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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-03
(54)【発明の名称】アンテナ装置用放熱器具
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/42 20060101AFI20230127BHJP
   H01P 1/30 20060101ALI20230127BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20230127BHJP
【FI】
H01Q1/42
H01P1/30 Z
H05K7/20 B
H05K7/20 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529938
(86)(22)【出願日】2020-11-25
(85)【翻訳文提出日】2022-05-23
(86)【国際出願番号】 KR2020016769
(87)【国際公開番号】W WO2021107587
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】10-2019-0151879
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0159452
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゥク ヨン キム
(72)【発明者】
【氏名】ジン ソー ヨ
【テーマコード(参考)】
5E322
5J046
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA03
5E322AB01
5E322FA04
5J046AA03
5J046CA00
(57)【要約】
【課題】放熱カバーによって閉鎖された面を除いた全方位から外気の流動による流入が可能に備えられた複数のウェーブ放熱フィンを備えたアンテナ装置用放熱器具を提供する。
【解決手段】アンテナ装置用放熱器具は、熱が存在する所定空間上に露出した内側面を有するとともに、外側面は外気が流動する外部に露出する放熱カバーと、前記放熱カバーの外側面に熱伝導されるように複数の列で配置され、前記放熱カバーの外側面から任意の高さまで連続する曲面を形成しかつ、前記任意の高さにおける水平断面が、前記放熱カバーの外側面における水平断面からいずれか一方向に所定角度回転した状態の一直線形状を有する複数のウェーブ放熱フィンとを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱が存在する所定空間上に露出した内側面を有するとともに、外側面は外気が流動する外部に露出する放熱カバーと、
前記放熱カバーの外側面に熱伝導されるように複数配置され、前記放熱カバーの外側面から任意の高さまで連続する曲面を形成するように延びた複数のウェーブ放熱フィンとを含む、アンテナ装置用放熱器具。
【請求項2】
前記複数のウェーブ放熱フィンは、前記放熱カバーの外側面から最も遠い地点の外側端部がそれぞれいずれか一方向である同じ方向に所定角度回転した状態で維持されるように配置された、請求項1に記載のアンテナ装置用放熱器具。
【請求項3】
前記複数のウェーブ放熱フィンは、一端部が前記放熱カバーの外側面に熱接触固定される、請求項1に記載のアンテナ装置用放熱器具。
【請求項4】
前記複数のウェーブ放熱フィンは、前記放熱カバーの外側面に複数の列で配置され、
前記複数のウェーブ放熱フィンのうち1列または2列以上と同時に連結されて、前記放熱カバーの外側面への熱接触固定を媒介するマウンティング熱伝導プレートをさらに含む、請求項3に記載のアンテナ装置用放熱器具。
【請求項5】
前記マウンティング熱伝導プレートは、
前記複数のウェーブ放熱フィンのうち1列または2列以上の一端を相互連結するように、前記放熱カバーの外側面に対して垂直に配置された少なくとも1つの垂直フランジと、
前記少なくとも1つの垂直フランジの先端で前記放熱カバーの外側面と平行に折曲延長された水平フランジとを含む、請求項4に記載のアンテナ装置用放熱器具。
【請求項6】
前記水平フランジは、前記放熱カバーの外側面に形成された載置溝に載置固定されかつ、前記水平フランジの外側面が前記放熱カバーの外側面と水平マッチングされるように載置固定される、請求項5に記載のアンテナ装置用放熱器具。
【請求項7】
前記複数のウェーブ放熱フィンは、
上下に長く形成された長方形の熱伝導性材質の板材を上下中心軸を基準として一方向にねじれさせて製造された、請求項1に記載のアンテナ装置用放熱器具。
【請求項8】
前記放熱カバーの外側面から任意の同じ高さに相当する前記複数のウェーブ放熱フィンの水平断面は、同じ方向である予め設定された方向に配列された、請求項1に記載のアンテナ装置用放熱器具。
【請求項9】
前記複数のウェーブ放熱フィンは、それぞれ同一の離隔距離を有するように配列された、請求項1に記載のアンテナ装置用放熱器具。
【請求項10】
前記複数のウェーブ放熱フィンそれぞれの左側端と右側端は、前記放熱カバーの外側面から遠くなるほど螺旋形状に延びる、請求項1に記載のアンテナ装置用放熱器具。
【請求項11】
前記複数のウェーブ放熱フィンそれぞれは、前記放熱カバーの外側面から最も遠距離に離隔した他端部が、前記放熱カバーの外側面に連結された一端部に対して上下中心軸を基準として少なくとも180度以上回転するようにねじれ形成される、請求項1に記載のアンテナ装置用放熱器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置用放熱器具(COOLING DEVICE FOR ANTENNA APPARATUS)に関し、より詳しくは、外気の流動が円滑で放熱性能を向上させることができるアンテナ装置用放熱器具に関する。
【背景技術】
【0002】
分散アンテナシステム(distributed antenna system)は、基地局とユーザ端末との間の通信を中継する中継システムの一例で、インドア(indoor)やアウトドア(outdoor)で必然として発生する不感地域まで移動通信サービスを提供できるように、基地局のサービスカバレッジ拡張の面で活用されている。
【0003】
分散アンテナシステムは、ダウンリンク経路を基準として基地局から基地局信号を受信して増幅などの信号処理を行った後、信号処理された基地局信号をサービス領域内のユーザ端末に伝送し、アップリンク経路を基準としてサービス領域内のユーザ端末から伝送される端末信号を増幅などの信号処理後、これを基地局に伝送する役割を果たすが、このような分散アンテナシステムの中継役の実現のためには、基地局と分散アンテナシステムとの間に送受信される信号の整合、例えば、信号のパワー調整などが必須であり、このために、基地局信号整合装置が用いられてきた。
【0004】
このような基地局信号整合装置は、ダウンリンク経路で高いパワーレベルを有する基地局信号を分散アンテナシステムに要求される適正パワーレベルに調整するが、この時、相当な量の熱が発生することにより、基地局信号整合装置が破損し寿命が短縮される問題があり、発生する熱を効率的に放出させることができる方策が要求される。
【0005】
図1は、従来技術によるアンテナ装置に適用される一般的な放熱部の放熱フィン構造を示す断面図である。
【0006】
従来技術による放熱部は、図1に示されるように、熱が存在する所定空間(TS、Thermal Space)上に内側面が露出する放熱カバー10と、放熱カバー10の外側面に結合された複数の放熱フィン20とを含み、複数の放熱フィン20は、略直線の垂直断面を有するように形成される。
【0007】
所定空間TS上の熱は、発熱素子からなる電装部品(図示せず)から生成されたものであって、熱伝導性材質で備えられた放熱カバー10の内側面を通して熱伝導され、放熱カバー10の外側面に結合された複数の放熱フィン20を介して外部に放熱される。
【0008】
しかし、前記のように構成される一般的な放熱部の放熱フィン構造は、図1に示されるように、各放熱フィン20と放熱カバー10とが連結される部位(図1の図面符号「A」参照)に熱が積層される現象が発生して放熱性能が低下する問題点がある。
【0009】
これは、熱が積層される部位Aに外気の流入がまともに行われないために発生する問題として把握される。すなわち、従来の一般的な放熱部の放熱フィン構造は、いずれか1つの放熱フィン20と隣接する放熱フィン20との間に外気の流動方向と一致する場合にのみ流動できる構造である。したがって、単一放熱フィン20の幅だけは外気の流動が遮られてその流入が難しいため、放熱されるべき熱が放熱カバー10との連結部位Aに積層されることにより、放熱性能が低下するのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の技術的課題を解決するためになされたものであって、放熱カバーによって閉鎖された面を除いた全方位から外気の流動による流入が可能に備えられた複数のウェーブ放熱フィンを備えたアンテナ装置用放熱器具を提供することを目的とする。
【0011】
これとともに、本発明は、複数のウェーブ放熱フィンの配置設計が容易なアンテナ装置用放熱器具を提供することを他の目的とする。
【0012】
本発明の技術的課題は以上に言及した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によるアンテナ装置用放熱器具の一実施例は、熱が存在する所定空間上に露出した内側面を有するとともに、外側面は外気が流動する外部に露出する放熱カバーと、前記放熱カバーの外側面に熱伝導されるように複数配置され、前記放熱カバーの外側面から任意の高さまで連続する曲面を形成するように延びた複数のウェーブ放熱フィンとを含む。
【0014】
ここで、前記複数のウェーブ放熱フィンは、前記放熱カバーの外側面から最も遠い地点の外側端部がそれぞれいずれか一方向である同じ方向に所定角度回転した状態で維持されるように配置される。
【0015】
また、前記複数のウェーブ放熱フィンは、一端部が前記放熱カバーの外側面に熱接触固定される。
【0016】
また、前記複数のウェーブ放熱フィンは、前記放熱カバーの外側面に複数の列で配置され、前記複数のウェーブ放熱フィンのうち1列または2列以上と同時に連結されて、前記放熱カバーの外側面への熱接触固定を媒介するマウンティング熱伝導プレートをさらに含むことができる。
【0017】
また、前記マウンティング熱伝導プレートは、前記複数のウェーブ放熱フィンのうち1列または2列以上の一端を相互連結するように、前記放熱カバーの外側面に対して垂直に配置された少なくとも1つの垂直フランジと、前記少なくとも1つの垂直フランジの先端で前記放熱カバーの外側面と平行に折曲延長された水平フランジとを含むことができる。
【0018】
また、前記水平フランジは、前記放熱カバーの外側面に形成された載置溝に載置固定されかつ、前記水平フランジの外側面が前記放熱カバーの外側面と水平マッチングされるように載置固定される。
【0019】
また、前記複数のウェーブ放熱フィンは、上下に長く形成された長方形の伝導性材質の板材を上下中心軸を基準として一方向にねじれさせて製造される。
【0020】
また、前記放熱カバーの外側面から任意の高さに相当する前記複数のウェーブ放熱フィンの水平断面は、同じ方向である予め設定された方向に配列される。
【0021】
また、前記複数のウェーブ放熱フィンは、それぞれ同一の離隔距離を有するように配列される。
【0022】
また、前記複数のウェーブ放熱フィンそれぞれの左側端と右側端は、前記放熱カバーの外側面から遠くなるほど螺旋形状に延びることができる。
【0023】
また、前記複数のウェーブ放熱フィンそれぞれは、前記放熱カバーの外側面から最も遠距離に離隔した他端部が、前記放熱カバーの外側面に連結された一端部に対して上下中心軸を基準として少なくとも180度以上回転するようにねじれ形成される。
【発明の効果】
【0024】
本発明によるアンテナ装置用放熱器具の一実施例によれば、複数のウェーブ放熱フィンの外側の全方位から内部への外気の流入および流動が容易なことから、全体的な放熱性能を向上させる効果を有する。
【0025】
これとともに、本発明によるアンテナ装置用放熱器具の一実施例によれば、複数のウェーブ放熱フィンは、一面および他面が少なくとも放熱カバーから離隔する高さに応じて全方位の外気の流入および流動が可能に形成されたことから、複数のウェーブ放熱フィンの配置設計が容易であるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】従来技術による一般的な放熱部の放熱フィン構造を示す断面図である。
図2】本発明によるアンテナ装置用放熱器具の一実施例を示す斜視図である。
図3A図2の正面図または側面図である。
図3B図2の正面図または側面図である。
図4図2の平面図である。
図5図2の構成のうちウェーブ放熱フィンを示す斜視図である。
図6図2の構成のうちウェーブ放熱フィンの多様な実施例を示す斜視図である。
図7】放熱カバーおよび複数のウェーブ放熱フィンを介して外気が流入する様子を示す斜視図である。
図8図2のB-B、C-C、D-DおよびE-E線に沿った切開斜視図である。
図9】本発明によるアンテナ装置用放熱器具の正面図である。
図10A図9の「I-I」に沿った断面図および外気流入図である。
図10B図9の「II-II」に沿った断面図および外気流入図である。
図10C図9の「III-III」に沿った断面図および外気流入図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明によるアンテナ装置用放熱器具の一実施例を、例示的な図面を通じて詳細に説明する。
【0028】
各図面の構成要素に参照符号を付すにあたり、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されてもできるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施例を説明するにあたり、かかる公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施例に対する理解を妨げると判断された場合は、その詳細な説明は省略する。
【0029】
本発明の実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使うことができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。また、他に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含む、ここで使われるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使われる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本出願で明確に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0030】
図2は、本発明によるアンテナ装置用放熱器具の一実施例を示す斜視図であり、図3は、図2の正面図または側面図であり、図4は、図2の平面図であり、図5は、図2の構成のうちウェーブ放熱フィンを示す斜視図であり、図6は、図2の構成のうちウェーブ放熱フィンの多様な実施例を示す斜視図である。
【0031】
本発明の一実施例によるアンテナ装置用放熱器具100は、図2図5に示されるように、熱が存在する所定空間(または「熱空間」、以下、「TS」と図面符号併記する、Thermal Space)上に露出した内側面を有するとともに、外側面は外気が流動する外部に露出する放熱カバー110と、放熱カバー110の外側面に配置された複数のウェーブ放熱フィン120とを含む。
【0032】
ここで、所定空間TSは、図2に示されるように、複数の発熱素子105である電装部品が実装された印刷回路基板(PCB、Printed Circuit Board)103の設置および保護のために設けられたケーシング部101の内部空間に設定される。複数の発熱素子105は、アンテナ装置に備えられた場合、増幅器(PA、Power Amplifier)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などのアンテナ関連の電装部品であってもよい。
【0033】
放熱カバー110は、ケーシング部101の開放された一側面に結合されかつ、複数の発熱素子である電装部品が実装された印刷回路基板103の一面をカバーリングするように配置される。放熱カバー110の内側面と印刷回路基板103との間は、上述のように定義された所定空間TSであって、複数の発熱素子105である電装部品から熱が発生する空間である。
【0034】
複数のウェーブ放熱フィン120は、図2図5に示されるように、放熱カバー110の外側面に熱伝導されるように複数の列で配置される。これとともに、複数のウェーブ放熱フィン120は、放熱カバー110の外側面から予め設定された離隔距離だけ延長形成される。この時、複数のウェーブ放熱フィン120は、放熱カバー110の外側面から上述した予め設定された離隔距離までのみならず、放熱カバー110の外側面から任意の離隔距離まで連続する曲面を形成するように備えられてもよい。
【0035】
また、複数のウェーブ放熱フィン120は、放熱カバー110の外側面から任意の離隔距離における水平断面(以下、「外側断面」と称する)が、放熱カバー110の外側面(またはこれに近接する部位)における水平断面(以下、「内側断面」と称する)に対していずれか一方向に所定角度回転した状態の一直線形状を有することができる。
【0036】
より詳しくは、複数のウェーブ放熱フィン120は、図2および図4に示されるように、放熱カバー110の外側面に複数のウェーブ放熱フィン120の一端部がそれぞれ固定される。
【0037】
例えば、放熱カバー110が図2に示されるように、略長方形の伝導性材質の板材で備えられた場合、複数のウェーブ放熱フィン120は、それぞれ放熱カバー110の外側面に長手方向または幅方向に少なくとも2列または少なくとも2行以上配列される。本発明の一実施例では、放熱カバー110を正方形の板材で備え、複数のウェーブ放熱フィン120をそれぞれ10列および10行で配列したものが採用されたが、必ずしもこの配列構成に限定されないことに注意しなければならない。
【0038】
ここで、複数のウェーブ放熱フィン120は、それぞれ同一の離隔距離を有するように配列される。しかし、これに限定されるものではなく、ケーシング部101の内部に配置された発熱素子105である電装部品の配置位置または発熱量などに応じて異なる離隔距離を有するように配列設計されることも可能であることは当然であろう。
【0039】
一方、複数のウェーブ放熱フィン120は、図2に示されるように、一端部(図2中の下側部分)が放熱カバー110の外側面に熱接触固定される。ここで、「熱接触固定」の意味は、材質の特性によって接触による伝導方式で熱伝導が行われることをすべて含む概念である。
【0040】
より詳しくは、複数のウェーブ放熱フィン120は、図2図4に示されるように、複数の列および行で配列される。ここで、本発明の一実施例によるアンテナ装置用放熱器具100は、図6に示されるように、複数のウェーブ放熱フィン120のうち1列(図6(a)参照)または2列以上(図6(b)参照)と同時に連結されて、放熱カバー110の外側面への熱接触固定を媒介するマウンティング熱伝導プレート130をさらに含むことができる。
【0041】
マウンティング熱伝導プレート130は、図6(a)に示されるように、1列に配列されている複数のウェーブ放熱フィンの一端を相互連結する垂直フランジ131と、垂直フランジ131の先端で放熱カバー110の外側面と平行に折曲延長された水平フランジ132とを含むことができる。
【0042】
また、マウンティング熱伝導プレート130は、図6(b)に示されるように、2列に配列されている複数のウェーブ放熱フィン120の一端をそれぞれ相互連結するように備えられた第1垂直フランジ131aおよび第2垂直フランジ131bと、第1垂直フランジ131および第2垂直フランジ131bの先端を相互連結し、放熱カバー110の外側面と平行に折曲延長された水平フランジ132とを含むことができる。
【0043】
ここで、マウンティング熱伝導プレート130の水平フランジ132は、放熱カバー110の外側面に予め形成された載置溝115(図3Aおよび図3B参照)に載置されるように固定される。この時、水平フランジ132の外側面は、放熱カバー110の外側面と水平マッチングされるように載置固定される。したがって、複数のウェーブ放熱フィン120の間に流入した外気の流動抵抗が最小化され、放熱性能が低下するのを防止することができる。
【0044】
水平フランジ132の放熱カバー110の載置溝115に対する固定方式は、溶接方式およびねじ締結方式のいずれか1つであってもよい。しかし、所定空間TS上に配置された発熱素子105の発熱量などを考慮して容易に取り替え可能にねじ締結方式で固定されることが選好される。このために、水平フランジ132には、図6(a)に示されるように、放熱カバー110に対するねじ締結のために、複数のスクリュー締結ホール133が形成される。
【0045】
一方、図示しないが、放熱カバー110には、上述した載置溝115が放熱カバー110の所定空間TSと連通するホール形状に備えられ、マウンティング熱伝導プレート130の水平フランジ132の内側面は、ホール形状に備えられた載置溝115に設けられて所定空間TSに露出して載置固定され、所定空間TS内の発熱素子105が直接水平フランジ132に表面熱接触するように備えられることも可能である。複数のウェーブ放熱フィン120と発熱量の高い発熱素子105との間に直接接触の熱伝導方式で放熱を行うことで、より高い放熱性能効果を達成することができる。
【0046】
複数のウェーブ放熱フィン120は、上下に長く形成された長方形の熱伝導性材質の板材を上下中心軸Cを基準として一方向にねじれさせて製造されたものであってもよい。
【0047】
したがって、複数のウェーブ放熱板それぞれの左側端120Lと右側端120Rは、図5に示されるように、放熱カバー110の外側面から遠くなる方向に延びかつ、螺旋形状に延びることができる。
【0048】
この時、複数のウェーブ放熱フィン120それぞれは、放熱カバー110の外側面から最も遠距離に離隔した他端部120bが、放熱カバー110の外側面に連結された一端部120aに対して上下中心軸Cを基準として少なくとも180度以上回転するようにねじれ形成される。複数のウェーブ放熱フィン120それぞれのねじれ形成角度は「少なくとも180度以上」であるので、360度(すなわち、1回転)以上も可能であるが、この場合、必ずしも放熱カバー110の外側面から離隔する方向には曲面に形成されることが好ましい。
【0049】
したがって、図4に示されるように、複数のウェーブ放熱フィン120それぞれの左側端と右側端は、上部から直下方に観察する時、所定の円形形状に観察され、それぞれの円の直径は、単一ウェーブ放熱フィン120の母材である長方形板材の幅の長さと同一であってもよい。
【0050】
このような構成からなる本発明の一実施例による放熱装置は、放熱カバー110の外側面から同じ高さである任意の第1高さにおける複数のウェーブ放熱フィン120の外側断面形状は、一直線形状に形成される。さらに、第1高さよりも高い任意の第2高さにおける複数のウェーブ放熱フィン120の外側断面形状も、一直線形状に形成される。しかし、必ずしも同じ高さにおける複数のウェーブ放熱フィン120の外側断面形状が一直線形状に限定されるものではなく、複数のウェーブ放熱フィン120の内側に外気の流入または流動が容易な限度で曲面の切断面である曲線形状を有することができる。
【0051】
ただし、第1高さにおける複数のウェーブ放熱フィン120の外側断面形状と第2高さにおける複数のウェーブ放熱フィン120の外側断面形状は、それぞれx-y座標上で所定角度を形成するか、同一に重なってもよいが、上下方向(すなわち、z座標)には曲面に延びることができる。この時にも、複数のウェーブ放熱フィン120の一面または他面は、必ずしも段差部位なしに曲面形状に形成されることが好ましい。これは、後述のように、隣接する複数のウェーブ放熱フィン120の間に、外気流動時、段差面による流動抵抗が生じるのを防止するためである。また、複数のウェーブ放熱フィン120が上下方向に曲面を形成する場合には、外部から内側に流入した外気が曲面に沿って上部(すなわち、放熱カバー110の外側面から離隔した方向)または下部(すなわち、放熱カバー110の外側面を向く方向)に流動抵抗なしに自然に流動するので、複数のウェーブ放熱フィン120全体に対する外気循環が活発になる。
【0052】
そして、放熱カバー110の外側面から任意の同じ高さに相当する複数のウェーブ放熱フィン120の外側断面は、すべて同じ方向である予め設定された方向に配列される。これとともに、同じ高さにおける複数のウェーブ放熱フィン120の外側断面は、一直線形状および曲面の切断面である曲線形状のいずれか1つの形状を有することができる。
【0053】
そのため、複数のウェーブ放熱フィン120の外側に位置した外気は、放熱カバー110の外側面から遠くなる距離(すなわち、ウェーブ放熱フィン120の高さ)に応じて異なる方向(全方位)にそれぞれ流入および流動可能なため、外気の流動率が増加できる。
【0054】
複数のウェーブ放熱フィン120の内部への外気流動率が増加する場合、放熱カバー110の外側面に近い部位への熱積層現象が解消でき、これによって、一般的な放熱部の放熱フィン構造に比べて放熱性能が大きく向上できる。
【0055】
図7は、放熱カバーおよび複数のウェーブ放熱フィンを介して外気が流入する様子を示す斜視図であり、図8は、図2のB-B、C-C、D-DおよびE-E線に沿った切開斜視図であり、図9は、本発明によるアンテナ装置用放熱器具の正面図であり、図10A図10Cは、図9の「I-I」、「II-II」および「III-III」に沿った断面図および外気流入図である。
【0056】
以下、上述のように構成された本発明によるアンテナ装置用放熱器具の放熱の様子を簡略に説明する。
【0057】
まず、図7および図8を参照すれば、アンテナの機能を担う発熱素子105で備えられた電装部品から所定の作動熱が発生すると、ケーシング部101の内部に配置された印刷回路基板103と放熱カバー110の内側面との間である所定空間TSに熱が捕集され、捕集された熱は熱伝導性材質で備えられた放熱カバー110の内側面を通して伝導される。
【0058】
放熱カバー110の外側面に伝導された熱は、放熱カバー110の外側面に配置された複数のウェーブ放熱フィン120にそれぞれ伝達され、放熱カバー110の外側面から任意の離隔距離で隣接するウェーブ放熱フィン120との間に流入した外気によって円滑な放熱が行われる。
【0059】
例えば、図8に示されるように、B-B線、C-C線、D-D線およびE-E線は、それぞれ放熱カバー110の外側面に対して異なる離隔距離で取った断面線であるが、それぞれの部位で取った断面線によって形成されたいずれか1つのウェーブ放熱フィン120の外側断面は、一直線形状に備えられ、それに隣接したウェーブ放熱フィン120の外側断面も、一直線形状として平行に備えられることから、外気が複数のウェーブ放熱フィン120の間に全方位から容易に流入可能なため、放熱性能が大きく向上できる。
【0060】
より詳しくは、図9および図10Aに示されるように、放熱カバー110の外側面から最も近く離隔している「I-I」線の高さでは、複数のウェーブ放熱フィン120の先端部それぞれが斜線方向に並んで一直線形状に配列され、隣接するウェーブ放熱フィン120の間に外気が斜線方向に流入または流出するように流動できる。
【0061】
また、図9および図10Bに示されるように、放熱カバー110の外側面から「I-I」よりも離隔している「II-II」線の高さでは、複数のウェーブ放熱フィン120の先端部それぞれが、図面上、放熱カバー110の左右方向には外気の流入が難しいように遮った形態であるが、図面上、放熱カバー110の前後方向に並んで一直線形状に配列され、隣接するウェーブ放熱フィン120の間に外気が前後方向に流入または流出するように流動できる。
【0062】
そして、図9および図10Cに示されるように、放熱カバー110の外側面から最も遠く離隔している「III-III」線の高さでは、複数のウェーブ放熱フィン120の先端部それぞれが、図面上、放熱カバー110の前後方向には外気の流入が難しいように遮った形態であるが、図面上、放熱カバー110の左右方向に並んで一直線形状に配列され、隣接するウェーブ放熱フィン120の間に外気が左右方向に流入または流出するように流動できる。
【0063】
このように本発明によるアンテナ装置用放熱器具の一実施例は、複数のウェーブ放熱フィン120が、放熱カバー110の外側面から離隔する任意の離隔地点まで連続的な曲面を形成するように備えられ、隣接するウェーブ放熱フィン120との関係から外気の流入および流出が自然に行われるように形成されることにより、放熱カバー110と複数のウェーブ放熱フィン120との結合部位に発生しうる熱集中現象を事前に防止可能なため、より向上した放熱性能を有することができる。
【0064】
以上、本発明によるアンテナ装置用放熱器具の一実施例を、添付した図面を参照して詳細に説明した。しかし、本発明の実施例が必ずしも上述した一実施例によって限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者による多様な変形および均等な範囲での実施が可能であることは当然であろう。そのため、本発明の真の権利範囲は後述する特許請求の範囲によって定められる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、放熱カバーによって閉鎖された面を除いた全方位から外気の流動による流入が可能に備えられた複数のウェーブ放熱フィンを備えたアンテナ装置用放熱器具を提供する。
【符号の説明】
【0066】
100:放熱器具 101:ケーシング部
103:印刷回路基板 105:発熱素子
110:放熱カバー 115:載置溝
120:ウェーブ放熱フィン 130:マウンティング熱伝導プレート
131、131a、131b:垂直フランジ 132:水平フランジ
TS:所定空間(熱空間、Thermal Space)
C:上下中心軸

図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6(a)】
図6(b)】
図7
図8
図9
図10a
図10b
図10c
【国際調査報告】