(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-07
(54)【発明の名称】薬物組成物、キット及びその応用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/428 20060101AFI20230131BHJP
A61K 31/198 20060101ALI20230131BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20230131BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
A61K31/428
A61K31/198
A61P25/16
A61P43/00 121
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022534299
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(85)【翻訳文提出日】2022-06-06
(86)【国際出願番号】 CN2020130345
(87)【国際公開番号】W WO2021109880
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】201911239173.8
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514023416
【氏名又は名称】シャンハイ ファーマシューティカルズ ホールディング カンパニー,リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】スー ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】シヤ グォンシン
(72)【発明者】
【氏名】ワン シュエソン
(72)【発明者】
【氏名】コー イン
(72)【発明者】
【氏名】ビー グワンチン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン ジァン
【テーマコード(参考)】
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC84
4C086MA02
4C086MA04
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4C206ZA02
4C206ZC75
(57)【要約】
【課題】本考案は、薬物組成物、キット及びその応用を開示する。
【解決手段】前記薬物組成物は、プラミペキソール及びサフィンアミドを含み、前記プラミペキソールとサフィンアミドとの質量比は1:300~1:30であり、本考案の薬剤組成物は、パーキンソン病を治療する薬物の調製に用いることができ、治療効果が高くて副作用が少なく、患者の状況をより効果的に改善することができる。それは、プラミペキソール又はサフィンアミドを単独で使用するよりも、ドーパミンレベルを回復する能力が優れて、より良好な神経保護活性を有するため、ドーパミン作動系の損傷及びドーパミン作動系のドーパミン作動剤への正常感受性を弱める。該組成物はドーパミン作動剤を単独で使用することによる「ドーパミン作動系の治療の増加」に対する潜在的な不平衡反応を回復又は平衡することができ、同様又はそれ以上の治療効果を達成する場合、単独使用時のプラミペキソールの量を低減して副作用及び薬剤耐性リスクを低減することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラミペキソール及びサフィンアミドを含み、前記プラミペキソールとサフィンアミドとの質量比が1:300~1:30であることを特徴とする薬物組成物。
【請求項2】
前記プラミペキソールとサフィンアミドとの質量比が1:200~1:50であり、好ましくは1:150~1:75であり、例えば1:55、1:60、1:65、1:70、1:75、1:80、1:85、1:90、1:95、1:100、1:110、1:120、1:130、1:140、1:150、1:160、1:170、1:180又は1:190であることを特徴とする請求項1に記載の薬物組成物。
【請求項3】
前記プラミペキソールの量は0.01~5mgであり、及び/又は、前記サフィンアミドの量は0.3~1500mgであり、
好ましくは、前記プラミペキソールの量は0.05~0.5mgであり、及び/又は、前記サフィンアミドの量は7.5~100mgであることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬物組成物。
【請求項4】
前記プラミペキソールの量は0.02、0.04、0.05、0.06、0.08、0.1、0.15、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3又は4mgであり、好ましくは0.1、0.15又は0.2mgであり、及び/又は、前記サフィンアミドの量は0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、7.5、8、9、10、12、14、15、16、18、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300.0又は1400mgであり、好ましくは10.0、15、20又は50mgであることを特徴とする請求項3に記載の薬物組成物。
【請求項5】
前記薬物組成物はプラミペキソール0.05mg及びサフィンアミド7.5mg、プラミペキソール0.05mg及びサフィンアミド10mg、プラミペキソール0.05mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.1mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.15mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.2mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.5mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.6mg及びサフィンアミド60mg、プラミペキソール1.2mg及びサフィンアミド120mg、プラミペキソール0.3mg及びサフィンアミド30mg、又はプラミペキソール0.2mg及びサフィンアミド20mgを含むことを特徴とする請求項4に記載の薬物組成物。
【請求項6】
前記薬物組成物が少なくとも1種の薬学的に許容される担体をさらに含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の薬物組成物。
【請求項7】
カートリッジA及びカートリッジBを含むキットであって、前記カートリッジAはプラミペキソールを含み、前記カートリッジBはサフィンアミドを含み、又は前記カートリッジAはプラミペキソール及びサフィンアミドを含み、前記カートリッジBは他の薬物を含み、ただし、前記プラミペキソールとサフィンアミドとの質量比は1:300~1:30であり、好ましくは1:200~1:50であり、好ましくは150~1:75であり、例えば1:55、1:60、1:65、1:70、1:75、1:80、1:85、1:90、1:95、1:100、1:110、1:120、1:130、1:140、1:150、1:160、1:170、1:180又は1:190であることを特徴とするキットである。
【請求項8】
前記プラミペキソールの量は0.01~5mgであり、好ましくは0.05~0.5mgであり、及び/又は、前記サフィンアミドの量は0.3~1500mgであり、好ましくは7.5~100mgであり、
前記プラミペキソールの量は、例えば、0.02、0.04、0.05、0.06、0.08、0.1、0.15、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3又は4mgであり、好ましくは0.1、0.15又は0.2mgであり、及び/又は、前記サフィンアミドの量は、例えば、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、7.5、8、9、10、12、14、15、16、18、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300又は1400mgであり、好ましくは10、15、20又は50mgであり、
より好ましくは、前記キットはプラミペキソール0.05mg及びサフィンアミド7.5mg、プラミペキソール0.05mg及びサフィンアミド10mg、プラミペキソール0.05mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.1mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.15mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.2mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.5mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.6mg及びサフィンアミド60mg、プラミペキソール1.2mg及びサフィンアミド120mg、プラミペキソール0.3mg及びサフィンアミド30mg、又はプラミペキソール0.2mg及びサフィンアミド20mgを含むことを特徴とする請求項7に記載のキット。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか一項に記載の薬物組成物又は請求項7又は8に記載のキットはパーキンソン病の治療、運動機能の改善及び/又はドーパミン濃度の向上の薬物の製造に用いられる使用。
【請求項10】
請求項1~6のいずれか一項に記載の薬物組成物又は請求項7又は8に記載のキットはパーキンソン病の治療、運動機能の改善及び/又はドーパミン濃度の向上に用いられる使用。
【請求項11】
治療に必要な患者に請求項1~6のいずれか一項に記載の薬物組成物又は請求項7又は8に記載のキットが含まれているものを投与することを含むパーキンソン病を治療する方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本願は、出願日が2019年12月6日である中国特許出願2019112391738の優先権を主張する。本願は、上記中国特許出願の全文を引用する。
【0002】
本考案は、薬物組成物、キット及びその応用に関する。
[背景技術]
パーキンソン病は終身的な疾患であり、いったん病気になると終身的な治療が必要であり、薬物治療は依然として現在の最も主要な方法である。パーキンソン病の症状性治療の主な方向は、ドーパミン合成の増加、ドーパミン受容体活性への刺激、ドーパミンがシナプスされる前に受容体への再摂取及びドーパミンの分解代謝を抑制することである。
【0003】
ドーパミン受容体作動薬は、機能的にドーパミンと似ているが、化学構造が異なる1種類の薬物である。ドーパミンのようにドーパミン受容体を活性化し、ドーパミンと似ている役割を果たす。プラミペキソール(Pramipexole)はドーパミン作動薬において臨床応用が多い薬物であるが、衝動制御障害、外周性水腫、精神病、鎮静作用を引き起こし、これらの副作用は該当薬物の臨床上の応用を大幅に制限している。
【0004】
脳内モノアミンオキシダーゼB(MAO-B)はドーパミン分解代謝の肝心な酵素の一つであり、モノアミンオキシダーゼBの活性を抑制することにより、ドーパミンの分解を減少させ、脳内ドーパミン濃度を高めることができる。モノアミンオキシダーゼB(MAO-B)抑制剤の代表的な薬物は、セレギリン(Selegiline)、ラサギリン(rasagiline)及びサフィンアミド(Safinamide)である。
【0005】
Pharma Two B社は、2種類の相補的な機構を有する薬物(プラミペキソール及びラサギリン)の組み合わせは、単独でより高剤量のいずれの薬物よりも、パーキンソン病を治療する効果が高いことを見出した(WO2009147681を参照)。また、似ている治療効果を得る時、低剤量のドーパミン作動剤の組み合わせを使用することは、単独でより高剤量のドーパミン作動剤を使用することよりも有利であり、且つ最も小さい副作用を有している。
【0006】
しかしながら、ラサギリンは、B型モノアミンオキシダーゼを抑制する上で不可逆的なものである。高レベルのモノアミンオキシダーゼは神経系疾患に関与しているが、モノアミンオキシダーゼも機体に必要な代謝酵素であるため、長期のモノアミンオキシダーゼが不可逆的に抑制することは、心臓機能および心血管に一定の影響を与える。これは、一部の患者がラサギリンを服用した後に心臓に不快感を与えることである。従って、当業者は、常に、患者により有利なパーキンソン治療の効果を有するとともに、可能な限り副作用を減少する薬物を開発する。
【0007】
サフィンアミド(Safinamide)は、第三世代モノアミンオキシダーゼB(MAO-B)抑制剤であり、それは新規で、高効率で、可逆的で専一性の強いMAO-B抑制剤である。MAO-Aに対するMAO-Bの抑制強度が5000倍であり、MAO-Aに対するセレギリンの抑制強度が127倍であり、MAO-Aに対するラサギリンの抑制強度が103倍である。それがMAO-Bに対する抑制作用は可逆的なものであり、薬物を中断してから8時間後に生理機能を完全に回復することができる。1つの24週、ランダム、二重盲、プラセボ対照、平行グループ、多中心研究(Stocchi F, Borgohain R, Onofrj M, Schapira AH, Bhatt M, Lucini V, et al. A randomized, double-blind, placebo-controlled trial of safinamide as add-on therapy in early Prakinson’s disease patients.Mov Disord Off J Mov Disord Soc. 2012;27(1):106-12)において、269例の、安定投与量を既に受けたドーパミン(DA)受容体作動薬で治療した早期PD患者を、無作為にランダムグループ(n=90)、サフィンアミド100mg/dグループ(n=90)及びサフィンアミド200mg/dグループ(n=89)に分け、主な治療効果評価指標は、UPDRS(運動機能)総点であることが報告された。研究により高剤量のサフィンアミド(200mg/d)はDA受容体作動薬と組み合わせて運動症状に無効であり、低剤量(100mg/d)は運動症状の改善に有効であることが見出した。しかし、本分野では、まだサフィンアミドとどのようなDA受容体作動薬と併用し、その配合比がどのようであれば、併用相乗の作用を果たすことができるか不明である。
【0008】
[発明の開示]
[発明が解決しようとする課題]
本考案が解決しようとする技術的問題は、従来技術における薬物組成物がパーキンソン治療において副作用が大きく、治療効果が良くない等の欠陥を克服することにより、薬物組成物、キット及びその応用を提供することである。本考案の薬剤組成物は一定の割合のプラミペキソール及びサフィンアミドを含み、パーキンソン病を治療する薬物の調製に用いることができ、治療効果が高くて副作用が少なく、患者の状況をより効果的に改善することができる。本考案の薬物組成物は、プラミペキソール又はサフィンアミドを単独で使用するよりも、ドーパミンレベルを回復する能力が優れて、且つそれはより良好な神経保護活性を有するため、ドーパミン作動系の損傷及びドーパミン作動系のドーパミン作動剤への正常感受性を弱める。該組成物はドーパミン作動剤を単独で使用することによる「ドーパミン作動系の治療の増加」に対する潜在的な不平衡反応を回復又は平衡することができ、同様又はそれ以上の治療効果を達成する場合、本考案の組成物は単独使用時のプラミペキソールの量を低減して副作用及び薬剤耐性リスクを低減することができる。
【0009】
本考案者は、パーキンソンを治療する薬物について多くの研究を行ったところ、意外にも、サフィンアミドおよびプラミペキソールを特定の割合で併用する時、患者の状況をより効果的に改善できることを見出した。
【0010】
上記技術的問題を解決するために、本考案の第1方面は薬物組成物を提供し、前記薬物組成物は、プラミペキソール及びサフィンアミドを含み、前記プラミペキソールとサフィンアミドとの質量比は1:300~1:30である。
【0011】
好ましくは、前記プラミペキソールとサフィンアミドとの質量比は1:200~1:50であり、好ましくは1:150~1:75であり、例えば1:50、1:55、1:60、1:65、1:70、1:75、1:80、1:85、1:90、1:95、1:100、1:110、1:120、1:130、1:140、1:150、1:160、1:170、1:180又は1:190である。本考案において、前記プラミペキソールとサフィンアミドとの質量比は、例えば、1:300~1:75、1:300~1:100、1:300~1:150、1:150~1:30、1:150~1:75、1:150~1:100、1:100~1:30、1:100~1:75、1:75~1:30等であってもよい。
【0012】
好ましくは、前記プラミペキソールの量は0.01~5mgである。
好ましくは、前記サフィンアミドの量は0.3~1500mgである。
好ましくは、前記プラミペキソールの量は0.05~0.5mgである。
【0013】
好ましくは、前記サフィンアミドの量は7.5~100mgである。
本考案において、前記プラミペキソールの量は、例えば、0.02、0.04、0.05、0.06、0.08、0.1、0.15、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3又は4mgであってもよく、例えば、0.1、0.15又は0.2mgである。
【0014】
本考案において、前記サフィンアミドの量は、例えば、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、7.5、8、9、10、12、14、15、16、18、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300又は1400mgであってもよく、例えば、10、15、20又は50mgである。
【0015】
好ましくは、前記薬物組成物はプラミペキソール0.05mg及びサフィンアミド7.5mg、プラミペキソール0.05mg及びサフィンアミド10mg、プラミペキソール0.05mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.1mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.15mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.2mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.5mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.6mg及びサフィンアミド60mg、プラミペキソール1.2mg及びサフィンアミド120mg、プラミペキソール0.3mg及びサフィンアミド30mg、又はプラミペキソール0.2mg及びサフィンアミド20mgを含む。
【0016】
好ましくは、前記薬物組成物が少なくとも1種の薬学的に許容される担体をさらに含む。
上記技術的問題を解決するために、本考案の第2方面はキットを提供し、前記キットは、カートリッジA及びカートリッジBを含み、前記カートリッジAはプラミペキソールを含み、前記カートリッジBはサフィンアミドを含み、又は前記カートリッジAはプラミペキソール及びサフィンアミドを含み、前記カートリッジBは他の薬物を含み、ただし、前記プラミペキソールとサフィンアミドとの質量比は1:300~1:30であり、好ましくは150~1:75であり、好ましくは1:200~1:50であり、例えば1:50、1:55、1:60、1:65、1:70、1:75、1:80、1:85、1:90、1:95、1:100、1:110、1:120、1:130、1:140、1:150、1:160、1:170、1:180又は1:190である。本考案において、前記プラミペキソールとサフィンアミドとの質量比は、例えば、1:300~1:75、1:300~1:100、1:300~1:150、1:150~1:30、1:150~1:75、1:150~1:100、1:100~1:30、1:100~1:75、1:75~1:30などであってもよい。
【0017】
好ましくは、前記プラミペキソールの量は0.01~5mgであり、好ましくは0.05~0.5mgである。
好ましくは、前記サフィンアミドの量は0.3~1500mgであり、好ましくは7.5~100mgである。
【0018】
本考案において、前記プラミペキソールの量は、例えば、0.02、0.04、0.05、0.06、0.08、0.1、0.15、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3又は4mgであってもよく、好ましくは0.1、0.15又は0.2mgである。
【0019】
本考案において、前記サフィンアミドの量は、例えば、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、7.5、8、9、10、12、14、15、16、18、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300又は1400mgであってもよく、好ましくは10、15、20又は50mgである。
【0020】
好ましくは、前記キットはプラミペキソール0.05mg及びサフィンアミド7.5mg、プラミペキソール0.05mg及びサフィンアミド10mg、プラミペキソール0.05mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.1mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.15mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.2mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.5mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.6mg及びサフィンアミド60mg、プラミペキソール1.2mg及びサフィンアミド120mg、プラミペキソール0.3mg及びサフィンアミド30mg、又はプラミペキソール0.2mg及びサフィンアミド20mgを含む。
【0021】
上記技術的問題を解決するために、本考案の第3方面は本考案の第1方面に記載の薬物組成物又は本考案の第2方面に記載のキットはパーキンソン病の治療、運動機能の改善及び/又はドーパミン濃度の向上の薬物の製造に用いられる使用を提供する。
【0022】
上記技術的問題を解決するために、本考案の第1方面に記載の薬物組成物又は本考案の第2方面に記載のキットはパーキンソン病の治療、運動機能の改善及び/又はドーパミン濃度の向上に用いられる使用をさらに提供する。
【0023】
上記技術的問題を解決するために、本考案の第4方面は治療に必要な患者に本考案の第1方面に記載の薬物組成物又は本考案の第2方面に記載のキットが含まれているものを投与することを含むパーキンソン病を治療する方法を提供する。
【0024】
本考案において、プラミペキソール及びサフィンアミドの2種類の成分の割合は、一般的に正確に標定されて2種類の成分が、設計が最適な薬物代謝力学的表現及び効果及び患者依存性を有する単一剤型で調製されることが好ましい。「固定剤量組み合わせ」は、本考案において正確な割合であるある固定剤量の2種類の異なる薬物を含む単一剤量製剤を説明するために用いられる。複数の薬物による治療に対して、成分の正確な割合、制限時間、投与及び薬物代謝動力学で極めて重要な役割を果たす。最適な固定剤量組み合わせを特定するためには、組み合わせ・相乗効果と潜在能力だけでなく、各成分の相対薬物動態学および最適剤形も重要なものである。
【0025】
前記薬物組成物において、前記プラミペキソール及びサフィンアミドは、いずれも即時放出及び/又は制御放出で薬物を放出することでき、例えば、制御放出のプラミペキソール及びサフィンアミド、制御放出のプラミペキソールと即時放出のサフィンアミド、即時放出と制御放出のプラミペキソールおよび制御放出と即時放出のサフィンアミドであり、ただし、50%(質量比)に達するプラミペキソール及びサフィンアミドが放出制御形態を採用する。
【0026】
本考案の薬物組成物は、任意の適切な剤形で存在してもよく、例えば、錠剤、ゲル、二層錠剤等である。ただし、前記錠剤は基質錠剤であってもよく、そのうち有効成分の放出は、有効成分をゲルに拡散させることによって制御され、前記ゲルは、親水性ポリマーが溶解性液体(インビトロ)または腸溶液(インビボ)と接触して膨張した後に形成されるものである。従来技術では、このようなゲルを形成するポリマーとして、セルロース誘導体、特にヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース等のセルロースエーテル類が多く記載されており、市販されているビジネスレベルの異なるこれらのエーテル類では、かなり高粘度を示すものがある。前記錠剤は二層錠剤であってもよく、これらの錠剤は、異なる2つ以上の造粒層からなり、造粒層は、各層を他の層の上に重ねることにより造粒され、各単独な層は、異なる有効成分を含む。二層錠剤は、各層や領域の端部が外部に露出しているため、サンドイッチ外観がある。
【0027】
本考案の組み合わせが現在のパーキンソン病の単一治療及び組み合わせ治療に対する優れた治療効果は、特徴の割合及び/又は製剤に由来する。
動物実験ではmg/kgで表記されているが、臨床投与量は一般的にmgで表記されるため、本考案における薬物組成物、キット、応用及びパーキンソン病を治療する方法は一般的にmgを単位として表記されるが、それがmg/kgを代表できる意味を排除するものではない。
【0028】
本考案の組成物を患者の体内に適用する場合、そのうちのサフィンアミド臨床開始は50mgで投与することができ、毎日1回内服し、毎日の同じ時間帯で行い、2週間後に、投与量を100mg/毎日1回に増加させる必要があり、具体的には個体の要求と耐性に基づいて特定される。
【0029】
本分野の常識に反しないことに基づいて、上記好ましい条件を任意に組み合わせて、本考案の各好ましい例を得ることができる。
本考案で使用される試薬及び原材料はすべて市販されているものである。
【0030】
本考案の積極的な進歩効果は、以下の通りである。本考案の薬剤組成物は一定の割合のプラミペキソール及びサフィンアミドを含み、パーキンソン病を治療する薬物の調製に用いることができ、治療効果が高くて副作用が少なく、患者の状況をより効果的に改善することができる。本考案の薬物組成物は、プラミペキソール又はサフィンアミドを単独で使用するよりも、ドーパミンレベルを回復する能力が優れて、本考案の薬物組成物は、良好な神経保護活性を与えるため、ドーパミン作動系の損傷及びドーパミン作動系のドーパミン作動剤への正常感受性を弱め、該組成物はドーパミン作動剤を単独で使用することによる「ドーパミン作動系の治療の増加」に対する潜在的な不平衡反応を回復又は平衡することができ、同様又はそれ以上の治療効果を達成する場合、該組成物はプラミペキソールの量を低減して副作用及び薬剤耐性リスクを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】実施例1においてマウス線条体ドーパミンの含有量を測定することにより得られたマウス脳内ドーパミンの平均濃度である。
【
図2】APO誘発6-OHDAによるPDモデルラットの回転行動の傾向変化を示す。
【
図3】投与29日後のAPO誘発6-OHDAによるPDモデルラットの回転数を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下では、実施例により本考案をさらに説明するが、本考案を前記実施例の範囲に限定するものではない。以下の実施例において具体的な条件を明記しない実験方法は、慣用の方法と条件、又は製品明細書に従って実験方法を選択する。
【0033】
実施例1 薬物組成がMPTP(1-メチル-4-フェニル-1、2、3、6-テトラヒドロピリジン)に誘導されたパーキンソン病マウスモデルにおけるインビボの特徴付け
(1)材料
実験動物は、雄性C57BL/6Jマウス(SPFレベル)であって、南京大学-南京生物医薬研究院に由来し、動物合格証号は、201900586である。バリア環境に飼育し、温度が20~26℃であり、相対湿度が40~70%であり、光照射14h、暗所10hにし、自由に摂水、摂食する。
【0034】
化合物情報:
プラミペキソール(化合物A)は、ロット番号がBPL20171102であり、分子量が302.26であり、純度が99.93%であり、上海波以爾化工有限公司である。
【0035】
サフィンアミド(化合物B)は、ロット番号がG059-S-2-151102であり、分子量が398.45であり、純度が99.97%であり、上海医薬集団股フン有限公司製である。
【0036】
MPTPロット番号はN1012Aであり、分子量は209.71であり、純度は98%(パーキンソン病モデルを誘導産生するため)であり、美倫生物から購入した。
(2)方法
本実験では、8-10週間程度の雄性C57BL/6マウスにMPTP(20mg/kg、1週間に2回(毎週の月曜日と木曜日)、5週間連続注射し、同時に被験化合物A、Bは毎日1回(QD)で6週間連続注射し、被験化合物を注射した当日にMPTPを注射する必要があれば、MPTPの注射30分前に被験化合物を腹腔注射する。対照グループ動物は等量の生理食塩水を注射する。動物のグルーピング情報は下記表1を参照する。6週間後に、マウスが安楽死され、生理食塩水灌流背中側線条体が分離され、秤量した後に-80度冷蔵庫に置く。LC-MS法により、背中側線条体ドーパミンの含有量を測定した。
【0037】
【0038】
備考:投与体積は10mL/kgである。1日目から先に被験化合物を腹腔注射し、30分後にMPTPを腹腔注射する。第9から第13グループの動物A、Bは、それぞれ投与30分後にMPTPを腹腔注射する。
【0039】
(3)実験結果
以上の各グループはG1生理食塩水、G2モジュールグループ及びG3化合物Bグループと比較し、P値は以下の表2(T-TEST unpaired t test ,Two-tailed)に示す。
【0040】
【0041】
(1)G1生理食塩水グループとの比較:
線条体ドーパミン濃度は、G2、G4、G5、G6グループがG1に比べ、P<0.001であり、極めて有意差があり、G3、G7、G8がG1グループに比べ、0.001<P<0.01であり、有意差があり、G9がG1に比べて、0.01<P<0.05であり、差異があり、G10、G11、G12、G13がG1に比べて、P>0.05であり、差異がない。
【0042】
(2)G2モジュールグループとの比較:
線条体ドーパミン濃度は、G7グループがG2グループに比べ、0.001<P<0.01であり、極めて有意差があり、G8グループがG2グループに比べ、P>0.05であり、差異がなく、G13グループがG2グループに比べ、0.01<P<0.05、差異があり、残りの各グループがG2グループに比べ、P<0.001であり、極めて有意差がある。
【0043】
(3)G3化合物Bグループとの比較:
線条体ドーパミン濃度は、G7グループがG3グループに比べ、P>0.05であり、差異がなく、G8、G9、G13グループがG3グループに比べ、0.01<P<0.05であり、有意差があり、残りの各グループがG3グループに比べ、P<0.001であり、極めて有意差がある。
【0044】
上記結果により、G2モジュールグループマウス背中側線条体におけるドーパミンレベルはG1生理食塩水グループより顕著に小さく、化合物Aの異なる濃度グループ(G8グループを除き)は、マウス背中側線条体におけるドーパミンレベルはG2モジュールグループより顕著に高く、G8グループは有意差がなく、化合物Bグループマウス背中側線条体におけるドーパミンレベルはG2モジュールグループより顕著に高く、併用投与の各グループのマウス背中側線条体におけるドーパミンレベルはG2モジュールグループより顕著に高く、且つG1生理食塩水グループとの差異は有意ではない。これは、併用投与後に、MPTPモジュールマウスの背中側線条体において、ドーパミンレベルが明らかに上昇することを示し、ただし、G10化合物A(0.1mg/kg)+化合物B(15mg/kg)、G12化合物A(0.2mg/kg)+化合物B(15mg/kg)ドーパミンレベルはG1生理食塩水グループとの差異が最も有意ではなく、G2モジュールグループとの差異が最も有意であり、効果が最も高い。
【0045】
対応する実験結果図は
図1に示す。図に示すように、プラミペキソールとサフィンアミドはこのモデルにおけるドーパミンの減少に対していずれも改善作用を有し、2種類の薬物を併用した後に薬効が顕著に向上する。プラミペキソールの単一薬物注射には、ある程度の剤量勾配効果が存在し、併用した後、いくつかのグループ内の誤差が大きくて剤量勾配が非常に規則的ではなく、最適な組み合わせを完璧に確定することができず、しかしながら、第2目の剤量グループ(G10)の後、薬効が顕著に向上せず、最高剤量グループにてさらに顕著に低下することがあり、併用投与した後にプラミペキソールがより低剤量の時に比較的高い効果を達成することを示し、これも我々の最終目的--プラミペキソールの量を低減して副作用及び耐薬品性を低減して同様又はより高い治療効果を達成することと一致する。この結果より、ある組み合わせ範囲で、プラミペキソールが(0.05、0.1、0.15、0.2、0.5mg/kg)である場合、サフィンアミド(15mg/kg)と相乗効果が認められた。薬効に影響を与えずにプライミクスの使剤量を可能な限り低減させる(副作用を低減できる)ことを考慮すると、プラミペキソール0.1mg/kgとサフィンアミド15mg/kgとを併用投与した場合に本実験の最適な効果が得られ、すなわち動物モデルの脳組織におけるドーパミンの濃度を最大限に高めることができると考えられる。
【0046】
実施例2 薬物組み合わせが6-OHDA(6-ヒドロキシドーパミン)片側損傷のパーキンソン病ラットモデルにおけるインビボの特徴付け
(1)材料
150匹のWistarラット、雄性、サプライヤが北京VRである。動物は上海睿智化学研究有限公司の動物室に送達し、その飼育条件は、2~3匹/籠飼育であり、室温20~26℃であり、12/12時間(午後5時から午前5時までが照明期)昼夜明暗交互である。
【0047】
塩酸プラミペキソールは、製造メーカーがAdamasであり、純度が99%であり、ロット番号がP1448882である。
メタンスルホン酸サフインアミドは、製造メーカーが上海医薬集団股フン有限公司であり、純度が99.95%であり、ロット番号がG059-S-2-151104である。
【0048】
6-ヒドロキシドーパミンは、製造メーカーがシグマ-アルドリッチ(上海)貿易有限公司であり、ロット番号がMKCD0817である。
その他の主な試薬と薬品は以下の表3に示す。
【0049】
【0050】
(2)製剤方案
2.1 0.5mg/kgのAPo溶液の調製方法
2.1.1 アポモルフィン4.44_mg(CF=1.17)を精密に秤量し、無菌生理食塩水15.180mLを添加し、遮光し、10分間スクロールし、澄んで透明な溶液を得る。化合物試験は使用する時に調製し、使用する時に湿氷低温で保存する。
【0051】
2.2 6-OHDAの調製方法
2.2.1 0.02%(0.02g/100mL)のアスコルビン酸(ascorbic acid):アスコルビン酸7.81mgを精密に秤取し、生理食塩水39.05mLを添加し、2minスクロールし、清澄溶液を得る。調製中に遮光し、4℃で保存する。
【0052】
2.2.1 5mg/mLの6-OHDA(0.02%のascorbic acid):0.02%のascorbic acid0.663mLを6-OHDA(5mg package)バイアル瓶に入れ(freebase=98%*5mg/1.479=3.313mg)、溶液が清澄になるまで2分間スクロールする。同様の方法で第2瓶を調製し、5μg/μLの6-OHDA溶液を40μLずつ各本に分注し、全部で33本の母液を分注し得て、-80摂氏度で保存し、全過程で遮光する。
【0053】
2.3 15mg/kg(3mg/mL)のメタンスルホン酸サフィンアミドの調製
2.3.1 メタンスルホン酸サフィンアミド359.83mg(CF=1.318、純度99.95%)を精密に秤取し、超純水90.959mLを添加し、遮光し、5分間スクロールし、清澄透明溶液を得て、4度保存した。
【0054】
2.4 0.45mg/kg(0.9mg/mL)の塩酸プラミペキソールの調製
2.4.1塩酸プラミペキソール6.74mg(CF=1.430、純度99%)を精密に秤量し、超純水51.844mLを添加し、遮光し、5分間スクロールし、清澄透明溶液を得て、4度保存した。
【0055】
2.5 0.1mg/kg(0.02mg/mL)の塩酸プラミペキソールの調製
2.5.1 塩酸プラミペキソール2.87mg(CF=1.430、純度99%)を精密に秤量し、超純水99.350mLを添加し、遮光し、5分間スクロールし、清澄透明溶液を得て、4度保存した。
【0056】
全ての調製方法はこれを基準とし、割合で希釈した。
(3)実験方案
3.1 手術前にアポモルフィン誘導の対側回転テストを行い、動物にプレスクリーンを行う
3.1.1 試験当日に被測定動物を操作室に押して30min以上に適応する。
【0057】
3.1.2 試験前の3分間に、被測定動物はそれぞれAPO(0.5mg/kg)を腹腔注射し、投与体積は2mL/kgである。
3.1.3 投与後に動物を円形テストカートリッジ内に入れ、Ethovisionビデオソフトウェアをオンにして記録を開始し、同時に動物の行動上の変化を観察し、人工で各動物が30min内における回転数をカウントする。
【0058】
3.1.4 APO誘導の回転行動特徴は、動物が左後肢を支点として、右側に向かって回転する。ラット頭部を基準とし、1つの回転を一回回転とする。30min内回転数が180回より大きいものは合格したラットパキンソン動物モデルである。
【0059】
3.1.5 試験が終了した後、動物をhomecageに戻す。
3.2 6-OHDA損傷のラットパキンソン疾患モデルの作製
3.2.1 140匹の動物をランダムに選択し、手術前に舒泰を使用して筋肉注射してラット全身麻酔を行う。麻酔剤量は舒泰30mg/kgであり、3mg/kgの塩酸トリチリルを併用する。
【0060】
3.2.2 ラットを立体位置決め装置に固定し、頭蓋骨の表皮を切開し、前後泉を見つけ、tooth barを調整し、頭蓋骨に表面レベルを保持させる。
3.2.3 以前の泉点をゼロ点とし、座標点は、AP:0.5mm、ML:-2.8mm、DV:-4.5mmであり、頭蓋骨表面に対応する部位を見つける。
【0061】
3.2.4 頭蓋骨ドリルを用いて対応する部位にマイクロ注入針の直径より僅かに大きい円孔を開け、マイクロ注入針をラット硬脳膜表面に引き下げ、ゼロ点と特定する。
3.2.5 実験室ランプをオフにし、黄色光源をオンにし、6-OHDAを抽出し、体積が注射量より僅かに大きい。
【0062】
3.2.6 マイクロ注入針を徐々にラット脳部の所定深さまで深くし、下降時間は5min程度である。
3.2.7 注入針が所定の深さに達した後、針止め2minを行った後、6-OHDAの注射を開始する。注射量は4μL(5μg/μL)であり、6-OHDAの総量は20μgである。注射速度は1μL/minとした。
【0063】
3.2.8注射終了後、5min留置針を行う。その後、5min程度の時間、マイクロ注入針をゆっくりと押し出す。
3.2.9 創面を縫合し、創面を消毒した後にラットをhomecageに戻す。術後覚醒に至る過程に保温、給水ケアを与え、同時に傷口観察、呼吸及び痛み頻度観察及び排泄観察を行う。
【0064】
3.2.10 毎日手術が終了した後、手術器具を洗浄して生理食塩水でマイクロ注入器を洗浄し、詰まりを防止する。
3.2.11 全ての手術動物は3日間の術後看護を行う必要がある。
【0065】
3.3 術後7日、14日及び21日にアポモルフィン誘導PDモデルラット対側回転を行って合格した動物モデルをスクリーニングする。
3.3.1 試験当日に被測定動物を操作室に押して30min以上に適応する。
【0066】
3.3.2 試験前の3分間に、被測定動物はそれぞれAPO(0.5mg/kg)を腹腔注射し、投与体積は2mL/kgである。
3.3.3 投与後に動物を円形テストカートリッジ内に入れ、Ethovisionビデオソフトウェアをオンにして記録を開始し、同時に動物の行動上の変化を観察し、人工で各動物が30min内における回転数をカウントする。
【0067】
3.3.4 APO誘導の回転行動特徴は、動物が左後肢を支点として、右側に向かって回転する。ラット頭部を基準とし、1つの回転を一回回転とする。30min内回転数が180回より大きいものは合格したラットパキンソン動物モデルである。
【0068】
3.3.5 試験が終了した後、動物をhomecageに戻す。
3.4 慢性投与による6-OHDA損傷のラットパキンソン疾患モデルに対する治療効果
3.4.1 術後21日にapomorphine誘導の対側回転実験を行い、30min内の回転数>180回の動物78個及び10個のnaive動物をスクリーニングし、投与及び試験総数は88匹である。
【0069】
3.4.2 スクリーニングに合格したラットを術後21日の回転数に基づいて投与グループに平均に分け、投与前の各グループの動物の損傷が同一レベルにあることを確保する。
【0070】
3.4.3 グルーピングに基づいて術後22日に投与を開始する。グルーピングは下記表4に示す。
【0071】
【0072】
表において、PPXはプラミペキソールを代表し、SAFはサフィンアミドを代表する。
3.4.4 7日目、14日目、21日目、28日目投与前にそれぞれapomorphine回転実験を行った。
【0073】
3.4.5 ラット末回投与後の翌日にapomorphine回転実験を行った。
(4)実験結果
投与前apomorphine回転実験のスクリーニング結果及び投与7日目、14日目、21日目、28日目及び末回投与翌日に行った回転実験結果を
図2に示す。
【0074】
対照グループ(Vehiclグループ)と比較し、併用投与(PPX0.1mpk/SAF15mpk)G5グループは21日投与した後に経時的及び顕著的にラットPDモデルの運動機能を改善することができ、2グループの単薬グループ(G3及びG4グループ)と比べて、よりよくラットPDモデルの運動機能を改善することができ、また、神経保護活性を与えるため、ドーパミン作動系の損傷及びドーパミン作動剤への正常感受性を弱め、症状のばらつきを低減または回避することができる。投与前に比べ、投与29日後に併用投与G5グループは36%のラットPDモデルの回転数を減少することができ、単薬グループG3及びG4グループは、それぞれ、5%のラットPDモデルの回転数を増加し、24%のラットPDモデルの回転数を減少する(
図3を参照する)。
【0075】
以上のデータからも明らかなように、本実施例の組成物は、ドーパミン作動剤を単独で使用することによる「ドーパミン作動系の治療の増加」に対する潜在的な不平衡反応を回復又は平衡することができ、同様又はそれ以上の治療効果を達成する場合、該組成物はプラミペキソールの量を低減して副作用及び薬剤耐性リスクを低減することができる。
【0076】
以上、本考案の具体的な実施形態を説明したが、当業者が理解されるように、これらは例示に過ぎず、本考案の原理及び実質から逸脱しない前提で、これらの実施形態に対して様々な変更又は修正を行うことができる。したがって、本考案の保護範囲は添付の特許請求の範囲により限定されるものである。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラミペキソール及びサフィンアミドを含み、前記プラミペキソールとサフィンアミドとの質量比が1:300~1:30であることを特徴とする薬物組成物。
【請求項2】
前記プラミペキソールとサフィンアミドとの質量比が1:200~1:50で
あることを特徴とする請求項1に記載の薬物組成物。
【請求項3】
前記プラミペキソールとサフィンアミドとの質量比が1:150~1:75であることを特徴とする請求項2に記載の薬物組成物。
【請求項4】
前記プラミペキソールとサフィンアミドとの質量比が1:55、1:60、1:65、1:70、1:75、1:80、1:85、1:90、1:95、1:100、1:110、1:120、1:130、1:140、1:150、1:160、1:170、1:180又は1:190であることを特徴とする請求項3に記載の薬物組成物。
【請求項5】
前記プラミペキソールの量は0.01~5mgであり、及び/又は、前記サフィンアミドの量は0.3~1500mgで
あることを特徴とする請求項1
~4のいずれか1項に記載の薬物組成物。
【請求項6】
前記プラミペキソールの量は0.05~0.5mgであり、及び/又は、前記サフィンアミドの量は7.5~100mgであることを特徴とする請求項5に記載の薬物組成物。
【請求項7】
前記プラミペキソールの量は0.02、0.04、0.05、0.06、0.08、0.1、0.15、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3又は4mgであり
、及び/又は、前記サフィンアミドの量は0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、7.5、8、9、10、12、14、15、16、18、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300.0又は1400mgで
あることを特徴とする請求項
5又は6に記載の薬物組成物。
【請求項8】
前記薬物組成物はプラミペキソール0.05mg及びサフィンアミド7.5mg、プラミペキソール0.05mg及びサフィンアミド10mg、プラミペキソール0.05mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.1mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.15mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.2mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.5mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.6mg及びサフィンアミド60mg、プラミペキソール1.2mg及びサフィンアミド120mg、プラミペキソール0.3mg及びサフィンアミド30mg、又はプラミペキソール0.2mg及びサフィンアミド20mgを含むことを特徴とする請求項
7に記載の薬物組成物。
【請求項9】
前記薬物組成物が少なくとも1種の薬学的に許容される担体をさらに含むことを特徴とする請求項1~
8のいずれか
1項に記載の薬物組成物。
【請求項10】
カートリッジA及びカートリッジBを含むキットであって、前記カートリッジAはプラミペキソールを含み、前記カートリッジBはサフィンアミドを含み、又は前記カートリッジAはプラミペキソール及びサフィンアミドを含み、前記カートリッジBは他の薬物を含み、ただし、前記プラミペキソールとサフィンアミドとの
前記質量比は
請求項1~4のいずれか1項に定義したとおりであることを特徴とするキッ
ト。
【請求項11】
前記プラミペキソールの量は0.01~5mgであり
、及び/又は、前記サフィンアミドの量は0.3~1500mgで
あることを特徴とする請求項
10に記載のキット。
【請求項12】
前記プラミペキソールの量は0.05~0.5mgであり、及び/又は、前記サフィンアミドの量は7.5~100mgであることを特徴とする請求項10に記載のキット。
【請求項13】
前記プラミペキソールの量は、0.02、0.04、0.05、0.06、0.08、0.1、0.15、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3又は4mgであり、及び/又は、前記サフィンアミドの量は、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、7.5、8、9、10、12、14、15、16、18、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300又は1400mgであることを特徴とする請求項10に記載のキット。
【請求項14】
前記キットはプラミペキソール0.05mg及びサフィンアミド7.5mg、プラミペキソール0.05mg及びサフィンアミド10mg、プラミペキソール0.05mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.1mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.15mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.2mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.5mg及びサフィンアミド15mg、プラミペキソール0.6mg及びサフィンアミド60mg、プラミペキソール1.2mg及びサフィンアミド120mg、プラミペキソール0.3mg及びサフィンアミド30mg、又はプラミペキソール0.2mg及びサフィンアミド20mgを含むことを特徴とする請求項10に記載のキット。
【請求項15】
パーキンソン病の治療、運動機能の改善及び/又はドーパミン濃度の向上の
ための薬物の製造に
おける請求項1~9のいずれか1項に記載の薬物組成物又は請求項10~14のいずれか1項に記載のキットの使用。
【国際調査報告】