(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-03
(54)【発明の名称】内視鏡カニューレおよび関連方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20230127BHJP
【FI】
A61B1/00 S
A61B1/00 713
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533073
(86)(22)【出願日】2020-10-28
(85)【翻訳文提出日】2022-07-15
(86)【国際出願番号】 US2020057697
(87)【国際公開番号】W WO2021112975
(87)【国際公開日】2021-06-10
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】510236656
【氏名又は名称】クーパーサージカル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CooperSurgical, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ワイニガー トーマス ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ガロファロ ローズマリー ミシェル
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA16
4C161CC06
4C161DD02
4C161DD06
4C161FF43
4C161GG15
4C161HH42
4C161JJ02
4C161LL02
4C161VV02
(57)【要約】
内視鏡カニューレは、体腔への挿入のためにサイズ設定された遠位端部分を有する細長いシャフトと、細長いシャフトの遠位端部分に固定されたカメラとを含む。カメラは、体腔を見るために構成されている。体腔を検査するために、細長いシャフトの遠位端部分は、真っ直ぐな形態と曲がった形態との間で調節可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔への挿入のためにサイズ設定された遠位端部分を有する細長いシャフトと、
該体腔を見るための、該細長いシャフトの該遠位端部分に固定されたカメラと
を含み、
該体腔を検査するために、該細長いシャフトの該遠位端部分が、真っ直ぐな形態と曲がった形態との間で調節可能である、
内視鏡カニューレ。
【請求項2】
細長いシャフトの遠位端部分が、曲がった形態をもたらす1つまたは複数のレリーフカットを含む、請求項1記載の内視鏡カニューレ。
【請求項3】
細長いシャフトが軟質材料でできている、請求項1記載の内視鏡カニューレ。
【請求項4】
細長いシャフトの遠位端部分の本来の形状または訓練された形状が、曲がった形態を提供する、請求項3記載の内視鏡カニューレ。
【請求項5】
細長いシャフト内に配置された、該細長いシャフトの遠位端部分を真っ直ぐな形態または曲がった形態へと調節するように構成された可鍛性金属ロッド
をさらに含む、請求項3記載の内視鏡カニューレ。
【請求項6】
細長いシャフトのルーメンが、該細長いシャフトの近位端から該細長いシャフトの遠位端部分を通る手術器具の通過を可能とするように構成されている、請求項1記載の内視鏡カニューレ。
【請求項7】
細長いシャフトが記憶合金材料でできている、請求項1記載の内視鏡カニューレ。
【請求項8】
細長いシャフトを受けるための内部領域を画定する硬質のシースをさらに含む、請求項1記載の内視鏡カニューレ。
【請求項9】
細長いシャフトを真っ直ぐな形態と曲がった形態との間で調節するために、硬質のシースが該細長いシャフトに沿ってスライド可能である、請求項8記載の内視鏡カニューレ。
【請求項10】
細長いシャフトの遠位端部分が、記憶合金材料の温度変化に応答して、真っ直ぐな形態と曲がった形態との間で遷移する、請求項8記載の内視鏡カニューレ。
【請求項11】
体腔への挿入のためにサイズ設定された遠位端部分を有する細長いシャフトと、
該体腔を見るための、該細長いシャフトの該遠位端部分に固定されたカメラと、
該細長いシャフトの近位端から延びるハンドルと
を含み、
該体腔を検査するために、該細長いシャフトの該遠位端部分が、真っ直ぐな形態と曲がった形態との間で調節可能である、
内視鏡。
【請求項12】
以下の工程を含む、内視鏡を使用する方法:
該内視鏡の細長いシャフトを患者の体腔に挿入する工程;
該細長いシャフトの遠位端部分を真っ直ぐな形態から曲がった形態へと調節する工程;および
該細長いシャフトの該遠位端部分に固定されたカメラを使用して該体腔の画像を取得する工程。
【請求項13】
細長いシャフトの1つまたは複数のレリーフカットのところで該細長いシャフトの遠位端部分を曲げる工程をさらに含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
細長いシャフトが軟質材料でできている、請求項12記載の方法。
【請求項15】
細長いシャフトの遠位端部分において本来の形状または訓練された形状による曲がった形態を提供する工程をさらに含む、請求項14記載の方法。
【請求項16】
細長いシャフトのルーメン内で可鍛性金属ロッドを操作して、該細長いシャフトの遠位端部分を真っ直ぐな形態または曲がった形態へと調節する工程をさらに含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
細長いシャフトの近位端に手術器具を挿入し、ルーメンに通し、該細長いシャフトの遠位端部分に通す工程をさらに含む、請求項12記載の方法。
【請求項18】
手術器具を操作して体腔中で外科的処置を実施する工程をさらに含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
細長いシャフトが記憶合金材料でできている、請求項12記載の方法。
【請求項20】
硬質のシースを細長いシャフト上でスライドさせて、該細長いシャフトの遠位端部分を真っ直ぐな形態または曲がった形態へと調節する工程をさらに含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
記憶合金材料の温度を変化させて、細長いシャフトの遠位端部分を真っ直ぐな形態または曲がった形態へと調節する工程をさらに含む、請求項19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、35 USC§119に従って、2019年12月3日に出願された米国特許仮出願第62/942,864号への優先権を主張する。この仮出願の内容が全体として参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
技術分野
本開示は、調節可能な内視鏡カニューレおよび患者の子宮を検査するために調節可能な内視鏡カニューレを操縦する関連方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
子宮鏡とは、患者の子宮(例えば子宮腔)を検査するために設計されている内視鏡である。子宮鏡は通常、使用中に患者の体の外に留まる近位部分と、患者の子宮に挿入される遠位部分とを含む。遠位部分は、子宮を見る、および/または子宮に対して外科的処置を実施するために子宮頸部を通して子宮に挿入されるようにサイズ設定されている先端を含み得、近位部分は、遠位部分を操作するための機能を提供する。遠位部分の先端で捕捉された画像は、医師が子宮腔を検査するために見ることができる。検査が終了したならば、子宮鏡の遠位部分は、患者の子宮頸部を通して子宮から抜去される。
【発明の概要】
【0004】
概要
一般に、本開示は、内視鏡デバイスおよび関連方法に関する。そのような内視鏡デバイスは、患者の体腔、例えば子宮を見る、および/またはそれに対して外科的処置を実施するために使用することができる。
【0005】
1つの局面において、内視鏡カニューレは、体腔への挿入のためにサイズ設定された遠位端部分を有する細長いシャフトと、体腔を見るための、細長いシャフトの遠位端部分に固定されたカメラとを含み、体腔を検査するために、細長いシャフトの遠位端部分が、真っ直ぐな形態と曲がった形態との間で調節可能である、内視鏡カニューレを含む。
【0006】
態様は、以下の特徴の1つまたは複数を含み得る。
【0007】
いくつかの態様において、細長いシャフトの遠位端部分は、曲がった形態をもたらす1つまたは複数のレリーフカットを含む。
【0008】
特定の態様において、細長いシャフトは軟質材料でできている。
【0009】
いくつかの態様において、細長いシャフトの遠位端部分の本来の形状または訓練された形状が、曲がった形態を提供する。
【0010】
特定の態様において、内視鏡カニューレはさらに、細長いシャフト内に配置された、細長いシャフトの遠位端部分を真っ直ぐな形態または曲がった形態へと調節するように構成された可鍛性金属ロッドを含む。
【0011】
いくつかの態様において、細長いシャフトのルーメンは、細長いシャフトの近位端から細長いシャフトの遠位端部分を通る手術器具の通過を可能とするように構成されている。
【0012】
特定の態様において、細長いシャフトは記憶合金材料でできている。
【0013】
いくつかの態様において、内視鏡カニューレはさらに、細長いシャフトを受けるための内部領域を画定する硬質のシースを含む。
【0014】
特定の態様において、細長いシャフトを真っ直ぐな形態と曲がった形態との間で調節するために、硬質のシースは細長いシャフトに沿ってスライド可能である。
【0015】
いくつかの態様において、細長いシャフトの遠位端部分は、記憶合金材料の温度変化に応答して、真っ直ぐな形態と曲がった形態との間で遷移する。
【0016】
別の局面において、内視鏡は、体腔への挿入のためにサイズ設定された遠位端部分を有する細長いシャフトと、体腔を見るための、細長いシャフトの遠位端部分に固定されたカメラと、細長いシャフトの近位端から延びるハンドルとを含み、体腔を検査するために、細長いシャフトの遠位端部分は、真っ直ぐな形態と曲がった形態との間で調節可能である。
【0017】
別の局面において、内視鏡を使用する方法は、内視鏡の細長いシャフトを患者の体腔に挿入する工程、細長いシャフトの遠位端部分を真っ直ぐな形態から曲がった形態へと調節する工程、および、細長いシャフトの遠位端部分に固定されたカメラを使用して体腔の画像を取得する工程を含む。
【0018】
態様は、以下の特徴の1つまたは複数を含み得る。
【0019】
特定の態様において、方法はさらに、細長いシャフトの1つまたは複数のレリーフカットのところで細長いシャフトの遠位端部分を曲げる工程を含む。
【0020】
いくつかの態様において、細長いシャフトは軟質材料でできている。
【0021】
特定の態様において、方法はさらに、細長いシャフトの遠位端部分において本来の形状または訓練された形状による曲がった形態を提供する工程を含む。
【0022】
いくつかの態様において、方法はさらに、細長いシャフトのルーメン内で可鍛性金属ロッドを操作して、細長いシャフトの遠位端部分を真っ直ぐな形態または曲がった形態へと調節する工程を含む。
【0023】
特定の態様において、方法はさらに、細長いシャフトの近位端に手術器具を挿入し、ルーメンに通し、細長いシャフトの遠位端部分に通す工程を含む。
【0024】
いくつかの態様において、方法はさらに、手術器具を操作して体腔中で外科的処置を実施する工程を含む。
【0025】
特定の態様において、細長いシャフトは記憶合金材料でできている。
【0026】
いくつかの態様において、方法はさらに、硬質のシースを細長いシャフト上でスライドさせて、細長いシャフトの遠位端部分を真っ直ぐな形態または曲がった形態へと調節する工程を含む。
【0027】
特定の態様において、方法はさらに、記憶合金材料の温度を変化させて、細長いシャフトの遠位端部分を真っ直ぐな形態または曲がった形態へと調節する工程を含む。
【0028】
態様は、以下の利点の1つまたは複数を提供し得る。
【0029】
いくつかの態様において、内視鏡デバイスは操縦可能なカニューレを含む。そのような操縦可能なカニューレは、ユーザ(例えば臨床医)が、所望の区域の可視化を達成するためにカニューレボディ全体を操作することなく、カニューレの遠位端を操作して患者の子宮内構造を観察することを可能とすることができる。したがって、操縦可能なカニューレは、所望の区域の可視化を達成するために通常はカニューレボディ全体を操作することによって生じる患者の痛みおよび/または不快感を防ぐ、および/または最小限にすることができる。さらに、操縦可能なカニューレは、子宮内構造の可視化中に侵襲的な内視鏡操作の必要性を好都合に減らしながらも、可視化中にユーザによるカニューレおよびカメラの配置を容易にすることができる。
【0030】
いくつかの実施態様において、内視鏡デバイスは、患者間での内視鏡の滅菌の必要性を除く使い捨てカニューレを含む。したがって、使い捨てカニューレは、患者間で内視鏡の準備およびセットアップに要する時間を減らし得る。さらに、使い捨てカニューレは、非使い捨てカニューレに比べて製造、購入および/または維持のコストを減らし得る。
【0031】
他の局面、特徴および利点が詳細な説明、図面および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】患者の体腔を検査するために使用することができる内視鏡デバイスの斜視図である。
【
図4】
図1の内視鏡デバイスの遠位端の斜視図である。
【
図5】
図2の内視鏡デバイスの接続ハブおよびハンドルの斜視断面図である。
【
図6】
図5の接続ハブおよびハンドルの斜視図である。
【
図7】ハンドルを省略した、
図5の接続ハブの斜視図である。
【
図9】
図2の内視鏡デバイスのディスプレイの正面図である。
【
図11】
図9のディスプレイ内の電子部品の背面斜視図である。
【
図12】ドッキングステーションと嵌合した、
図9のディスプレイの斜視図である。
【
図13】
図12のドッキングステーションの前方斜視図である。
【
図14】
図12のドッキングステーションの後方斜視図である。
【
図15】真っ直ぐな形態にある、レリーフカットを含む内視鏡カニューレの斜視図である。
【
図16】曲がった形態にある、レリーフカットを含む内視鏡カニューレの斜視図である。
【
図17】真っ直ぐな形態にある、レリーフカットおよび機能的チャネルを含む内視鏡カニューレの斜視図である。
【
図18】曲がった形態にある、レリーフカットおよび機能的チャネルを含む内視鏡カニューレの斜視図である。
【
図19】記憶合金材料から作られた細長いシャフトを有する内視鏡カニューレの斜視図である。内視鏡カニューレは真っ直ぐな形態で示されている。
【
図20】記憶合金材料から作られた細長いシャフトを有する内視鏡カニューレの斜視図である。内視鏡カニューレは曲がった形態で示されている。
【
図21】屈曲性プラスチックから作られた細長いシャフトを有する内視鏡カニューレの斜視図である。内視鏡カニューレは真っ直ぐな形態で示されている。
【
図22】屈曲性プラスチックから作られた細長いシャフトを有する内視鏡カニューレの斜視図である。内視鏡カニューレは曲がった形態で示されている。
【
図23】真っ直ぐな形態にある、軟質のロッドを含む内視鏡カニューレの側断面図である。
【
図24】可鍛性金属ロッドを含む内視鏡カニューレの背面断面図である。
【
図25】曲がった形態にある、軟質のロッドを含む内視鏡カニューレの斜視断面図である。
【
図26】内視鏡処置中に子宮腔内にある
図15~16の内視鏡カニューレを示す。
【
図27】内視鏡処置中に子宮腔内にある
図17~18の内視鏡カニューレを示す。
【
図28】内視鏡処置中に子宮腔内にある
図19~20の内視鏡カニューレを示す。
【
図29】内視鏡処置中に子宮腔内にある
図21~22の内視鏡カニューレを示す。
【
図30】内視鏡処置中の子宮腔内にある
図23~25の内視鏡カニューレを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
詳細な説明
図1~3は、患者の体腔(例えば子宮腔)を検査するために使用することができる内視鏡デバイス1500(例えば子宮鏡)を示す。内視鏡デバイス1500は、子宮に挿入される(例えば、患者の膣管および子宮頸部に通して)ように形成されているカニューレ1502と、子宮をイメージングするための、カニューレ1502の遠位先端1506に位置するイメージングシステム1504と、カニューレ1502の近位端領域1510に取り付けられた接続ハブ1508とを含む。内視鏡デバイス1500はさらに、イメージングシステム1504によって取得された画像を見るためのディスプレイ1512と、ディスプレイ1512から延びるハンドル1514とを含む。カニューレ1502、イメージングシステム1504および接続ハブ1508は共に、一人の患者の子宮の検査ののち廃棄処分されるように設計されている内視鏡デバイス1500の使い捨て部分1516を形成する。使い捨て部分1516は、使用時まで貯蔵することができる密封された無菌パッケージに入れて提供されることができる。ディスプレイ1512およびハンドル1514は共に、複数の患者の子宮をそれぞれ検査するためにいくつかの使い捨て部分1516に着脱されるように設計されている内視鏡デバイス1500の再使用可能部分1518を形成する。再使用可能部分1518は、各患者の子宮の検査ののち(例えば、次に別の患者の子宮を検査する前に)滅菌処理(例えば洗浄および消毒)される。
図1~4を参照すると、カニューレ1502は、子宮頸部を通過して子宮に入るようにサイズ設定されている細長いほぼ管状の部材である。カニューレ1502は、シャフト1520と、イメージングシステム1504をシャフト1520の遠位先端1506に固定するキャップ1526とを含む。シャフト1520は、カニューレ1502の主軸1522を画定する中心軸を有する主要部分1530と、遠位先端1506と、主要部分1530を遠位先端1506に接続する遠位曲がり部1524とを含む。シャフト1520はルーメン1528を画定し、このルーメンは、イメージングシステム1504の1つまたは複数の電気ケーブルを収容し、遠位先端1506と接続ハブ1508との間の流体の通過を可能とし、接続ハブ1508から遠位方向に延びる作業ツールの通過を可能とする。シャフト1520はさらに、近位端領域1510に沿って側壁開口を画定し、この側壁開口を通して、流体をルーメン1528に送り込む、またはルーメン1528から抜き取る(例えば吸引する)ことができる。
【0034】
カニューレ1502のキャップ1526は、
図4に示すように、シャフト1520の遠位先端1506に固定され、複数の開口を画定する。開口は、流体および子宮組織(例えば子宮内膜組織)がシャフト1520のルーメン1528に出入りするとき通過することができるルーメン開口1532(例えば、前を向く流体ポート)と、イメージングシステム1504の発光ダイオード(LED)1538が配置されるところの2つの側方開口1534、1536と、イメージングシステム1504のカメラ1542が配置されるところの凹んだ開口1540とを含む。キャップ1526の張り出した縁1578が、光がLED1538に直接当たることおよびカメラ1542のアパーチャに入ることを遮るレンズフードとして働く。
【0035】
ルーメン開口1532は、流体(例えば生理食塩水、低張液または等張液)が遠位先端1506から出て子宮の中へ流れ、組織または他の粒子状物質をカメラ1542から押し離して、カメラ1542によって取得される画像の質を改善することを可能とする。例えば、ルーメン開口1532は、遠位先端1506に集まりうる組織残屑を除去するのに有用であることができ、この組織残屑は除去されないと、残屑から光が反射するため、その残屑の過度に明るい外観のせいでイメージングを損なうおそれがある。場合によっては、ルーメン開口1532はまた、ルーメン開口1532から出る流体が、遠位先端1506を包囲する組織を潤滑し、部分的に膨潤させ得るため、カニューレ1502の挿入を容易にすることができる。このようにして、ルーメン開口1532は、患者へのカニューレ1502の挿入中、膣腔、子宮頸部または子宮への偶発的な損傷のリスクを減らすことができる。ルーメン開口1532は、5フレンチの生検ツールの通過を可能とするようにサイズ設定されている。例えば、ルーメン開口1532は通常、約0.03cm2~約0.05cm2の断面積を有し、ルーメン1528そのものの断面積の約50%~約80%である。
【0036】
カニューレ1502は通常、約30.0cm~約34.0cm(例えば約32.0cm)の全長(例えば、主軸1522に沿って測定)を有する。カニューレ1502の近位端領域1510(例えば、接続ハブ1508内に配置されているカニューレ1502の部分)は通常、約4.0cm~約4.6cm(例えば約4.3cm)の長さを有して、カニューレ1502の残り部分が、接続ハブ1508から遠位方向に延びて患者への挿入のために露出するようになっている。遠位曲がり部1524は通常、約2.5cm~約7.5cm(例えば約5.0cm)の半径を有する。シャフト1520は通常、約0.03cm~約0.05cm(例えば約0.04cm)の壁厚と、約0.34cm~約0.36cm(例えば約0.35cm)の内径(例えばルーメン直径)とを有する。
【0037】
シャフト1520は通常、所望によりカニューレ1502を患者内に適切に配置するために少しだけ曲げるのに十分な軟らかさを有しながらも膣管への容易な挿入を可能とするのに十分な剛性を有する1つまたは複数の材料でできている。シャフト1520が通常に作られる例示的な材料は、ナイロン、ポリスルホンおよびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む。カニューレ1502は通常、主に押出しによって、また、パンチング、レーザ切断、成形および/またはプリントの1つまたは複数を含み得る二次加工によって製造される。キャップ1526は通常、液晶ポリマー(LCP)を含む1つまたは複数の材料でできており、通常、接着剤によってシャフト1520の遠位先端1506に固定される。カニューレ1502はさらに、カニューレ1502の遠位端1543からの距離を示す罫線付きのマーキング1541を含む。この罫線付きのマーキング1541を腹腔鏡処置中にユーザが見て、カニューレ1502が患者の中に挿入された深さを決定することができる。罫線付きのマーキング1541は、メートル単位またはイギリス単位で提供されてもよいし、無次元スケールとして提供されてもよい。
【0038】
図5~8を参照すると、接続ハブ1508は、カニューレ1502の近位端領域1510を包囲し、再使用可能なディスプレイ1512のための取り付け部品として働く。接続ハブ1508はまた、カニューレ1502の近位端領域1510とカニューレ1502の遠位先端1506との間の流体連通および電気通信のためのいくつかの機能を提供する。例えば、接続ハブ1508は、ハウジング1546と、カメラアクチュエータ1548(例えば、2つの互いに反対側のプッシュボタン1576を提供する)と、カニューレ1502の近位端領域1510に隣接して位置する流体ポート1550と、ハウジング1546の近位開口1558に配置された入口ポートと、カニューレ1502の近位端領域1510から入口ポートまで延びる真っ直ぐな機能的導管1556とを含む。
【0039】
ハウジング1546は、カニューレ1502の主軸1522とほぼ軸方向に整列し、横方向に対称である概してカーブしたプロファイルを有する。ハウジング1546は、カニューレ1502が通過する遠位開口1562と、流体ポートが固定される開口1554と、近位開口1558と、ディスプレイ1512またはディスプレイケーブルを接続することができる水平に向けられた上接続ポート1560(例えばマイクロHDMIポートまたは別のタイプのポート)とを画定する。これに関して、接続ハブ1508も、カメラアクチュエータ1548を接続ポート1560と通信させる電気部品を含む。接続ポート1560は、ディスプレイ1512を接続ハブ1508に固定するためにディスプレイ1512と係合させることができる互いに反対側の細長いフランジ1531を画定する。ハウジング1546はさらに、流体ポート1550、カメラアクチュエータ1548、接続ポート1560および入口ポート1552を正しく配置するさらなる内壁機能(例えばフランジ、開口、ブラケット、タブ、チャネルなど)を画定する。
【0040】
ハウジング1546の遠位部分1566が、カニューレ1502の遠位先端106と流体ポート1550との間の流体連通を提供し、遠位先端106と機能的導管1556との間の流体連通を提供する(例えば、入口ポートへのさらなる流体連通のために)。ハウジング1546の遠位部分1566はさらに、カニューレ102の遠位先端106とカメラアクチュエータ1548との間および遠位先端106とディスプレイ1512との間の電気通信を提供する(例えば、接続ポート1560を介して)。
【0041】
ハウジング1546の近位部分1568が、内視鏡デバイス1500を操作するために使用することができるグリップ1574を提供し、ハンドル1514は、近位部分1568に対して枢動可能である。特に
図8を参照すると、ハンドル1514は、円形の凸部1545と多角形の凸部1547とを画定し、円形の凸部1545により、ハンドル1514が近位部分1568に対して回転することができ、多角形の凸部1547により、ハンドル1514の位置を近位部分1568に対してロックすることができる。特に
図7を参照すると、ハウジング1546の近位部分1568は、ハンドル1514が近位部分1568に対して枢動することを可能とするために円形の凸部1545を受けるようにサイズ設定されている円形の凹部1549を画定する。近位部分1568はさらに、多角形の凹部1551と多角形の凹部1553とを画定し、多角形の凹部1551により、ハンドル1514をインライン配置(例えば「鉛筆グリップ」配置)にロックすることができ、多角形の凹部1553により、
図2および3に示し以下さらに詳細に説明するように、ハンドル1514を軸外れ配置(例えば、ハンドル1514が接続ハブ1508に対して逆平行に向けられる「ピストルグリップ」配置)にロックすることができる。
【0042】
接続ハブ1508のハウジング1546は通常、約10cm~約20cm(例えば約15cm)の長さ(例えば、カニューレ1502の主軸1522に沿って測定)と、約20cm~約30cm(例えば約25cm)の最大幅とを有する。ハウジング1546の近位部分1568(例えば、グリップ1574を除く)は通常、約1.4cm~約1.8cm(例えば約1.6cm)の幅を有する。ハウジング1546は通常、ABS、ポリカーボネートおよびコポリエステルなどの1つまたは複数の材料でできており、通常、射出成形によって製造される。
【0043】
イメージングシステム1504は、カメラ1542と、画像取得のために周囲組織を均一に照明するための、カメラ1542の両側に位置するLED1538と、カメラアクチュエータ1548と、カメラおよびLEDからカメラアクチュエータ1548および接続ポート1560まで延びる1つまたは複数の電気ケーブル(例えば、図示しない1つまたは複数のビデオおよび制御ケーブル)と、イメージングシステム1504の様々な部品と接続ポート1560との間の電気通信を提供する他の電気部品とを含む。
【0044】
いくつかの態様において、1つまたは複数の電気ケーブルはカニューレ1502のルーメン1528を通って延びる。いくつかの態様において、1つまたは複数の電気ケーブルはカニューレ1502の側壁中のチャネル内を延びる。いくつかの態様において、イメージングシステム1504は、1つまたは複数の電気ケーブルの代わりに電気通信を運ぶためのフレックス回路部材を含む。プッシュボタン1576は、プッシュボタン1576のいずれかまたは両方が押下されたとき、プッシュボタン1576が一時的にカメラアクチュエータ1548の内部部品を動かして画像捕捉を開始させるような、オーバーモールド成形エラストマーから形成され得る軟質の部品である。
【0045】
図9~11を参照すると、ディスプレイ1512は、ハウジング1580、画面1582、ディスプレイ1512の上部背面に沿って位置する電源ボタン1584、内部電子部品1586、接続ハブ1508の接続ポート1560と嵌合してイメージングシステム1504と内部電子部品1586との間で信号を中継する電気コネクタ1588(例えばマイクロHDMIコネクタまたは別のタイプのコネクタ)、および丸い金属板1590を含む。金属板1590は、ディスプレイ1512が内視鏡デバイス1500の使い捨て部分1516から切り離されるとき、磁石および/または柔軟なアクセサリーアームによって支持されるかまたは他のやり方でそれらとインターフェース接続するように設計されている。
【0046】
ディスプレイ1512はさらに、スロット1535を画定するアタッチメントピース1533を含み、このスロットにおいて、ディスプレイ1512を接続ポート1560のフランジ1531に沿って接続ハブ1508に取り付けるためにディスプレイ1512を近位方向にスライドさせることができ、ディスプレイ1512を接続ハブ1508から取り外すためにディスプレイ1512をフランジ1531から遠位方向にスライドさせることができる。スロット1535は通常、接続ポート1560のフランジ1531との正しい摩擦嵌合のために約10cm~約30cm(例えば約20cm)の最大幅を有する。アタッチメントピース1533はさらに、互いに反対側のチャネル1537を画定し、これらチャネル1537は、ハンドル1514の縁1539に相補的であり、ディスプレイ1512が接続ハブ1508に固定されるとき縁1539に接触する。
【0047】
ディスプレイ1512のハウジング1580は通常、約11cm~約15cm(例えば約13cm)の長さと、約7cm~約9cm(例えば約8cm)の幅と、約2cm~約4cm(例えば約3cm)の高さとを有する。特に
図3を参照すると、ディスプレイ1512は通常、接続ハブ1508に対し、カニューレ1502の主軸122とディスプレイ1512の中心軸1598との間で測定して約80°~約100°(例えば約90°)の角度に向けられる。ディスプレイ1512のハウジング1580は通常、射出成形によって製造される。ディスプレイ1512は通常、約0.2kg~約0.3kgの重さを有する。
【0048】
内部電子部品1586は、カメラによって取得されたデータを処理または操作するように、画面1582上に表示されるGUIを生成するように、ディスプレイ1512とイメージングシステム1504との間で有線接続を介してデータを伝送するように、ディスプレイ1512と、内視鏡デバイス1500に機械的に接続されていない他のデバイス(例えばコンピュータ、スマートフォンまたはタブレット)との間でデータをワイヤレスで伝送するように、内視鏡デバイスの電源をオンおよびオフにするように、内視鏡デバイス1500の様々なユーザ選択設定を実現するように、プログラムされているかまたは他のやり方で構成されている。内部電子部品1586は、マイクロプロセッサ1571と、プリント回路板(PCB)1573と、インターネットサービスプロバイダ(ISP)1575と、WiFiモジュール1577と、バッテリ管理回路と、電流モニタ回路と、オンボードメモリ1579(例えば不揮発性ストレージメモリ)と、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース1581と、イメージングシステム1504の機能および内視鏡デバイス1500の他の機能を実行するために必要な約1400mAhの充電容量を有する充電式バッテリ1583とを含む。
【0049】
電気コネクタ(見やすくするため、図からは省略)は、外部ディスプレイへのビデオ出力端子の目的、充電式バッテリを充電するためのACアダプタへのコネクタの目的、ならびに/または画像、ビデオおよび/または設定をダウンロードおよびアップロードするためのホストPCへのポートとしての目的、ならびに充電式バッテリを充電するための目的を含む複数の目的を果たす。オンボードメモリは、内視鏡デバイス1500のための画像、ビデオおよび/または設定を記憶するために使用されるフラッシュメモリカードを受けるために使用される。
【0050】
図2および6を参照すると、ハンドル1514は把持部分1592を画定し、この把持部分により、ハンドル1514を把持して、接続ハブ1508の方向に、ハンドル1514が接続ハブ1508と一列になるように向けられて格納されるところのインライン配置(
図6に示す)へと枢動させることができる。把持部分1592は、ハンドル1514がインライン配置に向けられたとき接続ハブ1508の近位部分1568を包囲するチャネル1596を画定する。把持部分1592に加えて、ハンドル1514はまた、ハンドル1514をインライン配置に維持するために接続ハブ1508の近位部分1568に沿って配置された凹部1551にパチンと嵌まる凸部1547を画定する2つの互いに反対側のタブ1561を画定する。タブ1561は、ハンドル1514がインライン配置に向けられるときディスプレイ1512が接続ポート1560に沿ってスライドして接続ハブ1508に取り付けられるのを防ぐそれぞれの凸部1565を含む(例えば、凸部1565は、ディスプレイ1512の動きに対する障害を提供する)。したがって、タブ1561は、ディスプレイ1512が接続ハブ1508上で安定に均衡し得ず、ユーザの手(例えば、ハンドル1514を把持する)がディスプレイ画面1582の目視を妨げる配置でディスプレイ1512が内視鏡デバイス1500の再使用可能部分1516に取り付けられるのを防ぐ。
【0051】
ハンドル1514はまた、インライン配置(
図6に示す)から、ハンドル1514が接続ハブ1508に対して約90°~約100°(例えば約95°)の角度に向けられてピストル型のグリップを提供するところの軸外れ配置(
図2に示す)へと枢動させることができる。ハンドル1514が軸外れ配置にあるとき、ディスプレイ1512を接続ポート1560に沿ってスライドさせて接続ハブ1508に取り付けることができる。ディスプレイ1512が接続ハブ1508に取り付けられているとき、アタッチメントピース1533のチャネル1537がハンドル1514のタブ1561に沿って縁1539と接触する。
【0052】
ハンドル1514をインライン配置と軸外れ配置との間で調節するために、ハンドル1514の把持部分1592に加えられる力は、タブ1561の凸部1547を接続ハブ1508沿いの凹部1551または凹部1553から押し出すのに十分な大きさでなければならない。したがって、ハンドル1514は、タブ1561が凹部1551、1553に対して撓むことを可能としかつ様々な滅菌液および処置に化学的に耐えることができる1つまたは複数の材料(例えば、ポリカーボネート、コポリエステルおよびABSを含む)でできている。ハンドル1514は、約7cm~約12cm(例えば約9cm)の長さと、約1cm~約3cm(例えば約2cm)の幅とを有する。内視鏡デバイス1500の使い捨て部分1516(例えば、カニューレ1502、イメージングシステム1504、接続ハブ1508およびハンドル1514を含む)は通常、約0.2kg~約0.4kgの重さを有する。
【0053】
ディスプレイ1512は、カニューレ1502を患者に挿入する前に接続ハブ1508に取り付けられることもでき、ディスプレイ1512は、カニューレ1502が患者に挿入されているときに接続ハブ1508に取り付けられていないこともでき(例えば、それとワイヤレス通信する)(例えば、ハンドル1514がインライン配置にある状態で)、あるいは、ディスプレイ1512は、カニューレ1502を患者に挿入する前に接続ポート1560でディスプレイケーブルにより接続ハブ1508に接続されることもできる(例えば、ハンドル1514がインライン配置にある状態で)。再び
図2を参照すると、ディスプレイ1512を接続ハブ1508に取り付ける場合には、ディスプレイ1512を近位部分1568の近くに配置し、近位方向に動かして、スロット1535を、電気コネクタ1588が接続ポート1560と嵌合するまで、接続ハブ1508のフランジ1531上にスライドさせる。ディスプレイ1512は、摩擦嵌めにより、フランジ1531上の所定の位置に保持される。ディスプレイ1512を接続ハブ1508から切り離す場合には、ディスプレイ1512を接続ハブ1560に対して遠位方向に引いてスロット1535をフランジ1531から外す。
【0054】
図12~14は、充電およびデータ転送のために内視鏡デバイス1500のディスプレイ1512を取り付けることができるドッキングステーション1600を示す。ドッキングステーション1600は、ディスプレイ1512の電気コネクタ1588に接続することができる接続ポート1602(例えばマイクロHDMIポート)と、ドッキングステーション1600上のディスプレイ1512の正しい配置を案内するマウント1604(例えば、ディスプレイ1512のアタッチメントピース1533をマウント1604に沿って接続ポート1602の方向にスライドさせることができる)と、ディスプレイ1512から別の電子またはコンピューティングデバイスにデータを転送するためのケーブルを接続することができる接続ポート1606と、電源ケーブルをドッキングステーション1600に接続することができる電源コネクタ1608と、内部電子部品を囲い込むハウジング1610とを含む。ドッキングステーション1600は通常、約9cm~約13cm(例えば約11cm)の長さと、約9cm~約13cm(例えば約11cm)の幅と、約3cm~約5cm(例えば約4cm)の全高とを有する。ハウジング1610が作られ得る例示的な材料は、ABS、ポリカーボネートおよびコポリエステルを含む。ドッキングステーション1600は通常、約0.15kg~約0.25kgの範囲の重さを有する。
【0055】
上述したように、ディスプレイ1512は、ディスプレイ1512が内視鏡デバイス1500の使い捨て部分1516から切り離されるとき、アクセサリー部品によって、金属板1590によって支持され得るかまたは他のやり方で金属板1590においてインターフェース接続し得る。例示的なアクセサリー部品は、ディスプレイ1512に付くように設計された硬質または軟質のアーム、および、ディスプレイ1512が内視鏡デバイス1500の使い捨て部分1516に機能的に接続した状態に留まりながらも使い捨て部分1516とは別個に配置されることを可能とするケーブルを含む。
【0056】
ある内視鏡デバイスは、いくつかの局面における構造および機能において上述した内視鏡デバイス1500に実質的に類似し得るが、カニューレ1502の代わりに代替のカニューレを含むことができる。いくつかの態様において、カニューレは、カニューレが操縦可能であるような2つの形態を有し得る。例えば、カニューレは、真っ直ぐな形態または曲がった形態を有し得る。そのような操縦可能な形態は、ユーザ(例えば臨床医)が、所望の区域の可視化を達成するためにカニューレボディ全体を操作することなく、カニューレの遠位端を操作して子宮内構造を観察することを可能とすることができる。
【0057】
図15~25は、真っ直ぐな形態または曲がった形態を有することができ、かつ、患者の子宮頸部を通過して子宮に入るようにサイズ設定されている、細長いほぼ管状の部材であるカニューレ101、201、301、401および501の例を示す。カニューレ101、201、301、401、501はそれぞれ、他の点では接続ハブ1508または類似の接続ハブ、ハンドル1514または類似のハンドル、ディスプレイ1512または類似のディスプレイおよびイメージングシステムを含む、内視鏡デバイス100、200、300、400、500の一部である。イメージングシステムは、構造および機能においてイメージングシステム1504に実質的に類似し、したがって、遠位先端に沿うカメラ1542および任意のLEDの配置が異なり得ることを除いてカメラ1542および1つまたは複数のLEDを含む。いくつかの態様において、カニューレ101、201、301、401および501は、真っ直ぐな形態と曲がった形態との間で調節可能である。シャフト103、202、302、402および502は、ルーメン(例えば、カニューレ101のルーメン108)を画定し、このルーメンは、イメージングシステム1504の1つまたは複数の電気ケーブルを収容し、遠位先端113と接続ハブ1408との間の流体の通過を可能とする。いくつかの態様において、ルーメンは、接続ハブ1408から遠位方向に延びる作業ツールの通過を可能とする。
【0058】
カニューレ101、201、301、401および501は細長いシャフト103、202、302、402および502をそれぞれ含む。すなわち、カニューレ101は細長いシャフト103を含み、カニューレ201は細長いシャフト202を含み、カニューレ301は細長いシャフト302を含み、カニューレ401は細長いシャフト402を含み、カニューレ501は細長いシャフト502を含む。細長いシャフト103、202、302、402および502は、体腔(例えば膣腔または子宮)への挿入のためにサイズ設定された遠位端部分を含む。カニューレ103、202、302、402および502は、イメージングシステムのカメラ1542および1つまたは複数のLED1538(
図4に示す)を含み、細長いシャフト103、202、302、402および502の遠位端部分に固定されている。カメラ1542は、体腔(例えば膣腔または子宮)を見るために使用することができる。遠位端部分は、真っ直ぐな形態と曲がった形態との間で調節可能であることができる。
【0059】
図15~20を参照すると、カニューレ101、201および301それぞれはシース111またはシース310を含む。シース111および310は、細長いシャフト103、202および302を受けるための内部領域を画定する。シース111および310は細長いシャフト103、202および302を同軸的に包囲する。シース111および310は、細長いシャフト103、202および302に沿ってスライドして、細長いシャフト103、202および302を真っ直ぐな形態と曲がった形態との間で調節することができる。例えば、シースは、曲がった形態にあるときの遠位端部分のカールを解くために使用することができる。シース111および310はさらに、遠位先端113、213、313に配置されたカメラ1542を患者の子宮内の所望の位置に向けるために使用することができる。
【0060】
特に
図15および16を参照すると、カニューレ101は、遠位端部分105を有する細長いシャフト103を含む。細長いシャフト103の遠位端部分105は、
図15に示す真っ直ぐな形態と、
図16に示す曲がった形態との間で調節可能であることができる。細長いシャフト103の遠位端部分105は、
図16に示す曲がった形態をもたらす1つまたは複数のレリーフカット107を含む。例えば、1つまたは複数のレリーフカット107は、遠位端部分105を曲がらせたりカールさせたりする。1つまたは複数のレリーフカット107は通常、約0.5~約2.0mmの軸方向幅を有する。遠位部分105は通常、約3.0~約0.5mmの直径を有し、細長いシャフト103は通常、約2.5~約4.5mmの外径を有する。いくつかの態様において、細長いシャフト103は全部で4~8つのレリーフカット107を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数のレリーフカット107は、細長いシャフト103の曲げを容易にするために切削工具によって作られた切込み、切欠きまたは切り溝として具現化され得る。いくつかの態様において、細長いシャフト103は軟質材料でできている。
【0061】
いくつかの態様において、1つまたは複数のレリーフカット107によって生じる曲がった形態は、細長いシャフト103の遠位端部分105の本来の形状または訓練された形状であり得る。換言するならば、曲がった形態をもたらすために遠位端部分105に力を加える必要はない場合がある。他の例において、細長いシャフト103は、その本来の形状または訓練された形状がカールしている軟質材料でできていることもできる。いくつかの態様においては、細長いシャフト103の遠位端部分105の本来の形状または訓練された形状が、曲がった形態を提供する。いくつかの態様において、細長いシャフト103の遠位端部分105は、曲がった形態にあるとき、約1°~約45°の角度115でカーブしていることができる。
【0062】
シース111は、細長いシャフト103に沿ってスライドして、細長いシャフト103を真っ直ぐな形態と曲がった形態との間で調節することができる。いくつかの態様において、シース111は硬質のシースである。いくつかの態様において、シース111は半硬質のシースである。シース111が通常に作られる例示的な材料は、ポリカーボネート、ポリプロピレンおよびアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)を含むが、それらに限定されない。いくつかの態様において、他の点では内視鏡デバイス100に類似する内視鏡デバイスは、手術器具の通過を可能としないシャフトを含んでもよい。シャフト103のルーメン108は通常、約3.0~約5.0mmの直径を有する。
【0063】
特に
図17および18を参照すると、カニューレ201は、遠位端部分204を有する細長いシャフト202と、シース111(
図15および16に示す)とを含む。細長いシャフト202の遠位端部分204は、
図17に示す真っ直ぐな形態と、
図18に示す曲がった形態との間で調節可能であることができる。細長いシャフト202の遠位端部分204は、
図18に示す曲がった形態をもたらす1つまたは複数のレリーフカット206を含む。例えば、1つまたは複数のレリーフカット206は、遠位端部分204を曲がらせたりカールさせたりする。1つまたは複数のレリーフカット206は通常、約0.5~約2.0mmの軸方向幅を有する。遠位端部分204は通常、約3.0~約5.0mmの直径を有し、細長いシャフト202は通常、約2.5~約5.0mmの外径を有する。いくつかの態様において、細長いシャフト202は全部で4~8つのレリーフカット206を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数のレリーフカット206は、細長いシャフト202の曲げを容易にするために切削工具によって作られた切込み、切欠きまたは切り溝として具現化され得る。
【0064】
いくつかの態様において、1つまたは複数のレリーフカット206によって生じる曲がった形態は、細長いシャフト202の遠位端部分204の本来の形状または訓練された形状であり得る。換言するならば、曲がった形態をもたらすために遠位端部分204に力を加える必要はない場合がある。他の例において、細長いシャフト202は、その本来の形状または訓練された形状がカールしている軟質材料でできていることもできる。いくつかの態様においては、細長いシャフト202の遠位端部分204の本来の形状または訓練された形状が、曲がった形態を提供する。いくつかの態様において、細長いシャフト202の遠位端部分204は、曲がった形態にあるとき、約1°~約45°の角度115でカーブしていることができる。シース111(
図15および16に示す)は、細長いシャフト202に沿ってスライドして、細長いシャフト202を真っ直ぐな形態と曲がった形態との間で調節することができる。
【0065】
いくつかの態様において、シャフト202は、細長いシャフト202の近位端から細長いシャフト202の遠位端部分204を通る手術器具220の通過を可能とするように構成されているルーメン208を画定する。いくつかの態様において、シャフト202は半硬質のシャフトである。いくつかの態様において、手術器具220は、遠位端部分204の操縦の間にさらなる安定性を提供する。シャフト202のルーメン208は通常、約3.0~約5.0mmの直径を有する。いくつかの態様において、ルーメン208は、イメージングシステム1504の1つまたは複数の電気ケーブルを収容し、遠位先端313と接続ハブ1508との間の流体の通過を可能とする。
【0066】
特に
図19および20を参照すると、カニューレ301は、遠位端部分304を有する細長いシャフト302を含む。細長いシャフト302の遠位端部分304は、
図19に示す真っ直ぐな形態と、
図20に示す曲がった形態との間で調節可能であることができる。細長いシャフト302はルーメン308を画定する。細長いシャフト308のルーメン308は通常、約3.0~約5.0mmの直径を有する。いくつかの態様において、ルーメン308は、細長いシャフト402の近位端から細長いシャフト402の遠位端部分404を通る手術器具の通過を可能とするように構成されている。いくつかの態様において、ルーメン308は、イメージングシステム1504の1つまたは複数の電気ケーブルを収容し、遠位先端313と接続ハブ1508との間の流体の通過を可能とする。いくつかの態様において、ルーメン308は、接続ハブ1508から遠位方向に延びる作業ツールの通過を可能とする。
【0067】
細長いシャフト302は、曲がった形態を「憶える」ように訓練されることができる記憶合金材料から作られる。細長いシャフト302の遠位端部分304は、記憶合金材料の温度変化に応答して、真っ直ぐな形態と曲がった形態との間で遷移することができる。細長いシャフト302が通常に作られる例示的な材料は、ニッケル・チタン合金(ニチノール)を含むが、それに限定されない。他の非限定的な例示的な材料は、銅・アルミニウム・ニッケル、鉄・マンガン・ケイ素(FE-Mn-Si)および銅・亜鉛・アルミニウム(Cu-Zn-Al)を含む。
【0068】
いくつかの態様において、細長いシャフト302は一方向性形状記憶効果を有する。記憶合金材料は、低温状態でその元の形状が第二の形状(例えば曲がった、または伸びた形状)に変えられて、遷移温度を超えて加熱されるまでこの第二の形状を保持するとき、一方向性形状記憶効果を示している。加熱されると、第二の形状は元の形状に戻り、記憶合金材料が再び冷めても、材料は元の形状を保持する。例えば、細長いシャフト302の遠位端部分304は、第一の温度(例えば室温または約25℃)の低温状態で曲がった形態を有し、この低温状態で真っ直ぐな形態に伸ばすことができる。次いで、遷移温度(例えば第二の温度)を超えて温度が上昇すると、真っ直ぐな形態は曲がった形態に戻ることができ、それが、第二の温度から第一の温度へ冷めても保持される。あるいはまた、いくつかの態様において、細長いシャフト302の遠位端部分304は、第一の温度(例えば室温または約25℃)の低温状態で真っ直ぐな形態を有し、この低温状態で曲がった形態へと屈曲させることができる。次いで、遷移温度(例えば第二の温度)を超えて温度が上昇すると、曲がった形態は真っ直ぐな形態に戻ることができ、それが、第二の温度から第一の温度へ冷めても保持される。
【0069】
いくつかの態様において、細長いシャフト302は二方向性形状記憶効果を有する。記憶合金材料は、記憶合金材料が比較的低い温度での形状および比較的高い温度での形状の2つの異なる形状を「憶える」とき、二方向性形状記憶効果を示している。例えば、二方向性形状記憶効果を有する細長いシャフト302の遠位端部分304は、第一の温度(例えば室温または約25℃)の低温状態では真っ直ぐな形態を有することができる。次いで、遷移温度(例えば第二の温度)を超えて温度が上昇すると、真っ直ぐな形態は、予め決められた曲がった形態へと変化することができる。最後に、温度が低下すると(すなわち、第二の温度から第一の温度へ)、曲がった形態は元の真っ直ぐな形態へと変化することができる。このように、第一および第二の両温度での両形態が記憶合金材料によって「憶えられる」ことができる。あるいはまた、細長いシャフト302は、同じ二方向性形状記憶効果を示すことができるが、代わりに、低温状態で曲がった形態を有し、遷移温度を超える高温状態で真っ直ぐな形態に変化することもできる。第一の温度は通常、約-190~約200℃の範囲である。第二の温度は通常、約-190~約200℃の範囲である。遷移温度は通常、約-190~約200℃の範囲であることができる。
【0070】
いくつかの態様において、細長いシャフト302の遠位端部分304は、ピグテール、かぎ、らせん、カーブ、ループまたはコイルの形状の曲がった形態を有することができる。いくつかの態様において、細長いシャフト302の遠位端部分304は、曲がった形態にあるとき、約1°~約45°の角度115でカーブしていることができる。
【0071】
いくつかの態様において、細長いシャフト302の遠位端部分304は、1つよりも多い形状における記憶のために訓練されることができる。例えば、細長いシャフト302の遠位端部分304は、真っ直ぐな形態、第一の曲がった形態および第二の曲がった形態を有することができる。さらに、ユーザ(例えば臨床医)は、合金の温度を変化させることによって任意の形態を選択することができる。例えば、ユーザは、細長いシャフト302を第一の温度に曝露して、第一の曲がった形態を選択し得る。同様に、ユーザは、細長いシャフト302を第二の温度に曝露して、第二の曲がった形態を選択し得る。カニューレ301はさらに、加熱要素および/または冷却要素と、温度センサと、ユーザが細長いシャフト302の温度を制御してそれにより所望のシャフト形態を制御することを可能にする温度ディスプレイ(図からは省略)とを含み得る。曲がった形態になったならば、シース310を細長いシャフト302の遠位端部分304上でスライドさせて角度115を制御し、それにより、遠位端部分304に配置されたカメラ1542(
図4に示す)の向きを制御することができる。シース301は、角度115を調節するために、必要に応じて、ユーザに対して遠位方向または近位方向にスライドさせることができる。
【0072】
特に
図21および22を参照すると、カニューレ401は、遠位端部分404を有する細長いシャフト402を含む。細長いシャフト402の遠位端部分404は、
図21に示す真っ直ぐな形態と、
図22に示す曲がった形態との間で調節可能であることができる。細長いシャフト402の遠位端部分404は、
図22に示す曲がった形態をもたらす屈曲性プラスチックでできている。ユーザは、細長いシャフト402の遠位端部分404を操作するまたは曲げることによって所望の形状または曲げを生じさせることができる。ユーザは、子宮内構造のより良好な可視化のために、細長いシャフト402の遠位端部分404を操作してまたは曲げて、遠位端部分404に配置されたカメラ1542(
図4に示す)の向きを定めることができる。例えば、ユーザは、体腔を見るとき、体腔(例えば患者の子宮)への挿入の前に遠位端部分404を操作しまたは曲げ、角度115を補正および調節し、必要ならばカニューレ401を再挿入して、より良い画像を得ることができる。いくつかの態様において、細長いシャフト402の遠位端部分404は、曲がった形態にあるとき、xおよびy軸に対して約1°~約45°の角度115でカーブしていることができる。細長いシャフト402の遠位端部分404が通常に作られる例示的な屈曲性プラスチックは、ポリプロピレンおよびABSを含むが、それらに限定されない。いくつかの態様において、細長いシャフト402は屈曲性プラスチックでできている。
【0073】
いくつかの態様において、シャフト402は、細長いシャフト402の近位端から細長いシャフト402の遠位端部分404を通る手術器具の通過を可能とするように構成されているルーメンを画定する。いくつかの態様において、シャフト402は半硬質のシャフトである。いくつかの態様において、シャフト402は、遠位端部分404の操縦の間の安定性を提供する。シャフト402のルーメンは通常、約3.0~約5.0mmの直径を有する。
【0074】
特に
図23、24および25を参照すると、カニューレ501は、遠位端部分504を有する細長いシャフト502を含む。細長いシャフト502の遠位端部分504は、
図23に示す真っ直ぐな形態と、
図25に示す曲がった形態との間で調節可能であることができる。シャフト502は、
図24に示すように、三日月形を有する第一のルーメン508と、円形の断面形状を有する第二のルーメン514とを画定する。第一のルーメン508は、細長いシャフト402の近位端から細長いシャフト402の遠位端部分404を通る手術器具の通過を可能とし、イメージングシステム1504の1つまたは複数の電気ケーブルを収容し、遠位先端113と接続ハブとの間の流体の通過を可能とすることができる。シャフト502の第一のルーメン508は通常、約8~約12mm
2の三日月形の断面積を有する。シャフト502の第一のルーメン508は通常、第二のルーメン514の円形の断面積の約60%~約80%のサイズの三日月形の断面積を有する。
【0075】
カニューレ501はさらに、細長いシャフト502によって画定された第二のルーメン514内に配置された可鍛性金属ロッド512を含む。シャフト504の第二のルーメン514は通常、約1.0~約2.5mmの円形の断面積を有する。シャフト502の第二のルーメン514は通常、第一のルーメン508の三日月形の断面積の約40%~約20%のサイズの円形の断面積を有する。
【0076】
可鍛性金属ロッド512は、細長いシャフト502の遠位端部分504を真っ直ぐな形態または曲がった形態へと調節するように構成されている。可鍛性金属ロッド512は通常、約1.0~約3.0の直径を有する。可鍛性金属ロッド512が通常に作られる例示的な金属は、ステンレス鋼を含むが、それに限定されない。
【0077】
ユーザは、細長いシャフト502の遠位端部分504を操作し曲げることによって所望の形状または曲げを生じさせることができる。例えば、
図25は、曲がった形態でかぎ形を有する、細長いシャフト502の遠位端部分504を示す。いくつかの態様において、細長いシャフト502の遠位端部分504は、ピグテール、らせん、カーブ、ループまたはコイルの形状の曲がった形態を有することができる。細長いシャフト502の遠位端部分504の形態および形状の数は、ユーザが細長いシャフト502を操作するまたは曲げることができるため、前述の形状に限定されない。ユーザは、子宮内構造のより良好な可視化のために、細長いシャフト502の遠位端部分504を操作して、遠位端部分504に配置されたカメラ1542の向きを定めることができる。例えば、ユーザは、体腔を見るとき、体腔(例えば患者の子宮)への挿入の前に遠位端部分504を曲げ、形状または曲がりを補正および調節し、必要ならばカニューレ501を再挿入して、より良い画像を得ることができる。
【0078】
図26は、内視鏡処置(例えば子宮鏡処置)中の、患者の子宮腔117内にある内視鏡デバイス200のカニューレ201を示す。臨床医が、ハンドル1514(
図1~3に示す)を使用して、内視鏡カニューレ101の細長いシャフト103を真っ直ぐな形態で患者の体腔(例えば子宮頸部109)に挿入する。したがって、シース111は、内視鏡カニューレ101が患者の子宮頸部109に挿入されるとき、内視鏡カニューレ101の遠位端部分105を同軸的に包囲する。さらに、シース111は、内視鏡カニューレ101が患者の子宮腔117内にある間、子宮腔の外側の使用者(例えば臨床医)にとってアクセス可能に留まる。臨床医は、内視鏡カニューレ101の遠位端部分105が患者の子宮腔117内の所望の位置および所望の向きに配置されるまで、内視鏡カニューレ101を遠位方向に前進させる。臨床医は、シース111を内視鏡カニューレ101の細長いシャフト103に沿って近位方向にスライドさせることにより、細長いシャフト103の遠位端部分105を真っ直ぐな形態から曲がった形態へと調節する。このように、曲がった形態は、細長いシャフト103の遠位端部分105において本来の形状または訓練された形状(例えばカーブした形状)により提供される。
【0079】
臨床医はさらに、必要に応じてシース111を細長いシャフト103に沿って近位方向または遠位方向にスライドさせることにより、内視鏡カニューレ101の遠位端部分105の位置および/または向きを調節し得る。臨床医は、細長いシャフト103の遠位端部分105に固定されたカメラ1542を使用することにより、患者の体腔(例えば子宮頸部109)の画像を取得し得る。臨床医は、内視鏡カニューレ101を抜去する準備ができたならば、シース111を細長いシャフト103に沿って遠位方向にスライドさせることにより、内視鏡カニューレ101の遠位端部分105の形態を曲がった形態から真っ直ぐな形態へと調節する。次に、臨床医は、カニューレ101を真っ直ぐな形態で抜去し始める。
【0080】
あるいはまた、いくつかの態様において、臨床医は、患者の子宮頸部109への挿入の前に、内視鏡カニューレ101の遠位端部分105の形態を真っ直ぐな形態から曲がった形態へと変化させてもよい。例えば、臨床医は、細長いシャフト103の1つまたは複数のレリーフカット107のところで細長いシャフト103の遠位端部分105を曲げてもよい。
【0081】
場合によっては(
図26~30の例におけるように)、臨床医は、子宮腔117内の異常119、例えば子宮内膜病変、子宮類線維腫(例えば筋腫)、子宮ポリープ、癌性腫瘍、癒着、過形成性増殖(または、場合によっては、別の関心対象の解剖学的特徴、例えば、関心対象の領域の近くに位置する健康そうに見える組織)を、ビデオストリームを介して、または内視鏡カニューレ101によって捕捉されハンドセットのモニタに表示された1つまたは複数の画像を介して見る。異常119を見ると、臨床医は、異常119をさらに検査するためまたは治療するために、子宮腔117内で手術(例えば生検処置、ポリープ切除、摘出または焼灼)を実施することを決定し得る。
【0082】
図27は、患者の子宮腔117内にある内視鏡デバイス200のカニューレ201を示す。臨床医は、シース210を内視鏡カニューレ201の細長いシャフト202に沿って近位方向にスライドさせることにより、内視鏡カニューレ201の遠位端部分204の形態を真っ直ぐな形態から曲がった形態へと調節することができる。臨床医はさらに、必要に応じてシース210を細長いシャフト202に沿って近位方向または遠位方向にスライドさせることにより、内視鏡カニューレ201の遠位端部分204の位置および/または向きを調節し得る。臨床医はさらに、作業ツール(例えば手術器具)を細長いシャフト202の近位端に挿入し、細長いシャフト202のルーメンに通し、細長いシャフト202の遠位端部分204に通し得る。臨床医は、患者の体腔(例えば子宮頸部109)中で手術器具を操作して外科的処置を実施し得る。
【0083】
臨床医は、内視鏡カニューレ201を抜去する準備ができたならば、シース210を細長いシャフト202に沿って遠位方向にスライドさせることにより、内視鏡カニューレ201の遠位端部分204の形態を曲がった形態から真っ直ぐな形態へと調節する。あるいはまた、いくつかの態様において、臨床医は、患者の子宮頸部109への挿入の前に、内視鏡カニューレ201の遠位端部分204の形態を真っ直ぐな形態から曲がった形態へと変化させてもよい。
【0084】
図28は、患者の子宮腔117内にある内視鏡デバイス300のカニューレ301を示す。臨床医は、内視鏡カニューレ301に取り付けられた内視鏡デバイス300のハンドルを使用して、記憶合金材料から作られた内視鏡カニューレ301を患者の子宮頸部109に挿入することができる。臨床医は、細長いシャフト302の温度を第一の温度(例えば室温または約25℃)から第二の温度(例えば体温または約37℃)に変えることにより、内視鏡カニューレ301の遠位端部分304の形態を真っ直ぐな形態から曲がった形態へと変化させ得る。臨床医はさらに、細長いシャフト302の温度を第二の温度(例えば体温または約37℃)から第三の温度に変えることにより、曲がった形態の内視鏡カニューレ301の遠位端部分304の向きおよび/または位置を調節し得る。
【0085】
臨床医は、内視鏡カニューレ301を抜去する準備ができたならば、内視鏡カニューレ301の温度を第二または第三の温度から第一の温度に変化させ、それにより、内視鏡カニューレ301の遠位端部分304の形態を曲がった形態から真っ直ぐな形態へと変化させる。次に、臨床医は、カニューレ301を真っ直ぐな形態で抜去し始める。あるいは、いくつかの態様において、臨床医は、患者の子宮頸部109への挿入の前に、内視鏡カニューレ301の遠位端部分304の形態を真っ直ぐな形態から曲がった形態へと変化させてもよい。
【0086】
図29を参照すると、患者の子宮腔117内にある内視鏡デバイス400のカニューレ401を示す。臨床医は、患者の子宮頸部109への挿入の前に、屈曲性プラスチックから作られた内視鏡カニューレ401の遠位端部分404の形態を真っ直ぐな形態から曲がった形態へと調節することができる。臨床医は、細長いシャフト402の屈曲性遠位端部分404を曲げてまたは操作して所望の形状および/または角度を生じさせ、内視鏡カニューレ401を患者の子宮頸部109に挿入し始める。
【0087】
図30は、患者の子宮腔117内にある内視鏡デバイス500のカニューレ501を示す。臨床医は、患者の子宮頸部109への挿入の前に、可鍛性金属ロッドを収容する内視鏡カニューレ501の遠位端部分504の形態を真っ直ぐな形態から曲がった形態へと調節することができる。臨床医は、細長いシャフト502の屈曲性遠位端部分504を曲げてまたは操作して所望の形状および/または角度を生じさせ、内視鏡カニューレ501を患者の子宮頸部109に挿入し始める。
【0088】
上述の内視鏡デバイスおよびカニューレは、特定の寸法、形状、配置、構成および材料組成を含むものとして、特定の方法に関して説明され、例示されたが、いくつかの態様においては、上述の内視鏡デバイスまたはカニューレのいずれかに構造および機能において類似する内視鏡デバイスまたはカニューレが、上述のものとは異なる1つまたは複数の寸法、形状、配置、構成および/または材料組成を含んでもよいし、上記方法と比べて変更されている方法に関して使用されてもよい。他の態様が以下の請求項の範囲内である。
【国際調査報告】