064】
第1の検出素子と第2の検出素子との間の距離は、1~20mmの範囲にあってもよい。第1の検出素子と中央検出素子との間の距離は、1~14mmの範囲にあってもよい。
【0065】
例えば明視野検出器と比較して、本明細書に記載されるような複数の検出素子を含む検出器装置1900は、例えば物理的欠陥に起因する試料のトポグラフィの変化に対する感度を向上させる。複数の検出素子は、試料における取り出し角が特定の範囲内の二次荷電粒子のみを収集することができる。したがって、例えば欠陥検査ツールおよびレビューツールまたは限界寸法決定ツールのために、コントラストが強化された検査された特徴および/または欠陥を提供することができる。
【0066】
検出器装置1900は、一体化された検出器装置であってもよい。第1の検出素子1970、中央検出素子1950、および/または第2の検出素子1930は、検出器装置に一体化されてもよい。検出器装置1900の検出素子は、一体化された検出器装置において互いに分離されていてもよい。検出器装置1900の検出素子は、検出器装置1900内または検出器装置102に固定的に配置されていてもよい。検出器装置1900の検出素子は、検出器装置1900のホルダまたはホルダプレート上に固定されていてもよい。
【0067】
図1は、二次荷電粒子結像システムの簡略化された側面概略図を示す。本明細書に記載の実施形態によると、二次荷電粒子結像システムは、信号荷電粒子ビーム1102および/または光軸1103を含む。
【0068】
光軸1103は、アパーチャプレート230の中心を通って延びることができる。図1の描画面に対して、光軸1103は、垂直方向に直交する水平(「左右」)方向に沿って延びている。図示するように、信号荷電粒子ビーム1102は、光軸1103に沿って進むことができる。代替的にまたは追加的に、光軸1103は、信号荷電粒子ビーム1102の光軸、二次荷電粒子光学モジュール1600の光軸、アパーチャプレート1650の光軸、および/または検出器装置1900の光軸であってもよい。
【0069】
光軸1103は、中央検出素子1950を貫いて延びることができる。光軸1103は、アパーチャプレート1650によって規定される平面、第1のレンズ1612によって規定される平面、および/または第2のレンズ1616によって規定される平面に対して垂直または実質的に垂直であってもよい。用語「実質的に垂直」は、90~110度の角度を指すことができる。光軸1103は、アパーチャプレート1650、第1のレンズ1612および/または第2のレンズ1616の対称軸であってもよい。光軸1103は、アパーチャプレート1650、第1のレンズ1612および/または第2のレンズ1616の対称軸であってもよい。
【0070】
図2は、本明細書に記載の実施形態による二次荷電粒子結像システムの簡略化された上面概略図を示す。図2に示すように、ハウジング2220が設けられてもよい。ハウジング2220は、信号荷電粒子ビーム1102のための真空封じ込めおよび/または真空状態を提供することができる。好ましい実施形態では、ハウジング2220は、ビームベンダ1392、後方散乱電子検出器モジュール1400、および二次荷電粒子光学モジュール1600などの二次荷電粒子結像システムの少なくともいくつかの要素を収容することができる。したがって、ビームベンダ1392、後方散乱電子検出器ホルダ1450、後方散乱電子検出器素子1470、アパーチャ1460、および/または二次荷電粒子光学モジュール1600は、ハウジング2220内に配置されてもよい。好ましい実施形態では、ビームベンダ1392は、後方散乱電子検出器モジュール1400の上流に配置され、後方散乱電子検出器モジュールは、二次荷電粒子光学モジュール1600の上流に配置される。
【0071】
実施形態によると、アーム2420、例えば剛性アームを設けることができる。アーム2420は、後方散乱電子検出器ホルダ1450、後方散乱電子検出器素子1470および/またはアパーチャ1460に接続されてもよく、ならびに/あるいはこれらを支持してもよい。アームは、後方散乱電子検出器モジュール1400に含まれてもよい。一例では、アーム2420は、ハウジング2220内に延び、ハウジング2220の外側に延び、および/またはハウジング2220の側面を貫いて延びる。アーム2420は、回転可能であってもよい。アーム2420は、軸を中心に回転することができる。軸は、ハウジング2220の内部に配置されてもよい。軸は、ハウジング2220の中心よりもハウジング2220の側面に近くてもよい。したがって、後方散乱電子検出器モジュール1400、後方散乱電子検出器ホルダ1450、アパーチャ1460、および/または後方散乱電子検出器素子1470は、軸を中心に回転可能であってもよい。
【0072】
図3は、本明細書に記載される実施形態による後方散乱電子検出器モジュールおよび後方散乱電子検出器アクチュエータモジュールの簡略化された側面概略図を示す。実施形態によると、後方散乱電子検出器アクチュエータモジュール3440、軸受モジュール3260、ヒンジ継手スロット3424、ヒンジ継手ピン3422、および/または可撓性エンクロージャ3430を設けることができる。
【0073】
実施形態によると、後方散乱電子検出器アクチュエータモジュール3440は、例えばアーム2420を作動させることによって、後方散乱電子検出器モジュール1400を作動、特に移動、好ましくは回転または傾斜させるように構成されている。後方散乱電子検出器アクチュエータモジュール3440は、空気圧式アクチュエータおよび/または機械式アクチュエータを含むことができる。別の例では、後方散乱電子検出器アクチュエータモジュール3440は、第1のリミットストップと、任意で第2のリミットストップとを含む。第1のリミットストップは、第1の角度位置5452に対応することができる。第2のリミットストップは、第2の角度位置5454に対応することができる。一例では、後方散乱電子検出器アクチュエータモジュール3440は、機械式スイッチ、空気圧式スイッチ、または電気式スイッチなどのスイッチによって動作する。後方散乱電子検出器アクチュエータモジュール3440は、後方散乱電子検出器モジュール1400および/またはアーム2420を第1の角度位置5452と第2の角度位置5454との間で回転させるように構成することができる。後方散乱電子検出器アクチュエータモジュール3440は、ハウジング2220、軸受モジュール3260、アーム2420、および/または後方散乱電子検出器モジュール1400に結合されてもよく、これらと一体化されてもよく、またはこれらに含まれてもよい。後方散乱電子検出器アクチュエータモジュール3440は、ハウジング2220、軸受モジュール3260、および/またはアーム2420の一部として、ハウジング2220および/または軸受モジュール3260の外側および/または外面上に、ならびに/あるいはアーム2420の端部部分に配置されてもよい。
【0074】
実施形態によると、アーム2420は、ヒンジ継手ピン3422を含む。ヒンジ継手ピン3422は、ヒンジ継手スロット3424内でおよび/またはその一部として回転するように構成されてもよい。ヒンジ継手スロット3424は、軸受モジュール3260に接続されてもよく、および/またはその一部であってもよい。ヒンジ継手ピン3422およびヒンジ継手スロット3424は、アーム2420および/または後方散乱電子検出器モジュール1400を回転および/または傾斜させるためのヒンジ継手および/または軸として機能することができる。
【0075】
実施形態によると、可撓性エンクロージャ3430は、後方散乱電子検出器素子1470の真空封じ込めおよび/または真空状態を提供するように構成されている。可撓性エンクロージャ3430は、ヒンジ継手ピン3422、ヒンジ継手スロット3424、および/または軸受モジュール3260を周囲圧力、状態、環境、および/または条件に維持するように構成することができる。可撓性エンクロージャ3430は、第1の端部において、ハウジング2220および/または軸受モジュール3260に、場合によっては密封または封止方式で、結合、取り付け、および/または接続することができる。可撓性エンクロージャ3430は、第2の端部において、好ましくは軸および/またはヒンジ継手ピン3422と後方散乱電子検出器素子1470、アパーチャ1460、および/または後方散乱電子検出器ホルダ1450との間で、場合によっては密封または封止方式で、アーム2420に同様に結合、取り付け、および/または接続することができる。一例では、可撓性エンクロージャ3430は、ホース、ベローズであり、可撓性であり、および/または真空使用に適している。さらに別の例では、可撓性エンクロージャ3430は、可撓性ベローズであり、空気と真空との間に封止を提供し、ヒンジ継手ピン3422およびヒンジ継手スロット3424の可動部分、または何らかの回転継手、ならびに/あるいは空気側または周囲側の軸受モジュール3260の可動部分、ならびに/あるいは真空側および/またはハウジング2220内側の後方散乱電子検出器素子1470を維持する。可撓性エンクロージャ3430は、予張力がかけられていてもよく、好ましくは組み立てられた状態で予張力がかけられていてもよく、好ましくは軸方向に予張力がかけられていてもよい。予張力がかけられた可撓性エンクロージャ3430は、軸受モジュール3260および/またはハウジング2220に対してアーム2420に力を加えることができ、および/またはそれを引っ張ることができる。可撓性エンクロージャ3430は、後方散乱電子検出器モジュール1400のアーム2420、ヒンジ継手ピン3422、ヒンジ継手スロット3424、および/または回転軸の少なくとも一部を囲むのに適していてもよい。
【0076】
実施形態によると、軸受モジュール3260は軸方向軸受である。軸受モジュール3260は、アーム2420および/または後方散乱電子検出器モジュール1400を支持するように構成することができる。軸受モジュール3260および/またはハウジング2220は、アーム2420に反力を提供することができる。反力は、可撓性エンクロージャ3430の予張力よりも小さくてもよく、動作状態および/または組み立て状態において真空力によってバランスがもたらされる。一例では、反力は40Nまたは0N~100Nであってもよい。別の例では、予張力がかけられた可撓性エンクロージャ3430は、反力よりも60N以上大きい予張力を有してもよい。
【0077】
実施形態によると、後方散乱電子検出器素子1470は、円形、正方形または多角形の断面および/または形状を有することができる。アパーチャ1460は、同様に、円形、正方形、三角形または多角形の断面を有することができる。
【0078】
図4Aおよび図4Bは、本明細書に記載の実施形態によるアーム、ヒンジ継手の簡略化された擬似3D表現である。
【0079】
実施形態によると、ヒンジ継手ピン3422および/またはヒンジ継手スロット3424は、ヒンジ継手を形成することができる。ヒンジ継手スロット3424は、U字形スロットであってもよい。ヒンジ継手スロット3424は、ヒンジ継手ピン3422に反力を提供するのに適していてもよい。ヒンジ継手スロットは、軸受モジュール3260に配置されていてもよい。ヒンジ継手ピン3422は、アーム2420に配置されていてもよい。ヒンジ継手ピン3422は、複数のピン、例えば2つのピンであってもよく、および/またはアーム2420の径方向の両側に配置されていてもよい。同様に、ヒンジ継手スロット3424は、複数のスロット、例えば2つのスロットであってもよく、および/またはアーム2420の直径もしくは限界寸法、あるいは断面側部と少なくとも等しい距離だけ分離されていてもよい。ヒンジ継手ピン3422は、アーム2420上に接続用の角張ったまたは多角形のリングを含むことができる。角張ったまたは多角形のリングは、ヒンジ継手スロット3424のためのガイド、組み立てガイド、および/または相補的な面として適している場合がある。
【0080】
図5Aおよび図5Bは、本明細書に記載の実施形態による、第1の角度位置および第2の角度位置における後方散乱電子検出器モジュールの簡略化された側面概略図である。実施形態によると、後方散乱電子検出器モジュール1400および/またはアーム2420は、第1の角度位置5452と第2の角度位置5454との間で切り替え可能、回転可能、傾斜可能、および/または移動可能であってもよい。第1の角度位置5452において、アパーチャ1460は動作可能であるように構成されてもよく、および/または後方散乱電子検出器素子1470は動作不能であるように構成されてもよい。第2の角度位置5454において、後方散乱電子検出器素子1470は動作状態であるように構成されてもよく、および/またはアパーチャ1460は動作不能であるように構成されてもよい。第1の角度位置5452は、第1のリミットストップ、ならびに/あるいは、上方回転位置/上方傾斜位置におけるアーム2420および/または後方散乱電子検出器アクチュエータモジュール3440に対応することができる。同様に、第2の角度位置5454は、第2のリミットストップ、ならびに/あるいは、下方回転位置/下方傾斜位置におけるアーム2420および/または後方散乱電子検出器アクチュエータモジュール3440に対応することができる。第1の角度位置5452と第2の角度位置5454との間の角度距離および/または分離は、少なくとも0度および/または10度未満、好ましくは2~5度の範囲にあってもよい。回転は、軸を中心としたものであってもよい。回転は、ヒンジ継手ピン3422を中心としたものであってもよい。
【0081】
図6Aおよび図6Bは、本明細書に記載の実施形態による、第1の角度位置および第2の角度位置における後方散乱電子検出器モジュールのアパーチャおよび後方散乱電子検出器素子の拡大簡略側面概略図である。実施形態によると、ビームベンダシールドがあってもよい。一例では、ビームベンダシールド6394は、高電圧シールドである。ビームベンダシールド6394は、シールドアパーチャ6396を含むことができる。シールドアパーチャ6396は、円形、正方形、三角形、または多角形の断面または形状を有することができる。シールドアパーチャ6396は、アパーチャ1460または後方散乱電子検出器素子1470と同様または同一の断面を有することができる。一例では、シールドアパーチャ6396および/またはアパーチャ1460は、図6Aおよび図6Bに示すように、三角形の形状を有する。一例では、シールドアパーチャ6396とアパーチャ1460は、同じサイズであってもよい。別の例では、シールドアパーチャ6396および/またはアパーチャ1460の少なくとも一方は円形の形状を有し、他方は三角形の形状を有する。
【0082】
信号荷電粒子ビーム1102を偏向するために使用されるビームベンダ1392、例えば扇形ビームベンダ内で収差が発生する可能性がある。例えば、電界の六重極成分は、扇形ビームベンダ1392を通過する信号荷電粒子ビーム(例えば、二次電子束)に3次収差をもたらす可能性がある。扇形ビームベンダ1392内の信号荷電粒子ビーム1102の幅が増大するにつれて、六重極成分の量の増大により信号荷電粒子ビーム1102が変形する。シールドアパーチャ6396またはアパーチャ1460などの、信号荷電粒子ビーム1102の通路領域が実質的に三角形の形状、例えば二等辺三角形の形状を有するアパーチャは、フリンジ場の六重極成分を低減するか、または信号荷電粒子ビーム1102に対する六重極収差を低減することができる。シールドアパーチャ6396またはアパーチャ1460などの、信号荷電粒子ビーム1102の通路領域が実質的に円形、例えば円の形状を有するアパーチャは、例えば扇形ビームベンダ1392からの偏向場の望ましくない影響を低減または最小化することができる。
【0083】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる好ましい実施形態では、シールドアパーチャ6396は、アパーチャ1460の上流にあってもよい。シールドアパーチャ6396は、三角形状であってもよい。アパーチャ1460は、円形であってもよい。代替として、ビームベンダ1392の下流側に配置されているシールドアパーチャ6396および/またはアパーチャ1460のうちの少なくとも1つは、2つの側面を有することができ、ビームベンダ1392に面する第1の側面は実質的に円形であり、ビームベンダ1392と反対向きの第2の側面は実質的に三角形である。
【0084】
一部の実施形態では、シールドアパーチャ6396は、アパーチャ1460の上流にあってもよい。シールドアパーチャ6396は、信号荷電粒子ビームのための実質的に三角形の形状の通路領域を有することができる。したがって、シールドアパーチャ6396の三角形状は、フリンジ電界の六重極成分を最小限に抑えることができる。アパーチャ1460は、シールドアパーチャ6396の下流にあってもよい。アパーチャ1460は、信号荷電粒子ビーム1102のための実質的に円形の通路領域を有することができる。アパーチャ1460の円形形状は、信号荷電粒子ビーム1102に対するフリンジ電界の影響を最小限に抑えることができる。代替として、アパーチャ1460は、信号荷電粒子ビーム1102に対するフリンジ電界の六重極成分の影響を最小限に抑えるために、実質的に三角形状の通路領域を有してもよい。代替的にまたは追加的に、シールドアパーチャ6396は、信号荷電粒子ビーム1102のための実質的に円形の通路領域を有してもよい。シールドアパーチャ6396の円形形状は、信号荷電粒子ビーム1102に対するフリンジ電界の影響を最小限に抑えることができる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる好ましい実施形態では、アパーチャ1460は実質的に三角形の形状を有し、シールドアパーチャ6396は実質的に三角形の形状を有し、後方散乱電子検出器素子1470は実質的に円形の形状を有する。
【0085】
別の例では、後方散乱電子検出器素子1470は、アパーチャ1460またはシールドアパーチャ6396の寸法または高さと同じか、それよりも小さいか、またはそれよりも大きい直径の円形形状を有する。第1の角度位置5452は、アパーチャ1460の動作、または二次電子検出モードに対応してもよい。第2の位置5454は、後方散乱電子検出器素子1470の動作、または後方散乱電子検出モードに対応してもよい。第1の角度位置5452および第2の角度位置5454は、角度位置の2つの可能な順序のうちの1つとして理解され、逆の順序も同様に可能であり、関連する要素、構成要素、動作、および効果が対応して逆になる。
【0086】
図7は、本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置の簡略化された側面概略図を示す。一例では、荷電粒子ビーム装置は、走査型電子顕微鏡であってもよい。さらなる例では、荷電粒子ビーム装置は、マルチビーム装置であってもよい。荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子ビームエミッタ、ビーム分離器、および/または対物レンズを含むことができる。
【0087】
実施形態によると、ビームエミッタ7310は、一次荷電粒子ビーム7101を放出するためのものである。ビームエミッタ7310は、例えば電子銃であってもよい。荷電粒子ビーム装置は、一次荷電粒子ビーム7101を試料7350上に集束させるための対物レンズ7370を含むことができる。荷電粒子ビーム装置は、試料7350から放射される信号荷電粒子ビーム1102から一次荷電粒子ビーム7101を分離するためのビーム分離器7330を含むことができる。荷電粒子ビーム装置は、本明細書に記載の実施形態による二次荷電粒子結像システムを含むことができる。信号荷電粒子ビーム1102の伝搬に対して、二次荷電粒子結像システムは、ビーム分離器7330の下流に配置することができる。
【0088】
図7に示すように、ビームエミッタ7310から放出された一次荷電粒子ビーム7101は、ビームエミッタ7310からビーム分離器7330に進むことができる。さらに示されるように、一次荷電粒子ビーム7101は、ビーム分離器7330において偏向されてもよい。さらに示されるように、一次荷電粒子ビーム7101は、ビーム分離器7330から、一次荷電粒子ビーム7101を試料7350に集束させるように適合された対物レンズ7370に進むことができる。図7に示す例示的な実施形態によると、一次荷電粒子ビーム7101は、ビーム分離器7330から対物レンズ7370を介して試料7350に進むとき、対物レンズ7370によって規定される光軸に沿って進む。一次荷電粒子ビーム7101が試料7350に衝突すると、信号荷電粒子ビーム1102が生成される。図7に示すように、信号荷電粒子ビーム1102は、試料7350からビーム分離器7330まで進むことができ、信号荷電粒子ビーム1102は、一次荷電粒子ビーム7101とは反対方向に進むことができる。ビーム分離器7330は、一次荷電粒子ビーム7101および信号荷電粒子ビーム1102に作用し、一次荷電粒子ビーム7101を信号荷電粒子ビーム1102から分離するように適合されている。図示するように、信号荷電粒子ビーム1102は、ビーム分離器7330において偏向されてもよい。偏向は、ビーム分離器を出る信号荷電粒子ビームが一次荷電粒子ビーム7101から離れるように誘導されるようなものであってもよい。信号荷電粒子ビーム1102は、ビーム分離器7330から二次荷電粒子結像システムに進む。
【0089】
ビーム分離器7330は、磁界を生成するように適合された、例えば1つまたは複数のコイルを含む磁気ビーム分離部を含むことができる。追加的にまたは代替的に、ビーム分離器7330は、電界を生成するように適合された静電ビーム分離部(例えば、1つまたは複数の電極を含む)を含むことができる。電界および/または磁界は、ビーム分離器7330を通過する一次荷電粒子ビーム7101および/または信号荷電粒子ビーム1102に作用することができる。磁界および/または電界の影響下で、一次荷電粒子ビーム7101および信号荷電粒子ビーム1102をビーム分離器7330において偏向させることができる。
【0090】
荷電粒子ビーム装置は、作動距離を変化させるために対物レンズ7370に対して移動可能であってもよいステージ、一次荷電粒子ビーム7101のランディングエネルギーを変化させるように適合された試料電源、信号荷電粒子ビーム1102に作用する抽出場の強度を変化させるように適合された1つまたは複数の近接電極、および磁界を生成するように適合された対物レンズ7370に含まれる磁気対物レンズ部のうちの少なくとも1つをさらに含むことができる。さらに上述したように、コントローラ1630の作用下で、信号荷電粒子ビーム1102は、少なくとも1つの第1の動作パラメータの変動とは無関係に、および/または少なくとも1つの第2の動作パラメータの変動とは無関係に、例えば、トポグラフィ検出モードまたは明視野検出モードで、アパーチャプレート1650上にマッピングされてもよい。
【0091】
図7に示す荷電粒子ビーム装置は、本明細書に記載の実施形態による二次荷電粒子結像システムを含む。図7に示す二次荷電粒子結像システムは、上述したように、ビームベンダ1392を含む。さらに上述したように、信号荷電粒子ビーム1102は、ビーム分離器7330によって一次荷電粒子ビーム7101から離れるように誘導される。ビームベンダ1392は、図7に示すように、信号荷電粒子ビーム1102を一次荷電粒子ビーム7101からさらに離れるように誘導することができる。
【0092】
図8は、本明細書に記載の実施形態による二次荷電粒子結像システムを動作させるための方法の図である。一実施形態によると、二次荷電粒子結像システムを動作させる方法が提供される。本方法は、例えば動作802に示すように、後方散乱電子検出器モジュールを第1の角度位置5452と第2の角度位置5454との間で軸を中心に回転させることを含む。実施形態では、後方散乱電子検出器モジュール1400を回転させることによって、第1の動作モードおよび第2の動作モードを提供することができる。第1の動作モードでは、信号電子または信号荷電粒子ビーム1102は、後方散乱電子検出器モジュール1400を通過することができる。第2の動作モードでは、信号電子または信号荷電粒子ビーム1102は、後方散乱電子検出器モジュール1400の後方散乱電子検出器素子1470に衝突することができる。
【0093】
以下の利点のうちの少なくとも1つは、本明細書に記載される実施形態によって実現され得る。後方散乱電子検出器は、光軸の内外に移動させることができる。後方散乱電子検出器を光軸外に移動させる場合は、二次電子光学系を有する従来の二次電子検出器を用いることができる。後方散乱電子検出器を二次電子光学系の前に配置することによって、効率、特に検出効率が、関与するランディングエネルギーに応じて、例えば最大30%改善される。後方散乱電子検出の効率は、二次電子光学系のない単一ビームシステムに匹敵する。別の利点は、マルチビームシステムを後方散乱電子検出機能と組み合わせることができることである。軸上後方散乱電子検出は、二次電子光学系を有するマルチビームシステムまたはシングルビームシステムのために、シングルビームモードで提供されてもよい。二次電子光学系は、マルチビームシステムに特に有利である。軸上の二次電子および後方散乱電子は、簡単な機械的切り替えにより1つのカラムで検出することができる。後方散乱電子検出を使用して欠陥を検出するために、マルチビームカラムを使用することができる。特に有利な点は、マルチビームカラムを、シングルビームモード、二次電子検出モードおよび後方散乱電子検出モードで簡単に使用できることである。別の特定の利点は、傾斜または回転運動の概念が、カラムの内側、特に外側の空間要件を最小限に抑えることができることである。カラムの外側およびハウジングの内側に最小限の空間が必要なだけである。傾斜または回転概念では、直線的な作動運動と比較して、はるかに少ない空間しか必要とされない。さらなる利点は、ビームベンダの後に検出器を配置することによって、検出効率およびアクセス性の両方が最適化されることである。一次ビームの近くの空間は、特に密である場合がある。さらに別の利点は、ビームベンダの後の点において、電子ビームが最小断面を有することができることである。小さい断面は、良好な検出効率を可能にする。さらに、可動部品は真空容器の外側にあり、汚染が回避される。この概念は、電子ビーム検査および電子ビームマスク検査に有利であり得る。
【0094】
さらなる実施形態について以下に説明する。
【0095】
第1の実施形態によると、後方散乱電子検出器モジュールが軸を中心として第1の角度位置5452と第2の角度位置5454との間で回転可能である、後方散乱電子検出器モジュールを含む二次荷電粒子結像システムがある。
【0096】
第2の実施形態によると、後方散乱電子検出器モジュールが後方散乱電子検出器素子1470を含む、第1の実施形態に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0097】
第3の実施形態によると、後方散乱電子検出器モジュールがアパーチャ1460を含む、第2の実施形態に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0098】
第4の実施形態によると、ビームベンダ1392をさらに含む、第2の実施形態または第3の実施形態に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0099】
第5の実施形態によると、アパーチャ1460が、第1の角度位置5452において信号荷電粒子ビーム1102の光軸1103上に配置される、第2の実施形態から第4の実施形態のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0100】
第6の実施形態によると、アパーチャ1460が第1の角度位置5452においてビームベンダ1392とレンズ系1610との間に配置される、第4の実施形態または第5の実施形態に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0101】
第7の実施形態によると、アパーチャ1460が、第1の角度位置5452において信号荷電粒子ビーム1102がアパーチャ1460を通過することを可能にするように構成されている、第3の実施形態から第6の実施形態のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0102】
第8の実施形態によると、第1の角度位置5452において二次電子を検出するように構成されている、第1の実施形態から第7の実施形態のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0103】
第9の実施形態によると、後方散乱電子検出器素子1470が第2の角度位置5454において信号荷電粒子ビーム1102の光軸1103上に配置されている、第2の実施形態から第8の実施形態のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0104】
第10の実施形態によると、後方散乱電子検出器素子1470が第2の角度位置5454においてビームベンダ1392とレンズ系1610との間に配置されている、第3の実施形態から第9の実施形態のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0105】
第11の実施形態によると、後方散乱電子検出器素子1470が第2の角度位置5454において信号荷電粒子ビーム1102の後方散乱電子を収集するように構成されている、第2の実施形態から第10の実施形態のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0106】
第12の実施形態によると、第2の角度位置5454において後方散乱電子を検出するように構成されている、第1の実施形態から第11の実施形態のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0107】
第13の実施形態によると、後方散乱電子検出器素子1470が第2の角度位置5454において信号荷電粒子ビーム1102の最小断面の点に、または最小断面の点に隣接して配置されている第2の実施形態から第12の実施形態のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0108】
第14の実施形態によると、後方散乱電子検出器アクチュエータモジュール3440をさらに含む、第1の実施形態から第13の実施形態のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0109】
第15の実施形態によると、後方散乱電子検出器アクチュエータモジュール3440が第1のリミットストップおよび第2のリミットストップを含む、第14の実施形態に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0110】
第16の実施形態によると、後方散乱電子モジュールが第1のリミットストップにおいて第1の角度位置5452にあり、後方散乱電子モジュールが第2のリミットストップにおいて第2の角度位置5454にある、第15の実施形態に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0111】
第17の実施形態によると、後方散乱電子検出器アクチュエータモジュール3440が第1の角度位置5452と第2の角度位置5454との間で後方散乱電子検出器モジュールを回転させるように構成されている、第14の実施形態から第16の実施形態のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0112】
第18の実施形態によると、後方散乱電子モジュールがアーム2420を含み、アーム2420が軸にヒンジ継手ピン3422を含む、第1の実施形態から第17の実施形態のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0113】
第19の実施形態によると、可撓性エンクロージャ3430をさらに含む、第1の実施形態から第18の実施形態のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0114】
第20の実施形態によると、可撓性エンクロージャ3430が、第1の端部において、ヒンジ継手ピン3422と後方散乱電子検出器素子1470との間でアーム2420に密封結合されている、第2の実施形態、第18の実施形態および第19の実施形態のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0115】
第21の実施形態によると、可撓性エンクロージャ3430が第2の端部においてハウジング2220に密封結合されている、第2の実施形態、第18の実施形態および第19の実施形態のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0116】
第22の実施形態によると、可撓性エンクロージャ3430が可撓性ホースまたはベローズである、第19の実施形態から第21の実施形態のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0117】
第23の実施形態によると、可撓性エンクロージャ3430が後方散乱電子検出器素子1470を真空状態に維持し、ヒンジ継手3422、3424を周囲条件に維持するように構成されている、第19の実施形態から第22の実施形態のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0118】
第24の実施形態によると、第1の角度位置5452と第2の角度位置5454との角度分離が10度未満である、第1の実施形態から第23の実施形態のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムがある。
【0119】
第25の実施形態によると、第1から第24の実施形態のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムを含む荷電粒子ビーム装置がある。
【0120】
第26の実施形態によると、荷電粒子ビーム装置がマルチビーム荷電粒子ビーム装置である、第25の実施形態に記載の荷電粒子ビーム装置がある。
【0121】
第27の実施形態によると、軸を中心として後方散乱電子検出器モジュールを第1の角度位置5452と第2の角度位置5454との間で回転させること802を含む二次荷電粒子結像システムを動作させる方法がある。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-05-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸を中心として第1の角度位置(5452)と第2の角度位置(5454)との間で回転可能な後方散乱電子検出器モジュールであって、
二次荷電粒子光学モジュール(1600)の上流に配置されている、後方散乱電子検出器モジュール、
を備える、二次荷電粒子結像システム。
【請求項2】
前記後方散乱電子検出器モジュールが後方散乱電子検出器素子(1470)を備え、前記第2の角度位置(5454)において、
前記後方散乱電子検出器素子(1470)が信号荷電粒子ビーム(1102)の光軸(1103)上に配置され、
前記後方散乱電子検出器素子(1470)がビームベンダ(1392)とレンズ系(1610)との間にあり、
前記後方散乱電子検出器素子(1470)が信号荷電粒子ビーム(1102)の後方散乱電子を収集するように構成され、
前記後方散乱電子検出器素子(1470)が信号荷電粒子ビーム(1102)の最小断面の点に、または前記最小断面の点に隣接して配置されている、
ことのうちの少なくとも1つが成り立つ、
請求項1に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項3】
前記後方散乱電子検出器モジュールがアパーチャ(1460)を備え、前記第1の角度位置(5452)において、
前記アパーチャ(1460)が信号荷電粒子ビーム(1102)の光軸(1103)上に配置され、
前記アパーチャ(1460)がビームベンダ(1392)とレンズ系(1610)との間に配置され、
前記アパーチャ(1460)が、信号荷電粒子ビーム(1102)が前記アパーチャ(1460)を通過することを可能にするように構成されている、
ことのうちの少なくとも1つが成り立つ、
請求項1に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項4】
ビームベンダ(1392)をさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項5】
前記二次荷電粒子結像システムが前記第1の角度位置(5452)において二次電子を検出するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項6】
前記二次荷電粒子結像システムが前記第2の角度位置(5454)において後方散乱電子を検出するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項7】
後方散乱電子検出器アクチュエータモジュール(3440)をさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項8】
前記後方散乱電子検出器アクチュエータモジュール(3440)が第1のリミットストップおよび第2のリミットストップを備える、請求項7に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項9】
前記後方散乱電子モジュールが前記第1のリミットストップにおいて前記第1の角度位置(5452)にあり、前記後方散乱電子モジュールが前記第2のリミットストップにおいて前記第2の角度位置(5454)にある、請求項8に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項10】
前記後方散乱電子検出器アクチュエータモジュール(3440)が前記後方散乱電子検出器モジュールを前記第1の角度位置(5452)と前記第2の角度位置(5454)との間で回転させるように構成されている、請求項7に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項11】
前記後方散乱電子モジュールがアーム(2420)を備え、前記アーム(2420)が前記軸にヒンジ継手ピン(3422)を備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項12】
可撓性エンクロージャ(3430)をさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項13】
前記可撓性エンクロージャ(3430)が、第1の端部において、前記ヒンジ継手ピン(3422)と前記後方散乱電子検出器モジュールの後方散乱電子検出器素子(1470)との間で前記アーム(2420)に密封結合されている、請求項11および12の一方または両方に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項14】
前記可撓性エンクロージャ(3430)が第2の端部においてハウジング(2220)に密封結合されている、請求項12に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項15】
前記可撓性エンクロージャ(3430)が可撓性ホースまたはベローズである、請求項12に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項16】
前記可撓性エンクロージャ(3430)が前記後方散乱電子検出器モジュールの後方散乱電子検出器素子(1470)を真空状態に維持し、前記ヒンジ継手(3422;3424)を周囲条件に維持するように構成されている、請求項12に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項17】
前記第1の角度位置(5452)と前記第2の角度位置(5454)との角度分離が10度未満である、請求項1~3のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システム。
【請求項18】
請求項1~3のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムを備える荷電粒子ビーム装置。
【請求項19】
請求項1~3のいずれか1項に記載の二次荷電粒子結像システムを備えるマルチビーム荷電粒子ビーム装置。
【請求項20】
軸を中心として後方散乱電子検出器モジュールを第1の角度位置(5452)と第2の角度位置(5454)との間で回転させること(802)を含む、二次荷電粒子結像システムを動作させる方法であって、前記後方散乱電子検出器モジュールが二次荷電粒子光学モジュール(1600)の上流に配置されている、方法。
【国際調査報告】