(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-02
(54)【発明の名称】さか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置
(51)【国際特許分類】
F23C 5/02 20060101AFI20230126BHJP
【FI】
F23C5/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544218
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(85)【翻訳文提出日】2022-07-20
(86)【国際出願番号】 KR2021018425
(87)【国際公開番号】W WO2022124751
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0173399
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519389258
【氏名又は名称】インダストリー-アカデミック コーオペレーション ファウンデーション オブ スンチョン ナショナル ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRY-ACADEMIC COOPERATION FOUNDATION OF SUNCHON NATIONAL UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】255,Jungang-ro Suncheon-si Jeollanam-do 57922,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、ギ マン
(72)【発明者】
【氏名】カン、ヨン セ
(72)【発明者】
【氏名】アン、ジ ファン
【テーマコード(参考)】
3K091
【Fターム(参考)】
3K091AA20
3K091BB26
3K091CC06
3K091CC22
(57)【要約】
【課題】清浄燃料である水素ガスの燃焼時に発生しうるさか火現象を防止し、安全に水素ガスを燃焼処理できるようにするさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置を提供すること。
【解決手段】さか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置であって、予混合管の機能を兼ねる第1流動管と、第1流動管の入口の端部から一部の空気を第1流動管の内部の予混合気に噴射する第2流動管と、突起部とが備えられ、前記第1流動管から流入した空気と水素が混合されて十分に予混合された混合気を形成させ、混合気が燃焼処理される空間を形成するチェンバと、前記チェンバ内の前記混合気を点火させる点火装置と、を含み、第2流動管は、前記第1流動管の内周面に連通して形成され、前記第1流動管の内部を通過する混合気の壁面に一部の空気を注入して壁境界層を撹乱させ、前記突起部は、前記第1流動管の端部から前記第1流動管の中心方向に突出し、前記第1流動管の内部流動の壁境界層を破壊して、さか火を防止または抑制することを特徴とする。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼用空気が流動する第1流動管と、
前記第1流動管の内周面に連通して形成される第2流動管と、
前記第1流動管の端部に備えられ、前記第1流動管に流入した空気と水素が混合して形成された混合気が燃焼される空間を形成するチェンバと、
前記チェンバ内の前記混合気を点火させる点火装置と、を含み、
前記第2流動管を通過して前記第1流動管の内部に流動された水素が、前記第1流動管の内周面に形成される壁境界層の流動構造を撹乱させる
ことを特徴とするさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置。
【請求項2】
前記第2流動管は、前記第1流動管の内周面に垂直で連通する
請求項1に記載のさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置。
【請求項3】
前記第2流動管は、前記第1流動管の内周面に傾斜して連通する
請求項1に記載のさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置。
【請求項4】
前記第2流動管は、前記第2流動管の端部である空気の出口に備えられ、噴き出される空気の流動方向を案内するリップを含む
請求項1に記載のさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置。
【請求項5】
前記第1流動管は、前記第1流動管の内周面から前記第1流動管の中心方向に突出して形成される突起部を含む
請求項1に記載のさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、さか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置に係り、さらに詳しくは、清浄燃料である水素ガスの燃焼時に発生しうるさか火現象を防止し、安全に水素ガスを燃焼処理できるようにするさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電とは、化石燃料の燃焼により発生する高温高圧の燃焼ガスが、回転体であるタービンを回し、その動力が交流発電機に伝達されて電気を得る方式を言う。また、エンジンとは、熱エネルギーを機械エネルギーに変える装置を言う。このように燃料を燃焼させて電気や動力を得る方式は、様々な分野に適用されて用いられている。一例として、特許文献1には、外部から燃焼空気を供給され、燃料供給部によって供給された燃料を燃焼させる燃焼筒を備える燃焼装置について開示している。
【0003】
しかしながら、化石燃料を燃焼させるとき、多量に排出される窒素酸化物は、最も深刻な大気汚染物質に分類され、大気に排出された後、光化学反応により凝縮して粒子状物質が発生してしまうなど、社会的問題が持続しており、火力発電及びエンジンの主燃料として使われる化石燃料が枯渇していくことにより、これを代替可能な燃料及び代替燃料を安全に燃焼させることができる燃焼装置が必要な実情である。これを解決するために、代替燃料として水素を利用しようとするが、爆発等のような安全関連事故の危険性が高いという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10-1080928号公報(2011.11.01.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した先行技術の問題点を解決するためになされたものであって、清浄燃料である水素ガスの燃焼時に発生しうるさか火現象を防止し、安全に水素ガスを燃焼処理できるようにするさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置を提供することを目的とする。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、上述した課題に制限されず、ここに言及されていない、本発明が解決しようとするまた他の課題は、下記の記載から、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明確に理解される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好適な一実施形態によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置において、予混合管の機能を兼ねる第1流動管と、前記第1流動管の内周面に連通して形成される第2流動管と、前記第1流動管の端部に備えられ、前記第1流動管に流入した空気と水素が混合して形成された混合気が燃焼される空間を形成するチェンバと、前記チェンバ内の前記混合気を点火させる点火装置と、を含み、前記第2流動管を通過して前記第1流動管の内部に流動された流体が、前記第1流動管の内周面に形成される境界層の流動構造を撹乱させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の好適な一実施形態による前記第2流動管は、前記第1流動管の内周面に垂直で連通することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の好適な一実施形態による前記第2流動管は、前記第1流動管の内周面に傾斜して連通することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の好適な一実施形態による前記第2流動管は、前記第2流動管の端部である空気の出口に備えられ、噴き出される空気の流動方向を案内するリップを含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の好適な一実施形態による前記第1流動管は、前記第1流動管の内周面から前記第1流動管の中心方向に突出して形成される突起部を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記した課題の解決手段により、本発明によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置は、いつもさか火現象等の安全関連事故の危険に晒されている予混合燃焼機において、混合気が存在する予混合管の内周面に壁境界層(Wall boundary layer)を撹乱させる数種の装置を備えて、さか火現象を最小化する、さか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置を提供するという効果がある。
【0013】
また、本発明によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置は、予混合管の下端と上端から、燃焼用空気を1次混合と2次混合として分けて流入させることにより、円滑な燃焼を維持するとともに、2次混合空気を用いて予混合管の上端の壁面の壁境界層を破壊して、水素ガス燃焼装置においてさか火を防止することができるという効果がある。
【0014】
また、本発明によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置は、2次混合空気を用いる実施形態のほか、予混合管の出口に中心方向に突出している突起部を用いて、壁面の境界層を破壊してさか火を防止する実施形態の場合は、既存の予混合燃焼装置にも容易に適用して使用することができるという利点がある。
【0015】
本発明の効果は、上述した効果に制限されず、ここに言及されていない、本発明の効果は、下記の記載から、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】(a)は、本発明の第1実施形態による燃焼装置の構成を示す断面図であり、(b)は、本発明の第1実施形態とは異なる実施形態による燃焼装置の構成を示す断面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態による燃焼装置の構成を拡大して示す断面図である。
【
図3】本発明の第2実施形態による燃焼装置の構成を拡大して示す斜視図である。
【
図4】本発明の第3実施形態による燃焼装置の構成を拡大して示す斜視図である。
【
図5】本発明の第4実施形態による燃焼装置の構成を拡大して示す斜視図である。
【
図6】(a)及び(b)は、本発明の第5実施形態による燃焼装置の構成を拡大して示す断面図である。
【
図7】(a)は、本発明の第6実施形態による燃焼装置の構成を拡大して示す断面図であり、(b)は、本発明の第6実施形態による燃焼装置の第1流動管及び第2流動管の構成を拡大して示す断面図であり、(c)は、本発明の第6実施形態とは異なる実施形態による燃焼装置の第1流動管及び第2流動管の構成を拡大して示す断面図であり、(d)は、本発明の第6実施形態とは異なる他の実施形態による燃焼装置の第1流動管及び第2流動管の構成を拡大して示す断面図である。
【
図8】本発明の第6実施形態による燃焼装置の構成を拡大して示す断面図である。
【
図9】本発明の第7実施形態による燃焼装置の構成を示す断面図である。
【
図10】(a)は、従来の管内部の流体の流動速度を示す図であり、(b)は、本発明の第7実施形態による燃焼装置の第1流動管内の流体の速度勾配を示す図であり、(c)は、本発明の第7実施形態とは異なる実施形態による燃焼装置の第1流動管内の流体の速度勾配を示す図面である。
【
図11】(a)は、本発明の第7実施形態による燃焼装置の構成を拡大して示す断面図であり、(b)は、本発明の第7実施形態による燃焼装置の第1流動管及び第2流動管の構成を拡大して示す断面図であり、(c)は、本発明の第7実施形態とは異なる実施形態による燃焼装置の第1流動管及び第2流動管の構成を拡大して示す断面図であり、(d)は、本発明の第7実施形態とは異なる他の実施形態による燃焼装置の第1流動管及び第2流動管の構成を拡大して示す断面図であり、(e)は、本発明の第7実施形態とは異なる他の実施形態による燃焼装置の第1流動管及び第2流動管の構成を拡大して示す断面図である。
【
図12】本発明の第8実施形態による燃焼装置の第1流動管の構成を示す断面図である。
【
図13】(a)は、本発明の第8実施形態による燃焼装置の構成を拡大して示す断面図であり、(b)は、本発明の第8実施形態による燃焼装置の第1流動管及び第2流動管の構成を拡大して示す断面図であり、(c)は、本発明の第8実施形態とは異なる実施形態による燃焼装置の第1流動管及び第2流動管の構成を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この明細書で用いられる用語について簡略に説明し、本発明について具体的に説明する。
【0018】
本発明で用いられる用語は、本発明における機能を考慮して、できるだけ、現在広く用いられている一般的な用語を選択したが、これは、当分野に携わる技術者の意図または判例、新たな技術の出現等により変わることがある。したがって、本発明において用いられる用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたった内容に基づいて定義されなければならない。
【0019】
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に断りのない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0020】
下記では、添付した図面を参考して、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかしながら、本発明は、様々な相違した形態で実現されてもよく、ここに説明する実施形態に限定されない。
【0021】
本発明における解決しようとする課題、課題の解決手段、発明の効果を含む具体的な事項は、後述する実施形態及び図面に含まれている。本発明の利点及び特徴、また、それらを達成する方法は、添付される図面とともに詳細に後述されている実施形態を参照すると、明確になる。
【0022】
以下、添付された図面を参照して、本発明についてさらに詳述する。
【0023】
図1及び
図2を参照すれば、本発明の好適な第1実施形態によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置において、燃焼用空気が流動する第1流動管10と、前記第1流動管10の外周面の少なくとも一部を取り囲む形態で備えられる水素供給管である第2流動管20と、前記第1流動管10及び第2流動管20の端部に備えられ、前記第1流動管10から流入した燃焼用空気と前記第2流動管20から流入した燃料である水素が噴き出されながら混合されて混合気が形成され、燃焼されるようにする空間を形成するチェンバ30と、前記チェンバ30内の前記混合気を点火させる点火装置40と、を含み、前記第2流動管20から噴き出された水素が前記第1流動管10から噴き出された空気を取り囲む形態で混合されて燃焼される拡散燃焼型ノズル構造を有する。このとき、前記第2流動管20を流動するものは、燃焼に活用される燃料として、本発明において水素を挙げているが、これに限定されるものではない。
【0024】
まず、バーナーケーシング90が設けられる。前記バーナーケーシング90は、内部に空いた空間が形成され、円柱状の胴体を有するが、前記バーナーケーシング90の端部に向かうほど、断面積がますます小さくなる形態に形成される。このとき、前記バーナーケーシング90は、前記バーナーケーシング90の基底部に備えられ、前記第2流動管20と連通され、前記第2流動管20に水素を供給する複数個の水素供給部60を含み、前記複数個の水素供給部60は、前記バーナーケーシング90基底部に燃料である水素を外部から供給する燃料配管62と連通している。また、前記バーナーケーシング90の基底部の中心には、前記チェンバ30と連通され、前記第1流動管10と第2流動管20から噴き出された混合気を点火させる役割を行う前記点火装置40が備えられる。
【0025】
次に、燃焼室の空間である前記チェンバ30が設けられる。前記チェンバ30は、前記バーナーケーシング90と対応する形状で、前記バーナーケーシング90の内部に備えられ、前記チェンバ30の基底部には、後述するノズルケース部80が備えられる。前記チェンバ30の内部には、前記第1流動管10から流入した燃焼用空気と前記第2流動管20から流入した水素燃料が混合される空間が形成される。また、前記チェンバ30とバーナーケーシング90との間には、外部の空気を前記第1流動管10へ流動させる空気供給部50が設けられる。すなわち、前記空気供給部50は、前記外部の空気を前記第1流動管10に流動させる通路の役割を行う。このとき、前記空気供給部50には、前記外部の空気を流動させるファン(図示せず)または圧縮機(図示せず)が設けられてもよい。
【0026】
次に、ノズルケース部80が設けられる。前記ノズルケース部80は、前記バーナーケーシング90の内部に備えられ、円柱状に形成され、前記第1流動管10及び第2流動管20を固定させる役割を行う。ここで、前記チェンバ30は、前記ノズルケース部80の周縁から延長して形成され、前記ノズルケース部80は、前記バーナーケーシング90から既に設定された間隔だけ離隔して備えられる。
【0027】
また、前記ノズルケース部80は、前記空気供給部50を通過して前記バーナーケーシング90の内部に流動された前記外部の空気が、前記第1流動管10に流動されるように一端部が開放され、内部に空いた空間が形成されるノズル下部ケース81と、前記ノズル下部ケース81の上部に、前記ノズル下部ケース81から既に設定された間隔だけ離隔して備えられるノズル上部ケース82と、を含む。このとき、前記ノズル下部ケース81の端部には、前記ノズル上部ケース82に向かう方向に段差が形成される。すなわち、前記ノズル下部ケース81の上部面には、前記ノズル下部ケース81の上部面の周縁に沿って、前記ノズル下部ケース81の上部方向に突出して前記段差が形成される。また、前記段差は、前記ノズル上部ケース82の下部面に固定されることにより、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間には、空いた空間が設けられる。
【0028】
ここで、前記水素供給部60は、水素が流動されるように設けられる複数個の水素供給管61を含み、前記複数個の水素供給管61は、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間の空間と連通され、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間の空間に水素が流動されるようにする。また、前記第2流動管20は、前記ノズル上部ケース82を貫通して形成され、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間の空間と連通される。すなわち、前記水素供給部60から供給された水素は、前記水素供給管61を経て、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間の空間に流動されてから、前記第2流動管20を通過して前記チェンバ30に供給される。このとき、前記複数個の水素供給管61は、前記水素供給部60の中心を基準として放射状に配列され、前記水素供給部60から供給された水素が均一に分散して、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間の空間に流動されるようにする。
【0029】
また、前記ノズル下部ケース81の内部には、外部から供給された前記外部の空気中の異物を除去するフィルター(図示せず)が備えられてもよい。また、前記ノズル下部ケース81の内部には、前記チェンバ30に供給される空気の量を一定にする打孔板70が備えられもよい。すなわち、前記打孔板70は、一定量の空気が均一かつ持続的に前記チェンバ30に供給されるように、整流効果(Rectification Effect)を誘導する役割を行い、圧力降下(Pressure Drop)を考慮して最適化を経てもよく、ハニカムや様々な形状の打孔板の形態等に取り替えられてもよい。
【0030】
また、
図1の(b)を参照すれば、前記ノズルケース部80は、前記ノズルケース部80を貫通して形成される複数個の貫通孔83を含んでもよい。したがって、前記チェンバ30に燃焼用空気がさらに均一に供給され、同じ時間の間、前記チェンバ30に供給される燃焼用空気の量を増加させることができるという利点がある。すなわち、燃焼に必要な空気の量に応じて、前記複数個の貫通孔83を選択的に備えて、前記チェンバ30に供給される燃焼用空気の量を調節してもよい。
【0031】
次に、前記第1流動管10は、前記ノズル下部ケース81及びノズル上部ケース82を貫通して備えられ、前記外部の空気が前記チェンバ30に供給されるようにする。また、前記第2流動管20は、前記ノズル上部ケース82を貫通して備えられ、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間に供給された水素が、前記第2流動管20から前記チェンバ30に供給されるようにする。また、前記第1流動管10及び第2流動管20は、円柱状に形成される。すなわち、前記第1流動管10及び第2流動管20は、同じ中心を有する同心円状の断面を有して形成される。ここで、前記第2流動管20は、前記第1流動管10よりもさらに大きな直径を有して形成され、前記第1流動管10の外周面を取り囲む形態で備えられる。したがって、前記第1流動管10から高速で噴き出された燃焼用空気の高い運動量により、前記第2流動管20から噴き出された水素燃料は、前記第1流動管10の燃焼用空気ジェットを全体的に取り囲む形態で流入されるとともに、燃焼用空気と速く混合されることにより、一般の拡散燃焼とは異なり、予混合性能を誘導することができる方式で燃焼される。その結果、中央に備えられる前記第1流動管10から噴き出された燃焼用空気を中心として、前記第2流動管20から噴き出された水素が放射状に配列されて、噴き出された水素燃料が燃焼用空気側に速く流入して混合される部分予混合気(Partial Premixture)が形成されるようにすることにより、前記点火装置40によって前記混合気が点火されると、拡散燃焼構造であるが、予混合性能を誘導することにより、燃料である水素の燃焼率を向上させることができるという利点がある。言い換えれば、拡散燃焼型ジェット(Jet)構造であるが、部分予混合気の形成による予混合性能が向上して、前記第2流動管20から噴き出された燃料である水素の完全燃焼を誘導することにより、前記チェンバ30内に残っている残余水素による爆発等の安全関連事故が発生することを防止することができる。また、前記第1流動管10及び第2流動管20の製作に必要となる時間及び費用を最小化することができるという利点がある。
【0032】
以下では、本発明の第2実施形態によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置について、添付された図面を参照して、詳細に説明する。本実施形態は、前記第1実施形態と比べて、燃焼用水素を放出させる第2流動管220が、多角形の断面を有して形成されることが異なる。本実施形態において、前記第1実施形態と重複する構成については、上記した第1実施形態の説明を援用する。
【0033】
図3を参照すれば、前記第2流動管220は、多角形の断面を有して形成される。また、第1流動管210は、円形の断面を有して形成され、前記第1流動管210の外周面の少なくとも一部は、前記第2流動管220の内周面に接して備えられる。一例として、前記第2流動管220は、三角形の断面を有して形成され、前記第1流動管210は、前記第2流動管220に挿入される。すなわち、断面を基準として、前記第1流動管210は、前記第2流動管220に内接して備えられる。したがって、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間の空間にある水素は、前記第2流動管220から前記チェンバ30に供給される。言い換えれば、前記第2流動管220の流路は、三角形の断面であり、前記第1流動管210によって3分割される。その結果、前記第2流動管220から噴き出された水素燃料が、前記第1流動管210から噴き出された燃焼用空気を全体的に取り囲む形態で混合されるが、前記第2流動管220から噴き出される水素は3分割され、前記チェンバ30に供給される空気と水素の割合を一定に維持することができるという利点がある。また、前記第2流動管220の内部に前記第1流動管210が固定され、さらに堅固に支持されるという利点がある。すなわち、前記第1流動管210の外周面が前記第2流動管220に固定または支持される構造であって、構造的な安定性を向上させることができる。
【0034】
以下では、本発明の第3実施形態によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置について、添付された図面を参照して、詳細に説明する。本実施形態は、前記第2実施形態と比べて、燃焼用水素を放出させる第2流動管320が、四角形の断面を有して形成されることが異なる。本実施形態において、前記第2実施形態と重複する構成については、前記第2実施形態の説明を援用する。
【0035】
図4を参照すれば、前記第2流動管320は、四角形の断面を有して形成される。すなわち、前記第2流動管320は、四角形の断面を有して形成され、第1流動管310は、前記第2流動管320に挿入される。すなわち、断面を基準として、前記第1流動管310は、前記第2流動管320に内接して備えられる。したがって、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間の空間にある水素は、前記第2流動管320から前記チェンバ30に供給される。言い換えれば、前記第2流動管320の流路は、四角形の断面であり、前記第1流動管310によって4分割される。その結果、前記第2流動管320から噴き出された水素燃料が、前記第1流動管310から噴き出された燃焼用空気を全体的に取り囲む形態で混合されるが、前記第2流動管320から噴き出される水素は4分割され、前記チェンバ30に供給される空気と水素の割合を一定に維持することができるという利点がある。すなわち、第2実施形態と比べて、前記第2流動管320が四角形の断面を有して形成され、燃焼用空気の周囲に、さらに薄い水素層が形成されて、燃料である水素と燃焼用空気がさらに速く互いに混合されて燃焼されることにより、水素の燃焼率を向上させることができる。また、三角形の断面に比べて、前記第2流動管320から噴き出される水素がさらに均一に噴射されることができるという利点がある。また、前記第2流動管220の内部に前記第1流動管210が固定され、さらに堅固に支持されるという利点がある。また、第2実施形態と比べて、前記第2流動管320が四角形の断面を有して形成され、前記第1流動管310の内部に挿入される形式で支持されることにより、前記第2流動管320から前記チェンバ30に噴き出される水素の流量が分割され、多量の水素が一度に燃焼されることにより発生し得る爆発の危険性を減少させることができるという利点がある。言い換えれば、前記第2流動管320の断面の角数が増加することにより、前記第2流動管320から噴き出される水素の量を分散させて低減させることができる。すなわち、水素の流動速度が同じ場合、前記第2流動管320の断面の角数を調節することにより、噴き出される水素の量を調節することができる。
【0036】
以下では、本発明の第4実施形態によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置について、添付された図面を参照して、詳細に説明する。本実施形態は、前記第1実施形態と比べて、燃焼用水素を放出させる第2流動管420が、燃焼用空気を放出させる第1流動管410の外周面から離隔した部分に備えられることが異なる。本実施形態において、前記第1実施形態と重複する構成については、上記した第1実施形態の説明を援用する。
【0037】
図5を参照すれば、前記第2流動管420は、前記第1流動管410の外周面から既に設定された間隔だけ離隔して備えられる。一例として、前記第1流動管410及び第2流動管420は、円形の断面を有して形成され、前記第2流動管420は、複数個であり、前記第1流動管410の中心を基準として放射状に配列されてもよい。したがって、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間に流動された水素が、前記複数個の第2流動管420から均一に分配され、前記チェンバ30に流動するようになる。したがって、前記第1流動管410から噴き出された空気を中心として、前記第2流動管420から噴き出された水素が放射状に配列され、前記混合気が形成されることにより、前記点火装置40によって前記混合気が点火されると、放射状に配列された前記第2流動管420から噴き出された水素燃料ジェットが、前記第1流動管410から高速で噴き出された燃焼用空気側に速く流入及び混合されながら燃焼されて、燃料である水素の燃焼率を向上させることができるという利点がある。
【0038】
このとき、前記第2流動管420は、隣接した第2流動管420と、前記第1流動管410の中心を基準として、45度の角度で離隔して備えられる。ここで、前記第2流動管420が、隣接した第2流動管420と、前記第1流動管410の中心を基準として、45度の角度未満で離隔して備えられると、前記第2流動管420の個数が増加して製作に必要な時間及び費用が急激に増加するという問題点と、前記第2流動管420と隣接した第2流動管420との間の距離が狭くなり、前記第2流動管420と連結されるノズル上部ケース82等の強度が低くなり、疲労骨折等に対して脆弱になるという問題点がある。また、複数個の第2流動管420と第1流動管410からなるノズル5において、複数個の前記ノズル5間の距離が短くなると、複数個の前記ノズル5のそれぞれに火炎が形成されず、一つに合わさって大きな火炎が生成されることにより、火炎の滞在時間が長くなり、窒素酸化物の排出量が増加するようになるという問題点がある。また、前記第2流動管420が、隣接した第2流動管420と、前記第1流動管410の中心を基準として、45度の角度を超えて離隔して備えられると、前記第2流動管420から噴き出された水素燃料が、前記第1流動管410から噴き出された燃焼用空気の表面を完全に取り囲まず、燃料である水素と燃焼用空気との混合が不良になり、水素の燃焼率が減少するようになるという問題点と、前記チェンバ30内の火炎が安定化されないという問題点がある。したがって、前記第2流動管420は、隣接した第2流動管420と、前記第1流動管410の中心を基準として、45度の角度で離隔して備えられる。このとき、前記第2流動管420から噴き出される水素が、さらに均一に噴射されるという利点もある。
【0039】
以下では、本発明の第5実施形態によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置について、添付した図面を参照して、詳細に説明する。本実施形態は、前記第4実施形態と比べて、燃焼用空気を放出させる前記第1流動管410及び燃焼用水素を放出させる第2流動管420の端部と前記チェンバ30との間に備えられ、前記第1流動管410から噴き出された空気と前記第2流動管420から噴き出された燃料である水素が、前記第1流動管410と第2流動管420の端部である出口の直前や近くで予混合される空間を形成する予混合部530をさらに含むことが異なる。本実施形態において、前記第1実施形態と重複する構成については、上記した第1実施形態の説明を援用する。
【0040】
図6を参照すれば、本発明の水素ガス燃焼装置は、前記第1流動管410及び第2流動管420の端部と前記チェンバ30との間に備えられ、前記第1流動管410から噴き出された空気と前記第2流動管420から噴き出された水素燃料が、燃焼室である前記チェンバ30に噴き出される前である前記第1流動管410と第2流動管420の端部である出口の直前や近くで、予め互いに予混合される空間を形成する予混合部530をさらに含む。ここで、前記予混合部530は、前記ノズル上部ケース82の上部に延長して形成されてもよく、前記予混合部530は、前記第1流動管410及び第2流動管420とそれぞれ連通して形成される複数個の予混合孔531を含む。すなわち、前記第1流動管410から噴き出された燃焼用空気と前記第2流動管420から噴き出された水素燃料は、前記予混合孔531を通過しながら、燃焼前に予め予混合され、前記チェンバ30に流動され、前記混合気となってから、前記混合気が前記点火装置40によって点火される。その結果、前記第1流動管410から噴き出された燃焼用空気と前記第2流動管420から噴き出された水素燃料は、前記予混合孔531で1次混合され、前記チェンバ30に流動されて2次混合されることにより、空気と水素の混合率を向上させることができるという利点がある。
【0041】
また、前記予混合孔531の長さは、前記第2流動管420の長さよりもさらに長く形成され、前記第2流動管420から噴き出された水素が、前記第1流動管410から噴き出された空気と十分に混合される。ここで、予混合(Premixing)の程度や水素と空気が混合された混合気の危険度(敏感度)を考慮して、前記予混合孔531の長さを調節してもよい。一例として、前記予混合孔531の長手方向の長さは、前記第1流動管410の直径の5倍乃至10倍で形成されてもよい。このとき、前記予混合孔531の長手方向の長さが、前記第1流動管410の直径の5倍未満で形成されると、燃焼用空気と燃料である水素の混合率が減少するようになる問題点があり、前記予混合孔531の長手方向の長さが、前記第1流動管410の直径の10倍を超えて形成されると、空気と水素の混合率を高めることができるが、過度な量の混合気が前記予混合孔531に滞在するようになり、爆発の危険性が高くなり、前記予混合部530の構造的安定性が減少するという問題点がある。
【0042】
また、前記予混合孔531の内周面には、ねじ山状の旋回(Swirl)流路が形成されてもよい。言い換えれば、前記予混合孔531の内周面に旋回形流路が設けられ、前記予混合孔531の内周面に隣接した部分を流動する空気と水素が螺旋状の旋回流動をするように誘導することにより、空気と水素の混合率をさらに向上させることができる。
【0043】
また、前記予混合孔531は、前記予混合孔531の下部面の直径がさらに大きなテーパー状(Tapered)に形成されてもよい。言い換えれば、前記予混合孔531は、上部方向に向かうほど直径が漸次的に小さくなるテーパー状に形成され、前記予混合孔531の下部に流動された燃焼用空気及び水素燃料が、前記予混合孔531の上部方向に向かうほど速度が漸次的に増加されてもよい。これにより、前記予混合孔531を通過した空気及び水素の混合気が、さらに速い速度で前記チェンバ30に噴き出されることにより、火炎のさか火現象を減少させることができるという利点がある。
【0044】
以下では、本発明の第6実施形態によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置について、添付された図面を参照して、詳細に説明する。本実施形態は、前記第1実施形態と比べて、燃焼用水素を放出させる孔状の第2流動管620が、燃焼用空気を放出させる第1流動管610の内周面に連通して形成されることが異なる。本実施形態において、前記第1実施形態と重複する構成については、上記した第1実施形態の説明を援用する。
【0045】
図7及び
図8を参照すれば、前記第2流動管620は、前記第1流動管610の内周面に連通して形成され、水素燃料は、前記第2流動管620を通過して、前記第1流動管610の内部に横噴流(Jet in Cross)の形態で噴き出され、このため、前記第2流動管620を通過して、前記第1流動管610の内部に垂直方向に噴き出された水素が、前記第1流動管610において速く混合(Mixing)が促進されるようになる。さらに詳しくは、前記第2流動管620は、前記第1流動管610の内周面に垂直で連通されてもよい。すなわち、前記第1流動管610の内部を流動する空気と垂直な方向に、前記第2流動管620を通過した水素が噴き出される。このように、燃料である水素が、燃焼用空気が流動する前記第1流動管610へ前記横噴流の形態で噴き出されると、水素が噴き出された地点から速く前記第1流動管610の内部に流動する空気に混合され、前記第1流動管610の端部までの混合距離(Mixing Length)が短くても、燃料である水素と燃焼用空気がよく混合された混合気(Mixture)を形成するようになる。このとき、前記第2流動管620から水素が噴き出される地点から前記第1流動管610の端部までの距離は、目標とする水素と空気の混合度(Mixing Degree)を考慮して調節してもよい。この場合、前記第2流動管620の噴出地点から前記第1流動管610の端部までの距離を短くすると、さか火の危険性を減らすための拡散燃焼方式を誘導することができ、前記距離を長くして、前記第2流動管620の噴出地点から噴き出された水素が、前記第1流動管610内で十分に混合されると、予混合燃焼方式を誘導することができ、混合率が向上した水素ガス燃焼装置への切替が容易になる。したがって、上述した第6実施形態の方法は、用途に応じて、拡散燃焼方式や予混合燃焼方式への選択的な切替が容易になるという利点を有する。
【0046】
一例として、
図7の(b)を参照すれば、前記第2流動管620は、前記第1流動管610の下部に形成されてもよい。すなわち、前記第2流動管620は、前記第1流動管610の長手方向の長さの1/4の地点に位置する。したがって、前記第1流動管610を流動する燃焼用空気と、前記第2流動管620から前記第1流動管610の内部に供給された水素燃料が、前記第1流動管610の上部に流動しながら混合されるのに十分な距離及び時間を有し、燃料と空気の十分な予混合が誘導されて、混合率が向上した水素ガス燃焼装置になるという利点がある。
【0047】
また、
図7の(c)を参照すれば、前記第2流動管620は、前記第1流動管610の中央部に形成されてもよい。すなわち、前記第2流動管620は、前記第1流動管610の長手方向の長さの2/4の地点に位置する。この場合は、拡散燃焼の特性を有するとともに、予混合性能が向上した水素ガス燃焼装置になるという利点がある。
【0048】
また、
図7の(d)を参照すれば、前記第2流動管620は、前記第1流動管610の上部に形成されてもよい。すなわち、前記第2流動管620は、前記第1流動管610の長手方向の長さの3/4の地点に位置する。すると、拡散燃焼方式の特徴のように、火炎のさか火から最も安定した水素ガス燃焼装置になるという利点を有する。したがって、このような方法で、上述した第6実施形態は、用途に応じて、拡散燃焼方式から予混合燃焼方式への選択的な切替が容易になるという利点を有する。
【0049】
また、前記第2流動管620は、複数個であり、前記第1流動管610の中心を基準として放射状に配列されてもよい。このとき、前記第2流動管620は、隣接した第2流動管620と前記第1流動管610の中心を基準として、45度の角度で離隔して備えられる。ここで、前記第2流動管620が、隣接した第2流動管620と、前記第1流動管610の中心を基準として、45度の角度未満で離隔して備えられると、前記第2流動管620の個数が増加して製作に必要な時間及び費用が急激に増加するという問題点と、前記第2流動管620と隣接した第2流動管620との間の距離が狭くなり、前記ノズル上部ケース82の一部構造の強度が極めて低くなり、疲労骨折等に対して脆弱になるという問題点がある。また、複数個の第2流動管620と第1流動管610からなるノズル5において、複数個の前記ノズル5間の距離が短くなると、前記複数個のノズル5のそれぞれに独立的な火炎が形成されず、一つに合わさって大きな火炎が生成されることにより、火炎の滞在時間が長くなり、窒素酸化物の排出量が増加するようになるという問題点がある。これに対して、前記第2流動管620が、隣接した第2流動管620と、前記第1流動管610の中心を基準として、45度の角度を超えて離隔して備えられると、限定された面積の前記ノズル上部ケース82に備えられる前記第1流動管610の数が少数に限定されるという問題点がある。したがって、前記第2流動管620は、隣接した第2流動管620と、前記第1流動管610の中心を基準として、45度の角度で離隔して備えられる。
【0050】
以下では、本発明の第7実施形態によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置について、添付された図面を参照して、詳細に説明する。本実施形態は、前記第1実施形態と比べて、水素供給管61-1が前記ノズルケース部80と連通せずに、前記第1流動管610の以前で、前記バーナーケーシング90に直接水素を噴射することが異なる。したがって、他の実施形態とは異なり、第7実施形態では、前記第1流動管610に燃焼用空気と水素が混合された予混合気が流動し、第7実施形態における第2流動管620は、補助空気供給管51から、前記予混合気が流動する前記第1流動管610の内部壁面に、水素ではなく、空気を噴射することが異なる。その他、本実施形態において、前記第1実施形態と重複する構成については、上記した第1実施形態の説明を援用する。
【0051】
まず、
図9を参照すれば、前記水素供給管61-1は、前記ケーシング90の内部空間と連通してもよい。すなわち、前記水素供給管61-1は、前記ノズルケース部80と連通せずに、前記ノズルケース部80とケーシング90との間の空間と連通する。したがって、前記水素供給管61-1を通過した水素燃料と前記空気供給部50から供給された燃焼用空気が、前記ノズルケース部80とケーシング90との間の空間において予混合される。すなわち、前記ノズルケース部80とケーシング90との間の空間において、燃料である水素と燃焼用空気が予混合された混合気が、前記打孔板70を通過して前記チェンバ30に流動することにより、完璧な予混合気を形成され、予混合燃焼を誘導することができるという利点がある。
【0052】
また、
図9及び
図11の(a)を参照すれば、前記空気供給部50は、前記ノズルケース部80と連通して、前記空気供給部50から供給される燃焼用空気を、前記ノズルケース部80の内部に流動させる前記補助空気供給管51をさらに含んでもよい。言い換えれば、前記空気供給部50から供給される燃焼用空気の少なくとも一部は、前記補助空気供給管51から前記ノズルケース部80に流動するようになる。前記補助空気供給管51から前記ノズルケース部80に流動する一部の空気は、さらに前記第2流動管620から第1流動管610に噴射される。このとき、前記第2流動管620から前記第1流動管610の内部に流入する空気は、前記第1流動管610の内部の壁境界層を破壊する役割を行ってもよい。
【0053】
一般に、管及びダクト内を流動する流体は、管またはダクトの内周面である壁面上では、流動速度がなく、停止または停滞されている。言い換えれば、壁面の近くには、壁面の影響により、流体の速度にかかわらず、速度勾配が存在する薄膜状の壁境界層が形成され、壁の近くで極めて遅い流動速度が分布され、このような前記壁境界層の以後から管またはダクトの中心までは、流動速度が増加する流動構造を有するようになる。すなわち、
図10の(a)を参照すれば、管やダクトの内周面の壁面に付着した流体の流動速度は「0」であり、管中心部位の流動速度は最大になる放物線の構造を有している。このとき、管壁面の近くに壁境界層(図示せず)が形成され、この壁境界層内では、壁面と流体との粘性力(Viscous Force)により、流動の速度が極めて小さくなり、前記第1流動管610のように、前記第1流動管610の端部の以前において、管の内部に流動する可燃性流体である燃料と空気が予め混合された混合気の状態で、前記チェンバ30内に噴き出されるとき、混合気の噴出速度が低くなると、前記管またはダクトの中心部では、流動速度が速いが、壁境界層側は、流動速度が低く、火炎が壁境界層側に燃えて入ることにより、さか火現象が発生するか、これによる爆発等の安全関連事故が発生しうるという問題点がある。
【0054】
この場合、前記第2流動管620から前記第1流動管610の内部に空気を前記横噴流の形態で噴出する方法を用いると、
図11の(b)のように、前記第1流動管610と垂直で連通した前記第2流動管620を通過した空気が、前記第1流動管610に噴き出されながら前記壁境界層を破壊する効果により、
図10の(b)の速度分布図のように、前記第1流動管610の内周面の近くには、
図10の(a)のように流動速度が「0」に近い値ではなく、一定以上の流動速度を有するようになり、前記壁境界層側に火炎が燃えて入るというさか火現象を抑制または防止することができるという利点がある。このとき、前記第2流動管620から前記第1流動管610に垂直に空気が噴き出される地点から前記第1流動管610の端部までの距離に応じて、このような前記壁境界層を破壊する効果が異なるので、別途の最適化過程により、前記第1流動管620の噴出口の位置を決めてもよい。
【0055】
また、
図10の(a)及び
図11の(c)を参照すれば、第2流動管620-1は、前記第1流動管610の内周面に傾斜して連通してもよい。すなわち、前記第2流動管620-1は、前記第1流動管610の内部における混合気の流動方向に向かう方向に傾斜して形成されることにより、前記第1流動管620-1を通過した空気が前記第1流動管610に噴き出されるとき、前記第1流動管610の内部の混合気に浸透される空気の深さを調節して、内周面壁の近くの境界層の低い流動速度の勾配を集中的に破壊することができるという利点がある。また、上述した前記第2流動管620-1の噴出地点から前記第1流動管610端部までの距離を調節する方法として活用されてもよい・
【0056】
また、
図11の(d)を参照すれば、前記第2流動管620は、前記第2流動管620の端部である空気の出口に備えられ、噴き出される空気の流動方向を案内する複数個のリップ621を含んでもよい。一例として、前記リップ621は、長方形の断面を持つ板状であり、前記第2流動管620の端部から前記第1流動管610の上部方向に延長して形成されてもよい。言い換えれば、前記リップ621は、「フ」字形状で折り曲げて形成され、前記第2流動管620を通過して流動する水素燃料が前記リップ621に干渉されて、前記第1流動管610の上部方向に流動するようになる。その結果、前記リップ621は、前記第2流動管620を通過した空気が、直接的に前記第1流動管610の壁面に沿って上部方向に流動するように案内することにより、前記第1流動管610の前記壁境界層を効果的に破壊できるようにするという利点がある。
【0057】
また、
図11の(e)を参照すれば、第1流動管610-1は、端部に向かうほど内径がますます小さくなる形態で形成されてもよい。一例として、前記第1流動管610-1は、前記第1流動管610-1の内部を流動する流体の流動方向に沿って内径がますます小さくなる形態で形成される。すなわち、前記第1流動管610-1は、上部に向かうほど内径がますます小さくなる形態で形成される。これにより、前記第1流動管610-1の内部を流動する燃焼用空気または水素燃料または混合気の流動速度が漸次的に増加して、前記チェンバ30に噴き出されることにより、さらに狭くなった前記第1流動管610-1の内側に火炎が燃えて入るというさか火現象が発生し難い環境を造成することができるという利点がある。
【0058】
以下では、本発明の第8実施形態によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置について、添付された図面を参照して、詳細に説明する。まず、
図12を参照すれば、本実施形態は、前記第7実施形態と比べて、前記空気供給部50と連結された前記補助空気供給管51が除去され、前記ノズル下部ケース81と前記ノズル上部ケース82との間の空間が、空気と水素の混合気を燃焼させるのに影響を及ぼさないことが異なる。したがって、燃料である水素と空気の予混合気を放出させる前記第7実施形態における前記第1流動管610への追加的な流体の流入が存在しない。また、本実施形態において、前記第7実施形態と重複する構成については、前記第7実施形態の説明を援用する。
【0059】
図13の(a)及び(b)を参照すれば、前記第1流動管610は、前記第1流動管610の内周面から前記第1流動管610の中心方向に突出して形成される突起部820を含む。一例として、前記突起部820は、前記第1流動管610の上部に備えられ、直方体状で形成されてもよい。すなわち、前記第1流動管610の内部に流入する空気と水素の混合気が、上部に流動しながら、前記突起部820に干渉されるようになる。このとき、前記第1流動管610を流動する空気と水素の混合気は、前記突起部820に干渉され、前記第1流動管610の内周面の壁周囲に薄く形成される混合気の流動の前記壁境界層を破壊して、壁境界層内に存在する流動の速度が急激に減少する領域を除去することにより、混合気の燃焼時、さか火に脆弱な混合気の噴出速度が減少する部分を減らして、さか火を防止することができるようになる。
【0060】
また、前記突起部820は、複数個であり、前記第1流動管610の中心を基準として放射状に備えられてもよい。このとき、前記突起部820は、隣接した突起部820と、前記第1流動管610の中心を基準として、60度の角度で離隔して備えられてもよい。ここで、前記突起部820が、隣接した突起部820と、前記第1流動管610の中心を基準として、60度未満の角度で離隔して備えられると、前記突起部820の個数が増加して製作に必要な時間及び費用が急激に増加するという問題点がある。また、前記突起部820が、隣接した突起部820と、前記第1流動管610の中心を基準として、60度を超える角度で離隔して備えられると、前記第1流動管610を流動する空気と水素の混合気と、前記第1流動管610の内周面の壁面周囲で形成される前記壁境界層とを十分に撹乱させることができない領域が存在し、この部分に火炎が燃えて入り、さか火になる現象が発生する可能性が高くなるという問題点がある。したがって、前記突起部820は、隣接した突起部820と、前記第1流動管610の中心を基準として、60度の角度で離隔して備えられる。
【0061】
また、
図13の(c)を参照すれば、突起部820-1は、三角形の断面を持つ三角柱状に形成されてもよい。このとき、前記突起部820-1の底面は、
図13の(c)の逆三角形状のように、前記第1流動管610の内部を流動する混合気の流動方向の反対方向に備えられてもよい。すなわち、前記突起部820-1の底面は、前記第1流動管610の上部に向かう方向に形成される。言い換えれば、前記突起部820-1の端部が、燃焼用空気と先に接するようになる。したがって、前記突起部820-1は、直方体状の突起部に比べて、第1流動管に沿って流動する混合気に対する突起部の干渉をさらに減らすことができる。この突起部が混合気の流動に及ぼす干渉は、壁境界層を撹乱する性能と関連があり、前記突起部820、820-1の形状のように、突起部の断面形状を三角形、四角形等の多角形から円形等の様々な形状に変更することにより調節されてもよい。
【0062】
また、前記突起部820、820-1の位置は、前記第1流動管610の端部までの距離に応じて、このような前記壁境界層を破壊する効果が異なるので、別途の最適化過程により、前記突起部820、820-1の位置を決めてもよい。
【0063】
このように、上述した本発明の技術的構成は、本発明が属する技術分野における当業者が、本発明におけるその技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施されてもよいことが理解される。
【0064】
このため、上述した実施形態は、全ての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解されなければならず、本発明の範囲は、前記詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲により定められ、特許請求の範囲の意味及び範囲、またその等価概念から導出される全ての変更または変形された形態が、本発明の範囲に含まれる。
【0065】
また、記述した実施形態は、混用して適用することができる。
【符号の説明】
【0066】
5 ノズル
10 第1流動管
20 第2流動管
30 チェンバ
40 点火装置
50 空気供給部
51 補助空気供給管
60 水素供給部
61、61-1 水素供給管
62 燃料配管
70 打孔板
80 ノズルケース部
81 ノズル下部ケース
82 ノズル上部ケース
83 貫通孔
90 バーナーケーシング
210 第1流動管
220 第2流動管
310 第1流動管
320 第2流動管
410 第1流動管
420 第2流動管
530 予混合部
531 予混合孔
610、610-1 第1流動管
620、620-1 第2流動管
621 リップ
820、820-1 突起部
【手続補正書】
【提出日】2022-07-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空気と水素が混合して形成された混合気が流動する第1流動管と、
内部に空気が流動し、前記第1流動管の内周面に連通して形成される第2流動管と、
前記第1流動管の端部に備えられ、前記第1流動管に流入した前記混合気が燃焼される空間を形成するチェンバと、
前記チェンバ内の前混合気を点火させる点火装置と、を含み、
前記第2流動管を通過して前記第1流動管の内部に流動された空気が、前記第1流動管の内周面に形成される壁境界層の流動構造を撹乱させ
、
前記第2流動管は、前記第2流動管の端部である空気の出口側に備えられ、噴き出される空気の流動方向を案内するリップを含み、
前記リップは、長方形の断面を持つ板状であり、前記第2流動管の内周面から前記第2流動管の中心に向かう方向に延長された後、前記第2流動管の端部に向かう方向に折り曲げられて、「フ」字状に形成され、
前記第1流動管は、前記第1流動管の内周面から前記第1流動管の中心方向に突出して形成される突起部を含み、
前記突起部は、複数個であり、前記第1流動管の端部側に直方体状に形成され、
前記複数個の突起部は、前記第1流動管の中心を基準として放射状に配列されるが、前記突起部と隣接した突起部は、前記第1流動管の中心を基準として、60度の角度で離隔して備えられる
ことを特徴とするさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置。
【請求項2】
前記第2流動管は、前記第1流動管の内周面に垂直で連通する
請求項1に記載のさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置。
【請求項3】
前記第2流動管は、前記第1流動管の内周面に傾斜して連通する
請求項1に記載のさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、さか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置に係り、さらに詳しくは、清浄燃料である水素ガスの燃焼時に発生しうるさか火現象を防止し、安全に水素ガスを燃焼処理できるようにするさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電とは、化石燃料の燃焼により発生する高温高圧の燃焼ガスが、回転体であるタービンを回し、その動力が交流発電機に伝達されて電気を得る方式を言う。また、エンジンとは、熱エネルギーを機械エネルギーに変える装置を言う。このように燃料を燃焼させて電気や動力を得る方式は、様々な分野に適用されて用いられている。一例として、特許文献1には、外部から燃焼空気を供給され、燃料供給部によって供給された燃料を燃焼させる燃焼筒を備える燃焼装置について開示している。
【0003】
しかしながら、化石燃料を燃焼させるとき、多量に排出される窒素酸化物は、最も深刻な大気汚染物質に分類され、大気に排出された後、光化学反応により凝縮して粒子状物質が発生してしまうなど、社会的問題が持続しており、火力発電及びエンジンの主燃料として使われる化石燃料が枯渇していくことにより、これを代替可能な燃料及び代替燃料を安全に燃焼させることができる燃焼装置が必要な実情である。これを解決するために、代替燃料として水素を利用しようとするが、爆発等のような安全関連事故の危険性が高いという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10-1080928号公報(2011.11.01.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した先行技術の問題点を解決するためになされたものであって、清浄燃料である水素ガスの燃焼時に発生しうるさか火現象を防止し、安全に水素ガスを燃焼処理できるようにするさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置を提供することを目的とする。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、上述した課題に制限されず、ここに言及されていない、本発明が解決しようとするまた他の課題は、下記の記載から、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明確に理解される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好適な一実施形態によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置において、予混合管の機能を兼ねる第1流動管と、前記第1流動管の内周面に連通して形成される第2流動管と、前記第1流動管の端部に備えられ、前記第1流動管に流入した空気と水素が混合して形成された混合気が燃焼される空間を形成するチェンバと、前記チェンバ内の前記混合気を点火させる点火装置と、を含み、前記第2流動管を通過して前記第1流動管の内部に流動された流体が、前記第1流動管の内周面に形成される境界層の流動構造を撹乱させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の好適な一実施形態による前記第2流動管は、前記第1流動管の内周面に垂直で連通することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の好適な一実施形態による前記第2流動管は、前記第1流動管の内周面に傾斜して連通することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の好適な一実施形態による前記第2流動管は、前記第2流動管の端部である空気の出口に備えられ、噴き出される空気の流動方向を案内するリップを含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の好適な一実施形態による前記第1流動管は、前記第1流動管の内周面から前記第1流動管の中心方向に突出して形成される突起部を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記した課題の解決手段により、本発明によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置は、いつもさか火現象等の安全関連事故の危険に晒されている予混合燃焼機において、混合気が存在する予混合管の内周面に壁境界層(Wall boundary layer)を撹乱させる数種の装置を備えて、さか火現象を最小化する、さか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置を提供するという効果がある。
【0013】
また、本発明によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置は、予混合管の下端と上端から、燃焼用空気を1次混合と2次混合として分けて流入させることにより、円滑な燃焼を維持するとともに、2次混合空気を用いて予混合管の上端の壁面の壁境界層を破壊して、水素ガス燃焼装置においてさか火を防止することができるという効果がある。
【0014】
また、本発明によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置は、2次混合空気を用いる実施形態のほか、予混合管の出口に中心方向に突出している突起部を用いて、壁面の境界層を破壊してさか火を防止する実施形態の場合は、既存の予混合燃焼装置にも容易に適用して使用することができるという利点がある。
【0015】
本発明の効果は、上述した効果に制限されず、ここに言及されていない、本発明の効果は、下記の記載から、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】(a)は、本発明の第1実施形態による燃焼装置の構成を示す断面図であり、(b)は、本発明の第1実施形態とは異なる実施形態による燃焼装置の構成を示す断面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態による燃焼装置の構成を拡大して示す断面図である。
【
図3】本発明の第2実施形態による燃焼装置の構成を拡大して示す斜視図である。
【
図4】本発明の第3実施形態による燃焼装置の構成を拡大して示す斜視図である。
【
図5】本発明の第4実施形態による燃焼装置の構成を拡大して示す斜視図である。
【
図6】(a)及び(b)は、本発明の第5実施形態による燃焼装置の構成を拡大して示す断面図である。
【
図7】(a)は、本発明の第6実施形態による燃焼装置の構成を拡大して示す断面図であり、(b)は、本発明の第6実施形態による燃焼装置の第1流動管及び第2流動管の構成を拡大して示す断面図であり、(c)は、本発明の第6実施形態とは異なる実施形態による燃焼装置の第1流動管及び第2流動管の構成を拡大して示す断面図であり、(d)は、本発明の第6実施形態とは異なる他の実施形態による燃焼装置の第1流動管及び第2流動管の構成を拡大して示す断面図である。
【
図8】本発明の第6実施形態による燃焼装置の構成を拡大して示す断面図である。
【
図9】本発明の第7実施形態による燃焼装置の構成を示す断面図である。
【
図10】(a)は、従来の管内部の流体の流動速度を示す図であり、(b)は、本発明の第7実施形態による燃焼装置の第1流動管内の流体の速度勾配を示す図であり、(c)は、本発明の第7実施形態とは異なる実施形態による燃焼装置の第1流動管内の流体の速度勾配を示す図面である。
【
図11】(a)は、本発明の第7実施形態による燃焼装置の構成を拡大して示す断面図であり、(b)は、本発明の第7実施形態による燃焼装置の第1流動管及び第2流動管の構成を拡大して示す断面図であり、(c)は、本発明の第7実施形態とは異なる実施形態による燃焼装置の第1流動管及び第2流動管の構成を拡大して示す断面図であり、(d)は、本発明の第7実施形態とは異なる他の実施形態による燃焼装置の第1流動管及び第2流動管の構成を拡大して示す断面図であり、(e)は、本発明の第7実施形態とは異なる他の実施形態による燃焼装置の第1流動管及び第2流動管の構成を拡大して示す断面図である。
【
図12】本発明の第8実施形態による燃焼装置の第1流動管の構成を示す断面図である。
【
図13】(a)は、本発明の第8実施形態による燃焼装置の構成を拡大して示す断面図であり、(b)は、本発明の第8実施形態による燃焼装置の第1流動管及び第2流動管の構成を拡大して示す断面図であり、(c)は、本発明の第8実施形態とは異なる実施形態による燃焼装置の第1流動管及び第2流動管の構成を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この明細書で用いられる用語について簡略に説明し、本発明について具体的に説明する。
【0018】
本発明で用いられる用語は、本発明における機能を考慮して、できるだけ、現在広く用いられている一般的な用語を選択したが、これは、当分野に携わる技術者の意図または判例、新たな技術の出現等により変わることがある。したがって、本発明において用いられる用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたった内容に基づいて定義されなければならない。
【0019】
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に断りのない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0020】
下記では、添付した図面を参考して、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかしながら、本発明は、様々な相違した形態で実現されてもよく、ここに説明する実施形態に限定されない。
【0021】
本発明における解決しようとする課題、課題の解決手段、発明の効果を含む具体的な事項は、後述する実施形態及び図面に含まれている。本発明の利点及び特徴、また、それらを達成する方法は、添付される図面とともに詳細に後述されている実施形態を参照すると、明確になる。
【0022】
以下、添付された図面を参照して、本発明についてさらに詳述する。
【0023】
図1及び
図2を参照すれば、本発明の好適な第1実施形態によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置において、燃焼用空気が流動する第1流動管10と、前記第1流動管10の外周面の少なくとも一部を取り囲む形態で備えられる水素供給管である第2流動管20と、前記第1流動管10及び第2流動管20の端部に備えられ、前記第1流動管10から流入した燃焼用空気と前記第2流動管20から流入した燃料である水素が噴き出されながら混合されて混合気が形成され、燃焼されるようにする空間を形成するチェンバ30と、前記チェンバ30内の前記混合気を点火させる点火装置40と、を含み、前記第2流動管20から噴き出された水素が前記第1流動管10から噴き出された空気を取り囲む形態で混合されて燃焼される拡散燃焼型ノズル構造を有する。このとき、前記第2流動管20を流動するものは、燃焼に活用される燃料として、本発明において水素を挙げているが、これに限定されるものではない。
【0024】
まず、バーナーケーシング90が設けられる。前記バーナーケーシング90は、内部に空いた空間が形成され、円柱状の胴体を有するが、前記バーナーケーシング90の端部に向かうほど、断面積がますます小さくなる形態に形成される。このとき、前記バーナーケーシング90は、前記バーナーケーシング90の基底部に備えられ、前記第2流動管20と連通され、前記第2流動管20に水素を供給する複数個の水素供給部60を含み、前記複数個の水素供給部60は、前記バーナーケーシング90基底部に燃料である水素を外部から供給する燃料配管62と連通している。また、前記バーナーケーシング90の基底部の中心には、前記チェンバ30と連通され、前記第1流動管10と第2流動管20から噴き出された混合気を点火させる役割を行う前記点火装置40が備えられる。
【0025】
次に、燃焼室の空間である前記チェンバ30が設けられる。前記チェンバ30は、前記バーナーケーシング90と対応する形状で、前記バーナーケーシング90の内部に備えられ、前記チェンバ30の基底部には、後述するノズルケース部80が備えられる。前記チェンバ30の内部には、前記第1流動管10から流入した燃焼用空気と前記第2流動管20から流入した水素燃料が混合される空間が形成される。また、前記チェンバ30とバーナーケーシング90との間には、外部の空気を前記第1流動管10へ流動させる空気供給部50が設けられる。すなわち、前記空気供給部50は、前記外部の空気を前記第1流動管10に流動させる通路の役割を行う。このとき、前記空気供給部50には、前記外部の空気を流動させるファン(図示せず)または圧縮機(図示せず)が設けられてもよい。
【0026】
次に、ノズルケース部80が設けられる。前記ノズルケース部80は、前記バーナーケーシング90の内部に備えられ、円柱状に形成され、前記第1流動管10及び第2流動管20を固定させる役割を行う。ここで、前記チェンバ30は、前記ノズルケース部80の周縁から延長して形成され、前記ノズルケース部80は、前記バーナーケーシング90から既に設定された間隔だけ離隔して備えられる。
【0027】
また、前記ノズルケース部80は、前記空気供給部50を通過して前記バーナーケーシング90の内部に流動された前記外部の空気が、前記第1流動管10に流動されるように一端部が開放され、内部に空いた空間が形成されるノズル下部ケース81と、前記ノズル下部ケース81の上部に、前記ノズル下部ケース81から既に設定された間隔だけ離隔して備えられるノズル上部ケース82と、を含む。このとき、前記ノズル下部ケース81の端部には、前記ノズル上部ケース82に向かう方向に段差が形成される。すなわち、前記ノズル下部ケース81の上部面には、前記ノズル下部ケース81の上部面の周縁に沿って、前記ノズル下部ケース81の上部方向に突出して前記段差が形成される。また、前記段差は、前記ノズル上部ケース82の下部面に固定されることにより、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間には、空いた空間が設けられる。
【0028】
ここで、前記水素供給部60は、水素が流動されるように設けられる複数個の水素供給管61を含み、前記複数個の水素供給管61は、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間の空間と連通され、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間の空間に水素が流動されるようにする。また、前記第2流動管20は、前記ノズル上部ケース82を貫通して形成され、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間の空間と連通される。すなわち、前記水素供給部60から供給された水素は、前記水素供給管61を経て、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間の空間に流動されてから、前記第2流動管20を通過して前記チェンバ30に供給される。このとき、前記複数個の水素供給管61は、前記水素供給部60の中心を基準として放射状に配列され、前記水素供給部60から供給された水素が均一に分散して、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間の空間に流動されるようにする。
【0029】
また、前記ノズル下部ケース81の内部には、外部から供給された前記外部の空気中の異物を除去するフィルター(図示せず)が備えられてもよい。また、前記ノズル下部ケース81の内部には、前記チェンバ30に供給される空気の量を一定にする打孔板70が備えられもよい。すなわち、前記打孔板70は、一定量の空気が均一かつ持続的に前記チェンバ30に供給されるように、整流効果(Rectification Effect)を誘導する役割を行い、圧力降下(Pressure Drop)を考慮して最適化を経てもよく、ハニカムや様々な形状の打孔板の形態等に取り替えられてもよい。
【0030】
また、
図1の(b)を参照すれば、前記ノズルケース部80は、前記ノズルケース部80を貫通して形成される複数個の貫通孔83を含んでもよい。したがって、前記チェンバ30に燃焼用空気がさらに均一に供給され、同じ時間の間、前記チェンバ30に供給される燃焼用空気の量を増加させることができるという利点がある。すなわち、燃焼に必要な空気の量に応じて、前記複数個の貫通孔83を選択的に備えて、前記チェンバ30に供給される燃焼用空気の量を調節してもよい。
【0031】
次に、前記第1流動管10は、前記ノズル下部ケース81及びノズル上部ケース82を貫通して備えられ、前記外部の空気が前記チェンバ30に供給されるようにする。また、前記第2流動管20は、前記ノズル上部ケース82を貫通して備えられ、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間に供給された水素が、前記第2流動管20から前記チェンバ30に供給されるようにする。また、前記第1流動管10及び第2流動管20は、円柱状に形成される。すなわち、前記第1流動管10及び第2流動管20は、同じ中心を有する同心円状の断面を有して形成される。ここで、前記第2流動管20は、前記第1流動管10よりもさらに大きな直径を有して形成され、前記第1流動管10の外周面を取り囲む形態で備えられる。したがって、前記第1流動管10から高速で噴き出された燃焼用空気の高い運動量により、前記第2流動管20から噴き出された水素燃料は、前記第1流動管10の燃焼用空気ジェットを全体的に取り囲む形態で流入されるとともに、燃焼用空気と速く混合されることにより、一般の拡散燃焼とは異なり、予混合性能を誘導することができる方式で燃焼される。その結果、中央に備えられる前記第1流動管10から噴き出された燃焼用空気を中心として、前記第2流動管20から噴き出された水素が放射状に配列されて、噴き出された水素燃料が燃焼用空気側に速く流入して混合される部分予混合気(Partial Premixture)が形成されるようにすることにより、前記点火装置40によって前記混合気が点火されると、拡散燃焼構造であるが、予混合性能を誘導することにより、燃料である水素の燃焼率を向上させることができるという利点がある。言い換えれば、拡散燃焼型ジェット(Jet)構造であるが、部分予混合気の形成による予混合性能が向上して、前記第2流動管20から噴き出された燃料である水素の完全燃焼を誘導することにより、前記チェンバ30内に残っている残余水素による爆発等の安全関連事故が発生することを防止することができる。また、前記第1流動管10及び第2流動管20の製作に必要となる時間及び費用を最小化することができるという利点がある。
【0032】
以下では、本発明の第2実施形態によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置について、添付された図面を参照して、詳細に説明する。本実施形態は、前記第1実施形態と比べて、燃焼用水素を放出させる第2流動管220が、多角形の断面を有して形成されることが異なる。本実施形態において、前記第1実施形態と重複する構成については、上記した第1実施形態の説明を援用する。
【0033】
図3を参照すれば、前記第2流動管220は、多角形の断面を有して形成される。また、第1流動管210は、円形の断面を有して形成され、前記第1流動管210の外周面の少なくとも一部は、前記第2流動管220の内周面に接して備えられる。一例として、前記第2流動管220は、三角形の断面を有して形成され、前記第1流動管210は、前記第2流動管220に挿入される。すなわち、断面を基準として、前記第1流動管210は、前記第2流動管220に内接して備えられる。したがって、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間の空間にある水素は、前記第2流動管220から前記チェンバ30に供給される。言い換えれば、前記第2流動管220の流路は、三角形の断面であり、前記第1流動管210によって3分割される。その結果、前記第2流動管220から噴き出された水素燃料が、前記第1流動管210から噴き出された燃焼用空気を全体的に取り囲む形態で混合されるが、前記第2流動管220から噴き出される水素は3分割され、前記チェンバ30に供給される空気と水素の割合を一定に維持することができるという利点がある。また、前記第2流動管220の内部に前記第1流動管210が固定され、さらに堅固に支持されるという利点がある。すなわち、前記第1流動管210の外周面が前記第2流動管220に固定または支持される構造であって、構造的な安定性を向上させることができる。
【0034】
以下では、本発明の第3実施形態によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置について、添付された図面を参照して、詳細に説明する。本実施形態は、前記第2実施形態と比べて、燃焼用水素を放出させる第2流動管320が、四角形の断面を有して形成されることが異なる。本実施形態において、前記第2実施形態と重複する構成については、前記第2実施形態の説明を援用する。
【0035】
図4を参照すれば、前記第2流動管320は、四角形の断面を有して形成される。すなわち、前記第2流動管320は、四角形の断面を有して形成され、第1流動管310は、前記第2流動管320に挿入される。すなわち、断面を基準として、前記第1流動管310は、前記第2流動管320に内接して備えられる。したがって、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間の空間にある水素は、前記第2流動管320から前記チェンバ30に供給される。言い換えれば、前記第2流動管320の流路は、四角形の断面であり、前記第1流動管310によって4分割される。その結果、前記第2流動管320から噴き出された水素燃料が、前記第1流動管310から噴き出された燃焼用空気を全体的に取り囲む形態で混合されるが、前記第2流動管320から噴き出される水素は4分割され、前記チェンバ30に供給される空気と水素の割合を一定に維持することができるという利点がある。すなわち、第2実施形態と比べて、前記第2流動管320が四角形の断面を有して形成され、燃焼用空気の周囲に、さらに薄い水素層が形成されて、燃料である水素と燃焼用空気がさらに速く互いに混合されて燃焼されることにより、水素の燃焼率を向上させることができる。また、三角形の断面に比べて、前記第2流動管320から噴き出される水素がさらに均一に噴射されることができるという利点がある。また、前記第2流動管220の内部に前記第1流動管210が固定され、さらに堅固に支持されるという利点がある。また、第2実施形態と比べて、前記第2流動管320が四角形の断面を有して形成され、前記第1流動管310の内部に挿入される形式で支持されることにより、前記第2流動管320から前記チェンバ30に噴き出される水素の流量が分割され、多量の水素が一度に燃焼されることにより発生し得る爆発の危険性を減少させることができるという利点がある。言い換えれば、前記第2流動管320の断面の角数が増加することにより、前記第2流動管320から噴き出される水素の量を分散させて低減させることができる。すなわち、水素の流動速度が同じ場合、前記第2流動管320の断面の角数を調節することにより、噴き出される水素の量を調節することができる。
【0036】
以下では、本発明の第4実施形態によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置について、添付された図面を参照して、詳細に説明する。本実施形態は、前記第1実施形態と比べて、燃焼用水素を放出させる第2流動管420が、燃焼用空気を放出させる第1流動管410の外周面から離隔した部分に備えられることが異なる。本実施形態において、前記第1実施形態と重複する構成については、上記した第1実施形態の説明を援用する。
【0037】
図5を参照すれば、前記第2流動管420は、前記第1流動管410の外周面から既に設定された間隔だけ離隔して備えられる。一例として、前記第1流動管410及び第2流動管420は、円形の断面を有して形成され、前記第2流動管420は、複数個であり、前記第1流動管410の中心を基準として放射状に配列されてもよい。したがって、前記ノズル下部ケース81とノズル上部ケース82との間に流動された水素が、前記複数個の第2流動管420から均一に分配され、前記チェンバ30に流動するようになる。したがって、前記第1流動管410から噴き出された空気を中心として、前記第2流動管420から噴き出された水素が放射状に配列され、前記混合気が形成されることにより、前記点火装置40によって前記混合気が点火されると、放射状に配列された前記第2流動管420から噴き出された水素燃料ジェットが、前記第1流動管410から高速で噴き出された燃焼用空気側に速く流入及び混合されながら燃焼されて、燃料である水素の燃焼率を向上させることができるという利点がある。
【0038】
このとき、前記第2流動管420は、隣接した第2流動管420と、前記第1流動管410の中心を基準として、45度の角度で離隔して備えられる。ここで、前記第2流動管420が、隣接した第2流動管420と、前記第1流動管410の中心を基準として、45度の角度未満で離隔して備えられると、前記第2流動管420の個数が増加して製作に必要な時間及び費用が急激に増加するという問題点と、前記第2流動管420と隣接した第2流動管420との間の距離が狭くなり、前記第2流動管420と連結されるノズル上部ケース82等の強度が低くなり、疲労骨折等に対して脆弱になるという問題点がある。また、複数個の第2流動管420と第1流動管410からなるノズル5において、複数個の前記ノズル5間の距離が短くなると、複数個の前記ノズル5のそれぞれに火炎が形成されず、一つに合わさって大きな火炎が生成されることにより、火炎の滞在時間が長くなり、窒素酸化物の排出量が増加するようになるという問題点がある。また、前記第2流動管420が、隣接した第2流動管420と、前記第1流動管410の中心を基準として、45度の角度を超えて離隔して備えられると、前記第2流動管420から噴き出された水素燃料が、前記第1流動管410から噴き出された燃焼用空気の表面を完全に取り囲まず、燃料である水素と燃焼用空気との混合が不良になり、水素の燃焼率が減少するようになるという問題点と、前記チェンバ30内の火炎が安定化されないという問題点がある。したがって、前記第2流動管420は、隣接した第2流動管420と、前記第1流動管410の中心を基準として、45度の角度で離隔して備えられる。このとき、前記第2流動管420から噴き出される水素が、さらに均一に噴射されるという利点もある。
【0039】
以下では、本発明の第5実施形態によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置について、添付した図面を参照して、詳細に説明する。本実施形態は、前記第4実施形態と比べて、燃焼用空気を放出させる前記第1流動管410及び燃焼用水素を放出させる第2流動管420の端部と前記チェンバ30との間に備えられ、前記第1流動管410から噴き出された空気と前記第2流動管420から噴き出された燃料である水素が、前記第1流動管410と第2流動管420の端部である出口の直前や近くで予混合される空間を形成する予混合部530をさらに含むことが異なる。本実施形態において、前記第1実施形態と重複する構成については、上記した第1実施形態の説明を援用する。
【0040】
図6を参照すれば、本発明の水素ガス燃焼装置は、前記第1流動管410及び第2流動管420の端部と前記チェンバ30との間に備えられ、前記第1流動管410から噴き出された空気と前記第2流動管420から噴き出された水素燃料が、燃焼室である前記チェンバ30に噴き出される前である前記第1流動管410と第2流動管420の端部である出口の直前や近くで、予め互いに予混合される空間を形成する予混合部530をさらに含む。ここで、前記予混合部530は、前記ノズル上部ケース82の上部に延長して形成されてもよく、前記予混合部530は、前記第1流動管410及び第2流動管420とそれぞれ連通して形成される複数個の予混合孔531を含む。すなわち、前記第1流動管410から噴き出された燃焼用空気と前記第2流動管420から噴き出された水素燃料は、前記予混合孔531を通過しながら、燃焼前に予め予混合され、前記チェンバ30に流動され、前記混合気となってから、前記混合気が前記点火装置40によって点火される。その結果、前記第1流動管410から噴き出された燃焼用空気と前記第2流動管420から噴き出された水素燃料は、前記予混合孔531で1次混合され、前記チェンバ30に流動されて2次混合されることにより、空気と水素の混合率を向上させることができるという利点がある。
【0041】
また、前記予混合孔531の長さは、前記第2流動管420の長さよりもさらに長く形成され、前記第2流動管420から噴き出された水素が、前記第1流動管410から噴き出された空気と十分に混合される。ここで、予混合(Premixing)の程度や水素と空気が混合された混合気の危険度(敏感度)を考慮して、前記予混合孔531の長さを調節してもよい。一例として、前記予混合孔531の長手方向の長さは、前記第1流動管410の直径の5倍乃至10倍で形成されてもよい。このとき、前記予混合孔531の長手方向の長さが、前記第1流動管410の直径の5倍未満で形成されると、燃焼用空気と燃料である水素の混合率が減少するようになる問題点があり、前記予混合孔531の長手方向の長さが、前記第1流動管410の直径の10倍を超えて形成されると、空気と水素の混合率を高めることができるが、過度な量の混合気が前記予混合孔531に滞在するようになり、爆発の危険性が高くなり、前記予混合部530の構造的安定性が減少するという問題点がある。
【0042】
また、前記予混合孔531の内周面には、ねじ山状の旋回(Swirl)流路が形成されてもよい。言い換えれば、前記予混合孔531の内周面に旋回形流路が設けられ、前記予混合孔531の内周面に隣接した部分を流動する空気と水素が螺旋状の旋回流動をするように誘導することにより、空気と水素の混合率をさらに向上させることができる。
【0043】
また、前記予混合孔531は、前記予混合孔531の下部面の直径がさらに大きなテーパー状(Tapered)に形成されてもよい。言い換えれば、前記予混合孔531は、上部方向に向かうほど直径が漸次的に小さくなるテーパー状に形成され、前記予混合孔531の下部に流動された燃焼用空気及び水素燃料が、前記予混合孔531の上部方向に向かうほど速度が漸次的に増加されてもよい。これにより、前記予混合孔531を通過した空気及び水素の混合気が、さらに速い速度で前記チェンバ30に噴き出されることにより、火炎のさか火現象を減少させることができるという利点がある。
【0044】
以下では、本発明の第6実施形態によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置について、添付された図面を参照して、詳細に説明する。本実施形態は、前記第1実施形態と比べて、燃焼用水素を放出させる孔状の第2流動管620が、燃焼用空気を放出させる第1流動管610の内周面に連通して形成されることが異なる。本実施形態において、前記第1実施形態と重複する構成については、上記した第1実施形態の説明を援用する。
【0045】
図7及び
図8を参照すれば、前記第2流動管620は、前記第1流動管610の内周面に連通して形成され、水素燃料は、前記第2流動管620を通過して、前記第1流動管610の内部に横噴流(Jet in Cross)の形態で噴き出され、このため、前記第2流動管620を通過して、前記第1流動管610の内部に垂直方向に噴き出された水素が、前記第1流動管610において速く混合(Mixing)が促進されるようになる。さらに詳しくは、前記第2流動管620は、前記第1流動管610の内周面に垂直で連通されてもよい。すなわち、前記第1流動管610の内部を流動する空気と垂直な方向に、前記第2流動管620を通過した水素が噴き出される。このように、燃料である水素が、燃焼用空気が流動する前記第1流動管610へ前記横噴流の形態で噴き出されると、水素が噴き出された地点から速く前記第1流動管610の内部に流動する空気に混合され、前記第1流動管610の端部までの混合距離(Mixing Length)が短くても、燃料である水素と燃焼用空気がよく混合された混合気(Mixture)を形成するようになる。このとき、前記第2流動管620から水素が噴き出される地点から前記第1流動管610の端部までの距離は、目標とする水素と空気の混合度(Mixing Degree)を考慮して調節してもよい。この場合、前記第2流動管620の噴出地点から前記第1流動管610の端部までの距離を短くすると、さか火の危険性を減らすための拡散燃焼方式を誘導することができ、前記距離を長くして、前記第2流動管620の噴出地点から噴き出された水素が、前記第1流動管610内で十分に混合されると、予混合燃焼方式を誘導することができ、混合率が向上した水素ガス燃焼装置への切替が容易になる。したがって、上述した第6実施形態の方法は、用途に応じて、拡散燃焼方式や予混合燃焼方式への選択的な切替が容易になるという利点を有する。
【0046】
一例として、
図7の(b)を参照すれば、前記第2流動管620は、前記第1流動管610の下部に形成されてもよい。すなわち、前記第2流動管620は、前記第1流動管610の長手方向の長さの1/4の地点に位置する。したがって、前記第1流動管610を流動する燃焼用空気と、前記第2流動管620から前記第1流動管610の内部に供給された水素燃料が、前記第1流動管610の上部に流動しながら混合されるのに十分な距離及び時間を有し、燃料と空気の十分な予混合が誘導されて、混合率が向上した水素ガス燃焼装置になるという利点がある。
【0047】
また、
図7の(c)を参照すれば、前記第2流動管620は、前記第1流動管610の中央部に形成されてもよい。すなわち、前記第2流動管620は、前記第1流動管610の長手方向の長さの2/4の地点に位置する。この場合は、拡散燃焼の特性を有するとともに、予混合性能が向上した水素ガス燃焼装置になるという利点がある。
【0048】
また、
図7の(d)を参照すれば、前記第2流動管620は、前記第1流動管610の上部に形成されてもよい。すなわち、前記第2流動管620は、前記第1流動管610の長手方向の長さの3/4の地点に位置する。すると、拡散燃焼方式の特徴のように、火炎のさか火から最も安定した水素ガス燃焼装置になるという利点を有する。したがって、このような方法で、上述した第6実施形態は、用途に応じて、拡散燃焼方式から予混合燃焼方式への選択的な切替が容易になるという利点を有する。
【0049】
また、前記第2流動管620は、複数個であり、前記第1流動管610の中心を基準として放射状に配列されてもよい。このとき、前記第2流動管620は、隣接した第2流動管620と前記第1流動管610の中心を基準として、45度の角度で離隔して備えられる。ここで、前記第2流動管620が、隣接した第2流動管620と、前記第1流動管610の中心を基準として、45度の角度未満で離隔して備えられると、前記第2流動管620の個数が増加して製作に必要な時間及び費用が急激に増加するという問題点と、前記第2流動管620と隣接した第2流動管620との間の距離が狭くなり、前記ノズル上部ケース82の一部構造の強度が極めて低くなり、疲労骨折等に対して脆弱になるという問題点がある。また、複数個の第2流動管620と第1流動管610からなるノズル5において、複数個の前記ノズル5間の距離が短くなると、前記複数個のノズル5のそれぞれに独立的な火炎が形成されず、一つに合わさって大きな火炎が生成されることにより、火炎の滞在時間が長くなり、窒素酸化物の排出量が増加するようになるという問題点がある。これに対して、前記第2流動管620が、隣接した第2流動管620と、前記第1流動管610の中心を基準として、45度の角度を超えて離隔して備えられると、限定された面積の前記ノズル上部ケース82に備えられる前記第1流動管610の数が少数に限定されるという問題点がある。したがって、前記第2流動管620は、隣接した第2流動管620と、前記第1流動管610の中心を基準として、45度の角度で離隔して備えられる。
【0050】
以下では、本発明の第7実施形態によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置について、添付された図面を参照して、詳細に説明する。本実施形態は、前記第1実施形態と比べて、水素供給管61-1が前記ノズルケース部80と連通せずに、前記第1流動管610の以前で、前記バーナーケーシング90に直接水素を噴射することが異なる。したがって、他の実施形態とは異なり、第7実施形態では、前記第1流動管610に燃焼用空気と水素が混合された予混合気が流動し、第7実施形態における第2流動管620は、補助空気供給管51から、前記予混合気が流動する前記第1流動管610の内部壁面に、水素ではなく、空気を噴射することが異なる。その他、本実施形態において、前記第1実施形態と重複する構成については、上記した第1実施形態の説明を援用する。
【0051】
まず、
図9を参照すれば、前記水素供給管61-1は、前記ケーシング90の内部空間と連通してもよい。すなわち、前記水素供給管61-1は、前記ノズルケース部80と連通せずに、前記ノズルケース部80とケーシング90との間の空間と連通する。したがって、前記水素供給管61-1を通過した水素燃料と前記空気供給部50から供給された燃焼用空気が、前記ノズルケース部80とケーシング90との間の空間において予混合される。すなわち、前記ノズルケース部80とケーシング90との間の空間において、燃料である水素と燃焼用空気が予混合された混合気が、前記打孔板70を通過して前記チェンバ30に流動することにより、完璧な予混合気を形成され、予混合燃焼を誘導することができるという利点がある。
【0052】
また、
図9及び
図11の(a)を参照すれば、前記空気供給部50は、前記ノズルケース部80と連通して、前記空気供給部50から供給される燃焼用空気を、前記ノズルケース部80の内部に流動させる前記補助空気供給管51をさらに含んでもよい。言い換えれば、前記空気供給部50から供給される燃焼用空気の少なくとも一部は、前記補助空気供給管51から前記ノズルケース部80に流動するようになる。前記補助空気供給管51から前記ノズルケース部80に流動する一部の空気は、さらに前記第2流動管620から第1流動管610に噴射される。このとき、前記第2流動管620から前記第1流動管610の内部に流入する空気は、前記第1流動管610の内部の壁境界層を破壊する役割を行ってもよい。
【0053】
一般に、管及びダクト内を流動する流体は、管またはダクトの内周面である壁面上では、流動速度がなく、停止または停滞されている。言い換えれば、壁面の近くには、壁面の影響により、流体の速度にかかわらず、速度勾配が存在する薄膜状の壁境界層が形成され、壁の近くで極めて遅い流動速度が分布され、このような前記壁境界層の以後から管またはダクトの中心までは、流動速度が増加する流動構造を有するようになる。すなわち、
図10の(a)を参照すれば、管やダクトの内周面の壁面に付着した流体の流動速度は「0」であり、管中心部位の流動速度は最大になる放物線の構造を有している。このとき、管壁面の近くに壁境界層(図示せず)が形成され、この壁境界層内では、壁面と流体との粘性力(Viscous Force)により、流動の速度が極めて小さくなり、前記第1流動管610のように、前記第1流動管610の端部の以前において、管の内部に流動する可燃性流体である燃料と空気が予め混合された混合気の状態で、前記チェンバ30内に噴き出されるとき、混合気の噴出速度が低くなると、前記管またはダクトの中心部では、流動速度が速いが、壁境界層側は、流動速度が低く、火炎が壁境界層側に燃えて入ることにより、さか火現象が発生するか、これによる爆発等の安全関連事故が発生しうるという問題点がある。
【0054】
この場合、前記第2流動管620から前記第1流動管610の内部に空気を前記横噴流の形態で噴出する方法を用いると、
図11の(b)のように、前記第1流動管610と垂直で連通した前記第2流動管620を通過した空気が、前記第1流動管610に噴き出されながら前記壁境界層を破壊する効果により、
図10の(b)の速度分布図のように、前記第1流動管610の内周面の近くには、
図10の(a)のように流動速度が「0」に近い値ではなく、一定以上の流動速度を有するようになり、前記壁境界層側に火炎が燃えて入るというさか火現象を抑制または防止することができるという利点がある。このとき、前記第2流動管620から前記第1流動管610に垂直に空気が噴き出される地点から前記第1流動管610の端部までの距離に応じて、このような前記壁境界層を破壊する効果が異なるので、別途の最適化過程により、前記第1流動管620の噴出口の位置を決めてもよい。
【0055】
また、
図10の(a)及び
図11の(c)を参照すれば、第2流動管620-1は、前記第1流動管610の内周面に傾斜して連通してもよい。すなわち、前記第2流動管620-1は、前記第1流動管610の内部における混合気の流動方向に向かう方向に傾斜して形成されることにより、前記第1流動管620-1を通過した空気が前記第1流動管610に噴き出されるとき、前記第1流動管610の内部の混合気に浸透される空気の深さを調節して、内周面壁の近くの境界層の低い流動速度の勾配を集中的に破壊することができるという利点がある。また、上述した前記第2流動管620-1の噴出地点から前記第1流動管610端部までの距離を調節する方法として活用されてもよい・
【0056】
また、
図11の(d)を参照すれば、前記第2流動管620は、前記第2流動管620の端部である空気の出口に備えられ、噴き出される空気の流動方向を案内する複数個のリップ621を含んでもよい。一例として、前記リップ621は、長方形の断面を持つ板状であり、前記第2流動管620の端部から前記第1流動管610の上部方向に延長して形成されてもよい。言い換えれば、前記リップ621は、「フ」字形状で折り曲げて形成され、前記第2流動管620を通過して流動する水素燃料が前記リップ621に干渉されて、前記第1流動管610の上部方向に流動するようになる。その結果、前記リップ621は、前記第2流動管620を通過した空気が、直接的に前記第1流動管610の壁面に沿って上部方向に流動するように案内することにより、前記第1流動管610の前記壁境界層を効果的に破壊できるようにするという利点がある。
【0057】
また、
図11の(e)を参照すれば、第1流動管610-1は、端部に向かうほど内径がますます小さくなる形態で形成されてもよい。一例として、前記第1流動管610-1は、前記第1流動管610-1の内部を流動する流体の流動方向に沿って内径がますます小さくなる形態で形成される。すなわち、前記第1流動管610-1は、上部に向かうほど内径がますます小さくなる形態で形成される。これにより、前記第1流動管610-1の内部を流動する燃焼用空気または水素燃料または混合気の流動速度が漸次的に増加して、前記チェンバ30に噴き出されることにより、さらに狭くなった前記第1流動管610-1の内側に火炎が燃えて入るというさか火現象が発生し難い環境を造成することができるという利点がある。
【0058】
以下では、本発明の第8実施形態によるさか火現象を防止することができる水素ガス燃焼装置について、添付された図面を参照して、詳細に説明する。まず、
図12を参照すれば、本実施形態は、前記第7実施形態と比べて、前記空気供給部50と連結された前記補助空気供給管51が除去され、前記ノズル下部ケース81と前記ノズル上部ケース82との間の空間が、空気と水素の混合気を燃焼させるのに影響を及ぼさないことが異なる。したがって、燃料である水素と空気の予混合気を放出させる前記第7実施形態における前記第1流動管610への追加的な流体の流入が存在しない。また、本実施形態において、前記第7実施形態と重複する構成については、前記第7実施形態の説明を援用する。
【0059】
図13の(a)及び(b)を参照すれば、前記第1流動管610は、前記第1流動管610の内周面から前記第1流動管610の中心方向に突出して形成される突起部820を含む。一例として、前記突起部820は、前記第1流動管610の上部に備えられ、直方体状で形成されてもよい。すなわち、前記第1流動管610の内部に流入する空気と水素の混合気が、上部に流動しながら、前記突起部820に干渉されるようになる。このとき、前記第1流動管610を流動する空気と水素の混合気は、前記突起部820に干渉され、前記第1流動管610の内周面の壁周囲に薄く形成される混合気の流動の前記壁境界層を破壊して、壁境界層内に存在する流動の速度が急激に減少する領域を除去することにより、混合気の燃焼時、さか火に脆弱な混合気の噴出速度が減少する部分を減らして、さか火を防止することができるようになる。
【0060】
また、前記突起部820は、複数個であり、前記第1流動管610の中心を基準として放射状に備えられてもよい。このとき、前記突起部820は、隣接した突起部820と、前記第1流動管610の中心を基準として、60度の角度で離隔して備えられてもよい。ここで、前記突起部820が、隣接した突起部820と、前記第1流動管610の中心を基準として、60度未満の角度で離隔して備えられると、前記突起部820の個数が増加して製作に必要な時間及び費用が急激に増加するという問題点がある。また、前記突起部820が、隣接した突起部820と、前記第1流動管610の中心を基準として、60度を超える角度で離隔して備えられると、前記第1流動管610を流動する空気と水素の混合気と、前記第1流動管610の内周面の壁面周囲で形成される前記壁境界層とを十分に撹乱させることができない領域が存在し、この部分に火炎が燃えて入り、さか火になる現象が発生する可能性が高くなるという問題点がある。したがって、前記突起部820は、隣接した突起部820と、前記第1流動管610の中心を基準として、60度の角度で離隔して備えられる。
【0061】
また、
図13の(c)を参照すれば、突起部820-1は、三角形の断面を持つ三角柱状に形成されてもよい。このとき、前記突起部820-1の底面は、
図13の(c)の逆三角形状のように、前記第1流動管610の内部を流動する混合気の流動方向の反対方向に備えられてもよい。すなわち、前記突起部820-1の底面は、前記第1流動管610の上部に向かう方向に形成される。言い換えれば、前記突起部820-1の端部が、燃焼用空気と先に接するようになる。したがって、前記突起部820-1は、直方体状の突起部に比べて、第1流動管に沿って流動する混合気に対する突起部の干渉をさらに減らすことができる。この突起部が混合気の流動に及ぼす干渉は、壁境界層を撹乱する性能と関連があり、前記突起部820、820-1の形状のように、突起部の断面形状を三角形、四角形等の多角形から円形等の様々な形状に変更することにより調節されてもよい。
【0062】
また、前記突起部820、820-1の位置は、前記第1流動管610の端部までの距離に応じて、このような前記壁境界層を破壊する効果が異なるので、別途の最適化過程により、前記突起部820、820-1の位置を決めてもよい。
【0063】
このように、上述した本発明の技術的構成は、本発明が属する技術分野における当業者が、本発明におけるその技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施されてもよいことが理解される。
【0064】
このため、上述した実施形態は、全ての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解されなければならず、本発明の範囲は、前記詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲により定められ、特許請求の範囲の意味及び範囲、またその等価概念から導出される全ての変更または変形された形態が、本発明の範囲に含まれる。
【0065】
また、記述した実施形態は、混用して適用することができる。
【0066】
なお、本出願発明は、政府(産業通商資源部)の財源で韓国エネルギー技術評価院の支援を受けて遂行された研究を基にしたものである(課題番号2020671010060、分散発電ガスタービン用水素電池低NOx燃焼器開発。課題番号20181110100290、発電用H級ガスタービンcantype低旋回バーナー源泉技術開発)。
【符号の説明】
【0067】
5 ノズル
10 第1流動管
20 第2流動管
30 チェンバ
40 点火装置
50 空気供給部
51 補助空気供給管
60 水素供給部
61、61-1 水素供給管
62 燃料配管
70 打孔板
80 ノズルケース部
81 ノズル下部ケース
82 ノズル上部ケース
83 貫通孔
90 バーナーケーシング
210 第1流動管
220 第2流動管
310 第1流動管
320 第2流動管
410 第1流動管
420 第2流動管
530 予混合部
531 予混合孔
610、610-1 第1流動管
620、620-1 第2流動管
621 リップ
820、820-1 突起部
【国際調査報告】