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特表2023-503892複数の動作状態を有するオーミックヒータ
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  • 特表-複数の動作状態を有するオーミックヒータ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】複数の動作状態を有するオーミックヒータ
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/00 20060101AFI20230125BHJP
【FI】
H05B3/00 310C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022529401
(86)(22)【出願日】2020-11-19
(85)【翻訳文提出日】2022-07-19
(86)【国際出願番号】 US2020061283
(87)【国際公開番号】W WO2021102141
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】62/937,877
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519005417
【氏名又は名称】ヒートワークス・テクノロジーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【弁理士】
【氏名又は名称】池本 理絵
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ヴィツコフスキー,マイケル,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】キャラハン,ジェレマイア,エム.
(72)【発明者】
【氏名】カトロン,ウエストン,スコット
【テーマコード(参考)】
3K058
【Fターム(参考)】
3K058AA88
3K058BA11
3K058CA03
3K058CA04
3K058CA23
3K058FA03
3K058FA09
3K058GA06
(57)【要約】
オーミックヒータは、流下方向Dに延びる流路が設けられた構造体20と、電極34a、34bからなる第1の対と、電極36a、36bからなる第2の対とを有する。各対における複数の電極は、流下方向において互いに隣接し流下方向と垂直な方向において互いに間隔を置いて配置され、これらの電極対は、流下方向において互いに間隔を置いて配置される。電気回路40、42、44、46、48、50は、(i)第1の対における電極34a、34b間に、(ii)第2の対における電極36a、36b間に、又は(iii)第1の対における少なくとも一方の電極34aと第2の対における少なくとも一方の電極36bとの間に、電圧を印加するよう動作可能であり、印加される電圧を変化させてもよい。ヒータは、同ヒータを通じて流れる液体の導電率の変化等の、変化する状況に対応することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)流下方向に延びる流路が設けられた構造体と、
(b)前記流路に配置され、前記流下方向に互いに隣接し、前記流下方向と垂直な方向に互いに間隔を置いて設けられた第1の電極対と、
(c)前記流路において前記第1の電極対よりも下流に配置された第2の電極対であって、前記第2の対における複数の電極は、前記流下方向に互いに隣接し前記流下方向と垂直な方向に互いに間隔を置いて前記流路に設けられている、第2の電極対と、
(d)少なくとも3つの状態で動作可能な電気回路と
を備え、
前記少なくとも3つの状態は、
(i)前記回路により前記第1の対における複数の電極間に電圧が印加される第1の状態と、
(ii)前記回路により前記第2の対における複数の電極間に電圧が印加される第2の状態と、
(iii)前記回路により、前記第1の対における少なくとも1つの電極と、前記第2の対における少なくとも1つの電極との間に電圧が印加される第3の状態と
を含む、
オーミックヒータ。
【請求項2】
前記回路は、
前記回路の1つ以上の状態と、前記流路を通る液体の1つ以上の状態と、前記回路の1つ以上の状態及び前記流路を通る液体の1つ以上の状態とのいずれかを検出する1つ以上のセンサと、
少なくとも1つの前記センサの信号に応じて、前記第1の状態と前記第2の状態と前記第3の状態とのいずれかに前記回路を設定するコントローラと
を備える、請求項1に記載のヒータ。
【請求項3】
前記コントローラは、前記第1の状態と前記第2の状態と前記第3の状態とのいずれかに前記回路を維持しつつ、少なくとも1つの前記センサの信号に応じて平均電圧を制御する、請求項2に記載のヒータ。
【請求項4】
前記構造体は、前記第1の電極対と前記第2の電極対との間の前記流路の一部を構成する通路を形成する誘電体の壁を備えている、請求項1に記載のヒータ。
【請求項5】
前記通路が細長である、請求項4に記載のヒータ。
【請求項6】
前記第3の状態における前記回路の比抵抗は、前記第1の状態及び前記第2の状態における前記回路の比抵抗よりも大きい、請求項4に記載のヒータ。
【請求項7】
前記第1の対における複数の電極は、前記流下方向の位置が互いに少なくとも部分的に合っており、
前記第2の対における複数の電極は、前記流下方向の位置が互いに少なくとも部分的に合っている、請求項1に記載のヒータ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のヒータと、
洗浄の対象となる物品が保持される洗浄室を形成する筐体と、
前記洗浄液が前記洗浄室内の物品と接触できるように、前記ヒータを通じて前記洗浄室へ洗浄液を供給するポンプと
を備える洗浄機器。
【請求項9】
(a)流下方向に互いに隣接し前記流下方向と垂直な方向に互いに間隔を置いて設けられた第1の電極対の間を通り、次いで通路を通り、次いで、前記流下方向に互いに隣接し前記流下方向と垂直な方向に互いに間隔を置いて設けられた第2の電極群を通るよう、前記流下方向に液体を通過させるステップと、
(b)第1の状態においては前記第1の対における複数の電極間に、第2の状態においては前記第2の対における複数の電極間に、第3の状態においては前記第1の対における少なくとも1つの電極と前記第2の対における少なくとも1つの電極との間に電圧が印加されるよう電気回路を動作させるステップと、
(c)前記液体と前記回路と前記液体及び前記回路との少なくとも1つの状態を検出するステップと、
(d)ステップ(c)において検出された少なくとも1つの状態に応じて、前記第1の状態と前記第2の状態と前記第3の状態とのいずれかが選択されるよう前記電気回路を制御するステップと
を含む、液体を加熱する方法。
【請求項10】
ステップ(c)において検出された少なくとも1つの状態に応じて、印加される平均電圧が変化するよう前記電気回路を制御するステップを更に含む請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年11月20日に出願された米国仮特許出願第62/937,877号の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
本開示は、オーミック液体加熱装置と液体を加熱する方法とに関する。オーミック液体加熱装置は、加熱対象の液体を収容する構造体と、互いに間隔を置いて配置された複数の電極とを備える。これらの電極は加熱対象の液体と接触し、近くにある複数の電極間の空間が液体により満たされる。電極間に電圧が印加され、液体を通じて電極間に電流が流れ、その結果、液体自体の電気抵抗により失われた電力によって液体が加熱される。加熱速度は電流の二乗とともに変化し、通電した電極間の液体の電気抵抗に反比例して変化する。電流は、液体の導電率によって変化する。所与の導電率の液体に対して、電流は電極間の間隔によって変化する。近接して配置された電極群は、低抵抗の電流経路をもたらし、したがって大きな電流及び大きな加熱速度をもたらす。電流及び加熱速度は電極の面積によっても変化し、大きい電極は大きい電流をもたらす。本開示において、液体により電気的に接続された要素を有する回路又は回路の一部を特徴付けるために使用される「比抵抗」という用語は、回路又は回路の一部の電気抵抗と回路内の液体の電気抵抗率との比率を示す。例えば、特許文献1に記載されているオーミックヒータは、電極の各対によって異なる比抵抗が定められるように、異なるサイズの多数の電極対を使用する。各対の電極は、板状の要素であり、それらの間に間隙が生まれるように互いに対面している。液体の流路は、様々な対によって生まれる間隙を順に通って延びる。電極対を選択し、各対の電極を電源の両極に接続することによって、所望の加熱速度が達成される。特許文献2に開示されているヒータは、概ね同様の構成を用い、さらに、パルス幅変調方式で時間と共に印加される平均電圧を変化させるよう、各対の電極を電源に集めるスイッチを迅速に開閉することにより、加熱速度を制御する。また、特許文献3には複数の電極対を利用する別のオーミックヒータが開示されている。しかし、更なる改善が望ましいものとなり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】カナダ国特許第1291785号公報
【特許文献2】国際公開第2009/100486号公報
【特許文献3】米国特許第8,532,474号公報
【発明の概要】
【0004】
本発明の一態様によればオーミックヒータ(オーム式ヒータ)が提供される。本発明のその態様によるオーミックヒータは、望ましくは、流下方向に延びる流路が形成された構造体を備える。望ましくは、ヒータは、流下方向において互いに隣接し流下方向に垂直な方向において互いに間隔を置いて流路に配置された第1の電極対を備える。望ましくは、ヒータは、流路において第1の電極対よりも下流に配置された第2の電極対をも備える。第2の電極対は、流路内の流下方向において互いに隣接し、流下方向と垂直な方向においては互いに間隔を置いて配置される。単に例として、構造体は、誘電体材料から形成された細長の管を備えることができ、第1の対の電極は、管に沿った或る位置において互いに対向したものとすることができ、第2の対の電極は、第1の電極よりも下流の別の位置において互いに対向したものとすることができる。この例では、管状の誘電体構造が、第1の電極と第2の電極との間で延びる細長の通路を定めることができる。ヒータは、望ましくは、少なくとも3つの状態で動作可能な電気回路をも備える。これらの状態は、望ましくは、(i)回路が第1の対の電極間に電圧が印加される第1の状態と、(ii)回路が第2の対の電極間に電圧が印加される第2の状態と、(iii)回路が第1の対の少なくとも一方の電極と第2の対の少なくとも一方の電極との間に電圧が印加される第3の状態とを含む。望ましくは、状態毎に異なる比抵抗がもたらされる。第3の状態においては、電流は、第1の対の電極と第2の対の電極との間の流路の長さ方向に沿って流れる。先に述べた例においては、電流は、通路の長さ方向に沿って、細長の通路内の液体を通じて流れる。以下で更に述べるように、この状態は、第1の状態又は第2の状態における比抵抗よりも、かなり高い比抵抗をもたらし得る。ヒータは、望ましくは、コンパクトな構造で広範囲の比抵抗を提供することができる。望ましくは、電気回路は、これらの電極に印加される平均電圧が変化するように動作することが可能である。状態の変化により比抵抗を調節することと、電圧を変化させることとの組み合わせの効果は、電気回路の限界を超えることなく、液体の様々な導電率、熱に対する様々な要件等の、幅広い動作条件を満たすことができる。
【0005】
本発明の更なる態様によれば、先に述べたようなヒータを組み込んだ食器洗浄機等の洗浄機器、及び液体を加熱する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態によるヒータを示す図式的な部分断面図である。
図2】本発明の他の実施形態によるヒータを示す図式的な部分断面図である。
図3】本発明の更なる実施形態によるヒータを示す図式的な部分断面図である。
図4】本発明の更に別の実施形態において使用可能な電極の対を示す図式的な斜視図である。
図5】本発明の更に他の実施形態によるヒータの一部を示す断片図である。
図6】本発明の更に他の実施形態による食器洗浄機を示す図式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の一実施形態によるヒータは、図1において入口端24から出口端26まで矢印Dにより示す流下方向に延びる流路22が形成された構造体20を備える。流路22は、入口端24に隣接する直線部分と、出口端26に隣接する別の直線部分と、両直線部分を互いに接続する細長の通路30とを有する。本実施形態においては、細長の通路30は湾曲しているが、図示された特定の形状は完全に任意であり、通路30は直線であってもよいし、又は複数の曲線部を含んでもよい。また、構造体20は、一体の管状体として示されているが、流路を定めるために互いに接続された複数の要素から形成されていてもよい。ここで述べるように、流路に沿った任意の点における流下方向は、流路の中心線32の方向とみなされるべきである。同様に、流下方向に垂直な方向は、流路に沿った任意の点における中心線に垂直な方向である。中心線32は、流路22に沿って流路領域の中心を通る線である。もちろん、円形の断面を持つ流路の場合には、領域の中心は単に断面の円の中心となる。
【0008】
電極34a及び34bからなる第1の対は、入口端24に隣接する流路22の直線部分に配置される。そのため、細長の通路30は、第1の電極対よりも下流に存在する。第1の対における電極34a及び34bは、流下方向において互いに隣接している。本実施形態において、電極34a及び34bは同じ大きさであり、流下方向の位置が合っているため、両電極はその上流から下流の範囲全体にわたり互いに対向している。第1の対における電極34a及び34bは、流下方向と垂直な方向に互いに間隔を置いて配置されている。両電極は、全体的に板状又はシート状の構造とすることができる。本実施形態における電極34a及び34bは構造体20の壁に取り付けられているが、これは必須ではなく、必要に応じて両電極は壁から離れていてもよい。その一方で、両電極は、両電極が流路を流れる液体と接触するように、流路22に配置されるべきである。望ましくは、構造体20は、同構造体が電極間の電気的接続を構成しないよう、全体又は一部が誘電体材料から形成される。
電極36a及び36bからなる第2の対は、下流端26に隣接する流路の直線部分に配置される。したがって、通路32は、第1の対34の下流であって第2の対36の上流に位置する。第2の電極対は、第1の対と同様に構成され、そのため電極36a及び36bは、互いに隣接し流下方向の位置が合っているが、流下方向と垂直な方向においては互いに間隔を置いて配置されている。第2の電極対における離隔方向は、第1の電極対における離隔方向と同じであってもよいし、異なっていてもよい。この特定の実施形態において、第2の電極36a及び36bは、第1の電極34a及び34bよりも面積が大きく互いに近接している。それゆえ、電極36aと電極36bとの間の流路における液体を通じた伝導経路は、第1の対における電極34aと電極34bとの間の流体を通じた伝導経路よりも小さい比抵抗を持つこととなる。
【0009】
ヒータは、可変電圧電源40をも備える。電源40は、第1の極42及び第2の極44を持つ。本例においては、第1の極42は中性極であり、第2の極44は「ホット」極である。電源40は、電力を供給し、極42と極44との間に電圧を印加するように構成され、電圧は、電圧の動作範囲にわたり必要に応じて制御及び変化させることができる。典型的には、電源は、中性極を接地電圧に近いか又は等しい場合がある固定電圧に維持しながら、ホット極に交流電圧を印加する。
【0010】
第1の対における一方の電極34aは電源の中性極42に永続的に接続され、第1の対における他方の電極34bは、スイッチ46を通して電源のホット極44に接続される。第2の対における電極36aはスイッチ48を通して電源の中性極42に接続され、第2の対における他方の電極36bは別のスイッチ50を通して電源のホット極44に接続される。スイッチ46、48及び50は、図1においては従来の機械式スイッチとして示されているが、最も典型的には、スイッチ46、48及び50は、電気的に制御することができるFET、MOSFET等のような半導体スイッチである。
【0011】
ヒータは更に、電気回路と、ヒータを通過する液体と、これらの両方とうちの1つ以上の状態を検出するセンサのアレイを備える。例えば、本実施形態においては、センサは、電源40からの電流を検出する電流センサ52と、極42と極44との間の電圧を検出する電圧センサ54とを含む。本実施形態におけるセンサは、例えば、電極34a、34bからなる第1の対の上流に配置された入口温度センサ56と、電極36a、36bからなる第2の対の下流に配置された出口温度センサ56と、流路内に配置され流路を通る液体の流量を測定する流量センサ58のような、ヒータを通過する液体の1つ以上の状態を検出することができるセンサとをさらに含む。必ずしも、図1に示されているセンサの全てを備えていなくてもよい。
【0012】
ヒータはコントローラ60をも備える。コントローラ60は、スイッチ46、48及び50と電源40とに接続され、これによりコントローラは、これらのスイッチが導通する閉状態又は導通しない開状態となるように、これらのスイッチの各々に別個に命令することができる。コントローラは電源40にも接続され、極42と極44との間の印加電圧を増加又は減少させるよう電源に命令する。コントローラ60は先に述べたセンサにも接続され、これによりコントローラは、センサから信号を受信することができる。コントローラとセンサとの接続は、図1においては説明の明確さのために省略されている。コントローラ60は、以下に述べる動作を実行する従来のアナログデジタル回路素子を備えていてもよい。最も典型的には、コントローラは、デジタルプロセッサと、プロセッサに動作を実行するよう指示する命令が保存されたメモリとを備える。コントローラはまた、典型的には、例えばアナログ-デジタル変換回路及びデジタル-アナログ変換回路として、センサ及びスイッチとインタフェース接続するための適切な回路も含む。
【0013】
図1に示した状態では、全てのスイッチ46、48及び50が開いており、ヒータは非アクティブである。スイッチ48を閉じ、スイッチ48及び50を開いたままとすることで、電源40へ接続するために第1の対における電極34a及び34bを選択することができ、したがって電気回路を第1の状態とすることができる。この状態において、電極34a及び34bとは電源の両極に接続されるため、電極34aと電極34bとの間に電圧差が印加される。この状態においては、流路22に存在する液体を通じて、両電極間に電流が流れることとなる。
同様に、スイッチ48を開き、スイッチ48及び50を閉じることにより、コントローラは、第2の対における電極36a及び36bを選択し、両電極を電源の両極42及び44に接続することができる。この状態において、電流は、電極36aと電極36bとの間の空間における流体を通じて両電極間を流れる。第1の対における電極34aは中性極に接続されたままであるため、いくらかの電流が電極36bから細長の通路30内の液体を通じて電極34aに流れ得る。しかし、第2の対における電極36aと電極36bとの間の比抵抗は、通路30内の液体を通る細長の比較的狭い電流経路により、第2の対における電極36bと第1の対における電極34aとの間の比抵抗よりもかなり小さい。それゆえ、電流は主として電極36aと電極36bとの間を流れることとなる。
【0014】
コントローラ60はまた、回路を、スイッチ46及び48が開き、スイッチ50が閉じている第3の状態とするよう動作可能である。この状態においては、これらの電極のいずれかを通る電源の極間の電流経路は、通路30を通じた、第2の対における電極36bと第1の対における電極34aとの間にのみ存在する。
必要に応じて、コントローラは、回路を第4の状態にするよう動作可能である。この状態において、電極34aと電極34bとが電源の両極に接続され、また、第2の対における電極36aと電極36bとが電源の両極に接続される。
【0015】
先に述べたように、これらの二対の電極が、異なる比抵抗となるように構成される。それゆえ、ヒータは全体として4つの異なる比抵抗を提供することができる。これらの比抵抗は、比抵抗間に比較的大きなステップを有する広い範囲をカバーするように選択することができる。典型的には、電源40は有限の動作範囲を持つ。例えば、電圧源は典型的には、極42と極44との間に所定の最大電圧以下の電圧を印加することが可能となり、また、電源又はスイッチに損傷を与えることなく極及びスイッチを通して最大電流以下の電流を印加することが可能となる。望ましくは、様々な状態において提供される比抵抗は、所定の範囲内の導電率の任意の液体について、先に述べた状態のうちの1つを選択し、その動作範囲内の状態を通じて電源を調節することにより、加熱速度の所定の動作範囲内である任意の加熱速度が提供され得るように選択される。
【0016】
一実施形態においては、コントローラは、出口温度センサ58によって検出されるヒータからの流体の出口温度を主な入力として使用する、単純な制御方式を実行してもよい。この制御方式においては、コントローラは最初に、最も大きい比抵抗となる状態、すなわち本例においては電極36b及び34aが極に接続されている第3の状態を選択する。回路がこの状態にあるとき、コントローラは、極42と極44との間に低電圧を印加し、出力温度が所望の設定点値に達するまで、又は印加される電圧が電源の最大動作電圧における若しくは最大動作電圧をわずかに下回る場合がある所定の切替え閾値電圧に達するまで、電圧を次第に増加させるように電源を作動させる。出力温度が設定点値に到達する前に閾値電圧に到達した場合、コントローラは、次に小さい比抵抗を持つ状態、すなわち第1の対の電極34a及び34bが選択される前記第1の状態を選択し、電源によって印加される電圧を低下させる。コントローラは次いで、所望の出口温度が達成されるか、又は他の所定の切替え閾値電圧に到達するまで、電源によって印加される電圧を次第に増大させる。所定の切替え閾値電圧に到達すると、コントローラは再び、電源によって印加される電圧を低下させ、次に低い利用可能な比抵抗、すなわち本例においては第2の対の電極36a及び36bが選択される第2の状態に切り替える。閾値の切替え電圧に到達すると、コントローラは次いで、最も低い利用可能な比抵抗を持つ第4の状態に切り替える。もちろん、流体温度が所望の設定点温度よりも上昇した場合には、コントローラは、同じステップを逆順に実行し、最初に電源によって提供される電圧を、選択される最小電圧閾値にまで低下させ、次いで、最小電圧閾値が達成されると、より高い比抵抗状態に切り替える。必要に応じて、コントローラは、電流センサ52によって検出される電流を監視し、電流が最大閾値まで増加した場合、電圧を低下させるか、より高い比抵抗状態に切り替えるか、又はその両方を行ってもよい。この状況は、例えば液体の導電率が著しく増大した場合に生じ得る。
【0017】
より精巧な制御方式においては、コントローラは、回路を上記状態のうちいずれかとして、電源を瞬間的に作動させて極間に低電圧を印加し、センサ52を用いて電流を測定することによって、液体の導電率を表すデータを取得してもよい。印加される電圧は、センサ54を用いて測定されてもよいし、又はコントローラによって命令された電圧から十分な精度で知ることもできる。既知の電流及び電圧は、各状態における極間の既知の比抵抗とともに、導電率を算出するために使用することができる。コントローラは、入力温度センサ56及び流量センサ58のデータを使用して、液体の温度を所望の設定点まで上昇させる加熱速度を推定してもよく、回路をその動作範囲内に維持しながら必要な加熱速度を達成するために、回路状態及び印加電圧を選択してもよい。
【0018】
本発明の別の実施形態によるヒータ(図2)は、以下に述べる点を除いて、図1を参照して先に説明したヒータと同じである。図2のヒータにおいては、電源は、例えば公共の電源接続のような、固定電圧電源である。コントローラ160は、パルス幅変調によって電圧を変化させる。したがって、コントローラ160は、選択された電極に関連する1つ以上のスイッチを繰り返し開閉することによって、選択された電極に印加される平均電圧を制御する。第1の状態において、電極34a及び34bが選択された状態で、コントローラは、スイッチ46を繰り返し開閉するよう構成されてもよい。第2の状態において、電極36a及び36bを用いて、コントローラは、スイッチ48及び50の一方又は両方を繰り返し開閉してもよい。同様に、第3の状態において、コントローラは、スイッチ50を開閉させる。他の点においては、システムは先に述べたように動作する。換言すれば、コントローラは、図1のように電源によって印加される電圧を制御することによって、又は図2のように選択された電極と電源との間の接続のデューティサイクルを制御することによって、選択された電極に印加される平均電圧を制御することができる。
【0019】
別の実施形態によるヒータ(図3)は、ヒータが、電極234a及び234bからなる第1の対と、電極236a及び236bからなる第2の対と、電極237a及び237bからなる第3の対とを備えることを除いて、先に述べたヒータと同様である。本実施形態においては、構造体220には、電極の第1の対と第2の対との間の第1の細長の通路230と、第2の対の電極236a及び236bと第3の対の電極237a及び237bとの間の第2の細長の通路231とを有する流路222が設けられている。ここでもまた、各対の電極は、流路に沿って流下方向に互いに隣接して配置されている。しかし、この特定の実施形態において、第2の対における電極236a及び236bは部分的に重なるように配置され、第3の対における電極237a及び237bは、流路に沿った流下方向Dにおいて互いに重なっていない。本実施形態においても、電極の各対が異なる比抵抗をもたらすように、電極の様々な対が構成される。
【0020】
本実施形態においても、第1の対における電極234aは電源240の中性極242に永続的に接続され、その他の電極はスイッチ246、248、250、251、及び253を通じて電源の極に接続されている。ここでもまた、コントローラは、電極237a及び237bが電源から切断されている間、回路を先に述べた状態のいずれかとするよう動作可能である。コントローラはまた、回路を別の状態とするよう動作可能である。例えば、コントローラは、第3の電極対のみを選択し、第3の対における電極237aと電極237bとが両極に接続されるようにすることができる。
更に別の状態においては、第3の対における電極237bがホット極244に接続され、第3の対における電極237aは中性極から切り離され、第2の対における電極236aが中性極に接続され、第2の対における電極236bはホット極から切り離される。この状態において、極244及び242は、第2の通路231内の液体を通じて互いに電気的に接続される。第2の通路231は第1の通路230とは異なる構成を持つため、この状態での極間の比抵抗は、第1の通路230内の液体を通じて電流が流れる先に述べた第3の状態における比抵抗とは異なるものとなる。
更に別の状態においては、第3の対における電極237bがホット極に接続され、第1の対における電極234aが永続的な接続を通じて中性極に接続され、その他の電極は極から切り離されている。この状態において、電源の極間の電流経路は、通路231内の液体及び通路230内の液体を直列に通るように存在する。かかる電流経路は、利用可能な最も高い比抵抗をもたらす。
【0021】
図1及び図2を参照しながら先に述べたように、電源240は、前述したようなコントローラ260によって制御される可変電圧電源であってよい。他の構成においては、電源240は、図2に示したような固定電圧電源であってもよく、コントローラ260は、印加電圧のパルス幅変調が提供されるように、選択された電極を通る電流経路におけるスイッチを繰り返し開閉するよう構成されてもよい。理解されるように、より大きい数の電極対を使用する更に別の実施形態が利用できる。
【0022】
先に述べた実施形態においては、電極は、流路の両側に沿って延びる板状の構造体である。しかし、他の構成も利用可能である。例えば、図4に示すように、電極の対は、流路の流下方向に延びる細長の棒状電極334bと、棒状電極を囲む管状電極334aとを備えていてもよい。このとき、管状電極334aの内径は、棒状電極334bの外径よりも大きく、それによりこれらの電極は、流下方向と交わる径方向Rに沿って互いに離隔される。他の多くの電極構成を利用することができる。
【0023】
典型的には、ヒータは、電源に接続可能な電極よりも上流及び下流の流路に配置された接地電極(不図示)等の安全機能を含み、接地電極は、接地電位に永続的に接続される。
【0024】
別の変形例において、電極の対における電極の一方又は両方をいくつかのセグメントに分けて構成してもよい。図5に示すように、電極の対は、単一のユニット要素として形成される第1の電極532aと、2つのセグメント534b1及び534b2として形成される第2の電極とを備える。第2の電極における両方のセグメントは、流下方向において第1の電極に隣接して配置されている。第1の電極534aは、スイッチ548を通じて電源の一方の極542に接続されている。第2の電極のセグメント534b1及び534b2は、電源の他方の極544に対しそれぞれ別個のスイッチ548及び549を通じて接続され、両セグメントの各々は他方のセグメントとは独立して電源の極に接続又は切断され得る。この構成は、いくつかのセグメントに分けられた電極の有効面積を変化させるために使用することができる。したがって、いくつかのセグメントに分けられた電極が選択されたときの比抵抗、例えば対の第1の電極と第2の電極との間の比抵抗又はセグメントに分けられた電極と他の対の電極との間の比抵抗を変化させるために使用することができる。このような構成は、電極対のいずれか又は全てにおいて適用可能である。
【0025】
図1図3に示した実施形態においては、1つの電極が中性極に永続的に接続されている。必要に応じて、この電極は、コントローラによって操作される別のスイッチを通じて中性極に接続されてもよい。
【0026】
先に述べたヒータは、比較的少ない数の電極及び比較的少ない数のスイッチを用いて、異なる比抵抗を持つ様々な伝導経路を提供することができる。本明細書において述べたようなヒータは、液体を加熱する必要のある任意の用途で使用することができる。その一方で、これらのヒータは、液体の導電率がヒータの動作の間に広範囲にわたって変化することが予想される場合に特に有用である。例えば、衣類洗濯機又は食器洗浄機等の洗浄機器において水を加熱するために使用されるヒータは、動作の間に非常に広範囲の導電率にわたって変化し得る。洗浄機器への水供給は、典型的には飲料水であり、水に溶解したミネラルの含有量等の要因によって、導電率が変化し得る。さらに、洗浄機器が動作するとき、石鹸のイオン成分及び洗浄されるべき物品から洗い落とされた物質等の電解質が洗浄サイクルの間に水に加わるため、その導電率は一般に増大する。先に述べたようなヒータは、導電率の劇的な変化にもかかわらず電気回路の構成要素がその動作範囲内に留まるように、広範囲の比抵抗を提供するよう構成することができる。さらに、ヒータは、この能力を非常にコンパクトな構造で提供することができる。細長の通路を提供する構造体の部分は、本質的に任意の構成のチューブを備え得る。幾つかの実施形態においては、チューブは、機器の他の構成要素の周りに延びているものとすることができる。例えば、図6に示す洗浄機器は、洗浄室501が形成された筐体501を持つ洗浄機器である。筐体は、洗浄対象の物品、本例の場合には食器505を洗浄室内で支持するラック(不図示)を備える。ポンプ507は水等の洗浄液を洗浄室へと循環させるよう構成され、これにより、例えば噴射装置509を通して液を押し出すことによって、洗浄対象の物品に洗浄液が接触する。先に述べたようなヒータは、洗浄液のための流路(不図示)が設けられた構造体520を備え、流路は、ポンプの出口と噴射装置509とに接続されている。ヒータ構造体520の一部は、通常はポンプの周りに存在し、その結果、さもなければ無駄になるであろう機器内の空間を同構造体が占める。
【0027】
これまでに説明したヒータにおいては、電極対の間に延びている通路は細長であり、比較的小さな断面積を持つ。すなわち、各通路の断面積は電極の面積よりも小さく、通路の長さは各対における電極間の距離よりも大きい。したがって、先に述べたヒータにおいては、通路を通じて延びる伝導経路は、ある対における電極間のいずれの伝導経路よりも大きい比抵抗を持つ。しかし、ある対における複数の電極が互いに大きく間隔を置いて配置され、対と対との間の通路が短い場合、通路を通じた伝導経路は、対における電極間の伝導経路よりも小さい比抵抗を持つことができる。
【0028】
これまでに述べた様々な実施形態において開示された特徴は、異なる実施形態間で入れ替えることができる。例えば、図3図4及び図5に示したような電極構造は、図1及び図2のヒータのいずれにおいても利用することができる。したがって、これまでの説明は、本発明を限定するものではなく、説明のためのものとみなされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-07-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)流下方向に延びる流路が設けられた構造体と、
(b)前記流路に配置され、前記流下方向に互いに隣接し、前記流下方向と垂直な方向に互いに間隔を置いて設けられた第1の電極対と、
(c)前記流路において前記第1の電極対よりも下流に配置された第2の電極対であって、前記第2の対における複数の電極は、前記流下方向に互いに隣接し前記流下方向と垂直な方向に互いに間隔を置いて前記流路に設けられ、前記構造体は、前記第1の電極対と前記第2の電極対との間の前記流路の一部を構成する細長の通路を形成する誘電体の壁を備えている、第2の電極対と、
(d)少なくとも3つの状態で動作可能な電気回路と
を備え、
前記少なくとも3つの状態は、
(i)前記回路により前記第1の対における複数の電極間に電圧が印加される第1の状態と、
(ii)前記回路により前記第2の対における複数の電極間に電圧が印加される第2の状態と、
(iii)前記回路により、前記第1の対における少なくとも1つの電極と、前記第2の対における少なくとも1つの電極との間に電圧が印加される第3の状態であって、前記第3の状態においては、複数の前記電極のいずれかを通じた電流経路のみが前記細長の通路を通じて前記第2の対における1つの電極と前記第1の対における1つの電極との間に存在し、前記通路内の液体を通じて電流が流れる、第3の状態
を含む、
オーミックヒータ。
【請求項2】
前記回路は、
前記回路の1つ以上の状態と、前記流路を通る液体の1つ以上の状態と、前記回路の1つ以上の状態及び前記流路を通る液体の1つ以上の状態とのいずれかを検出する1つ以上のセンサと、
少なくとも1つの前記センサの信号に応じて、前記第1の状態と前記第2の状態と前記第3の状態とのいずれかに前記回路を設定するコントローラと
を備える、請求項1に記載のヒータ。
【請求項3】
前記コントローラは、前記第1の状態と前記第2の状態と前記第3の状態とのいずれかに前記回路を維持しつつ、少なくとも1つの前記センサの信号に応じて平均電圧を制御する、請求項2に記載のヒータ。
【請求項4】
前記第3の状態における前記回路の比抵抗は、前記第1の状態及び前記第2の状態における前記回路の比抵抗よりも大きい、請求項に記載のヒータ。
【請求項5】
前記第1の対における複数の電極は、前記流下方向の位置が互いに少なくとも部分的に合っており、
前記第2の対における複数の電極は、前記流下方向の位置が互いに少なくとも部分的に合っている、請求項1に記載のヒータ。
【請求項6】
前記回路が2つの極を有する電源を備え、
前記回路は第4の状態で動作可能であり、前記第4の状態において、前記第1の対における複数の電極が前記電源の両極に接続され、前記第2の対における複数の電極も前記電源の両極に接続される、
請求項1に記載のヒータ。
【請求項7】
前記回路が2つの極を有する電源を備え、
前記第3の状態においては、複数の前記電極のいずれかを通じた前記電源の両極間の電流経路のみが、前記通路を通じて前記第2の対における1つの電極と前記第1の対における1つの電極との間に存在する、
請求項1に記載のヒータ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のヒータと、
洗浄の対象となる物品が保持される洗浄室を形成する筐体と、
前記洗浄液が前記洗浄室内の物品と接触できるように、前記ヒータを通じて前記洗浄室へ洗浄液を供給するポンプと
を備える洗浄機器。
【請求項9】
(a)流下方向に互いに隣接し前記流下方向と垂直な方向に互いに間隔を置いて設けられた第1の電極対の間を通り、次いで、誘電体の壁により形成された細長の通路を通り、次いで、前記流下方向に互いに隣接し前記流下方向と垂直な方向に互いに間隔を置いて設けられた第2の電極群を通るよう、前記流下方向に液体を通過させるステップと、
(b)第1の状態においては前記第1の対における複数の電極間に、第2の状態においては前記第2の対における複数の電極間に、第3の状態においては前記第1の対における少なくとも1つの電極と前記第2の対における少なくとも1つの電極との間に電圧が印加されるよう電気回路を動作させるステップであって、複数の前記電極のいずれかを通じた電流経路のみが前記細長の通路を通じて前記第2の対における1つの電極と前記第1の対における1つの電極との間に存在し、前記細長の通路内の液体を通じて電流が流れる、ステップと、
(c)前記液体と前記回路と前記液体及び前記回路との少なくとも1つの状態を検出するステップと、
(d)ステップ(c)において検出された少なくとも1つの状態に応じて、前記第1の状態と前記第2の状態と前記第3の状態とのいずれかが選択されるよう前記電気回路を制御するステップと
を含む、液体を加熱する方法。
【請求項10】
ステップ(c)において検出された少なくとも1つの状態に応じて、印加される平均電圧が変化するよう前記電気回路を制御するステップを更に含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記回路を動作させるステップは、複数の前記電極を電源の両極へ接続するステップを含み、
前記第3の状態においては、複数の前記電極のいずれかを通じた前記電源の両極間の電流経路のみが、前記通路を通じて前記第2の対における1つの電極と前記第1の対における1つの電極との間に存在する、
請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記回路が2つの極を有する電源を備え、
前記回路を動作させるステップは、前記回路を第4の状態で動作させるステップをも含み、前記第4の状態において、前記第1の対における複数の電極が前記電源の両極に接続され、前記第2の対における複数の電極も前記電源の両極に接続される、
請求項9又は10に記載の方法。
【国際調査報告】