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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-06
(54)【発明の名称】不正開封防止容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/08 20060101AFI20230130BHJP
【FI】
B65D47/08 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533533
(86)(22)【出願日】2020-12-03
(85)【翻訳文提出日】2022-07-08
(86)【国際出願番号】 IB2020061456
(87)【国際公開番号】W WO2021111367
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】62/943,433
(32)【優先日】2019-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516301712
【氏名又は名称】ジーエスケイ コンシューマー ヘルスケア エスエイアールエル
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アセイ,ブラッドリー ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ベルナスコニ レコルトア,パオラ
(72)【発明者】
【氏名】ロズワドウスカ,マルゴルザタ ウルスズラ
(72)【発明者】
【氏名】サブヘルワル,アミット
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA24
3E084AA25
3E084AA26
3E084AB09
3E084BA03
3E084CA10
3E084CB02
3E084CC03
3E084CC04
3E084CC05
3E084DA10
3E084DB13
3E084DC03
3E084DC04
3E084DC05
3E084FC01
3E084GA08
3E084GB12
3E084KA12
3E084LA01
3E084LA18
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD01
(57)【要約】
本発明は、容器200と、キャップ300と、雌型構成要素304B、雄型構成要素304A、及びロッキング部材304Cを含む不正開封証拠機構304とを備える、不正開封防止容器100に関する。内容物を保持するための容器は、上部分203と、底部分201と、側壁部分202とを含み、キャップが容器の上部分に取り付けられている。キャップは、オリフィスを備えた内部分と、ヒンジ302を介して内部分に枢動式に接続された、不正開封防止容器を開閉するための蓋とを含む。キャップは、さらに、その前領域において、内容物を所望の領域に直接施与するためのスムーズな表面を有する傾斜した部分303を含む。内容物が容器内に充填された後、蓋は、最初に閉じられ、不正開封証拠機構は、雄型構成要素を対応する雌型構成要素内にロックすることによって固定され、このときロッキング部材は、雄型構成要素の上に設けられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不正開封防止容器であって、
上部分と、底部分と、側壁とを有する容器であって、前記上部分が内容物を保持することができる空洞を画定する、容器と、
前記容器の上に設けられたキャップであって、
前記空洞の上に設けられ、オリフィスを含む内面と、
前記内面を囲むように延び、少なくとも一つの不正開封証拠機構を有するネック部と、
前記キャップにヒンジを介して枢動式に接続され、閉位置と開位置との間で可動である蓋と、を備え、
前記不正開封証拠機構が、雄型構成要素と、雌型構成要素と、ロッキング部材とを含む、キャップと、を備える、不正開封防止容器。
【請求項2】
前記蓋は、前記蓋の前記内面から突出するプラグを備え、前記不正開封防止容器が前記閉位置にあるときに前記蓋が前記オリフィス内に嵌まって前記オリフィスをシールする、請求項1に記載の不正開封防止容器。
【請求項3】
前記プラグと前記オリフィスとの間の前記シールは、液密性であり、再シール可能である、請求項2に記載の不正開封防止容器。
【請求項4】
前記プラグは、前記不正開封証拠機構の前記雄型構成要素が前記不正開封証拠機構の対応する前記雌型構成要素と完全に係合する前に、前記オリフィスに入る、請求項2に記載の不正開封防止容器。
【請求項5】
前記キャップの前記ネック部は、前記キャップの前側に位置する傾斜した部分を含み、前記蓋は、前記傾斜した部分の上に延びる延長された部分を含み、前記キャップの前記蓋は、前記延長された部分の下方から押し上げることによって開かれ得る、請求項1に記載の不正開封防止容器。
【請求項6】
前記傾斜した部分は、軟質材料で作製され、水平軸に対して約35度から約90度の間の角度を有する、請求項1に記載の不正開封防止容器。
【請求項7】
前記傾斜した部分の前記軟質材料は、シリコン、LDPE、TPE、PE、ゴム又はPETを含む群から選択することができる、請求項6に記載の不正開封防止容器。
【請求項8】
前記容器は、前記キャップの前記ネック部上の両側に設けられた二つの不正開封証拠機構を含む、請求項1に記載の不正開封防止容器。
【請求項9】
前記不正開封証拠機構の前記雄型構成要素は、前記蓋のリム上に設けられる、請求項1に記載の不正開封防止容器。
【請求項10】
前記不正開封証拠機構の前記雌型構成要素は、前記キャップの前記ネック部上に設けられる、請求項1に記載の不正開封防止容器。
【請求項11】
前記ロッキング部材は、前記雌型構成要素上に設けられ、前記雌型構成要素の一方の端部から前記雌型構成要素の他方の端部まで水平方向に延びる、請求項1に記載の不正開封防止容器。
【請求項12】
前記ロッキング部材は、前記雌型構成要素の一方の端部において一つの接続点で接続され、前記雌型構成要素の他方の端部において二つの接続点で接続される、請求項10に記載の不正開封防止容器。
【請求項13】
オリフィスを含む内面と、
前記内面を囲むように延び、少なくとも一つの不正開封証拠機構を有するネック部と、
前記キャップにヒンジを介して枢動式に接続され、閉位置と開位置との間で可動である蓋とを備え、
前記不正開封証拠機構は、雄型構成要素と、雌型構成要素と、ロッキング部材とを含む、キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、内容物を貯蔵するための、操作が簡単な不正開封防止容器、及び効率的な不正開封証拠機構を備えた、容器に結合された新規のキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
製品の安全性及び効力を維持することは、特に製薬、健康管理、及びウエルネス産業において企業と消費者の両方にとって大きな関心事である。欠陥のある又は汚染された製品が使用された場合、消費者の健康はリスクにさらされ得る。また、不良又は有害な製品が消費者に販売された場合、企業は、巨額の収入減収を被り、消費者の信頼を失う。製薬及び健康管理企業は、それらの製品の完全性を保護するために、そのパッケージングに対して内容物の不正開封を防止するために積極的に取り組んでいる。
【0003】
これらの問題に対する一つの一般的な解決策は、製品の安全性を確実にするために不正開封防止パッケージングを利用することである。したがって、不正開封防止パッケージングは、過去数十年にわたって重要な研究分野となっている。いくつかのタイプの不正開封防止パッケージングの解決策は、市場において入手可能であるが、これらの解決策は、消費者が不正開封の製品と不正開封ではない製品との間を区別できるには不完全であることが多い。さらに、いくつかの不正開封防止パッケージングは、容器のすべての面からの不正開封を防止することに完全に効果的であるわけではない。さらに、いくつかの不正開封防止容器では、不正開封防止機構を含めることは、製品分注オリフィスの適切な閉鎖を妨げ、それによって貯蔵又は輸送中、オリフィスからの内容物の漏出又は汚染につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の問題により、効果的な不正開封証拠機構を有することが望ましく、この不正開封証拠機構はまた、破られた後でも不正開封防止機構が存在したことの視覚的確認を消費者に提供する。また、不正開封防止容器の開閉が容易であり、不正開封証拠機構がキャップの操作を妨げないことが、好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様は、不正開封防止容器であって、上部分と、底部分と、側壁とを有する容器であって、上部分は、内容物を保持することができる空洞を画定する、容器と、容器の上に設けられたキャップであって、空洞の上に設けられ、オリフィスを含む内面と、内面を囲むように延び、少なくとも一つの不正開封証拠機構を有するネック部と、キャップにヒンジを介して枢動式に接続され、閉位置と開位置との間で可動である蓋とを備え、不正開封証拠機構は、雄型構成要素と、雌型構成要素と、ロッキング部材とを備える、キャップと、を備える、不正開封防止容器を対象とする。本発明は、さらに、蓋の内面から突出するプラグを含み、プラグは、オリフィス内に嵌まってオリフィスをシールして、液密性で再シール可能なシールを提供する。さらに、本発明では、プラグは、不正開封証拠機構の雄型構成要素が不正開封証拠機構の対応する雌型構成要素との係合を完了する前に、オリフィスに入る。
【0006】
本発明の態様は、さらに、キャップの前側に位置する傾斜した部分を含むキャップのネック部と、傾斜した部分の上に延びる延長された部分を含む蓋とを対象とし、キャップの蓋は、延長された部分の下方から押し上げることによって開かれ得る。傾斜した部分は、軟質材料で作製され、水平軸に対して約35度から約90度の間の角度を有する。本発明によれば、傾斜した部分の軟質材料は、シリコン、LDPE、TPE、PE、ゴム又はPETを含む群から選択することができる。
【0007】
本発明の態様は、キャップのネック部上の両側に設けられた二つの不正開封証拠機構を対象とする。本発明の態様は、さらに、蓋のリム上に設けられた不正開封証拠機構の雄型構成要素と、キャップのネック部上に設けられた不正開封証拠機構の雌型構成要素とを対象とする。本発明の態様は、さらに、ロッキング部材を対象とし、ロッキング部材は、雌型構成要素上に設けられ、雌型構成要素の一方の端部から雌型構成要素の他方の端部まで水平方向に延びる。さらに、本発明では、ロッキング部材は、雌型構成要素の一方の端部において一つの接続点で接続され、雌型構成要素の他方の端部において二つの接続点で接続される。
【0008】
本発明の態様は、オリフィスを含む内面と、内面を囲むように延び、少なくとも一つの不正開封証拠機構を有するネック部と、ヒンジを介して枢動式にキャップに接続され、閉位置と開位置との間で可動である蓋とを備え、不正開封証拠機構は、雄型構成要素と、雌型構成要素と、ロッキング部材とを含む、キャップを対象とする。
【0009】
本発明の態様は、不正開封防止容器であって、上部分と、底部分と、側壁とを有する容器であって、上部分は内容物を保持することができる空洞を画定する、容器と、容器の上に設けられたキャップであって、空洞の上に設けられ、オリフィスを含む内面と、内面を囲むように延び、少なくとも一つの不正開封証拠機構を有するネック部と、キャップにヒンジを介して枢動式に接続され、閉位置と開位置との間で可動である、蓋とを備え、不正開封証拠機構は、雄型構成要素と、雌型構成要素と、ロッキング部材とを含み、キャップのネック部は、キャップの前側に位置する傾斜した部分を含み、蓋は、傾斜した部分の上に延びる延長された部分を含み、キャップの蓋は、延長された部分の下方から押し上げることによって開かれてもよく、傾斜した部分は、軟質の材料で作製され、水平軸に対して約35度から約90度の間の角度を有する、キャップと、を備える、不正開封防止容器を対象とする。
【0010】
本発明の態様は、不正開封防止容器であって、上部分と、底部分と、側壁とを有する容器であって、上部分は内容物を保持することができる空洞を画定する、容器と、容器上に設けられたキャップであって、空洞の上に設けられ、オリフィスを含む内面と、内面を囲むように延び、少なくとも一つの不正開封証拠機構を有するネック部と、キャップにヒンジを介して枢動式に接続され、閉位置と開位置との間で可動である、蓋とを備え、不正開封証拠機構は、雄型構成要素と、雌型構成要素と、ロッキング部材とを含み、キャップのネック部は、キャップの前側に位置する傾斜した部分を含み、蓋は、傾斜した部分の上に延びる延長された部分を含み、キャップの蓋は、延長された部分の下方から押し上げることによって開かれてもよく、傾斜した部分は、軟質の材料で作製され、水平軸に対して約35度から約90度の間の角度を有し、傾斜した部分の軟質材料は、シリコン、LDPE、TPE、PE、ゴム又はPETを含む群から選択することができる、キャップと、を備える、不正開封防止容器を対象とする。
【0011】
本発明の態様は、不正開封防止容器であって、上部分と、底部分と、側壁とを有する容器であって、上部分は内容物を保持することができる空洞を画定する、容器と、容器上に設けられたキャップであって、空洞の上に設けられ、オリフィスを含む内面と、内面を囲むように延び、少なくとも一つの不正開封証拠機構を有するネック部と、キャップにヒンジを介して枢動式に接続され、閉位置と開位置との間で可動である蓋とを備え、不正開封証拠機構は、雄型構成要素と、雌型構成要素と、ロッキング部材とを含み、ロッキング部材は、雌型構成要素上に設けられ、雌型構成要素の一方の端部から雌型構成要素の他方の端部まで水平方向に延び、ロッキング部材は、雌型構成要素の一方の端部において一つの接続点で接続され、雌型構成要素の他方の端部において二つの接続点で接続される、キャップと、を備える、不正開封防止容器を対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】閉位置にある本発明の一実施形態の斜視図である。
図2】閉位置にある本発明の一実施形態の分解図である。
図3】閉位置にある本発明の一実施形態の側面図である。
図4】開位置にある本発明の一実施形態の斜視図である。
図5】本発明の一実施形態の不正開封証拠機構の雌型構成要素の斜視図である。
図6】本発明の一実施形態の不正開封証拠機構の斜視図である。
図7図7A図7Dは、本発明の一実施形態の不正開封証拠機構を固定する例示的な方法の側面図である。
図8図8A図8Dは、本発明の一実施形態の不正開封証拠機構を固定する例示的な方法の断面図である。
図9】開位置にある本発明の一実施形態の上面図である。
図10図10A図10Dは、本発明の一実施形態を開く例示的な方法の斜視図である。
図11】本発明の一実施形態のキャップの斜視図である。
図12】破られた状態にある本発明の一実施形態の不正開封証拠機構の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の態様は、内容物を保持するための容器200と、キャップ300と、不正開封証拠機構304とを含む新規の不正開封防止容器100を対象とする。
【0014】
図1から12は、不正開封防止容器100の開発及び描写のために使用される製品図に基づき、本発明のさまざまな実施形態を表す。そのため、図は、本発明による、容器200と、キャップ300と、不正開封証拠機構304とを備える不正開封防止容器100の幾何学的形状の原寸に比例し、これを表す。
【0015】
図1~3は、閉位置にある本発明の例示的な不正開封防止容器100を示す。図2は、閉位置にある不正開封防止容器100の分解図を示す。不正開封防止容器100は、容器200と、キャップ300と、少なくとも一つの不正開封証拠機構304とを含む。容器200は、内容物が保持され得る容器100の内側空洞を画定する、底部分201、側壁202、および上部分203を含む。一実施形態では、容器100は、剛性であってもよく、側壁202は、その形状を維持してもよい。別の実施形態では、容器100は、可撓性であってもよく、側壁202は、圧迫されて内容物を容器100の外に移動させてもよい。容器200の上部分203は、直立した環状ネック206を含み、この環状ネックは、中空であり、内容物を通過させて容器200の外に出すための唯一の開口部としての役割を果たす。キャップ300は、容器200のネック206上に設けられて、空洞の開口部を閉じることができる。容器200の直径は、約25mmから約50mmの間であってもよい。好ましい実施形態では、容器の直径は、約40mmである。別の好ましい実施形態では、容器の直径は、約30mmである。キャップ300の直径は、約24mmから約50mmの間であってもよい。好ましい実施形態では、キャップの直径は、約39mmである。別の好ましい実施形態では、キャップの直径は、約29mmである。
【0016】
本発明は、一体的又は非一体的に形成された容器200及びキャップ300の組み合わせを通して形成され得る。キャップ300が容器200に一体的に接続される場合、キャップ300及び容器200は、ブロー成形材料で形成されてもよく、又は当業者に知られている方法を使用して射出成形されてもよい。キャップ300及び容器200が非一体的に接続される場合、これらは、たとえば雄ねじ又は雌ねじ上にねじ込まれ、摩擦嵌合され、スナップ嵌合され、又は当業者に知られている任意の他の適切な方法で容器200上に固定されることによって接続されてもよい。好ましい実施形態では、容器200及びキャップ300は、スナップ嵌合されることによって接続される。好ましい実施形態では、キャップ300は、容器が内容物によって充填された後又はその前に容器200に恒久的に定着され、それによって容器200及びキャップ300を接続されたシステムにする。
【0017】
図4は、開位置にある例示的な不正開封防止容器100を示す斜視図を示す。キャップ300は、一体品として成形されてもよく、実質的に円筒状のネック部301と、内面318と、蓋305とを含む。蓋305は、さらに、底面310と、側面208と、底面310から突起するプラグ312とを含む。ネック部301は、内面の周りに設けられ、内面318から下方に容器200に向かって延びる。蓋305の後端部が、ヒンジ302を介してキャップ300のネック部301に接続され、ヒンジ302を中心に枢動して不正開封防止容器100を開位置と閉位置との間で動作させる。好ましい実施形態では、内面318は、固定式であり、不正開封防止容器100の開閉中に動かない。蓋305は、さらに、蓋305の前端部において延長された部分307を含む。延長された部分307は、軟質材料からなることができ、ユーザが蓋を容易に快適に開閉することを可能にする。一実施形態では、延長された部分の材料は、シリコン、LDPE、TPE、PE、ゴム、PET、又は任意の他の適切な軟質の若しくはゴム引きされた材料であってもよい。別の実施形態では、延長された部分の材料は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリカーボネート、又はポリスチレンであってもよい。好ましい実施形態では、延長された部分22の材料は、TPEである。
【0018】
ネック部301は、キャップ300の前端部において傾斜した部分303を含む。傾斜した部分303は、キャップ300の前部からキャップ300の後端部に向かって内方向に傾斜する。延長された部分307は、傾斜した部分303の上部を覆って延びて、蓋305の便利でスムーズな片手による開閉を可能にする。一実施形態では、傾斜した部分303は、水平軸に対して約35度から約90度の間の角度を有する。好ましい実施形態では、傾斜した部分303は、水平軸に対して約45度の角度を有する。ユーザは、自らの親指又は他の指を傾斜した部分303上に置いて、延長された部分307を延長された部分307の下側から上方向に押すことができる。ユーザが自らの手又は指を使用して容器を開くことができない場合、延長された部分307の下方に別の物体又は表面の縁が置かれ、これを使用して、延長された部分307を押し上げて不正開封防止容器100を開くことができる。好ましい実施形態では、延長された部分307は、湾曲した形状を有するが、延長された部分307の形状は、限定されず、任意の適切な形状であることができる。一実施形態では、傾斜した部分の材料は、シリコン、LDPE、TPE、PE、ゴム、PET、又は任意の他の適切な軟質の若しくはゴム引きされた材料であってもよい。別の実施形態では、傾斜した部分の材料は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリカーボネート、又はポリスチレンであってもよい。好ましい実施形態では、傾斜した部分の材料は、ポリプロピレンである。
【0019】
キャップ300は、さらに、キャップ300の内面318上に設けられたオリフィス313を含み、このオリフィスによって、不正開封防止容器100が開位置にあるときに不正開封防止容器100から内容物を分注することができる。好ましい実施形態では、オリフィス313は、円形形状であるが、これは、不正開封防止容器100内に保持された内容物を分注するのに適した任意の形状であってもよい。オリフィス313の直径は、約2mmから約6mmの間であってもよい。好ましい実施形態では、オリフィス313の直径は、約4.2mmである。ユーザは、容器の側壁202を圧迫して内容物をオリフィス313の外に押し出すことができる。内容物がオリフィス313から分注されるとき、ユーザは、不正開封防止容器100を上下逆さまに返して、最初に自らの指に内容物をとる必要なく、所望の領域に内容物を直接施与することができる。傾斜した部分313からキャップ300の内面318までスムーズな移行が存在し、内容物を所望の領域に直接施与することを容易にする。したがって、傾斜した部分303は、塗布器としての役割を果たし、内容物を領域に直接施与するためのスムーズな表面をもたらす。さらに、傾斜した部分303の傾斜は、ユーザによる不正開封防止容器100の最小限の操縦で、到達が難しい領域に内容物を容易に直接施与することを可能にする。所望の領域への内容物のこうした直接施与は、施与の前のユーザの指による接触を回避することによって内容物の汚染を防止し、内容物の無駄を防止する。
【0020】
閉位置では、プラグ312は、蓋305の底面310から下方向に容器200に向かって延び、オリフィス313内に嵌まってしっかりとした気密シールを作り出して、内容物の汚染及び漏れを防止する。一実施形態では、不正開封防止容器100は、液密性であり、液密特性を維持するように再シール可能である。本明細書において、用語「再シール可能」は、不正開封防止容器100を何回も(たとえば6回以上)開き又は再度開き、閉じ又は再度閉じ、それでもその液密特性を維持することができることを意味する。本明細書では、用語「液密性」は、容器の湿気進入が約1500マイクログラム水/日未満であることを意味し、これは、次の試験方法によって決定される:(a)容器内に約1グラムのモレキュラーシーブを置き、重量を記録し、(b)再シール可能機構を閉じ、(c)シールされた容器を80%の相対湿度及び72°F(22.2℃)の状態で環境チャンバ内に置き、(d)一日後、モレキュラーシーブを含む容器を量り、(e)約2週間後、容器を量り、そして(f)得られた値から一日目のサンプルを引き、日数で割り、マイクログラム水/日の単位で容器の湿気進入を算出する。
【0021】
キャップ300は、さらに、キャップ300上に設けられた少なくとも一つの不正開封証拠機構304を備えて、ユーザが最初に不正開封防止容器100を開く前の内容物の不正開封を防止する。任意の適切な数の不正開封証拠機構304をキャップ300上に設けることができる。一実施形態では、一つの不正開封証拠機構304が存在する。好ましい実施形態では、二つの不正開封証拠機構304が、キャップ300周りの対向する側部にあるようにヒンジ302の両側に位置する。二つの不正開封証拠機構304は、蓋305が、不正開封の形跡を示すために二つの不正開封証拠機構304の少なくとも一つを破ることなくヒンジ302の両側又は延長された部分307から持ち上げられるか、又は開かれることを防止することによって、追加の保護の利益を提供する。好ましい実施形態では、不正開封証拠機構304のそれぞれは、同じ構造及び機能を有する。
【0022】
各不正開封証拠機構304は、雄型構成要素304Aと、対応する雌型構成要素304Bと、ロッキング部材304Cとを含む。雄型構成要素304Aは、蓋305の側面308のリム311上に設けられる。雄型構成要素24Aは、不正開封防止容器100が開位置にあるとき、蓋305の側面308のリム311から上方向に突起する。雄型構成要素304Aの形状は、任意の適切な形状であることができる。好ましい実施形態では、雄型構成要素304Aは、実質的に矩形の形状を有する。雄型構成要素304Aは、さらに、雄型構成要素204Aの上部分に、雄型構成要素304Aの他の部分から実質的に垂直方向に延びるリップ314を含む。
【0023】
雌型構成要素204Bは、キャップ300のネック部301のリム309上に設けられた凹部を含み、キャップ300のネック部301上に下方に延びる。好ましい実施形態では、雌型構成要素304Bは、実質的に矩形の形状であるが、本発明はこの形状に限定されず、雌型構成要素は、任意の適切な形状であることができる。不正開封証拠機構304は、さらに、ロッキング部材304Cを含む。ロッキング部材304Cは、任意の適切な形状及びサイズであることができる。好ましい実施形態では、ロッキング部材304Cは、バンドの形態であり、雌型構成要素304Bの一方の端部から他方の端部に水平方向に延び、それによって不正開封機構304の雌型構成要素の二つの端部を接続する。一実施形態では、ロッキング部材の長さは、約3mmから約8mmの間であってもよい。好ましい実施形態では、ロッキング部材の長さは、約6mmである。ロッキング部材304Cとキャップ300のネック部301との間に、空隙が存在する。
【0024】
図5は、本発明の不正開封証拠機構の例示的な雌型構成要素を示す。ロッキング部材304Cの各端部は、雌型構成要素304Bの端部に水平方向に接続される。ロッキング部材304Cは、一方の端部において、他方の端部と比較してより強い接続を有するように接続される。好ましい実施形態では、ロッキング部材304Cは、雌型構成要素304Bの一方の端部において単一の接続点317で接続され、雌型構成要素304Bの他方の端部において二つの接続点315及び316で接続される。ロッキング部材304Cは、単一の接続点を有する端部と比較して、二つの接続点を有する端部においてより強い接続を有する。したがって、蓋305が最初に開かれるとき、ロッキング部材304Cは、単一の接続点を有する端部でのみ予想通りに一貫して雌型構成要素304Bから切り離され、二つの接続点を有する対向する端部では取り付けられたままである。これにより、ユーザに対して開封前であるという明確な表示が提供され、その理由は、切断されたロッキング部材304Cは、蓋305が最初に開かれた後一方の端部に依然として取り付けられて、不正開封機構が存在し、破られたことの視覚的確認を提供しているためである。さらに、ロッキング部材304Cは、一方の端部に取り付けられたままであるため、不正開封防止容器100が開かれた後ロッキング部材304Cを破棄する必要はない。一実施形態では、ロッキング部材304Cは、一方の端部において三つの接続点で、他の端部において単一の接続点で接続されてもよい。別の実施形態では、ロッキング部材は、一方の端部において二つの接続点で、他方の端部において三つの接続点で接続されてもよい。本発明は、一方の端部における接続が反対側の端部における接続より強い限り、任意の組み合わせの接続を有することができる。
【0025】
図6は、本発明の不正開封防止容器100上に固定された例示的な不正開封証拠機構304の図である。不正開封防止容器100が、内容物によって充填された後に最初に閉じられると、不正開封証拠機構304は、不正開封防止容器100上に固定される。不正開封証拠機構304が取り付けられるとき、蓋305は、キャップ300の内面318上で閉位置に固定され、それによって容器200内に保持された内容物へのアクセスを防止する。不正開封防止機構304を固定するために、雄型構成要素304Aは、雌型構成要素304Bと係合し、雌型構成要素304Bの凹部内に着座し、このときロッキング部材304Cは、雄型構成要素304Aの上部の上に設けられている。ロッキング部材304Cの底部は、雄型304Aのリップ314の移動を抑えて、雄型構成要素304Aを所定の場所にロックし、保持する。この構成では、雄型構成要素304Aは、不正開封を示すために少なくとも一つの端部からロッキング部材304Cを切り離すことなく、雌型構成要素304Bから取り外すことはできない。不正開封証拠機構304は、蓋305が最初に開かれるまで無傷のままである。ユーザが蓋305を上方向に移動させて最初に不正開封防止容器100を開くとき、雄型構成要素304Bのリップ314は、ロッキング部材304Cを押しつけてロッキング部材304Cを一方の端部において係合解除させ、蓋305を持ち上げ、不正開封防止容器100を開くことを可能にする。
【0026】
図7Aから図7Dは、本発明上に不正開封証拠機構304を固定するプロセスを示す。内容物が容器内に充填された後、蓋305は最初に閉じられ、不正開封証拠機構が有効にされる。蓋305は、下方向に移動されて、キャップ300の内面上のオリフィス313を覆う。図7B及び7Cで分かるように、蓋305が下方向にヒンジ302を中心に枢動するとき、プラグ312は、オリフィス313に実質的に入ってオリフィス313をシールしてから、不正開封証拠機構304の雄型構成要素304Aは、対応する雌型構成要素304Bとの係合を完了する。図7Cで分かるように、プラグ312がオリフィス313内に入っている間、雄型構成要素304Aは、不正開封証拠機構304が所定の場所に固定されるまで、対応する雌型構成要素304B内の空隙に入り続ける。プラグ312がオリフィス313に完全に入ってオリフィス313をシールして初めて、雄型構成要素304Aは、対応する雌型構成要素304Bとの係合を完了する。
【0027】
図8A~8Dは、本発明による、キャップ300の蓋305を最初に閉じるプロセスの断面図を示す。図8A~8Dは、さらに、プラグ312がオリフィス313に入るプロセスを示す。さらに、蓋305が閉位置へと下方に移動されると、蓋305上に設けられた不正開封証拠機構304の雄型構成要素304Aは、雌型構成要素304Bと係合する。図8Cで分かるように、プラグ312がオリフィス313に実質的に入ってから、不正開封証拠機構304の係合は完了する。
【0028】
図9は、開位置にある本発明のキャップの上面図を示す。線10は、不正開封証拠機構304の中心点が、オリフィス313の中心と比較してヒンジ302により近いことを示す。したがって、この配置を有する典型的な容器では、不正開封証拠機構304は、プラグ312がオフィス313に完全に入る前に係合しロックする。しかし、プラグ312がオリフィス313に入る前に不正開封証拠機構304が所定の場所に係合しロックする場合、蓋305は、適切に閉じられず、所望通りにキャップ300の内面318に対して平坦にはならない。その代わり、蓋305とキャップ300の内面318との間に空隙が存在することがあり、それによって内容物がこぼれ、汚染され、有害な環境要因にさらされる。この問題に対処するために、本発明では、蓋305のリム311から突出する雄型構成要素304Aの長さは、キャップ300の内面318から突出するプラグ312の長さ未満であり、それによって不正開封証拠機構304の雄型構成要素304Aが対応する雌型構成要素304B内に完全にロックされる前に、プラグ312がオリフィス313に入ることを容易にする。一実施形態では、蓋305の内面310からプラグ312の端部までの突出長さは、約3mmから約7mmの間であってもよい。好ましい実施形態では、プラグの突出長さは、約5.51mmである。一実施形態では、蓋305の側面308のリム311から雄型構成要素304Aの端部までの長さは、約1.5mmから約3.5mmの間であってもよい。好ましい実施形態では、雄型構成要素204Aの長さは、約2.84mmである。好ましい実施形態では、雄型構成要素204Aの突出長さ対プラグの突出長さの比は、1:9である。ヒンジ302とオリフィス313の中心との距離は、約15mmから約23mmの間である。好ましい実施形態では、ヒンジ302とオリフィス313の中心との間の距離は、約18.55mmである。ヒンジ302と雌型構成要素304Bの中心との間の距離は、約10mmから約20mmの間である。好ましい実施形態では、ヒンジ302と雌型構成要素304Bの中心との間の距離は、約13.25mmである。
【0029】
図10Aから図10Dは、最初に不正開封防止容器100を開くプロセスを示す。図10Aで分かるように、ユーザが最初に不正開封防止容器100を目にすると、不正開封証拠機構304はキャップ300の両側で明らかに無傷であり、それによって内容物が容器200内に保持された状態で不正開封がなかったことを示している。ユーザが、延長された部分307の下側から延長された部分307を押し上げることによって蓋305を持ち上げ始めると、不正開封証拠機構304は、係合解除し始める。ユーザは、片手による返し動作で(flip motion)不正開封防止容器100を開くことができる。ユーザによって蓋305にかけられた力により、雄型構成要素304Aは、ロッキング部材304Cを押さえ付け、ロッキング部材304Cが一方の端部において破れるまでロッキング部材304C上に圧力を及ぼす。好ましい実施形態では、ロッキングバンド304Cは、単一の接続点を有する端部で破られ、二つの接続点を有する他方の端部では雌型構成要素304Bに接続されたままである。図10Dで分かるように、蓋305が開かれ、不正開封証拠機構304が破られた後、ロッキング部材304Cは、一方の端部で雌型構成要素304Bに取り付けられたままであり、それによって不正開封証拠機構304が破られたことの視覚的確認を提供する。したがって、内容物に事前にアクセスされていた場合、その後のユーザは、破られ、取り付けられたロッキング部材304Cによって明らかな視覚的標示を有することになる。好ましい実施形態では、二つの不正開封証拠機構304が、オリフィス313の両側に提供されて、一方又は両方の不正開封証拠機構304を破ることなく蓋305の周りの任意の点から蓋305を開くことを防止する。
【0030】
図11は、容器200から取り外された、開位置にある本発明のキャップ300を示す。蓋305が最初に開かれた後、不正開封証拠機構304のロッキング部材304Cは、雌型構成要素304Bに取り付けられたままである。ロッキング部材304Cは、より弱い接続、すなわち単一の接続点317を有する端部ではなく、より強い接続、すなわち二つの接続点315及び316を有する端部で雌型構成要素304Bに取り付けられたままである。好ましい実施形態では、より強い接続を有する端部は、ヒンジ302に最も近い雌型構成要素304Bの端部であってもよい。
【0031】
一実施形態では、不正開封証拠機構304、容器200、蓋305及びキャップ300のネック部301の材料は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリカーボネート、又はポリスチレンであってもよい。好ましい実施形態では、不正開封証拠機構304、容器200、蓋305及びキャップ300のネック部301の材料は、ポリプロピレンである。
【0032】
容器チューブ内に保持される内容物は、皮膚を洗浄し、疼痛緩和をもたらし、又は全般的な健康及びウエルネス上の利益をユーザに提供するために使用することができる任意の化合物又は組成物であってもよい。内容物の非限定的な例は、店頭販売(over the counter)の活性物質、薬局専用医薬品(behind the counter)の活性物質、処方箋が必要な活性物質、又はその任意の組み合わせを含む医薬品有効成分を含むことができる。
【0033】
本発明の一実施形態では、内容物は、さまざまな形態で入手可能であり、ゲル、ローション、クリーム、オイル、乳剤、軟膏、及び粉末を含む群から選択され得る。一実施形態では、容器内に保持された内容物は、ジクロフェナクナトリウムを含むクリーム又はゲルである。好ましい実施形態では、容器内に保持される内容物は、ジクロフェナクナトリウム、アンモニア、カルボマーホモポリマータイプC、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル(coco-caprylate/caprate)、イソプロピルアルコール、鉱油、ポリオキシル20セトステアリルエーテル、プロピレングレコール、及び水の組み合わせである。
【0034】
本発明の不正開封防止容器100は、それだけに限定されないが、エアレスポンプを含む任意のポンプ又はスプレーデバイスに適合可能であってもよい。
【0035】
例示的な実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな変更が加えられてもよく、等価物がその要素に対して置き換えられてもよいことが、当業者によって理解されよう。加えて、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、その発明の教示に特定の状況又は材料を適応させるために多くの改変形態が加えられてもよい。したがって、本発明が、開示する特定の実施形態に限定されず、付属の特許請求の範囲内に入るすべての実施形態含むことが、意図される。
図1
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【国際調査報告】