(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】リアルタイム圧力勾配測定に基づく薬物療法パーソナライズ方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20230125BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
A61F2/24
A61B5/00 102C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021574844
(86)(22)【出願日】2020-12-03
(85)【翻訳文提出日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 US2020063020
(87)【国際公開番号】W WO2021113449
(87)【国際公開日】2021-06-10
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エラン・ゴールドバーグ
(72)【発明者】
【氏名】ノーム・ニア
【テーマコード(参考)】
4C097
4C117
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB06
4C097BB10
4C097SB03
4C097SB10
4C117XB01
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4C117XC21
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4C117XE60
4C117XE62
4C117XE64
4C117XH02
4C117XH16
(57)【要約】
人工弁であって、フレーム、およびフレーム内に少なくとも部分的に位置付けられて、人工弁を通る血流を調整する弁尖から構成される、人工弁と、人工弁と関連付けられた少なくとも1つのセンサであって、流量センサ、圧力センサ、および温度センサからなる群から選択される、少なくとも1つのセンサ、ローカル制御回路、信号を無線伝送するように構成された少なくとも1つの通信構成要素、ならびに患者に固定するように構成されて、自己出力型エネルギー採取機構およびエネルギー貯蔵部材を備えるエネルギー採取電源から構成される、監視装置とから構成され、エネルギー貯蔵部材が、自己出力型エネルギー採取機構によって生成されたエネルギーを貯蔵するように構成され、エネルギー採取電源が、少なくとも1つのセンサ、ローカル制御回路、および/または少なくとも1つの通信構成要素に電力を供給するように構成される、弁監視アセンブリ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工弁であって、
流入端部および流出端部を有するフレーム、ならびに
前記フレーム内に少なくとも部分的に位置付けられて、前記人工弁を通る血液の流れを調整するように構成された複数の弁尖
を備える、人工弁と、
前記人工弁と関連付けられた少なくとも1つのセンサであって、流量センサ、圧力センサ、および温度センサからなる群から選択される、少なくとも1つのセンサ、
前記少なくとも1つのセンサと通信するローカル制御回路、
前記ローカル制御回路と通信して、信号を無線伝送するように構成された少なくとも1つの通信構成要素、ならびに
患者に固定するように構成されて、自己出力型エネルギー採取機構およびエネルギー貯蔵部材を備えるエネルギー採取電源
を備える、監視装置と、
を備え、
前記エネルギー貯蔵部材が、前記自己出力型エネルギー採取機構によって生成されたエネルギーを貯蔵するように構成され、
前記エネルギー採取電源が、前記少なくとも1つのセンサ、前記ローカル制御回路、および/または前記少なくとも1つの通信構成要素に電力を供給するように構成される、弁監視アセンブリ。
【請求項2】
前記エネルギー採取電源が前記ローカル制御回路に連結される、請求項1に記載の弁監視アセンブリ。
【請求項3】
前記エネルギー採取電源が、前記患者の組織への前記エネルギー採取電源の取付けを容易にするように構成された第1の組織係合特徴部をさらに備える、請求項1に記載の弁監視アセンブリ。
【請求項4】
前記自己出力型エネルギー採取機構が、
外部から加えられた加速度をその揺動回転運動に変換するように構成された揺動錘と、
機械的荷重に連結されて、前記揺動回転運動を一方向回転に変換するように構成された機械式整流器と、
前記機械式整流器に連結されたばねと、
前記ばねに連結されて、前記ばねの運動を電気信号に変換するように構成された電磁マイクロ発電機と、
を備える時計仕掛け式エネルギー採取機構である、請求項1から3のいずれか一項に記載の弁監視アセンブリ。
【請求項5】
前記自己出力型エネルギー採取機構が、少なくとも1つの太陽電池を備えるソーラーモジュールを備える太陽エネルギー採取機構である、請求項1から3のいずれか一項に記載の弁監視アセンブリ。
【請求項6】
前記太陽エネルギー採取機構が、前記ソーラーモジュールに機能的に連結される電力変換器をさらに備える、請求項5に記載の弁監視アセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの通信構成要素が、リモート通信構成要素と、ローカル通信構成要素と、を備え、
前記リモート通信構成要素が、前記太陽エネルギー採取機構によって生成されたエネルギーを前記ローカル通信構成要素に無線伝送するように構成される、請求項5または6に記載の弁監視アセンブリ。
【請求項8】
前記リモート通信構成要素が、前記エネルギー貯蔵部材に貯蔵された前記エネルギーを前記ローカル通信構成要素に電磁的に伝送するように構成されたコイルアンテナを備える、請求項7に記載の弁監視アセンブリ。
【請求項9】
前記リモート通信構成要素が、前記エネルギー貯蔵部材に貯蔵された前記エネルギーを前記ローカル通信構成要素に伝送するように構成された超音波トランスデューサを備える、請求項7に記載の弁監視アセンブリ。
【請求項10】
前記監視装置が、前記ローカル制御回路および前記少なくとも1つのセンサに接続されて、前記ローカル制御回路と前記少なくとも1つのセンサとの間で信号を送達するように構成された、少なくとも1つの通信チャネルをさらに備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の弁監視アセンブリ。
【請求項11】
前記人工弁が、半径方向圧縮状態と半径方向拡張状態との間で半径方向に拡張可能かつ圧縮可能であり、
前記フレームが、支柱部の間に結合された複数のセルを備え、
前記少なくとも1つの通信チャネルが、前記支柱部の少なくともいくつかに沿って延在する、請求項10に記載の弁監視アセンブリ。
【請求項12】
前記人工弁が、少なくとも1つのアクチュエータアセンブリをさらに備え、
各アクチュエータアセンブリが、
前記流出端部に取り付けられた外側部材と、
前記流入端部に取り付けられて、前記外側部材の管腔内に部分的に配設された内側部材と、
を備え、
前記少なくとも1つのアクチュエータアセンブリを作動させると、前記人工弁が、半径方向圧縮状態から半径方向拡張状態に拡張可能であり、
前記少なくとも1つのセンサが、前記少なくとも1つのアクチュエータアセンブリの前記外側部材に取り付けられる、請求項1から10のいずれか一項に記載の弁監視アセンブリ。
【請求項13】
前記フレームが、前記流入端部における剛性リングと、前記剛性リングから近位に延在する複数の交連ポストと、を備え、
前記少なくとも1つのセンサが、前記複数の交連ポストのうちの少なくとも1つに取り付けられる、請求項1から10のいずれか一項に記載の弁監視アセンブリ。
【請求項14】
前記少なくとも1つのセンサが、前記ローカル制御回路内に埋め込まれる、請求項1から13のいずれか一項に記載の弁監視アセンブリ。
【請求項15】
前記人工弁が、前記少なくとも1つのセンサと係合するように構成された、少なくとも1つの監視係合部材をさらに備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の弁監視アセンブリ。
【請求項16】
前記監視装置が、プロセッサと通信して、前記センサによって検知された信号および/または前記プロセッサによって処理されたデータを保存するように構成された、メモリ部材をさらに備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の弁監視アセンブリ。
【請求項17】
前記少なくとも1つのセンサが、前記人工弁に連結される、請求項1から16のいずれか一項に記載の弁監視アセンブリ。
【請求項18】
前記少なくとも1つのセンサが、前記流入端部に連結された第1の圧力センサと、前記流出端部に連結された第2の圧力センサと、を備える、請求項17に記載の弁監視アセンブリ。
【請求項19】
前記少なくとも1つのセンサが、前記患者の組織への前記少なくとも1つのセンサの取付けを容易にするように構成された第2の組織係合特徴部を備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の弁監視アセンブリ。
【請求項20】
前記少なくとも1つのセンサが、前記ローカル制御回路に動作可能に連結される、請求項1から19のいずれか一項に記載の弁監視アセンブリ。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか一項に記載の弁監視アセンブリと、
外部リーダユニットであって、
前記監視装置の前記少なくとも1つの通信構成要素と無線通信するように構成された少なくとも1つのリーダ通信構成要素、
前記外部リーダユニットの機能を制御するように構成されたリーダプロセッサ、ならびに
前記監視装置から伝送されたデータおよび/または前記リーダプロセッサによって処理されたデータを保存するように構成されたリーダ記憶部材
を備える、外部リーダユニットと、
を備える、弁監視システム。
【請求項22】
前記外部リーダユニットが、外部リモートディスプレイと、外部リモート入力インタフェースと、をさらに備える、請求項21に記載の弁監視システム。
【請求項23】
少なくとも1つの外部リモート監視デバイスであって、
前記外部リーダユニットと通信するように構成された外部リモート通信構成要素と、
前記外部リモート監視デバイスの機能を制御するように構成された外部リモートプロセッサと、
前記外部リーダユニットから伝送されたデータおよび/または前記外部リモートプロセッサによって処理されたデータを保存するように構成された外部リモート記憶部材と、
外部リモートディスプレイと、
外部リモート入力インタフェースと、
を備える、少なくとも1つの外部リモート監視デバイスをさらに備える、請求項21または22に記載の弁監視システム。
【請求項24】
心臓弁監視方法であって、
監視装置の少なくとも1つの埋め込まれたセンサで、患者の心臓弁における流れ特性を測定するステップであって、前記流れ特性が、血流、血圧、および温度からなる群から選択される、ステップと、
前記監視装置の通信構成要素を介して、測定データを外部リーダユニットの少なくとも1つのリーダ通信構成要素に無線伝送するステップと、
第1のルールセットに従って測定データをプロセッサで分析するステップと、
前記分析からもたらされた少なくとも1つの推奨治療プロトコールを前記プロセッサで判定するステップと、
前記少なくとも1つの推奨プロトコールを前記プロセッサでディスプレイ上に表示するステップと、
測定データを前記プロセッサで記憶部材に記憶させるステップと、
を含む、心臓弁監視方法。
【請求項25】
自己出力型エネルギー採取機構を前記患者に固定するステップと、
前記自己出力型エネルギー採取機構によってエネルギーを採取するステップと、
前記採取されたエネルギーをエネルギー貯蔵部材に貯蔵するステップと、
前記貯蔵されたエネルギーに応じて、前記少なくとも1つの埋め込まれたセンサおよび/または前記通信構成要素に電力を供給するステップと、
をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
監視される心臓弁が自然心臓弁であり、
前記判定するステップが、人工弁を前記自然心臓弁の中に埋め込まなければならないかどうかを判定することを含む、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
監視される心臓弁が人工心臓弁であり、
前記判定するステップが、バルブインバルブ処置を実施しなければならないかどうかを判定することを含む、請求項24または25に記載の方法。
【請求項28】
監視される心臓弁が人工心臓弁であり、
前記判定するステップが、薬物療法プロトコールを推奨しなければならないかどうかを判定することを含み、もし推奨する場合は、薬物療法の推奨されるレジメンを決定する、請求項24または25に記載の方法。
【請求項29】
前記第1のルールセットに従って分析するステップが、患者の年齢、付随する疾患、薬物感受性、現在投与されている薬物、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、補足の患者データと組み合わせて前記測定データを分析することを含む、請求項24から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記第1のルールセットに従って分析するステップが、心拍数モニタ、加速度計、および/または姿勢センサから得られる追加のデータと組み合わせて前記測定データを分析することを含む、請求項24から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
測定データを閾値と比較するステップと、
それに続く、前記比較の結果として異常な弁関連状態が検出されたかどうかを判定するステップと、
をさらに含み、
その両方のステップが、前記流れ特性を測定するステップの後、かつ、前記測定データを分析するステップの前に実行される、請求項24から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも1つのリーダ通信構成要素を介して、外部リモート監視デバイスの外部リモート通信構成要素に測定データを伝送するステップをさらに含む、請求項24から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記測定データを伝送するステップの後に、現在、以前に推奨された薬物療法を受けている患者に応じて、
記憶された測定データを前記プロセッサで記憶部材から読み出すステップと、
第2のルールセットに従って現在の測定データを前記読み出された測定データと組み合わせて前記プロセッサで分析するステップと、
現在の薬物療法レジメンを修正しなければならないかどうかを前記プロセッサで判定するステップと、
前記現在の薬物療法レジメンに対して推奨される方針を前記プロセッサで前記ディスプレイ上に表示するステップと、
を実行することをさらに含む、請求項24または25に記載の方法。
【請求項34】
前記第2のルールセットに従って分析するステップが、患者の年齢、付随する疾患、薬物感受性、現在投与されている薬物、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、補足の患者データと組み合わせて前記測定データを分析することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第2のルールセットに従って分析するステップが、心拍数モニタ、加速度計、および/または姿勢センサから得られる追加のデータと組み合わせて前記測定データを分析することを含む、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
薬物療法プロトコールによって治療されてもよい状態を監視するための方法であって、
監視装置の少なくとも1つの埋め込まれたセンサで、患者の心臓弁における流れ特性を測定するステップであって、前記流れ特性が、血流、血圧、および温度からなる群から選択される、ステップと、
前記監視装置の通信構成要素を介して、測定データを外部リーダユニットの少なくとも1つのリーダ通信構成要素に無線伝送するステップと、
第1のルールセットに従って測定データをプロセッサで分析するステップと、
少なくとも1つの薬物療法プロトコールを推奨しなければならないかどうかを前記プロセッサで判定するステップであって、もし推奨する場合は、前記分析からもたらされた薬物療法の推奨されるレジメンを決定する、ステップと、
前記少なくとも1つの推奨プロトコールを前記プロセッサでディスプレイ上に表示するステップと、
測定データを前記プロセッサで記憶部材に記憶させるステップと、
を含む、方法。
【請求項37】
自己出力型エネルギー採取機構を前記患者に固定するステップと、
前記自己出力型エネルギー採取機構によってエネルギーを採取するステップと、
前記採取されたエネルギーをエネルギー貯蔵部材に貯蔵するステップと、
前記貯蔵されたエネルギーに応じて、前記少なくとも1つの埋め込まれたセンサおよび/または前記通信構成要素に電力を供給するステップと、
をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第1のルールセットに従って分析するステップが、患者の年齢、付随する疾患、薬物感受性、現在投与されている薬物、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、補足の患者データと組み合わせて前記測定データを分析することを含む、請求項36または37に記載の方法。
【請求項39】
前記第1のルールセットに従って分析するステップが、心拍数モニタ、加速度計、および/または姿勢センサから得られる追加のデータと組み合わせて前記測定データを分析することを含む、請求項36から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
測定データを閾値と比較するステップと、
それに続く、前記比較の結果として異常状態が検出されたかどうかを判定するステップと、
をさらに含み、
その両方のステップが、前記流れ特性を測定するステップの後、かつ、前記測定データを分析するステップの前に実行される、請求項36から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記少なくとも1つのリーダ通信構成要素を介して、外部リモート監視デバイスの外部リモート通信構成要素に測定データを伝送するステップをさらに含む、請求項36から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記測定データを伝送するステップの後に、現在、以前に推奨された薬物療法を受けている患者に応じて、
記憶された測定データを前記プロセッサで記憶部材から読み出すステップと、
第2のルールセットに従って現在の測定データを前記読み出された測定データと組み合わせて前記プロセッサで分析するステップと、
現在の薬物療法レジメンを修正しなければならないかどうかを前記プロセッサで判定するステップと、
前記現在の薬物療法レジメンに対して推奨される方針を前記プロセッサで前記ディスプレイ上に表示するステップと、
を実行することをさらに含む、請求項36から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記第2のルールセットに従って分析するステップが、患者の年齢、付随する疾患、薬物感受性、現在投与されている薬物、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、補足の患者データと組み合わせて前記測定データを分析することを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記第2のルールセットに従って分析するステップが、心拍数モニタ、加速度計、および/または姿勢センサから得られる追加のデータと組み合わせて前記測定データを分析することを含む、請求項42または43に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁の機能に関連付けてもよい状態の検出を可能にするために、人工弁などの心臓弁を監視するためのデバイスおよびシステム、ならびに、心臓弁機能、または、薬物療法プロトコールによって治療することができる他の状態のいずれかと関連付けられた監視データに基づいて治療推奨を提供するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大動脈弁、肺動脈弁、および僧帽弁などの自然心臓弁は、心血管系全体に血液を供給するために、心臓からの適切な方向の流れおよび心臓への適切な方向の流れ、ならびに心腔間の適切な方向の流れを保証するように機能する。さまざまな弁膜症により、弁が無効となり、人工弁との交換が必要となる可能性がある。外科的処置は、心臓弁を修復または交換するために実行することができる。手術は、多くの臨床的合併症を起こしやすいので、カテーテル上の人工心臓弁を送達して、正常に動作しない自然弁上に人工心臓弁を埋め込む代替の低侵襲技術が、長年にわたって開発されてきた。
【0003】
バルーン拡張可能な弁、自己拡張可能な弁、および機械的に拡張可能な弁を含む、さまざまな種類の人工心臓弁が、現在までに知られている。送達および埋め込みのさまざまな方法も知られており、埋め込みの部位および人工弁の種類によって変えることができる。1つの例示的な技術は、患者の大腿動脈または腸骨動脈に位置付けることができる切開から、正常に動作しない自然弁の方へ、クリンプされた状態で人工弁を送達するための送達アセンブリの利用を含む。人工弁を埋め込みの望ましい部位に適切に位置付けると、人工弁を自然弁の弁輪などの周囲の解剖学的構造に対して拡張させることができ、送達アセンブリは、その後、取り出すことができる。
【0004】
埋め込まれた人工心臓弁と関連付けられることがある合併症の1つは、人工構造物上の血栓形成であり、それは、弁尖運動性の減少または接合の低下、有効な弁オリフィス領域の減少、弁内外の圧力勾配の増加、あるいは、弁内外の逆流をもたらす可能性がある。さまざまな短期間または長期間の抗凝固療法レジメンが、血栓症を防止するために示されてきた。しかしながら、それぞれの患者は、出血の危険性を増加させる可能性がある複数の共存症を有することがあり、それは、障害を引き起こすまたは致死性の卒中につながることがあるので、定期的な処置後の抗凝固療法は危険である可能性がある。たとえば、弁埋め込み後の最初の3カ月間、出血の危険性が高いため、抗凝固療法の治療ウインドウはより狭くなる。しかしながら、心臓弁血栓症の危険性は、最初の3カ月以内に限定することはできず、実際、弁埋め込み後1年を越えても持続することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,730,118号
【特許文献2】米国特許第7,393,360号
【特許文献3】米国特許第7,510,575号
【特許文献4】米国特許第7,993,394号
【特許文献5】米国特許第8,252,202号
【特許文献6】米国特許出願第62/614,299号
【特許文献7】米国特許第9,827,093号
【特許文献8】米国特許出願公開第2019/0060057号
【特許文献9】米国特許出願公開第2018/0153689号
【特許文献10】米国特許出願公開第2018/0344456号
【特許文献11】米国特許出願第62/870,372号
【特許文献12】米国特許出願第62/776,348号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
無症状弁血栓症の早期同定は、患者管理に重要であることがあるが、それは、治療しないまま放置すると、オリフィス有効面積の減少および弁機能障害をもたらすことがあり、場合によっては、重大な弁血栓症に変わることがあるためである。このことは、長期の抗血小板治療または抗凝固治療の危険性および効果の慎重な評価に関して、継続的な弁監視の重要性を強調している。超音波またはCTなどの従来の処置後撮像技術は、継続的な弁監視には不向きである。それは、外部超音波検出器によって提供される解像度が、無症状血栓形成またはそれと関連付けられる流動関連障害を検出することができず、高解像度のCT撮像が、患者を放射線の追加の危険にさらすことがある、複雑かつ高価な処置であるためである。よって、弁機能と関連付けることができる状態を早期に検出し、それにより、最適な予防および治療プロトコールの推奨の考案を支援するために、弁のルーチンの継続的な監視を提供することができるデバイス、システム、および方法の改善の必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、心臓弁の機能の継続的な監視のためのデバイスおよびシステムに関する。監視装置は、自然または人工心臓弁の近傍の流れ特性(たとえば、血流または血圧)を測定するように構成された少なくとも1つのセンサと、外部リーダユニットに少なくとも1つのセンサで測定されたデータ(すなわち、生データおよび/または処理済データ)を無線伝送するように構成された通信構成要素とを含む。自然弁および/または人工弁などの弁の近傍の流れ特性を監視することによって、弁の機能、ならびに、そのような機能に影響を与えることがある病的状態を、推測することができる。
【0008】
本開示はさらに、上記のデバイスおよびシステムによって提供される測定データに基づいて、心臓弁の機能異常と関連付けられることがある状態を早期に検出するための方法と、分析された測定データに基づいて、予防および/または治療プロトコールの推奨を提供するための方法とに関する。
【0009】
本発明の1つの態様によると、人工弁と監視装置とを備える弁監視アセンブリが提供される。人工弁は、流入端部および流出端部を有するフレームと、フレーム内に少なくとも部分的に位置付けられて、人工弁を通る血液の流れを調整するように構成された複数の弁尖とを備える。監視装置は、人工弁と関連付けられた少なくとも1つのセンサと、プロセッサを備えるローカル制御回路と、少なくとも1つの通信構成要素と、エネルギー採取電源とを備える。
【0010】
少なくとも1つのセンサは、流量センサ、圧力センサ、および温度センサからなる群から選択される。ローカル制御回路は、少なくとも1つのセンサと通信する。少なくとも1つの通信構成要素は、ローカル制御回路と通信し、信号を無線伝送するように構成される。エネルギー採取電源は、患者に固定されるように構成されて、自己出力型エネルギー採取機構およびエネルギー貯蔵部材を備え、エネルギー貯蔵部材は、自己出力型エネルギー採取機構によって生成されたエネルギーを貯蔵するように構成される。エネルギー採取電源は、少なくとも1つのセンサ、ローカル制御回路、および/または少なくとも1つの通信構成要素に電力を供給するように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態によると、エネルギー採取電源はローカル制御回路に連結される。
【0012】
いくつかの実施形態によると、エネルギー採取電源は、患者の組織へのエネルギー採取電源の取付けを容易にするように構成された第1の組織係合特徴部をさらに備える。
【0013】
いくつかの実施形態によると、自己出力型エネルギー採取機構は、揺動錘と、機械式整流器と、ばねと、電磁マイクロ発電機とを備える時計仕掛け式エネルギー採取機構である。揺動錘は、外部から加えられた加速度をその揺動回転運動に変換するように構成される。機械式整流器は、機械的荷重に連結されて、揺動回転運動を一方向回転に変換するように構成される。ばねは機械式整流器に連結される。電磁マイクロ発電機は、ばねに連結させて、ばねの運動を電気信号に変換するように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態によると、自己出力型エネルギー採取機構は、少なくとも1つの太陽電池を有するソーラーモジュールを備える太陽エネルギー採取機構である。
【0015】
いくつかの実施形態によると、太陽エネルギー採取機構は、ソーラーモジュールに機能的に連結される電力変換器をさらに備える。
【0016】
いくつかの実施形態によると、少なくとも1つの通信構成要素は、リモート通信構成要素とローカル通信構成要素とを備え、リモート通信構成要素は、太陽エネルギー採取機構によって生成されたエネルギーをローカル通信構成要素に無線伝送するように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態によると、リモート通信構成要素は、エネルギー貯蔵部材に貯蔵されたエネルギーをローカル通信構成要素に電磁的に伝送するように構成されたコイルアンテナを備える。
【0018】
いくつかの実施形態によると、リモート通信構成要素は、エネルギー貯蔵部材に貯蔵されたエネルギーをローカル通信構成要素に伝送するように構成された超音波トランスデューサを備える。
【0019】
いくつかの実施形態によると、監視装置は、ローカル制御回路および少なくとも1つのセンサに接続されて、その間で信号を送達するように構成された少なくとも1つの通信チャネルをさらに備える。
【0020】
いくつかの実施形態によると、人工弁は、半径方向圧縮状態と半径方向拡張状態との間で半径方向に拡張可能かつ圧縮可能であり、フレームは、支柱部の間に結合された複数のセルを備え、少なくとも1つの通信チャネルは、支柱部の少なくともいくつかに沿って延在する。
【0021】
いくつかの実施形態によると、人工弁は、少なくとも1つのアクチュエータアセンブリをさらに備え、各アクチュエータアセンブリは、流出端部に取り付けられた外側部材と、流入端部に取り付けられて、外側部材の管腔内に部分的に配設された内側部材とを備える。少なくとも1つのアクチュエータアセンブリを作動させると、人工弁は、半径方向圧縮状態から半径方向拡張状態に拡張可能である。少なくとも1つのセンサは、少なくとも1つのアクチュエータアセンブリの外側部材に取り付けられる。
【0022】
いくつかの実施形態によると、フレームは、流入端部の剛性リングと、剛性リングから近位に延在する複数の交連ポストとを備え、少なくとも1つのセンサは、複数の交連ポストのうちの少なくとも1つに取り付けられる。
【0023】
いくつかの実施形態によると、少なくとも1つのセンサは、制御回路内に埋め込まれる。
【0024】
いくつかの実施形態によると、人工弁は、少なくとも1つのセンサと係合するように構成された、少なくとも1つの監視係合部材をさらに備える。
【0025】
いくつかの実施形態によると、監視装置は、プロセッサと通信して、センサによって検知された信号および/またはプロセッサによって処理されたデータを保存するように構成された、メモリ部材をさらに備える。
【0026】
いくつかの実施形態によると、少なくとも1つのセンサは、人工弁に連結される。
【0027】
いくつかの実施形態によると、少なくとも1つのセンサは、流入端部に連結された第1の圧力センサと、流出端部に連結された第2の圧力センサとを備える。
【0028】
いくつかの実施形態によると、少なくとも1つのセンサは、患者の組織への少なくとも1つのセンサの取付けを容易にするように構成された第2の組織係合特徴部を備える。
【0029】
いくつかの実施形態によると、少なくとも1つのセンサは、ローカル制御回路に動作可能に連結される。
【0030】
いくつかの実施形態によると、弁監視アセンブリと外部リーダユニットとを備える弁監視システムが提供される。外部リーダユニットは、少なくとも1つのリーダ通信構成要素と、外部リーダユニットの機能を制御するように構成されたリーダプロセッサと、リーダ記憶部材とを備える。少なくとも1つのリーダ通信構成要素は、監視装置の少なくとも1つの通信構成要素と無線通信するように構成される。リーダ記憶部材は、監視装置から送信されたデータおよび/またはリーダプロセッサによって処理されたデータを保存するように構成される。
【0031】
いくつかの実施形態によると、外部リーダユニットは、外部リモートディスプレイと外部リモート入力インタフェースとをさらに備える。
【0032】
いくつかの実施形態によると、弁監視システムは、外部リモート通信構成要素と、外部リモートプロセッサと、外部リモート記憶部材と、外部リモートディスプレイと、外部リモート入力インタフェースとを備える、少なくとも1つの外部リモート監視デバイスをさらに備える。外部リモート通信構成要素は、外部リーダユニットと通信するように構成される。外部リモートプロセッサは、外部リモート監視デバイスの機能を制御するように構成される。外部リモート記憶部材は、外部リーダユニットから伝送されたデータおよび/または外部リモートプロセッサによって処理されたデータを保存するように構成される。
【0033】
本発明の別の態様によると、監視装置の少なくとも1つの埋め込まれたセンサで、患者の心臓弁における流れ特性を測定するステップと、監視装置の通信構成要素を介して、測定データを外部リーダユニットの少なくとも1つのリーダ通信構成要素に無線伝送するステップと、第1のルールセットに従って測定データをプロセッサで分析するステップと、分析からもたらされた少なくとも1つの推奨治療プロトコールをプロセッサで判定するステップと、少なくとも1つの推奨プロトコールをプロセッサでディスプレイ上に表示するステップと、測定データをプロセッサで記憶部材に記憶させるステップとを含む、心臓弁監視方法が提供される。流れ特性は、血流、血圧、および温度からなる群から選択される。測定データを記憶させるステップは、本方法の任意の他のステップの後に実行することができる。
【0034】
いくつかの実施形態によると、本方法は、自己出力型エネルギー採取機構を患者に固定するステップと、自己出力型エネルギー採取機構によってエネルギーを採取するステップと、採取されたエネルギーをエネルギー貯蔵部材に貯蔵するステップと、貯蔵されたエネルギーに応じて、少なくとも1つの埋め込まれたセンサおよび/または通信構成要素に電力を供給するステップとをさらに含む。
【0035】
いくつかの実施形態によると、監視される心臓弁は自然心臓弁であり、判定するステップは、人工弁を自然弁の中に埋め込まなければならないかどうかを判定することを含む。
【0036】
いくつかの実施形態によると、監視される心臓弁は人工心臓弁であり、判定するステップは、バルブインバルブ処置を実施しなければならないかどうかを判定することを含む。
【0037】
いくつかの実施形態によると、監視される心臓弁は人工心臓弁であり、判定するステップは、薬物療法プロトコールを推奨しなければならないかどうかを判定することを含み、もし推奨する場合は、薬物療法の推奨されるレジメンを決定する。
【0038】
いくつかの実施形態によると、第1のルールセットに従って分析するステップは、患者の年齢、付随する疾患、薬物感受性、現在投与されている薬物、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、補足の患者データと組み合わせて測定データを分析することを含む。
【0039】
いくつかの実施形態によると、第1のルールセットに従って分析するステップは、心拍数モニタ、加速度計、および/または姿勢センサから得られる追加のデータと組み合わせて測定データを分析することを含む。
【0040】
いくつかの実施形態によると、本方法は、測定データを閾値と比較するステップ、それに続く、比較の結果として異常な弁関連状態が検出されたかどうかを判定するステップをさらに含み、その両方のステップが、流れ特性を測定するステップの後、かつ、測定データを分析するステップの前に実行される。
【0041】
いくつかの実施形態によると、本方法は、少なくとも1つのリーダ通信構成要素を介して、外部リモート監視デバイスの外部リモート通信構成要素に測定データを伝送するステップをさらに含む。
【0042】
いくつかの実施形態によると、本方法は、測定データを伝送するステップの後に、現在、以前に推奨された薬物療法を受けている患者に応じて、記憶された測定データをプロセッサで記憶部材から読み出すステップと、第2のルールセットに従って現在の測定データを読み出された測定データと組み合わせてプロセッサで分析するステップと、現在の薬物療法レジメンを修正しなければならないかどうかをプロセッサで判定するステップと、現在の薬物療法レジメンに対して推奨される方針をプロセッサでディスプレイ上に表示するステップとを実行することをさらに含む。
【0043】
いくつかの実施形態によると、第2のルールセットに従って分析するステップは、患者の年齢、付随する疾患、薬物感受性、現在投与されている薬物、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、補足の患者データと組み合わせて測定データを分析することを含む。
【0044】
いくつかの実施形態によると、第2のルールセットに従って分析するステップは、心拍数モニタ、加速度計、および/または姿勢センサから得られる追加のデータと組み合わせて測定データを分析することを含む。
【0045】
本発明の別の態様によると、監視装置の少なくとも1つの埋め込まれたセンサで、患者の心臓弁における流れ特性を測定するステップと、監視装置の通信構成要素を介して、測定データを外部リーダユニットの少なくとも1つのリーダ通信構成要素に無線伝送するステップと、第1のルールセットに従って測定データをプロセッサで分析するステップと、少なくとも1つの薬物療法プロトコールを推奨しなければならないかどうかをプロセッサで判定するステップであって、もし推奨する場合は、分析からもたらされた薬物療法の推奨されるレジメンを決定する、ステップと、少なくとも1つの推奨プロトコールをプロセッサでディスプレイ上に表示するステップと、測定データを記憶部材に記憶させるステップとを含む、薬物療法プロトコールによって治療されてもよい状態を監視するための方法が提供される。流れ特性は、血流、血圧、および温度からなる群から選択される。測定データを記憶させるステップは、本方法の任意の他のステップの後に実行することができる。
【0046】
いくつかの実施形態によると、本方法は、自己出力型エネルギー採取機構を患者に固定するステップと、自己出力型エネルギー採取機構によってエネルギーを採取するステップと、採取されたエネルギーをエネルギー貯蔵部材に貯蔵するステップと、貯蔵されたエネルギーに応じて、少なくとも1つの埋め込まれたセンサおよび/または通信構成要素に電力を供給するステップとをさらに含む。
【0047】
いくつかの実施形態によると、第1のルールセットに従って分析するステップは、患者の年齢、付随する疾患、薬物感受性、現在投与されている薬物、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、補足の患者データと組み合わせて測定データを分析することを含む。
【0048】
いくつかの実施形態によると、第1のルールセットに従って分析するステップは、心拍数モニタ、加速度計、および/または姿勢センサから得られる追加のデータと組み合わせて測定データを分析することを含む。
【0049】
いくつかの実施形態によると、本方法は、測定データを閾値と比較するステップ、それに続く、比較の結果として異常状態が検出されたかどうかを判定するステップをさらに含み、その両方のステップが、流れ特性を測定するステップの後、かつ、測定データを分析するステップの前に実行される。
【0050】
いくつかの実施形態によると、本方法は、少なくとも1つのリーダ通信構成要素を介して、外部リモート監視デバイスの外部リモート通信構成要素に測定データを伝送するステップをさらに含む。
【0051】
いくつかの実施形態によると、本方法は、測定データを伝送するステップの後に、現在、以前に推奨された薬物療法を受けている患者に応じて、記憶された測定データをプロセッサで記憶部材から読み出すステップと、第2のルールセットに従って現在の測定データを読み出された測定データと組み合わせてプロセッサで分析するステップと、現在の薬物療法レジメンを修正しなければならないかどうかをプロセッサで判定するステップと、現在の薬物療法レジメンに対して推奨される方針をプロセッサでディスプレイ上に表示するステップとを実行することをさらに含む。
【0052】
いくつかの実施形態によると、第2のルールセットに従って分析するステップは、患者の年齢、付随する疾患、薬物感受性、現在投与されている薬物、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、補足の患者データと組み合わせて測定データを分析することを含む。
【0053】
いくつかの実施形態によると、第2のルールセットに従って分析するステップは、心拍数モニタ、加速度計、および/または姿勢センサから得られる追加のデータと組み合わせて測定データを分析することを含む。
【0054】
本発明の特定の実施形態は、上記の利点のいくつかまたはすべてを含むことがあり、あるいは、いずれも含まないことがある。さらなる利点は、本明細書に含まれる図、明細書、および特許請求の範囲から当業者に容易に明らかになってもよい。本発明の態様および実施形態は、以下の明細書で、および添付の特許請求の範囲でさらに説明される。
【0055】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が関連する技術の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾がある場合、定義を含む本特許明細書が支配する。本明細書で使用される場合、不定冠詞「a」および「an」は、本文脈が他に明確に指示しない限り、「少なくとも1つ」あるいは「1つまたは複数」を意味する。
【0056】
以下の実施形態およびその態様は、システム、ツール、および方法とともに説明されかつ例証されており、それらは例示的かつ例証的であり、範囲において限定的でないことを意味する。さまざまな実施形態では、上述の問題のうちの1つまたは複数が削減または解消されるが、他の実施形態は他の利点または改善を対象とする。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態は、添付図を参照して本明細書で説明される。説明は、図とともに、いくつかの実施形態をどのようにして実施することができるのかを当業者に明らかにする。図は例示的な説明のためであり、本発明の基本的な理解に必要とされる以上に詳細に実施形態の構造上の詳細を示す試みは行われない。明確にするために、図に示されるいくつかのオブジェクトは正確な縮尺ではない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図2】いくつかの実施形態による、人工弁を搬送する送達装置を備える送達アセンブリの斜視図である。
【
図3A】いくつかの実施形態による、人工弁の斜視図である。
【
図3B】いくつかの実施形態による、人工機械弁の斜視図である。
【
図4A】いくつかの実施形態による、人工弁の展開のさまざまな段階を示す図である。
【
図4B】いくつかの実施形態による、人工弁の展開のさまざまな段階を示す図である。
【
図4C】いくつかの実施形態による、人工弁の展開のさまざまな段階を示す図である。
【
図5A】いくつかの実施形態による、弁監視アセンブリの例示的な構成を示す図である。
【
図5B】いくつかの実施形態による、制御回路の構成要素を概略的に示す図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、弁監視アセンブリの別の例示的な構成を示す図である。
【
図7】いくつかの実施形態による、弁監視アセンブリの別の例示的な構成を示す図である。
【
図8A】いくつかの実施形態による、時計仕掛け式エネルギー採取機構を備える弁監視アセンブリを示す図である。
【
図8B】いくつかの実施形態による、時計仕掛け式エネルギー採取機構を備える弁監視アセンブリを示す図である。
【
図8C】いくつかの実施形態による、時計仕掛け式エネルギー採取機構を備える弁監視アセンブリを示す図である。
【
図8D】いくつかの実施形態による、時計仕掛け式エネルギー採取機構を備える弁監視アセンブリを示す図である。
【
図9A】いくつかの実施形態による、太陽エネルギー採取機構を備える弁監視アセンブリを示す図である。
【
図9B】いくつかの実施形態による、太陽エネルギー採取機構を備える弁監視アセンブリを示す図である。
【
図9C】いくつかの実施形態による、太陽エネルギー採取機構を備える弁監視アセンブリを示す図である。
【
図9D】いくつかの実施形態による、太陽エネルギー採取機構を備える弁監視アセンブリを示す図である。
【
図10A】いくつかの実施形態による、弁監視システムを示す図である。
【
図10B】いくつかの実施形態による、弁監視システムを示す図である。
【
図10C】いくつかの実施形態による、弁監視システムを示す図である。
【
図11A】いくつかの実施形態による、外科的に埋め込み可能な人工弁を備える弁監視アセンブリを示す図である。
【
図11B】いくつかの実施形態による、外科的に埋め込み可能な人工弁を備える弁監視アセンブリを示す図である。
【
図12A】いくつかの実施形態による、以前に埋め込まれた人工弁の近傍における監視装置の埋め込みのさまざまな段階を示す図である。
【
図12B】いくつかの実施形態による、以前に埋め込まれた人工弁の近傍における監視装置の埋め込みのさまざまな段階を示す図である。
【
図12C】いくつかの実施形態による、以前に埋め込まれた人工弁の近傍における監視装置の埋め込みのさまざまな段階を示す図である。
【
図12D】いくつかの実施形態による、以前に埋め込まれた人工弁の近傍における監視装置の埋め込みのさまざまな段階を示す図である。
【
図13A】いくつかの実施形態による、自然弁の近傍における監視装置の埋め込みを示す図である。
【
図13B】いくつかの実施形態による、自然弁の近傍における監視装置の埋め込みを示す図である。
【
図13C】いくつかの実施形態による、自然弁の近傍における監視装置の埋め込みを示す図である。
【
図13D】いくつかの実施形態による、自然弁の近傍における監視装置の埋め込みを示す図である。
【
図14A】いくつかの実施形態による、心臓弁監視のための方法のフローチャートを示す図である。
【
図14B】いくつかの実施形態による、心臓弁監視のための方法のフローチャートを示す図である。
【
図14C】いくつかの実施形態による、心臓弁監視のための方法のフローチャートを示す図である。
【
図14D】いくつかの実施形態による、心臓弁監視のための方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下の説明において、本開示のさまざまな態様が説明される。説明を目的として、特定の構成および詳細が、本開示のさまざまな態様の詳細な理解を提供するために示される。しかしながら、本明細書で具体的な詳細を提示することなく本開示を実施してもよいことも当業者にとって明らかであろう。さらにまた、よく知られた特徴は、本開示を不明瞭にしないために、省略または簡略化されてもよい。特定の図面上の参照番号および引き出し線が多すぎて過度に乱雑にならないように、いくつかの構成要素は、1つまたは複数の図面で示され、その構成要素を含むその後のすべての図面内では明示的には識別されない。
【0060】
図1は、健康な人間の心臓の断面図を示す。心臓は、左心房12、右心房14、左心室16、および右心室18を含む4つに仕切られた円錐構造を有する。心臓の左側と右側とを分離する壁は、中隔20と呼ばれる。自然僧帽弁30は、左心房12と左心室16との間に位置する。自然大動脈弁40は、左心室16と大動脈80との間に位置する。自然大動脈弁40から延在する大動脈80の初期部は大動脈起始部82であり、左心室16の隣接部分は左室流出路(LVOT)22である。
【0061】
自然僧帽弁30は、僧帽弁輪32と、弁輪32から下向きに延在する一対の僧帽弁尖34とを備える。適切に動作するとき、弁尖34は、左心房12から左心室16への血流のみ可能にするように一緒に機能する。特に、心拡張中、左心房12および左心室16の筋肉が拡張するとき、酸素化された血液は、左心房12から僧帽弁30を通って左心室16に流れる。心収縮中、左心房12の筋肉が弛緩し、左心室16が接触すると、左心室16内の血圧は、2つの僧帽弁尖34の接合を促すように上昇し、それによって、左心室16からの血流が左心房12に戻ることを防ぐ。僧帽弁尖34が圧力下で脱出し、僧帽弁輪32を通して折り返すのを防ぐために、腱索36と呼ばれる複数の線維索が僧帽弁尖34を左心室16の乳頭筋に繋留する。
【0062】
用語「複数」は、本明細書で使用される場合、2つ以上を意味する。
【0063】
自然大動脈弁40は、大動脈弁輪42と、弁輪42から上向きに(大動脈起始部82の方へ)延在する3つの大動脈弁尖44を備える。心収縮中、血液は、左心室16から大動脈弁40を通して大動脈80に吐き出される。自然僧帽弁30または自然大動脈弁40が適切に機能しないとき、人工置換弁120は、機能の回復を助けることができる。
【0064】
図2は、いくつかの実施形態による、送達アセンブリ104の斜視図を示す。送達アセンブリ104は、人工弁120と送達装置106とを含むことができる。人工弁120は、送達装置106上とすることができる、または、送達装置106に取り外し可能に連結することができる。送達装置は、その近位端のハンドル108と、ハンドル108から遠位に延在するノーズコーンシャフト114と、ノーズコーンシャフト114の遠位部に取り付けられたノーズコーン116と、ノーズコーンシャフト114上を延在する送達シャフト112と、任意選択的に、送達シャフト112上を延在する外側シャフト110とを含むことができる。
【0065】
用語「近位」は一般に、本明細書で使用される場合、使用時に、ハンドル108またはハンドル108の操作者により近い、任意のデバイスまたはデバイスの構成要素の側部または端部を指す。
【0066】
用語「遠位」は一般に、本明細書で使用される場合、使用時に、ハンドル108またはハンドル108の操作者からより遠い、任意のデバイスまたはデバイスの構成要素の側部または端部を指す。
【0067】
用語「人工弁」は、本明細書で使用される場合、外科的に埋め込み可能またはカテーテルにわたって患者の標的部位に送達可能であってもよい任意の種類の人工弁を指す。カテーテル送達可能な人工弁120は、半径方向に圧縮またはクリンプされた状態と半径方向拡張状態との間で半径方向に拡張可能かつ圧縮可能である。よって、人工弁120は、送達中、送達装置106によって圧縮状態にクリンプまたは保持することができ、次いで、人工弁120が埋め込み部位に到達すると、拡張状態に拡張される。拡張状態は、圧縮状態と完全拡張状態に達した最大直径との間の、弁が拡張してもよい直径の範囲を含んでもよい。よって、複数の部分拡張状態は、半径方向に圧縮されたまたはクリンプされた状態と最大拡張状態との間の任意の拡張直径に関するものであってもよい。
【0068】
本開示の人工弁は、自然大動脈弁、自然僧帽弁、自然肺動脈弁、および自然三尖弁内に取り付けられるように構成された任意の人工弁を含んでもよい。
【0069】
カテーテル送達可能な人工弁120は、半径方向に圧縮またはクリンプされた状態の弁120を、さまざまな拡張機構を介して弁120を拡張させることによって自然解剖学的構造に対して取り付けられる標的部位の方へ搬送する送達アセンブリ104を介して、埋め込みの部位に送達することができる。バルーン拡張可能な弁は一般に、人工弁内でバルーンを膨張させる処置を含み、それによって、望ましい埋め込み部位内で人工弁120を拡張させる。弁が十分に拡張されると、バルーンは収縮し、送達装置106とともに取り出される。自己拡張可能な弁は、外側シャフト110の遠位部または送達シャフト112の遠位部としても定義することができる外側保持カプセルが、人工弁に対して近位に引き出されるとすぐに、自動的に拡張するように形状設定されたフレームを含む。機械的に拡張可能な弁は、拡張のための機械作動機構に依存する人工弁のカテゴリである。機械作動機構は通常、送達装置106のそれぞれの作動アームアセンブリに取り外し可能に連結され、人工弁を望ましい直径まで拡張するためにアクチュエータアセンブリを作動させるためのハンドル108を介して制御される、複数のアクチュエータアセンブリを含む。アクチュエータアセンブリは任意選択的に、その望ましくない再圧縮およびアクチュエータアセンブリからの作動アームアセンブリの切断を防ぎ、人工弁を埋め込みの望ましい部位に適切に位置付けると送達装置106の取り出しを可能にするために、弁の位置を係止してもよい。
【0070】
送達アセンブリ104を利用して、たとえば、大動脈弁輪42に対して取り付けるための人工大動脈弁の送達、僧帽弁輪32に対して取り付けるための人工僧帽弁の送達、または、任意の他の自然弁輪に対して取り付けるための人工弁の送達を行うことができる。
【0071】
外側シャフト110および送達シャフト112は、互いに対して軸方向に移動可能に構成することができ、それにより、送達シャフト112に対する外側シャフト110の近位方向への移動、または、外側シャフト110に対する送達シャフト112の遠位方向への移動により、外側シャフト110から人工弁120を露出させることができる。代替的な実施形態では、人工弁120は、送達中、外側シャフト110内に収容されない。よって、いくつかの実施形態によると、送達装置106は外側シャフト110を含まない。
【0072】
上記のように、ノーズコーンシャフト114、送達シャフト112、作動アームアセンブリの構成要素(機械的に拡張可能な弁の場合)、および、存在する場合は外側シャフト110の近位端は、ハンドル108に連結することができる。人工弁120の送達中、ハンドル108は、たとえば、作動アームアセンブリを操作することによって、ノーズコーンシャフト114、送達シャフト112、および/または外側シャフト110などの送達装置106の構成要素を患者の血管系を通して軸方向に前進または後退させるために、ならびに、機械的に拡張可能な弁120'を拡張または収縮させるために、かつ、人工弁を埋め込み部位に取り付けると送達装置106を後退させるために、たとえば、作動アームアセンブリを機械的に拡張可能な弁のアクチュエータアセンブリから分離することによって送達装置106から人工弁120を切り離すために、操作者(たとえば、臨床医または外科医)が操作することができる。
【0073】
いくつかの実施形態によると、ハンドル108は、操縦可能または回転可能な調整ノブ、レバー、スライダ、ボタン(図示せず)、および他の作動機構などの、1つまたは複数の動作インタフェースを含むことができ、それらは、送達装置106のそれぞれの構成要素に動作可能に接続され、送達装置106を近位および遠位方向に軸方向移動させるように、ならびに、さまざまな調整および起動機構を介して人工弁120を拡張または収縮させるように構成される。
【0074】
図3Aは、いくつかの実施形態による、拡張状態の例示的な人工弁120を示す。人工弁120は、流入端125を画定する流入端部124と、流出端123を画定する流出端部122とを備えることができる。人工弁120は、流入端部124および流出端部122を通って延在する弁長手方向軸118を定義することができる。あるいは、流出端123は人工弁120の遠位端であり、流入端125は人工弁120の近位端である。あるいは、たとえば、弁の送達アプローチに応じて、流出端は人工弁の近位端とすることができ、流入端は人工弁の遠位端とすることができる。
【0075】
用語「流出」は、本明細書で使用される場合、血液が弁120を通って弁120から流れ出る、たとえば、弁長手方向軸118と流出端123との間の人工弁の領域を指す。
【0076】
用語「流入」は、本明細書で使用される場合、血液が弁120に流れ込む、たとえば、流入端125と弁長手方向軸118との間の人工弁の領域を指す。
【0077】
弁120は、相互接続された支柱130から構成されるフレーム126を備える。フレームは、ステンレス鋼、ニッケルベース合金(たとえば、コバルトクロム、またはMP35N合金などのニッケルコバルトクロム合金)、ポリマ、またはその組合せなどの塑性的に拡張可能な材料を含むさまざまな好適な材料から作ることができるが、これらに限定されない。塑性的に拡張可能な材料から構築されるとき、フレーム126(したがって、人工弁120)は、送達シャフト112上で半径方向圧縮状態にクリンプすることができ、次いで、膨張可能バルーンまたは等価な拡張機構によって患者の内部で拡張することができる。代替的にまたは付加的に、フレーム126は、ニッケルチタン合金(たとえば、ニチノール)などの自己拡張材料から作ることができるが、これらに限定されない。自己拡張可能な材料から構築されるとき、フレーム126(したがって人工弁120)は、半径方向圧縮状態にクリンプすることができ、送達装置106のシャフトまたは等価な機構への挿入によって圧縮状態に拘束することができる。
【0078】
図3Aに示される例示的な実施形態において、支柱130の端部は、流出端123における先端134、および、流入端125における先端136を形成している。支柱130は、流出先端134と流入先端136との間に形成される追加の接合部132で互いに相互接続することができる。接合部132は、流出端123と流入端125との間で、互いからかつ/または先端134、136から、均等にまたは不均等に離間することができる。支柱130は、フレーム126の複数の開放セル128をまとめて画定する。いくつかの実施形態によると、
図3Aの例示的な実施形態に示されるように、支柱130は、接合部132において互いに溶接または他の方法で固定されてもよい交互する曲がりで形成されてもよい。
【0079】
人工弁120は、フレーム126内で少なくとも部分的に位置付けられ、流入端125から流出端123への人工弁120を通る血液の流れを調整するように構成された、複数の弁尖140(たとえば、3つの弁尖)をさらに備える。三尖配置に折り畳まれるように配置される3つの弁尖140が
図3Aに図示される例示的な実施形態に示されているが、人工弁120が任意の他の数の弁尖140を含むことができることは明らかであろう。弁尖140は、生物学的材料(たとえば、ウシ心嚢、もしくは他の供給源からの心膜)、生体適合性合成材料、または他の好適な材料から得られる可撓性材料から作られる。弁尖は、直接、交連142を介してフレーム126に連結されてもよく、または、交連ポストなどの、フレーム126に接続されたもしくはフレーム126に埋め込まれた他の構造要素に取り付けられてもよい。弁尖140は、それらが人工弁120を通る血流を封止するために互いに接合するとき、非平面状接合平面(注釈付きでない)を画定する。弁尖をそれらのフレームに取り付けることができる方法を含む、人工弁に関するさらなる詳細は、米国特許第6,730,118号、第7,393,360号、第7,510,575号、第7,993,394号、および第8,252,202号、ならびに、米国特許出願第62/614,299号で説明されており、そのすべてが参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0080】
いくつかの実施形態によると、人工弁120は、
図3Aに図示される例示的な実施形態に示される内側スカート138などの、少なくとも1つのスカートまたは封止部材をさらに備えてもよい。内側スカート138は、フレーム126の内面に取り付けられることができ、たとえば、弁周囲漏出を防ぐまたは減少させる封止部材として機能するように構成することができる。内側スカート138はさらに、フレーム126への弁尖140のためのアンカー領域として機能することができ、かつ/または、たとえば、弁クリンピングの間、もしくは、人工弁120の作業サイクルの間に、フレーム126との接触により生じることがある損傷から弁尖140を保護するように機能することができる。付加的にまたは代替的に、人工弁120は、たとえば、フレーム126と人工弁120が取り付けられる自然弁輪の周辺組織との間に保持される封止部材として機能するように構成された、フレーム126の外面に取り付けられる外側スカート(図示せず)を備えることができ、それによって、人工弁120を通過する弁傍漏出の危険性を減少させる。内側スカート138および/または外側スカートはいずれも、さまざまな合成材料(たとえば、PET)または自然組織(たとえば、心膜組織)などのさまざまな好適な生体適合性材料から作ることができるが、これらに限定されない。
【0081】
図3Bは、本明細書の上で説明された人工弁120の特定の種類である、機械的に拡張可能な弁120'を示し、類似部分はプライム記号を有する。いくつかの実施形態によると、支柱130'は、格子形パターンで配置される。
図3Bに示される実施形態において、支柱130'は、人工弁120'が拡張位置にあるとき、斜めに位置付けられる、すなわち、弁長手方向軸118'に対してある角度をなしオフセットされて、弁長手方向軸118'から半径方向にオフセットされて位置付けられる。支柱130'は、弁長手方向軸118'と略平行に向けるなど、
図3Bに示される角度とは別の角度でオフセットすることができることは明らかであろう。
【0082】
いくつかの実施形態によると、
図3Bにさらに示されるように、フレーム126'は、支柱130'の先端134'、136'および接合部132'の領域に、開口または穴を備えてもよい。それぞれのヒンジは、穴を通って延在する、リベットまたはピンなどの締結具を介して、支柱130'の穴が互いに重なり合う位置に含むことができる。ヒンジは、フレーム126'が半径方向に拡張または圧縮されるときに、支柱130'を互いに対して旋回させることができる。
【0083】
代替的な実施形態では、支柱は、それぞれのヒンジを介して互いに連結されないが、フレームの拡張または圧縮を可能にするように、他の方法で互いに対して旋回可能または屈曲可能である。たとえば、フレームは、レーザー切断、電鋳、および/または物理気相成長などのこれらに限定されないさまざまなプロセスを介して、金属管などの材料の一体構造から形成することができ、同時に、ヒンジおよび同様のものがなくても、半径方向に折り畳む/拡張する能力を保持することができる。
【0084】
いくつかの実施形態によると、機械的に拡張可能な弁120'は、弁120の拡張を容易にし、場合によっては、弁120'を拡張状態で係止して、弁120'の意図しない再圧縮を防ぐように構成された、複数のアクチュエータアセンブリ144を備える。
図3Bは、フレーム126の内面に取り付けられ、フレーム126の内面のまわりで等間隔である、3つのアクチュエータアセンブリ144を示すが、異なる数のアクチュエータアセンブリ144が利用されてもよく、アクチュエータアセンブリ144はその外面のまわりでフレーム126に取り付けることができ、アクチュエータアセンブリ144間の周方向間隔が等しくないようにすることができることは明らかであろう。
【0085】
人工弁120および120'の特定の例がそれぞれ、
図3Aおよび
図3Bに示されたが、人工弁120は、当該技術分野において知られている他の多くの形態をとることができることが理解されよう。本開示全体を通じた人工弁120への任意の参照は、特に明記しない限り、
図3Aに示される人工弁120の実施形態、および、
図3Bに示される機械的に拡張可能な弁120'の実施形態を含む、任意の種類の人工弁に関する。
【0086】
図4A~
図4Cは、人工弁120の送達および拡張手順の異なるフェーズにおける、送達アセンブリ104の遠位部を示す。埋め込みの前に、人工弁120は、送達装置106上にクリンプすることができる。このステップは、外側シャフト110内への半径方向に圧縮された弁120'の配置を含むことができる。外側シャフト110の遠位端部は、人工弁120上を延在することができ、送達装置106の送達構成のノーズコーン116に接触することができる。よって、外側シャフト110の遠位端部は、患者の血管系を通した送達のために半径方向に圧縮またはクリンプされた構成の人工弁120を含むまたは収容する送達カプセルの役割を果たすことができる。
図4Aは、クリンプされた人工弁(視界から隠れている)上を延在する外側シャフト110の遠位部の例示的な実施形態を示し、外側シャフト110の遠位リップはノーズコーン116に対して押圧されている。
【0087】
外側シャフト110および送達シャフト112は、互いに対して軸方向に移動可能に構成することができ、それにより、送達シャフト112に対する外側シャフト110の近位方向への移動、または、外側シャフト110に対する送達シャフト112の遠位方向への移動により、
図4Bに示されるように、外側シャフト110から人工弁120を露出させることができる。代替的な実施形態では、人工弁120は、送達中、外側シャフト110内に収容されない。よって、いくつかの実施形態によると、送達装置106は外側シャフト110を含まない。
【0088】
いくつかの実施形態によると、人工弁120は、フレーム126に固定された複数のアクチュエータアセンブリ144を備え、ハンドル108によって動作可能な適切な作動制御機構を介して半径方向にフレーム126を拡張および/または圧縮するように構成された、機械的に拡張可能な弁120'である。
【0089】
図4Cは、拡張状態の例示的な機械的に拡張可能な弁120'を示し、送達装置106は、ハンドル108から送達シャフト112を通って延在する複数の作動アームアセンブリ150をさらに備える。作動アームアセンブリ150は一般に、それらの遠位端でそれぞれのアクチュエータアセンブリ144に取り外し可能に連結された作動部材(視界から隠れている)と、それぞれの作動部材のまわりに配設される支持スリーブとを含むことができる。各作動部材は、それを覆う支持スリーブに対して、軸方向に移動可能であってもよい。特に明記しない限り、弁尖132、132'およびスカート138、138'は、明瞭にするために、全図面にわたって図から省かれている。
【0090】
いくつかの実施形態によると、各アクチュエータアセンブリ144は、外側部材148の管腔を通って部分的に延在してもよい内側部材146を備える。内側部材は、流入先端136'または流入端部124'に沿った別の接合部132'などのその一端で、フレーム126'に取り付けることができる。外側部材は、流出先端134'または流出端部122'に沿った別の接合部132'などのその反対端で、フレーム126'に取り付けることができる。
【0091】
いくつかの実施形態によると、作動アームアセンブリ150は、人工弁120'に取り外し可能に連結し、人工弁120'を半径方向圧縮状態と半径方向拡張状態との間で移動させるように構成される。たとえば、作動アームアセンブリ150の作動部材は、その遠位端で、内側部材146の近位端の受入れネジ付きボアに螺着することができる。作動部材を覆う、支持スリーブの遠位端は、外側部材148が支持スリーブを越えて近位に移動するのを防ぐように、外側部材148の近位端に当接することができる、または、係合することができる。
【0092】
フレーム126'、したがって、人工弁120'を半径方向に拡張するために、支持スリーブは、外側部材148にしっかりと保持することができる。次に、作動部材154を近位方向に引くことができる。支持スリーブが、流出先端134'に接続された外側部材148に保持されているので、フレーム126'の流出端123'は、支持スリーブに対して移動することが阻止される。よって、作動部材の近位方向への移動により、内側部材146を同じ方向に移動させることができ、それによって、フレーム126'を軸方向に短縮させて、半径方向に拡張させる。より詳細には、内側部材146が、外側部材148内で、軸方向に、たとえば、近位方向に移動すると、内側部材146が取り付けられた接合部132'は、外側部材148が取り付けられた反対側の接合部の方へ、同じ方向にそれに沿って移動する。これは、次に、フレーム126'を軸方向に短縮させて、半径方向に拡張させる。
【0093】
人工弁120'の望ましい直径に達すると、作動部材は、内側部材146から作動部材を取り外すように回転してもよい。この回転は、作動部材の遠位ネジ付き部と内側部材のネジ付きボア(示されていない)とを切り離すように働き、作動アームアセンブリ150が送達装置106とともに患者の身体から離れて後退することを可能にし、患者に埋め込まれた人工弁120'を残す。
【0094】
フレーム126'の半径方向拡張は、内側部材146を近位方向に外側部材148に対して軸方向移動させることによって実現可能であるが、類似したフレーム拡張が、外側部材148を遠位方向に内側部材146に対して軸方向に押すことによって実現されてもよいことが理解されよう。さらに、
図4Cの示された実施形態は、フレーム126'の流出端部122'に取り付けられた外側部材148、および、フレーム126'の流入端部124'に取り付けられた内側部材146を示しているが、代替的な実施形態において、外側部材148は、フレーム126'の流入端部124'に取り付けられてもよく、同時に、内側部材146は、フレーム126'の流出端部122'に取り付けられてもよい。
【0095】
いくつかの実施形態によると、ハンドル108は、操縦可能なまたは回転可能なノブ、レバー、ボタンなど含んでもよい制御機構を備えることができ、それらは、送達装置106のそれぞれの構成要素を軸方向におよび/または回転可能に移動させるために、操作者が手動で制御可能である。たとえば、ハンドル108は、1つまたは複数の手動制御ノブ、たとえば、操作者が回転させたときに作動アームアセンブリ150の作動部材154を引くのに効果的である手動で回転可能な制御ノブを備えてもよい。
【0096】
他の実施形態によると、送達装置106のハンドル108および/または他の構成要素の制御機構は、電気、空気、および/または液圧で制御することができる。いくつかの実施形態によると、ハンドル108は、たとえば、ハンドル108上のボタンまたはスイッチを押圧することによって操作者が作動させて、送達装置106の構成要素を移動させることができる1つまたは複数の電動モータを収容することができる。たとえば、ハンドル108は、作動アームアセンブリ150の構成要素の直線移動を生じさせるために動作可能な1つもしくは複数のモータ、および/または内側部材146から作動アームアセンブリ150を切り離すために作動部材の回転移動を生じさせるために動作可能な1つもしくは複数のモータを含んでもよい。いくつかの実施形態によると、1つまたは複数の手動または電気的制御機構は、すべての作動部材の、同時の直線移動および/または回転移動を生じさせるように構成される。
【0097】
特定の作動機構が上で説明されたが、たとえば、ネジ付きまたは他の係合機構を介した、作動アセンブリの内側部材と外側部材との間の相対移動を促進するために、他の機構が採用されてもよい。機械的に拡張可能な弁およびその送達システムの構造および動作に関するさらなる詳細は、米国特許第9,827,093号、米国特許出願公開第2019/0060057号、第2018/0153689号、および第2018/0344456号、ならびに、米国特許出願第62/870,372号および第62/776,348号で説明されており、そのすべてが参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0098】
人工弁に関連する血行動態の乱れが、埋め込み後、たとえば、弁組織または弁血液流れ相互作用の結果として生じることがある炎症過程および他の生物学的過程のために、経時的に生じることがある。場合によっては、血栓は、低流量または鬱血を生じる領域、たとえば、弁尖140とフレーム126との間の結合された領域に形成されることがある。弁尖血栓症は通常、埋め込み後、数日のうちに生じる。弁尖狭窄症は通常、より長い過程の結果である。よって、弁尖血栓症または弁尖石灰化の検出は、処置後の過程である。
【0099】
本発明のいくつかの実施形態によると、人工心臓弁120などの心臓弁の機能と関連する流れ特性を測定するように構成された少なくとも1つのセンサ158を備える監視装置102が提供される。いくつかの実施形態によると、少なくとも1つのセンサ158は、人工弁120に取り付けられる。いくつかの実施形態によると、少なくとも1つのセンサ158は、心臓弁の近傍、たとえば、自然心臓弁(たとえば、自然大動脈弁40または自然僧帽弁30)または人工心臓弁120に対して近位または遠位に位置付けられる。少なくとも1つのセンサ158は、血圧、血流速度、および/または温度などの、生理学的流れに関連するパラメータと相関する信号を生成するように構成される。いくつかの実施形態によると、少なくとも1つのセンサ158は、患者の心臓弁において流れ特性を測定するように構成される。用語「心臓弁において」は、本明細書で使用される場合、心臓弁から10cm以内などの心臓弁の近傍で測定された流れ特性を意味する。上で説明されたように、心臓弁は、自然心臓弁および/または人工心臓弁120とすることができる。
【0100】
いくつかの実施形態によると、人工弁120に連結されたその少なくとも1つの構成要素を有する監視装置102を備える弁監視アセンブリ100が提供され、それにより、少なくとも1つのセンサ158は、人工弁120の機能と関連する流れ特性を測定するように構成される。いくつかの実施形態によると、少なくとも1つのセンサ158は、流入端部124、流出端部122、または、中間の任意の他の領域に取り付けることができる。少なくとも1つのセンサ158は、人工弁120のフレーム126、交連142、アクチュエータアセンブリ144、または任意の他の構造的構成要素に取り付けることができる。いくつかの実施形態によると、少なくとも1つのセンサ158は、縫合、螺合、クランプ、生体適合性接着剤による接着、締結、溶接、または任意の他の好適な技術によって、人工弁120に取り付けることができる。
【0101】
いくつかの実施形態によると、少なくとも1つのセンサ158は、人工弁120の近傍に位置付けることができる、たとえば、人工弁120の近傍の組織に取り付けることができる。人工弁120の近傍は、いくつかの例では、人工弁120から10cm以下しか離れていない領域として定義することができる。
【0102】
少なくとも1つのセンサ158は、人工弁120内の1つもしくは複数の種類の生理学的パラメータを測定するために、半径方向内向きに(すなわち、弁長手方向軸118の方に)向けることができる、または、人工弁120の外面の外側のもしくは人工弁120の外面と接触する、1つもしくは複数の種類の生理学的データを測定するために、半径方向外向きに向けることができる。
【0103】
いくつかの実施形態によると、人工弁120は、人工弁120に取り付けられた、少なくとも2つのセンサ、第1のセンサ158aおよび第2のセンサ158bを備える。
図5Aおよび
図6はそれぞれ、人工弁120'および120に連結された監視装置102を備える弁監視アセンブリ100の例示的な構成を示し、流入端部124'、124に取り付けられた第1のセンサ158aおよび流出端部122'、122に取り付けられた第2のセンサ158bを有する。第1のセンサ158aおよび第2のセンサ158bのそれぞれは、「流れ特性」とも呼ばれる生理学的流れに関連する特性を測定するように構成されてもよい。流れ特性は、血流、血圧、および/または温度であってもよい。いくつかの実施形態によると、第1のセンサ158aおよび第2のセンサ158bは圧力センサである。いくつかの実施形態によると、第1のセンサ158aおよび第2のセンサ158bは、血液の流量を測定するように構成された流量センサである。いくつかの実施形態によると、第1のセンサ158aおよび第2のセンサ158bは温度センサである。
【0104】
図5Aは、機械的に拡張可能な弁120'に取り付けられた、より詳細には、人工弁120'の少なくとも1つのアクチュエータアセンブリ144に取り付けられた、第1のセンサ158aおよび第2のセンサ158bの例示的な実施形態を示す。示される実施形態において、第1のセンサ158aおよび第2のセンサ158bは、軸方向に離間し、同じ外側部材148に取り付けられている。代替的にまたは付加的に、第1のセンサ158aおよび/または第2のセンサ158bのそれぞれは、アクチュエータアセンブリ144の他の構成要素(たとえば、内側部材146)に、異なるアクチュエータアセンブリ144に、または、人工弁120'の任意の他の構成要素に、取り付けることができる。
【0105】
いくつかの実施形態によると、第1のセンサ158aまたは第2のセンサ158bなどの任意のセンサ158はそれぞれ、X線透視下で見たときにセンサの位置の可視表示を提供することができる放射線不透過性のマーキングを含む。
【0106】
図6は、人工弁120のフレーム126に取り付けられた、より詳細には、人工弁120の接合部132に取り付けられた、第1のセンサ158aおよび第2のセンサ158bの例示的な実施形態を示す。示された例において、第1のセンサ158aおよび第2のセンサ158bは、軸方向に離間し、それぞれ、流入先端136および流出先端134に取り付けられている。代替的にまたは付加的に、第1のセンサ158aおよび/または第2のセンサ158bのそれぞれは、他の接合部132に、または、人工弁120の任意の他の構成要素に取り付けることができる。
【0107】
いくつかの実施形態によると、少なくとも1つのセンサ158は、絶対的な閾値と比較することができる流れ測定信号を提供するように構成された流量センサである。
【0108】
いくつかの実施形態によると、少なくとも1つのセンサ158は、フロー値と関連付けることができ、絶対的な閾値と比較することができる圧力測定信号を提供するように構成された圧力センサである。圧力センサ158は、流速の変化と関連する圧力変動を検知することができる。任意の理論または作用機構に束縛されることなく、このような測定は、ベルヌーイの法則に基づいてもよく、すなわち、流体の速度の増加が、圧力の減少と同時に起こる可能性がある。
【0109】
いくつかの実施形態によると、第1のセンサ158aおよび第2のセンサ158bはそれぞれ、MEMS圧電抵抗式圧力センサなどの圧電抵抗式圧力センサであってもよい。他の実施形態によると、第1のセンサ158aおよび第2のセンサ158bはそれぞれ、MEMS容量式圧力センサなどの容量式圧力センサであってもよい。
【0110】
いくつかの実施形態によると、それぞれのセンサ158からの読み取り値は、流れまたは圧力が他の領域と比較して乱される領域を検出するために、または、そのような乱れに影響されやすい領域を検出するために、互いに比較することができる。
【0111】
いくつかの実施形態によると、少なくとも1つのセンサ158、および、好ましくは、
図5Aおよび
図6に示されるセンサ158a、158bなどの複数のセンサは、光ファイバ圧力センサなどの光ファイバセンサである。
【0112】
いくつかの実施形態によると、少なくとも1つの流量または圧力センサ158、および、好ましくは、複数の流量または圧力センサ158は、人工弁120に取り付けられて、人工弁120の中央漏洩および/または弁傍逆流を検出するように構成される。
【0113】
いくつかの実施形態によると、炎症の発症を監視するため、温度は、経時的に測定された温度値の潜在的な上昇を検出するために、少なくとも1つの温度センサ158によって定期的または連続的に測定されてもよい。
【0114】
有利なことには、温度センサ158(1つまたは複数)からの処置後の読み取り値は、推奨された抗炎症療法の種類の判定を支援することができる。さらに、治療効果の観察および/または治療変更が必要かどうかの判定を行うために、抗炎症療法の間、温度読み取り値を追跡および取得することが可能である。
【0115】
少なくとも1つのセンサ158の位置決めおよび向きは、センサの種類およびその用途に依存する。たとえば、センサ158aおよび158bはどちらも、
図5Aおよび
図6においてそれぞれ、人工弁120'および120の外面に取り付けられて、半径方向外向きに突出するように示されているが、センサが流量または圧力センサである場合、周囲の自然組織からの干渉がなく、それによって意味を持つ読み取り値の取得が可能となるように、センサ158を半径方向内向きに位置付けることが望ましいことがある。
【0116】
センサ158が温度センサである場合、周辺組織温度に接触し測定するように、
図5Aおよび
図6に示される例示的な実施形態に示されるように、センサ158を半径方向外向きに向けることが望ましいことがある。
【0117】
代替的にまたは付加的に、少なくとも1つの温度センサ158は、炎症組織に近接して上昇することがある血液温度を測定するように、半径方向内向きに向けることができる。同様に、少なくとも1つの流量または圧力センサは、たとえば、弁傍漏出を検出するために、人工弁120のまわりで血行動態パラメータを測定するように、弁輪または血管壁が必ずしも接触するというわけではない領域において、半径方向外向きに向けられてもよい。
【0118】
いくつかの実施形態によると、監視装置102は、少なくとも1つのセンサ158と、少なくとも1つのセンサ158の動作を制御するように構成された制御回路160とを備える。
図5Aおよび
図6はそれぞれ、弁120'および120に取り付けられた制御回路160の例示的な実施形態を示す。
図5Aは、たとえば、センサ158aと158bとの間で、アクチュエータアセンブリ144に取り付けられた制御回路160の潜在的な構成を示す。代替的な構成では、制御回路160は、センサ158aおよび158bが取り付けられたものとは異なるアクチュエータアセンブリ144に取り付けられてもよい。
図5Bは、
図5Aの制御回路160の構成要素を概略的に示す。いくつかの実施形態では、アクチュエータアセンブリへの制御回路160の取付けは、アクチュエータアセンブリ144によって提供されてもよい比較的大きい取付け表面積のために、有利であることがある。
【0119】
図6は、異なる構成を示し、制御回路160は、フレーム126に、より詳細には、支柱部分および/またはその接合部132に取り付けられてもよい。制御回路160は、それを取り付けてもよい弁構成要素の表面積に一致するように形づくられてもよい。いくつかの実施形態によると、制御回路160は、人工弁120の少なくとも一部に取り付けられたまたは人工弁120の少なくとも一部を取り囲むパッチまたはカフ内に埋め込まれてもよい(示されない実施形態)。
【0120】
いくつかの実施形態によると、制御回路160は、対応する通信チャネル156を介して、少なくとも1つのセンサ158に接続され、通信チャネル156は、制御回路160とセンサ158との間で信号を送達するように構成されてもよい。用語「通信チャネル」は、本明細書で使用される場合、それを通る通信を可能にする物理経路を意味する。いくつかの実施形態によると、通信チャネルは、ワイヤなどの導電材料を介した電気通信、および/または、光ファイバを介するなどの光通信を可能にするように構成することができる。通信チャネル156は、センサ158から制御回路160まで測定信号を送達することができ、任意選択的に、制御信号および/または電力をセンサ158に伝達する。
図5A~
図5Bは、1つの例示的な構成を示し、通信チャネル156aおよび156bは、アクチュエータアセンブリ144に沿って制御回路160とセンサ158との間で延在する。
図6は、別の例示的な構成を示し、制御回路160とセンサ158aおよび158bとの間で延在する通信チャネル156aおよび156bはそれぞれ、セル128の境界に沿って、支柱部の経路に従う。セル128のセル境界を画定する少なくともいくつか支柱部に沿って通信チャネル156を延在することは、有利であることがあるが、それは、人工弁120がクリンプされているまたは拡張されているかどうかに関係なく、支柱部の長さが一定のままであり、一方、対向する接合部間の距離は、弁の拡張直径の要因として変えてもよく、それによって、それらの経路がセル128の開放部分を横切る場合に、通信チャネル156の潜在的な好ましくない延在を防ぐためである。
【0121】
いくつかの実施形態によると、各通信チャネル156は、さまざまな導電性材料、たとえば、銅、アルミニウム、銀、金、および、タンタル/プラチナ、MP35Nなどのさまざまな合金を含んでもよい。絶縁体(図示せず)は、各通信チャネル156を囲むことができる。絶縁体は、電気絶縁ポリマなどの、さまざまな電気絶縁材料を含むことができる。
【0122】
いくつかの実施形態によると、各通信チャネル156は、光ファイバの形態で提供されてもよい。そのような実施形態は、主に、光ファイバ圧力センサ158を備える監視装置102に適用可能である。
【0123】
上記は、制御回路160がセンサ158に直接的または間接的に物理的に接続されたいくつかの実施形態に対して説明されたが、これは、いかなる意味においても、限定であることを意味しない。いくつかの実施形態によると、制御回路160は、無線通信を介してセンサ158と通信することができる。特に、用語「通信」は、本明細書で使用される場合、有線または無線通信を含む、任意の好適な通信方法を含むことができる。上で説明されたように、通信は、電気的、光学的、または任意の他の好適な方法とすることができる。
【0124】
いくつかの実施形態によると、少なくとも1つのセンサ158は、制御回路160内に埋め込まれてもよく、または他の方法で、制御回路160に直接取り付けられてもよい。あるいは、制御回路160は、少なくとも1つのセンサ158内に埋め込まれてもよい。そのような実施形態の1つの変形例において、少なくとも1つのセンサ158および制御回路160は、パッチまたはボードなどの一般的な構造プラットフォームに直接取り付けられる。
図7は、監視アセンブリ100の例示的な構成を示し、1つのセンサ158aは、人工弁120のフレーム126の一端部に取り付けられ、一方、別のセンサ158bは、フレーム126の反対側の端部に取り付けられた制御回路160内に埋め込まれている。
図7に示される実施形態は、順に流出端部に取り付けられた制御回路160内に埋め込まれたセンサ158bを示すが、順に流入端部124に取り付けられてもよい制御パネル160内に埋め込まれるセンサ158aを含む、任意の他の組合せが考えられることは明らかであろう。さらに、
図7に示される実施形態は、制御回路160内に埋め込まれた単一のセンサ158を示すが、複数のセンサ158が、制御回路160内に埋め込まれてもよく、または他の方法で、直接取り付けられてもよいことは明らかであろう。
【0125】
用語「直接取り付けられる」は、本明細書で使用される場合、構成要素間の取付けの任意の形態を指し、互いに物理接触する構成要素を有する。
【0126】
図7に示される例示的な人工弁120のフレーム126は、他のセル行より垂直方向に高いセル128の近位行を含む。このようなより高いセル128の垂直支柱部は、制御回路160および/またはセンサ158などの、それに取り付けられる監視装置102の構成要素を支持するために、より大きな接触領域を潜在的に提供することができる。
【0127】
いくつかの実施形態によると、人工弁120は、制御回路160および/またはセンサ158などの、監視装置102の少なくとも1つの構成要素と係合するように構成された、少なくとも1つの監視係合部材143を含む。用語「係合」は、本明細書で使用される場合、物理接続を意味する。いくつかの実施形態によると、少なくとも1つの監視係合部材143は、人工弁120のフレーム126に堅固に取り付けられる、または、人工弁120のフレーム126と一体的に形成される。
【0128】
図7は、監視係合部材143のさまざまな利用可能な形態を示す。いくつかの実施形態によると、監視係合部材143
aは、スナップフィット係合部材の形態で提供されてもよく、たとえば、監視装置102の構成要素で受けられるように構成されて、監視装置102の構成要素と係合される弾性延在部が設けられてもよい。いくつかの実施形態によると、監視係合部材143
bは、ラチェット部材の形態で提供されてもよく、監視装置102の構成要素の相補的な歯と係合するように構成されたラチェット歯が設けられてもよい。いくつかの実施形態によると、監視係合部材143
cは、スナップフィット係合部材の形態で提供されてもよく、たとえば、監視装置102の構成要素の対応する凹部または開口に嵌め込むよう構成されたフランジ付き端部が設けられてもよい。いくつかの実施形態によると、監視係合部材143
dは、監視装置102の構成要素の対応する嵌合部と係合するように構成されたアイレットの形態で提供されてもよい。
【0129】
監視係合部材143の4つの例示的な形態が
図7に示されているが、監視係合部材143は、それとの相補的な構成要素の係合を支持するように構成された、当該技術分野において知られている任意の他の形態をとってもよいことが理解されよう。4種類の異なる例示的な監視係合部材143が、単なる例示のために、
図7の人工弁120に関連して示されていること、および、一般に、人工弁120は単一の種類の少なくとも1つの監視係合部材143を含むことがさらに理解されよう。
図7に示される実施形態は、フレーム126の流出端123から近位に延在する監視係合部材143を示すが、流入端125から遠位に延在してもよい監視係合部材143(示されない実施形態)などの他の位置が考えられることは明らかであろう。
【0130】
有利なことには、少なくとも1つの監視係合部材143が設けられた人工弁は、センサ158または制御回路160などの監視装置102の構成要素の、弁輪にすでに埋め込まれた人工弁120へのより簡単な取付けを容易にすることができる。監視係合部材143は、埋め込み前の、監視装置102の構成要素と人工弁120との簡便な組立てのために、同様に採用されてもよい。
【0131】
いくつかの実施形態によると、監視装置102は、ローカルおよびリモート構成要素を含んでもよい。監視装置102のローカル構成要素は、人工弁120に、センサ158に、または、人工弁120に近接する(たとえば、10cm未満)組織もしくは器官に取り付けられる構成要素である。監視装置102のリモート構成要素は、人工弁120からの離れた(たとえば、10cmを超えた距離の)部位において患者の体内に埋め込まれる構成要素である。監視装置102のいくつかの構成要素は、ローカル構成要素として、リモート構成要素として、または、両方の組合せとして実装されてもよい。したがって、混同を避けるために、接尾文字「L」はローカル構成要素の数字と関連付けられ、接尾文字「R」はリモート構成要素の数字と関連付けられる。接尾辞「L」または「R」なしで現れる構成要素は、ローカル構成要素として、リモート構成要素として、または、両方の組合せとして実装されてもよい構成要素の実施形態を指す。
【0132】
いくつかの実施形態によると、制御回路160は、たとえば
図8Cに示されるように、少なくとも1つのローカル制御回路160Lを備える。代替的にまたは付加的に、監視装置102は、たとえば
図9Dに示されるように、リモート制御回路160Rを備えてもよい。リモート制御回路160Rは、有線または無線通信リンクを介して、少なくとも1つのセンサ158および/または少なくとも1つのローカル制御回路160Lと通信してもよい。
【0133】
いくつかの実施形態によると、少なくとも1つのセンサ158は、ローカル制御回路160Lと一体化されてもよく、または、ローカル制御回路160L内に埋め込まれてもよい。
【0134】
いくつかの実施形態によると、監視装置102は、少なくとも1つの通信構成要素162を備える。いくつかの実施形態によると、監視装置102が制御回路160をさらに備えるか否かに関係なく、少なくとも1つの通信構成要素162は、少なくとも1つのセンサ158と通信する。
【0135】
いくつかの実施形態によると、少なくとも1つの通信構成要素162は、制御回路160と通信する。いくつかの実施形態によると、制御回路160は、少なくとも1つの通信構成要素162を備える。いくつかの実施形態によると、通信構成要素162は、ローカル通信構成要素162L、リモート通信構成要素162R、またはその両方のうちの任意の1つを備える。
【0136】
通信構成要素162は、体外デバイスを含む通信構成要素162から離れたデバイスもしくは構成要素に信号を送信する、かつ/または、体外デバイスを含む通信構成要素162から離れたデバイスもしくは構成要素から信号を受信するように構成された、送信機、受信機、および/または送受信機を備えることができる。いくつかの実施形態によると、通信構成要素162は、無線周波(RF)送信機を備える。いくつかの実施形態によると、通信構成要素162はアンテナを備える。
【0137】
いくつかの実施形態によると、各センサ158は、通信構成要素162と通信する(
図5B参照)。実施形態の1つの変形例において、センサ158ごとに、たとえば、送信機の形態の通信構成要素162を備える。実施形態の別の変形例において、複数のセンサ158は、たとえば、送信機の形態の単一の通信構成要素162に連結される。
【0138】
いくつかの実施形態によると、ローカル通信構成要素162Lは、体外デバイスに信号を無線送信するように構成される。いくつかの実施形態によると、ローカル通信構成要素162Lは、リモート通信構成要素162Rに信号を送信するように構成され、リモート通信構成要素162Rは、ローカル通信構成要素162Lから受信したまたはローカル通信構成要素162L由来の信号を送信するように構成される。
【0139】
いくつかの実施形態によると、制御回路160は、センサ158から受信した検知信号を処理および解釈するために構成されてもよく、かつ/または、制御回路160を介して、監視装置102の構成要素のさまざまな機能を制御するように構成されてもよいプロセッサ164を備える(
図5B参照)。いくつかの実施形態によると、プロセッサ164は、検知信号を解釈するためのソフトウェアを含んでもよい。プロセッサ164は、限定されずに、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むことができる。制御回路160は、電気的または電気光学回路として提供されてもよい。制御回路160がプロセッサ164を備えるように示されているが、これは、いかなる意味においても、限定であることを意味せず、専用電子部品を有する制御回路160を提供することができる。
【0140】
いくつかの実施形態によると、プロセッサ164は、ローカル制御回路160L内に構成されたローカルプロセッサ164Lを備える。追加的にまたは代替的に、プロセッサ164は、リモート制御回路160R内に構成されたリモートプロセッサ164Rを備えてもよい。
【0141】
いくつかの実施形態によると、監視装置102は、センサ158によって検知された信号を記憶する、かつ/または、プロセッサ164によって処理されたデータを記憶するように構成された、少なくとも1つのメモリ部材166をさらに備える(
図5B参照)。メモリ部材166は、たとえば、フラッシュメモリ、ソリッドステートメモリ、または同様のものなどの好適なメモリチップまたは記憶媒体を含んでもよい。メモリ部材166は、制御回路160と一体とすることができる、または、制御回路160と通信してもよい(たとえば、プロセッサ164と通信してもよい)。いくつかの実施形態によると、少なくとも1つのセンサ158は、メモリ部材166と通信する。
【0142】
いくつかの実施形態によると、メモリ部材166は、ローカルメモリ166Lを備え、それは、少なくとも1つのセンサ158またはローカル制御回路160Lに電気的に接続されてもよく、または、埋め込まれてもよい。追加的にまたは代替的に、メモリ部材166は、リモートメモリ部材166Rを備えてもよい。いくつかの実施形態によると、リモート制御回路160Rは、リモートメモリ部材166Rを備える。
【0143】
いくつかの実施形態によると、検知信号は、測定された流れ特性の改善または悪化を検出するために、メモリ部材166に記憶されて、プロセッサ164によって過去の値と比較されてもよい。
【0144】
いくつかの実施形態によると、検知信号は、臨床関連性があってもよいまたは関連する臨床結果を示してもよい知られている関連性および指標を得るために、数学的に操作されてもよく、または、プロセッサ164によって処理されてもよい。
【0145】
いくつかの実施形態によると、制御ユニット160は、たとえば、通信構成要素162を介して、記憶されたデータを含む、生データまたは解釈されたデータを、体外デバイス(たとえば、
図10Aに示される外部リーダユニット188)に無線通信プロトコルを介して送信するように構成される。
【0146】
図8Aは、弁監視アセンブリ100の例示的な実施形態および弁監視アセンブリ100が動作してもよい環境の一部を示す。
図8Bは、
図8Aの破線境界で示された領域の拡大図を示す。
図8Aおよび
図8Bに示される例示的な実施形態において、人工大動脈弁120'は、自然大動脈弁40内に取り付けられたように示され、その流入端部124'はLVOT22に突出し、その流出端部122'は大動脈起始部82に突出する。このような例において、第1の圧力センサ158aは、流入端部124に連結することができ、左室圧を測定するように構成され、一方、第2の圧力センサ158bは、流出端部122に連結することができ、大動脈圧を測定するように構成される。人工弁120'埋め込みの位置ならびにそれに連結された監視装置102の構成要素が例示のためにのみ
図8A~
図8Bに示され、他の種類の人工弁を自然大動脈弁または他の自然心臓弁内に取り付けることができ、さまざまな異なる構成でそれに連結された監視装置102の構成要素を有することは明らかであろう。
【0147】
圧力センサ158aおよび158bからの検知信号は、それぞれの通信チャネル156aおよび156bを介して制御回路160に送達することができ、弁内外の圧力勾配を得るために、プロセッサ164によって互いに差引きすることができる。結果ならびに生データは、メモリ部材166に記憶させることができる。圧力値または弁内外の圧力勾配は、プロセッサ164によって、順番にメモリ部材166から読み出すことができる、過去の値および/または閾値と比較することができる。
【0148】
いくつかの実施形態によると、監視装置102は、監視装置102の少なくとも1つの構成要素に有線または無線の方法で電力を供給するように構成される電源をさらに備える。
【0149】
用語「監視装置の構成要素」は、本明細書で使用される場合、ローカルおよび/またはリモート構成要素のいずれかとして実装される、センサ158、制御回路160、通信構成要素162、プロセッサ164および/もしくはメモリ部材166、またはその任意の組合せを指す。
【0150】
用語「電力(power)」、「電気動力(electric power)」、「エネルギー」、および「電気エネルギー」は、本明細書で使用される場合、交換可能である。
【0151】
いくつかの実施形態によると、電源はバッテリである。このような実施形態において、バッテリは、制限された時間の間、監視装置102の少なくともいくつか電気的構成要素の動作可能性を可能にするのに十分な電気動力を提供することができる。バッテリ(すなわち、非充電式電池)に蓄えられたエネルギーは制限された時間の後、枯渇するので、いつまでも続く電力供給を提供することができる電源を提供することは非常に望ましい。
【0152】
いくつかの実施形態によると、電源は、誘導キャパシタ回路または任意の他のエネルギー採取機構を備える無線周波(RF)電源であり、それは、送信/受信アンテナによってRFを使用して電力を供給してもよい。
【0153】
いくつかの実施形態によると、外部リーダユニット188は、監視装置102を定期的に起動させるためにRF誘導を利用してもよく、測定されたデータを取得してもよい。いくつかの実施形態によると、外部リーダユニット188は、電力の供給を可能とするように構成される、ならびに/あるいは、監視装置102の制御回路160および/または他の構成要素から情報を読み取る、ならびに/あるいは監視装置102の制御回路160および/もしくは他の構成要素に情報を送信するように構成される、RFIDリーダユニットを備える。実施形態の1つの変形例において、RF電源は、外部リーダユニット188と通信するように構成される内部RFIDリーダユニットを構成する。
【0154】
RF電源の回路は、外部RFIDユニットからRFエネルギーを受け取り、RFエネルギーをDCエネルギー(たとえば、DC電圧)に変換することによって、そこからエネルギーを採取するように構成されてもよい。DCエネルギーは、監視装置102の構成要素を駆動するために使用されてもよい。
【0155】
いくつかの実施形態によると、監視装置102は、(たとえば、
図5Bに示された)自己出力型エネルギー採取電源168として実装される電源を備え、それは、ローカル自己出力型エネルギー採取電源168L、リモート自己出力型エネルギー採取電源168R、またはその両方を含むことができる。自己出力型エネルギー採取電源168は、エネルギー採取機構170と、それに連結されたエネルギー貯蔵部材172とを備える。用語「自己出力型」は、本明細書で使用される場合、電力が自己出力型エネルギー採取電源168の1つまたは複数の構成要素によって供給されることを意味する。自己出力型エネルギー採取電源168は、外部RFIDユニットなどの体外デバイスの使用を必要とすることなくエネルギーを採取するように構成されるので、RF電源よりも有利である。いくつかの実施形態によると、自己出力型エネルギー採取電源168、および/またはその任意の構成要素は、患者に固定されるように構成される。患者に固定される構成は、自己出力型エネルギー採取電源168を人工弁120に固定することができる取付部材(図示せず)、自己出力型エネルギー採取電源168をローカル制御回路160Lおよび/もしくはリモート制御回路160Rを含む制御回路160に固定することができる取付部材(図示せず)、下で説明される組織係合特徴部、ならびに/または、自己出力型エネルギー採取電源168の少なくとも一部を患者の皮膚の外面に固定することができる取付部材(図示せず)を備えることができる。
【0156】
いくつかの実施形態によると、エネルギー採取機構170は、人工弁120の自然器官または構成要素の脈動的な機械エネルギーなどの運動エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成された運動エネルギー採取機構170として実装される。
【0157】
運動エネルギー採取機構170の第1の種類は、時計仕掛け式エネルギー採取機構270であり、それは、電磁発電機に連結されたばねに接続された、伝動装置に接続された揺動錘に基づく、腕時計の自動時計仕掛けに実装される機構と類似している。従来の実施態様において、時計仕掛け機構は、日々の活動中の人の手首の運動を、腕時計を駆動できる電気エネルギーに変換するために利用されてもよい。
【0158】
監視装置102の例示的な構成は
図8Bに示され、人工弁120に取り付けられたローカル制御回路160L、および、脈動する左心室16の内壁に取り付けられたローカルエネルギー採取電源168Lを有し、ローカル制御回路160Lに配線されている。
図8Cは、
図8Bのローカル制御回路160Lの例示的な構成を概略的に示す。
図8Dは、時計仕掛け式エネルギー採取機構270を備える、
図8Bのローカルエネルギー採取電源168Lの例示的な構成を概略的に示す。
【0159】
いくつかの実施形態によると、
図8Dに示されるように、時計仕掛け式エネルギー採取機構270は、揺動錘272と、機械的荷重272に連結されて、機械的荷重272によって駆動されるように構成された機械式整流器276と、機械式整流器276に連結された渦巻ばね278などのばねと、渦巻ばね278に取り付けられた電磁発電機280とを備える。いくつかの実施形態によると、電磁発電機280は、電磁マイクロ発電機、すなわち、人体内に埋め込むことができるように寸法決めされた電磁発電機である。
【0160】
揺動錘272は、外部から加えられた加速度を揺動回転運動に変換するように構成される。機械式整流器276は、これらの揺動を一方向回転に変換するように構成され、それによって、両方向の回転からのエネルギーの採取が可能になる。一方向回転は、渦巻ばね278を巻き取るように構成され、それはエネルギーを機械的な形態で一時的に蓄える。いくつかの実施形態によると、機械式整流器276は、一対のラチェットホイールを備えることができ、それにより、揺動錘によって供給される機械動力は、2つのラチェットホイールに分配される。ラチェットホイールの1つは、渦巻ばね278の第1の端部に締結される。したがって、揺動錘272の揺動動作は、移動方向に関係なく、ばね278を巻き取ることができる。最後に、電磁マイクロ発電機280は、回転運動を電気信号に変換するように構成される。特に、渦巻ばね278の第2の端部は、発電機280に締結される。渦巻ばね278のトルクが発電機280の保持トルクに等しいとき、ばね278は巻き戻り、電磁マイクロ発電機280を駆動する。
【0161】
たとえば、揺動錘272の形状および重量を含む、時計仕掛け式エネルギー採取機構270の構成要素の設計パラメータは、機構270が取り付けられる自然器官または人工構成要素の運動に対する適切な感度を提供するように適合されてもよい。
【0162】
いくつかの例示的な実施形態によると、心臓の運動を電気インパルスに変換するために、運動エネルギー採取回路が患者の心臓に取り付けられる。特に、揺動錘272は、心臓の運動が揺動錘272の揺動を発生させるように位置付けられる。他の例示的な実施形態によると、時計仕掛け式エネルギー採取回路270は、(たとえば、収縮期と拡張期との移行の間の)脈動する血管運動を電気インパルスに変換するために、患者の血管壁(たとえば、大動脈壁)に取り付けられてもよい。さらに他の例示的な実施形態によると、時計仕掛け式エネルギー採取回路は、フレームまたは弁尖の運動を電気インパルスに変換するために、フレーム126または弁尖140のうちの少なくとも1つなどの、人工弁120の移動可能な構成要素に取り付けられてもよい。
【0163】
いくつかの実施形態によると、運動エネルギー採取回路は、機械的に移動可能な標的器官または人工構成要素に取り付け可能なパッチ内に実装されてもよい。あるいは、運動エネルギー採取回路は、取り付けるように設計された標的器官または人工構成要素に一致して、かつ/またはそれに対して位置が定められるように構成される、円盤状、ロッド状、または任意の別の形状構造で実装されてもよい。
【0164】
いくつかの実施形態によると、電源は、運動エネルギー採取機構170に機能的に連結され、生成されたエネルギーを一時的に蓄えるかつ/またはバッファするように構成された、蓄電器、誘導器、または電気化学アキュムレータなどのエネルギー貯蔵部材172をさらに備える。
【0165】
エネルギー貯蔵部材は、いくつかの実施形態に従って、バイパスコンデンサ、小さい超コンデンサ、薄膜の再充電可能電池とすることができる、比較的小さい構成要素として提供されることが好ましい。
【0166】
図8A~
図8Dに示される例示的な構成において、時計仕掛け式エネルギー採取機構270は、たとえば、人工弁120の近傍のLVOT22において、左心室16の内壁に取り付けられ、左心室16の脈動を、エネルギー貯蔵部材172で蓄えることができる電気インパルスに変換することを可能にする。
【0167】
いくつかの実施形態によると、監視装置102は、人工弁120に直接的または間接的に完全に取り付けられるローカルエネルギー採取電源168Lを含んでもよい。いくつかの実施形態によると、監視装置102は、人工弁120に直接的または間接的に完全に取り付けられるローカル制御回路160Lを含んでもよい。例示的な実施形態は、人工弁120のまわりで配設された、または、他の方法で人工弁120に連結された、ローカル制御回路160Lと、少なくとも1つの弁尖140に取り付けられた、運動エネルギー採取機構270を含むエネルギー採取電源168と、ローカル制御回路160L内で構成されて、運動エネルギー採取機構270(実施形態に示さない)に接続されたエネルギー貯蔵部材172とを含んでもよい。
【0168】
いくつかの実施形態によると、監視装置102は、人工弁120が接触する、または、人工弁120に近接する自然器官に完全に取り付けられるローカルエネルギー採取電源168Lを含んでもよい。いくつかの実施形態によると、監視装置102は、人工弁120が接触する、または、人工弁120に近接する自然器官に完全に取り付けられるローカル制御回路160Lを含んでもよい。例示的な実施形態は、人工弁120が取り付けられた血管壁、または、人工弁120の近傍の心臓壁(たとえば、心房もしくは心室の外壁もしくは内壁)などの器官に取り付けられる運動エネルギー採取機構270を有するエネルギー採取電源168を含んでもよい。実施形態の1つの変形例において、ローカル制御回路160Lは、ローカルエネルギー採取電源168Lを備え、前記器官または自然組織に取り付けられ、弁120に取り付けられた少なくとも1つのセンサ158と通信した状態であり、たとえば、少なくとも1つのセンサ158の動作を制御し、少なくとも1つのセンサ158に電力を供給し、かつ/または少なくとも1つのセンサ158からの信号を受信するように構成される。実施形態の別の変形例において、ローカル制御回路160Lは、運動エネルギー採取回路に近接して、同じ器官にまたは異なる器官に別々に取り付けられ、運動エネルギー採取機構270(たとえば、そこから電力を受ける)および少なくとも1つのセンサ158の両方に機能的に接続されている。
【0169】
いくつかの実施形態によると、ローカルおよび/またはリモートエネルギー採取電源168は、人工弁120の自然器官または構成要素の脈動する機械エネルギーなどの運動エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成される(実施形態は示されない)、圧電エネルギー採取機構として実装されるエネルギー採取機構170を備える。機械エネルギーの類似のソースに基づくが、圧電エネルギー採取機構は、揺動錘および伝動装置を有する代わりに、圧電エネルギー採取機構は、屈曲、収縮、または振動時に電荷を発生させるように構成された、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの圧電素子を備えるという点で、上述の運動エネルギー採取機構270と異なる。たとえば、圧電素子は、心臓の拍動が定期的に圧電素子に力を加えるような固定位置とすることができ、それによって、電荷を発生させる。いくつかの実施形態によると、圧電素子は、心臓の拍動が定期的に圧電素子を曲げるように、心臓の表面に沿って引き伸ばすことができ、それによって、電荷を発生させる。
【0170】
圧電エネルギー採取機構は、圧電素子およびエネルギー貯蔵部材172に接続され、圧電素子の出力電圧を、次いでエネルギー貯蔵部材172に蓄えられるDC信号に変換するように構成された、電圧変換回路をさらに含んでもよい。
【0171】
取付けの潜在的な部位および監視装置102の他の構成要素に対する潜在的な構成を含む、圧電エネルギー採取機構の位置決めおよび配置は、運動エネルギー採取機構270のために上で説明された実施形態のいずれかに従って実装されてもよい。
【0172】
いくつかの実施形態によると、ローカルおよび/またはリモート電源168は、光を電気エネルギーに変換するように構成される、太陽エネルギー採取機構370として実装されるエネルギー採取機構を備える。近赤外線は人間の皮膚を貫通することができるので、そのような変換は、皮下に埋め込まれた太陽電池で可能である。採取機構370は太陽エネルギーに関して説明されているが、これは、日光に限定されることを意味しない。特に、太陽エネルギー採取機構370は、蛍光光源、発光ダイオード(LED)源、および白熱光源からの光などの室内光を含む任意の種類の光を、電気エネルギーに変換するように構成することができる。
【0173】
図9Aは、自然僧帽弁30に埋め込まれた人工弁120を備える弁監視アセンブリ100を示す。
図9Bは、
図9Aの破線境界に示された領域の拡大図を示す。場合によっては、人工僧帽弁120は、その流入端部124が左心房12に突出し、流出端部122が左心室16に突出するように取り付けることができる。このような例において、第1の圧力センサ158aは、流入端部124に連結することができ、左房圧を測定するように構成され、一方、第2の圧力センサ158bは、流出端部122に連結することができ、左室圧を測定するように構成される。検知信号は、通信チャネル156aおよび156bを介して制御回路160に送達することができ、僧帽弁にわたる圧力勾配を得るために、プロセッサ164によって互いに差引きすることができる。結果ならびに生データは、メモリ部材166に記憶させることができる。圧力値または圧力勾配は、プロセッサ164によって、メモリ部材166から読み出される、過去の値および/または閾値と比較することができる。
【0174】
人工弁120に取り付けられたローカル制御回路160Lと、ローカル制御回路160Lに無線で連結された、患者の身体の(埋め込みの弁の部位に対して)離れた位置に位置付けられるリモートエネルギー採取電源168Rとを有する、監視装置102の例示的な構成が
図9A~
図9Bに示される。リモートエネルギー採取電源168Rは、患者内に、たとえば皮下に埋め込むことができる。代替的にまたは付加的に、リモートエネルギー採取電源168Rの少なくとも一部は、患者の皮膚の外部に固定することができる。
図9Aは、自然僧帽弁30内に埋め込まれた人工弁120、および、頸部などの人工弁120に対して離れた位置に埋め込まれた監視装置102の少なくとも1つの構成要素を示す。監視装置102の人工弁120または構成要素のための埋め込み部位は、例示のためにのみ示され、必要に応じて変えることができる。
図9Bは、自然僧帽弁30内に埋め込まれた人工弁120の拡大図を示す。
図9Cは、
図9Bのローカル制御回路160Lの例示的な構成を概略的に示す。
図9Dは、太陽エネルギー採取機構370を備えるリモートエネルギー採取電源168Rを備える、リモート制御回路160Rの例示的な構成を示す。人工弁120埋め込みの位置ならびにそれと関連する監視装置102の構成要素が例示のためにのみ
図9A~
図9Bに示されること、および、他の種類の人工弁を自然僧帽弁または他の自然心臓弁内に取り付けることができ、さまざまな異なる構成でそれに関連する監視装置102の構成要素を有することは明らかであろう。
【0175】
いくつかの実施形態によると、太陽エネルギー採取機構370は、少なくとも1つの太陽電池、好ましくは、複数の太陽電池384を含むソーラーモジュール382を備える。いくつかの用途において、太陽電池384は、ソーラーモジュールに沿って直列に互いに接続することができる。ソーラーモジュール382は好ましくは、関連するスペクトル帯、たとえば、350~1100nmの範囲において無視できる光吸収率を有する材料から作られる。
【0176】
いくつかの実施形態によると、太陽エネルギー採取機構370は、ソーラーモジュール382に機能的に連結された電力変換器386をさらに備える。いくつかの実施形態によると、エネルギー採取電源168は、太陽エネルギー採取機構370に機能的に連結され、生成されたエネルギーを一時的に蓄えるかつ/またはバッファするように構成された、蓄電器または電気化学アキュムレータなどのエネルギー貯蔵部材172をさらに備える。いくつかの実施形態によると、電力変換器386は、エネルギー貯蔵部材172を備える。
【0177】
有利なことには、太陽エネルギー採取機構370は、その長期耐久性を潜在的に改善することができる、機械的に移動可能な構成要素を必ずしも含むというわけではない。
【0178】
いくつかの実施形態によると、太陽エネルギー採取機構370は、患者の(
図8Aに示されるような)首、手、または脚などの周囲光にさらすことができる領域において皮下に埋め込まれたリモートエネルギー採取電源168R内に構成され、たとえば、有線または無線通信リンクを介してそれに電力を供給するために、監視装置102の少なくとも1つのローカル構成要素に機能的に連結される。
【0179】
有利なことには、周囲またはその場のエネルギーを採取するためのソーラーまたは運動機構はそれぞれ、たとえば、誘導給電技術とは対照的に、患者内に埋め込まれた後に、その動作のための外部インタフェースを必要とすることなく、監視装置の連続的な長期の自律動作を提供することができる。
【0180】
いくつかの実施形態によると、監視装置102は、ローカル制御回路160Lおよび/または少なくとも1つのセンサ158などのローカル構成要素に、フレキシブルワイヤまたはケーブルで接続されてもよい、リモートエネルギー採取電源168Rを含む(実施形態は示されない)。ケーブルは、リモート電源から、ケーブルに接続された監視装置102の少なくとも1つのローカル構成要素まで、収集したエネルギーを送達するように構成することができる。
【0181】
いくつかの実施形態によると、監視装置102は、ローカル制御回路160Lおよび/または少なくとも1つのセンサ158などのローカル構成要素に、フレキシブルワイヤまたはケーブルで接続されてもよい、リモート制御回路160Rを含む(実施形態は示されない)。ケーブルは、リモート電源から、ケーブルに接続された装置102の少なくとも1つのローカル構成要素まで、収集したエネルギーを送達するように構成することができる。代替的にまたは付加的に、ケーブルは、ローカル制御回路160Lまたは少なくとも1つのセンサ158などの少なくとも1つのローカル構成要素から、リモート制御回路160Rに信号を搬送する、かつ/または、リモート制御回路160Rから、監視装置102の少なくとも1つのローカル構成要素に信号を搬送するように構成することができる。
【0182】
いくつかの実施形態によると、
図9A~
図9Dに示されるように、リモートエネルギー採取電源168Rに蓄えられたエネルギーは、リモート制御回路160R内に構成されたまたはリモート制御回路160Rに機能的に連結された送信機または送受信機などのリモート通信構成要素162Rから、ローカル制御回路160L内に構成されたまたはローカル制御回路160Lに機能的に連結された受信機または送受信機などのローカル通信構成要素162Lへの無線伝送に好適な形態に変えられる。
【0183】
いくつかの実施形態によると、リモート通信構成要素162Rは、(たとえば、リモートエネルギー貯蔵部材172Rの)リモート電源168Rに蓄えられたエネルギーを、それぞれのコイルアンテナも含んでもよいローカル通信構成要素に電磁的に伝送するように構成されたコイルアンテナ(図示せず)を備える。たとえば、リモート通信構成要素162Rは、リモートエネルギー貯蔵部材172Rに蓄えられたエネルギーを振動電磁場に変換することができる。次いで、電磁場は、制御回路160および/またはセンサ158を駆動するために、ローカル通信構成要素162Lが受けることができる。
【0184】
いくつかの実施形態によると、リモート通信構成要素162Rは、(たとえば、リモートエネルギー貯蔵部材172Rの)超音波エネルギーとしてリモートエネルギー採取電源168Rに蓄えられたエネルギーを、それぞれの超音波受信機を含んでもよいローカル通信構成要素162Lに送達するように構成される超音波トランスデューサ(図示せず)を備える。
【0185】
いくつかの実施形態によると、電力は、少なくとも1つのセンサ158に、そして潜在的に、他のローカルまたはリモート構成要素に連続的に供給される。あるいは、電力は、必要に応じて、たとえば、制御回路160からの要求時、または、制御回路160と通信する体外デバイスからの要求時に供給されてもよい。代替的にまたは付加的に、電力は、所定の時間間隔で定期的に供給されてもよい。
【0186】
いくつかの実施形態によると、エネルギー採取電源168から任意のローカルまたはリモート構成要素に流れるエネルギー量は、制御回路160で制御されてもよい。
【0187】
いくつかの実施形態によると、外部リーダユニット188などの体外デバイスは、監視装置102と無線通信するために利用されてもよい。弁監視システム400は、監視アセンブリ100と、監視アセンブリ100からの信号を無線で受信するように構成された外部リーダユニット188とを含んでもよい。例示的な外部リーダユニット188は、監視装置102と通信するための専用デバイスとして、または、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチなどの市販のモバイルデバイスとして提供されてもよく、それらは、監視装置102と通信するためのソフトウェアコマンドを含んでもよい。
図10Aは、いくつかの実施形態による、埋め込まれた監視装置102との通信のための、患者の隣に示される外部リーダユニット188の簡略図を示す。
図10Bは、
図10Aに示された外部リーダユニット188の構成要素を概略的に示す。
【0188】
外部リーダユニット188は、送信機、受信機、および/または送受信機などの無線通信構成要素を備えることができ、監視装置102の通信構成要素162に信号を無線送信する、かつ/または、監視装置102の通信構成要素162からの信号を受信するように構成された、少なくとも1つのリーダ通信構成要素190を含む。
【0189】
いくつかの実施形態によると、ローカル通信構成要素162Lおよび/またはリモート通信構成要素162Rなどの、監視装置102の少なくとも1つの通信構成要素162は、Bluetooth、RF、LoRa、Zigbee、Z波、近距離通信(NFC)、または同様のものなどの1つまたは複数の通信プロトコルを使用して、少なくとも1つのリーダ通信構成要素190への信号の送信および/または少なくとも1つのリーダ通信構成要素190からの信号の受信を行うように構成される。
【0190】
いくつかの実施形態によると、弁監視システム400は、外部リーダユニット188と有線または無線通信リンクを介して通信するように構成された、少なくとも1つの外部リモート監視デバイス488をさらに備える。少なくとも1つの外部リモート監視デバイス488は、外部リーダユニット188とともに、監視装置102と通信し、監視装置102によって送信される測定信号(すなわち、生データおよび/または処理済データ)に関連するデータを管理するために利用されてもよい。
【0191】
図10Aは、外部リーダユニット188と、外部リーダユニット188と通信するように構成された少なくとも1つの外部リモート監視デバイス488とを備える、例示的な弁監視システム400を概略的に示す。
図10Cは、
図10Aに示される外部リモート監視デバイス488の構成要素を概略的に示す。少なくとも1つの外部リモート監視デバイス488は、有線または無線通信リンクを介して、外部リーダユニット188からの信号の受信および/または外部リーダユニット188への信号の送信を行うように構成された、体外デバイスを含んでもよい。いくつかの用途において、外部リモート監視デバイス488は、リモートラップトップもしくはデスクトップコンピュータ、リモートスマートフォン、リモートスマートウォッチ、リモートタブレット、リモートサーバ、リモートクラウドサービスインフラストラクチャ、および/またはこれらの組合せを含むが、これらに限定されるものではない。いくつかの用途において、少なくとも1つの外部リモート監視デバイス488は、複数の類似のまたは異なる種類の外部リモート監視デバイス488を含み、外部リモート監視デバイス488のネットワークを含んでもよい。
【0192】
いくつかの実施形態によると、リーダ通信構成要素190は、Bluetooth、RF、LoRa、Zigbee、Z波、近距離通信(NFC)、または同様のものなどの近距離無線通信プロトコルを介してローカル通信構成要素162と通信するように構成された、近距離通信構成要素190SRを備える。
【0193】
いくつかの実施形態によると、外部リーダユニット188は、リーダユニット188の少なくともいくつか構成要素のそれぞれの機能を制御するように構成される、リーダプロセッサ192をさらに備える。いくつかの用途において、リーダプロセッサ192は、監視装置102から送信されたデータを処理および解釈するようにさらに構成される。いくつかの実施形態によると、リーダプロセッサ192は、監視装置102から送信されたデータを解釈するためのソフトウェアを含んでもよい。リーダプロセッサ192は、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態によると、リーダプロセッサ192は、コンピュータおよび/またはスマートフォンのプロセッサ上で実行されるソフトウェアとして実装することができる。
【0194】
いくつかの実施形態によると、外部リーダユニット188は、監視装置102から送信されたデータの記憶および/またはリーダプロセッサ192によって処理されたデータの記憶を行うように構成された、リーダ記憶部材194をさらに備える。リーダ記憶部材194は、永続的記憶装置(たとえば、ハードディスク、フラッシュメモリセット、CD/DVD ROMドライブ、および同様のもの)、メモリチップ(たとえば、PROM、EPROM、EEPROM、ROM、ソリッドステートメモリ、もしくは同様のもの)、ならびに/またはそれらの組合せを含んでもよい。
【0195】
いくつかの実施形態によると、監視装置102からリーダユニット188まで送信される測定データは、リーダ記憶部材194に記憶されてもよく、測定された特性の改善または悪化を検出するために、リーダプロセッサ192によって過去の(すなわち、以前記憶された)値と比較されてもよい。
【0196】
いくつかの実施形態によると、監視装置102からリーダユニット188に送信された測定データは、臨床関連性があってもよいまたは関連する臨床結果を示してもよい知られている関連性および指標を得るために、数学的に操作されてもよく、または、リーダプロセッサ192によって処理されてもよい。
【0197】
いくつかの実施形態によると、外部リーダユニット188は、たとえば、生測定データまたは解釈されたデータ、記憶された患者固有のデータ(たとえば、生理学的および医学的プロファイル)、警告、推奨、および同様のものを含んでもよい情報を表示するように構成された視覚インタフェースの役割を果たす、リーダディスプレイ196をさらに備える。情報は、表、グラフ、図の形態、ならびに、任意の種類の文字、表、および/またはグラフ表示のフォーマットで表示されてもよい。
【0198】
いくつかの実施形態によると、外部リーダユニット188は、ボタン、スライダ、キーボード、オンスクリーンキーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、タッチパッド、タッチスクリーン、および同様のものなどのリーダ入力インタフェース198をさらに備える。リーダ入力インタフェース198は、外部リーダユニット188のユーザが、リーダディスプレイ196上に表示される選択肢の選択、患者または監視装置102に関連するデータの入力および/または修正、実行のためにコマンドの提供などを行うことを可能とする。リーダ入力インタフェース198およびリーダディスプレイ196は、外部リーダユニット188の対話型インタフェースを一緒に定義付ける。対話型インタフェースは、可聴(たとえば、音声)および/または触覚(たとえば、振動)信号を提供するための手段をさらに含んでもよい。
【0199】
対話型インタフェースは、リーダディスプレイ196に示される複数のテキストおよび/またはグラフィカル制御要素を含んでもよい。制御要素は、任意選択的に、対応する制御要素の動作の機能または方法を示すテキストラベルまたはマーカと関連付けられる、グラフィカルアイコンとして示すことができる。制御要素は、チェックボックス、ラジオボタン、押しボタン、ドロップダウンリスト、および同様のものを含むことができる。制御要素は、リーダ入力インタフェース198を介したテキスト入力のための入力フィールドも含んでもよい。
【0200】
いくつかの実施形態によると、少なくとも1つの外部リモート監視デバイス488は、外部リモート通信構成要素490を備え、それは、リーダユニット188のリーダ通信構成要素190への信号の送信および/またはリーダユニット188のリーダ通信構成要素190からの信号の受信を行うように構成された、有線通信構成要素、送信機、受信機、および/または送受信機を備えることができる。
【0201】
いくつかの実施形態によると、リーダ通信構成要素190は、LAN、有線通信、WiFi、GSM、GPRS、LTE、または同様のものなどの長距離有線または無線通信プロトコルを介して、少なくとも1つの外部リモート監視デバイス488の外部リモート通信構成要素490と通信するように構成された、長距離通信構成要素190LDを備える。いくつかの用途において、リーダ通信構成要素190は、少なくとも1つの近距離通信構成要素190SRおよび少なくとも1つの長距離通信構成要素190LDを備え、それらは、それぞれがリーダプロセッサ192に機能的に連結されて、それによって制御可能な別個の構成要素として提供される。いくつかの用途において、単一のリーダ通信構成要素190は、近距離通信構成要素190SRおよび長距離通信構成要素190LDの両方としての役割を果たす。
【0202】
いくつかの用途において、リーダユニット188は、たとえば、長距離通信構成要素190LDを介して、監視装置102から受信された測定データおよび/またはリーダプロセッサ192によって処理されたデータを、少なくとも1つの外部リモート監視デバイス488に送信してもよい。
【0203】
少なくとも1つの外部リモート監視デバイス488は、外部リモート監視デバイス488の少なくともいくつか構成要素のそれぞれの機能を制御するように構成された、外部リモートプロセッサ492を含んでもよい。いくつかの用途において、外部リモートプロセッサ492は、リーダユニット188から送信されたデータを処理および解釈するようにさらに構成される。いくつかの実施形態によると、外部リモートプロセッサ492は、リーダユニット188から送信されたデータを解釈するためのソフトウェアを含んでもよい。
【0204】
少なくとも1つの外部リモート監視デバイス488は、リーダユニット188から送信されたデータの記憶および/または外部リモートプロセッサ492によって処理されたデータの記憶を行うように構成された、外部リモート記憶部材494をさらに含んでもよい。外部リモート記憶部材494は、永続的記憶装置(たとえば、ハードディスク、フラッシュメモリセット、CD/DVD ROMドライブ、および同様のもの)、メモリチップ(たとえば、PROM、EPROM、EEPROM、ROM、ソリッドステートメモリ、もしくは同様のもの)、ならびに/またはそれらの組合せを含んでもよい。
【0205】
いくつかの実施形態によると、外部リーダユニット188から外部リモート監視デバイス488に送信された測定データおよび/または処理済データは、外部リモート記憶部材494に記憶されてもよく、測定されたパラメータの改善または悪化を検出するために、外部リモートプロセッサ492によって過去の(すなわち、以前記憶された)値と比較されてもよい。
【0206】
いくつかの実施形態によると、リーダユニット188から外部リモート監視デバイス488に送信された測定関連データは、臨床関連性があってもよいまたは関連する臨床結果を示してもよい知られている関連性および指標を得るために、数学的に操作されてもよく、または、外部リモートプロセッサ492によって処理されてもよい。
【0207】
いくつかの実施形態によると、外部リモート監視デバイス488は、たとえば、生測定データまたは解釈されたデータ、記憶された患者固有のデータ(たとえば、生理学的および医学的プロファイル)、警告、推奨、および同様のものを含んでもよい情報を表示するように構成された視覚インタフェースの役割を果たす、外部リモートディスプレイ496をさらに備える。情報は、表、グラフ、図の形態、ならびに、任意の種類の文字、表、および/またはグラフ表示のフォーマットで表示されてもよい。
【0208】
いくつかの実施形態によると、制御回路160のメモリ部材166、リーダ記憶部材194、および/または外部リモート記憶部材494のうちの任意の1つは、生データ(たとえば、少なくとも1つのセンサ158によって検知された信号)の解釈および/または処理のためのソフトウェアを含んでもよい。いくつかの実施形態によると、制御回路160のメモリ部材166、リーダ記憶部材194、および/または外部リモート記憶部材494のうちの任意の1つは、制御回路160のプロセッサ164、リーダプロセッサ192、および/または外部リモートプロセッサ492のいずれか1つによって以前に処理されたデータなどの、以前に処理されたデータの解釈および/またはさらなる処理のためのソフトウェアを含んでもよい。
【0209】
制御回路160のメモリ部材166、リーダ記憶部材194、および/または外部リモート記憶部材494に含まれるソフトウェアコマンドは、制御回路160のプロセッサ164、リーダプロセッサ192、および/または外部リモートプロセッサ492によって、それぞれ実行されてもよい。いくつかの用途において、ソフトウェアは、いくつかの心臓周期にわたる複数の測定値を平均するための、または、サイクルごとの変化を識別するためのコマンドおよび/または命令を含んでもよい。
【0210】
いくつかの実施形態によると、リーダ記憶部材194および/または外部リモート記憶部材494のうちの任意の1つは、リーダディスプレイ196および/または外部リモートディスプレイ496上にデータを表示するためのソフトウェアを、それぞれ含んでもよい。
【0211】
いくつかの実施形態によると、リモート監視デバイス488は、ボタン、スライダ、キーボード、オンスクリーンキーボード、キーパッド、マウス、ジョイスティック、トラックボール、タッチパッド、タッチスクリーン、および同様のものなどの外部リモート入力インタフェース498をさらに備える。外部リモート入力インタフェース498は、リモート監視デバイス488のユーザが、外部リモートディスプレイ496上に表示された選択肢の選択、患者、弁監視システム400のさまざまな構成要素(監視装置102、外部リーダユニット188、および/または外部リモート監視デバイス488など)に関連するデータの入力および/または修正、実行のためのコマンドの提供、ならびに同様のことを行うことを可能とする。外部リモート入力インタフェース498および外部リモートディスプレイ496は、リモート監視デバイス488の対話型インタフェースを一緒に定義付ける。対話型インタフェースは、可聴(たとえば、音声)および/または触覚(たとえば、振動)信号を提供するための手段をさらに含んでもよい。
【0212】
対話型インタフェースは、リーダディスプレイ496に示される複数のテキストおよび/またはグラフィカル制御要素を含んでもよい。制御要素は、任意選択的に、対応する制御要素の動作の機能または方法を示すテキストラベルまたはマーカと関連付けられる、グラフィカルアイコンとして示すことができる。制御要素は、チェックボックス、ラジオボタン、押しボタン、ドロップダウンリスト、および同様のものを含むことができる。制御要素は、リーダ入力インタフェース498を介したテキスト入力のための入力フィールドも含んでもよい。
【0213】
いくつかの実施形態によると、単一の外部リーダユニット188は、複数の患者の機能している心臓弁を監視するために、いくつかの異なる監視装置102とともに使用されてもよい。これは有利なことには、収納空間要求の減少、可搬性の向上、およびコストの減少などのいくつかの利益をもたらすことができる。
【0214】
いくつかの実施形態によると、監視装置102は、外科的に埋め込み可能な人工弁と組み合わせて利用されてもよい。
図11Aは、外科的に埋め込み可能な人工弁520に連結された監視装置102を有する例示的な外科的に埋め込み可能な人工弁520、ならびに、外科的に埋め込み可能な人工弁520および監視装置102を含む監視アセンブリ100が動作することができる環境の一部を示す。
図11Bは、
図11Aの破線境界で示された領域の拡大図を示す。自然大動脈弁40内に埋め込まれた外科用弁520の位置ならびにそれに連結された監視装置102の構成要素が例示のためにのみ
図11A~
図11Bに示され、他の種類の外科的に埋め込み可能な弁を自然大動脈弁または他の自然心臓弁内に取り付けることができ、さまざまな異なる構成でそれに連結された監視装置102の構成要素を有することは明らかであろう。
【0215】
図11A~
図11Bに示される例示的な弁520は、支持フレーム526と、それに取り付けられた弁尖540とを備える。フレーム526は、流入端部524において弁520を囲む略剛性リング536、および、流出端部522の方へそこから近位に延在する複数の交連ポスト530を画定してもよい。
【0216】
外科的に埋め込み可能な人工弁520に連結された監視装置102の1つの例示的な構成が
図11Bに示され、1つの交連ポスト530に取り付けられ、流入端部524および流出端部522に対応する位置において別の交連ポスト530にそれぞれ取り付けられてもよい第1のセンサ158aおよび第2のセンサ158bに通信チャネル156aおよび156bを介して配線されるローカル制御回路160Lを有している。通信チャネル156は、リング536およびそれぞれの交連ポスト530に沿って経路に従ってもよい。外科的に埋め込み可能な人工弁520に連結された監視装置102の特定の構成が
図11A~
図11Bに示されているが、外科的に埋め込み可能な弁520への監視装置102の構成要素の取付け位置を含む他の構成は本開示の範囲内であり、監視装置102は他の種類の外科的に埋め込み可能な弁で同様に利用されてもよいことが理解されよう。
【0217】
場合によっては、以前に埋め込まれた既存の弁の機能と関連する流れ特性の監視を可能にするために、そのような弁とともに監視装置102を利用することが望ましいことがある。いくつかの実施形態によると、以前に埋め込まれた経カテーテル弁120または外科的に埋め込まれた弁520とすることができる既存の弁を有する患者に、監視装置102を埋め込むための方法が提供されてもよい。
【0218】
ここで、
図12A~
図12Dを参照する。例示の目的のみで、監視装置102の埋め込みステップが、自然大動脈弁40内に埋め込まれる人工弁120に関して説明される。送達カテーテル612を含む監視装置送達システム606は、監視装置102を埋め込み部位に搬送するために利用されてもよい。
【0219】
図12Aに示されるように、送達カテーテル612は、大動脈80を通って、大動脈弁40に対して遠位であってもよい、たとえば、人工弁120の流入端部124にあるまたは人工弁120の流入端部124に対して遠位であることもある第1の埋め込み部位の方へ、ガイドワイヤ上を前進してもよい。送達カテーテル612は、たとえば、大動脈弁輪42と人工弁120の流入端部124との間の、自然大動脈弁尖44の底部の軟組織を通って、左心室16に貫入してもよい。
【0220】
送達カテーテル612の遠位端が所定の位置にあるとき、送達カテーテル612から第1のセンサ158aを延在し、左心室16の内壁などの第1の所望の埋め込み部位に第1のセンサ158aを取り付けるように、送達システム606を操作してもよい。代替的にまたは付加的に、第1のセンサ158aなどのセンサ158は、人工弁120の流入端部124に取り付けられてもよい。
【0221】
図12Cに示されるように、以下のステップは、大動脈弁輪40より近位であってもよい、たとえば、人工弁120の流出端部122におけるまたは人工弁120の流出端部122より遠位であってもよい第2の埋め込み部位への送達カテーテル612の後退を含んでもよい。例示的な説明図において、人工弁120は、流出端部122から延在する監視係合部材143を備え、それにより、監視装置102の第2のセンサ158bおよび/または他の電気的構成要素をそれに連結してもよい。
図12Cに示される例示的な実施形態において、その中で埋め込まれた第2のセンサ158bを有する制御回路160は、監視係合部材143と係合するために、送達カテーテル612から延在する。次いで、送達カテーテル612は、
図12Dに示されるように、患者の身体から引き出すことができ、人工弁120の弁尖140の接合ゾーンの遠位および近位に位置する2つのセンサ158を含む監視装置102は患者の体中に埋め込まれたままにしている。
【0222】
第2のセンサ158bが
図12C~
図12Dにおいて制御回路160内に埋め込まれた構成要素として示されているが、代替の構成では、有線または無線通信リンクを介して互いに動作可能に連結された別個の構成要素として提供される、制御回路160および第2のセンサ158bを含んでもよく、制御回路160および第2のセンサ158bのそれぞれを、人工弁120(たとえば、流出端部122もしくは流出端部122から延在する監視係合部材143)に、または、動脈壁などの自然器官もしくは組織に取り付けることができることは明らかであろう。さらに、代替の構成は、制御回路160内に埋め込まれた第1のセンサ158aを含んでもよく、それは、人工弁120(たとえば、流入端部124もしくは流入端部124から延在する監視係合部材143)に、または、左心室16の内壁などの自然器官もしくは組織に取り付けることができる。
【0223】
場合によっては、監視装置102は、任意のセンサ158が取り付けられるまたは関連付けられることなく以前に埋め込まれた人工弁120、520上に、または、人工弁120、520の近傍に埋め込まれてもよい。以前に埋め込まれた人工弁120、520は、少なくとも1つの監視係合部材143を含んでもよく、監視装置102の少なくとも1つの構成要素の、人工弁120、520へのより簡単な取付けを可能にする。
【0224】
監視装置102またはその構成要素は、その埋め込み領域により、弁の機能と相関してもよい流れ特性を測定することが可能になる場合、弁と「関連付けられた」と定義される。たとえば、監視装置102は、それぞれが弁尖140の接合ゾーンの両側に位置付けられる2つの圧力センサ158を含むことによって、人工弁120と関連付けられてもよく、それによって、その両側での圧力信号の測定が可能になり、それらから、人工弁120内の圧力勾配を得てもよい。この構成は、弁120への両方のセンサ158の取付けを含むことができる。たとえば、第1のセンサ158aは流入端部124に取り付けられてもよく、第2のセンサ158bは流出端部122に取り付けられてもよい。代替の構成は、左心室16の内壁などの人工弁120の遠位の組織に取り付けられる第1のセンサ158a、および/または大動脈壁などの人工弁120の近位の組織に取り付けられる第2のセンサ158bを含んでもよい。別の例において、監視装置102は、それぞれが弁輪(たとえば、大動脈弁輪42)の両側に位置付けられる2つの圧力センサ158を含むことによって、自然弁(たとえば、大動脈弁40)と関連付けられてもよく、それによって、その両側での圧力信号の測定が可能になり、それらから、自然弁内の圧力勾配を導き出してもよい。
【0225】
場合によっては、追加の監視装置102またはセンサ158は、少なくとも1つのセンサ158が取り付けられて以前に埋め込まれた、または、少なくとも1つのセンサ158と関連付けられて以前に埋め込まれた人工弁120、520上に、または、人工弁120、520の近傍に埋め込まれてもよい。たとえば、温度センサなどの追加のセンサは、2つの圧力センサを含む監視装置102とともに以前に埋め込まれた人工弁120上または人工弁120の近傍に埋め込まれてもよい(たとえば、監視係合部材143と係合されてもよい)。このようなシナリオにより、有利なことには、必要に応じて追加データを提供するように、弁120とともに先に埋め込まれた監視装置102またはセンサ158によって提供されるものとは異なる特性または異なる領域の類似の特性を測定する監視装置102またはセンサ158の追加を可能にすることができる。
【0226】
本開示において説明される監視装置102は、人工弁120、520に連結されてもよい、または、人工弁120、520の近傍にあってもよいセンサ158を含むが、本開示の任意の実施形態による監視装置102は、ステント、ドッキングフレーム、またはグラフトなどの、人工弁とは別の他の人工デバイスと組み合わせて使用することができることは理解されるべきである。
【0227】
場合によっては、自然弁の機能を監視するために、たとえば、人工弁の埋め込みを必要とすることがある自然弁の機能の悪化を検出するために、監視装置102を利用することが望ましいことがある。
【0228】
ここで、
図13A~
図13Dを参照する。例示の目的のみで、監視装置102の埋め込みステップが、自然大動脈弁40内で説明される。送達カテーテル612を含む監視装置送達システム606は、監視装置102を埋め込み部位に搬送するために利用されてもよい。
図13Aに示されるように、送達カテーテル612は、大動脈を通って、大動脈弁輪40の遠位であってもよい第1の埋め込み部位の方へ、ガイドワイヤ上を前進してもよい。送達カテーテル612は、たとえば、自然大動脈弁尖44の軟組織を通って、左心室16に貫入してもよい。送達カテーテル612の遠位端が所定の位置にあるとき、送達カテーテル612から第1のセンサ158aを延在し、左心室16の内壁などの第1の所望の埋め込み部位に第1のセンサ158aを取り付けるように、送達システム606を操作してもよい。
【0229】
いくつかの実施形態によると、センサ158、制御回路160、および/またはエネルギー採取電源168などの、監視装置102の任意の構成要素は、軟組織へのセンサ158の取付けを容易にするように構成された、たとえば、スパイク、棘、フック、爪などの形態の鋭端組織係合特徴部159を含んでもよい。例示の目的で、第1のセンサ158aは、左心室16の内壁に貫入することができる鋭いスパイクの形態の組織係合特徴部159とともに、
図13に示される。
【0230】
図13Cに示されるように、以下のステップは、大動脈弁輪40に近位であってもよい第2の埋め込み部位への送達カテーテル612の後退を含んでもよい。
図13Cに示される例示的な実施形態において、その中に埋め込まれる第2のセンサ158bを有する制御回路160は、送達カテーテル612から延在し、鋭いスパイクの形態の組織係合特徴部159を介して大動脈壁に取り付けられる。次いで、送達カテーテル612は、
図13Dに示されるように、患者の身体から引き出すことができ、大動脈弁輪40の遠位および近位に位置付けられる2つのセンサ158を含む監視装置102は患者の体内に埋め込まれたままにしている。
【0231】
第2のセンサ158bが
図13C~
図13Dにおいて制御回路160内に埋め込まれた構成要素として示されているが、代替の構成では、有線または無線通信リンクを介して互いに動作可能に連結された別個の構成要素として提供される、制御回路160および第2のセンサ158bを含んでもよく、制御回路160および第2のセンサ158bのそれぞれを、動脈壁などの自然器官または組織に別々に取り付けることができることは明らかであろう。さらに、代替の構成は、制御回路160内に埋め込まれた第1のセンサ158aを含んでもよく、それは、左心室16の内壁などの自然器官または組織に取り付けることができる。
【0232】
ここで、外部リーダデバイス188と無線通信する埋め込まれた監視装置102を介して、流れ特性を監視する方法のフローチャートを示す
図14A~
図14Dを参照する。いくつかの実施形態によると、測定された流れ特性は、心臓弁の機能と関連付けられ、治療プロトコールを推奨しなければならないかどうかを判定するために監視されてもよく、もし推奨する場合は、治療プロトコール推奨を提供する。このような実施形態において、方法700は、埋め込まれた監視装置によって測定される流れ特性を介して、心臓弁の機能を監視するための方法である。いくつかの実施形態によると、流れ特性は、投薬で治療できる状態と関連付けられ、薬物療法を推奨しなければならないかどうか、および/または、既存の薬物療法プロトコールを修正しなければならないかどうかを確認するために監視される。このような実施形態において、方法700は、埋め込まれた監視装置によって測定される流れ特性を介して、薬物療法プロトコールによって治療されてもよい状態を監視するための方法である。
【0233】
図14Aは、監視された流れ特性に従って、治療プロトコールのための推奨を提供するための方法700の1つの実施形態のフローチャートを示す。フローチャートに明示的に示されていないが、方法700は、拡張可能な経カテーテル人工弁120、外科的に埋め込まれた人工弁520、ステント、ドッキングフレーム、シャント、および/または自然弁(たとえば、自然僧帽弁30もしくは自然大動脈弁40)のいずれかと関連付けられる監視装置102を含む、本明細書の上で説明された実施形態のいずれかに従って監視装置102を埋め込む最初のステップを含んでもよい。埋め込まれた監視装置102は、少なくとも1つの埋め込まれたセンサ158と、信号(たとえば、少なくとも1つのセンサ158からのリアルタイム測定信号またはそこから得られる任意の信号)を外部リーダデバイス188に無線送信するように構成された少なくとも1つの通信構成要素162とを備える。プロセッサ164、制御回路160、メモリ部材166などの追加の構成要素は、先に説明された実施形態のいずれかに従って、監視装置102に構成されてもよい。
【0234】
方法700は、監視装置102の少なくとも1つの埋め込まれたセンサ158によって、心臓弁の機能と任意選択的に相関してもよい、または、薬物療法で治療できる任意の他の状態と相関してもよい流れ特性を測定するステップ710を含む。流れ特性は、血流、血圧、および/または温度から選択することができる。たとえば、心臓弁機能と関連付けられる流れ特性は、弁の両側で測定される圧力信号を含んでもよく、それから、弁内外の圧力勾配が導き出されてもよい。血流速度は、心臓弁機能と関連付けられてもよい流れ特性の別の例であり、それから、流れ断面積が分かる場合、心拍出量を導き出すことができる。測定された信号は、埋め込まれた人工弁120、520の機能、および/または自然心臓弁の機能と関連付けられてもよい。利用のモードに応じて、心臓弁機能は、人工心臓弁120、520の機能、または自然心臓弁(たとえば、自然僧帽弁30または自然大動脈弁40)の機能のいずれかを指してもよい。場合によっては、血栓は、低流量または鬱血を生じる領域、たとえば、埋め込まれた人工弁の弁尖とフレームとの間の結合された領域で形成されることがある。測定された流れ特性は、監視された心臓弁の両側に位置付けられた圧力センサからの圧力測定値を含んでもよく、それから、弁内外の圧力勾配が導き出されてもよい。有利なことには、弁内外の圧力は、弁血栓症または心臓弁機能の他の異常とのその潜在的な相関関係のために、特定の診断値である可能性がある。たとえば、弁内外の圧力勾配のベースラインから10mmHgの増加は、弁尖の血栓形成、パンヌス形成、および/または弁尖機能障害と相関することがある。
【0235】
より高価で、複雑で、不便である、CT撮像などの従来の監視方法に対して、監視装置102は好都合には、心臓弁機能に関するより頻繁な読み取りを提供するために利用されてもよい。より高い頻度で、継続的に読み取り値を取得する可能性は、無症状の弁尖血栓形成の検出を支援することがあり、有利なことには、その治療を可能にし、そのような状態によってもたらされる危険性を減少させる。治療しないまま放置すると、無症状血栓症は、オリフィス有効面積の減少および弁機能障害につながることがあり、場合によっては危険な弁尖血栓症となることがある。
【0236】
流れ特性は、心臓弁の近傍の流れ障害を検出するように構成された、少なくとも1つの流量センサ158によって取得されてもよい。弁尖表面のレベルにおけるローカルの流れ障害および乱流は、血小板粘着および活性化を促進することがある。
【0237】
代替的にまたは付加的に、流れ特性は、大静脈などの、弁以外の血管領域に埋め込まれるドッキングフレーム(図示せず)に取り付けられるセンサ158によって測定できる血圧または流量を含んでもよい。そのような流れ特性は、薬物療法プロトコールで治療されてもよい状態を監視するために有用であってもよく、それは、心臓弁を含んでもよいが、これに限定されない。たとえば、流れ特性は、利尿剤を含む薬物療法プロトコールを推奨しなければならないかどうか、または、現在の薬物療法プロトコールを修正しなければならないかどうかを判定するために、CHF患者の状態を監視するために利用することができる。
【0238】
ステップ740では、測定データは、監視装置102の通信構成要素162からリーダ通信構成要素190に無線送信される。用語「測定データ」は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つのセンサ158によって検知された信号の生データ、および/または、生データから得られた値を含む処理済データを指す。いくつかの用途において、制御回路160のプロセッサ164、リーダプロセッサ192、および/または外部リモートプロセッサ492のうちの任意の1つは、いずれかの生データを処理することによって、および/または、以前に処理されたデータをさらに処理することによって、処理済データを得るために利用されてもよい。いくつかの用途において、測定データは、制御回路160のメモリ部材166、リーダ記憶部材194、および/または外部リモート記憶部材494の任意の1つに記憶させることができる。よって、測定データは、リアルタイム生データ、リアルタイム処理済データ、および/または記憶データを含んでもよい。
【0239】
いくつかの用途において、検知信号は、少なくとも1つのセンサ158から通信構成要素162に送達されてもよく、それによって、リーダ通信構成要素190に送信されてもよい。いくつかの用途において、測定データは、メモリ部材166から通信構成要素162によって読み出された記憶データとすることができ、リーダ通信構成要素190(たとえば、近距離リーダ通信構成要素190SR)に送信することができる。いくつかの用途において、リーダ通信構成要素190で受信された測定データは、リーダ記憶部材194に直接記憶させることができる、かつ/または、リーダプロセッサ192に通信することができる。リーダプロセッサ192は、リーダ通信構成要素190(たとえば、近距離リーダ通信構成要素190SR)から直接通信された測定データ、および/または、リーダ記憶部材194から読み出された記憶データを処理してもよい。結果として得られた処理済データは、リーダ記憶部材194に記憶させることができる、かつ/または、任意選択のステップ742において、少なくとも1つの外部リモート監視デバイス488への送信のためにリーダ通信構成要素190(たとえば、長距離リーダ通信構成要素190LD)に通信することができる。
【0240】
リーダ記憶部材194から読み出された記憶データを含むことができる測定データは、リーダ通信構成要素190から(たとえば、長距離リーダ通信構成要素190LDを介して)外部リモート通信構成要素490に送信されてもよい。いくつかの用途において、外部リモート通信構成要素490で受信された測定データは、外部リモート記憶部材494に直接記憶させることができる、かつ/または、外部リモートプロセッサ492に通信することができる。外部リモートプロセッサ492は、外部リモート通信構成要素490から直接通信された、かつ/または、外部リモート記憶部材494から読み出された測定データを処理してもよく、結果として得られる処理済データは、外部リモート記憶部材494に記憶させることができ、かつ/または、別の外部リモート監視デバイス488に送信することができる。
【0241】
一般に、生データならびに処理済データを含んでもよい測定データは、方法700の実行の異なるステージにおいて、記憶部材に記憶させてもよく、用語「記憶部材」は、リーダ記憶部材194および/または外部リモート記憶部材494のいずれかを指す。
【0242】
ステップ750では、測定データは、それ自体で、または、補足の患者データと組み合わせて分析することができ、補足の患者データは、たとえば、患者の過去の測定データ(たとえば、記憶された測定データ)、患者の生理学的特性、患者のアレルギーおよび感受性(たとえば、薬物感受性)、患者が経験したことがある追加の病態(たとえば、付随する疾患)、現在投与されている薬剤、および同様のものであるがこれらに限定されない。ステップ754では、ステップ750で実行された分析に基づいて、少なくとも1つの推奨治療プロトコールのための判定が行われる。推奨治療プロトコールは、2つ以上の推奨を含んでもよい。
【0243】
いくつかの実施形態によると、ステップ754で判定された推奨治療プロトコールは、人工弁埋め込みなどの介入性推奨治療プロトコールを含んでもよい。自然心臓弁が監視装置102によって監視され、自然弁機能の悪化が検出されたとき、そのような推奨が適用可能であることがある。分析が、最小限に侵襲的な処置(たとえば、消耗心臓弁120を埋め込むための、経カテーテル心臓弁埋め込み)を介した、または、外科的処置(たとえば、心臓弁520を外科的に埋め込むこと)を介した、人工心臓弁を埋め込むという推奨になることがある。さらに、監視装置102が現在埋め込まれている心臓弁120、520と関連付けられている場合、分析は、バルブインバルブ(ViV)処置、たとえば、以前に埋め込まれた人工心臓弁内への新しい人工心臓弁120の埋め込みを実行するための推奨となることがある。
【0244】
ステップ750で実行される分析は、有利なことには、患者の共存症を検出するために、補足のデータと組み合わせて、現在の測定されたデータを調査してもよい。特定の患者の共存症は、血栓塞栓症の進展と関連付けられてもよい。たとえば、高齢、付随する疾患(たとえば、糖尿病、ガン、慢性腎疾患)、および炎症状態は、凝固性亢進と関連付けられてもよく、それは、生成の増加またはそのクリアランスの減少を原因とする、循環血栓形成因子の増加によって引き起こされることがある。
【0245】
いくつかの実施形態によると、ステップ754で判定された推奨治療プロトコールは、推奨される薬物療法プロトコールである。推奨の薬物療法プロトコールは、炎症、塞栓形成、血栓形成、および同様のものなどの、弁機能と相関する状態と関連する症状を治療または和らげる薬物療法レジメンのための指示を含んでもよい。たとえば、薬物療法プロトコールは、少し例を挙げれば、ビタミンKアンタゴニスト(VKA)、アピキサバン、リバロキサバン、エドキサバンなどの抗凝固剤を含んでもよい。薬物療法プロトコールは、クロピドグレルおよびアスピリンによる二重抗血小板療法などの、抗血小板レジメンも含んでもよい。薬物療法プロトコールは、VKA、アピキサバン、およびアスピリンを含む三重抗血栓療法など、抗凝固療法および抗血小板剤を同様に組み合わせてもよい。他の薬物プロトコールは、監視装置102によって監視される他の状態に適用可能であってもよい。たとえば、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、利尿剤、および/またはジゴキシンは、CHF患者のための薬物療法プロトコールに含まれてもよい。
【0246】
いくつかの用途において、ステップ750における分析は、患者のための、さまざまな薬物療法を含むさまざまな治療プロトコールの適合性にランクを付けるために、現在の測定データ、リーダ記憶部材194および/または外部リモート記憶部材494から読み出すことができる過去の測定データ(すなわち、記憶データ)、患者共存症(患者の生理学的プロファイルおよび患者の現在の医学的プロファイルを含む)、患者のアレルギーおよび感受性、患者の病歴、患者に投与された追加の薬物、ならびに、患者に対する薬物療法などの特定の治療プロトコールの適合性に影響を与える可能性のある任意の他の種類のパラメータのうちの少なくとも一部に従って、ルールセットおよび/または採点システムを利用する。ステップ750のルールセットはまた、
図14A~
図14Dとともに説明される方法の実施形態全体にわたって、「第1のルールセット」と呼んでもよい。
【0247】
いくつかの用途において、ルールセットは、測定データ(弁内外の圧力勾配など)に基づいて、場合によっては、補足の患者データ(たとえば、患者の年齢)とともに、弁尖血栓症などの特定の弁関連状態の存在の統計的可能性または確率を評価するための指示を含むことができる。統計的な確率は、症例研究および科学文献、ならびに、本明細書で説明される方法に従って利用される、監視装置102が埋め込まれた患者から収集されるデータの継続的な分析に基づいてもよい。
【0248】
少なくとも1つの推奨治療プロトコールは、ステップ780で、リーダディスプレイ196または外部リモートディスプレイ496などのディスプレイ上に表示される。いくつかの用途において、表示された推奨は、投与に最も適していてもよい最適な薬物のスコア付きリストを含んでもよい。2つ以上の推奨が表示される場合、任意選択の推奨治療プロトコール(たとえば、さまざまな任意選択の薬物療法)のうちの1つを、追加の基準に従って臨床医または管理人が手動で選択することができる。
【0249】
ステップ750および754における分析および判定はそれぞれ、いくつかの用途では、リーダプロセッサ192によっておよび/または外部リモートプロセッサ492によって実行されてもよい。いくつかの用途において、ステップ750および754における分析および判定は、リーダプロセッサ192によって実行され、結果として得られる推奨は、少なくとも1つの外部リモート監視デバイス488への送信のために、リーダ通信構成要素190によって(たとえば、長距離リーダ通信構成要素190LDに)送達されてもよい。外部リモート通信構成要素490によって受信された推奨は、外部リモート記憶部材494に記憶させてもよく、外部リモートディスプレイ496に表示されてもよい。
【0250】
有利なことには、ステップ750において実行される分析により、他の処方を有する複雑な患者における有害な薬物相互作用を防ぐことができ、かつ、特定の患者医学的プロファイルのために反対される薬物の投与を防ぐことができる。
【0251】
いくつかの実施形態において、利用可能な薬物のデータベースを、リーダ記憶部材194および/または外部リモート記憶部材494に記憶させてもよい。利用可能な薬物のデータベースは、たとえば、HMOによって承認された薬物または在庫があり利用可能な薬物に従って、定期的に修正されてもよい。
【0252】
いくつかの実施形態において、患者固有のデータは、リーダ入力インタフェース198および/または外部リモート入力インタフェース498を介してそのようなデータを手動で入力する管理人の必要なしに、既存の患者の電子医療記録(EMR)から得られてもよい。
【0253】
いくつかの用途において、リーダ入力インタフェース198および/または外部リモート入力インタフェース498は、たとえば、更新された臨床研究、更新されたHMOポリシーなどに従って、ルールセットおよび/または採点システムを編集するために利用されてもよい。
【0254】
場合によっては、弁で進展する狭窄は、流量センサ158によって検出されるより高い速度、または、弁尖の接合領域の両側で少なくとも2つの圧力センサ158によって検出されるより高い弁内外の圧力低下をもたらすことがある。しかしながら、患者の運動から生じる心臓活動の増加も、速度の類似した増加を引き起こすことがあり、それは、心臓弁の断面狭小化の結果ではない。同様に、患者が活動しないことが、流速の減少または弁内外の圧力勾配をもたらす可能性がある。よって、ステップ750において実行される分析は、センサ158によって測定データを得る時点で、患者の身体活動に関する補足のデータを含んでもよい。生理学的状態データは、(たとえば、患者または外部リーダユニット188もしくは外部リモート監視デバイス488の他のユーザによって特定の時間に実行される活動の種類を手動で提供することによって)、手動で記録されたデータであってもよく、あるいは、それは、監視装置102に追加で構成されてもよいまたは別々に外部リーダユニット188と通信するように提供されてもよい、心拍数モニタ、患者がリアルタイムに経験する運動活動を示す加速度計、姿勢センサ、および同様のものなどの追加のセンサから得られてもよい。
【0255】
図14Bは、心臓弁監視方法700の別の実施形態を示し、本方法は、ステップ720において、有線および/または無線通信リンクを介して、制御回路160に、ステップ710の検知信号を送達することをさらに含む。検知信号は、いくつかの用途では、少なくとも1つの通信チャネル156を介して、制御回路160に送達することができる。
【0256】
ステップ726において、測定データを、測定された流れ特性と対象の他の特性との間の知られている関係の表またはグラフに格納されていてもよい閾値と比較してもよい。いくつかの用途において、閾値は、制御回路160のメモリ部材166に記憶される。
【0257】
ステップ726の比較は、いくつかの実施形態に従って、制御回路160のプロセッサ164によって実行されてもよい。いくつかの用途において、プロセッサ164は、少なくとも1つのセンサ158から、たとえば、少なくとも1つの通信チャネル156を介して、検知信号を直接受信し、それらをメモリ部材166から読み出される閾値とリアルタイムに比較する。いくつかの用途において、プロセッサ164は、少なくとも1つのセンサ158から、検知信号を直接受信し、処理値を得るために、そのような信号を処理し、処理値をメモリ部材166から読み出された閾値と比較する。いくつかの用途において、プロセッサ164は、メモリ部材166から測定データおよび閾値を読み出し、ステップ726で比較を実行する。
【0258】
場合によっては、閾値は、たとえば、人工弁120、520の種類および/または大きさ、少なくとも1つのセンサ158の種類およびモデルなどの関数として、監視装置102の属性に固有であってもよい。閾値はさらに、埋め込みの部位、患者の解剖学的および生理学的属性などによって決まってもよい。閾値は、予めプログラムすることができる、または、メモリ部材166に予め記憶させることができる、そして、さまざまな監視装置102の間で変えてもよい。
【0259】
ステップ728では、ステップ726で実行される比較の結果が、臨床的意義があることがある異常状態を示すかどうかに関して判定が行われる。もし異常である場合は、測定データは、ステップ750でさらに分析することができる。ステップ728における判定は、プロセッサ164によって実行されてもよい。いくつかの用途において、ステップ728において実行される判定は、異常状態の存在の可能性に関する2値判定のみに限定されないが、異常状態の種類および程度の分類に、さらに拡張してもよい。この分類は、メモリ部材166に記憶させることができる、かつ/または、通信構成要素162を介して送信することができる、測定データの一部として加えられてもよい。
【0260】
図14Cは、心臓弁監視方法700の別の実施形態を示し、ステップ720において検知信号を制御回路160に送信することは任意選択であり、ステップ746における測定データ比較およびステップ748における異常状態検出は、外部リモート監視デバイス188および/または少なくとも1つのリモート監視デバイス488によって実行される。
【0261】
ステップ746の比較は、いくつかの実施形態に従って、リーダプロセッサ192によって実行されてもよい。いくつかの用途において、閾値は、リーダ記憶部材194に記憶される。リーダプロセッサ192は、リーダ通信構成要素190から通信された測定データを受信し、それをリーダ記憶部材194から読み出された閾値と比較する。リーダプロセッサ192は、たとえば、そのような測定データが生データを含む場合、比較を実行する前に、リーダ通信構成要素190から通信された測定データをさらに処理してもよい。いくつかの用途において、リーダプロセッサ192は、リーダ記憶部材194から測定データおよび閾値の両方を読み出し、ステップ746において比較を実行する。
【0262】
いくつかの用途において、閾値は、メモリ部材166から読み出してもよく、通信構成要素162を介して、場合によっては測定データとともに、リーダユニット188に送信してもよい。そのような用途において、ステップ746における、(たとえば、リーダ通信構成要素190から通信された、かつ/または、リーダ記憶部材194から読み出された)測定データと、リーダ通信構成要素190によって受信されて、リーダ通信構成要素190から通信された閾値との間の比較は、リーダプロセッサ192によって実行されてもよい。この運用モードは、多数の患者のさまざまな監視装置102と組み合わせて利用される単一のリーダユニット188には有利であることがある。
【0263】
監視装置102からリーダ通信構成要素190に送信される閾値は、リーダ記憶部材194に記憶させてもよく、たとえば、これらの閾値と関連付けられる患者の識別情報が知られているまたは認識可能である場合に、後続の比較のためにリーダプロセッサ192によって読み出されてもよい。いくつかの用途において、患者の識別情報は、リーダ入力インタフェース198を介してリーダユニット188の操作者によって選択されてもよく、または、提供されてもよい。代替的にまたは付加的に、患者の識別情報パラメータは、メモリ部材166に記憶されてもよく、通信構成要素162によってリーダユニット188に送信されてもよい。
【0264】
ステップ746の比較は、いくつかの実施形態に従って、外部リモートプロセッサ492によって実行されてもよい。いくつかの用途において、閾値は、外部リモート記憶部材494に記憶される。外部リモートプロセッサ492は、外部リモート通信構成要素490から通信された測定データを受信し、それを外部リモート記憶部材494から読み出された閾値と比較する。外部リモートプロセッサ492は、たとえば、そのような測定データが生データを含む場合、比較を実行する前に、外部リモート通信構成要素490から通信された測定データをさらに処理してもよい。いくつかの用途において、外部リモートプロセッサ492は、外部リモート記憶部材494から測定データおよび閾値の両方を読み出し、ステップ746において比較を実行する。
【0265】
いくつかの用途において、閾値は、リーダ記憶部材194から読み出してもよく、リーダ通信構成要素190を介して(たとえば、長距離リーダ通信構成要素190LDを介して)、場合によっては測定データとともに、外部リモート監視デバイス488に送信してもよい。そのような用途において、ステップ746における、(たとえば、外部リモート通信構成要素490から通信された、かつ/または、外部リモート記憶部材494から読み出された)測定データと、外部リモート通信構成要素490によって受信されて、外部リモート通信構成要素490から通信された閾値との間の比較は、外部リモートプロセッサ492によって実行されてもよい。外部リモート監視デバイス488が多数の患者のさまざまな監視装置102と組み合わせて利用される場合、これは有利であることがある。
【0266】
リーダユニット188から外部リモート通信構成要素490に送信される閾値は、外部リモート記憶部材494に記憶させてもよく、たとえば、これらの閾値と関連付けられる患者の識別情報が知られているまたは認識可能である場合に、後続の比較のために外部リモートプロセッサ492によって読み出されてもよい。いくつかの用途において、患者の識別情報は、外部リモート入力インタフェース498を介して外部リモート監視デバイス488の操作者によって選択されてもよく、または、提供されてもよい。代替的にまたは付加的に、患者識別パラメータは、リーダ通信構成要素190によって、(たとえば、長距離リーダ通信構成要素190LDを介して)外部リモート監視デバイス488に送信されてもよい。
【0267】
ステップ748における判定は、リーダプロセッサ192および/または外部リモートプロセッサ492などの、ステップ746における比較を実行するのと同じプロセッサによって実行されてもよい。いくつかの用途において、ステップ748において実行される判定は、異常状態の存在の可能性に関する2値判定のみに限定されないが、異常状態の種類および程度の分類に、さらに拡張してもよい。この分類は、リーダ記憶部材194および/または外部リモート記憶部材494に記憶させることができる、かつ/または、リーダ通信構成要素190を介して送信することができる、測定データの一部として加えられてもよい。
【0268】
いくつかの実施形態によると、比較ステップ746および判定ステップ748はそれぞれ、ステップ750で実行される分析のサブルーチンとして実装されてもよい。
【0269】
場合によっては、選択された治療プロトコールの効果を監視することが望ましいことがある。たとえば、臨床医は、ステップ754および780でそれぞれ判定および表示された推奨に基づいて、薬物療法プロトコールを定めてもよい。臨床医は、外部リーダユニット188および/または外部リモート監視デバイス488に、選択された治療プロトコールを受けるという決定を記録してもよい。方法700は、各シナリオに異なるルールセットを適用するために拡張されてもよい。たとえば、第1のルールセットは、ステップ728および/または748で検出される異常状態のシナリオのために実装されてもよく、一方、第2のルールセットは、治療プロトコールの効果を監視するように、ステップ754の事前実行で推奨される治療ガイドラインに従って、現在治療されている患者のシナリオのために実装されてもよい。
【0270】
図14Dは、心臓弁監視方法700の実施形態を示し、患者が現在、心臓弁の機能と相関する状態(たとえば、弁の血行動態性能に影響を与える心臓弁血栓症)の症状を防ぎ、治療し、かつ/または減少させるための薬物療法体制の下にいるかどうかを確認するステップ744を含む。薬物療法は、
図14A~
図14Cのいずれかまたはその任意の修正に対して説明された方法700のステップ754における、前の推奨から採用することができる。患者が現在の薬物療法体制の下にいない場合、ステップ750~780、および任意選択的にステップ746および748は、
図14Cに関して上で説明されたように実行されてもよく、ステップ750のルールセットは、患者が心臓弁機能と相関する状態を治療するために現在特有の薬物療法を受けていないシナリオに関連する第1のルールセットである。
【0271】
患者が心臓弁機能と関連する状態を治療するために特定の治療プロトコールを受けている場合、記憶された測定データは、患者の状態の改善または悪化を識別するために、現在の測定データと記憶された測定データとの比較を可能とするように、ステップ760において読み出されてもよい。
【0272】
現在の測定データおよび読み出された(すなわち、以前に記憶された)測定データは、ステップ770において、ステップ750の分析のために説明された任意の追加の補足のデータとともに、第2のルールセットに従って分析されてもよい。いくつかの用途において、第2のルールセットは、第1のルールセットと異なってもよい。あるいは、統一されたルールセットが、ステップ750およびステップ770の両方のために利用されてもよい。よって、いくつかの用途において、第1のルールセットおよび第2のルールセットは同一である。
【0273】
いくつかの実施形態によると、ステップ770において第2のルールセットに従って実行される分析は、現在の治療プロトコールが以前に助言された状態の進行(または、現在の状態)を分類する任意選択のステップ772を、さらに含んでもよく、そのような状態の分類は、変化なし、改善、または悪化を含んでもよい。たとえば、予防的な薬物療法プロトコールは、弁血栓症の発症または形成を防ぐために、以前に定められた可能性があり、分類ステップ772は、血栓が弁内に形成されていないことを示す好ましい結果と解釈されてもよい「変化なし」と現在の状態にタグを付けてもよい。別の例において、薬物療法プロトコールは、(たとえば、弁内外の圧力勾配の上昇により存在すると仮定された)無症状弁尖血栓症を治療するために、抗血栓薬物療法のための推奨を含んだ可能性がある。(たとえば、より高い圧力勾配によって示された)状態の悪化は、たとえば、その推奨の終了、異なる薬物との置換、または薬物投与量の調整によって、現在の薬物療法体制を修正する推奨をもたらすことがある。他方で、状態の改善は、現在のプロトコールとともに進む推奨、または、現在のプロトコールを修正する推奨(たとえば、現在の治療の終了もしくは投与量の減少)をもたらすことがある。
【0274】
ステップ774では、ステップ770において実行された分析およびステップ772における任意選択の分類に基づいて、推奨される方針のための判定が行われる。判定は、修正なしで現在の薬物療法で進める、または、それを修正する指示を含んでもよい。治療プロトコールの修正は、現在の薬物療法の終了、代替の薬物療法との置換、または、たとえば、治療期間、薬物投与量、および同様のものの変更を指示することによる現在の治療の調整のための指示を含んでもよい。現在の薬物療法レジメンのための推奨される方針は、ステップ780において表示される。
【0275】
有利なことには、患者が現在以前に推奨された薬物療法を受けているかどうかを尋ねるステップ744、それに続く、読み出された(すなわち、以前に記憶された)測定データとの現在の測定データの分析770を含む方法700は、以前に推奨された薬物療法レジメンの効果および妥当性の継続的な評価を実行することを可能にしてもよい。このデータは、異なるプロファイルおよび共存症を有する患者のためのさまざまな治療プロトコールの妥当性および結果の後の評価のために、たとえば、少なくとも1つの外部リモート記憶部材494に記憶されてもよい。
【0276】
いくつかの用途において、少なくとも1つの外部リモート監視デバイス488は、たとえば、監視システム400によって提供されてもよい将来の推奨を最適化するように、特定の薬物療法レジメンの治療成功率を検出し、非常に成功した薬物療法プロトコールを分類して、ルールセットを更新するために、埋め込まれた監視装置102を有する利用可能な患者の全員(または、一部)のビッグデータ分析を利用することができる。機械学習は、ルールセット(たとえば、第1のルールセットおよび/または第2のルールセット)に含まれるルールのパラメータおよび種類の一定の改善をもたらすために利用されてもよい。それは、患者固有のプロファイルおよび共存症と関連する治療成功率を含むことがある新しいデータが、ステップ770において実行される分析から常に収集されるためである。
【0277】
有利なことには、本開示の任意の実施形態による、外部リーダデバイス188と通信してもよい埋め込まれた監視装置102の少なくとも1つのセンサ158による、心臓弁機能と関連付けられた流れ特性の測定は、状態の改善または悪化などの、治療プロトコールが助言された以前に検出された状態の進行を追跡する際に有利である可能性がある。外部超音波リーダまたはCTなどの代替の従来の撮像技術と比較して、提案された心臓弁の機能を監視するためのデバイス(たとえば、監視装置102)、システム(たとえば、監視システム400)、および方法(たとえば、方法700)は、大幅に簡単で、より安全で、より正確で、比較的安価である。さらに、特定の治療プロトコールのための推奨の採用が選ばれた後、心臓弁機能を好都合にかつ頻繁に監視することができるので、必要に応じた現在の治療プロトコールの修正、ならびに、さまざまな患者によって採用されたさまざまなプロトコールの成功率の分析を行うための指示を与えるために、そのようなプロトコールの妥当性および効率を評価することができ、それによって、測定データを分析して、将来の推奨治療プロトコールを判定するために使用されるルールセットの最適化が可能になる。
【0278】
明瞭にするために、個別の実施形態の文脈において説明された本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔さのために、単一の実施形態の文脈において説明された本発明のさまざまな特徴は、個別に、または、任意の好適な副組合せにおいて、または、本発明の任意の他の説明された実施形態で好適であるように提供されてもよい。実施形態の文脈で説明された特徴は、明確にそのように指定されていない限り、その実施形態の重要な特徴と考えられない。
【0279】
本発明がその特定の実施形態とともに説明されたが、当業者にとって明らかである多数の変形、修正、および変化が存在してもよいことは明らかである。本発明は、その適用において、本明細書に示される、構成要素の構成および配置ならびに/または方法の詳細に、必ずしも制限されないことが理解されるべきである。他の実施形態が実施されてもよく、実施形態はさまざまな方法で実行されてもよい。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲内にあるすべてのそのような変形、修正、および変化を含む。
【符号の説明】
【0280】
12 左心房
14 右心房
16 左心室
18 右心室
20 中隔
22 左室流出路(LVOT)
30 自然僧帽弁
32 僧帽弁輪
34 僧帽弁尖
40 自然大動脈弁
42 大動脈弁輪
44 大動脈弁尖、自然大動脈弁尖
80 大動脈
82 大動脈起始部
100 弁監視アセンブリ
102 監視装置
104 送達アセンブリ
106 送達装置
108 ハンドル
110 外側シャフト
112 送達シャフト
114 ノーズコーンシャフト
116 ノーズコーン
118 弁長手方向軸
118' 弁長手方向軸
120 人工置換弁、人工心臓弁、人工僧帽弁、経カテーテル弁、消耗心臓弁
120' 弁、人工弁、人工大動脈弁
122 流出端部
123 流出端
124 流入端部
125 流入端
126 フレーム
126' フレーム
128 セル
130 支柱
130' 支柱
132 弁尖、接合部
132' 弁尖、接合部
134 先端、流出先端
134' 先端、流出先端
136 先端、流入先端
136' 先端、流入先端
138 内側スカート
140 弁尖
142 交連
143 監視係合部材
143a 監視係合部材
143b 監視係合部材
143c 監視係合部材
143d 監視係合部材
144 アクチュエータアセンブリ
146 内側部材
148 外側部材
150 作動アームアセンブリ
154 作動部材
156 通信チャネル
156a 通信チャネル
158 センサ、圧力センサ、流量または圧力センサ、光ファイバ圧力センサ、温度センサ
158a センサ、圧力センサ
158b センサ、圧力センサ
159 鋭端組織係合特徴部
160 制御回路、制御パネル、制御ユニット
160L ローカル制御回路
160R リモート制御回路
162 通信構成要素
162L ローカル通信構成要素
162R リモート通信構成要素
164 プロセッサ
164L ローカルプロセッサ
164R リモートプロセッサ
166 メモリ部材
166L ローカルメモリ
166R リモートメモリ部材
168 自己出力型エネルギー採取電源、ローカルおよび/またはリモートエネルギー採取電源
168L ローカル自己出力型エネルギー採取電源
168R リモート自己出力型エネルギー採取電源
170 エネルギー採取機構、運動エネルギー採取機構
172 エネルギー貯蔵部材
172R リモートエネルギー貯蔵部材
188 外部リーダデバイス、外部リーダユニット、外部リモート監視デバイス
190 リーダ通信構成要素
190LD 長距離通信構成要素、長距離リーダ通信構成要素
190SR 近距離通信構成要素、近距離リーダ通信構成要素
192 リーダプロセッサ
194 リーダ記憶部材
196 リーダディスプレイ
198 リーダ入力インタフェース
270 時計仕掛け式エネルギー採取機構、時計仕掛け式エネルギー採取回路、運動エネルギー採取機構
272 揺動錘、機械的荷重
276 機械式整流器
278 渦巻ばね
280 電磁発電機、電磁マイクロ発電機
370 太陽エネルギー採取機構
382 ソーラーモジュール
384 太陽電池
386 電力変換器
400 弁監視システム
488 外部リモート監視デバイス
490 外部リモート通信構成要素
492 外部リモートプロセッサ
494 外部リモート記憶部材
496 外部リモートディスプレイ、リーダディスプレイ
498 外部リモート入力インタフェース
520 外科的に埋め込み可能な人工弁、外科用弁、人工心臓弁
522 流出端部
524 流入端部
526 支持フレーム
530 交連ポスト
536 リング
540 弁尖
606 監視装置送達システム
612 送達カテーテル
【国際調査報告】