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特表2023-504060ばね座、ばね座を製造するための方法、振動ダンパ、およびレベル調整装置
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  • 特表-ばね座、ばね座を製造するための方法、振動ダンパ、およびレベル調整装置 図1
  • 特表-ばね座、ばね座を製造するための方法、振動ダンパ、およびレベル調整装置 図2
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  • 特表-ばね座、ばね座を製造するための方法、振動ダンパ、およびレベル調整装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】ばね座、ばね座を製造するための方法、振動ダンパ、およびレベル調整装置
(51)【国際特許分類】
   F16F 9/32 20060101AFI20230125BHJP
   B60G 11/16 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
F16F9/32 B
B60G11/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530999
(86)(22)【出願日】2020-11-12
(85)【翻訳文提出日】2022-07-15
(86)【国際出願番号】 EP2020081817
(87)【国際公開番号】W WO2021104882
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】102019218494.4
(32)【優先日】2019-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514175874
【氏名又は名称】ティッセンクルップ・ビルシュタイン・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ThyssenKrupp Bilstein GmbH
【住所又は居所原語表記】August-Bilstein-Strasse 4, 58256 Ennepetal, Germany
(71)【出願人】
【識別番号】501186597
【氏名又は名称】ティッセンクルップ アクチェンゲゼルシャフト
【住所又は居所原語表記】ThyssenKrupp Allee 1 45143 Essen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【弁理士】
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー,マティアス
【テーマコード(参考)】
3D301
3J069
【Fターム(参考)】
3D301CA09
3D301DA08
3D301DA33
3D301DA45
3D301DA53
3D301DA64
3J069AA50
3J069CC02
3J069DD48
(57)【要約】
本発明は、ばね座(1)、特に振動ダンパ(2)、特に車両振動ダンパ用のばね板、特にレベル調整装置(3)、特に車両高さ調整デバイス用のばね板に関し、前記ばね座は、内部断面、特に内部断面エリアを有するばね座リング(4)を備え、ばね座(1)は、ばね座リング(4)の内部断面を縮小するための少なくとも1つのばね要素(5)を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ばね座(1)、特に振動ダンパ(2)、特に車両振動ダンパ用のばね板、特にレベル調整デバイス(3)、特に車両高さ調整デバイス用のばね板であって、内部断面、特に内部断面エリアを有するばね保持リング(4)を備え、
前記ばね座(1)が前記ばね保持リング(4)の前記内部断面を縮小するための少なくとも1つのばね要素(5)を有することを特徴とする、ばね座(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのばね要素(5)が、前記内部断面の前記縮小が半径方向に実行されるように配置される、特にそのように形成されることを特徴とする、請求項1に記載のばね座(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのばね要素(5)が、前記ばね保持リング(4)と一体に形成されることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載のばね座(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのばね要素(5)が、前記ばね保持リング(4)の円周方向に延在する材料切り出し(6)、特に前記ばね保持リング(4)内の材料切り込みによって形成されることを特徴とする、請求項3に記載のばね座(1)。
【請求項5】
前記ばね座(1)が、ばね要素調整デバイス(7)、特に前記少なくとも1つのばね要素(5)のばね張力を調整するための張力要素、特に前記ばね保持リング(4)の前記内部断面の前記縮小を調整するための張力要素をさらに有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のばね座(1)。
【請求項6】
前記ばね座(1)が、ばね要素調整デバイス(7)、特に張力要素、特に前記ばね保持リング(4)の前記円周方向に延在する前記材料切り出し(6)を広げるための張力要素をさらに有することを特徴とする、請求項4に記載のばね座(1)。
【請求項7】
前述の請求項1から6のいずれか一項に記載のばね座(1)、特に振動ダンパ(2)、特に車両振動ダンパ用のばね板を製造するための方法であって、
a)内部断面、特に内部断面エリアを有するばね保持リング(4)を備える、前述の請求項1から6のいずれか一項に記載のばね座(1)、特に振動ダンパ(2)、特に車両振動ダンパ用のばね板を設けるステップと、
b)前記ばね保持リング(4)の前記内部断面の前記縮小の調整がばね要素(5)を使用して実行されるように、ステップa)で設けられた前記ばね座(1)に前記少なくとも1つのばね要素(5)を形成するステップと
を含む、方法。
【請求項8】
減衰液で少なくとも部分的に満たされたダンパチューブ(8)であって、ばね座(1)、特にばね板が前記ダンパチューブ(8)の周りに同軸に配置され、ピストンロッド(9)が前記ダンパチューブ(8)内で往復に移動することができ、作動ピストン(10)が前記ピストンロッド(9)と一緒に移動することができ、それによって前記ダンパチューブ(8)の前記内部空間が前記ピストンロッド側の作動室(11)と前記ピストンロッドから離れた作動室(12)に分割される、ダンパチューブ(8)を備え、
前記ばね座(1)が少なくとも1つのばね要素(5)を有し、前記ばね座(1)が、前記少なくとも1つのばね要素(5)によって前記ダンパチューブ(8)とともに圧入接続、特に締め付け接続を形成することを特徴とする、車両用の振動ダンパ(2)。
【請求項9】
レベル調整デバイス(3)、特にレベル調整、特に車両高さ調整用のつり上げ要素であって、前記レベル調整デバイス(3)が、ばね座(1)、特に内部断面、特に内部断面エリアを有するばね保持リング(4)を備えるばね板を有し、
前記ばね座(1)が前記ばね保持リング(4)の前記内部断面を縮小するための少なくとも1つのばね要素(5)を有することを特徴とする、レベル調整デバイス(3)。
【請求項10】
請求項8に記載の振動ダンパ(2)、特に車両振動ダンパを製造するための、および/または請求項9に記載のレベル調整デバイス(3)、特にレベル調整、特に車両高さ調整のためのつり上げ要素を製造するための、前述の請求項1から6のいずれか一項に記載のばね座(1)、特にばね板の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ばね座、ばね座を製造するための方法、振動ダンパ、およびレベル調整デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ばね座、特に螺旋(圧縮)ばねを受けるための振動ダンパ用のばね板は、多数の実施形態において従来技術で知られている。ばね座は、通常、サスペンションストラットおよび/またはレベル調整デバイスの構成部品であり、螺旋(圧縮)ばね、特にシャーシばねを固定し、それらを張力下に保つことがばね座の主な機能である。したがって、シャーシばねは、不均一な車道によって引き起こされる衝撃を振動運動に変換することができる。
【0003】
問題は、回転に対して固定され、同時に、省スペースで、簡単で、時間を節約するやり方で組み立てることができ、費用効率よく製造することができ、加えて、安全性、動作、および耐久性の要件ならびに強度の要件を満たすか、または超えるばね座を提供することである。
【0004】
したがって、本発明は、前述の欠点が回避された改良されたばね座、改良された振動ダンパ、および改良されたレベル調整デバイスを提供する目的に基づく。詳細には、この改良されたばね座、改良された振動ダンパ、および改良されたレベル調整デバイスにより、省スペースで簡単な、特に便利で容易に取り付けられ、費用効果が高い設計を可能にすることが目的である。加えて、この改良されたばね座、改良された振動ダンパ、および改良されたレベル調整デバイスにより、汚れた部品であっても、簡単な取り付け、取り換え、および調整が可能にされるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この目的は、請求項1に記載の本発明によるばね座、請求項8に記載の振動ダンパ、および請求項9に記載のレベル調整デバイスによって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるばね座は、従来のばね座と比較して、回転防止安全装置が省スペースで設計され、特に、例えばロックナットおよび/またはグラブねじなどのさらなる部品が必要とされないという利点を有する。
【0007】
本発明による振動ダンパは、従来の振動ダンパと比較して、ばね座の固定が省スペースであり、ロックリングもグラブねじも必要とされないという利点を有する。その上、本発明によるばね座は、いかなるねじ山の損傷もなしに、本発明による振動ダンパ上の回転に対して固定することができる。加えて、本発明によるばね座は、本発明による振動ダンパに高い締め付け力で配置することができる。その上、汚れた部品であっても、取り付け、取り換え、および調整が簡単かつ容易に可能である。加えて、本発明によるばね座によって、特に材料の切り出しを介して、改善された汚れ除去が可能になる。
【0008】
本発明によるレベル調整デバイスは、従来のレベル調整デバイスと比較して、ばね座の固定が省スペースであり、ロックリングもグラブねじも必要とされないという利点を有する。その上、本発明によるばね座は、いかなるねじ山の損傷もなしに、本発明によるレベル調整デバイス上の回転に対して固定することができる。加えて、本発明によるばね座は、本発明によるレベル調整デバイスに高い締め付け力で配置することができる。その上、汚れた部品であっても、取り付け、取り換え、および調整が簡単かつ容易に可能である。加えて、本発明によるばね座によって、特に材料の切り出しを介して、改善された汚れ除去が可能になる。
【0009】
したがって、本発明の主題は、ばね座、特に振動ダンパ、特に車両振動ダンパ用のばね板、特にレベル調整デバイス、特に車両高さ調整デバイス用のばね板であり、内部断面、特に内部断面エリアを有するばね保持リングを備え、ばね座は、ばね保持リングの内部断面を縮小するための少なくとも1つのばね要素を有する。
【0010】
本発明のさらなる主題は、ばね座、特に振動ダンパ、特に車両振動ダンパ用のばね板を製造するための方法であり、
a)内部断面、特に内部断面エリアを有するばね保持リングを備える、ばね座、特に振動ダンパ、特に車両振動ダンパ用のばね板を設けるステップと、
b)ばね保持リングの内部断面の縮小の調整がばね要素を使用して実行されるように、ステップa)で設けられたばね座に少なくとも1つのばね要素を形成するステップと
を含む。
【0011】
本発明のさらなる主題は、減衰液で少なくとも部分的に満たされたダンパチューブを備える、車両用の振動ダンパであり、ばね座、特にばね板がダンパの周りに同軸に配置され、ピストンロッドがダンパチューブ内で往復移動可能であり、作動ピストンがピストンロッドとともに移動し、それによってダンパチューブの内部空間がピストンロッド側の作動室とピストンロッドから離れた作動室に分割され、ばね座は少なくとも1つのばね要素を有し、ばね座は、少なくとも1つのばね要素によってダンパチューブに対して圧入接続、特に締め付け接続を形成する。
【0012】
本発明のさらなる主題は、レベル調整デバイス、特にレベル調整、特に車両高さ調整用のつり上げ要素であり、レベル調整デバイスは、ばね座、特に内部断面、特に内部断面エリアを有するばね保持リング(4)を備えるばね板を有し、ばね座は、ばね保持リングの内部断面を縮小するための少なくとも1つのばね要素を有する。
【0013】
本発明のさらなる主題は、ばね座、特に振動ダンパ、特に車両振動ダンパを製造するため、および/またはレベル調整デバイス、特にレベル調整、特に車両高さ調整のためのつり上げ要素を製造するためのばね板の使用である。
【0014】
本発明は、両方とも、ばね座、ばね座を製造するための方法、振動ダンパ、およびレベル調整デバイスに実装することができる。
【0015】
本発明は、さらなる詳細とともに添付の図面を参照して以下により詳細に説明される。図示された実施形態は、本発明によるばね座、特に本発明による振動ダンパをどのように構成することができるかに関する例を表す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来技術による、ばね座を有する振動ダンパの概略外観図である。
図2】本発明の一実施形態による、ばね座の概略断面図である。
図3】本発明の一実施形態による、振動ダンパの概略外観図である。
図4】本発明の一実施形態による、レベル調整デバイスの概略外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は以下の実施形態を含む。
【0018】
1.ばね座、特に振動ダンパ、特に車両振動ダンパ用のばね板、特にレベル調整デバイス、特に車両高さ調整デバイス用のばね板であって、内部断面、特に内部断面エリアを有するばね保持リングを備え、
ばね座がばね保持リングの内部断面を縮小するための少なくとも1つのばね要素を有することを特徴とする、ばね座。
【0019】
本発明の文脈内で、ばね要素は、それが配置されるばね保持リングの内部断面を縮小することができるデバイスであると理解される。例示的なばね要素は、締め付けクリップ、ばね舌片、挿入部品、またはそれらの組合せとして設計される。特に、ばね要素は、独立した部品として、例えば、締め付けクリップ、ばね舌片、挿入部品、またはそれらの組合せとして形成され、ばね座に配置される。
【0020】
2.少なくとも1つのばね要素が、内部断面の縮小が半径方向に実行されるように配置される、特にそのように形成されることを特徴とする、実施形態1によるばね座。
【0021】
3.少なくとも1つのばね要素が、ばね保持リングと一体に形成されることを特徴とする、実施形態1または2のいずれかによるばね座。
【0022】
4.少なくとも1つのばね要素が、ばね保持リングの円周方向に延在する材料切り出し、特にばね保持リング内の材料切り出しによって形成されることを特徴とする、実施形態3によるばね座。
【0023】
本発明の文脈内で、材料切り出しは、材料がないばね保持リングのエリアであると理解される。詳細には、材料切り出しは、材料切り込みとして、例えば、ばね保持リング内の隙間、間隙、切れ目、またはそれらの組合せとして形成される。
【0024】
5.少なくとも1つのばね要素が、内部断面に面するばね保持リングの側の一端で開くように設計されることを特徴とする、実施形態1から4のうちの1つによるばね座。
【0025】
6.ばね保持リングが雌ねじを有することを特徴とする、実施形態1から5のうちの1つによるばね座。
【0026】
7.ばね保持リングの雌ねじが部分的に不連続であることを特徴とする、実施形態6によるばね座。
【0027】
本発明の文脈内で、不連続は、例えば、雌ねじが特に間隙によって割り込まれることを意味すると理解される。
【0028】
8.ばね座が、ばね要素調整デバイス、特に少なくとも1つのばね要素のばね張力を調整するための張力要素、特にばね保持リングの内部断面の縮小を調整するための張力要素をさらに有することを特徴とする、実施形態1から7のうちの1つによるばね座。
【0029】
本発明の文脈内で、ばね要素調整デバイスは、ばね座のばね保持リングの内部断面を縮小することができるように、ばね座のばね要素を内部断面の方向に移動させる、特に下げることができるデバイスであると理解される。例えば、ばね要素調整デバイスは、張力要素、特に締め付けねじ、くさび、ロールピン、またはそれらの組合せであり得る。
【0030】
9.ばね座が、ばね要素調整デバイス、特に張力要素、特にばね保持リングの円周方向に延在する材料切り出しを広げるための張力要素をさらに有することを特徴とする、実施形態4から7のうちの1つによるばね座。
【0031】
10.前述の実施形態1から9のうちの1つによるばね座、特に振動ダンパ、特に車両振動ダンパ用のばね板を製造するための方法であって、
a)内部断面、特に内部断面エリアを有するばね保持リングを備える、前述の実施形態1から9のうちの1つによるばね座、特に振動ダンパ、特に車両振動ダンパ用のばね板を設けるステップと、
b)ばね保持リングの内部断面の縮小の調整がばね要素を使用して実行されるように、ステップa)で設けられたばね座に少なくとも1つのばね要素を形成するステップと
を含む、方法。
【0032】
11.少なくとも1つのばね要素による内部断面の縮小が半径方向に実行されることを特徴とする、実施形態10によるばね座を製造するための方法。
【0033】
12.ステップb)における少なくとも1つのばね要素の形成が、特に材料除去プロセス、積層造形プロセス、またはそれらの組合せのグループから選択された方法で一体に実行されることを特徴とする、実施形態10から11のうちの1つによるばね座を製造するための方法。
【0034】
13.ステップb)におけるばね要素の形成が、ばね保持リングの円周方向に延在する材料切り出し、特にばね保持リング内の材料切り込みを製造することによって実行されることを特徴とする、実施形態10から12のうちの1つによるばね座を製造するための方法。
【0035】
14.ステップb)におけるばね要素の形成が、内部断面に面するばね保持リングの側の一端で少なくとも1つのばね要素が開くように設計されるように実行されることを特徴とする、実施形態10から13のうちの1つによるばね座を製造するための方法。
【0036】
15.ステップa)において設けられるばね座の提供が、雌ねじを備えるばね保持リングを用いて実行されることを特徴とする、実施形態10から14のうちの1つによるばね座を製造する方法。
【0037】
16.ステップa)において設けられるばね座の提供が、部分的に不連続の雌ねじを有する雌ねじを備えるばね保持リングを用いて実行されることを特徴とする、実施形態15によるばね座を製造する方法。
【0038】
17.さらにステップc)において、ばね要素調整デバイスに加えて、特に張力要素が設けられ、少なくとも1つのばね要素のばね張力の調整、特にばね保持リングの内部断面の縮小の調整が、ばね要素調整デバイスを用いて実行されることを特徴とする、実施形態10から16のうちの1つによるばね座を製造する方法。
【0039】
18.さらにステップc)において、ばね要素調整デバイスに加えて、特に張力要素が設けられ、少なくとも1つのばね要素のばね張力の調整、特にばね保持リングの円周方向に延在する材料切り出しの拡張が、ばね要素調整デバイスを用いて実行されることを特徴とする、実施形態13から16のうちの1つによるばね座を製造する方法。
【0040】
19.減衰液で少なくとも部分的に満たされたダンパチューブであって、ばね座、特にばね板がダンパチューブの周りに同軸に配置され、ピストンロッドがダンパチューブ内で往復に移動することができ、作動ピストンがピストンロッドと一緒に移動することができ、それによってダンパチューブの内部空間がピストンロッド側の作動室とピストンロッドから離れた作動室に分割される、ダンパチューブを備え、
ばね座が少なくとも1つのばね要素を有し、ばね座が、少なくとも1つのばね要素によってダンパチューブとともに圧入接続、特に締め付け接続を形成することを特徴とする、車両用の振動ダンパ。
【0041】
20.圧入接続がさらに形状嵌合接続であることを特徴とする、実施形態19による振動ダンパ。
【0042】
21.少なくとも1つのばね要素が、ばね保持リングと一体に形成されることを特徴とする、実施形態19から20のうちの1つによる振動ダンパ。
【0043】
22.少なくとも1つのばね要素が、ばね保持リングの円周方向に延在する材料切り出し、特にばね保持リング内の材料切り込みによって形成されることを特徴とする、実施形態19から21のうちの1つによる振動ダンパ。
【0044】
23.少なくとも1つのばね要素が、内部断面に面するばね保持リングの側の一端で開くことを特徴とする、実施形態19から20のうちの1つによる振動ダンパ。
【0045】
24.ばね保持リングが雌ねじを有することを特徴とする、実施形態19から20のうちの1つによる振動ダンパ。
【0046】
25.ばね保持リングの雌ねじが部分的に不連続であることを特徴とする、実施形態24による振動ダンパ。
【0047】
26.ばね座が、ばね要素調整デバイス、特に少なくとも1つのばね要素のばね張力を調整するための張力要素、特にばね保持リングの内部断面の縮小を調整するための張力要素をさらに有することを特徴とする、実施形態19から21のうちの1つによる振動ダンパ。
【0048】
27.ばね座が、ばね要素調整デバイス、特に張力要素、特にばね保持リングの円周方向に延在する材料切り出しを広げるための張力要素をさらに有することを特徴とする、実施形態22から26のうちの1つによる振動ダンパ。
【0049】
28.レベル調整デバイス、特にレベル調整、特に車両高さ調整用のつり上げ要素であって、レベル調整デバイスが、ばね座、特に内部断面、特に内部断面エリアを有するばね保持リングを備えるばね板を有し、
ばね座がばね保持リングの内部断面を縮小するための少なくとも1つのばね要素を有することを特徴とする、レベル調整デバイス。
【0050】
例えば、本発明の文脈内のレベル調整デバイスは、スリーブ、特にねじ付きスリーブ、ブッシュ、特にねじ付きブッシュ、つり上げデバイス、特に油圧式つり上げデバイス、空気圧式つり上げデバイス、機械式つり上げデバイス、電気式つり上げデバイス、つり上げ要素、調整スピンドル、特にスピンドルドライブ、またはそれらの組合せを含むグループから選択することができる。
【0051】
29.少なくとも1つのばね要素が、内部断面の縮小が半径方向に実行されるように配置される、特に形成されることを特徴とする、実施形態28によるレベル調整デバイス。
【0052】
30.少なくとも1つのばね要素が、ばね保持リングと一体に形成されることを特徴とする、実施形態28から29のうちの1つによるレベル調整デバイス。
【0053】
31.少なくとも1つのばね要素が、ばね保持リングの円周方向に延在する材料切り出し、特にばね保持リング内の材料切り込みによって形成されることを特徴とする、実施形態28から30のうちの1つによるレベル調整デバイス。
【0054】
32.少なくとも1つのばね要素が、内部断面に面するばね保持リングの側の一端で開くことを特徴とする、実施形態28から31のうちの1つによるレベル調整デバイス。
【0055】
33.ばね保持リングが雌ねじを有することを特徴とする、実施形態28から32のうちの1つによるレベル調整デバイス。
【0056】
34.ばね保持リングの雌ねじが部分的に不連続であることを特徴とする、実施形態33によるレベル調整デバイス。
【0057】
35.ばね座が、ばね要素調整デバイス、特に少なくとも1つのばね要素のばね張力を調整するための張力要素、特にばね保持リングの内部断面の縮小を調整するための張力要素をさらに有することを特徴とする、実施形態28から30のうちの1つによるレベル調整デバイス。
【0058】
36.ばね座が、ばね要素調整デバイス、特に張力要素、特にばね保持リングの円周方向に延在する材料切り出しを広げるための張力要素をさらに有することを特徴とする、実施形態31から34のうちの1つによるレベル調整デバイス。
【0059】
37.前述の実施形態19から27のうちの1つによる振動ダンパ、特に車両振動ダンパを製造するための、および/または前述の実施形態28から36のうちの1つによるレベル調整デバイス、特にレベル調整、特に車両高さ調整のためのつり上げ要素を製造するための、前述の実施形態1から9のうちの1つによるばね座、特にばね板の使用。
【0060】
ダンパチューブ8と、往復移動することができるピストンロッド9と、ダンパチューブ8の周りに同軸に配置され、従来技術によるばね保持リング4を有するばね座1とを有する振動ダンパ2が図1に示されている。ばね座1は、特に、ロックリング13によって回転しないように固定される。
【0061】
ピストンロッド9に配置された作動ピストン10は、ピストンロッド9と一緒に移動することができ、ダンパチューブ8の内部空間は、作動ピストン10により、ピストンロッド側の作動室11とピストンロッドから離れた作動室12に分割される。
【0062】
内部断面、特に内部断面エリアと、ばね要素5とを有するばね保持リング4を有する、本発明によるばね座1の一実施形態が図2に示されている。例として締め付けクリップ、特に一方の側が開いた端部を有するばね舌片として示されているばね要素5は、ばね保持リング4の円周方向に延在する材料切り出し6によって形成される。ばね要素5の開放端のエリアにおいて、内部断面から見て外方に向くばね保持リング4の側には、ばね保持リング4の外側面から材料切り出し6まで開く開口部、特にドリル穴がある。ばね要素調整デバイス7、特にグラブねじを使用することにより、ばね要素5、特に開口部の反対側の締め付けクリップの端部は、内部断面の方向にずらすことができ、したがってばね保持リング4の内部断面を縮小することができる。
【0063】
振動ダンパ2に配置され、図2によって示された、本発明によるばね座1を有する本発明による振動ダンパ2の一実施形態が図3に示されている。
【0064】
図2によるばね保持リング4を有する本発明によるばね座1を有する本発明によるレベル調整デバイス3の一実施形態が図4に示されている。
【産業上の利用可能性】
【0065】
ばね座、ばね座を製造するための方法、振動ダンパ、および上述されたタイプのレベル調整デバイスは、振動ダンパの製造に、またレベル調整、特に高さ調整に使用される。
【符号の説明】
【0066】
1 ばね座
2 振動ダンパ
3 レベル調整デバイス
4 ばね保持リング
5 ばね要素
6 材料切り出し
7 ばね要素調整デバイス
8 ダンパチューブ
9 ピストンロッド
10 作動ピストン
11 ピストンロッド側の作動室
12 ピストンロッドから離れた作動室
13 ロックリング
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-07-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部断面有するばね保持リング(4)を備え、
前記ばね座(1)が前記ばね保持リング(4)の前記内部断面を縮小するための少なくとも1つのばね要素(5)を有することを特徴とする、ばね座(1)。
【請求項2】
前記ばね座(1)は、ばね板であることを特徴とする、請求項1に記載のばね座(1)。
【請求項3】
前記ばね座(1)は、振動ダンパ(2)用のばね板であることを特徴とする、請求項1に記載のばね座(1)。
【請求項4】
前記ばね座(1)は、車両振動ダンパ用のばね板であることを特徴とする、請求項1に記載のばね座(1)。
【請求項5】
前記ばね座(1)は、レベル調整デバイス(3)用のばね板であることを特徴とする、請求項1に記載のばね座(1)。
【請求項6】
前記ばね座(1)は、車両高さ調整デバイス用のばね板であることを特徴とする、請求項1に記載のばね座(1)。
【請求項7】
前記内部断面は内部断面エリアであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のばね座(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのばね要素(5)が、前記内部断面の前記縮小が半径方向に実行されるように配置されるとを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のばね座(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのばね要素(5)が、前記内部断面の前記縮小が半径方向に実行されるように形成されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のばね座(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのばね要素(5)が、前記ばね保持リング(4)と一体に形成されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のばね座(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのばね要素(5)が、前記ばね保持リング(4)の円周方向に延在する材料切り出し(6)よって形成されることを特徴とする、請求項10に記載のばね座(1)。
【請求項12】
前記少なくとも1つのばね要素(5)が、前記ばね保持リング(4)内の材料切り込みによって形成されることを特徴とする、請求項10に記載のばね座(1)。
【請求項13】
前記ばね座(1)が、ばね要素調整デバイス(7)さらに有することを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のばね座(1)。
【請求項14】
前記ばね要素調整デバイス(7)は、前記少なくとも1つのばね要素(5)のばね張力を調整するための張力要素であることを特徴とする、請求項13に記載のばね座(1)。
【請求項15】
前記ばね要素調整デバイス(7)は、前記ばね保持リング(4)の前記内部断面の前記縮小を調整するための張力要素であることを特徴とする、請求項13に記載のばね座(1)。
【請求項16】
前記ばね要素調整デバイス(7)は、張力要素であることを特徴とする、請求項13に記載のばね座(1)。
【請求項17】
前記ばね要素調整デバイス(7)は、前記ばね保持リング(4)の前記円周方向に延在する前記材料切り出し(6)を広げるための張力要素であることを特徴とする、請求項11に従属する請求項13に記載のばね座(1)。
【請求項18】
前述の請求項1から17のいずれか一項に記載のばね座(1)製造するための方法であって、
a)内部断面有するばね保持リング(4)を備える、前述の請求項1から17のいずれか一項に記載のばね座(1)設けるステップと、
b)前記ばね保持リング(4)の前記内部断面の前記縮小の調整がばね要素(5)を使用して実行されるように、ステップa)で設けられた前記ばね座(1)に前記少なくとも1つのばね要素(5)を形成するステップと
を含む、方法。
【請求項19】
前記ばね座(1)は、ばね板であることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ばね座(1)は、振動ダンパ(2)用のばね板であることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記ばね座(1)は、車両振動ダンパ用のばね板であることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記内部断面は内部断面エリアであることを特徴とする、請求項18~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
減衰液で少なくとも部分的に満たされたダンパチューブ(8)であって、ばね座(1)前記ダンパチューブ(8)の周りに同軸に配置され、ピストンロッド(9)が前記ダンパチューブ(8)内で往復に移動することができ、作動ピストン(10)が前記ピストンロッド(9)と一緒に移動することができ、それによって前記ダンパチューブ(8)の部空間が前記ピストンロッド側の作動室(11)と前記ピストンロッドから離れた作動室(12)に分割される、ダンパチューブ(8)を備え、
前記ばね座(1)が少なくとも1つのばね要素(5)を有し、前記ばね座(1)が、前記少なくとも1つのばね要素(5)によって前記ダンパチューブ(8)とともに圧入接続形成することを特徴とする、車両用の振動ダンパ(2)。
【請求項24】
前記ばね座(1)は、ばね板であることを特徴とする、請求項23に記載の車両用の振動ダンパ(2)。
【請求項25】
前記圧入接続は締め付け接続であることを特徴とする、請求項23又は請求項24に記載の車両用の振動ダンパ(2)。
【請求項26】
レベル調整デバイス(3)あって、前記レベル調整デバイス(3)が、内部断面を有するばね保持リング(4)を備えるばね板を有し、
前記ばね板が前記ばね保持リング(4)の前記内部断面を縮小するための少なくとも1つのばね要素(5)を有することを特徴とする、レベル調整デバイス(3)。
【請求項27】
前記レベル調整デバイス(3)がレベル調整用のつり上げ要素であることを特徴とする、請求項26に記載のレベル調整デバイス(3)。
【請求項28】
前記レベル調整デバイス(3)が車両高さ調整用のつり上げ要素であることを特徴とする、請求項26に記載のレベル調整デバイス(3)。
【請求項29】
前記内部断面は内部断面エリアであることを特徴とする、請求項26~28のいずれか一項に記載のレベル調整デバイス(3)。
【請求項30】
請求項23~25のいずれか一項に記載の振動ダンパ(2)製造するための、および/または請求項26~29のいずれか一項に記載のレベル調整デバイス(3)製造するための、求項1から17のいずれか一項に記載のばね座(1)使用。
【請求項31】
前記振動ダンパ(2)は車両振動ダンパである、請求項30に記載のばね座(1)の使用。
【請求項32】
前記レベル調整デバイス(3)は、レベル調整のためのつり上げ要素である、請求項30に記載のばね座(1)の使用。
【請求項33】
前記レベル調整デバイス(3)は、車両高さ調整のためのつり上げ要素である、請求項30に記載のばね座(1)の使用。
【請求項34】
前記ばね座(1)は、ばね板である、請求項30~33のいずれか一項に記載のばね座(1)の使用。
【国際調査報告】