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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-03
(54)【発明の名称】穿刺装置及び侵入深さ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/46 20060101AFI20230127BHJP
【FI】
A61M5/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533390
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(85)【翻訳文提出日】2022-08-01
(86)【国際出願番号】 US2020063194
(87)【国際公開番号】W WO2021113565
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】62/944,232
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516088662
【氏名又は名称】フォリカ,インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Follica, Inc.
【住所又は居所原語表記】501 Boylston Street, Boston, MA 02116, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】デビッド チャステイン
(72)【発明者】
【氏名】ラジャン パテル
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン ベンカット バラディワジ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA10
4C066BB01
4C066FF04
4C066KK02
4C066KK04
4C066KK05
(57)【要約】
穿刺装置は、針アレイを形成する複数の針及び該針アレイを駆動するためのモータ組立体を備え、該複数の針のそれぞれは、一端に針先を備え、且つ他端の最大針径までテーパ長さに沿ってあるテーパ角度でテーパであり、使用時に、該穿刺装置の皮膚基準面が対象の皮膚に接触する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
針アレイを形成する複数の針;及び
該針アレイを駆動するためのモータ組立体を備え、
該複数の針のそれぞれが、一端に針先を備え、且つ他端の最大針径までテーパ長さに沿ってあるテーパ角度でテーパであり、且つ
該最大針径が、約0.20mm~約0.24mmの範囲である、穿刺装置。
【請求項2】
前記テーパ長さが、約1mm~約2mmの範囲である、請求項1記載の穿刺装置。
【請求項3】
前記テーパ角度が、約5度~約15度の範囲である、請求項1又は2記載の穿刺装置。
【請求項4】
前記針先が、約0.015mm~約0.025mmの範囲の先端半径を有する、請求項1~3のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項5】
使用時に、前記穿刺装置の皮膚基準面が、対象の皮膚に接触し、且つ該皮膚基準面が、約45mm2~約105mm2の範囲の表面積を有する、請求項1~4のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項6】
使用時に、前記穿刺装置の皮膚基準面が、対象の皮膚に接触し、前記針アレイの複数の針の各針と該皮膚基準面との間の平均距離が、約0.10mm~約2.5mmの範囲である、請求項1~5のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項7】
前記針アレイの複数の針の各針と前記皮膚基準面との間の距離が、すべての針で同じである、請求項6記載の穿刺装置。
【請求項8】
前記針アレイの複数の針の1つと前記皮膚基準面との間の第1の距離が、該針アレイの複数の針の別の針と該皮膚基準面との間の第2の距離とは異なる、請求項6記載の穿刺装置。
【請求項9】
前記モータ組立体が、モータリンク機構を含み、該モータリンク機構が、約0.5グラム~約35グラムの範囲の総質量及び約1.5mm~約3.5mmの範囲の回転半径を有する回転要素、及び、約1.5グラム~約3.5グラムの範囲の総質量を有する線形要素を備える、請求項1~8のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項10】
前記複数の針の対象の皮膚への実際の侵入深さが、前記穿刺装置の深さ設定を超えない、請求項1~9のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項11】
前記複数の針の実際の侵入深さの平均値が、前記穿刺装置の0.5mmの深さ設定に対しては少なくとも0.2mmであり、該穿刺装置の1.5mmの深さ設定に対しては少なくとも0. 6mmであり、且つ該穿刺装置の2.0mmの深さ設定に対しては少なくとも0.75mmである、請求項1~10のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項12】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも45%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項1~11のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項13】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも35%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項1~12のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項14】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも25%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項1~13のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項15】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも15%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項1~14のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項16】
前記針アレイを含むシース組立体及び前記モータ組立体を含む本体をさらに備える、請求項1~15のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項17】
針アレイを形成する複数の針;及び
該針アレイを駆動するためのモータ組立体を備え、
該複数の針のそれぞれが、一端に針先を備え、且つ他端の最大針径までテーパ長さに沿ってあるテーパ角度でテーパであり、且つ
該テーパ長さが、約1mm~約2mmの範囲である、穿刺装置。
【請求項18】
前記テーパ角度が、約5度~約15度の範囲である、請求項17記載の穿刺装置。
【請求項19】
前記針先が、約0.015mm~約0.025mmの範囲の先端半径を有する、請求項17又は18記載の穿刺装置。
【請求項20】
使用時に、前記穿刺装置の皮膚基準面が、対象の皮膚に接触し、且つ該皮膚基準面が、約45mm2~約105mm2の範囲の表面積を有する、請求項17~19のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項21】
使用時に、前記穿刺装置の皮膚基準面が、対象の皮膚に接触し、前記針アレイの複数の針の各針と該皮膚基準表面積との間の平均距離が、約0.10mm~約2.5mmの範囲である、請求項17~20のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項22】
前記針アレイの複数の針の各針と前記皮膚基準面との間の距離が、すべての針で同じである、請求項21記載の穿刺装置。
【請求項23】
前記針アレイの複数の針の1つと前記皮膚基準面との間の第1の距離が、該針アレイの複数の針の別の針と該皮膚基準面との間の第2の距離とは異なる、請求項21記載の穿刺装置。
【請求項24】
前記モータ組立体が、モータリンク機構を含み、該モータリンク機構が、約0.5グラム~約35グラムの範囲の総質量及び約1.5mm~約3.5mmの範囲の回転半径を有する回転要素、及び、約1.5グラム~約3.5グラムの範囲の総質量を有する線形要素を備える、請求項17~23のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項25】
前記複数の針の対象の皮膚への実際の侵入深さが、前記穿刺装置の深さ設定を超えない、請求項17~24のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項26】
前記複数の針の実際の侵入深さの平均値が、前記穿刺装置の0.5mmの深さ設定に対しては少なくとも0.2mmであり、該穿刺装置の1.5mmの深さ設定に対しては少なくとも0. 6mmであり、且つ該穿刺装置の2.0mmの深さ設定に対しては少なくとも0.75mmである、請求項17~25のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項27】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも45%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項17~26のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項28】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも35%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項17~27のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項29】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも25%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項17~28のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項30】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも15%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項17~29のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項31】
前記針アレイを含むシース組立体及び前記モータ組立体を含む本体をさらに備える、請求項17~30のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項32】
針アレイを形成する複数の針;及び
該針アレイを駆動するためのモータ組立体を備え、
該複数の針のそれぞれが、一端に針先を備え、且つ他端の最大針径までテーパ長さに沿ってあるテーパ角度でテーパであり、且つ
該テーパ角度が、約5度~約15度の範囲である、穿刺装置。
【請求項33】
前記針先が、約0.015mm~約0.025mmの範囲の先端半径を有する、請求項32記載の穿刺装置。
【請求項34】
使用時に、前記穿刺装置の皮膚基準面が、対象の皮膚に接触し、且つ該皮膚基準面が、約45mm2~約105mm2の範囲の表面積を有する、請求項32又は33記載の穿刺装置。
【請求項35】
使用時に、前記穿刺装置の皮膚基準面が、対象の皮膚に接触し、前記針アレイの複数の針の各針と該皮膚基準表面積との間の平均距離が、約0.10mm~約2.5mmの範囲である、請求項32~34のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項36】
前記針アレイの複数の針の各針と前記皮膚基準面との間の距離が、すべての針で同じである、請求項35記載の穿刺装置。
【請求項37】
前記針アレイの複数の針の1つと前記皮膚基準面との間の第1の距離が、該針アレイの複数の針の別の針と該皮膚基準面との間の第2の距離とは異なる、請求項35記載の穿刺装置。
【請求項38】
前記モータ組立体が、モータリンク機構を含み、該モータリンク機構が、約0.5グラム~約35グラムの範囲の総質量及び約1.5mm~約3.5mmの範囲の回転半径を有する回転要素、及び、約1.5グラム~約3.5グラムの範囲の総質量を有する線形要素を備える、請求項32~27のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項39】
前記複数の針の対象の皮膚への実際の侵入深さが、前記穿刺装置の深さ設定を超えない、請求項32~38のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項40】
前記複数の針の実際の侵入深さの平均値が、前記穿刺装置の0.5mmの深さ設定に対しては少なくとも0.2mmであり、該穿刺装置の1.5mmの深さ設定に対しては少なくとも0. 6mmであり、且つ該穿刺装置の2.0mmの深さ設定に対しては少なくとも0.75mmである、請求項32~39のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項41】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも45%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項32~40のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項42】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも35%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項32~41のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項43】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも25%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項32~42のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項44】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも15%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項32~43のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項45】
前記針アレイを含むシース組立体及び前記モータ組立体を含む本体をさらに備える、請求項32~44のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項46】
針アレイを形成する複数の針;及び
該針アレイを駆動するためのモータ組立体を備え、
該複数の針のそれぞれが、一端に針先を備え、且つ他端の最大針径までテーパ長さに沿ってあるテーパ角度でテーパであり、且つ
該針先が、約0.015mm~約0.025mmの範囲の先端半径を有する、穿刺装置。
【請求項47】
使用時に、前記穿刺装置の皮膚基準面が、対象の皮膚に接触し、且つ該皮膚基準面が、約45mm2~約105mm2の範囲の表面積を有する、請求項46記載の穿刺装置。
【請求項48】
使用時に、前記穿刺装置の皮膚基準面が、対象の皮膚に接触し、前記針アレイの複数の針の各針と該皮膚基準表面積との間の平均距離が、約0.10mm~約2.5mmの範囲である、請求項46又は47記載の穿刺装置。
【請求項49】
前記針アレイの複数の針の各針と前記皮膚基準面との間の距離が、すべての針で同じである、請求項48記載の穿刺装置。
【請求項50】
前記針アレイの複数の針の1つと前記皮膚基準面との間の第1の距離が、該針アレイの複数の針の別の針と該皮膚基準面との間の第2の距離とは異なる、請求項48記載の穿刺装置。
【請求項51】
前記モータ組立体が、モータリンク機構を含み、該モータリンク機構が、約0.5グラム~約35グラムの範囲の総質量及び約1.5mm~約3.5mmの範囲の回転半径を有する回転要素、及び、約1.5グラム~約3.5グラムの範囲の総質量を有する線形要素を備える、請求項46~50のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項52】
前記複数の針の対象の皮膚への実際の侵入深さが、前記穿刺装置の深さ設定を超えない、請求項46~51のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項53】
前記複数の針の実際の侵入深さの平均値が、前記穿刺装置の0.5mmの深さ設定に対しては少なくとも0.2mmであり、該穿刺装置の1.5mmの深さ設定に対しては少なくとも0. 6mmであり、且つ該穿刺装置の2.0mmの深さ設定に対しては少なくとも0.75mmである、請求項46~52のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項54】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも45%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項46~53のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項55】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも35%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項46~54のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項56】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも25%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項46~55のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項57】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも15%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項46~56のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項58】
前記針アレイを含むシース組立体及び前記モータ組立体を含む本体をさらに備える、請求項46~57のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項59】
針アレイを形成する複数の針;及び
該針アレイを駆動するためのモータ組立体を備える穿刺装置であって:
使用時に、該穿刺装置の皮膚基準面が、対象の皮膚に接触し、且つ該皮膚基準面が、約45mm2~約105mm2の範囲の表面積を有する、前記穿刺装置。
【請求項60】
使用時に、前記穿刺装置の皮膚基準面が、対象の皮膚に接触し、前記針アレイの複数の針の各針と該皮膚基準表面積との間の平均距離が、約0.10mm~約2.5mmの範囲である、請求項59記載の穿刺装置。
【請求項61】
前記針アレイの複数の針の各針と前記皮膚基準面との間の距離が、すべての針で同じである、請求項60記載の穿刺装置。
【請求項62】
前記針アレイの複数の針の1つと前記皮膚基準面との間の第1の距離が、該針アレイの複数の針の別の針と該皮膚基準面との間の第2の距離とは異なる、請求項60記載の穿刺装置。
【請求項63】
前記モータ組立体が、モータリンク機構を含み、該モータリンク機構が、約0.5グラム~約35グラムの範囲の総質量及び約1.5mm~約3.5mmの範囲の回転半径を有する回転要素、及び、約1.5グラム~約3.5グラムの範囲の総質量を有する線形要素を備える、請求項59~62のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項64】
前記複数の針の実際の侵入深さが、前記穿刺装置の深さ設定を超えない、請求項59~63のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項65】
前記複数の針の実際の侵入深さの平均値が、前記穿刺装置の0.5mmの深さ設定に対しては少なくとも0.2mmであり、該穿刺装置の1.5mmの深さ設定に対しては少なくとも0. 6mmであり、且つ該穿刺装置の2.0mmの深さ設定に対しては少なくとも0.75mmである、請求項59~64のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項66】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも45%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項59~65のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項67】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも35%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項59~66のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項68】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも25%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項59~67のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項69】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも15%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項59~68のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項70】
前記針アレイを含むシース組立体及び前記モータ組立体を含む本体をさらに備える、請求項59~69のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項71】
針アレイを形成する複数の針;及び
該針アレイを駆動するためのモータ組立体を備える穿刺装置であって:
使用時に、該穿刺装置の皮膚基準面が、対象の皮膚に接触し、且つ該針アレイの複数の針の各針と該皮膚基準表面積との間の平均距離が、約0.10mm~約2.5mmの範囲である、前記穿刺装置。
【請求項72】
前記針アレイの複数の針の各針と前記皮膚基準面との間の距離が、すべての針で同じである、請求項71記載の穿刺装置。
【請求項73】
前記針アレイの複数の針の1つと前記皮膚基準面との間の第1の距離が、該針アレイの複数の針の別の針と該皮膚基準面との間の第2の距離とは異なる、請求項71記載の穿刺装置。
【請求項74】
前記モータ組立体が、モータリンク機構を含み、該モータリンク機構が、約0.5グラム~約35グラムの範囲の総質量及び約1.5mm~約3.5mmの範囲の回転半径を有する回転要素、及び、約1.5グラム~約3.5グラムの範囲の総質量を有する線形要素を備える、請求項71~73のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項75】
前記複数の針の対象の皮膚への実際の侵入深さが、前記穿刺装置の深さ設定を超えない、請求項71~74のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項76】
前記複数の針の実際の侵入深さの平均値が、前記穿刺装置の0.5mmの深さ設定に対しては少なくとも0.2mmであり、該穿刺装置の1.5mmの深さ設定に対しては少なくとも0. 6mmであり、且つ該穿刺装置の2.0mmの深さ設定に対しては少なくとも0.75mmである、請求項71~75のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項77】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも45%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項71~76のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項78】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも35%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項71~77のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項79】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも25%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項71~78のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項80】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも15%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項71~79のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項81】
前記針アレイを含むシース組立体及び前記モータ組立体を含む本体をさらに備える、請求項71~80のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項82】
針アレイを形成する複数の針;及び
該針アレイを駆動するためのモータ組立体を備え、
該モータ組立体が、モータリンク機構を含み、該モータリンク機構が、約0.5グラム~約35グラムの範囲の総質量及び約1.5mm~約3.5mmの範囲の回転半径を有する回転要素、及び、約1.5グラム~約3.5グラムの範囲の総質量を有する線形要素を備える、穿刺装置。
【請求項83】
前記複数の針の対象の皮膚への実際の侵入深さが、前記穿刺装置の深さ設定を超えない、請求項82記載の穿刺装置。
【請求項84】
前記複数の針の実際の侵入深さの平均値が、前記穿刺装置の0.5mmの深さ設定に対しては少なくとも0.2mmであり、該穿刺装置の1.5mmの深さ設定に対しては少なくとも0. 6mmであり、且つ該穿刺装置の2.0mmの深さ設定に対しては少なくとも0.75mmである、請求項82又は83記載の穿刺装置。
【請求項85】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも45%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項82~84のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項86】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも35%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項82~85のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項87】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも25%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項82~86のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項88】
使用時に、前記複数の針の実際の侵入深さが、該複数の針のすべての針打撃の少なくとも15%で、前記装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%である、請求項82~87のいずれか一項記載の穿刺装置。
【請求項89】
前記針アレイを含むシース組立体及び前記モータ組立体を含む本体をさらに備える、請求項82~88のいずれか一項記載の穿刺装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1. 関連出願の相互参照)
本出願は、あらゆる目的のために引用により全容が本明細書中に組み込まれている、2019年12月5日に出願された米国仮特許出願第62 / 944,232号の優先権の利益を主張する。
【0002】
(2. 発明の背景)
(2.1 発明の分野)
以下の説明は、医師又は任意の使用者などの使用者が対象の皮膚を穿刺するための穿刺装置に関する。特定の実施態様では、対象は、発毛又は毛包再生の誘発を必要としているか、又は脱毛の防止を必要としている。例えば、穿刺装置は、発毛用途で対象の皮膚に適用してもよいし、又はしわの軽減、瘢痕の修正、脱毛、入れ墨の除去、及び色素沈着に使用してもよい。
【背景技術】
【0003】
(2.2. 関連技術の説明)
穿刺装置は、典型的には、対象の皮膚又は頭皮のより深い領域に侵入せずに、対象の皮膚に浅く侵入することによって、入れ墨の除去又はしわの軽減のメカニズムに使用される。穿刺装置は、発毛用途にも使用されている。しかしながら、従来の穿刺装置では、使用者は、これらの様々な治療及び処置で最適な治療深さ及び刺入精度を容易に達成することができない。従来の穿刺装置は、最適な治療深さ及び刺入精度を可能にする、いくつかある機能の中で特に、最適な針の寸法、針の向き、皮膚の基準寸法、モータ、モータリンク機構を提供することができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(3. 概要)
一態様では、穿刺装置は、針アレイを形成する複数の針及び該針アレイを駆動するためのモータ組立体を備える。
【0005】
複数の針のそれぞれは、一端に針先を備えることができ、且つ他端の最大針径までテーパ長さに沿ってあるテーパ角度でテーパにすることができ、該最大針径は、約0.20mm~約0.24mmの範囲であり得る。
【0006】
テーパ長さは、約1mm~約2mmの範囲であり得る。
【0007】
テーパ角度は、約5度~約15度の範囲であり得る。
【0008】
針先は、約0.015mm~約0.025mmの範囲の先端半径を有し得る。
【0009】
使用時に、穿刺装置の皮膚基準面は、対象の皮膚に接触してもよく、且つ該皮膚基準面は、約45mm2~約105mm2の範囲の表面積を有し得る。
【0010】
使用時に、穿刺装置の皮膚基準面は、対象の皮膚と接触してもよく、且つ針アレイの複数の針の各針と該皮膚基準面との間の平均距離は、約0.10mm~約2.5mmの範囲であり得る。
【0011】
針アレイの複数の針の各針と皮膚基準面との間の距離は、すべての針で同じであり得る。
【0012】
針アレイの複数の針の1つと皮膚基準面との間の第1の距離は、該針アレイの複数の針の別の針と該皮膚基準面との間の第2の距離とは異なり得る。
【0013】
モータ組立体は、モータリンク機構を備えることができ、且つ該モータリンク機構が、約0.5グラム~約35グラムの範囲の総質量と約1.5mm~約3.5mmの範囲の回転半径を有する回転要素、及び約1.5グラム~約3.5グラムの範囲の総質量を有する線形要素を備えることができる。
【0014】
対象の皮膚への複数の針の実際の侵入深さは、穿刺装置の深さ設定を超えることができない。
【0015】
複数の針の実際の侵入深さの平均値は、穿刺装置の0.5mmの深さ設定では少なくとも0.2mm、該穿刺装置の1.5mmの深さ設定では少なくとも0.6mm、該穿刺装置の2.0mmの深さ設定では少なくとも0.75mmであり得る。
【0016】
使用時に、複数の針の実際の侵入深さは、複数の針のすべての針の打撃の少なくとも45%で、装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%であり得る。
【0017】
使用時に、複数の針の実際の侵入深さは、複数の針のすべての針の打撃の少なくとも35%で、装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%であり得る。
【0018】
使用時に、複数の針の実際の侵入深さは、複数の針のすべての針の打撃の少なくとも25%で、装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%であり得る。
【0019】
使用時に、複数の針の実際の侵入深さは、複数の針のすべての針の打撃の少なくとも15%で、装置の深さ設定に基づいた目標深さの少なくとも50%であり得る。
【0020】
穿刺装置は、針アレイを含むシース組立体及びモータ組立体を含む本体をさら備えることができる。
【0021】
別の態様では、穿刺装置は、針アレイを形成する複数の針及び該針アレイを駆動するためのモータ組立体を備え、該複数の針のそれぞれは、一端に針先を備え、且つ他端の最大針径までテーパ長さに沿ってあるテーパ角度でテーパであり、該最大針径は、約0.20mm~約0.24mmの範囲である。
【0022】
別の態様では、穿刺装置は、針アレイを形成する複数の針及び該針アレイを駆動するためのモータ組立体を備え、該複数の針のそれぞれは、一端に針先を備え、且つ他端の最大針径までテーパ長さに沿ってあるテーパ角度でテーパであり、該テーパ長さは、約1mm~約2mmの範囲である。
【0023】
別の態様では、穿刺装置は、針アレイを形成する複数の針及び該針アレイを駆動するためのモータ組立体を備え、該複数の針のそれぞれは、一端に針先を備え、且つ他端の最大針径までテーパ長さに沿ってあるテーパ角度でテーパであり、該テーパ角度は、約5度~約15度の範囲である。
【0024】
別の態様では、穿刺装置は、針アレイを形成する複数の針及び該針アレイを駆動するためのモータ組立体を備え、該複数の針のそれぞれは、一端に針先を備え、且つ他端の最大針径までテーパ長さに沿ってあるテーパ角度でテーパであり、該針先は、約0.015mm~約0.025mmの範囲の先端半径を有する。
【0025】
別の態様では、穿刺装置は、針アレイを形成する複数の針及び該針アレイを駆動するためのモータ組立体を備え、使用時に、該穿刺装置の皮膚基準面が、対象の皮膚に接触し、該皮膚基準面が、約45mm2~約105mm2の範囲の表面積を有する。
【0026】
別の態様では、穿刺装置は、針アレイを形成する複数の針及び該針アレイを駆動するためのモータ組立体を備え、使用時に、該穿刺装置の皮膚基準面が、対象の皮膚に接触し、該針アレイの複数の針の各針と該皮膚基準表面積との間の平均距離は、約0.10mm~約2.5mmの範囲である。
【0027】
別の態様では、穿刺装置は、針アレイを形成する複数の針及び該針アレイを駆動するためのモータ組立体を備え、該モータ組立体が、モータリンク機構を含み、且つ該モータリンク機構が、約0.5グラム~約35グラムの範囲の総質量と約1.5mm~約3.5mmの範囲の回転半径を有する回転要素、及び約1.5グラム~約3.5グラムの範囲の総質量を有する線形要素を備える。
【図面の簡単な説明】
【0028】
(4. 図面の各図の簡単な説明)
前述の要約及び以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むとよりよく理解されるであろう。例示目的で、本開示の特定の実施態様が図面に示されている。しかしながら、本発明は、図示される正確な配置及び手段に限定されるものではないことを理解されたい。本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本発明に一致するシステム及び装置の実施を例示し、説明と共に、本発明に一致する利点及び原理の説明に有用である。
【0029】
図1A図1Aは、対象の皮膚、表皮、真皮、バルジ領域(bulge)、及び皮脂腺の概略図を例示する。
【0030】
図1B図1Bは、皮膚刺入動態の例を例示する図である。
【0031】
図2A図2Aは、製造業者の針の斜視図を例示する図である。
【0032】
図2B図2Bは、本開示による針の一例の斜視図を例示する図である。
【0033】
図3図3は、図2Aの製造業者の針の概略図を例示する図である。
【0034】
図4図4は、別の製造業者の針の概略図を例示する図である。
【0035】
図5図5は、図2Bの針の例の概略図を例示する図である。
【0036】
図6図6は、本開示による針の別の例の概略図を例示する図である。
【0037】
図7図7は、本開示による針の別の例の概略図を例示する図である。
【0038】
図8図8は、本開示による針の別の例の概略図を例示する図である。
【0039】
図9図9は、本開示による針の別の例の概略図を例示する図である。
【0040】
図10図10は、本開示による針の別の例の概略図を例示する図である。
【0041】
図11図11は、本開示による針の別の例の概略図を例示する図である。
【0042】
図12図12は、本開示による針の別の例の概略図を例示する図である。
【0043】
図13図13は、本開示による針の別の例の概略図を例示する図である。
【0044】
図14図14は、本開示による針の別の例の概略図を例示する図である。
【0045】
図15図15は、本開示による針の別の例の概略図を例示する図である。
【0046】
図16図16は、本開示による針の別の例の概略図を例示する図である。
【0047】
図17図17は、本開示による針の別の例の概略図を例示する図である。
【0048】
図18図18は、本開示による針の別の例の概略図を例示する図である。
【0049】
図19A図19Aは、製造業者Aの穿刺装置の皮膚基準面を例示する図である。
【0050】
図19B-D】図19B図19C、及び図19Dは、本開示の一例による穿刺装置の皮膚基準面を例示する図である。
【0051】
図20図20は、本開示の一例による、基準面からの針の平均距離の一例を例示する図である。
【0052】
図21図21A図21B図21C図21D図21E図21F、及び図21Gは、針深さ測定組織試験の一例を例示する図である。
【0053】
図22図22は、針深さ測定組織試験に使用される単一の組織切片の注釈付きの例である。
【0054】
図23図23は、3つの異なるコアの深さ設定で組織学的に測定された染料浸透のヒストグラムを示す。
【0055】
図24図24は、本開示の一例による穿刺装置が、使用者の深さ設定通りに機能することを例示する。
【0056】
図25図25は、例示的な針深さの比較試験の結果を例示する図である。
【0057】
図26図26は、本開示の一例による穿刺装置のモータリンク機構及び他の製造業者の穿刺装置のモータリンク機構を例示する図である。
【0058】
図27図27は、図26のモータリンク機構の回転慣性及び線形要素の質量を例示するグラフである。
【0059】
図28図28は、図26のモータリンク機構の収縮公差(tolerance collapse)を例示するグラフである。
【0060】
図29A図29Aは、本開示による穿刺装置のモータリンク機構の別の例の概略図を例示する図である。
【0061】
図29B図29Bは、本開示による穿刺装置のモータリンク機構のさらなる例の概略図を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
(5. 発明の詳細な説明)
本発明の少なくとも1つの実施態様を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に示される又は図面に例示される要素の構造の詳細及び配置に限定されないことを理解されたい。図面及び書面による説明は、特許の保護が求められている発明の作成及び使用を当業者に教示するために提供される。本発明は、他の実施態様が可能であり、且つ様々な方法で実施及び遂行することができる。当業者であれば、明確さと理解のために、商業的実施態様のすべての特徴が示されているわけではないことを理解されよう。
【0063】
加えて、本明細書で使用される術語及び用語は、説明目的であり、限定と見なされるべきではないことを理解されたい。例えば、「1つ(a)」などの単数の用語の使用は、アイテムの数を制限することを意図するものではない。また、限定されるものではないが、「最上部」、「底部」、「左」、「右」、「上側」、「下側」、「下方」、「上方」、「側方」などの関係を示す用語の使用は、図面の具体的な参照において明確にするための説明に使用され、本発明又は添付の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。「おおよそ」、「実質的に」、「約」、及び「おおむね」という用語は、記載の値を、プラスマイナス5%の範囲の任意の値に等しくなるように設定する。例えば、約10mmの値は、9.5mm~10.5mmの任意の値に等しい。さらに、本発明の特徴のいずれか1つは、別個に、又は他の特徴と組み合わせて使用できることを理解されたい。本発明の他のシステム、方法、特徴、及び利点は、図面及び詳細な説明の検討により、当業者には明らかであるか、又は明らかになるであろう。そのような追加のシステム、方法、特徴、及び利点はすべて、この説明に含まれ、本発明の範囲内であり、且つ添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。
【0064】
(5.1 概要)
本明細書に記載の穿刺装置は、例えば、発毛用途、しわの軽減、瘢痕の修正、脱毛、入れ墨の除去、及び色素沈着を含む、いくつかの異なる処置に使用することができる。本明細書に記載の穿刺装置の利点には、一連の針と針の構成、及び最適で正確な穿刺を可能にし、且つ治療における治療深さと刺入精度を達成するモータの構成が含まれる。
【0065】
ごく最近まで、毛包形成は、(子宮内で)一生に一度しか起きないと信じられていたため、哺乳動物、特にヒトは、一定数の毛包で生まれ、その後は通常は増加しないと考えられていた。胚性毛包を再形成する成体哺乳動物の皮膚の再生能力が示唆されているにもかかわらず、最近まで、発生又は毛包新生を実証するために必要なツールがないため、毛包の新生は証明されていなかった(Argyrisらの文献(Dev. Biol. 1 :269-80(1959));Millerの文献(J. Invest. Dermatol. 58: 1-9(1973));及びligmanの文献(Ann NY Acad Sci 83: 507-511(1959))を参照)。
【0066】
しかしながら、毛包新生は、動物(例えば、ウサギ、マウス)の創傷治癒に関連し得ることが提唱されている。Stenn及びPausの文献(Physiol. Revs. 81 :449-494(2001))を参照されたい。ごく最近、一連のマウス実験により、毛包由来の上皮幹細胞前駆細胞が毛包から遊走し、損傷した皮膚の再上皮化に寄与することが明確に示された(Morrisらの文献(Nature Biotechnology22:411-417(2004))、Itoらの文献(Differentiation 72:548-57(2004));及びItoらの文献(Nature Medicine 11:1351-1354(2005))を参照)。毛包の発生におけるWntの役割を調べるために設計された動物実験において、Fathkeは、マウスの創傷治癒中のWntシグナル伝達の長期活性化が毛包原基の生成をもたらしたが、毛包の形成もより多くの毛の成長ももたらさなかったことを示した(Fathkeらの文献(BMC Cell Biol. 7:4(2006)))。
【0067】
Fathkeによって指摘されたように、全層創傷後の成体哺乳動物の皮膚修復は、瘢痕組織及び毛包の再生能力の喪失をもたらすと理解されている。重度の創傷及び火傷は、通常は、毛包が存在しない瘢痕組織を生じさせる皮膚修復の形態に関連している(Fathkeらの文献(BMC Cell Biol.7:4(2006))を参照)。しかしながら、Cotsarelisは、マウスの試験で、決められたように皮膚と既存の毛包を物理的に破壊すると、毛包新生につながり得ることを示した(Itoらの文献(Nature 447:316-321(2007))。Cotsarelisは、マウスの全層切除(FTE)(1cm2の正方形の創傷)によって形成されて治癒した大きい創傷が閉じた後に、新しい毛が創傷の中心に形成されることを示した(Itoらの文献(Nature 447:316-321(2007))、Argyrisの文献(Amer J Pathol 83:329-338(1976)))。
【0068】
他の前臨床試験は、皮膚が胚の状態に戻り、化合物の添加により皮膚及び毛包表現型の操作が可能になる上皮破壊後の治療域を特定した。例えば、創傷後の新しい毛のパターンは予定されていないため、毛包形成に関連する調節経路(例えば、Wnt、EGFR)は、例えば、毛包の数とサイズを増やすなど、劇的に影響を与え得る。(Itoらの文献(Nature.2007;447(7142):316-320);Fathkeらの文献(BMC Cell Biol.2006;7:4);Snippertらの文献(Science.2010;327(5971): 1385-1389)を参照)。
【0069】
本明細書に記載の穿刺装置、針、及び方法は、最適化された治療結果を達成するための最適で正確な穿刺を提供する。
【0070】
(5.1.1 穿刺装置の使用)
本開示の様々な例による穿刺装置は、他の治療の中でもとりわけ、発毛、しわの軽減、瘢痕の修正、脱毛、入れ墨の除去に使用することができる。
【0071】
本開示の様々な例による穿刺装置及び穿刺装置を使用する治療は、1つ又は複数の薬剤と組み合わせて使用することもできる。一態様では、薬剤は、発毛を促進する薬剤である。一態様では、薬剤は、しわの軽減に有用な薬剤である。一態様では、薬剤は、瘢痕修正に有用な薬剤である。一態様では、薬剤は、脱毛に有用な薬剤である。一態様では、薬剤は、入れ墨の除去に有用な薬剤である。一態様では、薬剤は、色素沈着に有用な薬剤である。別の態様では、薬剤は、局所麻酔薬である。
【0072】
(5.1.2 治療深さ)
図1Aは、対象の皮膚5、表皮10、真皮12、バルジ領域20、及び皮脂腺18の概略図を例示する。図1Aを参照すると、表皮10は、最大で約0.05mmの深さにあり、真皮12は、約1.3mm~1.5mmの深さにあり、バルジ領域20は、約0.6mm~0.8mmの深さにあり、皮脂腺18は、約0.06mmの深さにある。図1Aには、立毛筋16も例示されている。
【0073】
幹細胞は、VEGF、β-カテニン、及びWntシグナル伝達分子などの発毛関連遺伝子の誘導と共に、創傷治癒条件下で毛のバルジ領域20において活性化されると考えられている。最も重要な幹細胞は、バルジ領域20に位置しているため、皮脂腺18、バルジ領域20、又は既存の毛包構造の毛乳頭を破壊するのに十分に深い皮膚5を破壊することが望ましい。
【0074】
同時に、有害作用を最小限に抑えることが重要である。有害作用を最小限に抑えながら臨床効果を最適化することが望ましい。また、創傷治癒効果を治療的に最も適切な深さに局限し、それから生じる有害作用の可能性を最小限に抑えながら臨床効果を最適化することも望ましい。
【0075】
本明細書に記載の穿刺装置、針、及び方法は、有害作用を最小限に抑えながら治療効果を最大にするように最適な刺入深さを提供する。
【0076】
(5.1.3 皮膚刺入動態)
図1Bは、皮膚刺入動態の一例を例示する図である。皮膚5の表面と針9の先端との間の最初の接触時の初期動態が重要である。これには、角質層、皮膚細胞の最初の約10~30μmにおける皮膚の薄い外側保護層の破壊が含まれる。皮膚5は、全体的に弾性物質であり、特に最上部角質層は、刺入に抵抗し、試みられる針9の刺入から遠ざかる変形を可能にする。皮膚5の下の皮下組織のより柔軟な層は、試みられる針9の刺入から遠ざかる変形をさらに可能にし得る。
【0077】
図1Bを参照すると、動力微細針穿刺装置11の高速で振動する微細針9の場合、針9が最初の衝撃時に皮膚5の保護層に侵入できないと、針9の下方への移動から離れる弾性変形が強まる。これは、皮膚が針から離れて後退できる程度を増加させ、皮膚5が後退する結果として生じる湾曲後退領域7を形成し、針9の実際の刺入深さを減少させる。
【0078】
したがって、異なる治療が同じ破壊深さを達成することを意図している場合でも、臨床効果と実際の結果は、皮膚表面と針先との間の最初の接触時の初期動態に応じて異なる。初期動態は、限定されるものではないが、セクション5.2.1に記載の針の寸法、セクション5.2.2に記載の針アレイの向き、及びセクション5.2.3に記載のモータとモータのリンク機構を含む微細針穿刺装置の側面の影響を受ける。針伸長試験によって測定される治療深さの重要性に加えて、実際の角質層への侵入は、初期の皮膚刺入動態に応じて改善された臨床効果を提供する。
【0079】
(5.2 穿刺装置)
(5.2.1 針の寸法)
図2Aは、製造業者Aの針22の斜視図を例示する図である。図2Aを参照すると、微細針穿刺装置で使用される製造業者の針22は、皮膚進入端部22aに尖った細い先端形状を有し、該進入端部22aから、反対側の端部22bのより広い針径までテーパである。製造業者の針22の寸法を、図3を参照して以下でより詳細に説明する。
【0080】
図2Bは、本開示による針26の一例の斜視図を例示する図である。図2Bを参照して、製造業者の針22と比較して、針26は、皮膚進入端部26aのより丸い針先、より小さいテーパ角度、及び反対側端部26bのより小さい直径を有する。いくつかの例では、本開示の一例による針26のテーパ長さは、製造業者の針22のテーパ長さよりも長い。本開示による針のいくつかの例を、図5図18を参照して以下により詳細に説明する。
【0081】
図3は、図2Aの製造業者Aの針22の概略図を例示する図である。図4は、製造業者Bの針24の概略図を例示する図である。図3を参照すると、製造業者の針22は、約23.84度のテーパ角度α、約1.298mmのテーパ長さL、及び約0.249mmの直径dを有する。図4を参照すると、製造業者の針24は、約16.61度のテーパ角度α、約1.491mmのテーパ長さL、及び約0.250mmの直径dを有する。製造業者Aの針22及び製造業者Bの針24の寸法の概要を以下に示す:
表1:製造業者A及び製造業者Bの針の寸法
【表1】
【0082】
図5は、本開示の一例による図2Bの針26の概略図を例示する図である。図5を参照すると、針26は、約9.78度のテーパ角度α、約1.390mmのテーパ長さL、及び約0.223mmの直径dを有する。製造業者Aの針22、製造業者Bの針24、及び針26の針径の寸法の概要を以下に示す:
表2: 製造業者A, 製造業者B, 及び例示的な針径
【表2】
【0083】
図6図18は、本開示による他の例の針28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、54の概略図を例示する図である。図6を参照すると、針28は、約9.89度のテーパ角度α、約1.265mmのテーパ長さL、及び約0.214mmの直径dを有する。図7を参照すると、針30は、約7.54度のテーパ角度α、約1.665mmのテーパ長さL、及び約0.226mmの直径dを有する。図8を参照すると、針32は、約10.75度のテーパ角度α、約1.308mmのテーパ長さL、及び約0.225mmの直径dを有する。図9を参照すると、針34は、約9.90度のテーパ角度α、約1.389mmのテーパ長さL、約0.221mmの直径dを有する。図10を参照すると、針36は、約8.24度のテーパ角度α、約1.750mmのテーパ長さL、及び約0.221mmの直径dを有する。図11を参照すると、針38は、約10.48度のテーパ角度α、約1.417mmのテーパ長さL、及び約0.220mmの直径dを有する。図12を参照すると、針40は、約12.29度のテーパ角度α、約1.210mmのテーパ長さL、及び約0.228mmの直径dを有する。図13を参照すると、針42は、約10.84度のテーパ角度α、約1.430mmのテーパ長さL、及び約0.223mmの直径dを有する。図14を参照すると、針44は、約9.15度のテーパ角度α、約1.390mmのテーパ長さL、及び約0.222mmの直径dを有する。図15を参照すると、針46は、約10.26度のテーパ角度α、約1.042mmのテーパ長さL、及び約0.224mmの直径dを有する。図16を参照すると、針48は、約8.25度のテーパ角度α、約1.614mmのテーパ長さL、及び約0.224mmの直径dを有する。図17を参照すると、針50は、約10.05度のテーパ角度α、約1.212mmのテーパ長さL、及び約0.226mmの直径dを有する。
【0084】
図18を参照すると、針52は、約7.43mmの針全長、約9.50度のテーパ角度α、約1.100mmのテーパ長さL、及び約0.223mmの直径dを有し得る。さらに、針先半径rは、針先が比較的丸い又はわずかに丸い先端となるように、約0.02mmであり得る。一例によると、わずかに丸い先端は、最大の速度及び運動エネルギーの点において、角質層バリアにより大きい影響を与える。針28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、54の寸法の概要を以下に示す:
表3: 例示的な針径
【表3】
【0085】
上記の例では、より長いテーパ長さL及びより小さいテーパ角度αは、針が針侵入の過程で真皮をそれほど急速ではなく刺入することを可能にし得る。より小さい直径dは、より大きい皮膚破壊のための直径を最適化することができ、完全な刺入を達成することができる。わずかに丸い切先の先端は、より重要な最初の刺入をもたらし、針をより深く刺入することが可能になり得る。様々な例によると、針径dは、約0.20mm~約0.24mmの範囲であり得る。直径dは、少なくとも0.20mm、少なくとも0.21mm、少なくとも0.22mm、少なくとも0.23mm、少なくとも0.24mm、最大で0.20mm、最大で0.21mm、最大で0.22mm、最大で0.23mm、及び最大で0.24mmを含む。様々な例によると、テーパ長さLは、約1mm~約2mmの範囲であり得る。テーパ長Lは、少なくとも1mm、少なくとも1.1mm、少なくとも1.2mm、少なくとも1.3mm、少なくとも1.4mm、少なくとも1.5mm、少なくとも1.6mm、少なくとも1.7mm、少なくとも1.8mm、少なくとも1.9mm、少なくとも2mm、最大で1mm、最大で1.1mm、最大で1.2mm、最大で1.3mm、及び最大で1.4mm、最大で1.5mm、最大で1.6mm、最大で1.7mm、最大で1.8mm、最大で1.9mm、及び最大で2mmを含む。様々な例によると、テーパ角度αは、約5度~約15度の範囲であり得る。テーパ角度は、少なくとも5度、少なくとも6度、少なくとも7度、少なくとも8度、少なくとも9度、少なくとも10度、少なくとも11度、少なくとも12度、少なくとも13度、少なくとも14度、少なくとも15度、最大で5度、最大で6度、最大で7度、最大で8度、最大で9度、最大で10度、最大で11度、最大で12度、最大で13度、最大で14度、最大で15度を含む。様々な例によると、針先の半径rは、約0.015mm~0.025mmの範囲であり得る。針先の半径rは、少なくとも0.015mm、少なくとも0.016mm、少なくとも0.017mm、少なくとも0.018mm、少なくとも0.019mm、少なくとも0.02mm、少なくとも0.021mm、少なくとも0.022mm、少なくとも0.023mmであり、少なくとも0.024mm、少なくとも0.025mm、最大で0.015mm、最大で0.016mm、最大で0.017mm、最大で0.018mm、最大で0.019mm、最大で0.02mm、最大で0.021mm、最大で0.022mm、最大で0.023mm、最大で0.024mm、最大で0.025mmを含む。
【0086】
(5.2.2 針アレイの向き)
微細針穿刺装置は、皮膚との接触を維持しながら、滑動ストローク(gliding stroke)で対象の皮膚に沿って装置を平行移動させることによって使用される。皮膚に接触している装置の部分は、皮膚基準面と呼ばれることがあり、そこを通過して垂直に振動する針が伸長する。例えば、振動サイクルのいくつかの時点で、皮膚基準面は、針自体を除くと、対象の皮膚に接触している唯一の装置の部分であり得る。皮膚基準面の1つの機能は、針の露出した伸長を制御し、過度の意図しない侵入深さを防止することである。刺入時に後退する皮膚の性質を考慮すると、最適化された皮膚基準面は、皮膚を所定の位置に効果的に保持して、皮膚が大幅に伸びてさらに「後退」してしまうのを防止する必要もある。皮膚の最初の刺入に応じたこの皮膚の動態は、図1Bを参照して上記のセクション5.1.3でも説明している。
【0087】
図19Aは、製造業者Aの穿刺装置54の皮膚基準面56を例示する図である。図19Aに例示されるように、製造業者Aの穿刺装置54の皮膚基準面56は、小さい表面積を有する。したがって、皮膚に接触して保持する装置の部分は小さい。皮膚基準面56の表面積は27mm2である。基準面は、皮膚に沿って滑らせることができなければならないため、刺入時に皮膚を瞬間的に保持する能力は、皮膚と皮膚基準面との間の瞬間的な付着力に基づいており、この付着力は、基準面の断面積が大きくなるにつれて増加する。結果として、製造業者Aの穿刺装置54などの表面積が小さい皮膚基準面56を有する穿刺装置を使用すると、針の深さ及び皮膚表面の動態が悪影響を受ける。
【0088】
図19B図19C、及び図19Dは、本開示の例による穿刺装置58、62、64の皮膚基準面60、64、68を例示する図である。図19B図19Dを参照すると、本開示の一例による穿刺装置58、62、64の皮膚基準面60、64、68は、大きい表面積を有する。したがって、皮膚に接触して保持する装置の部分は大きい。一例では、皮膚基準面58、62の表面積は約75mm2である。一例では、皮膚基準面64の表面積は約230mm2である。
【0089】
様々な例によると、皮膚基準面58、62の表面積は、約45mm2~約105mm2の範囲であり得る。表面積は、少なくとも45mm2、少なくとも50mm2、少なくとも55mm2、少なくとも60mm2、少なくとも65mm2、少なくとも70mm2、少なくとも75mm2、少なくとも80mm2、少なくとも85mm2、少なくとも90mm2、少なくとも95mm2、少なくとも100mm2、少なくとも105mm2、少なくとも110mm2、少なくとも115mm2、少なくとも120mm2、少なくとも125mm2、少なくとも130mm2、少なくとも135mm2、少なくとも140mm2、少なくとも145mm2、少なくとも150mm2、少なくとも155mm2、少なくとも160mm2、少なくとも165mm2、少なくとも170mm2、少なくとも175mm2、少なくとも180mm2、少なくとも185mm2、少なくとも190mm2、少なくとも195mm2、少なくとも200mm2、少なくとも205mm2、少なくとも210mm2、少なくとも215mm2、少なくとも220mm2、少なくとも225mm2、少なくとも230mm2、少なくとも235mm2、少なくとも240mm2、少なくとも245mm2、少なくとも250mm2、少なくとも255mm2、少なくとも260mm2、少なくとも265mm2、少なくとも270mm2、少なくとも275mm2、最大で45mm2、最大で50mm2、最大で55mm2、最大で60mm2、最大で65mm2、最大で70mm2、最大で75mm2、最大で80mm2、最大で85mm2、最大で90mm2、最大で95mm2、最大で100mm2、最大で105mm2、最大で110mm2、最大で115mm2、最大で120mm2、最大で125mm2、最大で130mm2、最大で135mm2、最大で140mm2、最大で145mm2、最大で150mm2、最大で155mm2、最大で160mm2、最大で165mm2、最大で170mm2、最大で175mm2、最大で180mm2、最大で185mm2、最大で190mm2、最大で195mm2、最大で200mm2、最大で205mm2、最大で210mm2、最大で215mm2、最大で220mm2、最大で225mm2、最大で230mm2、最大で235mm2、最大で240mm2、最大で245mm2、最大で250mm2、最大で255mm2、最大で260mm2、最大で265mm2、最大で270mm2、最大で275mm2を含む。結果として、穿刺装置58、62、66は、より大きい皮膚基準表面積を有するように最適化され、それにより、皮膚を保持し、刺入の瞬間にあまり後退できないようにする。
【0090】
皮膚が「後退」できる程度に影響を与える別の因子は、基準面と針との間の有効距離である。基準面に近い針は、皮膚までの距離が短い。皮膚の弾性率によって左右され、皮膚までの短い距離は、侵入する針からの「テント状」の後退が長い距離ほどできないため、針がより深く刺入する可能性が高くなる。
【0091】
図20は、本開示の一例による、基準面からの針の平均距離の一例を例示する図である。図20を参照すると、基準面74は、針70、72を取り囲み、皮膚と接触する装置の一部である。一例では、基準面までの針の平均距離は、各針70、72が基準面74から離間している各距離を加算して針70、72の数で除して算出することができる。基準面74からの針70、72の距離は、該針70、72と該基準面74の任意の部分との間の最短距離を測定することによって測定される。図20を引き続き参照すると、針70の針から基準面までの距離は、矢印xで例示され、針72の針から基準面までの距離は矢印yで例示されている。
【0092】
図19B図19C、及び図19Dを再び参照すると、穿刺装置58の針から基準面までの平均距離は約1.12mmであり、該穿刺装置62の針から基準面までの平均距離は約2.23mmであり、該穿刺装置66の針から基準面までの平均距離は約0.20mmである。
【0093】
様々な例によると、針から基準面までの平均距離は、約0.10mm~2.5mmの範囲であり得る。針から基準面までの平均距離は、少なくとも0.1mm、少なくとも0.2mm、少なくとも0.3mm、少なくとも0.4mm、少なくとも0.5mm、少なくとも0.6mm、少なくとも0.7mm、少なくとも0.8mm、少なくとも0.9mm、少なくとも1.0mm、少なくとも1.1mm、少なくとも1.2mm、少なくとも1.3mm、少なくとも1.4mm、少なくとも1.5mm、少なくとも1.6mm、少なくとも1.7mm、少なくとも1.8mm、少なくとも1.9mm、少なくとも2.0mm、少なくとも2.1mm、少なくとも2.2mm、少なくとも2.3mm、少なくとも2.4mm、少なくとも2.5mm、最大で0.1mm、最大で0.2mm、最大で0.3mm、最大で0.4mm、最大で0.5mm、最大で0.6mm、最大で0.7mm、最大で0.8mm、最大で0.9mm、最大で1.0mm、最大で1.1mm、最大で1.2mm、最大で1.3mm、最大で1.4mm、最大で1.5mm、最大で1.6mm、最大で1.7mm、最大で1.8mm、最大で1.9mm、最大で2.0mm、最大で2.1mm、最大で2.2mm、最大で2.3mm、最大で2.4mm、最大で2.5mmを含む。基準面にぴったり合った針の線形アレイを使用することにより、穿刺装置58、62、66は、円形の針の配置を有する装置などの他の装置と比較して、針と基準面の最も近い縁との間の距離がより短い最適化された距離を有する。
【0094】
(5.2.3 モータ及びリンク機構)
一例では、本開示による穿刺装置は、モータ及びモータリンク機構を備えることができ、該モータリンク機構は、モータ組立体のすべての要素間のより緊密な取り付け及び連結を提供する。リンク機構、モータ、及び可動シャフトの慣性が大きくなると、衝撃時の運動エネルギーが増加し、完全な刺入を行う能力が向上する。加えて、リンク機構の剛性が高くなると、衝撃時のリンク機構の機械的降伏(mechanical yield)が低下し、運動エネルギーを皮膚に伝達して表面を破壊する能力が高まり、したがって、皮膚の後退する能力が低下してより深く侵入することが可能となる。
【0095】
図26は、本開示の一例による穿刺装置のモータリンク機構、及び他の製造業者の穿刺装置のモータリンク機構を例示する図である。図26を参照すると、本開示の一例による穿刺装置は、回転要素及び線形要素を備える。同様に、他の製造業者の各装置も、回転要素及び線形要素を備える。
【0096】
図26を引き続き参照すると、リンク機構の慣性の増加は、他の条件;例えば、モータ、ソフトウェア、針などが同じであると仮定すると、深さの達成に役立つ。慣性は、一般に、モータリンク機構が針を皮膚の保護層にどの程度押し込む可能性があるかに相関し得る。回転慣性は、I=1/2mr2として計算され、式中、Iは慣性であり、mは質量であり、rは回転する物体の半径であり、線形慣性は、線形に運動する物体の質量に直接関係する。したがって、回転要素の質量及び半径が大きく、線形要素の質量が大きいと、より大きい慣性が達成される。
【0097】
様々な例によると、本開示の例による穿刺装置のモータリンク機構の回転要素の質量は、約0.5グラム~約35グラムの範囲であり得る。回転要素の質量は、少なくとも0.5g、少なくとも1.0g、少なくとも2.0g、少なくとも3.0g、少なくとも4.0g、少なくとも5.0g、少なくとも6.0g、少なくとも7.0g、少なくとも8.0g、少なくとも9.0g、少なくとも10.0g、少なくとも11.0g、少なくとも12.0g、少なくとも13.0g、少なくとも14.0g、少なくとも15.0g、少なくとも16.0g、少なくとも17.0g、少なくとも18.0g、少なくとも19.0g、少なくとも20.0g、少なくとも21.0g、少なくとも22.0g、少なくとも23.0g、少なくとも24.0g、少なくとも25.0g、少なくとも26.0g、少なくとも27.0g、少なくとも28.0g、少なくとも29.0g、少なくとも30.0g、少なくとも31.0g、少なくとも32.0g、少なくとも33.0g、少なくとも34.0g、少なくとも35.0g、最大で0.5g、最大で1.0g、最大で2.0g、最大で3.0g、最大で4.0g、最大で5.0g、最大で6.0g、最大で7.0g、最大で8.0g、最大で9.0g、最大で10.0g、最大で11.0g、最大で12.0g、最大で13.0g、最大で14.0g、最大で15.0g、最大で16.0g、最大で17.0g、最大で18.0g、最大で19.0g、最大で20.0g、最大で21.0g、最大で22.0g、最大で23.0g、最大で24.0g、最大で25.0g、最大で26.0g、最大で27.0g、最大で28.0g、最大で29.0g、最大で30.0g、最大で31.0g、最大で32.0g、最大で33.0g、最大で34.0g、及び最大で35.0gを含む。様々な例によると、本開示の一例による穿刺装置のモータリンク機構の回転要素の半径は、約1.5mm~約3.5mmの範囲であり得る。回転要素の半径は、少なくとも1.5mm、少なくとも2.0mm、少なくとも2.5mm、少なくとも3.0mm、少なくとも3.5mm、最大で1.5mm、最大で2.0mm、最大で2.5mm、最大で3.0mm、最大で3.5mmを含む。使用される回転要素の質量及び回転半径に基づいて、回転慣性を、上記の慣性の式を使用して計算することができる。回転要素の質量が約1.34gであり、回転半径が約2.5mmである一例では、回転慣性は、約4.19E-06g×m2である。様々な例によると、本開示の一例による穿刺装置のモータリンク機構の線形要素の質量は、約1.5グラム~約3.5グラムの範囲であり得る。線形要素の質量は、少なくとも1.5g、少なくとも2.0g、少なくとも2.5g、少なくとも3.0g、少なくとも3.5g、最大で1.5g、最大で2.0g、最大で2.5g、最大で3.0g、最大で3.5gを含む。一例では、線形要素の質量は、約2.25gであり得る。
【0098】
図27は、図26のモータリンク機構の回転慣性及び線形要素の質量を例示するグラフである。図27を参照すると、本開示の一例による穿刺装置の回転慣性は、約4.19E-06g×m2であり、他の製造業者の装置の回転慣性よりも大きい。本開示の一例による穿刺装置の線形要素の質量は、約2.25gであり、他の製造業者の装置の線形要素の質量よりも大きい。
【0099】
図28は、図26のモータリンク機構の収縮公差を例示するグラフである。リンク機構の剛性は、一般に、針が皮膚に衝当した瞬間にリンク機構が座屈する可能性に一致し、材料の剛性及び製造上の収縮公差に依存し得る。製造上の収縮公差に関しては、リンク機構要素間のクリアランス値を計算して、荷重がかかったとき、又は機構が所定の位置にロックされたとき(移動の終了時)に機構が座屈又は崩壊するかどうかを判断することができる。収縮公差は、弛緩した位置での移動の終了時の機構の位置と、圧縮した位置での移動の終了時の機構の位置との差を測定することによって測定される。様々な例によると、本開示の一例による穿刺装置のモータリンク機構における収縮公差は、約0.2mm~約0.5mmの範囲であり得る。収縮公差は、少なくとも0.2mm、少なくとも0.3mm、少なくとも0.4mm、少なくとも0.5mm、最大で0.2mm、最大で0.3mm、最大で0.4mm、及び最大で0.5mmを含む。一例では、収縮公差は、約0.3mm~約0.4mmの範囲であり得る。図28を引き続き参照すると、本開示の一例による穿刺装置のモータリンク機構の収縮公差は、約0.35mmであり、他の製造業者の装置の収縮公差よりも小さい。
【0100】
材料の剛性、ひいてはリンク機構の剛性に影響を与える使用される材料に関して、本開示の一例による穿刺装置のモータリンク機構は、金属、ポリマー、ガラス、及びそれらの組み合わせから形成することができる。例えば、リンク機構は、ステンレス鋼、アルミニウム、PEEK、ガラス充填ポリマー、及びガラス充填金属の1つ又は複数の組み合わせから形成される。
【0101】
図29Aは、本開示による穿刺装置のモータリンク機構の別の例の概略図を例示する図である。図29Aを参照すると、筒形カムモータリンク機構を、質量及び半径を増加させたリンク機構と共に使用して、回転慣性を大幅に増加させることができる。上記の材料、質量、及び収縮公差の値は、上記のように、慣性及び剛性の向上をもたらす筒形カムリンク機構の例で使用することができる。
【0102】
図29Bは、本開示による穿刺装置のモータリンク機構のさらなる例の概略図を例示する図である。図29Bを参照すると、スコッチヨークモータリンク機構を、質量及び半径を増加させたリンク機構と共に使用して、回転慣性を適度に増加させることができる。上記の材料、質量、及び収縮公差の値は、上記のように、慣性及び剛性の向上をもたらすスコッチヨークカムリンク機構の例で使用することができる。
【0103】
(5.3 深さ試験の検証)
(5.3.1 針深さ測定試験)
本開示の一例による穿刺装置を使用する微細針処置中の針深さの精度を決定するために針深さ測定組織試験を行った。この試験は、0.5mm、1.5mm、及び2.0mmの目標深さでのブタ皮膚のサンプルで行った。合格基準としては、針の軌道に関連する染料浸透が、コアの目標深さ設定を超えないことであった。
【0104】
背景。この試験では、表皮と真皮のみを含む切除されたブタ皮膚を使用した。すべての皮下層は、ブタ皮膚の供給業者によって除去されていた。本開示の一例による穿刺装置には、針アレイを含む1回用の使い捨て滅菌シースに封入された再使用可能なコードレス電気機械コアが含まれていた。穿刺装置に使用した針は、中空コア針と同じように組織を切断しない中実コア32ゲージ針であった。中実コア針は、微細針処置中に角質層及び表皮に刺入し、真皮のエラスチンとコラーゲン束間を分離する。この分離は、真皮の変形及びコラーゲン束間の間隙として現れる。インビボでは、組織の粘弾性特性により、針の後退後に真皮が跳ね返り、単純なH&E染色生検では、針侵入の創傷又は「軌道」を視覚化するのが困難である。結果として、追加の視覚化なしではこれらの針刺入の観察及び特性評価は困難である。
【0105】
伸長を維持して組織の跳ね返りを防止する穿刺後のサンプルの加圧を可能にする、穿刺された組織に染料を注入するためのフランツチャンバアプローチ(Franz chamber-approach)試験固定具が開発された。サンプルは、複数の実験ステップ:微細針穿刺、顔料の加圧注入、洗浄、及び固定剤の適用の間中ずっと放射状の張力を維持した。保守的で臨床的に関連のあるモデルを作製して、皮膚がピンと張られていること、皮下脂肪が除去されていること、及び臨床用途に適切な密度での穿刺を含む、針の最大の侵入深さを可能にすることになる条件を推定した。
【0106】
機器及び材料。この試験は、セクション5.2.1に記載の針の寸法、セクション5.2.2に記載の針アレイの向き、及びセクション5.2.3に記載のモータとモータリンク機構を含む本開示の例による穿刺装置及びブタ皮膚を使用して行った。処置後、すべてのサンプルを、H&E染色を使用する組織学的分析のために準備した。次の機器及び材料を使用した:
・穿刺装置のコア、目標針深さを0.5~2.5mmに調整可能
・穿刺装置のシース(サンプルごとに1つのシースを使用した)
・Sasakiが使用したSofTap顔料懸濁液、カラー090チャコール(タトゥーインク)、SofTap化粧用入れ墨用品
・ブタ皮膚サンプル、厚さ1.5mm、Stellen Medical Catalog No:I-188及び/又はUSDAグレードのブタ脇腹肉
・タッパーウェア型の容器
・フランツチャンバ圧力容器とシリンジの実施コンセプト
・10%緩衝ホルマリン
・DDSデジタル病理学システム(又は同等のもの)、スライドの注釈及び分析
【0107】
試験方法。図21A図21Gは、針深さ測定組織試験の一例を例示する図である。図21Aを参照すると、ブタサンプル100が、上面が平坦な剛性金網フランジ付き円筒形の上で引き伸ばされている。図21Bを参照すると、押し付けリング105が取り付けられ、サンプルは、最大に引き伸ばされた位置で再固定されている。目標穿刺ゾーンマークが付けられている。図21Cを参照すると、0.5ccの希釈微小色素沈着濃縮物(SofTap 090チャコール)110が、穿刺されるサンプル100に適用されている(水の粘稠度まで希釈)。サンプル100の全表面積が、臨床的に適切な並進速度(2cm/秒)で、2つの重なり合う経路(全体で6つの経路、垂直軸に3つずつ)で穿刺される。図21Dを参照すると、圧力チャンバ115が、サンプル100の上に配置されている。図21Eを参照すると、圧力チャンバ115は、13~15psi(約89.6~103.4kPa)で30秒間加圧される。図21Fを参照すると、チャンバ115が取り外され、サンプル100が洗浄され、10%緩衝ホルマリンで固定されている。図21Gを参照すると、ブタ組織サンプル100は、H&E染色を使用して組織学のために準備される。各サンプル100は、間隔深さ切片法(interval depth sectioning)のためにほぼ等しいサイズの4つ又は5つのブロックに準備される。
【0108】
各組織切片を以下について分析する:(1)サンプルの最大厚さ及びサンプルの最大長を含む物理的寸法、(2)角質層に侵入して表皮を刺入するすべての観察として定義される物理的刺入傷を伴う穿穿刺回数、測定は、外側角質層表面から行われ、すべての針の軌道がカウントされる、及び(3)針の軌道の染料深さ、最大の染料浸透深さが明確な各針の軌道の下に可視化され、測定は外側角質層表面から行われる。すべての組織学的切片を、分析のためにデジタル化する。すべての測定は、Mass Histology Serviceが提供するDDSスライドイメージングソフトウェアを使用して行う。
【0109】
結果。3つの組織サンプルを評価し、各サンプルは、図21Gに例示されるように切片化した。各レベルからの単一の組織切片を分析した。3つの組織サンプルは、0.5mm、1.5mm、及び2.0mmのコアの目標深さ設定を表していた。使用後にシース試験品を検査したが、針が外れたり曲がったりしていることはなかった。以下は、結果の要約である。
表4: 染料深さ測定結果の概要
【表4】
表5: 染料深さ測定の生の組織学的結果
【表5】
【0110】
図22は、この試験に使用した単一の組織切片の注釈付きの一例である。図22を参照すると、穿刺プロセスの性質及びミクロトーム切片法の向きにより、切片は、針の軌道を通る完全な断面の切断ではない。サンプルに加えられた高レベルの伸長と、穿刺される組織に色素を注入するための修正フランツチャンバの使用とに基づいて、この試験は、本開示の一例による穿刺装置の臨床用途における可能な侵入深さを示す可能性が最も高い一連の条件を表している。
【0111】
図23は、コアの3つの異なる深さ設定で組織学的に測定された染料浸透のヒストグラムを示す。述べられた許容基準は、染料浸透深さが深さ設定を超えないことであり、コアの深さ設定よりも深い深さまで染料が侵入する例はない。図23を参照すると、測定される染料浸透深さは、常にコアの深さ設定よりも浅い。針の軌道に関連する染料浸透深さは、コアの深さ設定を超えることはなかった。したがって、本開示の一例による穿刺装置は、使用中に対象にさらなる危険を及ぼさない。
【0112】
図24は、本開示の一例による穿刺装置が、使用者の深さ設定によって意図されたように機能することを例示する。図24を参照すると、本開示の一例による穿刺装置は、高い深さ設定でより深い染料浸透をもたらす傾向にある。それにもかかわらず、深さの大幅な変動は、組織生物学、使用者、及びサンプルの処理に内在する。
【0113】
(5.3.2 深さ測定比較試験)
背景。この試験は、本開示の一例による穿刺装置の針の深さを他の穿刺装置と比較した。試験は、セクション5.2.1に記載の針の寸法、セクション5.2.2に記載の針アレイの向き、及びセクション5.2.3に記載のモータとモータのリンク機構を含む本開示の一例による穿刺装置、製造業者Aによって製造された穿刺装置、及び製造業者Bによって製造された穿刺装置を使用して行った。
【0114】
試験方法。本開示の穿刺装置、製造業者Aの穿刺装置、及び製造業者Bの穿刺装置のそれぞれにつき1つのサンプルとして、3つの組織サンプルの表面積に針を穿刺した。本開示の穿刺装置、製造業者Aの穿刺装置、及び製造業者Bの穿刺装置を含むすべての穿刺装置を、1.0mm設定の穿刺に調整した。臨床的に適切な並進速度(2cm/秒)で、12の経路(6つが東から西方向に進み、且つ6つが北から南方向に進む)に染料を侵入させた。穿刺後に、5~10psi(約34.4~68.9kPa)の圧力を20秒間かけた。サンプルを固定具から取り外し、洗浄してホルマリンに浸漬した。
【0115】
結果。図25は、例示的な針の深さの比較試験の結果を例示する図である。図25を参照すると、本開示の一例による穿刺装置、製造業者Aの穿刺装置、及び製造業者Bの穿刺装置のそれぞれについて、実際の刺入深さによる針の打撃のパーセンテージが例示されている。製造業者Aの装置及び製造業者Bの装置では、打撃の95%が、0mm~0.50mmの実際の深さ範囲、すなわち目標深さの半分であった。本開示の一例による穿刺装置では、9回以上の打撃が、0.51mm~1.0mmの実際の深さ範囲、すなわち目標深さの半分以上であった。各装置で、針の打撃をカウントし、約25mmの長さの5つの縦断面で測定した。製造業者Aの装置の打撃の回数は155であり、製造業者Bの装置では172であり、本開示の一例による穿刺装置では162であった。装置の振動周波数は、すべての装置で同様の範囲であった(製造業者Aの装置では約107Hz、製造業者Bの装置では約113Hz、及び本開示の一例による穿刺装置では約120Hz)。
【0116】
以下は、製造業者Aの穿刺装置、製造業者Bの穿刺装置、及び本開示の一例による穿刺装置を比較した試験の結果の要約である。簡潔にするために、製造業者Aの装置は、装置Aと呼び、製造業者Bの装置は装置Bと呼び、且つ本開示の一例による穿刺装置は装置Xと呼ぶことにする。
表6: 打撃深さの比較結果
【表6】
表7: 切片当たりの推定打撃数
【表7】
表8: 深さ実現の比較
【表8】
表9: 詳細なヒストグラム結果A
【表9】
表10: 詳細なヒストグラム結果B
【表10】
表11: 単純なヒストグラム結果
【表11】
【0117】
上記のような有利な深さ検証結果は、本開示全体を通して説明した構造的特徴の改善に起因する。有利な結果をもたらしたすべての試験は、セクション5.2.1に記載の針の寸法、セクション5.2.2に記載の針アレイの向き、及びセクション5.2.3に記載のモータとモータのリンク機構を含む、本開示の一例による穿刺装置を使用して行った。
【0118】
当業者であれば、その広範な発明の概念から逸脱することなく、上記の実施態様に変更を加えることができることを理解されよう。したがって、本明細書に開示される発明は、開示される特定の実施態様に限定されないが、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神及び範囲内の変更を含むことを意図することを理解されよう。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図19C
図19D
図20
図21A
図21B
図21C
図21D
図21E
図21F
図21G
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29A
図29B
【国際調査報告】