(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】管端部プロテクター
(51)【国際特許分類】
F16L 57/00 20060101AFI20230125BHJP
F16J 15/10 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
F16L57/00 C
F16J15/10 L
F16J15/10 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022532026
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(85)【翻訳文提出日】2022-07-11
(86)【国際出願番号】 EP2020083739
(87)【国際公開番号】W WO2021105430
(87)【国際公開日】2021-06-03
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516242471
【氏名又は名称】テナリス・コネクシヨンズ・ベー・ブイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】弁理士法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エッガー,パブロ
(72)【発明者】
【氏名】カルバリヨ,アンヘル・アンドレス
【テーマコード(参考)】
3H024
3J040
【Fターム(参考)】
3H024CA01
3J040AA13
3J040BA03
3J040EA02
3J040EA16
3J040EA41
3J040FA06
(57)【要約】
炭化水素井の探査及び生産用の管部品の雌管端部に提供された管用ネジを保護するための管端部プロテクターであって、前記管端部プロテクターは、本体及び環状の可撓性の軸方向リップシールを含み、前記本体は、第1の弾性率を有する第1のポリマー材料から形成され、リップシールは、第1の弾性率よりも低い第2の弾性率を有する第2のポリマー材料から形成されている。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素井の探査及び生産用の管部品の管端部上に提供された管用ネジを保護するための管端部プロテクターであって、前記管端部プロテクターは;
- 長手方向軸と、少なくとも部分的に径方向に延びる環状のシール支持面を有する支持部分と、管端部の管用ネジと協働するように構成されたプロテクター用ネジが提供された管状部分とを有する本体と、
- シール支持面上に提供された環状の可撓性の軸方向リップシールと、を含み;
-- 前記本体は、第1の弾性率を有する第1のポリマー材料から形成され、
-- 前記軸方向リップシールは、第1の弾性率よりも低い第2の弾性率を有する第2のポリマー材料から形成され、
-- 前記軸方向リップシールは環状のリップ基部を含み、前記環状のリップ基部は、シール支持面の少なくとも一部分に沿って径方向に延び、且つオーバーモールディングによってシール支持面に取り付けられ、
-- 前記軸方向リップシールは環状のリップを含み、前記環状のリップは、リップ基部からリップの自由縁に延び、前記自由縁は、リップ基部から軸方向に離間され;
--- 前記管端部プロテクターは雌管端部用に構成され、リップは、雌管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、自由縁を雌管端部と長手方向軸との間に配置するために、雌管端部上での管端部プロテクターの回転構成中、支持部分と雌管端部が互いに向かって軸方向に移動する際に、雌管端部の雌突出部面によって長手方向軸に向かって屈曲されるように構成され、又は
--- 前記管端部プロテクターは雄管端部用に構成され、リップは、雄管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、雄管端部を自由縁と長手方向軸との間に配置するために、雄管端部上での管端部プロテクターの回転構成中、支持部分と雄管端部が互いに向かって軸方向に移動する際に、雄管端部の雄突出部面によって長手方向軸から離れるように屈曲するように構成されている、管端部プロテクター。
【請求項2】
前記リップは環状の外側リップ面を含み、軸方向リップシールは、管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、外側リップ面の管端部との接触を保持するように構成されている、請求書1に記載の管端部プロテクター。
【請求項3】
前記軸方向リップシールは、管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、外側リップ面によってリップ力を管端部に適用するように構成されている、請求書2に記載の管端部プロテクター。
【請求項4】
前記管端部に適用されるリップ力は、軸方向の力成分及び径方向の力成分を有する、請求書3に記載の管端部プロテクター。
【請求項5】
前記リップ力は、軸方向リップシールの剛性によって形成される、請求書3又は4に記載の管端部プロテクター。
【請求項6】
- 前記本体は、リップと長手方向軸との間に位置する環状の本体接触面を含み、軸方向リップシールは、雌管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、本体接触面と接触するように構成され、又は
- 前記本体は環状の本体接触面を含み、前記リップは、本体接触面と長手方向軸との間に位置し、軸方向リップシールは、雄管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、本体接触面と接触するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の管端部プロテクター。
【請求項7】
前記自由縁は、管端部(より詳細には、雌管端部又は雄管端部)上での管端部プロテク
ターの最終構成位置に達した際に、本体接触面と接触している、請求書6に記載の管端部プロテクター。
【請求項8】
前記リップは、管端部(より詳細には、雌管端部又は雄管端部)上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、本体接触面と接触している環状の内側リップ面を含む、請求書6に記載の管端部プロテクター。
【請求項9】
前記本体接触面は、長手方向軸に対して35°~55°(両端を含む)、好ましくは40°~50°(両端を含む)の角度αの下で延びる、請求項6~8のいずれか1項に記載の管端部プロテクター。
【請求項10】
- 前記リップは、雌管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、雌管端部と接触するように構成された第1のリップ接触区域と、雌管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、本体接触面と接触するように構成された第2のリップ接触区域とを含み、第1のリップ接触区域及び第2の接触区域は、雌管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、雌管端部と長手方向軸との間に位置し、又は
- 前記リップは、雄管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、雄管端部と接触するように構成された第1のリップ接触区域と、雄管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、本体接触面と接触するように構成された第2のリップ接触区域とを含み、雄管端部は、雄管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、第1及び第2のリップ接触区域と長手方向軸との間に位置する、請求項6~9のいずれか1項に記載の管端部プロテクター。
【請求項11】
前記第1のリップ接触区域は外側リップ面に位置し、第2のリップ接触区域は内側リップ面に位置する、請求書10に記載の管端部プロテクター。
【請求項12】
- 前記軸方向リップシールは、雌管端部上での管端部プロテクターの回転構成中、最初に、自由縁と雌管端部の雌突出部面との接触を作り、続いて、回転構成が継続しているときに自由縁を雌突出部面に沿って長手方向軸に向かって移動するするように構成され、又は
- 前記軸方向リップシールは、雄管端部上での管端部プロテクターの回転構成中、最初に、自由縁と雄管端部の雄突出部面との接触を作り、続いて、回転構成が継続しているときに自由縁を雄突出部面に沿って長手方向軸から離れるように移動するように構成されている、請求項1~11のいずれか1項に記載の管端部プロテクター。
【請求項13】
- 前記軸方向リップシールは、長手方向軸に対して70°~90°(両端を含む)、好ましくは80°~90°(両端を含む)の角度βの下で延びる雌突出部面に沿って自由縁を移動するように構成され、又は
- 前記軸方向リップシールは、70°~90°(両端を含む)、好ましくは80°~90°(両端を含む)の角度βの下で延びる雄突出部面に沿って自由縁を移動するように構成されている、請求書12に記載の管端部プロテクター。
【請求項14】
- 前記軸方向リップシールは、雌管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、雌管端部の内側縁と接触するように構成され、又は
- 前記軸方向リップシールは、雄管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、雄管端部の外側縁と接触するように構成されている、請求項1~13のいずれか1項に記載の管端部プロテクター。
【請求項15】
- 前記軸方向リップシールは、雌管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達
した際に、雌管端部の内側縁と接触するように構成され、内側縁は、雌突出部面と長手方向軸との間に位置し、又は
- 前記軸方向リップシールは、雄管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、雄管端部の外側縁と接触するように構成され、雄突出部面は、外側縁と長手方向軸との間に位置する、請求書12又は13に記載の管端部プロテクター。
【請求項16】
前記軸方向リップシールは、管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、管端部(より詳細には、雌管端部又は雄管端部)との長手方向軸を包囲する環状の線接触をするように構成されている、請求項1~15のいずれか1項に記載の管端部プロテクター。
【請求項17】
- 前記軸方向リップシールは、雌管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、雌管端部の内側縁との長手方向軸を包囲する環状の線接触を有するように構成され、又は
- 前記軸方向リップシールは、雄管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、雄管端部の外側縁との長手方向軸を包囲する環状の線接触を有するように構成されている、請求書14又は15に記載の管端部プロテクター。
【請求項18】
- 前記自由縁は、軸方向リップシールが雌管端部により力を適用されない場合、長手方向軸に向かって指向され、
- 前記自由縁は、軸方向リップシールが雄管端部により力を適用されない場合、長手方向軸から離れるように指向されている、請求項1~17のいずれか1項に記載の管端部プロテクター。
【請求項19】
前記軸方向リップシールは、軸方向リップシールが管端部(より詳細には、雌管端部又は雄管端部)により力を適用されない場合、第1の軸方向リップシール距離XL1にわたってシール支持面から延び、管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、第1の軸方向リップシール距離XL1よりも小さい第2の軸方向リップシール距離XL2にわたってシール支持面から延びるように構成されている、請求項1~18のいずれか1項に記載の管端部プロテクター。
【請求項20】
最終構成位置において、管端部(より詳細には、雌管端部又は雄管端部)は、シール支持面から軸方向管距離XPに位置し、軸方向管端部距離XPは、第1の軸方向リップ距離XL1よりも小さい、請求書19に記載の管端部プロテクター。
【請求項21】
- 前記軸方向リップシールは、雌管端部用の外部リップシールであり、又は
- 前記軸方向リップシールは、雄管端部用の内部リップシールである、請求項1~20のいずれか1項に記載の管端部プロテクター。
【請求項22】
前記管用ネジ及びプロテクター用ネジは、楔型ネジである、請求項1~21のいずれか1項に記載の管端部プロテクター。
【請求項23】
前記第1のポリマー材料及び第2のポリマー材料は、オーバーモールディングによって互いに接着取り付けされるように選択される、請求項1~22のいずれか1項に記載の管端部プロテクター。
【請求項24】
前記本体の第1のポリマー材料は、ポリオレフィン、好ましいポリエチレンであり、リップシールの第2のポリマー材料は、エラストマー、好ましくはオレフィンブロックコポリマー、より好ましくはエチレン/オクテンコポリマーのブロックと交互に配置されるポリエチレンのブロックのブロックコポリマーである、請求項1~23のいずれか1項に記
載の管端部プロテクター。
【請求項25】
- 前記本体は、少なくとも部分的に径方向に延びる環状の更なるシール支持面を有する更なる支持部分を含み、
- 前記管端部プロテクターは、更なるシール支持面上に提供された環状の可撓性の更なるリップシールを含み、
-- 前記更なるリップシールは、第1の弾性率よりも低い第3の弾性率を有する第3のポリマー材料から形成され、
-- 前記更なるリップシールは、更なるシール支持面の少なくとも一部分に沿って径方向に延び、且つオーバーモールディングによって更なるシール支持面に取り付けられた環状の更なるリップ基部を含む、請求項1~24のいずれか1項に記載の管端部プロテクター。
【請求項26】
- 前記更なるリップシールは、雌管端部用の内部リップシールであり、又は
- 前記更なるリップシールは、雄管端部用の外部リップシールである、請求書25に記載の管端部プロテクター。
【請求項27】
前記更なるリップシールは環状の更なるリップを含み、環状の更なるリップは、更なるリップ基部に取り付けられた更なるリップの足部から、更なるリップ基部から軸方向に離間した更なるリップの自由縁に延び、足部及び更なる自由縁は、径方向にずれている、請求書25又は26に記載の管端部プロテクター。
【請求項28】
- 前記更なるリップシールは更なる軸方向リップシールであり、
- 前記更なる軸方向リップシールは、更なるシール支持面の少なくとも一部分に沿って径方向に延び、且つオーバーモールディングによって更なるシール支持面に取り付けられた環状の支持基部を含み、
- 前記支持基部は、使用時、更なるリップの環状のリップ接触面と接触するように構成された環状の基部接触面を含み、
- 前記更なるリップ基部及び支持基部は、互いに対して径方向に離間され、
- 前記更なるリップ及び支持基部は、互いに対して軸方向に離間される、請求書27に記載の管端部プロテクター。
【請求項29】
前記更なる軸方向リップシールは、リップ接触面と基部接触面との間に位置する環状のシール開口部を含み、シール開口部は、長手方向軸に沿った断面図において、更なるリップ、更なるリップ基部、及び支持基部によって包囲される環状の空間へのアクセスを提供する、請求書28に記載の管端部プロテクター。
【請求項30】
- 前記更なるリップシールは径方向リップシールであり、
- 前記更なる自由縁は、更なるリップ基部よりも長手方向軸から離れて位置し、且つ長手方向軸から離れるように指向され、又は更なる自由縁は、更なるリップ基部よりも長手方向軸の近くに位置し、且つ長手方向軸に向かって指向される、請求書25~27のいずれか1項に記載の管端部プロテクター。
【請求項31】
前記管端部プロテクターは空気通路を含む、請求項1~30のいずれか1項に記載の管端部プロテクター。
【請求項32】
アセンブリーであって;
- 炭化水素井の探査及び生産用の管部品であって、前記環部品は、管用ネジが提供された雌管端部と、請求項1~31のいずれか1項に記載の管端部プロテクターとを有し、管用ネジ及びプロテクター用ネジは互いに螺合し、雌管端部は最終構成位置に位置し、リップの自由縁は、雌管端部と長手方向軸との間に位置する、管部品、又は
- 炭化水素井の探査及び生産用の管部品であって、前記環部品は、管用ネジが提供された雄管端部と、請求項1~31のいずれか1項に記載の管端部プロテクターとを有し、管用ネジ及びプロテクター用ネジは互いに螺合し、雄管端部は最終構成位置に位置し、雄管端部は、自由縁と長手方向軸との間に位置する、管部品
を含む、アセンブリー。
【請求項33】
- 前記リップは、雌管上での管端部プロテクターの回転構成中、支持部分と雌管端部が互いに向かって軸方向に移動する際、雌管端部によって長手方向軸に向かって屈曲し、又は
- 前記リップは、雄管上での管端部プロテクターの回転構成中、支持部分と雄管端部が互いに向かって軸方向に移動する際、雄管端部によって長手方向軸から離れるように屈曲する、請求書32に記載のアセンブリー
【請求項34】
前記管用ネジ及びプロテクター用ネジは、楔型ネジである、請求書32又は33に記載のアセンブリー
【請求項35】
前記更なる軸方向リップシールの更なるリップは、管端部(より詳細には、雌管端部又は雄管端部)によって適用される軸方向の力Faにより支持基部と接触するように押される、請求項32~34のいずれか1項に記載のアセンブリー。
【請求項36】
- 前記径方向リップシールの更なる自由縁は、雌管端部によって適用される径方向の力Frにより径方向内側に押され、又は
- 前記径方向リップシールの更なる自由縁は、雄管端部によって適用される径方向の力Frより径方向外側に押される、請求項32~34のいずれか1項に記載のアセンブリー。
【請求項37】
炭化水素井の探査及び生産用の管部品の管端部上に提供された管用ネジを保護するための管端部プロテクターの製造方法であって、前記方法は;
- 第1の弾性率、長手方向軸、少なくとも部分的に径方向に延びる環状のシール支持面を有する少なくとも1つの支持部分、及び管状部分を有する本体を形成するように構成された主鋳型内に第1のポリマー材料を射出することと、
- 主鋳型から本体を除去した後、シール支持面上を覆って軸方向リップシール鋳型を配置することと、
- 軸方向リップシール鋳型内に第2のポリマー材料を射出することであって、軸方向リップシール鋳型は環状の可撓性の軸方向リップシールを形成するように構成され、環状の可撓性の軸方向リップシールは、第1の弾性率よりも低い第2の弾性率を有し、シール支持面の少なくとも一部分に沿って径方向に延び、且つオーバーモールディングによってシール支持面に取り付けられた環状のリップ基部を含み、更にリップ基部からリップの自由縁に延びる環状のリップを含み、前記自由縁は、リップ基部から軸方向に離間される、射出すること、を含み;
-- 前記管端部プロテクターは雌管端部用に構成され、リップは、雌管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、自由縁を雌管端部と長手方向軸との間に配置するために、雌管端部上での管端部プロテクターの回転構成中、支持部分と雌管端部が互いに向かって軸方向に移動する際に、雌管端部の雌突出部面によって長手方向軸に向かって屈曲されるように構成され、又は
-- 前記管端部プロテクターは雄管端部用に構成され、リップは、雄管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に、雄管端部を自由縁と長手方向軸との間に配置するために、雄管端部上での管端部プロテクターの回転構成中、支持部分と雄管端部が互いに向かって軸方向に移動する際に、雄管端部の雄突出部面によって長手方向軸から離れるように屈曲するように構成されている、方法。
【請求項38】
ネジ切装置を使用して管状部分上にプロテクター用ネジを形成することを含み、プロテクター用ネジは、管端部の管用ネジと協働するように構成されている、請求書37に記載の方法。
【請求項39】
主鋳型を使用して管状部分上にプロテクター用ネジを形成することを含み、プロテクター用ネジは、管端部の管用ネジと協働するように構成されている、請求書37に記載の方法。
【請求項40】
前記主鋳型は、少なくとも部分的に径方向に延びる環状の更なるシール支持面を有する更なる支持部分を含む本体を形成するように構成され、前記方法は;
- 更なるシール支持面を覆って更なるリップシール鋳型を配置することと、
- 更なるリップシール鋳型内に第3のポリマー材料を射出することと、を含み、更なるリップシール鋳型は、更なる軸方向リップシールを形成するように構成された更なる軸方向リップシール鋳型であり、更なる軸方向リップシールは、第1の弾性率よりも低い第3の弾性率を有し;
-- 更なるシール支持面の少なくとも一部分に沿って径方向に延び、且つオーバーモールディングによって更なるシール支持面に取り付けられた環状の更なるリップ基部と、
-- 更なるシール支持面の少なくとも一部分に沿って径方向に延び、且つオーバーモールディングによって更なるシール支持面に取り付けられた環状の支持基部と、
-- 支持基部上に位置し、且つ、使用時、リップ上に位置するリップ接触面と接触するように構成された環状の基部接触面とを含み;
--- 更なるリップ基部及び支持基部は、互いに対して径方向に離間され、
--- 更なるリップ及び支持基部は、互いに対して軸方向に離間され、
--- 更なる軸方向リップシールは、リップ接触面と基部接触面との間に位置する環状のシール開口部を含み、
--- 前記シール開口部は、長手方向軸に沿った断面図において、更なるリップ、更なるリップ基部、及び支持基部によって包囲される環状の空間へのアクセスを提供し、
- 前記更なる軸方向リップシール鋳型は、更なる軸方向リップシールの空間を形成するように構成された環状の空間鋳型部分を含み、
- 前記方法は、第3のポリマー材料が更なる軸方向リップシール鋳型内に射出された後、更なる軸方向リップシールのシール開口部を介して環状の空間鋳型部分を除去することを含む、請求項37~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
主鋳型は、少なくとも部分的に径方向に延びる環状の更なるシール支持面を有する更なる支持部分を含む本体を形成するように構成され、前記方法は;
- 更なるシール支持面を覆って更なるリップシール鋳型を配置することと、
- 更なるリップシール鋳型内に第3のポリマー材料を射出することと、を含み、更なるリップシール鋳型は、第1の弾性率よりも低い第3の弾性率を有する径方向リップシールを形成するように構成された径方向リップシール鋳型であり、更なる自由縁は、更なるリップ基部よりも長手方向軸から離れて位置し、且つ長手方向軸から離れるように指向されている、請求項37~39のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素井の探査及び生産用の管部品の管端部上に提供された管用ネジを保護するための管端部プロテクターと、そのような管端部プロテクター及び管部品を含むアセンブリーに関する。本発明はまた、そのような管端部プロテクターの製造方法に関する。
【0002】
炭化水素井の探査及び生産用の管部品が製造された後、管部品を炭化水素井の探査及び生産が行われる場所へ運搬する必要がある。この輸送中に、管端部の管用ネジが損傷するリスクが高い。このリスクを低下させるために、管端部プロテクターが管端部に螺合されて、管用ネジを覆う。湿度又は小さい固体粒子、例えば管用ネジに積もる埃を回避するために、管端部プロテクターに少なくとも1つのシールが提供される。一般に、管端部プロテクターは内部シール及び外部シールを有し、管用ネジは内部シールと外部シールとの間に位置する。
【背景技術】
【0003】
既知の管端部プロテクターは、長手方向軸と、管端部の管用ネジと協働するように構成されたプロテクター用ネジが提供された管状部分と、を有する本体を含む。本体内に溝が設けられ、内部シール及び外部シールは、前記溝内に手作業で配置される。
【0004】
この管端部プロテクターは、製造コストが比較的高いという欠点を有する。これはとりわけシールが溝に手作業で配置されるという事実により生じる。
【0005】
加えて、シールは、管端部プロテクターが再使用される際に溝から外れる場合がある。その結果、管端部プロテクターの平均密閉能力は、それが再使用される場合に比較的早く低下する。従って、管端部プロテクターは、一般には比較的限られた回数で再使用されるだけである。
【0006】
管端部プロテクターは、2つの異なるグループ、即ち雄管端部用の管プロテクターと、雌管端部用の管プロテクターに分けることができる。雄管端部と雌管端部の設計の相違により、異なる管端部プロテクターの2つのグループの各々は、それ自体の固有の困難を有する場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、炭化水素井の探査及び生産用の管部品の管端部上に提供された管用ネジを保護するための、改善された、又は少なくとも代替的な管端部プロテクターを提供することを目的とする。前記管端部プロテクターは;
- 長手方向軸と、少なくとも部分的に径方向に延びる環状のシール支持面を有する支持部分と、管端部の管用ネジと協働するように構成されたプロテクター用ネジが提供された管状部分とを有する本体と、
- シール支持面上に提供された環状の可撓性の軸方向リップシールと、を含み;
-- 本体は、第1の弾性率を有する第1のポリマー材料から形成され、
-- 軸方向リップシールは、第1の弾性率よりも低い第2の弾性率を有する第2のポリマー材料から形成され、
-- 軸方向リップシールは環状のリップ基部を含み、環状のリップ基部は、シール支持面の少なくとも一部分に沿って径方向に延び、且つオーバーモールディング(over moulding)によってシール支持面に取り付けられ、
-- 軸方向リップシールは環状のリップを含み、環状のリップは、リップ基部からリップの自由縁に延び、自由縁は、リップ基部から軸方向に離間され;
--- 管端部プロテクターは雌管端部用に構成され、リップは、雌管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、自由縁を雌管端部と長手方向軸との間に配置するために、雌管端部上での管端部プロテクターの回転構成中、支持部分と雌管端部が互いに向かって軸方向に移動する際、雌管端部の雌突出部面によって長手方向軸に向かって屈曲されるように構成され、又は
--- 管端部プロテクターは雄管端部用に構成され、リップは、雄管端部上での上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、自由縁を雄管端部と長手方向軸との間に配置するために、雄管端部上での管端部プロテクターの回転構成中、支持部分と雄管端部が互いに向かって軸方向に移動する際、雄管端部の雄突出部面によって長手方向軸から離れるように屈曲するように構成されている。
【0008】
本体上の軸方向リップシールのオーバーモールディングにより、管端部プロテクターを少ない手作業で効率的に製造することができる。加えて、オーバーモールディングは、管端部プロテクターが再使用される場合でも軸方向リップシールが定位置に留まることを確実にする。
【0009】
軸方向リップシールは、雌管端部及び雄管端部の特定の特徴に対処し、管端部プロテクターと雌管端部との間、又は管端部プロテクターと雄管端部との間に頑丈なシールを形成するように構成されている。
【0010】
軸方向リップシールは細長い部分(長手方向軸に沿った断面図で見た場合)を有するため、オーバーモールディングによって効率的に製造することが非常に適切である。
【0011】
管端部と長手方向軸との間の自由縁の位置は、リップが雌管端部に押し付けられて、軸方向リップシールの密閉効果を増加させることを確実にする。
【0012】
雌管端部と長手方向軸との間の自由縁の位置は、径方向における雌管端部及び長手方向軸に対する自由縁の位置に関連する。
【0013】
自由縁と長手方向軸との間の雄管端部の位置は、リップが雄管端部に押し付けられて、軸方向リップシールの密閉効果を増加させることを確実にする。
【0014】
自由縁と長手方向軸との間の雄管端部の位置は、径方向における雄管端部及び長手方向軸に対する自由縁の位置に関連する。
【0015】
使用される用語「軸方向」及び「径方向」は、本体の長手方向軸に関連する。
【0016】
使用される用語「径方向に延びる(radially extending)」及び「径方向に延びる(extends radially)」は、品目が、長手方向軸から離れる方向に延びる状況に関連する。
【0017】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、リップは環状の外側リップ面を含み、軸方向リップシールは、管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、外側リップ面の管端部との接触を保持するように構成されている。
【0018】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールは、管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、外側リップ面によってリップ力を管端部に適用するように構成されている。
【0019】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、管端部に適用されるリップ力は、軸方向の力成分及び径方向の力成分を有する。
【0020】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、リップ力は、軸方向リップシールの剛性によって形成される。
【0021】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、リップは、管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、本体との接触がなく、リップ力は、軸方向リップシールの剛性のみで形成される。
【0022】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、本体は、リップと長手方向軸との間に位置する環状の本体接触面を含み、軸方向リップシールは、雌管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、本体接触面と接触するように構成されている。より詳細には、軸方向リップシールのリップは、雌管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、本体の本体接触面と接触している。この方法で、環状の本体接触面はリップ力を形成することを補助する。
【0023】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、本体は環状の本体接触面を含み、リップは、本体接触面と長手方向軸との間に位置し、軸方向リップシールは、雄管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、本体接触面と接触するように構成されている。より詳細には、リップは、雄管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、本体の本体接触面と接触している。この方法で、環状の本体接触面はリップ力を形成することを補助する。
【0024】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、自由縁は、管端部(より詳細には、雌管端部又は雄管端部)上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、本体接触面と接触している。
【0025】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、リップは環状の内側リップ面を含み、環状の内側リップ面は、管端部(より詳細には、雌管端部又は雄管端部)上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、本体接触面と接触している。
【0026】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、本体接触面は、長手方向軸に対して35°~55°(両端を含む)、好ましくは40°~50°(両端を含む)の角度αの下で延びる。
【0027】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、リップは、雌管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、雌管端部と接触するように構成された第1のリップ接触区域を含み、リップは、雌管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、本体接触面と接触するように構成された第2のリップ接触区域を含み、第1のリップ接触区域及び第2の接触区域は、雌管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、雌管端部と長手方向軸との間に位置する。
【0028】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、リップは、雄管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、雄管端部と接触するように構成された第1のリップ接触区域と、雄管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、本体接触面と接触するように構成された第2のリップ接触区域とを含み、雄管端部は、雄管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)
、第1及び第2のリップ接触区域と長手方向軸との間に位置する。
【0029】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、本体接触面は、管状部分の周囲面の一部分である。周囲面は、管端部プロテクターが雌管端部用に構成されている場合、外部周囲面である。周囲面は、前記管端部プロテクターが雄管端部用に構成されている場合、内部周囲面である。
【0030】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、第1のリップ接触区域は外側リップ面に位置し、第2のリップ接触区域は内側リップ面に位置する。
【0031】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールは、雌管端部上での管端部プロテクターの回転構成中、(使用中)最初に、自由縁と雌管端部の雌突出部面との接触を作り、続いて、回転構成が継続しているときに自由縁を雌突出部面に沿って長手方向軸に向かって移動するように構成されている。
【0032】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールは、雄管端部上での管端部プロテクターの回転構成中、最初に、自由縁と雄管端部の雄突出部面との接触を作り、続いて、回転構成が継続しているときに自由縁を雄突出部面に沿って長手方向軸から離れるように移動するように構成されている。
【0033】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールは、長手方向軸に対して70°~90°(両端を含む)、好ましくは80°~90°(両端を含む)の角度βの下で延びる雌突出部面に沿って自由縁を移動するように構成されている。
【0034】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールは、70°~90°(両端を含む)、好ましくは80°~90°(両端を含む)の角度βの下で延びる雄突出部面に沿って自由縁を移動するように構成されている。
【0035】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールは、雌管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、雌管端部の内側縁と接触するように構成されている。
【0036】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールは、雄管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、雄管端部の外側縁と接触するように構成されている。
【0037】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールは、雌管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達し、内側縁が雌突出部面と長手方向軸との間に位置した際に(使用中)、雌管端部の内側縁と接触するように構成されている。
【0038】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールは、雄管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に到達し、雄突出部面が外側縁と長手方向軸との間に位置した際に、雄管端部の外側縁と接触するように構成されている。
【0039】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールは、管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、長手方向軸を包囲する管端部(より詳細には、雌管端部又は雄管端部)との環状の線接触を有するように構成されている。
【0040】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールは、雌管端部上で
の管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、長手方向軸を包囲する雌管端部の内側縁との環状の線接触を有するように構成されている。
【0041】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールは、雄管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、長手方向軸を包囲する雄管端部の外側縁との環状の線接触を有するように構成されている。
【0042】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、自由縁は、軸方向リップシールが雌管端部により力を適用されない場合、長手方向軸に向かって指向される。
【0043】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、リップは、軸方向リップシールが雌管端部により力を適用されない場合、自由縁において長手方向軸に向かって延びる。
【0044】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、自由縁は、軸方向リップシールが雌管端部により力を適用されない場合、径方向においてリップ基部よりも長手方向軸の近くに位置する。
【0045】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、自由縁は、軸方向リップシールが雌管端部により力を適用されない場合、管状部分に向かって指向される。
【0046】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、リップは、軸方向リップシールが雌管端部により力を適用されない場合、自由縁において管状部分に向かって延びる。
【0047】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、管状部分は、径方向において長手方向軸と軸方向リップシールとの間に位置する。これは、管端部プロテクターが雌管端部用に構成されている状況に適用される。
【0048】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールのリップは、支持部分と雌管端部が、雌管端部上での管端部プロテクターの回転構成中、互いに向かって軸方向に移動する際、雌管端部の雌突出部面によって管状部分に向かって屈曲するように構成されている。
【0049】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、自由縁は、軸方向リップシールが雌管端部により力を適用されない場合、プロテクター用ネジに向かって指向される。
【0050】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、リップは、軸方向リップシールが雌管端部により力を適用されない場合、自由縁においてプロテクター用ネジに向かって延びる。
【0051】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、管端部プロテクターは、雌管端部上での管端部プロテクターの構成中、軸方向リップシールのリップが雌管端部の雌突出部面によって長手方向軸に向かって屈曲される前に、プロテクター用ネジの少なくとも一部分を、雌突出部面に沿って軸方向に移動するように構成されている。
【0052】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、自由縁は、軸方向リップシールが雄管端部により力を適用されない場合、長手方向軸から離れるように指向されている。
【0053】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、リップは、軸方向リップシールが雄管端部により力を適用されない場合、自由縁において長手方向軸に向かって延びる。
【0054】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、自由縁は、軸方向リップシールが雄管端部により力を適用されない場合、径方向においてリップ基部よりも長手方向軸から離れて位置する。
【0055】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、自由縁は、軸方向リップシールが雌管端部により力を適用されない場合、管状部分に向かって指向される。
【0056】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、リップは、軸方向リップシールが雄管端部により力を適用されない場合、自由縁において管状部分に向かって延びる。
【0057】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールは、径方向において長手方向軸と管状部分との間に位置する。これは、前記管端部プロテクターが雄管端部用に構成されている状況に適用される。
【0058】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールのリップは、支持部分と雄管端部が雄管端部上での管端部プロテクターの回転構成中、互いに向かって軸方向に移動する際、管状部分に向かって屈曲するように構成されている。
【0059】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、自由縁は、軸方向リップシールが雌管端部により力を適用されない場合、プロテクター用ネジに向かって指向される。
【0060】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、リップは、軸方向リップシールが雄管端部により力を適用されない場合、自由縁においてプロテクター用ネジに向かって延びる。
【0061】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、管端部プロテクターは、雄管端部上での管端部プロテクターの構成中、リップが雄管端部の雄突出部面によって長手方向軸から離れるように屈曲される前に、プロテクター用ネジの少なくとも一部分を、雄突出部面に沿って軸方向に移動するように構成されている。
【0062】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、自由縁は、軸方向リップシールが管端部により力を適用されない場合、管状部分の周囲面に向かって指向される。周囲面は、前記管端部プロテクターが雌管端部用に構成されている場合、外部周囲面である。周囲面は、前記管端部プロテクターが雄管端部用に構成されている場合、内部周囲面である。
【0063】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、リップは、軸方向リップシールが管端部により力を適用されない場合、自由縁において周囲面に向かって延びる。
【0064】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、自由縁は、軸方向リップシールが管端部により力を適用されない場合、径方向においてリップ基部よりも周囲面の近くに位置する。
【0065】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールのリップは、支持部分と雌管端部が、雌管端部上での管端部プロテクターの回転構成中、互い向かって軸方向に移動する際、雌管端部の雌突出部面によって外部周囲面に向かって屈曲するように構成されている。
【0066】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールのリップは、支持部分と雄管端部が、雄管端部での管端部プロテクターの回転構成中、互いに向かって軸方向に移動する際、雄管端部の雄突出部面によって内部周囲面に向かって屈曲するように構
成されている。
【0067】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、プロテクター用ネジは、管状部分の周囲面に提供されている。
【0068】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールは、管端部(より詳細には、雌管端部又は雄管端部)により力を適用されない場合、第1の軸方向リップシール距離XL1にわたってシール支持面から延び、管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、第1の軸方向リップシール距離XL1よりも小さい第2の軸方向リップシール距離XL2にわたってシール支持面から延びるように構成されている。
【0069】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、最終的な構成位置において、管端部(より詳細には、雌管端部又は雄管端部)は、シール支持面から軸方向管距離XPに位置し、軸方向管端部距離XPは、第1の軸方向リップ距離XL1よりも小さい。
【0070】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、シール支持面は、管状部分の周囲面から少なくとも部分的に径方向に延びる。周囲面は、前記管端部プロテクターが雌管端部用に構成されている場合、外部周囲面である。周囲面は、前記管端部プロテクターが雄管端部用に構成されている場合、内部周囲面である。
【0071】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールは、雌管端部用の外部リップシールである。
【0072】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールは、雄管端部用の内部リップシールである。
【0073】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールは、オーバーモールディングにより形成された単一部分である。
【0074】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、プロテクター用ネジ(及び管用ネジ)は、楔型ネジである。
【0075】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、プロテクター用ネジ(及び管用ネジ)は、自由走行ネジ(free running thread)である。
【0076】
管端部プロテクターの一態様では、第1のポリマー材料及び第2のポリマー材料は、オーバーモールディングによって互いに接着取り付けされるように選択される。
【0077】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、接着取り付けは、オーバーモールディングによる第1のポリマー材料と第2のポリマー材料の化学的、分散及び/又は拡散接着により生じる。
【0078】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、本体の第1のポリマー材料は、ポリオレフィン、好ましいポリエチレンであり、リップシールの第2のポリマー材料は、エラストマー、好ましくはオレフィンブロックコポリマー、より好ましくは、エチレン/オクテンコポリマーのブロックと交互に配置されるポリエチレンのブロックのブロックコポリマーである。
【0079】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、本体は、少なくとも部分的に径方向に
延びる環状の更なるシール支持面を有する更なる支持部分を含み、
- 管端部プロテクターは、更なるシール支持面上に提供された環状の可撓性の更なるリップシールを含み、更なるリップシールは、第1の弾性率よりも低い第3の弾性率を有する第3のポリマー材料から形成され、更なるリップシールは、環状の更なるリップ基部を含み、環状の更なるリップ基部は、更なるシール支持面の少なくとも一部分に沿って径方向に延び、且つオーバーモールディングによって更なるシール支持面に取り付けられている。
【0080】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、プロテクター用ネジは、軸方向において軸方向リップシールと更なるリップシールとの間に位置する。
【0081】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、プロテクター用ネジは、軸方向においてシール支持面と更なるシール支持面との間に位置する。
【0082】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、軸方向リップシールは、軸方向において、プロテクター用ネジよりもリップシールから離れて位置する。
【0083】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、更なるリップシールは、雌管端部用の内部リップシールである。
【0084】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、更なるリップシールは、雄管端部用の外部リップシールである。
【0085】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、更なるリップシールは、環状の更なるリップを含み、環状の更なるリップは、更なるリップ基部に取り付けられた更なるリップの足部から、更なるリップ基部から軸方向に離間した更なるリップの自由縁に延び、足部と更なる自由縁は、径方向にずれている。
【0086】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、更なるリップシールは、更なる軸方向リップシールであり、
- 更なる軸方向リップシールは環状の支持基部を含み、環状の支持基部は、更なるシール支持面の少なくとも一部分に沿って径方向に延び、且つオーバーモールディングによって更なるシール支持面に取り付けられ、支持基部は、使用時、更なるリップの環状のリップ接触面と接触するように構成された環状の基部接触面を含み、
更なるリップ基部及び支持基部は、互いに対して径方向に離間され、更なるリップ及び支持基部は、互いに軸方向に離間されている。
【0087】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、プロテクター用ネジは、軸方向において、軸方向リップシールと更なる軸方向リップシールとの間に位置する。
【0088】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、更なる軸方向リップシールは、リップ接触面と基部接触面との間に位置する環状のシール開口部を含み、シール開口部は、環状の空間へのアクセスを提供し、環状の空間は、長手方向軸に沿った断面図において、更なるリップ、更なるリップ基部、及び支持基部に包囲されている。
【0089】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、管端部プロテクターは、空気通路を含む。
【0090】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、更なるリップシールは径方向リップシールであり、更なる自由縁は、更なるリップ基部よりも長手方向軸から離れて位置し、且
つ長手方向軸に向かって指向され、又は更なる自由縁は、更なるリップ基部よりも長手方向軸の近くに位置し、且つ長手方向軸に向かって指向される。
【0091】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、プロテクター用ネジは、軸方向において軸方向リップシールと径方向リップシールとの間に位置する。
【0092】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、更なる軸方向リップシールは、オーバーモールディングにより形成された単一部分である。
【0093】
本発明による管端部プロテクターの一態様では、径方向リップシールは、オーバーモールディングにより形成された単一部分である。
【0094】
本発明による管端部プロテクターが、上記に定義した本発明による管プロテクターの態様のいずれかの数の組み合わせの特徴を含む場合があることは当業者に明らかであろう。
【0095】
本発明は、更に、炭化水素井の探査及び生産用の管部品を含むアセンブリーに関し、管部品は、管用ネジが提供された雌管端部と、本発明による管端部プロテクターとを有し、管用ネジ及びプロテクター用ネジは、互いに螺合し、雌管端部は、最終構成位置に位置し、リップの自由縁は、雌管端部と長手方向軸との間に位置し、又は、炭化水素井の探査及び生産用の管部品を含むアセンブリーに関し、管部品は、管用ネジが提供された雄管端部と、本発明による管端部プロテクターとを有し、管用ネジ及びプロテクター用ネジは、互いに螺合し、雄管端部は、最終構成位置に位置し、雄管端部は、自由縁と長手方向軸との間に位置する。
【0096】
本発明によるアセンブリーの一態様では、リップは、雌管上での管端部プロテクターの回転構成中、支持部分と雌管端部が互いに向かって軸方向に移動する際に、雌管端部によって長手方向軸に向かって屈曲する。
【0097】
本発明によるアセンブリーの一態様では、リップは、雄管上での管端部プロテクターの回転構成中、支持部分と雄管端部が互いに向かって軸方向に移動する際に、雄管端部によって長手方向軸から離れるように屈曲する。
【0098】
本発明によるアセンブリーの一態様では、管用ネジ及びプロテクター用ネジは、楔型ネジである。
【0099】
本発明によるアセンブリーの一態様では、管用ネジ及びプロテクター用ネジは、自由走行ネジである。
【0100】
本発明によるアセンブリーの一態様では、更なる軸方向リップシールの更なるリップは、管端部(より詳細には、雌管端部又は雄管端部)によって適用される軸方向の力Faにより支持基部と接触するように押される。
【0101】
本発明によるアセンブリーの一態様では、径方向リップシールの更なる自由塩は、雌管端部によって適用される径方向の力Frにより径方向内側に押される。
【0102】
本発明によるアセンブリーの一態様では、径方向リップシールの更なる自由縁は、雄管端部によって適用される径方向の力Frにより径方向外側に押される。
【0103】
本発明によるアセンブリーが、上記に定義した本発明によるアセンブリーの態様のいずれかの数の組み合わせの特徴を含む場合があることは当業者に明らかであろう。
【0104】
本発明は、更に、炭化水素井の探査及び生産用の管部品の管端部上に提供された管用ネジを保護するための管端部プロテクターを製造するための方法に関し、前記方法は;
- 第1の弾性率と、長手方向軸と、少なくとも部分的に径方向に延びる環状のシール支持面を有する少なくとも1つの支持部分と、管状部分とを有する本体を形成するように構成された主鋳型内に第1のポリマー材料を射出することと、
- 主鋳型から本体を除去した後、シール支持面を覆って軸方向リップシール鋳型を配置することと、
- 軸方向リップシール鋳型内に第2のポリマー材料を射出することであって、軸方向リップシール鋳型は環状の可撓性の軸方向リップシールを形成するように構成され、環状の可撓性の軸方向リップシールは、第1の弾性率よりも低い第2の弾性率を有し、シール支持面の少なくとも一部分に沿って径方向に延び、且つオーバーモールディングによってシール支持面に取り付けられた環状のリップ基部を含み、更にリップ基部からリップの自由縁に延びる環状のリップを含み、前記自由縁は、リップ基部から軸方向に離間される、射出することと、を含み;
-- 管端部プロテクターは雌管端部用に構成され、リップは、雌管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、自由縁を雌管端部と長手方向軸都の間に配置するために、雌管端部上での管端部プロテクターの回転構成中、支持部分と雌管端部が互いに向かって軸方向に移動する際に、雌管端部の雌突出部面によって長手方向軸に向かって屈曲されるように構成され、又は
-- 前記管端部プロテクターは雄管端部用に構成され、リップは、雄管端部上での管端部プロテクターの最終構成位置に達した際に(使用中)、雄管端部を自由縁と長手方向軸との間に配置するために、雄管端部上での管端部プロテクターの回転構成中、支持部分と雄管端部が互いに向かって軸方向に移動する際に、雄管端部の雄突出部面によって長手方向軸から離れるように屈曲するように構成されている。
【0105】
本発明による方法の一態様では、方法は、ネジ切装置を使用して管状部分上にプロテクター用ネジを形成することを含み、このプロテクター用ネジは、管端部の管用ネジと協働するように構成されている。
【0106】
本発明による方法の一態様では、方法は、主鋳型を使用して管状部分上にプロテクター用ネジを形成することを含み、このプロテクター用ネジは、管端部の管用ネジと協働するように構成されている。
【0107】
方法の一態様では、主鋳型は、少なくとも部分的に径方向に延びる環状の更なるシール支持面を有する更なる支持部分を含む本体を形成するように構成され、方法は;
- 更なるシール支持面上を覆って更なるリップシール鋳型を配置することと、更なるリップシール鋳型内に第3のポリマー材料を射出することと、を含み、更なるリップシール鋳型は、更なる軸方向リップシールを形成するように構成された更なる軸方向リップシール鋳型であり、更なる軸方向リップシールは、第1の弾性率よりも低い第3の弾性率を有し;
-- 更なるシール支持面の少なくとも一部分に沿って径方向に延び、且つオーバーモールディングによって更なるシール支持面に取り付けられた環状の更なるリップ基部と、
-- 更なるシール支持面の少なくとも一部分に沿って径方向に延び、且つオーバーモールディングによって更なるシール支持面に取り付けられた環状の支持基部と、
-- 支持基部上に位置し、且つ、使用時、リップ上に位置するリップ接触面と接触するように構成された環状の基部接触面とを含み;
--- 更なるリップ基部及び支持基部は、互いに対して径方向に離間され、
--- 更なるリップ及び支持基部は、互いに対して軸方向に離間され、
--- 更なる軸方向リップシールは、リップ接触面と基部接触面との間に位置する環状
のシール開口部を含み、
--- シール開口部は、長手方向軸に沿った断面図において、更なるリップ、更なるリップ基部、及び支持基部によって包囲される環状の空間へのアクセスを提供し、
- 更なる軸方向リップシール鋳型は、更なる軸方向リップシールの空間を形成するように構成された環状の空間鋳型部分を含み、
- 方法は、第3のポリマー材料が更なる軸方向リップシール鋳型内に射出された後、更なる軸方向リップシールのシール開口部を介して環状の空間鋳型部分を除去することを含む。
【0108】
本発明による方法の一態様では、主鋳型は、少なくとも部分的に径方向に延びる環状の更なるシール支持面を有する更なる支持部分を含む本体を形成するように構成され、方法は;
- 更なるシール支持面を覆って更なるリップシール鋳型を配置することと、更なるリップシール鋳型内に第3のポリマー材料を射出することと、を含み、更なるリップシール鋳型は、第1の弾性率よりも低い第3の弾性率を有する径方向リップシールを形成するように構成された径方向リップシール鋳型であり、更なる自由縁は、更なるリップ基部よりも長手方向軸から離れて位置し、且つ長手方向軸から離れるように指向されている。
【0109】
本発明による方法が、上記に定義した本発明による方法の態様のいずれかの数の組み合わせの特徴を含む場合があることは当業者に明らかであろう。
【0110】
本発明による管端部プロテクター、アセンブリー及び方法の態様を、対応する参照記号が対応する部分を示す添付の概略図を参照して、単なる例として説明する:
【図面の簡単な説明】
【0111】
【
図1A】本発明による管端部プロテクターの第1の態様の断面図を概略的に示す。
【
図1D】
図1Aの部分Cの代替的な態様の拡大図を概略的に示す。
【
図1E】
図1Aの部分Cの別の代替的な態様の拡大図を概略的に示す。
【
図2】
図1Aの管端部プロテクターに対する管部品の雌管端部の一態様の断面図を概略的に示す。
【
図3A】回転構成中の
図1Aの管端部プロテクター及び
図2の雌管端部の断面図を概略的に示す。
【
図4A】本発明によるアセンブリーの第1の態様の断面図を概略的に示し、
図3Aの管端部プロテクター及び雌管端部を含む。
【
図5A】回転構成中の本発明による管端部プロテクター及び雌管端部の第2の態様の断面図を概略的に示す。
【
図6A】本発明によるアセンブリーの第2の態様の断面図を概略的に示し、
図5Aの管端部プロテクター及び雌管端部を含む。
【
図7A】本発明による方法の一態様を概略的に示す。
【
図7B】本発明による方法の一態様を概略的に示す。
【
図7C】本発明による方法の一態様を概略的に示す。
【
図7D】本発明による方法の一態様を概略的に示す。
【
図7E】本発明による方法の一態様を概略的に示す。
【
図7F】本発明による方法の一態様を概略的に示す。
【
図7G】本発明による方法の一態様を概略的に示す。
【
図7H】本発明による方法の一態様を概略的に示す。
【
図8A】本発明による管端部プロテクターの第3の態様の断面図を概略的に示す。
【
図9】
図8Aの管端部プロテクターに対する管部品の雌管端部の代替的な態様の断面図を概略的に示す。
【
図10】本発明によるアセンブリーの第3の態様の断面図を概略的に示し、
図8Aの管端部プロテクター及び
図9の雌管端部を含む。
【
図11A】本発明による管端部プロテクターの第4の態様の断面図を概略的に示す。
【
図12】
図11Aの管端部プロテクターに対する管部品の雄管端部の一態様の断面図を概略的に示す。
【
図13A】本発明によるアセンブリーの第4の態様の断面図を概略的に示し、
図11Aの管端部プロテクター及び
図12の雄管端部を含む。
【発明を実施するための形態】
【0112】
図1Aは、本発明による管端部プロテクター1の第1の態様の断面図を示す。管端部プロテクター1は、
図2の管部品4の雌管端部3上に螺合されるように構成されている。管端部プロテクター1の上半分のみ示されているが、当業者には管端部プロテクター1が径方向に対称であることが明らかであろう。このことは、上半分のみが示されている他の図面にも当てはまる。
図1B及び1Cは、各々、
図1Aの部分B及びCの拡大図を示す。
管端部プロテクター1は、炭化水素井の探査及び生産用の管部品4の雌管端部3上に提供された管用ネジ2を保護するように構成されている。管端部プロテクター1は、長手方向軸6と、少なくとも部分的に径方向に延びる環状のシール支持面7を有する支持部分10と、管端部3の管用ネジ2と協働するように構成されたプロテクター用ネジ9が提供された管状部分8(
図3A及び4A参照)とを有する本体5を含む。環状の可撓性の軸方向リップシール11は、シール支持面7上に提供されている。詳細に説明するように、管端部プロテクター1はまた、更なる軸方向リップシール111である更なるリップシール150を含む。更なるリップシール150は、更なる支持部分110の少なくとも部分的に径方向に延びる環状の更なるシール支持面107上に提供されている。軸方向リップシール11は、外部リップシール36である。更なるリップシール150は、内部リップシール37である。管用ネジ2及びプロテクター用ネジ9は、楔型ネジ79である。別の例では、管用ネジ2及びプロテクター用ネジ9は、自由走行ネジである。
【0113】
使用される用語「軸方向」及び「径方向」は、本体5の長手方向軸6に関連する。
【0114】
使用される用語「径方向に延びる(radially extending)」及び「径方向に延びる(extends radially)」は、品目が長手方向軸から離れて延びる状況を指す。
【0115】
例えば、
図1の管端部プロテクター1の態様の少なくとも部分的に径方向に延びる環状のシール支持面7は、長手方向軸6に実質的に直交して延びる。本発明による管端部プロテクター1の他の態様では、シール支持面7は、長手方向軸6に対して90°よりも小さ
い角度の下で少なくとも部分的に延びる。このことは、とりわけ、同様の方法で、その上に更なるリップシール150が提供された少なくとも部分的に径方向に延びる環状の更なるシール支持面107にも適用される。
【0116】
本明細書で使用される用語「環状の」は、環のような構成を有する品目を指す。
【0117】
単なる例として、当業者は、少なくとも部分的に径方向に延びる環状のシール支持面7が、軸方向に延びる部分を有する場合があることが明らかであろう。これは、少なくとも部分的に径方向に延びる環状の更なるシール支持面107が軸方向に延びる部分を有する、
図8B及び11Bに示す状況と同様の場合がある。
【0118】
本体5は、第1の弾性率13を有する第1のポリマー材料12から形成されている。軸方向リップシール11は、第1の弾性率13よりも低い第2の弾性率15を有する第2のポリマー材料14から形成されている。
【0119】
軸方向リップシール11は環状のリップ基部16を有し、環状のリップ基部16は、シール支持面7の少なくとも一部分に沿って径方向に延び、且つオーバーモールディングによってシール支持面7に取り付けられている。軸方向リップシール11は、リップ基部16からリップ21の自由縁23に延びる環状のリップ21を含み、この自由縁23は、リップ基部16から軸方向に離間している。リップ21は、雌管端部3上での管端部プロテクター1の最終構成位置70に達した際に(使用中)(
図4A参照)、雌自由末端3と長手方向軸6との間に自由縁23を配置するために、雌管端部3上での管端部プロテクター1の回転構成中、支持部分10及び雌管端部3が互いに向かって軸方向に移動された際に、雌管端部3によって長手方向軸6に向かって屈曲するように構成されている。間という用語は、径方向18に見た場合の長手方向軸6に対する状況に関連する。
【0120】
雌管端部3と長手方向軸6との間の自由縁23の位置は、リップ21が雌管端部3に押し付けられて、軸方向リップシール11の密閉効果を増加させることを確実にする。
【0121】
本体5の第1のポリマー材料12はポリオレフィン、より詳細にはポリエチレンである。軸方向リップシール11の第2のポリマー材料14はエラストマー、より詳細にはオレフィンブロックコポリマー、さらにより詳細にはエチレン/オクテンコポリマーのブロックと交互に配置されるポリエチレンのブロックのブロックコポリマーである。
【0122】
第1のポリマー材料12及び第2のポリマー材料14は、オーバーモールディングによって互いに接着取り付けされるように選択される。本体5の軸方向リップシール11とシール支持面7との接着取り付けは、オーバーモールディングにより引き起こされる第1のポリマー材料12と第2のポリマー材料14との化学的、分散及び/又は拡散接着により生じる。
【0123】
化学的接着は、材料の表面原子が別の材料の表面原子とイオン、共有又は水素結合を形成する場合に起こる。分散接着では、2つの材料がファンデルワールス力によって一緒に保持される。拡散接着は、ポリマー材料の分子の末端が別のポリマー材料中に拡散したポリマー鎖によって起こる。両方のポリマー材料が結晶性の場合、ポリマー鎖の結晶化が起こる場合がある。好ましくは、接着取り付けは、任意的に共結晶化を含む、ポリマー鎖の拡散接着により生じる。
【0124】
軸方向リップシール11はオーバーモールディングによってシール支持面7に取り付けられているため、軸方向リップシール11は、管端部プロテクター1が再使用された場合に、シール支持面7上のその位置に留まるであろう。その結果、再使用された場合の管端
部プロテクター1の密封能力の低下は、比較的低いであろう。従って、管端部プロテクター1は、より高頻度で使用することができる。
【0125】
自由縁23は、軸方向リップシール11が雌管端部3により力を適用されない場合、長手方向軸6に向かって指向される。これは、雌管端部3上での管端部プロテクター1の回転構成中、支持部分10及び雌管端部3が互いに向かって軸方向に移動された際、リップ21が管端部プロテクター1の長手方向軸6に向かって屈曲することを容易にする。
【0126】
リップ21は、軸方向リップシール11が雌管端部3により力を適用されない場合、自由縁23において長手方向軸6に向かって延びる。
【0127】
自由縁23は、軸方向リップシール11が雌管端部3により力を適用されない場合、径方向においてリップ基部16よりも長手方向軸6の近くに位置する。
【0128】
自由縁23は、軸方向リップシール11が雌管端部3により力を適用されない場合、管状部分8に向かって指向される。
【0129】
リップ21は、軸方向リップシール11が雌管端部3により力を適用されない場合、自由23縁において管状部分8に向かって延びる。
【0130】
管状部分8は、径方向において長手方向軸6と軸方向リップシール11との間に位置する。これは、雌管端部3用に構成された管端部プロテクター1の状況にも当てはまる。
【0131】
軸方向リップシール11のリップ21は、雌管端部3上での管端部プロテクター1の回転構成中、支持部分10と雌管端部3が互いに向かって軸方向に移動する際、雌管端部3の雌突出部面76によって管状部分8に向かって屈曲するように構成されている。
【0132】
自由縁23は、軸方向リップシール11が雌管端部3により力を適用されない場合、プロテクター用ネジ9に向かって指向される。
【0133】
リップ21は、軸方向リップシール11が雌管端部3により力を適用されない場合、自由縁23においてプロテクター用ネジ9に向かって延びる。
【0134】
管端部プロテクター1は、雌管端部3上での管端部プロテクター1の構成中、軸方向リップシール11のリップ21が雌管端部3の雌突出部面76によって長手方向軸6に向かって屈曲する前に、プロテクター用ネジ9の少なくとも一部分を、雌突出部面76に沿って軸方向に移動するように構成されている。
【0135】
自由縁23は、軸方向リップシール11が雌管端部3により力を適用されない場合、管状部分8の周囲面44に向かって指向される。周囲面44は、外部周囲面48である。
【0136】
プロテクター用ネジ9は、管状部分8の外部周囲面48に提供されている。
【0137】
リップ21は、軸方向リップシール11が雌管端部3により力を適用されない場合、自由縁23において外部周囲面48に向かって延びる。
【0138】
自由縁23は、軸方向リップシール11が雌管端部3により力を適用されない場合、径方向においてリップ基部16よりも外部周囲面48の近くに位置する。
【0139】
シール支持面7は、管状部分8の外部周囲面48から少なくとも部分的に径方向に延び
る。
【0140】
軸方向リップシール11のリップ21は、雌管端部3上での管端部プロテクター1の回転構成中、支持部分10と雌管端部3が互いに向かって軸方向に移動する際、雌管端部3の雌突出部面76によって外部周囲面48に向かって屈曲するように構成されている。
【0141】
軸方向リップシール11は、軸方向リップシール11が雌管端部3により力を適用されない場合、第1の軸方向リップシール距離XL1にわたってシール支持面7から延びるように構成されている。
【0142】
更なる軸方向リップシール111は更なる環状のリップ基部116を含み、更なる環状のリップ基部116は、更なるシール支持面107の少なくとも一部分に沿って径方向に延び、且つオーバーモールディングによって更なるシール支持面107に取り付けられている。更なる軸方向リップシール111は更なる環状のリップ121を含み、更なる環状のリップ121は、軸方向に圧縮されない状態で、更なるリップ基部116に取り付けられた更なるリップ121の足部122から、更なるリップ基部116から軸方向に離間した更なるリップ121の更なる自由縁123に延びる。足部122及び更なる自由縁123は、径方向にずれている。
【0143】
更なる軸方向リップシール111は環状の支持基部117を含み、環状の支持基部117は、更なるシール支持面107の少なくとも一部分に沿って径方向に延び、且つオーバーモールディングによってシール支持面107に取り付けられている。支持基部117は、使用時に、更なるリップ121の環状のリップ接触面130と接触するように構成された環状の基部接触面126を含む。更なるリップ基部116及び支持基部117は、互いに対して径方向に離間されている。更なるリップ121及び支持基部117は、互いに対して軸方向に離間されている。その結果、リップ接触面130及び基部接触面126は、互いに対して軸方向に離間されている。
【0144】
更なる軸方向リップシール111は環状の中間基部119を含み、環状の中間基部119は、更なるシール支持面107の少なくとも一部分に沿って径方向に延び、且つオーバーモールディングによって更なるシール支持面107に取り付けられている。中間基部119は、更なるリップ基部116と支持基部117を相互接続する。更なる軸方向リップシール111は、射出オーバーモールディングにより形成された単一部分である。
【0145】
更なる軸方向リップシール111は、リップ接触面130と基部接触面126との間に位置する環状のシール開口部125を含む。シール開口部125は、長手方向軸6に沿った断面図において、更なるリップ121、更なるリップ基部116、及び支持基部117によって包囲された環状の空間124へのアクセスを提供する。
【0146】
軸方向リップシール11及び更なる軸方向リップシール111は本体5上にオーバーモールディングされているため、管端部プロテクター1は、より効率的に又は肉体労働なしで製造することができる。このことは、管端部プロテクター1の製造コストを低下させる。オーバーモールディングは、品目が別の品目(の部分)上に(射出)成型される製造プロセスである。
【0147】
軸方向リップシール11及び空間124を有する更なる軸方向リップシール111の両方は、オーバーモールディングに非常に適した細長い形態を有する。それにより、軸方向リップシール11及び更なる軸方向リップシール111は、効率的且つ高い信頼性でオーバーモールディングされることができる。
【0148】
プロテクター用ネジ9は、軸方向27において軸方向リップシール11と更なる軸方向リップシール111との間に位置する。
【0149】
プロテクター用ネジは、軸方向27においてシール支持面7と更なるシール支持面107との間に位置する。
【0150】
軸方向リップシール11は、軸方向において、プロテクター用ネジ9からよりも更なる軸方向リップシール111から離れて位置する。
【0151】
管端部プロテクター1は、径方向18で見た場合、内部リップシール36よりも長手方向軸6の近くに位置する空気通路58を含む。空気通路58は、管端部プロテクター1が両方の管端部3に配置された際に、管部品4内に過圧が形成されることを回避する。空気通路58は貫通孔59である。
【0152】
更なるリップ基部116は、更なるシール支持面107から突出して、更なるリップ121の足部122を、軸方向18において更なるシール支持面107から足部距離133の所に配置する。支持基部117は、更なるシール支持面107から突出して、基部接触面126を、軸方向18において更なるシール支持面107から支持距離134の所に配置する。
【0153】
シール開口部125は、長手方向軸6に沿った断面図において、空間124の30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満を包囲する。
【0154】
シール開口部125は、オーバーモールディングによって更なる軸方向リップシール111を形成するように構成された更なる軸方向シール鋳型153の環状の空間鋳型部分155によって空間124が形成されることを可能にする(
図7G参照)。
【0155】
シール開口部125は、空間124への唯一のアクセスである。足部122から更なる自由縁123まで延びる更なるリップ121は、長手方向軸6に向かって指向される。支持基部117は、更なるリップ基部116よりも長手方向軸6の近くに位置する。
更なる軸方向リップシール111は、第1のポリマー材料12の第1の弾性率13よりも低い第3の弾性率46を有する第3のポリマー材料45から形成されている。第3のポリマー材料45は第2のポリマー材料14と同じである場合があり、従って第3の弾性率46は第2の弾性率15同じである場合がある。
【0156】
図1D及び1Eは、
図1Aの部分Cに示した更なる軸方向リップシール111の2つの代替的な態様の拡大図を示す。
図1Eの代替的な更なる軸方向リップシール111は中間基部119を含まない点で異なり、そのため更なるリップ基部116及び支持基部117は相互接続されていない。更なる軸方向リップシール111は、射出オーバーモールディングによって2つ(2つのみ)の部分で作製されている。代替的な本体5は、更なるシール支持面107が径方向18のみでなく軸方向27にも延びる点で異なる。
【0157】
図1A~Eは、軸方向に圧縮されていない状態の管端部プロテクター1を示す。
図4A~Cは管端部プロテクター1が雌管端部3上での最終構成位置70にある、軸方向に圧縮された状態の管端部プロテクター1を示す。
【0158】
図3A~Cは、回転構成中の
図1Aの管端部プロテクター1と
図2の雌管端部3を概略的に示す。軸方向リップシール11は、雌管端部3上での管端部プロテクター1の回転構成中(
図3Aに示すように)、最初に、自由縁23と雌自由末端3の雌突出部面76との接触を作り、続いて、回転構成が継続しているときに自由縁23を雌突出部面76に沿っ
て長手方向軸6に向かって移動するように構成されている。
【0159】
軸方向リップシール11は、
図3Bに示すように、長手方向軸6に対して約90°の角度βの下で延びる雌突出部面76に沿って自由縁23を移動するように構成されている。別の例では、角度βは、長手方向軸6に対して70°~90°(両端を含む)、好ましくは80°~90°(両端を含む)である。雌突出部面76は、特に押すことによる、長手方向軸6に向かった自由縁23の移動を容易にするように配向されている。
【0160】
図4A~Cは、雌管端部3上での最終構成位置70にある管端部プロテクター1を示す。リップ21は環状の外側リップ面71を含み、リップシール11は、外側リップ面71の雌自由末端3との接触を保持するように構成されている。
【0161】
軸方向リップシール11は、外側リップ面71によってリップ力FLを雌管端部3に適用するように構成されている。雌管端部に適用されるリップ力FLは、軸方向の力成分FLx(これは0ニュートンよりも大きい)及び径方向の力成分FLr(これは0ニュートンよりも大きい)を有する。
【0162】
図4Aにおいて、リップ21は、雌管端部3上での管端部プロテクター1の最終構成位置70に達した際に(使用中)、本体5との接触がなく、リップ力FLは軸方向リップシール3の剛性のみで形成される。別の例では、リップ21、より詳細にはリップ21の自由縁23は、雌管端部3上での管端部プロテクター1の最終構成位置70に達した際に(使用中)、本体5と接触している。この方法で、リップ21と接触した本体5の環状の本体接触面72が形成される。本体接触面72は、リップ力FLの形成を補助するのに使用される。
図6Aは、リップ力FLの形成を補助するのに本体接触面72を使用する更なる例を示す。本体接触面72は、管状部分8の外部周囲面48の一部分である。
【0163】
軸方向リップシール11は、雌管端部3の内側縁77と接触するように構成されている。内側縁77は、雌突出部面76と長手方向軸6との間に位置する。軸方向リップシール11は、雌管端部3、より詳細には雌管端部3の内側縁77との長手方向軸6を包囲する環状の線接触78を有する。線接触78は液体が毛細管現象によって軸方向リップシール11を通過するリスクを低下させる。
【0164】
軸方向リップシール11は、最終構成位置70において、シール支持面7から、第2の軸方向リップシール距離XL2よりも小さい第1の軸方向リップシール距離XL1にわたって延びるように構成されている。
【0165】
最終構成位置70において、雌管端部3は、シール支持面7から軸方向管距離XPに位置し、軸方向管端部距離XPは、第1の軸方向リップ距離XL1よりも小さい。
【0166】
ここで更なる軸方向リップシール111を参照する。更なるリップ121は、雌管端部3、より詳細には雌管端部3の内部肩部20によって軸方向の力Faが更なるリップ121に適用された際に、基部接触面126と接触するように構成されている。
【0167】
図5A~Cは、回転構成中の本発明による管端部プロテクター1及び雌管端部3の第2の態様を示す。最終構成位置70は、
図6A~Cにおいて到達している。
【0168】
本体5は、リップ21と長手方向軸6との間に位置する環状の本体接触面72を含み、軸方向リップシール11は、雌管端部3上での管端部プロテクター1の最終構成位置70に達した際に、本体接触面72と接触するように構成されている。リップ21は、最終構成位置70において本体接触面72と接触している環状の内側リップ面73を含む。別の
例では、自由縁23は、最終構成時に本体接触面72と接触する場合がある。
【0169】
本体接触面72は、長手方向軸6に対して約45°の角度αの下で延びる。他の例では、角度αは、長手方向軸6に対して約45°である。本体接触面72は、径方向18で見た場合、シール支持面7に向かって傾いている。
【0170】
リップ21は、雌管端部3と接触するように構成された第1のリップ接触区域74と、本体接触面72と接触するように構成された第2のリップ接触区域75とを含む。最終構成位置70において、第1のリップ接触区域74及び第2の接触区域75は、雌管端部3と長手方向軸6との間に位置する。第1のリップ接触区域74は外側リップ面71に位置し、第2のリップ接触区域75は内側リップ面73に位置する。
【0171】
図7A~Hは、本発明による方法の一態様を示す。より詳細には、これらは、
図1の管端部プロテクター1の製造方法の一態様を示す。この方法は、同様の方法で、開示された他の管端部プロテクター1の製造にも適用できることが当業者に明らかであろう。
【0172】
図1の管端部プロテクター1の製造方法は、以下のステップを含む。
【0173】
図7Aにおいて、主鋳型52が提供される。主鋳型52は、本体5を形成するように構成されている。第1のポリマー材料供給部61が主鋳型52に接続されている。
【0174】
図7Bにおいて、第1のポリマー材料12が第1のポリマー材料供給部61によって主鋳型52内に射出されて、第1の弾性率13を有する本体5を形成する。
図7Cにおいて、本体5が主鋳型52から除去される。
【0175】
方法の示される態様では、主鋳型52を使用して管状部分8上のプロテクター用ネジ9を形成する。プロテクター用ネジ9は、主鋳型52内への第1のポリマー材料61の射出中に、管状部分8上に形成される。
【0176】
方法の別の態様では、ネジ切装置(図示せず)を使用して管状部分8上のプロテクター用ネジ9を形成する。この態様では、主鋳型52は、プロテクター用ネジ9を形成するためのネジ鋳型部分57を含まない。プロテクター用ネジ9は、本体5が主鋳型52から除去された後に、管状部分8上にネジ切される。
【0177】
図7Dにおいて、シール支持面7上に軸方向シール鋳型53が配置される。第2のポリマー材料供給部62は、軸方向シール鋳型53に接続されている。
【0178】
図7Eにおいて、第2のポリマー材料14が軸方向シール鋳型53内に射出されて、第1の弾性率13よりも低い第2の弾性率15を有する軸方向リップシール11を形成する。軸方向リップシール11は細長い形態を有するため、射出成型された第2のポリマー材料14は、比較的早く冷却することが可能である。それによって、軸方向リップシール11は、時間的に効率よくオーバーモールディングされることができる。
【0179】
図7Fにおいて、軸方向シール鋳型53が除去されている。更なる軸方向シール鋳型153が更なるシール支持面107を覆って配置される。更なる軸方向シール鋳型153は、更なる軸方向リップシール111の空間124を形成するであろう環状の空間鋳型部分155を含む。第3のポリマー材料供給部63が更なる軸方向シール鋳型153に接続されている。
【0180】
図7Gにおいて、第3のポリマー材料45が更なる軸方向シール鋳型153内に射出さ
れて、第1の弾性率13よりも低い第3の弾性率46を有する更なる軸方向リップシール111を形成する。
【0181】
図7Hにおいて、更なる軸方向シール鋳型153が除去されている。環状の空間鋳型部分155は、更なる軸方向リップシール111のシール開口部125を介して除去されている。管端部プロテクター1の製造プロセスは完了している。
【0182】
図8の態様のような管端部プロテクター1を製造する一例では、径方向リップシール鋳型を使用して、径方向リップシール140を本体5の更なるシール支持面107上にオーバーモールディングする。
【0183】
図8A~Bは、本発明による管端部プロテクターの第3の態様を示す。
図8の態様は、更なるリップシール150が環状の可撓性の径方向リップシール140である点で
図1の態様とは異なる。径方向リップシール140の更なる自由縁123は、更なるリップ基部116よりも長手方向軸6から離れて位置する。更なる自由縁123は、長手方向軸6から離れるように指向されている。径方向リップシール140の形態によってより良好な密閉能力が達成される。
【0184】
特に、径方向リップシール140は、管端部が内部肩部を有さない場合に、管部品の管端部の管用ネジを保護するための内部シールに非常に適している。換言すれば、径方向リップシール140は、管端部が内部肩部を有さない場合に、管部品の管端部と管端部プロテクターとの間の内部シールを提供するのに特に有用である。
【0185】
径方向リップシール140は、更なるシール支持面107上に提供されている。径方向リップシール140は、第3のポリマー材料45から形成されている。径方向リップシール140は、内部リップシール36を形成する。径方向リップシール140は環状の更なるリップ基部116を含み、環状の更なるリップ基部116は、更なるシール支持面107に沿って径方向に延び、且つオーバーモールディングによって更なるシール支持面107に取り付けられている。環状の更なるリップ121は、径方向に圧縮されない状態で、更なるリップ基部116に取り付けられた更なるリップ121の足部122から、更なるリップ基部116よりも長手方向軸6から離れて位置する更なる自由縁123に延びる。
【0186】
更なるリップ121は、足部122と更なる自由縁123との間に位置する中間リップ区分149を含む。
【0187】
径方向リップシール140は、射出オーバーモールディングによって作製された単一部分である。
【0188】
プロテクター用ネジ9は、軸方向27において軸方向リップシール11と径方向リップシール140との間に位置する。
【0189】
プロテクター用ネジ9は、軸方向27においてシール支持面7と更なるシール支持面107との間に位置する。
【0190】
軸方向リップシール11は、軸方向において、プロテクター用ネジ9よりも径方向リップシール140から離れて位置する。
【0191】
図9は、
図8Aの管端部プロテクター1に対する管部品4の雌管端部3の代替的な態様を示す。雌管端部3は、内部肩部を含まない。
【0192】
図10は、
図9の雌管端部上での最終構成位置70に位置する
図8Aの管端部プロテクターの断面図を示す。雌管端部3上での管端部プロテクター1の回転構成中、径方向リップシール140の更なる自由縁123は、管端部3によって適用される径方向の力Frによって径方向内部に移動される。
【0193】
図11A~Cは、本発明による管端部プロテクターの第4の態様の断面図を示す。管端部プロテクター1は、
図12の雄管端部83用に構成されている。以前の図に関連して論じた多くの特徴が、必要な変更を加えて、同様の方法で
図11Aの管端部プロテクター1にも適用されることが当業者に明らかであろう。
図13Aは、本発明によるアセンブリーの第4の態様の断面図を示し、
図11Aの管端部プロテクター及び
図12の雄管端部を含む。
図13Bは、
図13Aの部分Bの拡大図を示す。
【0194】
管端部プロテクター1は雄管端部83用に構成され、軸方向リップシール11のリップ21は、雄管端部83上での管端部プロテクター1の回転構成中、雄管端部83上での管端部プロテクター1の最終構成位置70に達した際に(使用中)、雄管端部83を自由縁23と長手方向軸6との間に配置するために、支持部分10及び雄管端部83が互いに向かって軸方向に移動する際に、雄管端部83の雄突出部面86によって長手方向軸6から離れるように屈曲するように構成されている。間という用語は、径方向18で見た場合の長手方向軸6に対する状況に関連する。
【0195】
自由縁23と長手方向軸6との間の雄管端部83の位置は、リップ21が雄管端部83に押し付けられて、軸方向リップシールの密閉効果を増大させることを確実にする。
【0196】
軸方向リップシール11は、雄管端部83上での管端部プロテクター1の回転構成中、最初に、自由縁23と雄管端部83の雄突出部面86との接触を作り、続いて、回転構成が継続しているときに自由縁23を雄突出部面8に沿って長手方向軸6から離れるように移動するように構成されている。
【0197】
軸方向リップシール11は、約90°の角度βの下で延びる雄突出部面86に沿って自由縁23を移動するように構成されている。別の例では、角度βは、70°~90°(両端を含む)、好ましくは80°~90°(両端を含む)である。雄突出部面86は、長手方向軸6から離れる自由縁23の移動を容易にするように配向されている。
【0198】
軸方向リップシール11は、雄管端部83上での管端部プロテクター1の最終構成位置70に達した際に、雄管端部83の外側縁84と接触するように構成され、雄突出部面86は、外側縁84と長手方向軸6との間に位置する。
【0199】
軸方向リップシール11は、雄管端部83上での管端部プロテクター1の最終構成位置70に達した際に、雄管端部83の外側縁84との長手方向軸6を包囲する環状の線接触78を有するように構成されている。
【0200】
自由縁23は、軸方向リップシール11が雄管端部83により力を適用されない場合、長手方向軸6から離れるように指向されている。これは、雄管端部83上での管端部プロテクター1の回転構成中、支持部分10及び雄管端部83が互いに向かって軸方向に移動する際に、リップ21の屈曲を容易にする。
【0201】
リップ21は、軸方向リップシール11が雄管端部83により力を適用されない場合、自由縁23において長手方向軸6から離れるように延びる。
【0202】
自由縁23は、軸方向リップシール11が雄管端部83により力を適用されない場合、
径方向においてリップ基部16よりも長手方向軸6から離れて位置する。
【0203】
自由縁23は、軸方向リップシール11が雄管端部38により力を適用されない場合、管状部分8に向かって指向される。
【0204】
リップ21は、軸方向リップシール11が雄管端部38により力を適用されない場合、自由縁23において管状部分8に向かって延びる。
【0205】
軸方向リップシール11は、径方向において長手方向軸6と管状部分8との間に位置する。これは、管端部プロテクター1が雄管端部38用に構成される状況にも当てはまる。
【0206】
軸方向リップシール11のリップ21は、雄管端部38上での管端部プロテクター1の回転構成中、支持部分10及び雄管端部38が互いに向かって軸方向に移動する際、雄管端部38の雄突出部面86によって管状部分8に向かって屈曲するように構成されている。
【0207】
自由縁23は、軸方向リップシール11が雄管端部38により力を適用されない場合、プロテクター用ネジ9に向かって指向される。
【0208】
リップ21は、軸方向リップシール11が雄管端部38により力を適用されない場合、自由縁23においてプロテクター用ネジ9に向かって延びる。
【0209】
管端部プロテクター1は、雄管端部38上での管端部プロテクター1の構成中、リップ21が雄管端部38の雄突出部面86によって長手方向軸6から離れるように屈曲される前に、プロテクター用ネジ9の少なくとも一部分を、雄突出部面86に沿って軸方向に移動するように構成されている。
【0210】
自由縁23は、軸方向リップシール11が雄管端部83により力を適用されない場合、管状部分8の周囲面44に向かって指向される。周囲面44は、内部周囲面47である。
【0211】
プロテクター用ネジ9は、管状部分8の内部周囲面47に提供されている。
【0212】
リップ21は、軸方向リップシール11が雄管端部83により力を適用されない場合、自由縁23において内部周囲面47に向かって延びる。
【0213】
自由縁23は、軸方向リップシール11が雄管端部83により力を適用されない場合、径方向においてリップ基部16よりも内部周囲面47の近くに位置する。
【0214】
シール支持面7は、管状部分8の内部周囲面47から少なくとも部分的に径方向に延びる。
【0215】
軸方向リップシール11のリップ21は、雄管端部83上での管端部プロテクター1の回転構成中、支持部分10及び雄管端部83が互いに向かって軸方向に移動する際に、雄管端部83の雄突出部面86によって内部周囲面47に向かって屈曲するように構成されている。
【0216】
軸方向リップシール11は、雄管端部83用の内部リップシール36である。更なるリップシール150は、雄管端部83用の外部リップシール37として提供されている。
【0217】
更なるリップシール150は径方向リップシール140であり、更なる自由縁123は
、更なるリップ基部116よりも長手方向軸6の近くに位置し、長手方向軸に向かって指向される。
【0218】
径方向リップシール140の更なる自由縁123は、雄管端部83によって適用される径方向の力Frにより径方向外側に押される。
【0219】
本体5は環状の本体接触面72を含み、リップ21は、本体接触面72と長手方向軸6との間に位置し、軸方向リップシール11は、雄管端部83上での管端部プロテクター1の最終構成位置70に達した際に(使用中)、本体接触面72と接触するように構成されている。これは、
図5Aに関連して論じた態様と同様である。
【0220】
リップ21は、雄管端部86上での管端部プロテクター1の最終構成位置70に達した際に、雄管端部83と接触するように構成された第1のリップ接触区域28と、雄管端部86上での管端部プロテクター1の最終構成位置70に達した際に、本体接触面72と接触するように構成された第2のリップ接触区域29とを含み、雄管端部83は、雄管端部83上での管端部プロテクター1の最終構成位置70に達した際に、第1及び第2のリップ接触区域28、29と長手方向軸6との間に位置する。本体接触面72は、管状部分8の内部周囲面47の部分である。
【0221】
管用ネジ2及びプロテクター用ネジ9は、自由走行ネジ81である。別の例では、管用ネジ2及びプロテクター用ネジ9は、楔型ネジである。
【0222】
必要に応じて、本明細書において本発明の詳細な態様を論じたが、論じた態様は、様々な形態で具体化できる本発明の単なる例示であることを理解するべきである。従って、本明細書で論じた特定の構造的及び機能的詳細は、限定するものとして解釈するべきではなく、単に特許請求の範囲の根拠として、及び適切に詳述された実質的にいずれかの構造で本発明を使用することを当業者に教示する代表的な根拠として解釈するべきである。更に、本明細書で使用される用語及びフレーズは、限定することを意図するものではなく、本発明の理解可能な説明を提供することを意図するものである。
【0223】
用語「a」又は「an」は、本明細書で使用される場合、1つ又は2つ以上として定義される。複数という用語は、本明細書で使用される場合、2つ又は3つ以上として定義される。別のという用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも第2の、又はそれ以上として定義される。含む及び/又は有するいう用語は、本明細書で使用される場合、含む(即ち、他の要素又はステップを除外しないオープンランゲージ)として定義される。特許請求の範囲におけるいずれの参照標識も、特許請求の範囲又は発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0224】
本特許請求の範囲に定義された範囲から逸脱することなく、本発明による管端部プロテクター、アセンブリー及び方法に様々な修正を為し得ることが当業者に明らかであろう。
【0225】
第1のポリマー材料及び/又は第2のポリマー材料は、着色剤、充填剤、難燃剤、色素、強化繊維、可塑剤、及び当業者に公知の他の添加物などの添加物を含む場合がある。
【国際調査報告】