IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダグラス ファーマシューティカルズ リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-医薬組成物 図1
  • 特表-医薬組成物 図2
  • 特表-医薬組成物 図3
  • 特表-医薬組成物 図4
  • 特表-医薬組成物 図5
  • 特表-医薬組成物 図6
  • 特表-医薬組成物 図7
  • 特表-医薬組成物 図8A
  • 特表-医薬組成物 図8B
  • 特表-医薬組成物 図9A
  • 特表-医薬組成物 図9B
  • 特表-医薬組成物 図10
  • 特表-医薬組成物 図11
  • 特表-医薬組成物 図12
  • 特表-医薬組成物 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/513 20060101AFI20230125BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230125BHJP
   A61P 15/02 20060101ALI20230125BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20230125BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20230125BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20230125BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20230125BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20230125BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20230125BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20230125BHJP
【FI】
A61K31/513
A61P35/00
A61P15/02
A61K31/427
A61K9/107
A61K9/48
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/10
A61K47/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530936
(86)(22)【出願日】2020-11-26
(85)【翻訳文提出日】2022-07-25
(86)【国際出願番号】 IB2020061183
(87)【国際公開番号】W WO2021105922
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】1917252.7
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518317144
【氏名又は名称】ダグラス ファーマシューティカルズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Douglas Pharmaceuticals Limited
【住所又は居所原語表記】Central Park Drive,Lincoln,Auckland 0610,New Zealand
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ビニー,ファーガス
(72)【発明者】
【氏名】サーマン,ピーター
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA17
4C076AA53
4C076AA95
4C076BB01
4C076BB30
4C076CC27
4C076DD08F
4C076DD09F
4C076DD37S
4C076DD41
4C076DD45F
4C076DD46F
4C076EE23F
4C076EE53F
4C076FF16
4C076FF43
4C076FF51
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC42
4C086BC82
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA37
4C086MA52
4C086MA55
4C086NA14
4C086ZB26
(57)【要約】
本発明は、不飽和遊離脂肪酸、少なくとも2種の乳化剤および少なくとも1種の活性医薬成分を含む自己乳化性医薬組成物;医薬としての前記医薬組成物の使用;および前記組成物を調製するためのプロセスに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.少なくとも2種の乳化剤;および
c.ロピナビル;
を含み、前記少なくとも2種の乳化剤が、少なくとも、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤、および少なくとも、約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤を含み;全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物。
【請求項2】
前記不飽和遊離脂肪酸がオレイン酸である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記第1の乳化剤が約15を超える、例えば、約16を超える、約17を超える、または約18を超えるHLB値を有する、請求項1または2のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記第1の乳化剤がポリオールエステル、例えば、ステアリン酸ポリオール(例えばステアリン酸PEG100)、またはポリエトキシル化ソルビタンエステル、例えば、ポリソルベート20である、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記第2の乳化剤が、約5.5未満、例えば、約5未満、約4.5未満、または約4未満のHLB値を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記第2の乳化剤が、モノグリセリド、例えば、モノオレイン酸グリセロールである、請求項1~5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記組成物中に存在する第2の乳化剤の第1の乳化剤に対するwt/wt比が、約1:10~約10:1の間、例えば、約1:5~約5:1の間、約1:3~約3:1の間、約1:1~約5:1の間、約1:1~約3:1の間、約1:1~約2:1の間、約1:2~約2:1の間、約1:1.5~約2:1の間、約1:1.3~約1:1.1の間(例えば、約1:1.2)、約1.1:1~1.2:1の間(例えば、約1.2:1)、または約1.4:1~1.6:1の間(例えば、約1.5:1)である、請求項1~6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記少なくとも2種の乳化剤が3種の乳化剤である、請求項1~7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記第1の乳化剤が14を超えるHLB値を有し、前記第2の乳化剤が6未満のHLB値を有し、前記第3の乳化剤が8~15の範囲のHLB値を有し;全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記第3の乳化剤がポリオキシルヒマシ油誘導体(例えば、PEG35ヒマシ油)である、請求項8または9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記全乳化剤含有量が、全組成物の25重量%未満、20重量%未満、15重量%未満、2重量%~20重量%、2.5重量%~15重量%、5重量%~15重量%、8重量%~12重量%、10重量%~20重量%、12重量%~20重量%、10重量%~18重量%、12重量%~18重量%、12重量%~16重量%、13重量%~20重量%、14重量%~20重量%、15重量%~20重量%、13重量%~25重量%、14重量%~25重量%、15重量%~25重量%、20重量%~25重量%、20重量%~26重量%、20重量%~27重量%、20重量%~28重量%または20重量%~29重量%である、請求項1~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記第1の乳化剤が、全医薬組成物の約1重量%~約20重量%、例えば、全組成物の約1重量%~約10重量%、約10重量%~約20重量%、約10重量%~約15重量%、約1重量%~約5重量%、約3重量%~約7重量%、約3重量%~約6重量%、約3重量%~約5重量%(例えば、約4重量%)、約4重量%~約5重量%(例えば、約4.3重量%)、または約5重量%~約6重量%(例えば、約5.5重量%)で医薬組成物中に存在する、請求項1~11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記第2の乳化剤が、全医薬組成物の約1重量%~約20重量%、例えば、全組成物の約1重量%~約10重量%、約2重量%~約8重量%、約4重量%~約7重量%、約5重量%~約7重量%(例えば、約6重量%)、約4重量%~約6重量%(例えば、約5重量%)、または約4重量%~約5重量%(例えば、約4.5重量%)で医薬組成物中に存在する、請求項1~12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記第3の乳化剤が、全医薬組成物の約1重量%~約10重量%、例えば、全組成物の約2重量%~約8重量%、約3重量%~約7重量%、約4重量%~約6重量%、または約5重量%で医薬組成物中に存在する、請求項8~13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
リトナビルをさらに含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記組成物中に存在するロピナビルのリトナビルに対するwt/wt比が、約1:10~約18:1の間、例えば、約1:10~約15:1の間、例えば、約1:5~約15:1の間、例えば、約1:1~約15:1の間、例えば、約2:1~約15:1の間、例えば、約4:1~約15:1の間、例えば、約8:1~約14:1の間、例えば、約9:1~約14:1の間、例えば、約10:1~約14:1の間、例えば、10.5:1~約18:1の間、例えば、10.5:1~18:1の間、例えば、約10.5:1~約14:1の間、例えば、約11:1~約13:1の間、例えば、約11.5~約17:1の間、例えば、約11.5:1~約16.0:1の間、例えば、約11.5:1~約15:1の間、例えば、約14.5:1、例えば、14.5:1、例えば、約14:1、例えば、14:1、例えば、約13.8:1、例えば、13.8:1、例えば、約13.75:1、例えば、13.75:1、例えば、約13.5:1、例えば、13.5:1、例えば、約13:1、例えば、13:1、例えば、約12.5:1、例えば、12.5:1、例えば、約12:1、例えば、12:1、例えば、約11.75:1、例えば、11.75:1、例えば、約11.5:1、例えば、11.5:1、例えば、約11.25:1、例えば、11.25:1、または例えば、約11:1、例えば、11:1である、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;
d.第3の乳化剤;
e.抗酸化剤;
f.ロピナビル;および
g.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物。
【請求項18】
カプセル剤内に封入されている、請求項1~17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
医薬としての使用のための、請求項1~18のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
がんおよび良性増殖性障害の発症または進行の処置または阻害を必要とする対象において、がんおよび良性増殖性障害の発症または進行を処置するおよび/または阻害する方法であって、治療有効量の請求項1~18のいずれか1項に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
【請求項21】
子宮頸部のHPV関連異形成を有する患者を処置する方法であって、前記患者に、治療有効量の請求項1~18のいずれか1項に記載の医薬組成物を膣内または経口投与することを含む方法。
【請求項22】
前記医薬組成物が前記HPV関連異形成の重症度を減少させる請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記組成物がHPV感染細胞のアポトーシスを誘発する、請求項20~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記患者が、高悪性度扁平上皮内病変(HSIL)の子宮頸部細胞診、重症度が確定されていない非定型の扁平細胞(ASCUS)、または低悪性度扁平上皮内病変(LSIL)を有する、請求項20~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
請求項1~18のいずれか1項に記載の自己乳化性医薬組成物を製造するためのプロセスであって、
a.ロピナビルを不飽和遊離脂肪酸に(例えば混合することにより)組み込むステップと;
b.自己乳化性組成物を得るために、少なくとも2種の乳化剤をステップa)で得た混合物に(例えば混合することにより)組み込むステップと
を含み、前記少なくとも2種の乳化剤が、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤および約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤を含み;全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不飽和遊離脂肪酸、少なくとも2種の乳化剤および少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)を含む自己乳化性医薬組成物;これらの製造のための方法;ならびに前記医薬組成物の医薬としての使用に関する。特に、疾患および/または障害、例えば、子宮頸部のHPV関連異形成の進行を処置するおよび/または阻害するのに使用するためロピナビルおよびリトナビルを含む医薬組成物が提供される。
【背景技術】
【0002】
自己乳化性ドラッグデリバリーシステム(SEDDS)は、機械混合の結果としてではなく、むしろデリバリーシステムの構成成分の化学的特性の結果として乳剤を形成する。通常、親油性薬物は界面活性剤も含有する油ベースの製剤に溶解する。製剤は、経口投与のために軟質カプセルまたは硬質カプセル内に充填してもよい。経口投与後、SEDDS製剤が、例えば胃腸液の形態の水性環境と接触した場合、水中油型乳剤を自然に形成し、これが薬物吸収を促進する。
【0003】
市販されているSEDDS製剤には、経口投与用に製剤化された薬物シクロスポリンを含むものならびにNeoral(登録商標)およびGengraf(登録商標)の製品名で販売されているものが含まれる。Norvir(登録商標)およびFortovase(登録商標)は、HIVプロテアーゼ阻害剤、リトナビルおよびサキナビルをそれぞれ含有するSEDDS製剤として市販されている[Gibaud & Attivi,Expert Opinion on Drug Delivery 2012,937-951]。
【0004】
自己乳化性組成物は、油、界面活性剤、ならびに任意選択的に補助界面活性剤および/または共溶媒を通常含有する等方性混合物である。SEDDSに使用されている油の例として、長鎖トリグリセリド、例えば、ゴマ油、ダイズ油およびヒマシ油、中鎖トリグリセリド、シリコン油、脂肪酸ならびに脂肪族アルコールが挙げられる。油は、親油性、または水溶性に乏しい薬物を溶解するために必要とされる。界面活性剤または乳化剤は、効率的な自己分散性および形成された水中油型乳剤の安定性を確実にするために加えられる。非イオン性界面活性剤は、スケール1~20(1が親油性であり、20が親水性である)で、これらの親水性-親油性のバランス(HLB)により分類することができる[Griffin, J.Soc. Cosmetic Chem.1954、249-256]。界面活性剤の例として、ポリオールおよび植物油のエーテル(例えば、ポリオキシル35ヒマシ油(Cremophor(登録商標)EL)およびポリオキシル40硬化ヒマシ油(Cremophor(登録商標)RH40))、ポリオールグリセリド(例えば、ラウロイルマクロゴール-32グリセリド(Gelucire(登録商標)44/14)およびポリオールエステル(例えば、ポリソルベート(例えば、Tween(登録商標)20またはTween(登録商標)80)またはポリエチレングリコールステアレート)、ならびにプロピレングリコールモノエステル(例えば、モノラウリン酸プロピレングリコールまたはモノカプリル酸プロピレングリコール)、グリコールモノエーテル(例えば、Transcutol(登録商標)またはCarbitol(登録商標))ならびにモノグリセリドおよびジグリセリドを含めたより親油性の界面活性剤が挙げられる。安定した乳剤を提供するために、SEDDSの界面活性剤含有量は一般的に30重量%~60重量%の範囲である[Kovvasu et al.、AsianJ.Pharm.2019、73-84]。利用することができる共溶媒として、水、エタノール、グリセリンおよびポリエチレングリコールが挙げられる[Gibaud & Attivi、Expert Opinion on Drug Delivery 2012、937-951]。
【0005】
本発明は、少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)を含む自己乳化性組成物を製剤化するために発明者らにより行われた研究に基づく。発明者らは、特定の特性を有する少なくとも2種の乳化剤を不飽和遊離脂肪酸および少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)と併用した場合、製剤が含有する乳化剤の全含有量が比較的低かったとしても、予想外に良好な特性(例えば、薬物溶解、したがって潜在的に優れたバイオアベイラビリティー特性)を有するSEDDS製剤が得られることを予想外に見出した。
【0006】
組成物に不飽和遊離脂肪酸を使用することは、組成物中の遊離脂肪酸の品質、例えば、遊離脂肪酸のアイデンティティー、量および純度を制御することができるので有利である。対照的に、他の賦形剤、例えば、植物油およびポリソルベートは、低いおよび可変のレベルの遊離脂肪酸を含有し得る。植物油およびポリソルベートの遊離脂肪酸の組成、例えば、遊離脂肪酸のアイデンティティーおよび量は、バッチにより、および時間の経過と共に変動し得る。有利なことには、一実施形態では、活性医薬成分は不飽和遊離脂肪酸に溶解性があるので、可溶化を達成するために、室温を超える加熱を必要としない。これは、分解を起こす傾向がある活性医薬成分(例えば、ロピナビル)を使用する場合;特に、活性医薬成分が熱に曝露された際に、分解、例えば、酸化および/または加水分解による分解の範囲および/または速度が増加する場合、特に有利である。
【0007】
好適には、本発明の組成物はがんの処置において有用である。多くの異なる形態のがんが存在し、多くの異なる疾患の原因が存在すると考えられている。がんの発症率は異なるが、先進国の大部分において、がんは心疾患に次いで2番目に高い死因に相当する。
【0008】
ヒト腫瘍ウイルスは、ヒトがんの主な原因であることが認められており、これらのウイルスが、感染細胞における遺伝的不安定さを誘発することによりがんを引き起こすという論点を支持するかなりの証拠が存在する。実際に、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV1)Taxもヒトパピローマウイルス16型(HPV16)E6腫瘍性タンパク質も、異常な数の中心体、多核化および核異型を生成する遺伝的不安定さを誘発することが知られている。
【0009】
侵襲性子宮頸がん(ICC)は、1年当たり>270,000件の死亡を引き起こすウイルス感染症に伴うがんの一例であり、これらの85%超が資源の乏しい国において生じている。高リスク型HPVによる感染症は、ICCに対する主要病因媒体として確立されている。ICCの発症は10~20年かかることもあり、低悪性度(CIN1)または高悪性度子宮頸部上皮内腫瘍(CIN2/3)のいずれかを特徴とするHPVに関連した侵襲前病態が先行する。病変は、頚部細胞診の試験によりスクリーニングすることができ、この試験において細胞は、重症度が確定されていない境界非定型扁平細胞(ASCUS)、低悪性度扁平上皮内病変(LSIL)または高悪性度扁平上皮内病変(HSIL)のいずれかと診断される(または等級分けされる)。
【0010】
先進国世界におけるICC関連の死亡率の減少は組織化された細胞学スクリーニングに主に依存し、子宮頸がん死亡率における類似の傾向は、世界のその他の地域における組織化された単一スクリーニングおよび処置により達成されてきた。しかし、貧困国における資源および健康教育の欠如は、大部分の侵襲前頸部疾患が未診断および未処置のままであることを意味する。よって、資源が限定されている場合、低コストスクリーニングおよび処置オプションは明らかに高い優先順位にある。
【0011】
臨床診療における現在の処置オプションは、除去(破壊的)様式または切除様式のいずれかによるものである。組織的再調査により、これらの処置様式は、成功率は同様であるが、罹患率が異なることが実証されている。先進国世界では、変異領域広範囲円形切除(Large loop excision of the Transformation Zone LLETZ)(別名、ループ電気外科切除法(loop electrosurgical excision procedure)-LEEP)が膣頸管検査の臨床の大部分において使用されている。これらの手順の80%超は、局所無痛法で実施され、変換ゾーンのすべてがその後の組織学的検査に利用できる。この手順は、1次的/2次的出血の危険性、長時間の出血、感染症およびその後の妊娠における早産の危険性に関連する。前者の副作用は、特に低資源国において問題となり得る。冷却凝固および凍結療法の形態の除去処置は、これらが低コストであり、最小量のインフラストラクチャーしか必要とせず、訓練された非医療保健専門家により行うことができるため、多くの場合低資源国において使用が推奨されている。しかし、一部の研究では、凍結療法は、他の処置様式と比較して失敗率が高いことが示唆されている。
【0012】
子宮頸部異形成の処置のために評価されている、様々な局所投与、非手術的手法が存在し、これらには、光力学的療法(PDT);抗サイトメガロウイルス(CMV)薬物シドフォビルのオフライセンス使用;免疫活性因子イミキモドの局所的適用および細胞障害性薬物5フルオロウラシル(5FU)の直接適用が含まれる。これら代替処置様式の一部は期待を持てるが、これらの処置結果は、品質保証された膣頸管検査ユニットで得られることが報告されている成功率80~95%よりも劣るものである。
【0013】
HPV関連子宮頸部異形成に対する、有効で安価な、非手術の、自己投与による処置は、特に低資源環境において大きな可能性を有する。さらに、自己投与処置のコンプライアンスの改善は、副作用が最小限に抑えられれば増強することになる。
【0014】
ウイルスにより引き起こされるがんの処置における最近の進歩は、WO2015/059485において開示されており、このWO2015/059485では、プロテアーゼ阻害剤、ロピナビルおよびリトナビル(レトロウイルス感染症、例えば、HIVの臨床管理のために経口的に服用する医薬としてこれまで使用されてきた)が、ヒトパピローマウイルスにより引き起こされる悪性腫瘍の予防または処置のための組織への局所投与に、臨床的に有用であることが記載されている。著者らにより、KALETRA(登録商標)の軟質カプセル剤(経口投与によるHIV感染症の処置のためにAbbott/Abbvieから市販されている)が、がんの状態の予防または処置のため、発がん性ウイルス感染症の予防または処置のため、および良性増殖性状態の予防または処置のために局所的に投与され得る(例えば、子宮頸部の処置のために膣に挿入する)ことが報告された。
【0015】
KALETRA(登録商標)は、1ミリリットル当たり80mgのロピナビルおよび20mgのリトナビルを含む溶液として、または133.3mgのロピナビルおよび33.3mgのリトナビル(ロピナビル:リトナビルのwt/wt比4:1)を含む経口投与用軟質カプセル剤として、経口摂取に利用可能である。溶液は、アルコール(42%w/w)、高フルクトーストウモロコシシロップ剤、プロピレングリコール、精製水、グリセロール、ポビドン、香味料、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、塩化ナトリウム、ペパーミント油、クエン酸ナトリウム、クエン酸、およびメントールをさらに含有する。軟質カプセル剤の内容物は、ロピナビルおよびリトナビルと共に、オレイン酸、プロピレングリコール、ポリオキシル35ヒマシ油(Cremophor(登録商標)EL)、および精製水を含有する(KALETRA(登録商標)製品特性情報(Summary of Product Characteristics)、EMA;WO2002/096395)。
【0016】
本発明の組成物は、過去の製剤と比較した場合、著しいメリットをもたらす。したがって、1つの特定の実施形態では、ロピナビルおよびリトナビルを含む組成物が粘膜面に局所的に(例えば、子宮頸部の処置のために膣に挿入される)または経口投与された場合、組成物は、がんの状態を処置および予防するため、発がん性ウイルス感染症を予防または処置するため、ならびに良性増殖性状態を予防または処置するために使用することができる。
【発明の概要】
【0017】
不飽和遊離脂肪酸、少なくとも2種の乳化剤および少なくとも1種の活性医薬成分(API)(ロピナビルおよびリトナビル)を含む自己乳化性医薬組成物が本明細書において開示される。
【0018】
本発明の第1の態様によれば、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.少なくとも2種の乳化剤;および
c.少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル);
を含み、前記少なくとも2種の乳化剤は、少なくとも、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤、および少なくとも、約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤を含み;全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0019】
第2の態様によれば、第1の態様の自己乳化性医薬組成物を製造するためのプロセスであって、
a)不飽和遊離脂肪酸中に少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)を組み込むステップと;
b)少なくとも2種の乳化剤を、ステップa)で得た混合物に組み込んで、自己乳化性組成物を得るステップと
を含み、少なくとも2種の乳化剤が、少なくとも、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤、および少なくとも、約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤を含み;全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、プロセスが提供される。
【0020】
本発明の第3の態様によれば、医薬としての使用のための本発明の第1の態様による医薬組成物が提供される。一実施形態では、医薬組成物は、疾患および/または障害の発症または進行を処置するおよび/または阻害するための医薬として使用される。一実施形態では、医薬組成物は、がんおよび/または良性増殖性障害の発症または進行を処置するおよび/または阻害するための医薬として使用される。一実施形態では、医薬組成物は、有効量の少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)を含む。一実施形態では、医薬組成物は、疾患または障害の発症または進行を処置するおよび/または阻害するための有効量の少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)を含む。一実施形態では、医薬組成物は、がんおよび/または良性増殖性障害の発症または進行を処置するおよび/または阻害するための、有効量の少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)を含む。さらなる実施形態では、医薬組成物は、付随異常病理を伴うまたは伴わないヒトパピローマウイルス(HPV)感染症を処置するための、有効量の少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビルおよび/またはリトナビル)を含む。一実施形態では、医薬組成物は、初期段階の新生物の発症を処置するおよび/または阻害するための医薬として使用される。一実施形態では、医薬組成物は、HPVと関連する頸部、外陰部、膣内、陰茎、肛門、口腔または喉頭部の新生物および/またはいぼの発症を処置または予防するための医薬として使用される。一実施形態では、医薬組成物は、頸部新生物の発症を処置または予防するための医薬として使用するためのものである。
【0021】
本発明の第4の態様によれば、そのような処置または阻害を必要とする対象において、疾患および/または障害の発症または進行を処置するおよび/または阻害する方法であって、治療有効量の本発明の第1の態様による組成物を投与することを含む方法が提供される。一実施形態では、そのような処置または阻害を必要とする対象において、がんおよび/または良性増殖性障害の発症または進行を処置するおよび/または阻害する方法であって、治療有効量の本発明の第1の態様による組成物を投与することを含む方法が提供される。一実施形態では、がんまたは障害は、ヒトパピローマウイルス(HPV)により引き起こされるまたは誘発される。さらなる実施形態では、そのような処置または阻害を必要とする対象において、付随異常病理を伴うまたは伴わないヒトパピローマウイルス(HPV)感染症を処置する方法であって、治療有効量の本発明の第1の態様による医薬組成物を投与することを含む方法が提供される。一実施形態では、そのような処置または阻害を必要とする対象において、初期段階の新生物の発症を処置するおよび/または阻害する方法であって、治療有効量の本発明の第1の態様による医薬組成物を投与することを含む方法が提供される。一実施形態では、そのような処置または阻害を必要とする対象において、HPVと関連する頸部、外陰部、膣内、陰茎、肛門、口腔または喉頭部の新生物および/またはいぼの発症を処置または予防する方法であって、治療有効量の本発明の第1の態様による医薬組成物を投与することを含む方法が提供される。一実施形態では、そのような処置または阻害を必要とする対象において、頸部新生物の発症を処置または予防する方法であって、治療有効量の本発明の第1の態様による医薬組成物を投与することを含む方法が提供される。
【0022】
好適には、これらのがんまたは良性増殖性障害は、ウイルス感染症、より好ましくは発がん性ウイルスおよび特にヒト腫瘍ウイルス、例えば、HPVにより引き起こされる。
【0023】
好適には、本発明は、HPVに関連する子宮頸部異形成を有する対象の処置であって、前記対象に治療有効量の開示された医薬組成物を投与することを含む処置に関する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
開示された組成物、製造プロセスおよび方法は、本開示の一部を形成する以下の発明を実施するための形態を参照することにより、より容易に理解することができる。開示された組成物、製造プロセスおよび方法は、本明細書に記載されているおよび/または示されている特定の組成物、製造プロセスおよび方法に限定されず、本明細書に使用されている用語は、単なる例示により特定の実施形態を記載する目的のためのものであり、特許請求された組成物、製造プロセスおよび方法を限定することを意図するわけではないことを理解されたい。
【0025】
特定の数値の言及は、文脈が他を明確に指示する場合を除いて、少なくとも特定の値を含む。値の範囲が表現されている場合、別の実施形態は、1つの特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。さらに、範囲で述べられている値の言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含む。すべての範囲は両端の値を含み、組合せ可能である。
【0026】
わかりやすくように別個の実施形態の文脈で本明細書に記載されている開示された組成物、製造プロセスおよび方法のある特定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことを認識されたい。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で記載されている開示された組成物、製造プロセスおよび方法の様々な特徴はまた、別々にまたは任意の下位の組合せで提供されてもよい。
【0027】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は複数を含む。
【0028】
以下の略語が本明細書で使用されている:ヒトパピローマウイルス(HPV);重症度が確定されていない非定型扁平細胞(ASC-US);低悪性度扁平上皮内病変(LSIL);高悪性度扁平上皮内病変(HSIL);子宮頸部上皮内腫瘍1(CIN1);子宮頸部上皮内腫瘍2(CIN2);子宮頸部上皮内腫瘍3(CIN3);上皮内がん(CIS);侵襲性子宮頸がん(ICC)。
【0029】
値が、先行詞「約」の使用により近似値で表現される場合、特定の値は別の実施形態を形成すると理解されたい。「約」という用語は、数値的範囲、切取り、または特定の値に関連して使用されている場合、列挙された値が、列挙された値から10%までも変動し得ることを示唆するように使用されている。本明細書で使用される数値的な値の多くは実験により決定されたものであるため、このような判定は、異なる実験の間で変動する可能性があり、多くの場合変動することになることを、当業者であれば理解されたい。本明細書で使用されている値は、この特有の変動により、過度に限定的であると考えられるべきではない。よって、「約」という用語は、特定された値からの±10%以下の変動、±5%以下の変動、±1%以下の変動、±0.5%以下の変動、または±0.1%以下の変動を包含するように使用される。
【0030】
本明細書で使用される場合、「処置する(治療する)」などの用語は、症状の重症度および/または頻度を減少させること、症状および/または前記症状の根底にある原因を排除すること、症状および/またはこれらの根底にある原因の頻度または可能性を減少させること、疾患および/または障害、例えば、がんまたは良性増殖性障害の進行を遅延、予防および/または減速させること、ならびに疾患および/または障害、例えば、がんまたは良性増殖性障害により直接的または間接的に引き起こされた損傷を改善または修復することを指す。
【0031】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という句は、特定の生物学的または治療上の結果、例えば、これらに限定されないが、本明細書で開示、記載、または例示された生物学的または治療上の結果を達成するのに有効な、本明細書に記載された少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)を含む組成物の量を指す。治療有効量は、個体の病態、年齢、性別、および重量などの要素、ならびに対象において所望の応答を引き起こす組成物の能力に従い変動し得る。このような結果には、これらに限定されないが、当技術分野に適した任意の手段で決定されるような、良性もしくは悪性疾患の減少、緩解、および/もしくは退縮、または良性もしくは悪性の疾患の発症の予防が含まれる。
【0032】
本明細書で使用される場合、「対象」には、脊椎動物、哺乳動物、家畜または好ましくはヒトが含まれる。
【0033】
<医薬組成物>
本発明の第1の態様によれば、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.少なくとも2種の乳化剤;および
c.少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル);
を含み、前記少なくとも2種の乳化剤は、少なくとも、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤、および少なくとも、約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤を含み;全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0034】
自己乳化性組成物は、本明細書で使用される場合、水または水性環境に導入されると、自然に乳化して水中油型または油中水型乳剤を生成する脂肪または油ベースの組成物を指す。自己乳化性医薬組成物とは、薬学的に許容される賦形剤を含有する自己乳化性組成物を指す。
【0035】
遊離脂肪酸は、本明細書で使用される場合、グリセロール骨格に結合していない、すなわち、脂肪酸がグリセリドの一部ではない脂肪酸を指す。遊離脂肪酸を含む医薬組成物の1つの利点は、医薬組成物を製造するために使用される遊離脂肪酸のアイデンティティー、量および純度を制御することが可能なことである。不飽和遊離脂肪酸は、脂肪酸内の炭素原子間に少なくとも1つの二重結合が存在する遊離脂肪酸である。
【0036】
市販されている遊離脂肪酸製品は、少量の他の脂肪酸を含有し得ると理解されるものとする。例えば、オレイン酸は通常、7~12%の飽和遊離脂肪酸、例えば、ステアリン酸およびパルミチン酸を、他の不飽和遊離脂肪酸、例えば、リノール酸(Handbook of Pharmaceutical Excipients、2nd Edition、entry for Oleic acidを参照されたい)と一緒に含有する。不飽和遊離脂肪酸という用語は、不飽和遊離脂肪酸が、薬局方、例えば、米国薬局方および/またはイギリス薬局方などの等級であり、不飽和遊離脂肪酸が少量の他の遊離脂肪酸を含有し得ることを意味すると理解されるものとする。
【0037】
一実施形態では、組成物内に存在する全不飽和脂肪酸(結合したおよび遊離の不飽和脂肪酸)のうち、少なくとも90重量%、例えば、少なくとも95重量%、例えば、少なくとも98重量%、例えば、少なくとも99重量%、または例えば、少なくとも99.5重量%は遊離形態であり、すなわち、エステル化していることも、または他の構成成分例えば、グリセロールに結合していることもない。
【0038】
一実施形態では、不飽和遊離脂肪酸は、トリグリセリドまたはポリソルベートの形態ではない。
【0039】
一実施形態では、不飽和遊離脂肪酸は約25℃未満の融点を有する。一実施形態では、不飽和遊離脂肪酸は、オレイン酸、リノール酸、アルファ-リノール酸、パルミトレイン酸、ゴンドイン酸、およびリシノール酸から選択される。好ましい実施形態では、不飽和遊離脂肪酸はオレイン酸である。
【0040】
一実施形態では、不飽和遊離脂肪酸は、医薬組成物中に、全医薬組成物の少なくとも25重量%のレベル、例えば、全医薬組成物の少なくとも35重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、または少なくとも70重量%のレベルで存在する。
【0041】
一実施形態では、不飽和遊離脂肪酸は、医薬組成物中に、全医薬組成物の約25%~約85重量%のレベル、例えば、全組成物の約40重量%~約85重量%、約50重量%~約85重量%、約55重量%~約85重量%、約60重量%~約80重量%、約65重量%~約80重量%、約65重量%~約75重量%、または約68重量%~約72重量%のレベルで存在する。好ましい実施形態では、不飽和遊離脂肪酸は、医薬組成物中に、全組成物の約65重量%~約75重量%のレベルで存在する。最も好ましい実施形態では、不飽和遊離脂肪酸は、医薬組成物中に、全組成物の約68重量%~約72重量%のレベルで存在する。最も好ましい実施形態では、不飽和遊離脂肪酸は、医薬組成物中に全組成物の68重量%~約72重量%のレベルで存在する。
【0042】
本発明による組成物は少なくとも2種の乳化剤を含む。一実施形態では、本発明による組成物は2種の乳化剤を含む。少なくとも2種の乳化剤は、少なくとも、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤、および少なくとも、約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤を含む。
【0043】
一実施形態では、少なくとも2種の乳化剤は3種の乳化剤である。さらなる実施形態では、3種の乳化剤は、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤、約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤および約8~約15の範囲のHLB値を有する第3の乳化剤を含む。
【0044】
HLB値は乳化剤および/または界面活性剤を定義するために一般的に使用されており、所与の化合物の親水性-親油性バランスを指す。HLB値は、Griffinの方法に従い以下の通り計算することができる[Griffin、J.Soc.Cosmetic Chem.(1949)、311-326;Griffin、J.Soc.Cosmetic Chem.(1954)、249-256]:
HLB=20×(MW-H/MW-T)
(式中、MW-Hは化合物の親水性部分の分子量であり、MW-Tは全化合物の分子量である)。例えば、乳化剤ステアリン酸PEG100に対して、MW-Hは分子のエチレングリコール部分の分子量であり、100×44(MW酸化エチレンモノマー=44g/モル)=4400である。ステアリン酸は284.5g/モルの分子量を有するので、MW-T=4684.5である。したがって、ステアリン酸PEG100に対するHLB値は18.8で計算される。グリセロールモノオレエートはHLB値3.5を有する。構成成分の選択のためにHLB値が以下の表に列挙されている。
【0045】
【0046】
一実施形態では、第1の乳化剤は、14を超える、約15を超える、約16を超える、約16.5を超える、約17を超えるまたは約18を超えるHLB値を有する。好ましい実施形態では、第1の乳化剤は、約17を超える、例えば、17を超えるHLB値を有する。最も好ましい実施形態では、第1の乳化剤は、約16.5を超える、例えば、18を超えるHLB値を有する。
【0047】
一実施形態では、第1の乳化剤はポリオールエステルである。ポリオールエステル乳化剤とは、本明細書で使用される場合、複数のヒドロキシル基を有するポリマー性骨格を含み、これらヒドロキシル基のうちの少なくとも1つがエステル基に変換されている非イオン性乳化剤を指す。一実施形態では、ポリオールエステルはポリエチレングリコール(PEG)のエステルである。一実施形態では、PEGは、1000~9000g/モル、例えば、3000~6000g/モル、または4000~5000g/モルの範囲の平均分子量を有する。一実施形態ではPEGは、20~200個のエチレングリコールモノマーユニット、例えば、50~150個、または80~120個のエチレングリコールモノマーユニットを含む。一実施形態ではPEGは約100個のエチレングリコールモノマーユニットを含む。一実施形態ではエステルは、脂肪酸のエステル、例えば、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸またはアラキジン酸のエステルである。一実施形態ではエステルはステアリン酸のエステルである。一実施形態では第1の乳化剤はステアリン酸ポリオールである。一実施形態では、第1の乳化剤はステアリン酸PEGである。好ましい実施形態では、第1の乳化剤はステアリン酸PEG100である。
【0048】
一実施形態では、第1の乳化剤はポリエトキシル化ソルビタンエステルである。一実施形態ではエステルはポリエトキシル化ソルビタンのモノエステルである。一実施形態では、ソルビタンは、10~100個のエチレングリコールモノマーユニット、例えば、20~100個、または20~80個のエチレングリコールモノマーユニットでエトキシル化されている。一実施形態では、ソルビタンは、合計20個、60個または80個のエチレングリコールモノマーユニットでエトキシル化されている。一実施形態ではエステルは、脂肪酸のエステル、例えば、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、オレイン酸またはアラキジン酸のエステルである。一実施形態では、エステルは、ラウリン酸、ステアリン酸またはオレイン酸のエステルである。一実施形態では第1の乳化剤はPEG-20モノラウリン酸ソルビタン(ポリソルベート20)、PEG-60モノステアリン酸ソルビタン(ポリソルベート20)またはPEG-80モノオレイン酸ソルビタン(ポリソルベート80)である。好ましい実施形態では、第1の乳化剤はPEG-20モノラウリン酸ソルビタンである。
【0049】
一実施形態では、第2の乳化剤は、約5.5未満、例えば、約5未満、約4.5未満、または約4未満のHLB値を有する。好ましい実施形態では、第2の乳化剤は、約4.5未満、例えば、4.5未満のHLB値を有する。最も好ましい実施形態では、第2の乳化剤は、約4未満、例えば、4未満のHLB値を有する。
【0050】
一実施形態では、第2の乳化剤はモノグリセリドである。モノグリセリド乳化剤は、本明細書で使用される場合、グリセロールの分子がエステル結合を介して脂肪酸に結合している非イオン性乳化剤を指す。モノグリセリド乳化剤は、脂肪酸がグリセロール上の第1級アルコールまたは第2級アルコールの部位のいずれかに結合しているグリセリドを含む。モノグリセリドの脂肪酸部分は飽和または不飽和のいずれかであってよい。一実施形態では、モノグリセリドは、グリセロールと、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸の酸性、ベヘン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸およびエルカ酸から選択される脂肪酸のエステルを含む。一実施形態では、第2の乳化剤は、モノステアリン酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール、モノオレイン酸グリセロールおよびモノリノール酸グリセロール、またはこれらの混合物から選択される。好ましい実施形態では、第2の乳化剤はモノオレイン酸グリセロールである。
【0051】
一実施形態では、第1の乳化剤は約15を超えるHLB値を有し、第2の乳化剤は約5.5未満のHLB値を有する。一実施形態では、第1の乳化剤は約16を超えるHLB値を有し、第2の乳化剤は約5未満のHLB値を有する。一実施形態では、第1の乳化剤は約16.5を超えるHLB値を有し、第2の乳化剤は約4.5未満にHLB値を有する。一実施形態では、第1の乳化剤は約18を超えるHLB値を有し、第2の乳化剤は約4.5未満のHLB値を有する。一実施形態では、第1の乳化剤は約18を超えるHLB値を有し、第2の乳化剤は約4未満のHLB値を有する。一実施形態では、第1の乳化剤は約16.5を超えるHLB値を有し、第2の乳化剤は約4未満のHLB値を有する。
【0052】
驚くことに、固体および/または半固体乳化剤は、自己乳化性組成物に組み込むことで有益なAPI溶解プロファイルを得ることができることが見出された。したがって、一実施形態では、第1の乳化剤は室温で固体である。一実施形態では、第2の乳化剤は室温で半固体である。一実施形態では、第1の乳化剤は室温で固体であり、第2の乳化剤は室温で半固体である。「固体」および「半固体」という用語の意味は、医薬製剤分野の当業者には明らかである。ただし、液体は、外部の力に応答して流動する材料であるのに対して、固体は外部の力に応答して流動しない材料であることを理解されたい。半固体は、ある程度固体と液体の両方の特質を示す。
【0053】
相乗的相互作用が2種の乳化剤間に存在し、これによって、少なくとも2種の乳化剤を含有する組成物は、単一の乳化剤のみを含有する比較組成物よりも優れた活性医薬成分(API)放出プロファイルを提供することが判明した。言い換えると、少なくとも2種の乳化剤を含む本発明による組成物は通常、少なくとも2種の乳化剤のうちの1種のみを含有する比較組成物と比べて、たとえ重量%で表現される組成物の全乳化剤含有量が同じであっても、より速いAPI放出プロファイルを提供することができる。一実施形態では、組成物中に存在する第2の乳化剤の第1の乳化剤に対するwt/wt比は、約1:10~約10:1の間、例えば、約1:5~約5:1の間、約1:3~約3:1の間、約1:1~約5:1の間、約1:1~約3:1の間、約1:1~約2:1の間、約1:2~約2:1の間、約1:1.5~約2:1の間、約1:1.3~約1:1.1の間(例えば、約1:1.2)、または約1.4:1~1.6:1の間(例えば、約1.5:1)である。好ましい実施形態では、組成物中に存在する第2の乳化剤の第1の乳化剤に対するwt/wt比は、約1:1~約2:1の間、例えば、約1.2:1~1.8:1の間、約1.1:1~1.6:1の間または約1.4:1~1.6:1の間である。最も好ましい実施形態では、組成物中に存在する第2の乳化剤の第1の乳化剤に対するwt/wt比は約1.5:1である。最も好ましい実施形態では、組成物中に存在する第2の乳化剤の第1の乳化剤に対するwt/wt比は約1.2:1である。
【0054】
代替の実施形態では、組成物中に存在する第2の乳化剤の第1の乳化剤に対するwt/wt比は、約1:2~約1:1の間、例えば、約1:1.5~1:1の間、または約1:1.3~1:1.1の間である。さらなる実施形態では、組成物中に存在する第2の乳化剤の第1の乳化剤に対するwt/wt比は約1:1.2である。またさらなる実施形態では、組成物中に存在する第2の乳化剤の第1の乳化剤に対するwt/wt比は1:1.2である。
【0055】
一実施形態では、第1の乳化剤は、全医薬組成物の約1重量%~約20重量%、例えば、全組成物の約1重量%~約10重量%、約1重量%~約5重量%、約3重量%~約7重量%、約3重量%~約6重量%、約3重量%~約5重量%(例えば、約4重量%)、約4重量%~約5重量%(例えば、約4.3重量%)、または約5重量%~約6重量%(例えば、約5.5重量%)で医薬組成物中に存在する。好ましい実施形態では、第1の乳化剤は、全組成物の約1重量%~約5重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。好ましい実施形態では、第1の乳化剤は、全組成物の約2重量%~約4重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。最も好ましい実施形態では、第1の乳化剤は、全組成物の約3重量%~約5重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。最も好ましい実施形態では、第1の乳化剤は、全組成物の約4重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。一実施形態では、第1の乳化剤は、全組成物の約5重量%~約15重量%(例えば、約7重量%~約14重量%、約8重量%~約13重量%、または約9重量%~約13重量%)のレベルで医薬組成物中に存在する。一実施形態では、第1の乳化剤は、全組成物の約10重量%~約12重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。
【0056】
代替の実施形態では、第1の乳化剤は、全組成物の約4重量%~約7重量%のレベルで組成物中に存在する。さらなる実施形態では、第1の乳化剤は、全組成物の約5重量%~約6重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。またさらなる実施形態では、第1の乳化剤は、全組成物の約5.5重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。
【0057】
一実施形態では、第2の乳化剤は、全医薬組成物の約1重量%~約20重量%、例えば、全組成物の約1重量%~約10重量%、約2重量%~約8重量%、約4重量%~約7重量%、約4重量%~約6重量%(例えば、約5重量%)、約5重量%~約7重量%(例えば、約6重量%)、または約4重量%~約5重量%(例えば、約4.5重量%)で医薬組成物中に存在する。好ましい実施形態では、第2の乳化剤は、全組成物の約1重量%~約7重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。好ましい実施形態では、第2の乳化剤は、全組成物の約3重量%~約6重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。最も好ましい実施形態では、第2の乳化剤は、全組成物の約5重量%~約7重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。最も好ましい実施形態では、第2の乳化剤は、全組成物の約6重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。最も好ましい実施形態では、第2の乳化剤は、全組成物の約5重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。
【0058】
一実施形態では、第2の乳化剤は、全組成物の約5重量%~約20重量%(例えば、約7重量%~約18重量%、約9重量%~約16重量%、または約10重量%~約15重量%)のレベルで医薬組成物中に存在する。一実施形態では、第2の乳化剤は、全組成物の約12重量%~約15重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。一実施形態では、第2の乳化剤は、全組成物の約13重量%~約14重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。
【0059】
代替の実施形態では、第2の乳化剤は、全組成物の約3重量%~約6重量%のレベルで組成物中に存在する。さらなる実施形態では、第2の乳化剤は全組成物の約4重量%~約5重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。またさらなる実施形態では、第2の乳化剤は全組成物の約4.5重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。
【0060】
本発明のある特定の実施形態では、2種より多くの乳化剤を有することが望ましいまたは有益なこともある。一実施形態では、本発明による組成物は3種の乳化剤を含む。さらなる実施形態では、3種の乳化剤は、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤、約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤および約8~約15の範囲のHLB値を有する第3の乳化剤を含む。
【0061】
一実施形態では、第3の乳化剤は、10~15の範囲、例えば、11~15、12~15、13~15、11~14または12~14の範囲のHLB値を有する。
【0062】
一実施形態では、第3の乳化剤はポリオキシルヒマシ油誘導体である。一実施形態では第3の乳化剤はPEG30ヒマシ油、PEG35ヒマシ油、PEG40ヒマシ油またはPEG60ヒマシ油である。好ましい実施形態では、第3の乳化剤はPEG35ヒマシ油である。
【0063】
一実施形態では、第3の乳化剤は、全医薬組成物の約1重量%~約10重量%、例えば、全組成物の約2重量%~約8重量%、約3重量%~約7重量%、約4重量%~約6重量%、または約5重量%で医薬組成物中に存在する。
【0064】
SEDDS製剤は、通常高い全乳化剤含有量(全組成物のおよそ30%~60%w/w)を有するが、本発明の一態様では、驚くことに、本明細書に開示されている不飽和遊離脂肪酸と乳化剤の組合せを用いて、良好なAPI溶解プロファイルを有するが、比較的低い全乳化剤含有量しか有しないSEDDSを得ることができることが発見された。本発明の自己乳化性医薬組成物は、全組成物の30重量%未満の全乳化剤含有量を有する。一実施形態では、全乳化剤含有量は、全組成物の25重量%未満、例えば、20重量%未満、15重量%未満、または12重量%未満である。一実施形態では、全乳化剤含有量は、全組成物の2%~20重量%、2.5重量%~15重量%、5重量%~15重量%、8重量%~12重量%、10重量%~20重量%、12重量%~20重量%、10重量%~18重量%、12重量%~18重量%、12重量%~16重量%、13重量%~20重量%、14重量%~20重量%、15重量%~20重量%、13重量%~25重量%、14重量%~25重量%、15重量%~25重量%、20重量%~25重量%、20重量%~26重量%、20重量%~27重量%、20重量%~28重量%または20重量%~29重量%である。一実施形態では、全乳化剤含有量は全組成物の8重量%~12重量%である。一実施形態では、全乳化剤含有量は全組成物の約10重量%、例えば、全組成物の10重量%である。一実施形態では、全乳化剤含有量は全組成物の約14重量%~15重量%、例えば、約14.3重量%である。一実施形態では、全乳化剤含有量は全組成物の約28重量%~29.9重量%、例えば、約29重量%~29.9重量%、または約29.5重量%である。
【0065】
一実施形態では、第1の乳化剤は、全医薬組成物の約3重量%~約7重量%(例えば、約4重量%~約5重量%)で医薬組成物中に存在し、第2の乳化剤は全医薬組成物の約4重量%~約6重量%で医薬組成物中に存在し、第3の乳化剤は全医薬組成物の約4重量%~約6重量%で医薬組成物中に存在する。代替の実施形態では、第1の乳化剤は、全医薬組成物の約9重量%~約13重量%(例えば、約10重量%~約12重量%)で医薬組成物中に存在し、第2の乳化剤は全医薬組成物の約12重量%~約15重量%(例えば、約13重量%~約14重量%)で医薬組成物中に存在し、第3の乳化剤は全医薬組成物の約4重量%~約6重量%で医薬組成物中に存在するが、ただし、全乳化剤含有量は全組成物の30重量%未満であるものとする。
【0066】
本発明による組成物は難溶性であるAPIを可溶化するのに特に適している。本発明による組成物は、水性環境において難溶性である親油性APIを可溶化するのに特に適している。例えば、ロピナビルおよびリトナビルは水に実質的に不溶性であり、予測される水性溶解度はそれぞれ1.9μg/mlおよび1.3μg/mlである[www.drugbank.ca]。したがって、一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分は、1mg/ml未満、例えば、0.1mg/ml未満、または0.01mg/ml未満(10μg/ml未満)の水性溶解度(測定されたまたは予測されたもの)を有する。
【0067】
APIの親油性または疎水性は、当業者には公知の所定の方法により決定することができる。例えば、LogPは、オクタノールと水との間でAPIを分配することにより決定することができる。LogP値は、およそ-10~+10の範囲であってよいが、最も市販されているAPIは、LogP -2~+6、特に0~+5の範囲内にあり、LogP値が高いほど、APIの親油性は高い。例えば、親油性APIロピナビルおよびリトナビルは、計算LogP値[ACD/Labs]6.26および5.28をそれぞれ有する。
【0068】
一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分は、4を超える、例えば、4.5を超える、5.0を超える、または5.5を超えるLogP値、またはLogP(clogP)計算値を有する。
【0069】
一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分は室温で固体である。一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分は合成により調製する。一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分は脂肪酸ではない(遊離または結合している状態)。
【0070】
一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)は、医薬組成物中に溶解した状態で存在する。別の実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)は医薬組成物中に分散した状態で存在する。別の実施形態では、最小の1種の活性医薬成分(ロピナビル)のある量は分散した状態で存在し、ある量は医薬組成物中に溶解した状態で存在する。偏光フィルター、示差走査熱量測定またはミクロFTIRを使用する光学顕微鏡法など技術の使用により、活性医薬成分は医薬組成物内に溶解または分散していることが当業者に明白となる。例えば、プラセボ医薬組成物(すなわち、活性医薬成分を含有しない組成物)に、結晶性活性医薬成分を添加することができる。偏光フィルターを使用して光学顕微鏡で見ると、結晶性活性医薬成分は複屈折性を示す。よって、添加したプラセボ組成物を比較標準物質として使用して、医薬組成物中に結晶性の活性医薬成分が存在しないことを確認し、よって活性医薬成分が医薬組成物内に溶解していることを実証することができる。代わりに、および/またはさらに、ミクロFTIRを使用して、活性医薬成分(ロピナビル)が医薬組成物中に溶解していることを確認することもできる。この場合、活性医薬成分を添加した医薬組成物で取得したスペクトルと、医薬組成物で取得したスペクトルとを比較し、活性医薬成分(ロピナビル)が医薬組成物中に溶解していることを実証するために使用することができる。
【0071】
一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビルおよび/またはリトナビル)は医薬組成物内で安定している。本発明の組成物は、組成物中にて使用される、化学的または物理的分解を起こす傾向がある活性医薬成分に特に適している。一実施形態では、組成物に使用される活性医薬成分(ロピナビルおよび/またはリトナビル)は、加水分解により分解を起こす傾向がある。一実施形態では、組成物に使用される活性医薬成分(ロピナビルおよび/またはリトナビル)は、酸化により分解を起こす傾向がある。一実施形態では、組成物に使用される活性医薬成分(ロピナビル)は、熱により加速される分解を起こす傾向がある。本発明の組成物を製造するために使用される周辺温度での処理のおかげで、組成物は通常、これらの調製中に熱(例えば>40℃)を必要とする組成物と比較して、より低いAPI(ロピナビル)不純物負荷を有する。一実施形態では、医薬組成物は、合計0.5重量%以下、例えば、0.45重量%未満、0.40重量%未満、0.35重量%未満、0.30重量%未満、または0.25重量%未満のロピナビル由来の不純物を含む。
【0072】
一実施形態では、医薬組成物は、合計5重量%以下、例えば、4.5重量%未満、4.0重量%未満または3.5重量%未満のリトナビル由来の不純物を含む。
【0073】
一実施形態では、医薬組成物は、合計0.5重量%以下(例えば、0.45重量%未満、0.40重量%未満、0.35重量%未満、0.30重量%未満、または0.25重量%未満)のロピナビル由来の不純物、および合計5重量%以下(例えば、4.5重量%未満、4.0重量%未満または3.5重量%未満)のリトナビル由来の不純物を含む。一実施形態では、医薬組成物は、合計0.25重量%未満のロピナビル由来の不純物、および合計3.5重量%未満のリトナビル由来の不純物を含む。
【0074】
一実施形態では、組成物に使用されている活性医薬成分(例えばリトナビル)は、物理的な形態変化、例えば、固体多形転移を起こす傾向がある。
【0075】
一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)は、5℃、25℃、30℃または45℃の温度で、および/または60%、65%、または75%RHの相対湿度で、少なくとも3カ月、例えば、少なくとも6カ月、例えば、少なくとも9カ月、例えば、少なくとも12カ月、例えば、少なくとも18カ月、例えば、少なくとも24カ月、または例えば、少なくとも36カ月の間、医薬組成物内で安定している。一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)は、5℃の温度で、少なくとも3カ月、例えば、少なくとも6カ月、例えば、少なくとも9カ月、例えば、少なくとも12カ月、例えば、少なくとも18カ月、例えば、少なくとも24カ月、または例えば、少なくとも36カ月の間、医薬組成物内で安定している。
【0076】
一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)は、医薬組成物を製造するためのプロセスの間、医薬組成物内で安定している。一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)は医薬組成物を製造するためのプロセスの間、医薬組成物内で安定しており、このプロセスは室温で実施される。
【0077】
一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分は、不飽和遊離脂肪酸中少なくとも1%w/v、例えば、不飽和遊離脂肪酸中少なくとも5%w/v、例えば、不飽和遊離脂肪酸中少なくとも10%w/v、例えば、不飽和遊離脂肪酸中少なくとも12%w/v、例えば、不飽和遊離脂肪酸中少なくとも15%w/v、または例えば、不飽和遊離脂肪酸中少なくとも18%w/vの、周辺温度で測定された溶解度を有する。
【0078】
一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分は、全組成物重量の約0.001重量%~約50重量%の間、例えば、全組成物重量の約0.01重量%~約50重量%の間、約0.001重量%~約5重量%の間、約0.1重量%~約25重量%の間、約0.5重量%~約15重量%の間、約0.5重量%~約10重量%の間、約0.5重量%~約5重量%の間、約0.5重量%~約2.5重量%の間、約1.0重量%~約2.5重量%の間、約1.0重量%~約2.0重量%の間、約1.2重量%~約1.8重量%の間、または約1.3重量%~約1.7重量%の間のレベルで医薬組成物中に存在する。
【0079】
一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分は、全組成物重量の約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1.0重量%、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、約1.5重量%、約1.6重量%、約1.7重量%、約1.8重量%、約1.9重量%、または約2.0重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。
【0080】
一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)は、全組成物重量の約1重量%~約50重量%の間、例えば、全組成物重量の約5重量%~約50重量%の間、約5重量%~約25重量%の間、約5重量%~約20重量%の間、約10重量%~約25重量%の間、約10重量%~約20重量%の間、約11重量%~約19重量%の間、約12重量%~約20重量%の間、約14重量%~約20重量%の間、約15重量%~約20重量%の間、または約15重量%~約18重量%の間、または約16重量%~約19重量%の間のレベルで医薬組成物中に存在する。
【0081】
一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)は、全組成物重量の約10重量%、約10.5重量%、約11重量%、約11.5重量%、約11.5重量%、約12重量%、約12.5重量%、約13重量%、約13.5重量%、約14重量%、約14.5重量%、約15重量%、約15.5重量%、約16重量%、約16.5重量%、約17重量%、約17.5重量%、約18重量%、約18.5重量%、約19重量%、約19.5重量%または約20重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。
【0082】
一実施形態では、本発明による医薬組成物は2種以上の活性医薬成分を含む。一実施形態では、本発明による医薬組成物は2種の活性医薬成分を含む。一実施形態では、2種以上の活性医薬成分は、全組成物重量の約5重量%~約30重量%、約5重量%~約25重量%、約10重量%~約30重量%、約10重量%~約25重量%、約15重量%~約30重量%、約15重量%~約25重量%、約16重量%~約24重量%、約17重量%~約23重量%、約17重量%~約21重量%、約18重量%~約22重量%、または約18重量%~約20重量%、または約18重量%~約21重量%の合計レベルで医薬組成物中に存在する。
【0083】
一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分は、生物薬剤学的分類システム(BCS)クラスIIまたはBCSクラスIV活性医薬成分として分類される。BCSクラスII活性医薬成分は高い浸透率および低い溶解度を有する活性成分としてクラス分けされる。BCSクラスIV活性医薬成分は低い浸透率および低い溶解度を有する活性成分としてクラス分けされる。ICHガイドライン(生物薬剤学的分類システムに基づくバイオウェーバーに対するICHガイドラインM9(ICH guideline M9 on biopharmaceutics classification system based biowaivers);2018年8月6日)に従い、原薬は、最も高い単回治療量が、37±1℃において、pH1.2~6.8の範囲にわたって、250ml以下の水媒体に完全に溶解した場合に、極めて溶解性があると分類される。浸透率の評価は優先的に、ヒト薬物動態学的実験、例えば、絶対的バイオアベイラビリティーまたは物質収支から誘導される吸収範囲に基づくべきである。絶対的バイオアベイラビリティーが≧85%の場合、高い浸透率であると結論づけることができる。
【0084】
一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分は、プロテアーゼ阻害剤、レチノイド、ビタミンDアナログ、抗ハンセン病活性医薬成分、カルシニューリン阻害剤、カンナビノイド、5アルファ還元酵素阻害剤、アンドロゲン受容体阻害剤、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体活性化剤、抗ヒスタミン剤、クロライドチャネル活性因子、チロシンキナーゼ阻害剤、ホルモン、プロテアーゼ阻害剤、およびmTORキナーゼ阻害剤から選択される。
【0085】
一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分は、アバカビル、アシトレチン、アリトレチノイン、エファビレンツ、エンフュービルタイド、エストラジオール、ネビラピン、リトナビル、ロピナビル、テノホビル、アデフォビル、エンテカビル、リバビリン、アシクロビル、ファムシクロビル、ペンシクロビル、バラシクロビル、シドフォビル、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、オセルタミビル、ザナミビル、アンプレナビル、ベキサロテン、カルシフェジオール、カルシトリオール、クロファジミン、シクロスポリンA、ドキセルカルシフェロール、ドロナビノール、デュタステリド、エンザルタミド、フェノフィブラート、イソトレチノイン、ロラタジン、ルビプロストン、ニンテダニブ、パリカルシトール、プロゲステロン、サキナビル、シロリムス、チプラナビル、トレチノイン、アトルバスタチン、カルベジロール、イトラコナゾール、ケトプロフェン、およびシンバスタチンから選択される。
【0086】
一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分は、アバカビル、エファビレンツ、エンフュービルタイド、エストラジオール、ネビラピン、リトナビル、ロピナビル、テノホビル、アデフォビル、エンテカビル、リバビリン、アシクロビル、ファムシクロビル、ペンシクロビル、バラシクロビル、シドフォビル、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、オセルタミビルおよびザナミビルから選択される。
【0087】
一実施形態では、医薬組成物は活性医薬成分相乗剤をさらに含む。一実施形態では、活性医薬成分相乗剤はHIVプロテアーゼ酵素阻害剤である。
【0088】
一実施形態では、少なくとも1種の活性医薬成分はHIVプロテアーゼ酵素阻害剤である。一実施形態では、HIVプロテアーゼ酵素阻害剤はロピナビルおよびリトナビルから選択される。
【0089】
ロピナビル(CAS#192725-17-0)は、[1S-[1R*(R*),3R*,4R*]]-N-[4[[(2,6-ジメチルフェノキシ)アセチル]アミノ]-3-ヒドロキシ-5-フェニル-1-(フェニルメチル)ペンチル]-テトラヒドロ-α-(1-メチルエチル)-2-オキソ-1(2H)-ピリミジンアセトアミド(IUPAC名称=(2S)-N-[(2S,4S,5S)-5-[[2-(2,6-ジメチルフェノキシ)アセチル]アミノ]-4-ヒドロキシ-1,6-ジフェニル-ヘキサン-2-イル]-3-メチル-2-(2-オキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)ブタンアミド)と化学的に命名されたプロテアーゼ阻害剤である。ロピナビルは、分子式C3748および分子量628.80を有する。
【0090】
リトナビル(CAS#155213-67-5)は、2,4,7,12-テトラアザトリデカン-13-オイック酸、10-ヒドロキシ-2-メチル-5-(1-メチルエチル)-1-[2-(1-メチルエチル)-4-チアゾリル]-3,6-ジオキソ-8,11-ビス(フェニルメチル)-5-チアゾリルメチルエステル[5S-(5R*,8R*,10R*,11R*)](IUPAC名称=1,3-チアゾール-5-イルメチルN-[(2S,3S,5S)-3-ヒドロキシ-5-[[(2S)-3-メチル-2-[[メチル-[(2-プロパン-2-イル-1,3-チアゾール-4-イル)メチル]カルバモイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]-1,6-ジフェニルヘキサン-2-イル]カルバメート)と化学的に命名されたプロテアーゼ阻害剤である。リトナビルは、分子式C3748および分子量720.94を有する。
【0091】
一実施形態では、医薬組成物はロピナビルおよびリトナビルを含む。
【0092】
一実施形態では、組成物中に存在するロピナビルのリトナビルに対するモル比は、約1:10~約18:1の間、例えば、約1:10~約15:1の間、例えば、約1:5~約15:1の間、例えば、約1:1~約15:1の間、例えば、約2:1~約15:1の間、例えば、約4:1~約15:1の間、例えば、約8:1~約14:1の間、例えば、約9:1~約14:1の間、例えば、約10:1~約14:1の間、例えば、10.5:1~約18:1の間、例えば、10.5:1~18:1の間、例えば、約10.5:1~約14:1の間、例えば、約11:1~約13:1の間、例えば、約11.5~約17:1の間、例えば、約11.5:1~約16.0:1の間、例えば、約11.5:1~約15:1の間、例えば、約14.5:1、例えば、14.5:1、例えば、約14:1、例えば、14:1、例えば、約13.8:1、例えば、13.8:1、例えば、約13.75:1、例えば、13.75:1、例えば、約13.5:1、例えば、13.5:1、例えば、約13:1、例えば、13:1、例えば、約12.5:1、例えば、12.5:1、例えば、約12:1、例えば、12:1、例えば、約11.75:1、例えば、11.75:1、例えば、約9:1、例えば、9:1、例えば、約5:1、例えば、5:1、例えば、約4.6:1、または例えば、4.6:1である。好ましい実施形態では、組成物中に存在するロピナビルのリトナビルに対するモル比は約13.8:1、例えば、13.8:1である。
【0093】
一実施形態では、組成物中に存在するロピナビルのリトナビルに対するwt/wt比は、約1:10~約18:1の間、例えば、約1:10~約15:1の間、例えば、約1:5~約15:1の間、例えば、約1:1~約15:1の間、例えば、約2:1~約15:1の間、例えば、約4:1~約15:1の間、例えば、約8:1~約14:1の間、例えば、約9:1~約14:1の間、例えば、約10:1~約14:1の間、例えば、10.5:1~約18:1の間、例えば、10.5:1~18:1の間、例えば、約10.5:1~約14:1の間、例えば、約11:1~約13:1の間、例えば、約11.5~約17:1の間、例えば、約11.5:1~約16.0:1の間、例えば、約11.5:1~約15:1の間、例えば、約14.5:1、例えば、14.5:1、例えば、約14:1、例えば、14:1、例えば、約13.8:1、例えば、13.8:1、例えば、約13.75:1、例えば、13.75:1、例えば、約13.5:1、例えば、13.5:1、例えば、約13:1、例えば、13:1、例えば、約12.5:1、例えば、12.5:1、例えば、約12:1、例えば、12:1、例えば、約11.75:1、例えば、11.75:1、例えば、約11.5:1、例えば、11.5:1、例えば、約11.25:1、例えば、11.25:1、または、例えば、約11:1、例えば、11:1である。好ましい実施形態では、組成物中に存在するロピナビルのリトナビルに対するwt/wt比は約12:1、例えば、12:1である。
【0094】
一実施形態では、ロピナビルは、全組成物重量の約1重量%~約50重量%の間、例えば、全組成物重量の約5重量%~約50重量%の間、約5重量%~約25重量%の間、約5重量%~約20重量%の間、約10重量%~約25重量%の間、約10重量%~約20重量%の間、約11重量%~約19重量%の間、約12重量%~約20重量%の間、約14重量%~約20重量%の間、約15重量%~約20重量%の間、または約16重量%~約19重量%の間のレベルで医薬組成物中に存在する。
【0095】
一実施形態では、ロピナビルは、全組成物重量の約10重量%、約10.5重量%、約11重量%、約11.5重量%、約11.5重量%、約12重量%、約12.5重量%、約13重量%、約13.5重量%、約14重量%、約14.5重量%、約15重量%、約15.5重量%、約16重量%、約16.5重量%、約17重量%、約17.5重量%、約18重量%、約18.5重量%、約19重量%、約19.5重量%、または約20重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。
【0096】
一実施形態では、リトナビルは、全組成物重量の約0.001重量%~約50重量%の間、例えば、全組成物重量の約0.01重量%~約50重量%の間、約0.001重量%~約5重量%の間、約0.1重量%~約25重量%の間、約0.5重量%~約15重量%の間、約0.5重量%~約10重量%の間、約0.5重量%~約5重量%の間、約0.5重量%~約2.5重量%の間、約1.0重量%~約2.5重量%の間、約1.0重量%~約2.0重量%の間、約1.2重量%~約1.8重量%の間、または約1.3重量%~約1.7重量%の間のレベルで医薬組成物中に存在する。
【0097】
一実施形態では、リトナビルは、全組成物重量の約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1.0重量%、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、約1.5重量%、約1.6重量%、約1.7重量%、約1.8重量%、約1.9重量%、または約2.0重量%のレベルで医薬組成物中に存在する。
【0098】
任意選択的に、追加の賦形剤が本発明による組成物に含まれていてもよいが、ただし、このような賦形剤の包含により、組成物の自己乳化性能力が受け入れ難いほどの影響を受けないものとする。
【0099】
一実施形態では、医薬組成物は抗酸化剤をさらに含む。一実施形態では、抗酸化剤はブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)またはブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)である。好ましい実施形態では、抗酸化剤はブチル化ヒドロキシトルエンである。一実施形態では、抗酸化剤は、全医薬組成物の重量の約0.05重量%~約0.5重量%、例えば、約0.05重量%~約0.15重量%、例えば、約0.1重量%~約0.3重量%、例えば、約0.2重量%、例えば、0.2重量%、例えば、約0.1重量%、または例えば、0.1重量%で医薬組成物中に存在する。
【0100】
一実施形態では、医薬組成物は無水医薬組成物である。一実施形態では、医薬組成物は、全医薬組成物重量の5重量%未満の水、例えば、全医薬組成物重量の1重量%未満、0.5重量%未満、0.1重量%未満、または0.05重量%未満の水を含む。一実施形態では、医薬組成物は実質的に水を含まない。一実施形態では、医薬組成物は完全に水を含まない。
【0101】
一実施形態では、本発明による医薬組成物は増粘剤をさらに含む。代替の実施形態では、本発明による医薬組成物は増粘剤を含まない。増粘剤は、混合物に加えた場合、混合物の粘度を増加させる賦形剤である。一実施形態では、増粘剤は、モノ/ジグリセリド、セレシンワックス、および硬化植物油またはこれらの組合せから選択される。一実施形態では、本発明による医薬組成物は、モノ/ジグリセリド、セレシンワックス、または硬化植物油を含まない。
【0102】
一実施形態では、本発明による医薬組成物は剛化剤をさらに含む。代替の実施形態では、本発明による医薬組成物は剛化剤を含まない。剛化剤は、無水組成物が室温で半固体となるように、組成物を剛化するために使用される賦形剤である。通常、剛化剤は飽和遊離脂肪酸、例えば、C10~C38飽和遊離脂肪酸、例えば、C16~C22飽和遊離脂肪酸であり得る。飽和遊離脂肪酸は、脂肪酸中の炭素原子の間に二重結合が存在しない遊離脂肪酸である(すなわち、脂肪酸は別の分子、例えば、グリセロールに結合していない)。一実施形態では、剛化剤は、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘンイコシル酸、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸、ペンタコシル酸、セロチン酸、ヘプタコシル酸、モンタン酸、ノナコシル酸、メリシン酸、ヘナトリアコンチル酸、ラクセロン酸、フィリン酸、ゲダ酸、セロプラスチン酸、ヘキサトリアコンチル酸、ヘプタトリアコンタン酸およびオクタトリアコンタン酸から選択される。一実施形態では、本発明による医薬組成物はステアリン酸を含まない。
【0103】
一実施形態では、本発明による医薬組成物は室温で液体または半固体である。好ましくは、本発明による医薬組成物は室温で液体である。組成物の粘度は、主に液体組成物に対して動粘性係数を測定することにより、またはより多くの半固体性質を有する組成物に対して複素粘度を測定することにより決定することができる。
【0104】
動粘性係数は、実施例3に記載されている方法に従い決定することができる。一実施形態では、本発明による医薬組成物は、25℃で、500cP.s.未満、例えば、400cP.s.未満、300cP.s.未満、または200cP.s未満の動粘性係数を有する。一実施形態では、本発明による医薬組成物は、25℃で、10~500cP.s.、例えば、25~400cP.s.、50~300cP.s.、または100~200cP.s.の動粘性係数を有する。
【0105】
複素粘度は、粘弾性流体に対して、これを振動剪断応力に供することにより決定される周波数依存性粘度の関数と定義される。複素粘度は、実施例4に記載されている方法に従い決定することができる。一実施形態では、本発明による医薬組成物は、複素粘度が0.1rad/秒の角周波数で測定された場合、1000cP.s.未満、例えば、800cP.s.未満、600cP.s.未満、400cP.s.未満、または200cP.s.未満の複素粘度を有する。
【0106】
一実施形態では、本発明による医薬組成物は粘膜付着剤を含む。代替の実施形態では、本発明による医薬組成物は粘膜付着剤を含まない。粘膜付着剤は、組成物の適用部位において水/水分を誘引し、組成物の物理的特性を変化させる。生成した粘膜接着剤組成物はより大きな接着性および/またはタック性を示す。通常、粘膜付着剤は、セルロースエーテル、例えば、メチルセルロース、エチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロースとしても公知)である。一実施形態では、本発明による医薬組成物はヒドロキシプロピルメチルセルロースを含まない。
【0107】
一実施形態では、本発明による医薬組成物は、増粘剤、剛化剤または粘膜付着剤のうちの1種または複数を含まない。
【0108】
一実施形態では、本発明による医薬組成物は、アルコール溶媒、例えば、エタノールまたはグリコール(例えばプロピレングリコール)を含まない。一実施形態では、本発明による医薬組成物はプロピレングリコールを含まない。
【0109】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0110】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満であり、組成物が室温で液体である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0111】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満であり、組成物が増粘剤(例えば、モノ/ジグリセリド、ホワイトセレシンワックスまたは硬化植物油)または剛化剤(例えば、ステアリン酸)を含まない、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0112】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満であり、組成物が粘膜付着剤(例えば、ヒプロメロース)を含まない、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0113】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0114】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約16を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約5未満のHLB値を有する第2の乳化剤;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0115】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約17を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約4未満のHLB値を有する第2の乳化剤;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0116】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約16を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約5未満のHLB値を有する第2の乳化剤;ならびに
d.ロピナビルおよびリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0117】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約17を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約4未満のHLB値を有する第2の乳化剤;ならびに
d.ロピナビルおよびリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の20重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0118】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約17を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約4未満のHLB値を有する第2の乳化剤;ならびに
d.ロピナビルおよびリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の15重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0119】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約15を超えるHLB値を有するポリオールエステル(例えば、ステアリン酸ポリオール、例えばステアリン酸PEG100)乳化剤;
c.約5未満のHLB値を有する第2の乳化剤;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0120】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約15を超えるHLB値を有するポリオールエステル(例えば、ステアリン酸ポリオール、例えばステアリン酸PEG100)乳化剤;
c.約5未満のHLB値を有する第2の乳化剤;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の20重量%未満である。
【0121】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約15を超えるHLB値を有するポリソルベート乳化剤(例えば、ポリソルベート20);
c.;
d.約5未満のHLB値を有する第2の乳化剤;ならびに
e.ロピナビルおよびリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0122】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約15を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約5未満のHLB値を有するモノグリセリド(例えば、モノオレイン酸グリセロール)乳化剤;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0123】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約15を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約5未満のHLB値を有するモノグリセリド(例えば、モノオレイン酸グリセロール)乳化剤;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の20重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0124】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約15を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約5未満のHLB値を有するモノグリセリド(例えば、モノオレイン酸グリセロール)乳化剤;
d.第3の乳化剤;および
e.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0125】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約15を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約5未満のHLB値を有するモノグリセリド(例えば、モノオレイン酸グリセロール)乳化剤;
d.約8~約15の間(例えば、約10~約15の間、または約12~約14の間)のHLB値を有する第3の乳化剤;および
e.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0126】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約15を超えるHLB値を有するポリオールエステル(例えば、ステアリン酸ポリオール、例えばステアリン酸PEG100)乳化剤;
c.約5未満のHLB値を有する第2の乳化剤;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0127】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約15を超えるHLB値を有するポリオールエステル(例えば、ステアリン酸ポリオール、例えばステアリン酸PEG100)乳化剤;
c.約5未満のHLB値を有する第2の乳化剤;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の20重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0128】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約15を超えるHLB値を有するポリオールエステル(例えば、ステアリン酸ポリオール、例えばステアリン酸PEG100)乳化剤;
c.約5未満のHLB値を有する第2の乳化剤;ならびに
d.ロピナビルおよびリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0129】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約15を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約5未満のHLB値を有するモノグリセリド(例えば、モノオレイン酸グリセロール)乳化剤;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0130】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約15を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約5未満のHLB値を有するモノグリセリド(例えば、モノオレイン酸グリセロール)乳化剤;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の20重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0131】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約15を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約5未満のHLB値を有するモノグリセリド(例えば、モノオレイン酸グリセロール)乳化剤;ならびに
d.ロピナビルおよびリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0132】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約15を超えるHLB値を有するポリオールエステル(例えば、ステアリン酸ポリオール、例えばステアリン酸PEG100)乳化剤;
c.約5未満のHLB値を有するモノグリセリド(例えば、モノオレイン酸グリセロール)乳化剤;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0133】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約15を超えるHLB値を有するポリオールエステル(例えば、ステアリン酸ポリオール、例えばステアリン酸PEG100)乳化剤;
c.約5未満のHLB値を有するモノグリセリド(例えば、モノオレイン酸グリセロール)乳化剤;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の20重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0134】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約15を超えるHLB値を有するポリオールエステル(例えば、ステアリン酸ポリオール、例えばステアリン酸PEG100)乳化剤;
c.約5未満のHLB値を有するモノグリセリド(例えば、モノオレイン酸グリセロール)乳化剤;ならびに
d.ロピナビルおよびリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0135】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.ステアリン酸PEG100;
c.モノオレイン酸グリセロール;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満(例えば、15重量%未満)である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0136】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約15を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約5未満のHLB値を有するモノグリセリド(例えば、モノオレイン酸グリセロール)乳化剤;
d.約8~約15の間(例えば、約10~約15の間、または約12~約14の間)のHLB値を有する第3の乳化剤;ならびに
e.ロピナビルおよびリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0137】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約15を超えるHLB値を有するポリソルベート乳化剤(例えば、ポリソルベート20);
c.約5未満のHLB値を有するモノグリセリド(例えば、モノオレイン酸グリセロール)乳化剤;
d.約8~約15の間(例えば、約10~約15の間、または約12~約14の間)のHLB値を有する第3の乳化剤;ならびに
e.ロピナビルおよびリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0138】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約15を超えるHLB値を有するポリソルベート乳化剤(例えば、ポリソルベート20);
c.約5未満のHLB値を有するモノグリセリド(例えば、モノオレイン酸グリセロール)乳化剤;
d.約10~約15の間のHLB値を有するポリオキシルヒマシ油誘導体(例えば、PEG35ヒマシ油)乳化剤;ならびに
e.ロピナビルおよびリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0139】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.ステアリン酸PEG100;
c.モノオレイン酸グリセロール;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満(例えば、15重量%未満)である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0140】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.ステアリン酸PEG100;
c.モノオレイン酸グリセロール;ならびに
d.ロピナビルおよびリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満(例えば、15重量%未満)である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0141】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.ポリソルベート20;
c.モノオレイン酸グリセロール;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満(例えば、15重量%未満)である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0142】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.ポリソルベート20;
c.モノオレイン酸グリセロール;ならびに
d.ロピナビルおよびリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満(例えば、15重量%未満)である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0143】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.ポリソルベート20;
c.モノオレイン酸グリセロール;
d.PEG35ヒマシ油;および
e.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満(例えば、15重量%未満)である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0144】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.ポリソルベート20;
c.モノオレイン酸グリセロール;
d.PEG35ヒマシ油;ならびに
e.ロピナビルおよびリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満(例えば、15重量%未満)である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0145】
一実施形態では、
a.約50重量%~約80重量%(例えば、約65重量%~約75重量%)の不飽和遊離脂肪酸;
b.約3重量%~約6重量%の、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約4重量%~約7重量%の、約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;および
d.約10重量%~約20重量%のロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0146】
一実施形態では、
a.約65重量%~約75重量%の不飽和遊離脂肪酸;
b.約3重量%~約5重量%%の、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約5重量%~約7重量%の、約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;および
d.約15重量%~約20重量%のロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満(例えば、15重量%未満)である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0147】
一実施形態では、
a.約65重量%~約75重量%の不飽和遊離脂肪酸;
b.約3重量%~約6重量%の、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約4重量%~約7重量%の、約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;ならびに
d.ロピナビルおよびリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満(例えば、15重量%未満)である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0148】
一実施形態では、
a.約65重量%~約75重量%のオレイン酸;
b.約3重量%~約6重量%の、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約4重量%~約7重量%のモノオレイン酸グリセロール;および
d.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の15重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0149】
一実施形態では、
a.約65重量%~約75重量%のオレイン酸;
b.約3重量%~約6重量%のステアリン酸PEG100またはポリソルベート20;
c.約4重量%~約7重量%のモノオレイン酸グリセロール;ならびに
d.ロピナビルおよび任意選択的にリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の15重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0150】
一実施形態では、
a.約65重量%~約75重量%のオレイン酸;
b.約3重量%~約6重量%のステアリン酸PEG100またはポリソルベート20;
c.約4重量%~約7重量%のモノオレイン酸グリセロール;ならびに
d.ロピナビルおよびリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の15重量%未満であり、組成物中に存在するロピナビルのリトナビルに対するwt/wt比が約11:1~約13:1の間(例えば、約12:1)である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0151】
一実施形態では、
a.約68重量%~約72重量%のオレイン酸;
b.約3重量%~約6重量%のステアリン酸PEG100;
c.約4重量%~約7重量%のモノオレイン酸グリセロール;
d.約15重量%~約20重量%のロピナビル;および
e.約1.3重量%~約1.7重量%のリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の約10重量%であり、組成物中に存在するロピナビルのリトナビルに対するwt/wt比が約12:1である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0152】
一実施形態では、
a.約60重量%~約75重量%のオレイン酸;
b.約3重量%~約6重量%の、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約4重量%~約7重量%のモノオレイン酸グリセロール;
d.約4重量%~約6重量%の、約8~約15の間のHLB値を有する第3の乳化剤;および
e.ロピナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0153】
一実施形態では、
a.約60重量%~約75重量%のオレイン酸;
b.約3重量%~約6重量%のステアリン酸PEG100またはポリソルベート20;
c.約4重量%~約7重量%のモノオレイン酸グリセロール;
d.約4重量%~約6重量%の、第3の乳化剤約8~約15の間のHLB値を有する;および
e.ロピナビルおよび任意選択的にリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0154】
一実施形態では、
a.約60重量%~約75重量%のオレイン酸;
b.約3重量%~約6重量%のステアリン酸PEG100またはポリソルベート20;
c.約4重量%~約7重量%のモノオレイン酸グリセロール;
d.約4重量%~約6重量%のPEG35ヒマシ油;ならびに
e.ロピナビルおよびリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満であり、組成物中に存在するロピナビルのリトナビルに対するwt/wt比が約11:1~約13:1の間(例えば、約12:1)である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0155】
一実施形態では、
a.約60重量%~約72重量%のオレイン酸;
b.約3重量%~約6重量%のステアリン酸PEG100またはポリソルベート20;
c.約4重量%~約7重量%のモノオレイン酸グリセロール;
d.約4重量%~約6重量%のPEG35ヒマシ油;
e.約15重量%~約20重量%のロピナビル;および
f.約1.3重量%~約1.7重量%のリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満であり、組成物中に存在するロピナビルのリトナビルに対するwt/wt比が約12:1である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0156】
一実施形態では、
a.約60重量%~約65重量%のオレイン酸;
b.約3重量%~約5重量%のポリソルベート20;
c.約4重量%~約6重量%%のモノオレイン酸グリセロール;
d.約4重量%~約6重量%のPEG35ヒマシ油;
e.約17重量%~約23重量%のロピナビル;および
f.約1.5重量%~約1.9重量%のリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満であり、組成物中に存在するロピナビルのリトナビルに対するwt/wt比が約12:1である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0157】
一実施形態では、
a.約50重量%~約55重量%のオレイン酸;
b.約15重量%~約20重量%のポリソルベート20;
c.約4重量%~約7重量%のモノオレイン酸グリセロール;
d.約4重量%~約6重量%のPEG35ヒマシ油;
e.約15重量%~約19重量%のロピナビル;および
f.約1.2重量%~約1.5重量%のリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満であり、組成物中に存在するロピナビルのリトナビルに対するwt/wt比が約12:1である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0158】
一実施形態では、
a.約45重量%~約55重量%のオレイン酸;
b.約10重量%~約14重量%のポリソルベート20;
c.約12重量%~約16重量%のモノオレイン酸グリセロール;
d.約3重量%~約6重量%のPEG35ヒマシ油;
e.約15重量%~約23重量%のロピナビル;および
f.約1.2重量%~約1.9重量%のリトナビル;
を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満であり、組成物中に存在するロピナビルのリトナビルに対するwt/wt比が約12:1である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0159】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;
d.抗酸化剤;
e.ロピナビル;および
f.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0160】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;
d.抗酸化剤;
e.ロピナビル;および
f.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0161】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約14を超えるHLB値を有するポリオールエステル乳化剤(例えば、ステアリン酸PEG100);
c.約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;
d.抗酸化剤;
e.ロピナビル;および
f.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0162】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有するモノグリセリド乳化剤(例えば、モノオレイン酸グリセロール);
d.抗酸化剤;
e.ロピナビル;および
f.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0163】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約14を超えるHLB値を有するポリソルベート乳化剤(例えば、ポリソルベート20);
c.約6未満のHLB値を有するモノグリセリド乳化剤(例えば、モノオレイン酸グリセロール);
d.抗酸化剤;
e.ロピナビル;および
f.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0164】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有するモノグリセリド乳化剤(例えば、モノオレイン酸グリセロール);
d.抗酸化剤;
e.ロピナビル;および
f.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の20重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0165】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有するモノグリセリド乳化剤(例えば、モノオレイン酸グリセロール);
d.抗酸化剤;
e.ロピナビル;および
f.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の約8重量%~約12重量%であり、組成物中に存在するモノグリセリド乳化剤の第1の乳化剤に対するwt/wt比が約1.1:1~1.6:1の間(例えば、約1.4:1~1.6:1の間)である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0166】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約14を超えるHLB値を有するポリオールエステル乳化剤(例えば、ステアリン酸PEG100またはポリソルベート20);
c.約6未満のHLB値を有するモノグリセリド乳化剤(例えば、モノオレイン酸グリセロール);
d.抗酸化剤;
e.ロピナビル;および
f.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の約8重量%~約12重量%であり、組成物中に存在するロピナビルのリトナビルに対するwt/wt比が約12:1である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0167】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;
d.第3の乳化剤;
e.抗酸化剤;
f.ロピナビル;および
g.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0168】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;
d.第3の乳化剤;
e.抗酸化剤;
f.ロピナビル;および
g.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0169】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸(例えば、オレイン酸);
b.約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;
d.約8~約15の間のHLB値を有する第3の乳化剤;
e.抗酸化剤;
f.ロピナビル;および
g.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0170】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸(例えば、オレイン酸);
b.約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;
d.約10~約15の間(例えば、約12~約14の間)のHLB値を有する第3の乳化剤;
e.抗酸化剤;
f.ロピナビル;および
g.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0171】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有するモノグリセリド乳化剤(例えば、モノオレイン酸グリセロール);
d.約10~約15の間(例えば、約12~約14の間)のHLB値を有する第3の乳化剤;
e.抗酸化剤;
f.ロピナビル;および
g.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0172】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約14を超えるHLB値を有するポリソルベート乳化剤(例えば、ポリソルベート20);
c.約6未満のHLB値を有するモノグリセリド乳化剤(例えば、モノオレイン酸グリセロール);
d.約10および約15の間(例えば、約12~約14の間)のHLB値を有する第3の乳化剤;
e.抗酸化剤;
f.ロピナビル;および
g.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0173】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約14を超えるHLB値を有するポリソルベート乳化剤(例えば、ポリソルベート20);
c.約6未満のHLB値を有するモノグリセリド乳化剤(例えば、モノオレイン酸グリセロール);
d.ポリオキシルヒマシ油誘導体乳化剤(例えば、PEG35ヒマシ油);
e.抗酸化剤;
f.ロピナビル;および
g.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0174】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有するモノグリセリド乳化剤(例えば、モノオレイン酸グリセロール);
d.ポリオキシルヒマシ油誘導体乳化剤(例えば、PEG35ヒマシ油);
e.抗酸化剤;
f.ロピナビル;および
g.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の20重量%未満である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0175】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸(例えば、オレイン酸);
b.約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;
d.約8~約15の間のHLB値を有する第3の乳化剤;
e.抗酸化剤;
f.ロピナビル;および
g.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満であり、組成物中に存在するロピナビルのリトナビルに対するwt/wt比が約12:1であり、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0176】
一実施形態では、
a.不飽和遊離脂肪酸(例えば、オレイン酸);
b.約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;
d.約8~約15の間のHLB値を有する第3の乳化剤;
e.抗酸化剤;
f.ロピナビル;および
g.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満であり、組成物中に存在するロピナビルのリトナビルに対するwt/wt比が約12:1であり、組成物中に存在する第2の乳化剤の第1の乳化剤に対するwt/wt比が約1.1:1~1.6:1の間(例えば、約1.4:1~1.6:1の間)である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0177】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.ポリソルベート20;
c.モノオレイン酸グリセロール;
d.PEG35ヒマシ油;
e.抗酸化剤(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン);
f.ロピナビル;および
g.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満であり、組成物中に存在するロピナビルのリトナビルに対するwt/wt比が約12:1である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0178】
一実施形態では、
a.オレイン酸;
b.ポリソルベート20;
c.モノオレイン酸グリセロール;
d.PEG35ヒマシ油;
e.抗酸化剤(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン);
f.ロピナビル;および
g.リトナビル;
からなり、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満であり、組成物中に存在するロピナビルのリトナビルに対するwt/wt比が約12:1であり、組成物中に存在するモノオレイン酸グリセロールのポリソルベート20に対するwt/wt比が約1.1:1~1.6:1の間(例えば、約1.4:1~1.6:1の間)である、自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0179】
<投与>
本発明による医薬組成物は、活性医薬成分(複数でもよい)および組成物で処置している疾患または障害に基づき当業者により決定することができるような、任意の適切な手段で投与することができる。好ましくは、医薬組成物は経口投与または局所投与のためのものである。
【0180】
本発明による医薬組成物は通常液体組成物である。したがって、投薬および投与を簡略化するために、組成物カプセル剤に充填することもできる。
【0181】
一態様では、本発明の第1の態様の医薬組成物を含むカプセル剤が提供される。一実施形態では、カプセル剤は医薬組成物の膣内投与のためのものである。別の実施形態では、カプセル剤は医薬組成物の経口投与のためのものである。
【0182】
一実施形態では、カプセル剤はゼラチンカプセル剤である。一実施形態では、カプセル剤は硬質カプセルである。別の実施形態では、カプセル剤は軟質カプセル剤である。一実施形態では、カプセル剤は硬質ゼラチンカプセルである。別の好ましい実施形態では、カプセル剤は軟質ゼラチンカプセルである。
【0183】
<自己乳化性ドラッグデリバリーの性能>
本発明の医薬組成物は、不飽和脂肪酸中に溶解または懸濁した少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)を含む。水性ベースの環境に導入された場合、組成物は、少なくとも2種の乳化剤が組成物中に存在することにより、安定した乳剤へと急速に乳化される。生成した乳剤の液滴サイズは乳剤を安定化させるために重要であり、API溶解度にも影響を与え得る。
【0184】
乳剤の液滴サイズは、水中での組成物の試料の分散およびZetasizer装置を使用した動的光散乱による、生成した乳剤の分析により決定することができる。動的光散乱を介して平均乳剤液滴サイズを決定するのに適した方法の詳細は、以下の実施例8に付与されている。
【0185】
一実施形態では、本明細書で定義された医薬組成物の平均乳剤液滴サイズは、1500nm未満、例えば、1200nm未満、1000nm未満、750nm未満、600nm未満、500nm未満、400nm未満、または300nm未満である。好ましい実施形態では、本明細書で定義された医薬組成物の平均乳剤液滴サイズは750nm未満である。一実施形態では、本明細書で定義された医薬組成物の平均乳剤液滴サイズは、100~1500nm、例えば、100~1000nm、150~750nm、200~750nm、または200~500nmである。
【0186】
本発明による医薬組成物は、全乳化剤含有量が低いにもかかわらず、優れたインビトロでのAPI溶解を示すことが驚くことに判明した(図1を参照されたい)。インビトロでのAPI溶解を単一の乳化剤のみを含有する(ステアリン酸PEG100のみまたはモノオレイン酸グリセロールのみのいずれか)同等の製剤と比較した場合、単一乳化剤製剤は、全乳化剤含有量が2種乳化剤製剤と同じであっても、より遅いAPI溶解を示すことも判明した(図2~6を参照されたい)。全乳化剤含有量の低い代替のロピナビルおよびリトナビル製剤(比較製剤1&2-実施例4&5)は、ロピナビルおよびリトナビルを含有する本発明による医薬組成物より有意に遅いインビトロでのAPI溶解プロファイルを有することが判明した(図7を参照されたい)。インビトロでの溶解挙動は、活性医薬成分(複数可)が体内吸収に、どれだけ急速に利用可能となるかについて良好な指標を提供し、したがって本発明の医薬組成物は、良好なAPIバイオアベイラビリティーをもたらすことが予測される。
【0187】
インビトロ溶解試験は、当業者には明らかな様々な溶解試験モデルで行うことができる。以下の実施形態では、溶解プロファイルは、組成物を、シンカーを用いた硬質ゲルカプセル剤に充填し、0.7%w/vのSLS媒体中、約37℃で、USP装置IIを25rpmで0~60分間および200rpmで60~75分間使用してAPI溶解を測定することにより取得したものである。各時間点において、媒体をサンプリングし、HPLCでAPI含有量について分析し、%溶解を決定する。
【0188】
一実施形態では、医薬組成物は、0.7%w/vSLS媒体中、約37℃で、USP装置IIを25rpmで0~60分間および200rpmで60~75分間使用して溶解を測定した場合、10分後に20%を超えるロピナビル溶解、例えば、10分後に30%を超えるロピナビル溶解、40%を超えるロピナビル溶解、または50%を超えるロピナビル溶解を含む溶解プロファイルを有する。
【0189】
好ましい実施形態では、医薬組成物は、0.7%w/vSLS媒体中、約37℃で、USP装置IIを25rpmで0~60分間および200rpmで60~75分間使用して溶解を測定した場合、45分後に60%を超えるロピナビル溶解、例えば、45分後に65%を超えるロピナビル溶解、70%を超えるロピナビル溶解、75%を超えるロピナビル溶解、または80%を超えるロピナビル溶解を含む溶解プロファイルを有する。
【0190】
好ましい実施形態では、医薬組成物は、0.7%w/vSLS媒体中、約37℃で、USP装置IIを25rpmで0~60分間および200rpmで60~75分間使用して溶解を測定した場合、75分後に90%を超えるロピナビル溶解、例えば、75分後に92%を超えるロピナビル溶解、95%を超えるロピナビル溶解、または97%を超えるロピナビル溶解を含む溶解プロファイルを有する。
【0191】
一実施形態では、医薬組成物は、0.7%w/vSLS媒体中、約37℃で、USP装置IIを25rpmで0~60分間および200rpmで60~75分間使用して溶解を測定した場合、10分後に20%を超えるロピナビル溶解、および45分後に60%を超えるロピナビル溶解を含む溶解プロファイルを有する。一実施形態では、医薬組成物は、0.7%w/vSLS媒体中、約37℃で、USP装置IIを25rpmで0~60分間および200rpmで60~75分間使用して溶解を測定した場合、10分後に40%を超えるロピナビル溶解、および45分後に70%を超えるロピナビル溶解を含む溶解プロファイルを有する。
【0192】
一実施形態では、医薬組成物は、0.7%w/vSLS媒体中、約37℃で、USP装置IIを25rpmで0~60分間および200rpmで60~75分間使用して溶解を測定した場合、10分後に20%を超えるロピナビル溶解、45分後に60%を超えるロピナビル溶解、および75分後に90%を超えるロピナビル溶解を含む溶解プロファイルを有する。一実施形態では、医薬組成物は、0.7%w/vSLS媒体中、約37℃で、USP装置IIを25rpmで0~60分間および200rpmで60~75分間使用して溶解を測定した場合、10分後に40%を超えるロピナビル溶解、45分後に70%を超えるロピナビル溶解、および75分後に90%を超えるロピナビル溶解を含む溶解プロファイルを有する。
【0193】
以下の実施形態では、溶解プロファイルは、組成物を、シンカーを用いた硬質ゲルカプセル剤に充填し、0.7%臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)媒体中、37±0.5℃で、USPII装置において50rpmで0~60分間行われるAPI溶解を測定することにより取得したものである。各時間点において、媒体をサンプリングし、HPLCによりAPI含有量について分析し、%溶解を決定する。
【0194】
一実施形態では、医薬組成物は、0.7%w/v臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)媒体中、37±0.5℃で、USPII装置において50rpmで0~60分間行われる溶解を測定した場合、10分後に30%を超えるロピナビル溶解、30分後に60%を超えるロピナビル溶解、および60分後に70%を超えるロピナビル溶解を含む溶解プロファイルを有する。一実施形態では、医薬組成物は0.7%w/v臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)媒体中、37±0.5℃で、USPII装置において50rpmで0~60分間行われる溶解を測定した場合、10分後に50%を超えるロピナビル溶解、30分後に70%を超えるロピナビル溶解、および60分後に80%を超えるロピナビル溶解を含む溶解プロファイルを有する。
【0195】
以下の実施形態では、溶解プロファイルは、シンカーを用いた硬質ゲルカプセル剤に組成物を充填し、10mMナトリウム一塩基性リン酸塩pH6.8媒体を有する0.05M PEG10オレイルエーテル(Brij(登録商標)10)中、37±0.5℃で、USPII装置において50rpmで0~60分間行われるAPI溶解を測定することにより取得されたものである。各時間点において、媒体をサンプリングし、HPLCでAPI含有量について分析し、%溶解を決定する。
【0196】
一実施形態では、医薬組成物は、10mMナトリウム一塩基性リン酸塩pH6.8媒体を有する0.05M PEG10オレイルエーテル(Brij(登録商標)10)中、37±0.5℃で、USPII装置において50rpmで0~60分間行われる溶解を測定した場合、10分後に30%を超えるロピナビル溶解、30分後に60%を超えるロピナビル溶解、および60分後に80%を超えるロピナビル溶解を含む溶解プロファイルを有する。一実施形態では、医薬組成物は、10mMナトリウム一塩基性リン酸塩pH6.8媒体を有する0.05M PEG10オレイルエーテル(Brij(登録商標)10)中、37±0.5℃で、USPII装置において50rpmで0~60分間行われる溶解を測定した場合、10分後に60%を超えるロピナビル溶解、30分後に80%を超えるロピナビル溶解、および60分後に90%を超えるロピナビル溶解を含む溶解プロファイルを有する。
【0197】
有利には、本発明の医薬組成物は通常、良好なロピナビルバイオアベイラビリティーを提供するこれらの可能性を示す溶解媒体の範囲全域で良好なロピナビル溶解を有することができる。一実施形態では、医薬組成物は、
(A)0.7%w/vSLS媒体中、約37℃で、USP装置IIを25rpmで0~60分間および200rpmで60~75分間使用して溶解を測定した場合、10分後に20%を超えるロピナビル溶解、45分後に60%を超えるロピナビル溶解、および75分後に90%を超えるロピナビル溶解;
(B)0.7%w/v臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)媒体中、37±0.5℃で、USPII装置において50rpmで0~60分間行われる溶解を測定した場合、10分後に30%を超えるロピナビル溶解、30分後に60%を超えるロピナビル溶解、および60分後に70%を超えるロピナビル溶解;ならびに
(C)10mM ナトリウム一塩基性リン酸塩pH6.8媒体を有する0.05M PEG10オレイルエーテル(Brij(登録商標)10)中、37±0.5℃で、USPII装置において50rpmで0~60分間行われる溶解を測定した場合、10分後に30%を超えるロピナビル溶解、30分後に60%を超えるロピナビル溶解、および60分後に80%を超えるロピナビル溶解
を含む溶解プロファイルを有する。
【0198】
一実施形態では、医薬組成物は、
(A)0.7%w/vSLS媒体中、約37℃で、USP装置IIを25rpmで0~60分間および200rpmで60~75分間を使用して溶解を測定した場合、10分後に40%を超えるロピナビル溶解、45分後に70%を超えるロピナビル溶解、および75分後に90%を超えるロピナビル溶解;
(B)0.7%w/v臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)媒体中、37±0.5℃で、USPII装置において50rpmで0~60分間行われる溶解を測定した場合、10分後に50%を超えるロピナビル溶解、30分後に70%を超えるロピナビル溶解、および60分後に80%を超えるロピナビル溶解;ならびに
(C)10mMナトリウム一塩基性リン酸塩pH6.8媒体を有する0.05M PEG10オレイルエーテル(Brij(登録商標)10)中、37±0.5℃で、USPII装置において50rpmで0~60分間行われる溶解を測定した場合、10分後に60%を超えるロピナビル溶解、30分後に80%を超えるロピナビル溶解、および60分後に90%を超えるロピナビル溶解
を含む溶解プロファイルを有する。
【0199】
Cmaxは、薬物が投与された後、身体の特定された区画または試験領域において薬物により達成される最大血清中濃度である。より高いCmax値は、より高い全身薬物濃度に相当し、したがって薬物のより大きなバイオアベイラビリティーに相当する。本発明による組成物のCmaxを決定するためのPK実験プロトコルは実施例9に記載されている。一実施形態では、本発明による医薬組成物は、150mgのロピナビルを含有する800mgまたは900mgカプセル剤として毎日投薬された場合、500pg/mlを超える、例えば、1ng/mlを超える、500ng/mlを超える、または1μg/mlを超える平均Cmaxを有する。
【0200】
<医薬用途>
一実施形態では、医薬として使用するために本明細書で定義された自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0201】
一実施形態では、医薬組成物は、医薬組成物が局所的に適用される(例えば、粘膜面に)または経口投与される医薬として使用するためのものである。
【0202】
好ましい実施形態では、本発明の自己乳化性医薬組成物はカプセル剤内に封入されている。このようなカプセル剤は、医薬組成物の経口投与と局所的投与(例えば、膣内)の両方に対して好都合な送達形態を提供する。一実施形態では、医薬として使用するために本明細書で定義された自己乳化性医薬組成物が提供され、この医薬組成物はカプセル剤として経口投与される。一実施形態では、医薬として使用するために本明細書で定義された自己乳化性医薬組成物が提供され、この医薬組成物はカプセル剤として局所的に(例えば膣内に)投与される。
【0203】
一実施形態では、医薬組成物は、疾患および/または障害の処置および/または予防に有用である。一実施形態では、医薬組成物は良性増殖性障害の処置に有用である。
【0204】
一実施形態では、医薬組成物はがんの処置に有用であり、特にがんの発症を予防するために有用である。したがって、正常な対象(すなわち検出可能ながんを有しない対象)、前悪性細胞を有する対象または特にがんを発症しやすい対象は、がんの発症の予防を目的とした本発明による組成物の局所投与により処置することができる。
【0205】
がんまたは良性増殖性障害(例えば、いぼ)の処置またはがんの発症の予防に医薬として使用するための、ロピナビルおよびリトナビルを含む医薬組成物が本明細書に開示されている。一実施形態では、そのような処置または阻害を必要とする対象において、がんおよび良性増殖性障害の発症または進行を処置するおよび/または阻害する方法であって、治療有効量の本明細書に開示されている医薬組成物を投与することを含む方法が提供される。
【0206】
本発明は、がんの予防および処置に適用可能な範囲内で、広範囲ながん、例えば、卵巣がん、乳がん、肺がん、子宮がん、子宮頸がんおよび甲状腺がんに適用することができる。本発明は、特に、ただしこれらに限るわけではないが、発がん性ウイルス、例えば、高リスク形態のヒトパピローマウイルス(HPV)により引き起こされる、またはたとえ低リスク形態のHPVでも引き起こされる前がん状態およびがんに適用可能である。
【0207】
好適には、組成物は、子宮頸がんの発症を処置する、および特に予防するために投与することができる。好適には、阻害剤は、HPV(特に高リスク型のHPV、例えば、HPV16またはHPV18)により引き起こされる子宮頸部がんの発症を処置する、または予防するために使用される。一実施形態では、そのような処置または阻害を必要とする対象において、がんおよび良性増殖性障害の発症または進行を処置するおよび/または阻害する方法であって、治療有効量の本明細書に開示されている医薬組成物を投与することを含み、がんまたは障害がヒトパピローマウイルス(HPV)で引き起こされるまたは誘発される方法が提供される。
【0208】
組成物は、単剤治療として(すなわち、2種以上の活性医薬成分を含む医薬組成物の使用を含む)またはがん療法(例えば化学療法剤、放射線療法)に使用されている他の化合物または処置と併用してがんを予防するまたは処置するために使用することができる。
【0209】
がんまたは良性増殖性障害(例えば、いぼ)の処置において、またはがんの発症の予防において医薬として使用するための、ロピナビルおよびリトナビルを含む医薬組成物が本明細書に開示されている。
【0210】
好適には、組成物は、ヒトを処置するために使用される。しかし、組成物は一部の獣医学的使用も有することも認識されたい。
【0211】
<投薬>
必要とされる少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)の量は生物学的活性およびバイオアベイラビリティーにより決定され、ひいては部分的に、正確な投与モード、利用する医薬組成物の物理化学的特性、および医薬組成物が単剤治療として使用されるか、または他の薬との併用治療で使用されるかに依存することを認識されたい。実際に、少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)は、同じ少なくとも1種の活性医薬成分または他の活性医薬成分(複数可)の経口投薬に加えて局所的に適用され得るこという可能性もある。投与の頻度はまた上記の要素、特に処置している対象内での活性医薬成分の半減期によっても影響される。
【0212】
1日用量は、単回投与として(例えば、軟質ゲルカプセル剤、硬質ゲルカプセル剤、ペッサリーまたは坐剤として)付与されてもよい。代わりに、投与は1日の間2回以上であってもよい。例として、医薬組成物は(例えば、軟質ゲルカプセル剤または硬質ゲルカプセル剤として)、少なくとも1日1回、例えば、1日1回、または例えば、1日2回、局所的に投与することができる。
【0213】
投与する最適な用量は、当業者により決定することができ、調製の強度、投与モード、および病態の進展と共に変動する。例えば、対象の年齢、体重、性別、食事、および投与時間を含めた、処置している特定の対象に応じた追加の要素によって、用量を調節することも必要となる。
【0214】
1日用量として付与されるべき少なくとも1種の活性医薬成分の適切な量は、約0.01mg~約10g、例えば、約0.1mg~約10g、例えば、約1mg~約5g、例えば、約1mg~約1g、例えば、約5mg~約2g、例えば、約10mg~約1g、例えば、約5mg~約500mg、例えば、約10mg~約500mg、例えば、約10mg~約400mg、例えば、約5mg~約200mg、例えば、約5mg~約50mg、例えば、約10mg~約40mg、例えば、約20mg~約40mg、例えば、約25mg~約35mg、例えば、約27mg~約32mg、例えば、約29mg、例えば、29mg、例えば、約28.7mg、例えば、28.7mg、例えば、約15mg~約35mg、例えば、約20mg~約30mg、例えば、約23mg~約27mg、例えば、約25mg、例えば、25mg、例えば、約5mg~約25mg、例えば、約10mg~約20mg、例えば、約12mg~約16mg、例えば、約14mg、例えば、14mg、例えば、約14.3mg、例えば、約14.3mg、例えば、約11mg~約15mg、例えば、約13mg、例えば、13mg、例えば、約12.5mg、例えば、12.5mg、例えば、約100mg~約400mg、例えば、約200mg~約400mg、例えば、約250mg~約350mg、例えば、約280mg~約320mg、例えば、約290mg~約310mg、例えば、約300mg、例えば、300mg、例えば、約25mg~約325mg、例えば、約50mg~約250mg、例えば、約125mg~約175mg、例えば、約140mg~約160mg、例えば、約150mg、または例えば、150mgである。
【0215】
1日用量として付与されるべきロピナビルの適切な量は、約0.01mg~約10g、例えば、約0.1mg~約10g、例えば、約1mg~約5g、例えば、約5mg~約2g、例えば、約10mg~約1g、例えば、約10mg~約500mg、例えば、約10mg~約400mg、例えば、約100mg~約400mg、例えば、約200mg~約400mg、例えば、約250mg~約350mg、例えば、約280mg~約320mg、例えば、約290mg~約310mg、例えば、約300mg、例えば、300mg、例えば、約25mg~約325mg、例えば、約50mg~約250mg、例えば、約125mg~約175mg、例えば、約140mg~約160mg、例えば、約150mg、または例えば、150mgである。好都合な実施形態では、ロピナビルの1日用量は約150mgまたは約300mgである。最も好適には、ロピナビルの1日用量は300mgである。
【0216】
1日用量として付与されるべきリトナビルの適切な量は、約0.01mg~約10g、例えば、約0.1mg~約10g、例えば、約1mg~約5g、例えば、約1mg~約1g、例えば、約5mg~約500mg、例えば、約5mg~約200mg、例えば、約5mg~約50mg、例えば、約10mg~約40mg、例えば、約20mg~約40mg、例えば、約25mg~約35mg、例えば、約27mg~約32mg、例えば、約29mg、例えば、29mg、例えば、約28.7mg、例えば、28.7mg、例えば、約15mg~約35mg、例えば、約20mg~約30mg、例えば、約23mg~約27mg、例えば、約25mg、例えば、25mg、例えば、約5mg~約25mg、例えば、約10mg~約20mg、例えば、約12mg~約16mg、例えば、約14mg、例えば、14mg、例えば、約14.3mg、例えば、14.3mg、例えば、約11mg~約15mg、例えば、約13mg、例えば、13mg、例えば、約12.5mg、または例えば、12.5mgである。好都合な実施形態では、リトナビルの1日用量は約12.5mgまたは約25mgである。最も好適には、リトナビルの1日用量は25mgである。
【0217】
一実施形態では、1日当たり約150mgのロピナビルおよび約12.5mgのリトナビルがそれを必要とする患者に投与されてもよい。
【0218】
一実施形態では、1日当たり約300mgのロピナビルおよび約25mgのリトナビルがそれを必要とする患者に投与されてもよい。
【0219】
<処置レジメン>
医薬組成物は、処置が必要とされる限り、対象に投与することができる。処置が必要とされる期間は、処置または予防する正確な状態およびその重症度に依存する。当業者であれば、処置は、疾患および/または障害を根絶するためのあらゆる必要条件を含むいくつかの要素を考慮して維持されるべきであることを認識している。
【0220】
一実施形態では、処置のコースは2~4週間、7~21日間または約14日間であってよい。この処置のコースの後、臨床医は処置のコースが成功したかどうか評価することができる。次いで処置を継続するかどうか決定することができる。
【0221】
子宮頸部に関する状態を有する女性に対して処置レジメンを決定する場合、臨床医が月経を考慮に入れたいと考えることがあることは認識されている。好適には、処置レジメンは約14~21日であってよく、月経間に投与されてもよい。臨床医は、月経中に子宮頸部の局所的処置を停止し、次の月経周期に新規コースの処置を再開することを選んでもよい。例として、処置レジメンは、(1)14~21日の投与;(2)これに続いて、処置なしでの1~14日間(子宮頸部を処置している場合、この間月経が生じ得る);および(3)医学的に必要と考えられた場合、14~21日の処置のさらなるサイクルであり得る。
【0222】
<HPV関連異形成の処置>
好適には、医薬組成物は、子宮頸部のHPV関連異形成を有する女性の対象を処置するために使用することができる。
【0223】
本明細書で使用される場合、「異形成」は侵襲前病変およびがんを包含する。HPV関連侵襲前病変には、高悪性度扁平上皮内病変(HSIL)、重症度が確定されていない非定型扁平細胞(ASCUS)、および低悪性度扁平上皮内病変(LSIL)が含まれる。HPV関連がんには、例えば、子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)および侵襲性の子宮頸がん(ICC)が含まれる。
【0224】
開示された方法および処置レジメンは、HPV関連異形成を処置するために使用することができる。一部の態様では、例えば、開示された方法および処置レジメンは、HSILを処置するために使用することができる。一部の態様では、開示された方法および処置レジメンは、ASCUSを処置するために使用することができる。他の態様では、開示された方法および処置レジメンは、LSILを処置するために使用することができる。他の態様では、開示された方法および処置レジメンは、CINを処置するために使用することができる。さらに他の実施形態では、開示された方法および処置レジメンは、ICCを処置するために使用することができる。さらに、開示された方法および処置レジメンは、HPV関連異形成の進行を阻害するために使用することができる。一部の態様では、例えば、開示された方法および処置レジメンは、HSILの進行を阻害するために使用することができる。一部の態様では、開示された方法および処置レジメンは、ASCUSの進行を阻害するために使用することができる。他の態様では、開示された方法および処置レジメンは、LSILの進行を阻害するために使用することができる。他の態様では、開示された方法および処置レジメンは、CINの進行を阻害するために使用することができる。さらに他の実施形態では、開示された方法および処置レジメンは、ICCの進行を阻害するために使用することができる。
【0225】
一実施形態では、子宮頸部のHPV関連異形成を有する患者を処置する方法であって、第1の態様による治療有効量の医薬組成物を前記患者に膣内投与することを含む方法が提供される。代替の実施形態では、子宮頸部のHPV関連異形成を有する患者を処置する方法であって、第1の態様による治療有効量の医薬組成物を前記患者に経口投与することを含む方法が提供される。
【0226】
一実施形態では、医薬組成物は、HPV関連異形成の重症度を減少させる。一実施形態では、HPVの重症度は、CIN3からCIN2に、CIN3からCIN1に、CIN3からHPVネガティブに、CIN2からCIN1に、CIN2からHPVネガティブに、またはCIN1からHPVネガティブに減少する。
【0227】
一実施形態では、患者または対象は、高悪性度扁平上皮内病変(HSIL)の子宮頸部細胞診、重症度が確定されていない非定型扁平細胞(ASCUS)、または低悪性度扁平上皮内病変(LSIL)を有する。
【0228】
一実施形態では、医薬組成物は、子宮頸部細胞診を、HSILから正常細胞へ、HSILからACSUSへ、HSILからLSILへ、ACSUSから正常細胞へ、またはLSILから正常細胞へと減少させる。
【0229】
一部の実施形態では、組成物はHPV感染細胞のアポトーシスを誘発する。
【0230】
<製造のプロセス>
第2の態様では、第1の態様の自己乳化性医薬組成物を製造するためのプロセスであって、少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)、不飽和遊離脂肪酸および少なくとも2種の乳化剤を一緒に組み込んで(例えば、混合することにより)、自己乳化性医薬組成物を得るステップを含み、少なくとも2種の乳化剤が、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤および約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満であるプロセスが提供される。
【0231】
一実施形態では、プロセスは、少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)を不飽和遊離脂肪酸に組み込んで、混合物を得ることを含む第1のステップと、これに続いて少なくとも2種の乳化剤を、第1ステップで得た混合物に組み込んで、自己乳化性医薬組成物を得ることを含む第2のステップとを含む。したがって、一実施形態では、プロセスは、
a.少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)を不飽和遊離脂肪酸に(例えば混合することにより)組み込むステップと;
b.自己乳化性組成物を得るために、ステップa)で得た少なくとも2種の乳化剤を混合物に(例えば混合することにより)組み込むステップと
を含み、少なくとも2種の乳化剤は、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤、および約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤を含み、全乳化剤含有量は全組成物の30重量%未満である。
【0232】
一実施形態では、プロセスは、
a.ロピナビルおよび第2の活性医薬成分(例えば、リトナビル)を不飽和遊離脂肪酸に(例えば混合することにより)組み込むステップと;
b.自己乳化性組成物を得るために、少なくとも2種の乳化剤をステップa)で得た混合物に(例えば混合することにより)組み込むステップと
を含み、少なくとも2種の乳化剤は、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤および約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤を含み、全乳化剤含有量は全組成物の30重量%未満である。
【0233】
一実施形態では、プロセスは、
a.ロピナビルおよび第2の活性医薬成分(例えば、リトナビル)を不飽和遊離脂肪酸に(例えば混合することにより)組み込むステップと;
b.自己乳化性組成物を得るために、3種の乳化剤をステップa)で得た混合物に(例えば混合することにより)組み込むステップと
を含み、3種の乳化剤は、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤、約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤、および約8~約15の範囲のHLB値を有する第3の乳化剤を含み、全乳化剤含有量は全組成物の30重量%未満である。
【0234】
一実施形態では、第1のステップおよび/または第2のステップは撹拌を含む。一実施形態では、撹拌は少なくとも10rpm、例えば、少なくとも30rpm、少なくとも50rpm、少なくとも100rpm、少なくとも150rpm、少なくとも200rpm、少なくとも250rpm、少なくとも300rpm、少なくとも400rpm、少なくとも500rpm、または例えば、約600rpmの速度で実施される。一実施形態では、第1のステップの撹拌は、少なくとも1種の活性医薬成分が不飽和遊離脂肪酸に溶解することを結果として生じる。一実施形態では、撹拌は少なくとも1種の活性医薬成分を不飽和遊離脂肪酸と一緒に組み込んだ後5分間実施される。これは、プロセスのこの部分の間、医薬組成物の構成成分の最初の細分化を有利に補助する。一実施形態では、撹拌は30分ごとに繰り返される。
【0235】
一実施形態では、本プロセスは室温で実施される。一実施形態では、本プロセスは室温で実施され、組成物中に存在する第2の乳化剤の第1の乳化剤に対するwt/wt比は、約1:10~約10:1の間、例えば、約1:5~約5:1の間、約1:3~約3:1の間、約1:1~約5:1の間、約1:1~約3:1の間、約1:1~約2:1の間、約1:2~約2:1の間、約1:1.5~約2:1の間、約1:1.3~約1:1.1の間(例えば、約1:1.2)、約1.1:1~1.6:1の間、約1.1:1~1.2:1の間、または約1.4:1~1.6:1の間(例えば、約1.5:1)である。有利なことに、本プロセスは分解を起こす傾向がある活性医薬成分(例えば、ロピナビル)に特によく適しており、分解の速度および/または範囲は、室温を超える温度、例えば>30℃、>40℃、>50℃、および>60℃に曝露された場合増加する。
【0236】
一実施形態では、本プロセスは、
a.ロピナビルおよび第2の活性医薬成分(例えば、リトナビル)を不飽和遊離脂肪酸に(例えば混合することにより)組み込むステップと;
b.自己乳化性組成物を得るために、少なくとも2種の乳化剤をステップa)で得た混合物に(例えば混合することにより)組み込むステップと
を含み、少なくとも2種の乳化剤は、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤および約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤を含み、全乳化剤含有量は全組成物の30重量%未満であり、ステップaおよびbは40℃未満(例えば、30℃未満)で行われる。
【0237】
一実施形態では、本プロセスは、
a.ロピナビルおよび第2の活性医薬成分(例えば、リトナビル)を不飽和遊離脂肪酸に(例えば混合することにより)組み込むステップと;
b.自己乳化性組成物を得るために、3種の乳化剤をステップa)で得た混合物に(例えば混合することにより)組み込むステップと
を含み、3種の乳化剤は、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤、約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤、および約8~約15の範囲のHLB値を有する第3の乳化剤を含み、全乳化剤含有量は全組成物の30重量%未満であり、ステップaおよびbは40℃未満(例えば、30℃未満)で行われる。
【0238】
一実施形態では、本プロセスは、少なくとも2種の乳化剤、少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビルおよびリトナビル)、および不飽和遊離脂肪酸を低剪断混合により組み込むことを含む。別の実施形態では、本プロセスは、少なくとも2種の乳化剤、少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビルおよびリトナビル)、および不飽和遊離脂肪酸を高圧ホモジナイズにより組み込むことを含む。
【0239】
一実施形態では、第2の態様によるプロセスは不活性雰囲気下で実施される。一実施形態では、不活性雰囲気は真空により提供される。さらなる実施形態では、真空は約-0.5バールである。不活性雰囲気下で本プロセスを実施することは、医薬組成物の任意の構成成分、例えば、分解(例えば、酸化分解反応)を起こす傾向がある少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビルおよび/またはリトナビル)が、製造プロセス中に前記分解から保護されるという利点を有する。
【0240】
一実施形態では、第2の態様によるプロセスは、少なくとも95重量%、例えば、少なくとも98重量%、例えば、少なくとも99重量%、または例えば、少なくとも99.5重量%のアッセイを有する不飽和遊離脂肪酸を使用する。有利には、高いアッセイレベルの不飽和遊離脂肪酸を使用することによって、医薬組成物に対する、例えば、組成物内の遊離脂肪酸のアイデンティティー、量および純度に関する制御を確実にする。
【0241】
一実施形態では、第2の態様によるプロセスは、ステップbで得た組成物を濾過するステップをさらに含む。濾過は任意の適切な従来の濾過手段により行うことができる。好ましい実施形態では、濾過は、GAFバッグフィルターに組成物を通すことにより行われる。
【0242】
一実施形態では、第2の態様によるプロセスは、組成物をカプセル剤に充填するステップをさらに含む。
【0243】
一実施形態では、本明細書に記載されているプロセスで得られるまたは入手可能な自己乳化性医薬組成物が提供される。
【0244】
以下の番号付けされた記載1~50は、請求項ではないが、代わりに本発明の様々な態様および実施形態を定義するものである:
1.
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.少なくとも2種の乳化剤;および
c.少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル);
を含む自己乳化性医薬組成物であって、少なくとも2種の乳化剤が、少なくとも、約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤、および少なくとも、約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物。
2.不飽和遊離脂肪酸がオレイン酸である、記載1による医薬組成物。
3.少なくとも2種の乳化剤が2種の乳化剤である、記載1または2による医薬組成物。
4.第1の乳化剤が14を超えるHLB値を有し、第2の乳化剤が6未満のHLB値を有する、任意の先行する記載による医薬組成物。
5.第1の乳化剤が約15を超える、例えば、約16を超える、約17を超える、または約18を超えるHLB値を有する、任意の先行する記載による医薬組成物。
6.第1の乳化剤が室温で固体である、任意の先行する記載による医薬組成物。
7.第1の乳化剤がポリオールエステル、例えば、ステアリン酸ポリオール(例えばステアリン酸PEG100)である、任意の先行する記載による医薬組成物。
8.第1の乳化剤が室温で液体である、記載1~5による医薬組成物。
9.第1の乳化剤がポリエトキシル化ソルビタンエステル、例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート60またはポリソルベート80である、記載8による医薬組成物。
10.第2の乳化剤が、約5.5未満、例えば、約5未満、約4.5未満、または約4未満のHLB値を有する、任意の先行する記載による医薬組成物。
11.第2の乳化剤が室温で半固体である、任意の先行する記載による医薬組成物。
12.第2の乳化剤がモノグリセリド、例えば、モノオレイン酸グリセロールである、任意の先行する記載による医薬組成物。
13.組成物中に存在する第2の乳化剤の第1の乳化剤に対するwt/wt比が、約1:10~約10:1の間、例えば、約1:5~約5:1の間、約1:3~約3:1の間、約1:1~約5:1の間、約1:1~約3:1の間、約1:1~約2:1の間、約1:2~約2:1の間、約1:1.5~約2:1の間、約1:1.3~約1:1.1の間(例えば、約1:1.2)、または約1.4:1~1.6:1の間(例えば、約1.5:1)である、任意の先行する記載による医薬組成物。
14.少なくとも2種の乳化剤が2種の乳化剤である、任意の先行する記載による医薬組成物。
15.第1の乳化剤が、14を超えるHLB値を有し、第2の乳化剤が6未満のHLB値を有し、第3の乳化剤が8~15の範囲のHLB値を有し、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、記載14による医薬組成物。
16.第3の乳化剤が、10~15、例えば、11~15、12~15、13~15、11~14または12~14の範囲のHLB値を有する、記載15による医薬組成物。
17.第3の乳化剤がポリオキシルヒマシ油誘導体(例えば、PEG35ヒマシ油)である、記載15または16による医薬組成物。
18.全乳化剤含有量が、全組成物の25重量%未満、20重量%未満、15重量%未満、2重量%~20重量%、2.5重量%~15重量%、5重量%~15重量%、8重量%~12重量%、10重量%~20重量%、12重量%~20重量%、10重量%~18重量%、12重量%~18重量%、12重量%~16重量%、13重量%~20重量%、14重量%~20重量%、15重量%~20重量%、13重量%~25重量%、14重量%~25重量%、15重量%~25重量%、20重量%~25重量%、20重量%~26重量%、20重量%~27重量%、20重量%~28重量%または20重量%~29重量%である、任意の先行する記載による医薬組成物。
19.不飽和遊離脂肪酸が、全医薬組成物の少なくとも25重量%のレベル、例えば、全組成物の少なくとも35重量%、少なくとも45重量%、約50重量%~約85重量%、約50重量%~約75重量%、約50重量%~約70重量%、約60重量%~約80重量%、約65重量%~約80重量%、約65重量%~約75重量%、または約68重量%~約72重量%で医薬組成物中に存在する、任意の先行する記載による医薬組成物。
20.第1の乳化剤が、全医薬組成物の約1重量%~約20重量%、例えば、全組成物の約1重量%~約10重量%、約10重量%~約20重量%、約10重量%~約15重量%、約1重量%~約5重量%、約3重量%~約7重量%、約3重量%~約6重量%、約3重量%~約5重量%(例えば、約4重量%)、約4重量%~約5重量%(例えば、約4.3重量%)、または約5重量%~約6重量%(例えば、約5.5重量%)で医薬組成物中に存在する、任意の先行する記載による医薬組成物。
21.第2の乳化剤が、全医薬組成物の約1重量%~約20重量%、例えば、全組成物の約1重量%~約10重量%、約2重量%~約8重量%、約4重量%~約7重量%、約5重量%~約7重量%(例えば、約6重量%)、約4重量%~約6重量%(例えば、約5重量%)、または約4重量%~約5重量%(例えば、約4.5重量%)で医薬組成物中に存在する、任意の先行する記載による医薬組成物。
22.第3の乳化剤が、全医薬組成物の約1重量%~約10重量%、例えば、全組成物の約2重量%~約8重量%、約3重量%~約7重量%、約4重量%~約6重量%、または約5重量%で医薬組成物中に存在する、記載14~21のいずれか1項による医薬組成物。
23.少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)が溶解した状態で存在する、任意の先行する記載による医薬組成物。
24.少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)が医薬組成物内で安定している、任意の先行する記載による医薬組成物。
25.少なくとも1種の活性医薬成分が、不飽和遊離脂肪酸中、少なくとも1%w/vの溶解度を有する、任意の先行する記載による医薬組成物。
26.少なくとも1種の活性医薬成分が、0.1mg/ml未満、例えば、0.01mg/ml未満の水性溶解度を有する、任意の先行する記載による医薬組成物。
27.少なくとも1種の活性医薬成分が、4を超える、例えば、5を超えるLogP値を有する、任意の先行する記載による医薬組成物。
28.少なくとも1種の活性医薬成分がHIVプロテアーゼ酵素阻害剤である、任意の先行する記載による医薬組成物。
29.HIVプロテアーゼ酵素阻害剤が、ロピナビルおよびリトナビルから選択される、記載28による医薬組成物。
30.少なくとも1種の活性医薬成分が2種の活性医薬成分である、任意の先行する記載による医薬組成物。
31.ロピナビルおよびリトナビルを含む、任意の先行する記載による医薬組成物。
32.組成物中に存在するロピナビルのリトナビルに対するモル比が、約1:10~約18:1の間、例えば、約1:10~約15:1の間、例えば、約1:5~約15:1の間、例えば、約1:1~約15:1の間、例えば、約2:1~約15:1の間、例えば、約4:1~約15:1の間、例えば、約8:1~約14:1の間、例えば、約9:1~約14:1の間、例えば、約10:1~約14:1の間、例えば、10.5:1~約18:1の間、例えば、10.5:1~18:1の間、例えば、約10.5:1~約14:1の間、例えば、約11:1~約13:1の間、例えば、約11.5~約17:1の間、例えば、約11.5:1~約16.0:1の間、例えば、約11.5:1~約15:1の間、例えば、約14.5:1、例えば、14.5:1、例えば、約14:1、例えば、14:1、例えば、約13.8:1、例えば、13.8:1、例えば、約13.75:1、例えば、13.75:1、例えば、約13.5:1、例えば、13.5:1、例えば、約13:1、例えば、13:1、例えば、約12.5:1、例えば、12.5:1、例えば、約12:1、例えば、12:1、例えば、約11.75:1、例えば、11.75:1、例えば、約9:1、例えば、9:1、例えば、約5:1、例えば、5:1、例えば、約4.6:1、または例えば、4.6:1である、記載31による医薬組成物。
33.組成物中に存在するロピナビルのリトナビルに対するwt/wt比が、約1:10~約18:1の間、例えば、約1:10~約15:1の間、例えば、約1:5~約15:1の間、例えば、約1:1~約15:1の間、例えば、約2:1~約15:1の間、例えば、約4:1~約15:1の間、例えば、約8:1~約14:1の間、例えば、約9:1~約14:1の間、例えば、約10:1~約14:1の間、例えば、10.5:1~約18:1の間、例えば、10.5:1~18:1の間、例えば、約10.5:1~約14:1の間、例えば、約11:1~約13:1の間、例えば、約11.5~約17:1の間、例えば、約11.5:1~約16.0:1の間、例えば、約11.5:1~約15:1の間、例えば、約14.5:1、例えば、14.5:1、例えば、約14:1、例えば、14:1、例えば、約13.8:1、例えば、13.8:1、例えば、約13.75:1、例えば、13.75:1、例えば、約13.5:1、例えば、13.5:1、例えば、約13:1、例えば、13:1、例えば、約12.5:1、例えば、12.5:1、例えば、約12:1、例えば、12:1、例えば、約11.75:1、例えば、11.75:1、例えば、約11.5:1、例えば、11.5:1、例えば、約11.25:1、例えば、11.25:1、または例えば、約11:1、例えば、11:1である、記載31による医薬組成物。
34.抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエンをさらに含む、任意の先行する記載による医薬組成物。
35.
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;
d.抗酸化剤;および
e.少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル);
からなる自己乳化性医薬組成物であって、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物。
36.
a.不飽和遊離脂肪酸;
b.約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤;
c.約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤;
d.第3の乳化剤;
e.抗酸化剤;
f.ロピナビル;および
g.リトナビル;
からなる自己乳化性医薬組成物であって、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、自己乳化性医薬組成物。
37.医薬組成物がカプセル剤内に封入される、任意の先行する記載による医薬組成物。
38.組成物が、シンカーを用いた硬質ゲルカプセル剤に充填され、0.7%w/vSLS媒体中、約37℃で、USP装置IIを25rpmで0~60分間および200rpmで60~75分間使用して測定した場合、
10分後に20%を超えるAPI溶解、例えば、10分後に40%を超えるAPI溶解を含む溶解プロファイルを有する、任意の先行する記載による医薬組成物。
39.組成物が、シンカーを用いた硬質ゲルカプセル剤に充填され、0.7%w/vSLS媒体中、約37℃で、USP装置IIを25rpmで0~60分間および200rpmで60~75分間を使用して測定した場合、
45分後に60%を超えるAPI溶解、例えば、45分後に70%を超えるAPI溶解を含む溶解プロファイルを有する、任意の先行する記載による医薬組成物。
40.組成物が、シンカーを用いた硬質ゲルカプセル剤に充填され、0.7%w/vSLS媒体中、約37℃で、USP装置IIを25rpmで0~60分間および200rpmで60~75分間使用して測定した場合、
75分後に90%を超えるAPI溶解、例えば、75分後に95%を超えるAPI溶解を含む溶解プロファイルを有する、任意の先行する記載による医薬組成物。
41.医薬として使用するための、任意の先行する記載による医薬組成物。
42.そのような処置または阻害を必要とする対象において、がんおよび良性増殖性障害の発症または進行を処置するおよび/または阻害する方法であって、治療有効量の、記載1~40のいずれかによる医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
43.がんまたは障害が、ヒトパピローマウイルス(HPV)により引き起こされるまたは誘発される、記載42による方法。
44.子宮頸部のHPV関連異形成を有する患者を処置する方法であって、前記患者に、治療有効量の、記載1~40のいずれか1つによる医薬組成物を膣内または経口投与することを含む方法。
45.医薬組成物が、HPV関連異形成の重症度を減少させる、記載44による方法。
46.HPVの重症度が、CIN3からCIN2へ、CIN3からCIN1へ、CIN3からHPVネガティブへ、CIN2からCIN1へ、CIN2からHPVネガティブへ、またはCIN1からHPVネガティブへ減少する、記載45による方法。
47.組成物がHPV感染細胞のアポトーシスを誘発する、記載43~46のいずれか1つによる方法。
48.患者が、高悪性度扁平上皮内病変(HSIL)の子宮頸部細胞診、重症度が確定されていない非定型の扁平細胞(ASCUS)、または低悪性度扁平上皮内病変(LSIL)を有する、記載43~47のいずれか1つによる方法。
49.組成物が、子宮頸部細胞診をHSILから正常細胞に、HSILからACSUSに、HSILからLSILに、ACSUSから正常細胞に、またはLSILから正常細胞に減少させる、記載48による方法。
50.記載1~40のいずれか1項による自己乳化性医薬組成物を製造するためのプロセスであって、
a.少なくとも1種の活性医薬成分(ロピナビル)を不飽和遊離脂肪酸に(例えば混合することにより)組み込むステップと;
b.自己乳化性組成物を得るために、少なくとも2種の乳化剤を、ステップa)で得た混合物に(例えば混合することにより)組み込むステップと
を含み、少なくとも2種の乳化剤が約14を超えるHLB値を有する第1の乳化剤および約6未満のHLB値を有する第2の乳化剤を含み、全乳化剤含有量が全組成物の30重量%未満である、プロセス。
【0245】
本発明の特定の実施形態は、添付の図を参照して、本明細書で以下にさらに記載される:
【図面の簡単な説明】
【0246】
図1】SLS媒体中の製剤3a、3bおよび3cのロピナビル溶解プロファイル(25rpm)を示す。
図2】SLS媒体中の比較製剤3fおよび比較製剤3hのロピナビル溶解プロファイルと比較した、製剤3aのロピナビル溶解プロファイル(25rpm)を示す。
図3】SLS媒体中の比較製剤3fおよび比較製剤3hのリトナビル溶解プロファイルと比較した、製剤3aのリトナビル溶解プロファイル(25rpm)を示す。
図4】SLS媒体中の比較製剤3e、3gおよび3hのロピナビル溶解プロファイル(25rpm)を示す。
図5】SLS媒体中の比較製剤3e、3gおよび3hのリトナビル溶解プロファイル(25rpm)を示す。
図6】SLS媒体中の比較製剤3gおよび比較製剤3hのロピナビル溶解プロファイルと比較した、製剤3aのロピナビル溶解プロファイル(25rpm)を示す。
図7】SLS媒体中の比較製剤1(実施例4)および比較製剤2(実施例5)の溶解プロファイルと比較した、製剤3aのロピナビル溶解プロファイル(25rpm)を示す。
図8A】比較製剤3k、3lおよび比較製剤2(実施例5)の溶解プロファイルと比較した、製剤3jのSLS媒体(50rpm)中のロピナビル溶解プロファイルを示す。
図8B】比較製剤2(実施例5)の溶解プロファイルと比較した、製剤3m、3nおよび3oのSLS媒体(50rpm)中のロピナビル溶解プロファイルを示す。
図9A】比較製剤2(実施例5)の溶解プロファイルと比較した、製剤3a、3iおよび3jのCTAB媒体(50rpm)中のロピナビル溶解プロファイルを示す。
図9B】比較製剤3k、3lおよび比較製剤2(実施例5)の溶解プロファイルと比較した、製剤3jのCTAB媒体s(50rpm)中のロピナビル溶解プロファイルを示す。
図10】比較製剤2(実施例5)の溶解プロファイルと比較した、製剤3m、3nおよび3oのCTAB媒体(50rpm)中のロピナビル溶解プロファイルを示している。
図11】比較製剤3hおよび比較製剤2(実施例5)の溶解プロファイルと比較した、製剤3aのBrij(登録商標)10媒体(50rpm)中のロピナビル溶解プロファイルを示している。
図12】比較製剤2(実施例5)の溶解プロファイルと比較した、製剤3a、3iおよび3jのBrij(登録商標)10媒体(50rpm)中のロピナビル溶解プロファイルを示している。
図13】比較製剤2(実施例5)の溶解プロファイルと比較した、製剤3m、3nおよび3oのBrij(登録商標)10媒体s(50rpm)中のロピナビル溶解プロファイルを示している。
【実施例
【0247】
以下の略語が実施例において使用されている:
API-活性医薬成分
HPMC-ヒドロキシプロピルメチルセルロース
PEG-ポリエチレングリコール
【0248】
[実施例1:リトナビルおよび/またはロピナビルの溶解度]
様々な薬学的に許容される溶媒中での、リトナビルおよびロピナビル、ならびにリトナビル単独での溶解度が以下に提示されている。見てわかる通り、リトナビルおよびロピナビルは、ならびにリトナビル単独は、オレイン酸中で高い溶解度を有する。
【0249】
【0250】
[実施例2:リトナビルおよびロピナビルの化学的および物理的安定性]
ロピナビルおよびリトナビルの作用強度の損失は、熱分解より誘発され、リトナビルは特にそのカルバメート官能基により加水分解を起こす傾向があることが文献から公知である(Donato et al、“LC Method for Studies on the Stability of Lopinavir and Ritonavir in Soft Gelatin Capsules”、Chromatographia、April 2006、63、437-443)。リトナビルは、酸素不安定であることも公知である。よって、ロピナビル/リトナビルを含む組成物のための好ましい製造経路は、熱、水、および/または酸素を除外した製造経路である。
【0251】
[実施例3:製剤の調製]
以下に提示されているすべての製剤で、使用されているすべての材料は、日本医薬品添加物規格(Japanese Pharmaceutical Excipient)の等級であるホワイトセレシンワックスを除いて、医薬品等級(米国薬局方または欧州薬局方のいずれか)である。使用されたオレイン酸は超精製等級のものであった(製造元:Croda)。
【0252】
<一般的手順>
製剤3a~3hの製造は、以下の一般的手順に従い行われ、構成成分の量は以下の表1~8に特定されている。
【0253】
オレイン酸およびロピナビルのバルク供給物は、それぞれ使用後に窒素でパージした。リトナビルは紫外光から保護した。
i.主要容器内で、ブチル化ヒドロキシトルエン、ロピナビルおよびリトナビルをオレイン酸に加えた。混合物を撹拌して、APIを600rpmで溶解した。
ii.主要容器に、ステアリン酸ポリオキシル100およびモノオレイン酸グリセロールを加えた。混合物をさらに撹拌して、乳化剤を600rpmで溶解した。
iii.生成物を容器から放出し、GAFバッグフィルターに通した。
iv.濾過した生成物を濃縮してガラス瓶に入れ、次いでこれを暗所で、0~5℃で貯蔵した。
v.次いで、必要に応じて、製剤(800mg)を硬質ゼラチンカプセルに充填し、エタノールで密閉した。
【0254】
【0255】
10gの試料を、SC4-34スピンドル、60rpm、25℃で使用して、液体製剤3aの粘度をBrookfield DV-II+Pro粘度計で測定した。試料は、動粘性係数130cP.sおよび13.0%トルクを有することが判明した。
【0256】
【0257】
10gの試料を、SC4-34スピンドル、60rpm、25℃で使用して、液体製剤3bの粘度をBrookfield DV-II+Pro粘度計で測定した。試料は、動粘性係数138cP.sおよび13.8%トルクを有することが判明した。
【0258】
【0259】
10gの試料を、SC4-34スピンドル、60rpm、25℃で使用して、液体製剤3cの粘度をBrookfield DV-II+Pro粘度計で測定した。試料は、動粘性係数125cP.sおよび12.5%トルクを有することが判明した。
【0260】
【0261】
【0262】
【0263】
【0264】
【0265】
製剤3i~3tの製造は、以下の一般的手順に従い行われ、構成成分の量は以下の表9~20で特定されている。
【0266】
オレイン酸およびロピナビルのバルク供給物はそれぞれ使用後、窒素でパージした。リトナビルは紫外光から保護した。
i.主要容器内で、ロピナビルおよびリトナビルを、オレイン酸に溶解したブチル化ヒドロキシトルエンに加えた。混合物を撹拌して、APIを600rpmで溶解した。
ii.主要容器内に、PEG35ヒマシ油、モノオレイン酸グリセロールおよびステアリン酸ポリオキシル100/ポリソルベート20/ポリソルベート60/ポリソルベート80(適用可能な場合)を加えた。混合物をさらに撹拌して、乳化剤を600rpmで溶解した。
iii.生成物を容器から放出し、GAFバッグフィルターに通した。
iv.濾過した生成物を濃縮してガラス瓶に入れ、次いでこれを暗所で、0~5℃で貯蔵した。
v.次いで、必要に応じて、製剤(800mg)を硬質ゼラチンカプセルに充填し、エタノールで密閉した。
【0267】
【0268】
【0269】
【0270】
【0271】
【0272】
【0273】
【0274】
【0275】
【0276】
【0277】
【0278】
【0279】
【0280】
[実施例4:比較製剤1(軟膏剤)]
ロピナビルおよびリトナビルを含有するオレイン酸/ステアリン酸軟膏製剤を、表21に特定された構成成分に従い以下の通り調製した:
i.ミキサーに、以下の材料:3、4、5、6、7、8、9、1、10&11を加えた。
ii.容器の内部から空気を除去した。
iii.低剪断混合しながら、混合物を70℃に加熱して、透き通った、透明な溶融物を得た。
iv.以下の材料:2をミキサーに加えた。
v.空気を容器内部から除去した。
vi.低い剪断を介してバッチを混合して、溶融物内にHPMC(2)を細かく分散させた。
vii.低い剪断混合を維持しながら、バッチ温度を45℃に低下させた。
viii.生成物を貯蔵容器に放出し、貯蔵中空気を除去した。
ix.必要に応じて、製剤(800mg)を次いで硬質ゼラチンカプセルに充填し、エタノールで密閉した。
【0281】
【0282】
実施例4に従い形成された軟膏剤は、複素粘度を0.1rad/sの角周波数で測定した場合、1500~2000cP.s.の複素粘度を有する。複素粘度をDiscovery Hybrid Rheometer(Model HR-3、TA instruments)で測定した[試料をペルチェプレート(ベース;37℃)に過剰に導入し(1~2g)、スピンドルを低下して、試料に接触させた。過剰の試料を除去した。次いでスピンドルを既定の形式で回転させて、一連の剪断力を試料に加えた。振動周波数法パラメーターは、スピード範囲0.1~1rad/s;ひずみ0.5%;スピンドル40mmパラレルプレート;ギャップ設定1000μmであった]。
【0283】
[実施例5:比較製剤2]
WO2002/096395は、オレイン酸、ロピナビルおよびリトナビルを含む製剤を充填したソフトエラスチックカプセル剤を開示している。比較製剤はFill Batch PS-A(WO2002/096395;24ページ)に従い以下の通り形成され、表22に特定された構成成分の量を含有する:
i.ミキサーにオレイン酸を加えた。
ii.プロピレングリコールを容器に加え、5分間混合した。
iii.リトナビルを容器に加え、溶解が生じるまで撹拌を継続した。
iv.ロピナビルを容器に加え、溶解が生じるまで撹拌を継続した。
v.Cremophor(登録商標)ELを加え、混合を10分間継続した。
vi.生成物を窒素大気下で貯蔵した。
vii.比較製剤2の800mgの試料を次いで硬質ゼラチンカプセルに充填し、エタノールで密閉した。
【0284】
【0285】
[実施例6:安定性実験]
実施例3による組成物は、これらを製造するために利用されたプロセス(すなわち実施例3に記載されているプロセス)の間、安定していることが証明されている。さらに、実施例3による組成物は、貯蔵の際に安定していることが示されている。
【0286】
製剤3a、3bおよび3cを5℃で1カ月間貯蔵した。この後、実施例7による溶解試験において、これらの製剤はAPIを完全に放出し、APIの充填が貯蔵中分解されなかったことを示した。
【0287】
以下の分析法を使用して、製剤を分析した。
【0288】
【0289】
【0290】
[実施例7:API溶解性能]
[実施例7A:0.7%SLS溶解媒体]
実施例3に従い調製した、本発明のカプセル化組成物は、0.7%ラウレス硫酸ナトリウム(SLS)媒体中、37±0.5℃で、USPII装置において25rpmで0~60分間、次いで200rpmで60~75分間行われる溶解実験に供した(シンカーを用いた硬質ゲルカプセル剤)。すべての分析は2回反復で行った。
【0291】
図1は、製剤3a、3b、および3cでの溶解実験の結果を示す。3種の製剤のすべては、10分後に40~60%のロピナビル溶解、45分後に70~90%のロピナビル溶解、および75分後に90~100%のロピナビル溶解を示した。
【0292】
4%wtのステアリン酸ポリオキシル100および6%wtのモノオレイン酸グリセロール(製剤3a)を有する、実施例3に従い調製したカプセル化組成物を、3%wtのモノオレイン酸グリセロールおよび10%wtのモノオレイン酸グリセロールを有する、実施例3に従い調製したカプセル化組成物(それぞれ比較製剤3fおよび3h)と比較した。上記に記載されている方法に従い、溶解試験を行った。すべての分析は2回反復で行った。
【0293】
図2および3は、ロピナビルおよびリトナビルのそれぞれの放出に関して、これら溶解実験の比較結果を示す。両方の乳化剤が全乳化剤レベル10%wtで存在する場合、ロピナビルのインビトロ放出は、残留するモノオレイン酸グリセロール乳化剤の含有量がより低いレベルにあるか(3%wt-実施例3f)、または10%wtに増加しているか(実施例3h)に関わらず、ステアリン酸ポリオキシル100が除去された場合よりも速いことが見て取れる。
【0294】
実施例3に従い調製した、10%wtのモノオレイン酸グリセロールを有するカプセル化組成物(比較製剤3h)を、実施例3に従い調製した、2%wtのステアリン酸ポリオキシル100および10%wtのステアリン酸ポリオキシル100を有するカプセル化組成物(それぞれ比較製剤3eおよび3g)と比較した。溶解試験は、上記に記載されている方法に従い行った。すべての分析は2回反復で行った。
【0295】
図4および5は、ロピナビルおよびリトナビルのそれぞれの放出に関して、これら溶解実験の比較の結果を示す。乳化剤としてステアリン酸ポリオキシル100のみを含む比較製剤で反復実験間の一部のばらつきが存在するが、ステアリン酸ポリオキシル100のみの製剤(比較製剤3e;45分で77%放出)での最も速いロピナビル放出でも、2種の乳化剤系の放出より劣っていることが見て取れる(図2を参照:製剤3a;45分で93%放出)。したがって、両方の乳化剤が全乳化剤レベル10%wtで存在する場合、ロピナビルのインビトロ放出は、残留するステアリン酸ポリオキシル100乳化剤含有量がより低いレベルにあるか(2%wt-実施例3e)、または10%wtに増加しているかどうか(実施例3g)に関わらず、モノオレイン酸グリセロールが除去された場合よりも速い。
【0296】
図6はまた、製剤3a(4%wtのステアリン酸ポリオキシル100および6%wtのモノオレイン酸グリセロール)、比較製剤3g(10%wtのステアリン酸ポリオキシル100)および比較製剤3h(10%wtのモノオレイン酸グリセロール)でのロピナビル溶解プロファイルの比較を示す。製剤3aは、10分後に50~60%のロピナビル溶解、および45分後におよそ90%のロピナビル溶解を示し;比較製剤3gは、10分後におよそ10%のロピナビル溶解、および45分後に45~55%のロピナビル溶解を示し;比較製剤3hは、10分後に30~40%のロピナビル溶解、および45分後60~70%ロピナビル溶解を示した。10%wtのモノオレイン酸グリセロール乳化剤のみを含有する比較製剤は、10%wtのステアリン酸ポリオキシル100乳化剤のみを含有する比較製剤より優れた溶解をもたらしたが、両方の系とも2種の乳化剤の組合せから作った、10%wtの乳化剤を有する製剤より著しく劣っていた。
【0297】
実施例3に従い調製した、4%wtのステアリン酸ポリオキシル100および6%wtのモノオレイン酸グリセロールを有するカプセル化組成物(製剤3a)を、上記に記載されている溶解試験方法に従い、実施例4および5に従い調製したカプセル化組成物(それぞれ比較製剤1および2)と比較した。すべての分析は2回反復で行った。
【0298】
図7は、ロピナビル溶解実験の比較の結果を示す。製剤3aは、10分後に50~60%のロピナビル溶解、45分後におよそ90%ロピナビルの溶解、および75分後におよそ100%ロピナビル溶解を示した。軟質ゲル比較製剤2(実施例5)は、10分後に10~20%のロピナビル溶解、45分後に40~60%ロピナビル溶解、および75分後に90~100%のロピナビル溶解を示した。軟膏剤比較製剤1(実施例4)は、60分まで0%のAPI溶解および75分後0~10%のロピナビル溶解を示した。
【0299】
したがって、本発明による製剤は、試験した比較製剤よりも速いおよび完全な、SLS媒体中のAPI溶解プロファイルを有することが見て取れる。
【0300】
さらに、実施例3に従い調製した、本発明のカプセル化組成物を、0.7%ラウレス硫酸ナトリウム(SLS)媒体中、37±0.5℃で、USPII装置において50rpmで0~60分間行われる溶解実験に供した(シンカーを用いた硬質ゲルカプセル剤)。
【0301】
実施例3に従い調製した、4%wtのステアリン酸ポリオキシル100、6%wtのモノオレイン酸グリセロールおよび5%wtのPEG35ヒマシ油を有するカプセル化組成物(製剤3j)を、上記に記載されている溶解試験方法に従い、6%wtのモノオレイン酸グリセロールおよび5%wtのPEG35ヒマシ油を有する実施例3に従い調製したカプセル化組成物(比較製剤3k)、4%wtのステアリン酸ポリオキシル100および5%wtのPEG35ヒマシ油を有する実施例3に従い調製したカプセル化組成物(比較製剤3l)、および実施例5に従い調製した組成物(比較製剤2)と比較した。図8Aは、製剤3jが実施例5よりも急速な溶解をもたらし、モノオレイン酸グリセロールをこの製剤から除去するとAPI放出が低下したことを示している(比較製剤3l)。製剤からステアリン酸PEG100を除去すると、この場合には実際、放出速度の増加をもたらした(比較製剤3k)。図8Bは、ポリソルベート20(製剤3m)、ポリソルベート60(製剤3n)、またはポリソルベート80(製剤3o)が高HLB乳化剤として使用された場合、3種の製剤はすべて類似のロピナビル放出を有し、すべてがSLS媒体中で軟質ゲル比較製剤2(実施例5)よりも優れていることを示している。
【0302】
[実施例7B:0.7%CTAB溶解媒体]
実施例3に従い調製した、本発明のカプセル化組成物を、0.7%臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)媒体中、37±0.5℃で、USPII装置において50rpmで0~60分間行われる溶解実験に供した(硬質ゲルカプセル剤シンカーを用いた)。
【0303】
図9Aは、CTAB媒体中で製剤3aが比較製剤2(実施例5)より低い放出をもたらしたことを示している。PEG35ヒマシ油の製剤への添加(製剤3iおよび3j)はAPI放出を改善し、5%wtのPEG35ヒマシ油の添加(製剤3j)は比較製剤2(実施例5)に優れた放出をもたらした。図9Bは、モノオレイン酸グリセロールを製剤3jから除去することは、CTAB媒体中でより速いAPI放出速度をもたらした(比較製剤3l)ことを示している。ステアリン酸PEG100の製剤からの除去は、放出速度に影響を与えなかった(比較製剤3k)。
【0304】
図10は、ポリソルベート20(製剤3m)、ポリソルベート60(製剤3n)、またはポリソルベート80(製剤3o)が高HLB乳化剤として使用された場合、3種の製剤すべてが類似のロピナビル放出を有し、すべてがCTAB媒体中の軟質ゲル比較製剤2(実施例5)より大きく優れていることを示している。
【0305】
[実施例7C:0.05M Brij(登録商標)10溶解媒体]
実施例3に従い調製した本発明のカプセル化組成物を、10mMナトリウム一塩基性リン酸塩pH6.8媒体を有する0.05M PEG10オレイルエーテル(Brij(登録商標)10)中、37±0.5℃で、USPII装置において50rpmで0~60分間行われる溶解実験に供した(シンカーを用いた硬質ゲルカプセル剤)。
【0306】
図11は、Brij(登録商標)10媒体の製剤3aが比較製剤2(実施例5)より低い放出をもたらしたことを示している。ステアリン酸PEG100(比較製剤3h)の除去は、より遅いAPI放出速度をもたらすことが判明した。図12は、PEG35ヒマシ油の製剤への添加(製剤3iおよび3j)はAPI放出を改善し、5%wtのPEG35ヒマシ油(製剤3j)の添加はこの媒体中で比較製剤2(実施例5)と同等の放出をもたらすことを示している。
【0307】
図13は、ポリソルベート20(製剤3m)、ポリソルベート60(製剤3n)、またはポリソルベート80(製剤3o)が高HLB乳化剤として使用された場合、3種の製剤すべてが類似のロピナビル放出を有し、すべてがBrij(登録商標)10媒体中で軟質のゲル比較製剤2(実施例5)と同等であることを示している。
【0308】
表23は、Brij(登録商標)10溶解媒体中で試験した(10mMナトリウム一塩基性リン酸塩pH6.8媒体を有する0.05M PEG10オレイルエーテル(Brij(登録商標)10)中、37±0.5℃で、USPII装置において50rpmで0~60分間行った)すべての製剤のロピナビル放出データを要約している。
【0309】
【0310】
[実施例7D:シミュレートした膣内流体(SVF)の溶解媒体]
実施例3に従い調製した、本発明のカプセル化組成物を、pH4.2のSVF媒体中、37±0.5℃で、USPII装置において100rpmで0~480分間行われる溶解実験に供した(シンカーを用いた硬質ゲルカプセル剤)。SVF媒体は、塩化ナトリウム(3.51g/L)、水酸化カリウム(1.40g/L)、水酸化カルシウム(0.222g/L)、ウシ血清アルブミン(0.018g/L)、乳酸(2.00g/L)、酢酸(1.0g/L)、グリセロール(0.16g/L)、ウレア(0.40g/L)およびグルコース(5.00g/L)の水溶液であった。
【0311】
表24のデータは、SVF媒体中、製剤3mおよび3pおよび比較製剤2(実施例5)は最小量のロピナビル放出をもたらしたことを示している。全乳化剤含有量を30%(比較製剤3q)に増加させると、非界面活性SVF媒体中のロピナビル放出が増加した。
【0312】
【0313】
[実施例8:乳剤液滴サイズ試験]
製剤3a、3bおよび3cおよび比較製剤2、3fおよび3hを、以下の通り、乳剤液滴サイズについて分析した。
【0314】
1gの各試料を10mLのmilli-Q水中に分散した。これに続いて分散した試料を高速で、室温で1分間ボルテックスしてから、キュベットに加えた。キュベットをZetasizer(Zetasizer Nano series、Malvern Instrument、UK;測定範囲1nm~6000μm)内に配置し、動的光散乱(粒子屈折率:1.30;吸収:0.01;分散屈折率:1.33)で分析した。各試料を3サイクルにわたり測定し、平均および標準偏差測定をExcel(登録商標)ソフトウエアで得た。結果は表25に示されている。
【0315】
【0316】
水との接触によって微細な乳剤を生成する製剤3a~3cの能力はこれらが自己乳化性組成物であることを確定する。製剤3a~3cでの液滴サイズの結果は全乳化剤レベルに関係する;乳化剤含有量が高いほど、液滴サイズが小さい。製剤3aおよび3bは、より小さな乳剤液滴サイズにより証明される通り、比較製剤2と比較して優れた乳化を示した。
【0317】
実施例7Aに記載されている溶解実験から、最も良いよい成果を上げた、単一乳化剤(モノオレイン酸グリセロール;図6)を有する比較製剤を、本発明の製剤と比較した。2種乳化剤製剤(例えば、製剤3aおよび3b)での液滴サイズは、単一乳化剤が、2種乳化剤製剤と比較して、「個々の」または「全部の」モノオレイン酸グリセロールレベルが同等であるかどうかに関わらず、単一乳化剤製剤(比較製剤3fおよび3h)より1桁小さいことが表11から見て取れる。これは、より小さい乳剤液滴サイズを生成するためには、本発明による製剤中に存在する乳化剤の両方(高HLBおよび低HLB)が必要であることを示唆している。
【0318】
[実施例9:健康な女性ボランティアにおける、製剤3pの第1相、単一施設、二重盲検、無作為抽出、並行群、漸増単回用量および複数回用量、安全性および耐性、薬物動態学的(PK)ならびに薬力学的(PD)実験]
実施例3による組成物(製剤3p)を以下に記載されている治験に従い調査する。
【0319】
<実験の目的>
1.安全性を評価するために、製剤3pの複数回投与後の健康な女性ボランティアにおいて組成物のPKおよびPDを得ること。
2.組成物を使用する女性により報告された副作用の率を、プラセボと比較して観察すること。
【0320】
<研究用プラン/実験設計>
本実験は、子宮頸部の病態を有しない6人の健康なボランティアを含む。参加者のうち、3人には活性物質を、3人にはプラセボ(製剤3pと同一の製剤であるが、ロピナビルまたはリトナビルは存在しない)を投与する。試験したすべての製剤で、1用量当たり投与される組成物の量は1500mgである。これは、製剤3pで、1用量当たり患者に投与される300mgのロピナビルおよび25mgのリトナビルと同等である。
【0321】
期間1:単回用量の製剤3pまたはプラセボ製剤、これに続いて隔離。隔離中にPK血液のサンプリングを行う。
【0322】
期間2:21回の1日用量の製剤3pまたはプラセボ製剤、これに続いてPK血液のサンプリングを行う。
【0323】
<参加基準>
組入れ基準:
a.年齢20~45才の女性であり、子宮および膣は無傷である。
b.一般的に、臨床的に著しい肺、心臓、消火器、膵臓、神経、腎臓、筋骨格、リウマチ、代謝性、新生物、または内分泌疾患のない、良好な健康状態にある。
c.BMI≧19および≦30.0。
d.ECGおよびバイタルサインが正常な範囲内にある。
e.期間1において投薬の48時間前から、期間2において最終投薬を受けてから7日後まで、アルコールを摂取しないことに同意する。
f.実験全体にわたり、グレープフルーツ、スターフルーツ、ザクロ、パイナップル、またはポメロを含有する食物または飲料は控える。
g.期間1および2の間、投薬の+/-6時間は性交渉を控えることができ、その意志がある。
h.29日目までの必要とされる抑制期間(期間2において最終投薬を受けてから7日後)の後、非ラテックスコンドーム(パートナー保護のため)の使用を含めた、厳格な避妊方法を使用することができ、その意志がある。第2の許容される避妊方法;精管切除、避妊薬ピル、避妊薬インプラントまたはIUDは許容される。(注記:IUDは、登録の少なくとも1カ月前の時点で、本実験への参加のためではなく挿入されているべきである)
i.登録前の少なくとも48時間の間および実験全体にわたり、例えば、膣内洗浄、または実験薬物以外の任意の膣内製品の挿入などの行為を控えることに同意する。
j.スクリーニングでの、または登録から3年以内のPap試験で陰性であり、過去3年以内に子宮頸部上皮内病変の病歴がない。
k.すべての実験手順のためにクリニックに戻ることができ、その意志がある。
l.インフォームドコンセントを提供することができ、その意志がある。
【0324】
除外基準:
a.妊娠している、次の3カ月間に妊娠計画がある女性、または授乳している女性。
b.1年当たり>3回発生する生殖器ヘルペス、または活動性非HPV膣感染症の病歴がある。
c.HepB、HepCまたはHIVに対する陽性結果。
d.活動性骨盤感染症を有する。(淋病またはクラミジア感染症に対する尿スクリーニングで陽性、細菌性腟症、カンジダ膣炎またはトリコモナス膣炎に対する試験で陽性および症状有り)
e.無作為抽出より3カ月前以内に、現在または最近の異常な膣分泌物および/または異常な膣内出血があると研究者によって診断された。
f.無作為抽出より3カ月前以内の中絶または流産。
g.以下の薬物:経口コルチコステロイド、吸入サルメテロールおよびフルチカゾンのうちのいずれかを現在服用している;研究者の意見によると結果の解釈を妨げる可能性のある、免疫調節性処置、店頭販売の(OTC)膣内調製物、または任意の処方薬。
h.ここに列挙されている薬物:アルフゾシン、アミオダロン、ドロネダロン、ラノラジン、フシジン酸、コルヒチン、アステミゾール、テルフェナジン、ルラシドン、ピモジド、クエチアピン、ジヒドロエルゴタミン、エルゴノビン、エルゴタミン、メチルエルゴノビン、シサプリド、ロバスタチン、シンバスタチン、アバナフィル、シルデナフィル、バルデナフィル、経口ミダゾラム、トリアゾラム、セントジョーンズワートのうちのいずれかを現在服用している。
i.スティーヴンスジョンソン症候群、多形紅斑、じんま疹、血管性浮腫、深部静脈血栓症、耳鳴り、回転性めまい、血糖障害、膵炎、血友病の最近の病歴(過去3カ月以内)。
j.実施例3の膣内製剤賦形剤の任意の構成成分に対する過敏症。
k.登録から30日または5半減期(どちらか長い方)以内の、実験薬物またはデバイスを用いた任意の臨床研究への参加。
l.現在アルコール依存症または薬物乱用があると研究者が診断した。
m.従業員または従業員の一親等の親族、スポンサー、CROまたは実験場所。
n.GPを有しない。
【0325】
<スクリーニング評価>
スクリーニング評価は、実験への無作為抽出の3カ月以内に行っておかなければならない。スクリーニングは以下の構成成分からなる:
【0326】
(人口統計/病歴)
完全な病歴を各参加者から得る。
【0327】
(健康診断)
健康診断は、身長および体重(部屋着を着用)を含む、体組織の検査からなる。
【0328】
(血液検査)
検査機関で以下の血液検査を実施する:
・電解質(ナトリウムおよびカリウム)、ALT、GGT、ALP、アルブミン、全タンパク質、全ビリルビン、ウレア、尿酸、血清クレアチニン、TFT、空腹時脂質、アミラーゼ、グルコース、およびHbA1c
・ヘモグロビン、赤血球カウント数、PCV、MCV、MCH、血小板カウント数、白色の細胞カウント数、好中球、リンパ球、単球、好酸球および好塩基球。CD4/CD8カウント数
・HIVおよびB型肝炎およびC型肝炎。
【0329】
スクリーニング時の測定は、投薬の結果として現れ得る任意の異常をモニターするためのベースラインとして機能する。
【0330】
(他の試験)
スクリーニング手順の一部として、依存性薬物試験をすべての参加者に行う。尿試料はカンナビノイド(マリファナ)、アンフェタミン、ベンゾジアゼピンおよびオピエート(すなわちモルヒネ、ヘロインおよびコデイン)の検査に必要とされる。タンパク質、白血球、亜硝酸、pH、比重、グルコース、ケトン、および血液をチェックするためディップスティックの尿検査を行う。微生物学(淋病、クラミジア、細菌性腟症、カンジダ)およびHPV遺伝子型決定のための膣内スワブ採取を行う。各隔離期間の最初の夜に、臨床現場でアルコール呼気試験を行う。スクリーニング手順の一部として、および最初の投薬の3日前以内に血清HCG試験をすべての参加者に行う。
【0331】
(バイタルサイン)
バイタルサインを記録する。バイタルサインは血圧(あおむけおよび座位で測定)、心拍数、温度および呼吸数からなる。参加者のバイタルサインは以下の境界内にあるべきである:
心拍数≧60または≦99回の鼓動/分
あおむけの状態:
心臓収縮期血圧≧90または≦160mmHg;心臓拡張期血圧≧50または≦90mmHg
座位:
心臓収縮期血圧≧90または≦160mmHg;心臓拡張期血圧≧50または≦90mmHg
温度≧36°Cまたは≦37.7°C
呼吸数≧12または≦20回の呼吸/分
【0332】
<イベントの実験活動/スケジュールの概要>
インフォームドコンセントは各参加者から必要である。参加者はスクリーニングして、実験適格性を確認する。
【0333】
(無作為抽出)
完了したスクリーニング手順を精査した後、主要な研究者または彼らの代理人は参加者の受け入れを文書に記録した後、参加者は無作為抽出される。
【0334】
(実験のための隔離)
参加者らは1日目および22日目、およそ5pmに集合する。実験のための隔離期間はおよそ27時間である。参加者らは、投薬から24時間後の診断が完了したら、臨床現場から解放される。
【0335】
(投薬)
投薬がスケジュールされている各日のおよそ8pmに投薬を開始する。参加者は個人で薬物を挿入するよう指導される。
【0336】
(試料収集)
膣内スワブは参加者自身で行う。PK血液試料:血液試料(8mL)を、静脈カテーテルを介して採取し、ナトリウムヘパリンを抗凝固剤として含有するバキュテイナに移す。収集時間を8mLの血液が全部収集された時間として記録する。静脈カテーテルは各試料の後、1.5mL~2.0mLのヘパリン処置した生理食塩水でフラッシュして開通した状態に保つ(0~24時間)。サンプリング間隔は、1日目~2日目:0、1、2、4、8、12、24時間;22日目~23日目:0、1、2、4、8、12、24時間。試料はこれらの決まった時間に収集する。任意の時間のずれは書き留めておく。
【0337】
(試料の処理および貯蔵)
血漿:血漿は3500rpmで5分間、約4℃での遠心分離により分離する。赤血球からの血漿の分離のための補助は使用しない。血漿試料をきれいなピペットに移す。検証された分析法を使用してアッセイを決定する。各血漿試料をねじ口の付いたポリプロピレン貯蔵チューブに入れる。血漿は-60℃以下で凍結貯蔵し、アッセイのために検査機関へ送るまで臨床現場で保管する。
【0338】
<実験の終了>
最終実験日から1週間以内に、各参加者は分析用の血液試料を提供しなければならない。最初のスクリーニングと比較して任意の異常がないかモニターし、それらが正常に戻るまでこれを引き続き行う。参加者は、同意した日から最終実験日まで各コホートにおいて有害事象の発生について評価される。最終実験臨検においてバイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数および温度)を得る。
【0339】
・最終実験臨検における臨床試験(血液(CBC、CD4+/CD8+末梢リンパ球カウント数、生化学(RFT、LFT、電解質、TFT、空腹時脂質、HbA1c、アミラーゼ)、血清HCG妊娠および尿検査(ディップスティック)。
・実験終了から7日以内(+2日)に各参加者に電話して追跡調査を行い、実験後の任意の可能な有害事象(AE)を記録する。任意の事象をソースドキュメントに記録する。
【0340】
すべてのAEは、解消まで、または研究者の意見により追跡調査がもはや必要とされなくなるまで、または最終投薬から30日目まで(追跡調査がもはや必要ないと研究者が納得している場合に限り)、のうちのより早い時点まで追跡調査を行う。
【0341】
(有害事象)
隔離中、実験に対して指定された管理者または委託代表者が実験全体にわたり実験場所に同席していなければならない。主要研究者または少なくとも1人の委託された治験医師が実験全体にわたり待機している。すべての実験の臨検において、各参加者に感想を問う。これは、実験全体にわたり各サンプリングポイントで行う。AEをソースドキュメントに記録する。各AEは主要研究者によって、重篤な有害事象(SAE)または非重篤に分類される。非重篤な有害事象は軽度、中程度、または重篤と評価して、AEの最大強度を記載する。主要研究者はまた、AEと実験薬との間の可能な関係を、極めて可能性が高い、可能性が高い、可能である、実験薬との関係は薄い、または関係ない(「無関係」)として提供する。AEの原因が、同時発生的な非研究用薬物(複数でもよい)(もしいずれかが摂取された場合)、根底にある疾患、これらの要素の組合せなどに関係しているか、または未知であるかどうかを主要研究者は記述する。
【0342】
<薬物動態学的分析>
(薬物動態学的パラメーター)
有効な処置を受けている各対象で、ロピナビルおよびリトナビルについての薬物血漿濃度時間曲線(AUC)下の領域、ピーク薬物血漿濃度(Cmax)および最大薬物濃度(Tmax)までの時間を決定する。
【0343】
薬物血漿濃度(C)と実際のサンプリング時間(t)とを対比したデータを「非コンパートメント」法で分析して、薬物動態学的パラメーターを得る。最初に、直線回帰を使用して、血漿中濃度-時間プロットのポスト分布相を、
InC=InCo-t.Kel
(式中、Coは外挿した末端相のゼロ-時間切片であり、Kelは最終排出割合定数である)にフィットさせる。ポスト分布相における時間ゼロから最終決定した濃度-時間点(t)までの領域(AUC0-t)を、台形法則を使用して計算する。
【0344】
(Cmax)
12%w/wのロピナビルを含有する軟膏剤比較製剤1(実施例4)で、300mgのロピナビルを2.5g軟膏剤として毎日21日間局所的に投薬した後の平均Cmaxは396.3±297.3pg/mLであった。
【0345】
比較として、400mgのロピナビル(Kaletra 400mg/100mgの錠剤として)を毎日2回2週間経口投与した後のロピナビルの平均Cmaxは12.3±5.4μg/mLであった[SPMC Kaletra]。用量を一致させるため300mg用量で調節すると、平均Cmaxは9.23±4.1μg/mLとなる。Cmax経口/Cmax局所の比は>23,000であり、これは、0.004%未満の軟膏剤比較製剤1の局所的用量が全身的に利用可能であることを示している。
【0346】
(AUC 0-t)
12%w/wのロピナビルを含有する軟膏剤比較製剤1(実施例4)で、300mgのロピナビルの局所的用量を毎日21日間、2.5gの軟膏剤として投与した後のAUC0-tは7368.1±4973.1pg/mLであった。
【0347】
比較として、400mgロピナビル(Kaletra400mg/100mg錠剤として)を毎日2回、2週間、経口投与した後のロピナビルのAUC0-tは113.2±60.5μg・h/mLであった[SPMC Kaletra]。用量を匹敵させるため300mg用量で調節すると、AUC0-tは84.9±45.4μg・h/mLとなる。AUC経口/AUC局所の比は>11,500であり、これは0.009%未満の軟膏剤比較製剤1の局所的用量が全身的に利用可能であることを示している。
【0348】
[実施例10:子宮頸部の細胞学的異常を有する女性における、製剤3pの有効性、安全性および耐性についての1b相、多施設、オープンラベル実験]
以下に記載されている治験に従い、実施例3による組成物(製剤3p)を調査する。
【0349】
<実験の目的>
(有効性についての目的)
・高悪性度または低悪性度のCIN(子宮頸部の上皮内新生物)を有する女性において、製剤3pの投与後の細胞学的異常の組織学的クリアランスを実証する。
・製剤3pの投与後の子宮頸部のコルポスコープによる外観変化を実証する;
・製剤3pの投与後のHPV状態の変化を評価する。
【0350】
(安全性についての目的)
・製剤3pの投与後のAEの発症率を評価する。
【0351】
(耐性についての目的)
・21日間連続した処置日の間の製剤3pの投薬スケジュールへのコンプライアンスにより測定される、製剤3pの耐性を評価する。
【0352】
<主な有効性のエンドポイント>
・スクリーニングからPTAVまでの組織像の変化。
【0353】
<2次的有効性のエンドポイント>
・子宮頸部スメアの結果に見られるような、スクリーニングからPTAVまでの細胞学における変化
・スクリーニングからPTAVまでの疾患のコルポスコープによる外観変化。
・スクリーニングとPTAVとの間のHPV状態(HPV遺伝子型の存在/不在)の変化。
【0354】
<安全性エンドポイント>
・有害事象の発症率。
・以下におけるベースラインの変化:
・バイタルサイン(血圧、心拍数、および温度)。
・安全性:臨床検査室の評価(血液学、生化学、尿検査)。
【0355】
<耐性エンドポイント>
・プロトコルの通りの研究用製品の適用をモニターするため、参加者ダイアリーカードを精査する。
【0356】
<実験設計>
本実験は、HPVと診断された子宮頸部の細胞学的異常を有する女性において、製剤3pの有効性、安全性および耐性を調査する1b相、多施設、オープンラベル実験として設計されている。
【0357】
この単一群実験では、これらの細胞学的異常の等級に従い参加者を階層化する:
・生検により証明された、CIN2以上と定義される子宮頸部の高悪性度の細胞学的異常;
・CIN1/LSILと定義される子宮頸部の低悪性度の細胞学的異常。
【0358】
1500mgの製剤3pを充填したカプセル剤、または代わりにそれぞれ750mgの製剤3pを充填した2錠のカプセル剤(したがって300mgロピナビルおよび25mgリトナビルを含有する)を1日1回、21日間連続して膣に自己挿入する。参加者は毎日ダイアリーカードおよび腟刺激感についての質問(VIQ)のすべての項目に記入して、研究用製品投与に対するコンプライアンス、AE、および併用薬の変更
を記録する。
【0359】
登録した各参加者は、実験-スクリーニング、処置、処置終了および追跡調査臨検の間に4回の臨検を以下の通り完了する:
・臨検1-スクリーニング臨検:-42日目~0日目。
・臨検2-処置:
1日目*~21日目:処置サイクル1-研究用製品は1日1回、21日間投与する;
8、15、22日目:電話による追跡調査;AE、conmed、コンプライアンス、投薬問題をチェックする;
・臨検3-処置終了:
28日目:疾患を目視で評価#。
・臨検4-追跡調査(処置後の評価臨検-PTAV):
処置終了(製剤3pの最終用量)から3~6週の間-49~70日。
*1日目は参加者の月経周期の終わりから開始する。
#コルポスコープによるCINの証拠がないと定義されているように、疾患が不在の場合、参加者は応答者と考えられる。コルポスコープによるCINの証拠ありと定義されたように疾患が検出された場合、参加者は非応答者と考えられる。
【0360】
<参加基準>
組入れ基準:
実験の参加資格を得るためには、以下の基準のすべてを満たさなければならない:
1.任意の特定実験手順以前の、文書によるインフォームドコンセントの提出;
2.スクリーニング臨検の時点で年齢22~50才(両端の値を含む)の女性参加者;
3.子宮頸部高リスクHPV(16型、18型または「その他」)に対する陽性結果;
4.スクリーニング時、もしくはスクリーニングの30日前以内に収集したコルポスコープによる生検により証明されるような、CIN2以上と定義される子宮頸部の高悪性度の細胞学的異常;
または
スクリーニングの6カ月前以内のコルポスコープによる生検、もしくはスクリーニングで収集された生検により実証されるような、CIN1/LSILと定義される子宮頸部の低悪性度の細胞学的異常。
参加者は、自身の細胞学的異常の等級に従い階層化される;
5.変化のゾーンは完全に可視でなければならない;
6.一般的に、研究者により決定される臨床的に重要な疾患を有しない、良好な健康状態;
7.約28日周期の定期的な月経周期
または
有効な避妊により無月経の女性(例えば、Mirena、Jadelle、または連続的COC)
8.登録前の少なくとも48時間の間および実験全体にわたり、例えば、膣内洗浄または実験薬物以外の任意の膣内製品の挿入などの行為を控えることに同意する。タンポンは月経周期の間のみ使用することができる。
9.妊娠可能な女性(WOCBP)は極めて有効な形態の避妊を使用する(研究者により確認されたもの)。リズム法は極めて有効な避妊法と考えられていない。極めて有効な形態の避妊として、
・真の性的抑制(実験期間の間、および実験薬物の最終用量から最低30日の間、異性間の性交渉を控えることと定義される);
・精管切除したパートナー(ただしパートナーは、妊娠可能な女性参加者の唯一の性的パートナーであり、精管切除したパートナーは手術が成功したという医学的評価を受けていることを条件とする);
・経口または経皮を併用した(エストロゲンおよびプロゲスチンを含有する)排卵抑制に関連するホルモン避妊;
・経口、注射または埋め込み型プロゲスチンのみの、排卵抑制に関連するホルモン避妊(Depo-Provera(商標)Implanon、またはCerazette、Noriday(「小型ピル」);
・任意の有効な子宮内デバイス/レボノルゲストレル子宮内システム;
・卵管閉塞による女性の避妊;
・Evra Patch(商標)
が挙げられる。
【0361】
WOCBPは、登録からおよび1日目の少なくとも14日前から、実験期間全体にわたりおよびIMPの最終用量から30日後以内まで、上で定義されたような極めて有効な避妊方法を使用することに同意しなければならない。
【0362】
WOCBPは、永久避妊(子宮摘出、両側の卵巣摘出、または両側の卵管切除)も、閉経もしていない女性と定義される。女性は、代替の生物学的または医学的原因、例えば、避妊薬による方法、例えば、Mirenaなどを使用せずに、12カ月以上無月経であった場合、閉経期後であると考えられる。
10.女性参加者の男性パートナーは、研究用製品の最初の用量から、参加者の最終用量から30日後まで、性交渉中コンドームを使用し、研究用製品が移動する可能性を回避することに同意しなければならない。
11.投薬の6時間前から、投薬の6時間後まで性交渉を控えることができ、その意志がある;
12.実験センターへの必要な臨検に出席する能力および意志がある;
13.文書によるインフォームドコンセント用紙を含むすべての実験関連ドキュメントを理解し、毎日のダイアリーを含むすべての実験関連任務を完了する能力がある;
14.プロトコルに特定された禁止および制限事項を守る意志があり、守ることができる。
【0363】
除外基準:
以下の基準の1つまたは複数が適用可能な場合、参加者は実験から除去される:
1.任意の有意な疾患または障害(例えば、心血管、肺、消化管、肝臓、腎臓、神経系、筋骨格、内分泌性、代謝性、悪性、精神系、主要な肉体的機能障害)。これらは研究者の意見によると、実験への参加により参加者をリスクにさらす、または実験結果もしくは参加者の実験に参加する能力に影響を及ぼす可能性がある;
2.スクリーニングの間およびベースラインでの、健康診断、バイタルサイン、血液学、臨床化学、または尿検査における任意の臨床的に重要な異常な知見。これらは研究者の意見によると、実験への参加により参加者をリスクにさらす、または実験結果もしくは実験の全期間を完了する参加者の能力に影響を及ぼす可能性がある;
3.妊娠している、母乳で育てている、または授乳している女性(WOCBPは、スクリーニングでの妊娠血清検査で陰性であり、処置開始時[すなわち1日目]の妊娠尿検査で陰性でなければならない);
4.次の6カ月に妊娠する計画のある女性;
5.1年当たり>3回発生する生殖器ヘルペス、または活動性非HPV膣感染症の病歴がある;
6.活動性骨盤感染症(淋病またはクラミジア感染症に対して陽性、細菌性腟症、カンジダ膣炎またはトリコモナス膣炎の試験に対して陽性)。陽性結果を有する参加者はスクリーニング中に再試験を一度受けることができる;
7.骨盤腹膜炎に対応する、両手で行う検査で陽性。患者は適宜処置し、再スクリーニングすることができる;
8.B型肝炎、C型肝炎またはヒト免疫不全ウイルスに対する陽性結果;
9.現在または最近、1日目から3カ月前以内に、異常な膣分泌物および/または異常な膣内出血があったと研究者が診断した;
10.登録の3カ月前以内の中絶または流産、またはモーニングアフターピルの摂取;
11.研究者の意見によると、安全性に問題がある、または結果の解釈を妨げる可能性のある免疫抑制剤、膣内調製物、または任意の処方薬を現在服用している;
12.ロピナビル/リトナビルへの過去の曝露(スクリーニングの3カ月前以内)、ロピナビル/リトナビルの使用の禁忌またはロピナビル/リトナビル製剤賦形剤の任意の構成成分に対する公知のアレルギー、過敏症、または不耐性;
13.スティーヴンスジョンソン症候群、多形紅斑、じんま疹、血管性浮腫、深部静脈血栓症、耳鳴り、回転性めまい、血糖障害、膵炎、血友病の最近の病歴(スクリーニングの3カ月前以内);
14.投薬より30日前または5半減期前以内に任意の研究用製品の投与を受けた;
15.臨床研究チームの従業員または実験の計画および/もしくは実施に関与しているような個人もしくは当事者の親族(一親等の親戚)。臨床研究チームとは、実験関連任務が適宜委託されている、実験に直接関与している従業員を指す;
16.研究者の意見によると、実験の情報および手順を理解していない、またはこれらに適合しない(特に実験の制限および危険性を含む)参加者。
【0364】
(投薬スケジュール)
研究用製品は、参加者が、毎晩およそ10pm(±1時間)に自己投与する。参加者には投薬指示および重要な適用指示が提供される。
【0365】
参加者は、毎日ダイアリーカードに研究用製品の適用の詳細を記録し、コンプライアンスをモニターする。参加者はまた、任意の廃棄/流出があった場合、自身のダイアリーカードに記述するよう求められる。
【0366】
参加者は、自身の研究用製品およびダイアリーカードを28日目のクリニック臨検に持参しなければならない。チューブは、参加者への分配前に秤量し、28日目の臨検で再度秤量して、コンプライアンスを評価する。
【0367】
研究用製品の適用のタイミングに関連した絶食要求はない。
【0368】
(安全性の評価)
以下の安全性の評価を、イベントのスケジュールに概略されている時間点において実施する。表26を参照されたい。
【0369】
・病歴
・健康診断
・バイタルサイン
・体重および身長
・12リード心電図
・臨床検査室での安全性試験(血液学、生化学、尿検査、膣内微生物学、ウイルス血清、依存性薬物スクリーニング、アルコールスクリーニング、妊娠スクリーニング)
【0370】
(有効性診断)
子宮頸部の細胞学的異常の改善により研究用製品の有効性を評価する。イベントのスケジュールに概略されている時間点において、有効性診断を実施する。表26を参照されたい。
・コルポスコープによる目視評価
・コルポスコープによる生検
・細胞学的サンプリング
・HPV遺伝子型決定
【0371】

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】