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特表2023-504587テレメトリデータを処理して風速を推定するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-03
(54)【発明の名称】テレメトリデータを処理して風速を推定するための方法
(51)【国際特許分類】
   G01P 5/26 20060101AFI20230127BHJP
   G01P 5/00 20060101ALI20230127BHJP
【FI】
G01P5/26 Z
G01P5/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556701
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(85)【翻訳文提出日】2022-07-19
(86)【国際出願番号】 EP2020082876
(87)【国際公開番号】W WO2021105020
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】1913192
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522206685
【氏名又は名称】レオスフィア
【氏名又は名称原語表記】LEOSPHERE
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(72)【発明者】
【氏名】アラン,ピエール
(72)【発明者】
【氏名】マゾイヤー,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ポントロー,ローリー
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンブッシュ,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】カリュー,ジャン-ピエール
(57)【要約】
本発明は、テレメトリデータを処理して風速を推定するための方法に関する。方法は、時間的組み合わせによるハイブリダイゼーション、および/または重み付けによるハイブリダイゼーション、および/または平均化投影によるハイブリダイゼーションを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレメトリデータを処理して風速を推定するための方法であって、前記方法は、
瞬間風速ベクトルの経時的な連続投影から開始する、分割時間間隔と呼ばれる時間間隔(Ω)にわたる平均風速ベクトルの少なくとも2つの成分のベクトル再構成のステップ(A)と、
ステップAで再構成された前記平均風速ベクトルの前記少なくとも2つの成分の数(T/Ω)から開始する、基準時間間隔と呼ばれる時間間隔(T)にわたる少なくとも1つの平均風速値(Vhave)のスカラ再構成のステップ(B)と
を含む、時間的組み合わせによるハイブリダイゼーションを含み、
2Ωは、T以下であり、T/Ωは、前記基準時間間隔Tに含まれる前記分割時間間隔Ωにわたる前記平均風速の前記少なくとも2つの成分の前記数に対応する、
方法。
【請求項2】
ステップAにおいて、式(1)~(7)に基づいて、前記分割時間間隔Ωにわたる前記平均風速ベクトルの3つの成分(UΩ、VΩ、WΩ)のうちの前記少なくとも2つの成分(UΩ、VΩ)または(VΩ、WΩ)または(UΩ、WΩ)の再構成のステップであって、前記成分UΩは、空間平面(p1)内に延びる空間方向(d1)における前記平均風速ベクトルの前記成分であり、前記成分VΩは、前記空間平面p1内に延びる空間方向(d2)における前記平均風速ベクトルの前記成分であり、前記成分WΩは、前記平面p1に直交する空間方向(d3)における前記平均風速ベクトルの前記成分であり、
【数1】

【数2】

【数3】

【数4】

【数5】

【数6】

【数7】

式中、iは、前記分割時間間隔Ωにわたる前記瞬間風速ベクトルの経時的な前記連続投影SNi、SSi、SEi、SWi、およびSviに対応する1~Mの間に含まれる整数であり、
Ni、SSi、SEi、SWi、およびSviは、それぞれ前記方向d3と融合した第1の軸(a1)、第2の軸(a2)、第3の軸(a3)、第4の軸(a4)、および第5の軸(a5)に沿った前記瞬間風速ベクトルの前記それぞれの投影であり、θは、前記軸a1と前記平面p1の法線との間および前記軸a2と前記平面p1の前記法線との間に形成された非ゼロ角度であり、γは、前記軸a3と前記平面p1の前記法線との間および前記軸a4と前記平面p1の前記法線との間に形成された非ゼロ角度であり、前記第1および第2の軸a1およびa2は、平面(p2)に含まれ、前記第3および第4の軸a3およびa4は、平面(p3)に含まれ、前記平面p2およびp3は、それらの間に非ゼロ角度αを形成する
ステップと、
ステップBにおいて、式(8)~式(10)およびステップAで再構成された前記平均風速ベクトルの前記少なくとも2つの成分に基づいて、平面p1またはp2またはp3のそれぞれにおける前記基準時間間隔Tにわたる少なくとも1つの平均風速値(Vhave)のスカラ再構成のステップであって、
【数8】

【数9】

【数10】

Qは、前記基準時間間隔Tに含まれる前記分割時間間隔Ωにわたる前記平均風速の前記少なくとも2つの成分の前記数に対応する1~(T/Ω)の間に含まれる整数である
ステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記分割時間間隔Ωの値は、前記テレメトリデータの取得中に一定であるか修正され、前記分割時間間隔Ωの前記値は、
前記テレメトリデータが取得されたテレメトリシステムのタイプ、および/または
前記テレメトリデータの取得中の大気条件
の関数である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
テレメトリデータを処理して風速を推定するための方法であって、前記方法は、
瞬間風速ベクトルの投影から開始する、前記瞬間風速ベクトルの少なくとも2つの成分のベクトル再構成のステップ(C)と、
基準時間間隔Tにわたって含まれる、ステップCで再構成された前記瞬間風速ベクトルの前記少なくとも2つの成分の数Nから開始する、平均風速ベクトルの少なくとも2つの成分の前記基準時間間隔と呼ばれる時間間隔(T)にわたるベクトル再構成のステップ(D)と、
ステップCで再構成された前記平均風速ベクトルの前記少なくとも2つの成分から開始する、少なくとも1つの瞬間風速値のスカラ再構成のステップ(E)と、
ステップEで再構成された前記少なくとも1つの瞬間風速値から開始する、少なくとも1つの平均風速値を決定するステップ(F)と、
ステップDで再構成された前記平均風速ベクトルの前記少なくとも2つの成分から開始する、前記基準時間間隔Tにわたる少なくとも1つの平均風速値を決定するステップ(G)と、
ステップFで再構成された前記少なくとも1つの平均風速値とステップGで決定された前記少なくとも1つの平均風速値の和の重み付けによって、前記時間間隔Tにわたる少なくとも1つの平均風速値(Vhave)を決定するステップ(H)と
を含む、重み付けによるハイブリダイゼーションを含む、方法。
【請求項5】
ステップCにおいて、それぞれの式(11)~(17)に基づいて、前記瞬間風速ベクトルの3つの成分(U、V、W)のうちの少なくとも2つの成分(U、V)または(V、W)または(U、W)のベクトル再構成のステップであって、iは、前記基準時間間隔Tにわたる前記瞬間風速ベクトルの連続投影の数に対応する1~Nの間に含まれる整数であり、Uは、空間平面(p1)内に延びる空間方向(d1)における前記瞬間風速ベクトルの前記成分であり、前記成分Vは、前記空間平面p1内に延びる空間方向(d2)における前記瞬間風速ベクトルの前記成分であり、前記成分Wは、前記平面p1に直交する空間方向(d3)における前記平均風速ベクトルの前記成分であり、
【数11】

【数12】

【数13】

【数14】

【数15】

【数16】

【数17】

式中、SNi、SSi、SEi、SWi、およびSViは、それぞれ前記方向d3と融合した第1の軸(a1)、第2の軸(a2)、第3の軸(a3)、第4の軸(a4)、および第5の軸(a5)に沿った前記瞬間風速ベクトルの投影であり、θは、前記軸a1と前記平面p1の法線との間および前記軸a2と前記平面p1の前記法線との間に形成された非ゼロ角度であり、γは、前記軸a3と前記平面p1の前記法線との間および前記軸a4と前記平面p1の前記法線との間に形成された非ゼロ角度であり、前記第1および第2の軸a1およびa2は、平面(p2)に含まれ、前記第3および第4の軸a3およびa4は、平面(p3)に含まれ、前記平面p2およびp3は、それらの間に非ゼロ角度αを形成する
ステップと、
ステップDにおいて、式(18)~式(20)に基づいて、前記基準時間間隔Tにわたる前記平均風速ベクトルの少なくとも2つの成分(Uvect、Vvect)または(Vvect、Wvect)または(Uvect、Wvect)のベクトル再構成のステップであって、前記成分Uvectは、前記空間方向d1における前記風速の前記成分であり、前記成分Vvectは、前記空間方向d2における前記風速の前記成分であり、前記成分Wvectは、前記空間方向d3における前記風速の成分であり、
【数18】

【数19】

【数20】

であるステップと、
ステップEにおいて、式(21)~式(23)に基づいて、前記瞬間風速の少なくとも1つの値(Vscal)のスカラ再構成のステップであって、Vscalは、それぞれ平面p1またはp2またはp3における前記瞬間風速値の時系列に対応し、
【数21】

【数22】

【数23】

であるステップと、
ステップFにおいて、式(24)~式(26)に基づいて、ステップEで再構成された前記瞬間風速の値Vscali.1またはVscali.2またはVscali.3から開始する、前記基準時間間隔Tにわたるそれぞれ平面p1、p2、またはp3における少なくとも1つの平均風速値(Vhscalave)の決定のステップであって、
【数24】

【数25】

【数26】

であるステップと、
ステップGにおいて、式(27)~(29)に基づいて、前記平均風速ベクトルの前記少なくとも2つの再構成された成分から開始する、前記基準時間間隔Tにわたるそれぞれ平面p1、p2、またはp3における少なくとも1つの平均風速値(Vvectave)の決定のステップであって、
【数27】

【数28】

【数29】

であるステップと、
ステップHにおいて、式(30)~(32)に基づいて、再構成された風速値(Vhscalave.1、Vhvectave.1)または(Vhscalave.2およびVhvectave.2)または(Vhscalave.3、Vhvectave.3)の対から開始する、前記基準時間間隔Tにわたるそれぞれ平面p1、p2、またはp3における少なくとも1つの重み付けされた平均風速値(Vhave)の計算のステップであって、
【数30】

【数31】

【数32】

式中、Pは、0~1の間に含まれる無次元重み付け係数である
ステップと
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記係数Pは、0.2超および/または0.6未満、好ましくは0.3超および/または0.5未満、より好ましくは0.33に等しい、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記係数Pの値は、前記テレメトリデータの取得中または前記方法を実施するときに一定であるか修正され、前記分割時間間隔Ωの前記値は、
前記テレメトリデータが取得されたテレメトリシステムのタイプ、および/または
前記テレメトリデータの取得中の大気条件
の関数である、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
式(33)による前記基準時間間隔Tにわたる前記風速の変動σの推定を含み、
【数33】

式中、cは、正の数であり、σは、0または正の無次元数である、
請求項4~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
テレメトリデータを処理して風速を推定するための方法であって、前記方法は、
瞬間風速ベクトルの投影から開始する、前記瞬間風速ベクトルの少なくとも2つの成分のベクトル再構成のステップ(I)と、
ステップIで再構成された前記瞬間風速ベクトルの前記少なくとも2つの成分の時間間隔Tにわたる投影によって、前記時間間隔Tにわたる少なくとも1つの平均風速値を決定するステップ(J)と
を含む、平均化投影を含む、方法。
【請求項10】
ステップIにおいて、式(34)~式(40)に基づいて、前記瞬間風速ベクトルの3つの成分(U、V、W)のうちの少なくとも2つの成分(U、V)または(V、W)または(U、W)のベクトル再構成のステップであって、iは、基準時間間隔と呼ばれる時間間隔(T)にわたる前記瞬間風速ベクトルの連続投影の数に対応する1~Nの間に含まれる整数であり、Uは、空間平面(p1)内に延びる空間方向(d1)における前記瞬間風速ベクトルの前記成分であり、前記成分Vは、前記空間平面p1内に延びる空間方向(d2)における前記瞬間風速ベクトルの前記成分であり、前記成分Wは、前記平面p1に直交する空間方向(d3)における前記平均風速ベクトルの前記成分であり、
【数34】

【数35】

【数36】

【数37】

【数38】

【数39】

【数40】

式中、SNi、SSi、SEi、SWi、およびSViは、それぞれ前記方向d3と融合した第1の軸(a1)、第2の軸(a2)、第3の軸(a3)、第4の軸(a4)、および第5の軸(a5)に沿った前記瞬間風速ベクトルの投影であり、θは、前記軸a1と前記平面p1の法線との間および前記軸a2と前記平面p1の前記法線との間に形成された非ゼロ角度であり、γは、前記軸a3と前記平面p1の前記法線との間および前記軸a4と前記平面p1の前記法線との間に形成された非ゼロ角度であり、前記第1および第2の軸a1およびa2は、平面(p2)に含まれ、前記第3および第4の軸a3およびa4は、平面(p3)に含まれ、前記平面p2およびp3は、それらの間に非ゼロ角度αを形成する
ステップと、
ステップJにおいて、式(41)~式(42)に基づいて、前記瞬間風速ベクトルの前記少なくとも2つの再構成された成分から開始する、前記基準時間間隔Tにわたるそれぞれ平面p1、p2、またはp3における少なくとも1つの平均風速値(Vhave)の決定のステップであって、
【数41】

【数42】

【数43】

であるステップと
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
式(44)による平面p1における風向(dir)の推定を含み、
【数44】

式中、tan-1は、逆正接関数であり、前記推定風向は、前記風向と前記方向d1との間の角度値であり、VrecおよびUrecは各々、
前記基準時間間隔Tにわたる平面p1における前記風速の成分のスカラ値、または
前記基準時間間隔Tにわたる平面p1における前記風速の成分の平均ベクトル速度
である、
請求項5、10、および11と組み合わせた請求項2、5、6~8と組み合わせた、請求項2、3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
第1の軸a1、第2の軸a2、第3の軸a3、第4の軸a4、および第5の軸a5に沿ってそれぞれ延びる少なくとも1つの測定レーザビームによって前記瞬間風速ベクトルの前記投影SNi、SSi、SEi、SWi、およびSViを測定するステップを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
コンピュータによって実施される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の方法を実施するように配置および/またはプログラムおよび/または構成された手段を備える、データ処理デバイス。
【請求項15】
前記プログラムがコンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項1~13のいずれか一項に記載の方法を実施させる命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項16】
コンピュータによって実行されると、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法を実施させる命令を含み、かつ/または
請求項15に記載のコンピュータプログラムが記録される、
記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレメトリデータから風速を推定するための方法に関する。本発明の目的は、特に、ライダ、レーダ、またはソーダシステムによって収集されたテレメトリデータから風速を決定することである。
【0002】
本発明は、ライダ、レーダ、またはソーダシステムによって空間の異なる点で順次または連続的に行われた測定から生じるデータに基づいた平均風速の再構成に基づく方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ライダ、レーダ、またはソーダシステムによって行われた測定から得られたデータの再構成によって、風速を推定する方法が知られている。最新技術では、2つの代替タイプの再構成が見出されている。第1の方法は、平均風速を、瞬間風速ベクトルのノルムの10分の測定時間間隔にわたる平均に等しいと見なすことからなる。この方法は、一般に「スカラ法」と呼ばれる。第2の方法は、平均風速を、10分の測定間隔にわたる平均風速ベクトルのノルムに等しいと見なすことからなる。この方法は、一般に「ベクトル法」と呼ばれる。
【0004】
強い大気乱流の条件下で、すなわち10分の時間間隔で風向または風速のかなりの変動がある条件下でライダ測定が行われると、既存の方法によって得られた推定値は、実際の風速とは著しく異なる。カップ風速計は、風速を測定するための標準的なツールと見なされる。
【0005】
実際には、低い大気乱流の条件下、すなわち10分の時間間隔で風向または風速の変動が小さい条件下では、最新技術の方法によって推定された風速とカップ風速計によって測定された風速との間の相対誤差は、1%未満である。しかし、強い大気乱流の条件下では、最新技術の方法によって推定された風速とカップ風速計によって測定された風速との間の相対誤差は、4%の絶対値に達し得る。
【0006】
風速を決定するための標準的なツールがカップ風速計であることは、最新技術において知られている。風速の決定は、使用される測定装置および決定に使用される伝達関数と密接に関連している。
【0007】
本発明は、特に、
最新技術の方法の欠点を克服することを可能にする風速を推定するための方法を提案すること、および/または
決定された風速値がカップ風速計によって測定された風速値に可能な限り近い風速を推定するための方法を提案すること、および/または
強い大気乱流の条件下および低い大気乱流の条件下で、決定された風速値の誤差が1%未満である風速を推定するための方法を提案すること、および/または
測定が行われる大気条件に敏感でない風速を推定するための方法を提案すること
を目的としている。
【発明の開示】
【0008】
この目的のために、テレメトリデータを処理して風速を推定するための方法が提案されている。
【0009】
第1の代替形態によれば、方法は、
瞬間風速ベクトルの経時的な連続投影から開始する、分割時間間隔と呼ばれる時間間隔(Ω)にわたる平均風速ベクトルの少なくとも2つの成分のベクトル再構成のステップ(A)と、
ステップAで再構成された平均風速ベクトルの少なくとも2つの成分の数(T/Ω)から開始する、基準時間間隔と呼ばれる時間間隔(T)にわたる少なくとも1つの平均風速値(Vhave)のスカラ再構成のステップ(B)と
を含む、時間的組み合わせによるハイブリダイゼーションを含み、
2Ωは、T以下であり、T/Ωは、基準時間間隔Tに含まれる分割時間間隔Ωにわたる平均風速の少なくとも2つの成分の数に対応する。
【0010】
第1の代替形態による時間的組み合わせによるハイブリダイゼーションの方法は、
ステップAにおいて、式(1)~(7)に基づいて、分割時間間隔Ωにわたる平均風速ベクトルの3つの成分(UΩ、VΩ、WΩ)のうちの少なくとも2つの成分(UΩ、VΩ)または(VΩ、WΩ)または(UΩ、WΩ)の再構成のステップであって、成分UΩは、空間平面(p1)内に延びる空間方向(d1)における平均風速ベクトルの成分であり、成分VΩは、空間平面p1内に延びる空間方向(d2)における平均風速ベクトルの成分であり、成分WΩは、平面p1に直交する空間方向(d3)における平均風速ベクトルの成分であり、
【数1】

【数2】

【数3】

【数4】

【数5】

【数6】

【数7】

式中、iは、分割時間間隔Ωにわたる瞬間風速ベクトルの経時的な連続投影SNi、SSi、SEi、SWi、およびSviに対応する1~Mの間に含まれる整数であり、SNi、SSi、SEi、SWi、およびSviは、それぞれ方向d3と融合した第1の軸(a1)、第2の軸(a2)、第3の軸(a3)、第4の軸(a4)、および第5の軸(a5)に沿った瞬間風速ベクトルのそれぞれの投影であり、θは、軸a1と平面p1の法線との間および軸a2と平面p1の法線との間に形成された非ゼロ角度であり、γは、軸a3と平面p1の法線との間および軸a4と平面p1の法線との間に形成された非ゼロ角度であり、第1および第2の軸a1およびa2は、平面(p2)に含まれ、第3および第4の軸a3およびa4は、平面(p3)に含まれ、平面p2およびp3は、それらの間に非ゼロ角度αを形成する
ステップ
を含んでもよい。好ましくは、方法のステップAは、式1~式5に基づいて、または式6および式7に基づいて実施される。
【0011】
さらに、第1の代替形態による時間的組み合わせによるハイブリダイゼーションの方法は、
ステップBにおいて、式(8)~式(10)およびステップAで再構成された平均風速ベクトルの少なくとも2つの成分に基づいて、平面p1またはp2またはp3のそれぞれにおける基準時間間隔Tにわたる少なくとも1つの平均風速値(Vhave)のスカラ再構成のステップであって、
【数8】

【数9】

【数10】

Qは、基準時間間隔Tに含まれる分割時間間隔Ωにわたる平均風速の少なくとも2つの成分の数に対応する1~(T/Ω)の間に含まれる整数である
ステップ
を含んでもよい。
【0012】
分割時間間隔Ωの値は、テレメトリデータの取得中に一定であっても修正されてもよく、分割時間間隔Ωの前記値は、
テレメトリデータが取得されたテレメトリシステムのタイプ、および/または
前記テレメトリデータの取得中の大気条件
の関数である。
【0013】
第2の代替形態によれば、方法は、
瞬間風速ベクトルの投影から開始する、瞬間風速ベクトルの少なくとも2つの成分のベクトル再構成のステップ(C)と、
基準時間間隔Tにわたって含まれる、ステップCで再構成された瞬間風速ベクトルの少なくとも2つの成分の数Nから開始する、平均風速ベクトルの少なくとも2つの成分の基準時間間隔と呼ばれる時間間隔(T)にわたるベクトル再構成のステップ(D)と、
ステップCで再構成された平均風速ベクトルの少なくとも2つの成分から開始する、少なくとも1つの瞬間風速値のスカラ再構成のステップ(E)と、
ステップEで再構成された少なくとも1つの瞬間風速値から開始する、少なくとも1つの平均風速値を決定するステップ(F)と、
ステップDで再構成された平均風速ベクトルの少なくとも2つの成分から開始する、基準時間間隔Tにわたる少なくとも1つの平均風速値を決定するステップ(G)と、
ステップFで再構成された少なくとも1つの平均風速値とステップGで決定された少なくとも1つの平均風速値の和の重み付けによって、時間間隔Tにわたる少なくとも1つの平均風速値(Vhave)を決定するステップ(H)と
を含む、重み付けによるハイブリダイゼーションを含む。
【0014】
好ましくは、第2の代替形態による重み付けによるハイブリダイゼーションの方法は、
ステップCにおいて、それぞれの式(11)~(17)に基づいて、瞬間風速ベクトルの3つの成分(U、V、W)のうちの少なくとも2つの成分(U、V)または(V、W)または(U、W)のベクトル再構成のステップであって、iは、基準時間間隔Tにわたる瞬間風速ベクトルの連続投影の数に対応する1~Nの間に含まれる整数であり、Uは、空間平面(p1)内に延びる空間方向(d1)における瞬間風速ベクトルの成分であり、成分Vは、空間平面p1内に延びる空間方向(d2)における瞬間風速ベクトルの成分であり、成分Wは、平面p1に直交する空間方向(d3)における平均風速ベクトルの成分であり、
【数11】

【数12】

【数13】

【数14】

【数15】

【数16】

【数17】

式中、SNi、SSi、SEi、SWi、およびSViは、それぞれ方向d3と融合した第1の軸(a1)、第2の軸(a2)、第3の軸(a3)、第4の軸(a4)、および第5の軸(a5)に沿った瞬間風速ベクトルの投影であり、θは、軸a1と平面p1の法線との間および軸a2と平面p1の法線との間に形成された非ゼロ角度であり、γは、軸a3と平面p1の法線との間および軸a4と平面p1の法線との間に形成された非ゼロ角度であり、第1および第2の軸a1およびa2は、平面(p2)に含まれ、第3および第4の軸a3およびa4は、平面(p3)に含まれ、平面p2およびp3は、それらの間に非ゼロ角度αを形成する
ステップ
を含んでもよい。好ましくは、方法のステップCは、式11~式15に基づいて、または式16および式17に基づいて実施される。
【0015】
さらに、第2の代替形態による時間的組み合わせによるハイブリダイゼーションの方法は、
ステップDにおいて、式(18)~式(20)に基づいて、基準時間間隔Tにわたる平均風速ベクトルの少なくとも2つの成分(Uvect、Vvect)または(Vvect、Wvect)または(Uvect、Wvect)のベクトル再構成のステップであって、成分Uvectは、空間方向d1における風速の成分であり、成分Vvectは、空間方向d2における風速の成分であり、成分Wvectは、空間方向d3における風速の成分であり、
【数18】

【数19】

【数20】

であるステップと、
ステップEにおいて、式(21)~式(23)に基づいて、瞬間風速の少なくとも1つの値(Vscal)のスカラ再構成のステップであって、Vscalは、それぞれ平面p1またはp2またはp3における瞬間風速値の時系列に対応し、
【数21】

【数22】

【数23】

であるステップと、
ステップFにおいて、式(24)~式(26)に基づいて、ステップEで再構成された瞬間風速の値Vscali.1またはVscali.2またはVscali.3から開始する、基準時間間隔Tにわたるそれぞれ平面p1、p2、またはp3における少なくとも1つの平均風速値(Vhscalave)の決定のステップであって、
【数24】

【数25】

【数26】

であるステップと、
ステップGにおいて、式(27)~(29)に基づいて、平均風速ベクトルの少なくとも2つの再構成された成分から開始する、基準時間間隔Tにわたるそれぞれ平面p1、p2、またはp3における少なくとも1つの平均風速値(Vvectave)の決定のステップであって、
【数27】

【数28】

【数29】

であるステップと、
ステップHにおいて、式(30)~(32)に基づいて、再構成された風速値(Vhscalave.1、Vhvectave.1)または(Vhscalave.2およびVhvectave.2)または(Vhscalave.3、Vhvectave.3)の対から開始する、基準時間間隔Tにわたるそれぞれ平面p1、p2、またはp3における少なくとも1つの重み付けされた平均風速値(Vhave)の計算のステップであって、
【数30】

【数31】

【数32】

式中、Pは、0~1の間に含まれる無次元重み付け係数である
ステップと
を含んでもよい。
【0016】
係数Pは、0.2超および/または0.6未満、好ましくは0.3超および/または0.5未満、より好ましくは0.33に等しくてもよい。
【0017】
係数Pの値は、テレメトリデータの取得中または方法を実施するときに一定であっても修正されてもよく、分割時間間隔Ωの前記値は、
テレメトリデータが取得されたテレメトリシステムのタイプ、および/または
前記テレメトリデータの取得中の大気条件
の関数である。
【0018】
第2の代替形態による重み付けによるハイブリダイゼーションの方法は、式(33)による基準時間間隔Tにわたる風速の変動σの推定を含んでもよく、
【数33】

式中、cは、正の数であり、σは、0または正の無次元数である。
【0019】
第3の代替形態によれば、方法は、
瞬間風速ベクトルの投影から開始する、瞬間風速ベクトルの少なくとも2つの成分のベクトル再構成のステップ(I)と、
ステップIで再構成された瞬間風速ベクトルの少なくとも2つの成分の時間間隔Tにわたる投影によって、時間間隔Tにわたる少なくとも1つの平均風速値を決定するステップ(J)と
を含む、平均化投影を含む。
【0020】
好ましくは、第3の代替形態による平均化投影によるハイブリダイゼーションの方法は、
ステップIにおいて、式(34)~式(40)に基づいて、瞬間風速ベクトルの3つの成分(U、V、W)のうちの少なくとも2つの成分(U、V)または(V、W)または(U、W)のベクトル再構成のステップであって、iは、基準時間間隔と呼ばれる時間間隔(T)にわたる瞬間風速ベクトルの連続投影の数に対応する1~Nの間に含まれる整数であり、Uは、空間平面(p1)内に延びる空間方向(d1)における瞬間風速ベクトルの成分であり、成分Vは、空間平面p1内に延びる空間方向(d2)における瞬間風速ベクトルの成分であり、成分Wは、平面p1に直交する空間方向(d3)における平均風速ベクトルの成分であり、
【数34】

【数35】

【数36】

【数37】

【数38】

【数39】

【数40】

式中、SNi、SSi、SEi、SWi、およびSViは、それぞれ方向d3と融合した第1の軸(a1)、第2の軸(a2)、第3の軸(a3)、第4の軸(a4)、および第5の軸(a5)に沿った瞬間風速ベクトルの投影であり、θは、軸a1と平面p1の法線との間および軸a2と平面p1の法線との間に形成された非ゼロ角度であり、γは、軸a3と平面p1の法線との間および軸a4と平面p1の法線との間に形成された非ゼロ角度であり、第1および第2の軸a1およびa2は、平面(p2)に含まれ、第3および第4の軸a3およびa4は、平面(p3)に含まれ、平面p2およびp3は、それらの間に非ゼロ角度αを形成する
ステップ
を含んでもよい。好ましくは、方法のステップCは、式34~式38に基づいて、または式39および式40に基づいて実施される。
【0021】
さらに、第3の代替形態による時間的組み合わせによるハイブリダイゼーションの方法は、
ステップJにおいて、式(41)~式(42)に基づいて、瞬間風速ベクトルの少なくとも2つの再構成された成分から開始する、基準時間間隔Tにわたるそれぞれ平面p1、p2、またはp3における少なくとも1つの平均風速値(Vhave)の決定のステップであって、
【数41】

【数42】

【数43】

であるステップを含んでもよい。
【0022】
第3の代替形態による平均化投影によるハイブリダイゼーションの方法は、式(44)による平面p1における風向(dir)の推定を含んでもよく、
【数44】

式中、tan-1は、逆正接関数であり、推定風向は、風向と方向d1との間の角度値であり、VrecおよびUrecは各々、
基準時間間隔Tにわたる平面p1における風速の成分のスカラ値、または
基準時間間隔Tにわたる平面p1における風速の成分の平均ベクトル速度
である。
【0023】
第1、第2、および/または第3の代替形態のいずれか1つによる方法は、それぞれの軸a1、a2、a3、a4、およびa5の各々に沿って延びる少なくとも1つの測定レーザビームによって瞬間風速ベクトルの投影SNi、SSi、SEi、SWi、およびSViを測定するステップを含んでもよい。
【0024】
第1、第2、および/または第3の代替形態のいずれか1つによる方法は、コンピュータによって実施されてもよい。
【0025】
本発明によれば、第1、第2、および/または第3の代替形態のいずれか1つによる方法を実施するように配置および/またはプログラムおよび/または構成された手段を備えるデータ処理デバイスも提案される。
【0026】
本発明によれば、プログラムがコンピュータによって実行されると、コンピュータに第1、第2、および/または第3の代替形態のいずれか1つによる方法を実施させる命令を含むコンピュータプログラムも提案される。
【0027】
本発明によれば、
コンピュータによって実行されると、第1、第2、および/または第3の代替形態のいずれか1つによる方法を実施させる命令を含み、かつ/または
本発明によるコンピュータプログラムが記録される、
記録媒体も提案される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の他の利点および特徴は、決して限定的ではない実施態様および実施形態の詳細な説明、ならびに以下の添付の図面を読むと明らかになるであろう。
図1】本発明による方法を実施するために使用されるテレメトリデータを取得するための光学システムの斜視図の概略図である。
図2】本発明による方法の第1の代替形態の機能図である。
図3】本発明による方法の第2の代替形態の機能図である。
図4】本発明による方法の第3の代替形態の機能図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に記載される実施形態は決して限定的ではないため、特に、この特性の選択が技術的利点を与えるのに、または先行技術の状態に関して本発明を区別するのに十分である場合、(この選択がこれらの他の特性を含む語句内で分離されている場合であっても)記載される他の特性とは別に、本発明の変形例は、記載される特性の選択のみを含むと考えることが可能である。この選択は、この部分だけで技術的利点を与えるのに、または先行技術の状態に関して本発明を区別するのに十分である場合、構造上の詳細のない、または構造上の詳細の一部のみを有する、少なくとも1つの、好ましくは機能的な特性を含む。
【0030】
図1は、テレメトリデータを取得するための光学システム1の一例を示している。図1の例によれば、光学システム1は、各々が異なる軸a1、a2、a3、a4、およびa5に沿って延びる5つの光学測定ビームを放射する。非限定的な例として、このシステムは、連続測定技術を有するLidarタイプのLIDAR、またはパルス測定技術を有するLidarであってもよい。この例では、平面p1における平均風速を推定することが想定されている。本方法を追加の空間次元に拡張することによって、当業者はまた、空間内の風速を推定することができる。図1の例によれば、軸a5は、垂直であり、軸a1は、磁北に向かって軸a5に対して角度θ(ここでは28°に等しい)だけ傾斜し、軸a2は、南に向かって軸a5に対して角度θだけ傾斜し、軸a3は、東に向かって軸a5に対して角度γ(ここでは28°に等しい)だけ傾斜し、軸a4は、西に向かって軸a5に対して角度γだけ傾斜している。平面p2およびp3は、ここでは90°に等しい角度αを形成する。この例では、軸a5に対して軸a1および軸a2によって形成された角度θ、ならびに軸a5に対して軸a3および軸a4によって形成された角度γは、同一である。当業者はまた、これらの角度が異なる場合に本発明による方法を適合させることができる。
【0031】
計測において、風は、その方向およびその力または大きさによって特徴付けられ得る。実際には、風は、3つの成分(U、V、W)を含む風ベクトルによって定義され、一般に、Uは、北から南への軸に沿った風ベクトルの成分を表し、Vは、東から西への軸に沿った風ベクトルの成分を表し、Wは、測定点における地表に垂直な軸上の風ベクトルの成分を表す。この風ベクトルは、ビームの各々に沿った粒子の変位速度を測定することによって測定される。ビームの各々に沿って測定された瞬間値は、風ベクトルの投影成分SNi、SSi、SEi、SWi、およびSViである。この例では、システムは、4秒ごとに5つの測定値SNi、SSi、SEi、SWi、およびSViを送達する。したがって、測定は、約0.8秒ごとに利用可能である。したがって、時間間隔Ωにわたって、Ω(秒単位)を4で除算した値に等しいM個の投影成分SNi、SSi、SEi、SWi、およびSViのセットが存在する。次いで、測定された瞬間投影SNi、SSi、SEi、SWi、およびSViから風ベクトルの成分(U、V、W)を再構成する必要がある。実際には、本発明によるテレメトリデータを処理して風速を推定するための方法は、リアルタイムで測定されたデータ、または測定された保存データ、統計データ、もしくは測定されていないデータ(例えばシミュレーションからのデータ)などの保存データに対して実施することができる。
【0032】
好ましくは、本発明によるテレメトリデータを処理して風速を推定するための方法が実施されることに基づく瞬間風速ベクトルは、テレメトリによって、例えばLIDARによって測定される。好ましくは、本発明によるテレメトリデータを処理して風速を推定するための方法は、テレメトリによって、例えばLIDARによって測定された瞬間風速ベクトルに関するデータに対して実施される。
【0033】
風測定を使用する典型的な事例は、風力タービンエネルギーを発生するために利用可能な電力の測定であり、この事例では、測定間隔Tは、典型的には10分の時間間隔であり、風力タービンによって発生されたエネルギーを分離することを可能にする。この間隔は、基準時間間隔Tと呼ばれる。本発明によるテレメトリデータを処理するための方法は、この基準間隔にわたる平均風速を推定することを可能にする。
本発明による方法の第1の代替形態の特定の実施形態によれば、時間的組み合わせによるハイブリダイゼーションの方法は、
ステップAにおいて、式1および式2ならびにそれぞれ北/南軸および東/西軸に沿った風ベクトルの2つの成分UΩ、VΩに基づいて、分割時間間隔Ωにわたる平均風速ベクトルの再構成のステップであって、成分UΩは、測定点のレベルにおいて地表に対して接線方向の平面に対応する空間平面p1内に延びる北/南軸に対応する空間方向d1における平均風速ベクトルの成分であり、成分VΩは、空間平面p1内に延びる東/西軸に対応する空間方向d2における平均風速ベクトルの成分であり、
【数45】

【数46】

式中、iは、1~Mの間に含まれる整数であり、ここでは分割時間間隔が60秒であり、4秒ごとに瞬間風速ベクトルの5つの投影の測定値が存在するため、25に等しい
ステップと、
ステップBにおいて、式6ならびにステップAで再構成された平均風速ベクトルの2つの成分UΩおよびVΩに基づいて、平面p1における基準時間間隔Tにわたる水平風速の平均値Vhaveのスカラ再構成のステップであって、
【数47】

Qは、T/Ωに等しく、基準時間間隔Tに含まれる分割時間間隔Ωにわたる平均風速の成分UΩおよびVΩの数に対応する
ステップと
を含む。
【0034】
実際には、分割時間間隔Ωの値は、テレメトリデータの取得中に一定であるか修正され、分割時間間隔Ωの前記値は、
テレメトリデータが取得されたテレメトリシステムのタイプ、および/または
前記テレメトリデータの取得中の大気条件
の関数である。
【0035】
Ωの値は、例えば方向および水平風速の標準偏差を計算することによって示される水平風の方向および速度の変動の振幅、または推定平均風速の値に適合させることができる。
図3は、本発明による第2の代替形態によるテレメトリデータを処理して風速を推定するための方法の機能概略図を示す。第2の代替形態によれば、方法は、
瞬間風速ベクトルの投影から瞬間風速ベクトルの少なくとも2つの成分のベクトル再構成のステップCと、
基準時間間隔Tにわたって含まれる、瞬間風速ベクトルの2つの再構成された成分のNから開始する、平均風速ベクトルの少なくとも2つの成分の基準時間間隔と呼ばれる時間間隔Tにわたるベクトル再構成のステップD(10分の時間間隔は、600秒であり、4秒ごとの瞬間速度ベクトルの投影のセットの取得は、150に等しい)と、
平均風速ベクトルの少なくとも2つの再構成された成分から開始する、時間間隔Tにわたる少なくとも1つの平均風速値のスカラ再構成のステップEと、
瞬間風速ベクトルの投影から開始する、瞬間風速のノルムの少なくとも1つの値の決定のステップFと、
再構成された瞬間風速のノルムの少なくとも1つの値から開始する、基準時間間隔Tにわたる風速のノルムの少なくとも1つの平均値の決定のステップGと、
ステップEで再構成された少なくとも1つの平均風速値とステップGで決定された少なくとも1つの平均風速値の和の重み付けによって、時間間隔Tにわたる風速の少なくとも1つの平均値Vhaveの決定のステップ(H)と
を含む、重み付けによるハイブリダイゼーションを含む。
【0036】
本発明による方法の第2の代替形態の特定の実施形態によれば、重み付けによるハイブリダイゼーションの方法は、
ステップCにおいて、それぞれの式11および式12に基づいて、それぞれ北/南軸および東/西軸に沿った瞬間風速ベクトルの少なくとも2つの成分(U、V)の再構成のステップであって、iは、基準時間間隔と呼ばれる時間間隔Tにわたる瞬間風速ベクトルの連続投影の数に対応する1~Nの間に含まれる整数であり、Uは、測定点のレベルにおいて地表に対して接線方向の平面に対応する空間平面p1内に延びる北/南軸に対応する空間方向d1における瞬間風速ベクトルの成分であり、成分Vは、空間平面p1内に延びる東/西軸に対応する空間方向d2における瞬間風速ベクトルの成分であり、
【数48】

【数49】

であるステップと、
ステップDにおいて、式18および式19に基づいて、それぞれ北/南軸および東/西軸に沿った基準時間間隔Tにわたる平均風速ベクトルの2つの成分(Uvect、Vvect)の再構成のステップであって、成分Uvectは、空間方向d1における風速の成分であり、成分Vvectは、空間方向d2における風速の成分であり、
【数50】

【数51】

であるステップと、
ステップEにおいて、式21に基づいて、瞬間風速の少なくとも1つのスカラ値(Vscal)の再構成のステップであって、Vscalは、平面p1における瞬間風速のスカラ値の時系列にそれぞれ対応し、
【数52】

であるステップと、
ステップFにおいて、式24に基づいて、再構成された瞬間風速のスカラ値Vscali.1から開始する、基準時間間隔Tにわたる平面p1におけるそれぞれの風速のノルムの平均値Vhscalaveの計算のステップであって、
【数53】

であるステップと、
ステップGにおいて、式27に基づいて、平均風速ベクトルの2つの再構成された成分から開始する、基準時間間隔Tにわたる平面p1における平均風速値Vvectaveの計算のステップであって、
【数54】

であるステップと、
ステップHにおいて、式30に基づいて、再構成された風速値(Vhscalave.1、Vhvectave.1)の対から開始する、基準時間間隔Tにわたる平面p1における重み付けされた平均風速値Vhaveの計算のステップであって、
【数55】

式中、Pは、0~1の間に含まれる無次元重み付け係数である
ステップと
を含む。
【0037】
Pの最適値は、
テレメトリデータが取得されたテレメトリシステムのタイプ、および/または
前記テレメトリデータの取得中の大気条件
に依存する。
【0038】
係数Pは、0.2超および/または0.6未満、好ましくは0.3超および/または0.5未満、より好ましくは0.33に等しい。標準大気条件下で、図1に提示される構成のテレメトリシステムの場合、最良の推定値を得ることを可能にする数は、約0.33である。
【0039】
方法は、式33に従って基準時間間隔Tにわたる風速の変動σの推定を含み、
【数56】

式中、それは、正の数であり、σは、0または正の無次元数である。この推定は、測定された気流を高乱流または低乱流として定義されるカテゴリに分類することを可能にする水平速度および方向の標準偏差の値の近似である。
【0040】
図4は、本発明による第3の代替形態によるテレメトリデータを処理して風速を推定するための方法の機能概略図を示す。第3の代替形態によれば、方法は、
瞬間風速ベクトルの投影から開始する、瞬間風速ベクトルの少なくとも2つの成分のベクトル再構成のステップIと、
ステップIで再構成された瞬間風速ベクトルの少なくとも2つの成分の時間間隔Tにわたる投影によって、時間間隔Tにわたる風速の少なくとも1つの平均値Vhaveの決定のステップJと
を含む、平均化投影によるハイブリダイゼーションを含む。
本発明による方法の第3の代替形態の特定の実施形態によれば、平均化投影によるハイブリダイゼーションの方法は、
ステップIにおいて、式34および式35に基づいて、それぞれ北/南軸および東/西軸に沿った瞬間風速ベクトルの2つの成分(U、V)のベクトル再構成のステップであって、iは、基準時間間隔と呼ばれる時間間隔Tにわたる瞬間風速ベクトルの連続投影の数に対応する1~Nの間に含まれる整数であり、Uは、測定点のレベルにおいて地表の平面に対応する空間平面p1内に延びる北/南軸に対応する空間方向d1における瞬間風速ベクトルの成分であり、成分Vは、空間平面p1内に延びる東/西軸に対応する空間方向d2における瞬間風速ベクトルの成分であり、
【数57】

【数58】

であるステップと、
ステップJにおいて、式41に基づいて、瞬間風速ベクトルの2つの再構成された成分から開始する、基準時間間隔Tにわたる平面p1におけるそれぞれの風速の平均値Vhaveの決定のステップであって、
【数59】

であるステップと
を含む。
【0041】
もちろん、本発明は、ここで説明した例に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなく、これらの例に対して多くの調整を行うことができる。したがって、上述の実施形態の変形例またはステップを組み合わせることが考えられる。
【0042】
さらに、本発明の異なる特性、形態、変形例、および実施形態は、それらが互換性がないか、または相互に排他的でない限り、様々な組み合わせで互いに組み合わせることができる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】