(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】弱毒化トリレオウイルス94826 C140株及び96139 C140株
(51)【国際特許分類】
C12N 7/00 20060101AFI20230125BHJP
A61K 39/15 20060101ALI20230125BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20230125BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20230125BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230125BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20230125BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20230125BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20230125BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20230125BHJP
C07K 16/10 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
C12N7/00
A61K39/15
A61P37/04
A61P19/02
A61P29/00
A61K9/20
A61K9/12
A61K9/08
A61K39/395 J
C07K16/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559462
(86)(22)【出願日】2020-12-01
(85)【翻訳文提出日】2022-07-27
(86)【国際出願番号】 US2020062651
(87)【国際公開番号】W WO2021113206
(87)【国際公開日】2021-06-10
(32)【優先日】2019-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522219098
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ ジョージア リサーチ ファンデーション,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セラーズ,ホーリー,エス.
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA95X
4B065BA14
4B065BA21
4B065BD11
4B065BD22
4B065CA45
4C076AA12
4C076AA24
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4C076BB15
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4C076CC04
4C076CC06
4C085AA03
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4C085CC08
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4C085GG01
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4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045DA75
4H045EA50
(57)【要約】
特許指定PTA-126077の下でATCCに寄託されたトリレオウイルス94826 C140株及びその子孫又は誘導体、並びに特許指定PTA-126078の下でATCCに寄託されたトリレオウイルス96139 C140株及びその子孫又は誘導体をはじめとする、家禽におけるウイルス性関節炎/腱滑膜炎に関連するトリレオウイルスの弱毒化単離株が提示される。キジ目(Galliformes)の鳥におけるレオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎を制御するためのワクチンとして単離株又は組成物を投与するための組成物及び方法もまた提示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離されたトリレオウイルスであって、前記単離されたトリレオウイルスが、特許指定PTA-126077の下でATCCに寄託されたトリレオウイルス94826 C140株、又はその子孫若しくは誘導体であり、その子孫若しくは誘導体が、特許指定PTA-126077の下でATCCに寄託された前記トリレオウイルス94826 C140株と本質的に同じ生物学的及び血清学的特徴を有する、単離されたトリレオウイルス。
【請求項2】
単離されたトリレオウイルスであって、前記単離されたトリレオウイルスが、特許指定PTA-126078の下でATCCに寄託されたトリレオウイルス96139 C140株、又はその子孫若しくは誘導体であり、その子孫若しくは誘導体が、特許指定PTA-126078の下でATCCに寄託された前記トリレオウイルス96139 C140株と本質的に同じ生物学的及び血清学的特徴を有する、単離されたトリレオウイルス。
【請求項3】
前記単離されたトリレオウイルスがマスター種ウイルスを含む、請求項1又は2に記載の単離されたトリレオウイルス。
【請求項4】
前記単離されたトリレオウイルスが、凍結乾燥、フリーズドライ、凍結、又は発泡性錠剤である、請求項1~3のいずれか一項に記載の単離されたトリレオウイルス。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の単離されたトリレオウイルスを含む、組成物。
【請求項6】
アジュバントを含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
薬学的に許容可能な担体を含む、請求項5又は6に記載の組成物。
【請求項8】
鼻腔内、眼内、経口、粘膜、筋肉内、皮下、又は卵内投与のために製剤化されている、請求項5~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
噴霧又は気体化のために製剤化されている、請求項5~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1~4のいずれか一項に記載の単離されたトリレオウイルス、又は請求項5~9のいずれか一項に記載の組成物を含むワクチン。
【請求項11】
前記ワクチンが、キジ目(Galliformes)の鳥のレオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎に対する感受性を低下させる、請求項10に記載のワクチン。
【請求項12】
レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎から鳥を保護するのに十分な量の、特許指定PTA-126077の下でATCCに寄託されたトリレオウイルス94826 C140株、又はその子孫若しくは誘導体と、薬学的に許容可能な担体とを含む、キジ目(Galliformes)の鳥のためのワクチン。
【請求項13】
前記レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎が、変異型(variant)群1/遺伝子型5誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎である、請求項11又は12に記載のワクチン。
【請求項14】
レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎から鳥を保護するのに十分な量の、特許指定PTA-126078の下でATCCに寄託されたトリレオウイルストリレオウイルス96139 C140株、又はその子孫若しくは誘導体と、薬学的に許容可能な担体とを含む、キジ目(Galliformes)の鳥のためのワクチン。
【請求項15】
前記レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎が、変異型群2/遺伝子型1誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎である、請求項13又は14に記載のワクチン。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のトリレオウイルス、組成物、又はワクチンを含む、発泡性錠剤。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載のトリレオウイルス、組成物、又はワクチンを鳥に投与することを含む、レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎に対するキジ目(Galliformes)の鳥の感受性を低下させるための方法。
【請求項18】
請求項1~16のいずれか一項に記載のトリレオウイルス、組成物、又はワクチンを鳥に投与することを含む、レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎からキジ目(Galliformes)の鳥を保護するための方法。
【請求項19】
前記レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎が、変異型群1/遺伝子型5誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎である、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎が、変異型群2/遺伝子型1誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎である、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項21】
投与が、鼻腔内、眼内、経口、粘膜、筋肉内、又は皮下である、請求項17~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
投与が、卵内投与を含む、請求項17~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記トリレオウイルス、組成物、又はワクチンが、エアロゾルによって投与される、請求項17~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記トリレオウイルス、組成物、又はワクチンが、飲料水によって投与される、請求項17~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
投与が、種雌鶏又は雄鶏への投与を含む、請求項17~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
請求項1~16のいずれか一項に記載の単離されたトリレオウイルス、組成物又はワクチンを鳥に投与するステップを含む、家禽において抗レオウイルス抗体を生成する方法。
【請求項27】
前記鳥が、鶏又は七面鳥である、請求項17~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
請求項1~4のいずれか一項に記載の単離されたトリレオウイルスを含む、診断キット。
【請求項29】
鳥から得られた抗血清サンプルが、請求項1~3のいずれか一項に記載のトリレオウイルスに特異的に結合することを判定するステップを含む、前記鳥においてトリレオウイルスへの曝露を検出する方法。
【請求項30】
請求項1~3のいずれか一項に記載のトリレオウイルスに対する過免疫血清。
【請求項31】
請求項1~3のいずれか一項に記載のトリレオウイルスに結合し、トリレオウイルスS1133、1733、2408、及び/又は2177株には結合しない、抗体。
【請求項32】
前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項31に記載の抗体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
継続出願データ
本出願は、参照により本明細書に援用される、2019年12月2日に出願された米国仮特許出願第62/942,426号明細書の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
トリレオウイルスは、吸収不良症候群及びラント及び成長阻害症候群(RSS)をはじめとする、家禽のいくつかの疾患に関連するが、これらの臨床候群における一次病原体としてのそれらの役割は明らかでない。対照的に、トリレオウイルスとウイルス関節炎/腱滑膜炎臨床例との関連性は、罹患した鳥からレオウイルスが単離されていることから、かなり明確である。レオウイルス誘発性ウイルス関節炎/腱滑膜炎の防除は、生及び/又は不活性化ワクチンの組み合わせを用いたブロイラー種鶏のワクチン接種によって達成され得て、圃場負荷からの初期防御のために母子免疫が子孫に受け継がれる。ブロイラーでは、孵化当日の使用のために、及び卵内使用のために、弱毒生ワクチンが利用できる。現行の市販ワクチン株(数例を挙げれば、S1133、1733、2408、及び2177)は、1960~1970年代に単離されており、ウイルス関節炎/腱滑膜炎の確認例から得られた、目下広まっているレオウイルス単離物に対する防御を提供しない。したがって目下広まっているトリレオウイルスの単離及び特性決定と、効果的なワクチンの開発に対する必要性がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、単離されたトリレオウイルスを含み、ここで、単離されたトリレオウイルスは、特許指定PTA-126077の下でATCCに寄託されたトリレオウイルス94826 C140株、又はその子孫若しくは誘導体であり、ここで、その子孫若しくは誘導体は、特許指定PTA-126077の下でATCCに寄託されたトリレオウイルス94826 C140株と本質的に同じ生物学的及び血清学的特徴を有する。
【0004】
本発明は、単離されたトリレオウイルスを含み、ここで、単離されたトリレオウイルスは、特許指定PTA-126078の下でATCCに寄託されたトリレオウイルス96139 C140株、又はその子孫若しくは誘導体であり、ここで、その子孫若しくは誘導体は、特許指定PTA-126078の下でATCCに寄託されたトリレオウイルス96139 C140株と本質的に同じ生物学的及び血清学的特徴を有する。
【0005】
いくつかの態様では、本発明は、本明細書に記載されるようなトリレオウイルスのマスター種ウイルス調製物を含む。
【0006】
いくつかの態様では、単離されたトリレオウイルスは、凍結乾燥、フリーズドライ、凍結、又は発泡性錠剤である。
【0007】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載されるような単離されたトリレオウイルスを含む組成物を含む。いくつかの態様では、組成物はアジュバントを含む。いくつかの態様では、組成物は、薬学的に許容可能な担体を含む。いくつかの態様では、組成物は、鼻腔内、眼内、経口、粘膜、筋肉内、皮下、又は卵内投与のために製剤化される。いくつかの態様では、組成物は、噴霧又は気体化(aerolizing)のために製剤化される。
【0008】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載されるような単離されたトリレオウイルス又は本明細書に記載されるような組成物を含む、ワクチンを含む。いくつかの態様では、ワクチンは、キジ目(Galliformes)の鳥のレオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎に対する感受性を低下させる。いくつかの態様では、レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎は、変異型群1/遺伝子型5誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎である。いくつかの態様では、レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎は、変異型群2/遺伝子型1誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎である。
【0009】
いくつかの実施形態では、本発明は、レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎から鳥を保護するのに十分な量の、特許指定PTA-126077の下でATCCに寄託されたトリレオウイルス94826 C140株、又はその子孫若しくは誘導体と、薬学的に許容可能な担体とを含む、キジ目(Galliformes)の鳥のためのワクチンを含む。いくつかの態様では、レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎は、変異型群1/遺伝子型5誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎である。
【0010】
いくつかの実施形態では、本発明は、レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎から鳥を保護するのに十分な量の、特許指定PTA-126078の下でATCCに寄託されたトリレオウイルストリレオウイルス96139 C140株、又はその子孫若しくは誘導体と、薬学的に許容可能な担体とを含む、キジ目(Galliformes)の鳥のためのワクチンを含む。いくつかの態様では、レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎は、変異型群2/遺伝子型1誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎である。
【0011】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載されるようなトリレオウイルス、組成物、又はワクチンを含む発泡性錠剤を含む。
【0012】
本発明は、レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎に対するキジ目(Galliformes)の鳥の感受性を低下させるための方法を含み、方法は、本明細書に記載されるようなトリレオウイルス、組成物、又はワクチンを鳥に投与することを含む。
【0013】
本発明は、レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎からキジ目(Galliformes)の鳥を保護するための方法を含み、方法は、本明細書に記載されるようなトリレオウイルス、組成物、又はワクチンを鳥に投与することを含む。
【0014】
本明細書に記載の方法のいくつかの態様では、レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎は、変異型群1/遺伝子型5誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎である。いくつかの態様では、レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎は、変異型群2/遺伝子型1誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎である。本明細書に記載される方法のいくつかの態様では、投与は、鼻腔内、眼内、経口、粘膜、筋肉内、又は皮下である。本明細書に記載の方法のいくつかの態様では、投与は、卵内投与を含む。本明細書に記載される方法のいくつかの態様では、トリレオウイルス、組成物、又はワクチンは、エアロゾルによって投与される。本明細書に記載される方法のいくつかの態様では、トリレオウイルス、組成物、又はワクチンは、飲料水によって投与される。いくつかの態様では、鳥は鶏又は七面鳥である。本明細書に記載の方法のいくつかの態様では、投与は種雌鶏又は雄鶏に対するものである。
【0015】
本発明は、家禽における抗レオウイルス抗体産生を含み、方法は、本明細書に記載されるような単離されたトリレオウイルス、組成物、又はワクチンを鳥に投与することを含む。いくつかの態様では、鳥は鶏又は七面鳥である。
【0016】
本発明は、本明細書に記載されるような単離されたトリレオウイルスを含む診断キットを含む。
【0017】
本発明は、鳥におけるトリレオウイルスへの曝露を検出する方法を含み、方法は、鳥から得られた抗血清サンプルが、本明細書に記載されるようなトリレオウイルスに特異的に結合することを判定することを含む。いくつかの態様では、鳥は鶏又は七面鳥である。
【0018】
本発明は、本明細書に記載されるようなトリレオウイルスに対する過免疫血清を含む。
【0019】
本発明は、本明細書に記載されるようなトリレオウイルスに結合し、トリレオウイルスS1133株、1733株、2408株、及び/又は2177株には結合しない抗体を含む。いくつかの態様では、抗体は、モノクローナル抗体である。
【0020】
本発明の上記の要約は、開示された各実施形態又は本発明の全ての実装形態を説明することを意図するものではない。以下の説明は、より具体的に例示的な実施形態を描写する。出願書全体を通じていくつかの箇所で、実施例の一覧を通じて指標が提供され、その実施例は様々な組み合わせで使用され得る。それぞれの場合において、列挙された一覧は、典型的な群としての役割のみを果たし、排他的一覧として解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、2つの弱毒化トリレオウイルスである、トリレオウイルス94826 C140株及びトリレオウイルス96139 C140株、並びにそれらの子孫と誘導体を提供する。これらの弱毒化レオウイルス株は、トリレオウイルス感染を予防し、レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎及び/又は腱滑膜炎の発生率と重症度を低減するために、生きた製剤として投与された場合に、安全且つ有効である。
【0022】
一態様では、本発明は、トリレオウイルス94826 C140株及びその子孫と誘導体を含む。トリレオウイルス94826 C140株は、トリレオウイルス94826株をニワトリ胚で140回継代することによって得られた、トリレオウイルス94826株の弱毒化株である。トリレオウイルス94816株は、家禽におけるウイルス性関節炎及び腱滑膜炎に関連する群1/遺伝子型5のレオウイルスである。トリレオウイルス94816株は、それらの内容全体が参照により本明細書に援用される、国際出願第PCT/US2015/013449号明細書(国際公開第2015/116778号パンフレット)及び米国特許出願第15/223,623号明細書により詳細に記載される。弱毒化トリレオウイルス94826 C140株はまた、群1/遺伝子型5のトリレオウイルスである。弱毒化トリレオウイルス94826 C140株は、2019年8月13日に特許寄託指定PTA-126077の下で、米国バージニア州20110-2209マナッサスのユニバーシティブールバード10801の米国微生物系統保存機関(ATCC(登録商標))に寄託された。この寄託は、「特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約」に準拠した。弱毒化トリレオウイルス94826 C140はまた、ジョージア州20602アセンズのカレッジステーションロード953に所在する、ジョージア大学の家禽診断研究センター(PDRC)のウイルスリポジトリに、PDRC ref:121116としてアーカイブされている。生きた、弱毒化レオウイルスワクチンとしてのトリレオウイルス94826 C140株の安全性及び有効性は、実施例3でより詳細に記載されている。
【0023】
別の態様では、本発明は、トリレオウイルス96139 C140株及びその子孫と誘導体を含む。トリレオウイルス96139 C140株は、トリレオウイルス96139株をニワトリ胚で140回継代することによって得られた、トリレオウイルス96139株の弱毒化株である。トリレオウイルス96139株は、家禽におけるウイルス性関節炎及び腱滑膜炎に関連する群2/遺伝子型1のレオウイルスである。トリレオウイルス96139株は、それらの内容全体が参照により本明細書に援用される、国際出願第PCT/US2015/013449号明細書(国際公開第2015/116778号パンフレット)及び米国特許出願第15/223,623号明細書により詳細に記載される。トリレオウイルス96139株は、2019年3月7日に特許寄託指定PTA-125688の下で(ATCC(登録商標))に寄託された。弱毒化トリレオウイルス96139 C140はまた、群2/遺伝子型1のトリレオウイルスである。弱毒化トリレオウイルス96139 C140は、2019年8月13日に特許寄託指定PTA-126078の下で、米国バージニア州20110-2209マナッサスのユニバーシティブールバード10801Uの米国微生物保存機関(ATCC(登録商標))に寄託された。この寄託は、「特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約」に準拠した。弱毒化トリレオウイルス9619 C140はまた、ジョージア州20602アセンズのカレッジステーションロード953に所在する、ジョージア大学の家禽診断研究センター(PDRC)のウイルスリポジトリに、PDRC ref:119812としてアーカイブされている。生きた、弱毒化レオウイルスワクチンとしてのトリレオウイルス96139 C140株の安全性及び有効性は、実施例3でより詳細に記載されている。
【0024】
国際出願第PCT/US2015/013449号明細書(国際公開第2015/116778号パンフレット)及び米国特許出願第15/223,623号明細書でより詳細に考察されているように、トリレオウイルス94826株及び96139株は、腱滑膜炎の臨床例から単離された、遺伝的及び血清学的に異なる2つのトリレオウイルスの群に相当する。それらのトリレオウイルスシグマCタンパク質の遺伝解析は、現行のトリレオウイルスワクチン株とは無関係の新規遺伝子型を明らかにする。
【0025】
トリレオウイルスは、哺乳類レオウイルスと共に、レオウイルス科(Reoviridae)内でオルトレオウイルス属(Orthoreovirus)を構成する。これらのウイルスは、およそ80nmの無エンベロープの正二十面体二重カプシド内に封入された、10個のdsRNAゲノム部分を含有する。ゲノム部分は、電気泳動移動度を基準にして、それぞれ、タンパク質λ1、λ2、λ3、μ1、μ2、μNS、σ3、σ1、σ2、σNSをコードする、3つの大型(L1、L2、L3)、3つの中型(M1、M2、M3)、及び4つの小型(S1、S2、S3、S4)断片に分割され得る。σ2タンパク質は、型特異的中和エピトープを有する外面カプシドタンパク質である。これはまた、二本鎖RNAを結合して、亜鉛金属タンパク質として同定された。σ1断片によってコードされる微量外側カプシドタンパク質であるシグマCタンパク質は、トリレオウイルスの分子特性決定のための標的であり、細胞付着、並びに型特異的中和抗体誘導に関与する。トリレオウイルスビリオンは、カプシド、コア、及び核タンパク質複合体を含む。ウイルスカプシドは、エンベロープに覆われていない。カプシド/ヌクレオカプシドは、等尺性で正二十面体対称性があり、約80~82nmの直径を有する。ビリオンのカプシド殻は、2層から構成される。全ての殻が通常存在し、又は外側シェルは、調製中に失われることが多い。カプシドは、丸く見える。カプシド表面構造は、顕著な特徴がある規則的パターンを示す。カプソメア配置は、明確に視認できる。表面突起は、存在しない。内部カプシドコアは、約60nmの直径を有する。ウイルス調製品は、単一粒子構成要素を含有する。コアは球状であり、直径約49nmのdsRNAゲノムからなる。繊維末端は、ほぼカプシド表面まで突出する。
【0026】
本発明は、トリレオウイルス94826 C140株(2019年8月13日に特許寄託指定PTA-126077の下でATCC(登録商標)に寄託)、又はトリレオウイルス96139 C140株(2019年8月13日に特許寄託指定PTA-126078の下でATCC(登録商標)に寄託)から調製されたマスター種ウイルス製剤を含む。本発明のマスター種ウイルス製剤は、連邦規則集(CFR)§113.332(腱滑膜炎ワクチン)の表題9に従って調製され試験されてもよい。
【0027】
トリレオウイルス94826 C140株(2019年8月13日に特許寄託指定PTA-126077の下でATCC(登録)に寄託)、及びトリレオウイルス96139 C140株(2019年8月13日に特許寄託指定PTA-126078の下でATCC(登録)に寄託)の同等又は類似の生物学的、血清学的、及び/又は遺伝子的特徴を有する、単離子孫及び単離誘導体もまた本発明に包含される。本明細書の用法では、血清学的、生物学的、及び遺伝的特徴は、本明細書に含まれる実施例のデータに記載される特徴の1つ又は複数を含んでもよい。より具体的には、PTA-126077又はPTA-1260789495の子孫又は派生株は、本明細書に含まれる実施例により詳細に記載されるように、本発明に属する特に好ましい保護特性を保持してもよい。
【0028】
本発明によるトリレオウイルスは、本明細書に含まれる実施例セクションのいずれかに記載されるものをはじめとするが、これに限定されるものではない従来法によって増殖され得る。手短に述べると、トリレオウイルスの複製を支持できる基質に、本発明のトリレオウイルスが接種され、ウイルスが所望の伝染性力価、又は抗原質量含有率に複製されるまで増殖させる。次に、レオウイルスを含有する材料が収集される。適切な基質としては、発育鶏卵;例えば、ニワトリ胚肝細胞、ニワトリ胚線維芽細胞、又はニワトリ腎臓細胞などの初代(トリ)細胞培養物;例えば、VERO細胞株又はBGM-70細胞株などの哺乳類細胞株;又は例えば、QT-35、QM-7又はLMHなどのトリ細胞株が挙げられる。
【0029】
本発明は、本明細書に記載の単離されたウイルスの1つ又は複数を含む組成物及びワクチンを含む。本発明のウイルス製剤は、連邦規則集(CFR)§113.332(腱滑膜炎ワクチン)の表題9に従って調製され試験されてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、ウイルスは生きている。いくつかの実施形態では、ウイルスは、不活性化又は死滅化されている。いくつかの実施形態では、ウイルス又はその組成物又はワクチンは、凍結乾燥されてもよい。いくつかの実施形態では、ウイルス又はその組成物又はワクチンは、凍結されてもよい。いくつかの実施形態では、ウイルス又はその組成物又はワクチンは、フリーズドライされてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、ウイルス又はその組成物又はワクチンは、発泡性テーブル(table)として製剤化されてもよい。このような発泡性錠剤は、例えば、軽量のアルミニウムブリスター内に包装され得る。テーブル(table)は水に溶解され、例えば、経口、経鼻、又はエアロゾルスプレーによって投与されてもよく、それによって液滴は鳥の粘膜を介して侵入する。
【0032】
このような組成物及びワクチンは、鳥を免疫化する活性成分として投与されて、1型及び/又は2型トリレオウイルスに対する免疫応答が引き起こされ、及び/又はこのようなトリレオウイルスに対する免疫が誘導されてもよい。免疫は、ワクチン接種を受けていない群との比較で、ワクチン接種後に、鳥集団におけるより高レベルの防御の誘導を含んでもよい。免疫応答は、防御免疫を与えてもよく、又は与えなくてもよい。免疫応答は、例えば、抗原への曝露に応答したリンパ球産生を伴う細胞媒介性免疫応答、及び/又は抗原曝露に応答した血漿リンパ球(B細胞)産生と引き続く抗体産生を伴う体液性免疫応答の1つ又は複数を含んでもよい。免疫化は、トリレオウイルス関連ウイルス関節炎(VA)/腱滑膜炎症状の1つ又は複数の低下、阻害、又は予防をもたらしてもよい。このような症状としては、体重抑制、産卵数低下、斃死率、巨視的病変(腱腫脹、腱滑膜炎、腱断裂、及び心膜水腫をはじめとするが、これに限定されるものではない)、及び組織学的変化(リンパ球性腱滑膜炎、リンパ球性心外膜炎、及びリンパ球性心筋炎をはじめとするが、これに限定されるものではない)の1つ又は複数が挙げられる。
【0033】
本発明の組成物又はワクチンは、アジュバント活性がある1つ又は複数の化合物もまた含んでもよい。この目的のために適切な化合物又は組成物としては、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、酸化アルミニウム、植物油、動物油、例えば、Bayol F(商標)又はMarcol 52(登録商標)などの鉱物油ベースの水中油型又は油中水型エマルション、完全フロイントアジュバント、不完全フロイントアジュバント、又はビタミンE酢酸エステルなどの植物油、及びサポニンが挙げられる。
【0034】
本発明の組成物又はワクチンは、1つ又は複数の適切な薬学的に許容可能な担体又は希釈剤を含んでもよい。本発明の免疫原性組成物又はワクチンは、1つ又は複数の安定剤もまた含有してもよい。ソルビトール、マンニトール、デンプン、スクロース、デキストリン、又はグルコースなどの炭水化物;アルブミン又はカゼインなどのタンパク質;及びアルカリ性金属リン酸塩などの緩衝液をはじめとする任意の適切な安定剤が使用され得る。安定剤は、凍結乾燥によって乾燥ワクチン製剤が調製される場合に、特に有利である。
【0035】
本発明の組成物又はワクチンは、家禽に対して伝染性のその他の病原体に由来する、1つ又は複数の免疫原をさらに含んでもよい。このような免疫原は、例えば、マレック病ウイルス(MDV)、伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、ニューカッスル病ウイルス(NDV)、産卵低下症候群(EDS)ウイルス、シチメンチョウ鼻気管炎ウイルス(TRTV)、ポックスウイルス、レオウイルス、ニワトリパルボウイルス、及び鳥類腎炎ウイルス(ANV-1及びANV-2をはじめとするが、これに限定されるものではない)から誘導されてもよい。
【0036】
本発明の組成物又はワクチンは、経鼻、点眼、注射、飲料水中、飼料中、曝露、卵内、母系性、呼吸吸入などをはじめとする、家禽接種の任意の適切な公知の方法によって投与されてもよい。免疫原性組成物又はワクチンは、ワクチンを飲料水に入れ又は噴霧若しくは気体化するなどの集団投与技術によって投与されてもよい。注射投与される場合、免疫原性組成物又はワクチンは、非経口的に投与されてもよい。非経口投与としては、例えば、静脈内、皮下、筋肉内、又は腹腔内注射による投与が挙げられる。
【0037】
いくつかの実施形態では、生ワクチンは、1羽あたり102抗体価単位以上の用量で投与されてもよく(抗体価単位は、連邦規則集の第9編113.332条で定義される)、ワクチンは、1羽あたり104~1010TCID50抗原当量を含有してもよい(TCIDは組織培養感染量の略語である)。
【0038】
いくつかの実施形態では、生ワクチンは、約101.5~約107のTCID又はEID(胚感染量(does))の用量で投与されてもよい。
【0039】
いくつかの態様では、ワクチンは、鳥当たり約101.5のTCID50、鳥当たり約102のTCID50、鳥当たり約103のTCID50、鳥当たり約104のTCID50、鳥当たり約105のTCID50、鳥当たり約106のTCID50、鳥当たり約107のTCID50、鳥当たり約108のTCID50、鳥当たり約109のTCID50、鳥当たり約1010のTCID50、又はそれらの任意の範囲の抗原当量を含有してもよい。
【0040】
本発明の組成物及びワクチンは、実質的に純粋であってもよい。本明細書の用法では、「実質的に純粋」は、自然界に普通に見られるいかなる類似巨大分子又はその他の生物学的実体も、本質的に含まない素材を意味する。
【0041】
本発明の組成物及びワクチンは、家禽、キジ目(Galliformes)の鳥、及び外来鳥類をはじめとするが、これに限定されるものではない、トリレオウイルスによる感染症に罹患し易い多様な鳥類のいずれかの鳥に投与されてもよい。キジ目(Galliformes)の鳥としては、ニワトリ、シチメンチョウ、ライチョウ、ウズラ、及びキジが挙げられるが、これに限定されるものではない。本明細書の用法では、家禽には、それらの卵を採取し、又は肉及び/又は羽毛のために屠殺する目的で飼育される、家畜化された鳥が含まれる。これらは、最も典型的には、上目キジカモ類(Galloanserae)(鳥類)、特にキジ目(Galliformes)(例えば、ニワトリ、ウズラ、シチメンチョウ、及びライチョウをはじめとする)、及び一般に「水鳥」として知られているカモ科(Anatidae)(カモ目(Anseriformes))(例えば、カモ、ガチョウ、及びハクチョウをはじめとする)の構成員である。家禽にはまた、ハト(pigeons)又はハト(doves)などのそれらの肉のために屠殺されるその他の鳥、又はキジなどの狩猟対象と見なされる鳥が含まれてもよい。ニワトリとしては、雌鶏、雄鶏、ブロイラー、ロースター、産卵鶏、種鶏、種鶏の子孫、及び産卵鶏が挙げられるが、これに限定されるものではない。本明細書の用法では、「罹患し易い」という用語は、罹患し難い個体又は集団と比較して、言及される微生物に対する有害な反応の可能性又は現実性、及び/又はトリレオウイルス感染症の指標となる1つ又は複数の病的状態を意味する。
【0042】
本発明のワクチンは、孵化前又は孵化後に家禽に投与されてもよい。家禽は、多様な齢数でワクチンを投与されてもよい。例えば、ブロイラーは、卵内で、1日齢で、又は2~3週齢で、ワクチン接種されてもよい。産卵用系統又は繁殖用系統は、例えば、約6~12週齢でワクチン接種され、約16~20週齢で追加免疫されてもよい。このような産卵用系統又は繁殖用系統は、約6、約7、約8、約9、約10、約11、又は約12週齢でワクチン接種されてもよい。また、いくつかの実施形態では、このような産卵用系統又は繁殖用系統は、生後約2週間以内にワクチン接種されてもよい。このような産卵用系統又は繁殖用系統は、約16、約17、約18、約19、又は約20週齢で追加免疫されてもよい。このような産卵用系統又は繁殖用系統の子孫は、本明細書に記載されるようなポリペプチドに対する抗体力価を示してもよく、それは、子孫において、トリレオウイルス感染症の症状を予防又は軽減してもよい。卵内でワクチン接種は、例えば、約13日目、約14日目、約15日目、約16日目、約17日目、約18日目、約19日目、約20日目、又はそれらの任意の範囲で行われてもよい。
【0043】
ニワトリは、任意の適切な齢数でワクチン接種されてもよく、通常は、最初のワクチン接種前に約1~3日齢である。ニワトリは、1回のみワクチン接種されてもよい。或いは2回のワクチン投与が使用される場合、1回目は、例えば、ニワトリが3日齢から1週齢の時点で投与され、引き続いてさらに1~10週間後に投与される。
【0044】
組成物の複数回投与は、ニワトリの生涯を通じて投与され得る。母子免疫がブロイラー子孫に防御を提供する主要な供給源であることから、種鶏ニワトリが典型的にワクチン接種されるが、所望であれば、ブロイラー鶏もワクチン接種され得る。
【0045】
本発明は、家禽において抗変異型群1及び/又は変異型群2のトリレオウイルス免疫応答を生じさせる方法を含み、方法は、本明細書に記載されるような単離されたウイルス、組成物又はワクチンを投与することを含む。いくつかの態様では、免疫としては、体液性及び/又は細胞性免疫が挙げられる。いくつかの態様では、免疫としては、粘膜性免疫が挙げられる。
【0046】
本発明は、家禽におけるトリレオウイルス感染を予防する方法を含み、方法は、本明細書に記載されるような単離されたウイルス、組成物又はワクチンを投与することを含む。
【0047】
本発明の方法のいくつかの態様では、投与としては、注射、噴霧、経口投与、又は呼吸器投与が挙げられる。本発明の方法のいくつかの態様では、投与は粘膜性免疫を誘導する。本発明の方法のいくつかの態様では、投与としては、卵内投与が挙げられる。いくつかの態様では、卵内投与としては、約13日目、約14日目、約15日目、約16日目、約17日目、約18日目、約19日目、約20日目、又はそれらの任意の範囲の投与が挙げられる。
【0048】
本発明は、鳥における変異型群1及び/又は変異型群2トリレオウイルスへの曝露を検出する方法を含み、方法は、鳥から得られた抗血清サンプルが、本発明のウイルスに特異的に結合するかどうかの判定を含む。例えば、本発明は、鳥におけるトリレオウイルスへの曝露を検出する方法における、本発明の1つ又は複数のトリレオウイルスの使用を含み、方法は、鳥から得られた抗血清サンプルが、本発明のトリレオウイルスに特異的に結合することを判定することを含む。
【0049】
本発明はまた、本発明のトリレオウイルスの1つ又は複数を含む診断キットも含む。キットは、本発明のトリレオウイルスで充填された1つ又は複数の容器を含んでもよい。いくつかの態様では、ウイルスは、例えば、凍結乾燥され、フリーズドライされ、凍結されてもよく、又は発泡性錠剤として製剤化されてもよい。キットは、トリレオウイルスのその他の株又は家禽のその他の病原体の追加的な別個の容器を含んでもよい。このようなキットは、例えば、陽性対照ウイルス、陰性対照ウイルス、二次抗体、及び/又は検出可能マーカーなどの追加的成分を含んでもよい。さらに、キットは、緩衝液などのその他の試薬を含んでもよく、本発明を実施するために必要な溶液もまた含まれる。任意選択的に、このような容器に、関連する通知又は印刷された説明書が添付され得る。本発明のキットは、「包装材料」を含んでもよい。本明細書の用法では、「包装材料」という用語は、キットの内容物を収容するために使用される1つ又は複数の物理的構造を指す。包装材料は良く知られた方法によって構築され、好ましくは無菌で汚染物質のない環境を提供する。包装材料は、固体マトリックスであるか又はガラス、プラスチック、紙、ホイルなどの材料であり得る。
【0050】
本発明は、鳥から得られるサンプル中の1型又は2型トリレオウイルスの量を検出及び/又は測定する方法を提供する。このような方法は、本明細書に記載されるような本明細書に記載されるようなトリレオウイルスに選択的に結合する抗体に、サンプルを接触させて、サンプル中のウイルス又はタンパク質への抗体結合量を測定するステップを含んでもよい。サンプルは、組織、骨、血液、尿又は糞便などの任意の生物学的材料であってもよい。本発明のこの態様の方法は、例えば、家禽が、本発明のトリレオウイルスに感染しているかどうかを判定するのに有用である。そのように同定された感染動物は、次にレオウイルスがその他の動物に拡散するのを防止するため隔離又は殺処分され得る。
【0051】
本明細書の用法では、「単離された」は、その元の環境(例えば、それが天然に存在する場合は天然環境)から取り出された物質を指し、したがって「人の手によって」その天然状態から改変されている。
【0052】
「及び/又は」という用語は、1つ又は全ての列挙された要素、又は任意の2つ以上の列挙された要素の組み合わせを意味する。
【0053】
「好ましい」及び「好ましくは」という語は、特定状況下で、特定の利点をもたらしてもよい本発明の実施形態を指す。しかし、同一又はその他の状況において、その他の実施形態もまた、好適であってもよい。さらに、1つ又は複数の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用でないことを暗示せず、本発明の範囲からその他の実施形態を排除することは意図されない。
【0054】
「含む」という用語及びそのバリエーションは、これらの用語が説明及び特許請求の範囲に出現した場合、限定的意味を有しない。
【0055】
特に断りのない限り、「a」、「an」、「the」、及び「少なくとも1つ」は、同義的に使用されて、1つ又は2つ以上を意味する。
【0056】
また本明細書では、終点による数値範囲の列挙は、その範囲内に包含される全ての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5、などを含む)。
【0057】
個別のステップを含む本明細書で開示される任意の方法では、ステップは、任意の実行可能な順序で実施されてもよい。そして、必要に応じて、2つ以上のステップの任意の組み合わせが同時に実施されてもよい。
【0058】
特に断りのない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用される、成分量、分子量などを示す全ての数は、いかなる場合でも「約」という用語によって修飾されるものと理解される。したがって、特にそうでないという断りのない限り、明細書及び特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得られることが求められる、所望の性質次第で変動してもよい近似値である。最低限でも、特許請求の範囲に対する均等論の制限の試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも報告された有効桁数の観点から、通常の丸め技術を適用して解釈されるべきである。
【0059】
本発明の広範囲で示される数値的範囲及びパラメータは、近似値であるが、具体例に記載の数値は可能な限り正確に報告される。しかし、全ての数値は、それらのそれぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的にもたらされる範囲を本質的に含有する。
【0060】
出願書全体を通じていくつかの箇所で、実施例の一覧を通じて指標が提供され、その実施例は様々な組み合わせで使用され得る。それぞれの場合において、列挙された一覧は、典型的なグループとしての役割のみを果たし、排他的一覧として解釈されるべきではない。特定の実施例、物質、量、及び手順は、本明細書に記載される発明の範囲と精神に従って広義に解釈されるものと理解される。
【0061】
全ての見出しは、読者の利便性のためであり、そのように明記されない限り、見出しに続く本文の意味を制限するために利用されるべきではない。
【0062】
本発明は、特許請求の範囲において定義される。しかしながら、以下に、非限定的実施形態の非網羅的な一覧を提供する。これらの実施形態の特徴のいずれか1つ又は複数は、本明細書に記載の別の例、実施形態、又は態様のいずれか1つ又は複数の特徴と組み合わされてもよい。
【0063】
1.単離されたトリレオウイルスであって、ここで単離されたトリレオウイルスは、特許指定PTA-126077の下でATCCに寄託されたトリレオウイルス94826 C140株、又はその子孫若しくは誘導体であり、ここで、その子孫若しくは誘導体は、特許指定PTA-126077の下でATCCに寄託されたトリレオウイルス94826 C140株と本質的に同じ生物学的及び血清学的特徴を有する。
【0064】
2.単離されたトリレオウイルスであって、ここで単離されたトリレオウイルスは、特許指定PTA-126078の下でATCCに寄託されたトリレオウイルス96139 C140株、又はその子孫若しくは誘導体であり、ここで、その子孫若しくは誘導体は、特許指定PTA-126078の下でATCCに寄託されたトリレオウイルス96139 C140株と本質的に同じ生物学的及び血清学的特徴を有する。
【0065】
3.単離されたトリレオウイルスがマスター種ウイルスを含む、実施形態1又は2に記載の単離されたトリレオウイルス。
【0066】
4.単離されたトリレオウイルスが、凍結乾燥、フリーズドライ、凍結、又は発泡性錠剤である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の単離されたトリレオウイルス。
【0067】
5.実施形態1~4のいずれか1つに記載の単離されたトリレオウイルスを含む、組成物。
【0068】
6.アジュバントを含む、実施形態5に記載の組成物。
【0069】
7.薬学的に許容可能な担体を含む、実施形態5又は6に記載の組成物。
【0070】
8.鼻腔内、眼内、経口、粘膜、筋肉内、皮下、又は卵内投与のために製剤化されている、実施形態5~7のいずれか1つに記載の組成物。
【0071】
9.噴霧又は気体化(aerolizing)のために製剤化されている、実施形態5~8のいずれか1つに記載の組成物。
【0072】
10.実施形態1~4のいずれか1つに記載の単離されたトリレオウイルス、又は実施形態5~9のいずれか1つに記載の組成物を含むワクチン。
【0073】
11.ワクチンが、キジ目(Galliformes)の鳥のレオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎に対する感受性を低下させる、実施形態10に記載のワクチン。
【0074】
12.レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎から鳥を保護するのに十分な量の、特許指定PTA-126077の下でATCCに寄託されたトリレオウイルス94826 C140株、又はその子孫若しくは誘導体と、薬学的に許容可能な担体とを含む、キジ目(Galliformes)の鳥のためのワクチン。
【0075】
13.レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎が、変異型群1/遺伝子型5誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎である、実施形態11又は12に記載のワクチン。
【0076】
14.レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎から鳥を保護するのに十分な量の、特許指定PTA-126078の下でATCCに寄託されたトリレオウイルストリレオウイルス96139 C140株、又はその子孫若しくは誘導体と、薬学的に許容可能な担体とを含む、キジ目(Galliformes)の鳥のためのワクチン。
【0077】
15.レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎が、変異型群2/遺伝子型1誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎である、実施形態13又は14に記載のワクチン。
【0078】
16.実施形態1~15のいずれか1つに記載のトリレオウイルス、組成物、又はワクチンを含む発泡性錠剤。
【0079】
17.実施形態1~16のいずれか1つに記載のトリレオウイルス、組成物、又はワクチンを鳥に投与することを含む、レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎に対するキジ目(Galliformes)の鳥の感受性を低下させるための方法。
【0080】
18.実施形態1~16のいずれか1つに記載のトリレオウイルス、組成物、又はワクチンを鳥に投与することを含む、レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎からキジ目(Galliformes)の鳥を保護するための方法。
【0081】
19.レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎が、変異型群1/遺伝子型5誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎である、実施形態17又は18に記載の方法。
【0082】
20.レオウイルス誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎が、変異型群2/遺伝子型1誘発性ウイルス性関節炎/腱滑膜炎である、実施形態17又は18に記載の方法。
【0083】
21.投与が、鼻腔内、眼内、経口、粘膜、筋肉内、又は皮下である、実施形態17~20のいずれか1つに記載の方法。
【0084】
22.投与が、卵内投与を含む、実施形態17~20のいずれか1つに記載の方法。
【0085】
23.トリレオウイルス、組成物、又はワクチンが、エアロゾルによって投与される、実施形態17~20のいずれか1つに記載の方法。
【0086】
24.トリレオウイルス、組成物、又はワクチンが、飲料水によって投与される、実施形態17~20のいずれか1つに記載の方法。
【0087】
25.投与が、種雌鶏又は雄鶏への投与を含む、実施形態17~24のいずれか1つに記載の方法。
【0088】
26.実施形態1~16のいずれか1つに記載の単離されたトリレオウイルス、組成物、又はワクチンを鳥に投与することを含む、家禽における抗レオウイルス抗体産生方法。
【0089】
27.鳥が、鶏又は七面鳥である、実施形態17~26のいずれか1つに記載の方法。
【0090】
28.実施形態1~4のいずれか1つに記載の単離されたトリレオウイルスを含む、診断キット。
【0091】
29.鳥から得られた抗血清サンプルが、実施形態1~3のいずれか1つに記載のトリレオウイルスに特異的に結合することを判定するステップを含む、鳥においてトリレオウイルスへの曝露を検出する方法。
【0092】
30.実施形態1~3のいずれか1つに記載のトリレオウイルスに対する、過免疫血清。
【0093】
31.実施形態1~3のいずれか1つに記載のトリレオウイルスに結合し、トリレオウイルスS1133、1733、2408、及び/又は2177株には結合しない、抗体。
【0094】
32.抗体がモノクローナル抗体である、実施形態31に記載の抗体。
【0095】
本発明を以下の実施例によって例示する。特定の実施例、物質、量、及び手順は、本明細書に記載される発明の範囲と精神に従って広義に解釈されるものと理解される。
【実施例】
【0096】
実施例1
94826 C140-変異型群1/遺伝子型5トリレオウイルス
弱毒化トリレオウイルス94826 C140は、ニワトリ胚で94826トリレオウイルスを140回継代することによって得た。弱毒化トリレオウイルス94826 C140は、2019年8月13日に特許寄託指定PTA-126077の下でATCC(登録商標)に寄託した。弱毒化トリレオウイルス94826 C140はまた、ジョージア州20602アセンズのカレッジステーションロード953に所在する、ジョージア大学の家禽診断研究センター(PDRC)のウイルスリポジトリに、PDRC ref:121116としてアーカイブされている。生きた、弱毒化レオウイルスワクチンとしてのトリレオウイル94826 C140の安全性及び有効性は、実施例3でより詳細に記載されている。
【0097】
親94826トリレオウイルスは、群1/遺伝子型5トリレオウイルスであり、どちらも参照により本明細書に援用される、国際出願第PCT/US2015/013449号明細書(国際公開第2015/116778号パンフレット)及び米国特許出願第15/223,623号明細書により詳細に記載されている。
【0098】
実施例2
96139 C140-変異型群2/遺伝子型1トリレオウイルス
弱毒化トリレオウイルス96139 C140は、ニワトリ胚で96139トリレオウイルスを140回継代することによって得た。弱毒化トリレオウイルス96139 C140は、2019年8月13日に特許寄託指定PTA-126078の下でATCC(登録商標)に寄託した。弱毒化トリレオウイルス9619 C140はまた、ジョージア州20602アセンズのカレッジステーションロード953に所在する、ジョージア大学の家禽診断研究センター(PDRC)のウイルスリポジトリに、PDRC ref:119812としてアーカイブされている。生きた、弱毒化レオウイルスワクチンとしてのトリレオウイル96139 C140の安全性及び有効性は、実施例3でより詳細に記載されている。
【0099】
親96139トリレオウイルスは、群2/遺伝子型1トリレオウイルスであり、どちらも参照により本明細書に援用される、国際出願第PCT/US2015/013449号明細書(国際公開第2015/116778号パンフレット)及び米国特許出願第15/223,623号明細書により詳細に記載されており、2019年3月7日に特許寄託指定PTA-125688の下でATCC(登録商標)に寄託した。
【0100】
実施例3
生弱毒化レオウイルスワクチン候補94826 C140及び96139 C140
単離株
変異型群1/遺伝子型5トリレオウイルスである94826 C140トリレオウイルスは、実施例1に記載されるとおりである。
【0101】
変異型群2/遺伝子型1トリレオウイルスである96139 C140トリレオウイルスは、実施例2に記載されるとおりである。96139 C140
【0102】
胚継代
双方のウイルス分離株は、漿尿膜(CAM)接種経路を介して、特定病原体除去(SPF)胚中で連続的に継代した。具体的には、元の単離株からのCAMを、滅菌最小必須培地(MEM)で1:100に希釈し、0.1mlを9~11日齢のSPF胚のCAMに接種した。接種後48時間で、胚を4℃で4時間冷蔵し、胚からのCAMを収集しプールして、Omniビーズ粉砕機を使用してウイルス輸送培地(VTM)で均質化し、1500×gで清澄化し、次の胚継代日まで-80で保存した。
【0103】
C140株力価
94826 C140株と96139 C140株の双方の力価を以下の表1に示す。
【0104】
【0105】
同一性試験
同一性試験を10~20回の胚継代毎に実施した。簡潔に述べると、CAM継代のアリコートをレオウイルスシグマC RT-PCRに供して配列決定し、ヌクレオチド及びアミノ酸配列を元の継代及び前回の継代と比較して、同一性を確認した。
【0106】
純度試験
純度試験は、連邦規則集第9条(9CFR)第113.332項(9CFR§113.332)に規定されているガイドラインに従って、並びに培養及びRT-PCR/PCR法によって、C140株に対して実施した。
【0107】
細菌、真菌、及びカビの培養は、94826 C140株と96139 C140株の双方が、培養によって細菌、真菌、及びカビについて陰性であることを示した。
【0108】
PCRは、94826 C140株と96139 C140株の双方が、マイコプラズマ・ガリセプチカム(Mycoplasma gallisepticum)(MG)及びマイコプラズマ・シノビアエ(Mycoplasma synoviae)(MS)について陰性であることを示した。
【0109】
外来ウイルスのPCR/RT-PCRは、94826 C140株と96139 C140株の双方が、外来トリウイルスについて陰性であることを示した。
【0110】
連邦規則集第9条第113.332(b)(2)(3)項に規定されたガイドラインに従った、ストックウイルスのリンパ球白血病汚染試験の結果は以下の表2に示され、94826 C140株と96139 C140株の双方に白血病汚染がないことが示された。
【0111】
【0112】
安全性試験
双方の単離株のCAM継代140(C140)は、連邦規則集第9条(9CFR)第113.332項に概説されるガイドラインに従って、安全性試験を実施した。
【0113】
実験概要
●鳥供給源
●Aviagenからの親鳥(ブロイラー種)
●市販の不活化S1133でワクチン接種された種鶏
●レオウイルス94826抗体及び96139抗体について陰性のブロイラー雛
●連邦規則集第9条に従った安全性試験
●連邦規則集第9条に従った評価のパラメータ
●94826 C140(VG1/GT5)104のEID50/0.2ml[29羽の雛]
●94826 C140(VG1/GT5)105のEID50/0.2ml[30羽の雛]
●96139 C140(VG2/GT1)104のEID50/0.2ml[30羽の雛]
●96139 C140(VG2/GT1)105のEID50/0.2ml[30羽の雛]
●21日間にわたり毎日モニターした
●跛行、腱/飛節の腫れの評価
●死亡率
【0114】
94826及び96139に対する抗体が陰性の1日齢の市販ブロイラーにおける、10回の評価の結果を以下の表3に示す。結果は、94826又は96139の104のEID50又は105のEID50量を皮下投与したブロイラーにおいて、接種後21日間の評価期間中に臨床症状及び肉眼的病変が観察されなかったことを示した。ワクチンは、これらの用量で1日齢のブロイラーで使用しても、安全であると見なされる。
【0115】
【0116】
94826及び96139に対する抗体が陰性の28日齢の市販ブロイラーにおける、10回の評価の結果を以下の表4に示す。結果は、94826又は96139の104のEID50又は105のEID50量を皮下投与したブロイラーにおいて、接種後21日間の評価期間中に臨床症状及び肉眼的病変が観察されなかったことを示した。ワクチンは、これらの用量で28日齢のブロイラーで使用しても、安全であると見なされる。
【0117】
【0118】
有効性試験
連邦規則集第9条第113.332(4)(c)(1、2、3)項に従って、C140株を有効性について評価した。
【0119】
94826及び96139に対するレオウイルス抗体について陰性の1日齢のブロイラーにおける有効性試験
●ワクチン接種/皮下注射
●94826 C140(VG1/GT5)102.5のEID50/0.2ml[31羽の雛]
●94826 C140(VG1/GT5)103のEID50/0.2ml[31羽の雛]
●96139 C140(VG2/GT1)102.5のEID50/0.2ml[30羽の雛]
●96139 C140(VG2/GT1)103のEID50/0.2ml[30羽の雛]
●ワクチン未接種の対照
●ワクチン未接種/チャレンジされた対照のために、1日齢で隔離ユニットに入れられた20羽の雛
●21日齢(ワクチン接種/皮下及びワクチン未接種)
●104のEID50/0.05mlの94826 Li7又は96139 Li5(親ウイルス)の足蹠注射を介してチャレンジされた全ての群
●14日間にわたり毎日観察した
●死亡率
●抑鬱状態
●跛行/引きずり足歩行
●腫れた足蹠及び/又は腱
【0120】
1日齢のブロイラーにおける有効性試験の結果は、以下の表5に示される。結果は、1用量あたり102.5又は103のEID50でワクチン接種された1日齢の雛が、相同な親ウイルスによるチャレンジ後に保護されたことを示した。
【0121】
【0122】
ワクチン未接種/親ウイルスチャレンジされたブロイラーからの結果は、以下の表6に示される。結果は、有効性試験が、ワクチン未摂取/チャレンジされたブロイラーで観察された臨床徴候に基づいて、有効であったことを示した。
【0123】
【0124】
1日齢の有効性研究のためのC140株の逆滴定の結果-胚で滴定された希釈C140株のアリコート(102.5及び103のEID50/用量)(5回の反復試験)は、以下の表7に示される。
【0125】
【0126】
1日齢のブロイラーにおける有効性試験の要約
102.5及び103の用量の94826 C140又は96139 C140での1日齢のワクチン接種は、親ウイルスによる足蹠チャレンジ後の臨床徴候から保護した。
【0127】
ワクチン未接種/チャレンジされた対照は、双方の親ウイルスについて連邦規則集第9条第113.332(4)(c)(3)項に概説される許容範囲内に収まった。
【0128】
1日齢のブロイラーでの試験は、連邦規則集第9条ガイドラインに従って許容された。
【0129】
本明細書で引用される、全ての特許、特許出願、及び文献、及び電子的に利用できる情報(例えば、GenBank及びRefSeq中のヌクレオチド配列登録、及び例えば、SwissProt、PIR、PRF、PDBなどのアミノ酸配列登録、及びGenBank及びRefSeq中の注釈付きコード領域からの翻訳物をはじめとする)の完全な開示は、参照により援用される。本出願の開示と、参照により本明細書に援用される任意の文献の開示との間に何らかの矛盾が存在する場合、本出願の開示が効力を持つものとする。前述詳細な説明及び実施例は、理解を明確にするためにのみ示された。不要な制限が、それから解釈されるべきではない。本発明は、示されて説明される正確な詳細に限定されず、当業者には明白である多様性は、特許請求の範囲によって定義される本発明に含まれる。
【国際調査報告】