(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-30
(54)【発明の名称】アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の結晶形およびその調製方法と適用
(51)【国際特許分類】
C07D 211/38 20060101AFI20230123BHJP
A61K 31/445 20060101ALI20230123BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230123BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230123BHJP
【FI】
C07D211/38 CSP
A61K31/445
A61P25/00
A61P43/00 111
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022531461
(86)(22)【出願日】2020-11-24
(85)【翻訳文提出日】2022-07-26
(86)【国際出願番号】 CN2020131119
(87)【国際公開番号】W WO2021104257
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】201911176960.2
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513299225
【氏名又は名称】上海 インスティテュート オブ マテリア メディカ、チャイニーズ アカデミー オブ サイエンシーズ
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI INSTITUTE OF MATERIA MEDICA, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
【住所又は居所原語表記】555 Zuchongzhi Road, Zhangjiang, Pudong, Shanghai 201203 China
(71)【出願人】
【識別番号】522210132
【氏名又は名称】ジァンスー カニオン ファーマシューティカル カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU KANION PHARMACEUTICAL CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Jiangning Industrial City,Economic and Technological Development Zone,Lianyungang,Jiangsu 222047,China
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ホン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,ユウ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ハイヤン
(72)【発明者】
【氏名】フウ,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ジアン,フアリァン
(72)【発明者】
【氏名】タン,シカン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,カイシァン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZC20
(57)【要約】
本発明は、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の結晶形およびその調製方法と適用を提供する。具体的には、2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンの結晶形A、結晶形Bおよび結晶形Cである。本発明の結晶形は、水および溶媒を含まず、高い安定性および低い吸湿性を有し、加工が容易であり、神経変性疾患を予防および/または治療するための薬物の調製に非常に適している。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物の結晶形であって、
前記結晶形は、結晶形A、結晶形Bまたは結晶形Cからなる群から選択されることを特徴とする、前記結晶形。
【化1】
【請求項2】
前記結晶形Aの粉末X線回折パターンは、14.914±0.2°、15.593±0.2°、17.617±0.2°、18.022±0.2°、19.525±0.2°、20.806±0.2°からなる群から選択される三つおよび三つ以上の2θ値に特徴的なピークを有することを特徴とする
請求項1に記載の結晶形。
【請求項3】
前記結晶形Aは、以下からなる群から選択される一つまたは複数の特徴を有し、
1)前記結晶形AのTG図は、式Iの化合物の分解前に重量損失がなく、
2)前記結晶形AのDSC図は、123±5℃(または±3℃、または±1℃)のピーク値(peak)に特徴的な吸収ピークを有し、
3)0~95%の相対湿度下での前記結晶形Aの吸湿性重量増加は、≦1%、好ましくは、0.6%±0.2%であることを特徴とする
請求項1に記載の結晶形。
【請求項4】
前記結晶形Aは、以下からなる群から選択される一つまたは複数の特徴を有し、
1)前記結晶形Aは、基本的に
図3に示されるようなTG図を有し、
2)前記結晶形Aは、基本的に
図4に示されるようなDSC図を有し、
3)前記結晶形Aは、基本的に
図5に示されるようなDVS図を有し、
4)前記結晶形Aは、基本的に
図6に示されるようなIR図を有し、
5)前記結晶形Aは、基本的に
図7に示されるようなラマン(Raman)図を有し、および/または
6)前記結晶形Aは、基本的に
図2に示されるようなXRPD図を有することを特徴とする
請求項1に記載の結晶形。
【請求項5】
前記結晶形Bの粉末X線回折パターンは、6.004±0.2°、14.927±0.2°、16.551±0.2°、20.503±0.2°、21.967±0.2°からなる群から選択される三つおよび三つ以上の2θ値に特徴的なピークを有することを特徴とする
請求項1に記載の結晶形。
【請求項6】
前記結晶形Bは、以下からなる群から選択される一つまたは複数の特徴を有し、
1)前記結晶形Bは、基本的に
図10に示されるようなTG図を有し、
2)前記結晶形Bは、基本的に
図11に示されるようなDSC図を有し、
3)前記結晶形Bは、基本的に
図12に示されるようなDVS図を有し、
4)前記結晶形Bは、基本的に
図13に示されるようなIR図を有し、および/または
5)前記結晶形Bは、基本的に
図14に示されるようなラマン(Raman)図を有し、および/または
6)前記結晶形Bは、基本的に
図9に示されるようなXRPD図を有することを特徴とする
請求項1に記載の結晶形。
【請求項7】
前記結晶形Cの粉末X線回折パターンは、15.473±0.2°、15.832±0.2°、18.459±0.2°、18.824±0.2°、20.864±0.2°、22.331±0.2°、24.374±0.2°からなる群から選択される三つおよび三つ以上の2θ値に特徴的なピークを有することを特徴とする
請求項1に記載の結晶形。
【請求項8】
前記結晶形Cは、以下からなる群から選択される一つまたは複数の特徴を有し、
1)前記結晶形Cは、基本的に
図17に示されるようなTG図を有し、
2)前記結晶形Cは、基本的に
図18に示されるようなDSC図を有し、
3)前記結晶形Cは、基本的に
図19に示されるようなDVS図を有し、
4)前記結晶形Cは、基本的に
図20に示されるようなIR図を有し、および/または
5)前記結晶形Cは、基本的に
図21に示されるようなラマン(Raman)図を有し、および/または
6)前記結晶形Cは、基本的に
図16に示されるようなXRPD図を有することを特徴とする
請求項1に記載の結晶形。
【請求項9】
結晶性組成物であって、
前記結晶性組成物は、請求項1に記載の結晶形A、結晶形B、結晶形C,またはその組み合わせを含むことを特徴とする、前記結晶性組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の結晶形の調製方法であって、
不活性溶媒中の式Iの化合物の溶液を提供し、溶媒を揮発させて、前記結晶形を得る段階を含むことを特徴とする、前記請求項1に記載の結晶形の調製方法。
【請求項11】
式Iの化合物を第1の不活性溶媒に懸濁し、攪拌し、ろ過して、前記結晶形Aを得る段階を含み、ここで、前記第1の不活性溶媒は、アルコール類、エーテル類、アルカン、またはその組み合わせから選択されることを特徴とする、前記請求項1に記載の結晶形の調製方法。
【請求項12】
式Iの化合物を第2の不活性溶媒に加熱溶解させ、冷却結晶化して、前記結晶形Aを得る段階を含み、ここで、前記第2の不活性溶媒は、アルコール類、エーテル類、またはその組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、前記請求項1に記載の結晶形の調製方法。
【請求項13】
式Iの化合物を第3の不活性溶媒に溶解し、その後に貧溶媒を加え、結晶化して、前記結晶形Aを得る段階を含み、ここで、前記第3の不活性溶媒は、ケトン類、エステル類、テトラヒドロフラン、トルエン、またはその組み合わせからなる群から選択され、前記貧溶媒は、アルカン、エーテル類、またはその組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、前記請求項1に記載の結晶形の調製方法。
【請求項14】
医薬組成物であって、
前記医薬組成物は、請求項1に記載の結晶形および薬学的に許容されるベクターを含むことを特徴とする、前記医薬組成物。
【請求項15】
請求項1前記結晶形またはそれを含む医薬組成物の用途であって、
アセチルコリンエステラーゼに関連する神経系疾患を予防および/または治療するための薬物の調製に使用されることを特徴とする、前記請求項1前記結晶形またはそれを含む医薬組成物の用途。
【請求項16】
神経変性疾患を治療する方法であって、
患者に治療有効量の請求項1に記載の結晶形またはそれを含む医薬組成物を投与する段階を含むことを特徴とする、前記神経変性疾患を治療する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品化学の分野に関し、具体的には、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンの結晶形およびその調製方法と適用に関する。
【背景技術】
【0002】
2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノン(式Iの化合物)は、「速い結合、遅い解離」という新しいメカニズムを有する新規のアセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害剤であり、その調製方法および薬理学的活性は、WO2014/063587に開示される。
【化1】
【0003】
アセチルコリンエステラーゼは、アセチルコリンの切断反応を触媒し、アセチルコリンの欠失、神経シグナル伝達の失敗につながることにより、患者の認知機能の低下および記憶能力の喪失につながり、アルツハイマー病の症状として臨床的に現れる。アセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、AChEの活性を阻害し、アセチルコリンの加水分解の速度を遅らせ、シナプス間隙のアセチルコリンのレベルを高め、神経シグナルの正常な伝達を確保することにより、アルツハイマー病等の関連疾患に対する治療効果を発揮する。
【0004】
薬物の異なる結晶形は、体内での溶解および吸収に影響を与える可能性があり、薬物の臨床的治療効果および安全にある程度の影響を与える可能性があるため、特に難溶性経口固形または半固形製剤の場合、結晶形の影響が大きくなる。
従って、安定性が高く、吸湿性が低く、加工が容易な式Iの化合物の結晶形を開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、安定性が高く、吸湿性が低く、加工が容易な式Iの化合物の結晶形を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、式Iの化合物の結晶形を提供し、ここで、前記結晶形は、結晶形A、結晶形Bまたは結晶形Cからなる群から選択される。
【化2】
【0007】
別の好ましい例において、前記結晶形Aの粉末X線回折パターンは、14.914±0.2°、15.593±0.2°、17.617±0.2°、18.022±0.2°、19.525±0.2°、20.806±0.2°からなる群から選択される三つおよび三つ以上の2θ値に特徴的なピークを有する。
【0008】
別の好ましい例において、前記結晶形Aの粉末X線回折パターンは、6.006±0.2°、6.809±0.2°、17.12±0.2°、20.028±0.2°、20.506±0.2°、21.463±0.2°、21.99±0.2°、25.918±0.2°からなる群から選択される一つ以上の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
【0009】
別の好ましい例において、前記結晶形Aの粉末X線回折パターンは、8.777±0.2°、14.672±0.2°、15.95±0.2°、16.539±0.2°、18.578±0.2°、19.123±0.2°からなる群から選択される一つ以上の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
【0010】
別の好ましい例において、前記結晶形Aの粉末X線回折パターンは、基本的に表1に示されるような2θ値に特徴的なピークを有し、ここで、各ピークの2θ値は、±0.2°の許容誤差を有する。
別の好ましい例において、前記結晶形Aは、基本的に
図2に示されるようなXRPD図を有する。
別の好ましい例において、前記結晶形Aは、以下からなる群から選択される一つまたは複数の特徴を有し、
1)前記結晶形AのTG図は、式Iの化合物の分解前に重量損失がなく、
2)前記結晶形AのDSC図は、123±5℃(または±3℃、または±1℃)のピーク値(peak)に特徴的な吸収ピークを有し、
3)0~95%の相対湿度下での前記結晶形Aの吸湿性重量増加は、≦1%、好ましくは、0.6%±0.2%である。
【0011】
別の好ましい例において、前記結晶形AのIR図は、2952±2cm-1、2922±2cm-1、2817±2cm-1、1693±2cm-1、1604±2cm-1、1589±2cm-1、1498±2cm-1、1454±2cm-1、1365±2cm-1、1315±2cm-1、1265±2cm-1、1223±2cm-1、1118±2cm-1、1039±2cm-1、762±2cm-1波長λで表される三つまたは三つ以上の特徴的な吸収ピークを含み、好ましくは、前記特徴的な吸収ピークのそれぞれは、±1cm-1の許容誤差を有する。
【0012】
別の好ましい例において、前記結晶形Aのラマンスペクトル(Raman)図は、748.48±2cm
-1、1314.84±2cm
-1、1364.11±2cm
-1、1443.39±2cm
-1、1456.10±2cm
-1、1590.10±2cm
-1、1684.81±2cm
-1、2922.05±2cm
-1、2953.62±2cm
-1等のラマンシフトで表される三つまたは三つ以上の特徴的な吸収ピークを含み、好ましくは、前記特徴的な吸収ピークのそれぞれは、±1cm
-1の許容誤差を有する。
別の好ましい例において、前記結晶形Aは、以下からなる群から選択される一つまたは複数の特徴を有し、
1)前記結晶形Aは、基本的に
図3に示されるようなTG図を有し、
2)前記結晶形Aは、基本的に
図4に示されるようなDSC図を有し、
3)前記結晶形Aは、基本的に
図5に示されるようなDVS図を有し、
4)前記結晶形Aは、基本的に
図6に示されるようなIR図を有し、および/または
5)前記結晶形Aは、基本的に
図7に示されるようなRaman図を有する。
【0013】
別の好ましい例において、前記結晶形Bの粉末X線回折パターンは、6.004±0.2°、14.927±0.2°、16.551±0.2°、20.503±0.2°、21.967±0.2°からなる群から選択される三つおよび三つ以上の2θ値に特徴的なピークを有する。
【0014】
別の好ましい例において、前記結晶形Bの粉末X線回折パターンは、11.7±0.2°、15.898±0.2°、17.816±0.2°、18.54±0.2°、19.843±0.2°、22.653±0.2°、24.575±0.2°からなる群から選択される一つまたは一つ以上の2θ値に特徴的なピークを有する。
【0015】
別の好ましい例において、前記結晶形Bの粉末X線回折パターンは、12.94±0.2°、15.371±0.2°、18.0±0.2°、21.47±0.2°、25.562±0.2°からなる群から選択される一つまたは一つ以上の2θ値に特徴的なピークを有する。
【0016】
別の好ましい例において、前記結晶形Bの粉末X線回折パターンは、基本的に表2に示されるような2θ値に特徴的なピークを有し、ここで、各ピークの2θ値は、±0.2°の許容誤差を有する。
別の好ましい例において、前記結晶形Bは、以下からなる群から選択される一つまたは複数の特徴を有し、
1)前記結晶形BのTG図は、式Iの化合物の分解前に重量損失がなく、
2)前記結晶形BのDSC図は、122.5±5℃(または±3℃、または±1℃)のピーク値(peak)に特徴的な吸収ピークを有し、
3)0~95%の相対湿度下での前記結晶形Bの吸湿性重量増加は、≦1.5%、好ましくは、1%±0.2%、より好ましくは、1%±0.1%である。
別の好ましい例において、前記結晶形Bは、以下からなる群から選択される一つまたは複数の特徴を有し、
1)前記結晶形Bは、基本的に
図10に示されるようなTG図を有し、
2)前記結晶形Bは、基本的に
図11に示されるようなDSC図を有し、
3)前記結晶形Bは、基本的に
図12に示されるようなDVS図を有し、
4)前記結晶形Bは、基本的に
図13に示されるようなIR図を有し、および/または
5)前記結晶形Bは、基本的に
図14に示されるようなラマン(Raman)図を有し、および/または
6)前記結晶形Bは、基本的に
図9に示されるようなXRPD図を有する。
【0017】
別の好ましい例において、前記結晶形Cの粉末X線回折パターンは、15.473±0.2°、15.832±0.2°、18.459±0.2°、18.824±0.2°、20.864±0.2°、22.331±0.2°、24.374±0.2°からなる群から選択される三つおよび三つ以上の2θ値に特徴的なピークを有する。
【0018】
別の好ましい例において、前記結晶形Cの粉末X線回折パターンは、6.527±0.2°、14.891±0.2°、16.833±0.2°、19.164±0.2°、19.625±0.2°、22.709±0.2°、23.231±0.2°、27.703±0.2°からなる群から選択される一つ以上の2θ値に特徴的なピークを有する。
【0019】
別の好ましい例において、前記結晶形Cの粉末X線回折パターンは、基本的に表3に示されるような2θ値に特徴的なピークをさらに有し、ここで、各ピークの2θ値は、±0.2°の許容誤差を有する。
別の好ましい例において、前記結晶形Cは、以下からなる群から選択される一つまたは複数の特徴を有し、
1)前記結晶形Cの分解温度は、210±5℃(または±3℃、または±1℃)であり、
2)前記結晶形CのDSC図は、124±5℃(または±3℃、または±1℃)のピーク値(peak)に特徴的な吸収ピークを有し、
3)0~95%の相対湿度下での前記結晶形Cの吸湿性重量増加は、≦1.5%、好ましくは、1.2%±0.2%である。
別の好ましい例において、前記結晶形Cは、以下からなる群から選択される一つまたは複数の特徴を有し、
1)前記結晶形Cは、基本的に
図17に示されるようなTG図を有し、
2)前記結晶形Cは、基本的に
図18に示されるようなDSC図を有し、
3)前記結晶形Cは、基本的に
図19に示されるようなDVS図を有し、
4)前記結晶形Cは、基本的に
図20に示されるようなIR図を有し、および/または
5)前記結晶形Cは、基本的に
図21に示されるようなラマン(Raman)図を有し、および/または
6)前記結晶形Cは、基本的に
図16に示されるようなXRPD図を有する。
【0020】
本発明の第2の態様は、結晶性組成物を提供し、前記結晶性組成物は、本発明の第1の態様に記載の結晶形A、結晶形B、結晶形C、またはその組み合わせを含む。
【0021】
別の好ましい例において、前記結晶性組成物の総重量に基づくと、結晶形Aの重量パーセントは、60~99.999%、好ましくは80~99.999%、より好ましくは90~99.999%である。
別の好ましい例において、前記結晶形の組み合わせは、非結晶形A~Cの式Iの化合物結晶体またはアモルファス形態の式Iの化合物をさらに含む。
【0022】
本発明の第3の態様は、不活性溶媒中の式Iの化合物の溶液を提供し、溶媒を揮発させて、前記結晶形を得る段階を含む、本発明の第1の態様に記載の結晶形の調製方法を提供する。
別の好ましい例において、前記揮発温度は、10~60℃、好ましくは、20~50℃である。
別の好ましい例において、前記揮発時間は、1時間~5日、好ましくは、1~3日である。
【0023】
別の好ましい例において、前記結晶形は、結晶形Aであり、前記不活性溶媒は、水、アルコール類、エーテル類、ケトン、アセトニトリル、THF、酢酸エチル、ニトロメタン、またはその組み合わせからなる群から選択され、前記不活性溶媒は酢酸エチル、水およびメタノールの混合溶媒ではないことが前提である。
【0024】
別の好ましい例において、前記結晶形は、結晶形Bであり、前記不活性溶媒は、トルエンと、メタノールとメチルイソブチルケトンとの混合溶媒、アセトンとメチルイソブチルケトンとの混合溶媒、THFとトルエンとの混合溶媒、トルエンとエタノールとの混合溶媒、ならびにトルエンと、水とメタノールとの混合溶媒からなる群から選択される。
【0025】
別の好ましい例において、前記結晶形は、結晶形Cであり、前記不活性溶媒は、酢酸エチルと、水とメタノールとの混合溶媒、メタノールとトルエンとの混合溶媒からなる群から選択される。
別の好ましい例において、式Iの化合物を第1の不活性溶媒に懸濁し、攪拌し、ろ過して、前記結晶形Aを得る段階を含む、結晶形Aの調製方法を提供する。
別の好ましい例において、前記第1の不活性溶媒は、アルコール類、エーテル類、アルカン、またはその組み合わせから選択される。
【0026】
別の好ましい例において、第1の不活性溶媒中の前記式Iの化合物の重量対体積比は、10~100mg/mL、好ましくは、15~50mg/mL、より好ましくは、20-40mg/mLである。
【0027】
別の好ましい例において、前記アルコール類は、C1-C10アルコール、好ましくは、C1-C8アルコール、より好ましくは、C1-C5アルコール、より好ましくは、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソアミルアルコール、またはその組み合わせである。
【0028】
別の好ましい例において、前記エーテル類は、C2-C10エーテル、好ましくは、メチルt-ブチルエーテル、エチルエーテル類、またはその組み合わせである。
別の好ましい例において、前記アルカンは、C5-C12アルカン、好ましくは、n-ペンタン、n-ヘキサン、またはその組み合わせである。
別の好ましい例において、前記攪拌は、以下からなる群から選択される一つまたは複数の特徴を有し、
(1)前記攪拌時間は、12~48時間、好ましくは、18~36時間であり、。
(2)前記攪拌温度は、25±5°Cである。
【0029】
本発明の第4の態様は、式Iの化合物を第2の不活性溶媒に加熱溶解させ、冷却結晶化して、前記結晶形Aを得る段階を含む、本発明の第1の態様に記載の結晶形Aの調製方法を提供する。
別の好ましい例において、前記加熱および溶解の温度は、50~70℃、好ましくは、55~65である。
別の好ましい例において、前記冷却結晶化の温度は、-10~10℃、好ましくは、-4~0℃である。
別の好ましい例において、前記第2の不活性溶媒は、アルコール類、エーテル類、またはその組み合わせからなる群から選択される。
【0030】
別の好ましい例において、第2の不活性溶媒中の前記式Iの化合物の重量対体積比は、1~100mg/mL、好ましくは、1~50mg/mL、より好ましくは、5~40mg/mLである。
【0031】
別の好ましい例において、前記アルコール類は、C1-C10アルコール、好ましくはC1-C8アルコール、より好ましくはC1-C5アルコール、好ましくは、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソアミルアルコール、またはその組み合わせである。
別の好ましい例において、前記エーテルは、C2-C10エーテル、好ましくは、メチルt-ブチルエーテル、エチルエーテル,またはその組み合わせである。
【0032】
本発明の第5の態様は、式Iの化合物を第3の不活性溶媒に溶解し、その後に貧溶媒を加え、結晶化して、前記結晶形Aを得る段階を含む、本発明の第1の態様に記載の結晶形Aの調製方法を提供する。
【0033】
別の好ましい例において、前記第3の不活性溶媒(良溶媒)は、ケトン類、エステル類、テトラヒドロフラン、トルエン、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記ケトンは、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、またはその組み合わせからなる群から選択される。
【0034】
別の好ましい例において、前記エステルは、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、カプロン酸エチル、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記貧溶媒は、アルカン、エーテル類、またはその組み合わせからなる群から選択される。
【0035】
別の好ましい例において、前記アルカンは、C5-C12アルカン、好ましくは、n-ペンタン、n-ヘキサン、石油エーテル類、またはその組み合わせである。
別の好ましい例において、前記エーテルは、C2-C10エーテル、好ましくは、メチルt-ブチルエーテル、エチルエーテル,またはその組み合わせである。
本発明の第6の態様は、医薬組成物を提供し、前記医薬組成物は、本発明の第1の態様に記載の結晶形および薬学的に許容されるベクターを含む。
別の好ましい例において、前記医薬組成物は、結晶形A、結晶形B、結晶形C、またはその組み合わせを含む。
別の好ましい例において、前記ベクターは、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、またはその組み合わせからなる群から選択される。
【0036】
別の好ましい例において、前記充填剤は、アルファ化デンプン、ラクトース、微結晶性セルロース、デキストリン、マンニトール、酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、またはその組み合わせからなる群から選択される。
【0037】
別の好ましい例において、前記崩壊剤は、カルボキシメチルセルロースとその塩、クロスカルメロースとその塩、クロスポビドン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、またはその組み合わせからなる群から選択される。
【0038】
本発明の第7の態様は、アセチルコリンエステラーゼに関連する神経系疾患を予防および/または治療するための薬物の調製に使用される、本発明の第1の態様に記載の結晶形または本発明の第2の態様に記載の結晶形の組み合わせまたは本発明の第5の態様に記載の医薬組成物の用途を提供する。
別の好ましい例において、前記アセチルコリンエステラーゼに関連する神経系疾患は、神経変性疾患、パーキンソン病、癲癇または統合失調症である。
【0039】
別の好ましい例において、神経変性疾患を予防および/または治療するための薬物の調製に使用される、本発明の第1の態様に記載の結晶形または本発明の第2の態様に記載の結晶形の組み合わせまたは本発明の第5の態様に記載の医薬組成物の用途を提供する。
【0040】
別の好ましい例において、前記神経変性疾患は、老人性痴呆(例えば、アルツハイマー病)、脳血管痴呆、注意欠陥多動性障害、またはその組み合わせからなる群から選択される。
【0041】
本発明の第8の態様は、患者に治療有効量の本発明の第1の態様に記載の結晶形または本発明の第2の態様に記載の製品または本発明の第6の態様に記載の医薬組成物を投与する段階を含む、神経変性疾患を治療する方法を提供する。
【発明の効果】
【0042】
本発明の範囲内で、本発明の上記の各技術的特徴と以下(例えば、実施例)に具体的に説明される各技術的特徴との間を、互いに組み合わせることにより、新しいまたは好ましい技術的解決策を構成することができることに理解されたい。スペースに限りがあるため、ここでは繰り返さない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】実施例1の結晶形Aの偏光顕微鏡写真である(左10*10、右10*5)。
【
図4】実施例1の結晶形Aの示差走査熱量測定(DSC)図である。
【
図5】実施例1の結晶形Aの動的蒸気吸着(DVS)図である。
【
図6】実施例1の結晶形Aの赤外線スペクトル(IR)図である。
【
図7】実施例1の結晶形Aのラマンスペクトル(Raman)図である。
【
図8】実施例1の結晶形Bの偏光顕微鏡写真である(10*10)。
【
図11】実施例1の結晶形Bの示差走査熱量測定(DSC)図である。
【
図12】実施例1の結晶形Bの動的蒸気吸着(DVS)図である。
【
図13】実施例1の結晶形Bの赤外線スペクトル(IR)図である。
【
図14】実施例1の結晶形Bのラマンスペクトル(Raman)図である。
【
図15】実施例1の結晶形Cの偏光顕微鏡写真である(10*10)。
【
図18】実施例1の結晶形Cの示差走査熱量測定(DSC)図である。
【
図19】実施例1の結晶形Cの動的蒸気吸着(DVS)図である。
【
図20】実施例1の結晶形Cの赤外線スペクトル(IR)図である。
【
図21】実施例1の結晶形Cのラマンスペクトル(Raman)図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明者らは、広範囲にわたる綿密な研究の後、大量のスクリーニングおよび試験を通じて、式Iの化合物の結晶形A-Cを提供し、前記結晶形は、水および溶媒を含まず、高い安定性および低い吸湿性を有し、加工が容易で、完成薬に適する。これに基づいて、本発明を完成した。
【0045】
用語
特に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
本明細書に使用されるように、具体的に記載された値に関連して使用される場合、「約」という用語は、当該値が記載された値から1%以下しか変化しない可能性があることを指す。例えば、本明細書に使用されるように、「約100」という表現は、99から101までの間のすべての値(例えば、99.1、99.2、99.3、99.4等)を含む。
【0046】
本明細書に使用されるように、「含有」または「包括(含む)」という用語は、開放式、半閉鎖式および閉鎖式であり得る。言い換えれば、前記用語も、「基本的にからなる」、または「からなる」を含む。
【0047】
本明細書で使用されるように、「式Iの化合物」、「2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノン」という用語は、交換可能に使用され、式Iの構造式を有する化合物を指す。
【0048】
本明細書で使用されるように、「n個以上」という用語は、nおよびnより大きい任意の正の整数(例えば、n、n+1、….)を含むことを指し、ここで、上限Nupは、当該グループにおいてすべての値の数である。例えば、「一つまたは一つ以上」は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、…上限Nupの各正の整数だけでなく、「二つまたは二つ以上」、「三つまたは三つ以上」、「4個または4個以上」、「5個または5個以上」、「6個または6個以上」、「7個または7個以上」、「8個または8個以上」、「9個または9個以上」、「10個または10個以上」、「11個または11個以上」、「12個または12個以上」、「13個または13個以上」、「14個または14個以上」、「15個または15個以上」等の範囲をさらに含む。例えば、「三つまたは三つ以上」は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、…上限Nupの各正の整数だけでなく、「4個または4個以上」、「5個または5個以上」、「6個または6個以上」、「7個または7個以上」、「8個または8個以上」、「9個または9個以上」、「10個または10個以上」、「11個または11個以上」、「12個または12個以上」、「13個または13個以上」、「14個または14個以上」、「15個または15個以上」等の範囲をさらに含む。
【0049】
本明細書で使用されるように、「不活性溶媒」という用語は、本発明の式Iの化合物と反応しない溶媒を指す。好ましくは、本発明の結晶形の調製方法で使用される溶媒は、いずれも式Iの化合物と反応しない。
特に明記しない限り、「室温」または「常温」という用語は、4~32℃、好ましくは、25±5℃の温度を指す。
【0050】
多結晶形の物
固体は、アモルファス形態、つまり結晶の形で存在する。結晶形の場合、分子は、三次元格子サイト内に局在する。化合物が溶液またはスラリーから結晶化される場合、それは、異なる空間格子配列で結晶化し(この性質は、「多結晶形現象」と呼ばれる)、「多結晶形の物」と呼ばれる異なる結晶形の結晶を形成することができる。所与の物質の異なる多結晶形は、一つまたは複数の物理的特性(例えば、溶解度と溶解速度、真の比重、結晶形、充填パターン、流動性および/または固体安定性)において互いに異なる可能性がある。
本発明の多結晶形の物は、式Iの化合物の結晶形A、結晶形Bまたは結晶形Cである。
【0051】
本明細書で使用されるように、「結晶形A」、「式Iの化合物の結晶形A」、「本発明の結晶形A」、「2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンの結晶形A」は、交換可能に使用され、2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノン(式Iの化合物)の結晶形Aを指す。
【0052】
結晶形A
本発明は、式Iの化合物の結晶形Aを提供し、
【化3】
前記結晶形Aの粉末X線回折パターンは、14.914±0.2°、15.593±0.2°、17.617±0.2°、18.022±0.2°、19.525±0.2°、20.806±0.2°からなる群から選択される三つおよび三つ以上の2θ値に特徴的なピークを有する。
【0053】
別の好ましい例において、前記結晶形Aの粉末X線回折パターンは、6.006±0.2°、6.809±0.2°、17.12±0.2°、20.028±0.2°、20.506±0.2°、21.463±0.2°、21.99±0.2°、25.918±0.2°からなる群から選択される一つ以上の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
【0054】
別の好ましい例において、前記結晶形Aの粉末X線回折パターンは、8.777±0.2°、14.672±0.2°、15.95±0.2°、16.539±0.2°、18.578±0.2°、19.123±0.2°からなる群から選択される一つ以上の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
【0055】
別の好ましい例において、前記結晶形Aの粉末X線回折パターンは、基本的に表1に示されるような2θ値に特徴的なピークを有し、ここで、各ピークの2θ値は、±0.2°の許容誤差を有する。
別の好ましい例において、前記結晶形Aは、基本的に
図2に示されるようなXRPD図を有する。
別の好ましい例において、前記結晶形Aは、以下からなる群から選択される一つまたは複数の特徴を有し、
1)前記結晶形AのTG図は、式Iの化合物の分解前に重量損失がなく、
2)前記結晶形AのDSC図は、123±5℃(または±3℃、または±1℃)のピーク値(peak)に特徴的な吸収ピークを有し、
3)0~95%の相対湿度下での前記結晶形Aの吸湿性重量増加は、≦1%、好ましくは、0.6%±0.2%である。
【0056】
別の好ましい例において、前記結晶形AのIR図は、2952±2cm-1、2922±2cm-1、2817±2cm-1、1693±2cm-1、1604±2cm-1、1589±2cm-1、1498±2cm-1、1454±2cm-1、1365±2cm-1、1315±2cm-1、1265±2cm-1、1223±2cm-1、1118±2cm-1、1039±2cm-1、762±2cm-1波長λで表される三つ以上の特徴的な吸収ピークを含み、好ましくは、前記特徴的な吸収ピークのそれぞれは、±1cm-1の許容誤差を有する。
【0057】
別の好ましい例において、前記結晶形Aのラマンスペクトル(Raman)図は、748.48±2cm
-1、1314.84±2cm
-1、1364.11±2cm
-1、1443.39±2cm
-1、1456.10±2cm
-1、1590.10±2cm
-1、1684.81±2cm
-1、2922.05±2cm
-1、2953.62±2cm
-1等のラマンシフトで表される特徴的な吸収ピークを含み、好ましくは、前記特徴的な吸収ピークのそれぞれは、±1cm
-1の許容誤差を有する。
別の好ましい例において、前記結晶形Aは、以下からなる群から選択される一つまたは複数の特徴を有し、
1)前記結晶形Aは、基本的に
図3に示されるようなTG図を有し、
2)前記結晶形Aは、基本的に
図4に示されるようなDSC図を有し、
3)前記結晶形Aは、基本的に
図5に示されるようなDVS図を有し、
4)前記結晶形Aは、基本的に
図6に示されるようなIR図を有し、および/または
5)前記結晶形Aは、基本的に
図7に示されるようなRaman図を有する。
【0058】
結晶形B
結晶形Bは、式Iの化合物の溶媒を含まない無水結晶形である。
別の好ましい例において、前記結晶形Bの粉末X線回折パターンは、6.004±0.2°、14.927±0.2°、16.551±0.2°、20.503±0.2°、21.967±0.2°からなる群から選択される三つおよび三つ以上の2θ値に特徴的なピークを有する。
【0059】
別の好ましい例において、前記結晶形Bの粉末X線回折パターンは、基本的に表2に示されるような2θ値に特徴的なピークを有し、ここで、各ピークの2θ値は、±0.2°の許容誤差を有する。
別の好ましい例において、前記結晶形Bは、以下からなる群から選択される一つまたは複数の特徴を有し、
1)前記結晶形Bは、基本的に
図10に示されるようなTG図を有し、
2)前記結晶形Bは、基本的に
図11に示されるようなDSC図を有し、
3)前記結晶形Bは、基本的に
図12に示されるようなDVS図を有し、
4)前記結晶形Bは、基本的に
図13に示されるようなIR図を有し、および/または
5)前記結晶形Bは、基本的に
図14に示されるようなラマン(Raman)図を有し、および/または
6)前記結晶形Bは、基本的に
図9に示されるようなXRPD図を有する。
【0060】
結晶形C
結晶形Cは、式Iの化合物の溶媒を含まない別の無水結晶形である。
別の好ましい例において、前記結晶形Cの粉末X線回折パターンは、15.473±0.2°、15.832±0.2°、18.459±0.2°、18.824±0.2°、20.864±0.2°、22.331±0.2°、24.374±0.2°からなる群から選択される三つおよび三つ以上の2θ値に特徴的なピークを有する。
別の好ましい例において、前記結晶形Cは、以下からなる群から選択される一つまたは複数の特徴を有し、
1)前記結晶形Cは、基本的に
図17に示されるようなTG図を有し、
2)前記結晶形Cは、基本的に
図18に示されるようなDSC図を有し、
3)前記結晶形Cは、基本的に
図19に示されるようなDVS図を有し、
4)前記結晶形Cは、基本的に
図20に示されるようなIR図を有し、および/または
5)前記結晶形Cは、基本的に
図21に示されるようなラマン(Raman)図を有し、および/または
6)前記結晶形Cは、基本的に
図16に示されるようなXRPD図を有する。
【0061】
結晶性組成物
本発明は、結晶性組成物をさらに提供し、前記結晶性組成物は、本発明の第1の態様に記載の結晶形A、結晶形B、結晶形C、またはその組み合わせを含む。
別の好ましい例において、前記結晶性組成物の総重量に基づいて、結晶形Aの重量パーセントは、60~99.999%、好ましくは80~99.999%、より好ましくは90~99.999%である。
別の好ましい例において、前記結晶形組み合わせは、非結晶形A~Cの式Iの化合物結晶体またはアモルファス形態の式Iの化合物をさらに含む。
【0062】
結晶
生産規模の結晶化は、目的の化合物の溶解限度を超えるように溶液を操作することによって達成することができる。これは、様々な方法で実現することができ、例えば、化合物を比較的高温で溶解し、次に溶液を飽和限界以下に冷却する。または沸騰、大気圧蒸発、真空乾燥または他のいくつかの方法によって液体の体積を減少させる。貧溶媒または化合物の溶解度が低い溶媒、あるいはそのような溶媒の混合物を添加することによって、目的の化合物の溶解度を低下させることができる。別の選択可能な方法は、pH値を調整することによって溶解度を低下させる。
【0063】
塩の形成および結晶化が同時に起こることが望まれる場合、塩が原料よりも反応溶媒に溶けにくい場合、適切な酸または塩基の添加は、所望の塩の直接結晶化をもたらす可能性がある。同様に、最終的な所望の形態が反応物よりも溶解性が低い溶媒において、合成反応の完了により、最終生成物の直接結晶化が可能になる可能性がある。
【0064】
結晶化の最適化は、シードとして所望の形態の結晶を結晶化媒体に播種することを含むことができる。さらに、多くの結晶化方法は、上記の戦略の組み合わせを使用する。一実施例は、高温化で目的の化合物を溶媒に溶解し、その後に適切な量の貧溶媒を制御して添加して、システムを飽和レベルのすぐ下にすることである。この場合、所望の形態の種結晶を加えることができ(種結晶の完全性を維持する)、システムを冷却して完全に結晶化する。
【0065】
結晶形Aの調製方法
本発明は、式Iの化合物を第1の不活性溶媒に懸濁し、攪拌し、ろ過して、前記結晶形Aを得る段階を含む、化合物Iの結晶形Aの調製方法を提供する。
別の好ましい例において、前記第1の不活性溶媒は、アルコール類、エーテル類、アルカン、またはその組み合わせから選択される。
【0066】
本発明において、前記アルコール類、エーテル類、アルカンは、特に限定されず、当技術分野で従来の材料を選択するか、または従来の方法で調製するか、または市場から購入することができる。
【0067】
別の好ましい例において、第1の不活性溶媒中の前記式Iの化合物の重量対体積比は、10~100mg/mL、好ましくは、15~50mg/mL、より好ましくは、20-40mg/mLである。
【0068】
別の好ましい例において、前記アルコール類は、C1-C10アルコール、好ましくは、C1-C8アルコール、より好ましくは、C1-C5アルコール、より好ましくは、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソアミルアルコール、またはその組み合わせである。
【0069】
別の好ましい例において、前記エーテルは、C2-C10エーテル、好ましくは、メチルt-ブチルエーテル、エチルエーテル類、またはその組み合わせである。
別の好ましい例において、前記アルカンは、C5-C12アルカン、好ましくは、n-ペンタン、n-ヘキサン、またはその組み合わせである。
別の好ましい例において、前記攪拌は、以下からなる群から選択される一つまたは複数の特徴を有し、
(1)前記攪拌時間は、12~48時間、好ましくは、18~36時間であり、
(2)前記攪拌温度は、25±5°Cである。
【0070】
本発明の前記結晶形Aは、式Iの化合物を第2の不活性溶媒に加熱溶解させ、冷却結晶化して、前記結晶形Aを得る段階を含む、等の方法によって調製されることもできる。
別の好ましい例において、前記加熱および溶解の温度は、50~70℃、好ましくは、55~65である。
別の好ましい例において、前記冷却結晶化の温度は、-10~10℃、好ましくは、-4~0℃である。
別の好ましい例において、前記第2の不活性溶媒は、アルコール類、エーテル類、またはその組み合わせからなる群から選択される。
【0071】
別の好ましい例において、第2の不活性溶媒中の前記式Iの化合物の重量対体積比は、1~100mg/mL、好ましくは、1~50mg/mL、より好ましくは、5~40mg/mLである。
【0072】
別の好ましい例において、前記アルコールは、C1-C10アルコール、好ましくはC1-C8アルコール、より好ましくはC1-C5アルコール、好ましくは、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソアミルアルコール、またはその組み合わせである。
別の好ましい例において、前記エーテルは、C2-C10エーテル、好ましくは、メチルt-ブチルエーテル、エチルエーテル,またはその組み合わせである。
【0073】
本発明の前記結晶形Aは、式Iの化合物を第3の不活性溶媒に溶解し、その後に貧溶媒を加え、結晶化して、前記結晶形Aを得る段階を含む、等の方法によって調製されることもできる。
典型的には、前記方法は、室温下で実施される。
【0074】
別の好ましい例において、前記第3の不活性溶媒(良溶媒)は、ケトン類、エステル類、テトラヒドロフラン、トルエン、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記ケトンは、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、またはその組み合わせからなる群から選択される。
【0075】
別の好ましい例において、前記エステルは、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、カプロン酸エチル、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記貧溶媒は、アルカン、エーテル類、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記アルカンは、C5-C12アルカン、好ましくは、n-ペンタン、n-ヘキサン、石油エーテル、またはその組み合わせである。
別の好ましい例において、前記エーテルは、C2-C10エーテル、好ましくは、メチルt-ブチルエーテル、エチルエーテル,またはその組み合わせである。
好ましくは、上記の様々な調製方法の原料は、アモルファス形態の式Iの化合物である。
典型的には、上記の様々な調製方法によって得られた結晶形Aは、必要に応じて、当技術分野における従来の方法によってろ過および乾燥させることができる。
【0076】
好ましくは、前記ろ過は、遠心分離後のろ過、圧力ろ過または真空から選択されることができる(これらに限定されない)。前記乾燥は、真空乾燥またはオーブン乾燥から選択されることができる(これらに限定されない)。
【0077】
医薬組成物および適用
本発明の医薬組成物は、安全かつ有効量の式Iの化合物の前記結晶形および薬学的に許容されるベクターを含む。
本発明の「有効成分」とは、本発明に記載の式Iの化合物、好ましくは、本発明の結晶形A-C、より好ましくは、結晶形Aを指す。
【0078】
典型的には、前記有効成分の総重量に基づいて、結晶形Aの重量パーセントは、60~99.999%、好ましくは80~99.999%、より好ましくは90~99.999%である。
本発明の結晶形、結晶性組成物および医薬組成物は、アセチルコリンエステラーゼに関連する神経系疾患の予防および/または治療に使用されることができる。
本発明の結晶形、結晶性組成物および医薬組成物は、神経変性疾患の予防および/または治療に使用されることができる。
式Iの化合物の薬理学的活性は、WO2014/063587に開示され、その全部の内容は、あらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【0079】
好ましくは、前記神経変性疾患は、老人性痴呆(例えば、アルツハイマー病)、脳血管痴呆、注意欠陥多動性障害、またはその組み合わせを含む(これらに限定されない)。
【0080】
ここで、「安全かつ有効量」とは、深刻な副作用を引き起こさずに状態を大幅に改善するのに十分な化合物の量を指す。通常、医薬組成物は、1~2000mgの本発明の結晶形/剤、より好ましくは、10~500mgの本発明の化合物/剤を含む。好ましくは、前記「1剤」は、一つのカプセルまたは錠剤である。
【0081】
「薬学的に許容されるベクター」とは、ヒトへの使用に適し、十分な純度および十分に低い毒性を有していなければならない、一つまたは複数の適合性固体または液体の充填剤またはゲル物質を指す。「適合性」とは、組成物の各成分が、本発明の化合物およびそれらの間で、化合物の効力を顕著に低下させることなく、互いにブレンドすることができることを指す。薬学的に許容されるベクターの一部の例としては、セルロース(cellulose)およびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム(sodium carboxymethyl cellulose)、エチルセルロースナトリウム(sodium ethyl cellulose)、酢酸セルロース(cellulose acetate)等)、ゼラチン(gelatin)、タルク(talc)、固体潤滑剤(例えば、ステアリン酸(steaRic acid)、ステアリン酸マグネシウム(magnesium steaRate))、硫酸カルシウム(Calcium sulfate)、植物油(例えば、大豆油、ごま油、落花生油、オリーブ油等)、ポリオール(polyol)(例えば、プロピレングリコール(propylene glycol)、グリセリン(glyceRin)、マンニトール(mannitol)、ソルビトール(soRbitol)等)、乳化剤(例えば、トゥイーン(登録商標)(Tween(登録商標)))、湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム(sodium lauryl sulfate))、着色剤、香味剤、安定剤、抗酸化剤、防腐剤、パイロジェンフリー水(pyrogen―fRee 水)等を含む。
【0082】
本発明の化合物または医薬組成物の投与方式は、特に限定されず、代表的な投与方式は、経口、直腸、非経口(静脈内、筋肉内または皮下)、および局所投与を含むが、これらに限定されない。
【0083】
経口投与用の固形剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤および顆粒剤を含む。これらの固形剤形において、本発明の結晶形は、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム等の少なくとも一つの従来の不活性賦形剤(またはベクター)と混合されるか、または(a)澱粉、アルファ化デンプン、ラクトース、微結晶性セルロース、デキストリン、マンニトール、酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、ショ糖、グルコースおよびケイ酸等の充填剤または相溶化剤、(b)ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖およびアラビアゴム等の結合剤、(c)グリセリンなどの保湿剤、(d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカ澱粉、アルギン酸、特定の複合ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースとその塩、クロスカルメロースとその塩、クロスポビドン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等の崩壊剤、(e)パラフィン等のリターダー(Retarding solvent)、(f)第四級アミン化合物等の吸収促進剤、(g)セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセリル等の湿潤剤、(h)カオリン等の吸着剤、ならびに(i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、またはその混合物等の潤滑剤等の成分と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤において、剤形は、緩衝剤も含むことができる。
好ましくは、前記ベクターは、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、またはその組み合わせからなる群から選択される。
【0084】
好ましくは、前記充填剤は、アルファ化デンプン、ラクトース、微結晶性セルロース、デキストリン、マンニトール、酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、またはその組み合わせからなる群から選択される。
【0085】
好ましくは、前記崩壊剤は、カルボキシメチルセルロースとその塩、クロスカルメロースとその塩、クロスポビドン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、またはその組み合わせからなる群から選択される。
好ましくは、前記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、またはその組み合わせからなる群から選択される。
【0086】
錠剤、シュガーピル、カプセル剤、丸剤および顆粒剤等の固形剤形は、腸溶性コーティングおよび当技術分野で公知の他の材料等の、コーティングおよびシェル材料を用いて調製することができる。それらは、乳白剤を含むことができ、また、このような組成物の本発明の結晶形Aの放出は、消化管の特定の部分で遅延的な方式で放出することができる。使用可能な埋め込み成分の例としては、高分子物質およびワックスである。必要に応じて、本発明の結晶形Aは、一つまたは複数の上記賦形剤とマイクロカプセルを形成することができる。
【0087】
経口投与用の液体剤形は、薬学的に許容される乳濁液、溶液、懸濁液、シロップまたはチンキ剤を含む。本発明の結晶形Aに加えて、液体剤形は、水または他の溶媒等の当技術分野で従来から使用される不活性希釈剤、および例えば、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、プロピレングリコール、1,3―ブタンジオール、ジメチルホルムアミドおよび油、特に綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、蓖麻子油およびごま油またはこれらの物質の混合物等の可溶化剤および乳化剤を含むことができる。
これらの不活性希釈剤に加えて、組成物は、例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤和香料等の補助剤も含むことができる。
【0088】
本発明の結晶形に加えて、懸濁液は、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよび脱水ソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメトキシドおよび寒天またはこれらの物質の混合物等の懸濁剤を含むことができる。
【0089】
非経口注射用の組成物は、生理学的に許容される滅菌含水または無水溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、および滅菌注射可能な溶液または分散液に再構成するための滅菌粉末を含むことができる。適切な水性および非水性ベクター、希釈剤、溶媒または賦形剤は、水、エタノール、ポリオールおよびその適切な混合物を含む。
【0090】
局所投与に使用される本発明の結晶形の剤形は、軟膏剤、粉末剤、パッチ剤、スプレー剤および吸入剤を含む。有効成分は、無菌条件下で、生理学的に許容されるベクター、および任意の防腐剤、緩衝剤、または必要に応じて必要となる可能性のある推進剤と混合される。
【0091】
本発明の結晶形は、単独で、または他の薬学的に許容される化合物と併用して投与することができる。例えば、タクリン、ドネペジル、フペルジンA、ガランタミン等の他のコリンエステラーゼ阻害剤、例えば、ニモジピン、塩酸フルナリジン等のカルシウムイオン拮抗剤、例えば、ニセルゴリン、アミトリアジン、ピラセタム等の脳代謝調節剤、または例えば、セレブロリシン等の神経保護剤。
【0092】
本発明の結晶形の治療有効量の一般的な範囲は、約1~2000mg/日、約10~約1000mg/日、約10~約500mg/日、約10~約250mg/日、約10~約100mg/日、または約10~約50mg/日である。治療有効量は、一つまたは複数の用量で投与される。しかしながら、任意の特定の患者に対する本発明の化合物の特定の用量は、例えば、治療される患者の年齢、性別、体重、一般的な健康状況、食餌、個人の反応、投与時間、治療される疾患の重症度、投与される具体的な化合物の活性、剤形、適用モード、および併用薬等の様々な要因に示されることを理解されたい。所与の状況に対する治療上有効量は、日常的な実験を使用して決定することができ、臨床医または医師の能力および判断の範囲内にある。任意の状況において、前記化合物または組成物は、患者の個々の状況に基づていて、治療的に有効量の送達を可能にする方法で、複数の用量で投与されるであろう。
【0093】
本発明の主な利点は次のとおりである。
(1)本発明の式Iの化合物の結晶形A-Cは、水および溶媒を含まず、高い安定性および低い吸湿性を有し、完成薬に非常に適する。
(2)本発明の式Iの化合物の結晶形A-Cは、分注等の医薬品の製造プロセスにおいて、持ち上げるのが容易ではなく、収集しやすく、廃棄物を生じさせるのが容易ではなく、操作者の健康を保護するのに役立つ。
(3)本発明の式Iの化合物の結晶形A-Cの調製方法は、簡単かつ便利であり、打規模な工業生産に適する。
【0094】
以下、本発明は、具体的実施例と併せてされに説明される。これらの実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。以下の実施例において、具体的条件を示さない実験方法は、通常、例えば、Sambrookら、分子クローニング:実験マニュアル(New York:Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989)に記載される条件等の従来の条件、またはメーカーによって提案された条件に従う。特に明記しない限り、パーセンテージおよび部数は、重量に従って計算される。
【0095】
検出方法
X線回折(X-ray Diffraction、XRD)分析は、結晶体によって形成されたX線回折を使用して、物質内の内部原子の空間分布を構造解析する方法である。一定の波長を有するX線が結晶性物質に照射する場合、結晶内に規則正しく配置された原子またはイオンに遭遇することでX線が散乱し、散乱したX線は、特定の方法に位相が強くなり、結晶構造に対応した独特の回折現象を示す。
【0096】
本発明において、XRDの試験パラメーターは、次のとおりである。機器モデル:Bruker D8advance、標的:Cu-Kα(40kV、40mA)、サンプルから検出器までの距離:30cm、スキャン範囲:3o~40o(2θ値)、スキャンステップ:0.1秒。
【0097】
熱重量分析法(Thermo Gravimetric Analysis、TGA)は、プログラムされた温度制御条件下で、温度による物質の質量の変化を測定するための分析技術である。熱重量分析法は、サンプルの熱変化によって発生する熱を取得でき、結晶形物質の結晶化溶媒または結晶化水分子の損失またはサンプルの昇華、分解のプロセスおよび量をチェックするのに適し、物質に結晶化溶媒が含むか、または結晶水成分を含むかを効果的に区別できる。
【0098】
本発明において、TGAの試験パラメーターは、次のとおりである。機器モデル:Netzsch TG 209F3、るつぼ:酸化アルミニウムるつぼ、温度範囲:30~400℃、スキャン速度:10K/min、パージガス:25mL/min、保護ガス:15mL/min。
【0099】
示差走査熱量測定法(Differential Scanning Calorimeter、DSC)は、プログラム制御の加熱または冷却を使用して、サンプルと不活性参照(一般的に使用されるα-Al2O3)との間の熱差を温度の関数として測定する技術である。DSC検出は、サンプルの融解分解状態、混合結晶材料状態、および結晶変態材料状態の分析に適する。
【0100】
本発明において、DSCの試験パラメーターは、次のとおりである。機器モデル:Perkin Elmer DSC 8500、るつぼ:アルミニウムるつぼ、窒素ガスパージ下で10℃/minの加熱速度で、50℃から280℃までスキャンする。
【0101】
ラマンスペクトル(Raman Spectroscopy、RM)は、ラマン効果に基づいて分子振動を研究する方法であり、赤外線吸収分光法とは対照的に、ラマンスペクトルは、分子が光と相互作用する時に発生する散乱光の周波数を研究する。一般的に、赤外線吸収がわずかな非極性基は、ラマンスペクトルに明らかな吸収がある。
【0102】
本発明において、RMの試験パラメーターは、次のとおりである。機器モデル:Thermo DXR Raman Microscope共焦点ラマン顕微鏡、レーザー波長:532nm、露光時間:1.0秒、露光回数:10。
【0103】
赤外線スペクトル(Infra-red Spectrometry、IR)は、結晶形物質の識別および同定に使用される最も初期の分析方法である。異なる結晶形分子の共有結合の電気的環境が異なるため、共有結合強度も変化する可能性があり、強結合強度の変化は、必然的に異なる結晶形の異なるIRスペクトルにつながる。
【0104】
本発明において、IRの試験パラメーターは、次のとおりである。機器モデル:Nicolet 6700型フーリエ変換赤外線分光計、シングルポイントATR方法、解像度4.0cm-1。
【0105】
動的蒸気吸着(DVS)試験/吸湿性試験は、相対湿度(RH)が設定されたキャリアがガスの流れによって引き起こされるサンプル水分の増減を迅速に測定することによって実行され、サンプルは、自己懸垂状態で高感度、高安定のデジタルマイクロ天秤に配置され、次に、水蒸気の吸着/脱着を検出するために材料の質量を増加/減少を測定することによってサンプルの吸湿性を決定する。
本発明において、DVSの試験パラメーターは、次のとおりである。機器モデル:SMS DVS Intrinsic、測定温度25℃、0~95%RH。
偏光顕微鏡
本発明において、偏光顕微鏡機器モデル:XPV-400E。
【0106】
実施例1
2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノン結晶体の結晶形Aの調製
【0107】
25mgの2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンを1mLのエタノールに溶解し、25℃の室温条件下で攪拌し、少なくとも24時間平衡化する。ろ過し、得られた固体材料を真空乾燥オーブンに入れ、真空乾燥させて、2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノン結晶形Aの結晶体を得る。
【0108】
実施例1で調製された結晶体の結晶形Aは、偏光顕微鏡イメージング、XRPD、TGA、DSC、DVS、IRおよびラマン(Raman)等によって試験され、特徴付け結果は
図1-
図7のとおりである。
図1は、結晶形Aの偏光顕微鏡写真であり、
図1から結晶形Aが柱状結晶体であることが分かる。
図2は、結晶形AのXRPD図である(ピーク表は、表1に示される)。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0109】
図3は、結晶形AのTG図である。
図3から、化合物が分解される前に結晶形Aに重量損失がないことが分かり、これは、結晶形Aに水または他の溶媒が含まれないことを示す。
【0110】
図4は、結晶形Aの示差走査熱量測定(DSC)図である。
図4から、結晶形Aに対応するDSCは、完全に分離できない約120℃の1セットで二つの異なる融解ピーク(Peakは、約123.5℃である)を示すことが分かる。結晶形Aは、120℃の温度で溶け始める。
【0111】
図5は、結晶形Aの動的蒸気吸着(DVS)図である。
図5から、相対湿度0~95%の範囲で、結晶形Aの吸湿性は、ほとんど変化せず、約0.6%であり、重量変化は小さく、結晶形Aは低い吸湿性を有することが分かる。
【0112】
図6は、結晶形Aの赤外線スペクトル(IR)図である。
図6から、結晶形Aは、2952cm
-1、2922cm
-1、2817cm
-1、1693cm
-1、1604cm
-1、1589cm
-1、1498cm
-1、1454cm
-1、1365cm
-1、1315cm
-1、1265cm
-1、1223cm
-1、1118cm
-1、1039cm
-1、762cm
-1に特徴的な吸収ピークを有することが分かる。
【0113】
図7は、結晶形Aのラマンスペクトル(Raman)図である。
図7から、結晶形Aは、748.48cm
-1、1314.84cm
-1、1364.11cm
-1、1443.39cm
-1、1456.10cm
-1、1590.10cm
-1、1684.81cm
-1、2922.05cm
-1、2953.62cm
-1に特徴的な吸収ピークを有することが分かる。
【0114】
実施例2
2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノン結晶体の結晶形Aの調製
【0115】
25mgの2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンを1mLのイソプロパノールに溶解し、25℃の室温条件下で攪拌し、少なくとも24時間平衡化する。ろ過し、得られた固体材料を真空乾燥オーブンに入れ、真空乾燥させて、2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノン結晶形Aの結晶体を得る。
得られた生成物のXRPD結果は、基本的に実施例1の結果と同じである。
【0116】
実施例3
2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノン結晶体の結晶形Aの調製
【0117】
25mgの2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンを1mLのn-ヘキサンに溶解し、25℃の室温条件下で攪拌し、少なくとも24時間平衡化する。ろ過し、得られた固体材料を真空乾燥オーブンに入れ、真空乾燥させて、2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノン結晶形Aの結晶体を得る。
得られた生成物のXRPD結果は、基本的に実施例1の結果と同じである。
【0118】
実施例4
2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノン結晶体の結晶形Aの調製
【0119】
25mgの2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンを1mLのメチルt-ブチルエーテルに溶解し、25℃の室温条件下で攪拌し、少なくとも24時間平衡化する。ろ過し、得られた固体材料を真空乾燥オーブンに入れ、真空乾燥させて、2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノン結晶形Aの結晶体を得る。
得られた生成物のXRPD結果は、基本的に実施例1の結果と同じである。
【0120】
実施例5
2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノン結晶体の結晶形Aの調製
【0121】
約20mgの2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンを取り、2mlのエタノールに溶解し、完全に溶解するまで攪拌しながら60℃に加熱する。次に溶液を絶えず攪拌しながら氷浴に入れる。4時間内に沈殿物がない場合、-4℃に入れて一晩冷凍保存する。ろ過した後に沈殿物を収集し、乾燥させて、結晶形Aを得る。
得られた生成物のXRPD結果は、基本的に実施例1の結果と同じである。
【0122】
実施例6
2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノン結晶体の結晶形Aの調製
【0123】
約20mgの2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンを取り、2mlのイソプロパノールに溶解し、完全に溶解するまで攪拌しながら60℃に加熱する。次に溶液を絶えず攪拌しながら氷浴に入れる。4時間内に沈殿物がない場合、-4℃に入れて一晩冷凍保存する。ろ過した後に沈殿物を収集し、乾燥させて、結晶形Aを得る。
得られた生成物のXRPD結果は、基本的に実施例1の結果と同じである。
【0124】
実施例7
2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンの結晶形Aの調製
【0125】
約20mgの2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンを取り、2mlのメチルt-ブチルエーテルに溶解し、完全に溶解するまで攪拌しながら60℃に加熱する。次に溶液を絶えず攪拌しながら氷浴に入れる。4時間内に沈殿物がない場合、-4℃に入れて一晩冷凍保存する。ろ過した後に沈殿物を収集し、乾燥させて、結晶形Aを得る。
得られた生成物のXRPD結果は、基本的に実施例1の結果と同じである。
【0126】
実施例8
2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンの結晶形Aの調製
【0127】
約25mgの2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンを取り、0.5mlのメチルエチルケトン(良溶媒)に溶解し、その後に壁に沿って4mlのn-ペンタン(貧溶媒)をゆっくりと加え、沈殿物を析出する。ろ過した後に沈殿物を収集し、乾燥させて、結晶形Aを得る。
得られた生成物のXRPD結果は、基本的に実施例1の結果と同じである。
【0128】
実施例9
2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンの結晶形Aの調製
【0129】
約25mgの2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンを取り、0.5mlの酢酸エチル(良溶媒)に溶解し、その後に壁に沿って4mlのn-ヘキサン(貧溶媒)をゆっくりと加え、沈殿物を析出する。ろ過した後に沈殿物を収集し、乾燥させて、結晶形Aを得る。
得られた生成物のXRPD結果は、基本的に実施例1の結果と同じである。
【0130】
実施例10
2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンの結晶形Bの調製
【0131】
適切な量の2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンを取り、トルエンに溶解し、その後に50℃でゆっくりと蒸発乾燥させる。固体を収集して、結晶形Bを得る。
【0132】
実施例10で調製された結晶体の結晶形Bは、偏光顕微鏡イメージング、XRPD、TGA、DSC、DVS、IRおよびラマン(Raman)等によって試験され、特徴付けの結果は、
図8~
図14に示されたとおりである。
【表2-1】
【表2-2】
【0133】
図8~
図14からわかるように、結晶形Bは、水または他の溶媒を含まず、顆粒状結晶体であり、融解温度は、122.49℃、分解温度は、250度であり、その吸湿性は、低く、通常の保存湿度範囲内にあり、湿度変化は、1%である。
【0134】
さらに、メタノール:メチルイソブチルケトン=1:1、アセトン:MIBK=1:1、THF:トルエン=1:1、トルエン:エタノール=2:1、トルエン:水:メタノール=2:2:1等の溶媒で揮発させることによっても結晶形Bが得られる。
【0135】
実施例11
2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンの結晶形Cの調製
【0136】
適切な量の2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンを取り、酢酸エチル:水:メタノール=2:2:1の混合溶媒に溶解し、その後に25℃でゆっくりと蒸発乾燥させる。固体を収集して、結晶形Cを得る。
【表3-1】
【表3-2】
【0137】
実施例11で調製された結晶体の結晶形Cは、偏光顕微鏡イメージング、XRPD、TGA、DSC、DVS、IRおよびラマン(Raman)等によって試験され、特徴付けの結果は、
図15~
図21に示されたとおりである。
【0138】
図15~
図21からわかるように、結晶形Cは、準安定結晶形であり、水または他の溶媒を含まず、顆粒状結晶体であり、融解温度は、124.05℃、分解温度は、210℃であり、その吸湿性は、低く、通常の保存湿度範囲内にあり、湿度変化は、1.2%である。
さらに、メタノール:トルエン=1:2等の溶媒で揮発させることによっても結晶形Cが得られる。
【0139】
実施例12
結晶転移実験
結晶形Aおよび結晶形Bを等量に混合し、EA/Hep(1:1)と混合して懸濁液を調製し、室温(25℃)で三日間攪拌した後にXRPD試験を行う。
【表4】
結晶形Cは、準安定結晶形であり、結晶化した後に結晶形Bになる。
以上から、三つの種の結晶形の安定性順序は、結晶形A>結晶形B>結晶形Cであることが分かる。
【0140】
実施例13
溶解度実験
水中の各結晶形の溶解度を測定し、結果は、表5に示されたとおりである。
【表5】
ここで、結晶形Cが結晶転移された後に結晶形Bになるため、結晶形Cの溶解度は、結晶形Bの溶解度である。
【0141】
表5から、純水中の各結晶形の溶解度は、非常に小さく、pHが低下するにつれて、溶解度は増加することが分かる。驚くべきことに、酸性条件下で、結晶形Bの溶解度は、結晶形Aの溶解度よりも有意に高く、より高い濃度の水溶液を調製することができる。
【0142】
実施例14
医薬組成物
2-((1-(2-フルオロベンジル)-4-フルオロピペリジン-4-イル)メチレン)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1-インダノンの結晶形A(実施例1の方法に従って調製される):2.0g
アルファ化デンプン:22.0g
微結晶性セルロース:100.0g
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース:5.0g
ステアリン酸マグネシウム:1.0g
従来の方法に従って、上記の物質を均一に混合した後、錠剤に圧搾して、1000錠を得る。
【0143】
要約すると、本発明は、式Iの化合物の結晶形A~Cを提供し、すべてが水または溶媒を含まない結晶形であり、非常に低い吸湿性を有し、完成薬の加工に非常に適する。また、本発明の結晶形は、分注等の医薬品の製造プロセスにおいて、持ち上げるのが容易ではなく、収集しやすく、廃棄物を生じさせるのが容易ではなく、操作者の健康を保護するのに役立つ。
【0144】
本発明で言及されたすべての文書は、あたかも各文書が個別に参照として引用されたかのように、本出願における参照として引用される。さらに、本発明の上記の教示内容を読んだ後、当業者は本発明に様々な変更または修正を加えることができ、これらの同等の形態も、本出願の添付の請求範囲によって定義される範囲に含まれる。
【国際調査報告】