(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】信号生成装置、駆動チップ、表示システム及びLED表示の駆動方法
(51)【国際特許分類】
H05B 45/325 20200101AFI20230125BHJP
【FI】
H05B45/325
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022531640
(86)(22)【出願日】2020-02-24
(85)【翻訳文提出日】2022-05-27
(86)【国際出願番号】 CN2020076358
(87)【国際公開番号】W WO2021128558
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】201911383142.X
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517380215
【氏名又は名称】北京集創北方科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chipone Technology (Beijing) Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】Building 56,No.2 North Jing Yuan Street, Beijing Economic Technological Development Area,Daxing District,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホアン、ジジォン
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA10
3K273BA05
3K273BA31
3K273CA02
3K273FA03
3K273FA14
3K273FA15
3K273FA26
3K273FA40
3K273GA25
(57)【要約】
本出願は、信号生成装置、駆動チップ、表示システム及びLED表示の駆動方法を提供する。当該回路は、第1のPWM波を生成するために使用され、第1のPWM波の周期がT1である第1の生成デバイスと、遅延クロック信号を生成するために使用され、遅延クロック信号の周期がT2であり、T1=NT2、Nが0より大きい正の整数であり、第1の時間が第2の時間と比較してF×T2遅延し、Fが0より大きくかつ1より小さく、第1の時間が遅延クロック信号の1番目の立ち上がりエッジに対応する時間であり、第2の時間が第1のPWM波の1番目の立ち上がりエッジに対応する時間である第2の生成デバイスと、第1のPWM波及び遅延クロック信号に基づいて第3のPWM波を生成するために使用され、第3のPWM波の周期がT3であり、T3=T1+F×T2であり、第3のPWM波の1番目の立ち上がりエッジが第1のPWM波の1番目の立ち上がりエッジと同期している第3の生成デバイスと、を備える。当該回路は、低グレースケールのLED表示を正確に補償することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号生成装置であって、
第1のPWM波を生成するために使用され、前記第1のPWM波の周期がT1である第1の生成デバイスと、
遅延クロック信号を生成するために使用され、前記遅延クロック信号の周期がT2であり、T1=NT2、Nが0より大きい正の整数であり、第1の時間が第2の時間と比較してF×T2遅延し、Fが0より大きくかつ1より小さく、前記第1の時間が前記遅延クロック信号の1番目の立ち上がりエッジに対応する時間であり、第2の時間が前記第1のPWM波の1番目の立ち上がりエッジに対応する時間である第2の生成デバイスと、
前記第1の生成デバイス及び前記第2の生成デバイスにそれぞれ電気的に接続され、前記第1のPWM波及び前記遅延クロック信号に基づいて第3のPWM波を生成するために使用され、前記第3のPWM波の周期がT3であり、T3=T1+F×T2であり、前記第3のPWM波の1番目の立ち上がりエッジが第1のPWM波の1番目の立ち上がりエッジと同期している第3の生成デバイスと、を備えることを特徴とする信号生成装置。
【請求項2】
前記第3の生成デバイスは、
前記第1の生成デバイスの出力端に電気的に接続された第1の入力端及び前記第2の生成デバイスの出力端に電気的に接続された第2の入力端を含み、前記第1のPWM波と前記クロック信号に基づいて第2のPWM波を生成するために使用され、前記第2のPWM波の周期がT4であり、かつT4=T1、前記第2のPWM波の1番目の立ち上がりエッジに対応する時間が前記第1のPWM波の1番目の立ち上がりエッジに対応する時間と比較してF×T2遅延する第1のサブ生成デバイスと、
前記第1の生成デバイスの出力端に電気的に接続される第3の入力端、及び前記第1のサブ生成デバイスの出力端に電気的に接続される第4の入力端を含み、前記第2のPWM波と前記第1のPWM波に基づいて前記第3のPWM波を生成する第2のサブ生成デバイスと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のサブ生成デバイスは、トリガーを含むことを特徴とする
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2のサブ生成デバイスは、ORゲートを含むことを特徴とする
請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の生成デバイスは、PWM波発生器を含むことを特徴とする
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第2の生成デバイスは、データセレクターを含むことを特徴とする
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第2の生成デバイスは、8者択1データセレクターを含むことを特徴とする
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
信号生成装置を含む駆動チップであって、前記信号生成装置は、請求項1~7のいずれか一項に記載の信号生成装置であることを特徴とする駆動チップ。
【請求項9】
LEDと駆動チップとを含む表示システムであって、前記駆動チップは、請求項8に記載の駆動チップであることを特徴とする表示システム。
【請求項10】
LED表示の駆動方法であって、
コントローラがデータを請求項8に記載の駆動チップに送信するステップであって、前記データには第1の部分データと第2の部分データが含まれ、前記第2の部分データがクロック信号周期の小数倍を特徴付けるためのデータであり、前記第1の部分データがクロック信号周期の整数倍を特徴付けるためのデータであるステップと、
前記駆動チップの信号生成装置が前記データに基づいて対応するPWM波を生成するステップと、を含むことを特徴とするLED表示の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2019年12月27日に提出された、出願番号が201911383142.Xであり、発明名称が「信号生成装置、駆動チップ、表示システム及びLED表示の駆動方法」である中国特許出願に対する優先権を主張し、その全ての内容が引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本出願は、表示分野に関し、具体的には、信号生成装置、駆動チップ、表示システム及びLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)表示の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0003】
LEDがオンになる時間を調整することでグレースケールの調整を達成するPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)定電流駆動は、現在のLED表示に広く使用されている駆動方式である。
【0004】
同じ型番のLEDランプの間にも違いがあり、同じグレースケールを達成すると、ランプとランプの間の電流及び電圧が異なるため、定電流駆動ICによって出力される電流が同じであり、パルス幅も同じである場合、異なるランプの表示グレースケールは異なる。
【0005】
上記の問題を解決するために、LED制御システムは、LEDスクリーンをポイントごとに補正する。一般的な方法では、最高のグレースケールを表示するときに、グレースケール検出器を介して各LEDの表示輝度を測定し、テスト結果に応じて、各LEDランプのパルス幅変調に、対応する係数を掛け、即ち明るいランプのパルス幅を狭く調整し、これにより、同じグレースケールの効果を達成し、複数回の反復によりすべてのLEDランプの同じグレースケールを達成する可能性があり、得られた係数はすべてのグレースケールの表示に応用される。この方法は、高グレースケールを表示する時に非常に優れた補償効果があるが、低グレースケールを表示する時に、この方式を用いて補償すると、表示効果が低くなる可能性がある。例えば、1つのグレースケール10の画像を表示する場合、LEDランプAの表示グレースケールに対応するパルス幅は、補償後に9.4Tになり、LEDランプBの表示グレースケールに対応するパルス幅は、補償後に9.6Tになり、実際には、2つのランプの違いが0.2Tだけでよいが、グレースケールの精度が限られるため、一般的に用いられる16ビットを例とすると、既存のコントローラは、整数部分のみを送信し、LED駆動チップも整数部分のみを処理し、したがって、LEDランプAのグレースケールは、四捨五入された後に9になり、LEDランプBのグレースケールは10になり、その結果、実際に表示する時に2つのランプの輝度差が大きくなる。ここで、GCLK(Global CLK)は、グレースケールクロックを表し、Tは、グレースケールクロックの1つの周期を表す。
【0006】
背景技術で開示された以上の情報は、本明細書に記載される技術の背景技術の理解を強化するためのものだけであり、したがって、背景技術にはいくつかの情報が含まれる可能性があり、これらの情報は、当業者にとって、国内で知られている従来技術を形成しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願の主な目的は、従来技術における低グレースケール表示を正確に補償することが困難であるという問題を解決するために、信号生成装置、駆動チップ、表示システム及びLED表示の駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例の1つの態様によれば、第1のPWM波を生成するために使用され、前記第1のPWM波の周期がT1である第1の生成デバイスと、遅延クロック信号を生成するために使用され、前記遅延クロック信号の周期がT2であり、T1=NT2、Nが0より大きい正の整数であり、第1の時間が第2の時間と比較してF×T2遅延し、Fが0より大きくかつ1より小さく、前記第1の時間が前記遅延クロック信号の1番目の立ち上がりエッジに対応する時間であり、第2の時間が前記第1のPWM波の1番目の立ち上がりエッジに対応する時間である第2の生成デバイスと、前記第1の生成デバイス及び前記第2の生成デバイスにそれぞれ電気的に接続され、前記第1のPWM波及び前記遅延クロック信号に基づいて第3のPWM波を生成するために使用され、前記第3のPWM波の周期がT3であり、T3=T1+F×T2であり、前記第3のPWM波の1番目の立ち上がりエッジが第1のPWM波の1番目の立ち上がりエッジと同期している第3の生成デバイスと、を備える信号生成装置が提供される。
【0009】
選択可能に、前記第3の生成デバイスは、前記第1の生成デバイスの出力端に電気的に接続される第1の入力端及び前記第2の生成デバイスの出力端に電気的に接続された第2の入力端を含み、前記第1のPWM波及び前記クロック信号に基づいて第2のPWM波を生成するために使用され、前記第2のPWM波の周期がT4であり、かつT4=T1、前記第2のPWM波の1番目の立ち上がりエッジに対応する時間が前記第1のPWM波の1番目の立ち上がりエッジに対応する時間と比較してF×T2遅延する第1のサブ生成デバイスと、前記第1の生成デバイスの出力端に電気的に接続される第3の入力端及び前記第1のサブ生成デバイスの出力端に電気的に接続される第4の入力端を含み、前記第2のPWM波と前記第1のPWM波に基づいて前記第3のPWM波を生成する第2のサブ生成デバイスと、を含む。
【0010】
選択可能に、前記第1のサブ生成デバイスはトリガーを含む。
【0011】
選択可能に、前記第2のサブ生成デバイスは、ORゲートを含む。
【0012】
選択可能に、前記第1の生成デバイスは、PWM波発生器を含む。
【0013】
選択可能に、前記第2の生成デバイスは、データセレクターを含む。
【0014】
選択可能に、前記第2の生成デバイスは、8者択1データセレクターを含む。
【0015】
本発明の実施例の別の態様によれば、上記信号生成装置のいずれかである信号生成装置を備える駆動チップも提供される。
【0016】
本発明の実施例の別の態様によれば、LEDと、上記駆動チップである駆動チップとを備える表示システムも提供される。
【0017】
本発明の実施例の別の態様によれば、コントローラがデータを前記駆動チップに送信するステップであって、前記データには第1の部分データ及び第2の部分データが含まれるステップと、前記駆動チップの信号生成装置が前記データに基づいて対応するPWM波を生成するステップと、を含むLED表示の駆動方法も提供される。
【0018】
本発明の実施例では、第1の生成デバイスは、
図2に示すPWM
Nなどの整数個のクロック信号周期の第1のPWM波を生成するために使用され、第2の生成デバイスは、遅延クロック信号GCLKを生成し(即ち遅延のクロック信号を生成し、遅延クロック信号の1番目の立ち上がりエッジが初期のクロック信号GCLK<0>の1番目の立ち上がりエッジと比較して遅延し、遅延時間がF×T2であり、
図2に示すように、初期のクロック信号GCLK<0>の1番目の立ち上がりエッジが第1のPWM波PWM
Nの1番目の立ち上がりエッジと同期し、したがって、遅延クロック信号が第1のPWM波に対して遅延する)、第3の生成デバイスは、第3のPWM波を生成し、第3のPWM波の周期和が第1のPWM波の周期とクロック信号遅延の時間であり、初期クロック信号に対する生成されたクロック信号の遅延がクロック信号の1つの周期よりも小さいため、当該回路によって生成された第3のPWM波の周期は、N個のクロック信号の周期に1つのクロック信号未満の周期を加えたものになり、即ち整数倍のクロック信号周期と小数倍のクロック信号周期を含む。したがって、当該回路は、第2の部分データを有するPWM波を生成することができ、さらに当該PWM波を使用してLEDの動作を制御することができ、LEDのグレースケールを正確に補償することができ、当該回路は、高グレースケールのLED表示だけでなく、低グレースケールのLED表示を補償することができ、特に低グレースケールのLED表示の補償に適しており、従来技術における低グレースケールのLED表示を正確に補償することが難しいという問題が解決される。この解決策は、必要な追加のハードウェア及びコントローラの設計オーバーヘッドが小さい場合で、低グレースケールの表示の精度の向上を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願のさらなる理解を提供するためのものであり、本出願の例示的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願に対する不適切な限定を構成しない。
【0020】
【
図1】本出願の実施例による信号生成装置を示す概略図である。
【
図2】本出願の実施例によるPWM波生成プロセスの波形変化を示す概略図である。
【
図3】本出願の実施例による8位相GCLK波形を示す概略図である。
【0021】
ここで、上記の図面には以下の図面記号が含まれる。
10:第1の生成デバイス、20:第2の生成デバイス、30:第3の生成デバイス、31:第1のサブ生成デバイス、32:第2のサブ生成デバイス
【発明を実施するための形態】
【0022】
本出願の実施例及び実施例の特徴は、衝突しない場合、互いに組み合わせられてもよい。以下は図面を参照しながら実施例を組み合わせて本出願を詳しく説明する。
【0023】
当業者が本出願の解決策をより良く理解するために、以下に本出願の実施例の図面を組み合わせながら、本出願の実施例における技術的解決策を明確且つ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は、本出願の実施例の一部だけであり、全ての実施例ではない。本出願の実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要せずに得る他の実施例は、全て本出願の保護範囲に属するべきである。
【0024】
なお、本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面中の用語「第1」、「第2」などは類似するオブジェクトを区別するためのものであり、特定の順序又は順番を説明することに用いられる必要がない。このように用いられるデータは、ここで説明される本出願の実施例のために、適切な場合で交換可能であることが理解すべきである。また、用語「含む」と「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な包括を覆うことを意図し、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又はデバイスは明確に列挙されたステップ又はユニットに限定される必要がなく、明確に列挙されないもの又はこれらのプロセス、方法、製品又はデバイスに固有の他のステップ又はユニットを含むことができる。
【0025】
素子(層、フィルム、領域、又は基板など)が別の素子「上」にあると説明される場合、当該素子は、当該別の素子上に直接存在することができ、又は中間素子が存在することもできることが理解すべきである。さらに、明細書及び特許請求の範囲において、素子が別の素子に「接続」されていると説明されている場合、当該素子は、当該別の素子に「直接接続」されてもよく、又は第3の素子を介して当該別の素子に「接続」されてもよい。
【0026】
説明を容易にするために、以下に本出願の実施例に係る部分の名詞又は用語を説明する。
【0027】
背景技術で述べたように、従来技術では、高グレースケールを表示する時に補償効果が高く、低グレースケールを表示する時に表示効果が低くなり、低グレースケールの表示を正確に補償できないという問題を解決するために、本出願の典型的な実施方式では、信号生成装置、駆動チップ、表示システム及びLED表示のための駆動方法が提供される。
【0028】
図1は本出願の実施例による信号生成装置の概略ブロック図である。
図1に示すように、
当該装置は、第1の生成デバイス10と、第2の生成デバイス20と、第3の生成デバイス30とを備え、第1の生成デバイス10は、第1のPWM波を生成するために使用され、上記第1のPWM波の周期がT1であり、第2の生成デバイス20は、遅延クロック信号を生成するために使用され、上記遅延クロック信号の周期がT2であり、T1=NT2、Nが0より大きい正の整数であり、即ち第1のPWM波の周期が遅延クロック信号の周期の整数倍であり、第1の時間が第2の時間と比較してF×T2遅延し(ここで、「×」が乗算記号を表す)、Fが0より大きくかつ1より小さく、上記第1の時間が上記遅延クロック信号の1番目の立ち上がりエッジに対応する時間であり、上記第2の時間が上記第1のPWM波の1番目の立ち上がりエッジに対応する時間であり、即ち上記遅延クロック信号の1番目の立ち上がりエッジに対応する時間が上記第1PWM波の1番目の立ち上がりエッジに対応する時間と比較してF×T2遅延し、第3の生成デバイス30は、それぞれ上記第1の生成デバイス10及び上記第2の生成デバイス20に電気的に接続され、上記第3の生成デバイス30は、上記第1のPWM波と上記遅延クロック信号に基づいて第3のPWM波を生成するために使用され、上記第3のPWM波の周期がT3であり、T3=T1+F×T2、上記第3のPWM波の1番目の立ち上がりエッジが第1のPWM波の1番目の立ち上がりエッジと同期している。
【0029】
上記回路では、第1の生成デバイスは、
図2に示すPWM
Nなどの整数個のクロック信号周期の第1のPWM波を生成するために使用され、第2の生成デバイスは、遅延クロック信号GCLKを生成し(即ち遅延のクロック信号を生成し、遅延クロック信号の1番目の立ち上がりエッジが初期のクロック信号GCLK<0>の1番目の立ち上がりエッジと比較して遅延し、遅延時間がF×T2であり、
図2に示すように、初期のクロック信号GCLK<0>の1番目の立ち上がりエッジが第1のPWM波PWM
Nの1番目の立ち上がりエッジと同期し、したがって、遅延クロック信号が第1のPWM波に対して遅延する)、第3の生成デバイスは、第3のPWM波を生成し、第3のPWM波の周期が第1のPWM波の周期とクロック信号の遅延時間との和であり、初期クロック信号に対する生成されたクロック信号の遅延がクロック信号の1つの周期よりも小さいため、当該回路によって生成された第3のPWM波の周期は、N個のクロック信号の周期に1つのクロック信号未満の周期を加えたものになり、即ち整数倍のクロック信号周期と小数倍のクロック信号周期を含む。したがって、当該回路は、第2の部分データを有するPWM波を生成することができ、さらに当該PWM波を使用してLEDの動作を制御することができ、LEDのグレースケールを正確に補償することができ、当該回路は、高グレースケールのLED表示だけでなく、低グレースケールのLED表示を補償することができ、特に低グレースケールのLED表示の補償に適しており、従来技術における低グレースケールのLED表示を正確に補償することが難しいという問題が解決される。この解決策は、必要な追加のハードウェア及びコントローラの設計オーバーヘッドが小さい場合で、低グレースケールの表示の精度の向上を達成する。
【0030】
本出願における第3の生成デバイス30は、第1のPWM波及び遅延クロック信号に基づいて第3のPWM波を生成する任意のデバイスであってもよく、当業者は、実際の状況に応じて適切なデバイスを選択し、対応する第3のPWM波を生成することがきる。本出願の1つの実施例では、
図1に示すように、上記第3の生成デバイス30は、第1のサブ生成デバイス31と第2のサブ生成デバイス32とを含み、第1のサブ生成デバイス31は、第1の入力端及び第2の入力端を含み、上記第1の入力端が上記第1生成デバイス10の出力端に電気的に接続され、上記第2の入力端が上記第2の生成デバイス20の出力端に電気的に接続され、上記第1のサブ生成デバイス31は、上記第1のPWM波と上記遅延クロック信号に基づいて第2のPWM波を生成するために使用され、上記第2のPWM波の周期がT4であり、T4=T1、上記第2のPWM波の1番目の立ち上がりエッジに対応する時間が上記第1のPWM波の1番目の立ち上がりエッジに対応する時間と比較してF×T2遅延し、第2のサブ生成デバイス32は、第3の入力端及び第4の入力端を含み、上記第3の入力端が上記第1の生成デバイス10の出力端に電気的に接続され、上記第4の入力端が上記第1のサブ生成デバイス31の出力端に電気的に接続され、上記第2のサブ生成デバイス32は、上記第2のPWM波と上記第1のPWM波に基づいて上記第3のPWM波を生成する。当該実施例では、第3の生成デバイス30は、第1のサブ生成デバイスと第2のサブ生成デバイスだけで第3のPWM波を生成するものであり、構造が簡単であり、効率が高い。
【0031】
本出願の上記第1のサブ生成デバイスと第2のサブ生成デバイスは、従来技術における任意の実行可能なデバイス及び回路であってもよく、当業者は、実際の状況に応じて適切なデバイス又は回路を対応する第1のサブ生成デバイス及び第2のサブ生成デバイスとして選択することができる。具体的には、ラッチを第1のサブ生成デバイスとして使用し、NANDゲートを第2のサブ生成デバイスとして使用することができる。
【0032】
本出願の1つの具体的な実施例では、上記第1のサブ生成デバイス31は、トリガーを含む。具体的には、それは、Dタイプのトリガーであってもよい。
図2に示すように、当該トリガーは、第1のPWM波と遅延クロック信号GCLKに基づいて対応するPWM
D波を生成する。
【0033】
同様に、本出願の上記第2のサブ生成デバイスは、従来技術における任意の実行可能なデバイス及び回路であってもよく、当業者は、実際の状況に応じて適切な回路又はデバイスを当該第2のサブ生成デバイス32として選択することができる。
【0034】
本出願の別の具体的な実施例では、
図2に示すように、上記の第2のサブ生成デバイス32は、OR回路とも呼ばれるORゲートを含み、いくつかの条件の1つだけが満たされると、あるイベントが発生し、この関係は、「OR」論理関係と呼ばれ、「OR」論理関係を有する回路はORゲートと呼ばれ、上記第3の入力端と第4の入力端のいずれか一方がハイレベル(論理1)である場合、出力はハイレベル(論理1)になり、上記第3の入力端と第4の入力端がすべてローレベル(論理0)である場合、出力はローレベル(論理0)である。当該解決策では、1つのORゲートだけで、第2のPWM波及び第1のPWM波に基づいて第3のPWM波を生成することができ、構造が簡単であり、生成効率が高い。
【0035】
なお、本出願の第1の生成デバイスと第2の生成デバイスは、従来技術における任意の実行可能なデバイス及び回路であってもよく、当業者は、実際の状況に応じて適切な回路又はデバイスを第1のサブ生成デバイスと第2の生成デバイスとして選択することができる。
【0036】
本出願の1つの具体的な実施例では、
図2に示すように、上記第1の生成デバイス10は、第1のPWM波を生成するためのPWM波発生器を含む。
【0037】
本出願の別の具体的な実施例では、
図2に示すように、上記第2の生成デバイス20は、データセレクターである。データセレクターは、所定の入力アドレスコードに基づき、1グループの入力信号から指定された1つの入力信号を出力端の組み合わせ論理回路に送信する。より具体的な実施例では、上記第2の生成デバイス20は、8者択1データセレクターを含む。この回路では、8つの位相のGCLKクロックが応用され、8種類のデータが入力され、1種類のデータが出力として選択される。対応する8つの位相のGCLKクロック信号は、
図3に示すように、具体的には、PLL(Phase Locked Loop:フェーズロックループ)、又は位相補間器、又はDLL(Delay-locked Loop:ディレイロックループ)などの任意の方法で生成されてもよい。
【0038】
なお、データセレクターは、本出願のデータセレクターに限らず、実際のニーズに応じて、4者択1データセレクター、16者択1データセレクターなどの他の適切なデータセレクターを選択することができる。
【0039】
本出願の実施例は、上記信号生成装置のいずれかである信号生成装置を含む駆動チップをさらに提供する。
【0040】
上記駆動チップは、上記信号生成装置を含むため、グレースケール表示を正確に補償する効果を達成し、特に低グレースケール表示解決策に適している。
【0041】
本出願の実施例は、LEDと、上記駆動チップである駆動チップとを備える表示システムをさらに提供する。
【0042】
上記表示システムは、LEDと駆動チップとを備え、当該駆動チップが上記信号生成装置を含むため、当該駆動チップによってLEDを駆動し、LEDのグレースケール表示を正確に補償することができ、具体的には、LEDがオンになる時間を調整することでグレースケールの調整を達成し、これにより、異なるランプ間の表示輝度の差が小さく、さらには差がなく、高い表示効果が得られる。
【0043】
本出願の別の具体的な実施例では、上記表示システムは、電流、タイミングを制御し、駆動チップを構成するために駆動チップと通信するコントローラをさらに備える。
【0044】
本出願の実施例は、
コントローラがデータを上記駆動チップに送信するステップであって、上記データには第1の部分データと第2の部分データが含まれ、上記第2の部分データがクロック信号周期の小数倍を特徴付けるためのデータであり、上記第1の部分データがクロック信号周期の整数倍を特徴付けるためのデータであるステップと、
上記駆動チップの信号生成装置が上記データに基づいて対応するPWM波を生成するステップと、を含む、LED表示の駆動方法をさらに提供する。
【0045】
上記駆動方法では、まず、対応する補償データを駆動チップに送信し、次に、駆動チップは補償データに基づいて対応するPWM波を生成し、当該PWM波は、LEDの動作を制御し、これにより、異なるLEDの表示グレースケールが正確に補償され、従来技術における低グレースケール表示を正確に補償することが難しいという問題が解決される、異なるLEDランプの表示輝度の差が小さく、さらには差がない。
【0046】
なお、従来技術におけるコントローラによって取得されたデータには第1の部分データ及び第2の部分データも含まれるが、従来技術における駆動チップが第2の部分データに対応するPWM波を生成できないため、従来技術におけるコントローラは、第2の部分データを駆動チップに送信せず、第1の部分データのみを駆動チップに送信する。本出願では、対応する信号生成装置は、第2の部分データに対応するPWM波を生成することができ、したがたって、コントローラは、第1の部分データ及び第2の部分データを駆動チップの信号生成装置に送信する。
【0047】
本出願の別の具体的な実施例では、上記駆動チップの信号生成装置が上記データに基づいて対応するPWM波を生成するステップは、上記データを解析して上記第1の部分データ及び上記第2の部分データを取得するステップと、上記第1の部分データと上記第2の部分データをそれぞれ上記信号生成装置の第1の生成デバイスと第2の生成デバイスに送信し、第1の生成デバイスと第2の生成デバイスが上記データに対応するPWM波を生成するステップと、を含む。
【0048】
本出願では、コントローラによって送信されたデータは、N(整数)+F(小数)桁のデータを定電流IC(Integrated Circuit:集積回路)に直接送信する方式と、N+小数指示桁のデータを定電流ICに送信し、即ち定電流ICによって送信されたデータN内の小数桁の数を指示桁で示す方式との2つの方式を採用することができる。2つの方法の選択は、送信側システムの実現複雑さ及び送信効率に基づいて決定されてもよいが、いずれにしても伝送データのデータレートに対して影響が少なく、データ伝送に対して影響を与えない。
【0049】
当業者が本出願の技術的解決策をより明確に理解できるために、以下に具体的な実施例と組み合わせて本出願の技術的解決策を説明する。
【実施例】
【0050】
当該実施例は、信号生成装置に関する。当該回路の具体的な構造は、
図1に示すように、具体的には第1の生成デバイス10、第2の生成デバイス20と第3の生成デバイス30を備え、ここで、第1の生成デバイス10は、PWM波発生器であり、第2の生成デバイス20は、8者択1データセレクターであり、第3の生成デバイス30は、第1のサブ生成デバイスと第2のサブ生成デバイスを含み、第1のサブ生成デバイスは、トリガーであり、第2のサブ生成デバイスはORゲートであり、具体的な接続関係は
図1に示される。
【0051】
当該信号生成装置の具体的な動作プロセスは、
定電流ICが入力データを受信した後、その内部のコントローラが第1の部分データと第2の部分データを分離し、第1の部分データを第1の生成デバイス10に送信し、第2の部分データを第2の生成デバイス20に送信するステップを含む。第1の生成デバイス10は、元のPWM波生成方式に従って第1のPWM波を生成し、生成された第1のPWM波は
図2に示すPWM
Nである。
【0052】
PLL、又は位相補間器、又はDLLなどの任意の方法で8つの位相のGCLKクロックを生成し、
図3に示すように、
図3の各波形が前の波形と比較して遅延し、各遅延が1/8であり、GCLK<0>が整数部分PWM波のクロックであり、生成された第1のPWM波がPWM
Nであり、それがGCLK周期の整数倍であり、
図1に示すように、第2の部分データF<2:0>によってGCLK<7:0>から対応するクロック信号を選択して、
図2に対応するGCLKを選択して得て、それが実際にはGCLK<2>の波形であり、GCLK<0>と比較して1/4の周期遅延する。GCLKとPWM
Nはトリガーに入力され、トリガーは、
図2に示すPWM
Dを出力し、PWM
DとPWM
Nは、それぞれORゲートに入力され、即ち2つの波形のいずれかがハイレベルである場合、最終的に出力されたPWN波形は、ハイレベルであり、
図2に示すように、最終的に生成されたPWM波の周期は、整数倍のT2と小数倍のT2の和であり、即ちT3=T1+F×T2であり、上記第3のPWM波の1番目の立ち上がりエッジは、第1のPWM波の1番目の立ち上がりエッジと同期している。F<2:0>が0である場合、即ち第2の部分データが0である場合、PWM
Nは、出力端に直接送信される。
【0053】
上記回路は、第2の部分データを有するPWM波を生成することができ、さらに当該PWM波を使用してLEDの動作を制御することができ、LEDのグレースケールを正確に補償することができ、当該回路は、高グレースケールのLED表示だけでなく、低グレースケールのLED表示を補償することができ、特に低グレースケールのLED表示の補償に適しており、従来技術における低グレースケールのLED表示を正確に補償することが難しいという問題が解決される。この解決策は、必要な追加のハードウェア及びコントローラの設計オーバーヘッドが小さい場合で、低グレースケールの表示の精度の向上を達成する。そして、当該回路は、構造が簡単であり、効率が高く、コストが低い。
【0054】
以上の説明では、本出願の上記実施例は、以下の技術的効果を達成することが分かる。
【0055】
1)、本出願の回路では、第1の生成デバイスは、
図2に示すPWM
Nなどの整数個のクロック信号周期の第1のPWM波を生成するために使用され、第2の生成デバイスは、遅延クロック信号GCLKを生成し(即ち遅延のクロック信号を生成し、遅延クロック信号の1番目の立ち上がりエッジが初期のクロック信号GCLK<0>の1番目の立ち上がりエッジと比較して遅延し、遅延時間がF×T2であり、
図2に示すように、初期のクロック信号GCLK<0>の1番目の立ち上がりエッジが第1のPWM波PWM
Nの1番目の立ち上がりエッジと同期し、したがって、遅延クロック信号が第1のPWM波に対して遅延する)、第3の生成デバイスは、第3のPWM波を生成し、第3のPWM波の周期和が第1のPWM波の周期とクロック信号遅延の時間であり、初期クロック信号に対する生成されたクロック信号の遅延がクロック信号の1つの周期よりも小さいため、当該回路によって生成された第3のPWM波の周期は、N個のクロック信号の周期に1つのクロック信号未満の周期を加えたものになり、即ち整数倍のクロック信号周期と小数倍のクロック信号周期を含む。したがって、当該回路は、第2の部分データを有するPWM波を生成することができ、さらに当該PWM波を使用してLEDの動作を制御することができ、LEDのグレースケールを正確に補償することができ、当該回路は、高グレースケールのLED表示だけでなく、低グレースケールのLED表示を補償することができ、特に低グレースケールのLED表示の補償に適しており、従来技術における低グレースケールのLED表示を正確に補償することが難しいという問題が解決される。この解決策は、必要な追加のハードウェア及びコントローラの設計オーバーヘッドが小さい場合で、低グレースケールの表示精度の向上を達成する。
【0056】
2)、本出願の駆動チップは、上記信号生成装置を含むため、グレースケール表示を正確に補償する効果を達成し、特に低グレースケール表示解決策に適している。
【0057】
3)、本出願の表示システムは、LEDと駆動チップとを備え、当該駆動チップが上記信号生成装置を含むため、当該駆動チップによってLEDチップを駆動し、LEDのグレースケール表示を正確に補償することができ、具体的には、LEDがオンになる時間を調整することでグレースケールの調整を達成し、これにより、異なるランプ間の表示輝度の差が小さく、さらには差がなく、高い表示効果を達成する。
【0058】
4)、本出願の駆動方法では、まず、対応する補償データを駆動チップに送信し、次に、駆動チップは、補償データに基づいて対応するPWM波を生成し、当該PWM波は、LEDの動作を制御し、これにより、異なるLEDの表示グレースケールが正確に補償され、従来技術における低グレースケール表示を正確に補償するが難しいという問題が解決される、異なるLEDランプの表示輝度の差が小さく、さらには差がない。
【0059】
上記は本出願の好ましい実施例に過ぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願に対して様々な変更及び変形を行うことができる。本出願の精神及び原則内で行われる任意の修正、同等置き換え、改良等は、いずれも本出願の保護範囲に含まれるべきである。
【国際調査報告】