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特表2023-504145マルチモダルポリアルキレンテレフタレート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】マルチモダルポリアルキレンテレフタレート
(51)【国際特許分類】
   C08G 63/88 20060101AFI20230125BHJP
   C08G 63/78 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
C08G63/88
C08G63/78
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022532101
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(85)【翻訳文提出日】2022-07-21
(86)【国際出願番号】 US2020060520
(87)【国際公開番号】W WO2021113061
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】62/942,659
(32)【優先日】2019-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520368116
【氏名又は名称】オクタル、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラジーム、モハメッド
(72)【発明者】
【氏名】ディアーミット、クリス
【テーマコード(参考)】
4J029
【Fターム(参考)】
4J029AA01
4J029AA03
4J029AB04
4J029AB05
4J029AD01
4J029AD06
4J029AE01
4J029BA03
4J029BA04
4J029BA05
4J029BA07
4J029BA08
4J029CB06A
4J029FC07
4J029FC08
4J029FC29
4J029JB123
4J029JC023
4J029JC053
4J029JC333
4J029KG01
4J029KG03
(57)【要約】
マルチモダルポリアルキレンテレフタレート(PAT)を形成する方法は、以下を含むことができる:低分子量(LMW)PATのフィードを提供し、該LMW PATは低平均分子量を有する;高分子量(HMW)PATのフィードを提供し、該HMW PATは高平均分子量を有するが、当該低平均分子量は当該高平均分子量よりも低い;LMW PATのフィードをHMW PATのフィードとミキサー中で混合してマルチモダルPATを形成し;及びマルチモダルPATを出力として提供すること。マルチモダルPATは、低平均分子量の低分子量(LMW)PAT;及びLMW PATと混合されてマルチモダルPATを形成する高平均分子量の高分子量(HMW)PATを含み得、ここでマルチモダルPATはタルクを欠くものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低分子量のポリアルキレンテレフタレート(PAT)を形成する方法であって、下記を含む、当該方法:
高分子量(HMW)PATのフィードを提供することであり、該HMW PATは高平均分子量を有する;
分解分子のフィードを提供すること;
反応器において、HMW PATを分解分子と反応させること;
HMW PATを分解分子で、当該高平均分子量より低い低平均分子量を有する低分子量(LMW PAT)に分解すること;および
LMW PATを出力として提供すること。
【請求項2】
分解分子が、HMW PATのポリマー鎖を、HMW PATと分解分子との反応生成物を含む、より小さなポリマー鎖に切断する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
分解分子の少なくとも一部が未反応で、LMW PATに存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
分解分子が、水、アルコール、ジオール、ポリオール、チオール、ジチオール、ポリチオール、アミン、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項2記載の方法。
【請求項5】
分解分子が、以下から選択される、請求項4に記載の方法:
水蒸気状の水;
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、n-ブタノール、イソブタノール、tertブタノール、またはそれらの組み合わせから選択されるアルコール類;
エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、プロピレン-1,3-ジオール、βプロピレングリコール、メタンジオール、プロパン-1,2-ジオール、αプロピレングリコール、またはそれらの組み合わせから選択されるジオール;
キシリトール、ペンタエリスリトール、マルチトール、ソルビトール、イソマルト、ラクチトール、マンニトール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ポリエチレングリコール、またはそれらの組み合わせから選択されるポリオール;
メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、イソプロパンチオール、ブタンチオール、n-ブタンチオール、イソブタンチオール、tertブタンチオール、またはそれらの組み合わせから選択されるチオール;
メタンジチオール、1,1-エタンジチオール、および1,1-シクロヘキサンジチオール、1,3-プロパンジチオール、ジチオスレイトール、およびこれらの組み合わせから選択されるジチオール;
チオールを有する複数のモノマーを有するポリマーから選択されるポリチオール;または
メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、アニリン、4-メトキシアニリン、N,N-ジメチルアニリン、3-ニトロアニリン、4-ニトロアニリン、4-トリフルオロメチルアニリンおよびこれらの組み合わせから選ばれるアミン類。
【請求項6】
分解分子がタルクまたは他の粒子でなく、それによってLMW PATが粒子を欠いている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
LMW PATが以下の少なくとも1つを有するように特徴付けることをさらに含む、請求項1に記載の方法:
固有粘度が約0.4dL/g~約0.6dL/gであること;
融点が約240℃から約247℃であること;
ガラス転移温度が約70℃から約80℃であること。
【請求項8】
分解分子が、分解される全PAT組成物の約0.25重量%~約5重量%で提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
HMWPATが、以下の少なくとも1つの特性を有する、請求項1に記載の方法:
固有粘度が約0.7dL/g~約0.85dL/gであること;
約245℃~約255℃の融点;または
ガラス転移温度が約75℃から約85℃であること。
【請求項10】
請求項1に記載の方法を実行するためのシステムであって、以下を含むことを特徴とする該システム:
高分子量(HMW)PATを有するフィードラインであって、該HMW PATは高平均分子量を有するフィードライン;
分解分子のフィードライン;
分解分子を有するHMW PATを有する反応器;および
当該高平均分子量より低い低平均分子量を持つ低分子量(LMW PAT)を有する出力。
【請求項11】
マルチモダルポリアルキレンテレフタレート(PAT)を形成する方法であって、以下を含む該方法:
低分子量(LMW)PATのフィードを提供し、LMW PATは低平均分子量を有すること;
高分子量(HMW)PATのフィードを提供し、HMW PATは高平均分子量を有し、該低平均分子量は該高平均分子量より低い;
LMW PATのフィードをHMW PATのフィードとミキサー中で混合して、マルチモダルPATを形成すること;および
マルチモダルPATを出力として提供すること。
【請求項12】
LMW PAT及び/又はHMW PATが、タルク又は他の粒子を含まない、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
HMW PATがリサイクルされたHMW PATである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
さらに、以下を含む、請求項11に記載の方法:
約0.4dL/g~約0.6dL/gの固有粘度;約240℃~約247℃の融点;または約70℃~約80℃のガラス転移温度のうちの少なくとも1つの特性を有するLMW PATを提供し;および/または
約0.7dL/g~約0.85dL/gの固有粘度;約245℃~約255℃の融点;または約75℃~約85℃のガラス転移温度のうちの少なくとも1つの特性を有するHMW PATを提供すること。
【請求項15】
マルチモダルPATが、マルチモダルPAT組成物の約10重量%~約50重量%でLMW PATを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
マルチモダルPATが、マルチモダルPAT組成物の約30重量%~約35重量%でLMW PATを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
さらに、以下を含む、請求項11に記載の方法:
約0.45dL/g~約0.65dL/gの固有粘度;約245℃~約248℃の融点;または約77℃~約81℃のガラス転移温度のうちの少なくとも一つの特性を有するマルチモダルPATを得ること。
【請求項18】
マルチモダルPATが、約0.1重量%~約0.3重量%の分解分子を有し、分解分子が水、アルコール、ジオール、ポリオール、チオール、ジチオール、ポリチオール、アミン及びこれらの組み合わせから選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
請求項11に記載の方法を実行するためのシステムであって、以下を含むことを特徴とする該システム:
低平均分子量を有する低分子量(LMW)PATのフィード;
高平均分子量を有する高分子量(HMW)PATのフィードであって、該低平均分子量は該高平均分子量より低いフィード。
LMW PATおよびHMW PATを有するミキサー;および
マルチモダルPATを持つ出力。
【請求項20】
下記を含むマルチモダルポリアルキレンテレフタレート(PAT):
低平均分子量の低分子量(LMW)PAT;
LMW PATと混合してマルチモダルPATを形成する高平均分子量の高分子量(HMW)PAT、
ここで、マルチモダルPATは、タルクを含まない。
【請求項21】
マルチモダルPAT組成物の約10重量%~約50重量%でLMW PATをさらに含む、請求項20に記載のマルチモダルPAT。
【請求項22】
以下の少なくとも1つの特性を有するマルチモダルPATをさらに含む、請求項21に記載のマルチモダルPAT:
固有粘度が約0.45dL/g~約0.75dL/gであること;
約245℃~約248℃の融点;または
ガラス転移温度が約77℃から約81℃であること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明者
モハメド・ラジーム
クリス・ドゥアーミット
関連出願との相互参照
本特許出願は、2019年12月2日に出願された米国仮出願第62/942,659号の優先権を主張し、この仮出願は、その全体が特定の参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
分野
【0003】
本開示は、改善された流動性、良好な機械的特性および望ましい光学特性を有するマルチモダルポリアルキレンテレフタレートを形成するための組成物および方法に関する。
関連技術の説明
【0004】
ポリエチレンテレフタレート(PET)は結晶化しやすいポリマーであり、結晶化はPET製品の透明度、剛性、強度など多くの特性に影響を与える。市販のPETは分子量が高いため流動性が悪く、PETで薄肉の射出成形品を製造することができない。PETの流動性を改善する試みには、不透明または不鮮明な材料となる粒子が含まれている。
【0005】
PETの良好な強度特性と鮮明な光学特性を維持しつつ、より良好な流動性を有するPETポリマーが望まれている。PETは、ポリアルキレンテレフタレート(PAT)である。
【化1】
【発明の概要】
【0006】
概要
【0007】
いくつかの実施形態では、低分子量ポリアルキレンテレフタレート(PAT)を形成する方法は、以下を含むことができる:高分子量(HMW)PATのフィードを提供すること、該HMW PATは高平均分子量を有する;分解分子のフィードを提供すること;HMW PATを反応器内で分解分子と反応させること;HMW PATを分解分子で分解して、該高平均分子量より低い低平均分子量を有する低分子量(LMW PAT)にすること;及び、LMW PATを出力として提供すること。
【0008】
いくつかの実施形態において、LMW PATを形成するためのシステムは、高分子量(HMW)PATを有するフィードライン、該HMW PATは高平均分子量を有する;分解分子のフィードライン;HMW PATを分解分子と共に有する反応器;及び該高平均分子量より低い低平均分子量の低分子量(LMW PAT)を有する出力、を含むことができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、マルチモダルポリアルキレンテレフタレート(PAT)を形成する方法は、以下を含むことができる:低分子量(LMW)PATのフィードを提供すること、LMW PATは低平均分子量を有する;高分子量(HMW)PATのフィードを提供すること、HMW PATは高平均分子量を有する、ここで該低平均分子量は該高平均分子量より低い;LMW PATのフィードをHMW PATのフィードとミキサーで混合してマルチモダルPATを形成すること;及びマルチモダルPATを出力として提供すること、を含み得る。本明細書で使用する場合、「マルチモダル」又は「ブレンド」は、PATの異なる分子量の2つ以上の組成物が一緒にブレンドされて、ブレンドされたPATがマルチモダル(例えば、一緒にブレンドされた少なくとも2つの異なるポリマー組成物分子量を有する)となるように形成されるように、HMW PATとのフラクションと同様にブレンドされたLMW PATを有するフラクションを有する組成物を形成することを意味する。ブレンドPATは、バイモダル、トリモーダル、又は他のマルチモダルであってもよいが、HMW PATのフラクションとブレンドされたLMW PATのフラクション、並びに異なる分子量を有する他のフラクション(例えば、追加のLMW PAT、追加のHMW PAT、又は中距離分子量PAT)により移入された単一の分布(例えば、単一のクロマトグラフィーピーク)だけを含んでもよい。ブレンドは、均質であっても非均質であってもよい。その結果、少なくとも2つの異なる分子量を有する組成物がブレンドされて、マルチモダルPATが形成される。
【0010】
いくつかの実施形態において、マルチモダルPATを形成するためのシステムは、低分子量(LMW)PATのフィード、LMW PATは低平均分子量を有する;高分子量(HMW)PATのフィード、HMW PATは高平均分子量を有するが、該低平均分子量は該高平均分子量よりも低い分布である;LMW PAT及びHMW PATを有する混合器;及びマルチモダルPATを有する出力、を含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、マルチモダルPATは:低平均分子量(LMW)PAT;及びLMW PATと混合されてマルチモダルPATを形成する高平均分子量(HMW)PATを含み得、ここで、マルチモダルPATはタルクを欠いている。
【0012】
前述の概要は例示的なものであり、いかなる意味でも限定的であることを意図していない。上述した例示的な局面、実施形態、および特徴に加えて、さらなる局面、実施形態、および特徴は、図面および以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面の簡単な記述
本開示の前述および以下の情報ならびに他の特徴は、添付の図面と併せてとられる以下の説明および添付の請求項からより完全に明らかになるであろう。これらの図面は、本開示に従ったいくつかの実施形態のみを描いており、したがって、その範囲を限定するものとはみなされないことを理解した上で、添付の図面の使用を通じて、本開示をさらに具体的かつ詳細に説明することになるであろう。
【0014】
図1図1は、HMW PETをLMW PETに分解するシステムの模式図である。
【0015】
図2図2は、LMW PETとHMW PETの混合物からマルチモダルPETを調製するシステムの模式図である。
【0016】
図3図3は、マルチモダルPETを異なる物品に調製するためのシステムの概略図であり、場合により追加の任意コンポーネントを有するものである。
【0017】
図4図4は、PET合金を射出成形品に調製するための射出成形システムの模式図である。
【0018】
図5図5A図5は、PETポリマー鎖長に対する流動性と強度の関係、およびマルチモダルPETについて示したものである。
【0019】
図6図6は、異なるマルチモダルPET組成での射出成形特性を示している。
図7A図7Aは、コントロールPETの射出成形特性を示している。
図7B図7Bは、マルチモダルPETの射出成形特性を示している。
【0020】
図中の要素および構成要素は、本明細書に記載された実施形態の少なくとも1つに従って配置することができ、その配置は、当業者であれば本明細書に提供された開示に従って変更することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
以下の詳細な説明において、本書の一部を構成する添付の図面を参照する。図面において、同様の記号は、文脈が他に指示しない限り、典型的には、同様の構成要素を識別する。詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲に記載された例示的な実施形態は、限定することを意図していない。本明細書に提示された主題の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され、他の変更がなされ得る。本開示の態様は、本明細書で一般的に説明され、図に示されるように、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、分離、および設計され得ることが容易に理解され、そのすべてが本明細書で明示的に企図される。
【0022】
一般に、本技術は、マルチモダルPETを調製するためのシステム及び方法を含み、マルチモダルPETは、第1平均分子量及び第2平均分子量を含む。第1の平均分子量(例えば、第1の固有粘度を有する標準分布を有する第1の平均分子量)は、より高い第2の平均分子量(例えば、第2の固有粘度を有する標準分布を有する第2の平均分子量)に比べて、より低平均分子量を含む。このように、第1モードは、低平均分子量(例えば、第1低固有粘度を有する標準分布を有する第1低平均分子量)であり、第2モードは、高平均分子量(例えば、第2高固有粘度を有する標準分布を有する第2高平均分子量)である。低平均分子量を有する第1のモードは、高平均分子量のPET組成物を、水、アルコール、ジオール、ポリオール(例えば、3個以上の水酸基を含む)等の分解分子で分解することにより得られる。高平均分子量PET組成物を、第1の低平均分子量を有するPETマスターバッチに分解するために使用できる分解分子の一例として、低分子ポリオール(ポリマーではない)が挙げられる。そして、低平均分子量PETマスターバッチは、第2の平均分子量を有する高平均分子量PET組成物と組み合わされる。分解分子は、分子として特徴付けられることができ、鉱物ではない。
【0023】
いくつかの実施形態において、マルチモダルPETは、任意のマルチモダルポリアルキレンテレフタレート(PAT)で置換することができる。このように、PETへの言及は、特にPETを含まない限り、一般にPATを指すことができ、PATへの言及は、PET及び他のPATを含むことができる。
【0024】
いくつかの実施形態において、本技術は、2つ以上の別々の平均分子量を有するマルチモダルポリエチレンテレフタレート(PET)を調製するためのシステム及び方法を含む。マルチモダルPETは、バイモダルPET組成物を生成するために、平均分子量がより低い第1のPET組成物を調製し、第1のPET組成物を平均分子量がより高い第2のPET組成物と結合するシステムを用いて形成される。また、異なる分子量を有する追加のPET組成物を添加し、ブレンドしてもよい。したがって、本システム及び方法は、正確な方法で製造される第1のPET組成物(例えば、低分子量PET、又はLMW PET)を製造し、そのLMW PETを第2のPET(例えば、,新鮮なPET、バージンPET、リサイクルPET、規格外PET、または高分子量PET、またはHMW PET)とブレンドして、引張強度および曲げ降伏強度などのPETの他の望ましい特性、ならびに透明または実質的に透明(例えば、光学的に透過性および半透明のヘージークリア)などの好ましい光学特性を維持しながらPETより優れた流動特性を有するマルチモダルPET組成物を形成することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、LMW PETが市販されている場合、それを購入し、次いでHMW PETと組み合わせて、本明細書に記載のマルチモダルPETを作製することができる。しかしながら、LMW PETは、好ましくない機械的特性を有するため、それ自体では重要な用途を有さない。その結果、LMW PETは商業的に入手できない。そのため、方法は、本明細書に記載されるように、他のPET(例えば、バージン、リサイクル、オフスペック等)からLMW PETを調製して、高流動特性を有するLMW PETを得ることを含むことができる。高い流動特性を有するLMW PETは、適切な流動特性だけでなく適切な機械的特性も有するマルチモダルPETを作るために、低い流動特性を有するHMW PETと組み合わされ得る。従って、本方法は、本明細書に記載されるようにLMW PETを製造する代わりに、LMW PETを得ることを含むように変更することができる。
【0026】
マルチモダルPETは、酸素および水分のバリア性を有するため、PET物品を飲料(例えば、清涼飲料、水、ビール等)等の液体貯蔵用の容器とすることができ、製品として好ましい。マルチモダルPETの高い機械的強度は、磁気テープ用のキャリアまたは感圧接着テープ用のバッキングなどのテープに使用することを可能にし得る。光学的に透明な特性は、いくつかの実施形態では霞んでいるが、顧客が透明なプラスチックで持つことに慣れている製品にPETを使用することを可能にする。それにより、透明PETは、純粋なPET又は他のPET合金(例えば、透明ではない)よりも、より広い範囲の製品に適している。
【0027】
いくつかの実施形態では、マルチモダルPETは、LMW PET中の分解分子の処理及び量、並びにマルチモダルPETに結合されるLMW PET及びHMW PETの相対量によって変調され得る。マルチモダルPETは、マルチモダルPETを形成するLMW PETの量及びHMW PETの量に変動を有することができ、相対量(例えば、LMW/HWM比)は、異なる物理特性に対して制御され得る。マルチモダルPETは、より速い又は他の方法で改善された流動を得るために高分子量PET(HMW PET)と混合された低分子量PET(LMW PET)を含み得、それによって今やマルチモダルPETは、薄肉射出成形部品の製造のためなどの射出成形、並びにチョッパーでペレット化するための繊維及びシリンダーなどの種々の押出物を形成する押出で使用することが可能である。
【0028】
いくつかの実施形態において、改良されたシステム及び方法は、現在、精密な方法で製造されるマルチモダルPETを製造するために使用することができ、ここで、LMW PETは、次に、バージンPET(例えば、HMW PET)とブレンドされて、より良い機械的特性を有するマルチモダルPET材料を形成する。
【0029】
マルチモダルPETは、非晶質(透明)物品に形成されてもよいし、半結晶物品に形成されてもよい。半結晶材料は、透明に見えることができる。任意の粒子の欠如(例えば、タルクの欠如)により、透明かつクリアな光学特性を得ることができる。このように、本発明のマルチモダル組成物は、製造、射出成形、または他のプロセスの間、ポリマー組成物中にタルクまたは他の微粒子を欠くことができる。
【0030】
一例において、LMW PET又はHMW PETのいずれかのためのPET供給材料は、任意の適切なプロセスによって調製することができる。例えば、HMW PETは、LMW PETを形成するために、分解分子と反応させることができる。一般に知られているように、モノマーであるビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートは、副産物として水を伴うテレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化反応、又は副産物としてメタノールを伴うエチレングリコールとジメチルテレフタレート(DMT)とのエステル変換反応によって合成することが可能である。重合は、水を副生成物とするモノマーの重縮合反応(例えば、エステル化/トランスエステル化の直後に行われる)を通じて行われる。PET供給材料は、U.S. 2009/0212457 に記載されているように調製することができ、これは、その全体が特定の参照により本明細書に組み込まれる。PET供給材料は、液体PETと同様に、シート、ペレット又は他の形態であってもよい。PET供給材料は、本明細書に記載される方法論のために、液体で流動性のある状態となるように処理することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、マルチモダルPETの調製に使用するためのLMW PETを形成する方法が提供される。そのような方法は、図1に示されるようなPETシステム100を用いて実施することができる。LMW PETを形成するためのPETシステム100は、PETのフィード120(PETフィード);分解分子122のフィード(例えば、低分子ポリオールフィード);及びPETフィード120の出口に結合され、分解分子フィード122の出口に結合された反応器110(例えば、反応器ミキサー)、を含むことができる。反応器110は、PETを分解分子と反応させてLMW PETを形成することが可能である。システム100は、反応器110の出口に動作可能に結合されたLMW PET102の出力を、別のプロセス構成要素136に含むことも可能である。プロセス構成要素136は、容器、ポンプ、流路、ヒーター、冷却器、押出機、ダイ、ペレタイザー、混合機、及びそれらの組み合わせ、並びにPETシステム用の他の技術公知の構成要素から選択することができる。示されるように、システム100は、PET供給部124に結合された入口を有するPET供給部120を含むことができる。
【0032】
PETは、方法及びシステム100、並びに本明細書に記載された方法及びシステムの全て、及び図の全てにおいて、PAT又は任意の他のタイプのPATによって置換され得ることが認識されるべきである。すなわち、システムは、任意のPATと共に使用するために構成されてもよく、それによって、PETの記載は、本明細書及び本明細書で提供される他の方法及び他のシステムについてのPATも参照することができる。例えば、PETシステム100は、PATシステム100であってもよい、などである。
【0033】
システム100はまた、分解分子供給部126に結合された入口を有する分解分子供給部122を含むことができる。システム100は、PET反応器システム128;PETリサイクルシステム130;PET調整システム132;又はPETリザーバ134のうちの1つ以上を含むことができる。PET反応器システム128は、PET前駆体試薬からPETを重合させるように構成されている。PETリサイクルシステム130は、PET物品からPETをリサイクルするように構成されている。PET調整システム132は、分解分子と反応するためにPETを調整するように構成され、調整は、加熱、PETペレット又はシート又は他のPET部材の刻み、撹拌、押し出し、乾燥;オフガス化、又は同様のもののうちの1又は複数から選択される。PETリザーバ134は、液体PETを含み、液体PETは、溶融したPETである。
【0034】
システム100は、反応器110を含み、これは、液体PET及び分解分子をバッチ式又は連続式で反応させることができる任意の反応器であることができる。任意のタイプの工業用反応器容器を使用することができる。いくつかの態様において、反応器110はまた、脱気、均質化、分散、又は加熱のうちの1つ又は複数を行う。
【0035】
いくつかの態様において、反応器110は、単軸スクリューミキサー、二軸スクリューミキサー、連続ニーダー(例えば、B&P Littleford連続ニーダー;Buss Kneeder)、往復スクリューミキサー(例えば、B&P Littleford TriVolution)、二軸押出機(B&P Littleford)、連続プラウトミキサー(例えばB&P Littleford)などの混合機として構成されている。
【0036】
システム100は、PET貯蔵器138を含むことができる。PET貯蔵部138は、任意の形式であることができ、LMW PETは、任意の形式(例えば、固体、液体、ペレット等)でそこに含まれることができる。しかしながら、LMW PETは、ストレージに入る前にペレット化することができ、又は任意の他の貯蔵可能なフォーマット(例えば、溶融液体)に形成することができる。
【0037】
システム100は、分析システム140を含むことができる。分析システム140は、様々な分析処理が可能な1つ又は複数の分析装置を含む。例えば、分析システム140は、溶融したLMW PET出力102の固有粘度を決定するために構成され得る。別の例では、分析システム140は、溶融したLMW PET出力102の流量を決定するために構成され得る。別の例では、分析システム140は、LMW PET出力102の融点を決定するために構成されることができる。別の例では、分析システム140は、LMW PET出力102の結晶化温度を決定するために構成されることができる。別の例では、分析システム140は、LMW PET出力102の示差走査熱量測定プロファイルを決定するために構成されることができる。別の例では、分析システム140は、LMW PET出力102の熱歪み温度を決定するために構成することができる。
【0038】
LMW PETを形成するためのシステム100に従って、LMW PETを形成するための方法を実行することができる。そのような方法は、PETのフィード120(PETフィード、HMW PET)を提供することと、分解分子のフィード122(分解分子フィード)を提供することと、PETを高分子量から分解して低分子量PET(LMW PET)を得るために反応器110でPETのフィードを分解分子のフィードと反応させることと、LMW PETを出力102として提供することとを含むことができる。いくつかの態様において、PETフィード120は、PETフィード124からのものである。いくつかの態様において、分解分子フィード122は、分解分子供給部126からである。
【0039】
いくつかの実施形態では、PET供給部124は、PET反応器システム128、PETリサイクルシステム130、PET調整システム132、又はPETリザーバ134のうちの1つ以上からPET供給部を受け取る。PET反応器システム128は、PET前駆体試薬からPETを重合させる。PETリサイクルシステム130は、PET物品からPETを再利用する。PET調整システム132は、タルクと混合するためにPETを調整し、調整は、加熱、PETペレット又はシート又は他のPET部材の切断、撹拌、押出、乾燥、オフガスから1つ以上選択される。液体PETのPETリザーバ134であって、液体PETは溶融PETである、PETリザーバ134。PET供給部124は、HMW PETを含む。
【0040】
本方法はまた、LMW PET出力102を出力システム136に提供することを含むことができる。出力システム136は、LMW PETを貯蔵138(例えば、ペレットで)又はマルチモダルPETシステム200又は分析システム140に提供する。本方法は、ペレタイザーでLMW PET出力102をペレット化することを含むことができる。本方法は、分析システム140でLMW PET出力102を分析することを含むことができ、この分析には、溶融LMW PET出力102の固有粘度を決定すること、溶融LMW PET出力102の流量を決定すること、LMW PET出力102の融点を決定すること、LMW PET出力102の結晶化温度を決定すること、LMW PET出力102の示差走査熱量測定プロファイルを決定すること、又はLMW PET出力102の熱歪曲温度を決定することを含むことができる。
【0041】
マルチモダルPETシステム200は、以下に詳細に説明される。しかしながら、いくつかの態様において、マルチモダルPETシステム200は、LMW PET出力102をPET220の第2フィード(第2PETフィード、HMW PET)と組み合わせて、単一のマルチモダル組成物中にLMW PET及びHMW PETの組み合わせを有するマルチモダルPET202を生成するように構成される。これにより、PETの2つの異なる平均分子量のマルチモダル分布を有する組成物が生成される。
【0042】
いくつかの態様において、PETフィード120は、別のポリマーを欠いている。別の態様において、分解分子フィード122は、別のポリマーを欠いている。しかしながら、PETフィード120及び/又は分解分子フィード122は、他のポリマー、例えば本明細書で定義されるPAT又はポリカーボネートを含んでもよい。いくつかの態様において、PETフィード120は、本質的にPETからなる(又はそれからなる)。いくつかの態様において、分解分子フィード122は、本質的に(又はそれからなる)分解分子(任意に、溶媒などの担体を有する)からなる。いくつかの態様において、PETフィード120は、溶融したPETを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、PETフィード120は、5%未満、又は1%未満、又は0.1%未満の量、又は微量の水を含むか、又は水を欠いている。従って、本方法は、分解分子フィード122と反応させる前に、PETフィード120を乾燥させることを含むことができる。また、本方法は、PETフィード120と反応させる前に、分解分子フィード122を乾燥させる(例えば、水分を除去する)ことを含むことができる。しかしながら、分解分子は水であってもよく、それによって、分解分子フィード122に水が含まれていてもよい。いくつかの態様において、分解分子は、低分子ポリオールまたはアルコールであり、水が存在してもよく、これは許容され得る。
【0044】
いくつかの実施形態において、本方法は、PETを調製することを含むことができる。このように、本方法は、重合可能な試薬からPETを重合させることを含むことができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、提供されるLMW PET出力102は、約0.4~約0.6、又は約0.42~約0.55、又は約0.45~約0.52、又は約0.46~約0.5の固有粘度を有している。一例では、LMW PETの固有粘度は、約0.477とすることができる。ここで、固有粘度は、分子量の指標として提供され得る。LMW PETは、フィード又はバージンPET又はHMW PETよりも低い固有粘度を有する。
【0046】
マルチモダルPETを形成する方法は、図2のシステム200で実行することができる。マルチモダルPETを形成するためのシステム200は、HMW PET220のフィード(HMW PETフィード)を含むことができ、これは、システム100で形成されたLMW PETと比較してより高い分子量を有する限り、バージンPET、リサイクルPET、又は他のPET源(例えば、他のポリマー、添加剤などを含む又は含まない)のような任意の種類のPETを含むことができる。システム200は、LMW PETのフィード(LMW PETフィード)を含むこともでき、これは、図1のシステム100で使用される方法から得られるLMW PET出力102であることができる。システム200は、HMW PETフィード220の出口に結合され、LMW PETフィード222の出口に結合された混合器210を含むことができ、混合器210は、LMW分布(例えば、低平均分子量及び低平均分子量の周りの低い分子量の分布)及びHMW分布(例えば、高平均分子量及び高平均分子量の周りの高い分子量の分布)を有するマルチモダル型PETを形成するように混合することが可能である。システム200は、ミキサー210の出口に動作可能に結合されたプロセスコンポーネント236を含むことができ、プロセスコンポーネント236は、容器、ポンプ、フローライン、ヒーター、クーラー、押出機、ダイ、ペレタイザー、及びそれらの組み合わせから選択される。
【0047】
いくつかの実施形態では、システム200は、HMW PET供給部224に結合された入口を有するHMW PET供給部220を含むことができる。PET供給部224は、図1のシステム100のPET供給部124と同じタイプであることができる。システム200は、PET前駆体試薬からHMW PETを重合するために構成されるPETリアクターシステム128を含むことができる。システム200は、HMW PETをもたらすPET物品からPETをリサイクルするために構成されるPETリサイクルシステム130を含むことができる。システム200は、LMW PETと混合するためにHMW PETを調整するために構成されるPET調整システム132を含むことができ、調整は、加熱、PETペレット若しくはシート又は他のPET部材の切断、撹拌、押出し、乾燥、オフガス化、又は他の調整の1つ又は複数から選択することができる。システム200は、固体HMW PETペレット又は液体HMW PETのHMW PETリザーバ134を含むことができ、液体HMW PETは、溶融したPETである。HMW PETを適切な温度に加熱し、固体HMW PETペレットを液化するための加熱システムも含まれ得、ここで、このような加熱システムは、任意のシステム構成要素又は流路に含まれ得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、システム200は、LMW PET供給部226に結合された入口を有するLMW PET供給部222を含むことができる。LMW PET供給部226は、LMW PET出力部102を含むことができ、固体ペレット形態又は溶融液体形態であってよい。いくつかの態様では、LMW PET供給部226は、流動可能な形態のLMW PETを含み、及び/又はLMW PETを流動可能な形態(例えば、溶融PET液体)に加熱するためのヒーターを含む。いくつかの態様において、LMW PETは、任意の粒子(例えば、非PET粒子)を省略し、例えば、任意のタルク粒子を省略することによって、LMW PETは、任意の粒子(例えば、非PET粒子)を省略する。
【0049】
いくつかの実施形態において、ミキサー210は、バッチ形式又は連続形式で液体HMW PET及びLMW PETを混合することができる任意のミキサー、例えば、一軸スクリューミキサー、二軸スクリューミキサー、連続ニーダー(例えば、B&P Littleford連続ニーダー;Buss Kneeder)、往復スクリューミキサー(例えば、B&P Littleford TriVolution)、二軸押出機(B&P Littleford)、連続プラウトミキサー(例えばB&P Littleford)又はその他のものである。混合機210は、脱気、均質化、分散、又は加熱のいずれか1つ以上を行うように構成されている。
【0050】
いくつかの実施形態では、システム200は、貯蔵部238を含むことができる。ストレージ238は、加熱された液体又は固体(例えば、ペレット化された固体)のような任意の形式のマルチモダルPETを含むことができる。
【0051】
システム200は、分析システム240を含むことができる。分析システム240は、様々な分析処理が可能な1つ又は複数の分析装置を含む。例えば、分析システム240は、溶融されたマルチモダルPET出力202の固有粘度を決定するために構成され得る。別の例では、分析システム240は、溶融されたマルチモダルPET出力202の流量を決定するために構成することができる。別の例では、分析システム240は、マルチモダルPET出力202の融点を決定するための構成とすることができる。別の例では、分析システム240は、マルチモダルPET出力202の結晶化温度を決定するために構成されることができる。別の例では、分析システム240は、マルチモダルPET出力202の示差走査熱量測定プロファイルを決定するために構成されることができる。別の例では、分析システム240は、マルチモダルPET出力202の熱歪み温度を決定するために構成することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、システム200は、マルチモダルPET出力202を製造物品302に変換するように構成された製造システム300を含むことができる。製造システム300は、オプションのコンポーネント入力フィード320を含むことができる。場合による成分入力フィード320は、マルチモダルPETに場合による成分を提供するように構成され得る。場合による成分は、フィラー、TiO、第2ポリマー、ガラスペレット、ガラス繊維、ガラス粒子、ナトリウムアイオノマー、ステアリン酸ナトリウム、核剤、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)又は他のポリアルキレンテレフタレート(PAT)、又は製造PET物品302の他の成分から選択されることができる。場合による成分は、タルクを含まないものであってもよい。
【0053】
図3に示すように、製造システム300は、マルチモダルPETフィード301、流動性マルチモダルPETを含む1つ又は複数の流路308、混合器310、加熱システム312、マルチモダルPET押出物317を生成する押出機システム316、ポンプシステム318、注入成形システム322、及び/又は冷却システム314の1又は複数を含むことが可能である。
【0054】
いくつかの実施形態では、場合による成分(例えば、タルクではない)は、LMW PET出力102に混合されるように反応器110に提供され得るか、又はマルチモダルPET出力202に混合されるように混合器210に提供され得る。代替的に、提供されるHMW PET220は、場合による成分を含んでもよく、又は提供されるLMW PET222は、場合による成分を含むように調製されてもよい。したがって、場合による成分は、本明細書に記載の処理における任意の段階でPETに導入することができる。
【0055】
システム200は、本明細書に記載されるような様々な改変を有することができる。いくつかの態様において、HMW PETフィード220は、別のポリマーを欠いている。いくつかの態様において、LMW PETフィード222は、別のポリマーを欠いている。いくつかの態様では、HMW PETフィード220は、本質的にHMW PETからなる(又はからなる)。いくつかの態様において、LMW PETフィード222は、LMW PET(任意に微量の水及び分解分子の一部を有する)から本質的になる(又はそれからなる)。いくつかの態様において、HMW PETフィード220は、溶融したHMW PETを含む。いくつかの態様において、HMW PETフィード220は、5%未満、又は1%未満、又は0.1%未満、又は微量の水を含むか、又は水を含まない。分解分子の一部は、LMW PETに保持されてもよく、それによって、得られるマルチモダルPETに存在してもよいことが認識されるべきである。
【0056】
いくつかの実施形態では、システム200は、LMW PETフィード222と混合する前にHMW PETフィード220を乾燥させるための乾燥機を含むことができる。いくつかの実施形態では、システム200は、HMW PETフィード220と混合する前にLMW PETフィード222を乾燥させるための乾燥機を含むことができる。このような乾燥機は、システム200の任意の場所に含まれ得るか、又は任意の適切な構成要素が乾燥機を備えてもよい。乾燥機は、マルチモダルPETの処理及び調製を強化するために、水の除去を促進することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、システム200の提供されるHMW PETフィード220は、約0.6から約0.9、又は約0.625から約0.85、又は約0.65から約0.8、又は約0.7から約0.75、又は約0.76など、0.55以上という固有の粘度を有している。一例において、HMW PETフィードは、約0.786乃至0.79の固有粘度を含む。より高い固有粘度は、LMW PETと比較してより高い分子量を示している。
【0058】
いくつかの実施形態では、提供されるマルチモダルPET出力102は、約0.45~約0.7、又は約0.475~約0.6、又は約0.5~約0.58、又は約0.51~約0.56、又は約0.55の固有粘度を有している。例示的な範囲は、0.5から0.6の固有粘度であることができる。一例では、マルチモダルPET出力102は、約0.518又は約0.52、又は約0.55の固有粘度を有する。ここで、マルチモダルPETの固有粘度は、LMW PET及びHMW PETの固有粘度の間にあり、それによって、それぞれの分布を有する。
【0059】
いくつかの実施形態では、マルチモダルPETを形成する方法は、本明細書に記載のシステム200で実施することができる。マルチモダルPETを形成する方法は、HMW PET220のフィード(PETフィード)を提供することと、LMW PET222のフィード(LMW PETフィード)を提供することと、HMW PET220のフィードをLMW PET222のフィードと混合機210で混合してLMW PETの第1分布及びHMW PETの第2分布を有するマルチモダルPETを形成することと、マルチモダルPETを出力202として提供すること、を含むことができる。いくつかの態様において、HMW PET供給220は、本明細書に記載されるようなHMW PET供給224からのものである。いくつかの態様において、LMW PET供給122は、本明細書に記載されるようなLMW PET供給226からである。
【0060】
いくつかの実施形態では、方法は、LMW PET供給部224が、PET反応器システム128;PETリサイクルシステム130;PET調整システム132;又はPETリザーバ134の1つ以上からLMW PETフィードを受け取ることを含むことができる。PET反応器システム128は、PET前駆体試薬からPETを重合させることができ、これによりHMW PETが得られる。PETリサイクルシステム130は、PET物品からPETをリサイクルすることができる。PET調整システム132は、LMW PETと混合するためにPETを調整することができ、調整は、加熱、PETペレット又はシート又は他のPET部材の切断、撹拌、押出、乾燥、オフガス化から選択される1つ又は複数から選択される。PETリザーバ134は、固体状態(例えば、ペレット)又は液体PETとしてPETを保持することができ、液体PETは、溶融したPETである。LMW PETは、図1のような本明細書に記載されるように得ることができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、マルチモダルPET出力202は、プロセス構成要素236に提供される。プロセス構成要素236は、マルチモダルPETを貯蔵部238又は分析システム240又は製造システム300に提供する。貯蔵部238は、ヒーターを含むなどして液体として、又はペレットとしてマルチモダルPETを保持するように適合されてもよく、それによって出力システム236は、マルチモダルPETをペレット化するペレタイザを含んでもよい。いくつかの態様において、分析システム240は、マルチモダルPETに対して以下の分析方法の1つ又は複数を実施することができる1つ又は複数の分析システムを含む:溶融マルチモダルPET出力202の固有粘度の決定;溶融マルチモダルPET出力202の流量の決定;マルチモダルPET出力202の融点の決定;マルチモダルPET出力202の結晶化温度の決定;マルチモダルPET出力202の示差走査熱量測定プロファイルを決定;又はマルチモダルPET出力202の熱歪み温度を決定すること。いくつかの態様では、製造システム300は、マルチモダルPET出力202を製造品に変換するように動作する。いくつかの態様において、製造物品は、マルチモダルPETペレットであり得る。いくつかの態様において、製造物品は、本明細書に記載されるように、システム300又は他のシステムにおいてPET合金に導入され得る、他の成分を含むことができる。製造システム300は、本明細書においてより詳細に記載される。
【0062】
いくつかの実施形態において、本方法は、別のポリマーを欠いているHMW PETフィード220を提供することを含む。いくつかの態様において、本方法は、別のポリマーを欠いているLMW PETフィード222を提供することを含むことができる。いくつかの態様において、本方法は、PETから本質的になる(又はそれからなる)HMW PETフィード220を提供することを含むことができる。別の態様では、本方法は、本質的にPETからなる(又はそれからなる)LMW PETフィード222を提供することを含むことができるが、分解分子の一部を含んでもよい。いくつかの態様において、本方法は、HMW PETフィード220及び/又はLMW PETフィード222を溶融PETとして提供することを含む。いくつかの態様において、本方法は、5%未満、又は1%未満、又は0.1%未満、又は微量の水を含む、又は水を含まないHMW PETフィード220及び/又はLMW PETフィード222を提供することを含む。
【0063】
いくつかの実施形態において、本方法は、LMW PETフィード222と混合する前に、PETフィード220を乾燥させることを含むことができる。いくつかの態様において、本方法は、HMW PETフィード220と混合する前に、LMW PETフィード222を乾燥させることを含むことができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、本方法は、約0.45~約0.7、又は約0.475~約0.6、又は約0.5~約0.55、又は約0.51~約0.53の固有粘度を有するようにマルチモダルPET出力102を作製することを含む。一例では、マルチモダルPET出力102は、約0.518又は約0.52の固有粘度を有する。
【0065】
いくつかの実施形態では、システム200は、マルチモダルPET出力202を製造物品302に変換するように構成された製造システム300を含むことができる。製造システム300は、オプションのコンポーネント入力フィード320を含むことができる。場合による成分入力フィード320は、マルチモダルPETに場合による成分を提供するように構成され得る。場合による成分は、フィラー、TiO、第2ポリマー、ガラスペレット、ガラス繊維、ガラス粒子、ナトリウムアイオノマー、ステアリン酸ナトリウム、核剤、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)又は他のポリアルキレンテレフタレート(PAT)、又は製造PET物品302の他の成分から選択されることが可能である。しかしながら、システムは、マルチモダルPETから任意の場合による成分を具体的に除外することができ、マルチモダルPETを製造するために任意のタルクを使用することを具体的に除外することができる。
【0066】
図3に示すように、製造システム300は、マルチモダルPETフィード301、流動性マルチモダルPETを含む1つ又は複数の流路308、混合器310、システム300の任意の構成要素を加熱できる加熱システム312、マルチモダルPET押出物317を生成する押出機システム316(例えば、マルチモダルPET押出物317をペレット化するペレタイザを含むこともできる)、マルチモダルPETをシステム300内の任意の構成要素に圧送できる圧送システム318、射出成形システム322、及び/又はシステム内の任意の構成要素を冷却できる冷却システム314を含むことができる。
【0067】
高分子量PET鎖(HMW PET)は、製造品に優れた強度を与えるが、加工時の流動性が悪く、射出成形に使用することができない。通常、流動性を向上させると強度が犠牲になるというトレードオフの関係にある。このマルチモダルPETは、良好な流動性と良好な強度を提供する。バイモダルPET(例えば、マルチモダル)は、図5Cに示されるバイモダルPET又はマルチモダルPETであると考えることができるが、2つ以上の別々のピークが存在してもしなくてもよい。ブレンドPETは、ブレンドPETが少なくとも2つの異なる分子量がブレンドされているように、2つ以上の異なる分子量のPET組成物から形成されているため、バイモダル又はマルチモダルであると考えることができる。しかしながら、マルチモダルPETは、単一のクロマトグラフィーピークしか示さないかもしれないが、異なる分子量を有する少なくとも2種のPET組成物をブレンドすることによって形成されることによって、ブレンドされる複数の異なる分子量のPET組成物を定義するためにマルチモダルであるとみなされる。図5Aは、通常のPET(例えば、HMW PET)の平均分子量分布を示し、低重量は流動性が良いが強度が悪く、高重量は強度が良いが流動性が悪い。図5Bは、より小さいPETポリマーが良好な流動性と悪い強度を有する、より低平均分子量分布(例えば、LMW PET)を示している。図5Bでは、PETポリマー鎖は、良好な流動性を与えるために、分解分子からの加水分解などにより短縮されているが、短い鎖は、効果的に絡み合うのに十分な長さではないため、PETは、悪い強度を有する。図5Cは、良好な流動性を有するLMW PETと通常のHMW PETである部分とを有するバイモダルPET(例えば、2つの異なるピークを有するブレンドPET)を示し、低分子量部分は、強度を著しく低下させずにバイモダルPETの良好な流動性に寄与している。さらに、マルチモダルPETは、2つ以上のピークを有することができるが、分布および量に応じて、クロマトグラフのピークを1つまたは2つしか有さないことがある。クロマトグラフのピークの数がモードの数を規定するのではなく、異なる分子量のPET組成物の数がモードの数を規定する(例えば、2つ以上の異なる分子量の組成物はマルチモダルである)。低分子量、高流動のLMW PETを製造し、次に、LMW PETのごく一部をバージン、高分子量PET、及び他の分子量PETと組み合わせることによって、驚くべきことに、得られるマルチモダルPET材料は、優れた強度を保持しながら非常に優れた流動性を有することが見出された。図5A~5℃の図は、説明のためのものである。マルチモダルPETは、単一のクロマトグラフィピークを示すだけであってもよいが、2、3、4、またはそれ以上の異なる分子量のPET組成物がブレンドされたものを含んでいる。
【0068】
いくつかの実施形態では、HMW PETは、約1.55~約1.65、又は約1.575~約1.625、又は約1.585~約1.6、又は約1.595の多分散性(例えば、Mw/Mn-多分散性インデックス)を含むことができる。いくつかの実施形態では、LMW PETは、約1.4~約1.5、又は約1.425~約1.475、又は約1.435~約1.455、又は約1.45の多分散度(例えば、Mw/Mn-多分散性インデックス)を含むことができる。いくつかの実施形態では、マルチモダルPET(例えば、30/70)は、約1.5~約1.575、又は約1.52~約1.55、又は約1.525~約1.54、又は約1.53の多分散性(例えば、Mw/Mn-多分散性指数)を含むことができる。
【0069】
多分散性は、図5A図5Cを参照するような、それぞれのそれぞれの組成物についての分布曲線の幅を定量化するために使用することができる。分布曲線の幅に関する情報は、組成物中のポリマーに関する情報を提供する。多分散性が1であることは、ポリマーが全て同じ長さであることを示し、これは本願には好ましくない。マルチモダルPETの多分散度が1.5以上であることは、HMW PETからの長い鎖とLMW PETからの短い鎖の両方が存在することを示す。マルチモダルPET中のHMW PET及びLMW PETの両方の割合に部分的に基づくデータは、長い鎖のより大きな部分と、小さい鎖のより小さな部分とがあることを示す。マルチモダルPETの多分散性の結果は、分子量の分布が広がり、それによって異なる短いポリマー鎖及び長いポリマー鎖の分布が広がっていることを示す。異なる多分散性の値の比較は、PETの単純な開裂/加水分解からの分布のみを有する組成物と比較して、マルチモダルPETが小さい鎖と長い鎖のより広い分布を有することを示す。したがって、多分散性は、LMW PETの分布とHMW PETの分布を有することにより、マルチモダルPETの各成分の利点を提供することが改善されることを示している。
【0070】
要は、PETを1回で切断してしまうと、長い鎖が失われてしまい、強度が落ちてしまうということである。これは何十年にもわたって試されてきたことである。私たちの発明では、長鎖をほとんど残すことができるので、強度が保たれる。
【0071】
いくつかの実施形態では、マルチモダルPETは、HMW PET全体にLMW PETが不均一に分布していることを含む。いくつかの例では、マルチモダルPETは、HMW PETの離散領域及びLMW PETの離散領域が存在するようにHMW PET及びLMW PETを一緒に完全に混合することなく調製することが可能である。これは、LMW PETがHMW PETの動きを潤滑にする射出成形など、マルチモダルPETの加工を容易にするのに有用である。
【0072】
あるいは、マルチモダルPETは、HMW PET全体に均質に分散されたLMW PETを含む。一貫性と組成が重要な一部の製品では、HMW PET全体にLMW PETを均質に混合することが有意義である場合がある。
【0073】
いくつかの実施形態では、マルチモダルPETは、5%未満、又は1%未満、又は0.1%未満、又は微量の水を含むか、又は水を含まない。
【0074】
いくつかの実施形態では、マルチモダルPETは、約85%~約55%、約80%~約60%、約75%~約63%、又は約70%~約65%のHMW PET濃度を有する。
【0075】
いくつかの実施形態では、マルチモダルPETは、約15%~約45%、約20%~約40%、約25%~約37%、又は約30%~約35%のLMW PET濃度を有している。
【0076】
いくつかの実施形態では、マルチモダルPETは、約240℃~約255℃、又は約245℃~約250℃、又は247℃~249℃、又は約247.5℃の間の融解温度を有している。
【0077】
いくつかの実施形態では、マルチモダルPETは、約3~6CC/(m-day)、±25%、20%、15%、10%、5%、2%、又は1%の酸素透過速度を有する。
【0078】
いくつかの実施形態では、マルチモダルPETは、約200℃~約230℃、又は約210℃~約220℃、又は約212℃の間の結晶化温度を有する。
【0079】
いくつかの実施形態では、マルチモダルPETは、約70℃~約90℃、又は約75℃~約85℃、又は約77℃~約83℃、又は約79℃~約80℃のガラス転移温度を有している。
【0080】
いくつかの実施形態では、マルチモダルPETは、結晶割合が、約21%~約25%、または約22%~約24%、または約23%~約23.3%、または約23である。
【0081】
いくつかの実施形態では、マルチモダルPETは、製造物品を形成するための射出成形に使用することができる。このように、射出成形システム400は、マルチモダルPETを含む射出成形された製造物品402を形成するために、図4に示されるようなマルチモダルPETのフィード420を含むことができる。マルチモダルPETフィード420は、液体マルチモダルPET(例えば、溶融マルチモダルPET)であってもよい。しかしながら、射出成形システム400は、液体マルチモダルPETとしての流動性のためにマルチモダルPETフィード420を加熱するマルチモダルPET加熱器424を含んでもよい。加熱器424は、ペレット428、加熱された液体マルチモダルPET430として、又は任意の形態のPET432としてマルチモダルPETを受け取ることができる。ヒーター424は、マルチモダルPETフィード420を押出機410に供給することができる。任意選択的に、乾燥及び/又はろ過されたマルチモダルPETペレットフィード422は、マルチモダルPET乾燥及び/又はろ過装置426から押出機410に供給され得る。
【0082】
マルチモダルPETは、射出成形システム400内で、射出成形システム内のインライン濾過システムを通して処理することができる。マルチモダルPETペレットは、乾燥ホッパーを通してシステム400に供給することができ、このホッパーは、次に押出機410の可塑化スクリューの入口端に供給する。可塑化押出スクリューは、バレルヒーターによって加熱されるバレルに封入されている(すなわち、押出機410)。スクリューのヘリカル(又は他の)フライトは、スクリューの動作軸に沿ってマルチモダルPETを搬送する。典型的には、スクリューのルート径は、入口端から離れる方向にスクリューの動作軸に沿って漸増される。押出機内に所望の量のマルチモダルPET溶融物が蓄積されると、410は溶融物蓄積器440に移送され、溶融物蓄積器440は、溶融したマルチモダルPETの金型キャビティ438への注入機能を行う注入プランジャを備えることができる。
【0083】
押出機410と溶融アキュムレータ440との間に流体連通して配置された溶融フィルタ436は、ステップのインライン濾過を実行する。溶融フィルタ436の目的は、押出機410から溶融アキュムレータ440に移送されるマルチモダルPET材料から不純物及び他の異物を濾過することである。溶融フィルタに関する具体的な実施態様は特に限定されず、一例として、ノースカロライナ州マシューズのGneuss Inc.の既製フィルタ(www.gneuss.com)を用いて、溶融フィルタ436を実施することができる。
【0084】
インライン濾過ステップは、濾過されるマルチモダルPETの流入を可能にするための入口、及び濾過されたマルチモダルPETの流出を可能にするためのフィルタ出口を有する溶融フィルタ436において実行されてもよい。溶融フィルタ436は、フィルタ入口とフィルタ出口との間に配置されたフィルタリング部材を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、金型システムは、金型キャビティ438を有する金型439を含むことができる。金型439は、金型キャビティ438を充填するようにマルチモダルPETを受け取る。これは、このような射出成形システムによって十分に注入されない先行PETに対する進歩である。さて、金型キャビティ438は、射出成形品を台無しにする空隙なしに、マルチモダルPETで完全に満たされることができる。これにより、マルチモダルPETを射出成形して成形PET製造品402にすることができる。
【0086】
マルチモダルPETは、第1の平均分子量を有するPETポリマーの第1の部分と、第2の平均分子量を有するPETポリマーの第2の部分とを含むPETを有することができ、第1の平均分子量は、第2の平均分子量よりも小さい。マルチモダルPETは、PET中のタルクを欠くことができる。マルチモダルPETは、金型439の金型キャビティ438を完全に充填する。
【0087】
本明細書に記載されるシステム及び方法は、多数のPET製品を調製するために使用することができ、射出成形などの様々な加工技術で使用することができる新規なマルチモダルPETを提供するものである。これにより、マルチモダルPETを金型に注入して、薄壁を有する物品を形成することができる。さらに、マルチモダルPETは、液体マルチモダルPETから固体マルチモダルPETへのサイクルタイムがPETのサイクルタイムと比較して大幅に短縮されるため、射出成形を可能にする。
【0088】
上記ポリアルキレンテレフタレート(PAT)構造において、「n」は任意の適当な整数であってよく、例えば、1(ポリメチレンテレフタレート(PMT))、2(ポリエチレンテレフタレート(PET))、3ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、4(ポリブチレンテレフタレート(PBT))または5ポリペンチレンテレフタレート(PPentT)など(例えば、以下のとおり。nは6、7、8、9、10など)。このように、本明細書に記載される方法及びシステムは、任意の適切なポリアルキレンと共に使用するように適合させることができる。すなわち、PETは、任意のPATで置換されてもよい。マルチモダルPETのPETは、マルチモダルPATを形成するように、任意のPATで置換されてもよい。従って、本明細書に記載されるシステム及び方法はPETに向けられているが、そのようなシステム及び方法は、PBTのような任意の妥当なPATを含んでもよい。
【0089】
さらに、様々な分解分子も使用することができる。分解分子としては、水を用いてもよいが、アルコール類がよく、ジオール(例えば、水酸基が2つ)を用いることができ、ポリオール(例えば、水酸基が3つ以上)が好ましい場合があることが分かっている。低分子ポリオールとしては、トリメチロールプロパンが例示されるが、その他、同様のポリオールを使用することができる。種々の低分子糖ポリオールを使用することができ、例えば、キシリトール、ペンタエリスリトール、マルチトール、ソルビトール、イソマルト、およびグリセロールが例として挙げられる。いくつかの態様において、分解分子として、メタンチオール、エタンチオール、1-プロパンチオール、2-プロパンチオール、ブタンチオールなどのチオールを使用することができる。分解分子としては、ジェミナルジチオール、1,2-ジチオール、1,3-ジチオール、1,4-ジチオール等のジチオール類が例示される。分解分子としては、メチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、アニリンなどのアミン類が使用できる。

トリメチロールプロパン
【0090】
記載されているように、LMW PETを形成する方法は、高分子量、ボトルグレードPET(HMW PET)中のエステル結合を開裂して、低分子量、超高流動PET(LMW PET)を作成することを含む。一例において、このプロセスは、トリメチロールプロパン又は他の低分子ポリオール(例えば、糖ポリオール)又は他の分解分子を溶融PETに添加して結合を開裂させることを含む。分解分子としては、本明細書に記載のもの等の他のアルコール、水、水蒸気、ポリオール、チオール、アミン等を挙げることができる。分解分子は、分子であり、鉱物ではない、例えば、タルクではない、などである。分解分子は、分解分子の一部として反応し、反応生成物を形成することができ、PETポリマーに付着させることができる。このように、LMW PETは、分解分子の反応生成物である末端基を含むことができる。
【0091】
分解分子は、得られるLMWの量及び低平均分子量を決定するために、様々な濃度で使用することができる。HMW PETの量に対する分解分子の量は、所望の低平均分子量を有する所望の量のLMWを得るために使用することができる。分解分子の量が少なすぎると、鎖が十分に分解されない。分解分子が多すぎると、低分子量の材料となり、押出機での分解による発煙の問題が発生する場合がある。分解されるPET組成物の全重量に対して0.25%~約5%が所望の低平均分子量を提供できることが見出された。ここで、量は変動し得、例えば、PET組成物の全重量に対して0.4%~約4%、約0.5%~約3%、約0.6%~約2%、約7%~約1%、または約0.75%~約0.8%とすることができる。PETは、任意のHMW PET組成物、例えば、約0.6~約0.95、又は約0.65~約0.9、又は約0.7~約0.85、又は約0.75~約0.78~約0.82、又は約0.79~0.81の固有粘度を有するHMW PET組成物であってよい。標準的なHMW PETは、0.8 IV PETとして記述することができ、誤差の範囲内で0.78から0.82 IVの範囲の固有粘度を有することができる。一例において、分解分子(例えば、トリメチロールプロパン)は、0.8 IV標準ボトルグレードPET(HMW PET)中の0.75重量%の分解分子として提供することができる。
【0092】
LMW PETの機械的特性は、低分子量であるため、良好な強度のために絡み合いが必要である絡み合い密度が低くなり、特に強度が劣る。射出成形が可能な流動性のあるPETを得るために、約0.48の固有粘度を有するLMW PETを本明細書に記載のように使用して、約0.5の固有粘度を有するマルチモダルPETを得られることは驚きかつ予想外であった。
【0093】
いくつかの実施形態では、方法は、約10~40%の超高流動性低分子ポリオール処理(すなわち、トリメチロールプロパン処理)PET(例えば、LMW PET)を約90~60%の標準ボトルグレードPET(例えば、HMW PET)中に希釈することを含むことができる。最適な割合は、約30~35%の超高流動性PET(LMW)+70~65%の標準PET(HMW)である。それによって、流動性と機械的特性の最適なバランスが得られます。これらの範囲のマルチモダルPETは、本明細書に提供されるデータに示されるように、優れた強度、剛性、Tg、Tmなどを保持する。マルチモダルPETは、射出成形された異なる部品に使用できることが示されており、得られた部品は非常に透明であり、これは多くの消費者包装製品における使用に有益である。
【0094】
いくつかの実施形態において、マルチモダルPETミックスにおいて分解される又は使用されるHMWは、ボトルグレードPET又はリサイクルPET、並びに規格外PETであり得る。例えば、再生PETは、バージンHMW PETよりも幾分低いIV及び低い分子量を有する。本発明は、その幾分劣化したリサイクルPETから開始し、分解分子(例えば、トリメチロールプロパン)による処理によって分子量をさらに低下させることができる。HMW PETの開始固有値は、LMW PETを得るために使用される分解分子の量及び分解量を決定することができ、又は、マルチモダルPETを得るためにHMW PETと混合されるLMW PETの量を決定することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、低分子ポリオールは、多くの潜在的候補から慎重に選択された、好ましい分解分子である。糖ポリオールなどの低分子ポリオールは、安価で安全、食品認可、コーシャ、温度安定、無色、高引火点であることが望ましく、押出成形に安全である。分解分子として水を使用することもできるが、極端に少ない量の水が必要となり、投与量を正確にコントロールすることが難しい。また、水はすぐに蒸発してしまうので、PETと反応させることが難しい。アミン類は酸化しやすく、黄色くなるので好ましくない。メルカプタン類は臭いがきつい。1つの魅力的な選択肢として、PETメルトにスチームを注入して、所望の開裂とその結果としてのLMW PETを得ることがある。
【0096】
いくつかの実施形態では、低分子量ポリアルキレンテレフタレート(PAT)を形成する方法は、以下を含み得る:高分子量(HMW)PATのフィードを提供すること、該HMW PATは高平均分子量を有する;分解分子のフィードを提供すること;HMW PATを反応器で分解分子と反応させること;HMW PATを分解分子で分解して、高平均分子量より低い低平均分子量を有する低分子量(LMW PAT)にして、LMW PATを出力として提供すること。いくつかの態様において、分解分子は、HMW PATのポリマー鎖を切断して、HMW PAT及び分解分子の反応生成物を含むより小さいポリマー鎖にする。いくつかの態様において、分解分子の少なくとも一部は、未反応であり、LMW PAT中に存在する。いくつかの態様において、分解分子は、水、アルコール、ジオール、ポリオール、チオール、ジチオール、ポリチオール、アミン、およびそれらの組合せから選択される。いくつかの態様において、分解分子は以下から選択される:水蒸気形態の水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、n-ブタノール、イソブタノール、tertブタノール、またはこれらの組合せから選択されるアルコール。エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、プロピレン-1,3-ジオール、βプロピレングリコール、メタンジオール、プロパン-1,2-ジオール、αプロピレングリコール、またはこれらの組み合わせから選択されるジオールキシリトール、ペンタエリスリトール、マルチトール、ソルビトール、イソマルト、ラクチトール、マンニトール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ポリエチレングリコール、またはそれらの組み合わせから選ばれるポリオール;メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、イソプロパンチオール、ブタンチオール、n-ブタンチオール、イソブタンチオール、ターブタンチオール、またはそれらの組み合わせから選ばれるチオール。メタンジチオール、1,1-エタンジチオール、および1,1-シクロヘキサンジチオール、1,3-プロパンジチオール、ジチオスレイトール、およびそれらの組み合わせから選択されるジチオール;チオールを有する複数のモノマーを有するポリマーから選択されるポリチオール;である。またはメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、アニリン、4-メトキシアニリン、N,N-ジメチルアニリン、3-ニトロアニリン、4-ニトロアニリン、4-トリフルオロメチルアニリン、およびそれらの組み合わせから選択されるアミンである。いくつかの態様において、分解分子は、タルクまたは他の粒子ではない。いくつかの態様において、LMW PATは、粒子を含まない。
【0097】
いくつかの実施形態において、本方法は、LMW PATが以下の少なくとも1つを有するように特徴付けることを含むことができる:約0.4~約0.6の固有粘度;約240℃~約247℃の融点;約70℃~約80℃のガラス転移点;又はLMW PAT組成物の約0.3重量%~約0.5重量%で劣化する分子が含まれる。いくつかの態様において、分解分子は、分解される全PAT組成物の約0.25重量%~約5重量%で提供される。いくつかの態様において、HMW PATは、約0.7~約0.85の固有粘度;約245℃~約255℃の融点;または約75℃~約85℃のガラス転移温度のうち少なくとも1つの特性を有する。
【0098】
いくつかの実施形態において、PAT供給部は、以下のうちの1つ以上からPAT供給部を受け取る。PAT反応器システム、該PAT反応器システムはPAT前駆体試薬からPATを重合する、PATリサイクルシステム、該PATリサイクルシステムはPAT物品からPATを再利用する。PAT調整システム:PAT調整システムは、タルクと混合するためにPATを調整し、その調整は、加熱、PATペレットもしくはシートまたは他のPAT部材の切断、撹拌、押出し、乾燥、オフガス、またはPATリザーバーから1または複数を選択し、PATリザーバーは液体PATを有しており、液体PATは溶融PATである、システム。
【0099】
いくつかの実施形態では、LMW PAT出力は、LMW PATを貯蔵所又はマルチモダルPATシステム若しくは分析システムに提供する出力システムに提供される。分析システムは、LMW PAT出力の固有粘度の決定;LMW PAT出力の流量の決定;LMW PAT出力の融点の決定;LMW PAT出力の結晶化温度の決定;LMW PAT出力の示差走査熱量測定プロファイルの決定;又はLMW PAT出力の熱変形温度の決定の少なくとも1つを行う1又は2以上の分析システムを含んでいる。
【0100】
いくつかの実施形態において、PATフィードは、別のポリマーを欠いている。いくつかの態様において、分解分子は、粒子を欠き、及び/又は別のポリマーを欠く。
【0101】
いくつかの実施形態において、本方法は、分解分子と混合する前にPATフィードを乾燥させること;及び/又はPETフィードと混合する前に分解分子を乾燥させること、を含むことができる。いくつかの態様において、本方法は、重合可能な試薬からPATを重合させることを含む。いくつかの態様において、本方法は、PAT及び分解分子をミキサーで混合することを含むことができる。さらに、本方法は、帯電防止剤、抗菌剤、発泡剤、安定剤、UVブロッカー、アセトアルデヒド捕捉剤、顔料、潤滑剤および他のプラスチック用の典型的な添加剤に混合することを含むことができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、LMW PATを形成する方法を実行するためのシステムを提供することができる。そのようなシステムは、高分子量(HMW)PATを有するフィードラインであって、HMW PATは高平均分子量を有するフィードライン;分解分子のフィードラインa;HMW PATを分解分子と共に有する反応器;及び高平均分子量よりも低い低平均分子量を有する低分子量(LMW PAT)を有する出力、を含むことが可能である。
【0103】
いくつかの実施形態では、マルチモダルポリアルキレンテレフタレート(PAT)を形成する方法は、以下を含むことができる。低分子量(LMW)PATのフィードを提供すること、LMW PATは低平均分子量を有する;高分子量(HMW)PATのフィードを提供すること、HMW PATは高平均分子量を有するが、低平均分子量は高平均分子量より低い分布である;LMW PATのフィードをHMW PATのフィードとミキサーで混合してマルチモダルPATを形成する;及びマルチモダルPATを出力として提供すること。いくつかの態様において、LMW PAT及び/又はHMW PATは、タルク又は他の粒子を欠いている。いくつかの態様において、HMW PATは、リサイクルされたHMW PATである。いくつかの態様において、LMW PATは、以下のうちの少なくとも1つの特性を有する:約0.4~約0.6の固有粘度;約240℃~約247℃の融点;または約70℃~約80℃のガラス転移点。いくつかの態様において、HMW PATは、以下のうちの少なくとも1つの特性を有する:約0.7~約0.85の固有粘度;約245℃~約255℃の融点;または約75℃~約85℃のガラス転移温度。いくつかの態様において、マルチモダルPATはマルチモダルPAT組成物の約10重量%~約50重量%でLMW PATを含む。いくつかの態様では、マルチモダルPATは、マルチモダルPAT組成物の約30重量%~約35重量%のLMW PATを含む。いくつかの態様において、マルチモダルPATは、固有粘度が約0.5~約0.75;融点が約245℃~約248℃;またはガラス転移温度が約77℃~約81℃のうち少なくとも1つの特性を有する。いくつかの態様において、マルチモダルPATは、約0.1重量%~約0.3重量%の分解分子を有し、分解分子は、水、アルコール、ジオール、ポリオール、チオール、ジチオール、ポリチオール、アミン及びこれらの組み合わせから選択される。
【0104】
いくつかの実施形態において、混合は、バッチ形式または連続形式でPATを混合することができる混合機、例えば、一軸スクリュー混合機、二軸スクリュー混合機、連続ニーダー、往復スクリュー混合機、二軸押出機、連続プラウ混合機、またはそれらの組み合わせで行われる。いくつかの態様において、混合機はまた、脱気、均質化、分散、または加熱のうちの1つまたは複数を実行する。いくつかの態様において、混合機における混合は、帯電防止剤、抗菌剤、発泡剤、安定剤、紫外線遮断剤、アセトアルデヒド捕捉剤、顔料、潤滑剤および他のプラスチック用の典型的な添加剤に混合することを含む。
【0105】
いくつかの実施形態において、本方法は、マルチモダルPAT出力を出力システムに提供することを含み、出力システムは、マルチモダルPATを貯蔵又は分析システム若しくは製造システムに提供する。いくつかの態様において、分析システムは、以下のことが可能な1つ又は複数の分析システムを含む:溶融マルチモダルPAT出力の固有粘度を決定すること;溶融マルチモダルPAT出力の流量を決定すること;マルチモダルPAT出力の融点を決定すること;マルチモダルPAT出力の結晶化温度を決定すること;マルチモダルPAT出力の示差走査熱量プロファイルを決定すること;又はマルチモダルPAT出力の熱歪曲収縮温度を決定すること。いくつかの態様において、本方法は、マルチモダルPAT出力を製造のアーティクルへと変換することを含み、本方法は、マルチモダルPAT出力を製造のアーティクルへと変換することを含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、方法は、混合前にHMW PATフィード及び/又はLMW PATを乾燥させることを含むことができる。
【0107】
いくつかの実施形態において、マルチモダルPATを形成するためのシステムは、低分子量(LMW)PATのフィードであって、LMW PATは低平均分子量を有するフィード;高分子量(HMW)PATのフィードであって、HMW PATは高平均分子量を有し、ここで、該低平均分子量は該高平均分子量よりも低い分布であるフィード;LMW PAT及びHMW PATを有するミキサー;並びにマルチモダルPATを有する出力;を含むことができる。いくつかの態様において、システムは、ミキサーの出口に動作可能に結合された出力を含むことができ、出力は、容器、ポンプ、フローライン、ヒーター、冷却器、押出機、ダイ、ペレタイザー、混合機、及びそれらの組合せから選択される。いくつかの態様において、LMW PAT及び/又はHMW PATは、タルク又は他の粒子を欠いている。
【0108】
いくつかの実施形態において、システムは:PAT前駆体試薬からHMW PTを重合するPAT反応器システム;PAT物品からPATをリサイクルするPATリサイクルシステム;LMW PATと混合するためにHMW PATを調整するPAT調整システム、調整は加熱、PATペレット又はシート又は他のPAT部材の刻み、撹拌、押出、乾燥;オフガスから1以上選択;又は液体PATのPAT貯蔵器、ここで液体PATは溶解したPATを含む、ことが可能である。
【0109】
いくつかの実施形態において、ミキサーは、バッチ形式又は連続形式で液体PATを混合することができる任意のミキサー、例えば、一軸スクリューミキサー、二軸スクリューミキサー、連続ニーダー、往復スクリューミキサー、二軸押出機、連続プラウミキサー、又はそれらの組合せなどである。いくつかの態様において、ミキサーは、脱気、均質化、分散、または加熱のうちの1つ以上を行うように構成される。
【0110】
いくつかの実施形態において、システムは、貯蔵、及び/又は分析システム;及び/又は製造システムを含み得る。いくつかの態様において、分析システムは、以下のことが可能な1つ以上の分析システムを含む:溶融したマルチモダルPAT出力の固有粘度の決定;溶融したマルチモダルPAT出力の流量の決定;マルチモダルPAT出力の融点の決定;マルチモダルPAT出力の結晶化温度の決定;マルチモダルPAT出力の示差走査熱量プロファイルの決定;又はマルチモダルPAT出力の熱歪曲収縮温度を決定する。
【0111】
いくつかの実施形態において、製造システムは、マルチモダルPET出力を射出成形などの製造物品に変換するように構成される。いくつかの態様において、製造システムは、以下を含むことができる。場合による成分入力フィードであって、場合による成分入力フィードは、場合による成分を提供するように構成され、場合による成分は、充填剤、TiO、第2ポリマー、ガラスペレット、ガラス繊維、ガラス粒子、ナトリウムイオノマー、ステアリン酸ナトリウムから選択される、場合による成分入力フィード。核剤、帯電防止剤、抗菌剤、発泡剤、安定剤、UVブロッカー、アセトアルデヒド捕捉剤、顔料、潤滑剤およびプラスチック、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)または他のPAT用の他の典型的添加物(例えば、PET)、または製造のPAT物品の他の構成要素である。ここで、添加剤は、マルチモダルPATに添加され、LMW PAT又はHMW PATに添加されないことは明らかである。いくつかの態様において、製造システムは、マルチモダルPATフィード;流動性のマルチモダルPATを含む1つ以上の流路;混合機;加熱システム;マルチモダルPAT押出物を生成する押出機システム;ポンプシステム;射出成形システム;及び/又は冷却システムの1以上を含んでいる。
【0112】
いくつかの実施形態において、マルチモダルPAT組成物は:低平均分子量の低分子量(LMW)PAT;LMW PATと混合されてマルチモダルPATを形成する高平均分子量(HMW)PATであって、マルチモダルPATはタルクを欠くもの、を含むことができる。いくつかの態様において、LMW PATは、マルチモダルPAT組成物の約10重量%~約50重量%で存在する。いくつかの態様において、以下の少なくとも1つの特性を有するマルチモダルPAT:約0.5~約0.75の固有粘度;約245℃~約248℃の融点;又は約77℃~約81℃のガラス転移点。
【0113】
いくつかの実施形態では、マルチモダルPETは、HMW PETとLMW PETの固有粘度の比、例えばIV比が0.8:0.4(HMW:LMW)であることを例として挙げることができる。しかしながら、他のHMW:LMW IV比は、0.7:0.3~約0.9~約0.5、約0.75:0.35~約0.85:0.45;または約0.78~約0.43、または約0.79~約0.41であり得る。別の例では、IV比は、約0.8±0.025:0.4±0.025;0.8±0.05:0.4±0.05,または0.8±0.075:0.4±0.075であることができる。
【0114】
いくつかの実施形態では、LMW PATは、固有粘度が約0.3~約0.6、約0.35~約0.55、約0.36~約0.5、約0.37~約0.45、または約0.38~約0.42、のうちの少なくとも1つの特性を有している。
【0115】
いくつかの実施形態では、マルチモダルPETは、射出成形用に構成することができる。射出成形用の重合体組成物は、約30%のLMW PET及び約70%のHMW PET(例えば、約0.8の固有粘度を有する樹脂)を含むことができ、これにより重合体組成物中の約0.225%の糖ポリオールがもたらされる。しかしながら、成分の量の変更もまた、±10%、5%、2%、または1%のように好適であり得ることが認識されるべきである。
実験
【0116】
LMW PETをまずHMW PETから調製して、LMW PETのマスターバッチを作製した。次に、LMW PETをHMW PETと混合して、LMW分布とHMW分布とを有するマルチモダルPETを形成する。
【0117】
本明細書に提供されるデータは、HMW PET(例えば、0.81 IV PET)、LMW PET、及びマルチモダルPET(30% LMW PET+70% HMW PET)、並びに他のマルチモダルPETの特性を示している。値は、1%、2.5%、5%、10%、15%、又は最大25%など、変化し得ることが認識されるべきである。また、マルチモダルPETの値は、LMW及びHMW PETの相対量を変化させた場合に変化し得る。
【0118】
これらの例では、PET樹脂は0.8IVを供給した。約0.75%のグリセロールをPETに降ろし、クリアフローLMW PETマスターバッチを生成した。次に、約30%のLMW PETマスターバッチを70%のPET樹脂(例えば、0.8I.V.)とドライブレンドした。この結果、最終レシピのグリセロールは0.225%になりました。様々な範囲のグリセロールを試験した結果、最終的なマルチモダルPETは、組成物の全重量に対して約0.15%、0.188%、0.263%、または0.225%のグリセロールを有することが判明した。0.225重量%のグリセロール(例えば、30%のLMWおよび70%のHMW)は、流動性および機械的特性の最良の組合せを有する。PET組成物を比較する機械的試験が実施された。すべての試験は、マルチモダルPET配合物が、射出成形において有用であり得る改善された流動性とともに、有益な強度特性を維持できることを示す。しかしながら、マルチモダルPETに保持され得る、異なる分解分子を使用することができることを認識されたい。
【0119】
3点曲げ試験
【0120】
試験は、ASTM D 790「非強化および強化プラスチックと電気絶縁材料の曲げ特性、手順A」の原則を適用して、Bluehill Universalソフトウェアを備えたインストロン3366ユニットで実施した。サンプルサイズ:0.125インチ厚さ×0.5インチ幅×5.0インチ長、支持範囲:2インチ、サンプルタイプごとの試験片数である。各ひずみ速度で5個の試験片を試験した。実験には以下の試験条件が含まれる。速度-0.05in./min、スパン-2.0in.以下の結果が得られた。
【0121】
【表1】
【0122】
【表2】
【0123】
【表3】
【0124】
引張試験
【0125】
試験は、ASTM D638 Tensile Properties of Plasticsの原則を適用して、Bluehill Universalソフトウェアを備えたインストロン3366ユニットで実施した。10kNのロードセルが使用された。ひずみ値の測定には、ロングトラベル伸び計を使用した。充填PETサンプルには、低ひずみ値での精度を高めるため、クリップオン2インチゲージ/0.2インチトラベル伸び計が使用された。クロスヘッドスピード:2.0インチ/分。サンプルサイズ:ASTMタイプIドッグボーン 試料ゲージ長さ:2.0インチ。各試料タイプごとに試験する試料の数5個(最小)。結果は以下の表に示され、最後から2番目の列は列の平均値、最後から3番目の列は標準偏差である。
【0126】
【表4】
【0127】
【表5】
【0128】
【表6】
【0129】
ノッチ付きアイゾット衝撃試験
【0130】
ASTM D256「プラスチックのアイゾット振り子衝撃抵抗の標準試験方法、方法 A」に従い、Ceast Resil 25 デジタル振り子ユニット、モデル 6545 で試験を実施。振り子容量:2.00 ジュール サンプルサイズ:寸法 ノッチ深さ:0.1 インチ試料タイプごとに試験する試料の数5 個(最小)。試験温度。試験中、試料は室温22Cであった。ノッチ付き衝撃試験の結果が得られ、以下の表に示された。最後から2番目の列は列の平均値、最後から3番目の列は標準偏差である。
【0131】
【表7】
【0132】
【表8】
【0133】
【表9】
【0134】
破壊分類の定義:C=完全破断(試験片が2つ以上に分離する破断);H=ヒンジ破断(試験片の一部分が、他の部分を垂直に保持したときに水平より上方で支持できないような不完全な破断);P=部分破断(ヒンジ破断の定義を満たさないが、ノッチの頂点と反対側の間の距離の90%以上が破断している不完全な破断);およびNB=非破断(破断がノッチの頂点と反対側の間の距離の90%未満に広がっている不完全な破断)である。これらの定義は、ノッチなし衝撃試験でも同じである。
【0135】
ノッチなし衝撃試験の結果が得られ、以下の表に示された。最後から2番目の列は列の平均値、最後から3番目の列は標準偏差である。
【0136】
【表10】
【0137】
【表11】
【0138】
【表12】
【0139】
ガードナー衝撃試験
【0140】
ガードナー衝撃試験は、BYKガードナー衝撃試験機(カタログ番号lG1120)を使用し、ASTM D 5420に準拠して実施された。テスターは、コンクリート床にボルトで固定されている。ジオメトリージオメトリー:GC、高さ増分:1インチ、試験温度:23℃。破損モードは延性破損で、ダーツはシートを貫通した。ダーツが最初にシートに当たる。
【表13】
【0141】
非強化(ニート)PETと30% LMW PET 70% HMW PETは、ガードナー衝撃試験機で4ポンドの荷重と40インチの最大試験高さで最大値を示した。破損の種類:a=一面のみに亀裂(プラークはまだ水を保持できる)、b=厚さ全体を貫通する亀裂(水はおそらくプラークを貫通するだろう)、またはc=脆性粉砕(衝撃後プラークはいくつかの破片になっている)d=延性破損(プラークは鈍い破れで貫通されている)。
【0142】
固有粘度試験とその結果
【0143】
固有粘度:ASTM 4603-96に準拠。溶媒:フェノール/テトラクロロエタン(60/40w/w)。温度:30℃。濃度:0.5g/dL。
【表14】
【0144】
LMW/HMW マルチモダル PETの比率
【0145】
LMW PETの量を変化させ、性能特性を検討した。パーセントのサンプルは以下の通りである。20%のLMW PETと80%のHMW PET、25%のLMW PETと75%のHMW PET、30%のLMW PETと70%のHMW PET、および35%のLMW PETと65%のHMW PETである。図6のデータは、LMW/HMWの比を20/80と35/65との間で変化させても、射出成形に使用できるマルチモダルPETが得られることを示している。30/70の比率が最適な結果をもたらすことが分かった。
【0146】
樹脂の特性評価と比較
【0147】
固有粘度0.81のHMW PET樹脂(例えば、0.81 IV樹脂)を、LMW PETマスターバッチおよびマルチモダルPET(例えば、30%のLMW PET+70%のHMW PET樹脂)と比較した。その結果を以下の表に示す。
【表15】
【0148】
固有粘度、融点、およびガラス転移は、HMW PET、LMW PET、およびマルチモダルPETの間の違いを示すために提供されている。しかし、HMW PETに対するLMW PETの比率の変動が、これらの値の変動を引き起こす可能性があることを認識する必要がある。
【0149】
また、LMW PETとマルチモダルPETは、HMW PETと比較して、より多くのCOOH末端基を有することがデータから示される。また、マルチモダルPETは、HMW PETおよびLMW PETと比較して、より高い割合の結晶化度を有している。
【0150】
このように、Mn、Mw、Mzから明らかなように、HMW PETはLMW PETに比べて高分子量であり、マルチモダルPETの分子量はHMW PETとLMW PETの分子量に起因するものである。また、1.529のマルチモダルPETの多分散性(例えば、Mw/Mn多分散性指数)は、1.596のHMW PETの多分散性及び1.443のLMW PETの多分散性と比較して、適切な範囲にある。マルチモダルPETの多分散性の値は、本明細書に記載されるようにマルチモダルPETを使用するための利点を提供する。
【0151】
通常のPETは強度は高いが流動性が悪いため、射出成形品、特に薄肉成形品に使用することができない。意図的なランダムな鎖切断は分子量を低下させ、それによって流動性を向上させるが、許容できないほどの強度低下を生じる。本発明では、流動性を向上させるために非常に小さな鎖を導入しながら、長い鎖の大部分を保持する分子量分布を作り出した。このようにして得られた流動性と強度のバランスは非常に望ましいものであり、PETメーカーは何十年もの間、これを実現できずにいたのである。このように、多分散性によって、より多くの長鎖と、より小さな鎖から短鎖への好ましい組み合わせが得られ、強度を保ちつつ流動性を向上させることができるのである。
【0152】
従って、この比率を変更することにより、表中の数値は±25%、20%、15%、10%、5%、2%、1%の範囲で変化することが予想される。
【0153】
射出成形
【0154】
射出成形実験は、コントロールが0.71の固有粘度を有する標準HMW PETであり、テストが0.56の固有粘度を有するマルチモダルPETで行われた。これらのPET組成物は、図7A(コントロール)及び7B(クリアフロー;マルチモダルPET)に示すように、同様の条件で射出成形により加工された。見て分かるように、マルチモダルPETは、270Barとかなり低い切替プレスを使用しており、これはコントロール(対照)の550Barの約半分である。また、マルチモダルPETの油圧プレスは最大27Barで、コントロールの最大55Barよりかなり低い。このように、マルチモダルPETは、より少ない射出圧力を使用することができるように、より良い流動性によるより良い射出成形を提供する。例えば、マルチモダルPETを用いた油圧プレスは、最適化された流動性により、45Bar以下、約40Bar以下、約35Bar以下、約30Bar以下、約25Bar以下、約20Bar以下、またはおそらくさらに低くすることができると考えられている。これは、マルチモダルPETを用いた射出成形が、コントロールPETよりも大幅に進歩したことを示している。この低い射出圧力は、サイクルタイムの短縮、射出成形材料の壁の厚さの低減、射出の高速化、およびその他の進歩など、様々な利点に利用することができます。その結果、マルチモダルPETを使用した製品は、機械的にはコントロールPETと同等でありながら、加工性と射出成形性が改善されたものとなる。
【0155】
マルチモダルPETから射出成形されたボトルは透明で、コントロールPETと見分けがつかない。したがって、視覚的に、マルチモダルPETは、コントロールPETに取って代わることができる。ボトル寸法およびボトル容量は、実質的に類似していることが分かった。さらに、側壁密度及び結晶化度は、コントロールPET及びマルチモダルPETについてほぼ同じであることが測定された。ボトル材料分布も、コントロールPETとマルチモダルPETの間で実質的に類似していることが判明した。
【0156】
ボトルの側壁の引張データは、同等の結果を示している。コントロールPETのサイドウォール引張データ弾性率は8.32×10psiで、マルチモダルPETのサイドウォール引張データ弾性率は8.33×10psiであった。コントロールPETは、ピーク荷重が21.85 lbfであったのに対し、マルチモダルPETは19.80で、コントロールとあまり変わりません。コントロールPETとマルチモダルPETの降伏応力は、1.7×10psiとほぼ同じであった。
【0157】
空のベントトップロード実験では、マルチモダルPETがボトルとして使用するのに十分な品質を有していることがわかる。毎分20インチの空のベントトップロードでは、コントロールPETは、最初のピークが15.09 lbf、最大荷重が15.09 lbf、たわみ時の荷重が9.05 lbfとなったのに対し、マルチモダルPETは最初のピークが11.42 lbf、最大荷重12.44 lbf、たわみ時の荷重11.47 lbfとなったものであった。
【0158】
充填キャップ式上面荷重実験では、マルチモダルPETがボトルとして使用するのに十分な品質を有していることがわかる。毎分0.5インチの充填キャップ式トップロードでは、コントロールPETは123 lbfに最初のピーク、123 lbfに最大荷重、50.51 lbfのたわみ荷重となったのに対し、マルチモダルPETは110 lbfに最初のピーク、110 lbfに最大荷重、51.10 lbfのたわみ荷重となったのである。ここでは、マルチモダルPETが改良されていることがデータからわかる。
【0159】
充填ボトル側壁剛性中間ラベル破砕強度実験では、マルチモダルPETはボトルとして使用するのに十分な品質を有していることがわかる。充填ボトル側壁剛性中間ラベル破砕強度実験の結果、対照PETは、最初のピークが3.22 lbf、最大荷重が14.7 lbf、たわみ時の荷重が14.62 lbfであり、マルチモダルPETは最初のピークが3.67 lbf、最大荷重が14.6 lbf、たわみ時の荷重が14.53 lbfであった。
【0160】
射出成形品の色味を比較した。どちらも透明であるように見える。データでは、ヘイズ吸収がコントロールPETで約5.4、マルチモダルPETで約4.37であることが示された。数値が低いほどヘイズが少ない、または透明度が高いということになる。このように、マルチモダルPETは、コントロールPETと比較して、より良い透明度、またはより少ないヘイズを提供することができる。
【0161】
すべての化学用語は、当技術分野で知られているように定義されている。
【0162】
当業者は、本明細書に開示されたこのプロセス及び他のプロセス及び方法について、プロセス及び方法において実行される機能は、異なる順序で実施され得ることを理解するであろう。さらに、概略的なステップ及び操作は例として提供されているに過ぎず、ステップ及び操作のいくつかは、開示された実施形態の本質を損なうことなく、場合によりあり、より少ないステップ及び操作に結合され、又は追加のステップ及び操作に拡大されてもよい。
【0163】
本開示は、本願に記載された特定の実施形態の観点で限定されるものではなく、様々な態様の例示として意図されるものである。当業者には明らかなように、その精神及び範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変形を行うことができる。本明細書に列挙したものに加えて、本開示の範囲内の機能的に等価な方法及び装置は、前述の説明から当業者には明らかであろう。そのような修正および変形は、添付の特許請求の範囲の範囲に入ることが意図されている。本開示は、添付の請求項の条件によってのみ、そのような請求項が権利を有する等価物の完全な範囲とともに、制限されることになる。本開示は、特定の方法、試薬、化合物組成物または生物学的系に限定されないことが理解され、それらは、もちろん、変化し得る。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけであり、限定することを意図していないことを理解されたい。
【0164】
本明細書における実質的に任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に適切であるように、複数形から単数形へ、および/または単数形から複数形へ変換することができる。様々な単数/複数の並べ換えは、明瞭化のために本明細書に明示的に記載されることがある。
【0165】
一般に、本明細書、特に添付の請求項(例えば、添付の請求項の本体)において使用される用語は、一般に「開放」用語として意図されることが当業者には理解されよう(例えば、用語「含む」は「含むが限定しない」と解釈すべき、用語「有する」は「少なくとも有する」と解釈すべき、用語「含む」は「含むが限定しない」等と解釈すべき、等)。導入されたクレームの特定の番号が意図される場合、そのような意図は、クレームに明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の請求項は、請求項の記載を導入するための導入フレーズ「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」の使用を含むことができる。しかしながら、そのようなフレーズの使用は、不定冠詞「a」または「an」による請求項の繰り返しの導入が、そのような導入された請求項の繰り返しを含む任意の特定の請求を、1つのそのような繰り返しを含む実施形態のみに制限することを意味すると解釈すべきではなく、たとえ同じ請求項が、「1または複数」または「少なくとも1」および「1つ」または「1個」などの不定冠詞(例えば、「1つ」および/または「1個」は、「少なくとも1つ」または「1つ以上」の意味に解釈されるべきである)、クレームの序文に使用される定冠詞の使用についても同様である。さらに、導入された請求項の繰り返しの特定の数が明示的に記載されている場合でも、当業者は、かかる記載は少なくとも記載された数を意味すると解釈すべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語なしの「2回の繰り返し」の裸の記載は、少なくとも2回の繰り返し、または2以上の回しを意味する)。さらに、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つなど」に類似する慣用が使用される場合、一般に、そのような構造は、当業者が慣用を理解する意味で意図される(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、AおよびB一緒、AおよびC一緒、BおよびC一緒、および/またはA、B、およびC一緒に有するシステムなどであるがこれに限られないであろう)。A、B、またはCのうちの少なくとも1つなど」に類似する規約が使用される場合、一般に、そのような構成は、当業者が規約を理解する意味で意図される(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、AおよびB一緒、AおよびC一緒、BおよびC一緒、および/またはA、B、およびCなどを有するシステムに限られないが、含むであろう)。明細書、請求項、または図面のいずれにおいても、2つ以上の代替的な用語を提示する実質的に任意の分割的な単語および/またはフレーズは、用語の一方、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図すると理解されるべきであることは、当業者にはさらに理解されるであろう。例えば「A又はB」という語句は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0166】
さらに、本開示の特徴または態様がMarkush群の観点から説明される場合、当業者は、本開示がそれによってMarkush群の任意の個々の要素または要素のサブグループの観点からも説明されることを認識するであろう。
【0167】
当業者には理解されるように、書面による説明を提供するという観点など、あらゆる目的のために、本明細書に開示されるすべての範囲は、その任意の可能なサブレンジおよびサブレンジの組み合わせも包含している。任意の列挙された範囲は、同じ範囲が少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分解されることを十分に説明し、可能にすると容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で議論される各範囲は、下3分の1、中3分の1、上3分の1などに容易に分解することができる。また、当業者には理解されるように、「まで」、「少なくとも」等の全ての言語は、言及された数を含み、上述したようにその後サブレンジに分解することができる範囲を意味する。最後に、当業者には理解されるように、範囲は各個別のメンバーを含む。したがって、例えば、1~3個のセルを有するグループは、1、2、又は3個のセルを有するグループを指す。同様に、1~5個のセルを有するグループは、1、2、3、4、または5個のセルを有するグループなどを指す。
【0168】
以上より、本開示の様々な実施形態が例示の目的で本明細書に記載され、本開示の範囲及び精神から逸脱することなく様々な変更がなされ得ることが理解されるであろう。したがって、本明細書に開示された様々な実施形態は、限定することを意図しておらず、真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0169】
本明細書に記載されたすべての文献は、その全体が特定の参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
【国際調査報告】