(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-02
(54)【発明の名称】洗浄機用固形洗剤ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
A47L 15/44 20060101AFI20230126BHJP
【FI】
A47L15/44
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022534403
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2022-06-07
(86)【国際出願番号】 US2020066687
(87)【国際公開番号】W WO2021133834
(87)【国際公開日】2021-07-01
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510250467
【氏名又は名称】エコラボ ユーエスエー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100191444
【氏名又は名称】明石 尚久
(72)【発明者】
【氏名】ラーフル バラス ジェイラム
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル デイビス アンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス デイビッド ラベンチャー
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ジェイムズ ランドバーグ
(72)【発明者】
【氏名】マービン ハリス ヨーク
(72)【発明者】
【氏名】マイケル パトリック クレマー
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082CC01
3B082CC05
(57)【要約】
【課題】食器洗浄機に固形洗剤からの洗剤溶液を分配するためのシステム、及び食器洗浄機において洗剤分配システムを動作させるための方法の提供。
【解決手段】固形洗剤からの洗剤溶液を食器洗浄機に分配するためのシステムは、食器洗浄機に噴霧された水を収集し、収集された水を使用して、固形洗剤の一部を溶解することによって洗剤溶液を生成することができるディスペンサ(210、410、810)を含み、生成された洗剤溶液の量を制御し、洗浄サイクルの間に生成された洗剤溶液を放出する。ディスペンサは、電動式でなくてもこれらの機能を自動的に実施することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアを有し、洗浄およびすすぎ期間を各々含む洗浄サイクルを実施することができる食器洗浄機に、固形洗剤からの洗剤溶液を分配するためのシステムであって、前記システムは、
前記固形洗剤および前記洗剤溶液を収容するように構成された洗剤室と、
前記洗剤室と流体連通している液体入口であって、前記洗浄およびすすぎ期間中に前記食器洗浄機に噴霧された水を収集するように、かつ、前記収集された水を前記洗剤室に流入させて、前記固形洗剤の一部を溶解することによって前記洗剤溶液を形成することを可能にするように構成された、液体入口と、
前記洗剤室と流体連通しており、前記洗剤室から前記洗剤溶液の放出を可能にするように構成された液体出口と、
前記洗剤室内の前記洗剤溶液の液位を制限する液高を設定するように構成された液位制御機構と、を備える、システム。
【請求項2】
前記食器洗浄機に後付けできるように構成されたディスペンサを備え、前記ディスペンサが、前記洗剤室、前記液体入口、前記液体出口、および前記液位制御機構を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記液体出口が、前記洗浄サイクルのうちの2つの連続するサイクルの間に前記洗剤室から前記洗剤溶液を自動的に放出するように構成されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記液体出口が、前記食器洗浄機の前記ドアによって作動される弁を備え、前記弁は、前記食器洗浄機の前記ドアの開放に応答して、前記洗剤室から前記洗剤溶液を放出し始めるように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ディスペンサを前記食器洗浄機の内部に取り付けることができるように構成された取り付け機構をさらに備える、請求項2~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記取り付け機構が、前記食器洗浄機の内面に取り付けられるように構成された取り付け板を備え、前記ディスペンサは、前記取り付け板に取り外し可能に装着されるように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記液体入口が、前記洗剤室と流体連通している一つ又は複数の水路を備え、前記一つ又は複数の水路が、前記水を受容するように、かつ、前記受容された水を、前記洗浄およびすすぎ期間中に前記洗剤室に案内するように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記液位制御機構が、
前記洗剤室上にある液位制御開口部、および
前記液位制御開口部の一部を覆うゲートであって、前記液位制御開口部を部分的に遮断することによって、前記洗剤室内の前記液高を設定するように調整可能に位置決めされる、ゲートを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記液体入口が、
前記洗浄およびすすぎ期間中に水を収集するように構成された上部開口部を有する漏斗、および
前記漏斗と前記洗剤室との間に連結されて、前記収集された水が前記漏斗から前記洗剤室に流れることを可能にするように構成された導管を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記液位制御機構が、前記液高を設定するように位置決めされた前記漏斗を備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
洗浄およびすすぎ期間を各々含む洗浄サイクルを実施することができる食器洗浄機において洗剤分配システムを動作させるための方法であって、前記方法は、
前記洗剤分配システムの洗剤室に固形洗剤を保持することと、
前記洗浄およびすすぎ期間中に前記食器洗浄機に噴霧された水の一部を収集し、前記収集された水を使用して、前記固形洗剤の一部を溶解することによって前記洗剤室内に洗剤溶液を形成することと、
前記洗剤室から前記洗剤溶液を自動的に放出することと、
機械的手段を使用して液高を設定することであって、前記液高が、前記洗剤室内の前記洗剤溶液の液位を制限する、設定することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記固形洗剤を保持することが、前記固形洗剤の一つ又は複数のブロックを保持することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記食器洗浄機に後付けできるように構成されたディスペンサを使用して、前記保持すること、前記収集すること、前記自動的に放出すること、および前記設定することを実施することをさらに含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記食器洗浄機の内壁に隣接して前記ディスペンサを位置決めすることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記洗剤室から前記洗剤溶液を自動的に放出することが、前記食器洗浄機のドアの開放に応答して、前記洗剤室から前記洗剤溶液を自動的に放出することを含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記食器洗浄機の前記ドアによって作動される弁を通して、前記洗剤室から前記洗剤溶液を放出することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記洗浄およびすすぎ期間中に前記食器洗浄機に噴霧された前記水の一部を収集することと、前記収集された水を、前記洗剤室に連結された一つ又は複数の水路を使用して前記洗剤室に流入させることを可能にすることと、を含む、請求項11~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記洗剤室上にある液位制御開口部および前記液位制御開口部の一部を覆うゲートを使用して、前記液高を設定することを含み、前記ゲートが、前記液位制御開口部を部分的に遮断することによって、前記液高を設定するように調整可能に位置決めされる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記洗浄およびすすぎ期間中に前記食器洗浄機に噴霧された前記水の一部を収集することと、前記収集された水を、前記洗剤室と流体連通している漏斗を使用して前記洗剤室に流入させることを可能にすることと、を含む、請求項11~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記漏斗の位置または向きのうちの少なくとも1つを使用して前記液高を設定することを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2019年12月23日に出願された「SOLID DETERGENT DISPENSER FOR A WASHING MACHINE」と題された米国仮特許出願第62/952,844号の利益を主張するものであり、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、概して、洗剤の分配に関し、より詳細には、食器洗浄機などの洗浄機内に固形洗剤を分配するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
食器洗浄機は、物品洗浄機または物品洗浄機械とも呼ばれ、食器、トレー、実験用具、食器類、および台所用品などの物品を自動的に洗浄するための機械である。洗浄される物体(例えば、食器)の束は、典型的にはラックおよび調理器具ホルダを含む食器洗浄機の槽に投入されて、洗浄およびすすぎ期間を含む洗浄サイクルで洗浄することができる。洗浄期間中、水と食器洗浄機用洗剤によって形成された洗浄混合物が、食器に吹き付けるために、投入された槽に噴霧される。次に、洗浄混合物は、すすぎ期間が始まる前に排出される。すすぎ期間中、水が洗浄室に噴霧されて洗浄混合物の残留物を除去する。すすぎ水が排出されてすすぎ期間が完了した後、任意選択で、乾燥期間中に空気および/または熱を使用して食器を乾燥させることができる。食器洗浄機は、洗浄サイクルごとにユーザが選択できる様々な設定を有し得る。設定では、例えば、時間、温度、ならびに洗浄、すすぎ、および乾燥期間の各々についての繰り返しを定義することができる。また、この設定により、ユーザは、どの期間を含めるかを選択することもできる(例えば、すすぎのみ、乾燥のみ、すすぎと乾燥、または洗浄とすすぎで乾燥は無し)。
【0004】
一般的な家庭用食器洗浄機は、調理台の下に設置することを目的としたアンダーカウンタ型のユニットである。他のタイプの食器洗浄機としては、レストラン、ホテル、および飲食物の提供サービスを備えた他の商業施設で使用するための工業用または商業用食器洗浄機が挙げられる。これらの食器洗浄機で使用される食器洗浄機用洗剤には、水の表面張力(したがって食器の水滴)を洗浄、消毒、および/または低減できる化学物質を含めることができる。このような食器洗浄機用洗剤は、様々な固形および液体の形態に作られている。食器洗浄機用固形洗剤には、様々な形状の錠剤など、固形ブロックの形態に作られた化学物質が含まれる。
【発明の概要】
【0005】
固形洗剤からの洗剤溶液を食器洗浄機に分配するためのシステムは、食器洗浄機に噴霧された水を収集し、収集された水を使用して、固形洗剤の一部を溶解することによって洗剤溶液を生成することができるディスペンサを含み、生成された洗剤溶液の量を制御し、生成された洗剤溶液を食器洗浄機に放出する。ディスペンサは、電動式でなくてもこれらの機能を自動的に実施することができる。
【0006】
一例では、固形洗剤からの洗剤溶液を食器洗浄機に分配するためのシステムは、洗剤室と、液体入口と、液体出口と、液位制御機構と、を含み得る。洗剤室は、固形洗剤および洗剤溶液を収容するように構成され得る。液体入口は、洗剤室と流体連通しており、洗浄およびすすぎ期間中に食器洗浄機に噴霧された水を収集するように、かつ、収集された水を洗剤室に流入させて、固形洗剤の一部を溶解することによって洗剤溶液を形成することを可能にするように構成され得る。液体出口は、洗剤室と流体連通しており、洗剤室から洗剤溶液を自動的に放出するように構成され得る。液位制御機構は、洗剤室内の洗剤溶液の液位を制限する液高を設定するように構成され得る。様々な例では、液体出口は、食器洗浄機の2つの連続する洗浄サイクルの間に洗剤室から洗剤溶液を自動的に放出するように構成され得る。様々な例では、液位制御機構は、液高を調整可能に設定するように構成され得る。
【0007】
別の例では、食器洗浄機において洗剤分配システムを動作させるための方法が提供される。本方法は、洗剤分配システムの洗剤室内に固形洗剤を保持することと、洗浄およびすすぎ期間中に食器洗浄機に噴霧された水の一部を収集することと、収集された水を使用して、固形洗剤の一部を溶解することによって洗剤室内に洗剤溶液を形成することと、洗剤室から洗剤溶液を自動的に放出することと、機械的手段を使用して液高を設定することと、を含み得る。液高により、洗剤室内の洗剤溶液の液位が制限される。様々な例では、洗剤溶液は、食器洗浄機の2つの連続する洗浄サイクルの間に洗剤室から自動的に放出され得る。様々な例では、液高は、機械的手段を使用して調整可能であり得る。
【0008】
本概要は、本出願の教示のうちのいくつかの大要であり、本主題の排他的または網羅的な取り扱いを意図するものではない。本主題に関するさらなる詳細は、詳細な説明および添付の特許請求の範囲に見出される。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的等価物によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面は、概して、本文献で考察されている様々な実施形態を例として示す。図面は、例示のみを目的としており、原寸に比例していない場合がある。
【0010】
【
図1】食器洗浄機で使用するための洗剤分配システムの実施形態を示すブロック図である。
【0011】
【
図2】食器洗浄機に後付けでき、固形洗剤の一つ又は複数のブロックを含む洗剤分配システムの実施形態を示すブロック図である。
【0012】
【
図3】食器洗浄機内に固形洗剤を分配するための方法の実施形態を示すフローチャートである。
【0013】
【
図4】
図1または
図2の洗剤分配システムにおいてディスペンサとして実装され得るような、ディスペンサの実施形態の図である。
【0014】
【
図5】
図4のディスペンサのための取り付け板の実施形態の図である。
【0015】
【
図6】
図4のディスペンサを食器洗浄機に取り付ける実施形態の図である。
【0016】
【
図7】食器洗浄機に取り付けられている、
図4のディスペンサの実施形態の図である。
【0017】
【
図8】固形洗剤からの洗剤溶液の形成を示す、
図1または
図2の洗剤分配システムとして実装され得るような、洗剤分配システムの別の実施形態の図である。
【0018】
【
図9】洗剤溶液の放出を示す、
図8の洗剤分配システムの実施形態の図である。
【0019】
【
図10】固形洗剤のブロックの投入を示す、
図8の洗剤分配システムの実施形態の図である。
【0020】
【
図11】固形洗剤のブロックを投入した後に動作する準備ができているシステムを示す、
図8の洗剤分配システムの実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本主題の以下の詳細な説明は、本主題が実践され得る特定の態様および実施形態を例示として示す添付の図面の主題に言及している。これらの実施形態は、当業者が本主題を実践できるように十分詳細に説明されている。本開示における「ある」、「一」、または「様々な」実施形態への言及は、必ずしも同じ実施形態への言及ではなく、そのような言及は、複数の実施形態を企図している。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって、そのような特許請求の範囲が権利を有する法的等価物の全範囲とともに定義される。
【0022】
本出願では、特に、内部に取り付けられ、固形洗剤の各投入を複数の洗浄サイクルに対して持続させることができる食器洗浄機内に固形洗剤を分配するためのシステムについて考察する。固形洗剤ディスペンサの既存の例と比較して、本主題は、製造がより容易であり(例えば、電子機器または水噴霧器を必要としない)、使用がより容易であり(例えば、複数の洗浄サイクルの間に洗剤が投入される、実質的に自動の洗剤分配)、同時に、各洗浄サイクルに実質的に一定の量および濃度の洗剤溶液を提供する、固形洗剤ブロック用ディスペンサを提供する。様々な実施形態では、ディスペンサは、多くの食器洗浄機に対して、空間的および機能的に後付けできるようにすることができ、これらの食器洗浄機としては、内蔵型洗剤ディスペンサによって提供される既存のオプションに加えて、オプションとして固形洗剤ブロックの使用を可能にするための家庭用アンダーカウンタ型の食器洗浄機が挙げられる。様々な実施形態では、本主題によるディスペンサは、一つ又は複数の固形洗剤ブロックを保持し、洗浄サイクルの洗浄およびすすぎ期間中に水を受容して、実質的に均一な浸食で固形洗剤ブロック液位の一部を溶解し、次の洗浄サイクルの前に、得られた洗剤溶液を食器洗浄機の槽に放出することができ、得られた洗剤溶液の量は、洗剤ホルダで許容されているによって制御可能である。
【0023】
他の利点の中で、本解決策により、すべての洗浄サイクルの前に食器洗浄機用洗剤を追加する必要がなくなる。また、このシステムによって分配される洗剤の濃度および量の一貫性を高める。固形洗剤ブロックは、液体洗剤のより安全な代替品である。洗剤の固形ブロック形態は、液体形態よりも濃縮されており、こぼれるリスクがなく、個人用保護具を必要とせずに済む。また、固形洗剤ブロックは、梱包と含水量の削減、ならびに顧客の場所における保管面積がより小さいという持続可能性の利点も提供する。
【0024】
本出願では、「食器洗浄機」は、物品洗浄機または物品洗浄機械とも呼ばれ、洗浄および/または消毒の目的で洗剤を使用できるあらゆるタイプの洗浄機を含む。一例として、食器類、平皿類、ポットおよびフライパン、カトラリ、平皿類、グラス、台所用品、鍋、トレーなどを洗浄するためのアンダーカウンタ型の食器洗浄機が挙げられる。市販の食器洗浄器具の例も本主題を使用することができる。食器洗浄機には、食器洗浄機の内壁とドアとで形成された洗浄槽が含まれる。アンダーカウンタ型の台所用食器洗浄機の例では、ドアが水平軸を中心に最大約90度回転し、完全に閉鎖された状態と完全に開放された状態との間で切り替わる。ドアは、内側と外側とを有しており、これらの両方とも、ドアが完全に閉鎖されているときは実質的に垂直であり、ドアが完全に開放されているときは実質的に水平である。
【0025】
「洗浄サイクル」は、食器洗浄機の使用者が行う設定に応じて、洗浄期間、すすぎ期間、および乾燥期間のうちの一つ又は複数など、他の期間を含むことができる。ドアは、洗浄される食器および/または他の物体の投入、および洗浄された食器および/または他の物体の取り出しを可能にするために、2つの連続する洗浄サイクルの間に少なくとも1回開放される。「洗浄」は、例えば、固形洗剤ブロックが洗浄のみ、消毒のみ、または洗浄および消毒が可能であるかどうかに応じて、洗浄のみ、消毒のみ、または洗浄および消毒を含むことができる。「洗浄期間」には、水と洗剤とによって形成された洗浄混合物が、食器および/または他の物体に適用されることを目的とした期間または動作モードが含まれる。「すすぎ期間」には、水、または水ならびに化学的すすぎ助剤、および/または化学的消毒剤が、食器および/または他の物体に適用されることを目的とした期間または動作モードが含まれる。いくつかの食器洗浄機(例えば、市販の食器洗浄機)は、主に熱および/または化学的手段による消毒のためのすすぎ期間を含む場合がある。「乾燥期間」には、追加の水および/または洗剤を適用することなく、洗浄された食器および/または他の物体を空気流および/または熱によって乾燥させることを目的とした期間または動作モードが含まれる。食器洗浄機は、通常、ユーザが食器洗浄機のドアを開放して洗浄およびすすぎ済みの食器を自然に乾燥させるか、または洗浄およびすすぎ済みの食器を別の場所に移動して乾燥させることができるため、ユーザが洗浄サイクルに乾燥期間を含めるかどうかを選択することができる。
【0026】
食器洗浄機における用途は、本主題の例として考察されているが、限定されるものではない。固形洗剤を分配するための本システムは、洗浄サイクル中に固形洗剤の一部を溶解するために収集できる水を噴霧する任意の洗浄機に適用することができる。
【0027】
図1は、食器洗浄機で使用するための洗剤分配システム100の実施形態を示すブロック図である。食器洗浄機は、槽へのアクセスを提供するドアを有しており、水が槽に噴霧される洗浄およびすすぎ期間を各々含む洗浄サイクルを実施することができる。システム100は、固形洗剤からの洗剤溶液を食器洗浄機に分配するために、食器洗浄機の内部に設置することができる。システム100は、自らの機能を自動的に実施することができ、電動式ではない。
【0028】
システム100は、洗剤室102と、液体入口104と、液体出口106と、液位制御機構108と、を含む。洗剤室102は、固形洗剤および洗剤溶液を収容することができる。液体入口104は、洗剤室102と流体連通しており、洗浄およびすすぎ期間中に食器洗浄機に噴霧された水を収集し、収集された水を洗剤室102に流入させて、固形洗剤の一部を溶解することによって洗剤溶液を形成することを可能にすることができる。液体出口106は、洗剤室と流体連通しており、洗浄サイクルのうちの2つの連続するサイクルの間(すなわち、洗浄サイクルの完了後および次の洗浄サイクルの開始前の食器洗浄機が動作していないとき)に洗剤室102からの洗剤溶液を自動的に放出することができる。液位制御機構108は、洗剤室102内の洗剤溶液の液位を制限する液高を設定することができる。様々な実施形態では、液位制御機構108は、非電気的機構であり、システム100の一つ又は複数の機械的特徴および/または特性を使用して、液高を設定する。
【0029】
図2は、洗剤分配システム200の実施形態を示すブロック図である。システム200は、洗剤室102内に含まれる一つ又は複数の固形洗剤ブロック214を備えたディスペンサ210に実装されたシステム100と、ディスペンサ210を食器洗浄機に後付けできるようにする取り付け機構212と、を含む。
【0030】
固形洗剤ブロック214は各々、固形ブロックの形態の固形洗剤である。固形洗剤は、食器洗浄機で洗浄されている物体を洗浄および/または消毒するのに使用できる、固形ブロックの形態の水溶性化学物質である。一実施形態では、固形ブロックは、長方形の錠剤の形状を有する。必要に応じて、長方形の錠剤は、丸み付き縁部および/または角部を有するように作ることができる。他の実施形態では、固形ブロックは、円筒形錠剤および球形錠剤など、本主題に従って水への実質的に均一な溶解を可能にする任意の形状であってもよい。様々な実施形態では、固形洗剤には、洗浄剤(washing agent)(洗浄剤(cleaning agent)または洗剤とも呼ぶことができる)、洗浄剤およびすすぎ剤(すすぎ助剤とも呼ぶことができる)、または洗浄剤、すすぎ剤、消毒剤を含めることができる。様々な実施形態では、固形洗剤には、洗浄剤、すすぎ剤、および消毒剤のうちの任意の1つまたは任意の組み合わせを含めることができる。3つすべて(洗浄剤、すすぎ剤、消毒剤)を含む固形洗剤は、「スリーインワン」または「オールインワン」洗剤と呼ぶことができる。
【0031】
ディスペンサ210は、洗剤室102、液体入口104、液体出口106、および液位制御機構108を含む。システム100またはディスペンサ210は、その製造中に食器洗浄機に組み込むことができるが、取り付け機構212は、ディスペンサ210を既存の食器洗浄機に後付けできるようにすることができる。ディスペンサ210を既存の食器洗浄機に後付けすることにより、消費者に、新しい食器洗浄機を必要とせずに、新しいタイプの洗剤を使用するオプションを提供する。ディスペンサ210は、自らの機能を自動的に実施することができ、電動式ではない。
【0032】
洗剤室102は、固形洗剤ブロック214、および固形洗剤ブロック214から形成された洗剤溶液を収容することができる。様々な実施形態では、洗剤室102は、固体洗剤ブロック214を洗剤室102に受容するための洗剤開口部、および受容されたブロックを保持するために洗剤開口部を閉鎖するための蓋を含むことができる。
【0033】
液体入口104は、洗浄およびすすぎ期間(または水が食器洗浄機に噴霧されている任意の期間)中に食器洗浄機に噴霧された水を自然に収集し、収集された水を洗剤室102に流入させて、固体洗剤ブロック214の一部を溶解することによって洗剤溶液を形成することを自然に可能にするように位置決めおよび配向されている。「自然」であるということは、水を収集し、その流れを洗剤室102に導くために食器洗浄機を動作させるための追加の力またはエネルギーが必要でないことを意味する。一実施形態では、液体入口104はまた、洗剤室102に保持される液高を制限するように位置決めおよび配向されている。様々な実施形態では、液体入口104は、洗剤室102を、食器洗浄機に噴霧された水に部分的に曝露するための、洗剤室上にある一つ又は複数の開口部、水を収集し、収集された水を洗剤室に案内するための一つ又は複数の水路、および/または水を収集し、収集された水を洗剤室102に送るための導管を備えた漏斗を含むことができる。
【0034】
様々な実施形態では、液体出口106は、食器洗浄機の2つの連続する洗浄サイクルの間に形成され、洗剤室102に保持されている洗剤溶液を放出するために制御可能な弁を含むことができる。一実施形態では、弁は、食器洗浄機のドアによって作動させることができ、その結果、食器洗浄機のドアが開放されることに応答して洗剤溶液の放出が開始される。したがって、洗剤溶液は、各洗浄サイクルの完了後に放出され、次の洗浄サイクルに使用する準備ができたままになる。これにより、洗剤室102の内部に水が溜まることが回避されて、清浄度が維持され、ディスペンサ210の寿命が延びる。別の実施形態では、液体出口106は、食器洗浄機のドアが開放されているときに洗剤溶液が洗剤室102の一つ又は複数の開口部を通って洗剤室102から流出することを可能にするように位置決めおよび配向されている。他の様々な実施形態では、液体出口106は、洗剤室102内に形成および保持された洗剤溶液の放出を可能にし、放出の速度を制御するようにサイズ決めされた開口部を含むことができる。これらの他の様々な実施形態では、液体出口106は、弁を含んでも含まなくてもよく(例えば、開口部のサイズを制御するために)、洗剤溶液は、洗剤室102が空になるまで、液体106を通って連続的に放出される。
【0035】
液位制御機構108は、ディスペンサ210の一つ又は複数の機械的特徴および/または特性を使用して、洗剤室102内の洗剤溶液の液位を制限する液高を設定することができる。この液高は、洗剤室102内の洗剤溶液の量をほぼ決定するが、正確な量は、液高の下での固形洗剤ブロック214の侵食の程度に依存する。様々な実施形態では、液高は、事前に固定または調整可能とすることができる(例えば、食器洗浄機の使用者によって)。様々な実施形態では、液位制御機構108は、液体入口104および/または洗剤室102に実装することができる。例えば、液体入口104は、洗剤室102内の洗剤溶液の液位が液高に達した後に水の収集を停止するように位置決めおよび/または配向することができるか、または洗剤室102は、その液体容量を制限するように構成することができる。様々な実施形態では、液位制御機構108は、水が洗剤室102に流入するのを実質的に停止し、それにより、洗剤室内の洗剤溶液の液位が液高に達した後、洗剤溶液が洗剤室102から溢れるのを実質的に停止することができる。液位制御機構108は、水が洗剤室102に入る速度を制御して、洗剤溶液が水と完全に混合される乱流、および洗剤室102から溢れるリスクを回避するように設計されている。洗剤溶液の密度を高めることは、洗剤室102から変位して押し出された水が、洗剤をほとんどまたは全く含まない水であるように、洗剤溶液が溢れるのを軽減するのに役立つ。
【0036】
取り付け機構212により、ディスペンサ210を食器洗浄機の内部に取り付けることができる。様々な実施形態では、取り付け機構212は、食器洗浄機の投入容量に実質的に影響を与えることなく、食器洗浄機の動作を妨害することなく、ディスペンサ210を食器洗浄機内の場所に取り付けることを可能にする。様々な実施形態では、取り付け機構212により、ディスペンサ210を食器洗浄機の内面または別の構造物に装着することができる。いくつかの実施形態では、取り付け機構212により、ディスペンサ210を食器洗浄機の内面または他の構造物に取り外し可能に装着することができる。これにより、ディスペンサ210を食器洗浄機から取り外してディスペンサ210を洗浄することができ、また、食器洗浄機のディスペンサ210の後ろの領域を定期的または必要に応じて取り外して、食品の汚れおよび/または洗剤の蓄積を回避することができる。一実施形態では、取り付け機構212は、食器洗浄機に設置することができる取り付け構造物(例えば、取り付け板または棒)を含み、ディスペンサ210は、取り付け構造物に取り外し可能に装着することができる。取り付け構造物は、熟練技術者による設置を意図していてもよく、したがって、顧客は、ディスペンサ210を容易に装着したり、取り外したりできるはずである。
【0037】
図3は、洗浄サイクルを実施する食器洗浄機に固形洗剤を分配するための方法320の実施形態を示すフローチャートである。方法320は、
図4~
図11を参照して以下で考察されるような構成要素の様々な実施形態を含むシステム100またはシステム200を使用して実施することができる。
【0038】
321において、洗剤分配システムが食器洗浄機の内部に配設される。これには、ディスペンサを食器洗浄機の内壁または別の構造物に取り付けるなどによって、ディスペンサを食器洗浄機に後付けすることを含むことができる。
【0039】
322において、固形洗剤は、洗剤分配システムの洗剤室に保持される。固形洗剤は、一つ又は複数の固形ブロックを含むことができる。各固形ブロックは、長方形の錠剤の形態、または洗剤室に保持されたときに水に実質的に均一に溶解することを可能にする任意の他の形態(例えば、円筒形錠剤または球形錠剤)であってもよい。複数の固形ブロックを洗剤室内に保持することができる様々な実施形態では、保持された一つ又は複数の固形ブロックが完全に溶解する前に、一つ又は複数の追加の固形ブロックを投入することができる。
【0040】
323において、液高は、機械的手段(すなわち、非電気的手段)を使用して洗剤室に設定される。液高により、洗剤室内に保持できる洗剤溶液の量が制限される。機械的手段の例としては、洗剤室上にあるゲート、および水を収集し、水が洗剤室に流入することを可能にする液体入口の位置および/または向きが挙げられる。
【0041】
324において、各洗浄サイクル中に(例えば、洗浄およびすすぎ期間中に)噴霧された水が収集される。様々な実施形態では、洗浄およびすすぎ期間中に食器洗浄機に噴霧された水の一部は、洗剤室上にある一つ又は複数の開口部、洗剤室に連結された一つ又は複数の経路、および/または洗剤室に連結された一つ又は複数の漏斗を使用して収集される。
【0042】
325において、収集された水は、洗剤室内で洗剤溶液を形成するために使用される。収集された水は、洗剤室に流入し、洗剤室内に保持されている固形洗剤の一部を溶解し、その結果、洗剤溶液もまた洗剤室に保持される。
【0043】
326において、洗剤溶液は、洗浄サイクルのうちの2つの連続するサイクルの間に洗剤室から自動的に放出される。食器洗浄機のドアは、各洗浄サイクル中には閉鎖されているため、ドアが開放されたことに応答して洗剤溶液が自動的に放出され得る。様々な実施形態では、ドア作動弁は、ドアが開放されているときに洗剤室から洗剤溶液を放出するために使用される。
【0044】
図4は、固形洗剤からの洗剤溶液を食器洗浄機に分配するためのディスペンサ410の実施形態の図である。ディスペンサ410は、システム100の実装形態例またはディスペンサ210の例を表しており、洗剤室402、液体入口404、液体出口406、および液位制御機構408を含む。
【0045】
洗剤室402は、洗剤室102の例を表しており、固形洗剤の一つ又は複数のブロックおよび洗剤溶液を収容することができる。一実施形態では、洗剤室102は、固形洗剤の複数のブロックを収容し、洗剤室102内の固形洗剤が完全に溶解する前に、固形洗剤の追加の一つ又は複数のブロックを投入することを可能にする。洗剤室402は、一つ又は複数の固形ブロックを受容するための洗剤開口部432と、洗剤開口部432を閉鎖するための蓋433と、を含む。図示の実施形態では、洗剤開口部432は、洗剤室402の上部にあり、蓋は、洗浄およびすすぎ期間中に水が入ることを可能にするための穴431を含む。洗剤室402は、食器洗浄機の投入容量および機能への影響を最小限に抑えるか、またはこれらに全く影響を与えずに、食器洗浄機の内部に取り付けるのに適したサイズを有することができる。一例として、洗剤室402は、25~45cmの長さ、18~38cmの幅、および1.5~3.5cmの高さ(厚さ)を有することができ、具体例では、およそ34cm×28cm×2.5cmである。
【0046】
液体入口404は、液体入口104の例を表しており、一つ又は複数の穴431および/または一つ又は複数の水路430を含むことができる。図示の実施形態では、液体入口404は、複数の穴431および複数の水路430を含む。他の実施形態では、液体入口404には、望ましい量の洗剤溶液を形成するために十分な水が洗剤室402に入るのを可能にする任意の数の穴431および/または水路430を含めることができる。水路430は、洗剤室402と流体連通しており、洗浄およびすすぎ期間中に噴霧された水を自然に収集し、収集された水を洗剤室402に案内し、洗剤室402内に保持されている固形洗剤の一部を溶解して洗剤溶液を形成するように位置決めおよび配向されている。
【0047】
液体出口406は、液体出口106の例を表している。図示の実施形態では、液体出口406は、ドア作動弁を含む。弁は、食器洗浄機のドアを開放することによって洗剤室402から洗剤溶液を放出するように開放され、食器洗浄機のドアが開放されている間は開放されたままである。他の実施形態では、液体出口406は、洗剤室402内に形成および保持された洗剤溶液の放出を可能にし、放出の速度を制御するようにサイズ決めされた開口部を含むことができる。そのような他の実施形態では、液体出口は、弁を含んでも含まなくてもよい(例えば、開口部のサイズを制御するための)。洗剤溶液は、洗剤室402内で形成されると、洗剤室402が空になるまで、液体出口406を通って連続的に放出される。
【0048】
液位制御機構408は、液位制御機構108の例を表しており、液位制御開口部434およびゲート435を含む。液位制御開口部435は、洗剤室402上にある。ゲート435は、液位制御開口部435を部分的に遮断するダムとして機能することにより、洗剤室402内の液高を設定する。図示の実施形態では、液位制御開口部434は、洗剤室の側面にあるスロットであり、ゲート434は、液高を設定する上縁を有する摺動ゲートである。
【0049】
図5は、ディスペンサ410のための取り付け板512の実施形態の図である。
図5に示されるような取り付け板512は、食器洗浄機の内壁に設置されている。
図6は、取り付け板512を使用してディスペンサ410を食器洗浄機に取り付ける実施形態の図である。
図7は、食器洗浄機に取り付けられているディスペンサ410の実施形態の図である。図示の実施形態では、ディスペンサ410は、取り付け板512に取り外し可能に装着されている。取り付け板512、およびディスペンサ410を取り付け板512に装着することを可能にする構造物は、取り付け機構212の例を表している。
【0050】
図8は、固形洗剤からの洗剤溶液を食器洗浄機に分配するためのディスペンサ810を含む洗剤分配システムの実施形態の図である。ディスペンサ810は、システム100の実装形態の別の例またはディスペンサ210の例を表しており、洗剤室802、液体入口804、液体出口806、および液位制御機構808を含む。
【0051】
洗剤室802は、洗剤室102の例を表しており、固形洗剤の一つ又は複数のブロックおよび洗剤溶液を収容することができる。図示の実施形態では、洗剤室802は、固形洗剤の複数のブロック814を収容する。洗剤室802は、洗剤室802内の固形洗剤が完全に溶解する前に、固形洗剤の追加の一つ又は複数のブロックを投入することを可能にする容量を有することができる。洗剤室802は、食器洗浄機の投入容量および機能への影響を最小限に抑えるか、または全く影響を与えずに、食器洗浄機の内部に取り付けるのに適したサイズを有することができる。一例として、洗剤室802は、25~45cmの長さ、18~38cmの幅、および1.5~3.5cmの高さ(厚さ)を有することができ、具体例では、およそ34cm×28cm×2.5cmである。
【0052】
液体入口804は、液体入口104の例を表しており、漏斗840と、漏斗840と洗剤室802との間に連結された導管841と、を含む。漏斗840は、洗浄およびすすぎ期間中に噴霧された水を自然に収集するように位置決めおよび配向された上部開口部842を有する。導管641は、漏斗840の底部にある開口部と洗剤室802の底部にあるか、またはその近くの開口部との間を連結して、収集された水を洗剤室802に流入させ、固形洗剤の複数のブロック814の一部を溶解することによって、洗剤室802内に液体843として示される固形洗剤を形成する。
【0053】
液体出口806は、液体出口106の例を表している。様々な実施形態では、液体出口806は、ドア作動弁を含む。弁は、食器洗浄機のドアを開放することによって洗剤室802から液体843(洗剤溶液)を放出するように開放され、食器洗浄機のドアが開放されている間は開放されたままである。他の様々な実施形態では、液体出口806は、洗剤室802からの液体843の放出を可能にし、放出の速度を制御するようにサイズ決めされた開口部を含むことができる。これらの様々な他の実施形態では、液体出口806は、弁を含んでも含まなくてもよい(例えば、開口部のサイズを調整可能に制御するための)。液体843は、洗剤室802内で形成されると、洗剤室802が空になるまで、液体出口806を通って連続的に放出される。
【0054】
液位制御機構808は、液位制御機構108の例を表しており、漏斗840の位置および/または向きを使用して、洗剤室802内の液体843(洗剤溶液)の液位を制限する液高を設定する。図示の実施形態では、漏斗840の上部開口部842の位置および向きにより、漏斗840および洗剤室802内の液位が等しいときに水圧によって漏斗840による水の収集が停止するので、液高が設定される。一実施形態では、液高は、漏斗840を上昇または下降させることによって、かつ/または漏斗840の上部開口部842の向きを調整することによって、調整可能である。
【0055】
また、
図8には、取り付け機構212の例を表す取り付け機構812が示されている。図示の実施形態では、取り付け機構812は、ディスペンサを食器洗浄機の内部のポール844に装着することによって、ディスペンサ810を食器洗浄機の内壁に隣接して位置決めするために使用される。ポール844は、食器洗浄機の内部に設置された(取り付け機構812の一部としての)取り付け構造物であり得る。一実施形態では、取り付け機構812により、ディスペンサ810をポール844から取り外すことができる。
【0056】
図9は、洗剤室802からの液体843(洗剤溶液)の放出を示す、
図8の洗剤分配システムの実施形態の図である。
図9はまた、洗剤室802内の液体843がほぼ液高に達していることを示している。
【0057】
図10は、固形洗剤の複数のブロック814を洗剤室802に投入することを示す、
図8の洗剤分配システムの実施形態の図解である。洗剤室802は、固形洗剤の複数のブロック814を受容するための洗剤開口部1050と、受容された複数のブロック814および液体843を保持するための洗剤開口部1050を閉鎖するための蓋1051と、を含む。図示の実施形態では、洗剤開口部1050は、洗剤室802の側面上にある。
【0058】
図11は、蓋1051が閉鎖された状態で、固形洗剤の複数のブロック814を投入した後に動作する準備ができているシステムを示す、
図8の洗剤分配システムの実施形態の図である。
【0059】
本主題のいくつかの非限定的な例(実施例1~20)は、以下のように提供される。
【0060】
実施例1では、固形洗剤からの洗剤溶液を食器洗浄機に分配するためのシステムは、洗剤室と、液体入口と、液体出口と、液位制御機構と、を備え得る。食器洗浄機は、ドアを有しており、洗浄およびすすぎ期間を各々含む洗浄サイクルを実施することができる。洗剤室は、固形洗剤および洗剤溶液を収容するように構成され得る。液体入口は、洗剤室と流体連通しており、洗浄およびすすぎ期間中に食器洗浄機に噴霧された水を収集するように、かつ、収集された水を洗剤室に流入させて、固形洗剤の一部を溶解することによって洗剤溶液を形成することを可能にするように構成され得る。液体出口は、洗剤室と流体連通しており、洗浄サイクルのうちの2つの連続するサイクルの間に洗剤室から洗剤溶液を自動的に放出するように構成され得る。液位制御機構は、洗剤室内の洗剤溶液の液位を制限する液高を設定するように構成され得る。
【0061】
実施例2では、実施例1の主題は、任意選択で、固形洗剤の一つ又は複数の錠剤をさらに含み、その結果、洗剤室は、一つ又は複数の錠剤および洗剤溶液を収容するように構成されている。
【0062】
実施例3では、実施例1および実施例2のうちの任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、食器洗浄機に後付けできるように構成されたディスペンサを含むように構成され得る。ディスペンサには、洗剤室、液体入口、液体出口、および液位制御機構が含まれる。
【0063】
実施例4では、実施例1~実施例3のうちの任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、液体出口が食器洗浄機のドアによって作動された弁を含むように構成され得る。値は、食器洗浄機のドアの開放に応答して、洗剤室から洗剤溶液を放出し始めるように構成されている。
【0064】
実施例5では、実施例3および実施例4のうちの任意の1つの主題は、任意選択で、ディスペンサを食器洗浄機の内部に取り付けることを可能にするように構成された取り付け機構をさらに含むように構成され得る。
【0065】
実施例6では、実施例5の主題は、任意選択で、取り付け機構が、食器洗浄機の内面に取り付けられるように構成された取り付け板を含み、ディスペンサが、取り付け板に取り外し可能に装着されるように構成されるように、構成され得る。
【0066】
実施例7では、実施例1~実施例6のうちの任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、液体入口が、洗剤室と流体連通する一つ又は複数の水路を含むように構成され得る。一つ又は複数の水路は、水を受容して、受容された水を洗浄およびすすぎ期間中に洗剤室に案内するように構成され得る。
【0067】
実施例8では、実施例7の主題は、任意選択で、液位制御機構が、洗剤室上にある液位制御開口部、および液位制御開口部の一部を覆うゲートを含むように構成され得る。ゲートは、液位制御開口部を部分的に遮断することによって、洗剤室内の液高を設定するように調整可能に位置決めされる。
【0068】
実施例9では、実施例1~実施例6のうちの任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、液体入口が漏斗および導管を含むように構成され得る。漏斗には、洗浄およびすすぎ期間中に水を収集するように構成された上部開口部がある。導管は、漏斗と洗剤室との間に連結されて、収集された水が漏斗から洗剤室に流れることを可能にするように構成されている。
【0069】
実施例10では、実施例9の主題は、任意選択で、液位制御機構が液高を設定するように位置決めされた漏斗を含むように構成され得る。
【0070】
実施例11では、食器洗浄機において洗剤分配システムを動作させる方法が提供される。食器洗浄機は、洗浄およびすすぎ期間を各々含む洗浄サイクルを実施することができる。本方法は、洗剤分配システムの洗剤室内に固形洗剤を保持することと、洗浄およびすすぎ期間中に食器洗浄機に噴霧された水の一部を収集することと、収集された水を使用して、固形洗剤の一部を溶解することによって洗剤室内に洗剤溶液を形成することと、洗浄サイクルのうちの2つの連続するサイクルの間に洗剤室から洗剤溶液を自動的に放出することと、機械的手段を使用して液高を設定することと、を含み得る。液高により、洗剤室内の洗剤溶液の液位が制限される。
【0071】
実施例12では、実施例11に見られるような固形洗剤を保持する主題は、任意選択で、固形洗剤の一つ又は複数のブロックを保持することを含み得る。
【0072】
実施例13では、実施例11および12のうちの任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、食器洗浄機に後付けできるように構成されたディスペンサを使用して、保持すること、収集すること、自動的に放出すること、および設定することを実施することをさらに含み得る。
【0073】
実施例14では、実施例13の主題は、任意選択で、食器洗浄機の内壁に隣接してディスペンサを位置決めすることをさらに含み得る。
【0074】
実施例15では、実施例11~14のうちの任意の1つまたは任意の組み合わせに見られる、洗浄サイクルのうちの2つの連続するサイクルの間に洗剤室から洗剤溶液を自動的に放出する主題は、任意選択で、食器洗浄機のドアの開放に応答して、洗剤室から洗剤溶液を放出することをさらに含み得る。
【0075】
実施例16では、実施例15の主題は、任意選択で、食器洗浄機のドアによって作動された弁を通して洗剤室から洗剤溶液を放出することを含み得る。
【0076】
実施例17では、実施例11~実施例16のうちの任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、洗浄およびすすぎ期間中に食器洗浄機に噴霧された水の一部を収集することと、収集された水を、洗剤室に連結された一つ又は複数の水路を使用して洗剤室に流入させることを可能にすることと、を含み得る。
【0077】
実施例18では、実施例17の主題は、任意選択で、洗剤室上にある液位制御開口部および液位制御開口部の一部上にあるゲートを使用して液高を設定することを含み得、ゲートは、液位制御開口部を部分的に遮断することによって、液高を設定するように調整可能に位置決めされる。
【0078】
実施例19では、実施例11~実施例16のうちの任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、洗浄およびすすぎ期間中に食器洗浄機に噴霧された水の一部を収集することと、収集された水を、洗剤室と流体連通している漏斗を使用して洗剤室に流入させることを可能にすることと、を含み得る。
【0079】
実施例20では、実施例19の主題は、任意選択で、漏斗の位置または向きのうちの少なくとも1つを使用して、液高を設定することを含み得る。
【0080】
本出願は、本主題の適合または変形を対象とすることを意図としている。上記の説明は、例示的であり、限定的ではないことが意図されることを理解されたい。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を有する法的等価物の全範囲とともに決定されるべきである。
【国際調査報告】