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特表2023-5039853’-RNAオリゴヌクレオチドの合成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】3’-RNAオリゴヌクレオチドの合成
(51)【国際特許分類】
   C07H 21/02 20060101AFI20230125BHJP
   C12N 15/113 20100101ALI20230125BHJP
【FI】
C07H21/02
C12N15/113 Z ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530757
(86)(22)【出願日】2020-11-23
(85)【翻訳文提出日】2022-07-04
(86)【国際出願番号】 US2020061755
(87)【国際公開番号】W WO2021108291
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】62/941,153
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506336728
【氏名又は名称】アルニラム ファーマスーティカルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ALNYLAM PHARMACEUTICALS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100116540
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 香
(72)【発明者】
【氏名】ナイル,ジャヤプラカーシュ ケー
(72)【発明者】
【氏名】サリナス,ジュアン シー
(72)【発明者】
【氏名】ブリオネス,ジョン フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】シュレーゲル,マルク ケー
(72)【発明者】
【氏名】マツダ,シゲオ
(72)【発明者】
【氏名】ケリン,アレクサンダー ヴィ
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン,リーガン
(72)【発明者】
【氏名】マイアー,マーティン エー
【テーマコード(参考)】
4C057
【Fターム(参考)】
4C057DD01
4C057MM02
(57)【要約】
本開示は、3’-ヒドロキシル基を含む少なくとも1つのヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドを合成するためのモノマー及び方法に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3’-OH基を有する少なくとも1つのヌクレオシドを有するオリゴヌクレオチドを合成するための方法であって、
(i)ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチド上の遊離ヒドロキシル基を、トリイソプロピルシリルエーテル(TIPS)保護3’-ヒドロキシル基を有するヌクレオシドホスホロアミダイトモノマーとカップリングさせて、亜リン酸トリエステル中間体を形成することと、
(ii)前記亜リン酸トリエステル中間体を酸化又は硫化させて、保護中間体を形成することと
を含む方法。
【請求項2】
全ての合成ステップは、自動オリゴヌクレオチド合成機において実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
オリゴヌクレオチドは、大規模に合成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記酸化させることは、弱塩基の存在下におけるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記弱塩基は、ピリジン、ルチジン、ピコリン又はコリジンである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記酸化させることは、I/HOの存在下におけるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記硫化させることは、硫黄転移試薬の存在下におけるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記硫黄転移試薬は、3-(ジメチルアミノメチリデン)アミノ-3H-1,2,4-ジチアゾール-3-チオン(DDTT)又は3H-1,2-ベンゾジチオール-3-オン1,1-ジオキシドである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記保護中間体を塩基で脱保護するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記塩基は、水酸化アンモニウム、メチルアミン又は水酸化アンモニウム及びメチルアミンの混合物である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記塩基で前記処理することは、室温又は高温におけるものである、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記塩基で前記処理することは、30℃以上の温度におけるものである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記塩基で前記処理することは、少なくとも30分間にわたるものである、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記塩基で前記処理することは、少なくとも4時間にわたるものである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記TIPS保護ヒドロキシル基を遊離ヒドロキシル基に変換するのに有効な脱保護試薬により、前記塩基処理された中間体を処理することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記脱保護試薬は、フッ化物アニオンを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記脱保護試薬は、HF.ピリジンである、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記脱保護試薬で前記処理することは、30℃以上の温度におけるものである、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記オリゴヌクレオチドは、約6~約50のヌクレオチドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記オリゴヌクレオチドは、約10~約30のヌクレオチドを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項21】
式(I):
【化1】
(式中、
Bは、修飾又は非修飾核酸塩基であり;
は、ヒドロキシル保護基であり;
は、-Si(Rであり;
は、H又は-P(NR)ORであり;
各Rは、独立して、任意選択的に置換されたアルキル、アリール、アラルキル、アルカリル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル又はシクロアルキニルであり;
及びRは、独立して、任意選択的に置換されたアルキル、アリール、アラルキル、アルカリル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル若しくはシクロアルキニルであるか、又はR及びRは、結合されて、ヘテロシクリルを形成し;及び
は、任意選択的に置換されたアルキル、アリール、アラルキル、アルカリル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル又はシクロアルキニルである)
の構造を有するヌクレオシドモノマー。
【請求項22】
前記ヒドロキシル保護基は、4,4’-ジメトキシトリチル(DMT)、モノメトキシトリチル(MMT)、9-フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、o-ニトロフェニルカルボニル、p-フェニルアゾフェニルカルボニル、フェニルカルボニル、p-クロロフェニルカルボニル及び5’-(α-メチル-2-ニトロピペロニル)オキシカルボニル(MeNPOC)からなる群から選択される、請求項21に記載のヌクレオシドモノマー。
【請求項23】
各Rは、独立して、任意選択的に置換されたC~Cアルキルである、請求項21に記載のヌクレオシドモノマー。
【請求項24】
各Rは、イソプロピルである、請求項21に記載のヌクレオシドモノマー。
【請求項25】
及びRは、独立して、任意選択的に置換されたC~Cアルキルである、請求項21に記載のヌクレオシドモノマー。
【請求項26】
及びRは、イソプロピルである、請求項21に記載のヌクレオシドモノマー。
【請求項27】
は、任意選択的に置換されたC~Cアルキルである、請求項6に記載のヌクレオシドモノマー。
【請求項28】
は、メチル又はβ-シアノエチルである、請求項21に記載のヌクレオシドモノマー。
【請求項29】
Bは、アデニン、グアニン、シトシン、チミン又はウラシルであり;Rは、モノメトキシトリチル又はジメトキシトリチルであり;Rは、独立して、任意選択的に置換されたC~Cアルキルであり;R及びRは、独立して、任意選択的に置換されたC~Cアルキルであるか、又はR及びRは、結合されて、4~8員ヘテロシクリルを形成し;及びRは、任意選択的に置換されたC~Cアルキルである、請求項6に記載のヌクレオシドモノマー。
【請求項30】
Bは、アデニン、グアニン、シトシン又はウラシルであり;Rは、ジメトキシトリチルであり;R、R及びRは、イソプロピルであり;及びRは、β-シアノエチルである、請求項29に記載のヌクレオシドモノマー。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、35U.S.C.§119(e)の下で、2019年11月27日に出願された米国仮特許出願第62/941,153号明細書の利益を主張するものであり、その内容は、参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、概して、核酸化学及びオリゴヌクレオチドの化学合成に関する。より詳細には、本発明は、3’-ヒドロキシル基を含む少なくとも1つのヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドを合成するためのモノマー及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
修飾オリゴヌクレオチドは、分子生物学的研究及び治療応用において大きい価値がある。修飾オリゴヌクレオチドの化学合成は、ルーチン的であるが、多くの修飾オリゴヌクレオチドの容易さ及び収率は、低い。例えば、一般的に使用される保護基は、化学合成されたオリゴヌクレオチドを脱保護するために使用される条件に対して不安定である。3’-ヒドロキシル基を含む少なくとも1つのヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドを調製する場合、これは、特に問題である。したがって、当技術分野において、このようなオリゴヌクレオチドを調製するためのモノマー及び方法が依然として必要とされている。本開示は、少なくとも部分的にこの必要性に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、収率が改善され、且つ不純物がより少ない、オリゴヌクレオチドを調製するためのモノマー及び方法を提供し、ここで、オリゴヌクレオチドは、3’-ヒドロキシル基を有するヌクレオシドを少なくとも1つ、例えば2つ、3つ、4つ又はそれを超えて有する。一般に、本方法は、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの遊離ヒドロキシル基を、トリイソプロピルシリルエーテル(TIPS)保護3’-ヒドロキシル基を有するヌクレオシドホスホロアミダイトモノマーとカップリングさせることを含む。カップリングにより、亜リン酸トリエステル中間体が形成され、これを酸化又は硫化させて、リン酸トリエステル又はホスホロチオエート中間体を形成することができる。
【0005】
所定の長さ及び配列を有するオリゴヌクレオチドを本方法によって調製することができる。例えば、本明細書に記載される方法及びモノマーを用いて、約6~約50のヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを調製することができる。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、約10~約30のヌクレオチドを含む。
【0006】
別の態様では、本開示は、モノマー、例えばトリイソプロピルシリルエーテル保護3’-ヒドロキシル基を有するヌクレオシドホスホロアミダイトモノマーを提供する。一般に、本モノマーは、式(I):
【化1】
のものである。
【0007】
式(I)において、Bは、修飾又は非修飾核酸塩基であり;Rは、酸に不安定なヒドロキシル保護基であり;Rは、-Si(Rであり;Rは、-P(NR)ORであり;各Rは、独立して、任意選択的に置換されたアルキル、アリール、アラルキル、アルカリル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル又はシクロアルキニルであり;R及びRは、独立して、任意選択的に置換されたアルキル、アリール、アラルキル、アルカリル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル若しくはシクロアルキニルであるか、又はR及びRは、結合されて、ヘテロシクリルを形成し;及びRは、任意選択的に置換されたアルキル、アリール、アラルキル、アルカリル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル又はシクロアルキニルである。
【0008】
式(I)いくつかのモノマーにおいて、Bは、アデニン、グアニン、シトシン又はウラシルであり;Rは、ジメトキシトリチルであり;R、R及びRは、イソプロピルであり;及びRは、β-シアノエチルである。
【0009】
本特許又は出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。カラー図面を含む本特許又は特許出願公報のコピーは、要求及び必要な料金の支払いに応じて当局により提供されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】エタノール中の水酸化アンモニウムにより脱保護した後の、N17位にU-2’-OTBSを有する配列1(aUfcaaAf(U-2’-OTBS)CfAfcuuuAfuUfgaguuuc、配列番号1)のHPLCトレースであり、FLP-2’-OTBS、FLP-OH及び切断(16mer)の生成が示される。
図2】エタノール中の水酸化アンモニウムにより脱保護した後の、N17位にU-3’-OTBSを有する配列2(aUfcaaAf(U-3’-OTBS)CfAfcuuuAfuUfgaguuuc、配列番号2)のPLCトレースであり、FLP-3’-OTBS、FLP-OH及び切断(16mer)の生成が示される。
図3】エタノール中の水酸化アンモニウムにより脱保護した後の、N17位にG-3’-OTBSを有する配列3(aUfcaaAf(G-3’-OTBS)CfAfcuuuAfuUfgaguuuc、配列番号3)のHPLCトレースであり、FLP-3’-OTBS、FLP-OH及び切断(16mer)の生成が示される。
図4】エタノール中の水酸化アンモニウムにより脱保護した後の、N17位にU-2’-OTOMを有する配列4(aUfcaaAf(U-2’-OTOM)CfAfcuuuAfuUfgaguuuc、配列番号4)のHPLCトレースであり、FLP-2’-OTOM、FLP-OH及び切断(16mer)の生成が示される。
図5】エタノール中の水酸化アンモニウムにより脱保護した後の、N17位にU-3’-OTOMを有する配列5(aUfcaaAf(U-3’-OTOM)CfAfcuuuAfuUfgaguuuc、配列番号5)のHPLCトレースであり、FLP-3’-OTOM、FLP-OH及び切断(16mer)の生成が示される。
図6】エタノール中の水酸化アンモニウムにより脱保護した後の、N17位にU-3’-OTIPSを有する配列6(aUfcaaAf(U-3’-OTIPS)CfAfcuuuAfuUfgaguuuc、配列番号6)のHPLCトレースであり、FLP-3’-OTIPS、FLP-OH及び切断(16mer)の生成が示される。
図7】エタノール中の水酸化アンモニウム及びHF/ピリジンにより脱保護した後の、N17位にU-3’-OTIPSを有する配列6(aUfcaaAf(U-3’-OTIPS)CfAfcuuuAfuUfgaguuuc、配列番号6)のHPLCトレースであり、FLP-OHの生成が示される。RNA中の3’-OTPS保護基は、HF/ピリジン処理を用いて有効に切断することができる。
図8】濃水酸化アンモニウム水溶液により室温で一晩脱保護された配列8(asCfsguuu(U2p)caaagcAfcUfuuauusgsa、配列番号8)のデコンボリューションマススペクトルを示す。主ピークは、所望のFLP(配列8)及び3’-断片(配列9(caaagcAfcUfuuauusgsa、配列番号9))に対応する。FLPの約14%は、依然として単一のN-2-イソブチリル保護基を保持している(M=7663)。
図9】濃メチルアミン水溶液により室温で一晩2時間脱保護された配列8(asCfsguuu(U2p)caaagcAfcUfuuauusgsa、配列番号8)のデコンボリューションマススペクトルを示す。主ピークは、所望のFLP(配列8)及び3’-断片(配列9(caaagcAfcUfuuauusgsa、配列番号9))に対応する。
図10】濃メチルアミン水溶液により室温で一晩脱保護された配列8(asCfsguuu(U2p)caaagcAfcUfuuauusgsa、配列番号8)のデコンボリューションマススペクトルを示す。主ピークは、所望のFLP(配列8)、3’-断片(配列9(caaagcAfcUfuuauusgsa、配列番号9))及び5’-断片(配列10、asCfsguuu(U2p)P、配列番号10))に対応する。
図11】いくつかの例示的な3’-トリイソプロピルシリルエーテル(3’-TIPS)ヌクレオシドモノマーの構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一態様において、本開示は、3’-ヒドロキシル基を有する少なくとも1つのヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドを調製するための改善された方法を提供する。トリイソプロピルシリルエーテル(TIPS)保護3’-ヒドロキシル基を含むヌクレオシドホスホロアミダイトモノマーは、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの遊離ヒドロキシル、例えば5’-OH、3’-OH又は2’-OH、好ましくは5’-OHにカップリングされる。
【0012】
ヌクレオシドホスホロアミダイトモノマーをヒドロキシル基にカップリングさせるための方法及び試薬は、当技術分野で周知である。したがって、オリゴヌクレオチドは、当業者に知られている手順及び装置を用いて調製することができる。例えば、フラスコなどのガラス反応器を適切に使用することができる。好ましくは、固相合成手順及び制御細孔ガラスなどの固体支持体が使用される。さらにより好ましくは、本発明の方法は、自動DNA合成機を用いて実行され得る。自動合成技術を含む適切な固相技術は、F.Eckstein(ed.),Oligonucleotides and Analogues,a Practical Approach,Oxford University Press,New York(1991)に記載されている。
【0013】
加えて、オリゴヌクレオチドは、小規模又は大規模に調製され得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、μmolスケール又はmgスケールで調製され得る。
【0014】
カップリングステップ及び酸化/硫化ステップは、共通溶媒中で実施することができる。例えば、カップリング及び酸化/硫化は、アセトニトリル中で実施することができる。
【0015】
酸化ステップは、ホスホトリエステル官能基の形成をもたらすのに十分な時間にわたって亜リン酸トリエステル中間体を酸化試薬と接触させることによって実行され得る。本発明の亜リン酸中間体の酸化において使用するのに適した溶媒系は、2つ以上の溶媒の混合物を含む。好ましくは、非プロトン性溶媒と、プロトン性又は塩基性溶媒との混合物である。好ましい溶媒混合物には、アセトニトリルと弱塩基との混合物が含まれる。例えば、酸化ステップは、弱塩基の存在下で実行され得る。例示的な塩基としては、ピリジン、ルチジン、ピコリン又はコリジンが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、酸化ステップは、I/HOの存在下で実行され得る。
【0016】
硫化(硫黄転移試薬を利用する酸化)は、ホスホロチオエート官能基の形成をもたらすのに十分な時間にわたって亜リン酸トリエステル中間体を硫黄転移試薬と接触させることによって実行され得る。オリゴヌクレオチド合成において使用するための例示的な硫黄転移試薬としては、フェニルアセチルジスルフィド、アリールアセチルジスルフィド及びアリール置換フェニルアセチルジスルフィドが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、硫黄転移試薬は、3-(ジメチルアミノメチリデン)アミノ-3H-1,2,4-ジチアゾール-3-チオン(DDTT)又は3H-1,2-ベンゾジチオール-3-オン1,1-ジオキシド(Beaucage試薬)であり得る。
【0017】
合成の完了後、オリゴヌクレオチドは、例えば、所望の生成物を得るために、オリゴヌクレオチド上の任意の保護基を除去するための方法及び試薬を用いて脱保護され得る。したがって、いくつかの実施形態では、本方法は、合成されたオリゴヌクレオチドを塩基で処理して、オリゴヌクレオチド上の任意の非TIPS保護基を除去することをさらに含む。オリゴヌクレオチドの合成で使用される非TIPS保護基の除去に使用するための例示的な塩基としては、水酸化アンモニウム、メチルアミン及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。塩基で処理することは、室温又は高温で適切に実行され得る。「室温」には、約20℃~約30℃の周囲温度が含まれる。「高温」には、30℃よりも高い温度が含まれる。例えば、高温は、約32℃~約65℃の温度であり得る。いくつかの実施形態において、塩基で処理することは、約35℃におけるものである。処理時間は、およそ数分、例えば5、10、15、20、25、30、45又は60分などから数時間、例えば2時間、3時間、4時間、5時間、10時間、15時間、24時間又はそれを超える時間などである。いくつかの実施形態において、塩基で処理することは、約15時間にわたるものである。いくつかの実施形態において、塩基で処理することは、約35℃で約15時間にわたるものである。
【0018】
非TIPS保護基が除去された後、TIPS保護基は、部分的に脱保護されたオリゴヌクレオチドを、TIPS保護ヒドロキシル基を遊離ヒドロキシル基に変換するのに有効な脱保護試薬で処理することによって除去され得る。シリル含有ヒドロキシル保護基を除去するための方法及び試薬は、当技術分野で周知である。一般に、脱保護試薬は、フッ化物アニオンを含む。TIPS保護基を除去するための1つの例示的な脱保護試薬は、HF.ピリジンである。TIPS基を除去するための脱保護ステップは、室温又は高温で適切に実行され得る。例えば、脱保護ステップは、35℃~約65℃の温度で実行され得る。いくつかの実施形態において、脱保護ステップは、約50℃で実行される。脱保護時間は、およそ数分、例えば5、10、15、20、25、30、45又は60分などから数時間、例えば2時間、3時間、4時間又は5時間などである。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、脱保護試薬で約1時間処理される。
【0019】
脱保護後、所望の生成物は、オリゴヌクレオチドの単離及び精製のために、当技術分野で知られている方法を用いて単離及び精製され得る。このような方法には、ろ過及び/又はHPLC精製が含まれるが、これらに限定されない。
【0020】
別の態様において、本開示は、トリイソプロピルシリルエーテル(TIPS)保護3’-ヒドロキシル基を有するヌクレオシドモノマー、例えば式(I):
【化2】
の構造を有するモノマーを提供する。
【0021】
式(I)のモノマーにおいて、Bは、修飾又は非修飾核酸塩基である。任意選択的に、核酸塩基は、1つ又は複数の保護基を含むことができる。例示的な核酸塩基としては、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル、チミン、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、ヌブラリン、イソグアニシン、ツベルシジン並びにアデニングアニン、シトシン及びウラシルの置換又は修飾類似体、例えば2-アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6-メチル及び他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2-プロピル及び他のアルキル誘導体、5-ハロウラシル及びシトシン、5-プロピニルウラシル及びシトシン、6-アゾウラシル、シトシン及びチミン、5-ウラシル(プソイドウラシル)、4-チオウラシル、5-ハロウラシル、5-(2-アミノプロピル)ウラシル、5-アミノアリルウラシル、8-ハロ、アミノ、チオール、チオアルキル、ヒドロキシル及び他の8-置換アデニン及びグアニン、5-トリフルオロメチル及び他の5-置換ウラシル及びシトシン、7-メチルグアニン、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン並びにN-2、N-6及びO-6置換プリン、例えば2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル及び5-プロピニルシトシン、ジヒドロウラシル、3-デアザ-5-アザシトシン、2-アミノプリン、5-アルキルウラシル、7-アルキルグアニン、5-アルキルシトシン、7-デアザアデニン、N6、N6-ジメチルアデニン、2,6-ジアミノプリン、5-アミノ-アリル-ウラシル、N3-メチルウラシル、置換1,2,4-トリアゾール、2-ピリジノン、5-ニトロインドール、3-ニトロピロール、5-メトキシウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸、5-メトキシカルボニルメチルウラシル、5-メチル-2-チオウラシル、5-メトキシカルボニルメチル-2-チオウラシル、5-メチルアミノメチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3カルボキシプロピル)ウラシル、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N-アセチルシトシン、2-チオシトシン、N6-メチルアデニン、N6-イソペンチルアデニン、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、N-メチルグアニン又はO-アルキル化塩基が挙げられるが、これらに限定されない。さらなるプリン及びピリミジンには、米国特許第3,687,808号明細書に開示されるもの、Concise Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,pages 858-859,Kroschwitz,J.I.,ed.John Wiley&Sons,1990に開示されるもの及びEnglisch et al.,Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613により開示されるものが含まれる。
【0022】
いくつかの実施形態において、核酸塩基は、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル、チミン、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、ヌブラリン、イソグアニシン、ツベルシジン、2-(ハロ)アデニン、2-(アルキル)アデニン、2-(プロピル)アデニン、2-(アミノ)アデニン、2-(アミノアルキル)アデニン、2-(アミノプロピル)アデニン、2-(メチルチオ)-N-(イソペンテニル)アデニン、6-(アルキル)アデニン、6-(メチル)アデニン、7-(デアザ)アデニン、8-(アルケニル)アデニン、8-(アルキル)アデニン、8-(アルキニル)アデニン、8-(アミノ)アデニン、8-(ハロ)アデニン、8-(ヒドロキシル)アデニン、8-(チオアルキル)アデニン、8-(チオール)アデニン、N-(イソペンチル)アデニン、N-(メチル)アデニン、N、N-(ジメチル)アデニン、2-(アルキル)グアニン、2-(プロピル)グアニン、6-(アルキル)グアニン、6-(メチル)グアニン、7-(アルキル)グアニン、7-(メチル)グアニン、7-(デアザ)グアニン、8-(アルキル)グアニン、8-(アルケニル)グアニン、8-(アルキニル)グアニン、8-(アミノ)グアニン、8-(ハロ)グアニン、8-(ヒドロキシル)グアニン、8-(チオアルキル)グアニン、8-(チオール)グアニン、N-(メチル)グアニン、2-(チオ)シトシン、3-(デアザ)-5-(アザ)シトシン、3-(アルキル)シトシン、3-(メチル)シトシン、5-(アルキル)シトシン、5-(アルキニル)シトシン、5-(ハロ)シトシン、5-(メチル)シトシン、5-(プロピニル)シトシン、5-(プロピニル)シトシン、5-(トリフルオロメチル)シトシン、6-(アゾ)シトシン、N-(アセチル)シトシン、3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)ウラシル、2-(チオ)ウラシル、5-(メチル)-2-(チオ)ウラシル、5-(メチルアミノメチル)-2-(チオ)ウラシル、4-(チオ)ウラシル、5-(メチル)-4-(チオ)ウラシル、5-(メチルアミノメチル)-4-(チオ)ウラシル、5-(メチル)-2,4-(ジチオ)ウラシル、5-(メチルアミノメチル)-2,4-(ジチオ)ウラシル、5-(2-アミノプロピル)ウラシル、5-(アルキル)ウラシル、5-(アルキニル)ウラシル、5-(アリルアミノ)ウラシル、5-(アミノアリル)ウラシル、5-(アミノアルキル)ウラシル、5-(グアニジニウムアルキル)ウラシル、5-(1,3-ジアゾール-1-アルキル)ウラシル、5-(シアノアルキル)ウラシル、5-(ジアルキルアミノアルキル)ウラシル、5-(ジメチルアミノアルキル)ウラシル、5-(ハロ)ウラシル、5-(メトキシ)ウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸、5-(メトキシカルボニルメチル)-2-(チオ)ウラシル、5-(メトキシカルボニル-メチル)ウラシル、5-(プロピニル)ウラシル、5-(プロピニル)ウラシル、5-(トリフルオロメチル)ウラシル、6-(アゾ)ウラシル、ジヒドロウラシル、N-(メチル)ウラシル、5-ウラシル(すなわちプソイドウラシル)、2-(チオ)プソイドウラシル、4-(チオ)プソイドウラシル、2,4-(ジチオ)プソイドウラシル、5-(アルキル)プソイドウラシル、5-(メチル)プソイドウラシル、5-(アルキル)-2-(チオ)プソイドウラシル、5-(メチル)-2-(チオ)プソイドウラシル、5-(アルキル)-4-(チオ)プソイドウラシル、5-(メチル)-4-(チオ)プソイドウラシル、5-(アルキル)-2,4-(ジチオ)プソイドウラシル、5-(メチル)-2,4-(ジチオ)プソイドウラシル、1-置換プソイドウラシル、1-置換2(チオ)-プソイドウラシル、1-置換4-(チオ)プソイドウラシル、1-置換2,4-(ジチオ)プソイドウラシル、1-(アミノカルボニルエチレニル)-プソイドウラシル、1-(アミノカルボニルエチレニル)-2(チオ)-プソイドウラシル、1-(アミノカルボニルエチレニル)-4-(チオ)プソイドウラシル、1-(アミノカルボニルエチレニル)-2,4-(ジチオ)プソイドウラシル、1-(アミノアルキルアミノカルボニルエチレニル)-プソイドウラシル、1-(アミノアルキルアミノ-カルボニルエチレニル)-2(チオ)-プソイドウラシル、1-(アミノアルキルアミノカルボニルエチレニル)-4-(チオ)プソイドウラシル、1-(アミノアルキルアミノカルボニルエチレニル)-2,4-(ジチオ)プソイドウラシル、1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル、1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェノキサジン-1-イル、1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェンチアジン-1-イル、1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェンチアジン-1-イル、7-置換1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル、7-置換1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェノキサジン-1-イル、7-置換1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェンチアジン-1-イル、7-置換1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェンチアジン-1-イル、7-(アミノアルキルヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル、7-(アミノアルキルヒドロキシ)-1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェノキサジン-1-イル、7-(アミノアルキルヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェンチアジン-1-イル、7-(アミノアルキルヒドロキシ)-1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェンチアジン-1-イル、7-(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル、7-(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)-1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェノキサジン-1-イル、7-(グアニジニウムアルキル-ヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェンチアジン-1-イル、7-(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)-1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェンチアジン-1-イル、1,3,5-(トリアザ)-2,6-(ジオキサ)-ナフタレン、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、ヌブラリン、ツベルシジン、イソグアニシン、イノシニル、2-アザ-イノシニル、7-デアザ-イノシニル、ニトロイミダゾリル、ニトロピラゾリル、ニトロベンゾイミダゾリル、ニトロインダゾリル、アミノインドリル、ピロロピリミジニル、3-(メチル)イソカルボスチリリル、5-(メチル)イソカルボスチリリル、3-(メチル)-7-(プロピニル)イソカルボスチリリル、7-(アザ)インドリル、6-(メチル)-7-(アザ)インドリル、イミジゾピリジニル、9-(メチル)-イミジゾピリジニル、ピロロピリジニル、イソカルボスチリリル、7-(プロピニル)イソカルボスチリリル、プロピニル-7-(アザ)インドリル、2,4,5-(トリメチル)フェニル、4-(メチル)インドリル、4,6-(ジメチル)インドリル、フェニル、ナフタレニル、アントラセニル、フェナントラセニル、ピレニル、スチルベニル、テトラセニル、ペンタセニル、ジフルオロトリル、4-(フルオロ)-6-(メチル)ベンゾイミダゾール、4-(メチル)ベンゾイミダゾール、6-(アゾ)チミン、2-ピリジノン、5-ニトロインドール、3-ニトロピロール、6-(アザ)ピリミジン、2-(アミノ)プリン、2,6-(ジアミノ)プリン、5-置換ピリミジン、N-置換プリン、N-置換プリン、O-置換プリン、置換1、2、4-トリアゾール及びこれらの任意のO-アルキル化又はN-アルキル化誘導体からなる群から選択され得る。いくつかの実施形態において、核酸塩基は、アデニン、グアニン、シトシン及びウラシルからなる群から選択される。
【0023】
は、ヒドロキシル保護基である。ヌクレオシド5’-ヒドロキシルの保護のために従来使用される保護基は、4,4’-ジメトキシトリチル(「DMT」)である。しかしながら、オリゴヌクレオチド合成のために、当技術分野で既知であり且つ使用されている任意のヒドロキシル保護基を使用することができる。このような保護基には、モノメトキシトリチル(「MMT」)、9-フルオレニルメチルカーボネート(「Fmoc」)、o-ニトロフェニルカルボニル、p-フェニルアゾフェニルカルボニル、フェニルカルボニル、p-クロロフェニルカルボニル及び5’-(α-メチル-2-ニトロピペロニル)オキシカルボニル(「MeNPOC」)が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、Rは、酸に不安定なヒドロキシル保護基、例えばDMT又はMMTである。いくつかの実施形態において、R1は、DMTである。
【0024】
各Rは、アルキル、アリール、アラルキル、アルカリル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル又はシクロアルキニルからなる群から独立して選択することができ、これらは、それぞれ例えば独立して選択される1つ、2つ、3つ、4つ又はそれを超える置換基によって任意選択的に置換され得る。例えば、各Rは、独立して、任意選択的に置換されたC~Cアルキルであり得る。Rのための例示的なアルキルとしては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、2-メチルプロピル、t-ブチル及びペンチルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、各Rは、イソプロピルである。
【0025】
は、H又は-P(NR)ORであり得る。いくつかの実施形態において、Rは、Hである。いくつかの他の実施形態において、Rは、-P(NR)ORである。Rが-P(NR)ORである場合、R及びRは、アルキル、アリール、アラルキル、アルカリル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル及びシクロアルキニルからなる群から独立して選択することができ、これらは、それぞれ例えば独立して選択される1つ、2つ、3つ、4つ若しくはそれを超える置換基によって任意選択的に置換され得るか、又はR及びRは、結合されて、ヘテロシクリルを形成することができ、これは、例えば、独立して選択される1つ、2つ、3つ、4つ若しくはそれを超える置換基によって任意選択的に置換され得る。例えば、R及びRは、独立して、任意選択的に置換されたC~Cアルキルであり得る。R及びRのための例示的なアルキルとしては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、2-メチルプロピル、t-ブチル及びペンチルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、R及びRは、イソプロピルである。
【0026】
は、アルキル、アリール、アラルキル、アルカリル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル又はシクロアルキニルであり、これらは、それぞれ例えば独立して選択される1つ、2つ、3つ、4つ又はそれを超える置換基によって任意選択的に置換され得る。例えば、各Rは、独立して、任意選択的に置換されたC~Cアルキルであり得る。Rのための例示的なアルキルとしては、任意選択的に置換されたメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、2-メチルプロピル、t-ブチル及びペンチルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、Rは、β-シアノエチルである。
【0027】
式(I)のモノマーのいくつかの実施形態において、Bは、アデニン、グアニン、シトシン、チミン又はウラシルであり;Rは、モノメトキシトリチル又はジメトキシトリチルであり;Rは、独立して、任意選択的に置換されたC~Cアルキルであり;Rは、Hであり、及びRは、任意選択的に置換されたC~Cアルキルである。例えば、Bは、アデニン、グアニン、シトシン、チミン又はウラシルであり;Rは、ジメトキシトリチルであり;Rは、独立して、イソプロピルであり;及びRは、Hである。
【0028】
式(I)のモノマーのいくつかの実施形態において、Bは、アデニン、グアニン、シトシン、チミン又はウラシルであり;Rは、モノメトキシトリチル又はジメトキシトリチルであり;Rは、独立して、任意選択的に置換されたC~Cアルキルであり;R及びRは、独立して、任意選択的に置換されたC~Cアルキルであるか、又はR及びRは、結合されて、4~8員ヘテロシクリルを形成し;及びRは、任意選択的に置換されたC~Cアルキルである。例えば、Bは、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル又はチミンであり;Rは、ジメトキシトリチルであり;R、R及びRは、イソプロピルであり;及びRは、β-シアノエチルである。
【0029】
例示的な実施形態は、以下の番号付けされた実施形態によって説明され得る。
【0030】
実施形態1:3’-OH基を有する少なくとも1つのヌクレオシドを有するオリゴヌクレオチドを合成するための方法であって、(i)ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチド上の遊離ヒドロキシル基を、トリイソプロピルシリルエーテル(TIPS)保護3’-ヒドロキシル基を有するヌクレオシドホスホロアミダイトモノマーとカップリングさせて、亜リン酸トリエステル中間体を形成することと、(ii)前記亜リン酸トリエステル中間体を酸化又は硫化させて、保護中間体を形成することとを含む方法。
【0031】
実施形態2:全ての合成ステップは、自動オリゴヌクレオチド合成機において実施される、実施形態1の方法。
【0032】
実施形態3:オリゴヌクレオチドは、大規模に合成される、実施形態1又は2の方法。
【0033】
実施形態4:前記酸化させることは、弱塩基の存在下におけるものである、実施形態1~3のいずれか1つの方法。
【0034】
実施形態5:前記弱塩基は、ピリジン、ルチジン、ピコリン又はコリジンである、実施形態4の方法。
【0035】
実施形態6:前記酸化させることは、I/HOの存在下におけるものである、実施形態1~5のいずれか1つの方法。
【0036】
実施形態7:前記硫化させることは、硫黄転移試薬の存在下におけるものである、実施形態1~6のいずれか1つの方法。
【0037】
実施形態8:前記硫黄転移試薬は、3-(ジメチルアミノメチリデン)アミノ-3H-1,2,4-ジチアゾール-3-チオン(DDTT)又は3H-1,2-ベンゾジチオール-3-オン1,1-ジオキシドである、実施形態7の方法。
【0038】
実施形態9:保護中間体を塩基で脱保護するステップをさらに含む、実施形態1~8のいずれか1つの方法。
【0039】
実施形態10:前記塩基は、水酸化アンモニウム、メチルアミン又は水酸化アンモニウム及びメチルアミンの混合物である、実施形態9の方法。
【0040】
実施形態11:前記塩基で処理することは、室温又は高温におけるものである、実施形態9又は10の方法。
【0041】
実施形態12:前記塩基で処理することは、30℃以上の温度におけるものである、実施形態9~11のいずれか1つの方法。
【0042】
実施形態13:前記塩基で処理することは、少なくとも30分間にわたるものである、実施形態9~12のいずれか1つの方法。
【0043】
実施形態14:前記塩基で処理することは、少なくとも4時間にわたるものである、実施形態9~13のいずれか1つの方法。
【0044】
実施形態15:TIPS保護ヒドロキシル基を遊離ヒドロキシル基に変換するのに有効な脱保護試薬により、塩基処理された中間体を処理することをさらに含む、実施形態9~14のいずれか1つの方法。
【0045】
実施形態16:脱保護試薬は、フッ化物アニオンを含む、実施形態15の方法。
【0046】
実施形態17:脱保護試薬は、HF.ピリジンである、実施形態15又は16の方法。
【0047】
実施形態18:前記脱保護試薬で処理することは、30℃以上の温度におけるものである、実施形態15~17のいずれか1つの方法。
【0048】
実施形態19:オリゴヌクレオチドは、約6~約50のヌクレオチドを含む、実施形態1~18のいずれか1つの方法。
【0049】
実施形態20:オリゴヌクレオチドは、約10~約30のヌクレオチドを含む、実施形態1~19のいずれか1つの方法。
【0050】
実施形態21:式(I):
【化3】
(式中、Bは、修飾又は非修飾核酸塩基であり;Rは、ヒドロキシル保護基であり;Rは、-Si(Rであり;Rは、H又は-P(NR)ORであり;各Rは、独立して、任意選択的に置換されたアルキル、アリール、アラルキル、アルカリル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル又はシクロアルキニルであり;R及びRは、独立して、任意選択的に置換されたアルキル、アリール、アラルキル、アルカリル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル若しくはシクロアルキニルであるか、又はR及びRは、結合されて、ヘテロシクリルを形成し;及びRは、任意選択的に置換されたアルキル、アリール、アラルキル、アルカリル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル又はシクロアルキニルである)
の構造を有するヌクレオシドモノマー。
【0051】
実施形態22:ヒドロキシル保護基は、4,4’-ジメトキシトリチル(DMT)、モノメトキシトリチル(MMT)、9-フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、o-ニトロフェニルカルボニル、p-フェニルアゾフェニルカルボニル、フェニルカルボニル、p-クロロフェニルカルボニル及び5’-(α-メチル-2-ニトロピペロニル)オキシカルボニル(MeNPOC)からなる群から選択される、実施形態21のヌクレオシドモノマー。
【0052】
実施形態23:各Rは、独立して、任意選択的に置換されたC~Cアルキルである、実施形態21又は22のヌクレオシドモノマー。
【0053】
実施形態24:各Rは、イソプロピルである、実施形態21~23のいずれか1つのヌクレオシドモノマー。
【0054】
実施形態25:R及びRは、独立して、任意選択的に置換されたC~Cアルキルである、実施形態21~24のいずれか1つのヌクレオシドモノマー。
【0055】
実施形態26:R及びRは、イソプロピルである、実施形態21~25のいずれか1つのヌクレオシドモノマー。
【0056】
実施形態27:Rは、任意選択的に置換されたC~Cアルキルである、実施形態21~26のいずれか1つのヌクレオシドモノマー。
【0057】
実施形態28:Rは、メチル又はβ-シアノエチルである、実施形態21~27のいずれか1つのヌクレオシドモノマー。
【0058】
実施形態29:Bは、アデニン、グアニン、シトシン、チミン又はウラシルであり;Rは、モノメトキシトリチル又はジメトキシトリチルであり;Rは、独立して、任意選択的に置換されたC~Cアルキルであり;R及びRは、独立して、任意選択的に置換されたC~Cアルキルであるか、又はR及びRは、結合されて、4~8員ヘテロシクリルを形成し;及びRは、任意選択的に置換されたC~Cアルキルである、実施形態21~28のいずれか1つのヌクレオシドモノマー。
【0059】
実施形態30:Bは、アデニン、グアニン、シトシン又はウラシルであり;Rは、ジメトキシトリチルであり;R、R及びRは、イソプロピルであり;及びRは、β-シアノエチルである、実施形態1~29のいずれか1つのヌクレオシドモノマー。
【0060】
いくつかの選択される定義
便宜上、本明細書、実施例及び特許請求の範囲においてここで使用される特定の用語は、ここにまとめられる。他に明記されない限り又は文脈から暗黙的でない限り、以下の用語及び語句は、以下で提供される意味を含む。他に明確に述べられない限り又は文脈から明らかでない限り、以下の用語及び語句は、その用語又は語句が、その関連する技術分野において得ている意味を除外しない。定義は、特定の実施形態の説明に役立つように提供されるものであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定されるため、特許請求される本発明を限定することを意図されない。さらに、他に文脈により要求されない限り、単数形の用語は、複数を含むものとし、複数形の用語は、単数を含むものとする。
【0061】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、本発明が関連する技術分野の当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。任意の既知の方法、デバイス及び材料が本発明の実施又は試験において使用され得るが、これに関連する方法、デバイス及び材料が本明細書において記載される。
【0062】
さらに、本発明の実施は、他に記載されない限り、当技術分野の技能の範囲内である分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学及び免疫学の従来の技術を使用することができる。このような技術は、“Molecular Cloning:A Laboratory Manual”,second edition(Sambrook et al.,1989);“Oligonucleotide Synthesis”(M.J.Gait,ed.,1984);“Animal Cell Culture”(R.I.Freshney,ed.,1987);“Methods in Enzymology”(Academic Press,Inc.);“Current Protocols in Molecular Biology”(F.M.Ausubel et al.,eds.,1987,and periodic updates);“PCR:The Polymerase Chain Reaction”,(Mullis et al.,ed.,1994);“A Practical Guide to Molecular Cloning”(Perbal Bernard V.,1988);“Phage Display:A Laboratory Manual”(Barbas et al.,2001)などの文献において十分に説明されている。
【0063】
値の範囲が提供される場合、文脈が他に明確に指示しない限り、その範囲の上限と下限との間にある下限の単位の10分の1までの各介在値及びその規定範囲内の任意の他の規定値又は介在値が本発明の範囲内に含まれることが理解される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立して、規定範囲内の任意の具体的に除外される限界を条件として、そのより小さい範囲に含まれ得ると共に、本発明の範囲にも包含される。規定範囲が限界の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれか又は両方を除外する範囲も本発明に含まれる。
【0064】
本明細書において、特定の範囲は、「約」という用語が先行する数値と共に提示される。「約」という用語は、本明細書において、その用語が先行する正確な数及びその用語が先行する数に近い数又はほぼその数に対して文字通りの支援を提供するために使用される。ある数が、具体的に記載された数に近いか又はほぼその数であるかの決定において、近いか又は近似する記載されていない数は、それが提示される文脈において、具体的に記載された数の実質的な均等物を提供する数であり得る。
【0065】
本明細書で使用される場合、「含んでいる」又は「含む」という用語は、本発明に必須である組成物、方法及びそのそれぞれの成分に関して使用されるが、必須であるかどうかに関わりなく、特定されていない要素の包含も受け入れる、
【0066】
単数形の用語「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、文脈が他に明確に指示しない限り、複数の指示対象も含む。同様に、「又は」という語は、文脈が他に明確に指示しない限り、「及び」を含むことが意図される。さらに、特許請求の範囲は、任意選択的な要素を除外するように起草され得ることが留意される。したがって、この記載は、請求項要素の記述に関連した「単に」、「のみ」などのような排他的な用語の使用のため又は「否定的な」限定の使用のための先行詞としての機能を果たすことが意図される。
【0067】
本明細書で使用される場合、「オリゴヌクレオチド」という用語は、核酸分子(RNA又はDNA)、例えば100、200、300又は400未満の長さのヌクレオチドを指す。本明細書で使用される場合、オリゴヌクレオチドは、ジヌクレオチド、トリヌクレオチド、テトラヌクレオチド、ペンタヌクレオチド、ヘキサヌクレオチド及びヘプタヌクレオチドも包含する。さらに、本明細書で使用される「ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオシド」という用語は、当業者に知られているように、天然に存在する種及び天然に存在しない又は修飾された種の両方を含むことが意図される。
【0068】
「任意選択的に置換された」という用語は、特定の基若しくは部分が非置換であるか、又は「置換基」の定義において以下に記載されるか若しくは他に規定される置換基の群から独立して選択される1つ若しくは複数(通常、1、2、3、4、5又は6つの置換基)によって置換されていることを意味する。「置換基」という用語は、置換される基の任意の原子におけるその置換される基上の「置換された」基を指す。適切な置換基には、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノ又はウレイドが含まれるが、これらに限定されない。場合により、2つの置換基は、これらが結合する炭素と一緒に環を形成することができる。
【0069】
本明細書において互換的に使用されるように、「本質的に」及び「実質的に」という用語は、少なくとも約60%又は好ましくは少なくとも約70%、若しくは少なくとも約80%、若しくは少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%若しくは少なくとも約99%又はそれを超えるもの或いは70%~100%の任意の整数の割合を意味する。いくつかの実施形態において、「本質的に」という用語は、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%若しくはそれを超えるもの又は90%~100%の任意の整数の割合を意味する。いくつかの実施形態において、「本質的に」という用語は、100%を含むことができる。
【0070】
本開示を読むことで当業者に明らかであるように、本明細書に記載及び説明される個々の態様のそれぞれは、別個の構成成分及び特徴を有し、これらは、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの態様のいずれかの特徴から容易に分離するか又はそれらと組み合わせることができる。記載される方法は、いずれも記載される事象の順序又は論理的に可能である任意の他の順序で実行することができる。
【0071】
本発明は、さらなる限定であると解釈されてはならない以下の実施例によってさらに説明される。本出願を通して引用される全ての参考文献、係属中の特許出願及び公開特許の内容は、参照によって本明細書に明確に援用される。
【実施例
【0072】
以下の実施例は、本発明のいくつかの実施形態及び態様を説明する。本発明の趣旨又は範囲を変更することなく、種々の修飾形態、付加形態、置換形態などが実施され得ると共に、このような修飾形態及び変更形態が、以下の特許請求の範囲において定義される本発明の範囲内に包含されることは、当業者に明らかであろう。以下の実施例は、決して本発明を限定しない。
【0073】
実施例1:TIPS保護基を有するホスホロアミダイトの合成
【化4】
化合物2:無水ピリジン(450mL)中の5’-ODMTrウリジン1(50g、91.48mmol)の攪拌溶液にイミダゾール(24.91g、365.92mmol)及びクロロ(トリイソプロピル)シラン(47.0mL、220mmol)を順次添加した。50℃で24時間攪拌した後、揮発性物質を減圧下で除去した。残渣を飽和NaHCO水溶液(400mL)及びEtOAc(500mL)と混ぜ合わせ、5分間攪拌した。混合物を分液漏斗に移し、層を分離し、有機層を飽和NaHCO水溶液及び塩水で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ、ろ過して、蒸発乾固させた。残渣をISCO自動カラムにより精製した。最小限のDCM中に溶解させ、溶離液としてヘキサン中0~30%のEtOAcを用いる120gのシリカゲルカラムに負荷して、化合物2(26.1g、41%)を得た。
H NMR(500MHz,アセトニトリル-d3)δ 7.70(d,J=8.2Hz,1H),7.45-7.37(m,2H),7.35-7.19(m,8H),6.93-6.84(m,4H),5.82(d,J=3.9Hz,1H),5.37(d,J=8.1Hz,1H),4.42(t,J=5.4Hz,1H),4.17(td,J=5.3,3.9Hz,1H),3.77(s,6H),3.49(dd,J=10.9,2.7Hz,1H),3.31-3.23(m,2H),1.06-0.90(m,22H).
LRMS(ESI) C39H50N2O8Siに対する計算値[M+H]m/z=703.34、実測値703.4。
【0074】
化合物3:DIPEA(19.3mL、111mmol)、2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(24.7mL、110.7mmol)及びN-メチルイミダゾール(2.9mL、36.9mmol)を0℃において無水EtOAc(600mL)中の化合物2(25.93g、36.89mmol)の攪拌溶液に順次添加した。冷浴を除去し、反応混合物を1時間攪拌した。MeCN/トルエン中のトリエタノールアミン(2.7M、50mL)の溶液により反応をクエンチし、5分間攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、分液漏斗に移し、層を分離し、有機層を5%のNaCl溶液及び塩水で順次洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ、蒸発乾固させた。トリエチルアミンで前処理したシリカゲル上に残渣を予め吸着させた。1%のNEtを含有するヘキサンによりカラムを平衡化した。溶離液としてヘキサン中0~40%のEtOAcを用いるISCO自動カラムにより残渣を精製して、化合物3(26.5g、79%)を得た。
H NMR(500MHz,CDCN)δ 8.73(s,1H),7.59(d,J=8.1Hz,1H),7.44-7.41(m,2H),7.36-7.28(m,7H),6.89-6.85(m,4H),6.06(d,J=5.4Hz,1H),5.51(d,J=8.1Hz,1H),4.32-4.23(m,2H),4.11-4.07(m,1H),3.84-3.67(m,10H),3.67-3.54(m,3H),3.46(dd,J=10.9,3.7Hz,1H),3.28(dd,J=11.0,4.2Hz,1H),2.57(t,J=6.2Hz,2H),1.16-1.11(m,11H),1.04-0.95(m,23H).31P NMR(202MHz,CDCN)δ 150.83,150.80,149.64,149.61.
LRMS(ESI) C48H67N4O9PSiに対する計算値[M+Na]m/z=902.44、実測値925.2。
【0075】
【化5】
化合物5:無水ピリジン(15.0mL)中の化合物4(2.0g、3.0mmol、1eq.)の攪拌溶液にイミダゾール(1.62g、23.7mmol、8eq.)及びクロロ(トリイソプロピル)シラン(1.52mL、7.12mol、2.4eq.)を順次添加した。50℃で24時間攪拌した後、飽和NaHCO水溶液(50mL)及びEtOを添加し、得られた混合物を分液漏斗に移し、層を分離し、水層をEtO(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥させ、ろ過して、蒸発乾固させた。溶離液としてヘキサン中0~40%のEtOAcを用いるISCO自動カラムにより残渣を精製して、化合物5(0.78mg、31%)を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 11.22(s,1H),8.64(d,J=8.0Hz,2H),8.08-8.02(m,2H),7.67-7.61(m,1H),7.57-7.52(m,2H),7.39-7.32(m,2H),7.28-7.16(m,8H),6.88-6.80(m,4H),6.06(d,J=5.5Hz,1H),5.50(d,J=6.2Hz,1H),4.96(q,J=5.6Hz,1H),4.65-4.59(m,1H),4.15(q,J=4.6Hz,1H),3.72(s,6H),3.41(dd,J=10.5,4.6Hz,1H),3.20(dd,J=10.5,5.1Hz,1H),1.14-0.93(m,24H).13C NMR(101MHz,DMSO)δ 166.15,158.59,152.51,151.85,151.01,145.26,144.51,135.91,135.88,133.87,132.92,130.16,128.98,128.94,128.22,128.09,127.15,126.62,113.60,113.58,88.78,86.22,84.61,72.88,72.65,63.83,55.51,40.03,18.34,18.11,18.01,12.27.
LRMS(ESI) C47H56N5O7Siに対する計算値[M+H]m/z=830.39、実測値830.4。
【0076】
化合物6:無水DCM(10V)中の化合物5(201.5g、1.0eq.)の攪拌溶液にピリジン(6.0eq)、2-シアノエチルN,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト(3.0eq)及びDCI(2.0eq)を添加した。混合物を25℃で4時間攪拌した。ワークアップ後、有機層をNaSO上で乾燥させ、ろ過して、蒸発乾固させた。DCM/heptにより反応粗生成物を沈殿させて、化合物6(130g、52%)を得た。
31P NMR(202MHz,CDCl)δ 150.82,150.66.
LRMS(ESI) C56H73N7O8PSiに対する計算値[M+H]m/z=1031.49、実測値1031.5。
【0077】
【化6】
化合物8:無水ピリジン(150.0mL)中の化合物7(20.0g、30.5mmol)の攪拌溶液にイミダゾール(16.61g、0.24mol)及びクロロ(トリイソプロピル)シラン(26.1mL、0.12mol)を順次添加した。50℃で24時間攪拌した後、揮発性物質を減圧下で除去した。残渣を飽和NaHCO水溶液(100mL)及びEtOAc(500mL)と混ぜ合わせ、10分間攪拌した。混合物を分液漏斗に移し、層を分離し、有機層を飽和NaHCO水溶液(50mL)及び塩水(50mL)で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ、ろ過して、蒸発乾固させた。溶離液としてヘキサン中0~70%のEtOAcを用いるISCO自動カラムにより残渣を精製して、化合物8(9.85g、40%)を得た。1%のNEtを含有するヘキサンによりカラムを平衡化した。
H NMR(400MHz,CDCl3)δ 11.96(s,1H),7.88-7.81(m,1H),7.54-7.48(m,1H),7.42-7.36(m,1H),7.30-7.18(m,1H),6.85-6.76(m,1H),5.70(d,J=6.3Hz,1H),4.95-4.88(m,1H),4.62-4.57(m,1H),4.54-4.50(m,1H),4.17-4.13(m,1H),3.77(d,J=3.5Hz,9H),3.59-3.52(m,1H),3.27-3.16(m,1H),3.14-3.05(m,1H),1.72-1.62(m,1H),1.33-1.20(m,1H),1.01-0.88(m,1H),0.72(d,J=6.9Hz,4H),0.60-0.45(m,3H).
LRMS(ESI) C44H57N5O8Siに対する計算値[M+H]m/z=811.40、実測値812.2。
【0078】
化合物9:無水DCM(1.4L)中の化合物8(140g、1.0eq.)の攪拌溶液に2-シアノエチルN,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト(5.0eq)及びDCI(3.0eq)を添加した。混合物を25℃で12時間攪拌した。反応を10%のNaHCO(10×1000mL)及び塩水(2×1000mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させてから、35℃で濃縮して、粗生成物(387g)を淡黄色の油として得た。化合物9(81g、46%)が白色固体として得られるまで、粗生成物(386g)をDCM/MTBE中で数回(8回)沈殿させた
31P NMR(202MHz,CDCl)δ 150.72,149.33.
LRMS(ESI) C53H75N7O9PSiに対する計算値[M+H]m/z=1012.5、実測値1012.4。
【0079】
【化7】
化合物11:無水CHCl(2.8mL)中の化合物10(0.5g、0.85mmol、1eq.)の攪拌溶液に無水ジイソプロピルアミン(0.72mL、5.1mmol、6eq.)及びクロロ(トリイソプロピル)シラン(0.55mL、2.5mmol、3eq.)を順次添加した。室温で4日間攪拌した後、メタノール(3mL)を添加し、得られた溶液を15分間攪拌した。混合物をDCM(10mL)で希釈し、層を分離した。有機層を水(10mL×2)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過して、蒸発乾固させた。ヘキサン中0~60%のEtOAcを溶離液として使用するISCO自動カラム(1%のNEtを含有するヘキサンでカラムを平衡化した)により残渣を精製して、化合物11(287mg、45%)を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 10.89(s,1H),8.36(d,J=7.5Hz,1H),7.40-7.18(m,10H),7.04(d,J=7.5Hz,1H),6.89(dq,J=8.3,3.2Hz,4H),5.84(d,J=2.5Hz,1H),5.47(d,J=5.7Hz,1H),4.28(dd,J=7.1,4.8Hz,1H),4.12-4.08(m,1H),4.07-4.04(m,1H),3.75(d,J=0.8Hz,6H),3.54(dd,J=11.0,2.9Hz,1H),3.24(dd,J=11.0,3.8Hz,1H),2.10(s,3H),1.05-0.82(m,24H).13C NMR(101MHz,DMSO)δ 170.97,170.30,162.35,158.24,158.23,154.47,144.69,144.19,134.98,134.93,129.81,129.78,127.82,126.91,113.17,113.13,95.34,91.03,86.20,82.34,74.15,70.29,61.98,59.73,55.01,39.52,24.34,20.74,17.74,14.07,11.63.
LRMS(ESI) C41H53N3O8SiNaに対する計算値[M+Na]m/z=766.35、実測値766.3。
【0080】
化合物12:無水DCM(8V)中の化合物11(1.0eq.)の攪拌溶液にピリジン(6.5eq)、2-シアノエチルN,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト(1.3eq)及びDCI(1.2eq)を添加した。25℃で20時間攪拌した後、混合物を飽和NaHCO及び塩水で洗浄した。ワークアップ後、有機層を濃縮して粗化合物12が得られ、これを、1%のピリジンを含有するn-ヘプタン中0~50%のEtOAcを溶離液として使用するカラムにより精製して、化合物12(収率:76.6%)を得た。
31P NMR(202MHz,CDCl)δ 151.96,148.56.
LRMS(ESI) C50H71N5O9PSiに対する計算値[M+H]m/z=944.4、実測値944.1。
【0081】
実施例2:3’-TOM及びPOM保護基を有するウリジンの合成
【化8】
化合物13:THF(50mL)中に化合物2(7g、13.1mmol)及びN-エチル-N-イソプロピル-プロパン-2-アミン(8.01mL、46.01mmol)を含有する溶液をジブチル(ジクロロ)スタンナン(4.58g、14.46mmol、3.36mL)で処理し、室温で1時間攪拌した。反応混合物を66℃に加熱した後、クロロメトキシ(トリイソプロピル)シラン(4.13g、15.77mmol、4.31mL)を添加し、66℃で40分間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、揮発性物質を減圧下で除去した。粗残渣をDCMと飽和NaHCO溶液との間で分配させ、層を分離し、有機層をNaHCO水溶液、塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させた。有機層をNaSO上で乾燥させ、ろ過して、蒸発乾固させた。ヘキサン中0~40%のEtOAcを溶離液として使用するISCO自動カラムにより残渣を精製して、化合物13(3.48g、37%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.77(d,J=8.2Hz,1H),7.39-7.22(m,1H),6.87-6.80(m,1H),5.96(d,J=4.4Hz,1H),5.39(d,J=8.1Hz,1H),5.06(d,J=4.9Hz,1H),4.90(d,J=4.9Hz,1H),4.35-4.22(m,1H),3.80(s,6H),3.59-3.51(m,1H),3.43-3.36(m,1H),2.05(s,2H),1.60(s,2H),1.13-1.01(m,2H).
LRMS(ESI) C40H52N2O9Siに対する計算値[M+Na]m/z=732.34、実測値755.4。
【0082】
化合物14:DIPEA(1.7mL、9.8mmol)、2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(2.2mL、9.81mmol)及びN-メチルイミダゾール(0.39mL、4.9mmol)を0℃において無水EtOAc(100mL)中の化合物13(3.5g、4.9mmol)の攪拌溶液に順次添加した。冷浴を除去し、反応混合物を1時間攪拌した。MeCN/トルエン中のトリエタノールアミン(2.7M、11mL)の溶液により反応をクエンチし、5分間攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、分液漏斗に移し、層を分離し、有機層を5%のNaCl溶液及び塩水で順次洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ、蒸発乾固させた。トリエチルアミンで前処理したシリカゲル上に残渣を予め吸着させた。1%のNEtを含有するヘキサンによりカラムを平衡化した。ヘキサン中0~40%のEtOAcを溶離液として使用するISCO自動カラムにより残渣を精製して、化合物14(3.26g、71%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCN)δ 7.69(dd,J=9.7,8.2Hz,1H),7.46(dd,J=7.2,1.1Hz,2H),7.36-7.21(m,7H),6.90(dd,J=7.6,1.3Hz,4H),6.00-5.96(m,1H),5.43-5.35(m,1H),5.12-4.96(m,2H),4.56-4.48(m,1H),4.42-4.36(m,1H),4.33-4.25(m,1H),3.91-3.58(m,11H),3.47-3.33(m,2H),2.68-2.61(m,2H),1.25-0.94(m,36H).31P NMR(162MHz,CDCN)δ 150.61,150.55.
LRMS(ESI) C49H69N4O10PSiに対する計算値[M+H]m/z=932.45、実測値955.5(M+Na)。
【0083】
【化9】
化合物15:空のマイクロ波管に化合物2(2g、3.76mmol)を添加した後、ジブチル(オキソ)スズ(1.22g、4.88mmol、769.23uL)及びテトラブチルアンモニウムブロミド(1.57g、4.88mmol)を添加した。管をゴム隔膜で閉鎖し、系をArで5分間フラッシュした。1,2-DCE(10mL)を添加し、得られた懸濁液を1分間攪拌した後、ピバル酸クロロメチル(1.41g、9.39mmol、1.35mL)を添加した。隔膜を急いでマイクロ波管キャップと交換し、マイクロ波中、300Wで2.5時間、管を75℃まで加熱した。全部で6gの化合物2を得るために、同じ量の試薬により反応をさらに2回実行した。3つの合わせた粗反応混合物を混ぜ合わせ、減圧下で蒸発乾固させた。トリエチルアミンで前処理したシリカ上にサンプルを予め吸着させた。ヘキサン中0~40%のEtOAcを溶離液として使用するISCO自動カラム(NEtでシリカを前処理した)により残渣を精製して、化合物15(1.68g、23%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.87(d,J=8.1Hz,1H),7.48-7.36(m,3H),7.35-7.22(m,4H),6.94-6.84(m,2H),5.89(d,J=4.7Hz,1H),5.41(d,J=6.5Hz,1H),5.37-5.27(m,1H),4.50-4.38(m,2H),4.23-4.17(m,1H),3.54-3.39(m,1H),3.35-3.28(m,1H),1.20-1.08(m,4H).
LRMS(ESI) C36H40N2O10に対する計算値[M+H]m/z=660.27、実測値661.7。
【0084】
化合物16:DIPEA(1.1mL、6.2mmol)、2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(1.4mL、6.2mmol)及びN-メチルイミダゾール(0.19mL、2.4mmol)を0℃において無水EtOAc(50mL)中の化合物15(1.6g、2.5mmol)の攪拌溶液に順次添加した。冷浴を除去し、反応混合物を1時間攪拌した。MeCN/トルエン中のトリエタノールアミン(2.7M、6mL)の溶液により反応をクエンチし、5分間攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、分液漏斗に移し、層を分離し、有機層を5%のNaCl溶液及び塩水で順次洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ、蒸発乾固させた。トリエチルアミンで前処理したシリカゲル上に残渣を予め吸着させた。1%のNEtを含有するヘキサンによりカラムを平衡化した。ヘキサン中0~60%のEtOAcを溶離液として使用するISCO自動カラムにより残渣を精製して、化合物16(1.517g、74%)を得た。
H NMR(500MHz,CDCN)δ 7.65-7.59(m,1H),7.46-7.41(m,1H),7.35-7.21(m,6H),6.93-6.83(m,3H),5.98-5.91(m,1H),5.46-5.37(m,1H),5.34(d,J=6.5Hz,1H),5.20(d,J=6.4Hz,1H),4.61-4.50(m,1H),4.47-4.38(m,1H),4.21-4.14(m,1H),3.67-3.57(m,3H),3.40-3.31(m,2H),2.69-2.59(m,1H),1.19-1.16(m,6H),1.12(t,J=6.4Hz,11H).31P NMR(202MHz,CDCN)δ 150.84,150.47.
【0085】
実施例3:3’-OTIPS保護ヌクレオシド及びホスホロアミダイトの選択的合成
【化10】
Vorbrueggen条件下で糖17のアノマー位にウラシルを導入することにより合成を開始した。得られた化合物18を炭酸カリウムで処理して酢酸基を切断し、ヌクレオシド19を生じさせ、これをDMTClにより5’-O位で保護して、ヌクレオシド2を得た。ホスホロアミダイト4の形成は、標準条件下で2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイトを用いて達成した。
【0086】
【化11】
ヌクレオシド18から出発して、トリアゾール化/アンモノリシスの2段階シーケンスにおいてウラシル核酸塩基をシトシンに転換して、ヌクレオシド20を得た。DMTClによる第1級ヒドロキシル基の保護と、核酸塩基における安息香酸基の選択的導入とにより、ヌクレオシド21が得られた。ホスホロアミダイト22の形成は、標準条件下で2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイトを用いて達成した。
【0087】
【化12】
糖17のヌクレオシド23への転換は、Vorbrueggen条件下でN-ベンゾイルアデニンを用いた後、塩基性条件下で酢酸基を切断して達成した。ヌクレオシド23の第1級ヒドロキシルをDMTエーテルとして保護してヌクレオシド5が得られ、これを後に標準条件下で対応するホスホロアミダイト6に転換した。
【0088】
【化13】
糖17を出発材料として使用し、グアニン部分を導入するために2段階シーケンスを用いて、ヌクレオシド24が得られた。イソ酪酸無水物による核酸塩基の保護により、化合物25を得た。塩基性条件下で酢酸基を切断し、第1級ヒドロキシル基をDMTエーテルとして保護し、ヌクレオシド8を得た。ホスホロアミダイト9の形成は、標準条件下で2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイトを用いて達成した。
【0089】
実施例4.3’-O保護ヌクレオシドによるsiRNA合成
オリゴヌクレオチド合成:以下の表に示されるパラメータを用いて、代表的なオリゴヌクレオチドの合成を実施した。この研究の目的は、本発明者らの現在の切断及び脱保護方法(塩基水溶液への長期の曝露を含む)と適合し、RNAの加水分解/切断をもたらし得る保護基の早期脱落などの副反応を最小限にすることになる、最適なRNA保護基を決定することであった。合成の条件は、表1及び2に示され、これらの研究のために合成されたオリゴヌクレオチドの配列は、表3に要約される。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】
切断及び脱保護:この脱保護は、合成の量を評価するために、より具体的にはRNA保護基の早期の脱保護から生じる不純物を同定するために使用される。合成の規模に応じて2つの異なる手順を使用した(小規模のための手順1及び大規模のための手順2)。両方の手順について、NHOH、NHOH/EtOH、MeNH又はアンモニア/メチルアミンの混合物(AMA)を使用することができる。
【0094】
手順1:
1.合成後、カラムを含有するプレートを96-ディープウェルプレート上の切断チャックに置いた。
2.濃メチルアミン水溶液又は濃水酸化アンモニウム溶液(150μL)を各カラムに添加し、室温で30分間インキュベートした。その後、真空を用いて溶液をカラムから完全に抜き取った。
3.ステップ#2をもう一度繰り返し、プレートを密封し、規定の時間RTで振とうさせた。
4.粗生成物のサンプルをRODI水で100×に希釈し、LCMSを用いて分析した。
【0095】
手順2:
1.合成後の少量の乾燥支持体(約30mg)を2mLのガラススクリューキャップバイアルに入れた。
2.水酸化アンモニウム溶液(1mL)を添加し、バイアルを15時間35℃に保持した(注:この段階で粗生成物を室温に冷却し、次にサンプルをアリコートに分け、RODI水で30×に希釈してから、初期の粗分析のためにHPLCで分析した)。
3.脱シリル化ステップのために、粗溶液をデカントし、0.5mLのDMSOで樹脂を3回洗浄した。バイアルをボルテックスしてから、樹脂の全てを沈降させるために2分間放置した。DMSO溶液をデカントし、4mLのシンチレーションバイアル内に最初のろ液と混ぜ合わせ、次にこれを、氷浴を用いて0℃に冷却した。
4.ピリジン*HF(Sigma Aldrich、0.75mL)を混合物に添加し(反応は懸濁した)、バイアルを1時間50℃に保持した。
5.反応を室温に冷却し、水(2.5mL)でクエンチした。バイアルをボルテックスして、固体を全て溶解させた。
6.サンプルをアリコートに分け、HPLC分析のためにRODI水により30×に希釈した。
【0096】
HPLCによる粗オリゴヌクレオチド混合物の分析:表4に示される条件を使用するIPRP-LCMSを用いて粗分析を行った。
【0097】
【表4】
【0098】
結果:異なるRNA保護基を有する7つの異なる23merオリゴヌクレオチドを合成し(表3)、種々の切断及び脱保護条件にさらした。適用可能であれば、HF処理前に初期HPLC分析を実行して、塩基処理間の種々の保護基の安定性を決定した。簡単にするために、全てのHPLC及びMSの積分は、4つの対象の種、シリル又は他の基で保護された3’又は2’ヒドロキシル基を有する完全に脱保護されたオリゴ(FLP-OX - X=TBS、TOM、TIPS又はピバロイルオキシメチル)、脱保護されたオリゴ(FLP-OH)、切断3’-断片及び切断5’-断片に関してのみ行った。表5に示されるように、シリル保護基(TBS及びTIPS)及びTOM保護基は、長期の塩基処理において、程度は異なるが不安定である。TIPS保護RNAを含有する23merは、全体として最良の結果をもたらし、わずか3%の脱保護FLP及び1%の切断加水分解生成物を有した。保護基(TIPS)は、過剰のHFピリジンを用いて容易に除去することができ(図7)、FLP-OHが生成される。加えて、FLP-OHの生成及びFLP-OHの塩基性条件への長期処理は、表5及び図8~10に示されるように、様々なレベルの鎖切断をもたらし得る。
【0099】
【表5】
【0100】
特定される全ての特許、特許出願及び刊行物は、例えば、本発明と共に使用され得るこのような刊行物に記載される方法を説明及び開示するために、参照によって本明細書に明確に援用される。これらの刊行物は、本出願の出願日よりも前のその開示についてのみ提供される。これに関して、先行発明という理由で又は任意の他の理由のために本発明者らがこのような開示に先行する権利がないことの承認として何ら解釈されてはならない。これらの文献の日付に関する記述又は内容に関する表示は、全て本出願人が利用できる情報に基づくものであり、これらの文献の日付又は内容の正確さに関する何らかの承認を構成するものではない。
【0101】
上記の詳細な説明の観点から、実施形態に対するこれら及び他の変化形態がなされ得る。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を、本明細書及び特許請求の範囲に開示される特定の実施形態に限定すると解釈されてはならないが、このような特許請求の範囲が与える均等物の範囲全体と共に、全ての可能な実施形態を含むと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示により限定されない。
図1
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図5
図6
図7
図8
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図10
図11
【国際調査報告】