(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-02
(54)【発明の名称】喫煙製品、衛生製品、食品、又は医薬品を製造又は包装するための自動機械におけるフォーマット変更を実施するための支援方法及びそれぞれの自動機械
(51)【国際特許分類】
B65B 59/00 20060101AFI20230126BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20230126BHJP
【FI】
B65B59/00
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022524986
(86)(22)【出願日】2020-10-28
(85)【翻訳文提出日】2022-06-27
(86)【国際出願番号】 IB2020060095
(87)【国際公開番号】W WO2021084437
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】102019000019852
(32)【優先日】2019-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】マウリツィオ ザノッティ
(72)【発明者】
【氏名】フランコ スピスニ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエラ アルベルティーニ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアーノ ガンベリーニ
【テーマコード(参考)】
3C100
3E056
【Fターム(参考)】
3C100AA38
3C100AA62
3C100AA63
3C100BB13
3C100BB29
3E056AA06
3E056BA11
3E056BA14
3E056BA17
3E056CA04
3E056GA07
3E056HA01
3E056HA05
(57)【要約】
喫煙製品、衛生製品、食品又は医薬品を製造又は包装するための自動機械(6)におけるフォーマット変更を実施するための支援方法。この支援方法は、フォーマット変更を、古い製品フォーマット用に設計された構成要素の取り外し、及び新しい製品フォーマット用に設計された構成要素の取り付けのための処理の順序正しい制御処理に分けるステップと、取り外し及び取り付け処理の順序正しい制御処理をフォーマット変更を担当する作業者に伝えるステップと、構成要素の取り外し又は取り付けのための処理を作業者に伝える前に、古い又は新しい製品フォーマット用に設計された構成要素の実際の存在又は不存在の有無を電子的且つ自動的に検出するステップと、構成要素の取り外し又は取り付けのための処理を作業者に伝えた後に、古い又は新しい製品フォーマット用に設計された構成要素の実際の不存在又は存在を電子的且つ自動的に検出するステップと、構成要素の実際の不存在又は存在を電子的且つ自動的に確認した後にのみ、構成要素の取り外し又は取り付けのための処理に続く処理を作業者に伝えるステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙製品、衛生製品、食品、又は医薬品の製造又は包装のための自動機械(6)におけるフォーマット変更を実施するための支援方法であって、
前記フォーマット変更は古い製品フォーマットの処理から古い製品フォーマットとは異なる新しい製品フォーマットの処理への前記自動機械(6)の調整を含み、該自動機械(6)はそれに沿って製品の処理が実行される少なくとも1つの処理ライン(8)と、該処理ライン(8)を形成するように処理ライン(8)に沿って分配される複数の構成要素とを含み、
前記支援方法は、前記古い製品フォーマットのために設計された構成要素の取り外し、及び/又は前記新しい製品フォーマットのために設計された構成要素の取り付けのための順序正しい制御処理に前記フォーマット変更を分けるステップと、
前記フォーマット変更を管理する作業者に、取り外し及び/又は取り付け作業の順序正しい制御処理を伝えるステップと、を有する支援方法において、
前記フォーマット変更中に交換する必要がある全ての構成要素及び唯一の構成要素を特定するステップと、
対応する電子特定装置(16)を、前記フォーマット変更中に交換する必要がある全ての構成要素及び唯一の構成要素のそれぞれと関連付けるステップと、
制御ユニット(14)によって、構成要素に関連する前記電子特定装置(16)の実際の不存在/存在を電子的且つ自動的に検出することによって、構成要素の実際の不存在/存在を電子的且つ自動的に検出するステップと、
前記自動機械(6)において、構成要素の取り外しのための処理を作業者に通信した後に、前記古い製品フォーマット用に設計された構成要素の実際の不存在を電子的且つ自動的に検出するステップと、
前記自動機械(6)において、構成要素の実際の不存在を電子的且つ自動的に確認した後にのみ、構成要素を取り外すための処理に続く処理を作業者に伝えるステップと、
前記自動機械(6)において、構成要素の取り付けのための処理を作業者に伝えた後に、前記新しい製品フォーマットのために設計された構成要素の実際の存在を電子的且つ自動的に検出するステップと、
前記自動機械(6)において、構成要素の実際の存在について電子的且つ自動的に確認した後にのみ、構成要素を取り付けるための処理に続く処理を作業者に伝えるステップと、
を有することを特徴とする支援方法。
【請求項2】
前記自動機械(6)において、構成要素を取り外すための処理を作業者に伝える前に、前記古い製品フォーマット用に設計された構成要素の実際の存在を電子的且つ自動的に検出するステップと、
前記自動機械(6)において、構成要素の取り付けのための処理を作業者に伝える前に、前記新しい製品フォーマット用に設計された構成要素が実際の不存在を電子的且つ自動的に検出するステップと、を有する、請求項1に記載の支援方法。
【請求項3】
前記フォーマット変更中に交換する必要がある可能性のある小さな構成要素、すなわち、対応する電子特定装置(16)と結合するには小さすぎる構成要素を特定するステップと、
前記フォーマット変更中に交換する必要がある単一の不可分構成要素を形成するために、前記フォーマット変更中に交換する必要がある小さな構成要素を少なくとも別の隣接する構成要素としっかりと結合するステップと、を有する、請求項1又は2に記載の支援方法。
【請求項4】
前記フォーマット変更中に交換される必要がある単一の不可分構成要素を形成するために、前記フォーマット変更中に交換される必要がある小さな構成要素が、前記フォーマット変更中に交換される必要がなかった隣接する構成要素に結合される、請求項3に記載の支援方法。
【請求項5】
各電子特定装置(16)は第1の無線通信部(18)を備え、前記制御ユニット(14)は前記第1の無線通信部(18)と通信するように設計された第2の無線通信部(20)を備える、請求項1~4の何れか一項に記載の支援方法。
【請求項6】
各第1の無線通信部(18)は他の第1の無線通信部(18)と通信するように設計される、請求項5に記載の支援方法。
【請求項7】
各電子特定装置(16)は、外部から受け取ったエネルギーを電子特定装置(16)の処理に必要な電力エネルギーに変換するために、外部からエネルギーを受け取るように設計された無線エネルギー受信部(22)を備える、請求項1~6の何れか一項に記載の支援方法。
【請求項8】
各電子特定装置(16)は、前記無線エネルギー受信部(22)から電気エネルギーを受信する電気エネルギー蓄積部(24)を備える、請求項7に記載の支援方法。
【請求項9】
前記自動機械(6)は、前記無線エネルギー受信部(22)にエネルギーを伝達するように設計された無線エネルギー送信部(23)を備える、請求項7又は8に記載の支援方法。
【請求項10】
各無線エネルギー受信部(22)は光電池を含む、請求項7、8又は9に記載の支援方法。
【請求項11】
前記自動機械(6)は、前記光電池によって吸収されるのに適した光を発する少なくとも1つの発光体を備える、請求項10に記載の支援方法。
【請求項12】
各無線エネルギー受信部(22)は電磁放射線を拾うように設計されたアンテナを備え、前記自動機械(6)は、エネルギーを無線エネルギー受信部(22)に転送するように設計された無線エネルギー送信部(23)を有する、請求項7、8又は9に記載の支援方法。
【請求項13】
前記古い製品フォーマット用に設計され、前記自動機械(6)から取り外されたすべての構成要素と、前記自動機械(6)に取り付けられる前記新しい製品フォーマット用に設計されたすべての構成要素とを収容するように設計され、記憶領域にある各構成要素の前記電子特定装置(16)が前記制御ユニット(14)によって検出されないように構成された記憶領域を提供するさらなるステップを含む、請求項1~12の何れか一項項に記載の支援方法。
【請求項14】
前記記憶領域は前記制御ユニット(14)から所与の十分に離れた距離にあり、及び/又は電磁波を停止させる金属シールドを備える、請求項13に記載の支援方法。
【請求項15】
各電子特定装置(16)は構成要素の一連のデータを含むように設計されたプログラマブルメモリ(17)を含み、その中に構成要素の一義の特定コード(IDC)が存在する、請求項1~14の何れか一項に記載の支援方法。
【請求項16】
前記自動機械(6)における構成要素の実際の存在又は不存在を電子的且つ自動的に検出する前に、前記作業者に、構成要素の取り外し又は取り付け処理の完了の確認を求めさせるステップ、を有する請求項1~15の何れか一項に記載の支援方法。
【請求項17】
喫煙製品、衛生製品、食品又は医薬品を製造又は包装し、請求項1~16の何れか一項に記載の支援方法を実施するための自動機械(6)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙製品、衛生製品、食品又は医薬品を製造又は包装するための自動機械におけるフォーマット変更を実施するための支援方法、及びそれぞれの自動機械に関する。本発明は煙草の箱を製造する包装機に有利に適用され、以下の開示は一般性を失うことなく明示的に参照する。
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2019年10月28日に出願されたイタリア国特許出願第102019000019852号明細書からの優先権を主張し、その開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
過去において、紙巻き煙草の箱の単一フォーマットの製造は、煙草包装ラインに指定され、その製造は非常に長い期間、変更なしに実施された。最近、前記製造思想を「ジャスト・イン・タイム」タイプの製造思想に置き換える試みがなされており、この製造思想は市場の要求にリアルタイムで適応し、したがって備蓄を回避するために、同じ紙巻煙草包装ラインによって製造されなければならない紙巻煙草の箱のフォーマットを頻繁に変更することを提供する。その結果、紙巻き煙草の箱を製造するための自動包装機では、製造される紙巻き煙草の箱のフォーマットを変更するために、頻繁なフォーマット変更が行われることが常に一般的である。
【0003】
紙巻き煙草の箱を製造するための自動包装機におけるフォーマット変更処理は、一般に、2つのタイプの調整、すなわち、新しいフォーマットと互換性のない構成要素を交換することを含む「機械的」又は「ハードウェア」の修正と、古いフォーマットの構成を自動包装機の制御ユニットにおける新しいフォーマットの構成と交換することを含む「論理的」又は「ソフトウェア」の修正とを含む。
【0004】
古いフォーマットの製造のための構成要素を新しいフォーマットの製造のための構成要素に置き換えるには、通常、欠陥のある製造又はさらには機械的な故障につながる可能性のある誤りを回避するために、特に専門の技術担当者が介入する必要がある。
【0005】
さらに、紙巻き煙草の箱を製造するための包装機は、包装機の処理中に不可避的な摩耗を受ける多数の構成要素を備える。基本的に、包装機の全ての構成要素は、定期的にメンテナンス介入を受けなければならず、メンテナンス介入は構成要素のタイプ及び摩耗の程度に応じて、単純な清掃、オーバーホール、較正、部分的な交換(すなわち、構成要素のみ)、又は完全な交換とすることができる。
【0006】
構成要素の処理時間数は、構成要素に対する保守介入の必要性及びタイプを確立するための主要な基準として使用される。包装機の運転時間数は、包装機の全運転時間数を測定する包装機の時間カウンタと、構成要素が最初に包装機に取り付けられた時のカウントとを読み取ることによって得られる。
【0007】
この方法論は、包装機に一旦取り付けられると、寿命が終わるまで決して交換されない構成要素に有効である。しかしながら、包装機のある数の構成要素は、包装される煙草のフォーマット及び/又は作られる箱のフォーマットにリンクされ、したがって、フォーマット変更中に周期的に交換される。フォーマットにリンクされたこれらの構成要素については、実際の労働時間数を正確に決定することは複雑で骨が折れ、したがって、それらのメンテナンスのスケジューリングは困難である。
【0008】
特許文献1は自動装置の構成を変更するための方法及びユニットを記載しており、これに基づいて、利用者は選択デバイスの手段によって所望の最終構成を選択し、表示装置は装置を現在の開始構成から所望の最終構成に変更するために、装置上で実行されるべきすべての処理のみの順序付けられたリストを表示し、リストは処理が実行される順序に従って配置され、処理ごとに、少なくとも1つのそれぞれの処理値の状態が最初の構成で表示され、同じ処理値の状態が最終構成で表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1225491(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は喫煙製品、衛生製品、食品又は医薬品を製造又は包装するための自動機械及び対応する自動機械において、フォーマット変更を実行するための支援方法を提供することであり、この支援方法は上述の欠点がなく、同時に、実施が容易且つ安価である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、喫煙製品、衛生製品、食品、又は医薬品を製造又は包装するための自動機械及びそれぞれの自動機械においてフォーマット変更を実施するための支援方法が、添付の特許請求の範囲に記載されているように提供される。
【0012】
特許請求の範囲は、本明細書の不可欠な部分を形成する本発明の好ましい実施形態を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、一方が他方の内側にある2つの剛性容器を備えた紙巻き煙草の箱の正面斜視図であり、閉鎖形態である。
【
図2】
図2は閉鎖形態にある
図1の紙巻き煙草の箱の背面斜視図である。
【
図3】
図3は開放形態における
図1の煙草の箱の正面斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1の紙巻き煙草の箱を製造し、本発明に従って製造された包装機の概略正面図である。
【
図6】
図6は、
図4の包装機の構成要素に関連する電子特定装置と、
図4の包装機の制御ユニットの通信部の模式図である。
【
図7】
図7は
図6の電子特定装置のプログラマブルメモリの内容の一部の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1、2及び3において、参照符号1は、全体として、煙草の剛性箱を示す。紙巻き煙草の箱1は厚紙又は硬質板紙で作られ、カップ形状であり、紙巻き煙草のグループ4を収容する内側ラップ3を収容し、ヒンジ付き蓋5を備える外側容器2を備える。
【0015】
図4において、参照符号6は、全体として、紙巻き煙草の箱1を製造するように設計された包装機を示す。
【0016】
包装機6は、床に載置され、煙草(処理ライン8によって処理された製品を形成する)の処理(すなわち包装)が行われる処理ライン8を支持するフレーム7を備える。以下は処理ライン8に沿って配置される。すなわち、煙草のグループ4が連続して形成される形成ユニット9、対応する内側ラップ3を形成するために煙草の各グループ4の周りにラッピングシート(典型的にはメタライズドペーパ)が折り曲げられるラッピングユニット10、及びヒンジ付き蓋5が設けられた対応する外側容器2を形成するために各内側ラップ3の周りにブランク(典型的には厚紙製であり、既に弱められた折り曲げラインが設けられている)が折り曲げられるラッピングユニット11。ラッピングユニット10には給送ユニット12が結合されており、ラッピングシートを連続して給送して内側ラップ3を形成し、一方、ラッピングユニット11には給送ユニット13が結合されてブランクを連続して給送して外側容器2を形成する。
【0017】
包装機6は複数の構成要素(例えば、直線ベルトコンベア、回転ベルトコンベア、接着装置、固定フォルダ、移動フォルダ、制御部材、支持ヘッド、プーリ、ベルト、プッシャー、煙草のグループ4のためのポケット、電子基板、電気モーター、電気アクチュエータ、空気圧バルブ…)を備え、これらは、処理ライン8に沿って配分され、処理ライン8を形成する(すなわち、処理ライン8が構成される種々のユニット9~13を形成する)。
【0018】
さらに、包装機6は、包装機6の処理、したがって処理ライン8の処理を監視する制御ユニット14を備えている。通常、制御ユニット14は画面と入力部材(キーボード、ポインティング・システム、タッチ・スクリーン)とを備えた(少なくとも)1つのユーザ・インターフェース装置15を備え、ユーザ・インターフェース装置15は制御ユニット14と無線で通信するタブレット・コンピュータ又はラップトップによって形成することもできる。
【0019】
包装機6はより大きな煙草の1つの箱、すなわち、より大きな煙草の1つの箱(例えば、20本の煙草によって形成された4つのグループの煙草を含む)、より小さな煙草の1つの箱(例えば、10本の煙草によって形成された4つのグループの煙草を含む)、より長い/より短い煙草の1つの箱(単一の煙草がより長い/より短いため)、より幅の広い/より狭い煙草の1つの箱(単一の煙草がより広い/より狭いため)を生成するように適合可能である。包装機6を、煙草の箱1の異なるフォーマットの製造に適応させるためには、フォーマットを変更する必要がある。すなわち、フォーマット変更は包装機6を、煙草の箱1の古いフォーマットの処理から、古いフォーマットとは異なる煙草の箱1の新しいフォーマットの処理に調整することを含む。
【0020】
予備的に、フォーマット変更中に交換される必要がある包装機6の処理ライン8のすべての構成要素のみが特定され、明らかに、特定のタイプのフォーマット変更はフォーマット変更中に交換される必要がある構成要素の一部のみを含むことができ、他のタイプのフォーマット変更は、フォーマット変更中に交換される必要がある構成要素の異なる部分を含むことができる。言い換えると、フォーマット変更の間に置換される可能性があるすべての構成要素が、フォーマット変更のたびに実際に置換されるわけではない。
【0021】
明らかに、「構成要素」とは、包装機6の処理ライン8を構成する複雑且つ所定目的のための構成要素を意味し、例えば、構成要素を固定(取り付け)するために使用される小さな金属部品(ナット、ワッシャ、ネジ、ボルト、ピン…)を意味しない。
【0022】
さらに、事前に、それぞれの電子特定装置16はフォーマット変更中に交換する必要があるすべての構成要素のそれぞれ1つ及び唯一の構成要素に関連付けられ、すなわち、電子特定装置16はフォーマット変更中に交換する必要がある全ての構成要素及び唯一の構成要素の上に取り付けられ(固定され)、たとえば、電子特定装置16は、流体形態(多かれ少なかれ密)で塗布することができる、又は両面接着テープの形態で塗布することができる永久接着剤を介在させることによって、それぞれの構成要素の外面上に直接接着することができる。この処理中に、フォーマット変更中に交換される必要がある可能性のある小さな構成要素(すなわち、それぞれの電子特定装置16に結合するには小さすぎる構成要素)が特定され、したがって、フォーマット変更中に交換される必要がある1つの単一の不可分構成要素を構築するために、フォーマット変更中に交換される必要がある可能性のある小さな構成要素が少なくとも別の隣接する構成要素にしっかりと(永久に)結合され、この場合、フォーマット変更中に交換される必要がある1つの単一の不可分構成要素を構築するために、フォーマット変更中に交換される必要がある小さな構成要素がフォーマット変更中に交換されてはならない隣接する構成要素に結合される(最終的に、それぞれの電子特定装置16に結合されるのに十分に大きなフォーマット変更中に交換される必要がある構成要素を有するという唯一の目的のために)。
【0023】
一般に(必ずしも必要ではないが)、各電子特定装置16は電子特定装置16を構成要素から取り外すために、電子特定装置16を破壊する必要があるように、対応する構成要素に分離不能な方法で(破壊することによってではない事象)固定され、換言すれば、電子特定装置16の誤処理の事象を除いて、電子特定装置16は対応する構成要素から決して分離されない(この事象、古い誤処理電子特定装置16は構成要素から破壊的に「引き裂かれ」、正しく機能する新しい電子特定装置16と交換される)。
【0024】
図6に示すように、各電子特定装置16は構成要素の一連のデータを含むように設計されたプログラマブルメモリ17を備え、特に、各電子特定装置16の記憶装置17は構成要素を確実に特定するのに役立つそれぞれの構成要素の少なくとも1つの一義的な特定コードIDCを含み、明らかに、このデータは構成要素の製造時に構成要素に起因し、決して変更されない。
【0025】
各電子特定装置16のプログラマブルメモリ17は、対応する構成要素の一連のデータのみを含むように設計され、したがって、製造プロセスのデータ又は対応する構成要素のデータではない他のデータを含むようには設計されない。
【0026】
図6に図示されるように、各電子特定装置16は無線通信部18(すなわち、電磁波を使用する)を備え、これは、プログラマブルメモリ17に含まれるデータを送受信するように設計され、特に、アンテナ19を備える。
図6に示すものによれば、包装機6は無線通信部20(すなわち、電磁波を使用するもの)を備え、これは、制御ユニット14に接続され、各電子特定装置16の通信部18と通信するように設計されており、固定位置に配置されている(すなわち、包装機6のフレーム7に取り付けられている)。特に、無線通信部20は電波を送受信する少なくとも1つのアンテナ21を備える。
図4に示す実施形態によれば、無線通信部20(
図6に概略的に示す)は複数(例えば、3つ)のアンテナ21を備える。これらのアンテナは、包装機6のフレーム7の異なる位置に配置され、包装機6全体に対する十分なカバーを確保する。好ましくは、限定するものではないが、実施形態によれば、使用時には、各種アンテナ21を順次使用して、すべての電子特定装置16の通信部18と順次通信を行い、言い換えれば、共通通信装置は、一度に一つのアンテナ21と順に接続されて、アンテナ21の作業領域に配置された構成要素の電子特定装置16の通信部18に問合せを行う。
【0027】
可能な実施形態によれば、各無線通信部18は制御ユニット14の無線通信部20及び他の無線通信部18の両方と(無線通信部20を通過することなく)通信することができ、換言すれば、各無線通信部18は別の無線通信部18に問い合わせることができ、又は制御ユニット14の無線通信部20とは独立して別の無線通信部18に応答することができる。例えば、状況によっては、制御ユニット14の無線通信部20が「無線リンク」として機能する別の無線通信部18(無線通信部20に対して何らかの形で遮蔽されている、すなわち見えない)に問い合わせるように無線通信部18に求めることができる。
【0028】
図6に示されているものによれば、各電子特定装置16は外部から受け取ったエネルギーをその処理のために電子特定装置16に供給される電気エネルギーに変換するために外部からエネルギーを受け取るように設計された無線エネルギー受信部22(すなわち、電磁波を使用する)を備える。つまり、各無線エネルギー受信部22は外部から受電したエネルギーの少なくとも一部を電気エネルギーに変換することにより、電子特定装置16の処理に必要な電気エネルギーを生成する。
図6に図示した好ましい実施形態によれば、包装機6は、エネルギーを無線エネルギー受信部22に伝達するように設計された(少なくとも)1つの無線エネルギー送信部を備える。
【0029】
可能な実施形態によれば、各無線エネルギー受信部22は(少なくとも)1つの光電池を含み、無線エネルギー送信部23は、光電池によって吸収され得る光を放射する少なくとも1つの発光体を含む。代替の実施形態によれば、各無線エネルギー受信部22は電磁放射を捕捉するように設計されたアンテナを含み、無線エネルギー送信部、無線エネルギー受信部22のアンテナによって捕捉される高エネルギー電磁放射を放射するように設計される。
【0030】
好ましくは、各電子特定装置16が無線エネルギー受信部22から電気エネルギーを受取る電気エネルギー蓄積部24を含み;このようにして、無線エネルギー受信部22は電気エネルギー蓄積部24を充電状態に保つために、適度な電力を連続的に発生することができ、そして、電気エネルギー蓄積部24は無線通信部18が起動されるときに、比較的高い電力を供給する。好ましくは、電気エネルギー蓄積部24が化学電池及び/又はコンデンサを含む。
【0031】
上述したことから、各電子特定装置16は有線ではなく、すなわち、通信及びエネルギー受信が無線モードでのみ排他的に行われるので、どの物理ケーブルとも接続されていないことが明らかである。
【0032】
一例として、それぞれの電子特定装置16は、約1cm2の領域と約4~7mmの厚さを有する。
【0033】
各フォーマット変更操作は古いフォーマット用に設計された構成要素を取り外し、新しいフォーマット用に設計された構成要素を取り付けるための順序正しい一連の操作に分けられ、通常、古いフォーマット用に設計された構成要素は新しいフォーマット用に設計された構成要素に置き換えられるが、古いフォーマット用に設計された構成要素は置き換えられることなく取り外されるか、又は新しいフォーマット用に設計された構成要素は古いフォーマット用に設計された構成要素を置き換えることなく取り付けられることもある。取り外し及び/又は取り付け作業の順序付けられた連続は例えば、制御ユニット14に記憶される。
【0034】
フォーマット変更の実施中、制御ユニット14は、ユーザ・インターフェース装置15の手段によって、フォーマット変更操作を実行しなければならない作業者(すなわちフォーマット変更作業者)と対話して、取り外し及び取り付け操作の順序正しい連続を作業者に伝える。明らかに、取り外し及び取り付け処理の順序正しい連続処理は構成要素の取り外し又は取り付けを伴わないが、例えば、既存の構成要素の洗浄又は調整などの作業も含まれることがある。
【0035】
フォーマット変更の実行中、制御ユニット14は構成要素の取り外し又は取り付け処理を作業者に伝える前に、古い又は新しいフォーマット用に設計された構成要素の、包装機6における実際の存在又は不存在の有無を電子的に自動的に検出し、続いて、構成要素の取り外し又は取り付け処理を作業者に伝えた後に、古い又は新しいフォーマット用に設計された構成要素の、包装機6における実際の不存在又は存在を、電子的に自動的に検出し、したがって、制御ユニット14は包装機6における構成要素の実際の不存在又は存在を電子的に自動的に確認した後にのみ、構成要素の取り外し又は取り付けに続く処理を作業者に伝える。
【0036】
具体的には、フォーマット変更の実行中に、制御ユニット14は電子的且つ自動的に、構成要素に関連付けられた電子特定装置16の包装機6内の実際の不存在又は存在を電子的且つ自動的に検出することによって、包装機6内の構成要素の実際の不存在又は存在を検出する。
【0037】
換言すれば、制御ユニット14は、包装機6において、構成要素の取り外しのための処理を作業者に伝える前に古いフォーマット用に設計された構成要素の実際の存在を電子的且つ自動的に検出し、包装機6において、構成要素の取り外しのための処理を作業者に伝えた後に古いフォーマット用に設計された構成要素の実際の不存在を電子的且つ自動的に検出し、包装機6における構成要素の実際の不存在を電子的且つ自動的に確認した後にのみ、構成要素の取り外しのための処理に続く処理を作業者に伝える。さらに、制御ユニット14は構成要素の取り付けのための処理を作業者に伝達する前に、新しいフォーマットのために設計された構成要素の、包装機6における実際の不存在を、電子的且つ自動的に検出し、構成要素の取り付けのための処理を作業者に伝達した後、新しいフォーマットのために設計された構成要素の、包装機6における実際の存在を、電子的且つ自動的に検出し、構成要素の取り付けのための処理に続く処理を、包装機6における構成要素の実際の存在について電子的且つ自動的に確認した後にのみ、作業者に伝える。
【0038】
好ましいが拘束的ではない実施形態によれば、制御ユニット14は電子的且つ自動的に包装機6内の構成要素の実際の不存在又は存在を検出する前に、構成要素の取り外し又は取り付け処理の完了の確認を作業者に要求し、このようにして、制御ユニット14は作業者への取り外し及び/又は取り付け処理の規則的な連続の通信中に、作業者自身の実行スケジュールは、それに所定のスケジュールを課すことなく続く。
【0039】
実例を挙げると、制御ユニット14は古いフォーマット用に設計された構成要素Aの実際の存在を電子的に且つ自動的に検出し、次に構成要素Aの取り外し処理を実行するために作業者に通信し(構成要素Aが依然として存在することを検証することによって、制御ユニット14は構成要素Aの取り外し処理を必要としない)、この時点で、制御ユニット14は作業者が構成要素Aの取り外し処理を実行するのを待ち(次いで、作業者が構成要素Aの取外し処理の完了を確認するのを待つ)、構成要素Aの取り外し処理の完了を確認し、したがって構成要素Aの実際の不存在を確認する。制御ユニット14が構成要素Aの実際の不存在を確認した後にのみ、すなわち構成要素Aの取外し処理の完了を確認した後に、制御ユニット14は新しいフォーマット用に設計された構成要素Bの実際の不存在(構成要素Aに代わらなければならない)を電子的に且つ自動的に検出し、次いで作業者に通信して作業者の取り付け処理を実行する。構成要素B(構成要素Bがまだ存在しないことを検証する、制御ユニット14は構成要素Bがすでに取り付けられている場合、構成要素Bの取り付けを必要としない)であり、この時点で、制御ユニット14は、作業者が構成要素Bの取り付け処理を実行するのを待ち(次いで、作業者が構成要素Bの取り付け処理の完了を確認するのを待つ)、構成要素Bの実際の存在を確認することによって構成要素Bの取り付け処理の完了を確認する。制御ユニット14が構成要素Bの実際の存在を確認した後、すなわち、構成要素Bの取り付け処理の完了を確認した後にのみ、制御ユニット14は、フォーマット変更が完了するまで、その後の構成要素の取り外し又は取り付けなどを作業者に信号に進む。
【0040】
上述したように、構成要素の取り外し又は取り付けの様々な処理は構成要素の取り外し又は取り付け以外の他の処理に介在させることができ、これらの処理は、必要なときに制御ユニット14によって作業者に信号で伝えられる。
【0041】
制御ユニット14は包装機6上に構成要素が取り付けられると、対応する電子特定装置16の存在を電子特定装置16との通信が可能であるとして検出することができ、制御ユニット14が包装機6上に取り付けられていないが包装機6の近くに配置されている構成要素によって誤認されることを防止するために、通常、記憶領域が設けられていることが明らかである。この記憶領域は包装機6から取り外された古いフォーマット用に設計された全ての構成要素、及び包装機6上に取り付けられるために設計された新しいフォーマット用に設計された全ての構成要素を収容するように設計され、且つ、記憶領域内の各構成要素の電子特定装置16が制御ユニット14によって検出されないように構成されている(すなわち、制御ユニット14との通信ができない)。具体的には、記憶領域が所与の距離にあり、制御ユニット14から十分に離れており、及び/又は電磁波を停止させる金属シールドを備えており、明らかに、無線通信部18及び20の通信電力は無線通信部20が比較的控えめな距離(数メートル、特に1~3メートル)内でのみ、すなわち包装機6にごく近接してのみ、電子特定装置16の無線通信部18に到達(通信)することができるような大きさである。
【0042】
フォーマット変更はいくつかの作業者によって同時に実行することができ、この場合、古いフォーマットのために設計された構成要素を取り外し、新しいフォーマットのために設計された構成要素を取り付けるための、いくつかの順序正しい連続処理を提供することができ、その各々は関連する作業者にステップ通信され、明らかに、異なる順序正しい連続処理は各種作業者間の干渉を回避するために(すなわち、各種作業者が互いに干渉することを防止し、したがって、互いに妨害することを防止するために)研究される。
【0043】
図6に示す可能な実施形態によれば、各電子特定装置16(又は電子特定装置16の一部のみ)は、処理ライン8の構成要素が受けるストレス因子(熱的、機械的、環境的・・)と相関する物理量(温度、加速度、圧力、湿度・・・)の値を測定するように設計されたセンサ25を備える。すなわち、各電子特定装置16(又は電子特定装置16の一部のみ)は、電子特定装置16が受ける物理量(したがって、電子特定装置16に結合された構成要素)の値を測定するように設計されたセンサ25を備える。例として、各センサ25は3つの相互に垂直な軸に沿って加速度を測定するための3軸加速度計を備えることができ、位置検出器を備えることができ、及び/又は温度、圧力、又は湿度検出器を備えることができ、たとえば、周期的に移動する動的構成要素(ラッピングホイールの支持ヘッドなど)の場合、加速度を検査することがより有用であり、一方、静止したままで加熱される静的構成要素(接着デバイスなど)の場合、温度、圧力、又は湿度を検査することがより有用である。
【0044】
各電子特定装置16において、センサ25によって測定された信号は記憶装置17に(例えば、最小値、最大値及び平均値を追跡することによって)周期的に記憶することができる。
【0045】
各電子特定装置16は処理ライン8のそれぞれの構成要素と組み合わされ、各電子特定装置16の記憶装置17は構成要素に関する一連のデータを含むことができ、これらのデータのいくつかは構成要素のコンフォメーションに関連し、したがって、それらは決して変更されないか、又は非常にまれにしか変更されず(例えば、オーバーホール又は更新介入中に)、他のデータは構成要素の処理寿命に関連し(すなわち、構成要素の処理寿命のイベントの記録を含む)、したがって、包装機6の処理中に周期的に(例えば、毎分)更新される。言い換えれば、包装機6の処理中に、各電子特定装置16は、それ自体の記憶装置17の含有量を修正して、それぞれの構成要素の処理寿命の事象を更新する。
【0046】
図7に示すように、各電子特定装置16の記憶装置17はコードVSを含み、これは対応する構成要素のバージョンを示す、すなわち、構成要素の更新度合いを示す。このデータは構成要素の更新介入に続いて修正される。
【0047】
図7に示すように、各電子特定装置16の記憶装置17はそれぞれの構成要素が取り付けられている包装機6(包装機6を一義的に特定する働きをする)の一義的特定コードIDCMを含み、このデータは、構成要素が新しい包装機6に取り付けられるたびに変更され、構成要素が使用された最後の包装機6を示す。言い換えれば、制御ユニット14は対応する構成要素が包装機6に初めて取り付けられるとき、包装機6の一義的な特定コードIDCMを電子特定装置16の記憶装置17に書き込む。異なる完全な同等の実施形態によれば、いくつかの特定コードIDCMを設けて、構成要素が使用された最後の包装機6だけでなく、構成要素が使用された最後の5台(10、15、20...)の自動機械6も記憶することができ、対応する包装機6における構成要素の使用の総時間数を示すために、時間カウンタを各特定コードIDCMに関連付けることもできる。
【0048】
図7に示すように、各電子特定装置16の記憶装置17は包装機6における対応する構成要素の最初の取り付けの所与の日付DTMを含み、このデータは、構成要素が新しい包装機6に取り付けられるたびに修正され、構成要素が使用された最後の包装機6に最初に取り付けられた日付を示す。言い換えれば、制御ユニット14は対応する構成要素が包装機6に初めて取り付けられたときに、最初の取り付けの日付DTMを電子特定装置16の記憶装置17に書き込む。異なる完全に同等の実施形態によれば、最初の設備のいくつかの日付DTMを提供して、構成要素が使用された最後の包装機6だけでなく、構成要素が使用された最後の5つ(10、15、20...)の包装機6を記憶することができる。
【0049】
図7に示されるものによれば、各電子特定装置16の記憶装置17は対応する構成要素が改訂された最後の時刻を示す最後の改訂日付DTOを含み、このデータは、構成要素改訂後に修正される。
【0050】
図7に例示されている可能であるが限定的ではない実施形態によれば、いくつかの電子特定装置16の記憶装置17は、センサ25によって測定された物理量(実施形態では例示されている温度及び加速度)と相関するストレスデータTmin、Tmax、Tavg、Smin、Smax、Savgを含む。
図7に示される非限定的な実施形態では、いくつかの電子特定装置16の記憶装置17が対応する構成要素が処理した最低温度Tmin、最高温度Tmax及び平均温度Tavgを含み、また、加速度(振動)の最低レベルSmin、加速度(振動)の最高レベルSmax、及び対応する構成要素が処理した加速度(振動)の平均レベルSavgを含む。使用中、センサ25は周期的に読み取られ、必要に応じて、各電子特定装置16の記憶装置17のストレスデータTmin、Tmax、Tavg、Smin、Smax、Savgが更新される。
【0051】
限定するものではないが、
図7に示される実施形態によれば、いくつかの電子特定装置16の記憶装置17はセンサ25によって測定される物理量によって仮定される異なる値での対応する構成要素の実際の作業時間を示す複数のストレスカウンタSC10-SC100を含み、
図7に示される例では最大ストレスの10%、20%、30%、…90%、100%でのそれぞれの構成要素の実際の作業時間(通常は時間で測定される)を示す10個のストレスカウンタSC10-SC100が設けられる。
図7に図示される可能な実施形態によれば、例えば、10個のストレスカウンタSC10-SC100の線形結合(明らかに異なる重量を有する)によって算出された値を含み、その使用中に構成要素が受けた実際のストレスを考慮した構成要素の等価作業時間(通常は時間で測定される)を確立する等価ストレスカウンタSCeqvが提供され;明らかに、等価ストレスカウンタSCeqvの算出において、高ストレス(すなわち、ストレスカウンタSC10-S30)における実際の作業時間カウントが高ストレス(すなわち、ストレスカウンタSC70-SC100)における実際の作業時間よりも小さく、10個のストレスカウンタSC10-SC100が組み合わされた重量は一般に、理論算出によって決定され、おそらく実験的に精緻化される(すなわち、実験的な確認によって)。
【0052】
ストレスカウンタSC10-SC100はいくつかのより複雑な構成要素(したがって、より高いコスト)に対して有用であり、ストレスに対してより感光性であり得る一方で、他のより単純な構成要素(したがって、低コスト)に対しては有用ではなく、ストレスに対してより感光性であり得る。さらに、いくつかの構成要素は機械的ストレスに対してより感光性であり得る(したがって、センサ25によって測定される加速度を追跡することを意味する)一方で、他の構成要素は熱ストレスに対してより感光性であり得る(したがって、センサ25によって測定される温度を追跡することを意味する)。
【0053】
図7に示す実施形態によれば、各電子特定装置16の記憶装置17は対応する構成要素の実際の作業時間(通常、数時間で測定される)を示す使用カウンタUCを含み、使用中、処理ライン8が製品(すなわち、紙巻き煙草のグループ4)を処理するために処理しているとき、各電子特定装置16の記憶装置17の含有量は、対応する構成要素の使用カウンタUCを増加させるために周期的に更新される。
【0054】
図7に示される可能な、しかし限定されない実施形態によれば、各電子特定装置16の記憶装置17はそれぞれの構成要素の等価作業時間(通常は時間で測定される)を示す等価使用カウンタUCeqv1を含み、それは、(使用カウンタUCとは異なり)実際の処理時間ではなく、包装機6の実際の処理速度の機能として確立される等価処理時間で増加される。言い換えれば、処理ライン8(すなわち、包装機6)によって到達され得る最大処理速度を表す公称処理速度が提供され、制御ユニット14は処理ライン8(すなわち、包装機6)が処理している実際の処理速度を決定するように設計され、対応する構成要素の等価使用カウンタUCeqv1は、経過時間隔及び実際の処理速度と公称処理速度との間の比率の関数である量だけ増加される。
【0055】
図7に示される可能な、しかし限定されない実施形態によれば、代替的に、又は等価の使用カウンタUCeqv1と組み合わせて、いくつかの電子特定装置16の記憶装置17は異なる処理速度での対応する構成要素の実際の作業時間(通常は時間単位で測定される)を示す複数の使用カウンタUC10~UC100を含み、
図12の例では、公称処理速度の10%、20%、30%...90%、100%での対応する構成要素の実際の作業時間(通常は時間単位で測定される)を示す10個のストレスカウンタUC10~UC100が提供される。
図7に示す可能な実施形態によれば、例えば、10個の使用カウンタUC10~UC100の線形結合(明らかに異なる重みを有する)によって算出された値を含み、その使用中に構成要素によって維持される実際の処理速度を考慮に入れる構成要素の等価の作業時間(通常時間単位で測定される)を表す、等価の使用カウンタUCeqv2も提供され、明らかに等価の使用カウンタUCeqv2の算出において、適度な処理速度での実際の作業時間(すなわち、使用カウンタUC10~S30)は高い処理速度での実際の作業時間(すなわち、使用カウンタUC70~UC100)よりも少なくカウントされ、10個の使用カウンタUC10~UC100が結合される重みは、一般に、理論的且つおそらくは実験的に洗練された算出(又は実験的な確認)によって与えられる。
【0056】
図7に示す可能な、しかし限定されない実施形態によれば、各電子特定装置16の記憶装置17は包装機6内の対応する構成要素の実際の位置を示す、すなわち、それぞれの構成要素が包装機6内のどこに配置されているかを示す位置コードPSTNを含む。
【0057】
位置コードPSTNは一般に、異なる位置で包装機6に取り付けることができるすべての構成要素に使用される。例えば、包装機6は3つの異なる位置に取り付けられた3つの同一の接着装置を使用することができ、3つの異なる位置のそれぞれに各接着装置を無関係に取り付けることができることは明らかである。この場合、位置コードPSTNは、与えられた接着装置が実際に取り付けられた3つの異なる位置のどの位置に取り付けられたかを示している。例えば、包装機6の各包装ホイールは複数のツインヘッド(例えば、各包装ホイールに対して6~12個のヘッド)を含み、包装ホイールにおいて、ヘッドは一連の異なる位置に取り付けることができ、この場合、位置コードPSTNはどの位置(例えば、位置1、2、3...11、12)において、所与のヘッドが、それぞれの包装ホイールに実際に取り付けられたかを示す。例えば、包装機6は異なる位置に取り付けられた一連の同一の電気モーターを使用することができ、各電気モーターは可能性のある異なる位置のそれぞれに無差別に取り付けることができることは明らかである。この場合、位置コードPSTNは与えられた電気モーターが実際に取り付けられた可能性のある異なる位置のどの位置を示す。包装機6内の所与の構成要素の正確な位置を知ることにより(明らかに、構成要素を少なくとも2つの異なる位置に取り付けることができる場合)、同じ構成要素が同じタイプの摩耗を受けているか、又は異なる位置に取り付けられている場合に異なる摩耗を受けているかを確認することができる。
【0058】
位置コードPSTNは、一般に、例えば2つの構成要素の位置を(誤って)交換することによって、不正確な位置で包装機6に取り付けることができるすべての構成要素にも使用される。例えば、経路の左側に留まるように設計されたサイドボードを右側に(誤って)取り付けることができ、その逆も同様である。
【0059】
位置コードPSTNは包装機6に単一の位置で取り付けることができ、(そのサイズ及び/又は構造のために)不正確な位置に(誤って)取り付けることができないすべての構成要素に対して一般に使用されない(すなわち、無視される)。例えば、包装機6の各包装ホイールは通常、単一の位置に取り付けることができるので、包装機6の包装ホイールが設けられた位置以外に取り付けられる可能性はない。また、包装ホイールを設けられた位置以外に取り付けることは一般に物理的に不可能であるため、間違った位置に取り付けることも不可能である。
【0060】
考えられる実施形態によれば、所与の構成要素の位置は作業者(通常、構成要素を包装機6に取り付けた作業者)によって「手動で」入力され、換言すれば、作業者は包装機6における構成要素の取り付けの先端に、(一般に、ユーザ・インターフェース装置15の手段によって)制御ユニット14に構成要素の実際の位置を通信し、制御ユニット14はこの位置をそれぞれの電子特定装置16の記憶装置17に書き込む(特に、記憶装置17に含まれる位置コードPSTNに)。明らかに、この処理は、異なる又は不正確な位置に包装機6上に取り付けることができる構成要素に対してのみ実行される。この際、作業者の介入先端時の制御ユニット14は各電子特定装置16の手段により新たな構成要素の有無を自動的に判断することができ、データが有益と考えられる場合には、包装機6の起動に同意するまでに、作業者に包装機6内の構成要素の実位置の挿入を要求することができる。
【0061】
異なる実施態様によれば、包装機6内の幾つかの構成要素の位置は、作業者によって「手動で」入力されるのではなく、制御ユニット14に接続された電子局在化システムによって自動的に決定される。
【0062】
好ましい実施形態によれば、制御ユニット14は、対応する電子特定装置16の記憶装置17に記憶されたデータの関数として、処理ライン8の構成要素上でのクリーニング/メンテナンス/オーバーホール/交換の必要性を合図する。構成要素の清掃/保守/オーバーホール/交換の必要性を決定するために、制御ユニット14は対応する電子特定装置16の記憶装置17に含まれ、対応する構成要素の処理寿命の事象に関連するすべてのデータを考慮に入れ、明らかに、対応する構成要素の実際の作業時間(通常、数時間で測定される)を示す使用カウンタUCに、より大きな重要性が与えられるが、構成要素が平均よりも少ないストレス又はより大きいストレスを受けた場合に、清掃/保守/オーバーホール介入/交換を予想又は遅延させるために、すべての他のデータも考慮に入れられる。
【0063】
可能な実施形態によれば、制御ユニット14はすべての電子特定装置16の記憶装置17に含まれるデータの一部又はすべてを周期的に読み取り、前記データをそれ自体のローカル大容量記憶装置(典型的にはハードディスク又はソリッドステート記憶装置)に記憶し、前記データを包装機6の製造者のリモートサーバにも送信し、すなわち、リモートサーバから、制御ユニット14の手段によって、包装機6に存在するすべての電子特定装置16に問い合わせることが可能である。このようにして、包装機6の製造業者は世界中に取り付けられたすべての包装機6から来るデータを収集することによって、自動機械6の予測保守を最適化することを可能にする大規模な統計処理を実行することができる(予測保守は故障前の残り時間を特定するために適切な数学モデルを使用して測定され外挿される1つ又は複数のパラメータの特定に続いて実行される一種の予防保守である)。さらに、このようにして、包装機6の製造業者は世界に取り付けられた各包装機6の実際の組成をリアルタイムで知ることができる。すなわち、世界に取り付けられた各包装機6に現在取り付けられている(従って、処理している)全ての構成要素を正確に知ることができるので、より確実に予備構成要素の製造をプログラムすることができ、従って、世界に取り付けられた各包装機6に現在取り付けられている(従って、処理している)全ての構成要素がオリジナルであり、完全に互換性があることを確認することもできる(構成要素バージョン、例えば、1つの構成要素のバージョンXは、別の構成要素のバージョンYと完全に互換性がない場合がある)。
【0064】
添付図面に示される例示的な実施形態では自動機械6が煙草の箱1を生成する包装機であり、他の完全に同等で図示されていない実施形態によれば、自動機械6は煙草包装機、煙草フィルタ包装機、煙草の箱に透過上包みを適用する包装機、煙草の箱のカートンを作る包装機、カートン詰め機械、食品包装を生成する包装機、医薬品を生成する包装機、薬剤包装を生成する包装機、吸収性衛生物品の包装を生成する包装機、吸収性衛生物品の包装機などとすることができる。言い換えれば、包装機によって処理される製品は、喫煙物品、衛生物品、食品、又は医薬品からなる。
【0065】
本明細書に記載の実施形態は、本発明の保護範囲から逸脱することなく、互いに組み合わせることができる。
【0066】
上述の支援方法は、いくつかの利点を有する。
【0067】
まず、上述した支援方法によれば、全てのフォーマット変更処理を効率的且つ効果的に順々に案内することができるので、特に専門的でない作業者であっても、全てのフォーマット変更操作を安全に行うことができる。この結果はまた、制御ユニット14が構成要素の取り外し又は取り付け処理を作業者に伝達した後に、古いフォーマット又は新しいフォーマット用に設計された構成要素の実際の不存在又は存在を確認することができるという事実によって達成され、このようにして、作業者は、以前の処理が実際に完了していない場合、次の処理を実行するように求められることがない。
【0068】
さらに、上述の支援方法は、低コストで市販されている市販の構成要素(電子特定装置16)を使用するので、実施が比較的簡単で安価である。
【0069】
最後に、上述した自動機械6は、フォーマット変更のたびに自動機械6に取り付けられ及び/又は取り外される構成要素のメンテナンスを極めて正確且つ信頼性の高い方法でプログラムすることを可能にする。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙製品、衛生製品、食品、又は医薬品の製造又は包装のための自動機械(6)におけるフォーマット変更を実施するための支援方法であって、
前記フォーマット変更は古い製品フォーマットの処理から古い製品フォーマットとは異なる新しい製品フォーマットの処理への前記自動機械(6)の調整を含み、該自動機械(6)はそれに沿って製品の処理が実行される少なくとも1つの処理ライン(8)と、該処理ライン(8)を形成するように処理ライン(8)に沿って分配される複数の構成要素とを含み、
前記支援方法は、
前記フォーマット変更中に交換する必要がある全ての構成要素及び唯一の構成要素を特定するステップと、
前記古い製品フォーマットのために設計された構成要素の取り外し、及び/又は前記新しい製品フォーマットのために設計された構成要素の取り付けのための順序正しい制御処理に前記フォーマット変更を分けるステップと、
前記フォーマット変更を管理する作業者に、取り外し及び/又は取り付け作業の順序正しい制御処理を伝えるステップと、を有する支援方法において、
対応する電子特定装置(16)を、前記フォーマット変更中に交換する必要がある全ての構成要素及び唯一の構成要素のそれぞれと関連付けるステップ
、すなわち、電子特定装置(16)が、前記フォーマット変更中に交換することが必要である全ての構成要素及び唯一の構成要素のそれぞれに、取り付けられて固定される、ステップと、
制御ユニット(14)によって、構成要素に関連する前記電子特定装置(16)の実際の不存在/存在を電子的且つ自動的に検出することによって、構成要素の実際の不存在/存在を電子的且つ自動的に検出するステップと、
前記自動機械(6)において、構成要素の取り外しのための処理を作業者に通信した後に、前記古い製品フォーマット用に設計された構成要素の実際の不存在を電子的且つ自動的に検出するステップと、
前記自動機械(6)において、構成要素の実際の不存在を電子的且つ自動的に確認した後にのみ、構成要素を取り外すための処理に続く処理を作業者に伝えるステップと、
前記自動機械(6)において、構成要素の取り付けのための処理を作業者に伝えた後に、前記新しい製品フォーマットのために設計された構成要素の実際の存在を電子的且つ自動的に検出するステップと、
前記自動機械(6)において、構成要素の実際の存在について電子的且つ自動的に確認した後にのみ、構成要素を取り付けるための処理に続く処理を作業者に伝えるステップと、
前記自動機械(6)において、構成要素を取り外すための処理を作業者に伝える前に、前記古い製品フォーマット用に設計された構成要素の実際の存在を電子的且つ自動的に検出するステップと、
前記自動機械(6)において、構成要素の取り付けのための処理を作業者に伝える前に、前記新しい製品フォーマット用に設計された構成要素が実際の不存在を電子的且つ自動的に検出するステップと、を有することを特徴とする支援方法。
【請求項2】
前記フォーマット変更中に交換する必要がある可能性のある小さな構成要素、すなわち、対応する電子特定装置(16)と結合するには小さすぎる構成要素を特定するステップと、
前記フォーマット変更中に交換する必要がある単一の不可分構成要素を形成するために、前記フォーマット変更中に交換する必要がある小さな構成要素を少なくとも別の隣接する構成要素としっかりと結合するステップと、を有する、請求項
1に記載の支援方法。
【請求項3】
前記フォーマット変更中に交換される必要がある単一の不可分構成要素を形成するために、前記フォーマット変更中に交換される必要がある小さな構成要素が、前記フォーマット変更中に交換される必要がなかった隣接する構成要素に結合される、請求項
2に記載の支援方法。
【請求項4】
各電子特定装置(16)は第1の無線通信部(18)を備え、前記制御ユニット(14)は前記第1の無線通信部(18)と通信するように設計された第2の無線通信部(20)を備える、請求項1~
3の何れか一項に記載の支援方法。
【請求項5】
各第1の無線通信部(18)は他の第1の無線通信部(18)と通信するように設計される、請求項
4に記載の支援方法。
【請求項6】
各電子特定装置(16)は、外部から受け取ったエネルギーを電子特定装置(16)の処理に必要な電力エネルギーに変換するために、外部からエネルギーを受け取るように設計された無線エネルギー受信部(22)を備える、請求項1~
5の何れか一項に記載の支援方法。
【請求項7】
各電子特定装置(16)は、前記無線エネルギー受信部(22)から電気エネルギーを受信する電気エネルギー蓄積部(24)を備える、請求項
6に記載の支援方法。
【請求項8】
前記自動機械(6)は、前記無線エネルギー受信部(22)にエネルギーを伝達するように設計された無線エネルギー送信部(23)を備える、請求項
6又は
7に記載の支援方法。
【請求項9】
各無線エネルギー受信部(22)は光電池を含む、請求項
6、7又は、8に記載の支援方法。
【請求項10】
前記自動機械(6)は、前記光電池によって吸収されるのに適した光を発する少なくとも1つの発光体を備える、請求項
9に記載の支援方法。
【請求項11】
各無線エネルギー受信部(22)は電磁放射線を拾うように設計されたアンテナを備え、前記自動機械(6)は、エネルギーを無線エネルギー受信部(22)に転送するように設計された無線エネルギー送信部(23)を有する、請求項
6、7又は、8に記載の支援方法。
【請求項12】
前記古い製品フォーマット用に設計され、前記自動機械(6)から取り外されたすべての構成要素と、前記自動機械(6)に取り付けられる前記新しい製品フォーマット用に設計されたすべての構成要素とを収容するように設計され、記憶領域にある各構成要素の前記電子特定装置(16)が前記制御ユニット(14)によって検出されないように構成された記憶領域を提供するさらなるステップを含む、請求項1~
11の何れか一項項に記載の支援方法。
【請求項13】
前記記憶領域は前記制御ユニット(14)から所与の十分に離れた距離にあり、及び/又は電磁波を停止させる金属シールドを備える、請求項
12に記載の支援方法。
【請求項14】
各電子特定装置(16)は構成要素の一連のデータを含むように設計されたプログラマブルメモリ(17)を含み、その中に構成要素の一義の特定コード(IDC)が存在する、請求項1~
13の何れか一項に記載の支援方法。
【請求項15】
前記自動機械(6)における構成要素の実際の存在又は不存在を電子的且つ自動的に検出する前に、前記作業者に、構成要素の取り外し又は取り付け処理の完了の確認を求めさせるステップ、を有する請求項1~
14の何れか一項に記載の支援方法。
【請求項16】
喫煙製品、衛生製品、食品又は医薬品を製造又は包装し、請求項1~
15の何れか一項に記載の支援方法を実施するための自動機械(6)。
【国際調査報告】