(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-03
(54)【発明の名称】可変ピッチ色放出ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20230127BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20230127BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20230127BHJP
【FI】
G09F9/00 360D
G02B27/02 Z
G09F9/33
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533464
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(85)【翻訳文提出日】2022-07-27
(86)【国際出願番号】 US2020063499
(87)【国際公開番号】W WO2021113782
(87)【国際公開日】2021-06-10
(32)【優先日】2019-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】サン ティレール, ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ポリアコフ, エフゲニー
(72)【発明者】
【氏名】ジョリー, サンディープ クマール
【テーマコード(参考)】
2H199
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H199CA24
2H199CA30
2H199CA42
2H199CA49
2H199CA63
2H199CA64
2H199CA65
2H199CA69
5C094AA13
5C094BA16
5C094BA23
5C094CA18
5C094ED01
5C094HA08
5G435AA01
5G435BB04
5G435BB17
5G435DD04
5G435DD05
5G435FF01
5G435FF08
5G435GG02
5G435GG03
5G435GG04
5G435LL07
(57)【要約】
本開示は、拡張現実、仮想現実、および複合現実環境におけるディスプレイを含むディスプレイ用途のための可変ピッチ発光デバイスの使用に関する。特に、例えばコンパクト性、製造性、色描出、ならびにコンピュータおよび電力節約の利点を提供するための可変ピッチの小型(例えば、ミクロンサイズ)発光デバイス(例えば、マイクロLED)に関する。複数のパネルによって複数の光を放出するためのシステムおよび方法が、開示され、1つのパネルのピッチは、他のパネルのピッチ(単数または複数)と異なる。各パネルは、光エミッタの個別のアレイを備えてもよい。複数の光は、コンバイナによって組み合わせられてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
光エミッタの第1のアレイを備える第1のパネルであって、第1の光を第1のピッチにおいて放出するように構成される第1のパネルと、
光エミッタの第2のアレイを備える第2のパネルであって、第2の光を第2のピッチにおいて放出するように構成される第2のパネルと、
光エミッタの第3のアレイを備える第3のパネルであって、第3の光を第3のピッチにおいて放出するように構成される第3のパネルと、
前記第1の光、前記第2の光、および前記第3の光を組み合わせるためのコンバイナと
を備え、前記第2のパネルの前記第2のピッチは、前記第1のパネルの前記第1のピッチより小さく、前記第3のパネルの前記第3のピッチより小さい、システム。
【請求項2】
前記第1の光は、赤色光を含み、前記第2の光は、緑色光を含み、前記第3の光は、青色光を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の光、前記第2の光、および前記第3の光の各々は、単色光である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のアレイの光エミッタは、前記第2のアレイの光エミッタより小さいサイズであり、前記第3のアレイの光エミッタより小さいサイズである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のアレイの光エミッタは、前記第1のパネルの前記第1のピッチに関連付けられる寸法を伴う第1の単一エミッタフットプリントを有し、
前記第2のアレイの光エミッタは、前記第2のパネルの前記第2のピッチに関連付けられる寸法を伴う第2の単一エミッタフットプリントを有し、
前記第3のアレイの光エミッタは、前記第3のパネルの前記第3のピッチに関連付けられる寸法を伴う第3の単一エミッタフットプリントを有し、
前記第2の単一エミッタフットプリントは、前記第1の単一エミッタフットプリントより小さく、前記第3の単一エミッタフットプリントより小さい、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
同一の寸法のセットが、
前記第1の単一エミッタフットプリントと、
前記第3の単一放出フットプリントと、
各々が前記第2の単一エミッタフットプリントを有する4つの光エミッタの2×2アレイと
の各々によって占有される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
同一の寸法のセットが、
前記第3の単一放出フットプリントと、
各々が前記第1の単一エミッタフットプリントを有する4つの光エミッタの2×2アレイと、
各々が前記第2の単一エミッタフットプリントを有する16の光エミッタの4×4アレイと
の各々によって占有される、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の光は、第1の色を有し、前記第2の光は、第2の色を有し、前記第3の光は、第3の色を有し、前記システムは、
ビデオデータを受信することと、
前記第1の光に関する前記第1の色において、前記受信されたビデオデータに対して色毎ダウンサンプリングを実施することと、
前記第3の光に関する前記第3の色において、前記受信されたビデオデータに対して色毎ダウンサンプリングを実施することと、
前記第1のパネル、前記第2のパネル、および前記第3のパネルを駆動することと
を行うように構成される電子ハードウェアを備え、前記第1のパネルは、前記第1の光に関する前記第1の色において、前記色毎ダウンサンプリングされたビデオデータに基づいて駆動され、前記第3のパネルは、前記第3の光に関する前記第3の色において、前記色毎ダウンサンプリングされたビデオデータに基づいて駆動される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の光は、第1の色を有し、前記第2の光は、第2の色を有し、前記第3の光は、第3の色を有し、前記システムは、
第1の解像度を有する第1のビデオデータを受信することと、
前記第1の解像度を有する前記第1のビデオデータに基づいて前記第1のパネルを駆動することと
を行うように構成される第1の電子ハードウェアと、
第2の解像度を有する第2のビデオデータを受信することと、
前記第2の解像度を有する前記第2のビデオデータに基づいて前記第2のパネルを駆動することと
を行うように構成される第2の電子ハードウェアと、
第3の解像度を有する第3のビデオデータを受信することと、
前記第3の解像度を有する前記第3のビデオデータに基づいて前記第3のパネルを駆動することと
を行うように構成される第3の電子ハードウェアと
を備え、フルカラービデオは、前記第1のビデオデータ、前記第2のビデオデータ、および前記第3のビデオデータに基づき、
前記第2のパネルに関する前記第2の解像度は、前記第1のパネルに関する前記第1の解像度より高く、前記第3のパネルに関する前記第3の解像度より高い、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記コンバイナは、X-cubeコンバイナを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
方法であって、
光エミッタの第1のアレイを備える第1のパネルが第1の光を第1のピッチにおいて放出することと、
光エミッタの第2のアレイを備える第2のパネルが第2の光を第2のピッチにおいて放出することと、
光エミッタの第3のアレイを備える第3のパネルが第3の光を第3のピッチにおいて放出することと、
コンバイナが前記第1の光、前記第2の光、および前記第3の光を組み合わせることと
を含み、前記第2のパネルの前記第2のピッチは、前記第1のパネルの前記第1のピッチより小さく、前記第3のパネルの前記第3のピッチより小さい、方法。
【請求項12】
前記第1の光は、赤色光を含み、前記第2の光は、緑色光を含み、前記第3の光は、青色光を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の光、前記第2の光、および前記第3の光の各々は、単色光である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のアレイの光エミッタは、前記第2のアレイの光エミッタより小さいサイズであり、前記第3のアレイの光エミッタより小さいサイズである、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のアレイの光エミッタは、前記第1のパネルの前記第1のピッチに関連付けられる寸法を伴う第1の単一エミッタフットプリントを有し、
前記第2のアレイの光エミッタは、前記第2のパネルの前記第2のピッチに関連付けられる寸法を伴う第2の単一エミッタフットプリントを有し、
前記第3のアレイの光エミッタは、前記第3のパネルの前記第3のピッチに関連付けられる寸法を伴う第3の単一エミッタフットプリントを有し、
前記第2の単一エミッタフットプリントは、前記第1の単一エミッタフットプリントより小さく、前記第3の単一エミッタフットプリントより小さい、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
同一の寸法のセットが、
前記第1の単一エミッタフットプリントと、
前記第3の単一放出フットプリントと、
各々が前記第2の単一エミッタフットプリントを有する4つの光エミッタの2×2アレイと
の各々によって占有される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
同一の寸法のセットが、
前記第3の単一放出フットプリントと、
各々が前記第1の単一エミッタフットプリントを有する4つの光エミッタの2×2アレイと、
各々が前記第2の単一エミッタフットプリントを有する16の光エミッタの4×4アレイと
の各々によって占有される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の光は、第1の色を有し、前記第2の光は、第2の色を有し、前記第3の光は、第3の色を有し、前記方法は、
ビデオデータを受信することと、
前記第1の光に関する前記第1の色において、前記受信されたビデオデータに対して色毎ダウンサンプリングを実施することと、
前記第3の光に関する前記第3の色において、前記受信されたビデオデータに対して色毎ダウンサンプリングを実施することと、
前記第1のパネル、前記第2のパネル、および前記第3のパネルを駆動することと
を含み、前記第1のパネルは、前記第1の光に関する前記第1の色において、前記色毎ダウンサンプリングされたビデオデータに基づいて駆動され、前記第3のパネルは、前記第3の光に関する前記第3の色において、前記色毎ダウンサンプリングされたビデオデータに基づいて駆動される、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の光は、第1の色を有し、前記第2の光は、第2の色を有し、前記第3の光は、第3の色を有し、前記方法は、
第1の解像度を有する第1のビデオデータを受信することと、
前記第1の解像度を有する前記第1のビデオデータに基づいて前記第1のパネルを駆動することと、
第2の解像度を有する第2のビデオデータを受信することと、
前記第2の解像度を有する前記第2のビデオデータに基づいて前記第2のパネルを駆動することと、
第3の解像度を有する第3のビデオデータを受信することと、
前記第3の解像度を有する前記第3のビデオデータに基づいて前記第3のパネルを駆動することと
を含み、フルカラービデオは、前記第1のビデオデータ、前記第2のビデオデータ、および前記第3のビデオデータに基づき、
前記第2のパネルに関する前記第2の解像度は、前記第1のパネルに関する前記第1の解像度より高く、前記第3のパネルに関する前記第3の解像度より高い、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記コンバイナは、X-cubeコンバイナを備える、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2019年12月4日に出願された米国仮出願第62/943,568号の利益を主張し、その開示全体が、あらゆる目的のために参照によって本明細書に援用される。
【0002】
(分野)
本開示は、概して、可変ピッチ色放出ディスプレイのためのシステムおよび方法に関し、特に、拡張現実、仮想現実、および複合現実環境におけるディスプレイのためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
現在の拡張現実(AR)システムおよびモバイル投影ディスプレイシステムのいくつかは、反射型シリコン上液晶(RLCOS)ディスプレイを利用し、これは、液晶技術に基づく比較的低速の切替デバイスであり、
図1に例示されるような嵩張る偏光光学系アーキテクチャを採用する。この十分に確立された技術の一般的不利点のうちのいくつかは、偏光光学素子に関連付けられる高い損失と、60~120Hzの低速切替時間とに起因する低い光学スループットである。
【0004】
LCOS投影システムは、通常、例えば
図1において、反射型LCOSディスプレイと、集束素子を伴う偏光光学系とから成る。正面偏光器を有するため、光の少なくとも55%は直ちに失われ得、さらに、外部結合された光が集束レンズ素子を通して失われる。LC技術は十分に確立されているが、黒色/カラー状態を急速に変更することができず、典型的には120Hzによって制限される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(概要)
複数のパネルによって複数の光を放出するためのシステムおよび方法が、開示され、1つのパネルのピッチは、他のパネルのピッチ(単数または複数)と異なる。各パネルは、個別の光エミッタのアレイを備えてもよい。複数の光は、コンバイナによって組み合わせられてもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、複数の光は、赤色光と、緑色光と、青色光とを備えてもよい。いくつかの実施形態では、複数の光の各々は、単色光であってもよい。いくつかの実施形態では、1つのアレイの光エミッタは、他のアレイ(単数または複数)の光エミッタより小さいサイズであってもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1のアレイの光エミッタは、第1のパネルの第1のピッチに関連付けられる寸法を伴う第1の単一エミッタフットプリントを有してもよく、第2のアレイの光エミッタは、第2のパネルの第2のピッチに関連付けられる寸法を伴う第2の単一エミッタフットプリントを有してもよく、第3のアレイの光エミッタは、第3のパネルの第3のピッチに関連付けられる寸法を伴う第3の単一エミッタフットプリントを有してもよく、第2の単一エミッタフットプリントは、第1の単一エミッタフットプリントより小さくてもよく、第3の単一エミッタフットプリントより小さくてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、同一の寸法のセットが、第1の単一エミッタフットプリントと、第3の単一放出フットプリントと、各々が第2の単一エミッタフットプリントを有する4つの光エミッタの2×2アレイとの各々によって占有されてもよい。いくつかの実施形態では、同一の寸法のセットが、第3の単一放出フットプリントと、各々が第1の単一エミッタフットプリントを有する4つの光エミッタの2×2アレイと、各々が第2の単一エミッタフットプリントを有する16の光エミッタの4×4アレイとの各々によって占有されてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の光は、第1の色を有してもよく、第2の光は、第2の色を有してもよく、第3の光は、第3の色を有してもよく、システムは、ビデオデータを受信することと、第1の光に関する第1の色において、受信されたビデオデータに対して色毎ダウンサンプリングを実施することと、第3の光に関する第3の色において、受信されたビデオデータに対して色毎ダウンサンプリングを実施することと、第1のパネル、第2のパネル、および第3のパネルを駆動することとを行うための電子ハードウェアを備えてもよく、第1のパネルは、第1の光に関する第1の色において、色毎ダウンサンプリングされたビデオデータに基づいて駆動され、第3のパネルは、第3の光に関する第3の色において、色毎ダウンサンプリングされたビデオデータに基づいて駆動される。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の光は、第1の色を有してもよく、第2の光は、第2の色を有してもよく、第3の光は、第3の色を有してもよく、システムは、第1の解像度を有する第1のビデオデータを受信することと、第1の解像度を有する第1のビデオデータに基づいて第1のパネルを駆動することとを行うように構成される第1の電子ハードウェアと、第2の解像度を有する第2のビデオデータを受信することと、第2の解像度を有する第2のビデオデータに基づいて第2のパネルを駆動することとを行うように構成される第2の電子ハードウェアと、第3の解像度を有する第3のビデオデータを受信することと、第3の解像度を有する第3のビデオデータに基づいて第3のパネルを駆動することとを行うように構成される第3の電子ハードウェアとを備えてもよく、フルカラービデオは、第1のビデオデータ、第2のビデオデータ、および第3のビデオデータに基づき、第2のパネルに関する第2の解像度は、第1のパネルに関する第1の解像度より高く、第3のパネルに関する第3の解像度より高い。
【0011】
いくつかの実施形態では、コンバイナは、X-cubeコンバイナを備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
(図面の簡単な説明)
【
図1】
図1は、並行方式における3色照明および変調を採用したフルカラーLCoSベースのプロジェクタシステムを図示する。
【0013】
【
図2】
図2は、プロジェクタシステムに関するマイクロLED同一ピッチX-cube幾何学形状を図示する。
【0014】
【
図3】
図3は、個々のμLEDエミッタの例示的アーキテクチャを図示する。
【0015】
【
図4】
図4Aおよび
図4Bは、本明細書に説明される実施形態による色毎可変解像度スキームにおける例示的エミッタフットプリントを図示する。
【0016】
【
図5】
図5は、可変ピッチマイクロLED生成された画像の表現(下)と比較される同一ピッチマイクロLED生成された画像の表現(上)を図示する。
【0017】
【
図6】
図6Aおよび
図6Bは、各々が複数のパネルおよび可変ピッチを伴う例示的システムを図示する。
【0018】
【
図7】
図7A~7Dは、色毎可変解像度ダウンサンプリングのテキストベースのシミュレーションを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(詳細な説明)
以下の例の説明では、付随の図面の参照が行われ、図面は、本明細書の一部を形成し、図面では、実践され得る具体例が図示によって示される。他の例が使用されることができることと、開示される例の範囲から逸脱することなく構造変更が行われることができることとを理解されたい。
【0020】
図1は、並行方式における3色照明および変調を採用したフルカラーLCoSベースのプロジェクタシステムを図示する。
図1の左側では、プロジェクタシステム110は、赤色-緑色-青色(RGB)光源112(マイクロレンズアレイ(MLA)を伴うマイクロ発光ダイオード(μLED)を有する)と、前置偏光フィルタ114と、偏光ビームスプリッタ(PBS)116と、4分の1波長板(QWP)118と、コリメータ120と、反射型LCOSディスプレイ122と、クリーンアップ偏光フィルタ124と、投影レンズ126と、接眼レンズ128(入力結合器格子(ICG)130および射出瞳エクスパンダ(EPE)領域132を有する)と、可変焦点素子(VFE)134とを備える。RBG光源112は、3色照明を提供し、反射型LCOSディスプレイ122は、並行方式において変調を提供する。
【0021】
図1の右側では、プロジェクタシステム160は、RGB光源162(MLAを伴うμLEDを有する)と、前置偏光フィルタ164と、PBS166と、QWP168と、反射型LCOSディスプレイ172と、クリーンアップ偏光フィルタ174と、投影レンズ176と、接眼レンズ178(ICG180およびEPE領域182を有する)と、VFE184とを備える。RBG光源162は、3色照明を提供し、反射型LCOSディスプレイ172は、並行方式において変調を提供する。
【0022】
図1では、左側プロジェクタシステム110および右側プロジェクタシステム160は、種々の局面において異なる。例えば、左側プロジェクタシステム110はコリメータ120を備えるが、右側プロジェクタシステム160はコリメータを有しない。別の例として、左側プロジェクタシステム110は、QWP118がPBS116とコリメータ120との間に位置する配列を有するが、右側プロジェクタシステム150は、QWP168がPBS166と反射型LCOSディスプレイ172との間に位置する配列を有する。さらに別の例として、左側プロジェクタシステム110は、QWPがPBS116と反射型LCOSディスプレイ122との間に必要とされない配列を有するが、右側プロジェクタシステム150は、QWP168がPBS166と反射型LCOSディスプレイ172との間に位置する配列を有する。
【0023】
本明細書に説明される実施形態は、マイクロLED(小型放出発光ダイオード(LED))デバイスを使用してもよく、これは、直接、カラーパネル上での画像の作成を可能にし得、したがって、光学系設計を簡略化し、偏光光学系を不要にし、RLCOS技法の使用を不必要にし得る。kHzレートの切替速度に加えて、発明者らは、(例えば
図2に描写されるようなX-cubeコンバイナおよび投影光学系の一般に採用される3パネルマイクロディスプレイアーキテクチャではなく)各カラーパネルがその独自の光エミッタピッチおよびその独自の解像度によって表現され得る新規アーキテクチャを本明細書において提案する。そのようなディスプレイ技法(例えば幾何学形状)の利点は、大規模な電力節約と、簡略化された設計と、低減されたコストおよびシステムの複雑性とを含み得る。
【0024】
図2は、プロジェクタシステムに関するマイクロLED同一ピッチX-cube幾何学形状を図示する。
図2では、プロジェクタシステム200は、赤色マイクロLEDパネル210と、緑色マイクロLEDパネル220と、青色マイクロLEDパネル230と、X-cubeコンバイナ240と、投影光学系250と、RBG接眼レンズ260(ICG270を有する)とを備える。全3つのパネル210、220、および230は、それらの個別のマイクロLEDに関して同一のピッチを有する。
【0025】
図3の例に示されるもの等のマイクロLED放出デバイスの一般的なボトルネックは、個々のエミッタ(例えば、デバイスピッチおよびエミッタサイズ)のサイズ低減に伴うそれらの低減された効率であり得る。例えば、10umピクセルサイズデバイスは、5umピクセルサイズデバイスより効率的である。(例えば、光学的エミッタンスの観点から)より大きいサイズのエミッタを使用することが有利であり得る。しかしながら、高解像度画像および/または所望の視野(FOV)の必要性が存在するとき、それが常に可能であるわけではない。
【0026】
図3は、個々のμLEDエミッタの例示的アーキテクチャを図示する。
図3では、個々のμLEDエミッタ300は、相補型金属酸化物半導体(CMOS)バックプレーン310と、III-V族化合物半導体エミッタ320と、反射カップ330と、マイクロレンズ340と、光アイソレータ350とを備える。CMOSバックプレーン310は、μLEDエミッタ300のためにパルス幅変調(PWM)制御を使用してもよい。III-V族化合物半導体エミッタ320は、μLEDエミッタ300のために高い効率を提供または助長してもよい。反射カップ330は、μLEDエミッタ300のために高い明度を提供または助長してもよい。マイクロレンズ340は、μLEDエミッタ300のために光コリメーションを提供または助長してもよい。光アイソレータ350は、μLEDエミッタ300のためにディスプレイ品質を提供または助長してもよい。
【0027】
自然色エミッタ対色変換マイクロLED(特に、色スペクトルの赤色部分)を利用することにおいて、別の問題が存在し得る。典型的アプローチは、青色ポンプLEDを使用して半導体スタックを励起させ、青色から緑色および/または赤色波長に色偏移させる。赤色エミッタは、(例えば、エミッタ>50umのサイズのエミッタに関して)蛍光体染料を使用するか、または(例えば、50umを下回るサイズのエミッタ)量子ドット(QD)色変換に依拠する。これらのスキームは日常的に利用されるが、それらは低い変換有効率(例えば、青色-赤色光学変換に関して<30%)、非コリメートのランバート反射出力を提供し、限られた信頼度を有する。
【0028】
本明細書に開示されるように、より大きいサイズの自然赤色および青色エミッタを使用することが、上記のこれらの問題に対処することができる。それらは、画質の非常にわずかな見掛け劣化を伴うより小さいピクセルサイズ緑色マイクロLEDを依然として使用しながら(青色エミッタの青色パネルと赤色エミッタの赤色パネルとにおける)全体ディスプレイ有効性を向上させることができる。本明細書に説明される本開示の実施形態は、ある単純な興味深い事実に依拠し得、すなわち、ヒト視覚系は緑色光に最良に適合されており、したがって、いくつかの拡張現実/仮想現実/複合現実(AR/VR/MR)システムのために要求されるハイエンド解像度は、緑色光では到達され得るが、波長スペクトルの赤色および青色部分では要求されなくてもよい。したがって、赤色波長における低有効性の効果を打ち消しながら大サイズ赤色エミッタを依然として使用することができ、これは、まだ完全には開発されていない本来の赤色マイクロLEDに関して特に重要であり得る。要求される赤色(および青色)光の部分はより大きいエミッタを利用することができるため、これは、等ピッチカラーパネルを伴うソリューションより高い明度を生み出すことができ、結果として生じるソリューションは、より多くの光学出力/明度をもたらすことができる。
【0029】
本開示の実施形態は、(例えば、X-cubeカラーコンバイナを介して)3つの単色(例えば、R、G、またはB)パネルによって放出される光の光学組み合わせに基づく新規μLEDベースの3色(例えば、R/G/B)プロジェクタを採用し得る。類似の光学組み合わせスキームに基づく従来のカラープロジェクタと異なり、本明細書に説明される実施形態は、パネル毎に可変ピッチを伴うマイクロエミッタを有する複数の(例えば、3つの)個々の単色パネルを採用してもよい。
【0030】
いくつかの実施形態は、5μmピッチを伴う640×360エミッタのアレイを各々が有する2つの(例えば赤色および青色)パネルと併せた2.5μmピッチを伴う1,280×720エミッタのアレイを有する単一(例えば緑色)パネルの使用に基づくプロジェクタ構成(例えば幾何学形状)を採用してもよい。そのような構成では、個々の単色パネルの各々は、同一の全体寸法を有してもよい。可変ピッチ構成に起因して、単一赤色ピクセルおよび単一青色ピクセルによって占有されるフットプリントは、ビーム組み合わせ後、(例えば
図4Aに示されるように)4つの緑色ピクセルによって占有され得る。
【0031】
図4Aは、本明細書に説明される実施形態による色毎可変解像度スキームにおける例示的エミッタフットプリントを図示する。赤色エミッタフットプリント410は、単一赤色ピクセルに関して5μm×5μmの寸法を有してもよい。青色エミッタフットプリント430はまた、単一青色ピクセルに関して5μm×5μmの寸法を有してもよい。緑色エミッタフットプリント420は、4つの緑色ピクセルの2×2アレイに関して5μm×5μmの寸法を有してもよく、4つの緑色ピクセルの各々は、単一緑色ピクセルに関して2.5μm×2.5μmの寸法を有するより小さいフットプリントを有する。
【0032】
別の例示的構成は、2.5μmピッチを伴う1,280×720エミッタのアレイを有する緑色パネルと、5μmピッチを伴う640×360エミッタのアレイを有する赤色パネルと、10μmピッチを伴う320×180エミッタのアレイを有する青色パネルとを採用してもよい。この構成では、単一青色ピクセルによって占有されるフットプリントは、(例えば
図4Bに示されるように)4つの赤色ピクセルと16の緑色ピクセルとによって占有されてもよい。
【0033】
図4Bは、本明細書に説明される実施形態による色毎可変解像度スキームにおける例示的エミッタフットプリントを図示する。赤色エミッタフットプリント450は、4つの赤色ピクセルの2×2アレイに関して10μm×10μmの寸法を有してもよく、4つの赤色ピクセルの各々は、単一赤色ピクセルに関して5μm×5μmの寸法を有するより小さいフットプリントを有する。青色エミッタフットプリント430は、単一青色ピクセルに関して10μm×10μmの寸法を有してもよい。緑色エミッタフットプリント420は、16の緑色ピクセルの4×4アレイに関して10μm×10μmの寸法を有してもよく、16の緑色ピクセルの各々は、単一緑色ピクセルに関して2.5μm×2.5μmの寸法を有するより小さいフットプリントを有する。
【0034】
これらの上記の例示的アーキテクチャの両方は、視力が緑色波長に関して最も優勢であり得、青色波長に関して最もそうでないというヒト視覚系の前述の特性を利用し得る。
【0035】
本開示の実施形態を採用すると、緑色チャネルにおいてフル解像度(例えば、1,280×720)で、赤色および青色チャネルに関して4分の1解像度(例えば、640×360)で、または青色チャネルに関してさらにより低い解像度でフルカラーコンピュータ像が提示され得る。例示的ハードウェアインスタンス化では、2つのビデオデータ処理および伝送スキームのうちの1つが、使用されることができ、すなわち、1)フル解像度フルカラー像が、全3つのμLEDパネルを駆動することを担う組み合わせられた電子ハードウェアに提示されることができ、その時点で、より低い解像度のカラーパネルに関する色毎ダウンサンプリングがハードウェアレベルで行われ得るか、または、2)色毎の像が、異なる解像度(例えば、1,280×720における緑色、640×360における赤色、640×360またはそれ未満における青色)でレンダリングされ、並行データストリームにおいてパネル毎に個々の駆動電子ハードウェアに伝送されることができる。
【0036】
実施形態は、広視野(FOV)に関して、<2分弧の高解像度光学システムのために要求される小サイズのエミッタ(例えば、2.5um程度)の必要性を除去することができる。例えば、緑色パネルに関するエミッタのサイズの2倍である青色パネルおよび赤色パネルカラーピクセルを使用することが実行可能であることが実証されている。この構想は、μLEDディスプレイに関する不確実性の主要因を除去することができ、主要因は、本来の(色変換されない)赤色源に関する赤色強度であった。これは、2.5umピクセルサイズデバイスに向けてスケールダウンすることが同様に明らかに困難であり得る青色パネルにも役立ち得る。ここでも、大サイズ青色および赤色パネルを使用することがより明るいディスプレイを与えることができ、電力消費を低減させることができ(より小さいサイズのエミッタはより高い電流密度および半導体エッジ効果に起因してあまり効率的ではなくなり得るため)、同時に、より高いピッチの緑色パネルの使用が、適切なレベルの画質をヒトの知覚に提供することができる。さらに、同一の全体フォーマットを維持することが、共通規格と同一の投影システムを保つことを可能にすることができる。
【0037】
図5は、可変ピッチマイクロLED生成された画像の表現(下)と比較される同一ピッチマイクロLED生成された画像の表現(上)を図示する。下の画像520は、緑色エミッタと比較して2倍の大きさである青色および赤色エミッタを使用して生成された画像を表す。上の画像510および下の画像520の両方に関する画質は、ヒト視覚系にはほぼ同じように見え得る。
【0038】
図6Aおよび
図6Bは、各々が複数のパネルおよび可変ピッチを伴う例示的システムを図示する。
図6Aおよび
図6Bでは、システム602およびシステム604の各々は、第1のパネル610と、第2のパネル620と、第3のパネル630と、X-cubeコンバイナ640と、投影光学系650とを備えてもよい。赤色パネル610、緑色LEDパネル620、および青色LEDパネル630のうちの1つまたはそれより多くは、マイクロLEDパネルを備えてもよい。赤色パネル610、緑色LEDパネル620、および青色LEDパネル630のうちの1つまたはそれより多くは、単色光パネルを備えてもよい。上記の例および実施形態に説明されるように、3つのパネル610、620、および630は、それらの個別の発光素子に関して個別のピッチを有してもよく、3つの個別のピッチは、不均一であってもよい。システム602およびシステム604の各々は、ARまたはVRまたはMRシステム等のための接眼レンズ660と併用されてもよい。
図6Aでは、第1のビデオデータ処理および伝送スキームのための第1の例示的ハードウェアインスタンス化に関して上記に説明されるように、システム602は、全3つのパネル610、620、および630を駆動するための組み合わせられた電子ハードウェア670(例えば、組み合わせられた駆動回路網)と併用されてもよい。
図6Bでは、第2のビデオデータ処理および伝送スキームのための第2の例示的ハードウェアインスタンス化に関して上記に説明されるように、システム604は、3つのパネル610、620、および630をそれぞれ駆動するための電子ハードウェアの3つの別個の個々の部品615、625、および635(例えば、3つの別個の駆動回路)と併用されてもよい。
【0039】
図6Aのシステム602および
図6Bのシステム604の各々は、第1のパネル610、第2のパネル620、および第3のパネル630のうちの1つまたはそれより多くの上に画像を直接作成または生成してもよい。他のディスプレイシステム設計と比較して、システム602および604の各々は、簡略化された光学系設計を有してもよい。例えば、偏光光学系は、低減されるか、または不要にされてもよく、それによって、システム602および604の各々は、
図1における偏光コンポーネントのいずれかまたは全てを除外するか、またはそれらを欠いてもよい。別の例として、LCOSディスプレイは、不必要であってもよく、それによって、システム602および604の各々は、
図1におけるいずれかまたは全てのLCOSディスプレイを除外するか、またはそれらを欠いてもよい。システム602および604の各々は、kHz切替速度で動作してもよい。他のディスプレイシステム設計と比較して、システム602および604の各々は、大幅な電力節約を提供し得る。他のディスプレイシステム設計と比較して、システム602および604の各々は、低減されたコストまたは複雑性を提供し得る。
【0040】
図7A~7Dは、色毎可変解像度ダウンサンプリングのテキストベースのシミュレーションを図示する。
図7Aは、赤色、緑色、および青色カラーチャネルに関するフル解像度レンダリング710を表す。
図7Bは、緑色に関するフル解像度レンダリング720と、赤色および青色に関する4分の1解像度ダウンサンプリングおよびレンダリングとを表す。
図7Cは、緑色に関するフル解像度レンダリング730と、赤色に関する4分の1解像度ダウンサンプリングと、青色に関する16分の1解像度ダウンサンプリングとを表す。
図7Dは、赤色、緑色、および青色カラーチャネルに関する4分の1解像度レンダリング740を表す。
【0041】
これらの4つのレンダリングのうち、レンダリング710は、ヒト視覚系には最も高い色コントラスト(例えば、文字着色対背景着色)と最も高い鮮明度(例えば、文字の縁)とを有するように見え得る。レンダリング720および730は、ヒト視覚系にはほぼ同じように見え得る。レンダリング710は、ヒト視覚系には白塗り文字を有するように見え得る。レンダリング710に関して、レンダリング720および730の文字は、かすかな緑色の色合を有するように見え得る。レンダリング730は、ヒト視覚系にはその文字に関して類似の白色を有するように見え得るが、鮮明度は、
図7A~7Dによって描写される全4つのレンダリングのうち最も低いように見え得る。
【0042】
開示される例が付随の図面を参照してことごとく説明されてきたが、種々の変更および修正が当業者に明白となることに留意されたい。例えば、1つまたはそれより多くの実装の要素は、さらなる実装を形成するために組み合わされ、削除され、修正され、または補完されてもよい。そのような変更および修正は、付属の特許請求の範囲によって規定される開示される例の範囲内に含まれるものとして理解されるべきである。
【国際調査報告】