(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-03
(54)【発明の名称】目隠しキャップ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/32 20060101AFI20230127BHJP
【FI】
A61M5/32 500
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022532586
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(85)【翻訳文提出日】2022-06-08
(86)【国際出願番号】 GB2020053029
(87)【国際公開番号】W WO2021111110
(87)【国際公開日】2021-06-10
(32)【優先日】2019-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522214200
【氏名又は名称】アルマック・クリニカル・サービシーズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Almac Clinical Services Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】カートライト,ジョナサン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066DD08
4C066NN01
4C066NN04
4C066NN20
(57)【要約】
注射器に取り付けられる硬質針シールドを覆うための目隠しキャップ(1001)は、ヒンジ(1030)によって結合される第1部分(1010)及び第2部分(1020)を有する。第1部分及び第2部分は、第1部分の隆起リップ(1050)が第2部分の凹部(1080)に係合され、第1ロック部材(1070)及び第2ロック部材(1090)が第1部分及び第2部分をともにロックするために互いに係合するように、ヒンジのたわみによって硬質針シールドの周りに係合可能である。第1部分及び第2部分はともに、硬質針シールドを受け入れるための空洞を規定し、硬質針シールドの端面と注射器の筒との間に配置される内側に突出するフランジを形成するために並置される第1フランジ部分(1040a)及び第2フランジ部分(1040b)を有する。第1部分及び第2部分はまた、硬質針シールドに係合するように構成される1つ又は複数のフィン(1060,1061)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射器に解放可能に取り付けられる硬質針シールドを覆うための目隠しキャップであって、前記目隠しキャップは、ヒンジによってともに結合される第1部分及び第2部分を有し、
前記第1部分は、
第1凹部を規定する第1細長いボウル状本体と、
近位端に位置付けられる第1フランジ部分と、
前記第1細長いボウル状本体の開口の周りに少なくとも一部延在する第1リムと、
前記第1リムに沿って少なくとも一部延在する隆起リップと、
前記第1細長いボウル状本体から内側に突出する1つ又は複数のフィンと、
第1ロック部材とを有し、
前記第2部分は、
第2凹部を規定する第2細長いボウル状本体と、
近位端に位置付けられる第2フランジ部分と、
前記第2細長いボウル状本体の開口の周りに少なくとも一部延在する第2リムと、 前記第2リムに沿って少なくとも一部延在する凹部と、
前記第2細長いボウル状本体から内側に突出する1つ又は複数のフィンと、
第2ロック部材とを有し、
前記目隠しキャップは、前記第1部分及び前記第2部分が、
i)前記第1部分の隆起リップが、前記第2部分の凹部に係合され、
ii)前記第1ロック部材及び前記第2ロック部材が、前記第1部分及び前記第2部分をともにロックするために互いに係合し、
iii)前記第1凹部及び前記第2凹部がともに、前記注射器の硬質針シールドを受け入れるための空洞を規定し、
iv)前記第1フランジ部分及び前記第2フランジ部分が、前記硬質針シールドの端面と前記注射器の筒との間に配置されるように構成された内側に突出するフランジを形成するために並置され、
v)前記第1部分及び前記第2部分の1つ又は複数のフィンが、前記硬質針シールドに係合するように構成されるように、
前記ヒンジのたわみによって前記硬質針シールドの周りに係合可能であるように構成される、
目隠しキャップ。
【請求項2】
前記第1部分及び前記第2部分の1つ又は複数のフィンは、前記硬質針シールドに係合するための前記空洞内において狭くなった穴をともに規定する、
請求項1に記載の目隠しキャップ。
【請求項3】
前記第1部分及び前記第2部分の1つ又は複数のフィンは、前記硬質針シールドの端面のためのエンドストップを規定する第1部分、及び/又は、前記硬質針シールドの側面のためのサイドストップを規定する第2部分、及び/又は、前記硬質針シールドの角部のためのコーナーストップを規定する角部部分を有する、
請求項1又は請求項2に記載の目隠しキャップ。
【請求項4】
前記第1部分及び前記第2部分の1つ又は複数のフィンは、1つ又は複数の可撓性フィン、又は、1つ又は複数の硬質フィンを有する、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
【請求項5】
前記内側に突出するフランジは、近位端に近位開口部を規定する、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
【請求項6】
前記内側に突出するフランジは、面取り縁部を有する、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
【請求項7】
前記第1部分及び前記第2部分の遠位端は、前記第1部分及び前記第2部分の係合時に前記目隠しキャップが閉じた丸い遠位端を有するように丸くされる、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
【請求項8】
前記隆起リップは、前記第1部分の丸くされた遠位端の周りに延在し、前記凹部は、前記第2部分の丸くされた遠位端の周りに延在する、
請求項7に記載の目隠しキャップ。
【請求項9】
前記隆起リップは、前記ヒンジに近接した前記第1細長いボウル状本体の横側面に沿って延在する、
請求項1から請求項8の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
【請求項10】
前記第1ロック部材は、前記ヒンジの反対側の前記第1細長いボウル状本体の横側面に設けられる、
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
【請求項11】
前記第1ロック部材及び前記第2ロック部材の一方は、前記第1リムより上方に突出し、前記第1ロック部材及び前記第2ロック部材の他方は、前記第2リムより下方に窪んでいる、
請求項1から請求項10の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
【請求項12】
前記第1ロック部材は、1つ又は複数のロックバーによって相互接続された前記第1リムから延在する複数の支柱を有するロックフレームを有し、
前記第2ロック部材は、前記支柱のたわみによって前記1つ又は複数のロックバーと相互係合するように構成された1つ又は複数のロックタブを有する、
請求項1から請求項11の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
【請求項13】
前記第1部分及び前記第2部分は、不透明である、
請求項1から請求項12の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
【請求項14】
請求項1から請求項13の何れか1項に記載の目隠しキャップと、筒と前記注射器の針上に解放可能に取り付けられる硬質針シールドとを有する注射器とを備え、
随意的に前記注射器は、手動で作動させる注射器である、
注射器アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、目隠しキャップ、目隠しキャップを有する注射器アセンブリ、及び注射器アセンブリを組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
注射器は、流体、典型的には液体の投与のために広く使用されている。注射器は、ポンプとして機能し、典型的には、筒(barrel)内に蓄えられた流体を筒の出口から排出するために筒内において移動可能であるピストンを有する。筒の出口は、皮下注射針などの針と連通することができる。注射器の保管及び輸送中に針刺し損傷を防止するために、使用前に針を覆うために注射器に解放可能に取り付けられる硬質針シールドを提供することが一般的である。
【0003】
注射器は、注射器内の流体の種類(例えば薬剤)、ブランド名、製造者の詳細、ロット又はバッチ番号、販売認可の詳細、又は製品ライセンスの詳細などの情報を含む識別マークを備えることができる。臨床試験の状況では、盲検試験を実行できるように、注射器は、試験番号、ロット番号、グループ番号、又は類似したものなどの他の情報を含む識別マークを備えることができる。「盲検」試験では、患者(試験参加者としても知られる)及び注射器の使用者(例えば医師、看護師、又は潜在的には患者自身)が、投与されるものの全詳細を知らないことを保証することが重要である。ある例では、患者及び注射器の使用者が、注射器が活性薬剤を含んでいるか偽薬を含んでいるか気づいていないことを保証することが重要である場合がある。これは、硬質針シールドに設けられた識別マークを見えなくすることを含んでもよい。
【0004】
EP3524300は、注射器の針を覆っている硬質針シールドであって、近位端と反対側の遠位端との間に延在する細長い本体を含み、本体はチャンバを少なくとも一部境界付ける、硬質針シールドを覆うための目隠しキャップを記載する。環状スリーブは、本体の近位端から突出し、チャネルを少なくとも一部境界付けることができる。第1フランジは、本体から径方向内側にチャンバ内に突出し、第1フランジは、チャンバとチャネルとの間の連通を提供する開口を少なくとも一部境界付ける。細長い本体は、第1キャップ部分及び第2キャップ部分から構成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この背景を考慮すると、注射器の一部の目隠しにおいて、特に使用者及び又は患者が注射器の内容物を容易に識別できないことが重要である臨床試験においてそのような注射器が使用される場合、改良を提供する必要がまだある。例えば、より頑丈であり、注射器とともに組み付けることがより容易である目隠しキャップを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1態様によれば、注射器に解放可能に取り付けられる硬質針シールドを覆うための目隠しキャップであって、前記目隠しキャップは、ヒンジによってともに結合される第1部分及び第2部分を有し、
前記第1部分は、
第1凹部を規定する第1細長いボウル状本体と、
近位端に位置付けられる第1フランジ部分と、
前記第1細長いボウル状本体の開口の周りに少なくとも一部延在する第1リム(rim)と、
前記第1リムに沿って少なくとも一部延在する隆起リップ(lip)と、
前記第1細長いボウル状本体から内側に突出する1つ又は複数のフィンと、
第1ロック部材とを有し、
前記第2部分は、
第2凹部を規定する第2細長いボウル状本体と、
近位端に位置付けられる第2フランジ部分と、
前記第2細長いボウル状本体の開口の周りに少なくとも一部延在する第2リムと、
前記第2リムに沿って少なくとも一部延在する凹部(recess)と、
前記第2細長いボウル状本体から内側に突出する1つ又は複数のフィンと、
第2ロック部材とを有し、
前記目隠しキャップは、前記第1部分及び前記第2部分が、
i)前記第1部分の隆起リップが、前記第2部分の凹部に係合され、
ii)前記第1ロック部材及び前記第2ロック部材が、前記第1部分及び前記第2部分をともにロックするために互いに係合し、
iii)前記第1凹部及び前記第2凹部がともに、前記注射器の硬質針シールドを受け入れるための空洞を規定し、
iv)前記第1フランジ部分及び前記第2フランジ部分が、前記硬質針シールドの端面と前記注射器の筒との間に配置されるように構成された内側に突出するフランジを形成するために並置され、
v)前記第1部分及び前記第2部分の1つ又は複数のフィンが、前記硬質針シールドに係合するように構成されるように、
前記ヒンジのたわみによって前記硬質針シールドの周りに係合可能であるように構成される、目隠しキャップが提供される。
【0007】
有利に、本開示の目隠しキャップは、注射器の目隠し中に目隠しキャップの容易な手動操作を提供する。
【0008】
有利に、前記凹部内への隆起リップの係合は、閉じた目隠しキャップのロバスト性を向上させるだけでなく、前記第1リム及び前記第2リムの間に存在し得るクラックを目隠しすることによって目隠しキャップの安全性を高めるように機能することができる。
【0009】
前記第1部分及び前記第2部分の1つ又は複数のフィンは、前記硬質針シールドに係合するための空洞内において狭くなった穴(bore)をともに規定してもよい。
【0010】
前記第1部分及び前記第2部分の1つ又は複数のフィンは、前記硬質針シールドの端面のためのエンドストップを規定する第1部分、及び/又は、前記硬質針シールドの側面のためのサイドストップを規定する第2部分、及び/又は、前記硬質針シールドの角部のためのコーナーストップ(corner stop)を規定する角部部分を有してもよい。
【0011】
前記第1部分及び前記第2部分の1つ又は複数のフィンは、1つ又は複数の可撓性フィン、又は、1つ又は複数の硬質フィンを有してもよい。
【0012】
有利に、前記第1部分及び前記第2部分の1つ又は複数のフィンは、前記目隠しキャップ内において前記硬質針シールドのがたつき又は移動を制限又は防止するために前記硬質針シールドの少なくとも一部の移動をとらえる又は抑制するようにともに作動することができる。これは、使用者が、前記目隠しキャップの見えない内部において部品が壊れる又は故障することを懸念することを防止することによって使用者の信頼を向上させることができる。
【0013】
前記内側に突出するフランジは、近位端に近位開口部を規定してもよい。
【0014】
前記内側に突出するフランジは、面取り縁部を有してもよい。
【0015】
前記第1部分及び前記第2部分の遠位端は、前記第1部分及び前記第2部分の係合時に前記目隠しキャップが閉じた丸い遠位端を有するように丸くされてもよい。
【0016】
前記隆起リップは、前記第1部分の丸くされた遠位端の周りに延在してもよく、前記凹部は、前記第2部分の丸くされた遠位端の周りに延在してもよい。これは、丸くされた遠位端の領域において前記第1リムと前記第2リムとの間に存在するかもしれないクラックを目隠しすることによって目隠しキャップの内部の観察を防止することができる。
【0017】
前記隆起リップは、前記ヒンジに近接した前記第1細長いボウル状本体の横側面に沿って延在してもよい。
【0018】
前記第1ロック部材は、前記ヒンジの反対側の前記第1細長いボウル状本体の横側面に設けられてもよい。
【0019】
前記第1ロック部材及び前記第2ロック部材の一方は、前記第1リムより上方に突出してもよく、前記第1ロック部材及び前記第2ロック部材の他方は、前記第2リムより下方に窪んでいてもよい。
【0020】
前記第1ロック部材は、1つ又は複数のロックバーによって相互接続された前記第1リムから延在する複数の支柱を有するロックフレームを有してもよい。前記第2ロック部材は、前記支柱のたわみによって前記1つ又は複数のロックバーと相互係合するように構成された1つ又は複数のロックタブ(locking tab)を有してもよい。
【0021】
前記第1部分及び前記第2部分は、不透明であってもよい。
【0022】
前記目隠しキャップは、単一の一体部品(unitary part)を構成してもよい。代替的に、前記第1部分及び前記第2部分のそれぞれが、単一の一体部品であってもよい。前記ヒンジは、前記第1部分及び/又は第2部分と単一に形成されてもよい。代替的に、前記ヒンジは、前記第1部分及び前記第2部分と別々に形成されて結合されてもよい。
【0023】
前記第1部分及び/又は前記第2部分及び/又は目隠しキャップは、全体として成形部品であってもよく、随意的に硬質プラスチック材料から形成されてもよい。それぞれは、好ましくは不透明である。
【0024】
前記第1部分及び前記第2部分は、第1ハーフシェル及び第2ハーフシェルを構成してもよい。
【0025】
前記ヒンジは、細長いヒンジであってもよい。前記ヒンジは、前記ヒンジに隣接した前記第1細長いボウル状本体の横側面の長さの50%、随意的に70%、随意的に90%より大きくわたって延在してもよい。有益には、そのような細長いヒンジは、目隠しキャップの閉鎖中に前記第1部分及び前記第2部分の正しい位置調整を促進することができ、例えば前記第1部分及び前記第2部分の長手方向軸を互いに平行に保持することができる。これは、前記第1ロック部材及び前記第2ロック部材の係合を容易にするのに役立つ場合がある。
【0026】
前記目隠しキャップは、滑らかな外面を有してもよい。例えば、前記目隠しキャップは、突然の不連続がないように円筒形の側壁と丸くされた遠位端とを有してもよい。
【0027】
有利に、前記目隠しキャップを滑らかな外面を有するように構成することによって、前記注射器アセンブリは、特にフローラップ(flow-wrap)包装において、包装し易くすることができる。
【0028】
本開示の第2態様によれば、あらゆる先行する請求項に記載の目隠しキャップと、筒と注射器の針上に解放可能に取り付けられる硬質針シールドとを有する注射器とを備える注射器アセンブリが提供される。
【0029】
前記注射器は、手動で作動させる注射器であってもよい。
【0030】
本開示の第3態様によれば、注射器に解放可能に取り付けられる硬質針シールドを覆うための目隠しキャップであって、前記目隠しキャップは、
初めは互いに分離されている第1カラー部分、第2カラー部分及びスリーブ部分を有し、
前記第1カラー部分及び前記第2カラー部は、前記注射器の硬質針シールドを取り囲むためのカラーユニットを形成するために互いに係合可能であり、
前記カラーユニットは、前記スリーブ部分に挿入可能であり、
前記カラーユニットは、固定部(securement)の第1部分を有し、前記スリーブ部分は、固定部の第2部分を有し、前記スリーブ部分内に前記カラーユニットの受け入れ時に、前記固定部の第1部分及び第2部分が互いに係合して、前記スリーブ部分内に前記カラーユニットをしっかりと保持し、
前記カラーユニットは、前記硬質針シールドの端面と前記注射器の筒との間に配置されるように構成された内側に突出するフランジを有し、
前記カラーユニットと前記スリーブ部分とは、前記硬質針シールドの観察を妨げるために、及び前記注射器から前記硬質針シールドの除去を補助するために組み合わせて作動する、目隠しキャップが提供される。
【0031】
本開示は、第4態様において、前述の第3態様による目隠しキャップと、筒と前記注射器の針上に解放可能に取り付けられる硬質針シールドとを有する注射器とを備える注射器アセンブリを提供する。
【0032】
本開示は、第5態様において、第1カラー部分、第2カラー部分、スリーブ部分、及びそれ自体が筒と硬質針シールドとを有する注射器を備える複数の別々の構成要素から注射器アセンブリを組み立てる方法であって、前記方法は、
第1に、前記第1カラー部分及び前記第2カラー部分をともに係合させて、前記硬質針シールドを取り囲むカラーユニットを形成することによって、前記注射器の硬質針シールドを取り囲み、前記カラーユニットは、前記硬質針シールドの端面と前記注射器の筒との間に配置される内側に突出するフランジを有し、
続いて、前記カラーユニットと前記取り囲まれた硬質針シールドとを前記スリーブ部分に挿入し、
前記スリーブ部分への前記カラーユニットの挿入は、前記カラーユニットに設けられた固定部の第1部分と前記スリーブ部分に設けられた固定部の第2部分とが互いにしっかりと係合し、前記カラーユニットを前記スリーブ部分内にしっかりと保持することを引き起こす、方法が提供される。
【0033】
本開示は、第6態様において、臨床試験、好ましくは盲検臨床試験を実行するための用具を準備する方法であって、前述の第2態様及び又は第4態様による複数の注射器アセンブリを組み立てることを有し、前記複数の注射器アセンブリの第1グループは第1特性を共有し、前記複数の注射器アセンブリの第2グループは異なる第2特性を共有する、方法を提供する。前記特性は、一例として、薬剤の種類、薬剤の投与量、及び活性薬剤の有無のうちの1つ又は複数であってもよく、すなわち前記第1グループは活性薬剤を有してもよく、前記第2グループは偽薬を有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
次に、本開示の1つ又は複数の実施形態を例示としてのみ添付図面を参照して説明する。
【
図1】本開示による目隠しキャップの第1実施形態の第1カラー部分及び第2カラー部分の斜視図である。
【
図2】本開示による目隠しキャップの第1実施形態のスリーブ部分の斜視図である。
【
図3】組み立て前の
図1及び
図2の目隠しキャップの斜視図である。
【
図4】一旦組み立てられたが、明確にするために目隠しキャップ内に受け入れられた注射器を示していない、
図3の目隠しキャップの斜視図である。
【
図6】
図3の目隠しキャップと
図5の注射器とを有する注射器アセンブリの概略斜視図である。
【
図7】注射器と共に示される本開示による目隠しキャップの第2実施形態の分解斜視図である。
【
図8】
図7の目隠しキャップの第2実施形態の分解斜視図である。
【
図9】
図7の目隠しキャップの第2カラー部分の斜視図である。
【
図10】
図9の第2カラー部分の別の斜視図である。
【
図11】
図7の目隠しキャップのスリーブ部分の斜視図である。
【
図12】
図7の目隠しキャップのスリーブ部分の斜視図である。
【
図13】
図7の目隠しキャップのスリーブ部分の断面図である。
【
図14】本開示による目隠しキャップの第2実施形態の第2カラー部分の変形例を示す斜視図である。
【
図15】
図14の第2カラー部分の変形例を示す別の斜視図である。
【
図16】開いた形態にある本開示による目隠しキャップの第3実施形態の斜視図である。
【
図17】硬質針シールドと共に
図16の目隠しキャップを示す斜視図である。
【
図19】硬質針シールドに取り付けられた注射器の概略図である。
【
図21】開いた形態にある本開示による目隠しキャップの第4実施形態の斜視図である。
【
図22】硬質針シールドの第1設計と共に
図21の目隠しキャップを有する注射器アセンブリの平面図である。
【
図25】開いた形態にある本開示による目隠しキャップの第5実施形態の斜視図である。
【
図26】硬質針シールドの第2設計と共に
図25の目隠しキャップを有する注射器アセンブリの平面図である。
【
図29】開いた形態にある本開示による目隠しキャップの第6実施形態の斜視図である。
【
図30】硬質針シールドの第3設計と共に
図29の目隠しキャップを有する注射器アセンブリの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下の説明は、本開示の1つ又は複数の実施形態に向けられる。実施形態の説明は、添付の特許請求の範囲に記載される本開示の可能な実施形態をすべて含むことを意図していない。以下の実施形態に明示的に記載されていない多くの変更、改良及び等価物は、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれ得る。ある実施形態の一部として記載された特徴は、文脈上明白に他の意味に解釈すべき場合を除き、1つ又は複数の他の実施形態の特徴と組み合わされてもよい。
【0036】
本明細書において、単数の使用は、文脈上明白に他に指示すべき場合を除き、複数を含む。本明細書において、「又は」の使用は、特に明記しない限り、「及び/又は」を意味する。さらに、「含む(include)」という用語の使用は、「含む(include)」、「含む(includes)」、「含まれる(included)」などの他の形態と同様に、限定的なものでない。
【0037】
図1から
図4は、本開示による目隠しキャップ1の第1実施形態を示す。目隠しキャップ1は、
図6に概略的に示すような注射器アセンブリ200を形成するために、
図5に概略的に示す注射器100と組み合わされるように意図されている。目隠しキャップ1は、注射器100の針102を保護するために注射器100の筒101に解放可能に取り付けられる硬質針シールド103を覆うように機能する。
【0038】
目隠しキャップ1は、
図1に示すように、第1カラー部分2及び第2カラー部分3を有する。目隠しキャップ1はさらに、
図2に示すように、スリーブ部分4を有する。好ましくは、目隠しキャップ1は、これら3つの部分のみから形成される。
【0039】
第1カラー部分2、第2カラー部分3及びスリーブ部分4は、初めは互いに分離されている、すなわち、それらは、目隠しキャップ1を形成するためにともに組み立てられる別々の構成要素である。
【0040】
組立時に、第1カラー部分2及び第2カラー部分3は、
図6に示すように、注射器100の硬質針シールド103を取り囲むためのカラーユニット10を形成するために互いに対して係合可能である。カラーユニット10は、
図4に示すように、スリーブ部分4内に挿入可能である。
【0041】
カラーユニット10は、固定部の第1部分を有し、スリーブ部分4は、固定部の第2部分を有する。スリーブ部分4内にカラーユニット10を受け入れる時に、固定部の第1部分と第2部分とは、スリーブ部分4内にカラーユニット10をしっかりと保持するために互いに係合する。固定部は、1つ又は複数のセットの共働構造を有してもよい。
【0042】
カラーユニット10はさらに、
図4に破線で示すように、内側に突出するフランジ9を有し、内側に突出するフランジ9は、
図5に見ることができる硬質針シールドの端面104と注射器100の筒101との間に配置されるように構成される。軸方向隙間105は、内側に突出するフランジ9を収容するために端面104と筒101の遠位端106との間に設けられてもよい。
【0043】
カラーユニット10とスリーブ部分4とは、硬質針シールド103の観察を妨げるために、及び、後述するように注射器100から硬質針シールド103の除去を補助するために組み合わせて作動する。
【0044】
図1に示すように、第1カラー部分2及び第2カラー部分3はそれぞれ、単一の一体部品を構成してもよい。それらはそれぞれ、成形部品であってもよい。それらはそれぞれ、硬質プラスチック材料から形成されてもよい。それらはそれぞれ、不透明であってもよい。第1カラー部分2及び第2カラー部分3はそれぞれ、ハーフシェル(half shell)、すなわち第1ハーフシェル及び第2ハーフシェルを有してもよい。第1カラー部分2及び第2カラー部分3は、互いに同一であってもよい。
【0045】
第1カラー部分2は、ヘッド21と本体22とを有してもよい。本体22は、ヘッド21の遠位端から延在してもよい。同様に、第2カラー部分3は、ヘッド31と本体32とを有してもよい。本体32は、ヘッド31の遠位端から延在してもよい。
【0046】
ヘッド21,31のそれぞれは、半環状形状、例えば半円筒形状をとってもよい。ヘッド21,31のそれぞれは、スリーブ部分4へのカラーユニット10の挿入前にカラーユニット10の形状を維持するために、第1カラー部分2及び第2カラー部分3を互いに位置調整するための1つ又は複数の位置調整位置決め部(alignment locator)を有してもよい。
図1の例では、位置調整位置決め部は、ヘッド21の突起28がヘッド31の凹部39に受け入れられ、ヘッド31の突起38がヘッド21の凹部29に受け入れられ得るように共働する形状及び大きさである突起28、38及び凹部29、39を有する。
【0047】
本体22、32のそれぞれは、細長い延長部を有してもよい。各細長い延長部は、概括的に半環状形状、例えば半円筒形状をとってもよい。本体22、32のそれぞれは、硬質針シールド103の長手方向長さより大きい長手方向長さを有してもよい。本体22、32のそれぞれは、本体22、32の遠位端25、35から本体22、32の長さの少なくとも一部に沿って長手方向に延在し、それによって本体22、32のそれぞれに2つ以上の可撓性舌部24、34を規定する1つ又は複数の長手方向スリット23、33を有してもよい。舌部24、34は、本体22、32の近位端27、37に位置付けられ得る本体22、32の環状部分26、36から片持ち状であってもよい。
図1の例では、各本体22、32は、3つの可撓性舌部24、34と2つの長手方向スリット23、33とを有する。
【0048】
可撓性舌部24、34の1つ又は複数、あるいは好ましくは全ては、
図1に示すように、それらの遠位端に又はその近くに外側に突出するリップ40を備えてもよい。各リップ40は、遠位に向けられる傾斜面41と、傾斜面41の近位端に位置付けられる垂直面42とを有してもよい。固定部の第1部分は、リップ40とそれと関連する可撓性舌部24、34とを有してもよい、又はリップ40とそれと関連する可撓性舌部24、34とで構成されてもよい。
【0049】
内側に突出するフランジ9の第1部分9aは、第1カラー部分2に設けられてもよく、内側に突出するフランジ9の第2部分9bは、第2カラー部分3に設けられてもよい。
【0050】
第1カラー部分2のヘッド21と第2カラー部分3のヘッド31とは、隣同士に係合されるとき、
図3に示すように、カラーユニット10のヘッド部分11をともに形成してもよい。ヘッド部分11は、環状形状であってもよく、例えば円筒形状であってもよい。カラーユニット10のヘッド部分11は、
図4に示すように、筒101の遠位端106と係合する及び又は収容するための穴14を規定してもよい。
【0051】
第1カラー部分2の本体22と第2カラー部分3の本体32とは、隣同士に係合されるとき、カラーユニット10の本体部分12をともに形成してもよい。本体部分12は、硬質針シールド103の長手方向長さより大きい長手方向長さを有してもよい。付加的に又は代替的に、本体部分12は、硬質針シールド103の外径より大きい内径を有してもよい。第1部分9a及び第2部分9bは、隣同士に係合されるとき、環状の内側に突出するフランジ9をともに形成してもよい。
【0052】
内側に突出するフランジ9は、カラーユニット10の近位端13に位置付けられてもよい。代替的に、内側に突出するフランジ9は、近位端13に向かって位置付けられてもよいが、
図4に示すように、ヘッド部分11の穴14は、内側に突出するフランジ9の位置から近位端13に近接して延在する。内側に突出するフランジ9は、その中心に、カラーユニット10の近位端13に又は近位端13に向かって近位開口部15を規定してもよい。カラーユニット10は、カラーユニット10の遠位端17に遠位開口部16を規定してもよい。一旦組み立てられると、カラーユニット10の遠位端17は、第1カラー部分2及び第2カラー部分3の複数の可撓性舌部24、34を有することができる。
【0053】
スリーブ部分4は、
図2に示すように、閉端チューブを構成してもよい。チューブの閉端は、丸くされてもよい。スリーブ部分4は、単一の一体部品を構成してもよい。スリーブ部分4は、成形部品であってもよい。スリーブ部分4は、硬質プラスチック材料から形成されてもよい。スリーブ部分4は、好ましくは不透明である。
【0054】
スリーブ部分4は、カラーユニット10を受け入れるための穴43を有してもよく、穴43は、カラーユニット10が受け入れられる開口した第1端44と、開口した第1端44の反対側の閉じた第2端45とを有する。
【0055】
図2に破線で示すように、スリーブ部分4は、可撓性舌部24、34の外側に突出するリップ40を受け入れるための1つ又は複数の凹部46を有することができる。
図2に示す例では、スリーブ部分4の穴43の内面47の周りに延在する1つの環状凹部46が設けられている。固定部の第2部分は、1つ又は複数の凹部46を有してもよい、又は1つ又は複数の凹部46で構成されてもよい。
【0056】
使用時、目隠しキャップ1を組み立て、注射器アセンブリ200を形成するために、第1カラー部分2及び第2カラー部分3は、注射器100の周りにくっ付けられる。このステップでは、硬質針シールド103は、カラーユニット10の本体部分12に本体22、32の間に収容される。カラーユニット10の内側に突出するフランジ9は、硬質針シールド103の端面104と筒101の遠位端106との間の軸方向隙間105に位置付けられるように、第1フランジ部分9a及び第2フランジ部分9bが一体となることによって形成される。1つ又は複数の突起28は、硬質針シールド103上及びその周りに第1カラー部分2及び第2カラー部分3の一時的な位置調整及び保持を助けるために、1つ又は複数の凹部29に受け入れられる。筒101の遠位端106は、ヘッド部分11の穴14内に受け入れられる。
【0057】
次に、カラーユニット10の本体部分12は、スリーブ部分4に挿入され得る。このステップでは、本体部分12は、開口した第1端44を通って穴43に入る。カラーユニット10の遠位端17は、スリーブ部分4へのカラーユニット10の挿入に適応するように変形するように構成されてもよい。例えば、可撓性舌部24、34は、リップ40の傾斜面41が開口した第1端44のリムに係合する係合のため、内側にたわむことができる。可撓性舌部24、34の内側へのたわみは、可撓性舌部24、34の内面と硬質針シールド103の外面との間の径方向の間隔によって受け入れられてもよい。付加的に又は代替的に、可撓性舌部24、34の内側へのたわみは、可撓性舌部24、34の遠位端と硬質針シールド103の遠位端との間の長手方向の間隔によって受け入れられてもよい。
【0058】
カラーユニット10(及び注射器100)は、リップ40が環状凹部46に達するまで穴43内にスライドされ、その位置において可撓性舌部24、34は、環状凹部46内にリップ40を係合するように外側に弾性的にたわんで戻る。好ましくは、挿入の同じ位置において、ヘッド部分11は、
図5及び
図6に示すように、スリーブ部分4の穴43に入ることなく、スリーブ部分4の近位端に対して接触させられる。好ましくは、ヘッド部分11の外径は、スリーブ部分4の近位端の外径と同じであり得る。内側に突出するフランジ9は、ヘッド部分11と本体部分12との間の界面に長手方向に位置付けられてもよい。
【0059】
スリーブ部分4からカラーユニット10の除去は、リップ40の垂直面42が環状凹部46の近位縁に対して係合することによって抵抗される。従って、固定部は、カラーユニット10とスリーブ部分4とを接続するための非可逆手段として機能する。
【0060】
リップ40と可撓性舌部24、34とは、
図6に示すように、一旦固定部の第1部分及び第2部分が互いに係合すると、好ましくはスリーブ部分4内に完全に受け入れられる。これは、目隠しキャップ10を改ざんする試みを有効に妨げる。
【0061】
一旦カラーユニット10がスリーブ部分2にしっかりと保持されると、硬質針シールド103は好ましくは、内側に突出するフランジ9によって規定されるカラーユニット10の近位端13における又は近位端13に向かう近位開口部15を除いて、目隠しキャップ1によって完全に覆い隠される。しかしながら、近位開口部15は、筒101の遠位端106の存在によって見えなくされる。従って、硬質針シールド103の完全且つ有効な目隠しを達成することができる。
【0062】
図6に示すように、目隠しキャップ1は、滑らかな外面を有してもよい。例えば、目隠しキャップ1は、突然の不連続がないように
図6に示すように、スリーブ部分4及びカラーユニット10の側壁を含み得る円筒形の側壁300と丸くされた遠位端301とを有してもよい。
【0063】
注射器アセンブリ200は、例えばフローラップ包装のような包装において保管されてもよい。
【0064】
注射器100を使用するために、使用者は、第1に硬質針シールド103を取り外す必要がある。これを行うために、使用者は単に目隠しキャップ1を引っ張ることができる。目隠しキャップ1は、注射器100から外され、内側に突出するフランジ9が硬質針シールド103の近位面104の背後に係合することによって硬質針シールド103をともに運ぶ。従って、注射器100の針102は、注射のために露出される。硬質針シールド103は、注射器100の残部から目隠しキャップの除去後でも目隠しキャップ1内に保持されたままであり、従って有効に目隠しされたままである。
【0065】
図7から
図15は、本開示による目隠しキャップ1’の第2実施形態を示す。別段の記載がない限り、第2実施形態の目隠しキャップ1’の特徴は、第1実施形態の目隠しキャップ1に関して前述したとおりであり、第2実施形態を完全に理解するために第1実施形態を参照すべきである。同一又は同様の特徴は、添付図面において同様の参照数字を用いて言及されるが、ダッシュ記号(’)が追加される。簡潔さのためだけに、以下の説明は、第1実施形態の特徴とは異なる第2実施形態の特徴に集中する。
【0066】
図10に最もよく示すように、協働して形作られる突起28’、38’及び凹部29'、39’はそれぞれ、第1実施形態のように丸い形状ではなく、例えば略矩形状の形状を有するように細長い形状をしている。これは、第1カラー部分2’及び第2カラー部分3’のよりしっかりした一時的な係合を行うことを可能にすることができる。
【0067】
第1カラー部分2’及び第2カラー部分3’のそれぞれは、2つの長手方向スリット23’、33’のみを有してもよい。好ましくは、2つの長手方向スリット23’、33’は、各カラー部分について、中央舌部24a’と、中央舌部の両側に1つずつある2つの外側舌部24b’とを規定する。
【0068】
図9及び
図10は、第2カラー部分3’をより詳細に示す。第1カラー部分2’は対応する。各中央舌部24a’、34a’は、本体22’、32’の環状部分26’、36’に対して中央舌部24a’、34a’のたわみを可能にするために、その近位端にヒンジ部分50’を有してもよい。ヒンジ部分50’は、材料の薄くなった部分で構成してもよい。ヒンジ部分50’は、一体ヒンジ(living hinge)で構成されてもよい。
【0069】
外側舌部24b’、34b’のそれぞれは、中央舌部24a’、34a’が外側舌部24b’、34b’よりさらに遠位に延在するように中央舌部24a’、34a’より短くてもよい。
【0070】
各中央舌部24a’、34a’は、
図8及び
図9に示すように、その遠位端に又はその近くに外側に突出するリップ40’を備えてもよい。第1実施形態と同様に、リップ40’は、遠位に向けられる傾斜面41’と、傾斜面41’の近位端に位置付けられる垂直面42’とを有してもよい。固定部の第1部分は、リップ40’とそれと関連する中央舌部24a’、34a’とを有してもよい、又はリップ40’とそれと関連する中央舌部24a’、34a’とで構成されてもよい。
【0071】
外側舌部24a’、34a’は好ましくは、それらの遠位端にいかなるリップも備えられていない。
【0072】
第1カラー部分2’及び第2カラー部分3’の一方又は両方はまた、回転位置決め部51’を有してもよい。
図8及び
図9に示すように、回転位置決め部51’は、本体22’、32’の外面に設けられた突起を有してもよい。回転位置決め部は、環状部分26’、36’、好ましくはヘッド21’、31’に隣接した環状部分26’、36’の外面に設けられてもよい。回転位置決め部51’は、それぞれのカラー部分2’、3’の中央舌部24a’、34a’と位置調整されてもよい。単一の回転位置決め部51’は、各カラー部分2’、3’に設けられてもよい。
【0073】
この実施形態では、内側に突出するフランジ9’は、第1実施形態と同様に、第1カラー部分2’における第1部分9a’と、第2カラー部分3’における第2部分9b’とから形成されてもよい。前記のように、第1カラー部分2’及び第2カラー部分3’はそれぞれ、単一の部品、例えば単一の成形部品から形成されてもよい。この実施形態では、第1部分9a’及び第2部分9b’は、ヘッド部分11’の穴14’の全体又は大部分に沿って延在してもよい。第1部分9a’及び第2部分9b’の近位面は、丸くされてもよい。第1部分9a’及び第2部分9b’が一体となることによって形成されるフランジ9’は、特にその丸くされた近位面は、注射器100、特に筒101の遠位端106の形状及び寸法と整合させるような形状及び大きさとされてもよい。
【0074】
第1実施形態と同様に、第1カラー部分2’及び第2カラー部分3’は、互いに同一であってもよい。
【0075】
図14及び
図15に、第2カラー部分3’の変形バージョンが示されている。また、第1カラー部分2’の変形バージョンは対応することができる。カラー部分2’、3’の設計及び形態は、内側に突出するフランジ9’の第1部分9a’及び第2部分9b’が狭くなったリップを有することを除き、前記且つ
図9及び
図10に示されるものと同じである。前記リップは、概括的に三角形の断面を有してもよく、本体部分12’に隣接するヘッド部分11’の遠位端に又はそれに隣接して位置付けられてもよい。また、第1部分9a’及び第2部分9b’が一体となることによって形成されるフランジ9’は、特にその丸くされた近位面は、注射器100、特に筒101の遠位端106の形状及び寸法と整合させるような形状及び大きさとされてもよい。
【0076】
図11から
図13に最もよく示すように、スリーブ部分4’は、スリーブ部分4’のリムに隣接して位置付けられる2つの凹部52’を備えることによって、第1実施形態と異なってもよい。凹部52’は、互いに正反対に位置付けられてもよい。凹部52’は、カラー部分2’、3’の回転位置決め部51’を受け入れるような大きさ及び形状であってもよい。
【0077】
スリーブ部分4’はまた、その外面の1つ又は2つの識別子53’を備えてもよい。1つ又は2つの識別子53’は、カラーユニット10’をスリーブ部分4’に挿入するときに凹部52’を回転位置決め部51’とより容易に位置調整できるように機能する。識別子(複数可)53’は、スリーブ部分4’の外面上のピップ(pip)又は突起で構成されてもよい。
【0078】
図12及び
図13に示すように、スリーブ部分4’は、中央舌部24a’、34a’の外側に突出するリップ40’を受け入れるための2つの凹部46’を有してもよい。各凹部46’は、スリーブ部分4’の内面の一部の周りに延在し得る一部環状凹部であってもよい。各凹部46’は、各カラー部分2’、3’のリップ41’の弓状長さと同一又は僅かに大きい周方向長さを有してもよい。固定部の第2部分は、2つの凹部46を有してもよい、又は2つの凹部46’で構成されてもよい。
【0079】
スリーブ部分4’は、閉じた第2端45’内に穴43’の底部に複数のフィン54’をさらに有してもよい。フィン54’はそれぞれ、スリーブ部分4’の壁から穴43’の中心に向かって径方向に延在し得るが、穴43’の中心までには至らない。複数のフィン54’は、硬質針シールド103を受け入れるための中央の狭くなった穴43a’を規定してもよい。
【0080】
使用時、第1実施形態と同様に、目隠しキャップ1’を組み立て、注射器アセンブリ200’を形成するために、第1カラー部分2’及び第2カラー部分3’は、注射器100の周りにくっ付けられる。このステップでは、硬質針シールド103は、カラーユニット10’の本体部分12’に本体22’、32’の間に収容される。カラーユニット10’の内側に突出するフランジ9’は、硬質針シールド103の端面104と筒101の遠位端106との間の軸方向隙間105に位置付けられるように、第1フランジ部分9a’と第2フランジ部分9b’とが一体となることによって形成される。1つ又は複数の突起28’、38’は、硬質針シールド103上及びそれの周りに第1カラー部分2’及び第2カラー部分3’の一時的な位置調整及び保持を助けるために、1つ又は複数の凹部29'、39'に受け入れられる。筒101の遠位端106は、ヘッド部分11’の穴14’内に受け入れられる。
【0081】
次に、カラーユニット10’の本体部分12’は、スリーブ部分4’に挿入され得る。このステップでは、本体部分12’は、開口した第1端44’を通って穴43’に入る。カラーユニット10’の遠位端17’は、スリーブ部分4’へのカラーユニット10’の挿入に適応するように変形するように構成されてもよい。例えば、中央舌部24a’、34a’は、リップ40’の傾斜面41’が開口した第1端44’のリムに係合する係合のため、ヒンジ部分50’の周りに内側にたわんでもよい。有利に、ヒンジ部分50’の存在は、中央舌部24a’、34a’の可撓性を増大させ、目隠しキャップ1’を組み立てるために必要とされる挿入力を低くすることを可能にすることができる。
【0082】
カラーユニット10’(及び注射器100’)は、2つのリップ40’が2つの凹部46’に達するまで穴43’内にスライドされ、その位置において中央舌部24a’、34a’は、凹部46’内にリップ40’を係合するように外側に弾性的にたわんで戻る。好ましくは、挿入の同じ位置において、ヘッド部分11’は、スリーブ部分4’の穴43’に入ることなく、スリーブ部分4’の近位端に対して接触させられる。
【0083】
カラーユニット10’とスリーブ部分4’との位置調整は、使用者がカラーユニット10’上の回転位置決め部51’をスリーブ部分4’の凹部52’と回転位置調整する必要があることによって容易にされてもよい。これは、挿入の最終段階において、リップ40’が凹部46’と位置調整されることを保証することができる。
【0084】
有利に、2つの凹部46’内の2つのリップ40’の係合は、スリーブ部分4’内においてカラーユニット10’の回転又はねじれを防止するのに役立つ場合がある。付加的に又は代替的に、凹部52’内の回転位置決め部51’の係合は、スリーブ部分4内においてカラーユニット10’の回転又はねじれを防止するのに役立つ場合がある。カラーユニット10’のねじれ又は回転を防止することは、スリーブ部分4’内におけるカラーユニット10’の固定部の完全性を増大させるのに役立つ場合がある。
【0085】
挿入時に、硬質針シールド103は、複数のフィン54’の間に中央の狭くなった穴43a’に位置付けられてもよい。フィン54’は、目隠しキャップ1’内において硬質針シールド103の横方向の移動を低減するように機能してもよい。好ましくは、フィン54’は、目隠しキャップ1’内において硬質針シールドのがたつきを制限又は防止するように硬質針シールド103を把持する。
【0086】
スリーブ部分4’からカラーユニット10’の除去は、リップ40’の垂直面42’が環状凹部46’の近位縁に対して係合することによって抵抗される。従って、第1実施形態と同様に、固定部は、カラーユニット10’とスリーブ部分4’とを接続するための非可逆手段として機能する。
【0087】
注射器100を使用するために目隠しキャップ1’の除去は、第1実施形態について前述した通りである。
【0088】
本開示の目隠しキャップ1、1’、注射器アセンブリ200、200’及び方法は、臨床試験、特に盲検試験の分野において特定の用途を見いだす。例えば、本開示は、第1カラー部分2、2’、第2カラー部分3、3’、スリーブ部分4、4’、及びそれ自体が筒101と硬質針シールド103とを有する注射器100を備える複数の別々の構成要素から注射器アセンブリ200、200’を組み立てる方法に及ぶ。前記方法は、第一に、第1カラー部分2、2’及び第2カラー部分3、3’をともに係合させて、硬質針シールド103を取り囲むカラーユニット10、10'を形成することによって、注射器100の硬質針シールド103を取り囲むことを有する。カラーユニット10、10'は、硬質針シールド103の端面と注射器100の筒101との間に配置される内側に突出するフランジ9、9'を有する。続いて、カラーユニット10、10'と前記取り囲まれた硬質針シールド103とは、スリーブ部分4、4’に挿入される。スリーブ部分4、4’へのカラーユニット10、10'の挿入は、カラーユニット10、10'に設けられた固定部の第1部分とスリーブ部分4、4’に設けられた固定部の第2部分とが互いにしっかりと係合し、カラーユニット10、10'をスリーブ部分4、4’内にしっかりと保持することを引き起こす。
【0089】
有利に、本開示の目隠しキャップは、スリーブ部分の存在のため、第1カラー部分及び第2カラー部分を互いに改ざんする又は分離させることが一般的にさらに困難になるという点で、より高い安全性を提供することができる。従って、第1カラー部分及び第2カラー部分は、一旦目隠しキャップが組み立てられると容易に開くことができない。
【0090】
さらに、目隠しキャップは、先行技術の装置より注射器に組み立てることを容易にすることができる。特に、第1カラー部分及び第2カラー部分は、直接的な方法で硬質針シールドを取り囲むために互いに位置調整することができる。カラー部分をともに固定することは、その後にスリーブ部分に挿入することによって達せられてもよい。従って、カラー部分を位置調整するステップとカラー部分をともに固定するステップとは、連続的に達せられ、より簡単な組立て方法を引き起こすことができる。
【0091】
さらに、スリーブ部分は、第1カラー部分及び第2カラー部分をともに固定することと、硬質針シールドの少なくとも一部、例えば硬質針シールドの遠位部分を目隠しすることという2つの機能を有益に提供する。
【0092】
有利に、スリーブ部分とカラーユニットとの組合せは、近位開口部を通じた視線が使用時に内側に突出するフランジと隣接する又は近接する注射器の筒の存在によって防がれるので、硬質針シールドの完全な目隠しを保証することができる。
【0093】
有利に、位置調整位置決め部は、第1カラー部分及び第2カラー部分がスリーブ部分に挿入されるまで一時的な相対位置調整を容易にすることができる。
【0094】
有利に、一旦目隠しキャップの組立てが完了すると固定部の第1部分をスリーブ部分内に完全に配置することによって、固定部の改ざんをより困難にさせる。さらに、固定部の第2部分は、スリーブ部分の内面に、例えばスリーブ部分の穴の内面に設けられてもよい。従って、有利に、固定部のいずれの部分も、一旦組み立てられると目隠しキャップの外部からアクセスすることができない。
【0095】
有利に、この方法では、カラーユニットが、単に1つ又は2つの長手方向の継ぎ目に沿って固定されるのではなく、目隠しキャップの全周又は実質的に全周の周りにおいてスリーブ部分と係合するので、目隠しキャップの非常にしっかりした組立てを達成することができる。
【0096】
有利に、ヘッド部分は、注射器の筒の端部を受け入れて視界から見えなくする機能を有することができる。
【0097】
有利に、目隠しキャップを滑らかな外面を有するように構成することによって、注射器アセンブリは、特にフローラップ包装において、包装し易くすることができる。
【0098】
有利に、複数のフィンは、目隠しキャップ内において硬質針シールドのがたつき又は移動を制限又は防止するために硬質針シールドを把持するように作動することができる。
【0099】
図16から
図18は、本開示による目隠しキャップ1001の第3実施形態を示す。目隠しキャップ1001は、
図20に概略的に示すように注射器アセンブリ1200を形成するために、
図19に概略的に示す注射器1100と組み合わされることが意図されている。目隠しキャップ1001は、
図19に示すように注射器1100の針1102を保護するために注射器1100の筒1101に解放可能に取り付けられる硬質針シールド1103を覆うように機能する。
【0100】
目隠しキャップ1001は、ヒンジ1030によってともに結合される第1部分1010及び第2部分1020を有する。
【0101】
第1部分1010は、第1凹部1012を規定する第1細長いボウル状本体1011を有する。前記凹部1012は(後述の第2凹部1022と共に)、
図17に示すように硬質針シールド1103を収容する形状及び大きさとされ得る。第1細長いボウル状本体1011は、それぞれが遠位端1013と近位端1014との間に延在する第1横側面1016及び第2横側面1017を有してもよい。第1部分1010は、概括的に中空であってもよい。第1部分1010は、概括的に薄壁であってもよい。第1部分1010は、第1ハーフシェルを構成してもよい。
【0102】
第1部分の遠位端1013は、丸くされてもよい。
【0103】
第1フランジ部分1040aは、近位端1014に位置付けられる。第1フランジ部分1040aは、近位端1014の中央開口部の第1部分を規定してもよい。中央開口部の第1部分を規定する第1フランジ部分1040aの遠位縁部は、面取り1040cを有してもよい。
【0104】
第1リム1015は、第1細長いボウル状本体1011の開口の周りに少なくとも一部延在する。隆起リップ1050は、第1リム1015に沿って少なくとも一部延在する。隆起リップ1050は、第1部分1010の丸くされた遠位端1013の周りに延在してもよい。隆起リップ1050は、ヒンジ1030に近接した第1細長いボウル状本体の横側面1016に沿って延在してもよい。
【0105】
1つ又は複数のフィン1060は、第1細長いボウル状本体1011から内側に突出する。1つ又は複数のフィン1060は、可撓性を有してもよく剛性を有してもよい。1つ又は複数のフィン1060は、硬質針シールド1103の側面及び又は角部のための係合面を規定するように曲線状及び/又はテーパー状である自由縁部を有してもよい。
【0106】
第1ロック部材1070が設けられる。第1ロック部材1070は、1つ又は複数のロックバー1072によって相互接続された第1リム1015から延在する複数の支柱1071を有するロックフレームを有してもよい。第1ロック部材1070は、ヒンジ1030の反対側に第1細長いボウル状本体1011の横側面1017に設けられてもよい。第1ロック部材1070は、第1リム1015の上方に突出してもよい。
【0107】
第1部分1010は、不透明であってもよい。
【0108】
第2部分1020は、第2凹部1022を規定する第2細長いボウル状本体1021を有する。第2細長いボウル状本体1021は、それぞれ遠位端1013と近位端1014との間に延在する第1横側面1026及び第2横側面1027を有してもよい。第2部分1020は、概括的に中空であってもよい。第2部分1020は、概括的に薄壁であってもよい。第2部分1020は、第2ハーフシェルを構成してもよい。
【0109】
第2部分1020の遠位端1013は、丸くされてもよい。
【0110】
第2フランジ部分1040bは、近位端1014に位置付けられる。第2フランジ部分1040bは、近位端1014の中央開口部の第2部分を規定してもよい。中央開口部の第2部分を規定する第2フランジ部分1040bの遠位縁は、面取り1040dを有してもよい。
【0111】
第2リム1025は、第2細長いボウル状本体1021の開口の周りに少なくとも一部延在する。凹部1080は、第2リム1025に沿って少なくとも一部延在する。凹部1080は、第2部分1020の丸くされた遠位端1013の周りに延在してもよい。
【0112】
1つ又は複数のフィン1061は、第2細長いボウル状本体1021から内側に突出する。1つ又は複数のフィン1061は、可撓性を有してもよく剛性を有してもよい。1つ又は複数のフィン1061は、硬質針シールド1103の側面及び又は角部のための係合面を規定するように曲線状及び/又はテーパー状である自由縁部を有してもよい。
【0113】
第2ロック部材1090が設けられる。第2ロック部材1090は、支柱1071及び/又はロックタブ1091のたわみによって1つ又は複数のロックバー1072と相互係合するように構成された1つ又は複数のロックタブ1091を有してもよい。第2ロック部材1090は、第2リム1025の下方に窪んでもよい。
【0114】
第2部分1090は、不透明であってもよい。
【0115】
ヒンジ1030は、細長いヒンジであってもよい。ヒンジ1030は、ヒンジ1030に近接し得る第1細長いボウル状本体1011の第1横側面1016及び/又は第2細長いボウル状本体1021の第1横側面1026の長さの50%、随意的に70%、随意的に90%より大きくわたって延在してもよい。
【0116】
目隠しキャップ1001は、単一の一体部品を構成してもよい。代替的に、第1部分1010及び第2部分1020のそれぞれが、単一の一体部品であってもよい。ヒンジ1030は、第1部分1010及び/又は第2部分1020と単一に形成されてもよい。代替的に、ヒンジ1030は、第1部分1010及び第2部分1020と別々に形成されて結合されてもよい。
【0117】
第1部分1010及び/又は第2部分1020及び/又は目隠しキャップ1001は、全体として成形部品であってもよく、随意的に硬質プラスチック材料から形成されてもよい。
【0118】
目隠しキャップ1001は、滑らかな外面を有してもよい。例えば、目隠しキャップ1001は、突然の不連続がないように円筒形の側壁と丸くされた遠位端とを有してもよい。
【0119】
使用時、目隠しキャップ1001は、第1部分1010及び第2部分1020がヒンジ1030のたわみによって硬質針シールド1103の周りに係合させることができるように構成される。典型的には、硬質針シールド1103は、目隠しキャップ1001が硬質針シールドの周りに係合される前に、既に注射器1100に連結される。第1部分1010及び第2部分1020の係合の間、第1部分1010の隆起リップ1050は、第2部分1020の凹部1080に係合される。さらに、第1ロック部材1070及び第2ロック部材1090は、第1部分1010及び第2部分1020をともにロックするために互いに係合する。さらに、第1凹部1012及び第2凹部1022はともに、硬質針シールド1103を受け入れるための空洞を規定する。
【0120】
さらに、第1フランジ部分1040a及び第2フランジ部分1040bは、硬質針シールド1103の端面1104と注射器の筒との間に配置されるように構成された内側に突出するフランジを形成するように並置される。内側に突出するフランジは、注射器の一部が突出することができる中央開口部を規定することができる。内側に突出するフランジは、第1フランジ部分1040a及び第2フランジ部分1040bの面取り1040c及び1040dによって構成される面取り縁部を有してもよい。内側に突出するフランジは、硬質針シールド1103の端面1104と筒1101の遠位端1106との間の軸方向隙間1105に位置付けられてもよい。内側に突出するフランジの面取りは、注射器1100への目隠しキャップ1001の嵌合を有益に容易にすることができる。それはまた、注射器1100の小径部分に対する目隠しキャップ1001のより近い嵌合(fitting)を可能にし、さらに、注射器1100の直径のわずかな変形に適応する手段として作動することができる。
【0121】
第1部分1010の1つ又は複数のフィン1060と第2部分1020の1つ又は複数のフィン1061とは、目隠しキャップ1001の閉鎖時に硬質針シールド1103に係合するように構成される。第1部分1010の1つ又は複数のフィン1060と第2部分1020の1つ又は複数のフィン1061とは、硬質針シールド1103に係合するための空洞内において狭くなった穴をともに規定し得る。
【0122】
目隠しキャップ1001、注射器1100及び硬質針シールド1103はともに、注射器アセンブリ1200を構成してもよい。注射器1200は、手動で作動させる注射器であってもよい。
【0123】
注射器アセンブリ1200は、例えばフローラップ包装のような包装において保管されてもよい。
【0124】
注射器1100を使用するために、使用者は、第1に硬質針シールド1103を取り外す必要がある。これを行うために、使用者は単に、目隠しキャップ1001を引っ張ることができる。目隠しキャップ1001は、注射器1100から外され、内側に突出したフランジが硬質針シールド1103の近位面1104の背後に係合することによって硬質針シールド1103をともに運ぶ。従って、注射器1100の針1102は、注射のために露出される。硬質針シールド1103は、注射器1100の残部から目隠しキャップの除去後でも目隠しキャップ1001内に保持されたままであり、従って有効に目隠しされたままである。
【0125】
次に、本開示の第4、第5及び第6実施形態について説明する。別段の記載がない限り、これらの実施形態の目隠しキャップの特徴は、第3実施形態の目隠しキャップ1001に関して前述したとおりであり、これらの実施形態を完全に理解するために、第3実施形態を参照すべきである。特に、第4、第5及び第6実施形態は、硬質針シールドに係合するための1つ又は複数のフィンの設計に相違点を示す。簡潔さのためだけに、以下の説明は、第3実施形態の特徴とは異なるこれらの実施形態の特徴に集中する。
【0126】
【0127】
第4、第5及び第6実施形態では、1つ又は複数のフィン2060、3060、4060は、第1部分2010、3010、4010の第1細長いボウル状本体2011、3011、4011から内側に突出する。2つのフィン2060、3060、4060が設けられてもよい。フィン2060、3060、4060は、互いに平行であり、第1部分2010、3010、4010の長手方向軸に平行であってもよい。さらに、1つ又は複数のフィン2061、3061、4061は、第2部分2020、3020、4020の第2細長いボウル状本体2021、3021、4021から内側に突出する。2つのフィン2061、3061、4061が設けられてもよい。フィン2061、3061、4061は、互いに平行であり、第2部分2020、3020、4020の長手方向軸に平行であってもよい。
【0128】
フィン2060、3060、4060、2061、3061、4061は、可撓性を有してもよく、随意的に約0.15mmの厚さを有してもよい。しかしながら、好ましくは、フィン2060、3060、4060、2061、3061、4061は、剛性を有してもよい。それらは、硬質エンジニアリングプラスチックから成形されてもよい。それらは、それぞれの第1部分2010、3010、4010又は第2部分2020、3020、4020の一部として一体成形されてもよい。フィン2060、3060、4060、2061、3061、4061は、約0.4mmの厚さを有してもよい。
【0129】
第4実施形態では、
図24に最も明確に示すように、フィン2061は、概括的にL字形の外形を有することができる。(フィン2062は同様に構成されてもよい)。各フィン2061は、第1部分2060a及び第2部分2060bを有し得る。第1部分2060aは、硬質針シールド2103の端面2103aのためのエンドストップを規定し得る。そうすることによって、エンドストップは、目隠しキャップ2001内において硬質針シールド2103の長手方向の移動を制限することができる。第2部分2060bは、硬質針シールド2103の側面2103bのためのサイドストップを規定し得る。そうすることによって、サイドストップは、目隠しキャップ2001内において硬質針シールド2103の横断方向又は横方向の移動を制限することができる。第2部分2060bはまた、硬質針シールド2103の一部を係合及び/又は受容するための空洞内に狭くなった穴を規定し得る。フィン2061、2062は、硬質針シールド2103のための非常に密な嵌合を提供し、その結果、目隠しキャップ2001内において硬質針シールド2103のがたつきの量を著しく低減させることができる。
【0130】
第5実施形態では、
図28に最も明確に示すように、フィン3061は、概括的に弓形の形態を有することができる。(フィン3062は同様に構成されてもよい)。各フィン3061は、丸くされた自由縁を有する第1部分3060aを有し得る。第1部分3060aは、硬質針シールド3103の角部3103aのためのコーナーストップを規定し得る。そうすることによって、コーナーストップは、目隠しキャップ3001内において硬質針シールド3103の長手方向及び横断方向又は横方向の移動を制限することができる。このようにして、硬質針シールド3103のための非常に密な嵌合が、提供され、その結果、目隠しキャップ3001内において硬質針シールド3103のがたつきの量を著しく低減させることができる。
【0131】
第6実施形態では、
図32に最も明確に示すように、フィン4060の形態は、第4実施形態のフィンと同様である。しかしながら、この実施形態では、第2部分4060bの(長手方向)長さが、第4実施形態と比べて低減されている。しかしながら、フィン4060のエンドストップ及びサイドストップは同様に機能する。
【0132】
有利に、第4、第5及び第6実施形態において一例として示すように、フィンの大きさ及び形状は、目隠しキャップの外観を変えることなく様々な大きさ及び形状の硬質針シールドに係合するように構成されてもよい。
【0133】
本開示は、臨床試験、好ましくは盲検臨床試験を実行するための用具を準備する方法にも及び、前記方法は、前述の注射器アセンブリ200、200’、1200、2200、3200、4200を組み立てる方法を有する。さらに、臨床試験を実行するための用具を準備する方法は、前記方法に従って複数の前記注射器アセンブリ200、200’、1200、2200、3200、4200を組み立てることをさらに有してもよく、複数の注射器アセンブリ200、200’、1200、2200、3200、4200の第1グループは第1特性を共有し、複数の注射器アセンブリ200、200’、1200、2200、3200、4200の第2グループは異なる第2特性を共有する。前記特性は、一例として、薬剤の種類、薬剤の投与量、及び活性薬剤の有無のうちの1つ又は複数であってもよく、すなわち第1グループは活性薬剤を有してもよく、第2グループは偽薬を有してもよい。
【0134】
本開示の図面及び説明の少なくとも一部は、本開示の明確な理解に関連する要素に焦点を合わせるために簡素化され、明確にするために当業者である読者が理解する必要とされ得る他の要素を排除することが理解されるべきである。そのような要素は、当業者である読者によく知られており、また必ずしも本開示のよりよい理解を促進するものではないので、そのような要素の説明は本明細書に提供されていない。
【0135】
本開示の更なる態様及び実施形態は、以下の条項に提示される。
条項1.
注射器に解放可能に取り付けられる硬質針シールドを覆うための目隠しキャップであって、前記目隠しキャップは、
初めは互いに分離されている第1カラー部分、第2カラー部分及びスリーブ部分を有し、
前記第1カラー部分及び前記第2カラー部分は、前記注射器の硬質針シールドを取り囲むためのカラーユニットを形成するために互いに係合可能であり、
前記カラーユニットは、前記スリーブ部分に挿入可能であり、
前記カラーユニットは、固定部の第1部分を有し、前記スリーブ部分は、固定部の第2部分を有し、前記スリーブ部分内への前記カラーユニットの受け入れ時に、前記固定部の第1部分及び第2部分が互いに係合して前記スリーブ部分内に前記カラーユニットをしっかりと保持し、
前記カラーユニットは、前記硬質針シールドの端面と前記注射器の筒との間に配置されるように構成された内側に突出するフランジを有し、
前記カラーユニットと前記スリーブ部分とは、前記硬質針シールドの観察を妨げるため、及び前記注射器から前記硬質針シールドの除去を補助するために組み合わせて作動する、
目隠しキャップ。
条項2.
前記内側に突出するフランジは、前記カラーユニットの近位端に又は前記カラーユニットの近位端に向かって近位開口部を規定する、
条項1に記載の目隠しキャップ。
条項3.
前記内側に突出するフランジは、前記カラーユニットの近位端に又は前記カラーユニットの近位端に向かって位置付けられている、
条項1又は条項2に記載の目隠しキャップ。
条項4.
前記カラーユニットは、前記カラーユニットの遠位端に遠位開口部を有する、
条項1から条項3の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
条項5.
前記スリーブ部分は、前記カラーユニットを受け入れるための穴を有し、前記穴は、前記カラーユニットが受け入れられる開口した第1端と、開口した第1端の反対側の閉じた第2端とを有し、一旦前記カラーユニットが前記スリーブ部分にしっかりと保持されると、前記硬質針シールドは、前記内側に突出するフランジによって規定される前記カラーユニットの近位端における又は前記カラーユニットの近位端に向かう近位開口部を除いて、前記目隠しキャップによって完全に覆い隠される、
条項1から条項4の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
条項6.
前記第1カラー部分及び前記第2カラー部分は、前記カラーユニットの第1ハーフシェル及び第2ハーフシェルを有する、
条項1から条項5の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
条項7.
前記第1カラー部分及び前記第2カラー部分は、前記カラーユニットを前記スリーブ部に挿入する前に、前記第1カラー部分と前記第2カラー部分とを互いに位置調整するための位置調整位置決め部を有する、
条項1から条項6の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
条項8.
前記カラーユニットの遠位端は、前記スリーブ部分への前記カラーユニットの挿入に適応するように変形するように構成されている、
条項1から条項7の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
条項9.
前記カラーユニットの遠位端は、1つ又は複数の可撓性舌部を有し、随意的に、前記カラーユニットの遠位端は、長手方向スリットによって分離された複数の可撓性舌部を有する、
条項1から条項8の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
条項10.
前記第1カラー部分は、可撓性舌部を有し、前記第2カラー部分は、可撓性舌部を有し、随意的に、各可撓性舌部は、ヒンジ部分を有する、
条項9に記載の目隠しキャップ。
条項11.
前記可撓性舌部の1つ又は複数は、外側に突出するリップを有する、
条項9又は条項10に記載の目隠しキャップ。
条項12.
前記スリーブ部分は、前記1つ又は複数の可撓性舌部の外側に突出するリップを受け入れるための1つ又は複数の凹部を有し、
随意的に、前記1つ又は複数の凹部は、前記スリーブ部分の内面の周りに延在する1つ又は複数の環状凹部を有し、
及び/又は、随意的に、前記1つ又は複数の凹部は、前記スリーブ部分の内面の一部の周りに延在する2つ以上の一部環状凹部を有する、
条項11に記載の目隠しキャップ。
条項13.
前記スリーブ部分は、単一の閉端チューブを構成し、
随意的に、前記チューブの閉端は、丸くされる、
条項1から条項12の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
条項14.
前記カラーユニットは、ヘッド部分と本体部分とを有し、前記本体部分は、前記スリーブ部分に挿入可能であり、前記ヘッド部分は、前記注射器の筒端部と係合するための穴を規定する、
条項1から条項13の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
条項15.
前記ヘッド部分は、前記スリーブ部分の穴に入ることなく、前記スリーブ部分の近位端に対して隣接するように前記本体部分より大きな直径を有し、
随意的に、前記ヘッド部分の外径は、前記スリーブ部分の近位端の外径と同じであり、
随意的に、前記内側に突出するフランジは、前記ヘッド部分と前記本体部分との間の界面に長手方向に位置付けられる、
条項14に記載の目隠しキャップ。
条項16.
前記第1カラー部分、前記第2カラー部分及び前記スリーブ部分の1つ又は複数は、不透明である、
条項1から条項15の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
条項17.
前記第1カラー部分及び/又は前記第2カラー部分は、前記スリーブ部分への前記カラーユニットの挿入を可能にする前記カラーユニットの回転位置を制御するために前記スリーブ部分と共働するための回転位置決め部を有する、
条項1から条項16の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
条項18.
前記スリーブ部分は、前記硬質針シールドを受け入れるための中央の狭くなった穴を規定するための複数のフィンを有する、
条項1から条項17の何れか1項に記載の目隠しキャップ。
条項19.
前記条項1から条項18の何れか1項に記載の目隠しキャップと、筒と注射器の針上に解放可能に取り付けられる硬質針シールドとを有する注射器とを備える注射器アセンブリであって、
随意的に、前記注射器は、手動で作動させる注射器である、
注射器アセンブリ。
条項20.
第1カラー部分、第2カラー部分、スリーブ部分、及びそれ自体が筒と硬質針シールドとを有する注射器を備える複数の別々の構成要素から注射器アセンブリを組み立てる方法であって、前記方法は、
第1に、前記第1カラー部分及び前記第2カラー部分をともに係合させて、前記硬質針シールドを取り囲むカラーユニットを形成することによって、前記注射器の硬質針シールドを取り囲み、前記カラーユニットは、前記硬質針シールドの端面と前記注射器の筒との間に配置される内側に突出するフランジを有し、
続いて、前記カラーユニットと前記取り囲まれた硬質針シールドとを前記スリーブ部分に挿入し、
前記スリーブ部分への前記カラーユニットの挿入は、前記カラーユニットに設けられた固定部の第1部分と前記スリーブ部分に設けられた固定部の第2部分とが互いにしっかりと係合し、前記カラーユニットを前記スリーブ部分内にしっかりと保持することを引き起こす、
方法。
条項21.
前記スリーブ部分に前記カラーユニットをしっかりと保持することは、前記内側に突出するフランジによって規定される前記カラーユニットの近位端における又は前記カラーユニットの近位端に向かう近位開口部を除いて、前記硬質針シールドを完全に覆い隠す、
条項20に記載の方法。
条項22.
前記カラーユニットの遠位端は、前記スリーブ部分への前記カラーユニットの挿入時に変形される、
条項20又は条項21に記載の方法。
条項23.
臨床試験、好ましくは盲検臨床試験を実行するための用具を準備する方法であって、条項20から条項22のいずれか1項に記載の方法による複数の注射器アセンブリを組み立てることを有し、前記複数の注射器アセンブリの第1グループは第1特性を共有し、前記複数の注射器アセンブリの第2グループは異なる第2特性を共有し、
随意的に、前記特性は、薬剤の種類、薬剤の投与量、及び活性薬剤の有無のうちの1つ又は複数である、
方法。
【国際調査報告】