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特表2023-503875新規なトリアゾロピリジン誘導体およびこれを含む薬学組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】新規なトリアゾロピリジン誘導体およびこれを含む薬学組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20230125BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20230125BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20230125BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20230125BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20230125BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20230125BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20230125BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230125BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20230125BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230125BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20230125BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
C07D471/04 101
C07D471/04 CSP
C07D519/00 301
C07D519/00 311
A61K31/496
A61K31/437
A61K31/5377
A61K31/4545
A61K31/4709
A61P29/00
A61P37/06
A61P35/00
A61P37/02
A61P43/00 111
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529292
(86)(22)【出願日】2020-11-25
(85)【翻訳文提出日】2022-05-19
(86)【国際出願番号】 KR2020016798
(87)【国際公開番号】W WO2021107590
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】10-2019-0152660
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508131716
【氏名又は名称】デウン ファーマシューティカル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DAEWOONG PHARMACEUTICAL CO., LTD
【住所又は居所原語表記】35-14,Jeyakgongdan 4-gil,Hyangnam-eup,Hwaseong-si,Gyeonggi-do Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジドゥク
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ソナ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ナミョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,インウ
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン,ヘジョン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジュンソク
【テーマコード(参考)】
4C065
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C065AA03
4C065BB03
4C065CC01
4C065DD03
4C065EE02
4C065HH01
4C065JJ03
4C065KK01
4C065LL07
4C065PP03
4C065PP09
4C065PP13
4C065PP15
4C065PP16
4C065PP18
4C065PP19
4C065QQ04
4C072MM02
4C072MM10
4C072UU01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB07
4C086ZB08
4C086ZB11
4C086ZB26
4C086ZC20
(57)【要約】
本発明は、下記化学式1で表される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩に関し、本発明に係る化合物は、キナーゼ阻害作用が有益な疾患の予防または治療に有用に使用することができる。
[化学式1]

前記化学式1中、
~Rは明細書で定義した通りである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩:
[化学式1]
前記化学式1中、
は炭素数6~10のアリール、またはN、O、およびSで構成される群からそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子を1~3個を含む炭素数3~10のヘテロアリールであり、
ここで、Rは非置換、または炭素数1~4のアルキル、N(炭素数1~4のアルキル)で置換された炭素数1~4のアルキル、モルホリノで置換された炭素数1~4のアルキル、炭素数1~4のハロアルキル、ハロゲン、炭素数1~4のアルコキシ、N(炭素数1~4のアルキル)で置換された炭素数1~4のアルコキシ、N(炭素数1~4のアルキル)、モルホリノ、モルホリノカルボニル、フェノキシ、ピペリジニル、-SO-ピペリジニル、ピペラジニル、炭素数1~4のアルキルで置換されたピペラジニル、ベンジル、炭素数1~4のアルコキシで置換されたベンジル、ピラゾリル、1個または2個の炭素数1~4のアルキルで置換されたピラゾリル、テトラゾリル、または炭素数1~4のアルキルで置換されたテトラゾリルで置換され、
は炭素数1~5のアルキル、炭素数2~5のアルケニル、または炭素数2~5のアルキニルであり、
ここで、Rは非置換、またはハロゲン、シアノ、炭素数3~6のシクロアルキルおよびシアノで置換された炭素数1~5のアルキルで構成される群から選択される1つまたは2つの置換基で置換され、
は水素、ハロゲン、炭素数1~4のアルキル、炭素数1~4のハロアルキル、または炭素数1~4のアルコキシである。
【請求項2】
前記化学式1は、下記化学式1-1で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩:
[化学式1-1]
前記化学式1-1中、
~Rに対する説明は請求項1で定義した通りである。
【請求項3】
はベンゾチアゾリル、イミダゾ[4,5-b]ピリジニル、イソキサゾロ[5,4-b]ピリジニル、ナフチル、フェニル、ピラゾリル、ピリジニル、またはキノリニルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
はフェニルであり、
ここで、RはN(炭素数1~4のアルキル)で置換された炭素数1~4のアルキル、N(炭素数1~4のアルキル)で置換された炭素数1~4のアルコキシ、N(炭素数1~4のアルキル)、モルホリノ、モルホリノカルボニル、フェノキシ、-SO-ピペリジニル、炭素数1~4のアルキルで置換されたピペラジニル、2個の炭素数1~4のアルキルで置換されたピラゾリル、または炭素数1~4のアルキルで置換されたテトラゾリルで置換される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
はピラゾリルであり、
ここで、Rは炭素数1~4のアルキル、モルホリノで置換された炭素数1~4のアルキル、炭素数1~4のハロアルキル、または炭素数1~4のアルコキシで置換されたベンジルで置換される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
は非置換、またはハロゲンで置換されたベンゾチアゾリル;
炭素数1~4のアルキルで置換されたイミダゾ[4,5-b]ピリジニル;
炭素数1~4のアルキルで置換されたイソキサゾロ[5,4-b]ピリジニル;
非置換されたナフチル;
モルホリノで置換されたピリジニル;または
非置換されたキノリニルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
は、下記で構成される群から選択されるいずれか1つである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩:
【請求項8】
は水素、フッ素、塩素、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項9】
前記化学式1で表される化合物は、
1)N-(3-(2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
2)N-(3-(2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
3)N-(3-(2-(ベンゾ[d]チアゾール-6-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
4)N-(3-(2-(4-モルホリノフェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
5)N-(3-(2-(3-フェノキシフェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
6)N-(3-(2-(4-(ジメチルアミノ)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
7)N-(3-(2-(3-(5-メチル-1H-テトラゾール-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
8)N-(3-(2-(1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
9)N-(3-(2-(3-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
10)N-(3-(2-(4-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
11)N-(3-(2-(2-クロロベンゾ[d]チアゾール-6-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
12)N-(3-(2-(ベンゾ[d]チアゾール-5-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
13)N-(3-(2-(4-フェノキシフェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
14)N-(3-(2-(1-(3-メトキシベンジル)-1H-ピラゾール-4-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
15)N-(3-(2-(4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
16)N-(3-(2-(4-((ジメチルアミノ)メチル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
17)N-(3-(2-(4-(モルホリン-4-カルボニル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
18)N-(3-(2-(4-(ピペリジン-1-イルスルホニル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
19)N-(3-(2-(1-(2-モルホリノエチル)-1H-ピラゾール-4-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
20)N-(3-(2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)ブタ-2-インアミド、
21)N-(3-(2-(6-モルホリノピリジン-3-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
22)N-(3-(2-(6-クロロベンゾ[d]チアゾール-2-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
23)N-(3-(2-(ナフタレン-1-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
24)N-(3-(2-(キノリン-3-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
25)N-(3-(2-(3-メチルイソキサゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
26)N-(3-(2-(1-メチル-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
27)N-(4-フルオロ-3-(2-(4-モルホリノフェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
28)N-(3-(2-(ベンゾ[d]チアゾール-6-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)-4-フルオロフェニル)アクリルアミド、
29)N-(4-フルオロ-3-(2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
30)N-(4-フルオロ-3-(2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、および
31)N-(3-(2-(1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)-4-フルオロフェニル)アクリルアミドで構成される群から選択されるいずれか1つである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、炎症性疾患、自己免疫疾患、増殖性疾患、過剰増殖性疾患、免疫介在性疾患、癌、または腫瘍の予防または治療用薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キナーゼ阻害能を有する新規なトリアゾロピリジン誘導体およびこれを含む薬学組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質キナーゼ(kinase)は、他のタンパク質の特定残基のリン酸化を触媒する酵素であって、細胞外シグナルを核に伝達(transduction)するシグナル伝達経路において核心的な役割を果たし、生体内の様々な疾患に関与する。炎症性疾患(inflammatory disease)、自己免疫疾患(autoimmune disease)、増殖性疾患または過剰増殖性疾患、および/または免疫介在性疾患(immunity mediated disease)の発病にあたって、T細胞(またはTリンパ球)およびB細胞(またはBリンパ球)が核心的な役割を果たすという様々な証拠がある。
【0003】
ヤヌスキナーゼ(Janus kinase、以下、’JAK’という)は、リンパ造血系で細胞機能を調節するにあたって、中枢的役割を果たす細胞質タンパク質チロシンキナーゼである。サイトカインは、炎症と免疫、および正常的な細胞機能を調節するのに重要な役割を果たすことが知られており、JAKは、チロシンリン酸化反応によりSTAT(Signal Transducer and activator of Transcription、シグナル伝達兼転写活性化因子)タンパク質を活性化させてサイトカインに速やかにシグナル伝達経路を提供する。JAK/STATシグナル伝達が、アレルギー、喘息、自己免疫疾患(例えば、移植拒絶反応、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症など)、固形癌、血液癌(例えば、白血病、リンパ腫など)に関連していることが知られている。
【0004】
JAKファミリーは、JAK1、JAK2、JAK3、およびTYK2の4種類に区分される。JAKファミリーのメンバーは、互いにペアになって互いに異なるサイトカインのシグナル伝達を媒介する。造血成長因子シグナル伝達に関連するJAK2およびJAK1を含み、JAK2と組み合わせるTYK2は、インターフェロンのシグナル伝達に重要で、宿主の耐性に寄与する。JAK2は、特に造血成長因子シグナルに関与して過度な阻害時に貧血(anemia)、血小板減少症(thrombocytopenia)、白血球減少症(leucopenia)を誘発させることができる。
【0005】
JAK1、JAK2、TYK2は発現が均一に分布して発見されるのに反して、JAK3の発現はリンパ細胞に制限され、IL-2、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15、IL-21受容体の構成体である共通ガンマ鎖(common gamma chain)のシグナル伝達、特にIL-2ファミリーの一般的なγ鎖と関連している。サイトカインが結合するやいなや受容体は近くに隣接したJAK3を運び、これはβ鎖のC末端の自己リン酸化(autophosphorylation)を誘発する。結果的として、これは核にシグナルを再転送する重要な段階であるSTATタンパク質の活性化を誘発する。JAK3は、このような過程によって多様なサイトカインのシグナル経路を統制することになる。これは、JAK3を免疫抑制のための魅力的な標的に作る。
【0006】
B細胞は、自己免疫および/または炎症性疾患の発病にあたり、核心的な役割を果たす。B細胞を減少させるタンパク質系治療剤、例えばリツキサン(Rituxan)は、自己抗体-誘導された炎症性疾患、例えば関節リウマチに効果的である。したがって、B細胞活性化において役割を果たすタンパク質キナーゼ抑制剤は、B細胞-媒介される疾患の病症、例えば、自己抗体産生に対する有用な治療剤である。
【0007】
B細胞受容体(BCR)を介したシグナル伝達は、増殖および成熟する抗体産生細胞への分化を含む多様なB細胞反応を制御する。BCRは、B細胞活性に対する核心調節要素であり、異常なシグナル伝達は、多数の自己免疫および/または炎症性疾患を引き起こす病原性自己抗体の形成および脱調節されたB細胞増殖を引き起こすことができる。
【0008】
ブルトン型チロシンキナーゼ(Bruton’s tyrosine kinase、以下、’BTK’という)は、B-細胞の発生、活性化、シグナル化および生存の核心な調節因子である。BTKは、多様な細胞外リガンドをこれらの細胞表面受容体に結合させることにより開始されるシグナル伝達経路に参加する。B細胞抗原受容体(BCR)の結紮に続き、タンパク質チロシンキナーゼLynおよびSykの一致した作用によるBTKの活性がホスホリパーゼC-γ2媒介によるカルシウム動員の誘導のために要求される。したがって、BTKの抑制は、B-細胞媒介疾患の発病過程を遮断するのに有用な治療的接近であり得る。
【0009】
上記のように、ヤヌスキナーゼおよびTEC系キナーゼは、炎症性疾患、自己免疫疾患、増殖性疾患または過剰増殖性疾患、および免疫介在性疾患の発病に関与するT-細胞および/またはB-細胞の活性化に重要な役割を果たしているので、これらを効果的に抑制する物質の開発は関連治療剤として有用である。治療および予防可能な疾患としては、具体的には、癌、移植拒絶反応、多発性硬化症、関節リウマチ、乾癬性関節炎、乾癬、喘息、アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、湿疹、I型糖尿病、糖尿病の合併症、潰瘍性大膓炎、クローン病、自己免疫甲状腺障害、全身性脱毛、シェーグレン症候群などがある。
【0010】
現在、JAK3キナーゼ阻害剤として、ファイザー(Pfizer)社のトファシチニブ(tasocitinib、CP-690550)が関節リウマチに対して承認され市販されている。また、BTKキナーゼ阻害剤として、ファーマサイクリクス(Pharmacyclics)社のイブルチニブ(ibrutinib、PCI-32765)が臨床の段階にあるが、臨床で深刻な皮膚発疹および下痢などの副作用が報告されている。したがって、より安定的かつ効果的にJAKおよび/またはBTKを阻害する物質の開発が要求される状況にある(Nat Rev Rheumatol.2009 Jun 5(6)317-24;Expert Opin Investig Drugs.2014 Aug 23(8)1067-77;Drug Discov Today 2014 Aug 19(8)1200-4;WO 2002/096909;WO 2010-009342参照)。
【0011】
そこで、本発明は、キナーゼ阻害剤として優れた阻害能を有する新規なトリアゾロピリジン誘導体を確認して発明を完成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、キナーゼ阻害能を有する新規なトリアゾロピリジン誘導体およびこれを含む薬学組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、本発明は、下記化学式1で表される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:
[化学式1]
【0014】
前記化学式1中、
は炭素数6~10のアリール、またはN、O、およびSで構成される群からそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子を1~3個を含む炭素数3~10のヘテロアリールであり、
ここで、Rは非置換、または炭素数1~4のアルキル、N(炭素数1~4のアルキル)で置換された炭素数1~4のアルキル、モルホリノで置換された炭素数1~4のアルキル、炭素数1~4のハロアルキル、ハロゲン、炭素数1~4のアルコキシ、N(炭素数1~4のアルキル)で置換された炭素数1~4のアルコキシ、N(炭素数1~4のアルキル)、モルホリノ、モルホリノカルボニル、フェノキシ、ピペリジニル、-SO-ピペリジニル、ピペラジニル、炭素数1~4のアルキルで置換されたピペラジニル、ベンジル、炭素数1~4のアルコキシで置換されたベンジル、ピラゾリル、1個または2個の炭素数1~4のアルキルで置換されたピラゾリル、テトラゾリル、または炭素数1~4のアルキルで置換されたテトラゾリルで置換され、
は炭素数1~5のアルキル、炭素数2~5のアルケニル、または炭素数2~5のアルキニルであり、
ここで、Rは非置換、またはハロゲン、シアノ、炭素数3~6のシクロアルキルおよびシアノで置換された炭素数1~5のアルキルで構成される群から選択される1つまたは2つの置換基で置換され、
は水素、ハロゲン、炭素数1~4のアルキル、炭素数1~4のハロアルキル、または炭素数1~4のアルコキシである。
【0015】
好ましくは、前記化学式1は、下記化学式1-1で表される:
[化学式1-1]
【0016】
前記化学式1-1中、
~Rに対する説明は前記化学式1で定義した通りである。
【0017】
好ましくは、Rはベンゾチアゾリル、イミダゾ[4,5-b]ピリジニル、イソキサゾロ[5,4-b]ピリジニル、ナフチル、フェニル、ピラゾリル、ピリジニル、またはキノリニルであり得る。
【0018】
好ましくは、Rはフェニルであり、ここで、RはN(炭素数1~4のアルキル)で置換された炭素数1~4のアルキル、N(炭素数1~4のアルキル)で置換された炭素数1~4のアルコキシ、N(炭素数1~4のアルキル)、モルホリノ、モルホリノカルボニル、フェノキシ、-SO-ピペリジニル、炭素数1~4のアルキルで置換されたピペラジニル、2個の炭素数1~4のアルキルで置換されたピラゾリル、または炭素数1~4のアルキルで置換されたテトラゾリルで置換され得る。
【0019】
好ましくは、Rはピラゾリルであり、ここで、Rは炭素数1~4のアルキル、モルホリノで置換された炭素数1~4のアルキル、炭素数1~4のハロアルキル、または炭素数1~4のアルコキシで置換されたベンジルで置換され得る。
【0020】
好ましくは、Rは非置換、またはハロゲンで置換されたベンゾチアゾリル;炭素数1~4のアルキルで置換されたイミダゾ[4,5-b]ピリジニル;炭素数1~4のアルキルで置換されたイソキサゾロ[5,4-b]ピリジニル;非置換されたナフチル;モルホリノで置換されたピリジニル;または非置換されたキノリニルであり、
より好ましくは、Rは非置換、またはクロロで置換されたベンゾチアゾリル;メチルで置換されたイミダゾ[4,5-b]ピリジニル;メチルで置換されたイソキサゾロ[5,4-b]ピリジニル;非置換されたナフチル;モルホリノで置換されたピリジニル;または非置換されたキノリニルであり得る。
【0021】
好ましくは、Rは、下記で構成される群から選択されるいずれか1つであり得る:
【0022】
より好ましくは、Rは、下記で構成される群から選択されるいずれか1つであり得る:
【0023】
好ましくは、Rは、水素、フッ素、塩素、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり得る。
【0024】
より好ましくは、Rは、水素、またはフッ素であり得る。
【0025】
前記化学式1で表される化合物の代表的な例は下記の通りである:
1)N-(3-(2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
2)N-(3-(2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
3)N-(3-(2-(ベンゾ[d]チアゾール-6-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
4)N-(3-(2-(4-モルホリノフェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
5)N-(3-(2-(3-フェノキシフェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
6)N-(3-(2-(4-(ジメチルアミノ)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
7)N-(3-(2-(3-(5-メチル-1H-テトラゾール-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
8)N-(3-(2-(1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
9)N-(3-(2-(3-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
10)N-(3-(2-(4-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
11)N-(3-(2-(2-クロロベンゾ[d]チアゾール-6-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
12)N-(3-(2-(ベンゾ[d]チアゾール-5-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
13)N-(3-(2-(4-フェノキシフェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
14)N-(3-(2-(1-(3-メトキシベンジル)-1H-ピラゾール-4-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
15)N-(3-(2-(4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
16)N-(3-(2-(4-((ジメチルアミノ)メチル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
17)N-(3-(2-(4-(モルホリン-4-カルボニル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
18)N-(3-(2-(4-(ピペリジン-1-イルスルホニル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
19)N-(3-(2-(1-(2-モルホリノエチル)-1H-ピラゾール-4-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
20)N-(3-(2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)ブタ-2-インアミド、
21)N-(3-(2-(6-モルホリノピリジン-3-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
22)N-(3-(2-(6-クロロベンゾ[d]チアゾール-2-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
23)N-(3-(2-(ナフタレン-1-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
24)N-(3-(2-(キノリン-3-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
25)N-(3-(2-(3-メチルイソキサゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
26)N-(3-(2-(1-メチル-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
27)N-(4-フルオロ-3-(2-(4-モルホリノフェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
28)N-(3-(2-(ベンゾ[d]チアゾール-6-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)-4-フルオロフェニル)アクリルアミド、
29)N-(4-フルオロ-3-(2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、
30)N-(4-フルオロ-3-(2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド、および
31)N-(3-(2-(1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)-4-フルオロフェニル)アクリルアミド。
【0026】
また、本発明の化合物は塩、特に薬学的に許容可能な塩の形態で存在可能である。塩としては、薬学的に許容可能な遊離酸(free acid)によって形成された酸付加塩のように、当業界で通常使用される塩を制限なく使用することができる。本発明での用語「薬学的に許容可能な塩」とは、患者に比較的非毒性で無害の有効作用を有する濃度であって、該塩に起因した副作用が化学式1で表される化合物の有益な効能を低下させない前記化合物の任意のすべての有機または無機付加塩を意味する。
【0027】
無機酸または有機酸を使用して通常の方法で薬学的に許容可能な塩を得ることができる。例えば、前記化学式1で表される化合物を水混和性有機溶媒、例えば、アセトン、メタノール、エタノール、またはアセトニトリルに溶解させ、有機酸または無機酸を加えて沈殿した結晶をろ過して製造、乾燥させて薬学的に許容可能な塩を得ることができる。または、酸が付加した反応混合物で溶媒や過剰の酸を減圧して、残渣を乾燥させて製造するか、または他の有機溶媒を加えて析出した塩をろ過して製造することができる。このとき、好ましい塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸、硝酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルピン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、マンデル酸、タルタル酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、またはトルエンスルホン酸などから誘導された塩が挙げられる。
【0028】
薬学的に許容可能でない、化学式1で表される化合物の塩または溶媒和物は、化学式1で表される化合物、その薬学的に許容可能な塩、または溶媒和物の製造において中間体として用いることができる。
【0029】
本発明の前記化学式1で表される化合物は、その薬学的に許容可能な塩だけでなく、これから製造できる、可能な溶媒和物および水和物を全て含み、可能なすべての立体異性体も含む。前記化学式1で表される化合物の溶媒和物、水和物および立体異性体は、通常の方法を用いて、化学式1で表される化合物から製造して使用することができる。
【0030】
また、本発明に係る化学式1で表される化合物は、結晶形態または非結晶形態で製造することができ、化学式1で表される化合物が結晶形態で製造される場合、任意の水和または溶媒和され得る。本発明では化学式1で表される化合物の化学量論的水和物だけでなく、多様な量の水を含む化合物を含み得る。本発明に係る化学式1で表される化合物の溶媒和物は、化学量論的溶媒和物と非化学量論的溶媒和物を両方とも含む。
【0031】
さらに、本発明は、一例として、下記反応式1により前記化学式1で表される化合物を製造することができる。
[反応式1]
【0032】
(前記反応式1中、R~Rは先に定義した通りであり、ZおよびZはそれぞれ独立してハロゲンである。YはハロゲンまたはOHである。)
【0033】
前記段階iは、化学式1-1または化学式1-7で表される化合物を化学式1-2または化学式1-8で表される化合物と反応させて化学式1-3または化学式1-9で表される化合物を製造する段階である。前記反応は、炭酸セシウムの存在下で常温~高温で反応させることが好ましく、溶媒としては、ジメチルホルムアミドが好ましい。
【0034】
前記段階iiは、化学式1-3または化学式1-9で表される化合物をハロゲン化して化学式1-4または化学式1-10で表される化合物を製造する段階である。前記反応は、ヨウ化カリウム、亜硝酸ナトリウム、パラトルエンスルホン酸の条件下で常温で反応させることが好ましく、溶媒としては、アセトニトリルと水の混合液が好ましい。
【0035】
前記段階iiiは、化学式1-4または化学式1-10で表される化合物をR-NHと反応させて化学式1-5または化学式1で表される化合物を製造する段階である。前記反応は、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd(dba))、酢酸パラジウム(Pd(OAc))、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン]パラジウムジクロリド(Pd(Dppf)Cl)であるパラジウム触媒下、塩基条件下で50℃~150℃で反応させることが好ましく、溶媒としては、ジオキサン、トルエン、ジメチルホルムアミドが好ましい。反応に使用されるアルカリとしては、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、燐酸カリウムなどの無機アルカリが好ましい。
【0036】
前記段階ivは、化学式1-5で表される化合物を還元する反応であって、化学式1-6で表される化合物を製造する段階である。前記反応は、10%パラジウム/カーボン存在下でメタノール-クロロホルム混合液で水素化反応させることが好ましい。また、塩酸やエタノールで金属(鉄)または金属塩(塩化第一スズ)を使用して製造することができる。
【0037】
前記段階vおよびv’とは、それぞれ前記化学式1-6または化学式1-11で表される化合物を化学式1-12で表される化合物と反応させて化学式1または化学式1-8で表される化合物を製造する段階である。前記段階vおよびv’において好ましくは、YはClまたはOHであり得る。YがClの場合、前記反応は、トリエチルアミンまたは炭酸水素ナトリウム条件下で-20℃~0℃で反応させることが好ましく、溶媒としては、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフランと水の混合液が好ましい。YがOHの場合、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート条件下で常温で24時間反応させることが好ましく、溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドが好ましい。
【0038】
また、前記段階vは、Rがシアノ置換基を有する場合、前記化学式1-6で表される化合物を、YがOHである化学式1-12で表される化合物と反応させた後、ピペリジン条件でアルデヒドを反応させて化学式1で表される化合物を製造する段階に反応を進行することができる。好ましくは、前記反応は、(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン条件下で25℃で反応させた後、ピペリジン条件下でアルデヒドと反応させることができる。溶媒としては、ジメチルホルムアミドまたはメタノールが好ましい。
【0039】
また、本発明は、前記化学式1で表される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物または異性体を有効性分として含むキナーゼ阻害作用が有益な疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0040】
この時、前記キナーゼ阻害作用が有益な疾患は、炎症性疾患、自己免疫疾患、増殖性疾患、過剰増殖性疾患、免疫介在性疾患、癌、または腫瘍などを含む。
【0041】
本発明での用語「予防」は、本発明の組成物の投与で前記疾患の発生、拡散および再発を抑制または遅延させるすべての行為を意味し、本発明での用語「治療」は、本発明の組成物の投与で前記疾患の症状が好転または有益に変わる全ての行為を意味する。
【0042】
本発明に係る薬学的組成物は、標準薬学的実施により経口または非経口投与形態で剤形化することができる。これらの剤形は、有効成分のほか、薬学的に許容可能な担体、補助剤、または稀釈液などの添加物を含有することができる。
【0043】
適当な担体としては、例えば、生理食塩水、ポリエチレングリコール、エタノール、植物性オイル、およびイソプロピルミリステートなどがあり、稀釈液としては、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、および/またはグリシンなどがあるが、これらに限定されるものではない。また、本発明の化合物は、注射溶液の製造に通常使用されるオイル、プロピレングリコール、または他の溶媒に溶解させることができる。さらに、局所作用のために、本発明の化合物を軟膏やクリームで剤形化することができる。
【0044】
本発明に係る化合物の薬学的投与形態は、これらの薬学的に許容可能な塩または溶媒和物形態でも用いられ、また、単独でまたは他の薬学的活性化合物との組み合わせだけでなく、適当な組み合わせで使用することができる。
【0045】
本発明に係る化合物は、通常の生理食塩水、5%デキストロースなどの水溶性溶媒、または合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸エステルまたはプロピレングリコールなどの非水溶性溶媒に化合物を溶解、懸濁、または乳化させて注射剤として剤形化することができる。本発明の剤形は、溶解剤、等張化剤(isotonic agents)、懸濁化剤、乳化剤、安定化剤および防腐剤などの通常の添加剤を含むことができる。
【0046】
本発明に係る化合物の好ましい投与量は、患者の状態および体重、疾病の程度、薬物の形態、投与経路および期間に応じて異なるが、当業者によって適宜選択可能である。しかし、望ましい効果のために、本発明に係る化合物を、1日0.0001~100mg/kg(体重)、好ましくは0.001~100mg/kg(体重)で投与するのが良い。投与は、1日1回または分割して、経口または非経口的経路によって投与される。投与方法により、組成物は、本発明に係る化合物を0.001~99重量%、好ましくは0.01~60重量%含有することができる。
【0047】
本発明の薬学的組成物は、ネズミ、ハツカネズミ、家畜、および人間などをはじめとする哺乳動物に多様な経路で投与される。投与のすべての方式は予想可能であるが、例えば、経口、直腸または静脈、筋肉、皮下、子宮内硬膜、または脳血管(intracerbroventricular)注射によって投与される。
【発明の効果】
【0048】
本発明の化学式1で表される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物または異性体は、キナーゼ阻害作用が有益な疾患の予防または治療に有用に使用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の理解を助けるためにより詳しく説明する。但し、下記の実施例は本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲はこれらにのみ限定されるものではない。
【0050】
実施例1:N-(3-(2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
段階1)5-(3-ニトロフェノキシ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-アミンの製造
5-ブロモ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-アミン(800.0mg、3.8mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(5.0mL)に溶かした後、炭酸セシウム(2447.0mg、7.5mmol)と3-ニトロフェノール(784.0mg、5.6mmol)を加えた。反応物を100℃で60時間加熱した。蒸留水を加えて10分間攪拌した後、有機層を分離して硫酸マグネシウムで処理してろ過した後、減圧濃縮した。残渣物に酢酸エチル(2.0mL)を加えた後、10分間攪拌した。固体をろ過して5-(3-ニトロフェノキシ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-アミン(766.0mg、収率75.2%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ8.15(d、1H)、8.03(s、1H)、7.70(t、1H)、7.57-7.52(m、2H)、7.23(d、1H)、6.50(d、1H)
【0051】
段階2)2-ヨード-5-(3-ニトロフェノキシ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンの製造
5-(3-ニトロフェノキシ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-アミン(500.0mg、1.8mmol)とトルエンスルホン酸(1052.0mg、5.5mmol)をアセトニトリル(20.0mL)に溶かした後、蒸留水(1.0mL)にヨウ化カリウム(765.0mg、4.6mmol)、亜硝酸ナトリウム(254.0mg、3.7mmol)を溶かした溶液を滴下した。反応物を室温で20時間攪拌した後、蒸留水を加えた。有機層を分離して硫酸マグネシウムで処理してろ過した後、減圧濃縮した。残渣物をカラムクロマトグラフィーで分離して2-ヨード-5-(3-ニトロフェノキシ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(372.0mg、収率52.8%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ8.21(dd、1H)、8.15-8.14(m、1H)、7.75-7.70(m、2H)、7.65(dd、1H)、7.57(d、1H)、6.65(d、1H)
【0052】
段階3)N-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-5-(3-ニトロフェノキシ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-アミンの製造
2-ヨード-5-(3-ニトロフェノキシ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(100mg、0.3mmol)を1,4-ジオキサン(1.2mL)に溶かした後、4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(60.1mg、0.3mmol)、Pd(dba)(11.9mg、0.01mmol)、キサントホス(Xantphos、15.0mg、0.03mmol)と炭酸セシウム(170.4mg、0.5mmol)を加えた。反応物を100℃で16時間加熱した後、溶媒を減圧除去した。残渣物をカラムクロマトグラフィーで分離してN-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-5-(3-ニトロフェノキシ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-アミン(64.0mg、収率54.9%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ8.10(d、1H)、8.01(s、1H)、7.57(t、1H)、7.46-7.38(m、4H)、7.30(d、1H)、6.87(d、2H)、6.37(d、1H)、3.14-3.12(m、4H)、2.62-2.60(m、4H)、2.35(s、3H)
【0053】
段階4)5-(3-アミノフェノキシ)-N-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-アミンの製造
N-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-5-(3-ニトロフェノキシ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-アミン(63.0mg、0.14mmol)をメタノール(2.0mL)とクロロホルム(0.8mL)に溶かした後、10%Pd/C(15.0mg、0.01mmol)を加えた。反応物を水素下で4時間攪拌した。反応完了後、セライトを通してろ過した後、溶媒を減圧除去した。残渣物をカラムクロマトグラフィーで分離して5-(3-アミノフェノキシ)-N-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-アミン(30.0mg、収率51.1%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.54-7.47(m、3H)、7.15-7.11(m、2H)、6.99-6.98(m、2H)、6.62-6.25(m、3H)、6.25-6.24(m、1H)、3.40-3.20(m、8H)
【0054】
段階5)N-(3-(2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
5-(3-アミノフェノキシ)-N-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-アミン(30.0mg、0.07mmol)をジクロロメタン(0.5mL)に懸濁させた後、トリエチルアミン(12.1μL、0.09mmol)とアクリロイルクロリド(6.5μL、0.08mmol)を滴下した。反応物は、室温で1時間攪拌した後、減圧濃縮した。残渣物をカラムクロマトグラフィーで分離してN-(3-(2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(7.0mg、収率20.6%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.70(1H)、7.53-7.50(m、2H)、7.45(d、2H)、7.40(t、1H)、7.20(d、1H)、6.95-6.90(m、3H)、6.44-6.43(m、3H)、5.77(dd、1H)、3.11(t、4H)、2.64(t、4H)、2.36(s、1H)
【0055】
実施例2:N-(3-(2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例1で4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリンの代わりに1-メチル-1H-ピラゾール-4-アミンを使用したことを除いて、前記実施例1と同様の工程で表題化合物(9.6mg、収率20.0%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.69(d、2H)、7.54-7.48(m、1H)、7.44-7.40(m、1H)、7.20(1、H)、6.94(dd、1H)、6.43-6.32(m、3H)、5.76(dd、1H)、3.81(s、1H)
【0056】
実施例3:N-(3-(2-(ベンゾ[d]チアゾール-6-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
段階1)N-(3-ヒドロキシフェニル)アクリルアミドの製造
3-アミノフェノール(500.0mg、4.6mmol)と重炭酸ナトリウム(577.8mg、6.9mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶かした後、アクリロイルクロリド(415.0mg、4.6mmol)を加えた。室温で12時間攪拌した後、蒸留水を加えた。有機層を分離して硫酸マグネシウムで処理してろ過した後、減圧濃縮した。追加精製過程なしにN-(3-ヒドロキシフェニル)アクリルアミド(730.0mg、収率97.6%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.24(s、1H)、7.11(t、1H)、7.00(d、1H)、6.54(dd、1H)、6.44-6.39(m、1H)、6.33(dd、1H)、5.74(dd、1H)
【0057】
段階2)N-(3-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
5-ブロモ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-アミン(435.0mg、2.0mmol)とN-(3-ヒドロキシフェニル)アクリルアミド(499.8mg、3.1mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(5.0mL)に溶解した後、炭酸セシウム(1300.0mg、4.08mmol)を加えた。100℃で3時間攪拌した後、冷却した。蒸留水を加えて10分間攪拌した後、有機層を分離して硫酸マグネシウムで処理してろ過した後、減圧濃縮した。残渣物をカラムクロマトグラフィーで分離してN-(3-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(200.0mg、収率33.2%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.69(s、1H)、7.52-7.47(m、2H)、7.42(t、1H)、7.13(d、1H)、6.97(dd、1H)、6.43-6.33(m、2H)、6.29(d、1H)、5.77(dd、1H)
【0058】
段階3)N-(3-(2-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
N-(3-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(180.0mg、0.6mmol)とトルエンスルホン酸(347.8mg、1.8mmol)をアセトニトリル(6.0mL)に溶かした後、蒸留水(0.5mL)にヨウ化カリウム(252.8mg、1.5mmol)、亜硝酸ナトリウム(84.1mg、1.2mmol)を溶かした溶液を滴下した。室温で16時間攪拌した後、蒸留水を加えた。有機層を分離して硫酸マグネシウムで処理してろ過した後、減圧濃縮した。残渣物をカラムクロマトグラフィーで分離してN-(3-(2-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(110.0mg、収率44.4%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.75(s、1H)、7.67(t、1H)、7.53(d、1H)、7.48-7.45(m、2H)、7.03(dd、1H)、6.47(d、1H)、6.44-6.33(m、2H)、5.78(dd、1H)
【0059】
段階4)N-(3-(2-(ベンゾ[d]チアゾール-6-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
N-(3-(2-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(30.0mg、0.07mmol)とベンゾ[d]チアゾール-6-アミン(11.1mg、0.07mmol)を1,4-ジオキサン(1.0mL)に溶かした後、Pd(dba)(3.38mg、0.004mmol)、キサントホス(Xantphos、4.3mg、0.007mmol)と炭酸セシウム(48.1mg、0.15mmol)を加え、Microwave(120℃、10min、Normal)で反応した。蒸留水を加えて10分間攪拌した後、有機層を分離して硫酸マグネシウムで処理してろ過した後、減圧濃縮した。残渣物をカラムクロマトグラフィーで分離してN-(3-(2-(ベンゾ[d]チアゾール-6-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミド(5.0mg、収率15.8%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ8.46(m、1H)、7.91(d、1H)、7.73(s、1H)、7.62-7.51(m、3H)、7.46(t、1H)、7.31(d、1H)、6.99(dd、1H)、6.52(d、1H)、6.44-6.33(m、2H)、5.77(dd、1H)
【0060】
実施例4:N-(3-(2-(4-モルホリノフェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに4-モルホリノアニリンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(6.2mg、収率18.4%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.71(S、1H)、7.54(t、2H)、7.47-7.37(m、3H)、7.22(d、1H)、6.96-6.91(m、3H)、6.44-6.34(m、3H)、5.77(dd、1H)、3.82(t、4H)、3.05(t、4H)
【0061】
実施例5:N-(3-(2-(3-フェノキシフェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに3-フェノキシアニリンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(5.5mg、収率16.7%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.68(s、1H)、7.55(t、1H)、7.50-7.48(m、1H)、7.43-7.39(m、2H)、7.33-7.29(m、3H)、7.25-7.20(m、2H)、7.05-7.00(m、3H)、6.96(dd、1H)、6.52(dd、1H)、6.42-6.33(m、3H)、5.77(dd、1H)
【0062】
実施例6:N-(3-(2-(4-(ジメチルアミノ)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりにN,N-ジメチルベンゼン-1,4-ジアミンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(4.5mg、収率14.7%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.70(s、1H)、7.54-7.51(m、2H)、7.44-7.40(m、3H)、7.20(d、1H)、6.99(dd、1H)、6.81(d、1H)、6.41-6.37(m、3H)、5.78(dd、1H)、2.85(s、6H)
【0063】
実施例7:N-(3-(2-(3-(5-メチル-1H-テトラゾール-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに3-(5-メチル-1H-テトラゾール-1-イル)アニリンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(4.0mg、収率14.3%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ8.09(s、1H)、7.65-7.63(m、2H)、7.59(t、1H)、7.50(t、1H)、7.42(m、1H)、7.34(q、2H)、7.12(dd、1H)、6.93(dd、1H)、6.51(d、1H)、6.42-6.31(m、2H)、5.76(dd、1H)、2.60(s、3H)
【0064】
実施例8:N-(3-(2-(1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-アミンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(5.7mg、収率22.5%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ8.09(s、1H)、7.70(s、2H)、7.56(t、1H)、7.48-7.46(m、1H)、7.41(t、1H)、7.25(t、1H)、6.95(dd、1H)、6.48(d、1H)、6.42-6.31(m、2H)、5.76(dd、1H)、2.00(s、1H)
【0065】
実施例9:N-(3-(2-(3-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに3-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)アニリンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(0.8mg、収率2.8%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.91-7.88(m、1H)、7.68-7.63(m、1H)、7.57(t、1H)、7.52-7.51(m、1H)、7.47-7.46(m、1H)、7.39-7.34(m、2H)、7.29(d、1H)、6.97-6.92(m、2H)、6.48(d、1H)、6.42-6.32(m、2H)、6.03(s、1H)、5.77(dd、1H)、2.28(s、3H)、2.24(s、3H)
【0066】
実施例10:N-(3-(2-(4-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに4-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)アニリンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(1.8mg、収率6.3%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.73-7.71(m、3H)、7.58(t、1H)、7.50-7.48(m、1H)、7.42(t、1H)、7.29-7.27(m、3H)、6.97(dd、1H)、6.48(d、1H)、6.42-6.31(m、2H)、6.02(s、1H)、5.75(dd、1H)、2.22(s、3H)、2.22(s、3H)
【0067】
実施例11:N-(3-(2-(2-クロロベンゾ[d]チアゾール-6-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに2-クロロベンゾ[d]チアゾール-6-アミンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(3.9mg、収率13.7%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ8.32-8.32(m、1H)、7.57-7.74(m、1H)、7.59(t、1H)、7.51-7.30(m、5H)、6.95(dd、1H)、6.53(d、1H)、6.42-6.33(m、2H)、5.77(dd、1H)
【0068】
実施例12:N-(3-(2-(ベンゾ[d]チアゾール-5-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりにベンゾ[d]チアゾール-5-アミンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(6.2mg、収率23.5%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ9.17(s、1H)、8.64(dd、1H)、7.91(d、1H)、7.74(s、1H)、7.65(dd、1H)、7.55(m、2H)、7.45(t、1H)、7.27(d、1H)、7.03(dd、1H)、6.44-6.33(m、3H)、5.77(dd、1H)
【0069】
実施例13:N-(3-(2-(4-フェノキシフェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに4-フェノキシアニリンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(5.7mg、収率20.0%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.72(s、1H)、7.58-7.54(m、3H)、7.50-7.48(m、1H)、7.42(t、1H)、7.29(t、2H)、7.25(d、1H)、7.03(t、1H)、6.98-6.92(m、5H)、6.44-6.34(m、3H)、5.75(dd、1H)
【0070】
実施例14:N-(3-(2-(1-(3-メトキシベンジル)-1H-ピラゾール-4-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに1-(3-メトキシベンジル)-1H-ピラゾール-4-アミンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(3.5mg、収率11.8%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.72(s、1H)、7.58-7.54(m、3H)、7.50-7.48(m、1H)、7.42(t、1H)、7.29(t、2H)、7.25(d、1H)、7.03(t、1H)、6.98-6.92(m、5H)、6.44-6.34(m、3H)、5.75(dd、1H)
【0071】
実施例15:N-(3-(2-(4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)アニリンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(4.6mg、収率15.4%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.71(s、1H)、7.56-7.49(m、5H)、7.43(t、1H)、7.22(d、1H)、6.97(dd、1H)、6.90(d、2H)、6.44-6.33(m、3H)、5.78(dd、1H)、4.15(t、2H)、3.16-3.14(m、2H)、2.92-2.91(m、4H)、1.96(t、6H)
【0072】
実施例16:N-(3-(2-(4-((ジメチルアミノ)メチル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに4-((ジメチルアミノ)メチル)アニリンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(3.9mg、収率14.8%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.71(s、1H)、7.57-7.50(m、4H)、7.43(t、1H)、7.26(d、1H)、7.21(d、2H)、6.98-6.97(m、1H)、6.45-6.36(m、3H)、5.77(dd、1H)、3.47(s、2H)、2.26(s、6H)
【0073】
実施例17:N-(3-(2-(4-(モルホリン-4-カルボニル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに(4-アミノフェニル)(モルホリノ)メタノンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(7.7mg、収率25.8%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.73(s、1H)、7.68(d、2H)、7.58(t、1H)、7.54-7.53(m、1H)、7.44-7.40(m、1H)、7.37(d、2H)、7.29(d、1H)、6.97(dd、1H)、6.47(d、1H)、6.44-6.33(m、2H)、5.78(dd、1H)、3.68(m、8H)
【0074】
実施例18:N-(3-(2-(4-(ピペリジン-1-イルスルホニル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに4-(ピペリジン-1-イルスルホニル)アニリンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(6.4mg、収率20.1%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.79-7.77(m、3H)、7.63-7.59(m、3H)、7.48(d、1H)、7.42(t、1H)、7.32(d、1H)、6.96(dd、1H)、6.52(d、1H)、6.45-6.34(m、2H)、5.78(dd、1H)、2.95-2.92(m、4H)、1.64-1.60(m、4H)、1.42(m、2H)
【0075】
実施例19:N-(3-(2-(1-(2-モルホリノエチル)-1H-ピラゾール-4-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに1-(2-モルホリノエチル)-1H-ピラゾール-4-アミンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(3.5mg、収率12.0%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.86(s、1H)、7.70(s、1H)、7.56-7.43(m、4H)、7.21(d、1H)、6.94(d、1H)、6.43-6.36(m、3H)、7.77(dd、1H)、4.25(t、2H)、3.75-3.60(m、4H)、2.90(m、2H)、2.65-2.50(m、4H)
【0076】
実施例20:N-(3-(2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)ブタ-2-インアミドの製造
前記実施例1での段階5の工程を以下のように行ったことを除いて、前記実施例1と同様の工程で表題化合物(5.3mg、収率17.9%)を得た。
5-(3-アミノフェノキシ)-N-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-アミン(20.0mg、0.05mmol)とブタ-2-イン酸(4.86mg、0.06mmol)をテトラヒドロフラン(0.5mL)に溶かした後、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(22.0mg、0.06mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(25.0μL、0.15mmol)を加えた。反応物を室温で20時間攪拌した後、減圧濃縮した。残渣物をカラムクロマトグラフィーで分離してN-(3-(2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)ブタ-2-インアミドを得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.60(s、1H)、7.51(t、1H)、7.45-7.44(m、3H)、7.38(t、1H)、7.20(d、1H)、6.92(d、3H)、6.38(d、1H)、3.20-3.10(m、4H)、2.75-2.65(m、4H)、2.42(s、3H)、2.02(s、3H)
【0077】
実施例21:N-(3-(2-(6-モルホリノピリジン-3-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに6-モルホリノピリジン-3-アミンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(7.7mg、収率27.4%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ8.39(d、1H)、7.92(dd、1H)、7.70(s、1H)、7.56-7.51(m、2H)、7.42(t、1H)、6.95(dd、1H)、6.80(d、1H)、6.44-6.33(m、3H)、5.78(dd、1H)、3.78(t、4H)、3.36(t、4H)
【0078】
実施例22:N-(3-(2-(6-クロロベンゾ[d]チアゾール-2-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに6-クロロベンゾ[d]チアゾール-2-アミンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(2.5mg、収率11.0%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.75(s、1H)、7.67(t、1H)、7.62(d、1H)、7.53-7.52(m、1H)、7.48-7.45(m、2H)、7.31(d、1H)、7.24(dd、1H)、7.03(dd、1H)、6.47(d、1H)、6.41-6.37(m、2H)、5.78(dd、1H)
【0079】
実施例23:N-(3-(2-(ナフタレン-1-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりにナフタレン-1-アミンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(6.2mg、収率29.9%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ8.19-8.18(m、1H)、7.96(d、1H)、7.88-7.86(m、1H)、7.71(s、1H)、7.61(d、1H)、7.56(t、1H)、7.53-7.48(m、3H)、7.44(td、2H)、7.25(d、1H)、7.49(dd、1H)、6.44-6.33(m、3H)、5.78(dd、1H)
【0080】
実施例24:N-(3-(2-(キノリン-3-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりにキノリン-3-アミンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(5.2mg、収率25.0%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ8.90(d、1H)、8.69(d、1H)、7.91(d、1H)、7.78-7.75(m、2H)、7.64(t、1H)、7.57-7.50(m、3H)、7.45(t、1H)、7.37(d、1H)、6.97(dd、1H)、6.58(d、1H)、6.46-6.35(m、2H)、5.78(dd、1H)
【0081】
実施例25:N-(3-(2-(3-メチルイソキサゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに3-メチルイソキサゾロ[5,4-b]-ピリジン-5-アミンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(3.2mg、収率15.2%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ8.66(dd、2H)、7.73(s、1H)、7.64-7.61(m、1H)、7.48-7.40(m、2H)、7.36-7.34(m、1H)、6.96-6.94(m、1H)、6.54(d、1H)、6.43-6.33(m、2H)、5.76(dd、1H)、2.53(s、3H)
【0082】
実施例26:N-(3-(2-(1-メチル-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3でベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに1-メチル-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-アミンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(3.0mg、収率14.3%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ8.72(d、1H)、8.68(d、1H)、8.26(s、1H)、7.53(t、2H)、7.47-7.34(m、2H)、7.21-7.12(m、2H)、6.64(dd、1H)、6.59-6.58(m、1H)、6.52(dd、1H)、6.29(d、1H)、3.92(s、3H)
【0083】
実施例27:N-(4-フルオロ-3-(2-(4-モルホリノフェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3で3-アミノフェノールの代わりに5-アミノ-2-フルオロフェノールを使用し、ベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに4-モルホリノアニリンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(8.3mg、収率37.1%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.78(dd、1H)、7.58-7.47(m、4H)、7.32(t、1H)、7.22(d、1H)、6.93(d、2H)、6.41-6.35(m、3H)、5.77(dd、1H)、3.82(t、4H)、3.06(t、4H)
【0084】
実施例28:N-(3-(2-(ベンゾ[d]チアゾール-6-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)-4-フルオロフェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3で3-アミノフェノールの代わりに5-アミノ-2-フルオロフェノールを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(5.8mg、収率27.6%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ8.51(s、1H)、7.94(t、1H)、7.81(dd、1H)、7.64-7.52(m、4H)、7.39-7.32(m、2H)、6.52-6.50(m、1H)、6.38-6.34(m、2H)、5.76(dd、1H)
【0085】
実施例29:N-(4-フルオロ-3-(2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3で3-アミノフェノールの代わりに5-アミノ-2-フルオロフェノールを使用し、ベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(3.7mg、収率16.1%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.79(dd、1H)、7.58-7.52(m、2H)、7.48(d、2H)、7.32(t、1H)、7.23(d、1H)、6.95(d、2H)、6.41-6.33(m、3H)、5.77(s、1H)、3.16(m、4H)、2.75(m、4H)、2.44(s、3H)
【0086】
実施例30:N-(4-フルオロ-3-(2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3で3-アミノフェノールの代わりに5-アミノ-2-フルオロフェノールを使用し、ベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに1-メチル-1H-ピラゾール-4-アミンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(0.9mg、収率3.9%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ7.80-7.78(m、1H)、7.76-7.75(m、1H)、7.68-7.66(m、1H)、7.55-7.52(m、2H)、7.47-7.46(m、1H)、7.36-7.32(m、1H)、7.23-7.21(m、1H)、6.41-6.39(m、1H)、6.37-6.35(m、1H)、5.78-5.76(m、1H)、3.84(s、3H)
【0087】
実施例31:N-(3-(2-(1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イルアミノ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イルオキシ)-4-フルオロフェニル)アクリルアミドの製造
前記実施例3で3-アミノフェノールの代わりに5-アミノ-2-フルオロフェノールを使用し、ベンゾ[d]チアゾール-6-アミンの代わりに1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-アミンを使用したことを除いて、前記実施例3と同様の工程で表題化合物(1.4mg、収率5.5%)を得た。
H NMR(500MHz、CDOD)δ8.14-8.13(m、1H)、7.79-7.77(m、1H)、7.59(s、1H)、7.58-7.56(m、1H)、7.52-7.49(m、1H)、7.35-7.25(m、2H)、6.48-6.46(m、1H)、6.36-6.31(m、2H)、5.77-5.75(m、1H)
【0088】
実験例:JAK3の活性阻害試験
前記実施例で製造した化合物に対してADPグロー(Glo)プラットフォーム上の試験管内分析によりJAK3に対する阻害活性を測定した。
【0089】
具体的には、JAK3に対する阻害活性測定は、JAK3キナーゼアッセイキット(Promega社製、V9441)を使用し、プロメガ(Promega)社から購入した。組換え精製ヒトJAK3を1xキナーゼ反応緩衝液(JAK3:40mM Tris-Cl、pH7.5、20mM MgCl、0.1mg/mL BSAおよび50uM DTT)で希釈し(JAK3:反応当たりの最終濃度4ng)、96ウェルプレートに添加した。上記で製造した実施例の化合物は、最終的に1%DMSO水溶液となるように処理し、総量25uLの反応物のうち、ATP(JAK3:最終濃度5uM)および0.2ug/ulのPoly(Glu4、Tyr1)peptide(JAK3の最終濃度)を含有する基質カクテルを96ウェルプレートに添加することによって、酵素的反応を開始させた。1時間恒温処理(30℃)後、等しい体積(反応当たり25uL)のADPグロー(Glo)を添加し、室温で40分間恒温処理(30℃)した。次に、キナーゼ検出試薬(反応当たり50uL)を添加し、室温で30分間恒温処理(30℃)した。ADPグロー(Glo)キナーゼアッセイキット説明書で化学発光法によってキナーゼ活性を測定し、本発明に係る化合物の阻害活性を計算した。各化合物の結果分析はマイクロソフトアクセルを使用し、IC50値は、シグマプロット(SigmaPlot)ソフトウェアを使用して計算し、前記結果を下記表1に示す。
【表1】
【国際調査報告】