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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-03
(54)【発明の名称】コンバーチブル家具
(51)【国際特許分類】
   A47C 17/62 20060101AFI20230127BHJP
【FI】
A47C17/62
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022531342
(86)(22)【出願日】2020-12-03
(85)【翻訳文提出日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 FI2020050815
(87)【国際公開番号】W WO2021111039
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】20197152
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520464533
【氏名又は名称】テーブルベッド オーユー
【氏名又は名称原語表記】TABLEBED OY
【住所又は居所原語表記】c/o HUB Turku, Nunnankatu 4, 20700 Turku Finland
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】リトマン マーク
(72)【発明者】
【氏名】レンフォーシュ ダイン
(57)【要約】
本発明はコンバーチブル家具(1)に関し、このコンバーチブル家具は、端面支持体(12a、12b)を有するフレーム(11)と、フレームに支持されたベッド(3)及びテーブル部(4)とを備える家具部品(2)と、壁等の支持体に取り付けられた梁又は壁パネル等の壁支持体(21)と、家具部品を少なくともテーブルポジションとベッドポジションとの間でガイドするように構成されたヒンジ(5a)、レール(30)、ガススプリング(5b)等のピボット手段と、テーブルポジションにある家具部品を固定するように構成され、開放時には、家具部品のベッドポジションへの動きを可能にする開閉式のテーブルロック(6)とを備える。テーブル部の第1の縁部(7)は、テーブルポジションにおいて、壁支持体又は壁等の支持体に対向し、ベッドポジションにおいてはベッドの側面の上縁部となる。テーブル部の第2の縁部(8)は、テーブルポジションにおいて、テーブル部(4)の外縁部となり、ベッドポジションにおいてはベッド(3)の側面の下縁部となる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンバーチブル家具(1)であって、
・ 第1及び第2の端面支持体(12a、12b)を有するフレーム(11)と、前記フレーム(11)に支持されたベッド(3)及びテーブル部(4)とを備える家具部品(2)と、
・ 壁等の支持体にしっかりと取り付けられた壁支持体(21)と、
・ 前記家具部品と前記壁支持体(21)との間に、前記家具部品を少なくとも、
・ 前記テーブル部(4)は水平に配置され、これによって水平テーブル面(44)を形成し、前記ベッド(3)は使用不能であるテーブルポジションと、
・ 前記ベッド(3)は使用可能であり、前記テーブル部(4)は使用不能で、前記ベッド(3)の側面として配置されているベッドポジションと、
の間で動かすようにガイドするように構成されたピボット手段(5a、5b、30、31)と、
・ 前記テーブルポジションにある前記家具部品(2)を固定するように構成されたテーブルロック(6)であって、前記家具部品(2)上の第1のロック部材(6a)と、前記壁支持体(21)上の第2のロック部材(6b)とを備え、アクチュエータ(6c)によって、
・ 前記ロック部材(6a、6b)は互いに噛み合い、これによって前記テーブルポジションにある前記家具部品(2)を固定するロック位置と、
・ 前記ロック部材(6a、6b)は互いに噛み合わず、これによって前記家具部品(2)の前記ベッドポジションへの動きを可能にする開位置と、
の間で動かされるように構成された前記テーブルロック(6)と、
を備え、前記テーブル部(4)は、少なくとも主に平行な
・ 前記テーブルポジションにおいては前記壁支持体(21)又は前記壁等の支持体に対向し、前記ベッドポジションにおいては前記ベッド(3)の前記側面の上縁部とされる第1の縁部(7)と、
・ 前記テーブルポジションにおいては前記テーブル部(4)の外縁部とされ、前記ベッドポジションにおいては前記ベッド(3)の前記側面の下縁部とされる第2の縁部(8)と、
を備えることを特徴とする、コンバーチブル家具(1)。
【請求項2】
前記ベッドポジションにおいて、前記第2の端部(8)は、前記家具の下の床等の支持体に接するようにされていることを特徴とする、請求項1に記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項3】
前記第1のロック部材(6a)は、前記テーブル部(4)に配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項4】
前記第1のロック部材(6a)は、前記テーブル部(4)の前記第1の縁部(7)に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項5】
前記アクチュエータ(6c)は、前記第1のロック部材(6a)に接続され、前記家具部品(2)と共に可動に構成されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項6】
前記アクチュエータ(6c)は、前記第1のロック部材(6a)から、前記ベッド(3)を越えて、前記テーブル部(4)の第2の縁部(8)に向かって延びるように構成されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項7】
前記アクチュエータ(6c)は、前記テーブル部(4)と前記ベッド(3)との間に配置されて、そこで可動であることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項8】
前記テーブルポジションにおいて、前記アクチュエータ(6c)の第2の端部(9b)は、前記テーブル部(4)の第2の縁部(8)に位置しているユーザによって手動で操作されるようにされていることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項9】
前記アクチュエータ(6c)は、前記第2のロック部材(6a)に接続され、前記壁支持体(21)に支持されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項10】
前記テーブル部(4)は、端面支持体(12a、12b)に対して垂直に配置され、これによって各端面支持体(12a、12b)は、
・ 前記テーブルポジションにおいては垂直なテーブル支持体として、
・ 前記ベッドポジションにおいては垂直なベッド端部として
機能することを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項11】
各端面支持体(12a、12b)は、前記テーブルポジション及び前記ベッドポジションにおいて、前記家具の下の床等の支持体に接していることを特徴とする、請求項10に記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項12】
前記テーブル部(4)及び端面支持体(12a、12b)は、しっかりと互いに対して動かないように固定されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項13】
前記ベッド(3)は、前記フレーム(11)に動かないように支持されていることを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項14】
前記ベッドポジションにおいて、前記端面支持体(12a、12b)及び前記テーブル部(4)は、前記ベッド(3)に対して垂直な側面、即ち2つのベッド端部と側面を形成することを特徴とする、請求項1から13のいずれかに記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項15】
前記壁支持体(21)は、前記テーブルポジションにおける前記家具部品(2)の領域の少なくとも大部分を覆う垂直壁パネルであることを特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項16】
その下にある床に対する前記家具の動きを容易にするために、前記ベッドポジションにおいては前記壁支持体(21)に最も近く、前記テーブルポジションにおいては前記壁支持体(21)から最も遠い、前記端面支持体(12a、12b)の下隅部に1つ以上のホイール(14)が配置されていることを特徴とする、請求項1から15のいずれかに記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項17】
前記1つ以上のホイール(14)は、前記ベッドポジションにおいて下端支持体縁部である縁部(132)のみから突出するようにされていることを特徴とする、請求項16に記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項18】
前記1つ以上のホイール(14)は、その大部分又は一部が前記端面支持体(12a、12b)の内側に隠れるようにされていることを特徴とする、請求項16又は17に記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項19】
前記1つ以上のホイール(14)は、前記ベッドポジションと前記テーブルポジションとの間の動きのどの段階においても、前記家具(1)と床との間の接触点として配置されていることを特徴とする、請求項16から18のいずれかに記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項20】
前記家具部品(2)において、前記ホイール(14)及び前記ピボット手段(5a、5b、30、31)は、前記家具部品(2)の前記端面支持体(12a、12b)の縁部(133)に沿って、これに取り付けられた第1の支持板(16)に取り付けられ、支持されていることを特徴とする、請求項16から19のいずれかに記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項21】
前記壁支持体(21)において、前記ピボット手段(5a、5b、30、31)は、前記壁支持体(21)に取り付けられた第2の支持板(26)に取り付けられ、支持されていることを特徴とする、請求項1から20のいずれかに記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項22】
可動な追加の支持体(15)が前記テーブル部(4)の下に配置され、前記テーブル部及び/又は前記端面支持体(12a、12b)に固定され、これによって、前記追加の支持体の少なくとも一部(15b)が端面支持体縁部(132)又は前記テーブル部の前記第2の縁部(8)へと可動であり、前記ベッドポジションにおいて、前記縁部(132、8)に設置された前記追加の支持体(15b)が床に当たるように構成されていることを特徴とする、請求項1から21のいずれかに記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項23】
前記ピボット手段は、前記家具部品(2)及び前記壁支持体(21)に回動可能に取り付けられたヒンジアーム(5a)を備えることを特徴とする、請求項1から22のいずれかに記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項24】
前記ピボット手段は、前記家具部品(2)及び前記壁支持体(21)に回動可能に取り付けられたガススプリング(5b)を備えることを特徴とする、請求項1から23のいずれかに記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項25】
前記ガススプリング(5b)は、前記テーブルポジションと前記ベッドポジションの間で最も長くなるように構成され、これによって、前記ガススプリング(5b)は、前記家具(1)が前記テーブルポジションから前記ベッドポジションへ、又はその逆に動くとき、前記ガススプリング(5b)は、最初に長くなり、次に最大長に達し、次に短くなり始めるように構成されていることを特徴とする、請求項24に記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項26】
前記ピボット手段は、
・ 前記壁支持体(21)又は前記壁等の支持体に実質的に垂直に配置されたレール(30)と、
・ 前記レール(30)に沿って可動に構成されたスライド(31)等のピボット支持体と、
を備え、これによってピボット手段の少なくとも1つが前記ピボット支持体(31)及び前記家具部品(2)の両方に回動可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項1から25のいずれかに記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項27】
前記ピボット手段は、前記壁支持体(21)上の前記ピボット支持体(31)に回動可能に取り付けられた一端と、前記家具部品(2)に回動可能に取り付けられた他端と、を有する少なくとも1つのガススプリング(5b)を備えることを特徴とする、請求項26に記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項28】
前記ピボット手段の1つ以上の構成要素(30、31)が、前記壁支持体(21)の裏側、即ち壁等の支持体に接する側に配置されていることを特徴とする、請求項26又は27に記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項29】
前記レール(30)及び前記ピボット支持体(31)は、前記壁支持体(21)の背面側に配置されていることを特徴とする、請求項28に記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項30】
スロットが前記壁支持体(21)を貫通して設けられ、このスロットを通って前記ピボット支持体(31)が前記家具部品(2)に向かって延びることができるようになっていることを特徴とする、請求項29に記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項31】
前記スロットは前記レール(30)に平行であることを特徴とする、請求項30に記載のコンバーチブル家具(1)。
【請求項32】
家具部品(2)と、壁支持体(21)と、及びこれらの間のピボット手段(5a、5b)と、を備えるコンバーチブル家具(1)であって、前記壁支持体(21)は壁等の支持体にしっかりと配置され、前記家具部品は、二つの端支持体(12a、12b)を備え、そこにベッド(3)及びテーブル部(4)が支持され、前記テーブル部(4)は、互いに少なくとも主に平行な第1の縁部(7)及び第2の縁部(8)を備える、コンバーチブル家具(1)を用いる方法であって、当該方法は、
・ 前記家具部品(2)を少なくともテーブルポジションとベッドポジションとの間で前記壁支持体(21)に対して動かすことと、
・ 前記家具部品(2)と前記壁支持体(21)との間に配置されたピボット手段(5a、5b)で、前記家具部品(2)の動きをガイドすることと、
を含み、前記家具部品(2)を動かすことは、
・ 前記テーブルポジションにおいて、前記第1の縁部(7)を前記壁支持体(21)又は前記壁等の支持体に対向して配置し、前記第2の縁部(8)を前記テーブル部(4)の外縁部として配置することと、
・ 前記ベッドポジションにおいて、前記第1の縁部(7)を前記ベッド(3)の側面の上縁部として配置し、前記第2の縁部(8)を前記ベッド(3)の側面の下縁部として配置することと、
を含む、方法。
【請求項33】
前記ベッドポジションにおいて、
・ 第2の縁部(8)を前記家具の下の床等の支持体に接して配置することを特徴とする、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ピボット手段(5a、5b)は、前記テーブルポジションと前記ベッドポジションの間で最も長くなるように構成された少なくとも1つのガススプリング(5b)を備え、これによって、前記家具部品(2)を前記テーブルポジションから前記ベッドポジションへ、又はその逆に動かすとき、前記ガススプリング(5b)は、
・ 最初に長くなり、これによって前記動き始めを容易にし、
・ 次に最大長に達し、これによって前記動きの中盤で最も効果が小さくなり、
・ 次に短くなり始め、これによって前記動きの終盤で動きを遅くする
ようにされていることを特徴とする、請求項32又は33に記載の方法。
【請求項35】
前記ピボット手段は、前記壁支持体(21)に実質的に垂直に配置されたレール(30)と、前記レール(30)に沿って可動に構成されたピボット支持体(31)と、を備え、これによって、ピボット手段の少なくとも1つが、前記ピボット支持体(31)及び前記家具部品(2)の両方に回動可能に取り付けられており、前記家具部品(2)を前記テーブルポジションから前記ベッドポジションへ、又はその逆に動かすとき、
・ 前記ピボット支持体(31)は前記レール(30)に沿って動くことを特徴とする、請求項32から34のいずれかに記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、別の家具に転換できる家具であるコンバーチブル家具に関する。本発明は、特に、ベッドからテーブルへ、又はその逆に転換できる家具に関する。
【背景】
【0002】
米国特許公報第60,339A号、ハンガリー特許公報第195,416B号、フランス特許公報第1,420,300A号、米国特許公報第277,637A号、及び米国特許公報第4,277,856A号は、テーブル又はベッドのいずれかとして使用可能な家具を示している。従来技術は複雑であり、使用しづらい。
【発明の目的】
【0003】
本発明の目的は、従来技術に現れる上記のような問題を軽減し、あるいは解消することにある。
【0004】
本発明の目的は、複数の家具部品を必要に応じて動かないように固定し、必要に応じて動かせる、簡単かつ確実な方法を提供することである。
【0005】
本発明の目的は、家具をベッドからテーブルへ、又はその逆に転換する際に、複数の家具部品の簡単かつ確実な動きを可能にすることである。
【摘要】
【0006】
とりわけ、上記の目的を達成するために、本発明に係るコンバーチブル家具等の物体は、添付の独立請求項の記載を特徴としている。従属請求項には、本発明の一部の実施形態を提示する。
【0007】
本明細書に記載の実施形態、実施例、及び効果は、必ずしも明示しないものの、該当する場合、コンバーチブル家具又はこれを使用する際の任意の方法に関すると共に、本発明の任意の別の態様にも関する
【0008】
本発明の基本的な概念をシンプルに記載すると、コンバーチブル家具は、
・ パネル等の複数の端面支持体を有するフレームと、前記フレームに支持されたベッド及びテーブル部とを備える家具部品と、
・ 壁等の支持体にしっかりと取り付けられた梁又は壁パネル等の壁支持体と、
・ 前記家具部品と前記壁支持体との間に、前記家具部品を少なくともテーブルポジションとベッドポジションとの間で動かすようにガイドするように構成され、例えば前記端面支持体に取り付けられていてもよい、ヒンジ、レール、ガススプリング等のピボット手段と、
・ 前記テーブルポジションにある前記家具部品を固定するように構成され、開放時には、前記家具部品の前記ベッドポジションへの動きを可能にする開閉式のテーブルロックと、
を備える。
【0009】
この基本的な概念は、例えば、以下の技術的概念のうちの1つ以上を追加することによって、その進歩性が増す。
1)前記ロックは、これに操作可能に接続された、長尺シャフトやワイヤ等のアクチュエータと共に用いられる。前記アクチュエータは、前記家具部品に(例えばテーブル部の下)可動に支持されることができる。前記アクチュエータは、前記テーブル部の面に沿った方向にのみ、又は少なくとも主としてこの方向に動かされるように構成可能である。前記アクチュエータ、例えばシャフトは、前記テーブル部の一方の縁部で前記ロックから、前記ベッドを越えて、前記テーブル部の別の縁部付近にまで延びてもよい。シャフト等の前記アクチュエータは、枢動点を中心に回動するレバーであってもよい。例えば、横方向に回動可能な比較的長いレバーによって、前記ロックが容易に使用できるようになる。これらの特徴により、前記テーブルロックの開閉が簡単かつ確実となる。
2)1つ以上のホイールが前記端面支持体に取り付けられている。前記ホイールは、一部が隠れていてもよく、即ち、前記ホイールの一部のみが見えており、つまり、前記ホイールは前記端面支持体の1つ以上の縁部から突出している。これらのホイールによって、その下にある床等の支持体に対する家具の動きが容易になる。これらのホイールは、テーブルポジションにおいて、前記端面支持体の下隅に、例えば前記壁支持体から最も遠い隅部に位置する可能性がある。隅部のホイールは、例えば、テーブルポジションにおいて、垂直端面支持体縁部のみから突出するようにされることができる。
3)前記家具部品と前記壁支持体との間のピボット手段は、前記家具部品と前記壁支持体に回動可能に取り付けられた少なくとも1つのガススプリングを備える。前記ガススプリングは、テーブルポジションとベッドポジションの間で最も長くなるように構成され、これによって、前記家具部品がテーブルポジションからベッドポジションへ、又はその逆に動くとき、前記ガススプリングは、最初に長くなり、次に最大長に達し、次に短くなり始めるように構成されてもよい。これによって、前記ガススプリングは、動き始めを容易にし、終盤近くでは動きを遅くするようにする。前記ピボット手段は、ベッドポジションにおいて、前記ピボット手段のいずれの部分又は可動部分も前記端面支持体の上縁部に届かないように構成されてもよい。これによって、家具を安全で快適に使用することができる。
4)前記家具部品と前記壁支持体の間の前記ピボット手段は、前記壁支持体に実質的に垂直に配置されたレールと、このレールに沿って可動に構成されたスライド等のピボット支持体を備える。ピボット手段の少なくとも1つは、前記ピボット支持体と前記家具部品の両方に回動可能に取り付けられてもよい。前記家具部品をテーブルポジションからベッドポジションへ、又はその逆に動かすとき、前記ピボット支持体は前記レールに沿って、即ち垂直に動く。
5)前記床等の支持体に当てられる可動な追加の支持体が、テーブル部の下、例えば前記端面支持体に当てられる。家具をベッドポジションへと動かす準備の際に、前記追加の支持体は、ベッドポジションにおいて床に接する前記端面支持体縁部に当てられる。このとき、前記追加の支持体は床に当たっている。ベッドポジションにある家具の重量は、使用され得るホイール及び少なくとも部分的に前記追加の支持体に乗る。これらの追加の支持体を家具の別の位置にいくつか設けてもよい。
6)1つ以上の支持板を前記端面支持体又は前記壁支持体に取り付けてもよい。支持板は、前記端面支持体及び前記壁支持体とは別体であり、例えば金属又はプラスチック製である。各支持板は、ホイール及び/又は前記ピボット手段を支持してもよい。支持板を、例えば前記端面支持体又は前記壁支持体の縁部に沿って、これに取り付けてもよい。支持板によって前記端面支持体又は前記壁支持体の縁部を形成してもよい。テーブルポジションにおいて、第1の支持板が主として前記端面支持体の主に水平な下縁部に位置していてもよい。前記壁支持体は、1つ以上の第2の支持板を有していてもよい。
7)前記テーブル部は、少なくとも主に平行な第1及び第2の縁部を備える。前記第1の縁部は、テーブルポジションにおいては前記壁支持体に対向し、又は前記壁支持体の後方の前記壁等の支持体に対向し、ベッドポジションにおいてはベッドの側面の上縁部となる。前記第2の端部は、テーブルポジションにおいては前記テーブル部の外縁部とされ、ベッドポジションにおいてはベッドの側面の下縁部となる。前記第2の端部は、ベッドポジションにおいて家具の下の床等の支持体に当接してもよい。
【0010】
列挙された技術的概念及び更に多くの実施形態が、図面を参照して以下に詳述される。それぞれの概念は、個別に記載されていない形式によっても互いに組み合わせることができる。
【0011】
本発明に係る典型的なコンバーチブル家具の実施形態は、
・ 第1及び第2の端面支持体を有するフレームと、前記フレームに支持されたベッド及びテーブル部とを備える家具部品と、
・ 壁等の支持体にしっかりと取り付けられた壁支持体と、
・ 前記家具部品と前記壁支持体との間に、前記家具部品を少なくとも、
・ 前記テーブル部は水平に配置され、これによって使用可能な水平テーブル面を形成し、前記ベッドは使用不能であるテーブルポジションと、
・ 前記ベッドは使用可能であり、前記テーブル部は使用不能で、前記ベッドの側面として配置されているベッドポジションと、
の間で動かすようにガイドするように構成されたピボット手段と、
・ 前記テーブルポジションにある前記家具部品を固定するように構成されたテーブルロックであって、前記家具部品上の第1のロック部材と、前記壁支持体上の第2のロック部材とを備え、アクチュエータによって、
・ 前記ロック部材は互いに噛み合い、これによって前記テーブルポジションにある前記家具部品を固定するロック位置と、
・ 前記ロック部材は互いに噛み合わず、これによって前記家具部品の前記ベッドポジションへの動きを可能にする開位置と、
の間で動かされるように構成されたテーブルロックと、
を備え、前記テーブル部は、少なくとも主に平行な
・ 前記テーブルポジションにおいては前記壁支持体に対向し、例えば近接又は接して配置され、前記ベッドポジションにおいては前記ベッドの前記側面の上縁部とされる第1の縁部と、
・ 前記テーブルポジションにおいては前記テーブル部の外縁部とされ、前記ベッドポジションにおいては前記ベッドの前記側面の下縁部とされる第2の縁部と、
を備える。
【0012】
一実施形態では、テーブルポジションにおいて、前記テーブル部の前記第1の縁部は、前記壁等の支持体の近接又は接するようにされている。これは、例えば、テーブルポジションにおいて、前記第1の縁部が前記壁支持体の上縁部よりも高い位置に配置されていることを意味し得る。
【0013】
本発明は、テーブルとベッドとに転換できるコンバーチブル家具を簡単かつ安全に実現する方法を提供する。ユーザは、壁等の支持体に沿って長手方向に位置するテーブルの使用を選択することができる。あるいは、ユーザは、壁に沿って、つまり壁等の支持体と平行なベッドの使用を簡単に素早く選択でき得る。
【0014】
一実施形態では、壁支持体は、ピボット手段及び第2のロック部材の支持点等の重要な点で確実な支持を行う構造体である。壁支持体は、1枚の部分のみを備えてもよい。一実施形態では、壁支持体は、複数の部分、例えば、ピボット手段及び前記第2のロック部材を支持するための別々の支持点又はブラケットを備える。
【0015】
一実施形態では、壁支持体は、壁パネル、即ち、テーブルポジションにおいて家具部品の領域の少なくとも大部分を覆う少なくとも主に垂直なパネルである。一実施形態では、壁支持体は、梁のような小さい構造で、支持のための上述の重要な点のみを覆う。一実施形態では、壁支持体は、ベッドポジションにおいて垂直なベッドサイドパネルとして機能する。一実施形態では、壁支持体の上縁部は、テーブルポジションにおいてテーブル面と同一平面上にあり、これによってテーブル面の一部又は延長部として機能する。
【0016】
一実施形態では、前記壁支持体の前記上縁部は、テーブルポジションにおいて少なくとも前記テーブル面の高さかそれよりも高い位置に配置されている。壁支持体の長さは、少なくともフレームの端面支持体間の距離と同じかそれ以上であってもよい。これによって、家具の垂直方向の両縁部と水平方向の上縁部が、テーブルポジションにおいて、壁支持体にもたれかかることができる。また、このようにすれば、第2のロック部材とピボット手段とを壁支持体にしっかりと支持させることができる。
【0017】
一実施形態では、壁支持体は、例えばブラケット、ねじ、フック等を用いて、壁等の支持体に取り外し可能に取り付けられている。
【0018】
前記テーブルロックは、手動で、又は自動で操作し得る。一実施形態では、前記ロックはシンプルなラッチである。ラッチは簡単な動作で開閉でき、例えば、レバー等のアクチュエータを用いて手動で開閉できる。
【0019】
一実施形態では、前記アクチュエータは、シャフト、ロッド、ワイヤ等の長尺部材であるか、又はこれを備える。これによって、ロック部材から離れた位置から操作して、使用することが可能になる。このアクチュエータは、シンプルな一体型装置であってもよいし、レバー、ヒンジ、ロッド、シャフト、ワイヤ、ギア等、動作可能に接続された複数の部品を備えてもよい。
【0020】
一実施形態では、前記アクチュエータは、前記第1又は第2のロック部材に直接接続される。これによって、シンプルな電力伝送を実現する。一実施形態では、前記アクチュエータは、その第1の端部によって前記第1又は第2のロック部材に接続される。アクチュエータが家具部品上で第1のロック部材に接続されている場合、アクチュエータは家具部品と共に可動である。
【0021】
一実施形態では、前記アクチュエータは、前記第2のロック部材に接続され、前記壁支持体に支持されている。アクチュエータが壁支持体に設置されている場合、家具部品の動いている間はアクチュエータを静止させることができる。壁支持体に設置されたアクチュエータは、例えば、シンプルな押しボタンやレバーでもよい。
【0022】
一実施形態では、前記第1のロック部材は、前記テーブル部に配置され、これによって前記テーブル部と共に可動である。
【0023】
一実施形態では、前記第1のロック部材は、前記テーブル部の前記第1の縁部に位置する。これによって、テーブルポジションにおいて、第1のロック部材は、第2のロック部材の近くにある。こうして、第1のロック部材は、ベッドポジションにおいて、ベッドの側面の上縁部に配置されている。
【0024】
一実施形態では、前記アクチュエータの前記第1の端部は、前記第1のロック部材を備える。この簡単な例としては、アクチュエータの第1の端部が、第2のロック部材を操作するためのシンプルなフック、ラッチ、又は同様の部材を備えていることが挙げられる。
【0025】
一実施形態では、前記アクチュエータは、前記テーブル部の前記第1の縁部から、又は前記第1のロック部材から、前記ベッドを越えて、前記テーブル部の前記第2の縁部に向かって延びるように構成されている。このアクチュエータの第2の端部は、第2の縁部に位置しているユーザによって手動で容易に操作されるようにされている。
【0026】
一実施形態では、テーブルポジションにおいて、前記アクチュエータの前記第2の端部は、前記テーブル部の前記第2の縁部に位置しているユーザによって手動で操作されるようにされている。
【0027】
一実施形態では、テーブルポジションにおいて、前記アクチュエータの前記第2の端部は、前記テーブル部の前記第2の縁部に位置しているユーザによって手動で操作されるようにされている。
【0028】
一実施形態では、前記アクチュエータは、前記テーブル部と前記ベッドとの間の空間に配置され、その中で可動である。これによって、ユーザはテーブルの外からシャフトやワイヤ等に簡単に手が届くようになる。一実施形態では、アクチュエータが動くスペースをより大きく取るために、ベッドの側面やテーブル部に窪みを形成してもよい。
【0029】
一実施形態では、前記アクチュエータは前記家具部品に支持されている。そのため、安定している。
【0030】
一実施形態では、前記アクチュエータは、前記テーブル部の内面、即ち、テーブルポジションにおいて、前記テーブル部の下面に支持されている。これによって、通常の家具使用時にはその大半は隠されたままである。
【0031】
一実施形態では、前記アクチュエータは、少なくとも一部が前記テーブル部の内側に配置されている。これは、例えばテーブル部の内面に適当な開いた窪みを形成することによって実現されてもよい。アクチュエータは、その全体が、又はほぼ全体がテーブル部の内側に配置され、その第2の端部(例えばハンドル)のみが見えて、手で操作できる構造であってもよい。
【0032】
一実施形態では、前記アクチュエータは、前記テーブル部の平面の方向に動かすように構成されている。これによって、シンプルで信頼性の高い構造を実現する。
【0033】
一実施形態では、前記アクチュエータは、主に前記テーブル部の平面の方向に動かすように構成されている。例えば、アクチュエータが複数の動作可能に接続された部品を備える場合、それらの部品、又はそのうちの1つ又は一部は、テーブル部の平面の方向とは異なる方向に動かすように構成させてもよい。
【0034】
一実施形態では、前記アクチュエータは、枢動点を中心に前記テーブル部の平面の方向に回動するように構成されたレバーであるか、又はこれを備える。一実施形態では、枢動点は、第1のロック部材にある。これによって、シンプルで信頼性の高い構造を実現する。
【0035】
前記アクチュエータは、異なる材料で作られ、異なるサイズ及び形状であってもよい。使用可能な材料としては、アルミニウムや鋼等の金属、プラスチック、木材等が挙げられる。アクチュエータの長さは状況に応じて変化し、例えば20cm以上、30cm以上、20~40cm、20~50cmが可能である。適切なアクチュエータの長さは、例えば、これが載置されるテーブル部の幅に応じて決まる。
【0036】
長尺シャフトやワイヤ等のアクチュエータは、テーブルの外縁部付近から、ロックに使用される力を伝達する手段である。アクチュエータは、シャフト、ロッド、又は他の種類の硬質な要素として形成されてもよい。また、アクチュエータ又はシャフトが、外側コア又はシェルと、その内側に動力伝達用のワイヤ又は他の柔軟なシャフトもしくはベルトを備えることも可能である。
【0037】
前記アクチュエータとその実施形態は、実際のロック機構から距離を置いた小さな動作や動きによっても、1つ以上のロック部材をロック位置と開放位置との間で容易に動かすことができる。
【0038】
一般的に、前記テーブル部は多かれ少なかれ平面的な形状をしている。テーブル部の平面の方向は、その上のテーブル面の方向となる。この面は、テーブルポジションでは通常水平であり、ベッドポジションでは垂直である。
【0039】
一実施形態では、前記テーブル部は、その端面支持体に対して垂直に配置されている。各端面支持体は、テーブルポジションにおいては家具の下にある床等の支持体に対して垂直な支持体として機能し、ベッドポジションにおいては垂直なベッド端部として機能する。テーブル部と端面支持体がしっかりと単純な構造で共に固定され、互いに対して動かなくなると、フレームは堅牢になり、家具の動きに容易に耐えられるようにされる。
【0040】
一実施形態では、ベッドポジションにおいて、前記テーブル部の前記第2の端部は、家具の下の床等の支持体に接するようにされている。そのため、非常に丈夫で堅牢な家具となっている。一実施形態では、ベッドポジションにおいて、家具部品は、テーブル部の第2の縁部と端面支持体の下縁部とによって、下方の床等の支持体に対して支持されている。したがって、家具部品のみを支持すること、あるいは主にそのフレームによって支持することが可能である。一部の実施形態では、例えば、床にあり得る凹凸に対応するため、摩擦を最小化するため、あるいは家具と床との接触を和らげるために、下縁部上に小さな追加の支持体を使用することが可能である。
【0041】
前記家具の可能な寸法を以下に挙げる。テーブルポジションにおいて、
・ テーブル部長さ:160~220cm又は120~200cm(ベッド方向、即ち、端面支持体間の方向)
・ テーブル部幅:30~60cm(それぞれの第1及び第2の縁部間の方向)
・ テーブル高さ:60~100cm、又は60~120cm
ベッドポジションにおいて、
・ ベッド長さ:160~220cm又は120~200cm(ベッド方向)
・ ベッド幅:60~100cm、又は60~120cm
・ ベッド高さ:30~60cm。
【0042】
前記家具における異なる板状部品又はパネル(テーブル部や端面支持体等)の使用可能な材料としては、木材、プラスチック、ハニカムパネル、その他のセル状パネルが挙げられる。パネル表面は、例えば薄い木材層又はプラスチック層でコーティングしてもよい。
【0043】
本発明の典型的な一実施形態では、前記家具部品はフレームを備え、このフレームは、概ね平面状の垂直パネルの2つの端面支持体と、これら端面支持体の間に支持されるテーブル面を形成する概ね平面状のテーブル部とを備える。ベッドはフレームに、場合によっては動かないように支持されている。フレームは、例えばヒンジによって定められる回動軸を中心に回動するように、壁支持体に枢動可能に取り付けられている。この枢動の回動軸は水平である。フレームは、テーブル部が頂部に水平に設けられ、垂直端面支持体によって支持され、ベッドがテーブル部の下に垂直に設けられるテーブルポジションでは、壁支持体に対して回動可能である。そこから、フレームをベッドポジションへと90度回転可能である。ベッドポジションでは、フレーム、即ち、端面支持体及びテーブル部は、水平となったベッドの垂直側面、即ち、2つのベッド端部と側面を形成する。フレーム内において、テーブル部の反対側に、ベッドの第2の側面があってもよい。
【0044】
本発明における家具のテーブルポジションとベッドポジションとの間の転換の動きを定義する方法として、両位置における主に平面の端面支持体の縁部の様子に着目することが挙げられる。各端面支持体は、互いに水平であり、家具の通常使用時には垂直となっている外大面と内大面とを備える。前記外面及び内面は、以下の縁部、即ち、
前記フレームの各端面支持体は、
・ テーブルポジションにおいて、主に垂直であり、前記壁支持体に対向しており、ベッドポジションにおいて、前記ベッド端部の主に水平な上縁部とされる第1の端面支持体縁部と、
・ テーブルポジションにおいて、主に垂直であり、前記壁支持体から離れて配置され、ベッドポジションにおいて、前記ベッド端部の主に水平な下縁部とされる第2の端面支持体縁部と、
・ テーブルポジションにおいて、前記垂直テーブル支持体の主に水平な下縁部とされ、ベッドポジションにおいて、主に垂直であり、前記壁支持体に対向している第3の端面支持体縁部と、
・ テーブルポジションにおいて、前記垂直テーブル支持体の主に水平な上縁部とされ、その頂部に前記テーブル部を支持しており、ベッドポジションにおいて、主に垂直であり、前記壁支持体から離れて配置された第4の端面支持体縁部と、
を備える。
【0045】
一実施形態では、1つ以上のホイールが前記端面支持体に取り付けられている。ホイールの少なくとも一部は、その下にある床等の支持体に対する家具の動きを容易にするために、端面支持体の少なくとも1つ、もしくは1つ又は2つの縁部の上部に突出している。
【0046】
一実施形態では、テーブルポジションにおいて、前記ホイールは垂直な端面支持体縁部のみから突出している。一実施形態では、1つ以上のホイールは、ベッドポジションにおいて下端支持体縁部である第2の端面支持体縁部のみから突出するようにされている。一実施形態では、ホイールは、テーブルポジションにおいて、垂直及び水平端面支持体縁部の両方から突出している。
【0047】
一実施形態では、前記1つ以上のホイールは、テーブルポジションでは壁支持体から最も遠い端面支持体の下隅部に配置され、ベッドポジションでは壁支持体に最も近い位置に配置されている。この隅部は、ベッドポジションとテーブルポジションとの間の動き全体において、床に近接又は接したままとしてもよい。一実施形態では、前記1つ以上のホイールは、ベッドポジションとテーブルポジションとの間の動きのどの段階においても、家具と床との接触点として配置されている。
【0048】
一実施形態では、前記ホイールは、シンプルなキャスタ、即ち、軸ピンに載置されたローラである。
【0049】
一実施形態では、前記1つ以上のホイールは、その大部分又は一部が前記端面支持体の内側に隠れるようにされている。ホイールは、端面支持体の内面と外面との間に支持され、配置されてもよい。一実施形態では、1つ以上のホイールは、端面支持体の内側、例えば端面支持体の内面に隠れないようにされている。
【0050】
一実施形態では、床と端面支持体の1つ以上の隅部との間に、レール又は同様の滑動手段が配置されている。ホイールをこの滑走手段に置き換えてもよい。一実施形態では、家具部品の動きを容易にするために、ホイールとレール等の滑走手段の両方が配置されている。
【0051】
ホイールと同様に、ヒンジやガススプリング等の全ての前記ピボット手段が、前記家具部品の動きを支持するに十分な堅牢さを有する必要がある。更に、これらの部品を家具部品へ同じく堅牢に支持する必要がある。可能性のある手法としては、例えば、家具部品の端面支持体又は壁支持体に取り付けが容易な、1つ以上の比較的大きな支持板にこれらを支持して配置することが挙げられる。この支持板は、例えば、鋼製もしくはアルミニウム板等の金属製であってもよく、又は任意の適切なプラスチックもしくは複合材料製であってもよい。ピボット手段のそれぞれの構成部品(例えばヒンジやガススプリング)は、家具部品又は壁支持体にそれぞれの支持板を有してもよい。更に、各ホイールは、それぞれの支持板に支持されていてもよい。家具部品に配置された1つ以上の第1の支持板と、壁支持体に配置された1つ以上の第2の支持板があってもよい。
【0052】
この支持板構造は、家具の堅牢な構造、高い強度、簡単な組み立て、及び動きの正確さ向上に寄与する効果がある。一実施形態では、第1の支持板はそれぞれ、1つのホイール及びピボット手段を支持している。1つの端面支持体における全てのピボット手段及びホイールを1つの大きな支持板に取り付けることにより、上述の効果が引き上げられる。
【0053】
一実施形態では、前記第1の支持板は、前記端面支持体、即ち、前記家具部品の前記ベッド端部に取り付けられている。これによって、壁支持体に沿った、即ち、壁等の支持体と平行な、長手方向のテーブル又はベッドのいずれかとしての家具の構成が容易になる。
【0054】
一実施形態では、前記支持板は、前記端面支持体の縁部又は前記壁支持体の縁部に沿って、これに取り付けられている。これによって、これら縁部の強度が増し、単純な構造とすることができる。一実施形態では、テーブルポジションにおいて、第1の支持板は、端面支持体の主に水平な下縁部となる。これによって、下縁部の強度が増し、ホイールを支持板に配置することが容易になる。一実施形態では、第1の支持板は、同じ長さを有し、これらが取り付けられている端面支持体の各縁部を形成する。これによって、一層強度が増し、単純な構造とすることができる。
【0055】
一実施形態では、前記ホイールは、前記家具部品の前記端面支持体に取り付けられた複数の第1の支持板に取り付けられている。一実施形態では、第1の支持板は、ホイールと、ヒンジアームやガススプリング等のピボット手段の両方を支持している。一実施形態では、前記ホイールは、シンプルなキャスタ、即ち、軸ピンに載置されたローラである。軸ピンの一端は、支持板上に、例えば溶接によって、しっかりと取り付けられていてもよい。
【0056】
一実施形態では、1つ以上の可動な追加の支持体がテーブル部の下に配置され、テーブル部及び/又は端面支持体に固定されている。追加の支持体の少なくとも一部は、端面支持体縁部又はテーブル部の第2の縁部へと可動であり、これによって、ベッドポジションにおいて、縁部に設置された追加の支持体は床に当たるように構成されている。実用的な一実施形態では、家具をベッドポジションへと動かす準備の際に、その外側端部が第2の端面支持体縁部に当たるように、垂直軸を中心に追加の支持体を回動させる。追加の支持体は、テーブルポジションにおいて、見えにくくすることができる。追加の支持体は、ベッドポジションにおいて、ベッドの脚として機能する。追加の支持体は、家具部品の縁部に傷がつくのを防ぐ。
【0057】
一実施形態では、追加の支持体の別個の脚は存在しない。この場合、フレーム、即ちその下端が、ベッドポジションではベッドの脚として、テーブルポジションではテーブルの脚として機能する。
【0058】
一実施形態では、前記ピボット手段は、前記家具部品の前記端面支持体及び前記壁支持体に回動可能に支持されている。回動可能に支持されているとは、ピボット手段が家具部品のテーブルポジションとベッドポジションとの間の回動又は動きを可能にすることを意味する。一実施形態では、例えば、ヒンジアーム又はガススプリングの場合、ピボット手段の一端が家具部品の端面支持体に支持され、ピボット手段の他端が壁支持体に支持されている。一実施形態では、ピボット手段は、端面支持体の縁部に、又はその付近に取り付けられている。一実施形態では、テーブルポジションにおいて、ピボット手段は、端面支持体の主に水平な下縁部となる縁部に、又はその付近に取り付けられている。
【0059】
一実施形態では、前記ピボット手段は、前記家具部品及び前記壁支持体に回動可能に取り付けられたヒンジアームを備える。一実施形態では、前記ピボット手段は、前記家具部品及び前記壁支持体に回動可能に取り付けられたガススプリングを備える。一実施形態では、前記ピボット手段は、レール又は同様の滑動手段を備える。このレール等は、例えば、床と端面支持体の各隅部との間に配置することも可能である。一実施形態では、レール等は壁支持体に配置され、これによって、例えば、ガススプリング及び/又はヒンジアームが、このレール等に沿って可動に構成され得る。
【0060】
一実施形態では、前記家具部品の両端に1つずつ、2組のピボット手段がある。つまり、1つのセットは、例えば、1つのヒンジのみ、又はヒンジアーム、ガススプリング、レール等を備えてもよい。このピボット手段は1組のみでもよいし、2組以上設けられてもよい。
【0061】
一実施形態では、前記ガススプリングは、テーブルポジションとベッドポジションの間で最も長くなるように構成され、これによって、前記家具がテーブルポジションからベッドポジションへ、又はその逆に動くとき、前記ガススプリングは、最初に長くなり、次に最大長に達し、次に短くなり始めるように構成されている。これによって、ガススプリングは、動き始めを容易にし、中盤で最も効果が小さくなり、終盤では動きを遅くするように構成される。
【0062】
一実施形態では、前記ガススプリングは、テーブルポジションとベッドポジションとの間の回動の中間点で、又はその付近で最大長に達する。一実施形態では、ガススプリングの回動の動き全体は、80~100度又は85~95度の間に配置され、30~60度又は40~50度の間に最大長に達する。一実施形態では、ガススプリングの回動の動き全体は、40~100度又は60~80度の間に配置され、20~50度又は30~40度の間に最大長に達する。
【0063】
一実施形態では、前記ピボット手段は、
・ 前記壁支持体に実質的に垂直に配置されたレールと、
・ 前記レールに沿って可動に構成されたスライド等のピボット支持体と、
を備える。
【0064】
ピボット手段の少なくとも1つが、前記ピボット支持体と前記家具部品の両方に回動可能に取り付けられている。一実施形態では、ピボット手段は、少なくとも1つのガススプリングを備え、その一端がピボット支持体に回動可能に取り付けられ、他端が家具部品に回動可能に取り付けられている。前記家具部品をテーブルポジションからベッドポジションへ、又はその逆に動かすとき、前記ピボット支持体は前記レールに沿って、即ち垂直に動く。これによって、家具部品の堅牢かつスムーズな動き及び回動が可能になる。この例として、レールやスライドがよく知られている。異なるレールやスライドを使用してもよい。
【0065】
前記レールは、前記壁支持体のいずれかの側、即ち、前記ベッドに向かう前面側、又は背面側、即ち、壁等の支持体に接する側に配置することができる。一実施形態では、レールは、例えばねじで壁支持体に取り付けられている。一実施形態では、レールは、壁支持体の左側又は右側、例えば、壁パネルの表側と裏側を結ぶ垂直方向の縁部に配置されている。
【0066】
一実施形態では、レールが前記壁パネルの背後の壁等の支持体に直接配置されている。一実施形態では、レールが前記壁パネルの脇、即ち、前記壁支持体の左側又は右側に配置されている。
【0067】
一実施形態では、家具の通常使用時には、前記ピボット手段の1つ以上の構成要素が前記壁支持体の背面側に配置されている。一実施形態では、レールと、これに沿って動くように配置されたスライド等のピボット支持体とは、壁支持体の背面側に配置されている。一実施形態では、スロットが壁支持体を貫通して設けられ、このスロットを通ってピボット支持体が家具部品に向かって延びることができるようになっている。スロットは、レールに平行に、例えば垂直に配置されてもよい。スロットの長さは、少なくともレールの長さとほぼ同じであってもよい。ピボット手段の一部を壁支持体の裏側に配置することにより、より安全で見栄えの良い家具を提供する。
【0068】
一実施形態では、前記壁支持体のサイズは、テーブルポジションにおいて前記壁支持体が前記フレーム内に収まるように、前記家具部品の前記フレームのサイズよりも小さくする。言い換えれば、テーブルポジションにおいて、壁支持体は、少なくとも部分的に、場合によっては完全に、家具部品の端面支持体とテーブル部の内側に隠れる。一実施形態では、テーブルポジションにおいて、壁支持体及び全てのピボット手段は、家具部品の端面支持体及びテーブル部の内側に隠れる。これによって、安全で見栄えの良い家具を提供することができる。
【0069】
一実施形態では、前記スライドは、前記レールから前記家具部品に向かうある距離を水平に延びるように構成されたスライドベースを備える。このスライドベースは細長く、例えば金属やプラスチック製であってもよい。このスライドベースには、レールと係合するスライドホイール等の摺動手段を配置してもよい。スライドベースは、スライドが家具部品に回動可能に取り付けられた開口部等の取付点を備えてもよい。また、スライドベースは、例えば摺動手段と家具部品の取付点との間に、ピボット手段の取付点を備えてもよい。
【0070】
前記ピボット手段は、テーブルポジションとベッドポジションとの間を動く際に、前記家具部品と前記壁支持体との間の主要な支持構造ではないにしても、重要なものである。ピボット手段のヒンジアームやレール等の構成部品の強度や堅牢性が重要である。これらは、例えば、鋼等の金属、プラスチック又は他の適切な材料で作られてもよい。
【0071】
本発明に係る方法は、本発明に係るいずれのコンバーチブル家具を用いてもよい。本方法の一実施形態では、コンバーチブル家具は、家具部品、壁支持体、及びそれらの間のピボット手段を備える。前記家具部品は、2つの端面支持体と、これらに支持されたベッド及びテーブル部とを備える。前記テーブル部は、少なくとも互いに主に平行な第1の縁部と第2の縁部とを備える。一実施形態では、前記第1及び第2の端部は、前記壁支持体に対して少なくとも実質的に平行である。本実施形態は、少なくとも以下の方法ステップを含んでいる。
・ 前記家具部品を前記壁支持体に対して少なくともテーブルポジションとベッドポジションとの間で動かすことと、
・ 前記家具部品と前記壁支持体との間に配置された前記ピボット手段で前記家具部品の動きをガイドすること。
前記家具部品を動かすとき、
・ 前記テーブルポジションにおいて、前記第1の縁部を前記壁支持体に対向し、例えば前記壁支持体の近くに、又はこれに接して配置し、前記第2の縁部を前記テーブル部の外縁部として配置し、
・ 前記ベッドポジションにおいて、前記第1の縁部を前記ベッドの側面の上縁部として配置し、前記第2の縁部を前記ベッドの側面の下縁部として配置する。
【0072】
一実施形態では、前記ピボット手段は、少なくとも1つのガススプリングを備える。このガススプリングは、テーブルポジションとベッドポジションとの間で最も長くなるように構成されている。このようにして、家具部品をテーブルポジションからベッドポジションへ、又はその逆に動かすとき、ガススプリングは、
・ 最初に長くなり、これによって前記動き始めを容易にし、
・ 次に最大長に達し、これによって前記動きの中盤で最も効果が小さくなり、
・ 次に短くなり始め、これによって前記動きの終盤で動きを遅くする。
【図面の簡単な説明】
【0073】
添付する以下の図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
図1】テーブルポジションにある本発明に係るコンバーチブル家具を、上方からの斜視図で示す。
図2】テーブルポジションとベッドポジションとの間の動き途中にある図1の家具を示す。
図3】ベッドポジションにある図1の家具を示す。
図4】テーブルポジションにある本発明に係る家具の、開位置にあるロック機構を、上方からの部分切断図で示す。
図5】ロック位置にある図4のロック機構を示す。
図6】追加の支持体が当てられていない状態の、テーブルポジションにある本発明に係る家具の外側上隅を、下方からの斜視図で示す。
図7】追加の支持体が当てられている状態の、図6の上隅を示す。
図8】テーブルポジションにある家具の一端部の支持板及びピボット手段を示す。
図9】ベッドポジションにある図8の支持板及びピボット手段を示す。
図10】ベッドポジションにある、ホイールを有する端面支持体の下部を示す。
図11】テーブルポジションにある本発明に係る第2のコンバーチブル家具を、上方からの斜視図で示す。
図12】テーブルポジションとベッドポジションとの間の動き途中にある図11の家具を示す。
図13】ベッドポジションにある図11の家具を示す。
図14】テーブルポジションにある1つの家具端部の支持板及びピボット手段を示す。
図15】ベッドポジションにある図14の支持板及びピボット手段を示す。
【図面の例の詳細説明】
【0074】
明示のため、それぞれの実施形態において、同じ参照符号は対応する部分に用いられる。明示のため、各図において全ての部分や特徴を符号で示しているわけではない。
【0075】
本発明に係るコンバーチブル家具1の2つの実施形態を説明する。第1の実施形態と第2の実施形態の構造及び機能は、主にそのピボット手段の構造が異なっている。第1の実施形態を図1図3に、その好適な機構、即ち支持板及びピボット手段を図8図9に示す。第2の実施形態を図11図13に、その好適な機構、即ち、支持板とピボット手段を図14図15に示す。他の図面における実施形態、例えば図5及び図6のロック機構、図6及び図7の追加の支持体、及び図10のホイールは、両方の実施形態で可能である。
【0076】
コンバーチブル家具1は、家具部品2と、壁支持体21とを備える。家具部品は、フレーム11と、それに支持されたベッド3及びテーブル部4とを備える。フレーム11は、互いに平行で距離を隔てて配置された2つの端面支持体12a、12bを備える。また、フレームは、支持ビーム等、他の部品を備えてもよい。
【0077】
家具部品2と壁支持体21との間には、ピボット手段が配置されている。第1及び第2の実施形態のいずれにおいても、ピボット手段は、ヒンジアーム5aとガススプリング5bとを備える。図11から図13に示す第2の実施形態では、ピボット手段は、壁支持体21に取り付けられた垂直レール30と、このレール上をレールに沿って動くように構成されたスライド31とを更に備える。ピボット手段は、テーブルポジションとベッドポジションとの間で家具部品2の動きをガイドし、補助するものである。ピボット手段は、第1の支持板16を介して家具部品の第1及び第2の端面支持体12a、12bに取り付けられ、第2の支持板26を介して壁支持体21に取り付けられている。第2の実施形態では、レール30自体、又はその上に配置されたフランジや拡張部が、第2の支持板26として機能する。
【0078】
例えば図1及び図11に示すテーブルポジションにおいて、フレーム11はサイドパネルを下に立設され、壁支持体21に接するようにされている。ここでは、テーブル部4が家具部品2の頂部に来ている。家具部品4が水平に配置されている。テーブル部4の頂部は、家具1の頂部に水平なテーブル面44を形成している。テーブル面44は、壁支持体21の上縁部と実質的に同一平面上にある。同時に、ベッド3は、フレーム11の内部に横向きに配置されている。即ち、ベッド3は、テーブル部4の下で垂直な状態にあり、使用不能である。
【0079】
テーブルポジションからベッドポジションへと動かす際に、家具部品2の頂部、例えばテーブル部4は、図2及び図12に示すように、壁支持体21から離れる方向に回動される。フレーム11が水平状態に近づくにつれて、ベッド3が段々見えてくる。最終的に、図3及び図13に示すように、家具1はベッドポジションとなる。つまり、フレーム11とその内部のベッド3は水平な状態となり、ベッド3は使用可能となる。同時に、テーブル部4は、ベッド3の水平なサイドパネルとなっている。つまり、テーブル面44は水平であり、テーブルとして使用不能である。
【0080】
テーブル部4は、テーブル部4の対向する辺に、互いに平行な第1の縁部7と第2の縁部8とを備える。第1の縁部7は、テーブルポジションにおいて、壁支持体21に接して、又は少なくとも近接している。第1の縁部7は、ベッドポジションにおいて、ベッドの側面の上縁部となる。第2の縁部8は、テーブルポジションにおいて、テーブル部4及びテーブル面44の外縁部として配置されている。第2の縁部8は、ベッドポジションにおいて、ベッドの側面の下縁部とされ、家具の下の床等の支持体に接する。
【0081】
フレーム11は、第1及び第2の端面支持体12a、12bを備える。テーブル部4は、端面支持体の間に垂直に配置されている。これによって、各端面支持体12a、12bは、テーブルポジションにおいては床に対して垂直な支持体として機能し、ベッドポジションにおいては垂直なベッド端部として機能する。図示の実施形態では、各端面支持体12a、12bは、4つの縁部を備える。第1の端面支持体縁部131は、テーブルポジションにおいて、主に垂直であり、壁支持体21に対向している。ベッドポジションにおいて、第1の端面支持体縁部131は、ベッド端部の主に水平な上縁部となる。第2の端面支持体縁部132は、テーブルポジションにおいて、主に垂直であり、壁支持体から離れる方向を向いている。ベッドポジションにおいて、第2の端面支持体縁部132は、ベッド端部の主に水平な下縁部となる。第3の端面支持体縁部133は、テーブルポジションにおいて、家具1の下方の床等の支持体に対して垂直支持体の主に水平な下縁部となる。ベッドポジションにおいて、第3の端面支持体縁部133は、主に垂直であり、壁支持体21に対向している。第4の端面支持体縁部134は、テーブルポジションにおいて、垂直支持体の主に水平な上縁部となり、その頂部にテーブル部4を支持している。ベッドポジションにおいて、第4端面支持体縁部134は、主に垂直であり、壁支持体21から離れている。これらの例では、第1及び第2のパネル縁部は、互いに実質的に平行である。同様に、第3及び第4のパネル縁部は、互いに実質的に平行であり、第1及び第2のパネル縁部に対して垂直である。図示の実施形態では、端面支持体12a、12bは、少なくとも一部の隅部が丸みを帯びた実質的に長方形のパネルとして形成されている。ただし、必ずしもこのとおりでなくてもよく、当該家具は各種形態で設計可能である。
【0082】
図示の実施形態では、壁支持体21は、テーブルポジションにおいて接触する家具部品2の領域を覆う垂直パネルである。また、テーブルポジションにおいて、壁支持体21の上縁部がテーブル面44と同一平面上にあり、これによって、テーブル面44の延長部として機能する。壁支持体21は、その背面側、即ち、壁等の支持体(図示せず)に接する側に、図2に示す壁ブラケット22を備えてもよい。壁ブラケット22は、壁支持体21を例えば壁に確実かつ動かないように取り付けるフック等であってもよい。壁ブラケット22は、必要に応じて、壁パネル21を壁から容易に取り外すことができるように、開閉可能であってもよい。壁支持体21の裏面下端には、切れ込み27が形成されている。これによって、壁支持体の設置を容易にし、例えば、壁支持体が設置される壁上に設けられ得る幅木を、この切れ込み27に嵌めることができる。
【0083】
家具部品2をテーブルポジションに安全に保つために、フレーム11と壁支持体21との間に、操作の容易なテーブルロック6が配置されている。ロック位置では、テーブルロック6は、家具部品2を壁支持体21と共に固定する。開位置では、テーブルロック6は、家具部品2のベッドポジションへの動きを可能にする。テーブルロック6は、例えば図4及び図5に示すように、テーブル部4に設けられた第1のロック部材6aと、壁支持体21に設けられた第2のロック部材6bとを備える。第1のロック部材6aは、テーブル部4の第1の縁部7に、又はその付近に位置する。第2のロック部材6bは、壁支持体21の垂直方向の縁部に、又はその付近に位置する。このようにして、第1及び第2のロック部材は、テーブルポジションにおいて互いに接するか、少なくとも非常に接近している。第1のロック部材6aは、ベッドポジションにおいて、ベッドの側面の上縁部に配置されている(図3及び図13を参照)。
【0084】
図4図5の実施形態では、テーブル部は、その第1の縁部7及び第2の縁部8を除いて、示されていない。テーブルロック6は、第1のロック部材としての鋼製円弧部6a、即ち円弧状の鋼製フォームと、第2のロック部材としての垂直ピン6bとを備えたシンプルなラッチである。鋼製円弧部6aは、それが配置されているテーブル部4の平面の方向に回動させることができる。図示されたテーブルポジションにおいて、即ち、テーブル部4の第1の縁部7が壁支持体21に接触しているとき、鋼製円弧部6aを回動させてピン6bの周囲及び背後に到達させ、これによって鋼製円弧部6aとピン6bとを互いに連動させ得る。これは、図5に示すように、テーブルロック6がロック位置にあり、家具部品2がテーブルポジションに固定されることを意味する。円弧部6aの開口が壁支持体21に向かうように円弧部6aを回動させると、図4に示すように、鋼製円弧部6aとピン6bとは連動せず、即ち、テーブルロック6が開位置にある状態になる。ここで、家具部品2は、ベッドポジションに向かって壁支持体21から離れる方向に回動させることができる。
【0085】
テーブルロック6の機能を容易にするために、ロックアクチュエータ、図4及び図5では長尺シャフト6cが、その第1の端9aで鋼鉄円弧部6aに接続される。シャフト6cは、テーブル部4の平面の方向に回動するように構成されたレバーである。シャフト6cを回動させると、鋼製円弧部6a、ひいてはテーブルロック6をロック位置と開放位置との間で動かす。つまり、テーブルポジションにおいて、テーブル部4の下でシャフト6cを水平方向に回動させることにより、テーブルロックが開放され、固定される。シャフト6cは、テーブル部4の内面10に枢動点13で支持されている。長尺シャフト6cの第2の端部9bは、テーブル部4の第2の端部8に向かって配置されている。シャフト6cは、テーブルロック6から、テーブル部4の下に配置されたベッド3を越えて、テーブル部の第2の縁部8に向かって延びている。シャフトの第2の端部9bは、ハンドルを備えてもよい。このハンドルは、ユーザがテーブル部の第2の端部8の下に腕を伸ばすだけで、手動で操作することができる。シャフト6cは、内面10付近で動くように構成されている。これによって、テーブル部4とベッド3とのわずかな隙間において自由に動くことができる。シャフトが動くスペースをより大きく取るために、ベッドの側面に窪みを形成してもよい。長尺シャフトを少なくとも部分的にテーブル部の内部に配置することもできる。これは、例えば、テーブル部4の内面10に適当な開いた窪みを形成することによって実現されてもよい。シャフト6cは、その全体が、又はほぼ全体がテーブル部4の内側に配置され、その第2の端部(例えばハンドル)のみが見えて、手で操作できる構造であってもよい。
【0086】
テーブルポジションとベッドポジションとの転換中に、その下の床等の表面に対する家具部品2の動きを容易にするために、1つ以上のホイール14を端面支持体12a、12bに取り付けることができる。ホイール14は一部が隠れていてもよい。例えば、図示の実施形態におけるホイール14は、各ホイール14の一部のみが端面支持体の1つ以上の縁部から突出するように、大部分又は一部が端面支持体12a、12bの内部に配置されている。ホイール14は、テーブルポジションにおいて、壁支持体21から最も離れた下端支持体隅部にある。即ち、ホイール14は、第2の端面支持体縁部132と第3の端面支持体縁部133とがぶつかる隅部にある。ホイールは、テーブルポジションにおいて、例えば、垂直パネル縁部からのみ、又は垂直及び水平パネル縁部から突出していてもよい。図示の実施形態では、ホイール14は、第2の端面支持体縁部132と第3の端面支持体縁部133から突出するようにされている。ホイールのパネル縁部132、133からの突出幅は、例えば、2mm未満、5mm未満、20mm未満、2~5mm、2~10mm、5~10mm、又は2~20mmであってもよい。テーブルポジションにおいては、ホイール14が床に当てられず、ベッドポジションへの動きの開始と共にホイール14が床に当たり始めるように、追加の支持体又は脚をパネル縁部133に配置してもよい。これによって、実質的に両位置間の動き全体における家具の転換が容易になる。ホイール14は、様々な方法で構成され得る。ホイールの全部又は一部を、動きを容易にする、又は摩擦を抑える他の手段(レール又はプラスチック製の滑り具等)によって置き換えることも可能である。
【0087】
図6及び図7は、テーブルポジションにおける家具1の外側上隅部を示す。テーブル部4の下には、回動可能な追加の支持体15が配置されている。図6では、この支持体は、テーブル部の下に隠されて、端面支持体12aの隅部とテーブル部の内面10に接している。図中、支持体15はテーブル部4に固定されている。家具をベッドポジションへと動かす準備の際に、第2の端面支持体縁部132に当たるように、垂直軸15aを中心に支持体15の外側端部15bを回動させる。ベッドポジションにおいて、パネル縁部132上に位置する支持体の外側端部15bは床に当たる。その縁部132では、支持体の外側端部15bの厚さが、ホイール14がパネル縁部132から突出する距離、即ち、例えば、2mm未満、5mm未満、20mm未満、2~5mm、2~10mm、5~10mm、又は2~20mmと同じであってもよい。これによって、ベッドポジションにおける家具1の重量は、ホイール14と追加の支持体15とに乗る。これらの追加の支持体15を家具の別の位置に更に設けてもよい。これにより、例えば、ベッドポジションにおけるホイール14から全重量を取り除くことが可能になり得る。支持体15は、例えば適当なプラスチック製であってもよい。更に、固定脚等の固定支持体を、テーブルポジション及びベッドポジションにおいて床と接触するように、パネル縁部に配置してもよい。脚等の支持体によって、家具が意図せず動くことを防ぐために、家具と床との間に追加で摩擦を生じてもよい。
【0088】
家具1の各端部に一対の長尺支持板16及び26を設けた実施形態を図示している。図8及び図9は、支持板16及び26の間に配置されたヒンジアーム5a及びガススプリング5bであるピボット手段を有する対のうちの1つを示す。図14及び図15は、支持板16及び26の間に配置されたガススプリング5b、レール30及びスライド31であるピボット手段を有する1対の支持板16及び26を示す。レール30は、第2の支持板26として機能する取付点(図示せず)を有するフランジ又は延長部を備える。明確に示すために、図8図9図14図15には、端面支持体12a、12bや壁支持体21等の家具1の他の部品は示されていない。
【0089】
家具部品2の端面支持体12a、12bには、第1の支持板16が取り付けられている。第2の支持板26は、壁支持体21に取り付けられている。図8及び図9において、各支持板16、26は、ヒンジアーム5aの一端とガススプリング5bの一端とを支持している。図14及び図15において、各支持板16は、ガススプリング5bの一端とスライド31の一端とを支持している。スライド31の他端は、レール30に可動に取り付けられている。各第1の支持板16は、更にホイール14を支持している。支持板16、26は、端面支持体12a、12b及び壁支持体21に、例えばねじ又はボルトで取り付けられている。ねじやボルトのための複数の開口部17を図8及び図9に示す。
【0090】
第1の支持板16は、端面支持体12a、12bの内面に、第3の端面支持体縁部133に沿って、これに取り付けられている。これらの図では、支持板16は、それらが取り付けられるパネル縁部133と同じ長さ及び形状である。実際、支持板16は、パネル縁部133の一部を形成していると考えることができる。したがって、テーブルポジションにおいて、第1の支持板16は、図8及び図14に示すように、床に接して、又は床に近い位置にある、端面支持体12a及び12bの主に水平な下縁部である。ベッドポジションにおいて、第1の支持板16は主に垂直であり、壁支持体21に対向している。第2の支持板は、壁支持体21に垂直かつ実質的に動かないようにされている。したがって、ベッドポジションにおいて、図9及び図15を参照すると、第1の支持板16は、壁支持体21上の第2の支持板26と平行であり、かつ第2の支持板26に接して、又はそれに近接している。
【0091】
図10は、第2の端面支持体縁部132及び第3の端面支持体縁部133の隅部に配置されたホイール14の一例を示す図である。第1の支持板16は、端面支持体12aの内面に、第3の端面支持体縁部133に沿って、これに取り付けられている。内面とは、ベッド3及び他方の端面支持体12bに面する面を意味する。即ち、第1の支持板16は、テーブル部4の下にある。第1の支持板16は、端面支持体12aの内面及びパネル縁部133の両方と位置合わせされ、実際にその一部を形成している。ホイール14は、端面支持体12aの内面と外面との間に支持され、,配置されている。
【0092】
ホイール14は、シンプルなキャスタ、即ち、第1の支持板上の軸ピン19に載置された旋回ローラであってもよい。支持板16の設計、ホイール14の直径、及び軸ピン19の位置は、ホイール14が端面支持体12a又は12bの隅部の最も外側となるように選択できる。これによって、ベッドポジションとテーブルポジションとの移行のどの段階においても、ホイールを床との接点とすることができる。
【0093】
ホイールの軸ピン19の一端は、第1の支持板16上に、例えば溶接によってしっかりと取り付けられている。軸ピン19の他端は、例えば、端面支持体12a、12bに支持されていてもよい。ただし、軸ピン19は、その他端を支持されなくても曲がらないように、より太い寸法にし、十分に強い材料で作るることもできる。
【0094】
本発明を使用する場合、ガススプリング5bはテーブルポジションとベッドポジションとの間の移行を補助する。家具部品2を両位置間で動かす際に、ユーザは通常、例えばベッドポジションからテーブルポジションへの動きを開始するときに最も強い力を要する。したがって、ベッドポジション及び/又はテーブルポジションから開始する際に、ガススプリング5bがある程度の力又は最大の力を提供し、つまり、ユーザを補助するように配置されてもよい。両端位置間では、ガススプリング5bはある程度の力又は最小の力を提供し、つまり、ユーザをより小さい力で補助するように配置されてもよい。これを実現する一つの方法は、ガススプリング5bを両位置間でその最大長になるように配置することである。
【0095】
図示された第1の実施形態では、ガススプリング5bは、図1及び図8のテーブルポジションと図3及び図9のベッドポジションとの間で最も長くなっている。このようにして、家具部品2をテーブルポジションからベッドポジションへ、又はその逆に動かすとき、ガススプリング5bは、最初に長くなり、次に最大長に達し、次に短くなり始めるように構成されている。これによって、ガススプリングは、動き始めを容易にし、中盤で最も効果が小さくなり、終盤では動きを遅くするように構成される。テーブルポジションとベッドポジションの間でガススプリングが回動する中間点付近で最大長に達する。図8図9の間のガススプリング5bの回動の動き全体は約90度であり、40~50度の間に最大長に達する。
【0096】
第1の実施形態では、家具部品2と壁支持体21との間のヒンジ構造は、家具の両端にそれぞれ設けられた1つのヒンジアームを備える。ヒンジアーム5aは締結点18を、ガススプリング5bは締結点23を、第2の支持板26及び第1の支持板16に有している。ヒンジアーム5a及びガススプリング5bは、これらの締結点18、23で回動可能に取り付けられている。ヒンジアーム5a及びガススプリング5bは、摩耗を避けるために、その締結点にベアリングを載置してもよい。
【0097】
図示された第2の実施形態では、スライド31は、細長く水平なスライドベース33を備える。スライドベース33の第1の端部には、レール30と係合するスライドホイール32等の摺動手段が配設されている。スライドベース33の第2の端部は、スライド31が第1の支持板16に回動可能に取り付けられる取付点34を備える。スライドベース33は、ホイール32と取付点34との間に、ガススプリング5bの一端のための取付点23を更に備える。スライド31は、家具部品2をテーブルポジションとベッドポジションとの間で動かすときに、レール30に沿って上下方向に動かすようにされている。スライドベース33は動いている間も水平を保つため、壁支持体21と取付点34の距離は変わらない。
【0098】
第2の実施形態では、図11及び図14を参照すると、テーブルポジションにおいて、スライド31は、レール30に沿った経路上の最下点にある。ガススプリング5bは、側面から見ると水平であり、スライドベース33と並んでいる。第1の端面支持体は水平、つまり床と位置合わせされている。ベッドポジションへの動きが開始されると、スライド31はレール30に沿って上方に動き始める。スライドベース33は水平のままであるが、家具部品2が回動し始めると、端面支持体12a及び12bを回動させ、それらに取り付けられた第1の支持板16も回動し、これによって、第2の端部が第1の端面支持体16に取り付けられているガススプリング5bも回動する。つまり、図13及び図15のベッドポジションに到達したとき、スライド31は、レール30に沿った経路上の最も高い位置にあり、第1の端面支持体16は垂直となり、ガススプリング5bは垂直近くまで回動する。
【0099】
特に、第1の支持板16が端面支持体12a、12bの内面に取り付けられている場合、可動ピボット手段の少なくとも一部は、その動きのための空間を確保するために、端面支持体12a、12bの内部に空洞を必要とする場合がある。第2の実施形態では、図14及び図15に最もよく示すように、ガススプリング5bが、このような空洞内に配置されている。また、ホイール14も、端面支持体12a、12bの内部に空洞を必要とする場合がある。壁支持体21には、ピボット手段5a、5bのための空洞が必要な場合もある。
【0100】
図には本発明に係る一部の好適な実施形態のみを示している。本発明の主な概念に関する二次的に重要な事実、当業者には既知又は自明の事実、例えば本発明によって必要となり得る支持構造等は、必ずしも図面に個別に示されてはいない。当業者には、本発明は上述の例のみに限定されるものではなく、本発明は以下に提示された請求項の範囲内で変更可能であることが自明である。従属請求項は、本発明の保護の範囲を制限するとみなされるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】