(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】外科用ツールハンドルのロボット操作
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20230125BHJP
A61M 25/09 20060101ALI20230125BHJP
A61M 25/00 20060101ALI20230125BHJP
A61B 17/00 20060101ALN20230125BHJP
A61B 18/00 20060101ALN20230125BHJP
【FI】
A61B34/30
A61M25/09
A61M25/00
A61B17/00
A61B18/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530812
(86)(22)【出願日】2020-11-26
(85)【翻訳文提出日】2022-07-19
(86)【国際出願番号】 IL2020051225
(87)【国際公開番号】W WO2021105998
(87)【国際公開日】2021-06-03
(32)【優先日】2019-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518226710
【氏名又は名称】マイクロボット メディカル リミテッド
【住所又は居所原語表記】6 HaYozma Street, P.O.B 242, Yokneam Illit, Israel
(71)【出願人】
【識別番号】504127647
【氏名又は名称】テクニオン リサーチ アンド ディベロップメント ファウンデーション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャロン シモン
(72)【発明者】
【氏名】ボーダー イダン
(72)【発明者】
【氏名】コフマン エフゲニー
(72)【発明者】
【氏名】コーヘン エラン
(72)【発明者】
【氏名】モラグ エヤル
(72)【発明者】
【氏名】ガドット ハレル
(72)【発明者】
【氏名】ショハム モシェ
【テーマコード(参考)】
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C160NN09
4C160NN10
4C160NN15
4C160NN23
4C267AA01
4C267AA28
4C267BB04
4C267BB19
4C267BB42
4C267BB62
(57)【要約】
細長い外科用ツールの近位部分をモーター駆動のロボット外科装置に結合するためのアダプタであって、細長い外科用ツールの近位部分を受容するために成形及びサイズ決定された窪み、近位部分の制御構成要素に接触し、それを移動させるように配置された1つまたは複数の移動体、及び1つまたは複数の移動体をロボット外科装置のモーター駆動のトランスミッションに結合するトランスミッションカップリングを含むアダプタ。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い外科用ツールの近位部分をモーター駆動のロボット外科装置に結合するためのアダプタであって、
細長い外科用ツールの近位部分を受容するために成形及びサイズ決定された窪みと、
前記近位部分の制御構成要素と接触し、前記近位部分の制御構成要素を移動させるように配置された1つまたは複数の移動体と、
前記1つまたは複数の移動体を、前記ロボット外科装置のモーター駆動のトランスミッションに結合するトランスミッションカップリングと、
を備える、前記アダプタ。
【請求項2】
前記窪みの輪郭が、前記ツールの前記近位部分の外部輪郭の少なくとも一部と一致し、前記窪みが、前記近位部分の軸方向回転を可能にし、前記近位部分が前記窪み内にあるときに前記近位部分の横方向移動を制限するようにサイズ決定される、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項3】
前記1つまたは複数の移動体のそれぞれが、前記トランスミッションカップリングを介して独立して作動される、請求項1または請求項2に記載のアダプタ。
【請求項4】
前記窪みが画定され、前記1つまたは複数の移動体及び前記トランスミッションカップリングを含むハウジングを備える、請求項1~3のいずれか1項に記載のアダプタ。
【請求項5】
前記窪みが画定される前記アダプタの少なくとも内側部分が、前記ツールの前記近位部分と共に回転するように構成される、請求項1~4のいずれか1項に記載のアダプタ。
【請求項6】
前記1つまたは複数の移動体が、前記窪みに形成されたへこみを含み、前記へこみが、前記ツールの前記近位部分の制御構成要素に取り付けられるように成形及びサイズ決定される、請求項1~5のいずれか1項に記載のアダプタ。
【請求項7】
前記トランスミッションカップリングが、前記窪みに対して放射状に外部に構成される、請求項1~6のいずれか1項に記載のアダプタ。
【請求項8】
前記近位部分がハンドルから成り、前記制御構成要素が、移動時、前記細長い外科用ツールの少なくとも遠位部分に影響を与える、請求項1~7のいずれか1つに記載のアダプタ。
【請求項9】
前記ハウジングの少なくとも一部が、ハンドルの本体に対して、前記本体の長さの少なくとも一部に沿って、直線状にスライドするように構成される、請求項4に記載のアダプタ。
【請求項10】
前記制御構成要素が、軸方向スライダ、ロック、回転可能なノブのグループからである、請求項4に記載のアダプタ。
【請求項11】
前記トランスミッションカップリングが、前記ロボット装置の前記モーター駆動のトランスミッションによって駆動される親ねじ、ピン、またはロッドに対する取付具を備える、請求項1~10のいずれか1項に記載のアダプタ。
【請求項12】
前記ハウジングが、前記1つまたは複数の移動体を作動させる1つまたは複数のモーターを備える、請求項4に記載のアダプタ。
【請求項13】
前記ハウジングが、前記窪みの長軸の周りで単一のユニットとして回転するように構成される、請求項4に記載のアダプタ。
【請求項14】
前記窪み及び前記1つまたは複数の移動体が、前記トランスミッションカップリングが静止したままである間に回転するように構成される、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項15】
前記ハウジングが、前記ロボット外科装置のハウジングに付着するように配置及び構成された機械的接続部及び/または電気的接続部を備える、請求項4に記載のアダプタ。
【請求項16】
前記1つまたは複数の移動体を前記トランスミッションカップリングから切り離すクラッチを備える、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項17】
前記1つまたは複数の移動体の相対的な位置を示すために構成された少なくとも1つのセンサを備える、請求項1~16のいずれか1項に記載のアダプタ。
【請求項18】
前記少なくとも1つのセンサが光学エンコーダを備える、請求項17に記載のアダプタ。
【請求項19】
アセンブリであって、
請求項1に記載のアダプタと、
前記アダプタによって係合される近位部分を備える細長い外科用ツールと
を備える前記アセンブリ。
【請求項20】
前記近位部分が、前記アダプタの前記窪み内で取り外し自在に受容される、請求項19に記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記細長い外科用ツールがガイドワイヤを備える、請求項19に記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記細長い外科用ツールがマイクロカテーテルを備える、請求項19に記載のアセンブリ。
【請求項23】
細長い外科用ツールの近位マニピュレータを、モーター駆動のロボット外科装置に動作可能に結合する方法であって、
少なくとも1つの細長い外科用ツールを制御及びナビゲートするためのロボット外科装置を提供することと、
前記細長い外科用ツールの前記近位マニピュレータの制御構成要素間で、前記ロボット外科装置のモーター駆動のトランスミッションに結合するために構成されたアダプタを提供することと、
前記マニピュレータの前記制御構成要素を、前記アダプタに対して位置合わせすることと、
前記ロボット外科装置のモーター駆動のトランスミッションに前記アダプタを結合することと、
を含む、前記方法。
【請求項24】
前記アダプタを使用して、前記近位マニピュレータの前記制御構成要素を移動させるために前記ロボット外科装置の前記モーター駆動のトランスミッションを作動させることを含み、前記制御構成要素が、前記細長い外科用ツールのロール、前記細長い外科用ツールの遠位部分の偏向、前記細長い外科用ツールの前記遠位部分の剛性及び/またはサイズの特性の変化の少なくとも1つを発生させる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記移動させることが、前記マニピュレータのスライダ構成要素をスライドさせること、前記マニピュレータの回転構成要素を回転させること、単一ユニットとしてハンドルを回転させることの1つまたは複数を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
利用可能な複数のアダプタの中から、使用のために選択されたツールの特定のマニピュレータのジオメトリ及び機能と一致するアダプタを選択することを含む、請求項23~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記マニピュレータが、前記ツールの近位ハンドルを備える、請求項23~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
システムであって、
少なくとも1つの外科用ツールの操作のために構成されたロボット装置であって、前記少なくとも1つの細長い外科用ツールの移動を作動させるための1つまたは複数のモーターを備える前記ロボット装置と、
前記ロボット装置に動作可能に付着するように構成されたアダプタであって、
前記ロボット装置の前記1つまたは複数のモーターによって作動される移動を伝達するために成形及び構成された第1の部材と、
前記細長い外科用ツールの近位部分の少なくとも一部を受容する、またはそれに取り付けられるように成形及び構成された第2の部材と
を備え、
前記ロボット装置の前記1つまたは複数のモーターによって駆動される前記第1の部材と前記第2の部材の一方または両方の移動が、前記アダプタによって係合される前記近位部分の少なくとも一部の移動を生成する、
前記アダプタと、を備える前記システム。
【請求項29】
前記ロボット装置が、前記細長い外科用ツールの少なくとも遠位部分に影響を与えるために前記アダプタの前記第1の部材及び前記第2の部材の移動を制御するように構成されたコントローラを備える、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記コントローラを制御するためのリモートインターフェイスをさらに備える、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記アダプタが、前記近位部分の構成要素を移動させる複数の移動体を備え、前記移動体が、前記ロボット装置の前記1つまたは複数のモーターによって駆動される、請求項28に記載のシステム。
【請求項32】
前記移動体が、前記ツールの前記近位部分のスライド構成要素の上に取り付けられる取り付け部、前記ツールの前記近位部分の回転可能な構成要素を回転させるように配置されたギアの1つを備える、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
細長い外科用ツールの近位ハンドルをモーター駆動のロボット外科装置に結合するためのアダプタであって、
前記ロボット外科装置のモーターまたはモータートランスミッションを係合するために成形及びサイズ決定された第1のジオメトリと、
前記細長い外科用ツールの前記近位ハンドルの少なくとも一部分を係合するために成形及びサイズ決定された第2のジオメトリと、を備え、
前記第1のジオメトリ及び前記第2のジオメトリが、前記ジオメトリの一方の移動が、他方のジオメトリ、または前記アダプタによって係合された前記近位ハンドルの少なくとも一部の移動を生成するように互いと連動する、
前記アダプタ。
【請求項34】
前記第1のジオメトリ及び前記第2のジオメトリが同軸であり、前記第1のジオメトリが、前記第2のジオメトリの周辺に位置する、請求項33に記載のアダプタ。
【請求項35】
前記第2のジオメトリが、前記アダプタによって係合される前記近位ハンドルの外部輪郭の少なくとも一部と一致する輪郭を有する少なくとも1つの窪みを画定する、請求項33または請求項34に記載のアダプタ。
【請求項36】
前記窪みが、前記近位ハンドルの本体の少なくとも一部を取り囲み、前記近位ハンドルの前記本体に一体的に取り付けられた前記近位ハンドルの少なくとも1つの構成要素をぴったりと係合するようにサイズ決定される、請求項35に記載のアダプタ。
【請求項37】
前記窪みが、前記本体の長さの少なくとも一部に沿って、前記ハンドルの前記本体に対して直線状にスライドするように成形及びサイズ決定される、請求項36に記載のアダプタ。
【請求項38】
前記第2のジオメトリが、前記外科装置のモータートランスミッション要素を受容するための少なくとも1つの窪みを備え、前記モータートランスミッション要素が、前記ロボット装置の前記モーターもしくは前記モータートランスミッションによって駆動される親ねじ、ピン、またはロッドを備える、請求項33に記載のアダプタ。
【請求項39】
前記第1のジオメトリ及び前記第2のジオメトリの少なくとも1つが、前記第1のジオメトリ及び前記第2のジオメトリの共通軸の周りで回転するように構成される、請求項33に記載のアダプタ。
【請求項40】
前記第1のジオメトリ及び前記第2のジオメトリの少なくとも1つが、軸方向にスライドするように構成される、請求項33に記載のアダプタ。
【請求項41】
前記第1のジオメトリ及び前記第2のジオメトリが互いに結合され、前記ジオメトリの一方の移動が、前記他方のジオメトリの類似した移動を生成する、請求項33に記載のアダプタ。
【請求項42】
前記ジオメトリ間の結合が、締まりはめカップリングを備える、請求項41に記載のアダプタ。
【請求項43】
前記ジオメトリ間の結合が、前記他方のジオメトリによる前記ジオメトリの一方の少なくとも部分的な包含を含む、請求項41に記載のアダプタ。
【請求項44】
前記第1のジオメトリ及び前記第2のジオメトリが、単一の一体ユニットの対向する面として形成される、請求項33に記載のアダプタ。
【請求項45】
前記第1のジオメトリ及び前記第2のジオメトリを含んだハウジングを含み、前記ハウジングが、アダプタハウジングの長軸の周りで単一ユニットとして回転するように構成される、請求項33に記載のアダプタ。
【請求項46】
前記ハウジングが、前記ロボット外科装置のハウジングに付着するように配置及び構成された機械的接続部及び/または電気的接続部を備える、請求項45に記載のアダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2019年11月28日に出願された米国仮出願第62/941,842号、及び2020年9月24日に出願された米国仮出願第63/082,508号の優先権の利益を主張し、それらの内容は、全体を参照することにより、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願はまた、「DEVICE FOR AUTOMATICALLY INSERTING AND ADVANCING A MEDICAL TOOL INTO A BODILY LUMEN 」(弁護士整理番号83976)と題する共同提出、同時係属、共同割り当てのPCT出願、及び「MODULAR ROBOTIC SYSTEM FOR DRIVING MOVEMENT OF SURGICAL TOOLS」(弁護士整理番号84910)と題するPCT出願に関し、それらの内容は、全体を参照することにより、本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、外科用ツールのモーター駆動の作動に関し、より具体的には、ただし限定されることなく、細長い管腔内ツールの近位ハンドル部分のモーター駆動の作動に関する。
【0004】
米国特許第US10543047号は、「細長い部材用のロボット計器ドライバは、第1の細長い部材と、第1の細長い部材を操作するように構成された少なくとも1つのマニピュレータ機構と、第1の細長い部材を関節運動するように構成された少なくとも1つの関節式ドライブとを含み、ベッドと患者が接近する場所の傍に配置可能である。マニピュレータと関節式ドライブは、第1の細長い部材の挿入可能な長さよりも短い距離で相互に配置され、所定の位置に固定されている」と開示している。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの実施形態の態様によれば、細長い外科用ツールの近位部分をモーター駆動のロボット外科装置に結合するためのアダプタが提供され、アダプタは、
細長い外科用ツールの近位部分を受容するために成形及びサイズ決定された窪みと、
近位部分の制御構成要素と接触し、それを移動させるように配置された1つまたは複数の移動体と、
1つまたは複数の移動体を、ロボット外科装置のモーター駆動のトランスミッションに結合するトランスミッションカップリングと、
を含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、窪みの輪郭は、ツールの近位部分の外部輪郭の少なくとも一部と一致し、窪みは、近位部分の軸方向回転を可能にし、近位部分が窪み内にあるときに近位部分の横方向移動を制限するようにサイズ決定される。
【0007】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の移動体のそれぞれは、トランスミッションカップリングを介して独立して作動される。
【0008】
いくつかの実施形態では、アダプタは、窪みが画定され、1つまたは複数の移動体及びトランスミッションカップリングを含むハウジングを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、窪みが画定されるアダプタの少なくとも内側部分は、ツールの近位部分と共に回転するように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の移動体は、窪みに形成されたへこみを含み、へこみは、ツールの近位部分の制御構成要素に取り付けられるように成形及びサイズ決定される。
【0011】
いくつかの実施形態では、トランスミッションカップリングは、窪みに対して放射状に外部に構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、近位部分はハンドルから成り、制御構成要素は、移動時、細長い外科用ツールの少なくとも遠位部分に影響を与える。
【0013】
いくつかの実施形態では、ハウジングの少なくとも一部は、本体の長さの少なくとも一部に沿って、ハンドルの本体に対して直線状にスライドするように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、制御構成要素は、軸方向スライダ、ロック、回転可能なノブのグループからである。
【0015】
いくつかの実施形態では、トランスミッションカップリングは、ロボット装置のモーター駆動のトランスミッションによって駆動される親ねじ、ピン、またはロッドに対する取付具を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、1つまたは複数の移動体を作動させる1つまたは複数のモーターを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、窪みの長軸の周りで単一のユニットとして回転するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、窪み及び1つまたは複数の移動体は、トランスミッションカップリングが静止したままである間に回転するように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、ロボット外科装置のハウジングに付着するように配置及び構成された機械的接続部及び/または電気的接続部を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、アダプタは、1つまたは複数の移動体をトランスミッションカップリングから切り離すクラッチを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、アダプタは、1つまたは複数の移動体の相対的な位置を示すために構成された少なくとも1つのセンサを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサは光学エンコーダを含む。
【0023】
いくつかの実施形態の態様によれば、例えば本明細書に記載のアダプタ、及びアダプタによって係合される近位部分を含む細長い外科用ツールを含むアセンブリが提供される。
【0024】
いくつかの実施形態では、近位部分は、アダプタの窪み内で取り外し自在に受容される。
【0025】
いくつかの実施形態では、細長い外科用ツールはガイドワイヤを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、細長い外科用ツールはマイクロカテーテルを含む。
【0027】
いくつかの実施形態の態様によれば、細長い外科用ツールの近位マニピュレータを、モーター駆動のロボット外科装置に動作可能に結合する方法が提供され、
少なくとも1つの細長い外科用ツールを制御及びナビゲートするためのロボット外科装置を提供することと、
細長い外科用ツールの近位マニピュレータの制御構成要素間で、ロボット外科装置のモーター駆動のトランスミッションに結合するために構成されたアダプタを提供することと、
マニピュレータの制御構成要素を、アダプタに対して位置合わせすることと、
アダプタをロボット外科装置のモーター駆動のトランスミッションに結合することと、を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、方法は、アダプタを使用して、近位マニピュレータの制御構成要素を移動させるためにロボット外科装置のモーター駆動のトランスミッションを作動させることを含み、制御構成要素は、細長い外科用ツールのロール、細長い外科用ツールの遠位部分の偏向、細長い外科用ツールの遠位部分の剛性及び/またはサイズの特性の変化の少なくとも1つを発生させる。
【0029】
いくつかの実施形態では、移動させることは、マニピュレータのスライダ構成要素をスライドさせること、マニピュレータの回転構成要素を回転させること、単一ユニットとしてハンドルを回転させることの1つまたは複数を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、方法は、利用可能な複数のアダプタの中から、使用のために選択されたツールの特定のマニピュレータのジオメトリ及び機能と一致するアダプタを選択することを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、マニピュレータは、ツールの近位ハンドルを含む。
【0032】
いくつかの実施形態の態様によれば、
少なくとも1つの外科用ツールの操作のために構成されたロボット装置であって、少なくとも1つの細長い外科用ツールの移動を作動させるための1つまたは複数のモーターを備えるロボット装置と、
ロボット装置に動作可能に付着するように構成されたアダプタであって、
ロボット装置の1つまたは複数のモーターによって作動される移動を伝達するために成形及び構成された第1の部材と、
細長い外科用ツールの近位部分の少なくとも一部を受容する、またはそれに取り付けられるように成形及び構成された第2の部材と、
を含み、
ロボット装置の1つまたは複数のモーターによって駆動される第1の部材と第2の部材の一方または両方の移動が、アダプタによって係合される近位部分の少なくとも一部の移動を生成する、アダプタとを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、ロボット装置は、細長い外科用ツールの少なくとも遠位部分に影響を与えるためにアダプタの第1の部材及び第2の部材の移動を制御するように構成されたコントローラを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、システムは、コントローラを制御するためのリモートインターフェイスをさらに含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、アダプタは、近位部分の構成要素を移動させる複数の移動体を含み、移動体は、ロボット装置の1つまたは複数のモーターによって駆動される。
【0036】
いくつかの実施形態では、移動体は、ツールの近位部分のスライド構成要素の上に取り付けられる取り付け部、ツールの近位部分の回転可能な構成要素を回転させるように配置されたギアの1つを含む。
【0037】
いくつかの実施形態の態様によれば、細長い外科用ツールの近位ハンドルをモーター駆動のロボット外科装置に結合するためのアダプタが提供され、アダプタは、
ロボット外科装置のモーターまたはモータートランスミッションを係合するために成形及びサイズ決定された第1のジオメトリと、
細長い外科用ツールの近位ハンドルの少なくとも一部分を係合するために成形及びサイズ決定された第2のジオメトリと、を含み、
第1のジオメトリ及び第2のジオメトリは、ジオメトリの一方の移動が、他方のジオメトリ、またはアダプタによって係合された近位ハンドルの少なくとも一部の移動を生成するように互いと連動する。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1のジオメトリ及び第2のジオメトリは同軸であり、第1のジオメトリは、第2のジオメトリの周辺に位置する。
【0039】
いくつかの実施形態では、第2のジオメトリは、アダプタによって係合される近位ハンドルの外部輪郭の少なくとも一部と一致する輪郭を有する少なくとも1つの窪みを画定する。
【0040】
いくつかの実施形態では、窪みは、近位ハンドルの本体の少なくとも一部を取り囲み、近位ハンドルの本体に一体的に取り付けられた近位ハンドルの少なくとも1つの構成要素をぴったりと係合するようにサイズ決定される。
【0041】
いくつかの実施形態では、窪みは、本体の長さの少なくとも一部に沿って、ハンドルの本体に対して直線状にスライドするように成形及びサイズ決定される。
【0042】
いくつかの実施形態では、第2のジオメトリは、外科装置のモータートランスミッション要素を受容するための少なくとも1つの窪みを含み、モータートランスミッション要素は、ロボット装置のモーターもしくはモータートランスミッションによって駆動される親ねじ、ピン、またはロッドを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、第1のジオメトリ及び第2のジオメトリの少なくとも1つは、第1のジオメトリ及び第2のジオメトリの共通軸の周りで回転するように構成される。
【0044】
いくつかの実施形態では、第1のジオメトリ及び第2のジオメトリの少なくとも1つは、軸方向にスライドするように構成される。
【0045】
いくつかの実施形態では、第1のジオメトリ及び第2のジオメトリは互いに結合され、ジオメトリの一方の移動は、他方のジオメトリの類似した移動を生成する。
【0046】
いくつかの実施形態では、ジオメトリ間の結合は、締まりはめカップリングを含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、ジオメトリ間の結合は、他方のジオメトリによるジオメトリの一方の少なくとも部分的な包含を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、第1のジオメトリ及び第2のジオメトリは、単一の一体ユニットの対向する面として形成される。
【0049】
いくつかの実施形態では、アダプタは、第1のジオメトリ及び第2のジオメトリを含んだハウジングを含み、ハウジングは、アダプタハウジングの長軸の周りで単一ユニットとして回転するように構成される。
【0050】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、ロボット外科装置のハウジングに付着するように配置され、構成された機械的接続部及び/または電気的接続部を含む。
【0051】
別段に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術的及び/または科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様または同等の方法及び材料を、本発明の実施形態の実践または試験で使用することができるが、例示的な方法及び材料を以下に記載する。矛盾する場合には、定義を含めて、特許明細書が優先する。加えて、材料、方法、及び実施例は例示のみであり、必ずしも限定することを意図していない。
【0052】
本発明の実施形態の方法及び/またはシステムの実施は、選択されたタスクを手動で、自動的に、またはそれらの組み合わせで実行または完了することを含み得る。さらに、本発明の方法及び/またはシステムの実施形態の実際の機器及び装備によれば、いくつかの選択されたタスクは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはオペレーティングシステムを使用するそれらの組み合わせによって実装され得る。
【0053】
例えば、本発明の実施形態による選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップまたは回路として実装され得る。ソフトウェアとして、本発明の実施形態による選択されたタスクは、任意の適切なオペレーティングシステムを使用してコンピュータによって実行される複数のソフトウェア命令として実施することができる。本発明の例示的な実施形態では、本明細書に記載の方法及び/またはシステムの例示的な実施形態による1つまたは複数のタスクは、複数の命令を実行するためのコンピューティングプラットフォームなどのデータプロセッサによって実行される。任意選択で、データプロセッサは、命令及び/またはデータを格納するための揮発性メモリ、及び/または命令及び/またはデータを格納するための不揮発性ストレージ、例えば、磁気ハードディスク及び/またはリムーバブルメディアを含む。任意選択で、ネットワーク接続も設けられる。任意選択で、ディスプレイ及び/またはキーボードやマウスなどのユーザー入力デバイスも設けられる。
【0054】
本明細書では、本発明の一部の実施形態が、単に例示として、添付の図面を参照しながら、説明されている。これより詳細に図面を参照することで、示されている詳細は、例示をするものであり、本発明の実施形態を例示的に考察することを目的としているということを強調している。これに関して、図面と共に得られる説明は、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1A】いくつかの実施形態による、細長い外科用ツールのハンドルを外科用ロボット装置に結合し、細長い外科用ツールの遠位部分に影響を与えるためにロボット装置を介してハンドルを操作するための機構の概略図である。
【
図1B】いくつかの実施形態による、細長い外科用ツールのハンドルをモーター駆動の作動に結合するアダプタの概略図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、細長い外科用ツールのハンドルを外科用ロボット装置に動作可能に結合するための一般的な方法のフローチャートである。
【
図3】いくつかの実施形態による、細長い外科用ツールの近位部分(例えば、ハンドル)を係合及び制御するために構成された外科用ロボットシステムのブロック図である。
【
図4】A~Bは、いくつかの実施形態による、患者に対して配置されたロボット外科用システムの等角図及び側面図である。
【
図5】A~Bは、いくつかの実施形態による、細長い外科用ツールの近位ハンドルを外科用ロボット装置に結合するためのアダプタの断面図である。
【
図6】A~Bは、いくつかの実施形態による、細長い外科用ツールの近位ハンドルを外科用ロボット装置に結合するためのアダプタの断面図である。
【
図7】A~Cは、いくつかの実施形態による、ハンドルを外科用ロボット装置に結合するために、細長い外科用ツールのハンドルが受容されるアダプタの代替構成の例を概略で示す。
【
図8】A~Fは、いくつかの実施形態による、例えば
図7Bに記載のアダプタ内での細長い外科用ツールのハンドルの様々な位置、及び細長い外科用ツールの遠位端部に対する対応する結果的な影響を概略で示す。
【
図9A】いくつかの実施形態による、細長い外科用ツールの近位ハンドルを係合するための例示的な機構の等角図(
図9A、
図9C)である。
【
図9B】いくつかの実施形態による、細長い外科用ツールの近位ハンドルを係合するための例示的な機構の断面図(
図9B、
図9D)である。
【
図9C】いくつかの実施形態による、細長い外科用ツールの近位ハンドルを係合するための例示的な機構の等角図(
図9A、
図9C)である。
【
図9D】いくつかの実施形態による、細長い外科用ツールの近位ハンドルを係合するための例示的な機構の断面図(
図9B、
図9D)である。
【
図10A】いくつかの実施形態による、
図10Aに示されるガイドワイヤハンドルのモーター駆動の移動を係合及び作動させるための機構の第1の例を示す。
【
図10B】いくつかの実施形態による、
図10Aに示されるガイドワイヤハンドルのモーター駆動の移動を係合及び作動させるための機構の第1の例を示す。
【
図10C】いくつかの実施形態による、
図10Aに示されるガイドワイヤハンドルのモーター駆動の移動を係合及び作動させるための機構の第1の例を示す。
【
図10D】いくつかの実施形態による、
図10Aに示されるガイドワイヤハンドルのモーター駆動の移動を係合及び作動させるための機構の第1の例を示す。
【
図10E】いくつかの実施形態による、
図10Aに示されるガイドワイヤハンドルのモーター駆動の移動を係合及び作動させるための機構の第1の例を示す。
【
図11A】いくつかの実施形態による、
図11Aに示されるガイドワイヤハンドルのモーター駆動の移動を係合及び作動させるための機構の第2の例を示す。
【
図11B】いくつかの実施形態による、
図11Aに示されるガイドワイヤハンドルのモーター駆動の移動を係合及び作動させるための機構の第2の例を示す。
【
図11C】いくつかの実施形態による、
図11Aに示されるガイドワイヤハンドルのモーター駆動の移動を係合及び作動させるための機構の第2の例を示す。
【
図11D】いくつかの実施形態による、
図11Aに示されるガイドワイヤハンドルのモーター駆動の移動を係合及び作動させるための機構の第2の例を示す。
【
図11E】いくつかの実施形態による、
図11Aに示されるガイドワイヤハンドルのモーター駆動の移動を係合及び作動させるための機構の第2の例を示す。
【
図12A】いくつかの実施形態による、
図12A(近位ハンドルを有さない)に示されるガイドワイヤの近位部分のモーター駆動の移動を係合及び作動させるための機構の第3の例を示す。
【
図12B】いくつかの実施形態による、
図12A(近位ハンドルを有さない)に示されるガイドワイヤの近位部分のモーター駆動の移動を係合及び作動させるための機構の第3の例を示す。
【
図12C】いくつかの実施形態による、
図12A(近位ハンドルを有さない)に示されるガイドワイヤの近位部分のモーター駆動の移動を係合及び作動させるための機構の第3の例を示す。
【
図12D】いくつかの実施形態による、
図12A(近位ハンドルを有さない)に示されるガイドワイヤの近位部分のモーター駆動の移動を係合及び作動させるための機構の第3の例を示す。
【
図12E】いくつかの実施形態による、
図12A(近位ハンドルを有さない)に示されるガイドワイヤの近位部分のモーター駆動の移動を係合及び作動させるための機構の第3の例を示す。
【
図13】A~Bは、いくつかの実施形態による、細長い外科用ツールのハンドルのモーター駆動の移動を係合及び作動させるためのアダプタのハウジングを示す。
【
図14】いくつかの実施形態による、細長い外科用ツールの近位ハンドルを結合するためにアダプタを動作可能に係合するように構成された外科用ロボット装置のモジュールを概略で示す。
【
図15】いくつかの実施形態による「二重スレッド」の近位部分のモーター係合を概略で示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、細長い外科用ツールのモーター駆動の作動に関し、より具体的には、ただし限定されることなく、例えば、ツールのハンドルの、またはツールの他の近位マニピュレータのなど、細長い外科用ツールの近位部分のモーター駆動の作動に関する。
【0057】
いくつかの実施形態の広範な態様は、細長い外科用ツールの近位部分のロボット操作に関する。いくつかの実施形態では、ツールの近位部分(一般に手動操作用に構成されたマニピュレータまたはハンドル)は、ツールの近位部分の、及び/またはこの部分の選択された構成要素の移動を駆動するための1つまたは複数のモーターを含むロボットシステムに動作可能に取り付けられる。
【0058】
いくつかの実施形態の態様は、例えば、ガイドワイヤ及び/またはマイクロカテーテルなどの細長い外科用ツールの近位部分と、ツールの移動を作動させるために構成されたロボットシステムとの間の接合部分に関する。いくつかの実施形態では、接合部分は、近位部分を、ロボットシステムの1つまたは複数のモーターまたはモータートランスミッション要素に動作可能に結合するために成形及び構成されたアダプタの形をとる。
【0059】
いくつかの実施形態では、アダプタは、ツールの近位部分を機械的に及び/または電気的に係合するように構成される。いくつかの実施形態では、アダプタは、モーター駆動の作動力を伝達するように構成されたロボットシステムの1つまたは複数の要素(ねじ歯車、ロッド、歯車など)と連動するために成形及び構成された第1のジオメトリ(本明細書で「第1の部分」または「第1の部材」とも呼ばれる)、及びツールの近位部分と連動するために成形及び構成された第2のジオメトリ(本明細書で「第2の部分」または「第2の部材」とも呼ばれる)を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、第1のジオメトリは、トランスミッションカップリングを含み、第2のジオメトリはトランスミッションカップリングを介して作動され、近位部分の制御部分に接触する、例えば移動時にツールを作動させる近位部分の制御構成要素に接触するように配置される1つまたは複数の移動体を含む。いくつかの実施形態では、移動体は、窪みまたはへこみ(アダプタの内壁内に形成されるなど)から成り、移動体は、ツール近位部分の制御構成要素と接触し、この窪みまたはへこみが画定されるアダプタの少なくとも一部分の移動時に、制御構成要素を移動させる。ハンドルの例示的な制御構成要素は、スライダ(例えば、移動時に、ツール先端の偏向を生じさせる)及び/またはノブ(例えば、回転時に、ツール軸の周りでのツールのロールを発生させる)を含み得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、第2のジオメトリは、近位部分の外側輪郭、例えば把持可能なハンドルの少なくとも一部の外側輪郭と一致するように成形される。例えば、第2のジオメトリは、近位ハンドルの本体が受容される主要な窪み、及び例えば、スライダ、ロック、回転可能なノブなどの、ハンドル本体と一体であるハンドル構成要素が受容され得る窪みの少なくとも1つの延長部を含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、主要な窪みは、窪み内の受容される近位部分の少なくとも一部を支持するように成形及び配置されるアダプタハウジングの内壁によって画定される。いくつかの実施形態では、窪みは、近位部分とぴったりと係合するようにサイズ決定され、任意選択で、係合されている特定のツールの近位部分に応じて成形及びサイズ決定される。
【0063】
いくつかの実施形態では、窪みを画定するアダプタハウジングの内壁は、アダプタの移動体によって近位部分に加えられる力に対抗するために配置される。例えば、窪みの壁は、ハンドルのスライダがアダプタの移動体によって圧縮及び押されているときに、ハンドルの本体の軸方向の移動を制限する。いくつかの実施形態では、窪みは、長軸の周りでの近位部分の回転を提供するが、窪み内での近位部分の軸方向の移動及び/または横方向の(斜めの)移動を防ぐように成形及びサイズ決定される。いくつかの実施形態では、窪みは、所定数のハンドル位置、及び/またはハンドル制御構成要素の所定の移動の範囲のみを可能にし、他の移動を制限するように成形される。いくつかの実施形態では、アダプタの移動体は、任意選択でアダプタハウジングによってその移動の範囲で制限される。例えば、軸方向の枢動範囲で制限され、回転の程度で制限される。
【0064】
いくつかの実施形態では、アダプタハウジングの少なくとも一部は、窪み内に受容される近位部分の本体に対して直線状にスライドするように構成される。任意選択で、ハウジングの一部の移動は近位部分の本体に対して近位部分制御構成要素を移動させ、例えばハンドル本体に対してハンドルのスライダを押すまたは退縮させる。
【0065】
いくつかの実施形態では、第1のジオメトリ及び第2のジオメトリは同軸である。いくつかの実施形態では、第1のジオメトリは、第2の(内側)ジオメトリに対して外側に放射状に配置される。いくつかの実施形態では、外側ジオメトリの1つまたは複数の壁は、内側ジオメトリを少なくとも部分的に包むように延び、または逆も同様であり、したがってジオメトリの1つの移動は、第2のジオメトリのそれぞれの移動を生成する。
【0066】
いくつかの実施形態では、アダプタによって係合されるツールの近位部分における制御構成要素は、第1のジオメトリと第2のジオメトリとの間で相対的な移動を生成することによって、近位部分の本体に対して移動する。いくつかの実施形態では、移動は、回転を含む(例えば、第1のジオメトリが静止している間の第2のジオメトリの回転、第2のジオメトリが静止している間の第1のジオメトリの回転、両方のジオメトリの回転)を含む。いくつかの実施形態では、移動は、内側ジオメトリと外側ジオメトリの一方または両方の軸方向の前進及び/または退縮を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、近位部分(1つまたは複数の一体構成要素を含む)は、例えば近位部分長軸の周りで回転するなど、アダプタによって単一のユニットとして移動される。
【0068】
一例では、細長い外科用ツールの近位部分は、本体(例えば、円筒形の本体)、及び本体に取り付けられ、(例えば、ツールの、例えばガイドワイヤの遠位先端部の偏向を生じさせるために)ハンドル本体の少なくとも一部に沿って軸方向に移動するように構成されたスライダを有するハンドルを含む。このハンドルをロボット装置の1つまたは複数のモーターに動作可能に結合するためのアダプタは、ハンドルの少なくとも一部が受容されるハウジング、ハンドルの外部輪郭の少なくとも一部と一致し、スライダをぴったりと取り囲む内側ジオメトリ、及びロボット装置から延び、ロボット装置の1つまたは複数のモーターによって駆動される(例えば、前進または退縮される)親ねじまたはピンに取り付けられた外側ジオメトリから成り得る。使用中、親ねじまたはピンの直線移動は、外側ジオメトリを共に直線状に運ぶ。アダプタの外側ジオメトリは(少なくとも部分的なエンクロージャ及び/または締まりばめカップリングを介してなど)アダプタの内側ジオメトリと連動するので、外側ジオメトリの直線移動は、内側ジオメトリの移動も生じさせ、それによってスライダを、静止したままであるハンドルの本体に対してスライドさせる。別の使用例では、アダプタはハンドル全体としての回転を生成するために(全体として、または内側ジオメトリのみのどちらかで)回転し、細長いツールの長軸の周りでの細長いツールのロールを発生させる。別の例では、ハンドルは、細長いツール先端のロールの微調整のための回転可能なノブを含み、ノブは、次にノブを回転させるアダプタの移動体(例えば、歯車)によって係合される。
【0069】
いくつかの実施形態の態様は、ロボットシステムを介した細長い外科用ツールの近位部分の操作に関する。いくつかの実施形態では、近位部分は、システムの1つまたは複数のコントローラによって制御される。任意選択で、近位部は、遠隔制御装置を介して遠隔制御される。いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、(例えば、近位部分に対して遠位に位置するガイドワイヤのあまり近位ではない部分を駆動するために)近位部分から延びるツールのより遠位の部分、及び任意選択で追加のツール(例えば、マイクロカテーテル、ガイドカテーテル)の操作のためにさらに構成される。いくつかの実施形態では、ツールの近位部分の操作(アダプタを介してなど)は、例えばツールの軸方向の前進及び/または退縮、ツールのロールなど、このツールに対してロボットシステムによって実施される他の操作と調整される。ツールのより遠位の部分の操作と連携して近位部分を制御することの潜在的な利点は、ツールの最も遠位部分に対する細かな制御を獲得または改善すること、例えばツール先端の移動の細かな制御を獲得または改善することを含み得る。ツールのより遠位の部分の操作と連携して近位部分を制御することの潜在的な利点は、ツールだけを回転させ、近位端部をそれと共に受動的に回転させる代わりに、例えば、より遠位の場所で近位端部とツール自体の両方を回転させることによって、そのような操作を実行するための追加のサポートを含み得、または回転操作を妨害することさえある。
【0070】
いくつかの実施形態の態様は、それぞれの様々なツール近位部構成を係合するための様々なアダプタ構成の提供に関する。いくつかの実施形態では、様々なアダプタ構成は、様々な単一ユニットアダプタの形で、またはそれぞれが、同じ外側アダプタジオメトリ(すなわち、様々なアダプタ構成に共通である外側アダプタジオメトリ)と連動する異なる内側アダプタジオメトリを有する様々な2部アダプタのどちらかとして提供される。単一ユニットアダプタとして提供されるのか、それとも2部アダプタとして提供されるのかに関わらず、様々な構成のそれぞれは、構造及び機能の両方においてツールの近位端部と一致するように構成される。
【0071】
いくつかの実施形態では、アダプタは、それぞれが近位端部構成要素を係合するように成形及び構成された複数の移動体、例えばスライダに取り付けられたスライド可能な取り付け部として構成された移動体、近位部分に位置するノブを回転させるための回転ギアとして構成された移動体を含む。いくつかの実施形態では、移動体は、近位部分を保持するための窪みと一体であり、かつ近位端部の制御構成要素と適合するサイズ及び形状を有する。例えば、移動体は、近位部分が受容される窪みから放射状に外側に延びるへこみとして形成される。一例では、窪み内のへこみは、ハンドルのスライダに取り付けられるように成形及びサイズ決定される。いくつかの実施形態では、アダプタは、移動体の、及び/またはアダプタ部分の、及び/またはアダプタ全体の移動を作動させるロボットシステムの1つまたは複数のモーターに、近位部分を直接的にまたは間接的に(機械的な伝達を介してなど)取り付ける。追加的にまたは代替的に、アダプタは1つまたは複数の統合モーターを含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、アダプタの移動体による近位部分の構成要素の操作は、ツールの近位部分の設計に固有である移動のタイプ及び/または範囲及び/または速度と一致するように設定される。任意選択で、アダプタの移動体による近位部分構成要素の操作(例えば、スライダの押下、ノブの回転)は、近位部分構成要素の移動の範囲及び/または方向及び/または程度と一致するように、増分で実行される、及び/またはある程度選択される。
【0073】
いくつかの実施形態では、近位部分構成要素の移動は、これらの構成要素の較正された(ホーム)位置、例えば、それが移動自在に取り付けられる近位部分の本体に対する近位部分構成要素の位置(例えば、ハンドル本体の長手方向範囲に沿ったスライダ位置)などに対して実行される。任意選択で、較正された位置は、近位部分に固有であり、アダプタ移動体はそれに応じて事前に設定される。いくつかの実施形態では、事前設定は、アダプタの移動体を作動させて、移動体を、近位部分構成要素がそのホームポジションにある位置に配置する(任意選択で返す)1つまたは複数のモーターを制御することによる。ホームポジションに返すことは、いくつかの実施形態では、システムをオン及び/またはオフにするとき、アダプタ及び近接部分の係合時、及び/または他など、自動的に行われる。
【0074】
いくつかの実施形態では、ユーザー(例えば、医師、技術者)は、どの近位部分のタイプが使用されているのかをシステムに入力し、アダプタ及び/またはその移動体の作動パラメータはそれに応じて設定される。追加的にまたは代替的に、システムは使用されている近位部分(例えば、ハンドル、トルクユニット)のタイプ(例えば、構造)を認識し、作動パラメータはそれに応じて設定される。システムは、近接センサ、磁気センサ、エンコーダなどの1つまたは複数のセンサを使用して、近位部分の存在を認識し得る(例えば、アダプタへの接続を認識し得る)、及び/または近位部分のタイプ及び/または形状を識別し得る。いくつかの実施形態では、システムは、撮像手段を使用して、近位部分の存在及び/またはタイプ及び/または形状を認識する。いくつかの実施形態では、システムは、RFIDタグなど、識別手段を使用して、近位部分の存在及び/またはタイプ及び/または形状を認識する。
【0075】
いくつかの実施形態では、アダプタは、アダプタ移動体の手動操作を可能にする及び/または近位部分構成要素の直接的な手動操作のための近位部分への接近を可能にするように構造化される。
【0076】
いくつかの実施形態では、アダプタは、ユーザーがそれを通してアダプタの移動体に手で接触し得る、及び/または近位部分構成要素に直接接触し得る取り外し可能なカバーを含む。任意選択で、手動操作が実行される場合、アダプタ移動体のモーター作動は、例えばモーターを移動体から、及び/またはモーターからアダプタ移動体に力を伝達する1つまたは複数の力伝達要素から切り離すクラッチによって停止される。
【0077】
いくつかの実施形態では、アダプタは、近位部分の手動操作を提供するためになど、近位部分を解放するためのクイックイジェクト機構を含む。
【0078】
ガイドワイヤに関して本明細書でいくつかの例が説明されているが、例えば説明されるような機構及び/または方法は、その移動及び/または機械的特性が、ツールのハンドルのなど、ツールの近位部分の操作によって影響を受ける、例えばマイクロカテーテル、操作可能なカテーテル、ステントレトリーバー、及び/または任意の他の細長いツールなど、任意の細長い外科用ツールと共に使用し得ることに留意されたい。
【0079】
本明細書で言及されるように、ツール「近位部分」または「ハンドル」は、例えば、任意選択でツールの遠位先端のより遠位のツール部分の移動及び/または機械的な特性(例えば、剛性)に影響を与える及び/または制御するために構成されたツール部分を含み得る。例えば、ツール(例えば、スライダ、ノブ)の近位部分での制御構成要素は、作動時、ツールの遠位先端の偏向、ツールの遠位先端の回転(例えば、ロール)を生じさせるように構成される。
【0080】
いくつかの実施形態では、近位部分(いくつかの実施形態では、ハンドル)は、把持可能な、またはそれ以外の場合手動で係合可能な部分を含む。任意選択で、近位部分は、一般に、手動で操作される(例えば、ユーザーの手及び/または指で係合される)。いくつかの実施形態では、近位部分は、細長い外科用ツールの最も近位な端部にある。
【0081】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明が、以下の説明に記載される、及び/または図面及び/または実施例に示される、構成要素及び/または方法の構成及び配置の詳細について、その適用において、必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態も可能であるし、または様々な方法で実践または実施することができる。
【0082】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用が、以下の説明に記載されているか、または実施例によって例示されている詳細に必ずしも限定されないことを理解すべきである。本発明は、他の実施形態も可能であるし、または様々な方法で実践または実施することができる。
【0083】
例示的なアダプタの結合及び操作
ここで図面を参照すると、
図1Aは、いくつかの実施形態による、例示的なガイドワイヤハンドルを外科用ロボット装置に結合し、ロボット装置を介してハンドルを操作するための機構101の概略図である。
【0084】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤハンドルは、アダプタ105を介して、例えば、ロボット装置103の1つまたは複数のモーターになど、ロボット装置に動作可能に結合される。
【0085】
いくつかの実施形態では、アダプタ105は、ロボット装置の1つまたは複数のモーターに(及び/またはモータートランスミッションに)ハンドルを動作可能に結合するために、ガイドワイヤハンドルに係合するように成形及び構成される。いくつかの実施形態では、アダプタは、ロボット装置の1つまたは複数のモーターに(またはモータートランスミッションに)付着するように成形された第1のモーター係合ジオメトリ109、及びその中でガイドワイヤハンドルに付着するまたは受容するように成形された第2のハンドル係合ジオメトリ107を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、モーター(複数可)103は、外科用ロボット装置のコントローラ111によって制御される。いくつかの実施形態では、コントローラは、ユーザーインターフェイスデバイス(例えば、遠隔制御装置)と通信しており、ユーザーインターフェイスデバイスから命令を受信し、それに応じてモーター(複数可)を作動させるようにプログラムされる。
【0087】
いくつかの実施形態では、使用中、アダプタと係合したガイドワイヤハンドルの1つまたは複数の構成要素の操作は、外科用デバイスのモーター(複数可)または関連するトランスミッションを作動させることによって実行される。いくつかの実施形態では、アダプタは、スライダ要素、回転可能なノブ、プッシュボタン、可動ロックなど1つまたは複数のハンドル構成要素に動作可能に接触するように成形される。コントローラによるロボット装置モータ(複数可)の作動時、モーター係合ジオメトリは移動し、それによってハンドル係合ジオメトリの移動を生成し、ハンドル係合ジオメトリは、次にガイドワイヤハンドルの構成要素を移動させる。
【0088】
いくつかの実施形態では、ハンドル構成要素の移動は、ガイドワイヤ113のより遠位の部分及び/または遠位先端に影響を与える。例えば、ハンドル構成要素の移動は、ガイドワイヤのロール(すなわち、ガイドワイヤ長軸の周り)、ガイドワイヤの遠位部分の偏向、ガイドワイヤ剛性の変化(例えば、複数のスレッドから成るガイドワイヤ内のスレッドを前進または退縮させる、例えば二重スレッドガイドワイヤ内のスレッドを変位させることによって)、ツール直径の拡大(例えば、任意選択で注入によって、流体をツールに導入することによって)、元はツール内部に包み込まれていた構造の展開などのガイドワイヤ操作を発生させる。
【0089】
図1Bは、いくつかの実施形態による、ガイドワイヤハンドルをモーター駆動の作動に結合するアダプタの概略図である。
【0090】
いくつかの実施形態では、アダプタ151は、ガイドワイヤ153の近位部分(例えば、ハンドル160を外科用ロボット装置169に結合するように構成される。
【0091】
いくつかの実施形態では、アダプタ151は、ガイドワイヤハンドルの少なくとも一部が受容される窪み159を画定するハウジング150を含む。いくつかの実施形態では、ハウジングは、窪み内に受容されたガイドワイヤハンドルの1つまたは複数の制御構成要素を機械的に係合するように配置及び構成された移動体161、163などの少なくとも1つの移動体を収容する。いくつかの実施形態では、移動体は、回転し、スライドし、及び/またはそれ以外の場合、ハンドル構成要素の移動を生成するために移動するように構成される。いくつかの実施形態では、各移動体は、独立してトランスミッションに結合される。任意選択で、移動体は、互いと関係なく作動する。
【0092】
図示の例では、移動体161は、ハンドルのスライダ164に接触して配置され、その結果、移動体161は、作動時、スライダを移動させ、移動体163は、ハンドルの回転可能なノブ166に接触して配置され、その結果、移動体163は、作動時、ノブを回転させる。
【0093】
いくつかの実施形態では、移動体(複数可)の電気的な及び/または機械的な作動は、外科用ロボット装置169の1つまたは複数のモーター165によって、及び/またはモータートランスミッション167を介してである。
【0094】
いくつかの実施形態では、モータートランスミッション要素は、親ねじ、ロッド、ギア、及び/またはモーターの移動をアダプタの1つまたは複数の移動体に機械的に伝達するために適した任意の他の要素を含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、窪み159でのハウジング150の内壁は、ハンドル160の輪郭と一致するように成形される。任意選択で、ハンドルは、例えば、窪み内にぴったりと受容され、その結果、窪み内部のハンドルの横方向の移動は防がれる。いくつかの実施形態では、ハンドルは、窪み内部でその軸の周りで回転してもよい。
【0096】
いくつかの実施形態で、ハウジングの内壁は、例えばハンドルの本体などハンドルを、少なくとも2つの面から支持する。いくつかの実施形態で、ハンドルは、ハウジングの内壁がハンドルに加えられる力、例えば移動体161、163によって加えられる力に対抗するように、窪み内に受容される。一例では、移動体161は、スライダを軸方向に移動させるためにスライダ164上に圧縮され、一方、ハンドルの本体は、窪みでハウジングの壁によって保持及び支持されたままであるため、ハンドル本体は移動せず、スライダだけが移動する。いくつかの実施形態では、アダプタ151は、測定する、またはそれ以外の場合、例えば、ハンドルが窪み内部に受容されたかどうか、ハンドルに対する移動体(複数可)の位置、ハンドル構成要素の位置(例えば、スライダの軸方向の位置、ノブの回転角度)を示すように構成された1つまたは複数のセンサ170を含む。いくつかの実施形態では、移動体の相対的な位置は、モーターの及び/またはモータートランスミッションの位置を感知することにより示され、これにより移動体が作動する(例えば、モーター回転をカウントするカウンタを介して)。いくつかの実施形態では、移動体の及び/またはハンドル構成要素の位置は、例えば、光学エンコーダなどのエンコーダを使用して感知される。一例では、エンコーダは、ハンドルスライダを押す移動体が移動する軸方向経路に沿って構成され、軸方向の移動の範囲を測定し、任意選択で、その距離範囲をシステムコントローラに通信するように構成される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のセンサは、例えば移動体を装置モーターに結合するピンまたはロッド上になど、移動体のトランスミッション上に統合される、及び/または取り付けられる。
【0097】
いくつかの実施形態では、アダプタ151は、例えば電池など、統合された給電手段162を含む。任意選択で、給電手段は、アダプタの移動体に、及び/または1つまたは複数のセンサに電力を供給する。一例では、電池は、アダプタの使用時にのみ作動する。具体例では、亜鉛空気型電池は、空気に曝されると作動し、例えば、窪みへのハンドルの挿入により、電池を覆うスリップが移動し、電池を露出させて、電池を作動させ得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ153の少なくとも一部は、ロボット装置169内で動作可能に受容される。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの最も近位の部分(例えば、ハンドル)はアダプタ151内に受容され、ガイドワイヤの中間部分は、ロボット装置169内に受容され、ガイドワイヤの遠位部分は延びて、患者の体内に挿入される。
【0099】
いくつかの実施形態では、ロボット装置169は、ガイドワイヤを操作するように、例えば、ガイドワイヤを転がす、及び/またはガイドワイヤを軸方向に移動させる(すなわち、前進及び/または退縮させる)ように構成される。
【0100】
いくつかの実施形態では、ロボット装置169は、ハンドルに遠位の場所でガイドワイヤを係合して、ガイドワイヤの移動を作動させる、ホイールなど、ツール移動要素を含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、ロボット装置169は、例えば、ガイドワイヤ、マイクロカテーテル、誘導カテーテルなど、複数の細長い外科用ツールの移動を受容し、作動させるように構成される。
【0102】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤハンドルを介したガイドワイヤの操作は、例えば本明細書に記載されるように、ロボット装置によって実施されるガイドワイヤの移動と連携(例えば、同期)される。例えば、ガイドワイヤのロールがガイドワイヤハンドルを介して作動される場合、ロボットデバイスのツール移動要素は、ガイドワイヤのより遠位の部分の類似したロールを発生させるように作動され得、ガイドワイヤのねじれを潜在的に防ぐ。別の例では、ハンドルを介してガイドワイヤ遠位先端の偏向は、ガイドワイヤの軸方向の前進及び/または退縮、及び/またはロボットデバイスによるガイドワイヤのロールと同時に実行され得る。別の例では、ガイドワイヤの(例えば、二重スレッドガイドワイヤの)剛性は、(例えば、ガイドワイヤの内側スレッドの1つを引き戻すことによって)ガイドワイヤの軸方向移動及び/またはロール中に変更され得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤハンドルの操作は、ロボット装置内で保持または受容されるガイドワイヤのより遠位の部分の配置を考慮に入れて、実行される。例えば、ロボット装置により保持されるガイドワイヤは、1回または複数回、回転され得る(例えば、U字型の湾曲で)。任意選択で、ガイドワイヤが2つの位置で、例えばハンドルで、及びガイドワイヤ長に沿ったより遠位の位置でロボット装置によって保持されるとき、これらの2つの位置の間のガイドワイヤの長さは、患者内部のガイドワイヤ遠位部分の前進または退縮に従って選択的に修正することができる。いくつかの実施形態では、ロボット装置のハウジングは、ガイドワイヤが、これらの2つの位置の間のハウジングの外側に延びることを可能にし、その間のセグメントがハウジングの閉じ込めによって制限されることなく長さを増減することを可能にする。
【0104】
ロボット装置によるガイドワイヤなどのツールの操作は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国仮出願62/941,842号(弁護士明細書83238)及び/または米国仮出願63/082,508号(弁護士明細書83116)に記載されているとおりである。
【0105】
ロボットシステムにツールハンドルを動作可能に結合するための例示的な方法
図2は、いくつかの実施形態による、例えば、ガイドワイヤハンドルを外科用ロボット装置に動作可能に結合するための一般的な方法のフローチャートである。
【0106】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの細長い外科用ツールを操作するためのロボットシステムが提供される(201)。
【0107】
いくつかの実施形態では、外科用システムに細長い外科用ツールの近位部分を結合するためのアダプタが提供される(203)。任意選択で、アダプタは、異なる形状及び/またはサイズを有する複数のアダプタの中から選択される。いくつかの実施形態では、アダプタは、ツール近位部分のジオメトリ及び/または機能に従って選択される。例えば、回転可能なノブを含むツールハンドルの場合、ノブを回転させるために適した移動体を含むアダプタが選択される。例えば、スライダを含むガイドワイヤハンドルの場合、スライダを前進及び/または退縮させるために適した移動体を含むアダプタが選択される。いくつかの実施形態では、アダプタの少なくとも一部(例えば、アダプタのモーター係合部分のみ、またはアダプタ全体)が、201においてロボットシステムの一部として提供される。
【0108】
いくつかの実施形態では、アダプタは、特定の設計を有するハンドルと係合するように設計されている。任意選択で、異なるアダプタは、異なる製造業者によるツールのハンドルなど、異なる形状及び/または設計のハンドルを係合するように設計されている。異なるハンドルはツールの異なる「ニュートラル」(または較正)位置を有する場合があるので、いくつかの実施形態では、アダプタは、例えばハンドルの操作が、特定のニュートラル位置に対して実施され得るように、ハンドルによって決定されたニュートラル位置と一致するように設計されている。いくつかの実施形態では、アダプタは、ハンドルの外側の輪郭と一致するように成形された部分を含む。
【0109】
追加的にまたは代替的に、アダプタは、複数のハンドルタイプまたは構成を係合するように移動、拡大、縮小、及び/またはそれ以外の場合修正され得る少なくとも1つの調整可能部分を含み得る。
【0110】
いくつかの実施形態では、ツールの近位部分(例えば、ハンドル)は、アダプタに取り付けられる(205)。任意選択で、取り付けは、ユーザー(例えば、医師、看護婦、及び/または他の臨床要員)によって実行される。いくつかの実施形態では、取り付けは、ハンドルの少なくとも一部をアダプタの指定された窪みに挿入することを含む。追加的にまたは代替的に、アダプタは、「整えられる」またはハンドルに取り付けられる。
【0111】
いくつかの実施形態では、アダプタは、それによって係合されたツールハンドルと共に、ロボットシステムに接続される(207)。あるいは、いくつかの実施形態では、アダプタはロボットシステムの一体部分として構築され、システムへの別個の取り付けを必要としない。あるいは、いくつかの実施形態では、アダプタは、ガイドワイヤに(例えば、ガイドワイヤハンドルに)事前に組み付けられ、ガイドワイヤと共に提供される。任意選択で、ユーザーは、次にアダプタ及びガイドワイヤのアセンブリをシステムに接続する。いくつかの実施形態では、アダプタ及びガイドワイヤは、ロボットシステムに事前に装填されて提供される。
【0112】
いくつかの実施形態では、アダプタをロボットシステムに接続すると、ロボットシステムのモーター(複数可)への、及び/またはモータートランスミッションへのアダプタの機械的な結合が確立される。いくつかの実施形態では、アダプタをロボットシステムに接続すると、ロボットシステムへの、例えば、システムの給電へのアダプタの電気的な結合が確立される。
【0113】
いくつかの実施形態では、ツールの近位部分(例えば、ガイドワイヤハンドル)は次に、ロボットシステムを介して操作されて、ツールの移動及び/または機械的な特性に影響を与える(209)。いくつかの実施形態では、ロボットシステムを制御するユーザー(遠隔制御装置として任意選択で構成されたユーザーインターフェスを介してなど)は、ツールの近位ハンドルを操作する。
【0114】
一例では、ユーザーは、(例えば、遠隔制御装置を介して)ツールの遠位先端(例えば、ガイドワイヤ)を偏向させるように指示する。次に、ロボットシステムの1つまたは複数のモーター(複数可)は、アダプタ内での移動体(複数可)の移動を作動させ、アダプタは次に、例えばスライダなどハンドル構成要素に接触して、スライダを移動させ、ツールの遠位先端を偏向させる。別の例では、ユーザーは、(例えば、遠隔制御装置を介して)ツール(例えば、ガイドワイヤ、または操作可能なカテーテル)を転がすように指示する。次に、ロボットシステムの1つまたは複数のモーター(複数可)は、アダプタ内での移動体(複数可)の移動を作動させ、アダプタは次に、例えば回転可能なタブなどハンドル構成要素に接触して、ノブを回転させてツールを転がす(ガイドワイヤ長軸の周りでガイドワイヤを転がすなど)。別の例では、ユーザーは、(例えば遠隔制御装置を介して)ツールの遠位部分の剛性などのツールの機械的特性を変更するように指示する。次に、ロボットシステムの1つまたは複数のモーター(複数可)は、アダプタ内での移動体(複数可)の移動を作動させ、アダプタは次に、例えば二重スレッドガイドワイヤのスレッドを前進または退縮させるように構成されたプーラ/プッシャに接触し、それによってガイドワイヤの剛性に影響を与える。二重スレッドガイドワイヤの例は、外側スレッドの内腔内に配置された内側スレッドを有するガイドワイヤ、または互いに隣接してある、もしくはメインスレッドの外形を通過する2つのスレッドを含むガイドワイヤを含む。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位部分の偏向は、スレッドを移動させる(例えば、前進または退縮させる)ことによって達成される。
【0115】
いくつかの実施形態では、ハンドル構成要素を移動させる範囲及び/または速度(例えば、ノブの回転の程度、ライナースライダが移動する距離)は、システムによって係合される特定のハンドルタイプごとに設定される。例えば、ロボットシステムによるスライダのモーター駆動の移動は、特定のハンドルについて決定された距離範囲内でスライダを前進及び/または退縮させるように制御される。例えば、ロボットシステムによる回転ノブのモーター駆動の移動は、特定のノブに適した回転の速度及び/または程度でノブを回転させるように制御される。いくつかの実施形態では、特定のハンドルタイプに係合するように構成されたアダプタは、ハンドル構成要素の特定の移動と一致するようにアダプタ移動体を駆動するためのモーター作動パラメータを含む、及び/またはモーター作動パラメータで事前に設定される。モーター作動パラメータは、例えば、移動の速度、移動の方向、移動の程度または範囲を制御するために設定される。
【0116】
例示的なロボットシステム
図3は、いくつかの実施形態による、例えば、ガイドワイヤの近位部分(例えば、ハンドル)を係合及び制御するために構成された外科用ロボットシステムのブロック図である。
【0117】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム301は、手術室での使用に適している。任意選択で、1つまたは複数のシステムの構成要素(制御構成要素、画像化構成要素など)は、システムの他の部分から物理的に分離されており、リモートで使用され得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、システム301は、1つまたは複数の外科ツール(例えばガイドワイヤ、マイクロカテーテル、ガイドカテーテル、中間カテーテル、及び/または他の細長い及び/または管腔内外科用ツール)を受容し、ツールの移動を作動させるように構成される。
【0119】
いくつかの実施形態では、そこに受容されたツールの直線移動(例えば、前進及び/または退縮)を駆動するように、及び/またはそこに受容されたツールの回転移動(例えば、軸方向の回転)を駆動するように構成される。いくつかの実施形態では、直線移動及び回転移動は、同時に作動される。
【0120】
いくつかの実施形態では、システム301は、以下の構成要素の1つまたは複数を含むロボット装置303を含む。
【0121】
1つまたは複数のモーター305などの1つまたは複数のアクチュエータ、及び任意選択で関連するモーターのトランスミッション
【0122】
ツールを移動させる(例えば、ツールを前進、退縮、回転させる)ためにシステムによって受容されるツールに動作可能に接触するように構成された、ホイールなどのツール移動要素317
【0123】
一般制御ユニット309との間で動作信号を受信及び/または送信するように構成されたコントローラ307。一般制御装置309は、遠隔制御装置、コンソール、システムベースに物理的に取り付けられた制御装置、またはそれらの組み合わせとして構成され得る。いくつかの実施形態では、コントローラ307は、ロボットシステムによって受信及び操作されたツールの操作(例えば、直線移動、回転)を調整するように構成される。
【0124】
主電源用の電池及び/または接続手段を含む、電力供給手段311
【0125】
例えば、ツールが挿入されたかどうか、ツールの相対的な位置、ツール移動要素(例えば、ホイール)の位置、ツール移動要素の実際の移動(例えば、ホイールの回転数をカウントするカウンタによる)を検出するために、他のシステムセンサと通信するために、及び/または他の測定及び/または表示のために構成された1つまたは複数のセンサなどの感知手段315。いくつかの実施形態では、センサは、モーターの状態、例えば、モーターの位置、モーターの回転速度を検出するために構成される。光学センサ、圧力センサ、力測定センサ、速度センサ、電流を検出するためのセンサ、流量センサ、位置センサ(例えば、光学的、磁気的、電気的位置センサ)などの様々なタイプのセンサを使用することができる。
【0126】
例えば、移動速度、回転、並進、角度、偏向角度などのツールの移動に関連するパラメータ、ツールに作用する力の測定値、ツールの剛性など、1つまたは複数のシステムセンサによって取得される表示、患者の体に関連し、挿入されたツールによって感知されるパラメータ(例えば、心拍数、血圧、体温、酸素化レベル、及び/または他の感知されるパラメータ)を記憶するメモリ313。
【0127】
いくつかの実施形態では、システム301は、統合された画像化モダリティ319を含む。あるいは、システムは、既存の画像化モダリティに動作可能に接続される(例えば、通信する)ように構成される。画像化モダリティには、例えば、X線透視、CT、コーンビームCT、CT透視、MRI、超音波、または任意の他の適切な画像化モダリティが含まれ得る。
【0128】
いくつかの実施形態では、システム301は、装置303を患者に対して及び/または手術台に対して配置するための取り付け部321を含む。いくつかの実施形態では、取り付け部は、調整可能な固定具を含むか、またはそれに付着するように構成される。任意選択で、患者に対する(例えば、身体の進入位置に対する)及び/またはベッドに対するシステムの高さ及び/または角度及び/または距離を調整可能である。
【0129】
いくつかの実施形態では、システム301は、任意選択で、装置303の一部として、例えばハンドルなどツールの近位部分を動作可能に係合するためのアダプタ323を含むか、または係合するように構成される。
【0130】
いくつかの実施形態では、アダプタは、1つまたは複数のモーター305と、ツールを移動させるハンドルの1つまたは複数の構成要素との間の機械的係合を定義する。例えば、アダプタは1つまたは複数のモーター(複数可)または関連するトランスミッションを、スライド時にツール先端を偏向させるハンドルのスライダ及び/またはノブ構成要素と、回転時にツールを転がすハンドルのノブ構成要素と、及び/または他のハンドル構成要素と接続する。追加的にまたは代替的に、アダプタ自体は、ハンドル構成要素の移動を駆動するために1つまたは複数の統合モーターを含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、システムへの取り付け時、アダプタは、システム制御装置を介して、例えば、ユーザーによって制御される遠隔制御装置を介して作動することができる。追加的にまたは代替的に、アダプタは、例えば、ユーザーによる手動係合を介して、直接的に制御することができる。追加的にまたは代替的に、ハンドルは、アダプタから取り外し、任意選択で手動で制御することができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、アダプタは、1つまたは複数のセンサを含む。任意選択で、センサは、ツールハンドルがアダプタによって係合されたかどうか、スライダまたは回転ノブなどのハンドル構成要素の(例えば、その較正位置またはニュートラル位置に対する)相対的な位置、内側ジオメトリ及び外側ジオメトリなど、アダプタの部分の相対的な位置、アダプタ部分及び/またはハンドル部分の移動速度、アダプタ全体の回転によるなど、ハンドル全体の移動速度(例えば、回転速度)、及び/またはアダプタの内側ジオメトリの回転のうちの1つまたは複数を測定する及び/または示すために構成される。
【0133】
ロボットシステムの例示的な配置
図4A~Bは、いくつかの実施形態による、患者に対して配置されたロボット外科用システムの等角図及び側面図である。
【0134】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム401は、患者403に対して、任意選択で、患者の外科的身体侵入箇所に対して配置される。進入箇所は、患者の鼠径部(すなわち、大腿動脈)、腕(すなわち、橈骨動脈)、または首(すなわち、頸静脈)から選択することができるが、これらに限定されない。
【0135】
いくつかの実施形態では、システム401は、剛性固定具405に取り付けられている。いくつかの実施形態では、固定具は、患者の体に配置及び/または拘束される。追加的または代替的に、固定具は手術台に取り付けられる。
【0136】
いくつかの実施形態では、固定具405は、システム401の1つまたは複数の位置決めパラメータ、例えば、高さ、角度(例えば、身体進入箇所への挿入角度)、及び患者から(例えば、進入箇所から)の距離を制御するよう調整可能である。任意選択で、固定具405は、システム401がスライドして患者に向かって前進及び/または患者から退縮することができるレールを含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、固定具405は、例えば、複数の調整可能なノブ407を介して手動で調整可能である。
【0138】
比較的小さくコンパクトなシステムの潜在的な利点には、(例えば、身体進入箇所に対して)システムを患者の比較的近く、例えば、進入箇所から2cm、3cm、5cm、10cm未満の距離、または中間、より長いまたはより 短い距離に配置できることが含まれ得る。
【0139】
いくつかの実施形態では、システム401はコンパクトであり、比較的小さな体積を占め(例えば、2000cm3、2500cm3、3500cm3、5000cm3、9000cm3未満または中間、より大きい体積、またはより小さな体積)、患者の近く(身体の外科的進入箇所の近くなど)にシステムを配置することを可能にする。あるいは、システムは、外科的進入箇所に応じて、例えば患者の脚または腕に組み立てられるなど、患者に直接取り付けられる。いくつかの実施形態では、システムは、手術中に使用される画像化モダリティなどの他の手術室の機器に干渉しないほど十分に小さい。任意選択で、システムには床のフットプリント及び/または天井のフットプリントが最小限しかないか、一切ない。
【0140】
いくつかの実施形態では、システムの外科用ベッド及び/または患者への取り付は、ストラップ、バンド、堅固な取り付け、及び/または他の取り付け手段を使用して実施し得る。いくつかの実施形態では、ベッドへの取り付けは、マットレスに対して、及び/またはベッドのレールに対して、及び/または床に対して安定化されたスタンドを使用して実行される。次に、システムをスタンドに取り付けることができ、例えば、スナップフィットメカニズム、磁気手段、ストラップ(例えばベルクロ(登録商標))などを介して取り付けることができる。いくつかの実施形態では、スタンドは、様々な寸法の患者及び/または異なるベッドの高さなどで使用できるように調整可能である。いくつかの実施形態では、システムの位置を設定するとき、高さ、身体への進入角度、患者に対するシステムの位置合わせのうちの1つまたは複数が選択される。システムの位置決めは、患者の体またはその部分(例えば、外科的進入箇所に対して)及び/または外科用ベッドに対して、及び/または他の外科室の機器に対して、例えば、画像化モジュールに対して定めることができる。
【0141】
例示的な一般的なアダプタ構造
図5A~Bは、いくつかの実施形態による、ガイドワイヤの近位ハンドルを外科用ロボット装置に結合するためのアダプタの断面図である。
図5Aは、アダプタの短軸(幅)に沿った断面図であり、
図5Bは、アダプタの長軸(長さ)に沿った断面図である。
【0142】
いくつかの実施形態では、アダプタ501は、ツールの近位ハンドル(例えば、ガイドワイヤハンドル)を連動するために成形及び構成された内側ジオメトリ503、及びロボット装置と連動するために成形及び構成された外側ジオメトリ505を画定する。
【0143】
いくつかの実施形態では、内側ジオメトリ503は、ハンドル(すなわち、図示しないハンドルの本体)が受容される主要窪み507を画定する。任意選択で、窪み509などの1つまたは複数の横方向の窪みは、特定の構造のハンドルを収容するために設けられる。例えば、窪み509は、ガイドワイヤハンドルのスライダをぴったりと収納するために成形及びサイズ決定される。この例では、主要窪み507は、(
図5Bに示されるように円筒形の内腔を形成する)その幅に沿って円形の断面輪郭を画定するが、例えば、正方形の断面輪郭、長方形の輪郭、三角形の輪郭、楕円形の輪郭、任意の輪郭、及び/またはアダプタによって係合されるツールハンドルの外部輪郭と一致するように成形された他の輪郭など、他の窪み輪郭も企図されるべきである。いくつかの実施形態では、主要窪み507は、その中に受容されるハンドル本体に対するアダプタの軸方向のスライドを可能にするように成形及び/またはサイズ決定される。任意選択で、主要窪みは、ハンドル本体の最も外側の壁と、主要窪みの最も内側の壁との間に、例えば少なくとも0.1mm、1mm、5mm、10mm、または中間の距離、より長いもしくはより短い距離などの径方向の距離が設けられるようにサイズ決定される。
【0144】
いくつかの実施形態では、外側ジオメトリ505は、ロボット装置に結合するための1つまたは複数の特徴を画定する。例えば、外側ジオメトリは、ロボット装置から(ロボット装置のハウジングから)突出する親ねじ513(またはピン、及び/または任意の他の細長い要素)が受容される窪み511を含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、内側ジオメトリは、外側ジオメトリに対して移動するように構成され、逆もまた同様である。あるいは、両方のジオメトリとも、単一ユニットとして共に移動する。
【0146】
いくつかの実施形態では、移動は、回転を含む(例えば、外側のジオメトリが静止している間の内側のジオメトリの回転、内側のジオメトリが静止している間の外側のジオメトリの回転、両方のジオメトリの回転)を含む。いくつかの実施形態では、移動は、内側ジオメトリ及び外側ジオメトリの一方または両方の軸方向の前進及び/または退縮を含む。
【0147】
本明細書に示される例では、外側ジオメトリ505は静止したままである間に、内側ジオメトリ503のみが、ガイドワイヤのロールを引き起こすためになど、ハンドルの回転と共に回転するように構成される。いくつかの実施形態では、ハンドル(図示せず)は、(例えば、ロボット装置から延び、少なくとも内側ジオメトリを回転させるピンまたは親ねじによって)回転し、ハンドルの一部であるスライダと 共に回転する。スライダは、内側ジオメトリの窪み509内にぴったりと受容されるので、ハンドルの回転により、それと共に内側ジオメトリの回転が引き起こされる、または逆も同様である。いくつかの実施形態では、ツールのより遠位の回転により、ハンドルは、アダプタ内で、またはアダプタと共に回転する。
【0148】
いくつかの実施形態では、外側ジオメトリ505は、(例えば、窪み511内に受容されたロッドまたはピンの軸方向の移動によって)軸方向に移動する。外側ジオメトリは軸方向に移動するとき、それと共に内側ジオメトリを軸方向に運ぶ。次に、スライダは、主要窪み507内に受容されるハンドルの本体に対して前進または退縮される。
【0149】
いくつかの実施形態では、内側ジオメトリは、例えば
図5Bに示されるように、外側ジオメトリ内に少なくとも部分的に包まれる。外側ジオメトリの側壁517は延びて、少なくとも部分的に内側ジオメトリを覆う。追加的にまたは代替的に、内側ジオメトリの部分は延びて、外側ジオメトリの部分を覆う。追加的にまたは代替的に、締まりばめカップリング(例えば、それぞれの突起及び窪み)は、2つのジオメトリの間で結合する。いくつかの実施形態では、2つのジオメトリ間の結合は、内側ジオメトリの回転が外側ジオメトリを同時に回転させること、外側ジオメトリの回転が内側ジオメトリを同時に回転させること、外側ジオメトリの軸方向の移動が、内側ジオメトリを軸方向に同時に共に移動させるのうちの1つまたは複数を提供する。
【0150】
いくつかの実施形態では、ハンドルは、ハンドル本体をアダプタの主要窪みの中にスライドさせる(例えばねじ切りする)ことによってアダプタに挿入される。任意選択で、ハンドルは、アダプタの窪み内に手動で配置される。追加的にまたは代替的に、アダプタは、可動部品及び/または分離可能な部品(例えば、互いに接続することができる独立した部品)を含み、ハンドルを越えてまたはハンドル上に取り付けられるように構成される。追加的にまたは代替的に、アダプタは、ツールハンドルのその指定された窪みへの挿入を可能にするために移動することができるカバー(例えば蓋)を含む。
【0151】
図6A~Bは、いくつかの実施形態による、例えば、ガイドワイヤの近位ハンドルを外科用ロボット装置に結合するためのアダプタの断面図である。
【0152】
この例では、アダプタ全体601(内側ジオメトリ603と外側ジオメトリ605の両方を含む)は、アダプタが回転するときに、その内部に受容されたガイドワイヤハンドルと共に回転するように構成される。
【0153】
示されているアダプタ構造では、外側ジオメトリ605は、ピン607を介してロボット装置に取り付けられる。円周スロット609は、アダプタの現在の回転方向に関係なくピン607を収容するために、外側ジオメトリに沿って画定される。使用中、この結合は、ピンがアダプタのすべての回転位置でロボット装置へのアダプタの取り付けを維持することを保証する。
【0154】
図7A~Cは、いくつかの実施形態による、ハンドルを外科用ロボット装置に結合するために、ガイドワイヤのハンドルが受容されるアダプタの代替構成の例を概略で示す。
【0155】
図7Aでは、アダプタハウジング701は、いくつかの実施形態に従って、その内部に保持されたハンドル703と共に回転する。ハンドルのスライダ705は、アダプタハウジングの指定された窪み707内に収容される。いくつかの実施形態では、アダプタの移動体709は、ハンドルに対してアダプタハウジングを軸方向に移動させ、ハンドルに対する(すなわち、ハンドル706の本体に対する)スライダの軸方向の移動を生成するように構成される。
【0156】
図7Bでは、アダプタハウジング711が静止したままである間に、ハンドル703のみが回転する。ハンドルのスライダ705は、指定された円周スロット713内でハンドルと共に回転してもよい。
【0157】
図7Cでは、アダプタ715は、統合モーター717を含む。使用中、モーターは、次にスライダ705を軸方向に移動させる移動体719の軸方向の並進を駆動する。さらに示されるように、アダプタ715は、(モーター717及び移動体719と共に)回転してハンドル703全体を回転させる(すなわち、ハンドル及びスライダの本体を含む)。
【0158】
一般に、スライダは、ハンドル本体が回転するとハンドル本体と共に回転するであろう。いくつかの実施形態では、回転スライダは、アダプタの内側ジオメトリの壁を押し、内側ジオメトリをハンドルと共に回転させるであろう。あるいは、内側のジオメトリはスライダの壁を押し、ハンドルをそれと共に回転させるであろう。
【0159】
いくつかの実施形態では、内側ジオメトリの回転は、さらに、(例えば、外側ジオメトリ内での内側ジオメトリの締まり結合及び/または包含のために、または逆も同様)外側ジオメトリの回転につながり、両方のジオメトリは、共に回転するであろう。
【0160】
図8A~Fは、いくつかの実施形態による、例えば
図7Bに記載のアダプタ内でのガイドワイヤのハンドルの様々な位置、及びガイドワイヤの遠位端部に対する対応する結果的な影響を概略で示す。
【0161】
これらの図に示されるアダプタは、例えば
図7Bで記載されているとおりである。
【0162】
図8Aでは、ハンドル703は回転し、一方、スライダ705は、指定された円周スロット713内で回転してもよい。ハンドルの回転は、
図8Bに示されるようにガイドワイヤのより遠位の部分801の(またはガイドワイヤ全体の)ロールを発生させる。
【0163】
図8Cでは、アダプタハウジング711は、ハンドル703に対して近位方向(矢印712を参照)で移動され(例えば、押され)、スライダ705を近位に押す。スライダの軸方向移動は、
図8Dに示されるように、ガイドワイヤのより遠位の部分801の偏向、例えば、ガイドワイヤの遠位先端の偏向を発生させる。いくつかの実施形態では、アダプタハウジングが反対方向に(遠位に)移動するとき、スライダは遠位に押され、ガイドワイヤ先端の反対側への偏向を引き起こす。
【0164】
図8Eでは、アダプタハウジング711を近位に押した後のハンドル703の回転(スライダ705を近位に押す)は、ガイドワイヤのロールを発生させ、一方、
図8Fに示されるように、ガイドワイヤ先端は偏向する。
【0165】
図9A~Bは、いくつかの実施形態による、ガイドワイヤの近位ハンドルを係合するための例示的な機構の等角図(
図9A)及び断面図(
図9B)である。
【0166】
いくつかの実施形態では、ロボット装置901は、ツールの、例えば、ロボット装置によって操作されるガイドワイヤの近位ハンドル903を動作可能に係合するように構成される。
【0167】
いくつかの実施形態では、親ねじ905またはピン907などの装置の1つまたは複数の延長部は外側に突出して、任意選択でアダプタ909を介してツールハンドルを係合する。示されている例では、親ねじ905は、アダプタの外側ジオメトリ911に画定された窪み910内に受容される。いくつかの実施形態では、示されるように、内側ジオメトリは、ハンドルのスライダ915がぴったりと受容される窪み913を画定する。使用中、親ねじ905は、装置に向かって、及び/または装置から離れて軸方向に移動するように構成され(任意選択で、ねじはその前進/退縮を引き起こすように回転する)、それと共に外側ジオメトリ911を引っ張る。外側ジオメトリ911を軸方向に移動させると、次に、内側ジオメトリも共に運ばれ、それによってスライダ915をハンドル903の本体917に対して軸方向に移動させるであろう。
【0168】
いくつかの実施形態では、ピン907は、ハンドル本体を回転させるためにハンドル本体917に結合される。いくつかの実施形態では、ピン907は、ハンドルの一体部分である。そのような実施形態では、ピンは、スナップフィット、圧入、締まりばめなどの機械的な取付具によってその回転を駆動するモーターに結合され得る。あるいは、ピン907はアダプタの一体部分である。あるいは、ピン907はロボット装置の一体部分である。使用中、ピンの回転により、ハンドル本体及び取り付けられたスライダが共に回転し、スライダはアダプタの内側ジオメトリ919の回転を引き起こす。
【0169】
いくつかの実施形態では、軸方向の移動及び/または回転移動を、アダプタに、及び/またはハンドルに直接伝達するための親ねじ及び/またはピン及び/または他の要素の移動は、ロボット装置901内に収容された1つまたは複数のモーター(図示せず)によって作動される。
【0170】
図9C~Dは、いくつかの実施形態による、ガイドワイヤの近位ハンドルを係合するための別の例示的な機構の等角図(
図9C)及び断面図(
図9D)である。
【0171】
この例示的な構成では、アダプタの外側ジオメトリ931は、アダプタの内側ジオメトリ939、及びその後ツールハンドル936に取り付けることができ、次に、例えばスナップ接続937を介して、互いに接続することができる分離可能な部分933、935から成る。
【0172】
この例でさらに示されるように、いくつかの実施形態では、アダプタの内側ジオメトリ939の部分(例えば、示されるように、内側ジオメトリの近位面及び遠位面)は、例えば
図9Cに示されるように、延びて、外側ジオメトリ941の部分を少なくとも部分的に覆うまたは包む。
【0173】
この例でさらに示すように、いくつかの実施形態では、ハンドル936から延びるガイドワイヤ938は、ロボット装置943によって受容される。任意選択で、ガイドワイヤの少なくとも一部は、ロボット装置を通って延び、ロボット装置によって操作されるマイクロカテーテル945の内腔に挿入される。
【0174】
異なるタイプのツールハンドルのための例示的なアダプタ構造
以下の
図10~12の説明では、構成要素が最もよく見られる図において、説明されている構成要素について参照番号が記されている。
【0175】
図10A~Eは、いくつかの実施形態による、
図10Aに示されるガイドワイヤハンドルのモーター駆動の移動を係合及び作動させるための機構の第1の例を示す。
【0176】
図10Aは、ほぼ長方形(例えば、箱型)の本体1003、(ガイドワイヤ1009の遠位先端を偏向させるためになど)ハンドル本体の長さの少なくとも一部に沿って直線状に移動するスライダ1005、及び(ガイドワイヤ1009の先端部分のロールの微調整を生成するためになど)回転する垂直に向けられた回転可能なノブ1010を有するツールハンドル(例えば、ガイドワイヤハンドル)1001を示す。
【0177】
いくつかの実施形態では、ハンドルをロボット装置に動作可能に結合するために、アダプタ1011が提供される。いくつかの実施形態では、アダプタは、外部ハウジング1013、及びスライダ及び回転可能なノブなどのハンドル構成要素を係合して、それらを移動させるように構成された複数の移動体を含む。いくつかの実施形態では、移動体は、スライダ1005を越えて直接取り付けられ、移動時に、それと共にスライダを移動させる(例えば、前進または退縮させる)ように構成される。いくつかの実施形態では、移動体は、回転時にノブ1010を回転させるように配置及び構成されたノブ係合ギア1017を含む。
【0178】
いくつかの実施形態では、スライダ係合移動体1015の移動は、モーター1019によって作動される。いくつかの実施形態では、ノブ係合ギア1017の回転は、モータギア1021によって作動される。いくつかの実施形態では、単一部品としてハンドルを回転させることによってガイドワイヤのロールを発生させるためのアダプタ全体の回転は、モーター1025によって駆動されるギア1023によって作動される。任意選択で、ギア1023は、アダプタハウジング1013に外部で結合される。
【0179】
いくつかの実施形態では、1015などの移動体は、ユーザーによる直接の手動係合のために構成される。手動係合は、例えば、装置故障、医療上緊急事態の場合、及び/または特定の手動操作が所望されるとき(例えば、ツール先端を微調整するため)実行され得る。任意選択でアダプタ内の移動体は、手動作動時に、移動体を関連するトランスミッションから解放するクラッチ機構に結合される。示されている例では、移動体1015上のプッシュボタン1020は、押されると、例えば移動体1015をピン1022に結合する留め具脚1024のセットを解放することによって、移動体1015をそのトランスミッション(スライドピン1022)から切り離す。移動体がそのトランスミッションから切り離されると、移動体は、ハンドルスライダ1005を移動させるために手動で移動する(例えば、スライドする)ことができる。
【0180】
図11A~Eは、いくつかの実施形態による、
図11Aに示されるガイドワイヤハンドルのモーター駆動の移動を係合及び作動させるための機構の第2の例を示す。
【0181】
図11Aは、本体1103、(ガイドワイヤ1109の先端部分の偏向を発生させるためになど)回転する水平に向けられた回転可能なノブ1110、及び例えばノブ1110の回転を妨害することによって、所望の偏向位置でガイドワイヤ先端をロックするロック1105を有するツールハンドル(例えば、ガイドワイヤハンドル)1101を示す。
【0182】
いくつかの実施形態では、ロボット装置にハンドルを動作可能に結合するために、アダプタ1111が提供される。いくつかの実施形態では、アダプタは、外部ハウジング1113、及びロック及び回転可能なノブなどのハンドル構成要素を係合するように構成された複数の移動体を含む。いくつかの実施形態では、移動体は、ロック上に直接取り付けられるロック係合移動体1115を含み、移動時に、ロック1105を移動させる(例えば、前進または退縮させ、下方に押す)ように構成される。
【0183】
いくつかの実施形態では、移動体は、回転時にノブ1110を回転させるように配置及び構成されたノブ係合ギア1117を含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、ロック係合移動体1115の移動は、モーター1119によって作動される。いくつかの実施形態では、ノブ係合ギア1117の回転は、モータギア1121によって作動される。
【0185】
いくつかの実施形態では、単一部品としてハンドルを回転させることによってガイドワイヤのロールを発生させるためのアダプタ全体の回転は、モーター1125によって駆動されるギア1123によって作動される。任意選択で、ギア1123は、アダプタハウジング1113に外部で結合される。
【0186】
図12A~Eは、いくつかの実施形態による、
図12A(近位ハンドルを有さない)に示されるガイドワイヤの近位部分のモーター駆動の移動を係合及び作動させるための機構の第3の例を示す。
【0187】
図12Aは、2つの把持器1201、1203を含むガイドワイヤの近位部分を示す。いくつかの実施形態では、各把持器は、二重スレッドガイドワイヤ1204を構築するスレッドの近位端部を保持する。例えば、把持部1201は第1のスレッドを保持し、把持器1203は第2のスレッドを保持する。使用中、互いに対する把持器の並進は、一方のスレッドを他方のスレッドに対して引っ張って生成し、ガイドワイヤの遠位部分で偏向を生じさせる。
【0188】
いくつかの実施形態では、二重スレッドガイドワイヤをロボット装置に動作可能に結合するために、アダプタ1205が提供される。この例では、アダプタは、少なくとも把持器1201を覆い、ガイドワイヤの遠位先端の偏向を発生させるためになど、把持器1203に対して把持器1201を移動させる(例えば、軸方向にスライドさせる)ように構成された移動体1207を含む。任意選択で、移動体1207の移動は、モーター1209によって駆動される。
【0189】
いくつかの実施形態では、単一部品としてハンドルを回転させることによってガイドワイヤのロールを発生させるためのアダプタ全体の回転は、モーター1225によって駆動されるギア1223によって作動される。任意選択で、ギア1223は、アダプタハウジング1213に外部で結合される。
【0190】
図13A~Bは、いくつかの実施形態による、ガイドワイヤハンドルのモーター駆動の移動を係合及び作動させるためのアダプタのハウジングを示す。
【0191】
いくつかの実施形態では、アダプタは、ロボット装置に取り付けられ得る、及び/または隣接して配置され得る、スタンドアロンユニットを構成する。いくつかの実施形態では、アダプタ自体は、アダプタの1つまたは複数の移動体を介してツールハンドルの操作を実施するために、1つまたは複数のモーター(複数可)、及び/またはコントローラ(複数可)を収容する。追加的にまたは代替的に、アダプタは、機械的に及び/または電気的にロボットシステムに接続され、アダプタの1つ以上の移動体の作動は、ロボット装置の1つまたは複数のモーター(複数可)による。
【0192】
示されている例では、アダプタハウジング1301は、コネクタ1303、1305などの1つまたは複数の電気コネクタを含む。任意選択で、電気コネクタは、ロボット装置(図示せず)の対応する電気的接続の位置に従って位置決め及び配置される。
【0193】
いくつかの実施形態では、アダプタハウジングは、1つまたは複数の機械的コネクタを画定する。例えば、示されるように、取り付け脚1307は、ハウジングから延びてロボット装置のハウジングに取り付けられる、及び/またはロボット装置のハウジング内に受容される。
【0194】
いくつかの実施形態では、アダプタハウジングは、ハンドルから延びるツール(例えば、ガイドワイヤ)が通過する導管または開口部1309を含む。
【0195】
いくつかの実施形態では、アダプタハウジングの寸法は、アダプタによって係合されるハンドルのサイズに従って決定される。例えば、ハウジングの長さ1311は、例えば、2cm~20cmの間の範囲であってよく、ハウジングの幅1313は、例えば、0.5cm~10cmの間の範囲であってよく、ハウジングの高さ(厚さ)1315は、例えば、0.5cm~10cmの間の範囲であってよい。列挙された例示的な寸法は、長さが約1.5~20cm、幅が0.4cm~10cm、高さが0.4cm~10cmのハンドルを収容するアダプタに適し得る。
【0196】
図14は、いくつかの実施形態による、ガイドワイヤの近位ハンドルを結合するためにアダプタを動作可能に係合するように構成された外科用ロボット装置のモジュール1400を概略で示す。
【0197】
いくつかの実施形態では、ロボット装置は、アダプタに接続するための機械的及び/または電気的カップリングを含む。例えば、歯車1401及び/またはノブ1403の少なくとも一部などの1つまたは複数の突起は、アダプタを係合するためにロボット装置のハウジング1407に対して外側に延びる。いくつかの実施形態では、アダプタをロボット装置に電気的に接続するために電気接続1405が設けられる。
【0198】
図15は、いくつかの実施形態による「二重スレッド」ガイドワイヤ1501の近位部分のモーター係合を概略で示す。
【0199】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの複数のスレッド(例えば、2つ、3つ、4つ、6つのスレッド、または中間の数、より多くの数、またはより少ない数)(1503、1505を参照)はその近端部で、モーター(複数可)に、及び/またはモータートランスミッションに、及び/またはモーターによって作動される歯車1507などの移動体(複数可)に係合することができる。使用中、スレッドに接続された歯車1507の回転はスレッドを引っ張り、例えばスレッドの有効長を短くする場合がある。任意選択で、1対のスレッドのスレッドを短くすると、ガイドワイヤ上で引っ張り、引っ張られたスレッドの方向にガイドワイヤの遠位部分を偏向させる。
【0200】
いくつかの実施形態では、複数のスレッドガイドワイヤは、互いに隣接して配列されたスレッド(例えば、並んである、ガイドワイヤの近位端及び/または遠位端で任意選択で接続された)、及び/または同軸上に配置された、例えば外側スレッドの内腔内にある内側スレッドなどのスレッドを含み得る。
【0201】
スレッドの操作(例えば、二重スレッド装置のスレッドを引っ張る及び/または漸進させることによる)は、例えば、内側スレッドが外側スレッドの内腔から近位に引っ張られる場合、それによってガイドワイヤの剛性に潜在的に影響を与えるなど、ガイドワイヤを偏向させる場合がある、及び/またはガイドワイヤの遠位部分の剛性に影響を与える場合がある。
【0202】
「comprises(含む)」、「comprising(含む)」、「includes(含む)」、「including(含む)」、「having(有する)」という用語及びそれらの複合体は、「含むがこれらに限定されない」を意味する。
【0203】
「からなる」という用語は、「含み、それに限定される」ことを意味する。
【0204】
「本質的にからなる」という用語は、組成物、方法または構造が追加の成分、ステップ及び/または部品を含み得るが、追加の成分、ステップ及び/または部品が特許請求されている組成物、方法または構造の基本的かつ新規の特性を実質的に変更しない場合に限り含み得ることを意味する。
【0205】
本明細書で使用する場合、文脈上明らかに別段に示されている場合を除き、「ある、1つの(a)」、「ある、1つの(an)」及び「この、その(the)」という単数形には、複数の言及が含まれる。例えば、「a compound(化合物)」または「at least one compound(少なくとも1つの化合物)」という用語は、それらの混合物を含む複数の化合物を含み得る。本願を通して、本発明の様々な実施形態は、範囲形式で提示され得る。範囲形式での説明は、単に便宜上及び簡潔にするためのものであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、すべての可能な副次的範囲と、その範囲内の個々の数値を具体的に開示していると見なす必要がある。例えば、1から6などの範囲の記述は、1から3、1から4、1から5、2から4、2から6、3から6などの副次的範囲、及びその範囲内の個々の数字、例えば1、2、3、4、5、及び6などを、具体的に開示していると見なす必要がある。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0206】
本明細書で数値範囲が示されるときはいつでも、それは、示された範囲内の任意の引用された数字(分数または整数)を含むことを意味する。第1の表示番号と第2の表示番号との「間の範囲」という句、及び第1の表示番号「から」第2の表示番号「まで」の「範囲」という句は、本明細書では互換的に使用され、第1及び第2の表示番号、及びそれらの間のすべての分数と整数を含むことを意味する。
【0207】
本明細書で使用される場合、「方法」という用語は、所与のタスクを達成するための方式、手段、技術、及び手順を指し、これらの方式、手段、技術、及び手順は、既知であるか、または既知の方式、手段、技術、手順から化学、薬理学、生物学、生化学及び医学の専門家により容易に開発されるものを含むが、これらに限定されない。
【0208】
本明細書で使用される場合、「治療する」という用語は、状態の進行を無効にする、実質的に阻害する、遅らせる、または逆転させる、状態の臨床的または審美的症状を実質的に改善する、または状態の臨床的または審美的症状の出現を実質的に防止することを含む。
【0209】
明確にするために別個の実施形態の文脈において説明される本発明のある特徴を、単一の実施形態において組み合わせで設けることもできることが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において説明される本発明の様々な特徴を、別々に、または任意の好適な副次的な組み合わせで、または本発明の任意の他の説明された実施形態において好適なものとして設けることもできる。様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしでは機能しない場合を除いて、それらの実施形態の本質的な特徴と見なされるべきではない。
【0210】
本発明をその特定の実施形態と併せて説明してきたが、多くの代替、修正及び変形が当業者には明らかになることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び広い範囲に入るそのようなすべての代替、修正及び変形を包含することが意図されている。
【0211】
本明細書に記述されるすべての刊行物、特許、及び特許出願は、各個別の刊行物、特許、または特許出願が、参照により本明細書に組み込まれることが示されているときに、これが明確かつ個別に注記されているかのように、参照によりその全体が本明細書に組み込まれることが出願人(出願人ら)の意図である。また、本願におけるいずれの参考文献の引用または特定も、その参考文献が本願の先行技術として利用可能であるということの承認として解釈されるべきではない。セクションの見出しが使用されている場合、それらは必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。さらに、本願のいずれの優先権書類(複数可)も、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】