(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-02
(54)【発明の名称】一体化された折り畳み可能なドアを有する車両用テールゲート
(51)【国際特許分類】
B62D 33/023 20060101AFI20230126BHJP
B62D 33/027 20060101ALI20230126BHJP
【FI】
B62D33/023 E
B62D33/027 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549220
(86)(22)【出願日】2021-02-17
(85)【翻訳文提出日】2022-08-15
(86)【国際出願番号】 CA2021050166
(87)【国際公開番号】W WO2021163788
(87)【国際公開日】2021-08-26
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597005820
【氏名又は名称】マルティマティック インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100170184
【氏名又は名称】北脇 大
(72)【発明者】
【氏名】シルヴァ、マシュー
(57)【要約】
一体化された折り畳み可能なドアを有する車両用テールゲートは、テールゲートであって、外壁、内壁、および、それらの間のキャビティを有する前記テールゲートを有し、テールゲートのドアセクションであって、車内壁および車外壁を有し、かつ、実質的にはテールゲートのエンベロープ内で閉じた位置と開いた位置との間を移動可能である前記ドアセクションを有し、車内壁および車外壁はリンク装置によって接続されてそれらの間の相対的移動を可能にし、一体化された折り畳み可能なドアを有する車両用テールゲートは、車内壁の動きをガイドするための第一トラックおよび車外壁の動きをガイドするための第二トラックを有し、かつ、ドアセクションの動きに動力を与えるための動力駆動ユニットを有し、ドアセクションの閉じた位置では、車内壁がテールゲートの内壁と同じ高さであり、かつ、車外壁がテールゲートの外壁と同じ高さであり、かつ、ドアセクションの開いた位置では、車内壁の少なくとも一部および車外壁の少なくとも一部がテールゲートの外壁と内壁との間のキャビティ内に横たわるようになっている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体化された折り畳み可能なドアを有する車両用テールゲートであって、当該一体化された折り畳み可能なドアを有する車両用テールゲートは:
テールゲートを有し、該テールゲートは、外壁、内壁、および、それらの間のキャビティを有し;
前記テールゲートのドアセクションを有し、該ドアセクションは、車内壁および車外壁を有し、かつ、実質的には前記テールゲートのエンベロープ内で閉じた位置と開いた位置との間を移動可能であり;
前記車内壁および前記車外壁はリンク装置によって接続されて、それらの間の相対的移動を可能にし;
前記車内壁の動きをガイドするための第一トラックおよび前記車外壁の動きをガイドするための第二トラックを有し;かつ、
前記ドアセクションの動きに動力を与えるための動力駆動ユニットを有し;
前記ドアセクションの前記の閉じた位置では、前記車内壁が前記テールゲートの前記内壁と同じ高さであり、かつ、前記車外壁が前記テールゲートの前記外壁と同じ高さであり、かつ、前記ドアセクションの前記の開いた位置では、前記車内壁の少なくとも一部および前記車外壁の少なくとも一部が前記テールゲートの前記外壁と前記内壁との間の前記キャビティ内に横たわるようになっている、
一体化された折り畳み可能なドアを有する車両用テールゲート。
【請求項2】
前記第一トラックが鉛直方向に前記車内壁を、前記の開いた位置の中へと、および、前記の開いた位置から外に、ならびに、前記の閉じた位置の中へと、および、前記の閉じた位置から外にガイドし、かつ、前記第二トラックが鉛直方向に前記車外壁を、前記の開いた位置の中へと、および、前記の開いた位置から外に、ならびに、少なくとも部分的に側方に前記の閉じた位置の中へと、および、前記の閉じた位置から外にガイドする、請求項1に記載の一体化された折り畳み可能なドアを有する車両用テールゲート。
【請求項3】
前記第二トラックが鉛直方向に前記車外壁を、前記の開いた位置の中へと、および、前記の開いた位置から外に、ならびに、前記の閉じた位置の中へと、および、前記の閉じた位置から外にガイドし、かつ、前記第一トラックが鉛直方向に前記車外壁を、前記の開いた位置の中へと、および、前記の開いた位置から外に、ならびに、少なくとも部分的に側方に前記の閉じた位置の中へと、および、前記の閉じた位置から外にガイドする、請求項1に記載の一体化された折り畳み可能なドアを有する車両用テールゲート。
【請求項4】
前記第二トラックが上方第二トラックセクションおよび下方第二トラックセクションを有する、請求項2に記載の一体化された折り畳み可能なドアを有する車両用テールゲート。
【請求項5】
前記第一トラックが上方第一トラックセクションおよび下方第一トラックセクションを有する、請求項3に記載の一体化された折り畳み可能なドアを有する車両用テールゲート。
【請求項6】
ローラーが、前記第一トラックにおける前記車内壁および前記第二トラックにおける前記車外壁の両方をガイドする、請求項1に記載の一体化された折り畳み可能なドアを有する車両用テールゲート。
【請求項7】
ドアのキャップが前記車外壁に接続され、かつ、それと一緒に移動する、請求項1に記載の一体化された折り畳み可能なドアを有する車両用テールゲート。
【請求項8】
前記リンク装置が四棒リンク装置である、請求項1に記載の一体化された折り畳み可能なドアを有する車両用テールゲート。
【請求項9】
前記第二トラックが上方第二トラックセクションおよび下方第二トラックセクションを有し、かつ、前記四棒リンク装置が上方四棒リンク装置および下方四棒リンク装置を有する、請求項8に記載の一体化された折り畳み可能なドアを有する車両用テールゲート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
ピックアップトラックのテールゲートにおける開口部またはドアが有用である、種々の状況が存在する。例えば、テールゲートのドアは、積荷領域およびトラックの荷台へのいっそう良好なアクセスを提供するか、または、向上した積荷積載のための手段(長尺物の運搬における柔軟性のような)を提供するであろう。さらに、テールゲート内のドアは、フィフスホイールトレーラーを連結および運搬するときに有用であろう。通常テールゲートの中心の上部にある開口部は、フィフスホイールトレーラーのブームが、トラックの荷台の領域の中へと延びて、トラックの荷台に設置されたヒッチと接続されることを可能にする。かかるテールゲートの開口部またはドアはまた、テールゲートが水平へと下げられて、トラックの荷台より下から上に延びるトレーラーのヒッチへのアクセスを可能にする状態でも有用であろう。その他の利益は、ピックアップトラックの使用者に明らかであろう。
【背景技術】
【0002】
この問題を解決するために、種々の解決策が提案されてきた。例えば、米国特許第9,988,103号明細書は、テールゲートにおけるポケットの中へと受け取られるために、または、テールゲートの本体の一部を覆うように入れ子になるために、取り外され、水平方向にヒンジ留めされ、または、水平方向にスライドし得るテールゲートの中心セクションを開示している。取り外しは不便であり、かつ、テールゲートから分離するときに中心セクションの紛失、または、それへの損傷をもたらすかも知れない。ヒンジ留めは有効であるが、ヒンジ留めが車内であるときにはトラックの荷台の容量を減少させるか、または、ヒンジ留めが車外であるときにはトラックの荷台の後部へのアクセスが制限されるかのいずれかである。最後のスライドの実施形態では、中心セクションの外寸は、テールゲートの本体(その中へと中心セクションがスライドする)の寸法より小さくなければならないか、または、テールゲートの本体(それを覆うように中心セクションが入れ子になるか、または、横たわる)の寸法より大きくなければならないかのいずれかであることが明らかである。このことは、中心セクションがその閉じた位置、または、ホーム位置にあるときには、テールゲートの外面の不連続部を必然的にもたらす。清潔さ、および、障害の防止を含む種々の理由により、この解決策は潜在的な問題を呈する。
【0003】
したがって、必要とされるときにはテールゲートの本体の中へと受け取られ得るが、その閉じた位置またはホーム位置にあるときには滑らかであり本質的には連続的であるテールゲートの輪郭を呈する一体化されたテールゲートのドアを、優先的には中心セクションとして有することは有益であろう。
【発明の概要】
【0004】
以下の説明および図面には、種々の先行技術の解決策の問題を克服する、一体化された折り畳み可能なドアを有する車両用テールゲートが開示される。
【0005】
本発明の主たる態様では、一体化された折り畳み可能なドアを有する車両用テールゲートは、テールゲートであって、外壁、内壁、および、それらの間のキャビティを有する前記テールゲートを有し、テールゲートのドアセクションであって、車内壁および車外壁を有し、かつ、実質的にはテールゲートのエンベロープ内で閉じた位置と開いた位置との間を移動可能である前記ドアセクションを有し、車内壁および車外壁はリンク装置によって接続されてそれらの間の相対的移動を可能にし、一体化された折り畳み可能なドアを有する車両用テールゲートは、車内壁の動きをガイドするための第一トラックおよび車外壁の動きをガイドするための第二トラックを有し、かつ、ドアセクションの動きに動力を与えるための動力駆動ユニットを有し、ドアセクションの閉じた位置では、車内壁がテールゲートの内壁と同じ高さであり、かつ、車外壁がテールゲートの外壁と同じ高さであり、かつ、ドアセクションの開いた位置では、車内壁の少なくとも一部および車外壁の少なくとも一部がテールゲートの外壁と内壁との間のキャビティ内に横たわるようになっている。
【0006】
本発明のさらなる態様では、第一トラックは鉛直方向に車内壁を、第二トラックは鉛直方向に車外壁を、開いた位置の中へと、および、開いた位置から外に、ならびに、少なくとも部分的に側方に閉じた位置の中へと、および、閉じた位置から外にガイドする。
【0007】
本発明のさらなる態様では、ローラーが、第一トラックにおける車内壁および第二トラックにおける車外壁の両方をガイドする。
【0008】
本発明のさらなる態様では、ドアのキャップが車外壁に接続され、かつ、それと一緒に移動する。
【0009】
本発明のさらなる態様では、リンク装置は四棒リンク装置である。
【0010】
本発明のさらなる態様では、第一トラックは上方第一トラックセクションおよび下方第一トラックセクションを有し、かつ、四棒リンク装置は上方四棒リンク装置および下方四棒リンク装置を有する。
【0011】
本発明のさらなる態様では、ドアのキャップより下にアンチピンチ(anti-pinch;挟み込み防止)パネルが設置される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、テールゲートおよびテールゲートのドアセクションを有する車両の部分的な斜視図である。
【
図2】
図2は、テールゲートおよびテールゲートのドアセクションを有する車両の部分的であり分解された斜視図である。
【
図3】
図3は、閉じたテールゲートにおいて開いたドアおよびフィフスホイールトレーラーヒッチを有する車両の部分的な斜視図である。
【
図4】
図4は、開いたテールゲートにおいて開いたドアおよびフィフスホイールトレーラーヒッチを有する車両の部分的な斜視図である。
【
図5】
図5は、開いたテールゲートにおいて開いたドアセクションおよび積荷を有する車両の部分的な斜視図である。
【
図6】
図6は、閉じたテールゲートにおいて開いたドアセクションおよび積荷を有する車両の部分的な斜視図である。
【
図7】
図7は、フィフスホイールトレーラーヒッチを有する車両および取り付けられていないトレーラーの立面図である。
【
図8】
図8は、フィフスホイールトレーラーヒッチを有する車両および取り付けられたトレーラーの立面図である。
【
図9】
図9は、閉じたドアセクションを有する車両用テールゲートの車外斜視図である。
【
図10】
図10は、閉じたドアセクションを有する車両用テールゲートの車内斜視図である。
【
図11】
図11は、開いたドアセクションを有する車両用テールゲートの車外斜視図である。
【
図12】
図12は、開いたドアセクションを有する車両用テールゲートの車内斜視図である。
【
図13】
図13は、閉じたドアセクションを有する車両用テールゲートの車外斜視図である。
【
図14】
図14は、部分的に開いたドアセクションを有する車両用テールゲートの車外斜視図である。
【
図15】
図15は、開いたドアセクションを有する車両用テールゲートの車外斜視図である。
【
図16】
図16は、閉じたドアセクションおよび動力駆動ユニットを有する車両用テールゲートの車内斜視図である。
【
図17】
図17は、部分的に開いたドアセクションおよび動力駆動ユニットを有する車両用テールゲートの車内斜視図である。
【
図18】
図18は、テールゲートのドアセクションの車内斜視図である。
【
図19】
図19は、テールゲートのドアセクションの部分的に切り欠かれた車内斜視図である。
【
図20】
図20は、ドアセクションが取り外された、部分的に斜視図で示された車両用テールゲートである。
【
図21】
図21は、ドアセクションが取り外された、部分的に切り欠かれた斜視図で示された車両用テールゲートである。
【
図22】
図22は、閉じた位置にあるドアセクションの概略的であり、切り欠かれた、側面の立面図である。
【
図23】
図23は、第一の部分的に開いた位置にあるドアセクションの概略的であり、切り欠かれた、側面の立面図である。
【
図24】
図24は、第二の部分的に開いた位置にあるドアセクションの概略的であり、切り欠かれた、側面の立面図である。
【
図25】
図25は、開いた位置にあるドアセクションの概略的であり、切り欠かれた、側面の立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の詳細な説明
車両1(典型的には、ピックアップトラック)は、車両用テールゲート3を備える。テールゲート3はまた、ドアセクション5を有する。
図1では、テールゲートは、通常の閉じた位置にあるドアを有して示されている。
図2には、これらのコンポーネントの分解図が示されている。
【0014】
図3は、車両1の積荷領域の荷台9に設置されたフィフスホイールトレーラーヒッチ7を示している。
図3では、車両用テールゲート3は通常の閉じた位置にあるが、一体化したドアセクション5はテールゲート3のエンベロープ内に引き込まれており、これはドアセクション5の開いた位置と呼ばれてもよい。
図4では、テールゲート3は水平位置へと開いており、ドアセクション5はいまだにテールゲート3内に引き込まれている。
図7および
図8は、フィフスホイールトレーラーヒッチ7への接続のために適合するグースネックコネクター13を有するトレーラー11を示している。
図8に示されているように、ドアセクション5が引き込まれた状態で、グースネック13は、引き込まれたドアセクション5によって作り出されるテールゲート3における開いた領域を通って線Yに沿って移動して、フィフスホイールトレーラーヒッチ7と係合してもよい。
【0015】
一体化された引き込み可能なドアセクション5は、フィフスホイールトレーラーヒッチを伴うものとは別に、種々の状況で有用である。例えば、テールゲート3が水平の開いた位置にあり、ドアセクション5が引き込まれた状態であるときには、
図5に示されているように、ユーザーは積荷を扱うためにトラックの荷台にいっそう接近するであろう。テールゲート3が閉じた位置にあり、ドアセクション5が引き込まれた状態であるときには、
図6に示されているように、積荷領域において搬送される長い積荷は、開いたドアセクションを通って車両から後方に延びてもよいが、テールゲートによって側方移動は制約される。
【0016】
図9および10に示されているように、典型的には、シート状金属もしくはプラスチック、または、かかる材料の組み合わせから形成されたテールゲート3は、外壁15および内壁17を有する。これらのテールゲートの外壁15と内壁17との間で、固定された空間的関係が維持される。少なくとも通常のドアの閉じた位置にあるドアセクション5より下の領域には、テールゲート3の内壁17と外壁15との間にキャビティ19が存在する。キャビティ19は、ドアセクション5が開き、かつ、キャビティ19の中に引き込まれるときには、それを受け入れるように構成されている。ドアセクション5は、キャビティ19の中へと部分的に引き込まれていてもよく、本質的に完全に引き込まれていてもよい。
【0017】
ドアセクション5は、車内壁21および車外壁23を有する。テールゲート3の壁とは対照的に、ドアセクション5の壁は、互いに関して移動するように構成されている。テールゲート3またはドアセクション5のいずれかに関して本明細書で用いられる壁という用語は、厳格な二次元またはシート構造を示すことを意図しない。種々の壁は、添付の図面に示されているように、深さ、および、いっそう複雑な構造を有していてもよい。ドアセクション5が通常の閉じた位置にあるときには、ドアセクション5の車内壁21は本質的にはテールゲート3の内壁17と同じ高さである。同様に、ドアセクション5が通常の閉じた位置にあるときには、ドアセクション5の車外壁23は本質的にはテールゲート3の外壁15と同じ高さである。この状態は、ドアのない単体のテールゲートと似ており、かつ、美観的に満足のいくものであるとともに、車両の清潔さ、安全性などを維持するために有益である。
【0018】
図11および
図12は、引き込まれた、または、開いた位置にあるドアセクション5を有する車両用テールゲート3を示している。
図11においては車両の車外から、および、
図12においては車両の車内から見ると、ドアセクション5は、本質的にはキャビティ19の中に完全に引き込まれている。ドアセクション5はキャップ25を備えており、該キャップ25は、ドアセクションの開閉に関わらず、ドアセクションの適切な上面を提供する。ドアセクション5の車内壁21および車外壁23は、ドアセクションが引き込まれ、かつ、延ばされるときには、互いに関して移動するので、キャップ25は、車外壁23および車内壁21のうちの一方に接続される。
【0019】
図13~15は、車両1の車外から見た、通常の閉じた位置から完全に引き込まれた位置へと移動するドアセクション5を示している。
図13では、ドアセクション5が通常の閉じた位置にある状態で、車外壁23は、露出し、かつ、テールゲート3の外壁15と同じ高さである。
図14では、ドアセクション5は、キャビティ19の中へと部分的に引き込まれている。車外壁23はここでは、キャビティ19の中に収容されるように、テールゲートの外壁15および内壁17のエンベロープ内に横たわる。
図15では、ドアセクション5は、キャビティ19の中に完全に引き込まれている。
図13~15に示されているように、キャップ25はドアセクション5の車外壁23に接続される。
【0020】
図16および
図17に示されているように、制御モジュール(図示せず)の制御下にある動力駆動ユニット27が、通常の閉じた位置と引き込まれた位置との間でドアセクション5を移動させる。制御モジュールは、リミットスイッチ、動力駆動ユニットにおけるストール状態に基づいて、または、本技術分野で知られているその他の適切な手段に基づいて動力駆動ユニットを駆動させてもよい。動力駆動ユニット27は典型定には、キャビティ19内に設置される。図示されている実施形態では、動力駆動ユニットはロッド31を有し、該ロッド31は上下に並進して、ドアセクション5を延ばし、または、閉じ、かつ、引き込み、または、開ける。ロッド31は、コネクター29においてドアセクション5の車内壁21および車外壁23のうちの一方に接続される。図示されている実施形態では、動力駆動ユニット27は車内壁21に接続され、該車内壁21はまた、下記で説明されるようにリンク装置およびガイドの組み合わせを用いて、車外壁23の移動を制御する。
【0021】
図18および
図19に示されているように、車内壁21および車外壁23はそれぞれ、一つ以上のローラー35を備えている。これらのローラー35は、下記でさらに説明されるように、ドアセクション5の動きをガイドするためのトラックに沿って移動する。車内壁21および車外壁23は、リンク装置33によって互いに接続される。リンク装置33は、各端部においてピボット的に設置されて、ドアセクション5が引き込まれるにつれて車内壁21および車外壁23がいっそう接近することを可能にする。この目的のためには、四棒リンク装置が単純であり、かつ、有効である。好ましくは、上方四棒リンク装置および下方四棒リンク装置が存在する。
【0022】
図20および21は、その中にドアセクション5が引き込まれてもよいキャビティ19を示している。
図18および19に示されているローラー35は、車内壁21の動きをガイドするための第一トラック39および車外壁23の動きをガイドするための第二トラック37内を走行する。第二トラック37は、上方第二トラックセクション41および下方第二トラックセクション43を有していてもよい。上方トラックセクション41および下方トラックセクション43を含む第二トラック37ならびに第一トラック39は、テールゲート3のドアに面する表面45に設置される。
【0023】
図示されている実施形態では、テールゲート3に関するドアセクション5の動きが
図22~25に示されている。動力駆動ユニット27のロッド31が第一トラック39におけるローラー35によってガイドされて車内壁21を下方に引き始めると、リンク装置33は回転し始め、かつ、車内壁21は内壁17のエンベロープ内を下方に移動し始める。これらのコンポーネントの幾何学によって決定される点において、それを車内壁21に接続するリンク装置33によって引かれて、車外壁23もまた移動し始める。最初に車外壁23を水平方向に車内へとガイドする上方第二トラックセクション41および下方第二トラックセクション43の湾曲部分を考慮すると、車外壁23は外壁15のエンベロープ内に引かれ、かつ、その後で車内壁21へのその接続によって下方にガイドされる。車内壁21および車外壁23の両方の動きは、ドアセクション5がキャビティ19内に完全に、または、十分に引き込まれるまで続く。コントローラーから動力駆動ユニット27への信号の受信後に動力駆動ユニット27のロッド31が車内壁21を上方に押すときには、工程は逆になる。トラック37,39におけるローラー35によってガイドされて、車内壁21および車外壁23は、ドアセクション5が閉じた位置へと戻るまで上方に延び、かつ、車外壁23の場合には外側へのその移動の最後に向かって延びる。
【0024】
上記の好ましい実施形態は、その動きの範囲のほとんどの間は本質的に鉛直方向に移動する車内壁21、および、その動きの範囲のほとんどの間では本質的に鉛直方向に移動し、かつ、ドアセクション5の開放を開始し、かつ、ドアセクション5の閉鎖を完了させるために本質的に水平方向に移動する車外壁23を有するが、この構成は適切な場合には逆であってもよい。逆の構成では、車内壁21は、その動きの範囲のほとんどの間では本質的に鉛直方向に移動し、かつ、ドアセクション5の開放を開始し、かつ、ドアセクション5の閉鎖を完了させるために本質的に水平方向に移動する一方で、車外壁23は、その動きの範囲の間中、本質的に鉛直方向に移動する。本明細書では鉛直方向および水平方向という用語が用いられているが、本発明の範囲に属するためには動きが完全に鉛直方向または水平方向である必要はないことが理解されるべきである。
【0025】
ユーザーもしくは見物人の指または四肢が挟まれることを防止するために、受動的な特徴および能動的な特徴の組み合わせが採用されてもよい。例えば、機構の中への指または四肢の挿入を防止するために、シングリングパネルが用いられてもよい。ドアのキャップより下には、アンチピンチパネルが設置されてもよい。すべてのピンチポイントに対して受動的に保護することは困難であるので、ソフトウェアに基づくピンチ検出法が採用されてもよい。適切なセンサーによるピンチイベントの検出の際、本技術分野で知られているように、動力駆動ユニットは、制御モジュールからの信号の受信の際に、現在の方向における駆動を停止させ、かつ、ピンチ状態を緩和するために逆方向に駆動するであろう。
【0026】
図示されている実施形態には、特定のコンポーネントの配置構成が開示されているが、その他の配置構成も本発明から利益を得るであろうことが理解されるべきである。特定のステップの順番が示され、かつ、記載されているが、ステップは、そうでないことが示されていなければ分離され、または、組み合わされて任意の順番で実行されてもよく、かつ、それでも本発明から利益を得るであろうことが理解されるべきである。
【0027】
異なる例が図において示されている特定のコンポーネントを有するが、本発明の実施形態は、それらの特定の組み合わせに限定されない。例のうちの一つからのコンポーネントまたは特徴のいくつかを、例のうちの別のものからの特徴またはコンポーネントと組み合わせて用いることが可能である。
【0028】
例示的な実施形態が開示されてきたが、当業者であれば、特定の修正が請求の範囲内に入ることを理解する。そのため、以下の請求の範囲は、それらの真実の範囲および内容を決定するために検討されるべきである。
【国際調査報告】