(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】液晶パネルの均一な透過率のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
C03C 27/12 20060101AFI20230125BHJP
B32B 17/10 20060101ALI20230125BHJP
B32B 37/14 20060101ALI20230125BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
C03C27/12 N
B32B17/10
B32B37/14 Z
G02F1/13 505
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022531521
(86)(22)【出願日】2020-11-25
(85)【翻訳文提出日】2022-07-26
(86)【国際出願番号】 US2020062131
(87)【国際公開番号】W WO2021108476
(87)【国際公開日】2021-06-03
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ベロ,オラダポ オラレカン
(72)【発明者】
【氏名】クイヤール,ジェームス グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】マクドナルド,マイケル アーロン
(72)【発明者】
【氏名】リカール,ポール ジョージ
【テーマコード(参考)】
2H088
4F100
4G061
【Fターム(参考)】
2H088EA34
2H088FA20
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2H088MA04
4F100AG00
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4G061AA33
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4G061CD11
4G061CD18
(57)【要約】
LCセル、LCパネル、及びLCパネルを製造する方法を構成するための様々な実施形態が提供され、これは:複数のLCパネルコンポーネント層を組み立てて硬化性積層体を形成するステップであって、上記積層体は、LCセル、第1のガラス層、第2のガラス層、第1の中間層、及び第2の中間層を有するように構成され、上記第1の中間層及び上記第2の中間層はそれぞれコンフォーマル層となるように構成される、ステップ;上記硬化性積層体を硬化させて液晶パネルを形成するステップを含み、上記第1のコンフォーマル中間層及び上記第2のコンフォーマル中間層によって、上記液晶パネルは均一な透過率を有するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって:
複数のLCパネルコンポーネント層を組み立てて積層体を形成するステップであって、前記積層体は、LCセル、第1のガラス層、第2のガラス層、第1の中間層、及び第2の中間層を有するように構成され、前記第1の中間層及び前記第2の中間層はそれぞれ、コンフォーマル層となるように構成される、ステップ;
前記積層体の前記コンポーネント層の間に取り込まれたいずれの空気を除去して、硬化性積層体を形成するステップ;
前記第1のコンフォーマル中間層を介して前記第1のガラス層を前記LCセルの第1の主面に接着し、また前記第2のコンフォーマル中間層を介して前記第2のガラス層を前記LCセルの第2の主面に接着することによって、液晶パネル(LCパネル)を形成するために、前記硬化性積層体を接着するステップ
を含み、
前記第1のコンフォーマル中間層及び前記第2のコンフォーマル中間層によって、前記液晶パネルは均一な透過率を有するように構成され、前記均一な透過率は、ある透過領域において、隣接する透過領域と比較して2%以下のばらつきを含む、方法。
【請求項2】
接着はラミネート加工を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の中間層及び前記第2の中間層は、ポリマー、低弾性ポリマー材料、アイオノマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、ラミネート加工可能な中間層で構成され、前記第1の中間層及び前記第2の中間層は、同一の中間層であるか、又はそれぞれ異なる中間層である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
接着する前記ステップは、室温で硬化させるステップ、又は室温でUV硬化させるステップを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の中間層及び前記第2の中間層のうちの少なくとも一方は、0.76mm以上の厚さを有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の中間層及び前記第2の中間層のうちの少なくとも一方は、1mmから2.3mm以下の厚さを有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ラミネート加工は、前記第1の中間層及び前記第2の中間層に制御された冷却を提供することによって、前記第1の中間層の、前記第1のガラスの層及び前記LCセルの前記第1の主面に対する形状一致、並びに前記第2の中間層の、前記第2のガラスの層及び前記LCセルの前記第2の主面に対する形状一致を促進するために、前記液晶パネルをアニーリングするステップを更に含む、請求項2~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
ラミネート加工は、前記LCパネルを制御された傾斜冷却率で目標温度まで冷却するステップを更に含む、請求項2~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ラミネート加工は、前記LCパネルを2℃/分以下の制御された傾斜下降率で冷却するステップを更に含む、請求項2~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
ラミネート加工する前記ステップは、略水平な構成と比較して15%以下だけ傾斜した角度付き構成で、前記硬化性積層体を位置決めしてラミネート加工するステップを更に含む、請求項2~9のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下で、2019年11月27日出願の米国仮特許出願第62/941,196号の優先権の利益を主張するものであり、上記仮特許出願の内容は、参照によりその全体が本出願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は概して、自動車用途及び/又は建築用途のためのLCパネル及び/又はLCウインドウの不均一な透過率(例えば暗点及び/又は明点)の防止、削減、及び/又は軽減のための構成及び方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
特に寸法が大きな建築用ウインドウ又は自動車ウインドウの製造に関して、液晶ウインドウの商用化には多くの課題がある。性能及び製造性の改善が望まれている。
【発明の概要】
【0004】
調光層(例えば液晶層)が組み込まれたスマートウインドウを使用すると、ウインドウを通る光透過を制御できるため、居住者の快適性が向上し、エネルギコストが削減される。厚いガラスによってLCセルの重量が大幅に増大するため、厚いガラスを用いた液晶ウインドウは非常に重く、これはウインドウの輸送及び設置の困難さにも寄与する。
【0005】
ある態様では、方法であって:複数のLCパネルコンポーネント層を組み立てて積層体を形成するステップであって、上記積層体は、LCセル、第1のガラス層、第2のガラス層、第1の中間層、及び第2の中間層を有するように構成され、上記第1の中間層及び上記第2の中間層はそれぞれ、コンフォーマル層となるように構成される、ステップ;上記積層体の上記コンポーネント層の間に取り込まれたいずれの空気を除去して、硬化性積層体を形成するステップ;上記第1のコンフォーマル中間層を介して上記第1のガラス層を上記LCセルの第1の主面に接着し、また上記第2のコンフォーマル中間層を介して上記第2のガラス層を上記LCセルの第2の主面に接着することによって、液晶パネルを形成するために、上記硬化性積層体を接着するステップを含み、上記第1のコンフォーマル中間層及び上記第2のコンフォーマル中間層によって、上記液晶パネルは均一な透過率を有するように構成される、方法が提供される。
【0006】
いくつかの実施形態では、接着はラミネート加工を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、上記第1の中間層及び上記第2の中間層は、ポリマー、低弾性ポリマー材料、アイオノマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、ラミネート加工可能な中間層で構成される。
【0008】
いくつかの実施形態では、上記第1の中間層及び上記第2の中間層のうちの少なくとも一方は、アイオノマーである。
【0009】
いくつかの実施形態では、上記第1の中間層及び上記第2の中間層のうちの少なくとも一方は、SentryGlas(登録商標)である。
【0010】
いくつかの実施形態では、上記第1の中間層及び上記第2の中間層のうちの少なくとも一方は、低弾性ポリマーである。
【0011】
いくつかの実施形態では、上記第1の中間層及び上記第2の中間層のうちの少なくとも一方は:エチレン酢酸ビニル(ethylene vinyl acetate:EVA);低弾性ポリビニルブチラール(polyvinyl butyral:PVB)材料;Saflex(登録商標)Clear(PVB);Trosifol(登録商標)Clear(PVB);Trosifol SC(PVB);及び熱可塑性ウレタン(thermoplastic urethane:TPU)中間層のうちの少なくとも1つである。
【0012】
いくつかの実施形態では、上記第1の中間層及び上記第2の中間層のうちの少なくとも一方は、室温において液体状態の、低粘度中間層である。
【0013】
いくつかの実施形態では、上記第1の中間層及び上記第2の中間層のうちの少なくとも一方は、UVEKOL(登録商標)で構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、接着する上記ステップは、室温で硬化させるステップを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、接着する上記ステップは、室温でUV硬化させるステップを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、上記第1の中間層及び上記第2の中間層のうちの少なくとも一方は、0.76mm超の厚さを有する。
【0017】
いくつかの実施形態では、上記第1の中間層及び上記第2の中間層のうちの少なくとも一方は、1mmから2.3mm以下の厚さを有する。
【0018】
いくつかの実施形態では、上記第1の中間層及び上記第2の中間層はPVBで構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、上記均一な透過率は、ある透過領域において、隣接する透過領域と比較して2%以下のばらつき(disparity)(例えば可視光透過率)を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、上記均一な透過率は、目視観察によって検出される。
【0021】
いくつかの実施形態では、上記均一な透過率は、分光光度計によって検出される。
【0022】
ある態様では、装置であって:電気的に切替可能なLC材料を保持するよう構成された、液晶セル(LCセル);上記LCセルの第1の側面に沿って構成された、第1のガラス層;上記LCセルの第2の側面に沿って構成された、第2のガラス層;上記第1のガラス層と上記LCセルの上記第1の側面との間に位置決めされた、第1のコンフォーマル中間層であって、上記第1の中間層は、上記第1のガラス層を上記LCセルの上記第1の側面に付着させる、第1のコンフォーマル中間層;及び上記第2のガラス層と上記LCセルの上記第2の側面との間に位置決めされた、第2のコンフォーマル中間層であって、上記第2の中間層は、上記第2のガラス層を上記LCセルの上記第2の側面に付着させる、第2のコンフォーマル中間層を備える、装置が提供される。
【0023】
いくつかの実施形態では、上記装置はラミネート加工済みの構造体である。
【0024】
いくつかの実施形態では、上記第1のコンフォーマル中間層及び上記第2のコンフォーマル中間層は、室温で液体のUV硬化性中間層で構成される。
【0025】
いくつかの実施形態では、上記第1のコンフォーマル中間層及び上記第2のコンフォーマル中間層は、UVEKOLで構成される。
【0026】
いくつかの実施形態では、上記第1のコンフォーマル中間層及び上記第2のコンフォーマル中間層のうちの少なくとも一方は、低弾性ポリマー材料で構成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、上記低弾性ポリマー材料は:エチレン酢酸ビニル(EVA);低弾性ポリビニルブチラール(PVB)材料;Saflex Clear(PVB);Trosifol Clear(PVB);Trosifol SC(PVB);及び熱可塑性ウレタン(TPU)中間層からなる群から選択される。
【0028】
いくつかの実施形態では、上記第1のコンフォーマル中間層及び上記第2のコンフォーマル中間層のうちの少なくとも一方は、アイオノマー材料で構成される。
【0029】
いくつかの実施形態では、上記第1のコンフォーマル中間層及び上記第2のコンフォーマル中間層のうちの少なくとも一方は、アイオノマー材料で構成される。
【0030】
いくつかの実施形態では、上記第1のコンフォーマル中間層及び上記第2のコンフォーマル中間層のうちの少なくとも一方は、1mmから2.5mm以下の厚さを有する。
【0031】
いくつかの実施形態では、上記第1のコンフォーマル中間層及び上記第2のコンフォーマル中間層のうちの少なくとも一方は、1.3mm~2.3mmの厚さを有する。
【0032】
いくつかの実施形態では、上記第1のコンフォーマル中間層及び上記第2のコンフォーマル中間層は、PVBで構成される。
【0033】
いくつかの実施形態では、上記装置は液晶パネルである。
【0034】
いくつかの実施形態では、上記装置はLCウインドウを更に備え、上記LCウインドウは、上記LCパネルの外縁部を上記フレームに接続するフレーム及びシールを有するように構成され、上記フレーム及び上記シールは、上記LCパネルの上記外縁部の周りを巡るように構成される。
【0035】
いくつかの実施形態では、上記液晶ウインドウは3フィート(91.44cm)×5フィート(152.4cm)の表面積を有する。
【0036】
いくつかの実施形態では、上記液晶ウインドウは5フィート(152.4cm)×7フィート(213.36cm)の表面積を有する。
【0037】
いくつかの実施形態では、上記液晶ウインドウは7フィート(213.36cm)×10フィート(304.8cm)の表面積を有する。
【0038】
いくつかの実施形態では、上記液晶ウインドウは10フィート(304.8cm)×12フィート(365.76cm)の表面積を有する。
【0039】
いくつかの実施形態では、上記装置は建築用LCパネルである。
【0040】
いくつかの実施形態では、上記装置は自動車用液晶パネルである。
【0041】
いくつかの実施形態では、上記装置は、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層のうちの少なくとも一方の上にコーティングを備える。
【0042】
いくつかの実施形態では、上記コーティングは:低放射率コーティング;反射防止コーティング;着色コーティング;清掃容易化コーティング;又は鳥類衝突防止コーティングのうちの少なくとも1つを含む。
【0043】
ある態様では、方法であって:複数のLCパネルコンポーネント層を組み立てて積層体を形成するステップであって、上記積層体は、LCセル、第1のガラス層、第2のガラス層、第1の中間層、及び第2の中間層を有するように構成される、ステップ;上記積層体の上記コンポーネント層の間に取り込まれたいずれの空気を除去して、硬化性積層体を形成するステップ;上記第1の中間層を介して上記第1のガラス層を上記LCセルの第1の主面に接着し、また上記第2の中間層を介して上記第2のガラス層を上記LCセルの第2の主面に接着することによって、液晶パネルを形成するために、上記硬化性積層体をラミネート加工するステップを含み、ラミネート加工する上記ステップによって、上記液晶パネルは均一な透過率を有するように構成される、方法が提供される。
【0044】
いくつかの実施形態では、ラミネート加工は、上記第1の中間層及び上記第2の中間層に制御された冷却を提供することによって、上記第1の中間層の、上記第1のガラスの層及び上記LCセルの上記第1の主面に対する形状一致、並びに上記第2の中間層の、上記第2のガラスの層及び上記LCセルの上記第2の主面に対する形状一致を促進するために、上記液晶パネルをアニーリングするステップを更に含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、ラミネート加工は、上記LCパネルを制御された傾斜冷却率で目標温度まで冷却するステップを更に含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、ラミネート加工は、上記LCパネルを2℃/分以下の制御された傾斜下降率で冷却するステップを更に含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、ラミネート加工は、上記LCパネルを少なくとも1℃/分から5℃/分以下の制御された傾斜下降率で冷却するステップを更に含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、ラミネート加工は、上記LCパネルを少なくとも1℃/分から3℃/分以下の制御された傾斜下降率で冷却するステップを更に含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、ラミネート加工する上記ステップは、上記LCセルの個々のコンポーネントが垂直に積層された状態で構成されるように、上記ラミネート加工された硬化性積層体を略水平な構成で位置決めするステップを更に含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、ラミネート加工する上記ステップは、略水平な構成と比較して、水平から15°以下だけ傾斜した角度付き構成で、上記ラミネート加工された硬化性積層体を位置決めするステップを更に含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、ラミネート加工する上記ステップは、少なくとも上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層を含む、上記硬化性積層体の外側を向いた表面に、圧力を付与するステップを含む。
【0052】
更なる特徴及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」に記載され、また当業者にはこの「発明を実施するための形態」から容易に明らかとなるか、又は以下の「発明を実施するための形態」、「特許請求の範囲」及び添付の図面を含む本明細書に記載の実施形態を実施することによって把握されるだろう。
【0053】
上述の「発明の概要」及び以下の「発明を実施するための形態」はいずれも単なる例であり、本出願で請求されるような本発明の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを意図したものであることを理解されたい。
【0054】
添付の図面は、本開示の原理の更なる理解を提供するために含まれているものであり、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する。図面は1つ又は複数の実施形態を示し、これは説明と併せて、例を用いて本開示の原理及び動作を説明する役割を果たす。本明細書及び図面において開示される本開示の様々な特徴は、いずれの及び全ての組み合わせで使用できることを理解されたい。非限定的な例として、本開示の様々な特徴を、以下の態様に応じて互いに組み合わせてよい。
【0055】
本開示のこれらの及びその他の特徴、側面、及び利点は、添付の図面を参照しながら以下の「発明を実施するための形態」を読むと、よりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1A】本開示の様々な実施形態による、液晶(LC)パネルのある実施形態の概略断面側面図
【
図1B】本開示の1つ以上の実施形態による、
図1Aのある領域の拡大断面側面概略図であって、パネルの一部分の拡大図を示し、第2のガラス層、中間層、導電層、及びLC領域を図示し、上記LC領域はLC混合物及び複数のスペーサを含む
【
図2】本開示の1つ以上の実施形態による、パネルで利用されるガラス層(例えばフロートガラス)の表面トポグラフィ測定の偽色輪郭マップであり、これは強化ソーダライムガラス(soda lime glass:SLG)の代表的なサンプルであると考えられ、平均約50μmの高さ/深さの山及び谷を有する波状の表面不連続(平面外不連続)を示す
【
図3A】本開示の1つ以上の態様による、第1及び第2の中間層を介して対応する第1及び第2のガラス層に対してラミネート加工されたLCセルを示す、LCパネルのある実施形態の概略図
【
図3B】本開示の1つ以上の態様による、フレーム、フレームとパネルとの間のシール、及びパネルの表面上のコーティングを有するように構成されたLCパネルを示す、LCウインドウのある実施形態の概略図
【
図4】本開示の様々な実施形態による、LCパネルを作製する方法
【
図5】本開示の様々な実施形態による、LCパネルを作製する方法のある実施形態に関するフローチャート
【
図6】本開示の様々な実施形態による、LCパネルのある実施形態の概略断面側面図
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下の「発明を実施するための形態」では、限定のためではなく説明のために、具体的詳細を開示する例示的実施形態を挙げて、本開示の様々な原理の完全な理解を提供する。しかしながら、本開示の利益を得た当業者には、本開示を、本明細書で開示される具体的詳細から逸脱した他の実施形態で実施してよいことが理解されるだろう。更に、公知のデバイス、方法及び材料の説明は、本開示の様々な原理の説明を不明瞭にしないよう、省略する場合がある。最後に、同様の要素には、適用できるかぎり同様の参照番号を付している。
【0058】
図1Aは、液晶(LC)パネルの概略断面側面図を示す。
【0059】
図1Aを参照すると、液晶パネル10のある実施形態の概略断面側面図が示されており、これは、2つのガラス層(例えば第1のガラス層12及び第2のガラス層14)の間に構成された(挟まれた)LCセルを、第1のガラス層12とLCセルの第1の側面22との間、及び第2のガラス層14とLCセルの第2の側面24との間にそれぞれ位置決めされた、対応する中間層(例えば第1の中間層26及び第2の中間層28)と共に示す。
【0060】
液晶セル20は、2つのガラス層、即ち第1のガラス層30及び第2のガラス層40を用いて構成され、これらは互いに離間した関係に配置され、間に液晶領域48が画定される。第1のガラス層30及び第2のガラス層40はそれぞれ、導電層(例えば第1の導電層34及び第2の導電層44)を用いて構成され、各導電層(34、44)は、導電層34、44が液晶領域と電気的に連通して構成されるように、LC領域48と、第1のガラスシート30又は第2のガラスシート40との間に構成される。
【0061】
液晶領域48は、複数のスペーサ38及びLC混合物36を含む。スペーサ38は、これらのスペーサ38が、LCセル20内のある位置からLCセル20内の別の位置まで略均一な(例えば予め定義された閾値を超えない)セルギャップを促進するよう構成されるように、LC混合物36全体にわたって、離間した関係で設けられる。LC混合物36は、少なくとも1つの液晶材料、少なくとも1つの染料、少なくとも1つのホスト材料、及び/又は少なくとも1つの添加物を含むことができる。LC混合物36は、電気的に切り替わる/作動するよう構成され、これによって、対応する液晶セル20、液晶パネル10、及び液晶ウインドウ内に作動要素を提供して、作動時にコントラスト状態(例えば暗所)及び非コントラスト状態(例えば明所)を提供する。LC混合物36の作動は、(LCセル20の第1の大側面22に隣接する)第1の電極32、及び(LCセル20の第2の大側面24に隣接する)第2の電極42を介した電気的接続によって完了される。電極(32及び42のうちの一方)は、電源からの電流又は電位を、アノードとして作用する対応する電極を通り、対応する導電層(34又は44のうちの一方)を通り、LC混合物36を作動させるためにLC領域48を通り、対応する導電層(34又は44のうちのもう一方)を通り、電極(32及び42のうちのもう一方)を通ってシステムから出るように配向するよう構成される。電源をオン及びオフすることによって、そしてこれによってLC混合物に電流を通すことによって、LC混合物は作動し、第1の透過状態から第2の透過状態となる(ここで上記第1の透過状態は上記第2の透過状態とは異なる)。
【0062】
図示されているように、LCパネル10は、第1のガラス層12、第2のガラス層14、LCセル20、第1の中間層26、及び第2の中間層28を含む。LCセル20は、液晶材料36(例えば分子、染料、及び/又は添加物)、(LCセル内のセルギャップを維持するためにガラス層と協働するよう構成された)スペーサ38、第1の導電層34、第2の導電層44、第1の電極32、第2の電極42、第1のガラスのシート30、並びに第2のガラスのシート40を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、第1のガラス層12及び第2のガラス層14は厚い。いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層はそれぞれ、少なくとも3mmの厚さを有する。いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層はそれぞれ、少なくとも3mm、かつ7mm以下の厚さを有する。
【0064】
いくつかの実施形態では、第1のガラスのシート30及び第2のガラスのシート40は薄い。
【0065】
いくつかの実施形態では、第1のガラスのシート30及び第2のシートはそれぞれ、1mm以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層はそれぞれ、少なくとも0.3mm、かつ1mm以下の厚さを有する。
【0066】
いくつかの実施形態では、第1のガラスのシート30及び第2のガラスのシート40は、第1のガラスの層12及び第2のガラスの層14よりも薄い。
【0067】
いくつかの実施形態では、ガラスシート(30、40)はLCセル20内において、LCセルの主面22、24に隣接し、かつLC材料36に隣接して、LCコンポーネント(例えば導電層(34、44)、LC材料36、スペーサ38)を所定の位置に保持するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の中間層26は、第1のガラス層12と第1のガラスのシート30(LCセル20の第1の表面22)との間に構成される。いくつかの実施形態では、第2の中間層28は、第2のガラスの層14と第2のガラスのシート40(LCセル20の第2の表面24)との間に構成される。
【0068】
いくつかの実施形態では、ガラスシート(例えば第1のガラスのシート30又は第2のガラスのシート40)は、1mm未満、0.8mm未満、0.7mm未満、0.5mm未満、又は0.3mm未満の厚さで構成される。いくつかの実施形態では、第1のガラスのシート30は第2のガラスのシート40と同一の厚さを有する。いくつかの実施形態では、第1のガラスのシート30は第2のガラスのシート40と異なる厚さを有する。
【0069】
例えば導電層(34又は44)はLCセル20内において、ガラスのシート(30又は40)とLC領域48との間に構成される。導電層(34又は44)は、電場がオンであるかオフであるかに基づいて、(例えば導電層及び電源(図示せず)と連通して、LCセル20を横切るように電場を配向し、LCパネル/スマートウインドウを作動させて(第1のコントラストを有する)オン位置及び(第2のコントラストを有する)オフ位置とするよう構成された)1つ以上の電極(32又は42)に取り付けられる。
【0070】
各導電層は、導電性フィルム、例えば透明導電性酸化物を含む。薄型導電性フィルムのいくつかの非限定的な例は、ITO(indium tin oxide:酸化インジウムスズ)、FTO(fluorine‐doped tin oxide:フッ素ドープ酸化スズ)、又は金属である。
【0071】
いくつかの実施形態では、ポリイミド等の配向層を、薄型導電性フィルムとLC材料との間に配置することによって、所望の角度での(LC材料36中の)LC分子の配向を促進できる。
【0072】
図1Bは、
図1Aのある領域の拡大断面側面図を示し、これは、LCセル20の第2のガラス層14(例えば強化SLG)、第2の中間層28、及び第2のガラスシート40の拡大図を示し、LCセル20内に保持されたLC領域48のLC混合物36及びスペーサ38を更に示す。
図1Bに示されているように、第2のガラスの層40と比較した場合の、第1のガラス層及び第2のガラス層14(ここでは第2のガラス層のみが示されている)の表面不連続が明らかである。図示されているこの例では、LCパネル10のエリア50に起因する表面不連続は、LCセル20の不均一/不連続のエリアである。この例は、観察者からはLCパネル10の暗点として観察され得る。スペーサ38は、LCセル20のセルギャップを横切って延在するよう構成される。
【0073】
図2は、本明細書に記載のLCパネル10で利用される第1のガラス層12又は第2のガラス層14の代表的なサンプルの輪郭マップを示す。フロートガラスは、製造時に表面の波打ち/輪郭のあるトポグラフィを有し、これは強化により悪化して、
図2の代表的な例のものと同様の表面トポグラフィを提供し得る。この強化ソーダライムガラスは、平均約50μmの高さ/深さの表面不連続(平面外不連続)を呈し、これは液晶パネル10を製造するためのラミネート加工を困難にする。
【0074】
ある非限定的な例では、波打ちは、機械的又は光学的測定デバイスによって、標準的な方法に従って分析的に決定できる。ある非限定的な例では、波打ちは、ASTM C1651: Standard Test Method for Measurement of Roll Wave Optical Distortion in Heat‐Treated Flat Glassに従った測定によって決定できる。他の標準的な方法を利用して、本明細書で開示される1つ以上の実施形態による平坦ガラス層の表面の波打ちを理解することもできる。
【0075】
図3Aは、シングルセル液晶パネル10のある実施形態の概略断面側面図を示し、これは、LCパネル10の形成のために、2つの中間層(26、28)を介して2つのガラス層(12、14)上にラミネート加工されたLCセルを示す。LCパネルは対称的なコンポーネント構成を示し、軸は、図示されているLCセルシール52の一部分から、LCセルシール52の他方の部分に向かって、LC材料48を通って引かれる。
【0076】
図3Bは、シングルセル液晶ウインドウ100のある実施形態の概略断面側面図を示す。LCウインドウ100は、パネル10内に具現化されたLCセル20を含み、上記パネルは、第1の中間層26、第2の中間層28、第1のガラス層12、及び第2のガラス層14も含む。LCウインドウ100は、LCパネル10の縁部に構成されたフレーム16を有するように構成され、シール18がフレーム16の少なくとも一部分とパネル10の縁部の少なくとも一部分との間に構成されることにより、パネル10の縁部を損傷することなく、フレーム16内でのパネル10の圧迫係合を提供する。また
図3Bは、LCパネル10の表面上の任意のコーティング46を示す。ここではコーティングは、LCパネル10上の第2のガラス層14の外側表面上に構成される。
【0077】
図4は、LCパネルを作製する方法を示す。図示されているように、ラミネート加工プロセスは、LCパネルコンポーネント層を組み立てて積層体とするステップを含む。第1のガラス層、第1の中間層、LCセル、第2の中間層、及び第2のガラス層を含む様々なコンポーネント層を、互いに接触させて配置することにより、積層体を形成する。中間層は、ポリマー及びアイオノマーの群から選択される。非限定的な例として、中間層は、厚さ0.76mmのPVB(polyvinyl butyral:ポリビニルブチラール)で構成される。
【0078】
次に、ラミネート加工プロセスは、積層体の様々な層の間に捕捉された又は取り込まれた空気を除去して、硬化性積層体を形成するステップを含む。空気の除去の非限定的な例としては:ニップローラー処理;排気パウチの使用;少なくとも1つの真空リングによる真空引き;又はフラットベッドラミネータによるラミネート加工が挙げられる。
【0079】
ラミネート加工を硬化性積層体に対して完了することにより、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層がLCセルの主面(例えば
図1Aに示されているように、LCセルの概ね対向する主面)に、対応する第1及び第2の中間層を介して接着され、これらの中間層は、第1のガラス層をLCセルの第1の表面に、そして第2のガラス層をLCセルの第2の側面に取り付ける(例えば接着する)。ラミネート加工の非限定的な例としては、フラットベッドラミネータ又はオートクレーブの利用が挙げられる。ある温度及び目標圧力下での、ある期間にわたるラミネート加工の後、硬化性積層体は液晶(LC)パネルに形成される。
【0080】
ある非限定的な例では、LCパネルは、LCパネルの外縁部の周囲にシール及びフレームを構成して、LCパネルをフレーム内に保持することにより、液晶ウインドウとなる。更に、電源から電極への電気的連通を構成することにより、電極、導電層、及びLC材料によってLCウインドウを横切るように配向された電場による、LCウインドウの作動が可能となる。
【0081】
図5は、本開示の様々な実施形態による、LCパネルを作製する方法のフローチャートを示す。
図5を参照すると、修正された(調整された)パラメータを用いてラミネート加工するステップ、ラミネート加工の位置を修正するステップ、及び/又はアニーリングする(制御下で冷却する)ステップを含む、ラミネート加工の様々な実施形態が提供される。いくつかの実施形態では、ラミネート加工ステップは、任意に圧力を上昇させて、比較的長い持続時間にわたって、低温で完了される。別の実施形態では、ラミネート加工ステップは、垂直でない(例えば水平な又は小さな角度で傾斜した)配向で完了される。いくつかの実施形態では、ラミネート加工ステップは、LCパネルのアニーリング/制御下冷却を含む。非限定的な例として、制御下冷却は、LCパネルが目標の最終温度に冷却されるまで、LCパネルを1~2℃/分の温度で(圧力下で)冷却するステップを含む。いくつかの実施形態では、PVB中間層に関して、ラミネート加工時間を延長してラミネート加工温度を低下させる(例えば135℃から125℃へ)。いくつかの実施形態では、(例えばいずれの中間層に関して)高温でラミネート加工時間を延長することにより、パネルの第1のガラス層及び第2のガラス層(例えば強化SLG層)とLCセルの主面(フュージョンガラスから構成された第1のガラスシート及び第2のガラスシート)との間の形状一致を促進する。
【0082】
図6は、本開示の様々な実施形態による、LCパネルのある実施形態の概略図を示す。いずれの特定の機序又は理論によって束縛されることを望むものではないが、厚い中間層(例えば第1の中間層及び/若しくは第2の中間層)を組み込むことによって、並びに/又は中間層(例えば第1の中間層及び/若しくは第2の中間層)の組成を変更することによって、中間層を、強化SLG層からの応力に対処するために十分な形状一致を促進するように調整することにより、層状体製造プロセスに由来する暗点を削減、防止、及び/又は排除する。一実施形態では、(第1の中間層及び/又は第2の中間層)の中間層厚さは2.3mm未満(例えば0.76mm~2.28mm)である。いくつかの実施形態では、中間層(第1の中間層及び/又は第2の中間層)は、低弾性中間層(例えば音響用PVB)を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、中間層は低弾性材料(即ち20℃で1分間の負荷時間のヤング率E)を含む。いくつかの実施形態では、中間層は25MPa以下かつ1MPa以上のヤング率Eを有する。いくつかの実施形態では、中間層は20MPa以下かつ1MPa以上のヤング率Eを有する。いくつかの実施形態では、中間層は15MPa以下かつ2MPa以上のヤング率Eを有する。いくつかの実施形態では、中間層は13MPa以下かつ2MPa以上のヤング率Eを有する。いくつかの実施形態では、中間層は11MPa以下かつ3MPa以上のヤング率Eを有する。いくつかの実施形態では、中間層は8MPa以下かつ1MPa以上のヤング率Eを有する。いくつかの実施形態では、中間層は7MPa以下かつ1MPa以上のヤング率Eを有する。いくつかの実施形態では、中間層は7MPa以下かつ2MPa以上のヤング率Eを有する。いくつかの実施形態では、中間層は5MPa以下かつ3MPa以上のヤング率Eを有する。いくつかの実施形態では、中間層は4MPa以下かつ1MPa以上のヤング率Eを有する。いくつかの実施形態では、中間層は5MPa以下かつ2MPa以上のヤング率Eを有する。いくつかの実施形態では、中間層は5MPa以下かつ3MPa以上のヤング率Eを有する。ヤング率を決定する1つの方法は、ASTMD‐882に従って評価することである。
【0084】
本開示の1つ以上の実施形態に従って利用できる低弾性材料の中間層のいくつかの非限定的な例としては:エチレン酢酸ビニル(EVA);低弾性ポリビニルブチラール(PVB)材料;Saflex Clear(PVB);Trosifol Clear(PVB);Trosifol SC(PVB);及び熱可塑性ウレタン(TPU)中間層が挙げられる。
【0085】
音響用PVB の非限定的な一例はSaflex SG‐41であり、Eastman Chemicalから市販されている。いくつかの実施形態では、中間層(第1の中間層及び/又は第2の中間層)は低粘度中間層を含む。例えば低粘度中間層はUV硬化性樹脂を含む(例えば低粘度中間層の非限定的な例は、Allnex Netherlands B.V.製のUVEKOL UV硬化性樹脂を含む)。いくつかの実施形態では、中間層(第1の中間層及び/又は第2の中間層)はアイオノマー(例えば株式会社クラレ製SentryGlas)を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、中間層の厚さは0.76mm超(例えばPVB組成物)である。いくつかの実施形態では、中間層の厚さは1.52mm超(例えばPVB組成物)である。いくつかの実施形態では、中間層の厚さは2.28mm超(例えばPVB組成物)である。
【0087】
いくつかの実施形態では、低弾性中間層は熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含む。いくつかの実施形態では、低弾性中間層は1.3mm未満の厚さを有する。いくつかの実施形態では、低弾性中間層は0.5mmの厚さを有する。いくつかの実施形態では、低弾性中間層は0.5mmから1.3mm以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、中間層は低粘度UV硬化性樹脂を含む。いくつかの実施形態では、低粘度中間層はUVEKOLを含む。いくつかの実施形態では、UV硬化性樹脂を積層体内にポンプで注入し、密封ストリップで所定の位置に保持して、UV硬化を通過させる(例えば硬化に十分な時間にわたって十分な放射を供給する)。いくつかの実施形態では、装置は、(例えば中間層がUV硬化性樹脂である場合に)UV硬化される。
【0088】
いくつかの実施形態では、液晶(LC)材料を、Corning(登録商標)EAGLE XG(登録商標)等の市販のフュージョン成形ボロシリケートガラス2片の間に挟むことによって、液晶セルが形成される。しかしながら、このようなガラスの厚さは1mm未満であるため、建築用途の大寸法のウインドウが通常受ける風及び雪による負荷への曝露に耐えるための十分な剛性がない。従って本開示の液晶ウインドウは、更なる強度及び/又は支持のために厚い(3mmを超える)ソーダライムガラス(SLG)の片に対してラミネート加工された薄型ガラス(例えば1mm未満)を有する、LCセルを含む。SLGは、更なる強度及び破壊に対する保護のために(ASTM C1048に従って)強化されるが、強化プロセスはSLGの平面外歪みを誘発することが知られており、これは相当なものとなる場合があり、LCパネルに影響を及ぼす。
【0089】
ラミネート加工後、LCセルからの1つ以上の薄型ガラスがSLGに十分に付着していれば、SLG由来の平面外歪みが薄型ガラスを引っ張る場合があり、これによってLCセルに作用する応力が生じる可能性があり、これは、LCセルギャップの局所的増大、及び/又は視覚的外観の望ましくない局所的変化の生成を含む。LCパネル、又は結果として得られるLCウインドウは、透過率が不均一なスポット、即ちパネルの可視エリア全体の平均可視光透過率に対して2%以上の、可視光透過率の変動を有する領域(例えば暗点又は明点)を有する可能性がある。特定の機序又は理論によって束縛されるものではないが、透過率が不均一なエリア又は領域は、LCセル内の比較的厚いセルギャップに起因すると考えられ、これはLCウインドウの製造中に生成される。
【0090】
LCセルの製作に薄型ガラスを使用することの1つ以上の利点としては:(a)既存のLCD製作設備との互換性;ウインドウの重量が小さくなることにより、輸送及び設置がより容易となり、全体的な二酸化炭素排出量が削減されること;透明状態での可視光透過率が高くなること;ウインドウの構造全体が薄くなること;並びに/又はIGU内のガスのための追加の空間によって、断熱効率が改善されることが挙げられる。
【0091】
本開示の1つ以上の実施形態は、LCパネル内の透過率が不均一なエリア又は領域(例えば暗点又は明点)を削減、防止、及び/又は排除するための構成及び方法を対象とする。よって、本開示の1つ以上のLCパネルは、均一な透過率(例えばウインドウの隣接するエリア(可視エリア)全体の平均可視光透過率に対して2%以下の、可視光透過率の変動を有する領域)を有するように構成される。
【0092】
いくつかの実施形態では、暗点又は明点(「スポット」)は目視観察によって検出できる(液晶ウインドウの静的モードでは、スポットが存在する場合、これらのスポットは、第1のコントラスト状態及び第2のコントラスト状態において検出可能であり、ここでこれらのコントラスト状態は、オン位置及びオフ位置である)。
【0093】
いくつかの実施形態では、「スポット」とは、ある領域におけるウインドウの透過率が、暗点領域において、周囲の非暗点領域に比べて2%を超えて低い透過率であることを意味している。非限定的な例として、透過率は分光計で測定可能である(例えばパーセント透過率又は可視光透過率)。
【0094】
ある態様では、方法であって:複数のLCパネルコンポーネント層を組み立てて積層体を形成するステップ;上記積層体の上記コンポーネント層の間に取り込まれたいずれの空気を除去して、硬化性積層体を形成するステップ;上記硬化性積層体を、ある期間にわたって、あるラミネート加工温度及びある圧力下でラミネート加工して、液晶ウインドウを形成するステップを含み、上記液晶ウインドウは均一な透過率を有するように構成される、方法が提供される。
【0095】
いくつかの実施形態では、均一な透過率は、ある透過領域における、上記LCパネルの隣接する透過領域と比較して2%以下のばらつき(例えば可視光透過率)を含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、上記均一な透過率は、目視観察によって検出される。
【0097】
いくつかの実施形態では、上記均一な透過率は、分光光度計によって検出される。
【0098】
上記組み立てるステップは、第1のガラス層、第1の中間層、LCセル、第2の中間層、及び第2のガラス層を積層構成に位置決めするステップを更に含む。
【0099】
ある態様では、装置であって:液晶セルであって、上記液晶セルは、第1のガラス層、上記第1のガラス層から離間した関係で構成された第2のガラス層、並びに上記第1のガラス層と上記第2のガラス層との間に位置決めされた、(例えば第1のコントラスト状態及び第2のコントラスト状態を含む)電気的に切り替え可能な材料で構成された液晶材料を備える、液晶セル;複数のスペーサであって、上記スペーサは、上記第1のガラス層と上記第2のガラス層との間、及び上記液晶材料内に位置するように構成され、上記スペーサは、上記LCセルのLCギャップ(例えば上記第1のガラス層から上記第2のガラス層までの距離)を維持するように構成された、スペーサ;第1の導電層及び第2の導電層であって、上記第1の導電層は、上記第1のガラス層と上記LCセルの第1の側面との間に、上記第1の導電層が上記LCセルの上記第1の側面と電気的に連通するように構成され、上記第2の導電層は、上記第2のガラス層と第2のLC側壁との間に、上記第2の導電層が上記LCセルの上記第2の側面と電気的に連通するように構成された、第1の導電層及び第2の導電層;セル外周に隣接し、上記第1の導電層と電気的に連通するように構成された、第1の電極;並びに上記第2の導電層に隣接するように構成された、第2の電極を備え、上記電極は電源に対して、上記LCセルが上記LC混合物中の上記電気的に切替可能な材料を電気的に作動させるように電気的に構成されるように、構成可能である、装置が提供される。
【0100】
いくつかの実施形態では、上記スペーサはポリマー材料から構成される。
【0101】
いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層は薄型ガラスである。
【0102】
いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層は1mm未満の厚さを有する。
【0103】
いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層は0.5mm以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、上記第2のガラス層は薄型ガラスである。
【0104】
いくつかの実施形態では、上記第2のガラス層は1mm未満の厚さを有する。いくつかの実施形態では、上記第2のガラス層は0.5mm以下の厚さを有する。
【0105】
いくつかの実施形態では、上記LCギャップは10マイクロメートル以下である。
【0106】
いくつかの実施形態では、上記導電層はITO及びポリイミドで構成される。
【0107】
別の態様では、装置であって:電気的に切替可能なLC材料を保持するように構成された、液晶セル(LCセル);上記LCセルの第1の側面に沿って構成された、第1のガラスシート;上記LCセルの第2の側面に沿って構成された、第2のガラスシート;上記第1のガラスシートと上記LCセルの上記第1の側面との間に位置決めされた、第1の中間層であって、上記第1の中間層は、上記第1のガラス層を上記LCセルの上記第1の側面に付着させる、第1の中間層;及び上記第2のガラスシートと上記LCセルの上記第2の側面との間に位置決めされた、第2の中間層であって、上記第2の中間層は、上記第2のガラス層を上記LCセルの上記第2の側面に付着させるよう構成される、第2の中間層を備える、装置が提供される。
【0108】
いくつかの実施形態では、上記装置は層状体である。
【0109】
いくつかの実施形態では、上記装置は液晶ウインドウである。
【0110】
いくつかの実施形態では、上記液晶ウインドウは、少なくとも1フィート(30.48cm)×少なくとも2フィート(60.96cm)の表面積を有する。
【0111】
いくつかの実施形態では、上記液晶ウインドウは、少なくとも2フィート(60.96cm)×少なくとも4フィート(121.92cm)の表面積を有する。
【0112】
いくつかの実施形態では、上記液晶ウインドウは、少なくとも3フィート(91.44cm)×少なくとも5フィート(152.4cm)の表面積を有する。
【0113】
いくつかの実施形態では、上記液晶ウインドウは、少なくとも5フィート(152.4cm)×少なくとも7フィート(213.36cm)の表面積を有する。
【0114】
いくつかの実施形態では、上記液晶ウインドウは、少なくとも7フィート(213.36cm)×少なくとも10フィート(304.8cm)の表面積を有する。
【0115】
いくつかの実施形態では、上記液晶ウインドウは、少なくとも10フィート(304.8cm)×少なくとも12フィート(365.76cm)の表面積を有する。
【0116】
いくつかの実施形態では、上記装置は建築用液晶ウインドウである。
【0117】
いくつかの実施形態では、上記装置は自動車用液晶ウインドウである。
【0118】
いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層はソーダライムガラスで構成される。
【0119】
いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層は強化ソーダライムガラスで構成される。
【0120】
いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層は少なくとも2mmの厚さを備える。
【0121】
いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層は少なくとも2mm、かつ4mm以下の厚さを備える。
【0122】
いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層は3mmの厚さを備える。
【0123】
いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層は4mmの厚さを備える。
【0124】
いくつかの実施形態では、上記第2のガラス層はソーダライムガラスで構成される。
【0125】
いくつかの実施形態では、上記第2のガラス層は強化ソーダライムガラスで構成される。
【0126】
いくつかの実施形態では、上記第2のガラス層は少なくとも2mmの厚さを備える。
【0127】
いくつかの実施形態では、上記第2のガラス層は少なくとも2mm、かつ4mm以下の厚さを備える。
【0128】
いくつかの実施形態では、上記第2のガラス層は3mmの厚さを備える。
【0129】
いくつかの実施形態では、上記第2のガラス層は4mmの厚さを備える。
【0130】
いくつかの実施形態では、上記第1の中間層は1mm以下の厚さを備える。
【0131】
いくつかの実施形態では、上記第1の中間層は0.76mmの厚さを備える。
【0132】
いくつかの実施形態では、上記第1の中間層はポリマーで構成される。
【0133】
いくつかの実施形態では、上記第1の中間層はPVBで構成される。
【0134】
いくつかの実施形態では、上記第2の中間層は1mm以下の厚さを備える。
【0135】
いくつかの実施形態では、上記第2の中間層は0.76mmの厚さを備える。
【0136】
いくつかの実施形態では、上記第2の中間層はポリマーで構成される。
【0137】
いくつかの実施形態では、上記第2の中間層はPVBで構成される。
【0138】
いくつかの実施形態では、上記LCパネルの少なくとも1つの表面は、コーティングを備える。
【0139】
いくつかの実施形態では、上記LCパネルの少なくとも1つの表面は、低放射率コーティングを備える。
【0140】
いくつかの実施形態では、上記LCパネルの上記第2のガラス層の外側表面は、低放射率コーティングを備える。例えば上記低放射率コーティングは、非限定的な例をいくつか挙げると窒化ケイ素、金属銀、二酸化ケイ素、酸化スズ、酸化ジルコニウム、及び/又はこれらの組み合わせを含む、金属と酸化物との組み合わせで構成できる。
【0141】
いくつかの非限定的な例として、上記コーティングは:低放射率コーティング;反射防止コーティング;着色コーティング;清掃容易化コーティング;又は鳥類衝突防止コーティングを含む。いくつかの実施形態では、上記コーティングは部分コーティングである。いくつかの実施形態では、上記コーティングは全体コーティングである。いくつかの実施形態(例えば鳥類衝突防止コーティング)では、上記コーティングは、上記表面の別個の複数の部分に沿ってパターン化される。
【0142】
いくつかの実施形態では、上記層状体は、上記LCパネルの第1の主面、上記LCパネルの第2の主面、並びに上記LCパネルの上記第1の主面及び上記LCパネルの上記第2の主面の両方のうちの少なくとも1つに、コーティングを備える。
【0143】
いくつかの実施形態では、上記装置は建築用製品である。
【0144】
いくつかの実施形態では、上記装置は建築用ウインドウである。
【0145】
いくつかの実施形態では、上記装置は自動車用ウインドウである。
【0146】
本開示の精神及び様々な原理から大きく逸脱することなく、本開示の上述の実施形態に対して多数の変更及び修正を実施してよい。このような修正及び変更は全て、本開示の範囲内に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。
【0147】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0148】
実施形態1
方法であって:
複数のLCパネルコンポーネント層を組み立てて積層体を形成するステップであって、上記積層体は、LCセル、第1のガラス層、第2のガラス層、第1の中間層、及び第2の中間層を有するように構成され、上記第1の中間層及び上記第2の中間層はそれぞれ、コンフォーマル層となるように構成される、ステップ;
上記積層体の上記コンポーネント層の間に取り込まれたいずれの空気を除去して、硬化性積層体を形成するステップ;
上記第1のコンフォーマル中間層を介して上記第1のガラス層を上記LCセルの第1の主面に接着し、また上記第2のコンフォーマル中間層を介して上記第2のガラス層を上記LCセルの第2の主面に接着することによって、液晶パネルを形成するために、上記硬化性積層体を接着するステップ
を含み、
上記第1のコンフォーマル中間層及び上記第2のコンフォーマル中間層によって、上記液晶パネルは均一な透過率を有するように構成される、方法。
【0149】
実施形態2
接着はラミネート加工を含む、実施形態1に記載の方法。
【0150】
実施形態3
上記第1の中間層及び上記第2の中間層は、ポリマー、低弾性ポリマー材料、アイオノマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、ラミネート加工可能な中間層で構成される、実施形態2に記載の方法。
【0151】
実施形態4
上記第1の中間層及び上記第2の中間層のうちの少なくとも一方は、アイオノマーである、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0152】
実施形態5
上記第1の中間層及び上記第2の中間層のうちの少なくとも一方は、SentryGlasである、実施形態4に記載の方法。
【0153】
実施形態6
上記第1の中間層及び上記第2の中間層のうちの少なくとも一方は、低弾性ポリマーである、実施形態3に記載の方法。
【0154】
実施形態7
上記第1の中間層及び上記第2の中間層のうちの少なくとも一方は:エチレン酢酸ビニル(EVA);低弾性ポリビニルブチラール(PVB)材料;Saflex Clear(PVB);Trosifol Clear(PVB);Trosifol SC(PVB);及び熱可塑性ウレタン(TPU)中間層のうちの少なくとも1つである、実施形態6に記載の方法。
【0155】
実施形態8
上記第1の中間層及び上記第2の中間層のうちの少なくとも一方は、室温において液体状態の、低粘度中間層である、実施形態1に記載の方法。
【0156】
実施形態9
上記第1の中間層及び上記第2の中間層のうちの少なくとも一方は、UVEKOLで構成される、実施形態8に記載の方法。
【0157】
実施形態10
接着する上記ステップは、室温で硬化させるステップを含む、実施形態9に記載の方法。
【0158】
実施形態11
接着する上記ステップは、室温でUV硬化させるステップを含む、実施形態9に記載の方法。
【0159】
実施形態12
上記第1の中間層及び上記第2の中間層のうちの少なくとも一方は、0.76mm以上の厚さを有する、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0160】
実施形態13
上記第1の中間層及び上記第2の中間層のうちの少なくとも一方は、1mmから2.3mm以下の厚さを有する、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0161】
実施形態14
上記第1の中間層及び上記第2の中間層はPVBで構成される、実施形態3に記載の方法。
【0162】
実施形態15
上記均一な透過率は、ある透過領域において、上記LCパネルの隣接する透過領域と比較して2%以下のばらつき(例えば可視光透過率)を含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の方法。
【0163】
実施形態16
上記均一な透過率は、目視観察によって検出される、実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
【0164】
実施形態17
上記均一な透過率は、分光光度計によって検出される、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
【0165】
実施形態18
装置であって:
a.電気的に切替可能なLC材料を保持するよう構成された、液晶セル(LCセル);
b.上記LCセルの第1の側面に沿って構成された、第1のガラス層;
c.上記LCセルの第2の側面に沿って構成された、第2のガラス層;
d.上記第1のガラス層と上記LCセルの上記第1の側面との間に位置決めされた、第1のコンフォーマル中間層であって、上記第1の中間層は、上記第1のガラス層を上記LCセルの上記第1の側面に付着させる、第1のコンフォーマル中間層;及び
上記第2のガラス層と上記LCセルの上記第2の側面との間に位置決めされた、第2のコンフォーマル中間層であって、上記第2の中間層は、上記第2のガラス層を上記LCセルの上記第2の側面に付着させる、第2のコンフォーマル中間層
を備える、装置。
【0166】
実施形態19
更に、上記装置はラミネート加工済みの構造体である、実施形態18に記載の装置。
【0167】
実施形態20
更に、上記装置はUV硬化済みの構造体である、実施形態18に記載の装置。
【0168】
実施形態21
更に、上記第1のコンフォーマル中間層及び上記第2のコンフォーマル中間層は、室温で液体のUV硬化性中間層を含む、実施形態20に記載の装置。
【0169】
実施形態22
更に、上記第1のコンフォーマル中間層及び上記第2のコンフォーマル中間層は、UVEKOLで構成される、実施形態21に記載の装置。
【0170】
実施形態23
更に、上記第1のコンフォーマル中間層及び上記第2のコンフォーマル中間層のうちの少なくとも一方は、低弾性ポリマー材料で構成される、実施形態18に記載の装置。
【0171】
実施形態24
上記低弾性ポリマー材料は:エチレン酢酸ビニル(EVA);低弾性ポリビニルブチラール(PVB)材料;Saflex Clear(PVB);Trosifol Clear(PVB);Trosifol SC(PVB);及び熱可塑性ウレタン(TPU)中間層からなる群から選択される、実施形態23に記載の装置。
【0172】
実施形態25
更に、上記第1のコンフォーマル中間層及び上記第2のコンフォーマル中間層のうちの少なくとも一方は、アイオノマー材料で構成される、実施形態18に記載の装置。
【0173】
実施形態26
更に、上記第1のコンフォーマル中間層及び上記第2のコンフォーマル中間層のうちの少なくとも一方は、SentryGlasで構成される、実施形態25に記載の装置。
【0174】
実施形態27
上記第1のコンフォーマル中間層及び上記第2のコンフォーマル中間層のうちの少なくとも一方は、0.5mmから2.5mm以下の厚さを有する、実施形態1~26のいずれか1つに記載の装置。
【0175】
実施形態28
上記第1のコンフォーマル中間層及び上記第2のコンフォーマル中間層のうちの少なくとも一方は、1.3mm~2.3mmの厚さを有する、実施形態27に記載の装置。
【0176】
実施形態29
上記第1のコンフォーマル中間層及び上記第2のコンフォーマル中間層は、PVBで構成される、実施形態28に記載の装置。
【0177】
実施形態30
上記装置は液晶パネルである、実施形態18~29のいずれか1つに記載の装置。
【0178】
実施形態31
上記装置はLCウインドウを更に備え、上記LCウインドウは、上記LCパネルの外縁部を上記フレームに接続するフレーム及びシールを有するように構成され、上記フレーム及び上記シールは、上記LCパネルの上記外縁部の周りを巡るように構成される、実施形態18~30のいずれか1つに記載の装置。
【0179】
実施形態32
上記液晶ウインドウは3フィート(91.44cm)×5フィート(152.4cm)の表面積を有する、実施形態31に記載の装置。
【0180】
実施形態33
上記液晶ウインドウは5フィート(152.4cm)×7フィート(213.36cm)の表面積を有する、実施形態31に記載の装置。
【0181】
実施形態34
上記液晶ウインドウは7フィート(213.36cm)×10フィート(304.8cm)の表面積を有する、実施形態31に記載の装置。
【0182】
実施形態35
上記液晶ウインドウは10フィート(304.8cm)×12フィート(365.76cm)の表面積を有する、実施形態31に記載の装置。
【0183】
実施形態36
上記装置は建築用LCパネルである、実施形態1~35のいずれか1つに記載の装置。
【0184】
実施形態37
上記装置は自動車用液晶パネルである、実施形態1~36のいずれか1つに記載の装置。
【0185】
実施形態38
上記装置は、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層のうちの少なくとも一方の上にコーティングを備える、実施形態18に記載の装置。
【0186】
実施形態39
上記コーティングは:低放射率コーティング;反射防止コーティング;着色コーティング;清掃容易化コーティング;又は鳥類衝突防止コーティングのうちの少なくとも1つを含む、実施形態38に記載の装置。
【0187】
実施形態40
方法であって:
複数のLCパネルコンポーネント層を組み立てて積層体を形成するステップであって、上記積層体は、LCセル、第1のガラス層、第2のガラス層、第1の中間層、及び第2の中間層を有するように構成される、ステップ;
上記積層体の上記コンポーネント層の間に取り込まれたいずれの空気を除去して、硬化性積層体を形成するステップ;
上記第1の中間層を介して上記第1のガラス層を上記LCセルの第1の主面に接着し、また上記第2の中間層を介して上記第2のガラス層を上記LCセルの第2の主面に接着することによって、液晶パネルを形成するために、上記硬化性積層体をラミネート加工するステップ
を含み、
ラミネート加工する上記ステップによって、上記液晶パネルは均一な透過率を有するように構成される、方法。
【0188】
実施形態41
ラミネート加工は、上記第1の中間層及び上記第2の中間層に制御された冷却を提供することによって、上記第1の中間層の、上記第1のガラスの層及び上記LCセルの上記第1の主面に対する形状一致、並びに上記第2の中間層の、上記第2のガラスの層及び上記LCセルの上記第2の主面に対する形状一致を促進するために、上記液晶パネルをアニーリングするステップを更に含む、実施形態40に記載の方法。
【0189】
実施形態42
ラミネート加工は、上記LCパネルを制御された傾斜冷却率で目標温度まで冷却するステップを更に含む、実施形態40又は41に記載の方法。
【0190】
実施形態43
ラミネート加工は、上記LCパネルを2℃/分以下の制御された傾斜下降率で冷却するステップを更に含む、実施形態40~42のいずれか1つに記載の方法。
【0191】
実施形態44
ラミネート加工する上記ステップは、上記LCセルの個々のコンポーネントが垂直に積層された状態で構成されるように、上記ラミネート加工された硬化性積層体を略水平な構成で位置決めするステップを更に含む、実施形態40~43のいずれか1つに記載の方法。
【0192】
実施形態45
ラミネート加工する上記ステップは、略水平な構成と比較して15%以下だけ傾斜した角度付き構成で、上記ラミネート加工された硬化性積層体を位置決めするステップを更に含む、実施形態40~43のいずれか1つに記載の方法。
【0193】
実施形態46
ラミネート加工する上記ステップは、少なくとも上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層を含む、上記硬化性積層体の外側を向いた表面に、圧力を付与するステップを含む、実施形態40~45のいずれか1つに記載の方法。
【符号の説明】
【0194】
100 ウインドウ
16 フレーム
18 シール
10 LCパネル
12 第1のガラス層(例えば厚さ3mm超の厚い強化SLG)
14 第2のガラス層(例えば厚さ3mm超の厚い強化SLG)
20 LCセル
22 LCセルの第1の側面(主面)
26 第1の中間層
30 第1のガラスシート
32 第1の電極
34 第1の導電層
48 LC領域(LC混合物及びスペーサを含む)
38 スペーサ
36 LC混合物(1つ以上のLCホスト、1つ以上の分子、1つ以上の染料、1つ以上の添加物を含む)
44 第2の導電層
42 第2の電極
40 第2のガラスシート
24 LCセルの第2の側面(主面)
28 第2の中間層
46 コーティング(例えば低Eコーティング)
52 LC領域シール
50 ムラ/不連続領域/不均一性の例
54 セルギャップ
【国際調査報告】