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特表2023-504551モバイルマニピュレーションシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-03
(54)【発明の名称】モバイルマニピュレーションシステム
(51)【国際特許分類】
   B25J 5/00 20060101AFI20230127BHJP
   F16G 13/16 20060101ALI20230127BHJP
   F16G 13/20 20060101ALI20230127BHJP
   F16H 19/02 20060101ALI20230127BHJP
【FI】
B25J5/00 A
F16G13/16
F16G13/20
F16H19/02 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533505
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(85)【翻訳文提出日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 US2020063431
(87)【国際公開番号】W WO2021113726
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】62/977,643
(32)【優先日】2020-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/112,539
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/944,891
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522216374
【氏名又は名称】ハロー ロボット インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】HELLO ROBOT,INC
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】エドシンガー、アーロン
(72)【発明者】
【氏名】ケンプ、チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】マトゥレビッチ、ブレイン
【テーマコード(参考)】
3C707
3J062
【Fターム(参考)】
3C707CS08
3C707CT04
3C707DS01
3C707ES03
3C707JS03
3C707JS07
3C707WA16
3J062AA38
3J062AB14
3J062AC07
3J062BA12
3J062BA35
3J062CA04
3J062CA32
(57)【要約】
人間環境において目的の作業を実施するように構成されるモバイルマニピュレーションシステムは、コンピューティングデバイスと、少なくとも2つの駆動輪と、センサと、を含む。モバイルマニピュレーションシステムは、第1チェーンカートリッジと駆動チェーンとを含む作動アセンブリを含む。駆動チェーンは、その内部空間内で少なくとも1つのケーブルを搬送する複数の相互接続されたリンクを含む。作動アセンブリシステムは、伸縮式に伸長及び後退するように構成されるとともに、その中で駆動チェーンを搬送する、複数のセグメントを含む伸縮式構造体も含む。モバイルマニピュレーションシステムは、移動式ベースアセンブリに取り付けられ、作動アセンブリがそれに沿って垂直に並進する、マストと、マストの頂部に設けられる、第1センサ群を含むヘッドアセンブリと、を含む。モバイルマニピュレーションシステムは、伸縮式構造体に結合されたマニピュレーションペイロードも含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コンピューティングデバイスと、第1アクチュエータに結合された第1駆動輪と第2アクチュエータに結合された第2駆動輪とを含む少なくとも2つの駆動輪と、第1センサと、を含む移動式ベースアセンブリと、
作動アセンブリであって、
第3アクチュエータの駆動機構に係合可能に結合された駆動チェーンを含む第1チェーンカートリッジであって、前記駆動チェーンは、第1の複数の相互接続されたリンクを含み、前記第1の複数の相互接続されたリンクは、前記第1の複数の相互接続されたリンクの各々の第1内部空間内で少なくとも1つの第1ケーブルを搬送する、第1チェーンカートリッジと、
互いに対して伸縮式に伸長及び後退するように構成されるとともに、その中で前記駆動チェーンを搬送する複数のセグメントを含む伸縮式構造体であって、前記駆動チェーンの第1端部は、前記複数のセグメントのうちの先端セグメントに結合する、伸縮式構造体と、を含む作動アセンブリと、
移動式ベースアセンブリに取り付けられたマストであって、前記作動アセンブリは、前記マストに沿って垂直に並進する、マストと、
前記マストの頂部に設けられ、第1センサ群を含む、ヘッドアセンブリと、
前記複数のセグメントのうちの前記先端セグメントに結合されたマニピュレーションペイロードと、を備える、モバイルマニピュレーションシステム。
【請求項2】
前記作動アセンブリは、
前記移動式ベースアセンブリ内に設けられる第4アクチュエータと、
前記移動式ベースアセンブリ内に設けられる第2チェーンカートリッジであって、
前記第2チェーンカートリッジは、第2の複数の相互接続されたリンクを含むドラグチェーンを含み、
前記第2の複数の相互接続されたリンクは、前記第2の複数の相互接続されたリンクの各々の第2内部空間内で少なくとも1つの第2ケーブルを搬送する、第2チェーンカートリッジと、
前記伸縮式アームを前記マストに結合するリフトキャリッジであって、前記リフトキャリッジは、リフトキャリッジ駆動要素を介して前記第4アクチュエータに結合される、リフトキャリッジと、をさらに備える、請求項1に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項3】
前記第1アクチュエータ、前記第2アクチュエータ、前記第3アクチュエータ又は前記第4アクチュエータのうちの1つ又は複数は、コントローラに結合されたステッピングモータを含む、請求項2に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、電流センサから入力信号を受け取り、前記ステッピングモータに供給される巻線電流を制御し、位置センサから入力信号を受け取り、且つ/又は前記ステッピングモータのロータ位置を制御するように構成される、請求項3に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項5】
前記リフトキャリッジは、第1の複数のローラを含む第1部分と、第2の複数のローラを含む第2部分とを含み、
前記リフトキャリッジの前記第1部分と前記リフトキャリッジの前記第2部分とは、互いに分離可能に結合し、前記マストの一部を取り囲む、請求項2に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項6】
前記第1の複数のローラ及び前記第2の複数のローラは、各々、ローラ要素と、前記ローラ要素の両側のスラスト軸受と、前記ローラ要素を通って延在する金属支持シャフトとを含み、
前記金属支持シャフトの第1端部は、前記リフトキャリッジの前記第1部分内に受け入れられ、前記金属支持シャフトの第2端部は、前記リフトキャリッジの前記第2部分内に受け入れられる、請求項5に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項7】
前記リフトキャリッジは、前記リフトキャリッジ内に一体的に構成された内部ガイドを含み、
前記内部ガイドは、前記第2の複数の相互接続されたリンクのうちの先端リンクに結合された受け部分を含み、
前記リフトキャリッジは、前記少なくとも1つの第2ケーブルが通過する孔を含む、請求項2に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項8】
前記マストは、前記マスト内にチャネルを含み、
前記チャネルは、前記リフトキャリッジ及び前記伸縮式構造体が前記マスト上で垂直に並進する際に、前記マスト内で前記ドラグチェーン及び前記リフトキャリッジ駆動要素を搬送する、請求項2に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項9】
前記ヘッドアセンブリは、前記マストに結合されたプレートと、前記プレートに結合された一対のねじ付き柱と、前記一対のねじ付き柱に結合されたプーリとを含み、
前記プーリは、前記リフトキャリッジ駆動要素を受ける、請求項2に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項10】
前記第1センサ群のうちの少なくとも1つのセンサは、支持構造体を介して前記ヘッドアセンブリに結合し、
前記支持構造体は、前記第1センサ群のうちの前記少なくとも1つのセンサを、前記支持構造体に対して下位位置に位置決めするように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項11】
前記ヘッドアセンブリは、ユーザインタフェースボタンと、前記ヘッドアセンブリを前記モバイルマニピュレーションシステムが位置する面に対して水平運動で回転させるように構成された第5アクチュエータと、前記ヘッドアセンブリを前記モバイルマニピュレーションシステムが位置する前記面に対して垂直運動で回転させるように構成された第6アクチュエータとを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項12】
前記第1センサは、レーザ距離計、カメラ又はソナーセンサを含む、請求項1に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項13】
前記第1センサ群は、マイクロフォンアレイ、スピーカ、深度計、カメラ又はレーザ距離計のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項14】
前記作動アセンブリは、1つ又は複数のUSBポートと、前記作動アセンブリに追加のセンサを取り付けるための1つ又は複数のねじ付きインサートとを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項15】
前記移動式ベースアセンブリ、前記作動アセンブリ、前記マニピュレーションペイロード又は前記マニピュレータツールのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの基準タグを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項16】
前記マストは、反射防止材料、及び/又は低摩擦係数を有する付着防止材料を含む表面材料を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項17】
前記マストは、前記ヘッドアセンブリに少なくとも1つの第3ケーブルを搬送するように構成された1つ又は複数の通路を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項18】
前記マニピュレーションペイロードは、第7アクチュエータと、ペイロード駆動機構と、前記ペイロード駆動機構に結合されたマニピュレータツールとを含み、
前記マニピュレータツールは、前記第7アクチュエータを介して作動させられる、請求項1から17のいずれか一項に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項19】
前記マニピュレーションペイロードは、前記複数のセグメントのうちの前記先端セグメントに対してオフセット形態で位置決めされる、請求項18に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項20】
前記マニピュレータツールは、前記モバイルマニピュレーションシステムが位置する面に対して複数の運動を作動させ、
前記複数の運動は、ヨー運動、ピッチ運動、ロール運動、ロール-ピッチ-ロール運動及びロール-ピッチ-ヨー運動を含む、請求項18に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項21】
前記ヨー運動により前記マニピュレータツールは、前記移動式ベースアセンブリのフットプリント内で移動する、請求項20に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項22】
前記マニピュレータツールは、把持端部及び取付端部を含む把持ツールを含み、
前記把持端部は、一対の先端チップを含み、
各前記先端チップは、内部ばねアーム及び外部ばねアームに結合し、
前記取付端部は、内部ばねアーム対及び巻取スプールに結合されたプルブロックを含み、
前記巻取スプールは、巻取要素を介して前記把持ツール内の第8アクチュエータに結合する、請求項18に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項23】
前記移動式ベースアセンブリは、第1取外し可能シェルを含み、前記作動アセンブリは、第2取外し可能シェル及び第3取外し可能シェルを含む、請求項1から22のいずれか一項に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項24】
前記第1コンピューティングデバイスは、データプロセッサと、非一時的コンピュータ実行可能命令を格納するメモリと、第2コンピューティングデバイスから制御コマンドを受け取るように構成された通信インタフェースとを含み、
前記制御コマンドは、前記データプロセッサによって実行され、前記データプロセッサに、前記制御コマンドに関連する目的の作業を実施するように前記モバイルマニピュレーションシステムを制御させる、請求項1から23のいずれか一項に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項25】
前記第2コンピューティングデバイスは、前記第1コンピューティングデバイスからリモートに位置し、ディスプレイと前記ディスプレイ内のグラフィカルユーザインタフェースとを含み、
前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記モバイルマニピュレーションシステムが位置する環境の視覚的視野を提供するように構成され、
前記視覚的視野は、前記第1センサ及び/又は前記第1センサ群から得られるセンサデータから生成される、請求項24に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【請求項26】
前記制御コマンドは、前記モバイルマニピュレーションシステムが位置する前記環境を直接観察することなく前記グラフィカルユーザインタフェースとインタラクトするユーザによって生成される、請求項24に記載のモバイルマニピュレーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モバイルマニピュレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットは、人間環境において目的の作業を実施するように構成することができる。しかしながら、人間環境において相互作用する支援ロボットは、通常、複雑な機械設計を有し、日常の家庭環境で実用的に実働させるには過度に大型であるとともに重量があり、人と安全に相互作用する能力に限界があり、購入及び保守に費用がかかる。自律的又は遠隔操作制御の下で人間環境において有用な作業を実施するように構成されたロボットは、設計の複雑さ及びコストをさらに増大させる可能性がある。その結果、こうしたロボットは、日常の活動において支援デバイスに頼る必要のあるユーザにとって経済的に手が届かない可能性がある。加えて、従来の支援ロボットは、人間環境における重要な作業に対してリーチ及び操作能力が限られている可能性がある。したがって、人間のために効率的に且つ安全に作業を実施するように自律的に又は遠隔操作を介して動作することができる、単純で、小型で、安全な支援ロボットシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の支援モバイルマニピュレータロボットシステムは、車輪付きベースと、1つ又は複数の器用なロボットアームと、3Dカメラ並びに/又は光検出及び測距(ライダー(Lidar))センサ等の一式のセンサとを含むことができる。器用なロボットアームの運動学的設計は、通常、産業オートメーションアプリケーションに由来し、基端肩関節と先端手首関節との間に位置する一連の5~7個の回転関節を含むことができる。したがって、各関節用のアクチュエータは、重力及び動的荷重に対してその先端関節を支持するのに十分な強度がなければならない。これにより、手首において中程度のペイロードを支持するのに十分な強度があるために、先端関節が大型で、重量があり且つ安全でないものとなるという、増幅作用がもたらされる。こうした重量のあるアームが移動型ロボットに展開されるとき、移動型ロボットのベースは、転倒に対する安定性を確保するためにそのフットプリント及び質量を十分に増大させなければならなくなった。これにより、ベースフットプリントを越えて伸長する長いアームにより転倒が引き起こされる可能性があるため、ロボットの到達可能な作業空間が限られる可能性がある。加えて、これらの器用なアームは、そのかさばる性質により、環境におけるセンサの視界を遮ることになり、ロボットの目的の作業を達成する能力を制限する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に記載するモバイルマニピュレーションシステムは、それが展開される環境からシステムに与えられる、不注意である可能性がある相互作用力を検知することができる。フットプリントの縮小した設計と構成要素の効率的な機械的構成とにより、モバイルマニピュレーションシステムは、軽量で、小型で、且つ容易に移送可能となる。モバイルマニピュレーションシステムの多数の安全機能により、人間に近接して動作しているときに怪我のない動作を保証する。モバイルマニピュレーションシステムセンサは、センサの位置、向き、視野、照明条件、又は収集したセンサデータの有用性を通常制限する可能性がある障害物とは無関係に、システムが動作している環境を確実に検知することができる。モバイルマニピュレーションシステムのセンサは、ヘッドアセンブリ内のマストの頂部に配置されるため、より人間に近い対話又は相互作用をさらに可能にすることができる。本明細書に記載するモバイルマニピュレーションシステムは、従来の支援ロボットと比較して、水平方向に且つ垂直方向に関節運動する伸縮式構造体を使用して、より広範囲の距離にアクセスすることができる。
【0005】
伸縮式構造体に結合されたマニピュレータツールは、複雑な関節運動する関節、機械的連結機構、又は複雑な運動計画アルゴリズムで動作するようにプログラムされた操作付属品を必要とすることなく、より多種多様な対象物又は環境をつかむか又は他の方法でそれらと相互作用することができる。モバイルマニピュレーションシステムの細長い輪郭により、システムが、より容易に自己位置推定するのを可能にすることができ、例えば、伸縮式構造体及びマニピュレータツールの位置を推定することにより、作業を実施しているときの作動時間及び制御コマンド生成を改善することができる。モバイルマニピュレーションシステムの細長い設計により、所与の環境においてより大量の空間にわたりセンサデータが収集されるようにすることもできる。
【0006】
これらの特徴及び利益の結果として、本明細書に記載するモバイルマニピュレーションシステムは、人間環境における日常の作業を完了するよりロバストな性能を提供することができる。
【0007】
概して、モバイルマニピュレーションシステムを提供する。1つの実施形態では、モバイルマニピュレーションシステムは、第1コンピューティングデバイスと少なくとも2つの駆動輪とを含む、移動式ベースアセンブリを含むことができる。少なくとも2つの駆動輪は、第1アクチュエータに結合された第1駆動輪と、第2アクチュエータに結合された第2駆動輪とを含むことができる。移動式ベースアセンブリは、第1センサも含むことができる。モバイルマニピュレーションシステムは、第1チェーンカートリッジを含む作動アセンブリも含むことができる。第1チェーンカートリッジは、第3アクチュエータの駆動機構に係合可能に結合された駆動チェーンを含むことができる。駆動チェーンは、第1の複数の相互接続されたリンクを含むことができ、それらは、第1の複数の相互接続されたリンクの各々の第1内部空間内で少なくとも1つの第1ケーブルを搬送する。作動システムは、複数のセグメントを含む伸縮式構造体も含むことができ、それらセグメントは、互いに対して伸縮式に伸長及び後退するように構成されるとともに、その中で駆動チェーンを搬送する。駆動チェーンの第1端部は、複数のセグメントのうちの先端セグメントに結合することができる。モバイルマニピュレーションシステムは、移動式ベースアセンブリに取り付けられたマストも含むことができる。作動アセンブリは、マストに沿って垂直に並進することができる。モバイルマニピュレーションシステムは、マストの頂部に、第1センサ群を含むヘッドアセンブリをさらに含むことができる。モバイルマニピュレーションシステムは、複数のセグメントのうちの先端セグメントに結合されたマニピュレーションペイロードも含むことができる。
【0008】
別の実施形態では、作動アセンブリは、移動式ベースアセンブリ内の第4アクチュエータと、移動式ベースアセンブリ内の第2チェーンカートリッジとを含むことができる。第2チェーンカートリッジは、第2の複数の相互接続されたリンクを含むドラグチェーンを含むことができ、第2の複数の相互接続されたリンクは、第2の複数の相互接続されたリンクの各々の第2内部空間内で少なくとも1つの第2ケーブルを搬送する。作動アセンブリは、伸縮式アームをマストに結合するリフトキャリッジも含むことができる。リフトキャリッジは、リフトキャリッジ駆動要素を介して第4アクチュエータに結合することができる。
【0009】
別の実施形態では、第1アクチュエータ、第2アクチュエータ、第3アクチュエータ又は第4アクチュエータのうちの1つ又は複数は、コントローラに結合されたステッピングモータを含むことができる。別の実施形態では、コントローラは、電流センサから入力信号を受け取るか、又は、ステッピングモータに供給される巻線電流を制御するように構成することができる。別の実施形態では、コントローラは、位置センサから入力信号を受け取り、且つ/又はステッピングモータのロータ位置を制御するように構成することができる。
【0010】
別の実施形態では、リフトキャリッジは、第1の複数のローラを含む第1部分と、第2の複数のローラを含む第2部分とを含むことができる。リフトキャリッジの第1部分とリフトキャリッジの第2部分とは、互いに分離可能に結合することができ、マストの一部を取り囲むことができる。
【0011】
別の実施形態では、第1の複数のローラ及び第2の複数のローラは、各々、ローラ要素と、ローラ要素の両側のスラスト軸受と、ローラ要素を通って延在する金属支持シャフトとを含むことができる。金属支持シャフトの第1端部は、リフトキャリッジの第1部分内に受け入れることができ、金属支持シャフトの第2端部は、リフトキャリッジの第2部分内に受け入れることができる。
【0012】
別の実施形態では、リフトキャリッジは、リフトキャリッジ内に一体的に構成された内部ガイドを含むことができる。内部ガイドは、第2の複数の相互接続されたリンクのうちの先端リンクに結合された受け部分を含むことができる。リフトキャリッジは、少なくとも1つの第2ケーブルが通過する孔を含むことができる。
【0013】
別の実施形態では、マストは、マスト内にチャネルを含むことができる。チャネルは、リフトキャリッジ及び伸縮式構造体がマスト上で垂直に並進する際に、マスト内でドラグチェーン及びリフトキャリッジ駆動要素を搬送することができる。
【0014】
別の実施形態では、ヘッドアセンブリは、マストに結合されたプレートと、プレートに結合された一対のねじ付き柱と、一対のねじ付き柱に結合されたプーリとを含むことができる。プーリは、リフトキャリッジ駆動要素を受けることができる。
【0015】
別の実施形態では、第1センサ群のうちの少なくとも1つのセンサは、支持構造体を介してヘッドアセンブリに結合することができ、支持構造体は、第1センサ群のうちの少なくとも1つのセンサを、支持構造体に対して下位位置に位置決めするように構成されている。
【0016】
別の実施形態では、ヘッドアセンブリは、ユーザインタフェースボタンと、ヘッドアセンブリをモバイルマニピュレーションシステムが位置する面に対して水平運動で回転させるように構成された第5アクチュエータと、ヘッドアセンブリをモバイルマニピュレーションシステムが位置する面に対して垂直運動で回転させるように構成された第6アクチュエータとを含むことができる。
【0017】
別の実施形態では、第1センサは、レーザ距離計、カメラ又はソナーセンサを含むことができる。別の実施形態では、第1センサ群は、マイクロフォンアレイ、スピーカ、深度計、カメラ又はレーザ距離計のうちの少なくとも1つを含むことができる。別の実施形態では、作動アセンブリは、1つ又は複数のUSBポートと、作動アセンブリに追加のセンサを取り付けるための1つ又は複数のねじ付きインサートとを含むことができる。別の実施形態では、移動式ベースアセンブリ、作動アセンブリ、マニピュレーションペイロード又はマニピュレータツールのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの基準タグを含むことができる。別の実施形態では、マストは、反射防止材料、及び/又は低摩擦係数を有する付着防止材料を含む表面材料を含むことができる。別の実施形態では、マストは、ヘッドアセンブリに少なくとも1つの第3ケーブルを搬送するように構成された1つ又は複数の通路を含むことができる。
【0018】
別の実施形態では、マニピュレーションペイロードは、第7アクチュエータと、ペイロード駆動機構と、ペイロード駆動機構に結合されたマニピュレータツールとを含むことができる。マニピュレータツールは、第7アクチュエータを介して作動させることができる。別の実施形態では、マニピュレーションペイロードは、複数のセグメントのうちの先端セグメントに対してオフセット形態で位置決めすることができる。別の実施形態では、マニピュレータツールは、モバイルマニピュレーションシステムが位置する面に対して複数の運動を作動させることができる。複数の運動は、ヨー運動、ピッチ運動、ロール運動、ロール-ピッチ-ロール運動及びロール-ピッチ-ヨー運動を含むことができる。別の実施形態では、ヨー運動によりマニピュレータツールは、移動式ベースアセンブリのフットプリント内で移動することができる。
【0019】
別の実施形態では、マニピュレータツールは、把持ツールを含むことができる。把持ツールは、把持端部及び取付端部を含むことができる。把持端部は、一対の先端チップを含むことができる。各先端チップは、内部ばねアーム及び外部ばねアームに結合することができる。取付端部は、内部ばねアーム対及び巻取スプールに結合されたプルブロックを含むことができる。巻取スプールは、巻取要素を介して把持ツール内の第8アクチュエータに結合することができる。
【0020】
別の実施形態では、移動式ベースアセンブリは、第1取外し可能シェルを含むことができ、作動アセンブリは、第2取外し可能シェル及び第3取外し可能シェルを含むことができる。
【0021】
別の実施形態では、第1コンピューティングデバイスは、データプロセッサと、非一時的コンピュータ実行可能命令を格納するメモリと、第2コンピューティングデバイスから制御コマンドを受け取るように構成された通信インタフェースとを含むことができる。制御コマンドは、データプロセッサによって実行され、データプロセッサに、制御コマンドに関連する目的の作業を実施するようにモバイルマニピュレーションシステムを制御させることができる。
【0022】
別の実施形態では、第2コンピューティングデバイスは、第1コンピューティングデバイスからリモートに位置することができ、ディスプレイとディスプレイ内のグラフィカルユーザインタフェースとを含むことができる。グラフィカルユーザインタフェースは、モバイルマニピュレーションシステムが位置する環境の視覚的視野を提供するように構成することができる。視覚的視野は、第1センサ及び/又は第1センサ群から得られるセンサデータから生成することができる。
【0023】
別の実施形態では、制御コマンドは、モバイルマニピュレーションシステムが位置する環境を直接観察することなくグラフィカルユーザインタフェースとインタラクトするユーザによって生成することができる。
【0024】
命令を格納する非一時的コンピュータプログラム製品(すなわち、物理的に具現化されたコンピュータプログラム製品)も記載しており、命令は、1つ又は複数のコンピューティングシステムの1つ又は複数のデータプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのデータプロセッサに、本明細書において開示される動作および方法を実行させる。同様に、1つ又は複数のデータプロセッサと1つ又は複数のデータプロセッサに結合されたメモリとを含むことができる、コンピュータシステムも記載している。メモリは、少なくとも1つのプロセッサに、本明細書に記載する動作のうちの1つ又は複数を実行させる命令を、一時的に又は恒久的に格納することができる。加えて、方法は、単一のコンピューティングシステム内の、又は2つ以上のコンピューティングシステム間で分散された、1つ又は複数のデータプロセッサによって実施することができる。こうしたコンピューティングシステムは、ネットワーク(例えば、インターネット、無線広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、有線ネットワーク等)上の接続を含む、1つ又は複数の接続を介して、あるいは、複数のコンピューティングシステムのうちの1つ又は複数の間の直接接続を介して等により、接続することができ、且つ、データ及び/又はコマンド若しくは他の命令等を交換することができる。
【0025】
添付図面及び以下の説明に、本明細書に記載する主題の1つ又は複数の変形の詳細を示す。本明細書に記載する主題の他の特徴及び利点は、説明及び図面から、且つ特許請求の範囲から明らかとなろう。
【0026】
これらの特徴及び他の特徴は、添付図面とともに行う以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムの例示的な実施形態を示す図である。
図2】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムの移動式ベースアセンブリ及び作動アセンブリの例示的な実施形態を示す図である。
図3】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムの作動アセンブリの例示的な実施形態を示す図である。
図4】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムの作動アセンブリの別の例示的な実施形態を示す図である。
図5】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムの移動式ベースアセンブリの別の例示的な実施形態を示す図である。
図6】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムの作動アセンブリの別の例示的な実施形態を示す図である。
図7】本明細書に記載するようなリフトキャリッジを含むモバイルマニピュレーションシステムの作動アセンブリの別の例示的な実施形態を示す図である。
図8】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムの作動アセンブリのチェーンカートリッジの別の例示的な実施形態を示す図である。
図9】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムのリフトキャリッジの例示的な実施形態を示す図である。
図10】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムのリフトキャリッジの別の例示的な実施形態を示す図である。
図11A-11B】本明細書に記載するようなリフトキャリッジの1つ又は複数のローラの例示的な実施形態を示す図である。
図12】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムのマストのチャネルの例示的な実施形態を示す図である。
図13】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムのマストの一部分を取り囲むリフトキャリッジの例示的な実施形態を示す図である。
図14】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムのヘッドアセンブリの例示的な実施形態を示す図である。
図15】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムのヘッドアセンブリの別の例示的な実施形態を示す図である。
図16】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムのヘッドアセンブリの別の例示的な実施形態を示す図である。
図17】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムの作動アセンブリの別の例示的な実施形態を示す図である。
図18】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムの1つ又は複数の基準タグの例示的な実施形態を示す図である。
図19】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムのマストの1つ又は複数の表面材料の例示的な実施形態を示す図である。
図20】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムのマニピュレーションペイロードの例示的な実施形態を示す図である。
図21】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムの移動式ベースアセンブリの別の例示的な実施形態を示す図である。
図22】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムのマニピュレータツールの例示的な実施形態を示す図である。
図23】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムの把持ツールの例示的な実施形態を示す図である。
図24】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムのコンピューティングアーキテクチャの例示的な実施形態を示す図である。
図25】本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステムに結合されたコンピューティングデバイスのグラフィカルユーザインタフェースの例示的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図面は必ずしも正確な縮尺ではないことに留意されたい。図面は、本明細書で開示する主題の典型的な態様のみを示すことが意図されており、したがって、本開示の範囲を限定するものとしてみなされるべきではない。
【0029】
本明細書に記載するモバイルマニピュレーションシステムは、対象物又は実施すべき作業に対してモバイルマニピュレーションシステムをナビゲートするように構成された移動式ベースアセンブリを含むことができる。移動式ベースアセンブリは、駆動輪、コンピューティングデバイス及びセンサを搭載する剛性プラットフォームを提供することができる。モバイルマニピュレーションシステムは、移動式ベースアセンブリに結合された作動アセンブリをさらに含むことができる。作動アセンブリは、剛性マストに沿って垂直に並進して、対象物又は作業に対応する垂直位置に伸縮式構造体を位置決めすることができる。伸縮式構造体は、マニピュレータツールを取り付けることができる先端セグメントで終端する、複数の伸長可能且つ後退可能なセグメントを含むことができる。伸縮式構造体は、対象物又は作業に関してマニピュレータツールを伸長又は収縮させることができる。モバイルマニピュレーションシステムは、対象物又は作業に関連するセンサデータとともに、モバイルマニピュレーションシステムの位置又はナビゲーションに対応する位置推定データを取得するように構成されたセンサ一式を含む、ヘッドアセンブリを含むことができる。
【0030】
作動アセンブリは、複数の相互接続されたリンクを含む駆動チェーンを含むことができ、複数の相互接続されたリンクは、その中でデータケーブル、電力ケーブル及び/又は空気圧ケーブル又はラインを伸縮式構造体の先端部にあるマニピュレータツールまで搬送する。相互接続されたリンクは、1つの方向に撓むことができ、駆動チェーンに対して異なる方向に作動力が加えられると、剛性配置を形成することができる。作動アセンブリは、チェーンカートリッジも含むことができ、駆動チェーンは、チェーンカートリッジから伸長するか又はチェーンカートリッジ内に後退することができる。
【0031】
駆動チェーンは、アクチュエータ又はモータ等、作動源の駆動機構に結合することができる。駆動チェーンは、駆動伝達装置を介してアクチュエータに結合することができ、それにより、同時の又は独立した、水平方向における伸縮式構造体の作動と、垂直方向におけるマストに沿った作動アセンブリの作動とを可能にすることができる。マニピュレータツールは、複数の自由度で作動させることもできる。このように、モバイルマニピュレーションシステムは、人間環境において、自律制御又はユーザ駆動遠隔操作の下で効率的に広範囲の目的の作業を実施することができる。
【0032】
移動式ベースのフットプリントは、雑然とした人間環境をナビゲートするのに十分小さくすることができる一方で、主にベースにあるロボット質量分布は、静的に安定するとともに運動中に転倒しにくいように十分低くすることができる。アームは、小さい断面積を有することができ、直線状の水平線において伸長することができ、それにより、作業を実施しているときに占有する空間の体積を小さくすることができる。例えば、本明細書に記載するモバイルマニピュレーションシステムは、冷蔵庫の中等、雑然とした人間環境内に有利に到達することができる。ベースフットプリントに対する、アームの大きい水平及び垂直リーチにより、大きい到達可能作業空間をもたらすことができ、それによりモバイルマニピュレーションシステムは、ソファの下又は調理台の背面等、目的の作業のための重要な場所にそのマニピュレータペイロードを配置することができる。モバイルマニピュレーションシステムは、低い質量中心を含むことができ、マストは、小さい断面積を含むことができ、それにより、人は、容易にモバイルマニピュレーションシステムを2つの車輪の上に傾け、(旅行用スーツケースのように)モバイルマニピュレーションシステムを転がすことができる。
【0033】
本明細書では、人間環境において作業を実施するために自律的に又は遠隔操作を介して動作するように構成されたモバイルマニピュレーションシステムの実施形態について説明する。しかしながら、本開示の実施形態は、制限なしに、人間を含まない危険な又は隔離された環境において作業を実施するために採用することができる。
【0034】
図1は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100の例示的な実施形態を示す図である。図1に示すように、モバイルマニピュレーションは、移動式ベースアセンブリ105、作動アセンブリ110、マスト115、及びマストの頂部のヘッドアセンブリ120を含むことができる。
【0035】
移動式ベースアセンブリ105は、モバイルマニピュレーションシステム100が位置する面に対してモバイルマニピュレーションシステム100を移動させるように構成することができる。移動式ベースアセンブリ105により、モバイルマニピュレーションシステム100は、モバイルマニピュレーションシステム100によって実施すべき目的の作業に関連する対象物又は環境に近接して配置することができる。例えば、移動式ベースアセンブリ105により、モバイルマニピュレーションシステム100は、その引出しを開くようにモバイルマニピュレーションシステム100を構成することができる、キャビネットの引出しにアクセスするために、部屋を横切って移動することができる。
【0036】
モバイルマニピュレーションシステム100は、マスト115上に構成された作動アセンブリ110も含むことができる。作動アセンブリ110は、作業又は対象物に対して作動アセンブリ110を位置決めするように、マスト115に沿って垂直に並進するように構成することができる。作動アセンブリは、上述したキャビネットの引出し等、対象物に到達する、対象物を取り出す、又は他の方法で対象物にアクセスするように複数のセグメントを展開するように構成された、伸縮式構造体を含むことができる。
【0037】
モバイルマニピュレーションシステム100は、マスト115の頂部にヘッドアセンブリ120も含むことができる。ヘッドアセンブリ120は、モバイルマニピュレーションシステム100が位置する動作環境、及び/又はモバイルマニピュレーションシステム100によって実施すべき目的の作業に関連する対象物に関するセンサデータを収集するように構成された、1つ又は複数のセンサを含むことができる。例えば、ヘッドアセンブリ120は、モバイルマニピュレーションシステム100に対して開くように命令することができるキャビネットの引出しの視覚データをユーザに提供するセンサデータを収集することができる。
【0038】
図2は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100の移動式ベースアセンブリ105及び作動アセンブリ110の例示的な実施形態200を示す図である。図2に示すように、移動式ベースアセンブリ100は、第1駆動輪205及び第2駆動輪215を含むことができる。第1駆動輪205は、第1アクチュエータ210に結合することができ、第2駆動輪215は、第2アクチュエータ220に結合することができる。第1アクチュエータ210及び第2アクチュエータ220により、それぞれ、第1駆動輪205及び第2駆動輪215は、移動式ベースアセンブリ105を前方向、後方向に移動させるとともに、移動式ベースアセンブリ105が位置する面に対して平行な右回り又は左回り運動で移動式ベースアセンブリ105を回転させることができる。いくつかの実施形態では、第1アクチュエータ210及び第2アクチュエータ220は、一斉に動作することができる。いくつかの実施形態では、第1アクチュエータ210及び第2アクチュエータ220は、互いに独立して動作することができる。いくつかの実施形態では、第1アクチュエータ210及び/又は第2アクチュエータ220は、それぞれ、差動伝達装置を介して第1駆動輪205及び/又は第2駆動輪215に結合することができる。
【0039】
図2にさらに示すように、移動式ベースアセンブリ105は、ベースプラットフォーム235に搭載されたバッテリ225及びコンピューティングデバイス230を含むことができる。バッテリ225は、コンピューティングデバイス230と、図2に示すアクチュエータ210、220等、モバイルマニピュレーションシステム100のアクチュエータ及びセンサのうちの任意のものに、電力を提供することができる。いくつかの実施形態では、バッテリ225は、移動式ベースアセンブリ105にわたる質量のより適切な分散を可能にするように、1つ若しくは複数のバッテリ又は1つ若しくは複数のバッテリパックを含むことができる。いくつかの実施形態では、バッテリ225は、密閉型鉛蓄電池又はリチウムイオン電池を含むことができる。コンピューティングデバイス230は、プロセッサ、メモリ、通信インタフェース、及び1つ又は複数のI/Oインタフェースを含むことができる。メモリは、コンピュータ可読且つ実行可能な命令を格納することができ、そうした命令は、プロセッサによって実行されると、モバイルマニピュレーションシステム100に、特定の目的の作業に関して、又はプロセッサがモバイルマニピュレーションシステム100の1つ又は複数のセンサから受け取ったセンサデータに関して、自律的に又は半自律的に動作させることができる。
【0040】
図3は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100の作動アセンブリ110の例示的な実施形態300を示す図である。図3に示すように、作動アセンブリ110は、内部に駆動チェーン310を含むチェーンカートリッジ305を含むことができる。チェーンカートリッジ305は、自動巻取型チェーンカートリッジであり得る。自己誘導型チェーンカートリッジは、駆動チェーン310の基端部320を受けるように構成された受動回転ピニオン315を含むことができる。自己誘導型チェーンカートリッジは、自己誘導型チェーンカートリッジ305の内面330に形成された1つ又は複数の湾曲ガイドトラック325を含むことができる。図3に示すように、少なくとも1つのケーブル/ライン335は、受動回転ピニオン315のスロット又は開口部を介してチェーンカートリッジ305に存在することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのケーブル/ライン330は、受動回転ピニオン315が回転する際に少なくとも1つのケーブル/ライン330に対する損傷又はケーブル/ライン330の過度のねじれを低減させるサービスループ又はコイル巻き機構を含むことができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、チェーンカートリッジ305は、駆動チェーン310が滑り込む1つ又は複数のらせん形状トラックを含む、ガイド付きカートリッジであり得る。らせん形状トラックは、ばね鋼又はプラスチックから形成された平滑面を含むことができる。この実施形態では、駆動チェーン310の基端部320は、チェーンカートリッジ305に取り付けられておらず、チェーンカートリッジ305に対する駆動チェーン310の伸長又は後退中に、らせん形状トラック内を自由に移動する。
【0042】
駆動チェーン310は、作動アセンブリ110のアクチュエータ345の駆動機構340に係合可能に結合することができる。駆動チェーン310は、1つ又は複数の相互接続されたリンク350を含むことができ、それらは、相互接続されたリンク350の各リンクの内部空間355内で少なくとも1つのケーブル/ライン335を搬送することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのケーブル/ライン335は、伸縮式構造体365の先端セグメント360に結合されたマニピュレーションペイロードに、データ、電力又は空気圧力をそれぞれ供給するデータケーブル、電力ケーブル及び/又は空気圧ラインを含むことができる。
【0043】
作動アセンブリ110は、複数のセグメント370を含む伸縮式構造体365も含むことができる。複数のセグメント370は、例えば、目的の作業又は対象物に手を伸ばす、目的の作業又は対象物を取り出す、又は他の方法でモバイルマニピュレーションシステム100が目的の作業又は対象物に関して相互作用するのを可能にするとき、互いから伸縮式に伸長するか又は後退するように構成することができる。伸縮式構造体365の複数のセグメント370は、伸縮式構造体365の基端部375で駆動チェーン310及び少なくとも1つのケーブル/ライン335を受け取り、駆動チェーン310及び少なくとも1つのケーブル/ライン335を伸縮式構造体365の先端部380まで搬送することができる。伸縮式構造体365の先端部380において、駆動チェーン310の先端リンク385が、先端セグメント360に結合することができる。
【0044】
モバイルマニピュレーションシステム100内に構成されるとともにアクチュエータ345に結合されたコントローラから作動信号を受信すると、アクチュエータ345は、駆動機構340を作動させることができる。駆動機構340は、2つの方向に回転することができる。第1方向では、駆動機構340は、駆動チェーン310がチェーンカートリッジ305から出て、基端部375において伸縮式構造体365内に入るように回転することができる。この第1方向における回転により、駆動チェーン310は、先端セグメント360に対して線形並進力をかけて、複数のセグメント370が互いから伸長するようにすることができる。駆動機構315は、第1方向とは反対の第2方向に回転して、駆動チェーン310がチェーンカートリッジ305内に後退して、基端部375において伸縮式構造体365から出るようにすることができる。
【0045】
図4は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100の作動アセンブリ110の別の例示的な実施形態400を示す図である。図4に示すように、作動アセンブリ110は、伸縮式構造体370の先端セグメント360に結合されたマニピュレーションペイロード405を含むことができる。マニピュレータペイロード405は、交換可能なツール、アクチュエータ及び/又はセンサを含むことができる。
【0046】
図4にさらに示すように、作動アセンブリ110は、1つ又は複数の取外し可能シェルを含むことができる。例えば、上部シェル415に下部シェル410を結合することができる。シェル410及び415は、マスト115を取り囲み、作動アセンブリ110の構成要素に保護を提供することができる。シェル410及び415は、作動アセンブリ110がマスト115に沿って並進するときにユーザの手を挟み付けることが発生するのを低減させるように、マスト115に近接している場所に、ワイパ又はガスケットを含むことができる。いくつかの実施形態では、シェル415は、基準タグを受け入れる嵌込み部分420を含むことができる。
【0047】
図5は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100の移動式ベースアセンブリ105の別の例示的な実施形態500を示す図である。図5に示すように、移動式ベースアセンブリ105はセンサ505を含むことができる。センサ505は、(図5の実施形態に示すような)レーザ距離計、カメラ又はソナーセンサを含むことができる。レーザ距離計は、モバイルマニピュレーションシステム100が動作している環境の2次元(2D)深度マップに関連するセンサデータを収集するように回転することができる。マスト115の細長い設計により、レーザ距離計505は、340度の視野にわたってセンサデータを収集することができる。
【0048】
図5にさらに示すように、移動式ベースアセンブリ105は、取外し可能シェル510も含むことができる。取外し可能シェル510は、基準タグを受け入れる1つ又は複数の嵌込み部分515を含むことができる。取外し可能シェル510は、取外し可能シェル510上に塗装された表面塗装材料も含むことができ、又は、凹凸面等、表面材料処理を含むことができる。表面塗装材料及び表面材料処理により、移動式ベースアセンブリ105は、マスト115の頂部に位置するヘッドアセンブリ内のセンサに確実に可視であるようにすることができる。このように、モバイルマニピュレーションシステム100は、モバイルマニピュレーションシステム100が展開される動作環境又は面に関して移動式ベースアセンブリ105を効率的に決定することができる。
【0049】
図6は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100の作動アセンブリ110の別の例示的な実施形態600を示す図である。図6に示すように、作動アセンブリ110は、移動式ベースアセンブリ105内にアクチュエータ605も含むことができる。作動アセンブリ110は、移動式ベースアセンブリ105内に構成された、チェーンカートリッジ610、すなわち第2チェーンカートリッジ610も含むことができる。チェーンカートリッジ610は、複数の相互接続されたリンク620から形成されたドラグチェーン615を含むことができ、複数の相互接続されたリンク620は、複数の相互接続されたリンク620の各々の内部空間625内で、少なくとも1つのケーブル/ライン、例えば、第2の少なくとも1つのケーブル/ラインを搬送する。第2の少なくとも1つのケーブル/ライン820は、データケーブル、電力ケーブル及び/又は空気圧ラインのうちの少なくとも1つを含むことができる。作動アセンブリ110がマスト115に沿って垂直に並進する際、ドラグチェーン615は、第2チェーンカートリッジ610内に巻き付けるか又は巻き取り、且つ/又は第2チェーンカートリッジ610内から巻き戻すか又は巻き出すことができる。
【0050】
チェーンカートリッジ610は、チェーンカートリッジ610の内面635内に形成された1つ又は複数の湾曲ガイドトラック630も含むことができる。湾曲ガイドトラック630は、チェーンカートリッジ610内に巻き取るか又はチェーンカートリッジ610内から巻き出すときに、ドラグチェーン615を誘導することができる。チェーンカートリッジ610は、チェーンカートリッジ610の内面635に結合された受動回転ピニオン640も含むことができる。
【0051】
動作時、アクチュエータ605が第1方向に作動して、作動アセンブリ110のリフトキャリッジに線形並進力を与えて、リフトキャリッジがマスト115を上昇するようにすると、ドラグチェーン615は、チェーンカートリッジ610内から引き出される。ドラグチェーン615は、リフトキャリッジがマスト115を上って移動する際、チェーンカートリッジ610内から受動的に引き出される。逆に、リフトキャリッジがマスト115を下降する際、ドラグチェーン615は、チェーンカートリッジ610内に押し込まれる。アクチュエータ605がリフトキャリッジに線形並進力を与えて、リフトキャリッジがマストを下降するようにすることに応答して、湾曲ガイドトラック630は、ピニオン640の回転とともに作用して、ドラグチェーン615がチェーンカートリッジ610内に巻き取られるようにすることができる。
【0052】
図7は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100の作動アセンブリ110のリフトキャリッジ705の例示的な実施形態700を示す図である。図7に示すように、作動アセンブリ110は、リフトキャリッジ705を含むことができる。リフトキャリッジ705は、リフトキャリッジ駆動要素710を介してアクチュエータ605に結合することができる。リフトキャリッジ駆動要素710は、ベルトの第1端部がアクチュエータ605の駆動機構715に結合されている参照番号710に対応する円に示すように、閉ループを形成する単一ベルトであり得る。リフトキャリッジ705の第2端部は、マスト115に結合することができる。リフトキャリッジ駆動要素710の部分710A及び710Bは、マスト115内を垂直に移動することができる。リフトキャリッジ705がマスト115に沿って垂直に移動する際、作動アセンブリ110及び伸縮式構造体365は、リフトキャリッジ駆動要素710を介してマスト115上で垂直に搬送される。アクチュエータ605の駆動機構715が第1方向に回転することにより、リフトキャリッジ駆動要素710は、リフトキャリッジ705をマスト115上で上方向に移動させることができる。駆動機構715が第1方向とは反対の第2方向に回転することにより、リフトキャリッジ715はマスト115上で下方向に移動することができる。
【0053】
図8は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100の作動アセンブリ110のチェーンカートリッジ610の別の例示的な実施形態800を示す図である。図8に示すように、チェーンカートリッジ610は、その内部にドラグチェーン615を含むことができる。ドラグチェーン615は、リフトキャリッジ705に結合することができ、ドラグチェーン615内で少なくとも1つのケーブル/ライン805を搬送することができる。少なくとも1つのケーブル/ライン805は、開口部810においてリフトキャリッジ705から出ることができる。
【0054】
図9は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100のリフトキャリッジ705の例示的な実施形態900を示す図である。図9に示すように、リフトキャリッジ705は、互いから且つマスト115から分離可能であり得る、1つ又は複数の部分で形成することができる。例えば、リフトキャリッジ705は、第1部分905及び第2部分910を含むことができる。これらの部分905、910は、リフトキャリッジ駆動要素710、又はドラグチェーン615から出る少なくとも1つのケーブル/ライン805にアクセスするか又はそれを調整するために、互いから且つマスト115から分離することができる。第1部分905及び第2部分910は、マスト115の一部を取り囲むことができる。第1部分905は、第1の複数のローラ915を含むことができる。第2部分910は、図10に関連してさらに図示及び記載する、第2の複数のローラを含むことができる。第1部分905及び/又は第2部分910は、第3の複数のローラ920も含むか又はそれらに結合され得る。
【0055】
図10は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100のリフトキャリッジ705の別の例示的な実施形態1000を示す図である。リフトキャリッジ705の第1部分905は、図9に関連して図示及び記載したローラ915を含むことができる。リフトキャリッジ705の第2部分910は、第2の複数のローラ1005を含むことができる。第3の複数のローラ920は、第1部分905と第2部分910とを結合することができる。第3の複数のローラ920は、複数のローラ受け部分1010内に受けられることができる。ローラ受け部分1010は、リフトキャリッジ705の第1部分905及び/又は第2部分910内に構成された空洞であり得る。ローラ915、920及び1005は、マスト115上のリフトキャリッジ705の垂直移動を容易にするように摩擦低減面を提供するように構成された円筒状ローラであり得る。いくつかの実施形態では、ローラ915、920及び1005は、エンジニアリングプラスチックから形成することができる。
【0056】
図10に示すように、第1部分905は、内部ガイド1015を含むことができる。内部ガイド1015は、リフトキャリッジ705の第1部分905又は第2部分910のいずれかの中に一体的に形成することができる。内部ガイド1015は、ドラグチェーン615の先端リンク1025を受けるように構成された内部ガイド受け部分1020を含むことができる。ドラグチェーン615を形成する相互接続されたリンクの内部空間625内で搬送される少なくとも1つのケーブル/ライン805は、先端セグメント1025を出て、内部ガイド受け部分1020を通過して内部ガイド内に入り、その後、図8及び図9に示す開口部810を介してリフトキャリッジ705から出ることができる。
【0057】
図11A及び図11Bは、本明細書に記載したようなリフトキャリッジ705のローラ915、920、1005の例示的な実施形態を示す図である。図11Aに示すように、ローラ905、920及び1005は、ローラ要素1105を含むことができる。ローラ要素1105を通って延在するように、金属支持シャフト1110を構成することができる。金属支持シャフト1110の各端部は、リフトキャリッジ705の第1部分905及び第2部分910内に構成された、図10に示すローラ受け部分1010内に受けることができる。ローラ905、920及び1005は、ローラ要素1105の両側に構成されたスラスト軸受1115も含むことができる。スラスト軸受1105は、金属支持シャフト1110上の適所にローラ要素1105を保持するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ローラ905、920及び1005は、組立中に適所でローラ905、920及び1005の構成要素に対して構成されたキーパ1120を含むことができる。
【0058】
図11Bは、ローラ905、920及び1005が周囲を回転することができる長手方向軸1130に沿ったローラ905、920及び1005の断面図を示す。図11Bに示すように、ローラ要素1105は、中空ボアローラ要素1105とすることができ、中空内部ボア1125を含むことができる。ローラ要素1105は、ローラ要素1105内に位置決めされた複数のラジアル軸受1135を含むことができる。いくつかの実施形態では、ラジアル軸受1135の代わりにニードル軸受を使用することができる。
【0059】
図12は、本明細書に記載したようなモバイルマニピュレーションシステム100のマスト115のチャネル1205の例示的な実施形態1200を示す図である。図12に示すように、マスト115は、マスト115内に形成されたチャネル1205を含む。チャネル1205は、実質的にC字型又はU字型とすることができ、マスト115内で第1部分710A及び第2部分710Bが移動するのを可能にするよう構成することができる。チャネル1205は、リフトキャリッジ705がマスト115上を垂直に移動する際にドラグチェーン615がマスト115内で移動するのを可能にするようにも構成することができる。
【0060】
図13は、本明細書に記載したようなモバイルマニピュレーションシステム100のマスト115の一部を取り囲むリフトキャリッジ705の例示的な実施形態を示す図である。図13は、リフトキャリッジ705とリフトキャリッジ705によって取り囲まれているマスト115の部分との断面図を示す。図13に示すように、マスト115は、マスト115の長さに沿って延在するとともにその内部に構成された、複数の第1通路1305及び第2通路1310を含むことができる。複数の第1通路1305は、その中で1つ又は複数のケーブル/ラインをマスト115の頂部のヘッドアセンブリ120まで搬送することができる。ケーブル/ラインは、データケーブル、電力ケーブル及び/又は空気圧ラインのうちの少なくとも1つを含むことができる。第2通路1310は、その中で追加のケーブル/ラインをヘッドアセンブリ120まで搬送することができる。
【0061】
図14は、本明細書に記載したようなモバイルマニピュレーションシステム100のヘッドアセンブリ120の例示的な実施形態1400を示す図である。ヘッドアセンブリ120は、プレート1405を介してマスト115の頂部に取り付けることができる。プレート1405は、ボルト又はねじを介してマスト115に固定することができ、リフトキャリッジ駆動要素710を受ける支持プラットフォームを提供することができる。例えば、プレート1405は、プーリ1410に結合することができる。プーリ1410は、リフトキャリッジ駆動要素710を受けるとともにリフトキャリッジ駆動要素710に係合可能に結合され得る。プーリ1410は、ねじ付き柱1415を介してプレート1405に固定することができる。ねじ付き柱1415は、プレート1405に対して調整可能であり得る。ねじ付き柱1415を調整することにより、プレート1405に対してプーリ1410を上昇又は下降させることができる。ねじ付き柱1415の調整を介してプーリ1410を上昇又は下降させることにより、リフトキャリッジ駆動要素710を締め付けるか又は緩めることができる。
【0062】
図15は、本明細書に記載したようなモバイルマニピュレーションシステム100のヘッドアセンブリ120の別の例示的な実施形態1500を示す図である。ヘッドアセンブリ120は、追加のセンサ又はセンサ群を含むことができる。ヘッドアセンブリ120は、ベースアセンブリ105に対して上昇した形態に構成することができ、これは、ヒューマンロボットインタラクション、ナビゲーション中の障害物の回避、及び対象物操作又はヒューマンロボットインタラクション中の俯瞰視を提供するために重要であり得る。
【0063】
例えば、ヘッドアセンブリ120は、センサ1505と周辺デバイス又はセンサ群1510とを含むことができ、それらはまとまって、第1センサ群1515を表すことができる。いくつかの実施形態では、周辺デバイス群1510は、第1センサ群を表すことができる。センサ1505は、マイクロフォンアレイ、スピーカ、深度計、カメラ又はレーザ距離計を含むことができる。周辺デバイス群1510もまた、マイクロフォンアレイ、スピーカ、深度計、カメラ又はレーザ距離計を含むことができる。視覚センサ、聴覚センサ、及びスピーカ等のフィードバックデバイスをヘッドアセンブリ120にともに配置することにより、人間同士の対話をシミュレートする言葉によるコマンドをヘッドアセンブリ120に指示することにより、よりロバストなユーザ体験が提供される。センサ群1515は、モバイルマニピュレーションシステム100が位置する動作環境とともに、モバイルマニピュレーションシステム100によって実施されている目的の作業に関連する可能性がある動作環境内の所定の対象物に関連する、センサデータを収集することができる。
【0064】
図15に示すように、センサ1505は、支持構造体1520によって支持することができる。支持構造体1520は、支持構造体1520及びヘッドアセンブリ120の残りの部分に対して下位位置で、センサ1505を支持又は位置決めすることができる。この下位又は吊下げ(underhung)位置は、センサ1505が、ヘッドアセンブリ120の他の部分からの遮りなしに、関節運動するとともに対象物又は環境の俯瞰視を提供するのを可能にするために有利であり得る。下位又は吊下げ構成により、取扱い及び/又は出荷中にセンサ1505を損傷から有益に保護することもできる。
【0065】
ヘッドアセンブリ120は、ユーザインタフェース1525も含むことができる。ユーザインタフェース1525は、センサ1505、周辺デバイス群1510、センサ群1515のうちの1つ又は複数と、モバイルマニピュレーションシステム100と、の電源を入れなおすように構成することができる。ヘッドアセンブリ120内に、制限なしに追加のユーザインタフェース1525を構成することができる。いくつかの実施形態では、ユーザインタフェース1525は、タッチスクリーンディスプレイ等、視覚ディスプレイを含むことができる。ヘッドアセンブリ120は、取外し可能シェル1530も含むことができる。センサ1505もまた、取外し可能シェル1535を含むことができる。
【0066】
図16は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100のヘッドアセンブリ120の別の例示的な実施形態1600を示す図である。図16に示すように、取外し可能シェル1530及び1535は取り除かれており、ヘッドアセンブリ120の構成要素をより詳細に見ることができる。ヘッドアセンブリ120は、センサ1505の動きを制御するように構成された追加のアクチュエータを含むことができる。例えば、アクチュエータ1605は、モバイルマニピュレーションシステム100が位置する面に対して水平運動「H」で支持構造体1520及びセンサ1505を回転させるように作動することができる。水平運動「H」は、パン運動を考慮に入れることができる。アクチュエータ1610は、モバイルマニピュレーションシステム100が位置する面に対して垂直方向「V」においてセンサ1505を移動させるように作動することができる。垂直運動「V」はチルト運動とみなすことができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、アクチュエータ1605及び1610は、(図示するような)平歯車伝達装置又はベルト伝達装置を含むことができる。図16に示すように、アクチュエータ1610は、平歯車1620に結合することができる駆動機構1615を含むことができる。駆動機構1615の回転により、平歯車1620は、回転し、センサ1505を垂直運動「V」において上向きに又は下向きに傾けることができる。支持構造体1520及び平歯車1620は、孔1625を含むことができ、データケーブル及び/又は電力ケーブルは、この孔1625を通過して、データ又は電力をセンサ1505まで伝達することができる。センサ1505は、センサ1505を冷却するように構成されたファン1630も含むことができる。有利には、センサ1505及びアクチュエータ1610の構成により、センサ1505及びアクチュエータ1610はともに移動することができ、それにより、水平掃引運動中に支持構造体1520によって占有される空間の量が低減する。掃引容積のサイズの低減は、衝突を回避するとともに審美的な理由で有利であり得る。
【0068】
図16にさらに示すように、ヘッドアセンブリ120は、周辺デバイス群1510に含まれる追加の周辺デバイス又はセンサ1635及び1640を含むことができる。いくつかの実施形態では、追加の周辺デバイス1635及び/又は1640は、3D深度カメラ、赤緑青(RGB)カメラ、ライダーセンサ、マイクロフォンアレイ又はスピーカを含むことができる。いくつかの実施形態では、ヘッドアセンブリ120は、周辺デバイス群1510内に構成されたスピーカの音量を調整する音量調整機構1645を含むことができる。
【0069】
図17は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100の作動アセンブリ110の別の例示的な実施形態を示す図である。図17に示すように、作動アセンブリは、1つ又は複数のUSBポート1705を含むことができる。USBポート1705により、ユーザは、作動アセンブリ110の動作に関連するデータを入力又は取得することができる。図17にさらに示すように、作動アセンブリ110は、1つ又は複数のねじ付きインサート1710を含むことができる。ねじ付きインサート1710は、作動アセンブリ110に結合する追加のセンサを受け入れることができる。いくつかの実施形態では、追加のセンサは、マイクロフォンアレイ、スピーカ、深度計、カメラ、レーザ距離計又はソナーセンサのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0070】
図18は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100の1つ又は複数の基準タグの例示的な実施形態1800を示す図である。図18に示すように、移動式ベースアセンブリ105は、基準タグ1805を含むことができる。作動アセンブリ110は、基準タグ1810を含むことができる。マニピュレーションペイロード405は、基準タグ1815を含むことができる。基準タグ1805、1810及び1815は、モバイルマニピュレーションシステム100の部分とともに、モバイルマニピュレーションシステム100が相互作用している目的の作業対象物又は動作環境を位置推定するのに使用する視覚的参照又は較正補助を提供することができる。例えば、基準タグ1805は、モバイルマニピュレーションシステム100が、移動式ベースアセンブリ105の位置又は姿勢に対するセンサ1505の位置又は姿勢を較正するとき等、移動式ベースアセンブリ105が位置する面から移動式ベースアセンブリ105を認識及び識別するのに役立つように、使用することができる。
【0071】
図19は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100のマスト115の1つ又は複数の表面材料の例示的な実施形態1900を示す図である。図19に示すように、マスト115は、1つ又は複数の表面材料を含むことができる。1つの実施形態では、マスト115は、反射防止表面材料1905を含むことができる。反射防止表面材料1905は、マスト115から来る光の反射により本来正確でなくなる可能性がある、モバイルマニピュレーションシステム100に近接するシーン、対象物又は環境のより正確な視覚的描写を提供することができる。いくつかの実施形態では、マスト115は、さらに又は別法として、付着防止材料1910を含むことができる。付着防止材料1910は、低摩擦係数を含み、マスト115に適用されたとき、マスト115がマスト115に沿って垂直に作動アセンブリ110をより容易に搬送することができるようにすることができる。
【0072】
図19にさらに示すように、マスト115は、マスト115内に形成された通路1305内で少なくとも1つのケーブル/ライン1915を搬送することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのケーブル/ライン1915は、少なくとも1つのデータケーブル、少なくとも1つの電力ケーブル、及び/又は少なくとも1つの空気圧ラインを含むことができる。例えば、少なくとも1つのケーブル/ライン195は、マスト115の頂部に搭載されたヘッドアセンブリ120にデータ又は電力を提供することができる。
【0073】
図20は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100のマニピュレーションペイロード405の例示的な実施形態2000を示す図である。図20に示すように、モバイルマニピュレーションペイロード405は、アクチュエータ2005及びペイロード駆動機構2010を含むことができる。ペイロード駆動機構2010は、アクチュエータ2005が作動させることができる。ペイロード駆動機構2010は、ペイロード駆動機構2010に結合することができる、操作ツール又は他の交換可能デバイスを作動させることができる。図20に示すように、マニピュレーションペイロード405、アクチュエータ2005及びペイロード駆動機構2010は、複数のセグメント370のうちの先端セグメント360に対してオフセット形態で構成することができる。
【0074】
ペイロード駆動機構2010は、モバイルマニピュレーションシステム100が位置する面に対して平行に向けられている回転自由度を提供することができる。したがって、ペイロード駆動機構2010は、有利には、ペイロード駆動機構2010に結合された操作ツール又は他の交換可能デバイスを、操作中に移動式ベースアセンブリ105のフットプリントから出るように回転させ、その後、ナビゲーション中に又は収容されるときにフットプリント内に戻るように後退させることができる。加えて、マニピュレーションペイロード405のオフセット形態により、マニピュレーションペイロード405の構成要素が、ヘッドアセンブリ120内のセンサ1505に対してより見えやすくすることができる。このように、伸縮式構造体365は、モバイルマニピュレーションシステム100による位置推定、対象物検出又はナビゲーション中にマニピュレータペイロード405の視界を遮ることはない。
【0075】
図21は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100の移動式ベースアセンブリ105の別の例示的な実施形態2100を示す図である。図21は、静止状態にあるか又は移送されているとき等、保管形態にあるモバイルマニピュレーションシステム100の平面図を示す。図21に示すように、伸縮式構造体365は、完全に収縮しており、作動アセンブリ110は、移動式ベースアセンブリ105の上に位置している。このように、作動アセンブリ110は、移動式ベースアセンブリ105のフットプリント2105内に完全に入ることができる。図21にさらに示すように、モバイルマニピュレーションシステム100は、ペイロード駆動機構2010に結合されたマニピュレータツール2110を含むことができる。作動アセンブリ110及びマニピュレーションペイロード405の小型設計により、マニピュレータツール2110は、保管されるか又は使用されていないときにフットプリント2105内にあり得る。
【0076】
図22は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100のマニピュレータツールの例示的な実施形態2200を示す図である。図22に示すように、マニピュレータツール2110は、ペイロード駆動機構2010に結合することができ、モバイルマニピュレーションシステム100が位置する面に対して複数の自由度で関節運動するように作動させることができる。例えば、図22に示すように、マニピュレータツール2110は、2205A又は2205Bの方向においてヨー運動で作動することができる。ヨー運動は、ペイロード駆動機構2010に方向2205A又は2205Bに回転させるアクチュエータ2205の作動を通して達成することができる。マニピュレータツール2110はまた、方向2210A又は2210Bにおいてピッチ運動でも作動することができる。ピッチ運動は、アクチュエータ2235の作動を通して達成することができる。マニピュレータツール2110は、2215A又は2215Bの方向においてロール運動でさらに作動することができる。ロール運動は、アクチュエータ2240の作動を通して達成することができる。いくつかの実施形態では、マニピュレータツール2110は、ロール-ピッチ-ロール運動又はロール-ピッチ-ヨー運動等、複数の自由度で作動することができる。こうした複雑な移動は、ヨー運動用のアクチュエータ2205、ピッチ運動用のアクチュエータ2235、及びロール運動用のアクチュエータ2240の逐次又は同時作動によって達成することができる。
【0077】
図22にさらに示すように、マニピュレータツール2110は、把持ツール2220を含むことができる。把持ツール2220により、モバイルマニピュレーションシステム100は、対象物をつかみ、取り出し、配置し、又は他の方法で取得及び/若しくは解放することができる。例えば、把持ツール2220により、モバイルマニピュレーションシステム100は、スープの缶をつかむ、タオルを保持する、又はキャビネットのハンドルを引く等、人間のユーザのために対象物との補助的相互作用を提供することができる。いくつかの実施形態では、マニピュレータツール2110は、フック、ブラシ又は小型掃除機等、把持ツール2220の代わりに追加のツールを含むことができる。把持ツール2220は、取外し可能シェル2225を含むことができる。取外し可能シェル2225内で、把持ツール2220の作動構成要素を誘導するようにチャネルを構成することができる。いくつかの実施形態では、マニピュレータツール2110は、基準タグ2230も含むことができる。
【0078】
図23は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100の把持ツール2200の例示的な実施形態2300を示す図である。図23では、図22に示す取外し可能シェル2225は取り除かれている。図23に示すように、把持ツール2220は、把持端部2305及び取付端部2310を含むことができる。把持端部2305は、先端チップ2315A及び2315Bを含むことができる一対の先端チップ2315を含むことができる。一対の先端チップ2315の各先端チップは、把持ツール2200の内部ばねアームに且つ外部ばねアームに結合することができる。例えば、先端チップ2315Aは、内部ばねアーム2320Aに且つ外部ばねアーム2325Aに結合することができる。先端チップ2315Bは、内部ばねアーム2320B及び外部ばねアーム2325Bに結合することができる。内部ばねアーム2320A及び2320Bは、内部ばねアーム対2330を形成するように結合することができる。外部ばねアーム2325A及び2325Bは、まとめて、外部ばねアーム対2325と称することができる。
【0079】
図23に示すように、内部ばねアーム対2330は、プルブロック2335に結合することができる。いくつかの実施形態では、プルブロック2335は、把持ツール2220の動作中にプルブロックを誘導するように取外し可能シェル2225内に形成されたチャネル内に、構成することができる。プルブロック2335は、巻取要素2345を介して巻取スプール2340に結合することができる。いくつかの実施形態では、巻取要素2345は、ケーブル又はロープを含むことができる。把持ツール2220は、アクチュエータ2350も含むことができる。アクチュエータ2350は、第1方向に作動して、巻取スプール2340が回転して巻取スプール2340上に巻取要素2345を引き寄せるようにすることができる。この第1方向における作動により、プルブロック2335は、内部ばねアーム対2330に力をかけて、一対の先端チップ2315が互いに向かって移動するようにすることができる。このように、一対の先端チップ2315の間で対象物をつかむことができる。さらに又は別法として、アクチュエータ2350は、第1方向とは反対の第2方向に作動して、巻取スプール2340が回転して巻取スプール2340から巻取要素2345を解放するようにすることができる。この第2方向における作動により、プルブロックは、内部ばねアーム対2330に対する力を解除して、一対の先端チップ2315が互いから離れるように移動するようにすることができる。このように、一対の先端チップ2315から対象物を解放することができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、把持ツール2220は、把持ツール220の1つ又は複数の部分に結合することができる取付機構を含むことができる。例えば、内部ばねアーム2320A若しくは2320Bのいずれかにおいて、又は外部ばねアーム2325A若しくは2325Bのいずれかにおいて、把持端部2305にフックを構成することができる。
【0081】
図24は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100のコンピューティングアーキテクチャの例示的な実施形態2400を示す図である。図24に示すように、モバイルマニピュレーションシステム100は、図2に示すコンピューティングデバイス230に対応するコンピューティングデバイス2405を含むことができる。図24に示すように、コンピューティングデバイス2405は、データプロセッサ2410と、データプロセッサ2410が実行することができる非一時的コンピュータ可読命令を格納するメモリ2410とを含むことができる。コンピューティングデバイス2405は、1つ又は複数のコントローラ2420及び通信インタフェース2425もまた含むことができる。
【0082】
コンピューティングデバイス2405は、図2に示すバッテリ225等、移動式ベースアセンブリ105内に位置する電源2430に結合することができる。電源2430は、1つ又は複数のセンサ2435に且つ1つ又は複数のアクチュエータ2440に結合することができる。1つ又は複数のセンサ2435は、センサ505及び1505とともに、各々が第1コンピューティングデバイス2405にセンサデータを送信することができる、周辺デバイス又はセンサ群1510を含むことができる。1つ又は複数の追加のセンサは、センサ2345に含めることができる。アクチュエータ2440は、アクチュエータ210、220、345、605、1605、1610、2005及び2350を含むことができる。1つ又は複数の追加のセンサは、アクチュエータ2440内に含めることができる。アクチュエータ2440は、コンピューティングデバイス2405に結合することができ、コンピューティングデバイス2405から制御コマンドを受け取ることができる。各アクチュエータ2440は、低ギア比で構成されるとともにコントローラ2420の対応するコントローラに結合された、ステッピングモータを含むことができる。各ステッピングモータは、対応するコントローラを介して、コンピューティングデバイス2405から提供される制御コマンドに従って作動するように個々に制御することができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のコントローラ2420は、電流コントローラ、力コントローラ及び/又は位置コントローラを含むことができる。電流コントローラは、力コントローラから受け取られる入力信号に応じて作動信号を生成するように構成することができる。作動信号は、アクチュエータ2440に提供することができる。力コントローラは、測定された相互作用力(Fi)、最大相互作用力(Fm)及び所望/目的出力(Fo)に関連する入力を受け取ることができる。位置コントローラは、伸縮式構造体365の位置/場所に関連する測定及び所望/目的位置/場所データの入力に基づき、所望又は目的出力(Fo)を出力するように構成することができる。
【0084】
作動信号は、データプロセッサ2410によりセンサ2435から受け取られたセンサデータに応答して、生成することができる。いくつかの実施形態では、伸縮式構造体365に、力センサ2450を結合することができる。センサデータは、測定位置/場所データ及び測定相互作用力(Fi)を含むことができる。いくつかの実施形態では、センサデータは、センサ2435から受け取ることができる。いくつかの実施形態では、センサデータは、移動式ベースアセンブリ105、作動アセンブリ110、ヘッドアセンブリ120、及び/又はアクチュエータ2440のうちの1つ若しくは複数の、1つ又は複数の構成要素に結合された追加のセンサ等、追加のセンサから受け取ることができる。例えば、センサデータは、1つ又は複数のアクチュエータ2440に関して構成されたエンコーダ2445及び電流センサ2450から受け取られたデータを含むことができる。エンコーダ2445は、駆動機構340に結合されたシャフト等、アクチュエータ2440のうちの1つ又は複数の回転シャフトの角度位置又は運動に基づき、センサデータを生成することができる。電流センサ2450は、アクチュエータ2440のうちの1つ又は複数の巻線電流に基づき、センサデータを生成することができる。電流センサ2450は、アクチュエータ2440に供給される電流を示す入力信号を、コントローラ2420のうちの1つ又は複数に提供することができる。1つ又は複数のコントローラ2420は、さらに、1つ又は複数のアクチュエータ2440に供給される巻線電流を制御するか、又は1つ又は複数のアクチュエータ2440のロータ位置を制御することができる。いくつかの実施形態では、伸縮式構造体365は、位置センサ2455を含むことができる。位置センサ2455は、伸縮式構造体の位置を示す、コントローラ2420のうちの少なくとも1つに提供される入力信号を生成することができる。
【0085】
モバイルマニピュレーションシステム100が、マニピュレーションシステム100のいくつかの部分と環境との間の、不注意による可能性がある接触を検知してそれに応答することが有利である。モータ電流を測定することは、モバイルマニピュレーションシステム100にかけられる相互作用力を決定するための代理として有利に使用することができる。作動アセンブリ110の駆動機構340及び駆動チェーン310を介するアクチュエータ605及び伸縮式構造体365の機械的結合等の効率的なギアトレインにより、従来の作動システムの非効率的なギアトレインよりも高い感度で、相互作用力がアクチュエータ電流の変化をもたらすのを可能にすることができる。従来の作動システムは、ブラシ付き又はロータレスアクチュエータを含む可能性があり、それらは、動作が高速であるため、より高いギア比を必要とする。本明細書に記載する作動アセンブリ110等、ギア比の低い作動システムは、10:1未満のギア比が好適である接触に高感度の用途に使用される場合、より良好に機能することができる。
【0086】
アクチュエータ2440は、移動式ベースアセンブリ105の車輪、アクチュエータ605を介するリフトキャリッジ705、及びアクチュエータ345を介する伸縮式構造体365の作動のために、より低いギア比及び閉ループ電流フィードバック制御で構成されたステッピングモータを含むことができる。ステッピングモータは、低速で高いトルクを発生させるように構成することができ、より低いギア比の伝達装置又はギアトレインの使用を可能にすることができる。モバイルマニピュレーションシステム100は、アクチュエータ2440のロータ位置に関連するフィードバックに基づいて、アクチュエータ2440のコイル電流を制御することができる。ロータ位置は、アクチュエータ2440に搭載されたホール効果センサ及び磁石を介して測定することができる。閉ループ電流フィードバック制御により、瞬時のアクチュエータ電流を決定することができる。いくつかの実施形態では、閉ループ電流フィードバック制御は、比例-積分-微分(PID)制御ループ機構を使用するアクチュエータ2440の位置及び/又は速度制御ループによって実施することができる。
【0087】
図24に示すように、コンピューティングデバイス2405は、ネットワーク2460を介して第2コンピューティングデバイス2465に結合することができる。第2コンピューティングデバイス2465は、モバイルマニピュレーションシステム100からリモートに位置することができる。いくつかの実施形態では、モバイルマニピュレーションシステム100が、第2コンピューティングデバイス2465を含むことができる。第2コンピューティングデバイス2465は、プロセッサ2470と、非一時的コンピュータ可読命令を格納するメモリ2475と、通信インタフェース2480と、入力デバイス2485と、グラフィカルユーザインタフェース2495を含むディスプレイ2490とを含むことができる。
【0088】
第2コンピューティングデバイス2465は、ユーザ入力を受け取るように、且つ、目的の作業を実施し、環境をナビゲートし、又は第2コンピューティングデバイス2465にセンサデータを送信するようにモバイルマニピュレーションシステム100を制御する制御コマンドを生成するように、構成することができる。第2コンピューティングデバイス2465は、入力デバイス2485及び/又はGUI2495を介してユーザ入力を受け取ることができる。ユーザ入力を処理して、通信インタフェース2480を介して第1コンピューティングデバイスの通信インタフェース2425に送信することができる。いくつかの実施形態では、通信インタフェース2425及び2480は、有線通信インタフェース又は無線通信インタフェースであり得る。
【0089】
受信されると、モバイルマニピュレーションシステム100は、ユーザ入力に応答して、モバイルマニピュレーションシステム100を作動させる作動信号を生成するように構成することができる。いくつかの実施形態では、入力デバイス2485は、ジョイスティック、マイクロフォン、スタイラス、キーボード、マウス又はタッチスクリーンを含むことができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ2490は、タッチスクリーンディスプレイを含むことができ、GUI2490は、センサデータを表示し、センサデータに関連するユーザ入力を受け取ることができる。ユーザ入力は、モバイルマニピュレーションシステム100を作動させ及び/又はモバイルマニピュレーションシステム100に目的の作業を実施させる作動信号を生成するように提供することができる。
【0090】
図25は、本明細書に記載するようなモバイルマニピュレーションシステム100に結合されたコンピューティングデバイス2465のグラフィカルユーザインタフェース2490の例示的な実施形態2500を示す図である。図25に示すように、モバイルマニピュレーションシステム100は、対象物2510を含む第1環境2505に展開することができる。モバイルマニピュレーションシステム100は、センサ505及び1505を介して第1環境2505及び対象物2510に関連するセンサデータを収集することができる。例えば、センサ505を介して収集されたセンサデータに基づいて、環境2505及び対象物2510の2Dマップを生成することができ、カメラとして構成される場合、センサ1505を介して、環境2505及び対象物2510の視覚的視野を取得することができる。
【0091】
環境2505及び対象物2510に関連するセンサデータは、(図2に示すコンピューティングデバイス230に対応する)コンピューティングデバイス2405から、ネットワーク2460を介して第2コンピューティングデバイス2465に送信することができる。第2コンピューティングデバイス2465は、GUI2495において環境2505の視覚的視野2520を提供することができる。視覚的視野2520は、対象物2510と、環境2505に存在する可能性がある床又は壁の位置等、環境2505に関連する他の視覚データとを含むことができる。ユーザ2525は、第2環境2515内にいることができ、第2環境2515は、ユーザ2525が第1環境2505又は第1環境2505で動作しているモバイルマニピュレーションシステム100を直接視覚的に観察しないように、第1環境2505からリモートに位置するとともに視覚的に遮られている。
【0092】
第1コンピューティングデバイス2405から、環境2505及び/又は対象物2510に関連するセンサデータを受信することに応じて、第2コンピューティングデバイス2465は、GUI2495において、環境2505及び/又は対象物2510の視覚的視野2520を提供することができる。ユーザ2525は、ユーザ入力2530を制御コマンドとしてGUI2495に提供することができる。制御コマンドは、コンピューティングデバイス2405に戻すように送信され、データプロセッサ2410が実行して、モバイルマニピュレーションシステム100に制御コマンドに関連する目的の作業を実施させることができる。
【0093】
例えば、GUI2495において対象物2510を含む環境2505の視覚的視野2520が提供されると、ユーザ2525は、対象物2510に向けられたタップ又は他のジェスチャとしてユーザ入力2530を提供することができる。ユーザは、対象物2510が位置している環境2505から視覚的に遮られている第2環境2515に位置している間に、入力2530を提供することができる。コンピューティングデバイス2465のデータプロセッサ2470は、入力2530に応じて、ユーザ入力2530に関連する制御コマンドを決定することができ、コンピューティングデバイス2405に制御コマンドを提供することができ、制御コマンドは、データプロセッサ2410によって実行されると、モバイルマニピュレーションシステム100に、第1環境2505において対象物2510に向かって移動させる。後続する且つ追加のユーザ入力を受け取って、制御コマンドとしてモバイルマニピュレーションシステム100に送信することができる。
【0094】
本明細書に記載したシステムの例示的な技術的効果としては、非限定的な例として、改善されたモバイルマニピュレーションシステムが、モバイルマニピュレーションシステムにかけられる相互作用力に応答して3つのデカルト平面及び回転方向において接触感度を増大させる、ということが挙げられる。本明細書に記載したシステムは、目標環境においてより広範囲の対象物に自律的に又は遠隔操作でアクセスするように、4自由度関節運動をさらに提供する。本明細書に記載したシステムはまた、視野センサデータに関して発せられた制御コマンドに基づく目的の作業のロバストな性能と、制御コマンドを発する改善されたグラフィカルユーザインタフェースとを提供する。
【0095】
本明細書に開示するシステム、デバイス及び方法の構造、機能、製造及び使用の原理が全体的に理解されるように、いくつかの例示的な実施形態について記載した。添付の図面に、これらの実施形態のうちの1つ又は複数の例を示している。当業者であれば、本明細書に具体的に記載した且つ添付図面に図示するシステム、デバイス及び方法は、非限定的な例示的実施形態であり、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ定義されることが理解されよう。1つの例示的な実施形態に関連して図示又は記載した特徴を、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。こうした変更形態又は変形形態は、本発明の範囲内に含まれるように意図されている。さらに、本開示では、実施形態の同様の名称の構成要素は、概して同様の特徴を有し、したがって、特定の実施形態内では、各同様の名称の構成要素の各特徴を必ずしも完全に詳述していない。
【0096】
本明細書に記載した主題は、本明細書に開示した構造的手段及びその構造的均等物を含むアナログ電子回路、デジタル電子回路において、且つ/又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア若しくはハードウェアにおいて、又はそれらの組合せにおいて実装することができる。本明細書に記載した主題は、データ処理装置(例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ又は複数のコンピュータ)によって実行されるように、又はそうしたデータ処理装置の動作を制御するために、情報担体において(例えば、機械可読記憶デバイスにおいて)有形に具現化され、又は伝播信号に具現化された、1つ又は複数のコンピュータプログラム等、1つ又は複数のコンピュータプログラム製品として実装することができる。(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション又はコードとしても知られる)コンピュータプログラムは、コンパイル型又はインタプリタ型言語を含む任意の形式のプログラミング言語で記述することができ、それは、独立型プログラムとして、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境で使用されるのに他の好適な単位を含む任意の形式で展開することができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルに対応するとは限らない。プログラムは、他のプログラム又はデータを保持するファイルの一部、当該プログラムに専用の単一ファイル、又は複数の連携ファイル(例えば、1つ若しくは複数のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部を格納するファイル)に格納することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つの場所にあるか、若しくは複数の場所に分散され通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で、実行されるように展開することができる。
【0097】
本明細書に記載した主題の方法ステップを含む、本明細書に記載したプロセス及び論理フローは、1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行して、入力データに対して動作して出力を生成することにより本明細書に記載した主題の機能を実施する1つ又は複数のプログラム可能プロセッサによって、実行することができる。プロセス及び論理フローは、専用論理回路、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)によって実行することもでき、本明細書に記載した主題の装置は、そうした専用論理回路として実装することができる。
【0098】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサとしては、例として、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方と、任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ又は複数のプロセッサとが挙げられる。概して、プロセッサは、リードオンリメモリ若しくはランダムアクセスメモリ又は両方から命令及びデータを受け取る。コンピュータの必須の要素は、命令を実行するプロセッサと、命令及びデータを格納する1つ又は複数のメモリデバイスとである。一般に、コンピュータはまた、データを格納する1つ又は複数の大容量記憶デバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク又は光ディスクを含むか、又はそうした大容量記憶デバイスからデータを受け取るか若しくは大容量記憶デバイスにデータを転送するように動作可能に結合されるか、又はその両方である。コンピュータプログラム命令及びデータを具現化するのに好適な情報担体としては、例として半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM及びフラッシュメモリデバイス)を含むすべての形式の不揮発性メモリ、磁気ディスク(例えば、内蔵ハードディスク又はリムーバブルディスク)、光磁気ディスク、及び光ディスク(例えば、CD及びDVDディスク)が挙げられる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補足するか、又は専用論理回路に組み込むことができる。
【0099】
ユーザとのインタラクションを提供するために、本明細書に記載する主題は、ユーザに情報を表示する表示デバイス、例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタと、ユーザがコンピュータに入力を提供することができるキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)とを有するコンピュータ上で実装することができる。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとのインタラクションを同様に提供することができる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の知覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック又は触覚フィードバック)とすることができ、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力又は触覚入力を含む任意の形態で受け取ることができる。
【0100】
本明細書に記載した技法は、1つ又は複数のモジュールを使用して実装することができる。本明細書で用いる場合の「モジュール」という用語は、コンピューティングソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア及び/又はそれらのさまざまな組合せを指す。しかしながら、最低限、モジュールは、ハードウェア若しくはファームウェア上に実装されていない、又は非一時的プロセッサ可読記録可能記憶媒体に記録されたソフトウェアとして、解釈されるべきではない(すなわち、モジュールは本質的にソフトウェアではない)。実際には、「モジュール」は、プロセッサ又はコンピュータの一部等、少なくとも幾分かの物理的、非一時的ハードウェアを常に含むように解釈されるべきである。2つの異なるモジュールは、同じ物理的ハードウェアを共有することができる(例えば、2つの異なるモジュールは、同じプロセッサ及びネットワークインタフェースを使用することができる)。本明細書に記載したモジュールは、さまざまな用途をサポートするように、組み合わせ、統合し、分離し、且つ/又は複製することができる。また、特定のモジュールにおいて実行されるものとして本明細書に記載した機能は、その特定のモジュールにおいて実行される機能の代わりに又はそれに加えて、1つ又は複数の他のモジュールにおいて、且つ/又は1つ又は複数の他のデバイスによって実行することができる。さらに、モジュールは、複数のデバイス、及び/又は互いにローカル若しくはリモートである他のコンポーネントにわたって、実装することができる。さらに、モジュールは、1つのデバイスから移動させ、別のデバイスに追加することができ、且つ/又は、両方のデバイスに含めることができる。
【0101】
本明細書に記載した主題は、バックエンドコンポーネント(例えば、データサーバ)、ミドルウェアコンポーネント(例えばアプリケーションサーバ)又はフロントエンドコンポーネント(例えば、ユーザが本明細書に記載した主題の実施態様とインタラクトすることができる、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)、又はこうしたバックエンド、ミドルウェア及びフロントエンドコンポーネントの任意の組合せを含む、コンピューティングシステムで実装することができる。システムのコンポーネントは、任意の形式又は媒体のデジタルデータ通信、例えば通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)及び広域ネットワーク(「WAN」)、例えばインターネットが挙げられる。
【0102】
本明細書及び特許請求の範囲を通してここで用いる場合の近似の文言は、それが関連する基本的な機能の変化をもたらすことなく許容可能に変化する可能性がある任意の定量的表現を変更するために適用する場合がある。したがって、「約」、「およそ」及び「実質的に」等の1つ又は複数の用語によって修飾される値は、指定された厳密な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの事例では、近似の文言は、値を測定する機器の精度に対応する可能性がある。ここでおよび本明細書及び特許請求の範囲を通して、範囲限界を組み合わせ且つ/又は置き換えることができ、こうした範囲は、文脈又は文言によって別段指定されない限り、特定され、そうした範囲に含まれるすべての部分範囲を含む。
【0103】
当業者であれば、上述した実施形態に基づいて本発明のさらなる特徴及び利点を理解するであろう。したがって、本明細書は、添付の特許請求の範囲によって示されるものを除き、特に図示され記載されたものによって限定されるべきではない。本明細書に列挙したすべての刊行物及び参照文献は、それらの全体が参照により明示的に本明細書に援用される。
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【国際調査報告】