(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-03
(54)【発明の名称】良性前立腺肥大症および関連する下部尿路症状の処置のための装置
(51)【国際特許分類】
A61F 2/966 20130101AFI20230127BHJP
A61B 1/01 20060101ALI20230127BHJP
A61B 1/307 20060101ALI20230127BHJP
A61F 2/82 20130101ALI20230127BHJP
【FI】
A61F2/966
A61B1/01 511
A61B1/307
A61F2/82
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533156
(86)(22)【出願日】2020-12-02
(85)【翻訳文提出日】2022-07-13
(86)【国際出願番号】 US2020062860
(87)【国際公開番号】W WO2021113340
(87)【国際公開日】2021-06-10
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518220969
【氏名又は名称】プロデオン・メディカル・コーポレイション
【住所又は居所原語表記】116 Hougang Street 7F, Taipei, 11170 Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンカテーシュワラ-ラオ・コンダパブラー・ティー
(72)【発明者】
【氏名】ジェン・ジミー
(72)【発明者】
【氏名】ザレツカ・ダン
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ケネス・チー-ピン
【テーマコード(参考)】
4C161
4C267
【Fターム(参考)】
4C161AA15
4C161DD03
4C161GG24
4C161JJ13
4C267AA05
4C267BB04
4C267BB06
4C267BB09
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB20
4C267BB40
4C267CC26
4C267GG02
4C267GG22
4C267GG23
4C267GG24
4C267HH08
(57)【要約】
尿道を塞ぐ前立腺葉組織を含む、中空の身体管腔を塞ぐ身体組織、例えば、良性前立腺肥大症(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)、良性前立腺閉塞(BPO)および関連する下部尿路症状(LUTS)を含む健康状態、を管理および/または処置するための装置および方法が開示される。インプラントを、患者の身体から除去するために縮小されたプロファイルに圧縮するように構成されている、可撓性が変更された少なくとも1つの領域を有する細長いシャフト部材を有する回収シース。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の管腔内の配置場所からインプラントを回収するか、または前記配置場所に前記インプラントを配置するためのシースであって、
内径を有する少なくとも1つの内腔、非外傷性遠位端部、および近位端部、を有し、可撓性が変更された少なくとも1つのシャフト部材領域を有する、細長いシャフト部材を含み、前記非外傷性遠位端部は、前記近位端部の反対側に位置付けられ、前記非外傷性遠位端部は、前記インプラントを縮小されたプロファイルに圧縮するように構成されている、シース。
【請求項2】
前記細長いシャフト部材の前記近位端部に固定されたハブと、前記シャフト部材の前記少なくとも1つの内腔を通して膀胱鏡を前進させるように構成された、前記シャフト部材の前記内径より大きい近位直径からテーパ状になっている、前記ハブの開口部と、をさらに含む、請求項1に記載のシース。
【請求項3】
前記ハブは、前記シャフト部材の前記近位端部のフレア部分と係合する円錐台状突起を有する近位部分と、遠位部分と、を含み、これらは、前記シャフト部材の前記近位端部が圧縮によって前記ハブに固定されるように互いに螺合する、請求項2に記載のシース。
【請求項4】
前記ハブは、前記開口部を通して挿入された膀胱鏡とシールを形成するようにさらに構成されている、請求項2に記載のシース。
【請求項5】
前記ハブは、前記開口部を通して挿入された膀胱鏡を解放可能に固定するようにさらに構成されている、請求項2に記載のシース。
【請求項6】
可撓性が変更された前記シャフト部材領域は、前記非外傷性遠位端部に隣接しており、前記シャフト部材の近位領域に比べて、低減されたデュロメータ値を有する、請求項1に記載のシース。
【請求項7】
前記非外傷性遠位端部に隣接する前記シャフト部材領域は、前記シャフト部材の前記近位領域とは異なる材料を含む、請求項6に記載のシース。
【請求項8】
インプラントの圧縮を容易にするように構成された補強材をさらに含む、請求項1に記載のシース。
【請求項9】
前記補強材は、少なくとも1つの金属帯を含む、請求項8に記載のシース。
【請求項10】
前記シャフト部材の前記非外傷性遠位端部は、テーパ状の縁部を有する、請求項1に記載のシース。
【請求項11】
前記シャフト部材の前記非外傷性遠位端部は、前記シャフト部材を通して挿入された膀胱鏡でシールするように構成されている、請求項1に記載のシース。
【請求項12】
前記シースは、複数の内腔を含む、請求項1に記載のシース。
【請求項13】
少なくとも1つの内腔が、別の内腔内に制限されている、請求項12に記載のシース。
【請求項14】
少なくとも1つの内腔が、別の内腔に隣接する、請求項12に記載のシース。
【請求項15】
前記シャフト部材は、1.7mm~6.7mm(5F~20F)の範囲の内径と、2.7mm~8.7mm(8F~26F)の範囲の外径と、を有する、請求項1に記載のシース。
【請求項16】
前記インプラントは、患者の尿道への開存性を回復するように構成された拡張可能なプロファイルを有する前立腺インプラントである、請求項1に記載のシース。
【請求項17】
膀胱鏡と、身体の管腔内に配置するためのインプラントを含む送達カテーテルとを導入するためのシースであって、
それぞれが内径を有する2つ以上の内腔、非外傷性遠位端部、近位端部を有し、可撓性が変更された少なくとも1つのシャフト部材領域を有する、細長いシャフト部材と、
前記細長いシャフト部材の前記近位端部に固定されたハブと、
前記ハブ内の2つ以上の開口部と、を含み、前記開口部は、それぞれ、より大きな近位直径からテーパ状になっており、前記シャフト部材の1つの内腔を通して膀胱鏡を前進させ、前記シャフト部材の別の内腔を通して送達カテーテルを前進させるように構成されている、シース。
【請求項18】
前記ハブは、前記開口部を通して挿入された前記膀胱鏡とシールを形成するようにさらに構成されている、請求項17に記載のシース。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願〕
本出願は、2019年12月3日に出願された米国仮出願第62/943,112号の優先権を主張する。この出願の優先権は明示的に主張され、その開示は全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔本開示の分野〕
本開示は、中空の身体管腔を塞ぐ身体組織、例えば尿道を塞ぐ前立腺葉組織を管理または処置するための装置に関する。
【0003】
〔背景〕
前立腺はクルミの形をした腺で、尿が膀胱から排出される尿道を包んでおり、男性の生殖系において重要な役割を果たしている。この腺は最初は小さいが、男性の加齢と共に肥大する傾向がある。前立腺が過度に肥大すると、良性前立腺肥大症(BPH)として知られる疾患が生じる。良性前立腺肥大症(BPH)は、加齢男性に非常によくみられる、異常ではあるが非悪性(非がん性)の前立腺の成長を指す。BPHは慢性疾患であり、前立腺部尿道における尿流出路閉塞または管腔狭窄の発症と関連する。膀胱下尿道閉塞(BOO)とは、尿道への尿の流れを減少または停止させる、膀胱底部における閉塞を指し、BPHに続発することがある。性機能障害、頻尿、排尿困難、尿閉、尿漏れ、ならびに、前立腺の異常な成長が拡大し進行するにつれて悪化する尿路感染症および膀胱感染症を含む、下部尿路症状(LUTS)と総称される一連の関連する病気が、生じ得る。
【0004】
外科的手技は、前立腺組織のかなりの部分を除去することによりBPHを緩和する。いくつかの従来の外科的手技が利用可能であり、いずれも入院および何らかの形の脊椎麻酔、硬膜外麻酔、または全身麻酔を必要とする。経尿道的前立腺切除術(TURP)はBPHの主要な外科的処置であり、他の処置と比較されるゴールドスタンダードであり続けている。従来の外科的技術は、前立腺にアクセスするために外科医が行う切開の場所、および前立腺組織を除去する方法が異なる。例えば、一部の手術では、レーザーエネルギー、熱、または高周波を使用して前立腺から組織を除去する。これらには、レーザー核出術、光選択的前立腺レーザー蒸散術(photoselective vaporization)(PVP)、高周波エネルギーを用いた経尿道的針焼灼術(TUNA)、経尿道的マイクロ波温熱療法(TUMT)、および経尿道的前立腺切開術(TUIP)が含まれる。しかしながら、BPHの処置に対するこれらの従来の外科的アプローチは、侵襲性であり、非可逆性であり、数ヶ月間の一時的カテーテルの留置、感染のリスク、性機能の喪失、尿失禁、および再狭窄を含む重大な欠点を有し、前立腺における細胞の再発性肥大は、再成長して尿道開口部の狭窄の再発を引き起こし、上述したLUTS症状の再発も引き起こす。
【0005】
前立腺組織を除去すると一部のBPH症状が軽減されるが、従来の外科的アプローチによる組織除去は不可逆的であり、手術のいかなる副作用も患者を生涯苦しめたり、患者の生活の質に影響を与えたりする可能性がある。さらに、外科的アプローチは、手術自体による固有のリスク、除去された前立腺組織の再成長による再発のリスクと関連し、疾患の程度および個々の患者に必要な特定の外科的アプローチに応じて、3~6週間もの長い回復期間を必要とする場合がある。
【0006】
従来の手術の欠点が認識されているため、より侵襲性の低い治療法が開発されており、疾患の程度に応じて、生涯にわたる投薬または手術に代わるものとして患者および医師により選択され得る。これらの、より侵襲性の低い治療法は、全身麻酔下で行われる外科的手技を受ける意思がないか、またはそれを受けるのに医学的に適切でない患者に適している可能性がある。さらに、若年患者もまた、性機能を損なうことなく、侵襲性の低い可逆的な処置を希望し、後年、性機能に影響を及ぼす永続的な非可逆性処置を受けるという選択肢を残している。さらに、より侵襲性の低い治療法は、局所麻酔を用いた医院または診療所での処置を可能にするため、利点には、病院環境での全身麻酔下での処置と比較して、患者の快適さおよび健康管理システムの節約が含まれる。
【0007】
より侵襲性の低い技術には、肥大した前立腺組織を実際に除去する経尿道的方法が含まれ、これは、従来の手術よりも一般的に外傷性が少ないが、いずれも前立腺組織を破壊し、不可逆的である。前立腺組織の破壊を回避するために、尿道の直径を拡大するように設計された装置を前立腺部尿道内に植え込むことなどにより、前立腺から組織を実際に除去せずに前立腺部尿道の直径を拡大するように設計された他の治療手技が、開発されている。前立腺インプラントは、肥大した前立腺組織で狭窄した前立腺部尿道内に泌尿器科医が小さな装置を挿入する手技を伴う。このインプラントは、いったん正しい位置にくると、拡張し、組織葉を押し出すことによって尿道を開いたままにするのに役立つと共に、肥大した前立腺組織を尿道の全体的な衝突および開口(total impingement and opening of the urethra)から保護するように設計されている。理想的には、前立腺インプラントは、前立腺組織を外科的に除去する必要性を排除し、より侵襲性の低い外科的アプローチにも固有かつ伝統的である、感染、性機能障害、および失禁のリスクを低下させることが期待される。この手技はまた、インプラントが除去され得、かつ追加の外科的処置が将来実施され得るので、可逆的であるように設計され得る。
【0008】
したがって、前立腺部尿道を含む尿路を撮像し、BPHおよび関連する症状を診断するために現在使用されている可撓性膀胱鏡を使用するBPH/LUTSの医院ベースの処置は、前立腺部尿道内に植え込み可能なエキスパンダー装置を配置し、葉を機械的に後退させ、尿道管腔を増大させ、尿の通過を可能にすることを含む。エキスパンダーは、市販の膀胱鏡、シースおよび把持器、または泌尿器科手技で使用される他の回収ツールを使用して回収可能とすることができる。したがって、所与の持続時間にわたる植え込み後の任意の時点で前立腺部尿道からのインプラントの回収を補助するように構成された特徴を有するシースを提供することが望ましい。本開示の技術は、これらおよび他のニーズを満たす。
【0009】
〔概要〕
本開示は、身体の管腔内の配置場所からインプラントを回収するためのシースに関する。本開示は、身体の管腔内の配置場所からインプラントを回収するためのシースに関する。シースは、内径を有する少なくとも1つの内腔、非外傷性遠位端部、および近位端部を有する細長いシャフト部材を含むことができる。シャフト部材は、可撓性が変更された少なくとも1つの領域を有する。シャフト部材の遠位端部は、インプラントを縮小されたプロファイルに圧縮するように構成することができる。
【0010】
一態様では、ハブが、細長いシャフト部材の近位端部に固定され得、シャフト部材の少なくとも1つの内腔を通して膀胱鏡を前進させるように構成された、シャフト部材の内径よりも大きい近位直径からテーパ状になっている、ハブの開口部。
【0011】
一態様では、ハブは、シャフト部材の近位端部が圧縮によってハブに固定されるように互いに螺合する近位部分および遠位部分を有することができる。ハブの近位部分は、シャフト部材の近位端部のフレア部分と係合する円錐台状突起を有することができる。
【0012】
一態様では、ハブは、開口部を通して挿入された膀胱鏡とシールを形成するようにさらに構成されてもよい。
【0013】
一態様では、ハブは、開口部を通して挿入された膀胱鏡を解放可能に固定するようにさらに構成されてもよい。
【0014】
一態様では、可撓性が変更されたシャフト部材領域は、遠位端部に隣接していてもよく、シャフト部材の近位領域に比べて、低減されたデュロメータ値を有していてもよい。遠位端部に隣接するシャフト部材領域は、シャフト部材の近位領域とは異なる材料を有することができる。
【0015】
一態様では、遠位端部に隣接する、可撓性が変更されたシャフト部材領域は、シースを通して導入されたときに可撓性膀胱鏡の完全な関節運動を可能にするために、シャフト部材の近位および遠位領域に比べて、極めて可撓性であり得る。遠位端部に隣接する、可撓性が変更されたシャフト部材領域は、より低い厚さを有するか、または可撓性を高める特徴を含むことができる。例えば、近位端部および遠位端部を編組金属ワイヤで補強してもよく、かつ、遠位端部に隣接する領域を、金属編組で補強しないか、またはより低い密度の編組(もしくは低い編組角度)で補強して可撓性を向上させてもよい。他の特徴は、可撓性を向上させるために、遠位端部に隣接するシャフト部材領域内に直線状または螺旋状の溝をレーザエッチングすることを含むが、これらに限定されない。
【0016】
一態様では、シャフト部材は、インプラントの圧縮を容易にするように構成された補強材を有することができる。補強材は、少なくとも1つの金属帯であってよい。この補強材は、数ミリメートル、一般的には1~15mm、または、より好ましくは2~5mmの、非常に短い長さとすることができる。
【0017】
一態様では、シャフト部材の遠位端部は、テーパ状の縁部を有することができる。テーパ状の縁部は、内径に向かって内方に傾斜していてもよく、その結果、シースは、処置手技中に患者に外傷、損傷または組織損傷および最小の痛みを引き起こすことなく、尿道または他の身体管腔を通って前進する間、膀胱鏡の輪郭に従う。シースのテーパ状の縁部は、非外傷性先端部を提供するように、遠位端部と比較して柔らかくすることができる。
【0018】
一態様では、シャフト部材の遠位端部は、シャフト部材を通して挿入された膀胱鏡でシールするように構成されてもよい。
【0019】
一態様では、シースは複数の内腔を有し得る。少なくとも1つの内腔が別の内腔内に制限されていてもよく、または少なくとも1つの内腔が別の内腔に隣接していてもよい。
【0020】
一態様では、シャフト部材は、1.7mm~6.7mm(5F~20F)の範囲の内径と、2.7mm~8.7mm(8F~26F)の範囲の外径とを有する。
【0021】
一態様では、インプラントは、患者の尿道への開存性を回復するように構成された拡張可能なプロファイルを有する前立腺インプラントであってもよい。
【0022】
本開示は、身体の管腔内の配置場所からインプラントを回収するかまたは配置場所に配置するための方法も含む。シースが提供され得、シースは、内径を有する少なくとも1つの内腔、非外傷性遠位端部、および近位端部を有する細長いシャフト部材を含む。シャフト部材は、可撓性が変更された少なくとも1つのシャフト部材領域を有する。膀胱鏡が、シャフト部材の少なくとも1つの内腔を通して導入され得る。シースおよび膀胱鏡は、身体の管腔を通って前進され得る。インプラントは、シースとの相対移動を介して回収または解放され得る。
【0023】
一態様では、インプラントは、シースとの相対移動に抵抗して固定され得る。インプラントは、シース内で縮小されたプロファイルに圧縮され得る。したがって、その後、シース、膀胱鏡、および圧縮されたインプラントは、身体の管腔から引き抜かれ得る。
【0024】
一態様では、膀胱鏡は、シースおよび膀胱鏡を身体の管腔を通して前進させる前に、シースに解放可能に固定され得る。
【0025】
一態様では、インプラントの圧縮は、可視化によって確認することができる。
【0026】
一態様では、インプラントは、把持器によってシースとの相対移動に抵抗して固定されてもよい。
【0027】
本開示はまた、膀胱鏡と、身体の管腔内に配置するためのインプラントを含む送達カテーテルとを導入するためのシースを含む。シースは、それぞれが内径を有する2つ以上の内腔、非外傷性遠位端部、および近位端部を有する細長いシャフト部材と、細長いシャフト部材の近位端部に固定されたハブと、ハブ内の2つ以上の開口部と、を有することができ、これらの開口部は、それぞれ、より大きな近位直径からテーパ状になっており、シャフト部材の1つの内腔を通して膀胱鏡を前進させ、シャフト部材の別の内腔を通して送達カテーテルを前進させるように構成されている。
【0028】
さらに、本開示は、身体の管腔にインプラントを配置するための方法も含む。本方法は、細長いシャフト部材と、細長いシャフト部材の近位端部に固定されたハブと、それぞれがより大きな近位直径からテーパ状になる、ハブの少なくとも2つの開口部と、を含むシースを提供することを含み得る。膀胱鏡は、1つの開口部およびシャフト部材の少なくとも1つの内腔を通して導入され得る。インプラントを含む送達カテーテルは、送達カテーテルが可視化されるまで、シャフト部材の別の内腔を通して前進され得る。膀胱鏡は、シースとの相対移動に抵抗して固定することができる。インプラントは、身体管腔内の標的場所で解放され得る。シース、膀胱鏡および送達システムは、身体の管腔から引き抜かれ得る。
【0029】
さらなる特徴および利点は、添付図面に示されるような、本開示の好ましい実施形態の以下のより具体的な説明から明らかになるであろう。添付図面では、同様の参照符号は、一般に、図全体を通して同じ部品または要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】BPHに罹患している患者に典型的な生理学的構成における膀胱の下部と前立腺部尿道とを含む男性の解剖学的構造の断面図であり、一実施形態による、前立腺部尿道内に本開示の装置およびシステムを使用して配され得、膀胱頸部開口部と精丘との間で両側が前立腺組織に係合する、インプラントの配置を示す。
【
図2】一実施形態による、インプラント回収シースの側面図を概略的に示す。
【
図3】一実施形態による、インプラント回収シースの断面図を概略的に示す。
【
図4】一実施形態による、インプラント回収シースの遠位端部の詳細図を概略的に示す。
【
図5】一実施形態による、インプラント回収シースの複数内腔の実施形態の断面を概略的に示す。
【
図6】一実施形態による、インプラント回収シースの代替的な複数内腔の実施形態の断面を概略的に示す。
【
図7】一実施形態による、インプラントに係合するために膀胱鏡を通って前進する把持器を備えたシースを概略的に示す。
【0031】
〔詳細な説明〕
最初に、本開示は、具体的に例示された材料、アーキテクチャ、ルーチン、方法または構造に限定されず、したがって、変化し得ることを理解すべきである。したがって、本明細書に記載したものと類似するかまたは同等である、いくつかのこのようなオプションを、本開示の実施または実施形態において使用することができるが、好ましい材料および方法を本明細書に記載する。
【0032】
また、本明細書で使用される用語は、本開示の特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図していないことを理解すべきである。
【0033】
添付図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、本開示の例示的な実施形態の説明として意図されており、本開示を実施することができる唯一の例示的な実施形態を表すことを意図していない。この説明全体を通して使用される用語「例示的」は、「実施例、実例、または例証として役立つこと」を意味し、必ずしも他の例示的な実施形態よりも好ましいかまたは有利であると解釈されるべきではない。詳細な説明は、明細書の例示的な実施形態の完全な理解を提供する目的で、特定の詳細を含む。本明細書の例示的な実施形態が、これらの特定の詳細なしに実施され得ることは、当業者には明らかであろう。いくつかの実例において、周知の構造および装置は、本明細書に提示される例示的な実施形態の新規性を不明瞭にするのを避けるために、ブロック図の形態で示される。
【0034】
便宜上および明確にする目的のためにのみ、上部、底部、左、右、上、下、上方(over)、上方(above)、下方(below)、下方(beneath)、後方、後ろ、および前のような、方向を示す用語を、添付図面に関して使用することができる。これらおよび同様の方向を示す用語は、いかなる方法であっても開示の範囲を制限するものと解釈されてはならない。
【0035】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本開示が関係する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、内容に明確な異なる規定のない限り、複数の指示対象を含む。
【0036】
定義:用語「治療上有効な変位」または「治療上有効な後退」または「治療上有効な拡張」は、本明細書において交換可能に使用され、尿道管腔を増大させ、かつ下部尿路症状(LUTS)、膀胱下尿道閉塞(BOO)、良性前立腺閉塞(BPO)を含む、良性前立腺肥大症(BPH)または合併性の疾患もしくは状態の症状を処置、改善、または予防するのに十分な、尿道の限定された領域に近接した前立腺組織の変位量を指し、前立腺組織の変位は、検出可能な治療、予防、または阻害効果を示す。この効果は、例えば、臨床状態の改善、または症状の減少もしくは共存症の欠如によって検出することができる。臨床的尺度の例には、国際前立腺症状スコア(IPSS)の低下、緩和後の膀胱内の残尿(PVR)量の減少、または最大尿流率(Qmax)の増加、または生活の質(QoL)の改善、処置後の性健康(男性用性健康調査票すなわちSHIMスコア、男性の性健康アンケートすなわちMSHQスコア)の改善が含まれる。前立腺組織の変位の正確な距離または量は、被験者の体重、大きさ、および健康状態;肥大または罹患した前立腺状態の性質と程度、および患者内に配置するために選択したインプラントのサイズによって決まる。
【0037】
本明細書中で使用される場合、「BPHの処置を必要とする」患者は、前立腺の非悪性肥大、ならびにLUTS、尿流出路閉塞症状、および前立腺部尿道の管腔狭窄を含む関連障害によって引き起こされる肥大した前立腺組織の存在または結果として生じる症状の減少から利益を得る患者である。本明細書中で使用される場合、用語「インプラント」または「エキスパンダー」または「装置」は、前立腺部尿道内に植え込まれ、BPHに関連するかまたはBPHによって引き起こされたLUTSを緩和するプロテーゼ装置を指す。
【0038】
本明細書で使用される場合、インプラントの構造のアーム、ストラット、または他の延長部に関する用語「組織係合」は、尿道を圧迫する器官の葉の主要部分に沿って前立腺組織に係合し、組織が尿道の開存性にさらに影響を及ぼすのを制限する、インプラントの物理的構造の長さを指す。「組織後退」とは、インプラントの構造が、圧迫されるかまたは狭窄した尿道から組織を離すのに必要な力を及ぼす能力を指す。この必要な力は、インプラントの固有の構造によって、または、特に、インプラントが肥大前立腺組織と係合して必要な組織後退力を及ぼすように設計された所定の拡張構成を有する形状記憶または超弾性材料から製造される場合、圧縮構成から拡張構成へのインプラントの拡張によって、供給され得る。これらの定義内で接触する組織係合または組織後退構造特徴部の長さは、尿道を取り囲む前立腺の長さに沿って延びる小葉内溝から離れており、2つの側葉または側葉および中葉の長さに沿った組織の長さとの接触を必要とする。
【0039】
本明細書に記載される様々な構造の配向および解剖学に関連する表現に関して、用語「近位」および「遠位」は、本明細書に記載されるインプラントを配備するために本開示の送達システムを操作している泌尿器科医などの医療専門家の観点に関連する。したがって、泌尿器科医の手によって保持される送達システムの特徴部は、「近位」端部にあり、最初は圧縮構成にある、組み立てられたシステムおよびインプラントは、送達システムの「遠位」端部に位置する。
【0040】
図1を参照すると、男性の解剖学的構造の断面図は、尿道2を取り囲む前立腺1を示す。尿道2は、正常な状態では、外尿道括約筋の随意的な筋肉制御の下で身体から排出されるべき、膀胱3に貯蔵された尿からの流体連通を提供する。正常または「真の」前立腺組織4は、尿道2を取り囲み、疾患がない場合には、尿道2の開存性に影響を及ぼさない。良性前立腺肥大症(BPH)を患っている患者では、尿道2は、肥大性組織、すなわち尿道2に向かって過剰な成長を示す前立腺組織4によって狭窄する。この過剰な非癌性細胞成長は、下部尿路症状(LUTS)および尿流出路閉塞、および尿失禁を含む、上述のBPHの症状をもたらす。
図1において、本開示の装置およびシステムを用いて送達されるインプラント5は、尿道2の開存性を回復するために、かつ膀胱3からの尿流が妨げられないように、インプラント5の長さに沿って前立腺組織4と係合して図示されている。図示のように、膀胱頸部開口部6と精丘7との間の標的部位にインプラント5を選択的に配置することは、インプラント5が周囲組織を穿刺、穿孔、または切開しないようにするための重要な特性である。インプラント5は、前立腺部尿道2内の正しい位置に留まるように設計されている。インプラント5は、インプラント5の構造材料が常に尿に曝されることから外被を形成されるかまたは別様に劣化して、合併症を引き起こし、回収がさらに困難になる可能性がある、膀胱3内には延びず、インプラント5は、外尿道括約筋の随意的な制御を妨げたり、性機能を妨げたりしない。
【0041】
本開示の技術によるインプラント5は、尿道2に近接する肥大した前立腺組織4に対して力を及ぼす複数の組織係合構造体を有する。以下に説明するように、複数の組織係合構造体の数は、2個、4個、または4個を超える組織係合延長部、例えばストラットもしくはアームとすることができる。3つの延長部の使用は、3つの延長部が前立腺4の小葉内溝内にそれぞれ嵌合するように配向される場合には、回避される。したがって、インプラント5が2つの側葉と1つの中葉との間の組織接触の長さによって形成される3つの小葉内溝の外側に配向されることを確実にするために、構造体が非対称に配向される限り、任意の複数の組織係合構造体が可能である。3つの組織係合構造体を使用する実施形態は、尿道の解剖学的構造が両側葉からなり、第3葉が尿道狭窄に関与しない場合に、解剖学的構造を処置するために使用され得る。
【0042】
インプラント5は、形状記憶材料、合金、バネ材料、ならびにニチノール(ニッケル-チタン合金)、ニチノール系合金、コバルトクロム合金、バネ鋼、およびバネステンレス鋼(spring stainless steels)を含む超弾性材料から製造することができる。他の既知の形状記憶材料としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ならびに、形状記憶および生体吸収性ポリマーおよび金属(ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびそれらのコポリマー;マグネシウム合金)が挙げられる。上記材料は、外被形成、腐食および結石形成を防止するために薄膜コーティングでコーティングされてもよい。コーティングは、アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素およびジルコニアのようなセラミック材料、ならびに尿に対して不活性であり、外被形成、結石形成を防止し、化学的または尿環境においてインプラントを形成する材料の劣化を防止する、他のセラミックコーティングを含むことができる。コーティングはまた、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パリレン、銀および他の抗菌コーティング、シリコーン誘導体、および当業者によって認識される他の類似材料のようなポリマーであってもよい。
【0043】
インプラント5はまた、肥大および組織増殖を減少させるために薬物溶出インプラントとして知られている方法で前立腺部尿道2に植え込んだ後で薬物を徐放させるために、インプラント5の表面に接着された治療用コーティングを含んでもよい。コーティングは、再狭窄を防止するために使用されるシロリムス、ノボリムス(novolimus)、エベロリムス、バイオリムス、ゾタロリムス、パクリタキセルおよびその他を含む、薬学的に活性な抗炎症剤および抗増殖剤を含有する。
【0044】
インプラント5はまた、BPH症状を処置するための薬物でコーティングされ得る。そのような実施形態は、平滑筋細胞を弛緩させ、身体の他の部分で循環する薬物からの副作用を被ることなく組織増殖および前立腺4の大きさを減少させるように、有効性を高めるために、尿道2の罹患した前立腺領域において高い局所的に高い組織用量を使用する利点を有する。潜在的な薬物候補としては、アルフゾシン、ドキサゾシン、タムスロシン、テラゾシンおよびシロドシンのようなαアドレナリン遮断薬が挙げられる。他の薬物候補には、デュタステリドおよびフィナステリドのような5-α-レダクターゼ阻害剤、ならびに抗コリン薬が含まれる。他の薬物候補は、オキシブチニン、フェソテロジン、ダリフェナシン、酒石酸トルテロジン、トルテロジン、ソリフェナシンのような抗コリン薬である。α遮断薬+5-αレダクターゼ阻害剤またはα遮断薬+抗コリン薬を含む薬物の組み合わせを、表面上にコーティングすることもできる。さらに、フルオロキノロン系(例えばシプロフロキサシン)マクロライド系、テトラサイクリン系、およびトリメトプリムなどの抗感染薬または抗菌薬または抗生物質。
【0045】
典型的には、薬物を溶媒およびポリマーと混合して溶液とし、インプラント5の外側表面にスプレーコーティングして所望の薬物放出特性を達成する。製造プロセスは、冠動脈疾患の処置に用いられる薬物溶出ステントに用いられるものと同様である。多くの場合、コーティングは、前立腺部尿道2の尿道組織内へのより効果的な薬物放出および堆積を確実にし、尿流出中のウォッシュアウトを最小限にするために、反管腔側にあってよい。また、薬物は、薬物を充填するためにインプラント5の外側表面上のマイクロリザーバまたはマイクロデポ内に堆積され、尿道組織内に薬物を制御可能に溶出させるためにポリマーコーティングによって被覆され得る。薬物を充填するために使用される典型的なポリマーは、ポリ乳酸(PLA)、ポリ-L-乳酸(PLLA)ポリグリコール酸(PGA)およびそれらのコポリマー;ポリウレタン;ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)またはポリ(n-ブチルメタクリレート)(PBMA);ならびに、それらの組み合わせである。他のポリマーおよび溶媒が、当業者によって使用されて、十分な薬物を充填し、インプラント表面とのコーティング完全性を維持することができる。所望の薬物充填および徐放特性を達成するために、複数層のコーティングを使用してもよい。
【0046】
尿道2の開存性を回復するためのインプラント5は、
図2に示す回収シース10など、本開示の技術に従ってシース10、把持器および膀胱鏡(図示せず)を用いることによって、植え込み後に除去することができる。この例示的な実施形態では、シース10は、近位端部16におけるハブ14および遠位端部18を有する細長い管状シャフト部材12を含む。回収の間、シース10とインプラント5(この図には示されていない)との間の相対移動によって、インプラント5はシース10の内側で圧縮され、患者から除去されることが可能となる。理解されるように、相対移動は、インプラント5が把持器によって相対的に静止して保持されている間のシース10の遠位移動、シース10が相対的に静止して保持されている間に把持器によって引っ張られているインプラント5の近位移動、またはこれらの移動のいくつかの組み合わせによって生じ得る。
【0047】
この実施形態の説明をさらに助けるために、
図3は、ハブ14および近位シャフト端部16の詳細を示す断面図である。図示されているように、ハブ14は、シャフト部材12の内径に対応する比較的小さい遠位直径へとテーパ状になる、比較的大きな近位直径を有する傾斜した開口部20を特徴としている。理解されるように、開口部20の比較的大きな近位直径は、シャフト部材12の内腔22を通して前進され得る膀胱鏡の挿入を容易にする。ハブ14は、円錐台状近位部分24を特徴とし、これは、ねじ山によって遠位部分26と係合され、これらは、シャフト12の近位端部16のフレア状端部を円錐台状近位部分24に対して協働して圧縮して、シール接続部を形成する。必要に応じて、接着剤または他の同様の技術をさらに使用して、シャフト12とハブ14との間の接着を増強することができる。
【0048】
さらに、
図4は、シャフト12の遠位端部18の詳細図を概略的に示す。インプラント5の回収を容易にするために、遠位端部18は、インプラント5が把持器を用いてその中に引き込まれている間に、インプラント5をつぶすのに十分なカラム強度を有するように構成される。さらに、遠位端部18は、解剖学的外傷を低減または最小化しながら、内腔22を通って前進する可撓性膀胱鏡の操縦性および/または関節運動を可能にするように構成される。これを可能にするために、シース10は、以下の特徴の1つ、全て、または組み合わせを含むように設計され得る。遠位先端部18は、主要なシャフト12とは異なるデュロメータのポリマー材料を利用することができる。遠位端部18は、1つ以上の金属リング24で補強されて(当業者であれば、編組、コイル、および他の構成もまた、所望の補強を提供するために使用され得ることを理解するであろう)、半径方向の拡張に対する追加の抵抗および/またはカラム強度を提供することができ、それによって、シース10に引き込まれたときにインプラント5がつぶれるのを助ける。このような実施形態では、金属リング24は、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、コバルト-クロム合金、または医療装置で一般的に使用される他の生体適合性金属および合金のような、より強くより硬い(高弾性率)材料で作られてもよい。さらに、遠位端部18は、金属補強材によって支持されていない領域26を特徴とすることができる。中間領域26は、変更された可撓性を有し、遠位端部18および近位端部12と比較してより大きな可撓性を示すために、(医療装置に一般的に使用される医療用ポリマーもしくは押出品のような)異なる(より柔らかい、低モジュラス)材料、または低デュロメータを有する材料を使用して製造され得る。領域26はまた、シース10の残りの部分と比較して、より低い壁厚を有してもよい。また、シースの構造的完全性を損なうことなく、直線状または螺旋状の溝など、可撓性を高める他の特徴を含んでもよい。領域26におけるこのような極端な可撓性は、シース10を通して挿入された場合の、可撓性膀胱鏡の関節運動、操縦性または移動の範囲を有意に制限しない。より柔らかい領域は、長さが1~50mm、例えば、2.5~7.5mmであってもよい。さらに、遠位端部18は、テーパ状の縁部28を有する先端部を有してもよく、これにより、内側内腔22を通って前進する膀胱鏡とシャフト部材12の外径との間の移行がより滑らかになる。テーパ状の縁部28は内側にテーパ状になっていてよく、シース先端部は、シースを、シース10内の膀胱鏡と共に、曲がりくねった(または非線形の)尿道管腔(または他の身体管腔)内に前進させる間に外側に屈曲せず、かつ組織に外傷および損傷を引き起こさない。加えて、このような構成は、シース10および膀胱鏡が局所麻酔下で前立腺部尿道2を通って前進するときの痛みを最小にし、全身麻酔を必要とせずに医院または診療所での処置を容易にする。他の実施形態では、縁部はまた、身体管腔内の前進中に組織への外傷または損傷を防ぐために丸みを帯びていてもよい。さらに、遠位端部12は、膀胱鏡が内腔22を通って前進するときに、膀胱鏡を覆ってシールするように構成することができる。これを達成するために、遠位端部18の少なくとも一部は、シャフト部材12の残りの部分と同じ材料から、または必要に応じて、ポリウレタン、シリコーンなどを含むがこれらに限定されない、より弾性のある材料で、形成され得る。
【0049】
ハブ14のオプションの態様は、内腔22を通って前進する膀胱鏡とシース10との間にシールを形成して体液の逆流を減少させるのを容易にするために、シリコーン、ゴム、または他のエラストマー材料30(
図3)を含むことである。シールは、完全なシールを可能にするために追加のユーザ入力またはステップを必要としてもしなくてもよい。一実施形態では、シールは、膀胱鏡の挿入がシース10と膀胱鏡との間にシールを自動的に形成するように、成形されかつ小型化される。別の実施形態では、ハブ14は、膀胱鏡上でシールを手動で閉じるために、回転されるか、押されるか、または相互作用され得る。このような実施形態では、シールはまた、エキスパンダー装置の回収中に、膀胱鏡に対するシース10の位置を固定する。これは、シース10の前進、把持器の前進およびインプラント5の把持中に、可撓性膀胱鏡の操縦性に影響を与えることなく、システムとしての(相対的な滑りなし)膀胱鏡およびシース10の前進を容易にする。一旦インプラント5がしっかりと保持されると、ハブ14は、緩められて、インプラント5上のシャフト部材12の相対的な前進を可能にして、インプラント5をシャフト部材12の内腔22内につぶすことができる。一旦インプラント5がシャフト部材12の内側にくると、ハブ14は、再び締められて、シャフト部材12を、挿入された膀胱鏡に確実に取り付けることができる。システムは、シース10と膀胱鏡との間の相対運動なしに、膀胱鏡と尿道2の壁を損傷することなく、容易に回収することができる。
【0050】
シャフト部材12およびハブ14は、解剖学的特徴を可視化し、処置を補助するために、膀胱鏡または他の内視鏡器具の挿入を可能にするように構成された開口部を有する。シャフト部材12(
図4に概略的に示す)の内径は、異なる直径を有する器具の通過を可能にするために、1.7~7.3mm(5~22Fr)の範囲、または、より好ましくは2.7~6.0mm(8~18F)の範囲とすることができる。外径シャフト部材12(やはり
図4に概略的に示される)は、解剖学的通路への外傷を最小限にするために可能な限り小さく、かつ器具の前進を可能にするために十分強くなるように設計され、1.7~8.3mm(5~25Fr)、または、より好ましくは3.0~7.0mm(9~21F)の範囲であり得る。非限定的な一例として、シース10は、6.7mm(20F)の内径、8.0mm(24F)の外径を有することができる。シース10の全長は、患者の尿道2を通って前立腺4内のインプラント5の場所に達するのに十分であり、例えば約32cmとすることができる。全長は、患者の解剖学的構造および処置手技中に使用される異なる膀胱鏡の長さに応じて、20~50cmの範囲であり得る。同様に、ハブ14は、解剖学的特徴を可視化し、処置を補助するために、膀胱鏡または他の内視鏡器具の挿入を可能にするために開口部20を有する。ハブ14の内径は、異なる直径を有する器具の通過を可能にするために、1.7~7.3mm(5~22Fr)、または、より好ましくは2.7~6.0mm(8~18F)の範囲であり得る。ハブ14の外径は、ユーザにとって人間工学的であるように設計されており、2~50mm、または、より好ましくは10~20mmの範囲であり得る。
【0051】
シャフト部材12は、望ましくは、薄く、可撓性であり、柔らかく、しかも、よじれなく前進するのを容易にするために十分に強い。一実施形態では、シャフト部材12は、強化ポリマー押出品から形成される。例えば、ポリマー押出品は、PEBA(ポリエーテルブロックアミド)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のような材料で作ることができる。押出品はまた、異なるポリマーまたは同じポリマーを使用するが異なる硬度を有する多層構造であってもよい。補強材は、ステンレス鋼、ニチノール等のような金属、またはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ナイロン等のようなポリマーであってもよい。補強材は、コイルまたは編組パターンで配置されてもよく、必ずしもシース10の全長にわたって延びていなくてもよい。あるいは、シャフト部材12は、押し出しポリマーのみから構成されてもよい。シース10はまた、摩擦を低減することによって膀胱鏡または他の器具の前進を容易にするのを助けるために、内径に沿ったライナー32(
図4)を特徴とすることができる。ライナーは、PTFE、ナイロン、または摩擦係数の低い他の材料で作ることができる。シース10はまた、外径上を追加の潤滑性または親水性材料でコーティングされて、尿路を通る前進を容易にするのを助けることができる。シース10の適切な壁厚は0.0254~0.635mm(0.001~0.025インチ)、または、より好ましくは0.0762~0.381mm(0.003~0.015インチ)である。上述したように、ハブ14は、膀胱鏡または他の器具の導入を容易にするための傾斜した開口部20を提供し、また、インプラント5の回収中にユーザがシース10を保持および操作するためのハンドルとして機能する。ハブ14は、ポリカーボネートプラスチック、またはほとんどの熱可塑性ポリマーもしくは金属を含む他の適切な材料から構成することができる。
【0052】
他の実施形態において、本開示の技術によるシース10は、複数の内腔を有するシャフト12を使用することができる。一例は、2つの隣接する内腔34および36を有するシャフト部材12を示す
図5の断面に概略的に示される。内腔34および36の内径は、膀胱鏡および他の補助装置を収容するために示されているように異なる内径を有してもよく、または代替的な実施形態では同じ直径を有してもよい。複数内腔のシース10の別の例が
図6に概略的に示されており、これは、第1の内腔38と、内側管状部材42によって第1の内腔38内に画定された第2の内腔40と、を有するシャフト部材12を示している。シャフト部材12および内側管状部材42は、それぞれの円周の共通部分を共有することができ、第2の内腔40は、図示のように三日月形状の構成を有する、第1の内腔38内に制限される。あるいは、内側管状部材42をシャフト部材12内に同軸に配置して、同心の内腔を形成してもよい。理解されるように、これらの代替的な実施形態のいずれにおいても、複数の内腔の形状および寸法は、シャフト部材12の全体の断面積の制約内でそれぞれの内側寸法を最適化し、それらを異なる膀胱鏡または他の器具のプロファイルに合わせて調整するように構成することができる。シャフト部材12は、2つ以上の内腔を有する多内腔押出品から作られてもよい。別々の内腔は、膀胱鏡、把持器および他の器具の前進、または内腔を通した灌注を可能にする。そのような実施形態は、装置の導入および処置中の患者の不快感および外傷を最小限にするために、外径またはプロファイルが縮小されていることを特徴とする。
【0053】
当業者には理解されるように、
図5および
図6に記載される複数の内腔を有するシースは、医療処置の間に異なるタイプの膀胱鏡(使い捨ておよび/もしくは再利用可能なデジタルビデオ膀胱鏡および/もしくは、可撓性および剛性のファイバースコープ)ならびに他の補助装置または器具(可撓性および剛性の把持器)の導入に対応するために、複数の内腔、サイズ(長さおよび直径)および形状を有する異なるハブも必要とする。
【0054】
さらに、このようなシース10は、インプラント5の回収のためだけでなく、膀胱鏡を用いたインプラント5の配置のためにも使用され得る。例えば、内腔の1つを使用して膀胱鏡を導入することができ、別の内腔を使用してインプラント5と共に送達カテーテルを導入して標的場所で展開することができる。シース10の長さ、内腔の数および内腔のサイズは、医療処置に使用される特定の器具に合わせて最適化され得る。典型的には、1.7mm~6.0mm(5F~18F)外径の膀胱鏡を導入するための内腔34の内径は、2.0mm~6.7mm(6F~20F)の範囲であり、1.7mm~4.0mm(5F~12F)外径の送達カテーテルを導入するための内腔36の内径は、2.0mm~4.7mm(6F~14F)の範囲である。シース10の典型的な長さは、医療処置中に使用される膀胱鏡のタイプに応じて、20~50cmの範囲である。同様に、内腔38および40は、外傷および損傷を最小限にするために、最も低いプロファイルのシース10を使用して種々の医療器具を身体管腔に導入するように設計および最適化されてもよい。所望の特性を達成するために、シース10の近位部分、中央部分、および遠位部分、ならびにハブ14について、異なる材料(強度および弾性率もしくはデュロメータが異なる;編組ワイヤで補強されているか、もしくは補強されていない)、寸法(厚さ)を選択することもできる。いくつかの実施形態において、ハブ14は、生理食塩水灌注のための灌注ポートを組み込んで、医療処置中の撮像を容易にすることができる。
【0055】
BPH/LUTSと診断された対象は、前立腺部尿道2内の管腔閉塞葉を開放するためにインプラント5を用いて処置され得る。インプラント5は、30日から数(1~5)3年までの所定の期間にわたり、膀胱頸部6と精丘7との間に配置される。所望のときはいつでも、インプラント5は、本開示の技術に従って回収シースを用いて回収され得る。1つの例示的なルーチンは、可撓性膀胱鏡をハブ14の傾斜した開口部20を通してシース10に挿入し、シース10が可撓性膀胱鏡の関節運動を妨げないようにすることを含む。特に、可撓性膀胱鏡は、膀胱鏡が遠位端部18を出るまで、シース10のハブ14およびシャフト部材12を通って前進されてもよい。一実施形態では、膀胱鏡先端部の遠位端部は、膀胱鏡の操縦性を確認しながら、シース10の遠位端部18における先端部を約2~5cm越えているべきである。膀胱鏡をシールするか、または膀胱鏡に取り付けるハブ14を特徴とする実施形態では、適切な操作を行って、膀胱鏡とシース10を一緒に固定することができる。次に、膀胱鏡およびシース10は、インプラント5(または他の標的装置)が見えるまで、システムとして、インプラント5の場所まで患者の尿道2に挿入される。
図7に概略的に示されるように、把持器8は、膀胱鏡9の作業チャネルを通して挿入され、インプラント5を正しい位置に保持または固定するように操作される。一旦インプラント5がしっかりと把持されると、回収シース10が膀胱鏡9上で前方(遠位)に前進され、膀胱鏡9の直接可視化の下で、インプラント5がシース10内に引き込まれるときに、徐々に、インプラント5を遠位端部18において小さなプロファイルへとつぶす。上述したように、把持部8はまた、把持部8と膀胱鏡9とを同時に後退させることなどにより、インプラント5をシース10内で近位に引っ張るために使用することができ、または、必要な相対運動が生じるように、これらの動きの組み合わせを使用してもよい。インプラント5は、シース10がその上で押されるかまたは前進されるとき、より低いプロファイルへと圧縮されるかまたはつぶれる。インプラント5がシース10内で十分に圧縮されていることの視覚的確認は、インプラント5の遠位縁部が膀胱鏡9によってかろうじて見えるだけである場合に得ることができる。一旦インプラント5がシース10の内側にくると、回収シース10、膀胱鏡9および把持器8が同時に尿路から除去される。
【0056】
対応して、これらの技術によるシースは、インプラント5の配置後の任意の時点で、例えば、植え込みの直後または任意の所与の持続時間の後に、使用され得ることが、上記の開示から理解されるであろう。さらに詳細に説明するように、本開示は、以下の特性のいずれかまたはすべてを含む複数の性能要件を満たすシース10を記載する。シース10は、泌尿器系を通るシース10の前進および後退の間、尿道2および身体内の周囲の解剖学的構造に対して非外傷性であり得る。シース10は、腹腔鏡鉗子などの市販の把持器8を用いて、市販の可撓性膀胱鏡9の直接可視化の下、インプラント5の回収を容易にすることができる。シース10の先端部は、インプラント5がシース10内で引っ張られるときに、ねじれを生じることなく、インプラント5をより小さなプロファイルにつぶすために、半径方向の拡張およびカラム強度に関して十分に強くてよい。シース10は、インプラント5がシース10内に配置された後に、インプラント5を6.0mm(18F)未満などの拘束された(低プロファイルまたは小径に圧縮された)構成に保持することができる。シース10は、使用中に引き起こす痛みまたは出血を最小にし、患者に対する不快感を最小にするように構成される。シース10は、前立腺部尿道2および膀胱3を含む標的部位に到達するのに十分な長さを有するように構成される。シース10は、全ての商業的に使用される可撓性膀胱鏡の長さ、例えば約40~60cmに適合するように構成される。シース10は、陰茎から膀胱3まで尿道2の曲がりくねった部分を容易に通り抜けるのに十分に柔らかく可撓性であるように構成される。シース10は、遠位端部における膀胱鏡の操作性を著しく妨げないように十分に可撓性であるように構成され、前進および展開中に解剖学的特徴および目印(外括約筋、精丘、膀胱頸部および膀胱)を可視化することができる。シース10は、前進中およびインプラント5がシース10内で圧縮された後に、シース10を膀胱鏡9上に固定/ロックするように構成することもできる。シース10はまた、補助者を必要とせずにインプラント5を回収するために、可撓性膀胱鏡9および把持器8を使用して、1人のオペレータによる使用を可能にするように構成されてもよい。
【0057】
注目すべきことに、従来利用可能な装置は、前立腺インプラントを回収するために可撓性膀胱鏡と共に上記の方法で使用されるように構成されていない。直径がより小さい既存のシースは、5.7mm(17F)の膀胱鏡を収容することができない一方、より大きいシースは硬く、曲がりくねった前立腺部尿道を通って前進する際に尿道を損傷し、患者の不快感および痛みを引き起こす可能性がある。さらに、従来のシースは、典型的には非常に堅い弁を有し、これは、医療グレードの潤滑剤の使用にもかかわらず、シースを通したスコープの挿入、あるいは、膀胱鏡上でのシースの前進を非常に困難にする。
【0058】
上記に開示された例示的な実施形態は、単に、本開示の様々な有用性を例示することを意図しているにすぎない。本開示の機能要素および特徴部の多数の改変、変形、および組み合わせが、上記の教示に照らして可能であり、したがって、添付の特許請求の範囲内で、本開示が、特に開示された以外にも実施することができ、本開示の原理が、適切な改変によって他の出願に容易に拡張され得ることが理解される。
【0059】
すべての特許および刊行物は、個々の各刊行物が、参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示された場合と同じ程度に、参考のために本明細書に組み込まれる。本開示は、好ましい実施形態およびオプションの特徴部によって具体的に開示されてきたが、本明細書に開示された概念の改変および変形が、当業者によってなされてもよく、そのような改変および変形は、本開示の範囲内にあると考えられることを理解されたい。
【0060】
〔実施の態様〕
(1) 身体の管腔内の配置場所からインプラントを回収するか、または前記配置場所に前記インプラントを配置するためのシースであって、
内径を有する少なくとも1つの内腔、非外傷性遠位端部、および近位端部、を有し、可撓性が変更された少なくとも1つのシャフト部材領域を有する、細長いシャフト部材を含み、前記非外傷性遠位端部は、前記近位端部の反対側に位置付けられ、前記非外傷性遠位端部は、前記インプラントを縮小されたプロファイルに圧縮するように構成されている、シース。
(2) 前記細長いシャフト部材の前記近位端部に固定されたハブと、前記シャフト部材の前記少なくとも1つの内腔を通して膀胱鏡を前進させるように構成された、前記シャフト部材の前記内径より大きい近位直径からテーパ状になっている、前記ハブの開口部と、をさらに含む、実施態様1に記載のシース。
(3) 前記ハブは、前記シャフト部材の前記近位端部のフレア部分と係合する円錐台状突起を有する近位部分と、遠位部分と、を含み、これらは、前記シャフト部材の前記近位端部が圧縮によって前記ハブに固定されるように互いに螺合する、実施態様2に記載のシース。
(4) 前記ハブは、前記開口部を通して挿入された膀胱鏡とシールを形成するようにさらに構成されている、実施態様2に記載のシース。
(5) 前記ハブは、前記開口部を通して挿入された膀胱鏡を解放可能に固定するようにさらに構成されている、実施態様2に記載のシース。
【0061】
(6) 可撓性が変更された前記シャフト部材領域は、前記非外傷性遠位端部に隣接しており、前記シャフト部材の近位領域に比べて、低減されたデュロメータ値を有する、実施態様1に記載のシース。
(7) 前記非外傷性遠位端部に隣接する前記シャフト部材領域は、前記シャフト部材の前記近位領域とは異なる材料を含む、実施態様6に記載のシース。
(8) インプラントの圧縮を容易にするように構成された補強材をさらに含む、実施態様1に記載のシース。
(9) 前記補強材は、少なくとも1つの金属帯を含む、実施態様8に記載のシース。
(10) 前記シャフト部材の前記非外傷性遠位端部は、テーパ状の縁部を有する、実施態様1に記載のシース。
【0062】
(11) 前記シャフト部材の前記非外傷性遠位端部は、前記シャフト部材を通して挿入された膀胱鏡でシールするように構成されている、実施態様1に記載のシース。
(12) 前記シースは、複数の内腔を含む、実施態様1に記載のシース。
(13) 少なくとも1つの内腔が、別の内腔内に制限され(circumscribed)ている、実施態様12に記載のシース。
(14) 少なくとも1つの内腔が、別の内腔に隣接する、実施態様12に記載のシース。
(15) 前記シャフト部材は、1.7mm~6.7mm(5F~20F)の範囲の内径と、2.7mm~8.7mm(8F~26F)の範囲の外径と、を有する、実施態様1に記載のシース。
【0063】
(16) 前記インプラントは、患者の尿道への開存性を回復するように構成された拡張可能なプロファイルを有する前立腺インプラントである、実施態様1に記載のシース。
(17) 身体の管腔内の配置場所からインプラントを回収するか、または前記配置場所に前記インプラントを配置するための方法であって、
可撓性が変更された少なくとも1つのシャフト部材領域および非外傷性遠位端部を有する細長いシャフト部材を含むシースを提供することと、
前記シャフト部材の少なくとも1つの内腔を通して膀胱鏡を導入することと、
前記身体の前記管腔を通して前記シースおよび前記膀胱鏡を前進させることと、
前記シースとの相対移動を介して前記インプラントを回収または解放することと、を含む、方法。
(18) 前記インプラントを回収するステップは、前記シースとの相対移動に抵抗して前記インプラントを固定することと、前記インプラントを前記シース内で縮小されたプロファイルに圧縮することと、前記シース、膀胱鏡検査、および前記圧縮されたインプラントを前記身体の前記管腔から引き抜くことと、を含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記身体の前記管腔を通して前記シースおよび前記膀胱鏡を前進させる前に、前記膀胱鏡を前記シースに解放可能に固定することをさらに含む、実施態様17に記載の方法。
(20) 可視化によって前記インプラントの圧縮を確認することをさらに含む、実施態様18に記載の方法。
【0064】
(21) 前記インプラントは、把持器によって前記シースとの相対移動に抵抗して固定される、実施態様18に記載の方法。
(22) 膀胱鏡と、身体の管腔内に配置するためのインプラントを含む送達カテーテルとを導入するためのシースであって、
それぞれが内径を有する2つ以上の内腔、非外傷性遠位端部、近位端部を有し、可撓性が変更された少なくとも1つのシャフト部材領域を有する、細長いシャフト部材と、
前記細長いシャフト部材の前記近位端部に固定されたハブと、
前記ハブ内の2つ以上の開口部と、を含み、前記開口部は、それぞれ、より大きな近位直径からテーパ状になっており、前記シャフト部材の1つの内腔を通して膀胱鏡を前進させ、前記シャフト部材の別の内腔を通して送達カテーテルを前進させるように構成されている、シース。
(23) 前記ハブは、前記開口部を通して挿入された前記膀胱鏡とシールを形成するようにさらに構成されている、実施態様22に記載のシース。
(24) 身体の管腔にインプラントを配置するための方法であって、
可撓性が変更された少なくとも1つのシャフト部材領域および非外傷性遠位端部を有する細長いシャフト部材と、前記細長いシャフト部材の近位端部に固定されたハブと、それぞれがより大きな近位直径からテーパ状になる、前記ハブの少なくとも2つの開口部と、を含むシースを提供することと、
1つの開口部および前記シャフト部材の少なくとも1つの内腔を通して膀胱鏡を導入することと、
インプラントを含む送達カテーテルが可視化されるまで、前記シャフト部材の別の内腔を通して前記送達カテーテルを前進させることと、
前記シースとの相対移動に抵抗して前記膀胱鏡を固定することと、
前記身体管腔内の標的場所で前記インプラントを解放することと、
前記シース、前記膀胱鏡、前記送達カテーテルを前記身体の前記管腔から引き抜くことと、を含む、方法。
【国際調査報告】