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特表2023-504268作動システム及び作動システムを作動させる方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-02
(54)【発明の名称】作動システム及び作動システムを作動させる方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 18/02 20060101AFI20230126BHJP
【FI】
B25J18/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022532748
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(85)【翻訳文提出日】2022-05-31
(86)【国際出願番号】 US2020063400
(87)【国際公開番号】W WO2021113704
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】62/944,891
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/112,406
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522216374
【氏名又は名称】ハロー ロボット インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】HELLO ROBOT,INC
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】エドシンガー、アーロン
(72)【発明者】
【氏名】ケンプ、チャールズ
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS02
3C707CS08
3C707CT07
3C707CU03
3C707CY06
3C707CY12
3C707CY13
3C707HS27
3C707HT02
3C707HT03
(57)【要約】
伸縮構造体を作動させるための作動システムおよび方法が提供される。作動システムは、チェーンカートリッジを含み、チェーンカートリッジは、電源に結合された第1アクチュエータによって作動する駆動機構に係合可能に結合された駆動チェーンを含む。駆動チェーンは、複数の相互接続されたリンクを含み、それらは、複数の相互接続されたリンクの各々の内部空間内で少なくとも1つのケーブルを搬送する。システムは、複数のセグメントを含む伸縮式構造体も含み、それらセグメントは、伸縮式に伸長及び後退するように構成されるとともに、その中で駆動チェーンを搬送する。駆動チェーンの端部は、複数のセグメントの先端セグメントに結合する。駆動機構は、複数の相互接続されたリンクに線形並進力を与えて、先端セグメントを伸縮式構造体の端部から伸長させるか又はその中に後退させるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源に結合された第1アクチュエータによって作動する駆動機構に係合可能に結合された駆動チェーンを含む、第1チェーンカートリッジであって、
前記駆動チェーンは、第1の複数の相互接続されたリンクを含み、
前記第1の複数の相互接続されたリンクは、前記第1の複数の相互接続されたリンクの各々の第1内部空間内で少なくとも1つの第1ケーブルを搬送する、第1チェーンカートリッジと、
複数のセグメントを含む、伸縮式構造体であって、
前記複数のセグメントは、互いに対して伸縮式に伸長及び後退するように構成されるとともに、その中で前記駆動チェーンを搬送するように構成され、
前記駆動チェーンの第1端部は、前記複数のセグメントの先端セグメントに結合し、
前記先端セグメントは、前記伸縮式構造体の前記第1端部に位置し、
前記駆動機構は、前記第1の複数の相互接続されたリンクに線形並進力を与えて、前記先端セグメントを前記伸縮式構造体の前記第1端部から伸長させるか又はその中に後退させる、伸縮式構造体と、を備える、作動システム。
【請求項2】
前記駆動チェーンは、第1方向における前記駆動機構の回転により、前記伸縮式構造体の伸長を作動させるように前記第1チェーンカートリッジ内から伸長し、第2方向における前記駆動機構の回転により、前記伸縮式構造体の収縮をもたらすように前記第1チェーンカートリッジ内に後退する、請求項1に記載の作動システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1ケーブルは、データケーブル、電力ケーブル又は空気圧ラインを含む、請求項1または2に記載の作動システム。
【請求項4】
前記第1チェーンカートリッジは、自動巻取り型チェーンカートリッジであり、前記駆動チェーンの第2端部に結合された受動回転ピニオンと、前記自動巻取り型チェーンカートリッジの内面に形成された1つ又は複数の湾曲ガイドトラックとを含み、
前記駆動機構の運動により、前記駆動チェーンを、前記第1チェーンカートリッジ内に巻き取るとともに、前記第1チェーンカートリッジから巻き出す、請求項1~3のいずれか一項に記載の作動システム。
【請求項5】
前記受動回転ピニオンは、保持要素を介して前記自動巻取り型チェーンカートリッジの前記内面に取り付けられ、前記第1の複数のケーブルが前記自動巻取り型チェーンカートリッジから出る、スロットを含む、請求項4に記載の作動システム。
【請求項6】
移動型ロボットのベースに結合され、
前記移動型ロボットの前記ベースに取り付けられたマストと、前記マストに結合されたリフトキャリッジとをさらに備え、
前記リフトキャリッジは、複数のリフトキャリッジローラを含み、
前記リフトキャリッジと前記伸縮式構造体とは、前記マスト上で垂直に並進する、請求項1~5のいずれか一項に記載の作動システム。
【請求項7】
前記ベース内に第2アクチュエータをさらに備え、
前記第2アクチュエータは、タイミングベルト、ローラチェーン又は可撓性駆動要素のうちの少なくとも1つを介して、前記リフトキャリッジに結合し、
前記第2アクチュエータは、前記リフトキャリッジに対して垂直運動を与える、請求項6に記載の作動システム。
【請求項8】
前記ベース内に第2チェーンカートリッジをさらに備え、
前記第2チェーンカートリッジは、第2の複数の相互接続されたリンクを含むドラグチェーンを含み、
前記第2の複数の相互接続されたリンクは、前記リフトキャリッジに結合されるとともに、前記第2の複数の相互接続されたリンクの各々の第2内部空間内で少なくとも1つの第2ケーブルを搬送し、
前記リフトキャリッジの垂直運動により、前記ドラグチェーンを、前記第2チェーンカートリッジ内に巻き取るとともに、前記第2チェーンカートリッジから巻き出す、請求項6に記載の作動システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第2ケーブルは、データケーブル、電源ケーブル又は空気圧ラインを含む、請求項8に記載の作動システム。
【請求項10】
前記マストは、前記マスト内で前記ドラグチェーンを直線的に誘導するチャネルと、前記第2チェーンカートリッジ内への後退又は前記第2チェーンカートリッジからの伸長中に前記チャネル内で前記ドラグチェーンを剛性直線状配置で保持するキーパと、を含み、
キーパは、ブラシワイパ、ゴムグランド、コンプライアントフラップ又はシール、金属テープのスプール、又は前記リフトキャリッジの可撓性駆動要素のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の作動システム。
【請求項11】
前記第1アクチュエータ及び前記第1チェーンカートリッジは、前記移動型ロボットの前記ベースにおいて前記駆動機構から遠隔に位置し、
前記第1アクチュエータは、駆動伝達装置を介して前記駆動機構に結合する、請求項7に記載の作動システム。
【請求項12】
前記駆動伝達装置は、前記第1アクチュエータを前記駆動機構に結合する第1差動駆動ベルトと、前記第2アクチュエータを前記駆動機構に結合する第2差動駆動ベルトとを含む、差動伝達装置を含み、
前記第1差動駆動ベルト及び前記第2差動駆動ベルトの前記第1方向又は前記第2方向における同時運動により、前記リフトキャリッジは前記マストの上で垂直に並進し、
前記第1方向における前記第1差動駆動ベルトの運動が前記第2方向における前記第2差動駆動ベルトの運動と同時に発生することにより、前記伸縮式構造体が、前記移動型ロボットの前記ベースが位置する表面に対して水平に並進し、
前記第1方向は、前記第2方向とは反対である、請求項11に記載の作動システム。
【請求項13】
前記駆動伝達装置は、回転駆動シャフトと、前記第1アクチュエータを前記駆動シャフトに結合する直角ギアボックスとを含む、回転シャフト伝達装置を含み、
前記直角ギアボックスは、前記リフトキャリッジが前記マスト上で垂直に移動する際、前記回転駆動シャフトに沿って移動する、請求項11に記載の作動システム。
【請求項14】
前記駆動機構は、前記駆動チェーンを前記駆動機構に対して半径方向に保持する駆動チェーンガイドを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の作動システム。
【請求項15】
前記伸縮式構造体の前記先端セグメントは、少なくとも1つのマニピュレータペイロードに結合され、
前記少なくとも1つのマニピュレータペイロードは、センサ、ツール又は第3アクチュエータを含み、
前記少なくとも1つの第1ケーブルは前記マニピュレータペイロードに結合する、請求項1~14のいずれか一項に記載の作動システム。
【請求項16】
前記第1アクチュエータは、タイミングベルト、差動ベルト、連結ベルト、ギアボックス、平歯車又はチェーンドライブのうちの少なくとも1つを介して前記駆動機構に結合する、請求項1~15のいずれか一項に記載の作動システム。
【請求項17】
前記駆動チェーンは、前記駆動機構の複数の係合機構を介して前記駆動機構に係合可能に結合し、
前記複数の係合機構は、複数の歯係合機構、複数の歯車係合機構又は複数の摩擦ローラのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の作動システム。
【請求項18】
前記複数のセグメントの各セグメントは、矩形状断面、湾曲形状断面又は三角形状断面を含み、
前記複数のセグメントは、射出成形プラスチックセグメント、炭素繊維セグメント、押出成形アルミニウムセグメント又は超音波溶接プラスチックセグメントである、請求項1~17のいずれか一項に記載の作動システム。
【請求項19】
前記伸縮式構造体の複数のセグメントの各セグメントは、前記各セグメントの外側カフに結合された第1の複数のローラと、前記各セグメントの内側カフに結合された第2の複数のローラとを含み、
前記外側カフは、前記内側カフの反対側に位置する、請求項1~18のいずれか一項に記載の作動システム。
【請求項20】
前記各セグメントの前記内側カフは、前記内側カフ内に挿入された駆動チェーンガイドを含み、
前記駆動チェーンガイドは、前記複数のセグメント内の前記第1の複数の相互接続されたリンクを、前記複数のセグメントが伸縮式に移動する前記伸縮式構造体の伸縮軸と平行に位置合せするように構成された開口部を含む、請求項19に記載の作動システム。
【請求項21】
前記伸縮式構造体の前記複数のセグメントの第1セグメントが、第2セグメントに対する前記第1セグメントの過伸長を防止する伸長リミッタを含み、
前記第1セグメントは、前記第2セグメント内から伸長するように構成される、請求項1~20のいずれか一項に記載の作動システム。
【請求項22】
作動システムのデータプロセッサにより、前記作動システムの伸縮式構造体の複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントにかけられる相互作用力に対応する第1入力を受け取るステップであって、
前記第1入力は、前記相互作用力が前記少なくとも1つのセグメントにかけられた時点で前記作動システムの第1アクチュエータに供給される、第1電流値を含む、ステップと、
前記データプロセッサにより、前記少なくとも1つのセグメントの最大相互作用力に関連する第2入力を受け取るステップであって、
前記第2入力は、第2電流値を含む、ステップと、
前記データプロセッサにより、前記少なくとも1つのセグメントによってかけられるべき作動力(Fo)に関連する第3入力を受け取るステップであって、
前記第3入力は第3電流値を含む、ステップと、
前記データプロセッサにより、前記第2電流値未満であるとともに前記第3電流値以下である第4電流値を含む作動信号を決定するステップであって、
前記第4電流値により、前記第1アクチュエータは、前記作動力をかけるように前記少なくとも1つのセグメントを作動させる、ステップと、
前記データプロセッサにより、前記第1アクチュエータに前記作動信号を提供するステップと、を備える、作動システムを作動させる方法。
【請求項23】
前記第1電流値は、前記第1アクチュエータの巻線電流センサから受け取られる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記相互作用力は、前記伸縮式構造体に取り付けられた力センサによって受け取られる、請求項22または請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記作動信号に基づいて前記第1アクチュエータを動作させるステップをさらに備える、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記データプロセッサにより、前記少なくとも1つのセグメントに前記相互作用力がかけられた時点で前記伸縮式構造体の第1長さに対応する第4入力を受け取るステップと、
前記データプロセッサにより、前記伸縮式構造体の目的の長さに関連する前記伸縮式構造体の第2長さに対応する第5入力を受け取るステップと、
前記第4入力及び前記第5入力に基づいて、更新された第3電流値を決定するステップと、をさらに備え、
前記更新された第3電流値により、前記第1アクチュエータは、前記第2長さを達成するように前記伸縮式構造体を作動させる、請求項22~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記第5入力は、プログラム的に又はユーザが提供する入力として受け取られる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1長さ及び前記第2長さは、前記第1アクチュエータに結合されたエンコーダを介して決定される、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記作動信号により、前記第1アクチュエータに結合された駆動機構が、前記少なくとも1つのセグメントを伸長させる第1方向に、又は前記少なくとも1つのセグメントを後退させる第2方向に回転し、
前記第2方向は、前記第1方向とは反対である、請求項22~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記第2入力は、プログラム的に又はユーザが提供する入力として受け取られる、請求項22~29のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作動システム及び作動システムを作動させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の環境及び/又は用途において、伸縮式構造体を用いて目的の作業を実施するために、伸縮式構造体の作動が必要となる場合がある。伸縮式構造体を作動させるように構成された作動システムは、高価で、大型で、複雑な設計を含むことが多く、環境において相互作用力を検知するそれらの能力が制限される可能性がある。従来の作動システムは、通常、実施すべき目的の作業と比較して、複雑であり、重量があり、且つ大型である。加えて、従来の作動システムは、効率的なギアトレインを含まないことが多く、そのため、適用環境において実際に受けた相互作用力に基づいて作動力及び接触感度を決定するために、複雑なセンサ及び処理アーキテクチャが必要となる可能性がある。
【0003】
個人用の支援ロボットは、複雑な関節構造及び作動システムを含む可能性があり、それにより、こうしたロボットは高価であるとともに使いにくいものとなる可能性がある。その結果、こうしたロボットは、支援ロボットデバイスを必要とするユーザにとって経済的に手の届かない可能性があり、目的の作業を実施するときにユーザ体験の低下をもたらす可能性がある。こうしたロボットは、複雑な関節構造に起因して大型で重量がある可能性があり、それにより、特定の環境において対象物にアクセスし、到達し、又は他の方法で対象物と相互作用するときに補助的な関節運動を提供する能力が制限される可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、多自由度で関節運動をサポートすることができる移動型支援ロボットの伸縮式構造体を作動させるように構成された作動システムが必要とされている。こうした作動システムの利点としては、部品コスト及び製造コストの削減、設計の複雑性の低下、より広範囲の環境での展開の容易性、及び目的の作業を実施するときのユーザ体験の向上を挙げることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来の作動システムは、作業空間を横切ってロボットアームの関節式のリーチを提供するように構成された一連の回転作動関節を含むことが多い。各作動関節は、重力に対して、構造体の先端関節の全重量を支持しなければならず、それにより、作動システムの基端関節が大型で、高価であり、人間の周囲で作動させるには安全でないものとなる複合的な影響をもたらす。水平方向に伸長する伸縮式構造体は、重力に対して自立しており、したがって、同等のリーチを達成するために、はるかにより小型で、低コストで且つ安全なアクチュエータを使用する。加えて、断面が細長いことにより、従来の作動システムを採用するロボットアームではアクセス可能ではない雑然とした環境にも到達することができる。
【0006】
本明細書に記載する作動システムは、移動型支援ロボットに又は非ロボット用途に含まれる伸縮式構造体の作動を提供することができる。提供される作動システムは、従来の作動システムと比較して、より多くの自由度を通して且つより高精度の作動力をかけるように、関節運動を達成することができる。その結果、本明細書に記載する作動システムは、ユーザが定義した作業を完了するよりロバストな性能を提供することができる。
【0007】
概して、伸縮式構造体を作動させるシステム及び方法を提供する。1つの態様では、伸縮式構造体を作動させる作動システムを提供する。1つの実施形態では、作動システムは、第1チェーンカートリッジを含むことができ、第1チェーンカートリッジは、電源に結合された第1アクチュエータによって作動する駆動機構に係合可能に結合された駆動チェーンを含む。駆動チェーンは、第1の複数の相互接続されたリンクを含むことができ、それらは、第1の複数の相互接続されたリンクの各々の第1内部空間内で少なくとも1つの第1ケーブルを搬送する。作動システムは、複数のセグメントを含む伸縮式構造体も含むことができ、それらセグメントは、互いに対して伸縮式に伸長及び後退するように構成されるとともに、その中で駆動チェーンを搬送することができる。駆動チェーンの第1端部は、複数のセグメントの先端セグメントに結合することができる。先端セグメントは、伸縮式構造体の第1端部に位置することができる。駆動機構は、第1の複数の相互接続されたリンクに線形並進力を与えて、先端セグメントが伸縮式構造体の第1端部から伸長するか又はその中に後退するようにすることができる。
【0008】
別の実施形態では、第1方向における駆動機構の回転により、駆動チェーンは、伸縮式構造体の伸長を作動させるように第1チェーンカートリッジ内から伸長することができ、第2方向における駆動機構の回転により、駆動チェーンは、伸縮式構造体の収縮をもたらすように第1チェーンカートリッジ内に後退することができる。別の実施形態では、少なくとも1つの第1ケーブルは、データケーブル、電力ケーブル又は空気圧ラインを含むことができる。
【0009】
別の実施形態では、第1チェーンカートリッジは、自動巻取り型チェーンカートリッジとすることができ、それは、駆動チェーンの第2端部に結合された受動回転ピニオンと、自動巻取り型チェーンカートリッジの内面に形成された1つ又は複数の湾曲ガイドトラックとを含む。駆動機構の運動により、駆動チェーンを、第1チェーンカートリッジ内に巻き取るとともに、第1チェーンカートリッジから巻き出すことができる。受動回転ピニオンは、保持要素を介して自動巻取り型チェーンカートリッジの内面に取り付けることができ、第1の複数のケーブルが自動巻取り型チェーンカートリッジから出る、スロットを含む。
【0010】
別の実施形態では、作動システムは、移動型ロボットのベースに結合することができる。作動システムは、移動型ロボットのベースに取り付けられたマストと、マストに結合されたリフトキャリッジとをさらに含むことができる。リフトキャリッジは、複数のリフトキャリッジローラを含むことができる。リフトキャリッジと伸縮式構造体とは、マスト上で垂直に並進することができる。別の実施形態では、作動システムは、ベース内に第2アクチュエータをさらに含むことができる。第2アクチュエータは、タイミングベルト、ローラチェーン又は可撓性駆動要素のうちの少なくとも1つを介して、リフトキャリッジに結合することができる。第2アクチュエータは、リフトキャリッジに対して垂直運動を与えることができる。別の実施形態では、作動システムは、ベース内に第2チェーンカートリッジをさらに含むことができる。第2チェーンカートリッジは、第2の複数の相互接続されたリンクを含むドラグチェーンを含むことができ、第2の複数の相互接続されたリンクは、リフトキャリッジに結合されるとともに、第2の複数の相互接続されたリンクの各々の第2内部空間内で少なくとも1つの第2ケーブルを搬送する。リフトキャリッジの垂直運動により、ドラグチェーンを、第2チェーンカートリッジ内に巻き取るとともに、第2チェーンカートリッジから巻き出すことができる。
【0011】
別の実施形態では、少なくとも1つの第2ケーブルは、データケーブル、電源ケーブル又は空気圧ラインを含むことができる。別の実施形態では、マストは、マスト内でドラグチェーンを直線的に誘導するチャネルと、第2チェーンカートリッジ内への後退又は第2チェーンカートリッジからの伸長中にチャネル内でドラグチェーンを剛性直線状配置で保持するキーパとを含むことができる。キーパは、ブラシワイパ、ゴムグランド、コンプライアントフラップ又はシール、金属テープのスプール、又はリフトキャリッジの可撓性駆動要素のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0012】
別の実施形態では、第1アクチュエータ及び第1チェーンカートリッジは、移動型ロボットのベースにおいて駆動機構から遠隔に位置することができる。第1アクチュエータは、駆動伝達装置を介して駆動機構に結合することができる。別の実施形態では、駆動伝達装置は、第1アクチュエータを駆動機構に結合する第1差動駆動ベルトと、第2アクチュエータを駆動機構に結合する第2差動駆動ベルトとを含む、差動伝達装置を含むことができる。第1差動駆動ベルト及び第2差動駆動ベルトの第1方向又は第2方向における同時運動により、リフトキャリッジはマストの上で垂直に並進することができる。第1方向における第1差動駆動ベルトの運動が第2方向における第2差動駆動ベルトの運動と同時に発生することにより、伸縮式構造体が、移動型ロボットのベースが位置する表面に対して水平に並進することができる。第1方向は、第2方向とは反対であり得る。
【0013】
別の実施形態では、駆動伝達装置は、回転駆動シャフトと、第1アクチュエータを駆動シャフトに結合する直角ギアボックスとを含む、回転シャフト伝達装置を含むことができる。直角ギアボックスは、リフトキャリッジがマスト上で垂直に移動する際、回転駆動シャフトに沿って移動することができる。
【0014】
別の実施形態では、駆動機構は、駆動チェーンを駆動機構に対して半径方向に保持する駆動チェーンガイドを含むことができる。別の実施形態では、伸縮式構造体の先端セグメントを、少なくとも1つのマニピュレータペイロードに結合することができ、少なくとも1つのマニピュレータペイロードは、センサ、ツール又は第3アクチュエータを含み、少なくとも1つの第1ケーブルはマニピュレータペイロードに結合する。
【0015】
別の実施形態では、第1アクチュエータは、タイミングベルト、差動ベルト、連結ベルト、ギアボックス、平歯車又はチェーンドライブのうちの少なくとも1つを介して駆動機構に結合することができる。別の実施形態では、駆動チェーンは、駆動機構の複数の係合機構を介して駆動機構に係合可能に結合することができる。複数の係合機構は、複数の歯係合機構、複数の歯車係合機構又は複数の摩擦ローラのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0016】
別の実施形態では、複数のセグメントの各セグメントは、矩形状断面、湾曲形状断面又は三角形状断面を含むことができる。複数のセグメントは、射出成形プラスチックセグメント、炭素繊維セグメント、押出成形アルミニウムセグメント又は超音波溶接プラスチックセグメントであり得る。別の実施形態では、伸縮式構造体の複数のセグメントの各セグメントは、各セグメントの外側カフに結合された第1の複数のローラと、各セグメントの内側カフに結合された第2の複数のローラとを含むことができる。外側カフは、内側カフの反対側に位置することができる。
【0017】
別の実施形態では、各セグメントの内側カフは、内側カフ内に挿入された駆動チェーンガイドを含むことができる。駆動チェーンガイドは、複数のセグメント内の第1の複数の相互接続されたリンクを、複数のセグメントが伸縮式に移動する伸縮式構造体の伸縮軸と平行に位置合せするように構成された開口部を含むことができる。別の実施形態では、伸縮式構造体の複数のセグメントの第1セグメントが、第2セグメントに対する第1セグメントの過伸長を防止する伸長リミッタを含むことができる。第1セグメントは、第2セグメント内から伸長するように構成することができる。
【0018】
別の態様では、作動システムを作動させる方法を提供する。1つの実施形態では、本方法は、作動システムのデータプロセッサにより、作動システムの伸縮式構造体の複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントにかけられる相互作用力に対応する第1入力を受け取るステップを含むことができる。第1入力は、相互作用力が少なくとも1つのセグメントにかけられた時点で作動システムの第1アクチュエータに供給される、第1電流値を含むことができる。本方法は、データプロセッサにより、少なくとも1つのセグメントの最大相互作用力に関連する第2入力を受け取るステップも含むことができる。第2入力は、第2電流値を含むことができる。本方法は、データプロセッサにより、少なくとも1つのセグメントによってかけられるべき作動力に関連する第3入力を受け取るステップをさらに含むことができる。第3入力は第3電流値を含むことができる。本方法は、データプロセッサにより、第2電流値未満であるとともに第3電流値以下である第4電流値を含む作動信号を決定するステップも含むことができる。第4電流値により、第1アクチュエータは、作動力をかけるように少なくとも1つのセグメントを作動させることができる。本方法は、データプロセッサにより、第1アクチュエータに作動信号を提供するステップをさらに含むことができる。
【0019】
別の実施形態では、第1電流値は、第1アクチュエータの巻線電流センサから受け取ることができる。別の実施形態では、相互作用力は、伸縮式構造体に取り付けられた力センサが受けることができる。別の実施形態では、本方法は、作動信号に基づいて第1アクチュエータを動作させるステップも含むことができる。
【0020】
別の実施形態では、本方法は、データプロセッサにより、少なくとも1つのセグメントに相互作用力がかけられた時点で伸縮式構造体の第1長さに対応する第4入力を受け取るステップも含むことができる。本方法は、データプロセッサにより、伸縮式構造体の目的の長さに関連する伸縮式構造体の第2長さに対応する第5入力を受け取るステップをさらに含むことができる。本方法は、第4入力及び第5入力に基づいて、更新された第3電流値を決定するステップも含むことができる。更新された第3電流値により、第1アクチュエータは、第2長さを達成するように伸縮式構造体を作動させることができる。
【0021】
別の実施形態では、第5入力は、プログラム的に又はユーザが提供する入力として受け取ることができる。別の実施形態では、第1長さ及び第2長さは、第1アクチュエータに結合されたエンコーダを介して決定することができる。別の実施形態では、作動信号により、第1アクチュエータに結合された駆動機構が、少なくとも1つのセグメントを伸長させる第1方向に、又は少なくとも1つのセグメントを後退させる第2方向に回転することができる。第2方向は、第1方向とは反対であり得る。別の実施形態では、第2入力は、プログラム的に又はユーザが提供する入力として受け取ることができる。
【0022】
命令を格納する非一時的コンピュータプログラム製品(すなわち、物理的に具現化されたコンピュータプログラム製品)も記載しており、命令は、1つ又は複数のコンピューティングシステムの1つ又は複数のデータプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのデータプロセッサに、本明細書における動作を実行させる。同様に、1つ又は複数のデータプロセッサと1つ又は複数のデータプロセッサに結合されたメモリとを含むことができる、コンピュータシステムも記載している。メモリは、少なくとも1つのプロセッサに、本明細書に記載する動作のうちの1つ又は複数を実行させる命令を、一時的に又は恒久的に格納することができる。加えて、方法は、単一のコンピューティングシステム内の、又は2つ以上のコンピューティングシステム間で分散された、1つ又は複数のデータプロセッサによって実施することができる。こうしたコンピューティングシステムは、ネットワーク(例えば、インターネット、無線広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、有線ネットワーク等)上の接続を含む、1つ又は複数の接続を介して、あるいは、複数のコンピューティングシステムのうちの1つ又は複数の間の直接接続を介して等により、接続することができ、且つ、データ及び/又はコマンド若しくは他の命令等を交換することができる。
【0023】
添付図面及び以下の説明に、本明細書に記載する主題の1つ又は複数の変形の詳細を示す。本明細書に記載する主題の他の特徴及び利点は、説明及び図面から、且つ特許請求の範囲から明らかとなろう。
【0024】
これらの特徴及び他の特徴は、添付図面とともに行う以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本明細書に記載するような伸縮式構造体を作動させるように構成された作動システムの例示的な実施形態を示す図である。
図2】本明細書に記載するような作動システムの駆動チェーンの例示的な実施形態を示す図である。
図3】本明細書に記載するような作動システムのチェーンカートリッジの例示的な実施形態を示す図である。
図4】本明細書に記載するような作動システムのチェーンカートリッジの別の例示的な実施形態を示す図である。
図5】本明細書に記載するような移動型ロボットのベースに結合された作動システムの例示的な実施形態を示す図である。
図6】本明細書に記載するような作動システムのリフトキャリッジの例示的な実施形態を示す図である。
図7】本明細書に記載するような作動システムの第2アクチュエータに結合されたリフトキャリッジの例示的な実施形態を示す図である。
図8】本明細書に記載するようなリフトキャリッジに結合された第2の複数の相互接続されたリンクから形成されたドラグチェーンを含む第2チェーンカートリッジの例示的な実施形態を示す図である。
図9】本明細書に記載するような図5図8のリフトキャリッジの別の例示的な実施形態を示す図である。
図10】本明細書に記載するような作動システムのマストの例示的な実施形態を示す図である。
図11】本明細書に記載するような作動システムの駆動伝達装置の例示的な実施形態を示す図である。
図12】本明細書に記載するような作動システムの差動伝達装置の例示的な実施形態を示す図である。
図13】本明細書に記載するような図12の差動伝達装置の駆動機構を示す図である。
図14】本明細書に記載するような作動システムの回転シャフト伝達装置の例示的な実施形態を示す図である。
図15】本明細書に記載するような作動システムの駆動チェーンガイドの例示的な実施形態を示す図である。
図16】本明細書に記載するような作動システムのマニピュレータペイロードの例示的な実施形態を示す図である。
図17】本明細書に記載するような作動システムの駆動機構に結合されたアクチュエータの例示的な実施形態を示す図である。
図18】本明細書に記載するような作動システムの伸縮式構造体の複数のセグメントの例示的な実施形態を示す図である。
図19】本明細書に記載するような作動システムの伸縮式構造体の複数のローラの例示的な実施形態を示す図である。
図20】本明細書に記載するような作動システムの伸縮式構造体の駆動チェーンガイドの例示的な実施形態を示す図である。
図21】本明細書に記載するような作動システムの伸縮式構造体の伸長リミッタの例示的な実施形態を示す図である。
図22】本明細書に記載するような作動システムの伸縮式構造体を作動させるように構成されたコンピューティングアーキテクチャの例示的な実施形態を示す図である。
図23】本明細書に記載するような作動システムの伸縮式構造体を作動させる方法の例示的な実施形態を示すプロセスフロー図である。
図24】本明細書に記載するような作動システムの伸縮式構造体を作動させる作動信号を決定する方法の例示的な実施形態を示すプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面は必ずしも正確な縮尺ではないことに留意されたい。図面は、本明細書で開示する主題の典型的な態様のみを示すことが意図されており、したがって、本開示の範囲を限定するものとしてみなされるべきではない。
【0027】
本明細書に記載する作動システムは、伸縮式構造体を、目的の作業又は伸縮式構造体にかけられる相互作用力に関して伸長又は収縮するように作動させることができる。伸縮式構造体は、マニピュレータとして使用されるように水平に作動させることができ、さらに、マスト等、垂直構造体に沿って垂直に移動するように作動させることができる。作動システムは、駆動チェーンも含むことができ、駆動チェーンは、データケーブル、電力ケーブル及び/又は空気圧ラインをその内部で伸縮式構造体の先端部まで搬送する、複数の相互接続されたリンクを含む。相互接続されたリンクは、駆動チェーンに作動力が加えられたとき、1つの方向において撓むことができ、異なる方向において剛性配置を形成することができる。作動システムは、チェーンカートリッジも含むことができ、駆動チェーンは、チェーンカートリッジから伸長するか又はチェーンカートリッジ内に後退することができる。
【0028】
駆動チェーンは、アクチュエータ又はモータ等の作動源の駆動機構に結合することができる。駆動チェーンは、駆動伝達装置を介してアクチュエータに結合することができ、駆動伝達装置により、同時の又は独立した、伸縮式構造体の作動と垂直構造体又はマストに沿った伸縮式構造体の垂直移動とを可能にすることができる。このように、作動システムは、目的の作業に関連するより広範囲の目標場所にアクセス又は到達することができる。
【0029】
駆動チェーンは、内部で、電気(例えば、電力及びデータ)ケーブル及び空気圧ラインを伸縮式構造体の先端部まで搬送することができる。従来のロボットアームでは、アームの端部まで回転関節を通してこれらのケーブルを配線することは、複雑性及び部品の故障の重大な原因である。本明細書に記載する作動システムでは、駆動チェーン構成により、従来のシステムと比較して単純で、小型で且つロバストな解決法が提供される。
【0030】
伸縮式構造体は、水平方向に伸びるように向けることができる。したがって、アクチュエータは、静的な重力荷重を支持する必要はない。これにより、アクチュエータを小型にするとともに、従来のアクチュエータシステムで必要であることが多い高ギア比のギアボックスを不要にすることができる。低ギア比のギアボックスを有する小型モータを採用することにより、作動システムの有効慣性が低く維持される。これには、アクチュエータの巻線電流が、伸縮式構造体が環境に与える力の良好な近似値となり得るという利点がある。相互作用力に高感度であることにより、伸縮式構造体を人間の周囲で安全に反応するように制御することができる。
【0031】
本明細書では、移動型ロボット内に構成された作動システムの伸縮式構造体を作動させる作動システム及び対応する方法の実施形態について考察する。しかしながら、本開示の実施形態を採用して、限定なしに、ロボットを含まない静止又は移動用途において伸縮式構造体を作動させることができる。
【0032】
図1は、本明細書に記載するような伸縮式構造体を作動させるように構成された作動システム100の例示的な実施形態を示す図である。図1に示すように、作動システム100は、チェーンカートリッジ105を含むことができる。チェーンカートリッジ105は、内部に駆動チェーン110を含むことができる。駆動チェーン110は、駆動機構115に結合することができる。駆動機構115は、電源125によって電力が供給されるアクチュエータ120に結合するとともに、アクチュエータ120によって作動させることができる。電源125は、充電式電源又は非充電式電源を含むことができる。駆動チェーン110は、相互接続されたリンク130から形成することができ、相互接続されたリンク130を含むことができる。相互接続されたリンク130は、各相互接続されたリンク内に開放内部空間を含み、その中で1つ又は複数のケーブル135が搬送されるのを可能にすることができる。
【0033】
図1にさらに示すように、作動システム100は、2つ以上のセグメント145を含む伸縮式構造体140も含むことができる。セグメント145は、互いから伸長するとともに互いの中に後退して、伸縮式構造体140の水平伸長及び収縮を提供するように構成することができる。伸縮式構造体140は、セグメント145内で駆動チェーン110を搬送することができる。駆動チェーン110は、伸縮式構造体140の先端部155に位置する先端セグメント150に結合することができる。伸縮式構造体140の先端部155は、伸縮式構造体140の基端部160とは反対側であり得る。駆動チェーン110は、最初に、基端部160において伸縮式構造体140内に受け入れることができ、先端セグメント150の基端部に結合することができる。
【0034】
動作時、作動システム100は、伸縮式構造体140を伸長させるか又は収縮させるように作動することができる。アクチュエータ120に結合されたコントローラ165から作動信号を受信すると、アクチュエータ120は、駆動機構115を作動させることができる。駆動機構115は、2つの方向に回転することができる。第1方向において、駆動機構115は、駆動チェーン110がチェーンカートリッジ105から出て基端部160において伸縮式構造体140内に入るように、回転することができる。この第1方向の回転により、駆動チェーン110は、先端セグメント150に対して線形並進力をかけて、セグメント145が互いの中から伸長するようにすることができる。第1方向とは反対の第2方向において、駆動機構115は、駆動チェーン110がチェーンカートリッジ110内に戻って基端部160において伸縮式構造体140から出るように、回転することができる。
【0035】
図2は、本明細書に記載するような作動システム100の駆動チェーン110の例示的な実施形態200を示す図である。図2に示す駆動チェーン110は、複数の相互接続されたリンク130から形成することができる。各リンクは、1つ又は複数のケーブル又はライン135が通過することができる開放内部空間205を含むことができる。いくつかの実施形態では、ケーブル/ライン135は、先端セグメント150に結合されたマニピュレーションペイロードに、データ、電力又は空気圧力をそれぞれ供給する、データケーブル、電力ケーブル及び/又は空気圧ラインを含むことができる。図2に示すように、駆動チェーン110内に、第1ケーブル/ライン210及び第2ケーブル/ライン215を構成することができる。駆動チェーン110の先端部220は、図1に示す伸縮式構造体140の先端セグメント150に結合することができる。図2では、この接続を、駆動チェーン110の先端部220を先端セグメント150に接続する破線を介して示す。
【0036】
図3は、本明細書に記載するような作動システム100のチェーンカートリッジ105の例示的な実施形態300を示す図である。図3に示すように、チェーンカートリッジ105は、自動巻取り型チェーンカートリッジであり得る。自己誘導型チェーンカートリッジは、駆動チェーン110の基端部310を受けるように構成された受動回転ピニオン305を含むことができる。自己誘導型チェーンカートリッジは、自己誘導型チェーンカートリッジ105の内面320に形成された1つ又は複数の湾曲ガイドトラック315を含むことができる。図3に示すように、1つ又は複数のケーブル/ライン135は、受動回転ピニオン305のスロット又は開口部を介してチェーンカートリッジ105に存在することができる。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のケーブル/ライン135は、受動回転ピニオン305が回転する際にケーブル/ライン135に対する損傷又はケーブル/ライン135の過度のねじれを低減させるサービスループ又はコイル巻き機構を含むことができる。
【0037】
動作時、アクチュエータ120が駆動機構115を第1方向に作動させて、駆動チェーン110が相互接続されたリンク130の剛性構成を形成するとともにチェーンカートリッジ105内から伸長するようになると、チェーンカートリッジ105から駆動チェーン110が引き出される。逆に、駆動機構115が(第1の方向とは反対の)第2方向に回転することにより、駆動チェーン110がチェーンカートリッジ105内に押し込まれる際、駆動チェーン110は、相互接続されたリンク130の剛性構成を形成して、受動回転ピニオン305を回転させることができる。湾曲ガイドトラック315は、駆動機構115の回転に応答してピニオン305の回転とともに作用して、相互接続されたリンク130に線形並進力を与えて、駆動チェーン110がチェーンカートリッジ105内でコイル状になるようにすることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、チェーンカートリッジ105は、駆動チェーン110が滑り込む1つ又は複数のらせん形状トラックを含む、ガイド付きカートリッジであり得る。らせん形状トラックは、ばね鋼又はプラスチックから形成された平滑面を含むことができる。この実施形態では、駆動チェーン110の基端部310は、チェーンカートリッジ105に取り付けられておらず、チェーンカートリッジ105に対する駆動チェーン110の伸長又は後退中に、らせん形状トラック内を自由に移動することができる。
【0039】
図4は、本明細書に記載するような作動システム100のチェーンカートリッジ105の別の例示的な実施形態400を示す図である。図4に示すように、チェーンカートリッジ105の切取図が提供されている。受動回転ピニオン305は、固定ピン又は保持要素405を介してチェーンカートリッジ105の内面320に取り付けることができる。受動回転ピニオン305はスロット410を含むことができ、1つ又は複数のケーブル/ライン135は、スロット410を通って、チェーンカートリッジ105の壁415を通過することができる。
【0040】
図5は、本明細書に記載するような移動型ロボットのベースに結合された作動システム100の例示的な実施形態500を示す図である。図5に示すように、図1図4に関連して図示し且つ記載した作動システム100は、移動型ロボット510のベース505に結合することができる。この実施形態では、作動システム100は、移動型ロボット510のベース505に取り付けられた垂直マスト515と、リフトキャリッジ520とをさらに含むことができる。チェーンカートリッジ105、アクチュエータ120及び伸縮式構造体140は、リフトキャリッジ520を介してマスト515取り付けることができる。リフトキャリッジ520は、チェーンカートリッジ105、アクチュエータ120及び伸縮式構造体140を、マスト515に沿って垂直に並進させることができる。ベース505内に電源525を含めることができ、電源525はアクチュエータ120に結合することができる。
【0041】
図6は、本明細書に記載するような作動システム100のリフトキャリッジ520の例示的な実施形態600を示す図である。図6に示すように、リフトキャリッジ520は、ローラ605及び610等のローラの複数のセットを含むことができる。ローラ605及び610は、リフトキャリッジ520に結合することができ、リフトキャリッジ520がマスト515に沿って垂直に移動するのを可能にすることができる。このように、リフトキャリッジ520は、対象物又は目的の作業に対して伸縮式構造体140の垂直位置決めを提供することができる。
【0042】
図7は、本明細書に記載するような作動システム100の第2アクチュエータに結合されたリフトキャリッジ520の例示的な実施形態700を示す図である。図7に示すように、作動システム100は、移動型ロボット510のベース505に設けられた第2アクチュエータ705も含むことができる。第2アクチュエータ705は、タイミングベルト等、可撓性駆動要素710を介してリフトキャリッジに結合することができる。可撓性駆動要素710は、リフトキャリッジ520に結合されているループ駆動構造体であり得る。第2アクチュエータ705は、左キャリッジ520に垂直並進力を与えて、リフトキャリッジ520がマスト515に沿って垂直に移動するようにすることができる。いくつかの実施形態では、可撓性駆動要素710は、ローラチェーン又はタイムベルトを含むことができ、垂直並進力を第2アクチュエータ705からリフトキャリッジ520まで伝達することができる。
【0043】
図8は、本明細書に記載するようなリフトキャリッジ520に結合された第2の複数の相互接続されたリンクから形成されたドラグチェーンを含む第2チェーンカートリッジの例示的な実施形態800を示す図である。図8に示すように、作動システム100は、ベース505内に第2チェーンカートリッジ805も含むことができる。第2チェーンカートリッジ805は、第2の複数の相互接続されたリンク815を含むドラグチェーン810を含むことができ、第2の複数の相互接続されたリンク815は、第2の複数の相互接続されたリンク815の各々の第2内部空間825内で第2の1つ又は複数のケーブル/ライン820を搬送する。第2の1つ又は複数のケーブル/ライン820は、データケーブル、電力ケーブル及び/又は空気圧ラインのうちの1つ又は複数を含むことができる。リフトキャリッジ520がマスト515に沿って垂直に並進する際、ドラグチェーン810は、第2チェーンカートリッジ805内に巻き付けるか又は巻き取り、且つ/又は第2チェーンカートリッジ805内から巻き戻すか又は巻き出すことができる。
【0044】
第2チェーンカートリッジ805は、第2チェーンカートリッジ805の内面835内に形成された湾曲ガイドトラック830も含むことができる。湾曲ガイドトラック830は、ドラグチェーン810を、第2チェーンカートリッジ805内に巻き取るか又は第2チェーンカートリッジ805内から巻き出すときに誘導することができる。第2チェーンカートリッジ805は、第2チェーンカートリッジ805の内面835に結合された受動回転ピニオン840も含むことができる。
【0045】
動作時、第2アクチュエータ705が第1方向に作動して、タイミングベルト710を介してリフトキャリッジに線形並進力を与えて、リフトキャリッジ520がマスト515を上昇するようにすると、ドラグチェーン810は、第2チェーンカートリッジ805内から引き出される。ドラグチェーン110は、リフトキャリッジ520がマスト515を上って移動する際、第2チェーンカートリッジ805内から受動的に引き出される。逆に、リフトキャリッジ520がマスト515を下降する際、ドラグチェーン810は、第2チェーンカートリッジ805内に押し込まれる。第2アクチュエータ705がタイミングベルト710を介してリフトキャリッジ520に線形並進力を与えて、リフトキャリッジ520がマストを下降するようにすることに応答して、湾曲ガイドトラック830は、ピニオン840の回転とともに作用して、ドラグチェーン810がチェーンカートリッジ805内に巻き取られるようにすることができる。
【0046】
図9は、本明細書に記載するような図5図8のリフトキャリッジ520の別の例示的な実施形態900を示す図である。図9に示すように、リフトキャリッジ520は、第1部分905及び第2部分910を含むことができる。第1部分905及び第2部分910は、マスト515を包囲するように互いに取外し可能に結合することができる。第1部分905及び第2部分910の各々は、マスト515に沿って並進する際のリフトキャリッジ520を補助するように構成された複数のローラ605、610を含むことができる。いくつかの実施形態では、リフトキャリッジ520の第1部分905及び第2部分910は、1対、2対又は3対のローラ605、610を含むことができる。
【0047】
図9にさらに示すように、リフトキャリッジ520は、ドラグチェーン810に結合することができる。第2の1つ又は複数のケーブル/ライン820は、ドラグチェーン810の先端リンク915の第2内部空間825から出て、リフトキャリッジ520を通過することができる。図9に示すように、第2の1つ又は複数のケーブル/ライン820は、リフトキャリッジ520の第1部分905を通過するが、いくつかの実施形態では、第2の1つ又は複数のケーブル/ライン820は、リフトキャリッジ520の第2部分910を通過することができる。ドラグチェーン810の先端リンク915は、リフトキャリッジ520の内部ガイド920に結合することができる。内部ガイド920は、リフトキャリッジ520の第1部分905又は第2部分910のいずれかの内部に一体的に形成することができる。
【0048】
さらに図9を参照すると、リフトキャリッジ520にタイミングベルト710を固定することができる。例えば、タイミングベルト710は、クランプを介してリフトキャリッジに固定することができる。クランプは、タイミングベルト710の係合機構(例えば、歯)と係合するように構成された係合機構を介して、タイミングベルト710を適所に保持することができる。クランプは、ボルトを介してリフトキャリッジ520から緩めて、タイミングベルト710の設置をより容易にするか、又はタイミングベルト710上のリフトキャリッジ520の位置を調整することができる。
【0049】
図10は、本明細書に記載するような作動システム100のマスト515の例示的な実施形態1000を示す図である。図10に示すように、マスト515は、マスト515内に構成されたチャネル1005を含むことができる。チャネル1005は、C字型チャネル又は図10に示すようなU字型チャネルとして形成することができる。限定なしに、種々の非限定的なチャネル形状を想定することができる。チャネル1005は、マスト515内でドラグチェーン810を直線的に誘導することができる。マスト515は、第2チェーンカートリッジ805内への後退又は第2チェーンカートリッジ805からの伸長中に、チャネル1005内でドラグチェーン810を剛性直線状構成で保持する、キーパ1010も含むことができる。いくつかの実施形態では、キーパ1010は、ブラシワイパ、ゴムグランド、コンプライアントフラップ若しくはシール、又は金属テープのスプールを含むことができる。いくつかの実施形態では、キーパ1010は、可撓性駆動要素710を含むことができる。例えば、可撓性駆動要素710は、第2アクチュエータとマスト515の頂部に結合されたプーリとを結合するループとして形成することができる。したがって、可撓性駆動要素710の2つの部分、例えば部分710A及び710Bは、マスト515内で並進するように構成することができる。いくつかの実施形態では、可撓性駆動要素710の第1部分710Aは、チャネル1005内でドラグチェーン810を保持するキーパ1010として作用することができる。
【0050】
図11は、本明細書に記載する作動システム100の駆動伝達装置の例示的な実施形態100を示す図である。図11に示すように、アクチュエータ120及びチェーンカートリッジ105は、移動型ロボット510のベース505内に且つ駆動機構115から遠隔に位置することができる。アクチュエータ120は、駆動伝達装置1105を介して駆動機構115に結合することができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ120は、タイミングベルト、差動ベルト、連結ベルト、ギアボックス又はチェーンドライブを介して、駆動機構115に結合することができる。アクチュエータ120及びチェーンカートリッジ105を駆動機構115から遠隔に位置付けることにより、移動型ロボット510のベース505の全体的なフットプリント、サイズ及び重量を低減させることができる。
【0051】
図12は、本明細書に記載するような作動システム100の差動伝達装置の例示的な実施形態1200を示す図である。図12に示すように、いくつかの実施形態では、駆動伝達装置1105は、差動伝達装置1205として構成することができる。差動伝達装置1205は、第1アクチュエータ及び駆動機構115を結合する第1差動駆動ベルト1210を含むことができる。差動伝達装置1205は、第2アクチュエータ705及び駆動機構115を結合する第2差動駆動ベルト1215も含むことができる。第1アクチュエータ120及び第2アクチュエータ705が、互いに対して同じ方向に第1差動駆動ベルト1201及び第2差動駆動ベルト1215をともに作動させるため、リフトキャリッジ520は、マスト515上で垂直に移動することができる。したがって、互いに対して同じ方向における第1差動駆動ベルト1210及び第2差動駆動ベルト1215の運動(例えば、第1差動駆動ベルト1210及び第2差動駆動ベルト1215の各々がともに上方に又はともに下方に移動すること)により、リフトキャリッジ520に正味の線形力が伝達される。第1アクチュエータ120及び第2アクチュエータ705が、互いに対して反対方向に第1差動駆動ベルト1210及び第2差動駆動ベルト1215をともに作動させるとき、伸縮式構造体140は伸長又は収縮することができる。その結果、駆動機構115に正味のトルクを加えて、伸縮式構造体がベース505(又は、ベース505が位置する表面)に対して水平に伸長又は収縮するようにすることができる。
【0052】
図13は、本明細書に記載するような図12の差動伝達装置の駆動機構115を示す図である。図13に示すように、駆動機構115は、第1差動駆動ベルト1210に且つ第2差動駆動ベルト1215に結合するように構成することができる。駆動機構115は、第1差動駆動ベルト1210を駆動機構115に結合する第1プーリ1305と、第2差動駆動ベルト1310を駆動機構に結合する第2プーリ1310とを含むことができる。
【0053】
図14は、本明細書に記載するような作動システム100の回転シャフト伝達装置の例示的な実施形態1400を示す図である。いくつかの実施形態では、駆動伝達装置1105は、回転シャフト伝達装置1405として構成することができる。図14に示すように、回転シャフト伝達装置1405は、アクチュエータ120を直角ギアボックス1415に結合する回転駆動シャフト1410を含むことができる。直角ギアボックス1415は、リフトキャリッジがマスト515に沿って垂直に並進する際、回転駆動シャフト1410に沿って垂直に移動することができる。回転駆動シャフト1410は、正方形断面を有することができ、リフトキャリッジ515内を通過するように構成することができる。この実施形態では、リフトキャリッジ515の垂直並進と伸縮式構造体140の水平並進とは、同じ駆動伝達装置に結合されていない。
【0054】
図15は、本明細書に記載するような作動システム100の駆動チェーンガイドの例示的な実施形態1500を示す図である。図15に示すように、駆動機構115は、駆動チェーン110を駆動機構115に対して半径方向に保持する駆動チェーンガイド1505を備えるように構成することができる。いくつかの実施形態では、駆動チェーンガイド1505は、駆動チェーン110がチェーンカートリッジ105から伸長し又はチェーンカートリッジ105内に後退するチェーンカートリッジ105の開口部において、駆動チェーン110の上方又は下方に位置する少なくとも1つのローラを含むことができる。
【0055】
図16は、本明細書に記載するような作動システム100のマニピュレータペイロードの例示的な実施形態1600を示す図である。図16に示すように、作動システム100は、伸縮式構造体140の先端セグメント150に結合されたマニピュレータペイロード1605を含むことができる。マニピュレータペイロード1605は、作動システム100を使用して実施すべき目的の作業に対して構成することができる。いくつかの実施形態では、マニピュレータペイロード1605は、第3アクチュエータ1610、センサ1615又はツール1610を含むことができる。駆動チェーン110内で搬送される1つ又は複数のケーブル/ライン135は、伸縮式構造体140の先端セグメント150から出てマニピュレータペイロード1605と結合することができる。
【0056】
図17は、本明細書に記載するような作動システム100の駆動機構115に結合されたアクチュエータ120の例示的な実施形態1700を示す図である。アクチュエータ120は、平歯車1705を介して駆動機構115に結合することができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ120は、タイミングベルト、差動ベルト、連結ベルト、ギアボックス又はチェーンドライブを介して駆動機構115に結合することができる。駆動機構115は、駆動チェーン110を駆動機構115に係合可能に結合する複数の係合機構1710を含むことができる。いくつかの実施形態では、係合機構1710は、歯係合機構、歯車係合機構又は摩擦ローラを含むことができる。
【0057】
図18は、本明細書に記載するような作動システム100の伸縮式構造体140の複数のセグメント145の例示的な実施形態1800を示す図である。図18では、伸縮式構造体140は、4つのセグメントが互いに入れ子になるように、完全収縮形態で示されている。図18に示すように、複数のセグメント145は、正方形状断面を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数のセグメント145は、矩形状断面、円形状断面、湾曲状断面又は三角形状断面を含むことができる。複数のセグメント145は、射出成形プラスチック、炭素繊維、押出成形アルミニウム又は超音波溶接プラスチックから形成することができる。
【0058】
図18にさらに示すように、複数のセグメント145の各セグメントは、セグメントの先端部155に取り付けられた外側カフ1805を含むことができる。伸縮式構造体140の基端セグメント1810は、アーム取付機構1815を含むことができる。アーム取付機構1815は、基端セグメント1810に接着するか又は同様に貼り付けることができる。アーム取付機構1815は、リフトキャリッジ520内に受けることができる。先端セグメント150は、先端セグメント150に接着されるか又は同様に貼り付けられるとともに、図16に示すマニピュレータペイロード1605に先端セグメント150を結合するように構成することができる、マニピュレータペイロード取付機構1820を含むことができる。
【0059】
図19は、本明細書に記載するような作動システム100の伸縮式構造体140の複数のローラの例示的な実施形態1900を示す図である。図19に示すように、伸縮式構造体は、伸縮軸1905に沿って互いから伸長又は後退することができる、個々のセグメントの入れ子配置での複数のセグメント145として形成することができる。伸縮式構造体140は、ペイロードを支持しながら、且つ伸長するときに垂れ下がるか又はたるむことがないように十分な剛性を提供しながら、低摩擦で滑らかに伸縮式に並進することができる。
【0060】
図19に示すように、セグメントの先端部155に外側カフ1805を取り付けることができる。外側カフ1805は、1つ又は複数の円筒状外側カフローラ1910を含むことができる。外側カフローラ1910は、円筒状外側カフローラ1910を通過するとともに外側カフ1805内に固定されるピン1915を介して、外側カフ1805に結合することができる。第1セグメントの外側カフローラ1910は、伸長又は収縮中に伸縮式構造体140を剛性構成で維持するように、第1セグメント内から伸長する第2セグメントの外面と十分な接触力を維持することができる。図19にさらに示すように、各セグメントの基端部160に、内側カフ1920を位置決めすることができる。内側カフ1920は、1つ又は複数の円筒状内側カフローラ1925を含むことができる。円筒状内側カフローラ1925は、円筒状内側カフローラ1925を通過するとともに内側カフ1920内に固定されたピン1930を介して、内側カフ1920に結合することができる。第1セグメントの内側カフローラ1925は、伸長又は収縮中に伸縮式構造体140を剛性構成でさらに維持するように、第1セグメントが伸長する第2セグメントの内面と十分な接触力を維持することができる。
【0061】
外側カフ1805及び内側カフ1920は、熱活性材料から形成することができる。このように、不正確な隙間公差によってもたらされるローラにおけるいかなる過度の予荷重も、伸縮式構造体140を熱活性材料の活性化点まで加熱することによって低減させることができる。予荷重が緩和すると、ローラ1915及び1925は、低摩擦位置に位置することができる。これにより、伸縮式構造体140の接触感度の性能を有利に向上させることができる。
【0062】
外側カフローラ1915及び内側カフローラ1925は、エンジニアリングプラスチック及び/又は炭素繊維等の傷を付けにくい(non-marring)材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、外側カフローラ1915及び内側カフローラ1925の代わりに、摺動ブッシング面を構成することができる。
【0063】
図20は、本明細書に記載するような作動システム100の伸縮式構造体140の駆動チェーンガイド2005の例示的な実施形態2000を示す図である。駆動チェーンガイド2005は、複数のセグメント145の各セグメントの基端部160に位置することができる。駆動チェーンガイド2005は、駆動チェーン110が伸縮式構造体140内で並進する際に、伸縮軸1905に沿って駆動チェーン110を誘導することができる。駆動チェーンガイド2005は、駆動チェーン110のリンクを直線状配置で拘束することができ、駆動機構115から先端セグメント150へのより効率的な力の伝達を可能にすることができる。駆動チェーンガイド2005は、伸縮式構造体140が伸長位置から収縮する際に、駆動チェーン110の後退中に駆動チェーン110の座屈も低減させることができる。
【0064】
図21は、本明細書に記載するような作動システム100の伸縮式構造体140の伸長リミッタ2105の例示的な実施形態2100を示す図である。図21は、伸縮式構造体の分解図であり、図19に示す完全組立図に関連する。図21に示すように、セグメント2115の外側カフ1805は、破線によって示すように、セグメント2115の先端部2120においてその組立位置から離れるように伸長している。このように、外側カフローラ1910は、伸長リミッタ2105と当接することが分かる。外側カフローラ1910及びピン1915は、図19に関連して記載したように、外側カフ1805内に固定される。図21に示すように、外側カフローラ1910及びピン1910は、破線によって示すように、外側カフ1805から離れるように伸長する。
【0065】
図21に示す実施形態の図において、第1セグメント2110は、第2セグメント2115から伸長することができる。伸長リミッタ2105は、伸縮式構造体140がマスト515から離れるように伸長する際、セグメント2115内からのセグメント2110の伸長を制限することができる。いくつかの実施形態では、複数のセグメント145のセグメントのうちの1つ又は複数は、伸長リミッタ2105を含むことができる。伸長リミッタ2105は、第2セグメントに対する第1セグメントの過度の伸長すなわち過伸長を防止することができる。第1セグメント2110は、第2セグメント2115の外側カフローラ1910が第1セグメント2110の伸長リミッタ2105と接触するまで、第2セグメント2115内から伸長することができる。このように、伸縮式構造体140の過伸長をなくすことができる。
【0066】
伸長リミッタ2105は、1つ又は複数のセグメント145の外面に形成された細い帯状の材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、伸長リミッタ2105は、成形プラスチック、金属テープ、シートメタル、又は突起等のセグメント自体の一部から形成することができる。伸長リミッタ2105は、1つのセグメントの別のセグメントからの最大伸長、したがって伸縮式構造体140の最大伸長を確保するように、セグメント上の場所に取り付けるか又は位置付けることができる。伸長リミッタ2105をセグメント又は伸縮式構造体140の先端部155からさらに遠くに(例えば、セグメントの基端部160に又は伸縮式構造体に近接して)位置付けることにより、セグメント145の垂下がりを低減させてアーム伸長を実施することができる。
【0067】
図22は、本明細書に記載するような作動システム100の伸縮式構造体140を作動させるように構成されたコンピューティングアーキテクチャ2200の例示的な実施形態を示す図である。図22に示すように、作動システム100は、移動型ロボット510内に構成することができる。いくつかの実施形態では、作動システム100は、移動型ロボット内に構成されなくてもよく、作動システム100を収容するか又は作動システム100に結合するのに好適な代替構造体内に構成することができる。
【0068】
作動システム100は、データプロセッサ2210、メモリ2215及び通信インタフェース2220を含む、第1コンピューティングデバイス2205を含むことができる。メモリ2215は、非一時的コンピュータ可読、実行可能命令を格納することができ、そうした命令は、データプロセッサ2210によって実行されると、データプロセッサに、作動システム100及び/又は移動型ロボット510の作動を実行させることができる。データプロセッサ2210は、1つ又は複数のコントローラで構成することができる。コントローラは、作動システム100の1つ又は複数の動作態様を制御するように構成することができる。例えば、データプロセッサ2210は、電流コントローラ2225、力コントローラ2230及び位置コントローラ2235を含むように構成することができる。
【0069】
電流コントローラ2225は、力コントローラ2230から受信される入力信号に応じて作動信号を生成するように構成することができる。作動信号は、アクチュエータ120に提供することができる。力コントローラ2230は、測定相互作用力(Fi)、最大相互作用力(Fm)及び所望/目的出力(Fo)に関連する入力を受け取ることができる。位置コントローラ2235は、伸縮式構造体140の位置/場所に関連する測定及び所望/目的位置/場所データの入力に基づき、所望又は目的出力(Fo)を出力するように構成することができる。
【0070】
作動信号は、データプロセッサ2210によりセンサ2290から受信されたセンサデータに応答して、生成することができる。いくつかの実施形態では、センサ2290は、伸縮式構造体140に結合された力センサを含むことができる。センサデータは、測定位置/場所データ及び測定相互作用力(Fi)を含むことができる。いくつかの実施形態では、センサデータは、センサ1616から受信することができる。いくつかの実施形態では、センサデータは、伸縮式構造体140、移動型ロボットベース505、移動型ロボット510及び/又はアクチュエータ120に結合された追加のセンサ等、追加のセンサから受信することができる。例えば、センサデータは、アクチュエータ120に関して構成されたエンコーダ2240及び巻線電流センサ2245から受信されたデータを含むことができる。エンコーダ2240は、駆動機構115に結合されたシャフト等、アクチュエータ120の回転シャフトの角度位置又は運動に基づき、センサデータを生成することができる。巻線電流センサ2245は、アクチュエータ120の巻線電流に基づき、センサデータを生成することができる。
【0071】
アクチュエータ120には、移動型ロボット510のベース505内に構成された電源525によって電力を供給することができる。データプロセッサ2210は、アクチュエータ120に通信可能に結合されて、電流コントローラ2225によって生成される作動信号を提供することができる。アクチュエータ120は、作動信号に応答して作動して、駆動機構115に所望の方向に且つ所望の速度で回転させることができる。伸縮式構造体140は、駆動機構115及び駆動チェーン110を介してアクチュエータ120に機械的に結合することができる。アクチュエータ120が駆動機構115を作動させることに応じて、作動システム100は、リフトキャリッジ520、伸縮式構造体140及び/又はマニピュレーションペイロード1605を作動させることができる。
【0072】
第1コンピューティングデバイス2205は、データ/通信ネットワーク2250を介して第2コンピューティングデバイス2245に結合することができる。第2コンピューティングデバイス2255は、データプロセッサ2260と、非一時的コンピュータ可読、実行可能命令を格納するメモリ2265と、通信インタフェース2270と、入力デバイス2275と、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)2285を提供するように構成されたディスプレイ2280とを含むことができる。
【0073】
第2コンピューティングデバイス2255は、入力デバイス2270及び/又はGUI2285を介してユーザ入力を受け取るように構成することができる。ユーザ入力を処理して、通信インタフェース2270を介して第1コンピューティングデバイスの通信インタフェース2220に送信することができる。受信されると、作動システム100は、ユーザ入力に応答して作動信号を生成して、作動システム100及び/又は移動型ロボット510を作動させるように構成することができる。いくつかの実施形態では、入力デバイスは、ジョイスティック、マイクロフォン、スタイラス、キーボード、マウス又はタッチスクリーンを含むことができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ2280は、タッチスクリーンディスプレイを含むことができ、GUI2285は、センサデータを表示し、GUI2285を介してセンサデータに関連するユーザ入力を受け取ることができる。ユーザ入力は、作動信号を生成して作動システム100に目的の作業を作動及び/又は実施させるように提供することができる。
【0074】
移動型ロボット510及び/又は作動システム100は、移動型ロボット510及び/又は作動システム100と環境との間の、不注意の可能性がある接触を検知してそれに応答することが有利である。モータ電流を測定することは、移動型ロボット510及び/又は作動システム100にかけられる相互作用力を決定するための代理として有利に使用することができる。作動システム100の駆動機構115及び駆動チェーン110を介するアクチュエータ120及び伸縮式構造体140の機械的結合等の効率的なギアトレインにより、従来の作動システムの非効率的なギアトレインよりも高い感度で、相互作用力がアクチュエータ電流の変化をもたらすのを可能にすることができる。従来の作動システムは、ブラシ付き又はロータレスアクチュエータを含む可能性があり、それらは、動作が高速であるため、より高いギア比を必要とする。本明細書に記載する作動システム100等、ギア比の低い作動システムは、10:1未満のギア比が好適である接触に高感度の用途に使用される場合、より良好に機能することができる。
【0075】
作動システム100のアクチュエータ120は、移動型ロボット510のベース505の車輪、アクチュエータ705を介するリフトキャリッジ520、及びアクチュエータ120を介する伸縮式構造体140に対して、より低いギア比及び閉ループ電流フィードバック制御で構成されたステッピングモータを含むことができる。ステッピングモータは、低速で高いトルクを発生させるように構成することができ、より低いギア比の伝達装置又はギアトレインの使用を可能にすることができる。作動システム100は、アクチュエータ120のロータ位置に関連するフィードバックに基づいて、アクチュエータ120のコイル電流を制御することができる。ロータ位置は、アクチュエータ120に取り付けられたホール効果センサ及び磁石を介して測定することができる。閉ループ電流フィードバック制御により、瞬時のアクチュエータ電流を決定することができる。いくつかの実施形態では、閉ループ電流フィードバック制御は、比例-積分-微分(PID)制御ループ機構を使用するアクチュエータ120の位置及び/又は速度制御ループによって実施することができる。
【0076】
作動システム100において、非一時的、コンピュータ可読、実行可能命令で実施され、メモリ2215に格納される、アルゴリズムを使用することができる。アルゴリズムは、電流信号にローパスフィルタを適用することができ、アクチュエータ120の電流が、メモリ2215に格納された閾値を超えるか否かを判断することができる。アクチュエータ120の電流は、閾値から正の値又は負の値で変化する可能性がある。従来の作動システムは、より複雑な電流フィードバック制御アルゴリズムを含む可能性があるが、作動システム100にかけられる相互作用力が閾値を超えたというより信頼性の高い信号である、閉ループ電流フィードバック制御アルゴリズムからの2値信号を生成することが有利である可能性がある。2値信号は、停止、安全モードへの移行、又は方向転換等、新たなコントローラの挙動をトリガすることができる。このように相互作用力に基づいて新たな挙動をトリガすることができることにより、作動システム100及び/又は移動型ロボット510は、構造化されていない環境において且つ/又は人間の近くで作業する場合に、知的挙動を示すことができる。
【0077】
図23は、本明細書に記載するような作動システム100の作動信号生成の例示的な実施形態2300を示すデータフロー図である。図23に示すように、伸縮式構造体140を通してアクチュエータ120に、測定相互作用力(Fi)を送信することができる。位置コントローラ2235は、エンコーダ2240から伸縮式構造体140の測定長さ(X)を受信することができる。測定長さ(X)は、相互作用力(Fi)が伸縮式構造体140にかけられた時点で、エンコーダ2240から受信することができ、伸縮式構造体140の所望又は目的長さ(Xd)はメモリ2215に格納することができる。位置コントローラ2235は、入力として力コントローラ2230に提供すべき、所望の巻線電流値に関連する所望の出力(Fo)を生成することができる。力コントローラ2230は、さらに、力センサ2290から測定相互作用力(Fi)を受信し、メモリ2215に格納された最大相互作用力(Fm)を受け取ることができる。力コントローラ2230は、現巻線電流値、測定長さ(X)及びそれらの導関数を処理して、電流コントローラ2225への入力を提供することができる。そして、電流コントローラ2225は、測定相互作用力(Fi)に関して作動信号を決定することができ、アクチュエータ120及び/又は705に作動信号を送信することができる。
【0078】
図24は、本明細書に記載するような作動システム100の伸縮式構造体140を作動させる方法2400の例示的な実施形態を示すプロセスフロー図である。動作2410において、データプロセッサ2205等のデータプロセッサにより、第1信号入力を受け取ることができる。第1信号入力は、伸縮式構造体140の複数のセグメント145のうちの少なくとも1つのセグメントにかけられた相互作用力(Fi)に対応することができる。例えば、相互作用力(Fi)は、伸縮式構造体140に結合された力センサ2290が受けることができる。第1入力は、少なくとも1つのセグメントに相互作用力(Fi)がかけられた時点で作動システム100の第1アクチュエータ120に供給される第1電流値を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1電流値は、第1アクチュエータ120の巻線電流センサ2245によって受信することができる。
【0079】
動作2420において、データプロセッサ2205は、少なくとも1つのセグメントの最大相互作用力(Fm)に関連する第2入力信号を受け取ることができる。第2電流入力は、第2電流値を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2入力は、メモリ2215を介する等、プログラム的に、又は第2コンピューティングデバイス2225を介する等、ユーザが提供する入力を介して、受け取ることができる。
【0080】
動作2430において、データプロセッサ2205は、少なくとも1つのセグメントによってかけるべき作動力(Fo)に関連する第3入力信号を受け取ることができる。第3入力は、第3電流値を含むことができる。
【0081】
動作2440において、データプロセッサ2205は、第4電流値を含む作動信号を決定することができる。第4電流値は、第2電流値未満であるとともに、第3電流値以下であるように決定することができる。第4電流値により、第1アクチュエータ120は、作動力(Fo)をかけるように少なくとも1つのセグメントを作動させることができる。いくつかの実施形態では、第4電流値は、正の電流値であり得る。いくつかの実施形態では、第4電流値は、負の電流値であり得る。
【0082】
動作2450において、データプロセッサ2205は、第1アクチュエータに作動信号を提供することができる。いくつかの実施形態では、本方法は、作動信号に基づいて第1アクチュエータを動作させることをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、作動信号により、第1アクチュエータ120に結合された駆動機構115は、第1方向に回転して少なくとも1つのセグメントを伸長させるか、又は第1方向とは反対の第2方向に回転して少なくとも1つのセグメントを後退させることができる。
【0083】
図25は、本明細書に記載するような作動システム100の伸縮式構造体140を作動させる作動信号を決定する方法2500の例示的な実施形態を示すプロセスフロー図である。動作2510において、データプロセッサ2205は、少なくとも1つのセグメントに相互作用力(Fi)がかけられた時点で、伸縮式構造体140の第1長さ(X)に対応する第4入力を受け取ることができる。
【0084】
動作2520において、データプロセッサ2205は、伸縮式構造体140の目的又は所望長さに関連する伸縮式構造体140の第2長さ(Xd)に対応する第5入力を受け取ることができる。いくつかの実施形態では、第5入力は、メモリ2215を介する等、プログラム的に、又は第2コンピューティングデバイス2225を介する等、ユーザが提供する入力を介して、受け取ることができる。いくつかの実施形態では、第1長さ(X)及び/又は第2長さ(Xd)は、第1アクチュエータ120に結合されたエンコーダ2240を介して決定することができる。いくつかの実施形態では、作動信号により、第1アクチュエータ120は、第2長さ(Xd)を達成するように伸縮式構造体140を作動させることができる。
【0085】
動作2530において、データプロセッサ2205は、第4入力及び第5入力に基づいて、更新された第3電流値を決定することができる。更新された第3電流値により、アクチュエータ120は、第2長さ(Xd)を達成するように伸縮式構造体140を作動させることができる。
【0086】
本明細書に記載したシステム及び方法の例示的な技術的効果としては、非限定的な例として、改善された作動システムが、作動システムにかけられる相互作用力に応答して3つのデカルト平面及び回転方向において接触感度を増大させる、ということが挙げられる。本明細書に記載したシステム及び方法は、相互作用力に対する信頼性が高く且つ効率的な作動応答を提供するように、ギア比の低いアクチュエータの閉ループ電流制御をさらに提供する。
【0087】
本明細書に開示するシステム、デバイス及び方法の構造、機能、製造及び使用の原理が全体的に理解されるように、いくつかの例示的な実施形態について記載した。添付の図面に、これらの実施形態のうちの1つ又は複数の例を示している。当業者であれば、本明細書に具体的に記載した且つ添付図面に図示するシステム、デバイス及び方法は、非限定的な例示的実施形態であり、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ定義されることが理解されよう。1つの例示的な実施形態に関連して図示又は記載した特徴を、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。こうした変更形態又は変形形態は、本発明の範囲内に含まれるように意図されている。さらに、本開示では、実施形態の同様の名称の構成要素は、概して同様の特徴を有し、したがって、特定の実施形態内では、各同様の名称の構成要素の各特徴を必ずしも完全に詳述していない。
【0088】
本明細書に記載した主題は、本明細書に開示した構造的手段及びその構造的均等物を含むアナログ電子回路、デジタル電子回路において、且つ/又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア若しくはハードウェアにおいて、又はそれらの組合せにおいて実装することができる。本明細書に記載した主題は、データ処理装置(例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ又は複数のコンピュータ)によって実行されるように、又はそうしたデータ処理装置の動作を制御するために、情報担体において(例えば、機械可読記憶デバイスにおいて)有形に具現化され、又は伝播信号に具現化された、1つ又は複数のコンピュータプログラム等、1つ又は複数のコンピュータプログラム製品として実装することができる。(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション又はコードとしても知られる)コンピュータプログラムは、コンパイル型又はインタプリタ型言語を含む任意の形式のプログラミング言語で記述することができ、それは、独立型プログラムとして、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境で使用されるのに他の好適な単位を含む任意の形式で展開することができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルに対応するとは限らない。プログラムは、他のプログラム又はデータを保持するファイルの一部、当該プログラムに専用の単一ファイル、又は複数の連携ファイル(例えば、1つ若しくは複数のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部を格納するファイル)に格納することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つの場所にあるか、若しくは複数の場所に分散され通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で、実行されるように展開することができる。
【0089】
本明細書に記載した主題の方法ステップを含む、本明細書に記載したプロセス及び論理フローは、1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行して、入力データに対して動作して出力を生成することにより本明細書に記載した主題の機能を実施する1つ又は複数のプログラム可能プロセッサによって、実行することができる。プロセス及び論理フローは、専用論理回路、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)によって実行することもでき、本明細書に記載した主題の装置は、そうした専用論理回路として実装することができる。
【0090】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサとしては、例として、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方と、任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ又は複数のプロセッサとが挙げられる。概して、プロセッサは、リードオンリメモリ若しくはランダムアクセスメモリ又は両方から命令及びデータを受け取る。コンピュータの必須の要素は、命令を実行するプロセッサと、命令及びデータを格納する1つ又は複数のメモリデバイスとである。一般に、コンピュータはまた、データを格納する1つ又は複数の大容量記憶デバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク又は光ディスクを含むか、又はそうした大容量記憶デバイスからデータを受け取るか若しくは大容量記憶デバイスにデータを転送するように動作可能に結合されるか、又はその両方である。コンピュータプログラム命令及びデータを具現化するのに好適な情報担体としては、例として半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM及びフラッシュメモリデバイス)を含むすべての形式の不揮発性メモリ、磁気ディスク(例えば、内蔵ハードディスク又はリムーバブルディスク)、光磁気ディスク、及び光ディスク(例えば、CD及びDVDディスク)が挙げられる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補足するか、又は専用論理回路に組み込むことができる。
【0091】
ユーザとのインタラクションを提供するために、本明細書に記載する主題は、ユーザに情報を表示する表示デバイス、例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタと、ユーザがコンピュータに入力を提供することができるキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)とを有するコンピュータ上で実装することができる。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとのインタラクションを同様に提供することができる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の知覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック又は触覚フィードバック)とすることができ、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力又は触覚入力を含む任意の形態で受け取ることができる。
【0092】
本明細書に記載した技法は、1つ又は複数のモジュールを使用して実装することができる。本明細書で用いる場合の「モジュール」という用語は、コンピューティングソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア及び/又はそれらのさまざまな組合せを指す。しかしながら、最低限、モジュールは、ハードウェア若しくはファームウェア上に実装されていない、又は非一時的プロセッサ可読記録可能記憶媒体に記録されたソフトウェアとして、解釈されるべきではない(すなわち、モジュールは本質的にソフトウェアではない)。実際には、「モジュール」は、プロセッサ又はコンピュータの一部等、少なくとも幾分かの物理的、非一時的ハードウェアを常に含むように解釈されるべきである。2つの異なるモジュールは、同じ物理的ハードウェアを共有することができる(例えば、2つの異なるモジュールは、同じプロセッサ及びネットワークインタフェースを使用することができる)。本明細書に記載したモジュールは、さまざまな用途をサポートするように、組み合わせ、統合し、分離し、且つ/又は複製することができる。また、特定のモジュールにおいて実行されるものとして本明細書に記載した機能は、その特定のモジュールにおいて実行される機能の代わりに又はそれに加えて、1つ又は複数の他のモジュールにおいて、且つ/又は1つ又は複数の他のデバイスによって実行することができる。さらに、モジュールは、複数のデバイス、及び/又は互いにローカル若しくはリモートである他のコンポーネントにわたって、実装することができる。さらに、モジュールは、1つのデバイスから移動させ、別のデバイスに追加することができ、且つ/又は、両方のデバイスに含めることができる。
【0093】
本明細書に記載した主題は、バックエンドコンポーネント(例えば、データサーバ)、ミドルウェアコンポーネント(例えばアプリケーションサーバ)又はフロントエンドコンポーネント(例えば、ユーザが本明細書に記載した主題の実施態様とインタラクトすることができる、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)、又はこうしたバックエンド、ミドルウェア及びフロントエンドコンポーネントの任意の組合せを含む、コンピューティングシステムで実装することができる。システムのコンポーネントは、任意の形式又は媒体のデジタルデータ通信、例えば通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)及び広域ネットワーク(「WAN」)、例えばインターネットが挙げられる。
【0094】
本明細書及び特許請求の範囲を通してここで用いる場合の近似の文言は、それが関連する基本的な機能の変化をもたらすことなく許容可能に変化する可能性がある任意の定量的表現を変更するために適用する場合がある。したがって、「約」、「およそ」及び「実質的に」等の1つ又は複数の用語によって修飾される値は、指定された厳密な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの事例では、近似の文言は、値を測定する機器の精度に対応する可能性がある。ここでおよび本明細書及び特許請求の範囲を通して、範囲限界を組み合わせ且つ/又は置き換えることができ、こうした範囲は、文脈又は文言によって別段指定されない限り、特定され、そうした範囲に含まれるすべての部分範囲を含む。
【0095】
当業者であれば、上述した実施形態に基づいて本発明のさらなる特徴及び利点を理解するであろう。したがって、本明細書は、添付の特許請求の範囲によって示されるものを除き、特に図示され記載されたものによって限定されるべきではない。本明細書に列挙したすべての刊行物及び参照文献は、それらの全体が参照により明示的に本明細書に援用される。
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【国際調査報告】