(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】液晶パネルの均一な透過率のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
C03C 27/12 20060101AFI20230125BHJP
B32B 17/10 20060101ALI20230125BHJP
B32B 37/14 20060101ALI20230125BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
C03C27/12 N
B32B17/10
B32B37/14 Z
G02F1/13 505
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022531525
(86)(22)【出願日】2020-11-25
(85)【翻訳文提出日】2022-07-26
(86)【国際出願番号】 US2020062148
(87)【国際公開番号】W WO2021108489
(87)【国際公開日】2021-06-03
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ベロ,オラダポ オラレカン
(72)【発明者】
【氏名】クイヤール,ジェームス グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】マクドナルド,マイケル アーロン
(72)【発明者】
【氏名】リカール,ポール ジョージ
【テーマコード(参考)】
2H088
4F100
4G061
【Fターム(参考)】
2H088EA34
2H088FA20
2H088GA13
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2H088JA06
2H088MA04
4F100AA33
4F100AG00
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4G061AA33
4G061BA01
4G061BA02
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4G061CB07
4G061CB16
4G061CB19
4G061CD02
4G061CD11
4G061CD18
(57)【要約】
LCセル、LCパネル、及びLCパネルを製造する方法を構成するための様々な実施形態が提供され、これは:第1のガラス層及び第2のガラス層を提供するステップであって、上記第1のガラス層は第1及び第2の表面を有し、上記第2のガラス層は第1及び第2の表面を有する、ステップと;ラミネート加工後、ガラス層の位置決め又は研磨に基づいて、結果として得られるLCパネルが均一な透過率を有するように構成されるように、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層の1つの表面を表面研磨するステップ、並びに上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層を選択的に位置決めするステップのうちの少なくとも一方とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって:
第1のガラス層及び第2のガラス層を提供するステップであって、
前記第1のガラス層は第1の表面及び第2の表面を備え、
前記第2のガラス層は第1の表面及び第2の表面を備える、ステップ;
前記第1のガラス層の前記第1の表面、前記第1のガラス層の前記第2の表面、前記第2のガラス層の前記第1の表面、及び前記第2のガラス層の前記第2の表面のうちの少なくとも1つを表面研磨して、前記第1のガラス層及び前記第2のガラス層のうちの少なくとも一方の上の少なくとも1つの研磨済み層を提供するステップ;
複数のLCパネルコンポーネント層を組み立てて積層体を形成するステップであって、前記LCパネルコンポーネント層は、
前記第1のガラス層、
第1の中間層、
LCセル、
第2の中間層、及び
前記第2のガラス層
を備える、ステップ;
前記積層体の前記LCパネルコンポーネント層の間に取り込まれたいずれの空気を除去して、硬化性積層体を形成するステップ;
前記硬化性積層体をラミネート加工して液晶パネルを形成するステップ
を含み、
表面研磨する前記ステップによって、前記液晶パネルは均一な透過率を有するように構成される、方法。
【請求項2】
組み立てる前記ステップ中、前記少なくとも1つの研磨済み層は、前記第1の中間層又は前記第2の中間層のうちの一方に面している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
a.前記第1のガラス層の前記第1の表面及び前記第1のガラス層の前記第2の表面のうちの少なくとも一方と、前記第2のガラス層の前記第1の表面及び前記第2のガラス層の前記第2の表面のうちの少なくとも一方とを表面研磨して、前記第1のガラス層上の少なくとも1つの研磨済み層、及び前記第2のガラス層上の少なくとも1つの研磨済み層を提供するステップを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
組み立てる前記ステップ中、前記第1のガラス層上の前記研磨済み層は前記第1の中間層に面しており、前記第2のガラス層上の前記研磨済み層は前記中間層に面している、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記均一な透過率は、ある透過領域において、前記LCパネルの隣接する透過領域と比較して2%以下のばらつきを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
表面研磨する前記ステップは、対応する前記第1のガラス層又は前記第2のガラス層の表面の平面から測定した場合に50マイクロメートルを超えて延在する山を除去するステップを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
表面研磨する前記ステップは、前記研磨済み層の平面外不連続を研磨前の同じガラス層の同じ表面と比較した場合に、前記第1のガラス層又は前記第2のガラス層の平面外不連続を少なくとも25%、又は少なくとも50%、又は少なくとも75%だけ低下させるステップを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記積層体に亘る前記第1のガラス層及び前記第2のガラス層のうちの少なくとも一方を、選択的に位置決めすることによって、前記第1のガラス層及び前記第2のガラス層のうちの少なくとも一方に由来する前記積層体の付加的な歪みを軽減するステップを更に含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
選択的に位置決めする前記ステップは:
前記第1のガラス層を前記第2のガラス層と直交するように位置決めすることによって、前記第1のガラス層の中間層側表面を、前記第2のガラス層の中間層側表面に関して選択的に位置決めするステップ
を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
選択的に位置決めする前記ステップは:
前記第1のガラス層の湾曲の方向を決定するステップ;
前記第2のガラス層の湾曲の方向を決定するステップ;並びに
前記第1のガラス層及び前記第2のガラス層それぞれの湾曲の間で一致した対応する方向に、湾曲を整列させることによって、前記第1のガラス層と前記第2のガラス層との間の、湾曲による付加的な歪みを軽減するために、前記第1のガラス層及び前記第2のガラス層を位置決めするステップ
を更に含む、請求項8又は9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下で、2019年11月27日出願の米国仮特許出願第62/941,212号の優先権の利益を主張するものであり、上記仮特許出願の内容は、参照によりその全体が本出願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は概して、自動車用途及び/又は建築用途のためのLCパネル及び/又はLCウインドウの不均一な透過率(例えば暗点及び/又は明点)の防止、削減、及び/又は軽減のための構成及び方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
特に寸法が大きな建築用ウインドウ又は自動車ウインドウの製造に関して、液晶ウインドウの商用化には多くの課題がある。性能及び製造性の改善が望まれている。
【発明の概要】
【0004】
調光層(例えば液晶層)が組み込まれたスマートウインドウを使用すると、ウインドウを通る光透過を制御できるため、居住者の快適性が向上し、エネルギコストが削減される。厚いガラスによってLCセルの重量が大幅に増大するため、厚いガラスを用いた液晶ウインドウは非常に重く、これはウインドウの輸送及び設置の困難さにも寄与する。
【0005】
ある態様では、方法であって:第1のガラス層及び第2のガラス層を提供するステップであって、上記第1のガラス層は第1の表面及び第2の表面を備え、上記第2のガラス層は第1の表面及び第2の表面を備える、ステップ;上記第1のガラス層の上記第1の表面、上記第1のガラス層の上記第2の表面、上記第2のガラス層の上記第1の表面、及び上記第2のガラス層の上記第2の表面のうちの少なくとも1つを表面研磨して、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層のうちの少なくとも一方の上の少なくとも1つの研磨済み層を提供するステップ;複数のLCパネルコンポーネント層を組み立てて積層体を形成するステップであって、上記LCパネルコンポーネント層は、上記第1のガラス層、第1の中間層、LCセル、第2の中間層、及び上記第2のガラス層を備える、ステップ;上記積層体の上記LCパネルコンポーネント層の間に取り込まれたいずれの空気を除去して、硬化性積層体を形成するステップ;上記硬化性積層体をラミネート加工して液晶パネルを形成するステップを含み、表面研磨する上記ステップによって、上記液晶パネルは均一な透過率を有するように構成される、方法が提供される。
【0006】
いくつかの実施形態では、組み立てる上記ステップ中、上記少なくとも1つの研磨済み層は、上記第1の中間層又は上記第2の中間層のうちの一方に面している。
【0007】
いくつかの実施形態では、上記方法は、上記第1のガラス層の上記第1の表面及び上記第1のガラス層の上記第2の表面のうちの少なくとも一方と、上記第2のガラス層の上記第1の表面及び上記第2のガラス層の上記第2の表面のうちの少なくとも一方とを表面研磨して、上記第1のガラス層上の少なくとも1つの研磨済み層、及び上記第2のガラス層上の少なくとも1つの研磨済み層を提供するステップを更に含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、組み立てる上記ステップ中、上記第1のガラス層上の上記研磨済み層は上記第1の中間層に面しており、上記第2のガラス層上の上記研磨済み層は上記中間層に面している。
【0009】
いくつかの実施形態では、ラミネート加工する上記ステップは、上記硬化性積層体を、ある持続時間にわたってラミネート加工温度まで加熱するステップを更に含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、ラミネート加工する上記ステップは、ラミネート加工中に上記LCパネルコンポーネント層に圧力を印加するステップを更に含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、上記均一な透過率は、ある透過領域において、上記LCパネルの隣接する透過領域と比較して2%以下のばらつき(disparity)を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、上記均一な透過率は、目視観察によって検出される。
【0013】
いくつかの実施形態では、上記均一な透過率は、分光光度計によって検出される。
【0014】
いくつかの実施形態では、表面研磨する上記ステップは、対応する上記第1のガラス層又は上記第2のガラス層の表面の平面から測定した場合に50マイクロメートルを超えて延在する山(peak)を除去するステップを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、表面研磨する上記ステップは、上記研磨済み層の平面外不連続(out‐of‐plane discontinuities)を研磨前の同じガラス層の同じ表面と比較した場合に、上記第1のガラス層又は上記第2のガラス層の平面外不連続を少なくとも25%、又は少なくとも50%、又は少なくとも75%だけ低下させるステップを含む。
【0016】
別の態様では、方法であって:複数のLCパネルコンポーネント層を組み立てて積層体を形成するステップであって、上記LCパネルコンポーネント層は、第1の表面及び第2の表面を有する第1のガラス層、第1の中間層、LCセル、第2の中間層、並びに第1の表面及び第2の表面を有する第2のガラス層を備える、ステップ;上記積層体に亘る上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層のうちの少なくとも一方を、選択的に位置決めすることによって、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層のうちの少なくとも一方に由来する上記積層体の付加的な歪みを軽減するステップ;上記積層体の上記LCパネルコンポーネント層の間に取り込まれたいずれの空気を除去して、硬化性積層体を形成するステップ;上記硬化性積層体をラミネート加工して液晶パネルを形成するステップを含み、選択的に位置決めする上記ステップによって、上記液晶パネルは均一な透過率を有するように構成される、方法が提供される。
【0017】
いくつかの実施形態では、選択的に位置決めする上記ステップは、上記第1のガラス層を上記第2のガラス層と直交するように位置決めすることによって、上記第1のガラス層の中間層側表面を、上記第2のガラス層の中間層側表面に関して選択的に位置決めするステップを更に含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、選択的に位置決めする上記ステップは:上記第1のガラス層の上記第1の表面及び上記第2の表面から、より平滑な側面を決定するステップであって、「より平滑な(smoother)」は、平面外不連続がより少ないこと及び/又は平面外不連続がより小さいことのうちの少なくとも一方を含む、ステップ;並びに上記より平滑な側面を上記第1の中間層に向けて位置決めするステップを更に含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、選択的に位置決めする上記ステップは:上記第2のガラス層の上記第1の表面及び上記第2の表面から、より平滑な側面を決定するステップであって、「より平滑な」は、平面外不連続がより少ないこと及び/又は平面外不連続がより小さいことのうちの少なくとも一方を含む、ステップ;並びに上記第2のガラス層の上記より平滑な側面を上記第2の中間層に向けて位置決めするステップを更に含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、選択的に位置決めする上記ステップは:上記第1のガラス層の上記第1の表面及び上記第2の表面から、より平滑な側面を決定するステップであって、「より平滑な」は、平面外不連続がより少ないこと及び/又は平面外不連続がより小さいことのうちの少なくとも一方を含む、ステップ;上記より平滑な側面を上記第1の中間層に向けて位置決めするステップ;上記第2のガラス層の上記第1の表面及び上記第2の表面から、より平滑な側面を決定するステップであって、「より平滑な」は、平面外不連続がより少ないこと及び/又は平面外不連続がより小さいことのうちの少なくとも一方を含む、ステップ;並びに上記第2のガラス層の上記より平滑な側面を上記第2の中間層に向けて位置決めするステップを更に含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、選択的に位置決めする上記ステップは:上記第1のガラス層の湾曲の方向を決定するステップ;上記第2のガラス層の湾曲の方向を決定するステップ;並びに上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層それぞれの湾曲の間で一致した対応する方向に、湾曲を整列させることによって、上記第1のガラス層と上記第2のガラス層との間の、湾曲による付加的な歪みを軽減するために、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層を位置決めするステップを更に含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、上記方法は:上記第1のガラス層の上記第1の表面、上記第1のガラス層の上記第2の表面、上記第2のガラス層の上記第1の表面、及び上記第2のガラス層の上記第2の表面のうちの少なくとも1つを表面研磨して、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層のうちの少なくとも一方の上の少なくとも1つの研磨済み層を提供するステップを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、組み立てる上記ステップ中、上記少なくとも1つの研磨済み層は、上記第1の中間層又は上記第2の中間層のうちの一方に面している。
【0024】
いくつかの実施形態では、上記方法は、上記第1のガラス層の上記第1の表面及び上記第1のガラス層の上記第2の表面のうちの少なくとも一方と、上記第2のガラス層の上記第1の表面及び上記第2のガラス層の上記第2の表面のうちの少なくとも一方とを表面研磨して、上記第1のガラス層上の少なくとも1つの研磨済み層、及び上記第2のガラス層上の少なくとも1つの研磨済み層を提供するステップを更に含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、組み立てる上記ステップ中、上記第1のガラス層上の上記研磨済み層は上記第1の中間層に面しており、上記第2のガラス層上の上記研磨済み層は上記中間層に面している。
【0026】
いくつかの実施形態では、上記均一な透過率は、ある透過領域において、上記LCパネルの隣接する透過領域と比較して2%以下のばらつきを含む。
【0027】
別の態様では、方法であって:第1のガラス層及び第2のガラス層を提供するステップであって、上記第1のガラス層は第1の表面及び第2の表面を有し、上記第2のガラス層は第1の表面及び第2の表面を有する、ステップ;上記第1のガラス層の上記第1の表面、上記第1のガラス層の上記第2の表面、上記第2のガラス層の上記第1の表面、及び上記第2のガラス層の上記第2の表面のうちの少なくとも1つを表面研磨して、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層のうちの少なくとも一方の上の少なくとも1つの研磨済み層を提供するステップ;複数のLCパネルコンポーネント層を組み立てて積層体を形成するステップであって、上記LCパネルコンポーネント層は、上記第1のガラス層及び第2のガラス層であって、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層のうちの少なくとも一方は研磨済み表面を備える、第1のガラス層及び第2のガラス層と、第1の中間層と、LCセルと、第2の中間層とを備え、上記研磨済み表面は、対応する上記第1の中間層又は第2の中間層に向かって位置決めされる、ステップ;上記積層体に亘る上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層のうちの少なくとも一方を、選択的に位置決めすることによって、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層のうちの少なくとも一方に由来する上記積層体の付加的な歪みを軽減するステップ;上記積層体の上記LCパネルコンポーネント層の間に取り込まれたいずれの空気を除去して、硬化性積層体を形成するステップ;上記硬化性積層体をラミネート加工して液晶パネルを形成するステップを含み、表面研磨する上記ステップ及び選択的に位置決めする上記ステップによって、上記液晶パネルは均一な透過率を有するように構成される、方法が提供される。
【0028】
更なる特徴及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」に記載され、また当業者にはこの「発明を実施するための形態」から容易に明らかとなるか、又は以下の「発明を実施するための形態」、「特許請求の範囲」及び添付の図面を含む本明細書に記載の実施形態を実施することによって把握されるだろう。
【0029】
上述の「発明の概要」及び以下の「発明を実施するための形態」はいずれも単なる例であり、本出願で請求されるような本発明の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを意図したものであることを理解されたい。
【0030】
添付の図面は、本開示の原理の更なる理解を提供するために含まれているものであり、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する。図面は1つ又は複数の実施形態を示し、これは説明と併せて、例を用いて本開示の原理及び動作を説明する役割を果たす。本明細書及び図面において開示される本開示の様々な特徴は、いずれの及び全ての組み合わせで使用できることを理解されたい。非限定的な例として、本開示の様々な特徴を、以下の態様に応じて互いに組み合わせてよい。
【0031】
本開示のこれらの及びその他の特徴、側面、及び利点は、添付の図面を参照しながら以下の「発明を実施するための形態」を読むと、よりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A】本開示の様々な実施形態による、液晶(LC)パネルのある実施形態の概略断面側面図
【
図1B】本開示の1つ以上の実施形態による、
図1Aのある領域の拡大断面側面概略図であって、パネルの一部分の拡大図を示し、第2のガラス層、中間層、導電層、及びLC領域を図示し、上記LC領域はLC混合物及び複数のスペーサを含む
【
図2】本開示の1つ以上の実施形態による、パネルで利用されるガラス層(例えばフロートガラス)の表面トポグラフィ測定の偽色輪郭マップであり、これは強化ソーダライムガラス(soda lime glass:SLG)の代表的なサンプルであると考えられ、平均約50μmの高さ/深さの山及び谷を有する波状の表面不連続(平面外不連続)を示す
【
図3A】本開示の1つ以上の態様による、第1及び第2の中間層を介して対応する第1及び第2のガラス層に対してラミネート加工されたLCセルを示す、LCパネルのある実施形態の概略図
【
図3B】本開示の1つ以上の態様による、フレーム、フレームとパネルとの間のシール、及びパネルの表面上のコーティングを有するように構成されたLCパネルを示す、LCウインドウのある実施形態の概略図
【
図4】本開示の様々な実施形態による、LCパネルを作製する方法
【
図5】本開示の1つ以上の実施形態による、LCパネルを作製する方法のある実施形態のフローチャート
【
図6】本開示の1つ以上の実施形態による、LCパネルを作製する方法の別の実施形態のフローチャート
【
図7】本開示の実施形態による、LCパネルを作製する方法の様々な実施形態を示すフローチャートであって、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層の選択的位置決めに関して様々な実施形態が図示されている
【
図8】本開示による方法の別の実施形態を示し、ここでは、本開示の様々な実施形態による表面研磨及び選択的位置決め(本明細書で提供される1つ、2つ、及び/又は3つの実施形態)が共に含まれている
【
図9A-C】本開示の1つ以上の態様による、2つのガラス層を、ガラス層の構成に基づく対応する湾曲(
図9A)、又はガラス層の構成に基づく相反する湾曲(
図9B及び9C)を有するように構成する3つの比較例
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下の「発明を実施するための形態」では、限定のためではなく説明のために、具体的詳細を開示する例示的実施形態を挙げて、本開示の様々な原理の完全な理解を提供する。しかしながら、本開示の利益を得た当業者には、本開示を、本明細書で開示される具体的詳細から逸脱した他の実施形態で実施してよいことが理解されるだろう。更に、公知のデバイス、方法及び材料の説明は、本開示の様々な原理の説明を不明瞭にしないよう、省略する場合がある。最後に、同様の要素には、適用できるかぎり同様の参照番号を付している。
【0034】
図1Aは、液晶(LC)パネルの概略断面側面図を示す。
【0035】
図1Aを参照すると、液晶パネル10のある実施形態の概略断面側面図が示されており、これは、2つのガラス層(例えば第1のガラス層12及び第2のガラス層14)の間に構成された(挟まれた)LCセルを、第1のガラス層12とLCセルの第1の側面22との間、及び第2のガラス層14とLCセルの第2の側面24との間にそれぞれ位置決めされた、対応する中間層(例えば第1の中間層26及び第2の中間層28)と共に示す。
【0036】
液晶セル20は、2つのガラス層、即ち第1のガラス層30及び第2のガラス層40を用いて構成され、これらは互いに離間した関係に配置され、間に液晶領域48が画定される。第1のガラス層30及び第2のガラス層40はそれぞれ、導電層(例えば第1の導電層34及び第2の導電層44)を用いて構成され、各導電層(34、44)は、導電層34、44が液晶領域と電気的に連通して構成されるように、LC領域48と、第1のガラスシート30又は第2のガラスシート40との間に構成される。
【0037】
液晶領域48は、複数のスペーサ38及びLC混合物36を含む。スペーサ38は、これらのスペーサ38が、LCセル20内のある位置からLCセル20内の別の位置まで略均一な(例えば予め定義された閾値を超えない)セルギャップを促進するよう構成されるように、LC混合物36全体にわたって、離間した関係で設けられる。LC混合物36は、少なくとも1つの液晶材料、少なくとも1つの染料、少なくとも1つのホスト材料、及び/又は少なくとも1つの添加物を含むことができる。LC混合物36は、電気的に切り替わる/作動するよう構成され、これによって、対応する液晶セル20、液晶パネル10、及び液晶ウインドウ内に作動要素を提供して、作動時にコントラスト状態(例えば暗所)及び非コントラスト状態(例えば明所)を提供する。LC混合物36の作動は、(LCセル20の第1の大側面22に隣接する)第1の電極32、及び(LCセル20の第2の大側面24に隣接する)第2の電極42を介した電気的接続によって完了される。電極(32及び42のうちの一方)は、電源からの電流又は電位を、アノードとして作用する対応する電極を通り、対応する導電層(34又は44のうちの一方)を通り、LC混合物36を作動させるためにLC領域48を通り、対応する導電層(34又は44のうちのもう一方)を通り、電極(32及び42のうちのもう一方)を通ってシステムから出るように配向するよう構成される。電源をオン及びオフすることによって、そしてこれによってLC混合物に電流を通すことによって、LC混合物は作動し、第1の透過状態から第2の透過状態となる(ここで上記第1の透過状態は上記第2の透過状態とは異なる)。
【0038】
図示されているように、LCパネル10は、第1のガラス層12、第2のガラス層14、LCセル20、第1の中間層26、及び第2の中間層28を含む。LCセル20は、液晶材料36(例えば分子、染料、及び/又は添加物)、(LCセル内のセルギャップを維持するためにガラス層と協働するよう構成された)スペーサ38、第1の導電層34、第2の導電層44、第1の電極32、第2の電極42、第1のガラスのシート30、並びに第2のガラスのシート40を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、第1のガラス層12及び第2のガラス層14は厚い。いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層はそれぞれ、少なくとも3mmの厚さを有する。いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層はそれぞれ、少なくとも3mm、かつ7mm以下の厚さを有する。
【0040】
いくつかの実施形態では、第1のガラスのシート30及び第2のガラスのシート40は薄い。いくつかの実施形態では、上記第1のガラスシート及び上記第2のガラスシートはそれぞれ、1mm以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層はそれぞれ、少なくとも0.3mm、かつ1mm以下の厚さを有する。
【0041】
いくつかの実施形態では、第1のガラスのシート30及び第2のガラスのシート40は、第1のガラスの層12及び第2のガラスの層14よりも薄い。
【0042】
いくつかの実施形態では、ガラスシート(30、40)はLCセル20内において、LCセルの大面22、24に隣接し、かつLC材料36に隣接して、LCコンポーネント(例えば導電層(34、44)、LC材料36、スペーサ38)を所定の位置に保持するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の中間層26は、第1のガラス層12と第1のガラスのシート30(LCセル20の第1の表面22)との間に構成される。いくつかの実施形態では、第2の中間層28は、第2のガラスの層14と第2のガラスのシート40(LCセル20の第2の表面24)との間に構成される。
【0043】
いくつかの実施形態では、ガラスシート(例えば第1のガラスのシート30又は第2のガラスのシート40)は、1mm未満、0.8mm未満、0.7mm未満、0.5mm未満、又は0.3mm未満の厚さで構成される。いくつかの実施形態では、第1のガラスのシート30は第2のガラスのシート40と同一の厚さを有する。いくつかの実施形態では、第1のガラスのシート30は第2のガラスのシート40と異なる厚さを有する。
【0044】
例えば導電層(34又は44)はLCセル20内において、ガラスのシート(30又は40)とLC領域48との間に構成される。導電層(34又は44)は、電場がオンであるかオフであるかに基づいて、(例えば導電層及び電源(図示せず)と連通して、LCセル20を横切るように電場を配向し、LCパネル/スマートウインドウを作動させて(第1のコントラストを有する)オン位置及び(第2のコントラストを有する)オフ位置とするよう構成された)1つ以上の電極(32又は42)に取り付けられる。
【0045】
各導電層は、導電性フィルム、例えば透明導電性酸化物を含む。薄型導電性フィルムのいくつかの非限定的な例は、ITO(indium tin oxide:酸化インジウムスズ)、FTO(fluorine‐doped tin oxide:フッ素ドープ酸化スズ)、又は金属である。
【0046】
いくつかの実施形態では、ポリイミド等の配向層を、薄型導電性フィルムとLC材料との間に配置することによって、所望の角度での(LC材料36中の)LC分子の配向を促進できる。
【0047】
図1Bは、
図1Aのある領域の拡大断面側面図を示し、これは、LCセル20の第2のガラス層14(例えば強化SLG)、第2の中間層28、及び第2のガラスシート40の拡大図を示し、LCセル20内に保持されたLC領域48のLC混合物36及びスペーサ38を更に示す。
図1Bに示されているように、第2のガラスの層40と比較した場合の、第1のガラス層及び第2のガラス層14(ここでは第2のガラス層のみが示されている)の表面不連続が明らかである。図示されているこの例では、LCパネル10のエリア50に起因する表面不連続は、LCセル20の不均一/不連続のエリアである。この例は、観察者からはLCパネル10の暗点として観察され得る。スペーサ38は、LCセル20のセルギャップを横切って延在するよう構成される。
【0048】
図2は、本明細書に記載のLCパネル10で利用される第1のガラス層12又は第2のガラス層14の代表的なサンプルの輪郭マップを示す。フロートガラスは、製造時に表面の波打ち/輪郭のあるトポグラフィを有し、これは強化により悪化して、
図2の代表的な例のものと同様の表面トポグラフィを提供し得る。この強化ソーダライムガラスは、平均約50μmの高さ/深さの表面不連続(平面外不連続)を呈し、これは液晶パネル10を製造するためのラミネート加工を困難にする。
【0049】
ある非限定的な例では、波打ちは、機械的又は光学的測定デバイスによって、標準的な方法に従って分析的に決定できる。ある非限定的な例では、波打ちは、ASTM C1651: Standard Test Method for Measurement of Roll Wave Optical Distortion in Heat‐Treated Flat Glassに従った測定によって決定できる。他の標準的な方法を利用して、本明細書で開示される1つ以上の実施形態による平坦ガラス層の表面の波打ちを理解することもできる。
【0050】
図3Aは、シングルセル液晶パネル10のある実施形態の概略断面側面図を示し、これは、LCパネル10の形成のために、2つの中間層(26、28)を介して2つのガラス層(12、14)上にラミネート加工されたLCセルを示す。LCパネルは対称的なコンポーネント構成を示し、軸は、図示されているLCセルシール52の一部分から、LCセルシール52の他方の部分に向かって、LC材料48を通って引かれる。
【0051】
図3Bは、シングルセル液晶ウインドウ100のある実施形態の概略断面側面図を示す。LCウインドウ100は、パネル10内に具現化されたLCセル20を含み、上記パネルは、第1の中間層26、第2の中間層28、第1のガラス層12、及び第2のガラス層14も含む。LCウインドウ100は、LCパネル10の縁部に構成されたフレーム16を有するように構成され、シール18がフレーム16の少なくとも一部分とパネル10の縁部の少なくとも一部分との間に構成されることにより、パネル10の縁部を損傷することなく、フレーム16内でのパネル10の圧迫係合を提供する。また
図3Bは、LCパネル10の表面上の任意のコーティング46を示す。ここではコーティングは、LCパネル10上の第2のガラス層14の外側表面上に構成される。
【0052】
図4は、LCパネルを作製する方法を示す。図示されているように、ラミネート加工プロセスは、LCパネルコンポーネント層を組み立てて積層体とするステップを含む。第1のガラス層、第1の中間層、LCセル、第2の中間層、及び第2のガラス層を含む様々なコンポーネント層を、互いに接触させて配置することにより、積層体を形成する。中間層は、ポリマー及びアイオノマーの群から選択される。非限定的な例として、中間層は、厚さ0.76mmのPVB(polyvinyl butyral:ポリビニルブチラール)で構成される。
【0053】
次に、ラミネート加工プロセスは、積層体の様々な層の間に捕捉された又は取り込まれた空気を除去して、硬化性積層体を形成するステップを含む。空気の除去の非限定的な例としては:ニップローラー処理;排気パウチの使用;少なくとも1つの真空リングによる真空引き;又はフラットベッドラミネータによるラミネート加工が挙げられる。
【0054】
ラミネート加工を硬化性積層体に対して完了することにより、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層がLCセルの大面(例えば
図1Aに示されているように、LCセルの概ね対向する大面)に、対応する第1及び第2の中間層を介して接着され、これらの中間層は、第1のガラス層をLCセルの第1の表面に、そして第2のガラス層をLCセルの第2の側面に取り付ける(例えば接着する)。ラミネート加工の非限定的な例としては、フラットベッドラミネータ又はオートクレーブの利用が挙げられる。ある温度及び目標圧力下での、ある期間にわたるラミネート加工の後、硬化性積層体は液晶(LC)パネルに形成される。
【0055】
ある非限定的な例では、LCパネルは、LCパネルの外縁部の周囲にシール及びフレームを構成して、LCパネルをフレーム内に保持することにより、液晶ウインドウとなる。更に、電源から電極への電気的連通を構成することにより、電極、導電層、及びLC材料によってLCウインドウを横切るように配向された電場による、LCウインドウの作動が可能となる。
【0056】
それ以降の図を参照すると、
図5~9は全体として、ムラ(例えば暗点)を防止、削減、及び/又は排除するために、製造中にLCパネル中に1つ以上の強化SLG層を構成する方法の実施形態を対象としている。非限定的な例は、第1のガラス層及び第2のガラス層のうちの一方若しくは両方の内側表面を表面研磨するステップ、並びに/又は積層体構成の中で、第1のガラス層及び第2のガラス層を互いに対して選択的に位置決めするステップを含む。
【0057】
図5は、本開示の1つ以上の実施形態による方法のある実施形態のフローチャートを示す。
図5を参照すると、方法は:強化SLG層のうちの少なくとも1つを表面研磨するステップ;LCパネルコンポーネント層を組み立てて積層体とするステップ;取り込まれた空気を除去して硬化性積層体を作製するステップ;これに続いて、硬化性積層体をラミネート加工してLCパネルを作製するステップを提供し、表面研磨する上記ステップによって、LCパネルは、静的コントラスト状態において:(i)(隣接する複数の領域と比較した場合に)所定の閾値より大きな透過率ばらつきを有する領域が存在しない状態;及び/又は(ii)(いずれのコントラスト状態においても)コントラストが均一である/視覚的に観察可能な暗点が存在しない状態のうちの少なくとも一方となるように構成される。
【0058】
いくつかの実施形態では、表面研磨するステップとは、第1のSLGの層、第2のSLGの層、又は両方のSLGの層のうちの少なくとも1つの、(例えばLCセルに面し、かつ中間層に隣接する)内側を表面研磨するステップを意味する。
【0059】
いくつかの実施形態では、表面研磨するステップとは、第1のSLGの層及び第2のSLGの層の両方の(例えばLCセルに面し、かつ中間層に隣接する)内側を表面研磨するステップを意味する。
【0060】
いくつかの実施形態では、表面研磨するステップは、SLGの内側表面の平面外不連続から、いずれの大きな山を除去するよう構成される。いくつかの実施形態では、表面研磨するステップは、SLGの表面の平面から、50マイクロメートルを超えて延在する山を除去するよう構成される。いくつかの実施形態では、表面研磨するステップは、平面外不連続を、75%だけ、又は約50%だけ、又は約25%だけ、又は約10%だけ削減するよう構成される。いくつかの実施形態では、表面研磨するステップは、平面外不連続を、75%だけ(例えば50マイクロメートルから12.5マイクロメートルへ)、又は約50%だけ(例えば50マイクロメートルから25マイクロメートルへ)、又は約25%だけ(例えば50マイクロメートルから37.5マイクロメートルへ)、又は約10%だけ(50マイクロメートルから40マイクロメートルへ)、削減するよう構成される。
【0061】
図6は、本開示の1つ以上の実施形態による、LCパネルを作製する方法の別の実施形態のフローチャートを示す。
図6を参照すると、LC積層体に亘る第1のガラス層及び第2のガラス層を、選択的に位置決めすることによって、(例えば一方若しくは両方のSLGの表面の不連続、及び/又は一方若しくは両方のSLG層の湾曲に起因し得る)付加的な歪みを軽減する、別の実施形態によって、LCパネルを作製する方法が示されている。
【0062】
図7は、本開示の実施形態による、第1のガラス層及び第2のガラス層を選択的に位置決めするための3つの実施形態を提供する。
図7に示されているように、第1のガラス層及び第2のガラス層の選択的位置決めの一実施形態は、上記層を互いに対して直交するように位置決めするステップを含む。このような構成では、両方のSLGの内側の層が準周期的な不連続を有する場合(例えば
図2に示されている準周期的表現の例)、これらの層は互いに対して直交するように位置決めされる(例えば一方のシートが他方の層に対して90°回転させて又は270°回転させて位置決めされる)。他の回転及び整列の角度も許容され得るが、本明細書では例示を目的として、四角形(例えば正方形及び長方形)に対応するものが提供される。
【0063】
第2の実施形態では、選択的に位置決めするステップは、少なくとも1つのSLG層の配向を反転させるステップを含む。例えば、一方のSLGの側面は、フロートプロセス又は強化プロセスからの製造の関数として、他方よりも有意に大きな表面不連続を有する場合がある。従って、少なくとも1つのSLG層(又は両方のSLG層)の、より平滑な表面(例えば表面不連続が少ない/小さい表面)をLCセルに向けて位置決めすることによって、ラミネート加工時に暗点を防止、削減、及び/又は排除できる。
【0064】
第3の実施形態では、選択的に位置決めするステップは、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層を、これらの層が、シートのジオメトリ間で一致する、対応する整列された湾曲を有するように、選択的に位置決めするステップを含む。この構成では、層は湾曲(例えば層間の湾曲による付加的な歪み)を軽減するように位置決めされる。
【0065】
図7に示されているように、選択的に位置決めするステップは、本開示の様々な態様に応じて、
図7で提供されている1つ、2つ、又は3つ全ての実施形態を含むことができる。
【0066】
図8は、本開示による方法の別の実施形態であり、ここでは、本開示の様々な実施形態による表面研磨及び選択的位置決め(本明細書で提供される1つ、2つ、又は3つ全ての実施形態)が共に含まれている。
【0067】
図9A~Cは、2つのガラス層を、対応する湾曲(
図9A)又は相反する湾曲(
図9B及び9C)を有するように構成する3つの比較例を示す。湾曲はASTM C1172に従って測定できる。
【0068】
図9Aを参照すると、2つのガラス層は対応する湾曲を有するように構成され、これにより、これらの層を対応させて、同様のジオメトリの一致した配向を維持することによって、付加的な湾曲が軽減される。
図9Aの間隔の均一性、並びに
図9B及び9Cの比較対象のギャップを強調するために、各例の2つのガラス層の間には、同一の長さの複数の矢印が配置されており、
図9B(例えば中央領域)及び
図9C(例えば縁部/端部領域)の例示的な構成には相当なギャップが存在する。
【0069】
図9Aは、本開示の様々な実施形態による、一致したスプーン状パターンを有するように構成(選択的に位置決め)された2つのガラス層を提供する。
【0070】
対照的に
図9Bは、SLG層の構成(即ち全体として中央において互いから離れる湾曲)に起因し得るセルギャップの差に基づく、均一性に関する大きな問題をもたらすと考えられる。
【0071】
同様に
図9Cは、SLG層の構成(即ち全体として縁部/端部において互いから離れる湾曲)に起因し得るセルギャップの差に基づく、均一性に関する大きな問題をもたらすと考えられる。
【0072】
いくつかの実施形態では、液晶(LC)材料を、Corning(登録商標)EAGLE XG(登録商標)等の市販のフュージョン成形ボロシリケートガラス2片の間に挟むことによって、液晶セルが形成される。しかしながら、このようなガラスの厚さは1mm未満であるため、建築用途の大寸法のウインドウが通常受ける風及び雪による負荷への曝露に耐えるための十分な剛性がない。従って本開示の液晶ウインドウは、更なる強度及び/又は支持のために厚い(3mmを超える)ソーダライムガラス(SLG)の片に対してラミネート加工された薄型ガラス(例えば1mm未満)を有する、LCセルを含む。SLGは、更なる強度及び破壊に対する保護のために(ASTM C1048に従って)強化されるが、強化プロセスはSLGの平面外歪みを誘発することが知られており、これは相当なものとなる場合があり、LCパネルに影響を及ぼす。
【0073】
ラミネート加工後、LCセルからの1つ以上の薄型ガラスがSLGに十分に付着していれば、SLG由来の平面外歪みが薄型ガラスを引っ張る場合があり、これによってLCセルに作用する応力が生じる可能性があり、これは、LCセルギャップの局所的増大、及び/又は視覚的外観の望ましくない局所的変化の生成を含む。LCパネル、又は結果として得られるLCウインドウは、透過率が不均一なスポット、即ちパネルの可視エリア全体の平均可視光透過率に対して2%以上の、可視光透過率の変動を有する領域(例えば暗点又は明点)を有する可能性がある。特定の機序又は理論によって束縛されるものではないが、透過率が不均一なエリア又は領域は、LCセル内の比較的厚いセルギャップに起因すると考えられ、これはLCウインドウの製造中に生成される。
【0074】
LCセルの製作に薄型ガラスを使用することの1つ以上の利点としては:(a)既存のLCD製作設備との互換性;ウインドウの重量が小さくなることにより、輸送及び設置がより容易となり、全体的な二酸化炭素排出量が削減されること;透明状態での可視光透過率が高くなること;ウインドウの構造全体が薄くなること;並びに/又はIGU内のガスのための追加の空間によって、断熱効率が改善されることが挙げられる。
【0075】
本開示の1つ以上の実施形態は、LCパネル内の透過率が不均一なエリア又は領域(例えば暗点又は明点)を削減、防止、及び/又は排除するための構成及び方法を対象とする。よって、本開示の1つ以上のLCパネルは、均一な透過率(例えばウインドウの隣接するエリア(可視エリア)全体の平均可視光透過率に対して2%以下の、可視光透過率の変動を有する領域)を有するように構成される。
【0076】
いくつかの実施形態では、暗点又は明点(「スポット」)は目視観察によって検出できる(液晶ウインドウの静的モードでは、スポットが存在する場合、これらのスポットは、第1のコントラスト状態及び第2のコントラスト状態において検出可能であり、ここでこれらのコントラスト状態は、オン位置及びオフ位置である)。
【0077】
いくつかの実施形態では、「スポット」とは、ある領域におけるウインドウの透過率が、暗点領域において、周囲の非暗点領域に比べて2%を超えて低い透過率であることを意味している。非限定的な例として、透過率は分光計で測定可能である(例えばパーセント透過率又は可視光透過率)。
【0078】
ある態様では、方法であって:複数のLCウインドウコンポーネント層を組み立てて積層体を形成するステップ;上記積層体の上記コンポーネント層の間に取り込まれたいずれの空気を除去して、硬化性積層体を形成するステップ;上記硬化性積層体を、ある期間にわたって、あるラミネート加工温度及びある圧力下でラミネート加工して、液晶ウインドウを形成するステップを含み、上記液晶ウインドウは均一な透過率を有するように構成される、方法が提供される。
【0079】
いくつかの実施形態では、均一な透過率は、ある透過領域における、上記LCパネルの隣接する透過領域と比較して2%以下のばらつき(例えば可視光透過率)を含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、上記均一な透過率は、目視観察によって検出される。
【0081】
いくつかの実施形態では、上記均一な透過率は、分光光度計によって検出される。
【0082】
組み立てる上記ステップは、第1のガラス層、第1の中間層、LCセル、第2の中間層、及び第2のガラス層を積層構成に位置決めするステップを更に含む。
【0083】
ある態様では、装置であって:液晶セルであって、上記液晶セルは、第1のガラス層、上記第1のガラス層から離間した関係で構成された第2のガラス層、並びに上記第1のガラス層と上記第2のガラス層との間に位置決めされた、(例えば第1のコントラスト状態及び第2のコントラスト状態を含む)電気的に切り替え可能な材料で構成された液晶材料を備える、液晶セル;複数のスペーサであって、上記スペーサは、上記第1のガラス層と上記第2のガラス層との間、及び上記液晶材料内に位置するように構成され、上記スペーサは、上記LCセルのLCギャップ(例えば上記第1のガラス層から上記第2のガラス層までの距離)を維持するように構成された、スペーサ;第1の導電層及び第2の導電層であって、上記第1の導電層は、上記第1のガラス層と上記LCセルの第1の側面との間に、上記第1の導電層が上記LCセルの上記第1の側面と電気的に連通するように構成され、上記第2の導電層は、上記第2のガラス層と第2のLC側壁との間に、上記第2の導電層が上記LCセルの上記第2の側面と電気的に連通するように構成された、第1の導電層及び第2の導電層;セル外周に隣接し、上記第1の導電層と電気的に連通するように構成された、第1の電極;並びに上記第2の導電層に隣接するように構成された、第2の電極を備え、上記電極は電源に対して、上記LCセルが上記LC混合物中の上記電気的に切替可能な材料を電気的に作動させるように電気的に構成されるように、構成可能である、装置が提供される。
【0084】
いくつかの実施形態では、上記スペーサはポリマー材料から構成される。
【0085】
いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層は薄型ガラスである。
【0086】
いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層は1mm未満の厚さを有する。
【0087】
いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層は0.5mm以下の厚さを有する。いくつかの実施形態では、上記第2のガラス層は薄型ガラスである。
【0088】
いくつかの実施形態では、上記第2のガラス層は1mm未満の厚さを有する。いくつかの実施形態では、上記第2のガラス層は0.5mm以下の厚さを有する。
【0089】
いくつかの実施形態では、上記LCギャップは10マイクロメートル以下である。
【0090】
いくつかの実施形態では、上記導電層はITO及びポリイミドで構成される。
【0091】
別の態様では、装置であって:電気的に切替可能なLC材料を保持するように構成された、液晶セル(LCセル);上記LCセルの第1の側面に沿って構成された、第1のガラスシート;上記LCセルの第2の側面に沿って構成された、第2のガラスシート;上記第1のガラスシートと上記LCセルの上記第1の側面との間に位置決めされた、第1の中間層であって、上記第1の中間層は、上記第1のガラス層を上記LCセルの上記第1の側面に付着させる、第1の中間層;及び上記第2のガラスシートと上記LCセルの上記第2の側面との間に位置決めされた、第2の中間層であって、上記第2の中間層は、上記第2のガラス層を上記LCセルの上記第2の側面に付着させるよう構成される、第2の中間層を備える、装置が提供される。
【0092】
いくつかの実施形態では、上記装置は層状体である。
【0093】
いくつかの実施形態では、上記装置は液晶ウインドウである。
【0094】
いくつかの実施形態では、上記液晶ウインドウは、少なくとも1フィート(30.48cm)×少なくとも2フィート(60.96cm)の表面積を有する。
【0095】
いくつかの実施形態では、上記液晶ウインドウは、少なくとも2フィート(60.96cm)×少なくとも4フィート(121.92cm)の表面積を有する。
【0096】
いくつかの実施形態では、上記液晶ウインドウは、少なくとも3フィート(91.44cm)×少なくとも5フィート(152.4cm)の表面積を有する。
【0097】
いくつかの実施形態では、上記液晶ウインドウは、少なくとも5フィート(152.4cm)×少なくとも7フィート(213.36cm)の表面積を有する。
【0098】
いくつかの実施形態では、上記液晶ウインドウは、少なくとも7フィート(213.36cm)×少なくとも10フィート(304.8cm)の表面積を有する。
【0099】
いくつかの実施形態では、上記液晶ウインドウは、少なくとも10フィート(304.8cm)×少なくとも12フィート(365.76cm)の表面積を有する。
【0100】
いくつかの実施形態では、上記装置は建築用液晶ウインドウである。
【0101】
いくつかの実施形態では、上記装置は自動車用液晶ウインドウである。
【0102】
いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層はソーダライムガラスで構成される。
【0103】
いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層は強化ソーダライムガラスで構成される。
【0104】
いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層は少なくとも2mmの厚さを備える。
【0105】
いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層は少なくとも2mm、かつ4mm以下の厚さを備える。
【0106】
いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層は3mmの厚さを備える。
【0107】
いくつかの実施形態では、上記第1のガラス層は4mmの厚さを備える。
【0108】
いくつかの実施形態では、上記第2のガラス層はソーダライムガラスで構成される。
【0109】
いくつかの実施形態では、上記第2のガラス層は強化ソーダライムガラスで構成される。
【0110】
いくつかの実施形態では、上記第2のガラス層は少なくとも2mmの厚さを備える。
【0111】
いくつかの実施形態では、上記第2のガラス層は少なくとも2mm、かつ4mm以下の厚さを備える。
【0112】
いくつかの実施形態では、上記第2のガラス層は3mmの厚さを備える。
【0113】
いくつかの実施形態では、上記第2のガラス層は4mmの厚さを備える。
【0114】
いくつかの実施形態では、上記第1の中間層は1mm以下の厚さを備える。
【0115】
いくつかの実施形態では、上記第1の中間層は0.76mmの厚さを備える。
【0116】
いくつかの実施形態では、上記第1の中間層はポリマーで構成される。
【0117】
いくつかの実施形態では、上記第1の中間層はPVBで構成される。
【0118】
いくつかの実施形態では、上記第2の中間層は1mm以下の厚さを備える。
【0119】
いくつかの実施形態では、上記第2の中間層は0.76mmの厚さを備える。
【0120】
いくつかの実施形態では、上記第2の中間層はポリマーで構成される。
【0121】
いくつかの実施形態では、上記第2の中間層はPVBで構成される。
【0122】
いくつかの実施形態では、上記LCパネルの少なくとも1つの表面は、コーティングを備える。
【0123】
いくつかの実施形態では、上記LCパネルの少なくとも1つの表面は、低放射率コーティングを備える。
【0124】
いくつかの実施形態では、上記LCパネルの上記第2のガラス層の外側表面は、低放射率コーティングを備える。例えば上記低放射率コーティングは、非限定的な例をいくつか挙げると窒化ケイ素、金属銀、二酸化ケイ素、酸化スズ、酸化ジルコニウム、及び/又はこれらの組み合わせを含む、金属と酸化物との組み合わせで構成できる。
【0125】
いくつかの非限定的な例として、上記コーティングは:低放射率コーティング;反射防止コーティング;着色コーティング;清掃容易化コーティング;又は鳥類衝突防止コーティングを含む。いくつかの実施形態では、上記コーティングは部分コーティングである。いくつかの実施形態では、上記コーティングは全体コーティングである。いくつかの実施形態(例えば鳥類衝突防止コーティング)では、上記コーティングは、上記表面の別個の複数の部分に沿ってパターン化される。
【0126】
いくつかの実施形態では、上記層状体は、上記LCパネルの第1の大面、上記LCパネルの第2の大面、並びに上記LCパネルの上記第1の大面及び上記LCパネルの上記第2の大面の両方のうちの少なくとも1つに、コーティングを備える。
【0127】
いくつかの実施形態では、上記装置は建築用製品である。
【0128】
いくつかの実施形態では、上記装置は建築用ウインドウである。
【0129】
いくつかの実施形態では、上記装置は自動車用ウインドウである。
【0130】
本開示の精神及び様々な原理から大きく逸脱することなく、本開示の上述の実施形態に対して多数の変更及び修正を実施してよい。このような修正及び変更は全て、本開示の範囲内に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。
【0131】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0132】
実施形態1
方法であって:
第1のガラス層及び第2のガラス層を提供するステップであって、
上記第1のガラス層は第1の表面及び第2の表面を備え、
上記第2のガラス層は第1の表面及び第2の表面を備える、ステップ;
上記第1のガラス層の上記第1の表面、上記第1のガラス層の上記第2の表面、上記第2のガラス層の上記第1の表面、及び上記第2のガラス層の上記第2の表面のうちの少なくとも1つを表面研磨して、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層のうちの少なくとも一方の上の少なくとも1つの研磨済み層を提供するステップ;
複数のLCパネルコンポーネント層を組み立てて積層体を形成するステップであって、上記LCパネルコンポーネント層は、
上記第1のガラス層、
第1の中間層、
LCセル、
第2の中間層、及び
上記第2のガラス層
を備える、ステップ;
上記積層体の上記LCパネルコンポーネント層の間に取り込まれたいずれの空気を除去して、硬化性積層体を形成するステップ;
上記硬化性積層体をラミネート加工して液晶パネルを形成するステップ
を含み、
表面研磨する上記ステップによって、上記液晶パネルは均一な透過率を有するように構成される、方法。
【0133】
実施形態2
組み立てる上記ステップ中、上記少なくとも1つの研磨済み層は、上記第1の中間層又は上記第2の中間層のうちの一方に面している、実施形態1に記載の方法。
【0134】
実施形態3
a.上記第1のガラス層の上記第1の表面及び上記第1のガラス層の上記第2の表面のうちの少なくとも一方と、上記第2のガラス層の上記第1の表面及び上記第2のガラス層の上記第2の表面のうちの少なくとも一方とを表面研磨して、上記第1のガラス層上の少なくとも1つの研磨済み層、及び上記第2のガラス層上の少なくとも1つの研磨済み層を提供するステップを更に含む、実施形態1又は2に記載の方法。
【0135】
実施形態4
組み立てる上記ステップ中、上記第1のガラス層上の上記研磨済み層は上記第1の中間層に面しており、上記第2のガラス層上の上記研磨済み層は上記中間層に面している、実施形態3に記載の方法。
【0136】
実施形態5
ラミネート加工する上記ステップは、上記硬化性積層体を、ある持続時間にわたってラミネート加工温度まで加熱するステップを更に含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0137】
実施形態6
ラミネート加工する上記ステップは、ラミネート加工中に上記LCパネルコンポーネント層に圧力を印加するステップを更に含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0138】
実施形態7
上記均一な透過率は、ある透過領域において、上記LCパネルの隣接する透過領域と比較して2%以下のばらつきを含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0139】
実施形態8
上記均一な透過率は、目視観察によって検出される、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
【0140】
実施形態9
上記均一な透過率は、分光光度計によって検出される、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0141】
実施形態10
表面研磨する上記ステップは、対応する上記第1のガラス層又は上記第2のガラス層の表面の平面から測定した場合に50マイクロメートルを超えて延在する山を除去するステップを含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0142】
実施形態11
表面研磨する上記ステップは、上記研磨済み層の平面外不連続を研磨前の同じガラス層の同じ表面と比較した場合に、上記第1のガラス層又は上記第2のガラス層の平面外不連続を少なくとも25%、又は少なくとも50%、又は少なくとも75%だけ低下させるステップを含む、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法。
【0143】
実施形態12
方法であって:
複数のLCパネルコンポーネント層を組み立てて積層体を形成するステップであって、上記LCパネルコンポーネント層は、
第1の表面及び第2の表面を有する第1のガラス層、
第1の中間層、
LCセル、
第2の中間層、並びに
第1の表面及び第2の表面を有する第2のガラス層
を備える、ステップ;
上記積層体に亘る上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層のうちの少なくとも一方を、選択的に位置決めすることによって、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層のうちの少なくとも一方に由来する上記積層体の付加的な歪みを軽減するステップ;
上記積層体の上記LCパネルコンポーネント層の間に取り込まれたいずれの空気を除去して、硬化性積層体を形成するステップ;
上記硬化性積層体をラミネート加工して液晶パネルを形成するステップ
を含み、
選択的に位置決めする上記ステップによって、上記液晶パネルは均一な透過率を有するように構成される、方法。
【0144】
実施形態13
選択的に位置決めする上記ステップは:
上記第1のガラス層を上記第2のガラス層と直交するように位置決めすることによって、上記第1のガラス層の中間層側表面を、上記第2のガラス層の中間層側表面に関して選択的に位置決めするステップ
を更に含む、実施形態12に記載の方法。
【0145】
実施形態14
選択的に位置決めする上記ステップは:
上記第1のガラス層の上記第1の表面及び上記第2の表面から、より平滑な側面を決定するステップであって、「より平滑な」は、平面外不連続がより少ないこと及び/又は平面外不連続がより小さいことのうちの少なくとも一方を含む、ステップ;並びに
上記より平滑な側面を上記第1の中間層に向けて位置決めするステップ
を更に含む、実施形態12又は13に記載の方法。
【0146】
実施形態15
選択的に位置決めする上記ステップは:
上記第2のガラス層の上記第1の表面及び上記第2の表面から、より平滑な側面を決定するステップであって、「より平滑な」は、平面外不連続がより少ないこと及び/又は平面外不連続がより小さいことのうちの少なくとも一方を含む、ステップ;並びに
上記第2のガラス層の上記より平滑な側面を上記第2の中間層に向けて位置決めするステップ
を更に含む、実施形態12~14のいずれか1つに記載の方法。
【0147】
実施形態16
選択的に位置決めする上記ステップは:
上記第1のガラス層の上記第1の表面及び上記第2の表面から、より平滑な側面を決定するステップであって、「より平滑な」は、平面外不連続がより少ないこと及び/又は平面外不連続がより小さいことのうちの少なくとも一方を含む、ステップ;
上記より平滑な側面を上記第1の中間層に向けて位置決めするステップ;
上記第2のガラス層の上記第1の表面及び上記第2の表面から、より平滑な側面を決定するステップであって、「より平滑な」は、平面外不連続がより少ないこと及び/又は平面外不連続がより小さいことのうちの少なくとも一方を含む、ステップ;並びに
上記第2のガラス層の上記より平滑な側面を上記第2の中間層に向けて位置決めするステップ
を更に含む、実施形態12~15のいずれか1つに記載の方法。
【0148】
実施形態17
選択的に位置決めする上記ステップは:
上記第1のガラス層の湾曲の方向を決定するステップ;
上記第2のガラス層の湾曲の方向を決定するステップ;並びに
上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層それぞれの湾曲の間で一致した対応する方向に、湾曲を整列させることによって、上記第1のガラス層と上記第2のガラス層との間の、湾曲による付加的な歪みを軽減するために、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層を位置決めするステップ
を更に含む、実施形態12~16のいずれか1つに記載の方法。
【0149】
実施形態18
a.上記第1のガラス層の上記第1の表面、上記第1のガラス層の上記第2の表面、上記第2のガラス層の上記第1の表面、及び上記第2のガラス層の上記第2の表面のうちの少なくとも1つを表面研磨して、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層のうちの少なくとも一方の上の少なくとも1つの研磨済み層を提供するステップを更に含む、実施形態12~17のいずれか1つに記載の方法。
【0150】
実施形態19
組み立てる上記ステップ中、上記少なくとも1つの研磨済み層は、上記第1の中間層又は上記第2の中間層のうちの一方に面している、実施形態18に記載の方法。
【0151】
実施形態20
上記第1のガラス層の上記第1の表面及び上記第1のガラス層の上記第2の表面のうちの少なくとも一方と、上記第2のガラス層の上記第1の表面及び上記第2のガラス層の上記第2の表面のうちの少なくとも一方とを表面研磨して、上記第1のガラス層上の少なくとも1つの研磨済み層、及び上記第2のガラス層上の少なくとも1つの研磨済み層を提供するステップを更に含む、実施形態18又は19に記載の方法。
【0152】
実施形態21
組み立てる上記ステップ中、上記第1のガラス層上の上記研磨済み層は上記第1の中間層に面しており、上記第2のガラス層上の上記研磨済み層は上記中間層に面している、実施形態18~20のいずれか1つに記載の方法。
【0153】
実施形態22
上記均一な透過率は、ある透過領域において、上記LCパネルの隣接する透過領域と比較して2%以下のばらつきを含む、実施形態18~20のいずれか1つに記載の方法。
【0154】
実施形態23
方法であって:
第1のガラス層及び第2のガラス層を提供するステップであって、
上記第1のガラス層は第1の表面及び第2の表面を有し、
上記第2のガラス層は第1の表面及び第2の表面を有する、ステップ;
上記第1のガラス層の上記第1の表面、上記第1のガラス層の上記第2の表面、上記第2のガラス層の上記第1の表面、及び上記第2のガラス層の上記第2の表面のうちの少なくとも1つを表面研磨して、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層のうちの少なくとも一方の上の少なくとも1つの研磨済み層を提供するステップ;
複数のLCパネルコンポーネント層を組み立てて積層体を形成するステップであって、上記LCパネルコンポーネント層は、
上記第1のガラス層及び第2のガラス層であって、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層のうちの少なくとも一方は研磨済み表面を備える、第1のガラス層及び第2のガラス層と、
第1の中間層と、
LCセルと、
第2の中間層と
を備え、上記研磨済み表面は、対応する上記第1の中間層又は第2の中間層に向かって位置決めされる、ステップ;
上記積層体に亘る上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層のうちの少なくとも一方を、選択的に位置決めすることによって、上記第1のガラス層及び上記第2のガラス層のうちの少なくとも一方に由来する上記積層体の付加的な歪みを軽減するステップ;
上記積層体の上記LCパネルコンポーネント層の間に取り込まれたいずれの空気を除去して、硬化性積層体を形成するステップ;
上記硬化性積層体をラミネート加工して液晶パネルを形成するステップ
を含み、
表面研磨する上記ステップ及び選択的に位置決めする上記ステップによって、上記液晶パネルは均一な透過率を有するように構成される、方法。
【符号の説明】
【0155】
100 ウインドウ
16 フレーム
18 シール
10 LCパネル
12 第1のガラス層(例えば厚さ3mm超の厚い強化SLG)
14 第2のガラス層(例えば厚さ3mm超の厚い強化SLG)
20 LCセル
22 LCセルの第1の側面(大面)
26 第1の中間層
30 第1のガラスシート
32 第1の電極
34 第1の導電層
48 LC領域(LC混合物及びスペーサを含む)
38 スペーサ
36 LC混合物(1つ以上のLCホスト、1つ以上の分子、1つ以上の染料、1つ以上の添加物を含む)
44 第2の導電層
42 第2の電極
40 第2のガラスシート
24 LCセルの第2の側面(大面)
28 第2の中間層
46 コーティング(例えば低Eコーティング)
52 LC領域シール
50 ムラ/不連続領域/不均一性の例
54 セルギャップ
【国際調査報告】