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特表2023-504241悪性腫瘍の治療、診断および予防に使用するためのUK114サケタンパク質
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  • 特表-悪性腫瘍の治療、診断および予防に使用するためのUK114サケタンパク質 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-02
(54)【発明の名称】悪性腫瘍の治療、診断および予防に使用するためのUK114サケタンパク質
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/705 20060101AFI20230126BHJP
   C12N 9/22 20060101ALI20230126BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230126BHJP
   A61K 38/17 20060101ALI20230126BHJP
【FI】
C07K14/705 ZNA
C12N9/22
A61P35/00
A61K38/17
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530848
(86)(22)【出願日】2020-11-23
(85)【翻訳文提出日】2022-07-22
(86)【国際出願番号】 EP2020083069
(87)【国際公開番号】W WO2021105059
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】102019000022203
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519216057
【氏名又は名称】バートレリ クザーニ、 アルバート
【氏名又は名称原語表記】BARTORELLI CUSANI, Alberto
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】バートレリ クザーニ、 アルバート
【テーマコード(参考)】
4B050
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4B050CC03
4B050DD02
4B050FF14E
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA07
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA21
4C084BA23
4C084CA53
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZB261
4C084ZB262
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA50
4H045DA50
4H045DA86
4H045DA89
4H045EA28
4H045EA31
4H045FA51
4H045FA52
4H045FA74
4H045GA26
(57)【要約】
悪性腫瘍の治療、診断および予防に使用されるサケタンパク質UK114を開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形および全身性悪性腫瘍の治療、診断および予防に使用するUK114サケタンパク質。
【請求項2】
前記タンパク質のモノマー単位が配列番号1または配列番号2の配列を有する、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項3】
Escherichia coliによって発現される請求項1に記載のタンパク質。
【請求項4】
腫瘍の治療を受けた個体の免疫化、アジュバント療法、および悪性腫瘍の発生または再発のリスクのある個体のワクチン接種のための、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項5】
腫瘍に罹患している、または治療された個人のモノクローナル抗体による受動免疫、アジュバント療法、および悪性腫瘍の発生または再発のリスクのある個人のための請求項1に記載のタンパク質。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、悪性腫瘍の治療、診断および予防に使用するためのUK114サケタンパク質に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な原生生物およびユーカリ生物において高度に保存されているYjgF/YER057c7/UKl14と呼ばれるタンパクのファミリーは、その構造的および機能的特性を研究するために設計された多くの研究の主題を形成している(非特許文献1~8)。これらのファミリーは、RiD(反応性中間体/イミンデアミナーゼ)タンパク質を含む。特許文献1は、タンパク質UK114を含有する過塩素酸(UK101と呼ばれる)を用いたヤギ肝臓抽出物の抗腫瘍活性を記載している。前記タンパク質は14.2kDaの分子量を有し、137アミノ酸の配列が報告されている(非特許文献9)。種々の哺乳動物種の肝臓から単離された天然タンパク質UK114、および/またはそれと交差反応するタンパク質は、正常細胞の細胞質中にのみ存在するが、悪性腫瘍細胞の細胞膜上にも存在し(非特許文献10~11)、特に腺癌では80%を超える割合で存在する。組換えE. coliにおけるUK114ヤギタンパク質の発現は、特許文献2および非特許文献12に記載されている。より最近では、特許文献3が腫瘍の治療に有用な増大した免疫原性特性を示す、UK114の多量体、特に三量体組換え形態を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO9602567
【特許文献2】WO0063368
【特許文献3】EP3554639
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Bartorelli et al, J. Tumor and Marker Oncology, 1994, 9, 37
【非特許文献2】Lambrecht JA et al, J.Biol. Chem., 285, 34401-34407
【非特許文献3】Lambrecht JA et al, J.Biol. Chem. 2012, 287, 3454-3461
【非特許文献4】Mistiniene E et al, Bioconjugate Chem. 2003, 14, 1243-1252
【非特許文献5】Dhawan L et al, Mol. Cell. Biol., 2012, 32, 3768-3775
【非特許文献6】Flynn JM et al, Mol. Microbiol., 2013, 89(4)751-759
【非特許文献7】Ernst DC et al., J. Bacteriology, 2014, 196 (18), 3335-3342
【非特許文献8】Niehaus TD et al., BMC Genomics, 2015, 16, 382
【非特許文献9】Ceciliani F. et al.、FEBS Letters, 1996, 393, 147-150
【非特許文献10】Bartorelli A, et al, Int J Oncol. 1996 Mar; 8(3): 543-8.;
【非特許文献11】Bussolati G et al.、Int J Oncol. 1997年4月; 10(4):779-85
【非特許文献12】Colombo I et al., Biochim Biophys.Acta, 1998, 1442, 49-59.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
Rid/UK114サケ(Salmo sala)タンパク質は動物またはヒトに注射された場合、同じファミリーのヤギ(Capra hircus)タンパク質で今日まで見出されたよりも予想外に大きい程度まで腫瘍細胞に対して細胞毒性の抗体の産生を誘導することが、今回見出された。
【0006】
したがって、本発明の主題は、悪性腫瘍の治療、診断および予防、特に、腫瘍の治療、アジュバント治療、および悪性腫瘍の発症または再発のリスクがある個人のワクチン接種のための免疫付与のために使用されるUK114のサケタンパク質を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
Rid/UK114サケタンパク質はまた、腫瘍に罹患しているかまたは腫瘍の治療、アジュバント治療、および悪性腫瘍の発症または再発のリスクがある個人の治療を受けた個人のモノクローナル抗体による受動免疫に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】末梢血サンプルを、示された濃度の種々のPRP14タンパク質種(ヤギ[Goat]、サケA型[Sal A]およびサケB型[Sal B])とインキュベートし、未処理サンプルを対照として維持し、またはリポ多糖(LPS)で処理したサンプルを陽性対照として維持することによって得られたデータを示す図である。
図2】末梢血サンプルを、示された濃度の種々のPRP14タンパク質種(ヤギ[Goat]、サケA型[Sal A]およびサケB型[Sal B])とインキュベートし、未処理サンプルを対照として維持し、またはリポ多糖(LPS)で処理したサンプルを陽性対照として維持することによって得られたデータを示す図である。
図3】末梢血単核細胞を、示された濃度の種々のPRP14タンパク質種(ヤギ[Goat]、サケA型[Sal A]およびサケB型[Sal B])と共にインキュベートし、未処理試料、またはホルボール12-リステート13-アセテート(PMA)で処理した試料を対照として維持することによって得られたデータを示す図である。
図4】PRP14ヤギ/サケAおよびBの 細胞傷害活性の比較を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
Rid/UKl14サケタンパク質の配列は公知である。
アミノ酸配列を以下に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
形態A(UKA)は、43.5kDaの分子量を有するホモトリマーである。モノマーは139 aaからなり、14.5kDaの分子量を有する。三量体の流体力学的半径は2.9nmである。UKAは5.26の等電点を有する。UKAは高い立体配座安定性(Tm約100℃)を示す。
【0012】
形態B(UKB)はホモトリマーである。モノマーは138 aaからなり、14.7kDaの分子量を有する。三量体は、44.1kDaの分子量および2.9nmの流体力学的半径を有する。
UKBは、UKAよりも大きな立体配座安定性(Tm約65℃)を示す。
アミノ酸配列に基づく予測等電点は8.05である。
【0013】
UK 114 RID AおよびBサケ(Salmo sala)タンパク質は、UK 114 Ridヒト蛋白質との相同性がそれぞれ71%および61%、ウサギRid蛋白質との相同性がそれぞれ70%および62%、マウスRid蛋白質との相同性がそれぞれ72%および64%である。
【0014】
サケRidタンパク質は、公知の方法によって、細菌、酵母またはCHO細胞における組換えDNA技術によって得ることができる。本発明はまた、アミノ酸、例えば1~10アミノ酸以上の保存的置換を示すタンパク質の突然変異体形態を含む。
【0015】
推奨される治療的または予防的使用のために、サケタンパク質は無菌水性キャリア中の溶液または懸濁液の形態で皮下または筋肉内に投与され、任意に、免疫応答を増強するためにアジュバントと結合体化される。
【0016】
しかし、このタンパク質はまた、他の経路(例えば、舌下または局所)によって投与され得る。治療的、予防的およびワクチン的適用のための用量は、投与当たり1~50mgの範囲であり得る。典型的なワクチン接種プロトコルでは、4回の投与を隔夜に1回行う。最終投与の20/30日後に、4倍の追加接種を行う。免疫療法は、抗体数および細胞毒性を評価するために臨床検査で監視される。免疫寛容のリスクにつながる過剰免疫を防ぐために、臨床検査でモニターした抗体数に応じて、追加免疫を間隔をあけて行うことにより、満足のいく臨床結果が得られるまで治療を継続できる(腫瘍量の減少または消失)。タンパク質投与の代替として、対応するDNAは、DNAワクチン接種技術によって注射され得る。
【0017】
このタンパク質はまた、筋肉内または静脈内受動免疫療法、ならびに免疫抑制患者および/または特異的免疫療法に応答しない患者の受動血清予防に有用なモノクローナル抗体を調製するために使用され得る。
【0018】
例えば、ヒトモノクローナル抗体は、ヒトマウス骨髄腫K6H6/B5を、タンパク質で前処理された患者由来のエプスタイン-バーウイルスで形質転換されたリンパ球と融合させることによって得ることができる。補体の存在下で腫瘍細胞に対して細胞傷害性であるIgM分泌クローンが好ましい。あるいは、トランスジェニック動物において産生されたヒト化マウスIgMモノクローナル抗体またはヒトIgM分泌モノクローナル抗体を使用することができる。
【0019】
本発明は、以下に記載される実施例において詳細に記載される。
【実施例1】
【0020】
組換えサケタンパク質(AおよびB)の生産
大腸菌におけるSalmo salar組換えタンパク質RidA-AおよびRidA-Bの発現には、発現ベクターpET-15bを用いる。RidA-AおよびRidA-Bをコードするヌクレオチド配列を化学合成により得、ベクターpET-15bに挿入した。得られたプラスミドは、ポリヒスチジンタグおよびN末端の特定のプロテアーゼによって認識される切断部位に融合したタンパク質配列を発現する。pET15-B-RidA-AおよびpET15B-RidA-Bと呼ばれる作成されたプラスミドを用いて、Escherichia coli細胞(DH5α)を形質転換した。
【0021】
【表2】
【0022】
融合タンパク質His-Tag-RidA-AおよびHis-Tag-RidA-Bのアミノ酸配列SEQ ID 3およびSEQ ID 4を以下に示す(トロンビン切断部位までのHis-Tagを含むセグメントに下線を引く):
【0023】
【表3】
【0024】
RidA-AおよびRidA-Bタンパク質を発現させるために、プラスミドを株DH5Aから発現株(Rosetta DE3)に移す。形質転換された細胞を適切な培地(LB+抗生物質)中で培養し、そしてタンパク質発現を、IPTGを用いて37℃で4時間誘導する。この誘導時間および37℃の温度はUK114ヤギタンパク質について既に実証されているように、RidA-AおよびRidA-Bタンパク質の産生に理想的である。SDS(SDS-PAGE)を含有するポリアクリルアミドゲル上での電気泳動、およびクーマシーブルーでのタンパク質の染色を行って、目的のタンパク質の発現を確認する。試験したクローンは組換えタンパク質His-tag-RidA-AまたはHis-tag-RidA-Bを高レベルで発現し、前記タンパク質は細胞抽出物の可溶性画分中に存在する。His-tag-RidA-AまたはHis-tag-RidA-Bは、ニッケル樹脂に対するポリヒスチジンタグの親和性を利用することによって精製することができる。37℃での誘導の4時間後に収集された細胞から得られた可溶性画分を、樹脂とインキュベートして、目的の組換えタンパク質のHis-tagを、樹脂と結合したニッケルに結合させる。次いで、フロースルー(樹脂に結合していない全てのもの)を収集し、種々の洗浄後、タンパク質を、ニッケル結合についてヒスチジンと競合する高濃度のイミダゾールで溶出する。有意な濃度のHis-tag-RidA-AまたはHis-tag-RidA-Bタンパク質と共に溶出液をプールすることによって得られたサンプルを、20mM Tris-HCl、300mM NaCl、pH7.4中で透析する。次いで、サンプルを、タンパク質配列とHis-tag配列との間のN末端で切断部位を特異的に認識するセリンプロテアーゼであるトロンビンと共にインキュベートし、tagを除去することを可能にする。次いで、RidA-AまたはRidA-Bタンパク質を、FPLC(泳動緩衝液:生理食塩水)に連結したSuperdex 75カラム(Ge Healthcare)を使用するサイズ排除クロマトグラフィーによって精製する。SDS-PAGEでのゲル濾過によって溶出された画分をチェックした後、RidA-AまたはRidA-Bタンパク質を含有する画分をプールし、その濃度をUVスペクトルおよびBCAアッセイによってアッセイする。
【実施例2】
【0025】
自然免疫の活性化
ヤギRid蛋白質と比較して、全血または末梢血単核細胞(PBMC)の異なる予想外の活性の明確な実証は、様々な濃度の精製組換え蛋白質のインキュベーションの分析、および全血および/またはPBMC(単球、非古典的「ncMo」単球、樹状細胞、CD14およびCD38マーカー発現細胞、CD4+リンパ球、CD8+リンパ球、γδリンパ球、Bリンパ球およびNK細胞)において発明および分析された様々な細胞亜集団による表面マーカー発現およびサイトカイン産生(CD25、CD69、CD137、CD154、TNF-α、IL-lb、IL-6、IL-12、パーフォリン、グランザイムA、グランザイムB、CD107、インターフェロン-γ)のその後の分析に由来する。
【0026】
特に、図1は末梢血サンプルを、示された濃度の種々のPRP14タンパク質種(ヤギ[Goat]、サケA型[Sal A]およびサケB型[Sal B])とインキュベートし、未処理サンプルを対照として維持し、またはリポ多糖(LPS)で処理したサンプルを陽性対照として維持することによって得られたデータを示す。3時間後、細胞はフローサイトメトリー分析を受け、単球亜集団は示されたように、様々なサイトカイン(インターロイキン1β[ILlb Mono]、TNFα[TNFa Mono]、インターロイキン6[IL6 Mono]、インターロイキン12[IL12 Mono])の細胞内発現について評価された。
【0027】
図2は末梢血サンプルを、示された濃度の種々のPRP14タンパク質種(ヤギ[Goat]、サケA型[Sal A]およびサケB型[Sal B])とインキュベートし、未処理サンプルを対照として維持し、またはリポ多糖(LPS)で処理したサンプルを陽性対照として維持することによって得られたデータを示す。3時間後、細胞はフローサイトメトリー分析を受け、樹状細胞の亜集団を細胞内発現について評価した。)
図3は末梢血単核細胞を、示された濃度の種々のPRP14タンパク質種(ヤギ[Goat]、サケA型[Sal A]およびサケB型[Sal B])と共にインキュベートし、未処理試料、またはホルボール12-ミリステート13-アセテート(PMA)で処理した試料を対照として維持することによって得られたデータを示す。6時間後に、細胞はフローサイトメトリー分析を受け、ナチュラルキラー亜集団について、種々のサイトカイン(TNFα[NK細胞上のTNFa]、CD107[NK細胞上のCD107])の細胞内発現を評価した。
【0028】
図1~3に示した結果から、3時間のインキュベーションによって、ヤギタンパク質と比較して自然免疫の活性化に特徴的な表面マーカーの発現とサイトカイン産生が劇的に増加し、サケタンパク質Aの方がサケタンパク質Bよりも大きく増加することが実証される。いずれの場合も、ヤギタンパク質は不活性または活性が低い一方で、サケタンパク質AおよびBは自然免疫細胞(単球、”ncMo”単球およびNK細胞)および他の細胞種(樹状細胞)の活性化を誘導し、適応免疫応答の異なる段階にも関与している。したがって、図1~3に示すデータは、末梢血から単離されたヒト細胞上で自然免疫を活性化するサケ形態のより大きな能力を示す。
【実施例3】
【0029】
ワクチン活性
10マイクログラムのサケタンパク質Aを週1回マウスに皮下注射した。4回目の注射の10日後に、メラノーマB16F10の10000細胞を注射した。腫瘍注射の14日後、ワクチン効果は非常に有意であり、腫瘍の平均面積がワクチン未接種群の39+8mmからワクチン接種マウスの7+8mmに減少した。
【実施例4】
【0030】
抗血清産生
ウサギおよびマウスに、それぞれ3ミリグラムおよび3マイクログラムのサケタンパク質AおよびBを、完全フロイントアジュバントとともに、1晩に1回与えた。各動物に、3つの異なる点で皮下注射した。4回目の免疫化の10日後に、ウサギの中心耳静脈およびマウスの尾静脈から血液サンプルを採取した。免疫応答を腫瘍細胞についてWBおよび免疫蛍光フローサイトメトリーにより検査し、過免疫血清について、様々な腫瘍細胞株および正常細胞株に対する細胞毒性を誘発する能力を検査した。以下に列挙される細胞株を、この目的のために使用した。
【0031】
【表4】
【0032】
細胞を、高グルコースDMEM(Lonza)10% FCS(Euroclone)中の24ウェルプレート(10,000細胞/ウェル)にプレーティングし、接着したらすぐに、低グルコースDMEM(Lonza)中の10%血清および1%補体(Sigma)で処理した。48時間後、Muse(商標)Annexin V&Dead Cellキット(Millipore)を用いて、製造者の指示に従って、Annexin Vアポトーシスアッセイを行った。
【0033】
抗サケRid AおよびB高免疫血清の細胞毒性活性を、抗UK114組換えヤギ高免疫血清(PRP14 Goat)の細胞毒性活性と比較した。
【実施例5】
【0034】
細胞傷害活性の比較:PRP14ヤギ/サケAおよびB
本発明のタンパク質およびヤギUK114で免疫したウサギの血清中の細胞傷害性抗体の存在を評価した。細胞生存率は、MTTアッセイ(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラナトリウムブロミド)を用いて、製造者の指示に従って評価した。
【0035】
、マウス乳癌からクローニングした細胞株である3000個のチューブ細胞を、96ウェルプレートに3連でプレーティングし、試験血清で72時間処理し、MTT試薬と共に37℃で6時間インキュベートした。100μlのイソプロパノール0.04N HClを添加して結晶を溶解し、570nmでの吸光度を測定した。結果を図4に示す。
図1
図2
図3
図4
【配列表】
2023504241000001.app
【国際調査報告】