(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-07
(54)【発明の名称】塩を包含する口腔用組成物
(51)【国際特許分類】
A24B 13/00 20060101AFI20230131BHJP
A24B 15/16 20200101ALI20230131BHJP
【FI】
A24B13/00
A24B15/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022534747
(86)(22)【出願日】2020-12-07
(85)【翻訳文提出日】2022-08-04
(86)【国際出願番号】 IB2020061588
(87)【国際公開番号】W WO2021116876
(87)【国際公開日】2021-06-17
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケラー,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】プール,トーマス・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ビーソン,ドゥエイン・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】セント・チャールズ,フランク・ケリー
(72)【発明者】
【氏名】ハッチェンス,ロナルド・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ホルトン・ジュニア,ダレル・ユージーン
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BB22
4B043BB25
4B043BC02
4B043BC03
4B043BC04
4B043BC11
4B043BC14
4B043BC18
4B043BC21
(57)【要約】
本開示は、口腔使用のために構成された組成物及び生成物であって、フィラー材料、活性成分、及び塩成分を含む組成物及び生成物を提供する。塩成分は、組成物の合計重量に対して約3.0重量%~約4.5重量%の量で存在し得る。本明細書に記載されている組成物及び生成物は、特に望ましい香味プロファイルを呈し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔使用のために構成された口腔用組成物であって、フィラー、活性成分及び塩を含み、塩が、組成物の合計重量に対して約3重量%~約4.5重量%の量で存在する、組成物。
【請求項2】
塩が、組成物の合計重量に対して約3.5重量%~約4.0重量%の量で存在する、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項3】
組成物が、組成物の合計重量に対して少なくとも約30重量%の水含有量を有する、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項4】
組成物が、組成物の合計重量に対して少なくとも約40重量%の水含有量を有する、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項5】
活性成分が、ニコチン成分、ボタニカル、刺激剤、アミノ酸、ビタミン、カンナビノイド、カンナビノイド模倣物、テルペン、栄養補助食品及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項6】
1種以上の香味剤をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の口腔用組成物。
【請求項7】
1種以上の香味剤が、炭素-炭素二重結合、炭素-酸素二重結合又はその両方を有する化合物を含む、請求項6に記載の口腔用組成物。
【請求項8】
1種以上の香味剤が、アルデヒド、ケトン、エステル、テルペン、テルペノイド、三叉神経感覚剤又はそれらの組合せの1つ以上を含む、請求項6に記載の口腔用組成物。
【請求項9】
1種以上の香味剤が、エチルバニリン、シンナムアルデヒド、サビネン、リモネン、ガンマ-テルピネン、ベータ-ファルネセン及びシトラールの1つ以上を含む、請求項6に記載の口腔用組成物。
【請求項10】
タバコ材料をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の口腔用組成物。
【請求項11】
タバコ材料が、白色化したタバコ材料である、請求項10に記載の口腔用組成物。
【請求項12】
タバコ材料が、微粒子タバコ材料、タバコ抽出物又はそれらの組合せを含む、請求項10に記載の口腔用組成物。
【請求項13】
組成物が、組成物の合計重量に対して、存在する一切のニコチン成分を除いて、約10重量%以下のタバコ材料を含む、請求項10に記載の口腔用組成物。
【請求項14】
組成物が、タバコ材料を実質的に含まない、請求項1~5のいずれか一項に記載の口腔用組成物。
【請求項15】
組成物がパウチに封入されて、パウチ入り組成物を形成する、請求項1~5のいずれか一項に記載の口腔用組成物。
【請求項16】
フィラーが、微粒子フィラーの形態である、請求項1~5のいずれか一項に記載の口腔用組成物。
【請求項17】
微粒子フィラーが、セルロース材料、セルロース誘導体及びそれらの組合せを含む、請求項15に記載の口腔用組成物。
【請求項18】
組成物が、1種以上の甘味料、1種以上の結合剤、1種以上の湿潤剤、1種以上の有機酸、1種以上のガム、1種以上の緩衝剤及び/又はpH調整剤、並びにそれらの組合せをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の口腔用組成物。
【請求項19】
1種以上の結合剤が、天然ガム結合剤を含む、請求項18に記載の口腔用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒトに使用するための香味生成物に関する。生成物は、口腔使用のために構成され、使用中に物質、例えば香味料及び/又は活性成分を送達する。そのような生成物は、タバコ又はタバコに由来する生成物を含み得、又はタバコを含まない代替品であり得る。
【背景技術】
【0002】
タバコは、いわゆる「無煙」形態で味わわれることがある。特に人気のある無煙タバコ製品は、加工したタバコ又はタバコ含有配合物を、何らかの形態で使用者の口腔に挿入することにより用いられる。そのような無煙タバコ製品の従来の様式は、湿式嗅ぎタバコ、スヌース及び噛みタバコを含み、これらは、典型的には、ほぼすべてが微粒子、顆粒又は刻みタバコにより形成され、使用者により分割されるか、又は、個別のポーション、例えば一回使用のパウチ若しくはサシェで使用者に提示される。無煙製品の他の昔からの形態は、圧縮又は凝集形態、例えばプラグ、錠剤又はペレットを含む。代替製品の様式、例えばタバコ含有ガム及びタバコと他の植物材料の混合物も公知である。例えば、Schwartzの米国特許第1,376,586号明細書;Pittmanらの第4,513,756号明細書;Sensabaugh,Jr.らの第4,528,993号明細書;Storyらの第4,624,269号明細書;Tibbettsの第4,991,599号明細書;Townsendの第4,987,907号明細書;Sprinkle,IIIらの第5,092,352号明細書;Whiteらの第5,387,416号明細書;Williamsの第6,668,839号明細書;Williamsの第6,834,654号明細書;Atchleyらの第6,953,040号明細書;Atchleyらの第7,032,601号明細書;及びAtchleyらの第7,694,686号明細書;Williamsの米国特許出願公開第2004/0020503号明細書;Quinterらの第2005/0115580号明細書;Stricklandらの第2006/0191548号明細書;Holton,Jr.らの第2007/0062549号明細書;Holton,Jr.らの第2007/0186941号明細書;Stricklandらの第2007/0186942号明細書;Dubeらの第2008/0029110号明細書;Robinsonらの第2008/0029116号明細書;Robinsonらの第2008/0173317号明細書;Neilsenらの第2008/0209586号明細書;Essenらの第2009/0065013号明細書;及びAtchleyの第2010/0282267号明細書、並びにArnarpらのWO2004/095959に明記されている無煙タバコ配合物のタイプ、原料及び加工法を参照されたく、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込む。
【0003】
タバコ材料と様々な結合剤及びフィラーを組み合わせる無煙タバコ製品の構成は、ロゼンジ、トローチ、ゲル、押出形態などを含む例示的製品様式を用いてごく最近提案された。例えば、Engstromらの米国特許出願公開第2008/0196730号明細書;Crawfordらの第2008/0305216号明細書;Kumarらの第2009/0293889号明細書;Gaoらの第2010/0291245号明細書;Muaらの第2011/0139164号明細書;Cantrellらの第2012/0037175号明細書;Huntらの第2012/0055494号明細書;Cantrellらの第2012/0138073号明細書;Cantrellらの第2012/0138074号明細書;Holton,Jr.らの第2013/0074855号明細書;Holton,Jr.らの第2013/0074856号明細書;Muaらの第2013/0152953号明細書;Jacksonらの第2013/0274296号明細書;Moldoveanuらの第2015/0068545号明細書;Marshallらの第2015/0101627号明細書;及びLampeらの第2015/0230515号明細書に記載されているタイプの生成物を参照されたく、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込む。
【0004】
オールホワイトなスヌースポーションは、人気が高まっており、これにより昔からのスヌースと別個の、美観上心地よい代替物が得られる。そのような最近の「ホワイトな」パウチ入り生成物は、漂白したタバコを含むことがある、又はタバコを含まないことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第1,376,586号明細書
【特許文献2】米国特許第4,513,756号明細書
【特許文献3】米国特許第4,528,993号明細書
【特許文献4】米国特許第4,624,269号明細書
【特許文献5】米国特許第4,991,599号明細書
【特許文献6】米国特許第4,987,907号明細書
【特許文献7】米国特許第5,092,352号明細書
【特許文献8】米国特許第5,387,416号明細書
【特許文献9】米国特許第6,668,839号明細書
【特許文献10】米国特許第6,834,654号明細書
【特許文献11】米国特許第6,953,040号明細書
【特許文献12】米国特許第7,032,601号明細書
【特許文献13】米国特許第7,694,686号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2004/0020503号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第2005/0115580号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2006/0191548号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第2007/0062549号明細書
【特許文献18】米国特許出願公開第2007/0186941号明細書
【特許文献19】米国特許出願公開第2007/0186942号明細書
【特許文献20】米国特許出願公開第2008/0029110号明細書
【特許文献21】米国特許出願公開第2008/0029116号明細書
【特許文献22】米国特許出願公開第2008/0173317号明細書
【特許文献23】米国特許出願公開第2008/0209586号明細書
【特許文献24】米国特許出願公開第2009/0065013号明細書
【特許文献25】米国特許出願公開第2010/0282267号明細書
【特許文献26】国際公開第2004/095959号
【特許文献27】米国特許出願公開第2008/0196730号明細書
【特許文献28】米国特許出願公開第2008/0305216号明細書
【特許文献29】米国特許出願公開第2009/0293889号明細書
【特許文献30】米国特許出願公開第2010/0291245号明細書
【特許文献31】米国特許出願公開第2011/0139164号明細書
【特許文献32】米国特許出願公開第2012/0037175号明細書
【特許文献33】米国特許出願公開第2012/0055494号明細書
【特許文献34】米国特許出願公開第2012/0138073号明細書
【特許文献35】米国特許出願公開第2012/0138074号明細書
【特許文献36】米国特許出願公開第2013/0074855号明細書
【特許文献37】米国特許出願公開第2013/0074856号明細書
【特許文献38】米国特許出願公開第2013/0152953号明細書
【特許文献39】米国特許出願公開第2013/0274296号明細書
【特許文献40】米国特許出願公開第2015/0068545号明細書
【特許文献41】米国特許出願公開第2015/0101627号明細書
【特許文献42】米国特許出願公開第2015/0230515号明細書
【発明の概要】
【0006】
(簡単な要旨)
本開示は、一般的に、口腔用組成物及びそのような組成物を含む生成物を提供する。組成物及び生成物は、消費者に、口腔的に使用された場合に味を伝えること、及び典型的には活性成分、例えばニコチンを送達することも意図され得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実施形態では、本開示は、口腔用組成物であって、フィラー、活性成分及び塩を含み、塩が、組成物又は生成物の合計重量に対して約3重量%~約4.5重量%の量で存在する、組成物を提供する。いくつかの実施形態では、塩は、組成物又は生成物の合計重量に対して3.5重量%~約4.0重量%の量で存在し得る。いくつかの実施形態では、口腔用組成物は、組成物又は生成物の合計重量に対して少なくとも約30重量%の水含有量を有し得る。いくつかの実施形態では、口腔用組成物は、組成物又は生成物の合計重量に対して少なくとも約40重量%の水含有量を有し得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、活性成分は、ニコチン成分、ボタニカル、刺激剤、アミノ酸、ビタミン、カンナビノイド、カンナビノイド模倣物、テルペン、栄養補助食品及びそれらの組合せからなる群から選択され得る。いくつかの実施形態では、口腔用組成物は、1種以上の香味剤をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、1種以上の香味剤は、炭素-炭素二重結合、炭素-酸素二重結合又はその両方を有する化合物を含み得る。いくつかの実施形態では、1種以上の香味剤は、1種以上のアルデヒド、ケトン、エステル、テルペン、テルペノイド、三叉神経感覚剤又はそれらの組合せを含み得る。いくつかの実施形態では、1種以上の香味剤は、エチルバニリン、シンナムアルデヒド、サビネン、リモネン、ガンマ-テルピネン、ベータ-ファルネセン及びシトラールの1つ以上を含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、口腔用組成物は、タバコ材料をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、白色化したタバコ材料であり得る。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、微粒子タバコ材料、タバコ抽出物又はそれらの組合せを含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物又は生成物の合計重量に対して、存在する一切のニコチン成分を除いて、約10重量%以下のタバコ材料を含む。いくつかの実施形態では、口腔用組成物は、タバコ材料を実質的に含まなくてよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、口腔用組成物は、パウチに封入されて、パウチ入り組成物を形成し得る。いくつかの実施形態では、パウチ入り組成物内のフィラーは、微粒子フィラーの形態であり得る。いくつかの実施形態では、微粒子フィラーは、セルロース材料、セルロース誘導体及びそれらの組合せを含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、1種以上の甘味料、1種以上の結合剤、1種以上の湿潤剤、1種以上の有機酸、1種以上のガム、1種以上の緩衝剤及び/又はpH調整剤、並びにそれらの組合せをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、1種以上の結合剤は、天然ガム結合剤を含み得る。
【0011】
本開示は、以下の実施形態を含むが、それらに限定されない。
実施形態1:フィラー、活性成分及び塩を含む口腔用組成物であって、塩が、組成物の合計重量に対して約3重量%~約4.5重量%の量で存在する、口腔用組成物。
実施形態2:塩が、組成物の合計重量に対して約3.5重量%~約4.0重量%の量で存在する、実施形態1の口腔用組成物。
実施形態3:組成物が、組成物の合計重量に対して少なくとも約30重量%の水含有量を有する、実施形態1~2のいずれかの口腔用組成物。
実施形態4:組成物が、組成物の合計重量に対して少なくとも約40重量%の水含有量を有する、実施形態1~3のいずれかの口腔用組成物。
実施形態5:活性成分が、ニコチン成分、ボタニカル、刺激剤、アミノ酸、ビタミン、カンナビノイド、カンナビノイド模倣物、テルペン、栄養補助食品及びそれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1~4のいずれかの口腔用組成物。
実施形態6:1種以上の香味剤をさらに含む、実施形態1~5のいずれかの口腔用組成物。
実施形態7:1種以上の香味剤が、炭素-炭素二重結合、炭素-酸素二重結合又はその両方を有する化合物を含む、実施形態1~6のいずれかの口腔用組成物。
実施形態8:1種以上の香味剤が、1種以上のアルデヒド、ケトン、エステル、テルペン、テルペノイド、三叉神経感覚剤又はそれらの組合せを含む、実施形態1~7のいずれかの口腔用組成物。
実施形態9:1種以上の香味剤が、エチルバニリン、シンナムアルデヒド、サビネン、リモネン、ガンマ-テルピネン、ベータ-ファルネセン及びシトラールの1つ以上を含む、実施形態1~8のいずれかの口腔用組成物。
実施形態10:タバコ材料をさらに含む、実施形態1~9のいずれかの口腔用組成物。
実施形態11:タバコ材料が、白色化したタバコ材料である、実施形態1~10のいずれかの口腔用組成物。
実施形態12:タバコ材料が、微粒子タバコ材料、タバコ抽出物又はそれらの組合せを含む、実施形態1~11のいずれかの口腔用組成物。
実施形態13:組成物が、組成物の合計重量に対して、存在する一切のニコチン成分を除いて、約10重量%以下のタバコ材料を含む、実施形態1~12のいずれかの口腔用組成物。
実施形態14:組成物が、タバコ材料を実質的に含まない、実施形態1~13のいずれかの口腔用組成物。
実施形態15:組成物がパウチに封入されて、パウチ入り組成物を形成する、実施形態1~14のいずれかの口腔用組成物。
実施形態16:フィラーが、微粒子フィラーの形態である、実施形態1~15のいずれかの口腔用組成物。
実施形態17:微粒子フィラーが、セルロース材料又はセルロース誘導体を含む、実施形態1~16のいずれかの口腔用組成物。
実施形態18:組成物が、1種以上の甘味料、1種以上の結合剤、1種以上の湿潤剤、1種以上の有機酸、1種以上のガム、1種以上の緩衝剤及び/若しくはpH調整剤又はそれらの組合せをさらに含む、実施形態1~17のいずれかの口腔用組成物。
実施形態19:1種以上の結合剤が、天然ガム結合剤を含む、実施形態1~18のいずれかの口腔用組成物。
実施形態20:塩が、組成物の合計重量に対して約3重量%~約4.5重量%の量で存在する、口腔用組成物における塩の使用。
実施形態21:塩が、組成物の合計重量に対して約3.5重量%~約4.0重量%の量で存在する、実施形態20の口腔用組成物における塩の使用。
実施形態22:組成物が、組成物の合計重量に対して少なくとも約30重量%の水含有量を有する、実施形態20~21のいずれかの口腔用組成物における塩の使用。
実施形態23:組成物が、組成物の合計重量に対して少なくとも約40重量%の水含有量を有する、実施形態20~22のいずれかの口腔用組成物における塩の使用。
実施形態24:実質的に中間的な味特性を含み、約3%~約4.5%の量で塩を含む、口腔製品。
【0012】
本開示のこうした、及び他の特徴、態様及び利点は、以下に簡単に記載されている添付の図面と共に以下の詳細な説明を読むことで明らかになる。本発明は、上述の実施形態の2、3、4つ又はそれ超のいずれかの組合せ、並びに、本開示に明記されている特徴又は要素のいずれか2、3、4つ又はそれ超の組合せを、そのような特徴又は要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明確に組み合わせられているかどうかに関係なく含む。本開示は、全体的に読まれることを意図しており、その結果、開示されている発明の分離可能な特徴又は要素のいずれかを、その様々な態様及び実施形態のいずれかで、文脈からそうでないと明らかに示されない限り組み合わせ可能と意図されていると考えるべきである。
【0013】
本開示の態様は、先述の一般的な用語でこのように説明されており、以下で添付の図面が参照されるが、これは必ずしも縮尺通りではない。図は模範に過ぎず、本開示を限定すると解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】口腔使用のための組成物で少なくとも部分的に満たしたパウチ又はフリースを含む、本開示の例示的実施形態によるパウチ入り生成物の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は、それらから形成される組成物及び生成物であって、特に口腔使用のために構成された組成物及び生成物を提供する。本明細書に記載されている組成物及び生成物は、望ましいある香味プロファイルを保って、使用者の体験を改善するように構成される。
【0016】
本開示は、その例示的実施形態に関して、以下でさらに十分説明される。これらの例示的実施形態は、本開示が徹底的かつ完全になるように、また、本開示の範囲を当業者に十分伝えるように記載されている。実際に、本開示は、多くの異なる形態で具体化され得、本明細書で明記されている実施形態に限定すると解釈されるべきではなく;むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要求を満たすように示されている。本明細書及び特許請求の範囲に使用されている単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈からそうでないと明らかに示されない限り、複数の指示対象を含む。「乾燥重量パーセント」又は「乾燥重量ベース」への言及は、乾燥原料に対する重量(すなわち、水を除くすべての原料)を指す。「湿重量」への言及は、水を含む混合物の重量を指す。特に指示がない限り、混合物の「重量パーセント」への言及は、混合物の合計湿重量(すなわち、水を含む)を反映する。
【0017】
本開示は、組成物及び組成物を含み得る生成物を提供する。より詳細には、組成物は、多彩な形態で得られ、本明細書にさらに記載されているように、具体的には、実質的に固体形態で提供され得る。したがって、組成物は、一体式の形態、例えばロゼンジ若しくはトローチ、又は、小さい単位、例えば粒子、繊維の集合体の組合せの形態であり得る。したがって、生成物は、組成物そのもの又は単位化構造、例えばパウチ内に位置する組成物を含み得る。いくつかの実施形態では、本開示の組成物及び生成物は、フィラー材料、結合剤材料、活性成分及び少なくとも1種の塩成分を含み得る。塩成分は、組成物又はそのような組成物を含む生成物に、望ましい香味プロファイルをその生成物の使用者にもたらすのに十分な量でもたらされる。本明細書で言及されている「香味プロファイル」は、組成物又は生成物を使用者の口腔に挿入した実質的にすぐ後に、そのような組成物及び生成物の使用者に直接送達される特定の味及び/又は香味特性を定義することを意味する。例えば、以下で本明細書に記載されているように、本明細書で開示されている生成物の様々な配置は、生成物の使用者の口腔に挿入される場合、実質的に中間的な味特性を生じ得る。
【0018】
典型的には、塩成分(当業界で広く公知の)を含む口腔製品は、甘いと説明され得る生成物が得られるほど十分少量の塩(例えば、2.5重量%以下の量の塩)、又は塩辛いと説明され得る生成物が得られるほど十分多量の塩(例えば、5.0重量%以上の量の塩)を含有し得る。口腔製品における、そのような範囲の塩分は、詳細には、生成物の使用者が過剰に甘い、又は過剰に塩辛いと考える生成物にもたらされ得る。したがって、例えば、実質的に中間的な味特性を有する組成物及び生成物を得ることにより、現在市場にある生成物が一般的に呈する甘さ及び/又は塩辛さを最小化し得る生成物を提供することは有利である。本明細書に記載されている組成物及び生成物は、有利には、生成物の使用者の口腔へと挿入された場合、特に甘くもなく、特に塩辛くもなく、現在入手できる他の生成物と比較した場合より穏当な香味プロファイルを示す口腔製品を生じる「ハイブリッド」塩分(例えば、約3.0重量%~約4.5重量%)を代わりに組み込む。開示されている組成物及び生成物内に含有される成分及び原料は、例えば、混合物の形態で得られる。混合物内の様々な成分の相当量は、変化させてよく、典型的には、望ましい知覚及び性能特性を口腔製品にもたらすように選択される。混合物の例示的な個々の成分は、本明細書に以下で記載されている。
【0019】
塩
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されている組成物及び生成物は、典型的には望ましい知覚特質を組成物及び生成物にもたらすのに十分な量で用いられる塩(例えば、アルカリ金属塩)を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されている組成物及び生成物は、1種以上の塩、例えば、塩の組合せの形態で含み得る。好適な塩の非限定的な例は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、フラワーソルトなどを含む。存在する場合、代表的な量の塩は、約0.5重量パーセント以上、約1.0重量パーセント以上、又は約1.5重量パーセント以上であるが、典型的には組成物又は生成物の合計重量の約10パーセント以下、又は約7.5パーセント以下、又は約5パーセント以下(例えば、約0.5~約5重量パーセント)を占める。好ましくは、塩成分は、組成物又は生成物の合計重量に対して、約3重量%~約4.5重量%、約3.25重量%~約4.25重量%又は約3.5重量%~約4.0重量%の範囲の量で存在し得る。
【0020】
水含有量
いくつかの実施形態では、組成物及び生成物は、ある量の水を含み得る。生成物内の組成物の水含有量は、生成物の消費者による使用前に、望ましい性質に従って変化させてよい。典型的には、使用者の口腔への挿入前に生成物内に存在する混合物は、約60重量パーセント未満の水、一般的に約10重量%~約60重量%の水、例えば、約15重量%~約60重量%、約20重量%~約55重量%、約25重量%~約50重量%又は約30重量%~約40重量%の水であり、組成物又は生成物の合計重量に対して少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、及び少なくとも約40重量%の量の水を含む。いくつかの実施形態では、混合物の水含有量は、約30重量%~約60重量%又は好ましくは約40重量%~約50重量%の範囲であり得る。
【0021】
活性成分
本明細書で開示されている組成物及び生成物は、1種以上の活性成分を含む。本明細書で使用されている「活性成分」は、以下の分野のいずれか:API(医薬活性成分)、食品添加剤、天然医薬及びヒトに対する効果を有し得る天然に存在する物質に属する1種以上の物質を指す。例示的な活性成分は、体内で1つ以上の生物学的機能に影響を及ぼすことが公知の任意の原料、例えば、疾患の診断、治癒、緩和、処置若しくは防止における薬理学的活性又は他の直接的効果を生じる、又は人体の構造若しくは任意の機能に影響を与える(例えば、中枢神経系に対して刺激作用をもたらし、活性化効果、解熱若しくは鎮痛作用、又は体に対して他に有用な効果を有する。)原料を含む。いくつかの実施形態では、活性成分は、一般的に食品サプリメント、栄養補助食品、「植物性化学物質」又は「機能性食品」と呼ばれるタイプのものであり得る。これらのタイプの添加剤は、当業界で、1つ以上の有利な生物学的効果(例えば、健康増進、疾患防止又は他の薬効)を生じるが、薬物として分類又は規制されない、典型的には天然に存在する供給源(例えば、ボタニカル材料)から入手できる物質を包含するものと定義されていることがある。
【0022】
活性成分の非限定的な例は、ボタニカル成分、刺激剤、アミノ酸、ニコチン成分、及び/又は医薬品、栄養補助食品並びに薬品原料(例えば、ビタミン、例えばA、B3、B6、B12及びC、並びに/又はカンナビノイド、例えばテトラヒドロカンナビノール(THC)及びカンナビジオール(CBD))の分野に入るものを含む。これらの分野のそれぞれは、本明細書で以下にさらに説明されている。活性成分の詳細な選択は、特定の生成物の望ましい香味料、テクスチャー及び望ましい特性に応じて変化する。
【0023】
ある実施形態では、活性成分は、カフェイン、タウリン、GABA、テアニン、ビタミンC、レモンバーム抽出物、ニンジン、シチコリン、ヒマワリレシチン及びそれらの組合せからなる群から選択される。例えば、活性成分は、カフェイン、テアニン及び任意選択的にニンジンの組合せを含み得る。別の実施形態では、活性成分は、テアニン、ガンマ-アミノ酪酸(GABA)及びレモンバーム抽出物の組合せを含む。さらなる実施形態では、活性成分は、テアニン、テアニン及びトリプトファン、又はテアニン及び1種以上のビタミンB(例えば、ビタミンB6又はB12)を含む。なおさらなる実施形態では、活性成分は、カフェイン、タウリン及びビタミンCの組合せを含む。
【0024】
存在する活性成分の詳細な割合は、特定の生成物の望ましい特性に応じて変化する。典型的には、活性成分又はその組合せは、組成物の少なくとも約0.001重量%の合計濃度で、例えば約0.001%~約20%の範囲で存在する。いくつかの実施形態では、活性成分又は活性成分の組合せは、組成物又は生成物の合計重量に対して、約0.1重量%w/w~約10重量%、例えば、約0.5重量%w/w~約10重量%、約1重量%~約10重量%、約1重量%~約5重量%の濃度で存在する。いくつかの実施形態では、活性成分又は活性成分の組合せは、組成物又は生成物の合計重量に対して約0.001%、約0.01%、約0.1%、又は約1%~約20重量%まで、例えば、約0.001重量%、約0.002重量%、約0.003重量%、約0.004重量%、約0.005重量%、約0.006重量%、約0.007重量%、約0.008重量%、約0.009重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、又は約0.9重量%~約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、又は約20重量%の濃度で存在する。特定の活性成分にさらに好適な範囲は、本明細書で以下に示されている。
【0025】
ボタニカル
いくつかの実施形態では、活性成分は、ボタニカル成分を含む。本明細書では使用されている、「ボタニカル成分」又は「ボタニカル」という用語は、天然形態の植物材料及び天然植物材料に由来する植物材料、例えば植物材料からの抽出物又は単離物、又は処理した植物材料(例えば、加熱処理、発酵、漂白、又は材料の物理的及び/若しくは化学的性質を変えることが可能な他の処理プロセスを施した植物材料)を含む、任意の植物材料又は真菌に由来する材料を指す。本開示の目的に関して、「ボタニカル」は、残存する木質組織が発達せず、医薬特性又は知覚特性について述べられることが多い種子産生植物を指す「ハーブ材料」(例えば、茶又はチザン)を含むが、それらに限定されない。ボタニカル材料への「非タバコ」という言及は、タバコ材料を排除する(すなわち、いかなるニコチアナ属(Nicotiana)種も含まない。)ことを意図している。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されている組成物は、一切のタバコ材料を含まないと特徴付けられる(例えば、本明細書で開示されている任意の実施形態は、一切のタバコ材料を完全に又は実質的に含まないことがある)。「実質的に含まない」は、タバコ材料が意図的に添加されていないことを意味する。例えば、ある実施形態は、0.001重量%未満のタバコ、又は0.0001重量%未満、又はさらに0重量%のタバコを有すると特徴付けられる。
【0026】
存在する場合、ボタニカルは、典型的には、組成物又は生成物の合計重量に対して約0.01重量%w/w~約10重量%、例えば、約0.01重量%w/w、約0.05重量%、約0.1重量%、又は約0.5重量%~約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、又は約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、又は約15重量%の濃度である。
【0027】
本開示において有用なボタニカル材料は、本明細書で明記されている化合物及び供給源のいずれかを、それらの混合物を含めて含み得るが、それらに限定されない。このタイプのあるボタニカル材料は、食品サプリメント、栄養補助食品、「植物性化学物質」又は「機能性食品」と呼ばれることがある。植物材料又はその抽出物としてのあるボタニカルは、昔からのハーブ薬における用途が見出されており、本明細書でさらに説明される。ボタニカル又はボタニカルに由来する材料の非限定的な例は、アシュワガンダ、バコパ・モニエラ(Bacopa monniera)、バオバブ、バジル、センテラ・アジアティカ(Centella asiatica)、サイコ、カモミール、サクラの花、クロロフィル、シナモン、柑橘、クローブ、ココア、ノムシタケ属、クルクミン、ダミアナ、ドルステニア・アリフォリア(Dorstenia arifolia)、ドルステニア・オドラータ(Dorstenia odorata)、エッセンシャルオイル、ユーカリ、フェンネル、ガルフィミア・グラウカ(Galphimia glauca)、ショウガ、ギンコ・ビローバ(Ginkgo biloba)、ニンジン(例えば、パナックス・ジンセン(Panax ginseng))、緑茶、グリフォニア・シンプリシフォリア(Griffonia simplicifolia)、ガラナ、カンナビス、ヘンプ、ホップ、ジャスミン、カエンプフェリア・パルビフローラ(Kaempferia parviflora)(タイニンジン(Thai ginseng))、カバ、ラベンダー、レモンバーム、レモングラス、甘草、ルテイン、マカ、抹茶、ナルドスタキス・キネンシス(Nardostachys chinensis)、ビオラ・オドラータ(Viola odorata)の油ベース抽出物、ペパーミント、ケルセチン、レスベラトロール、ライゾマ・ガストロディアエ(Rhizoma gastrodiae)、イワベンケイ属(Rhodiola)、ルイボス、ローズエッセンシャルオイル、ローズマリー、スケレチウム・トルトゥオスム(Sceletium tortuosum)、シザンドラ(Schisandra)、スカルキャップ(Skullcap)、スペアミント抽出物、スパイクナード(Spikenard)、テルペン、チザン、ターメリック、トゥルネラ・アフロディシアカ(Turnera aphrodisiaca)、バレリアン、クワ及びイェルバマテを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、活性成分は、レモンバームを含む。レモンバーム(メリッサ・オフィシナリス(Melissa officinalis))は、ミント(シソ科(Lamiaceae))と同一の科からの穏やかにレモンの匂いがするハーブである。このハーブは、欧州、北アフリカ及び西アジア原産である。レモンバーム茶、並びにエッセンシャルオイル及び抽出物は、昔からの薬及び代替薬で使用される。いくつかの実施形態では、活性成分は、レモンバーム抽出物を含む。いくつかの実施形態では、レモンバーム抽出物は、組成物又は生成物の合計重量に対して約1~約4重量%の量で存在する。
【0029】
いくつかの実施形態では、活性成分は、ニンジンを含む。オタネニンジンは、Panax属の植物の根であり、特有のステロイドサポニンである植物性化学物質(ジンセノサイド)及びジントニンの存在を特徴とする。オタネニンジンでは、栄養ドリンク又はハーブティーとしての食品サプリメント及び昔からの薬としての用途が見出されている。栽培種は、チョウセンニンジン(P.ジンセン(P.ginseng))、サウスチャイナオタネニンジン(South China ginseng)(P.ノトジンセン(P.notoginseng))及びアメリカオタネニンジン(P.クインクエフォリウス(P.quinquefolius))を含む。アメリカオタネニンジン及びチョウセンニンジンは、存在する様々なタイプのジンセノサイド及び量に関して変化してよい。いくつかの実施形態では、ニンジンは、アメリカオタネニンジン又はチョウセンニンジンである。具体的な実施形態では、活性成分は、チョウセンニンジンを含む。いくつかの実施形態では、オタネニンジンは、組成物又は生成物の合計重量に対して約0.4~約0.6重量%の量で存在する。
【0030】
刺激剤
いくつかの実施形態では、活性成分は、1種以上の刺激剤を含む。本明細書では使用されている「刺激剤」という用語は、中枢神経系及び/又は体の活性を増加させる、例えば、集中、認知、活力、心的状態、警戒を向上させる材料を指す。刺激剤の非限定的な例は、カフェイン、テアクリン、テオブロミン及びテオフィリンを含む。テアクリン(1,3,7,9-テトラメチル尿酸)は、カフェインに構造的に関連し、刺激、鎮痛及び抗炎症効果を所有するプリンアルカロイドである。この刺激剤は、天然、天然由来又は完全に合成であり得る。例えば、あるボタニカル材料(ガラナ、茶、コーヒー、ココアなど)は、例えば、カフェイン又は関連アルカロイドの存在によって刺激効果を所有し得、したがって「天然」刺激剤である。「天然由来」は、刺激剤(例えば、カフェイン、テアクリン)が、その天然(例えば、ボタニカル)マトリックスの外側で精製された形態であることを意味する。例えば、カフェインは、ボタニカル供給源(例えば、茶)からの抽出及び精製により得られる。「完全に合成」は、刺激剤が化学的合成により得られたことを意味する。 いくつかの実施形態では、活性成分は、カフェインを含む。いくつかの実施形態では、カフェインは、カプセル化された形態で存在する。カプセル化されたカフェインの一例は、Vitashure(登録商標)であり、Balchem Corp.、52 Sunrise Park Road、New Hampton、NY、10958から入手できる。
【0031】
存在する場合、刺激剤又は刺激剤の組合せ(例えば、カフェイン、テアクリン及びそれらの組合せ)は、典型的には、組成物及び生成物の合計重量に対して、約0.1重量%w/w~約15重量%、例えば、約0.1%w/w、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、又は約0.9%~約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、又は約15重量%の濃度である。いくつかの実施形態では、組成物は、カフェインを組成物又は生成物の合計重量に対して約1.5~約6重量%の量で含む。
【0032】
アミノ酸
いくつかの実施形態では、活性成分は、アミノ酸を含む。本明細書では使用されている「アミノ酸」という用語は、アミン(-NH2)及びカルボキシル(-COOH)又はスルホン酸(SO3H)官能基を、各アミノ酸に特異的な側鎖(R基)と含有する有機化合物を指す。アミノ酸は、タンパク質原性又は非タンパク質原性であり得る。「タンパク質原性」は、アミノ酸が、タンパク質で見出される天然に存在するアミノ酸20種のうちの1種であることを意味する。タンパク質原性アミノ酸は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン及びバリンを含む。「非タンパク質原性」は、アミノ酸がタンパク質において自然に見出されないこと、又は細胞機構により直接生成されないことを意味する(例えば翻訳後修飾の生成物である)。非タンパク質原性アミノ酸の非限定的な例は、ガンマ-アミノ酪酸(GABA)、タウリン(2-アミノエタンスルホン酸)、テアニン(L-γ-グルタミルエチルアミド)、ヒドロキシプロリン及びベータ-アラニンを含む。いくつかの実施形態では、活性成分は、テアニンを含む。いくつかの実施形態では、活性成分は、GABAを含む。いくつかの実施形態では、活性成分は、テアニン及びGABAの組合せを含む。いくつかの実施形態では、活性成分は、テアニン、GABA及びレモンバームの組合せである。いくつかの実施形態では、活性成分は、カフェイン、テアニン及びニンジンの組合せである。いくつかの実施形態では、活性成分は、タウリンを含む。いくつかの実施形態では、活性成分は、カフェイン及びタウリンの組合せである。
【0033】
存在する場合、アミノ酸又はアミノ酸の組合せ(例えば、テアニン、GABA及びそれらの組合せ)は、典型的には組成物又は生成物の合計重量に対して、約0.1重量%w/w~約15重量%、例えば、約0.1重量%w/w、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、又は約0.9重量%~約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、又は約15重量%の濃度である。
【0034】
ビタミン
いくつかの実施形態では、活性成分は、ビタミン又はビタミンの組合せを含む。本明細書では使用されている「ビタミン」という用語は、哺乳動物における代謝を適正に作用させるのに必要な必須微量栄養素である、有機分子(又は関連する分子のセット)を指す。ヒト代謝に必要とされるビタミンは、ビタミンA(オール-trans-レチノール、オール-trans-レチニル-エステル、またオール-trans-ベータカロテン及び他のプロビタミンAカロテノイドとして)、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸又は葉酸塩)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD(カルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール及びトコトリエノール)及びビタミンK(キノン)の13種類がある。いくつかの実施形態では、活性成分は、ビタミンCを含む。いくつかの実施形態では、活性成分は、ビタミンC、カフェイン及びタウリンの組合せである。
【0035】
存在する場合、ビタミン又はビタミンの組合せ(例えば、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、ビタミンC又はそれらの組合せ)は、典型的には組成物又は生成物の合計重量に対して、約0.01重量%w/w~約6重量%、例えば、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、又は約0.1重量%w/w~約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、又は約6重量%の濃度である。
【0036】
抗酸化剤
いくつかの実施形態では、活性成分は、1種以上の抗酸化剤を含む。本明細書では使用されている「抗酸化剤」という用語は、遊離基反応を終了させることにより酸化を防止又は抑制する、また、いくつかのタイプの細胞傷害を遅延させ得る又は防止し得る物質を指す。抗酸化剤は、天然に存在し得る、又は合成され得る。天然に存在する抗酸化剤は、食品及びボタニカル材料で見出されたものを含む。抗酸化剤の非限定的な例は、あるボタニカル材料、ビタミン、ポリフェノール及びフェノール誘導体を含む。
【0037】
抗酸化特性を伴うボタニカル材料の例は、アサイーベリー、アルファルファ、オールスパイス、アナトーシード、アプリコット油、バジル、ビーバーム、ヤグルマハッカ、黒コショウ、ブルーベリー、ボリジ種子油、シロネ(bugleweed)、カカオ、カラマスルート、イヌハッカ、カツアバ、カイエンペッパー、カバノアナタケ、チャービル、シナモン、ダークチョコレート、ジャガイモ皮、ブドウ種子、ニンジン、ギンコ・ビローバ(gingko biloba)、セントジョーンズワート、ノコギリヤシ、緑茶、紅茶、ブラックコホシュ、カイエン、カモミール、クローブ、ココア粉末、クランベリー、タンポポ、グレープフルーツ、ハニーブッシュ、エキナセア、ニンニク、マツヨイグサ、ナツシロギク、ショウガ、ゴールデンシール、サンザシ、ハイビスカス花、アマチャヅル、カバ、ラベンダー、甘草、マジョラム、オオアザミ、ミント(メンテー(menthe))、ウーロン茶、ビートルート、オレンジ、オレガノ、パパイヤ、ペニーロイヤル、ペパーミント、ムラサキツメクサ、ルイボス(レッド又はグリーン)、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、クラリセージ、セイボリー、スペアミント、スピルリナ、スリッパリーエルムバーク、ソルガムブラン高タンニン、ソルガムグレイン高タンニン、ウルシブラン、コンフリー葉及び根、ゴジベリー、グツコーラ(gutu kola)、タイム、ターメリック、ウワウルシ、バレリアン、ワイルドヤムルート、ウィンターグリーン、ヤーコン根、イエロードック、イェルバマテ、イェルバサンタ、バコパモニエラ(Bacopa monniera)、ウィザニア・ソムニフェラ、ライオンズメイン(Lion’s mane)及びシリバム・マリアナム(Silybum marianum)を含むが、それらに限定されない。そのようなボタニカル材料は、生若しくは乾燥形態、エッセンシャルオイルで用意され得、又は抽出物の形態であり得る。ボタニカル材料(並びにその抽出物)は、抗酸化効果を生じることが公知の様々な分類からの化合物、例えばミネラル、ビタミン、イソフラボン、フィトステロール、硫化アリル、ジチオールチオン、イソチオシアネート、インドール、リグナン、フラボノイド、ポリフェノール及びカロテノイドを含むことが多い。植物抽出物又は油で見出される化合物の例は、アスコルビン酸、ラッカセイ内果皮、レスベラトロール、スルフォラファン、ベータカロテン、リコペン、ルテイン、補酵素Q、カルニチン、ケルセチン、ケンフェロールなどを含む。例えば、Santhoshら、Phytomedicine、12(2005年)216~220頁を参照されたく、これは、参照により本明細書に組み込む。
【0038】
他の好適な抗酸化剤の非限定的な例は、クエン酸、ビタミンE又はその誘導体、トコフェロール、エピカテコール、エピガロカテコール、エピガロカテコールガレート(epigallocatechol gallate)、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、4-ヘキシルレゾルシノール、テアフラビン、テアフラビンモノガレートA又はB、テアフラビンジガレート、フェノール酸、グリコシド、ケルシトリン、イソケルシトリン、ヒペロシド、ポリフェノール、カテコール、レスベラトロール、オレウロペイン、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、第三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)及びそれらの組合せを含む。
【0039】
存在する場合、抗酸化剤は、典型的には、組成物又は生成物の合計重量に対して、約0.001重量%w/w~約10重量%、例えば、約0.001%、約0.005%、約0.01%w/w、約0.05%、約0.1%、又は約0.5%~約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、又は約10%の濃度である。
【0040】
ニコチン成分
ある実施形態では、活性成分は、ニコチン成分を含む。「ニコチン成分」は、存在するニコチンの少なくとも一部を口腔吸収するための、ニコチン(例えば、遊離塩基又は塩)の任意の好適な形態を意味する。典型的には、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基及びニコチン塩からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ニコチン成分は、その遊離塩基形態のニコチンであり、これは、例えば、微結晶セルロース材料に容易に吸着されて、微結晶セルロース-ニコチン担体複合体を形成し得る。例えば、Hanssonの米国特許出願公開第2004/0191322号明細書における遊離塩基形態のニコチンの考察を参照されたく、これは、参照により本明細書に組み込む。
【0041】
いくつかの実施形態では、ニコチン成分の少なくとも一部は、塩の形態で用いられ得る。ニコチンの塩は、Coxらの米国特許第2,033,909号明細書及びPerfetti、Beitrage Tabakforschung Int.、12:43~54頁(1983年)に明記されているタイプの原料及び技術を使用して得られ、これらは、参照により本明細書に組み込む。さらに、ニコチンの塩は、供給元、例えばPfaltz and Bauer,Inc.及びK&K Laboratories、Division of ICN Biochemicals,Inc.から入手できる。典型的には、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基、ニコチン塩、例えば塩酸塩、二塩酸塩、一酒石酸塩(monotartrate)、酒石酸水素塩、硫酸塩、サリチル酸塩及びニコチン塩化亜鉛からなる群から選択される。
【0042】
いくつかの実施形態では、ニコチンの少なくとも一部は、ニコチンの樹脂複合体の形態であり得、この場合ニコチンは、Amberlite IRP64、Purolite C115HMR又はDoshion P551などのイオン交換樹脂、例えばニコチンが、例としてポリメタクリル酸に結合しているニコチンポラクリレックスに結合している。例えば、Lichtneckertらの米国特許第3,901,248号明細書を参照されたく、これは、参照により本明細書に組み込む。別の例は、例えばカーボポール974Pを用いた、ニコチン-ポリアクリルカルボマー複合体である。いくつかの実施形態では、ニコチンは、ニコチンポリアクリル複合体の形態で存在し得る。
【0043】
典型的には、ニコチン成分(遊離塩基として計算して)は、存在する場合、組成物の少なくとも約0.001重量%、例えば約0.001%~約10%の範囲の濃度である。いくつかの実施形態では、ニコチン成分は、遊離塩基として計算して、また組成物又は生成物の合計重量に対して、約0.1重量%w/w~約10重量%、例えば、約0.1重量%w/w、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、又は約0.9重量%~約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、又は約10重量%の濃度で存在する。いくつかの実施形態では、ニコチン成分は、遊離塩基として計算して、また組成物又は生成物の合計重量に対して、約0.1重量%w/w~約3重量%、例えば、約0.1重量%w/w~約2.5重量%、約0.1重量%~約2.0重量%、約0.1重量%~約1.5重量%又は約0.1重量%~約1重量%の濃度で存在する。
【0044】
いくつかの実施形態では、本開示の生成物又は組成物は、いかなるニコチン成分も含まない(例えば、本明細書で開示されている任意の実施形態は、いかなるニコチン成分も完全に又は実質的に含まないことがある。)と特徴付けられる。「実質的に含まない」は、ニコチンが、例えば、ボタニカル材料に自然に存在し得る微量を超えて意図的に添加されていないことを意味する。例えば、ある実施形態は、遊離塩基として計算して、0.001重量%未満のニコチン、又は0.0001重量%未満、又はさらに0重量%のニコチンを有すると特徴付けられ得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、活性成分は、ニコチン成分を含む(例えば、本開示の任意の生成物又は組成物は、本明細書で開示されている任意の活性成分又は活性成分の組合せを含むことに加えて、ニコチン成分をさらに含み得る。)。
【0046】
カンナビノイド
いくつかの実施形態では、活性成分は、1種以上のカンナビノイドを含む。本明細書では使用されている「カンナビノイド」という用語は、脳において神経伝達物質放出を変える細胞でエンドカンナビノイド系としても公知のカンナビノイド受容体に対して作用する、多様な化合物の分類を指す。これらの受容体タンパク質のリガンドは、動物により体内で自然に産生されたエンドカンナビノイド;カンナビスで見出された植物性カンナビノイド;及び人工的に製造された合成カンナビノイドを含む。カンナビスで見出された植物性カンナビノイドは、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロル(cannabicyclol)(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変異体(CBNV)、カンナビノトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)を含むが、それらに限定されない。ある実施形態では、カンナビノイドは、カンナビスにおける主な精神活性化合物であるテトラヒドロカンナビノール(THC)、及び同じく別の主な構成成分であるが精神活性を欠くカンナビジオール(CBD)から選択される。上の化合物のすべては、植物材料からの単離物の形態で使用され得る、又は合成的に誘導され得る。
【0047】
別法として、活性成分は、カンナビノイドと同様にエンドカンナビノイド系に対して生物学的効果を有するカンナビス以外の植物に由来する化合物の分類であるカンナビノイド模倣物であり得る。例は、ヤンゴニン、アルファ-アミリン又はベータ-アミリン(テルペンとも分類される。)、シアニジン、クルクミン(ウコン)、カテキン、ケルセチン、サルビノリンA、N-アシルエタノールアミン及びN-アルキルアミド脂質を含む。
【0048】
存在する場合、カンナビノイド(例えば、CBD)又はカンナビノイド模倣物は、典型的には組成物の少なくとも約0.1重量%、例えば、組成物又は生成物の合計重量に対して約0.1重量%~約30重量%、例えば、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、又は約0.9重量%~約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、又は約30重量%の範囲の濃度である。
【0049】
テルペン
本開示における使用に好適な活性成分は、テルペンとも分類され得、その多くは、生物学的効果、例えば鎮静効果を伴う。テルペンは、(C5H8)nの一般式を有し、モノテルペン、セスキテルペン及びジテルペンを含むと理解される。テルペンは、構造が非環式、単環式又は二環式であり得る。いくつかのテルペンは、カンナビノイド又はカンナビノイド模倣物と組み合わせて使用される場合にアントラージュ効果を示す。例は、ベータ-カリオフィレン、リナロール、リモネン、ベータ-シトロネロール、酢酸リナリル、ピネン(アルファ又はベータ)、ゲラニオール、カルボン、ユーカリプトール、メントン、イソメントン、ピペリトン、ミルセン、ベータ-ブルボネン及びゲルマクレンを含み、これは、単体又は組合せで使用され得る。
【0050】
医薬成分
いくつかの実施形態では、活性成分は、医薬活性成分(API)を含む。APIは、治療、予防又は診断用途に適合する任意の公知の作用剤であり得る。これらは、例えば、合成有機化合物、タンパク質及びペプチド、ポリサッカリド及び他の糖、脂質、リン脂質、無機化合物(例えば、マグネシウム、セレン、亜鉛、硝酸塩)、神経伝達物質又はその前駆体(例えば、セロトニン、5-ヒドロキシトリプトファン、オキシトリプタン、アセチルコリン、ドーパミン、メラトニン)並びに治療、予防又は診断活性を有する核酸配列を含み得る。APIの非限定的な例は、鎮痛剤及び解熱薬(例えば、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、3-(4-イソブチルフェニル)プロパン酸)、ホスファチジルセリン、ミオイノシトール、ドコサヘキサエン酸(DHA、オメガ-3)、アラキドン酸(AA、オメガ-6)、S-アデノシルメチオニン(SAM)、ベータ-ヒドロキシ-ベータ-メチルブチレート(HMB)、シチコリン(シチジン-5’-ジホスフェート-コリン)及びコチニンを含む。いくつかの実施形態では、活性成分は、シチコリンを含む。いくつかの実施形態では、活性成分は、シチコリン、カフェイン、テアニン及びニンジンの組合せである。いくつかの実施形態では、活性成分は、ヒマワリレシチンを含む。いくつかの実施形態では、活性成分は、ヒマワリレシチン、カフェイン、テアニン及びニンジンの組合せである。
【0051】
APIの量は、変化させてよい。例えば、存在する場合、APIは、典型的には、組成物又は生成物の合計重量に対して約0.001重量%w/w~約10重量%、例えば、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%w/w、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、又は約1重量%~約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、又は約10重量%の濃度である。
【0052】
いくつかの実施形態では、組成物は、一切のAPIを実質的に含まない。「一切のAPIを実質的に含まない」は、本明細書で定義されている任意のAPIの存在、例えば、任意の医学的状態を処置することを意図されている食品医薬品局(FDA)に承認された任意の治療剤を含有せず、特に排除する組成物を意味する。
【0053】
結合剤
いくつかの実施形態では、組成物及び生成物は、1種以上の結合剤を含み得る。結合剤(又は結合剤の組合せ)は、ある実施形態では、望ましい物理的特質及び物理的一体性を組成物にもたらすのに十分な量で用いられ、結合剤は、増粘剤又はゲル化剤としても作用することが多い。典型的な結合剤は、有機又は無機又はそれらの組合せであり得る。代表的な結合剤は、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、デンプンベースの結合剤、ペクチン、カラギーナン、プルラン、ゼインなど、及びそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、結合剤は、ペクチン又はカラギーナン又はそれらの組合せを含む。
【0054】
利用される結合剤の量は、変化させてよいが、典型的には約30重量パーセントまでであり、ある実施形態は、組成物又は生成物の合計重量に対して、少なくとも約0.1重量%、例えば約1~約30重量%、又は約1~約10重量%の結合剤の含有量を特徴とする。
【0055】
ある実施形態では、結合剤は、ガム、例えば、天然ガムを含む。本明細書では使用されている天然ガムは、結合性を有し、増粘剤又はゲル化剤としても有用な天然起源のポリサッカリド材料を指す。代表的な天然ガムは、典型的にはある程度まで水溶性の植物に由来し、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、ガティガム、ガムトラガカント、カラヤガム、ローカストビーンガム、ゲランガム及びそれらの組合せを含む。存在する場合、天然ガム結合剤材料は、典型的には、組成物又は生成物の合計重量に対して約5重量%まで、例えば、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、又は約1重量%~約2、約3、約4、又は約5重量%の量で存在する。
【0056】
フィラー材料
本明細書に記載されている組成物及び生成物は、少なくとも1種の繊維性又は微粒子フィラー材料を含み得る。そのようなフィラー材料は、複数の機能、例えばある感覚受容性、例としてテクスチャー及び口当たりの向上、生成物の粘着性又は圧縮性の向上を果たし得る。一般的に、フィラー成分は、多孔微粒子材料又は繊維性材料であり、典型的にはこれらはセルロースベースである。例えば、好適なフィラー材料は、任意の非タバコ植物材料、又はそのような供給源に由来するセルロース材料を含むその誘導体である。セルロース系非タバコ植物材料の例は、穀物(例えば、メイズ、カラスムギ、オオムギ、ライムギ、ソバ)、ふすま繊維及びそれらの混合物を含む。様々な他のタイプの繊維性植物材料は、上述のテンサイ材料に加えて、本明細書に記載されている組成物及び生成物にも組み込まれ得る。例えば、他の模範的な植物材料は、J.Rettenmaier and Sohne GmbH&Co.kgからのVitacelとして入手できる加工されたコムギ、カラスムギ、トウモロコシ、ジャガイモ、エンドウマメ及びリンゴを含む。好ましい材料は、ヒト消化器系により消化可能なもの、又は、ヒト消化器系により消化可能な少なくとも約50パーセント超(乾燥重量ベースで)の材料を組み込むものを含む。繊維材料、例えばInternational Fiber CorporationからJust Fiber White Wheat Fiber、Just Fiber Cotton Seed、Solka-Floc Powdered Cellulose and Just Fiber Bamboo Fiberとして入手できるものは、本明細書に記載されている組成物及び生成物の成分としても用いられ得る。非タバコ植物材料の誘導体の非限定的な例は、デンプン(例えば、ジャガイモ、コムギ、コメ、トウモロコシから)、天然セルロース及び修飾セルロース系材料を含む。有望な微粒子フィラー成分の追加の例は、マルトデキストリン、デキストロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、マンニトール、キシリトール及びソルビトールを含む。フィラーの組合せも使用され得る。
【0057】
本明細書では使用されている「デンプン」は、任意の供給源からの純粋なデンプン、加工デンプン又はデンプン誘導体を指し得る。デンプンは、典型的にはほぼすべての緑色植物に、また、様々なタイプの植物組織及び器官(例えば、種子、葉、リゾーム、根、塊茎、芽、果実、穀粒及び茎)に、顆粒形態で存在する。デンプンは、組成、並びに顆粒形状及び大きさを変化させてよい。異なる供給源からのデンプンは、異なる化学的及び物理的特性を有することが多い。特定のデンプンは、デンプン材料が、特定の感覚受容性を組成物に付与する能力に基づいて、混合物に含まれるように選択され得る様々な供給源に由来するデンプンが、使用され得る。例えば、デンプンの主な供給源は、穀物穀粒(例えば、コメ、コムギ及びメイズ)及び根菜(例えば、ジャガイモ及びキャッサバ)。デンプンの供給源の他の例は、ドングリ、アロールート、アラカチャ、バナナ、オオムギ、マメ(例えば、ソラマメ、レンズマメ、リョクトウ、エンドウマメ、ヒヨコマメ)、パンノキ、ソバ、カンナ、クリ、コラカシア、カタクリ、クズ、マランガ、アワ、カラスムギ、オカ、ポリネシアンアロールート、サゴ、ソルガム、サツマイモ、キノア、ライムギ、タピオカ、タロ、タバコ、シログワイ及びヤムを含む。あるデンプンは、加工デンプンである。加工デンプンは、その高い耐熱性を変えるように設計されることが多い、1つ以上の構造的な改変を受けている。いくつかのデンプンは、遺伝的改変により開発されており、「遺伝的に改変した」デンプンとされる。他のデンプンは、化学的、酵素的又は物理的手段により得られ、続いて改変される。例えば、加工デンプンは、化学反応、例えばエステル化、エーテル化、酸化、塩基の存在下での酸触媒若しくは酸化による解重合(低粘稠化)、漂白、グリコシル基転移及び解重合(例えば、触媒の存在下でデキストリン化)、架橋、アセチル化、ヒドロキシプロピル化、及び/又は部分的加水分解を施されたデンプンであり得る。酵素処理は、未加工デンプンに、酵素単離物若しくは濃縮物、微生物酵素、並びに/又は植物材料に対して未加工の酵素、例えば、トウモロコシ粒に存在して、トウモロコシデンプンを改変するアミラーゼを施すことを含む。他のデンプンは、加熱処理、例えばアルファ化、デキストリン化及び/又は冷水膨潤プロセスにより改変される。ある加工デンプンは、モノスターチホスフェート、ジスターチグリセロール、トリメタリン酸ナトリウムでエステル化したジスターチホスフェート、リン酸化ジスターチホスフェート、アセチル化ジスターチホスフェート、無水酢酸でエステル化した酢酸デンプン、酢酸ビニルでエステル化した酢酸デンプン、アセチル化ジスターチアジペート、アセチル化ジスターチグリセロール、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルジスターチグリセロール、デンプンナトリウムオクテニルスクシネートを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、微粒子フィラー成分は、セルロース材料又はセルロース誘導体である。本明細書に記載されている組成物及び生成物における使用のための特に好適な微粒子フィラー成分の1つは、微結晶セルロース(「mcc」)である。MCCは、合成若しくは半合成であり得、又は天然セルロースのみから得ることができる。MCCは、AVICEL(登録商標)グレードPH-100、PH-102、PH-103、PH-105、PH-112、PH-113、PH-200、PH-300、PH-302、VIVACEL(登録商標)グレード101、102、12、20並びにEMOCEL(登録商標)グレード50M及び90Mなど、並びにそれらの混合物からなる群から選択され得る。一実施形態では、混合物は、mccを微粒子フィラー成分として含む。本明細書に記載されている混合物に存在するmccの量は、望ましい性質に従って変化させてよい。
【0059】
フィラー材料の量は、変化させてよいが、混合物の合計重量に対して典型的には混合物の約75重量パーセントまでである。混合物内のフィラー材料(例えば、mcc)の典型的な範囲は、混合物の合計重量に対して約10~約75パーセント、例えば、約10、約15、約20、約25又は約30~約35、約40、約45又は約50重量パーセント(例えば、約20~約50重量パーセント又は約25~約45重量パーセント)であり得る。ある実施形態では、フィラー材料の量は、混合物の合計重量に対して、少なくとも約10重量パーセント、例えば少なくとも約20パーセント、又は少なくとも約25パーセント、又は少なくとも約30パーセント、又は少なくとも約35パーセント、又は少なくとも約40パーセントである。
【0060】
いくつかの実施形態では、フィラー材料は、セルロース誘導体又はそのような誘導体の組合せをさらに含む。いくつかの実施形態では、混合物は、混合物の合計重量に対してセルロース誘導体の約1~約10重量%を含み、ある実施形態は、約1~約5重量%のセルロース誘導体を含む。ある実施形態では、セルロース誘導体は、セルロース構造における1個以上のヒドロキシル基の水素が、アルキル、ヒドロキシアルキル又はアリール基で置き換えられているセルロースポリマーを意味するセルロースエーテル(カルボキシアルキルエーテルを含む。)である。そのようなセルロース誘導体の非限定的な例は、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(「HPC」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)、ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース(「CMC」)を含む。一実施形態では、セルロース誘導体は、メチルセルロース、HPC、HPMC、ヒドロキシエチルセルロース及びCMCの1つ以上である。一実施形態では、セルロース誘導体は、HPCである。いくつかの実施形態では、混合物は、混合物の合計重量に対して約1~約3重量%のHPCを含む。
【0061】
さらなる添加剤
上の成分に加えて、本明細書に記載されている生成物及び組成物は、1種以上のさらなる添加剤を含む混合物の形態で得られる。例えば、組成物は、他の材料又は原料と加工され得、ブレンドされ得、配合され得、組み合わせられ得、及び/又は混合され得る。添加剤は、人工であり得、又はハーブ供給源又は生物学的供給源から得られ、若しくはそれに由来し得る。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されている組成物及び生成物は、1種以上の甘味料、1種以上追加の結合剤、1種以上の緩衝剤及び/又はpH調整剤、1種以上の湿潤剤、1種以上の香味剤、タバコ材料(例えば、刻み又は微粒子タバコ材料、タバコ抽出物及びそれらの組合せの形態で)、1種以上の有機酸及びそれらの組合せをさらに含み得る。含まれ得る特定のタイプのさらなる添加剤は、以下でさらに説明されている。
【0062】
いくつかの実施形態では、混合物は、タバコ材料を含み得る。タバコ材料は、種類、タイプ及び形態で変化させてよい。一般的に、タバコ材料は、ニコチアナ属種の収穫植物から得られる。例示的なニコチアナ属種は、N.タバカム(N.tabacum)、N.ルスティカ(N.rustica)、N.アラタ(N.alata)、N.アレントシ(N.arentsii)、N.エクセルシオール(N.excelsior)、N.フォルゲチアナ(N.forgetiana)、N.グラウカ(N.glauca)、N.グルチノーザ(N.glutinosa)、N.ゴッセイ(N.gossei)、N.カワカミ(N.kawakamii)、N.ナイチアナ(N.knightiana)、N.ラングスドルフィ(N.langsdorffi)、N.オトフォラ(N.otophora)、N.セトケリ(N.setchelli)、N.シルベストリス(N.sylvestris)、N.トメントサ(N.tomentosa)、N.トメントシフォルミス(N.tomentosiformis)、N.ウンデュラタ(N.undulata)、N.xサンデラエ(N.x sanderae)、N.アフリカーナ(N.africana)、N.アムプレキシカウリス(N.amplexicaulis)、N.ベナビデシ(N.benavidesii)、N.ボナリエンシス(N.bonariensis)、N.デブネイ(N.debneyi)、N.ロンギフロラ(N.longiflora)、N.マリチナ(N.maritina)、N.メガロシフォン(N.megalosiphon)、N.オクシデンタリス(N.occidentalis)、N.パニクラタ(N.paniculata)、N.プルムバギニフォリア(N.plumbaginifolia)、N.ライモンジ(N.raimondii)、N.ロスラタ(N.rosulata)、N.シミュランス(N.simulans)、N.ストックトニ(N.stocktonii)、N.スアベオレンス(N.suaveolens)、N.ウムブラチカ(N.umbratica)、N.ベルチナ(N.velutina)、N.ウィガンジオイデス(N.wigandioides)、N.アカウリス(N.acaulis)、N.アクミナタ(N.acuminata)、N.アテニュアタ(N.attenuata)、N.ベンタミアナ(N.benthamiana)、N.カビコラ(N.cavicola)、N.クレベランジ(N.clevelandii)、N.コルジフォリア(N.cordifolia)、N.コリムボサ(N.corymbosa)、N.フラグランス(N.fragrans)、N.グッドスピーディ(N.goodspeedii)、N.リネアリス(N.linearis)、N.ミエルシ(N.miersii)、N.ヌジカウリス(N.nudicaulis)、N.オブツシフォリア(N.obtusifolia)、N.オシデンタリス亜種ヘスペリス(N.occidentalis subsp.Hersperis)、N.パウシフロラ(N.pauciflora)、N.ペツニオイデス(N.petunioides)、N.クアドリバルビス(N.quadrivalvis)、N.レパンダ(N.repanda)、N.ロツンジフォリア(N.rotundifolia)、N.ソラニフォリア(N.solanifolia)及びN.スペガジニ(N.spegazzinii)を含む。ニコチアナ属種からの様々な代表的な他タイプの植物は、Goodspeed,The Genus Nicotiana、(Chonica Botanica)(1954年);Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4,660,577号明細書;Whiteらの第5,387,416号明細書、Lawsonらの第7,025,066号明細書;Lawrence,Jr.の第7,798,153号明細書及びMarshallらの第8,186,360号明細書に明記されており、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込む。様々なタイプのタバコ、生育の実践及び収穫の実践の説明は、Tobacco Production,Chemistry and Technology、Davisら(編)(1999年)に明記されており、これは、参照により本明細書に組み込む。
【0063】
好適なタバコ材料が得られるニコチアナ属種は、遺伝的改変又は交配技術の使用に由来し得る(例えば、タバコ植物は、生成物の成分、特性又は特質を増加又は減少するように遺伝的に操作又は交配され得る。)。例えば、Fitzmauriceらの米国特許第5,539,093号明細書;Wahabらの第5,668,295号明細書;Fitzmauriceらの第5,705,624号明細書;Weiglの第5,844,119号明細書;Dominguezらの第6,730,832号明細書;Liuらの第7,173,170号明細書;Colliverらの第7,208,659号明細書及びBenningらの第7,230,160号明細書;Conklingらの米国特許出願公開第2006/0236434号明細書;並びにNielsenらのPCT第WO2008/103935号に明記されているタイプの植物の遺伝的改変を参照されたい。また、Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4,660,577号明細書;Whiteらの第5,387,416号明細書;及びDominguezらの第6,730,832号明細書に明記されているタバコも参照されたく、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込む。
【0064】
ニコチアナ属種は、いくつかの実施形態では、様々な化合物の、その中に存在する内容物について選択され得る。例えば、植物は、そのような植物が、そこから単離されるのが望ましい比較的多量の1種以上の化合物を生じることに基づいて選択され得る。ある実施形態では、ニコチアナ属種の植物(例えば、ガルパオコムン(Galpao commun)タバコ)は、葉表面の化合物の存在率に関して特に生育する。タバコ植物は、温室、生育室又は畑において野外で生育され得る、又は水耕栽培で生育され得る。
【0065】
ニコチアナ属種植物の様々な一部又は部分は、本明細書で開示されている混合物に含まれ得る。例えば、事実上植物すべて(例えば、植物全体)を収穫しそのまま用いてよい。別法として、植物の様々な一部又は片は、収穫され得る、又は収穫後のさらなる使用のために分離され得る。例えば、花、葉、茎、幹、根、種子及び様々なそれらの組合せは、さらなる使用又は処理のために単離され得る。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、タバコ葉(葉身)を含む。本明細書で開示されている混合物は、加工したタバコの一部又は片、本質的に天然の葉身及び/又は茎形態の乾燥及び熟成させたタバコ、タバコ抽出物、抽出されたタバコパルプ(例えば、水を溶媒として使用して)又は先述のものの混合物(例えば、抽出されたタバコパルプと顆粒化された乾燥及び熟成天然タバコ葉身を組み合わせる混合物)を含み得る。
【0066】
ある実施形態では、タバコ材料は、葉身及び茎からなる群から選択される固体タバコ材料を含む。混合物に使用されるタバコは、最も好ましくは、タバコ葉身、又はタバコ葉身及び茎の混合物(その少なくとも一部はスモーク処理されている。)を含む。混合物内のタバコ部分は、加工された形態、例えば加工されたタバコ茎(例えば、カット-ロールした茎、カット-ロール-膨張させた茎又はカット-パフされた茎)又は体積を膨張させたタバコ(例えば、パフタバコ、例えばドライアイス膨張タバコ(DIET))を有し得る。例えば、de la Burdeらの米国特許第4,340,073号明細書;Guyらの第5,259,403号明細書;及びPoindexterらの第5,908,032号明細書;及びPoindexterらの第7,556,047号明細書に明記されているタバコ膨張プロセスを参照されたく、そのすべては、参照により組み込まれる。さらに、混合物は、任意選択で発酵させたタバコを組み込み得る。AtchleyらのPCT第WO2005/063060号に明記されているタイプのタバコ加工技術も参照されたく、これは、参照により本明細書に組み込む。
【0067】
タバコ材料は、典型的には、微粒子(すなわち、刻み、粉砕、顆粒化又は粉末形態)として説明され得る形態で使用される。タバコ材料が微粉化された、又は粉末タイプの形態で提供される手段は、変化させてよい。好ましくは、植物の一部又は片を、粉砕、ミリングなどのための設備及び技術を使用して微粒子形態に微粉砕、粉砕又は微細化する。最も好ましくは、植物材料は、設備、例えばハンマーミル、カッターヘッド、空気制御ミルを使用した粉砕又はミリング中に、比較的乾燥している形態である。例えば、タバコの一部又は片は、その含水率が約15重量パーセント未満、又は約5重量パーセント未満の場合、粉砕又はミリングされ得る。最も好ましくは、タバコ材料は、1.4ミリメートル~250ミクロンの平均粒径を有する一部又は片の形態で用いられる。いくつかの例では、タバコ粒子は、スクリーンメッシュを通過する大きさにして、必要とされる粒径範囲を達成できる。必要に応じて、空気分級設備は、望ましい大きさ又は大きさの範囲のタバコ小粒子が収集され得ることを確実にするように使用され得る。必要に応じて、顆粒化タバコの異なる大きさの片は、一緒に混合してよい。
【0068】
微粉化された、又は粉末タイプの形態でタバコが提供される手段は、変化させてよい。好ましくは、タバコの一部又は片は、粉砕、ミリングなどのための設備及び技術を使用して粉末タイプの形態に微粉砕、粉砕又は微細化する。最も好ましくは、タバコは、設備、例えばハンマーミル、カッターヘッド、空気制御ミルを使用した粉砕又はミリング中に、比較的乾燥している形態である。例えば、タバコの一部又は片は、その含水率が約15重量パーセント未満~約5重量パーセント未満の場合、粉砕又はミリングされ得る。例えば、タバコ植物又はその部分は、個々の一部又は片に分離され得る(例えば、葉は茎から除去され得、並びに/又は茎及び葉は、幹から除去され得る。)。収穫した植物又は個々の一部若しくは片は、一部又は片にさらに細分され得る(例えば、葉は、フィラー型の片、顆粒、微粒子又は微細な粉末と特徴付けられる片又は一部に刻まれ、カットされ、微粉砕され、微細化され、ミリングされ、又は粉砕され得る。)。植物又はその一部に、外力又は圧力をかけることができる(例えば、プレスする、又はロール処理を施すことにより)。そのような加工条件を実行する場合、植物又はその部分は、その天然含水率(例えば、収穫直後のその含水率)に近似する含水率、水分を植物若しくはその部分に添加することにより達成される含水率、又は植物若しくはその部分を乾燥させることに由来する含水率を有し得る。例えば、粉末化、微細化、粉砕又はミリングされた植物の片又はその部分は、約25重量パーセント未満、多くは約20重量パーセント未満、及び頻繁には約15重量パーセント未満の含水率を有し得る。
【0069】
口腔製品を調製するために、ニコチアナ属種の収穫した植物に乾燥プロセスを施すのは典型的である。本明細書で開示されている生成物内に包含するための、混合物内に組み込まれるタバコ材料は、適切に乾燥及び/又は熟成させたものである。様々なタイプのタバコに対する様々なタイプの乾燥プロセスの説明は、Tobacco Production,Chemistry and Technology、Davisら(編)(1999年)に明記されている。火力乾燥タバコを乾燥させる技術及び条件の例は、Nestorら、Beitrage Tabakforsch.Int.、20、467~475頁(2003年)及びPeeleの米国特許第6,895,974号明細書に明記されており、これらは、参照により本明細書に組み込む。空気乾燥タバコの代表的な技術及び条件は、Grovesらの米国特許第7,650,892号明細書;Rotonら、Beitrage Tabakforsch.Int.、21、305~320頁(2005年)及びStaafら、Beitrage Tabakforsch.Int.、21、321~330頁(2005年)に明記されており、これらは、参照により本明細書に組み込む。あるタイプのタバコには、代替タイプの乾燥プロセス、例えば火炎乾燥又は天日乾燥が施されることがある。
【0070】
ある実施形態では、用いられ得るタバコ材料は、火力乾燥又はバージニア(例えば、K326)、バーレイ、天日乾燥(例えば、カテリーニ、プレリップ、コモティニ、シャンティ及びヤンボルタバコを含むインドクルヌール及びオリエンタルタバコ)、メリーランド、暗色、暗色火炎乾燥、暗色空気乾燥(例えば、マドール(Madole)、パサンダ、キューバ、ジャテン及びブズーキタバコ)、自然乾燥(light air cured)(例えば、ノースウィスコンシン及びガルパオタバコ)、インド空気乾燥(Indian air cured)、レッドルシアン及びルスティカタバコ、並びに様々な他の珍しい又は特殊なタバコ及び先述のタバコのいずれかの様々なブレンドを含む。
【0071】
タバコ材料は、いわゆる「ブレンド」形態を有していてもよい。例えば、タバコ材料は、火力乾燥、バーレイ(例えば、マラウィバーレイタバコ)及びオリエンタルタバコ(例えば、タバコ葉身又はタバコ葉身及びタバコ茎の混合物で構成される、又はそれに由来するタバコとして)の一部又は片の混合物を含み得る。例えば、代表的なブレンドは、乾燥重量ベースで約30~約70部のバーレイタバコ(例えば、葉身又は葉身及び茎)及び約30~約70部の火力乾燥タバコ(例えば、茎、葉身又は葉身及び茎)を組み込み得る。他の例示的なタバコブレンドは、乾燥重量ベースで、約75部の火力乾燥タバコ、約15部のバーレイタバコ及び約10部のオリエンタルタバコ;又は約65部の火力乾燥タバコ、約25部のバーレイタバコ及び約10部のオリエンタルタバコ;又は約65部の火力乾燥タバコ、約10部のバーレイタバコ及び約25部のオリエンタルタバコを組み込む。他の例示的なタバコブレンドは、乾燥重量ベースで、約20~約30部のオリエンタルタバコ及び約70~約80部の火力乾燥タバコを組み込む。
【0072】
本開示で使用されるタバコ材料に、例えば、発酵、漂白が施されてよい。必要に応じて、タバコ材料は、例えば、照射、低温殺菌又は他に制御された加熱処理が施され得る。そのような処理プロセスは、例えば、Muaらの米国特許第8,061,362号明細書に詳述されており、これは、参照により本明細書に組み込む。ある実施形態では、タバコ材料は、水、及びアスパラギンの反応を阻害して、タバコ材料が加熱された際にアクリルアミドを形成することが可能である添加剤(例えば、リジン、グリシン、ヒスチジン、アラニン、メチオニン、システイン、グルタミン酸、アスパラギン酸、プロリン、フェニルアラニン、バリン、アルギニン)、二価及び三価カチオンを組み込む組成物、アスパラギナーゼ、ある非還元サッカリド、ある還元剤、フェノール化合物、少なくとも1個の遊離チオール基又は官能基を有するある化合物、酸化剤、酸化触媒、天然植物抽出物(例えば、ローズマリー抽出物)並びにそれらの組合せからなる群から選択される添加剤で処理され得る。例えば、Chenらの米国特許出願公開第8,434,496号明細書、第8,944,072号明細書及び第8,991,403号明細書に記載されているタイプの処理プロセスを参照されたく、これらはすべて参照により本明細書に組み込む。ある実施形態では、このタイプの処理は、元のタバコ材料に、以前に記載されているプロセスで加熱が施される場合に有用である。
【0073】
いくつかの実施形態では、タバコ材料のタイプは、最初に視覚的に、他のタバコ材料よりある程度明るい色になる(例えば、白色化又は漂白される。)ように選択される。タバコパルプは、ある実施形態では、当業界で公知の任意の手段に従って、白色化され得る。例えば、様々な漂白又は酸化剤及び酸化触媒を使用する様々な白色化方法により生成された漂白したタバコ材料は、使用され得る。例示的な酸化剤は、過酸化物(例えば、過酸化水素)、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸塩、オゾン、アンモニア、過マンガン酸カリウム及びそれらの組合せを含む。酸化触媒を使用してよい。例示的な酸化触媒は、二酸化チタン、二酸化マンガン及びそれらの組合せである。漂白剤でタバコを処理するための方法は、例えば、Daniels,Jr.の米国特許第787,611号明細書;Oelenheinzの第1,086,306号明細書;Dellingの第1,437,095号明細書;Rosenhochの第1,757,477号明細書;Hawkinsonの第2,122,421号明細書;Baierの第2,148,147号明細書;Baierの第2,170,107号明細書;Baierの第2,274,649号明細書;Pratsらの第2,770,239号明細書;Rosenの第3,612,065号明細書;Rosenの第3,851,653号明細書;Rosenの第3,889,689号明細書;Minamiの第3,943,940号明細書;Rosenの第3,943,945号明細書;Rainerの第4,143,666号明細書;Campbellの第4,194,514号明細書;Rainerらの第4,366,823号明細書、第4,366,824号明細書及び第4,388,933号明細書;Schmekelらの第4,641,667号明細書;Bergerの第5,713,376号明細書;Byrd Jr.らの第9,339,058号明細書;Beesonらの第9,420,825号明細書;及びByrd Jr.らの第9,950,858号明細書で;並びにBjorkholmらの米国特許出願公開第2012/0067361号明細書;Crooksの第2016/0073686号明細書;Bjorkholmの2017/0020183号明細書;及びBjorkholmの第2017/0112183号明細書、並びにGiolvasのPCT公開出願第WO1996/031255号及びBjorkholmの第WO2018/083114号で論じられており、これらのすべては、参照により本明細書に組み込む。
【0074】
いくつかの実施形態では、白色化したタバコ材料は、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%又は少なくとも約80%のISO白色度を有し得る。いくつかの実施形態では、白色化したタバコ材料は、約50%~約90%、約55%~約75%又は約60%~約70%の範囲でISO白色度を有し得る。ISO白色度は、ISO 3688:1999又はISO 2470-1:2016に従って測定され得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、白色化したタバコ材料は、未処理のタバコ材料と比較して色が明るい(例えば、「白色化される」)と特徴付けられる。白色は、International Commission on Illuminationの(CIEの)色度図に言及して定義されることが多い。白色化したタバコ材料は、ある実施形態では、色度図で、未処理のタバコ材料よりピュアホワイトに近いと特徴付けられる。
【0076】
様々な実施形態では、タバコ材料は、そこからのタバコ材料の可溶性成分を抽出するように処理され得る。本明細書では使用されている「タバコ抽出物」は、抽出プロセスにおいてタバコ材料と接触する溶媒による、固体タバコパルプから抽出されるタバコ材料の単離した成分を指す。タバコ材料の様々な抽出技術は、タバコ抽出物及びタバコ固体材料を得るために使用され得る。例えば、Beesonらの米国特許出願公開第2011/0247640号明細書に記載されている抽出プロセスを参照されたく、これは、参照により本明細書に組み込む。タバコの成分を抽出するための他の例示的な技術は、Fioreの米国特許第4,144,895号明細書;Osborne,Jr.らの第4,150,677号明細書;Reidの第4,267,847号明細書;Wildmanらの第4,289,147号明細書;Brummerらの第4,351,346号明細書;Brummerらの第4,359,059号明細書;Mullerの第4,506,682号明細書;Keritsisの第4,589,428号明細書;Sogaらの第4,605,016号明細書;Pouloseらの第4,716,911号明細書;Niven,Jr.らの第4,727,889号明細書;Bernasekらの第4,887,618号明細書;Clappらの第4,941,484号明細書;Faggらの第4,967,771号明細書;Robertsらの第4,986,286号明細書;Faggらの第5,005,593号明細書;Grubbsらの第5,018,540号明細書;Whiteらの第5,060,669号明細書;Faggの第5,065,775号明細書;Whiteらの第5,074,319号明細書;Whiteらの第5,099,862号明細書;Whiteらの第5,121,757号明細書;Faggの第5,131,414号明細書;Munozらの第5,131,415号明細書;Faggの第5,148,819号明細書;Kramerの第5,197,494号明細書;Smithらの第5,230,354号明細書;Faggの第5,234,008号明細書;Smithの第5,243,999号明細書;Raymondらの第5,301,694号明細書;Gonzalez-Parraらの第5,318,050号明細書;Teagueの第5,343,879号明細書;Newtonの第5,360,022号明細書;Clappらの第5,435,325号明細書;Brinkleyらの第5,445,169号明細書;Lauterbachの第6,131,584号明細書;Kierulffらの第6,298,859号明細書;Muaらの第6,772,767号明細書;及びThompsonの第7,337,782号明細書に記載されており、これらのすべては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0077】
タバコ抽出物(例えば、水性タバコ抽出物)は、多彩な形態で用いられ得る。例えば、水性タバコ抽出物は、本質的に溶媒を含まない形態で単離され得、例えば噴霧乾燥若しくはフリーズドライプロセス、又は他の類似したタイプの加工ステップの使用の結果として得られる。別法として、水性タバコ抽出物は、液体形態で用いられ得、したがって、液体溶媒内のタバコ可溶分の含有量は、抽出のために用いられる溶媒の量の選択、溶媒の除去による液体タバコ抽出物の濃縮、液体タバコ抽出物を希釈する溶媒の添加などにより制御され得る。
【0078】
タバコ材料の典型的な包含範囲は、タバコ材料の性質及びタイプ、並びに最終混合物に対する意図されている効果に応じて、混合物の合計重量に対して約30重量%まで(又は約20重量%まで、又は約10重量%まで、又は約5重量%まで)の例示的な範囲で変化させてよい(例えば、約0.1~約15重量%)。いくつかの実施形態では、本開示の組成物及び生成物は、タバコ材料(活性成分としての精製されたニコチン以外)を完全に含まない、又は実質的に含まないと特徴付けられる。例えば、ある実施形態は、1重量%未満、若しくは0.5重量%未満、若しくは0.1重量%未満のタバコ材料、又は0重量%のタバコ材料を有すると特徴付けられる。
【0079】
タバコ材料を本明細書に記載されている組成物及び生成物に包含することは、任意選択であり、必須ではないことを意味すると留意すべきである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている口腔製品は、一般的にタバコを含まない代替品と特徴付けられる。例えば、いくつかの実施形態では、本開示の口腔製品は、タバコ材料を完全に含まない、又は実質的に含まない(活性成分としての精製されたニコチン以外)といわれる。本明細書のタバコ材料を「完全に含まない」又は「実質的に含まない」と呼ばれる口腔製品は、約1.0重量%未満、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満のタバコ材料、又は0重量%のタバコ材料を有すると特徴付けられる口腔製品を指すことを意味する。
【0080】
いくつかの実施形態では、1種以上の香味剤は、本明細書では開示されている組成物及び生成物に組み込まれ得る。本明細書で使用されている、「香味剤」又は「香味物質」は、口腔製品に関連する知覚特性を変えることが可能な、任意の香味のある又は芳香のある物質である。香味剤により改変され得る知覚特性の例は、味、口当たり、潤い、清涼性/温熱性及び/又はフレグランス/芳香を含む。香味剤は、天然又は合成であり得、それにより付与される香味の特性は、フレッシュ、スイート、ハーバル、コンフェクショナリー、フローラル、フルーティ又はスパイシーと説明されることがあるが、それらに限定されない。香味料は、同様に材料の分類に関係して定義され得る。例えば、三叉神経感覚剤及び/又はテルペンが、利用され得る。特定のタイプの香味料は、バニラ、コーヒー、チョコレート/ココア、クリーム、ミント、スペアミント、メントール、ペパーミント、ウィンターグリーン、ユーカリ、ラベンダー、カルダモン、ナツメグ、シナモン、クローブ、カスカリラ、サンダルウッド、ハチミツ、ジャスミン、ショウガ、アニス、セージ、甘草、レモン、オレンジ、リンゴ、モモ、ライム、サクランボ、イチゴ、テルペン、三叉神経感覚剤及びそれらの任意の組合せを含むが、それらに限定されない。Leffingwellら、Tobacco Flavoring for Smoking Products、R.J.Reynolds Tobacco Company(1972年)も参照されたく、これは、参照により本明細書に組み込む。香味料、例えばユーカリは、考えられる保湿剤、冷却剤又は平滑剤である成分も含み得る。これらの香味料は、ニート(すなわち、単体)で、又は複合させて用意され得、また、濃縮物又は香味料のパッケージとして用いられ得る(例えば、スペアミント及びメントール、オレンジ及びシナモン;ライム、パイナップル)。成分の代表的なタイプは、Whiteらの米国特許第5,387,416号明細書;Stricklandらの米国特許出願公開第2005/0244521号明細書;並びにQuinterらのPCT出願公開第WO05/041699号にも明記されており、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込む。いくつかの例では、香味剤は、噴霧乾燥形態、又は液体形態であり得る。
【0081】
香味剤は、一般的に、少なくとも1種の揮発性香味成分を含む。本明細書では使用されている「揮発性物質」は、周囲温度にて蒸気を容易に形成する化学物質(すなわち、非揮発性物質と比べて所定の温度にて高い蒸気圧を有する化学物質)を指す。典型的には、揮発性香味成分は、約400Daを下回る分子量を有し、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合、炭素-酸素二重結合又はその両方を含むことが多い。一実施形態では、少なくとも1種の揮発性香味成分は、1種以上のアルコール、アルデヒド、芳香族炭化水素、ケトン、エステル、テルペン、テルペノイド又はそれらの組合せを含む。アルデヒドの非限定的な例は、バニリン、エチルバニリン、p-アニスアルデヒド、ヘキサナール、フルフラール、イソバレルアルデヒド、クミンアルデヒド、ベンズアルデヒド及びシトロネラールを含む。ケトンの非限定的な例は、1-ヒドロキシ-2-プロパノン及び2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテノン-1-オンを含む。エステルの非限定的な例は、ヘキサン酸アリル、ヘプタン酸エチル、ヘキサン酸エチル、酢酸イソアミル及び酢酸3-メチルブチルを含む。テルペンの非限定的な例は、サビネン、リモネン、ガンマ-テルピネン、ベータ-ファルネセン、ネロリドール、ツジョン、ミルセン、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、リナロール及びユーカリプトールを含む。一実施形態では、少なくとも1種の揮発性香味成分は、エチルバニリン、シンナムアルデヒド、サビネン、リモネン、ガンマ-テルピネン、ベータ-ファルネセン又はシトラールの1つ以上を含む。一実施形態では、少なくとも1種の揮発性香味成分は、エチルバニリンを含む。
【0082】
混合物における利用される香味剤の量は、変化させてよいが、典型的には約10重量パーセントまでであり、ある実施形態は、混合物の合計重量に対して、少なくとも約0.1重量パーセント、例えば約0.5~約10重量パーセント、約1~約6重量パーセント又は約2~約5重量パーセントの香味剤含有量を特徴とする。
【0083】
混合物内に存在する香味剤の量は、一定期間にわたり(例えば、混合物調製後の保存期間中に)変化させてよい。例えば、混合物に存在するある揮発性成分は、蒸発させてよい、又は、1種以上の揮発性香味成分の濃度の低下を引き起こす化学的変換を受けてよい。一実施形態では、存在する少なくとも1種の揮発性香味成分の1つ以上の濃度は、同期間後に、1種以上の有機酸を含まないパウチ入り対照生成物に存在する同一の1種以上の揮発性香味成分の濃度を超える。理論に束縛されることを望まないが、白色度の損失に反応する同機構は、香味料におけるある揮発性成分(例えば、アルデヒド、ケトン、テルペン)の段階的減少を引き起こすと考えられる。したがって、長期間にわたって変色を引き起こすこれらの揮発性成分の存在下で、減少は、そのような分解プロセスを受ける生成物に関連する知覚的満足を低下させると予想され得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、組成物及び生成物は、1種以上の有機酸の内容物を含み得る。本明細書では使用されている「有機酸」という用語は、酸性の性質を特徴とする有機(すなわち、炭素ベース)化合物を指す。典型的には、有機酸は、比較的弱い酸(すなわち、これらは水の存在下で完全に解離しない。)、例えばカルボン酸(-CO2H)又はスルホン酸(-SO2OH)である。本明細書では使用されている有機酸への言及は、意図的に添加される有機酸を意味する。この点において、有機酸は、特定の原料として意図的に添加され得、別の原料の成分として本質的に存在するのみのもの(例えば、原料、例えばタバコ材料に本質的に存在し得る少量の有機酸)とは対照的である。いくつかの実施形態では、1種以上の有機酸は、ニートで(すなわち、その遊離酸で、未加工の固体又は液体形態)又は例えば、水中の溶液として添加される。いくつかの実施形態では、1種以上の有機酸は、本明細書で以下に記載されている塩の形態で添加される。
【0085】
いくつかの実施形態では、有機酸は、アルキルカルボン酸である。アルキルカルボン酸の非限定的な例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などを含む。いくつかの実施形態では、有機酸は、アルキルスルホン酸である。アルキルスルホン酸の非限定的な例は、プロパンスルホン酸及びオクタンスルホン酸を含む。いくつかの実施形態では、アルキルカルボン酸又はスルホン酸は、1個以上のヒドロキシル基で置換される。非限定的な例は、グリコール酸、4-ヒドロキシ酪酸及び乳酸を含む。いくつかの実施形態では、有機酸は、1個超のカルボン酸基又は1個超のスルホン酸基(例えば、2、3個又はそれ超のカルボン酸基)を含み得る。非限定的な例は、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸及びグルタル酸を含む。複数のカルボン酸(例えば、2~4個のカルボン酸基)を含有する有機酸では、カルボン酸基の1個以上は、エステル化されていてよい。非限定的な例は、コハク酸モノエチルエステル、フマル酸モノメチル、クエン酸モノメチル又はジメチルなどを含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、有機酸は、1個超のカルボン酸基及び1個以上のヒドロキシル基を含み得る。そのような酸の非限定的な例は、酒石酸、クエン酸などを含む。いくつかの実施形態では、有機酸は、アリールカルボン酸又はアリールスルホン酸である。アリールカルボン酸及びスルホン酸の非限定的な例は、安息香酸、トルイル酸、サリチル酸、ベンゼンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸を含む。いくつかの実施形態では、有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、オクタン酸、安息香酸、トルイル酸、サリチル酸又はそれらの組合せである。いくつかの実施形態では、有機酸は、安息香酸である。いくつかの実施形態では、有機酸は、クエン酸である。代替実施形態では、有機酸の一部又はさらにすべてが、アルカリ成分を有する塩の形態で添加され得、これはニコチンを含み得るが、それに限定されない。好適な塩の非限定的な例は、例えばニコチンでは、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、イソ酪酸塩、酪酸塩、アルファ-メチル酪酸塩、イソ吉草酸塩、ベータ-メチル吉草酸塩、カプロン酸塩、2-フランカルボン酸塩、フェニル酢酸塩、ヘプタン酸塩、オクタノン酸塩、ノナン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、グリコール酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、レブリン酸塩、アスコルビン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、アスパラギン酸塩、サリチル酸塩、トシル酸塩、コハク酸塩、ピルビン酸塩などを含む。
【0087】
組成物に存在する有機酸の量は、変化させてよい。一般的に、組成物は、混合物の合計重量に対して、1種以上の有機酸として存在する0~約10重量%の有機酸を含み得る。
【0088】
組成物及び生成物も、1種以上の甘味料を含み得る。甘味料は、天然若しくは人工形態での、又は天然及び人工甘味料の組合せとしての任意の甘味料又は甘味料の組合せであり得る。天然甘味料の例は、フルクトース、スクロース、グルコース、マルトース、マンノース、ガラクトース、ラクトース、イソマルツロース、ステビア、ハチミツなどを含む。人工甘味料の例は、スクラロース、マルトデキストリン、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファーム K、ネオテームなどを含む。いくつかの実施形態では、甘味料は、1種以上の糖アルコールを含む。糖アルコールは、部分的又は完全水素化形態を有する単糖又は二糖に由来するポリオールである。糖アルコールは、例えば、約4~約20個の炭素原子を有し、エリトリトール、アラビトール、リビトール、イソマルト、マルチトール、ズルシトール、イジトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、ソルビトール及びそれらの組合せ(例えば、加水分解水添デンプン)を含む。存在する場合、代表的な量の甘味料は、組成物又は生成物の合計重量に対して、組成物の約0.1~約20重量パーセント以上、例えば、重量ベースで組成物又は生成物の約0.1~約1%、約1~約5%、約5~約10%、又は約10~約20%を占め得る。
【0089】
ある実施形態では、組成物に1種以上の湿潤剤が用いられ得る。湿潤剤の例は、グリセリン、プロピレングリコールなどを含むが、それらに限定されない。含まれている場合、湿潤剤は、典型的には望ましい水分特質を組成物にもたらすのに十分な量で得られる。さらなる、いくつかの例では、湿潤剤は、成型に堆積させるための望ましい流動特性を組成物に付与し得る。存在する場合、湿潤剤は、典型的には組成物又は生成物の重量の約5%以下(例えば、約0.5~約5重量%)を占める。存在する場合、代表的な量の湿潤剤は、組成物又は生成物の合計重量に対して約0.1重量%~約1重量%、又は約1重量%~約5重量%である。
【0090】
ある実施形態では、本開示の組成物は、pH調整剤又は緩衝剤を含み得る。使用され得るpH調整剤及び緩衝剤の例は、金属水酸化物(例えば、水酸化アルカリ金属、例えば水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム)及び他のアルカリ金属緩衝液、例えば金属炭酸塩(例えば、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウム)又は金属炭酸水素塩、例えば重炭酸ナトリウムなどを含むが、それらに限定されない。存在する場合、緩衝剤は、典型的には、組成物又は生成物の重量に対して約5パーセント未満、例えば、組成物又は生成物の合計重量に対して約0.5重量%~約5重量%、例として約0.75重量%~約4重量%、約0.75重量%~約3重量%、又は約1重量%~約2重量%の量で存在する。好適な緩衝液の非限定的な例は、アルカリ金属酢酸塩、グリシン酸塩、リン酸塩、グリセロリン酸塩、クエン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、ホウ酸塩、又はそれらの混合物を含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、組成物及び生成物は、1種以上の着色剤を含み得る。着色剤は、望ましい物理的特質を組成物又は生成物にもたらすのに十分な量で用いられ得る。着色剤の例は、様々な色素及び顔料、例えばカラメル着色料及び二酸化チタンを含む。組成物又は生成物に利用される着色剤の量は、変化させてよいが、存在する場合、典型的には組成物又は生成物の合計重量に対して約3重量パーセントまで、例えば約0.1重量%、約0.5重量%又は約1重量%~約3重量%である。
【0092】
本発明の組成物及び生成物に使用され得るなおさらなるタイプの添加剤の例は、増粘剤若しくはゲル化剤(例えば、魚ゼラチン)、乳化剤、オーラルケア添加剤(例えば、タイム油、ユーカリ油及び亜鉛)、防腐剤(例えば、ソルビン酸カリウム)、崩壊助剤、水溶解度が高い組成物に対して比較的水溶性になるように選択される(例えば、グルコン酸マグネシウム又はグルコン酸亜鉛)、若しくは水溶解度が低い組成物に対して比較的水不溶性になるように選択される(例えば、酸化マグネイスム又は酸化亜鉛)亜鉛若しくはマグネシウム塩、又はそれらの組合せを含む。例えば、Muaらの米国特許第9,237,769号明細書、Holton,Jr.らの米国特許第7,861,728号明細書、Gaoらの米国特許出願公開第2010/0291245号明細書及びHolton,Jr.らの米国特許出願公開第2007/0062549号明細書に明記されている、それらの代表的な成分、成分の組合せ、それらの成分の等価物、並びにそのような成分を用いるための手段及び方法を参照されたく、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込む。そのような追加の添加剤に対する典型的な包含範囲は、添加剤の性質及び機能、並びに最終混合物に対して意図されている効果に応じて変化させてよく、例示的な範囲は、混合物の合計重量に対して約10重量%まで(例えば、約0.1~約5重量%)である。
【0093】
前述の添加剤は、一緒に(例えば、添加剤配合物として)又は別々に用いられ得る(例えば、個々の添加剤成分は、最終混合物の調製に関与する異なる段階で添加され得る。)。さらに、前述のタイプの添加剤は、最終製品又は混合物として提供されるようにカプセル化してよい。模範的なカプセル化添加剤は、例えば、Atchleyの第WO2010/132444号に記載されており、これは、前述のように参照により本明細書に組み込まれる。
【0094】
粒子
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているフィラー成分、タバコ材料及び全体の口腔製品のいずれか1つ以上が、微粒子材料と記載されている。本明細書では使用されている「微粒子」という用語は、複数の個々の粒子の形態の材料を指し、その一部は、複数の粒子の凝集体の形態であり得、粒子は、平均の長さ対幅の比を2:1未満、例えば1.5:1未満、例えば約1:1で有する。様々な実施形態では、微粒子材料の粒子は、実質的に球形又は顆粒と説明され得る。
【0095】
微粒子材料の粒径は、ふるい分析により測定され得る。当業者が容易に把握するように、ふるい分析(他にグラデーションテストとして公知)は、微粒子材料の粒径分布を測定するために使用される方法である。典型的には、ふるい分析は、好ましくはワイヤーメッシュ布の形態でスクリーンを含むふるいの入れ子状カラムを伴う。予め計量したサンプルをカラムにおいて、最大のスクリーン開口又はメッシュサイズを有する上部又は最上部のふるい(すなわち最大孔径のふるい)に導入することができる。カラムにおける低位の各ふるいは、上のふるいより徐々に小さくなるスクリーン開口又はメッシュサイズを有する。典型的には、ふるいのカラムのベース部分は、カラムにおける底部又は最下部のふるいのスクリーン開口又はメッシュサイズより小さい粒径を有する任意の粒子を収集する受容部分である(最小のスクリーン開口又はメッシュサイズを有する。)。
【0096】
いくつかの実施形態では、ふるいのカラムは、メカニカルアジテーターの上又は中に置かれ得る。アジテーターは、カラムにおけるふるいのそれぞれの振動を引き起こす。メカニカルアジテーターは、正確なふるいですべての粒子が収集されることを確実にするために、予め指定された時間稼働させてよい。いくつかの実施形態では、ふるいのカラムは、0.5分~10分、例えば1分~10分、例えば1分~5分、例えばおよそ3分の一定期間かき混ぜられる。カラムにおけるふるいのかき混ぜが完了したら、各ふるい上で収集した材料を計量する。各ふるいにおける各サンプルの重量は、次いで、各ふるいで保たれた質量の百分率を得るために、合計重量で割ることができる。当業者が容易に把握するように、ふるい分析に使用されるカラムにおける各ふるいでの、スクリーン開口の大きさ又はメッシュサイズは、分析されるサンプルの粒度又は公知の最大/最小粒径に基づいて選択され得る。いくつかの実施形態では、ふるいのカラムは、ふるい分析に使用され得、カラムは、2~20個のふるい、例えば5~15個のふるいを含む。いくつかの実施形態では、ふるいのカラムは、ふるい分析に使用され得、カラムは、10個のふるいを含む。いくつかの実施形態では、ふるい分析に使用されるふるいの最大スクリーン開口又はメッシュサイズは、1000μm、例えば500μm、例えば400μm、例えば300μmであり得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の微粒子材料(例えば、フィラー成分、タバコ材料及び全体の口腔製品)は、少なくとも50重量%の、ふるい分析により測定して、約1000μmより大きくない、例えば約500μmより大きくない、例えば約400μmより大きくない、例えば約350μmより大きくない、例えば約300μmより大きくない粒径を有する粒子を有すると特徴付けられる。いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の微粒子材料の粒子の少なくとも60重量%は、ふるい分析により測定して、約1000μmより大きくない、例えば約500μmより大きくない、例えば約400μmより大きくない、例えば約350μmより大きくない、例えば約300μmより大きくない粒径を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の微粒子材料の粒子の少なくとも70重量%は、ふるい分析により測定して、約1000μmより大きくない、例えば約500μmより大きくない、例えば約400μmより大きくない、例えば約350μmより大きくない、例えば約300μmより大きくない粒径を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の微粒子材料の粒子の少なくとも80重量%は、ふるい分析により測定して、約1000μmより大きくない、例えば約500μmより大きくない、例えば約400μmより大きくない、例えば約350μmより大きくない、例えば約300μmより大きくない粒径を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の微粒子材料の粒子の少なくとも90重量%は、ふるい分析により測定して、約1000μmより大きくない、例えば約500μmより大きくない、例えば約400μmより大きくない、例えば約350μmより大きくない、例えば約300μmより大きくない粒径を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の微粒子材料の粒子の少なくとも95重量%は、ふるい分析により測定して、約1000μmより大きくない、例えば約500μmより大きくない、例えば約400μmより大きくない、例えば約350μmより大きくない、例えば約300μmより大きくない粒径を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の微粒子材料の粒子の少なくとも99重量%は、ふるい分析により測定して、約1000μmより大きくない、例えば約500μmより大きくない、例えば約400μmより大きくない、例えば約350μmより大きくない、例えば約300μmより大きくない粒径を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の微粒子材料の粒子のおよそ100重量%は、ふるい分析により測定して、約1000μmより大きくない、例えば約500μmより大きくない、例えば約400μmより大きくない、例えば約350μmより大きくない、例えば約300μmより大きくない粒径を有する。
【0098】
いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の微粒子材料の粒子の少なくとも50重量%、例えば少なくとも60重量%、例えば少なくとも70重量%、例えば少なくとも80重量%、例えば少なくとも90重量%、例えば少なくとも95重量%、例えば少なくとも99重量%は、ふるい分析により測定して、約0.01μm~約1000μm、例えば約0.05μm~約750μm、例えば約0.1μm~約500μm、例えば約0.25μm~約500μmの粒径を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の微粒子材料の粒子の少なくとも50重量%、例えば少なくとも60重量%、例えば少なくとも70重量%、例えば少なくとも80重量%、例えば少なくとも90重量%、例えば少なくとも95重量%、例えば少なくとも99重量%は、ふるい分析により測定して、約10μm~約400μm、例えば約50μm~約350μm、例えば約100μm~約350μm、例えば約200μm~約300μmの粒径を有する。
【0099】
調製
本発明の組成物の様々な成分が組み合わせられる手段は、変化させてよい。したがって、例えば、粉末化した混合物成分を有する様々な成分の全体の混合物は、性質が比較的均一なことがある。液体又は乾燥固体形態であり得る上述の成分は、前処理ステップで、混合する前に、混合物の任意の残りの成分と混和されていてよく、又は他のすべての液体又は乾燥原料と共に単に混合してよい。様々な成分は、当業界で公知の任意の混合技術又は設備を使用して、一緒に接触させ、組み合わせ、又は混合してよい。混合物原料を密接に接触させる任意の混合方法、例えば、インペラー又はかき混ぜることが可能である他の構造物を特徴とする混合装置が使用され得る。混合設備の例は、ケーシングドラム、コンディショニングシリンダー又はドラム、液体噴霧装置、円錐型ブレンダー、リボンブレンダー、Littleford Day,Inc.からのFKM130、FKM600、FKM1200、FKM2000及びFKM3000として入手できる混合機、鋤刃型の混合機シリンダー、Hobart混合機などを含む。例えば、Solomonらの米国特許第4,148,325号明細書;Korteらの第6,510,855号明細書;及びWilliamsの第6,834,654号明細書に明記されているタイプの方法論も参照されたく、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込む。いくつかの実施形態では、混合物を形成する成分は、それらの混合物が、混合物を形成するためのデンプン成形プロセスで使用され得るように調製される。混合物を配合するための手段及び方法は、当業者に明らかである。例えば、Solomonらの米国特許第4,148,325号明細書;Korteらの米国特許第6,510,855号明細書;及びWilliamsの米国特許第6,834,654号明細書、Ridgwayらの米国特許第4,725,440号明細書及びBolderらの第6,077,524号明細書に明記されているタイプの方法論を参照されたく、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込む。
【0100】
口腔使用のために構成される
口腔使用のために構成された組成物及び生成物が、本明細書で提供される。本明細書では使用されている「口腔使用のために構成された」という用語は、生成物が使用中に、使用者の口腔における唾液が、混合物の成分(例えば、香味剤及び/又はニコチン)の1種以上を使用者の口腔中へと通過させるような形態で提供されることを意味する。ある実施形態では、生成物は、使用者の口腔における粘膜を通して活性成分及び1種以上の追加の成分を使用者に送達するように適合され、いくつかの例では、前記活性成分(例えば、ニコチンを含むが、それらに限定されない)は、生成物が使用される場合、口腔における粘膜を通して吸収され得る。
【0101】
本明細書に記載されている口腔使用のために構成された生成物は、ゲル、トローチ、ガム、ロゼンジ、粉末及びパウチを含む様々な形態を取り得る。ゲルは、ソフト又はハードであり得る。口腔使用のために構成されたある生成物は、トローチの形態である。本明細書では使用されている、「トローチ」という用語は、最終製品がやや硬くなった固体ゲルになるように、液体又はゲル混合物を固化することにより作られる溶解可能な口腔製品を指す。ゲルの剛性は、高度に変化しやすい。本開示のある生成物は、固体の形態である。ある生成物は、例えば、以下の特性:歯切れがよい、顆粒、腰が強い、シロップ状、ペースト状、ふんわりとしている、平滑及び/又はクリーム状の1つ以上を呈し得る。ある実施形態では、望ましいテクスチャー性は、接着性、粘着性、密度、乾燥、脆さ、粒状性、ねばつき、硬度、重さ、水分吸収、水分放出、口腔コーティング、粗さ、スリップ性、平滑度、粘度、濡れ性及びそれらの組合せからなる群から選択され得る。
【0102】
本開示の混合物を含む生成物は、溶解可能であり得る。本明細書では使用されている「溶解する」、「溶解すること」及び「溶解可能な」という用語は、口腔において水分と相互作用する水溶性成分を有し、溶液中に入り、それにより生成物の段階的な消費を引き起こす混合物を指す。一態様によれば、溶解可能な組成物は、使用者の口腔において、完全に溶解するまで所定の時間存続させることが可能である。溶解速度は、約1分以下~約60分の広い範囲にわたって変化させてよい。例えば、急速放出混合物は、典型的には、作用物質を約2分以下、多くは約1分以下(例えば、約50秒以下、約40秒以下、約30秒以下、又は約20秒以下)で溶解及び/又は放出する。溶解は、任意の手段、例えば溶融、機械的破砕(例えば咀嚼)、酵素若しくは他の化学的分解又は混合物の成分の間における相互反応の乱れにより発生し得る。いくつかの実施形態では、生成物は、例えば、Cantrellらの米国特許出願公開第2012/0037175号で論じられているように溶融可能であってよく、他の実施形態では、生成物は、使用者の口腔において生成物の滞留中に溶解しない。
【0103】
一実施形態では、本開示の組成物を含む生成物は、水分透過型容器(例えば、水透過型パウチ)内に配置された混合物の形態である。水透過型パウチ様式内のそのような混合物は、典型的には、混合物を含有する1つのパウチをヒト対象/使用者の口腔に置くにより使用される。一般的に、パウチは、湿潤型嗅ぎタバコ生成物が一般的に使用されるのと同じように、使用者の口腔内のいずれか、例えば口唇の下に置かれる。パウチは、好ましくは咀嚼又は嚥下されない。唾液への曝露は、次いでその中の混合物の成分の一部(例えば、香味剤及び/又は活性成分、例えばニコチン)に、例えば、水透過型パウチを通過させ、使用者に香味及び満足感をもたらし、使用者は、混合物の一部を吐き出す必要がない。使用した/味わった約10分~約60分、典型的には約15分~約45分後、相当量の混合物が、ヒト対象により摂取されており、パウチは、廃棄するため、ヒト対象の口腔から除去され得る。
【0104】
したがって、ある実施形態では、本明細書で開示されている混合物及び上述の任意の他の成分は、混合物を使用する容器として作用する水分透過型小袋又はパウチ内で組み合わせて、口腔使用のために構成されたパウチ入り製品が得られる。本開示のある実施形態は、図への言及で説明されており、これらの記載されている実施形態は、外側パウチを有し、本明細書に記載されている混合物を含有するスヌースタイプの生成物に関与する。以下でより詳細に説明されるように、そのような実施形態は、単なる例として示され、本開示のパウチ入り製品は、他の形態の組成物を含み得る。そのような小袋又はパウチの混合物/構築物、例えば、
図1で例証されている実施形態における容器パウチ102は、変化させてよい。
図1を参照すると、実施形態のパウチ入り製品100が示されている。パウチ入り製品100は、パウチ102の形態の水分透過型容器を含み、これは、本明細書に記載されている組成物を含む材料104を含有する。パウチ入り生成物100は、記載されている組成物から少なくとも部分的に形成された、本明細書に記載されている生成物の例であり得る。
【0105】
無煙タバコ製品の製造に使用されるタイプの好適な小袋、パウチ又は容器は、CatchDry、Ettan、General、Granit、Goteborgs Rape、Grovsnus White、Metropol Kaktus、Mocca Anis、Mocca Mint、Mocca Wintergreen、Kicks、Probe、Prince、Skruf及びTreAnkrareの商品名で入手できる。混合物は、従来のスヌースタイプの製品の製造に使用されるタイプの成分を使用する手段でパウチに含有され、包装され得る。パウチにより、ティーバッグの構築に使用されるメッシュ状タイプの材料に特性が類似していると考えられるタイプの液体透過型容器が得られる。混合物の成分は、パウチを通して使用者の口腔へと直ちに拡散する。
【0106】
好適なタイプのパウチの非限定的な例は、例えば、Kjerstadの米国特許第5,167,244号明細書及びSebastianらの第8,931,493号明細書;並びにSebastianらの米国特許出願公開第2016/0000140号明細書;Sebastianらの第2016/0073689号明細書;Chapmanらの第2016/0157515号明細書;及びSebastianらの第2016/0192703号明細書に明記されており、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込む。個々のパウチ又は複数のパウチ(例えば、2、4、5、10、12、15、20、25又は30個のパウチ)として得られるパウチは、単一のパウチ又は個々のポーションが、一体型ストランド又はマトリックスのパウチから使用のために直ちに除去され得るように、一緒につなげる、又は連結することができる(例えば、端部と端部で)。
【0107】
例示的なパウチは、使用者による使用中に、パウチが、制御された分散又は溶解をきたすような材料及びそのような手段から製造され得る。そのようなパウチ材料は、メッシュ、スクリーン、ミシン目入り紙、透過型布帛などの形態を有し得る。例えば、メッシュ状形態のライスペーパー又はミシン目入りライスペーパーから製造されたパウチ材料は、使用者の口腔で溶解し得る。結果として、パウチ及び混合物はそれぞれ、通常の使用条件中で、使用者の口腔内において完全な分散をきたし得るので、パウチ及び混合物の両方が、使用者により摂取され得る。パウチ材料の他の例は、水分散性フィルムを形成する材料(例えば、結合剤、例としてアルギン酸塩、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、プルラン)、並びに粉砕セルロース誘導体(例えば、微細粒径の木材パルプ)などの材料と組み合わせた材料を使用して製造され得る。好ましいパウチ材料は、水分散性又は溶解可能であるが、通常の使用条件下で、パウチが物理的一体性の喪失をきたす時間より前に、著しい量の混合物内容物が、パウチ材料を通して浸透するように設計及び製造され得る。必要に応じて、香味原料、崩壊助剤及び他の望ましい成分は、パウチ材料内に組み込まれ得る、又はパウチ材料へと適用され得る。
【0108】
各生成物のユニット、例えば、パウチ内に含有される材料の量は、変化させてよい。いくつかの実施形態では、各パウチ内の混合物の重量は、少なくとも約50mg、例えば、約50mg~約2グラム、約100mg~約1.5グラム、又は約200~約700mgである。より小規模ないくつかの実施形態では、各パウチ内の混合物の重量は、約100~約300mgであり得る。より大規模な実施形態では、各パウチ内の材料の重量は、約300mg~約700mgであり得る。必要に応じて、他の成分は、各パウチ内に含有され得る。例えば、香味付けした水分散性又は水溶性材料の少なくとも1つの香味ストリップ、片又はシート(例えば、呼気を爽やかにする食用フィルムタイプの材料)は、少なくとも1つのカプセルと共に、又はそれなしで、各パウチ内に配置され得る。そのようなストリップ又はシートは、パウチ内に容易に組み込むために、折り畳む、又は丸めることができる。例えば、Scottらの米国特許第6,887,307号明細書及びLeungらの第6,923,981号明細書;並びにThe EFSA Journal(2004年)85、1~32頁に明記されているタイプの材料及び技術を参照されたく、これらは、参照により本明細書に組み込む。
【0109】
本明細書に記載されているパウチ入り製品は、任意の好適な内側パッケージング材料及び/又は外側容器内に包装され得る。 例えば、Hensonらの米国特許第7,014,039号明細書;Kutschらの第7,537,110号明細書;Kutschらの第7,584,843号明細書;Gelardiらの第8,397,945号明細書、ThiellierのD592,956;PatelらのD594,154;及びBaileyらのD625,178;Robinsonらの米国特許出願公開第2008/0173317号明細書;Clarkらの第2009/0014343号明細書;Bjorkholmの第2009/0014450号明細書;Bellamahらの第2009/0250360号明細書;Gelardiらの第2009/0266837号明細書;Gelardiの第2009/0223989号明細書;Thiellierの第2009/0230003号明細書;Gelardiの第2010/0084424号明細書;及びBaileyらの第2010/0133140号明細書;Baileyらの第2010/0264157号明細書;及びBaileyらの第2011/0168712号明細書に明記されている無煙タイプの生成物のための様々なタイプの容器も参照されたく、これらは、参照により本明細書に組み込む。
【0110】
先述の説明において提示される教示の利益を有する本発明の多くの改変及び他の実施形態を、本発明が関係する当業者は思い浮かべるであろう。したがって、本発明が、開示されている特定の実施形態に限定されないこと、並びに改変及び他の実施形態が、添付の特許請求の範囲内に含まれるように意図されていることは理解されるべきである。本明細書では特定の用語が用いられるが、これらは、一般的及び説明的な意味でのみ使用され、限定する目的では使用されない。
【国際調査報告】