(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】自律運転アプリケーションのための曲線適合を使用するランドマーク検出
(51)【国際特許分類】
G06V 10/82 20220101AFI20230125BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230125BHJP
G06V 20/10 20220101ALI20230125BHJP
【FI】
G06V10/82
G06T7/00 350C
G06V20/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534253
(86)(22)【出願日】2020-12-02
(85)【翻訳文提出日】2021-06-15
(86)【国際出願番号】 US2020062869
(87)【国際公開番号】W WO2021113346
(87)【国際公開日】2021-06-10
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】501450960
【氏名又は名称】エヌビディア コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ミンウー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、イーリン
(72)【発明者】
【氏名】リン、シャオリン
(72)【発明者】
【氏名】バイペイイー、アビーシェク
(72)【発明者】
【氏名】セオ、ヘイ - ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ユアン、エリック ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シュードン
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096BA04
5L096BA08
5L096BA18
5L096CA02
5L096FA66
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】
様々な実例において、1個又は複数のディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)が、曲線の制御点で回帰するために実行され、制御点が、曲線適合動作―たとえば、ベジエ曲線適合―を実行して環境内のランドマーク位置及びジオメトリを識別するために使用され得る。したがって、DNNの出力は、2次元(2D)画像空間及び/又は3次元(3D)世界空間制御点位置を指示し得、後処理技法―たとえば、クラスタリング及び時間的平滑化―が、正確に及びリアルタイムでランドマーク位置及び姿勢を決定するために実行され得る。そのようなものとして、ランドマーク―たとえば、車線境界線、道路境界線、横断歩道、ポール、テキストなど―に対応する再構築された曲線が、環境のナビゲーションのための1個又は複数の動作を実行するために車両によって使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサの知覚フィールドを表すセンサ・データをニューラル・ネットワークに適用するステップと、前記ニューラル・ネットワークを使用して、前記センサ・データに少なくとも部分的に基づいて、前記センサ・データに対応する画像において識別された1個又は複数の曲線の1個又は複数の制御点の1個又は複数の位置を計算するステップと、曲線適合アルゴリズムを使用して、前記制御点の前記位置に少なくとも部分的に基づいて、前記1個又は複数の曲線を生成するステップと、前記1個又は複数の曲線に少なくとも部分的に基づいて、マシンによって1個又は複数の動作を実行するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記1個又は複数の制御点の前記1個又は複数の位置を前記計算するステップが、前記画像において識別された前記1個又は複数の曲線のうちの少なくとも1個の曲線の半径内の前記画像の画素を示す第1のデータを、前記ニューラル・ネットワークを使用して計算するステップと、前記1個又は複数の曲線の前記1個又は複数の制御点までの距離を示す第2のデータを計算するステップと、前記第1のデータ及び前記第2のデータを復号して前記1個又は複数の制御点の前記1個又は複数の位置を決定するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ニューラル・ネットワークがさらに、前記1個又は複数の曲線の分類情報を示す第3のデータを計算し、前記方法がさらに、前記第3のデータに少なくとも部分的に基づいて、前記分類情報を前記1個又は複数の曲線と関連付けるステップを含み、前記マシンによって前記1個又は複数の動作を前記実行するステップがさらに、前記関連付けられた分類情報に少なくとも部分的に基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第3のデータが、1個又は複数のビット分類マスクを表す、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記1個又は複数のビット分類マスクのビット分類マスクの数が、前記ニューラル・ネットワークがそれについて出力を計算する分類タイプの数より1個少ない数に等しい、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のデータが、バイナリ・マスクを表し、そこで、前記画像に示された前記1個又は複数の曲線のうちの前記少なくとも1個の曲線の前記半径内の前記画像の前記画素が、第1の値を有し、前記画素以外の他の画素が、前記第1の値とは異なる第2の値を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
各曲線が、3個より多いいくつかの制御点を含み、前記第2のデータが、複数の回帰マスクを表し、前記複数の回帰マスクが、前記制御点の数と等しいいくつかのx軸距離回帰マスク及びy軸距離回帰マスクを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記曲線適合アルゴリズムが、2次元ベジエ曲線適合アルゴリズム、3次元ベジエ曲線適合アルゴリズム、3次ベジエ曲線適合アルゴリズム、高次ベジエ曲線適合アルゴリズム、又はスプリット式ベジエ曲線適合アルゴリズムのうちの少なくとも1個を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1個又は複数の曲線にクラスタリング・アルゴリズムを実行して曲線の最終セットを生成するステップをさらに含み、前記1個又は複数の動作を前記実行するステップが、前記最終セットの曲線に少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記クラスタリング・アルゴリズムが、積分損失を相似関数として使用するノイズを有するアプリケーションの密度ベースの空間クラスタリング(DBSCAN)動作を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記1個又は複数の曲線が、道路標示、車線境界線、道路境界線、交差点の線、歩行者専用道路、自転車車線境界線、テキスト、ポール、木、照明ポスト、又は標識のうちの1個又は複数に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
1個又は複数のセンサと、1個又は複数の処理ユニットと、命令を記憶する1個又は複数のメモリ・デバイスとを備え、前記命令が、前記1個又は複数の処理ユニットを使用して実行されるときに前記1個又は複数の処理ユニットに、前記1個又は複数のセンサのうちのセンサの知覚フィールドに対応する画像を表すセンサ・データをニューラル・ネットワークに適用することと、前記ニューラル・ネットワークを使用して、前記センサ・データに少なくとも部分的に基づいて、前記画像において識別された1個又は複数の特徴に対応する1個又は複数の曲線の1個又は複数の制御点の位置を計算することと、曲線適合アルゴリズムを使用して、前記制御点の前記位置に少なくとも部分的に基づいて、前記1個又は複数の曲線を生成することと、前記1個又は複数の曲線に少なくとも部分的に基づいて、1個又は複数の動作を実行することとを含む動作を実行させる、システム。
【請求項13】
前記計算することが、前記画像において識別された特徴に対応する1個又は複数の曲線のうちの少なくとも1個の曲線の半径内の前記画像の画素を示すバイナリ・マスクを計算することと、前記1個又は複数の曲線の制御点までの距離を示す1個又は複数の距離回帰マップを計算することと、前記バイナリ・マスク及び前記距離回帰マップを復号して前記制御点の前記位置を決定することとを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ニューラル・ネットワークがさらに、前記1個又は複数の曲線の分類情報を示す1個又は複数のビット分類マスクを計算し、前記動作が、前記ビット分類マスクに少なくとも部分的に基づいて、前記分類情報を前記1個又は複数の曲線と関連付けることをさらに含み、前記1個又は複数の動作を前記実行することがさらに、前記関連付けられた分類情報に少なくとも部分的に基づく、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記1個又は複数のビット分類マスクのビット分類マスクの数が、前記ニューラル・ネットワークがそれの出力を計算する分類タイプの数より1個少ない数に等しい、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
各曲線が、いくつかの制御点を含み、前記距離回帰マスクが、前記制御点の数と等しい数のx軸距離回帰マスク及びy軸距離回帰マスクを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記曲線適合アルゴリズムが、2次元ベジエ曲線適合アルゴリズム、3次元ベジエ曲線適合アルゴリズム、3次ベジエ曲線適合アルゴリズム、高次ベジエ曲線適合アルゴリズム、又はスプリット式ベジエ曲線適合アルゴリズムのうちの少なくとも1個を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記動作が、前記1個又は複数の曲線にクラスタリング・アルゴリズムを実行して曲線の最終セットを生成することをさらに含み、前記1個又は複数の動作を前記実行することが、前記最終セットの曲線に少なくとも部分的に基づく、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記システムが、シミュレーション動作を実行するためのシステム、自律マシン・アプリケーションを試験又は検証するためのシミュレーション動作を実行するためのシステム、深層学習動作を実行するためのシステム、エッジ・デバイスを使用して実装されたシステム、1個又は複数の仮想マシン(VM)を組み込むシステム、データ・センタにおいて少なくとも部分的に実装されたシステム、又はクラウド計算資源を使用して少なくとも部分的に実装されたシステムのうちの少なくとも1個を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
画像に関連するポリラインを表す注釈データ及び前記ポリラインに関連する分類情報を受信するステップと、前記ポリラインに少なくとも部分的に基づいて、曲線適合アルゴリズムを実行して曲線に関連する複数の制御点を決定するステップと、前記曲線に関連する前記複数の制御点に少なくとも部分的に基づいて、前記曲線までの半径内にある前記画像の画素を表すバイナリ・マスクをエンコードするステップと、複数の距離回帰マスクをエンコードするステップであって、各距離回帰マスクは前記複数の制御点のうちの制御点までの距離を示す、エンコードするステップと、前記分類情報に少なくとも部分的に基づいて、1個又は複数のビット分類マスクをエンコードするステップと、グラウンド・トゥルース・データとして前記バイナリ・マスク、前記複数の距離回帰マスク、及び前記1個又は複数のビット分類マスクを使用してニューラル・ネットワークをトレーニングするステップとを含む、方法。
【請求項21】
前記ポリラインの上部又は下部のうちの少なくとも1個をクロップしてクロップされたポリラインを生成するステップをさらに含み、前記曲線適合アルゴリズムを前記実行するステップが、前記クロップされたポリラインに少なくとも部分的に基づく、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
多角形を表す最初の注釈データを受信するステップと、前記最初の注釈データに少なくとも部分的に基づいて、前記多角形の左端、右端、又は中心レールのうちの1個として前記ポリラインを抽出して、前記注釈データを生成するステップとをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記ニューラル・ネットワークが、積分損失、バイナリ・クロス・エントロピ損失、マスクされたL1損失、又はマスクされたバイナリ・クロス・エントロピ損失のうちの1個又は複数を使用してトレーニングされる、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記複数の距離回帰マップを前記エンコードするステップが、前記複数の制御点の各制御点について、x軸距離回帰マップ及びy軸距離回帰マップをエンコードするステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記ニューラル・ネットワークが、分類タイプの数、n、を予測するようにトレーニングされ、前記1個又は複数のビット分類マスクを前記エンコードするステップが、n-1個のビット分類マスクをエンコードするステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記曲線適合アルゴリズムが、2次元ベジエ曲線適合アルゴリズム、3次元ベジエ曲線適合アルゴリズム、3次ベジエ曲線適合アルゴリズム、高次ベジエ曲線適合アルゴリズム、又はスプリット式ベジエ曲線適合アルゴリズムのうちの少なくとも1個を含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律運転アプリケーションのための曲線適合を使用するランドマーク検出に関するものである。
【背景技術】
【0002】
環境内のランドマーク―たとえば、車線境界線、車線外側線、道路境界、テキスト、ポール若しくは標識、及び/又は他の特徴―を正確に及び厳密に検出する能力は、すべてのレベルの自律性における自律マシン・アプリケーション―たとえば、運転者/パイロット支援マシン又は車両から半自律型及び完全自律型マシン及び車両まで―にとって必須である。道路標示品質の変動、車線及び道路標示慣習の地理的又は地域的差、並びに、摩損、気象条件、照明条件、一時的表示(たとえば、建設工事又は災害復旧による)、及び/又は同類のものによる道路標示の障害、劣化、及び/又は閉塞により、運転中に環境内で遭遇し得る車線区分線の多様性は、非常に高い。
【0003】
車線又は線検出のいくつかの従来の手法は、ディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN:deep neural network)処理を使用し、そこでは、走行表面の高分解能画像及び車線及び線の関連注釈が、車線境界線を認識するためにDNN(たとえば、畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN:convolutional neural network))をトレーニングするために使用される。これらの従来の手法は、車線境界線の一部として又はそうではないとして画像の各画素を分類することによって画像内の車線境界線の一般位置を示す区分マスクを生成するようにDNNをトレーニングしている。しかしながら、これらの従来の手法は、出力を車線境界線、道路境界、ポール、及び/又は他の特徴の使用可能な表現に変換するための広範な後処理―たとえば、動的プログラミング―を必要とする。たとえば、これらの従来のDNNの出力は、各ランドマーク特徴に属するそれぞれの画素の識別を含むので、同じランドマークに属するそれぞれの画素の間の相関関係並びにその分類が、後処理中に判定されなければならない。加えて、ストレート・プロファイル―たとえば、走行表面の曲線又は輪郭をたどるための―以外を有するランドマークについて、付加的角度又は方向情報が、DNNによって出力される必要があり、ランドマーク特徴の角度又は方向を判定するために後処理される必要がある。これらの広範な後処理タスクは、システムのレイテンシを増やし、並びにシステムの計算要件を増やし、それにより、これらの従来のDNNを車両におけるリアルタイムの配備に有用でなくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国非仮特許出願第16/514,230号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例は、自律運転アプリケーションのための曲線適合を使用するランドマーク検出に関する。1個又は複数のディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)を使用して曲線の制御点で回帰する及び制御点を使用して曲線適合動作―たとえば、ベジエ曲線適合―を実行して環境内のランドマーク位置及びジオメトリを識別する、システム及び方法が、開示される。そのようにして、DNNの出力は、2次元(2D)画像空間及び/又は3次元(3D)世界空間制御点位置を指示することができ、必要な計算及び時間が少ない後処理技法―たとえば、クラスタリング及び時間的平滑化―が、正確に及びリアルタイムでランドマーク位置及び姿勢を判定するために実行され得る。結果として、従来のシステムとは対照的に、制御点は、物体検出手法に類似して回帰され得、制御点は、次いで、車両の1個又は複数のセンサのそれぞれの視界内のそれぞれのランドマークについて、ランドマーク―たとえば、車線境界線、道路境界線、横断歩道、ポール、テキストなど―に対応する曲線を再構築するために使用され得る。
【0006】
正確な予測のためにDNNをトレーニングするために、ランドマーク特徴の制御点位置に対応するグラウンド・トゥルース・データが、データ・セットのトレーニングにおいて、ランドマーク特徴に対応するポリライン及び/又は多角形注釈から生成され得る。たとえば、トレーニング・データ・セットは、前に注釈を付けられたポリライン又は多角形を含み得るので、これらの既存の注釈―新しい又は追加のトレーニング・データ・セットに加えた又はそれに代わる―は、グラウンド・トゥルース・データの生成において使用するための制御点を決定するための曲線適合手法を使用して、分析され得る。いくつかの実施例において、制御点決定の正確性を高めるために、グラウンド・トゥルース・ポリラインからの点が、決定された制御点がランドマーク特徴の曲線をより正確に反映するように、ポリラインに沿ったより多くの等間隔の点を生み出すために、再サンプリングされ得る。制御点で回帰するようにDNNをトレーニングするために使用されるグラウンド・トゥルース・データは、曲線までの閾値距離内の画素を指示するバイナリ・マスク、制御点までの距離―(3D制御点回帰の)x、y、及び/又はz方向における―を指示する距離回帰チャネル、及び/又は、各制御点又は近似曲線に対応する分類又は意味情報を決定するための分類チャネルを含み得る。トレーニング及び配備された後には、DNNは、それに対応する制御点位置及び意味情報を指示する出力を正確に及び厳密に計算することができ、これらの出力は、ランドマーク特徴に対応する曲線を決定するために、復号及び後処理され得る。
【0007】
自律運転アプリケーションのための曲線適合を使用するランドマーク検出のための本システム及び方法について、添付の図面を参照して、以下に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示のいくつかの実施例による、ランドマーク検出のためのディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)をトレーニングするための例示的プロセスを示すデータ流れ図である。
【
図2A】本開示のいくつかの実施例による、トレーニング画像に関連する注釈の視覚化を示す図である。
【
図2B】本開示のいくつかの実施例による、曲線適合動作を示す図である。
【
図2C】本開示のいくつかの実施例による、曲線適合動作を使用する曲線に変換された注釈の視覚化を示す図である。
【
図3A】本開示のいくつかの実施例による、グラウンド・トゥルース・データの生成において使用するためのトレーニング・データの視覚化を示す図である。
【
図3B】本開示のいくつかの実施例による、バイナリ・マスクの視覚化を示す図である。
【
図3C】本開示のいくつかの実施例による、ビット分類マスクの視覚化を示す図である。
【
図3D】本開示のいくつかの実施例による、距離回帰マスクの視覚化を示す図である。
【
図3E】本開示のいくつかの実施例による、距離回帰マスクの視覚化を示す図である。
【
図3F】本開示のいくつかの実施例による、距離回帰マスクの視覚化を示す図である。
【
図3G】本開示のいくつかの実施例による、距離回帰マスクの視覚化を示す図である。
【
図3H】本開示のいくつかの実施例による、距離回帰マスクの視覚化を示す図である。
【
図3I】本開示のいくつかの実施例による、距離回帰マスクの視覚化を示す図である。
【
図3J】本開示のいくつかの実施例による、距離回帰マスクの視覚化を示す図である。
【
図3K】本開示のいくつかの実施例による、距離回帰マスクの視覚化を示す図である。
【
図4A】本開示のいくつかの実施例による、減らされた長さ及び多様な重み付けを使用して生成されるグラウンド・トゥルース・データの視覚化を示す図である。
【
図4B】本開示のいくつかの実施例による、減らされた長さ及び多様な重み付けを使用して生成されるグラウンド・トゥルース・データの視覚化を示す図である。
【
図4C】本開示のいくつかの実施例による、減らされた長さ及び多様な重み付けを使用して生成されるグラウンド・トゥルース・データの視覚化を示す図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施例による、ランドマーク検出のためのDNNをトレーニングするための方法を示す流れ図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施例による、ランドマーク検出のためのDNNを使用する例示的プロセスを示すデータ流れ図である。
【
図7】本開示のいくつかの実施例による、ランドマーク検出のためのDNNの出力の復号及び後処理の例示的プロセスを示すデータ流れ図である。
【
図8A】本開示のいくつかの実施例による、後処理の前後の予測される曲線の視覚化を示す図である。
【
図8B】本開示のいくつかの実施例による、後処理の前後の予測される曲線の視覚化を示す図である。
【
図9A】本開示のいくつかの実施例による、DNNを使用して検出された例示的ランドマーク・タイプの視覚化を示す図である。
【
図9B】本開示のいくつかの実施例による、DNNを使用して検出された例示的ランドマーク・タイプの視覚化を示す図である。
【
図9C】本開示のいくつかの実施例による、DNNを使用して検出された例示的ランドマーク・タイプの視覚化を示す図である。
【
図9D】本開示のいくつかの実施例による、DNNを使用して検出された例示的ランドマーク・タイプの視覚化を示す図である。
【
図9E】本開示のいくつかの実施例による、DNNを使用して検出された例示的ランドマーク・タイプの視覚化を示す図である。
【
図10】本開示のいくつかの実施例による、DNNを使用するランドマーク検出のための方法を示す流れ図である。
【
図11A】本開示のいくつかの実施例による、例示的自律型車両のイラストレーションである。
【
図11B】本開示のいくつかの実施例による、
図11Aの例示的自律型車両のカメラ位置及び視野の実例である。
【
図11C】本開示のいくつかの実施例による、
図11Aの例示的自律型車両の例示的システム・アーキテクチャのブロック図である。
【
図11D】本開示のいくつかの実施例による、クラウドベースのサーバと
図11Aの例示的自律型車両との間の通信のシステム図である。
【
図12】本開示のいくつかの実施例の実装において使用するのに適した例示的コンピューティングデバイスのブロック図である。
【
図13】本開示のいくつかの実施例の実装において使用するのに適した例示的データ・センタのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
自律運転アプリケーションのための曲線適合を使用するランドマーク検出に関連するシステム及び方法が、開示される。本開示は、例示的自律型車両1100(その実例が
図11A~11Dに関して本明細書で説明され、本明細書で別法として「車両1100」又は「自立型車両1100」と称される)に関して説明されることがあるが、これは、限定を意図していない。たとえば、本明細書に記載のシステム及び方法は、非自律型車両、半自律型車両(たとえば、適応型運転者支援システム(ADAS:adaptive driver assistance system)における)、ロボット、倉庫車両、オフロード車両、飛行船舶、ボート、旅客車両、乗用車、トラック、バス、ファースト・レスポンダ車両、シャトル、電気又は原動機付自転車、オートバイ、消防車、警察車両、救急車、建設車両、潜水艦、ドローン、別のタイプの車両(たとえば、無人の及び/又は1人若しくは複数の乗客を乗せる)、操縦される若しくは操縦されないロボット、及び/又は操縦される若しくは操縦されないロボット・プラットフォームによって使用され得る。加えて、本開示は、自律運転に関して説明されることがあるが、これは、限定を意図していない。たとえば、本明細書に記載のシステム及び方法は、ロボット工学、航空システム、船舶システム、並びに/又は、知覚、世界モデル管理、進路プランニング、障害物回避、及び/若しくは他のプロセスなどの他の技術分野において使用され得る。
【0010】
図1を参照すると、
図1は、本開示のいくつかの実施例による、ランドマーク検出のためのディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)をトレーニングするための例示的プロセスを示すデータ流れ図である。本明細書に記載のこの及び他の構成は単に実例として記載されていることを理解されたい。他の構成及び要素(たとえば、マシン、インターフェース、機能、順番、機能のグループ化など)が、図示されたものに加えて又はそれらの代わりに使用され得、いくつかの要素は、完全に省略され得る。さらに、本明細書に記載の要素の多数は、個別の若しくは分散された構成要素として又は他の構成要素と併せて、並びに任意の適切な組合せ及び場所において実装され得る機能エンティティである。エンティティによって実行されるものとして本明細書に記載された様々な機能は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアによって実施され得る。たとえば、様々な機能は、メモリに記憶された命令を実行するプロセッサによって実施され得る。いくつかの実施例において、プロセス100によるディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)104のトレーニングは、
図11A~11Dの車両1100、
図12の例示的計算デバイス1200、及び/又は
図13の例示的データ・センタ1300に関して本明細書で説明されるような類似の構成要素、特徴、及び/又は機能性を使用して、少なくとも部分的に、実装され得る。
【0011】
プロセス100は、1個又は複数のセンサからセンサ・データ102を生成及び/又は受信することを含み得る。センサ・データ102は、非限定的な一実例として、車両(たとえば、本明細書に記載の
図11A~11Dの車両1100)の1個又は複数のセンサから受信され得る。センサ・データ102は、ランドマーク―たとえば、ランドマーク位置、姿勢、意味論的クラスなど―を検出するように1個又は複数のDNN104をトレーニングするために、車両1100によって、プロセス100内で、使用され得る。トレーニング中、センサ・データ102は、DNN、たとえば、DNN104、をトレーニングするためのセンサ・データを生成する1個若しくは複数のデータ収集車を使用して生成され得る、及び/又は事前に生成され、トレーニング・データ・セットに含まれ得る。トレーニング中に使用されるセンサ・データ102は、追加で又は別法として、シミュレーションされたセンサ・データ(たとえば、仮想環境において仮想車両の1個又は複数の仮想センサを使用して生成されるセンサ・データ)及び/又は拡張センサ・データ(たとえば、それぞれ、1個又は複数のデータ収集車を使用して生成された及び仮想データで修正されたセンサ・データ)を使用して生成され得る。車両1100においてトレーニング及び配備された後は、センサ・データ102は、本明細書に記載のように、車両1100の1個又は複数のセンサによって生成され得、様々な出力106を計算するためにDNN104によって処理され得る。
【0012】
したがって、センサ・データ102は、たとえば、
図11A~11Cを参照すると、RADARセンサ1160、超音波センサ1162、LIDARセンサ1164、ステレオ・カメラ1168、ワイド・ビュー・カメラ1170(たとえば、魚眼カメラ)、赤外線カメラ1172、サラウンド・カメラ1174(たとえば、360度カメラ)、長距離及び/若しくは中距離カメラ1178、並びに/又は他のセンサ・タイプを含む、車両1100のセンサのいずれかからのセンサ・データ102を含み得るが、これらに限定されない。別の実例として、センサ・データ102は、仮想(たとえば、試験)環境内の仮想車両又は他の仮想物体の任意の数のセンサから生成された仮想(たとえば、シミュレーションされた又は拡張)センサ・データを含み得る。そのような一実例において、仮想センサは、シミュレーションされる環境(たとえば、DNNパフォーマンスを試験、トレーニング、及び/又は検証するために使用される)内の仮想車両又は他の仮想物体に対応し得、仮想センサ・データは、シミュレーションされた又は仮想環境内の仮想センサによってキャプチャされたセンサ・データを表し得る。そのようなものとして、仮想センサ・データを使用することによって、本明細書に記載のDNN104は、そのような試験の安全性は低くなり得る、現実世界環境外のより極端なシナリオの試験を可能にし得る、シミュレーション環境におけるシミュレーション又は拡張データを使用して、試験、トレーニング、及び/又は検証され得る。
【0013】
いくつかの実施例において、センサ・データ102は、画像を表す画像データ、ビデオを表す画像データ(たとえば、ビデオのスナップショット)、及び/又はセンサの知覚フィールドの表現を表すセンサ・データ(たとえば、LIDARセンサの深度図、超音波センサの値グラフなど)を含み得る。センサ・データ102が、画像データを含む場合、たとえば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)若しくは輝度/クロミナンス(YUV:Luminance/Chrominance)フォーマットなどの圧縮画像、H.264/AVC(Advanced Video Coding)若しくはH.265/HEVC(High Efficiency Video Coding)などの圧縮ビデオ・フォーマットから生じるフレームのような圧縮画像、RCCB(Red Clear Blue)、RCCC(Red Clear)、若しくは他のタイプの画像センサなどに由来するものなどの未加工画像、及び/又は他のフォーマットを含むがこれらに限定されない、任意のタイプの画像データ・フォーマットが、使用され得る。加えて、いくつかの実例において、センサ・データ102は、前処理なしに(たとえば、未加工の又はキャプチャされたフォーマットにおいて)プロセス100内で使用され得るが、他の実例において、センサ・データ102は、前処理(たとえば、ノイズ・バランシング、デモザイク処理、スケーリング、クロップ、拡張、ホワイト・バランシング、トーン・カーブ調整など、たとえば、センサ・データ・プリプロセッサ(図示せず)を使用する)を受け得る。本明細書では、センサ・データ102は、未処理のセンサ・データ、前処理されたセンサ・データ、又はその組合せを指し得る。
【0014】
トレーニングのために使用されるセンサ・データ102は、最初の画像(たとえば、1個若しくは複数の画像センサによってキャプチャされたものとしての)、ダウン・サンプリングされた画像、アップ・サンプリングされた画像、クロップされた若しくは関心領域(ROI:region of interest)画像、他の方法で拡張された画像、及び/又はその組合せを含み得る。DNN104は、画像(及び/又は他のセンサ・データ102)並びに対応するグラウンド・トゥルース・データ122―たとえば、グラウンド・トゥルース(GT)バイナリ・マスク124、GT距離回帰マスク126、及び/又はGTビット分類マスク128―を使用して、トレーニングされ得る。グラウンド・トゥルース・データ122は、注釈データ114―たとえば、注釈、ラベル、マスク、及び/又は同類のもの―曲線フィッタ116、及び/又は制御点118を使用するエンコーダ120によって、生成され得る。たとえば、いくつかの実施例において、注釈データ114は、任意のランドマーク・タイプ、たとえば、道路標示、車線境界線、道路境界線、交差点の線、歩行者専用道路、自転車車線境界線、テキスト、ポール、木、ライト・ポスト、標識など、に対応するポリラインを表し得る。たとえば、
図2Aに関して、視覚化200Aは、車線車線及び/又は道路境界線に対応し得る、ポリライン202A~202Fを含み得る。ポリライン202A~202Fは、対応する意味論的又は分類情報を含み得る。たとえば、ポリライン202に注釈を付けるとき、ポリライン202は、特定の意味論的クラスに関連付けられ得る。たとえば、ポリライン202Aは、道路境界線、又は、より細かい粒度では、白い実線の道路境界線に対応し得る。類似して、ポリライン202Cは、破線の車線境界線に対応し得、ポリライン202Dは、実線の道路境界線に対応し得る。
【0015】
いくつかの実施例において、ポリラインは、多角形から決定又は抽出され得る。たとえば、注釈データ114によって表される注釈又はラベルは、ランドマークの形状を実質的に定義する多角形に対応し得る―たとえば、多角形は各車線に適合する、多角形はポールに適合する、多角形はテキストに適合するなど。多角形のセンタ・ライン、左の境界線、及び/又は右の境界線は、ポリラインを生成するために使用され得る。たとえば、車線について、多角形は、左の車線境界線(たとえば、多角形の左端)、右の車線境界線たとえば、多角形の右端)、及び/又は車線のセンタ・ライン若しくはレール(たとえば、多角形の中心を通って伸びる線)を決定するために使用され得る。したがって、多角形が使用される場合、ポリライン―たとえば、
図2Aのポリライン202―は、多角形から生成又は抽出され得る。任意の実施例において、注釈は、多角形、ポリライン、別の注釈又はラベル・タイプ、或いはその組合せを含み得る。
【0016】
本明細書では、注釈データ114は、多角形、ポリライン、及び/又は他の注釈若しくはラベル・タイプに対応する意味論的又は分類情報を表し得る。意味論的クラスは、任意のレベルの粒度を含み得る。たとえば、意味論的クラスは、車線境界線、道路境界線、交差点の線、ポール、標識、テキストなどを含み得る。より細かい粒度のレベルにおいて、車線境界線の意味論的クラスは、たとえば、実線若しくは破線、黄色い線若しくは白線、単線若しくは二重線、又はその組合せを含み得る。したがって、非限定的実例として、車線境界線の意味論的クラスは、白い単一の実線、黄色い単一の実線、白い単一の破線、黄色い単一の破線、白い二重の実線、黄色い二重の実線、白い二重の破線、黄色い二重の破線、白い実線破線、黄色い実線破線、白い破線実線、黄色い破線実線、三重の実線、三重の破線、実線破線実線、破線実線破線などを含み得る。道路境界線について、意味論的クラスは、非限定的実例として、障害物、カーブ、継ぎ目、線などを含み得る。交差点の線について、意味論的クラスは、非限定的実例として、交差点の線、交差線、停止線、歩行者線などを含み得る。ポールについて、意味論的クラスは、非限定的実例として、道路標識、ポール、ライト、電柱、木などを含み得る、或いは、標識について、交通標識、建設工事標識、広告標識などを含み得る。したがって、任意の数及び粒度の意味論的クラスが、注釈又はラベルに関連付けられ得、DNN104をトレーニングするためのグラウンド・トゥルース・データ122を生成するために使用され得る。
【0017】
注釈は、いくつかの実例において、描画プログラム(たとえば、注釈プログラム)、コンピュータ支援設計(CAD)プログラム、ラベリング・プログラム、注釈の生成に適した別のタイプのプログラム内で生成され得る、及び/又は手描きされ得る。任意の実例において、注釈データ114は、合成的に製造する(たとえば、コンピュータ・モデル又はレンダリングから生成する)こと、現実に製造する(たとえば、現実世界データから設計及び製造する)こと、マシン自動化すること(たとえば、特徴分析を使用して、及び、データから特徴を抽出し、次いで、ラベルを生成することを学習して)、人が注釈を付けること(たとえば、ラベラ、又は注釈エキスパート、が、ラベルの位置を定義する)、及び/又はその組合せ(たとえば、人が、エリアの中心又は原点及び次元を識別する、マシンが、交差点エリアの多角形及び/又はラベルを生成する)が可能である。
【0018】
プロセス100は、曲線フィッタ116を使用して曲線適合動作を実行することを含み得る。たとえば、注釈データ114によって表されたポリラインは、曲線の点を定義する制御点を決定するための曲線適合動作を受けることができる。したがって、グラウンド・トゥルース・データ122は、制御点の位置―2D画像空間又は3D世界空間における―を予測する、回帰する、又は他の方法で計算するようにDNN104をトレーニングするために使用され得る。曲線適合動作は、2Dベジエ曲線適合アルゴリズム(たとえば、画像空間制御点推定のための)、3Dベジエ曲線適合アルゴリズム(たとえば、世界空間制御点推定のための)、3次ベジエ曲線適合アルゴリズム(たとえば、各曲線について4個の制御点を含む)、高次ベジエ曲線適合アルゴリズム(たとえば、5つ以上の制御点)、又はスプリット式ベジエ曲線適合アルゴリズム(たとえば、単一曲線が、それぞれが複数の制御点を含む2個以上の曲線に分かれる)、及び/又は別の曲線適合アルゴリズム・タイプを含み得る。いくつかの実施例において、曲線適合アルゴリズムは、曲線適合の精度及び正確性を増やすために、3つ以上の制御点を決定するために使用され得る。たとえば、2個のみの点を有して、曲線適合の結果は、線形ではない曲線のより正確性又は精度の低い結果を生み出すことになる線形補間のそれに類似する。したがって、より多数の制御点が使用されるほど、曲線適合はより正確で精密なものになり得るが、制御点が多いほど、動作はより多くの処理及び計算を必要とし、それにより、システムのランタイムを増やす。したがって、実験を通して、非限定的実例として、3から5個の制御点を使用することは、リアルタイムの配備を可能にする許容計算要件で正確な精密な結果をもたらし得る。しかしながら、任意の数の制御点が、本開示の範囲を逸脱することなく、使用され得る。加えて、本明細書の図は、曲線ごとに4個の制御点を含むが、これは限定を意図しておらず、単に例示を目的としている。さらに、ベジエ曲線適合が、本明細書では主に説明されているが、これは限定を意図しておらず、他の曲線適合アルゴリズムが、本開示の範囲を逸脱せずに、使用され得る。しかしながら、ベジエ曲線適合は、より正確な曲線適合結果を生成するための3つ以上の制御点の使用を含むいくつかの利点を含み、制御点のうちの2個は、プランニング、制御、又は他の決定タイプを行う際に車両1100の役に立つ各曲線の最初及び最後に位置する。
【0019】
いくつかの実施例において、曲線適合動作より前に、注釈データからのポリラインに沿った点が、再サンプリングされ得る。たとえば、ポリラインは、曲線がより真っすぐである場合には、より少ない点を含み得、より大きな曲率が存在する場合には、より多数の点を含み得るので、いくつかの位置において他よりも多数の点が存在し得る。再サンプリングを有さないポリラインは、正確な結果を生み出し得るが、正確性は、点のより均等にサンプリングされた分布を含むようにポリラインに沿った点を再サンプリングすることによって、高められ得る。一実例として、
図2Aのポリライン202Fは、再サンプリングより前に点206を含み得るが、ポリライン202Cは、再サンプリング後に点206を含み得る。図示するように、ポリライン202Cに沿った点206は、ポリライン202Fに沿った点よりも均等に分散されている。再サンプリングによって、曲線適合動作が、より多数の点を有するポリラインの領域を優先する制御点を生成する可能性は低くなり得る。結果として、曲線フィッタ116を使用して決定された制御点、ひいては制御点を使用して生成されたグラウンド・トゥルース・データ122は、曲線適合のためにより精密になり得る。
【0020】
ポリライン―実施例において、再サンプリング後―は、次いで、制御点位置を決定するために曲線適合動作を受け得る。
図2Bを参照すると、一実例として、ベジエ曲線適合が使用される場合、ベジエ曲線は、Q(t)として定義され得、tは、0<t<1であるような、パラメータを含み得る。下の方程式(1)のマトリクス表示内の第1のマトリクス、T、は、t
0、t
1、t
2、及びt
3から成る。方程式(1)において、第2のマトリクス、M、は、ベジエ・マトリクスと称され得、3次多項式を拡張するときに係数で構成される。4個の制御点(この例では、3次ベジエ曲線適合アルゴリズム)は、P
0、P
1、P
2、及びP
3を含み、そして、この例では2個の次元が存在するので、制御点は、方程式(1)において第3のマトリクス、P、として表され得、そこで、x
0及びy
0は、制御点P
0の(x,y)座標(たとえば、2D画像空間内の画素座標)を表す、など。2D画素又は画像空間座標として表されているが、これは限定を意図しておらず、いくつかの実施例では、DNN104が、曲線の制御点の3D座標を直接計算するようにトレーニングされるように、座標は、3D世界空間座標に対応し得る。
【0021】
【0022】
ベジエ曲線適合アルゴリズムは、別法として、P及びTを最適化し得る。最初のTは、各線分(又はポリライン)の長さによって計算され得る。1個のみの線分が存在する場合、その線分は、3個の線分に均等に分割され得る。2個のみの線分が存在する場合、より長い方が、2個の線分に均等に分割され得る。実施例において、各線分が相対的に同じ長さを有するように、任意の線分が、小片に分割され得る。最初のTは、線分が決定された後に、計算され得、次いで、再サンプリングされたポリラインが、最適化のために使用され得る。Tが固定されるとき、Pは、たとえば、以下の方程式(2)による、最小二乗法によって、解かれ得る:
P=(MTTTTM)-1MTTTQ (2)
【0023】
Pが固定されるとき、Tは、ニュートン・ラフソン(Newton-Raphson)法によって解かれ得る。たとえば、解くべき問題は、以下の方程式(3)のルートになり得る:
f(t)=(Q(t)-Q)Q’(t) (3)
【0024】
概念は、一実例として、
図2Bに示されており、そこで、f(t)のフット、f’(t)、は、以下の方程式(4)に従って計算される:
f’(t)=Q’(t)Q’(t)+(Q(t)-Q)Q’’(t) (4)
そこで、更新ステップは、以下の方程式(5)によって表される:
t=t-f(t)/f’(t) (5)
【0025】
各反復において、エラー、e、が、以下の方程式(6)に従って計算され得る:
e=||P-TMQ|| (6)
【0026】
エラー、e、の減少が停止した場合、収束が決定され得る。エラー、e、が、最大限のエラーを超えた場合、拡散が決定され得る。ステップ又は反復の最大数に達した場合、最後の反復の結果が、使用され得る。
【0027】
曲線フィッタ116による曲線適合動作の結果として、1個又は複数の曲線が、制御点118によってそれぞれ定義されて生成され得る。曲線適合動作の結果の一実例として、
図2Cは、曲線適合後の
図2Aのポリライン202から生成された曲線204(たとえば、曲線204A~204F)の視覚化200Bを含む。そのようなものとして、各曲線(特定の意味論的ラベルの)は、同等の数の制御点118を含む―たとえば、この例では、たとえば、3次ベジエ曲線適合が実行された場合、4つ。図示するように、世界空間において隣接していても、曲線204Cは、車線境界線に対応し、曲線204Eは道路境界線に対応するので、2個の曲線204は、それぞれの制御点118でそれぞれ生成され得る。結果として、本明細書に記載のように、DNN104は、特定の意味論的クラスに対応するビット分類マスク112を計算するように、及び/又は特定のランドマーク・タイプ(たとえば、
図2Cに関する特定の道路標示タイプ)の曲線204の制御点118に対応するバイナリ・マスク108及び距離回帰マスク110で回帰する(又は他の方法で計算する)ようにトレーニングされ得る。
【0028】
制御点118及び/又は意味論的分類情報は、次いで、トレーニング・エンジン130を使用してDNN104をトレーニングするためのグラウンド・トゥルース・データ122を生成するためにエンコーダ120によって使用され得る。したがって、トレーニング・データ・セット内のセンサ・データ102の各インスタンスについて、グラウンド・トゥルース・データ122が生成され得る。グラウンド・トゥルース・データ122は、1個又は複数のGTバイナリ・マスク124、1個又は複数のGT距離回帰マスク126、及び/又は1個若しくは複数のGTビット分類マスク128を含み得る。いくつかの実施例において、たとえば、可変長及び/又は幅が、グラウンド・トゥルース・データ122において曲線をエンコードするために使用される場合―本明細書でさらに詳しく説明するように―重みチャネルもまた、グラウンド・トゥルース・データ122のために生成され得る。究極的には、グラウンド・トゥルース・データ122は、1個又は複数の損失関数を使用するトレーニング・エンジン130―たとえば、本明細書に記載のもの、しかしこれらに限定されない―によってDNN104の出力106と比較され得る。たとえば、センサ・データ102のインスタンスについてDNN104によって計算されたバイナリ・マスク108は、センサ・データ102の同インスタンスに対応するGTバイナリ・マスク124と比較され得、センサ・データ102のインスタンスのDNN104によって計算される距離回帰マスク110は、センサ・データ102の同インスタンスに対応するGT距離回帰マスク126と比較され得る、など。トレーニング・エンジン130は、損失関数を使用してDNN104のパラメータ(たとえば、重み、バイアスなど)への更新を決定することができ、このプロセスは、DNN104が許容レベルの正確性に収束するまで―たとえば、DNN104のトレーニングされたパラメータが最適な、所望の、及び/又は許容値に収束するまで―繰り返され得る。
【0029】
一実例として、
図3Aを参照すると、視覚化300は、センサ・データ102のインスタンス(たとえば、画像)及び制御点118をそれぞれ含む対応する曲線302A~302D(たとえば、各曲線302は、4個の制御点118を含み得る)に対応し得る。各曲線302は、注釈データ114によって表されたポリラインから曲線フィッタ116によって生成されてあることがある。曲線302は、意味論的分類情報とそれぞれ関連付けられ得る。たとえば、曲線302A及び302Dは、道路境界線に対応し得、曲線302B及び302Cは、車線境界線(たとえば、車線外側線)に対応し得る。曲線302Dのみに関して示されるとき(明確にすることを目的として)、各曲線302は、第1の制御点118A、第2の制御点118B、第3の制御点118C、及び第4の制御点118Dを含み得る。第1の制御点118Aは、最後の制御点に対応し得、第4の制御点118Dは、各曲線の最初の制御点118に対応し得る。
【0030】
エンコーダ120は、曲線302を使用してGTバイナリ・マスク124をエンコードすることができる。たとえば、
図3Bに関して、視覚化300からの曲線302に対応するGTバイナリ・マスク124Aが、示されている。GTバイナリ・マスク124Aは、第1の値(たとえば、1)を任意の曲線302の定義済み半径内の各画素にエンコードする一方で、第2の値(たとえば、0)を任意の曲線302の定義済み半径外の各画素にエンコードすることによって、生成され得る。半径は、任意の値になるように選択され得る。たとえば、非限定的な一実例において、DNN104の入力分解能と出力分解能とが異なる(たとえば、畳み込み演算を介するダウン・サンプリングにより)場合、半径は、DNN104の入力分解能(たとえば、視覚化300からの画像の分解能)において16から48画素(たとえば、分解能の差が8xである場合)を含み得る、DNN104の出力分解能において2から6画素になり得る。しかしながら、異なる半径が、実施例に応じて設定され得る、及び/又は入力対出力の分解能の差が、実施例に応じて設定され得る。たとえば、半径内にあるものとしてエンコードされた画素は、制御点118での回帰(又は他の方法での計算)のための候補画素として復号中に使用され得るので、半径は、処理要件及びランタイムが増やされるような多数の画素を含まずに、十分な候補画素が正確な及び精密な予測のために選択されるように、決定され得る。
【0031】
エンコーダ120は、曲線302の制御点118を使用してGTビット分類マスク128をエンコードすることができる。たとえば、いくつかのGTビット分類マスク128又はチャネルが、DNN104が予測するようにトレーニングされた異なる意味論的クラスの数に基づいて、決定され得る。たとえば、n個の意味論的クラスが存在する場合、上限(最大値)のlog2(n)チャネルが存在し得る。したがって、単一の意味論的クラスのみが存在する場合、ビット分類チャネルは存在しないことがあり、ひいてはGTビット分類マスク128は存在しないことがある。しかしながら、2個のビット分類チャネルが存在する場合、単一のビット分類チャネルひいては単一のGTビット分類マスク128が存在し得る。そのような一実例において、第1の値(たとえば、0)は、画素が第1の意味論的クラスに対応することを指示し得、第2の値(たとえば、1)は、画素が第2の意味論的クラスに対応することを指示し得る。一実例として、
図3Cに関して、2個の意味論的クラスが存在する場合(たとえば、DNN104は、そのような一実例において、2個のクラスについて予測するように単にトレーニングされると想定して)、GTビット分類マスク128Aは、視覚化300に対応し得る。たとえば、車線境界線に対応する曲線302C及び302Bは、第1の値(たとえば、1、白に対応)でエンコードされ得、道路境界線に対応する曲線302A及び302Dは、第2の値(たとえば、0、黒に対応)でエンコードされ得る。いくつかの実施例において、GT距離回帰マスク126の画素のそれぞれは、ビット分類値でエンコードされ得る(又はエンコードのために考慮される)が、他の実例において、GTバイナリ・マスク124からの曲線302の半径内にあるとして識別された画素のみが、ビット分類値でエンコードされ得る。半径が各マスク・タイプについて使用される場合、DNN104は、背景画素についてトレーニングせず、予測の正確性に貢献する可能性が最も高い画素の予測を行うようにトレーニングされ得る。
【0032】
エンコーダ120は、曲線302の制御点118を使用してGT距離回帰マスク126をエンコードすることができる。たとえば、各制御点118について、x軸GT距離回帰マスク126及びy軸GT距離回帰マスク126が、エンコードされ得る。制御点118が3D世界空間座標内にある実施例において、各制御点118は、追加のz軸GT距離回帰マスク126を含み得る。たとえば、各曲線302は、第1の制御点118(たとえば、最後の制御点)を含み得、x軸GT距離回帰マスク126の画素は、いずれかの曲線302の最も近い第1の制御点118Aまでのx方向における距離(たとえば、画素距離)でエンコードされ得、y軸GT距離回帰マスク126の画素が、いずれかの曲線302の最も近い第1の制御点118Aまでのy方向における距離(たとえば、画素距離)でエンコードされ得る。このプロセスは、制御点118B~118Dのそれぞれについて繰り返され得る(4個の制御点118が存在する場合、しかしながら、より多数の又は少数の制御点118が存在する場合にはより多数の又は少数の反復を含み得る)。距離の値は、より小さい範囲の値(たとえば、0~90よりも0~1に近い、又はいくつかの他の値)内にある更新された距離値を生成するためにそこに適用される倍率を有し得る。いくつかの実施例において、GT距離回帰マスク126の画素のそれぞれが、エンコードされ得るが、他の実例において、GTバイナリ・マスク124から曲線302の半径内にあるとして識別された画素のみが、距離値でエンコードされ得る。半径内の画素のみが使用される実例において、正確性は損なわれないことが可能であり、同時に、処理要件及びランタイムは低減され得る。
【0033】
一実例として、
図3D~3Kに関して、各曲線302A~302Dの制御点118Aは、x軸GT距離回帰マスク126A~X(
図3D)及びy軸GT距離回帰マスク126A~Y(
図3E)にエンコードされ得、各曲線302A~302Dの制御点118Bは、x軸GT距離回帰マスク126B~X(
図3F)及びy軸GT距離回帰マスク126B~Y(
図3G)にエンコードされ得、各曲線302A~302Dの制御点118Cは、x軸GT距離回帰マスク126C~X(
図3H)及びy軸GT距離回帰マスク126C~Y(
図3I)にエンコードされ得、各曲線302A~302Dの制御点118Dは、x軸GT距離回帰マスク126D~X(
図3J)及びy軸GT距離回帰マスク126D~Y(
図3K)にエンコードされ得る。
【0034】
いくつかの実施例において、距離は、DNN104の出力分解能に対応し得るが、他の実施例において、距離は、DNN104の入力分解能に対応し得る。したがって、x軸又はy軸距離は、出力分解能における画素について計算され得るけれども、値は、入力分解能(たとえば、DNN104への入力画像の)における距離(たとえば、画素距離)に対応し得る。したがって、復号中、出力分解能における画素は、入力分解能における知られている又は推定される対応する画素を有し得、そして、知られている又は推定される対応する画素は、次いで、それに起因する出力分解能からの値を有し得る。このプロセスは、
図2A~2Bと、参照によりその全部が本明細書に組み込まれている、2019年7月17日に出願された米国非仮特許出願第16/514,230号における添付の説明とに類似し得る。
【0035】
いくつかの実施例において、たとえば、曲線302の半径内の画素のみがエンコードされるように、GTバイナリ・マスク124、GT距離回帰マスク126、又はGTビット分類マスク128のうちの2個以上が生成される場合、半径は、異なるマスク・タイプについて異なり得る。たとえば、GTバイナリ・マスク124は、第1の半径を有し得、GT距離回帰マスク126は、第1の半径とは異なる第2の半径を有し得る。類似して、GTビット分類マスク128は、GTバイナリ・マスク124及び/又はGT距離回帰マスク126とは異なる半径を有し得る。そのような実施例において、それらの半径(たとえば、曲線からの画素半径)が異なり得る場合でも、別のGT重みチャネル又はマスクが、重みチャネルを出力してマスクの復号を助けるようにDNN104をトレーニングするために生成され得る。たとえば、
図4A~4Cに関して、GTバイナリ・マスク124B(
図4A)は、第1の半径を含み得、GT距離回帰マスク126E(
図4B)は、第2の、より大きな半径を含み得、そして、配備中のDNN104の計算された重みチャネルが、制御点118の位置をより正確に回帰する(又は他の方法で計算する)ようにデコーダ120(
図6)によって使用され得るように、重みチャネル又はマスク400(
図4C)は、この情報をエンコードするために使用され得る。
【0036】
いくつかの実施例において、DNN104の予測をより集中させるために、グラウンド・トゥルース・データ122は、より短い曲線でエンコードされ得る。たとえば、GTバイナリ・マスク124、GT距離回帰マスク126、及び/又はGTビット分類マスク128のそれぞれが、より短い距離でエンコードされ得る―
図3B~3Kのマスクと
図4A~4Cのマスクとの差によって示されるような。たとえば、いくつかの実施例において、それぞれのマスク内の曲線のエンコードされた値は、いくらかのパーセンテージ又は量だけ上部及び/又は下部をクロップされ得る。非限定的な一実施例では、曲線全体がエンコードされるなら、グラウンド・トゥルース・データ122から生じるマスクが、それらの潜在的な又は最初の長さの50%であるように、曲線の上部25%に対応する値及び曲線の下部又は下側25%に対応する値が、クロップされ得る。これらの値は、単に例示を目的としており、1個又は複数の主要パフォーマンス・インジケータ(KPI:key performance indicator)が、任意の特定の実施例の適切な又は理想的値を決定するために使用され得る。このプロセスは、DNN104の受容野を説明するので、本プロセスは有用になり得る。たとえば、完全な曲線又はポリラインが使用される場合、次いで、曲線又はポリラインの各端の画素又は点(たとえば、3D世界空間における)は、回帰チャネル出力の正確性を有し得る。
【0037】
そのようなものとして、グラウンド・トゥルース・データ122がエンコードされた後には、DNN104は、トレーニング・エンジン130を使用するトレーニングを受け得る。センサ・データ102は、DNN104に適用され得、DNN104は、出力106を計算し得る。出力106は、次いで、1個又は複数の損失関数を使用して対応するグラウンド・トゥルース・データ122と比較され得、損失関数の出力は、DNN104のパラメータを更新するためにトレーニング・エンジン130によって使用され得る。このプロセスは、許容収束が達成されるまで、繰り返され得る。
【0038】
いくつかの実施例において、損失関数は、グラウンド・トゥルース・データ122タイプによって異なり得る。たとえば、第1の損失関数は、GTバイナリ・マスク124及びバイナリ・マスク108に関してDNN104をトレーニングするために使用され得、第2の損失関数は、GT距離回帰マスク126及び距離回帰マスク110に関してDNN104をトレーニングするために使用され得、第3の損失関数は、GTビット分類マスク128及びビット分類マスク112に関してDNN104をトレーニングするために使用され得る。非限定的な一実例として、バイナリ・マスク・チャネルは、バイナリ・クロス・エントロピ損失を使用してトレーニングされ得、距離回帰チャネルは、マスクされたLI損失を使用してトレーニングされ得、そして、ビット分類チャネルは、マスクされたバイナリ・クロス・エントロピ損失を使用してトレーニングされ得る。
【0039】
ここで
図5を参照すると、本明細書に記載の方法500の各ブロックは、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアの任意の組合せを使用して実行され得る計算プロセスを含む。たとえば、様々な機能が、メモリに記憶された命令を実行するプロセッサによって実施され得る。方法500はまた、コンピュータ記憶媒体に記憶されたコンピュータ使用可能命令として実施され得る。方法500は、いくつか例を挙げると、独立型アプリケーション、サービス又はホスト型サービス(独立型の又は別のホスト型サービスと組み合わせた)、或いは別の製品へのプラグインによって提供され得る。加えて、方法500は、例として、
図1のプロセス100に関して、説明されている。しかしながら、この方法500は、本明細書に記載のものを含むが、これらに限定されない、任意の1個のプロセスによって、及び、任意の1個のシステム内で、又はプロセス及びシステムの任意の組合せで、追加で又は別法として、実行され得る。
【0040】
図5は、本開示のいくつかの実施例による、ランドマーク検出のためのDNN104をトレーニングするための方法500を示す流れ図である。方法500は、ブロックB502において、画像に関連するポリラインを表す注釈データ及びポリラインに関連する分類情報を受信することを含む。たとえば、センサ・データ102のインスタンスに関連する注釈データ114が、受信及び/又は生成され得、注釈データは、ランドマークに対応する1個若しくは複数のポリライン及び/又はその関連する分類情報を表し得る。
【0041】
方法500は、ブロックB504において、ポリラインに少なくとも部分的に基づいて、曲線適合アルゴリズムを実行して曲線に関連する複数の制御点を決定することを含む。たとえば、曲線フィッタ116は、注釈データ114を使用して曲線適合動作を実行して曲線に対応する制御点を決定することができる。
【0042】
方法500は、ブロックB506において、曲線に関連する複数の制御点に少なくとも部分的に基づいて、曲線までの半径内にある画像の画素を示すバイナリ・マスクをエンコードすること及び複数の距離回帰マスクをエンコードすることを含む。たとえば、制御点118及び/又は曲線情報を使用して、エンコーダ120は、GTバイナリ・マスク124及び/又はGT距離回帰マスク126をエンコードすることができ、そこで、各距離回帰マスクは、複数の制御点118のうちの制御点118までの距離を示し得る。
【0043】
方法500は、ブロックB508において、分類情報に少なくとも部分的に基づいて、1個又は複数のビット分類マスクをエンコードすること含む。たとえば、エンコーダ120は、分類情報及び/又は制御点若しくは曲線情報を使用してGTビット分類マスク128をエンコードすることができる。
【0044】
方法500は、ブロックB510において、グラウンド・トゥルース・データとしてバイナリ・マスク、複数の距離回帰マスク、及び1個又は複数のビット分類マスクを使用してニューラル・ネットワークをトレーニングすることを含む。たとえば、トレーニング・エンジン130は、出力106を計算するようにDNN104をトレーニングするために、グラウンド・トゥルース・データ122を使用し得る。
【0045】
ランドマーク検出のためのDNN
ここで
図6を参照すると、
図6は、本開示のいくつかの実施例による、ランドマーク検出のためのDNNを使用する例示的プロセス600を示すデータ流れ図である。本明細書に記載のこの及び他の配置は単に実例として記載されていることを理解されたい。他の配置及び要素(たとえば、マシン、インターフェース、機能、順番、機能のグループ化など)が、図示されたものに加えて又はそれらの代わりに使用され得、いくつかの要素は、完全に省略され得る。さらに、本明細書に記載の要素の多数は、個別の若しくは分散された構成要素として又は他の構成要素と併せて、並びに任意の適切な組合せ及び場所において実装され得る機能エンティティである。エンティティによって実行されるものとして本明細書に記載された様々な機能は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアによって実施され得る。たとえば、様々な機能は、メモリに記憶された命令を実行するプロセッサによって実施され得る。いくつかの実施例において、プロセス600によるDNN104の配備は、
図11A~11Dの車両1100、
図12の例示的計算デバイス1200、及び/又は
図13の例示的データ・センタ1300に関して本明細書に記載されているのと類似の構成要素、特徴、及び/又は機能性を使用して、少なくとも部分的に、実装され得る。
【0046】
プロセス600は、車両1100の1個又は複数のセンサによって生成されたセンサ・データ102を生成及び/又は受信することを含み得る。センサ・データ102は、たとえば
図1のプロセス100に関して、本明細書に記載のものと類似し得る。センサ・データ102は、DNN104―
図1のプロセス100に従ってトレーニングされ得る―に適用され得、そして、DNN104は、出力106を計算し得る。実施例において、DNN104は、畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)を含み得る。実例は、ニューラル・ネットワーク、具体的にはDNN104としての畳み込みニューラル・ネットワークの使用に関して、本明細書で説明されているが、これは限定を意図していない。たとえば、そして制限なしに、本明細書に記載のDNN104は、任意のタイプのマシン学習モデル、たとえば、線形回帰、ロジスティック回帰、決定木、サポート・ベクトル・マシン(SVM:support vector machine)、ナイーブ・ベイズ、k近傍法(Knn:k-nearest neighbor)、K平均クラスタリング、ランダム・フォレスト、次元縮小アルゴリズム、勾配ブースティング・アルゴリズム、ニューラル・ネットワーク(たとえば、オートエンコーダ、畳み込み、再発、パーセプトロン、長/短期メモリ(LSTM:Long/Short Term Memory)、ホップフィールド、ボルツマン、ディープ・ビリーフ、デコンボリューション、敵対的生成、液体状態マシンなど)を使用するマシン学習モデル、及び/又は他のタイプのマシン学習モデル、を含み得る。
【0047】
DNN104がCNNを含む場合などの、一実例として、DNN104は、任意の数の層を含み得る。層のうちの1個又は複数は、入力層を含み得る。入力層は、センサ・データ102に関連する値を保持し得る(たとえば、後処理の前又は後)。たとえば、センサ・データ102が画像であるとき、入力層は、容量(たとえば、幅、高さ、及び色チャネル(たとえば、RGB)、たとえば、32x32x3)として画像の未加工の画素値を表す値を保持し得る。
【0048】
1個又は複数の層が、畳み込み層を含み得る。畳み込み層は、入力層内のローカル領域に接続されたニューロンの出力を計算することができ、各ニューロンは、それらの重みと入力容量においてそれらが接続された小さい領域との間のドット積を計算する。畳み込み層の結果は、適用されるフィルタの数に基づく次元のうちの1個を有する、別の容量でもよい(たとえば、幅、高さ、及びフィルタの数、たとえば、12がフィルタの数であった場合、32x32x12)。
【0049】
1個又は複数の層は、デコンボリューション層(又は転置された畳み込み層)を含み得る。たとえば、デコンボリューション層の結果は、デコンボリューション層において受信されるデータの入力次元性より高い次元性を有する、別の容量でもよい。
【0050】
層のうちの1個又は複数は、改正された線形ユニット(ReLU:rectified linear unit)層を含み得る。ReLU層は、たとえば、ゼロにおいて閾値化する、要素ごとの活性化関数、たとえば、max(0,x)、を適用し得る。ReLU層の結果的容量は、ReLU層の入力の容量と同じになり得る。
【0051】
層のうちの1個又は複数は、プール層を含み得る。プール層は、プール層の入力より小さい容量(たとえば、32x32x12入力容量からの16x16x12)をもたらし得る、空間次元(たとえば、高さ及び幅)に沿ったダウン・サンプリング動作を実行し得る。
【0052】
層のうちの1個又は複数は、1個又は複数の完全に接続された層を含み得る。完全に接続された層内の各ニューロンは、前の容量におけるそれぞれのニューロンに接続され得る。完全に接続された層は、クラス・スコアを計算し得、結果として生じる容量は、1x1xクラスの数になり得る。いくつかの実例において、CNNの層のうちの1個又は複数の層の出力が、CNNの完全に接続された層への入力として提供され得るように、CNNは、完全に接続された層を含み得る。いくつかの実例において、1個又は複数の畳み込みストリームが、DNN104によって実装され得、畳み込みストリームのうちのいくつか又はすべては、それぞれの完全に接続された層を含み得る。
【0053】
いくつかの非限定的実施例において、DNN104は、その後にグローバル・コンテキスト特徴抽出を容易にするためのマルチスケール拡張畳み込み及びアップ・サンプリング層が続く、画像特徴抽出を容易にするための一連の畳み込み及びマックス・プール層を含み得る。
【0054】
入力層、畳み込み層、プール層、ReLU層、及び完全に接続された層は、DNN104に関して本明細書で論じられているが、これは限定を意図していない。たとえば、追加又は代替層が、DNN104、たとえば、正規化層、SoftMax層、及び/又は他の層タイプ、において使用され得る。
【0055】
DNN104がCNNを含む、実施例において、CNNの異なる順番及び数の層が、実施例に応じて使用され得る。言い換えれば、DNN104の層の順番及び数は、任意の1個のアーキテクチャに限定されない。
【0056】
加えて、層のうちのいくつかは、パラメータ(たとえば、重み及び/又はバイアス)、たとえば、畳み込み層及び完全に接続された層を含むことがあり、その一方で、他の層、たとえば、ReLU層及びプール層は含まないことがある。いくつかの実例において、パラメータは、トレーニング中にDNN104によって学習され得る。さらに、層のうちのいくつかは、追加のハイパパラメータ(たとえば、学習率、ストライド、エポックなど)、たとえば、畳み込み層、完全に接続された層、及びプール層を含むことがあり、その一方で、他の層、たとえば、ReLU層は含まないことがある。パラメータ及びハイパパラメータは、限定されるものではなく、実施例に応じて異なり得る。
【0057】
出力106は、制御点118を決定するためにデコーダ602を使用して復号され得る。たとえば、バイナリ・マスク108から陽性(又は曲線の半径内)として分類された各画素は、候補画素(たとえば、2D予測のための)又は点(たとえば、3D予測のための)と考えられ得る。距離回帰マスク110及びビット分類マスク112内の同じ画素の対応する値は、曲線候補(たとえば、ベジエ曲線候補)のプロパティとして使用され得る。たとえば、陽性画素(たとえば、白い画素、又は曲線の半径内として識別された画素)であるバイナリ・マスクの画素について、x軸距離回帰マスク110のうちの1個又は複数(たとえば、すべて)からのx距離値とy軸距離回帰マスク110のうちの1個又は複数(たとえば、すべて)からのy距離値とが、候補制御点位置を決定するために使用され得る。このプロセスは、候補画素のそれぞれについて繰り返され得る。究極的には、
図8Aに示すように、画像に示された各ランドマークについて、多数の重複する又は類似の制御点及び曲線が存在し得る。たとえば、単一のランドマーク―たとえば、車線境界線―について、複数のセットの制御点118が存在し得る。曲線フィッタ116は、各セットの制御点118を使用して曲線適合動作を実行して曲線(たとえば、ベジエ曲線)を生成することができる。
【0058】
同じランドマークについて生成されている複数の曲線の潜在性により、様々な後処理動作が、車両1100によって―たとえば、自律運転ソフトウェア・スタック(又はドライブ・スタック)608によって―使用するための最終曲線を決定するためにポストプロセッサ604を使用して実行され得る。たとえば、クラスタリングが、任意のクラスタリング・アルゴリズム・タイプを使用するポストプロセッサ604によって実行され得る。非限定的な一実施例において、ノイズを有するアプリケーションの密度ベースの空間クラスタリング(DBSCAN:density-based spatial clustering of applications with noise)アルゴリズムが、曲線候補について実行され得、一方で、別の非限定的実施例では、確率的投票アルゴリズムが使用され得る。任意の実例において、相似関数が、クラスタリング・アルゴリズム内で使用され得る。いくつかの実施例において、相似関数は、積分損失相似関数を含み得る。たとえば、以下の方程式(7)は、積分損失相似関数の一実例を表し得る。
【0059】
【0060】
方程式(7)において、P1及びP2は、比較されている2個の(ベジエ)曲線上の点であり、tは、0から1に移動する曲線のパラメータであり、a1及びa2は、それぞれ、第1の及び第2の曲線の3次係数であり、b1及びb2は、それぞれ、第1の及び第2の曲線の2次係数であり、c1及びc2は、それぞれ、第1の及び第2の曲線の線形係数であり、そして、d1及びd2は、それぞれ、第1の曲線及び第2の曲線の定数項係数である。したがって、P1(t)=a1
*t3+b1
*t2+c1
*t+d1(0<=t<=1)及びP2(t)=a2
*t3+b2*t2+c2
*t+d2(0<=t<=1)は、それぞれ、2個のベジエ曲線上の点の公式に対応し得る。クラスタリング後、各ランドマーク特徴の単一曲線が存在するはずである。しかしながら、いくつかのインスタンスでは、それらのランドマーク特徴のうちの1個又は複数のランドマーク特徴の2個以上の曲線がまだ存在し得る。そのような実例において、重複除去の別の後処理技法が、ポストプロセッサ604によって実行され得る。たとえば、曲線は、互いに近い(たとえば、互いに何らかの閾値距離内にある)他の曲線と比較され得、そして、より低い信頼度を有するこれらの曲線は、取り除かれ得る。そのようなものとして、DNN104の予測及び/又はクラスタリングに基づいて、それぞれの曲線は、それに関連する信頼度を有し得、そして、信頼度が最も低い曲線は、取り除かれ得る。
【0061】
一実例として、
図8Aに関して、DNN104の復号された出力106が、視覚化800Aに表され得る。図示するように、複数の候補曲線802が、各ランドマーク・タイプ―たとえば、
図8Aのイラストレーション内の車線境界線又は道路境界線―について生成され得る。したがって、後処理が、ランドマーク特徴ごとに1個の最終曲線804を含む最終曲線804を生成するために実行され得る。たとえば、候補曲線802Aは、最終曲線804Aを生成するために後処理を受け得、候補曲線802Bは、最終曲線804Bを生成するために後処理を受け得る、など。これらの最終曲線804は、ランドマークに関する位置、向き、姿勢、及び/又は他の情報が知られ得るように、ランドマーク606と関連付けられ得る。
【0062】
図7を参照すると、
図7は、本開示のいくつかの実施例による、ランドマーク検出のためのDNN104の出力の復号及び後処理の例示的プロセス700を示すデータ流れ図である。たとえば、プロセス700は、ランドマーク検出のためのエンド・ツー・エンド(E2E:end-to-end)プロセスを含み得る。ランドマーク606の様々なクラスが、最終的情報、たとえば、車線検出、交差点検出、道路標示検出など、を決定するために、ともに使用され得る。そのようなものとして、実線/破線(又は車線境界線)を決定するために、出力106は、候補曲線を生成するために復号され得、候補曲線は、最終曲線を生成するために(たとえば、車線区分線出力を埋めるために)クラスタ化され得、そして、最終曲線が、別の最終曲線に近い場合、重複除去が、実線/破線(又は車線境界線)検出をもたらすために実行され得る。類似のプロセスが、道路境界線について実行され得、車線境界線及び道路境界線の組合せが、走行表面のそれぞれの車線を識別するために―たとえば、車線グラフを生成するために―使用され得る。別の実例として、類似のプロセスが、交差点若しくは横断交差点(たとえば、横断歩道、歩行者専用道路など)、ポール若しくは標識、及び/又はDNN104を使用して識別されるテキスト若しくは他の形状について実行され得る。これらの出力―たとえば、交差点の線を使用する交差点検出、ポール若しくは道路標識を使用する交差点検出、及び道路標示検出―が、交差点位置、構造、及び姿勢を決定するために、及び/又は道路標示情報を決定するために、使用され得る。そのようなものとして、別個のクラスの情報が、DNN104によって計算される場合でも、1個又は複数のクラスの検出された曲線が、車両1100によって、たとえば、ドライブ・スタック608によって、使用され得る最終出力―たとえば、車線グラフ、交差点構造など―を決定するために使用され得る。
【0063】
図1を再び参照すると、ランドマーク606は、道路標示、車線境界線、道路境界線、交差点の線、歩行者専用道路、自転車車線境界線、テキスト、ポール、木、照明ポスト、又は標識などの、しかしこれらに限定されない、任意のタイプのランドマークを含み得る。本明細書に記載のように、様々なクラスは、DNN104が予測するようにトレーニングされた任意の数のサブクラスを含み得る。ランドマーク606の実例として、
図9Aは、車線境界線への曲線適合の視覚化900Aを含み、
図9Bは、道路境界線への曲線適合の視覚化900Bを含み、
図9Cは、交差点の線への曲線適合の視覚化900Cを含み、
図9Dは、ポール及び標識への曲線適合の視覚化を含む。
【0064】
ここで
図10を参照すると、本明細書に記載の方法1000の各ブロックは、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアの任意の組合せを使用して実行され得る計算プロセスを含む。たとえば、様々な機能が、メモリに記憶された命令を実行するプロセッサによって実施され得る。方法1000はまた、コンピュータ記憶媒体に記憶されたコンピュータ使用可能命令として実施され得る。方法1000は、いくつか例を挙げると、独立型アプリケーション、サービス又はホスト型サービス(独立型の又は別のホスト型サービスと組み合わせた)、或いは別の製品へのプラグインによって提供され得る。加えて、方法1000は、例として、
図6のプロセス600及び
図11A~11Dの車両1100に関して説明されている。しかしながら、追加で又は別法として、この方法1000は、本明細書に記載のものを含むがこれらに限定されない、任意の1個のプロセスによって及び任意の1個のシステム内で、又はプロセス及びシステムの任意の組合せで、実行され得る。
【0065】
図10は、本開示のいくつかの実施例による、DNNを使用するランドマーク検出の方法1000を示す流れ図である。方法1000は、ブロックB1002において、マシンのセンサの知覚フィールドの画像を表すセンサ・データをニューラル・ネットワークに適用することを含む。たとえば、センサ・データ102のインスタンスは、DNN104に適用され得る。
【0066】
方法1000は、ブロックB1004において、画像において識別された1個又は複数の曲線のうちの少なくとも1個の曲線の半径内の画像の画素を示す第1のデータと1個又は複数の曲線の制御点までの距離を示す第2のデータとを、ニューラル・ネットワークを使用してセンサ・データに少なくとも部分的に基づいて計算することを含む。たとえば、DNN104は、センサ・データ102のインスタンスの処理に少なくとも部分的に基づいて、バイナリ・マスク108及び距離回帰マスク110を計算し得る。
【0067】
方法1000は、ブロックB1006において、1個又は複数の曲線の制御点の位置を決定するために第1のデータ及び第2のデータを復号することを含む。たとえば、バイナリ・マスク108及び距離回帰マスク110は、制御点118の位置―たとえば、2D画像空間又は3D世界空間における―を決定するためにデコーダ602を使用して復号され得る。
【0068】
方法1000は、ブロックB1008において、曲線適合アルゴリズムを使用して制御点の位置に少なくとも部分的に基づいて1個又は複数の曲線を生成することを含む。たとえば、曲線フィッタ116は、環境内のランドマークに対応する曲線の形状を決定するために制御点118を使用し得る。
【0069】
方法1000は、ブロックB1010において、1個又は複数の曲線に少なくとも部分的に基づいてマシンによって1個又は複数の動作を実行することを含む。たとえば、車両1000は、曲線(及び/又はそれに対応する意味情報)を使用して1個又は複数の動作、たとえば、世界モデル管理、マッピング、プランニング、制御などを実行することができる。
【0070】
例示的自律型車両
図11Aは、本開示のいくつかの実施例による、例示的自律型車両1100の図である。自律型車両1100(或いは本明細書で「車両1100」と称される)は、旅客車両、たとえば、乗用車、トラック、バス、ファースト・レスポンダ車両、シャトル、電気又は原動機付自転車、オートバイ、消防車、警察車両、救急車、ボート、建設車両、潜水艦、ドローン、及び/又は別のタイプの車両(たとえば、無人の及び/又は1人若しくは複数の乗客を乗せた)、を含み得るが、これらに限定されない。自律型車両は、一般に、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA:National Highway Traffic Safety Administration)、米国運輸省の部署、及び自動車技術者協会(SAE:Society of Automotive Engineers)「Taxonomy and Definitions for Terms Related to Driving Automation Systems for On-Road Motor Vehicle」(2018年6月15日に公開された規格番号J3016-201806、2016年9月30日に公開された規格番号J3016-201609、及びこの規格の前の及び未来のバージョン)によって定義される、自動化レベルに関して記述される。車両1100は、自律運転レベルのレベル3~レベル5のうちの1つ又は複数による機能の能力を有し得る。たとえば、車両1100は、実施例に応じて、条件付き自動化(レベル3)、高度自動化(レベル4)、及び/又は完全自動化(レベル5)の能力を有し得る。
【0071】
車両1100は、車両のシャシ、車体、車輪(たとえば、2、4、6、8、18など)、タイヤ、車軸、及び他の構成要素などの構成要素を含み得る。車両1100は、内部燃焼エンジン、ハイブリッド動力装置、完全な電気式エンジン、及び/又は別の推進システム・タイプなど、推進システム1150を含み得る。推進システム1150は、車両1100の推進力を有効にするために、トランスミッションを含み得る、車両1100のドライブ・トレインに接続され得る。推進システム1150は、スロットル/加速装置1152からの信号の受信に応答して制御され得る。
【0072】
ハンドルを含み得る、ステアリング・システム1154は、推進システム1150が動作しているときに(たとえば、車両が移動中のときに)車両1100のかじを取る(たとえば、所望の進路又はルートに沿って)ために使用され得る。ステアリング・システム1154は、ステアリング・アクチュエータ1156から信号を受信することができる。ハンドルは、完全自動化(レベル5)機能のオプションでもよい。
【0073】
ブレーキ・センサ・システム1146は、ブレーキ・アクチュエータ1148及び/又はブレーキ・センサからの信号の受信に応答して車両ブレーキを動作させるために使用され得る。
【0074】
1つ又は複数のシステム・オン・チップ(SoC:system on Chip)1104(
図11C)及び/又はGPUを含み得る、コントローラ1136は、車両1100の1つ若しくは複数の構成要素及び/又はシステムに信号(たとえば、コマンドの表現)を提供することができる。たとえば、コントローラは、1つ又は複数のブレーキ・アクチュエータ1148を介して車両ブレーキを動作させて、1つ又は複数のステアリング・アクチュエータ1156を介してステアリング・システム1154を動作させて、1つ又は複数のスロットル/加速装置1152を介して推進システム1150を動作させるために、信号を送ることができる。コントローラ1136は、センサ信号を処理する、並びに律的運転を可能にするために及び/又は運転者の車両1100の運転を支援するために動作コマンド(たとえば、コマンドを表す信号)を出力する、1つ又は複数の搭載された(たとえば、統合された)計算デバイス(たとえば、スーパーコンピュータ)を含み得る。コントローラ1136は、自律運転機能のための第1のコントローラ1136、機能的安全性機能のための第2のコントローラ1136、人工知能機能(たとえば、コンピュータ・ビジョン)のための第3のコントローラ1136、インフォテインメント機能のための第4のコントローラ1136、緊急状態における冗長性のための第5のコントローラ1136、及び/又は他のコントローラを含み得る。いくつかの実例では、単一のコントローラ1136が、前述の機能のうちの2個以上を処理することができ、2個以上のコントローラ1136が、単一の機能、及び/又はその任意の組合せを処理することができる。
【0075】
コントローラ1136は、1つ又は複数のセンサから受信したセンサ・データ(たとえば、センサ入力)に応答して車両1100の1つ若しくは複数の構成要素及び/又はシステムを制御するための信号を提供することができる。センサ・データは、たとえば、そして制限なしに、全地球的航法衛星システム・センサ1158(たとえば、グローバル・ポジショニング・システム・センサ)、RADARセンサ1160、超音波センサ1162、LIDARセンサ1164、慣性計測装置(IMU:inertial measurement unit)センサ1166(たとえば、加速度計、ジャイロスコープ、磁気コンパス、磁力計など)、マイクロフォン1196、ステレオ・カメラ1168、ワイドビュー・カメラ1170(たとえば、魚眼カメラ)、赤外線カメラ1172、サラウンド・カメラ1174(たとえば、360度カメラ)、長距離及び/又は中距離カメラ1198、スピード・センサ1144(たとえば、車両1100のスピードを測定するための)、振動センサ1142、ステアリング・センサ1140、ブレーキ・センサ(たとえば、ブレーキ・センサ・システム1146の一部としての)、及び/又は他のセンサ・タイプから受信され得る。
【0076】
コントローラ1136のうちの1つ又は複数のコントローラは、車両1100の計器群1132から入力(たとえば、入力データによって表される)を受信し、出力(たとえば、出力データ、表示データなどによって表される)をヒューマン・マシン・インターフェース(HMI:human-machine interface)ディスプレイ1134、可聴式アナンシエータ、ラウドスピーカ、及び/又は車両1100の他の構成要素を介して提供することができる。出力は、車両ベロシティ、スピード、時間、マップ・データ(たとえば、
図11CのHDマップ1122)、位置データ(たとえば、マップ上などの、車両1100の位置)、方向、他の車両の位置(たとえば、占有グリッド)、コントローラ1136によって把握されるものとしての物体及び物体の状況に関する情報などの、情報を含み得る。たとえば、HMIディスプレイ1134は、1つ又は複数の物体(たとえば、道路標識、警告標識、交通信号の変化など)の存在、及び/又は車両が行った、行っている、又は行うであろう運転操作(たとえば、今、車線変更をしていること、3.22km(2マイル)内の出口34Bを出ることなど)に関する情報を表示することができる。
【0077】
車両1100はさらに、1つ若しくは複数のワイヤレス・アンテナ1126及び/又はモデムを使用して1つ若しくは複数のネットワークを介して通信することができるネットワーク・インターフェース1124を含む。たとえば、ネットワーク・インターフェース1124は、LTE、WCDMA(登録商標)、UMTS、GSM、CDMA2000などを介する通信の能力を有し得る。ワイヤレス・アンテナ1126はまた、ブルートゥース(登録商標)、ブルートゥースLE、Z-Wave、ZigBeeなどのローカル・エリア・ネットワーク、及び/又はLoRaWAN、SigFoxなどのロー・パワー・ワイドエリア・ネットワーク(LPWAN:low power wide-area network)を使用し、環境内の物体(たとえば、車両、モバイル・デバイスなど)の間の通信を可能にすることができる。
【0078】
図11Bは、本開示のいくつかの実施例による、
図11Aの例示的自律型車両1100のカメラ位置及び視野の実例である。カメラ及びそれぞれの視野は、1つの例示的実施例であり、制限することは意図されていない。たとえば、追加の及び/又は代替カメラが含まれ得る、及び/又はカメラは車両1100の異なる位置に置かれ得る。
【0079】
カメラのカメラ・タイプは、車両1100の構成要素及び/又はシステムと使用するようになされ得るデジタル・カメラを含み得るが、これに限定されない。カメラは、自動車安全整合性レベル(ASIL:automotive safety integrity level)Bにおいて及び/又は別のASILにおいて動作することができる。カメラ・タイプは、実施例に応じて、60フレーム/秒(fps)、120fps、240fpsなど、任意の画像キャプチャ・レートの能力を有し得る。カメラは、ロール・シャッタ、グローバル・シャッタ、別のタイプのシャッタ、又はその組合せを使用する能力を有し得る。いくつかの実例では、カラー・フィルタ・アレイは、RCCC(red clear clear clear)カラー・フィルタ・アレイ、RCCB(red clear clear blue)カラー・フィルタ・アレイ、RBGC(red blue green clear)カラー・フィルタ・アレイ、Foveon X3カラー・フィルタ・アレイ、Bayerセンサ(RGGB)カラー・フィルタ・アレイ、モノクロ・センサ・カラー・フィルタ・アレイ、及び/又は別のタイプのカラー・フィルタ・アレイを含み得る。一部の実施例では、RCCC、RCCB、及び/又はRBGCカラー・フィルタ・アレイを有するカメラなどのクリア画素カメラは、光感度を上げるための取り組みにおいて使用され得る。
【0080】
いくつかの実例では、カメラのうちの1つ又は複数が、高度運転者支援システム(ADAS:advanced driver assistance system)機能(たとえば、冗長又はフェイルセーフ設計の一部として)を実行するために使用され得る。たとえば、多機能モノ・カメラは、車線逸脱警報、交通標識アシスト及びインテリジェント・ヘッドランプ制御を含む機能を提供するために設置され得る。カメラのうちの1つ又は複数(たとえば、すべてのカメラ)が、画像データ(たとえば、ビデオ)を同時に記録及び提供することができる。
【0081】
カメラのうちの1つ又は複数は、カメラの画像データ・キャプチャ能力を妨げることがある自動車内からの迷光及び反射(たとえば、フロントガラスのミラーにおいて反射されたダッシュボードからの反射)を取り除くために、カスタム設計された(3D印刷された)部品などの取付部品において取り付けられ得る。サイドミラー取付部品を参照すると、サイドミラー部品は、カメラ取付板がサイドミラーの形状に合うように、カスタム3D印刷され得る。いくつかの実例では、カメラは、サイドミラー内に統合され得る。サイドビュー・カメラについては、カメラはまた、キャビンの各角にある4個の支柱内に統合され得る。
【0082】
車両1100の前の環境の部分を含む視野を有するカメラ(たとえば、前向きのカメラ)は、前向きの進路及び障害物の識別を助け、1つ若しくは複数のコントローラ1136及び/又は制御SoCの助けにより、占有グリッドの生成及び/又は好ましい車両進路の決定に不可欠な情報の提供の提供を助けるための、サラウンド・ビューのために使用され得る。前向きのカメラは、緊急ブレーキ、歩行者検出、及び衝突回避を含む、LIDARと同じADAS機能の多くを実行するために使用され得る。前向きのカメラはまた、車線逸脱警報(「LDW(Lane Departure Warning)」)、自律的クルーズ制御(「ACC(Autonomous Cruise Control)」)、及び/又は交通標識認識などの他の機能を含むADAS機能及びシステムのために使用され得る。
【0083】
様々なカメラが、たとえば、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)カラー画像化装置を含む単眼カメラ・プラットフォームを含む、前向きの構成において使用され得る。別の実例は、周辺(たとえば、歩行者、交差する交通又は自転車)からのビューに入る物体を把握するために使用され得るワイドビュー・カメラ1170でもよい。
図11Bにはワイドビュー・カメラは1つだけ示されているが、車両1100には任意の数のワイドビュー・カメラ1170が存在し得る。加えて、長距離カメラ1198(たとえば、ロングビュー・ステレオ・カメラ・ペア)が、特に、ニューラル・ネットワークがまだトレーニングされていない物体について、深度ベースの物体検出のために使用され得る。長距離カメラ1198はまた、物体検出及び分類、並びに基本物体追跡のために使用され得る。
【0084】
1つ又は複数のステレオ・カメラ1168もまた、前向きの構成に含まれ得る。ステレオ・カメラ1168は、単一のチップ上に統合されたCAN又はイーサネット(登録商標)・インターフェースを有するプログラマブル論理(FPGA)及びマルチコア・マイクロプロセッサを提供し得る、拡張可能な処理ユニットを備えた統合された制御ユニットを含み得る。そのようなユニットは、画像内のすべてのポイントの距離推定値を含む、車両の環境の3Dマップを生成するために使用され得る。代替ステレオ・カメラ1168は、2個のカメラ・レンズ(左と右に1つずつ)と、車両から対象物体までの距離を測定する及び生成された情報(たとえば、メタデータ)を使用して自律的緊急ブレーキ及び車線逸脱警報機能をアクティブにすることができる画像処理チップとを含み得る、コンパクト・ステレオ・ビジョン・センサを含み得る。他のタイプのステレオ・カメラ1168が、本明細書に記載のものに加えて、又はそれらの代わりに、使用されてもよい。
【0085】
車両1100の側面に対する環境の部分を含む視野を有するカメラ(たとえば、サイドビュー・カメラ)が、占有グリッドを作成及び更新するために並びに側面衝撃衝突警報を生成するために使用される情報を提供する、サラウンド・ビューのために使用され得る。たとえば、サラウンド・カメラ1174(たとえば、
図11Bに示されるような4個のサラウンド・カメラ1174)は、車両1100上に位置付けられ得る。サラウンド・カメラ1174は、ワイドビュー・カメラ1170、魚眼カメラ、360度カメラ、及び/又は同類のものを含み得る。たとえば、4個の魚眼カメラが、車両の前、後ろ、及び側面に配置され得る。代替配置において、車両は、3個のサラウンド・カメラ1174(たとえば、左、右、及び後部)を使用してもよく、第4のサラウンド・ビュー・カメラとして1つ又は複数の他のカメラ(たとえば、前向きのカメラ)を活用してもよい。
【0086】
車両1100の後ろに対する環境の部分を含む視野を有するカメラ(たとえば、後方確認カメラ)が、駐車支援、サラウンド・ビュー、後部衝突警報、並びに占有グリッドの作成及び更新のために使用され得る。本明細書に記載のように、前向きのカメラ(たとえば、長距離及び/又は中距離カメラ1198、ステレオ・カメラ1168)、赤外線カメラ1172など)としても適したカメラを含むがこれらに限定されない、多種多様なカメラが使用され得る。
【0087】
図11Cは、本開示のいくつかの実施例による、
図11Aの例示的自律型車両1100の例示的システム・アーキテクチャのブロック図である。本明細書に記載されているこの及び他の配置は単に実例として説明されていることを理解されたい。他の配置及び要素(たとえば、マシン、インターフェース、機能、順番、機能のグループ分けなど)が、示されたものに加えて又はこれらに代わって使用されてもよく、いくつかの要素はともに除外されてもよい。さらに、本明細書に記載の要素の多くは、個別の又は分散された構成要素として又は他の構成要素と併せて、並びに任意の適切な組合せ及び場所において、実装され得る機能エンティティである。エンティティによって実行されるものとして本明細書に記載された様々な機能は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアによって実施され得る。たとえば、様々な機能が、メモリに記憶された命令を実行するプロセッサによって実施され得る。
【0088】
図11Cの車両1100の構成要素、特徴、及びシステムのそれぞれは、バス1102を介して接続されるものとして図示されている。バス1102は、コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)データ・インターフェース(或いは、「CANバス」と称される)を含み得る。CANは、ブレーキ、加速度、ブレーキ、ステアリング、フロント・ガラス・ワイパなどの作動など、車両1100の様々な特徴及び機能の制御を助けるために使用される車両1100内のネットワークでもよい。CANバスは、それぞれが独自の一意の識別子(たとえば、CAN ID)を有する、数ダース又は数百ものノードを有するように構成され得る。CANバスは、ハンドル角度、対地速度、1分間のエンジン回転(RPM:revolutions per minute)、ボタン位置、及び/又は他の車両状況指標を見つけるために読み取られ得る。CANバスは、ASIL B準拠でもよい。
【0089】
バス1102は、CANバスであるものとして本明細書に記載されているが、これは制限することを意図されていない。たとえば、CANバスに加えて、又はこのその代替として、FlexRay及び/又はイーサネット(登録商標)が使用されてもよい。加えて、単一の線が、バス1102を表すために使用されているが、これは制限することを意図されていない。たとえば、1つ若しくは複数のCANバス、1つ若しくは複数のFlexRayバス、1つ若しくは複数のイーサネット(登録商標)・バス、及び/又は異なるプロトコルを使用する1つ若しくは複数の他のタイプのバスを含み得る、任意の数のバス1102が存在し得る。いくつかの実例では、2個以上のバス1102が、異なる機能を実行するために使用され得る、及び/又は冗長性のために使用され得る。たとえば、第1のバス1102は衝突回避機能のために使用されてもよく、第2のバス1102は作動制御のために使用されてもよい。任意の実例において、各バス1102は、車両1100の構成要素のいずれかと通信し得、2個以上のバス1102が同じ構成要素と通信し得る。いくつかの実例では、車両内の各SoC1104、各コントローラ1136、及び/又は各コンピュータは、同じ入力データ(たとえば、車両1100のセンサからの入力)へのアクセスを有し得、CANバスなどの共通バスに接続され得る。
【0090】
車両1100は、
図11Aに関して本明細書で説明されるものなど、1つ又は複数のコントローラ1136を含み得る。コントローラ1136は、様々な機能のために使用され得る。コントローラ1136は、車両1100の様々な他の構成要素及びシステムのいずれかに連結されてもよく、車両1100、車両1100の人工知能、車両1100のためのインフォテインメント、及び/又は同類のものの制御のために使用され得る。
【0091】
車両1100は、システム・オン・チップ(SoC)1104を含み得る。SoC1104は、CPU1106、GPU1108、プロセッサ1110、キャッシュ1112、加速装置1114、データ・ストア1116、及び/又は図示されていない他の構成要素及び特徴を含み得る。SoC1104は、様々なプラットフォーム及びシステム内の車両1100を制御するために使用され得る。たとえば、SoC1104は、1つ又は複数のサーバ(たとえば、
図11Dのサーバ1178)からネットワーク・インターフェース1124を介してマップのリフレッシュ及び/又は更新を取得することができるHDマップ1122を有するシステム(たとえば、車両1100のシステム)において結合され得る。
【0092】
CPU1106は、CPUクラスタ又はCPU複合体(或いは、「CCPLEX」とも称される)を含み得る。CPU1106は、複数のコア及び/又はL2キャッシュを含み得る。たとえば、一部の実施例では、CPU1106は、コヒーレント・マルチプロセッサ構成内の8個のコアを含み得る。一部の実施例では、CPU1106は、4個のデュアルコア・クラスタを含むことができ、各クラスタが専用のL2キャッシュ(たとえば、2MBL2キャッシュ)を有する。CPU1106(たとえば、CCPLEX)は、CPU1106のクラスタの任意の組合せが任意の所与の時間にアクティブになることを可能にする同時クラスタ動作をサポートするように構成され得る。
【0093】
CPU1106は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含む電力管理能力を実装することができる:個別ハードウェア・ブロックが、動的電力を節約するためにアイドル状態のときに自動的にクロック・ゲーティングされ得る、各コア・クロックは、WFI/WFE命令の実行により命令をコアがアクティブに実行していないときにゲーティングされ得る、各コアは、独立してパワー・ゲーティングされ得る、各コア・クラスタは、すべてのコアがクロック・ゲーティングされる若しくはパワー・ゲーティングされるときに、独立してクロック・ゲーティングされ得る、及び/又は、各コア・クラスタは、すべてのコアがパワー・ゲーティングされるときに、独立してパワー・ゲーティングされ得る。CPU1106は、電力状態を管理するための強化されたアルゴリズムをさらに実装することができ、そこでは、許容される電力状態及び予想されるウェイクアップ時間が指定され、ハードウェア/マイクロ・コードが、コア、クラスタ、及びCCPLEXに入力するための最良の電力状態を決定する。処理コアは、作業がマイクロ・コードにオフロードされたソフトウェアにおける簡略化された電力状態入力シーケンスをサポートすることができる。
【0094】
GPU1108は、統合されたGPU(或いは本明細書において「iGPU」と称される)を含み得る。GPU1108は、プログラマブルになり得、並行のワークロードに効率的になり得る。一部の実例では、GPU1108は、強化されたテンソル命令セットを使用することができる。GPU1108は、1つ又は複数のストリーミング・マイクロプロセッサを含み得、そこで、各ストリーミング・マイクロプロセッサは、L1キャッシュ(たとえば、少なくとも96KB記憶容量を有するL1キャッシュ)を含み得、ストリーミング・マイクロプロセッサのうちの2個以上が、キャッシュ(たとえば、512KB記憶容量を有するL2キャッシュ)を共用し得る。一部の実施例では、GPU1108は、少なくとも8個のストリーミング・マイクロプロセッサを含み得る。GPU1108は、計算アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を使用することができる。加えて、GPU1108は、1つ若しくは複数の並行のコンピューティング・プラットフォーム及び/又はプログラミング・モデル(たとえば、NVIDIAのCUDA)を使用することができる。
【0095】
GPU1108は、自動車の及び組み込まれた使用事例における最高のパフォーマンスのために電力最適化され得る。たとえば、GPU1108は、FinFET(Fin field-effect transistor)上に製造され得る。しかしながら、これは制限することを意図されておらず、GPU1108は、他の半導体製造プロセスを使用し、製造され得る。各ストリーミング・マイクロプロセッサは、複数のブロックに区切られたいくつかの混合精度処理コアを組み込むことができる。限定ではなく、たとえば、64 PF32コア及び32 PF64コアは、4個の処理ブロックに区切られてもよい。そのような実例では、各処理ブロックは、16 FP32コア、8 FP64コア、16 INT32コア、深層学習行列演算のための2個の混合精度NVIDIAテンソル・コア、L0命令キャッシュ、ワープ・スケジューラ、発送ユニット、及び/又は64KBレジスタ・ファイルを割り当てられ得る。加えて、ストリーミング・マイクロプロセッサは、計算及びアドレス指定演算の混合を有するワークロードの効率的な実行を提供するための独立した並行の整数及び浮動小数点データ進路を含み得る。ストリーミング・マイクロプロセッサは、並行スレッドの間のより高い細粒度の同期及び連携を可能にするために、独立したスレッド・スケジューリング能力を含み得る。ストリーミング・マイクロプロセッサは、プログラミングを単純化しつつ性能を向上させるために、結合されたL1データ・キャッシュ及び共用メモリ・ユニットを含み得る。
【0096】
GPU1108は、一部の実例では、900GB/秒のピーク・メモリ帯域幅に関して、提供するための高帯域幅メモリ(HBM:high bandwidth memory)及び/又は16GBHBM2メモリ・サブシステムを含み得る。いくつかの実例では、HBMメモリに加えて、又はこれの代わりに、グラフィックス・ダブル・データ・レート・タイプ5同期ランダム・アクセス・メモリ(GDDR5:graphics double data rate type five synchronous random-access memory)などの同期グラフィックス・ランダム・アクセス・メモリ(SGRAM:synchronous graphics random-access memory)が使用され得る。
【0097】
GPU1108は、メモリ・ページに最も頻繁にアクセスするプロセッサへのそれらのメモリ・ページのより正確な移動を可能にするためにアクセス・カウンタを含む統一されたメモリ技術を含むことができ、それにより、プロセッサ間で共用される記憶範囲の効率を向上させる。いくつかの実例では、アドレス変換サービス(ATS:address translation service)サポートが、GPU1108がCPU1106ページ・テーブルに直接アクセスすることを可能にするために使用され得る。そのような実例では、GPU1108メモリ管理ユニット(MMU:memory management unit)がミスを経験するとき、アドレス変換要求が、CPU1106に送信され得る。応答して、CPU1106は、アドレスの仮想対現実マッピングのためのそのページ・テーブルを調べることができ、GPU1108に変換を送り返す。そのようなものとして、統一されたメモリ技術は、CPU1106とGPU1108との両方のメモリの単一統一仮想アドレス空間を可能にすることができ、それによりGPU1108へのアプリケーションのGPU1108プログラミング及び移植を単純化する。
【0098】
加えて、GPU1108は、他のプロセッサのメモリへのGPU1108のアクセスの頻度を記録することができるアクセス・カウンタを含み得る。アクセス・カウンタは、メモリ・ページが最も頻繁にそのページにアクセスしているプロセッサの物理メモリに移動されることを確実にするのを助けることができる。
【0099】
SoC1104は、本明細書に記載のものを含む任意の数のキャッシュ1112を含み得る。たとえば、キャッシュ1112は、CPU1106とGPU1108との両方に利用可能な(たとえば、CPU1106とGPU1108との両方に接続された)L3キャッシュを含み得る。キャッシュ1112は、キャッシュ・コヒーレンス・プロトコル(たとえば、MEI、MESI、MSIなど)を使用することなどによって、線の状態を記録することができるライトバック・キャッシュを含み得る。L3キャッシュは、より小さいキャッシュ・サイズが使用されてもよいが、実施例に応じて、4MB以上を含み得る。
【0100】
SoC1104は、車両1100の様々なタスク又は動作のいずれか(たとえば、処理DNN)に関して処理を実行する際に活用され得る論理演算ユニット(ALU:arithmetic logic unit)を含み得る。加えて、SoC1104は、システム内で数学演算を実行するための浮動小数点演算ユニット(FPU:floating point unit)(又は他のマス・コプロセッサ又は数値演算コプロセッサ・タイプ)を含み得る。たとえば、SoC104は、CPU1106及び/又はGPU1108内の実行ユニットとして統合された1つ又は複数のFPUを含み得る。
【0101】
SoC1104は、1つ又は複数の加速装置1114(たとえば、ハードウェア・加速装置、ソフトウェア・加速装置、又はその組合せ)を含み得る。たとえば、SoC1104は、最適化されたハードウェア加速装置及び/又は大きなオンチップ・メモリを含み得る、ハードウェア加速クラスタを含み得る。大きなオンチップメモリ(たとえば、4MBのSRAM)は、ハードウェア加速クラスタがニューラル・ネットワーク及び他の演算を加速することを可能にし得る。ハードウェア加速クラスタは、GPU1108を補完するために及びGPU1108のタスクの一部をオフロードするために(たとえば、他のタスクを実行するためのGPU1108のより多くのサイクルを解放するために)使用され得る。一実例として、加速装置1114は、加速に適するように十分に安定している対象ワークロード(たとえば、知覚、畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN:convolutional neural network)など)のために使用され得る。本明細書では、「CNN」という用語は、領域ベースの又は領域的畳み込みニューラル・ネットワーク(RCNN:regional convolutional neural network)及び高速RCNN(たとえば、物体検出のために使用されるものとしての)を含む、すべてのタイプのCNNを含み得る。
【0102】
加速装置1114(たとえば、ハードウェア加速クラスタ)は、深層学習加速装置(DLA:deep learning accelerator)を含み得る。DLAは、深層学習アプリケーション及び推論のために1秒あたり追加の10兆の動作を提供するように構成することができる1つ又は複数のテンソル処理ユニット(TPU:Tensor processing unit)を含み得る。TPUは、画像処理機能(たとえば、CNN、RCNNなどの)を実行するように構成及び最適化された加速装置でもよい。DLAはさらに、特定のセットのニューラル・ネットワーク・タイプ及び浮動小数点演算、並びに推論のために最適化され得る。DLAの設計は、汎用GPUよりも1ミリメートルあたりより多くのパフォーマンスを提供することができ、CPUのパフォーマンスを大きく超える。TPUは、たとえば、特徴と重みとの両方についてINT8、INT16、及びFP16データ・タイプをサポートする、単一インスタンス畳み込み機能、並びにポストプロセッサ機能を含む、いくつかの機能を実行することができる。
【0103】
DLAは、以下を含むがこれらに限定されない、様々な機能のいずれかのために処理済み又は未処理のデータでニューラル・ネットワーク、特にCNN、を迅速に及び効率的に実行することができる:カメラ・センサからのデータを使用する物体識別及び検出のためのCNN、カメラ・センサからのデータを使用する距離推定のためのCNN、マイクロフォンからのデータを使用する緊急車両検出及び識別及び検出のためのCNN、カメラ・センサからのデータを使用する顔認識及び車両所有者識別のためのCNN、及び/又は、セキュリティ及び/又は安全性関連イベントのためのCNN。
【0104】
DLAは、GPU1108の任意の機能を実行することができ、そして、推論加速装置を使用することによって、たとえば、設計者は、任意の機能のためにDLA又はGPU1108のいずれかを対象にすることができる。たとえば、設計者は、DLA上のCNN及び浮動小数点演算の処理に重点的に取り組み、他の機能をGPU1108及び/又は他の加速装置1114に任せることができる。
【0105】
加速装置1114(たとえば、ハードウェア加速クラスタ)は、或いはコンピュータ・ビジョン加速装置と本明細書で称され得るプログラマブル・ビジョン加速装置(PVA:programmable vision accelerator)を含み得る。PVAは、高度運転者支援システム(ADAS:advanced driver assistance system)、自律運転、及び/又は拡張現実(AR:augmented reality)及び/又は仮想現実(VR:virtual reality)アプリケーションのためのコンピュータ・ビジョン・アルゴリズムを加速するように設計及び構成され得る。PVAは、パフォーマンスと柔軟性との間のバランスをもたらすことができる。たとえば、各PVAは、たとえば、任意の数の縮小命令セット・コンピュータ(RISC:reduced instruction set computer)コア、直接メモリ・アクセス(DMA:direct memory access)、及び/又は任意の数のベクトル・プロセッサを含み得るが、これらに限定されない。
【0106】
RISCコアは、画像センサ(たとえば、本明細書に記載のカメラのうちのいずれかのカメラの画像センサ)、画像信号プロセッサ、及び/又は同類のものと相互作用することができる。それぞれのRISCコアは、任意の量のメモリを含み得る。RISCコアは、実施例に応じて、いくつかのプロトコルのいずれかを使用することができる。いくつかの実例では、RISCコアは、リアルタイム・オペレーティング・システム(RTOS:real-time operating system)を実行することができる。RISCコアは、1つ若しくは複数の集積回路デバイス、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び/又はメモリ・デバイスを使用して、実装され得る。たとえば、RISCコアは、命令キャッシュ及び/又はしっかりと結合されたRAMを含み得る。
【0107】
DMAは、CPU1106から独立したシステム・メモリにPVAの構成要素がアクセスすることを可能にし得る。DMAは、多次元アドレス指定及び/又は循環アドレス指定をサポートすることを含むがこれに限定されないPVAに最適化をもたらすために使用される任意の数の特徴をサポートすることができる。いくつかの実例では、DMAは、ブロック幅、ブロック高さ、ブロック深度、水平ブロック・ステッピング、垂直ブロック・ステッピング、及び/又は深度ステッピングを含み得る、6次元まで又はそれ以上のアドレス指定をサポートすることができる。
【0108】
ベクトル・プロセッサは、コンピュータ・ビジョン・アルゴリズムのプログラミングを効率的に柔軟に実行する及び信号処理能力を提供するように設計され得るプログラマブル・プロセッサでもよい。いくつかの実例では、PVAは、PVAコア及び2個のベクトル処理サブシステム・パーティションを含み得る。PVAコアは、プロセッサ・サブシステム、DMAエンジン(たとえば、2個のDMAエンジン)、及び/又は他の周辺装置を含み得る。ベクトル処理サブシステムは、PVAの1次的処理エンジンとして動作することができ、ベクトル処理ユニット(VPU:vector processing unit)、命令キャッシュ、及び/又はベクトル・メモリ(たとえば、VMEM)を含み得る。VPUコアは、たとえば、単一の命令、複数のデータ(SIMD)、超長命令語(VLIW:very long instruction word)デジタル信号プロセッサなど、デジタル信号プロセッサを含み得る。SIMD及びVLIWの組合せは、スループット及びスピードを高めることができる。
【0109】
それぞれのベクトル・プロセッサは、命令キャッシュを含み得、専用のメモリに連結され得る。結果として、一部の実例では、それぞれのベクトル・プロセッサは、他のベクトル・プロセッサから独立して実行するように構成され得る。他の実例において、特定のPVAに含まれるベクトル・プロセッサは、データ並列処理を用いるように構成され得る。たとえば、一部の実施例では、単一のPVAに含まれる複数のベクトル・プロセッサは、同じコンピュータ・ビジョン・アルゴリズムを、しかし画像の異なる領域上で、実行することができる。他の実例において、特定のPVAに含まれるベクトル・プロセッサは、異なるコンピュータ・ビジョン・アルゴリズムを、同じ画像上で、同時に実行することができ、或いは順次画像又は画像の部分で異なるアルゴリズムを実行することさえできる。特に、任意の数のPVAは、ハードウェア加速クラスタに含まれ得、任意の数のベクトル・プロセッサは、それぞれのPVAに含まれ得る。加えて、PVAは、全体的システム安全性を高めるために、追加のエラー訂正コード(ECC:error correcting code)メモリを含み得る。
【0110】
加速装置1114(たとえば、ハードウェア加速クラスタ)は、加速装置1114のための高帯域幅、低レイテンシSRAMを提供するための、コンピュータ・ビジョン・ネットワーク・オンチップ及びSRAMを含み得る。いくつかの実例では、オンチップ・メモリは、たとえば、そして制限ではなく、PVAとDLAとの両方によってアクセス可能でもよい、8個のフィールド構成可能なメモリ・ブロックから成る、少なくとも4MBのSRAMを含み得る。各ペアのメモリ・ブロックは、高度周辺バス(APB:advanced peripheral bus)インターフェース、構成回路、コントローラ、及びマルチプレクサを含み得る。任意のタイプのメモリが、使用され得る。PVA及びDLAは、メモリへの高速アクセスを有するPVA及びDLAを提供するバックボーンを介してメモリにアクセスすることができる。バックボーンは、(たとえば、APBを使用して)PVA及びDLAをメモリに相互接続するコンピュータ・ビジョン・ネットワーク・オンチップを含み得る。
【0111】
コンピュータ・ビジョン・ネットワーク・オンチップは、PVAとDLAとの両方が作動可能及び有効信号を提供することを、任意の制御信号/アドレス/データの送信の前に、決定するインターフェースを含み得る。そのようなインターフェースは、制御信号/アドレス/データを送信するための別個のフェーズ及び別個のチャネル、並びに連続的データ転送のためのバーストタイプの通信を提供することができる。このタイプのインターフェースは、ISO26262又はIEC61508規格に従うことができるが、他の規格及びプロトコルが使用されてもよい。
【0112】
いくつかの実例では、SoC1104は、2018年8月10日に出願された米国特許出願第16/101,232号に記載されるような、リアルタイム・レイトレーシング・ハードウェア加速装置を含み得る。リアルタイム・レイトレーシング・ハードウェア加速装置は、RADAR信号解釈のための、音響伝播合成及び/又は分析のための、SONARシステムのシミュレーションのための、一般波伝播シミュレーションのための、ローカリゼーション及び/又は他の機能を目的とするLIDARデータに対する比較のための、及び/又は他の使用のための、リアルタイム視覚化シミュレーションを生成するために、(たとえば、世界モデル内の)物体の位置及び規模を迅速に効率的に決定するために使用され得る。一部の実施例では、1つ又は複数の木の走査ユニット(TTU:tree traversal unit)が、1つ又は複数のレイトレーシング関連動作を実行するために使用され得る。
【0113】
加速装置1114(たとえば、ハードウェア加速装置クラスタ)は、自律運転のための多様な用途を有する。PVAは、ADAS及び自律型車両における極めて重要な処理段階に使用され得るプログラマブル・ビジョン加速装置でもよい。PVAの能力は、低電力及び低レイテンシにおいて、予測可能な処理を必要とするアルゴリズムの領域にふさわしい。言い換えれば、PVAは、低レイテンシ及び低電力とともに予測可能な実行時間を必要とする、小さなデータ集合上でも、半高密度の又は高密度の通常の計算で上手く機能する。それ故に、PVAは、物体検出及び整数計算での動作において効率的であるので、自律型車両のためのプラットフォームとの関連で、PVAは、クラシック・コンピュータ・ビジョン・アルゴリズムを実行するように設計される。
【0114】
たとえば、本技術の1つの実施例によれば、PVAは、コンピュータ・ステレオ・ビジョンを実行するために使用される。半グローバルなマッチングベースのアルゴリズムが、一部の実例では使用され得るが、これは制限することを意図されていない。レベル3~5の自律運転のための多数のアプリケーションは、動き推定/ステレオ・マッチング・オンザフライ(たとえば、SFM(structure from motion)、歩行者認識、レーン検出など)を必要とする。PVAは、2個の単眼カメラからの入力でコンピュータ・ステレオ・ビジョン機能を実行することができる。
【0115】
いくつかの実例では、PVAは、高密度のオプティカル・フローを実行するために使用され得る。処理されたRADARを提供するために未加工のRADARデータを処理する(たとえば、4D高速フーリエ変換を使用して)ことによる。他の実例において、PVAは、たとえば、飛行データの未加工の時間を処理して飛行データの処理済み時間を提供することにより、飛行深度処理の時間に使用される。
【0116】
DLAは、たとえば、各物体検出の信頼性の測定値を出力するニューラル・ネットワークを含む、制御及び運転安全性を強化するために任意のタイプのネットワークを実行するために使用され得る。そのような信頼性値は、確率として、又は他の検出と比較した各検出の相対的「重み」を提供するものとして、解釈され得る。この信頼性値は、どの検出が誤判定検出ではなくて真陽性検出と考えられるべきであるかに関するさらなる決定をシステムが行うことを可能にする。たとえば、システムは、信頼性の閾値を設定し、真陽性検出としての閾値を超える検出のみを考慮することができる。自動非常ブレーキ(AEB:automatic emergency braking)システムにおいて、誤判定検出は、車両に非常ブレーキを自動で実行させることになり、これは明らかに望ましくない。したがって、最も確信のある検出のみが、AEBのトリガとして考えられるべきである。DLAは、信頼性値を回帰するニューラル・ネットワークを実行し得る。ニューラル・ネットワークは、境界ボックス次元、(たとえば、別のサブシステムから)取得されたグラウンド・プレーン推定、ニューラル・ネットワーク及び/又は他のセンサ(たとえば、LIDARセンサ1164又はRADARセンサ1160)から取得された物体の車両1100方位、距離、3D位置推定と相関する慣性計測装置(IMU:inertial measurement unit)センサ1166出力、その他など、少なくともいくつかのサブセットのパラメータをその入力として受け取ることができる。
【0117】
SoC1104は、データ・ストア1116(たとえば、メモリ)を含み得る。データ・ストア1116は、SoC1104のオンチップ・メモリでもよく、GPU及び/又はDLAで実行されることになるニューラル・ネットワークを記憶することができる。いくつかの実例では、データ・ストア1116は、冗長性及び安全性のためにニューラル・ネットワークの複数のインスタンスを記憶するのに十分な大きさの容量を有し得る。データ・ストア1112は、L2又はL3キャッシュ1112を備え得る。データ・ストア1116の参照は、本明細書に記載のような、PVA、DLA、及び/又は他の加速装置1114に関連するメモリの参照を含み得る。
【0118】
SoC1104は、1つ又は複数のプロセッサ1110(たとえば、組み込まれたプロセッサ)を含み得る。プロセッサ1110は、ブート電力及び管理能力及び関連するセキュリティ施行を処理するための専用のプロセッサ及びサブシステムでもよいブート及び電力管理プロセッサを含み得る。ブート及び電力管理プロセッサは、SoC1104ブート・シーケンスの一部でもよく、実行時間電力管理サービスを提供することができる。ブート電力及び管理プロセッサは、クロック及び電圧プログラミング、システム低電力状態移行の支援、SoC1104熱及び温度センサの管理、及び/又はSoC1104電力状態の管理を提供することができる。各温度センサは、その出力頻度が温度に比例するリング発振器として実装されてもよく、SoC1104は、リング発振器を使用してCPU1106、GPU1108、及び/又は加速装置1114の温度を検出することができる。温度が、閾値を超えたと判定された場合、ブート及び電力管理プロセッサは、温度障害ルーティンに入り、SoC1104をより低い電力状態に置く及び/又は車両1100をショーファーの安全停止モードにする(たとえば、車両1100を安全停止させる)ことができる。
【0119】
プロセッサ1110は、オーディオ処理エンジンの機能を果たし得る1セットの組み込まれたプロセッサをさらに含み得る。オーディオ処理エンジンは、複数のインターフェースを介するマルチチャネル・オーディオの完全なハードウェア・サポートとオーディオI/Oインターフェースの広く柔軟な範囲とを可能にするオーディオ・サブシステムでもよい。いくつかの実例では、オーディオ処理エンジンは、専用のRAMを有するデジタル信号プロセッサを有する専用のプロセッサ・コアである。
【0120】
プロセッサ1110は、低電力センサ管理及びウェイク使用事例をサポートするための必要なハードウェア特徴を提供することができる常時オンのプロセッサ・エンジンをさらに含み得る。常時オンのプロセッサ・エンジンは、プロセッサ・コア、しっかりと結合されたRAM、支援周辺装置(たとえば、タイマ及び割り込みコントローラ)、様々なI/Oコントローラ周辺装置、及びルーティング論理を含み得る。
【0121】
プロセッサ1110は、自動車のアプリケーションの安全性管理を処理するために専用のプロセッサ・サブシステムを含む安全性クラスタ・エンジンをさらに含み得る。安全性クラスタ・エンジンは、2個以上のプロセッサ・コア、しっかりと結合されたRAM、サポート周辺装置(たとえば、タイマ、割り込みコントローラなど)、及び/又はルーティング論理を含み得る。安全性モードにおいて、2個以上のコアは、ロックステップ・モードにおいて動作し、それらの動作の間の何らかの差を検出するための比較論理を有する単一のコアとして機能することができる。
【0122】
プロセッサ1110は、リアルタイム・カメラ管理を処理するための専用のプロセッサ・サブシステムを含み得るリアルタイム・カメラ・エンジンをさらに含み得る。
【0123】
プロセッサ1110は、カメラ処理パイプラインの一部であるハードウェア・エンジンである画像信号プロセッサを含み得る高ダイナミック・レンジ信号プロセッサをさらに含み得る。
【0124】
プロセッサ1110は、プレイヤ・ウインドウのための最終的画像を生み出すためにビデオ再生アプリケーションによって必要とされるビデオ処理後機能を実装する処理ブロック(たとえば、マイクロプロセッサに実装された)でもよいビデオ画像合成器を含み得る。ビデオ画像合成器は、ワイドビュー・カメラ1170で、サラウンド・カメラ1174で、及び/又はキャビン内監視カメラ・センサでレンズ歪み補正を実行することができる。キャビン内監視カメラ・センサは好ましくは、キャビン内イベントを識別し、適切に応答するように構成された、高度SoCの別のインスタンス上で実行するニューラル・ネットワークによって監視される。キャビン内システムは、セルラ・サービスをアクティブにする及び電話をかける、電子メールを書き取らせる、車両の目的地を変更する、車両のインフォテインメント・システム及び設定をアクティブにする又は変更する、或いは音声起動型ウェブ・サーフィンを提供するために、読唇術を実行することができる。ある特定の機能は、自律モードで動作しているときにのみ運転者に利用可能であり、そうでない場合には無効にされる。
【0125】
ビデオ画像合成器は、空間的ノイズ低減及び時間的ノイズ低減の両方のための強化された時間的ノイズ低減を含み得る。たとえば、動きがビデオ内で生じた場合、ノイズ低減は、隣接するフレームによって提供される情報の重みを減らし、空間的情報に適切に重みを加える。画像又は画像の一部が動きを含まない場合、ビデオ画像合成器によって実行される時間的ノイズ低減は、前の画像からの情報を使用して現在の画像におけるノイズを減らすことができる。
【0126】
ビデオ画像合成器はまた、入力ステレオ・レンズ・フレーム上でステレオ・レクティフィケーションを実行するように構成され得る。ビデオ画像合成器はさらに、オペレーティング・システム・デスクトップが使用中であるときにユーザ・インターフェース合成のために使用することができ、GPU1108は、新しい表面を連続してレンダリングために必要とされない。GPU1108の電源が入れられ、3Dレンダリングをアクティブに行っているときでも、ビデオ画像合成器は、GPU1108をオフロードしてパフォーマンス及び反応性を向上させるために使用され得る。
【0127】
SoC1104は、カメラからビデオ及び入力を受信するためのモバイル・インダストリ・プロセッサ・インターフェース(MIPI:mobile industry processor interface)カメラ・シリアル・インターフェース、高速インターフェース、及び/又は、カメラ及び関連画素入力機能のために使用され得るビデオ入力ブロックをさらに含み得る。SoC1104は、ソフトウェアによって制御され得る、及び特定の役割にコミットされていないI/O信号を受信するために使用され得る、入力/出力コントローラをさらに含み得る。
【0128】
SoC1104は、周辺装置、オーディオ・コーデック、電力管理、及び/又は他のデバイスとの通信を可能にするために、広範囲の周辺インターフェースをさらに含み得る。SoC1104は、(たとえば、ギガビット・マルチメディア・シリアル・リンク及びイーサネット(登録商標)を介して接続された)カメラからのデータ、センサ(たとえば、イーサネット(登録商標)を介して接続され得るLIDARセンサ1164、RADARセンサ1160など)、バス1102からのデータ(たとえば、車両1100のスピード、ハンドル位置など)、(たとえば、イーサネット(登録商標)又はCANバスを介して接続された)GNSSセンサ1158からのデータを処理するために使用され得る。SoC1104は、独自のDMAエンジンを含み得る及びルーティン・データ管理タスクからCPU1106を解放するために使用され得る専用の高性能大容量記憶コントローラをさらに含み得る。
【0129】
SoC1104は、自動化レベル3~5に広がる柔軟なアーキテクチャを有する終端間プラットフォームでもよく、それによって、多様性及び冗長性のためにコンピュータ・ビジョン及びADAS技法を活用し、効率的に使用し、深層学習ツールとともに、柔軟な、信頼できる運転ソフトウェア・スタックのためのプラットフォームを提供する、総合的機能的安全性アーキテクチャを提供する。SoC1104は、従来のシステムよりも高速で、信頼でき、さらにエネルギ効率がよく、空間効率がよくなり得る。たとえば、加速装置1114が、CPU1106と結合されるとき、GPU1108、及びデータ・ストア1116は、レベル3~5の自律型車両のための高速で効率的なプラットフォームを提供することができる。
【0130】
したがって、本技術は、従来のシステムによって達成することができない能力及び機能性をもたらす。たとえば、コンピュータ・ビジョン・アルゴリズムは、多種多様な視覚的データにわたり多種多様な処理アルゴリズムを実行するために、Cプログラミング言語などの高レベルのプログラミング言語を使用して構成され得る、CPUで実行され得る。しかしながら、CPUは、しばしば、たとえば、実行時間及び電力消費に関連するものなど、多数のコンピュータ・ビジョン・アプリケーションの性能要件を満たすことができない。具体的には、多数のCPUは、車両内ADASアプリケーションの要件及び実際のレベル3~5の自律型車両の要件である、リアルタイムでの複合物体検出アルゴリズムを実行することができない。
【0131】
従来のシステムとは対照的に、CPU複合体、GPU複合体、及びハードウェア加速クラスタを提供することによって、本明細書に記載の技術は、複数のニューラル・ネットワークが同時に及び/又は連続して実行されることと、レベル3~5の自律運転機能を可能にするために結果が結合されることとを可能にする。たとえば、DLA又はdGPU(たとえば、GPU1120)で実行するCNNは、ニューラル・ネットワークが具体的にトレーニングされていない標識を含む、交通標識をスーパーコンピュータが読み取る及び理解することを可能にする、テキスト及び単語認識を含み得る。DLAは、標識の意味論的理解を識別、解釈、及び提供することと、CPU複合体で実行する進路計画立案モジュールに意味論的理解を渡すこととを行うことができる、ニューラル・ネットワークをさらに含み得る。
【0132】
別の実例として、複数のニューラル・ネットワークは、レベル3、4、又は5の運転に必要とされるように、同時に実行され得る。たとえば、電光とともに、「注意:点滅光は、凍った状態を示す」から成る警告標識は、いくつかのニューラル・ネットワークによって独立して又は集合的に解釈され得る。標識自体は、第1の配備されたニューラル・ネットワーク(たとえば、トレーニングされてあるニューラル・ネットワーク)によって交通標識として識別され得、テキスト「点滅光は、凍った状態を示す」は、点滅光が検出されるときには凍った状態が存在することを車両の進路計画立案ソフトウェア(好ましくはCPU複合体上で実行する)に知らせる、第2の配備されたニューラル・ネットワークによって解釈され得る。点滅光は、点滅光の存在(又は無いこと)を車両の進路計画立案ソフトウェアに知らせ、複数のフレームを介して第3の配備されたニューラル・ネットワークを動作させることによって識別され得る。すべての3個のニューラル・ネットワークは、DLA内及び/又はGPU1108上などで、同時に実行することができる。
【0133】
いくつかの実例では、顔認識及び車両所有者識別のためのCNNは、カメラ・センサからのデータを使用して車両1100の正規の運転者及び/又は所有者の存在を識別することができる。常時オンのセンサ処理エンジンは、所有者が運転席側のドアに近づくときに車両を解錠する及び明かりをつけるために、並びに、セキュリティ・モードにおいて、所有者が車両を離れるときに車両の動作を停止させるために、使用され得る。このようにして、SoC1104は、盗難及び/又は車の乗っ取りに対するセキュリティをもたらす。
【0134】
別の実例では、緊急車両検出及び識別のためのCNNは、マイクロフォン1196からのデータを使用して緊急車両サイレンを検出及び識別することができる。一般分類子を使用してサイレンを検出する及び特徴を手動で抽出する従来のシステムとは対照的に、SoC1104は、環境の及び都市の音の分類、並びに視覚的データの分類のためにCNNを使用する。好ましい一実施例では、DLA上で実行するCNNは、(たとえば、ドップラー効果を使用することによって)緊急車両の相対的終速度を識別するようにトレーニングされる。CNNはまた、GNSSセンサ1158によって識別されるように、車両が稼働しているローカル・エリアに特有の緊急車両を識別するようにトレーニングされ得る。それ故に、たとえば、欧州で稼働しているとき、CNNは、欧州のサイレンを検出しようとすることになり、そして、米国にあるとき、CNNは、北米のサイレンのみを識別しようとすることになる。緊急車両が検出された後は、制御プログラムが、緊急車両が通過するまで、超音波センサ1162の支援を受けて、車両を減速する、道の端に停止させる、車両を駐車する、及び/又は車両をアイドリングさせる、緊急車両安全性ルーティンを実行するために使用され得る。
【0135】
車両は、高速相互接続(たとえば、PCIe)を介してSoC1104に連結され得るCPU1118(たとえば、個別のCPU、又はdCPU)を含み得る。CPU1118は、たとえば、X86プロセッサを含み得る。CPU1118は、たとえば、ADASセンサとSoC1104との間の潜在的に不整合の結果を調停すること、及び/又はコントローラ1136及び/又はインフォテインメントSoC1130の状況及び調子を監視することを含む、様々な機能のいずれかを実行するために使用され得る。
【0136】
車両1100は、高速相互接続(たとえば、NVIDIAのNVLINK)を介してSoC1104に連結され得るGPU1120(たとえば、個別のGPU、又はdGPU)を含み得る。GPU1120は、冗長及び/又は異なるニューラル・ネットワークを実行することなどによって、付加的人工知能機能をもたらすことができ、車両1100のセンサからの入力(たとえば、センサ・データ)に基づいてニューラル・ネットワークをトレーニング及び/又は更新するために使用され得る。
【0137】
車両1100は、1つ又は複数のワイヤレス・アンテナ1126(たとえば、セルラ・アンテナ、ブルートゥース・アンテナなど、異なる通信プロトコルのための1つ又は複数のワイヤレス・アンテナ)を含み得るネットワーク・インターフェース1124をさらに含み得る。ネットワーク・インターフェース1124は、インターネットを介するクラウドとの(たとえば、サーバ1178及び/又は他のネットワーク・デバイスとの)、他の車両との、及び/又は計算デバイス(たとえば、乗客のクライアント・デバイス)とのワイヤレス接続を使用可能にするために使用され得る。他の車両と通信するために、直接リンクが2個の車両の間に確立され得る、及び/又は、間接リンクが(たとえば、ネットワークを通じて及びインターネットを介して)確立され得る。直接リンクは、車両対車両通信リンクを使用し、提供され得る。車両対車両通信リンクは、車両1100に近接する車両(たとえば、車両1100の前の、横の、及び/又は後ろの車両)に関する車両1100情報を提供することができる。この機能は、車両1100の共同適応クルーズ制御機能の一部でもよい。
【0138】
ネットワーク・インターフェース1124は、変調及び復調機能を提供する及びコントローラ1136がワイヤレス・ネットワークを介して通信することを可能にする、SoCを含み得る。ネットワーク・インターフェース1124は、ベースバンドから無線周波数へのアップコンバージョン、及び無線周波数からベースバンドへのダウンコンバージョンのための無線周波数フロントエンドを含み得る。周波数コンバージョンは、よく知られているプロセスを通して実行することができ、及び/又はスーパーヘテロダイン・プロセスを用いて実行することができる。いくつかの実例では、無線周波数フロントエンド機能は、別個のチップによって提供され得る。ネットワーク・インターフェースは、LTE、WCDMA、UMTS、GSM、CDMA2000、ブルートゥース、ブルートゥースLE、Wi-Fi、Z-Wave、ZigBee、LoRaWAN、及び/又は他のワイヤレス・プロトコルを介して通信するためのワイヤレス機能を含み得る。
【0139】
車両1100は、チップ外の(たとえば、SoC1104外の)ストレージを含み得るデータ・ストア1128をさらに含み得る。データ・ストア1128は、RAM、SRAM、DRAM、VRAM、フラッシュ、ハードディスク、及び/又は、少なくとも1ビットのデータを記憶することができる他の構成要素及び/又はデバイスを含む、1つ又は複数の記憶素子を含み得る。
【0140】
車両1100は、GNSSセンサ1158をさらに含み得る。GNSSセンサ1158(たとえば、GPS、支援されたGPSセンサ、ディファレンシャルGPS(DGPS)センサなど)は、マッピング、知覚、占有グリッド生成、及び/又は進路計画策定機能を支援する。たとえば、シリアル(RS-232)ブリッジへのイーサネット(登録商標)を有するUSBコネクタを使用するGPSを含むが、これに限定されない、任意の数のGNSSセンサ1158が、使用され得る。
【0141】
車両1100は、RADARセンサ1160をさらに含み得る。RADARセンサ1160は、暗闇及び/又は厳しい気象条件においても、長距離車両検出のために車両1100によって使用され得る。RADAR機能安全性レベルは、ASIL Bでもよい。一部の実例では、RADARセンサ1160は、未加工のデータにアクセスするためのイーサネット(登録商標)へのアクセスを用いて、制御のために及び物体追跡データにアクセスするために(たとえば、RADARセンサ1160によって生成されたデータを送信するために)CAN及び/又はバス1102を使用することができる。多種多様なRADARセンサ・タイプが、使用され得る。たとえば、そして制限なしに、RADARセンサ1160は、前部、後部、及び側部RADAR使用に適し得る。一部の実例では、パルス・ドップラーRADARセンサが使用される。
【0142】
RADARセンサ1160は、狭い視野を有する長距離、広い視野を有する短距離、短距離側部カバレッジなど、異なる構成を含み得る。いくつかの実例では、長距離RADARは、適応クルーズ制御機能のために使用され得る。長距離RADARシステムは、250mの範囲内など、2個以上の独立したスキャンによって実現される広い視野を提供することができる。RADARセンサ1160は、静的物体と動く物体との区別を助けることができ、緊急ブレーキ・アシスト及び前方衝突警報のためのADASシステムによって使用され得る。長距離RADARセンサは、複数の(たとえば、6つ以上の)固定RADARアンテナと高速CAN及びFlexRayインターフェースとを有するモノスタティック・マルチモーダルRADARを含み得る。6つのアンテナを有する一実例では、中央の4個のアンテナは、隣接レーン内の交通からの干渉を最小限にして高速で車両1100の周囲を記録するように設計された、集束ビーム・パターンを作成し得る。他の2個のアンテナは、視野を広げることができ、車両1100のレーンに入る又はこれを去る車両を迅速に検出することを可能にする。
【0143】
一実例として、中距離RADARシステムは、1160m(前)又は80m(後)までの範囲、及び42度(前)又は1150度(後)までの視野を含み得る。短距離RADARシステムは、後部バンパの両端に設置されるように設計されたRADARセンサを含み得るが、これに限定されない。後部バンパの両端に設置されるとき、そのようなRADARセンサ・システムは、車両の後ろ及び隣の死角を常に監視する2個のビームを作成することができる。
【0144】
短距離RADARシステムは、死角検出及び/又はレーン変更アシストのためにADASシステムにおいて使用され得る。
【0145】
車両1100は、超音波センサ1162をさらに含み得る。車両1100の前部、後部、及び/又は側部に位置付けられ得る、超音波センサ1162は、駐車アシストのために及び/又は占有グリッドの作成及び更新のために使用され得る。多種多様な超音波センサ1162が使用され得、異なる超音波センサ1162が、異なる範囲の検出(たとえば、2.5m、4m)のために使用され得る。超音波センサ1162は、ASIL Bの機能的安全性レベルにおいて動作することができる。
【0146】
車両1100はLIDARセンサ1164を含み得る。LIDARセンサ1164は、物体及び歩行者検出、緊急ブレーキ、衝突回避、及び/又は他の機能のために使用され得る。LIDARセンサ1164は、機能的安全性レベルASIL Bでもよい。いくつかの実例では、車両1100は、(たとえば、ギガビット・イーサネット(登録商標)・スイッチにデータを提供するために)イーサネット(登録商標)を使用することができる複数の(たとえば、2個、4個、6個などの)LIDARセンサ1164を含み得る。
【0147】
いくつかの実例では、LIDARセンサ1164は、物体及び360度視野のそれらの距離のリストを提供する能力を有し得る。市販のLIDARセンサ1164は、たとえば、2cm~3cmの精度を有し、1100Mbpsイーサネット(登録商標)接続のサポートを有して、約1100mの広告された範囲を有し得る。いくつかの実例では、1つ又は複数の非突出したLIDARセンサ1164が、使用され得る。そのような実例では、LIDARセンサ1164は、車両1100の前部、後部、側部、及び/又は角に組み込まれ得る小さいデバイスとして実装され得る。そのような実例では、LIDARセンサ1164は、低反射物体についても200mの範囲を有し、120度水平及び35度垂直視野まで提供することができる。前部に取り付けられたLIDARセンサ1164は、45度と135度との間の水平視野向けに構成され得る。
【0148】
いくつかの実例では、3DフラッシュLIDARなどのLIDAR技術もまた使用され得る。3DフラッシュLIDARは、約200mまで車両の周囲を照らすために、送信元としてレーザーのフラッシュを使用する。フラッシュLIDARユニットは、車両から物体までの範囲に順番に対応する、レーザー・パルス走行時間及び各画素上の反射光を記録する、レセプタを含む。フラッシュLIDARは、周囲の高精度の及び歪みのない画像があらゆるレーザー・フラッシュで生成されることを可能にし得る。いくつかの実例では、4個のフラッシュLIDARセンサが、車両1100の各側面に1つずつ、配備され得る。利用可能な3DフラッシュLIDARシステムは、送風機以外に動く部分を有さないソリッドステート3Dステアリング・アレイLIDARカメラ(たとえば、非スキャン型LIDARデバイス)を含む。フラッシュLIDARデバイスは、1フレームにつき5ナノ秒クラスI(目に安全な)レーザー・パルスを使用することができ、3D範囲点群及び共記載された強度データの形で反射レーザー光をキャプチャし得る。フラッシュLIDARを使用することによって、また、フラッシュLIDARは、動く部分を有さないソリッドステート・デバイスであるので、LIDARセンサ1164は、モーション・ブラー、振動、及び/又は衝撃の影響を受けにくくなり得る。
【0149】
車両は、IMUセンサ1166をさらに含み得る。一部の実例では、IMUセンサ1166は、車両1100の後部車軸の中央に位置付けられ得る。IMUセンサ1166は、たとえば、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、磁気コンパス、及び/又は他のセンサ・タイプを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実例では、6軸アプリケーションなどにおいて、IMUセンサ1166は、加速度計及びジャイロスコープを含み得るが、9軸アプリケーションにおいて、IMUセンサ1166は、加速度計、ジャイロスコープ、及び磁力計を含み得る。
【0150】
一部の実施例では、IMUセンサ1166は、マイクロ電気機械システム(MEMS:micro-electro-mechanical system)慣性センサ、高感度GPSレシーバ、及び高度カルマン・フィルタリング・アルゴリズムを結合して位置、ベロシティ、及び姿勢の推定値を提供するミニチュア、高性能GPS支援型慣性航行システム(GPS/INS:GPS-Aided Inertial Navigation System)として実装され得る。そのようなものとして、一部の実例では、IMUセンサ1166は、GPSからIMUセンサ1166までのベロシティの変化を直接観測すること及び関連付けることによって、磁気センサからの入力を必要とせずに進行方向を車両1100が推定することを可能にし得る。いくつかの実例では、IMUセンサ1166及びGNSSセンサ1158は、単一の統合されたユニットにおいて結合され得る。
【0151】
車両は、車両1100内及び/又は周囲に置かれたマイクロフォン1196を含み得る。マイクロフォン1196は、中でも、緊急車両検出及び識別のために使用され得る。
【0152】
車両は、ステレオ・カメラ1168、ワイドビュー・カメラ1170、赤外線カメラ1172、サラウンド・カメラ1174、長距離及び/又は中距離カメラ1198、及び/又は他のカメラ・タイプを含む、任意の数のカメラ・タイプをさらに含み得る。カメラは、車両1100の全外面の周りの画像データをキャプチャするために使用され得る。使用されるカメラのタイプは、車両1100の実施例及び要件に応じて決まり、任意の組合せのカメラ・タイプが、車両1100の周りの必要なカバレッジを実現するために使用され得る。加えて、カメラの数は、実施例に応じて異なり得る。たとえば、車両は、6個のカメラ、7個のカメラ、10個のカメラ、12個のカメラ、及び/又は別の数のカメラを含み得る。カメラは、一実例として、ギガビット・マルチメディア・シリアル・リンク(GMSL:Gigabit Multimedia Serial Link)及び/又はギガビット・イーサネット(登録商標)をサポートし得るが、これに限定されない。それぞれのカメラは、
図11A及び
図11Bに関連して本明細書においてさらに詳しく説明される。
【0153】
車両1100は、振動センサ1142をさらに含み得る。振動センサ1142は、車軸など、車両の構成要素の振動を測定することができる。たとえば、振動の変化は、道路の表面の変化を示し得る。別の実例では、2個以上の振動センサ1142が使用されるとき、振動の差は、道路表面の摩擦又は滑りを判定するために使用され得る(たとえば、振動の差が電力駆動車軸と自由回転車軸との間であるとき)。
【0154】
車両1100は、ADASシステム1138を含み得る。一部の実例では、ADASシステム1138は、SoCを含み得る。ADASシステム1138は、自律/適応/自動クルーズ制御(ACC:autonomous/adaptive/automatic cruise control)、共同適応クルーズ制御(CACC:cooperative adaptive cruise control)、前方衝突警報(FCW:forward crash warning)、自動緊急ブレーキ(AEB:automatic emergency braking)、車線逸脱警報(LDW:lane departure warning)、レーン・キープ・アシスト(LKA:lane keep assist)、死角警報(BSW:blind spot warning)、後部交差交通警報(RCTW:rear cross-traffic warning)、衝突警報システム(CWS:collision warning system)、レーン・センタリング(LC:lane centering)、及び/又は他の特徴及び機能を含み得る。
【0155】
ACCシステムは、RADARセンサ1160、LIDARセンサ1164、及び/又はカメラを使用し得る。ACCシステムは、縦ACC及び/又は横ACCを含み得る。縦ACCは、車両1100の直ぐ前の車両までの距離を監視及び制御し、前方の車両からの安全距離を維持するために車両速度を自動的に調整する。横ACCは、距離の保持を実行し、必要なときにレーンを変更するように車両1100にアドバイスする。横ACCは、LCA及びCWSなどの他のADASアプリケーションに関連する。
【0156】
CACCは、ワイヤレス・リンクを介して他の車両からネットワーク・インターフェース1124及び/又はワイヤレス・アンテナ1126を介して、或いは間接的にネットワーク接続を介して(たとえば、インターネットを介して)、受信することができる、他の車両からの情報を使用する。直接リンクは、車両対車両(V2V:vehicle-to-vehicle)通信リンクによって提供され得、一方、間接リンクは、インフラストラクチャ対車両(I2V:infrastructure-to-vehicle)通信リンクでもよい。一般に、V2V通信概念は、直前の車両(たとえば、車両1100と同じレーン内にある、車両1100の直ぐ前の車両)に関する情報を提供し、一方、I2V通信概念は、さらに前の交通に関する情報を提供する。CACCシステムは、I2V情報ソースとV2V情報ソースとのいずれか又は両方を含み得る。車両1100の前方の車両の情報を所与として、CACCは、より高信頼になり得、CACCは、交通の流れをよりスムーズにし、道路の渋滞を減らす可能性を有する。
【0157】
運転者が修正行動を取ることができるように、FCWシステムは、危険を運転者に警告するように設計される。FCWシステムは、ディスプレイ、スピーカ、及び/又は振動部品など、運転者フィードバックに電気的に連結された、専用のプロセッサ、DSP、FPGA、及び/又はASICに連結された、前向きのカメラ及び/又はRADARセンサ1160を使用する。FCWシステムは、音響、視覚的警報、振動及び/又はクイック・ブレーキ・パルスなどの形で、警報を提供することができる。
【0158】
AEBシステムは、別の車両又は他の物体との差し迫った前方衝突を検出し、運転者が指定された時間又は距離パラメータ内に修正行動を取らない場合に、ブレーキを自動的に適用することができる。AEBシステムは、専用のプロセッサ、DSP、FPGA、及び/又はASICに連結された、前向きのカメラ及び/又はRADARセンサ1160を使用することができる。AEBシステムが危険を検出するとき、AEBシステムは通常は、先ず、衝突を回避するための修正行動を取るように運転者に警告し、運転者が修正行動を取らない場合、AEBシステムは、予測される衝突の影響を防ぐ、又は少なくとも軽減するための努力の一環としてブレーキを自動的に適用することができる。AEBシステムは、ダイナミック・ブレーキ・サポート及び/又は衝突切迫ブレーキなどの技法を含み得る。
【0159】
LDWシステムは、ハンドル又はシートの振動など、視覚的、可聴式、及び/又は触覚的警報を提供して、車両1100が車線区分線を越えたときに運転者に警告する。LDWシステムは、運転者が、方向指示器を起動することによって、意図的な車線逸脱を指示するときには、起動しない。LDWシステムは、ディスプレイ、スピーカ、及び/又は振動部品など、運転者フィードバックに電気的に連結された、専用のプロセッサ、DSP、FPGA、及び/又はASICに連結された、前側を向いたカメラを使用することができる。
【0160】
LKAシステムは、LDWシステムの変更形態である。LKAシステムは、車両1100が車線をはみ出し始めた場合に車両1100を修正するためにステアリング入力又はブレーキを提供する。
【0161】
BSWシステムは、自動車の死角において車両の運転者に検出及び警告する。BSWシステムは、合流又はレーンの変更が安全ではないことを指示するために視覚的、可聴式、及び/又は触覚的警告を提供することができる。システムは、運転者が方向指示器を使用するときに、付加的警告を提供することができる。BSWシステムは、運転者フィードバック、たとえば、ディスプレイ、スピーカ、及び/又は振動部品、に電気的に結合された、専用プロセッサ、DSP、FPGA、及び/又はASICに結合された、後ろ側を向いたカメラ及び/又はRADARセンサ1160を使用することができる。
【0162】
RCTWシステムは、車両1100がバックしているときにリアカメラの範囲外で物体が検出されたときに視覚的、可聴式、及び/又は触覚的通知を提供することができる。いくつかのRCTWシステムは、衝突を回避するために車両ブレーキが適用されることを確実にするために、AEBを含む。RCTWシステムは、運転者フィードバック、たとえば、ディスプレイ、スピーカ、及び/又は振動部品、に電気的に結合された、専用プロセッサ、DSP、FPGA、及び/又はASICに結合された、1つ又は複数の後ろを向いたRADARセンサ1160を使用することができる。
【0163】
従来のADASシステムは、運転者に警告し、安全状態が本当に存在するかどうかを運転者が判定し、それに応じて行動することを可能にするので、従来のADASシステムは、通常は壊滅的ではないが、運転者を悩ませている及び気を散らせていることがある誤判定結果を生み出す傾向にあることがあった。しかしながら、自律型車両1100では、結果が矛盾する場合には、車両1100自体が、1次的コンピュータ又は2次的コンピュータ(たとえば、第1のコントローラ1136又は第2のコントローラ1136)からの結果を聞き入れるかどうかを決定しなければならない。たとえば、一部の実施例では、ADASシステム1138は、知覚情報をバックアップ・コンピュータ合理性モジュールに提供するためのバックアップ及び/又は2次的コンピュータでもよい。バックアップ・コンピュータ合理性モニタは、ハードウェア構成要素で冗長な多様なソフトウェアを実行して、知覚及び動的運転タスクにおいて障害を検出することができる。ADASシステム1138からの出力は、監督MCUに提供され得る。1次的コンピュータ及び2次的コンピュータからの出力が矛盾する場合、監督MCUは、安全な動作を確実にするためにその矛盾をどのように調整するかを決定する必要がある。
【0164】
いくつかの実例では、1次的コンピュータは、選択された結果における1次的コンピュータの信頼性を指示する、信頼性スコアを監督MCUに提供するように構成され得る。信頼性スコアが閾値を超えた場合、監督MCUは、2次的コンピュータが矛盾する又は不整合の結果を与えるかどうかにかかわらず、1次的コンピュータの指示に従い得る。信頼性スコアが閾値を満たさない場合、及び1次的及び2次的コンピュータが異なる結果を示す(たとえば、矛盾する)場合、監督MCUは、コンピュータの間で調停して適切な結果を決定することができる。
【0165】
監督MCUは、2次的コンピュータが誤ったアラームを提供する状態を、1次的コンピュータ及び2次的コンピュータからの出力に基づいて、判定するようにトレーニング及び構成されたニューラル・ネットワークを実行するように構成され得る。したがって、監督MCU内のニューラル・ネットワークは、2次的コンピュータの出力が信頼され得るとき、及びそれが信頼され得ないときを学習することができる。たとえば、2次的コンピュータがRADARベースのFCWシステムであるとき、監督MCU内のニューラル・ネットワークは、アラームをトリガする下水溝の鉄格子又はマンホールの蓋など、実際には危険ではない金属製の物をいつFCWが識別しているかを学習することができる。同様に、2次的コンピュータがカメラベースのLDWシステムであるとき、監督MCU内のニューラル・ネットワークは、自転車に乗った人又は歩行者が存在し、車線逸脱が、実際には、最も安全な操作であるときに、LDWを無視することを学習することができる。監督MCU上で実行中のニューラル・ネットワークを含む実施例では、監督MCUは、関連メモリを有するニューラル・ネットワークを実行するのに適したDLA又はGPUのうちの少なくとも1つを含み得る。好ましい実施例において、監督MCUは、SoC1104の構成要素を備え得る、及び/又はSoC1104の構成要素として含まれ得る。
【0166】
他の実例において、ADASシステム1138は、コンピュータ・ビジョンの従来のルールを使用するADAS機能を実行する2次的コンピュータを含み得る。そのようなものとして、2次的コンピュータは、古典的コンピュータ・ビジョン・ルール(if-then)を使用することができ、監督MCU内のニューラル・ネットワークの存在は、信頼性、安全性及び性能を向上させることができる。たとえば、多様な実装形態及び意図的な非同一性は、特にソフトウェア(又はソフトウェア-ハードウェア・インターフェース)機能によって引き起こされる障害に対して、システム全体をよりフォールトトレラントにする。たとえば、1次的コンピュータで実行中のソフトウェア内にソフトウェア・バグ又はエラーが存在し、2次的コンピュータで実行中の同一でないソフトウェア・コードが同じ総合的結果を提供する場合、監督MCUは、総合的結果は正しく、1次的コンピュータ上のソフトウェア又はハードウェア内のバグは重大なエラーを引き起こしていないというより大きな確信を有し得る。
【0167】
いくつかの実例では、ADASシステム1138の出力は、1次的コンピュータの知覚ブロック及び/又は1次的コンピュータの動的運転タスク・ブロックに供給され得る。たとえば、ADASシステム1138が、直ぐ前の物体が原因で、前方衝突警報を示した場合、知覚ブロックは、物体を識別するときに、この情報を使用することができる。他の実例において、2次的コンピュータは、本明細書に記載のように、トレーニングされ、それ故に誤判定のリスクを減らす、独自のニューラル・ネットワークを有し得る。
【0168】
車両1100は、インフォテインメントSoC1130(たとえば、車両内のインフォテインメント・システム(IVI:in-vehicle infotainment system))をさらに含み得る。SoCとして図示及び記述されているが、インフォテインメント・システムは、SoCでなくてもよく、2個以上の個別の構成要素を含み得る。インフォテインメントSoC1130は、オーディオ(たとえば、音楽、携帯情報端末、ナビゲーション命令、ニュース、無線など)、ビデオ(たとえば、TV、映画、ストリーミングなど)、電話(たとえば、ハンズフリー通話)、ネットワーク接続(たとえば、LTE、Wi-Fiなど)、及び/又は情報サービス(たとえば、ナビゲーション・システム、後方駐車支援、無線データシステム、燃料レベル、総移動距離、ブレーキ燃料レベル、オイル・レベル、ドアを開ける/閉じる、エア・フィルタ情報などの車両関連情報)を車両1100に提供するために使用され得るハードウェア及びソフトウェアの組合せを含み得る。たとえば、インフォテインメントSoC1130は、無線、ディスク・プレイヤ、ナビゲーション・システム、ビデオ・プレイヤ、USB及びブルートゥース接続、カーピュータ、車内エンターテインメント、Wi-Fi、ハンドル・オーディオ制御装置、ハンズ・フリー音声制御、ヘッドアップ・ディスプレイ(HUD:heads-up display)、HMIディスプレイ1134、テレマティックス・デバイス、制御パネル(たとえば、様々な構成要素、特徴、及び/又はシステムを制御する及び/又はこれと相互に作用するための)、及び/又は他の構成要素でもよい。インフォテインメントSoC1130は、ADASシステム1138からの情報、計画された車両操作などの自律運転情報、軌道、周囲環境情報(たとえば、交差点情報、車両情報、道路情報など)、及び/又は他の情報など、車両のユーザへの情報(たとえば、視覚的及び/又は可聴式の)を提供するためにさらに使用され得る。
【0169】
インフォテインメントSoC1130は、GPU機能性を含み得る。インフォテインメントSoC1130は、バス1102(たとえば、CANバス、イーサネット(登録商標)など)を介して、車両1100の他のデバイス、システム、及び/又は構成要素と通信することができる。いくつかの実例では、インフォテインメント・システムのGPUが、1次的コントローラ1136(たとえば、車両1100の1次的及び/又はバックアップ・コンピュータ)が故障した場合に、いくつかのセルフドライブ機能を実行することができるように、インフォテインメントSoC1130は、監督MCUに連結され得る。そのような実例では、インフォテインメントSoC1130は、本明細書に記載のように、車両1100をショーファーの安全停止モードにすることができる。
【0170】
車両1100は、計器群1132(たとえば、デジタル・ダッシュ、電子計器群、デジタル計器パネルなど)をさらに含み得る。計器群1132は、コントローラ及び/又はスーパーコンピュータ(たとえば、個別のコントローラ又はスーパーコンピュータ)を含み得る。計器群1132は、スピードメーター、燃料レベル、油圧、タコメーター、オドメーター、方向指示器、ギアシフト位置インジケータ、シート・ベルト警告灯、パーキングブレーキ警告灯、エンジン故障灯、エアバッグ(SRS)システム情報、照明制御装置、安全システム制御装置、ナビゲーション情報など、1セットの器具類を含み得る。いくつかの実例では、情報は、インフォテインメントSoC1130及び計器群1132の間で表示及び/又は共有され得る。言い換えれば、計器群1132は、インフォテインメントSoC1130の一部として含まれてもよく、逆もまた同様である。
【0171】
図11Dは、本開示のいくつかの実施例による、
図11Aのクラウドベースのサーバと例示的自律型車両1100との間の通信のシステム図である。システム1176は、サーバ1178、ネットワーク1190、及び、車両1100を含む車両を含み得る。サーバ1178は、複数のGPU1184(A)~1184(H)(本明細書でGPU1184と総称される)、PCIeスイッチ1182(A)~1182(H)(本明細書でPCIeスイッチ1182と総称される)、及び/又はCPU1180(A)~1180(B)(本明細書でCPU1180と総称される)を含み得る。GPU1184、CPU1180、及びPCIeスイッチは、たとえば、NVIDIAによって開発されたNVLinkインターフェース1188及び/又はPCIe接続1186などの、これらに限定されない、高速相互接続で相互に接続され得る。いくつかの実例では、GPU1184は、NVLink及び/又はNVSwitch SoCを介して接続され、GPU1184及びPCIeスイッチ1182は、PCIe相互接続を介して接続される。8個のGPU1184、2個のCPU1180、及び2個のPCIeスイッチが図示されているが、これは制限を意図されていない。実施例に応じて、それぞれのサーバ1178は、任意の数のGPU1184、CPU1180、及び/又はPCIeスイッチを含み得る。たとえば、サーバ1178は、それぞれ、8個、16個、32個、及び/又はそれ以上のGPU1184を含み得る。
【0172】
サーバ1178は、最近開始された道路工事など、予想外の又は変更された道路状態を示す画像を表す画像データを、ネットワーク1190を介して、車両から、受信することができる。サーバ1178は、ニューラル・ネットワーク1192、更新されたニューラル・ネットワーク1192、及び/又は、交通及び道路状態に関する情報を含むマップ情報1194をネットワーク1190を介して車両に送信することができる。マップ情報1194の更新は、建設現場、くぼみ、迂回路、洪水、及び/又は他の障害物に関する情報など、HDマップ1122の更新を含み得る。いくつかの実例では、ニューラル・ネットワーク1192、更新されたニューラル・ネットワーク1192、及び/又はマップ情報1194は、環境において任意の数の車両から受信されたデータにおいて表された新しいトレーニング及び/又は経験から、及び/又は(たとえば、サーバ1178及び/又は他のサーバを使用する)データ・センタにおいて実行されたトレーニングに基づいて、生じた可能性がある。
【0173】
サーバ1178は、トレーニング・データに基づいてマシン学習モデル(たとえば、ニューラル・ネットワーク)をトレーニングするために使用され得る。トレーニング・データは、車両によって生成され得る、及び/又は(たとえば、ゲーム・エンジンを使用して)シミュレーションにおいて生成され得る。いくつかの実例では、トレーニング・データは、タグ付けされる(たとえば、ニューラル・ネットワークが、監督された学習の恩恵を受ける場合)及び/又は他の事前処理を受けるが、他の実例において、トレーニング・データは、タグ付け及び/又は事前処理されない(たとえば、ニューラル・ネットワークが、監督された学習を必要としない場合)。トレーニングは、たとえば以下のクラスを含むがこれらに限定されない、任意の1つ又は複数のクラスのマシン学習技法に従って、実行され得る:監視されたトレーニング、半監視されたトレーニング、監視されていないトレーニング、自己学習、強化学習、連合型学習、転移学習、特徴学習(主要構成要素及びクラスタ分析を含む)、マルチ線形部分空間学習、多様体学習、表現学習(予備辞書学習を含む)、ルールに基づくマシン学習、異常検出、及びそれらの変更形態若しくは組合せ。マシン学習モデルがトレーシングされた後は、マシン学習モデルは、車両によって使用され得(たとえば、ネットワーク1190を介して車両に送信される)、及び/又は、マシン学習モデルは、車両を遠隔監視するために、サーバ1178によって使用され得る。
【0174】
いくつかの実例では、サーバ1178は、車両からデータを受信し、リアルタイムのインテリジェント推論のために最新のリアルタイムのニューラル・ネットワークにデータを適用することができる。サーバ1178は、NVIDIAによって開発されたDGX及びDGXステーション・マシンなど、GPU1184によって電力供給される深層学習スーパーコンピュータ及び/又は専用のAIコンピュータを含み得る。しかしながら、一部の実例では、サーバ1178は、CPU電源式データ・センタのみを使用する深層学習インフラストラクチャを含み得る。
【0175】
サーバ1178の深層学習インフラストラクチャは、高速のリアルタイム推論の能力を有することでき、その能力を使用して車両1100内のプロセッサ、ソフトウェア、及び/又は関連ハードウェアの調子を評価及び検証することができる。たとえば、深層学習インフラストラクチャは、車両1100がそのシーケンスの画像内に位置したシーケンスの画像及び/又は物体など、車両1100からの定期的更新を受信することができる(たとえば、コンピュータ・ビジョン及び/又は他のマシン学習物体分類技法を介して)。深層学習インフラストラクチャは、物体を識別し、車両1100によって識別された物体とそれらを比較するために、独自のニューラル・ネットワークを実行することができ、結果が一致せず、インフラストラクチャが、車両1100内のAIは正常に機能していないという結論を下した場合、サーバ1178は、制御を推測し、乗客に通知し、安全な駐車操作を完了するように車両1100のフェイルセーフ・コンピュータに命じる車両1100への信号を送信することができる。
【0176】
推論のために、サーバ1178は、GPU1184及び1つ又は複数のプログラマブル推論加速装置(たとえば、NVIDIAのTensorRT)を含み得る。GPU電源式サーバ及び推論加速の組合せは、リアルタイムの反応性を可能にすることができる。パフォーマンスがさほど必要とされない場合など、他の実例では、CPU、FPGA、及び他のプロセッサによって電力供給されるサーバが、推論のために使用され得る。
【0177】
例示的計算デバイス
図12は、本開示のいくつかの実施例の実装に使用するのに適した計算デバイス1200の一実例のブロック図である。計算デバイス1200は、以下のデバイスを間接的に又は直接的につなぐ相互接続システム1202を含み得る:メモリ1204、1つ又は複数の中央処理装置(CPU)1206、1つ又は複数のグラフィック処理ユニット(GPU)1208、通信インターフェース1210、入力/出力(I/O)ポート1212、入力/出力構成要素1214、電力供給装置1216、1つ又は複数の提示構成要素1218(たとえば、ディスプレイ)、及び1つ又は複数の論理ユニット1220。少なくとも1つの実施例において、計算デバイス1200は、1つ又は複数の仮想マシン(VM)を含み得る、及び/又は、その構成要素のいずれかは、仮想構成要素(たとえば、仮想ハードウェア構成要素)を含み得る。非限定的実例として、GPU1208のうちの1つ又は複数は、1つ又は複数のvGPUを含み得、CPU1206のうちの1つ又は複数は、1つ又は複数のvCPUを含み得、及び/又は、論理ユニット1220のうちの1つ又は複数は、1つ又は複数の仮想論理ユニットを含み得る。そのようなものとして、計算デバイス1200は、個別の構成要素(たとえば、計算デバイス1200専用の全GPU)、仮想構成要素(たとえば、計算デバイス1200専用のGPUの一部分)、又はその組合せを含み得る。
【0178】
図12の様々なブロックは、線で相互接続システム1202を介して接続しているように示されているが、これは制限することを意図されておらず、単に分かりやすくするためである。たとえば、一部の実施例では、表示デバイスなどの提示構成要素1218は、I/O構成要素1214と考えられ得る(たとえば、ディスプレイがタッチ・スクリーンである場合)。別の実例として、CPU1206及び/又はGPU1208はメモリを含み得る(たとえば、メモリ1204は、GPU1208、CPU1206、及び/又は他の構成要素のメモリに加えた記憶デバイスを表し得る)。言い換えれば、
図12の計算デバイスは、単に例示である。「ワークステーション」、「サーバ」、「ラップトップ」、「デスクトップ」、「タブレット」、「クライアント・デバイス」、「モバイル・デバイス」、「ハンドヘルド・デバイス」、「ゲーム機」、「電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)」、「仮想現実システム」、及び/又は他のデバイス若しくはシステム・タイプなどのカテゴリはすべて、
図12の計算デバイスの範囲内にあることが意図されているので、これらは区別されない。
【0179】
相互接続システム1202は、1つ又は複数のリンク又はバス、たとえば、アドレス・バス、データ・バス、制御バス、又はその組合せ、を表し得る。相互接続システム1202は、1つ又は複数のバス又はリンク・タイプ、たとえば、業界標準アーキテクチャ(ISA:industry standard architecture)バス、拡張業界標準アーキテクチャ(EISA:extended industry standard architecture)バス、VESA(video electronics standards association)バス、周辺構成要素相互接続(PCI:peripheral component interconnect)バス、周辺構成要素相互接続エクスプレス(PCIe:peripheral component interconnect express)バス、及び/又は別のタイプのバス若しくはリンク、を含み得る。一部の実施例では、構成要素の間に直接接続が存在する。一実例として、CPU1206は、メモリ1204に直接接続され得る。さらに、CPU1206は、GPU1208に直接接続され得る。構成要素の間に直接、又はポイント対ポイント接続が存在する場合、相互接続システム1202は、接続を実施するためのPCIeリンクを含み得る。これらの実例では、PCIバスは、計算デバイス1200に含まれる必要はない。
【0180】
メモリ1204は、様々なコンピュータ可読媒体のいずれかを含み得る。コンピュータ可読媒体は、計算デバイス1200によってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体でもよい。コンピュータ可読媒体は、揮発性及び不揮発性媒体の両方、及び取り外し可能な及び取り外し不可能な媒体を含み得る。例として、しかし限定ではなく、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を備え得る。
【0181】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造体、プログラム・モジュール、及び/又は他のデータ・タイプなどの情報の記憶のための任意の方法又は技術において実装された揮発性及び不揮発性媒体及び/又は取り外し可能な及び取り外し不可能な媒体の両方を含み得る。たとえば、メモリ1204は、オペレーティング・システムなど、(たとえば、プログラム及び/又はプログラム要素を表す)コンピュータ可読命令を記憶することができる。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disk)又は他の光ディスク・ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク・ストレージ又は他の磁気記憶デバイス、或いは、所望の情報を記憶するために使用し得る及び計算デバイス1200によってアクセスし得る任意の他の媒体を含み得るが、これらに限定されない。本明細書では、コンピュータ記憶媒体は、信号自体を含まない。
【0182】
コンピュータ記憶媒体は、搬送波などの変調データ信号又は他の移送機構においてコンピュータ可読命令、データ構造体、プログラム・モジュール、及び/又は他のデータ・タイプを実施することができ、任意の情報配信媒体を含む。「変調データ信号」という用語は、その特性セットのうちの1つ又は複数を有する或いは信号内の情報をエンコードするような方式で変化した信号を指し得る。例として、しかし限定せず、コンピュータ記憶媒体は、ワイヤード・ネットワーク又は直接ワイヤード接続などのワイヤード媒体と、音響、RF、赤外線及び他のワイヤレス媒体などのワイヤレス媒体とを含み得る。前述のいずれかの組合せもまた、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれるべきである。
【0183】
CPU1206は、コンピュータ可読命令のうちの少なくともいくつかを実行して計算デバイス1200の1つ又は複数の構成要素を制御して本明細書に記載の方法及び/又はプロセスのうちの1つ又は複数を実行するように構成され得る。CPU1206は、多数のソフトウェア・スレッドを同時に処理する能力を有する1つ又は複数の(たとえば、1個、2個、4個、8個、28個、72個などの)コアをそれぞれ含み得る。CPU1206は、任意のタイプのプロセッサを含み得、実装された計算デバイス1200のタイプに応じて、異なるタイプのプロセッサを含み得る(たとえば、モバイル・デバイスのためのより少数のコアを有するプロセッサ、及びサーバのためのより多数のコアを有するプロセッサ)。たとえば、計算デバイス1200のタイプに応じて、プロセッサは、縮小命令セット計算(RISC:Reduced Instruction Set Computing)を使用して実装されたAdvanced RISC Machines(ARM)プロセッサ、又は複合命令セット計算(CISC:Complex Instruction Set Computing)を使用して実装されたx86プロセッサでもよい。計算デバイス1200は、計算コプロセッサなど、1つ又は複数のマイクロプロセッサ又は補助コプロセッサ内の1つ又は複数のCPU1206を含み得る。
【0184】
CPU1206に加えて又はその代わりに、GPU1208は、コンピュータ可読命令のうちの少なくともいくつかを実行して計算デバイス1200の1つ又は複数の構成要素を制御して本明細書に記載の方法及び/又はプロセスのうちの1つ又は複数を実行するように構成され得る。GPU1208のうちの1つ若しくは複数は、統合されたGPU(たとえば、CPU1206のうちの1つ又は複数とでもよく、及び/又はGPU1208のうちの1つ若しくは複数は、離散GPUでもよい。実施例では、GPU1208のうちの1つ又は複数は、CPU1206のうちの1つ又は複数のコプロセッサでもよい。GPU1208は、グラフィックス(たとえば、3Dグラフィックス)をレンダリングする又は汎用計算を実行するために、計算デバイス1200によって使用され得る。たとえば、GPU1208は、GPUによる汎用計算(GPGPU:General-Purpose computing on GPU)のために使用され得る。GPU1208は、同時に数百又は数千のソフトウェア・スレッドを処理する能力を有する数百又は数千のコアを含み得る。GPU1208は、レンダリング・コマンド(たとえば、ホスト・インターフェースを介して受信されたCPU1206からのレンダリング・コマンド)に応答して、出力画像のための画素データを生成することができる。GPU1208は、画素データ又は任意の他の適切なデータ、たとえばGPGPUデータ、を記憶するためのグラフィックス・メモリ、たとえば表示メモリ、を含み得る。表示メモリは、メモリ1204の一部として含まれ得る。GPU1208は、並行して動作する(たとえば、リンクを介して)2個以上のGPUを含み得る。リンクは、GPUに直接接続することができ(たとえば、NVLINKを使用して)、又はスイッチを介して(たとえば、NVSwitchを使用して)GPUを接続することができる。ともに結合されるとき、各GPU1208は、出力の異なる部分の又は異なる出力の画素データ又はGPGPUデータ(たとえば、第1の画像の第1のGPU及び第2の画像の第2のGPU)を生成することができる。各GPUは、独自のメモリを含むことができ、又は他のGPUとメモリを共有することができる。
【0185】
CPU1206及び/又はGPU1208に加えて又はその代わりに、論理ユニット1220は、コンピュータ可読命令のうちの少なくともいくつかを実行して計算デバイス1200のうちの1つ又は複数を制御して本明細書に記載の方法及び/又はプロセスのうちの1つ又は複数を実行するように構成され得る。実施例では、CPU1206、GPU1208、及び/又は論理ユニット1220は、方法、プロセス及び/又はその部分の任意の組合せを離散的に又は合同で実行することができる。論理ユニット1220のうちの1つ若しくは複数は、CPU1206及び/若しくはGPU1208のうちの1つ若しくは複数の一部でもよく及び/又はそこで統合されてもよく、及び/又は、論理ユニット1220のうちの1つ若しくは複数は、CPU1206及び/若しくはGPU1208に対する離散構成要素であっても若しくは他の方法でそれらの外部にあってもよい。実施例では、論理ユニット1220のうちの1つ又は複数は、CPU1206のうちの1つ若しくは複数及び/又はGPU1208のうちの1つ若しくは複数のコプロセッサでもよい。
【0186】
論理ユニット1220の実例は、1つ又は複数の処理コア及び/又はその構成要素、たとえば、テンソル・コア(TC:Tensor Core)、テンソル処理ユニット(TPU:Tensor Processing Unit)、画素ビジュアル・コア(PVC:Pixel Visual Core)、ビジョン処理ユニット(VPU:Vision Processing Unit)、グラフィックス処理クラスタ(GPC:Graphics Processing Cluster)、テクスチャ処理クラスタ(TPC:Texture Processing Cluster)、ストリーミング・マルチプロセッサ(SM:Streaming Multiprocessor)、木の走査ユニット(TTU:Tree Traversal Unit)、人工知能加速装置(AIA:Artificial Intelligence Accelerator)、深層学習加速装置(DLA:Deep Learning Accelerator)、論理演算ユニット(ALU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、浮動小数点演算ユニット(FPU)、入力/出力(I/O)エレメント、周辺構成要素相互接続(PCI)又は周辺構成要素相互接続エクスプレス(PCIe)エレメント、及び/又は同類のもの、を含む。
【0187】
通信インターフェース1210は、ワイヤード及び/又はワイヤレス通信を含む、電子通信ネットワークを介して計算デバイス1200が他の計算デバイスと通信することを可能にする、1つ又は複数のレシーバ、トランスミッタ、及び/又はトランシーバを含み得る。通信インターフェース1210は、ワイヤレス・ネットワーク(たとえば、Wi-Fi、Z-Wave、ブルートゥース、ブルートゥースLE、ZigBeeなど)、ワイヤード・ネットワーク(たとえば、イーサネット(登録商標)又はInfiniBandを介して通信すること)、低電力ワイド・エリア・ネットワーク(たとえば、LoRaWAN、SigFoxなど)、及び/又はインターネットなどの、いくつかの異なるネットワークのうちのいずれかを介する通信を可能にするための構成要素及び機能を含み得る。
【0188】
I/Oポート1212は、そのうちのいくつかは計算デバイス1200に内蔵(たとえば、統合)され得る、I/O構成要素1214、提示構成要素1218、及び/又は他の構成要素を含む、他のデバイスに計算デバイス1200が論理的に連結されることを可能にすることができる。例示的なI/O構成要素1214は、マイクロフォン、マウス、キーボード、ジョイスティック、ゲーム・パッド、ゲーム・コントローラ、サテライト・ディッシュ、スキャナ、プリンタ、ワイヤレス・デバイスなどを含む。I/O構成要素1214は、エア・ジェスチャ、音声、又は、ユーザによって生成される他の生理的入力を処理する自然ユーザ・インターフェース(NUI:natural user interface)を提供することができる。場合によっては、入力は、さらなる処理のための適切なネットワーク要素に送信され得る。NUIは、音声認識、スタイラス認識、顔認識、生体認識、画面上での及び画面の隣でのジェスチャ認識、エア・ジェスチャ、頭部及び視標追跡、並びに計算デバイス1200のディスプレイに関連するタッチ認識(さらに詳しく後述するような)の任意の組合せを実装し得る。計算デバイス1200は、ジェスチャ検出及び認識のための、ステレオスコープ・カメラ・システム、赤外線カメラ・システム、RGBカメラ・システム、タッチ画面技術、及びこれらの組合せなど、深度カメラを含み得る。追加で、計算デバイス1200は、動きの検出を可能にする加速度計又はジャイロスコープを含み得る(たとえば、慣性測定ユニット(IMU:inertia measurement unit)の一部として)。いくつかの実例では、加速度計又はジャイロスコープの出力は、没入型拡張現実又は仮想現実をレンダリングするために、計算デバイス1200によって使用され得る。
【0189】
電力供給装置1216は、ハードワイヤード電力供給装置、バッテリ電力供給装置、又はその組合せを含み得る。電力供給装置1216は、計算デバイス1200の構成要素が動作することを可能にするために計算デバイス1200に電力を提供することができる。
【0190】
提示構成要素1218は、ディスプレイ(たとえば、モニタ、タッチ画面、テレビジョン画面、ヘッドアップ表示装置(HUD)、他のディスプレイタイプ、又はその組合せ)、スピーカ、及び/又は他の提示構成要素を含み得る。提示構成要素1218は、他の構成要素(たとえば、GPU1208、CPU1206など)からデータを受信し、データを(たとえば、画像、ビデオ、音響などとして)出力することができる。
【0191】
例示的データ・センタ
図13は、本開示の少なくとも1つの実施例において使用され得る例示的データ・センタ1300を示す。データ・センタ1300は、データ・センタ・インフラストラクチャ層1310、フレームワーク層1320、ソフトウェア層1330、及び/又はアプリケーション層1340を含み得る。
【0192】
図13に示すように、データ・センタ・インフラストラクチャ層1310は、資源オーケストレータ1312、グループ化された計算資源1314、及びノード計算資源(「ノードC.R.」)1316(1)~1316(N)を含み得、そこで、「N」は、任意の整数の、自然数を表す。少なくとも1つの実施例において、ノードC.R.1316(1)~1316(N)は、任意の数の中央処理装置(「CPU」)又は他のプロセッサ(加速装置、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、グラフィックス・プロセッサ若しくはグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)などを含む)、メモリ・デバイス(たとえば、動的リード・オンリ・メモリ)、記憶デバイス(たとえば、ソリッドステート若しくはディスク・ドライブ)、ネットワーク入力/出力(「NW I/O」)デバイス、ネットワーク・スイッチ、仮想マシン(「VM」)、電力モジュール、及び/又は冷却モジュールなどを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、ノードC.R.1316(1)~1316(N)のうちの1つ又は複数のノードC.R.は、前述の計算資源のうちの1つ又は複数を有するサーバに対応し得る。加えて、いくつかの実施例において、ノードC.R.1316(1)~13161(N)は、1つ若しくは複数の仮想構成要素、たとえば、vGPU、vCPU、及び/若しくは同類のもの、を含み得る、並びに/又は、ノードC.R.1316(1)~1316(N)のうちの1つ若しくは複数は、仮想マシン(VM)に対応し得る。
【0193】
少なくとも1つの実施例において、グループ化された計算資源1314は、1つ又は複数のラック(図示せず)内に収容された別個のグループのノードC.R.1316、或いは様々な地理的場所(やはり図示せず)にあるデータ・センタに収容された多数のラックを含み得る。グループ化された計算資源1314内の別個のグループのノードC.R.1316は、1つ又は複数のワークロードをサポートするように構成する又は割り当てることができる、グループ化された計算、ネットワーク、メモリ又はストレージ資源を含み得る。少なくとも1つの実施例において、CPU、GPU、及び/又は他のプロセッサを含むいくつかのノードC.R.1316は、1つ又は複数のワークロードをサポートするための計算資源を提供するために、1つ又は複数のラック内にグループ化され得る。1つ又は複数のラックはまた、任意の組合せで、任意の数の電力モジュール、冷却モジュール、及び/又はネットワーク・スイッチを含み得る。
【0194】
資源オーケストレータ1322は、1つ若しくは複数のノードC.R.1316(1)~1316(N)及び/又はグループ化された計算資源1314を構成又は他の方法で制御することができる。少なくとも1つの実施例において、資源オーケストレータ1322は、データ・センタ1300のソフトウェア設計インフラストラクチャ(「SDI」)管理エンティティを含み得る。資源オーケストレータ1322は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその何らかの組合せを含み得る。
【0195】
少なくとも1つの実施例において、
図13に示すように、フレームワーク層1320は、ジョブ・スケジューラ1332、構成マネージャ1334、資源マネージャ1336、及び/又は分散型ファイル・システム1338を含み得る。フレームワーク層1320は、ソフトウェア層1330のソフトウェア1332及び/又はアプリケーション層1340の1つ若しくは複数のアプリケーション1342をサポートするためにフレームワークを含み得る。ソフトウェア1332又はアプリケーション1342は、ウェブベースのサービス・ソフトウェア又はアプリケーション、たとえば、アマゾン・ウェブ・サービス、グーグル・クラウド及びMicrosoft Azureによって提供されるもの、をそれぞれ含み得る。フレームワーク層1320は、大規模データ処理(たとえば、「ビッグ・データ」)のための分散型ファイル・システム1338を使用し得るApache Spark(商標)(以下「Spark」)などのフリー及びオープン・ソース・ソフトウェア・ウェブ・アプリケーション・フレームワークのタイプでもよいが、これに限定されない。少なくとも1つの実施例において、ジョブ・スケジューラ1332は、データ・センタ1300の様々な層によってサポートされるワークロードのスケジューリングを容易にするために、Sparkドライバを含み得る。構成マネージャ1334は、異なる層、たとえば、ソフトウェア層1330と、大規模データ処理をサポートするためのSpark及び分散型ファイル・システム1338を含むフレームワーク層1320、を構成する能力を有し得る。資源マネージャ1336は、分散型ファイル・システム1338及びジョブ・スケジューラ1332のサポートのためにマップされた又は割り当てられたクラスタ化された又はグループ化された計算資源を管理する能力を有し得る。少なくとも1つの実施例において、クラスタ化された又はグループ化された計算資源は、データ・センタ・インフラストラクチャ層1310にグループ化された計算資源1314を含み得る。資源マネージャ1036は、資源オーケストレータ1312と調整して、これらのマップされた又は割り当てられた計算資源を管理することができる。
【0196】
少なくとも1つの実施例において、ソフトウェア層1330に含まれるソフトウェア1332は、ノードC.R.1316(1)~1316(N)の少なくとも部分、グループ化された計算資源1314、及び/又はフレームワーク層1320の分散型ファイル・システム1338によって使用されるソフトウェアを含み得る。1つ又は複数のタイプのソフトウェアは、インターネット・ウェブ・ページ検索ソフトウェア、電子メール・ウイルス・スキャン・ソフトウェア、データベース・ソフトウェア、及びストリーミング・ビデオ・コンテンツ・ソフトウェアを含み得るが、これらに限定されない。
【0197】
少なくとも1つの実施例において、アプリケーション層1340に含まれるアプリケーション1342は、ノードC.R.1316(1)~1316(N)の少なくとも部分、グループ化された計算資源1314、及び/又はフレームワーク層1320の分散型ファイル・システム1338によって使用される1つ又は複数のタイプのアプリケーションを含み得る。1つ又は複数のタイプのアプリケーションは、任意の数のゲノミクス・アプリケーション、認知計算、並びに、トレーニング若しくは推論ソフトウェア、マシン学習フレームワーク・ソフトウェア(たとえば、PyTorch、TensorFlow、Caffeなど)、及び/又は1つ若しくは複数の実施例と併せて使用される他のマシン学習アプリケーションを含む、マシン学習アプリケーションを含み得るが、これらに限定されない。
【0198】
少なくとも1つの実施例において、構成マネージャ1334、資源マネージャ1336、及び資源オーケストレータ1312のうちのいずれかは、任意の技術的に可能な方式で取得される任意の量及びタイプのデータに基づいて任意の数及びタイプの自己書換え型アクションを実装することができる。自己書換え型アクションは、よくない可能性のある構成決定を行うこと並びにデータ・センタの十分に活用されていない及び/又は実行の不十分な部分を恐らく回避することからデータ・センタ1300のデータ・センタ・オペレータを解放し得る。
【0199】
データ・センタ1300は、1つ又は複数のマシン学習モデルをトレーニングする或いは本明細書に記載の1つ又は複数の実施例による1つ又は複数のマシン学習モデルを使用して情報を予測する又は推論するために、ツール、サービス、ソフトウェア或いは他の資源を含み得る。たとえば、マシン学習モデルは、データ・センタ1300に関して前述されたソフトウェア及び/又は計算資源を使用するニューラル・ネットワーク・アーキテクチャによる重量パラメータの計算によって、トレーニングされ得る。少なくとも1つの実施例において、1つ又は複数のニューラル・ネットワークに対応するトレーニングされた又は配備されたマシン学習モデルは、たとえば、本明細書に記載のものに限定されない、1つ又は複数のトレーニング技法を介して計算された重量パラメータを使用することによって、データ・センタ1300に関して前述された資源を使用して情報を推論又は予測するために使用され得る。
【0200】
少なくとも1つの実施例において、データ・センタ1300は、前述の資源を使用するトレーニング及び/又は推論の実行のために、CPU、特定用途向け集積回路(ASIC)、GPU、FPGA、及び/又は他のハードウェア(若しくはそれに対応する仮想計算資源)を使用することができる。さらに、前述の1つ又は複数のソフトウェア及び/又はハードウェア資源は、情報の推論をユーザがトレーニング又は実行することを可能にするためのサービス、たとえば、画像認識、音声認識、又は他の人工知能サービス、として構成され得る。
【0201】
例示的ネットワーク環境
本開示の実施例の実装において使用するのに適したネットワーク環境は、1つ若しくは複数のクライアント・デバイス、サーバ、ネットワーク接続型ストレージ(NAS:network attached storage)、他のバックエンド・デバイス、及び/又は他のデバイス・タイプを含み得る。クライアント・デバイス、サーバ、及び/又は他のデバイス・タイプ(たとえば、各デバイス)は、
図12の計算デバイス1200の1つ又は複数のインスタンスで実装され得、たとえば、各デバイスは、計算デバイス1200の類似の構成要素、特徴、及び/又は機能性を含み得る。加えて、バックエンド・デバイス(たとえば、サーバ、NASなど)が、実装される場合、バックエンド・デバイスは、データ・センタ1300の一部として含まれ得、その実例は、
図13に関して本明細書でさらに詳述される。
【0202】
ネットワーク環境の構成要素は、ワイヤード、ワイヤレス、又はその両方でもよい、ネットワークを介して互いに通信し得る。ネットワークは、複数のネットワーク、又はネットワークのネットワークを含み得る。実例として、ネットワークは、1つ若しくは複数のワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、1つ若しくは複数のローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、1つ若しくは複数のパブリック・ネットワーク、たとえば、インターネット及び/若しくは公衆交換電話網(PSTN)、並びに/又は1つ若しくは複数のプライベート・ネットワークを含み得る。ネットワークが、ワイヤレス電気通信ネットワークを含む場合、構成要素、たとえば、基地局、通信塔、或いはアクセス・ポイント(並びに他の構成要素)、は、ワイヤレス接続を提供し得る。
【0203】
互換性のあるネットワーク環境は、1つ又は複数のピア・ツー・ピア・ネットワーク環境(その場合、サーバはネットワーク環境に含まれないことがある)と、1つ又は複数のクライアント・サーバ・ネットワーク環境(その場合、1つ又は複数のサーバがネットワーク環境に含まれ得る)とを含み得る。ピア・ツー・ピア・ネットワーク環境では、サーバに関して本明細書に記載した機能性は、任意の数のクライアント・デバイスで実装され得る。
【0204】
少なくとも1つの実施例において、ネットワーク環境は、1つ又は複数のクラウドベースのネットワーク環境、分散型計算環境、その組合せなどを含み得る。クラウドベースのネットワーク環境は、フレームワーク層、ジョブ・スケジューラ、資源マネージャ、並びに、1つ若しくは複数のコア・ネットワーク・サーバ及び/又はエッジ・サーバを含み得る、サーバのうちの1つ又は複数で実装された分散型ファイル・システムを含み得る。フレームワーク層は、ソフトウェア層のソフトウェア及び/又はアプリケーション層の1つ若しくは複数のアプリケーションをサポートするために、フレームワークを含み得る。ソフトウェア又はアプリケーションは、それぞれ、ウェブベースのサービス・ソフトウェア又はアプリケーションを含み得る。実施例において、クライアント・デバイスのうちの1つ又は複数は、ウェブベースのサービス・ソフトウェア又はアプリケーションを使用し得る(たとえば、1つ又は複数のアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を介してサービス・ソフトウェア及び/又はアプリケーションにアクセスすることによって)。フレームワーク層は、たとえば大規模データ処理(たとえば、「ビッグ・データ」)のための分散型ファイル・システムを使用し得る、フリー及びオープン・ソース・ソフトウェア・ウェブ・アプリケーション・フレームワークのタイプでもよいが、これに限定されない。
【0205】
クラウドベースのネットワーク環境は、本明細書に記載の計算及び/又はデータ・ストレージ機能(又は1つ若しくは複数のその部分)の任意の組合せを実施するクラウド計算及び/又はクラウド・ストレージを提供し得る。これらの様々な機能のいずれも、セントラル又はコア・サーバ(たとえば、州、領域、国、世界にわたって分散され得る1つ又は複数のデータ・センタなどの)から複数の場所に分散され得る。ユーザ(たとえば、クライアント・デバイス)への接続が、エッジ・サーバに比較的近い場合、コア・サーバは、機能性の少なくとも一部分をエッジ・サーバに任じ得る。クラウドベースのネットワーク環境は、プライベート(たとえば、単一の組織に制限される)でもよく、パブリック(たとえば、多数の組織に利用可能)、及び/又はその組合せ(たとえば、ハイブリッド・クラウド環境)でもよい。
【0206】
クライアント・デバイスは、
図12に関して本明細書に記載の例示的計算デバイス1200の構成要素、特徴、及び機能性のうちの少なくともいくつかを含み得る。実例として、及び制限ではなく、クライアント・デバイスは、パーソナル・コンピュータ(PC)、ラップトップ・コンピュータ、モバイル・デバイス、スマートフォン、タブレット・コンピュータ、スマート・ウォッチ、ウェアラブル・コンピュータ、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、MP3プレーヤ、仮想現実ヘッドセット、全地球測位システム(GPS)又はデバイス、ビデオ・プレイヤ、ビデオカメラ、監視デバイス又はシステム、車両、ボート、飛行船、仮想マシン、ドローン、ロボット、ハンドヘルド通信デバイス、病院デバイス、ゲーミング・デバイス又はシステム、娯楽システム、車両コンピュータ・システム、組み込み型システム・コントローラ、リモート制御、器具、民生用電子デバイス、ワークステーション、エッジ・デバイス、これらの描写されたデバイスの任意の組合せ、或いは任意の他の適切なデバイスとして実施され得る。
【0207】
本開示は、コンピュータ又は、携帯情報端末若しくは他のハンドヘルド・デバイスなどの、他のマシンによって実行されている、プログラム・モジュールなどのコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータ・コード又はマシン使用可能命令との一般的関連において説明されることがある。一般に、ルーティン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造体などを含むプログラム・モジュールは、特定のタスクを実行する又は特定の抽象データ・タイプを実装するコードを指す。本開示は、ハンドヘルド・デバイス、家電製品、汎用コンピュータ、より特殊な計算デバイスなどを含む、様々な構成で実施され得る。本開示はまた、通信ネットワークを介してリンクされた遠隔処理デバイスによってタスクが実行される分散型コンピューティング環境において実施され得る。
【0208】
本明細書では、2個以上の要素に関する「及び/又は」の記述は、1つの要素のみ、又は要素の組合せを意味すると解釈されるべきである。たとえば、「要素A、要素B、及び/又は要素C」は、要素Aのみ、要素Bのみ、要素Cのみ、要素A及び要素B、要素A及び要素C、要素B及び要素C、或いは、要素A、B、及びCを含み得る。加えて、「要素A又は要素Bのうちの少なくとも1つ」は、要素Aの少なくとも1つ、要素Bの少なくとも1つ、或いは、要素Aの少なくとも1つ及び要素Bの少なくとも1つを含み得る。さらに、「要素A及び要素Bのうちの少なくとも1つ」は、要素Aのうちの少なくとも1つ、要素Bのうちの少なくとも1つ、或いは、要素Aのうちの少なくとも1つ及び要素Bのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0209】
本開示の主題は、法定の要件を満たすために特異性を有して記述されている。しかしながら、その記述自体が本開示の範囲を制限することは意図されていない。そうではなくて、本発明者は、請求されている主題が、他の現在の又は未来の技術と併せて、異なるステップ又は本文書に記載されたものと類似のステップの組合せを含むように、他の形で実施され得ることを意図している。さらに、「ステップ」及び/又は「ブロック」という用語は、使用される方法の異なる要素を含意するように本明細書で使用され得るが、これらの用語は、個別のステップの順番が明示的に記載されていない限り及びそのように記載されているときを除いて本明細書で開示される様々なステップの間に何らかの特定の順番を暗示するものとして解釈されるべきではない。
【国際調査報告】