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特表2023-504910多成分物質の持続的熱分離のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-07
(54)【発明の名称】多成分物質の持続的熱分離のための方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 11/13 20190101AFI20230131BHJP
   F26B 17/20 20060101ALI20230131BHJP
   F26B 25/00 20060101ALI20230131BHJP
   F26B 21/04 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
C02F11/13
F26B17/20 B ZAB
F26B25/00 A
F26B21/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022534658
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(85)【翻訳文提出日】2022-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2020085337
(87)【国際公開番号】W WO2021116201
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】19214531.6
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522226317
【氏名又は名称】ヘレネス ホールディング アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヘレネス, アグナル
【テーマコード(参考)】
3L113
4D059
【Fターム(参考)】
3L113AA07
3L113AB02
3L113AB05
3L113AC08
3L113AC40
3L113AC45
3L113AC46
3L113AC54
3L113AC58
3L113AC61
3L113AC67
3L113BA36
3L113CA11
3L113CB05
3L113CB29
3L113DA02
3L113DA14
4D059AA00
4D059AA07
4D059AA08
4D059AA09
4D059BD11
4D059BD21
4D059BJ01
4D059BJ16
4D059EA02
4D059EA06
4D059EB02
4D059EB06
4D059EB20
(57)【要約】
本発明は、容器内の処置チャンバの中に給送されてる物質の持続的熱分離のための方法に関する。容器以外にも、本装置は、外部熱源を伴う、加熱デバイスと、外部ロータリ駆動部を伴う、ロータリ機構とを備える。加熱デバイスおよびロータリ駆動部は、結果として生じる動作温度Topが、物質の一部を成す少なくとも1つの液体の蒸発温度Tに等しいかまたはそれより高い、容器の内側表面の近傍の容積V内で取得されるように、相互に動作される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離装置(100)の使用による処置チャンバ(2)の中に流入する物質(12)の熱分離のための方法であって、
前記分離装置(100)は、
長さl、高さH、および幅Wの処置チャンバ(2)を封入する内側表面(1a)を伴う容器壁を有する容器(1)であって、前記容器(1)は、少なくとも1つの物質入口(3)と、それぞれ、非蒸発可能な部分および蒸発可能な部分(12a、12b)のための、少なくとも1つの第1の出口(4)と、少なくとも1つの第2の出口(5)とを備える、容器(1)と、
前記処置チャンバ(2)の外側に配列される加熱デバイス(6)と、
前記処置チャンバ(2)の長さlに沿って指向される前記処置チャンバ(2)内に配列される回転可能軸(7a)と、前記回転可能軸(7a)に固定され、前記回転可能軸(7a)に対して垂直に延在する半径方向直径dmdおよび軸長lmdの混合デバイス(7b-d)とを備える、ロータリ機構(7)と
を備え、前記方法は、
A.前記加熱デバイス(6)の使用によって前記内側表面(1a)を加熱し、熱エネルギーを、前記混合デバイス(7b-d)と前記内側表面(1a)との間に閉じ込められる前記処置チャンバ(2)の最小周辺容積(V)に伝達するステップと、
B.前記回転可能軸(7a)に動作可能に固定されるロータリ駆動部(10)の使用によって、前記ロータリ機構(7)を、前記混合デバイス(7b-d)の半径方向外側境界において測定される秒あたり5メートルの最小周辺回転速度(vp,min)を超過する周辺回転速度(v)まで回転させるステップと、
C.給送デバイス(20)を使用して、前記物質(12)を、前記少なくとも1つの物質入口(3)を通して前記処置チャンバ(2)の中に給送するステップであって、前記物質(12)は、2つまたはそれを上回る成分を含み、前記成分のうちの少なくとも1つは、蒸発温度(T)において蒸発可能である、ステップと、
D.
前記加熱デバイス(6)の入力電力と、
前記少なくとも1つの物質入口(3)のうちの少なくとも1つの中に給送される前記物質(12)の流動と、
前記ロータリ駆動部(10)の入力電力と
前記少なくとも1つの第1の出口(4)から放出される前記物質(12)の非蒸発部分(12a)の出力流動と
のうちの少なくとも1つを、前記最小周辺容積(V)の少なくとも一部の中に伝達される総熱エネルギーが、動作の間に前記蒸発温度(T)を超過する動作温度(Top)をもたらすように調節するステップであって、前記加熱デバイス(6)によって前記最小周辺容積(V)の一部の中に伝達された熱エネルギーの量は、伝達される前記総熱エネルギーの60%超を成す、ステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記混合デバイス(7b-d)の最外半径方向部分が、複数の半径方向に分離された混合突出部(7c、7d)を備える、請求項1に記載の分離装置(100)。
【請求項3】
前記複数の半径方向に分離された混合突出部(7c、7d)は、前記混合デバイス(7b-d)の軸長(lmd)を横断して、前記回転可能軸(7a)に沿って軸方向に分散される1つまたはそれを上回るセットに分割され、各セット内の混合突出部(7c、7d)の数は、前記回転可能軸(7a)の方向に沿って見られるときの前記回転可能軸(7a)の周囲の真円形における前記混合突出部(7c、7d)の数として定義され、
前記ロータリ機構(7)の最小周辺回転速度(vp,min)はさらに、以下のように定義され、
p,min=C(dmd/#mp
式中、
Cは、12πに等しいかまたはそれより高い定数であり、
mpは、各セット内の前記半径方向に分離された混合突出部(7c、d)の数であり、
md[m]は、前記混合デバイス(7b-d)の半径方向直径である、
請求項2に記載の分離装置(100)。
【請求項4】
前記混合デバイス(7b-d)の半径方向直径(dmd)と前記処置チャンバ(2)の半径方向直径(d)との間の比は、0.8~1.0である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ロータリ機構(7)の周辺回転速度(v)は、前記最小周辺容積(V)内に存在する前記物質(12)の蒸発部分(12b)が乱流特性を獲得するように調整される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の半径方向に分離された混合突出部(7c、7d)は、前記混合デバイス(7b-d)の軸長(lmd)を横断して、前記回転可能軸(7a)に沿って軸方向に分散される1つまたはそれを上回るセットに分割され、各セット内の混合突出部(7c、7d)の数は、前記回転可能軸(7a)の方向に沿って見られるときの前記回転可能軸(7a)の周囲の真円形における前記混合突出部(7c、7d)の数として定義され、
前記ロータリ機構(7)の最小周辺回転速度(vp,min)はさらに、以下のように定義され、
p,min=C(dmd/#mp
式中、
Cは、45πに等しいかまたはそれより高い定数であり、
mpは、各セット内の前記半径方向に分離された混合突出部(7c、d)の数であり、
md[m]は、前記混合デバイス(7b-d)の半径方向直径である、
前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記回転可能軸(7a)は、前記処置チャンバ(2)の中心軸(CTC)と整合して配列される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記加熱デバイス(6)は、前記処置チャンバ(2)の長さlの方向において配向される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記加熱デバイス(6)はさらに、
エンクロージャ(13)であって、前記エンクロージャ(13)は、空隙(14)が、前記容器壁の外側表面(1b)とエンクロージャ(13)の内側表面との間に生成されるように、前記容器(1)の周囲に配列され、前記エンクロージャ(13)は、前記空隙(14)の中への加熱手段(6’)の給送を可能にするエンクロージャ入口(13a)を備える、エンクロージャ(13)
を備える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記容器壁の外側表面(1b)の少なくとも一部が、複数の外側フィン(16)を具備する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記加熱デバイス(6)は、少なくとも部分的に、前記容器壁内に配列される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
流量(S)が、一定の率に設定されると、前記加熱デバイス(6)への前記入力電力および前記ロータリ駆動部(10)への前記入力電力は、前記最小周辺容積(V)の少なくとも一部の中の前記動作温度(Top)が達成されるように、相互に調節される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記ロータリ駆動部(10)への前記入力電力および前記加熱デバイス(6)への前記入力電力は、一定のレベルに設定され、前記流量(S)は、前記最小周辺容積(V)の少なくとも一部内の前記動作温度(Top)が達成されるように調節される、請求項1-12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記分離装置(100)はさらに、
前記処置チャンバ(2)内または前記処置チャンバ(2)における温度が監視され得るように配列される温度センサ(19)と、
制御システムであって、前記制御システムは、前記温度センサ(19)、前記給送デバイス(20)、前記ロータリ駆動部(10)、および前記加熱デバイス(6)と信号通信し、前記制御システムは、前記温度センサ(19)によって測定される前記温度に基づいて、流量(S)、前記ロータリ駆動部(10)の入力電力、および前記加熱デバイス(6)の入力電力のうちの少なくとも1つを自動的に調節するように構成される、制御システムと
を備える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記分離装置(100)はさらに、
前記処置チャンバ(2)内または前記処置チャンバ(2)における前記温度が監視され得るように配列される温度センサ(19)
を備え、
前記分離装置はさらに、
前記温度センサ(19)および前記給送デバイス(20)と信号通信する制御システムであって、前記制御システムは、前記温度センサ(19)によって測定される前記温度に基づいて、前記給送デバイス(20)からの前記流量(S)を自動的に調節するように構成される、制御システム
を備え、
ステップDは、
前記処置チャンバ(2)内または前記処置チャンバ(2)における前記温度を測定するステップと、
前記温度の関数として新しい流量(S)を計算する前記制御システムに、前記温度を伝送するステップと、
前記給送デバイス(20)に信号を伝送することによって、前記新しい流量(S)に対して前記流量(S)を調節するステップと
を伴う、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記混合デバイス(7b-c)は、
前記回転可能軸(7a)に対して軸方向のオフセットを伴って固定される複数のロータリディスク(7b)と、
前記複数のロータリディスク(7b)を相互接続する複数の軸方向に配向される伸長物体(7c)と
を備える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記複数のロータリディスク(7b)はそれぞれ、前記蒸発部分(12b)が動作の間にそれを通して流動することを可能にするための少なくとも1つの貫通開口部(7b1)を呈する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記混合デバイス(7b-c)は、前記回転可能軸(7a)の長さに沿ってオフセットを伴って分散される複数の半径方向突出要素(7d)を備える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記混合デバイス(7b-c)は、前記回転可能軸(7a)に対して軸方向のオフセットを伴って固定される複数のロータリディスク(7b)と、前記複数のロータリディスク(7b)を相互接続する複数の軸方向に配向される伸長物体(7c)とを備え、前記複数の半径方向突出要素(7d)は、前記複数の軸方向に配向される伸長物体(7c)に置き換え可能に接続される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記容器(1)は、内側軸長lと、内側半径方向直径dとを有する円柱であり、前記内側軸長dと前記内側半径方向直径dとの間の前記比は、4.0に等しいかまたはそれ未満である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、処置チャンバの中に流入する、多成分物質の持続的熱分離のための方法に関する。
【0002】
本発明は、特に、方法に関し、該方法は、廃棄物および副生成物の熱分離のための主要な間接的エネルギー寄与要因としての排熱の利用のために好適である。分離は、加熱することによって物質から流体を除去するステップを伴う。
【背景技術】
【0003】
固体材料と、蒸発可能な液体との両方を含有する、種々の物質は、物質を液体の蒸発温度より高い温度まで加熱することによって、熱的に分離されることができる。
【0004】
加熱の結果として、液体は、液体相から気体相に位相を変化させる一方、固体は、乾燥される。そのような熱分離プロセスのための装置は、当技術分野において周知であり、一般的には、「熱脱着ユニット」(TDU)または乾燥機と称される。熱処置の間、液体は、通常、後処置ステップまたは付加的処置ステップとして、液相に戻るように凝縮される。
【0005】
TDUは、1つまたはそれを上回る蒸発可能な液体を含有する、食糧生産からの廃棄物および副生成物、都市汚泥、精製プロセスまたは掘削からの廃棄物、および種々の他の物質等の、多数の異なる物質を処置するために使用される。
今日市場において商業的に利用可能である、優勢な熱分離技法は、大まかに、2つのカテゴリに分割され得る。
-間接加熱熱分離
-摩擦ベースの熱分離
【0006】
大部分の既存のTDU技術は、間接的加熱に基づく。外部熱源は、コンテナの外壁を加熱しており、熱は、コンテナの内側表面を介して加熱されるべき物質上に伝達される。
【0007】
外部熱源は、原理上、物質を、コンテナの内側における物質内の関連のある液体を蒸発させるために要求される温度まで加熱することが可能である、あらゆるものであることができる。最も使用される加熱源は、水蒸気、熱油、炎、加熱気体または排出物、および電気(ケーブル、要素、誘導等)である。
【0008】
間接的方法を使用して物質を乾燥するための装置のある実施例が、特許公開第GB1575576A号に開示されている。本公開文書は、特に、掘削切削物から揮発性材料を除去するための、坑井掘削切削物および掘削流体の混合の処置に関し、加熱チャンバ内の切削物を加熱し、その中の揮発性材料を気化させるための加熱器を備える。切削物の加熱は、外部電気抵抗要素を伴う、または熱伝達流体を用い得、これは、ひいては、電気的に通電された補助熱交換器によって加熱される。
【0009】
廃棄物を分離するための関連のある先行技術の間接的解決策を開示する、他の関連のある公開文書は、汚泥を乾燥するための蒸発器を開示する、第US 5.375.343 A号、および流動材料を乾燥するための装置を開示する、第US 3.808.701 A号である。
【0010】
第US 5.375.343号における蒸発器は、本質的に蒸発器の長さにわたって延在する、羽根を装備する、中空の円筒形の外部駆動ロータを含む。本装置は、蒸発器に沿った緩やかな加熱を仮定する。さらに、第US 3.808.701号の装置は、水平に配列される円筒形の導管と、導管内で内部的に回転する、ロータとを備える。ロータは、流動材料を拭取、循環、粉砕、および掻把する役割を果たす、導管の内壁と動作可能に関連付けられる、羽根様の要素を支持する。
【0011】
既存の間接的(持続的)方法は全て、質量が時間(および距離)が過ぎるにつれて緩やかに加熱されるであろう、内部輸送機構を有するであろう。温度は、およそ摂氏100度まで上昇するであろうが、したがって、水の蒸発のために要求される全てのエネルギーが、廃棄物に伝達されるため、これは、しばらくの時間(および距離)を要するであろう。物質がまた、油等のより高い蒸発温度を伴う液体を含有する場合、そのような液体の大部分のものは、物質の後続のさらなる加熱の前には蒸発しないであろう。そのような状況において、内部輸送機構は、多くの場合、10~20メートルの長さであり、廃棄物中の全ての液体が蒸発する前に、最高で20分を要し得る。
【0012】
既存の間接的方法の主な課題は、コンテナの内側表面から加熱されるべき物質の中への熱伝達である。開始から、本物質または複数の物質は、「湿潤固体」である。水、および可能性として、油等の他の液体は、統合された部分であり、「遊離」していない。本物質は、重力によって影響を及ぼされ、容器/コンテナの下側面積(すなわち、底部)またはその近傍に位置するであろう。固体が加熱されるにつれて、固体が、乾燥され、結果として、熱伝達率が、すぐに低下されるであろう。鋼鉄から物質を含有する液体への熱伝達率は、最初は、より高いであろうが、熱伝達は、コンテナの内壁と物質中の乾燥された固体との間の熱伝達に等しいかまたはそれに類似するレベルに緩やかに到達するであろう。一般的には、典型的な掘削廃棄組成物、すなわち、油、水、および鉱物固体に関して、間接的解決策における、およそ75W/mKより良好な平均熱伝達を達成することは、困難であるものとして見なされる。1つの課題は、固体が、加熱された表面上に隔離層を築き、それによって、熱伝導効率を低下させているであろうという事実に関連する。固体を含有するタンパク質に関して、そのような固体が、熱によって非常に影響を及ぼされる性質を有し、潜在的に価値がある固体の不要な劣化につながるため、これは、特に課題である。
【0013】
他方では、摩擦ベースの熱分離は、間接的熱分離と非常に異なる原理、すなわち、回転する駆動部から導出される運動エネルギーを、摩擦によって熱エネルギー(熱)に伝達することに基づく。これらの摩擦ベースのプロセスでは、チャンバを含有する物質のいかなる内側表面も、外側から加熱されない。代わりに、間接的解決策との明確な対比では、全体的な熱伝達表面、すなわち、廃棄物中の全ての乾燥された粒子の固化された表面が、全体的にプロセスチャンバ内に置かれる。本固化された表面積は、間接的解決策の対応する熱伝達表面と比較して非常に大きく、それによって、内部輸送機構を関連のないものにする。
【0014】
摩擦ベースの解決策は、完全に回転エネルギーに依存し、したがって、剰余熱源または他の外部の間接的熱源を利用していない。
【0015】
また、摩擦ベースの解決策におけるエネルギー損失は、通常、有意である。例えば、ディーゼルエンジンが、ディーゼル発電機から生じる必要な回転エネルギーおよび/または電力を生成するために使用される場合、およそ2/3の損失が、典型的である。
【0016】
以下の特許公開文書は、公知の摩擦ベースの乾燥機の関連のある実施例を開示する。
【0017】
第US4869810 (A)号は、水中の油および掘削泥から他の蒸発可能な液体を分離し、石油タンク、油頁岩、または同等物から漂白土、汚泥を分離する方法を開示し、泥は、泥の細孔内の別個の断片を結合させる毛管力が、摩擦蒸発器内で破壊されるという事実に起因して、従来の蒸発を用いた場合より低温において蒸発される。
【0018】
第WO02092187 (A1)号は、蒸発によって油含有材料から蒸発され得る、油、水、および他の成分を分離するための方法を開示する。蒸発は、第2の成分の蒸発によって確立される気相の利用に起因して、成分の大気沸点より低温において達成される。処理チャンバと、該処理チャンバ内に搭載される、ロータとを備える、流体含有材料の乾燥のための手段もまた、含まれる。ロータは、揺動し得ない、いくつかの固定されたロータアームを備え、処理チャンバの内側表面は、平滑である。
【0019】
全ての公知の摩擦ベースの乾燥機の動作は、回転エネルギーの広範囲にわたる使用に依拠する。故に、余剰状態エネルギー等の代替エネルギー源の使用が、限定される。
【0020】
公知の熱技法(間接的方法および摩擦ベースの方法の両方)のうちのいずれかに関する共通の欠点は、両方とも高動作コストおよび/または高投資コストを引き起こす、大量のエネルギーの消費である。
【0021】
その理由のために、埋立または焼却等のより安価であまり効率的ではない解決策が、多くの場合、選定される。これらのより安価な解決策は、多くの場合、それらの環境上の危険および潜在的に価値がある資源の廃棄に起因して、問題となる。
【0022】
上記に照らして、先行技術解決策の使用に関連する前述の問題のうちの1つまたはそれを上回るものを解決する、または少なくともそれを軽減させる方法を提供することが、本発明の目的である。
【0023】
本発明の特定の目的は、より小型の装置を使用し得る方法を提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、本装置の中に給送される多成分物質のより効率的な分離を提供する方法を提供することである。
【0025】
本発明のさらに別の目的は、本装置の中に給送される多成分物質のより効果的な混合を提供する方法を提供することである。
【0026】
本発明のさらに別の目的は、排熱源の利用によって乾燥の間により好ましいエネルギー消費を引き起こす方法を提供することである。未使用(溢流)廃熱/剰余熱を活用することは、運用費用を有意に低減させ得る。
【0027】
加えて、または代替として、本発明は、油または乾燥されたバイオマス等、発熱価を伴う、本プロセス内で分離される成分を含む、他の剰余エネルギー源の効率的な利用を可能にする方法を提供する目的を有する。そのような廃棄物の実施例は、廃油、廃溶剤、ごみ由来燃料、カーペットおよび繊維製品廃棄物、プラスチックまたは混合プラスチック廃棄物、自動車破砕機残留物、および肉/骨粉(MBM)である。
【0028】
廃棄物からの剰余熱および/または発熱成分が、用地において、例えば、石油掘削プラットフォーム上で熱分離のために使用され得る。
【0029】
さらに、廃棄物からの剰余熱および/または発熱成分は、部分的または完全に、他のエネルギー寄与要因の代用になることができる。
【0030】
いくつかの既存の解決策は、熱分離のための主要なエネルギー供給として、剰余熱を利用することが可能である。しかしながら、これらの解決策は、限定された熱伝達容量を有し、必然的に、大きい加熱表面および長い内部輸送機構を必要とするであろう。その結果、それらは、より高いエネルギー損失に伴って大型になり、比較的により大きい加熱表面が、熱損失を回避し、危険を低減させることの両方のために保護/断熱される必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明は、独立請求項において述べられ、特徴付けられる一方、従属請求項は、本発明の他の特性を説明する。
【0032】
一側面では、本発明は、好ましくは、分離装置の使用による、処置チャンバの中に流入する物質の熱的な持続的分離のための方法に関する。
【0033】
分離装置は、長さl、高さH、幅Wの処置チャンバを封入する、内側表面を伴う容器壁を有する、容器を備え、容器は、それぞれ、少なくとも1つの物質入口と、非蒸発可能な成分のための少なくとも1つの第1の出口と、蒸発可能な成分のための少なくとも1つの第2の出口とを備え、加熱デバイスは、処置チャンバの外側、例えば、外側表面において、および/または容器壁の中に配列され、ロータリ機構は、処置チャンバの長さl(以降、L方向と称される)に沿って指向される、処置チャンバ内に配列される、回転可能軸を備える。ロータリ機構はさらに、L方向に対して直角に、有意な距離、好ましくは、処置チャンバの中心軸CTCと内壁との間の線形距離の少なくとも80%、さらにより好ましくは、少なくとも90%を空けて延在するように、回転可能軸に固定される、半径方向直径dmdおよび軸長lmdの混合デバイスを備える。混合デバイスの半径方向最外部分、例えば、混合デバイスの半径方向範囲の最高20%、または半径方向範囲の最高10%は、半径方向に分離された混合突出部の軸方向のセットを含み得、該セットは、相互に対して軸方向にオフセットされる。混合突出部は、内側表面における、物質の少なくとも一部、好ましくは、蒸発した物質の全ての強烈な混合を可能にする。
【0034】
中心軸CTCは、L方向に沿って配向され、処置チャンバの平均幅Wおよび平均高Hの中間位置に位置付けられる、軸として定義される。
【0035】
一実施形態では、混合突出部は、混合デバイスの残りの部分の最外境界から半径方向に突出し、回転可能軸の長さの少なくとも80%に沿って間隔を伴って分散される、ロッドの形態にあってもよい。
【0036】
別の実施形態では、突出部は、回転可能軸に対して平行な混合デバイスの長さを横断して、持続的に延在する。
本方法は、(任意のシーケンスにおける)以下のステップを含む。
【0037】
A.加熱デバイスの使用によって内側表面を加熱し、内側表面を介して加熱デバイスから熱エネルギーを、直接的な接触により、(混合突出部を含む)混合デバイスと内側表面との間に閉じ込められる、処置チャンバの最小周辺容積V上に伝達するステップであって、存在する場合、熱エネルギーが、その中に生成される蒸気雲に伝達される(下記のステップDを参照されたい)ステップ、
B.回転可能軸に動作可能に固定される、ロータリ駆動部の使用によって、ロータリ機構を、混合デバイスの半径方向外側境界(すなわち、混合突出部の半径方向外側境界)において測定される、秒あたり5メートルの最小周辺回転速度vp,minを超過する、周辺回転速度vまで回転させるステップ、
C.給送デバイス、好ましくは、自動給送デバイスを使用して、物質を、少なくとも1つの物質入口を通して処置チャンバの中に給送するステップであって、物質は、成分のうちの少なくとも1つが、蒸発温度T(例えば、200℃未満)において蒸発可能である、2つまたはそれを上回る成分を含む、ステップ、および
D.
-加熱デバイスの入力電力と、
-処置チャンバの中への、すなわち、少なくとも1つの物質入口のうちの少なくとも1つを通した、物質の流動と、
-ロータリ駆動部の入力電力と、
-少なくとも1つの第1の出口から放出される物質の非蒸発部分の出力流動と、
のうちの少なくとも1つを、最小周辺容積Vの少なくとも一部の中への総熱伝達エネルギーが、動作の間に蒸発温度Tを超過する動作温度Topをもたらすように調節するステップであって、加熱デバイスによって最小周辺容積Vの一部の中に伝達された熱エネルギーの量は、総伝達熱エネルギーの60%超、好ましくは、少なくとも65%、より好ましくは、少なくとも70%、例えば、75%を成す、ステップ。
【0038】
強烈な混合と組み合わせられた総伝達熱エネルギーは、蒸発部分、すなわち、流体状態(気体または液体)にある成分と、乾燥した固体等の非蒸発部分との混合物を含む、蒸気雲を生成する。
【0039】
結果は、最小周辺容積V、すなわち、内側表面上またはその近傍におけるほぼ瞬時の加熱および蒸発におけるものとなる。
【0040】
混合デバイスの最外半径方向部分は、好ましくは、複数の半径方向に分離された混合突出部を備える。
【0041】
さらに、複数の半径方向に分離された混合突出部は、混合デバイスの軸長lmdを横断して回転可能軸に沿って軸方向に分散された、1つまたはそれを上回るセットに分割されてもよい。各セット内の混合突出部の数は、当該セットの真正面の軸方向位置において回転可能軸の方向に沿って見られるときの、回転可能軸の周囲の真円形における軸方向に最近傍の混合突出部の数として定義される。
また、ロータリ機構の最小周辺回転速度vp,minはさらに、以下のように定義される。
p,min=C(dmd/#mp
式中、
Cは、12πに等しいかまたはそれより高い定数であり、
mpは、各セット内の半径方向に分離された混合突出部の数である。
【0042】
md[m]は、混合デバイス(すなわち、混合突出部を含む)の半径方向直径である。
【0043】
半径方向に分離された混合突出部は、例えば、相互の半径方向オフセットを有する、複数の軸平面と整合されてもよく、軸平面の全ては、中心軸CTCと交差している。
【0044】
各セット内の混合突出部が、半径方向ロッドの形態にあり、これらのロッドが、実質的に相互に対して軸方向に偏移されない場合、内側表面における物質の非蒸発部分および蒸発部分の最大混合が、処置チャンバ内の1つの半径方向平面またはその近傍で生じる。そのような構成では、混合デバイスは、混合突出部の複数のそのような半径方向ディスクを備える。混合突出部が、混合デバイスの半径方向最外部分を成す、軸方向ロッドの形態にある場合、単一のセットのみが、存在し得る。
【0045】
好ましい構成では、各セットの混合突出部は、5つの半径方向に分離された軸平面と整合するように、すなわち、中心軸CTCに沿って見られるときに、相互の真裏に設定される。混合デバイス長lmd全体にわたる合計100個の混合突出部と、各セット内に10個の数の混合突出物(#mp=10)とを伴う、特定の構成では、軸方向オフセット半径方向平面内に整合される、さらに9個のセットが、存在するであろう。
【0046】
本発明の別の実施例では、各セット内の各またはいくつかの混合突出部が、軸方向に偏移され得る。故に、混合デバイスの軸長lmdに沿って明確に異なる半径方向平面内に最大混合を有することではなく、最大混合は、内側表面の円周の周囲の1つまたはそれを上回る掃引面積において生じる。
【0047】
後者の実施例の1つのバージョンでは、混合突出部は、混合デバイスの軸長lmd全体を横断して、軸方向に持続的に偏移される。
【0048】
特定の実施形態では、ロータリ駆動部の入力電力および/または加熱デバイスの入力電力が、少なくとも1つの第1の出口から放出される、出力流動によって制御される。
【0049】
最小周辺容積Vの定義は、容器の内壁と(全ての空間方向における)混合デバイスの外側境界の外側との間の容積として解釈されるものとする。故に、半径方向に分離された混合突出部の任意の空き空間は、最小周辺容積Vの一部を形成しない。例えば、容器が、その内長lおよびその内径dが両方とも1メートルである、コンテンナであり、回転可能軸に固定される混合デバイスが、半径方向に平均0.95メートル延在し、および軸方向に平均0.90メートルの長さlmd延在する、直径dmdを有する場合、最小周辺容積Vは、以下の通りである。
【化1】
式中、d=1メートル、l=1メートル、dmd=0.95メートル、およびlmd=0.90メートルである。
【0050】
故に、本実施例では、Vは、容器の内部容積全体の約20%を成す。
【0051】
上記に定義されるような最小周辺回転速度vp,minに等しいかまたはそれを上回る周辺回転速度vを維持することによって、内側表面の全てまたは大部分が、重力の効果が、回避される、または殆ど回避されるため、熱伝達の間に利用されることを確実にされる。さらに、内側表面は、清浄またはほぼ清浄に保たれ、それによって、熱伝達を既存の間接的解決策にあるよりも高く保つ。
【0052】
例えば、1.1メートルの直径と、(各セット内の混合突出部が、共通軸平面内で相互に整合される)その半径方向最外部分に配列される、8個の混合突出部のセットとを伴う混合デバイスに関して、上記の関係(vp,min=C(dmd/#mp)を使用する混合デバイスの最小周辺回転速度vp,minは、秒あたり約5メートル(m/秒)になる。
内側表面において、周辺回転速度vは、物質上に求心力Fを発生させる。そのような求心力Fの基本公式は、以下となる。
=2mv /dmd
式中、
m[kg]は、混合突出部の最外端において影響を及ぼされる質量であり、
[m/秒]は、周辺回転速度である。
【0053】
md[m]は、混合デバイスの直径である。
さらに、同一の位置において優勢な重力Fは、以下となる。
=mg
式中、
g[m/秒]は、重力定数=9.8である。
【0054】
m[kg]は、上記に述べられる、影響を及ぼされる質量である。
求心力Fと重力Fとの間の比は、したがって、以下となる。
【化2】
【0055】
求心力Fは、周辺回転速度vの2乗に比例するため、5m/秒またはそれより高い速度およびほぼ1.1メートルの混合デバイス直径dmdが、ほぼ5の比F/F、すなわち、1より有意により高い値を与える。
【0056】
故に、分離の間に重力からの望ましくない影響を回避するために、周辺回転速度vは、(そのような構成を用いて)5m/秒と同程度に低くあり得る。
【0057】
さらに、半径方向平面/掃引面積毎に8個の混合突出部のセット(#mp=8)と、2メートルの混合デバイス直径(dmd=2)とを伴う混合デバイスは、9.4m/秒の最小周辺回転速度vp,minをもたらす。類似の結果が、#mp=13およびdmd=3.25mとともに取得される。故に、動作の間に重力の有意な影響を回避するために必要な最小速度が、混合デバイス直径(dmd)を変動させること、または混合突出部の数(#mp)を変動させること、またはそれらの組み合わせのいずれかによって、変動され得る。
【0058】
用語「半径方向」が、以降、L方向に対して垂直の方向を示すことに留意されたい。
【0059】
有利な動作では、ロータリ機構の周辺回転速度vは、(蒸気雲の形態における)最小周辺容積V内の物質の任意の蒸発または気化された成分/部分の一部または全てが、乱流特性、すなわち、(層流と対照的に)圧力および流速の無秩序な変化の内部状態によって特徴付けられる移動パターンを獲得するように、調整される。
【0060】
そのような乱流流動特性の存在は、容器壁と蒸気雲との間の温度差ΔTを測定することによって検出されることができる。ΔTの有意な低下が測定される、および/または、例えば、約50Kまでの最小のΔTが見出されると、内壁に向かって指向される流体流の量は、乱流速度パターンを示す、高い状態になっている。
【0061】
最小周辺容積V内に高度な乱流を発生させるために、ロータリ機構の周辺回転速度vが、以下の最小周辺回転速度vp,minを超過する速度に設定されてもよい。
p,min=C(dmd/#mp)、かつC≧45π
【0062】
すなわち、これは、動作の間に重力効果からの有意な影響を回避するために、上記に述べられる速度基準の少なくとも3.75倍である。
【0063】
上記と同一の例示的構成、すなわち、その半径方向最外部分に配列される、8個の混合突出部のセットを伴う混合デバイスおよび1.1メートルの直径dmdを伴う混合デバイスを使用すると、混合デバイスの最小周辺回転速度vp,minは、本有利な動作では、約19.4m/秒である。
さらにより高度の乱流および熱伝導効率を確実にするために、より有利な動作は、以下の最小周辺回転速度vp,minを有する。
p,min=C(dmd/#mp
式中、C≧60πである、または、より優れたこととして、C≧80πである。
【0064】
上記の例示的構成を用いることによって、vp,minは、それぞれ、約25.9m/秒または約34.5m/秒となるであろう。乱流の増加を引き起こす、周辺回転速度vの増加は、熱伝導効率の所望の増加をもたらす。
【0065】
24個の混合突出部(#mp=24)のセットおよび1.1mの混合デバイス直径dmdを使用すると、(乱流流動特性を生成する)同一の強烈な混合が、11.5m/秒を超過する速度で取得され得る。しかしながら、より高い速度が、混合容積を横断した掃引の数の増加にだけではなく、より激しい物質衝突にも寄与する(「吹送効果」)ため、熱伝導効率は、同一の数の通過ではあるが、より高い周辺速度と比較して、低減されるであろう。
【0066】
これらの実施例が、混合デバイスの長さlmdに沿って共通軸平面内に整合される、混合突出部のセットを仮定することに留意されたい。
【0067】
本特定の構成のための他の可能性として考えられる最小周辺回転速度vp,minは、20m/秒を上回る、25m/秒を上回る、または30m/秒を上回り得る。本構成のための乱流特性に対する強烈な混合を確実にする、周辺回転速度vの特定の実施例は、40m/秒であり得る。
【0068】
物質中の固体が、より高い比重(SG)を有する物質(例えば、掘削廃棄物中の固体)と比較して(例えば、バイオマスからの)低SGを有する場合、乱流特性は、より低い周辺回転速度で達成されるであろう。
【0069】
さらに、混合突出部のセットが、軸方向の整合から有意に逸脱する(すなわち、共通軸平面と交差する)場合、上記に述べられる関係は、以下の調節係数fmpによって補正され得る。
p,min=fmpC(dmd/#mp
【0070】
式中、調節係数fmpは、混合デバイスの長さに沿った軸方向の整合からの逸脱の程度に依存する、現象学的係数である。低い程度の軸方向の整合が、高いfmpをもたらす。例えば、混合デバイスの長さlmdに沿って半径方向および軸方向の両方に均一に分散され、ほぼ無作為の半径方向分散を伴った状態で、C=80π、dmd=1.1、vp.min=34.5m/秒、および#mp=100である状態場合、fmp=12.5となる。
【0071】
分離装置の例示的構成では、ロータリ機構の回転可能軸は、チャンバの中心軸CTCと整合して配列される。
【0072】
別の例示的構成では、回転可能軸は、容器の少なくとも1つの終端部壁の中心点を通して延在する。
【0073】
さらに別の例示的構成では、処置チャンバは、半径方向直径d(または、一定ではない場合、平均半径方向直径d)を伴う円筒形形状を有し、長さlと半径方向直径dとの間の比(L/d)は、4.0に等しいかまたはそれ未満、より好ましくは、2.5に等しいかまたはそれ未満、さらにより好ましくは、2.0に等しいかまたはそれ未満、さらにより好ましくは、1.5に等しいかまたはそれ未満、例えば、1である。
【0074】
上記の例示的構成に加えて、または代替として、混合デバイスは、入口から出口へのL方向に沿った物質の正味輸送に寄与しないように、配列され、設計されてもよい。例えば、擾乱手段および/または伸長物体の形状は、いかなる量の物質もL方向に沿って押動されないような、またはわずかな量の物質がL方向に沿って押動されるようなものであり得る。
【0075】
さらに別の例示的構成では、混合デバイスは、回転軸の周囲における半径方向に対称的な好ましい配向を伴う、回転可能軸に対して軸方向のオフセットを伴って固定される、複数のロータリディスクと、複数のロータリディスクを相互接続する、複数の伸長物体とを備える。複数のロータリディスクのうちの少なくとも1つが、物質の蒸発部分が動作の間にそれを通して流動することを可能にするための、少なくとも1つの貫通開口部を呈し得る。これらの貫通開口部のうちの少なくとも1つは、回転軸の周囲に半径方向に対称的に設計されてもよい。また、少なくとも1つの貫通開口部が、回転可能軸に最も近接して位置する各ロータリディスクの半径方向の半分に配列されてもよい。本特定の構成では、最大周辺容積は、容器の内壁とロータリディスクの外側境界との間の容積として定義され得る。
【0076】
さらに別の例示的構成では、物質入口を伴う容器の終端部の最近傍(すなわち、第2の出口5の反対端部)に位置するロータリディスクは、小型である、すなわち、いかなる貫通開口部も伴わない一方、残りのディスクは、そのような開口部を呈する。それによって、遠心力に起因して内側表面に存在する、処置チャンバ内の乾燥物等の非蒸発部分が、混合デバイス、すなわち、気体または気体状成分が物質の最も圧倒的な割合を成すことになる、チャンバの区分の中に誘導されていないことが、確実にされる。故に、終端部におけるロータリディスクが、閉鎖されていない場合、非蒸発部分が、ディスクの開口部を通して、回転可能軸の近傍の物質の蒸発部分の流動の中に誘導されるであろう、可能性が、存在する。非蒸発部分のそのような流動は、第2の出口からの非蒸発部分の望ましくない放出のリスクを増大させる。
【0077】
さらに別の例示的構成では、容器はさらに、内側表面の少なくとも一部の上に配列され、それによって、処置チャンバの表面積を拡大し、かつ最小周辺容積V内の物質の乱流の発生を増加させる、複数の内側助材を備えてもよい。内側助材はそれぞれ、半径方向に、処置チャンバの中に突出している。複数の助材は、好ましくは、特に、L方向に沿って配向される内壁上に、内側表面の円周の周囲にオフセットを伴って分散される。しかしながら、複数の助材はそれぞれまた、L方向に対して直角に、内側表面の円周に沿って配列され、L方向に沿って、オフセットを伴って分散されてもよい。
【0078】
さらに別の例示的構成では、加熱デバイスは、空隙が容器壁の外側表面とエンクロージャの内側表面との間に生成されるように、容器の周囲に配列される、エンクロージャを備える。エンクロージャは、容器壁を介して処置チャンバに熱を伝達する目的のために、加熱された流体を空隙の中に給送するための、熱入口と、冷却された流体を空隙から外に放出するための、熱出口とを備える。空隙の少なくとも一部はまた、フィン等の複数の突出要素を備え、それによって、外壁の表面積を拡大し、熱をより効率的に容器壁の中に伝達させてもよい。突出要素/フィンは、容器壁の外側表面に、可能性として、また、エンクロージャの内側表面にも固定される。さらに、フィンは、L方向において延在してもよい。
【0079】
熱入口および熱出口を介して空隙を通して進む、加熱された流体は、エンジン、タービン、または焼却炉からの水蒸気、熱蒸気、溶融物、加熱された液体、または排出物のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0080】
代替として、または加えて、加熱デバイスは、少なくとも1つの加熱要素、例えば、L方向に沿って延在するチャネルの中に挿入される加熱ロッドの形態における、例えば、容器壁内に配列される、少なくとも1つの電気加熱要素を備えてもよい。
そのような加熱ロッドは、容器の円周の周囲にオフセットを伴って分散されてもよい。
【0081】
代替として、または加えて、加熱デバイスは、容器の外側表面の周囲に配列される、電気加熱システム、マイクロ波加熱システム、および/または誘発加熱システムを備えてもよい。
【0082】
分離装置はさらに、流量Sにおいて物質の流動を処置チャンバの中に給送するための、給送デバイスと、動作の間に第2の出口から放出される物質の蒸発部分から微細固体を除去するための、浄化器と、動作の間に第1の出口から放出される非蒸発部分の放出および収集のための、固体吐出システムとを備えてもよい。
【0083】
流量Sは、適切な期間、例えば、1分、または10分、または30分、または1時間、または3時間にわたって平均化される場合、kg/時間における質量流率として測定され得る。
【0084】
ステップDを参照すると、加熱デバイスへの入力電力および/またはロータリ駆動部への入力電力は、一定のレベルに設定されてもよく、流量Sは、最小周辺容積Vの少なくとも一部内の動作温度Topが達成され、維持されるように調節される。
【0085】
代替として、流量Sは、一定の率に設定され得る一方、加熱デバイスへの入力電力および/またはロータリ駆動部への入力電力は、最小周辺容積Vの少なくとも一部内の動作温度Topが達成され、維持されるように調節される。
【0086】
さらに別の例示的構成では、分離装置はさらに、処置チャンバの中および/またはそこにおける温度が、直接または間接的に測定され得るように配列される、温度センサ、温度センサと信号通信する、制御システム、給送デバイス、加熱デバイス、および/またはロータリ駆動部を備える。該温度は、例えば、処置チャンバの内側表面において、および/または第2の出口において、および/または第1の出口において、および/または容器壁内、および/または容器壁の外側表面上のどこかにおいて説明され得る。処置チャンバの中またはそこにおいて測定される温度は、本明細書では、物質温度として定義されるであろう。
【0087】
制御システムは、温度センサによって測定された物質温度に基づいて、流量S、熱デバイスへの入力電力、およびロータリ駆動モータへの入力電力のうちの少なくとも1つを自動的に調節するように構成される。温度測定は、ある時間間隔において、または持続的に、またはそれらの組み合わせにおいて実施され得る。そのような測定の場所は、処置チャンバの内側、処置チャンバ、またはそれに隣接する場所、例えば、第1の出力またはその近傍、および/または物質入力またはその近傍の任意の場所であり得る。
例えば、ステップDは、以下の部分的なステップを含み得る。
-温度センサの使用によって物質温度を測定するステップ、
-物質温度の関数として新しい流量Sを再度計算する制御システムに、物質温度を伝送するステップ、および
【0088】
-給送デバイスに信号を伝送することによって、新しい流量Sに対して流量Sを調節するステップ。
【0089】
これらの部分的なステップは、典型的には、加熱デバイスの入力電力およびロータリ駆動部の入力電力を、一定またはほぼ一定の設定された動作パラメータに保ちながら、実施される。
【0090】
熱エネルギーが、剰余源から導出される場合には、本発明は、電力等の他のエネルギー入力の代用または低減を可能にし、それによって、全体的なエネルギーコストおよび/または消費量を有意に低減させる、および/またはCO等価物の排出量の実質的削減を引き起こし得る。
【0091】
別の側面では、本発明は、処置チャンバの中に給送されている物質の持続的熱分離のために好適な分離装置に関する。物質は、成分のうちの少なくとも1つが、蒸発温度Tにおいて蒸発可能である、2つまたはそれを上回る成分を含む。
【0092】
分離装置は、長さlと、高さHとを有する、処置チャンバを封入する、内側表面と、外側表面と伴う、容器壁を備える、容器を備える。長さlおよび高さHが、それぞれ、チャンバの長さ方向に対して直角であり、かつそれに沿った、チャンバの延在部を横断した、平均長lおよび平均高Hとして定義されることに留意されたい。
【0093】
容器はさらに、処置チャンバの中に物質を給送するための、物質入口と、処置チャンバから固体粒子等、物質の非蒸発部分を放出するための、第1の出口と、処置チャンバから気体および/または蒸気等、物質の蒸発部分を放出するための、第2の出口と、ロータリ機構とを備える。
【0094】
ロータリ機構は、少なくとも部分的に、処置チャンバの長さl(以降、L方向と略される)に沿って処置チャンバ内に配列される、回転可能軸と、回転可能軸に固定され、それから直角に延在する、混合デバイスとを含む。該回転可能軸は、好ましくは、L方向に沿って処置チャンバの中心軸CTC(高さHおよび幅Wの中間位置)と整合して配列される。さらに、該回転可能軸は、好ましくは、L方向に沿って容器の終端部のうちの少なくとも1つの中心点を通して延在しており、回転可能軸の端部のうちの少なくとも一方は、容器の外側表面の外側に位置する。
【0095】
分離装置はさらに、回転可能軸の端部またはその近傍に動作可能に接続される、ロータリ駆動部と、処置チャンバの外側に配列される、加熱デバイスと、例えば、外側表面における、および/または容器壁内の内側表面とを備える。加熱デバイスは、熱エネルギーを、内側表面を介して、処置チャンバ内の最小周辺容積Vに伝達するように構成される。
【0096】
最小周辺容積Vの定義は、第1の側面の定義と同じである。
【0097】
ロータリ駆動部は、電動モータ、燃焼エンジン、およびタービンのうちの少なくとも1つであってもよい。
【0098】
混合デバイスは、回転軸の周囲における半径方向に対称的な好ましい配向を伴う、回転可能軸に対して軸方向のオフセットを伴って固定される、複数のロータリディスクと、複数のロータリディスクを相互接続する、複数の伸長物体とを備える。
【0099】
加熱デバイスおよびロータリ駆動部は、加熱デバイスおよびロータリ駆動部が両方とも、それらの個別の動作入力電力PhdおよびPrmにおいて動作されるとき、結果として生じる動作温度Topが、蒸発温度Tに等しいかまたはそれより高い、最小周辺容積Vの少なくとも一部、好ましくは、最小周辺容積全体V内で取得されるように構成される。
【0100】
本特定の構成を用いることによって、分離装置は、最初に処置チャンバの中に給送される物質の平均伝達率より有意により高い熱伝達率を有する、Tにおいて蒸発可能な成分の蒸気雲の中への蒸発を可能にする。
【0101】
また、回転可能軸がまた、1つを上回る回転駆動ユニット、例えば、2つの電動モータ、電動モータ、および燃焼エンジン等に接続され得ることが、想起され得る。
【0102】
混合デバイスはさらに、L方向に沿ってオフセットを伴って分散される、複数の半径方向突出要素を備えてもよい。用語「半径方向突出要素」は、本明細書では、有意な半径方向成分を伴って配向されている、要素、好ましくは、ロッド等の伸長要素として定義される。半径方向成分は、好ましくは、要素の全長の50%超、例えば、100%を成す。
【0103】
ロッド等の複数の半径方向突出要素は、複数の伸長物体に接続される、最も好ましくは、例えば、ねじ山の使用によって、置き換え可能に接続されてもよい。
【0104】
さらに、複数の半径方向突出要素は、回転可能軸の周囲に半径方向に対称的に配列されてもよい。
【0105】
複数の半径方向突出要素のうちの少なくとも1つは、内側表面に対して最も近接する端部またはその近傍に、物質の混合率を向上させるように設計される、擾乱手段または構造を備えてもよい。擾乱手段は、例えば、鋭的縁、ディスク、ハンマ形状、エアフォイル等の形状をとってもよい。少なくとも後者の2つの例示的形状は、頭部または前縁が回転機構の回転方向に向かって向けられた状態で配向されるべきである。
【0106】
好ましい実施例では、ロータリ駆動部は、秒あたり5メートルを超過する、より好ましくは、秒あたり20メートルまたはそれより高い周辺回転速度を発生させるように構成される。周辺回転速度は、混合デバイスの外側、好ましくは、最外半径方向境界において測定される。故に、混合デバイスが、半径方向突出要素を備える場合、最外半径方向境界は、擾乱手段であってもよい。代替として、または加えて、そのような境界は、混合デバイスの伸長物体であってもよい。
【0107】
秒あたり20メートルまたはそれより高い周辺回転速度において、乱流特性が、最小周辺容積V内の物質の少なくとも一部に関して生成される。目標が、乱流特性を生成することである場合、混合デバイスの主目的は、運動エネルギーを摩擦熱に変換することではなく、処置チャンバの内側において乱流性の蒸気雲に到達し、それを維持すること、および(同時に)流入物質中に含有される固体が、発生された蒸気雲内に持続的に懸濁されるように、処置チャンバの内側において物質を掻き混ぜることによって、蒸気雲から流入物質上への持続的な熱伝達を確保することである。
【0108】
加熱デバイスは、最小周辺容積Vの少なくとも一部の中で動作温度Topに到達し、維持するために要求される、総熱エネルギーの少なくとも60%、より好ましくは、少なくとも65%、さらにより好ましくは、少なくとも70%、例えば、75%を提供するように構成されてもよい。総熱エネルギーの残りの部分は、したがって、ロータリ機構の回転移動によって発生される。
【0109】
分離装置の1つの例示的構成では、処置チャンバは、半径方向直径d(または、一定ではない場合、平均半径方向直径d)を伴う円筒形形状を有し、長さlと半径方向直径dとの間の比(l/d)は、4.0に等しいかまたはそれ未満、さらにより好ましくは、2.5に等しいかまたはそれ未満、さらにより好ましくは、2.0に等しいかまたはそれ未満、さらにより好ましくは、1.5に等しいかまたはそれ未満、例えば、1である。本構成は、低減されるコストおよびより高い小型性に起因して、有利であると見なされ、分離装置が、最小周辺容積V内での瞬時またはほぼ瞬時の加熱および蒸発を可能にする(そして、これにより、蒸発も同様に)ため、分離プロセスを完了させるためにあるチャンバ長を超過する必要性が、存在しない。
【0110】
上記の例示的構成に加えて、または代替として、混合デバイスは、入口から出口へのL方向に沿った物質の正味輸送に寄与しないように、配列され、設計されてもよい。例えば、擾乱手段および/または伸長物体の形状は、いかなる量の物質もL方向に沿って押動されないような、またはわずかな量の物質がL方向に沿って押動されるようなものであり得る。
【0111】
別の例示的構成では、複数のロータリディスクのうちの少なくとも1つが、物質の蒸発部分が動作の間にそれを通して流動することを可能にするための、少なくとも1つの貫通開口部を呈する。これらの貫通開口部のうちの少なくとも1つは、回転軸の周囲に半径方向に対称的に設計されてもよい。また、少なくとも1つの貫通開口部が、回転可能軸に最も近接して位置する各ロータリディスクの半径方向の半分に配列されてもよい。
【0112】
具体的構成では、物質入口を伴う容器の終端部の最近傍に位置するロータリディスクは、小型である、すなわち、いかなる貫通開口部も伴わない一方、残りのディスクは、そのような開口部を呈する。それによって、物質のいかなる量の非蒸発部分も、第2の出口における容器から外に流動することを可能にされないか、または物質のわずかな量の非蒸発部分が、第2の出口における容器から外に流動することを可能にされることが、確実にされる。
【0113】
容器はさらに、内側表面の少なくとも一部の上に配列され、それによって、処置チャンバの表面積を拡大し、かつ最小周辺容積V内の物質の乱流の発生を増加させる、複数の内側助材を備えてもよい。内側助材はそれぞれ、半径方向に、処置チャンバの中に突出している。複数の助材は、好ましくは、特に、L方向に沿って配向される内壁上に、内側表面の円周の周囲にオフセットを伴って分散される。
【0114】
さらに別の例示的構成では、加熱デバイスはさらに、空隙が容器壁の外側表面とエンクロージャの内側表面との間に生成されるように、容器の周囲に配列される、エンクロージャを備える。エンクロージャは、それぞれ、加熱された流体を空隙の中に給送し、加熱された流体を空隙から外に放出するための、熱入口と、熱出口とを備える。空隙の少なくとも一部はまた、L方向に対して直角である方向において延在する、複数の外側フィンを備え、それによって、外壁の表面積を拡大し、熱をより効率的に容器壁の中に伝達させてもよい。外側助材が、容器壁の外側表面に、および/またはエンクロージャの内側表面上に固定されてもよい。
【0115】
熱入口および熱出口を介して空隙を通して進む、加熱された流体は、発電機からの水蒸気、熱蒸気、溶融物、加熱された液体、剰余排出物、およびエンジン、タービン、および/または焼却炉からの剰余排出物のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0116】
代替として、または加えて、加熱デバイスは、少なくとも1つの加熱要素、例えば、L方向に沿って延在する加熱チャネルの中に挿入される加熱ロッドの形態における、例えば、容器壁内に配列される、少なくとも1つの電気加熱要素を備えてもよい。
そのような加熱ロッドは、容器の周囲にオフセットを伴って分散されてもよい。
【0117】
代替として、または加えて、加熱デバイスは、容器の外側表面の周囲に配列される、電気加熱要素、マイクロ波加熱器、および/または誘導加熱器を備えてもよい。
【0118】
分離装置はさらに、流量Sにおいて物質の流動を処置チャンバの中に給送するための、給送デバイスと、動作の間に第2の出口から放出される物質の蒸発部分を浄化するための、浄化器と、動作の間に第1の出口から放出される非蒸発部分の収集のための、固体吐出タンクとを備えてもよい。
【0119】
流量Sは、適切な期間、例えば、1分、または10分、または30分、または1時間、または3時間にわたって平均化される場合、kg/時間における流率として測定され得る。
【0120】
熱エネルギーが、剰余源から導出される場合には、本発明は、他のエネルギー入力の代用を可能にし、それによって、動作エネルギーコストを有意に低減させる、および/またはCO等価物の排出量の実質的削減を引き起こし得る。
【0121】
本発明の概念的構想は、蒸発が、瞬時またはほぼ瞬時に生じるように、外部熱源から閉鎖された容器の内側における蒸発されるべき物質上への十分な熱伝達を生成することである。これは、蒸発がより緩やかに生じる従来的な間接的方法と明確に対照的である。
【0122】
そのような瞬時またはほぼ瞬時の蒸発は、外部熱源からの熱が、主に、物質(例えば、廃棄物)内の固体に伝達されず、代わりに、蒸発した液体を含有する「蒸気雲」および(すでに)乾燥した固体粒子に伝達されることになるため、本発明の分離装置によって達成される。容器の中に注入される物質が、水分を含有する場合、「蒸気雲」は、典型的には、大量の水蒸気を含有する。
【0123】
熱は、その後、本加熱された蒸気雲から混合デバイスによる混合下の流入物質上に伝達される。高い熱伝達を確実にするために、本混合は、有利なこととして、非常に強烈であり、蒸気雲を構成する成分が、急速な加速/方向の変化を伴う高内部速度である、乱流流動特性を被る点までのものであるべきである。
【0124】
上記に述べられるように、強烈な混合/乱流は、処置チャンバの中にロータリ機構を挿入することによって達成される。ロータリ機構の1つの目的は、最適な混合を確保し、上記に述べられる加熱システムとともに、蒸気雲を生成し、容器壁から蒸気雲の種々の成分上への最適な熱交換を確保することである。故に、物質内の蒸発可能な成分の瞬時またはほぼ瞬時の蒸発が、達成される。
【0125】
結果として、少なくとも1つの好ましい実施形態では、容器は、動作の間、常時、内壁から、さらに、流入物質上への両方である、最適な熱伝達能力を伴う蒸気雲を含有する。
【0126】
固体粒子が、遠心力に起因して容器の周囲(すなわち、上記に述べられる最小周辺容積V内)に押進されるが、水等の蒸発可能な成分の持続的蒸発が、全ての内部方向における強力な内部力を生成し、それによって、また、Vにおける、高い割合の蒸発した液体を確保する。
【0127】
容器の内壁に対して強烈な混合/乱流を生成し、維持することによって、内側表面は、清浄に保たれる。本清浄プロセスはさらに、動作の間に持続的な最適な熱伝達能力を達成する目的を補助する。混合に起因して、固体粒子は、これらの表面が、蒸発した液体と、固体粒子との両方を含有する蒸気雲によって持続的に「洗浄」されるため、内側表面上に層を蓄積することは可能ではないであろう。強烈な混合はまた、重力に逆らい、さらに、内側表面全体が熱の伝達のために使用され得ることを確実にする。
【0128】
瞬時の蒸発および強烈な混合/乱流の結果として、分離装置は、物質を緩やかに加熱する内部輸送機構を用いることなく、持続的に動作することができる。
【0129】
本発明の一例示的実施形態によると、容器は、略水平位置に配列されてもよい。しかしながら、当業者は、容器がまた、略垂直位置、または略水平位置と略垂直位置との間の任意の位置に配列され得ることを把握するであろう。
【0130】
加熱デバイスおよびロータリ機構の組み合わせは、公知の間接的な熱解決策より有意に効率的な熱伝達を確実にするであろう、熱脱着ユニットを構築する。混合デバイスは、その回転を通して、物質を分散させ、撹拌し、それによって、処置チャンバの内側に「蒸気雲効果」を提供するであろう。
【0131】
処置チャンバの内側における「蒸気雲」の強烈な混合は、主に、水蒸気および他の蒸発した液体だけではなく、廃棄物の固体および粒子も、非常に短期間にわたって処置チャンバの内側表面と接触するようにもたらされ、その後、蒸気および粒子が、内側表面と接触している状態から移行し、他の新しい蒸気および粒子によって持続的に置き換えられる状態をもたらすであろう。
本発明の少なくとも1つの実施形態では、処置チャンバの内側表面からの熱伝達は、以下のように生じる。
【0132】
-混合デバイスが、処置チャンバ内に存在する物質成分内に強烈な混合(好ましくは、乱流)を生成し、それによって、(加熱デバイスに加えて)蒸気雲を提供する。蒸気雲は、蒸気(例えば、水蒸気および油等の他の気化された液体からの蒸気)と、固体/粒子とを含み得る。
【0133】
-内側表面に対する本強烈な混合が、内側表面から、および蒸気雲への高熱伝達を提供する。
【0134】
-処置チャンバの内側表面から交換される熱(熱エネルギー)が、強烈な混合に起因して、即座に、またはほぼ即座に、蒸気雲全体に分散されるであろう。
【0135】
上記に述べられるように、強烈な混合は、蒸気雲内の固体および粒子との組み合わせにおいて、常時、加熱表面を清浄に保ち、それによって、処置チャンバの内側表面から、および蒸気雲への熱伝達を向上させるであろう。蒸気雲の強力な攪拌が、処置チャンバの内側に存在する物質の全てまたはほぼ全てが、ほぼ同一の組成(すなわち、異なる成分間の比)と、温度とを有する、乾燥された固体と、蒸気とを含有することを確実にするであろう。
【0136】
さらに、少なくともL方向に沿った内側表面は、加熱され、蒸気雲と接触する。したがって、容器の底部面積のみが、他の公知の間接的方法におけるであろう場合のように、物質に熱を伝達することにおいて活性であることが、回避される。熱が、蒸気雲に伝達されるであろうため、かつ混合に起因する蒸気雲が、処置チャンバの加熱表面全体と接触するであろうため、先行技術解決策と比較してより大きい実効加熱表面が、したがって、取得される。
【0137】
処置チャンバは、大気圧に設定され得る。代替として、処置チャンバ圧力は、大気圧を下回る、例えば、0.3バールまたはそれを下回る圧力にあってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0138】
以下の図面は、本発明の理解を促進するために添付される。図面は、ここで実施例のみとして説明されるであろう、本発明の実施形態を示す。
図1図1は、本発明による、分離装置の概略側面図である。
【0139】
図2図2は、本発明による、分離アセンブリの概略側面図である。
【0140】
図3図3は、本発明による、分離装置の第1の実施形態の斜視切取側面図である。
【0141】
図4図4は、内側助材が容器の内側表面上に配列される、図3の分離装置の斜視切取側面図である。
【0142】
図5図5は、切取平面が本装置の容器のさらに中に位置する、図3の分離装置の斜視切取正面図である。
【0143】
図6図6は、1つの半径方向突出要素が、別個の図面にさらに詳細に示される、図3に示される分離装置の周辺部分の斜視切取側面図である。
【0144】
図7図7は、図3-5の分離装置の斜視側面図である。
【0145】
図8図8は、1つの乱流発生伸長物体が別個の図面においてさらに詳細に示される、本発明による、分離装置の第2の実施形態の斜視切取側面図である。
【0146】
図9図9は、内側助材が容器の内側表面上に配列される、図8の分離装置の斜視切取側面図である。
【0147】
図10図10は、本発明による、分離装置のロータリ機構の斜視側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0148】
本発明の詳細な説明
以下において、本発明の実施形態が、添付の図面を参照して、より詳細に議論されるであろう。しかしながら、図面が、本発明を図面に描写される主題に限定することを意図していないことを理解されたい。
【0149】
明確化のために、別個の実施形態の文脈において説明される、本発明のある特徴がまた、単一の実施形態において組み合わせられて提供され得ることを理解されたい。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈において説明されている、本発明の種々の特徴もまた、別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて提供され得る。特に、1つの特定の実施形態に関連して説明される特徴が、他の実施形態に関連して説明される特徴と置換可能であり得ることを理解されたい。
【0150】
特に、本発明の第1の実施形態を示す、図1を参照すると、分離装置100が、内側表面1aと、外側表面1bとを有する、円筒形容器1の内側において処置チャンバ2の中に流入する物質12の持続的熱分離を実施するように構成される。容器は、長さlの円筒形壁と、円筒形壁の各端部上に配列される、直径dの2つの円形(または、代替として、高さHおよび幅Wを伴う楕円形、または長方形、または正方形)の端壁とを含む。
【0151】
給送デバイス20(図2)の使用によって物質入口3の中に給送される物質12は、多成分(A、n>1)から構成され、これらの成分のうちの1つまたはそれを上回るもの12b(A 、m≦n)は、明確に異なる蒸発温度(T 、i=1...m)で蒸発可能である。故に、物質12の一部12a(An-m)は、処置チャンバ2の内側における設定された動作温度(Top≧T )内では非蒸発可能であると見なされ得る。非蒸発可能な部分および蒸発可能な部分12a、12bは、それぞれ、第1の出口および第2の出口4、5を通して容器1から放出される。動作の間に、非蒸発可能な部分12aと、蒸発可能な部分12bとの混合部分を含む、蒸気雲12cが、形成される。該蒸気雲12cは、流体(気体および/または液体)と、固体/粒子との両方を含む。
【0152】
容器1は、容器1の中心長手方向軸CTCと整合される回転可能軸7aを有する、ロータリ機構7を含有する。軸7aは、容器1の長さlを横断して、かつ端壁のうちの少なくとも1つ、好ましくは、両方を通して延在する。
【0153】
ロータリ機構7はさらに、処置チャンバ2の内側における回転可能軸7aに固定される、混合デバイス7b-dを含む。混合デバイス7b-dは、軸7a上に対して直角にしっかりと固定される、少なくとも1つの、好ましくは、少なくとも2つのロータリ滑車またはディスク7bと、ディスク7bの外側半径方向端部に固定される、複数の混合突出部/突出要素7dとを備える。複数のディスク7bの場合には、これらは、軸7aの長手方向(すなわち、長軸C)に沿って間隔/オフセットを伴って配列される。図1では、合計で7つの離間されたディスク7bが、示され、最左のディスクを除いて、全てのディスクが、軸7aの近傍に開口部7b1を呈し、それによって、蒸発した成分12bがそれを通して流動することを可能にする。物質入口3(図7参照)を呈する端壁の最近傍に配列される単一の閉鎖されたディスク7bの主目的は、蒸気雲12cからの固体が、回転可能軸7aと突出要素7dとの間の容積に進入することを妨害し、それによって、固体が蒸発部分12bと混合し、第2の出口5を通して放出されることを回避することである。
【0154】
さらに、固体が第2の出口5から逃散することを防止するために、2つの円周方向に延在するプレート23から構成される、狭小スリットが、それぞれ、第2の出口5の最近傍のディスク7b、および隣接する内壁1aに固定されている。
【0155】
混合デバイス7b-dはさらに、ディスク7bの外側縁7b2またはその近傍に固定される、複数のバー7cを備え、バー7cはそれぞれ、ある長さと、ディスク7bのうちの2つまたはそれを上回るものの相互接続、好ましくは、ディスク7bのうちの全ての相互接続を可能にする、容器1の中心軸CTCに沿って(それと並列に)指向される配向とを有する。
【0156】
図1-6に描写される第1の実施形態に関して、混合デバイス7b-dはまた、容器1の円筒形壁の内側表面1aに向かって半径方向に、すなわち、容器1の中心軸CTCに対して直角に突出するように、各バー7cに置き換え可能に接続される、複数のロッド7dを備える。ロッド7dの主目的は、蒸気雲12cの強烈な混合を生成し、内壁1aからの熱伝達を向上させることである。
【0157】
図1に示される特定の構成を用いることによって、実験は、蒸気雲12cの強烈な混合が、内側容器壁に最も近接しているロッド7dの端部において測定される34.5m/秒の周辺速度vで達成されたことを示す。実験の間、8個のロッド7d(#mp=8)のセットを伴う混合デバイス7a-dが、混合デバイス長lmd全体に沿って間隔を伴って分散される。各セットの8個のロッド7dはさらに、混合デバイス7b-dの全周に沿って間隔を伴って分散される。混合デバイス7b-dは、1.1mの直径dmdを有し、内側容器直径dは、1.2mであった。
【0158】
本特定の構成を用いた34.5m/秒の周辺速度は、600回転毎分(r.p.m)の旋回速度ωrevに対応する。混合デバイスの円周に沿って8個のロッド7dを用いることによって、これは、内側容器壁11aの具体的面積を横断した、4,800回の分あたり掃引数(s.p.m)に対応する。
【0159】
掃引の数を一定に保つように決定した場合、ロッド/混合突出部の外側半径方向境界における最小周辺回転速度vp,minが、以下のように定式化され得ることを推論されることができる。
p,min=80π(dmd/#mp
式中、dmdは、混合デバイスの直径であり、#mpは、混合突出部の数である。
【0160】
さらなる実験は、乱流性特性を伴う蒸気雲が、4,800より有意に低いある数値のs.p.m、少なくとも、最低2,700s.p.mで達成され得ることを示す。これは、ある最小周辺回転速度に対応する。
【0161】
それは、vp,min=45π(dmd/#mp)である。
【0162】
特に図6を参照すると、内側表面1aの最近傍に据え付けられる各ロッド7dの端部7d1の形状が、変動され、ロータリ機構7および内側表面1aの半径方向範囲によって境界される、最小周辺容積V内の蒸気雲の該混合を最適化し得る。図6の楕円形フレーム内の詳細な図面に示されるように、ロッド7dの終端は、対向する正面内側表面1aに対して平坦またはほぼ平坦であり得る。しかしながら、端部7d1は、最小周辺容積V内に存在する蒸気雲12cの混合に寄与する限り、任意の形状であってもよい。図1の楕円形フレーム内の詳細な図面は、端部7d1の可能性として考えられる形状の種々の実施例を示す。図1の楕円形フレーム内の例示的ロッド7dが全て、容器1内に示される、ロッド7dに対して90°反時計回りに方向転換されていることに留意されたい。
【0163】
ロータリ機構7の回転、それによって、また、混合デバイス7b-dの回転を確実にするように、軸7aの端部区分7a1が、ロータリ駆動部10に接続される。図2に示されるように、後者は、内部ロータリモータおよび/または外部ロータリモータ10aによって動力供給される。図2に示される例示的構成では、ロータリ駆動部10は、ロータリモータ10aと、伝導ベルト10bと、それぞれ、端部区分7a1およびロータリモータ10aの回転可能軸の周囲に配列される、2つの伝導プーリ10cとを備える。
【0164】
第1の出口4は、固体微粒子(非蒸発部分)12aを放出することに専用である一方、第2の出口5は、蒸発部分12bを放出することに専用である。第1の出口4を通した、処置チャンバ2から外への蒸気の放出を回避するために、回転弁22(図1)が、第1の出口4に固定され、それによって、第1の出口4から非蒸発部分12aを吐出する。
【0165】
回転弁22を通して第1の出口4から放出された後、非蒸発部分12aは、容器1(図2)の下方または部分的に下方に配列される、専用の固体吐出コンテナ40によって収集され得る。
【0166】
容器1の内側における温度を監視するために、種々の場所における1つまたはそれを上回る温度センサ19が、処置チャンバ2の中またはその近傍、例えば、容器壁の外側または中、および/または第1の出口4の中に配置されてもよい。後者の位置が、図1に描写されている。
蒸気12bが、凝縮システム30の中に給送され得る。後者は、3つのステップにおいて実施され得る。
【0167】
-蒸気12bが、気体浄化器の中に流入し、わずかな量の固体微粒子のための蒸気12bを清浄している。油等の少量の第1の液体もまた、気体浄化器内で凝縮され得る。
【0168】
-清浄された蒸気12bがさらに、液体凝縮器、例えば、油凝縮器の中に流入し、蒸気12bから第1の液体を凝縮する。
【0169】
-最後に、いかなる量の第1の液体(例えば、より軽量の油)も有していない、または低減された量の第1の液体(例えば、より軽量の油)を有する、清浄された蒸気が、少なくとも、水等の第2のタイプの液体、および、適用可能である場合、低減された量の第1の液体を凝縮する、水蒸気凝縮器の中に流入する。
【0170】
図1では、第1の出口4および第2の出口5は、ロータリ駆動部10の遠位の端壁に隣接して配列されているところが見られ、容器1から外へのそれらの開口部は、それぞれ、中心軸CTCに沿って指向され、中心軸CTCに対して下方に傾斜されている。しかしながら、第1の出口および第2の出口4、5は、動作の間の非蒸発部分および蒸発部分12a、12bの放出を可能にする限り、任意の方向に構成されてもよい。第1の実施形態の図3-5および7および第2の実施形態の図8-9は、容器1の基部における処置チャンバ2から外への垂直開口部を有する、第1の出口4の代替構成を示す。
【0171】
ロータリ機構7/混合デバイス7b-dの全半径方向直径dmdすなわち、中心軸CTCからロータリ機構7の半径方向境界までの全半径方向長の2倍は、好ましくは、処置チャンバ2の直径dの90%超である。例えば、円筒形容器1の内径dが、2メートルである場合、各複数のロッド7dの端部7d1と内側表面1aとの間の平均距離は、好ましくは、10cm未満、例えば、3または4cmであるべきである。
図1および3-9の例示的構成の全てにおいて、加熱デバイス6は、以下の両方を備えるアセンブリとして描写される。
中心軸CTCに沿って(すなわち、それと並列に)容器壁内に配列される、ポール/ロッド6’’の形態にある、複数の抵抗加熱要素、および
【0172】
エンクロージャ13の内側表面と容器1の外側表面1bとの間に空隙14を形成する、エンクロージャ13を備える、円筒形壁の周囲に配列される、高温流体システム。エンクロージャ13はさらに、加熱された流体6’を空隙14の中に給送するための、熱入口13aと、加熱された流体6’を空隙14から外に放出するための、熱出口13bとを備える。
【0173】
しかしながら、加熱デバイス6が、容器1の内壁1aを加熱することが可能でである、任意のタイプおよび任意の数の加熱機構を備え得ることに留意されたい。例えば、代替実施形態では、加熱デバイス6は、コンテナ壁の中および/または外側における1つまたはそれを上回る抵抗加熱要素のみから成る、または該高温流体システムのみから成ってもよい。加熱デバイス6は、代替として、または加えて、容器1の外側表面1b上またはその近傍、および/または処置チャンバ2の内側に配列される、マイクロ波加熱器システムおよび/または誘導加熱器システムを備えてもよい。
【0174】
図7は、分離装置100を示し、容器1の端壁のうちの1つは、2つの物質入口3と、回転可能軸7aのための開口部と、査察/サービスハッチ18とを呈する。しかしながら、本端壁が、任意の数の物質入口3と、任意の数のハッチ18とを備え得ることを理解されたい。図7に示される特定の構成に関して、2つの物質入口3のうちの一方のみが、動作の間に使用される。他方が、例えば、容器1の残りの部分と同一の材料によって、または透明なガラスを用いて閉鎖されてもよい。代替として、物質12が、動作の間に、両方の入口3を通して給送されてもよい。
【0175】
熱入口13aの中および熱出口13bから外に向く黒色の矢印6’はそれぞれ、高温流体の流動を表象する。
【0176】
図8および9は、分離装置100の第2の実施形態を示す。第1の実施形態と比較して、複数のロッド7dが、省略される。ロータリ機構7は、したがって、回転可能軸7aと、混合デバイス7c-dとを備え、後者は、複数のディスク7bと、相互接続バー7cとによって構築される。最小周辺容積V内の物質12の所望の混合が、その結果、主として、長手方向に指向されるバー7cによって確実にされる。
【0177】
最大限化された混合を可能にするために、好ましくは、蒸気雲12cがV内に乱流特性を被る限り、バー7cの形状が、例えば、種々の形状のバー7cが挿入および動作され、熱伝達が、各動作の間に測定される、繰り返される試験を通して最適化され得る。図8-9は、長手方向断面積が、三角形形状を呈する、バー7cの一例示的構成を示す。三角形のバー7cの鋭的縁7c1が、最小周辺容積内でのさらなる乱流および蒸気雲12cの強烈な混合を誘発し得る。
【0178】
上記に説明される分離装置100は、例えば、廃棄物と副生成物との分離のための主な間接的エネルギーとして廃熱6’を使用した、熱分離による、物質12からの液体および/または気体の効果的な除去を可能にする。組み合わせられた、容器1の外部加熱および物質成分/蒸気雲12cの猛烈な混合に起因して、分離装置100は、(必要に応じて、現在公知の間接的分離方法において)物質12の緩やかな加熱を引き起こす、正味内部輸送機構の存在を伴うことなく、持続的に動作することができる。
【0179】
上記に説明される装置100の使用によって、熱は、主に、間接的分離方法のための場合のように、廃棄物中の固体に伝達されない。代わりに、熱は、はるかにより高い熱伝達係数を有する蒸気雲12cに伝達される。本蒸気雲12cは、主に、(体積で)蒸発した液体/気体と、また、高温非蒸発粒とから構成される。水が、流入物質12中に存在する場合、「蒸発した」蒸気雲12cは、必然的に、水蒸気を含有するであろう。
動作の間、以下のプロセスステップが、生じる。
【0180】
-加熱デバイス6およびロータリ機構7が、流入物質12を蒸気雲12cに変形させる。
【0181】
-加熱デバイス6からの熱エネルギーが、容器1の内側表面1aから発生された蒸気雲12cに伝達される。
【0182】
-熱エネルギーは、続いて、ロータリ機構7からの強烈な混合/乱流によって、本加熱された蒸気雲12cから流入物質12上に伝達される。
【0183】
先行技術の間接的加熱分離器に見出される、鋼鉄から乾燥された固体への熱伝達は、典型的には、約75W/mKであることが認められる。比較すると、鋼鉄から水蒸気(廃棄物の熱分離の間の蒸気雲12cの典型的な主成分であろう)への熱伝達は、有意により高く、典型的には、約6,000W/mKである。
【0184】
故に、上記に述べられる加熱ステップを介して物質12を加熱することによって、本発明の装置は、75W/mKより有意に高い(但し、6,000W/mKを下回る)熱伝達容量を達成する。
【0185】
最終熱伝達は、特に、水分含有量に依存するであろう。例えば、1,000W/mKと1,200W/mKとの間の熱伝達係数が、熱分離試験が、(重量比で)およそ15%の水と、15%の油と、70%の非蒸発可能な物質とを含有する物質に対して実施されているとき、検証されている。後者は、掘削動作の後の切削物のための典型的組成である。
【0186】
上記に述べられるように、強烈な混合/乱流機構は、最適な混合と、蒸気雲12cから物質入口3を通して持続的に給送される物質12上への熱交換とを確保し、本物質中の種々の成分が、それによって、特に、物質12内の液体のほぼ瞬時の蒸発を引き起こすであろう。容器1は、それによって、常時、内側表面1aから、かつ流入物質12上への両方の、最適な熱伝達能力を伴う蒸気雲12cを含有するであろう。
【0187】
任意の生成された蒸気雲の粒子が、必然的に、遠心力によって、処置チャンバの周辺に押進されるであろうが、(水等の)液体の持続的蒸発が、全ての内部方向における、強力な内部力を生成し、それによって、周辺において高い割合の蒸気(水蒸気)を確保するであろう。
【0188】
本発明の分離装置を用いた試験が、重量比で70%の鉱物固体と、15%の水と、15%の油とを含有する廃棄物質(掘削動作からの切削物)を処置する間に実施されている。試験は、およそ1,000W/mKと1,200W/mKとの間の熱伝達率を実証した。さらに高い熱伝達率が、より多い水分を含有する物質に関して予期される。
【0189】
前述の説明では、本発明による方法および装置の種々の側面が、例証的実施形態を参照して説明されている。解説の目的のために、具体的な数値、システム、および構成が、本装置およびその作用の徹底的な理解を提供するために述べられた。しかしながら、本説明は、限定的意味で解釈されることを意図していない。開示される主題が関連する当業者に明白である、例証的実施形態の種々の修正および変形例、および本方法および装置の他の実施形態が、本発明の範囲内に存在すると見なされる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離装置(100)の使用による処置チャンバ(2)の中に流入する物質(12)の熱分離のための方法であって、
前記分離装置(100)は、
長さl、高さH、および幅Wの処置チャンバ(2)を封入する内側表面(1a)を伴う容器壁を有する容器(1)であって、前記容器(1)は、少なくとも1つの物質入口(3)と、それぞれ、非蒸発可能な部分および蒸発可能な部分(12a、12b)のための、少なくとも1つの第1の出口(4)と、少なくとも1つの第2の出口(5)とを備える、容器(1)と、
前記処置チャンバ(2)の外側に配列される加熱デバイス(6)と、
前記処置チャンバ(2)の長さlに沿って指向される前記処置チャンバ(2)内に配列される回転可能軸(7a)と、前記回転可能軸(7a)に固定され、前記回転可能軸(7a)に対して垂直に延在する半径方向直径dmdおよび軸長lmdの混合デバイス(7b-d)とを備える、ロータリ機構(7)と
を備え、前記方法は、
A.前記加熱デバイス(6)の使用によって前記内側表面(1a)を加熱し、熱エネルギーを、前記混合デバイス(7b-d)と前記内側表面(1a)との間に閉じ込められる前記処置チャンバ(2)の最小周辺容積(V)に伝達するステップと、
B.前記回転可能軸(7a)に動作可能に固定されるロータリ駆動部(10)の使用によって、前記ロータリ機構(7)を、前記混合デバイス(7b-d)の半径方向外側境界において測定される秒あたり5メートルの最小周辺回転速度(vp,min)を超過する周辺回転速度(v)まで回転させるステップと、
C.給送デバイス(20)を使用して、前記物質(12)を、前記少なくとも1つの物質入口(3)を通して前記処置チャンバ(2)の中に給送するステップであって、前記物質(12)は、2つまたはそれを上回る成分を含み、前記成分のうちの少なくとも1つは、蒸発温度(T)において蒸発可能である、ステップと、
D.
前記加熱デバイス(6)の入力電力と、
前記少なくとも1つの物質入口(3)のうちの少なくとも1つの中に給送される前記物質(12)の流動と、
前記ロータリ駆動部(10)の入力電力と
前記少なくとも1つの第1の出口(4)から放出される前記物質(12)の非蒸発部分(12a)の出力流動と
のうちの少なくとも1つを、前記最小周辺容積(V)の少なくとも一部の中に伝達される総熱エネルギーが、動作の間に前記蒸発温度(T)を超過する動作温度(Top)をもたらすように調節するステップであって、前記加熱デバイス(6)によって前記最小周辺容積(V)の一部の中に伝達された熱エネルギーの量は、伝達される前記総熱エネルギーの60%超を成しており、
前記ロータリ機構(7)の回転と組み合わされた総伝達熱エネルギーは、前記非蒸発可能な部分および蒸発可能な部分(12a、12b)の混合物を含む蒸気雲を生成し、前記最小周辺容積(V )内のほぼ瞬時の加熱および蒸発をもたらす、ステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記混合デバイス(7b-d)の最外半径方向部分が、複数の半径方向に分離された混合突出部(7c、7d)を備える、請求項1に記載の方法
【請求項3】
前記複数の半径方向に分離された混合突出部(7c、7d)は、前記混合デバイス(7b-d)の軸長(lmd)を横断して、前記回転可能軸(7a)に沿って軸方向に分散される1つまたはそれを上回るセットに分割され、各セット内の混合突出部(7c、7d)の数は、前記回転可能軸(7a)の方向に沿って見られるときの前記回転可能軸(7a)の周囲の真円形における前記混合突出部(7c、7d)の数として定義され、
前記ロータリ機構(7)の最小周辺回転速度(vp,min)はさらに、以下のように定義され、
p,min=C(dmd/#mp
式中、
Cは、12πに等しいかまたはそれより高い定数であり、
mpは、各セット内の前記半径方向に分離された混合突出部(7c、d)の数であり、
md[m]は、前記混合デバイス(7b-d)の半径方向直径である、
請求項2に記載の方法
【請求項4】
前記混合デバイス(7b-d)の半径方向直径(dmd)と前記処置チャンバ(2)の半径方向直径(d)との間の比は、0.8~1.0である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ロータリ機構(7)の周辺回転速度(v)は、前記最小周辺容積(V)内に存在する前記物質(12)の蒸発部分(12b)が乱流特性を獲得するように調整される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の半径方向に分離された混合突出部(7c、7d)は、前記混合デバイス(7b-d)の軸長(lmd)を横断して、前記回転可能軸(7a)に沿って軸方向に分散される1つまたはそれを上回るセットに分割され、各セット内の混合突出部(7c、7d)の数は、前記回転可能軸(7a)の方向に沿って見られるときの前記回転可能軸(7a)の周囲の真円形における前記混合突出部(7c、7d)の数として定義され、
前記ロータリ機構(7)の最小周辺回転速度(vp,min)はさらに、以下のように定義され、
p,min=C(dmd/#mp
式中、
Cは、45πに等しいかまたはそれより高い定数であり、
mpは、各セット内の前記半径方向に分離された混合突出部(7c、d)の数であり、
md[m]は、前記混合デバイス(7b-d)の半径方向直径である、
前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記回転可能軸(7a)は、前記処置チャンバ(2)の中心軸(CTC)と整合して配列される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記加熱デバイス(6)は、前記処置チャンバ(2)の長さlの方向において配向される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記加熱デバイス(6)はさらに、
エンクロージャ(13)であって、前記エンクロージャ(13)は、空隙(14)が、前記容器壁の外側表面(1b)とエンクロージャ(13)の内側表面との間に生成されるように、前記容器(1)の周囲に配列され、前記エンクロージャ(13)は、前記空隙(14)の中への加熱手段(6’)の給送を可能にするエンクロージャ入口(13a)を備える、エンクロージャ(13)
を備える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記容器壁の外側表面(1b)の少なくとも一部が、複数の外側フィン(16)を具備する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記加熱デバイス(6)は、少なくとも部分的に、前記容器壁内に配列される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
流量(S)が、一定の率に設定されると、前記加熱デバイス(6)への前記入力電力および前記ロータリ駆動部(10)への前記入力電力は、前記最小周辺容積(V)の少なくとも一部の中の前記動作温度(Top)が達成されるように、相互に調節される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記ロータリ駆動部(10)への前記入力電力および前記加熱デバイス(6)への前記入力電力は、一定のレベルに設定され、前記流量(S)は、前記最小周辺容積(V)の少なくとも一部内の前記動作温度(Top)が達成されるように調節される、請求項1-12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記分離装置(100)はさらに、
前記処置チャンバ(2)内または前記処置チャンバ(2)における温度が監視され得るように配列される温度センサ(19)と、
制御システムであって、前記制御システムは、前記温度センサ(19)、前記給送デバイス(20)、前記ロータリ駆動部(10)、および前記加熱デバイス(6)と信号通信し、前記制御システムは、前記温度センサ(19)によって測定される前記温度に基づいて、流量(S)、前記ロータリ駆動部(10)の入力電力、および前記加熱デバイス(6)の入力電力のうちの少なくとも1つを自動的に調節するように構成される、制御システムと
を備える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記分離装置(100)はさらに、
前記処置チャンバ(2)内または前記処置チャンバ(2)における前記温度が監視され得るように配列される温度センサ(19)
を備え、
前記分離装置はさらに、
前記温度センサ(19)および前記給送デバイス(20)と信号通信する制御システムであって、前記制御システムは、前記温度センサ(19)によって測定される前記温度に基づいて、前記給送デバイス(20)からの前記流量(S)を自動的に調節するように構成される、制御システム
を備え、
ステップDは、
前記処置チャンバ(2)内または前記処置チャンバ(2)における前記温度を測定するステップと、
前記温度の関数として新しい流量(S)を計算する前記制御システムに、前記温度を伝送するステップと、
前記給送デバイス(20)に信号を伝送することによって、前記新しい流量(S)に対して前記流量(S)を調節するステップと
を伴う、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記混合デバイス(7b-c)は、
前記回転可能軸(7a)に対して軸方向のオフセットを伴って固定される複数のロータリディスク(7b)と、
前記複数のロータリディスク(7b)を相互接続する複数の軸方向に配向される伸長物体(7c)と
を備える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記複数のロータリディスク(7b)はそれぞれ、前記蒸発部分(12b)が動作の間にそれを通して流動することを可能にするための少なくとも1つの貫通開口部(7b1)を呈する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記混合デバイス(7b-c)は、前記回転可能軸(7a)の長さに沿ってオフセットを伴って分散される複数の半径方向突出要素(7d)を備える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記混合デバイス(7b-c)は、前記回転可能軸(7a)に対して軸方向のオフセットを伴って固定される複数のロータリディスク(7b)と、前記複数のロータリディスク(7b)を相互接続する複数の軸方向に配向される伸長物体(7c)とを備え、前記複数の半径方向突出要素(7d)は、前記複数の軸方向に配向される伸長物体(7c)に置き換え可能に接続される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記容器(1)は、内側軸長lと、内側半径方向直径dとを有する円柱であり、前記内側軸長 と前記内側半径方向直径dとの間の前記比は、4.0に等しいかまたはそれ未満である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。


【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0137
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0137】
処置チャンバは、大気圧に設定され得る。代替として、処置チャンバ圧力は、大気圧を下回る、例えば、0.3バールまたはそれを下回る圧力にあってもよい。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
分離装置(100)の使用による処置チャンバ(2)の中に流入する物質(12)の熱分離のための方法であって、
上記分離装置(100)は、
長さl 、高さH、および幅Wの処置チャンバ(2)を封入する内側表面(1a)を伴う容器壁を有する容器(1)であって、上記容器(1)は、少なくとも1つの物質入口(3)と、それぞれ、非蒸発可能な部分および蒸発可能な部分(12a、12b)のための、少なくとも1つの第1の出口(4)と、少なくとも1つの第2の出口(5)とを備える、容器(1)と、
上記処置チャンバ(2)の外側に配列される加熱デバイス(6)と、
上記処置チャンバ(2)の長さl に沿って指向される上記処置チャンバ(2)内に配列される回転可能軸(7a)と、上記回転可能軸(7a)に固定され、上記回転可能軸(7a)に対して垂直に延在する半径方向直径d md および軸長l md の混合デバイス(7b-d)とを備える、ロータリ機構(7)と
を備え、上記方法は、
A.上記加熱デバイス(6)の使用によって上記内側表面(1a)を加熱し、熱エネルギーを、上記混合デバイス(7b-d)と上記内側表面(1a)との間に閉じ込められる上記処置チャンバ(2)の最小周辺容積(V )に伝達するステップと、
B.上記回転可能軸(7a)に動作可能に固定されるロータリ駆動部(10)の使用によって、上記ロータリ機構(7)を、上記混合デバイス(7b-d)の半径方向外側境界において測定される秒あたり5メートルの最小周辺回転速度(v p,min )を超過する周辺回転速度(v )まで回転させるステップと、
C.給送デバイス(20)を使用して、上記物質(12)を、上記少なくとも1つの物質入口(3)を通して上記処置チャンバ(2)の中に給送するステップであって、上記物質(12)は、2つまたはそれを上回る成分を含み、上記成分のうちの少なくとも1つは、蒸発温度(T )において蒸発可能である、ステップと、
D.
上記加熱デバイス(6)の入力電力と、
上記少なくとも1つの物質入口(3)のうちの少なくとも1つの中に給送される上記物質(12)の流動と、
上記ロータリ駆動部(10)の入力電力と
上記少なくとも1つの第1の出口(4)から放出される上記物質(12)の非蒸発部分(12a)の出力流動と
のうちの少なくとも1つを、上記最小周辺容積(V )の少なくとも一部の中に伝達される総熱エネルギーが、動作の間に上記蒸発温度(T )を超過する動作温度(T op )をもたらすように調節するステップであって、上記加熱デバイス(6)によって上記最小周辺容積(V )の一部の中に伝達された熱エネルギーの量は、伝達される上記総熱エネルギーの60%超を成す、ステップと
を含む、方法。
(項目2)
上記混合デバイス(7b-d)の最外半径方向部分が、複数の半径方向に分離された混合突出部(7c、7d)を備える、項目1に記載の分離装置(100)。
(項目3)
上記複数の半径方向に分離された混合突出部(7c、7d)は、上記混合デバイス(7b-d)の軸長(l md )を横断して、上記回転可能軸(7a)に沿って軸方向に分散される1つまたはそれを上回るセットに分割され、各セット内の混合突出部(7c、7d)の数は、上記回転可能軸(7a)の方向に沿って見られるときの上記回転可能軸(7a)の周囲の真円形における上記混合突出部(7c、7d)の数として定義され、
上記ロータリ機構(7)の最小周辺回転速度(v p,min )はさらに、以下のように定義され、
p,min =C(d md /# mp
式中、
Cは、12πに等しいかまたはそれより高い定数であり、
mp は、各セット内の上記半径方向に分離された混合突出部(7c、d)の数であり、
md [m]は、上記混合デバイス(7b-d)の半径方向直径である、
項目2に記載の分離装置(100)。
(項目4)
上記混合デバイス(7b-d)の半径方向直径(d md )と上記処置チャンバ(2)の半径方向直径(d )との間の比は、0.8~1.0である、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目5)
上記ロータリ機構(7)の周辺回転速度(v )は、上記最小周辺容積(V )内に存在する上記物質(12)の蒸発部分(12b)が乱流特性を獲得するように調整される、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目6)
上記複数の半径方向に分離された混合突出部(7c、7d)は、上記混合デバイス(7b-d)の軸長(l md )を横断して、上記回転可能軸(7a)に沿って軸方向に分散される1つまたはそれを上回るセットに分割され、各セット内の混合突出部(7c、7d)の数は、上記回転可能軸(7a)の方向に沿って見られるときの上記回転可能軸(7a)の周囲の真円形における上記混合突出部(7c、7d)の数として定義され、
上記ロータリ機構(7)の最小周辺回転速度(v p,min )はさらに、以下のように定義され、
p,min =C(d md /# mp
式中、
Cは、45πに等しいかまたはそれより高い定数であり、
mp は、各セット内の上記半径方向に分離された混合突出部(7c、d)の数であり、
md [m]は、上記混合デバイス(7b-d)の半径方向直径である、
上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
上記回転可能軸(7a)は、上記処置チャンバ(2)の中心軸(C TC )と整合して配列される、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
上記加熱デバイス(6)は、上記処置チャンバ(2)の長さl の方向において配向される、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目9)
上記加熱デバイス(6)はさらに、
エンクロージャ(13)であって、上記エンクロージャ(13)は、空隙(14)が、上記容器壁の外側表面(1b)とエンクロージャ(13)の内側表面との間に生成されるように、上記容器(1)の周囲に配列され、上記エンクロージャ(13)は、上記空隙(14)の中への加熱手段(6’)の給送を可能にするエンクロージャ入口(13a)を備える、エンクロージャ(13)
を備える、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
上記容器壁の外側表面(1b)の少なくとも一部が、複数の外側フィン(16)を具備する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
上記加熱デバイス(6)は、少なくとも部分的に、上記容器壁内に配列される、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
流量(S )が、一定の率に設定されると、上記加熱デバイス(6)への上記入力電力および上記ロータリ駆動部(10)への上記入力電力は、上記最小周辺容積(V )の少なくとも一部の中の上記動作温度(T op )が達成されるように、相互に調節される、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
上記ロータリ駆動部(10)への上記入力電力および上記加熱デバイス(6)への上記入力電力は、一定のレベルに設定され、上記流量(S )は、上記最小周辺容積(V )の少なくとも一部内の上記動作温度(T op )が達成されるように調節される、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
上記分離装置(100)はさらに、
上記処置チャンバ(2)内または上記処置チャンバ(2)における温度が監視され得るように配列される温度センサ(19)と、
制御システムであって、上記制御システムは、上記温度センサ(19)、上記給送デバイス(20)、上記ロータリ駆動部(10)、および上記加熱デバイス(6)と信号通信し、上記制御システムは、上記温度センサ(19)によって測定される上記温度に基づいて、流量(S )、上記ロータリ駆動部(10)の入力電力、および上記加熱デバイス(6)の入力電力のうちの少なくとも1つを自動的に調節するように構成される、制御システムと
を備える、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
上記分離装置(100)はさらに、
上記処置チャンバ(2)内または上記処置チャンバ(2)における上記温度が監視され得るように配列される温度センサ(19)
を備え、
上記分離装置はさらに、
上記温度センサ(19)および上記給送デバイス(20)と信号通信する制御システムであって、上記制御システムは、上記温度センサ(19)によって測定される上記温度に基づいて、上記給送デバイス(20)からの上記流量(S )を自動的に調節するように構成される、制御システム
を備え、
ステップDは、
上記処置チャンバ(2)内または上記処置チャンバ(2)における上記温度を測定するステップと、
上記温度の関数として新しい流量(S )を計算する上記制御システムに、上記温度を伝送するステップと、
上記給送デバイス(20)に信号を伝送することによって、上記新しい流量(S )に対して上記流量(S )を調節するステップと
を伴う、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
上記混合デバイス(7b-c)は、
上記回転可能軸(7a)に対して軸方向のオフセットを伴って固定される複数のロータリディスク(7b)と、
上記複数のロータリディスク(7b)を相互接続する複数の軸方向に配向される伸長物体(7c)と
を備える、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
上記複数のロータリディスク(7b)はそれぞれ、上記蒸発部分(12b)が動作の間にそれを通して流動することを可能にするための少なくとも1つの貫通開口部(7b1)を呈する、項目16に記載の方法。
(項目18)
上記混合デバイス(7b-c)は、上記回転可能軸(7a)の長さに沿ってオフセットを伴って分散される複数の半径方向突出要素(7d)を備える、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
上記混合デバイス(7b-c)は、上記回転可能軸(7a)に対して軸方向のオフセットを伴って固定される複数のロータリディスク(7b)と、上記複数のロータリディスク(7b)を相互接続する複数の軸方向に配向される伸長物体(7c)とを備え、上記複数の半径方向突出要素(7d)は、上記複数の軸方向に配向される伸長物体(7c)に置き換え可能に接続される、項目18に記載の方法。
(項目20)
上記容器(1)は、内側軸長l と、内側半径方向直径d とを有する円柱であり、上記内側軸長d と上記内側半径方向直径d との間の上記比は、4.0に等しいかまたはそれ未満である、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】