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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-07
(54)【発明の名称】格納システム
(51)【国際特許分類】
   G21C 13/028 20060101AFI20230131BHJP
   G21C 13/00 20060101ALI20230131BHJP
   G21C 13/02 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
G21C13/028
G21C13/00 200
G21C13/02 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022534278
(86)(22)【出願日】2020-11-10
(85)【翻訳文提出日】2022-07-05
(86)【国際出願番号】 EP2020081602
(87)【国際公開番号】W WO2021110373
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】1917905.0
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522223039
【氏名又は名称】ロールス-ロイス・エスエムアール・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・エリンガム
(57)【要約】
原子力プラント用の格納システムが開示され、この格納システムは、原子力プラント構造物を含むための格納スペースを画定する圧力容器と、格納スペース内から圧力容器外まで広がる作業フロアと、圧力容器外の作業フロアから格納スペース内の作業フロアにアクセスできるようにするための圧力容器のアクセス開口と、圧力容器内に設けられたアクセス扉とを備える。アクセス扉は、圧力容器を密閉するためにアクセス開口を閉じる閉位置から、アクセス開口を見えるようにし、作業フロアの扉スペースに受け入れられる開位置に、圧力容器に対して下方にスライド可能に動くように構成される。アクセス扉は、圧力容器外から格納スペース内まで実質的に連続した作業フロア面を設けるために、アクセス扉が開位置にあるとき、作業フロアの扉スペースをふさぐように構成された第1の一体フロアプラグを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子力プラント用の格納システム(100)であって、
原子力プラント構造物を含むための格納スペース(14)を画定する圧力容器(12)と、
前記格納スペース(14)内から前記圧力容器(12)外まで広がる作業フロア(16)と、
前記圧力容器(12)外の前記作業フロア(16)から前記格納スペース(14)内の前記作業フロア(16)までアクセスできるようにするための前記圧力容器(12)のアクセス開口(18)と、
前記圧力容器(12)内に設けられ、前記圧力容器(12)を密閉するために前記アクセス開口(18)を閉じる閉位置から、前記アクセス開口(18)を見えるようにし、前記作業フロア(16)の扉スペース(22)に受け入れられる開位置に、前記圧力容器(12)に対して下方にスライド可能に動くように構成されたアクセス扉(20、120)と、
を備え、
前記アクセス扉(20、120)が、前記圧力容器(12)外から前記格納スペース(14)内まで実質的に連続した作業フロア(16)面を設けるために、前記アクセス扉(20、120)が前記開位置にあるとき、前記作業フロア(16)の前記扉スペース(22)をふさぐように構成された第1の一体フロアプラグ(28)を備える、格納システム(100)。
【請求項2】
前記第1の一体フロアプラグ(28)が、前記アクセス扉(20、120)の上部に取り付けられる、請求項1に記載の格納システム(100)。
【請求項3】
前記第1の一体フロアプラグ(28)が、前記アクセス扉(20、120)と共に動き、前記アクセス扉が前記開位置に動かされるとき、回転せずに、前記作業フロア(16)の前記扉スペース(22)をふさぐようになる、請求項2に記載の格納システム(100)。
【請求項4】
前記作業フロア(16)の前記扉スペース(22)が、前記アクセス扉(20、120)が前記開位置にあるとき、前記第1の一体フロアプラグ(28)を受け入れるためのくぼみ(30)を備え、前記くぼみ(30)が、前記第1の一体フロアプラグ(28)を据え付けるための肩部(32)を画定して、前記扉プラグから前記作業フロア(16)に下向きの力を伝える、請求項1に記載の格納システム(100)。
【請求項5】
前記アクセス扉(20、120)が、前記第1の一体フロアプラグ(28)に対して前記アクセス扉(20、120)の反対側に第2の一体フロアプラグ(34)を備え、前記格納スペース(14)内に実質的に連続した作業フロア(16)面を設けるために、前記アクセス扉(20、120)が前記閉位置にあるとき、前記第2の一体フロアプラグ(34)が、前記作業フロア(16)の前記扉スペース(22)をふさぐように構成される、請求項1または4に記載の格納システム(100)。
【請求項6】
前記第2の一体フロアプラグ(34)が、前記肩部(32)に隣接した前記扉スペース(22)の開口を通過するように構成されるように、前記第2の一体フロアプラグ(34)が、前記第1の一体フロアプラグ(28)よりも小さい幅および/または奥行きを有する、請求項4および5に記載の格納システム(100)。
【請求項7】
前記格納システム(100)が、前記アクセス扉(20、120)を前記圧力容器(12)に対して前記閉位置と前記開位置との間で動かすように構成されたねじジャッキを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の格納システム(100)。
【請求項8】
前記圧力容器(12)が、フレーム(124)を備え、前記アクセス扉(20、120)が、前記フレーム(124)に取り付けられ、前記フレーム(124)が、前記アクセス扉(20、120)を前記開位置と前記閉位置との間で動かすために、前記圧力容器(12)に対して動くように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の格納システム(100)。
【請求項9】
前記アクセス扉(20、120)が前記格納スペース(14)に伸長する軸に沿って前記フレーム(124)に対して動かせるように、前記アクセス扉(20、120)が、前記フレーム(124)に取り付けられる、請求項6に記載の格納システム(100)。
【請求項10】
前記アクセス扉(20、120)が、前記格納スペース(14)により速くアクセスできるようにするための前記格納スペース(14)への前記アクセス開口(18)よりも小さい開口を設けるための副扉(36)を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の格納システム(100)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の格納システム(100)にアクセスできるようにする方法であって、圧力容器(12)を密閉するためにアクセス開口(18)を閉じる閉位置から、前記アクセス開口(18)を見えるようにする開位置に、アクセス扉(20、120)を扉スペース(22)の中へ下方にスライド可能に動かすステップを含む、方法。
【請求項12】
前記アクセス扉を前記開位置に動かす前に、前記閉位置から中間位置に、格納スペース(14)に伸長する軸に沿って前記アクセス扉(120)を動かすステップを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力プラント用の格納システム、および格納システムにアクセスできるようにする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力プラント用の格納システムは、一般的に、圧力容器の中におよび圧力容器から外に装置を移動させるための開口を備えた圧力容器を備える。必要とされる開口のサイズおよび扉を動かすための圧力容器内のスペース要件により、アクセスできるようにすることが難しいことがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
第1の態様によれば、原子力プラント用の格納システムが提供され、この格納システムは、原子力プラント構造物を格納するための格納スペースを画定する圧力容器と、格納スペース内から圧力容器外まで広がる作業フロア(working floor)と、圧力容器外の作業フロアから格納スペース内の作業フロアまでアクセスできるようにするための圧力容器のアクセス開口と、圧力容器の内側に設けられ、圧力容器を密閉するためにアクセス開口を閉じる閉位置から、アクセス開口を見えるようにし、作業フロアの扉スペースに受け入れられる開位置に、下方にスライド可能に動くように構成されたアクセス扉とを備え、アクセス扉は、圧力容器外から格納スペース内まで実質的に連続した作業フロア面を設けるために、アクセス扉が開位置にあるとき、作業フロアの扉スペースをふさぐように構成された第1の一体フロアプラグ(integral floor plug)を備える。
【0004】
第1の一体フロアプラグは、アクセス扉の上部に取り付けられる。
【0005】
第1の一体フロアプラグは、アクセス扉が開位置に動かされるとき、回転せずに、作業フロアの扉スペースをふさぐように、アクセス扉と共に動く。すなわち、フロアプラグは、扉に対して同じ向きのままでありながら、扉と共に下方に垂直に動き、扉スペースをふさぎ、連続した作業フロアを形成するように、扉が全開であるとき、扉スペース内にあるようになる。
【0006】
作業フロアは、格納スペース内に浮いていてもよい。
【0007】
作業フロアの扉スペースは、アクセス扉が開位置にあるとき、第1の一体フロアプラグを受け入れるためのくぼみを備えてもよい。くぼみは、第1の一体フロアプラグを据え付けるための肩部を画定して、扉プラグから作業フロアに下向きの力を伝え得る。
【0008】
アクセス扉は、第1の一体フロアプラグに対してアクセス扉の反対側に第2の一体フロアプラグを備えてもよい。第2の一体フロアプラグは、格納スペース内に実質的に連続した作業フロア面を設けるために、アクセス扉が閉位置であるとき、作業フロアの扉スペースをふさぐように構成されてもよい。
【0009】
第2の一体フロアプラグが、肩部に隣接した扉スペースの開口を通過するように構成され得るように、第2の一体フロアプラグは、第1の一体フロアプラグよりも小さい幅および/または奥行きを有してもよい。
【0010】
格納システムは、アクセス扉を圧力容器に対して閉位置と開位置との間で動かすように構成されたねじジャッキを備えてもよい。
【0011】
圧力容器は、フレームを備えてもよく、アクセス扉は、フレームに取り付けられてもよく、フレームは、アクセス扉を開位置と閉位置との間で動かすために、圧力容器に対して動くように構成されてもよい。
【0012】
アクセス扉は、アクセス扉が格納スペースに伸長する軸に沿ってフレームに対して動かせるように、フレームに取り付けられてもよい。たとえば、格納スペースに伸長する軸は、作業フロアに平行であってもよい。
【0013】
アクセス扉は、格納スペースにより速くアクセスできるようにするための格納スペースへのアクセス開口よりも小さい開口を設けるための副扉を備えてもよい。
【0014】
第2の態様によれば、第1の態様による格納システムにアクセスできるようにする方法が提供され、この方法は、圧力容器を密閉するためにアクセス開口を閉じる閉位置から、アクセス開口を見えるようにする開位置に、アクセス扉を扉スペースの中へ下方にスライド可能に動かすステップを含む。
【0015】
この方法は、アクセス扉を開位置に動かす前に、格納スペースに伸長する軸に沿ってアクセス扉を閉位置から中間位置に動かすステップを含んでもよい。
【0016】
次に本発明の実施形態について、単に例として、添付の図を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】閉じた構成の例示的な格納システムの正面断面図を概略的に示す図である。
図2】開いた構成の例示的な格納システムの正面断面図を概略的に示す図である。
図3】開いた構成の図2の例示的な格納システムの作業フロアにおける扉スペースのクローズアップ図を概略的に示す図である。
図4】閉じた構成の図1の例示的な格納システムの作業フロアにおける扉スペースのクローズアップ図を概略的に示す図である。
図5】閉じた構成の第2の例示的な格納システムの側面断面図を概略的に示す図である。
図6】中間構成の第2の例示的な格納システムの側面断面図を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1および図2は、原子力プラント用の第1の例示的な格納システム10の正面断面図を示す。格納システム10は、その中に原子力プラント構造物を含むための格納スペース14を画定する圧力容器12を備える。この例では、圧力容器12はシリンダーの形態であり、シリンダーの対向する端部には楕円端部がある。他の例では、圧力容器は、任意の好適な形状であってもよい。
【0019】
格納システム10は、圧力容器12の格納スペース14全体に広がり、さらに圧力容器12外に及ぶ作業フロア16を備える。作業フロア16は、格納スペース14内に浮いているように、作業フロア16より下の構造物から支えられる。作業フロア16は、その上を歩き、その上で装置を動かすための面を提供するように構成される。
【0020】
圧力容器12は、圧力容器12外から格納スペース14にアクセスできるようにするために作業フロア16の上方にアクセス開口18(図1では点線として示す)を備える。言い換えれば、アクセス開口18は、圧力容器12外の作業フロア16から、格納スペース14内の(すなわち圧力容器12内部の)作業フロア16にアクセスできるようにする。
【0021】
この例では、アクセス開口18は円形であり、作業フロア16が円形のアクセス開口18全体にわたって弦を画定する。この例のアクセス開口18は、6mの直径を有する。他の例では、アクセス開口は、任意の好適なサイズであってもよい。
【0022】
格納システム10は、圧力容器12内に設けられるアクセス扉20をさらに備える。アクセス扉20は、閉位置から開位置に、下方にスライド可能に動くように構成される。実施形態では、アクセス扉20は、閉位置と開位置との間で、作業フロア16に垂直な軸に沿って、スライド可能に動くように構成される。
【0023】
図1は、閉じた構成の格納システム10を示す。閉じた構成では、アクセス扉20は、アクセス扉20が圧力容器12を密閉するためにアクセス開口18を閉じる閉位置にある。アクセス扉20は、アクセス扉20の上部に配置された、第1の一体フロアプラグ28を含む長方形の上部に及ぶ、全体的に円形形状を有する。アクセス扉の円形部分は、アクセス開口18よりも大きい幅および高さを有するように、約6.5mの直径を有する。アクセス扉20は、アクセス扉20と圧力容器12との間の密閉を実現することができるように、閉位置にあるとき、圧力容器12と重なる。一例では、圧力容器の湾曲に合わせて調整するために圧力容器に平らな、円形扉フレームが取り付けられてもよい。アクセス扉は、そのような例では、平らな扉フレームを密閉してもよい。
【0024】
他の例では、アクセス扉は、任意の好適な形状を有してもよく、アクセス扉が圧力容器を密閉するために閉位置にあるとき、アクセス扉の周縁部が、アクセス開口の周囲で圧力容器に重なる。
【0025】
アクセス扉20は、格納容器14内からの高い圧力に耐えることができなければならないため、圧力容器12の内部に設けられ、したがって高い圧力は、閉位置にあるときアクセス扉20を圧力容器12に押し付ける。
【0026】
図2は、開いた構成の格納システム10を示す。開いた構成では、アクセス扉20は、アクセス扉20が圧力容器12外から格納スペース14にアクセスできるようにするためにアクセス開口18を見えるようにする開位置にある。
【0027】
この例のアクセス扉20は、閉位置と開位置との間で圧力容器12に対して動かせる。アクセス扉20は、アクセス扉20の両側の一対のねじジャッキ26に取り付けられる。ねじジャッキ26を回転させることによってアクセス扉20が閉位置と開位置との間でスライド可能に動くことができるように、ねじジャッキ26は、圧力容器12内の作業フロア16に留められ、作業フロア16の上方に伸びる。
【0028】
他の例では、アクセス扉は、油圧シリンダーなどの、任意の好適な手段によって、閉位置と開位置との間で動かされてもよい。
【0029】
作業フロア16は、開位置においてアクセス扉20を受け入れるように構成された扉スペース22を備える。閉位置と開位置との間で動くとき、アクセス扉20は、扉スペース22を通ってスライドするように構成される。
【0030】
アクセス扉20が(図2に示すように)開位置にあるとき、第1の一体フロアプラグ28は、作業フロア16の扉スペース22をふさぐように構成される。これは、圧力容器12外から格納スペース14内まで実質的に連続した作業フロア16面をもたらす。
【0031】
説明した第1の一体フロアプラグ28を備えるアクセス扉20を有すると、さらなる装置または労力を必要とすることなく1つの動作で、アクセス扉20を閉位置から開位置に動かすと同時に、扉スペース22をふさぐことができる。さらに、さらなる装置または労力を必要とすることなく1つの動作で、アクセス扉20を開位置から閉位置に動かすと同時に、第1の一体フロアプラグ28を取り外すことができる。アクセス扉20を閉位置から開位置に、下方に作業フロア16の中に動かすと、開位置において第1の一体フロアプラグ28の使用により扉スペース22をふさぐことができる。
【0032】
第1の一体フロアプラグの上面は、一体レールを設けられてもよい。一体レールは、圧力容器外から格納スペース内まで実質的に連続したレールを設けるために、圧力容器内および外の作業フロア上のレールと整列するように構成されてもよい。レールは、圧力容器の中および外に装置を運ぶように配置されてもよい。
【0033】
アクセス扉20は、第1の一体フロアプラグ28に対してアクセス扉20の反対側の、アクセス扉20の下部に、第2の一体フロアプラグ34をさらに備える。第2の一体フロアプラグ34は、格納スペース14内に実質的に連続した作業フロア16面を設けるために、アクセス扉20が閉位置にあるとき、扉スペース22をふさぐように構成される。これにより、格納スペース14にアクセスできるようにするために、取り外されなければならない安全手すりを、扉スペース22の周りに設ける必要がなくなる。いくつかの例では、第2の一体フロアプラグがない場合がある。
【0034】
アクセス扉20は、停止中(すなわち、原子力プラントがシャットダウンされるとき)に格納スペース14により速くアクセスできるようにするための格納スペース14へのアクセス開口18よりも小さい開口を設けるための副扉36をさらに備える。人々が格納システムにアクセスできるようにする扉は、一般的にエアロックを備える。しかしながら、停止しているとき、エアロックの使用は必要ではない。したがって、アクセス扉20に副扉36を設けると、圧力容器12にさらなる開口を必要とすることなく、圧力容器12外から格納スペース14により速くアクセスすることができる。
【0035】
図3は、アクセス扉20が開位置にある作業フロア16の扉スペース22のクローズアップ正面図を示す。
【0036】
作業フロア16の扉スペース22は、アクセス扉20が開位置にあるとき、第1の一体フロアプラグ28を受け入れるためのくぼみ30を備える。くぼみ30は、第1の一体フロアプラグ28をくぼみ30に据え付けるための肩部32を画定する。第1の一体フロアプラグ28は、扉スペース22の肩部32にあり、それによって第1の一体フロアプラグ28から作業フロア16に下向きの力を伝える。この例では、くぼみ30は、扉スペース22の対向する両側に(格納スペース14に伸長する軸のいずれの側にも)形成され、それによって扉スペース22の対向する両側に肩部を画定する。他の例では、くぼみは、扉スペースの外周の周りに形成され、扉スペースの外周の周りに肩部を画定してもよい。さらなる例では、複数のくぼみが、たとえば、歯または複数の対応する肩部を画定するために、扉スペースの周りの任意の好適な位置に形成されてもよい。
【0037】
図4は、アクセス扉20が閉位置にある作業フロア16の扉スペース22のクローズアップ正面図を示す。
【0038】
この例では、第2の一体フロアプラグ34が肩部32に隣接する扉スペース22の開口を通過するように構成されるように、第2の一体フロアプラグ34は、第1の一体フロアプラグ28よりも(アクセス開口18を横断する軸に沿った)小さい幅および(格納スペース14に入る軸に沿った)奥行きを有する。第2の一体フロアプラグ34は、したがって、くぼみ30の肩部32の内側の扉スペース22に受け入れられる。
【0039】
第2の一体フロアプラグ34は、扉スペース22をふさぐために、作業フロア16面からくぼみ30の肩部32の下まで及ぶ。アクセス扉20が閉位置にあるとき、第2の一体フロアプラグ34と、格納スペース14内および圧力容器12外の作業フロア16との間のくぼみ30に、小さいすき間がある。このすき間は、格納スペース14内に位置し、十分に小さいので、作業フロア16面は圧力容器12内で(すなわち格納スペース14で)実質的に連続している。この例では、肩部32は、扉スペース22の端から約100mmに及び、第2の一体フロアプラグ34と肩部32との間に約10mmの間隙があると、第2の一体フロアプラグ34と作業フロア16との間のすき間は約110mmとなる。これらのすき間は、手動ですき間に設置される場合がある、またはフロアからもしくは第2の一体フロアプラグから自動的に伸びる場合がある、より小さいプラグで埋められてもよい。他の例では、肩部は、扉スペースの端から任意の好適な距離に及んでもよく、肩部と第2の一体フロアプラグとの間の間隙は、任意の好適な量であってもよい。いくつかの例では、扉スペースにくぼみがなく、アクセス扉は開位置でねじジャッキにより、または任意の他の好適な手段によって、下向きの力を作業フロアに伝える。そのような例では、第2の一体フロアプラグと作業フロア16との間にごくわずかなすき間がある。
【0040】
図5および図6は、格納システム100の第2の例の一部分の側面断面図を示す。
【0041】
この例では、格納システム100は、アクセス開口18を有する圧力容器12と、作業フロア16とを備え、これらは第1の例示的な格納システム10の圧力容器12、アクセス開口18、および作業フロア16と同様である。断面図は、圧力容器12の1つの壁と、圧力容器12の壁の両側の作業フロア16とを示す。
【0042】
格納システム100は、圧力容器12のアクセス開口18を閉じるように構成されたアクセス扉20と同様のアクセス扉120を備える。この例のアクセス扉120は、第1の例の第1の一体フロアプラグ28と同様である第1の一体フロアプラグ28を備える。アクセス扉120は、圧力容器12のアクセス開口18を閉じるように構成され、第2の一体フロアプラグ34がないという点において、第1の例示的な格納システム10のアクセス扉20とは異なる。いくつかの例では、アクセス扉120は、第1の例示的な格納システム10に関して説明した第2の一体フロアプラグを備えてもよい。
【0043】
作業フロア16の扉スペース22は、第1の例示的な格納システム10に関して説明した方法と同じようにしてアクセス扉120を受け入れるように構成される。
【0044】
この例のアクセス扉120は、フレーム124に取り付けられる。フレーム124が圧力容器12に対してスライド可能に動かせるように、フレームは、第1の例でアクセス扉20がねじジャッキ26に取り付けられるのと同様にして、一対のねじジャッキ(図示せず)に取り付けられる。
【0045】
この例では、アクセス扉120は、格納スペース14に伸長する軸に沿ってアクセス扉120を動かすように構成された、油圧ジャッキなど、一連の伸長可能なロッド140によってフレーム124に取り付けられる。たとえば、格納スペース14に伸長する軸は、作業フロア16に平行であってもよい。
【0046】
他の例では、アクセス扉は、アクセス扉が格納スペースに伸長する軸に沿ってフレームに対して動かせるように、任意の好適な方法でフレームに取り付けられてもよい。
【0047】
図5は、アクセス扉120が閉位置にある閉じた構成の格納システム100を示す。閉位置のアクセス扉120は、アクセス開口18を閉じ、圧力容器12を密閉する。伸長可能なロッド140は、アクセス扉120が圧力容器12に対して密閉されることを確実にするために引っ込められる。閉位置では、アクセス扉は、厳重な密閉が形成されることを確実にするために、圧力容器に固定されてもよい。
【0048】
図6は、アクセス扉120が格納スペース14に伸長する軸に沿って閉位置から離れて動かされた中間位置にある中間構成の格納システム100を示す。伸長可能なロッド140は、格納スペース14に伸長する軸に沿ってアクセス扉120を圧力容器12の壁から離して動かすために格納スペース14に伸長される。アクセス扉120は、次に、アクセス扉120と圧力容器12の壁との間の摩擦なしに、作業フロア16に受け入れられ、アクセス開口18を露出する開位置に動かされ得る。
【0049】
アクセス扉120を開位置に動かす前に、閉位置から中間位置に動かすそのような機構は、閉位置にあるときアクセス扉120を圧力容器12に押し付けるためのさらなる密閉力の使用を可能にすると同時に、圧力容器12またはアクセス扉120を、それらの間の摩擦により傷つけることなく、アクセス扉120を開位置と閉位置との間で確実に動かすことができる。
【0050】
本発明は上記で説明した実施形態に限定されず、本明細書で説明する概念から逸脱することなく、様々な変更および改善が行われ得ることは理解されよう。相互排他的な場合を除いて、特徴のいずれも、個別にまたはいずれかの他の特徴と組み合わせて用いられてもよく、本開示は、本明細書で説明した1つまたは複数の特徴のすべての組合せおよび部分組合せに及び、これらを含む。
【符号の説明】
【0051】
10 格納システム
12 圧力容器
14 格納スペース
16 作業フロア
18 アクセス開口
20 アクセス扉
22 扉スペース
26 ねじジャッキ
28 第1の一体フロアプラグ
30 くぼみ
32 肩部
34 第2の一体フロアプラグ
36 副扉
100 格納システム
120 アクセス扉
124 フレーム
140 伸長可能なロッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】