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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-06
(54)【発明の名称】可撓性回路を有する血管内針
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20230130BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533524
(86)(22)【出願日】2020-11-17
(85)【翻訳文提出日】2022-07-12
(86)【国際出願番号】 US2020060869
(87)【国際公開番号】W WO2021113071
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】62/943,552
(32)【優先日】2019-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/094,402
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ヒッツェロ・マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ギドリ・ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】タン・レイモンド・ユエ-シン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK13
4C160KK36
4C160KL03
4C160NN01
(57)【要約】
巻き付けられた可撓性回路を有するアブレーション及び診断ツールが提供される。巻き付けられた可撓性回路は、表面層上に1つ以上の電極、1つ以上の下層上の1つ以上の導電性トレース、及び電気絶縁基板を含むことができる。表面層は、複数の電極を有するようにパターン化することができる。下層(複数可)は、熱電対接合部を形成するための電極接触トレース(複数可)及び/又はトレースを含むことができる。巻き付けられた可撓性回路は、金属管の外面に固定することができる。電極は、金属管から電気的に絶縁され得る。金属管は、アブレーション又は血管内診断手技中に組織を穿刺するための鋭利な端を有することができる。追加的又は代替的に、巻き付けられた可撓性回路は、金属管の支持なしに、アブレーション又は血管内診断手技中に組織を穿刺するために、尖端及び十分な構造的完全性を有することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管内組織をランセットで切開するためのデバイスであって、前記デバイスが、
回路であって、長手方向軸の周りに配置され、前記回路の第1の端から前記回路の近位部分まで前記長手方向軸に沿って延在する管状形状を画定する外面を画定し、前記回路が、
電気絶縁性基板フィルムと、
前記基板フィルム上に配置され、導電性トレースを含むパターン化層と、
前記パターン化層上に配置され、内部を通る1つ以上のビアを含む電気絶縁性分離フィルムと、
前記分離フィルム上及び前記管状形状の前記外面上に配置された1つ以上の電極と、を備える、回路と、
前記管状形状の前記第1の端に近接して固定された鋭利な端と、を備える、デバイス。
【請求項2】
前記鋭利な端が、前記1つ以上の電極から電気的に絶縁されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記回路によって取り囲まれ、前記回路に固定された針をさらに備え、前記鋭利な端が、前記針の先端を含み、前記1つ以上の電極の各々が、前記針から電気的に絶縁されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記回路は、前記回路の前記第1の端に近接する尖端を備え、
前記鋭利な端は前記尖端を備え、
前記管状形状が、血管内組織をランセットで切開するのに十分な柱状剛性を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記回路が、前記基板フィルムの下に金属シートをさらに備え、
前記金属シートが、前記回路の前記第1の端に近接する尖端を含み、
前記鋭利な端が、前記金属シートの前記尖端を備え、
前記金属シートが、前記管状形状の内面上に配置され、
前記管状形状が、前記金属シートを含み、
前記管状形状が、血管内組織をランセットで切開するのに十分な柱状剛性を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記1つ以上の電極のうちの少なくとも1つが、前記管状形状を取り囲む金バンドをそれぞれ備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記回路及び前記鋭利な端を取り囲むシースをさらに備え、前記回路及び前記鋭利な端が、前記シースからこれを通って前記鋭利な端を延在させるように摺動可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記回路が、ビアに位置決めされた熱電対接合部をさらに備え、
前記熱電対接合部が、前記導電性トレースの第1のトレースと接触している前記1つ以上の電極の第1の電極の一部を含み、
前記第1の電極が、金を含み、
前記第1のトレースが、コンスタンタンを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記回路が、前記パターン化層に存在する熱電対接合部をさらに備え、
前記熱電対接合部が、前記導電性トレースの第2のトレースの一部と、前記導電性トレースの第3のトレースの一部と、を含み、
前記第2のトレースの前記一部及び前記第3のトレースの前記一部が、電気的に接触している、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
1つ以上の電極のうちの電極の動きを検出するように位置決めされたナビゲーションセンサをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
遠位端を備えるカテーテルと、
前記回路及び前記鋭利な端を備える針アセンブリであって、前記針アセンブリが、前記ナビゲーションセンサに対して一次元で並進可能であり、前記ナビゲーションセンサが、前記カテーテルの前記遠位端に近接して固定されている、針アセンブリと、をさらに備える、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記1つ以上の電極が、複数の電極を備え、
前記複数の電極の前記電極の各々が、前記ビアのうちのそれぞれのビアを介して前記導電性トレースのそれぞれのトレースに電気的に接続され、電圧及び/又はインピーダンスを測定するように構成されており、
前記回路が、前記導電性トレースのうちのそれぞれの導電性トレースに各々電気的に接続されたはんだパッドを備える、いずれかの請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記複数の電極が、複数のリング電極を備え、
各リング電極が、前記回路の前記管状形状の周囲を囲み、
各リング電極が、前記鋭利な端から所定の距離だけ離間されており、
各リング電極が、前記外面において、前記複数の電極のうちの全ての他のリング電極から絶縁されている、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
システムであって、
回路であって、長手方向軸の周りに配置され、前記回路の第1の端から前記回路の近位部分まで前記長手方向軸に沿って延在する管状形状を画定する外面を画定し、前記回路が、
電気絶縁性基板フィルムと、
前記基板フィルム上に配置され、導電性トレースを含むパターン化層と、
前記パターン化層上に配置され、内部を通る1つ以上のビアを含む電気絶縁性分離フィルムと、
前記分離フィルム上及び前記管状形状の前記外面上に配置され、前記パターン化層上の導電性トレースに電気的に接続された複数の電極と、を備える、回路と、
前記管状形状の前記第1の端に近接して固定された鋭利な端と、
前記回路から遠位方向に延在するカテーテルと、
前記導電性トレースのそれぞれの導電性トレースに、それぞれが電気的にそれぞれ接続された導電性ワイヤであって、前記導電性ワイヤが、前記カテーテルを通って延在する、導電性ワイヤと、
前記導電性ワイヤのうちの少なくとも1つに電気的に接続された高周波発生器と、を備える、システム。
【請求項15】
前記複数の電極の第1の部分に電気的に接続された電気測定ツールをさらに備え、
前記高周波発生器が、前記複数の電極の第2の部分に電気的に接続されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記電気測定ツールが、電圧計、抵抗計、及び電流計のうちの1つ以上を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記回路が、熱電対接合部をさらに備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記カテーテルの遠位端に近接して位置決めされたナビゲーションセンサをさらに備える、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、血管内カテーテルシステムに関し、より具体的には、血管内アブレーション及び/又は診断用の電極に関する。
【背景技術】
【0002】
アブレーション、診断、及び医療処置を支援するための他の機能の目的のために、身体の心臓又は他の組織に電極を送達する様々なカテーテルが利用可能である。
【0003】
アブレーションに使用される電極は、集中高周波(RF)電流を組織に送達して、電極と接触している組織の熱損傷を生成するように構成され得る。不十分な加熱は不十分なサイズの病変をもたらし得るが、電極の過熱は、組織を制御不可能かつ望ましくない形で破裂させ得るような、組織又は血液水分の蒸発、及び蒸気泡の形成を引き起こし得る。アブレーション中の正確な温度測定は、電極に対する熱電対の配置に起因して困難であり得る。いくつかの用途では、電極が組織内に配置され得るように組織を穿刺することが有利であり得る。しかしながら、組織を穿刺するように成形された傾きが急な電極形状は、アブレーション中に不均一な電流分布をもたらし、この結果、ホットスポットにつながる可能性がある。鋭利な電極によって組織を不注意に穿刺することを避けるために、電極は、血管内送達中に被覆され得る。しかし、電極が患者にあるときに電極が適切に被覆されているかどうかを確認することは困難であり得る。したがって、出願人は、改善された血管内アブレーションツール及び方法の必要性を認識している。
【0004】
診断に使用される電極は、典型的には、カテーテルの遠位端で非外傷性シャフトに沿って離間されたリングとして位置決めされている。非外傷性シャフトは、リングが組織に接触することができるように成形することができる。いくつかの用途では、そのような診断カテーテルを使用して、血管内システム及び心臓を効果的にマッピングすることができる。例えば、不整脈の治療のために、カテーテル送達電極を使用して、心臓内から電気的特性をマッピングして、不整脈を引き起こす信号の伝導経路を特定することができる。診断カテーテル電極に関連する課題は、通算電極数の増加及び皮下データを捕捉することを含む。通算電極数を増加させることは、電極の数及び各電極への配線を増加させることを意味するが、これは診断カテーテルの大きさを増加させ得る。より大きなカテーテルは、可撓性が少なく、かつ/又は直径が大きくなる可能性があり、処置中のカテーテルの送達及び位置決めの困難さを増加させる。皮下データは、上記のアブレーション針と同様の構造によって捕捉することができる。しかしながら、針構造は、単一の電極(針)のみを含む。さらに、針構造は、好ましくは、組織の不注意な穿刺を回避するために送達中に被覆され、シースは診断カテーテルの大きさをさらに増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、出願人は、改善された血管内診断電極ツール及び方法の必要性を認識している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のいくつかの実施形態によれば、管状電気回路及び鋭利な端を含む血管内組織をランセットで切開するためのデバイスが提供される。回路は、長手方向軸の周りに配置され、回路の第1の端から回路の近位部分まで長手方向軸に沿って延在する管状形状を画定する外面を有する。回路は、電気絶縁性基板フィルムと、基板フィルム上に配置され、導電性トレースを含むパターン化層と、パターン化層上に配置され、内部を通る1つ以上のビアを含む電気絶縁性分離フィルムと、分離フィルム上及び管状形状の外面上に配置された1つ以上の電極と、を含む。鋭利な端は、回路の管状形状の第1の端に近接して固定されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、デバイスは、回路によって取り囲まれ、デバイスの鋭利な端が針の先端を含むように回路に固定された針を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の電極の各々は、針から電気的に絶縁されている。
【0008】
いくつかの実施形態では、回路は、鋭利な端が尖端を含むように、管状形状の第1の端に近接する尖端を有する。尖端を有する回路を含む実施形態は、デバイスの使用中に管状形状を維持するために、針、金属シート、若しくは他の構造支持体を含み得る、又は含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、回路の管状形状は、管状形状回路への追加の構造的支持体に依存することなく、尖端で血管内組織をランセットで切開するのに十分な柱状剛性を有する。
【0009】
いくつかの実施形態では、電気絶縁性基板フィルムは、管状形状を通って管腔を形成し、管腔の内面上に位置決めされている。管状形状を通る管腔は、絶縁基板と灌漑通路との間に追加の構造体を有さない灌漑流体の通路として機能することができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、回路は、電気絶縁性基板の下に金属シートをさらに含む。金属シートは、管状回路の第1の端に近接する尖端を含む。鋭利な端は、金属シートの尖端を含む。金属シートは、管状形状の内面上に配置されている。管状形状は、金属シートを含み、管状形状は、血管内組織をランセットで切開するのに十分な柱状剛性を有する。
【0011】
いくつかの実施形態では、1つ以上の電極のうちの少なくとも1つは、管状形状を取り囲む金バンドをそれぞれ含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、回路は、パターン化層上の導電性トレースのそれぞれのトレースに各々電気的に接続されたはんだパッドをさらに含む。1つ以上のビアは、1つ以上の電極がそれぞれのトレースに各々電気的に接続されるように位置決めされている。
【0013】
一部の実施形態では、はんだパッドは、回路の近位部内に配置されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、このデバイスはさらにシースを含む。シースは、電気回路及び鋭利な端を取り囲む。電気回路及び鋭利な端は、シースから鋭利な端を延在させるように摺動可能である。
【0015】
いくつかの実施形態では、鋭利な端は、1つ以上の電極から電気的に絶縁されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、デバイスは、1つ以上の電極及び1つ以上のビアを含む。各電極は、それぞれのビアを介してパターン化層上のそれぞれの導電性トレースに電気的に接続されている。各電極は、他の全ての電極から電気的に絶縁されている。
【0017】
いくつかの実施形態では、回路は1つ以上の熱電対接合部を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、デバイスはビアに位置決めされた熱電対接合部を含む。熱電対接合部は、電極の一部及びパターン化層上のトレースの一部を含み、電極の一部、及びトレースの一部は互いに電気的に接触している。いくつかの実施形態では、熱電対の電極は金を含み、熱電対のトレースはコンスタンタンを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、デバイスは、パターン化層に存在する熱電対接合部を含む。熱電対接合部は、2つのトレースのそれぞれの部分が電気的に接触しているように、パターン化層上の2つのトレースのそれぞれの部分を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、デバイスは、熱電対接合部及び外面を有する針を含む。熱電対接合部は、針から電気的に絶縁されている。熱電対接合部は、針の外面上に位置決めされている。
【0021】
いくつかの実施形態では、デバイスは、約0.001インチ(約25マイクロメートル)の厚さを有する純粋な金電極を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、デバイスは、1つ以上の電極及び1つ以上の熱電対接合部を有する。各熱電対接合部は、それぞれの電極によって加熱されるように位置決めされている。熱電対接合部のいくつか又は全ては、それぞれの電極の一部を含む。追加的又は代替的に、熱電対接合部の一部又は全部は各々、それぞれの電極の下にパターン化層内にそれぞれ位置決めされ、それぞれの電極から電気的に絶縁されている。
【0023】
いくつかの実施形態では、デバイスは、1つ以上の電極の動きを検出するように位置決めされたナビゲーションセンサをさらに含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、ナビゲーションセンサは、1つ以上の電極の少なくとも2つの電極のナビゲーションセンサに対する動きを検出するように位置決めされている。
【0025】
いくつかの実施形態では、デバイスは、遠位端を有するカテーテルと、回路及び鋭利な端を含む針アセンブリと、ナビゲーションセンサと、をさらに含む。針アセンブリは、ナビゲーションセンサに対して一次元で並進可能である。ナビゲーションセンサは、カテーテルの遠位端に近接して固定されている。ナビゲーションセンサは、1つ以上の電極のナビゲーションセンサに対する動きを検出するように位置決めされている。
【0026】
いくつかの実施形態では、デバイスは、1つ以上の電極、1つ以上のビア、及び1つ以上の導電性トレースを含む。回路は、はんだパッドをさらに含む。電極の各々は、それぞれのビアを介してそれぞれのトレースに電気的に接続されている。はんだパッドは各々、それぞれの導電性トレースに電気的に接続されている。
【0027】
いくつかの実施形態では、電極のうちの少なくとも1つは、他の全ての電極から電気的に絶縁されている。
【0028】
いくつかの実施形態では、1つ以上の電極は、電圧及び/又はインピーダンスを測定するように構成されている。
【0029】
いくつかの実施形態では、電極はリング電極を含み、各リング電極は、回路の管状形状の周囲を囲む。
【0030】
いくつかの実施形態では、リング電極は、鋭利な端から所定の距離だけ離間される。各リング電極は、回路によって画定される管状形状の外面において、他の全てのリング電極から絶縁されている。
【0031】
いくつかの実施形態では、リング電極は、鋭利な端の先端から測定されるように約9mmの距離に制限される。
【0032】
いくつかの実施形態では、回路は、約6個のリング電極から約10個のリング電極を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、リング電極は、縁から縁までの間隔が約2mm~約4mmで、各隣接するリング電極と離間されている。
【0034】
本開示のいくつかの実施形態によれば、回路、鋭利な端、ナビゲーションセンサ、及び処理デバイスを含むシステムがさらに提供される。回路は、長手方向軸の周りに配置された外面を画定して、回路の第1の端から回路の近位部分まで長手方向軸に沿って延在する管状形状を画定する。鋭利な端は、管状形状の第1の端に近接して固定されている。回路は、電気絶縁性基板フィルムと、基板フィルム上に配置されたパターン化層と、パターン化層の上に配置された電気絶縁性分離フィルムと、絶縁フィルム上及び管状形状の外面上に配置された複数の電極と、を含む。パターン化層は、導電性トレースを含む。電気絶縁性分離フィルムは、内部を通る1つ以上のビアを含む。ナビゲーションセンサは、1つ以上の電極の1つの電極のナビゲーションセンサに対する動きを検出するように位置決めされている。処理デバイスは複数の電極から電気的測定値を抽出し、ナビゲーションセンサを使用して、心臓内組織に対する複数の電極の各々の位置を決定するように構成されている。
【0035】
いくつかの実施形態では、1つ以上の電極は、複数のリング電極を含む。処理デバイスは、心臓内組織をデバイスの鋭利な端でランセットで切開し、複数のリング電極を心臓内組織に挿入することに応答して、組織の複数の深度で心臓内組織のインピーダンスを決定するようにさらに構成される。
【0036】
いくつかの実施形態では、システムは、カテーテル、導電性ワイヤ、及び高周波発生器を含む。導電性ワイヤは各々、それぞれの導電性トレースに電気的にそれぞれ接続されている。導電性ワイヤは、カテーテルを通って延在する。高周波発生器は、導電性ワイヤのうちの少なくとも1つに電気的に接続されている。
【0037】
本開示のいくつかの実施形態によれば、回路、鋭利な端、カテーテル、導電性ワイヤ、及び高周波発生器を含むシステムがさらに提供される。回路は、長手方向軸の周りに配置された外面を有する管状形状を画定する。管状形状は、回路の第1の端から回路の近位部分まで長手方向軸に沿って延在する。鋭利な端は、回路によって画定される管状形状の第1の端に近接して固定される。回路は、電気絶縁性基板フィルムと、基板フィルム上に配置されたパターン化層と、パターン化層の上に配置された電気絶縁性分離フィルムと、絶縁フィルム上及び管状形状の外面上に配置された複数の電極と、を含む。パターン化層は、導電性トレースを含む。パターン化層の上に配置された絶縁性分離膜は、内部を通る1つ以上のビアを含む。導電性ワイヤは各々、それぞれの導電性トレースに電気的にそれぞれ接続されている。導電性ワイヤは、カテーテルを通って延在する。高周波発生器は、導電性ワイヤのうちの少なくとも1つに電気的に接続されている。
【0038】
いくつかの実施形態では、各それぞれの導電性トレースは、それぞれの電極にさらに電気的に接続されている。高周波発生器、及び潜在的に複数の高周波発生器は、導電性ワイヤのうちの1つ以上に電気的に接続される。それにより、1つ以上の高周波発生器は各々、RF発生器(複数可)の導電性ワイヤへの接続、及び導電性ワイヤの1つ以上の電極への接続によってそれぞれの電極に電気的に接続される。
【0039】
いくつかの実施形態では、システムは、複数の電極の第1の部分に電気的に接続された電気測定ツールを含み、一方、1つ以上の高周波発生器は、複数の電極の第2の部分に電気的に接続されている。電気測定ツールは、電圧計、抵抗計、及び/又は電流計を含む。
【0040】
本開示のいくつかの実施形態によれば、鋭利な端と、鋭利な端から電気的に絶縁されたアブレーション電極と、を有するアブレーションツールがさらに提供される。
【0041】
本開示のいくつかの実施形態によれば、アブレーション電極及びアブレーション電極の一部を含む熱電対を有するアブレーションツールがさらに提供される。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、カテーテル、ナビゲーションセンサ及び針アセンブリを備えるシステムがさらに提供される。ナビゲーションセンサは、シャフトの遠位端に近接して配置される。針アセンブリは、その上に電極及び鋭利な端を含む。針アセンブリは、ナビゲーションセンサに対して一次元で並進可能である。針アセンブリは、カテーテルの遠位端を通して、鋭利な端をカテーテルから移動させるように並進可能である。ナビゲーションセンサは、ナビゲーションセンサに対する電極の動きを検出するように位置決めされる。
【0043】
本開示のいくつかの実施形態によれば、血管内治療の方法がさらに提供され、この方法は、以下:カテーテルを介して血管内に電極針アセンブリを送達する工程と、電極針アセンブリで心臓内又は心臓の周りに組織をランセットで切開し、電極針アセンブリの第2の電極を組織の上方の位置又は組織内の第1の深度よりも浅い第2の深度に移動させながら、電極針アセンブリの第1の電極を第1の深度に移動させる工程と、のうちの1つ以上を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、方法は、第1の電極によって、組織内の第1の深度での第1の電気信号を検出することをさらに含む。第1の電気信号は、組織電圧及び組織衝撃のうちの少なくとも1つを示す。
【0045】
いくつかの実施形態では、方法は、第1の電極及び第2の電極のうちの少なくとも1つに高周波電気信号を印加することをさらに含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、方法は、電極針アセンブリ内の管腔を介して導電性流体を組織に注入することをさらに含み、一方、第1の電極は、第1の深度に位置決めされている。
【0047】
いくつかの実施形態では、方法は、被覆されている間に、電極針アセンブリを心臓の中又は周囲に位置決めすることと、ナビゲーションセンサを心臓の中又は周囲に位置決めすることと、心臓内又は心臓の周囲に位置決めされている間に、電極針アセンブリを露出することと、電極針アセンブリの露出の結果としての第1の電極及び第2の電極のうちの少なくとも1つの動きを、ナビゲーションセンサによって検出することをさらに含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、方法は、第1の電極及び第2の電極のうちの少なくとも1つに近似する温度を感知することをさらに含む。
【0049】
本開示のいくつかの実施形態によれば、心臓内又は心臓の周りの組織をアブレーションするための方法がさらに提供され、この方法は、以下:カテーテルを介して血管内に電極針アセンブリを送達する工程と、電極針アセンブリの鋭利な端で心臓の中又は周りの組織をランセットで切開する工程と、鋭利な端から電気的に絶縁された電極を組織に移動する工程と、電極に電気エネルギーを印加することによって組織をアブレーションする工程と、のうち1つ以上を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、電極に電気エネルギーを印加することによって組織をアブレーションする工程は、電流が環状表面にわたって実質的に均一な電流密度を含むように、電極の環状表面から組織に電流を送達する工程をさらに含む。
【0051】
本開示のいくつかの実施形態によれば、血管内組織をランセットで切開するためのデバイスを構築するための方法がさらに提供され、方法は、以下:導電性トレースを第1の電気絶縁性可撓性フィルムに適用する工程と、第2の電気絶縁性可撓性フィルムに開口部を位置決めする工程と、開口部が導電性トレース上に位置決めされるように、第2の電気絶縁性可撓性フィルムを導電性トレース及び第1の電気絶縁性可撓性フィルムに固定する工程と、電極が第2の電気絶縁性可撓性フィルムの開口部を介して導電性トレースに接触するように、電極を第2の電気絶縁性可撓性フィルムに適用する工程と、第1の電気絶縁性可撓性フィルム、導電性トレース、第2の電気絶縁性可撓性フィルム、及び電極を巻き付け、長手方向軸に沿って延在する管状形状を画定し、管状形状の第1の端に近接して鋭利な端を固定する工程と、のうち1つ以上を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、方法は、針が管状形状の第1の端に近接して固定された鋭利な端を含むように、管状形状の内面を針に固定することをさらに含み得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、方法は、針から1つ以上の電極の各々を電気的に絶縁することをさらに含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、方法は、針の外面上に熱電対接合部を位置決めし、針から熱電対接合部を電気的に絶縁することをさらに含み得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、方法は、鋭利な端が尖端を含むように、管状形状の第1の端に尖端を形成することをさらに含み得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、方法は、鋭利な端が尖端を含み、かつ血管内組織をランセットで切開するのに十分な柱状剛性を備えるように管状の形状を形成するように、管状形状の第1の端に尖端を形成することをさらに含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、方法は、第1の電気絶縁性可撓性フィルムの下に金属シートを固定することと、金属シートを巻き付け、管状形状の内面を画定することと、鋭利な端が尖端を備えるように、管状形状の第1の端に近接して金属シート上に尖端を形成することと、をさらに含むことができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、方法は、金を第2の絶縁性可撓性フィルムに含むライナー電極を適用することと、線形電極を巻き付け、管状形状を取り囲むバンドを形成することと、をさらに含み得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、方法は、導電性トレースのそれぞれの導電性トレースに、はんだパッドを電気的にそれぞれ電気的に接続することと、電極が各々導電性トレースのそれぞれのトレースに電気的に接続されるように、第2の電気絶縁性可撓性フィルムに開口部を位置決めすることと、をさらに含むことができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、方法は、管状形状及び鋭利な端が、シースから鋭利な端を延在するように摺動可能であるように、管状形状及び鋭利な端をシースで取り囲むことをさらに含み得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、方法は、鋭利な端を電極から電気的に絶縁することをさらに含み得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、方法は、電極の残りの部分から各電極を電気的に絶縁することをさらに含み得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、方法は、熱電対接合部が、開口部の導電性トレースのうちの1つと接触している電極のうちの1つの一部を含むように、熱電対接合部を第2の電気絶縁性可撓性フィルムの開口部に位置決めすることをさらに含み得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、方法は、金を含むように熱電対接合部の電極を形成することと、コンスタンタンを含むように熱電対接合部の導電性トレースを形成することと、をさらに含み得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、方法は、第2の熱電対接合部が導電性トレースの2つの導電性トレースの重なり合う部分を含むように、第1の電気絶縁性可撓性フィルムと第2の電気絶縁性フィルムとの間に第2の熱電対接合部を位置決めすることをさらに含み得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、方法は、約0.001インチ(約25マイクロメートル)の厚さを有する純粋な金電極を第2の電気絶縁性フィルムに適用することをさらに含み得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、方法は、電極の全てによって加熱されるように熱電対接合部を位置決めすることをさらに含み得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、方法は、ナビゲーションセンサを位置決めして、電極のうちの1つ以上の動きを検出することをさらに含むことができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、方法は、ナビゲーションセンサを位置決めして、電極のうちの2つ以上の動きを検出することをさらに含むことができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、方法は、ナビゲーションセンサをカテーテルの遠位端に近接して固定することと、針アセンブリがナビゲーションセンサに対して一次元のみに移動するように制限されるように、管状形状及び鋭利な端を含む針アセンブリを、カテーテルを通して位置決めすることと、をさらに含み得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、方法は、電極のそれぞれを電極の残りの部分から電気的に絶縁することをさらに含み得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、方法は、電圧及び/又はインピーダンスを測定するように電極を構成することをさらに含み得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、方法は、管状形状の周囲を囲むように電極を巻き付けることをさらに含み得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、方法は、鋭利な端から所定の距離だけ電極の各々を離間させ、電極の残りの部分から各電極を電気的に絶縁することをさらに含み得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、方法は、鋭利な端の先端から測定されるように、約9mmの距離に制限されている電極を位置決めすることをさらに含むことができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、電極を第2の電気絶縁性可撓性フィルムに適用する工程は、約6~約10個の線形電極を適用する工程をさらに含み得る。方法は、線形電極の各々を巻き付け、約6~約10個のリング電極を形成することをさらに含むことができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、方法は、縁から縁までの間隔が約2mm~約4mmの間隔で、各隣接するリング電極と各リング電極とに間隔を空けることをさらに含み得る。
【0078】
本開示のいくつかの実施形態によれば、血管内治療のためのシステムを構成するための方法がさらに提供され、この方法は、以下:可撓性回路を選択する工程と、可撓性回路を巻き付け、管状形状を形成する工程と、ナビゲーションセンサを位置決めする工程と、処理デバイスを構成する工程と、の1つ以上を含むことができる。可撓性回路は、電気絶縁性基板フィルム、基板フィルム上に配置された導電性トレース、導電性トレースの上に配置された電気絶縁性分離フィルムを有するように選択され、電気絶縁性フィルムは、内部を通るビアを含み、電極が、絶縁フィルムの上に配置され、導電性トレースの少なくとも一部にビアを通って接続されている。可撓性回路は、電極が管状形状の外面を回避するリング電極として成形されるように巻き付けられる。鋭利な端は、管状形状の第1の端に近接して固定される。ナビゲーションセンサは、リング電極のうちの1つ以上のナビゲーションセンサに対する動きを検出するように位置決めされている。処理デバイスは、電極から電気的測定値を抽出し、ナビゲーションセンサを使用して、心臓内組織に対する電極の各々の位置を決定するように構成されている。
【0079】
いくつかの実施形態では、この方法は、鋭利な端と心臓内組織をランセットで切開し、リング電極を心臓内組織に挿入することに応答して、組織の複数の深度で心臓内組織のインピーダンスを決定するように処理デバイスをさらに構成することをさらに含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、方法は、カテーテルを選択すること、導電性トレースのそれぞれの導電性トレースに各々導電性ワイヤを電気的に接続すること、カテーテルを通して導電性ワイヤを延在させること、及び周波数発生器を導電性ワイヤのうちの少なくとも1つに電気的に接続すること、をさらに含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、方法は、電極の第1の部分に電気的に電気測定ツールを接続することと、高周波発生器を複数の電極の第2の部分に電気的に接続することと、をさらに含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、電気測定ツールは、電圧計、抵抗計、及び電流計のうちの1つ以上を含む。
【0083】
本開示のいくつかの実施形態によれば、血管内治療のためのシステムを構成するための方法がさらに提供され、この方法は、以下:可撓性回路を選択する工程と、可撓性回路を巻き付け、管状形状を形成する工程と、管状形状の第1の端に近接して鋭利な端を固定する工程と、カテーテルを選択する工程と、導電性ワイヤを各々可撓性回路上のそれぞれの導電性トレースに電気的に接続する工程と、高周波発生器を導電性ワイヤの少なくとも1つと電気的に接続する工程と、の1つ以上を含み得る。可撓性回路は、電気絶縁性基板フィルム、基板フィルム上に配置された導電性トレース、導電性トレースの上に配置された電気絶縁性分離フィルムを有するように選択され、電気絶縁性フィルムは、内部を通るビアを含み、電極が、絶縁フィルムの上に配置され、導電性トレースの少なくとも一部にビアを通って接続されている。
【0084】
本開示のいくつかの実施形態によれば、アブレーションツールを構築する方法がさらに提供され、この方法は、以下:アブレーション電極を形成する工程と、アブレーション電極に固定された鋭利な端を形成する工程と、かつ鋭利な端からアブレーション電極を電気的に絶縁する工程と、の1つ以上を含み得る。
【0085】
本開示のいくつかの実施形態によれば、アブレーションツールを構築する方法がさらに提供され、この方法は、以下:アブレーション電極を形成する工程と、熱電対接合部がアブレーション電極の一部を含むように熱電対接合部を形成する工程と、の1つ以上を含み得る。
【0086】
本開示のいくつかの実施形態によれば、アブレーションツールを構築する方法がさらに提供され、この方法は、以下:カテーテルを選択する工程と、カテーテルの遠位端に近接してナビゲーションセンサを固定する工程と、針アセンブリがナビゲーションセンサに対して一次元で並進可能であるように、その上に電極及びカテーテル内の鋭利な端を有する針アセンブリを位置決めする工程であって、針アセンブリは、カテーテルの遠位端を通ってカテーテルから鋭利な端を動かすために並進可能である、工程と、ナビゲーションセンサに対する電極の動きを検出するようにナビゲーションセンサを構成する工程と、の1つ以上を含み得る。
【0087】
以下の本発明の実施形態の詳細な説明を図面と併せ読むことによって、本開示のより完全な理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0088】
図1】本発明のいくつかの実施形態による、アブレーションツールの図である。
図2A】本開示のいくつかの実施形態による、平坦構成における図1のアブレーションツールの可撓性回路の図である。
図2B】本開示のいくつかの実施形態による、管状形状の図1のアブレーションツールの可撓性回路の図である。
図3】本発明のいくつかの実施形態による、アブレーションツールの図である。
図4A】本開示のいくつかの実施形態による、平坦構成における図3のアブレーションツールの可撓性回路の図である。
図4B】本開示のいくつかの実施形態による、管状形状の図3のアブレーションツールの可撓性回路の図である。
図5】本開示のいくつかの実施形態による、尖端を含む管状形状の可撓性回路の図である。
図6】本開示のいくつかの実施形態による、それに固定された金属シートを有し、可撓性回路及び金属シートを管状形状にし、尖端を含む可撓性回路の図である。
図7】本開示のいくつかの実施形態による、平坦構成における図5又は図6の可撓性回路の図である。
図8A】本開示のいくつかの実施形態による、平坦構成の図6の金属シートの図である。
図8B】本開示のいくつかの実施形態による、管状形状の図6の金属シートの図である。
図9】本発明のいくつかの実施形態による、診断電極ツールの図である。
図10A】本開示のいくつかの実施形態による、平坦構成における図9の診断電極ツールの可撓性回路の図である。
図10B】本開示のいくつかの実施形態による、管状形状の図9の診断電極ツールの可撓性回路の図である。
図11】本開示のいくつかの実施形態による、アブレーションツール及び/又は診断ツールに使用可能な可撓性回路の層の図である。
図12】本開示のいくつかの実施形態による、電極の一部を含む熱電対を含む可撓性回路の図である。
図13】電極から電気的に絶縁された熱電対を含む可撓性回路の図である。
図14】本開示のいくつかの実施形態による、アブレーションツール及び/又は診断ツールに使用可能な鋭利な端の図である。
図15】知られているようなアブレーションツールのドーム端の図である。
図16】本発明のいくつかの実施形態による、針アセンブリの図である。
図17】本発明の実施形態によるアブレーションツール又は診断ツールの図である。
図18】本開示の実施形態による、アブレーションツール又は診断ツールを使用した治療方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0089】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書において説明されるその意図された目的に沿って機能することを可能にする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指してもよく、例えば「約90%」は、71%~99%の値の範囲を指してもよい。
【0090】
本明細書で使用する場合、用語「管状」及び「管」は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造、若しくは断面が厳密に円形である構造、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されるものではない。例えば、管状構造又は管状システムは、概して、実質的な直円柱構造として図示される。しかしながら、管状システムは、本開示の範囲から逸脱することなく、テーパ状又は湾曲した外面を有することができる。
【0091】
「コンピューティングシステム」という用語は、スタンドアロン機械又はデバイス、及び/又は機械、構成要素、モジュール、システム、サーバ、プロセッサ、メモリ、検出器、ユーザインターフェース、コンピューティングデバイスインターフェース、ネットワークインターフェース、ハードウェア要素、ソフトウェア要素、ファームウェア要素、及び他のコンピュータ関連ユニットの組み合わせを含むことを意図している。限定ではなく例として、コンピューティングシステムは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、プロセッサ、携帯型電子デバイス、携帯型電子医療機器、静止又は半静止電子医療機器、又は他の電子データ処理装置のうちの1つ以上を含むことができる。
【0092】
「構成要素」、「モジュール」、「システム」、「サーバ」、「プロセッサ」、「メモリ」などの用語は、実行中のハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又はソフトウェアなどを含むが限定されない1つ以上のコンピュータ関連ユニットを含むことが意図されている。例えば、構成要素は、プロセッサ、オブジェクト、実行可能、実行スレッド、プログラム、及び/又はコンピュータで実行されるプロセスであり得るが、これらに限定されない。例示として、コンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーション及びコンピューティングデバイスの両方は、構成要素であり得る。1つ以上の構成要素は、プロセス及び/又は実行スレッド内に存在することができ、構成要素は、1つのコンピュータ上にローカライズされ得、かつ/又は2つ以上のコンピュータ間に分散され得る。さらに、これらの構成要素は、その上に記憶された様々なデータ構造を有する様々なコンピュータ可読媒体から実行することができる。構成要素は、ローカルシステム、分散システム内の及び/又は信号を介して他のシステムとのインターネットなどのネットワークを介して別の構成要素と相互作用する1つの構成要素からのデータなど1つ以上のデータパケットを有する信号に従ってなど、ローカル及び/又はリモートプロセスを介して通信することができる。コンピュータ可読媒体は、非一時的であり得る。用語「非一時的コンピュータ可読媒体」としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電子的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶デバイス、又はコンピュータ可読命令及び/又はデータを記憶するために使用することができる任意の他の有形の物理媒体が挙げられるが、それらに限定されない。
【0093】
図1は、カテーテル200内に後退可能な、又は他の方法で被覆された針アセンブリ100aを含むアブレーションツールの図である。針アセンブリ100aは、鋭利な端110a及び可撓性回路120aを含むことができる。針アセンブリ100aは、尖端104a及び中空の管腔106を有する中空針102aを含むことができる。アブレーション処理中、導電性流体は、管腔106を通して送達され得る。病変サイズは、米国特許第9,326,813号に開示されている方法と同様の方法で針アセンブリ100aを通して流体を送達することによって、組織の熱伝導率を増加させることで増加させることができる。これは、あたかもその全体が記載されているかのように、その全体が参照により本出願に援用され、優先出願である米国特許第62/943,552号の付属書類に添付されている。治療中、中空針102aの遠位の尖端104aを組織に導入することができ、針を通して導電性流体を組織内に注入することができ、組織は、組織への流体の導入後及び/又は導入中にアブレーションすることができる。流体は、組織内にアブレーションエネルギーを伝導して、流体を導入することなく作成されるよりも大きな病変を作成する。アブレーション中、電流は、可撓性回路120a上の1つ以上の電極136aを介して組織に供給され得る。可撓性回路120aは、電気絶縁性の可撓性基板を含むことができる。可撓性回路120aは、針102aの周りに巻き付けられて、管状形状を画定することができる。針102aに固定されると、可撓性回路120aはもはや可撓性ではない。これは、回路120aが針102aに対して固定されることを意味する。電極136a(複数可)は、少なくとも、可撓性回路120aの任意の中間絶縁層に加え可撓性基板の絶縁特性によって、針102aから電気的に絶縁され得る。
【0094】
針アセンブリ100aは、カテーテル又はシース200に対して摺動可能に並進可能であり得る(本明細書では、簡略化のために「カテーテル」と言及される)。カテーテル200を図17にさらに示す。図1及び図17を集合的に参照すると、針アセンブリ100aが治療前及び治療後に操作されるとき、針アセンブリ100aは、カテーテル200の開口部204内に摺動可能に後退され得る。針アセンブリ100aは、組織を不注意に穿刺するリスクを低減するように被覆され得る。ナビゲーションセンサ70は、カテーテル200の遠位端に近接するカテーテル200内に位置決めされ得る。ナビゲーションセンサ70は、カテーテル200に対する針アセンブリ100aの動きを検出するように位置決めされ、そうでなければ構成され得る。ナビゲーションセンサは、針アセンブリ100aがカテーテル200内に完全に被覆されているかどうかを検出するように構成され得る。センサ70は、カテーテル先端の固定位置にあり得る。いくつかの用途では、センサ70は、電極マッピングシステムに信号を提供するように構成することができ、電極マッピングシステムは、センサ70からの信号に基づいて、針アセンブリ100aの相対位置を決定することができる。それにより、電極マッピングシステムは、被覆/露出であるといった針アセンブリ100aの状態を示すデータ、並びに皮膚内信号位置を示すデータを提供することができる。そのように構成されると、電極マッピングシステムは、x及びy位置に加えて、針アセンブリ100aの位置のz成分を提供することができる。
【0095】
図2Aは、平坦構成における図1のアブレーションツールの可撓性回路120aの図である。図2Bは、管状形状の図1のアブレーションツールの可撓性回路120aの図である。
【0096】
図1図2A、及び図2Bを集合的に参照すると、可撓性回路120aは、スパッタリングされた金電極表面136aによって少なくとも部分的に覆われた表面130を有する長方形の可撓性回路を含むことができる。長方形の可撓性回路120aは、接着剤及び/又は熱加工を使用して中空針102aの周りに巻き付けることによって取り付けることができる。可撓性回路120aは、針102aから電気的に絶縁され得る。可撓性回路120aは、アブレーションツールの他の全ての導電性表面からさらに電気的に絶縁され得る。針アセンブリ100aは、アブレーション電極ゾーン136aから可撓性回路120aの近位縁132の近くのはんだパッド122に送られる絶縁されたトレース(複数可)を含むことができる。1つ以上のリード線は、リード線が最終的にRF発生器に接続するように、カテーテル200を通って戻って接続するために取り付けることができる。針102aは、RF回路から電気的に絶縁され得る。針102aがRF発生器からのアブレーションエネルギーから電気的に絶縁されると、針102aの先端104aは鋭い点を有することができる(図14も参照)。針102aがRF発生器からのアブレーションエネルギーから電気的に絶縁されていないとき、針102aの先端104aは、アブレーション中の不均一な電流分布及び加熱を軽減するように丸みを帯びた縁を有することができる(図15も参照)。より鋭利な針は、一般に、心臓組織を穿刺するために必要となる力をより少ないものとする。したがって、針先端104aを電極136aから絶縁する利点は、組織をより容易に穿刺するためのより鋭利な針先端104a、並びにアブレーション中の不均一な電流分布及び加熱の影響をさらに軽減するように形成された電極幾何形状を有する能力を含み得る。
【0097】
アブレーション中、RFエネルギーは、発生器からはんだパッド132に送達され、はんだパッド132から可撓性回路電極136aに送達され、可撓性回路電極136aから電極136aに近接する組織に送達され、システム戻り電極(図示せず)を通って戻って送達され得る。システム戻り電極は、予測デバイスと同様の方法で構成され得る。いくつかの用途では、RFエネルギーは、ドーム及び針などの隣接するカテーテル構造への漏れが最小化されるように、アブレーションゾーン136aから送達され得る。ツールは、電極表面136a上に不規則な構造を含む必要はないため、アブレーション表面136aにわたる電流密度は実質的に均一であり得る。
【0098】
図2Aを参照すると、可撓性回路は、長方形の形状に製造することができる。可撓性回路120aは、電極136aの領域にわたって実質的に均一な厚さを有することができる。長方形の形状は、図2B及び図1に示されるように、管状形状を画定するように巻き付けることができる。管状形状では、可撓性回路120aは、電極136aの領域において実質的に均一な厚さを維持することができる。長方形の形状は、回路の長手方向側面126、128が隣接して、管状形状にあるときに電極領域136a内の縁126、128間の滑らかな移行を生成するように巻き付けることができる。そのように構成されると、電極136aは、長手方向軸10を中心に実質的に半径方向に対称であり得る。半径方向の電極対称性は、針を電極として使用する針アセンブリと比較して、より予測可能で再現可能な病変を提供することができる。半径方向の電極対称性は、針を電極として使用する針アセンブリと比較して、標的組織表面に対する針アセンブリ100aの配向(例えば、角度付きランセット切開対垂直切開)の影響をほとんど受けない病変を提供することができる。
【0099】
電極136aから組織又は流体を通り、鋭利な端110a又は別の針表面への電流漏れのリスクは、アブレーションゾーン136aを鋭利な端110a及び針表面から物理的にオフセットすることによって軽減することができる。アブレーションゾーン136aは、アブレーションゾーンの遠位縁を、可撓性回路120aの遠位端124から所定の距離だけ位置決めすることによって物理的にオフセットすることができる。それにより、針アセンブリ100aは、アブレーションエネルギーの本質的に全てを標的組織に送達するように構成され得る。
【0100】
図1図2A、及び図2Bを集合的に参照すると、可撓性回路120aは、電極表面136aと、電極表面136aに対して近位方向に位置決めされた絶縁表面134とを含む外面130を有することができる。絶縁表面134は、アブレーション中に、針アセンブリ100aをカテーテル200から電気的に絶縁することができる。絶縁表面130は、電極136aをはんだパッド132に接続する1つ以上の電気トレースをさらに覆うことができる。
【0101】
図3は、複数の電極136b~f及びはんだパッド132を有する針アセンブリ100bを含むアブレーションツールの図である。電極136b~fは、互いに電気的に絶縁され得る。電極136b~fは各々、鋭利な端110aから電気的に絶縁され得る。複数のはんだパッド132は各々、電極136b~fのいくつか又は全てにそれぞれ電気的に接続することができる。電極136b~fは、1対1の方式ではんだパッド132に接続することができる。あるいは、電極136b~fは、複数のはんだパッド132に接続することができ、はんだパッド132は、複数の電極136b~fに接続することができ、及び/又は電極136b~fは浮動することができ、はんだパッドとの接続を欠いている。RFアブレーションエネルギーは、各電極136b~fで別々に適用されて、異なる組織深度で異なるアブレーションエネルギーを提供することができる。追加的又は代替的に、1つ以上の電極136b~fを、電気測定ツールに接続することができる。
【0102】
図4Aは、平坦構成の図3のアブレーションツールの可撓性回路100bの図である。平坦構成では、電極136b~fは実質的に線形であり、長手方向縁126、128の間に広がり得る。はんだパッド132は実質的に線形であり、長手方向縁126、128の間に広がり得る。
【0103】
図4Bは、管状形状の図3のアブレーションツールの可撓性回路120bの図である。平坦構成における線形電極136b~fは、可撓性回路120bが管状形状に巻き付けられたときに、リング電極136b~136fになり得る。
【0104】
図3図4A、及び図4Bに示されるアブレーションシステム、針アセンブリ100b、及びその構成要素部品は、他の方法で構築することができ、機能性を含み、図1図2A、及び図2Bに関連して示されかつ説明されるように、アブレーションシステム、針アセンブリ100a、及びその構成要素部品に関連して説明される特徴を含む。
【0105】
図5は、尖端110bを含む管状形状の回路120cを含む針アセンブリ100cの図である。回路120cは、図示された管状形状に巻き付けられた可撓性回路基板であり得る。管状形状になると、回路120cは、実質的に変形することなく、アブレーション中に組織を穿孔するのに十分な構造的安定性及び柱状剛性を有することができる。いくつかの実施形態では、針アセンブリ100cは、管状回路120cの管腔176内に構造的支持体を含む必要はない。管腔176の表面は、可撓性回路基板120cの電気絶縁性基板フィルムの底面174に対応することができる(図11も参照)。回路120cの管腔176は、導電性流体のアブレーションを支援するために流体経路を提供するように、さらにサイズ決定及びそうでなければ構成され得る。管状回路120cの側面126、128は、一緒に融合され得る、又は別様に接合されて、流体不透過性接続部を作成することができる。
【0106】
図5に示されるアブレーションシステム、針アセンブリ100c、及びその構成要素部品は、他の方法で構築することができ、機能性を含み、図1図2A、及び図2Bに関連して例示及び説明されるように、アブレーションシステム、針アセンブリ100a、及びその構成要素部品に関連して説明される特徴を含む。さらに、図5に示される針アセンブリ100cは、図3図4A、及び図4Bに関連して示されかつ説明されるように、電極領域130内に複数の電極を含むことができる。
【0107】
図6は、それに固定された金属シート140を有する回路120cを含む針アセンブリ100dの図である。回路120c及び金属シート140は、尖端110cを含む管状の形状で示されている。金属シート140は、管状回路120cを支持するために追加の柱状剛性を提供することができる。したがって、回路120cは、金属シート140を有さない著しい変形なしに、組織をランセットで切開するのに十分な柱状剛性を有することができるが、必須ではない。図6に示される回路120cは、他の方法で構築されてもよく、機能性を含み、図5に示される回路120cに関連して説明されるような特徴を含む。
【0108】
図7は、平坦構成における図5又は図6の回路120cの図である。回路120cは、回路120cが管を形成するように巻き付けられたときに、三角形の形状が、図5に示される鋭利な端110b又は図6に示される鋭利な端110cの一部を形成するように、平坦回路120cの遠位端114に近接する三角形の形状を有することができる。回路120cの外面130は、三角形の形状内で絶縁性であり得る。
【0109】
図8Aは、平坦構成の図6の金属シート140の図である。金属シートは、金属シート140が管状形状に形成されたときに重なることができる横方向縁126、128を有することができる。
【0110】
図8Bは、図6の金属シート140の管状形状の図である。金属シート140は、平坦な形状又は管状のいずれかの形状で可撓性回路基板120cに固定することができる。金属シート140は、金属シート140の重量を低減するための穿孔を含むことができる。
【0111】
図9は、複数の電極136g~pを有する診断用針アセンブリ100eを含む診断用電極ツールの図である。針アセンブリ100eは、可撓性回路120dを含むことができる。
【0112】
図10Aは、平坦構成における図9のアブレーションツールの可撓性回路120dの図である。平坦構成では、電極136g~pは実質的に線形であり、回路基板120dの長手方向縁126、128の間に広がり得る。はんだパッド132は実質的に線形であり、回路基板120dの長手方向縁126、128の間に広がり得る。言い換えれば、平坦である場合、可撓性回路120dは、外面130の一部がスパッタリングされた金の長方形バンド136g~pで覆われた長方形であり得る。
【0113】
図10Bは、管状形状の図9のアブレーションツールの可撓性回路120dの図である。可撓性回路120dが管状形状に巻き付けられたときに、平坦構成における線形電極136g~pは、リング電極136g~pになり得る。言い換えれば、管状の場合、スパッタリングされた金の長方形のバンド136g~pは、管状形状の周囲を囲むリングを形成することができる。
【0114】
図9図10A、及び図10Bを集合的に参照すると、針アセンブリ100eは、針102bをさらに含むことができる。可撓性回路120dは、針102bの周りに巻き付けることができる。可撓性回路120dは、当業者によって認識及び理解されるように、接着剤、熱処理、又は他の手段を使用して針102bに固定することができる。形成されると、バンド136g~pは、針フレームの周りに横方向に巻き付けられた一連の離間した絶縁されたリング電極を形成することができる(長手方向軸10の周りに円周方向に巻き付けられる)。各電極136g~pは、電気的に絶縁され、回路基板120d上のトレースによってはんだパッド132に連結され得る。リード線をはんだパッド132に取り付けて、診断システムに連結することができる。
【0115】
リング電極136g~pは、当業者によって認識及び理解されるように、双極心電計(ECG)信号、単極ECG信号、インピーダンス、起動電圧、及び他の電気的に検出可能な信号を検出するように構成され得る。リング電極136g~pのアレイは、深度で心筋の電気的特性を観察するようにさらに構成され得る。例えば、診断電極ツールのカテーテル200は、CARTOマッピング及び診断ソフトウェア(又は当業者によって認識及び理解されるような同様のソフトウェア)と対になったナビゲーションセンサを含むことができる。
【0116】
いくつかの実施形態では、診断電極ツールは、病変評価ツールとして機能するように構成され得る。針アセンブリ100eは、病変内の既知の病変位置又は疑わしい漏れ領域を貫通するように移動させることができる。電極136g~pのうちの少なくともいくつかが組織内に位置決めされると、医師又は他のユーザは、電極を利用して、深度で相対的な組織インピーダンスを決定することができる。相対的な組織インピーダンスを使用して、病変の深度、病変の質、及び/又はサブ病変の信号伝播を決定することができる。そのようなデータは、追加の集束分析(例えば、RF分析)を指示することができる。そのような病変評価ツールを使用して、いくつかの用途では、臨床設計検証モデル又は表面診断を用いた間接測定の代替として、病変の品質を直接検証し、又は電気的に漏れた病変を発見し解決するための手段を医師に提供することができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、診断電極ツールは、表面下診断ツールとして機能するように構成され得る。針アセンブリ100eは、複数の場所で心筋組織を貫通するように移動させることができる。各場所で、医師又は他のユーザは、複数の深度で心筋組織の電気的測定値を取得するために電極を利用することができる。心筋組織の複数の深度読み取り値をマーカ信号に対して重ね合わせて、個々の観察点を照合することができる。複数の深度読み取り値及びマーカ信号を備えたコンピューティングシステムは、電気信号伝播、電気信号の活性化、及び/又はインピーダンスの1つ以上の3Dモデルを一緒に部分的に一体にするように構成され得る。三角形の境界条件を利用して、深度読み取り値を欠く表面接触診断デバイスを使用して同様の分析を行う場合には明らかではないアブレーションの潜在的な活性化点を識別することができる。
【0118】
いくつかの実施形態では、診断電極ツールは、診断ツールとして針アブレーションカテーテルを使用することの代替として機能することができる。複数の電極136g~pを有する診断電極ツールは、単一のアブレーション電極を有する針アブレーションカテーテルと比較して、電気信号モデリングにおいてより大きな粒度を提供することができる。複数の電極136g~pは、単一の電極ツール内の1つのより大きなアンテナとは対照的に、本質的にアンテナアレイとして機能することができる。
【0119】
電極間隔、電極表面積、及び電極量は、所与の診断用途の必要性に従って構成され得る(例えば、臨床的に有用な信号プロファイルを作成する)。いくつかの実施形態では、回路基板120dは、約5個の双極対(合計約10個の電極)を含むことができる。あるいは、回路基板120dは、約6個の電極を含むことができる。いくつかの実施形態では、電極は、縁から縁までが均一な間隔で均等に離間され得る。あるいは、電極は、縁から縁までが不均一な間隔で配置(例えば、2mm~4mm~2mm~4mm~2mm...)可能であり、いくつかの実施形態では、電極の各々は、長手方向軸10に沿って針102bの先端104bから測定されるように、約9mmの貫通深度にわたって離間され得る。
【0120】
図11は、アブレーションツール及び/又は診断ツールに使用可能な可撓性回路120の層の図である。本明細書で別様に例示及び説明される可撓性回路120a~fは、図11に示され、図11に関連して説明されるものと同様に構築することができる。可撓性回路120は、基板層172、接着層170、トレースアレイ層160、中間電気絶縁層150、電極136q~r、及びはんだパッド132を有することができる。可撓性回路120は、基板層172の底部側を含む底面174を有することができる。可撓性回路120は、電極136q~rの上面、中間電気絶縁層150の上面の部分、及びはんだパッド132の上面を含む上面130を有することができる。
【0121】
電極136q~rは、金を含むことができる。電極136q~rは、純粋な金であり得る。電極は、約1マイクロメートル~約2マイクロメートルの厚さを有することができる。電極は、縁から縁までの間隔Dを有することができる。電極間の縁から縁までの間隔Dは、均一であり得る。あるいは、縁から縁までの間隔Dは、1対の電極間で次の電極対に変化することができる。電極間の最小の縁から縁までの間隔Dは、電極間の潜在的な電気干渉などの特定の要因と製造の制限とを適用することによって決定することができる。隣接する電極間の電気的絶縁を維持することは、最小の縁から縁までの間隔を決定する要因であり得る。いくつかの用途では、縁から縁まで約0.05mmの間隔は本製造技術で実現可能であり得、電気的絶縁を維持するのに十分であり得る。いくつかの用途では、最小の縁から縁までの間隔を実現することは、目的ではない場合がある。
【0122】
本明細書に記載のアブレーション及び/又は感知の目的で、以下の間隔を使用することが有利であり得る。回路基板120は、2mm~4mm~2mm~4mm~2mmの縁から縁までの間隔Dで配置可能である。回路基板120は、約10個から約6個の電極を含むことができる。電極136q~rは、可撓性回路120の遠位端124から約7ミリメートル~約9ミリメートルの長さにわたって離間され得る。電極136s~rは、可撓性回路120の幅にわたって直線的に延在する長方形の形状を有することができる。線形(矩形)電極136s~rを有する可撓性回路120を巻き付けて、リング電極136s~rを形成することができる。
【0123】
中間電気絶縁層150は、可撓性ポリイミドなどのポリマーを含むことができる。中間電気絶縁層150は、銅が除去されたFelios RF775 Polyimide Flexを含むことができる。中間電気絶縁層150は、約25マイクロメートルの厚さを有することができる。あるいは、中間電気絶縁層150は、本明細書に記載されるように、構造的及び電気的機能を達成するのに十分な厚さ及び/又は材料構造を有することができる。例えば、中間電気絶縁層は、現在市販されているように、約12.5マイクロメートル又は50マイクロメートルの厚さを有する電気絶縁性可撓性シートを含むことができる。中間電気絶縁層150は、トレースアレイ層160上のトレースに対する電極136q~rと、トレースアレイ層160上のトレースに対するはんだパッド132との間の接続を提供するための開口部152a~cを含むことができる。開口部152a~cは、導電性材料で充填することができる。開口部152a~cは、ビアとして機能することができる。
【0124】
トレースアレイ層160は、導電性トレース162a~d、166a~bを含むことができる(図12及び図13も参照)。トレース162a~d、166a~bは、約1マイクロメートル~約2マイクロメートルの厚さを有し得る。
【0125】
接着層170は、約25マイクロメートル以下の厚さを有することができ、好ましくは十分な接着性を維持するのに十分な最小厚さを有する。約12マイクロメートル~約13マイクロメートルの厚さが好ましい。構造支持体のための内側管(例えば、針又は金属シート)を欠く針アセンブリ実施形態では、針壁厚を欠くことにより、針アセンブリの全体的なサイズに影響を与えることなく他の層にとってのより多くの空間を設けることが可能となるため、接着層170をより厚くすることができる。接着層170は、アクリル接着剤を含むことができる。接着剤は、剥離紙上にコーティングされ得る。接着層170は、LF0100又は同様の生成物などのDupont Pyralux LFシート接着剤を含むことができる。
【0126】
基板層172は、約12マイクロメートル~約13マイクロメートルの厚さを有することができる。あるいは、中間電気絶縁層150は、本明細書に記載されるように、構造的及び電気的機能を達成するのに十分な厚さ及び/又は材料構造を有することができる。例えば、中間電気絶縁層は、現在市販されているように、約12.5マイクロメートル又は50マイクロメートルの厚さを有する電気絶縁性可撓性シートを含むことができる。基板層172は、アクリル接着剤を含むことができる。基板層は、ポリアミドフィルムを含むことができる。基板層172は、アクリル、ポリアミドフィルム、及び/又は他の絶縁性可撓性材料の複合材であり得る。基板層172は、LF7001などのDupont Pyralus LFカバーレイを含むことができる。
【0127】
図12は、パターン化層160上に電極136t及びトレース166aの一部を含む熱電対168aを含む可撓性回路120eの図である。トレース166aは、コンスタンタンを含み得る。トレース166aは、ビア152gを介して電極136tに接触することができる。そのように構成されると、熱電対接合部168aは、電極136tの厚さと中間絶縁層150の厚さ(例えば、約26マイクロメートル)の合計だけ組織のアブレーション表面から分離され得る。それにより、熱電対168aは、電極136tと直接接触し得る。
【0128】
トレースアレイ層160は、電極136s~vと同じ材料のトレース162a~cをさらに含むことができる。電極トレース162a~cは各々、それぞれのビア152d~fを介してそれぞれの電極136s~vと接触することができる。電極トレース162a~cのいくつか又は全ては各々、それぞれの電極136s~uへのアブレーション電流の経路を提供することができる。追加的又は代替的に、電極トレース162a~cの一部又は全部は、それぞれの電極136s~uからの電気信号測定のための経路を提供することができる。
【0129】
トレース162a~c、166aの各々は、それぞれのはんだパッド132に接続することができる。
【0130】
図13は、電極136w~zから電気的に絶縁された熱電対168bを含む可撓性回路120fの図である。熱電対168bは、トレースアレイ層160に制限され得る。熱電対168bは、コンスタンタントレース166b及び金トレース164を含むことができる。トレースアレイ層160は、ビア152h~iを通る電極136x~yに接触する電極トレース162d~eをさらに含むことができる。トレース162d~e、164、166bの各々は、それぞれのはんだパッド132に接続することができる。電極トレース162d~eのいくつか又は全ては各々、それぞれの電極136x~yへのアブレーション電流の経路を提供することができる。追加的又は代替的に、電極トレース162d~eの一部又は全部は、それぞれの電極136x~yからの電気信号測定のための経路を提供することができる。
【0131】
図11及び図12を集合的に参照すると、その中に一体化された熱電対168a~bを有する可撓性回路120e~fを含む針アセンブリ100、100a~eは、熱電対168a~bからの自動温度フィードバックを通して温度制御アブレーションを実行するように構成され得る。
【0132】
本明細書に示される可撓性回路120、120a~fのいずれも、アブレーションのために電流を提供するように構成された電極に加えて、診断目的のために電気信号を抽出するように構成された電極を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の診断電極は、各アブレーション電極に対して遠位方向及び/又は近位方向に位置決めされ得る。このようにして位置決めされ、診断電極は、提供されたデータに基づいて、各それぞれの診断電極が瘢痕組織又は活性化組織と接触しているかどうかを決定するように構成されたコンピューティングデバイスにデータを提供するように構成され得る。コンピューティングデバイスは、それぞれのアブレーション電極からの電流出力を制御して、活性化組織を標的とするようにさらに構成され得る。図12及び図13に示すように、熱電対接合部168a~bに近接する電極136t、136xは、アブレーションのために構成することができ、一方、アブレーション電極136t、136xのいずれかの側の電極136s、136u、136w、136yは、診断電極として構成され得る。
【0133】
熱電対168a~bは、電極136t、136×表面に関連して配置することができる。アブレーション電極136t、136xの均一な厚さ及び形状を仮定すると、熱電対168a~bを、表面全体の温度を表すために切除面の中心に配置することができる。追加的又は代替的に、熱電対168a~bは、境界温度を捕捉するために、電極136t、136xの縁に近接して配置され得る。複数の個人又は共有コンスタンタントレースへの短絡によって、複数のアブレーションゾーンを収容することができる。あるいは、コンスタンタントレースは、コンスタンタントレースの残りから電気的に絶縁され得る。いくつかの用途では、電極136tと電気的に接触する熱電対168aは、中間電気絶縁層150の厚さによってアブレーション電極136xから分離された絶縁された熱電対168bと比較して、改善された熱性能を有し得る。電極136xから絶縁された熱電対168bは、電極136tと電気的に接触している熱電対168aと比較して、信号ノイズを軽減することができる。
【0134】
熱電対168a~bは、針アセンブリ管腔106、146、176を通る流体流に対する熱伝導率と比較して、アブレーション電極136t、136xにより大きな熱伝導率を有することができる。
【0135】
図14は、本開示の教示による、アブレーション及び/又は診断ツールに使用可能な針102aの鋭利な端104aの図である。端104aは、ブレード縁を有することができる。端104aは電極136a~zから電気的に絶縁され得るため、構造が急であっても電流集中をもたらさない必要がある。同様に、診断ツールの針102bは、本開示の教示による尖端104bを含むことができる。
【0136】
図15は、針102cが当技術分野で知られているようなアブレーション電極として機能するアブレーション及び/又は診断ツールに使用可能な針102cの丸みを帯びた端104cの図である。端104cは、アブレーション中の電流集中及びホットスポットの影響を軽減するように丸みを帯びている。
【0137】
図16は、針アセンブリ100、外管48、近位管33、接合管45、スペーサ51、及び配線138を含む針電極アセンブリ46の断面図である。本明細書に図示及び他の方法で説明される針アセンブリ100a~eのいずれも、針アセンブリ100が図16の針電極アセンブリ46に関連して例示されるような針電極アセンブリの一部として固定することができる。
【0138】
針電極アセンブリ46は、長手方向軸10に沿って整列させることができる。スペーサ51は、体液が針電極アセンブリ46に侵入することを抑制することができる。可撓性回路120の一部は、外管48内に位置決めされ得る。可撓性回路120は、そうでなければ本明細書に記載及び例示される可撓性回路120a~fのいずれかとして構成され得る。可撓性回路120の電極セクション136は、針アセンブリ100による貫通時に電極が組織に入るように位置決めされるように、外管48の外部に固定することができる。ワイヤ138は、外管48を通って延在し得、治療中に医師又は他のユーザにアクセス可能であり得る。ワイヤ138は、RF発生器、他のアブレーションエネルギー源、電圧計、抵抗計、電流計、及び/又は他の電気的測定ツールに接続することができる。
【0139】
図17は、アブレーションツール又は診断ツールの図である。針アセンブリ100を含む針電極アセンブリ46は、カテーテル200に対して静止して固定された保護管又はシース47内に摺動可能に位置決めされ得る。針電極アセンブリ46は、針アセンブリ100の鋭利な端110がシース47内に後退されるように後退させることができる。鋭利な端110は、本明細書に別途記載かつ示される鋭利な端110a~dのいずれかとして構成され得る。カテーテル200は、針アセンブリ100、100a~eの管腔106、146、176と流体連通する注入管腔24を含むことができる。
【0140】
カテーテル200は、ナビゲーションセンサ70を含むことができる。ナビゲーションセンサ70は、カテーテル200の遠位端に近接してカテーテル200内に収容され得る。ナビゲーションセンサ70を使用して、カテーテル200の遠位端に対する針アセンブリ100の電極136a~zの動きを検出することができる。ナビゲーションセンサ70は、カテーテル200の遠位端の座標を判定するのにさらに使用され得る。ナビゲーションセンサ70は、センサケーブル72に接続することができる。センサケーブル72は、カテーテル200の管腔28を通って延在し得、電気測定ツールに接続され得る。
【0141】
カテーテル200は、先端電極32を含むことができる。先端電極32は、シース47が延在する通路56を含むことができる。先端電極32は、プラスチックハウジング34によって管19に接続することができる。先端電極32は、組織表面で電気信号を測定するように構成され得る。カテーテル200は、電気生理学を測定するように構成されたリング電極38をさらに含むことができる。先端電極32及びリング電極38はそれぞれ、個別のリード線40に接続され得る。ワイヤ40は、電気測定ツールに接続することができる。
【0142】
ナビゲーションセンサ70と電極32、38とを組み合わせることにより、医師又は他のユーザは、心室の輪郭又は形状、聴取の電気的活動、及びカテーテル200の変位の程度を同時にマッピングすることができる。
【0143】
図18は、アブレーションツール又は診断ツールを使用した治療の方法300を示すフロー図である。方法300は、特定の順序では提示されていない、以下の工程のうちの1つ以上を含み得る。例示的な方法300は、当業者によって認識及び理解される追加の工程を含み得る。例示的な方法は、本明細書に図示及び開示される針アセンブリ100、100a~e、その変形例、又は当業者によって認識され理解されるようなその変形例を含む診断及び/又はアブレーションツールの例を利用して、医師又は他のユーザが実行することができる。
【0144】
工程302では、被覆針アセンブリが治療部位に送達され得る。針アセンブリは、本明細書に図示及び開示されるような針アセンブリ100、100a~e、その変形例、又は当業者によって理解され理解されるようなその代替物であり得る。針アセンブリは、本明細書に例示及び開示されるようなカテーテル又はカテーテル200などの他のシース、その変形例、又は当業者によって理解され理解されるようなその代替物内に被覆され得る。
【0145】
工程304で、針アセンブリは、露出され得る。針アセンブリは、針アセンブリをカテーテル又は他のシースの遠位端の開口部から摺動させることによって、露出され得る。例えば、針アセンブリ100、100a~eは、本明細書に図示及び開示されるようにカテーテル200の開口部204から摺動することができ、それらの変形例、又は当業者によって認識及び理解されるようにそれらの代替物である。
【0146】
工程306で、シースに対する針アセンブリの動きを検出することができる。例えば、カテーテルは、本明細書に例示及び開示されるようなナビゲーションセンサ70などのナビゲーションセンサ、その変形例、又は当業者によって理解され理解されるようなその代替物を含むことができる。ナビゲーションセンサは、ナビゲーションセンサに対する針アセンブリの動きを検出するように構成され得る。針アセンブリは、ナビゲーションセンサに対して一次元のみで移動するように構成され得る。
【0147】
工程308で、心臓内又は心臓の周囲の組織は、針アセンブリでランセットで切開され得る。針アセンブリは、本明細書に示されかつ開示されるような鋭利な端110、110a~dなどの組織をランセットで切開するように成形された鋭利な端、それらの変形例、又は当業者によって認識及び理解されるようにそれらの代替物を含むことができる。
【0148】
工程310で、針アセンブリの鋭利な端から絶縁された1つ以上の電極を組織内に移動させることができる。
【0149】
工程312で、1つ以上の電極を使用して、組織をアブレーション及び/又は感知することができる。
【0150】
本明細書に含まれる記述は、本発明の実施形態の例であり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。本明細書に記載されるように、本発明は、代替数の電極、代替の電極の組み合わせ、別個の図に示される構成要素の組み合わせ、代替材料、代替的な構成要素の形状、及び代替の構成要素配置を含む、アブレーションツール及び診断ツールの多くの変形及び修正を企図する。本開示の教示に従って当業者に明らかな変形及び修正は、以下の特許請求の範囲内であることが意図される。
【0151】
〔実施の態様〕
(1) 血管内組織をランセットで切開するためのデバイスであって、前記デバイスが、
回路であって、長手方向軸の周りに配置され、前記回路の第1の端から前記回路の近位部分まで前記長手方向軸に沿って延在する管状形状を画定する外面を画定し、前記回路が、
電気絶縁性基板フィルムと、
前記基板フィルム上に配置され、導電性トレースを含むパターン化層と、
前記パターン化層上に配置され、内部を通る1つ以上のビアを含む電気絶縁性分離フィルムと、
前記分離フィルム上及び前記管状形状の前記外面上に配置された1つ以上の電極と、を備える、回路と、
前記管状形状の前記第1の端に近接して固定された鋭利な端と、を備える、デバイス。
(2) 前記鋭利な端が、前記1つ以上の電極から電気的に絶縁されている、実施態様1に記載のデバイス。
(3) 前記回路によって取り囲まれ、前記回路に固定された針をさらに備え、前記鋭利な端が、前記針の先端を含み、前記1つ以上の電極の各々が、前記針から電気的に絶縁されている、実施態様1に記載のデバイス。
(4) 前記回路は、前記回路の前記第1の端に近接する尖端を備え、
前記鋭利な端は前記尖端を備え、
前記管状形状が、血管内組織をランセットで切開するのに十分な柱状剛性を含む、実施態様1に記載のデバイス。
(5) 前記回路が、前記基板フィルムの下に金属シートをさらに備え、
前記金属シートが、前記回路の前記第1の端に近接する尖端を含み、
前記鋭利な端が、前記金属シートの前記尖端を備え、
前記金属シートが、前記管状形状の内面上に配置され、
前記管状形状が、前記金属シートを含み、
前記管状形状が、血管内組織をランセットで切開するのに十分な柱状剛性を含む、実施態様1に記載のデバイス。
【0152】
(6) 前記1つ以上の電極のうちの少なくとも1つが、前記管状形状を取り囲む金バンドをそれぞれ備える、実施態様1に記載のデバイス。
(7) 前記回路及び前記鋭利な端を取り囲むシースをさらに備え、前記回路及び前記鋭利な端が、前記シースからこれを通って前記鋭利な端を延在させるように摺動可能である、実施態様1に記載のデバイス。
(8) 前記回路が、ビアに位置決めされた熱電対接合部をさらに備え、
前記熱電対接合部が、前記導電性トレースの第1のトレースと接触している前記1つ以上の電極の第1の電極の一部を含み、
前記第1の電極が、金を含み、
前記第1のトレースが、コンスタンタンを含む、実施態様1に記載のデバイス。
(9) 前記回路が、前記パターン化層に存在する熱電対接合部をさらに備え、
前記熱電対接合部が、前記導電性トレースの第2のトレースの一部と、前記導電性トレースの第3のトレースの一部と、を含み、
前記第2のトレースの前記一部及び前記第3のトレースの前記一部が、電気的に接触している、実施態様1に記載のデバイス。
(10) 1つ以上の電極のうちの電極の動きを検出するように位置決めされたナビゲーションセンサをさらに備える、実施態様1に記載のデバイス。
【0153】
(11) 遠位端を備えるカテーテルと、
前記回路及び前記鋭利な端を備える針アセンブリであって、前記針アセンブリが、前記ナビゲーションセンサに対して一次元で並進可能であり、前記ナビゲーションセンサが、前記カテーテルの前記遠位端に近接して固定されている、針アセンブリと、をさらに備える、実施態様10に記載のデバイス。
(12) 前記1つ以上の電極が、複数の電極を備え、
前記複数の電極の前記電極の各々が、前記ビアのうちのそれぞれのビアを介して前記導電性トレースのそれぞれのトレースに電気的に接続され、電圧及び/又はインピーダンスを測定するように構成されており、
前記回路が、前記導電性トレースのうちのそれぞれの導電性トレースに各々電気的に接続されたはんだパッドを備える、いずれかの実施態様1に記載のデバイス。
(13) 前記複数の電極が、複数のリング電極を備え、
各リング電極が、前記回路の前記管状形状の周囲を囲み、
各リング電極が、前記鋭利な端から所定の距離だけ離間されており、
各リング電極が、前記外面において、前記複数の電極のうちの全ての他のリング電極から絶縁されている、実施態様12に記載のデバイス。
(14) システムであって、
回路であって、長手方向軸の周りに配置され、前記回路の第1の端から前記回路の近位部分まで前記長手方向軸に沿って延在する管状形状を画定する外面を画定し、前記回路が、
電気絶縁性基板フィルムと、
前記基板フィルム上に配置され、導電性トレースを含むパターン化層と、
前記パターン化層上に配置され、内部を通る1つ以上のビアを含む電気絶縁性分離フィルムと、
前記分離フィルム上及び前記管状形状の前記外面上に配置され、前記パターン化層上の導電性トレースに電気的に接続された複数の電極と、を備える、回路と、
前記管状形状の前記第1の端に近接して固定された鋭利な端と、
前記回路から遠位方向に延在するカテーテルと、
前記導電性トレースのそれぞれの導電性トレースに、それぞれが電気的にそれぞれ接続された導電性ワイヤであって、前記導電性ワイヤが、前記カテーテルを通って延在する、導電性ワイヤと、
前記導電性ワイヤのうちの少なくとも1つに電気的に接続された高周波発生器と、を備える、システム。
(15) 前記複数の電極の第1の部分に電気的に接続された電気測定ツールをさらに備え、
前記高周波発生器が、前記複数の電極の第2の部分に電気的に接続されている、実施態様14に記載のシステム。
【0154】
(16) 前記電気測定ツールが、電圧計、抵抗計、及び電流計のうちの1つ以上を含む、実施態様15に記載のシステム。
(17) 前記回路が、熱電対接合部をさらに備える、実施態様15に記載のシステム。
(18) 前記カテーテルの遠位端に近接して位置決めされたナビゲーションセンサをさらに備える、実施態様15に記載のシステム。
(19) 血管内治療の方法であって、
カテーテルを介して血管内に電極針アセンブリを送達することと、
前記電極針アセンブリを用いて心臓内又は心臓周囲の組織をランセットで切開することと、
前記電極針アセンブリの第2の電極を前記組織内の第1の深度よりも浅い第2の深度に移動させながら、前記電極針アセンブリの第1の電極を前記第1の深度に移動させることと、を含む、方法。
(20) 前記第1の電極及び前記第2の電極のうちの少なくとも1つに高周波電気信号を印加することをさらに含む、実施態様19に記載の方法。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
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【国際調査報告】