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特表2023-504443ウラン含有核分裂性物質の輸送用輸送包装キット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-03
(54)【発明の名称】ウラン含有核分裂性物質の輸送用輸送包装キット
(51)【国際特許分類】
   G21F 5/015 20060101AFI20230127BHJP
   G21F 3/00 20060101ALI20230127BHJP
   G21F 5/08 20060101ALI20230127BHJP
   G21F 5/14 20060101ALI20230127BHJP
   G21F 9/36 20060101ALI20230127BHJP
   G21C 19/32 20060101ALI20230127BHJP
【FI】
G21F5/015
G21F3/00 N
G21F5/08
G21F5/14 H
G21F3/00
G21F9/36 501J
G21F9/36 501F
G21F9/36 501C
G21F9/36 501G
G21F9/36 501H
G21C19/32 100
G21C19/32 060
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022532033
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(85)【翻訳文提出日】2022-05-27
(86)【国際出願番号】 RU2020000404
(87)【国際公開番号】W WO2022025789
(87)【国際公開日】2022-02-03
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522211092
【氏名又は名称】パブリチノエ アクツィオネルノエ オブスチェストヴォ“ノヴォシビルスキー ザヴォート キムコンツェントラトフ”(パオ エヌゼットエイチケー)
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アレクセーエフ,アンドレイ ウラジミロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】エニン,アナトリー アレクセーヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】シューキン,ヴィクター ヴァレリエヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】アブラスキン,オレグ セルゲーヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】バルチェンコ,イリヤ アレクセービッチ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィノグラードフ,アレクサンドル ヴィクトロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ケチン,ウラジーミル イヴァノヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】コザエフ,レフ 二コラエヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】クカノフ,セルゲイ セルゲーヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】レオンチェフ,セルゲイ ヴァレリエヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】マスロフ,エフゲニー エフゲニエヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ロマノフ,ウラジーミル イーゴレヴィッチ
(57)【要約】
本発明は、空気を含むすべての輸送モードによる放射性物質の輸送および輸送保管を目的とした包装キットに関する。この輸送包装キットは、ショックアブソーバーを装備した2ケース構造の容器を含むセットで、各ケースは密閉された蓋付きのガラスの形で作られていると同時に、インナーケースの蓋がアウターケースの底に面しており、コンテナ内部にはカバーが付いており、ウランを含む核分裂性物質を入れた容器を設置するためのソケットが作られていて、ケースの空いている空洞が、中性子遮蔽の機能を実行する材料で満たされていて、ショックアブソーバーはコンテナの外面に固定されており、難燃性の組成物を含浸させ、耐火材料で覆い、鋼板で裏打ちされた木材の部分となっていることなどを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショックアブソーバーを装備した2ケース構造の容器を含むセットで、各ケースは密閉された蓋付きのガラスの形で作られていると同時に、インナーケースの蓋がアウターケースの底に面しており、コンテナ内部にはカバーが付いており、ウランを含む核分裂性物質を入れた容器を設置するためのソケットが作られていて、ケースの空いている空洞が、中性子遮蔽の機能を実行する材料で満たされていて、ショックアブソーバーはコンテナの外面に固定されており、難燃性の組成物を含浸させ、耐火材料で覆い、鋼板で裏打ちされた木材の部分となっていることなどを特徴とするウラン含有核分裂性物質の輸送用輸送包装キット。
【請求項2】
ケースがウラン含有核分裂性物質を含む容器を設置するための5つのソケットを有することを特徴とする、請求項1に記載の輸送包装キット。
【請求項3】
各ソケットに、ウラン含有核分裂性物質を含む2つの容器が上下に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の輸送包装ット。
【請求項4】
炭化ホウ素粉末が中性子遮蔽の機能を実行する材料として使用されることを特徴とする、請求項1に記載の輸送包装キット。
【請求項5】
MBOR生地が木材部分とショックアブソーバーライニングの鋼板との間に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の輸送用包装キット。
【請求項6】
4つの転回アイがクラッドの鋼板の上部に溶接されていることを特徴とする、請求項1に記載の輸送包装キット。
【請求項7】
本体の下部に4つの支持体が作られていることを特徴とする、請求項1に記載の輸送包装キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気を含むすべての輸送モードによる放射性物質の輸送および輸送保管を目的とした包装キットに関する。
【背景技術】
【0002】
放射線安全基準とIAEA勧告に従って、放射性物質の輸送および輸送保管を目的とした輸送包装キット(Transport Package Kit - TPK)は、放射性物質の輸送および保管中に発生する可能性のある緊急事態の場合、特に航空輸送を含む、高い放射線防護および強度特性を提供する必要がる: IAEA安全要件第No.SSR-6号に従い、航空輸送を目的とした核分裂性物質のパッケージは、パッケージを60分間熱環境に保持する強化熱試験、そして少なくとも90 m/sの速度でのターゲットとの衝撃試験に合格する必要がる。
【0003】
危険物を空輸することを目的で設計され、外側の金属シェルを含み、木製の熱保護と金属ケースの内部コンテナ、そして輸送貨物用のシェルを備えた木製の熱保護が直列に取り付けられているコンテナが既知である(特許RU 2175457、G21F5/00、E05G1/024を参照)。
【0004】
コンテナは次の欠点がある:
・コンテナは、核の危険物の輸送を目的としていない;
・コンテナの構造は、輸送される物質の放射線と核の安全性を保証するものではない。
【0005】
航空便を含む各種の輸送方法による使用済み核燃料つまり原子炉の燃料集合体の輸送用のTPK(特許RU 2581648、G21F5 / 00を参照)が既知で、輸送中に取り外し可能なショックアブソーバーが取り付けられ、コンテナにボルトで固定され、ダンパーがチタン合金でできており、表面がリブになっている、内側と外側のケースで構成されるコンテナであるプロトタイプのことである。
【0006】
このTPKの欠点には、その密封システムの設計に関連する、輸送される核分裂性物質の品揃えの制限;運送物の積込み・積み出しのとき制振装置の取り付け/取り外しの必要性と関係する使用に低技術性能などが含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明の公開
本発明によって解決される技術的問題は、容器本体の開放が漏れ、輸送された核分裂性物質の分散、材料間隔の喪失を伴うパッケージ内の物質の再分配、熱効果、そしてTPK要素の発火につながることを防止するTPK設計の作成と同時に、製造可能性の向上TPKを使用することなどである。
【0008】
このようなTPK設計の技術的成果は、核分裂性物質の輸送および輸送保管中の放射線および原子力安全の要件を満たし、TPKの性能を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
述べられた技術的な問題は、ショックアブソーバーを装備した2ケース構造のコンテナを含み、各ボディは密閉された蓋を備えたガラスの形で作られ、内側のケースの蓋は外側のパワーケースの底に面しているウラン含有核分裂性物質の輸送用輸送包装キットに於いて、本発明によれば、コンテナの内部には、ウランを含む核分裂性物質を含むコンテナを設置するために設計されたソケット付きのカバーが含まれており、空いているカバーの空洞は、中性子遮蔽の機能を実行する材料で満たされていると同時に、ショックアブソーバーは、コンテナの外側の耐荷重体の外面に配置され、鋼板で作られた外側のライニングを備えた難燃性組成物を含浸させた木製の塊でありと同時、ダンパーとライニングの間に耐火物が敷かれていることなどによって解決される。
【0010】
おかれた課題は、コンテナの内部に取り付けられたケースには、ウランを含む核分裂性物質を含むコンテナを取り付けるための5つのソケットがあることなどによっても達成される。各ソケットには、2つのコンテナを上下に設置することができる。
【0011】
例えば、中性子遮蔽の機能を果たす材料として、炭化ホウ素粉末を使用することができる。
【0012】
ショックアブソーバーの機能を果たす木製の部分を覆うために使用される耐火材としては、MBOR生地 (ロール状玄武岩難燃剤 - Basalt Fire-retardant Rolled Material) を使用することができる。
【0013】
無垢材に面するように意図された鋼板の上部では、4つのラグが溶接によって固定され、輸送包装キットを転回させる役割を果たし、下部では4つのサポートがある。
【0014】
輸送包装キットの提案された設計は、設定された技術的問題を解決することを可能にする。
【0015】
TPKコンテナを二重船殻構造にすること、外側の補強コンテナの本体の底に蓋が付いた内側のコンテナを設置し、TUK設計でショックアブソーバーを使用して、コンテナの外面を覆うことなどは、輸送の緊急時の外部負荷の適用場所の次第で、コンテナとその外部電源本体の両方の「本体-蓋」ジョイントの開口部がないことを保証する。その結果、輸送されたウラン含有核分裂性物質の漏出または拡散、そしてその環境への放出は排除される。燃料ディスペンサーの設計に2つの密閉された蓋を使用することで、パッケージ内の放射性内容物の再分配を防ぐためのIAEA規則の要件への準拠が確保される。燃料ディスペンサーの設計に耐火材料を使用することで、ショックアブソーバーの点火を排除し、パッケージへの熱影響時のシーリングガスケットの安全性を確保できる。
【0016】
ウラン含有核分裂性物質を含む容器を配置し、中性子遮蔽の機能を実行する材料でカバーの自由空洞を充填するための巣を備えたカバーのTPKコンテナの内部本体への設置は、ウランを含む核分裂性物質の遠隔配置を提供する。
【0017】
輸送され物質を積み降ろしするときに制振装置を取り付けたり取り外したりする必要がないため、提案された設計のTPKを使用する際の労働生産性が向上し、TPKを使用する製造性が向上し、TPKのパフォーマンスが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】発明の本質は図面を使って説明する。図1は、ウランを含む核分裂性物質を輸送するためのTPKコンテナの概観を示している。
図2図2は、コンテナの外側本体(フラグメント)のカバーの固定を示している。
図3図3は、コンテナの内部本体(フラグメント)のカバーの固定を示している。
図4図4は、容器の内部本体のカバーの巣に配置された、ウラン含有核分裂性物質の容器を示している。
【0019】
TPKは、蓋2によって閉じられた外部電源ハウジング1と、ハウジング1内に配置され、蓋4によって閉じられた内部ハウジング3とを含むコンテナを含む。ハウジング3の内部には、輸送されたウラン含有核分裂性物質のための容器6を収容するのに役立つ巣を備えたカバー5がある。
【0020】
アウターケーシング1は、スチールカップの形で作られ、その外面に例えば、難燃性組成物が含浸されている木材で作られ、外側が鋼板のシート8で被覆されているショックアブソーバー7が取り付けられている。ショックアブソーバー7と鋼板のシート8との間に、緊急事態における温度の影響からショックダンパー7を保護するように設計された耐火材料9、例えば、MBOR生地が入れている。本体1のカバー2の側面には、難燃剤でコーティングされ、鋼板で裏打ちされた、例えば木材などの制振材料で作られたディスクの形態のプラグ10が取り付けられている。
【0021】
厚いシート材料で作られた外側本体1のカバー2は、強化ボルト11を使用して本体1に取り付けられている。シーリングガスケット12は、本体1と蓋2との間に取り付けられ、これは、通常の状況および緊急の状況の両方で輸送された物質の損失を防ぐのに役立つ。
【0022】
プラグ10は、ナット13を使って外部ケーシング1に取り付けられている。プラグ10と本体1との間にシーリングガスケットが取り付けられ、大気中の降水が本体1(図示せず)に入ることを防ぐ。
【0023】
木材部分を被覆することを目的とした鋼板のシート8の上部には、TPK を持ち上げて移動し、車両のカプラーを使用して固定するように設計された4つのラグ14が溶接によって固定されている。
【0024】
上部の本体1の表面には、TPKの段階的保管を目的とした4つの支持体15が溶接されており、下部の4つの支持体16が溶接されている。
【0025】
厚肉材料で作られたカバー4は、強化ボルト17を使用して厚肉材料のガラスの形で作られた内部本体3に取り付けられている。シーリングガスケット18は、本体3とカバー4との間に取り付けられ、これは、通常の状況および緊急の状況の両方において、輸送された放射性内容物の損失を防ぐのに役立つ。
【0026】
本体3の底部の外面および蓋4の外面には、特別なラグ19が溶接されており、これは、コンテナの本体3をパワーアウターケース1に取り付け・取り外すのに役立つ。
【0027】
ハウジング3の内部には、例えば、ドラムの形態のカバー5があり、輸送された内容物を含む容器6を収容するためのいくつかのスロットを備えている。カバー5の空いている空洞は、中性子吸収材料20、例えば、炭化ホウ素В4С粉末で満たされている。
【0028】
容器6は、糸で接続された蓋22を備えた円筒形の本体21である。
【0029】
発明を実施するための最良の形態
TPKの使用法は次のとおりとなる。
例えば、粉末、パン粉、錠剤、金属インゴットの形態のウラン含有核分裂性物質は、ポリエチレンケースに詰められ、これは、容器6の本体21の内側に配置され、スクリューキャップ22で閉じられる。材料が詰め込まれた容器6は、コンテナ本体3の内部空洞に設置されたカバー5のネスト内に配置される。本体3は、補強構造のボルト17の助けを借りて本体に取り付けられているカバー4で閉じられている。吊り上げ装置の助けを借りて、充填および閉鎖されたハウジング3は、カバー4を下にしてパワーアウターハウジング1に取り付けられる。アウターケーシング1のカバー2は、補強構造のボルト11に取り付けられ、固定されている。次に、プラグ10を取り付け、ナット13で固定する。その後、IAEA規則の要件に従って、TPKの外面の汚染管理が実施される。
【産業上の利用可能性】
【0030】
提案された設計のTPKは型式試験に合格している。宣言された強度特性が確認済みである。輸送される放射性内容物の範囲を拡大する可能性が提供されている。
【0031】
したがって、ウラン含有核分裂性物質の輸送のために提案された設計のTPKを使用することにより、航空便を含むあらゆる輸送方法によって輸送される物質の放射線と核の安全性が確保されることが保証されると同時に、提案された設計のTPKの使用は、既存のサンプルと比較して、より安価で、より技術的に進めている。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】