(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-06
(54)【発明の名称】溶融塩反応器の改良
(51)【国際特許分類】
C01B 3/26 20060101AFI20230130BHJP
B01J 35/12 20060101ALI20230130BHJP
C01B 32/05 20170101ALN20230130BHJP
【FI】
C01B3/26 ZAB
B01J35/12
C01B32/05
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022532591
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(85)【翻訳文提出日】2022-05-30
(86)【国際出願番号】 US2020063406
(87)【国際公開番号】W WO2021113708
(87)【国際公開日】2021-06-10
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522214886
【氏名又は名称】シーゼロ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サーディ,ファドル
(72)【発明者】
【氏名】シェイナー,サミュエル
【テーマコード(参考)】
4G140
4G146
4G169
【Fターム(参考)】
4G140DA03
4G140DB03
4G140DB05
4G140DC07
4G146AA01
4G146BA12
4G146BA48
4G146BB06
4G146BC42
4G146BC48
4G146DA23
4G146DA26
4G146DA31
4G146DA38
4G146DA45
4G146DA47
4G146DA48
4G169AA20
4G169CB81
4G169DA04
(57)【要約】
溶融材料反応器への供給物を予熱する方法は、冷却された生成物ガスを使用して第1の熱交換器で炭化水素供給物を加熱して、加熱された炭化水素供給流を生成することと、加熱された供給流中のC2+炭化水素の少なくとも一部を熱分解反応器で熱分解して、熱分解された炭化水素流を生成することと、生成物ガスを使用して、熱分解された炭化水素流を第2の熱交換器で加熱して、予熱された供給ガスを生成することとを含む。加熱された炭化水素供給流は、メタン及び1つ以上のC2+炭化水素を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融反応容器と、
前記溶融反応容器内に配置された溶融材料と、
前記溶融反応容器内に配置され、前記溶融材料と接触する間接熱交換器と、
を備える、溶融反応器ヒータ。
【請求項2】
前記溶融材料が溶融塩を含む、請求項1に記載の溶融反応器ヒータ。
【請求項3】
前記間接熱交換器が、
熱交換流体を受け取り、前記溶融材料に熱を供給するように構成された導管を備える、
請求項1に記載の溶融反応器ヒータ。
【請求項4】
前記導管が、SiC、SiC/SiC複合材、アルミナ形成合金、若しくは層状金属複合材、又はそれらの組み合わせから形成される、請求項3に記載の溶融反応器ヒータ。
【請求項5】
前記導管が1000℃まで動作するように構成された、請求項3に記載の溶融反応器ヒータ。
【請求項6】
前記間接熱交換器が、前記溶融材料に浸漬された電気加熱要素を備える、請求項1に記載の溶融反応器ヒータ。
【請求項7】
反応容器と、
前記反応容器の下部に配置されたガス分配器と、
前記反応容器の上部に配置されたオーガと、
前記反応容器の上部にある出口とを備え、前記オーガが前記出口を貫通し、前記反応容器の前記上部から前記出口を通って炭素を外へ出すように構成された、
溶融材料反応器。
【請求項8】
前記反応容器が水平円筒を備える、請求項7に記載の溶融材料反応器。
【請求項9】
前記反応容器内に配置された溶融塩をさらに備え、前記反応容器内の前記溶融塩の上方に上部空間が形成される、
請求項7に記載の溶融材料反応器。
【請求項10】
前記オーガが、前記溶融塩の上方の前記上部空間内に配置される、請求項9に記載の溶融材料反応器。
【請求項11】
再循環ガス入口ラインと、
前記反応器の再循環ガス出口とをさらに備え、前記再循環ガス入口ラインが前記出口と流体連通し、前記出口を通って前記反応容器内に再循環ガスを送るように構成され、前記再循環ガス出口が前記反応容器から前記再循環ガスを除去するように構成された、
請求項7に記載の溶融材料反応器。
【請求項12】
前記反応容器内に配置された充填床をさらに備える、
請求項7に記載の溶融材料反応器。
【請求項13】
前記反応容器がセラミックライニングを備える、請求項7に記載の溶融材料反応器。
【請求項14】
前記反応容器の前記上部内に配置されたフランジをさらに備え、前記オーガが前記フラ
ンジに取り付けられている、
請求項7に記載の溶融材料反応器。
【請求項15】
溶融材料反応器を動作させる方法であって、
反応容器内で炭化水素ガスを溶融材料と接触させることと、
前記反応容器内で水素及び固体炭素を生成することと、
前記反応容器の上部に配置されたオーガを使用して、前記溶融材料の上部から前記反応容器の出口に向かって前記固体炭素を輸送することと、
前記反応容器の前記出口を通って前記反応容器から前記固体炭素を除去することと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記溶融材料が溶融塩を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記反応容器の下部に配置された分配器を介して前記炭化水素ガスを前記反応容器内に導入することをさらに含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記反応容器が水平円筒を備える、請求項155に記載の方法。
【請求項19】
前記溶融塩が前記反応容器内に配置され、
前記反応容器内の前記溶融塩の上方に上部空間が形成され、
前記固体炭素が前記反応容器内の前記上部空間に浮遊する、
請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記オーガが前記固体炭素を前記上部空間から前記出口へ輸送する、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
冷却された生成物ガスを前記反応容器内に導入することと、
前記冷却された生成物ガスを前記反応容器に通過させることと、
前記冷却された生成物ガスを使用して前記反応容器内の温度を制御することとをさらに含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記反応容器が、前記反応容器の前記上部内に配置されたフランジを備え、前記オーガが前記フランジに取り付けられている、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
溶融材料反応器への供給物を予熱する方法であって、
冷却された生成物ガスを使用して第1の熱交換器で炭化水素供給物を加熱して、メタン及び1つ以上のC
2+炭化水素を含む、加熱された炭化水素供給流を生成することと、
前記加熱された供給流中の前記C
2+炭化水素の少なくとも一部を熱分解反応器で熱分解して、熱分解された炭化水素流を生成することと、
生成物ガスを使用して、前記熱分解された炭化水素流を第2の熱交換器で加熱して、予熱された供給ガスを生成することと、
を含む、方法。
【請求項24】
前記第2の熱交換器で前記生成物ガスを冷却して、前記冷却された生成物ガスを生成することをさらに含む、
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記加熱された炭化水素供給流が40~850℃の温度を有する、請求項23に記載の
方法。
【請求項26】
前記予熱された供給ガス流が700~1100℃の温度を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記加熱された供給流中の前記C
2+炭化水素の前記一部を熱分解することに基づいて、前記第2の熱交換器で、前記加熱された炭化水素供給流の熱分解を防止することをさらに含む、
請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記熱分解反応器が熱分解触媒を備える、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記熱分解触媒が炭素、ニッケルなどを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第2の熱交換器が、前記熱分解された炭化水素流と接触し、熱分解反応に対して非触媒であるように構成された材料を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記第2の熱交換器が、SiC又はアルミナ形成合金を含み、前記熱分解された炭化水素流と接触する材料を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
気化した材料を凝縮させる方法であって、
気化した塩を含む、溶融塩反応器からの蒸気生成物を熱交換器で冷却することと、
前記蒸気生成物中の前記気化した塩の少なくとも一部を前記熱交換器で凝縮させることと、
前記気化した塩の前記凝縮した一部を前記溶融塩反応器に再循環させることと、
を含む、方法。
【請求項33】
前記蒸気生成物との熱交換に基づいて前記熱交換器内の水流中の水を気化させることと、
前記水の気化に応じて前記熱交換から蒸気を生成することとをさらに含む、
請求項32に記載の方法。
【請求項34】
冷却された蒸気生成物を前記熱交換器で生成することをさらに含み、前記冷却された蒸気生成物からは、前記気化した塩の一部が除去される、
請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記冷却された蒸気生成物が700℃以下の温度を有する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記溶融塩反応器の上流で前記冷却された蒸気生成物の一部を再循環させることと、
前記冷却された蒸気生成物の前記再循環された一部を使用して、前記溶融塩反応器内の温度を制限することとをさらに含む、
請求項34に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によってその全体が本明細書中に援用される、2019年12月6日に出願され、「溶融塩反応器の改良」と題された米国仮出願第62/944,819号の優先権を主張する。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発に関する記載
なし
【背景技術】
【0003】
現在、産業用水素は主に水蒸気メタン改質(SMR)プロセスを用いて製造され、反応器から流出する生成物には、所望の水素生成物だけでなく、酸化炭素(CO/CO2)ガスや未変質のメタンなどの他の気体種が含まれている。出荷又は貯蔵のための水素の分離及び改質器への再循環のためのメタンの分離は、圧力変動吸着(PSA)ユニットで行われるが、これは費用とエネルギーを要する分離となる。一般に、酸化炭素が環境に放出される。この分離プロセスは、反応後の独立したユニットとして存在する。全体として、プロセスは大量の二酸化炭素を生成する。天然ガスは酸素との燃焼による発電にも広く使用されているが、ここでも大量の二酸化炭素が生成される。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、溶融反応器ヒータは、溶融反応容器と、溶融反応容器内に配置された溶融材料と、溶融反応容器内に配置され、溶融材料と接触する間接熱交換器とを備える。
【0005】
一態様では、溶融材料反応器は、反応容器と、反応容器の下部に配置されたガス分配器と、反応容器の上部に配置されたオーガと、反応容器の上部の出口とを備える。オーガは出口を貫通し、反応容器の上部から出口を通って炭素を外へ出すように構成される。
【0006】
一態様では、溶融材料反応器を動作させる方法は、反応容器内で炭化水素ガスを溶融材料と接触させることと、反応容器内で水素及び固体炭素を生成することと、反応容器の上部に配置されたオーガを使用して溶融材料の上部から反応容器の出口に向かって固体炭素を輸送することと、反応容器の出口を通って反応容器から固体炭素を除去することとを含む。
【0007】
一態様では、溶融材料反応器への供給物を予熱する方法は、冷却された生成物ガスを使用して第1の熱交換器で炭化水素供給物を加熱して、加熱された炭化水素供給流を生成することと、加熱された供給流中のC2+炭化水素の少なくとも一部を熱分解反応器で熱分解して、熱分解された炭化水素流を生成することと、生成物ガスを使用して、熱分解された炭化水素流を第2の熱交換器で加熱して、予熱された供給ガスを生成することとを含む。加熱された炭化水素供給流は、メタン及び1つ以上のC2+炭化水素を含む。
【0008】
一態様では、気化した材料を凝縮する方法は、気化した塩を含む、溶融塩反応器からの蒸気生成物を熱交換器で冷却することと、蒸気生成物中の気化した塩の少なくとも一部を熱交換器で凝縮することと、気化した塩の凝縮した一部を溶融塩反応器に再循環させることとを含む。
【0009】
これら及び他の特徴は、添付の図面及び特許請求の範囲と併せた以下の詳細な説明によって明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示及びその利点をより完全に理解するために、同様の参照番号が同様の部分を表す添付の図面及び詳細な説明と併せて、ここで以下の簡単な説明を参照する。
【0011】
【
図1】いくつかの実施形態による溶融塩反応器システムの概略図である。
【
図2A】いくつかの実施形態による溶融塩反応器の概略図である。
【
図2B】いくつかの実施形態による溶融塩反応器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
天然ガスの水素又は電力への変換は、今日、大量の二酸化炭素を生成するプロセスを用いて商業的に実施されている。世界のコミュニティは二酸化炭素排出量を削減しようとしているため、二酸化炭素を生成することなく水素又は電力を生成するために天然ガスを利用する費用効果の高いプロセスを見つけることが望まれている。本システム及び方法は、天然ガス又は他の化石炭化水素を、二酸化炭素を生成することなく固体炭素を代わりに生成することによって、水素及び/又は電力用の熱及び蒸気に変換することを可能にする。
【0013】
本明細書に開示されるシステム及び方法は、化学量論的な炭素酸化物を生成することなく、天然ガスを固体炭素へ変換するとともに、水素若しくは他の化学物質及び/又は電力を同時に生成するための、溶融塩及び/又は金属などの溶融材料を含む新規な高温触媒反応器の調製及び使用について教示する。様々な実施形態は、天然ガスから炭素を生成し、気相化学物質の同時生成物とともに溶融媒体から分離することができる連続プロセス及び反応器、並びに炭素の除去方法を含む。いくつかの実施形態では、メタン又は他の軽質炭化水素ガスが、触媒を有する溶融塩を含む反応器システムに供給され、反応して化学生成物として炭素及び分子状水素を生成する。反応は吸熱性であり、熱が反応器に供給される。塩は、優れた熱伝達媒体であり、反応器への熱伝達を促進するために使用することができる。この工程では、固体炭素を固体として分離除去することができる。
【0014】
図1は、炭化水素供給流102から水素及び固体炭素を生成するためのシステム100を示す。炭化水素供給流は、任意の適切な炭化水素ガスを含む炭化水素を含むことができる。いくつかの実施形態では、供給流は天然ガスを含むことができる。本明細書で使用される場合、天然ガスは、一般に、炭素及び水素のみを含む分子であるメタン、エタン、プロパン、及びブタンを含む軽質アルカンを含むことができ、かつ/又はそれらから主に構成され得る。いくつかの実施形態では、供給物は、天然ガス又は他の炭化水素供給原料に存在することがあるような水素及び炭素以外の要素(例えば、少量の酸素、窒素、二酸化炭素、硫黄、水など)を含む他の成分及び炭化水素(例えば、少量の炭化水素)を含むことができる。
【0015】
図示されるように、炭化水素供給流102は、供給流中の様々な成分を除去するために任意の吸収床104を通過することができる。例えば、プロセスの上流で除去できる窒素、水、酸素、二酸化炭素、及びいくつかの硫化物(例えば、パイプラインガス中の付臭剤、メルカプタンなど)といった微量の汚染物質が存在することがある。
【0016】
次いで、浄化された供給ガスは第1の熱交換器106に送ることができ、供給ガスの成分の熱分解温度よりも低い第1の温度にまでガスを予熱する。いくつかの実施形態では、中間熱分解反応器108を使用することができ、供給ガス中のC2+炭化水素成分(エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、及び高級炭化水素)を熱分解して、高温熱交換器110における炭化及び目詰まりを防止する。予熱後、供給ガスは溶融塩反応器114に送ることができる。
【0017】
使用時、熱分解反応器108は、C2+成分を除去せずに可能な他の方法による温度よりも溶融塩反応器114への供給物を高い温度に加熱することを可能にするのに有用であり得る。これにより、熱分解反応器108は、冷却された生成物ガスを使用して第1の熱交換器106で炭化水素供給流102を加熱して、加熱された炭化水素供給流を生成することを含む、溶融塩反応器への供給物を予熱する方法を可能にする。加熱された炭化水素供給流は、メタン及び1つ以上のC2+炭化水素を含む。加熱供給流中のC2+炭化水素の少なくとも一部は、熱分解反応器108で熱分解することができ、熱分解された炭化水素流が生成される。次いで、熱分解された炭化水素流は、生成物ガスを使用して第2の熱交換器110で加熱することができ、予熱された供給ガスが生成される。第2の熱交換器110での熱交換により、溶融塩反応器からの生成物ガスが冷却され、それにより、第1の熱交換器106で熱を供給するために使用される冷却された生成物ガスを生成することができる。C2+炭化水素成分は、炭化水素の組成及び触媒として作用する物質の有無に応じて、500℃~900℃で熱分解し始め得ると予想される。加熱された炭化水素供給流は、40~850℃、又は最大900℃の温度で第1の熱交換器を出ることができ、供給ガス中のC2+成分の熱分解温度より低いままとなる。予熱された供給ガス流は、700~1100℃の温度で第2の熱交換器110を出ることができ、その結果、第2の熱交換器110に到達する前に熱分解ユニットの供給流から除去されていなければ、C2+成分が熱分解される。したがって、第2の熱交換器における加熱された炭化水素供給流の熱分解は、加熱された供給流中のC2+炭化水素の一部の熱分解に基づいて防止される。
【0018】
いくつかの実施形態では、熱分解反応器108は、第1の熱交換器106を出る加熱された炭化水素供給流の温度でC2+成分を熱分解するために熱分解触媒を備えることができる。炭素、ニッケルなどからなるものを含む任意の適切な熱分解触媒を使用することができる。いくつかの実施形態では、熱分解ユニットは、金属(例えば、Ni、Fe、Co、Cu、Pt、Ruなど)、金属炭化物(例えば、MoC、WC、SiCなど)、金属酸化物(例えば、MgO、CaO、Al2O3、CeC2など)、金属ハロゲン化物(例えば、MgF2、CaF2など)、固体炭素、及びそれらの任意の組み合わせを含む固体を含むことができる。炭化水素成分の下流での熱分解を制限するために、熱分解された炭化水素流と接触する第2の熱交換器110内の成分は、熱分解反応に対して非触媒性であるように構成された材料から作製することができる。例えば、熱分解された炭化水素流と接触する第2の熱交換器110内の成分は、SiC又はアルミナ形成合金(例えば、カンタル(登録商標)APMT若しくはアルミナイズNi超合金)を含む。
【0019】
反応器114内の溶融材料は、別個の加熱器で加熱することができる。例えば、溶融材料が溶融塩を含む場合、溶融塩反応器114内の溶融塩は塩加熱器112内で加熱することができる。塩加熱器の熱は、直接的な熱交換(例えば、燃焼ガスを溶融塩と接触させるもの)、間接的な熱交換(例えば、構成要素が互いに直接接触しないもの)、及び/又は電気加熱要素によって加えることができる。直接的及び間接的な熱交換のために、酸素源(例えば、空気、酸素富化空気など)をメタン再循環流などの炭化水素流と組み合わせ、燃焼させて熱を生成し、塩加熱器内の塩を溶融させることができる。生成物ガスは、燃焼ガスから追加の熱を抽出することを可能にするために熱交換器118に送ることができる。例えば、プロセスの他の部分又は現場での発電に使用するための蒸気を熱交換器118から得ることができる。次いで、冷却された燃焼ガスを予熱器116で熱交換することができ、塩加熱器112に送られる空気又は酸素源を予熱する。
【0020】
いくつかの実施形態では、溶融塩加熱器112は、溶融塩容器と、溶融塩容器内に配置された溶融塩と、溶融塩容器内に配置され、溶融塩と接触する間接熱交換器などの熱源とを備えることができる。間接的な熱交換が用いられる場合、溶融塩加熱器は、熱交換流体を受け取り、溶融塩に熱を供給するように構成された導管を備えることができる。溶融塩加熱器内の高温のために、導管は、塩加熱器112内の圧力に対して構造的に安定であり
ながら、熱に耐えることができる材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、導管は、SiC、SiC/SiC複合材、アルミナ形成合金(例えば、カンタル(登録商標)APMT若しくはアルミナイズNi超合金)、又は層状金属複合材(例えば、Ni-2O1/Haynes 230)、又はそれらの組み合わせから形成され得る。一般に、導管は、少なくとも1000℃、少なくとも1100℃、又は少なくとも1200℃まで動作するように構成され得る。いくつかの実施形態では、間接熱交換器は、溶融塩に浸漬された電気加熱要素を備える。電気加熱要素の使用は、直接若しくは間接熱交換器の代わりとなるか、又は別の熱交換システムに追加されるものであり得る。例えば、電気加熱要素は、システムの主動作中に使用されなくても、始動中に有用になり得る。
【0021】
次いで、塩加熱器112からの溶融塩は、溶融塩反応器114に循環され得るが、溶融塩反応器については
図2を参照してより詳細に説明する。溶融塩反応器114内の溶融塩と接触するガスは、水素及び固体炭素を生成することができる。固体炭素は、本明細書でより詳細に説明するように、オーガなどの係合解除機構122を使用して溶融塩反応器114から除去することができる。次いで、炭素は炭素貯蔵容器120に送ることができる。炭素は、販売又は別のプロセスへの輸送のために炭素貯蔵容器120から除去することができる。
【0022】
いくつかの態様では、反応器114及び加熱器112は、溶融塩及び金属、例えば固体金属成分又は溶融金属成分を含むことができる。固体金属、金属酸化物、金属炭化物などの適切な固体成分を使用することができ、いくつかの実施形態では、固体炭素も触媒成分として反応器114内に存在し得る。例えば、固体成分は反応器114内に存在することができ、金属(例えば、Ni、Fe、Co、Cu、Pt、Ruなど)、金属炭化物(例えば、MoC、WC、SiCなど)、金属酸化物(例えば、MgO、CaO、Al2O3、CeC2など)、金属ハロゲン化物(例えば、MgF2、CaF2など)、固体炭素、及びそれらの任意の組み合わせを含む固体を含むことができるがこれらに限定されない。固体成分は、スラリー又は固定した成分として存在する粒子として、反応器内に存在し得る。粒子は、様々なサイズを有することができ、いくつかの実施形態では、粒子はナノ及び/又はマイクロスケールの粒子として存在し得る。適切な粒子には、マグネシウム、鉄、アルミニウム、ニッケル、コバルト、銅、白金、ルテニウム、及びセリウムの元素、それらの組み合わせ、並びに/又はそれらの酸化物が含まれ得る。いくつかの実施形態では、反応器114は、ニッケル、ビスマス、銅、白金、インジウム、鉛、ガリウム、鉄、パラジウム、スズ、コバルト、テルル、ルテニウム、アンチモン、ガリウム、それらの酸化物、又はそれらの任意の組み合わせなどの溶融金属を含む液体を含むことができる。例えば、炭化水素熱分解の触媒活性を有する金属の組み合わせには、ニッケル-ビスマス、銅-ビスマス、白金-ビスマス、ニッケル-インジウム、銅-インジウム、銅-鉛、ニッケル-ガリウム、銅-ガリウム、鉄-ガリウム、パラジウム-ガリウム、白金-スズ、コバルト-スズ、ニッケル-テルル、及び/又は銅-テルルが含まれ得るが、これらに限定されない。溶融塩に関して本明細書で説明したが、本明細書に記載のものなどの追加の材料も反応器114及び/又は加熱器112内に存在し得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、溶融塩加熱器112は存在しなくてもよく、むしろ、溶融塩加熱器112に関して説明した加熱要素は、溶融塩反応器114内のみに存在し得る。例えば、間接熱交換要素及び/又は電気加熱要素は、溶融塩反応器114内に存在して、溶融塩反応器114内で溶融塩を直接加熱することができる。溶融塩加熱器112が存在する場合、プロセスへの熱入力を補うために、及び/又は始動中に使用して塩を溶融するために、追加の加熱要素が塩反応器114内に存在してもよい。
【0024】
溶融塩反応器を出るガスは、蒸気凝縮器124に送ることができる。蒸気生成物は、溶融塩反応器内の高温に起因して気化した塩を含み得る。これらの塩は、塩の損失を防止す
るため、かつ、下流の構成要素における塩の凝縮による汚損及び塩の存在に起因する腐食を防止するために除去する必要がある。蒸気凝縮器124で凝縮された塩は、溶融塩反応器114に再循環させることができる。
【0025】
使用時、気化した塩は、溶融塩反応器114からの蒸気生成物を蒸気凝縮器124などの熱交換器で冷却することによって凝縮することができる。蒸気生成物は、気化した塩を含むことがある。蒸気生成物中の気化した塩の少なくとも一部は、冷却の結果、熱交換器124内で凝縮させることができる。次いで、気化した塩の凝縮した一部は、溶融塩反応器114に再循環させることができる。一般に、熱交換流体として水を使用することができ、水流中の水は蒸気生成物との熱交換に基づいて熱交換器124内で気化させることができる。水の気化に応じて熱交換から蒸気を生成することができる。次いで、蒸気はシステム内の他のプロセスで使用することができる。
【0026】
蒸気凝縮器124は、冷却された蒸気生成物を生成することができ、冷却された蒸気生成物からは、気化した塩の一部が除去される。一般に、冷却された蒸気生成物は、蒸気生成物中の塩を十分に凝縮させるために800℃以下の温度であり得る。次いで、生成物ガスは、燃料予熱交換器126並びに/又は上述した供給予熱器110及び106でさらに冷却することができる。次いで、冷却された生成物ガスの一部は、溶融塩反応器114の上流の地点に再循環させることができる。例えば、冷却された生成物ガスが、炭素貯蔵容器120、炭素係合解除機構122、及び/又は溶融塩反応器114に再循環され得る。再循環ガスの使用は、炭素生成物から熱を抽出し、反応器生成物ガス流中の塩蒸気圧を低下させ、かつ/又は反応器生成物ガス流の温度を低下させるのに役立つことができる。
【0027】
残りの生成物ガスは熱交換器128に送ることができ、ここでガスを(例えば、水又は別の冷却剤を使用して)冷却してから圧力変動吸収(PSA)ユニット130に送ることができる。PSAユニットは、水素生成物流及び再循環流を生成することができ、再循環流は加熱器112で使用するための燃料流として戻すことができる。いくつかの実施形態では、得られた生成水素流は純粋又は実質的に純粋であり得る。正確な水素純度は、下流処理の必要性によって決定してもよい。
【0028】
図2A~
図2Bは、いくつかの実施形態における溶融塩反応器に使用され得る反応器構成を示す。図示されるように、溶融塩反応器114は、反応容器201と、反応容器201の下部に配置されたガス分配器214と、反応容器201の上部に配置されたオーガ202と、反応容器201の上部の出口216とを備えることができる。オーガ202は出口216を通過することができ、反応容器201の上部から出口216を通って炭素を外へ出すように構成される。反応容器201は水平円筒を含む様々な形状をとることができ、これによって高い動作圧力のための圧力処理を行うことができる。溶融塩212は反応容器201内に配置することができ、反応容器201内の溶融塩212の上方に上部空間を形成することができる。オーガ202は溶融塩212の上方の上部空間に配置することができ、炭素206は溶融塩212の上部に密度差に基づいて蓄積することができる。フランジ204は反応容器201の上部内に配置することができ、オーガ202はフランジ204に取り付けることができる。反応容器201内において、反応性要素は溶融塩212のみを含むか、又は充填床分配器208がその内部に配置された溶融塩と共に存在し得る。充填床分配器208は、本明細書の反応器114内に配置された固体成分に関して説明したもの(例えば、金属、金属炭化物、金属酸化物、金属ハロゲン化物、固体炭素、及びそれらの任意の組み合わせ)のうちのいずれかを含む、様々な固体成分を含むことができる。反応容器201は、腐食を防止するのに役立つように耐火物又はセラミックライニングなどのライニング210を備えることができる。溶融塩加熱器からの溶融塩を送ったり受け取ったりするために、溶融塩のための追加の流入口及び流出口が存在し得る。いくつかの実施形態では、再循環ラインは反応容器201内に再循環ガスを供給することがで
きる。再循環物は、再循環ラインから反応容器及び出口216を通って送ることができる。
【0029】
使用時、溶融塩反応器114は、反応容器201内で炭化水素ガスを溶融塩212などの溶融材料と接触させることによって動作することができる。炭化水素ガスと溶融塩212との間の表面積を増やして両者を接触させるため、炭化水素ガスはガス分配器214を介して反応容器201内に導入され得る。得られた反応により、水素及び固体炭素を反応容器201内で生成することができる。固体炭素は、反応容器201の上部に配置されたオーガ202を使用して溶融塩212の上部から反応容器201の出口216に向かって輸送され得る。次いで、固体炭素は、反応容器201の出口216を通って反応容器201から除去することができる。いくつかの実施形態では、冷却された生成物ガスを反応容器201内に導入して通過させることができる。次いで、冷却された生成物ガスは、それを使用して反応容器201内の温度を制御するのに役立つことができる。
【0030】
付録は、追加の情報及び態様を記載し、本明細書に含まれ、その全体が本明細書に組み込まれる。付録に開示される実施形態のすべては、本明細書、図面、及び特許請求の範囲に反映されるように、本明細書に記載のシステム及び方法で動作することができる。
【0031】
本明細書に記載のシステム及び方法の特定の態様を説明してきたが、特定の実施形態は以下を含むがこれらに限定されない。
【0032】
第1の実施形態において、溶融塩加熱器は、溶融塩容器と、溶融塩容器内に配置された溶融塩と、溶融塩容器内に配置され、溶融塩と接触する間接熱交換器とを備える。
【0033】
第2の実施形態は第1の実施形態の溶融塩加熱器を含むことができ、間接熱交換器は、熱交換流体を受け取り、溶融塩に熱を供給するように構成された導管を備える。
【0034】
第3の実施形態は第1及び第2の実施形態の溶融塩加熱器を含むことができ、導管は、SiC、SiC/SiC複合材、アルミナ形成合金(例えば、カンタル(登録商標)APMT若しくはアルミナイズNi超合金)、又は層状金属複合材(例えば、Ni-2O1/Haynes 230)、又はそれらの組み合わせから形成される。
【0035】
第4の実施形態は第2又は第3の実施形態の溶融塩加熱器を含むことができ、導管は1000℃まで動作するように構成される。
【0036】
第5の実施形態は第1の実施形態の溶融塩加熱器を含むことができ、間接熱交換器は、溶融塩に浸漬された電気加熱要素を備える。
【0037】
第6の実施形態では、溶融塩反応器は、反応容器と、反応容器の下部に配置されたガス分配器と、反応容器の上部に配置されたオーガと、反応容器の上部にある出口とを備え、オーガは出口を貫通し、反応容器の上部から出口を通って炭素を外へ出すように構成される。
【0038】
第7の実施形態は、第6の実施形態の溶融塩反応器を含むことができ、反応容器は水平円筒を備える。
【0039】
第8の実施形態は、第6又は第7の実施形態の溶融塩反応器を含むことができ、反応容器内に配置された溶融塩をさらに含み、反応容器内の溶融塩の上方に上部空間が形成される。
【0040】
第9の実施形態は、第8の実施形態の溶融塩反応器を含むことができ、オーガは溶融塩の上方の上部空間に配置される。
【0041】
第10の実施形態は、第6~第9の実施形態のいずれか1つの溶融塩反応器を含むことができ、再循環ガス入口ラインと再循環ガス出口とを反応器内にさらに備え、再循環ガス入口ラインは出口と流体連通し、出口を通って反応容器内に再循環ガスを送るように構成され、再循環ガス出口は反応容器から再循環ガスを除去するように構成される。
【0042】
第11の実施形態は、第6~第10の実施形態のいずれか1つの溶融塩反応器を含むことができ、反応容器内に配置された充填床をさらに備える。
【0043】
第12の実施形態は、第6~第11の実施形態のいずれか1つの溶融塩反応器を含むことができ、反応容器はセラミックライニングを備える。
【0044】
第13の実施形態は、第6~第12の実施形態のいずれか1つの溶融塩反応器を含むことができ、反応容器の上部内に配置されたフランジをさらに備え、オーガはフランジに取り付けられている。
【0045】
第14の実施形態において、溶融塩反応器を動作させる方法は、反応容器内で炭化水素ガスを溶融塩と接触させることと、反応容器内で水素及び固体炭素を生成することと、反応容器の上部に配置されたオーガを使用して、溶融塩の上部から反応容器の出口に向かって固体炭素を輸送することと、反応容器の出口を通って反応容器から固体炭素を除去することとを含む。
【0046】
第15の実施形態は第14の実施形態の方法を含むことができ、反応容器の下部に配置された分配器を介して炭化水素ガスを反応容器内に導入することをさらに含む。
【0047】
第16の実施形態は、第14又は第15の実施形態の方法を含むことができ、反応容器は水平円筒を備える。
【0048】
第17の実施形態は、第14~第16の実施形態のいずれか1つの方法を含むことができ、溶融塩が反応容器内に配置され、反応容器内の溶融塩の上方に上部空間が形成され、固体炭素が反応容器内の上部空間に浮遊する。
【0049】
第18の実施形態は、第14~第17の実施形態のいずれか1つの方法を含むことができ、オーガが固体炭素を上部空間から出口に輸送する。
【0050】
第19の実施形態は、第14~第18の実施形態のいずれか1つの方法を含むことができ、冷却された生成物ガスを反応容器内に導入することと、冷却された生成物ガスを反応容器に通過させることと、冷却された生成物ガスを使用して反応容器内の温度を制御することとをさらに含む。
【0051】
第20の実施形態は、第14~第19の実施形態のいずれか1つの方法を含むことができ、反応容器が反応容器の上部内に配置されたフランジを備え、オーガがフランジに取り付けられている。
【0052】
第21の実施形態において、溶融塩反応器への供給物を予熱する方法は、冷却された生成物ガスを使用して第1の熱交換器で炭化水素供給物を加熱して、メタン及び1つ以上のC2+炭化水素を含む、加熱された炭化水素供給流を生成することと、加熱された供給流中のC2+炭化水素の少なくとも一部を熱分解反応器で熱分解して、熱分解された炭化水
素流を生成することと、生成物ガスを使用して、熱分解された炭化水素流を第2の熱交換器で加熱して、予熱された供給ガスを生成することとを含む。
【0053】
第22の実施形態は、第21の実施形態の方法を含むことができ、第2の熱交換器で生成物ガスを冷却して、冷却された生成物ガスを生成することをさらに含む。
【0054】
第23の実施形態は、第21又は第22の実施形態の方法を含むことができ、加熱された炭化水素供給流は40~850℃の温度を有する。
【0055】
第24の実施形態は、第21~第23の実施形態のいずれか1つの方法を含むことができ、予熱された供給ガス流は700~1100℃の温度を有する。
【0056】
第25の実施形態は、第21~第24の実施形態のいずれか1つの方法を含むことができ、加熱された供給流中のC2+炭化水素の一部を熱分解することに基づいて、第2の熱交換器で、加熱された炭化水素供給流の熱分解を防止することをさらに含む。
【0057】
第26の実施形態は、第21~第25の実施形態のいずれか1つの方法を含むことができ、熱分解反応器は熱分解触媒を備える。
【0058】
第27の実施形態は第26の実施形態の方法を含むことができ、熱分解触媒が炭素又はニッケルなどを含む。
【0059】
第28の実施形態は、第21~第27の実施形態のいずれか1つの方法を含むことができ、第2の熱交換器が、熱分解された炭化水素流と接触し、熱分解反応に対して非触媒であるように構成された材料を含む。
【0060】
第29の実施形態は、第21~第28の実施形態のいずれか1つの方法を含むことができ、第2の熱交換器が、SiC又はアルミナ形成合金(例えば、カンタル(登録商標)APMT若しくはアルミナイズNi超合金)を含み、熱分解された炭化水素流と接触する材料を含む。
【0061】
第30の実施形態において、気化した塩を凝縮する方法は、気化した塩を含む、溶融塩反応器からの蒸気生成物を熱交換器で冷却することと、蒸気生成物中の気化した塩の少なくとも一部を熱交換器で凝縮させることと、気化した塩の凝縮した一部を溶融塩反応器に再循環させることとを含む。
【0062】
第31の実施形態は、第30の実施形態の方法を含むことができ、蒸気生成物との熱交換に基づいて熱交換器内の水流中の水を気化させることと、水の気化に応じて熱交換から蒸気を生成することとをさらに含む。
【0063】
第32の実施形態は、第30又は第31の実施形態の方法を含むことができ、冷却された蒸気生成物を熱交換器で生成することをさらに含み、冷却された蒸気生成物からは、気化した塩の一部が除去される。
【0064】
第33の実施形態は、第32の実施形態の方法を含むことができ、冷却された蒸気生成物が700℃以下の温度を有する。
【0065】
第34の実施形態は、第32又は第33の実施形態の方法を含むことができ、溶融塩反応器の上流で冷却された蒸気生成物の一部を再循環させることと、冷却された蒸気生成物の再循環された一部を使用して、溶融塩反応器内の温度を制限することとをさらに含む。
【0066】
実施形態は、図面を参照して本明細書で説明される。しかしながら、本システム及び方法はこれらの限定された実施形態の範囲を超えるため、これらの図に関して本明細書でなされる詳細な説明が説明目的であることを当業者は容易に理解するであろう。例えば、当業者は、特定の用途の必要性に応じて、記載及び図示される以下の実施形態における特定の実施選択事項を超えて、本明細書に記載される任意の詳細の機能性を実施するための多様な代替的かつ適切な手法を本明細書の教示に照らして認識することを理解されたい。すなわち、列挙するには多すぎるが、本明細書の範囲内にそのすべてが収まる多数の変形及び変更がある。また、単数形の単語は複数形として、複数形は単数形として、男性形は女性形として、女性形は男性形として適宜読まれるべきであり、代替の実施形態は、必ずしもその2つが相互に排他的であることを意味するものではない。
【0067】
本明細書は、本明細書に記載の特定の方法論、化合物、材料、製造技術、使用、及び用途に限定されず、これらは変化し得ることをさらに理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的でのみ使用され、本システム及び方法の範囲を限定することを意図するものではないことも理解されたい。(本出願又はその派生出願における)本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでないことを明らかに示さない限り、複数の言及を含むことに留意されたい。したがって、例えば「要素」への言及は、1つ又は複数の要素への言及であり、当業者に知られているその等価物を含む。使用されるすべての接続詞は、可能な限りもっとも包括的な意味で理解されるべきである。したがって、「又は」という単語は、文脈がそうでないことを明らかに必要としない限り、排他的論理和の定義ではなく論理和の定義を有すると理解されるべきである。本明細書に記載の構造はまた、そのような構造の機能的等価物を指すと理解されるべきである。近似を表すと解釈され得る言語は、文脈がそうでないことを明らかに示さない限り、そのように理解されるべきである。
【0068】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本明細書が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。好ましい方法、技術、装置、及び材料が記載されているが、本明細書に記載されているものと類似又は同等の方法、技術、装置、又は材料を、本システム及び方法の実施又は試験に使用することがある。本明細書に記載の構造はまた、そのような構造の機能的等価物を指すと理解されるべきである。ここで、本システム及び方法を、添付の図面に示されるその実施形態を参照して詳細に説明する。
【0069】
本開示を読むことによって、他の変更及び変形が当業者には明らかであろう。そのような変更及び変形は、当技術分野で既に知られており、本明細書で既に説明されている特徴の代わりに、又はそれに加えて使用され得る同等及び他の特徴を含むことがある。
【0070】
特許請求の範囲は、本出願又はそれから派生するさらなる出願において、特徴の特定の組み合わせとして策定され得るが、本開示の範囲はまた、任意の請求項において現在請求されているのと同じシステム又は方法に関連するか否か、及び同じ技術的問題のいずれか又はすべてを本システム及び方法のように軽減するか否かにかかわらず、本明細書に明示的又は暗黙的に開示された新規な特徴若しくは特徴の新規な組み合わせ又はその一般化を含むことを理解されたい。
【0071】
別個の実施形態の文脈で説明される特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されることがある。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴は、別個に又は任意の適切な部分的組み合わせによって提供されることがある。出願人は、本出願又はそれから派生するさらなる出願の審査中に、そのような特徴及び/又はそのような特徴の組み合わせとして新しい請求項が策定され得ることをここに通知する
。
【国際調査報告】