(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】ジアリール大環状化合物を含む併用療法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/5395 20060101AFI20230125BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230125BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230125BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230125BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20230125BHJP
A61K 31/4184 20060101ALI20230125BHJP
A61K 31/166 20060101ALI20230125BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20230125BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20230125BHJP
A61K 31/497 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
A61K31/5395
A61P35/00
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K31/519
A61K31/4184
A61K31/166
A61K31/5377
A61K31/506
A61K31/497
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530893
(86)(22)【出願日】2020-11-25
(85)【翻訳文提出日】2022-07-12
(86)【国際出願番号】 US2020062374
(87)【国際公開番号】W WO2021108672
(87)【国際公開日】2021-06-03
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516221454
【氏名又は名称】ターニング・ポイント・セラピューティクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Turning Point Therapeutics,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】デン,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャイ,ダヨン
(72)【発明者】
【氏名】ロドン,ラウラ
(72)【発明者】
【氏名】マリー,ブライオン ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】ツイ,ジンロン ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ネイサン ブイ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084MA52
4C084MA55
4C084NA05
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4C084ZB262
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4C084ZC751
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4C206AA01
4C206AA02
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4C206MA04
4C206MA72
4C206MA75
4C206NA05
4C206ZB26
4C206ZC20
4C206ZC75
(57)【要約】
本開示は、トラメチニブなどのMAPK/ERKキナーゼ-1および-2(MEK1およびMEK2;MAP2K1およびMAP2K2)の阻害剤と併用して、ジアリール大環状分子でがんを治療するための方法および組成物に関する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療有効量のMEK阻害剤と併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する、以下の構造
【化1】
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することを特徴とする、治療を必要とする患者におけるがんを治療する方法。
【請求項2】
少なくとも一つの遺伝的に改変したがん遺伝子が、前記患者において予め同定されており、少なくとも一つの遺伝的に改変した前記がん遺伝子が、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、および/または遺伝的に改変したPI3Kである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
遺伝的に改変した前記KRASが、G12C、G12V、G12D、G12A、G13C、G12S、D12R、D12F、G13D、G13V、G13R、G13E、Q61H、Q61E、Q61L、およびQ61Rからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含むか;またはG12D、G13D、およびQ61Hからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含むか;あるいはKRASが、G12A、G12C、G12S、G12V、およびQ61Kではない、少なくとも一つの変異を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記がんが、結腸直腸癌または膵臓癌である、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mgから約200mgの量で投与される、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記MEK阻害剤が、約0.5mgから約2.5mgの量で投与される、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記MEK阻害剤が、トラメチニブ、セルメチニブ、LY3214996、RO5126766、TNO155 (SHP099)、またはミルダメチニブ、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩である、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記MEK阻害剤が、トラメチニブ、または薬学的に許容されるその塩である、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mg、約80mg、約120mg、または約160mgの量で、1日1回または1日2回投与される、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記MEK阻害剤が、約1mgまたは約2mgの量で投与される、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、少なくとも一つの、約40mg、約80mg QD、約120mg QD、または約160mg QDの用量の後に、少なくとも一つの、約40mg BID、約80mg BID、約120mg BID、または約160mg BIDの用量が続くスケジュールで投与される、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記MEK阻害剤が、少なくとも一つの、約1mg QD、または約2mg QDの用量で投与される、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、前記MEK阻害剤と同時に投与される、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、前記MEK阻害剤より前に投与される、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、前記MEK阻害剤の後に投与される、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記患者が、前治療を受けていない、請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記患者が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けている、請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記患者が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けており、前記治療に対する後天的耐性を生じている、および/または前記治療に対するバイパス耐性を生じている、請求項1から15および17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
治療有効量のMEK阻害剤と併用して、治療を必要とする患者におけるがんを治療する方法に使用される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する、以下の構造
【化2】
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項20】
FAK、SRC、およびJAK2を阻害する、以下の構造
【化3】
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の使用であって、治療有効量のMEK阻害剤と併用して患者におけるがんを治療するための、治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物を含む薬物の調製における使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トラメチニブなどのMAPK/ERKキナーゼ-1および-2(MEK1およびMEK2;MAP2K1およびMAP2K2)の阻害剤と併用して、ジアリール大環状分子でがんを治療するための方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
Kirsten Rat Sarcoma Viral Oncogeneホモログ KRASは、低分子量膜結合型細胞内GTPアーゼタンパク質である3つのRASタンパク質ファミリーメンバー(N、H、およびK-RAS)のうちの1つである。KRASは、不活性グアノシン二リン酸(GDP)結合状態および活性グアノシン三リン酸(GTP)結合状態の間を循環する。活性GTP結合KRASは、複数のシグナル伝達経路(例えば、PI3K-AKT-MTOR、RAF-MEK-ERK)を刺激する多数のエフェクターと相互作用し、様々な細胞プロセス(例えば、生存、増殖、細胞骨格形成)に影響を及ぼす。
【0003】
KRASは、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、膵臓癌、子宮癌、膀胱癌、胃癌、腎臓癌、乳癌、皮膚癌、前立腺癌、急性骨髄白血病、子宮頸癌、肝臓急性リンパ芽球性白血病、卵巣癌、および脳癌などの、広範囲のヒトがんの中で最も頻繁に変異するがん遺伝子(18%,Catalogue of Somatic Mutations in Cancer(COSMIC)データベースv90)のうちの一つである。KRAS変異は、主にKRASコドン12および13で起こるが、コドン18、61、117、および146では低頻度で起こり、コドンおよびミスセンス変異に基づく腫瘍細胞シグナル伝達に、異なる影響を及ぼす(Stolze et al. Sci Rep. 2015;5:8535)。
【0004】
アロステリック結合ポケットにおける、可逆性結合によるMEK1およびMEK2の直接標的化は、治験薬を用いた臨床試験において、KRAS変異を有する患者で評価されている。突然変異KRAS NSCLC患者における、ドセタキセルとの併用でのMEK阻害剤セルメチニブのフェーズ3臨床試験において、ドセタキセル単独と比較して、併用の利点はなかった(Janne at al, 2017 JAMA)。フェーズ2臨床試験において、突然変異KRAS NSCLCを有する患者で、トラメチニブの治療をドセタキセルと比較する試験は、トラメチニブの治療応答が中間解析で無益性の境界を越えたために早期に終了した(Blumenschein et al 2015)。単剤のMEK薬剤臨床試験、および化学療法によるMEK薬剤の合剤は、突然変異KRAS NSCLCに無効であることが示されている。
【0005】
MAPK経路フィードバック再活性化、RTK誘導性PI3K経路活性化、およびアポトーシスの増加を標的とする組み合わせは、臨床的利点の著しい改善を提供するために必要であるだろう。
【0006】
SRCキナーゼは、放射線療法、化学療法、および標的療法などのがん治療の耐性に広く寄与することが確認されている(Zhang S and Yu D. Trends Pharmacol Sci. 2012;33(3):122-8)。SRCファミリーキナーゼは、DNA合成に必要なシグナル伝達経路の開始、受容体ターンオーバー、アクチン細胞骨格再編成および運動性の制御、並びに生存などの様々な方法で、増殖因子受容体からの細胞増殖シグナル伝達を促進し得る(Bromann et al, Oncogene 2004;23(48):7957-68)。KRASは、膵臓癌において転移成長および治療耐性を引き起こす、Src/PEAK1/ErbB2キナーゼ増幅ループを誘導することが報告された(Kelber et al, Cancer Res. 2012;72(10):2554-64)。SRC阻害剤ダサチニブは、TAZ活性の阻害を介して、MEK阻害剤の抗腫瘍活性を増強することが発見され、ダサチニブおよびトラメチニブの併用は、KRAS駆動性がん治療の有望な戦略となる(Rao et al, Eur J Cancer. 2018 Aug;99:37-48)。FAKは、インテグリン、RTK、RAS、およびTGFβにより媒介されるシグナル伝達経路において、極めて重要な役割を持ち(Kanteti et al, Oncotarget. 2016;7(21):31586-601)、p53発現を抑制し、細胞生存を促進する可能性もある(Golubovskaya et al, International Review of Cytology. 2007; 263:103-153)。最新の知見は、インテグリンが、がん幹細胞生物学の制御に関与し、SRC/FAKシグナル伝達を介する、がんの進行、転移、および薬物耐性に必要であることを示している(Seguin et al, Trends Cell Biol. 2015;25(4):234-40)。Srcは、甲状腺癌腫瘍形成促進プロセスの重要なメディエーターおよび甲状腺癌の有望な治療標的であると確認されている。しかしながら、単剤Src阻害は、IL-1β>FAK>p130Cas>c-Jun>MMPシグナル伝達軸を介して、より浸潤性の高い表現型を促進し、FAKおよびSrcの複合阻害は、Src阻害剤誘導性表現型転換および耐性を遮断する可能性を有する(Kessler et al, Oncogene. 2019; 38:2565-2579)。PI3K/AKTシグナル伝達経路の代償的上方制御は、KRAS変異の標的化における耐性機構であり、がん細胞生存を促進する。Y397のリン酸化を介して、FAKは、PI3K経路を活性化してドキソルビシン誘導性アポトーシスを抑制するPI3Kの調節サブユニットである、p85のSH2ドメインと直接相互作用する(van Nimwegen et al, Mol Pharmacol. 2006; 70(4):1330-1339)。Srcによる、Y925でのFAKのリン酸化は、低分子量GTPタンパク質のRASおよび下流のERK2(MAPK)を活性化するGRB2のドッキング部位を作り出す(Kanteti et al, Oncotarget. 2016;7(21):31586-601)。パキシリンは、細胞外マトリックスおよびアクチン細胞骨格間の構造的関連を形成する接着斑の主要な構成要素である。がん細胞において、その機能は、SrcおよびFAK媒介リン酸化により制限される。FAKおよびSrc阻害剤の二重阻害は、細胞脱離の増加、AKT/ERK1/2およびSrcの阻害、並びにアポトーシスの増加で明らかなように、FAK阻害単独と比較してはるかに有効である(Golubovskaya et al, Molecular Cancer Research. 2003; 1(10):755-764)。RhoA-FAKは、KRAS駆動性肺腺癌の維持に必要なシグナル伝達軸である。FAKの薬理学的阻害は、インビボにおいて、p-AKTを下方制御し、PI3K/AKT依存性代償機構の発生を引き起こさない(Konstantinidou et al, Cancer Discov. 2013, 3(4):444-57)。インターフェロンおよび炎症関連遺伝子セットは、MEK阻害に対して内因性および後天的耐性を示すKRAS変異結腸細胞株において豊富であることが報告された(Wagner et al, Oncogene. 2019, 38(10):1717-1733)。JAK2は、炎症性サイトカインのシグナル伝達としてはたらき、JAK2の阻害は、インターフェロンおよび炎症性関連遺伝子セットの分泌を減少させ、KRAS変異細胞株をMEK阻害に対して感作させることがある。前臨床試験において、MEK阻害は、JAKおよびFGFRキナーゼ活性を介して、STAT3の自己分泌活性化をもたらし、薬剤耐性を可能にする(Lee et al, Cancer Cell 2014)。MEK阻害剤コビメチニブの、JAK1/2阻害剤ルキソリチニブおよび複数標的化キナーゼ阻害剤ポナチニブ(FGFR阻害活性が挙げられる)との併用は、マウス異種移植腫瘍モデルにおいて、有効性の増強を示した(Lee et al, Cancer Cell 2014)。
【0007】
全体的に見て、突然変異活性化RASタンパク質の中心的な下流シグナル伝達エフェクターを薬理学的に標的化することは、困難であり、臨床において、成功的治療にまだ到達していない。SRC/FAK/JAK2阻害剤の、MEK1/2阻害剤、特にトラメチニブとの併用は、KRAS変異を有する患者の治療のための、MEK1/2阻害剤、特にトラメチニブによる抗腫瘍活性および応答の持続期間を最大にする、新規の治療発明となる。
【発明の概要】
【0008】
トラメチニブなどのMEK阻害剤、並びにFAK、SRCおよび/またはJAK2を阻害する一つ以上の化合物の併用は、KRASにより駆動されるがん、特に、一つ以上のKRAS変異を有するがんにおいて、強い応答を提供することが開示されている。
【0009】
一つの態様において、本開示は、治療有効量の、トラメチニブなどのMEK阻害剤との併用で、治療有効量の、FAK、SRC、および/またはJAK2を阻害する一つ以上の化合物を宿主動物に投与する段階を含むがんの治療方法を提供する。いくつかの実施形態において、前記宿主動物は、ヒト患者である。いくつかの実施形態において、前記宿主動物は、齧歯動物などの実験動物である。
【0010】
もう一つの態様において、本開示は、治療有効量の、トラメチニブなどのMEK阻害剤との併用で、治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を宿主動物に投与する段階を含むがんの治療方法を提供する。いくつかの実施形態において、前記宿主動物は、ヒト患者である。いくつかの実施形態において、前記宿主動物は、齧歯動物などの実験動物である。
【0011】
もう一つの態様において、本開示は、治療有効量の、トラメチニブなどのMEK阻害剤との併用で、患者におけるがんの治療に使用される、FAK、SRCおよび/またはJAK2を阻害する一つ以上の化合物、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0012】
もう一つの態様において、本開示は、治療有効量の、トラメチニブなどのMEK阻害剤との併用で、患者におけるがんの治療に使用される、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0013】
もう一つの態様において、本開示は、治療有効量の、トラメチニブなどのMEK阻害剤との併用で、患者におけるがんを治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよび/またはJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、一つ以上の前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0014】
もう一つの態様において、本開示は、治療有効量の、トラメチニブなどのMEK阻害剤との併用で患者におけるがんを治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0015】
もう一つの態様において、本開示は、治療有効量の、トラメチニブなどのMEK阻害剤との併用で、患者におけるがんの治療に使用される、FAK、SRCおよび/またはJAK2を阻害する一つ以上の化合物、または薬学的に許容されるその塩を治療有効量で含む組成物を提供する。
【0016】
もう一つの態様において、本開示は、治療有効量の、トラメチニブなどのMEK阻害剤との併用で、患者におけるがんの治療に使用される、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を治療有効量で含む組成物を提供する。
【0017】
もう一つの態様において、本開示は、固定のあるいは自由な組み合わせで、トラメチニブなどのMEK阻害剤、または薬学的に許容されるその塩と併用される、FAK、SRCおよび/またはJAK2を阻害する一つ以上の化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物を提供する。
【0018】
もう一つの態様において、本開示は、固定のあるいは自由な組み合わせで、トラメチニブなどのMEK阻害剤、または薬学的に許容されるその塩と併用される、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物を提供する。
【0019】
もう一つの態様において、本開示は、FAK、SRCおよび/またはJAK2を阻害する一つ以上の化合物ならびにトラメチニブなどのMEK阻害剤の相乗的組成物であって、前記2つの成分がある部位で互いに接触する組成物を提供する。
【0020】
もう一つの態様において、本開示は、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物ならびにトラメチニブなどのMEK阻害剤の相乗的組成物であって、前記2つの成分がある部位で互いに接触する組成物を提供する。
【0021】
もう一つの態様において、本開示は、FAK、SRCおよび/またはJAK2を阻害する一つ以上の化合物ならびにトラメチニブなどのMEK阻害剤の相乗的組成物であって、前記2つの成分が人体内でのみ互いに接触する組成物を提供する。
【0022】
もう一つの態様において、本開示は、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物ならびにトラメチニブなどのMEK阻害剤の相乗的組成物であって、前記2つの成分が人体内でのみ互いに接触する組成物を提供する。
【0023】
いくつかの実施形態において、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物は、下記の化学式1の化合物:
【化1】
【0024】
[式中、
【0025】
Mは、CR5またはNであり;
【0026】
X1およびX2は、独立して、-C(R7)(R8)-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-O-または-N(R9)-であり;
【0027】
各R1は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0028】
各R2およびR3は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0029】
R4およびR5は、それぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1-C6アルキル、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)2または-CF3であり;
【0030】
R6は、H、C1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキルであり、ここでC1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキル中の各水素原子は、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-CO2C1-C6アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C6アルキル)、-CON(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0031】
各R7およびR8は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリールまたは5から7員のヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0032】
各R9は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または単環式もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキルまたは-OR7により、独立して、適宜置換されていてよく;
【0033】
各Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7は、独立して、N、NH、またはC(R10)であり、ここで各R10は、独立して、H、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、-O-C1-C6アルキル、-OH、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-NH(フェニル)、-NH(ヘテロアリール)、-CN、または-CF3であるが、
【0034】
ただし、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7の少なくとも一つは、NまたはNHである]
【0035】
または薬学的に許容されるその塩である。
【0036】
上記の態様のいくつかの実施形態において、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物は、下記の化学式:
【化2】
の化合物(本明細書では化合物1と呼ばれる)
【0037】
または薬学的に許容されるその塩である。
【0038】
本明細書に記載される様々な態様、および特に上記されるような態様のいくつかの実施形態において、前記がんは、G12C、G12V、G12D、G12A、G13C、G12S、D12R、D12F、G13D、G13V、G13R、G13E、Q61H、Q61E、Q61L、およびQ61Rからなる群から選択される;またはG12D、G13D、およびQ61Hからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、遺伝的に改変したKRAS;またはG12A、G12C、G12S、G12V、およびQ61Kでない少なくとも一つの変異を含むKRASにより媒介される、非小細胞肺癌である。
【0039】
本明細書に記載される様々な態様、および特に上記されるような態様のいくつかの実施形態において、前記がんは、G12D、G12V、G13D、A146T、G12C、G12A、G12S、K117N、Q61K、G12R、M72V、S17G、K5R、D69G、G13C、G13R、Q61H、K117E、Q61L、Q61R、K117R、A146V、A146P、K147N、およびR97Iからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、遺伝的に改変したKRASにより媒介される結腸直腸癌である。
【0040】
本明細書に記載される様々な態様、および特に上記されるような態様のいくつかの実施形態において、前記がんは、G12D、G12V、G12R、Q61H、G12C、およびG12Sからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、遺伝的に改変したKRASにより媒介される膵臓癌である。
【0041】
本開示の追加の実施形態、特徴、および利点は、以下の詳細な説明から、および本開示の実施を通して明らかであろう。本開示の化合物は、以下の列挙される条項のいずれかにおける実施形態として記載され得る。本明細書に記載される実施形態のいずれかは、実施形態が互いに矛盾しない限り、本明細書に記載される任意の他の実施形態に関連して使用され得ることが理解されるであろう。
【0042】
1.治療有効量のトラメチニブと併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、治療を必要とする患者におけるがんを治療する方法。
【0043】
2.少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、患者において予め同定されている、治療有効量のトラメチニブと併用して、がんを有する患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、治療を必要とする患者におけるがんを治療する方法。
【0044】
3.治療有効量のトラメチニブと併用して、がんを有する患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される、治療を必要とする患者におけるがんを治療する方法。
【0045】
4.患者におけるがんを治療する方法であって、前記方法が;
【0046】
i.少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を患者において同定し、
【0047】
ii.治療有効量のトラメチニブと併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与することを特徴とする方法。
【0048】
5.少なくとも一つの、遺伝的に改変した前記発がん遺伝子が、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、および/または遺伝的に改変したPI3Kである、条項2から4のいずれか1項に記載の方法。
【0049】
6.治療有効量のトラメチニブと併用して、非小細胞肺癌を有する患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、治療を必要とする患者における非小細胞肺癌を治療する方法。
【0050】
7.治療有効量のトラメチニブと併用して、がんを有する患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、治療を必要とする患者における非小細胞肺癌を治療する方法であって、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されている方法。
【0051】
8.治療有効量のトラメチニブと併用して、非小細胞肺癌を有する患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される、治療を必要とする患者における非小細胞肺癌を治療する方法。
【0052】
9.患者における非小細胞肺癌を治療する方法であって、前記方法が;
【0053】
i.遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を患者において同定し、
【0054】
ii.治療有効量のトラメチニブと併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与することを特徴とする方法。
【0055】
10.遺伝的に改変した前記KRASが、G12C、G12V、G12D、G12A、G13C、G12S、D12R、D12F、G13D、G13V、G13R、G13E、Q61H、Q61E、Q61L、およびQ61Rからなる群から選択される;またはG12D、G13D、およびQ61Hからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む;またはG12A、G12C、G12S、G12V、およびQ61Kでない少なくとも一つの変異を含む、条項7から9のいずれか1項に記載の方法。
【0056】
11.治療有効量のトラメチニブと併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、治療を必要とする患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療する方法。
【0057】
12.治療有効量のトラメチニブと併用して、がんを有する患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、治療を必要とする患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療する方法であって、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されている方法。
【0058】
13.治療有効量のトラメチニブと併用して、結腸直腸癌または膵臓癌を有する患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される、治療を必要とする患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療する方法。
【0059】
14.患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療する方法であって、前記方法が;
【0060】
i.遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を患者において同定し、
【0061】
ii.治療有効量のトラメチニブと併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与することを特徴とする方法。
【0062】
15.遺伝的に改変した前記KRASが、G12D、G12V、G13D、A146T、G12C、G12A、G12S、K117N、Q61K、G12R、M72V、S17G、K5R、D69G、G13C、G13R、Q61H、K117E、Q61L、Q61R、K117R、A146V、A146P、K147N、およびR97Iからなる群から選択される;またはG12D、G12V、G12R、Q61H、G12C、およびG12Sからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、条項12から14のいずれか1項に記載の方法。
【0063】
16.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mgから約200mgの量で投与される、条項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【0064】
17.トラメチニブが、約0.5mgから約2.5mgの量で投与される、条項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【0065】
18.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式1の化合物:
【化3】
【0066】
[式中、
【0067】
Mは、CR5またはNであり;
【0068】
X1およびX2は、独立して、-C(R7)(R8)-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-O-または-N(R9)-であり;
【0069】
各R1は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0070】
各R2およびR3は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0071】
R4およびR5は、それぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1-C6アルキル、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)2または-CF3であり;
【0072】
R6は、H、C1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキルであり、ここでC1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキル中の各水素原子は、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-CO2C1-C6アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C6アルキル)、-CON(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0073】
各R7およびR8は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリールまたは5から7員のヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0074】
各R9は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または単環式もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキルまたは-OR7により、独立して、適宜置換されていてよく;
【0075】
各Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7は、独立して、N、NH、またはC(R10)であり、ここで各R10は、独立して、H、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、-O-C1-C6アルキル、-OH、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-NH(フェニル)、-NH(ヘテロアリール)、-CN、または-CF3であるが、
【0076】
ただし、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7の少なくとも一つは、NまたはNHである]
【0077】
または薬学的に許容されるその塩である、条項1から17のいずれか1項に記載の方法。
【0078】
19.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式:
【化4】
の化合物
【0079】
または薬学的に許容されるその塩である、条項1から18のいずれか1項に記載の方法。
【0080】
20.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mg、約80mg、約120mg、または約160mgの量で、1日1回または1日2回投与される、条項1から19のいずれか1項に記載の方法。
【0081】
21.トラメチニブが、約1mgまたは約2mgの量で投与される、条項1から20のいずれか1項に記載の方法。
【0082】
22.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、少なくとも一つの、約40mg、約80mg QD、約120mg QD、または約160mg QDの用量の後に、少なくとも一つの、約40mg BID、約80mg BID、約120mg BID、または約160mg BIDの用量が続くスケジュールで投与される、条項1から21のいずれか1項に記載の方法。
【0083】
23.トラメチニブが、少なくとも一つの、約1mg QD、または約2mg QDの用量で投与される、条項1から22のいずれか1項に記載の方法。
【0084】
24.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、トラメチニブと同時に投与される、条項1から23のいずれか1項に記載の方法。
【0085】
25.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、トラメチニブより前に投与される、条項1から23のいずれか1項に記載の方法。
【0086】
26.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、トラメチニブの後に投与される、条項1から23のいずれか1項に記載の方法。
【0087】
27.前記患者が、前治療を受けていない、条項1から26のいずれか1項に記載の方法。
【0088】
28.前記患者が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けている、条項1から26のいずれか1項に記載の方法。
【0089】
29.前記患者が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けており、前記治療に対する後天的耐性を生じている、および/または前記治療に対するバイパス耐性を生じている、条項1から26または28のいずれか1項に記載の方法。
【0090】
30.治療有効量のトラメチニブとの併用で、治療を必要とする患者におけるがんの治療に使用される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0091】
31.治療有効量のトラメチニブと併用して、治療を必要とする患者におけるがんを治療する方法に使用される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、患者において予め同定されており、前記方法が、トラメチニブと併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物を投与する段階を含む、化合物またはその塩。
【0092】
32.治療有効量のトラメチニブと併用して、治療を必要とする患者における、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介されるがんを治療する方法に使用される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が、トラメチニブと併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物を投与する段階を含む、化合物またはその塩。
【0093】
33.治療有効量のトラメチニブと併用して、患者におけるがんを治療する方法に使用される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が;
【0094】
i.少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を患者において同定し、
【0095】
ii.トラメチニブと併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物を投与することを特徴とする、化合物またはその塩。
【0096】
34.少なくとも一つの、遺伝的に改変した前記発がん遺伝子が、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、および/または遺伝的に改変したPI3Kである、条項31から33のいずれか1項に記載の化合物。
【0097】
35.治療有効量のトラメチニブと併用して、治療を必要とする患者における非小細胞肺癌を治療する方法に使用される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が、トラメチニブと併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物を投与する段階を含む、化合物またはその塩。
【0098】
36.治療有効量のトラメチニブと併用して、治療を必要とする患者における非小細胞肺癌を治療する方法に使用される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が、トラメチニブと併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含み、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されている、化合物またはその塩。
【0099】
37.治療有効量のトラメチニブと併用して、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される、治療を必要とする患者における非小細胞肺癌を治療する方法に使用される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が、トラメチニブと併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、化合物またはその塩。
【0100】
38.治療有効量のトラメチニブと併用して、患者における非小細胞肺癌を治療する方法に使用される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が;
【0101】
i.遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を患者において同定し、
【0102】
ii.トラメチニブと併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物を投与することを特徴とする、化合物またはその塩。
【0103】
39.遺伝的に改変した前記KRASが、G12C、G12V、G12D、G12A、G13C、G12S、D12R、D12F、G13D、G13V、G13R、G13E、Q61H、Q61E、Q61L、およびQ61Rからなる群から選択される;またはG12D、G13D、およびQ61Hからなる群から選択される、少なくとも一つの変異を含む;またはG12A、G12C、G12S、G12V、およびQ61Kでない少なくとも一つの変異を含む、条項36から38のいずれか1項に記載の化合物。
【0104】
40.治療有効量のトラメチニブと併用して、治療を必要とする患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療する方法に使用される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が、トラメチニブと併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物を投与する段階を含む、化合物またはその塩。
【0105】
41.治療有効量のトラメチニブと併用して、治療を必要とする患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療する方法に使用される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が、トラメチニブと併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物を投与する段階を含み、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されている、化合物またはその塩。
【0106】
42.治療有効量のトラメチニブと併用して、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される、治療を必要とする患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療する方法に使用される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が、トラメチニブと併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、化合物またはその塩。
【0107】
43.治療有効量のトラメチニブと併用して、患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療する方法に使用される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が;
【0108】
i.遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を患者において同定し、
【0109】
ii.トラメチニブと併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物を投与することを特徴とする、化合物またはその塩。
【0110】
44.遺伝的に改変した前記KRASが、G12D、G12V、G13D、A146T、G12C、G12A、G12S、K117N、Q61K、G12R、M72V、S17G、K5R、D69G、G13C、G13R、Q61H、K117E、Q61L、Q61R、K117R、A146V、A146P、K147N、およびR97Iからなる群から選択される;またはG12D、G12V、G12R、Q61H、G12C、およびG12Sからなる群から選択される、少なくとも一つの変異を含む、条項41から43のいずれか1項に記載の化合物。
【0111】
45.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mgから約200mgの量で投与される、条項30から44のいずれか1項に記載の化合物。
【0112】
46.トラメチニブが、約0.5mgから約2.5mgの量で投与される、条項30から45のいずれか1項に記載の化合物。
【0113】
47.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式1の化合物:
【化5】
【0114】
[式中、
【0115】
Mは、CR5またはNであり;
【0116】
X1およびX2は、独立して、-C(R7)(R8)-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-O-または-N(R9)-であり;
【0117】
各R1は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0118】
各R2およびR3は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0119】
R4およびR5は、それぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1-C6アルキル、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)2または-CF3であり;
【0120】
R6は、H、C1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキルであり、ここでC1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキル中の各水素原子は、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-CO2C1-C6アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C6アルキル)、-CON(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0121】
各R7およびR8は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリールまたは5から7員のヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0122】
各R9は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または単環式もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキルまたは-OR7により、独立して、適宜置換されていてよく;
【0123】
各Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7は、独立して、N、NH、またはC(R10)であり、ここで各R10は、独立して、H、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、-O-C1-C6アルキル、-OH、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-NH(フェニル)、-NH(ヘテロアリール)、-CN、または-CF3であるが、
【0124】
ただし、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7の少なくとも一つは、NまたはNHである]
【0125】
または薬学的に許容されるその塩である、条項30から46のいずれか1項に記載の化合物。
【0126】
48.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式:
【化6】
の化合物
【0127】
または薬学的に許容されるその塩である、条項30から47のいずれか1項に記載の化合物。
【0128】
49.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mg、約80mg、約120mg、または約160mgの量で投与される、条項30から48のいずれか1項に記載の化合物。
【0129】
50.トラメチニブが、約1mgまたは約2mgの量で投与される、条項30から49のいずれか1項に記載の化合物。
【0130】
51.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、少なくとも一つの、約40mg、約80mg QD、約120mg QD、または約160mg QDの用量の後に、少なくとも一つの、約40mg BID、約80mg BID、約120mg BID、または約160mg BIDの用量が続くスケジュールで投与される、条項30から50のいずれか1項に記載の化合物。
【0131】
52.トラメチニブが、少なくとも一つの、約1mg QD、または約2mg QDの用量で投与される、条項30から51のいずれか1項に記載の化合物。
【0132】
53.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、トラメチニブと同時に投与される、条項30から52のいずれか1項に記載の化合物。
【0133】
54.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、トラメチニブより前に投与される、条項30から52のいずれか1項に記載の化合物。
【0134】
55.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、トラメチニブの後に投与される、条項30から52のいずれか1項に記載の化合物。
【0135】
56.前記患者が、前治療を受けていない、条項30から55のいずれか1項に記載の化合物。
【0136】
57.前記患者が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けている、条項30から55のいずれか1項に記載の化合物。
【0137】
58.前記患者が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けており、前記治療に対する後天的耐性を生じている、および/または前記治療に対するバイパス耐性を生じている、条項30から55または57のいずれか1項に記載の化合物。
【0138】
59.治療有効量のトラメチニブとの併用で患者におけるがんを治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用。
【0139】
60.治療有効量のトラメチニブとの併用で患者におけるがんを治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用であって、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されている使用。
【0140】
61.治療有効量のトラメチニブとの併用で患者におけるがんを治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用であって、前記がんが、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される使用。
【0141】
62.治療有効量のトラメチニブと併用して、患者におけるがんを治療する方法に使用される、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用であって、前記方法が;
【0142】
i.少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を患者において同定し、
【0143】
ii.トラメチニブと併用して、患者に前記薬物を投与することを特徴とする使用。
【0144】
63.少なくとも一つの、遺伝的に改変した前記発がん遺伝子が、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、および/または遺伝的に改変したPI3Kである、条項31から33のいずれか1項に記載の使用。
【0145】
64.治療有効量のトラメチニブとの併用で患者における非小細胞肺癌を治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用。
【0146】
65.治療有効量のトラメチニブとの併用で患者における非小細胞肺癌を治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用であって、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されている使用。
【0147】
66.治療有効量のトラメチニブとの併用で、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される、患者における非小細胞肺癌を治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用。
【0148】
67.治療有効量のトラメチニブと併用して、患者における非小細胞肺癌を治療する方法に使用される、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用であって、前記方法が;
【0149】
i.遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を患者において同定し、
【0150】
ii.トラメチニブと併用して、患者に前記薬物を投与することを特徴とする使用。
【0151】
68.遺伝的に改変した前記KRASが、G12C、G12V、G12D、G12A、G13C、G12S、D12R、D12F、G13D、G13V、G13R、G13E、Q61H、Q61E、Q61L、およびQ61Rからなる群から選択される;またはG12D、G13D、およびQ61Hからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む;またはG12A、G12C、G12S、G12V、およびQ61Kでない少なくとも一つの変異を含む、条項65から67のいずれか1項に記載の使用。
【0152】
69.治療有効量のトラメチニブとの併用で患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用。
【0153】
70.治療有効量のトラメチニブとの併用で患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用であって、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されている使用。
【0154】
71.治療有効量のトラメチニブとの併用で、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される、患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用。
【0155】
72.治療有効量のトラメチニブと併用して、患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療する方法に使用される、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用であって、前記方法が;
【0156】
i.遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を患者において同定し、
【0157】
ii.トラメチニブと併用して、患者に前記薬物を投与することを特徴とする使用。
【0158】
73.遺伝的に改変した前記KRASが、G12D、G12V、G13D、A146T、G12C、G12A、G12S、K117N、Q61K、G12R、M72V、S17G、K5R、D69G、G13C、G13R、Q61H、K117E、Q61L、Q61R、K117R、A146V、A146P、K147N、およびR97Iからなる群から選択される;またはG12D、G12V、G12R、Q61H、G12C、およびG12Sからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、条項70から72のいずれか1項に記載の使用。
【0159】
74.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mgから約200mgの量で投与される、条項59から73のいずれか1項に記載の使用。
【0160】
75.トラメチニブが、約0.5mgから約2.5mgの量で投与される、条項59から74のいずれか1項に記載の使用。
【0161】
76.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式1の化合物:
【化7】
【0162】
[式中、
【0163】
Mは、CR5またはNであり;
【0164】
X1およびX2は、独立して、-C(R7)(R8)-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-O-または-N(R9)-であり;
【0165】
各R1は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0166】
各R2およびR3は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0167】
R4およびR5は、それぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1-C6アルキル、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)2または-CF3であり;
【0168】
R6は、H、C1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキルであり、ここでC1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキル中の各水素原子は、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-CO2C1-C6アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C6アルキル)、-CON(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0169】
各R7およびR8は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリールまたは5から7員のヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0170】
各R9は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または単環式もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキルまたは-OR7により、独立して、適宜置換されていてよく;
【0171】
各Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7は、独立して、N、NH、またはC(R10)であり、ここで各R10は、独立して、H、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、-O-C1-C6アルキル、-OH、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-NH(フェニル)、-NH(ヘテロアリール)、-CN、または-CF3であるが、
【0172】
ただし、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7の少なくとも一つは、NまたはNHである]
【0173】
または薬学的に許容されるその塩である、条項59から75のいずれか1項に記載の使用。
【0174】
77.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式:
【化8】
の化合物
【0175】
または薬学的に許容されるその塩である、条項59から76のいずれか1項に記載の使用。
【0176】
78.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mg、約80mg、約120mg、または約160mgの量で投与される、条項59から77のいずれか1項に記載の使用。
【0177】
79.トラメチニブが、約1mgまたは約2mgの量で投与される、条項59から78のいずれか1項に記載の使用。
【0178】
80.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、少なくとも一つの、約40mg QD、約80mg QD、約120mg QD、または約160mg QDの用量の後に、少なくとも一つの、約40mg BID、約80mg BID、約120mg BID、または約160mg BIDの用量が続くスケジュールで投与される、条項59から79のいずれか1項に記載の使用。
【0179】
81.トラメチニブが、少なくとも一つの、約1mg QD、または約2mg QDの用量で投与される、条項59から80のいずれか1項に記載の使用。
【0180】
82.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、トラメチニブと同時に投与される、条項59から81のいずれか1項に記載の使用。
【0181】
83.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、トラメチニブより前に投与される、条項59から81のいずれか1項に記載の使用。
【0182】
84.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、トラメチニブの後に投与される、条項59から81のいずれか1項に記載の使用。
【0183】
85.前記患者が、前治療を受けていない、条項59から84のいずれか1項に記載の使用。
【0184】
86.前記患者が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けている、条項59から84のいずれか1項に記載の使用。
【0185】
87.前記患者が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けており、前記治療に対する後天的耐性を生じている、および/または前記治療に対するバイパス耐性を生じている、条項59から84または86のいずれか1項に記載の使用。
【0186】
88.固定のあるいは自由な組み合わせで、治療有効量のトラメチニブと併用される、治療有効量の、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物。
【0187】
89.患者におけるがんに対する相乗効果を提供する、固定のあるいは自由な組み合わせで、治療有効量のトラメチニブと併用される、治療有効量の、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物であって、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されている薬物。
【0188】
90.少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介されるがんに対する相乗効果を提供する、固定のあるいは自由な組み合わせで、治療有効量のトラメチニブと併用される、治療有効量の、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物。
【0189】
91.少なくとも一つの、遺伝的に改変した前記発がん遺伝子が、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、および/または遺伝的に改変したPI3Kである、条項89または90に記載の薬物。
【0190】
92.非小細胞肺癌の治療に対する相乗効果を提供する、固定のあるいは自由な組み合わせで、治療有効量のトラメチニブと併用される、治療有効量の、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物。
【0191】
93.患者における非小細胞肺癌の治療に対する相乗効果を提供する、固定のあるいは自由な組み合わせで、治療有効量のトラメチニブと併用される、治療有効量の、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物であって、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されている薬物。
【0192】
94.固定のあるいは自由な組み合わせで、治療有効量のトラメチニブと併用される、治療有効量の、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物であって、前記薬物が、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される、患者における非小細胞肺癌の治療に対する相乗効果を提供する薬物。
【0193】
95.遺伝的に改変した前記KRASが、G12C、G12V、G12D、G12A、G13C、G12S、D12R、D12F、G13D、G13V、G13R、G13E、Q61H、Q61E、Q61L、およびQ61Rからなる群から選択される、またはG12D、G13D、およびQ61Hからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む;またはG12A、G12C、G12S、G12V、およびQ61Kでない少なくとも一つの変異を含む、条項93または94に記載の薬物。
【0194】
96.患者における結腸直腸癌または膵臓癌の治療に対する相乗効果を提供する、固定のあるいは自由な組み合わせで、治療有効量のトラメチニブと併用される、治療有効量の、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物。
【0195】
97.患者における結腸直腸癌または膵臓癌の治療に対する相乗効果を提供する、固定のあるいは自由な組み合わせで、治療有効量のトラメチニブと併用される、治療有効量の、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物であって、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されている薬物。
【0196】
98.固定のあるいは自由な組み合わせで、治療有効量のトラメチニブと併用される、治療有効量の、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物であって、前記薬物が、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される、患者における結腸直腸癌または膵臓癌の治療に対する相乗効果を提供する薬物。
【0197】
99.遺伝的に改変した前記KRASが、G12D、G12V、G13D、A146T、G12C、G12A、G12S、K117N、Q61K、G12R、M72V、S17G、K5R、D69G、G13C、G13R、Q61H、K117E、Q61L、Q61R、K117R、A146V、A146P、K147N、およびR97Iからなる群から選択される;またはG12D、G12V、G12R、Q61H、G12C、およびG12Sからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、条項97または98に記載の薬物。
【0198】
100.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mgから約200mgの量で、薬物で提供される、条項88から99のいずれか1項に記載の薬物。
【0199】
101.トラメチニブが、約0.5mgから約2.5mgの量で、薬物で提供される、条項88から100のいずれか1項に記載の薬物。
【0200】
102.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式1の化合物:
【化9】
【0201】
[式中、
【0202】
Mは、CR5またはNであり;
【0203】
X1およびX2は、独立して、-C(R7)(R8)-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-O-または-N(R9)-であり;
【0204】
各R1は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0205】
各R2およびR3は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0206】
R4およびR5は、それぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1-C6アルキル、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)2または-CF3であり;
【0207】
R6は、H、C1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキルであり、ここでC1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキル中の各水素原子は、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-CO2C1-C6アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C6アルキル)、-CON(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0208】
各R7およびR8は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリールまたは5から7員のヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0209】
各R9は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または単環式もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキルまたは-OR7により、独立して、適宜置換されていてよく;
【0210】
各Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7は、独立して、N、NH、またはC(R10)であり、ここで各R10は、独立して、H、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、-O-C1-C6アルキル、-OH、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-NH(フェニル)、-NH(ヘテロアリール)、-CN、または-CF3であるが、
【0211】
ただし、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7の少なくとも一つは、NまたはNHである]
【0212】
または薬学的に許容されるその塩である、条項88から101のいずれか1項に記載の薬物。
【0213】
103.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式:
【化10】
の化合物
【0214】
または薬学的に許容されるその塩である、条項88から102のいずれか1項に記載の薬物。
【0215】
104.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mg、約80mg、約120mg、または約160mgの量で、薬物で提供される、条項88から103のいずれか1項に記載の薬物。
【0216】
105.トラメチニブが、約1mgまたは約2mgの量で、薬物で提供される、条項88から104のいずれか1項に記載の薬物。
【0217】
106.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、少なくとも一つの、約40mg QD、約80mg QD、約120mg QD、または約160mg QDの用量の後に、少なくとも一つの、約40mg BID、約80mg BID、約120mg BID、または約160mg BIDの用量が続くスケジュールで、薬物で提供される、条項88から105のいずれか1項に記載の薬物。
【0218】
107.トラメチニブが、少なくとも一つの、約1mg QD、または約2mg QDの用量で投与するための薬物で提供される、条項88から106のいずれか1項に記載の薬物。
【0219】
108.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、トラメチニブと同時に提供される、条項88から107のいずれか1項に記載の薬物。
【0220】
109.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、トラメチニブより前に提供される、自由に組み合わされる、条項88から107のいずれか1項に記載の薬物。
【0221】
110.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、トラメチニブの後に提供される、自由に組み合わされる、条項88から107のいずれか1項に記載の薬物。
【0222】
111.前記患者が、前治療を受けていない、条項88から110のいずれか1項に記載の薬物。
【0223】
112.前記患者が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けている、条項88から110のいずれか1項に記載の薬物。
【0224】
113.前記患者が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けており、前記治療に対する後天的耐性を生じている、および/または前記治療に対するバイパス耐性を生じている、条項88から110または112のいずれか1項に記載の薬物。
【0225】
114.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物およびトラメチニブの相乗的組成物であって、前記2つの成分がある部位で互いに接触する組成物。
【0226】
115.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式1の化合物:
【化11】
【0227】
[式中、
【0228】
Mは、CR5またはNであり;
【0229】
X1およびX2は、独立して、-C(R7)(R8)-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-O-または-N(R9)-であり;
【0230】
各R1は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0231】
各R2およびR3は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく
【0232】
R4およびR5は、それぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1-C6アルキル、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)2または-CF3であり;
【0233】
R6は、H、C1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキルであり、ここでC1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキル中の各水素原子は、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-CO2C1-C6アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C6アルキル)、-CON(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0234】
各R7およびR8は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリールまたは5から7員のヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0235】
各R9は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または単環式もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキルまたは-OR7により、独立して、適宜置換されていてよく;
【0236】
各Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7は、独立して、N、NH、またはC(R10)であり、ここで各R10は、独立して、H、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、-O-C1-C6アルキル、-OH、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-NH(フェニル)、-NH(ヘテロアリール)、-CN、または-CF3であるが、
【0237】
ただし、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7の少なくとも一つは、NまたはNHである]
【0238】
または薬学的に許容されるその塩である、条項114に記載の相乗的組成物。
【0239】
116.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式:
【化12】
の化合物
【0240】
または薬学的に許容されるその塩である、条項114または115に記載の相乗的組成物。
【0241】
117.前記部位が、がんまたはがん細胞である、条項114から116のいずれか1項に記載の相乗的組成物。
【0242】
118.前記部位が、非小細胞肺癌、結腸直腸癌または膵臓癌および膵臓癌から選択されるがんである、条項114から117のいずれか1項に記載の相乗的組成物。
【0243】
119.前記がんが、非小細胞肺癌である、条項118に記載の相乗的組成物。
【0244】
120.前記がんが、結腸直腸癌または膵臓癌である、条項118に記載の相乗的組成物。
【0245】
121.前記部位が、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を含む、条項114から120のいずれか1項に記載の相乗的組成物。
【0246】
122.前記部位が、G12C、G12V、G12D、G12A、G13C、G12S、D12R、D12F、G13D、G13V、G13R、G13E、Q61H、Q61E、Q61L、およびQ61Rからなる群から選択される;またはG12A、G12C、G12D、G12S、G12V、G13D、Q61H、およびQ61Kからなる群から選択される、またはG12D、G13D、およびQ61Hからなる群から選択される;またはG12D、G12V、G13D、A146T、G12C、G12A、G12S、K117N、Q61K、G12R、M72V、S17G、K5R、D69G、G13C、G13R、Q61H、K117E、Q61L、Q61R、K117R、A146V、A146P、K147N、およびR97Iからなる群から選択される;またはG12D、G12V、G12R、Q61H、G12C、およびG12Sからなる群から選択される少なくとも一つの変異を有する、遺伝的に改変したKRAS;またはG12A、G12C、G12S、G12V、およびQ61Kでない少なくとも一つの変異を含有するKRASを含む、条項114から121のいずれか1項に記載の相乗的組成物。
【0247】
123.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mgから約200mgの量で、組成物で提供される、条項114から122のいずれか1項に記載の相乗的組成物。
【0248】
124.トラメチニブが、約0.5mgから約2.5mgの量で、組成物で提供される、条項114から123のいずれか1項に記載の相乗的組成物。
【0249】
125.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mg、約80mg、約120mg、または約160mgの量で、組成物で提供される、条項114から124のいずれか1項に記載の相乗的組成物。
【0250】
126.トラメチニブが、約1mgまたは約2mgの量で、組成物で提供される、条項114から125のいずれか1項に記載の相乗的組成物。
【0251】
127.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物およびトラメチニブの相乗的組成物であって、前記2つの成分が、人体内でのみ互いに接触する組成物。
【0252】
128.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式1の化合物:
【化13】
【0253】
[式中、
【0254】
Mは、CR5またはNであり;
【0255】
X1およびX2は、独立して、-C(R7)(R8)-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-O-または-N(R9)-であり;
【0256】
各R1は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0257】
各R2およびR3は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0258】
R4およびR5は、それぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1-C6アルキル、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)2または-CF3であり;
【0259】
R6は、H、C1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキルであり、ここでC1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキル中の各水素原子は、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-CO2C1-C6アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C6アルキル)、-CON(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0260】
各R7およびR8は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリールまたは5から7員のヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0261】
各R9は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または単環式もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキルまたは-OR7により、独立して、適宜置換されていてよく;
【0262】
各Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7は、独立して、N、NH、またはC(R10)であり、ここで各R10は、独立して、H、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、-O-C1-C6アルキル、-OH、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-NH(フェニル)、-NH(ヘテロアリール)、-CN、または-CF3であるが、
【0263】
ただし、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7の少なくとも一つは、NまたはNHである]
【0264】
または薬学的に許容されるその塩である、条項127に記載の相乗的組成物。
【0265】
129.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式:
【化14】
の化合物
【0266】
または薬学的に許容されるその塩である、条項127または128に記載の相乗的組成物。
【0267】
130.前記人体が、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を含む、条項127から129のいずれか1項に記載の相乗的組成物。
【0268】
131.前記人体が、G12C、G12V、G12D、G12A、G13C、G12S、D12R、D12F、G13D、G13V、G13R、G13E、Q61H、Q61E、Q61L、およびQ61Rからなる群から選択される;またはG12A、G12C、G12D、G12S、G12V、G13D、Q61H、およびQ61Kからなる群から選択される、またはG12D、G13D、およびQ61Hからなる群から選択される;またはG12D、G12V、G13D、A146T、G12C、G12A、G12S、K117N、Q61K、G12R、M72V、S17G、K5R、D69G、G13C、G13R、Q61H、K117E、Q61L、Q61R、K117R、A146V、A146P、K147N、およびR97Iからなる群から選択される;またはG12D、G12V、G12R、Q61H、G12C、およびG12Sからなる群から選択される少なくとも一つの変異を有する、遺伝的に改変したKRAS;またはG12A、G12C、G12S、G12V、およびQ61Kでない少なくとも一つの変異を含有するKRASを含む、条項127から130のいずれか1項に記載の相乗的組成物。
【0269】
132.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mgから約200mgの量で、組成物で提供される、条項127から131のいずれか1項に記載の相乗的組成物。
【0270】
133.トラメチニブが、約0.5mgから約2.5mgの量で、組成物で提供される、条項127から132のいずれか1項に記載の相乗的組成物。
【0271】
134.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mg、約80mg、約120mg、または約160mgの量で、組成物で提供される、条項127から133のいずれか1項に記載の相乗的組成物。
【0272】
135.トラメチニブが、約1mgまたは約2mgの量で、組成物で提供される、条項127から134のいずれか1項に記載の相乗的組成物。
【0273】
136.前記人体が、前治療を受けていない、条項127から135のいずれか1項に記載の相乗的組成物。
【0274】
137.前記人体が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けている、条項127から135のいずれか1項に記載の相乗的組成物。
【0275】
138.前記宿主動物が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けており、前記治療に対する後天的耐性を生じているか、または前記治療に対するバイパス耐性を生じている、そのような治療を必要とするヒト患者である、条項127から135または137のいずれか1項に記載の相乗的組成物。
【0276】
139.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、治療を必要とする患者におけるがんを治療する方法であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない方法。
【0277】
140.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、がんを有する患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、治療を必要とする患者におけるがんを治療する方法であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでなく、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、患者において予め同定されている方法。
【0278】
141.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、がんを有する患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される、治療を必要とする患者におけるがんを治療する方法であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない方法。
【0279】
142.患者におけるがんを治療する方法であって、前記方法が;
【0280】
i.少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を患者において同定し、
【0281】
ii.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与することを特徴とするが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない方法。
【0282】
143.少なくとも一つの、遺伝的に改変した前記発がん遺伝子が、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、および/または遺伝的に改変したPI3Kである、条項140から142のいずれか1項に記載の方法。
【0283】
144.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、非小細胞肺癌を有する患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、治療を必要とする患者における非小細胞肺癌を治療する方法であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない方法。
【0284】
145.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、がんを有する患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、治療を必要とする患者における非小細胞肺癌を治療する方法であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでなく、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されている方法。
【0285】
146.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、非小細胞肺癌を有する患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される、治療を必要とする患者における非小細胞肺癌を治療する方法であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない方法。
【0286】
147.患者における非小細胞肺癌を治療する方法であって、前記方法が;
【0287】
i.遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を患者において同定し、
【0288】
ii.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与することを特徴とするが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない方法。
【0289】
148.遺伝的に改変した前記KRASが、G12C、G12V、G12D、G12A、G13C、G12S、D12R、D12F、G13D、G13V、G13R、G13E、Q61H、Q61E、Q61L、およびQ61Rからなる群から選択される;またはG12D、G13D、およびQ61Hからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、条項145から147のいずれか1項に記載の方法。
【0290】
149.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、治療を必要とする患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療する方法であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない方法。
【0291】
150.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、がんを有する患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、治療を必要とする患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療する方法であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでなく、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されている方法。
【0292】
151.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、結腸直腸癌または膵臓癌を有する患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含む、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される、治療を必要とする患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療する方法であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない方法。
【0293】
152.患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療する方法であって、前記方法が;
【0294】
i.遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を患者において同定し、
【0295】
ii.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与することを特徴とするが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない方法。
【0296】
153.遺伝的に改変した前記KRASが、G12D、G12V、G13D、A146T、G12C、G12A、G12S、K117N、Q61K、G12R、M72V、S17G、K5R、D69G、G13C、G13R、Q61H、K117E、Q61L、Q61R、K117R、A146V、A146P、K147N、およびR97Iからなる群から選択される;またはG12D、G12V、G12R、Q61H、G12C、およびG12Sからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、条項150から152のいずれか1項に記載の方法。
【0297】
154.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mgから約200mgの量で投与される、条項1から153のいずれか1項に記載の方法。
【0298】
155.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mg、または約80mg、または約120mg、または約160mgの量で投与される、条項1から154のいずれか1項に記載の方法。
【0299】
156.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式1の化合物:
【化15】
【0300】
[式中、
【0301】
Mは、CR5またはNであり;
【0302】
X1およびX2は、独立して、-C(R7)(R8)-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-O-または-N(R9)-であり;
【0303】
各R1は、独立して、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、C(O)N(C1-C6アルキル)2、SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0304】
各R2およびR3は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、C(O)NH2、C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0305】
R4およびR5は、それぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1-C6アルキル、-OH、-CN、OC1-C6アルキル、-NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)2または-CF3であり;
【0306】
R6は、H、C1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキルであり、ここでC1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキル中の各水素原子は、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-CO2C1-C6アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C6アルキル)、-CON(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0307】
各R7およびR8は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリールまたは5から7員のヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、SC1-C6アルキル、S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0308】
各R9は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または単環式もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキルまたは-OR7により、独立して、適宜置換されていてよく;
【0309】
各Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7は、独立して、N、NH、またはC(R10)であり、ここで各R10は、独立して、H、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、-O-C1-C6アルキル、-OH、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-NH(フェニル)、-NH(ヘテロアリール)、-CN、または-CF3であるが、
【0310】
ただし、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7の少なくとも一つは、NまたはNHである]
【0311】
または薬学的に許容されるその塩である、条項1から155のいずれか1項に記載の方法。
【0312】
157.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式:
【化16】
の化合物
【0313】
または薬学的に許容されるその塩である、条項1から156のいずれか1項に記載の方法。
【0314】
158.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mg、約80mg、約120mg、または約160mgの量で、1日1回または1日2回投与される、条項1から157のいずれか1項に記載の方法。
【0315】
159.前記MEK阻害剤が、ピマセルチブ、セルメチニブ、コビメチニブ、PD-0325901、レファメチニブ、TAK733、MEK162、RO5126766、WX-554、RO4987655、GDC-0973、AZD8330、AZD6244、またはCI-1040である、条項1から158のいずれか1項に記載の方法。
【0316】
160.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、少なくとも一つの、約40mg、約80mg QD、約120mg QD、または約160mg QDの用量の後に、少なくとも一つの、約40mg BID、約80mg BID、約120mg BID、または約160mg BIDの用量が続くスケジュールで投与される、条項1から159のいずれか1項に記載の方法。
【0317】
161.前記MEK阻害剤が、セルメチニブである、条項1から160のいずれか1項に記載の方法。
【0318】
162.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、前記MEK阻害剤と同時に投与される、条項1から161のいずれか1項に記載の方法。
【0319】
163.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する61前記化合物が、前記MEK阻害剤より前に投与される、条項139から161のいずれか1項に記載の方法。
【0320】
164.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、前記MEK阻害剤の後に投与される、条項139から161のいずれか1項に記載の方法。
【0321】
165.前記患者が、前治療を受けていない、条項1から164のいずれか1項に記載の方法。
【0322】
166.前記患者が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けている、条項1から164のいずれか1項に記載の方法。
【0323】
167.前記患者が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けており、前記治療に対する後天的耐性を生じている、および/または前記治療に対するバイパス耐性を生じている、条項1から164または166のいずれか1項に記載の方法。
【0324】
168.治療有効量のMEK阻害剤との併用で、治療を必要とする患者におけるがんの治療に使用される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、化合物またはその塩。
【0325】
169.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、治療を必要とする患者におけるがんを治療する方法に使用されるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、患者において予め同定されており、前記方法が、MEK阻害剤と併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物を投与する段階を含むが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、化合物またはその塩。
【0326】
170.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、治療を必要とする患者における、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介されるがんを治療する方法に使用されるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が、MEK阻害剤と併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物を投与する段階を含むが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、化合物またはその塩。
【0327】
171.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、患者におけるがんを治療する方法に使用されるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が;
【0328】
i.少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を患者において同定し、
【0329】
ii.MEK阻害剤と併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物を投与することを特徴とするが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、化合物またはその塩。
【0330】
172.少なくとも一つの、遺伝的に改変した前記発がん遺伝子が、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、および/または遺伝的に改変したPI3Kである、条項169から171のいずれか1項に記載の化合物。
【0331】
173.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、治療を必要とする患者における非小細胞肺癌を治療する方法に使用されるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が、MEK阻害剤と併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物を投与する段階を含むが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、化合物またはその塩。
【0332】
174.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、治療を必要とする患者における非小細胞肺癌を治療する方法に使用されるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が、MEK阻害剤と併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含み、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されているが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、化合物またはその塩。
【0333】
175.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される、治療を必要とする患者における非小細胞肺癌を治療する方法に使用されるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が、MEK阻害剤と併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含むが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、化合物またはその塩。
【0334】
176.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、患者における非小細胞肺癌を治療する方法に使用されるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が;
【0335】
i.遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を患者において同定し、
【0336】
ii.MEK阻害剤と併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物を投与することを特徴とするが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、化合物またはその塩。
【0337】
177.遺伝的に改変した前記KRASが、G12C、G12V、G12D、G12A、G13C、G12S、D12R、D12F、G13D、G13V、G13R、G13E、Q61H、Q61E、Q61L、およびQ61Rからなる群から選択される;またはG12D、G13D、およびQ61Hからなる群から選択される、少なくとも一つの変異を含む、条項174から176のいずれか1項に記載の化合物。
【0338】
178.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、治療を必要とする患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療する方法に使用されるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が、MEK阻害剤と併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物を投与する段階を含むが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、化合物またはその塩。
【0339】
179.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、治療を必要とする患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療する方法に使用されるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が、MEK阻害剤と併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物を投与する段階を含み、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されているが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、化合物またはその塩。
【0340】
180.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される、治療を必要とする患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療する方法に使用されるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が、MEK阻害剤と併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物を投与する段階を含むが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、化合物またはその塩。
【0341】
181.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療する方法に使用されるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、前記方法が;
【0342】
i.遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を患者において同定し、
【0343】
ii.MEK阻害剤と併用して、患者に治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物を投与することを特徴とするが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、化合物またはその塩。
【0344】
182.遺伝的に改変した前記KRASが、G12D、G12V、G13D、A146T、G12C、G12A、G12S、K117N、Q61K、G12R、M72V、S17G、K5R、D69G、G13C、G13R、Q61H、K117E、Q61L、Q61R、K117R、A146V、A146P、K147N、およびR97Iからなる群から選択される;またはG12D、G12V、G12R、Q61H、G12C、およびG12Sからなる群から選択される、少なくとも一つの変異を含む、条項179から181のいずれか1項に記載の化合物。
【0345】
183.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mgから約200mgの量で投与される、条項168から182のいずれか1項に記載の化合物。
【0346】
184.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mg、または約80mg、または約120mg、または約160mgの量で投与される、条項168から183のいずれか1項に記載の化合物。
【0347】
185.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式1の化合物:
【化17】
【0348】
[式中、
【0349】
Mは、CR5またはNであり;
【0350】
X1およびX2は、独立して、-C(R7)(R8)-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-O-または-N(R9)-であり;
【0351】
各R1は、独立して、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、C(O)N(C1-C6アルキル)2、SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0352】
各R2およびR3は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、C(O)NH2、C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0353】
R4およびR5は、それぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1-C6アルキル、-OH、-CN、OC1-C6アルキル、-NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)2または-CF3であり;
【0354】
R6は、H、C1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキルであり、ここでC1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキル中の各水素原子は、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、CO2C1-C6アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C6アルキル)、-CON(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0355】
各R7およびR8は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリールまたは5から7員のヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、SC1-C6アルキル、S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0356】
各R9は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または単環式もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキルまたは-OR7により、独立して、適宜置換されていてよく;
【0357】
各Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7は、独立して、N、NH、またはC(R10)であり、ここで各R10は、独立して、H、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、-O-C1-C6アルキル、-OH、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-NH(フェニル)、-NH(ヘテロアリール)、-CN、または-CF3であるが、
【0358】
ただし、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7の少なくとも一つは、NまたはNHである]
【0359】
または薬学的に許容されるその塩である、条項168から184のいずれか1項に記載の化合物。
【0360】
186.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式:
【化18】
の化合物
【0361】
または薬学的に許容されるその塩である、条項168から185のいずれか1項に記載の化合物。
【0362】
187.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mg、約80mg、約120mg、または約160mgの量で投与される、条項168から186のいずれか1項に記載の化合物。
【0363】
188.前記MEK阻害剤が、ピマセルチブ、セルメチニブ、コビメチニブ、PD-0325901、レファメチニブ、TAK733、MEK162、RO5126766、WX-554、RO4987655、GDC-0973、AZD8330、AZD6244、またはCI-1040である、条項168から187のいずれか1項に記載の化合物。
【0364】
189.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、少なくとも一つの、約40mg、約80mg QD、約120mg QD、または約160mg QDの用量の後に、少なくとも一つの、約40mg BID、約80mg BID、約120mg BID、または約160mg BIDの用量が続くスケジュールで投与される、条項168から188のいずれか1項に記載の化合物。
【0365】
190.前記MEK阻害剤が、セルメチニブである、条項168から189のいずれか1項に記載の化合物。
【0366】
192.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、前記MEK阻害剤と同時に投与される、条項168から190のいずれか1項に記載の化合物。
【0367】
193.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、前記MEK阻害剤より前に投与される、条項168から190のいずれか1項に記載の化合物。
【0368】
194.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、前記MEK阻害剤の後に投与される、条項168から190のいずれか1項に記載の化合物。
【0369】
195.前記患者が、前治療を受けていない、条項168から194のいずれか1項に記載の化合物。
【0370】
196.前記患者が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けている、条項168から194のいずれか1項に記載の化合物。
【0371】
197.前記患者が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けており、前記治療に対する後天的耐性を生じている、および/または前記治療に対するバイパス耐性を生じている、条項168から194または196のいずれか1項に記載の化合物。
【0372】
198.治療有効量のMEK阻害剤との併用で患者におけるがんを治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない使用。
【0373】
199.治療有効量のMEK阻害剤との併用で患者におけるがんを治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでなく、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されている使用。
【0374】
200.治療有効量のMEK阻害剤との併用で患者におけるがんを治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでなく、前記がんが、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される使用。
【0375】
201.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、患者におけるがんを治療する方法に使用されるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用であって、前記方法が;
【0376】
i.少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を患者において同定し、
【0377】
ii.MEK阻害剤と併用して、患者に前記薬物を投与することを特徴とするが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない使用。
【0378】
202.少なくとも一つの、遺伝的に改変した前記発がん遺伝子が、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、および/または遺伝的に改変したPI3Kである、条項169から171のいずれか1項に記載の使用。
【0379】
203.治療有効量のMEK阻害剤との併用で患者における非小細胞肺癌を治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない使用。
【0380】
204.治療有効量のMEK阻害剤との併用で患者における非小細胞肺癌を治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでなく、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されている使用。
【0381】
205.治療有効量のMEK阻害剤との併用で、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される、患者における非小細胞肺癌を治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない使用。
【0382】
206.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、患者における非小細胞肺癌を治療する方法に使用されるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用であって、前記方法が;
【0383】
i.遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を患者において同定し、
【0384】
ii.MEK阻害剤と併用して、患者に前記薬物を投与することを特徴とするが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない使用。
【0385】
207.遺伝的に改変した前記KRASが、G12C、G12V、G12D、G12A、G13C、G12S、D12R、D12F、G13D、G13V、G13R、G13E、Q61H、Q61E、Q61L、およびQ61Rからなる群から選択される;またはG12D、G13D、およびQ61Hからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、条項204から206のいずれか1項に記載の使用。
【0386】
208.治療有効量のMEK阻害剤との併用で患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない使用。
【0387】
209.治療有効量のMEK阻害剤との併用で患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでなく、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されている使用。
【0388】
210.治療有効量のMEK阻害剤との併用で、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される、患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療するための、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない使用。
【0389】
211.治療有効量のMEK阻害剤と併用して、患者における結腸直腸癌または膵臓癌を治療する方法に使用されるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない、治療有効量のFAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物を含む薬物の調製における、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用であって、前記方法が;
【0390】
i.遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を患者において同定し、
【0391】
ii.MEK阻害剤と併用して、患者に前記薬物を投与することを特徴とするが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない使用。
【0392】
212.遺伝的に改変した前記KRASが、G12D、G12V、G13D、A146T、G12C、G12A、G12S、K117N、Q61K、G12R、M72V、S17G、K5R、D69G、G13C、G13R、Q61H、K117E、Q61L、Q61R、K117R、A146V、A146P、K147N、およびR97Iからなる群から選択される;またはG12D、G12V、G12R、Q61H、G12C、およびG12Sからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、条項208から210のいずれか1項に記載の使用。
【0393】
213.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mgから約200mgの量で投与される、条項198から212のいずれか1項に記載の使用。
【0394】
214.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mg、または約80mg、または約120mg、または約160mgの量で投与される、条項198から213のいずれか1項に記載の使用。
【0395】
215.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式1の化合物:
【化19】
【0396】
[式中、
【0397】
Mは、CR5またはNであり;
【0398】
X1およびX2は、独立して、-C(R7)(R8)-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-O-または-N(R9)-であり;
【0399】
各R1は、独立して、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、C(O)N(C1-C6アルキル)2、SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0400】
各R2およびR3は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、C(O)NH2、C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0401】
R4およびR5は、それぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1-C6アルキル、-OH、-CN、OC1-C6アルキル、-NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)2または-CF3であり;
【0402】
R6は、H、C1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキルであり、ここでC1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキル中の各水素原子は、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、CO2C1-C6アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C6アルキル)、-CON(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0403】
各R7およびR8は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリールまたは5から7員のヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、SC1-C6アルキル、S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0404】
各R9は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または単環式もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキルまたは-OR7により、独立して、適宜置換されていてよく;
【0405】
各Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7は、独立して、N、NH、またはC(R10)であり、ここで各R10は、独立して、H、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、-O-C1-C6アルキル、-OH、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-NH(フェニル)、-NH(ヘテロアリール)、-CN、または-CF3であるが、
【0406】
ただし、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7の少なくとも一つは、NまたはNHである]
【0407】
または薬学的に許容されるその塩である、条項198から214のいずれか1項に記載の使用。
【0408】
216.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式:
【化20】
の化合物
【0409】
または薬学的に許容されるその塩である、条項198から215のいずれか1項に記載の使用。
【0410】
217.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mg、約80mg、約120mg、または約160mgの量で投与される、条項198から216のいずれか1項に記載の使用。
【0411】
218.前記MEK阻害剤が、ピマセルチブ、セルメチニブ、コビメチニブ、PD-0325901、レファメチニブ、TAK733、MEK162、RO5126766、WX-554、RO4987655、GDC-0973、AZD8330、AZD6244、またはCI-1040である、条項198から217のいずれか1項に記載の使用。
【0412】
219.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、少なくとも一つの、約40mg QD、約80mg QD、約120mg QD、または約160mg QDの用量の後に、少なくとも一つの、約40mg BID、約80mg BID、約120mg BID、または約160mg BIDの用量が続くスケジュールで投与される、条項198から218のいずれか1項に記載の使用。
【0413】
220.前記MEK阻害剤が、セルメチニブである、条項198から219のいずれか1項に記載の使用。
【0414】
221.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、前記MEK阻害剤と同時に投与される、条項198から220のいずれか1項に記載の使用。
【0415】
222.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、前記MEK阻害剤より前に投与される、条項198から220のいずれか1項に記載の使用。
【0416】
223.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、前記MEK阻害剤の後に投与される、条項198から220のいずれか1項に記載の使用。
【0417】
224.前記患者が、前治療を受けていない、条項198から223のいずれか1項に記載の使用。
【0418】
225.前記患者が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けている、条項198から223のいずれか1項に記載の使用。
【0419】
226.前記患者が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けており、前記治療に対する後天的耐性を生じている、および/または前記治療に対するバイパス耐性を生じている、条項198から223または225のいずれか1項に記載の使用。
【0420】
227.固定のあるいは自由な組み合わせで、治療有効量のMEK阻害剤と併用される、治療有効量の、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない薬物。
【0421】
228.患者におけるがんに対する効果を提供する、固定のあるいは自由な組み合わせで、治療有効量のMEK阻害剤と併用される、治療有効量の、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでなく、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されている薬物。
【0422】
229.少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介されるがんに対する効果を提供する、固定のあるいは自由な組み合わせで、治療有効量のMEK阻害剤と併用される、治療有効量の、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない薬物。
【0423】
230.少なくとも一つの、遺伝的に改変した前記発がん遺伝子が、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、および/または遺伝的に改変したPI3Kである、条項228または229に記載の薬物。
【0424】
231.非小細胞肺癌の治療に対する効果を提供する、固定のあるいは自由な組み合わせで、治療有効量のMEK阻害剤と併用される、治療有効量の、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない薬物。
【0425】
232.患者における非小細胞肺癌の治療に対する効果を提供する、固定のあるいは自由な組み合わせで、治療有効量のMEK阻害剤と併用される、治療有効量の、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでなく、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されている薬物。
【0426】
233.固定のあるいは自由な組み合わせで、治療有効量のMEK阻害剤と併用される、治療有効量の、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでなく、前記薬物が、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される、患者における非小細胞肺癌の治療に対する効果を提供する薬物。
【0427】
234.遺伝的に改変した前記KRASが、G12C、G12V、G12D、G12A、G13C、G12S、D12R、D12F、G13D、G13V、G13R、G13E、Q61H、Q61E、Q61L、およびQ61Rからなる群から選択される、またはG12D、G13D、およびQ61Hからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、条項232または233に記載の薬物。
【0428】
235.患者における結腸直腸癌または膵臓癌の治療に対する効果を提供する、固定のあるいは自由な組み合わせで、治療有効量のMEK阻害剤と併用される、治療有効量の、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでない薬物。
【0429】
236.患者における結腸直腸癌または膵臓癌の治療に対する効果を提供する、固定のあるいは自由な組み合わせで、治療有効量のMEK阻害剤と併用される、治療有効量の、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでなく、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子が、前記患者において予め同定されている薬物。
【0430】
237.固定のあるいは自由な組み合わせで、治療有効量のMEK阻害剤と併用される、治療有効量の、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む薬物であるが、ただし、前記MEK阻害剤が、トラメチニブでなく、前記薬物が、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介される、患者における結腸直腸癌または膵臓癌の治療に対する効果を提供する薬物。
【0431】
238.遺伝的に改変した前記KRASが、G12D、G12V、G13D、A146T、G12C、G12A、G12S、K117N、Q61K、G12R、M72V、S17G、K5R、D69G、G13C、G13R、Q61H、K117E、Q61L、Q61R、K117R、A146V、A146P、K147N、およびR97Iからなる群から選択される;またはG12D、G12V、G12R、Q61H、G12C、およびG12Sからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、条項236または237に記載の薬物。
【0432】
239.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mgから約200mgの量で、薬物で提供される、条項227から238のいずれか1項に記載の薬物。
【0433】
240.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mg、または約80mg、または約120mg、または約160mgの量で、薬物で提供される、条項227から239のいずれか1項に記載の薬物。
【0434】
241.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式1の化合物:
【化21】
【0435】
[式中、
【0436】
Mは、CR5またはNであり;
【0437】
X1およびX2は、独立して、-C(R7)(R8)-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-O-または-N(R9)-であり;
【0438】
各R1は、独立して、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、C(O)N(C1-C6アルキル)2、SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0439】
各R2およびR3は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、C(O)NH2、C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0440】
R4およびR5は、それぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1-C6アルキル、-OH、-CN、OC1-C6アルキル、-NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)2または-CF3であり;
【0441】
R6は、H、C1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキルであり、ここでC1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキル中の各水素原子は、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、CO2C1-C6アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C6アルキル)、-CON(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0442】
各R7およびR8は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリールまたは5から7員のヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、SC1-C6アルキル、S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0443】
各R9は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または単環式もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキルまたは-OR7により、独立して、適宜置換されていてよく;
【0444】
各Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7は、独立して、N、NH、またはC(R10)であり、ここで各R10は、独立して、H、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、-O-C1-C6アルキル、-OH、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-NH(フェニル)、-NH(ヘテロアリール)、-CN、または-CF3であるが、
【0445】
ただし、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7の少なくとも一つは、NまたはNHである]
【0446】
または薬学的に許容されるその塩である、条項227から241のいずれか1項に記載の薬物。
【0447】
242.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式:
【化22】
の化合物
【0448】
または薬学的に許容されるその塩である、条項227から241のいずれか1項に記載の薬物。
【0449】
243.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mg、約80mg、約120mg、または約160mgの量で、薬物で提供される、条項227から242のいずれか1項に記載の薬物。
【0450】
244.前記MEK阻害剤が、ピマセルチブ、セルメチニブ、コビメチニブ、PD-0325901、レファメチニブ、TAK733、MEK162、RO5126766、WX-554、RO4987655、GDC-0973、AZD8330、AZD6244、またはCI-1040である、条項227から243のいずれか1項に記載の薬物。
【0451】
245.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、少なくとも一つの、約40mg QD、約80mg QD、約120mg QD、または約160mg QDの用量の後に、少なくとも一つの、約40mg BID、約80mg BID、約120mg BID、または約160mg BIDの用量が続くスケジュールで、薬物で提供される、条項227から244のいずれか1項に記載の薬物。
【0452】
246.前記MEK阻害剤が、セルメチニブである、条項227から245のいずれか1項に記載の薬物。
【0453】
247.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、前記MEK阻害剤と同時に投与される、条項227から246のいずれか1項に記載の薬物。
【0454】
248.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、前記MEK阻害剤より前に投与される、条項227から246のいずれか1項に記載の薬物。
【0455】
249.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、前記MEK阻害剤の後に投与される、条項227から246のいずれか1項に記載の薬物。
【0456】
250.前記患者が、前治療を受けていない、条項227から249のいずれか1項に記載の薬物。
【0457】
251.前記患者が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けている、条項227から249のいずれか1項に記載の薬物。
【0458】
252.前記患者が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けており、前記治療に対する後天的耐性を生じている、および/または前記治療に対するバイパス耐性を生じている、条項227から249または251のいずれか1項に記載の薬物。
【0459】
253.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物およびトラメチニブの組成物であって、前記2つの成分がある部位で互いに接触する組成物。
【0460】
254.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式1の化合物:
【化23】
【0461】
[式中、
【0462】
Mは、CR5またはNであり;
【0463】
X1およびX2は、独立して、-C(R7)(R8)-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-O-または-N(R9)-であり;
【0464】
各R1は、独立して、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、C(O)N(C1-C6アルキル)2、SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0465】
各R2およびR3は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、C(O)NH2、C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0466】
R4およびR5は、それぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1-C6アルキル、-OH、-CN、OC1-C6アルキル、-NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)2または-CF3であり;
【0467】
R6は、H、C1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキルであり、ここでC1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキル中の各水素原子は、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、CO2C1-C6アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C6アルキル)、-CON(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0468】
各R7およびR8は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリールまたは5から7員のヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、SC1-C6アルキル、S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0469】
各R9は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または単環式もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキルまたは-OR7により、独立して、適宜置換されていてよく;
【0470】
各Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7は、独立して、N、NH、またはC(R10)であり、ここで各R10は、独立して、H、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、-O-C1-C6アルキル、-OH、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-NH(フェニル)、-NH(ヘテロアリール)、-CN、または-CF3であるが、
【0471】
ただし、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7の少なくとも一つは、NまたはNHである]
【0472】
または薬学的に許容されるその塩である、条項253に記載の組成物。
【0473】
255.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式:
【化24】
の化合物
【0474】
または薬学的に許容されるその塩である、条項253または254に記載の組成物。
【0475】
256.前記部位が、がんまたはがん細胞である、条項253から255のいずれか1項に記載の組成物。
【0476】
257.前記部位が、非小細胞肺癌、結腸直腸癌または膵臓癌および膵臓癌から選択されるがんである、条項253から256のいずれか1項に記載の組成物。
【0477】
258.前記がんが、非小細胞肺癌である、条項257に記載の組成物。
【0478】
259.前記がんが、結腸直腸癌または膵臓癌である、条項257に記載の組成物。
【0479】
260.前記部位が、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を含む、条項253から259のいずれか1項に記載の組成物。
【0480】
261.前記部位が、G12C、G12V、G12D、G12A、G13C、G12S、D12R、D12F、G13D、G13V、G13R、G13E、Q61H、Q61E、Q61L、およびQ61Rからなる群から選択される;またはG12A、G12C、G12D、G12S、G12V、G13D、Q61H、およびQ61Kからなる群から選択される、またはG12D、G13D、およびQ61Hからなる群から選択される;またはG12D、G12V、G13D、A146T、G12C、G12A、G12S、K117N、Q61K、G12R、M72V、S17G、K5R、D69G、G13C、G13R、Q61H、K117E、Q61L、Q61R、K117R、A146V、A146P、K147N、およびR97Iからなる群から選択される;またはG12D、G12V、G12R、Q61H、G12C、およびG12Sからなる群から選択される少なくとも一つの変異を有する、遺伝的に改変したKRASを含む、条項253から260のいずれか1項に記載の組成物。
【0481】
262.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mgから約200mgの量で、組成物で提供される、条項253から261のいずれか1項に記載の組成物。
【0482】
263.前記MEK阻害剤が、ピマセルチブ、セルメチニブ、コビメチニブ、PD-0325901、レファメチニブ、TAK733、MEK162、RO5126766、WX-554、RO4987655、GDC-0973、AZD8330、AZD6244、またはCI-1040である、条項253から262のいずれか1項に記載の組成物。
【0483】
264.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mg、約80mg、約120mg、または約160mgの量で、組成物で提供される、条項253から263のいずれか1項に記載の組成物。
【0484】
265.前記MEK阻害剤が、セルメチニブである、条項253から264のいずれか1項に記載の組成物。
【0485】
266.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物およびトラメチニブの組成物であって、前記2つの成分が、人体内でのみ互いに接触する組成物。
【0486】
267.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式1の化合物:
【化25】
【0487】
[式中、
【0488】
Mは、CR5またはNであり;
【0489】
X1およびX2は、独立して、-C(R7)(R8)-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-O-または-N(R9)-であり;
【0490】
各R1は、独立して、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、C(O)N(C1-C6アルキル)2、SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0491】
各R2およびR3は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、C(O)NH2、C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0492】
R4およびR5は、それぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1-C6アルキル、-OH、-CN、OC1-C6アルキル、-NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)2または-CF3であり;
【0493】
R6は、H、C1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキルであり、ここでC1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキル中の各水素原子は、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、CO2C1-C6アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C6アルキル)、-CON(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0494】
各R7およびR8は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリールまたは5から7員のヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、SC1-C6アルキル、S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0495】
各R9は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または単環式もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキルまたは-OR7により、独立して、適宜置換されていてよく;
【0496】
各Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7は、独立して、N、NH、またはC(R10)であり、ここで各R10は、独立して、H、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、-O-C1-C6アルキル、-OH、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-NH(フェニル)、-NH(ヘテロアリール)、-CN、または-CF3であるが、
【0497】
ただし、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7の少なくとも一つは、NまたはNHである]
【0498】
または薬学的に許容されるその塩である、条項266に記載の組成物。
【0499】
268.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、下記の化学式:
【化26】
の化合物
【0500】
または薬学的に許容されるその塩である、条項266または267に記載の組成物。
【0501】
269.前記人体が、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子を含む、条項266から268のいずれか1項に記載の組成物。
【0502】
270.前記人体が、G12C、G12V、G12D、G12A、G13C、G12S、D12R、D12F、G13D、G13V、G13R、G13E、Q61H、Q61E、Q61L、およびQ61Rからなる群から選択される;またはG12A、G12C、G12D、G12S、G12V、G13D、Q61H、およびQ61Kからなる群から選択される、またはG12D、G13D、およびQ61Hからなる群から選択される;またはG12D、G12V、G13D、A146T、G12C、G12A、G12S、K117N、Q61K、G12R、M72V、S17G、K5R、D69G、G13C、G13R、Q61H、K117E、Q61L、Q61R、K117R、A146V、A146P、K147N、およびR97Iからなる群から選択される;またはG12D、G12V、G12R、Q61H、G12C、およびG12Sからなる群から選択される少なくとも一つの変異を有する、遺伝的に改変したKRASを含む、条項266から269のいずれか1項に記載の組成物。
【0503】
271.FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mgから約200mgの量で、組成物で提供される、条項266から270のいずれか1項に記載の組成物。
【0504】
272.前記MEK阻害剤が、ピマセルチブ、セルメチニブ、コビメチニブ、PD-0325901、レファメチニブ、TAK733、MEK162、RO5126766、WX-554、RO4987655、GDC-0973、AZD8330、AZD6244、またはCI-1040である、条項266から271のいずれか1項に記載の組成物。
【0505】
273.FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物が、約40mg、約80mg、約120mg、または約160mgの量で、組成物で提供される、条項266から272のいずれか1項に記載の組成物。
【0506】
274.前記MEK阻害剤が、セルメチニブである、条項266から273のいずれか1項に記載の組成物。
【0507】
275.前記人体が、前治療を受けていない、条項266から274のいずれか1項に記載の組成物。
【0508】
276.前記人体が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けている、条項266から274のいずれか1項に記載の組成物。
【0509】
277.前記宿主動物が、1つ以上の化学療法剤または免疫療法による、少なくとも一つの前治療を受けており、前記治療に対する後天的耐性を生じているか、または前記治療に対するバイパス耐性を生じている、そのような治療を必要とするヒト患者である、条項266から274または276のいずれか1項に記載の組成物。
【0510】
278.前記MEK阻害剤が、トラメチニブ、セルメチニブ、LY3214996、RO5126766、TNO155(SHP099)、またはミルダメチニブ、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩である、条項1から277のいずれか1項に記載の方法、使用、化合物、組成物または薬物。
【図面の簡単な説明】
【0511】
【
図1A】
図1Aは、KRAS G12C変異を有するNCI-H358細胞における、24時間および48時間時点での、化合物1(1μM)、トラメチニブ(50nM)、および化合物1(1μM)+トラメチニブ(50nM)により活性化されたカスパーゼ-3/7のレベルを示す。
【
図1B】
図1Bは、KRAS Q61K変異を有するCalu-6細胞における、24時間および48時間時点での、化合物1(1μM)、トラメチニブ(50nM)、および化合物1(1μM)+トラメチニブ(50nM)により活性化されたカスパーゼ-3/7のレベルを示す。
【
図1C】
図1Cは、KRAS G12C変異を有するNCI-H2122細胞における、24時間および48時間時点での、化合物1(1μM)、トラメチニブ(50nM)、および化合物1(1μM)+トラメチニブ(50nM)により活性化されたカスパーゼ-3/7のレベルを示す。
【
図1D】
図1Dは、KRAS G12V変異を有するNCI-H441細胞における、24時間および48時間時点での、化合物1(1μM)、トラメチニブ(50nM)、および化合物1(1μM)+トラメチニブ(50nM)により活性化されたカスパーゼ-3/7のレベルを示す。
【
図2A】
図2Aは、胸腺欠損ヌードマウスでの、KRAS
Q61K変異を有するCalu-6細胞由来異種移植腫瘍における、トラメチニブと併用した際の化合物1の抗腫瘍効果を示すチャートである。(●)コントロール;(▼)化合物1(15mg/kg BID);(△)トラメチニブ(0.2mg/kg QD);(▲)化合物1(15mg/kg BID)+トラメチニブ(0.2mg/kg QD);(□)トラメチニブ(0.6mg/kg QD);(■)化合物1(15mg/kg BID)+トラメチニブ(0.6mg/kg QD)
【
図2B】
図2Bは、(●)コントロール;(▼)化合物1(15mg/kg BID);(△)トラメチニブ(0.2mg/kg QD);(▲)化合物1(15mg/kg BID)+トラメチニブ(0.2mg/kg QD);(□)トラメチニブ(0.6mg/kg QD);(■)化合物1(15mg/kg BID)+トラメチニブ(0.6mg/kg QD)で治療した場合の、KRAS
Q61K変異を有するCalu-6細胞由来異種移植腫瘍を持つマウスの体重を示すチャートである。体重データは、
図2Aと同じマウスのコホートから得た。
【
図3】
図3は、KRAS
Q61K変異を有するCalu-6細胞由来異種移植腫瘍において、MEK1/2阻害剤トラメチニブ(0.6mg/kg QD)、化合物1(15mg/kg BID)、および化合物1(15mg/kg BID)の存在下でのトラメチニブ(0.6mg/kg QD)で治療した後の、リン酸化EGFR、リン酸化SRC、リン酸化FAK、およびリン酸化ERKの薬力学的調節を示す。mpk:mg/kg
【
図4A】
図4Aは、SCID/Beigeマウスでの、KRAS
G13D変異を有するHCT-116細胞由来異種移植腫瘍における、トラメチニブと併用した際の化合物1の抗腫瘍効果を示すチャートである。(●)コントロール;(▼)化合物1(15mg/kg BID);(▲)トラメチニブ(0.4mg/kg QD);(■)化合物1(15mg/kg BID)+トラメチニブ(0.4mg/kg QD)
【
図4B】
図4Bは、(●)コントロール;(▼)化合物1(15mg/kg BID);(▲)トラメチニブ(0.4mg/kg QD);(■)化合物1(15mg/kg BID)+トラメチニブ(0.4mg/kg QD)で治療した場合の、KRAS
G13D変異を有するHCT-116細胞由来異種移植腫瘍を持つマウスの体重を示すチャートである。体重データは、
図4Aと同じマウスのコホートから得た。
【
図5A】
図5Aは、C57BL/6マウスでの、KRAS
G12D/+;p53
-/-変異を有するmLU6045 MuPrimeマウス肺癌モデルにおける、トラメチニブと併用した際の化合物1の抗腫瘍効果を示すチャートである。(●)コントロール;(▼)化合物1(15mg/kg BID);(▲)トラメチニブ(1mg/kg QD);(■)化合物1(15mg/kg BID)+トラメチニブ(1mg/kg QD)
【
図5B】
図5Bは、(●)コントロール;(▼)化合物1(15mg/kg BID);(▲)トラメチニブ(1mg/kg QD);(■)化合物1(15mg/kg BID)+トラメチニブ(1mg/kg QD)で治療した場合の、KRAS
G12D/+;p53
-/-変異を有するmLU6045 MuPrimeマウス腫瘍を持つマウスの体重を示すチャートである。体重データは、
図5Aと同じマウスのコホートから得た。
【発明を実施するための形態】
【0512】
本発明をさらに説明する前に、本発明は、実施形態が当然ながら様々である場合があるように、記載される特定の実施形態に制限されないことが理解されるべきである。本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ制限されるであろうため、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載するためにすぎず、制限するように意図されないということも理解されるべきである。
【0513】
他で定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的な用語は、本発明が属する分野の当業者により、一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で参照される全ての特許、出願、公開された出願および他の出願は、参照によりその全体が組み込まれる。本セクションに記載される定義が、参照により本明細書に組み込まれる特許、出願、他の出願に記載される定義に反する、またはそれと一致しない場合、本セクションに記載される定義が、参照により本明細書に組み込まれる定義より優先する。
【0514】
文脈上、明らかに指示されない限り、本明細書および添付の請求項で使用されるとき、単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数の指示対象を含む。請求項は、任意の随意的な要素を除外するように起草されることがあることが、さらに留意される。それゆえ、本記述は、請求項要素の記述、または「否定的な」制限の使用に関連して、「単に(solely)」、「のみ(only)」および同類のものなどの排他的な用語を使用するための先行詞としてはたらくように意図される。
【0515】
本明細書で使用されるとき、「含む(including)」、「含む(containing)」、および「含む(comprising)」という用語は、それらのオープンかつ非制限的な意味で使用される。
【0516】
より簡潔な説明を提供するために、本明細書で与えられる量的表現のいくつかは、「約(about)」という用語で修飾されない。「約(about)」という用語が、明確に使用されようとそうでなかろうと、本明細書で与えられる全ての数量は、実際の与えられた値を指すように意図されており、それは、当技術分野における通常の技術に基づいて合理的に推測されるであろう、そのような与えられた値に対する近似値を指すようにも意図されており、そのような近似値には、実験および/または測定条件に起因する、そのような与えられた値に対する同等な値および近似値が挙げられるということが理解される。収率が百分率として与えられるときはいつでも、そのような収率は、収率が、特定の化学量論条件下で得ることができる、同じ実体の最大量に関して与えられる、実体の質量を指す。百分率として与えられる濃度は、他で指示されない限り、質量比を指す。
【0517】
他で定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的な用語は、本発明が属する分野の当業者により、一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるような方法および物質に類似のまたは同等の、任意の方法および物質も、本発明の実施または試験に使用され得るが、好ましい方法および物質は、これから記載される。本明細書に言及される全ての刊行物は、参照により本明細書に組み込まれて、引用される刊行物に関連する方法および/または物質を開示し、記載する。
【0518】
他で記載される場合を除き、本実施形態の方法および技術は、一般的に、当技術分野に周知の従来の方法に従い、本明細書を通じて引用され議論される、一般的でより具体的な、様々な文献に記載されるとおりに行われる。例えば、Loudon,Organic Chemistry,第4版,New York:Oxford University Press,2002,pp.360-361,1084-1085;Smith and March,March's Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,第5版,Wiley-Interscience,2001を参照されたい。
【0519】
本明細書に記載される化合物の化学命名法は、一般的に、市販されているACD/Name 2014(ACD/Labs)またはChemBioDraw Ultra 13.0(Perkin Elmer)を用いて導き出されている。
【0520】
明確にするために別々の実施形態の文脈で記載される本発明のある特徴は、組み合わせて、単一の実施形態で提供されることもあることが認識される。反対に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で記載される本発明の様々な特徴は、別々で、または任意の適当なサブコンビネーションで提供されることもある。変数で表される化学基に関する実施形態の全ての組み合わせは、本発明により具体的に包含され、そのような組み合わせが、安定な化合物である化合物(すなわち、単離され、特徴付けられ、生物学的活性の検査をすることができる化合物)を包含する限り、あたかもありとあらゆる組み合わせが、個別にかつ明確に開示されたかのように、本明細書に開示される。さらに、そのような変数を記述する、実施形態に記載される化学基の全てのサブコンビネーションも、本発明により具体的に包含され、あたかも、ありとあらゆるそのような化学基のサブコンビネーションが、個別にかつ明確に開示されたかのように、本明細書に開示される。
【0521】
本明細書に記載される方法は、治療を必要とする、がんを有する「宿主動物」を治療するために使用される。一つの実施形態において、本明細書に記載される方法は、ヒト臨床医学および獣医学の適用の両方のために使用され得る。それゆえ、「宿主動物」は、本明細書に記載される組み合わせで投与され得、前記「宿主動物」は、ヒト(例えば、ヒト患者、別名を患者)であってもよく、獣医学の適用の場合、実験動物、農業用動物、または家畜であってもよい。一つの態様において、前記宿主動物は、ヒト、または齧歯動物(例えば、マウス、ラットなど)、および同類のものなどの実験動物であり得る。
【0522】
本明細書で使用されるとき、「がん(cancer)」という用語は、ALCL、腺癌、肺扁平上皮細胞癌、大細胞癌、および大細胞神経内分泌腫瘍といった非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌(SCLC)などの肺癌、神経芽腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、成人腎細胞癌、小児腎細胞癌、トリプルネガティブ乳癌、トリプルポジティブ乳癌などの乳癌、結腸腺癌、神経膠芽腫、多形神経膠芽腫、未分化甲状腺癌などの甲状腺癌(thyroid cancer)、胆管癌、卵巣癌、胃腺癌などの胃癌、結腸直腸癌(CRC)、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、血管肉腫、類上皮血管内皮腫、肝内胆管癌、甲状腺乳頭癌、スピッツ様腫瘍(spitzoid neoplasms)、肉腫、星状細胞腫、脳低悪性度神経膠腫、分泌乳癌、乳腺相似癌、急性骨髄白血病、先天性中胚葉腎腫、先天性線維肉腫、Ph様急性リンパ芽球性白血病、甲状腺癌(thyroid carcinoma)、皮膚黒色腫などの皮膚癌、頭頸部扁平上皮細胞癌(HNSCC)、小児神経膠腫CML、前立腺癌、卵巣漿液性嚢胞腺癌、皮膚黒色腫、去勢抵抗性前立腺癌、ホジキンリンパ腫、並びに漿液性および明細胞子宮内膜癌を含むが、これらに限らない。「がん(cancer)」という用語は、原発性がんまたは原発性腫瘍および転移性がんまたは転移性腫瘍の両方を含むということが認識されるであろう。例えば、転移性NSCLC、転移性CRC、転移性膵臓癌、転移性結腸直腸癌、転移性HNSCC、および同類のものがある。「がん(cancer)」という用語は、上皮細胞増殖因子受容体の発現上昇などの、疾患の進行をもたらし得る、特定の遺伝子の発現上昇または特定の遺伝子における遺伝子変異を引き起こすがんを含むということが認識されるであろう。
【0523】
特に、本明細書に記載される様々な態様のいくつかの実施形態において、前記がんは、遺伝的に改変したKRAS、遺伝的に改変したNRAS、遺伝的に改変したHRAS、遺伝的に改変したBRAF、遺伝的に改変したMEK、または遺伝的に改変したPI3Kから選択される、少なくとも一つの遺伝的に改変した発がん遺伝子により媒介されるか、またはそのような遺伝的に改変した発がん遺伝子は、患者において同定されている。本明細書に記載される様々な態様のいくつかの実施形態において、前記がんは、G12C、G12V、G12D、G12A、G13C、G12S、D12R、D12F、G13D、G13V、G13R、G13E、Q61H、Q61E、Q61L、およびQ61Rからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、遺伝的に改変したKRASにより媒介される非小細胞肺癌である。本明細書に記載される様々な態様のいくつかの実施形態において、前記がんは、G12D、G13D、およびQ61Hからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、遺伝的に改変したKRASにより媒介される非小細胞肺癌である;本明細書に記載される様々な態様のいくつかの実施形態において、前記がんは、G12A、G12C、G12S、G12V、またはQ61Kでない少なくとも一つの変異を含む、遺伝的に改変したKRASにより媒介される非小細胞肺癌である。
【0524】
本明細書に記載される様々な態様のいくつかの実施形態において、前記がんは、G12D、G12V、G13D、A146T、G12C、G12A、G12S、K117N、Q61K、G12R、M72V、S17G、K5R、D69G、G13C、G13R、Q61H、K117E、Q61L、Q61R、K117R、A146V、A146P、K147N、およびR97Iからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、遺伝的に改変したKRASにより媒介される結腸直腸癌である。
【0525】
本明細書に記載される様々な態様のいくつかの実施形態において、前記がんは、G12D、G12V、G12R、Q61H、G12C、およびG12Sからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、遺伝的に改変したKRASにより媒介される膵臓癌である。
【0526】
本明細書で使用されるとき、「KRAS」という用語は、KRAS遺伝子、KRAS遺伝子の転写により生じる、対応するmRNA、またはK-Rasと呼ばれる、RAS/MAPKシグナル伝達経路に関与する、KRAS遺伝子によりコードされるタンパク質を指す。KRAS遺伝子、K-Ras、およびRAS/MAPKシグナル伝達経路という用語は、当業者に既知であり、理解されるであろう。KRAS変異は、全てのヒト転移性がんのおよそ7分の1で起こること、およびそれらの変異は、KRAS遺伝子コード配列における様々な位置で起こり得ることが認識されるであろう。KRAS変異は、主にKRASコドン12および13で起こり、コドン18、61、117、および146でも低頻度で起こり、コドンおよびミスセンス変異に基づく腫瘍細胞シグナル伝達に、異なる影響を及ぼす。KRAS変異の例には、KRAS G12D、KRAS G12V、KRAS G12R、KRAS G12S、KRAS G13C、KRAS G13D、KRAS A18D、KRAS Q61H、KRAS K117N、および同類のものが挙げられるが、これらに限らない。
【0527】
化学的定義
本明細書で使用されるとき、「Mek阻害剤」または「MEK阻害剤」は、MAPK/ERKキナーゼ-1および-2遺伝子を阻害するか、またはMAPK/ERKキナーゼ-1および-2遺伝子によりコードされるタンパク質(MEK1およびMEK2;MAP2K1およびMAP2K2)を阻害する、当技術分野で既知の任意の化合物または薬剤を含むが、これらに限らない。本明細書に記載される方法および組成物に関連して使用される、代表的なMek阻害剤には、トラメチニブ、ピマセルチブ(AST03026);セルメチニブ(AZD6244);コビメチニブ;ミルダメチニブ(PD-0325901);レファメチニブ(RDEA119);TAK733;MEK162;RO5126766;WX-554;RO4987655;GDC-0973;AZD8330;AZD6244;およびCI-1040(PD-184352);GDC-0623;HL-085が挙げられるが、これらに限らない。
【0528】
本明細書で使用されるとき、「トラメチニブ(trametinib)」という用語は、下記の化学式:
【化27】
で表される化合物または薬学的に許容されるその塩を指し、GSK1120212またはN-(3-{3-シクロプロピル-5-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-6,8-ジメチル-2,4,7-トリオキソ-3,4,6,7-テトラヒドロピリド[4,3-d]ピリミジン-1(2H)-イル}フェニル)アセトアミドとしても知られている。トラメチニブは、有望な抗腫瘍活性を有する、経口投与可能なマイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ(MEK MAPK/ERKキナーゼ)の阻害剤である。トラメチニブは、特異的に、MEK1および2に結合して阻害し、増殖因子媒介細胞シグナル伝達および様々ながんにおける細胞増殖の阻害をもたらす。
【0529】
本明細書で使用されるとき、「アルキル(alkyl)」という用語は、適宜分岐してもよい、1から20個の炭素原子を含有する炭素原子の鎖を含む。ある実施形態において、アルキルは、C1-C12、C1-C10、C1-C9、C1-C8、C1-C7、C1-C6、およびC1-C4など、有利に長さが限定されることがあるということがさらに理解されるべきである。具体的には、そのような特に長さの限定される、C1-C8、C1-C7、C1-C6、およびC1-C4、および同類のものなどのアルキル基は、「低級アルキル基」と呼ばれることがある。具体的なアルキル基には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、および同類のものが挙げられるが、これらに限らない。アルキルは、置換されていてもよく、非置換であってもよい。典型的な置換基には、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロ、カルボニル、オキソ、(=O)、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、ニトロ、およびアミノ、または本明細書に提供される様々な実施形態に記載されるような置換基が挙げられる。「アルキル」は、上で提供されるような基などの他の基と結合し、官能性アルキルを形成することがあるということが理解されるであろう。例として、本明細書に記載されるとき、「アルキル」基の、「カルボキシ」基との組み合わせは、「カルボキシアルキル」基と呼ばれることがある。他の限定されない例には、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、および同類のものが挙げられる。
【0530】
本明細書で使用されるとき、「アルケニル(alkenyl)」という用語は、適宜分岐してもよい、2から20個の炭素原子を含有する炭素原子の鎖を含み、少なくとも一つの炭素-炭素二重結合(すなわち、C=C)も含む。ある実施形態において、アルケニルは、C2-C12、C2-C9、C2-C8、C2-C7、C2-C6、およびC2-C4など、有利に長さが限定されることがあるということが理解されるであろう。具体的には、そのような特に長さの限定される、C2-C8、C2-C7、C2-C6、およびC2-C4などのアルケニル基は、低級アルケニル基と呼ばれることがある。アルケニルは、非置換であってもよく、アルキルについて記載されるように、または本明細書に提供される様々な実施形態に記載されるように置換されていてもよい。具体的なアルケニル基には、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-、2-、または3-ブテニル、および同類のものが挙げられるが、これらに限らない。
【0531】
本明細書で使用されるとき、「アルキニル(alkynyl)」という用語は、適宜分岐してもよい、2から20個の炭素原子を含有する炭素原子の鎖を含み、少なくとも一つの炭素-炭素三重結合(すなわち、C≡C)も含む。ある実施形態において、アルキニルは、C2-C12、C2-C9、C2-C8、C2-C7、C2-C6、およびC2-C4など、有利に長さが限定されることがあるということが理解されるであろう。具体的には、そのような特に長さの限定される、C2-C8、C2-C7、C2-C6、およびC2-C4などのアルキニル基は、低級アルキニル基と呼ばれることがある。アルケニルは、非置換であってもよく、アルキルについて記載されるように、または本明細書に提供される様々な実施形態に記載されるように置換されていてもよい。具体的なアルケニル基には、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-、2-、または3-ブチニル、および同類のものが挙げられるが、これらに限らない。
【0532】
本明細書で使用されるとき、「アリール(aryl)」という用語は、完全に共役したπ電子系を有する、6から12個の炭素原子の全炭素単環式または縮合環多環式基を指す。ある実施形態において、アリールは、C6-C10アリールなど、有利に大きさが限定されることがあるということが理解されるであろう。具体的なアリール基には、フェニル、ナフタレニルおよびアントラセニルが挙げられるが、これらに限らない。アリール基は、非置換であってもよく、アルキルについて記載されるように、または本明細書に提供される様々な実施形態に記載されるように置換されていてもよい。
【0533】
本明細書で使用されるとき、「シクロアルキル(cycloalkyl)」という用語は、全炭素5員/6員もしくは6員/6員縮合二環式環などの、3から15員の全炭素単環式環、または多環式縮合環(「縮合」環系は、系におけるそれぞれの環が、系におけるそれぞれの他の環と炭素原子の隣接ペアを共有するということを意味する)基を指し、環のうちの一つ以上は、一つ以上の二重結合を含むことがあるが、シクロアルキルは、完全に共役したπ電子系を含まない。ある実施形態において、シクロアルキルは、C
3-C
13、C
3-C
9、C
3-C
6およびC
4-C
6など、有利に大きさが限定されることがあるということが理解されるであろう。シクロアルキルは、非置換であってもよく、アルキルについて記載されるように、または本明細書に提供される様々な実施形態に記載されるように置換されていてもよい。具体的なシクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、アダマンチル、ノルボロニル、ノルボルネニル、9H-フルオレン-9-イル、および同類のものが挙げられるが、これらに限らない。図示される具体的なシクロアルキル基の例には、適切に結合される部分の形で、以下の実体:
【化28】
が挙げられる。
【0534】
本明細書で使用される「ヘテロシクロアルキル(heterocycloalkyl)」という用語は、環中に3から12個の環原子を有する単環式または縮合環基であって、少なくとも一つの環原子が窒素、酸素または硫黄などのヘテロ原子であり、残りの環原子が炭素原子である基を指す。ヘテロシクロアルキルは、1、2、3または4個のヘテロ原子を適宜含んでいてもよい。ヘテロシクロアルキルは、窒素への二重結合(例えば、C=NまたはN=N)などの一つ以上の二重結合を有していてもよいが、完全に共役したπ電子系を含まない。ある実施形態において、ヘテロシクロアルキルは、3から7員のヘテロシクロアルキル、5から7員のヘテロシクロアルキル、および同類のものなど、有利に大きさが限定されることがあるということが理解されるであろう。ヘテロシクロアルキルは、非置換であってもよく、アルキルについて記載されるように、または本明細書に提供される様々な実施形態に記載されるように置換されていてもよい。具体的なヘテロシクロアルキル基には、オキシラニル、チアナリル(thianaryl)、アゼチジニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、1,4-ジオキサニル、モルホリニル、1,4-ジチアニル、ピペラジニル、オキセパニル、3,4-ジヒドロ-2H-ピラニル、5,6-ジヒドロ-2H-ピラニル、2H-ピラニル、1,2,3,4-テトラヒドロピリジニル、および同類のものが挙げられるが、これらに限らない。図示される具体的なシクロアルキル基の例には、適切に結合される部分の形で、以下の実体:
【化29】
が挙げられる。
【0535】
本明細書で使用されるとき、「ヘテロアリール(heteroaryl)」という用語は、窒素、酸素および硫黄から選択される、1、2、3または4個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素原子であって、完全に共役したπ電子系も有する、5から12個の環原子の単環式または縮合環基を指す。ある実施形態において、ヘテロアリールは、3から7員のヘテロアリール、5から7員のヘテロアリール、および同類のものなど、有利に大きさが限定されることがあるということが理解されるであろう。ヘテロアリールは、非置換であってもよく、アルキルについて記載されるように、または本明細書に提供される様々な実施形態に記載されるように置換されていてもよい。具体的なヘテロアリール基には、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、プリニル、テトラゾリル、トリアジニル、ピラジニル、テトラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、チエニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンズイソチアゾリルおよびカルバゾロイル(carbazoloyl)、並びに同類のものが挙げられるが、これらに限らない。図示される具体的なヘテロアリール基の例には、適切に結合される部分の形で、以下の実体:
【化30】
が挙げられる。
【0536】
本明細書で使用されるとき、「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、-OH基を指す。
【0537】
本明細書で使用されるとき、「アルコキシ」という用語は、-O-(アルキル)または-O-(非置換シクロアルキル)基の両方を指す。代表的な例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、および同類のものが挙げられるが、これらに限らない。
【0538】
本明細書で使用されるとき、「アリールオキシ」は、-O-アリールまたは-O-ヘテロアリール基を指す。代表的な例には、フェノキシ、ピリジニルオキシ、フラニルオキシ、チエニルオキシ、ピリミジニルオキシ、ピラジニルオキシ、および同類のものが挙げられるが、これらに限らない。
【0539】
本明細書で使用されるとき、「メルカプト」は、-SH基を指す。
【0540】
本明細書で使用されるとき、「アルキルチオ」は、-S-(アルキル)または-S-(非置換シクロアルキル)基を指す。代表的な例には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ、および同類のものが挙げられるが、これらに限らない。
【0541】
本明細書で使用されるとき、「アリールチオ」は、-S-アリールまたは-S-ヘテロアリール基を指す。代表的な例には、フェニルチオ、ピリジニルチオ、フラニルチオ、チエニルチオ、ピリミジニルチオ、および同類のものが挙げられるが、これらに限らない。
【0542】
本明細書で使用されるとき、「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を指す。
【0543】
本明細書で使用されるとき、「シアノ」は、-CN基を指す。
【0544】
「オキソ」という用語は、カルボニル酸素を表す。例えば、オキソで置換されたシクロペンチルは、シクロペンタノンである。
【0545】
本明細書で使用されるとき、「結合」は、共有結合を指す。
【0546】
「置換された(substituted)」という用語は、特定の基または部分が、一つ以上の置換基を有することを意味する。「非置換の(unsubstituted)」という用語は、特定の基が、置換基を有さないことを意味する。「置換された」という用語が、構造系を記述するために使用される場合、置換は、系上の任意の原子価許容位置で起こるように意図されている。いくつかの実施形態において、「置換された」は、特定の基または部分が、1、2、または3個の置換基を有することを意味する。他の実施形態において、「置換された」は、特定の基または部分が、1または2個の置換基を有することを意味する。さらに他の実施形態において、「置換された」は、特定の基または部分が、1個の置換基を有することを意味する。
【0547】
本明細書で使用されるとき、「随意的な」または「随意に」は、後に記載される事象または状況が、生じてもよいが、生じなくてもよいこと、並びに説明が、事象または状況が生じる例および生じない例を含むことを意味する。例えば、「ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または単環式もしくは二環式ヘテロアリール中の各水素原子は、C1-C6アルキルにより、独立して、適宜置換されていてよい」は、アルキルが、水素原子の、各アルキル基への置換により、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または単環式もしくは二環式ヘテロアリールのいずれかに存在してもよいが、しなくてもよいことを意味し、説明は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または単環式もしくは二環式ヘテロアリールが、アルキル基で置換されている状況、およびC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または単環式もしくは二環式ヘテロアリールが、アルキル基で置換されていない状況を含む。
【0548】
本明細書で使用されるとき、「独立して」は、後に記載される事象または状況が、他の類似の事象または状況に対して、それ自身について読まれるべきであることを意味する。例えば、いくつかの等価な水素基が、その状況で記載される別の基により適宜置換されていてよい状況において、「独立して随意に」の使用は、その基上の水素原子の各例が、別の基により置換されていてよく、水素原子のそれぞれを置換する基は、同じであっても、異なっていてもよいことを意味する。または、例えば、複数の基が存在し、そのすべてが一連の可能性から選択され得る場合、「独立して」の使用は、それらの基のそれぞれが、任意の他の基とは別に一連の可能性から選択され得、その状況で選択される基は、同じであっても、異なっていてもよいことを意味する。
【0549】
本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される塩(pharmaceutically acceptable salt)」という用語は、医薬品に使用されることがあるイオンに対抗するような塩を指す。一般に、S.M.Berge,et al.,“Pharmaceutical Salts,”J.Pharm.Sci.,1977,66,1-19を参照されたい。好ましい薬学的に許容される塩は、薬理学的に有効で、過度の毒性、炎症、またはアレルギー反応を伴わない患者の組織との接触に適するような塩である。本明細書に記載される化合物は、十分に酸性の基、十分に塩基性の基、両種の官能基、または各種の2個以上を有することがあり、したがって、多数の無機または有機塩基、並びに無機および有機酸と反応し、薬学的に許容される塩を形成することがある。そのような塩には:
【0550】
(1)塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸ならびに同類のものなどの無機酸との、または酢酸、シュウ酸、(D)もしくは(L)リンゴ酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸および同類のものなどの有機酸との、親化合物の遊離塩基の反応により得られる酸付加塩;あるいは
【0551】
(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンにより置換されるか、またはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリメタミン(trimethamine)、N-メチルグルカミン、および同類のものなどの有機塩基と配位するかのいずれかの場合に形成される塩が挙げられる。
【0552】
薬学的に許容される塩は、当業者に周知であり、任意のそのような薬学的に許容される塩は、本明細書に記載される実施形態に関連して企図されることがある。薬学的に許容される塩の例には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、クロライド、ブロマイド、アイオダイド、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-ジオエート、ヘキシン-1,6-ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩、ベシル酸塩、キシレンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホネート、ナフタレン-2-スルホネート、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、およびマンデル酸塩が挙げられる。他の適当な薬学的に許容される塩のリストは、Remington's Pharmaceutical Sciences,第17版,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985で見られる。
【0553】
本明細書に示される任意の式は、その構造式の化合物、並びに特定の変形または型を示すように意図される。例えば、本明細書で与えられる式は、ラセミ体、または一つ以上のエナンチオマー、ジアステレオマー、もしくは幾何異性体、あるいはそれらの混合物を含むように意図される。さらに、本明細書で与えられる任意の式は、水和物、溶媒和物、またはそのような化合物の多形、あるいはそれらの混合物も指すように意図される。例えば、記号
【化31】
を含む構造式により示される化合物は、記号
【化32】
と結合している炭素原子に対する両方の立体異性体を含み、具体的に言えば、
【化33】
および
【化34】
の両方の結合が、
【化35】
の意味により包含されるということが認識されるであろう。例えば、いくつかの代表的な実施形態において、本明細書に提供される特定の化合物は、下記の化学式:
【化36】
により記述され得、
【0554】
上記の式は、
【化37】
を含む、関連する炭素原子における全ての立体化学的配置を有する化合物を包含すると理解されるであろう。
【0555】
実施形態
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法は、トラメチニブと併用して、治療を必要とする患者に、治療有効量の、FAK、SRCおよび/またはJAK2を阻害する一つ以上の化合物を投与することを特徴とするがんの治療に関する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法は、トラメチニブと併用して、治療を必要とする患者に、治療有効量の、FAK、SRCおよび/またはJAK2を阻害する化合物を投与することを特徴とするがんの治療に関する。阻害剤は、細胞表面受容体(すなわち、受容体型チロシンキナーゼ)、もしくはキナーゼ(すなわち、非受容体型チロシンキナーゼ)などの別の物質の活性、または遺伝子の転写および/もしくは翻訳を減少させるか、あるいは抑制する任意の物質であるということが認識されるであろう。「FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物」は、生物学的標的FAK、SRCおよびJAK2の3つ全てに対する親和性を有する化合物であるということが認識されるであろう。
【0556】
本明細書に記載される特定の化合物は、驚くことにFAK、SRCおよびJAK2の阻害剤であることが示されており、トラメチニブとの併用で、治療を必要とする患者におけるがんを治療するために使用され得るということが見出されている。いくつかの実施形態において、FAK、SRCおよび/またはJAK2を阻害する一つ以上の化合物の、トラメチニブとの組み合わせは、がん治療を必要とする患者において、相乗的な反応を提供し得る。いくつかの実施形態において、FAK、SRCおよび/またはJAK2を阻害する化合物の、トラメチニブとの組み合わせは、がん治療を必要とする患者において、相乗的な反応を提供し得る。いくつかの実施形態において、がんの治療方法は、治療有効量の、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する化合物ならびに治療有効量のトラメチニブの組み合わせを投与することを特徴とする。いくつかの実施形態において、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物およびトラメチニブは、共に製剤化される。いくつかの実施形態において、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物およびトラメチニブは、同時に投与される。いくつかの実施形態において、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物およびトラメチニブは、個別に製剤化され、同時に投与される。いくつかの実施形態において、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物およびトラメチニブは、個別に製剤化され、順番に投与される。いくつかの実施形態において、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物およびトラメチニブの連続投与は、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物を1番目に投与し、トラメチニブを2番目に投与することで達成され得る。いくつかの実施形態において、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物およびトラメチニブの連続投与は、KRAS G12Cを阻害する前記薬剤を1番目に投与し、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物を2番目に投与することで達成され得る。
【0557】
いくつかの実施形態において、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物は、下記の化学式1の化合物:
【化38】
【0558】
[式中、
【0559】
Mは、CR5またはNであり;
【0560】
X1およびX2は、独立して、-C(R7)(R8)-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-O-または-N(R9)-であり;
【0561】
各R1は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0562】
各R2およびR3は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C6-C10アリール、-C(O)OR7または-C(O)NR7R8であり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC6-C10アリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0563】
R4およびR5は、それぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1-C6アルキル、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)2または-CF3であり;
【0564】
R6は、H、C1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキルであり、ここでC1-C6アルキルまたは3から7員のヘテロシクロアルキル中の各水素原子は、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-CO2C1-C6アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C6アルキル)、-CON(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0565】
各R7およびR8は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリールまたは5から7員のヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)C1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)C1-C6アルキル、-NHC(O)NH2、-NHC(O)NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)C(O)NHC1-C6アルキル、-NHC(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)C(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHC(O)OC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)C(O)OC1-C6アルキル、-NHS(O)(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)NH2、NHS(O)2NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH2、-NHS(O)NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2NH(C1-C6アルキル)、-NHS(O)N(C1-C6アルキル)2、-NHS(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-CO2H、-C(O)OC1-C6アルキル、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-C6アルキル)、-C(O)N(C1-C6アルキル)2、-SC1-C6アルキル、-S(O)C1-C6アルキル、-S(O)2C1-C6アルキル、-S(O)NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-P(C1-C6アルキル)2、-P(O)(C1-C6アルキル)2、C3-C6シクロアルキル、または3から7員のヘテロシクロアルキルにより、独立して、適宜置換されていてよく;
【0566】
各R9は、独立して、H、重水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または単環式もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3から7員のヘテロシクロアルキル、C6-C10アリール、または5から7員のヘテロアリール中の各水素原子は、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキルまたは-OR7により、独立して、適宜置換されていてよく;
【0567】
各Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7は、独立して、N、NH、またはC(R10)であり、ここで各R10は、独立して、H、重水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、-O-C1-C6アルキル、-OH、-NH2、-NH(C1-C6アルキル)、-NH(フェニル)、-NH(ヘテロアリール)、-CN、または-CF3であるが、
【0568】
ただし、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6またはZ7の少なくとも一つは、NまたはNHである]
【0569】
または薬学的に許容されるその塩である。
【0570】
いくつかの実施形態において、R1は、HまたはC1-C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R1は、Hまたはメチルである。いくつかの実施形態において、R1の一つは、Hであり、R1のもう一つは、メチルである。いくつかの実施形態において、R2は、Hである。いくつかの実施形態において、R2は、C1-C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R2の一つは、Hであり、R2のもう一つは、メチルである。いくつかの実施形態において、X1は、-NR9-である。いくつかの実施形態において、R9は、Hである。いくつかの実施形態において、X1は、CHR7である。いくつかの実施形態において、R7は、Hである。いくつかの実施形態において、X2は、-O-である。いくつかの実施形態において、R6は、Hである。いくつかの実施形態において、R4は、Fである。いくつかの実施形態において、Mは、CR5であり、R5は、Hである。
【0571】
FAK、SRCおよびJAK2に対する活性を示す強力な小分子複数標的キナーゼ阻害剤であることが本明細書に示されている大環状化合物には、下記の化学式:
【化39】
で示される、(7S,13R)-11-フルオロ-7,13-ジメチル-6,7,13,14-テトラヒドロ-1,15-エテノピラゾロ[4,3-f][1,4,8,10]ベンゾオキサトリアザシクロトリデシン-4(5H)-オン(本明細書では「化合物1」とも呼ばれる)が挙げられるが、これに限らない。
【0572】
化合物1は、抗腫瘍特性などの、受容体型および非受容体型チロシンキナーゼの阻害により薬理学的に媒介される特性を有する。化合物1は、国際公開公報WO2015/112806に開示され、化合物1の調製の参照により本明細書に組み込まれる。
【0573】
上記の態様のいくつかの実施形態において、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物は、下記の化学式:
【化40】
の化合物
【0574】
または薬学的に許容されるその塩である。
【0575】
前記がんは、KRAS、またはKRASの発現上昇により媒介されるか、または関連することがある任意のがんであり得、その例として、ALCL、NSCLC、神経芽腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、成人腎細胞癌、小児腎細胞癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、結腸腺癌、神経膠芽腫、多形神経膠芽腫、未分化甲状腺癌、胆管癌、卵巣癌、結腸直腸癌、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、血管肉腫、類上皮血管内皮腫、肝内胆管癌、甲状腺癌(thyroid cancer)、スピッツ様腫瘍(spitzoid neoplasms)、肉腫、星状細胞腫、脳低悪性度神経膠腫、分泌乳癌、乳腺相似癌、急性骨髄白血病、先天性中胚葉腎腫、先天性線維肉腫、Ph様急性リンパ芽球性白血病、甲状腺癌(thyroid carcinoma)、頭頸部扁平上皮細胞癌、小児神経膠腫CML、前立腺癌、肺扁平上皮癌、卵巣漿液性嚢胞腺癌、皮膚黒色腫、去勢抵抗性前立腺癌、ホジキンリンパ腫、漿液性および明細胞子宮内膜癌、口腔癌、子宮内膜癌、内分泌癌、皮膚癌、胃癌(gastric cancer)、食道癌、喉頭癌、膵臓癌、結腸癌、膀胱癌、骨癌、子宮頸癌、子宮癌、精巣癌、直腸癌、腎臓癌、肝臓癌、胃癌(stomach cancer)および肺癌が挙げられるが、これらに限らないということが認識されるであろう。
【0576】
本明細書に記載される様々な態様のいくつかの実施形態において、前記がんは、G12C、G12V、G12D、G12A、G13C、G12S、D12R、D12F、G13D、G13V、G13R、G13E、Q61H、Q61E、Q61L、およびQ61Rからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、遺伝的に改変したKRASにより媒介される非小細胞肺癌である。本明細書に記載される様々な態様のいくつかの実施形態において、前記がんは、G12D、G13D、およびQ61Hからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、遺伝的に改変したKRASにより媒介される非小細胞肺癌である。本明細書に記載される様々な態様のいくつかの実施形態において、前記がんは、G12A、G12C、G12S、G12V、またはQ61Kでない少なくとも一つの変異を含む、遺伝的に改変したKRASにより媒介される非小細胞肺癌である。
【0577】
本明細書に記載される様々な態様のいくつかの実施形態において、前記がんは、G12D、G12V、G13D、A146T、G12C、G12A、G12S、K117N、Q61K、G12R、M72V、S17G、K5R、D69G、G13C、G13R、Q61H、K117E、Q61L、Q61R、K117R、A146V、A146P、K147N、およびR97Iからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、遺伝的に改変したKRASにより媒介される結腸直腸癌である。
【0578】
本明細書に記載される様々な態様のいくつかの実施形態において、前記がんは、G12D、G12V、G12R、Q61H、G12C、およびG12Sからなる群から選択される少なくとも一つの変異を含む、遺伝的に改変したKRASにより媒介される膵臓癌である。
【0579】
いくつかの実施形態において、本開示は、前治療を受けていない患者における疾患の治療方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、1つ以上の治療剤による前治療を受けている患者における疾患の治療方法を提供する。いくつかの実施形態において、前記患者は、1つ以上の化学療法剤で以前に治療されている。さらに他の実施形態において、前記患者は、1つ以上の化学療法剤または免疫療法で以前に治療されており、前記治療に対する後天的耐性を生じている。さらに他の実施形態において、前記患者は、1つ以上の化学療法剤または免疫療法で以前に治療されており、前記治療に対するバイパス耐性を生じている。さらに他の実施形態において、前記患者は、1つ以上の化学療法剤または免疫療法で以前に治療されており、FAK、SRCもしくはJAK2、および/またはFAKにより制御される前記治療に対するバイパス耐性を生じている。
【0580】
患者が本明細書に記載される化合物または生物学的薬剤の1つ以上による治療の前に、治療を受けていることがある他の化学療法剤には、キナーゼ阻害剤、アドレノコルチコイドおよびコルチコステロイド、アルキル化剤、ペプチドおよびペプチド模倣シグナル伝達阻害剤、抗アンドロゲン、抗エストロゲン、アンドロゲン、アクラマイシン(aclamycin)およびアクラマイシン誘導体、エストロゲン、代謝拮抗剤、白金化合物、アマニチン、植物性アルカロイド、マイトマイシン、ディスコデルモライド、微小管阻害剤、エポチロン、炎症性および炎症促進性物質、プリン類似体、ピリミジン類似体、カンプトテシン、ドラスタチン、およびまたは免疫療法が挙げられるが、これらに限らない。いくつかの実施形態において、前記患者は、ペムブロリズマブ、白金、白金ダブレット、ペメトレキセド、カルボプラチン、パクリタキセル、ベバシズマブ、アテゾリズマブ、アブラキサン、およびそれらの組み合わせなどの、NSCLCの前治療を受けている。いくつかの実施形態において、前記患者は、ペムブロリズマブ、白金、白金ダブレット、ペメトレキセド、カルボプラチン、パクリタキセル、ベバシズマブ、アテゾリズマブ、およびアブラキサンからなる群から選択される一つ以上の薬剤を用いる標準治療である、NSCLCの前治療を受けている。
【0581】
いくつかの実施形態において、前記患者は、フルオロウラシル(5-FU)、ロイコボリン、イリノテカン、オキサリプラチン、カペシタビン、ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、ziv-アフリベルセプト、ラムシルマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、イピリムマブ、エンコラフェニブ、ビニメチニブ、およびそれらの組み合わせなどの、結腸直腸癌の前治療を受けている。いくつかの実施形態において、前記患者は、FOLFOX(すなわち、5-FU+ロイコボリン+イリノテカン)+/-ベバシズマブ、パニツムマブまたはセツキシマブ、CAPEOX(すなわち、オキサリプラチン+カペシタビン)+/-ベバシズマブ、FOLFIRI(すなわち、5-FU+ロイコボリン+イリノテカン)+/-ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、ziv-アフリベルセプトまたはラムシルマブ、FOLFOXIRI(すなわち、イリノテカン、オキサリプラチン、ロイコボリン、5-FU)、イリノテカン+セツキシマブ、パニツムマブ、またはラムシルマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ニボルマブ+イピリムマブ、エンコラフェニブ、およびビニメチニブからなる群から選択される一つ以上の薬剤を用いる標準治療である、結腸直腸癌の前治療を受けている。いくつかの実施形態において、前記患者は、フルオロウラシル(5-FU)、ロイコボリン、イリノテカン、リポソームイリノテカン、オキサリプラチン、ゲムシタビン、アブラキサン、エルロチニブ、カペシタビン、およびそれらの組み合わせなどの、膵臓癌の前治療を受けている。
【0582】
いくつかの実施形態において、前記患者は、FOLFIRINOX(すなわち、5-FU+ロイコボリン+イリノテカン+オキサリプラチン)、ゲムシタビン+アブラキサン、ゲムシタビン+エルロチニブ、ゲムシタビン、5-FU+リポソームイリノテカン、FOLFIRI(すなわち、5-FU+ロイコボリン+イリノテカン)、FOLFOX(すなわち、5-FU、オキサリプラチン、ロイコボリン)、およびカペシタビン+/-オキサリプラチンからなる群から選択される一つ以上の薬剤を用いる標準治療である、膵臓癌の前治療を受けている。
【0583】
いくつかの実施形態において、前記患者は、カルボプラチン、シスプラチン、パクリタキセル、ドセタキセル、ドキソルビシン、リポソームドキソルビシン、トラスツズマブ、トポテカン、ベバシズマブ、テムシロリムスタモキシフェン、フルベストラント、アロマターゼ阻害剤、およびそれらの組み合わせなどの、子宮癌(別名を子宮内膜癌)の前治療を受けている。いくつかの実施形態において、前記患者は、カルボプラチン+パクリタキセル+/-トラスツズマブ、カルボプラチンまたはシスプラチン+ドセタキセル、ドキソルビシン、またはパクリタキセル、リポソームドキソルビシン、トポテカン、ベバシズマブ、テムシロリムスタモキシフェン、フルベストラント、およびアロマターゼ阻害剤からなる群から選択される一つ以上の薬剤を用いる標準治療である、膵臓癌の前治療を受けている。
【0584】
医薬組成物
治療を目的として、本明細書に記載される化合物を含む医薬組成物は、一つ以上の薬学的に許容される添加物をさらに含むことがある。薬学的に許容される添加物は、無毒性であり、そうでなければ患者への投与に生物学的に適する物質である。そのような添加物は、本明細書に記載される化合物の投与を促進し、活性成分と適合する。薬学的に許容される添加物の例には、安定化剤、滑沢剤、界面活性剤、希釈剤、抗酸化剤、結合剤、着色剤、増量剤、乳化剤、または矯味剤が挙げられる。好ましい実施形態において、本発明に従う医薬組成物は、無菌組成物である。医薬組成物は、既知の、または当業者に利用できるようになる配合技術を用いて調製されることがある。
【0585】
無菌組成物も、本発明により企図され、そのような化合物を規定する国家および地方の規則に従う組成物を含む。
【0586】
本明細書に記載される医薬組成物および化合物は、様々な剤形の調製のための、当技術分野で既知の従来の方法に従って、適当な医薬溶媒もしくは担体中の溶液、エマルジョン、懸濁液、もしくは分散液として、または、固体担体と共に丸剤、錠剤、ロゼンジ、坐薬、サシェ、糖衣錠、顆粒、散剤、再構成用の散剤、もしくはカプセルとして製剤化されることがある。本発明の医薬組成物は、経口、非経口、直腸、経鼻、局所、または眼経路などの適当な送達経路により、あるいは吸入により投与されることがある。好ましくは、組成物は、静脈内または経口投与を目的として製剤化される。
【0587】
経口投与を目的として、本発明の化合物は、錠剤またはカプセルなどの固形体で、あるいは、溶液、エマルジョン、または懸濁液として提供されることがある。経口組成物を調製するために、本発明の化合物は、例えば、1日約0.1mgから2g、または1日約1mgから50mg、または1日約50から250mg、または1日約250mgから1gの用量をもたらすように製剤化されることがある。代わりの代表的な用量は、約0.1mg/kgから1g/kg、または約0.1mg/kgから5mg/kg、または約0.1mg/kgから1mg/kg、または約0.1mg/kgから0.6mg/kgの範囲内である。経口錠剤は、希釈剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、甘味剤、風味剤、着色剤および防腐剤などの、適合する薬学的に許容される添加物と混合される活性成分を含むことがある。適当な不活性充填剤には、炭酸ナトリウムおよびカルシウム、リン酸ナトリウムおよびカルシウム、ラクトース、デンプン、糖、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、ソルビトール、および同類のものが挙げられる。代表的な液体経口添加物には、エタノール、グリセロール、水、および同類のものが挙げられる。デンプン、ポリビニルピロリドン(PVP)、デンプングリコール酸ナトリウム、微結晶セルロース、およびアルギン酸は、代表的な崩壊剤である。結合剤には、デンプンおよびゼラチンが挙げられることがある。滑沢剤は、存在するとすれば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクであることがある。必要に応じて、錠剤は、消化管での吸収を遅らせるために、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの物質でコーティングされてもよく、腸溶コーティングでコーティングされてもよい。
【0588】
経口投与を目的とするカプセルには、硬および軟ゼラチンカプセルが挙げられる。硬ゼラチンカプセルを調製するために、活性成分は、固体、半固体、または液体希釈剤と混合されることがある。軟ゼラチンカプセルは、水、ピーナツ油もしくはオリーブ油などの油、液体パラフィン、短鎖脂肪酸のモノおよびジグリセリドの混合物、ポリエチレングリコール400、またはプロピレングリコールと活性成分を混合することにより調製されることがある。
【0589】
経口投与を目的とする液体は、懸濁液、溶液、エマルジョン、またはシロップの形にあってもよく、凍結乾燥される、すなわち、使用前に水または他の適当なビークルで再構成するための乾燥製品として提示されてもよい。そのような液体組成物は:懸濁化剤(例えば、ソルビトール、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルおよび同類のもの);非水性ビークル、例えば、油(例えば、アーモンド油または分画ヤシ油)、プロピレングリコール、エチルアルコール、または水;防腐剤(例えば、メチルもしくはプロピルp-ヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸);レシチンなどの湿潤剤;および、必要に応じて、風味剤または着色剤といった、薬学的に許容される添加物を適宜含んでもよい。
【0590】
静脈内、筋肉内、腹腔内、鼻腔内、または皮下経路などの非経口使用を目的として、本発明の薬剤は、適切なpHおよび等張性に緩衝化した滅菌水溶液もしくは懸濁液で、または非経口的に許容される油で提供されることがある。適当な水性ビークルには、リンガー溶液および等張塩化ナトリウムが挙げられる。そのような形は、アンプルもしくは使い捨ての注射器具などの単位用量の形で、適切な用量が取り出されることがあるバイアルなどの複数用量の形で、または注射製剤を調製するために使用され得る固形体もしくは前濃縮物で提示されることがある。具体的な注入用量は、数分から数日に及ぶ期間にわたって、医薬担体と混合された薬剤の約1から1000μg/kg/分に及ぶ。
【0591】
経鼻、吸入、または経口投与を目的として、本発明医薬組成物は、例えば、適当な担体も含むスプレー製剤を用いて投与されることがある。本発明医薬組成物は、直腸投与を目的として、坐薬として製剤化されることがある。
【0592】
局所適用を目的として、本発明の化合物は、好ましくはクリームまたは軟膏あるいは局所投与に適する類似のビークルとして製剤化される。局所投与を目的として、本発明化合物は、ビークルに対して約0.1%から約10%の薬物濃度で医薬担体と混合されることがある。本発明の薬剤の投与の別の方法は、経皮送達をもたらすためにパッチ製剤を利用することがある。
【0593】
投薬および投与
本明細書に記載される方法および組成物のいくつかの実施形態において、治療有効量の、FAK、SRC、および/またはJAK2を阻害する一つ以上の化合物は、治療有効量のトラメチニブとの併用で、ヒト患者などの、がん治療を必要とする宿主動物に投与される。本明細書に記載される方法および組成物のいくつかの実施形態において、治療有効量の、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物は、治療有効量のトラメチニブとの併用で、ヒト患者などの、がん治療を必要とする宿主動物に投与される。
【0594】
本明細書で使用されるとき、「治療有効量(therapeutically effective amount)」という用語は、治療されている疾患または障害の症状の緩和などの、患者における生物学的または医学的応答を引き起こす活性化合物または医薬品のその量を指す。一つの態様において、治療有効量は、疾患または症状を治療または軽減することがある量である。任意の特定の患者に対する具体的な治療有効用量レベルは、治療されている障害および障害の重症度;利用される特定の化合物の活性;利用される特定の化合物;患者の年齢、体重、全体的な健康、性別および食習慣:投与時間、投与経路、および利用される特定の化合物の排出速度;治療期間;利用される特定の化合物との併用で、または同時に使用される薬物;並びに同様の因子などの、様々な因子によって決まるであろう。
【0595】
いくつかの実施形態において、治療有効量の組み合わせは、FAK、SRC、および/またはJAK2を阻害する一つ以上の前記化合物ならびにトラメチニブが、個別に投与される場合と比較して、増強された治療応答を提供する相乗的な組み合わせであり得る。いくつかの実施形態において、FAK、SRC、および/またはJAK2を阻害する一つ以上の前記化合物ならびにトラメチニブの、治療有効量の組み合わせの投与により提供される相乗効果は、組み合わせの構成成分のそれぞれを個別に投与した場合の応答と比較して、より相加的な用量反応である。
【0596】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される様々な方法および組成物における、それぞれの化合物または薬剤に対する代表的な用量は、約0.1mgから約3g、または約0.5mgから約2.5mg、または約1mgから約50mg、または約50から約250mg、または約150から約500mg、または約150から約250mg、または約250mgから約1g、または約100mgから約2g、または約500mgから約2g、または約500mgから約1gの範囲内である。上に記載される用量範囲内の、考えられる全ての部分的範囲は、企図され、本明細書に記載されることが認識されるであろう。例えば、本明細書に記載される方法および組成物で提供される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物に対する約150から約500mgの用量範囲は、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、約460mg、約470mg、約480mg、約490mg、約500mgの用量を含み、本明細書に記載されるような、治療有効量を決定するためのそのような因子に基づいて必要とされることがあるような、考えられる全ての用量および範囲を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物で提供される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物、特に化合物1は、約40mg、約80mg、約120mg、または約160mgで投与され得る。
【0597】
いくつかの実施形態において、トラメチニブは、1日約0.3mgから1日約2.5mg、または約0.5mgから約2.5mg、または約1mgから約2mgの量で投与され得る。いくつかの実施形態において、トラメチニブは、約0.5mg、または約2.0mgの量で投与され得る。
【0598】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される様々な方法および組成物における、それぞれの化合物または薬剤に対する代表的な用量は、1日約0.1mgから約3g、または1日約1mgから約50mg、または1日約50から約250mg、または1日約150から約500mg、または1日約150から約250mg、または1日約250mgから約1g、または1日約100mgから約2g、または1日約500mgから約2g、または1日約500mgから約1gの範囲内である。上に記載される1日用量範囲内の、考えられる全ての部分的範囲は、企図され、本明細書に記載されることが認識されるであろう。例えば、本明細書に記載される方法および組成物で提供される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物に対する1日約150から約500mgの用量範囲は、1日約150mg、1日約160mg、1日約170mg、1日約180mg、1日約190mg、1日約200mg、1日約210mg、1日約220mg、1日約230mg、1日約240mg、および1日約250mg、1日約260mg、1日約270mg、1日約280mg、1日約290mg、1日約300mg、1日約310mg、1日約320mg、1日約330mg、1日約340mg、1日約350mg、1日約360mg、1日約370mg、1日約380mg、1日約390mg、1日約400mg、1日約410mg、1日約420mg、1日約430mg、1日約440mg、1日約450mg、1日約460mg、1日約470mg、1日約480mg、1日約490mg、1日約500mgの用量を含み、本明細書に記載されるような、治療有効量を決定するためのそのような因子に基づいて必要とされることがあるような、考えられる全ての用量および範囲を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物で提供される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物、特に化合物1は、1日約40mg、1日約80mg、1日約120mg、または1日約160mgで投与され得る。
【0599】
いくつかの実施形態において、トラメチニブは、1日約0.3mgから1日約2.5mg、または1日約0.5mgから1日約2.5mg、または1日約1mgから1日約2mgの量で投与され得る。いくつかの実施形態において、トラメチニブは、1日約0.5mg、または1日約2.0mgの量で投与され得る。
【0600】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される様々な方法および組成物における、それぞれの化合物または薬剤に対する代わりの代表的な用量は、約0.001mg/kgから約1g/kg、または約0.05mg/kgから約50mg/kg、または約0.05mg/kgから約25mg/kg、または約1.0mg/kgから約10mg/kg、または約1.0mg/kgから約5mg/kg、または約0.1mg/kgから約5mg/kg、または約0.1mg/kgから約1mg/kg、または約0.1mg/kgから約0.6mg/kgの範囲内である。上に記載される用量範囲内の、考えられる全ての部分的範囲は、企図され、本明細書に記載されることが認識されるであろう。例えば、本明細書に記載される方法および組成物で提供される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、特に化合物1に対する約1.0mg/kgから約10mg/kgの用量範囲は、約1.0mg/kg、約2.0mg/kg、約3.0mg/kg、約4.0mg/kg、約5.0mg/kg、約6.0mg/kg、約7.0mg/kg、約8.0mg/kg、約9.0mg/kg、および約10.0mg/kgの用量を含み、本明細書に記載されるような、治療有効量を決定するためのそのような因子に基づいて必要とされることがあるような、考えられる全ての用量および範囲を含む。
【0601】
いくつかの実施形態において、トラメチニブなどのMEK阻害剤は、約0.004mg/kgから約0.2mg/kg、または約0.006mg/kgから約0.1mg/kgの量で投与され得る。
【0602】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される様々な方法および組成物における、それぞれの化合物または薬剤に対する代わりの代表的な用量は、1日約0.1mg/kgから約1g/kg、または1日約0.5mg/kgから約50mg/kg、または1日約0.5mg/kgから約25mg/kg、または1日約1.0mg/kgから約10mg/kg、または1日約1.0mg/kgから約5mg/kg、または1日約0.1mg/kgから約5mg/kg、または1日約0.1mg/kgから約1mg/kg、または1日約0.1mg/kgから約0.6mg/kgの範囲内である。上に記載される用量範囲内の、考えられる全ての部分的範囲は、企図され、本明細書に記載されることが認識されるであろう。例えば、本明細書に記載される方法および組成物で提供される、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、特に化合物1に対する1日約1.0mg/kgから約10mg/kgの用量範囲は、1日約1.0mg/kg、1日約2.0mg/kg、1日約3.0mg/kg、1日約4.0mg/kg、1日約5.0mg/kg、1日約6.0mg/kg、1日約7.0mg/kg、1日約8.0mg/kg、1日約9.0mg/kg、および1日約10.0mg/kgの用量を含み、本明細書に記載されるような、治療有効量を決定するためのそのような因子に基づいて必要とされることがあるような、考えられる全ての用量および範囲を含む。
【0603】
いくつかの実施形態において、トラメチニブなどのMEK阻害剤は、1日約0.004mg/kgから1日約0.2mg/kg、または1日約0.006mg/kgから1日約0.1mg/kgの量で投与され得る。
【0604】
個別で(または一緒に)投与されるそれぞれの化合物または薬剤の様々な投与スケジュールは、本明細書に記載される方法および組成物に適用され得るということが認識されるであろう。本明細書に記載される様々な方法および組成物における、個別で(または一緒に)投与されるそれぞれの化合物または薬剤の投与スケジュールは、投与スケジュールのサイクルにより定義され得、そのようなサイクルは、治療の日数、個別で(または一緒に)投与されるそれぞれの化合物または薬剤の投与回数、個別で(または一緒に)投与されるそれぞれの化合物または薬剤の総用量、および同類のものにより定義されるということがさらに認識されるであろう。いくつかの実施形態において、ヒト患者などの、治療を必要とする宿主動物は、少なくとも1サイクルの間、少なくとも2サイクルの間、少なくとも3サイクルの間、少なくとも4サイクルの間、および同様の期間、個別で(または一緒に)投与されるそれぞれの化合物または薬剤を投与され得る。あるいは、いくつかの実施形態において、ヒト患者などの、治療を必要とする宿主動物は、1から約50サイクルの間、1から約25サイクルの間、1から約20サイクルの間、1から約10サイクルの間、および同様の期間、個別で(または一緒に)投与されるそれぞれの化合物または薬剤を投与され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される様々な方法および組成物における、個別で(または一緒に)投与されるそれぞれの化合物または薬剤の投与スケジュールは、化合物または薬剤が投与されない休暇期間を含み得、そのような休暇期間は、日単位で測定され得るということが認識されるであろう。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される様々な方法および組成物における、個別で(または一緒に)投与されるそれぞれの化合物または薬剤の投与スケジュールは、本明細書に記載されるようなサイクルの数、続いて休暇期間、続いて本明細書に記載されるような別のサイクルの数により定義され得る。
【0605】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される様々な方法および組成物における、それぞれの化合物または薬剤に対する代表的な投与スケジュールは、1日1回用量(QD)または分割された用量単位(例えば、BID(1日2回)、TID(1日3回)、QID(1日4回))の投与を含み得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される様々な方法および組成物における、それぞれの化合物または薬剤に対する投与スケジュールは、本明細書に記載される様々な方法および組成物における全ての化合物または薬剤が、QD、BID、または同様のスケジュールで投与されるなど、同じであり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される様々な方法および組成物における、それぞれの化合物または薬剤に対する投与スケジュールは、本明細書に記載される様々な方法および組成物における1つの化合物または薬剤が、QDで投与され、本明細書に記載される様々な方法および組成物におけるもう1つの化合物または薬剤が、BIDで投与されるなど、互いに異なり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される様々な方法および組成物における、それぞれの化合物または薬剤に対する投与スケジュールは、本明細書に記載される様々な方法および組成物における1つの化合物または薬剤が、規定の日数の間、QD(例えば、1日、2日、3日、4日などの期間、QD)で投与され、続いて規定の日数の間、BID(例えば、1日、2日、3日、4日などの期間、BID)で投与されるなど、サイクルの範囲内で異なり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される様々な方法および組成物における、それぞれの化合物または薬剤に対する投与スケジュールは、同じであるか、または本明細書に記載される様々な方法および組成物における1つの化合物または薬剤が、規定の日数の間、QD(例えば、1日、2日、3日、4日などの期間、QD)で投与され、続いて、サイクルの長さを合わせるために規定の日数の間、BID(例えば、1日、2日、3日、4日などの期間、BID)で投与され、もう1つの化合物または薬剤が、サイクルの長さを合わせるために規定の日数の間、BIDで投与されるなど、サイクルの範囲内で異なり得る。
【0606】
いくつかの実施形態において、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物、特に化合物1、ならびにトラメチニブなどのMEK阻害剤は、同時に投与される。いくつかの実施形態において、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物、特に化合物1、ならびにトラメチニブなどのMEK阻害剤は、個別に製剤化され、同時に投与される。いくつかの実施形態において、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物、特に化合物1、ならびにトラメチニブは、個別に製剤化され、順番に投与される。いくつかの実施形態において、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物、特に化合物1、ならびにトラメチニブなどのMEK阻害剤の連続投与は、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、特に化合物1を1番目に(例えば、午前に)投与し、トラメチニブを2番目に(例えば、午後または夜に)投与することで達成され得る。いくつかの実施形態において、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する前記化合物、特に化合物1、ならびにトラメチニブなどのMEK阻害剤の連続投与は、トラメチニブを1番目に(例えば、午前に)投与し、FAK、SRCおよびJAK2を阻害する前記化合物、特に化合物1を2番目に(例えば、午後または夜に)投与することで達成され得る。
【0607】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される様々な方法および組成物における、それぞれの化合物または薬剤に対する代表的な投与スケジュールは、少なくとも1日間、約100mgから約300mg QDの用量レベルでの、続いて、約100mgから約300mg BIDの用量レベルでのFAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、特に化合物1の投与、および約0.5mgから約2.5mg QDの用量レベルでの、トラメチニブの投与を含み得る。いくつかの実施形態において、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、特に化合物1、ならびにトラメチニブの、上に記載される投与スケジュールでの投与は、1から約20サイクルの間与えられ得、それぞれのサイクルは、約5から約20日である。いくつかの実施形態において、FAK、SRC、およびJAK2を阻害する化合物、特に化合物1、ならびにトラメチニブの、上に記載される投与スケジュールでの投与は、約20から約200日などの規定の日数の間、永久に、あるいは治療が、治療医師により中断されるまで、与えられ得る。
【実施例】
【0608】
化学物質および試薬
【0609】
WO2015/112806に記載される方法に従って化合物1を調製したが、そこに記載されるように、具体的には実施例90を参照されたい。WO2015/112806は、化合物1の調製の参照により本明細書に組み込まれる。
【0610】
MedChemExpressからトラメチニブを購入した。ジメチルスルホキシド(DMSO)中で、10-100mmol/Lのストック溶液の濃度で薬物を調製し、-20℃で保存した。培養液中でさらに希釈し、使用前に最終濃度にした。リン酸化-STAT3(Tyr705)、リン酸化-AKT(Ser473)、リン酸化-ERK1/2(Thr202/Tyr204)、リン酸化-FAK(Tyr576/577)、STAT3、FAK、SRC、AKT、ERK、PARP、切断型カスパーゼ-3、チューブリン、およびアクチンをCell Signaling Technology(マサチューセッツ州ビバリー)から購入した。
【0611】
細胞株
【0612】
KRAS G12C変異を有する、ヒトNSCLC細胞株H358、H23、H2122、H1373およびH1792をAmerican Type Culture Collection(ATCC)から購入した。KRAS G12V変異を有するヒトNSCLC細胞株H441およびKRAS Q61H変異を有するH460も、ATCCから購入した。1%ペニシリン/ストレプトマイシン/グルタミン(Gibco)および10%ウシ胎児血清(FBS)(Gibco)を添加したRPMI(Roswell Park Memorial Institute 培地)1640中で、5%CO2、37℃細胞培養インキュベーター内で上記の細胞株を維持した。KRAS G13Dを有するヒトCRC細胞株HCT-116をATCCから購入し、1%ペニシリン/ストレプトマイシン/および10%FBS(Gibco)を添加したDMEM中で、5%CO2、37℃細胞培養インキュベーター内で維持した。KRAS G12Rを有するヒト膵臓細胞株PSN1をATCCから購入し、1%ペニシリン/ストレプトマイシン/および10%FBS(Gibco)を添加したRPMI1640中で、5%CO2、37℃細胞培養インキュベーター内で維持した。マイコプラズマ汚染について全ての細胞株を定期的に評価した。
【0613】
免疫不全マウスにおける皮下異種移植モデル
【0614】
メスの胸腺欠損ヌードマウス(5-8週齢)をCharles River Laboratoryから入手し、HEPAフィルターを通して換気されたラック上のInnovive IVC使い捨てケージ内で、齧歯動物が自由に固形飼料および水を入手できる状態で飼育した。50%マトリゲル(Corning,Inc)を添加した100μL血清フリー培地中の約500万細胞をマウスの右側腹部に皮下移植した。腫瘍の大きさおよび体重を指定日に測定した。電子ノギスで腫瘍の大きさを測定し、長さ×幅2×0.5で腫瘍体積を算出した。腫瘍体積が約200mm3に到達した時点で、腫瘍の大きさによりマウスを無作為に、治療群に分けた。決められた用量で1日2回、化合物1を経口投与し、決められた用量で1日1回、トラメチニブを経口投与した。
【0615】
インビボ薬力学実験のための腫瘍処理および免疫ブロット
【0616】
異種移植腫瘍を有するマウスを人道的に安楽死させ、腫瘍を切除し、液体窒素中で急速に凍結させ、-80℃で保存した。RIPA緩衝液中、4℃で冷凍腫瘍サンプルを処理し、タンパク質を抽出した。Rapid Gold BCA Protein Assay(Life Technologies,Inc.)により溶解物のタンパク質濃度を割り出し、溶解物を希釈し、タンパク質濃度がサンプル間で同じになるようにした。1体積の4X LDSサンプル緩衝液(Life Technologies,Inc.)を、3体積の希釈したタンパク質溶解物に添加することにより、SDSローディングサンプルを調製した。SDS-PAGEにより腫瘍SDSタンパク質サンプルを処理し、適切な一次抗体で免疫ブロットし、続いてHRP標識二次抗体を用いて検出した。Image Studio Digit software(LI-COR)を用いて、LI-CORのC-DiGit Blot Scannerにより免疫ブロットからのシグナルを検出した。
【0617】
実施例1:NSCLC細胞生存率アッセイ
96または384ウェル白色プレート中に1ウェルあたり1000から2000細胞を播種し、その後、72-120時間、指示された化合物で治療した(37℃、5%CO2)。CellTiter-GloルシフェラーゼベースATP検出アッセイ(Promega)を用いて、製造業者のプロトコルに従って細胞増殖を測定した。GraphPad Prismソフトウェア(カリフォルニア州サンディエゴ,GraphPad,Inc.)を用いてIC50を決定した。
【0618】
突然変異KRAS NSCLC細胞株における、MEK1/2阻害剤(トラメチニブ)、化合物1、およびMEK1/2阻害剤(トラメチニブ)の、化合物1(1μM)との組み合わせの細胞生存率%を示す結果を
図1A-1Xに示す。IC
50値を表1に要約した。Calu-1、COR-L23、HCC1588、LCLC-97TM1、LU2512、NCI-H1155、NCI-H1373、NCI-H1573、SK-LU-1、およびSW1573 NSCLC細胞株は、KRAS変異を内因的に発現するが、MEK阻害剤トラメチニブは、弱程度からゼロの検出可能な細胞増殖の阻害を示した。我々は、ある範囲のKRAS変異を有するNSCLC細胞株における細胞増殖に及ぼす、トラメチニブと併用した際の化合物1(1μM)の相乗効果を調査した。化合物1単独は、実験したNSCLC細胞株のほとんどにおいて弱い阻害活性しか示さず、IC
50は、0.82から5μMに及んだ。トラメチニブおよび化合物1の組み合わせで、強力な相乗効果を認めた。1μM濃度での化合物1は、H358細胞増殖に対して、トラメチニブのIC
50を100nMから3nMに変化させた。組み合わせは、実験した24の突然変異KRAS NSCLC細胞株のうち、以下のKRAS変異:G12C、G12D、G12S、G12V、G13D、Q61K、およびQ61Hを包含する18でトラメチニブのIC
50を1桁のIC
50値に変化させた。
【表1】
【0619】
実施例2:アポトーシスアッセイ
384ウェル白色プレート中に1ウェルあたり2000細胞を播種し、その後、24または48時間、化合物で治療した(37℃、5%CO
2)。Caspase-Glo(登録商標)3/7検出アッセイ(Promega)を用いて、製造業者のプロトコルに従って、アポトーシスの主要な特徴である細胞カスパーゼ-3/7活性を測定した。KRAS G12C変異(H358、H2122)、KRAS Q61H変異(Calu-6)およびKRAS G12V変異(H441)を有するNSCLC細胞株における、トラメチニブ(50nM)、化合物1(1μM)、およびトラメチニブ(50nM)の、化合物1(1μM)との組み合わせによる、24および48時間の治療を受けたときのカスパーゼ-3/7活性の上昇を示す結果を
図1A-1Dに示す。化合物1単独は、48時間の治療後のNCI-H358、NCI-H2122 NSCLC細胞株において、カスパーゼ-3/7活性の中程度の上昇をもたらす(
図1A、1C)。トラメチニブ単独は、48時間の治療後のH358、Calu-6、H2122 NSCLC細胞株において、カスパーゼ-3/7活性を上昇させた(
図1A-1C)。化合物1の、トラメチニブとの組み合わせは、実験した全ての突然変異KRAS細胞株を有するNSCLC細胞に対するトラメチニブ治療単独と比較して、24および48時間時点の両方で、有意に強力なカスパーゼ-3/7活性化を引き起こした(
図1A-1D)。
【0620】
アポトーシスのバイオマーカーとして切断型PARPおよび切断型カスパーゼ-3を評価した。24ウェルプレート中に1ウェルあたり50万細胞を24時間播種し、その後、4、24または48時間、化合物で治療した。治療後、細胞を回収し、10mM EDTA、1X Haltプロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤(Thermo Scientific)を添加したRIPA緩衝液(50mM Tris、pH7.4、150mM NaCl、1%NP-40、0.5%デオキシコール酸塩、0.1%SDS)中に溶解させた。4-12%Bolt Bis-Trisプレキャストゲル上で、MESランニング緩衝液(Life Technologies)でタンパク質溶解物(およそ20μg)を分離し、Trans-Blot Turbo Transfer System(Bio-Rad)を用いてニトロセルロース膜に移し、PARP、切断型カスパーゼ-3、チューブリンおよびアクチン標的抗体(Cell Signaling Technology)で検出した。優しく振盪しながら、終夜4℃で抗体を一般的にインキュベートし、続いて洗浄し、適切なHRP標識二次抗体とともにインキュベートした。化学発光基質とともに5分間室温で膜をインキュベートした(SuperSignal West Femto,Thermo Scientific)。C-DiGit Imaging System(LI-COR Biosciences)で化学発光画像を得た。NCI-H358およびNCI-H2122 KRAS G12C NSCLC細胞株における結果は、トラメチニブ(100nM)および化合物1(1μM)の組み合わせによる、24時間および48時間の治療を受けた後の両方において、切断型PARPおよび切断型カスパーゼ-3の有意な上昇を示す。トラメチニブ単独(100nM)または化合物1単独(1μM)での治療は、切断型PARPおよび切断型カスパーゼ-3タンパク質の小さな上昇をもたらした。H2122 KRAS G12C NSCLCにおける結果は、化合物1(1μM)による24時間の治療において、切断型PARPの有意な上昇を示した。
【0621】
実施例3:細胞キナーゼリン酸化アッセイのための免疫ブロット
24ウェルプレート中に1ウェルあたり50万細胞を24時間播種し、その後、4、24または48時間、化合物で治療した。治療後、細胞を回収し、10mM EDTA、1X Haltプロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤(Thermo Scientific)を添加したRIPA緩衝液(50mM Tris、pH7.4、150mM NaCl、1%NP-40、0.5%デオキシコール酸塩、0.1%SDS)中に溶解させた。4-12%Bolt Bis-Trisプレキャストゲル上で、MESランニング緩衝液(Life Technologies)でタンパク質溶解物(およそ20μg)を分離し、Trans-Blot Turbo Transfer System(Bio-Rad)を用いてニトロセルロース膜に移し、リン酸化STAT3、FAK、SRC、AKT、ERK(Cell Signaling Technology)、全STAT3、FAK、SRC、AKT、およびERK(Cell Signaling Technology)標的抗体で検出した。優しく振盪しながら、終夜4℃で抗体を一般的にインキュベートし、続いて洗浄し、適切なHRP標識二次抗体とともにインキュベートした。化学発光基質とともに5分間室温で膜をインキュベートした(SuperSignal West Femto,Thermo Scientific)。C-DiGit Imaging System(LI-COR Biosciences)で化学発光画像を得た。
【0622】
Calu-6 KRAS Q61K NSCLCにおける結果は、化合物1単独(1μM)が、4、24および48時間時点において、リン酸化AKT(pAKT)、リン酸化FAK(pFAK)、リン酸化SRC(pSRC)、リン酸化STAT3(pSTAT3)のタンパク質レベルを抑制することを示す。トラメチニブの治療(50μM)は、pERKを強力に阻害したが、任意の時点においても、pAKT、pFAK、pSRC、またはpSTAT3タンパク質レベルを抑制しなかった。化合物1(1μM)およびトラメチニブ(50μM)の組み合わせは、pERK、pAKT、pFAK、pSRC、およびpSTAT3タンパク質レベルを強力に抑制する。これらのシグナル伝達ノードの抑制の組み合わせは、アポトーシスの活性化の有意な上昇が、併用治療で認められたことを支持する。
【0623】
さらなる免疫ブロット実験は、1μM化合物1が、KRAS Q61K変異を有するCalu-6細胞において、50nMトラメチニブによるリン酸化AKTの誘導を抑制することを示した。
【0624】
さらに、1μM化合物1は、KRAS Q61K変異を有するCalu-6細胞において、ダサチニブ(SRC阻害剤)、デファクチニブ(FAK阻害剤)、またはルキソリチニブ(JAK1/2阻害剤)と比較して、トラメチニブ誘導性リン酸化AKTタンパク質レベルをより効果的に抑制した。
【0625】
さらに、化合物1は、KRAS G12C変異を有するNCI-H358細胞における、AKT、ERK、FAK、STAT3のリン酸化の阻害に対して、0から3000nMの濃度で用量依存的反応を示した。
【0626】
実施例4:マウス腫瘍異種移植モデルにおける有効性および薬力学的調節
Calu-6細胞由来異種移植腫瘍における、トラメチニブと併用した際の化合物1の効果
【0627】
Calu-6細胞は、KRAS Q61K変異を有する。Calu-6細胞由来腫瘍を有する胸腺欠損ヌードマウスを無作為に6群に分け、それぞれ、ビークル BID、化合物1 BID 15mg/kg、トラメチニブ QD 0.2mg/kg、トラメチニブ QD 0.2mg/kgと併用の化合物1 BID 15mg/kg、トラメチニブ QD 0.6mg/kg、およびトラメチニブ QD 0.6mg/kgと併用の化合物1 BID 15mg/kgで治療した。腫瘍体積(TMV)対時間のデータを平均値±標準誤差として
図2Aに示す。ビークル治療群を安楽死させたday38に打ち切ったデータでは、0.2mg/kg用量レベルのトラメチニブと併用の化合物1による治療は、化合物1単独による治療またはトラメチニブ(0.2mg/kg)単独による治療と比較して腫瘍体積を有意に減少させた(p<0.05、day31、34、および38において、6群で二元ANOVAの後、事後Dunnett多重比較検定)。day45に打ち切ったデータで、化合物1 BID 15mg/kg、トラメチニブ QD 0.6mg/kg、およびトラメチニブ QD 0.6mg/kgと併用の化合物1 BID 15mg/kgによる治療群のデータを比較すると、0.6mg/kg用量レベルのトラメチニブと併用の化合物1による治療は、化合物1単独による治療またはトラメチニブ(0.6mg/kg)単独による治療と比較して腫瘍体積を有意に減少させることが明らかとなった(p<0.05、day42および45において、3群で二元ANOVAの後、事後Dunnett多重比較検定)。治療期間中に測定したマウスの体重を平均値±標準誤差として
図2Bに示す。0.6mg/kg用量レベルのトラメチニブと併用の化合物1による治療を受けたマウスの群における経時的な体重変化は、他の群と有意差があったものの、治療終了時の体重は、治療開始前のベースライン時の体重と有意差がなく(p>0.1、Wilcoxonマッチドペア符号順位検定)、平均体重は、35日の治療前のベースラインレベルの約94%にわずかに減少した。
【0628】
Calu-6細胞由来異種移植腫瘍における、トラメチニブと併用した際の化合物1の薬力学的効果
【0629】
Calu-6細胞由来異種移植腫瘍における、トラメチニブと併用した際の化合物1の薬力学的効果を評価するために、腫瘍溶解物を調製し、化合物1および/またはトラメチニブにより潜在的に改変され得るシグナル伝達経路から選択される候補分子に対する抗体を用いて、免疫ブロットにより分析した(
図9)。SRCおよびFAKに対する化合物1の阻害活性を、単剤または0.6mg/kgのトラメチニブとの併用のいずれかとして、1日2回(BID)15mg/kgの化合物1により治療される腫瘍における、リン酸化SRCおよびFAKシグナルの減少により示した。さらに、トラメチニブと併用した際の化合物1は、細胞増殖および生存に関与する主要な因子である、リン酸化ERKシグナルを減少させた。最後に、リン酸化EGFRは、トラメチニブの治療により誘導されるように思われた。トラメチニブとの併用または単剤としてのいずれかの化合物1の治療は、EGFR活性を減少させた。
【0630】
実施例5:CRC細胞生存率アッセイ
96または384ウェル白色プレート中に1ウェルあたり2000細胞を播種し、その後、72時間、指示された化合物で治療した(37℃、5%CO2)。CellTiter-GloルシフェラーゼベースATP検出アッセイ(Promega)を用いて、製造業者のプロトコルに従って細胞増殖を測定した。GraphPad Prismソフトウェア(カリフォルニア州サンディエゴ,GraphPad,Inc.)を用いてIC50を決定した。
【0631】
突然変異KRAS結腸直腸癌(CRC)細胞株における、MEK1/2阻害剤(トラメチニブ)、化合物1、およびMEK1/2阻害剤(トラメチニブ)の、化合物1(1μM)との組み合わせの細胞生存率%を示す結果を評価した。IC
50値を表2に要約した。
【表2】
【0632】
実施例6:膵臓癌細胞生存率アッセイ
96または384ウェル白色プレート中に1ウェルあたり2000細胞を播種し、その後、72時間、指示された化合物で治療した(37℃、5%CO2)。CellTiter-GloルシフェラーゼベースATP検出アッセイ(Promega)を用いて、製造業者のプロトコルに従って細胞増殖を測定した。GraphPad Prismソフトウェア(カリフォルニア州サンディエゴ,GraphPad,Inc.)を用いてIC50を決定した。
【0633】
突然変異KRAS膵臓癌細胞株における、MEK1/2阻害剤(トラメチニブ)、化合物1、およびMEK1/2阻害剤(トラメチニブ)の、化合物1(1μM)との組み合わせの細胞生存率%を示す結果を評価した。IC
50値を表3に要約した。
【表3】
【0634】
実施例7:A-427、HCT-116およびPSN1細胞モデルにおける、トラメチニブと併用した際の化合物1の細胞増殖アッセイ
選択した細胞モデル(A-427、HCT-116およびPSN1)において、トラメチニブおよび化合物1の併用を含む組み合わせ用量マトリックスで、細胞増殖アッセイを行い、化合物1の他の用量レベルにおける相乗効果を割り出した。96ウェルクリアボトムブラックウォール96ウェルマイクロプレート中に1ウェルあたり1000から2000細胞を播種し、その後、72-120時間、指示された化合物で治療した(37℃、5%CO2)。10μMから1.5nMに及ぶトラメチニブの濃度は、プレート間で3倍ずつ用量を変化させ、化合物1は、示したとおり、3μMから37nMまで3倍ずつ用量を減少させた。トラメチニブおよび化合物1の単剤としての有効性も、両方の化合物について、10μMから1.5nMまで3倍ずつ用量を変化させた用量範囲で検査した。CellTiter-GloルシフェラーゼベースATP検出アッセイ(Promega)を用いて、製造業者のプロトコルに従って細胞増殖を測定し、SYNERGY H1マルチリーダー(BIOTEK)で読み取った。GraphPad Prismソフトウェア(カリフォルニア州サンディエゴ,GraphPad,Inc.)を用いてIC50を決定した。BLISS相加性ソフトウェアを用いて、全組み合わせマトリックスで相乗効果の程度を割り出した(Bioinformatics、33巻、15号、2017年8月1日、2413-2415ページ)。
【0635】
7A.A-427 NSCLCのトラメチニブおよび化合物1併用細胞生存率アッセイ
【0636】
化合物1と併用した際のトラメチニブの治療は、異なる濃度の化合物1の添加により、用量依存的な利点を示した。トラメチニブおよび化合物1の両方を様々な用量でさらに組み合わせたところ、相乗的利点をもたらすことがある薬物濃度の範囲が明らかとなった。Synergyfinderウェブサイトで、BLISS独立分析により相乗効果を評価した(Ianevski A, He L, Aittokallio T, Tang J. SynergyFinder:a web application for analyzing drug combination dose-response matrix data. Bioinformatics. 2017 Aug 1;33(15):2413-2415)。最大の相乗効果をもたらした濃度は、13.7から123nMのトラメチニブおよび37から333nMの化合物1の間に位置し、算出された平均BLISS相乗効果スコアは、13.69であった。
【表4】
【0637】
7B.HCT-116 CRCのトラメチニブおよび化合物1併用細胞生存率アッセイ
【0638】
化合物1と併用した際のトラメチニブの治療は、異なる濃度の化合物1の添加により、用量依存的な利点を示した。トラメチニブおよび化合物1の両方を様々な用量でさらに組み合わせたところ、相乗的利点をもたらすことがある薬物濃度の範囲が明らかとなった。Synergyfinderウェブサイトで、BLISS独立分析により相乗効果を評価した。最大の相乗効果をもたらした濃度は、4.6から41.2nMのトラメチニブおよび333nMから3μMの化合物1の間に位置し、算出された平均BLISS相乗効果スコアは、14.02であった。
【表5】
【0639】
7C.PSN1のトラメチニブおよび化合物1併用細胞生存率アッセイ
【0640】
化合物1と併用した際のトラメチニブの治療は、異なる濃度の化合物1の添加により、用量依存的な利点を示した。トラメチニブおよび化合物1の両方を様々な用量でさらに組み合わせたところ、相乗的利点をもたらすことがある薬物濃度の範囲が明らかとなった。Synergyfinderで、BLISS独立分析により相乗効果を評価した。最大の相乗効果をもたらした濃度は、1.5から13.7nMのトラメチニブおよび111nMから1μMの化合物1の間に位置し、算出された平均BLISS相乗効果スコアは、13.64であった。
【表6】
【0641】
実施例8:細胞キナーゼリン酸化のための免疫ブロット(HCT-116)
6ウェルウェルプレート中に1ウェルあたり約30万細胞を24時間播種し、その後、4、24または48時間、化合物で治療した。治療後、細胞を回収し、10mM EDTA、1X Haltプロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤(Thermo Scientific)を添加したRIPA緩衝液(50mM Tris、pH7.4、150mM NaCl、1%NP-40、0.5%デオキシコール酸塩、0.1%SDS)中に溶解させた。4-12%Bolt Bis-Trisプレキャストゲル上で、MESランニング緩衝液(Life Technologies)でタンパク質溶解物(およそ20μg)を分離し、Trans-Blot Turbo Transfer System(Bio-Rad)を用いてニトロセルロース膜に移し、リン酸化STAT3、FAK、SRC、AKT、ERK、S6(Cell Signaling Technology)、全STAT3、FAK、SRC、AKT、およびERK、S6、並びにベータアクチン(Cell Signaling Technology)標的抗体で検出した。優しく振盪しながら、終夜4℃で抗体を一般的にインキュベートし、続いて洗浄し、適切なHRP標識二次抗体とともにインキュベートした。化学発光基質(Bio-Rad Clarity Western ECL)とともに2分間室温で膜をインキュベートした。iBRIGHT FL1500 Imaging System(ThermoFisher)で化学発光画像を得た。HCT-116 KRAS G13D CRCにおける結果は、化合物1単独が、4、および24時間時点において、リン酸化FAK(pFAK)、リン酸化SRC(pSRC)、リン酸化STAT3(pSTAT3)のタンパク質レベルを抑制することを示す。トラメチニブは、単剤として、全ての時点において、pERKを抑制し、24時間において、pSRCを阻害した。単剤のトラメチニブは、pSTAT3を発現上昇させたが、この発現上昇は、4および24時間において認められるように、化合物1の追加により抑制された。トラメチニブおよび化合物1の両方は、単剤としてS6タンパク質のリン酸化を阻害したが、2つの化合物の併用治療は、24時間まで、より完全な阻害をもたらした。これらのシグナル伝達ノードの抑制の組み合わせは、細胞増殖の阻害の有意な上昇が、併用治療で認められたことを支持する。化合物1の、トラメチニブとの組み合わせは、より強力なPARP切断ももたらす。
【0642】
実施例9:細胞キナーゼリン酸化のための免疫ブロット(HCT-116)
6ウェルウェルプレート中に1ウェルあたり約50万細胞を24時間播種し、その後、4、24または48時間、化合物で治療した。治療後、細胞を回収し、10mM EDTA、1X Haltプロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤(Thermo Scientific)を添加したRIPA緩衝液(50mM Tris、pH7.4、150mM NaCl、1%NP-40、0.5%デオキシコール酸塩、0.1%SDS)中に溶解させた。4-12%Bolt Bis-Trisプレキャストゲル上で、MESランニング緩衝液(Life Technologies)でタンパク質溶解物(およそ20μg)を分離し、Trans-Blot Turbo Transfer System(Bio-Rad)を用いてニトロセルロース膜に移し、リン酸化AKT、ERK、S6(Cell Signaling Technology)、全AKT、およびERK、S6、並びにベータアクチン(Cell Signaling Technology)標的抗体で検出した。優しく振盪しながら、終夜4℃で抗体を一般的にインキュベートし、続いて洗浄し、適切なHRP標識二次抗体とともにインキュベートした。化学発光基質(Bio-Rad Clarity Western ECL)とともに2分間室温で膜をインキュベートした。iBRIGHT FL1500 Imaging System(ThermoFisher)で化学発光画像を得た。PSN1 KRAS G12R膵臓癌細胞株における結果は、トラメチニブが、単剤としてpERKを阻害し、化合物1との併用では類似の結果を得たことを示す。333nMおよび1μMの両方における単剤の化合物1は、S473でのAKTのリン酸化を阻害した。さらに、トラメチニブは、単剤としてS235/S236でのS6のリン酸化を阻害することができ、化合物1を追加するとリン酸化S6の阻害を増強した。
【0643】
実施例10:CRCのHCT-116細胞由来異種移植腫瘍モデルにおける、トラメチニブと併用した際の化合物1の効果
HCT-116は、KRAS G13D変異を有する結腸癌細胞株である。HCT-116細胞由来腫瘍を有するSCID/Beigeマウスを、ビークル BID、化合物1 BID 15mg/kg、トラメチニブ QD 0.4mg/kg、トラメチニブ QD 0.4mg/kgと併用の化合物1 BID 15mg/kgによる治療群を含む群に、無作為に分けた。腫瘍体積(TMV)対時間のデータを平均値±標準誤差として
図4Aに示す。ビークル治療群を安楽死させたday18に打ち切ったデータでは、0.4mg/kg用量レベルのトラメチニブと併用の化合物1による治療は、化合物1単独による治療(p<0.0001、二元ANOVAの後、事後Dunnett多重比較検定)またはトラメチニブ(0.4mg/kg)単独による治療(p<0.001、二元ANOVAの後、事後Dunnett多重比較検定)と比較して腫瘍体積を有意に減少させた。治療期間中にマウスの体重を測定し、平均値±標準誤差として
図4Bに示す。ビークル治療群を安楽死させたday18に打ち切ったデータでは、治療群の間で、統計学的に有意な体重の差はなかった(p=0.61、二元ANOVA)。
【0644】
実施例11:HCT-116細胞由来異種移植腫瘍における、トラメチニブと併用した際の化合物1の薬力学的効果
HCT-116細胞由来異種移植腫瘍における、トラメチニブと併用した際の化合物1の薬力学的効果を評価するために、最終投与後2時間または9時間で回収した腫瘍サンプルから腫瘍溶解物を調製し、化合物1および/またはトラメチニブにより潜在的に改変され得るシグナル伝達経路から選択される候補分子に対する抗体を用いて、免疫ブロットにより分析した。SRCに対する化合物1の阻害活性は、単剤または0.4mg/kgのトラメチニブとの併用のいずれかとして、1日2回(BID)15mg/kgの化合物1により治療される腫瘍における、両時点でのリン酸化SRCシグナルの減少により示された一方で、リン酸化SRCの減少は、トラメチニブ治療群では認められなかった。さらに、トラメチニブの治療は、リン酸化FAKレベルの上昇をもたらした一方で、トラメチニブと併用した際の化合物1は、両時点におけるこの上昇を弱めた。化合物1は、最終投与後2時間においてSTAT3のリン酸化を阻害したが、9時間においては阻害しなかった。最後に、リン酸化ERKシグナルの減少は、単剤または化合物1との併用のいずれかとしてのトラメチニブによる治療群で認められた。
【0645】
実施例12:KRAS
G12D/+
;p53
-/-
変異を有する皮下mLU6045 MuPrimeマウス肺癌モデルにおける、トラメチニブと併用した際の化合物1の効果
皮下mLU6045 MuPrime肺癌モデルは、肺細胞における構成的活性KRAS
G12D/+ヘテロ接合変異およびp53ホモ接合ヌル変異により誘導される、マウス肺腫瘍に由来する。薬物効果が、本研究において、無傷の免疫系を有するC57BL/6マウスで評価されたことは注目に値する。腫瘍体積対時間のデータを平均値±標準誤差として
図5Aに示す。トラメチニブと併用の化合物1による治療群における腫瘍体積は、ビークル(p<0.0001、混合効果モデルの後、Tukey多重比較検定)または化合物1単独(p=0.0052、混合効果モデルの後、Tukey多重比較検定)による治療群における腫瘍体積よりも統計学的に有意に小さく、トラメチニブ単独(p=0.0590、混合効果モデルの後、Tukey多重比較検定)による治療群における腫瘍体積よりも小さい傾向があった。実験最終日(day23)のデータをさらに分析すると、トラメチニブと併用の化合物1による治療群の腫瘍体積は、ビークル治療群の腫瘍体積(p<0.0001、Kruskal-Wallis検定の後、Benjamini、KriegerおよびYekutieliの2段階線形上昇手順)、または化合物1治療群の腫瘍体積(p=0.0123、Kruskal-Wallis検定の後、Benjamini、KriegerおよびYekutieliの2段階線形上昇手順)、あるいはトラメチニブ治療群の腫瘍体積(p=0.0188、Kruskal-Wallis検定の後、Benjamini、KriegerおよびYekutieliの2段階線形上昇手順)よりも統計学的に有意に小さいことが示された。これらの結果は、このKRAS
G12D/+;p53
-/-変異を有する、無傷の免疫系のマウス肺癌モデルにおける、化合物1およびトラメチニブの、抗腫瘍活性に及ぼす有望な併用効果を示唆する。体重対時間のデータを平均値±標準誤差として
図5Bに示す。わずかで漸進的な体重減少が、トラメチニブとの併用で化合物1による治療を受けたマウスの群で認められ、1匹のマウスが、day22に死亡していることが確認されたが、トラメチニブと併用の化合物1治療群の体重は、ビークル治療群の体重と統計学的に有意な差がなかった(p=0.2231、混合効果モデルの群効果)。
【0646】
実施例13:患者由来肺オルガノイドおよびスフェロイドモデルにおける、トラメチニブ、SHP099/TNO155、LY3214996、RO5126766/CH5126766、またはセルメチニブと併用した際の化合物1の細胞生存率アッセイ試験
患者生検から得たヒト患者由来腫瘍細胞を維持し、異種移植マウス宿主内で増殖させた。その後、患者由来腫瘍を適切な腫瘍サイズで回収し、ディパーゼ(dipase)酵素で、20から100マイクロメートルの大きさのより小さなオルガノイドに分離させた。処理した腫瘍オルガノイドをマトリゲルと組み合わせ、384ウェルプレート上に播種し、単剤として、および化合物1の選択濃度と組み合わせて、指示された最終薬物濃度の化合物で治療した。37℃、5%CO2で5日間オルガノイドを培養した。day5に、3D CTG(CellTiter-Glo)ルシフェラーゼベースATP検出アッセイ(Promega)で、製造業者のプロトコルに従って細胞生存率を間接的に測定し、発光をEnvisionマルチリーダーで読み取った。
【0647】
並行して、マウス内で維持した患者由来異種移植(PDX)腫瘍からエクスビボ3D Spheroidを分離し:適切な腫瘍サイズで腫瘍を回収し、最大30から60分間、37℃でコラゲナーゼにより分離させる。単離スフェロイド細胞を計数し、メチルセルロースと組み合わせる(最終濃度0.65%)。90μlの浮遊成長培地中、約15,000単離腫瘍細胞を、96ウェルプレート中にウェルごとに播種する。播種後翌日、単剤として、および化合物1の選択濃度と組み合わせて、指示された最終薬物濃度の化合物で細胞を治療する。化合物で治療した単離腫瘍細胞を37℃、5%CO2で6日間培養し、その間、単離細胞は、スフェロイドと呼ばれる足場非依存性腫瘍クラスターを形成させる。day7に、3D CTG(CellTiter-Glo)ルシフェラーゼベースATP検出アッセイ(Promega)で、製造業者のプロトコルに従ってスフェロイドの細胞生存率を間接的に測定し、発光をEnvisionマルチリーダーで読み取る。GraphPad Prismソフトウェア(カリフォルニア州サンディエゴ,GraphPad,Inc.)を用いて、IC50および曲線下面積(AUC)値を算出した。
【0648】
患者由来突然変異KRAS肺オルガノイドまたはスフェロイドモデルにおける、MAPK経路阻害剤、化合物1、および様々な阻害剤の、化合物1(1μM)との組み合わせの細胞生存率%を示す結果を表7に要約する。
【表7】
【表8】
【0649】
実施例14:患者由来膵臓癌オルガノイドモデルにおける、トラメチニブ、RO5126766/CH5126766、またはミルダメチニブと併用した際の化合物1の細胞生存率アッセイ試験
患者生検から得たヒト患者由来腫瘍細胞を維持し、異種移植マウス宿主内で増殖させた。その後、患者由来腫瘍を適切な腫瘍サイズで回収し、ディパーゼ(dipase)酵素で、20から100マイクロメートルの大きさのより小さなオルガノイドに分離させた。処理した腫瘍オルガノイドをマトリゲルと組み合わせ、384ウェルプレート上に播種し、単剤として、および化合物1の選択濃度と組み合わせて、指示された最終薬物濃度の化合物で治療した。37℃、5%CO2で5日間オルガノイドを培養した。day5に、3D CTG(CellTiter-Glo)ルシフェラーゼベースATP検出アッセイ(Promega)で、製造業者のプロトコルに従って細胞生存率を間接的に測定し、発光をEnvisionマルチリーダーで読み取った。GraphPad Prismソフトウェア(カリフォルニア州サンディエゴ,GraphPad,Inc.)を用いて、IC50および曲線下面積(AUC)値を算出した。
【0650】
患者由来突然変異KRAS肺オルガノイドまたはスフェロイドモデルにおける、MAPK経路阻害剤、化合物1、および様々な阻害剤の、化合物1(表で示すように、1μMまたは0.5μM)との組み合わせの細胞生存率%を示す結果を表8および9に要約する。
【表9】
【表10】
【国際調査報告】