(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】光集積回路の導波路構造
(51)【国際特許分類】
H01L 31/02 20060101AFI20230125BHJP
H01S 5/22 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
H01L31/02 B
H01S5/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528277
(86)(22)【出願日】2020-11-26
(85)【翻訳文提出日】2022-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2020083443
(87)【国際公開番号】W WO2021105256
(87)【国際公開日】2021-06-03
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522074936
【氏名又は名称】スマート フォトニクス ホールディングス ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】デン ハーン,エリック
(72)【発明者】
【氏名】レモス アルバレス ドス サントス,ルイ マニュエル
【テーマコード(参考)】
5F173
5F849
【Fターム(参考)】
5F173AA08
5F173AG01
5F849AA02
5F849AA04
5F849AB07
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5F849KA20
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5F849XB24
(57)【要約】
光集積回路の導波路構造(100)であって、基板と、ダイオード接合を含む活性領域(102)であって、第1の方向と第1の方向に垂直な第2の方向とに光を放出する発光部分(102a)と、発光部分(102a)から第2の方向に放出された光を吸収する光吸収部分(102b)とを含む活性領域と、発光部分(102a)に対応する第1の接点と、光吸収部分(102b)に対応する第2の接点とを含む導波路構造。
【選択図】
図1b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光集積回路の導波路構造であって、
基板と、
ダイオード接合を含む活性領域であって、
第1の方向と、前記第1の方向に垂直な第2の方向とに光を放出する発光部分と、
前記発光部分から前記第2の方向に放出された光を吸収する光吸収部分と
を含む、前記活性領域と、
前記発光部分に対応する第1の接点と、
前記光吸収部分に対応する第2の接点と
を含む、前記導波路構造。
【請求項2】
前記第1の接点が、第1のバイアス回路への前記発光部分の電気的接続のために構成され、
前記第2の接点が、第2のバイアス回路への前記光吸収部分の電気的接続のために構成される、請求項1に記載の導波路構造。
【請求項3】
前記光吸収部分が、第1の光吸収部分であり、
前記導波路構造が、
前記発光部分から前記第2の方向と反対の第3の方向に放出された光を吸収する第2の光吸収部分と、
前記第2の光吸収部分に対応する第3の接点と
を含む、請求項1または2に記載の導波路構造。
【請求項4】
前記第1の接点が、前記第2の接点と前記第3の接点との間にある、請求項3に記載の導波路構造。
【請求項5】
前記発光部分が、前記第1の光吸収部分と前記第2の光吸収部分との間に位置する、請求項3または4に記載の導波路構造。
【請求項6】
前記第1の方向に実質的に平行な縦軸を有するリッジ導波路を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の導波路構造。
【請求項7】
光を導くための導波路部分と、前記導波路部分によって導かれない光を吸収するための吸収体部分とを含み、
前記導波路部分は、前記吸収体部分から分離されている、請求項6に記載の導波路構造。
【請求項8】
前記導波路部分が、前記導波路構造の凹部によって前記吸収体部分から分離され、
前記凹部は、前記導波路部分の第1の側にある第1の側壁と、前記吸収体部分の第1の側にある第2の側壁と、前記第1の側壁と前記第2の側壁とを結合するベース部分とを含む、請求項7に記載の導波路構造。
【請求項9】
前記凹部の深さが、前記導波路構造の上面から前記活性領域が位置する深さより浅い位置まで延びる、請求項8に記載の導波路構造。
【請求項10】
前記凹部の深さが、前記導波路構造の上面から前記活性領域が位置する深さより深い位置まで延びる、請求項8に記載の導波路構造。
【請求項11】
前記導波路部分が、半導体材料、誘電材料、空気、ポリイミド、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、またはSU-8のうちの少なくとも1つによって前記吸収体部分から分離されている、請求項7に記載の導波路構造。
【請求項12】
前記活性領域が、前記第1の方向に対して傾いている周囲の半導体材料との界面を含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の導波路構造。
【請求項13】
前記活性領域が、電子正孔対が再結合して光子を放出し得る、及び/または光子が吸収されて電子正孔対を作り得る領域である、請求項1から12のいずれか1項に記載の導波路構造。
【請求項14】
前記活性領域が、1つまたは複数の量子井戸を含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の導波路構造。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の導波路構造を含む、半導体光増幅器。
【請求項16】
請求項1から請求項14のうちのいずれか1項に記載の導波路構造、または請求項15に記載の半導体光増幅器を含む、光集積回路。
【請求項17】
前記活性領域の前記発光部分で光を生成するように前記第1の接点に順方向バイアスを印加するように配置された第1のバイアス回路と、
前記活性領域の前記光吸収部分で生成された電荷担体を抽出するように、接地バイアス、浮動バイアス、または逆バイアスを前記第2の接点に印加するように配置された第2のバイアス回路と
を含む、請求項16に記載の光集積回路。
【請求項18】
光集積回路の導波路構造を製造する方法であって、
ダイオード接合を含む活性領域を堆積させることと、
前記活性領域に発光部分を画定することであって、前記発光部分は第1の方向と前記第1の方向に垂直な第2の方向とに光を放出する、発光部分を画定することと、
前記発光部分から前記第2の方向に放出された光を吸収する光吸収部分を画定することと、
前記発光部分に対応する第1の接点を画定することと、
前記光吸収部分に対応する第2の接点を画定することと
を含む、方法。
【請求項19】
リッジ導波路を画定するエッチマスクを堆積することと、
前記リッジ導波路の外側に1つまたは複数の凹部を形成するために前記リッジ導波路の外側の材料をエッチングすることと
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記リッジ導波路の上と前記1つまたは複数の凹部の中に誘電材料を堆積することと、
前記リッジ導波路の上の前記誘電材料に開口部を形成することと、
前記開口部に前記第1の接点を画定することと
を含む、請求項18または請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記リッジ導波路の上と前記1つまたは複数の凹部の中に半導体材料を堆積することと、
前記半導体材料上に前記第1の接点を画定することと
を含む、請求項18または請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
光集積回路(PIC)は、PICの構成要素間で光を導く導波路構造を利用する。
【0002】
導かれない光は、PICの他の構成要素にとってノイズ源となり得る。
【0003】
PICの構成要素によって検出可能なノイズのレベルを低減することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1a】実施例による、導波路構造の平面図(正確な縮尺ではない)である。
【
図1b】実施例による、導波路構造の断面図(正確な縮尺ではない)である。
【
図2】実施例による、導波路構造を製造する方法を示すフロー図である。
【
図3a】実施例による、導波路構造の平面図(正確な縮尺ではない)である。
【
図3b】実施例による、導波路構造の断面図(正確な縮尺ではない)である。
【
図4】実施例による、導波路構造の平面図(正確な縮尺ではない)である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書に記載の実施例は、光集積回路(PIC)の導波路構造に関する。PICは、2つ以上の光素子(例えば、光を使用して機能を実行する素子)が光学的に接続された光回路とみなされてよい。PICは、例えば、光を放出すること、光を検出すること、光を増幅すること、光を導くこと、光を反射すること、光を回折すること、異なる波長の光を混ぜること、異なる波長の光を分離すること、偏光変換、光学フィルタリング、パワー分離、振幅変調、及び位相変調を含む機能を実行する構成要素を含み得る。PICは、電子回路の光学的アナログとみなすことができる。PICは通常、電磁スペクトルの可視領域または近赤外領域(例えば、約400ナノメータ(nm)から約1650nmの範囲の波長を有する光)で動作するが、PICは、電磁スペクトルの他の領域でも動作することができる。
【0006】
PICの商業的に利用される材料プラットフォームは、リン化インジウム(InP)であり、これは、光学活性機能と光学的に不活性な機能とを同一のチップ上に統合することを可能にするが、シリコン(Si)、ガリウムヒ素(GaAs)またはニオブ酸リチウム(LiNBO3)等の他の材料プラットフォームも、PICのプラットフォームとして利用されてよい。PICは、1つのチップに統合された何百もの構成要素を含み得る。
【0007】
図1a及び1bは、光集積回路(PIC)の構成要素である導波路構造100の概略図である。
図1aは、導波路構造100の平面図であり、
図1bは、線A-A´で示された導波路構造100のガイド軸に沿って表された導波路構造100の断面図である。
【0008】
導波路構造によって導かれた光は通常、導波路構造によって完全には閉じ込められずに、光の一部が、導波路構造から抜け出て、導波路によって導かれた光と異なる方向に放出される。一部の用途では、望ましくないことに、導かれていないこのような光は、導波路が光を導くように設計されたPICの構成要素以外のPICの構成要素によって検出される場合がある、または、導波路構造自体内の光の増幅に影響を与える場合がある。導かれていないこのような光は、PICの他の構成要素にとってノイズ源になる可能性がある。本明細書に記載の実施例は、このようなノイズを低減する。
【0009】
図1a及び1bの実施例等の実施例では、導波路構造100は、半導体光増幅器(SOA)である。他の実施例では、導波路構造100は、SOA以外の構成要素である。例えば、導波路構造100は、端面発光レーザであってよい。
【0010】
導波路構造100は、半導体基板上に形成された半導体構造を含み、半導体基板上に導波路構造100を形成する様々な層が成長する。例えば、半導体基板は、リン化インジウム(InP)材料であってよく、実施例では、下部クラッド層が基板上に堆積され、下部クラッド層より高い屈折率を有する下部コア層が下部クラッド層上に堆積される。実施例では、活性領域102(以下に説明)が、下部コア層上に堆積され、上部コア層が、活性領域上に堆積される。上部コア層より低い屈折率を有する上部クラッド層が、活性領域上に堆積されて、導波路を形成し、上部コア層と下部コア層に光を導いて、導波路構造と活性領域102とを伝搬する光の間の相互作用を増加させる。
【0011】
実施例では、上部クラッド層、下部クラッド層、上部コア層、下部コア層、及び活性領域102は、それぞれ、所望の機能を実行するための適切な厚さ及び組成を有する異なる半導体材料からなる複数の層を含む。
【0012】
導波路構造100を形成するために、基板は通常、薄くされ、または除去されて、接点(例えば、金属接点)が、半導体構造のp側及びn側にそれぞれ、形成される。
【0013】
活性領域102は、電子及び正孔の再結合によって光子を放出できる及び/または電子正孔対の生成によって光子を吸収できるダイオード接合(pn接合またはpin接合など)を含む導波路構造100の領域である。簡単な形態では、ダイオード接合は、nドープ半導体材料とpドープ半導体材料の間に界面を含む。しかしながら、現代のフォトニック部品は通常、電荷担体を特定の空間領域に閉じ込めるための電子閉じ込め構造(量子井戸、量子細線、または量子ドットなど)を含む活性領域を有し、それによって、例えば、再結合速度、及び/または光閉じ込め(屈折率の相違による光子の閉じ込め等)を提供する導波路構造を改善して、光学的損失を低減し、したがって、光子と電荷担体の間の相互作用を増加させる(例えば、吸収率及び/または誘導放出率を増加させる)。
【0014】
実施例では、基板、下部クラッド層、及び下部コア層は、pドープ半導体材料を形成するドーパントでドープされ、上部コア層及び上部クラッド層は、nドープ半導体層を形成するドーパントでドープされ、それによって、活性領域102の、または活性領域102内のpドープ半導体層とnドープ半導体層の間の界面は、pn接合を形成する。他の実施例では、基板、下部クラッド層、及び下部コア層は、nドープされ、上部コア層及び上部クラッド層は、pドープされている。一部の実施例では、活性領域102自体は、ドープされずに(いわゆる、真性半導体)pin接合を形成する。導波路構造100はまた、1つまたは複数の導波路を含み、
図1a及び1bに示す実施例の導波路等の実施例では、チャネル型導波路である。例えば、導波路は、リッジ導波路またはリブ導波路である。他の実施例では、導波路は、絶縁ストライプ導波路(isolated-stripe waveguides)等の他の形態の導波路である。
【0015】
リッジ導波路は、上記のチャネル型導波路の一例である。通常、リッジ導波路は、断面が矩形である(例えば、平らな上面と2つの側壁面を有し、それぞれ、リッジを構成する材料よりも低い屈折率を有する材料との界面を形成する)。しかしながら、実施例では、リッジの断面は完全な矩形ではない。例えば、側壁は、まっすぐではない、及び/またはリッジが形成されている基板に対して完全に垂直ではない。他の一部の実施例では、リッジ導波路のリッジの断面は矩形ではなく、異なる形状、例えば、台形の断面であり、または、他の実施例では、丸いまたは曲面の側壁を有する(凸状または凹状)。
【0016】
図1a及び1bに示すように、活性領域102は、発光部分102a及び光吸収部分102bを含む。第1の導波路は、発光部分102aに対応し、以下、駆動導波路(driven waveguide)104と呼ぶ(通常動作時、導波路下の接合が順方向バイアスであるため)。第2の導波路は、駆動導波路104と同じまたは類似の構造で、光吸収部分102bに対応し、以下、吸収リッジ106と呼ぶ。駆動導波路104は、駆動導波路104に印加されるバイアスが主に発光部分102aに影響を及ぼす程度まで発光部分102aに対応し、吸収リッジ106は、駆動導波路104に印加されるバイアスが主に光吸収部分102bに影響を及ぼす程度まで発光部分102aに対応する。例えば、
図1bに示すように、駆動導波路104は、(z軸で)発光部分102aの上に位置し、吸収リッジ106は、(z軸で)光吸収部分102bの上に位置する。言い換えると、少なくともy軸で、駆動導波路104は、発光部分102aに位置合わせされるか、または重なり、吸収リッジ104bは、光吸収部分102bに位置合わせされるか、または重なる。
【0017】
駆動導波路104及び吸収リッジ106はそれぞれ、例えば、半導体構造の少なくとも上部クラッド層に形成され、一部の実施例では、上部コア層を含み得る。一部の実施例では、以下に記載するように、駆動導波路104及び/または吸収リッジ106は、活性領域102を含む。
【0018】
駆動導波路104内で生成された光は、x軸に沿った第1の方向、及び第1の方向に垂直な(例えば、y軸に沿った)第2の方向を含む全ての方向に放出される。駆動導波路104内で生成された内部全反射の条件を満たす方向に放出された光は、駆動導波路104に沿って(例えば、x軸に沿って)導かれるが、駆動導波路104内で生成された内部全反射の条件を満たさない方向に放出された光(例えば、第2の方向に放出された光)は、駆動導波路104から抜け出る。
【0019】
第2の方向に放出された光は、吸収リッジ106によって吸収されて、このような光が導波路構造100から抜け出て、例えば、PICの他の構成要素のノイズ源になることを防ぎ得る。
【0020】
駆動導波路104及び吸収リッジ106は、
図1aでx軸によって表される第1の方向に縦方向に延在する。光は、第1の方向が、駆動導波路104の縦軸に実質的に平行(例えば、許容できる性能公差内で、x軸に平行)であるように、駆動導波路104の縦軸に沿って第1の方向に導かれる。
【0021】
活性領域102は、平らで、x軸に沿って延び、且つ、y軸として
図1a及び1bに示される、x軸に垂直なy軸にも延びる。駆動導波路104及び吸収リッジ106は、活性領域102から、x軸及びy軸の両方に対して垂直なz軸に沿って延びる。
【0022】
駆動導波路104等のチャネル型導波路は、例えば、2つの直交する次元に光(または、任意の他の伝搬する電磁放射)を導く導波路である。誘導メカニズムは、屈折率の違いに基づいている。詳細には、導波路の「コア」は、(スネルの法則に従って)内部反射として知られる効果を提供するように、コアの周囲(一般に「クラッド」と呼ばれる)の材料よりも高い屈折率を有する。周知のように、第1の屈折率を有する媒質を伝搬し、第2の異なる屈折率を有する媒質との光学的界面に入射する光は、少なくとも部分的に反射される。第2の屈折率が第1の屈折率より低い場合、伝搬する光の(光学的界面の平面への法線に対する)入射角が臨界角より大きい場合、伝搬する光は全反射する。
【0023】
屈折率の違いは、(例えば、構成要素の成分の材料の原子の間隔に基づいた)固有の材料特性が異なる結果であり得る、及び/または、外部から印加された電場等の外部要因(例えば、量子誘導効果)及び/または材料を通って伝搬する電磁場が経験する見かけの屈折率に影響を与え得る半導体材料の領域の電荷担体の濃度(例えば、利得導波現象)に基づき得る。
【0024】
一部の実施例では、屈折率の違いは、駆動導波路104の両側でエッチングまたは他の方法で半導体材料を除去して、導波路構造100が製造される半導体材料の上面に1つまたは複数の縦方向の凹部を形成することによって、提供される。例えば、
図1bに示すように、駆動導波路104と吸収リッジ106との間に、第1の凹部が、半導体材料を除去して、吸収導波路106の第1の側に第1の側壁112a、駆動導波路104の(第1の側壁112aに対向する)第1の側に第2の側壁112b、及び、第1の側壁112aと第2の側壁112bを結合するベース部分112cを形成することによって形成される。ベース部分112cは、半導体構造の上面から深さD(以後の図面については、半導体構造の上面に対して異なる深さを有する凹部がある場合、1及び/または2を追加されてよい)だけ離れている。一部の実施例では、第1の側壁112a及び第2の側壁112bは、基板に垂直であり、ベース部分112cは、基板に対して平行で、実質的に矩形の凹部を形成する(例えば、第1の側壁112a及び第2の側壁112bは、ベース部分112cと90°±10°で交わる)。他の実施例では、第1の側壁112a及び第2の側壁112bは、矩形ではない凹部(例えば、「U字」形状の凹部または「V字」形状の凹部)を形成するようにベース部分112cと交わるような曲面であってよい。
【0025】
同様に、このような凹部は、
図1bに示すように、駆動導波路104の第1の側の反対の駆動導波路104の第2の側と、吸収リッジ106の第1の側の反対の吸収リッジ106の第2の側に形成されてよい。
【0026】
図1bに示すように、凹部(複数可)は、駆動導波路104及び吸収リッジ106が形成された後に堆積された固体誘電材料113の層またはブロックで少なくとも部分的に埋められる。例えば、凹部は、ポリイミド材料、または半導体構造を平らにするために使用される他の誘電材料で少なくとも部分的に埋められてよい。例えば、凹部は、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、またはSU-8等の材料で埋められる。このように、一旦、製造されると、導波路構造100は、凹部が誘電材料で埋められるので、凹部を含まない場合がある、または、凹部が部分的に埋められるので、凹部は、Dより浅い深さを有する場合がある。他の実施例では、凹部を埋める誘電材料は空気であってよい。
【0027】
駆動導波路104は、活性領域102の発光部分102aの上に位置する。駆動導波路104と接触するのは、第1の接点108である。第1の接点108は、電気接点を形成するために選択される、例えば、1つまたは複数の金属層と1つまたは複数のドープされた半導体層を含み、電気接点を通して、電荷担体(例えば、電子または正孔)は、駆動導波路104を通して発光部分102aに注入されてよい、及び/または発光部分102aから抽出されてよい。詳細には、通常の動作では、第1の接点108は、順方向バイアスが印加されて(例えば、共通の電位に対して正電圧が第1の接点に印加されてよい)、発光部分102aに反転分布を提供し、それによって、(増幅自然放出及び/または誘導放出を含む)電子と正孔の再結合のプロセスによって、発光部分102aが光子の形態で光を生成する。
【0028】
同様に、吸収リッジ106は、活性領域の光吸収部分102bの上に位置する。吸収リッジ106に接触するのは、第2の接点110である。第1の接点108と同様、第2の接点110は、電気接点を形成するために選択される、例えば、1つまたは複数の金属層と1つまたは複数のドープされた半導体層とを含み、電気接点を通して、電荷担体(例えば、電子または正孔)は、吸収リッジ106を通して、光吸収部分102bに注入されてよい、及び/または光吸収部分102bから抽出されてよい。
【0029】
第1の接点108及び第2の接点110は、例えば、駆動導波路104及び吸収リッジ106の上面に形成される。追加の接点層114が、導波構造100の下側に接地接点を形成するために堆積されてよい。
図1a及び1bに示すように、追加の接点層114は、第1の接点108と第2の接点110の両方の間の電気路に共通の接地を提供し得る。
【0030】
使用時、正電圧(例えば、順方向バイアス)が通常、追加の接点114に対して、第1の接点108に印加される。追加の接点114は一般的に(例えば、零ボルト)で接地されるが、代わりにフローティングしていてもよい。このような正電圧は、発光部分102aで受け取られた光の増幅のために要求される必要な反転分布を提供する。例えば、第1の接点108は、第1のバイアス(例えば、追加の接点114に対する順方向バイアス)を第1の接点108に提供するように配置された第1のバイアス回路に(例えば、第1の接点108へのはんだ接合を介して)電気的に接続されてよく、第2の接点110は、第2のバイアス(例えば、追加の接点114に対する負バイアスもしくは逆バイアス、または接地バイアス、または浮動バイアス)を第2の接点110に提供するように配置された第2のバイアス回路に(例えば、第2の接点110へのはんだ接合を介して)電気的に接続されてよい。
【0031】
使用時、受信された光信号116aは、駆動導波路104の第1端104aに印加されてよい。受信された光信号は、駆動導波路104を横断しながら、光場116として駆動導波路104に沿って伝搬し、増幅されて、増幅された出力信号116bとして駆動導波路104の第2端104bで出力される。
【0032】
自然放出によって発光部分102aで放出される光子は、任意の方向に放出され得る。これらの光子の一部の方向は、光子が駆動導波路104の縦軸に沿って駆動導波路104によって導かれるような方向であり、増幅自然放出及び/または誘導放出と、受信された入力信号116aの増幅とに寄与して、増幅された出力信号116bを生成し得る。他の光子の方向は、駆動導波路104によって導かれない、駆動導波路104から脱出する方向となり、このような光子は、上記のようにノイズとみなされる場合がある。
【0033】
第2の接点110は、(例えば、零ボルトで)接地されてよい、またはフローティングしていてよい。第2の接点110を接地することによって、(例えば、駆動導波路104から第2の方向に放出された)入射光子に反応して吸収リッジ106で生成された電荷担体は、吸収リッジ106から除去され、それによって、これらの電荷担体は、吸収リッジ106から再放出される光子を生成するために再結合しない。一部の実施例では、追加の接点114の電位に対する逆バイアスが第2の接点110に印加されてよく、これは、一部の実施例では、吸収リッジ106の吸収効率を改善し得る。
【0034】
活性領域102と周囲の半導体材料との間の少なくとも1つの界面は、xy平面で、x軸に沿って駆動導波路104を横断する光に対して傾いている。この理由は、活性領域102の半導体材料と活性領域102の周囲の半導体材料との間に屈折率の違いがあるからである。このような屈折率の違いにより、リッジ導波路104の動作に関連して前述したのと同様の反射する光学的界面が形成され、このような反射は、SOAの動作に有害であり得るが、
図1aに示す角度でその界面を形成することにより、それらの反射を、反射光がリッジ導波路104によって導かれるのを防ぐ(例えば、臨界角より大きい)角度にリッジ導波路104の軸から離れるように向けてよい。
【0035】
例えば、
図1aに示すように、活性領域102は、平面図において台形になるように形成され、それによって、活性領域102の各端と周囲の半導体材料との間の界面は、x軸に沿って駆動導波路104を横断する光に対してxy平面上にある。
【0036】
他の実施例では、活性領域102と周囲の半導体材料との間の界面の1つまたは複数は、x軸に沿って駆動導波路を横断する光に対して垂直であってよい。例えば、導波路構造100がレーザデバイスで使用されているとき、活性領域102と活性領域102に隣接する半導体材料との間の光学的界面で反射される光は、光が駆動導波路104内に反射されて増幅されるように、駆動導波路104の軸に対して垂直であると有益な場合がある。
【0037】
図2は、
図1a及び1bを参照して前述した導波路構造100等、光集積回路の導波路構造を製造する方法を示す。例えば、前述のように、導波路構造は、前述の半導体基板上に形成されてよく、z軸で光を閉じ込めるコア層及びクラッド層を含み得る。
【0038】
ブロック202において、活性領域が堆積される。活性領域は、例えば、上記のようにpn接合またはpin接合を含むダイオード接合を含む。例えば、基板、下部クラッド層、及び下部コア層は、pドープ半導体材料を形成するドーパントでドープされ、上部コア層及び上部クラッド層は、nドープ半導体層を形成するドーパントでドープされ、それによって、活性領域102のまたは活性領域102内のpドープ半導体層とnドープ半導体層の間の界面は、pn接合を形成する。他の実施例では、基板、下部クラッド層、及び下部コア層は、nドープされ、上部コア層及び上部クラッド層は、pドープされる。一部の実施例では、活性領域102自体は、ドープされずに(いわゆる、真性半導体)pin接合を形成してよい。
【0039】
ブロック204において、発光部分が、活性領域に画定される。例えば、発光部分は、
図1bを参照して前述した発光部分102aに対応し、例えば、
図1a及び1bを参照して前述した駆動導波路104によって画定されてよい。例えば、発光部分は、活性領域102の一部によって画定され、
図1bに示すように、発光部分102aの上に位置する駆動導波路104と位置合わせされる、または駆動導波路104と重なる。画定されたという用語が方法200に関連して使用される場合、対応する特徴(複数可)が、例えば、少なくともy軸で互いに位置合わせされるか重なり合うように(例えば、適切なマスキングを用いて、エッチングまたは堆積プロセスによって)形成されることを説明するために使用される。
【0040】
ブロック206において、光吸収部分が、活性領域に画定される。例えば、光吸収部分は、
図1bを参照して前述した光吸収部分l02bに対応し、例えば、
図1a及び1bを参照して前述した吸収リッジ106によって画定される。例えば、光吸収部分は、活性領域の一部によって画定され、
図1bに示すように、光吸収部分102bの上に位置する吸収リッジ106と位置合わせされる、または吸収リッジ106と重なる。
【0041】
ブロック208において、発光部分(例えば、
図1bを参照して前述した発光部分102a)に対応する第1の接点が画定される。例えば、第1の接点は、
図1a及び1bを参照して前述した第1の接点108等、駆動導波路104上に形成された、または、駆動導波路104と接触する電気接点である。
【0042】
ブロック210において、光吸収部分(例えば、
図1bを参照して前述した光吸収部分102b)に対応する第2の接点が画定される。例えば、第2の接点は、
図1a及び1bを参照して前述した第2の接点110等、吸収リッジ106上に形成された、または吸収リッジ106と接触する電気接点である。
【0043】
一部の実施例では、第1の接点及び第2の接点が、発光部分及び光吸収部分の導波路の上に堆積された誘電材料の開口部に形成される。例えば、前述のように、駆動導波路104と吸収リッジ106の間に、
図1a及び1bに示すように凹部があってよい。前述のように、凹部は、誘電材料で埋められてよい。実際には、誘電材料の塗布によって、過剰な誘電材料が駆動導波路104と吸収リッジ106との表面に堆積される場合があり、これに、電気接点を作成するのが望ましい。したがって、一部の実施例では、方法200は、このような上を覆う誘電材料に、駆動導波路104及び吸収リッジ106へのアクセスを提供する開口部を作成することを含む。例えば、方法200は、駆動導波路104及び/または吸収リッジ106に、導電性接点を適用する部分を画定するための1つまたは複数のリソグラフィ工程と、駆動導波路104及び/または吸収リッジ106の導電性接点を適用する画定された部分から誘電材料を除去する後続のエッチング工程とを含む。
【0044】
図1a及び1bを参照して前述した実施例は、駆動導波路104に沿って導かれない光を吸収する(例えば、第2の方向に放出された光を吸収する)構造を提供する。駆動導波路104に沿って導かれない光の吸収を改善する他の構造が構想される。
【0045】
例えば、
図3a及び3bは、それぞれ、他の実施例による、導波路構造300の平面図及び断面図である。導波路構造300は、
図1a及び1bに示す導波路構造に類似しており、
図2を参照して前述したのと同様の方法に従って製造することができる。したがって、
図1a及び1bに現れる
図3a及び3bに示される特徴は、(この実施例で、複数の前述の特徴がある場合、a及び/またはbを追加した)同じ参照符号が与えられ、これらの特徴の前述の説明が、必要に応じて、適用される。
図3aは、導波路構造300の平面図であり、
図3bは、線B-B´によって示される導波路構造300のガイド軸に沿って表された導波路構造300の断面図である。
【0046】
図3a及び3bに示す導波路構造300は、駆動導波路104の一方の側に第1の吸収リッジ106aと、駆動導波路104の他方の側に第2の吸収リッジ106bの2つの吸収リッジを含むという点で、
図1a及び1bに示す導波路構造とは異なる。したがって、
図3a及び3bに示す実施例では、駆動導波路104に沿って導かれずに、第2の方向に放出される光は、駆動導波路104から負のy方向に放出される場合、第1の吸収リッジ106aによって吸収されてよく、駆動導波路104の第2の方向と反対の第3の方向である正のy方向に放出される場合、第2の吸収リッジ106bによって吸収されてよい。
【0047】
図3a及び3bに示す導波路構造300は、
図1a及び1bを参照して前述した凹部のうちの2つを含む。2つの凹部は、上記のように誘電材料113を含む。
図3bに示す実施例では、第1の凹部302は、半導体構造の上面に対して第1の深さD1を有し、第2の凹部304は、半導体構造の上面に対して第2の深さD2を有する。
図3において、深さD1及びD2は、(少なくとも許容可能な製造交差内で)等しい。
【0048】
第1の吸収リッジ106a及び第2の吸収リッジ106bに対応する接点110a、110bは両方とも、接地、フローティング、または同じ逆バイアスにバイアスされてよい、または、吸収リッジ106a、106bのそれぞれの吸収を独立して制御するために異なるバイアスにバイアスされてよい。
【0049】
図4は、他の実施例による、導波路構造400の平面図である。導波路構造400は、
図3a及び3bに示す導波路構造に類似しており、
図2を参照して前述した方法に従って製造することができる。したがって、
図3a及び3b(及び、
図1a及び1b)に現れる
図4に示す特徴は、(この実施例では、2つ以上の前述した特徴がある場合、a及び/またはbを追加した)同じ参照符号を与えられ、それらの特徴の前述の説明を、必要に応じて、適用する。
【0050】
図4に示す実施例では、第1の接点108は、駆動導波路104の上に堆積された誘電材料113の開口部402の上に形成される。開口部402は、駆動導波路104に沿って一定の長さ、延在する。他の実施例では、誘電材料113は、半導体材料と置き換えられてよく、第1の接点108は、半導体材料上に形成されてよい。
【0051】
吸収リッジ106a、106bは、駆動導波路104によって導かれない光の吸収を増加させるように配置された1つまたは複数の延長部を含む。例えば、
図4に示すように、吸収リッジ106a、106bそれぞれの端部からy方向に駆動導波路104に向かって延びる延長部404a~404dがある。実施例のこのような各延長部404a~404dは、x軸に沿った位置の各吸収リッジ106a、106bの各端部から延びる。よって、例えば、第1の延長部404aは、吸収リッジ106aの第1端からy軸に沿って延び、第2の延長部404bは、吸収リッジ106bの第2端からy軸に沿って延びる。第3の延長部404c及び第4の延長部404dは、他方の吸収リッジ106bの第1端及び第2端から同様に延びる。これは、駆動導波路402によって導かれていない光の吸収を改善する。詳細には、吸収リッジ106a、106bで吸収されない場合があるx方向の成分を有する光は、延長部404によって吸収されることによって、導波路構造400から光が抜け出るのを防ぎ得る。
【0052】
上記実施例は、本発明を説明するための実施例として理解されたい。例えば、前述し、
図1b及び3bの断面図に示した実施例においては、凹部は、活性領域に侵入しないが、追加の実施例においては、凹部の1つまたは複数が、活性領域102まで、または活性領域102を超えて延びる深さDを有してよい。これにより、駆動導波路104と吸収リッジ106a、106bとの間の電気的分離を改善することができる。さらに、
図3bに示す実施例では、凹部302、304の深さDl、D2は等しいが、他の実施例では、深さDl、D2は等しくない。このような一部の実施例では、第1の凹部302の深さDlは、凹部302が活性領域102を通って延び、第2の凹部の深さD2は、凹部304が活性領域102を通って延びていない。他の実施例では、第1の凹部302の深さDlと第2の凹部304の深さD2は両方とも、両方の凹部が活性領域102を通って延びる。
【0053】
当然ながら、任意の1つの実施例に関して記載された任意の特徴は、単独で、または記載された他の特徴と組み合わせて使用されてよく、任意の他の実施例の1つまたは複数の特徴、または任意の他の実施例の任意の組み合わせと組み合わされて使用されてよい。さらに、前述していない同等物または修正も添付の請求項の範囲を逸脱することなく、採用されてよい。
【国際調査報告】