(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-06
(54)【発明の名称】内燃機関
(51)【国際特許分類】
F02B 43/04 20060101AFI20230130BHJP
F02B 25/04 20060101ALI20230130BHJP
F02M 21/02 20060101ALI20230130BHJP
F02B 23/02 20060101ALI20230130BHJP
F02D 19/02 20060101ALI20230130BHJP
【FI】
F02B43/04
F02B25/04
F02M21/02 301R
F02B23/02 C
F02B23/02 M
F02D19/02 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533380
(86)(22)【出願日】2020-12-07
(85)【翻訳文提出日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 DK2020050348
(87)【国際公開番号】W WO2021110229
(87)【国際公開日】2021-06-10
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519441006
【氏名又は名称】マン・エナジー・ソリューションズ、フィリアル・エフ・マン・エナジー・ソリューションズ・エスイー、ティスクランド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ツォン、シェンフイ
(72)【発明者】
【氏名】パン、カル・ムン
(72)【発明者】
【氏名】ボードイン、エリック
【テーマコード(参考)】
3G023
3G092
【Fターム(参考)】
3G023AA06
3G023AA07
3G023AA18
3G023AB05
3G023AC05
3G023AC07
3G023AF02
3G023AF03
3G092AA02
3G092AA03
3G092AA18
3G092AB07
3G092AC10
3G092BB06
3G092BB11
3G092DB03
3G092HB02Z
(57)【要約】
少なくとも1つのシリンダと、シリンダカバーと、ピストンと、燃料ガス供給システムと、掃気空気システムとを備える2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関を開示する。2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関は、燃料ガス供給システムを介して燃料ガスを少なくとも1つのシリンダ中に噴射するように構成され、燃料ガス供給システムは、シリンダ壁中に少なくとも部分的に配置された1つ以上の燃料ガス弁を少なくとも1つのシリンダ用に備える。燃料ガス供給システムは、少なくとも第1の燃料ガス噴射イベント及び第1の燃料ガス噴射イベントに続く第2の燃料ガス噴射イベント中の圧縮ストローク中に少なくとも1つのシリンダ中に燃料ガスを噴射するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのシリンダと、シリンダカバーと、ピストンと、燃料ガス供給システムと、掃気空気システムとを備える2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関であって、前記シリンダは、シリンダ壁を有し、前記シリンダカバーは、前記シリンダの頂部上に配置され、排気弁を有し、前記ピストンは、下死点と上死点との間で前記シリンダ内に移動可能に配置され、前記掃気空気システムは、前記シリンダの底部に配置された掃気空気入口を有し、前記2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関は、前記燃料ガス供給システムを介して燃料ガスを前記少なくとも1つのシリンダ中に噴射するように構成され、前記燃料ガス供給システムは、前記シリンダ壁中に少なくとも部分的に配置され、圧縮ストローク中に前記シリンダ中に燃料ガスを噴射して、前記燃料ガスが掃気空気と混合することを可能にし、且つ掃気空気と燃料ガスとの混合物が点火される前に圧縮されることを可能にするように構成された1つ以上の燃料ガス弁を前記少なくとも1つのシリンダ用に備え、前記燃料ガス供給システムは、最大機関負荷の少なくとも50%の機関負荷下で、少なくとも第1の燃料ガス噴射イベント及び前記第1の燃料ガス噴射イベントに続く第2の燃料ガス噴射イベント中の前記圧縮ストローク中に前記少なくとも1つのシリンダ中に燃料ガスを噴射するように構成され、前記1つ以上の燃料ガス弁のうちの第1の燃料ガス弁は、前記第1の燃料ガス噴射イベント中及び前記第2の燃料ガス噴射イベント中の両方で前記シリンダ中に燃料ガスを噴射するように構成され、前記第1の燃料ガス弁を通る前記燃料ガスの最大流量は、前記第1の燃料ガス噴射イベントと前記第2の燃料ガス噴射イベントとの間よりも、前記第1の燃料ガス噴射イベント中及び前記第2の燃料ガス噴射イベント中の両方で高い、2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関。
【請求項2】
前記燃料ガス供給システムは、前記第1の燃料ガス噴射イベントと前記第2の燃料ガス噴射イベントとの間に前記第1の燃料ガス弁を完全に閉鎖するように構成される、請求項1に記載の2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関。
【請求項3】
前記燃料ガス供給システムは、アイドル期間中に前記第1の燃料ガス噴射イベントと前記第2の燃料ガス噴射イベントとの間に前記第1の燃料ガス弁を閉鎖されたままにするように構成される、請求項2に記載の2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関。
【請求項4】
前記燃料ガス供給システムは、前記第1の燃料ガス弁に動作可能に接続された制御ユニットを備え、前記制御ユニットは、機関負荷に応じて前記第1の燃料ガス噴射イベント及び/又は前記第2の燃料ガス噴射イベントを修正するように構成される、請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関。
【請求項5】
前記制御ユニットは、機関負荷に応じて前記第1の燃料ガス噴射イベント及び/又は前記第2の燃料ガス噴射イベントの長さを修正するように構成される、請求項4に記載の2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関。
【請求項6】
前記制御ユニットは、個々の噴射イベントの長さが比較的長い高機関負荷の場合よりも、個々の噴射イベントの長さが比較的短い低機関負荷の場合に噴射イベントの回数が多くなるように、燃料ガスが機関負荷に応じて圧縮ストローク中に噴射される噴射イベントの回数を変更するように構成される、請求項5に記載の2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関。
【請求項7】
前記1つ以上の燃料ガス弁は、第2の燃料ガス弁を更に備え、前記第2の燃料ガス弁は、少なくとも2つの燃料ガス噴射イベント中に前記シリンダ中に燃料ガスを噴射するように構成される、請求項1~6のうちのいずれか一項に記載の2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関。
【請求項8】
前記第1の燃料ガス弁及び前記第2の燃料ガス弁は、ほぼ同じ高さで前記シリンダ壁中に少なくとも部分的に配置される、請求項7に記載の2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関。
【請求項9】
前記第1の燃料ガス弁及び前記第2の燃料ガス弁のタイミングは、掃気空気と燃料ガスとのより均質な混合物が生じるように非同期である、請求項8に記載の2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関。
【請求項10】
前記燃料ガス供給システムは、前記第2の燃料ガス噴射イベントに続く第3の燃料ガス噴射イベント中の前記圧縮ストローク中に前記少なくとも1つのシリンダ中に燃料ガスを更に噴射するように構成される、請求項1~9のうちのいずれか一項に記載の2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関。
【請求項11】
第1の量の燃料ガスが、前記1つ以上の燃料ガス弁を介して前記シリンダ中に入れられ、前記第1の燃料ガス噴射イベント及び前記第2の燃料ガス噴射イベントは、前記第1の量の燃料ガスが単一の燃料ガス噴射イベント中に前記シリンダ中に入れられる状況と比較して、燃料ガスと掃気空気とのより均質な混合物が生じるように設計される、請求項1~10のうちのいずれか一項に記載の2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関。
【請求項12】
前記燃料ガス供給システムは、前記圧縮ストロークの噴射期間内に前記1つ以上の燃料ガス弁を介して前記シリンダ中に燃料ガスを噴射することが可能であり、前記燃料ガス供給システムは、前記2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関が最大機関負荷で作動しているときに必要とされる前記燃料ガスの少なくとも120%を前記燃料ガス供給システムが前記噴射期間内に入れることが可能なように過寸法であり、それによって、前記2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関が最大機関負荷で作動しているときでさえ複数の燃料ガス噴射イベントが使用され得る、請求項1~11のうちのいずれか一項に記載の2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関。
【請求項13】
コンピュータ可読コードを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読コードは、2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関の制御ユニットによって実行可能であり、前記2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関は、少なくとも1つのシリンダと、シリンダカバーと、ピストンと、燃料ガス供給システムと、掃気空気システムとを備え、前記シリンダは、シリンダ壁を有し、前記シリンダカバーは、前記シリンダの頂部上に配置され、排気弁を有し、前記ピストンは、下死点と上死点との間で前記シリンダ内に移動可能に配置され、前記掃気空気システムは、前記シリンダの底部に配置された掃気空気入口を有し、前記2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関は、前記燃料ガス供給システムを介して燃料ガスを前記少なくとも1つのシリンダ中に噴射するように構成され、前記燃料ガス供給システムは、前記シリンダ壁中に少なくとも部分的に配置され、最大機関負荷の少なくとも50%の機関負荷下で、圧縮ストローク中に前記シリンダ中に燃料ガスを噴射して、前記燃料ガスが掃気空気と混合することを可能にし、且つ掃気空気と燃料ガスとの混合物が点火される前に圧縮されることを可能にするように構成された1つ以上の燃料ガス弁を前記少なくとも1つのシリンダ用に備え、前記制御ユニットは、前記1つ以上の燃料ガス弁のうちの第1の燃料ガス弁に動作可能に接続され、前記コンピュータ可読コードは、少なくとも第1の燃料ガス噴射イベント及び前記第1の燃料ガス噴射イベントに続く第2の燃料ガス噴射イベント中の前記圧縮ストローク中に前記少なくとも1つのシリンダ中に燃料ガスを噴射するように前記第1の燃料ガス弁を制御するように前記制御ユニットを制御するように構成される、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2ストローク内燃機関及び非一時的コンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
2ストローク内燃機関は、コンテナ船、ばら積み貨物船、及びタンカのような船舶において推進機関として使用される。内燃機関からの望ましくない排気ガスの低減が、ますます重要になってきている。
【0003】
望ましくない排気ガスの量を低減させるための効果的な方法が、燃料油、例えば重油(HFO)から燃料ガスに切り替えることである。燃料ガスは、圧縮ストロークの終わりにシリンダ中に噴射され得、ここで、燃料ガスは、シリンダ中のガスが圧縮されたときに到達する高温によって、又はパイロット燃料の着火によってのうちのいずれかで即座に点火され得る。しかしながら、圧縮ストロークの終わりにシリンダ中に燃料ガスを噴射することは、シリンダ中の大きな圧力を克服するために、噴射より前に燃料ガスを圧縮するための大型ガスコンプレッサを必要とする。
【0004】
大型ガスコンプレッサは、しかしながら、製造及び維持するのに高価で複雑である。大型コンプレッサの必要性を回避するための1つの方法が、シリンダ中の圧力が著しくより低い圧縮ストロークの始めに燃料ガスを噴射するように構成された燃料ガス弁を有することである。
【0005】
EP3015679は、そのような燃料ガス弁を開示している。
【0006】
しかしながら、シリンダ中の掃気空気と燃料ガスとの迅速且つ効率的な混合を確保することは困難であり得る。
【0007】
燃料ガスと掃気空気との不均質な混合物を有することは、燃料ガスの不十分な燃焼又は過早着火若しくはノックをもたらし得る。
【0008】
1つの解決策は、圧縮ストロークの非常に早い時期に燃料ガスを噴射して、ガスがより長い時間期間にわたって混合することを可能にすることであり得る。しかしながら、排気弁が閉鎖される前に燃料ガスがシリンダ中に噴射される場合、燃料ガスの望ましくない漏れが生じ得る。
【0009】
このことから、シリンダ中の燃料ガスと掃気空気との混合を改善することが依然として課題である。
【発明の概要】
【0010】
第1の態様によると、本発明は、少なくとも1つのシリンダと、シリンダカバーと、ピストンと、燃料ガス供給システムと、掃気空気システムとを備える2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関に関し、シリンダは、シリンダ壁を有し、シリンダカバーは、シリンダの頂部上に配置され、排気弁を有し、ピストンは、下死点と上死点との間でシリンダ内に移動可能に配置され、掃気空気システムは、シリンダの底部に配置された掃気空気入口を有し、2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関は、燃料ガス供給システムを介して燃料ガスを少なくとも1つのシリンダ中に噴射するように構成され、燃料ガス供給システムは、シリンダ壁中に少なくとも部分的に配置され、圧縮ストローク中にシリンダ中に燃料ガスを噴射して、燃料ガスが掃気空気と混合することを可能にし、且つ掃気空気と燃料ガスとの混合物が点火される前に圧縮されることを可能にするように構成された1つ以上の燃料ガス弁を少なくとも1つのシリンダ用に備え、燃料ガス供給システムは、最大機関負荷の少なくとも50%の機関負荷下で、少なくとも第1の燃料ガス噴射イベント及び第1の燃料ガス噴射イベントに続く第2の燃料ガス噴射イベント中の圧縮ストローク中に少なくとも1つのシリンダ中に燃料ガスを噴射するように構成され、1つ以上の燃料ガス弁のうちの第1の燃料ガス弁は、第1の燃料ガス噴射イベント中及び第2の燃料ガス噴射イベント中の両方でシリンダ中に燃料ガスを噴射するように構成され、第1の燃料ガス弁を通る燃料ガスの最大流量は、第1の燃料ガス噴射イベントと第2の燃料ガス噴射イベントとの間よりも、第1の燃料ガス噴射イベント中及び第2の燃料ガス噴射イベント中の両方で高い。
【0011】
複数の噴射イベント中に燃料ガスを噴射することによって、燃料ガス弁の反対側の内部シリンダ壁の一部への噴射された燃料ガスの衝突が低下され得る。これは、掃気空気と燃料ガスとのより良好な混合をもたらし得る。加えて、衝突の程度の低下は、シリンダの長手方向軸に沿った噴射された燃料ガスの速度成分を減少させ得、その結果、燃料ガスが排気弁を通って望ましくない漏れを生じさせる危険性を減少させ得る。
【0012】
内燃機関は、好ましくは、通常動作中、例えばコンテナ船が巡航速度にあるときに複数の噴射を使用するように構成される。このことから、機関は、最大機関負荷の少なくとも50%、70%、90%、又は100%の機関負荷下で複数の噴射を使用するように構成され得る。
【0013】
内燃機関は、好ましくは、シリンダ当たり少なくとも400kWの出力を有する船舶を推進するための、ユニフロー掃気を有する大型低速ターボチャージャ付き2ストローククロスヘッド内燃機関である。内燃機関は、内燃機関によって生成された排気ガスによって駆動され、且つ掃気空気を圧縮するように構成されたターボチャージャを備え得る。内燃機関は、燃料ガスで作動するときのオットーサイクルモードと、代替燃料、例えば重油又は船舶用ディーゼル油で作動するときのディーゼルサイクルモードとを有する二元燃料機関であり得る。そのような二元燃料機関は、代替燃料を噴射するためのそれ自体の専用燃料供給システムを有する。
【0014】
内燃機関は、好ましくは、複数のシリンダ、例えば4~14個のシリンダを備える。内燃機関は、複数のシリンダのうちのシリンダ毎に、シリンダカバーと、排気弁と、ピストンと、燃料ガス弁と、掃気空気入口とを更に備える。
【0015】
燃料ガス供給システムは、好ましくは、音速状態下で、即ち音速に等しい速度、即ち等速で、1つ以上の燃料ガス弁を介して燃料ガスを噴射するように構成される。音速状態は、ノズルスロート(断面の最小領域)にわたる圧力降下率が約2よりも大きいときに達成され得る。
【0016】
ガス噴射は、燃焼室中の圧力が許容する限り開始され得る。このことから、1つ以上の燃料ガス弁は、膨張ストロークの最後の部分中に、例えば、下死点から-5度で燃料ガスの噴射を開始するように構成され得る。このことから、燃料ガスの噴射は、膨張ストローク中及び圧縮ストローク中の両方で生じ得る。好ましくは、燃料ガス弁は、燃料ガスが排気弁及び掃気空気入口を通って大量に出るのを効果的に防止するために、ピストンが掃気空気入口を通過するように、クランクシャフト軸が下死点から数度回転した後に、燃料ガスの噴射を開始するように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態では、1つ以上の燃料ガス弁は、下死点から0度~160度内、下死点から0度~130度内、又は下死点から0度~90度内の圧縮ストローク中にシリンダ中に燃料ガスを噴射するように構成される。
【0018】
1つ以上の燃料ガス弁は、上死点と下死点との間のシリンダ壁中に少なくとも部分的に、好ましくは掃気空気入口の上方の位置に配置される。1つ以上の燃料ガス弁は、シリンダ中に燃料ガスを噴射するための、シリンダ壁中に配置されたノズルを備え得る。燃料ガス弁の他の部分(ノズル以外)は、シリンダ壁の外側に配置され得る。
【0019】
燃料ガスの例は、液化天然ガス(LNG)、メタン、エタン、バイオガス、及び液化石油ガス(LPG)である。
【0020】
内燃機関は、必要な量のパイロット燃料だけが使用されるように、ちょうどの量が燃料ガスと掃気空気との混合物に点火することが可能となるように正確に量り分けられた少量のパイロット燃料、例えば重油又は船舶用ディーゼル油を噴射することが可能なパイロット燃料システムなどの専用点火システムを備え得る。そのようなパイロット燃料システムは、構成要素のサイズが大きいために正確な量のパイロット燃料を噴射するのに適していない代替燃料用の専用燃料供給システムと比較して、サイズがより遙かに小さく、この目的により適しているであろう。
【0021】
パイロット燃料は、内燃機関の燃焼室中に直接噴射され得るか、又は燃焼室に流体接続された予燃焼室中に噴射され得る。代替として、燃料ガスと掃気空気との混合物は、スパークプラグ、レーザ点火装置を備える手段によって点火され得る。
【0022】
第1の燃料ガス噴射イベント及び第2の燃料ガス噴射イベントは、等しい持続時間を有し得る。代替として、第1の燃料ガス噴射イベントは、第2の燃料ガス噴射イベントとは異なる持続時間を有し得る。燃料ガス供給システムは、第1の燃料ガス噴射イベントと第2の燃料ガス噴射イベントとの間のシリンダへの燃料ガスの供給を完全に遮断するように構成され得る。燃料ガスは、第1の燃料ガス噴射イベント及び第2の燃料ガス噴射イベント中に同じ1つ以上の燃料ガス弁を使用して噴射され得る。代替として、燃料ガスは、第1の燃料ガス噴射イベント及び第2の燃料ガス噴射イベント中に異なる燃料ガス弁を使用して噴射され得、例えば、燃料ガスは、第1の燃料ガス噴射イベント中に第1の燃料ガス弁を含む1つ以上の燃料ガス弁の第1のグループ、及び第2の燃料ガス噴射イベント中に第2の燃料ガス弁を含む1つ以上の燃料ガス弁の第2のグループを使用して噴射され得る。
【0023】
第1の燃料ガス弁は、音速状態下で第1の燃料ガス噴射イベントの一部及び第2の燃料ガス噴射イベントの一部中に燃料ガスを噴射するように構成され得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、燃料ガス供給システムは、第1の燃料ガス噴射イベントと第2の燃料ガス噴射イベントとの間に第1の燃料ガス弁を完全に閉鎖するように構成される。
【0025】
いくつかの実施形態では、燃料ガス供給システムは、アイドル期間中に第1の燃料ガス噴射イベントと第2の燃料ガス噴射イベントとの間に第1の燃料ガス弁を閉鎖されたままにするように構成される。
【0026】
その結果として、第1の燃料ガス噴射イベント中に噴射された燃料ガスは、第2の燃料ガス噴射イベント中に噴射された燃料ガスによって影響を受ける前に、シリンダ内でより良好に分散することを可能にされ得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、燃料ガス供給システムは、第1の燃料ガス弁に動作可能に接続された制御ユニットを備え、制御ユニットは、機関負荷に応じて第1の燃料ガス噴射イベント及び/又は第2の燃料ガス噴射イベントを修正するように構成される。
【0028】
いくつかの実施形態では、制御ユニットは、機関負荷に応じて第1の燃料ガス噴射イベント及び/又は第2の燃料ガス噴射イベントの長さを修正するように構成される。
【0029】
その結果として、圧縮ストローク中に噴射される燃料ガスの量を制御する効果的な方法が提供される。これは、燃料ガスの噴射圧力を修正することなく、燃料ガスの噴射量の制御を更に可能にする。
【0030】
燃料ガスの噴射圧は、異なる機関負荷に対してほぼ一定であり得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、制御ユニットは、個々の噴射イベントの長さが比較的長い高機関負荷の場合よりも、個々の噴射イベントの長さが比較的短い低機関負荷の場合に噴射イベントの回数が多くなるように、燃料ガスが機関負荷に応じて圧縮ストローク中に噴射される噴射イベントの回数を変更するように構成される。
【0032】
その結果として、低機関負荷中の燃料噴射に利用可能な余分な時間が効果的に利用されて、掃気空気と燃料ガスとの更に良好な混合が確保され得る。
【0033】
その結果として、噴射された燃料ガスの衝突の程度の低下は、その結果、燃料ガスの排気弁への伝播を減少させ、燃料ガスが圧縮ストローク中により早く噴射されることを可能にし得、燃料ガスが掃気空気と混合するためのより多くの時間を提供し得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、噴射方向及び/又は噴射持続時間は、第1の燃料ガス噴射イベントと第2の燃料ガス噴射イベントとの間で異なる。
【0035】
いくつかの実施形態では、燃料ガス供給システムは、第2の燃料ガス噴射イベントに続く第3の燃料ガス噴射イベント中の圧縮ストローク中に少なくとも1つのシリンダ中に燃料ガスを更に噴射するように構成される。
【0036】
いくつかの実施形態では、1つ以上の燃料ガス弁は、第2の燃料ガス弁を更に備え、第2の燃料ガス弁は、少なくとも2つの燃料ガス噴射イベント中に少なくとも1つのシリンダ中に燃料ガスを噴射するように構成される。
【0037】
少なくとも2つの燃料ガス噴射イベントは、第1の燃料ガス噴射イベント及び第2の燃料ガス噴射イベントであり得る。代替として、少なくとも2つの燃料ガス噴射イベントはまた、第1の燃料ガス噴射イベント及び第2の燃料ガス噴射イベントとは異なり得、例えば、少なくとも2つの燃料ガス噴射イベントは、第1の燃料ガス噴射イベント及び第2の燃料ガス噴射イベントと重複しないか又は部分的にしか重複しないことがある。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1の燃料ガス弁及び第2の燃料ガス弁は、ほぼ同じ高さでシリンダ壁中に少なくとも部分的に配置される。
【0039】
いくつかの実施形態では、第1の燃料ガス弁及び第2の燃料ガス弁のタイミングは、掃気空気と燃料ガスとのより均質な混合物が生じるように非同期である。
【0040】
いくつかの実施形態では、第1の量の燃料ガスが、1つ以上の燃料ガス弁を介してシリンダ中に入れられ、第1の燃料ガス噴射イベント及び第2の燃料ガス噴射イベントは、第1の量の燃料ガスが単一の燃料ガス噴射イベント中にシリンダ中に入れられる状況と比較して、燃料ガスと掃気空気とのより均質な混合物が生じるように設計される。
【0041】
いくつかの実施形態では、燃料ガス供給システムは、圧縮ストロークの噴射期間内に1つ以上の燃料ガス弁を介してシリンダ中に燃料ガスを噴射することが可能であり、燃料ガス供給システムは、2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関が最大機関負荷で作動しているときに必要とされる燃料ガスの少なくとも120%を燃料ガス供給システムが噴射期間内に入れることが可能なように過寸法であり、それによって、2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関が最大機関負荷で作動しているときでさえ複数の燃料ガス噴射イベントが使用され得る。
【0042】
第2の態様によると、本発明は、コンピュータ可読コードを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体に関し、コンピュータ可読コードは、2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関の制御ユニットによって実行可能であり、2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関は、少なくとも1つのシリンダと、シリンダカバーと、ピストンと、燃料ガス供給システムと、掃気空気システムとを備え、シリンダは、シリンダ壁を有し、シリンダカバーは、シリンダの頂部上に配置され、排気弁を有し、ピストンは、下死点と上死点との間でシリンダ内に移動可能に配置され、掃気空気システムは、シリンダの底部に配置された掃気空気入口を有し、2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関は、燃料ガス供給システムを介して燃料ガスを少なくとも1つのシリンダ中に噴射するように構成され、燃料ガス供給システムは、シリンダ壁中に少なくとも部分的に配置され、圧縮ストローク中にシリンダ中に燃料ガスを噴射して、燃料ガスが掃気空気と混合することを可能にし、且つ掃気空気と燃料ガスとの混合物が点火される前に圧縮されることを可能にするように構成された1つ以上の燃料ガス弁を少なくとも1つのシリンダ用に備え、制御ユニットは、1つ以上の燃料ガス弁のうちの第1の燃料ガス弁に動作可能に接続され、コンピュータ可読コードは、少なくとも第1の燃料ガス噴射イベント及び第1の燃料ガス噴射イベントに続く第2の燃料ガス噴射イベント中の圧縮ストローク中に少なくとも1つのシリンダ中に燃料ガスを噴射するように第1の燃料ガス弁を制御するように制御ユニットを制御するように構成される。
【0043】
本発明の異なる態様は、上記及び以下で説明するような2ストローク内燃機関及び非一時的コンピュータ可読媒体を含む異なる方法で実装することができ、各々は、上記で説明した態様のうちの少なくとも1つに関連して説明する利益及び利点のうちの1つ以上をもたらし、各々は、上記で説明した態様のうちの少なくとも1つに関連して説明する及び/又は従属請求項に開示する好ましい実施形態に対応する1つ以上の好ましい実施形態を有する。更に、本明細書で説明する態様のうちの1つに関連して説明する実施形態は、他の態様に等しく適用され得ることが認識されるであろう。
【0044】
本発明の上記及び/又は追加の目的、特徴及び利点は、添付の図面を参照して、本発明の実施形態の以下の例示的且つ非限定的な発明を実施するための形態によって更に解明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明の実施形態による2ストローク内燃機関の断面図を概略的に示す。
【
図2】本発明の実施形態による2ストローク内燃機関用の燃料ガス弁200の断面図を概略的に示す。
【
図3a】本発明の実施形態による異なるタイプの噴射イベントを示す。
【
図3b】本発明の実施形態による異なるタイプの噴射イベントを示す。
【
図3c】本発明の実施形態による異なるタイプの噴射イベントを示す。
【
図3d】本発明の実施形態による異なるタイプの噴射イベントを示す。
【
図3e】本発明の実施形態による異なるタイプの噴射イベントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下の説明では、本発明がどのように実施され得るかを例示として示す添付の図面への参照が行われる。
【0047】
図1は、本発明の実施形態による、船舶を推進するためのユニフロー掃気を有する大型低速ターボチャージャ付き2ストローククロスヘッド内燃機関100の断面図を概略的に示す。機関100は、掃気空気システム111と、排気ガスレシーバ108と、燃料ガス供給システムと、ターボチャージャ109とを備える。機関は、複数のシリンダ101を有する(断面図には単一のシリンダのみを示す)。各シリンダ101は、シリンダ壁115を有し、シリンダ101の底部に配置された掃気空気入口102を備える。機関は、シリンダ毎に、シリンダカバー112及びピストン103を更に備える。シリンダカバー112は、シリンダ101の頂部に配置され、排気弁104を有する。ピストン103は、下死点と上死点との間で中心軸113に沿ってシリンダ内に移動可能に配置されている。燃料ガス供給システムは、圧縮ストローク中にシリンダ101中に燃料ガスを噴射するように構成された1つ以上の燃料ガス弁105(概略的にのみ示す)を備え、燃料ガスが掃気空気と混合することを可能にし、掃気空気と燃料ガスとの混合物が点火される前に圧縮されることを可能にする。燃料ガス弁105は、シリンダカバー112と掃気空気入口102との間のシリンダ壁中に少なくとも部分的に配置される。機関は、シリンダ壁115中に少なくとも部分的に配置された予燃焼室114を更に備え、予燃焼室114は、シリンダ壁中に形成された第1の開口部を通してシリンダ中に開口し、予燃焼室は、ピストンが上死点に近接しているとき、又は上死点にあるとき、シリンダ101中の掃気空気と燃料ガスとの混合物に点火するように構成される。予燃焼室は、代替として、シリンダカバー112中に配置され得る。代替として、機関は、シリンダ中にパイロット燃料を直接噴射するように構成された1つ以上のパイロット燃料噴射器を設けられ得る。1つ以上のパイロット燃料噴射器は、シリンダ壁115又はシリンダカバー112中に配置され得、掃気空気入口102は、掃気空気システムに流体接続される。ピストン103は、その最も低い位置(下死点)に示す。ピストン103は、クロスヘッド及び接続ロッドを介してクランクシャフトに接続されたピストンロッドを有する(図示せず)。燃料ガス弁105は、圧縮ストローク中にシリンダ中に燃料ガスを噴射するように構成され、燃料ガスが掃気空気と混合することを可能にし、掃気空気と燃料ガスとの混合物が点火される前に圧縮されることを可能にする。掃気空気システム111は、掃気空気レシーバ110及び空気冷却器106を備える。燃料ガス供給システムは、少なくとも第1の燃料ガス噴射イベント及び第1の燃料ガス噴射イベントに続く第2の燃料ガス噴射イベント中の圧縮ストローク中に少なくとも1つのシリンダ中に燃料ガスを噴射するように構成される。
【0048】
複数の噴射イベント中に燃料ガスを噴射することによって、燃料ガス弁の反対側の内部シリンダ壁の一部への噴射された燃料ガスの衝突が低下され得る。これは、掃気空気と燃料ガスとのより良好な混合をもたらし得る。加えて、衝突の程度の低下は、シリンダの中心軸113に沿った噴射された燃料ガスの速度成分を減少させ得、その結果、燃料ガスが排気弁を通って望ましくない漏れを生じさせる危険性を減少させ得る。
【0049】
燃料ガス弁105は、下死点から0度~130度内の圧縮ストロークの始めに、即ちクランクシャフトが下死点でのその向きから0度~130度回転したときに、シリンダ101中に燃料ガスを噴射するように構成され得る。このことから、第1の燃料ガス噴射イベント及び第2の燃料ガス噴射イベントの両方は、下死点から0度~130度内の圧縮ストロークの始めに、即ち、クランクシャフトが下死点でのその向きから0度~130度回転したときに生じ得る。好ましくは、燃料ガス弁105は、燃料ガスが排気弁104及び掃気空気入口102を通って出るのを防止するために、ピストンが掃気空気入口102を通過するように、クランクシャフト軸が下死点から数度回転した後に、燃料ガスの噴射を開始するように構成される。燃料ガス噴射期間の終わりは、燃料ガス弁105の位置によって制限され、即ち、ピストン103が燃料ガス弁を通過すると、燃料ガスの噴射はもはや可能ではない。
【0050】
機関100は、好ましくは、燃料ガスで作動するときのオットーサイクルモードと、代替燃料、例えば重油又は船舶用ディーゼル油で作動するときのディーゼルサイクルモードとを有する二元燃料機関である。そのような二元燃料機関は、代替燃料を噴射するためのそれ自体の専用代替燃料供給システムを有する。このことから、任意選択で、機関100は、代替燃料供給システムの一部を形成するシリンダカバー112中に配置された1つ以上の燃料噴射器116を更に備える。機関100が代替燃料で作動するとき、燃料噴射器116は、高圧下で圧縮ストロークの終わりに代替燃料、例えば重油を噴射するように構成される。
【0051】
図2は、本発明の実施形態による2ストローク内燃機関用の燃料ガス弁200の断面図を概略的に示す。燃料ガス弁は、弁シャフト201と、弁ヘッド202と、弁シート203と、ノズル出口206を有する燃料ガスノズル204とを備える。燃料ガス弁は、燃料ガス弁を開放するためのアクチュエータ207を更に設けられる。燃料ガス弁は、アクチュエータからの力がない場合に弁を閉鎖されたままにするように構成されたばね(図示せず)を更に設けられ得る。アクチュエータ207は、制御ユニット208に動作可能に接続され得、制御ユニット208は、制御信号をアクチュエータに送って、弁を開放及び/又は弁を閉鎖するようにアクチュエータを制御するように構成され得る。制御ユニット208は、少なくとも第1の燃料ガス噴射イベント及び第1の燃料ガス噴射イベントに続く第2の燃料ガス噴射イベント中の圧縮ストローク中に少なくとも1つのシリンダ中に燃料ガスを噴射するように燃料ガス弁を制御するように構成され得る。
【0052】
図3a~eは、本発明の実施形態による、単一の燃料ガス弁によって実行される異なるタイプの燃料ガス噴射イベントを示す。各図の横軸はクランク角を表し、各図の縦軸は質量流量を表す。
【0053】
図3aには、第1の燃料ガス噴射イベント301及び第2の燃料ガス噴射イベント302を示し、ここで、持続時間及び質量流量の両方が、第1の燃料ガス噴射イベント301及び第2の燃料ガス噴射イベント302において同じである。質量流量が0である、2つの燃料ガス噴射イベント301と302との間にアイドル期間がある。
【0054】
図3bには、第1の燃料ガス噴射イベント301及び第2の燃料ガス噴射イベント302を示し、ここで、第1の燃料ガス噴射イベント301及び第2の燃料ガス噴射イベント302の持続時間は同じであるが、第1の燃料ガス噴射イベント301の質量流量は、第2の燃料ガス噴射イベント302の質量流量よりも高い。質量流量は、2つの燃料ガス噴射イベント301と302との間で0であるが、アイドル期間はない。
【0055】
図3cには、第1の燃料ガス噴射イベント301及び第2の燃料ガス噴射イベント302を示し、ここで、両方の燃料ガス噴射イベント301、302における質量流量は同じである。質量流量は、2つの燃料ガス噴射イベント301と302との間で0ではない。このことから、燃料ガス弁は、2つの燃料ガス噴射イベントの間に完全には閉鎖されない。
【0056】
図3dには、第1の燃料ガス噴射イベント301及び第2の燃料ガス噴射イベント302を示し、ここで、質量流量は、第1の燃料ガス噴射イベント301及び第2の燃料ガス噴射イベント302において同じであるが、第1の燃料ガス噴射イベント301の持続時間は、第2の燃料ガス噴射イベント302の持続時間よりも長い。質量流量が0である、2つの燃料ガス噴射イベント301と302との間にアイドル期間がある。
【0057】
図3eでは、第1の燃料ガス噴射イベント301、第2の燃料ガス噴射イベント302、及び第3の燃料ガス噴射イベント303を示し、ここで、持続時間及び質量流量の両方が、全ての3つの燃料ガス噴射イベント301、302、303において同じである。
【0058】
いくつかの実施形態を詳細に説明し、示してきたが、本発明は、それらに限定されず、以下の特許請求の範囲に定義する主題の範囲内で他の方法でも具現化され得る。特に、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され得、構造的及び機能的修正が行われ得ることが理解されるべきである。
【0059】
いくつかの手段を列挙するデバイスの請求項では、これらの手段のうちのいくつかは、ハードウェアの同一のアイテムによって具現化することができる。ある特定の方策を相互に異なる従属請求項に記載しているか又は異なる実施形態に説明しているという単なる事実は、これらの方策の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。
【0060】
本明細書で使用されるとき、「備える/備えている」という用語は、述べる特徴、整数、ステップ、又は構成要素の存在を指定するように解釈されるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、構成要素、又はそれらのグループの存在又は追加を排除しないことが強調されるべきである。
【国際調査報告】