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特表2023-504788機械的耐久性が改善された、イオン交換可能なアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物
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  • 特表-機械的耐久性が改善された、イオン交換可能なアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物 図1
  • 特表-機械的耐久性が改善された、イオン交換可能なアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物 図2
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  • 特表-機械的耐久性が改善された、イオン交換可能なアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物 図4
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  • 特表-機械的耐久性が改善された、イオン交換可能なアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物 図7
  • 特表-機械的耐久性が改善された、イオン交換可能なアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物 図8
  • 特表-機械的耐久性が改善された、イオン交換可能なアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-07
(54)【発明の名称】機械的耐久性が改善された、イオン交換可能なアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物
(51)【国際特許分類】
   C03C 3/083 20060101AFI20230131BHJP
   C03C 3/087 20060101ALI20230131BHJP
   C03C 3/089 20060101ALI20230131BHJP
   C03C 3/091 20060101ALI20230131BHJP
   C03C 3/097 20060101ALI20230131BHJP
   C03C 21/00 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
C03C3/083
C03C3/087
C03C3/089
C03C3/091
C03C3/097
C03C21/00 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530919
(86)(22)【出願日】2020-11-23
(85)【翻訳文提出日】2022-07-25
(86)【国際出願番号】 US2020061814
(87)【国際公開番号】W WO2021108314
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】62/940,452
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/055,274
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ツイ,シュオ
(72)【発明者】
【氏名】グオ,シアオジュー
(72)【発明者】
【氏名】レッツィ,ピーター ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,ジエン
【テーマコード(参考)】
4G059
4G062
【Fターム(参考)】
4G059AA01
4G059AC16
4G059HB03
4G059HB13
4G059HB14
4G059HB23
4G062AA01
4G062BB01
4G062BB06
4G062CC10
4G062DA06
4G062DB04
4G062DC01
4G062DC02
4G062DC03
4G062DD01
4G062DD02
4G062DD03
4G062DE01
4G062DF01
4G062EA03
4G062EA04
4G062EB03
4G062EB04
4G062EC01
4G062EC02
4G062ED01
4G062ED02
4G062EE01
4G062EE02
4G062EE03
4G062EF01
4G062EG01
4G062FA01
4G062FA10
4G062FB01
4G062FC01
4G062FD01
4G062FE01
4G062FE02
4G062FF01
4G062FG01
4G062FH01
4G062FJ01
4G062FK01
4G062FL01
4G062GA01
4G062GA10
4G062GB01
4G062GC01
4G062GD01
4G062GE01
4G062HH01
4G062HH03
4G062HH05
4G062HH07
4G062HH09
4G062HH11
4G062HH12
4G062HH13
4G062HH15
4G062HH17
4G062HH20
4G062JJ01
4G062JJ03
4G062JJ05
4G062JJ07
4G062JJ10
4G062KK01
4G062KK03
4G062KK05
4G062KK07
4G062KK10
4G062MM12
4G062NN33
4G062NN34
(57)【要約】
ガラス組成物は、50.0モル%~70.0モル%のSiO;10.0モル%~25.0モル%のAl;0.0モル%~5.0モル%のP;0.0モル%~10.0モル%のB;5.0モル%~15.0モル%のLiO;1.0モル%~15.0モル%のNaO;及び、0.0モル%~1.0モル%のKOを含む。ガラス組成物中に存在するすべてのアルカリ酸化物の合計ROは、11.0モル%以上~23.0モル%以下の範囲にありうる。ガラス組成物中に存在するAlとROの合計は、26.0モル%以上~40.0モル%以下の範囲にありうる。ガラス組成物は、-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3の関係を満たすことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス系物品であって、
リチウムベースのアルミノケイ酸塩を含む組成物;
前記ガラス系物品の厚さ(t)を画成する第1及び第2の対向する表面であって、前記ガラス系物品の厚さが100μm以上かつ1000μm以下である、対向する表面;
180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って測定して100cm以上の破損高さ;並びに
6.0N以上かつ12.0N以下のヌープスクラッチ閾値
を含む、ガラス系物品。
【請求項2】
前記ガラス系物品の厚さが400μm以上かつ800μm以下である、請求項1に記載のガラス系物品。
【請求項3】
前記破損高さが、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って測定して150cm以上であり、かつ
前記ガラス系物品が、6.0N以上かつ12.0N以下のヌープスクラッチ閾値を有する、
請求項1又は請求項2に記載のガラス系物品。
【請求項4】
前記ガラス系物品が650℃以上かつ950℃以下の軟化点を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のガラス系物品。
【請求項5】
前記ガラス系物品が、シェブロンノッチ付きショートバー法で測定して、0.70以上のK1C破壊靭性を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のガラス系物品。
【請求項6】
前記ガラス系物品が、
50.0モル%以上かつ70.0モル%以下のSiO
10.0モル%以上かつ25.0モル%以下のAl
0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のP
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のB
5.0モル%以上かつ15.0モル%以下のLiO;
1.0モル%以上かつ15.0モル%以下のNaO;及び
0.0モル%以上かつ1.0モル%以下のK
を含む組成物を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のガラス系物品。
【請求項7】
Oが11.0モル%以上かつ23.0モル%以下であり(ROは前記ガラス系物品中に存在するアルカリ金属酸化物のモル%単位での合計である);
Al+ROが26.0モル%以上かつ40.0モル%以下であり;かつ
-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3である(ROは、前記ガラス系物品中に存在するアルカリ金属酸化物のモル%単位での合計である)、
請求項6に記載のガラス系物品。
【請求項8】
前記ガラス系物品が、強化されているガラス系物品であり、0.15t以上の圧縮深さを有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のガラス系物品。
【請求項9】
前記強化されているガラス系物品が20.0MPa以上の最大中央張力を有する、請求項8に記載のガラス系物品。
【請求項10】
前記強化されているガラス系物品が5.0μm以上の層深さを有する、請求項8又は請求項9に記載のガラス系物品。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、その各内容が依拠され、それらの全体がここに参照することによって本願に援用される、2020年07月22日出願の米国仮特許出願第63/055274号及び2019年11月26日出願の米国仮特許出願第62/940452号の米国法典第35編特許法119条に基づく優先権の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本明細書は、概して、イオン交換可能なガラス組成物に関し、より詳細には、機械的耐久性が改善されたイオン交換可能なアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
スマートフォン、タブレット、ポータブルメディアプレーヤー、パーソナルコンピュータ、及びカメラなどの携帯機器は、その携帯性に起因して、地面などの硬い表面への偶発的な落下に対して特に脆弱である。これらのデバイスには通常、硬い表面にぶつかると損傷する可能性があるカバーガラスが組み込まれている。これらのデバイスの多くでは、カバーガラスはディスプレイカバーとして機能し、タッチ機能が組み込まれている場合があることから、カバーガラスが損傷した場合にデバイスの使用に悪影響をもたらす可能性がある。
【0004】
また、携帯機器のカバーガラスとして用いられるガラスは、可能な限り薄くすることが所望される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、イオン交換などによって強化することができ、かつそれらを薄いガラス物品として形成可能にする機械的特性を有するガラスが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
態様A1によれば、ガラス組成物は、50.0モル%以上かつ70.0モル%以下のSiO;10.0モル%以上かつ25.0モル%以下のAl;0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のP;0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のB;5.0モル%以上かつ15.0モル%以下のLiO;1.0モル%以上かつ15.0モル%以下のNaO;並びに、0.0モル%以上かつ1.0モル%以下のKOを含み、ここで、ROは、11.0モル%以上~23.0モル%以下の範囲にあり(ROは、ガラス組成物中のアルカリ金属酸化物の合計である);Al+ROは、26.0モル%以上~40.0モル%以下の範囲にあり;かつ、-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3である(ROは、ガラス組成物中のアルカリ土類金属酸化物の合計である)。
【0007】
第2の態様A2は、ROが15.0モル%以上~19.0モル%以下の範囲にある、第1の態様A1によるガラス組成物を含む。
【0008】
第3の態様A3は、Al+ROが28.0モル%以上~36.0モル%以下の範囲にある、第1及び第2の態様A1-A2によるガラス組成物を含む。
【0009】
第4の態様A4は、0.0≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.1である、第1から第3の態様A1-A3のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0010】
第5の態様A5は、0.9≦Al/(RO+RO)≦1.1である、第1から第4の態様A1-A4のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0011】
第6の態様A6は、Al+RO+Bが32.0モル%以上である、第1から第5の態様A1-A5のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0012】
第7の態様A7は、(B+P+Al)/(SiO)≧0.20である、第1から第6の態様A1-A6のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0013】
第8の態様A8は、(B+P+Al)/(SiO)≧0.30である、第7の態様A7によるガラス組成物を含む。
【0014】
第9の態様A9は、(B+P+Al)/(SiO)≧0.40である、第8の態様A8によるガラス組成物を含む。
【0015】
第10の態様A10は、5.0モル%以下のMgOをさらに含む、第1から第9の態様A1-A9のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0016】
第11の態様A11は、0.0モル%~2.0モル%のTiOをさらに含む、第1から第10の態様A1-A10のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0017】
第12の態様A12は、0.0モル%~1.0モル%のSnOをさらに含む、第1から第11の態様A1-A11のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0018】
第13の態様A13は、Al*(10.832)+B*(10.334)+P*(-13.761)+LiO*(-3.135)+NaO*(-7.213)+KO*(-13.761)+MgO*(2.159)+CaO*(-4.518)+SrO*(-4.518)>100である、第1から第12の態様A1-A12のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0019】
第14の態様A14は、Al*(5.99)+B*(-3.85)+P*(-8.44)+Li2O*(8.65)+NaO*(-4.65)+KO*(-10.18)+MgO*(1.86)+CaO*(1.86)+SrO*(1.86)>100である、第1から第12の態様A1-A12のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0020】
第15の態様A15は、Al*(4.52)+BO*(-8.28)+P*(-1.73)+LiO*(-10.40)+NaO*(-7.65)+KO*(-10.52)+MgO*(-4.33)+CaO*(-6.61)+SrO*(-2.60)<-100である、第1から第12の態様A1-A12のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0021】
第16の態様A16は、ガラス組成物が2.20以上~2.60以下の範囲の密度を有する、第1から第15の態様A1-A15のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0022】
第17の態様A17は、ガラス組成物が5.0kP以上~175.0kP以下の範囲の液相線粘度を有する、第1から第16の態様A1-A16のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0023】
第18の態様A18は、ガラス組成物が650.0℃以上~950.0℃以下の範囲の軟化点を有する、第1から第17の態様A1-A17のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0024】
第19の態様A19は、ガラス組成物が750.0℃以上~925.0℃以下の範囲の軟化点を有する、第18の態様A18によるガラス組成物を含む。
【0025】
第20の態様A20は、ガラス組成物が790.0℃以上~910.0℃以下の範囲の軟化点を有する、第19の態様A19によるガラス組成物を含む。
【0026】
第21の態様A21は、ガラス組成物が900.0℃以下の軟化点を有する、第1から第17の態様A1-A17のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0027】
第22の態様A22は、ガラス組成物が875.0℃以下の軟化点を有する、第21の態様A21によるガラス組成物を含む。
【0028】
第23の態様A23は、ガラス組成物が860.0℃以下の軟化点を有する、第22の態様A22によるガラス組成物を含む。
【0029】
第24の態様A24は、ガラス組成物がシェブロンノッチ付きショートバー法で測定して0.70以上のK1C破壊靭性を有する、第1から第23の態様A1-A23のいずれかによるガラス組成物を有するガラス系物品を含む。
【0030】
第25の態様A25は、ガラス組成物が、シェブロンノッチ付きショートバー法で測定して0.73以上のK1C破壊靭性を有する、第24の態様A24によるガラス系物品を含む。
【0031】
第26の態様A26は、ガラス組成物が化学的に強化されており、450.0MPa以上の圧縮応力を有する、第1から第25の態様A1-A25のいずれかによるガラス組成物を有するガラス系物品を含む。
【0032】
第27の態様A27は、ガラス系物品が、KNOを含むイオン交換浴中で、350.0℃以上~500.0℃以下の温度で2時間以上~12時間以下の時間、化学的に強化されている、第26の態様A26によるガラス系物品を含む。
【0033】
第28の態様A28は、イオン交換浴がNaNOをさらに含む、第27の態様A27によるガラス系物品を含む。
【0034】
第29の態様A29は、強化されているガラス系物品が600MPa以上の圧縮応力を有する、第26から28の態様A26-A28のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0035】
第30の態様A30は、強化されているガラス系物品が20.0MPa以上の最大中央張力を有する、第26から第29の態様A26-A29のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0036】
第31の態様A31は、強化されているガラス系物品が60.0MPa以上の最大中央張力を有する、第30の態様A30によるガラス系物品を含む。
【0037】
第32の態様A32は、強化されているガラス系物品が0.15t以上の圧縮深さを有しており、tは強化されているガラス系物品の厚さである、第26から第31の態様A26-A31のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0038】
第33の態様A33は、強化されているガラス系物品が0.18t以上の圧縮深さを有する、第32の態様A32によるガラス系物品を含む。
【0039】
第34の態様A34は、強化されているガラス系物品が5.0μm以上の層深さを有する、第26から第33の態様A26-A33のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0040】
第35の態様A35は、強化されているガラス系物品が10.0μm以上の層深さを有する、第34の態様A34によるガラス系物品を含む。
【0041】
第36の態様A36は、強化されているガラス系物品が、600.0MPa以上の圧縮応力、20.0MPa以上の最大中央張力、0.15t以上の圧縮深さ(tは強化されているガラス系物品の厚さである)、及び5.0μm以上の層深さを有する、第26から第28の態様A26-A28のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0042】
第37の態様A37は、強化されているガラスが、60.0MPa以上の最大中央張力、0.18t以上の圧縮深さ、及び10.0μm以上の層深さを有する、第36の態様A36によるガラス系物品を含む。
【0043】
第38の態様A38は、強化されているガラス系物品が6.0N以上~12.0N以下の範囲のヌープスクラッチ閾値を有する、第26から第37の態様A26-A37のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0044】
第39の態様A39は、強化されているガラス系物品が9.0N以上のヌープスクラッチ閾値を有する、第26から第37の態様A26-A37のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0045】
第40の態様A40は、強化されているガラス系物品が、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.5mmの厚さを有するガラス系物品上で測定して、100.0cm以上の破損高さを有する、第26から第39の態様A26-A39のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0046】
第41の態様A41は、強化されているガラス系物品が120.0cm以上の破損高さを有する、第40の態様A40によるガラス系物品を含む。
【0047】
第42の態様A42は、強化されているガラス系物品が150.0cm以上の破損高さを有する、第41の態様A41によるガラス系物品を含む。
【0048】
第43の態様A43は、強化されているガラス系物品が、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.6mmの厚さを有するガラス系物品上で測定して、150.0cm以上の破損高さを有する、第26から第39の態様A26-A39のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0049】
第44の態様A44は、強化されているガラス系物品が180.0cm以上の破損高さを有する、第43の態様A43によるガラス系物品を含む。
【0050】
第45の態様A45は、強化されているガラス系物品が200.0cm以上の破損高さを有する、第44の態様A44によるガラス系物品を含む。
【0051】
第46の態様A46は、強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で80グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、150.0Mpa以上の残留強度を有する、第26から第45の態様A26-A45のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0052】
第47の態様A47は、強化されているガラス系物品が175.0MPa以上の残留強度を有する、第46の態様A46によるガラス系物品を含む。
【0053】
第48の態様A48は、強化されているガラス系物品が200.0MPa以上の残留強度を有する、第47の態様A47によるガラス系物品を含む。
【0054】
第49の態様A49は、強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で120グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、175.0Mpa以上の残留強度を有する、第26から第45の態様A26-A45のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0055】
第50の態様A50は、強化されているガラス系物品が200.0MPa以上の残留強度を有する、第49の態様A49によるガラス系物品を含む。
【0056】
第51の態様A51は、強化されているガラス系物品が225.0MPa以上の残留強度を有する、第50の態様A50によるガラス系物品を含む。
【0057】
第52の態様A52は、強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で180グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、200.0Mpa以上の残留強度を有する、第26から第45の態様A26-A45のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0058】
第53の態様A53は、強化されているガラス系物品が220.0MPa以上の残留強度を有する、第52の態様A52によるガラス系物品を含む。
【0059】
第54の態様A54は、強化されているガラス系物品が250.0MPa以上の残留強度を有する第53の態様A53によるガラス系物品を含む。
【0060】
第55の態様A55は、前面、背面、及び側面を有する筐体;少なくとも部分的に筐体内に設けられた電気部品であって、該電気部品が少なくともコントローラ、メモリ、及びディスプレイを備えており、該ディスプレイが筐体の前面又はそれに隣接して設けられている、電気部品;を含む、消費者向け電子デバイスを含み、第1から第54の態様A1-A54のいずれかによるガラス組成物又はガラス系物品が、ディスプレイの上に配置されるか、筐体の一部を形成するか、又はディスプレイの上に配置され、かつ筐体の一部を形成する。
【0061】
第56の態様A56によれば、ガラス組成物は、55.0モル%以上かつ65.0モル%以下のSiO;14.0モル%以上かつ20.0モル%以下のAl;0.0モル%以上かつ3.0モル%以下のP;1.0モル%以上かつ7.0モル%以下のB;5.0モル%以上かつ10.0モル%以下のLiO;5.0モル%以上かつ10.0モル%以下のNaO;及び、0.0モル%以上かつ1.0モル%以下のKOを含むことができ、ここで、ROは13.0モル%以上~20.0モル%以下の範囲にあり(ROはガラス組成物中のアルカリ金属酸化物の合計である);Al+ROは、28.0モル%以上~40.0モル%以下の範囲にあり;かつ、-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3である(ROは、ガラス組成物中のアルカリ土類金属酸化物の合計である)。
【0062】
第57の態様A57は、ROが15.0モル%以上~18.0モル%以下の範囲にある、第56の態様A56によるガラス組成物を含む。
【0063】
第58の態様A58は、Al+ROが32.0モル%以上~36.0モル%以下の範囲にある、第56の態様A56又は第57の態様A57によるガラス組成物を含む。
【0064】
第59の態様A59は、0.0≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.1である、第56から第58の態様A56-A58のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0065】
第60の態様A60は、0.9≦Al/(RO+RO)≦1.1である、第56から第59の態様A56-A59のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0066】
第61の態様A61は、Al+RO+Bが32.0モル%以上である、第56から第60の態様A56-A60のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0067】
第A62の態様A62は、(B+P+Al)/(SiO)≧0.20である、第56から第61の態様A56-A61のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0068】
第63の態様A63は、(B+P+Al)/(SiO)≧0.30である、第62の態様A62によるガラス組成物を含む。
【0069】
第64の態様A64は、(B+P+Al)/(SiO)≧0.40である、第63の態様A63によるガラス組成物を含む。
【0070】
第65の態様A65は、3.0モル%以下のMgOをさらに含む、第56から第64の態様A56-A64のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0071】
第66の態様A66は、0.0モル%~1.0モル%のTiOをさらに含む、第56から第65の態様A56-A65のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0072】
第67の態様A67は、0.0モル%~1.0モル%のSnOをさらに含む、第56から第66の態様A56-A66のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0073】
第68の態様A68は、Al*(10.832)+B*(10.334)+P*(-13.761)+LiO*(-3.135)+NaO*(-7.213)+KO*(-13.761)+MgO*(2.159)+CaO*(-4.518)+SrO*(-4.518)>100である、第56から第67の態様A56-A67のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0074】
第69の態様A69は、Al*(5.99)+B*(-3.85)+P*(-8.44)+Li2O*(8.65)+NaO*(-4.65)+KO*(-10.18)+MgO*(1.86)+CaO*(1.86)+SrO*(1.86)>100である、第56から第67の態様A56-A67のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0075】
第70の態様A70は、Al*(4.52)+BO*(-8.28)+P*(-1.73)+LiO*(-10.40)+NaO*(-7.65)+KO*(-10.52)+MgO*(-4.33)+CaO*(-6.61)+SrO*(-2.60)<-100である、第56から第67の態様A56-A67のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0076】
第71の態様A71は、ガラス組成物が2.20以上~2.60以下の範囲の密度を有する、第56から第70の態様A56-A70のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0077】
第72の態様A72は、ガラス組成物が5.0kP以上~150.0kP以下の範囲の液相線粘度を有する、第56から第71の態様A56-A71のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0078】
第73の態様A73は、ガラス組成物が、650.0℃以上~950.0℃以下の範囲の軟化点を有する、第56から第72の態様A56-A72のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0079】
第74の態様A74は、ガラス組成物が、750.0℃以上~925.0℃以下の範囲の軟化点を有する、第73の態様A73によるガラス組成物を含む。
【0080】
第75の態様A75は、ガラス組成物が、790.0℃以上~910.0℃以下の範囲の軟化点を有する、第74の態様A74によるガラス組成物を含む。
【0081】
第76の態様A76は、ガラス組成物が900.0℃以下の軟化点を有する、第56から第72の態様A56-A72のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0082】
第77の態様A77は、ガラス組成物が875.0℃以下の軟化点を有する、第76の態様A76によるガラス組成物を含む。
【0083】
第78の態様A78は、ガラス組成物が860.0℃以下の軟化点を有する、第77の態様A77によるガラス組成物を含む。
【0084】
第79の態様A79は、ガラス系物品が、シェブロンノッチ付きショートバー法で測定して、0.70以上のK1C破壊靭性を有する、第56から第78の態様A56-A78のいずれかによるガラス組成物を有するガラス系物品を含む。
【0085】
第80の態様A80は、ガラス組成物が、シェブロンノッチ付きショートバー法で測定して、0.73以上のK1C破壊靭性を有する、第79の態様A79によるガラス系物品を含む。
【0086】
第81の態様A81は、ガラス組成物が化学的に強化されており、450.0MPa以上の圧縮応力を有する、第56から第78の態様A56-A78のいずれかによるガラス組成物を有するガラス系物品を含む。
【0087】
第82の態様A82は、ガラス系物品が、KNOを含むイオン交換浴中で、350.0℃以上~500.0℃以下の温度で2時間以上~12時間以下の時間、化学的に強化されている、第81の態様A81によるガラス系物品を含む。
【0088】
第83の態様A83は、イオン交換浴がNaNOをさらに含む、第82の態様A82によるガラス系物品を含む。
【0089】
第84の態様A84は、強化されているガラス系物品が600.0MPa以上の圧縮応力を有する、第81から第83の態様A81-A83のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0090】
第85の態様A85は、強化されているガラス系物品が20.0MPa以上の最大中央張力を有する、第81から第84の態様A81-A84のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0091】
第86の態様A86は、強化されているガラス系物品が60.0MPa以上の最大中央張力を有する、第85の態様A85によるガラス系物品を含む。
【0092】
第87の態様A87は、強化されているガラス系物品が0.15t以上の圧縮深さを有しており、tは強化されているガラス系物品の厚さである、第81から第86の態様A81-A86のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0093】
第88の態様A88は、強化されているガラス系物品が0.18t以上の圧縮深さを有する、第87の態様A87によるガラス系物品を含む。
【0094】
第89の態様A89は、強化されているガラス系物品が5.0μm以上の層深さを有する、第81から第88の態様A81-A88のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0095】
第90の態様A90は、強化されているガラス系物品が10.0μm以上の層深さを有する、第89の態様A89によるガラス系物品を含む。
【0096】
第91の態様A91は、強化されているガラス系物品が、600.0MPa以上の圧縮応力、20.0MPa以上の最大中央張力、0.15t以上の圧縮深さ(tは強化されているガラス系物品の厚さである)、及び5.0μm以上の層深さを有する、第81から第83の態様A81-A83のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0097】
第92の態様A92は、強化されているガラスが、60.0MPa以上の最大中央張力、0.18t以上の圧縮深さ、及び10.0μm以上の層深さを有する、第91の態様A91によるガラス系物品を含む。
【0098】
第93の態様A93は、強化されているガラス系物品が6.0N以上~12.0N以下の範囲のヌープスクラッチ閾値を有する、第81から第92の態様A81-A92のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0099】
第94の態様A94は、強化されているガラス系物品が9.0N以上のヌープスクラッチ閾値を有する、第81から第92の態様A81-A92のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0100】
第95の態様A95は、強化されているガラス系物品が、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.5mmの厚さを有するガラス系物品上で測定して、100.0cm以上の破損高さを有する、第81から第94の態様A81-A94のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0101】
第96の態様A96は、強化されているガラス系物品が120.0cm以上の破損高さを有する、第95の態様A95によるガラス系物品を含む。
【0102】
第97の態様A97は、強化されているガラス系物品が150.0cm以上の破損高さを有する、第96の態様A96によるガラス系物品を含む。
【0103】
第98の態様A98は、強化されているガラス系物品が、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.6mmの厚さを有するガラス系物品上で測定して、150.0cm以上の破損高さを有する、第81から第94の態様A81-A94のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0104】
第99の態様A99は、強化されているガラス系物品が180.0cm以上の破損高さを有する、第98の態様A98によるガラス系物品を含む。
【0105】
第100の態様A100は、強化されているガラス系物品が200.0cm以上の破損高さを有する、第99の態様A99によるガラス系物品を含む。
【0106】
強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で80グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、150.0MPa以上の残留強度を有する、第81から第100の態様A81-A100のいずれかによる第101の態様A101。
【0107】
第102の態様A102は、強化されているガラス系物品が175.0MPa以上の残留強度を有する、第101の態様A101によるガラス系物品を含む。
【0108】
第103の態様A103は、強化されているガラス系物品が200.0MPa以上の残留強度を有する、第102の態様A102によるガラス組成物を含む。
【0109】
第104の態様A104は、強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で120グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、175.0MPa以上の残留強度を有する、第81から第100の態様A81-A100のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0110】
第105の態様A105は、強化されているガラス系物品が200.0MPa以上の残留強度を有する、第104の態様A104によるガラス系物品を含む。
【0111】
第106の態様A106は、強化されているガラス系物品が225.0MPa以上の残留強度を有する、第105の態様A105によるガラス系物品を含む。
【0112】
第107の態様A107は、強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で180グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、200.0MPa以上の残留強度を有する、第81から第100の態様A81-A100のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0113】
第108の態様A108は、強化されているガラス系物品が220.0MPa以上の残留強度を有する、第107の態様A107によるガラス系物品を含む。
【0114】
第109の態様A109は、強化されているガラス系物品が250.0MPa以上の残留強度を有する、第108の態様A108によるガラス系物品を含む。
【0115】
前面、背面、及び側面を有する筐体;少なくとも部分的に筐体内に設けられた電気部品であって、該電気部品が少なくともコントローラ、メモリ、及びディスプレイを備えており、該ディスプレイが筐体の前面又はそれに隣接して設けられている、電気部品を含む、消費者向け電子デバイスを含み、かつ、第56から第109の態様A56-A109のいずれかのガラス組成物又はガラス系物品が、ディスプレイの上に配置されるか、筐体の一部を形成するか、又はディスプレイの上に配置され、かつ筐体の一部を形成する、第110の態様A110。
【0116】
第111の態様A111であって、ガラス組成物が、55.0モル%以上かつ63.0モル%以下のSiO;15.0モル%以上かつ19.0モル%以下のAl;0.5モル%以上かつ2.5モル%以下のP;2.0モル%以上かつ6.0モル%以下のB;6.0モル%以上かつ10.0モル%以下のLiO;6.0モル%以上かつ10.0モル%以下のNaO;及び0.0モル%以上かつ0.5モル%以下のKOを含むことができ、ここで、ROは15.0モル%以上~20.0モル%以下の範囲にあり(ROはガラス組成物中のアルカリ金属酸化物の合計である);Al+ROは30.0モル%以上~38.0モル%以下の範囲にあり;かつ、-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3である(ROはガラス組成物中のアルカリ土類金属酸化物の合計である)。
【0117】
第112の態様A112は、ROが15.0モル%以上~17.0モル%以下の範囲にある、第111の態様A111によるガラス組成物を含む。
【0118】
第113の態様A113は、Al+ROが32.0モル%以上~36.0モル%以下の範囲にある、第111の態様A111又は第112の態様A112によるガラス組成物を含む。
【0119】
第114の態様A114は、0.0≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.1である、第111から第113の態様A111-A113のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0120】
第115の態様A115は、0.9≦Al/(RO+RO)≦1.1である、第111から第114の態様A111-A114のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0121】
第116の態様A116は、Al+RO+Bが32.0モル%以上である、第111から第115の態様A111-A115のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0122】
第117の態様A117は、(B+P+Al)/(SiO)≧0.20である、第111から第116の態様A111-A116のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0123】
第118の態様A118は、(B+P+Al)/(SiO)≧0.30である、第117の態様A117によるガラス組成物を含む。
【0124】
第119の態様A119は、(B+P+Al)/(SiO)≧0.40である、第118の態様A118によるガラス組成物を含む。
【0125】
第120の態様A120は、2.0モル%以下のMgOをさらに含む、第111から第119の態様A111-A119のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0126】
第121の態様A121は、0.0モル%~1.0モル%のTiOをさらに含む、第111から第120の態様A111-A120のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0127】
第122の態様A122は、0.0モル%~1.0モル%のSnOをさらに含む、第111から第121の態様A111-A121のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0128】
第123の態様A123は、Al*(10.832)+B*(10.334)+P*(-13.761)+LiO*(-3.135)+NaO*(-7.213)+KO*(-13.761)+MgO*(2.159)+CaO*(-4.518)+SrO*(-4.518)>100である、第111から第122の態様A111-A122のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0129】
第124の態様A124は、Al*(5.99)+B*(-3.85)+P*(-8.44)+Li2O*(8.65)+NaO*(-4.65)+KO*(-10.18)+MgO*(1.86)+CaO*(1.86)+SrO*(1.86)>100である、第111から第122の態様A111-A122のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0130】
第125の態様A125は、Al*(4.52)+BO*(-8.28)+P*(-1.73)+LiO*(-10.40)+NaO*(-7.65)+KO*(-10.52)+MgO*(-4.33)+CaO*(-6.61)+SrO*(-2.60)<-100である、第111から第122の態様A111-A122のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0131】
第126の態様A126は、ガラス組成物が2.20以上~2.60以下の範囲の密度を有する、第111から第125の態様A111-A125のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0132】
第127の態様A127は、ガラス組成物が5.0kP以上~175.0kP以下の範囲の液相線粘度を有する、第111から第126の態様A111-A126のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0133】
第128の態様A128は、ガラス組成物が650.0℃以上~950.0℃以下の範囲の軟化点を有する、第111から第127の態様A111-A127のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0134】
第129の態様A129は、ガラス組成物が750.0℃以上~925.0℃以下の範囲の軟化点を有する、第128の態様A128によるガラス組成物を含む。
【0135】
第130の態様A130は、ガラス組成物が790.0℃以上~910.0℃以下の範囲の軟化点を有する、第129の態様A129によるガラス組成物を含む。
【0136】
第131の態様A131は、ガラス組成物が、900.0℃以下の軟化点を有する、第111から第127の態様A111-A127のいずれかによるガラス組成物を含む。
【0137】
第132の態様A132は、ガラス組成物が875.0℃以下の軟化点を有する、第131の態様A131によるガラス組成物を含む。
【0138】
第133の態様A133は、ガラス組成物が860.0℃以下の軟化点を有する、第132の態様A132によるガラス組成物を含む。
【0139】
第134の態様A134は、ガラス組成物が、シェブロンノッチ付きショートバー法で測定して、0.70MPa.m1/2以上のK1C破壊靭性を有する、第111から第133の態様A111-A133のいずれかによるガラス組成物を有するガラス系物品を含む。
【0140】
第135の態様A135は、ガラス組成物が、シェブロンノッチ付きショートバー法で測定して、0.73MPa.m1/2以上のK1C破壊靭性を有する、第134の態様A134によるガラス系物品を含む。
【0141】
第136の態様A136は、ガラス組成物が化学的に強化されており、450.0MPa以上の圧縮応力を有する、第111から第133の態様A111-A133のいずれかによるガラス組成物を有するガラス系物品を含む。
【0142】
第137の態様A137は、ガラス系物品が、KNOを含むイオン交換浴中で、350.0℃以上~500.0℃以下の温度で2時間以上~12時間以下の時間、化学的に強化されている、第136の態様A136によるガラス系物品を含む。
【0143】
第138の態様A138は、イオン交換浴がNaNOをさらに含む、第137の態様A137によるガラス系物品を含む。
【0144】
第139の態様A139によれば、強化されているガラス系物品が600.0MPa以上の圧縮応力を有する、第136から第138の態様A136-A138のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0145】
第140の態様A140は、強化されているガラス系物品が20.0MPa以上の最大中央張力を有する、第136から第139の態様A136-A139のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0146】
第141の態様A141は、強化されているガラス系物品が60.0MPa以上の最大中央張力を有する、第140の態様A140によるガラス系物品を含む。
【0147】
第142の態様A142は、強化されているガラス系物品が0.15t以上の圧縮深さを有しており、tは強化されているガラス系物品の厚さである、第136から第141の態様A136-A141のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0148】
第143の態様A143は、強化されているガラス系物品が0.18t以上の圧縮深さを有する、第142の態様A142によるガラス系物品を含む。
【0149】
第144の態様A144は、強化されているガラス系物品が5.0μm以上の層深さを有する、第136から第143の態様A136-A143のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0150】
第145の態様A145は、強化されているガラス系物品が10.0μm以上の層深さを有する、第144の態様A144によるガラス系物品を含む。
【0151】
第146の態様A146は、強化されているガラスが、600.0MPa以上の圧縮応力、20.0MPa以上の最大中央張力、0.15t以上の圧縮深さ(tは強化されているガラス系物品の厚さである)、及び5.0μm以上の層深さを有する、第136から第138の態様A136-A138のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0152】
第147の態様A147は、強化されているガラスが、60.0MPa以上の最大中央張力、0.18t以上の圧縮深さ、及び10.0μm以上の層深さを有する、第146の態様A146によるガラス系物品を含む。
【0153】
第148の態様A148は、強化されているガラス系物品が6.0N以上~12.0N以下の範囲のヌープスクラッチ閾値を有する、第136から第147の態様A136-A147のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0154】
第149の態様A149は、強化されているガラス系物品が9.0N以上のヌープスクラッチ閾値を有する、第136から第147の態様A136-A147のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0155】
第150の態様A150は、強化されているガラス系物品が、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.5mmの厚さを有する物品について測定して、100.0cm以上の破損高さを有する、第136から第149の態様A136-A149のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0156】
第151の態様A151は、強化されているガラス系物品が120.0cm以上の破損高さを有する、第150の態様A150によるガラス系物品を含む。
【0157】
第152の態様A152は、強化されているガラス系物品が150.0cm以上の破損高さを有する、第151の態様A151によるガラス系物品を含む。
【0158】
第153の態様A153は、強化されているガラス系物品が、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.6mmの厚さを有する物品について測定して、150.0cm以上の破損高さを有する、第136から第149の態様A136-A149のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0159】
第154の態様A154は、強化されているガラス系物品が180.0cm以上の破損高さを有する、第153の態様A153によるガラス系物品を含む。
【0160】
第155の態様A155は、強化されているガラス系物品が200.0cm以上の破損高さを有する、第154の態様A154によるガラス系物品を含む。
【0161】
第156の態様A156は、強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で80グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、150.0MPa以上の残留強度を有する、第136から第155の態様A136-A155のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0162】
第157の態様A157は、強化されているガラス系物品が175.0MPa以上の残留強度を有する、第156の態様A156によるガラス系物品を含む。
【0163】
第158の態様A158は、強化されているガラス系物品が200.0MPa以上の残留強度を有する、第157の態様A157によるガラス組成物を含む。
【0164】
第159の態様A159は、強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で120グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、175.0MPa以上の残留強度を有する、第136から第155の態様A136-A155のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0165】
第160の態様A160は、強化されているガラス系物品が200.0MPa以上の残留強度を有する、第159の態様A159によるガラス系物品を含む。
【0166】
第161の態様A161は、強化されているガラス系物品が225.0MPa以上の残留強度を有する、第160の態様A160によるガラス系物品を含む。
【0167】
第162の態様A162は、強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で180グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、200.0MPa以上の残留強度を有する、第136から第155の態様A136-A155のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0168】
第163の態様A163は、強化されているガラス系物品が220.0MPa以上の残留強度を有する、第162の態様A162によるガラス系物品を含む。
【0169】
第164の態様A164は、強化されているガラス系物品が250.0MPa以上の残留強度を有する、第163の態様A163によるガラス系物品を含む。
【0170】
第165の態様A165は、前面、背面、及び側面を有する筐体;少なくとも部分的に筐体内に設けられた電気部品であって、該電気部品が少なくともコントローラ、メモリ、及びディスプレイを備えており、該ディスプレイが筐体の前面又はそれに隣接して設けられている、電気部品を含み、かつ、第111から第164の態様A111-A164のいずれかのガラス組成物又はガラス系物品が、ディスプレイの上に配置されるか、筐体の一部を形成するか、又はディスプレイの上に配置され、かつ筐体の一部を形成する、消費者向け電子デバイスを含む。
【0171】
第166の態様A166によれば、ガラス組成物は、55.0モル%以上かつ65.0モル%以下のSiO;14.0モル%以上かつ20.0モル%以下のAl;0.0モル%以上かつ3.0モル%以下のP;1.0モル%以上かつ7.0モル%以下のBを含むことができ、ここで、-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3であり(ROはガラス組成物中のアルカリ金属酸化物の合計であり、ROは組成物中のアルカリ土類金属酸化物の合計である)、ガラス組成物は900.0℃以下の軟化点を有する。
【0172】
第167の態様A167は、ガラス組成物が875.0℃以下の軟化点を有する、第166の態様A166によるガラス組成物を含む。
【0173】
第168の態様A168は、ガラス組成物が860.0℃以下の軟化点を有する、第166の態様A166又は第167の態様A167によるガラス組成物を含む。
【0174】
第169の態様A169は、ガラス組成物が化学的に強化されている、第166から第168の態様A166-A168によるガラス組成物を有するガラス系物品を含む。
【0175】
第170の態様A170は、ガラス系物品が、KNOを含むイオン交換浴中で、350.0℃以上~500.0℃以下の温度で2時間以上~12時間以下の時間、化学的に強化されている、第169の態様A169によるガラス系物品を含む。
【0176】
第171の態様A171は、イオン交換浴がNaNOをさらに含む、第170の態様A170によるガラス系物品を含む。
【0177】
第172の態様A172は、強化されているガラス系物品が、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.5mmの厚さを有する物品について測定して、100.0cm以上の破損高さを有する、第169から第171の態様A169-A171のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0178】
第173の態様A173は、強化されているガラス系物品が120.0cm以上の破損高さを有する、第172の態様A172によるガラス系物品を含む。
【0179】
第174の態様A174は、強化されているガラス系物品が150.0cm以上の破損高さを有する、第173の態様A173によるガラス系物品を含む。
【0180】
第175の態様A175は、強化されているガラス系物品が、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.6mmの厚さを有する物品について測定して、150.0cm以上の破損高さを有する、第169から第171の態様A169-A171のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0181】
第176の態様A176は、強化されているガラス系物品が180.0cm以上の破損高さを有する、第175の態様A175によるガラス系物品を含む。
【0182】
第177の態様A177は、強化されているガラス系物品が200.0cm以上の破損高さを有する、第176の態様A176によるガラス系物品を含む。
【0183】
第178の態様A178は、強化されているガラス系物品が450.0MPa以上の圧縮応力を有する、第169から第177の態様A169-A177のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0184】
第179の態様A179は、強化されているガラス系物品が60.0MPa以上の最大中央張力を有する、第169から第178の態様A169-A178のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0185】
第180の態様A180は、強化されているガラス系物品が0.15t以上の圧縮深さを有しており、tは強化されているガラス系物品の厚さである、第169から第179の態様A169-A179のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0186】
第181の態様A181は、強化されているガラス系物品が5.0μm以上の層深さを有する、第169から第180の態様A169-A180のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0187】
第182の態様A182は、強化されているガラス系物品が6.0N以上のヌープスクラッチ閾値を有する、第169から第181の態様A169-A181のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0188】
第183の態様A183は、強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で80グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、150.0MPa以上の残留強度を有する、第169から第182の態様A169-A182のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0189】
第184の態様A184は、強化されているガラス系物品が175.0MPa以上の残留強度を有する、第183の態様A183によるガラス系物品を含む。
【0190】
第185の態様A185は、強化されているガラス系物品が200.0MPa以上の残留強度を有する、第184の態様A184によるガラス組成物を含む。
【0191】
第186の態様A186は、強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で120グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、175.0MPa以上の残留強度を有する、第169から第182の態様A169-A182のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0192】
第187の態様A187は、強化されているガラス系物品が200.0MPa以上の残留強度を有する、第186の態様A186によるガラス系物品を含む。
【0193】
第188の態様A188は、強化されているガラス系物品が225.0MPa以上の残留強度を有する、第187の態様A187によるガラス系物品を含む。
【0194】
第189の態様A189は、強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で180グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、200.0MPa以上の残留強度を有する、第169から第182の態様A169-A182のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0195】
第190の態様A190は、強化されているガラス系物品が220.0MPa以上の残留強度を有する、第189の態様A189によるガラス系物品を含む。
【0196】
第191の態様A191は、強化されているガラス系物品が250.0MPa以上の残留強度を有する、第190の態様A190によるガラス系物品を含む。
【0197】
第192の態様A192によれば、化学的に強化されているガラス系物品は、55.0モル%以上かつ65.0モル%以下のSiO;14.0モル%以上かつ20.0モル%以下のAl;0.0モル%以上かつ3.0モル%以下のP;1.0モル%以上かつ7.0モル%以下のBを含むことができ、ここで、-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3であり(ROはガラス系物品中のアルカリ金属酸化物の合計であり、ROはガラス系物品中のアルカリ土類金属酸化物の合計である)、強化されているガラス系物品は、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.5mm未満の厚さを有する物品について測定して、100.0cm以上の破損高さを有する。
【0198】
第193の態様A193は、強化されているガラス系物品が120.0cm以上の破損高さを有する、第192の態様A192による強化されているガラス系物品を含む。
【0199】
第194の態様A194は、強化されているガラス系物品が150.0cm以上の破損高さを有する、第193の態様A193による強化されているガラス系物品を含む。
【0200】
第195の態様A195は、強化されているガラス系物品が450.0MPa以上の圧縮応力を有する、第192から第194の態様A192-A194のいずれかによる強化されているガラス系物品を含む。
【0201】
第196の態様A196は、強化されているガラス系物品が60.0MPa以上の最大中央張力を有する、第192から第195の態様A192-A195のいずれかによる強化されているガラス系物品を含む。
【0202】
第197の態様A197は、強化されているガラス系物品が0.15t以上の圧縮深さを有しており、tは強化されているガラス物品の厚さである、第192から第196の態様A192-A196のいずれかによる強化されているガラス系物品を含む。
【0203】
第198の態様A198は、強化されているガラス系物品が5.0μm以上の層深さを有する、第192から第197の態様A192-A197のいずれかによる強化されているガラス系物品を含む。
【0204】
第199の態様A199は、強化されているガラス系物品が6.0N以上のヌープスクラッチ閾値を有する、第192から第198の態様A192-A198のいずれかによる強化されているガラス系物品を含む。
【0205】
第200の態様A200によれば、化学的に強化されているガラス系物品は、55.0モル%以上かつ65.0モル%以下のSiO;14.0モル%以上かつ20.0モル%以下のAl;0.0モル%以上かつ3.0モル%以下のP;1.0モル%以上かつ7.0モル%以下のBを含むことができ、ここで、-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3であり(ROはガラス系物品中のアルカリ金属酸化物の合計であり、ROはガラス系物品中のアルカリ金属酸化物の合計である)、化学的に強化されているガラス系物品は、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.6mm未満の厚さを有する物品について測定して、150.0cm以上の破損高さを有する。
【0206】
第201の態様A201は、化学的に強化されているガラス系物品が180.0cm以上の破損高さを有する、第200の態様A200による強化されているガラス系物品を含む。
【0207】
第202の態様A202は、化学的に強化されているガラス系物品が200.0cm以上の破損高さを有する、第201の態様A201による強化されているガラス系物品を含む。
【0208】
第 の態様A203は、強化されているガラス系物品が450.0MPa以上の圧縮応力を有する、第200から第202の態様A200-A202のいずれかによる強化されているガラス系物品を含む。
【0209】
第204の態様A204は、強化されているガラス系物品が60.0MPa以上の最大中央張力を有する、第200から第203の態様A200-A203のいずれかによる強化されているガラス系物品を含む。
【0210】
第205の態様A205は、強化されているガラス系物品が0.15t以上の圧縮深さを有しており、tは強化されているガラス物品の厚さである、第200から第204の態様A200-A204のいずれかによる強化されているガラス系物品を含む。
【0211】
第206の態様A206は、強化されているガラス系物品が5.0μm以上の層深さを有する、第200から第205の態様A200-A205のいずれかによる強化されているガラス系物品を含む。
【0212】
第207の態様A207は、強化されているガラス系物品が9.0N以上のヌープスクラッチ閾値を有する、第200から第206の態様A200-A206のいずれかによる強化されているガラス系物品を含む。
【0213】
第208の態様A208によれば、ガラス系物品は、リチウムベースのアルミノケイ酸塩を含む組成物;ガラス系物品の厚さ(t)を画成する第1及び第2の対向する表面であって、該ガラス系物品の厚さが100μm以上かつ1000μm以下である、対向する表面;180グリットのサンドペーパー上での落下試験法で測定して、100cm以上の破損高さ;並びに、6.0N以上かつ12.0N以下のヌープスクラッチ閾値を含む。
【0214】
第209の態様A209は、ガラス系物品の厚さが400μm以上かつ800μm以下である、第208の態様A208によるガラス系物品を含む。
【0215】
第210の態様A210は、ガラス系物品の厚さが400μm以上かつ700μm以下である、第208から第209の態様A208-A209のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0216】
第211の態様A211は、破損高さが、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法で測定して、150cm以上である、第208から第210の態様A208-A210のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0217】
第212の態様A212は、破損高さが、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法で測定して、200cm以上である、第208から第211の態様A208-A211のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0218】
第213の態様A213は、ガラス系物品が6.0N以上かつ12.0N以下のヌープスクラッチ閾値を有する、第208から第212の態様A208-A212のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0219】
第214の態様A214は、ガラス系物品が7.0N以上かつ12.0N以下のヌープスクラッチ閾値を有する、第208から第213の態様A208-A213のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0220】
第215の態様A215は、ガラス系物品が650℃以上かつ950℃以下の軟化点を有する、第208から第214の態様A208-A214のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0221】
第216の態様A216は、ガラス系物品が650℃以上かつ800℃以下の軟化点を有する、第208から第215の態様A208-A215のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0222】
第217の態様A217は、ガラス系物品が、シェブロンノッチ付きショートバー法で測定して、0.70以上のK1C破壊靭性を有する、第208から第216の態様A208-A216のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0223】
第218の態様A218は、ガラス系物品が、50.0モル%以上かつ70.0モル%以下のSiO;10.0モル%以上かつ25.0モル%以下のAl;0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のP;0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のB;5.0モル%以上かつ15.0モル%以下のLiO;1.0モル%以上かつ15.0モル%以下のNaO;及び、0.0モル%以上かつ1.0モル%以下のKOを含む組成物を有する、第208から第217の態様A208-A217のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0224】
第219の態様A219は、ROが11.0モル%以上かつ23.0モル%以下であり(ROはガラス系物品中に存在するアルカリ金属酸化物のモル%単位での合計である);Al+ROが26.0モル%以上かつ40.0モル%以下であり;かつ、-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3である(ROはガラス系物品中に存在するアルカリ金属酸化物のモル%単位での合計である)、第218の態様A218によるガラス系物品を含む。
【0225】
第220の態様A220は、ROが15.0モル%以上かつ19.0モル%以下である、第219の態様A219によるガラス系物品を含む。
【0226】
第221の態様A221は、Al+ROが28.0モル%以上かつ36.0モル%以下である、第219から第220の態様A219-A220のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0227】
第222の態様A222は、0.0≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.1である、第219から第221の態様A219-A221のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0228】
第223の態様A223は、ガラス系物品が強化されているガラス系物品であり、0.15t以上の圧縮深さを有する、第219から第222の態様A219-A222のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0229】
第224の態様A224は、強化されているガラス系物品が600MPa以上の圧縮応力を有する、第223の態様A223によるガラス系物品を含む。
【0230】
第225の態様A225は、強化されているガラス系物品が20.0MPa以上の最大中央張力を有する、第223から第224の態様A223-A224のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0231】
第226の態様A226は、強化されているガラス系物品が5.0μm以上の層深さを有する、第223から第225の態様A223-A225のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0232】
第227の態様A227によれば、ガラス系物品は、リチウムベースのアルミノケイ酸塩を含む組成物;ガラス系物品の厚さ(t)を画成する第1及び第2の対向する表面であって、該ガラス系物品の厚さが100μm以上かつ1000μm以下である、対向する表面;500.0Nの力で80グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有するガラス系物品について測定して、150MPa以上の残留強度;並びに、6.0N以上かつ12.0N以下のヌープスクラッチ閾値を含みうる。
【0233】
第228の態様A228は、ガラス系物品が、500.0Nの力で120グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有するガラス系物品について測定して、175MPa以上の残留強度を有する、第227の態様A227によるガラス系物品を含む。
【0234】
第229の態様A229は、ガラス系物品が、500.0Nの力で120グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有するガラス系物品について測定して、175MPa以上の残留強度を有する、第227から228の態様A227-A228のいずれかによるガラス系物品を含む。
【0235】
第230の態様A230によれば、消費者向け電子デバイスは、前面、背面、及び側面を有する筐体;少なくとも部分的に筐体内に設けられた電気部品であって、該電気部品が少なくともコントローラ、メモリ、及びディスプレイを備えており、該ディスプレイが筐体の前面又はそれに隣接して設けられている、電気部品を含み、第208から第229の態様のいずれか1つのガラス系物品が、ディスプレイの上に配置されるか、筐体の少なくとも一部を形成するか、又はディスプレイの上に形成されて、筐体の少なくとも一部を形成する。
【0236】
第231の態様A231によれば、第208から第229の態様のいずれか1つのガラス系物品は、携帯電話のカバーガラスである。
【0237】
本明細書に記載されるもののさらなる特徴及び利点は、以下の詳細な説明に記載されており、一部には、その説明から当業者には容易に明らかになり、あるいは、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付の図面を含む、本明細書に記載される実施形態を実施することによって認識される。
【0238】
前述の概要及び以下の詳細な説明はいずれも、さまざまな実施形態を説明しており、特許請求される主題の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを意図していることが理解されるべきである。添付の図面は、さまざまな実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれて、その一部を構成する。図面は、本明細書に記載されるさまざまな実施形態を例証しており、その説明とともに、特許請求の範囲の主題の原理及び動作を説明する役割を担う。
【図面の簡単な説明】
【0239】
図1】落下試験法を実施するために使用することができる例示的なデバイス落下機の平面図
図2】デバイス落下機のチャックが解放され、チャック爪が開き、パックが解放された、図1の機械の平面図
図3】落下するパックが落下面に衝突した、図1の機械の平面図
図4】打撃物を用いた衝撃を介してガラス製品に損傷を導入する装置の概略図
図5】本明細書に開示及び記載される実施形態による、その表面上に圧縮応力層を有するガラスの断面の概略図
図6A】本明細書に開示されるガラス物品のいずれかを取り込む例示的な電子デバイスの平面図
図6B図6Aの例示的な電子デバイスの斜視図
図7】実施例のガラス組成物と比較例のガラス組成物の破損高さのプロット
図8】実施例のガラス組成物と比較例のガラス組成物の破損高さの別のプロット
図9】実施例のガラス組成物と比較例のガラス組成物の残留強度のプロット
【発明を実施するための形態】
【0240】
これより、改善された機械的耐久性を示すイオン交換可能なアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物のさまざまな実施形態を詳細に参照する。実施形態によれば、ガラス組成物は、50.0モル%~70.0モル%のSiO;10.0モル%~25.0モル%のAl;0.0モル%~5.0モル%のP;0.0モル%~10.0モル%のB;5.0モル%~15.0モル%のLiO;1.0モル%~15.0モル%のNaO;及び、0.0モル%~1.0モル%のKOを含む。ガラス組成物中に存在するすべてのアルカリ酸化物の合計ROは、11.0モル%以上~23.0モル%以下の範囲にありうる。ガラス組成物中に存在するAl及びROの合計は、26.0モル%以上~40モル%以下の範囲にありうる。ガラス組成物は、-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3の関係を満たすことができる。ガラス組成物のさまざまな実施形態は、添付の図面を具体的に参照して、本明細書で参照される。
【0241】
本明細書では、範囲は、約1つの特定の値から、及び/又は約別の特定の値までとして表現することができる。このような範囲が表現される場合、別の実施形態は、その1つの特定の値から及び/又は他方の特定の値までを含む。同様に、例えば先行詞「約」の使用によって、値が近似値として表される場合、その特定の値は別の実施形態を形成することが理解されよう。さらには、範囲の各々の端点は、他の端点に関連して、及び他の端点とは独立してのいずれにおいても重要であることが理解されよう。
【0242】
本明細書で用いられる方向の用語(例えば、上、下、右、左、前、後、上部、底部)は、描かれた図を参照してのみ作られており、絶対的な方向を意味することは意図していない。
【0243】
特に明記しない限り、本明細書に記載されるいずれの方法も、その工程が特定の順序で実行されることを必要とすること、若しくは、装置には特定の向きが必要であると解釈されることは、決して意図していない。したがって、方法クレームが、その工程が従うべき順序を実際に記載していない場合、若しくは装置クレームが個々の構成要素に対する順序又は向きを実際に記載していない場合、あるいは、工程が特定の順序に限定されるべきであることが特許請求の範囲又は明細書に別段に明確に述べられていない場合、若しくは装置の構成要素に対する特定の順序又は向きが記載されていない場合には、いかなる意味においても、順序又は方向が推測されることは決して意図していない。これには、次のような解釈のためのあらゆる非明示的根拠が当てはまる:工程の配置、動作フロー、構成要素の順序、又は構成要素の方向に関する論理的事項;文法上の編成又は句読点から派生した平明な意味;及び、明細書に記載される実施形態の数又はタイプ。
【0244】
本明細書で用いられる場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数の指示対象を含む。よって、例えば、「ある1つの(a)」構成要素への言及は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、そのような構成要素を2つ以上有する態様を含む。
【0245】
「ベース組成物」とは、イオン交換(IOX)処理前の基板の化学的構成物である。すなわち、ベース組成物は、IOXからのイオンでドープされていない。IOXに供給されるイオンが基板の中心に拡散しないようなIOX処理条件である場合、IOX処理されたガラス系物品の中心の組成は、通常、ベース組成物と同じである。1つ以上の実施形態では、ガラス物品の中心における中心組成物は、ベース組成物を含む。ガラス物品の「中心」は、0.5tの厚さ、及びガラス物品の任意のエッジから少なくとも0.5tの距離で測定されうる。
【0246】
「リチウムベース」という用語は、リチウムが、ガラス組成物中に存在するアルカリ金属酸化物のかなりの部分を構成することを意味する。限定はしないが、「リチウムベース」は、ガラス組成物中に少なくとも5.0モル%のLiOを有するガラス組成物を含む。
【0247】
「ガラス系物品」という用語は、本明細書に開示及び記載されるガラス組成物から形成されたガラス又はガラスセラミック物品を含む。
【0248】
「実質的に含まない」という用語は、ガラス組成物中の特定の構成成分の濃度及び/又は不存在を説明するために用いられる場合には、その構成成分がガラス組成物に意図的には添加されないことを意味する。しかしながら、ガラス組成物は、0.05モル%未満の量で汚染物質又はトランプとして微量の構成成分を含みうる。「0モル%」、「含まない」などの用語は、ガラス系物品中の特定の構成成分の濃度及び/又は不存在を説明するために用いられる場合には、その構成成分がガラス系物品に意図的には添加されないことを意味する。
【0249】
本明細書に記載されるガラス組成物の実施形態では、特に明記しない限り、構成成分(例えば、SiO、Alなど)の濃度は、酸化物基準のモルパーセント(モル%)で指定される。
【0250】
本明細書で用いられる「軟化点」という用語は、ガラス組成物の粘度が1×107.6ポアズになる温度を指す。軟化点は、ASTM C1351M-96(2012)の平行プレート粘度法を使用して決定した。
【0251】
本明細書で用いられる場合、「アニール点」という用語は、ガラス組成物の粘度が1×1013ポアズポアズになる温度を指す。
【0252】
本明細書で用いられる場合、「歪み点」という用語は、ガラス組成物の粘度が1×1014.68ポアズになる温度を指す。
【0253】
本明細書で用いられる「CTE」という用語は、特に明記しない限り、約20℃から約300℃までの温度範囲にわたるガラス組成物の熱膨張係数を指す。
【0254】
本明細書で用いられる「液相線粘度」という用語は、失透の開始時の(すなわち、ASTM C829-81に準拠して勾配炉法で測決定された液相線温度における)ガラスの粘度を指す。
【0255】
ガラスの弾性率(ヤング率とも称される)は、ギガパスカル(GPa)単位で提供される。ガラスの弾性率は、各ガラス組成物のバルク試料の共鳴超音波分光法によって決定される。
【0256】
密度は、ASTM C693-93(2013)の浮力法によって測定される。
【0257】
実施形態によるガラス組成物は、高い破壊靭性を有する。特定の理論に拘束されはしないが、高い破壊靭性は、ガラス組成物に改善された落下性能を与えることができる。破壊靭性は、K1C値と呼ばれ、シェブロンノッチ付きショートバー法で測定される。K1C値を測定するために利用したシェブロンノッチ付ショートバー(CNSB)法は、Bubsey, R.T. et al., “Closed-Form Expressions for Crack-Mouth Displacement and Stress Intensity Factors for Chevron-Notched Short Bar and Short Rod Specimens Based on Experimental Compliance Measurements,” NASA Technical Memorandum 83796, pp.1-30 (October1992)の式5を使用してY*mを計算することを除き、Reddy, K.P.R. et al, “Fracture Toughness Measurement of Glass and Ceramic Materials Using Chevron-Notched Specimens,” J. Am. Ceram. Soc., 71 [6], C-310-C-313 (1988)に開示されている。破壊靭性は、ガラス物品のイオン交換(IOX)処理の前にK1C値を測定するなど、強化されていないガラス物品で測定され、それにより、IOX前のガラス基板の特徴が表される。本明細書に記載される破壊靭性の試験法は、IOX処理に曝露されたガラスには適していない。それにもかかわらず、対応する下層のガラス基板(IOX処理なし)上での測定は、IOXされたガラス特性についての貴重な情報を提供する。したがって、IOXされた物品の破壊靭性は、IOXされていないが他の点では同一の物品上で測定される。特に明記しない限り、本明細書に記載される破壊靭性値を測定するために、CSNB法が用いられる。
【0258】
本明細書で用いられる「単一のイオン交換プロセス」という用語は、ガラス組成物が、KNO又はNaNO溶融塩浴などの単一イオン交換溶液に曝露されるプロセスを指す。
【0259】
本明細書で用いられる「二重イオン交換プロセス」という用語は、ガラス組成物が第1のイオン交換溶液及び第2のイオン交換溶液に曝露されるプロセスを指す。
【0260】
本明細書で用いられる「多重イオン交換プロセス」という用語は、ガラス組成物が3つ以上のイオン交換溶液に曝露されるプロセスを指す。
【0261】
本明細書で用いられる場合、「圧縮深さ」(DOC)という用語は、応力が正の(圧縮)応力から負の(引張)応力へと移行し、したがって応力値がゼロを示す深さを指す。
【0262】
本明細書で用いられる場合、「層深さ」(DOL)という用語は、金属酸化物又はアルカリ金属酸化物のイオン(例えば、金属イオン又はアルカリ金属イオン)がガラス系物品内に拡散するガラス系物品内の深さ(すなわち、ガラス系物品の表面からその内部領域までの距離)を指し、そこでイオンの濃度がグロー放電-発光分光法(GD-OES)で決定して最小値に達する。特に明記しない限り、DOLは、イオン交換(IOX)プロセスによって導入された最も拡散の遅いイオンの交換の深さとして与えられる。
【0263】
金属酸化物に関して第1の表面から層深さ(DOL)まで変化する、又は物品の厚さ(t)の少なくともかなりの部分に沿って変化する、ゼロではない金属酸化物濃度は、イオン交換の結果として物品に応力が発生していることを示す。金属酸化物濃度の変動は、本明細書では金属酸化物の濃度勾配と呼ばれうる。濃度がゼロではなく、第1の表面からDOLまで、又は厚さの一部に沿って変化する金属酸化物は、ガラス系物品に応力を発生させると説明することができる。金属酸化物の濃度勾配又は変化は、ガラス系基板を化学的に強化することによって生成し、ここで、ガラス系基板内の複数の第1の金属イオンは複数の第2の金属イオンと交換される。
【0264】
当技術分野で通常用いられる慣例によれば、圧縮又は圧縮応力は負(<0)の応力として表わされ、張力又は引張応力は正(> 0)の応力として表わされる。しかしながら、本明細書全体を通して、CSは正の値又は絶対値として表される―すなわち、本明細書に記載されているように、CS=|CS|である)。圧縮応力(CS)は、ガラスの表面で最大値又はそれに近くなり、CSは関数に従って表面からの距離dとともに変化する。
【0265】
圧縮応力(CS)及び層深さ(DOL)は、折原製作所(日本所在)製造のFSM-6000などの市販の機器を使用して、表面応力計(FSM)によって測定される。表面応力測定は、ガラスの複屈折に関連する応力光学係数(SOC)の正確な測定に依拠している。SOCは、その内容全体がここに参照することによって本明細書に組み込まれる、「ガラス応力-光学係数の測定のための標準試験方法(Standard Test Method for Measurement of Glass Stress-Optical Coefficient)」と題されたASTM規格C770-16に記載される手順C(ガラスディスク法)に準拠して測定される。
【0266】
最大中央張力(CT)又はピーク張力(PT)値及び応力保持値は、当技術分野で知られている散乱光偏光子(SCALP)技法を使用して測定される。屈折近接場(RNF)法又はSCALPを使用して、応力プロファイル及び圧縮深さ(DOC)を測定することができる。RNF法を利用して応力プロファイルを測定する場合、SCALPによって提供される最大CT値がRNF法に利用される。特に、RNFによって測定された応力プロファイルは、力のバランスが取れており、SCALP測定によって提供される最大CT値に較正される。RNF法は、その全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、「ガラス試料のプロファイル特性を測定するためのシステム及び方法(Systems and methods for measuring a profile characteristic of a glass sample)」と題された米国特許第8,854,623号明細書に記載されている。特に、RNF法は、ガラス物品を基準ブロックに隣接して配置し、1Hz~50Hzの速度で直交偏光間で切り替えられる偏波スイッチ光ビームを生成し、偏波スイッチ光ビームのパワー量を測定し、かつ、偏波スイッチ基準信号を生成することを含み、ここで、直交偏光のそれぞれで測定されたパワー量は互いに50%以内である。該方法は、偏波スイッチ光ビームをガラス試料及び基準ブロックを介してガラス試料にさまざまな深さで送信し、次に、リレー光学系を使用して、送信された偏波スイッチ光ビームを、偏波スイッチ検出器信号を生成する信号光検出器に中継することをさらに含む。該方法はまた、検出器信号を基準信号で除算して、正規化された検出器信号を形成し、正規化された検出器信号からガラス試料のプロファイル特性を決定することも含む。
【0267】
本明細書で用いられる「ヌープスクラッチ閾値」という用語は、(5つのスクラッチ事象のうちの3つ以上における)横方向の亀裂の開始を指す。ヌープスクラッチ閾値を特定するために、一連の増加する一定荷重スクラッチ(荷重ごとに最小で3つであるが、荷重ごとにさらに多くを使用して信頼水準を上げることができる)が実行される。ヌープスクラッチ閾値試験では、荷重ごとに、ガラス基板及び/又は物品の試料をヌープ圧子で10mmの長さにわたって引っ掻いた。次の3つの故障モードを使用して、ヌープスクラッチ閾値を決定する:1)溝の幅の2倍を超える持続的な側面亀裂、2)溝内に損傷が含まれているが、溝の幅の2倍未満の側面亀裂が存在し、かつ肉眼で見える損傷が存在する、又は3)溝の幅の2倍を超える、大きい表面下横方向亀裂の存在、及び/又は引っ掻き傷の頂点にメジアン亀裂が存在する。よって、ヌープスクラッチ閾値は、5つの事象のうちの3つ以上で、上記の3つの障害のいずれも発生しない最大の荷重である。
【0268】
本明細書で用いられる「破損高さ」という用語は、ガラス物品を含むデバイスを落下させて、ガラス物品が破損しうる(すなわち、亀裂が生じうる)最低の高さを指す。落下試験法は、デバイスの破損高さを決定するために用いられる。落下試験法は、ガラス物品が取り付けられたパックに表面落下試験を実施することを包含する。ガラス物品は、tesa(登録商標)61385両面粘着テープを用いてパックに取り付けられ、以下に説明される落下試験中にガラス物品をパックに保持する。試験されるガラス物品は、0.5mm又は0.6mmなど、所与の携帯型消費者向け電子デバイスで用いられる厚さと同様の厚さ又は等しい厚さを有する。パックとは、携帯電話などの所与のデバイスのサイズ、形状、及び重量の分布を模倣することを目的とした構造を指す。以後、「パック」という用語は、重量126.0グラム、長さ133.1mm、幅68.2mm、高さ9.4mmの構造物を指す。実施形態では、パックは、携帯型電子デバイスと同様の寸法及び重量を有する。
【0269】
落下試験法を実施するために使用することができる例示的なデバイス落下機が、図1に参照番号10として示されている。デバイス落下機10は、チャック爪14を有するチャック12を含む。パック16は、ガラス物品が取り付けられ、下方に向いている状態で、チャック爪14に載荷されている。チャック12は、例えば電磁チャックリフタから落下する準備ができている。次に図2を参照すると、チャック12が解放され、その落下中に、チャック爪14は、例えば近接センサによって開かれるようにトリガされる。チャック爪14が開くと、パック16が解放される。次に図3を参照すると、落下するパック16が落下面18に衝突する。落下面18は、鋼板上に位置決めされた、180グリットのサンドペーパーなどのサンドペーパーでありうる。パックに取り付けられたガラス物品が落下に耐える(すなわち、亀裂が入らない)場合には、チャック12は、より高い高さに設定され、試験が繰り返される。その結果、破損高さは、ガラス物品を含むパックが落下し、ガラス組成物が破損する最低の高さである。単一のガラス物品は、該ガラス物品が損傷を示して破損するまで、22cm、30cm、40cm、50cm、60cm、及び10センチメートルの増分など、複数の高さで試験される。ガラスが破損したらサンドペーパーを交換する。特に明記しない限り、本明細書では180グリットのサンドペーパーを使用する。
【0270】
本明細書で用いられる「残留強度」という用語は、ガラス物品が曲げられて引張応力を与えるときの衝撃力による損傷導入後のガラス物品の強度を指す。損傷は、参照することによって本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2019/0072469号明細書(A1)に記載されている方法に従って導入される。例えば、ガラス物品の衝撃試験のための装置は、図4に参照番号1100として示されている。装置1100は、ピボット1106に取り付けられた垂球1104を含む振り子1102を含む。本明細書で用いられる場合、振り子上の「垂球」とは、アームによってピボットから懸架され、かつピボットに接続された重りである。したがって、示される垂球1104は、アーム1108によってピボット1106に接続されている。垂球1104は、ガラス物品を受け入れるためのベース1110を含み、該ガラス物品は、ベースに取り付けられる。装置1100は、垂球1104が平衡位置からゼロより大きい角度の位置から解放されたときに、垂球1104の表面が打撃物1140に接触するよう位置決めされた、打撃物1140をさらに含む。打撃物は、ガラス物品の外面と接触して配置された研磨面を有する研磨シートを含む。研磨シートは、30グリット~1000グリット、又は100グリット~300グリットの範囲のグリット寸法を有しうるサンドペーパー、例えば、80グリット、120グリット、180グリット、及び1000グリットのサンドペーパーを含みうる。特に明記しない限り、本明細書では180グリットのサンドペーパーを使用した。
【0271】
本開示の目的では、打撃物は、装置に取り付けられた、80グリット、120グリット、又は180グリットのサンドペーパーの直径6mmのディスクの形態をしていた。約600.0μmの厚さを有するガラス物品を垂球に固定した。衝撃ごとに、新しいサンドペーパーディスクを使用した。ガラス物品の損傷は、装置のアームのスイングを約90°の角度に引っ張ることにより、約500.0Nの衝撃力で行った。各ガラス物品の約10個の試料に衝撃を与えた。
【0272】
損傷導入から12時間以上経過後に、ガラス物品を4点曲げ(4PB)で破壊した。損傷したガラス物品を支持ロッド(支持スパン)上に配置し、損傷した部位を底部上(すなわち、引張側)かつ荷重ロッドの間に配置した(荷重スパン)。本開示の目的では、荷重スパンは18mmであり、支持スパンは36mmであった。荷重ロッド及び支持ロッドの曲率半径は3.2mmであった。ガラスが破損するまで、スクリュー駆動の試験機(Instron(登録商標)社、米国マサチューセッツ州ノーウッド所在)を使用して、5mm/分の一定の変位速度で荷重をかけた。4PB試験は、22℃+2℃の温度及び50%+5%の相対湿度(RH)で実施した。
【0273】
4点曲げ(4PB)で印加された破壊応力(又は破損に対して印加された応力)は、次式から計算した:
【0274】
【数1】
【0275】
式中、Pは破損までの最大荷重、L(=36mm)は支持ロッド間の距離(支持スパン)、a(=18mm)は荷重ロッド間の距離(荷重スパン)、bはガラスプレートの幅であり、hはガラスプレートの厚さであり、νはガラス組成物のポアソン比である。式(1)の項(1/(1-ν))は、プレートの硬化効果を考慮している。4点曲げでは、応力は荷重スパン下で一定であり、したがって、損傷部位はモードIの一軸引張応力荷重下にある。試験片についての4点曲げ試験の応力速度は、1秒あたり15~17MPaと推定した。ガラス組成物の残留強度は、破損が発生しない最大の印加破壊応力である。
【0276】
アルカリアルミノケイ酸塩ガラスは、良好なイオン交換能を有する。化学強化プロセスは、アルミノケイ酸塩ガラスの高強度及び高靭性の特性を実現するために使用されている。アルミノケイ酸ナトリウムガラスは、高いガラス成形性と品質を備えた、イオン交換性の高いガラスである。ケイ酸塩ガラスネットワーク内へのAlの置換は、イオン交換中の一価カチオンの相互拡散性を増加させる。溶融塩浴(例えば、KNO又はNaNO)中で化学強化することにより、高い強度、高い靭性、及び高い圧痕亀裂耐性を備えたガラスを実現することができる。
【0277】
したがって、良好な物理的特性、化学的耐久性、及びイオン交換能を有するアルカリアルミノケイ酸塩ガラスは、カバーガラスとしての使用について、注目を集めている。特に、より低いアニーリング温度及び軟化温度、より低いCTE値、並びに速いイオン交換能を有するリチウム含有アルミノケイ酸塩ガラスが本明細書に提供されるさまざまなイオン交換プロセスを通じて、より大きいCT、DOC、及びCSを実現することができる。しかしながら、アルカリアルミノケイ酸塩ガラスにリチウムを添加すると、ガラスの融点、軟化点、又は液相線粘度が低下する可能性がある。
【0278】
例えばガラスシートなどのガラス物品を形成するための延伸プロセスは、ほとんど欠陥のない薄いガラス物品を形成可能であることから、望ましい。ガラス組成物は、例えば、溶融延伸又はスロット延伸などの延伸プロセスによって形成されるように、比較的高い液相線粘度(例えば、1000kP超、1100kP超、又は1200kP超の液相線粘度)を有することが必要であると以前は考えられていた。しかしながら、延伸プロセスの開発は、液相線粘度の低いガラスを延伸プロセスで使用可能にする。したがって、延伸プロセスに用いられるガラスは、以前に考えられていたよりも多くのリチアを含むことができ、例えば、SiO、Al、及びBなど、より多くのガラスネットワーク形成成分を含むことができる。したがって、ガラスがリチウム及びガラスネットワーク形成剤をガラス組成物に添加することの利点を実現可能にするが、ガラス組成物に悪影響を及ぼさない、さまざまなガラス成分のバランスが本明細書に提供される。
【0279】
特に、本明細書に提供されるガラス組成物は、従来のガラス組成物よりも多くのLiO、Al、B、及びMgO、並びにより少ないP及びKOを含みうる。本明細書に提供されるガラス組成物はまた、比較的少量のTiOを含みうる。LiO、Al、B、及びMgOは、結合強度を増加させ、ガラス組成物の破壊靭性を増加させうる、高い電界強度を有しうる。P及びKOは逆の効果を有しうる。変化する元素のこのような組合せは、軟化点の低下をもたらしうる。さらには、本明細書に提供されるガラス組成物の変化する元素の組合せは、改善された破壊靭性及びイオン交換特性(例えば、より高いCS及びより高いDOC)をもたらす可能性があり、これは改善された落下試験性能につながりうる。
【0280】
本明細書に開示されるアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物の実施形態では、SiOは最大の構成成分であり、したがって、SiOは、ガラス組成物から形成されるガラスネットワークの主構成成分である。純粋なSiOは、比較的低いCTEを有し、アルカリを含まない。しかしながら、純粋なSiOは高い融点を有する。したがって、高濃度のSiOはガラスの溶融の困難さを増大させ、これが次にガラスの成形性に悪影響を与えることから、ガラス組成物中のSiOの濃度が高すぎると、ガラス組成物の成形性は低下しうる。実施形態では、ガラス組成物は、50.0~70.0モル%のSiOを含みうる。実施形態では、ガラス組成物は、55.0~65.0モル%のSiOを含みうる。実施形態では、ガラス組成物は、57.0~63.0モル%のSiOを含みうる。実施形態では、ガラス組成物中のSiOの濃度は、50.0~70.0モル%、50.0~67.0モル%、50.0~65.0モル%、50.0~63.0モル%、50.0~60.0モル%、55.0~70.0モル%、55.0~67.0モル%、55.0~65.0モル%、55.0~64.0モル%、55.0~63.0モル%、55.0~62.0モル%、55.0~61.0モル%、55.0~60.0モル%、55.0~59.0モル%、56.0~70.0モル%、56.0~67.0モル%、56.0~65.0モル%、56.0~64.0モル%、56.0~63.0モル%、56.0~62.0モル%、56.0~61.0モル%、56.0~60.0モル%、56.0~59.0モル%、57.0~70.0モル%、57.0~67.0モル%、57.0~65.0モル%、57.0~64.0モル%、57.0~63.0モル%、57.0~62.0モル%、57.0~61.0モル%、57.0~60.0モル%、又は57.0~59.0モル%の範囲、若しくはこれらの端点のいずれかから形成されたありとあらゆる部分範囲にありうる。
【0281】
本明細書に記載されるガラス組成物は、Alをさらに含みうる。Alは、SiOと同様に、ガラスネットワーク形成剤として機能することができる。Alは、ガラス組成物から形成されたガラス溶融物におけるその四面体配位に起因して、ガラス組成物の粘度を増加させることができる。Alの量が多すぎると、ガラス組成物の成形性が低下する可能性がある。しかしながら、Alの濃度が組成物中のSiOの濃度及びアルカリ酸化物の濃度に対してバランスが取れている場合、Alはガラス溶融物の液相線温度を低下させることができる。液相線温度を下げると、液相線粘度が向上し、溶融成形プロセスなどのある特定の成形プロセスとのガラス組成物の適合性が向上する。実施形態では、ガラス組成物は、10.0~25.0モル%のAlを含みうる。実施形態では、ガラス組成物は、14.0~20.0モル%のAlを含みうる。実施形態では、ガラス組成物は、15.0~19.0モル%のAlを含みうる。実施形態では、ガラス組成物中のAlの濃度は、10.0~25.0モル%、10.0~23.0モル%、10.0~20.0モル%、10.0~19.0モル%、10.0~18.0モル%、12.0~25.0モル%、12.0~23.0モル%、12.0~20.0モル%、12.0~19.0モル%、12.0~18.0モル%、13.0~25.0モル%、13.0~23.0モル%、13.0~20.0モル%、13.0~19.0モル%、13.0~18.0モル%、14.0~25.0モル%、14.0~23.0モル%、14.0~20.0モル%、14.0~19.0モル%、14.0~18.0モル%、15.0~25.0モル%、15.0~23.0モル%、15.0~20.0モル%、15.0~19.0モル%、15.0~18.0モル%、16.0~25.0モル%、16.0~23.0モル%、16.0~20.0モル%、16.0~19.0モル%、16.0~18.0モル%、17.0~25.0モル%、17.0~23.0モル%、17.0~20.0モル%、17.0~19.0モル%、又は17.0~18.0モル%の範囲、若しくはこれらの端点のいずれかから形成されたありとあらゆる部分範囲にありうる。実施形態では、ガラス組成物中のAlの濃度は、10.0モル%以上、11.0モル%以上、12.0モル%以上、13.0モル%以上、14.0モル%以上、15.0モル%以上、16.0モル%以上、又は17.0モル%以上でありうる。
【0282】
本明細書に記載されるガラス組成物は、Pをさらに含みうる。SiO及びAlと同様に、Pをネットワーク形成剤としてガラス組成物に添加してもよいが、それによって、ガラス組成物の溶融性及び成形性が低下する。したがって、Pは、これらの特性を過度に低下させない量で添加されうる。Pの添加はまた、イオン交換処理中のガラス組成物中のイオンの拡散性も増加させ、それによりこれらの処理の効率を増加させることができる。実施形態では、ガラス組成物は、0.0~5.0モル%のPを含みうる。実施形態では、ガラス組成物は、0.3~3.0モル%のPを含みうる。実施形態では、ガラス組成物は、0.5~2.5モル%のPを含みうる。実施形態では、ガラス組成物中のPの濃度は、0.0~5.0モル%、0.0~4.0モル%、0.0~3.0モル%、0.0~2.5モル%、0.0~2.3モル%、0.0~2.0モル%、0.0~1.7モル%、0.0~1.5モル%、0.3~5.0モル%、0.3~4.0モル%、0.3~3.0モル%、0.3~2.5モル%、0.3~2.3モル%、0.3~2.0モル%、0.3~1.7モル%、0.3~1.5モル%、0.5~5.0モル%、0.5~4.0モル%、0.5~3.0モル%、0.5~2.5モル%、0.5~2.3モル%、0.5~2.0モル%、0.5~1.7モル%、0.5~1.5モル%、0.7~5.0モル%、0.7~4.0モル%、0.7~3.0モル%、0.7~2.5モル%、0.7~2.3モル%、0.7~2.0モル%、0.7~1.7モル%、0.7~1.5モル%、1.0~5.0モル%、1.0~4.0モル%、1.0~3.0モル%、1.0~2.5モル%、1.0~2.3モル%、1.0~2.0モル%、1.0~1.7モル%、又は1.0~1.5モル%の範囲、若しくはこれらの端点のいずれかから形成されたありとあらゆる部分範囲にありうる。実施形態では、ガラス組成物は、4.0モル%以下のPを含みうる。実施形態では、ガラス組成物中のPの濃度は、5.0モル%以下、4.5モル%以下、4.0モル%以下、3.5モル%以下、3.0モル%以下、2.5モル%以下、2.0モル%以下、又は1.5モル%以下でありうる。
【0283】
本明細書に記載されるガラス組成物は、Bをさらに含みうる。SiO、Al、及びPと同様に、Bをネットワーク形成剤としてガラス組成物に加えてもよいが、それによって、ガラス組成物の溶融性及び成形性が低下する。したがって、Bは、これらの特性を過度に低下させない量で添加されうる。しかしながら、ホウ素の添加は、ガラス組成物中のアルカリイオンの拡散性を著しく低下させ、これが次に、得られるガラスのイオン交換性能に悪影響を与えることが見出された。特に、ホウ素の添加は、ホウ素を含まないガラス組成物と比較して、所与のCT及び/又はDOCを達成するために必要とされる時間を大幅に増加させることが見出された。実施形態では、ガラス組成物は、0.0~10.0モル%のBを含みうる。実施形態では、ガラス組成物は、1.0~7.0モル%のBを含みうる。実施形態では、ガラス組成物は、2.0~6.0モル%のBを含みうる。実施形態では、ガラス組成物中のBの濃度は、0.0~10.0モル%、0.0~9.0モル%、0.0~8.0モル%、0.0~7.5モル%、0.0~7.0モル%、0.0~6.5モル%、0.0~6.0モル%、0.0~5.5モル%、0.0~5.0モル%、0.0~4.5モル%、0.5~10.0モル%、0.5~9.0モル%、0.5~8.0モル%、0.5~7.5モル%、0.5~7.0モル%、0.5~6.5モル%、0.5~6.0モル%、0.5~5.5モル%、0.5~5.0モル%、0.5~4.5モル%、1.0~10.0モル%、1.0~9.0モル%、1.0~8.0モル%、1.0~7.5モル%、1.0~7.0モル%、1.0~6.5モル%、1.0~6.0モル%、1.0~5.5モル%、1.0~5.0モル%、1.0~4.5モル%、1.5~10.0モル%、1.5~9.0モル%、1.5~8.0モル%、1.5~7.5モル%、1.5~7.0モル%、1.5~6.5モル%、1.5~6.0モル%、1.5~5.5モル%、1.5~5.0モル%、1.5~4.5モル%、2.0~10モル%、2.0~9.0モル%、2.0~8.0モル%、2.0~7.5モル%、2.0~7.0モル%、2.0~6.5モル%、2.0~6.0モル%、2.0~5.5モル%、2.0~5.0モル%、2.0~4.5モル%、2.5~10.0モル%、2.5~9.0モル%、2.5~8.0モル%、2.5~7.5モル%、2.5~7.0モル%、2.5~6.5モル%、0.0~6.0モル%、0.0~5.5モル%、2.5~5.0モル%、2.5~4.5モル%、3.0~10.0モル%、3.0~9.0モル%、3.0~8.0モル%、3.0~7.5モル%、3.0~7.0モル%、3.0~6.5モル%、3.0~6.0モル%、3.0~5.5モル%、3.0~5.0モル%、3.0~4.5モル%、3.5~10.0モル%、3.5~9.0モル%、3.5~8.0モル%、3.5~7.5モル%、3.5~7.0モル%、3.5~6.5モル%、3.5~6.0モル%、3.5~5.5モル%、3.5~5.0モル%、3.5~4.5モル%、4.0~10.0モル%、4.0~9.0モル%、4.0~8.0モル%、4.0~7.5モル%、4.0~7.0モル%、4.0~6.5モル%、4.0~6.0モル%、4.0~5.5モル%、又は4.0~5.0モル%の範囲、若しくはこれらの端点のいずれかから形成されたありとあらゆる部分範囲にありうる。実施形態では、ガラス組成物中のBの濃度は、0.5モル%以上、1.0モル%以上、1.5モル%以上、2.0モル%以上、2.5モル%以上、3.0モル%以上、3.5モル%以上、又は4.0モル%以上でありうる。
【0284】
実施形態では、本明細書に記載されるガラス組成物は、耐久性を高めるために比較的高いSiO濃度を含むことができ、また、引っ掻き抵抗を高めるためにB及びAl、イオン交換特性を改善するためにPを含むことができる。実施形態では、ガラス組成物は、(B+P+Al)/(SiO)≧0.20、(B+P+Al)/(SiO)≧0.30、又は(B+P+Al)/(SiO)≧0.40の関係を満たすことができる。したがって、B、P、及びAlの量を上記の範囲内にバランスをとることにより、拡散性と破壊靭性のバランスをとることができる。
【0285】
本明細書に記載されるガラス組成物は、LiOをさらに含みうる。ガラス組成物におけるLiOの影響については、上で論じている。一部には、ガラスにリチウムを添加することにより、イオン交換プロセスのより良好な制御が可能になり、ガラスの軟化点がさらに低下する。実施形態では、ガラス組成物は、5.0~15.0モル%のLiOを含みうる。実施形態では、ガラス組成物は、5.0~10.0モル%のLiOを含みうる。実施形態では、ガラス組成物は、6.0~9.0モル%のLiOを含みうる。実施形態では、ガラス組成物中のLiOの濃度は、5.0~15.0モル%、5.0~10.0モル%、5.0~9.0モル%、5.0~8.5モル%、5.0~8.0モル%、6.0~15.0モル%、6.0~10.0モル%、6.0~9.0モル%、6.0~8.5モル%、6.0~8.0モル%、6.0~7.5モル%、6.0~7.0モル%、6.5~15.0モル%、6.5~10.0モル%、6.5~9.0モル%、6.5~8.5モル%、6.5~8.0モル%、7.0~15.0モル%、7.0~10.0モル%、7.0~9.0モル%、7.0~8.5モル%、7.0~8.0モル%、7.5~15.0モル%、7.5~10.0モル%、7.5~9.0モル%、又は7.5~8.5モル%の範囲、若しくはこれらの端点のいずれかから形成されたありとあらゆる部分範囲にありうる。実施形態では、ガラス組成物中のLiOの濃度は、15.0モル%以下、10.0モル%以下、9.5モル%以下、9.0モル%以下、8.5モル%以下、又は8.0モル%以下でありうる。
【0286】
本明細書に記載されるガラス組成物は、NaOなど、LiO以外のアルカリ金属酸化物をさらに含みうる。NaOは、ガラス組成物のイオン交換能を助け、融点も上げ、ガラス組成物の成形性を向上させる。しかしながら、ガラス組成物に添加するNa2Oが多すぎると、CTEが低くなりすぎる場合があり、また融点が高くなりすぎる場合がある。したがって、実施形態では、ガラス組成物中に存在するLiOの濃度は、ガラス組成物中に存在するNaOの濃度より大きい。実施形態では、ガラス組成物は、1.0~15.0モル%のNaOを含みうる。実施形態では、ガラス組成物は、4.0~10.0モル%のNaOを含みうる。実施形態では、ガラス組成物は、5.0~9.0モル%のNaOを含みうる。実施形態では、ガラス組成物中のNaOの濃度は、1.0~15.0モル%、1.0~10.0モル%、3.0~15.0モル%、3.0~10.0モル%、4.0~15.0モル%、4.0~10.0モル%、4.0~9.5モル%、4.0~9.0モル%、4.5~15.0モル%、4.5~10.0モル%、4.5~9.5モル%、4.5~9.0モル%、5.0~15モル%、5.0~10.0モル%、5.0~9.5モル%、5.0~9.0モル%、5.5~15.0モル%、5.5~10.0モル%、5.5~9.5モル%、5.5~9.0モル%、6.0~15.0モル%、6.0~10.0モル%、6.0~9.5モル%、6.0~9.0モル%、6.5~15.0モル%、6.5~10.0モル%、6.5~9.5モル%、6.5~9.0モル%、7.0~15.0モル%、7.0~10.0モル%、7.0~9.5モル%、7.0~9.0モル%、7.5~15.0モル%、7.5~10.0モル%、7.5~9.5モル%、8.0~15.0モル%、又は8.0~10.0モル%の範囲、若しくはこれらの端点のいずれかから形成されたありとあらゆる部分範囲にありうる。実施形態では、ガラス組成物中のNaOの濃度は、15.0モル%以下、10.0モル%以下、9.5モル%以下、又は9.0モル%以下でありうる。
【0287】
本明細書に記載されるガラス組成物は、KOなど、LiO及びNaO以外のアルカリ金属酸化物をさらに含みうる。KOは、イオン交換を促進し、DOCを増加させる。しかしながら、KOを添加すると、CTEが低くなりすぎる場合があり、また融点が高くなりすぎる場合がある。実施形態では、ガラス組成物は、0.0~1.0モル%のKOを含みうる。実施形態では、ガラス組成物は、0.0~0.5モル%のKOを含みうる。実施形態では、ガラス組成物は、0.0~0.4モル%のKOを含みうる。実施形態では、ガラス組成物中のKOの濃度は、0.0~1.0モル%、0.0~0.5モル%、0.0~0.4モル%、0.0~0.3モル%、0.0~0.2モル%、又は0.0~0.1モル%の範囲、若しくはこれらの端点のいずれかから形成されたありとあらゆる部分範囲にありうる。実施形態では、ガラス組成物は、1.0モル%以下のKO、0.5モル%以下のKO、0.4モル%以下のKO、0.3モル%以下のKO、0.2モル%以下のKO、又は0.1モル%以下のKOを含みうる。
【0288】
すべてのアルカリ酸化物の合計は、本明細書ではROと表される。アルカリ酸化物は、ガラス組成物の軟化点及び成形温度を低下させるのに役立ち、それによって、ガラス組成物中のより多くの量のSiOに起因するガラス組成物の軟化点及び成形温度の上昇を相殺する。ガラス組成物中にアルカリ酸化物(例えば、2つ以上のアルカリ酸化物)の組合せを含めることにより、軟化点及び成形温度の低下をさらに高めることができ、これは、「混合アルカリ効果」と呼ばれる現象である。しかしながら、アルカリ酸化物の量が多すぎる場合、ガラス組成物の平均熱膨張係数が100×10-7/℃超まで増加することが見出されており、これは望ましくないであろう。
【0289】
実施形態では、ガラス組成物中のROの量は、11.0モル%以上~23.0モル%以下、11.0モル%以上~22.0モル%以下、11.0モル%以上~21.0モル%以下、11.0モル%以上~20.0モル%以下、11.0モル%以上~19.0モル%以下、11.0モル%以上~18.0モル%以下、11.0モル%以上~17.0モル%以下、13.0モル%以上~23.0モル%以下、13.0モル%以上~22.0モル%以下、13.0モル%以上~21.0モル%以下、13.0モル%以上~20.0モル%以下、13.0モル%以上~19.0モル%以下、13.0モル%以上~18.0モル%以下、13.0モル%以上~17.0モル%以下、15.0モル%以上~23.0モル%以下、15.0モル%以上~22.0モル%以下、15.0モル%以上~21.0モル%以下、15.0モル%以上~20.0モル%以下、15.0モル%以上~19.0モル%以下、15.0モル%以上~18.0モル%以下、又は15.0モル%以上~17.0モル%以下の範囲にありうる。ガラス組成物中のROの量は、本明細書に記載されるROの下限のいずれか1つとROの上限のいずれか1つとから形成される範囲内にありうるものと理解されたい。
【0290】
ガラスネットワーク形成成分であることに加えて、Alは、ガラス組成物のイオン交換能を増加させるのに役立つ。したがって、実施形態では、イオン交換されうるAl及び成分の量は、比較的多くなりうる。例えば、LiO、NaO、及びKOは、イオン交換可能な構成成分である。実施形態では、ガラス組成物中のAl+ROの量は、26.0モル%以上~40.0モル%以下、28.0モル%以上~40.0モル%以下、30.0モル%以上~40.0モル%以下、32.0モル%以上~40.0モル%以下、34.0モル%以上~40.0モル%以下、26.0モル%以上~38.0モル%以下、28.0モル%以上~38.0モル%以下、30.0モル%以上~38.0モル%以下、32.0モル%以上~38.0モル%以下、34.0モル%以上~38.0モル%以下、26.0モル%以上~36.0モル%以下、28.0モル%以上~36.0モル%以下、30.0モル%以上~36.0モル%以下、32.0モル%以上~36.0モル%以下、又は34.0モル%以上~36.0モル%以下の範囲にありうる。ガラス組成物中のAl+ROの量は、本明細書に記載されるAl+ROの下限のいずれか1つとAl+ROの上限のいずれか1つとから形成される範囲内にありうるものと理解されたい。上記範囲内にあるAl+ROの合計を有することにより、強化されているガラス物品に高い圧縮応力と良好な拡散性が提供される。
【0291】
実施形態では、ガラス組成物中のAl+RO+Bの量は、30.0モル%以上、32.0モル%以上、34.0モル%以上、36.0モル%以上、又は38.0モル%以上である。実施形態では、ガラス組成物中のAl+RO+Bの量は、30.0モル%以上~40.0モル%以下、30.0モル%以上~38.0モル%以下、30.0モル%以上~36.0モル%以下、30.0モル%以上~34.0モル%以下、30.0モル%以上~32.0モル%以下、32.0モル%以上~40.0モル%以下、32.0モル%以上~38.0モル%以下、32.0モル%以上~36.0モル%以下、32.0モル%以上~34.0モル%以下、34.0モル%以上~40.0モル%以下、34.0モル%以上~38.0モル%以下、34.0モル%以上~36.0モル%以下、36.0モル%以上~40.0モル%以下、36.0モル%以上~38.0モル%以下、又は38.0モル%以上~40.0モル%以下の範囲にありうる。ガラス組成物中のAl+RO+Bの量は、本明細書に記載されるAl+RO+Bの下限のいずれか1つとAl+RO+Bの上限のいずれか1つとから形成される範囲内にありうるものと理解されたい。上記のように、Al+ROの合計が本明細書に記載される範囲内にあることにより、強化されているガラス物品の高い圧縮応力及び良好な拡散性が提供され、Bはガラス組成物の軟化点を低下させる。したがって、Al+RO+Bの合計が上記の範囲内にあることにより、ガラス組成物が、より低い軟化点によって提供される良好な成形性と併せて、イオン交換の際に良好な圧縮応力を有することが可能となる。
【0292】
本明細書に記載されるガラス組成物は、MgOをさらに含みうる。MgOは、ガラスの粘度を下げ、成形性、歪み点、及びヤング率を高め、イオン交換能を改善することができる。しかしながら、ガラス組成物に添加するMgOが多すぎると、ガラス組成物の密度とCTEが増加する。実施形態では、ガラス組成物中のMgOの濃度は、0.0~5.0モル%、0.0~4.5モル%、0.0~4.0モル%、0.0~3.5モル%、0.0~3.0モル%、0.0~2.5モル%、0.0~2.0モル%、0.0~1.5モル%、0.5~5.0モル%、0.5~4.5モル%、0.5~4.0モル%、0.5~3.5モル%、0.5~3.0モル%、0.5~2.5モル%、0.5~2.0モル%、0.5~1.5モル%、1.0~5.0モル%、1.0~4.5モル%、1.0~4.0モル%、1.0~3.5モル%、1.0~3.0モル%、1.0~2.5モル%、1.0~2.0モル%、又は1.0~1.5モル%の範囲、若しくはこれらの端点のいずれかから形成されたありとあらゆる部分範囲にありうる。実施形態では、MgOの濃度は、5.0モル%以下、4.5モル%以下、4.0モル%以下、3.5モル%以下、3.0モル%以下、2.5モル%以下、2.0モル%以下、又は1.5モル%以下である。実施形態では、ガラス組成物中のMgOの濃度は、0.0モル%超~3.0モル%以下、0.0モル%超~2.5モル%以下、0.0モル%超~2.0モル%以下、又は0.0モル%超~1.5モル%以下でありうる。
【0293】
本明細書に記載されるガラス組成物は、CaOをさらに含みうる。CaOは、ガラスの粘度を下げ、成形性、歪み点、及びヤング率を高め、イオン交換能を改善することができる。しかしながら、ガラス組成物に添加するCaOが多すぎると、ガラス組成物の密度及びCTEが増加する。実施形態では、ガラス組成物中のCaOの濃度は、0.0~5.0モル%、0.0~4.0モル%、0.0~3.5モル%、0.0~3.0モル%、0.0~2.5モル%、0.0~2.0モル%、0.0~1.5モル%、0.0~1.0モル%、0.0~0.5モル%、0.0~0.1モル%、0.5~5.0モル%、0.5~4.0モル%、0.5~3.5モル%、0.5~3.0モル%、0.5~2.5モル%、0.5~2.0モル%、0.5~1.5モル%、0.5~1.0モル%、1.0~5.0モル%、1.0~4.0モル%、1.0~3.5モル%、1.0~3.0モル%、1.0~2.5モル%、1.0~2.0モル%、1.5~5.0モル%、1.5~4.0モル%、1.5~3.5モル%、1.5~3.0モル%、1.5~2.5モル%、1.5~2.0モル%、2.0~5.0モル%、2.0~4.0モル%、2.0~3.5モル%、2.0~3.0モル%、2.0~2.5モル%、2.5~5.0モル%、2.5~4.0モル%、2.5~3.5モル%、又は2.5~3.0モル%、又はこれらの端点のいずれかから形成されたありとあらゆる部分範囲でありうる。実施形態では、ガラス組成物中のCaOの濃度は、0.1モル%以下でありうる。実施形態では、ガラス組成物中のCaOの濃度は、0.0モル%超~0.1モル%未満でありうる。実施形態では、ガラス組成物は、CaOを実質的に含まないか、又は含まない。
【0294】
本明細書に記載されるガラス組成物は、1つ以上の清澄剤をさらに含みうる。実施形態では、清澄剤は、例えば、SnOを含みうる。実施形態では、ガラス組成物中のSnOの濃度は、0.0~1.0モル%、0.0~0.5モル%、0.0~0.4モル%、0.0~0.3モル%、0.0~0.2モル%、又は0.0~0.1モル%、若しくはこれらの端点のいずれかから形成されたありとあらゆる部分範囲でありうる。実施形態では、ガラス組成物中のSnOの濃度は、0.1モル%以下でありうる。実施形態では、ガラス組成物中のSnOの濃度は、0.0モル%超~0.1モル%以下、0.0モル%超~0.5モル%以下、又は0.0モル%超~1.0モル%以下の範囲にありうる。実施形態では、ガラス組成物は、SnOを実質的に含まないか、又は含まない。
【0295】
本明細書に記載されるガラス組成物は、TiOをさらに含みうる。TiOは、ガラス組成物のUV吸光度を改善する。実施形態では、ガラス組成物中のTiOの濃度は、0.0~2.0モル%、0.0~1.5モル%、0.0~1.0モル%、0.0~0.5モル%、0.0~0.4モル%、0.0~0.3モル%、0.0~0.2モル%、0.0~0.1モル%、又はこれらの端点のいずれかから形成されたありとあらゆる部分範囲でありうる。実施形態では、ガラス組成物中のTiOの濃度は、0.0モル%超~1.5モル%以下、又は0.0モル%超~2.0モル%以下でありうる。実施形態では、ガラス組成物は、TiOを実質的に含まないか、又は含まない。
【0296】
本明細書に記載されるガラス組成物は、Feをさらに含みうる。実施形態では、ガラス組成物中のFeの濃度は、0.0~1.0モル%、0.0~0.5モル%、0.0~0.4モル%、0.0~0.3モル%、0.0~0.2モル%、又は0.0~0.1モル%、若しくはこれらの端点のいずれかから形成されたありとあらゆる部分範囲でありうる。実施形態では、ガラス組成物中のFeの濃度は、0.1モル%以下でありうる。実施形態では、ガラス組成物中のFeの濃度は、0.0モル%超~0.1モル%以下でありうる。実施形態では、ガラス組成物は、Feを実質的に含まないか、又は含まない。
【0297】
実施形態では、本明細書に記載されるガラス組成物は、二価カチオン酸化物(本明細書ではROと称される)をさらに含みうる。本明細書で用いられる場合、ROは、MgO、CaO、SrO、BaO、FeO、及びZnOを含むが、これらに限定されない。実施形態では、ガラス組成物中のROの濃度は、0.0~5.0モル%、0.0~4.0モル%、0.0~3.0モル%、0.0~2.0モル%、0.0~1.0モル%、1.0~5.0モル%、1.0~4.0モル%、1.0~3.0モル%、1.0~2.0モル%、2.0~5.0モル%、2.0~4.0モル%、2.0~3.0モル%、3.0~5.0モル%、3.0~4.0モル%、又は4.0~5.0モル%、若しくはこれらの端点のいずれかから形成されたありとあらゆる部分範囲でありうる。
【0298】
実施形態では、ガラス組成物は、該ガラス組成物のヌープスクラッチ閾値を増加させることができる、過アルミニウムである(すなわち、ガラス組成物中のAlの量は、LiO、NaO、KO、及びMgOの合計より大きい)。実施形態では、ガラス組成物は、電荷バランスを達成するために、0.9≦Al/(RO+RO)≦1.1の関係を満たすことができ、これは、拡散性を高めることによって強化プロセスを最大化する。しかしながら、ガラス組成物が過アルミニウムになると、この電荷バランスの利益はもはや達成されない。さらには、Al/(RO+RO)比が1.0を超えると、融点が高くなり、加工及び成形が困難になる。
【0299】
実施形態では、ガラス組成物中のLiOの量を制御することにより、ガラスを過アルミニウムにすることができる。実施形態では、ガラス組成物は、-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3の関係を満たすことができる。実施形態では、ガラス組成物は、-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.2、-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.1、-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.05、0.0≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3、0.0≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.2、0.0≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.1、又は0.0≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.05の関係を満たすことができる。この関係は、前述のありとあらゆる端点から形成された部分範囲内でありうるものと理解されたい。
【0300】
実施形態では、ガラス組成物は、Al*(10.832)+B*(10.334)+P*(-13.761)+LiO*(-3.135)+NaO*(-7.213)+KO*(-13.761)+MgO*(2.159)+CaO*(-4.518)+SrO*(-4.518)>100の関係を満たすことができる。実施形態によれば、この不等式を満たすガラス組成物は、所望の破壊靭性を有する。実施形態では、ガラス組成物は、Al*(5.99)+B*(-3.85)+P*(-8.44)+LiO*(8.65)+NaO*(-4.65)+KO*(-10.18)+MgO*(1.86)+CaO*(1.86)+SrO*(1.86)>100の関係を満たすことができる。実施形態によれば、この不等式を満たすガラス組成物は、所望の圧縮応力を有する。実施形態では、ガラス組成物は、Al*(4.52)+BO*(-8.28)+P*(-1.73)+LiO*(-10.40)+NaO*(-7.65)+KO*(-10.52)+MgO*(-4.33)+CaO*(-6.61)+SrO*(-2.60)<-100の関係を満たすことができる。実施形態によれば、この不等式を満たすガラス組成物は、所望の軟化点を有する。ガラス組成物は、実施形態及びガラス組成物の所望の特性(破壊靭性、圧縮応力、及び軟化点など)に従って、上記の不等式のうちの1つ以上を満たすことができるものと理解されたい。
【0301】
実施形態では、本明細書に記載されるガラス組成物は、トランプ物質、例えば、MnO、MoO、WO、Y、La、CdO、As、Sb、硫酸塩、ハロゲンなどの硫黄ベースの化合物、又はそれらの組合せをさらに含みうる。実施形態では、抗菌成分、又は他の追加の成分がガラス組成物中に含まれてもよい。
【0302】
実施形態では、ガラス組成物は、57.0モル%~64.0モル%のSiO;17.0モル%~19.0モル%のAl;1.0モル%~3.0モル%のP;0.0モル%~5.0モル%のB;7.5モル%~9.0モル%のLiO;7.0モル%~9.0モル%のNaO;及び、0.0モル%~0.3モル%のKOを含む。ガラス組成物中に存在するすべてのアルカリ酸化物の合計ROは、15.0モル%以上~18.0モル%以下の範囲にありうる。ガラス組成物中に存在するAl及びROの合計は、34.0モル%以上~36.0モル%以下の範囲にありうる。ガラス組成物は、-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3の関係を満たすことができる。
【0303】
実施形態では、ガラス組成物は、57.0モル%~67.0モル%のSiO;15.0モル%~18.0モル%のAl;0.5モル%~1.5モル%のP;2.0モル%~7.0モル%のB;6.0モル%~8.0モル%のLiO;4.0モル%~9.0モル%のNaO;及び、0.0モル%~0.3モル%のKOを含む。ガラス組成物中に存在するすべてのアルカリ酸化物の合計ROは、11.0モル%以上~13.0モル%以下の範囲にありうる。ガラス組成物中に存在するAl及びROの合計は、26.0モル%以上~36.0モル%以下の範囲にありうる。ガラス組成物は、-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3の関係を満たすことができる。
【0304】
実施形態では、ガラス組成物は、55.0モル%~62.0モル%のSiO;10.0モル%~19.0モル%のAl;0.0モル%~10.0モル%のP;2.0モル%~8.0モル%のB;6.0モル%~8.0モル%のLiO;7.0モル%~10.0モル%のNaO;及び、0.0モル%~0.5モル%のKOを含む。ガラス組成物中に存在するすべてのアルカリ酸化物の合計ROは、15.0モル%以上~19.0モル%以下の範囲にありうる。ガラス組成物中に存在するAl及びROの合計は、28.0モル%以上~36.0モル%以下の範囲にありうる。ガラス組成物は、-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3の関係を満たすことができる。
【0305】
実施形態では、ガラス組成物は、55.0モル%~65.0モル%のSiO;14.0モル%~20.0モル%のAl;0.0モル%~3.0モル%のP;1.0モル%~7.0モル%のB;5.0モル%~10.0モル%のLiO;5.0モル%~10.0モル%のNaO;及び、0.0モル%~1.0モル%のKOを含む。ガラス組成物中に存在するすべてのアルカリ酸化物の合計ROは、13.0モル%以上~20.0モル%以下の範囲にありうる。ガラス組成物中に存在するAl及びROの合計は、28.0モル%以上~40.0モル%以下の範囲にありうる。ガラス組成物は、-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3の関係を満たすことができる。
【0306】
実施形態では、ガラス組成物は、55.0モル%~63.0モル%のSiO;15.0モル%~19.0モル%のAl;0.5モル%~2.5モル%のP;2.0モル%~6.0モル%のB;6.0モル%~10.0モル%のLiO;6.0モル%~10.0モル%のNaO;及び、0.0モル%~0.5モル%のKOを含む。ガラス組成物中に存在するすべてのアルカリ酸化物の合計ROは、15.0モル%以上~20.0モル%以下の範囲にありうる。ガラス組成物中に存在するAl及びROの合計は、30.0モル%以上~38.0モル%以下の範囲にありうる。ガラス組成物は、-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3の関係を満たすことができる。
【0307】
実施形態では、ガラス組成物は、56.0モル%~60.0モル%のSiO;16.0モル%~18.0モル%のAl;1.0モル%~2.0モル%のP;3.0モル%~5.0モル%のB;6.0モル%~9.0モル%のLiO;7.0モル%~9.0モル%のNaO;及び、0.0モル%~0.1モル%のKOを含む。ガラス組成物中に存在するすべてのアルカリ酸化物の合計ROは、15.0モル%以上~17.0モル%以下の範囲にありうる。ガラス組成物中に存在するAl及びROの合計は、32.0モル%以上~36.0モル%以下の範囲にありうる。ガラス組成物は、-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3の関係を満たすことができる。
【0308】
次に、上に開示されたアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物の物理的特性について論じる。これらの物理的特性は、実施例を参照してより詳細に論じられるように、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物の成分量を変更することによって達成することができる。
【0309】
本明細書に記載されるガラス組成物から形成される物品は、任意の適切な厚さ(t)とすることができ、これは、ガラスの使用のための特定の用途に応じて変化させることができる。厚さは、ガラス基板の対向する第1及び第2の表面によって画成される。ガラス物品の実施形態は、0.3~3mmの厚さを有しうる。実施形態では、ガラス物品は、5.0mm以下、4.5mm以下、4.0mm以下、3.5mm以下、3.0mm以下、2.5mm以下、2.0mm以下、1.0mm以下、0.9mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下、0.6mm以下、0.5mm以下、0.4mm以下、0.3mm以下、0.2mm以下、0.1mm以下、750.0μm以下、500.0μm以下、又は250.0μm以下の厚さを有しうる。実施形態では、ガラス物品は、200.0μm~5.0mm、500.0μm~5.0mm、200.0μm~4.0mm、500.0μm~4.0mm、200.0μm~3.0mm、又は500.0μm~3.0mmの厚さを有しうる。実施形態では、ガラス物品は、0.1mm~5.0mm、0.2~5.0mm、0.3~5.0mm、0.4~5.0mm、0.5~5.0mm、0.1mm~3.0mm、0.2~3.0mm、0.3~3.0mm、0.4~3.0mm、又は0.5~3.0mmの範囲の厚さを有しうる。実施形態によれば、ガラス物品は、100μm以上かつ~以下1000μm、例えば、400μm以上かつ800μm以下、又は400μm以上かつ800μm以下の厚さを有する。物品の厚さは、前述のありとあらゆる端点から形成された部分範囲内でありうるものと理解されたい。
【0310】
実施形態では、本明細書に記載されるガラス組成物は、2.20以上~2.60以下、2.30以上~2.50以下、2.30以上~2.45以下、2.30以上~2.40以下、2.30以上~2.35以下、2.35以上~2.50以下、2.35以上~2.45以下、2.35以上~2.40以下、2.40以上~2.50以下、2.40以上~2.45以下、2.45以上~2.50以下の範囲、又はこれらの端点のいずれかから形成されたありとあらゆる部分範囲の密度を有しうる。
【0311】
実施形態では、ガラス組成物の液相線粘度は、5.0kP以上~175.0kP以下、5.0kP以上~150.0kP以下、5.0kP以上~125.0kP以下、5.0kP以上~100.0kP以下、5.0kP以上~75.0kP以下、5.0kP以上~50.0kP以下、5.0kP以上~25.0kP以下、25.0kP以上~175.0kP以下、25.0kP以上~150.0kP以下、25.0kP以上~150.0kP以下、25.0kP以上~125.0kP以下、25.0kP以上~100.0kP以下、25.0kP以上~75.0kP以下、25.0kP以上~50.0kP以下、50.0kP以上~175.0kP以下、50.0kP以上~150.0kP以下、50.0kP以上~125.0kP以下、50.0kP以上~100.0kP以下、50.0kP以上~75.0kP以下、75.0kP以上~175.0kP以下、75.0kP以上~150.0kP以下、75.0kP以上~125.0kP以下、75.0kP以上~100.0kP以下、80.0kP以上~100.0kP以下、90.0kP以上~100.0kP以下、75.0kP以上~95.0kP以下の範囲、又はこれらの端点のいずれかから形成されたありとあらゆる部分範囲にある。
【0312】
ガラス組成物の軟化点は、ガラス組成物へのリチウムの添加によっても影響を受ける。実施形態では、所望の軟化点を得るために、ガラス組成物は、Al*(4.90)+B*(-8.97)+P*(-1.87)+LiO*(-11.26)+NaO*(-8.29)+KO*(-11.39)+MgO*(-4.69)+CaO*(-7.16)+SrO*(-2.81)<-100の関係を満たすことができる。実施形態では、所望の軟化点を得るために、ガラス組成物は、Al*(4.52)+B*(-8.28)+P*(-1.73)+LiO*(-10.40)+NaO*(-7.65)+KO*(-10.52)+MgO*(-4.33)+CaO*(-6.61)+SrO*(-2.60)<-100の関係を満たすことができる。実施形態では、所望の軟化点を得るために、ガラス組成物は、Al*(4.20)+B*(-7.69)+P*(-1.61)+LiO*(-9.66)+NaO*(-7.11)+KO*(-9.78)+MgO*(-4.03)+CaO*(-6.14)+SrO*(-2.41)<-100の関係を満たすことができる。実施形態では、ガラス組成物の軟化点は、650.0℃以上~950.0℃以下、650.0℃以上~925.0℃以下、650.0℃以上~905.0℃以下、650.0℃以上~900.0℃以下、650.0℃以上~850.0℃以下、650.0℃以上~800.0℃以下、650.0℃以上~750.0℃以下、650.0℃以上~700.0℃以下、650.0℃以上~690.0℃以下、660.0℃以上~680.0℃以下、675.0℃以上~700.0℃以下、700.0℃以上~950.0℃以下、750.0℃以上~925.0℃以下、775.0℃以上~925.0℃以下、790.0℃以上~910.0℃以下、795.0℃以上~905.0℃以下、800.0℃以上~905.0℃以下、800.0℃以上~900.0℃以下、800.0℃以上~875.0℃以下、800.0℃以上~850.0℃以下、800.0℃以上~825.0℃以下、825.0℃以上~875.0℃以下、825.0℃以上~850.0℃以下、850.0℃以上~900.0℃以下の範囲、又は前述の値の間のありとあらゆる部分範囲にありうる。実施形態では、ガラス組成物の軟化点は、950.0℃以下、925.0℃以下、900.0℃以下、875.0℃以下、860.0℃以下、850.0℃以下、825.0℃以下、800.0℃以下、750.0℃以下、700.0℃以下、675.0℃以下、又は650.0℃以下でありうる。
【0313】
破壊靭性(K1C)は、ガラス組成物が破壊に耐える能力を表す。破壊靭性は、ガラス物品のイオン交換(IOX)処理の前にK1C値を測定するなど、強化されていないガラス物品で測定され、それにより、IOX前のガラス基板の特徴が表される。本明細書に記載される破壊靭性の試験法は、IOX処理に曝露されたガラスには適していない。それにもかかわらず、対応する下層のガラス基板(IOX処理なし)上での測定は、IOXされたガラス特性についての貴重な情報を提供する。K1C値を測定するために利用したシェブロンノッチ付ショートバー(CNSB)法は、Bubsey, R.T. et al., “Closed-Form Expressions for Crack-Mouth Displacement and Stress Intensity Factors for Chevron-Notched Short Bar and Short Rod Specimens Based on Experimental Compliance Measurements,” NASA Technical Memorandum 83796, pp.1-30 (October1992)の式5を使用してY*mを計算することを除き、Reddy, K.P.R. et al, “Fracture Toughness Measurement of Glass and Ceramic Materials Using Chevron-Notched Specimens,” J. Am. Ceram. Soc., 71 [6], C-310-C-313 (1988)に開示されている。特に明記しない限り、すべての破壊靭性値は、シェブロンノッチ付きショートバー(CNSB)法で測定した。実施形態では、シェブロンノッチ付きショートバー法で測定したガラス組成物のK1C破壊靭性は、0.70以上、0.71以上、0.72以上、0.73以上、0.74以上、0.75以上、0.76以上、0.77以上、0.78以上、0.79以上、又は0.80以上でありうる。実施形態では、シェブロンノッチ付きショートバー法で測定したガラス組成物のK1C破壊靭性は、0.70以上~0.80以下又は0.73以上~0.75以下の範囲にありうる。破壊靭性は、前述のありとあらゆる端点から形成
された部分範囲内にありうるものと理解されたい。
【0314】
臨界歪みエネルギー解放率は、破壊靭性(K1C)をヤング率で割った商の計算値であり、ガラス組成物の機械的強度の良好な指標になりうる。実施形態では、所望の臨界歪みエネルギー解放率Gc(J/m)を得るために、ガラス組成物は、Al*(10.832)+B*(10.334)+P*(-13.761)+LiO*(-3.135)+NaO*(-7.213)+KO*(-13.761)+MgO*(2.159)+CaO*(-4.518)+SrO*(-4.518)>100の関係を満たすことができる。実施形態では、所望のGcを得るために、ガラス組成物は、Al*(9.762)+B*(9.313)+P*(12.402)+LiO*(-2.825)+NaO*(-6.501)+KO*(12.402)+MgO*(1.946)+CaO*(-4.072)+SrO*(-4.072)>100の関係を満たすことができる。実施形態では、所望のGcを得るために、ガラス組成物は、Al*(8.885)+B*(8.477)+P*(11.288)+LiO*(-2.571)+NaO*(-5.917)+KO*(11.288)+MgO*(1.771)+CaO*(-3.706)+SrO*(-3.706)>100の関係を満たすことができる。
【0315】
上記から、実施形態によるガラス組成物は、スロット成形、フロート成形、圧延プロセス、溶融成形プロセスなどの任意の適切な方法によって成形することができる。
【0316】
ガラス物品は、それが形成される方法によって特徴付けることができる。例えば、ガラス物品は、フロート成形可能(すなわち、フロート法によって形成される)、下方延伸可能、及び特に溶融成形可能又はスロット延伸可能(すなわち、フュージョンドロー法又はスロットドロー法などのダウンドロー法によって形成される)として特徴付けることができる。
【0317】
実施形態では、本明細書に記載されるガラス物品は、ダウンドロー法によって成形することができる。ダウンドロー法は、比較的無傷な表面を有する、均一な厚さを有するガラス物品を生成する。ガラス物品の平均曲げ強度は表面の傷の量および大きさによって制御されることから、最小限に接触している無傷の表面は、より高い初期強度を有する。加えて、下方に延伸されたガラス製品は、非常に平坦で滑らかな表面を有し、これは、高価な研削および研磨をすることなく、その最終用途に使用することができる。
【0318】
実施形態では、ガラス物品は、溶融成形可能(すなわち、フュージョンドロー法を使用して成形可能)として説明することができる。フュージョン法は、溶融ガラス原料を受け入れるためのチャネルを有する延伸タンクを使用する。チャネルは、該チャネルの両側に、チャネルの長さに沿って上部が開放されている堰を有する。チャネルが溶融材料で満たされると、溶融ガラスは堰から溢れ出る。重力に起因して、溶融ガラスは、2つの流れるガラスフィルムとして延伸タンクの外面を流下する。延伸タンクのこれらの外面は、該延伸タンクの下方の縁部で接合するように、下方かつ内側へと延びている。2つの流れるガラスフィルムは、この縁部で接合し、融着して、単一の流れるガラス物品を形成する。フュージョンドロー法は、チャネル上を流れる2つのガラスフィルムが互いに融着することから、得られるガラス物品の外面はどちらも、装置のいずれの部分とも接触しないという利点をもたらす。よって、溶融延伸されたガラス物品の表面特性は、このような接触による影響を受けない。
【0319】
実施形態では、本明細書に記載されるガラス物品は、スロットドロー法によって成形することができる。スロットドロー法は、フュージョンドロー法とは異なる。スロットドロー法では、溶融原料ガラスは延伸タンクに供給される。延伸タンクの底部は、スロットの長さにわたって延在する、ノズルを備えた開口スロットを有している。溶融ガラスは、スロット/ノズルを通って流れ、連続的なガラス製品として、アニーリング領域内へと下方に延伸される。
【0320】
上記のように、実施形態では、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物は、イオン交換などによって強化され、限定はしないがディスプレイカバー用のガラスなどの用途に対して耐損傷性のガラスを作ることができる。図5を参照すると、ガラスは、該ガラスの表面からDOCまで延びる圧縮応力下の第1の領域(例えば、図5の第1及び第2の圧縮層120、122)、並びに、DOCからガラスの中央領域又は内部領域に延びる引張応力又はCT下の第2の領域(例えば、図5の中央領域130)を有している。第1のセグメント120は、第1の表面110から深さdまで延び、第2のセグメント122は、第2の表面112から深さdまで延びる。これらのセグメントは一緒に、ガラス100の圧縮又はCSを画成する。
【0321】
実施形態では、ガラス組成物のCSは、450.0MPa以上~950.0MPa以下、450.0MPa以上~900.0MPa以下、450.0MPa以上~850.0MPa以下、450.0MPa以上~800.0MPa以下、450.0MPa以上~750.0MPa以下、450.0MPa以上~700.0MPa以下、450.0MPa以上~650.0MPa以下、450.0MPa以上~600.0MPa以下、450.0MPa以上~550.0MPa以下、500.0MPa以上~950.0MPa以下、500.0MPa以上~900.0MPa以下、500.0MPa以上~850.0MPa以下、500.0MPa以上~800.0MPa以下、500.0MPa以上~750.0MPa以下、500.0MPa以上~700.0MPa以下、500.0MPa以上~650.0MPa以下、500.0MPa以上~600.0MPa以下、550.0MPa以上~950.0MPa以下、550.0MPa以上~900.0MPa以下、550.0MPa以上~850.0MPa以下、550.0MPa以上~800.0MPa以下、550.0MPa以上~750.0MPa以下、550.0MPa以上~700.0MPa以下、550.0MPa以上~650.0MPa以下、600.0MPa以上~950.0MPa以下、600.0MPa以上~900.0MPa以下、600.0MPa以上~850.0MPa以下、600.0MPa以上~800.0MPa以下、600.0MPa以上~750.0MPa以下、600.0MPa以上~700.0MPa以下、650.0MPa以上~950.0MPa以下、650.0MPa以上~900.0MPa以下、650.0MPa以上~850.0MPa以下、650.0MPa以上~800.0MPa以下、650.0MPa以上~750.0MPa以下、700.0MPa以上~950.0MPa以下、700.0MPa以上~900.0MPa以下、700.0MPa以上~850.0MPa以下、700.0MPa以上~800.0MPa以下、750.0MPa以上~950.0MPa以下、750.0MPa以上~900.0MPa以下、750.0MPa以上~850.0MPa以下、800.0MPa以上~950.0MPa以下、800.0MPa以上~900.0MPa以下、又は850.0MPa以上~950.0MPa以下の範囲、若しくは前述の値の間のありとあらゆる部分範囲にありうる。実施形態では、ガラス組成物のCSは、450.0MPa以上、500.0MPa以上、550.0MPa以上、600.0MPa以上、650.0MPa以上、700.0MPa以上、750.0MPa以上、800.0MPa以上、850.0MPa以上、又は900.0MPa以上でありうる。
【0322】
実施形態では、所望の最大CTを得るために、ガラス組成物は、0.95<Al*(5.9)-B*(3.8)-P*(8.3)+LiO*(8.5)-NaO*(4.6)-KO*(10)+(MgO+CaO+SrO+ZnO)*(1.8)<1.5を満たすことができる。実施形態では、所望の最大CTを得るために、ガラス組成物は、Al*(6.31)+B*(-4.05)+P*(-8.89)+LiO*(9.11)+NaO*(-4.90)+KO*(-10.73)+MgO*(1.96)+CaO*(1.96)+SrO*(1.96)>100の関係を満たすことができる。実施形態では、所望の最大CTを得るために、ガラス組成物は、Al*(5.99)+B*(-3.85)+P*(-8.44)+LiO*(8.65)+NaO*(-4.65)+KO*(-10.18)+MgO*(1.86)+CaO*(1.86)+SrO*(1.86)>100の関係を満たすことができる。実施形態では、所望の最大CTを得るために、ガラス組成物は、Al*(5.70)+B*(-3.66)+P*(-8.03)+LiO*(8.23)+NaO*(-4.43)+KO*(-9.69)+MgO*(1.77)+CaO*(1.77)+SrO*(1.77)>100の関係を満たすことができる。実施形態では、ガラス組成物の最大CTは、20.0MPa以上~150.0MPa以下、25.0MPa以上~125.0MPa以下、50.0MPa以上~125.0MPa以下、60.0MPa以上~100.0MPa以下、70.0MPa以上~100.0MPa以下、80.0MPa以上~100.0MPa以下、90.0MPa以上~100.0MPa以下、60.0MPa以上~90.0MPa以下、70.0MPa以上~90.0MPa以下、80.0MPa以上~90.0MPa以下、60.0MPa以上~80.0MPa以下、70.0MPa以上~80.0MPa以下、60.0MPa以上~70.0MPa以下の範囲、又は前述の値の間のありとあらゆる部分範囲にありうる。実施形態では、ガラス組成物の最大CTは、20.0MPa以上、50.0MPa以上、60.0MPa以上、65.0MPa以上、70.0MPa以上、~以上75.0MPa、80.0MPa以上、85.0MPa以上、90.0MPa以上、95.0MPa以上、又は100.0MPa以上でありうる。
【0323】
実施形態では、ガラス組成物のDOCは、0.13t以上~0.30t以下(ここで、tは物品の厚さである)、0.13t以上~0.28t以下、0.13t以上~0.26t以下、0.13t以上~0.24t以下、0.13t以上~0.22t以下、0.13t以上~0.20t以下、0.13t以上~0.18t以下、0.15t以上~0.30t以下、0.15t以上~0.28t以下、0.15t以上~0.26t以下、0.15t以上~0.24t以下、0.15t以上~0.22t以下、0.15t以上~0.20t以下、0.15t以上~0.18t以下の範囲内、又は前述の値の間のありとあらゆる部分範囲にありうる。実施形態では、ガラス組成物のDOCは、0.13t以上(ここで、tは物品の厚さである)、0.14t以上、0.15t以上、0.16t以上、0.17t以上、0.18t以上、0.19t以上、0.20t以上、0.21t以上、0.22t以上、0.23t以上、0.24t以上、0.25t以上、0.26t以上、0.27t以上、0.28t以上、0.29t以上、又は0.30t以上でありうる。
【0324】
実施形態では、ガラス組成物のDOLは、1.0μm以上~25.0μm以下、5.0μm以上~20.0μm以下、5.0μm以上~18.0μm以下、5.0μm以上~15.0μm以下、5.0μm以上~12.0μm以下、5.0μm以上~10.0μm以下、7.0μm以上~20.0μm以下、7.0μm以上~18.0μm以下、7.0μm以上~15.0μm以下、7.0μm以上~12.0μm以下、7.0μm以上~10.0μm以下、10.0μm以上~20.0μm以下、10.0μm以上~18.0μm以下、10.0μm以上~15.0μm以下、10.0μm以上~12.0μm以下、12.0μm以上~20.0μm以下、12.0μm以上~18.0μm以下、12.0μm以上~15.0μm以下、15.0μm以上~20.0μm以下、15.0μm以上~18.0μm以下、又は~以上18.0μm~20.0μm以下の範囲、若しくは前述の値の間のありとあらゆる部分範囲にありうる。実施形態では、DOLは、5.0μm以上、7.0μm以上、10.0μm以上、12.0μm以上、15.0μm以上、18.0μm以上、又は25.0μm以上でありうる。
【0325】
実施形態では、ガラス組成物は、600.0MPa以上の圧縮応力、20.0MPa以上の最大中央張力、0.15t以上の圧縮深さ(tは物品の厚さである)、及び5.0μm以上の層深さを有しうる。実施形態では、ガラス組成物は、600.0MPa以上の圧縮応力、60.0MPa以上の最大中央張力、0.18t以上の圧縮深さ、及び10.0μm以上の層深さを有しうる。実施形態では、ガラス組成物は、450.0MPa以上、500.0MPa以上、550.0MPa以上、600.0MPa以上、650.0MPa以上、700.0MPa以上、750.0MPa以上、800.0MPa以上、850.0MPa以上、又は900.0MPa以上の圧縮応力;20.0MPa以上、50.0MPa以上、60.0MPa以上、65.0MPa以上、70.0MPa以上、75.0MPa以上、80.0MPa以上、85.0MPa以上、90.0MPa以上、95.0MPa以上、又は100.0MPa以上の最大中央張力;0.13t以上、0.14t以上、0.15t以上、0.16t以上、0.17t以上、0.18t以上、0.19t以上、0.20t以上、0.21t以上、0.22t以上、0.23t以上、0.24t以上、0.25t以上、0.26t以上、0.27t以上、0.28t以上、0.29t以上、又は0.30t以上の圧縮深さ;及び、5.0μm以上、7.0μm、以上10.0μm以上、12.0μm以上、15.0μm以上、18.0μm以上、又は25.0μm以上のDOLを有しうる。
【0326】
実施形態では、ガラス組成物は、少なくとも6.0Nのヌープスクラッチ閾値によって示されるように、高い亀裂抵抗及び引っ掻き抵抗を有しうる。実施形態では、ガラス組成物は、6.0N~12.0Nの範囲のヌープスクラッチ閾値を有しうる。実施形態によれば、ヌープスクラッチ閾値は、6.0N以上かつ9.0N以下、例えば、6.0N以上かつ12.0N以下、7.0N以上かつ12.0N以下、7.0N以上かつ11.0N以下、又は7.0N以上かつ10.0N以下でありうる。ガラス-セラミックのヌープスクラッチ閾値は、前述のありとあらゆる端点から形成された部分範囲内にありうるものと理解されたい。
【0327】
実施形態では、ガラス組成物は、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.5mmの厚さを有する物品について測定して、100.0cm以上、110.0cm以上、120.0cm以上、130.0cm以上、140.0cm以上、150.0cm以上、160.0cm以上、170.0cm以上、180.0cm以上、190.0cm以上、又は200.0cm以上の破損高さを有しうる。実施形態では、ガラス組成物は、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.5mmの厚さを有する物品について測定して、100.0cm以上~200.0cm以下、120.0cm以上~180.0cm以下、140.0cm以上~160.0cm以下、又は145.0cm以上~155.0cm以下の範囲の破損高さを有しうる。実施形態では、ガラス組成物は、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.6mmの厚さを有する物品について測定して、150.0cm以上、160.0cm以上、170.0cm以上、180.0cm以上、190.0cm以上、又は200.0cm以上の破損高さを有しうる。実施形態では、ガラス組成物は、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.6mmの厚さを有する物品について測定して、150.0cm以上~200.0cm以下、160.0cm以上~190.0cm以下、165.0cm以上~185.0cm以下、又は170.0cm以上~180.0cm以下の範囲の破損高さを有しうる。
【0328】
実施形態では、ガラス組成物は、500.0Nの力で80グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、150.0MPa以上、175.0MPa以上、200.0MPa以上、又は225.0MPa以上の残留強度を有しうる。実施形態では、ガラス組成物は、500.0Nの力で80グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、150.0MPa以上~250.0MPa以下、175.0MPa以上~225.0MPa以下、又は190.0MPa以上~210.0MPa以下の範囲の残留強度を有しうる。実施形態では、ガラス組成物は、500.0Nの力で120グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、150.0MPa以上、175.0MPa以上、200.0MPa以上、225.0MPa以上、又は250.0MPa以上の残留強度を有しうる。実施形態では、ガラス組成物は、500.0 Nの力で120グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、150.0MPa以上~300.0MPa以下、175.0MPa以上~275.0MPa以下、又は200.0MPa以上~250.0MPa以下の範囲の残留強度を有しうる。実施形態では、ガラス組成物は、500.0Nの力で180グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、200.0MPa以上、225.0MPa以上、250.0MPa以上、又は270.0MPa以上の残留強度を有しうる。実施形態では、ガラス組成物は、500.0Nの力で180グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、200.0MPa以上~300.0MPa以下、225.0MPa以上~290.0MPa以下、又は250.0MPa以上~270.0MPa以下の範囲の残留強度を有しうる。
【0329】
ガラス組成物は、該ガラス組成物から作られたガラス物品をイオン交換溶液の浴に浸すか、ガラス組成物から作られたガラス物品にイオン交換溶液を噴霧するか、さもなければガラス組成物から作られたガラス物品にイオン交換溶液を物理的に塗布することによって、イオン交換溶液(例えば、KNO及び/又はNaNO溶融塩浴)に曝露させることができる。ガラス組成物に曝されるとき、イオン交換溶液は、実施形態によれば、350.0℃以上~500.0℃以下、360.0℃以上~450.0℃以下、370.0℃以上~440.0℃以下、360.0℃以上~420.0℃以下、370.0℃以上~400.0℃以下、375.0℃以上~475.0℃以下、400.0℃以上~500.0℃以下、410.0℃以上~490.0℃以下、420.0℃以上~480.0℃以下、430.0℃以上~470.0℃以下、又は440.0℃以上~460.0℃以下の範囲、若しくは前述の値の間のありとあらゆる部分範囲の温度でありうる。実施形態では、ガラス組成物は、2時間以上~48時間以下、2時間以上~24時間以下、2時間以上~12時間以下、2時間以上~6時間以下、8時間以上~44時間以下、12時間以上~40時間以下、16時間以上~36時間以下、20時間以上~32時間以下、又は24時間以上~28時間以下、若しくは前述の値の間のありとあらゆる部分範囲の期間、イオン交換溶液に曝されうる。本明細書に記載されるガラス組成物は、単一イオン交換プロセス、二重イオン交換プロセス、又は多重イオン交換プロセスを受けることができる。本明細書に記載されるガラス組成物は、単一のイオン交換プロセスを受けた後に、多重イオン交換プロセスを受けた従来のガラス組成物と同様の特性を有する。
【0330】
イオン交換プロセスは、例えば、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2016/0102011号明細書に開示されているように、改善された圧縮応力プロファイルをもたらす処理条件下、イオン交換溶液中で行うことができる。
【0331】
イオン交換プロセスが行われた後、ガラス物品の表面の組成は、形成されたままのガラス物品(すなわち、イオン交換プロセスに供される前のガラス物品)の組成とは異なりうるものと理解されたい。これは、例えばLi又はNaなどの形成されたままのガラス内の1種類のアルカリ金属イオンが、例えば、それぞれNa又はKなどのより大きいアルカリ金属イオンに置き換えられることに起因する。しかしながら、ガラス物品の深さの中心又はその近くのガラス組成物は、実施形態では、ガラス物品の形成に利用される、形成されたままの(イオン交換されていない)ガラスの組成を有するであろう。
【0332】
本明細書に開示されるガラス物品は、ディスプレイを備えた(一又は複数の)物品(例えば、携帯電話、タブレット、コンピュータ、ナビゲーションシステムなどを含む消費者向け電化製品)、建築用品、輸送用品(例えば、自動車、列車、航空機、船舶など)、家電機器用品、若しくはある程度の透明性、耐スクラッチ性、耐摩耗性、又はそれらの組合せを必要とする任意の物品などの別の物品に組み込むことができる。本明細書に開示されるガラス物品のいずれかを組み込む例示的な物品が図6A及び6Bに示されている。具体的には、図6A及び6Bは、前面204、背面206、及び側面208を有する筐体202;筐体内部に少なくとも部分的に、又は筐体内に全体的にあり、少なくともコントローラと、メモリと、筐体の前面にあるか又はそれに隣接するディスプレイ210とを含む電気部品(図示せず);並びに、ディスプレイの上方になるように、筐体の前面又はその上にあるカバー基板212を含む、消費者向け電子機器200を示している。実施形態では、カバー基板212の一部及び/又は筐体202の一部は、本明細書に開示されるガラス物品のいずれかを含みうる。
【実施例
【0333】
本明細書に記載されるガラス組成物の実施形態は、以下の実施例によってさらに明確になるであろう。
【0334】
表1は、実施例及び比較例のガラス組成物(モル%単位)、並びにガラス組成物のそれぞれの特性を示している。表1に記載されている組成物1~115及び比較例の組成物1~16を有するガラスを形成した。
【0335】
表2は、比較例のガラス組成物1~4、並びに実施例のガラス組成物から作られたガラス物品に380℃の温度で2時間、イオン交換溶液を施した後の実施例のガラス組成物1~10及び100~102のCS、DOL、及びCTを示している。比較例のガラス組成物1及び2、並びに実施例のガラス組成物1~10に施したイオン交換溶液は、80質量%のKNO/20質量%のNaNOの溶融塩浴であった。比較例のガラス組成物3及び4、並びに実施例のガラス組成物100~102に施したイオン交換溶液は、95質量%のKNO/5質量%のNaNOの溶融塩浴であった。
【0336】
表3は、比較例のガラス組成物1及び2、並びに実施例のガラス組成物から作られたガラス物品に380℃の温度で3時間、イオン交換溶液を施した後の実施例のガラス組成物1~10のCS、DOL、及びCTを示している。比較例のガラス組成物1及び2、並びに実施例のガラス組成物1~10に施したイオン交換溶液は、80質量%のKNO/20質量%のNaNOの溶融塩浴であった。
【0337】
表4は、比較例のガラス組成物1~4、並びに実施例のガラス組成物から作られたガラス物品に380℃の温度で4時間、イオン交換溶液を施した後の実施例のガラス組成物1~10及び100~102のCS、DOL、及びCTを示している。比較例のガラス組成物1及び2、並びに実施例のガラス組成物1~10に施したイオン交換溶液は、80質量%のKNO/20質量%のNaNOの溶融塩浴であった。比較例のガラス組成物3及び4、並びに実施例のガラス組成物100~102に施したイオン交換溶液は、95質量%のKNO/5質量%のNaNOの溶融塩浴であった。
【0338】
表5は、比較例のガラス組成物3及び4、並びに実施例のガラス組成物から作られたガラス物品に380℃の温度で6時間、イオン交換溶液を施した後の実施例のガラス組成物100~102のCS、DOL、及びCTを示している。比較例のガラス組成物3及び4、並びに実施例のガラス組成物100~102に施したイオン交換溶液は、95質量%のKNO/5質量%のNaNOの溶融塩浴であった。
【0339】
表6は、比較例のガラス組成物5~16、並びに実施例のガラス組成物から作られたガラス物品に430℃の温度で4時間、イオン交換溶液を施した後の実施例のガラス組成物29~34及び37~99のCS、DOL、及びCTを示している。比較例のガラス組成物5~16、並びに実施例のガラス組成物29~34及び37~99に施したイオン交換溶液は、80質量%のKNO/20質量%のNaNOの溶融塩浴であった。
【0340】
表7は、比較例のガラス組成物5~16、並びに実施例のガラス組成物から作られたガラス物品に430℃の温度で8時間、イオン交換溶液を施した後の実施例のガラス組成物29~34及び37~99のCS、DOL、及びCTを示している。比較例のガラス組成物5~16、並びに実施例のガラス組成物29~34及び37~99に施したイオン交換溶液は、80質量%のKNO/20質量%のNaNOの溶融塩浴であった。
【0341】
表8は、比較例のガラス組成物5~16、並びに実施例のガラス組成物から作られたガラス物品に430℃の温度で12時間、イオン交換溶液を施した後の実施例のガラス組成物29~34及び37~99のCS、DOL、及びCTを示している。それぞれの特性を、0.8mmの厚さを有するガラスを試験することによって測定した。比較例のガラス組成物5~16、並びに実施例のガラス組成物29~34及び37~99に施したイオン交換溶液は、80質量%のKNO/20質量%のNaNOの溶融塩浴であった。
【0342】
【表1-1】
【0343】
【表1-2】
【0344】
【表1-3】
【0345】
【表1-4】
【0346】
【表1-5】
【0347】
【表1-6】
【0348】
【表1-7】
【0349】
【表1-8】
【0350】
【表1-9】
【0351】
【表1-10】
【0352】
【表1-11】
【0353】
【表1-12】
【0354】
【表1-13】
【0355】
【表1-14】
【0356】
【表1-15】
【0357】
【表2-1】
【0358】
【表2-2】
【0359】
【表2-3】
【0360】
【表3-1】
【0361】
【表3-2】
【0362】
【表4-1】
【0363】
【表4-2】
【0364】
【表4-3】
【0365】
【表5】
【0366】
【表6-1】
【0367】
【表6-2】
【0368】
【表6-3】
【0369】
【表6-4】
【0370】
【表6-5】
【0371】
【表6-6】
【0372】
【表6-7】
【0373】
【表6-8】
【0374】
【表6-9】
【0375】
【表6-10】
【0376】
【表6-11】
【0377】
【表7-1】
【0378】
【表7-2】
【0379】
【表7-3】
【0380】
【表7-4】
【0381】
【表7-5】
【0382】
【表7-6】
【0383】
【表7-7】
【0384】
【表7-8】
【0385】
【表7-9】
【0386】
【表7-10】
【0387】
【表7-11】
【0388】
【表8-1】
【0389】
【表8-2】
【0390】
【表8-3】
【0391】
【表8-4】
【0392】
【表8-5】
【0393】
【表8-6】
【0394】
【表8-7】
【0395】
【表8-8】
【0396】
【表8-9】
【0397】
【表8-10】
【0398】
【表8-11】
【0399】
表9は、実施例のガラス組成物110及び比較例1から作られたガラス物品についてのヌープスクラッチ閾値のデータを示している。示されるように、実施例のガラス組成物110から作られたガラス物品は、比較例1よりも高いヌープスクラッチ閾値を有する。
【0400】
【表9】
【0401】
図7は、0.5mmの厚さを有し、180グリットのサンドペーパー上に落下させた、実施例のガラス組成物110から作られた物品及び比較例1から作られた物品の平均破損高さを示している。図7に示されるように、実施例のガラス組成物110から作られた物品は、50.0cm~100.0cmの範囲の破損高さを有し、平均77.0cmであった。比較例1から作られた物品は、35.0cm~65.0cmの破損高さを有し、平均50.0cmであった。
【0402】
図8は、0.6mmの厚さを有し、180グリットのサンドペーパー上に落下させた、実施例のガラス組成物110から作られた物品及び比較例1から作られた物品の平均破損高さを示している。図8に示されるように、実施例のガラス組成物110から作られた物品は、125.0cm~175.0cmの範囲の破損高さを有し、平均154.0cmであった。比較例1から作られた物品は、60.0cm~125.0cmの破損高さを有し、平均108.0cmであった。
【0403】
図9は、実施例のガラス組成物110から作られた物品及び比較例1から作られた物品の残留強度を示している。図9に示されるように、実施例のガラス組成物110から作られた物品は、500.0Nの力で80グリットのサンドペーパーで衝撃を与えたときに、175.0MPa~225.0MPaの範囲の残留強度を有していた。比較例1から作られた物品は、500.0Nの力で80グリットのサンドペーパーで衝撃を与えたときに、150.0MPa~170.0MPaの範囲の残留強度を有していた。実施例のガラス組成物110から作られた物品は、500.0Nの力で120グリットのサンドペーパーで衝撃を与えたときに、175.0MPa~275.0MPaの範囲の残留強度を有していた。比較例1から作られた物品は、500.0Nの力で120グリットのサンドペーパーで衝撃を与えたときに、170.0MPa~190.0MPaの範囲の残留強度を有していた。実施例のガラス組成物110から作られた物品は、500.0Nの力で180グリットのサンドペーパーで衝撃を与えたときに、250.0MPa~270.0MPaの範囲の残留強度を有していた。比較例1から作られた物品は、500.0Nの力で180グリットのサンドペーパーで衝撃を与えたときに、2000.0MPa~208.0MPaの範囲の残留強度を有していた。
【0404】
特許請求の範囲に記載の主題の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される実施形態にさまざまな修正及び変更を加えることができることは、当業者にとって明らかであろう。したがって、本明細書は、このような修正及び変更が添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に入る限り、本明細書に記載されるさまざまな実施形態の修正及び変更に及ぶことが意図されている。
【0405】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0406】
実施形態1
ガラス組成物であって、
50.0モル%以上かつ70.0モル%以下のSiO
10.0モル%以上かつ25.0モル%以下のAl
0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のP
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のB
5.0モル%以上かつ15.0モル%以下のLiO;
1.0モル%以上かつ15.0モル%以下のNaO;及び
0.0モル%以上かつ1.0モル%以下のK
を含み、ここで、
Oは11.0モル%以上~23.0モル%以下の範囲にあり(ROは、前記ガラス組成物中のアルカリ金属酸化物の合計である);
Al+ROは26.0モル%以上~40.0モル%以下の範囲にあり;かつ
-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3である(ROは、前記ガラス組成物中のアルカリ土類金属酸化物の合計である)、
ガラス組成物。
【0407】
実施形態2
Oが15.0モル%以上~19.0モル%以下の範囲にある、実施形態1に記載のガラス組成物。
【0408】
実施形態3
Al+ROが28.0モル%以上~36.0モル%以下の範囲にある、実施形態1又は実施形態2に記載のガラス組成物。
【0409】
実施形態4
0.0≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.1である、実施形態1から3のいずれかに記載のガラス組成物。
【0410】
実施形態5
0.9≦Al/(RO+RO)≦1.1である、実施形態1から4のいずれかに記載のガラス組成物。
【0411】
実施形態6
Al+RO+Bが32.0モル%以上である、実施形態1から5のいずれかに記載のガラス組成物。
【0412】
実施形態7
(B+P+Al)/(SiO)≧0.20である、実施形態1から6のいずれかに記載のガラス組成物。
【0413】
実施形態8
(B+P+Al)/(SiO)≧0.30である、実施形態7に記載のガラス組成物。
【0414】
実施形態9
(B+P+Al)/(SiO)≧0.40である、実施形態8に記載のガラス組成物。
【0415】
実施形態10
5.0モル%以下のMgOをさらに含む、実施形態1から9のいずれかに記載のガラス組成物。
【0416】
実施形態11
0.0モル%~2.0モル%のTiOをさらに含む、実施形態1から10のいずれかに記載のガラス組成物。
【0417】
実施形態12
0.0モル%~1.0モル%のSnOをさらに含む、実施形態1から11のいずれかに記載のガラス組成物。
【0418】
実施形態13
Al*(10.832)+B*(10.334)+P*(-13.761)+LiO*(-3.135)+NaO*(-7.213)+KO*(-13.761)+MgO*(2.159)+CaO*(-4.518)+SrO*(-4.518)>100である、実施形態1から12のいずれかに記載のガラス組成物。
【0419】
実施形態14
Al*(5.99)+B*(-3.85)+P*(-8.44)+LiO*(8.65)+NaO*(-4.65)+KO*(-10.18)+MgO*(1.86)+CaO*(1.86)+SrO*(1.86)>100である、実施形態1から12のいずれかに記載のガラス組成物。
【0420】
実施形態15
Al*(4.52)+BO*(-8.28)+P*(-1.73)+LiO*(-10.40)+NaO*(-7.65)+KO*(-10.52)+MgO*(-4.33)+CaO*(-6.61)+SrO*(-2.60)<-100である、実施形態1から12のいずれかに記載のガラス組成物。
【0421】
実施形態16
前記ガラス組成物が2.20以上~2.60以下の範囲の密度を有する、実施形態1から15のいずれかに記載のガラス組成物。
【0422】
実施形態17
前記ガラス組成物が5.0kP以上~175.0kP以下の範囲の液相線粘度を有する、実施形態1から16のいずれかに記載のガラス組成物。
【0423】
実施形態18
前記ガラス組成物が650.0℃以上~950.0℃以下の範囲の軟化点を有する、実施形態1から17のいずれかに記載のガラス組成物。
【0424】
実施形態19
前記ガラス組成物が750.0℃以上~925.0℃以下の範囲の軟化点を有する、実施形態18に記載のガラス組成物。
【0425】
実施形態20
前記ガラス組成物が790.0℃以上~910.0℃以下の範囲の軟化点を有する、実施形態19に記載のガラス組成物。
【0426】
実施形態21
前記ガラス組成物が900.0℃以下の軟化点を有する、実施形態1から17のいずれかに記載のガラス組成物。
【0427】
実施形態22
前記ガラス組成物が875.0℃以下の軟化点を有する、実施形態21に記載のガラス組成物。
【0428】
実施形態23
前記ガラス組成物が860.0℃以下の軟化点を有する、実施形態22に記載のガラス組成物。
【0429】
実施形態24
前記ガラス組成物が、シェブロンノッチ付きショートバー法で測定して、0.70以上のK1C破壊靭性を有する、実施形態1から23のいずれかに記載のガラス組成物を含む、ガラス系物品。
【0430】
実施形態25
前記ガラス組成物が、シェブロンノッチ付きショートバー法で測定して、0.73以上のK1C破壊靭性を有する、実施形態24に記載のガラス系物品。
【0431】
実施形態26
前記ガラス系物品が化学的に強化されており、450.0MPa以上の圧縮応力を有する、実施形態1から23のいずれかに記載のガラス組成物を有するガラス系物品。
【0432】
実施形態27
前記ガラス系物品が、KNOを含むイオン交換浴中で、350.0℃以上~500.0℃以下の温度で2時間以上~12時間以下の時間、化学的に強化されている、実施形態26に記載のガラス系物品。
【0433】
実施形態28
前記イオン交換浴がNaNOをさらに含む、実施形態27に記載のガラス系物品。
【0434】
実施形態29
前記強化されているガラス系物品が600MPa以上の圧縮応力を有する、実施形態26から28のいずれかに記載のガラス系物品。
【0435】
実施形態30
前記強化されているガラス系物品が20.0MPa以上の最大中央張力を有する、実施形態26から29のいずれかに記載のガラス系物品。
【0436】
実施形態31
前記強化されているガラス系物品が、60.0MPa以上の最大中央張力を有する、実施形態30に記載のガラス系物品。
【0437】
実施形態32
前記強化されているガラス系物品が0.15t以上の圧縮深さを有しており、tは前記強化されているガラス系物品の厚さである、実施形態26から31のいずれかに記載のガラス系物品。
【0438】
実施形態33
前記強化されているガラス系物品が0.18t以上の圧縮深さを有する、実施形態32に記載のガラス系物品。
【0439】
実施形態34
前記強化されているガラス系物品が5.0μm以上の層深さを有する、実施形態26から33のいずれかに記載のガラス系物品。
【0440】
実施形態35
前記強化されているガラス系物品が10.0μm以上の層深さを有する、実施形態34に記載のガラス系物品。
【0441】
実施形態36
前記強化されているガラス系物品が、600.0MPa以上の圧縮応力、20.0MPa以上の最大中央張力、0.15t以上の圧縮深さ(tは前記強化されているガラス系物品の厚さである)、及び5.0μm以上の層深さを有する、実施形態26から28のいずれかに記載のガラス系物品。
【0442】
実施形態37
前記強化されているガラス系物品が、60.0MPa以上の最大中央張力、0.18t以上の圧縮深さ、及び10.0μm以上の層深さを有する、実施形態36に記載のガラス系物品。
【0443】
実施形態38
前記強化されているガラス系物品が6.0N以上~12.0N以下の範囲のヌープスクラッチ閾値を有する、実施形態26から37のいずれかに記載のガラス系物品。
【0444】
実施形態39
前記強化されているガラス系物品が9.0N以上のヌープスクラッチ閾値を有する、実施形態26から37のいずれかに記載のガラス系物品。
【0445】
実施形態40
前記強化されているガラス系物品が、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.5mmの厚さを有するガラス系物品上で測定して、100.0cm以上の破損高さを有する、実施形態26から39のいずれかに記載のガラス系物品。
【0446】
実施形態41
前記強化されているガラス系物品が120.0cm以上の破損高さを有する、実施形態40に記載のガラス系物品。
【0447】
実施形態42
前記強化されているガラス系物品が150.0cm以上の破損高さを有する、実施形態41に記載のガラス系物品。
【0448】
実施形態43
前記強化されているガラス系物品が、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.6mmの厚さを有する物品について測定して、150.0cm以上の破損高さを有する、実施形態26から39のいずれかに記載のガラス系物品。
【0449】
実施形態44
前記強化されているガラス系物品が180.0cm以上の破損高さを有する、実施形態43に記載のガラス系物品。
【0450】
実施形態45
前記強化されているガラス系物品が200.0cm以上の破損高さを有する、実施形態44に記載のガラス系物品。
【0451】
実施形態46
前記強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で80グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、150.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態26から45のいずれかに記載のガラス系物品。
【0452】
実施形態47
前記強化されているガラス系物品が175.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態46に記載のガラス系物品。
【0453】
実施形態48
前記強化されているガラス系物品が200.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態47に記載のガラス系物品。
【0454】
実施形態49
前記強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で120グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、175.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態26から45のいずれかに記載のガラス系物品。
【0455】
実施形態50
前記強化されているガラス系物品が200.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態49に記載のガラス系物品。
【0456】
実施形態51
前記強化されているガラス系物品が225.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態50に記載のガラス系物品。
【0457】
実施形態52
前記強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で180グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、200.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態26から45のいずれかに記載のガラス系物品。
【0458】
実施形態53
前記強化されているガラス系物品が225.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態52に記載のガラス系物品。
【0459】
実施形態54
前記強化されているガラス系物品が250.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態53に記載のガラス系物品。
【0460】
実施形態55
消費者向け電子デバイスであって、
前面、背面、及び側面を有する筐体;
少なくとも部分的に前記筐体内に設けられた電気部品であって、前記電気部品が少なくともコントローラ、メモリ、及びディスプレイを備えており、前記ディスプレイが前記筐体の前記前面又はそれに隣接して設けられている、電気部品
を含み、
実施形態1から54のいずれか1つのガラス組成物又はガラス系物品が、前記ディスプレイ上に配置されるか、前記筐体の少なくとも一部を形成するか、又は前記ディスプレイの上に配置され、かつ前記筐体の少なくとも一部を形成する、
消費者向け電子デバイス。
【0461】
実施形態56
ガラス組成物であって、
55.0モル%以上かつ65.0モル%以下のSiO
14.0モル%以上かつ20.0モル%以下のAl
0.0モル%以上かつ3.0モル%以下のP
1.0モル%以上かつ~以下7.0モル%のB
5.0モル%以上かつ10.0モル%以下のLiO;
5.0モル%以上かつ10.0モル%以下のNaO;及び
0.0モル%以上かつ1.0モル%以下のK
を含み、ここで、
Oが13.0モル%以上~20.0モル%以下の範囲にあり(ROは、前記ガラス組成物中のアルカリ金属酸化物の合計である);
Al+ROが、28.0モル%以上~40.0モル%以下の範囲にあり;かつ
-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3である(ROは、前記ガラス組成物中のアルカリ土類金属酸化物の合計である)、
ガラス組成物。
【0462】
実施形態57
Oが15.0モル%以上~18.0モル%以下の範囲にある、実施形態56に記載のガラス組成物。
【0463】
実施形態58
Al+ROが32.0モル%以上~36.0モル%以下の範囲にある、実施形態56又は実施形態57に記載のガラス組成物。
【0464】
実施形態59
0.0≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.1である、実施形態56から58のいずれかに記載のガラス組成物。
【0465】
実施形態60
0.9≦Al/(RO+RO)≦1.1である、実施形態56から59のいずれかに記載のガラス組成物。
【0466】
実施形態61
Al+RO+Bが32.0モル%以上である、実施形態56から60のいずれかに記載のガラス組成物。
【0467】
実施形態62
(B+P+Al)/(SiO)≧0.20である、実施形態56から61のいずれかに記載のガラス組成物。
【0468】
実施形態63
(B+P+Al)/(SiO)≧0.30である、実施形態62に記載のガラス組成物。
【0469】
実施形態64
(B+P+Al)/(SiO)≧0.40である、実施形態63に記載のガラス組成物。
【0470】
実施形態65
3.0モル%以下のMgOをさらに含む、実施形態56から64のいずれかに記載のガラス組成物。
【0471】
実施形態66
0.0モル%~1.0モル%のTiOをさらに含む、実施形態56から65のいずれかに記載のガラス組成物。
【0472】
実施形態67
0.0モル%~1.0モル%のSnOをさらに含む、実施形態56から66のいずれかに記載のガラス組成物。
【0473】
実施形態68
Al*(10.832)+B*(10.334)+P*(-13.761)+LiO*(-3.135)+NaO*(-7.213)+KO*(-13.761)+MgO*(2.159)+CaO*(-4.518)+SrO*(-4.518)>100である、実施形態56から67のいずれかに記載のガラス組成物。
【0474】
実施形態69
Al*(5.99)+B*(-3.85)+P*(-8.44)+LiO*(8.65)+NaO*(-4.65)+KO*(-10.18)+MgO*(1.86)+CaO*(1.86)+SrO*(1.86)>100である、実施形態56から67のいずれかに記載のガラス組成物。
【0475】
実施形態70
Al*(4.52)+BO*(-8.28)+P*(-1.73)+LiO*(-10.40)+NaO*(-7.65)+KO*(-10.52)+MgO*(-4.33)+CaO*(-6.61)+SrO*(-2.60)<-100である、実施形態56から67のいずれかに記載のガラス組成物。
【0476】
実施形態71
前記ガラス組成物が2.20以上~2.60以下の範囲の密度を有する、実施形態56から70のいずれかに記載のガラス組成物。
【0477】
実施形態72
前記ガラス組成物が5.0kP以上~150.0kP以下の範囲の液相線粘度を有する、実施形態56から71のいずれかに記載のガラス組成物。
【0478】
実施形態73
前記ガラス組成物が650.0℃以上~950.0℃以下の範囲の軟化点を有する、実施形態56から72のいずれかに記載のガラス組成物。
【0479】
実施形態74
前記ガラス組成物が750.0℃以上~925.0℃以下の範囲の軟化点を有する、実施形態73に記載のガラス組成物。
【0480】
実施形態75
前記ガラス組成物が790.0℃以上~910.0℃以下の範囲の軟化点を有する、実施形態74に記載のガラス組成物。
【0481】
実施形態76
前記ガラス組成物が900.0℃以下の軟化点を有する、実施形態56から72のいずれかに記載のガラス組成物。
【0482】
実施形態77
前記ガラス組成物が875.0℃以下の軟化点を有する、実施形態76に記載のガラス組成物。
【0483】
実施形態78
前記ガラス組成物が860.0℃以下の軟化点を有する、実施形態77に記載のガラス組成物。
【0484】
実施形態79
前記ガラス系物品が、シェブロンノッチ付きショートバー法で測定して、0.70以上のK1C破壊靭性を有する、実施形態56から78のいずれかに記載のガラス組成物を含むガラス系物品。
【0485】
実施形態80
前記ガラス系物品が、シェブロンノッチ付きショートバー法で測定して、0.73以上のK1C破壊靭性を有する、実施形態79に記載のガラス系物品。
【0486】
実施形態81
前記ガラス系物品が、化学的に強化されており、450.0MPa以上の圧縮応力を有する、実施形態56から78のいずれかに記載の組成物を有するガラス系物品。
【0487】
実施形態82
前記ガラス系物品が、KNOを含むイオン交換浴中で、350.0℃以上~500.0℃以下の温度で2時間以上~12時間以下の時間、化学的に強化されている、実施形態81に記載のガラス系物品。
【0488】
実施形態83
前記イオン交換浴がNaNOをさらに含む、実施形態82に記載のガラス系物品。
【0489】
実施形態84
前記強化されているガラス系物品が600.0MPa以上の圧縮応力を有する、実施形態81から83のいずれかに記載のガラス系物品。
【0490】
実施形態85
前記強化されているガラス系物品が20.0MPa以上の最大中央張力を有する、実施形態81から84のいずれかに記載のガラス系物品。
【0491】
実施形態86
前記強化されているガラス系物品が60.0MPa以上の最大中央張力を有する、実施形態85に記載のガラス系物品。
【0492】
実施形態87
前記強化されているガラス系物品が0.15t以上の圧縮深さを有しており、tは前記強化されているガラス系物品の厚さである、実施形態81から86のいずれかに記載のガラス系物品。
【0493】
実施形態88
前記強化されているガラス系物品が
0.18t以上の圧縮深さを有する、実施形態87に記載のガラス系物品。
【0494】
実施形態89
前記強化されているガラス系物品が5.0μm以上の層深さを有する、実施形態81から88のいずれかに記載のガラス系物品。
【0495】
実施形態90
前記強化されているガラス系物品が10.0μm以上の層深さを有する、実施形態89に記載のガラス系物品。
【0496】
実施形態91
前記強化されているガラス系物品が、600.0MPa以上の圧縮応力、20.0MPa以上の最大中央張力、0.15t以上の圧縮深さ(tは前記強化されているガラス系物品の厚さである)、及び5.0μm以上の層深さを有する、実施形態81から83のいずれかに記載のガラス系物品。
【0497】
実施形態92
前記強化されているガラス系物品が、60.0MPa以上の最大中央張力、0.18t以上の圧縮深さ、及び10.0μm以上の層深さを有する、実施形態91に記載のガラス系物品。
【0498】
実施形態93
前記強化されているガラス系物品が6.0N以上~12.0N以下の範囲のヌープスクラッチ閾値を有する、実施形態81から92のいずれかに記載のガラス系物品。
【0499】
実施形態94
前記強化されているガラス系物品が9.0N以上のヌープスクラッチ閾値を有する、実施形態81から92のいずれかに記載のガラス系物品。
【0500】
実施形態95
前記強化されているガラス系物品が、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.5mmの厚さを有する物品について測定して、100.0cm以上の破損高さを有する、実施形態81から94のいずれかに記載のガラス系物品。
【0501】
実施形態96
前記強化されているガラス系物品が120.0cm以上の破損高さを有する、実施形態95に記載のガラス系物品。
【0502】
実施形態97
前記強化されているガラス系物品が150.0cm以上の破損高さを有する、実施形態96に記載のガラス系物品。
【0503】
実施形態98
前記強化されているガラス系物品が、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.6mmの厚さを有する物品について測定して、150.0cm以上の破損高さを有する、実施形態81から94のいずれかに記載のガラス系物品。
【0504】
実施形態99
前記強化されているガラス系物品が180.0cm以上の破損高さを有する、実施形態98に記載のガラス系物品。
【0505】
実施形態100
前記強化されているガラス系物品が200.0cm以上の破損高さを有する、実施形態99に記載のガラス系物品。
【0506】
実施形態101
前記強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で80グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、150.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態81から100のいずれかに記載のガラス系物品。
【0507】
実施形態102
前記強化されているガラス系物品が175.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態101に記載のガラス系物品。
【0508】
実施形態103
前記強化されているガラス系物品が200.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態102に記載のガラス系物品。
【0509】
実施形態104
前記強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で120グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、175.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態81から100のいずれかに記載のガラス系物品。
【0510】
実施形態105
前記強化されているガラス系物品が200.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態104に記載のガラス系物品。
【0511】
実施形態106
前記強化されているガラス系物品が225.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態105に記載のガラス系物品。
【0512】
実施形態107
前記強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で180グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、200.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態81から100のいずれかに記載のガラス系物品。
【0513】
実施形態108
前記強化されているガラス系物品が225.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態107に記載のガラス系物品。
【0514】
実施形態109
前記強化されているガラス系物品が250.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態108に記載のガラス系物品。
【0515】
実施形態110
消費者向け電子デバイスであって、
前面、背面、及び側面を有する筐体;
少なくとも部分的に前記筐体内に設けられた電気部品であって、前記電気部品が少なくともコントローラ、メモリ、及びディスプレイを備えており、前記ディスプレイが前記筐体の前記前面又はそれに隣接して設けられている、電気部品
を含み、
実施形態56から109のいずれか1つのガラス組成物又はガラス系物品が、前記ディスプレイ上に配置されるか、前記筐体の少なくとも一部を形成するか、又は前記ディスプレイの上に配置され、かつ前記筐体の少なくとも一部を形成する、
消費者向け電子デバイス。
【0516】
実施形態111
ガラス組成物であって、
55.0モル%以上かつ63.0モル%以下のSiO
15.0モル%以上かつ19.0モル%以下のAl
0.5モル%以上かつ2.5モル%以下のP
2.0モル%以上かつ6.0モル%以下のB
6.0モル%以上かつ10.0モル%以下のLiO;
6.0モル%以上かつ10.0モル%以下のNaO;及び
0.0モル%以上かつ0.5モル%以下のK
を含み、ここで、
Oが15.0モル%以上~20.0モル%以下の範囲にあり(ROは、前記ガラス組成物中のアルカリ金属酸化物の合計である);
Al+ROが30.0モル%以上~38.0モル%以下の範囲にあり;かつ
-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3である(ROは、前記ガラス組成物中のアルカリ土類金属酸化物の合計である)、
ガラス組成物。
【0517】
実施形態112
Oが15.0モル%以上~17.0モル%以下の範囲にある、実施形態111に記載のガラス組成物。
【0518】
実施形態113
Al+ROが32.0モル%以上~36.0モル%以下の範囲にある、実施形態111又は実施形態112に記載のガラス組成物。
【0519】
実施形態114
0.0≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.1である、実施形態111から113のいずれかに記載のガラス組成物。
【0520】
実施形態115
0.9≦Al/(RO+RO)≦1.1である、実施形態111から114のいずれかに記載のガラス組成物。
【0521】
実施形態116
Al+RO+Bが32.0モル%以上である、実施形態111から115のいずれかに記載のガラス組成物。
【0522】
実施形態117
(B+P+Al)/(SiO)≧0.20である、実施形態111から116のいずれかに記載のガラス組成物。
【0523】
実施形態118
(B+P+Al)/(SiO)≧0.30である、実施形態117に記載のガラス組成物。
【0524】
実施形態119
(B+P+Al)/(SiO)≧0.40である、実施形態118に記載のガラス組成物。
【0525】
実施形態120
2.0モル%以下のMgOをさらに含む、実施形態111から119のいずれかに記載のガラス組成物。
【0526】
実施形態121
0.0モル%~1.0モル%のTiOをさらに含む、実施形態111から120のいずれかに記載のガラス組成物。
【0527】
実施形態122
0.0モル%~1.0モル%のSnOをさらに含む、実施形態111から121のいずれかに記載のガラス組成物。
【0528】
実施形態123
Al*(10.832)+B*(10.334)+P*(-13.761)+LiO*(-3.135)+NaO*(-7.213)+KO*(-13.761)+MgO*(2.159)+CaO*(-4.518)+SrO*(-4.518)>100である、実施形態111から122のいずれかに記載のガラス組成物。
【0529】
実施形態124
Al*(5.99)+B*(-3.85)+P*(-8.44)+LiO*(8.65)+NaO*(-4.65)+KO*(-10.18)+MgO*(1.86)+CaO*(1.86)+SrO*(1.86)>100である、実施形態111から122のいずれかに記載のガラス組成物。
【0530】
実施形態125
Al*(4.52)+BO*(-8.28)+P*(-1.73)+LiO*(-10.40)+NaO*(-7.65)+KO*(-10.52)+MgO*(-4.33)+CaO*(-6.61)+SrO*(-2.60)<-100である、実施形態111から122のいずれかに記載のガラス組成物。
【0531】
実施形態126
前記ガラス組成物が2.20以上~2.60以下の範囲の密度を有する、実施形態111から125のいずれかに記載のガラス組成物。
【0532】
実施形態127
前記ガラス組成物が5.0kP以上~175.0kP以下の範囲の液相線粘度を有する、実施形態111から126のいずれかに記載のガラス組成物。
【0533】
実施形態128
前記ガラス組成物が650.0℃以上~950.0℃以下の範囲の軟化点を有する、実施形態111から127のいずれかに記載のガラス組成物。
【0534】
実施形態129
前記ガラス組成物が750.0℃以上~925.0℃以下の範囲の軟化点を有する、実施形態128に記載のガラス組成物。
【0535】
実施形態130
前記ガラス組成物が790.0℃以上~910.0℃以下の範囲の軟化点を有する、実施形態129に記載のガラス組成物。
【0536】
実施形態131
前記ガラス組成物が900.0℃以下の軟化点を有する、実施形態111から127のいずれかに記載のガラス組成物。
【0537】
実施形態132
前記ガラス組成物が875.0℃以下の軟化点を有する、実施形態131に記載のガラス組成物。
【0538】
実施形態133
前記ガラス組成物が860.0℃以下の軟化点を有する、実施形態132に記載のガラス組成物。
【0539】
実施形態134
前記ガラス系物品が、シェブロンノッチ付きショートバー法で測定して0.70MPa.m1/2以上のK1C破壊靭性を有する、実施形態111から133のいずれかに記載のガラス組成物を有するガラス系物品。
【0540】
実施形態135
前記ガラス系物品が、シェブロンノッチ付きショートバー法で測定して、0.73MPa.m1/2以上のK1C破壊靭性を有する、実施形態134に記載のガラス系物品。
【0541】
実施形態136
前記ガラス系物品が、化学的に強化されており、450.0MPa以上の圧縮応力を有する、実施形態111から133のいずれかに記載の組成物を有するガラス系物品。
【0542】
実施形態137
前記ガラス系物品が、KNOを含むイオン交換浴中で、350.0℃以上~500.0℃以下の温度で2時間以上~12時間以下の時間、化学的に強化されている、実施形態136に記載のガラス系物品。
【0543】
実施形態138
前記イオン交換浴がNaNOをさらに含む、実施形態137に記載のガラス系物品。
【0544】
実施形態139
前記強化されているガラス系物品が600.0MPa以上の圧縮応力を有する、実施形態136から138のいずれかに記載のガラス系物品。
【0545】
実施形態140
前記強化されているガラス系物品が20.0MPa以上の最大中央張力を有する、実施形態136から139のいずれかに記載のガラス系物品。
【0546】
実施形態141
前記強化されているガラス系物品が60.0MPa以上の最大中央張力を有する、実施形態140に記載のガラス系物品。
【0547】
実施形態142
前記強化されているガラス系物品が0.15t以上の圧縮深さを有しており、tは前記強化されているガラス系物品の厚さである、実施形態136から141のいずれかに記載のガラス系物品。
【0548】
実施形態143
前記強化されているガラス系物品が0.18t以上の圧縮深さを有する、実施形態142に記載のガラス系物品。
【0549】
実施形態144
前記強化されているガラス系物品が5.0μm以上の層深さを有する、実施形態136から143のいずれかに記載のガラス系物品。
【0550】
実施形態145
前記強化されているガラス系物品が10.0μm以上の層深さを有する、実施形態144に記載のガラス系物品。
【0551】
実施形態146
前記強化されているガラスが、600.0MPa以上の圧縮応力、20.0MPa以上の最大中央張力、0.15t以上の圧縮深さ(tは前記強化されているガラス系物品の厚さである)、及び5.0μm以上の層深さを有する、実施形態136から138のいずれかに記載のガラス系物品。
【0552】
実施形態147
前記強化されているガラスが、60.0MPa以上の最大中央張力、0.18t以上の圧縮深さ、及び10.0μm以上の層深さを有する、実施形態146に記載のガラス系物品。
【0553】
実施形態148
前記強化されているガラス系物品が6.0N以上~12.0N以下の範囲のヌープスクラッチ閾値を有する、実施形態136から147のいずれかに記載のガラス系物品。
【0554】
実施形態149
前記強化されているガラス系物品が9.0N以上のヌープスクラッチ閾値を有する、実施形態136から147のいずれかに記載のガラス系物品。
【0555】
実施形態150
前記強化されているガラス系物品が、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.5mmの厚さを有する物品について測定して、100.0cm以上の破損高さを有する、実施形態136から149のいずれかに記載のガラス系物品。
【0556】
実施形態151
前記強化されているガラス系物品が120.0cm以上の破損高さを有する、実施形態150に記載のガラス系物品。
【0557】
実施形態152
前記強化されているガラス系物品が150.0cm以上の破損高さを有する、実施形態151に記載のガラス系物品。
【0558】
実施形態153
前記強化されているガラス系物品が、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.6mmの厚さを有する物品について測定して、150.0cm以上の破損高さを有する、実施形態136から149のいずれかに記載のガラス系物品。
【0559】
実施形態154
前記強化されているガラス系物品が180.0cm以上の破損高さを有する、実施形態153に記載のガラス系物品。
【0560】
実施形態155
前記強化されているガラス系物品が200.0cm以上の破損高さを有する、実施形態154に記載のガラス系物品。
【0561】
実施形態156
前記強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で80グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、150.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態136から155のいずれかに記載のガラス系物品。
【0562】
実施形態157
前記強化されているガラス系物品が175.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態156に記載のガラス系物品。
【0563】
実施形態158
前記強化されているガラス系物品が200.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態157に記載のガラス系物品。
【0564】
実施形態159
前記強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で120グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、175.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態136から155のいずれかに記載のガラス系物品。
【0565】
実施形態160
前記強化されているガラス系物品が200.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態159に記載のガラス系物品。
【0566】
実施形態161
前記強化されているガラス系物品が225.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態160に記載のガラス系物品。
【0567】
実施形態162
前記強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で180グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、200.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態136から155のいずれかに記載のガラス系物品。
【0568】
実施形態163
前記強化されているガラス系物品が225.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態162に記載のガラス系物品。
【0569】
実施形態164
前記強化されているガラス系物品が250.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態163に記載のガラス系物品。
【0570】
実施形態165
消費者向け電子デバイスであって、
前面、背面、及び側面を有する筐体;
少なくとも部分的に前記筐体内に設けられた電気部品であって、前記電気部品が少なくともコントローラ、メモリ、及びディスプレイを備えており、前記ディスプレイが前記筐体の前記前面又はそれに隣接して設けられている、電気部品
を含み、
実施形態111から164のいずれか1つのガラス組成物又はガラス系物品が、前記ディスプレイ上に配置されるか、前記筐体の少なくとも一部を形成するか、又は前記ディスプレイの上に配置され、かつ前記筐体の少なくとも一部を形成する、
消費者向け電子デバイス。
【0571】
実施形態166
ガラス組成物であって、
55.0モル%以上かつ65.0モル%以下のSiO
14.0モル%以上かつ20.0モル%以下のAl
0.0モル%以上かつ3.0モル%以下のP
1.0モル%以上かつ7.0モル%以下のB
を含み、ここで、
-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3であり(ROは前記ガラス組成物中のアルカリ金属酸化物の合計であり、ROは前記組成物中のアルカリ土類金属酸化物の合計である)、かつ
前記ガラス組成物が900.0℃以下の軟化点を有する、
ガラス組成物。
【0572】
実施形態167
前記ガラス組成物が875.0℃以下の軟化点を有する、実施形態166に記載のガラス組成物。
【0573】
実施形態168
前記ガラス組成物が860.0℃以下の軟化点を有する、実施形態166又は実施形態167に記載のガラス組成物。
【0574】
実施形態169
前記ガラス系物品が化学的に強化されている、実施形態166から168のいずれかに記載のガラス組成物を含むガラス系物品。
【0575】
実施形態170
前記ガラス系物品が、KNOを含むイオン交換浴中で、350.0℃以上~500.0℃以下の温度で2時間以上~12時間以下の時間、化学的に強化されている、実施形態169に記載のガラス系物品。
【0576】
実施形態171
前記イオン交換浴がNaNOをさらに含む、実施形態170に記載のガラス系物品。
【0577】
実施形態172
前記強化されているガラス系物品が、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.5mmの厚さを有する物品について測定して、100.0cm以上の破損高さを有する、実施形態169から171のいずれかに記載のガラス系物品。
【0578】
実施形態173
前記強化されているガラス系物品が120.0cm以上の破損高さを有する、実施形態172に記載のガラス系物品。
【0579】
実施形態174
前記強化されているガラス系物品が150.0cm以上の破損高さを有する、実施形態173に記載のガラス系物品。
【0580】
実施形態175
前記強化されているガラス系物品が、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.6mmの厚さを有する物品について測定して、150.0cm以上の破損高さを有する、実施形態169から171のいずれかに記載のガラス系物品。
【0581】
実施形態176
前記強化されているガラス系物品が180.0cm以上の破損高さを有する、実施形態175に記載のガラス系物品。
【0582】
実施形態177
前記強化されているガラス系物品が200.0cm以上の破損高さを有する、実施形態176に記載のガラス系物品。
【0583】
実施形態178
前記強化されているガラス系物品が450.0MPa以上の圧縮応力を有する、実施形態169から177のいずれかに記載のガラス系物品。
【0584】
実施形態179
前記強化されているガラス系物品が60.0MPa以上の最大中央張力を有する、実施形態169から178のいずれかに記載のガラス系物品。
【0585】
実施形態180
前記強化されているガラス系物品が0.15t以上の圧縮深さを有しており、tは前記強化されているガラス系物品の厚さである、実施形態169から179のいずれかに記載のガラス系物品。
【0586】
実施形態181
前記強化されているガラス系物品が5.0μm以上の層深さを有する、実施形態169から180のいずれかに記載のガラス系物品。
【0587】
実施形態182
前記強化されているガラス系物品が9.0N以上のヌープスクラッチ閾値を有する、実施形態169から181のいずれかに記載のガラス系物品。
【0588】
実施形態183
前記強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で80グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、150.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態169から182のいずれかに記載のガラス系物品。
【0589】
実施形態184
前記強化されているガラス系物品が175.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態183に記載のガラス系物品。
【0590】
実施形態185
前記強化されているガラス系物品が200.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態184に記載のガラス系物品。
【0591】
実施形態186
前記強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で120グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、175.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態169から182のいずれかに記載のガラス系物品。
【0592】
実施形態187
前記強化されているガラス系物品が200.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態186に記載のガラス系物品。
【0593】
実施形態188
前記強化されているガラス系物品が225.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態187に記載のガラス系物品。
【0594】
実施形態189
前記強化されているガラス系物品が、500.0Nの力で180グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有する物品で測定して、200.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態169から182のいずれかに記載のガラス系物品。
【0595】
実施形態190
前記強化されているガラス系物品が225.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態189に記載のガラス系物品。
【0596】
実施形態191
前記強化されているガラス系物品が250.0MPa以上の残留強度を有する、実施形態190に記載のガラス系物品。
【0597】
実施形態192
化学的に強化されているガラス系物品であって、
55.0モル%以上かつ65.0モル%以下のSiO
14.0モル%以上かつ20.0モル%以下のAl
0.0モル%以上かつ3.0モル%以下のP
1.0モル%以上かつ7.0モル%以下のB
を含み、ここで、
-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3であり(ROは前記ガラス系物品中のアルカリ金属酸化物の合計であり、ROは前記ガラス系物品中のアルカリ土類金属酸化物の合計である)、かつ
前記強化されているガラス系物品が、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.5mm未満の厚さを有する物品について測定して、100.0cm以上の破損高さを有する、
ガラス系物品。
【0598】
実施形態193
前記ガラス系物品が120.0cm以上の破損高さを有する、実施形態192に記載のガラス系物品。
【0599】
実施形態194
前記強化されているガラス系物品が150.0cm以上の破損高さを有する、実施形態193に記載のガラス系物品。
【0600】
実施形態195
前記強化されているガラス系物品が450.0MPa以上の圧縮応力を有する、実施形態192から194のいずれかに記載のガラス系物品。
【0601】
実施形態196
前記強化されているガラス系物品が60.0MPa以上の最大中央張力を有する、実施形態192から195のいずれかに記載のガラス系物品。
【0602】
実施形態197
前記強化されているガラス系物品が0.15t以上の圧縮深さを有しており、tは前記強化されているガラス物品の厚さである、実施形態192から196のいずれかに記載のガラス系物品。
【0603】
実施形態198
前記強化されているガラス系物品が5.0μm以上の層深さを有する、実施形態192から197のいずれかに記載のガラス系物品。
【0604】
実施形態199
前記強化されているガラス系物品が9.0N以上のヌープスクラッチ閾値を有する、実施形態192から198のいずれかに記載のガラス系物品。
【0605】
実施形態200
化学的に強化されているガラス系物品であって、
55.0モル%以上かつ65.0モル%以下のSiO
14.0モル%以上かつ20.0モル%以下のAl
0.0モル%以上かつ3.0モル%以下のP
1.0モル%以上かつ7.0モル%以下のB
を含み、ここで、
-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3であり(ROは前記ガラス系物品中のアルカリ金属酸化物の合計であり、ROは前記ガラス系物品中のアルカリ金属酸化物の合計である)、かつ
前記化学的に強化されているガラス系物品が、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って0.6mm未満の厚さを有する物品について測定して、150.0cm以上の破損高さを有する、
ガラス系物品。
【0606】
実施形態201
前記化学的に強化されているガラス系物品が180.0cm以上の破損高さを有する、実施形態200に記載のガラス系物品。
【0607】
実施形態202
前記化学的に強化されているガラス系物品が200.0cm以上の破損高さを有する、実施形態201に記載のガラス系物品。
【0608】
実施形態203
前記強化されているガラス系物品が450.0MPa以上の圧縮応力を有する、実施形態200から202のいずれかに記載のガラス系物品。
【0609】
実施形態204
前記強化されているガラス系物品が60.0MPa以上の最大中央張力を有する、実施形態200から203のいずれかに記載のガラス系物品。
【0610】
実施形態205
前記強化されているガラス系物品が0.15t以上の圧縮深さを有しており、tは前記強化されているガラス物品の厚さである、実施形態200から204のいずれかに記載のガラス系物品。
【0611】
実施形態206
前記強化されているガラス系物品が5.0μm以上の層深さを有する、実施形態200から205のいずれかに記載のガラス系物品。
【0612】
実施形態207
前記強化されているガラス系物品が9.0N以上のヌープスクラッチ閾値を有する、実施形態200から206のいずれかに記載のガラス系物品。
【0613】
実施形態208
ガラス系物品において、
リチウムベースのアルミノケイ酸塩を含む組成物;
前記ガラス系物品の厚さ(t)を画成する第1及び第2の対向する表面であって、前記ガラス系物品の厚さが100μm以上かつ1000μm以下である、対向する表面;
180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って測定して100cm以上の破損高さ;及び
6.0N以上かつ12.0N以下のヌープスクラッチ閾値
を含む、ガラス系物品。
【0614】
実施形態209
前記ガラス系物品の厚さが400μm以上かつ800μm以下である、実施形態208に記載のガラス系物品。
【0615】
実施形態210
前記ガラス系物品の厚さが400μm以上かつ700μm以下である、実施形態208又は実施形態209に記載のガラス系物品。
【0616】
実施形態211
前記破損高さが、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って測定して、150cm以上である、実施形態208から210のいずれかに記載のガラス系物品。
【0617】
実施形態212
前記破損高さが、180グリットのサンドペーパー上での落下試験法に従って測定して、180cm以上である、実施形態208から211のいずれかに記載のガラス系物品。
【0618】
実施形態213
前記ガラス系物品が6.0N以上かつ12.0N以下のヌープスクラッチ閾値を有する、実施形態208から212のいずれかに記載のガラス系物品。
【0619】
実施形態214
前記ガラス系物品が7.0N以上かつ12.0N以下のヌープスクラッチ閾値を有する、実施形態208から213のいずれかに記載のガラス系物品。
【0620】
実施形態215
前記ガラス系物品が650℃以上かつ950℃以下の軟化点を有する、実施形態208から214のいずれかに記載のガラス系物品。
【0621】
実施形態216
前記ガラス系物品が650℃以上かつ800℃以下の軟化点を有する、実施形態208から215のいずれかに記載のガラス系物品。
【0622】
実施形態217
前記ガラス系物品が、シェブロンノッチ付きショートバー法で測定して、0.70以上のK1C破壊靭性を有する、実施形態208から216のいずれかに記載のガラス系物品。
【0623】
実施形態218
前記ガラス系物品が、
50.0モル%以上かつ70.0モル%以下のSiO
10.0モル%以上かつ25.0モル%以下のAl
0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のP
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のB
5.0モル%以上かつ15.0モル%以下のLiO;
1.0モル%以上かつ15.0モル%以下のNaO;及び
0.0モル%以上かつ1.0モル%以下のK
を含む組成物を有する、ガラス系物品。
【0624】
実施形態219
Oが11.0モル%以上かつ23.0モル%以下であり(ROは前記ガラス系物品中に存在するアルカリ金属酸化物のモル%単位での合計である);
Al+ROが26.0モル%以上かつ40.0モル%以下であり;かつ
-0.1≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.3である(ここで、ROは前記ガラス系物品中に存在するアルカリ金属酸化物のモル%単位での合計である)、
実施形態218に記載のガラス系物品。
【0625】
実施形態220
Oが15.0モル%以上かつ19.0モル%以下である、実施形態219に記載のガラス系物品。
【0626】
実施形態221
Al+ROが28.0モル%以上かつ36.0モル%以下である、実施形態219又は実施形態220に記載のガラス系物品。
【0627】
実施形態222
0.0≦(Al-(RO+RO))/LiO≦0.1である、実施形態219から221のいずれかに記載のガラス系物品。
【0628】
実施形態223
前記ガラス系物品が、強化されているガラス系物品であり、0.15t以上の圧縮深さを有する、実施形態208から222のいずれかに記載のガラス系物品。
【0629】
実施形態224
前記強化されているガラス系物品が600MPa以上の圧縮応力を有する、実施形態223に記載のガラス系物品。
【0630】
実施形態225
前記強化されているガラス系物品が20.0MPa以上の最大中央張力を有する、実施形態223又は実施形態224に記載のガラス系物品。
【0631】
実施形態226
前記強化されているガラス系物品が5.0μm以上の層深さを有する、実施形態223から225のいずれかに記載のガラス系物品。
【0632】
実施形態227
ガラス系物品であって、
リチウムベースのアルミノケイ酸塩を含む組成物;
前記ガラス系物品の厚さ(t)を画成する第1及び第2の対向する表面であって、前記ガラス系物品の厚さが100μm以上かつ1000μm以下である、対向する表面;
500.0Nの力で80グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有するガラス系物品について測定して、150MPa以上の残留強度;並びに
6.0N以上かつ12.0N以下のヌープスクラッチ閾値
を含む、ガラス系物品。
【0633】
実施形態228
前記ガラス系物品が、500.0Nの力で120グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有するガラス系物品について測定して、175MPa以上の残留強度を有する、実施形態227に記載のガラス系物品。
【0634】
実施形態229
前記ガラス系物品が、500.0Nの力で180グリットのサンドペーパーで衝撃を与えた後に600.0μmの厚さを有するガラス系物品について測定して、200MPa以上の残留強度を有する、実施形態227又は実施形態228に記載のガラス系物品。
【0635】
実施形態230
消費者向け電子デバイスであって、
前面、背面、及び側面を有する筐体;
少なくとも部分的に前記筐体内に設けられた電気部品であって、前記電気部品が少なくともコントローラ、メモリ、及びディスプレイを備えており、前記ディスプレイが前記筐体の前記前面又はそれに隣接して設けられている、電気部品
を含み、
実施形態208から229のいずれかに記載のガラス系物品が、前記ディスプレイ上に配置されるか、前記筐体の少なくとも一部を形成するか、又は前記ディスプレイの上に配置され、かつ前記筐体の少なくとも一部を形成する、
消費者向け電子デバイス。
【0636】
実施形態231
前記ガラス系物品が携帯電話のカバーガラスである、実施形態208から229のいずれかに記載のガラス系物品。
【符号の説明】
【0637】
10 デバイス落下機
12 チャック
14 チャック爪
16 パック
18 落下面
100 ガラス
110 第1の表面
112 第2の表面
120 第1の圧縮層/第1のセグメント
122 第2の圧縮層/第2のセグメント
130 中央領域
200 消費者向け電子機器
202 筐体
204 前面
206 背面
208 側面
210 ディスプレイ
212 カバー基板
1100 ガラス物品の衝撃試験のための装置
1102 振り子
1104 垂球
1106 ピボット
1108 アーム
1110 ベース
1140 打撃物
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
【国際調査報告】