(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】遺伝子編集機構の脂質ナノ粒子送達のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
C12N 15/88 20060101AFI20230125BHJP
C12N 15/09 20060101ALI20230125BHJP
C12N 15/113 20100101ALI20230125BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20230125BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20230125BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20230125BHJP
A61K 47/69 20170101ALI20230125BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20230125BHJP
【FI】
C12N15/88 Z ZNA
C12N15/09 110
C12N15/113 Z
A61P21/00
A61K48/00
A61K9/14
A61K47/69
A61K47/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533105
(86)(22)【出願日】2020-12-03
(85)【翻訳文提出日】2022-07-29
(86)【国際出願番号】 US2020063150
(87)【国際公開番号】W WO2021113536
(87)【国際公開日】2021-06-10
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507189666
【氏名又は名称】デューク ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100137626
【氏名又は名称】田代 玄
(72)【発明者】
【氏名】ガーズバック チャールズ エイ
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン クリストファー
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076AA61
4C076AA65
4C076AA95
4C076BB13
4C076BB15
4C076CC09
4C076CC41
4C076EE51
4C084AA13
4C084MA41
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA941
4C084ZA942
(57)【要約】
本発明は、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子を使用した遺伝子編集機構の送達のためのDNA標的化システムおよび方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筋細胞にDNA標的化システムを送達するための脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子であって、前記DNA標的化システムは、
変異ジストロフィン遺伝子のフラグメントを標的とする少なくとも1種のgRNA分子;および/または
Cas9ヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチド
を含む、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項2】
前記少なくとも1種のgRNA分子は、第1のgRNA分子および第2のgRNA分子を含む、請求項1に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項3】
前記Cas9ヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチドは、mRNAである、請求項1または2に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項4】
前記第1のgRNA分子および前記第2のgRNA分子は、それぞれ標的化ドメインを含み、前記第1のgRNA分子は、配列番号1、配列番号3、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号37、配列番号41、配列番号83、もしくは配列番号110から選択されるヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含むポリヌクレオチドによってコードされるか、あるいは配列番号112~124から選択されるヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含み、前記第2のgRNA分子は、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号38、配列番号42、配列番号84、もしくは配列番号111から選択されるヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含むポリヌクレオチドによってコードされるか、あるいは配列番号125~134またはそのフラグメントもしくは相補鎖から選択されるヌクレオチド配列を含み、前記第1のgRNA分子および前記第2のgRNA分子は、異なる標的化ドメインを含む、請求項2~3のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項5】
前記第1のgRNA分子は、配列番号110の前記ヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含む標的化ドメインを含むか、あるいは配列番号124の前記ヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含み、前記第2のgRNA分子は、配列番号111の前記ヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含む標的化ドメインを含むか、あるいは配列番号134の前記ヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含む、請求項4に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項6】
前記少なくとも1種のgRNAおよび前記Cas9ヌクレアーゼをコードする前記ポリヌクレオチドは、同じ脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子中に封入される、請求項1~5のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項7】
前記少なくとも1種のgRNAおよび前記Cas9ヌクレアーゼをコードする前記ポリヌクレオチドはそれぞれ、別々の脂質ナノ粒子中に封入される、請求項1~5のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項8】
前記脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、固体脂質ナノ粒子(SLN)、ナノ構造脂質担体(NLC)、脂質・薬物複合(LDC)ナノ粒子、脂質ナノカプセル(LNC)、ポリマー脂質ハイブリッドナノ粒子(PLN)、および固体脂質マイクロ粒子(SLM)からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項9】
前記脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、固体脂質ナノ粒子(SLN)である、請求項8に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項10】
前記脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、ナノ構造脂質担体(NLC)である、請求項8に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項11】
前記脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、脂質・薬物複合(LDC)ナノ粒子である、請求項8に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項12】
前記脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、脂質ナノカプセル(LNC)である、請求項8に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項13】
前記脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、ポリマー脂質ハイブリッドナノ粒子(PLN)である、請求項8に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項14】
前記脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、固体脂質マイクロ粒子(SLM)である、請求項8に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項15】
前記少なくとも1種のgRNA分子は、前記変異ジストロフィン遺伝子のエクソン1~8、10、11、12、14、16~22、43~59、および61~66から選択されるエクソン、または前記変異ジストロフィン遺伝子のエクソン1~8、10、11、12、14、16~22、43~59、および61~66から選択されるエクソンと隣接するイントロンを標的とする、請求項1~14のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項16】
前記DNA標的化システムは、野生型ジストロフィン遺伝子またはその機能的等価物のエクソンを含むドナー配列をさらに含み、前記エクソンは、前記野生型ジストロフィン遺伝子のエクソン1~8、10、11、12、14、16~22、43~59、および61~66から選択される、請求項1~15のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項17】
前記少なくとも1種のgRNA分子は、ヒトジストロフィン遺伝子のエクソン51と隣接する2つのイントロンを標的とする、請求項1~16のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項18】
前記DNA標的化システムは、ヒトジストロフィン遺伝子のエクソン51と隣接する第1のイントロンにおける第1の二本鎖切断およびヒトジストロフィン遺伝子のエクソン51と隣接する第2のイントロンにおける第2の二本鎖切断を誘導する、請求項1~17のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項19】
前記ポリヌクレオチドは、SpCas9またはSaCas9をコードする、請求項1~18のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項20】
前記mRNAは、改変mRNAである、請求項3~19のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項21】
前記改変mRNAは、N末端NLS、C末端NLS、HAタグ、およびウリジン置換から選択される1つまたは複数の改変を含む、請求項20に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項22】
前記筋細胞は、骨格筋細胞、心筋細胞、および平滑筋細胞から選択される、請求項1~21のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子および薬学的に許容される担体を含む、組成物。
【請求項24】
対象におけるデュシェンヌ型筋ジストロフィーを処置する方法であって、請求項1~22のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子あるいは請求項23に記載の組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項25】
前記対象は、投与後に前記Cas9ヌクレアーゼと交差反応性の液性応答を経験しないか、または限定された液性応答を経験する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記対象は、変異ジストロフィン遺伝子を含む、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
対象において変異ジストロフィン遺伝子をゲノム編集する方法であって、請求項1~22のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子あるいは請求項23に記載の組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項28】
前記変異ジストロフィン遺伝子は、未成熟終止コドン、破壊されたリーディングフレーム、異常なスプライスアクセプター部位、もしくは異常なスプライスドナー部位、またはその組み合わせを含む、請求項26~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記変異ジストロフィン遺伝子は、未成熟終止コドンおよび切断型遺伝子産物の原因となるフレームシフト変異を含む、請求項26~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記変異ジストロフィン遺伝子は、前記リーディングフレームを破壊する1つまたは複数のエクソンの欠失を含む、請求項26~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記変異ジストロフィン遺伝子のゲノム編集は、未成熟終止コドンの除去、破壊されたリーディングフレームの修正、スプライスアクセプター部位の破壊によるスプライシングの調節、スプライスドナー配列の破壊によるスプライシングの調節、エクソン51の除去、またはその組み合わせを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記変異ジストロフィン遺伝子は、相同組み換え修復によって編集される、請求項27~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記対象におけるジストロフィン発現は、編集後に少なくとも1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または少なくとも50%増加する、請求項24~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、誕生前または誕生の1~2日以内に前記対象に投与される、請求項24~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、筋肉内、静脈内、またはその組み合わせで前記対象に投与される、請求項24~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記脂質ナノ粒子もしくは前記マイクロ粒子または前記組成物の投与は、前記対象において機能的なジストロフィンタンパク質または部分的に機能的なジストロフィンタンパク質の発現をもたらす、請求項24~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
請求項1~22のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子を含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年12月3日に出願された米国仮特許出願第62/943,093号に対する優先権を主張するものであり、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる配列表を含む。2020年12月3日に作成された上記ASCIIコピーの名称は、「028193-9336-WO01_As_Filed_Sequence_Listing.txt」であり、サイズは144キロバイトである。
【0003】
技術分野
本開示は、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子を使用した遺伝子編集機構の送達のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0004】
遺伝性の遺伝子疾患は、米国の小児に対して破滅的な影響がある。これらの疾患は、現在治癒せず、症状を軽減する試みによってなんとかすることしかできない。数十年間、遺伝子治療の分野には、これらの疾患を治す望みがあった。しかしながら、細胞および患者への安全で効率的な治療遺伝子の送達に関する技術的障害がこのアプローチを制限してきた。デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、機能的なジストロフィンの欠損による筋消耗、歩行不能、および一般に20代での死亡によって臨床的に特徴づけられる致死性遺伝子疾患である。DMDは、ジストロフィン遺伝子における遺伝性または自然突然変異の結果である。DMDの原因となる大半の変異は、エクソンが欠失し、翻訳リーディングフレームがフレーム外に押し出された結果である。
CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、標的とするゲノム遺伝子座に部位特異的な二本鎖切断を導入するために使用することができる。このDNA切断は、天然のDNA修復機構を刺激して、2つの可能な修復経路のうちの1つにつながる。ドナー鋳型の非存在下では、この切断は、DNAの小さな挿入または欠失につながる誤りやすい修復経路である非相同末端結合(NHEJ)によって修復されることになる。この方法は、標的とする遺伝子配列のリーディングフレームを意図的に破壊、除去または改変するために使用することができる。しかしながら、ドナー鋳型がヌクレアーゼとともに供給される場合、細胞機構は、相同組み換えによって切断を修復することになり、これは、DNA切断の存在下では桁違いに増強される。この方法は、標的部位においてDNA配列中に特異的な変化を導入するために使用することができる。操作されたヌクレアーゼは、さまざまなヒト幹細胞および細胞株における遺伝子編集のため、ならびにマウス肝臓における遺伝子編集のために使用されてきた。しかしながら、これらの技術を行うことに対する主な障害は、効果的で効率的であり、ゲノム改変の成功を容易にするような方法でのインビボにおける特定の組織への送達である。
インビボにおける遺伝子治療および遺伝子編集アプローチは、一般に遺伝子送達のためにウイルスベクターを使用する。これらのウイルスベクターは、製造するのが難しく、高価で、既にこれらのウイルスに対する免疫応答を有する患者には使用することができない。さらに、ウイルスベクターは、再投与に適さない場合もあり、他の安全性への懸念によって制限される。本明細書に記載の方法は、重大な宿主応答を含む、ウイルスベクター送達の危険を回避すると同時にデュシェンヌ型筋ジストロフィーのヒト化マウスモデルにおいてジストロフィン遺伝子を編集し、ジストロフィンを首尾よく回復させるための、非ウイルスCRISPR:Cas9をコードするmRNAおよび2種のgRNAを伴う、非ウイルス送達ビヒクルである脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子の成功した使用に関する。
【発明の概要】
【0005】
ある態様において、本開示は、DNA標的化システムを含む脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子に関する。DNA標的化システムは、少なくとも1種のgRNA分子、および/またはCas9タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含んでもよい。いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、筋細胞にDNA標的化システムを送達するためのものである。いくつかの実施形態において、少なくとも1種のgRNA分子は、変異ジストロフィン遺伝子のフラグメントを標的とする。
【0006】
ある態様において、本開示は、筋細胞にDNA標的化システムを送達するための脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子であって、DNA標的化システムは、変異ジストロフィン遺伝子のフラグメントを標的とする少なくとも1種のgRNA分子、および/またはCas9ヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチドを含む、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子に関する。
【0007】
いくつかの実施形態において、少なくとも1種のgRNA分子は、第1のgRNA分子および第2のgRNA分子を含む。いくつかの実施形態において、Cas9タンパク質またはヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチドはmRNAである。いくつかの実施形態において、第1のgRNA分子および第2のgRNA分子は、それぞれ標的化ドメインを含み、第1のgRNA分子は、配列番号1、配列番号3、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号37、配列番号41、配列番号83、もしくは配列番号110から選択されるヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含むポリヌクレオチドによってコードされるか、あるいは配列番号112~124から選択されるヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含み、第2のgRNA分子は、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号38、配列番号42、配列番号84、もしくは配列番号111から選択されるヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含むポリヌクレオチドによってコードされるか、あるいは配列番号125~134またはそのフラグメントもしくは相補鎖から選択されるヌクレオチド配列を含み、第1のgRNA分子および第2のgRNA分子は、異なる標的化ドメインを含む。いくつかの実施形態において、第1のgRNA分子は、配列番号110のヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含む標的化ドメインを含むか、あるいは配列番号124のヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含み、第2のgRNA分子は、配列番号111のヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含む標的化ドメインを含むか、あるいは配列番号134のヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1種のgRNAおよびCas9タンパク質またはヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチドは、同じ脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子中に封入される。いくつかの実施形態において、少なくとも1種のgRNAおよびCas9タンパク質またはヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチドはそれぞれ、別々の脂質ナノ粒子中に封入される。いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、固体脂質ナノ粒子(SLN)、ナノ構造脂質担体(NLC)、脂質・薬物複合(LDC)ナノ粒子、脂質ナノカプセル(LNC)、ポリマー脂質ハイブリッドナノ粒子(PLN)、および固体脂質マイクロ粒子(SLM)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、固体脂質ナノ粒子(SLN)である。いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、ナノ構造脂質担体(NLC)である。いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、脂質・薬物複合(LDC)ナノ粒子である。いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、脂質ナノカプセル(LNC)である。いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、ポリマー脂質ハイブリッドナノ粒子(PLN)である。いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、固体脂質マイクロ粒子(SLM)である。いくつかの実施形態において、少なくとも1種のgRNA分子は、変異ジストロフィン遺伝子のエクソン1~8、10、11、12、14、16~22、43~59、および61~66から選択されるエクソン、または変異ジストロフィン遺伝子のエクソン1~8、10、11、12、14、16~22、43~59、および61~66から選択されるエクソンと隣接するイントロンを標的とする。いくつかの実施形態において、DNA標的化システムは、野生型ジストロフィン遺伝子またはその機能的等価物のエクソンを含むドナー配列をさらに含み、エクソンは、野生型ジストロフィン遺伝子のエクソン1~8、10、11、12、14、16~22、43~59、および61~66から選択される。いくつかの実施形態において、少なくとも1種のgRNA分子は、ヒトジストロフィン遺伝子のエクソン51と隣接する2つのイントロンを標的とする。いくつかの実施形態において、DNA標的化システムは、ヒトジストロフィン遺伝子のエクソン51と隣接する第1のイントロンにおける第1の二本鎖切断およびヒトジストロフィン遺伝子のエクソン51と隣接する第2のイントロンにおける第2の二本鎖切断を誘導する。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、SpCas9またはSaCas9をコードする。いくつかの実施形態において、mRNAは、改変mRNAである。いくつかの実施形態において、改変mRNAは、N末端NLS、C末端NLS、HAタグ、およびウリジン置換から選択される1つまたは複数の改変を含む。いくつかの実施形態において、筋細胞は、骨格筋細胞、心筋細胞、および平滑筋細胞から選択される。
【0008】
別の態様において、本開示は、本明細書において詳述される脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子および薬学的に許容される担体を含む組成物に関する。
【0009】
本開示の別の態様は、対象におけるデュシェンヌ型筋ジストロフィーを処置する方法を提供する。本方法は、本明細書において詳述される脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子あるいは本明細書において詳述される組成物を対象に投与することを含んでもよい。いくつかの実施形態において、対象は、投与後にCas9タンパク質またはヌクレアーゼと交差反応性の液性応答を経験しないか、または限定された液性応答を経験する。いくつかの実施形態において、対象は、変異ジストロフィン遺伝子を含む。
【0010】
本開示の別の態様は、対象において変異ジストロフィン遺伝子をゲノム編集する方法を提供する。本方法は、本明細書において詳述される脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子あるいは本明細書において詳述される組成物を対象に投与することを含んでもよい。
【0011】
いくつかの実施形態において、変異ジストロフィン遺伝子は、未成熟終止コドン、破壊されたリーディングフレーム、異常なスプライスアクセプター部位、もしくは異常なスプライスドナー部位、またはその組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、変異ジストロフィン遺伝子は、未成熟終止コドンおよび切断型遺伝子産物の原因となるフレームシフト変異を含む。いくつかの実施形態において、変異ジストロフィン遺伝子は、リーディングフレームを破壊する1つまたは複数のエクソンの欠失を含む。いくつかの実施形態において、変異ジストロフィン遺伝子のゲノム編集は、未成熟終止コドンの除去、破壊されたリーディングフレームの修正、スプライスアクセプター部位の破壊によるスプライシングの調節、スプライスドナー配列の破壊によるスプライシングの調節、エクソン51の除去、またはその組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、変異ジストロフィン遺伝子は、相同組み換え修復によって編集される。いくつかの実施形態において、対象におけるジストロフィン発現は、編集後に少なくとも1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または少なくとも50%増加する。いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、誕生前または誕生の1~2日以内に対象に投与される。いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、筋肉内、静脈内、またはその組み合わせで対象に投与される。いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子もしくはマイクロ粒子または組成物の投与は、対象において機能的なジストロフィンタンパク質または部分的に機能的なジストロフィンタンパク質の発現をもたらす。
本開示の別の態様は、本明細書に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子を含むキットを提供する。
本開示は、以下の詳細な説明および添付の図面に照らして明白になるであろうその他の態様および実施形態を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】SpCas9抗体に対するELISAの結果を示す図であり、RNPの注射後にSpCas9酵素に対する液性応答を示すが、SpCas9をコードするmRNAに対しては示さないことを示す図である。
【
図2】mRNAの局所投与はhDMD/d52マウスからエクソン51を除去することができたが、RNPはできなかったことを示す図である。
【
図3】mRNAの局所投与によるエクソン51の除去がジストロフィンの発現を回復させることを示す図である。
【
図4】mRNA注射が強い液性応答につながらなかったことを示す図である。RNP投与は、局所および全身的注射の両方においてCas9抗体を上昇させた。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に記載されるとおり、特定のDNA標的化システムおよび方法が遺伝子の発現の改変、ゲノム操作、および遺伝子疾患に関与する遺伝子における変異の影響の修正または低減に効果的であることが発見された。CRISPR/Cas9ベースのシステムの脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子送達は、1種または複数種の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子中に封入されたCas9タンパク質をコードするmRNAおよび少なくとも1種のガイドRNAを伴う。特に、本開示は、1種または複数種の脂質ナノ粒子マイクロ粒子における送達のためのCRISPR/Cas9ベースのシステムのDNA配列標的化機能を組み合わせて、非ウイルス送達システムにより遺伝子発現および/またはエピジェネティクな状態の変更を可能にするDNA標的化システムを示す。本システムおよび方法は、ゲノム操作および遺伝子変異の影響の修正または低減にも使用することができる。
【0014】
1.定義
別に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術および科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、定義を含む本文書が優先されることになる。好ましい方法および材料が以下に示されるが、本明細書に記載されているものと同様または同等の方法および材料が本発明の実施または試験に使用されてもよい。本明細書において言及されるすべての公報、特許出願、特許およびその他の参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。本明細書中で開示されている材料、方法、および例は、説明のためのものに過ぎず、限定することは意図しない。
【0015】
「含む(comprise)」、「含む(include)」、「有すること(having)」、「有する(has)」、「できる(can)」、「含む(contain)」という用語、およびその変形は、本明細書中で使用される場合、追加の行為または構造の可能性を除外しない非限定的移行句、用語または語であることが意図される。単数形「1つの、ある(a)」、「および(and)」および「その(the)」は、文脈が明らかに別のことを規定していない限り複数の言及を含む。本開示は、明確に記載されているかどうかにかかわらず、本明細書において提示されている実施形態または要素を「含む」、それ「からなる」ならびに「基本的にそれからなる」他の実施形態も意図する。
本明細書中で使用される場合、単数形「1つの、ある(a、an)」および「その(the)」は、文脈が明らかに別のことを規定していない限り複数の指示対象を含む。このように、例えば、「あるイントロン(an intron)」の言及は、2つ以上のイントロンを含み、「ある細胞(a cell)」の言及は、複数のそのような細胞を含み、「その培養物(the culture)」の言及は、1つまたは複数の培養物および当業者に既知のその等価物などの言及を含む。本明細書において使用されるすべての技術および科学用語は、別に明記されない限り本発明が属する分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
本明細書における数値範囲の列挙に関して、同精度のその間にあるそれぞれの数が明確に意図される。例えば、6~9の範囲に対して、6および9に加えて数7および8が意図され、範囲6.0~7.0に対して、数6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、および7.0が明確に意図される。
【0016】
「アミノ酸」は、本明細書中で使用される場合、天然に存在するアミノ酸および非天然の合成アミノ酸、ならびに天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能するアミノ酸アナログおよびアミノ酸模倣物を指す。天然に存在するアミノ酸は、遺伝子コードによってコードされるものである。アミノ酸は、本明細書ではIUPAC-IUB Biochemical Nomenclature Commissionによって推奨されている一般的に知られているそれらの3文字記号または1文字記号のいずれかによって言及されてもよい。アミノ酸は、側鎖およびポリペプチド骨格部分を含む。
【0017】
「コード配列」または「コード核酸」は、本明細書中で使用される場合、タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸(RNAまたはDNA分子)を意味する。コード配列は、核酸が投与された個人または哺乳動物の細胞における発現を誘導することができるプロモーターおよびポリアデニル化シグナルを含む、調節エレメントと機能可能に連結された開始および終結シグナルをさらに含んでもよい。コード配列は、コドン最適化されてもよい。
【0018】
「相補鎖」または「相補的な」は、本明細書中で使用される場合、核酸を意味し、核酸分子のヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログ間のワトソン・クリック(例えば、A-T/UおよびC-G)またはフーグスティーン塩基対合を意味する場合がある。「相補性」は、互いに逆平行に整列させられたときに、それぞれの位置のヌクレオチド塩基が相補的になるような2つの核酸配列の間で共有される特性を指す。
【0019】
「対照」、「基準レベル」、および「基準」という用語は、本明細書中で同義に使用される。基準レベルは、所定の値または範囲であってもよく、これは、測定結果を評価するためのベンチマークとして利用される。「対照群」は、本明細書中で使用される場合、対照の対象の群を指す。所定のレベルは、対照群からのカットオフ値であってもよい。所定のレベルは、対照群からの平均であってもよい。カットオフ値(または所定のカットオフ値)は、適用的指標モデル(AIM)方法論によって決定されてもよい。カットオフ値(または所定のカットオフ値)は、患者群の生物学的サンプルからの受信者動作曲線(ROC)分析によって決定されてもよい。生物学分野において公知であるROC分析は、ある状態を別の状態と区別する試験の能力、例えば、CRCを有する患者を特定する際の各マーカーの性能を判断するための試験の能力の判定である。ROC分析の説明は、P.J. Heagerty et al. (Biometrics 2000, 56, 337-44)において提供されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。あるいは、カットオフ値は、患者群の生物学的サンプルの四分位分析によって決定されてもよい。例えば、カットオフ値は、25~75パーセンタイル範囲内の任意の値に対応する値、好ましくは、25パーセンタイル、50パーセンタイルまたは75パーセンタイル、より好ましくは、75パーセンタイルに対応する値を選択することによって決定されてもよい。そのような統計分析は、当該技術分野において既知の任意の方法を使用して実施されてもよく、(例えば、Analyse-it Software Ltd.、Leeds、UK;StataCorp LP、College Station、TX;SAS Institute Inc.、Cary、NC.の)任意の数の市販のソフトウェアパッケージにより実施することができる。標的またはタンパク質活性に関する健康または正常なレベルまたは範囲は、標準的な実務に従って定義されてもよい。対照は、本明細書において詳述されるアゴニストを用いない対象または細胞であってもよい。対照は、疾患状態がわかっている対象またはその対象からのサンプルであってもよい。対象、またはその対象からのサンプルは、健康、病的状態、処置に先立つ病的状態、処置中の病的状態、もしくは処置後の病的状態、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0020】
「修正すること」、「ゲノム編集すること」、および「回復させること」は、本明細書中で使用される場合、切断型タンパク質をコードするか、またはまったくタンパク質をコードしない変異遺伝子を、完全長の機能的なタンパク質発現または部分的な長さの機能的なタンパク質発現が得られるような変更を指す。変異遺伝子を修正することまたは回復させることは、相同組み換え修復(HDR)などの修復機構により変異がない遺伝子のコピーで変異を有する遺伝子の領域を置換することまたは変異遺伝子全体を置換することを含んでもよい。変異遺伝子を修正することまたは回復させることはまた、その後、非相同末端結合(NHEJ)を使用して修復される遺伝子に二本鎖切断を形成することによって未成熟終止コドン、異常なスプライスアクセプター部位または異常なスプライスドナー部位の原因となるフレームシフト変異を修復することも含んでもよい。NHEJは、修復の間に少なくとも1つの塩基対を付加または除去する場合もあり、これが、適切なリーディングフレームに戻し、未成熟終止コドンを除去する場合もある。変異遺伝子を修正することまたは回復させることはまた、異常なスプライスアクセプター部位またはスプライスドナー配列を破壊することも含んでもよい。変異遺伝子を修正することまたは回復させることはまた、2つのヌクレアーゼ標的部位の間のDNAを除去し、NHEJによってDNA切断を修復することによって適切なリーディングフレームに戻すために同じDNA鎖に対する2種のヌクレアーゼの同時作用により必須でない遺伝子セグメントを除去することも含んでもよい。
【0021】
本明細書中で同義に使用される「ドナーDNA」、「ドナー鋳型」、「ドナー配列」、および「修復鋳型」は、目的とする遺伝子の少なくとも一部を含む二本鎖のDNAフラグメントまたは分子を指す。ドナーDNAは、完全に機能的なタンパク質または部分的に機能的なタンパク質をコードする場合もある。ドナー配列は、タンパク質をコードする野生型配列のフラグメントを含んでもよい。いくつかの実施形態において、ドナー配列は、野生型ジストロフィン遺伝子のエクソンまたはその機能的等価物を含み、例えば、エクソンは、野生型ジストロフィン遺伝子のエクソン1~8、10、11、12、14、16~22、43~59、および61~66から選択される。
【0022】
本明細書中で同義に使用される「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」または「DMD」は、筋変性および最終的に死をもたらす劣性の致死性X連鎖障害を指す。DMDは、一般的な遺伝性単一遺伝子疾患であり、3500人に1人の男性に生じる。DMDは、ジストロフィン遺伝子中のナンセンス変異またはフレームシフト変異の原因となる遺伝性または自然突然変異の結果である。DMDの原因となるジストロフィン変異の大半は、リーディングフレームを破壊し、ジストロフィン遺伝子における未成熟な翻訳終結の原因となるエクソンの欠失である。DMD患者は、一般に小児期に自分を身体的に支える能力を失い、10代の間に段々と弱くなり、20代で死亡する。
【0023】
「ジストロフィン」は、本明細書中で使用される場合、細胞膜を通って筋線維の細胞骨格を周辺の細胞外基質と連結するタンパク質複合体の一部である棒状の細胞質タンパク質を指す。ジストロフィンは、筋細胞の完全性および機能の制御に関与する細胞膜のジストログリカン複合体に構造的安定性を与える。本明細書中で同義に使用されるジストロフィン遺伝子または「DMD遺伝子」は、遺伝子座Xp21にある2.2メガベースである。一次転写は、約2,400kbを示し、成熟mRNAは約14kbである。79のエクソンは、タンパク質をコードし、これは、3500アミノ酸長を超える。
「封入される」は、本明細書中で使用される場合、完全な封入、部分的な封入、または両方によりmRNAまたはgRNAを提供する脂質ナノ粒子を指す。ある実施形態において、核酸(例えば、mRNAまたはgRNA)は、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子中に完全に封入される。
【0024】
「エクソン51」は、本明細書中で使用される場合、ジストロフィン遺伝子のエクソン51を指す。エクソン51は、DMD患者においてフレームを破壊する欠失に高い頻度で隣接し、オリゴヌクレオチドベースのエクソンスキッピングに関する臨床試験において標的とされてきた。エクソン51スキッピング化合物エテプリルセンに関する臨床試験により、最近、48週にわたる顕著な機能的な恩恵が報告され、ベースラインと比較して平均47%ジストロフィン陽性線維であった。エクソン51における変異は、理想的にはNHEJベースのゲノム編集による永続的な修正が適している。
本明細書中で同義に使用される「フレームシフト」または「フレームシフト変異」は、1つまたは複数のヌクレオチドの付加または欠失がmRNAにおけるコドンのリーディングフレームのシフトを引き起こす遺伝子変異のタイプを指す。リーディングフレームのシフトは、タンパク質翻訳におけるアミノ酸配列の変更、例えば、ミスセンス変異または未成熟終止コドンなどにつながることがある。
【0025】
「機能的な」および「完全に機能的な」は、本明細書中で使用される場合、生物学的活性を有するタンパク質を示す。「機能性遺伝子」は、(完全または部分的に)機能的なタンパク質に翻訳されるmRNAに転写される遺伝子を指す。
「融合タンパク質」は、本明細書中で使用される場合、もともと別々のタンパク質をコードする2つ以上の遺伝子の連結により作り出されるキメラタンパク質を指す。融合遺伝子の翻訳は、元の各タンパク質由来の機能的特性を有する単一のポリペプチドをもたらす。
【0026】
「遺伝子コンストラクト」は、本明細書中で使用される場合、タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むDNAまたはRNA分子を指す。コード配列は、核酸分子が投与された個体の細胞において発現を誘導することができるプロモーターおよびポリアデニル化シグナルを含む、調節エレメントに機能可能に連結された開始および終結シグナルを含む。本明細書中で使用される場合、「発現可能な形態」という用語は、個体の細胞に存在する場合、コード配列が発現されるよう、タンパク質をコードするコード配列に機能可能に連結された必須の調節エレメントを含む遺伝子コンストラクトを指す。
「遺伝子疾患」は、本明細書中で使用される場合、ゲノムの1つまたは複数の異常、特に、誕生時からある状態が部分的または完全に、直接的または間接的に原因となる疾患を指す。異常は、変異、挿入または欠失である場合がある。異常は、遺伝子のコード配列またはその調節配列に影響を及ぼす場合もある。遺伝子疾患は、以下に限定されるものではないが、DMD、血友病、嚢胞性線維症、ハンチントン舞踏病、家族性高コレステロール血症(LDL受容体欠損)、肝芽腫、ウィルソン病、先天性肝性ポルフィリン症、肝代謝の遺伝性障害、レッシュ・ナイハン症候群、鎌状赤血球貧血、サラセミア、色素性乾皮症、ファンコニ貧血、網膜色素変性、毛細血管拡張性運動失調症、ブルーム症候群、網膜芽細胞腫、およびテイ・サックス病である場合もある。
【0027】
「ゲノム編集」または「遺伝子編集」は、本明細書中で使用される場合、遺伝子を変更することを指す。ゲノム編集は、変異遺伝子を修正することまたは回復させることを含んでもよい。ゲノム編集は、変異遺伝子または正常な遺伝子などの遺伝子をノックアウトすることを含んでもよい。ゲノム編集は、目的とする遺伝子を変更することによって疾患を処置するため、または筋肉修復を増大させるために使用されてもよい。いくつかの実施形態において、本明細書において詳述される組成物および方法は、生殖系列細胞でなく体細胞において使用するためのものである。
【0028】
2つ以上の核酸またはポリペプチド配列と関連した「同一の」または「同一性」は、本明細書中で使用される場合、配列が特定の領域にわたり同じである特定のパーセンテージの残基を有することを意味する。パーセンテージは、2つの配列を最適にアライメントし、特定の領域にわたり2つの配列を比較し、両配列において同一の残基が生じる位置の数を求めて、一致した位置の数を得、一致した位置の数を特定の領域にある位置の総数で割り、その結果に100を掛けて、配列同一性のパーセンテージを得ることによって算出されてもよい。2つの配列の長さが異なるか、またはアライメントが1つまたは複数の付着末端をもたらし、比較の特定の領域が単一の配列のみを含む場合、単一の配列の残基は、算出の分母に含まれるが、分子には含まれない。DNAおよびRNAを比較する場合、チミン(T)およびウラシル(U)は、同等と見なされてもよい。同一性は、手作業で行われてもよく、またはBLASTもしくはBLAST2.0などのコンピュータ配列アルゴリズムを使用して行われてもよい。
【0029】
「脂質ナノ粒子」または「LNP」は、本明細書中で使用される場合、脂質成分によって形成された、ナノメートル台(例えば、1~1,000nm)の少なくとも1つの寸法を有する粒子と定義される。LNPは、いくつかの実施形態において、治療用薬剤を封入する。治療用薬剤としては、以下に限定されるものではないが、核酸分子、化合物、ウイルス粒子、タンパク質、またはペプチドが挙げられる。一実施形態において、LNPは、1つまたは複数の核酸分子を封入する。「マイクロ粒子」という用語は、10nmから約200マイクロメートルの少なくとも1つの寸法を有する粒子を指す。
【0030】
「脂質」という用語は、脂肪酸の誘導体(例えば、エステル)であり、一般に水には不溶性であるが、多くの有機溶媒には可溶性であることを特徴とする有機化合物のグループを指す。脂質は、通常、以下の少なくとも3つのクラスに分けられる:(1)脂肪および油ならびにワックスを含む「単純脂質」;(2)リン脂質および糖脂質を含む「複合脂質」;ならびに(3)ステロイドなどの「誘導脂質」。本明細書中で使用される場合、「カチオン性脂質」という用語は、カチオン性であるか、またはpHが脂質のイオン化基のpKよりも低くなるとカチオン性になる(プロトン化される)が、高いpH値で段々に中性になる脂質を指す。pKより低いpH値では、その結果、脂質が負の電荷をもつ核酸と結合することができる。特定の実施形態において、カチオン性脂質は、pH低下時に正電荷を帯びる双性イオン性脂質を含む。
本明細書中で同義に使用される「変異遺伝子」または「変異した遺伝子」は、検出可能な変異が起きた遺伝子を指す。変異遺伝子は、遺伝子の正常な伝達および発現に影響を及ぼす遺伝物質の変化、例えば、喪失、増加,または交換が起こっている。「破壊された遺伝子」は、本明細書中で使用される場合、未成熟終止コドンの原因となる変異を有する変異遺伝子を指す。破壊された遺伝子産物は、完全長型の破壊されていない遺伝子産物と比較して切断されている。
【0031】
「非相同末端結合(NHEJ)経路」は、本明細書中で使用される場合、相同鋳型を必要とせずに切断末端を直接に連結することによってDNAの二本鎖切断を修復する経路を指す。NHEJによるDNA末端の鋳型非依存的な再連結は、DNA切断点にランダムな小さな挿入および小さな欠失(インデル)を組み込む確率的な誤りがちな修復プロセスである。この方法は、標的とする遺伝子配列のリーディングフレームを意図的に破壊、除去、または改変するために使用される場合もある。NHEJは、一般に修復を誘導するためにマイクロホモロジーと呼ばれる短い相同DNA配列を使用する。これらのマイクロホモロジーは、二本鎖切断の末端にある一本鎖オーバーハングに存在することが多い。オーバーハングが完全に適合する場合、NHEJは、通常、切断を正確に修復するが、ヌクレオチドの喪失につながる不正確な修復が起こる場合もあり、オーバーハングが適合しない場合がはるかに一般的である。
【0032】
「正常な遺伝子」は、本明細書中で使用される場合、遺伝物質の変化、例えば、喪失、増加、または交換が起こっていない遺伝子を指す。正常な遺伝子は、正常な遺伝子伝達および遺伝子発現を経る。
「ヌクレアーゼ媒介NHEJ」は、本明細書中で使用される場合、Cas9などのヌクレアーゼが二本鎖DNAを切断した後に開始されるNHEJを指す。
【0033】
「核酸」または「オリゴヌクレオチド」または「ポリヌクレオチド」は、本明細書中で使用される場合、一緒に共有結合した少なくとも2つのヌクレオチドを意味する。一本鎖の描写は、相補的な鎖の配列も定義する。このように、核酸は、描写される一本鎖の相補的な鎖も包含する。核酸の多くのバリアントが、所与の核酸と同じ目的のために使用されてもよい。したがって、核酸は、実質的に同一の核酸およびその相補鎖も包含する。一本鎖は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下において標的配列とハイブリダイズすることができるプローブを提供する。よって、核酸は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下においてハイブリダイズするプローブも包含する。核酸は、一本鎖または二本鎖であってもよく、あるいは二本鎖および一本鎖配列の両方の部分を含んでもよい。核酸は、DNA、ゲノムDNAおよびcDNAの両方、RNA、またはハイブリッドであってもよく、核酸は、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドの組み合わせ、ならびにウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、イソシトシンおよびイソグアニンを含む、塩基の組み合わせを含んでもよい。核酸は、化学合成法によって、または組み換え法によって得られてもよい。
【0034】
「オープンリーディングフレーム」は、開始コドンで始まり、終止コドンで終わるひと続きのコドンを指す。複数のエクソンを有する真核生物遺伝子において、イントロンが除去され、その後、エクソンが転写後に一緒に連結されて、タンパク質翻訳のための最終的なmRNAが得られる。オープンリーディングフレームは、連続的なひと続きのコドンであってもよい。いくつかの実施形態において、オープンリーディングフレームは、ゲノムDNAではなく、タンパク質の発現のためのスプライシングされたmRNAにのみ適用される。
「機能可能に連結された」は、本明細書中で使用される場合、遺伝子の発現が、遺伝子が空間的に接続されたプロモーターの制御下にあることを意味する。プロモーターは、その制御下にある遺伝子の5’(上流)または3’(下流)に配置されてもよい。プロモーターと遺伝子の間の距離は、当該プロモーターが由来する遺伝子において、当該プロモーターとその制御する遺伝子の間の距離とほぼ同じであってもよい。当該技術分野において知られているとおり、この距離の変動は、プロモーター機能を失うことなく適応され得る。
「部分的に機能的な」は、本明細書中で使用される場合、変異遺伝子によってコードされ、機能的なタンパク質よりも低いが、非機能的なタンパク質よりも高い生物学的活性を有するタンパク質を示す。
【0035】
「ペプチド」または「ポリペプチド」は、ペプチド結合によって連結された2つ以上のアミノ酸の連結された配列である。ポリペプチドは、天然、合成、もしくは改変または天然および合成の組み合わせであってもよい。ペプチドおよびポリペプチドは、結合タンパク質、受容体、および抗体などのタンパク質を含む。「ポリペプチド」、「タンパク質」、および「ペプチド」という用語は、本明細書では同義に使用される。「一次構造」は、特定のペプチドのアミノ酸配列を指す。「二次構造」は、ポリペプチド内で局所的に配列された三次元構造を指す。これらの構造は、ドメイン、例えば、酵素ドメイン、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、ポアドメイン、および細胞質テールドメインとして一般的に知られている。「ドメイン」は、ポリペプチドの小型単位を形成し、一般に15~350アミノ酸長である、ポリペプチドの一部である。例となるドメインとしては、酵素活性またはリガンド結合活性を有するドメインが挙げられる。典型的なドメインは、ひと続きのベータシートおよびアルファヘリックスなどのあまり組織化されていないセクションから構成される。「三次構造」は、ポリペプチドモノマーの完全な三次元構造を指す。「四次構造」は、独立した三次単位の非共有結合によって形成される三次元構造を指す。「モチーフ」は、ポリペプチド配列の一部であり、少なくとも2つのアミノ酸を含む。モチーフは、2~20、2~15、または2~10アミノ酸長であってもよい。いくつかの実施形態において、モチーフは、3、4、5、6、または7つの連続したアミノ酸を含む。ドメインは、一連の同じタイプのモチーフから構成されてもよい。
【0036】
本明細書中で同義に使用される「未成熟終止コドン」または「アウトオブフレーム終止コドン」は、野生型遺伝子では通常見られない場所に終止コドンをもたらすDNAの配列におけるナンセンス変異を指す。未成熟終止コドンは、切断されているか、またはタンパク質の完全長型版と比較して短いタンパク質をもたらす場合もある。
【0037】
「プロモーター」は、本明細書中で使用される場合は、細胞における核酸の発現を付与、活性化、または増強することができる合成または天然由来の分子を意味する。プロモーターは、その発現をさらに増強させるならびに/あるいは空間的な発現および/または時間的な発現を改変する1または複数種の特定の転写調節配列を含んでもよい。プロモーターは、転写の開始部位から数千塩基対ほどに位置してもよい遠位のエンハンサーまたは抑制エレメントも含んでもよい。プロモーターは、ウイルス、細菌、真菌、植物、昆虫、および動物を含むソース由来であってもよい。プロモーターは、発現が起こる細胞、組織もしくは臓器に対して、または発現が起こる発生段階に対して、または生理的ストレス、病原体、金属イオン、もしくは誘発剤などの外的刺激に応じて遺伝子成分の発現を構成的、または差別的に調節することができる。プロモーターの代表的な例としては、バクテリオファージT7プロモーター、バクテリオファージT3プロモーター、SP6プロモーター、lacオペレーター・プロモーター、tacプロモーター、SV40後期プロモーター、SV40初期プロモーター、RSV-LTRプロモーター、CMV IEプロモーター、SV40初期プロモーターまたはSV40後期プロモーター、およびCMV IEプロモーターが挙げられる。
【0038】
「組み換えの」という用語は、例えば、細胞、核酸、タンパク質、またはベクターに関して使用される場合、細胞、核酸、タンパク質、またはベクターが、異種核酸もしくはタンパク質の導入または天然の核酸またはタンパク質の変更によって改変されていること、あるいは細胞がそのように改変された細胞由来であることを示す。したがって、例えば、組み換え細胞は、細胞の天然の(天然に存在する)形態内では見られない遺伝子を発現するか、あるいは別の状況では普通もしくは異常に発現される、低発現の、またはまったく発現されない天然の遺伝子の第2のコピーを発現する。
【0039】
本明細書中で同義に使用される「反復可変二残基」または「RVD」は、TALE DNA結合ドメインの33~35のアミノ酸を含む(「RVDモジュール」としても知られている)DNA認識モチーフ内の1組の隣接するアミノ酸残基を指す。RVDは、RVDモジュールのヌクレオチド特異性を決定する。RVDモジュールは、RVDアレイをもたらすために組み合わされてもよい。「RVDアレイ長」は、本明細書中で使用される場合、TALENによって認識されるTALEN標的領域、すなわち、結合領域内のヌクレオチド配列の長さに相当するRVDモジュールの数を指す。
【0040】
「部位特異的ヌクレアーゼ」は、本明細書中で使用される場合、DNA配列を特異的に認識し、切断することができる酵素を指す。部位特異的ヌクレアーゼは、操作されてもよい。操作された部位特異的ヌクレアーゼの例としては、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、TALエフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、およびCRISPR/Cas9ベースのシステムが挙げられる。
【0041】
「対象」および「患者」は、本明細書中で使用される場合、同義に本明細書に記載の組成物または方法を望むか、またはそれを必要とする哺乳動物を含むが、これらに限定されないあらゆる脊椎動物を指す。対象は、ヒトまたは非ヒトであってもよい。対象は、脊椎動物であってもよい。対象は、哺乳動物であってもよい。哺乳動物は、霊長類または非霊長類であってもよい。哺乳動物は、例えば、ウシ、ブタ、ラクダ、ラマ、ハリネズミ、アリクイ、カモノハシ、ゾウ、アルパカ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、テンジクネズミ、ネコ、イヌ、ラット、およびマウスなどの非霊長類であってもよい。哺乳動物は、ヒトなどの霊長類であってもよい。哺乳動物は、例えば、サル、カニクイザル、アカゲザル、チンパンジー、ゴリラ、オラウータン、およびテナガザルなどの非ヒト霊長類であってもよい。対象は、例えば、成人、青年、0~2、2~4、2~6、もしくは6~12歳などの小児、または0~1歳などの乳児などのいかなる年齢あるいは発達の段階であってもよい。対象は、男性であってもよい。対象は、女性であってもよい。いくつかの実施形態において、対象は、特定の遺伝子マーカーを有する。対象は、他の形態の処置を受けていてもよい。
【0042】
「標的遺伝子」は、本明細書中で使用される場合、既知の遺伝子産物または推定される遺伝子産物をコードするあらゆるヌクレオチド配列を指す。標的遺伝子は、遺伝子疾患に関与する変異した遺伝子であってもよい。
「導入遺伝子」は、本明細書中で使用される場合、ある生物から単離され、異なる生物に導入される遺伝子配列を含む遺伝子または遺伝物質を指す。DNAのこの非天然セグメントは、トランスジェニック生物においてRNAまたはタンパク質を産生する能力を保持してもよく、あるいはトランスジェニック生物の遺伝子コードの通常の機能を改変してもよい。導入遺伝子の導入は、生物の表現型を変える可能性がある。
「転写調節エレメント」または「調節エレメント」は、核酸配列の発現を制御すること、例えば、発現を活性化する、促進、もしくは低減することができるか、または核酸配列の空間的および/または時間的な発現を改変することができる遺伝子エレメントを指す。調節エレメントの例としては、例えば、プロモーター、エンハンサー、スプライシングシグナル、ポリアデニル化シグナル、および終結シグナルが挙げられる。調節エレメントは、機能可能に連結される遺伝子に対して「内在性」、「外来性」または「異種」であってもよい。「内在性」調節エレメントは、ゲノムの所与の遺伝子ともともと連結されているものである。「外来性」または「異種」調節エレメントは、所与の遺伝子と通常連結されていないが、遺伝子操作によって遺伝子と機能可能な連結で配置されたものである。
【0043】
「処置」または「処置すること」または「治療」は、疾患からの対象の保護を言及する場合、疾患の進行を抑制すること、抑えること、逆行させること、軽減すること、回復させること、もしくは阻害すること、または疾患を完全に排除することを意味する。処置は、短期的または長期的な様式のいずれかで行われてもよい。この用語は、疾患による苦痛に先立って疾患またはそのような疾患と関連する症状の重症度を低減することも指す。処置は、疾患の症状の発生率、頻度、重症度、および/または期間を低減する場合もある。疾患を予防することは、疾患の発症前に本発明の組成物を対象に投与することを含む。疾患を抑制することは、疾患の誘導後であるが臨床的所見の前に本発明の組成物を対象に投与することを含む。疾患を抑えることまたは回復させることは、疾患の臨床的所見後に本発明の組成物を対象に投与することを含む。
【0044】
本明細書中で使用される場合、「遺伝子治療」という用語は、特定の遺伝子の活性および/または発現が調節されるよう、ポリペプチドまたは核酸配列が患者の細胞に導入される、患者を処置する方法を指す。特定の実施形態において、遺伝子の発現が抑制される。特定の実施形態において、遺伝子の発現が増強される。特定の実施形態において、遺伝子の発現の時間的または空間的パターンが調節される。
【0045】
ポリヌクレオチドに関して本明細書中で使用される「バリアント」は、(i)参照ヌクレオチド配列の一部もしくはフラグメント;(ii)参照ヌクレオチド配列の相補鎖もしくはその一部;(iii)参照核酸と実質的に同一の核酸もしくはその相補鎖;または(iv)ストリンジェントな条件下で参照核酸とハイブリダイズする核酸、その相補鎖、もしくはそれと実質的に同一の配列を意味する。
【0046】
アミノ酸の挿入、欠失、または保存的置換によってアミノ酸配列が異なるが、少なくとも1つの生物学的活性を保持するペプチドまたはポリペプチドに関する「バリアント」。バリアントは、少なくとも1つの生物学的活性を保持するアミノ酸配列を有する参照タンパク質と実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質を意味する場合もある。「生物学的活性」の代表的な例としては、特異抗体もしくはポリペプチドによって結合される能力または免疫応答を促進する能力が挙げられる。バリアントは、その機能的なフラグメントを意味する場合がある。バリアントは、ポリペプチドの複数のコピーを意味する場合もある。複数のコピーは、タンデムであっても、またはリンカーによって分離されていてもよい。アミノ酸の保存的置換、例えば、アミノ酸を類似の特性(例えば、親水性、荷電領域の程度および分布)の異なるアミノ酸で置換することは、一般に軽微な変化を伴うと当該技術分野において認識されている。これらの軽微な変化は、当該技術分野において理解されるとおり、アミノ酸の疎水性親水性指標を考慮することによって部分的に特定することができる(Kyte et al., J. Mol. Biol. 1982, 157, 105-132)。アミノ酸の疎水性親水性指標は、疎水性および電荷の考慮に基づく。類似の疎水性親水性指標のアミノ酸は、置換されてもよく、依然としてタンパク質機能を保持することが当該技術分野において知られている。一態様において、±2の疎水性親水性指標を有するアミノ酸は置換される。生物学的機能を保持するタンパク質をもたらすであろう置換を明らかにするために、アミノ酸の親水性も使用することができる。ペプチドと関連したアミノ酸の親水性の考慮は、そのペプチドの最大の局所的平均親水性の算出を可能にする。互いに±2内の親水性値を有するアミノ酸で置換が行われてもよい。アミノ酸の疎水性指標および親水性値の両方とも、そのアミノ酸の特定の側鎖の影響を受ける。その観察結果と一致して、生物学的機能と適合したアミノ酸置換は、疎水性、親水性、電荷、サイズ、およびその他の特性によって明らかにされるとおり、アミノ酸の相対的な類似性、特にそうしたアミノ酸の側鎖に依存することが理解される。
【0047】
本明細書において別に定義されていない限り、本開示に関連して使用される科学および技術用語は、当業者が一般的に理解する意味を有するものとする。例えば、本明細書に記載されている細胞および組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学ならびにタンパク質および核酸化学ならびにハイブリダイゼーションに関連して、ならびにそれらの技術に使用されるあらゆる専門語は、当該技術分野において周知であり、一般的に使用されるものである。用語の意味および範囲は明確であるべきであるが、あらゆる潜在的意味不確定の場合、本明細書において示される定義が、いかなる辞書または外部の定義よりも優先される。さらに、文脈によって別に必要とされない限り、単数形の用語は、複数を含むものとし、複数形の用語は、単数を含むものとする。
【0048】
2.ゲノム編集のためのDNA標的化システム
本発明は、ゲノム編集、ゲノム改変、または遺伝子発現の改変のためのDNA標的化システムを対象とする。好適な実施形態において、本発明は、ジストロフィン遺伝子(例えば、ヒトジストロフィン遺伝子)の編集、ゲノム改変、または遺伝子発現の改変のためのDNA標的化システムを対象とする。本DNA標的化システムは、遺伝子配列を標的とする少なくとも1種のgRNA分子および/またはCas9ヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチドを含む。本DNA標的化システムは、1または複数種の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子中に封入される。いくつかの実施形態において、DNA標的化システムのgRNAは、ヒトジストロフィン遺伝子のエクソン51の周辺のイントロン領域を標的とすることができ、DMD患者からの細胞における機能的なジストロフィンの発現を回復させるためにこの領域のゲノム欠失を引き起こす。
【0049】
3.ジストロフィン遺伝子
ジストロフィンは、細胞膜を通って筋線維の細胞骨格を周辺の細胞外基質と連結するタンパク質複合体の一部である棒状の細胞質タンパク質である。ジストロフィンは、細胞膜のジストログリカン複合体に構造的安定性をもたらす。ジストロフィン遺伝子は、遺伝子座Xp21にある2.2メガベースである。一次転写は、約2,400kbを示し、成熟mRNAは約14kbである。79のエクソンは、3500を超えるアミノ酸であるタンパク質をコードする。正常な骨格筋組織は、少量のジストロフィンしか含まないが、異常な発現によるその欠如は重い症状の発症につながる。ジストロフィン遺伝子におけるいくつかの変異は、罹患患者において欠陥があるジストロフィンの産生および重度のジストロフィー表現型をもたらす。ジストロフィン遺伝子におけるいくつかの変異は、罹患患者において部分的に機能的なジストロフィンタンパク質およびはるかに軽度のジストロフィー表現型をもたらす。
【0050】
DMDは、ジストロフィン遺伝子中のナンセンス変異またはフレームシフト変異の原因となる遺伝性または自然突然変異の結果である。DMDに関する天然に生じる変異およびその結果は、比較的よく理解されている。棒状ドメインに含まれるエクソン45~55領域(例えば、エクソン51)に生じるインフレーム欠失が極めて機能的なジストロフィンタンパク質をもたらし、多くのキャリアが無症状かまたは軽度の症状を示すことがわかっている。さらに、60%を超える患者が、ジストロフィン遺伝子のこの領域にあるエクソンを標的とすること(例えば、エクソン51を標的とすること)によって理論上処置できる。mRNAスプライシングの過程で必須でないエクソンをスキッピングすること(例えば、エクソン51スキッピング)によってDMD患者の破壊されたジストロフィンリーディングフレームを元に戻して、内部的に欠失しているが機能的なジストロフィンタンパク質を産生するための努力がなされてきた。内部のジストロフィンエクソンの欠失(例えば、エクソン51の欠失)は、適切なリーディングフレームを保持するが、重度の低いベッカー型筋ジストロフィー、すなわちBMDをもたらす。ベッカー型筋ジストロフィー、すなわちBMD、遺伝子型は、欠失がジストロフィン遺伝子に存在すると言う点でDMDと類似している。しかしながら、これらの欠失は、リーディングフレームを元のままにする。したがって、内部的に切断されるが部分的に機能的なジストロフィンタンパク質が作り出される。BMDは、幅広い表現型を有するが、欠失がジストロフィンのエクソン45~55の間にある場合、表現型は、DMDと比較してはるかに軽症であることが多い。したがって、DMD遺伝子型からBMD遺伝子型への変更は、ジストロフィンを修正するための一般的な戦略である。ジストロフィンを修正するために多くの方法が存在し、その多くが内在性ジストロフィンのリーディングフレームを元に戻すことによるものである。これにより、疾患遺伝子型がDMDからベッカー型筋ジストロフィーに変化する。多くのBMD患者は、翻訳リーディングフレームを保持する遺伝子内欠失を有し、短いがおおかた機能的なジストロフィンタンパク質をもたらす。
【0051】
特定の実施形態において、リーディングフレームを元に戻すためのエクソン51の改変(例えば、NHEJによる、例えば、エクソン51の欠失または除去)は、欠失変異を有するDMD対象を含む、表現型DMD対象を改善する。特定の実施形態において、ジストロフィン遺伝子のエクソン51は、そのジストロフィン遺伝子のエクソン51を指す。エクソン51は、DMD患者においてフレームを破壊する欠失に高い頻度で隣接し、オリゴヌクレオチドベースのエクソンスキッピングに関する臨床試験において標的とされてきた。エクソン51スキッピング化合物エテプリルセンに関する臨床試験により、48週にわたる顕著な機能的な恩恵が報告され、ベースラインと比較して平均47%ジストロフィン陽性線維であった。エクソン51における変異は、理想的にはNHEJベースのゲノム編集による永続的な修正が適している。
【0052】
したがって、本開示は、本明細書において詳述される脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子を含むDNA標的化システムを提供する。脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、ジストロフィン遺伝子、例えば、ヒトジストロフィン遺伝子において切断を生じるDNA標的化システムを輸送することができる。特定の実施形態において、DNA標的化システムは、ジストロフィン遺伝子の標的位置に隣接する2つのイントロン(第1のイントロンおよび第2のイントロン)に2つの二本鎖切断(第1の二本鎖切断および第2の二本鎖切断)を形成し、それによって、ジストロフィン標的位置を含むジストロフィン遺伝子のセグメントを欠失させるように構成される。ジストロフィンエクソンの標的位置の欠失は、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを患っている対象のジストロフィン配列を最適化することができ、例えば、コードされるジストロフィンタンパク質の機能もしくは活性を高めることができるか、または対象の疾患状態に改善をもたらすことができる。特定の実施形態において、ジストロフィンエクソンの標的位置の除去は、ジストロフィンリーディングフレームを元に戻す。ジストロフィンエクソンの標的位置は、ジストロフィン遺伝子の1つまたは複数のエクソンを含む場合がある。特定の実施形態において、ジストロフィン標的位置は、ジストロフィン遺伝子(例えば、ヒトジストロフィン遺伝子)のエクソン51を含む。
【0053】
本開示の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、ジストロフィン遺伝子(例えば、ヒトジストロフィン遺伝子)のエクソン51における極めて効率的な遺伝子編集を媒介することができる。本開示の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、DMD患者からの細胞においてジストロフィンタンパク質発現を回復させる。エクソン51は、DMDにおいてフレームを破壊する欠失に隣接することが多い。エクソンスキッピングによるジストロフィン転写物からのエクソン51の排除は、すべてのDMD患者のうちのおよそ15%を処置するために使用することができる。ジストロフィン変異のこのクラスは、理想的にはNHEJベースのゲノム編集およびHDRによる永続的な修正に適している。本明細書に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、ヒトジストロフィン遺伝子におけるエクソン51の標的改変のために開発された。本開示の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、ヒトDMD細胞に投与され、効率的な遺伝子改変および正しいリーディングフレームへの変換を媒介する。本発明のさまざまな態様において、ジストロフィン発現は、少なくとも1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または少なくとも50%増加する。
【0054】
4.CRISPRシステム
脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子を含む本開示のDNA標的化システムは、以下に限定されるものではないが、ジストロフィン遺伝子(例えば、ヒトジストロフィン遺伝子)を含む標的遺伝子に特異的なCRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムのための構成要素を提供することができる。本明細書中で同義に使用される「クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート」および「CRISPR」は、およそ40%の配列決定された細菌および 90%の配列決定された古細菌のゲノムに見られる複数の短いダイレクトリピートを含む遺伝子座を指す。CRISPRシステムは、ある形態の獲得免疫をもたらす侵入ファージおよびプラスミドに対する防御に関与する微生物ヌクレアーゼシステムである。微生物宿主におけるCRISPR遺伝子座は、CRISPR関連(Cas)遺伝子ならびにCRISPRが関係する核酸切断の特異性をプログラミングすることができる非コードRNAエレメントの組み合わせを含む。スペーサーと呼ばれる外来性DNAの短いセグメントは、CRISPRリピート間のゲノムに組み込まれ、曝露後の「メモリー」として働く。Cas9は、sgRNA(本明細書において同義に「gRNA」とも言及される)の3’末端と複合体を形成し、そのタンパク質・RNA対は、sgRNA配列の5’末端とプロトスペーサーとして知られている所定の20bpのDNA配列との間の相補的な塩基対合によってゲノム標的を認識する。この複合体は、crRNA内にコードされる領域を介して病原体DNAの相同遺伝子座、すなわち、病原体ゲノム内のプロトスペーサー、およびプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)に誘導する。非コードCRISPRアレイは、転写され、ダイレクトリピート内で切断されて個々のスペーサー配列を含む短いcrRNAにされ、これが、Casヌクレアーゼを標的部位(プロトスペーサー)に誘導される。発現されるsgRNAの20bpの認識配列を単に交換することによって、Cas9ヌクレアーゼを新しいゲノム標的に誘導することが可能である。CRISPRスペーサーは、真核微生物のRNAiと類似の様式で外来性遺伝子エレメントを認識し、発現停止させるために使用される。
【0055】
3つのクラスのCRISPRシステム(I、II、およびIII型エフェクターシステム)が知られている。II型エフェクターシステムは、dsDNAを切断するための1種のエフェクター酵素Cas9を使用して4つの連続したステップで標的とされるDNA二本鎖切断を行う。複合体として働く複数の別個のエフェクターを必要とするI型およびIII型エフェクターシステムと比較して、II型エフェクターシステムは真核細胞などの別の状況においても機能可能である。II型エフェクターシステムは、スペーサーを含むCRISPR遺伝子座から転写される長いpre-crRNA、Cas9タンパク質、およびpre-crRNAプロセシングに関与するtracrRNAからなる。tracrRNAは、pre-crRNAのスペーサーを分離するリピート領域とハイブリダイズし、それにより、内在性リボヌクレアーゼIIIによるdsRNA切断を開始する。この切断は、Cas9による各スペーサー内における第2の切断事象が続き、tracrRNAおよびCas9と結合したままの成熟crRNAを生成して、Cas9:crRNA・tracrRNA複合体を形成する。
【0056】
Cas9:crRNA・tracrRNA複合体はDNA二本鎖をほどき、切断のためにcrRNAと合う配列を探す。標的認識は、標的DNAにある「プロトスペーサー」配列とcrRNAにある残りのスペーサー配列との間の相補性の検出時に行われる。Cas9は、正しいプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)もプロトスペーサーの3’末端に存在する場合に、標的DNAの切断を媒介する。プロトスペーサー標的化に関して、配列は、DNA切断に必要とされるCas9ヌクレアーゼによって認識される短い配列であるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)が直後に続かなくてはならない。異なるII型システムは、異なるPAM要件を有する。化膿性連鎖球菌(S.pyogenes)CRISPRシステムは、RがAまたはGのいずれかである5’-NRG-3’としてこのCas9(SpCas9)に対するPAM配列を有する場合もあり、ヒト細胞におけるこのシステムの特異性を特徴づけた。本開示のDNA標的化システムの特有の能力は、1種のCas9タンパク質を2種以上のsgRNAと同時発現することによって同時に複数の異なるゲノム遺伝子座を標的とする直接的な能力である。例えば、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)II型システムは、もともと「N」が任意のヌクレオチドであり得る「NGG」配列を使用することを好むが、操作システムでは「NAG」などの他のPAM配列も受け入れる(Hsu et al., Nature Biotechnology (2013) doi:10.1038/nbt.2647)。同様に、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)由来のCas9(NmCas9)は、通常、NNNNGATTの天然のPAMを有するが、極めて変性したNNNNGNNN PAMを含むさまざまなPAMにわたり活性を有する(Esvelt et al. Nature Methods (2013) doi:10.1038/nmeth.2681)。
【0057】
黄色ブドウ球菌(S.aureus)のCas9分子は、配列モチーフNNGRR(R=AまたはG) (配列番号22)を認識し、その配列の上流の標的核酸配列1~10、例えば、3~5bpの切断を誘導する。特定の実施形態において、黄色ブドウ球菌のCas9分子は、配列モチーフNNGRRN(R=AまたはG)(配列番号23)を認識し、その配列の上流の標的核酸配列1~10、例えば、3~5bpの切断を誘導する。特定の実施形態において、黄色ブドウ球菌のCas9分子は、配列モチーフNNGRRT(R=AまたはG)(配列番号24)を認識し、その配列の上流の標的核酸配列1~10、例えば、3~5bpの切断を誘導する。特定の実施形態において、黄色ブドウ球菌のCas9分子は、配列モチーフNNGRRV(R=AまたはG)(配列番号25)を認識し、その配列の上流の標的核酸配列1~10、例えば、3~5bpの切断を誘導する。上記の実施形態において、Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、またはTのいずれかであってもよい。Cas9分子は、Cas9分子のPAM特異性を改変するために操作されてもよい。
【0058】
5.CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システム
化膿性連鎖球菌のII型エフェクターシステムの操作された形態は、ゲノム操作のためにヒト細胞において機能することが示された。このシステムにおいて、Cas9タンパク質は、合成的に再構成された「ガイドRNA」(「gRNA」はまた、短鎖キメラガイドRNA(「sgRNA」)と本明細書では同義に使用される)によってゲノム標的部位に誘導され、これは、リボヌクレアーゼIIIおよびcrRNAプロセシング全般を不要にするcrRNA・tracrRNA融合物である。ゲノム編集および遺伝子疾患の処置に使用するためのDNA標的化システムが本明細書において提供される。本開示のDNA標的化システムは、遺伝子疾患、加齢、組織再生、または創傷治癒に関与する遺伝子を含む任意の遺伝子を標的とするよう設計することができる。DNA標的化システムは、Cas9タンパク質またはCas9融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドおよび1または複数種のgRNAを含む。いくつかの実施形態において、Cas9タンパク質またはCas9融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、mRNAである。mRNAは、改変mRNAであってもよい。改変mRNAは、N末端NLS、C末端NLS、HAタグ、およびウリジン置換から選択される1つ以上の改変を含んでもよい。Cas9融合タンパク質は、例えば、Cas9に内在するものとは異なる活性を有するドメイン、例えばトランス活性化ドメインを含んでもよい。
【0059】
標的遺伝子(例えば、ジストロフィン遺伝子、例えば、ヒトジストロフィン遺伝子)は、細胞の分化もしくは遺伝子の活性化が望まれ得る任意の他のプロセスに関与する可能性があるか、またはフレームシフト変異もしくはナンセンス変異などの変異を有する可能性がある。標的遺伝子が未成熟終止コドン、異常なスプライスアクセプター部位または異常なスプライスドナー部位の原因となる変異を有する場合、DNA標的化システムは、未成熟終止コドン、異常なスプライスアクセプター部位または異常なスプライスドナー部位の上流または下流のヌクレオチド配列を認識し、結合するよう設計されてもよい。DNA標的化システムは、スプライスアクセプターおよびドナーを標的として、未成熟終止コドンのスキッピングを誘導するか、または破壊されたリーディングフレームを元に戻すことによって通常の遺伝子スプライシングを妨害するために使用されてもよい。DNA標的化システムは、ゲノムのタンパク質コード領域に対するオフターゲットの変化を媒介する場合も、またはしない場合もある。
【0060】
a.Cas9分子およびCas9融合タンパク質
本発明のDNA標的化システムは、Cas9タンパク質またはCas9融合タンパク質をコードするmRNAを含む。Cas9タンパク質は、核酸を切断するエンドヌクレアーゼであり、CRISPR遺伝子座によってコードされ、II型CRISPRシステムに関与する。Cas9タンパク質は、化膿性連鎖球菌、黄色ブドウ球菌(S.aureus)、アキドウォラクス・アウェナエ(Acidovorax avenae)、アクティノバキルルス・プレウロプネウモニアス(Actinobacillus pleuropneumonias)、アクティノバキルルス・スッキノゲネス(Actinobacillus succinogenes)、アクティノバキルルス・スイス(Actinobacillus suis)、アクチノミセス(Actinomyces)種、キュクリピルス・デニトゥリフィカンス(cycliphilus denitrificans)、アミノモナス・パウキウォランス(Aminomonas paucivorans)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・スミシイ(Bacillus smithii)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バクテロイデス(Bacteroides)種、ブラストピレルラ・マリナ(Blastopirellula marina)、ブラディリゾビウム(Bradyrhizobium)種、ブレビバチルス・ラテロスポラス(Brevibacillus laterosporus)、カンピロバクター・コリ(Campylobacter coli)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、カンピロバクター・ラリ(Campylobacter lari)、カンディダトゥス・プニケイスピリルルム(Candidatus Puniceispirillum)、クロストリジウム・セルロリティカム(Clostridium cellulolyticum)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、コリネバクテリウム・アクコレンス(Corynebacterium accolens)、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheria)、コリネバクテリウム・マトルコティイ(Corynebacterium matruchotii)、ディノロセオバクター・シバエ(Dinoroseobacter shibae)、ユウバクテリウム・ドリクム(Eubacterium dolichum)、ガムマ・プロテオバクテリウム(gamma proteobacterium)、グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィクス(Gluconacetobacter diazotrophicus)、パラインフルエンザ菌(Haemophilus parainfluenzae)、ヘモフィラス・スプトラム(Haemophilus sputorum)、ヘリコバクター・カナデンシス(Helicobacter canadensis)、ヘリコバクター・シナエディ(Helicobacter cinaedi)、ヘリコバクター・ムステラエ(Helicobacter mustelae)、イリオバクター・ポリトロパス(Ilyobacter polytropus)、キンゲラ・キンガエ(Kingella kingae)、ラクトバチルス・クリスパータス(Lactobacillus crispatus)、リステリア・イバノビイ(Listeria ivanovii)、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、リステリア科細菌、メチロシスティス(Methylocystis)種、メチロシナス・トリコスポリウム(Methylosinus trichosporium)、モビルンカス・ムリエリス(Mobiluncus mulieris)、ナイセリア・バキルリフォルミス(Neisseria bacilliformis)、ナイセリア・シネレア(Neisseria cinerea)、ナイセリア・フラベッセンス(Neisseria flavescens)、ナイセリア・ラクタミカ(Neisseria lactamica)、ナイセリア(Neisseria)種、ナイセリア・ワズワーシイ(Neisseria wadsworthii)、ニトロソモナス(Nitrosomonas)種、パルビバクラム・ラバメンティボランス(Parvibaculum lavamentivorans)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)、ラルストニア・シジジイ(Ralstonia syzygii)、ロドシュードモナス・パルストリス(Rhodopseudomonas palustris)、ロドブラム(Rhodovulum)種、シモンシエラ・ムエレリ(Simonsiella muelleri)、スフィンゴモナス(Sphingomonas)種、スポロラクトバチルス・ウィネアエ(Sporolactobacillus vineae)、スタフィロコッカス・ルグドゥネンシス(Staphylococcus lugdunensis)、ストレプトコッカス(Streptococcus)種、サブドリグラヌルム(Subdoligranulum)種、ティストレラ・モビリス(Tistrella mobilis)、トレポネーマ(Treponema)種、またはウェルミネプロバクテル・エイスェニアエ(Verminephrobacter eiseniae)を含むが、これらに限定されるものではない任意の細菌または古細菌種由来であってもよい。特定の実施形態において、Cas9分子は、(本明細書において「SpCas9」としても言及される)化膿性連鎖球菌Cas9分子である。特定の実施形態において、Cas9分子は、(本明細書において「SaCas9」としても言及される)黄色ブドウ球菌Cas9分子である。いくつかの実施形態において、Cas9分子は、変異Cas9分子である。Cas9タンパク質は、ヌクレアーゼ活性が不活性化されるよう変異していてもよい。いくつかの実施形態において、Cas9分子は、エンドヌクレアーゼ活性を有さない非活性化または不活性化Cas9タンパク質(dCas9またはiCas9)である。ヌクレアーゼ活性を不活性化するための化膿性連鎖球菌Cas9配列に関する例となる変異としては、D10A、E762A、H840A、N854A、N863Aおよび/またはD986Aが挙げられる。ヌクレアーゼ活性を不活性化する黄色ブドウ球菌Cas9配列に関する例となる変異としては、D10AおよびN580Aが挙げられる。
【0061】
Cas9分子をコードするmRNAは、合成核酸配列であってもよい。例えば、合成核酸分子は、化学的に改変されてもよい。合成核酸配列は、コドン最適化されてもよく、例えば、少なくとも1つの一般的でないコドンまたはあまり一般的でないコドンが一般的なコドンによって置換されている。例えば、合成核酸は、最適化された、例えば、本明細書に記載されている哺乳動物発現系における発現のために最適化されたメッセンジャーmRNAの合成を誘導することができる。本発明のさまざまな実施形態では、対象への投与後にCas9に対して交差反応性の液性応答が限定されているか、またはそれがない。
【0062】
さらにまたは代わりに、Cas9分子またはCas9ポリペプチドをコードするmRNAは、改変mRNAである。一実施形態において、Cas9分子またはCas9ポリペプチドをコードするmRNAは、核局在化配列(NLS)を含んでもよい。核局在化配列は、当該技術分野において知られている。NLSは、N末端NLSまたはC末端NLSであってもよい。Cas9分子またはCas9ポリペプチドをコードするmRNAは、HAタグまたはウリジン置換を含むが、これらに限定されるものではないその他の改変を含んでもよい。
【0063】
さらにまたは代わりに、DNA標的化システムは、融合タンパク質を含んでもよい。融合タンパク質は、2つの異種ポリペプチドドメインを含んでもよく、第1のポリペプチドドメインは、Casタンパク質を含み、第2のポリペプチドドメインは、転写活性化活性、転写抑制活性、転写放出因子活性、ヒストン修飾活性、ヌクレアーゼ活性、核酸結合活性、メチラーゼ活性、またはデメチラーゼ活性などの活性を有する。融合タンパク質は、転写活性化活性、転写抑制活性、転写放出因子活性、ヒストン修飾活性、ヌクレアーゼ活性、核酸結合活性、メチラーゼ活性、もしくはデメチラーゼ活性などの活性を有する第2のポリペプチドドメインと融合したCas9タンパク質または変異Cas9タンパク質を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチドドメインは、VP16タンパク質、複数のVP16タンパク質、例えば、VP48ドメインもしくはVP64ドメイン、NFカッパB転写活性化因子活性のp65ドメイン、p300、例えば、完全なp300もしくはp300コア、KRAB、および/またはTet1を含む。
【0064】
b.ジストロフィン遺伝子を標的とするgRNA
DNA標的化システムは、1または複数種のgRNA分子を含む。一実施形態において、本システムは、少なくとも1種のgRNA分子を含む。gRNAは、システムの標的化をもたらす。gRNAは、2種の非コードRNA:crRNAおよびtracrRNAの融合物である。sgRNAは、所望のDNA標的との相補的な塩基対合により標的特異性を与える20bpのプロトスペーサーをコードする配列を交換することによって任意の所望のDNA配列を標的とすることができる。gRNAは、II型エフェクターシステムに関与する天然に存在するcrRNA:tracrRNA二本鎖を模倣する。例えば、42ヌクレオチドのcrRNAおよび75ヌクレオチドのtracrRNAを含んでもよい、この二本鎖は、標的核酸を切断するCas9のためのガイドとして働く。本明細書中で同義に使用される「標的領域」、「標的配列」または「プロトスペーサー」は、システムが標的とする標的遺伝子(例えば、ジストロフィン遺伝子)の領域を指す。DNA標的化システムは、少なくとも1種のgRNAを含んでもよく、gRNAはさまざまなDNA配列を標的とする。標的DNA配列は、重なってもよい。標的配列またはプロトスペーサーには、プロトスペーサーの3’末端にあるPAM配列が続く。異なるII型システムは、異なるPAM要件を有する。例えば、化膿性連鎖球菌II型システムは、「N」が任意のヌクレオチドであってもよい「NGG」配列を使用する。いくつかの実施形態において、PAM配列は、「N」が任意のヌクレオチドであってもよい、「NGG」であってもよい。いくつかの実施形態において、PAM配列は、NNGRRT(配列番号24)またはNNGRRV(配列番号25)であってもよい。
【0065】
本開示のDNA標的化システムによってコードされるgRNA分子の数は、1個のgRNA、少なくとも2個の異なるgRNA、少なくとも3個の異なるgRNA、少なくとも4個の異なるgRNA、少なくとも5個の異なるgRNA、少なくとも6個の異なるgRNA、少なくとも7個の異なるgRNA、少なくとも8個の異なるgRNA、少なくとも9個の異なるgRNA、少なくとも10個の異なるgRNA、少なくとも11個の異なるgRNA、少なくとも12個の異なるgRNA、少なくとも13個の異なるgRNA、少なくとも14個の異なるgRNA、少なくとも15個の異なるgRNA、少なくとも16個の異なるgRNA、少なくとも17個の異なるgRNA、少なくとも18個の異なるgRNA、少なくとも18個の異なるgRNA、少なくとも20個の異なるgRNA、少なくとも25個の異なるgRNA、少なくとも30個の異なるgRNA、少なくとも35個の異なるgRNA、少なくとも40個の異なるgRNA、少なくとも45個の異なるgRNA、または少なくとも50個の異なるgRNAであってもよい。特定の実施形態において、DNA標的化システムは、2種のgRNA分子、すなわち、第1のgRNA分子および第2のgRNA分子をコードする。
【0066】
gRNA分子は、PAM配列が後に続く標的DNA配列の相補的なポリヌクレオチド配列である標的化ドメインを含む。gRNAは、標的化ドメインの5’末端に「G」または相補的なポリヌクレオチド配列を含んでもよい。gRNA分子の標的化ドメインは、少なくとも10塩基対、少なくとも11塩基対、少なくとも12塩基対、少なくとも13塩基対、少なくとも14塩基対、少なくとも15塩基対、少なくとも16塩基対、少なくとも17塩基対、少なくとも18塩基対、少なくとも19塩基対、少なくとも20塩基対、少なくとも21塩基対、少なくとも22塩基対、少なくとも23塩基対、少なくとも24塩基対、少なくとも25塩基対、少なくとも30塩基対、または少なくとも35塩基対のPAM配列が後に続く標的DNA配列の相補的なポリヌクレオチド配列を含んでもよい。特定の実施形態において、gRNA分子の標的化ドメインは、19~25ヌクレオチド長である。特定の実施形態において、gRNA分子の標的化ドメインは、20ヌクレオチド長である。特定の実施形態において、gRNA分子の標的化ドメインは、21ヌクレオチド長である。特定の実施形態において、gRNA分子の標的化ドメインは、22ヌクレオチド長である。特定の実施形態において、gRNA分子の標的化ドメインは、23ヌクレオチド長である。
【0067】
gRNAは、ジストロフィン遺伝子(DMD)の領域を標的としてもよい。特定の実施形態において、gRNAは、ジストロフィン遺伝子のエクソン、イントロン、プロモーター領域、エンハンサー領域、および/または転写領域のうちの少なくとも1つを標的としてもよい。いくつかの実施形態において、gRNAは、ジストロフィン遺伝子のエクソン2、3、4、5、6、7、8、11、12、17、18、19、20、21、22、23、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、61、62、63、66、または75のうちの少なくとも1つ以上を標的とする。いくつかの実施形態において、gRNAは、ジストロフィン遺伝子のエクソン3、4、5、51、45、53、44、46、52、50、43、8、55、2、17、7、18、21、20、12、22、19、54、59、56、11、6、57、61、66、63、62、58、または75と隣接するイントロンのうちの少なくとも1つ以上を標的とする。いくつかの実施形態において、gRNAは、ジストロフィン遺伝子のエクソン43、44、45,46、47、48、49、50、51、52、53、54、または55のうちの少なくとも1つ以上を標的とする。いくつかの実施形態において、gRNAは、ジストロフィン遺伝子のエクソン3、4、5、43、44、45,46、47、48、49、50、51、52、53、54、または55と隣接するイントロンのうちの少なくとも1つ以上を標的とする。いくつかの実施形態において、gRNAは、ジストロフィン遺伝子のエクソン23、エクソン45、エクソン50、エクソン51、エクソン45~55、エクソン52~53、およびエクソン53のうちの1つまたは複数を標的とする。いくつかの実施形態において、ガイドRNAは、ジストロフィン遺伝子のエクソン45~55ホットスポットを標的とする。特定の実施形態において、gRNA分子は、ヒトジストロフィン遺伝子のイントロン50を標的とする。特定の実施形態において、gRNA分子は、ヒトジストロフィン遺伝子のイントロン51を標的とする。特定の実施形態において、gRNA分子は、ヒトジストロフィン遺伝子のエクソン51を標的とする。gRNAは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号37、配列番号38、配列番号41、配列番号42、配列番号83、配列番号84、配列番号110、配列番号111に示されるヌクレオチド配列、またはその相補鎖もしくはフラグメントを含む標的化ドメインを含んでもよい。フラグメントは、参照配列の任意の短いセグメントである。フラグメントは、例えば、参照配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15ヌクレオチド短くてもよい。いくつかの実施形態において、gRNAは、配列番号1~19、37~38、41~42、83~84、110~111から選択されるポリヌクレオチド、またはそのフラグメントもしくは相補鎖によってコードされる。いくつかの実施形態において、gRNAは、配列番号112~134から選択されるポリヌクレオチド、またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含む。いくつかの実施形態において、第1のgRNAは、配列番号1、3、7~15、37、41、83、および110から選択されるポリヌクレオチド、またはそのフラグメントもしくは相補鎖によってコードされ、第2のgRNAは、配列番号2、4~6、16~19、38、42、84、および111から選択されるポリヌクレオチド、またはそのフラグメントもしくは相補鎖によってコードされる。いくつかの実施形態において、第1のgRNAは、配列番号112~124から選択されるポリヌクレオチド、またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含み、第2のgRNAは、配列番号125~134から選択されるポリヌクレオチド、またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1種のgRNA分子は、変異ジストロフィン遺伝子のエクソン1~8、10、11、12、14、16~22、43~59、および61~66から選択されるエクソン、または変異ジストロフィン遺伝子のエクソン1~8、10、11、12、14、16~22、43~59、および61~66から選択されるエクソンと隣接するイントロンを標的とする。
【0068】
単一gRNAまたは多重gRNAは、エクソン51にある変異ホットスポットを標的とすること、またはおよびエクソン内の小さな挿入および欠失、またはエクソン51の除去のいずれかを取り入れることによってジストロフィンリーディングフレームを元に戻すよう設計することができる。一実施形態において、第1のgRNAは、GATTGGCTTTGATTTCCCTA(配列番号110)を含み、第2のgRNAは、エクソン51を標的とするGCAGTTGCCTAAGAACTGGT(配列番号111)を含む。本開示のDNA標的化システムによる処置後、インビトロでデュシェンヌ患者筋細胞においてジストロフィン発現を回復させることができる。
【0069】
6.脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子
本開示のDNA標的化システムは、1種以上の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子中に封入されてもよい。
脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、一般にイオン化可能なカチオン性脂質ならびに3種以上の追加の構成成分、一般にコレステロール、DOPEおよび脂質を含むポリエチレングリコール(PEG)から構成される。カチオン性脂質は、正の電荷をもつ核酸(gRNAまたはmRNA)と結合して、核酸を分解から保護する高密度の複合体を形成することができる。構成成分は、自己集合して、1~1,000nMのサイズ範囲の粒子を形成し、その中で、gRNAおよび/またはポリヌクレオチドがカチオン性脂質と複合体を形成し、脂質二重層様構造で取り囲まれたコア中に封入される。対象への注射後、こうした粒子は、細胞に吸収され、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子が核酸を細胞質に送達する。したがって、1または複数種のgRNAおよびCas9をコードするポリヌクレオチドの脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子封入は、両構成成分を細胞に効率的に送達するために使用することができる。Cas9ポリヌクレオチドは、その後、Cas9タンパク質に翻訳され、同じ、または異なる脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子によって細胞に輸送されたgRNAと複合体を形成することができる。いくつかの実施形態において、Cas9タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、Cas9タンパク質/gRNA複合体の核への移行を促進する核局在化シグナルを含む。あるいは、少なくとも1種のgRNAが核膜孔複合体を通過し、核内でCas9タンパク質と複合体を形成する場合もある。核内でgRNA/Cas9複合体が相同標的部位に関してゲノムを調べたら、ゲノムの所望の標的部位に選択的に二本鎖切断を形成する。
【0070】
さまざまな実施形態において、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、固体脂質ナノ粒子(SLN)、ナノ構造脂質担体(NLC)、脂質・薬物複合(LDC)ナノ粒子、脂質ナノカプセル(LNC)、ポリマー脂質ハイブリッドナノ粒子(PLN)、または固体脂質マイクロ粒子(SLM)である。
DNA標的化システムの各種実施形態によると、本発明のgRNAおよびポリヌクレオチドは、同じ脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子中に封入されてもよく、あるいはgRNAおよびポリヌクレオチドは、それぞれ別々の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子中に封入されてもよい。したがって、DNA標的化システムは、本発明の核酸の送達のための1種以上の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子を含んでもよい。
【0071】
さまざまな実施形態において、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、約30nm~約150nm、約40nm~約150nm、約50nm~約150nm、約60nm~約130nm、約70nm~約110nm、約70nm~約100nm、約80nm~約100nm、約90nm~約100nm、約70~約90nm、約80nm~約90nm、約70nm~約80nm、または約30nm、35nm、40nm、45nm、50nm、55nm、60nm、65nm、70nm、75nm、80nm、85nm、90nm、95nm、100nm、105nm、110nm、115nm、120nm、125nm、130nm、135nm、140nm、145nm、もしくは150nmの平均径を有し、実質的に非毒性である。特定の実施形態において、脂質ナノ粒子中に存在する場合、核酸は、ヌクレアーゼによる分解に対して水溶液中で抵抗性である。
【0072】
いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、カチオン性脂質を含む。本明細書中で使用される場合、「カチオン性脂質」という用語は、カチオン性であるか、またはpHが脂質のイオン化基のpKよりも低くなるとカチオン性になる(プロトン化される)が、高いpH値で段々に中性になる脂質を指す。pKより低いpH値では、その結果、脂質が負の電荷をもつ核酸と結合することができる。特定の実施形態において、カチオン性脂質は、pH低下時に正電荷を帯びる双性イオン性脂質を含む。
【0073】
特定の実施形態において、カチオン性脂質は、生理的なpHなどの選択的なpHで正味の正電荷をもつ任意の多くの脂質種を含む。そのような脂質としては、N,N-ジオレイル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC);N-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA);N,N-ジステアリル-N,N-ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB);N-(2,3ジオレオイルオキシ)プロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTAP);3-(N--(N’,N’ジメチルアミノエタン)-カルバモイル)コレステロール(DC-Chol)、N-(1-(2,3-ジオレオイルオキシ)プロピル)N-2-(スペルミンカルボキサミド)エチル)-N,N-ジメチル-アンモニウムトリフルオロアセタート(trifluoracetate)(DOSPA)、ジオクタデシルアミドグリシルカルボキシスペルミン(DOGS)、1,2-ジオレオイル-3-ジメチルアンモニウムプロパン(DODAP)、N,N-ジメチル-2,3-ジオレオイルオキシ)プロピルアミン(DODMA)、およびN-(1,2ジミリスチルオキシプロプ-3-イル)-N,N-ジメチル-N-ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DMRIE)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0074】
さらに、本発明に使用可能なカチオン性脂質の多くの市販の調製物が入手可能である。これらとしては、例えば、LIPOFECTIN(DOTMAおよび1,2-ジオレオイル-sn-3ホスホエタノールアミン(DOPE)を含む市販のカチオン性リポソーム、GIBCO/BRL、Grand Island、N.Y.);LIPOFECTAMINE(N-(1-(2,3ジオレイルオキシ)プロピル)-N-(2-(スペルミンカルボキサミド)エチル)-N,N-ジメチル-アンモニウムトリフルオロアセタート(DOSPA)および(DOPE)を含む市販のカチオン性リポソーム、GIBCO/BRL);およびTRANSFECTAM(エタノール中のジオクタデシルアミドグリシルカルボキシスペルミン(DOGS)を含む市販のカチオン性脂質、Promega Corp.、Madison、Wis.)が挙げられる。以下の脂質は、カチオン性であり、生理的なpH未満で正電荷を有する:DODAP、DODMA、DMDMA、1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、1,2-ジリノレニルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLenDMA)。
【0075】
いくつかの実施形態において、カチオン性脂質は、アミノ脂質である。本発明に有用な適したアミノ脂質としては、参照によってその全体が本明細書に組み込まれるWO2012/016184に記載されているものが挙げられる。代表的なアミノ脂質としては、1,2-ジリノレイルオキシ(dilinoleyoxy)-3-(ジメチルアミノ)アセトキシプロパン(DLin-DAC)、1,2-ジリノレイルオキシ(dilinoleyoxy)-3モルホリノプロパン(DLin-MA)、1,2-ジリノレオイル-3-ジメチルアミノプロパン(DLinDAP)、1,2-ジリノレイルチオ-3-ジメチルアミノプロパン(DLin-S-DMA)、1-リノレオイル-2-リノレイルオキシ-3ジメチルアミノプロパン(DLin-2-DMAP)、1,2-ジリノレイルオキシ-3-トリメチルアミノプロパンクロリド塩(DLin-TMA.Cl)、1,2-ジリノレオイル-3-トリメチルアミノプロパンクロリド塩(DLin-TAP.Cl)、1,2-ジリノレイルオキシ-3-(N-メチルピペラジノ)プロパン(DLin-MPZ)、3-(N,Nジリノレイルアミノ)-1,2-プロパンジオール(DLinAP)、3-(N,N-ジオレイルアミノ)-1,2-プロパンジオール(DOAP)、1,2-ジリノレイルオキソ-3-(2-N,N-ジメチルアミノ)エトキシプロパン(DLin-EG-DMA)、および2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノメチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-K-DMA)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0076】
7.DNA標的化組成物
本発明はまた、そのようなDNA標的化システムを含むDNA標的化組成物も対象とする。DNA標的化組成物は、目的とする遺伝子を標的とする少なくとも1種のgRNAを含む。目的とする遺伝子は、例えば、上記のとおりのジストロフィン遺伝子(例えば、ヒトジストロフィン遺伝子)であってもよい。少なくとも1種のgRNA分子は、標的領域と結合し、認識することができる。標的領域は、修復プロセス中の挿入または欠失がフレーム変換によってジストロフィンリーディングフレームを元に戻すよう、可能性のあるアウトオブフレーム終止コドンのすぐ上流に選択される場合がある。標的領域はまた、修復プロセス中の挿入または欠失がスプライス部位破壊およびエクソン排除によってスプライシングを乱し、ジストロフィンリーディングフレームを元に戻すよう、スプライスアクセプター部位またはスプライスドナー部位である場合もある。標的領域はまた、修復プロセス中の挿入または欠失が終止コドンを排除または破壊することによってジストロフィンリーディングフレームを元に戻すよう異常な終止コドンである場合もある。
【0077】
特定の実施形態において、DNA標的化システムを含む本開示の組成物は、第1のgRNAおよび第2のgRNAを含み、第1のgRNA分子および第2のgRNA分子は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号110、配列番号111に示されるヌクレオチド配列、またはその相補鎖を含む標的化ドメインを含む。特定の実施形態において、第1のgRNA分子および第2のgRNA分子は、異なる標的化ドメインを含む。特定の実施形態において、第1のgRNA分子は、配列番号1、配列番号3、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、または配列番号110の核酸配列を含み、第2のgRNA分子は、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19または配列番号111の核酸配列を含む。特定の実施形態において、第1のgRNA分子は、配列番号1、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、および配列番号110からなる群から選択され、第2のgRNA分子は、配列番号2、配列番号4、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、および配列番号111からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、gRNAは、配列番号1~19、37~38、41~42、83~84、110~111から選択されるポリヌクレオチド、またはそのフラグメントもしくは相補鎖によってコードされる。いくつかの実施形態において、gRNAは、配列番号112~134から選択されるポリヌクレオチド、またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含む。いくつかの実施形態において、第1のgRNAは、配列番号1、3、7~15、37、41、83、および110から選択されるポリヌクレオチド、またはそのフラグメントもしくは相補鎖によってコードされ、第2のgRNAは、配列番号2、4~6、16~19、38、42、84、および111から選択されるポリヌクレオチド、またはそのフラグメントもしくは相補鎖によってコードされる。いくつかの実施形態において、第1のgRNAは、配列番号112~124から選択されるポリヌクレオチド、またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含み、第2のgRNAは、配列番号125~134から選択されるポリヌクレオチド、またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含む。
【0078】
特定の実施形態において、第1のgRNA分子および第2のgRNA分子は、以下からなる群から選択される:(i)配列番号1に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第1のgRNA分子、および配列番号2に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第2のgRNA分子;(ii)配列番号11に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第1のgRNA分子、および配列番号4に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第2のgRNA分子;(iii)配列番号15に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第1のgRNA分子、および配列番号19に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第2のgRNA分子;(iv)配列番号15に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第1のgRNA分子、および配列番号18に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第2のgRNA分子;(v)配列番号15に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第1のgRNA分子、および配列番号4に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第2のgRNA分子;(vi)配列番号14に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第1のgRNA分子、および配列番号19に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第2のgRNA分子;(vii)配列番号14に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第1のgRNA分子、および配列番号18に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第2のgRNA分子;(viii)配列番号14に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第1のgRNA分子、および配列番号4に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第2のgRNA分子;(ix)配列番号11に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第1のgRNA分子、および配列番号19に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第2のgRNA分子;(x)配列番号14に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第1のgRNA分子、および配列番号15に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第2のgRNA分子;(xi)配列番号11に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第1のgRNA分子、および配列番号18に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第2のgRNA分子;(xii)配列番号41に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第1のgRNA分子、および配列番号42に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第2のgRNA分子;ならびに(xiii)配列番号110に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第1のgRNA分子、および配列番号111に示されるヌクレオチド配列を含む標的化ドメインを含む第2のgRNA分子。いくつかの実施形態において、DNA標的化組成物は、配列番号37に示されるヌクレオチド配列および/または配列番号38に示されるヌクレオチド配列を含む。
【0079】
特定の実施形態において、DNA標的化組成物は、NNGRRT(配列番号24)もしくはNNGRRV(配列番号25)のいずれかのPAMを認識する少なくとも1種のCas9分子もしくはCas9融合タンパク質、またはCas9分子もしくはCas9融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、DNA標的化組成物は、配列番号83または配列番号84に示されるヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態において、DNA標的化システムは、ヒトジストロフィン遺伝子のエクソン51と隣接する第1および第2のイントロンに第1および第2の二本鎖切断を形成し、それによってそれぞれがエクソン51を含むジストロフィン遺伝子のセグメントを欠失させるよう構成される。
【0080】
本開示のDNA標的化システムの欠失効率は、欠失サイズ、すなわち、DNA標的化システムによって欠失させられるセグメントのサイズに関連する可能性がある。特定の実施形態において、特異的欠失の長さまたはサイズは、標的とされる遺伝子(例えば、ジストロフィン遺伝子)におけるPAM配列間の距離によって決まる。特定の実施形態において、ジストロフィン遺伝子のセグメントの特異的欠失(その長さおよびそれが含む配列(例えば、エクソン51)に関して定義される)は、標的遺伝子(例えば、ジストロフィン遺伝子)内の特異的なPAM配列の横で行われる切断の結果である。
【0081】
特定の実施形態において、欠失サイズは、約50~約2,000塩基対(bp)、例えば、約50~約1999bp、約50~約1900bp、約50~約1800bp、約50~約1700bp、約50~約1650bp、約50~約1600bp、約50~約1500bp、約50~約1400bp、約50~約1300bp、約50~約1200bp、約50~約1150bp、約50~約1100bp、約50~約1000bp、約50~約900bp、約50~約850bp、約50~約800bp、約50~約750bp、約50~約700bp、約50~約600bp、約50~約500bp、約50~約400bp、約50~約350bp、約50~約300bp、約50~約250bp、約50~約200bp、約50~約150bp、約50~約100bp、約100~約1999bp、約100~約1900bp、約100~約1800bp、約100~約1700bp、約100~約1650bp、約100~約1600bp、約100~約1500bp、約100~約1400bp、約100~約1300bp、約100~約1200bp、約100~約1150bp、約100~約1100bp、約100~約1000bp、約100~約900bp、約100~約850bp、約100~約800bp、約100~約750bp、約100~約700bp、約100~約600bp、約100~約1000bp、約100~約400bp、約100~約350bp、約100~約300bp、約100~約250bp、約100~約200bp、約100~約150bp、約200~約1999bp、約200~約1900bp、約200~約1800bp、約200~約1700bp、約200~約1650bp、約200~約1600bp、約200~約1500bp、約200~約1400bp、約200~約1300bp、約200~約1200bp、約200~約1150bp、約200~約1100bp、約200~約1000bp、約200~約900bp、約200~約850bp、約200~約800bp、約200~約750bp、約200~約700bp、約200~約600bp、約200~約2000bp、約200~約400bp、約200~約350bp、約200~約300bp、約200~約250bp、約300~約1999bp、約300~約1900bp、約300~約1800bp、約300~約1700bp、約300~約1650bp、約300~約1600bp、約300~約1500bp、約300~約1400bp、約300~約1300bp、約300~約1200bp、約300~約1150bp、約300~約1100bp、約300~約1000bp、約300~約900bp、約300~約850bp、約300~約800bp、約300~約750bp、約300~約700bp、約300~約600bp、約300~約3000bp、約300~約400bp、または約300~約350bpである。特定の実施形態において、欠失サイズは、約118塩基対、約233塩基対、約326塩基対、約766塩基対、約805塩基対、または約1611塩基対であってもよい。
【0082】
gRNAは、配列番号1~19、41、42、37、38、41、42、83、84、110、および111からなる群から選択されるヌクレオチド配列、またはその相補鎖もしくはそのフラグメントを標的としてもよい。例えば、本開示のDNA標的化システムは、ジストロフィン遺伝子のエクソン51における極めて効率的な遺伝子編集を媒介するよう操作されてもよい。これらのDNA標的化システムは、DMD患者からの細胞におけるジストロフィンタンパク質発現を回復させることができる。さまざまな実施形態において、DNA標的化システム組成物は、配列番号110に示されるヌクレオチド配列、配列番号111に示されるヌクレオチド配列、配列番号37に示されるヌクレオチド配列、配列番号38に示されるヌクレオチド配列、配列番号83に示されるヌクレオチド配列、および/または配列番号84に示されるヌクレオチド配列を含む。
【0083】
8.方法
a.変異遺伝子を修正し、対象を処置する方法
本開示の主題は、細胞において変異遺伝子(例えば、変異ジストロフィン遺伝子、例えば、変異ヒトジストロフィン遺伝子)を修正し、DMDなどの遺伝子疾患を患っている対象を処置する方法を提供する。本方法は、上記のとおりの本開示の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子、DNA標的化システム、またはそれから構成される組成物を細胞または対象に投与することを含んでもよい。本方法は、上記のとおりのゲノム編集のための本開示の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子、DNA標的化システム、またはそれから構成される組成物を対象に投与することを含んでもよい。少なくとも1種のgRNAおよびポリヌクレオチドを含むDNA標的化システムを対象に送達するための本開示の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子の使用により、遺伝子全体もしくは変異を含む領域を交換することができる修復鋳型またはドナーDNAを用いて完全に機能的または部分的に機能的なタンパク質の発現を回復させることができる。DNA標的化システムは、標的とするゲノム遺伝子座に部位特異的な二本鎖切断を導入するために使用されてもよい。DNA標的化システムが標的DNA配列と結合したとき、部位特異的二本鎖切断が作り出され、それによって標的DNAの切断を可能にすることができる。このDNA切断が、天然のDNA修復機構を刺激する場合もあり、相同組み換え修復(HDR)または非相同末端結合(NHEJ)経路の2つの可能な修復経路のうちの1つにつながる。
【0084】
本開示はまた、修復鋳型を用いないDNA標的化システムによるゲノム編集も対象とし、これは、リーディングフレームを効率的に修正し、遺伝子疾患に関与する機能的なタンパク質の発現を回復させることができる。本開示のDNA標的化システムは、相同組み換え修復またはヌクレアーゼ媒介非相同末端結合(NHEJ)ベースの修正アプローチを使用することを含む場合もあり、これは、相同組み換えまたは選択ベースの遺伝子修正を適用できない場合もある増殖が限定される初代細胞株において効率的な修正を可能にする。この戦略は、フレームシフト、未成熟終止コドン、異常なスプライスドナー部位または異常なスプライスアクセプター部位の原因となる必須でないコード領域における変異によって引き起こされる遺伝子疾患の処置のための有効なDNA標的化システムと効率的な遺伝子編集方法の高速で左右されない機構に統合される。
【0085】
i.ヌクレアーゼ媒介非相同末端結合
内在性の変異した遺伝子からのタンパク質発現の修復は、鋳型を用いないNHEJ媒介DNA修復によるものでもよい。標的遺伝子RNAを標的とする一過性の方法とは対照的に、一過性に発現されるDNA標的化システムによるゲノムにおける標的遺伝子リーディングフレームの修正が、それぞれの改変された細胞およびすべてのその後代による永続的に回復された標的遺伝子発現につながる場合もある。特定の実施形態において、NHEJは、ヌクレアーゼ媒介NHEJであり、これは、特定の実施形態において、Cas9分子によって開始されるNHEJを指し、二本鎖DNAを切断する。本方法は、本開示のDNA標的化システムまたはそれから構成される組成物を必要とする対象に投与することを含む。
【0086】
ヌクレアーゼ媒介NHEJ遺伝子修正は、変異した標的遺伝子を修正することができ、HDR経路を超えるいくつかの潜在的利点を提供する。例えば、NHEJは、ドナー鋳型を必要とせず、これは、非特異的挿入変異誘発を引き起こす場合もある。HDRとは対照的に、NHEJは、細胞周期のすべての段階で効率的に働くため、筋線維などの周期中の細胞および分裂終了細胞の両方で効果的に利用することができる。これは、オリゴヌクレオチドベースのエクソンスキッピングまたは終止コドンの薬理学的な強制的なリードスルーに代わる確固とした永続的な遺伝子回復を提供し、理論上、わずか1つの薬物治療しか必要としないであろう。DNA標的化システム、ならびにメガヌクレアーゼおよびジンクフィンガーヌクレアーゼを含む、他の操作されたヌクレアーゼを使用したNHEJベースの遺伝子修正が、本明細書に記載されている脂質ナノ粒子アプローチに加えて、細胞および遺伝子ベースの治療のための他の既存のエクスビボおよびインビボプラットフォームと組み合わされてもよい。例えば、mRNAベースの遺伝子導入による、または精製された細胞透過性タンパク質としてのDNA標的化システムの送達は、挿入変異誘発のいかなる可能性も回避するであろうDNAを用いないゲノム編集アプローチを可能にするであろう。
【0087】
ii.相同組み換え修復
内在性の変異した遺伝子からのタンパク質発現の修復は、相同組み換え修復を伴ってもよい。上記の方法は、ドナー鋳型を細胞に投与することをさらに含む。ドナー鋳型は、完全に機能的なタンパク質または部分的に機能的なタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んでもよい。例えば、ドナー鋳型としては、ミニジストロフィン(「minidys」)と呼ばれる小型化されたジストロフィンコンストラクト、変異ジストロフィン遺伝子を回復させるための完全に機能的なジストロフィンコンストラクト、または相同組み換え修復後に変異ジストロフィン遺伝子の回復をもたらすジストロフィン遺伝子のフラグメントを挙げることができる。
【0088】
b.疾患を処置する方法
本開示は、処置を必要とする対象を処置する方法を対象とする。本方法は、対象の組織または細胞に上記のとおりの本開示の脂質ナノ粒子もしくはマイクロ粒子、DNA標的化システム、またはそれから構成される組成物を投与することを含む。特定の実施形態において、本方法は、対象の骨格筋組織もしくは細胞、平滑筋組織もしくは細胞、または心筋組織もしくは細胞に、上記のとおりの本開示の脂質ナノ粒子もしくはマイクロ粒子、DNA標的化システム、またはそれから構成される組成物を投与することを含んでもよい。特定の実施形態において、本方法は、対象の静脈に、上記のとおりの本開示の脂質ナノ粒子もしくはマイクロ粒子、DNA標的化システム、またはそれから構成される組成物を投与することを含んでもよい。特定の実施形態において、対象は、変性または虚弱を引き起こす骨格筋または心筋の状態あるいは遺伝子疾患を患っている。例えば、対象は、上記のとおりのデュシェンヌ型筋ジストロフィーを患っている場合もある。
本方法は、上記のとおり、ジストロフィン遺伝子を修正し、上記の変異したジストロフィン遺伝子の完全に機能的または部分的に機能的なタンパク質発現を回復させるために使用されてもよい。本発明のさまざまな態様において、対象におけるジストロフィン発現は、少なくとも1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または少なくとも50%増加する。
【0089】
いくつかの態様および実施形態において、本開示は、患者におけるDMDの影響(例えば、臨床的症状/徴候)を低減するための方法を提供する。いくつかの態様および実施形態において、本開示は、患者のDMDを処置するための方法を提供する。いくつかの態様および実施形態において、本開示は、患者のDMDを予防するための方法を提供する。いくつかの態様および実施形態において、本開示は、患者のDMDのさらなる進行を予防するための方法を提供する。
【0090】
9.医薬組成物
本開示の主題は、上記の脂質ナノ粒子もしくはマイクロ粒子またはDNA標的化システムを含む組成物を提供する。本組成物は、医薬組成物であってもよい。本発明による医薬組成物は、使用される投与様式に従って製剤化されてもよい。医薬組成物が注射可能な医薬組成物である場合、滅菌されたパイロジェンフリーおよび粒子フリーであってもよい。等張製剤が、好ましくは使用されてもよい。一般に、等張性にするための添加物としては、塩化ナトリウム、デキストロース、マンニトール、ソルビトールおよびラクトースを挙げることができる。ある場合には、リン酸緩衝食塩水などの等張溶液が好ましい。安定剤としては、ゼラチンおよびアルブミンが挙げられる。いくつかの実施形態において、血管収縮剤が製剤に添加される。
本組成物は、薬学的に許容される賦形剤をさらに含んでもよい。薬学的に許容される賦形剤は、ビヒクル、アジュバント、担体、または希釈剤などの機能的分子であってもよい。
【0091】
10.投与の経路
本開示のDNA標的化システムまたはそれから構成される組成物は、経口、非経口、舌下、経皮、直腸、経粘膜、局所、吸入による、頬側投与による、胸膜内、静脈内、動脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、鼻腔内、髄腔内、および関節腔内またはそれらの組み合わせを含む、さまざまな経路によって対象に投与されてもよい。特定の実施形態において、本開示のDNA標的化システムまたは組成物は、筋肉内、静脈内またはその組み合わせで対象(例えば、DMDを患っている対象)に投与される。獣医的使用に関して、本開示のDNA標的化システムまたは組成物は、通常の獣医実務に従って適切に許容される製剤として投与されてもよい。獣医師は、特定の動物に対して最も適切な投与計画および投与経路を容易に決定することができる。本組成物は、従来のシリンジ、無針注射デバイス、「微粒子銃」、またはその他の物理的方法、例えば、エレクトロポレーション(「EP」)、「流体力学的方法」、もしくは超音波によって投与されてもよい。
【0092】
いくつかの実施形態において、本開示のDNA標的化システムまたはその組成物は、1)成体マウスへの尾静脈注射(全身的);2)筋肉内注射、例えば、成体マウスのTAまたは腓腹筋などの筋肉への局所注射;3)P2マウスへの腹腔内注射;あるいは4)P2マウスへの顔面静脈注射(全身的)によって投与される。
【0093】
本開示のDNA標的化システムは、成熟後および発生の過程の任意の時期を含む、ライフサイクルの過程のいかなる時期の対象にも投与することができる。さまざまな実施形態において、DNA標的化システムおよびそれから構成される組成物は、誕生前または誕生の1~2日以内に対象に投与することができる。
【0094】
11.細胞タイプ
これらの送達方法および/または投与の経路のいずれかが、不死化筋芽細胞、例えば、野生型およびDMD患者由来の株、例えば、Δ48-50 DMD、DMD6594(del48-50)、DMD8036(del48-50)、C25C14およびDMD-7796細胞株、初代DMD皮膚線維芽細胞、人工多能性幹細胞、骨髄由来前駆細胞、骨格筋前駆細胞、DMD患者のヒト骨格筋芽細胞、CD133+細胞、中胚葉系血管芽細胞、心筋細胞、肝細胞、軟骨細胞、間葉系前駆細胞、造血幹細胞、平滑筋細胞、ならびにMyoDもしくはPax7形質導入細胞またはその他の筋芽前駆細胞を含むが、これらに限定されるものではない、無数の細胞タイプ、例えば、DMDの細胞ベースの治療に関して現在調査中の細胞タイプとともに利用されてもよい。遺伝学的に修正された筋芽細胞のクローナルな誘導のために、ヒト筋芽細胞の不死化が使用されてもよい。細胞は、遺伝学的に修正されたジストロフィン遺伝子を含み、ゲノムのタンパク質コード領域にその他のヌクレアーゼ導入変異がない不死化DMD筋芽細胞のクローン集団を単離し、増やすためにエクスビボで改変されてもよい。システムの脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子を使用した非ウイルス遺伝子導入によるDNA標的化システムのgRNAおよびmRNAのインビボ送達は、最小限の外来性DNA組み込みのリスクを伴うか、または伴わずに、インサイツでの極めて特異的な修正を可能にすることができる。いくつかの実施形態において、本明細書において詳述される脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、DNA標的化システムを筋細胞に送達するためのものである。筋細胞は、骨格筋細胞、心筋細胞、および/または平滑筋細胞であってもよい。
【0095】
12.キット
本明細書において変異したジストロフィン遺伝子を修正するために使用され得るキットが提供される。本キットは、変異したジストロフィン遺伝子を修正するための脂質ナノ粒子もしくはマイクロ粒子またはDNA標的化システムあるいはそれから構成される組成物と、システムまたは組成物を使用するための説明書とを含む。
【0096】
キットに含まれる説明書は、包装材料に添付されてもよく、または添付文書として含まれてもよい。説明書は一般に書面かまたは印刷物であるが、そのようなものに限定されない。そのような説明書を記憶し、それをエンドユーザーに伝えることができる任意の媒体が本開示により意図される。そのような媒体としては、電子記憶媒体(例えば、磁気ディスク、テープ、カートリッジ、チップ)、光学媒体(例えば、CD ROM)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本明細書中で使用される場合、「説明書」という用語は、説明書を提供するインターネットサイトアドレスを含んでもよい。
対象において変異したジストロフィンを修正するか、またはジストロフィン遺伝子のゲノム編集をするためのDNA標的化システムまたはそれから構成される組成物は、gRNA分子と、上記のとおり、ジストロフィン遺伝子の領域と特異的に結合し、切断するCas9分子をコードするmRNAとを封入する脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子を含むことになる。上記のDNA標的化システムは、変異したジストロフィン遺伝子の特定の領域と特異的に結合し、標的とするためにキットに含まれてもよい。本キットは、上記のとおり、ドナーDNA、さまざまなgRNA、または導入遺伝子をさらに含んでもよい。
【実施例】
【0097】
(実施例1)
DMD変異を処置するためのCRISPRの非ウイルス性脂質ナノ粒子送達
INVIVOFECTAMINEを使用して、mRNA/gRNAまたはRNPの製剤をマウスに注射した。INVIVOFECTAMINEを、以下のヌクレオチド送達のために最適化した:(1)NおよびC末端NLS HAタグで改変され、ウリジン置換で改変されたSpCas9 mRNA(0.5mg/kg)ならびに(2)それぞれ末端にホスホロチオエート化2’O-メチル塩基、3bpを有するSpCas9 gRNA(それぞれ0.25mg/kg)。SaCas9(0.25mg/kg)もマウスに送達した。
SpCas9 gRNAの対象配列の配列は、配列番号110(GATTGGCTTTGATTTCCCTA)および配列番号111(GCAGTTGCCTAAGAACTGGT)であった。
【0098】
INVIVOFECTAMINE調製。INVIVOFECTAMINE(24uL)を、mRNAまたはRNPとともに製造業者の説明書に従って調製した:100μLの1.2mg/mL siRNA溶液を、以下の構成成分を1:1の比で混合することによって調製した:50μLのsiRNA二本鎖溶液(2.4mg/mL)および50μlの複合体形成バッファー。INVIVOFECTAMINE試薬を室温にし、100μLを1.5mLチューブに添加した。希釈したsiRNA溶液を、チューブ中のINVIVOFECTAMINE試薬に直接添加した。チューブをすぐにボルテックスして、INVIVOFECTAMINE・siRNA複合体形成を確実にした。INVIVOFECTAMINE・siRNA二本鎖混合物を50℃で30分間インキュベートした。チューブを短時間、遠心分離して、サンプルを回収した。pH7.4の1mLのPBSを加えることによって複合体を6倍希釈し、十分に混合した。その後、INVIVOFECTAMINE・siRNAを、インビボ送達のために準備した。
【0099】
AAVの筋肉内注射。7~8週齢の雄のhDMDΔ52/mdxマウスに麻酔をかけ、保温パッドに置いた。hDMDΔ52/mdxマウスは、ヒトジストロフィン遺伝子をもつが、エクソン52が欠損しているよう操作されたmdxマウスである。したがって、マウスモデルは、ヒトDMD変異を模倣し、エクソン51スキッピングによって修正可能である。それぞれTAの左右への24μlのmRNAもしくはRNPを伴うINVIVOFECTAMINE、または生理的食塩水の注射のために前脛骨(TA)筋を準備した。4週間後にマウスをCO2吸入により安楽死させ、分析のために組織をRNALater(Life Technologies)に採取した。
雄のhDMD/d52マウスのTAまたはTVにmRNA/gRNAまたはRNPを注射し、注射の4週間後に採取した。処置した筋肉からゲノムDNAを抽出し、領域にわたるPCRにより意図された欠失が明らかにされた。
【0100】
液性応答に関するELISA。WangらおよびChewらのプロトコルを適合させることによってSpCas9に対する抗体またはSaCas9を検出した。組み換えSpCas9またはSaCas9タンパク質を1×コーティングバッファー(KPL)で希釈し、96ウェルのNunc MaxiSorpプレートを、各ウェル当たり0.5μgのタンパク質でコーティングするために使用した。タンパク質を4℃で一晩インキュベートして、プレートに吸着させた。プレートを、1×洗浄バッファー(KPL)でそれぞれ5分間、3回洗浄した。プレートを、1%BSAブロッキング溶液(KPL)で室温で1時間ブロッキングした。αSpCas9またはαSaCas9抗体(Diagenode C15200230)を使用してIgGに関する標準曲線を作成した。血清サンプルを1:40~1:20000の範囲の希釈物に添加し、プレートを振盪しながら4℃で5時間インキュベートした。プレートをそれぞれ5分間、3回洗浄し、ヤギ抗マウスIgG(Sigma 1:4000)を含む100μLのブロッキング溶液を各ウェルに添加し、室温で1時間インキュベートした。プレートをそれぞれ5分間、4回洗浄し、100μLのABTS ELISA HRP基質(KPL)を各ウェルに添加した。410nmにおける吸光度(OD)をプレートリーダーで測定した。
【0101】
ゲノム編集を観察するためのゲノムDNAのPCR-ゲノムDNA分析。振盪ヒートブロックにおいて56℃でBuffer ALTおよびプロテイナーゼK中でマウス組織を消化した。細胞を、Buffer ALおよびプロテイナーゼK中において56℃で10分間消化した。ゲノムDNAを回収するためにDNEasyキット(Qiagen)を使用した。AccuPrime High Fidelity PCRキットを使用してイントロン領域中のSaCas9/gRNA切断部位と隣接するプライマーを用いてネステッドエンドポイントPCRを行った。PCR産物を、1%アガロースゲルにおいて電気泳動し、親バンドおよび欠失産物を観察するためにBioRad GelDoc撮影装置で見た。QIAQuick Gel Extractionキット(Qiagen)を使用したサンプルの最初の精製後、Sangerシークエンシング(Eton Bioscience)によって欠失産物を配列決定した。
RNPは、強い液性応答を誘発したが、mRNAは誘発しなかった。
図1は、SpCas9に対するELISAがRNPの注射後にSpCas9に対して液性応答を示したが、mRNAにコードされたSpCas9は示さなかったことを示す。
【0102】
mRNAは標的遺伝子を編集することができたが、RNPはできなかった。
図2は、mRNAがhDMD/d52マウスからエクソン51を除去することができたことを示し、
図3は、エクソン51のmRNA除去がジストロフィンを回復させることを示す。
図4は、mRNA注射が液性応答につながらないことを示す。RNP投与は、局所的または全身的注射において抗体を上昇させる。
【0103】
特定の態様の前述の説明は、したがって、過度の実験を行うことなく、本開示の一般的な概念から逸脱することなく他者が当該技術分野の技術内の知識を適用することによって、そのような特定の態様のさまざまな用途のために容易に改変するかつ/または適合させることができる本発明の一般的本質を完全に明らかにするであろう。したがって、そのような適合および改変は、本明細書において提示される教示および指針に基づいて、本開示の態様の等価物の意味および範囲内にあることが意図される。本明細書の術語または用語が教示および指針に照らして当業者に解釈されるよう、本明細書中の用語または術語は説明のためのものであり、限定のためではないことが理解されるべきである。
【0104】
本開示の広さおよび範囲は、上記の例となる態様のいずれによっても限定されるべきではなく、添付の請求項およびその等価物によってのみ定義されるべきである。
本出願において引用されるすべての公報、特許、特許出願、および/またはその他の文書は、個々の公開、特許、特許出願、および/またはその他の文書のそれぞれが、あらゆる目的のために参照により組み込まれることを個別に示されたのと同程度に、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる。
【0105】
完全にするために、本発明のさまざまな態様を以下の番号付けした条項に記載する。
条項1.筋細胞にDNA標的化システムを送達するための脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子であって、DNA標的化システムは、変異ジストロフィン遺伝子のフラグメントを標的とする少なくとも1種のgRNA分子、および/またはCas9ヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチドを含む、脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項2.少なくとも1種のgRNA分子は、第1のgRNA分子および第2のgRNA分子を含む、条項1に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項3.Cas9ヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチドは、mRNAである、条項1または2に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項4.第1のgRNA分子および第2のgRNA分子は、それぞれ標的化ドメインを含み、第1のgRNA分子は、配列番号1、配列番号3、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号37、配列番号41、配列番号83、もしくは配列番号110から選択されるヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含むポリヌクレオチドによってコードされるか、あるいは配列番号112~124から選択されるヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含み、第2のgRNA分子は、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号38、配列番号42、配列番号84、もしくは配列番号111から選択されるヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含むポリヌクレオチドによってコードされるか、あるいは配列番号125~134またはそのフラグメントもしくは相補鎖から選択されるヌクレオチド配列を含み、第1のgRNA分子および第2のgRNA分子は、異なる標的化ドメインを含む、条項1~3のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項5.第1のgRNA分子は、配列番号110のヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含む標的化ドメインを含むか、あるいは配列番号124のヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含み、第2のgRNA分子は、配列番号111のヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含む標的化ドメインを含むか、あるいは配列番号134のヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくは相補鎖を含む、条項4に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項6.少なくとも1種のgRNAおよびCas9ヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチドは、同じ脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子中に封入される、条項1~5のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項7.少なくとも1種のgRNAおよびCas9ヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチドはそれぞれ、別々の脂質ナノ粒子中に封入される、条項1~6のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項8.脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、固体脂質ナノ粒子(SLN)、ナノ構造脂質担体(NLC)、脂質・薬物複合(LDC)ナノ粒子、脂質ナノカプセル(LNC)、ポリマー脂質ハイブリッドナノ粒子(PLN)、および固体脂質マイクロ粒子(SLM)からなる群から選択される、条項1~7のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項9.脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、固体脂質ナノ粒子(SLN)である、条項8に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項10.脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、ナノ構造脂質担体(NLC)である、条項8に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項11.脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、脂質・薬物複合(LDC)ナノ粒子である、条項8に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項12.脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、脂質ナノカプセル(LNC)である、条項8に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項13.脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、ポリマー脂質ハイブリッドナノ粒子(PLN)である、条項8に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項14.脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、固体脂質マイクロ粒子(SLM)である、条項8に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項15.少なくとも1種のgRNA分子は、変異ジストロフィン遺伝子のエクソン1~8、10、11、12、14、16~22、43~59、および61~66から選択されるエクソン、または変異ジストロフィン遺伝子のエクソン1~8、10、11、12、14、16~22、43~59、および61~66から選択されるエクソンと隣接するイントロンを標的とする、条項1~14のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項16.DNA標的化システムは、野生型ジストロフィン遺伝子またはその機能的等価物のエクソンを含むドナー配列をさらに含み、エクソンは、野生型ジストロフィン遺伝子のエクソン1~8、10、11、12、14、16~22、43~59、および61~66から選択される、条項1~15のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項17.少なくとも1種のgRNA分子は、ヒトジストロフィン遺伝子のエクソン51と隣接する2つのイントロンを標的とする、条項1~16のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項18.DNA標的化システムは、ヒトジストロフィン遺伝子のエクソン51と隣接する第1のイントロンにおける第1の二本鎖切断およびヒトジストロフィン遺伝子のエクソン51と隣接する第2のイントロンにおける第2の二本鎖切断を誘導する、条項1~17のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項19.ポリヌクレオチドは、SpCas9またはSaCas9をコードする、条項1~18のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項20.mRNAは、改変mRNAである、条項3~19のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項21.改変mRNAは、N末端NLS、C末端NLS、HAタグ、およびウリジン置換から選択される1つまたは複数の改変を含む、条項20に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項22.筋細胞は、骨格筋細胞、心筋細胞、および平滑筋細胞から選択される、条項1~21のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子。
条項23.条項1~22のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子および薬学的に許容される担体を含む、組成物。
条項24.対象におけるデュシェンヌ型筋ジストロフィーを処置する方法であって、条項1~22のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子あるいは条項23に記載の組成物を対象に投与することを含む、方法。
条項25.対象は、投与後にCas9ヌクレアーゼと交差反応性の液性応答を経験しないか、または限定された液性応答を経験する、条項24に記載の方法。
条項26.対象は、変異ジストロフィン遺伝子を含む、条項24または25に記載の方法。
条項27.対象において変異ジストロフィン遺伝子をゲノム編集する方法であって、条項1~22のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子あるいは条項23に記載の組成物を対象に投与することを含む、方法。
条項28.変異ジストロフィン遺伝子は、未成熟終止コドン、破壊されたリーディングフレーム、異常なスプライスアクセプター部位、もしくは異常なスプライスドナー部位、またはその組み合わせを含む、条項26~27のいずれか1項に記載の方法。
条項29.変異ジストロフィン遺伝子は、未成熟終止コドンおよび切断型遺伝子産物の原因となるフレームシフト変異を含む、条項26~27のいずれか1項に記載の方法。
条項30.変異ジストロフィン遺伝子は、リーディングフレームを破壊する1つまたは複数のエクソンの欠失を含む、条項26~27のいずれか1項に記載の方法。
条項31.変異ジストロフィン遺伝子のゲノム編集は、未成熟終止コドンの除去、破壊されたリーディングフレームの修正、スプライスアクセプター部位の破壊によるスプライシングの調節、スプライスドナー配列の破壊によるスプライシングの調節、エクソン51の除去、またはその組み合わせを含む、条項27に記載の方法。
条項32.変異ジストロフィン遺伝子は、相同組み換え修復によって編集される、条項27~31のいずれか1項に記載の方法。
条項33.対象におけるジストロフィン発現は、編集後に少なくとも1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または少なくとも50%増加する、条項24~32のいずれか1項に記載の方法。
条項34.脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、誕生前または誕生の1~2日以内に対象に投与される、条項24~33のいずれか1項に記載の方法。
条項35.脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子は、筋肉内、静脈内、またはその組み合わせで対象に投与される、条項24~34のいずれか1項に記載の方法。
条項36.脂質ナノ粒子もしくはマイクロ粒子または組成物の投与は、対象において機能的なジストロフィンタンパク質または部分的に機能的なジストロフィンタンパク質の発現をもたらす、条項24~35のいずれか1項に記載の方法。
条項37.条項1~22のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子またはマイクロ粒子を含む、キット。
【0106】
【0107】
配列番号26
化膿性連鎖球菌Cas9分子をコードするコドン最適化核酸配列
atggataaaaagtacagcatcgggctggacatcggtacaaactcagtggggtgggccgtgattacggacgagtacaaggtaccctccaaaaaatttaaagtgctgggtaacacggacagacactctataaagaaaaatcttattggagccttgctgttcgactcaggcgagacagccgaagccacaaggttgaagcggaccgccaggaggcggtataccaggagaaagaaccgcatatgctacctgcaagaaatcttcagtaacgagatggcaaaggttgacgatagctttttccatcgcctggaagaatcctttcttgttgaggaagacaagaagcacgaacggcaccccatctttggcaatattgtcgacgaagtggcatatcacgaaaagtacccgactatctaccacctcaggaagaagctggtggactctaccgataaggcggacctcagacttatttatttggcactcgcccacatgattaaatttagaggacatttcttgatcgagggcgacctgaacccggacaacagtgacgtcgataagctgttcatccaacttgtgcagacctacaatcaactgttcgaagaaaaccctataaatgcttcaggagtcgacgctaaagcaatcctgtccgcgcgcctctcaaaatctagaagacttgagaatctgattgctcagttgcccggggaaaagaaaaatggattgtttggcaacctgatcgccctcagtctcggactgaccccaaatttcaaaagtaacttcgacctggccgaagacgctaagctccagctgtccaaggacacatacgatgacgacctcgacaatctgctggcccagattggggatcagtacgccgatctctttttggcagcaaagaacctgtccgacgccatcctgttgagcgatatcttgagagtgaacaccgaaattactaaagcaccccttagcgcatctatgatcaagcggtacgacgagcatcatcaggatctgaccctgctgaaggctcttgtgaggcaacagctccccgaaaaatacaaggaaatcttctttgaccagagcaaaaacggctacgctggctatatagatggtggggccagtcaggaggaattctataaattcatcaagcccattctcgagaaaatggacggcacagaggagttgctggtcaaacttaacagggaggacctgctgcggaagcagcggacctttgacaacgggtctatcccccaccagattcatctgggcgaactgcacgcaatcctgaggaggcaggaggatttttatccttttcttaaagataaccgcgagaaaatagaaaagattcttacattcaggatcccgtactacgtgggacctctcgcccggggcaattcacggtttgcctggatgacaaggaagtcagaggagactattacaccttggaacttcgaagaagtggtggacaagggtgcatctgcccagtctttcatcgagcggatgacaaattttgacaagaacctccctaatgagaaggtgctgcccaaacattctctgctctacgagtactttaccgtctacaatgaactgactaaagtcaagtacgtcaccgagggaatgaggaagccggcattccttagtggagaacagaagaaggcgattgtagacctgttgttcaagaccaacaggaaggtgactgtgaagcaacttaaagaagactactttaagaagatcgaatgttttgacagtgtggaaatttcaggggttgaagaccgcttcaatgcgtcattggggacttaccatgatcttctcaagatcataaaggacaaagacttcctggacaacgaagaaaatgaggatattctcgaagacatcgtcctcaccctgaccctgttcgaagacagggaaatgatagaagagcgcttgaaaacctatgcccacctcttcgacgataaagttatgaagcagctgaagcgcaggagatacacaggatggggaagattgtcaaggaagctgatcaatggaattagggataaacagagtggcaagaccatactggatttcctcaaatctgatggcttcgccaataggaacttcatgcaactgattcacgatgactctcttaccttcaaggaggacattcaaaaggctcaggtgagcgggcagggagactcccttcatgaacacatcgcgaatttggcaggttcccccgctattaaaaagggcatccttcaaactgtcaaggtggtggatgaattggtcaaggtaatgggcagacataagccagaaaatattgtgatcgagatggcccgcgaaaaccagaccacacagaagggccagaaaaatagtagagagcggatgaagaggatcgaggagggcatcaaagagctgggatctcagattctcaaagaacaccccgtagaaaacacacagctgcagaacgaaaaattgtacttgtactatctgcagaacggcagagacatgtacgtcgaccaagaacttgatattaatagactgtccgactatgacgtagaccatatcgtgccccagtccttcctgaaggacgactccattgataacaaagtcttgacaagaagcgacaagaacaggggtaaaagtgataatgtgcctagcgaggaggtggtgaaaaaaatgaagaactactggcgacagctgcttaatgcaaagctcattacacaacggaagttcgataatctgacgaaagcagagagaggtggcttgtctgagttggacaaggcagggtttattaagcggcagctggtggaaactaggcagatcacaaagcacgtggcgcagattttggacagccggatgaacacaaaatacgacgaaaatgataaactgatacgagaggtcaaagttatcacgctgaaaagcaagctggtgtccgattttcggaaagacttccagttctacaaagttcgcgagattaataactaccatcatgctcacgatgcgtacctgaacgctgttgtcgggaccgccttgataaagaagtacccaaagctggaatccgagttcgtatacggggattacaaagtgtacgatgtgaggaaaatgatagccaagtccgagcaggagattggaaaggccacagctaagtacttcttttattctaacatcatgaatttttttaagacggaaattaccctggccaacggagagatcagaaagcggccccttatagagacaaatggtgaaacaggtgaaatcgtctgggataagggcagggatttcgctactgtgaggaaggtgctgagtatgccacaggtaaatatcgtgaaaaaaaccgaagtacagaccggaggattttccaaggaaagcattttgcctaaaagaaactcagacaagctcatcgcccgcaagaaagattgggaccctaagaaatacgggggatttgactcacccaccgtagcctattctgtgctggtggtagctaaggtggaaaaaggaaagtctaagaagctgaagtccgtgaaggaactcttgggaatcactatcatggaaagatcatcctttgaaaagaaccctatcgatttcctggaggctaagggttacaaggaggtcaagaaagacctcatcattaaactgccaaaatactctctcttcgagctggaaaatggcaggaagagaatgttggccagcgccggagagctgcaaaagggaaacgagcttgctctgccctccaaatatgttaattttctctatctcgcttcccactatgaaaagctgaaagggtctcccgaagataacgagcagaagcagctgttcgtcgaacagcacaagcactatctggatgaaataatcgaacaaataagcgagttcagcaaaagggttatcctggcggatgctaatttggacaaagtactgtctgcttataacaagcaccgggataagcctattagggaacaagccgagaatataattcacctctttacactcacgaatctcggagcccccgccgccttcaaatactttgatacgactatcgaccggaaacggtataccagtaccaaagaggtcctcgatgccaccctcatccaccagtcaattactggcctgtacgaaacacggatcgacctctctcaactgggcggcgactag
【0108】
配列番号27
化膿性連鎖球菌Cas9分子の対応するアミノ酸配列
MDKKYSIGLDIGTNSVGWAVITDEYKVPSKKFKVLGNTDRHSIKKNLIGALLFDSGETAEATRLKRTARRRYTRRKNRICYLQEIFSNEMAKVDDSFFHRLEESFLVEEDKKHERHPIFGNIVDEVAYHEKYPTIYHLRKKLVDSTDKADLRLIYLALAHMIKFRGHFLIEGDLNPDNSDVDKLFIQLVQTYNQLFEENPINASGVDAKAILSARLSKSRRLENLIAQLPGEKKNGLFGNLIALSLGLTPNFKSNFDLAEDAKLQLSKDTYDDDLDNLLAQIGDQYADLFLAAKNLSDAILLSDILRVNTEITKAPLSASMIKRYDEHHQDLTLLKALVRQQLPEKYKEIFFDQSKNGYAGYIDGGASQEEFYKFIKPILEKMDGTEELLVKLNREDLLRKQRTFDNGSIPHQIHLGELHAILRRQEDFYPFLKDNREKIEKILTFRIPYYVGPLARGNSRFAWMTRKSEETITPWNFEEVVDKGASAQSFIERMTNFDKNLPNEKVLPKHSLLYEYFTVYNELTKVKYVTEGMRKPAFLSGEQKKAIVDLLFKTNRKVTVKQLKEDYFKKIECFDSVEISGVEDRFNASLGTYHDLLKIIKDKDFLDNEENEDILEDIVLTLTLFEDREMIEERLKTYAHLFDDKVMKQLKRRRYTGWGRLSRKLINGIRDKQSGKTILDFLKSDGFANRNFMQLIHDDSLTFKEDIQKAQVSGQGDSLHEHIANLAGSPAIKKGILQTVKVVDELVKVMGRHKPENIVIEMARENQTTQKGQKNSRERMKRIEEGIKELGSQILKEHPVENTQLQNEKLYLYYLQNGRDMYVDQELDINRLSDYDVDHIVPQSFLKDDSIDNKVLTRSDKNRGKSDNVPSEEVVKKMKNYWRQLLNAKLITQRKFDNLTKAERGGLSELDKAGFIKRQLVETRQITKHVAQILDSRMNTKYDENDKLIREVKVITLKSKLVSDFRKDFQFYKVREINNYHHAHDAYLNAVVGTALIKKYPKLESEFVYGDYKVYDVRKMIAKSEQEIGKATAKYFFYSNIMNFFKTEITLANGEIRKRPLIETNGETGEIVWDKGRDFATVRKVLSMPQVNIVKKTEVQTGGFSKESILPKRNSDKLIARKKDWDPKKYGGFDSPTVAYSVLVVAKVEKGKSKKLKSVKELLGITIMERSSFEKNPIDFLEAKGYKEVKKDLIIKLPKYSLFELENGRKRMLASAGELQKGNELALPSKYVNFLYLASHYEKLKGSPEDNEQKQLFVEQHKHYLDEIIEQISEFSKRVILADANLDKVLSAYNKHRDKPIREQAENIIHLFTLTNLGAPAAFKYFDTTIDRKRYTSTKEVLDATLIHQSITGLYETRIDLSQLGGD
【0109】
配列番号28
黄色ブドウ球菌のCas9分子をコードするコドン最適化核酸配列、および任意に核局在化配列(NLS)
atgaaaaggaactacattctggggctggacatcgggattacaagcgtggggtatgggattattgactatgaaacaagggacgtgatcgacgcaggcgtcagactgttcaaggaggccaacgtggaaaacaatgagggacggagaagcaagaggggagccaggcgcctgaaacgacggagaaggcacagaatccagagggtgaagaaactgctgttcgattacaacctgctgaccgaccattctgagctgagtggaattaatccttatgaagccagggtgaaaggcctgagtcagaagctgtcagaggaagagttttccgcagctctgctgcacctggctaagcgccgaggagtgcataacgtcaatgaggtggaagaggacaccggcaacgagctgtctacaaaggaacagatctcacgcaatagcaaagctctggaagagaagtatgtcgcagagctgcagctggaacggctgaagaaagatggcgaggtgagagggtcaattaataggttcaagacaagcgactacgtcaaagaagccaagcagctgctgaaagtgcagaaggcttaccaccagctggatcagagcttcatcgatacttatatcgacctgctggagactcggagaacctactatgagggaccaggagaagggagccccttcggatggaaagacatcaaggaatggtacgagatgctgatgggacattgcacctattttccagaagagctgagaagcgtcaagtacgcttataacgcagatctgtacaacgccctgaatgacctgaacaacctggtcatcaccagggatgaaaacgagaaactggaatactatgagaagttccagatcatcgaaaacgtgtttaagcagaagaaaaagcctacactgaaacagattgctaaggagatcctggtcaacgaagaggacatcaagggctaccgggtgacaagcactggaaaaccagagttcaccaatctgaaagtgtatcacgatattaaggacatcacagcacggaaagaaatcattgagaacgccgaactgctggatcagattgctaagatcctgactatctaccagagctccgaggacatccaggaagagctgactaacctgaacagcgagctgacccaggaagagatcgaacagattagtaatctgaaggggtacaccggaacacacaacctgtccctgaaagctatcaatctgattctggatgagctgtggcatacaaacgacaatcagattgcaatctttaaccggctgaagctggtcccaaaaaaggtggacctgagtcagcagaaagagatcccaaccacactggtggacgatttcattctgtcacccgtggtcaagcggagcttcatccagagcatcaaagtgatcaacgccatcatcaagaagtacggcctgcccaatgatatcattatcgagctggctagggagaagaacagcaaggacgcacagaagatgatcaatgagatgcagaaacgaaaccggcagaccaatgaacgcattgaagagattatccgaactaccgggaaagagaacgcaaagtacctgattgaaaaaatcaagctgcacgatatgcaggagggaaagtgtctgtattctctggaggcctccccctggaggacctgctgaacaatccattcaactacgaggtcgatcatattatccccagaagcgtgtccttcgacaattcctttaacaacaaggtgctggtcaagcaggaagagaactctaaaaagggcaataggactcctttccagtacctgtctagttcagattccaagatctcttacgaaacctttaaaaagcacattctgaatctggccaaaggaaagggccgcatcagcaagaccaaaaaggagtacctgctggaagagcgggacatcaacagattctccgtccagaaggattttattaaccggaatctggtggacacaagatacgctactcgcggcctgatgaatctgctgcgatcctatttccgggtgaacaatctggatgtgaaagtcaagtccatcaacggcgggttcacatcttttctgaggcgcaaatggaagtttaaaaaggagcgcaacaaagggtacaagcaccatgccgaagatgctctgattatcgcaaatgccgacttcatctttaaggagtggaaaaagctggacaaagccaagaaagtgatggagaaccagatgttcgaagagaagcaggccgaatctatgcccgaaatcgagacagaacaggagtacaaggagattttcatcactcctcaccagatcaagcatatcaaggatttcaaggactacaagtactctcaccgggtggataaaaagcccaacagagagctgatcaatgacaccctgtatagtacaagaaaagacgataaggggaataccctgattgtgaacaatctgaacggactgtacgacaaagataatgacaagctgaaaaagctgatcaacaaaagtcccgagaagctgctgatgtaccaccatgatcctcagacatatcagaaactgaagctgattatggagcagtacggcgacgagaagaacccactgtataagtactatgaagagactgggaactacctgaccaagtatagcaaaaaggataatggccccgtgatcaagaagatcaagtactatgggaacaagctgaatgcccatctggacatcacagacgattaccctaacagtcgcaacaaggtggtcaagctgtcactgaagccatacagattcgatgtctatctggacaacggcgtgtataaatttgtgactgtcaagaatctggatgtcatcaaaaaggagaactactatgaagtgaatagcaagtgctacgaagaggctaaaaagctgaaaaagattagcaaccaggcagagttcatcgcctccttttacaacaacgacctgattaagatcaatggcgaactgtatagggtcatcggggtgaacaatgatctgctgaaccgcattgaagtgaatatgattgacatcacttaccgagagtatctggaaaacatgaatgataagcgcccccctcgaattatcaaaacaattgcctctaagactcagagtatcaaaaagtactcaaccgacattctgggaaacctgtatgaggtgaagagcaaaaagcaccctcagattatcaaaaagggc
【0110】
配列番号29
黄色ブドウ球菌のCas9分子をコードするコドン最適化核酸配列、および任意に核局在化配列(NLS)
atgaagcggaactacatcctgggcctggacatcggcatcaccagcgtgggctacggcatcatcgactacgagacacgggacgtgatcgatgccggcgtgcggctgttcaaagaggccaacgtggaaaacaacgagggcaggcggagcaagagaggcgccagaaggctgaagcggcggaggcggcatagaatccagagagtgaagaagctgctgttcgactacaacctgctgaccgaccacagcgagctgagcggcatcaacccctacgaggccagagtgaagggcctgagccagaagctgagcgaggaagagttctctgccgccctgctgcacctggccaagagaagaggcgtgcacaacgtgaacgaggtggaagaggacaccggcaacgagctgtccaccaaagagcagatcagccggaacagcaaggccctggaagagaaatacgtggccgaactgcagctggaacggctgaagaaagacggcgaagtgcggggcagcatcaacagattcaagaccagcgactacgtgaaagaagccaaacagctgctgaaggtgcagaaggcctaccaccagctggaccagagcttcatcgacacctacatcgacctgctggaaacccggcggacctactatgagggacctggcgagggcagccccttcggctggaaggacatcaaagaatggtacgagatgctgatgggccactgcacctacttccccgaggaactgcggagcgtgaagtacgcctacaacgccgacctgtacaacgccctgaacgacctgaacaatctcgtgatcaccagggacgagaacgagaagctggaatattacgagaagttccagatcatcgagaacgtgttcaagcagaagaagaagcccaccctgaagcagatcgccaaagaaatcctcgtgaacgaagaggatattaagggctacagagtgaccagcaccggcaagcccgagttcaccaacctgaaggtgtaccacgacatcaaggacattaccgcccggaaagagattattgagaacgccgagctgctggatcagattgccaagatcctgaccatctaccagagcagcgaggacatccaggaagaactgaccaatctgaactccgagctgacccaggaagagatcgagcagatctctaatctgaagggctataccggcacccacaacctgagcctgaaggccatcaacctgatcctggacgagctgtggcacaccaacgacaaccagatcgctatcttcaaccggctgaagctggtgcccaagaaggtggacctgtcccagcagaaagagatccccaccaccctggtggacgacttcatcctgagccccgtcgtgaagagaagcttcatccagagcatcaaagtgatcaacgccatcatcaagaagtacggcctgcccaacgacatcattatcgagctggcccgcgagaagaactccaaggacgcccagaaaatgatcaacgagatgcagaagcggaaccggcagaccaacgagcggatcgaggaaatcatccggaccaccggcaaagagaacgccaagtacctgatcgagaagatcaagctgcacgacatgcaggaaggcaagtgcctgtacagcctggaagccatccctctggaagatctgctgaacaaccccttcaactatgaggtggaccacatcatccccagaagcgtgtccttcgacaacagcttcaacaacaaggtgctcgtgaagcaggaagaaaacagcaagaagggcaaccggaccccattccagtacctgagcagcagcgacagcaagatcagctacgaaaccttcaagaagcacatcctgaatctggccaagggcaagggcagaatcagcaagaccaagaaagagtatctgctggaagaacgggacatcaacaggttctccgtgcagaaagacttcatcaaccggaacctggtggataccagatacgccaccagaggcctgatgaacctgctgcggagctacttcagagtgaacaacctggacgtgaaagtgaagtccatcaatggcggcttcaccagctttctgcggcggaagtggaagtttaagaaagagcggaacaaggggtacaagcaccacgccgaggacgccctgatcattgccaacgccgatttcatcttcaaagagtggaagaaactggacaaggccaaaaaagtgatggaaaaccagatgttcgaggaaaagcaggccgagagcatgcccgagatcgaaaccgagcaggagtacaaagagatcttcatcaccccccaccagatcaagcacattaaggacttcaaggactacaagtacagccaccgggtggacaagaagcctaatagagagctgattaacgacaccctgtactccacccggaaggacgacaagggcaacaccctgatcgtgaacaatctgaacggcctgtacgacaaggacaatgacaagctgaaaaagctgatcaacaagagccccgaaaagctgctgatgtaccaccacgacccccagacctaccagaaactgaagctgattatggaacagtacggcgacgagaagaatcccctgtacaagtactacgaggaaaccgggaactacctgaccaagtactccaaaaaggacaacggccccgtgatcaagaagattaagtattacggcaacaaactgaacgcccatctggacatcaccgacgactaccccaacagcagaaacaaggtcgtgaagctgtccctgaagccctacagattcgacgtgtacctggacaatggcgtgtacaagttcgtgaccgtgaagaatctggatgtgatcaaaaaagaaaactactacgaagtgaatagcaagtgctatgaggaagctaagaagctgaagaagatcagcaaccaggccgagtttatcgcctccttctacaacaacgatctgatcaagatcaacggcgagctgtatagagtgatcggcgtgaacaacgacctgctgaaccggatcgaagtgaacatgatcgacatcacctaccgcgagtacctggaaaacatgaacgacaagaggccccccaggatcattaagacaatcgcctccaagacccagagcattaagaagtacagcacagacattctgggcaacctgtatgaagtgaaatctaagaagcaccctcagatcatcaaaaagggc
【0111】
配列番号30
黄色ブドウ球菌のCas9分子をコードするコドン最適化核酸配列、および任意に核局在化配列(NLS)
atgaagcgcaactacatcctcggactggacatcggcattacctccgtgggatacggcatcatcgattacgaaactagggatgtgatcgacgctggagtcaggctgttcaaagaggcgaacgtggagaacaacgaggggcggcgctcaaagaggggggcccgccggctgaagcgccgccgcagacatagaatccagcgcgtgaagaagctgctgttcgactacaaccttctgaccgaccactccgaactttccggcatcaacccatatgaggctagagtgaagggattgtcccaaaagctgtccgaggaagagttctccgccgcgttgctccacctcgccaagcgcaggggagtgcacaatgtgaacgaagtggaagaagataccggaaacgagctgtccaccaaggagcagatcagccggaactccaaggccctggaagagaaatacgtggcggaactgcaactggagcggctgaagaaagacggagaagtgcgcggctcgatcaaccgcttcaagacctcggactacgtgaaggaggccaagcagctcctgaaagtgcaaaaggcctatcaccaacttgaccagtcctttatcgatacctacatcgatctgctcgagactcggcggacttactacgagggtccaggggagggctccccatttggttggaaggatattaaggagtggtacgaaatgctgatgggacactgcacatacttccctgaggagctgcggagcgtgaaatacgcatacaacgcagacctgtacaacgcgctgaacgacctgaacaatctcgtgatcacccgggacgagaacgaaaagctcgagtattacgaaaagttccagattattgagaacgtgttcaaacagaagaagaagccgacactgaagcagattgccaaggaaatcctcgtgaacgaagaggacatcaagggctatcgagtgacctcaacgggaaagccggagttcaccaatctgaaggtctaccacgacatcaaagacattaccgcccggaaggagatcattgagaacgcggagctgttggaccagattgcgaagattctgaccatctaccaatcctccgaggatattcaggaagaactcaccaacctcaacagcgaactgacccaggaggagatagagcaaatctccaacctgaagggctacaccggaactcataacctgagcctgaaggccatcaacttgatcctggacgagctgtggcacaccaacgataaccagatcgctattttcaatcggctgaagctggtccccaagaaagtggacctctcacaacaaaaggagatccctactacccttgtggacgatttcattctgtcccccgtggtcaagagaagcttcatacagtcaatcaaagtgatcaatgccattatcaagaaatacggtctgcccaacgacattatcattgagctcgcccgcgagaagaactcgaaggacgcccagaagatgattaacgaaatgcagaagaggaaccgacagactaacgaacggatcgaagaaatcatccggaccaccgggaaggaaaacgcgaagtacctgatcgaaaagatcaagctccatgacatgcaggaaggaaagtgtctgtactcgctggaggccattccgctggaggacttgctgaacaacccttttaactacgaagtggatcatatcattccgaggagcgtgtcattcgacaattccttcaacaacaaggtcctcgtgaagcaggaggaaaactcgaagaagggaaaccgcacgccgttccagtacctgagcagcagcgactccaagatttcctacgaaaccttcaagaagcacatcctcaacctggcaaaggggaagggtcgcatctccaagaccaagaaggaatatctgctggaagaaagagacatcaacagattctccgtgcaaaaggacttcatcaaccgcaacctcgtggatactagatacgctactcggggtctgatgaacctcctgagaagctactttagagtgaacaatctggacgtgaaggtcaagtcgattaacggaggtttcacctccttcctgcggcgcaagtggaagttcaagaaggaacggaacaagggctacaagcaccacgccgaggacgccctgatcattgccaacgccgacttcatcttcaaagaatggaagaaacttgacaaggctaagaaggtcatggaaaaccagatgttcgaagaaaagcaggccgagtctatgcctgaaatcgagactgaacaggagtacaaggaaatctttattacgccacaccagatcaaacacatcaaggatttcaaggattacaagtactcacatcgcgtggacaaaaagccgaacagggaactgatcaacgacaccctctactccacccggaaggatgacaaagggaataccctcatcgtcaacaaccttaacggcctgtacgacaaggacaacgataagctgaagaagctcattaacaagtcgcccgaaaagttgctgatgtaccaccacgaccctcagacttaccagaagctcaagctgatcatggagcagtatggggacgagaaaaacccgttgtacaagtactacgaagaaactgggaattatctgactaagtactccaagaaagataacggccccgtgattaagaagattaagtactacggcaacaagctgaacgcccatctggacatcaccgatgactaccctaattcccgcaacaaggtcgtcaagctgagcctcaagccctaccggtttgatgtgtaccttgacaatggagtgtacaagttcgtgactgtgaagaaccttgacgtgatcaagaaggagaactactacgaagtcaactccaagtgctacgaggaagcaaagaagttgaagaagatctcgaaccaggccgagttcattgcctccttctataacaacgacctgattaagatcaacggcgaactgtaccgcgtcattggcgtgaacaacgatctcctgaaccgcatcgaagtgaacatgatcgacatcacttaccgggaatacctggagaatatgaacgacaagcgcccgccccggatcattaagactatcgcctcaaagacccagtcgatcaagaagtacagcaccgacatcctgggcaacctgtacgaggtcaaatcgaagaagcacccccagatcatcaagaaggga
【0112】
配列番号31
黄色ブドウ球菌のCas9分子をコードするコドン最適化核酸配列、および任意に核局在化配列(NLS)
atggccccaaagaagaagcggaaggtcggtatccacggagtcccagcagccaagcggaactacatcctgggcctggacatcggcatcaccagcgtgggctacggcatcatcgactacgagacacgggacgtgatcgatgccggcgtgcggctgttcaaagaggccaacgtggaaaacaacgagggcaggcggagcaagagaggcgccagaaggctgaagcggcggaggcggcatagaatccagagagtgaagaagctgctgttcgactacaacctgctgaccgaccacagcgagctgagcggcatcaacccctacgaggccagagtgaagggcctgagccagaagctgagcgaggaagagttctctgccgccctgctgcacctggccaagagaagaggcgtgcacaacgtgaacgaggtggaagaggacaccggcaacgagctgtccaccagagagcagatcagccggaacagcaaggccctggaagagaaatacgtggccgaactgcagctggaacggctgaagaaagacggcgaagtgcggggcagcatcaacagattcaagaccagcgactacgtgaaagaagccaaacagctgctgaaggtgcagaaggcctaccaccagctggaccagagcttcatcgacacctacatcgacctgctggaaacccggcggacctactatgagggacctggcgagggcagccccttcggctggaaggacatcaaagaatggtacgagatgctgatgggccactgcacctacttccccgaggaactgcggagcgtgaagtacgcctacaacgccgacctgtacaacgccctgaacgacctgaacaatctcgtgatcaccagggacgagaacgagaagctggaatattacgagaagttccagatcatcgagaacgtgttcaagcagaagaagaagcccaccctgaagcagatcgccaaagaaatcctcgtgaacgaagaggatattaagggctacagagtgaccagcaccggcaagcccgagttcaccaacctgaaggtgtaccacgacatcaaggacattaccgcccggaaagagattattgagaacgccgagctgctggatcagattgccaagatcctgaccatctaccagagcagcgaggacatccaggaagaactgaccaatctgaactccgagctgacccaggaagagatcgagcagatctctaatctgaagggctataccggcacccacaacctgagcctgaaggccatcaacctgatcctggacgagctgtggcacaccaacgacaaccagatcgctatcttcaaccggctgaagctggtgcccaagaaggtggacctgtcccagcagaaagagatccccaccaccctggtggacgacttcatcctgagccccgtcgtgaagagaagcttcatccagagcatcaaagtgatcaacgccatcatcaagaagtacggcctgcccaacgacatcattatcgagctggcccgcgagaagaactccaaggacgcccagaaaatgatcaacgagatgcagaagcggaaccggcagaccaacgagcggatcgaggaaatcatccggaccaccggcaaagagaacgccaagtacctgatcgagaagatcaagctgcacgacatgcaggaaggcaagtgcctgtacagcctggaagccatccctctggaagatctgctgaacaaccccttcaactatgaggtggaccacatcatccccagaagcgtgtccttcgacaacagcttcaacaacaaggtgctcgtgaagcaggaagaaaacagcaagaagggcaaccggaccccattccagtacctgagcagcagcgacagcaagatcagctacgaaaccttcaagaagcacatcctgaatctggccaagggcaagggcagaatcagcaagaccaagaaagagtatctgctggaagaacgggacatcaacaggttctccgtgcagaaagacttcatcaaccggaacctggtggataccagatacgccaccagaggcctgatgaacctgctgcggagctacttcagagtgaacaacctggacgtgaaagtgaagtccatcaatggcggcttcaccagctttctgcggcggaagtggaagtttaagaaagagcggaacaaggggtacaagcaccacgccgaggacgccctgatcattgccaacgccgatttcatcttcaaagagtggaagaaactggacaaggccaaaaaagtgatggaaaaccagatgttcgaggaaaggcaggccgagagcatgcccgagatcgaaaccgagcaggagtacaaagagatcttcatcaccccccaccagatcaagcacattaaggacttcaaggactacaagtacagccaccgggtggacaagaagcctaatagagagctgattaacgacaccctgtactccacccggaaggacgacaagggcaacaccctgatcgtgaacaatctgaacggcctgtacgacaaggacaatgacaagctgaaaaagctgatcaacaagagccccgaaaagctgctgatgtaccaccacgacccccagacctaccagaaactgaagctgattatggaacagtacggcgacgagaagaatcccctgtacaagtactacgaggaaaccgggaactacctgaccaagtactccaaaaaggacaacggccccgtgatcaagaagattaagtattacggcaacaaactgaacgcccatctggacatcaccgacgactaccccaacagcagaaacaaggtcgtgaagctgtccctgaagccctacagattcgacgtgtacctggacaatggcgtgtacaagttcgtgaccgtgaagaatctggatgtgatcaaaaaagaaaactactacgaagtgaatagcaagtgctatgaggaagctaagaagctgaagaagatcagcaaccaggccgagtttatcgcctccttctacaacaacgatctgatcaagatcaacggcgagctgtatagagtgatcggcgtgaacaacgacctgctgaaccggatcgaagtgaacatgatcgacatcacctaccgcgagtacctggaaaacatgaacgacaagaggccccccaggatcattaagacaatcgcctccaagacccagagcattaagaagtacagcacagacattctgggcaacctgtatgaagtgaaatctaagaagcaccctcagatcatcaaaaagggcaaaaggccggcggccacgaaaaaggccggccaggcaaaaaagaaaaag
【0113】
配列番号32
黄色ブドウ球菌のCas9分子をコードするコドン最適化核酸配列、および任意に核局在化配列(NLS)
accggtgccaccatgtacccatacgatgttccagattacgcttcgccgaagaaaaagcgcaaggtcgaagcgtccatgaaaaggaactacattctggggctggacatcgggattacaagcgtggggtatgggattattgactatgaaacaagggacgtgatcgacgcaggcgtcagactgttcaaggaggccaacgtggaaaacaatgagggacggagaagcaagaggggagccaggcgcctgaaacgacggagaaggcacagaatccagagggtgaagaaactgctgttcgattacaacctgctgaccgaccattctgagctgagtggaattaatccttatgaagccagggtgaaaggcctgagtcagaagctgtcagaggaagagttttccgcagctctgctgcacctggctaagcgccgaggagtgcataacgtcaatgaggtggaagaggacaccggcaacgagctgtctacaaaggaacagatctcacgcaatagcaaagctctggaagagaagtatgtcgcagagctgcagctggaacggctgaagaaagatggcgaggtgagagggtcaattaataggttcaagacaagcgactacgtcaaagaagccaagcagctgctgaaagtgcagaaggcttaccaccagctggatcagagcttcatcgatacttatatcgacctgctggagactcggagaacctactatgagggaccaggagaagggagccccttcggatggaaagacatcaaggaatggtacgagatgctgatgggacattgcacctattttccagaagagctgagaagcgtcaagtacgcttataacgcagatcttacaacgccctgaatgacctgaacaacctggtcatcaccagggatgaaaacgagaaactggaatactatgagaagttccagatcatcgaaaacgtgtttaagcagaagaaaaagcctacactgaaacagattgctaaggagatcctggtcaacgaagaggacatcaagggctaccgggtgacaagcactggaaaaccagagttcaccaatctgaaagtgtatcacgatattaaggacatcacagcacggaaagaaatcattgagaacgccgaactgctggatcagattgctaagatcctgactatctaccagagctccgaggacatccaggaagagctgactaacctgaacagcgagctgacccaggaagagatcgaacagattagtaatctgaaggggtacaccggaacacacaacctgtccctgaaagctatcaatctgattctggatgagctgtggcatacaaacgacaatcagattgcaatctttaaccggctgaagctggtcccaaaaaaggtggacctgagtcagcagaaagagatcccaaccacactggtggacgatttcattctgtcacccgtggtcaagcggagcttcatccagagcatcaaagtgatcaacgccatcatcaagaagtacggcctgcccaatgatatcattatcgagctggctagggagaagaacagcaaggacgcacagaagatgatcaatgagatgcagaaacgaaaccggcagaccaatgaacgcattgaagagattatccgaactaccgggaaagagaacgcaaagtacctgattgaaaaaatcaagctgcacgatatgcaggagggaaagtgtctgtattctctggaggccatccccctggaggacctgctgaacaatccattcaactacgaggtcgatcatattatccccagaagcgtgtccttcgacaattcctttaacaacaaggtgctggtcaagcaggaagagaactctaaaaagggcaataggactcctttccagtacctgtctagttcagattccaagatctcttacgaaacctttaaaaagcacattctgaatctggccaaaggaaagggccgcatcagcaagaccaaaaaggagtacctgctggaagagcgggacatcaacagattctccgtccagaaggattttattaaccggaatctggtggacacaagatacgctactcgcggcctgatgaatctgctgcgatcctatttccgggtgaacaatctggatgtgaaagtcaagtccatcaacggcgggttcacatcttttctgaggcgcaaatggaagtttaaaaaggagcgcaacaaagggtacaagcaccatgccgaagatgctctgattatcgcaaatgccgacttcatctttaaggagtggaaaaagctggacaaagccaagaaagtgatggagaaccagatgttcgaagagaagcaggccgaatctatgcccgaaatcgagacagaacaggagtacaaggagattttcatcactcctcaccagatcaagcatatcaaggatttcaaggactacaagtactctcaccgggtggataaaaagcccaacagagagctgatcaatgacaccctgtatagtacaagaaaagacgataaggggaataccctgattgtgaacaatctgaacggactgtacgacaaagataatgacaagctgaaaaagctgatcaacaaaagtcccgagaagctgctgatgtaccaccatgatcctcagacatatcagaaactgaagctgattatggagcagtacggcgacgagaagaacccactgtataagtactatgaagagactgggaactacctgaccaagtatagcaaaaaggataatggccccgtgatcaagaagatcaagtactatgggaacaagctgaatgcccatctggacatcacagacgattaccctaacagtcgcaacaaggtggtcaagctgtcactgaagccatacagattcgatgtctatctggacaacggcgtgtataaatttgtgactgtcaagaatctggatgtcatcaaaaaggagaactactatgaagtgaatagcaagtgctacgaagaggctaaaaagctgaaaaagattagcaaccaggcagagttcatcgcctccttttacaacaacgacctgattaagatcaatggcgaactgtatagggtcatcggggtgaacaatgatctgctgaaccgcattgaagtgaatatgattgacatcacttaccgagagtatctggaaaacatgaatgataagcgcccccctcgaattatcaaaacaattgcctctaagactcagagtatcaaaaagtactcaaccgacattctgggaaacctgtatgaggtgaagagcaaaaagcaccctcagattatcaaaaagggctaagaattc
【0114】
配列番号33
黄色ブドウ球菌Cas9分子のアミノ酸配列
MKRNYILGLDIGITSVGYGIIDYETRDVIDAGVRLFKEANVENNEGRRSKRGARRLKRRRRHRIQRVKKLLFDYNLLTDHSELSGINPYEARVKGLSQKLSEEEFSAALLHLAKRRGVHNVNEVEEDTGNELSTKEQISRNSKALEEKYVAELQLERLKKDGEVRGSINRFKTSDYVKEAKQLLKVQKAYHQLDQSFIDTYIDLLETRRTYYEGPGEGSPFGWKDIKEWYEMLMGHCTYFPEELRSVKYAYNADLYNALNDLNNLVITRDENEKLEYYEKFQIIENVFKQKKKPTLKQIAKEILVNEEDIKGYRVTSTGKPEFTNLKVYHDIKDITARKEIIENAELLDQIAKILTIYQSSEDIQEELTNLNSELTQEEIEQISNLKGYTGTHNLSLKAINLILDELWHTNDNQIAIFNRLKLVPKKVDLSQQKEIPTTLVDDFILSPVVKRSFIQSIKVINAIIKKYGLPNDIIIELAREKNSKDAQKMINEMQKRNRQTNERIEEIIRTTGKENAKYLIEKIKLHDMQEGKCLYSLEAIPLEDLLNNPFNYEVDHIIPRSVSFDNSFNNKVLVKQEENSKKGNRTPFQYLSSSDSKISYETFKKHILNLAKGKGRISKTKKEYLLEERDINRFSVQKDFINRNLVDTRYATRGLMNLLRSYFRVNNLDVKVKSINGGFTSFLRRKWKFKKERNKGYKHHAEDALIIANADFIFKEWKKLDKAKKVMENQMFEEKQAESMPEIETEQEYKEIFITPHQIKHIKDFKDYKYSHRVDKKPNRELINDTLYSTRKDDKGNTLIVNNLNGLYDKDNDKLKKLINKSPEKLLMYHHDPQTYQKLKLIMEQYGDEKNPLYKYYEETGNYLTKYSKKDNGPVIKKIKYYGNKLNAHLDITDDYPNSRNKVVKLSLKPYRFDVYLDNGVYKFVTVKNLDVIKKENYYEVNSKCYEEAKKLKKISNQAEFIASFYNNDLIKINGELYRVIGVNNDLLNRIEVNMIDITYREYLENMNDKRPPRIIKTIASKTQSIKKYSTDILGNLYEVKSKKHPQIIKKG
【0115】
配列番号34
変異黄色ブドウ球菌Cas9(D10A)をコードするDNA
atgaaaaggaactacattctggggctggccatcgggattacaagcgtggggtatgggattattgactatgaaacaagggacgtgatcgacgcaggcgtcagactgttcaaggaggccaacgtggaaaacaatgagggacggagaagcaagaggggagccaggcgcctgaaacgacggagaaggcacagaatccagagggtgaagaaactgctgttcgattacaacctgctgaccgaccattctgagctgagtggaattaatccttatgaagccagggtgaaaggcctgagtcagaagctgtcagaggaagagttttccgcagctctgctgcacctggctaagcgccgaggagtgcataacgtcaatgaggtggaagaggacaccggcaacgagctgtctacaaaggaacagatctcacgcaatagcaaagctctggaagagaagtatgtcgcagagctgcagctggaacggctgaagaaagatggcgaggtgagagggtcaattaataggttcaagacaagcgactacgtcaaagaagccaagcagctgctgaaagtgcagaaggcttaccaccagctggatcagagcttcatcgatacttatatcgacctgctggagactcggagaacctactatgagggaccaggagaagggagccccttcggatggaaagacatcaaggaatggtacgagatgctgatgggacattgcacctattttccagaagagctgagaagcgtcaagtacgcttataacgcagatctgtacaacgccctgaatgacctgaacaacctggtcatcaccagggatgaaaacgagaaactggaatactatgagaagttccagatcatcgaaaacgtgtttaagcagaagaaaaagcctacactgaaacagattgctaaggagatcctggtcaacgaagaggacatcaagggctaccgggtgacaagcactggaaaaccagagttcaccaatctgaaagtgtatcacgatattaaggacatcacagcacggaaagaaatcattgagaacgccgaactgctggatcagattgctaagatcctgactatctaccagagctccgaggacatccaggaagagctgactaacctgaacagcgagctgacccaggaagagatcgaacagattagtaatctgaaggggtacaccggaacacacaacctgtccctgaaagctatcaatctgattctggatgagctgtggcatacaaacgacaatcagattgcaatctttaaccggctgaagctggtcccaaaaaaggtggacctgagtcagcagaaagagatcccaaccacactggtggacgatttcattctgtcacccgtggtcaagcggagcttcatccagagcatcaaagtgatcaacgccatcatcaagaagtacggcctgcccaatgatatcattatcgagctggctagggagaagaacagcaaggacgcacagaagatgatcaatgagatgcagaaacgaaaccggcagaccaatgaacgcattgaagagattatccgaactaccgggaaagagaacgcaaagtacctgattgaaaaaatcaagctgcacgatatgcaggagggaaagtgtctgtattctctggaggccatccccctggaggacctgctgaacaatccattcaactacgaggtcgatcatattatccccagaagcgtgtccttcgacaattcctttaacaacaaggtgctggtcaagcaggaagagaactctaaaaagggcaataggactcctttccagtacctgtctagttcagattccaagatctcttacgaaacctttaaaaagcacattctgaatctggccaaaggaaagggccgcatcagcaagaccaaaaaggagtacctgctggaagagcgggacatcaacagattctccgtccagaaggattttattaaccggaatctggtggacacaagatacgctactcgcggcctgatgaatctgctgcgatcctatttccgggtgaacaatctggatgtgaaagtcaagtccatcaacggcgggttcacatcttttctgaggcgcaaatggaagtttaaaaaggagcgcaacaaagggtacaagcaccatgccgaagatgctctgattatcgcaaatgccgacttcatctttaaggagtggaaaaagctggacaaagccaagaaagtgatggagaaccagatgttcgaagagaagcaggccgaatctatgcccgaaatcgagacagaacaggagtacaaggagattttcatcactcctcaccagatcaagcatatcaaggatttcaaggactacaagtactctcaccgggtggataaaaagcccaacagagagctgatcaatgacaccctgtatagtacaagaaaagacgataaggggaataccctgattgtgaacaatctgaacggactgtacgacaaagataatgacaagctgaaaaagctgatcaacaaaagtcccgagaagctgctgatgtaccaccatgatcctcagacatatcagaaactgaagctgattatggagcagtacggcgacgagaagaacccactgtataagtactatgaagagactgggaactacctgaccaagtatagcaaaaaggataatggccccgtgatcaagaagatcaagtactatgggaacaagctgaatgcccatctggacatcacagacgattaccctaacagtcgcaacaaggtggtcaagctgtcactgaagccatacagattcgatgtctatctggacaacggcgtgtataaatttgtgactgtcaagaatctggatgtcatcaaaaaggagaactactatgaagtgaatagcaagtgctacgaagaggctaaaaagctgaaaaagattagcaaccaggcagagttcatcgcctccttttacaacaacgacctgattaagatcaatggcgaactgtatagggtcatcggggtgaacaatgatctgctgaaccgcattgaagtgaatatgattgacatcacttaccgagagtatctggaaaacatgaatgataagcgcccccctcgaattatcaaaacaattgcctctaagactcagagtatcaaaaagtactcaaccgacattctgggaaacctgtatgaggtgaagagcaaaaagcaccctcagattatcaaaaagggc
【0116】
配列番号35
変異黄色ブドウ球菌Cas9分子(N580A)をコードするDNA
atgaaaaggaactacattctggggctggacatcgggattacaagcgtggggtatgggattattgactatgaaacaagggacgtgatcgacgcaggcgtcagactgttcaaggaggccaacgtggaaaacaatgagggacggagaagcaagaggggagccaggcgcctgaaacgacggagaaggcacagaatccagagggtgaagaaactgctgttcgattacaacctgctgaccgaccattctgagctgagtggaattaatccttatgaagccagggtgaaaggcctgagtcagaagctgtcagaggaagagttttccgcagctctgctgcacctggctaagcgccgaggagtgcataacgtcaatgaggtggaagaggacaccggcaacgagctgtctacaaaggaacagatctcacgcaatagcaaagctctggaagagaagtatgtcgcagagctgcagctggaacggctgaagaaagatggcgaggtgagagggtcaattaataggttcaagacaagcgactacgtcaaagaagccaagcagctgctgaaagtgcagaaggcttaccaccagctggatcagagcttcatcgatacttatatcgacctgctggagactcggagaacctactatgagggaccaggagaagggagccccttcggatggaaagacatcaaggaatggtacgagatgctgatgggacattgcacctattttccagaagagctgagaagcgtcaagtacgcttataacgcagatctgtacaacgccctgaatgacctgaacaacctggtcatcaccagggatgaaaacgagaaactggaatactatgagaagttccagatcatcgaaaacgtgtttaagcagaagaaaaagcctacactgaaacagattgctaaggagatcctggtcaacgaagaggacatcaagggctaccgggtgacaagcactggaaaaccagagttcaccaatctgaaagtgtatcacgatattaaggacatcacagcacggaaagaaatcattgagaacgccgaactgctggatcagattgctaagatcctgactatctaccagagctccgaggacatccaggaagagctgactaacctgaacagcgagctgacccaggaagagatcgaacagattagtaatctgaaggggtacaccggaacacacaacctgtccctgaaagctatcaatctgattctggatgagctgtggcatacaaacgacaatcagattgcaatctttaaccggctgaagctggtcccaaaaaaggtggacctgagtcagcagaaagagatcccaaccacactggtggacgatttcattctgtcacccgtggtcaagcggagcttcatccagagcatcaaagtgatcaacgccatcatcaagaagtacggcctgcccaatgatatcattatcgagctggctagggagaagaacagcaaggacgcacagaagatgatcaatgagatgcagaaacgaaaccggcagaccaatgaacgcattgaagagattatccgaactaccgggaaagagaacgcaaagtacctgattgaaaaaatcaagctgcacgatatgcaggagggaaagtgtctgtattctctggaggccatccccctggaggacctgctgaacaatccattcaactacgaggtcgatcatattatccccagaagcgtgtccttcgacaattcctttaacaacaaggtgctggtcaagcaggaagaggcctctaaaaagggcaataggactcctttccagtacctgtctagttcagattccaagatctcttacgaaacctttaaaaagcacattctgaatctggccaaaggaaagggccgcatcagcaagaccaaaaaggagtacctgctggaagagcgggacatcaacagattctccgtccagaaggattttattaaccggaatctggtggacacaagatacgctactcgcggcctgatgaatctgctgcgatcctatttccgggtgaacaatctggatgtgaaagtcaagtccatcaacggcgggttcacatcttttctgaggcgcaaatggaagtttaaaaaggagcgcaacaaagggtacaagcaccatgccgaagatgctctgattatcgcaaatgccgacttcatctttaaggagtggaaaaagctggacaaagccaagaaagtgatggagaaccagatgttcgaagagaagcaggccgaatctatgcccgaaatcgagacagaacaggagtacaaggagattttcatcactcctcaccagatcaagcatatcaaggatttcaaggactacaagtactctcaccgggtggataaaaagcccaacagagagctgatcaatgacaccctgtatagtacaagaaaagacgataaggggaataccctgattgtgaacaatctgaacggactgtacgacaaagataatgacaagctgaaaaagctgatcaacaaaagtcccgagaagctgctgatgtaccaccatgatcctcagacatatcagaaactgaagctgattatggagcagtacggcgacgagaagaacccactgtataagtactatgaagagactgggaactacctgaccaagtatagcaaaaaggataatggccccgtgatcaagaagatcaagtactatgggaacaagctgaatgcccatctggacatcacagacgattaccctaacagtcgcaacaaggtggtcaagctgtcactgaagccatacagattcgatgtctatctggacaacggcgtgtataaatttgtgactgtcaagaatctggatgtcatcaaaaaggagaactactatgaagtgaatagcaagtgctacgaagaggctaaaaagctgaaaaagattagcaaccaggcagagttcatcgcctccttttacaacaacgacctgattaagatcaatggcgaactgtatagggtcatcggggtgaacaatgatctgctgaaccgcattgaagtgaatatgattgacatcacttaccgagagtatctggaaaacatgaatgataagcgcccccctcgaattatcaaaacaattgcctctaagactcagagtatcaaaaagtactcaaccgacattctgggaaacctgtatgaggtgaagagcaaaaagcaccctcagattatcaaaaagggc
【0117】
配列番号36
NGGNG
【0118】
配列番号37
pDO240-179(JCR179を有するプラスミド)
ctaaattgtaagcgttaatattttgttaaaattcgcgttaaatttttgttaaatcagctcattttttaaccaataggccgaaatcggcaaaatcccttataaatcaaaagaatagaccgagatagggttgagtgttgttccagtttggaacaagagtccactattaaagaacgtggactccaacgtcaaagggcgaaaaaccgtctatcagggcgatggcccactacgtgaaccatcaccctaatcaagttttttggggtcgaggtgccgtaaagcactaaatcggaaccctaaagggagcccccgatttagagcttgacggggaaagccggcgaacgtggcgagaaaggaagggaagaaagcgaaaggagcgggcgctagggcgctggcaagtgtagcggtcacgctgcgcgtaaccaccacacccgccgcgcttaatgcgccgctacagggcgcgtcccattcgccattcaggctgcgcaactgttgggaagggcgatcggtgcgggcctcttcgctattacgccagctggcgaaagggggatgtgctgcaaggcgattaagttgggtaacgccagggttttcccagtcacgacgttgtaaaacgacggccagtgagcgcgcgtaatacgactcactatagggcgaattgggtacCAAGCTTgcctatttcccatgattccttcatatttgcatatacgatacaaggctgttagagagataattggaattaatttgactgtaaacacaaagatattagtacaaaatacgtgacgtagaaagtaataatttcttgggtagtttgcagttttaaaattatgttttaaaatggactatcatatgcttaccgtaacttgaaagtatttcgatttcttggctttatatatcttgTGGAAAGGACGAAACACCaacacacagCTGGGTtatcagaggttttagtactctggaaacagaatctactaaaacaaggcaaaatgccgtgtttatctcgtcaacttgttggcgagatttttttGCGGCCGCCCgcggtggagctccagcttttgttccctttagtgagggttaattgcgcgcttggcgtaatcatggtcatagctgtttcctgtgtgaaattgttatccgctcacaattccacacaacatacgagccggaagcataaagtgtaaagcctggggtgcctaatgagtgagctaactcacattaattgcgttgcgctcactgcccgctttccagtcgggaaacctgtcgtgccagctgcattaatgaatcggccaacgcgcggggagaggcggtttgcgtattgggcgctcttccgcttcctcgctcactgactcgctgcgctcggtcgttcggctgcggcgagcggtatcagctcactcaaaggcggtaatacggttatccacagaatcaggggataacgcaggaaagaacatgtgagcaaaaggccagcaaaaggccaggaaccgtaaaaaggccgcgttgctggcgtttttccataggctccgcccccctgacgagcatcacaaaaatcgacgctcaagtcagaggtggcgaaacccgacaggactataaagataccaggcgtttccccctggaagctccctcgtgcgctctcctgttccgaccctgccgcttaccggatacctgtccgcctttctcccttcgggaagcgtggcgctttctcatagctcacgctgtaggtatctcagttcggtgtaggtcgttcgctccaagctgggctgtgtgcacgaaccccccgttcagcccgaccgctgcgccttatccggtaactatcgtcttgagtccaacccggtaagacacgacttatcgccactggcagcagccactggtaacaggattagcagagcgaggtatgtaggcggtgctacagagttcttgaagtggtggcctaactacggctacactagaaggacagtatttggtatctgcgctctgctgaagccagttaccttcggaaaaagagttggtagctcttgatccggcaaacaaaccaccgctggtagcggtggtttttttgtttgcaagcagcagattacgcgcagaaaaaaaggatctcaagaagatcctttgatcttttctacggggtctgacgctcagtggaacgaaaactcacgttaagggattttggtcatgagattatcaaaaaggatcttcacctagatccttttaaattaaaaatgaagttttaaatcaatctaaagtatatatgagtaaacttggtctgacagttaccaatgcttaatcagtgaggcacctatctcagcgatctgtctatttcgttcatccatagttgcctgactccccgtcgtgtagataactacgatacgggagggcttaccatctggccccagtgctgcaatgataccgcgagacccacgctcaccggctccagatttatcagcaataaaccagccagccggaagggccgagcgcagaagtggtcctgcaactttatccgcctccatccagtctattaattgttgccgggaagctagagtaagtagttcgccagttaatagtttgcgcaacgttgttgccattgctacaggcatcgtggtgtcacgctcgtcgtttggtatggcttcattcagctccggttcccaacgatcaaggcgagttacatgatcccccatgttgtgcaaaaaagcggttagctccttcggtcctccgatcgttgtcagaagtaagttggccgcagtgttatcactcatggttatggcagcactgcataattctcttactgtcatgccatccgtaagatgcttttctgtgactggtgagtactcaaccaagtcattctgagaatagtgtatgcggcgaccgagttgctcttgcccggcgtcaatacgggataataccgcgccacatagcagaactttaaaagtgctcatcattggaaaacgttcttcggggcgaaaactctcaaggatcttaccgctgttgagatccagttcgatgtaacccactcgtgcacccaactgatcttcagcatcttttactttcaccagcgtttctgggtgagcaaaaacaggaaggcaaaatgccgcaaaaaagggaataagggcgacacggaaatgttgaatactcatactcttcctttttcaatattattgaagcatttatcagggttattgtctcatgagcggatacatatttgaatgtatttagaaaaataaacaaataggggttccgcgcacatttccccgaaaagtgccac
【0119】
配列番号38
pDO240-183(JCR183を有するプラスミド)
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【0120】
配列番号39
PT366 AAV179(SaCas9およびgRNA179を有するAAV)
cctgcaggcagctgcgcgctcgctcgctcactgaggccgcccgggcgtcgggcgacctttggtcgcccggcctcagtgagcgagcgagcgcgcagagagggagtggccaactccatcactaggggttcctgcggcctctagactcgaggcgttgacattgattattgactagttattaatagtaatcaattacggggtcattagttcatagcccatatatggagttccgcgttacataacttacggtaaatggcccgcctggctgaccgcccaacgacccccgcccattgacgtcaataatgacgtatgttcccatagtaacgccaatagggactttccattgacgtcaatgggtggagtatttacggtaaactgcccacttggcagtacatcaagtgtatcatatgccaagtacgccccctattgacgtcaatgacggtaaatggcccgcctggcattatgcccagtacatgaccttatgggactttcctacttggcagtacatctacgtattagtcatcgctattaccatggtgatgcggttttggcagtacatcaatgggcgtggatagcggtttgactcacggggatttccaagtctccaccccattgacgtcaatgggagtttgttttggcaccaaaatcaacgggactttccaaaatgtcgtaacaactccgccccattgacgcaaatgggcggtaggcgtgtacggtgggaggtctatataagcagagctctctggctaactaccggtgccaccATGGCCCCAAAGAAGAAGCGGAAGGTCGGTATCCACGGAGTCCCAGCAGCCAAGCGGAACTACATCCTGGGCCTGGACATCGGCATCACCAGCGTGGGCTACGGCATCATCGACTACGAGACACGGGACGTGATCGATGCCGGCGTGCGGCTGTTCAAAGAGGCCAACGTGGAAAACAACGAGGGCAGGCGGAGCAAGAGAGGCGCCAGAAGGCTGAAGCGGCGGAGGCGGCATAGAATCCAGAGAGTGAAGAAGCTGCTGTTCGACTACAACCTGCTGACCGACCACAGCGAGCTGAGCGGCATCAACCCCTACGAGGCCAGAGTGAAGGGCCTGAGCCAGAAGCTGAGCGAGGAAGAGTTCTCTGCCGCCCTGCTGCACCTGGCCAAGAGAAGAGGCGTGCACAACGTGAACGAGGTGGAAGAGGACACCGGCAACGAGCTGTCCACCAAAGAGCAGATCAGCCGGAACAGCAAGGCCCTGGAAGAGAAATACGTGGCCGAACTGCAGCTGGAACGGCTGAAGAAAGACGGCGAAGTGCGGGGCAGCATCAACAGATTCAAGACCAGCGACTACGTGAAAGAAGCCAAACAGCTGCTGAAGGTGCAGAAGGCCTACCACCAGCTGGACCAGAGCTTCATCGACACCTACATCGACCTGCTGGAAACCCGGCGGACCTACTATGAGGGACCTGGCGAGGGCAGCCCCTTCGGCTGGAAGGACATCAAAGAATGGTACGAGATGCTGATGGGCCACTGCACCTACTTCCCCGAGGAACTGCGGAGCGTGAAGTACGCCTACAACGCCGACCTGTACAACGCCCTGAACGACCTGAACAATCTCGTGATCACCAGGGACGAGAACGAGAAGCTGGAATATTACGAGAAGTTCCAGATCATCGAGAACGTGTTCAAGCAGAAGAAGAAGCCCACCCTGAAGCAGATCGCCAAAGAAATCCTCGTGAACGAAGAGGATATTAAGGGCTACAGAGTGACCAGCACCGGCAAGCCCGAGTTCACCAACCTGAAGGTGTACCACGACATCAAGGACATTACCGCCCGGAAAGAGATTATTGAGAACGCCGAGCTGCTGGATCAGATTGCCAAGATCCTGACCATCTACCAGAGCAGCGAGGACATCCAGGAAGAACTGACCAATCTGAACTCCGAGCTGACCCAGGAAGAGATCGAGCAGATCTCTAATCTGAAGGGCTATACCGGCACCCACAACCTGAGCCTGAAGGCCATCAACCTGATCCTGGACGAGCTGTGGCACACCAACGACAACCAGATCGCTATCTTCAACCGGCTGAAGCTGGTGCCCAAGAAGGTGGACCTGTCCCAGCAGAAAGAGATCCCCACCACCCTGGTGGACGACTTCATCCTGAGCCCCGTCGTGAAGAGAAGCTTCATCCAGAGCATCAAAGTGATCAACGCCATCATCAAGAAGTACGGCCTGCCCAACGACATCATTATCGAGCTGGCCCGCGAGAAGAACTCCAAGGACGCCCAGAAAATGATCAACGAGATGCAGAAGCGGAACCGGCAGACCAACGAGCGGATCGAGGAAATCATCCGGACCACCGGCAAAGAGAACGCCAAGTACCTGATCGAGAAGATCAAGCTGCACGACATGCAGGAAGGCAAGTGCCTGTACAGCCTGGAAGCCATCCCTCTGGAAGATCTGCTGAACAACCCCTTCAACTATGAGGTGGACCACATCATCCCCAGAAGCGTGTCCTTCGACAACAGCTTCAACAACAAGGTGCTCGTGAAGCAGGAAGAAAACAGCAAGAAGGGCAACCGGACCCCATTCCAGTACCTGAGCAGCAGCGACAGCAAGATCAGCTACGAAACCTTCAAGAAGCACATCCTGAATCTGGCCAAGGGCAAGGGCAGAATCAGCAAGACCAAGAAAGAGTATCTGCTGGAAGAACGGGACATCAACAGGTTCTCCGTGCAGAAAGACTTCATCAACCGGAACCTGGTGGATACCAGATACGCCACCAGAGGCCTGATGAACCTGCTGCGGAGCTACTTCAGAGTGAACAACCTGGACGTGAAAGTGAAGTCCATCAATGGCGGCTTCACCAGCTTTCTGCGGCGGAAGTGGAAGTTTAAGAAAGAGCGGAACAAGGGGTACAAGCACCACGCCGAGGACGCCCTGATCATTGCCAACGCCGATTTCATCTTCAAAGAGTGGAAGAAACTGGACAAGGCCAAAAAAGTGATGGAAAACCAGATGTTCGAGGAAAAGCAGGCCGAGAGCATGCCCGAGATCGAAACCGAGCAGGAGTACAAAGAGATCTTCATCACCCCCCACCAGATCAAGCACATTAAGGACTTCAAGGACTACAAGTACAGCCACCGGGTGGACAAGAAGCCTAATAGAGAGCTGATTAACGACACCCTGTACTCCACCCGGAAGGACGACAAGGGCAACACCCTGATCGTGAACAATCTGAACGGCCTGTACGACAAGGACAATGACAAGCTGAAAAAGCTGATCAACAAGAGCCCCGAAAAGCTGCTGATGTACCACCACGACCCCCAGACCTACCAGAAACTGAAGCTGATTATGGAACAGTACGGCGACGAGAAGAATCCCCTGTACAAGTACTACGAGGAAACCGGGAACTACCTGACCAAGTACTCCAAAAAGGACAACGGCCCCGTGATCAAGAAGATTAAGTATTACGGCAACAAACTGAACGCCCATCTGGACATCACCGACGACTACCCCAACAGCAGAAACAAGGTCGTGAAGCTGTCCCTGAAGCCCTACAGATTCGACGTGTACCTGGACAATGGCGTGTACAAGTTCGTGACCGTGAAGAATCTGGATGTGATCAAAAAAGAAAACTACTACGAAGTGAATAGCAAGTGCTATGAGGAAGCTAAGAAGCTGAAGAAGATCAGCAACCAGGCCGAGTTTATCGCCTCCTTCTACAACAACGATCTGATCAAGATCAACGGCGAGCTGTATAGAGTGATCGGCGTGAACAACGACCTGCTGAACCGGATCGAAGTGAACATGATCGACATCACCTACCGCGAGTACCTGGAAAACATGAACGACAAGAGGCCCCCCAGGATCATTAAGACAATCGCCTCCAAGACCCAGAGCATTAAGAAGTACAGCACAGACATTCTGGGCAACCTGTATGAAGTGAAATCTAAGAAGCACCCTCAGATCATCAAAAAGGGCAAAAGGCCGGCGGCCACGAAAAAGGCCGGCCAGGCAAAAAAGAAAAAGggatcctacccatacgatgttccagattacgcttacccatacgatgttccagattacgcttacccatacgatgttccagattacgcttaagaattcctagagctcgctgatcagcctcgactgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgtcctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagagaatagcaggcatgctggggaggtaccgagggcctatttcccatgattccttcatatttgcatatacgatacaaggctgttagagagataattggaattaatttgactgtaaacacaaagatattagtacaaaatacgtgacgtagaaagtaataatttcttgggtagtttgcagttttaaaattatgttttaaaatggactatcatatgcttaccgtaacttgaaagtatttcgatttcttggctttatatatcttGTGGAAAGGACGAAACACCgaacacacagCTGGGTtatcagaggttttagtactctggaaacagaatctactaaaacaaggcaaaatgccgtgtttatctcgtcaacttgttggcgagatttttgcggccgcaggaacccctagtgatggagttggccactccctctctgcgcgctcgctcgctcactgaggccgggcgaccaaaggtcgcccgacgcccgggctttgcccgggcggcctcagtgagcgagcgagcgcgcagctgcctgcaggggcgcctgatgcggtattttctccttacgcatctgtgcggtatttcacaccgcatacgtcaaagcaaccatagtacgcgccctgtagcggcgcattaagcgcggcgggtgtggtggttacgcgcagcgtgaccgctacacttgccagcgccctagcgcccgctcctttcgctttcttcccttcctttctcgccacgttcgccggctttccccgtcaagctctaaatcgggggctccctttagggttccgatttagtgctttacggcacctcgaccccaaaaaacttgatttgggtgatggttcacgtagtgggccatcgccctgatagacggtttttcgccctttgacgttggagtccacgttctttaatagtggactcttgttccaaactggaacaacactcaaccctatctcgggctattcttttgatttataagggattttgccgatttcggcctattggttaaaaaatgagctgatttaacaaaaatttaacgcgaattttaacaaaatattaacgtttacaattttatggtgcactctcagtacaatctgctctgatgccgcatagttaagccagccccgacacccgccaacacccgctgacgcgccctgacgggcttgtctgctcccggcatccgcttacagacaagctgtgaccgtctccgggagctgcatgtgtcagaggttttcaccgtcatcaccgaaacgcgcgagacgaaagggcctcgtgatacgcctatttttataggttaatgtcatgataataatggtttcttagacgtcaggtggcacttttcggggaaatgtgcgcggaacccctatttgtttatttttctaaatacattcaaatatgtatccgctcatgagacaataaccctgataaatgcttcaataatattgaaaaaggaagagtatgagtattcaacatttccgtgtcgcccttattcccttttttgcggcattttgccttcctgtttttgctcacccagaaacgctggtgaaagtaaaagatgctgaagatcagttgggtgcacgagtgggttacatcgaactggatctcaacagcggtaagatccttgagagttttcgccccgaagaacgttttccaatgatgagcacttttaaagttctgctatgtggcgcggtattatcccgtattgacgccgggcaagagcaactcggtcgccgcatacactattctcagaatgacttggttgagtactcaccagtcacagaaaagcatcttacggatggcatgacagtaagagaattatgcagtgctgccataaccatgagtgataacactgcggccaacttacttctgacaacgatcggaggaccgaaggagctaaccgcttttttgcacaacatgggggatcatgtaactcgccttgatcgttgggaaccggagctgaatgaagccataccaaacgacgagcgtgacaccacgatgcctgtagcaatggcaacaacgttgcgcaaactattaactggcgaactacttactctagcttcccggcaacaattaatagactggatggaggcggataaagttgcaggaccacttctgcgctcggcccttccggctggctggtttattgctgataaatctggagccggtgagcgtggaagccgcggtatcattgcagcactggggccagatggtaagccctcccgtatcgtagttatctacacgacggggagtcaggcaactatggatgaacgaaatagacagatcgctgagataggtgcctcactgattaagcattggtaactgtcagaccaagtttactcatatatactttagattgatttaaaacttcatttttaatttaaaaggatctaggtgaagatcctttttgataatctcatgaccaaaatcccttaacgtgagttttcgttccactgagcgtcagaccccgtagaaaagatcaaaggatcttcttgagatcctttttttctgcgcgtaatctgctgcttgcaaacaaaaaaaccaccgctaccagcggtggtttgtttgccggatcaagagctaccaactctttttccgaaggtaactggcttcagcagagcgcagataccaaatactgtccttctagtgtagccgtagttaggccaccacttcaagaactctgtagcaccgcctacatacctcgctctgctaatcctgttaccagtggctgctgccagtggcgataagtcgtgtcttaccgggttggactcaagacgatagttaccggataaggcgcagcggtcgggctgaacggggggttcgtgcacacagcccagcttggagcgaacgacctacaccgaactgagatacctacagcgtgagctatgagaaagcgccacgcttcccgaagggagaaaggcggacaggtatccggtaagcggcagggtcggaacaggagagcgcacgagggagcttccagggggaaacgcctggtatctttatagtcctgtcgggtttcgccacctctgacttgagcgtcgatttttgtgatgctcgtcaggggggcggagcctatggaaaaacgccagcaacgcggcctttttacggttcctggccttttgctggccttttgctcacatgt
【0121】
配列番号40
PT366 AAV183(SaCas9およびgRNA183を有するAAV)
cctgcaggcagctgcgcgctcgctcgctcactgaggccgcccgggcgtcgggcgacctttggtcgcccggcctcagtgagcgagcgagcgcgcagagagggagtggccaactccatcactaggggttcctgcggcctctagactcgaggcgttgacattgattattgactagttattaatagtaatcaattacggggtcattagttcatagcccatatatggagttccgcgttacataacttacggtaaatggcccgcctggctgaccgcccaacgacccccgcccattgacgtcaataatgacgtatgttcccatagtaacgccaatagggactttccattgacgtcaatgggtggagtatttacggtaaactgcccacttggcagtacatcaagtgtatcatatgccaagtacgccccctattgacgtcaatgacggtaaatggcccgcctggcattatgcccagtacatgaccttatgggactttcctacttggcagtacatctacgtattagtcatcgctattaccatggtgatgcggttttggcagtacatcaatgggcgtggatagcggtttgactcacggggatttccaagtctccaccccattgacgtcaatgggagtttgttttggcaccaaaatcaacgggactttccaaaatgtcgtaacaactccgccccattgacgcaaatgggcggtaggcgtgtacggtgggaggtctatataagcagagctctctggctaactaccggtgccaccATGGCCCCAAAGAAGAAGCGGAAGGTCGGTATCCACGGAGTCCCAGCAGCCAAGCGGAACTACATCCTGGGCCTGGACATCGGCATCACCAGCGTGGGCTACGGCATCATCGACTACGAGACACGGGACGTGATCGATGCCGGCGTGCGGCTGTTCAAAGAGGCCAACGTGGAAAACAACGAGGGCAGGCGGAGCAAGAGAGGCGCCAGAAGGCTGAAGCGGCGGAGGCGGCATAGAATCCAGAGAGTGAAGAAGCTGCTGTTCGACTACAACCTGCTGACCGACCACAGCGAGCTGAGCGGCATCAACCCCTACGAGGCCAGAGTGAAGGGCCTGAGCCAGAAGCTGAGCGAGGAAGAGTTCTCTGCCGCCCTGCTGCACCTGGCCAAGAGAAGAGGCGTGCACAACGTGAACGAGGTGGAAGAGGACACCGGCAACGAGCTGTCCACCAAAGAGCAGATCAGCCGGAACAGCAAGGCCCTGGAAGAGAAATACGTGGCCGAACTGCAGCTGGAACGGCTGAAGAAAGACGGCGAAGTGCGGGGCAGCATCAACAGATTCAAGACCAGCGACTACGTGAAAGAAGCCAAACAGCTGCTGAAGGTGCAGAAGGCCTACCACCAGCTGGACCAGAGCTTCATCGACACCTACATCGACCTGCTGGAAACCCGGCGGACCTACTATGAGGGACCTGGCGAGGGCAGCCCCTTCGGCTGGAAGGACATCAAAGAATGGTACGAGATGCTGATGGGCCACTGCACCTACTTCCCCGAGGAACTGCGGAGCGTGAAGTACGCCTACAACGCCGACCTGTACAACGCCCTGAACGACCTGAACAATCTCGTGATCACCAGGGACGAGAACGAGAAGCTGGAATATTACGAGAAGTTCCAGATCATCGAGAACGTGTTCAAGCAGAAGAAGAAGCCCACCCTGAAGCAGATCGCCAAAGAAATCCTCGTGAACGAAGAGGATATTAAGGGCTACAGAGTGACCAGCACCGGCAAGCCCGAGTTCACCAACCTGAAGGTGTACCACGACATCAAGGACATTACCGCCCGGAAAGAGATTATTGAGAACGCCGAGCTGCTGGATCAGATTGCCAAGATCCTGACCATCTACCAGAGCAGCGAGGACATCCAGGAAGAACTGACCAATCTGAACTCCGAGCTGACCCAGGAAGAGATCGAGCAGATCTCTAATCTGAAGGGCTATACCGGCACCCACAACCTGAGCCTGAAGGCCATCAACCTGATCCTGGACGAGCTGTGGCACACCAACGACAACCAGATCGCTATCTTCAACCGGCTGAAGCTGGTGCCCAAGAAGGTGGACCTGTCCCAGCAGAAAGAGATCCCCACCACCCTGGTGGACGACTTCATCCTGAGCCCCGTCGTGAAGAGAAGCTTCATCCAGAGCATCAAAGTGATCAACGCCATCATCAAGAAGTACGGCCTGCCCAACGACATCATTATCGAGCTGGCCCGCGAGAAGAACTCCAAGGACGCCCAGAAAATGATCAACGAGATGCAGAAGCGGAACCGGCAGACCAACGAGCGGATCGAGGAAATCATCCGGACCACCGGCAAAGAGAACGCCAAGTACCTGATCGAGAAGATCAAGCTGCACGACATGCAGGAAGGCAAGTGCCTGTACAGCCTGGAAGCCATCCCTCTGGAAGATCTGCTGAACAACCCCTTCAACTATGAGGTGGACCACATCATCCCCAGAAGCGTGTCCTTCGACAACAGCTTCAACAACAAGGTGCTCGTGAAGCAGGAAGAAAACAGCAAGAAGGGCAACCGGACCCCATTCCAGTACCTGAGCAGCAGCGACAGCAAGATCAGCTACGAAACCTTCAAGAAGCACATCCTGAATCTGGCCAAGGGCAAGGGCAGAATCAGCAAGACCAAGAAAGAGTATCTGCTGGAAGAACGGGACATCAACAGGTTCTCCGTGCAGAAAGACTTCATCAACCGGAACCTGGTGGATACCAGATACGCCACCAGAGGCCTGATGAACCTGCTGCGGAGCTACTTCAGAGTGAACAACCTGGACGTGAAAGTGAAGTCCATCAATGGCGGCTTCACCAGCTTTCTGCGGCGGAAGTGGAAGTTTAAGAAAGAGCGGAACAAGGGGTACAAGCACCACGCCGAGGACGCCCTGATCATTGCCAACGCCGATTTCATCTTCAAAGAGTGGAAGAAACTGGACAAGGCCAAAAAAGTGATGGAAAACCAGATGTTCGAGGAAAAGCAGGCCGAGAGCATGCCCGAGATCGAAACCGAGCAGGAGTACAAAGAGATCTTCATCACCCCCCACCAGATCAAGCACATTAAGGACTTCAAGGACTACAAGTACAGCCACCGGGTGGACAAGAAGCCTAATAGAGAGCTGATTAACGACACCCTGTACTCCACCCGGAAGGACGACAAGGGCAACACCCTGATCGTGAACAATCTGAACGGCCTGTACGACAAGGACAATGACAAGCTGAAAAAGCTGATCAACAAGAGCCCCGAAAAGCTGCTGATGTACCACCACGACCCCCAGACCTACCAGAAACTGAAGCTGATTATGGAACAGTACGGCGACGAGAAGAATCCCCTGTACAAGTACTACGAGGAAACCGGGAACTACCTGACCAAGTACTCCAAAAAGGACAACGGCCCCGTGATCAAGAAGATTAAGTATTACGGCAACAAACTGAACGCCCATCTGGACATCACCGACGACTACCCCAACAGCAGAAACAAGGTCGTGAAGCTGTCCCTGAAGCCCTACAGATTCGACGTGTACCTGGACAATGGCGTGTACAAGTTCGTGACCGTGAAGAATCTGGATGTGATCAAAAAAGAAAACTACTACGAAGTGAATAGCAAGTGCTATGAGGAAGCTAAGAAGCTGAAGAAGATCAGCAACCAGGCCGAGTTTATCGCCTCCTTCTACAACAACGATCTGATCAAGATCAACGGCGAGCTGTATAGAGTGATCGGCGTGAACAACGACCTGCTGAACCGGATCGAAGTGAACATGATCGACATCACCTACCGCGAGTACCTGGAAAACATGAACGACAAGAGGCCCCCCAGGATCATTAAGACAATCGCCTCCAAGACCCAGAGCATTAAGAAGTACAGCACAGACATTCTGGGCAACCTGTATGAAGTGAAATCTAAGAAGCACCCTCAGATCATCAAAAAGGGCAAAAGGCCGGCGGCCACGAAAAAGGCCGGCCAGGCAAAAAAGAAAAAGggatcctacccatacgatgttccagattacgcttacccatacgatgttccagattacgcttacccatacgatgttccagattacgcttaagaattcctagagctcgctgatcagcctcgactgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgtcctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagagaatagcaggcatgctggggaggtaccgagggcctatttcccatgattccttcatatttgcatatacgatacaaggctgttagagagataattggaattaatttgactgtaaacacaaagatattagtacaaaatacgtgacgtagaaagtaataatttcttgggtagtttgcagttttaaaattatgttttaaaatggactatcatatgcttaccgtaacttgaaagtatttcgatttcttggctttatatatcttGTGGAAAGGACGAAACACCgagaactggtgggaaatggtctaggttttagtactctggaaacagaatctactaaaacaaggcaaaatgccgtgtttatctcgtcaacttgttggcgagatttttgcggccgcaggaacccctagtgatggagttggccactccctctctgcgcgctcgctcgctcactgaggccgggcgaccaaaggtcgcccgacgcccgggctttgcccgggcggcctcagtgagcgagcgagcgcgcagctgcctgcaggggcgcctgatgcggtattttctccttacgcatctgtgcggtatttcacaccgcatacgtcaaagcaaccatagtacgcgccctgtagcggcgcattaagcgcggcgggtgtggtggttacgcgcagcgtgaccgctacacttgccagcgccctagcgcccgctcctttcgctttcttcccttcctttctcgccacgttcgccggctttccccgtcaagctctaaatcgggggctccctttagggttccgatttagtgctttacggcacctcgaccccaaaaaacttgatttgggtgatggttcacgtagtgggccatcgccctgatagacggtttttcgccctttgacgttggagtccacgttctttaatagtggactcttgttccaaactggaacaacactcaaccctatctcgggctattcttttgatttataagggattttgccgatttcggcctattggttaaaaaatgagctgatttaacaaaaatttaacgcgaattttaacaaaatattaacgtttacaattttatggtgcactctcagtacaatctgctctgatgccgcatagttaagccagccccgacacccgccaacacccgctgacgcgccctgacgggcttgtctgctcccggcatccgcttacagacaagctgtgaccgtctccgggagctgcatgtgtcagaggttttcaccgtcatcaccgaaacgcgcgagacgaaagggcctcgtgatacgcctatttttataggttaatgtcatgataataatggtttcttagacgtcaggtggcacttttcggggaaatgtgcgcggaacccctatttgtttatttttctaaatacattcaaatatgtatccgctcatgagacaataaccctgataaatgcttcaataatattgaaaaaggaagagtatgagtattcaacatttccgtgtcgcccttattcccttttttgcggcattttgccttcctgtttttgctcacccagaaacgctggtgaaagtaaaagatgctgaagatcagttgggtgcacgagtgggttacatcgaactggatctcaacagcggtaagatccttgagagttttcgccccgaagaacgttttccaatgatgagcacttttaaagttctgctatgtggcgcggtattatcccgtattgacgccgggcaagagcaactcggtcgccgcatacactattctcagaatgacttggttgagtactcaccagtcacagaaaagcatcttacggatggcatgacagtaagagaattatgcagtgctgccataaccatgagtgataacactgcggccaacttacttctgacaacgatcggaggaccgaaggagctaaccgcttttttgcacaacatgggggatcatgtaactcgccttgatcgttgggaaccggagctgaatgaagccataccaaacgacgagcgtgacaccacgatgcctgtagcaatggcaacaacgttgcgcaaactattaactggcgaactacttactctagcttcccggcaacaattaatagactggatggaggcggataaagttgcaggaccacttctgcgctcggcccttccggctggctggtttattgctgataaatctggagccggtgagcgtggaagccgcggtatcattgcagcactggggccagatggtaagccctcccgtatcgtagttatctacacgacggggagtcaggcaactatggatgaacgaaatagacagatcgctgagataggtgcctcactgattaagcattggtaactgtcagaccaagtttactcatatatactttagattgatttaaaacttcatttttaatttaaaaggatctaggtgaagatcctttttgataatctcatgaccaaaatcccttaacgtgagttttcgttccactgagcgtcagaccccgtagaaaagatcaaaggatcttcttgagatcctttttttctgcgcgtaatctgctgcttgcaaacaaaaaaaccaccgctaccagcggtggtttgtttgccggatcaagagctaccaactctttttccgaaggtaactggcttcagcagagcgcagataccaaatactgtccttctagtgtagccgtagttaggccaccacttcaagaactctgtagcaccgcctacatacctcgctctgctaatcctgttaccagtggctgctgccagtggcgataagtcgtgtcttaccgggttggactcaagacgatagttaccggataaggcgcagcggtcgggctgaacggggggttcgtgcacacagcccagcttggagcgaacgacctacaccgaactgagatacctacagcgtgagctatgagaaagcgccacgcttcccgaagggagaaaggcggacaggtatccggtaagcggcagggtcggaacaggagagcgcacgagggagcttccagggggaaacgcctggtatctttatagtcctgtcgggtttcgccacctctgacttgagcgtcgatttttgtgatgctcgtcaggggggcggagcctatggaaaaacgccagcaacgcggcctttttacggttcctggccttttgctggccttttgctcacatgt
【0122】
配列番号41
JCR94
aacaaatatcccttagtatc
配列番号42
JCR99
aatgtatttcttctattcaa
【0123】
配列番号43
NLSを有するAAVにおけるSaCas9をコードするDNA
atggccccaaagaagaagcggaaggtcggtatccacggagtcccagcagccaagcggaactacatcctgggcctggacatcggcatcaccagcgtgggctacggcatcatcgactacgagacacgggacgtgatcgatgccggcgtgcggctgttcaaagaggccaacgtggaaaacaacgagggcaggcggagcaagagaggcgccagaaggctgaagcggcggaggcggcatagaatccagagagtgaagaagctgctgttcgactacaacctgctgaccgaccacagcgagctgagcggcatcaacccctacgaggccagagtgaagggcctgagccagaagctgagcgaggaagagttctctgccgccctgctgcacctggccaagagaagaggcgtgcacaacgtgaacgaggtggaagaggacaccggcaacgagctgtccaccaaagagcagatcagccggaacagcaaggccctggaagagaaatacgtggccgaactgcagctggaacggctgaagaaagacggcgaagtgcggggcagcatcaacagattcaagaccagcgactacgtgaaagaagccaaacagctgctgaaggtgcagaaggcctaccaccagctggaccagagcttcatcgacacctacatcgacctgctggaaacccggcggacctactatgagggacctggcgagggcagccccttcggctggaaggacatcaaagaatggtacgagatgctgatgggccactgcacctacttccccgaggaactgcggagcgtgaagtacgcctacaacgccgacctgtacaacgccctgaacgacctgaacaatctcgtgatcaccagggacgagaacgagaagctggaatattacgagaagttccagatcatcgagaacgtgttcaagcagaagaagaagcccaccctgaagcagatcgccaaagaaatcctcgtgaacgaagaggatattaagggctacagagtgaccagcaccggcaagcccgagttcaccaacctgaaggtgtaccacgacatcaaggacattaccgcccggaaagagattattgagaacgccgagctgctggatcagattgccaagatcctgaccatctaccagagcagcgaggacatccaggaagaactgaccaatctgaactccgagctgacccaggaagagatcgagcagatctctaatctgaagggctataccggcacccacaacctgagcctgaaggccatcaacctgatcctggacgagctgtggcacaccaacgacaaccagatcgctatcttcaaccggctgaagctggtgcccaagaaggtggacctgtcccagcagaaagagatccccaccaccctggtggacgacttcatcctgagccccgtcgtgaagagaagcttcatccagagcatcaaagtgatcaacgccatcatcaagaagtacggcctgcccaacgacatcattatcgagctggcccgcgagaagaactccaaggacgcccagaaaatgatcaacgagatgcagaagcggaaccggcagaccaacgagcggatcgaggaaatcatccggaccaccggcaaagagaacgccaagtacctgatcgagaagatcaagctgcacgacatgcaggaaggcaagtgcctgtacagcctggaagccatccctctggaagatctgctgaacaaccccttcaactatgaggtggaccacatcatccccagaagcgtgtccttcgacaacagcttcaacaacaaggtgctcgtgaagcaggaagaaaacagcaagaagggcaaccggaccccattccagtacctgagcagcagcgacagcaagatcagctacgaaaccttcaagaagcacatcctgaatctggccaagggcaagggcagaatcagcaagaccaagaaagagtatctgctggaagaacgggacatcaacaggttctccgtgcagaaagacttcatcaaccggaacctggtggataccagatacgccaccagaggcctgatgaacctgctgcggagctacttcagagtgaacaacctggacgtgaaagtgaagtccatcaatggcggcttcaccagctttctgcggcggaagtggaagtttaagaaagagcggaacaaggggtacaagcaccacgccgaggacgccctgatcattgccaacgccgatttcatcttcaaagagtggaagaaactggacaaggccaaaaaagtgatggaaaaccagatgttcgaggaaaagcaggccgagagcatgcccgagatcgaaaccgagcaggagtacaaagagatcttcatcaccccccaccagatcaagcacattaaggacttcaaggactacaagtacagccaccgggtggacaagaagcctaatagagagctgattaacgacaccctgtactccacccggaaggacgacaagggcaacaccctgatcgtgaacaatctgaacggcctgtacgacaaggacaatgacaagctgaaaaagctgatcaacaagagccccgaaaagctgctgatgtaccaccacgacccccagacctaccagaaactgaagctgattatggaacagtacggcgacgagaagaatcccctgtacaagtactacgaggaaaccgggaactacctgaccaagtactccaaaaaggacaacggccccgtgatcaagaagattaagtattacggcaacaaactgaacgcccatctggacatcaccgacgactaccccaacagcagaaacaaggtcgtgaagctgtccctgaagccctacagattcgacgtgtacctggacaatggcgtgtacaagttcgtgaccgtgaagaatctggatgtgatcaaaaaagaaaactactacgaagtgaatagcaagtgctatgaggaagctaagaagctgaagaagatcagcaaccaggccgagtttatcgcctccttctacaacaacgatctgatcaagatcaacggcgagctgtatagagtgatcggcgtgaacaacgacctgctgaaccggatcgaagtgaacatgatcgacatcacctaccgcgagtacctggaaaacatgaacgacaagaggccccccaggatcattaagacaatcgcctccaagacccagagcattaagaagtacagcacagacattctgggcaacctgtatgaagtgaaatctaagaagcaccctcagatcatcaaaaagggcaaaaggccggcggccacgaaaaaggccggccaggcaaaaaagaaaaag
【0124】
配列番号44
NLSを有さないAAVにおけるSaCas9をコードするDNA
aagcggaactacatcctgggcctggacatcggcatcaccagcgtgggctacggcatcatcgactacgagacacgggacgtgatcgatgccggcgtgcggctgttcaaagaggccaacgtggaaaacaacgagggcaggcggagcaagagaggcgccagaaggctgaagcggcggaggcggcatagaatccagagagtgaagaagctgctgttcgactacaacctgctgaccgaccacagcgagctgagcggcatcaacccctacgaggccagagtgaagggcctgagccagaagctgagcgaggaagagttctctgccgccctgctgcacctggccaagagaagaggcgtgcacaacgtgaacgaggtggaagaggacaccggcaacgagctgtccaccaaagagcagatcagccggaacagcaaggccctggaagagaaatacgtggccgaactgcagctggaacggctgaagaaagacggcgaagtgcggggcagcatcaacagattcaagaccagcgactacgtgaaagaagccaaacagctgctgaaggtgcagaaggcctaccaccagctggaccagagcttcatcgacacctacatcgacctgctggaaacccggcggacctactatgagggacctggcgagggcagccccttcggctggaaggacatcaaagaatggtacgagatgctgatgggccactgcacctacttccccgaggaactgcggagcgtgaagtacgcctacaacgccgacctgtacaacgccctgaacgacctgaacaatctcgtgatcaccagggacgagaacgagaagctggaatattacgagaagttccagatcatcgagaacgtgttcaagcagaagaagaagcccaccctgaagcagatcgccaaagaaatcctcgtgaacgaagaggatattaagggctacagagtgaccagcaccggcaagcccgagttcaccaacctgaaggtgtaccacgacatcaaggacattaccgcccggaaagagattattgagaacgccgagctgctggatcagattgccaagatcctgaccatctaccagagcagcgaggacatccaggaagaactgaccaatctgaactccgagctgacccaggaagagatcgagcagatctctaatctgaagggctataccggcacccacaacctgagcctgaaggccatcaacctgatcctggacgagctgtggcacaccaacgacaaccagatcgctatcttcaaccggctgaagctggtgcccaagaaggtggacctgtcccagcagaaagagatccccaccaccctggtggacgacttcatcctgagccccgtcgtgaagagaagcttcatccagagcatcaaagtgatcaacgccatcatcaagaagtacggcctgcccaacgacatcattatcgagctggcccgcgagaagaactccaaggacgcccagaaaatgatcaacgagatgcagaagcggaaccggcagaccaacgagcggatcgaggaaatcatccggaccaccggcaaagagaacgccaagtacctgatcgagaagatcaagctgcacgacatgcaggaaggcaagtgcctgtacagcctggaagccatccctctggaagatctgctgaacaaccccttcaactatgaggtggaccacatcatccccagaagcgtgtccttcgacaacagcttcaacaacaaggtgctcgtgaagcaggaagaaaacagcaagaagggcaaccggaccccattccagtacctgagcagcagcgacagcaagatcagctacgaaaccttcaagaagcacatcctgaatctggccaagggcaagggcagaatcagcaagaccaagaaagagtatctgctggaagaacgggacatcaacaggttctccgtgcagaaagacttcatcaaccggaacctggtggataccagatacgccaccagaggcctgatgaacctgctgcggagctacttcagagtgaacaacctggacgtgaaagtgaagtccatcaatggcggcttcaccagctttctgcggcggaagtggaagtttaagaaagagcggaacaaggggtacaagcaccacgccgaggacgccctgatcattgccaacgccgatttcatcttcaaagagtggaagaaactggacaaggccaaaaaagtgatggaaaaccagatgttcgaggaaaagcaggccgagagcatgcccgagatcgaaaccgagcaggagtacaaagagatcttcatcaccccccaccagatcaagcacattaaggacttcaaggactacaagtacagccaccgggtggacaagaagcctaatagagagctgattaacgacaccctgtactccacccggaaggacgacaagggcaacaccctgatcgtgaacaatctgaacggcctgtacgacaaggacaatgacaagctgaaaaagctgatcaacaagagccccgaaaagctgctgatgtaccaccacgacccccagacctaccagaaactgaagctgattatggaacagtacggcgacgagaagaatcccctgtacaagtactacgaggaaaccgggaactacctgaccaagtactccaaaaaggacaacggccccgtgatcaagaagattaagtattacggcaacaaactgaacgcccatctggacatcaccgacgactaccccaacagcagaaacaaggtcgtgaagctgtccctgaagccctacagattcgacgtgtacctggacaatggcgtgtacaagttcgtgaccgtgaagaatctggatgtgatcaaaaaagaaaactactacgaagtgaatagcaagtgctatgaggaagctaagaagctgaagaagatcagcaaccaggccgagtttatcgcctccttctacaacaacgatctgatcaagatcaacggcgagctgtatagagtgatcggcgtgaacaacgacctgctgaaccggatcgaagtgaacatgatcgacatcacctaccgcgagtacctggaaaacatgaacgacaagaggccccccaggatcattaagacaatcgcctccaagacccagagcattaagaagtacagcacagacattctgggcaacctgtatgaagtgaaatctaagaagcaccctcagatcatcaaaaagggc
【0125】
配列番号45
NLSを有さないAAVにおけるSaCas9によってコードされるSaCas9のアミノ酸配列
KRNYILGLDIGITSVGYGIIDYETRDVIDAGVRLFKEANVENNEGRRSKRGARRLKRRRRHRIQRVKKLLFDYNLLTDHSELSGINPYEARVKGLSQKLSEEEFSAALLHLAKRRGVHNVNEVEEDTGNELSTKEQISRNSKALEEKYVAELQLERLKKDGEVRGSINRFKTSDYVKEAKQLLKVQKAYHQLDQSFIDTYIDLLETRRTYYEGPGEGSPFGWKDIKEWYEMLMGHCTYFPEELRSVKYAYNADLYNALNDLNNLVITRDENEKLEYYEKFQIIENVFKQKKKPTLKQIAKEILVNEEDIKGYRVTSTGKPEFTNLKVYHDIKDITARKEIIENAELLDQIAKILTIYQSSEDIQEELTNLNSELTQEEIEQISNLKGYTGTHNLSLKAINLILDELWHTNDNQIAIFNRLKLVPKKVDLSQQKEIPTTLVDDFILSPVVKRSFIQSIKVINAIIKKYGLPNDIIIELAREKNSKDAQKMINEMQKRNRQTNERIEEIIRTTGKENAKYLIEKIKLHDMQEGKCLYSLEAIPLEDLLNNPFNYEVDHIIPRSVSFDNSFNNKVLVKQEENSKKGNRTPFQYLSSSDSKISYETFKKHILNLAKGKGRISKTKKEYLLEERDINRFSVQKDFINRNLVDTRYATRGLMNLLRSYFRVNNLDVKVKSINGGFTSFLRRKWKFKKERNKGYKHHAEDALIIANADFIFKEWKKLDKAKKVMENQMFEEKQAESMPEIETEQEYKEIFITPHQIKHIKDFKDYKYSHRVDKKPNRELINDTLYSTRKDDKGNTLIVNNLNGLYDKDNDKLKKLINKSPEKLLMYHHDPQTYQKLKLIMEQYGDEKNPLYKYYEETGNYLTKYSKKDNGPVIKKIKYYGNKLNAHLDITDDYPNSRNKVVKLSLKPYRFDVYLDNGVYKFVTVKNLDVIKKENYYEVNSKCYEEAKKLKKISNQAEFIASFYNNDLIKINGELYRVIGVNNDLLNRIEVNMIDITYREYLENMNDKRPPRIIKTIASKTQSIKKYSTDILGNLYEVKSKKHPQIIKKG
【0126】
【0127】
配列番号83
pDO242(インビトロ研究のためにすべてのJCR89/91プロジェクトおよびJCR157/160プロジェクトにおいて使用されるSaCas9)
ctaaattgtaagcgttaatattttgttaaaattcgcgttaaatttttgttaaatcagctcattttttaaccaataggccgaaatcggcaaaatcccttataaatcaaaagaatagaccgagatagggttgagtgttgttccagtttggaacaagagtccactattaaagaacgtggactccaacgtcaaagggcgaaaaaccgtctatcagggcgatggcccactacgtgaaccatcaccctaatcaagttttttggggtcgaggtgccgtaaagcactaaatcggaaccctaaagggagcccccgatttagagcttgacggggaaagccggcgaacgtggcgagaaaggaagggaagaaagcgaaaggagcgggcgctagggcgctggcaagtgtagcggtcacgctgcgcgtaaccaccacacccgccgcgcttaatgcgccgctacagggcgcgtcccattcgccattcaggctgcgcaactgttgggaagggcgatcggtgcgggcctcttcgctattacgccagctggcgaaagggggatgtgctgcaaggcgattaagttgggtaacgccagggttttcccagtcacgacgttgtaaaacgacggccagtgagcgcgcgtaatacgactcactatagggcgaattgggtacCtttaattctagtactatgcaTgcgttgacattgattattgactagttattaatagtaatcaattacggggtcattagttcatagcccatatatggagttccgcgttacataacttacggtaaatggcccgcctggctgaccgcccaacgacccccgcccattgacgtcaataatgacgtatgttcccatagtaacgccaatagggactttccattgacgtcaatgggtggagtatttacggtaaactgcccacttggcagtacatcaagtgtatcatatgccaagtacgccccctattgacgtcaatgacggtaaatggcccgcctggcattatgcccagtacatgaccttatgggactttcctacttggcagtacatctacgtattagtcatcgctattaccatggtgatgcggttttggcagtacatcaatgggcgtggatagcggtttgactcacggggatttccaagtctccaccccattgacgtcaatgggagtttgttttggcaccaaaatcaacgggactttccaaaatgtcgtaacaactccgccccattgacgcaaatgggcggtaggcgtgtacggtgggaggtctatataagcagagctctctggctaactaccggtgccaccatgaaaaggaactacattctggggctggacatcgggattacaagcgtggggtatgggattattgactatgaaacaagggacgtgatcgacgcaggcgtcagactgttcaaggaggccaacgtggaaaacaatgagggacggagaagcaagaggggagccaggcgcctgaaacgacggagaaggcacagaatccagagggtgaagaaactgctgttcgattacaacctgctgaccgaccattctgagctgagtggaattaatccttatgaagccagggtgaaaggcctgagtcagaagctgtcagaggaagagttttccgcagctctgctgcacctggctaagcgccgaggagtgcataacgtcaatgaggtggaagaggacaccggcaacgagctgtctacaaaggaacagatctcacgcaatagcaaagctctggaagagaagtatgtcgcagagctgcagctggaacggctgaagaaagatggcgaggtgagagggtcaattaataggttcaagacaagcgactacgtcaaagaagccaagcagctgctgaaagtgcagaaggcttaccaccagctggatcagagcttcatcgatacttatatcgacctgctggagactcggagaacctactatgagggaccaggagaagggagccccttcggatggaaagacatcaaggaatggtacgagatgctgatgggacattgcacctattttccagaagagctgagaagcgtcaagtacgcttataacgcagatctgtacaacgccctgaatgacctgaacaacctggtcatcaccagggatgaaaacgagaaactggaatactatgagaagttccagatcatcgaaaacgtgtttaagcagaagaaaaagcctacactgaaacagattgctaaggagatcctggtcaacgaagaggacatcaagggctaccgggtgacaagcactggaaaaccagagttcaccaatctgaaagtgtatcacgatattaaggacatcacagcacggaaagaaatcattgagaacgccgaactgctggatcagattgctaagatcctgactatctaccagagctccgaggacatccaggaagagctgactaacctgaacagcgagctgacccaggaagagatcgaacagattagtaatctgaaggggtacaccggaacacacaacctgtccctgaaagctatcaatctgattctggatgagctgtggcatacaaacgacaatcagattgcaatctttaaccggctgaagctggtcccaaaaaaggtggacctgagtcagcagaaagagatcccaaccacactggtggacgatttcattctgtcacccgtggtcaagcggagcttcatccagagcatcaaagtgatcaacgccatcatcaagaagtacggcctgcccaatgatatcattatcgagctggctagggagaagaacagcaaggacgcacagaagatgatcaatgagatgcagaaacgaaaccggcagaccaatgaacgcattgaagagattatccgaactaccgggaaagagaacgcaaagtacctgattgaaaaaatcaagctgcacgatatgcaggagggaaagtgtctgtattctctggaggccatccccctggaggacctgctgaacaatccattcaactacgaggtcgatcatattatccccagaagcgtgtccttcgacaattcctttaacaacaaggtgctggtcaagcaggaagagaactctaaaaagggcaataggactcctttccagtacctgtctagttcagattccaagatctcttacgaaacctttaaaaagcacattctgaatctggccaaaggaaagggccgcatcagcaagaccaaaaaggagtacctgctggaagagcgggacatcaacagattctccgtccagaaggattttattaaccggaatctggtggacacaagatacgctactcgcggcctgatgaatctgctgcgatcctatttccgggtgaacaatctggatgtgaaagtcaagtccatcaacggcgggttcacatcttttctgaggcgcaaatggaagtttaaaaaggagcgcaacaaagggtacaagcaccatgccgaagatgctctgattatcgcaaatgccgacttcatctttaaggagtggaaaaagctggacaaagccaagaaagtgatggagaaccagatgttcgaagagaagcaggccgaatctatgcccgaaatcgagacagaacaggagtacaaggagattttcatcactcctcaccagatcaagcatatcaaggatttcaaggactacaagtactctcaccgggtggataaaaagcccaacagagagctgatcaatgacaccctgtatagtacaagaaaagacgataaggggaataccctgattgtgaacaatctgaacggactgtacgacaaagataatgacaagctgaaaaagctgatcaacaaaagtcccgagaagctgctgatgtaccaccatgatcctcagacatatcagaaactgaagctgattatggagcagtacggcgacgagaagaacccactgtataagtactatgaagagactgggaactacctgaccaagtatagcaaaaaggataatggccccgtgatcaagaagatcaagtactatgggaacaagctgaatgcccatctggacatcacagacgattaccctaacagtcgcaacaaggtggtcaagctgtcactgaagccatacagattcgatgtctatctggacaacggcgtgtataaatttgtgactgtcaagaatctggatgtcatcaaaaaggagaactactatgaagtgaatagcaagtgctacgaagaggctaaaaagctgaaaaagattagcaaccaggcagagttcatcgcctccttttacaacaacgacctgattaagatcaatggcgaactgtatagggtcatcggggtgaacaatgatctgctgaaccgcattgaagtgaatatgattgacatcacttaccgagagtatctggaaaacatgaatgataagcgcccccctcgaattatcaaaacaattgcctctaagactcagagtatcaaaaagtactcaaccgacattctgggaaacctgtatgaggtgaagagcaaaaagcaccctcagattatcaaaaagggcagcggaggcaagcgtcctgctgctactaagaaagctggtcaagctaagaaaaagaaaggatcctacccatacgatgttccagattacgcttaagaattcctagagctcgctgatcagcctcgactgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgtcctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagagaatagcaggcatgctggggaggtagcggccgcCCgcggtggagctccagcttttgttccctttagtgagggttaattgcgcgcttggcgtaatcatggtcatagctgtttcctgtgtgaaattgttatccgctcacaattccacacaacatacgagccggaagcataaagtgtaaagcctggggtgcctaatgagtgagctaactcacattaattgcgttgcgctcactgcccgctttccagtcgggaaacctgtcgtgccagctgcattaatgaatcggccaacgcgcggggagaggcggtttgcgtattgggcgctcttccgcttcctcgctcactgactcgctgcgctcggtcgttcggctgcggcgagcggtatcagctcactcaaaggcggtaatacggttatccacagaatcaggggataacgcaggaaagaacatgtgagcaaaaggccagcaaaaggccaggaaccgtaaaaaggccgcgttgctggcgtttttccataggctccgcccccctgacgagcatcacaaaaatcgacgctcaagtcagaggtggcgaaacccgacaggactataaagataccaggcgtttccccctggaagctccctcgtgcgctctcctgttccgaccctgccgcttaccggatacctgtccgcctttctcccttcgggaagcgtggcgctttctcatagctcacgctgtaggtatctcagttcggtgtaggtcgttcgctccaagctgggctgtgtgcacgaaccccccgttcagcccgaccgctgcgccttatccggtaactatcgtcttgagtccaacccggtaagacacgacttatcgccactggcagcagccactggtaacaggattagcagagcgaggtatgtaggcggtgctacagagttcttgaagtggtggcctaactacggctacactagaaggacagtatttggtatctgcgctctgctgaagccagttaccttcggaaaaagagttggtagctcttgatccggcaaacaaaccaccgctggtagcggtggtttttttgtttgcaagcagcagattacgcgcagaaaaaaaggatctcaagaagatcctttgatcttttctacggggtctgacgctcagtggaacgaaaactcacgttaagggattttggtcatgagattatcaaaaaggatcttcacctagatccttttaaattaaaaatgaagttttaaatcaatctaaagtatatatgagtaaacttggtctgacagttaccaatgcttaatcagtgaggcacctatctcagcgatctgtctatttcgttcatccatagttgcctgactccccgtcgtgtagataactacgatacgggagggcttaccatctggccccagtgctgcaatgataccgcgagacccacgctcaccggctccagatttatcagcaataaaccagccagccggaagggccgagcgcagaagtggtcctgcaactttatccgcctccatccagtctattaattgttgccgggaagctagagtaagtagttcgccagttaatagtttgcgcaacgttgttgccattgctacaggcatcgtggtgtcacgctcgtcgtttggtatggcttcattcagctccggttcccaacgatcaaggcgagttacatgatcccccatgttgtgcaaaaaagcggttagctccttcggtcctccgatcgttgtcagaagtaagttggccgcagtgttatcactcatggttatggcagcactgcataattctcttactgtcatgccatccgtaagatgcttttctgtgactggtgagtactcaaccaagtcattctgagaatagtgtatgcggcgaccgagttgctcttgcccggcgtcaatacgggataataccgcgccacatagcagaactttaaaagtgctcatcattggaaaacgttcttcggggcgaaaactctcaaggatcttaccgctgttgagatccagttcgatgtaacccactcgtgcacccaactgatcttcagcatcttttactttcaccagcgtttctgggtgagcaaaaacaggaaggcaaaatgccgcaaaaaagggaataagggcgacacggaaatgttgaatactcatactcttcctttttcaatattattgaagcatttatcagggttattgtctcatgagcggatacatatttgaatgtatttagaaaaataaacaaataggggttccgcgcacatttccccgaaaagtgccac
【0128】
配列番号84
pJRH1(すべてのJCR179/183プロジェクトに使用されるSaCas9、SaCas9は、大文字であり、NLSは、小文字、太字、および下線付きである)
【0129】
配列番号85
PT366のNLS配列
aaaaggccggcggccacgaaaaaggccggccaggcaaaaaagaaaaag
【0130】
配列番号86
pDO203 - SpCas9のためのgRNAをクローン化する一般的な骨格;JCR94およびJCR99を細胞における試験のために太字の部位に挿入した後、hDMD-delta52/mdxマウスを作製するためにmRNAを作製した
ctaaattgtaagcgttaatattttgttaaaattcgcgttaaatttttgttaaatcagctcattttttaaccaataggccgaaatcggcaaaatcccttataaatcaaaagaatagaccgagatagggttgagtgttgttccagtttggaacaagagtccactattaaagaacgtggactccaacgtcaaagggcgaaaaaccgtctatcagggcgatggcccactacgtgaaccatcaccctaatcaagttttttggggtcgaggtgccgtaaagcactaaatcggaaccctaaagggagcccccgatttagagcttgacggggaaagccggcgaacgtggcgagaaaggaagggaagaaagcgaaaggagcgggcgctagggcgctggcaagtgtagcggtcacgctgcgcgtaaccaccacacccgccgcgcttaatgcgccgctacagggcgcgtcccattcgccattcaggctgcgcaactgttgggaagggcgatcggtgcgggcctcttcgctattacgccagctggcgaaagggggatgtgctgcaaggcgattaagttgggtaacgccagggttttcccagtcacgacgttgtaaaacgacggccagtgagcgcgcgtaatacgactcactatagggcgaattgggtaccgagggcctatttcccatgattccttcatatttgcatatacgatacaaggctgttagagagataattggaattaatttgactgtaaacacaaagatattagtacaaaatacgtgacgtagaaagtaataatttcttgggtagtttgcagttttaaaattatgttttaaaatggactatcatatgcttatcgtaacttgaaagtatttcgatttcttggctttatatatcttgtggaaaggacgaaacaccGGGTCTTCGAGAAGACCTgttttagagctagaaatagcaagttaaaataaggctagtccgttatcaacttgaaaaagtggcaccgagtcggtgctttttttccgcggtggagctccagcttttgttccctttagtgagggttaattgcgcgcttggcgtaatcatggtcatagctgtttcctgtgtgaaattgttatccgctcacaattccacacaacatacgagccggaagcataaagtgtaaagcctggggtgcctaatgagtgagctaactcacattaattgcgttgcgctcactgcccgctttccagtcgggaaacctgtcgtgccagctgcattaatgaatcggccaacgcgcggggagaggcggtttgcgtattgggcgctcttccgcttcctcgctcactgactcgctgcgctcggtcgttcggctgcggcgagcggtatcagctcactcaaaggcggtaatacggttatccacagaatcaggggataacgcaggaaagaacatgtgagcaaaaggccagcaaaaggccaggaaccgtaaaaaggccgcgttgctggcgtttttccataggctccgcccccctgacgagcatcacaaaaatcgacgctcaagtcagaggtggcgaaacccgacaggactataaagataccaggcgtttccccctggaagctccctcgtgcgctctcctgttccgaccctgccgcttaccggatacctgtccgcctttctcccttcgggaagcgtggcgctttctcatagctcacgctgtaggtatctcagttcggtgtaggtcgttcgctccaagctgggctgtgtgcacgaaccccccgttcagcccgaccgctgcgccttatccggtaactatcgtcttgagtccaacccggtaagacacgacttatcgccactggcagcagccactggtaacaggattagcagagcgaggtatgtaggcggtgctacagagttcttgaagtggtggcctaactacggctacactagaaggacagtatttggtatctgcgctctgctgaagccagttaccttcggaaaaagagttggtagctcttgatccggcaaacaaaccaccgctggtagcggtggtttttttgtttgcaagcagcagattacgcgcagaaaaaaaggatctcaagaagatcctttgatcttttctacggggtctgacgctcagtggaacgaaaactcacgttaagggattttggtcatgagattatcaaaaaggatcttcacctagatccttttaaattaaaaatgaagttttaaatcaatctaaagtatatatgagtaaacttggtctgacagttaccaatgcttaatcagtgaggcacctatctcagcgatctgtctatttcgttcatccatagttgcctgactccccgtcgtgtagataactacgatacgggagggcttaccatctggccccagtgctgcaatgataccgcgagacccacgctcaccggctccagatttatcagcaataaaccagccagccggaagggccgagcgcagaagtggtcctgcaactttatccgcctccatccagtctattaattgttgccgggaagctagagtaagtagttcgccagttaatagtttgcgcaacgttgttgccattgctacaggcatcgtggtgtcacgctcgtcgtttggtatggcttcattcagctccggttcccaacgatcaaggcgagttacatgatcccccatgttgtgcaaaaaagcggttagctccttcggtcctccgatcgttgtcagaagtaagttggccgcagtgttatcactcatggttatggcagcactgcataattctcttactgtcatgccatccgtaagatgcttttctgtgactggtgagtactcaaccaagtcattctgagaatagtgtatgcggcgaccgagttgctcttgcccggcgtcaatacgggataataccgcgccacatagcagaactttaaaagtgctcatcattggaaaacgttcttcggggcgaaaactctcaaggatcttaccgctgttgagatccagttcgatgtaacccactcgtgcacccaactgatcttcagcatcttttactttcaccagcgtttctgggtgagcaaaaacaggaaggcaaaatgccgcaaaaaagggaataagggcgacacggaaatgttgaatactcatactcttcctttttcaatattattgaagcatttatcagggttattgtctcatgagcggatacatatttgaatgtatttagaaaaataaacaaataggggttccgcgcacatttccccgaaaagtgccac
【0131】
【0132】
【配列表】
【国際調査報告】