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特表2023-503803多段ポリマーを含むパーソナルケア組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】多段ポリマーを含むパーソナルケア組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/89 20060101AFI20230125BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20230125BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
A61K8/89
A61Q1/02
A61Q17/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524228
(86)(22)【出願日】2020-11-18
(85)【翻訳文提出日】2022-04-25
(86)【国際出願番号】 US2020060975
(87)【国際公開番号】W WO2021101943
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】62/938,460
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラン、ティエン
(72)【発明者】
【氏名】ツォン、ファンウェン
(72)【発明者】
【氏名】ルー、シアオトン
(72)【発明者】
【氏名】シュールマン、インナ
(72)【発明者】
【氏名】パチョルスキ、ミハエリーン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン リース、イザベル
(72)【発明者】
【氏名】ディハン、ヘレン
(72)【発明者】
【氏名】ラタニ、タンヴィ エス.
(72)【発明者】
【氏名】フィスク、ジェイソン エス.
(72)【発明者】
【氏名】クオ、ツーチー
(72)【発明者】
【氏名】スミス、レイチェル エム.
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB231
4C083AB232
4C083AB241
4C083AB242
4C083AB332
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC252
4C083AC422
4C083AD161
4C083AD162
4C083CC11
4C083CC19
4C083DD22
4C083EE03
4C083EE07
4C083EE17
(57)【要約】
多段ポリマーを有するパーソナルケア配合物が提供され、多段ポリマーは、(a)C1~22アルキル(メタ)アクリレートおよび式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーの構造単位から選択されるモノマーの構造単位を含むアクリレートに富む段と、(b)式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーの構造単位を含むカルボシロキサンに富む段と、を含み、式中、aは、0~3であり、dは、0または1であり、Rは、水素、C1~10アルキル基およびアリール基から選択され、Rは、水素およびC1~10アルキル基から選択され、R8は、-O-Si(CH基であり、Yは、式(II)、(III)および(IV)から選択され、RおよびRは、水素およびメチル基から選択され、RおよびRは、C1~10アルキレン基であり、Rは、C1~10アルキル基であり、bは、0~4であり、cは、0または1であり、式(I)の第1および第2のカルボシロキサンモノマーは、同じであるか、または異なる。
【化1】
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケア配合物であって、
(a)アクリレートに富む段であって、
前記アクリレートに富む段の重量に対して63~99.9重量%の、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位であって、前記モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーが、C1~22アルキル(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位と、
前記アクリレートに富む段の重量に対して0.1~25重量%の、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーと、
【化1】
前記アクリレートに富む段の重量に対して0~10重量%の、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位と、
前記アクリレートに富む段の重量に対して0~2重量%の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位と、を含む、アクリレートに富む段と、
(b)カルボシロキサンに富む段であって、
前記カルボシロキサンに富む段の重量に対して0~90重量%の、ビニルモノマーの構造単位と、
前記カルボシロキサンに富む段の重量に対して10~100重量%の、式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーの構造単位と、を含み、
【化2】
式中、aが、0~3であり、dが、0または1であり、各Rが、独立して、水素、C1~10アルキル基およびアリール基からなる群から選択され、各Rが、独立して、水素およびC1~10アルキル基からなる群から選択され、各Rが、-O-Si(CH基であり、Yが、式(II)、(III)および(IV)からなる群から選択され、
【化3】
式中、各RおよびRが、独立して、水素およびメチル基からなる群から選択され、各RおよびRが、独立して、C1~10アルキレン基であり、各Rが、独立して、C10アルキル基であり、bが、0~4であり、cが、0または1である、カルボシロキサンに富む段と、を含み、
前記式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーおよび前記式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーが、同じであるか、または異なる、多段ポリマーを含む、パーソナルケア配合物。
【請求項2】
前記モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーが、C1~4アルキル(メタ)アクリレートの混合物からなる群から選択され、
前記モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
前記1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーが、ジビニル芳香族化合物、ジ-(メタ)アクリレートエステル、トリ-(メタ)アクリレートエステル、テトラ-(メタクリレート)エステル、ジ-アリルエーテル、トリ-アリルエーテル、テトラ-アリルエーテル、ジ-アリルエステル、トリ-アリルエステル、テトラ-アリルエステル、アリル(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択され、
前記ビニルモノマーが、メタクリル酸とメチルメタクリレートとの混合物からなる群から選択され、
前記第1のカルボシロキサンモノマーおよび前記第2のカルボシロキサンモノマーが、同じであり、
式中、aが、1であり、各Rが、メチル基であり、各Rが、メチル基であり、Yが、式(II)のものであり、各Rが、C3~5アルキレン基であり、各Rが、メチル基である、請求項1に記載のパーソナルケア配合物。
【請求項3】
化粧品として許容される担体をさらに含む、請求項2に記載のパーソナルケア配合物。
【請求項4】
前記化粧品として許容される担体が、水を含む、請求項3に記載のパーソナルケア配合物。
【請求項5】
カラー成分をさらに含む、請求項4に記載のパーソナルケア配合物。
【請求項6】
前記カラー成分が、Ext.D&Cイエロー2号、Ext.D&Cバイオレット2号、FD&Cレッド4号、FD&Cレッド40号、FD&Cイエロー5号、FD&Cイエロー6号、FD&Cグリーン3号、FD&Cブルー1号、D&Cイエロー7号、D&Cイエロー8号、D&Cイエロー10号、D&Cイエロー11号、D&Cバイオレット2号、D&Cレッド6号、D&Cレッド7号、D&Cレッド17号、D&Cレッド21号、D&Cレッド22号、D&Cレッド27号、D&Cレッド28号、D&Cレッド30号、D&Cレッド31号、D&Cレッド34号、D&Cレッド33号、D&Cレッド36号、D&Cグリーン5号、D&Cグリーン6号、D&Cグリーン8号、D&Cブルー4号、D&Cオレンジ4号、D&Cオレンジ5号、D&Cオレンジ10号、D&Cオレンジ11号、D&Cブラウン1号、アルミニウム粉末、アナトー、クエン酸ビスマス、オキシ塩化ビスマス、ブロンズ粉末、カラメル、カルミン、β-カロテン、水酸化クロムグリーン、酸化クロムグリーン、銅クロロフィリン、銅粉末、ジヒドロキシアセトン、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、フェロシアン化第二鉄、グアニン、酸化鉄、マンガンバイオレット、マイカ、銀、二酸化チタン、ウルトラマリン、酸化亜鉛およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載のパーソナルケア配合物。
【請求項7】
前記カラー成分が、少なくとも1つの酸化鉄を含む、請求項5に記載のパーソナルケア配合物。
【請求項8】
サンケア活性物質をさらに含む、請求項3に記載のパーソナルケア配合物。
【請求項9】
前記サンケア活性物質が、物理的遮断剤および化学吸収剤からなる群から選択されるUV放射吸収剤である、請求項8に記載のパーソナルケア配合物。
【請求項10】
前記サンケア活性物質が、赤色ワセリン、二酸化チタン、酸化亜鉛、1-(4-メトキシフェノール)-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパン-1,3-ジオン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、ジオキシベンゾン、スリソベンゾン、メンチルアントラニレート、パラ-アミノ安息香酸、アミルパラジメチルアミノ安息香酸、オクチルパラ-ジメチルアミノベンゾエート、エチル4-ビス(ヒドロキシプロピル)パラ-アミノベンゾエート、ポリエチレングリコール(PEG-25)パラ-アミノベンゾエート、エチル4-ビス(ヒドロキシプロピル)アミノベンゾエート、ジエタノールアミンパラ-メチオキシシンナメート、2-エトキシエチルパラ-メトキシシンナメート、エチルヘキシルパラ-メトキシシンナメート、オクチルパラ-メトキシシンナメート、イソアミルパラ-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリレート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート、2-エチルヘキシル-2-ヒドロキシベンゾエート、ホモメンチルサリチレート、グリセリルアミノベンゾエート、トリエタノールアミンサリチレート、ジガロイルトリオレエート、ジヒドロキシアセトンを含むローソン、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、4-メチルベンジリジンカンフル、アボベンゾン、トリアジン、ベンゾトリアゾール、ビニル基含有アミド、桂皮酸アミド、スルホン化ベンズイミダゾール)、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾエートおよびこれらの混合物からなる群から選択されるUV放射吸収剤である、請求項9に記載のパーソナルケア配合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパーソナルケア配合物に関する。特に、本発明は、多段ポリマーを含むパーソナルケア配合物に関し、多段ポリマーは、(a)C1~22アルキル(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物から選択されるモノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位、ならびに式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーの構造単位を含むアクリレートに富む段と、(b)式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーの構造単位を含むカルボシロキサンに富む段と、を含み、式中、aは、0~3であり、dは、0または1であり、Rは、水素、C1~10アルキル基およびアリール基から選択され、Rは、水素およびC1~10アルキル基から選択され、Rは、-O-Si(CH基であり、Yは、式(II)、(III)および(IV)から選択され、RおよびRは、水素およびメチル基から選択され、RおよびRは、C1~10アルキレン基であり、Rは、C1~10アルキル基であり、bは、0~4であり、cは、0または1であり、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーおよび式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーは、同じであるか、または異なる。
【0002】
消費者は、一度適用すると、直しまたは修正の必要がなく、作用が一日中およびそれ以降も続くことができるような、長時間持続性を提供するカラー化粧品配合物をますます望んでいる。現在の活動的な生活スタイルを考えると、そのような長期装着性カラー化粧品配合物を提供することは簡単ではない。
【0003】
そのような化粧品配合物を提供するためのアプローチは、Konikらによって米国特許第6,060,072号に開示されている。米国特許第6,060,072号において、Konikらは、5~10%の量のスチレン-エチレン-プロピレンコポリマー、PVP/エイコセンコポリマーとトリコンタニルPVPコポリマーとの0.1~50%の量の組み合わせ、C8~9イソパラフィン、C9~12脂肪族炭化水素、または50~85%の量のそれらの組み合わせを含む防水または耐水性化粧品組成物を開示している。
【0004】
それにもかかわらず、保色性と共に効果的な耐摩耗性を提供する新たなカラー化粧品配合物に対する必要性が依然として存在する。
【0005】
本発明は、多段ポリマーを含むパーソナルケア配合物を提供し、多段ポリマーは、(a)アクリレートに富む段の重量に対して63~99.9重量%の、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位(モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーは、C1~22アルキル(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される)、アクリレートに富む段の重量に対して0.1~25重量%の、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーの構造単位、
【化1】
アクリレートに富む段の重量に対して0~10重量%の、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位、ならびにアクリレートに富む段の重量に対して0~2重量%の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含む、アクリレートに富む段と、(b)カルボシロキサンに富む段の重量に対して0~90重量%の、ビニルモノマーの構造単位、およびカルボシロキサンに富む段の重量に対して10~100重量%の、式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーの構造単位を含むカルボシロキサンに富む段と、を含み、
【化2】
式中、aは、0~3であり、dは、0または1であり、各Rは、独立して、水素、C1~10アルキル基およびアリール基から選択され、各Rは、独立して、水素およびC1~10アルキル基からなる群から選択され、各Rは、-O-Si(CH基であり、Yは、式(II)、(III)および(IV)からなる群から選択され、
【化3】
各RおよびRは、独立して、水素およびメチル基からなる群から選択され、各RおよびRは、独立して、C1~10アルキレン基であり、各Rは、独立して、C1~10アルキル基であり、bは、0~4であり、cは、0または1であり、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーおよび式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーは、同じであるか、または異なる。
【0006】
本発明は、本発明のパーソナルケア配合物を提供することと、パーソナルケア配合物を哺乳動物の皮膚に適用することと、を含む、使用方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明者らは、パーソナルケア配合物で使用するために、特にカラー化粧品配合物で使用するために望ましい特性を有する独特な多段ポリマー組成物を特定した。
【0008】
別途示されない限り、比、百分率、部などは、重量による。
【0009】
パーソナルケア配合物に関して本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる用語「美的特徴」は、視覚的および触覚的感覚特性(例えば、滑らかさ、粘着性、潤滑性、質感、色、透明度、濁り度、均一性)を指す。
【0010】
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる用語「構造単位」は、特許請求の範囲に記載されるポリマー中の示されたモノマーの残存物を指し、したがって、n-ブチルアクリレートの構造単位は、以下のように例示され、
【化4】
式中、点線は、ポリマー骨格への結合点を表す。
【0011】
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる用語「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸の両方を包含する一般的な表現として役立つことを意図している。
【0012】
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの両方を包含する一般的な表現として役立つことを意図している。
【0013】
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる用語「化粧品として許容可能な」は、皮膚への局所的塗布に典型的に使用される成分を指し、スキンケア組成物中に典型的に見られる量で存在する場合に有毒な材料は、本発明の一部として企図されないことを強調することを意図する。
【0014】
好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、(a)アクリレートに富む段の重量に対して63~99.9重量%(好ましくは74超~98.49重量%、より好ましくは80.4~96.95重量%、最も好ましくは82.17~94.68重量%)の、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位(モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーは、C1~22アルキル(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される)、アクリレートに富む段の重量に対して0.1~25重量%(好ましくは1~20重量%未満、より好ましくは2~17.5重量%、最も好ましくは4~16重量%)の、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーの構造単位、
【化5】
アクリレートに富む段の重量に対して0~10重量%(好ましくは0.5~5重量%、より好ましくは1~2重量%、最も好ましくは1.25~1.75重量%)の、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位、ならびにアクリレートに富む段の重量に対して0~2重量%(好ましくは0.01~1重量%、より好ましくは0.05~0.1重量%、最も好ましくは0.07~0.08重量%)の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含む、(多段ポリマーの重量に対して、好ましくは60~95重量%(より好ましくは65~90重量%、さらにより好ましくは70~85重量%、最も好ましくは75~82重量%の)アクリレートに富む段と、(b)カルボシロキサンに富む段の重量に対して0~90重量%(好ましくは10~50重量%未満、より好ましくは12.5~30重量%、さらにより好ましくは15~25重量%、最も好ましくは19~21重量%)の、ビニルモノマーの構造単位、およびカルボシロキサンに富む段の重量に対して10~100重量%(好ましくは50超~90重量%、より好ましくは70~87.5重量%、さらにより好ましくは75~85重量%、最も好ましくは79~81重量%)の、式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーの構造単位を含む、(多段ポリマーの重量に対して、好ましくは5~40重量%、より好ましくは10~35重量%、さらにより好ましくは15~30重量%、最も好ましくは18~25重量%の)カルボシロキサンに富む段と、を含む、多段ポリマー(好ましくは多段エマルジョンポリマー)を含み、
【化6】
式中、aは、0~3(好ましくは0~2、最も好ましくは1)であり、dは、0または1(好ましくは0)であり、各Rは、独立して、水素、C1~10アルキル基およびアリール基(好ましくは水素およびC1~10アルキル基、より好ましくは水素およびC1~4アルキル基、さらにより好ましくは水素およびメチル基、最も好ましくはメチル基)からなる群から選択され、各Rは、独立して、水素およびC1~10アルキル基(好ましくは水素およびC1~5アルキル基、より好ましくは水素およびC1~4アルキル基、さらにより好ましくは水素およびメチル基、最も好ましくはメチル基)からなる群から選択され、各Rは、-O-Si(CH基であり、Yは、式(II)、(III)および(IV)からなる群から選択され(好ましくは(II)または(III)であり、最も好ましくは(II)であり)、
【化7】
各RおよびRは、独立して、水素およびメチル基からなる群から選択され(好ましくはメチル基)、各RおよびRは、独立して、C1~10アルキレン基(好ましくはC1~7アルキレン基、より好ましくはC2~6アルキレン基、さらにより好ましくはCアルキレン基、最も好ましくはCアルキレン基(例えば、-CH2-CH2-CH2-))であり、各Rは、独立して、C1~10アルキル基であり、bは、0~4であり、cは、0または1であり、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーおよび式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーは、同じであるか、または異なる(好ましくは式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーおよび式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーは、同じである)。
【0015】
好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、多段ポリマー(好ましくは多段エマルジョンポリマー)を含む。より好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、パーソナルケア配合物の重量に対して0.1~10重量%(好ましくは0.5~7.5重量%、より好ましくは1~7重量%、さらにより好ましくは3~6重量%、最も好ましくは4~5重量%)の多段ポリマー(好ましくは多段エマルジョンポリマー)を含む。最も好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、パーソナルケア配合物の重量に対して0.1~10重量%(好ましくは0.5~7.5重量%、より好ましくは1~7重量%、さらにより好ましくは3~6重量%、最も好ましくは4~5重量%)の多段ポリマー(好ましくは多段エマルジョンポリマー)を含み、多段ポリマーは、アクリレートに富む段およびカルボシロキサンに富む段(好ましくは第1の段としてのアクリレートに富む段および第2の段階としてのカルボシロキサンに富む段)を含む。
【0016】
好ましくは、本発明の多段ポリマーは、アクリレートに富む段を含む。より好ましくは、本発明の多段ポリマーは、多段ポリマーの重量に対して60~95重量%(好ましくは65~90重量%、より好ましくは70~85重量%、最も好ましくは75~82重量%)の、アクリレートに富む段を含む。最も好ましくは、本発明の多段ポリマーは、多段ポリマーの重量に対して60~95重量%(好ましくは65~90重量%、より好ましくは70~85重量%、最も好ましくは75~82重量%)の、アクリレートに富む段(アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して63~99.9重量%(好ましくは74超~98.49重量%、より好ましくは80.4~96.95重量%、最も好ましくは82.17~94.68重量%)のモノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーは、C1~22アルキル(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される)、0.1~25重量%(好ましくは1~20重量%未満、より好ましくは2~17.5重量%、最も好ましくは4~16重量%)の、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマー、アクリレートに富む段の重量に対して0~10重量%(好ましくは0.5~5重量%、より好ましくは1~2重量%、最も好ましくは1.25~1.75重量%)の、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位、ならびにアクリレートに富む段の重量に対して0~2重量%(好ましくは0.01~1重量%、より好ましくは0.05~0.1重量%、最も好ましくは0.07~0.08重量%)の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含む。
【0017】
好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して63~99.9重量%(好ましくは74超~98.49重量%、より好ましくは80.4~96.95重量%、最も好ましくは82.17~94.68重量%)の、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーは、C1~22アルキル(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して63~99.9重量%(好ましくは74超~98.49重量%、より好ましくは80.4~96.95重量%、最も好ましくは82.17~94.68重量%)の、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーは、少なくとも2つのC1~8アルキル(メタ)アクリレートの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して63~99.9重量%(好ましくは74超~98.49重量%、より好ましくは80.4~96.95重量%、最も好ましくは82.17~94.68重量%)の、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーは、少なくとも2つのC1~4アルキル(メタ)アクリレートの混合物からなる群から選択される。よりいっそう好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して63~99.9重量%(好ましくは74超~98.49重量%、より好ましくは80.4~96.95重量%、最も好ましくは82.17~94.68重量%)の、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーは、少なくとも3つのC1~4アルキル(メタ)アクリレートの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して63~99.9重量%(好ましくは74超~98.49重量%、より好ましくは80.4~96.95重量%、最も好ましくは82.17~94.68重量%)の、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーは、少なくとも3つのC1~4アルキル(メタ)アクリレートの混合物からなる群から選択され、混合物は、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレートおよびメチルメタクリレートを含む。
【0018】
好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して0.1~25重量%(好ましくは1~20重量%未満、より好ましくは2~17.5重量%、最も好ましくは4~16重量%)の、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーを含む。より好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して0.1~25重量%(好ましくは1~20重量%未満、より好ましくは2~17.5重量%、最も好ましくは4~16重量%)の、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーを含み、aは、0~3(好ましくは0~2、より好ましくは1)であり、dは、0または1(好ましくは0)であり、各Rは、独立して、水素、C1~10アルキル基およびアリール基(好ましくは水素およびC1~10アルキル基、より好ましくは水素およびC1~4アルキル基、さらにより好ましくは水素およびメチル基、最も好ましくはメチル基)からなる群から選択され、各Rは、独立して、水素およびC1~10アルキル基(好ましくは水素およびC1~5アルキル基、より好ましくは水素およびC1~4アルキル基、さらにより好ましくは水素およびメチル基、最も好ましくはメチル基)からなる群から選択され、各Rは、-O-Si(CH基であり、Yは、式(II)、(III)および(IV)からなる群から選択され(好ましくは(II)または(III)であり、より好ましくは(II)であり)、各RおよびRは、独立して、水素およびメチル基(好ましくはメチル基)からなる群から選択され、各RおよびRは、独立して、C1~10アルキレン基(好ましくはC1~7アルキレン基、より好ましくはC2~6アルキレン基、さらにより好ましくはC3~5アルキレン基、最も好ましくはCアルキレン基(例えば、-CH2-CH2-CH2-))であり、各Rは、独立して、C1~10アルキル基であり、bは、0~4であり、cは、0または1である。最も好ましくは、カルボシロキサンに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して0.1~25重量%(好ましくは1~20重量%未満、より好ましくは2~17.5重量%、最も好ましくは4~16重量%)の、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーの構造単位を含み、式中、aは、1であり、dは、0であり、各Rは、メチル基であり、各Rは、メチル基であり、Yは、式(II)のものであり、各Rは、C3~5アルキレン基であり、各Rは、メチル基である。
【0019】
好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して0~10重量%(好ましくは0.5~5重量%、より好ましくは0.75~2.5重量%、さらにより好ましくは1~2重量%、最も好ましくは1.25~1.75重量%)の、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含む。より好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して0~10重量%(好ましくは0.5~5重量%、より好ましくは0.75~2.5重量%、さらにより好ましくは1~2重量%、最も好ましくは1.25~1.75重量%)の、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクロキシプロピオン酸、イタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノメチル、他の誘導体(例えば、対応する無水物、アミド、およびエステル)、およびこれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して0~10重量%(好ましくは0.5~5重量%、より好ましくは0.75~2.5重量%、さらにより好ましくは1~2重量%、最も好ましくは1.25~1.75重量%)の、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される。よりいっそう好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して0~10重量%(好ましくは0.5~5重量%、より好ましくは0.75~2.5重量%、さらにより好ましくは1~2重量%、最も好ましくは1.25~1.75重量%)の、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーは、アクリル酸、およびメタクリル酸のうちの少なくとも1つからなる群から選択される。最もより好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して0~10重量%(好ましくは0.5~5重量%、より好ましくは0.75~2.5重量%、さらにより好ましくは1~2重量%、最も好ましくは1.25~1.75重量%)の、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーは、メタクリル酸である。
【0020】
好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して0~2重量%(好ましくは0.01~1重量%、より好ましくは0.05~0.1重量%、最も好ましくは0.07~0.08重量%)の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含む。より好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して0~2重量%(好ましくは0.01~1重量%、より好ましくは0.05~0.1重量%、最も好ましくは0.07~0.08重量%)の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和モノマーは、ジビニル芳香族化合物、ジ-(メタ)アクリレートエステル、トリ-(メタ)アクリレートエステル、テトラ-(メタクリレート)エステル、ジ-アリルエーテル、トリ-アリルエーテル、テトラ-アリルエーテル、ジ-アリルエステル、トリ-アリルエステル、テトラ-アリルエステル、アリル(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して0~2重量%(好ましくは0.01~1重量%、より好ましくは0.05~0.1重量%、最も好ましくは0.07~0.08重量%)の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和モノマーは、ジビニルベンゼン(DVB)、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、テトラ-アリルペンタエルスリトール、トリアリルペンタエルスリトール、ジアリルペンタエルスリトール、ジアリルフタレート、ジアリルマレエート、トリアリルシアヌレート、ビスフェノールAジアリルエーテル、アリルスクロース、メチレンビスアクリルアミド、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリレート(ALMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、ヘキサン-1,6-ジオールジアクリレート(HDDA)、ブチレングリコールジメタクリレート(BGDMA)およびこれらの混合物からなる群から選択される。よりいっそう好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して0~2重量%(好ましくは0.01~1重量%、より好ましくは0.05~0.1重量%、最も好ましくは0.07~0.08重量%)の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和モノマーは、DVB、ALMA、EGDMA、HDDAおよびBGDMAからなる群から選択される。なおさらにより好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して0~2重量%(好ましくは0.01~1重量%、より好ましくは0.05~0.1重量%、最も好ましくは0.07~0.08重量%)の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和モノマーは、ALMAを含む。最も好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に対して0~2重量%(好ましくは0.01~1重量%、より好ましくは0.05~0.1重量%、最も好ましくは0.07~0.08重量%)の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和モノマーは、ALMAである。
【0021】
好ましくは、本発明の多段ポリマーは、カルボシロキサンに富む段を含む。より好ましくは、本発明の多段ポリマーは、多段ポリマーの重量に対して5~40重量%(好ましくは10~35重量%、より好ましくは15~30重量%、好ましくは18~25重量%)の、カルボシロキサンに富む段を含む。最も好ましくは、本発明の多段ポリマーは、多段ポリマーの重量に対して5~40重量%(好ましくは10~35重量%、より好ましくは15~30重量%、好ましくは18~25重量%)の、カルボシロキサンに富む段を含み、カルボシロキサンに富む段は、カルボシロキサンに富む段の重量に対して0~90重量%(好ましくは10~50重量%未満、より好ましくは12.5~30重量%、さらにより好ましくは15~25重量%、最も好ましくは19~21重量%)の、ビニルモノマーの構造単位と、カルボシロキサンに富む段の重量に対して10~100重量%(好ましくは50超~90重量%、より好ましくは70~87.5重量%、さらにより好ましくは75~85重量%、最も好ましくは79~81重量%)の、式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーの構造単位と、を含む。
【0022】
好ましくは、カルボシロキサンに富む段は、カルボシロキサンに富む段の重量に対して0~90重量%(好ましくは10~50重量%未満、より好ましくは12.5~30重量%、さらにより好ましくは15~25重量%、最も好ましくは19~21重量%)の、ビニルモノマーの構造単位を含む。より好ましくは、カルボシロキサンに富む段は、カルボシロキサンに富む段の重量に対して0~90重量%(好ましくは10~50重量%未満、より好ましくは12.5~30重量%、さらにより好ましくは15~25重量%、最も好ましくは19~21重量%)の、ビニルモノマーの構造単位を含み、ビニルモノマーは、1分子当たり少なくとも1つのラジカル重合性ビニル基を含有する。さらにより好ましくは、カルボシロキサンに富む段は、カルボシロキサンに富む段の重量に対して0~90重量%(好ましくは10~50重量%未満、より好ましくは12.5~30重量%、さらにより好ましくは15~25重量%、最も好ましくは19~21重量%)の、ビニルモノマーの構造単位を含み、ビニルモノマーは、C1~3アルキルアクリレート(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート)、C1~3アルキルメタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート)、モノエチレン性不飽和カルボン酸(例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルオキシプロピオン酸、イタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノメチル)、C4~20アルキルアクリレート(例えば、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート)、C4~20アルキルメタクリレート(例えば、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート)、芳香族ビニルモノマー(例えば、スチレン、ビニルトルエン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、ビニルピロリドン)、およびこれらの混合物からなる群から選択される。よりいっそう好ましくは、カルボシロキサンに富む段は、カルボシロキサンに富む段の重量に対して0~90重量%(好ましくは10~50重量%未満、より好ましくは12.5~30重量%、さらにより好ましくは15~25重量%、最も好ましくは19~21重量%)の、ビニルモノマーの構造単位を含み、ビニルモノマーは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、メタクリル酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、カルボシロキサンに富む段は、カルボシロキサンに富む段の重量に対して0~90重量%(好ましくは10~50重量%未満、より好ましくは12.5~30重量%、さらにより好ましくは15~25重量%、最も好ましくは19~21重量%)の、ビニルモノマーの構造単位を含み、ビニルモノマーは、メチルメタクリレートおよびメタクリル酸を含む。
【0023】
好ましくは、カルボシロキサンに富む段は、カルボシロキサンに富む段の重量に対して10~100重量%(好ましくは50超~90重量%、より好ましくは70~87.5重量%、さらにより好ましくは75~85重量%、最も好ましくは79~81重量%)の、式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーの構造単位を含む。より好ましくは、カルボシロキサンに富む段は、カルボシロキサンに富む段の重量に対して10~100重量%(好ましくは50超~90重量%、より好ましくは70~87.5重量%、さらにより好ましくは75~85重量%、最も好ましくは79~81重量%)の、式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーの構造単位を含み、式中、aは、0~3(好ましくは0~2、最も好ましくは1)であり、dは、0または1(好ましくは0)であり、各Rは、独立して、水素、C1~10アルキル基およびアリール基からなる群から選択され(好ましくは水素およびC1~10アルキル基であり、より好ましくは水素およびC1~10アルキル基であり、さらにより好ましくは水素およびメチル基であり、最も好ましくはメチル基であり)、各Rは、独立して、水素およびC1~10アルキル基からなる群から選択され(好ましくは水素およびC1~5アルキル基であり、より好ましくは水素およびC1~4アルキル基であり、さらにより好ましくは水素およびメチル基であり、最も好ましくはメチル基であり)、各Rは、-O-Si(CH基であり、Yは、式(II)、(III)および(IV)からなる群から選択され(好ましくは(II)または(III)であり、最も好ましくは(II)であり)、各RおよびRは、独立して、水素およびメチル基からなる群から選択され(好ましくはメチル基であり)、各RおよびRは、独立して、C1~10アルキレン基(好ましくは、C1~7アルキレン基、より好ましくはC2~6アルキレン基、さらにより好ましくはC3~5アルキレン基、最も好ましくはCアルキレン基(例えば、-CH2-CH2-CH2-))、各Rは、独立して、C1~10アルキル基であり、bは、0~4であり、cは、0または1である。最も好ましくは、カルボシロキサンに富む段は、カルボシロキサンに富む段の重量に対して10~100重量%(好ましくは50超~90重量%、より好ましくは70~87.5重量%、さらにより好ましくは75~85重量%、最も好ましくは79~81重量%)の、式(I)のカルボシロキサンモノマーの構造単位を含み、式中、aは、1であり、dは、0であり、各Rは、メチル基であり、各Rは、メチル基であり、Yは、式(II)のものであり、各Rは、C3~5アルキレン基であり、各Rは、メチル基である。
【0024】
好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、化粧品として許容される担体をさらに含む。より好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、30~92重量%(好ましくは、35~92重量%、より好ましくは、40~80重量%)の化粧品として許容される担体を含む。最も好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、30~92重量%(好ましくは、35~92重量%、より好ましくは、40~80重量%)の化粧品として許容される担体を含み、多段ポリマーは、化粧品として許容される担体中に分散している。
【0025】
好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、30~92重量%(好ましくは、35~92重量%、より好ましくは、40~80重量%)の化粧品として許容される担体を含み、化粧品として許容される担体は、パーソナルケア配合物の哺乳動物の皮膚への適用時に蒸発することができるように選択される。
【0026】
好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、30~92重量%(好ましくは35~92重量%、より好ましくは40~80重量%)の化粧品として許容される担体を含み、化粧品として許容可能なものは、水(例えば、脱イオン水、蒸留水)、エマルジョン(例えば、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン)、アルコール(例えば、C1~4直鎖または分岐鎖アルコール、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール)、グリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、エトキシジグリコール)、グリセリン、ブチルセロソルブ、およびこれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、30~92重量%(好ましくは35~92重量%、より好ましくは40~80重量%)の化粧品として許容される担体を含み、化粧品として許容される担体は、水(好ましくは、脱イオン水および蒸留水のうちの少なくとも1つ、より好ましくは、脱イオン蒸留水)を含む。
【0027】
好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、カラー成分をさらに含む。より好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、カラー成分をさらに含み、カラー成分は、無機顔料、有機顔料、水性顔料分散液およびこれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、カラー成分をさらに含み、カラー成分は、Ext.D&Cイエロー2号、Ext.D&Cバイオレット2号、FD&Cレッド4号、FD&Cレッド40号、FD&Cイエロー5号、FD&Cイエロー6号、FD&Cグリーン3号、FD&Cブルー1号、D&Cイエロー7号、D&Cイエロー8号、D&Cイエロー10号、D&Cイエロー11号、D&Cバイオレット2号、D&Cレッド6号、D&Cレッド7号、D&Cレッド17号、D&Cレッド21号、D&Cレッド22号、D&Cレッド27号、D&Cレッド28号、D&Cレッド30号、D&Cレッド31号、D&Cレッド34号、D&Cレッド33号、D&Cレッド36号、D&Cグリーン5号、D&Cグリーン6号、D&Cグリーン8号、D&Cブルー4号、D&Cオレンジ4号、D&Cオレンジ5号、D&Cオレンジ10号、D&Cオレンジ11号、D&Cブラウン1号、アルミニウム粉末、アナトー、クエン酸ビスマス、オキシ塩化ビスマス、ブロンズ粉末、カラメル、カルミン、β-カロテン、水酸化クロムグリーン、酸化クロムグリーン、銅クロロフィリン、銅粉末、ジヒドロキシアセトン、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、フェロシアン化第二鉄、グアニン、酸化鉄、マンガンバイオレット、マイカ、銀、二酸化チタン、ウルトラマリン、酸化亜鉛およびこれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、カラー成分をさらに含み、カラー成分は、少なくとも1つの酸化鉄および二酸化チタンを含む。最も好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、カラー成分をさらに含み、カラー成分は、酸化鉄と二酸化チタンとの混合物を含む。
【0028】
好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、カラー成分をさらに含み、カラー成分は顔料である。より好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、カラー成分をさらに含み、カラー成分は、顔料であり、顔料は、表面処理がされている(例えば、グリセロリン酸ナトリウム、フィチン酸(および)水酸化ナトリウム、PEG-12ジメチコン、ジメチコン、水素ジメチコン、メチコン、ラウロイルリジン、水素化レシチン、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン(および)ポリパーフルオロメチルイソプロピルエーテル、アンモニウムC6~16パーフルオロアルキルエチルホスフェート)。さらにより好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、カラー成分をさらに含む。カラー成分は、顔料であり、顔料は、表面処理がされており、表面処理は、アルキルシラン、ハロゲン化ホスホネート、ハロゲン化オルガノシラン、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される表面処理剤での、顔料の処理を通して形成される。最も好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、カラー成分をさらに含み、カラー成分は、顔料であり、顔料は、表面処理がされており、表面処理は、ペーフルオロヘキシルエチルホスホン酸ナトリウム、トリエトキシカプリリルシラン、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン、およびこれらの混合物からなる群から選択される表面処理剤での、顔料の処理を通して形成される。
【0029】
好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、サンケア活性物質をさらに含む。より好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、0.1~70重量%(好ましくは5~65重量%、より好ましくは7.5~60重量%、最も好ましくは10~55重量%)のサンケア活性物質を含む。より好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、0.1~70重量%(好ましくは5~65重量%、より好ましくは7.5~60重量%、最も好ましくは10~55重量%)のサンケア活性物質を含み、サンケア活性物質は、UV放射吸収剤である。さらにより好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、0.1~70重量%(好ましくは5~65重量%、より好ましくは7.5~60重量%、最も好ましくは10~55重量%)のサンケア活性物質を含み、サンケア活性物質は、物理的遮断剤(例えば、赤色ワセリン、二酸化チタン、酸化亜鉛)および化学吸収剤(例えば、1-(4-メトキシフェノール)-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI:ブチルメトキシジベンゾイルメタン)、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI:ベンゾフェノン-3)、ジオキシベンゾン、スリソベンゾン、メンチルアントラニレート、パラ-アミノ安息香酸、アミルパラジメチルアミノ安息香酸、オクチルパラ-ジメチルアミノベンゾエート、エチル4-ビス(ヒドロキシプロピル)パラ-アミノベンゾエート、ポリエチレングリコール(PEG-25)パラ-アミノベンゾエート、エチル4-ビス(ヒドロキシプロピル)アミノベンゾエート、ジエタノールアミンパラ-メチオキシシンナメート、2-エトキシエチルパラ-メトキシシンナメート、エチルヘキシルパラ-メトキシシンナメート、オクチルパラ-メトキシシンナメート、イソアミルパラ-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリレート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート(INCI:オクトクリレン)、2-エチルヘキシル-2-ヒドロキシベンゾエート(INCI:エチルヘキシルサリチレート)、ホモメンチルサリチレート、グリセリルアミノベンゾエート、トリエタノールアミンサリチレート、ジガロイルトリオレエート、ジヒドロキシアセトンを含むローソン、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、4-メチルベンジリジンカンフル、アボベンゾン、トリアジン、ベンゾトリアゾール、ビニル基含有アミド、桂皮酸アミド、スルホン化ベンズイミダゾール)、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾエート(INCI:ホモサレート)からなる群から選択されるUV放射吸収剤である。よりいっそう好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、0.1~70重量%(好ましくは5~65重量%、より好ましくは7.5~60重量%、最も好ましくは10~55重量%)のサンケア活性物質を含み、サンケア活性物質は、UV放射吸収剤の混合物を含むUV放射吸収剤である。なおさらにより好ましくは、本発明のサンケア配合物は、0.1~70重量%(好ましくは5~65重量%、より好ましくは7.5~60重量%、最も好ましくは10~55重量%)のサンケア活性物質を含み、サンケア活性物質は、1-(4-メトキシフェノール)-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパン-1,3-ジオン、2-エチルヘキシル2-ヒドロキシベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンおよび3,3,5-トリメチルシクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾエートのうちの少なくとも1つを含むUV放射吸収剤の混合物であるUV放射吸収剤である。最も好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、0.1~70重量%(好ましくは5~65重量%、より好ましくは7.5~60重量%、最も好ましくは10~55重量%)のサンケア活性物質を含み、サンケア活性物質は、1-(4-メトキシフェノール)-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパン-1,3-ジオン、2-エチルヘキシル2-ヒドロキシベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエートおよび2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンを含むUV放射吸収剤の混合物であるUV放射吸収剤である。
【0030】
好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、0~20重量%(好ましくは0.5~15重量%、より好ましくは1~10重量%、最も好ましくは2~5重量%)のSPF増強剤をさらに含む。好ましくは、SPF増強剤は活性成分ではないが、製剤中に存在する日焼け止め活性物質の有効性を強化するように設計されている。好適なSPF増強剤には、スチレン/アクリレートコポリマー、ナトリウムベントナイト、高度に精製された白色ナトリウムベントナイト、モンモリロナイト、ヒドロゲル、ナノ結晶セルロース、またはそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。本発明のサンケア製剤で使用するための特に好ましいスチレン/アクリレートコポリマーは、The Dow Chemical CompanyによってSunSpheres(登録商標)の商品名で販売されている。
【0031】
好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、任意選択的に、任意の添加剤をさらに含む。より好ましくは、本発明のカラー化粧品配合物は、任意の添加剤をさらに含み、任意の添加剤は、防水剤、皮膚軟化剤、防腐剤、抗酸化剤、芳香剤、保湿剤、レオロジー調整剤、美容改質剤、ビタミン、皮膚保護剤、油、乳化剤、界面活性剤、真珠光沢剤、コンシステンシーファクター、増粘剤、超脂肪剤、安定剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、レシチン、リン脂質、充填剤、光管理粉末および粒子、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0032】
好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、4~9のpHを有する。より好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、4.5~8.5のpHを有する。さらにより好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、5.0~8.0のpHを有する。最も好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、5.5~7.5のpHを有する。
【0033】
好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、クリーム、水溶液、油、軟膏、ペースト、ゲル、ローション、ミルク、フォーム、スティックおよび懸濁液からなる群から選択される製品形態で提供される。
【0034】
本発明の多段ポリマーは、例えば、乳化重合などの従来の重合技術によって調製され得る。好ましくは、本発明の多段ポリマーは、エマルジョンポリマーである。より好ましくは、本発明の多段ポリマーは、エマルジョンポリマーであり、アクリレートに富む段は、エマルジョンポリマーの第1の段であり、カルボキシロキサンに富む段は、エマルジョンポリマーの第2の段である。
【0035】
本発明のパーソナルケア配合物は、治療(例えば、保湿、日光への曝露の有害な影響からの保護)および皮膚への適用による皮膚の外観の向上のうちの少なくとも1つに有用である。好ましくは、本発明のパーソナルケア配合物は、皮膚に容易に適用される。カラー化粧品配合物の形態で提供される場合、本発明のパーソナルケア配合物は、少なくとも一日中、好ましくはその後も、定位置にとどまる透明で鮮やかな色を残す。
【0036】
ここで、本発明のいくつかの実施形態について、以下の実施例において詳細に説明する。
【0037】
実施例で使用されるモノマーの略語を、表1に記載する。
【表1】
【0038】
実施例SC:多段ポリマー
2リットルの丸底フラスコ(オーバーヘッドスターラー、サーモカップル、コンデンサー、ならびにモノマーおよび開始剤を添加するための入口を備えた)に、脱イオン水(262.0g)、50%のCAVASOL(商標)W7 MTL(Wacker Fine Chemicalsからのシクロデキストリン)(15.2g)、31.5%のAerosol(商標)A102界面活性剤(20.5g)(Solvayから)および炭酸ナトリウム(3.4g)を入れた。フラスコの内容物を撹拌し、85℃に加熱した。
【0039】
脱イオン水(294.9g)および31.5%のAerosol(商標)A102界面活性剤(8.7g)を第1の槽に入れ、撹拌を始めることによって、アクリレートに富むモノマーエマルジョンを調製した。界面活性剤が水に組み込まれたら、次のモノマーを第1の槽にゆっくりと撹拌を続けながら添加した:BA(182.4g)、BMA(264.5g)、MMA(152.0g)、MAA(9.1g)およびALMA(0.5g)。
【0040】
脱イオン水(76.0g)および31.5%のAerosol(商標)A102界面活性剤(2.2g)を第2の槽に入れ、撹拌を始めることによって、カルボシロキサンに富むモノマーエマルジョンを調製した。界面活性剤を、水に組み込んだら、以下のモノマーを、撹拌を続けながら第2の槽にゆっくりと添加した:MD’M-ALMA(121.6g)、MMA(28.1g)、およびMAA(2.3g)。カルボキシロキサンに富むモノマーエマルジョンを、7,000rpmで10分間の均質化を使用してさらに乳化させた。
【0041】
過硫酸ナトリウム(1.5g)および脱イオン水(40.3g)を含有するコフィード触媒溶液を調製した。
【0042】
炭酸ナトリウム(1.5g)および脱イオン水(40.3g)を含有するコフィード緩衝溶液を調製した。
【0043】
85℃の反応設定点温度で、第1の槽からの34.2gのアクリレートに富むモノマーエマルジョンを、脱イオン水リンス(15.2g)と共にフラスコの内容物に入れた。次いで、脱イオン水(15.2g)中の過硫酸ナトリウム(3.4g)の開始剤溶液を、フラスコの内容物に添加した。第1の重合後、第1の槽内のアクリレートに富むモノマーエマルジョンの残りを、6.05g/分の速度で15分間、次いで、13.01g/分の速度で60分間、フラスコの内容物にコフィードした。アクリレートに富むモノマーエマルジョンのコフィードと同時に、コフィード触媒溶液およびコフィード緩衝溶液を、0.44g/分の速度で95分間、反応器の内容物に添加した。
【0044】
アクリレートに富むモノマーエマルジョンの添加に続いて、第2の槽内のカルボシロキサンに富むモノマーエマルジョンを、11.51g/分の速度で20分間、反応器の内容物に添加した。様々なフィードの完了後、フラスコの内容物を追跡して、残留モノマーの量を低減して、生成物の多段ポリマーを得た。
【0045】
実施例S1~S4:多段ポリマー
多段ポリマーを、実施例SCに記載されるように実質的に調製し、表2に記載されるような、それぞれの段におけるアクリレートに富む段のモノマーおよびカルボシロキサンに富む段のモノマーを用いて、実施例S1~S4のそれぞれの多段ポリマーにおけるアクリレートに富む段とカルボシロキサンに富む段との総重量%を反映する適切な変更を行った。
【表2】
【0046】
ポリマー特性
比較例SCおよび実施例S1~S4に従って調製された生成物の多段ポリマーを、固形分パーセント、pH、平均粒径(Brookhaven Instruments BI-90粒径アナライザーを使用)、およびTA機器モデル2920示差走査熱量計(DSC)を使用して測定されたガラス転移温度、Tについて分析した。結果を表3に示す。
【表3】
【0047】
ニートポリマーフィルムの機械的特性
フィルムの機械的特性を引張試験によって評価して、フィルムの引張強度、靭性および柔軟性を決定した。ニートポリマーフィルムは、比較例SCおよび実施例S1~S4の各々に従って生成されたポリマー20gを、直径9.4cmのペトリ皿にキャストすることによって調製した。ポリマーラテックスを、乾燥フィルムが形成されるまで、環境制御された部屋(72°F、50% RH)で空気乾燥させた。次いで、乾燥したフィルムをペトリ皿から剥がし、首の部分が長さ0.75インチ、幅0.25インチの3つのドッグボーン片に切断した。次いで、ドッグボーン片を、環境制御された部屋(72°F、50% RH)で、INSTRON 5565引張試験機を10インチ/分の伸長速度で使用することにより試験した。引張試験の結果を表4に示す。
【表4】
【0048】
撥水性および撥皮脂性
フィルムの撥水性および撥皮脂性は、表面エネルギーによって支配される。長期間の高い撥水性および撥皮脂性が、様々な用途、例えば、建築用コーティングおよびパーソナルケア用途で所望される(すなわち、特に、カラー化粧品、日焼け止め剤、および汚染防止生成物における、長期にわたる活性物質の沈着、および耐擦性の有益性の提供)。撥水性および撥皮脂性は、フィルム表面からの水接触角および皮脂接触角を測定することによって評価され得る。具体的には、フィルムを、比較例SCおよび実施例S1~S4に従って調製された生成物の多段ポリマーから、黒色プラスチックチャート(LENETA P121-16から入手可能)上で、3ミルまたは6ミルのドクターブレードを用いてのドローダウンによって調製した。ドローされたフィルムを、環境制御された部屋(72°Fおよび50% RH)で少なくとも72時間空気乾燥させた。次いで、乾燥したフィルムを、少なくとも48時間フォグボックス内に配置して、フィルム表面から残留界面活性剤を除去した。フォグボックス内での処理後、測定を行う前に、フィルムを、環境制御された部屋(72°Fおよび50% RH)で少なくとも24時間空気乾燥させた。水または皮脂の液滴を、液滴形状分析器(Kruss DSA100)を使用して基材上に堆積させた後、水接触角および皮脂接触角の両方を、およそ4秒および250秒で測定した。皮脂接触角の測定のために、表5に記載される組成を有する人工皮脂溶液を調製した。水接触角および皮脂接触角の測定の結果を、表6に示す。
【表5】
【表6】
【0049】
配合物例G1:ジェネリックカラー化粧品配合物
表7に記載の配合物例G1に従って、ジェネリック配合物を有するカラー化粧品配合物を調製した。相Aの成分をビーカーに添加し、均一になるまで混合した。次いで、相Bの成分を、均一になるまで混合しながらビーカーの内容物にゆっくりと添加した。相Cの成分を別個の槽に入れて均一になるまで混合し、次いで混合しながらビーカーの内容物にゆっくりと添加した。次いで、相Dの試験ポリマーを、均一になるまで混合しながらビーカーの内容物にゆっくりと添加した。次いで、相Eの成分を、均一になるまで混合しながらビーカーの内容物に添加した。次いで、相Fの成分をビーカーの内容物に添加した。次いで、ビーカーの内容物を均一になるまで混合して、生成物のカラー化粧品配合物を得た。
【表7】
【0050】
比較例C1~C3および実施例1~4:カラー化粧品配合物
比較例C1~C3および実施例1~4のカラー化粧品配合物を、表8に記載されるような様々な試験ポリマーを用いて配合物例G1に従って調製した。
【0051】
耐摩耗性
比較例C1~C3および実施例1~4に従って調製されたカラー化粧品配合物は、ギャップが6ミル(0.1524mm)に設定されたドクターブレードフィルムアプリケーターを使用して、白いビニルチャート(Lenetaから入手可能)に各々被覆され、22℃で少なくとも24時間乾燥させた。次いで、BYK-Gardnerのカラー分光光度計を使用して、各試料のカラー読み取り値を測定した。カラー化粧品配合物の堆積フィルムの耐摩耗性は、予め切断されたバスタオル(55mm×45mm)でのすり減る前後の変化(ΔE)によって特徴付けられた。バスタオルは、一定速度で定期的に前後に動くロボットの可動部分に固定された。フィルムは、およそ600Paの圧力下で、バスタオルによる3回の摩耗サイクルですり減り、各摩耗サイクルは6秒間続く。各堆積フィルムの10点から読み取りを行った。各フィルムからの10個の読み取り値の平均を表8に示す。
【表8】

【国際調査報告】