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特表2023-504793流体飛び散りの抑制に関するシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-07
(54)【発明の名称】流体飛び散りの抑制に関するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/00 20060101AFI20230131BHJP
   E03D 5/10 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
E03D9/00 F
E03D5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530945
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(85)【翻訳文提出日】2022-06-08
(86)【国際出願番号】 US2020058821
(87)【国際公開番号】W WO2021108095
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】62/941,504
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522206788
【氏名又は名称】ティービーケー プロダクツ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン, トレント アール.
(72)【発明者】
【氏名】ガルスター, ギャレット ケー.
【テーマコード(参考)】
2D038
2D039
【Fターム(参考)】
2D038ZA02
2D039AA02
2D039AA04
2D039AD01
2D039DB05
2D039FD02
(57)【要約】
流体飛び散りを抑制するためのシステムおよび方法は、容器および/または流体表面から離間した流体を用いて該流体流動を通過して流れる流体の流れから物質を効果的に捕捉することを含む。流体流動は、流体表面および/または容器に関連してスプレーエンベロープを作成し、流体の流れの小滴が容器から出るのを実質的に防止する。流体流動は、供給流体が、スプレーパターンを容器に注ぎ込むように、および/または流体表面と接触するように配向されたノズルを介して流れることを可能にすることによって、作成される。流体流動は、選択的に作動および非作動され、かつ/また、自動的に(例えば、光または動きで)作動および非作動され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、該方法は、
容器から離間した第1の層状流体流動を確立するステップであって、該流体流動は、外気側と対向する容器側とを有する、ステップと、
該外気側から該流体流動を通して第1の流体の流れを向けるステップと、
該流体流動を用いて、該容器側にある該第1の流体の流れからの流体を含む流体小滴の外気側への移動を妨害するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の層状流体流動は、扇形スプレーパターンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記扇形スプレーパターンは、45度から135度の間の広がり角を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記広がり角は約80度である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記容器内に配置された静水圧流体表面をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の層状流体流動は、前記静水圧流体表面に対して所定のスプレー角で確立されており、そのような角度は、約15度から約90度の間である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記角度は、30度を超える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記角度は、約65度である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の層状流体流動は本質的に水からなり、前記第1の流体の流れは尿を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
システムであって、該システムは、
液体を保持している液体受器と、
第1の層状流体流動パターンを鋭角で該液体の露出面に向けることにより第1のスプレーエンベロープを規定するように構成された第1のノズルと
を含み、
該第1のパターンは、該第1のスプレーエンベロープからの液滴が第1のパターンを通過するのを防ぐように構成されている、システム。
【請求項11】
前記液体の前記露出面は少なくとも実質的に静水圧である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記液体が水である、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のパターンは、供給ラインを源とし、前記液体受器によって保持された前記液体は、一時的な集水タンクを源とする、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
第2のスプレーパターンを前記液体の露出面に対して鋭角で前記受器内へと向けることにより第2のスプレーエンベロープを規定するように構成された第2のノズルをさらに含み、
該第2のスプレーパターンは、該第2のスプレーエンベロープからの液滴が該第2のスプレーパターンを通過するのを防ぐように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のパターンは、前記受器内の前記液体から離れた位置において前記第2のスプレーパターンと交差する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
システムであって、該システムは、
流体受容空洞を有する液体廃棄物受器と、
液体供給への動作接続時に、該空洞内に第1の層状流体流動パターンを向けるように構成された第1のノズルと
を含む、システム。
【請求項17】
前記ノズルは前記空洞内に位置付けられている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記液体廃棄物受器はトイレである、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記液体廃棄物受器は小便器である、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
液体供給への動作接続時に、前記空洞内に第2のスプレーパターンを向けるように構成された第2のノズルをさらに含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1のスプレーパターンおよび前記2のスプレーパターンは、少なくとも実質的に同時に向けられる、請求項20に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、2019年11月27日に出願され、「Systems and Methods Related to Fluid Splash Containment」と題された、同時係属中の米国仮特許出願第62/941,504号の優先権および利益を主張し、該米国仮特許出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
規定された領域または容積内での流体飛び散りの抑制は難しくあり得る。そのような抑制は、製造作業、洗浄作業、または廃液の抑制などの家庭の状況においてさえも必要または望まれ得る。流体の流れが実質的に静水圧の(一般に静止している)流体表面内または固体表面上に導かれ、その流れが、様々な場所、速度、および/または圧力であるにもかかわらず、しばらくの間流動し続ける場合、飛び散りが発生する傾向がある。
【0003】
このような状況(例えば、最初は実質的に静水圧のトイレの水または他の受器もしくは容器に入っていく尿流)での飛び散りには、複数の原因があると考えられる。飛び散りの第1の原因は、静水圧表面または受器(例えば、トイレまたは小便器)表面からの流れの反転または偏流であると考えられる。飛び散りの第2の原因は、受容流体(例えば、トイレの水)が流れの導入に反応し、流れの交点から外側に飛び散ることを含み得る。飛び散りの第3の原因は、最初の2つの原因の組み合わせであり得、これは、流れの方向、流量、および/または、圧力の変化によって引き起こされ得る。
【0004】
流体飛び散りを抑制するために、従前の方法が開発されてきた。第1の方法は、受容流体自体を界面活性剤などで処理し、受容流体の表面張力を低下させることである。このようにして、受容流体の露出または静止表面は、受容流体への流れの流入および継続的な流動の際に、気泡でできた飛び散り防護表面を形成させられ得る。この方法は部分的に成功していることが証明されているが、(例えば、トイレが流された後に)受容水の継続的な化学的処理が必要であり、また、流れの流入時(すなわち、反転または編流)および気泡層の形成前に生じた飛び散りを適切に防がない場合がある。
【0005】
別の従前の方法は、飛び散る小滴を物理的に捕捉するための物理的障壁またはシールドを作成するために、流体受器の物理的構造の量を増加させることであった。この試みられた解決策には複数の問題がある。第1に、追加の構造はかさばり、かつ魅力的ではない可能性があり、特定のユーザーによる受器の使用を妨げることさえあり得る。第2に、物理的構造またはシールドは、衛生状態を維持するために頻繁かつ徹底的な清掃を必要とする。第3に、物理的構造障壁は、流れの流動の方向と実質的に反対向きに動き得る、飛び散る小滴を捕捉するのに常に効果的であるとは限らない。
【0006】
従って、流体飛び散り抑制の技術は、従前の方法に関連する問題の少なくともいくつかに対処するための、改善されたシステムおよび方法から利益を得るであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるシステムおよび方法の実施形態は、概して、流体飛び散りの抑制に関し、より具体的には、流体の流れを受け取るためのスプレーエンベロープに関する。
【0008】
本発明による方法の一態様によれば、方法は、容器から離間した(例えば、水の)第1の流体流動を確立するステップであって、該流体流動は外気側と対向する容器側とを有する、ステップを含む。第1の流体の流れ(例えば、尿)は、外気側から流体流動を通して向けられる。また、容器側にある該第1の流体の流れからの流体を含む流体小滴の移動は、第1の流体流動を用いて、妨害されるか、または完全に外気側に到着するのを妨げられる。第1の流体流動は、スプレーまたは層流であり得る。
【0009】
本発明による方法の別の態様によれば、第1の流体流動は、扇形(例えば、実質的にV字形であり、比較的平面、曲線平面、または円錐形でさえあり得る)のスプレーパターンであり得る。扇形のスプレーパターンは、45度から135度の間の広がり角を含み得、より好ましくは、約80度であり得る。
【0010】
本発明による方法のさらに別の態様によれば、静水圧流体表面(例えば、トイレの水)が容器内に配置され得る。第1の流体流動は、静水圧流体表面に対して所定のスプレー角で確立され得、そのようなスプレー角は、約15度から約90度の間であり、より好ましくは30度より大きく、さらにより好ましくは約65度である。
【0011】
本発明によるシステムの一態様によれば、システムは、露出した表面を有する液体(例えば、水)を保持している場合がある、液体受器を含む。第1のノズルは、第1のスプレーパターンを受器へと、または受器内に向けることにより、第1のスプレーエンベロープを規定するように構成されている。第1のスプレーパターンは、第1のスプレーエンベロープ内からの液滴が第1のスプレーパターンを通過するのを防ぐように構成されている。
【0012】
本発明によるシステムの別の態様によれば、液体の露出面は、少なくとも実質的に静水圧である。
【0013】
本発明によるシステムのさらに別の態様によれば、第1のスプレーパターンは供給ラインを源とし、液体受器に保持された液体は、一時的な集水タンクを源とする。
【0014】
本発明によるシステムのさらに他の別の態様によれば、システムは、第2のスプレーパターンを受器へと向けることにより第2のスプレーエンベロープを規定するように構成された第2のノズルを含み得、ここで、第2のスプレーパターンは、第2のスプレーエンベロープ内からの液滴が第2のスプレーパターンを通過するのを防ぐように構成されている。液体が存在する場合、第1のスプレーパターンは、受器内の液体から離れた位置において第2のスプレーパターンと交差し得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明による流体飛び散り抑制システムの第1の実施形態の部分断面図である。
【0016】
図2図2は、本発明による流体飛び散り抑制システムの概略図である。
【0017】
図3図3は、図1によるシステムの部分的な平面図である。
【0018】
図4図4は、本発明による流体飛び散り抑制システムの第2の実施形態の部分的な平面図である。
【0019】
図5図5は、図4の線5-5に沿って取られた部分断面図である。
【0020】
図6図6は、本発明による流体飛び散り抑制システムの第3の実施形態の部分的な平面図である。
【0021】
図7図7は、本発明による流体飛び散り抑制システムの第4の実施形態の部分的な平面図である。
【0022】
図8図8は、本発明による流体飛び散り抑制システムの第5の実施形態の正面図である。
【0023】
図9図9は、図8の線9-9において取られた部分断面図である。
【0024】
図10図10は、層流ドームノズルの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書の開示は、当業者が本発明を実施することを可能にするために詳細かつ正確であるが、本明細書に開示される物理的実施形態は、他の特定の構造で具体化され得る本発明を単に例示するものである。好ましい実施形態が説明されているが、詳細は、特許請求の範囲によって定義される本発明から逸脱することなく変更され得る。
【0026】
ここで図1~3を参照すると、本発明による流体飛び散り抑制システムの第1の実施形態100が説明され得る。システム100は、概して、液体回路140を少なくとも部分的に制御する電気回路120を含む。システム100の変形例が全体を通して説明されているが、回路120、140の要素の多くは、代替の実施形態において交換され、かつ使用され得ることが理解されるべきである。電気回路120は、好ましくは、9ボルトDC電池または主電源に接続され得る変換器から受け取られる変換されたDC電源などの、電源122を含む。電源122は、使用されることによって、ソレノイド制御弁124を選択的に作動(または非作動)させ、液体供給ライン142からフィードライン144、そしてノズル146への液体の流動を制御し、所望の流体流動(例えば、スプレーパターン150)を作成する。以下の説明全体でスプレーパターン150として論じられているが、流動は同様に、比較的平坦な層流ノズルまたは完全もしくは部分的な層流ドームによって確立された層流シート流で提供されるような、乱流が少ないものか、または実質的に乱流ではないもの(より低いレイノルズ数の流動)であり得る。層流ドームノズルは、Schnuckleの米国特許第7,775,457号に見ることができ、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、図10に関連して以下でより完全に説明される。流動は、図には実質的に平面の流動として示されているが、完全に平面ではない場合があることを理解されたい。すなわち、流動は、平面的、実質的に平面的、または(例えば、重力および/または他の力または設計上の考慮事項によって影響を受けた)湾曲状でさえあり得る、所定の流動であり得る。
【0027】
弁124の選択的作動または非作動は、単極、単投スイッチ126を用いて達成され得、該スイッチは、通常は開いている瞬間スイッチであり得る。追加的または代替的に、電気回路は、スイッチ126のモーションセンサー(図示せず)コントロールまたは補足物を含み得る。モーションセンサーは、タッチレス(例えば、赤外線、光など)であり得、または、便座(図示せず)の位置または動き(例えば、リミットスイッチまたは静電容量式感知)などの、物体の動きによって作動させられ得る。追加的または代替的に、電気回路は、最初の作動(感知または切り替え)後の所定の時間の作動を可能にするように、センサー/スイッチと組み合わせたタイマーを含み得る。代替的に、弁124は、全く電気的ではない場合があり、瞬間ダイヤフラム弁またはツイスト弁によって操作される、手動操作の流体制御弁であり得る。
【0028】
図1は、従来の磁器製トイレ20に設置されたシステム100を示しており、概して飛び散り制御システム10を確立している。公知のように、トイレ20は、トイレの空洞24に水を供給するためのフラッシュ供給タンク22(タンク供給ライン22aによって送り込まれる)を含む。通常、トイレ20を使用する準備ができると、静水圧水面26は、床などの支持面30、空洞24を取り囲む便器29の上端28に対してほぼ水平に(そして少なくとも実質的に平行に)配置される。
【0029】
受器(例えば、トイレ20)へのシステム100の設置は、様々な方法で達成することができ、システム100またはその一部分は、トイレ20の一部として一体的に構築さえされ得る。通常、ノズル146は、便器29に固定され(またはトイレ20の構造に組み込まれ)ており、静水圧面26に対して所望のスプレー角152で、便器29の反対側に向けられる。代表的な実施形態の開示のために別個の位置に示されているが、ノズルX46は、受器の内面の周囲の任意の1つ以上の位置に位置付けられ得ることが理解されるべきである。好ましいスプレー角152は、15度から約90度の間であり、約30度よりも大きいことがより好ましく、約65度が最も好ましい。ソレノイド制御弁124は、供給ライン142と流体連絡するように置かれ、電源122およびスイッチ126(および/または他の作動センサーまたはスイッチ)に電気的に結合されている。望まれる場合、追加の手動または電気制御フローバルブ124が、ノズルスプレーパターン150の調整を援助するために、供給ライン142の一部として直列に置かれ得る。供給ライン142は、建物の水道本管などの水道本管に結合されている、標準的なトイレ供給ライン34の延長であり得るか、または、該トイレ供給ラインに(弁32を介するなどして)結合され得る。代替的に、供給ライン142は、所望の圧力を提供するために、集水タンクから、またはポンプからさえも、重力供給され得る。
【0030】
このように、作動されると、スプレーパターン150は、概して、スプレーエンベロープ154を作成するが、該スプレーエンベロープはまた、表面26および/または便器29などの受器の一部によって規定され得るか、または少なくとも部分的に囲まれ得る。好ましいスプレーパターンは、好ましい広がり角156を有する平坦な扇形パターンである。好ましい広がり角156は、約45度から約135度の間であり、80度が最も好ましい。スプレーパターン150は、合流交線158に沿って水面26に接触するが、該合流交線は、スプレーパターン150(例えば、水)の小滴、または静水圧面26を形成する流体(例えば、水または水/尿の混合物)の小滴を実質的に線形にはねかけたものであり得る。表面26は、支持面30に平行に延びる表面長さ162に沿って延びており、ノズル146に最も近い静水圧面26上の第1の点から、第1の点から容器20を横切って直径方向に対向する表面26上の第2の点までの長さがある。スプレー角152、広がり角156、供給ライン142を介して供給される圧力などのパラメータは、表面長162の半分以下など、所定の距離164にて表面長162に沿って合流交線158を位置付けるように調整され得る。所望のスプレーパターン150を達成し、過剰な供給圧力によって引き起こされ得る容器20の外側への過剰スプレーを最小限に抑えるように、調整がなされ得る。
【0031】
使用において、所望の流量およびスプレーパターン150に調整されると、流体の流れ(例えば、尿流)は、スプレーエンベロープ154の外側(例えば、空洞24の外側)のスプレーパターン150の側面から、スプレーパターン150を貫通し、スプレーエンベロープ154内へと通され、流体表面26および/または便器29の表面に接触し得る。流体表面26および/または容器29に接触する流体の流れに起因してスプレーエンベロープ154内で飛び散りが発生する限り、そのような飛び散りは、スプレーエンベロープ154内において実質的に抑制されるか、または、少なくとも実質的に空洞24から出ることが防止される。
【0032】
図4~5は、本発明による飛び散り制御システムの別の実施形態11を示し、ここでは、同様の番号付けが、第1の実施形態10に関して同一または実質的に同様の構造または開示を示す。本実施形態11において、複数のスプレーパターンが複数のノズルによって提供される。第1の実施形態とよく似ているように、設置は様々な方法で達成されることが可能であり、システムは、トイレ20の一部として組み込まれることさえあり得る。概して、ノズル246、346は便器29に固定され、該ノズルはそれぞれ、静水圧面26に対して所望のスプレー角252、352にて、便器29の反対側に向けられている。両方のノズル246、346は、液体回路内にて平行した関係で配列され得、両方とも、ソレノイド制御弁124からのフィードライン144によって供給される。ソレノイド制御弁124は、供給ライン142と流体連絡するように置かれ、電源122およびスイッチ126に電気的に結合されている。望まれる場合、追加の手動または電気制御フローバルブ124が、ノズルスプレーパターン250、350の調整を援助するために、供給ライン142の一部として直列に置かれ得る。供給ライン142は、建物の水道本管などの水道本管に結合されている、標準的なトイレ供給ライン34の延長であり得るか、または、該トイレ供給ラインに(弁32を介するなどして)結合され得る。代替的に、供給ライン142は、所望の圧力を提供するために、集水タンクから、またはポンプからさえも、重力供給され得る。
【0033】
このように、作動されると、スプレーパターン250、350は、概して、複数のスプレーエンベロープ254、354を作成するが、これらはまた、表面26および/または便器29などの受器の一部によって規定され得るか、または少なくとも部分的に囲まれ得る。好ましいスプレーパターンは、好ましい広がり角156を有する平坦な扇形パターンである。好ましい広がり角256、356は、約45度から約135度の間であり、80度が最も好ましい。複数の広がり角256、356は、実質的に類似または同一であり得るか、またはそれらは実質的に異なるが、それでも好ましい範囲内であり得る。スプレーパターン250、350は、それぞれの合流交線258、358に沿って水面26に接触するが、該合流交線は、それぞれのスプレーパターン250、350(例えば、水)の小滴、または静水圧面26を形成する流体(例えば、水または水/尿の混合物)の小滴を実質的に線形にはねかけたものであり得る。表面26は、支持面30に平行に延びる表面長さ162に沿って延びており、第1のノズル246に最も近い静水圧面26上の第1の点から、第2のノズル346に最も近い静水圧面26上の第2の点までの長さがある。スプレー角252、352、広がり角度256、356、供給ライン142を介して供給される圧力などのパラメータは、表面長162の半分以下など、それぞれの所定の距離264、364にて表面長162に沿って合流交線258、358を位置付けるように調整され得る。所望のスプレーパターン250、350を達成し、過剰な供給圧力によって引き起こされ得る容器20の外側への過剰スプレーを最小限に抑えるように、調整がなされ得る。本実施形態11において、合流交線258、358が分離している場合、該合流交線は、それらの間に乱流チャネル159を作成するように所定の距離に位置付けられ得る。この乱流チャネル159は、スプレーエンベロープ254、354とともに、飛び散り防止を助長することができる。代替的に、スプレー角252、352、広がり角256、356、供給ライン142を介して供給される圧力などのパラメータは、調整され得、その結果、スプレーパターン250、350が重なり合い、それにより、重なり合うスプレーエンベロープ254、354を作成する。
【0034】
使用において、所望の流量およびスプレーパターン250、350に調整されると、流体の流れ(例えば、尿流)は、スプレーエンベロープ254または354の外側(例えば、空洞24の外側)のスプレーパターン250または350の側面から、スプレーパターン250または350を貫通し、それぞれのスプレーエンベロープ254または354内へと通され、流体表面26および/または便器29の表面に接触し得る。流体表面26および/または容器29に接触する流体の流れに起因してスプレーエンベロープ254または354内で飛び散りが発生する限り、そのような飛び散りは、スプレーエンベロープ254または354内において実質的に抑制されるか、または、少なくとも実質的に空洞24から出ることが防止される。代替的または追加的に、流体の流れ(例えば、尿流)は、乱流チャネル159に導入され、それによって抑制され得る。
【0035】
図6は、本発明による飛び散り制御システムの別の実施形態12を示し、ここでは、同様の番号付けが、第1の実施形態10に関して同一または実質的に同様の構造または開示を示す。本実施形態12において、複数のスプレーパターンが複数のノズルによって提供される。例えば、第2の実施形態11からの2つのノズル246、346が、第1の実施形態からのノズル146と組み合わされ得、その結果、3つ(またはそれ以上)のスプレーパターンが重なり合うことにより、複数のスプレーエンベロープ154、254、354を含み、かつ乱流チャネル159を含み得る、飛び散り防止領域454を形成する。飛び散り防止領域454は、好ましくは、流体表面26の大部分を覆う。3つのノズル146、246、346は、好ましくは、液体回路内にて平行した関係で配列され、全ては、ソレノイド制御バルブ124からのフィードライン144によって供給される。
【0036】
図7は、本発明による飛び散り制御システムの第4の実施形態13を示し、ここでは、同様の番号付けが、第1の実施形態10に関して同一または実質的に同様の構造または開示を示す。本実施形態において、ノズルは、トイレ20の前部からタンク22に向かってスプレーする位置に置かれる。そのような配列は、トイレ20の使用者が立っているのではなくトイレ20に座ることによって引き起こされ得る飛び散りの抑制を助長するのに有益であることが証明され得る。この配列は、単独で、または先行する実施形態のいずれかと組み合わせて使用され得る。
【0037】
図8~9は、本発明による飛び散り制御システムの第5の実施形態14を示し、ここでは、同様の番号付けが、第1の実施形態10に関して同一または実質的に同様の構造または開示を示す。本実施形態14において、ノズル646は、小便器40の壁49に固定されるか、またはそれと一体的に形成されており、壁49に対して所望のスプレー角652にて、空洞44の反対側に向けられている。先行する実施形態の流体回路と同様に、ソレノイド制御弁124は、供給ライン142と流体連絡するように置かれ、電源122およびスイッチ126に電気的に結合されている。望まれる場合、追加の手動または電気制御フローバルブ124が、ノズルスプレーパターン650の調整を援助するために、供給ライン142の一部として直列に置かれ得る。供給ライン142は、建物の水道本管などの水道本管に結合されている、標準的な小便器供給ラインの延長であり得るか、または、該小便器供給ラインに(バルブ32を介するなどして)結合され得る。代替的に、供給ライン142は、所望の圧力を提供するために、集水タンクから、またはポンプからさえも、重力供給され得る。
【0038】
このように、作動されると、スプレーパターン650は、概して、スプレーエンベロープ654を作成するが、これはまた、小便器壁49などの受器の一部によって規定されるか、または少なくとも部分的に囲まれ得る。好ましいスプレーパターンは、好ましい広がり角656を有する平坦な扇形パターン(または部分的な円錐形パターン)である。好ましい広がり角656は、約45度から約135度の間であり、80度が最も好ましい。スプレーパターン650は、好ましくは空洞44の内側において、かつ空洞44の前唇または縁部47の下で、小便器壁49に接触する。スプレー角652、広がり角656、供給ライン142を介して供給される圧力などのパラメータは、パターン650をそのように位置付けるように調整され得る。所望のスプレーパターン650を達成し、過剰な供給圧力によって引き起こされ得る容器40の外側への過剰スプレーを最小限に抑えるように、調整がなされ得る。
【0039】
使用において、所望の流量およびスプレーパターン650に調整されると、流体の流れ(例えば、尿流)は、スプレーエンベロープ654の外側(例えば、空洞44の外側)のスプレーパターン650の側面から、スプレーパターン650を貫通し、スプレーエンベロープ654内へと通され、壁49に接触し得る。容器40に接触する流体の流れに起因してスプレーエンベロープ654内で飛び散りが発生する限り、そのような飛び散りは、スプレーエンベロープ654内において実質的に抑制されるか、または、少なくとも実質的に空洞44から出ることが防止される。
【0040】
図10は、層流ドームノズル746を示しており、これは、Schnuckle(米国特許第7,775,457号)、図3および4、に示され記載されているものと類似している。示されるように、ノズル746は、供給ライン144から水を受け取る。ノズル746の本体は、概して、水の流動を供給ライン142から出口端770にある開口部へと向ける中空シリンダーである。使用において、ノズル746は、水面26の上に延びる部分または容器の壁から離間する部分で定位置に固定されており、その出口770は、特定の高さ、例えば、最大約3から6インチ、またはそれ以上にある。表面26の上のノズル出口770の高さは、ノズル746によって形成される釣鐘形またはドームの高さに(少なくとも通常は)対応するように選択される。
【0041】
ダイバータまたはスプレーヘッド構成要素772は、図10に示されるように、出口770に隣接するかまたはその上に載っている閉位置または格納位置から流動位置へと移動する。ダイバータ772は、ノズル746の本体に取り付けられた遠位端774を有し、この堅固に取り付けられた端774は、ばね、コイル、または他の弾性部材776によってダイバータ772に接続されており、該弾性部材は、水の流動が無いかまたはほとんど無いときにダイバータ772を格納するように作用するが、特定のレベルの水の流動/圧力の下では、示されるような開位置またはスプレー位置へとダイバータが伸縮するのを可能にする。ダイバータ772は、概して、実質的に垂直(またはノズル軸に垂直な平面のいくらか上または下)など、ノズル本体746の長手方向軸をほぼ横切って水を外向きに向けるように形作られている。また、ダイバータ772は、いくつかの実施形態において、ノズル出口770の周辺部の周りに実質的に等しい量または体積の水の流動を向かわせて、ドームまたは釣鐘形を形成するような連続的な水の壁を形成するように構成されている(しかし、いくつかの実施形態では、可燃性/爆発性ガスの霧および/または流路のための密閉されたチャンバを提供するために、部分的なドームが、重なり合う隣接するドームによって形成される)。
【0042】
水は、出口770とダイバータ772との間のノズルから排出される(例えば、スプレーヘッドまたはダイバータ772によって外側に向けられる)。示されるように、排出された水は、ノズル出口770から水面26まで延びる水の壁によって、釣鐘形またはドーム750を形成する。水壁412は、(例えば、約0.1から約0.5インチ、またはそれ以上に)変化し得る厚さを有するが、該厚さは、好ましくは、水の流量がノズル746に一致して相対的な層流または非乱流を達成するときに達成され得るような、ギャップがほとんどまたは全く無いものである(例えば、壁750は、層流における、実質的に連続的な水の流動または水の容積でできている)。また、いくつかの実施形態では、壁750は、(例えば、ノズル746の本体の中心軸から実質的に一定の半径で)ノズル746の周囲に約360度延びるが、壁750をノズル746の周囲360度未満に制限することが望ましい場合がある。壁750を制限するか、該壁の形状を制御するために、流動遮断器780がノズル746に挿入され得、または、該ノズルと一体的に形成され得る。遮断器780は、出口770の所望の部分または角度を通る水の流動に及び、該水の流動を防止し得る。示されるように、実質的に半分のドーム750を提供するために、約180度の流動が遮断されている。遮断器780は、ダイバータ772と協働するためのガイド面782およびダイバータ移動限界面784を提供する。ガイド面782は、好ましくは、ノズル746内でダイバータ772の回転整列を維持する。ダイバータ移動限界面784は、好ましくは、ダイバータの一部が、高水圧条件下でのダイバータ772の過伸展を防止するために嵌合することができる台座(seat)を提供する。
【0043】
ドーム壁750(またはその内面)は、内部空隙または中空チャンバ764を規定する。ドーム750のサイズおよびその内部チャンバ764は、高さ(例えば、ノズル770が水面26より上に延びる高さまたは量)によって、ならびに、水面26、ノズル/ダイバータ772の設計および水の流量に関連してノズル746が位置付けられる高さおよび角度に応じて変化する半径Rによって規定される。ドーム750の半径Rは、水の流量を変更することなどによって(例えば、ライン142、144のバルブ32、148を操作して流動を制御することによって、等)、組み立ての操作中に意図的に変更または設定され得る。追加的に、ノズル146の位置角は、所望の層流ドームの形状/パターンを達成するように選択され得る。水面26に対して比較的垂直な関係の場合、図に示すようなドーム750を提供するように選択されることが可能である。時計回りに回転させると、ノズル746が水面26に実質的に平行な位置に回転されると層流の実質的に垂直な壁を作り出すように、重力がノズル746に関するパターンG全体にわたってドーム750に作用し、半径Rが短くなり、ドーム750はより平らになる。ノズル146が時計回りに90度を超えて回転すると、壁750’は、ノズル746に関する重力パターンG全体にわたってノズル746の本体から離れ始める。水面26に対する(または容器表面に対する)ノズル746の位置に関係なく、好ましい層流形状は、ノズル出口770、ダイバータ772、遮断器780、および水圧を様々に変化させることによって達成することができる。
【0044】
本発明によるシステムは、容易に入手可能な電気および配管部品から組み立てられ得、また、カスタム部品は、特に容器に結合するように設計がなされ得、もしくは容器内に組み込まれ得る。
【0045】
上記は、本発明の原理の単なる例示と見なされる。さらに、多くの修正および変更が当業者に容易に想起され得るので、本発明を、図示および説明された正確な構造および操作に限定することは望ましくない。好ましい実施形態が説明されているが、詳細は、特許請求の範囲によって定義される本発明から逸脱することなく変更され得る。
(項目1)
方法であって、該方法は、
容器から離間した第1の流体流動を確立するステップであって、該流体流動は外気側と対向する容器側とを有する、ステップと、
該外気側から該流体流動を通して第1の流体の流れを向けるステップと、
該流体流動を用いて、該容器側にある該第1の流体の流れからの流体を含む流体小滴の外気側への移動を妨害するステップと
を含む、方法。
(項目2)
上記第1の流体流動は、扇形スプレーパターンを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記扇形スプレーパターンは、45度から135度の間の広がり角を含む、項目2に記載の方法。
(項目4)
上記広がり角は約80度である、項目3に記載の方法。
(項目5)
上記容器内に配置された静水圧流体表面をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
上記第1の流体流動は、上記静水圧流体表面に対して所定のスプレー角で確立されており、そのようなスプレー角は、約15度から約90度の間である、項目5に記載の方法。
(項目7)
上記スプレー角は30度を超える、項目6に記載の方法。
(項目8)
上記スプレー角は約65度である、項目7に記載の方法。
(項目9)
上記第1の流体流動は本質的に水からなり、上記第1の流体の流れは尿を含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
システムであって、該システムは、
液体を保持している液体受器と、
第1のスプレーパターンを鋭角で該液体の露出面に向けることにより第1のスプレーエンベロープを規定するように構成された第1のノズルと
を含み、
該第1のスプレーパターンは、該第1のスプレーエンベロープからの液滴が第1のスプレーパターンを通過するのを防ぐように構成されている、システム。
(項目11)
上記液体の上記露出面は少なくとも実質的に静水圧である、項目10に記載のシステム。
(項目12)
上記液体が水である、項目10に記載のシステム。
(項目13)
上記第1のスプレーパターンは、供給ラインを源とし、上記液体受器によって保持された上記液体は、一時的な集水タンクを源とする、項目10に記載のシステム。
(項目14)
第2のスプレーパターンを上記液体の露出面に対して鋭角で上記受器内へと向けることにより第2のスプレーエンベロープを規定するように構成された第2のノズルをさらに含み、
該第2のスプレーパターンは、該第2のスプレーエンベロープからの液滴が該第2のスプレーパターンを通過するのを防ぐように構成されている、項目10に記載のシステム。
(項目15)
上記第1のスプレーパターンは、上記受器内の上記液体から離れた位置において上記第2のスプレーパターンと交差する、項目14に記載のシステム。
(項目16)
システムであって、該システムは、
流体受容空洞を有する液体廃棄物受器と、
液体供給への動作接続時に、該空洞内に第1のスプレーパターンを向けるように構成された第1のノズルと
を含む、システム。
(項目17)
上記ノズルは上記空洞内に位置付けられている、項目16に記載のシステム。
(項目18)
上記液体廃棄物受器はトイレである、項目17に記載のシステム。
(項目19)
上記液体廃棄物受器は小便器である、項目17に記載のシステム。
(項目20)
液体供給への動作接続時に、上記空洞内に第2のスプレーパターンを向けるように構成された第2のノズルをさらに含む、項目16に記載のシステム。
(項目21)
上記第1のスプレーパターンおよび上記第2のスプレーパターンは、少なくとも実質的に同時に向けられる、項目20に記載のシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】