(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(54)【発明の名称】表示基板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20230201BHJP
H10K 59/00 20230101ALI20230201BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20230201BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20230201BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20230201BHJP
H05B 33/22 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 365
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/12 B
H05B33/02
H05B33/22 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020572772
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(85)【翻訳文提出日】2020-12-25
(86)【国際出願番号】 CN2020132144
(87)【国際公開番号】W WO2021104428
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/122129
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】牟 ▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲ディアオ▼ 永富
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC02
3K107CC08
3K107CC33
3K107CC45
3K107DD39
3K107DD89
3K107EE03
3K107EE06
3K107EE07
3K107FF15
3K107HH05
5C094BA03
5C094DA13
5C094DB01
5C094JA01
(57)【要約】
本開示は、表示基板及び表示装置を提供する。表示基板は、第1色サブ画素、第2色サブ画素及び第3色サブ画素と、発光制御信号ライン、データライン及び電源ラインとを含み、電源ラインとデータラインが重なる。サブ画素は有機発光素子と画素回路を含み、有機発光素子は第2電極を含み、画素回路は駆動トランジスタと第1発光制御トランジスタを含み、画素回路は接続構造をさらに含み、第2色サブ画素において、第1発光制御トランジスタの1つの極は、第1接続孔を介して接続構造に電気的に接続され、接続構造は、第2接続孔を介して第2電極に電気的に接続され、第1接続孔の少なくとも一部と第2接続孔の少なくとも一部は、それぞれ発光制御信号ラインの両側に位置し、第3色サブ画素において、第2電極と駆動トランジスタのチャネルとが重ならない。本開示は、画素配列のコンパクトさを向上させることに加えて、接続構造によって第2色サブ画素を効果的に発光駆動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示基板であって、
ベース基板と、
前記ベース基板上に設置された複数の第1色サブ画素、複数の第2色サブ画素、及び複数の第3色サブ画素と、
第1方向に延びている発光制御信号ラインと、
前記第1方向と交差する第2方向に延びているデータラインと、
前記ベース基板に垂直な第3方向に前記データラインと重なる電源ラインと、を含み、
少なくとも1つの前記サブ画素は、有機発光素子と、前記有機発光素子を駆動する画素回路とを含み、
前記有機発光素子は第1電極、第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極との間に設置された発光層を含み、前記画素回路は駆動トランジスタと、第1発光制御トランジスタとを含み、前記画素回路は前記データラインと同一層に設置された接続構造をさらに含み、
少なくとも1つの前記第2色サブ画素において、前記第2色サブ画素の前記第1発光制御トランジスタの第1極は、第1接続孔を介して前記接続構造に電気的に接続され、前記接続構造は、第2接続孔を介して前記第2色サブ画素の第2電極に電気的に接続され、前記第1接続孔の少なくとも一部の前記ベース基板での正投影は、前記発光制御信号ラインの前記ベース基板での正投影の一方側に位置し、前記第2接続孔の少なくとも一部の前記ベース基板での正投影は、前記発光制御信号ラインのベース基板での正投影の他方側に位置し、
少なくとも1つの前記第3色サブ画素において、前記第3色サブ画素の前記第2電極は、前記第3方向に、前記第3色サブ画素の有機発光素子を制御する前記駆動トランジスタのチャネルと重ならない、表示基板。
【請求項2】
少なくとも1つの前記第3色サブ画素の前記第2電極は、前記第3方向に、その他の色サブ画素の有機発光素子を制御する前記駆動トランジスタのチャネルのいずれとも重ならない、請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記表示基板は、各サブ画素の各トランジスタのチャネルとソースドレイン領域を含む活性半導体層を含み、前記接続構造は、前記接続構造と前記活性半導体層との間の無機層に位置する前記第1接続孔を介して前記活性半導体層に電気的に接続され、
前記接続構造は、前記接続構造と前記第2電極との間の有機層及び無機層のうちの少なくとも一方に位置する前記第2接続孔を介して前記第2電極に電気的に接続され、前記第2色サブ画素において、前記第1接続孔の前記ベース基板での正投影の中心と前記第2接続孔の前記ベース基板での正投影の中心とは、それぞれ前記発光制御信号ラインの前記ベース基板での正投影の両側に位置する、請求項1又は2に記載の表示基板。
【請求項4】
少なくとも1つの前記第2色サブ画素において、前記第2色サブ画素の前記第1接続孔の前記ベース基板での正投影は、前記第2色サブ画素の前記第2接続孔の前記ベース基板での正投影よりも、前記第2色サブ画素の前記第2電極の前記ベース基板での正投影から離れる、請求項1~3のいずれかに記載の表示基板。
【請求項5】
少なくとも1つの前記第2色サブ画素において、前記第2色サブ画素の前記第2電極は、前記第3方向に、前記第2色サブ画素の有機発光素子を駆動する前記駆動トランジスタのチャネルと重なる、請求項1~4のいずれかに記載の表示基板。
【請求項6】
少なくとも1つの前記第2色サブ画素の前記画素回路が接続する前記データラインと前記第2色サブ画素の前記第2電極は、前記第1方向に互いに離間している、請求項1~5のいずれかに記載の表示基板。
【請求項7】
少なくとも1つの前記第2色サブ画素の前記第2電極は、前記第3方向に、前記第3色サブ画素の画素回路に接続された前記データラインと重なる、請求項6に記載の表示基板。
【請求項8】
少なくとも1つの前記第1色サブ画素の前記第2電極及び少なくとも1つの前記第3色サブ画素の前記第2電極の、前記第2方向に延びている第1直線での正投影はいずれも、少なくとも1つの前記第2色サブ画素の前記接続構造の前記第1直線での正投影と重なる、請求項1~7のいずれかに記載の表示基板。
【請求項9】
少なくとも1つの前記第3色サブ画素の前記第2電極の、前記第1方向に延びている第2直線での正投影は、少なくとも1つの前記第2色サブ画素の前記接続構造の前記第2直線での正投影と重なる、請求項8に記載の表示基板。
【請求項10】
少なくとも1つの前記サブ画素の前記第2電極は、本体電極と接続電極を含み、前記接続電極が前記第1発光制御トランジスタに電気的に接続され、
少なくとも1つの前記第1色サブ画素の前記本体電極の前記第1直線での正投影は、少なくとも1つの前記第2色サブ画素の前記接続構造の前記第1直線での正投影と重なる、請求項9に記載の表示基板。
【請求項11】
少なくとも1つの前記第3色サブ画素の前記本体電極の前記第2直線での正投影は、少なくとも1つの前記第2色サブ画素の前記接続構造の前記第2直線での正投影と重なる、請求項10に記載の表示基板。
【請求項12】
走査信号ラインとリセット制御信号ラインをさらに含み、
少なくとも1つの前記サブ画素において、前記画素回路は、データ書込みトランジスタとリセットトランジスタをさらに含み、前記データ書込みトランジスタのゲートは、前記走査信号ラインに電気的に接続されて走査信号を受信するように配置され、前記リセットトランジスタのゲートは、前記リセット制御信号ラインに電気的に接続されてリセット制御信号を受信するように配置される、請求項1~11のいずれかに記載の表示基板。
【請求項13】
少なくとも1つの前記サブ画素において、前記画素回路は、第2発光制御トランジスタをさらに含み、前記第1発光制御トランジスタのゲート及び前記第2発光制御トランジスタのゲートはいずれも、前記発光制御信号ラインに電気的に接続されて発光制御信号を受信する、請求項12に記載の表示基板。
【請求項14】
少なくとも1つの前記第2色サブ画素の前記第2電極は、前記第3方向に前記走査信号ラインと重なる、請求項12又は13に記載の表示基板。
【請求項15】
少なくとも1つの前記第2色サブ画素の前記第2電極は、前記第3方向に、該第2色サブ画素の前記画素回路に電気的に接続された前記走査信号ラインと重なる、請求項14に記載の表示基板。
【請求項16】
少なくとも1つの前記第1色サブ画素の前記第2電極及び少なくとも1つの前記第3色サブ画素の前記第2電極はいずれも、前記第3方向に、前記発光制御信号ラインと重なる、請求項12~15のいずれかに記載の表示基板。
【請求項17】
少なくとも1つの前記第1色サブ画素の前記第2電極は、前記発光制御信号ラインの両側にそれぞれ位置する第1サブ電極部及び第2サブ電極部を含み、前記第1サブ電極部の面積が前記第2サブ電極部の面積より大きく、
少なくとも1つの前記第1色サブ画素において、前記第2接続孔の前記ベース基板での正投影の中心と前記第1サブ電極部の前記ベース基板での正投影とは、それぞれ前記発光制御信号ラインの前記ベース基板での正投影の両側に位置する、請求項16に記載の表示基板。
【請求項18】
少なくとも1つの前記サブ画素において、前記画素回路は、記憶コンデンサーをさらに含み、前記記憶コンデンサーの第2極は前記駆動トランジスタのゲートとして多重化され、少なくとも1つの前記第1色サブ画素の前記記憶コンデンサーの第2極の面積は、少なくとも1つの前記第2色サブ画素の前記記憶コンデンサーの第2極の面積と異なる、請求項1~17のいずれかに記載の表示基板。
【請求項19】
少なくとも1つの前記第1色サブ画素の前記第2電極の面積は、少なくとも1つの前記第2色サブ画素の前記第2電極の面積より大きく、且つ少なくとも1つの前記第1色サブ画素の前記記憶コンデンサーの第2極の面積は、少なくとも1つの前記第2色サブ画素の前記記憶コンデンサーの第2極の面積より大きい、請求項18に記載の表示基板。
【請求項20】
少なくとも1つの前記第2色サブ画素において、前記記憶コンデンサーの第1極は、前記第3方向に、前記接続構造と重なる、請求項18又は19に記載の表示基板。
【請求項21】
少なくとも1つのサブ画素において、前記サブ画素の前記駆動トランジスタのチャネルは、順に接続された複数のサブチャネルを含み、前記複数のサブチャネルの少なくとも一部は前記第1方向に延びており、且つ前記第1方向に延びている2つのサブチャネルの前記第2直線での正投影は重ならない、請求項9~11のいずれかに記載の表示基板。
【請求項22】
前記複数のサブチャネルは、順に接続された5つのサブチャネルを含み、前記5つのサブチャネルのうち3つのサブチャネルが前記第1方向に延びており、前記3つのサブチャネルのうち2つのサブチャネルは、前記第2直線での正投影が重ならず、前記第1直線での正投影が重なり、前記5つのサブチャネルのうち前記3つのサブチャネル以外の2つのサブチャネルの前記第1直線での正投影が重なる、請求項21に記載の表示基板。
【請求項23】
前記5つのサブチャネルは、順に接続された第1サブチャネル、第2サブチャネル、第3サブチャネル、第4サブチャネル及び第5サブチャネルを含み、前記第1サブチャネル、前記第3サブチャネル及び前記第5サブチャネルは前記第1方向に延びており、前記第1サブチャネルと前記第3サブチャネルは互いに平行であり、前記第1サブチャネル及び前記第5サブチャネルは、前記第1方向に延びている第3直線が通され、且つ前記第2直線での正投影が重ならず、前記第2サブチャネル及び前記第4サブチャネルは、前記第2方向に延びており、且つ互いに平行である、請求項22に記載の表示基板。
【請求項24】
各前記サブ画素の前記第2電極の前記ベース基板から離れた側に位置する画素画定層をさらに含み、前記画素画定層は、各サブ画素の発光領域を画定するための開口を含み、各前記サブ画素の有機発光層の少なくとも一部は前記開口内に位置し、前記画素画定層の開口の前記ベース基板での正投影は、各前記サブ画素の前記第2電極の前記本体電極の前記ベース基板での正投影内に位置し、
前記画素画定層において、各前記第3色サブ画素の発光領域を画定する開口の面積は、各前記第2色サブ画素の発光領域を画定する開口の面積より大きく、且つ各前記第1色サブ画素の発光領域を画定する開口の面積より小さい、請求項10又は11に記載の表示基板。
【請求項25】
少なくとも1つの前記第1色サブ画素の前記第2電極は、前記第3方向に、前記データラインと重なり、重なり部分は、前記第2方向における長さが前記第2方向における前記第2電極の最大長さの80%より大きい、請求項1~24のいずれかに記載の表示基板。
【請求項26】
少なくとも1つの前記第1色サブ画素の前記第2電極は、前記第3方向に、前記電源ラインと重なり、重なり部分は、前記第2方向における長さが前記第2方向における前記第2電極の最大長さの80%より大きい、請求項1~25のいずれかに記載の表示基板。
【請求項27】
少なくとも1つの前記第2色サブ画素において、前記第1接続孔の前記ベース基板での正投影は第1面積を有し、前記第2接続孔の前記ベース基板での正投影は第2面積を有し、前記第1面積と前記第2面積は異なる、請求項1~26のいずれかに記載の表示基板。
【請求項28】
少なくとも1つの前記第2色サブ画素において、前記第2方向に前記第1接続孔から前記発光制御信号ラインまでの第1間隔を有し、前記第2方向に前記第2接続孔から前記発光制御信号ラインまでの第2間隔を有し、前記第1間隔と前記第2間隔は異なる、請求項1~27のいずれかに記載の表示基板。
【請求項29】
請求項1~28のいずれかに記載の表示基板を備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年11月29日に提出されたPCT国際出願第PCT/CN2019/122129号の優先権を主張し、上記PCT国際出願で開示されている全内容は本願の一部として援用されている。
【0002】
本開示の少なくとも1つの実施例は表示基板及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
有機発光ダイオードは、自発光、高効率、鮮やかな色、軽量、薄型及び省エネ、可撓性や広い使用温度範囲などの利点を有し、大面積表示、照明及び車載表示などの分野にますます幅広く適用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の少なくとも1つの実施例は、表示基板及び表示装置を提供する。表示基板は、ベース基板と、ベース基板上に設置された複数の第1色サブ画素、複数の第2色サブ画素、及び複数の第3色サブ画素と、第1方向に延びている発光制御信号ラインと、第1方向と交差する第2方向に延びているデータラインと、ベース基板に垂直な第3方向にデータラインと重なる電源ラインと、を含む。少なくとも1つのサブ画素は、有機発光素子と、有機発光素子を駆動する画素回路とを含み、有機発光素子は第1電極、第2電極、及び第1電極と第2電極との間に設置された発光層を含み、画素回路は駆動トランジスタと、第1発光制御トランジスタとを含み、画素回路はデータラインと同一層に設置された接続構造をさらに含み、少なくとも1つの第2色サブ画素において、第2色サブ画素の第1発光制御トランジスタの第1極は、第1接続孔を介して接続構造に電気的に接続され、接続構造は、第2接続孔を介して第2色サブ画素の第2電極に電気的に接続され、第1接続孔の少なくとも一部のベース基板での正投影は、発光制御信号ラインのベース基板での正投影の一方側に位置し、第2接続孔の少なくとも一部のベース基板での正投影は、発光制御信号ラインのベース基板での正投影の他方側に位置し、少なくとも1つの第3色サブ画素において、第3色サブ画素の第2電極は、第3方向に、第3色サブ画素の有機発光素子を制御する駆動トランジスタのチャネルと重ならない。
【0005】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの第3色サブ画素の第2電極は、第3方向に、その他の色サブ画素の有機発光素子を制御する駆動トランジスタのチャネルのいずれとも重ならない。
【0006】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、表示基板は、各サブ画素の各トランジスタのチャネルとソースドレイン領域を含む活性半導体層を含み、接続構造は、接続構造と活性半導体層との間の無機層に位置する第1接続孔を介して活性半導体層に電気的に接続され、接続構造は、接続構造と第2電極との間の有機層及び無機層のうちの少なくとも一方に位置する第2接続孔を介して第2電極に電気的に接続され、第2色サブ画素において、第1接続孔のベース基板での正投影の中心と第2接続孔のベース基板での正投影の中心とは、それぞれ発光制御信号ラインのベース基板での正投影の両側に位置する。
【0007】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの第2色サブ画素において、第2色サブ画素の第1接続孔のベース基板での正投影は、第2色サブ画素の第2接続孔のベース基板での正投影よりも、第2色サブ画素の第2電極のベース基板での正投影から離れる。
【0008】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの第2色サブ画素において、第2色サブ画素の第2電極は、第3方向に、第2色サブ画素の有機発光素子を駆動する駆動トランジスタのチャネルと重なる。
【0009】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの第2色サブ画素の画素回路が接続するデータラインと第2色サブ画素の第2電極は、第1方向に互いに離間している。
【0010】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの第2色サブ画素の第2電極は、第3方向に、第3色サブ画素の画素回路に接続されたデータラインと重なる。
【0011】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの第1色サブ画素の第2電極及び少なくとも1つの第3色サブ画素の第2電極の、第2方向に延びている第1直線での正投影はいずれも、少なくとも1つの第2色サブ画素の接続構造の第1直線での正投影と重なる。
【0012】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの第3色サブ画素の第2電極の、第1方向に延びている第2直線での正投影は、少なくとも1つの第2色サブ画素の接続構造の第2直線での正投影と重なる。
【0013】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つのサブ画素の第2電極は、本体電極と接続電極を含み、接続電極が第1発光制御トランジスタに電気的に接続され、少なくとも1つの第1色サブ画素の本体電極の第1直線での正投影は、少なくとも1つの第2色サブ画素の接続構造の第1直線での正投影と重なる。
【0014】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの第3色サブ画素の本体電極の第2直線での正投影は、少なくとも1つの第2色サブ画素の接続構造の第2直線での正投影と重なる。
【0015】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、表示基板は、走査信号ラインとリセット制御信号ラインをさらに含む。少なくとも1つのサブ画素において、画素回路は、データ書込みトランジスタとリセットトランジスタをさらに含み、データ書込みトランジスタのゲートは、走査信号ラインに電気的に接続されて走査信号を受信するように配置され、リセットトランジスタのゲートは、リセット制御信号ラインに電気的に接続されてリセット制御信号を受信するように配置される。
【0016】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つのサブ画素において、画素回路は、第2発光制御トランジスタをさらに含み、第1発光制御トランジスタのゲート及び第2発光制御トランジスタのゲートはいずれも、発光制御信号ラインに電気的に接続されて発光制御信号を受信する。
【0017】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの第2色サブ画素の第2電極は、第3方向に走査信号ラインと重なる。
【0018】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの第2色サブ画素の第2電極は、第3方向に、該第2色サブ画素の画素回路に電気的に接続された走査信号ラインと重なる。
【0019】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの第1色サブ画素の第2電極及び少なくとも1つの第3色サブ画素の第2電極はいずれも、第3方向に、発光制御信号ラインと重なる。
【0020】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの第1色サブ画素の第2電極は、発光制御信号ラインの両側にそれぞれ位置する第1サブ電極部及び第2サブ電極部を含み、第1サブ電極部の面積が第2サブ電極部の面積より大きく、少なくとも1つの第1色サブ画素において、第2接続孔のベース基板での正投影の中心と第1サブ電極部のベース基板での正投影とは、それぞれ発光制御信号ラインのベース基板での正投影の両側に位置する。
【0021】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つのサブ画素において、画素回路は、記憶コンデンサーをさらに含み、記憶コンデンサーの第2極は駆動トランジスタのゲートとして多重化され、少なくとも1つの第1色サブ画素の記憶コンデンサーの第2極の面積は、少なくとも1つの第2色サブ画素の記憶コンデンサーの第2極の面積と異なる。
【0022】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの第1色サブ画素の第2電極の面積は、少なくとも1つの第2色サブ画素の第2電極の面積より大きく、且つ少なくとも1つの第1色サブ画素の記憶コンデンサーの第2極の面積は、少なくとも1つの第2色サブ画素の記憶コンデンサーの第2極の面積より大きい。
【0023】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの第2色サブ画素において、記憶コンデンサーの第1極は、第3方向に、接続構造と重なる。
【0024】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つのサブ画素において、サブ画素の駆動トランジスタのチャネルは、順に接続された複数のサブチャネルを含み、複数のサブチャネルの少なくとも一部は第1方向に延びており、且つ第1方向に延びている2つのサブチャネルの第2直線での正投影は重ならない。
【0025】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、複数のサブチャネルは、順に接続された5つのサブチャネルを含み、5つのサブチャネルのうち3つのサブチャネルが第1方向に延びており、3つのサブチャネルのうち2つのサブチャネルは、第2直線での正投影が重ならず、第1直線での正投影が重なり、5つのサブチャネルのうち3つのサブチャネル以外の2つのサブチャネルの第1直線での正投影が重なる。
【0026】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、5つのサブチャネルは、順に接続された第1サブチャネル、第2サブチャネル、第3サブチャネル、第4サブチャネル及び第5サブチャネルを含み、第1サブチャネル、第3サブチャネル及び第5サブチャネルは第1方向に延びており、第1サブチャネルと第3サブチャネルは互いに平行であり、第1サブチャネル及び第5サブチャネルは、第1方向に延びている第3直線が通され、且つ第2直線での正投影が重ならず、第2サブチャネル及び第4サブチャネルは、第2方向に延びており、且つ互いに平行である。
【0027】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、表示基板は、各サブ画素の第2電極のベース基板から離れた側に位置する画素画定層をさらに含み、画素画定層は、各サブ画素の発光領域を画定するための開口を含み、各サブ画素の有機発光層の少なくとも一部は開口内に位置し、画素画定層の開口のベース基板での正投影は、各サブ画素の第2電極の本体電極のベース基板での正投影内に位置し、画素画定層において、各第3色サブ画素の発光領域を画定する開口の面積は、各第2色サブ画素の発光領域を画定する開口の面積より大きく、且つ各第1色サブ画素の発光領域を画定する開口の面積より小さい。
【0028】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの第1色サブ画素の第2電極は、第3方向に、データラインと重なり、重なり部分は、第2方向における長さが、第2方向における第2電極の最大長さの80%より大きい。
【0029】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの第1色サブ画素の第2電極は、第3方向に、電源ラインと重なり、重なり部分は、第2方向における長さが、第2方向における第2電極の最大長さの80%より大きい。
【0030】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの第2色サブ画素において、第1接続孔のベース基板での正投影は第1面積を有し、第2接続孔のベース基板での正投影は第2面積を有し、第1面積と第2面積は異なる。
【0031】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの第2色サブ画素において、第2方向に第1接続孔から発光制御信号ラインまでの第1間隔を有し、第2方向に第2接続孔から発光制御信号ラインまでの第2間隔を有し、第1間隔と第2間隔は異なる。
【0032】
本開示の別の実施例は、上記表示基板を備える表示装置を提供する。
【0033】
本開示の実施例の技術案を明確に説明するために、以下、実施例の図面を簡単に説明するが、明らかなように、以下の説明における図面は、本開示のいくつかの実施例に関するものに過ぎず、本開示を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1A】
図1Aは本開示の実施例に係るアレイ基板の平面模式図である。
【
図1C】
図1Cは本開示の実施例に係るアレイ基板の平面模式図である。
【
図1D】
図1D及び
図1Eはそれぞれ第1色サブ画素及び第2色サブ画素の駆動トランジスタの模式的平面図である。
【
図1E】
図1D及び
図1Eはそれぞれ第1色サブ画素及び第2色サブ画素の駆動トランジスタの模式的平面図である。
【
図2】
図2は本開示の実施例に係るアレイ基板の製作方法の模式的フローチャートである。
【
図3】
図3は本開示の実施例の第2例において各色サブ画素に入力されたデータ信号及び各色サブ画素の有機発光素子を流れる飽和電流のシミュレーション曲線図である。
【
図4】
図4は本開示の一実施例におけるチャネルアスペクト比が異なる駆動トランジスタのゲート電圧及び飽和電流の曲線図である。
【
図5A】
図5A~
図5Cはそれぞれ各色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比と充電率との関係図である。
【
図5B】
図5A~
図5Cはそれぞれ各色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比と充電率との関係図である。
【
図5C】
図5A~
図5Cはそれぞれ各色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比と充電率との関係図である。
【
図6】
図6は本開示の実施例に係る表示基板の模式的ブロック図である。
【
図7】
図7は本開示の実施例に係る表示基板の繰り返しユニットの模式図である。
【
図8】
図8は本開示の実施例に係る表示基板の平面模式図である。
【
図9A】
図9A~10Aは本開示のいくつかの実施例に係る画素回路の各層の模式図である。
【
図9B】
図9A~10Aは本開示のいくつかの実施例に係る画素回路の各層の模式図である。
【
図9C】
図9A~10Aは本開示のいくつかの実施例に係る画素回路の各層の模式図である。
【
図9D】
図9A~10Aは本開示のいくつかの実施例に係る画素回路の各層の模式図である。
【
図9E】
図9A~10Aは本開示のいくつかの実施例に係る画素回路の各層の模式図である。
【
図10A】
図9A~10Aは本開示のいくつかの実施例に係る画素回路の各層の模式図である。
【
図11A】
図11Aは本開示の一実施例の一例に係るアレイ基板の部分構造模式図である。
【
図12】
図12は本実施例の別の例に係るアレイ基板の部分構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本開示の実施例の図面を参照しながら、本開示の実施例の技術案を明確かつ完全に説明する。明らかなように、説明される実施例は本開示の実施例の一部であり、すべての実施例ではない。当業者が説明される本開示の実施例に基づいて創造的な努力を必要とせずに得るすべてのほかの実施例は、本開示の保護範囲に属する。
【0036】
特に定義されない限り、本開示で使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解できる一般的な意味を有する。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似する用語はいずれの順番、数又は重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するためのものに過ぎない。「含む」又は「備える」などの類似する用語は、該用語の前に記載された素子又は部材が、該用語の後に列挙される素子又は部材及びその同等物を含むことを指し、他の素子又は部材を排除しない。
【0037】
本開示の少なくとも1つの実施例は、表示基板及び表示装置を提供する。表示基板は、ベース基板、ベース基板上に設置された複数の第1色サブ画素、複数の第2色サブ画素、及び複数の第3色サブ画素と、第1方向に延びている発光制御信号ラインと、第1方向と交差する第2方向に延びているデータラインと、ベース基板に垂直な第3方向にデータラインと重なる電源ラインと、を含む。少なくとも1つのサブ画素は、有機発光素子と、有機発光素子を駆動する画素回路とを含み、有機発光素子は第1電極、第2電極、及び第1電極と第2電極との間に設置された発光層を含み、画素回路は駆動トランジスタと、第1発光制御トランジスタとを含み、画素回路はデータラインと同一層に設置された接続構造をさらに含み、少なくとも1つの第2色サブ画素において、第2色サブ画素の第1発光制御トランジスタの第1極は、第1接続孔を介して接続構造に電気的に接続され、接続構造は、第2接続孔を介して第2色サブ画素の第2電極に電気的に接続され、第1接続孔の少なくとも一部のベース基板での正投影は、発光制御信号ラインのベース基板での正投影の一方側に位置し、第2接続孔の少なくとも一部のベース基板での正投影は、発光制御信号ラインのベース基板での正投影の他方側に位置し、少なくとも1つの第3色サブ画素において、第3色サブ画素の第2電極は、第3方向に、第3色サブ画素の有機発光素子を制御する駆動トランジスタのチャネルと重ならない。本開示は、画素配列構造を提供し、該画素配列構造では、2つの接続孔と発光制御信号ラインとの位置関係の設定及び第3色サブ画素の第2電極と駆動トランジスタのチャネルとの位置関係の設定により、画素配列のコンパクトさを向上させて、画素解像度を向上させ、これに加えて、接続構造を介して第2色サブ画素を効果的に発光駆動する。本開示は、異なる層のデータライン及び電源ライン、すなわち二重層信号ラインを設置することで、画素のコンパクトな配列及び最適化な配線方式を実現することができる。
【0038】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施例に係る表示基板及び表示装置を説明する。
【0039】
図1Aは本開示の実施例に係るアレイ基板の平面模式図であり、
図1Bは
図1Aに示すアレイ基板がAA線に沿って切断された部分断面模式図である。
図1Aに示すように、本開示の実施例は、ベース基板100、ベース基板100上に位置する第1色サブ画素110及び第2色サブ画素120を含むアレイ基板を提供する。第1色サブ画素110は第1駆動トランジスタ111を含み、第2色サブ画素120は第2駆動トランジスタ121を含み、且つ第1駆動トランジスタ111のチャネルアスペクト比W1/L1が、第2駆動トランジスタ121のチャネルアスペクト比W2/L2より大きい。つまり、第1駆動トランジスタ111のチャネル幅がW1であり、チャネル長さがL1であり、第2駆動トランジスタ121のチャネル幅がW2であり、チャネル長さがL2であり、且つW1/L1>W2/L2である。
図1Aは、第1駆動トランジスタと第2駆動トランジスタのチャネル長さが同じであるが、チャネル幅が異なることを模式的に示す。本開示の実施例は、それに制限されず、第1駆動トランジスタと第2駆動トランジスタのチャネル幅が同じであるが、チャネル長さが異なる、又は第1駆動トランジスタと第2駆動トランジスタのチャネル幅及びチャネル長さがいずれも異なるようにしてもよい。
【0040】
本開示の実施例は、アレイ基板上の異なる色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比を最適化させることで、該アレイ基板を含む表示装置の輝度を向上させることができる。
【0041】
いくつかの例では、第1色サブ画素の電流効率は第2色サブ画素の電流効率未満である。ここでの電流効率とは、各色サブ画素の単位電流あたりの発光強度を指す(単位はカンデラ/アンペア、cd/A)。異なる色サブ画素の電流効率に差異が存在するため、異なる色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比を相違に設定することで、該アレイ基板を含む表示装置で表示される白色光が最高階調である場合、第1色光の輝度不足の現象を防止することができる。
【0042】
いくつかの例では、第1色サブ画素110は青色サブ画素、第2色サブ画素120は赤色サブ画素又は緑色サブ画素である。本開示の実施例は、青色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比を赤色サブ画素又は緑色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比より大きく設定することで、該アレイ基板を含む表示装置で表示される白色光が最高階調である場合、青色光の輝度不足の現象が生じ、最高階調の白色光のホワイトバランスの色座標が設計値からずれることを防止することができる。
【0043】
上記ホワイトバランス(white balance)とは白色のバランスを意味し、すなわち、表示装置で表示される赤、緑、青の三原色が混合してなる白色光の精度の指標の1つである。
【0044】
例えば、第1色サブ画素110は青色サブ画素であってもよく、第2色サブ画素120は黄色サブ画素であってもよい。
【0045】
例えば、
図1Cは本開示の実施例に係るアレイ基板の平面模式図である。
図1Cに示すように、アレイ基板は第3色サブ画素130をさらに含んでもよく、第3色サブ画素130は第3駆動トランジスタ131を含む。
【0046】
例えば、第1色サブ画素110は青色サブ画素、第2色サブ画素120は赤色サブ画素、第3色サブ画素130は緑色サブ画素である。
【0047】
例えば、製作し易さから、赤色サブ画素の第2駆動トランジスタ121のチャネルアスペクト比は緑色サブ画素の第3駆動トランジスタ131のチャネルアスペクト比と同じであってもよい。ただし、それに制限されず、赤色サブ画素及び緑色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比は、表示装置が高輝度表示を行うときの各色光の輝度ニーズに応じて調節されてもよい。
【0048】
いくつかの例では、赤色サブ画素、緑色サブ画素及び青色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比の比率は1:(0.7~1.3):(1.5~2.5)であり、それにより、表示装置で表示される白色光の輝度が800ニット、ひいては1000ニットである場合、青色光の輝度不足の現象は生じない。
【0049】
いくつかの例では、実際のプロセスで製作する場合の容易さから、赤色サブ画素、緑色サブ画素及び青色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比の比率は1:1:2であってもよい。
【0050】
いくつかの例では、
図1D及び
図1Eはそれぞれ第1色サブ画素及び第2色サブ画素の駆動トランジスタの模式的平面図である。
図1D及び
図1Eに示すように、第1色サブ画素110の第1駆動トランジスタ111の活性層とゲート114との重なり部分はそのチャネルとなり、該第1駆動トランジスタ111のチャネルアスペクト比W1/L1は5/25であってもよい。第2色サブ画素120の第2駆動トランジスタ121のゲート124と重なる部分はそのチャネルとなり、該第2駆動トランジスタ121のチャネルアスペクト比W2/L2は3/30であってもよい。例えば、
図1Dに示すように、第1駆動トランジスタ111の活性層とX方向に延びているゲート114のエッジとの重なり部分の中心点はそれぞれO及びO’とされ、第1駆動トランジスタ111の活性層とゲート114との重なり部分の中心線C1はOからO’まで延びている。この場合、上記チャネルアスペクト比に関しては、「長さ」とは中心線C1の長さL1を指し、「幅」とは第1駆動トランジスタ111とX方向に延びているゲート114のエッジとの重なり部分のサイズを指す。同様に、
図1Eに示すように、第2駆動トランジスタ121のチャネルアスペクト比に関しては、「長さ」とはその中心線C2の長さL2を指し、「幅」とは第2駆動トランジスタ121の活性層とX方向に延びているゲート124のエッジとの重なり部分のサイズを指す。
【0051】
例えば、
図1Eに示すように、少なくとも1つの画素ユニットにおいて、各サブ画素の駆動トランジスタT1のチャネルは、順に接続された複数のサブチャネルを含み、複数のサブチャネルの少なくとも一部は第1方向に延びており、且つ第1方向に延びている2つのサブチャネルの、第1方向に延びている第2直線での正投影は重ならない。
【0052】
例えば、
図1Eに示すように、複数のサブチャネルは、順に接続された5つのサブチャネルT1c-1、T1c-2、T1c-3、T1c-4及びT1c-5を含み、3つのサブチャネルT1c-1、T1c-3及びT1c-5は第1方向に延びており、2つのサブチャネルT1c-2及びT1c-4の、第2方向に延びている第1直線での正投影は重なり、3つのサブチャネルT1c-1、T1c-3及びT1c-5のうち、2つのサブチャネルT1c-1及びT1c-5の第2直線での正投影は重ならないが、第1直線での正投影は重なる。
【0053】
例えば、
図1Eに示すように、5つのサブチャネルT1c-1、T1c-2、T1c-3、T1c-4及びT1c-5は、順に接続された第1サブチャネルT1c-1、第2サブチャネルT1c-2、第3サブチャネルT1c-3、第4サブチャネルT1c-4及び第5サブチャネルT1c-5を含み、第1サブチャネルT1c-1、第3サブチャネルT1c-3及び第5サブチャネルT1c-5は第1方向に延びており、第1サブチャネルT1c-1と第3サブチャネルT1c-3は互いに平行であり、第1サブチャネルT1c-1及び第5サブチャネルT1c-5は、第1方向に延びている第3直線が通され、且つ第2直線での正投影が重ならず、第2サブチャネルT1c-2と第4サブチャネルT1c-4は互いに平行である。
【0054】
例えば、
図1Dに示すように、チャネルの幅が大きい場合、駆動トランジスタT1のチャネルは、順に接続された3つのサブチャネルを含み、この3つのサブチャネルはいずれも第1方向に延びており、且つ略「n」字形のチャネル形状となる。
【0055】
例えば、
図1D及び
図1Eに示すように、青色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比は5/25であってもよく、緑色サブ画素及び赤色サブ画素のチャネルアスペクト比はいずれも3/30であってもよい。
【0056】
本開示の実施例は、各色サブ画素の駆動トランジスタの具体的なチャネルアスペクト比を制限せず、各色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比の比率は上記値の範囲を満たせばよい。
【0057】
いくつかの例では、アレイ基板の各色サブ画素は、有機発光素子、有機発光素子発光層及び有機発光層の両側に位置する第1電極と第2電極を含み、第1電極及び第2電極の一方が駆動トランジスタに接続され、すなわち、本開示の実施例のアレイ基板は、有機発光ダイオード表示装置に適用されるアレイ基板である。
【0058】
例えば、
図1A及び
図1Bに示すように、第1色サブ画素110は、第1有機発光層112、第1有機発光層112のベース基板100から離れた側に位置する第1電極114、及び第1有機発光層112のベース基板100に向く側に位置する第2電極113を含み、且つ第2電極113が第1駆動トランジスタ111のソース及びドレインの一方に接続される。第2色サブ画素120は、第2有機発光層122、第2有機発光層122のベース基板100から離れた側に位置する第1電極124、及び第2有機発光層122のベース基板100に向く側に位置する第2電極123を含み、且つ第2電極123が第2駆動トランジスタ121のソース及びドレインの一方に接続される。
図1Bに示す異なる色サブ画素の第1電極は共通電極であってもよく、プロセスを減少するために、異なる色サブ画素の第1電極は同一層に同種材料で製作されてもよい。
【0059】
例えば、
図1Cに示すように、第3色サブ画素130の有機発光素子の第2電極133は、第3駆動トランジスタ131のソース及びドレインの一方に接続される。
【0060】
例えば、
図1Bに示すように、アレイ基板は、隣接する有機発光層の間に位置する画素画定層101、及び第2電極と駆動トランジスタとの間に位置する平坦層102をさらに含む。
【0061】
例えば、各色サブ画素の第1電極は陰極であってもよく、陰極は各色サブ画素の負の電圧の接続電極として、優れた導電性及び低い仕事関数値を有し、本実施例は、この場合を含むが、それに制限されない。各色サブ画素の第2電極は陽極であってもよく、陽極は各色サブ画素の正の電圧の接続電極として、優れた導電性及び高い仕事関数値を有し、本実施例は、この場合を含むが、それに制限されない。
【0062】
例えば、本開示の実施例では、各色サブ画素の駆動トランジスタとしては低温ポリシリコン(LTPS)薄膜トランジスタを使用することができ、低温ポリシリコン薄膜トランジスタを含むサブ画素に関しては、有機発光素子を流れる飽和電流Iは下記関係を満たす。
【0063】
【0064】
上記関係式(1)では、W及びLはそれぞれ駆動トランジスタのチャネル幅及びチャネル長さであり、K1は駆動トランジスタのチャネル移動度及び単位面積のチャネルの容量に関連し、Vgs及びVthはそれぞれ駆動トランジスタのゲートソース間電圧及び閾値電圧であり、K1は各駆動トランジスタのチャネルの特性により決められる係数、例えばチャネル移動度などである。
【0065】
上記飽和電流I、サブ画素の輝度Y及び電流効率Eは下記関係を満たす。
【0066】
【0067】
上記関係式(1)及び関係式(2)から以下の関係式が得られる。
【0068】
【0069】
関係式(3)から、各色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比は下記関係を満たす。
【0070】
【0071】
K2はK1、(Vgs-Vth)2及びSに関する係数である。このことから、第1色サブ画素の第1駆動トランジスタのチャネルアスペクト比、第2色サブ画素の第2駆動トランジスタのチャネルアスペクト比及び第3色サブ画素の第3駆動トランジスタはいずれも上記関係式(4)を満たす。
【0072】
上記関係式(2~4)では、Sは、アレイ基板に含まれる有効表示領域の面積である。本開示の実施例に係るアレイ基板を含む表示装置では、Sは表示装置のディスプレイスクリーンの有効表示領域の面積である。本開示の実施例では、上記Yは、各色サブ画素について混合して形成される白色光がホワイトバランスであることを満たす場合の各色サブ画素の輝度である。
【0073】
例えば、本開示の実施例では、Yは、各色サブ画素について混合して形成される白色光が最高階調であることを満たす場合、各色サブ画素がディスプレイスクリーンを経て表示に用いられるときの最大輝度であることを例として説明する。例えば、Yは、有機発光素子から発光された光がディスプレイスクリーンを透過した後の表示輝度である。例えば、通常、上記アレイ基板を含む表示装置の表示側には円偏光板、タッチパネルなどがあるため、白色光に対するディスプレイスクリーンの全体透過率Tが一般的に0.4程度であり、異なる色光の全体透過率にはわずかな差異があり、計算の利便性から、本実施例では、白色光、赤色光、緑色光及び青色光に対するスクリーンの全体透過率をいずれも0.42とし、本実施例は、この場合を含むが、これに制限されない。
【0074】
例えば、上記関係式(4)に基づき、アレイ基板に含まれる赤色サブ画素、緑色サブ画素及び青色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比は下記比率関係式(5)を満たす。
【0075】
【0076】
例えば、プロセス中に生じる均一性のムラを考慮しないと、各色サブ画素の駆動トランジスタのチャネル移動度及び単位面積のチャネルの容量はいずれも同一の値である。
【0077】
Vth補償を考慮すると、例えば駆動トランジスタに対しては、ゲートとソースの間の電圧差Vgs=Vdata+Vth-Vddであり、駆動トランジスタは飽和状態であり、有機発光素子に充電し、出力する飽和電流Iが以下のとおりである。
【0078】
【0079】
上記Vdataは駆動トランジスタを含むサブ画素に入力されるデータ信号であり、Vddは駆動トランジスタに入力される電源電圧である。各サブ画素に対しては、電源電圧Vddが一定である場合、駆動電流Iの大きさはデータ信号Vdata(すなわち表示データ電圧)に直接関連する。データ信号Vdataが電源電圧Vddに等しい場合、駆動トランジスタの出力電流Iはゼロであり、つまり有機発光素子を流れる電流がなく、この場合、該有機発光素子を含むサブ画素は発光せず、すなわち黒色として表示し、データ信号Vdataが電源電圧Vddに等しくない場合、駆動トランジスタの出力電流Iはゼロではなく、つまり、有機発光素子を流れる電流があり、この場合、該有機発光素子を含むサブ画素は発光する。且つ、データ信号Vdataと電源電圧Vddとの差の値が大きいほど、出力電流Iが大きく、対応するサブ画素で表示される階調が高く、サブ画素の輝度が大きい。
【0080】
実際のプロセス中に生じる均一性のムラを考慮すると、関係式(5)及び関係式(6)に従って各色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比間の比率を算出した後、プロセスを満たすために、該比を所定の範囲で調整することができる。例えば、上記比率関係に従って算出された各色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比間の比率が1:0.97:2.03である場合、設計及び生産過程の容易さから、上記比を1:1:2に調整するように考慮してもよい。
【0081】
例えば、
図2は本開示の実施例に係るアレイ基板の製作方法の模式的フローチャートである。
図2に示すように、本開示の実施例に係る各色サブ画素の駆動トランジスタの製作方法は、ステップS101~S103を含む。
【0082】
S101、アレイ基板を含む表示装置の光学パラメータを取得し、光学パラメータに基づき各色サブ画素のプリセット輝度を計算する。
【0083】
いくつかの例では、アレイ基板は、3つの色サブ画素、すなわち青色サブ画素(第1色サブ画素)、赤色サブ画素(第2色サブ画素)及び緑色サブ画素(第3色サブ画素)を含む。青色サブ画素から発光される青色光の物体色の三刺激値は(X[B]、Y[B]、Z[B])であり、緑色サブ画素から発光される緑色光の物体色の三刺激値は(X[G]、Y[G]、Z[G])であり、赤色サブ画素から発光される赤色光の物体色の三刺激値は(X[R]、Y[R]、Z[R])であり、青色光、緑色光及び赤色光が混合して形成する白色光の物体色の三刺激値は(X[W]、Y[W]、Z[W])である。ここでの物体色の三刺激値とは、物体による反射光の色とマッチングするのに必要な赤、緑、青の三原色(ここでの三原色は物理的な本物の色ではなく、想像的な仮想色である)の数を指し、また物体色の色度値を指す。物体色とは、目で見た物体の色、つまり物体により反射又は透過された後の光の色である。
【0084】
例えば、上記各色サブ画素の物体色の三刺激値X、Y及びZはそれぞれ以下を満たす。
【0085】
【0086】
上記関係式(7)では、Ф(λ)は、波長λの光の発光スペクトルと波長との関数を示し、上記
【0087】
【0088】
【0089】
及び
【0090】
【0091】
は、それぞれスペクトルの三刺激値を示し、CIE1931測色標準観測者スペクトル三刺激値とも呼ばれる。なお、上記各色光三刺激値のうち、Yは、マッチング対象の色光の輝度が、表示装置で混合して形成される白色光がホワイトバランス状態であることを満たす場合に達成し得る最大輝度を示す。従って、Y[B]、Y[G]、Y[R]及びY[W]は、それぞれ白色光がホワイトバランス状態である青色光、緑色光、赤色光及び白色光の最大輝度であり、該最大輝度は本開示の実施例における各色光のプリセット輝度である。
【0092】
例えば、各色光の色座標の中心値が(x、y、z)であり、且つ各色光の色座標の中心値と物体色の三刺激値は下記関係を満たす。
【0093】
【0094】
上記関係式(8)に基づき、下記式が得られる。
【0095】
【0096】
上記色座標と物体色の色度値との関係に基づき、各色サブ画素のプリセット色座標を取得すると、物体色の色度値のうちの3つのパラメータの比率関係が得られる。
【0097】
例えば、加法混色理論に基づき、赤色光、緑色光及び青色光が混合して形成する白色光の物体色の色度値と3つの光の物体色の色度値は下記関係を満たす。
【0098】
【0099】
上式を行列形式とすれば、以下となる。
【0100】
【0101】
上記赤色光、緑色光及び青色光の最大輝度Y[R]、Y[G]及びY[B]は逆行列で求められる。
【0102】
【0103】
よって、白色光に対する赤色光、緑色光及び青色光の割合はそれぞれ、Y[R]/Y[W]、Y[G]/Y[W]、Y[B]/Y[W]である。
【0104】
いくつかの例では、異なる色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比間の比率を設計する際に、該アレイ基板を有機発光ダイオード表示装置に適用した後の光学パラメータを考慮しなければならない。
【0105】
いくつかの例では、光学パラメータは、該有機発光ダイオード表示装置から発光される白色光の目標輝度(プリセット輝度、例えばディスプレイスクリーンを透過した後の最大輝度)、白色光の目標ホワイトバランス座標(プリセットホワイトバランス座標)及び各色サブ画素の目標色座標中心値(プリセット色座標)、例えば第1色サブ画素、第2色サブ画素及び第3色サブ画素のプリセット色座標を含み得る。
【0106】
例えば、光学パラメータに基づき各色サブ画素のプリセット輝度を計算することは、白色光のプリセットホワイトバランス座標及び白色光のプリセット輝度に基づき、白色光の物体色の色度値(X[W]、Y[W]、Z[W])を得ることと、行列関係式(12)及び各色サブ画素のプリセット色座標に基づき、各色サブ画素のプリセット輝度を算出することとを含む。
【0107】
例えば、本開示の実施例の第1例では、白色光のプリセット輝度は800ニット、白色光のプリセットホワイトバランス座標は(0.30,0.32)とされてもよい。白色光の物体色の色度値のうちYが800であるので、関係式(8~9)に基づき、白色光の物体色の色度値は(750,800,950)である。
【0108】
例えば、赤色サブ画素のプリセット色座標の中心値は(0.685,0.315)、緑色サブ画素のプリセット色座標の中心値は(0.252,0.718)、青色サブ画素のプリセット色座標の中心値は(0.135,0.05)とされてもよい。本開示の実施例は、これを制限せず、具体的なニーズに応じて決められる。
【0109】
上記関係式(8~10)及び関係式(12)に基づき、下記式が得られる。
【0110】
【0111】
上記計算過程に基づき、各色サブ画素のプリセット輝度(すなわちディスプレイスクリーンを透過した後の最大輝度)を算出でき、赤色サブ画素のプリセット輝度は184.1ニットであり、緑色サブ画素のプリセット輝度は559.1ニットであり、青色サブ画素のプリセット輝度は56.8ニットである。上記計算中の白色光のプリセット輝度800ニットは、アレイ基板を含む表示装置のディスプレイスクリーンの全体透過率を考慮した最大輝度であり、従って、各色サブ画素のプリセット輝度も、ディスプレイスクリーンの全体透過率を考慮した最大輝度である。
【0112】
例えば、本開示の実施例の第2例では、白色光のプリセット輝度は800ニットに設定されてもよく、白色光のプリセットホワイトバランス座標は(0.307,0.321)であってもよく、この場合、白色光の物体色の色度値は(765.1,800,927.1)である。
【0113】
例えば、赤色サブ画素のプリセット色座標の中心値は(0.697,0.303)、緑色サブ画素のプリセット色座標の中心値は(0.290,0.68)、青色サブ画素のプリセット色座標の中心値は(0.132,0.062)であってもよい。上記関係式(8~10)及び関係式(12)に基づき、赤色サブ画素のプリセット輝度は163.2ニットであり、緑色サブ画素のプリセット輝度は567.4ニットであり、青色サブ画素のプリセット輝度は69.4ニットである。
【0114】
例えば、本開示の実施例の第3例では、白色光のプリセット輝度は1000ニットに設定されてもよく、白色光のプリセットホワイトバランス座標は(0.307,0.321)であってもよく、この場合、白色光の物体色の色度値は(956.4,1000,1158.9)である。
【0115】
例えば、赤色サブ画素のプリセット色座標の中心値は(0.698,0.302)、緑色サブ画素のプリセット色座標の中心値は(0.298,0.662)、青色サブ画素のプリセット色座標の中心値は(0.137,0.062)であってもよい。上記関係式(8~10)及び関係式(12)に基づき、赤色サブ画素のプリセット輝度は190.4ニットであり、緑色サブ画素のプリセット輝度は723.3ニットであり、青色サブ画素のプリセット輝度は86.3ニットである。
【0116】
S102、各色サブ画素のプリセット電流効率を取得する。
【0117】
例えば、各色サブ画素の電流効率は、光学測定機器及び電気測定機器によって直接測定され得る。光学測定機器は、例えば分光光度計PR788であってもよく、電気測定機器は、例えばデジタルソースメータKeithley 2400であってもよい。異なる色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比を設計する過程で、一般的な表示装置の各色サブ画素について測定された電流効率に基づき、必要なプリセット電流効率を取得することができる。異なる色サブ画素の有機発光素子の異なる材料によって、各有機発光素子のプリセット電流効率が異なる。
【0118】
例えば、上記第1例では、赤色サブ画素、緑色サブ画素及び青色サブ画素の電流効率はそれぞれ48cd/A、118cd/A及び7.2cd/Aである。
【0119】
例えば、本開示の実施例のアレイ基板を含む表示装置の有効表示領域の面積が0.031981平方メートルであることを例として、上記関係式(3)に基づき、赤色サブ画素、緑色サブ画素及び青色サブ画素に必要な電流はそれぞれ292ミリアンペア、361ミリアンペア及び601ミリアンペアである。なお、電流を計算する際に使用される輝度はスクリーンの全体透過率を考慮した輝度であり、本開示の実施例では、ディスプレイスクリーンの全体透過率が42%とされる場合、赤色サブ画素の電流計算用の輝度が438.3ニットであり、緑色サブ画素の電流計算用の輝度が1331.2ニットであり、青色サブ画素の電流計算用の輝度が135.2ニットである。
【0120】
上記パラメータから明らかなように、各色サブ画素の駆動トランジスタに同一のチャネルアスペクト比が使用される場合、青色サブ画素に供給されるべき電流は赤色サブ画素に供給されるべき電流の2.06倍であり、青色サブ画素に供給されるべき電流は緑色サブ画素に供給されるべき電流の1.67倍である。よって、青色サブ画素の駆動トランジスタは駆動能力不足によりこれほど大きな電流を供給できず、その結果、表示装置の青色光の輝度不足が生じ、白色光のホワイトバランスに悪影響を与える恐れがある。
【0121】
例えば、上記第2例では、赤色サブ画素、緑色サブ画素及び青色サブ画素の電流効率はそれぞれ24cd/A、98cd/A及び5.8cd/Aである。
【0122】
例えば、上記アレイ基板を含む表示装置の有効表示領域の面積が0.031981平方メートルであることを例として、上記関係式(3)に基づき、赤色サブ画素、緑色サブ画素及び青色サブ画素に必要な電流はそれぞれ518ミリアンペア、441ミリアンペア及び911ミリアンペアである。
【0123】
上記パラメータから明らかなように、各色サブ画素の駆動トランジスタに同一のチャネルアスペクト比が使用される場合、青色サブ画素に供給されるべき電流はそれぞれ、赤色サブ画素及び緑色サブ画素に供給されるべき電流の1.76及び2.06倍である。よって、青色サブ画素の駆動トランジスタは駆動能力不足によりこれほど大きな電流を供給できず、その結果、表示装置の青色光の輝度不足が生じ、白色光のホワイトバランスに悪影響を与える恐れがある。
【0124】
例えば、上記第3例では、赤色サブ画素、緑色サブ画素及び青色サブ画素の電流効率はそれぞれ30cd/A、118cd/A及び8cd/Aである。
【0125】
例えば、上記アレイ基板を含む表示装置の有効表示領域の面積が0.031981平方メートルであることを例として、上記関係式(3)に基づき、赤色サブ画素、緑色サブ画素及び青色サブ画素に必要な電流はそれぞれ483ミリアンペア、467ミリアンペア及び821ミリアンペアである。
【0126】
上記パラメータから明らかなように、各色サブ画素の駆動トランジスタに同一のチャネルアスペクト比が使用される場合、青色サブ画素に供給されるべき電流はそれぞれ、赤色サブ画素及び緑色サブ画素に供給されるべき電流の1.7及び1.76倍である。よって、青色サブ画素の駆動トランジスタは駆動能力不足によりこれほど大きな電流を供給できず、その結果、表示装置の青色光の輝度不足が生じ、白色光のホワイトバランスに悪影響を与える恐れがある。
【0127】
本開示の実施例は、青色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比を他の色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比よりも大きく設計することで、青色サブ画素の駆動トランジスタが青色サブ画素の最大輝度又は最高階調に必要な電流値を提供できるようにし、それにより、表示装置の白色光がプリセットホワイトバランス色座標状態である場合、白色光の輝度が800ニット以上に達することを確保する。
【0128】
S103、各色サブ画素のプリセット輝度及びプリセット電流効率に基づき、各色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比の比率を計算する。
【0129】
例えば、第1色サブ画素及び第2色サブ画素のプリセット電流効率をそれぞれE1及びE2、第1色サブ画素及び第2色サブ画素のプリセット輝度をそれぞれY1及びY2とすると、第1色サブ画素及び第2色サブ画素のプリセット輝度、及びプリセット電流効率に基づき、第1駆動トランジスタのチャネルアスペクト比と第2駆動トランジスタのチャネルアスペクト比との比率を計算することは、
第1駆動トランジスタのチャネルアスペクト比をW1/L1、第2駆動トランジスタのチャネルアスペクト比をW2/L2として設定することと、
第1色サブ画素に入力されるプリセットデータ信号Vdata1、第2色サブ画素に入力されるプリセットデータ信号Vdata2、各色サブ画素に入力されるプリセット電源電圧Vddを取得することと、
第1駆動トランジスタのチャネルアスペクト比と第2駆動トランジスタのチャネルアスペクト比との比率が大体満たす比率関係式(W1/L1):(W2/L2)に基づき、比率を算出することとを含む。
【0130】
例えば、青色サブ画素、赤色サブ画素及び緑色サブ画素のプリセット電流効率はそれぞれEB、ER及びEGとされ、青色サブ画素、赤色サブ画素及び緑色サブ画素のプリセット輝度はそれぞれY[B]、Y[R]及びY[B]とされる。
【0131】
例えば、上記パラメータ及び関係式(5)に基づき、各色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比の比率を計算できる。各色サブ画素に入力されるプリセットデータ信号Vdataがいずれも同じであり、且つ各色サブ画素の輝度が表示装置の最高輝度又は最高階調であるとされる場合、赤色サブ画素、緑色サブ画素及び青色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比は下記比率関係式(13)を満たす。
【0132】
【0133】
上記第1例のパラメータを関係式(13)に代入すると、下記式が得られる。
【0134】
【0135】
上記第2例のパラメータを関係式(13)に代入すると、下記式が得られる。
【0136】
【0137】
上記第3例のパラメータを関係式(13)に代入すると、下記式が得られる。
【0138】
【0139】
実際の表示過程で、各色サブ画素が略同じデータ信号の範囲を有するために、各色サブ画素に入力されるデータ信号の差を小さく設計することができる(例えば、異なる色サブ画素に入力されるデータ信号の差を1.5V以下にする)。
【0140】
実際のプロセス能力の差異を考慮すると、赤色サブ画素、緑色サブ画素及び青色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比の比率は1:1:2に設定され得る。本開示の実施例はそれに制限されず、赤色サブ画素、緑色サブ画素及び青色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比の比率は1:(0.7~1.3):(1.5~2.5)の範囲を満たせばよい。
【0141】
例えば、上記各色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比間の比率関係に基づき、青色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比は5/25、緑色サブ画素及び赤色サブ画素のチャネルアスペクト比はいずれも3/30に設計され得る。本開示の実施例はそれに制限されず、実際のプロセスのニーズに応じて調節され得る。例えば、上記各色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比間の比率関係に基づき、青色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比は4/25~6.5/25、緑色サブ画素及び赤色サブ画素のチャネルアスペクト比はいずれも2.4/30~4/30に設計され得る。
【0142】
図3は本開示の実施例の第2例において各色サブ画素のデータ電圧、及び各色サブ画素の有機発光素子を駆動する薄膜トランジスタのドレインとソース間の電流のシミュレーション曲線図である。上記第2例における各色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比の比率関係(すなわち(W/L)
R:(W/L)
G:(W/L)
B≒1:1:2)に基づき、各色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比を設定することにより、
図3に示すシミュレーション曲線図が得られる。
図3に示すように、該表示装置の有効表示面積が0.031981m
2、解像度が1920*720、各色サブ画素に入力されるプリセットデータ電圧がいずれも-2.118Vであるとされる場合、青色サブ画素110の有機発光素子を駆動する薄膜トランジスタのドレインとソースの間を流れる電流が約666.9ナノアンペアであれば、すべての青色サブ画素に必要な電流値は666.9*1920*720ナノアンペア、すなわち921ミリアンペアであり、赤色サブ画素120の有機発光素子を駆動する薄膜トランジスタのドレインとソースの間を流れる電流が約322.9ナノアンペアであれば、すべての赤色サブ画素に必要な電流値は322.9*1920*720ナノアンペア、すなわち446ミリアンペアであり、緑色サブ画素130の有機発光素子を駆動する薄膜トランジスタのドレインとソースの間を流れる電流が約378.3ナノアンペアであれば、すべての緑色サブ画素に必要な電流値は378.3*1920*720ナノアンペア、すなわち523ミリアンペアである。該シミュレーション曲線の結果は第2例の各色サブ画素に必要な電流の数値とほぼ一致する。よって、青色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比を他の色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比よりも大きく設計することで、青色サブ画素の駆動トランジスタが青色サブ画素の最大輝度又は最高階調に必要な電流値を提供できるようにし、それにより、白色光がホワイトバランス状態である場合、白色光の輝度が800ニット以上に達することを確保する。
【0143】
図4はチャネルアスペクト比が異なる駆動トランジスタのゲート電圧、及びドレインとソース間の電流の曲線図である。
図4の異なる曲線は、それぞれ異なるチャネルアスペクト比を表し、
図4に示すように、チャネルアスペクト比が3/35の駆動トランジスタでは、該駆動トランジスタの閾値電圧は-2.47094V、ゲート電圧は-5.9Vであり、チャネルアスペクト比が4/35の駆動トランジスタでは、該駆動トランジスタの閾値電圧は-2.5126Vであり、ゲート電圧は-5.9Vであり、チャネルアスペクト比が5/35の駆動トランジスタでは、該駆動トランジスタの閾値電圧は-2.4872Vであり、ゲート電圧は-5.4Vである。上記各駆動トランジスタのゲート電圧及び閾値電圧の数値から明らかなように、駆動トランジスタのチャネルアスペクト比を変えることは、実質的には駆動トランジスタの駆動特性に影響を与えない。
【0144】
図5A~
図5Cはそれぞれ各色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比と充電率との関係図である。
図5Aは、赤色サブ画素の駆動回路に高階調(例えば255階調)、中階調(例えば128階調)及び低階調(例えば32階調)に対応するデータ信号が書き込まれる場合、駆動トランジスタの異なるチャネルアスペクト比の充電率の変化状況である。
図5Aに示すように、駆動トランジスタのチャネルアスペクト比が5/35及び4/35である場合の充電率は、いずれも駆動トランジスタのチャネルアスペクト比が3/35である場合の充電率より大きい。同様に、
図5Bは、緑色サブ画素の駆動回路に高階調(例えば255階調)、中階調(例えば128階調)及び低階調(例えば32階調)に対応するデータ信号が書き込まれる場合、駆動トランジスタの異なるチャネルアスペクト比の充電率の変化状況である。
図5Bに示すように、駆動トランジスタのチャネルアスペクト比が5/35及び4/35である場合の充電率は、いずれも駆動トランジスタのチャネルアスペクト比が3/35である場合の充電率より大きい。
図5Cは、青色サブ画素の駆動回路に高階調(例えば255階調)、中階調(例えば128階調)及び低階調(例えば32階調)に対応するデータ信号が書き込まれる場合、駆動トランジスタの異なるチャネルアスペクト比の充電率の変化状況である。
図5Cに示すように、駆動トランジスタのチャネルアスペクト比が5/35及び4/35である場合の充電率は、いずれも駆動トランジスタのチャネルアスペクト比が3/35である場合の充電率より大きい。このことから明らかなように、適切な比率関係を満たすように各色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比を変える過程において、チャネルアスペクト比を大きくする(例えばチャネルの幅を大きくする)ことで該駆動トランジスタの充電率を増加することを考慮することができ、それにより充電時間を短縮させることができる。
【0145】
本開示の別の実施例は、上記アレイ基板を含む有機発光ダイオード表示装置を提供する。
【0146】
いくつかの例では、有機発光ダイオード表示装置は車載表示装置である。
【0147】
本開示の実施例は、異なる色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比を相違に設計することで、車載表示装置のディスプレイスクリーンが高輝度画面を表示する時に青色光の輝度不足の現象が生じることをできるだけ回避できる。
【0148】
もちろん、本開示の実施例は有機発光ダイオードが車載表示装置である場合に制限されず、デジタルカメラ、携帯電話、腕時計、タブレットパソコン、ノートパソコンなど、表示機能を有する任意の製品又は部材であってもよく、本実施例はこれを制限しない。
【0149】
本開示の別の実施例は表示基板を提供し、
図6は本開示の実施例に係る表示基板の模式的ブロック図であり、
図7は本開示の実施例に係る表示基板の繰り返しユニットの模式図であり、
図8は本開示の実施例に係る表示基板の平面模式図である。
【0150】
例えば、
図6~7に示すように、本開示の実施例に係る表示基板1000は、ベース基板100と、ベース基板100上に設置され、第1方向(すなわちY方向)及び第2方向(すなわちX方向)に配列された複数の繰り返しユニット11とを含み、第1方向と第2方向が交差する。例えば、第1方向と第2方向は垂直である。各繰り返しユニット11は、複数のサブ画素22、例えば第1色サブ画素110と第2色サブ画素120を含む。各色サブ画素22は、有機発光素子220と画素回路221を含み、画素回路221は有機発光素子220を発光駆動することに用いられ、駆動回路222を含む。第1色サブ画素110の駆動回路222は第1駆動トランジスタ111を含み、第2色サブ画素120の駆動回路222は第2駆動トランジスタ121を含み、第1駆動トランジスタ111のチャネルアスペクト比は第2駆動トランジスタ121のチャネルアスペクト比より大きい。本開示の実施例は、アレイ基板上の異なる色サブ画素の駆動トランジスタのチャネルアスペクト比を最適化させることで、該アレイ基板を含む表示装置の輝度を向上させることができる。
【0151】
本開示の実施例の第1駆動トランジスタのチャネルアスペクト比と第2駆動トランジスタのチャネルアスペクト比との関係は、
図1A~
図1Eに示す実施例の第1駆動トランジスタのチャネルアスペクト比と第2駆動トランジスタのチャネルアスペクト比との関係と同じであるが、ここで繰り返し説明しない。
【0152】
例えば、表示基板1000は、ディスプレイパネル、例えばアクティブマトリクス型有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイパネルなどに適用され得る。表示基板1000はアレイ基板であってもよい。
【0153】
例えば、ベース基板100はガラス基板、石英基板、プラスチック基板などの適切な基板であってもよい。
【0154】
例えば、
図7に示すように、各繰り返しユニット11は第3色サブ画素130をさらに含み、第3色サブ画素130は第3駆動トランジスタ131を含み、第3駆動トランジスタ131のチャネルアスペクト比が第1駆動トランジスタ111のチャネルアスペクト比未満である。
【0155】
本開示の実施例の第1駆動トランジスタ、第2駆動トランジスタ及び第3駆動トランジスタのチャネルアスペクト比間の関係は、
図1A~
図1Eに示す実施例の第1駆動トランジスタ、第2駆動トランジスタ及び第3駆動トランジスタのチャネルアスペクト比間の関係と同じであるが、ここで繰り返し説明しない。
【0156】
例えば、
図7に示すように、各繰り返しユニット11において、第1色サブ画素110、第2色サブ画素120及び第3色サブ画素130の画素回路は、第1方向(Y方向の矢印が指す方向)に順に配列されている。例えば、X方向に配列された一列のサブ画素は同一色サブ画素である。
【0157】
例えば、各色サブ画素の画素回路のベース基板100での正投影が覆う領域は、おおよそ1つの矩形内(
図10に示す破線枠1101)にある。なお、画素回路の一部の信号ラインが該矩形内の部分及び該矩形外に延在している部分を含むので、ここで画素回路のベース基板での正投影は主に、各トランジスタ、コンデンサなどの素子の構造のベース基板での正投影、及び該矩形内にある各信号ラインの部分のベース基板での正投影を含む。
【0158】
例えば、各サブ画素22の有機発光素子220は、第1電極、第2電極、及び第1電極と第2電極との間に設置された発光層を含む。有機発光素子220の第1電極及び第2電極のうちの一方は駆動トランジスタに電気的に接続され、
図7~
図9Eに示す例は、有機発光素子の第2電極が駆動トランジスタに電気的に接続されることを例として説明する。
【0159】
例えば、
図8に示すように、画素回路221は、第2発光制御回路223と第1発光制御回路224とをさらに含む。駆動回路222は、制御端子、第1端子、及び第2端子を含み、且つ有機発光素子220に有機発光素子220を発光駆動する駆動電流を供給するように配置される。例えば、第2発光制御回路223は駆動回路222の第1端子及び第1電圧端子VDDに接続され、且つ駆動回路222と第1電圧端子VDDとの接続導通又は切断を実現するように配置され、第1発光制御回路224は駆動回路222の第2端子及び有機発光素子220の第1電極に電気的に接続され、且つ駆動回路222と有機発光素子220との接続導通又は切断を実現するように配置される。
【0160】
例えば、
図8に示すように、画素回路221は、データ書込み回路226、記憶回路227、閾値補償回路228、及びリセット回路229をさらに含む。データ書込み回路226は、駆動回路222の第1端子に電気的に接続され、且つ走査信号の制御でデータ信号を記憶回路227に書き込むように配置され、記憶回路227は、駆動回路222の制御端子及び第1電圧端子VDDに電気的に接続され、且つデータ信号を記憶するように配置され、閾値補償回路228は、駆動回路222の制御端子及び第2端子に電気的に接続され、且つ駆動回路222に対して閾値補償を行うように配置され、リセット回路229は、駆動回路222の制御端子及び有機発光素子220の第1電極に電気的に接続され、且つリセット制御信号の制御で駆動回路222の制御端子及び有機発光素子220の第1電極をリセットするように配置される。
【0161】
例えば、
図8に示すように、駆動回路222は駆動トランジスタT1を含み、駆動回路222の制御端子が駆動トランジスタT1のゲートを含み、駆動回路222の第1端子が駆動トランジスタT1の第1極を含み、駆動回路222の第2端子が駆動トランジスタT1の第2極を含む。
【0162】
例えば、
図8に示すように、データ書込み回路226はデータ書込みトランジスタT2を含み、記憶回路227は記憶コンデンサーCを含み、閾値補償回路228は閾値補償トランジスタT3を含み、第2発光制御回路223は第2発光制御トランジスタT4を含み、第1発光制御回路224は第1発光制御トランジスタT5を含み、リセット回路229は第1リセットトランジスタT6及び第2リセットトランジスタT7を含み、リセット制御信号は第1サブリセット制御信号及び第2サブリセット制御信号を含んでもよい。
【0163】
例えば、
図8に示すように、データ書込みトランジスタT2の第1極は駆動トランジスタT1の第1極に電気的に接続され、データ書込みトランジスタT2の第2極はデータラインVdに電気的に接続されてデータ信号を受信するように配置され、データ書込みトランジスタT2のゲートは第1走査信号ラインGa1に電気的に接続されて走査信号を受信するように配置され、記憶コンデンサーCの第1極は第1電源端子VDDに電気的に接続され、記憶コンデンサーCの第2極は駆動トランジスタT1のゲートに電気的に接続され、閾値補償トランジスタT3の第1極は駆動トランジスタT1の第2極に電気的に接続され、閾値補償トランジスタT3の第2極は駆動トランジスタT1のゲートに電気的に接続され、閾値補償トランジスタT3のゲートは第2走査信号ラインGa2に電気的に接続されて補償制御信号を受信するように配置され、第1リセットトランジスタT6の第1極は第1リセット電源端子Vinit1に電気的に接続されて第1リセット信号を受信するように配置され、第1リセットトランジスタT6の第2極は駆動トランジスタT1のゲートに電気的に接続され、第1リセットトランジスタT6のゲートは第1リセット制御信号ラインRst1に電気的に接続されて第1サブリセット制御信号を受信するように配置され、第2リセットトランジスタT7の第1極は第2リセット電源端子Vinit2に電気的に接続されて第2リセット信号を受信するように配置され、第2リセットトランジスタT7の第2極は有機発光素子220の第1電極に電気的に接続され、第2リセットトランジスタT7のゲートは第2リセット制御信号ラインRst2に電気的に接続されて第2サブリセット制御信号を受信するように配置され、第2発光制御トランジスタT4の第1極は第1電源端子VDDに電気的に接続され、第2発光制御トランジスタT4の第2極は駆動トランジスタT1の第1極に電気的に接続され、第2発光制御トランジスタT4のゲートは、第1発光制御信号ラインEM1に電気的に接続されて第1発光制御信号を受信するように配置され、第1発光制御トランジスタT5の第1極は駆動トランジスタT1の第2極に電気的に接続され、第1発光制御トランジスタT5の第2極は有機発光素子220の第2電極に電気的に接続され、第1発光制御トランジスタT5のゲートは第2発光制御信号ラインEM2に電気的に接続されて第2発光制御信号を受信するように配置され、有機発光素子220の第1電極は第2電源端子VSSに電気的に接続される。
【0164】
例えば、第1電源端子VDD及び第2電源端子VSSのうち、一方は高圧端子であり、他方は低圧端子である。例えば、
図8に示す実施例では、第1電源端子VDDは、一定の第1電圧を出力する電圧源であり、第1電圧が正電圧であり、一方、第2電源端子VSSは、一定の第2電圧を出力する電圧源であり、第2電圧が負電圧などである。例えば、いくつかの例では、第2電源端子VSSは接地してもよい。
【0165】
例えば、
図8に示すように、走査信号と補償制御信号は同じであってもよく、すなわち、データ書込みトランジスタT2のゲート及び閾値補償トランジスタT3のゲートは同一の信号ライン、例えば第1走査信号ラインGa1に電気的に接続されて、同じ信号(例えば、走査信号)を受信し、この場合、表示基板1000には第2走査信号ラインGa2が設置されなくてもよく、信号ラインの数が少なくなる。また例えば、データ書込みトランジスタT2のゲート及び閾値補償トランジスタT3のゲートはそれぞれ、異なる信号ラインに電気的に接続されてもよく、すなわちデータ書込みトランジスタT2のゲートは第1走査信号ラインGa1に電気的に接続され、閾値補償トランジスタT3のゲートは第2走査信号ラインGa2に電気的に接続されるが、第1走査信号ラインGa1及び第2走査信号ラインGa2が伝送する信号は同じである。
【0166】
なお、走査信号と補償制御信号は異なってもよく、それにより、データ書込みトランジスタT2のゲート及び閾値補償トランジスタT3が別々制御されてもよく、画素回路の制御の柔軟性が高まる。
【0167】
例えば、
図8に示すように、第1発光制御信号と第2発光制御信号は同じであってもよく、すなわち、第2発光制御トランジスタT4のゲート及び第1発光制御トランジスタT5のゲートは同一の信号ライン、例えば第1発光制御信号ラインEM1に電気的に接続されて、同じ信号(例えば、第1発光制御信号)を受信し、この場合、表示基板1000には第2発光制御信号ラインEM2が設置されなくてもよく、信号ラインの数が少なくなる。また例えば、第2発光制御トランジスタT4のゲート及び第1発光制御トランジスタT5のゲートはそれぞれ、異なる信号ラインに電気的に接続されてもよく、すなわち、第2発光制御トランジスタT4のゲートは第1発光制御信号ラインEM1に電気的に接続され、第1発光制御トランジスタT5のゲートは第2発光制御信号ラインEM2に電気的に接続されるが、第1発光制御信号ラインEM1及び第2発光制御信号ラインEM2が伝送する信号は同じである。
【0168】
なお、第2発光制御トランジスタT4と第1発光制御トランジスタT5が異なるタイプのトランジスタであり、例えば、第2発光制御トランジスタT4がP型トランジスタであり、第1発光制御トランジスタT5がN型トランジスタである場合、第1発光制御信号と第2発光制御信号は異なってもよく、本開示の実施例はそれを制限しない。
【0169】
例えば、第1サブリセット制御信号と第2サブリセット制御信号は同じであってもよく、すなわち、第1リセットトランジスタT6のゲート及び第2リセットトランジスタT7のゲートは同一の信号ライン、例えば第1リセット制御信号ラインRst1に電気的に接続されて、同じ信号(例えば、第1サブリセット制御信号)を受信し、この場合、表示基板1000には第2リセット制御信号ラインRst2が設置されなくてもよく、信号ラインの数が少なくなる。また例えば、第1リセットトランジスタT6のゲート及び第2リセットトランジスタT7のゲートはそれぞれ、異なる信号ラインに電気的に接続されてもよく、すなわち、第1リセットトランジスタT6のゲートは第1リセット制御信号ラインRst1に電気的に接続され、第2リセットトランジスタT7のゲートは第2リセット制御信号ラインRst2に電気的に接続されるが、第1リセット制御信号ラインRst1及び第2リセット制御信号ラインRst2が伝送する信号は同じである。なお、第1サブリセット制御信号と第2サブリセット制御信号は異なってもよい。
【0170】
例えば、いくつかの例では、第2サブリセット制御信号は走査信号と同じであってもよく、すなわち第2リセットトランジスタT7のゲートは第1走査信号ラインGa1に電気的に接続されて走査信号を第2サブリセット制御信号として受信する。
【0171】
例えば、第1リセットトランジスタT6のゲート及び第2リセットトランジスタT7のソースは、それぞれ第1リセット電源端子Vinit1及び第2リセット電源端子Vinit2に接続され、第1リセット電源端子Vinit1及び第2リセット電源端子Vinit2は、一定の直流基準電圧を出力する直流基準電圧端子であってもよい。第1リセット電源端子Vinit1と第2リセット電源端子Vinit2は同じであってもよく、例えば第1リセットトランジスタT6のゲート及び第2リセットトランジスタT7のソースは同一のリセット電源端子に接続される。第1リセット電源端子Vinit1及び第2リセット電源端子Vinit2は、高圧端子であってもよいし、低圧端子であってもよく、駆動トランジスタT1のゲート及び発光素子220の第1電極をリセットするために第1リセット信号及び第2リセット信号を供給できればよく、本開示はこれを制限しない。
【0172】
なお、
図8に示す画素回路の駆動回路222、データ書込み回路226、記憶回路227、閾値補償回路228、及びリセット回路229は例示的なものに過ぎず、駆動回路222、データ書込み回路226、記憶回路227、閾値補償回路228、及びリセット回路229などの回路の具体的な構造は、実際の応用ニーズに応じて設定することができ、本開示の実施例はこれを具体的に限定しない。
【0173】
例えば、トランジスタの特性によって、トランジスタはN型トランジスタとP型トランジスタに分けられ、明瞭さから、本開示の実施例では、トランジスタがP型トランジスタ(例えば、P型MOSトランジスタ)である場合を例として本開示の技術案を詳細に説明し、つまり、本開示の説明において、駆動トランジスタT1、データ書込みトランジスタT2、閾値補償トランジスタT3、第2発光制御トランジスタT4、第1発光制御トランジスタT5、第1リセットトランジスタT6、及び第2リセットトランジスタT7などはいずれもP型トランジスタであってもよい。ただし、本開示の実施例のトランジスタはP型トランジスタに制限されず、当業者は、実際のニーズに応じてN型トランジスタ(例えば、N型MOSトランジスタ)を利用して、本開示の実施例の1つ又は複数のトランジスタの機能を達成することもできる。
【0174】
なお、本開示の実施例で使用されるトランジスタは、薄膜トランジスタ、電界効果トランジスタ又はその他の特性が同じスイッチデバイスであってもよく、薄膜トランジスタは、酸化物半導体薄膜トランジスタ、アモルファスシリコン薄膜トランジスタ又はポリシリコン薄膜トランジスタなどを含んでもよい。トランジスタのソース、ドレインは構造的に対称であってもよく、従って、物理構造に関して、そのソース、ドレインは相違点がなくてもよい。本開示の実施例では、トランジスタを区別するために、制御極としてのゲートを除き、一方の極は第1極、他方の極は第2極として直接説明され、従って、本開示の実施例では、全部又は一部のトランジスタの第1極及び第2極は、必要に応じて交換可能である。
【0175】
なお、本開示の実施例では、サブ画素の画素回路は、
図8に示す7T1C(すなわち7つのトランジスタと1つのコンデンサ)構造に加えて、他の数のトランジスタを含む構造、例えば7T2C構造、6T1C構造、6T2C構造又は9T2C構造としてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0176】
図9A~10Aは本開示のいくつかの実施例に係る画素回路の各層の模式図である。以下、
図9A~10Aを参照しながら画素回路の各回路のバックプレーンでの位置関係を説明し、
図9A~10Aに示す例は、1つの繰り返しユニット11の画素回路221を例とし、第1色サブ画素110に含まれる画素回路の各トランジスタの位置を例示し、その他の色サブ画素の画素回路に含まれる部材は第1色サブ画素に含まれる各トランジスタの位置とほぼ同じである。
図9Aに示すように、該第1色サブ画素110の画素回路221は、
図8に示す駆動トランジスタT1、データ書込みトランジスタT2、閾値補償トランジスタT3、第2発光制御トランジスタT4、第1発光制御トランジスタT5、第1リセットトランジスタT6、及び第2リセットトランジスタT7、記憶コンデンサーCを含む。
【0177】
図9A~10Aは、各色サブ画素の画素回路121に電気的に接続された第1走査信号ラインGa1、第2走査信号ラインGa2、第1リセット制御信号ラインRst1、第2リセット制御信号ラインRst2、第1リセット電源端子Vinit1の第1リセット電源信号ラインInit1、第2リセット電源端子Vinit2の第2リセット電源信号ラインInit2、第1発光制御信号ラインEM1、第2発光制御信号ラインEM2、データラインVd、第1電源端子VDDの第1電源信号ラインVDD1、第2電源信号ラインVDD2、第3電源信号ラインVDD3(すなわち電源ライン)、シールドライン344をさらに示している。第1電源信号ラインVDD1と第2電源信号ラインVDD2は互いに電気的に接続され、且つ第1電源信号ラインVDD1と第3電源信号ラインVDD3は互いに電気的に接続される。電源ラインVDD3は、ベース基板に垂直な第3方向にデータラインVdと重なる。
【0178】
なお、
図9A~9Eに示す例では、第1走査信号ラインGa1と第2走査信号ラインGa2は同一の信号ラインであり、第1リセット電源信号ラインInit1と第2リセット電源信号ラインInit2は同一の信号ラインであり、第1リセット制御信号ラインRst1と第2リセット制御信号ラインRst2は同一の信号ラインであり、第1発光制御信号ラインEM1と第2発光制御信号ラインEM2は同一の信号ラインであるが、これに制限されない。
【0179】
例えば、
図9Aは、該表示基板の画素回路の活性半導体層310を示している。活性半導体層310は、半導体材料をパターン化して形成するものであってもよい。活性半導体層310は、上記駆動トランジスタT1、データ書込みトランジスタT2、閾値補償トランジスタT3、第2発光制御トランジスタT4、第1発光制御トランジスタT5、第1リセットトランジスタT6、及び第2リセットトランジスタT7の活性層の製作に用いられ得る。活性半導体層310は、各サブ画素の各トランジスタの活性層パターン及びドーピング領域パターン(すなわち第3色サブ画素に示すソース領域s及びドレイン領域d)を含み、且つ同一画素回路の各トランジスタの活性層パターン及びドーピング領域パターンは一体に設置されている。
【0180】
なお、活性層は一体に形成されている低温ポリシリコン層を含んでもよく、ソース領域及びドレイン領域は、ドーピングなどによって導体化して各構造の電気的接続を実現することができる。つまり、各サブ画素の各トランジスタの活性半導体層はp-シリコンで形成れる全体的なパターンであり、且つ同一画素回路の各トランジスタはドーピング領域パターン(すなわちソース領域s及びドレイン領域d)及び活性層パターンを含み、異なるトランジスタの活性層同士はドーピング構造を介して隔てられる。
【0181】
例えば、第1方向に配列された異なる色サブ画素の画素回路の活性半導体層は接続されておらず、互いに切断されている。第2方向に配列された同一色サブ画素の画素回路の活性半導体層は一体に設置されてもよく、互いに切断されてもよい。
【0182】
例えば、活性半導体層310は、アモルファスシリコン、ポリシリコン、酸化物半導体材料などを用いて製作することができる。なお、上記ソース領域及びドレイン領域はn型不純物又はp型不純物がドーピングされている領域であってもよい。
【0183】
例えば、画素回路のゲート金属層は第1導電層と第2導電層を含んでもよい。上記活性半導体層310上には、上記活性半導体層310を保護するためのゲート絶縁層(
図10B及び
図10Cに示す)が形成されている。
図9Bは該表示基板に含まれる第1導電層320を示しており、第1導電層320はゲート絶縁層上に設置されることにより、活性半導体層310と絶縁する。第1導電層320は、記憶コンデンサーCの第2極CC2、第1走査信号ラインGa1、第1リセット制御信号ラインRst1、第1発光制御信号ラインEM1、駆動トランジスタT1、データ書込みトランジスタT2、閾値補償トランジスタT3、第2発光制御トランジスタT4、第1発光制御トランジスタT5、第1リセットトランジスタT6、及び第2リセットトランジスタT7のゲートを含んでもよい。
【0184】
例えば、
図9Bに示すように、データ書込みトランジスタT2のゲートは第1走査信号ラインGa1と活性半導体層310とが重なる部分であってもよく、第2発光制御トランジスタT4のゲートは第1発光制御信号ラインEM1と活性半導体層310とが重なる第1部分であってもよく、第1発光制御トランジスタT5のゲートは第1発光制御信号ラインEM1と活性半導体層310とが重なる第2部分であってもよく、第1リセットトランジスタT6のゲートは第1リセット制御信号ラインRst1と活性半導体層310とが重なる第1部分であり、第2リセットトランジスタT7のゲートは第1リセット制御信号ラインRst1と活性半導体層310とが重なる第2部分であり、閾値補償トランジスタT3はダブルゲート構造の薄膜トランジスタであってもよく、閾値補償トランジスタT3の1番目のゲートは第1走査信号ラインGa1と活性半導体層310とが重なる部分であってもよく、閾値補償トランジスタT3の2番目のゲートは第1走査信号ラインGa1から突出した突出部Pと活性半導体層310とが重なる部分であってもよい。
図8及び9Bに示すように、駆動トランジスタT1のゲートは記憶コンデンサーCの第2極CC2であってもよい。
【0185】
なお、
図9Aの各破線矩形枠は、第1導電層320と活性半導体層310とが重なる各部分を示す。
【0186】
例えば、
図9Bに示すように、第1走査信号ラインGa1、第1リセット制御信号ラインRst1、及び第1発光制御信号ラインEM1は第2方向Xに配列されている。第1走査信号ラインGa1は第1リセット制御信号ラインRst1と第1発光制御信号ラインEM1との間に位置する。
【0187】
例えば、第2方向Xに、記憶コンデンサーCの第2極CC2(すなわち駆動トランジスタT1のゲート)は第1走査信号ラインGa1と第1発光制御信号ラインEM1との間に位置する。第1走査信号ラインGa1から突出した突出部Pは、第1走査信号ラインGa1の第1発光制御信号ラインEM1から離れた側に位置する。
【0188】
例えば、
図9Aに示すように、第2方向Xに、データ書込みトランジスタT2のゲート、閾値補償トランジスタT3のゲート、第1リセットトランジスタT6のゲート、及び第2リセットトランジスタT7のゲートはいずれも駆動トランジスタT1のゲートの第1側に位置し、第2発光制御トランジスタT4のゲート、第1発光制御トランジスタT5のゲートはいずれも駆動トランジスタT1のゲートの第2側に位置する。例えば、
図9A~10Aに示す例では、第1色サブ画素の画素回路の駆動トランジスタT1のゲートの第1側及び第2側は、第2方向Xにおける駆動トランジスタT1のゲートの互いに反対する両側である。例えば、
図9A~10Aに示すように、XY面内において、第1色サブ画素の画素回路の駆動トランジスタT1のゲートの第1側は駆動トランジスタT1のゲートの上側であってもよく、第1色サブ画素の画素回路の駆動トランジスタT1のゲートの第2側は駆動トランジスタT1のゲートの下側であってもよい。下側に関しては、例えば表示基板のICバインディング用側は表示基板の下側であり、駆動トランジスタT1のゲートの下側は駆動トランジスタT1のゲートのICに近い側である。上側は下側との反対側、例えば駆動トランジスタT1のゲートのICから離れた側である。
【0189】
例えば、いくつかの実施例では、
図9A~10Aに示すように、第1方向Yに、データ書込みトランジスタT2のゲート及び第2発光制御トランジスタT4のゲートはいずれも駆動トランジスタT1のゲートの第3側に位置し、閾値補償トランジスタT3の1番目のゲート、第1発光制御トランジスタT5のゲート、及び第2リセットトランジスタT7のゲートはいずれも駆動トランジスタT1のゲートの第4側に位置する。例えば、
図9A~10Aに示す例では、第1色サブ画素の画素回路の駆動トランジスタT1のゲートの第3側及び第4側は、第1方向Yにおける駆動トランジスタT1のゲートの互いに反対する両側である。例えば、
図9A~10Aに示すように、第1色サブ画素の画素回路の駆動トランジスタT1のゲートの第3側は第1色サブ画素の画素回路の駆動トランジスタT1のゲートの左側であってもよく、第1色サブ画素の画素回路の駆動トランジスタT1のゲートの第4側は第1色サブ画素の画素回路の駆動トランジスタT1のゲートの右側であってもよい。左側及び右側に関しては、例えば同一画素回路において、データラインが第1電源信号ラインVDD1の左側、第1電源信号ラインVDD1がデータラインの右側にある。
【0190】
例えば、上記第1導電層320上には、上記第1導電層320を保護するための第1絶縁層(
図10B及び
図10Cに示す)が形成されている。
図9Cは該画素回路の第2導電層330を示しており、第2導電層330は記憶コンデンサーCの第1極CC1、第1リセット電源信号ラインInit1、第2電源信号ラインVDD2及び遮光部Sを含む。第2電源信号ラインVDD2と記憶コンデンサーCの第1極CC1は一体に形成される。記憶コンデンサーCの第1極CC1と記憶コンデンサーCの第2極CC2は少なくとも部分的に重なって記憶コンデンサーCを形成する。
【0191】
例えば、上記第2導電層330上には、上記第2導電層330を保護するための第2絶縁層(
図10B及び
図10Cに示す)が形成されている。
図9Dは該画素回路のソースドレイン金属層340を示しており、ソースドレイン金属層340はデータラインVd、第1電源信号ラインVDD1及びシールドライン344を含む。上記データラインVd、第1電源信号ラインVDD1及びシールドライン344はいずれもX方向に延びている。シールドライン344とデータラインVdを同一層に同種材料で形成することで、シールドラインとデータラインを同一のパターニングプロセスで同時に形成することができ、シールドラインを製作するためにさらなるパターニングプロセスを必要とすることを回避し、表示基板の製作プロセスを簡略化させ、製作コストを節約する。
【0192】
例えば、ソースドレイン金属層340は、第1接続部341、第2接続部342、及び第3接続部343(すなわち接続構造343)をさらに含む。
図9Dは複数のビアの例示的な位置をさらに示しており、ソースドレイン金属層340は、示される複数のビアを介して該ソースドレイン金属層340とベース基板との間に位置する複数の膜層に接続される。
図9Dに示すように、充填が異なるビアは、ソースドレイン金属層340が該ビアを介して異なる膜層に接続されることを示す。例えば、白色で充填されたビアは、ソースドレイン金属層340が該ビアを介して
図9Aに示す活性半導体層310に接続されることを示し、黒色ドットで充填されたビアは、ソースドレイン金属層340が該ビアを介して
図9Cに示す第2導電層に接続されることを示し、各ビアが位置する具体的な膜層及び具体的な接続関係については、後続の
図10Aに示す図において詳細に説明する。
【0193】
例えば、上記ソースドレイン金属層340上には、上記ソースドレイン金属層340を保護するための第3絶縁層及び第4絶縁層(
図10B及び
図10Cに示す)が形成されている。各サブ画素の有機発光素子の第2電極は第3絶縁層及び第4絶縁層のベース基板から離れた側に設置されてもよい。
【0194】
図9Eは該画素回路の第3導電層350を示しており、第3導電層350は第4接続部353及びX方向とY方向に沿って交差して分布している第3電源信号ラインVDD3を含む。
図9Eは複数のビア351及び354の例示的な位置をさらに示しており、第3導電層350は、示される複数のビア351及び354を介してソースドレイン金属層340に接続される。
【0195】
図10Aは上記活性半導体層310、第1導電層320、第2導電層330、ソースドレイン金属層340及び第3導電層350の積層位置関係の模式図である。
図9A~10Aに示すように、データラインVdは、ゲート絶縁層、第1絶縁層、及び第2絶縁層の少なくとも1つのビア(例えば、ビア381)を介して活性半導体層310のデータ書込みトランジスタT2のソース領域に接続される。第1電源信号ラインVDD1はゲート絶縁層、第1絶縁層、及び第2絶縁層の少なくとも1つのビア(例えば、ビア382)を介して活性半導体層310の対応する第2発光制御トランジスタT4のソース領域に接続される。
【0196】
図9A~10Cに示すように、第1接続部341の一端は、ゲート絶縁層、第1絶縁層、及び第2絶縁層の少なくとも1つのビア(例えば、ビア384)を介して活性半導体層310の対応する閾値補償トランジスタT3のドレイン領域に接続され、第1接続部341の他端は、第1絶縁層及び第2絶縁層の少なくとも1つのビア(例えば、ビア385)を介して第1導電層320の駆動トランジスタT1のゲート(すなわち記憶コンデンサーCの第2極CC2)に接続される。第2接続部342の一端は、第2絶縁層の1つのビア(例えば、ビア386)を介して第1リセット電源信号ラインInit1に接続され、第2接続部342の他端は、ゲート絶縁層、第1絶縁層、及び第2絶縁層の少なくとも1つのビア(例えば、ビア387)を介して活性半導体層310の第2リセットトランジスタT7のドレイン領域に接続される。第3接続部343(接続構造343)は、接続構造343と活性半導体層310との間に位置する無機層、例えばゲート絶縁層103、第1絶縁層104、及び第2絶縁層105の少なくとも1つのビア(例えば、ビア352、すなわち第1接続孔343-1)を介して活性半導体層310の第1発光制御トランジスタT5のドレイン領域に接続される。
【0197】
なお、本開示の実施例で使用されるトランジスタのソース領域とドレイン領域は構造的に同じであってもよいので、そのソース領域とドレイン領域は構造的に相違点がなくてもよく、従って、両者は必要に応じて交換可能である。
【0198】
例えば、
図9A~10Aに示すように、第1電源信号ラインVDD1は、第2導電層330とソースドレイン金属層340との間に位置する第2絶縁層の少なくとも1つのビア(例えば、ビア3832)を介して第2導電層330の記憶コンデンサーCの第1極CC1に接続される。
【0199】
例えば、
図9A~10Aに示すように、シールドライン344はX方向に延びており、且つベース基板での正投影が駆動トランジスタのベース基板での正投影とデータラインのベース基板での正投影との間に位置する。例えば、第1色サブ画素の画素回路のシールドラインは、第2色サブ画素の画素回路のデータラインで伝送される信号による、第1色サブ画素の閾値補償トランジスタT3の性能への影響を低減させ、更に第1色サブ画素の駆動トランジスタのゲートと第2色サブ画素のデータラインとの結合への影響を低減させ、クロストークの問題を軽減させる。
【0200】
例えば、
図9A~10Aに示すように、シールドライン344は第2絶縁層の少なくとも1つのビア(例えばビア332)を介して第1リセット電源信号ラインInit1に接続され、このように、シールドラインに固定電位を付与することに加えて、第1リセット電源信号ラインで伝送される初期化信号の電圧がより安定的になり、画素駆動回路の作動性能に有利である。
【0201】
例えば、
図9A~10Aに示すように、シールドライン344はそれぞれ、Y方向に延びている2本の第1リセット電源信号ラインInit1に結合され、このように、シールドライン344に固定電位を付与し、且つこの2本の第1リセット電源信号ラインInit1はそれぞれX方向におけるシールドライン344の両側に位置する。例えば、この2本の第1リセット電源信号ラインはそれぞれn行目の画素回路及びn+1行目の画素回路に対応する。
【0202】
例えば、同一列のシールドライン344は1本のシールドラインであってもよく、このシールドラインは隣接する2本の第1リセット電源信号ライン間に位置する複数のサブ部分を含み、且つ各サブ部分がそれぞれ該列の各画素回路領域内に位置する。
【0203】
例えば、シールドライン344とリセット電源信号ラインを結合することに加えて、シールドライン344と第1電源信号ラインを結合してもよく、このように、シールドライン344は第1電源信号ラインが伝送する電源信号と同じ固定電位を有する。
【0204】
例えば、シールドライン344のベース基板での正投影は、閾値補償トランジスタT3のベース基板での正投影とデータラインVdのベース基板での正投影との間に位置し、このように、シールドライン344は、データラインで伝送される信号の変化による、閾値補償トランジスタT3の性能への影響を低減させ、更に駆動トランジスタのゲートとデータ信号ラインVd(n+1)との結合への影響を低減させ、垂直クロストークの問題を解消し、表示基板が表示に用いられる場合、より良好な表示効果を達成させる。
【0205】
例えば、シールドライン344のベース基板での正投影は、第1接続部341のベース基板での正投影とデータラインのベース基板での正投影との間に位置してもよく、シールドライン344のベース基板での正投影は、駆動トランジスタT1のベース基板での正投影とデータラインのベース基板での正投影との間に位置する。
【0206】
上記設置形態は、データラインと閾値補償トランジスタとの間で生じた第1クロストーク、及びデータラインと第1接続部との間で生じた第2クロストークを効果的に低減させ、それにより上記第1クロストーク及び第2クロストークによる駆動トランジスタに対する間接的クロストークを低減させる。また、上記設置形態は、データラインと駆動トランジスタとの間で生じた直接クロストークをさらに低減させ、それにより表示基板の作動性能を確実に確保する。
【0207】
例えば、シールドライン344は上記設置形態に制限されず、n行目の画素回路に対応するリセット電源信号ラインのみに結合されるか、n+1行目の画素回路に対応するリセット電源信号ラインのみに結合されてもよい。また、X方向におけるシールドライン344の延び長さは実際のニーズに応じて設定されてもよい。
【0208】
例えば、各色サブ画素の画素回路は遮光部S1をさらに含み、遮光部S1は、シールドライン344と異なる層に設置され、且つ遮光部S1のベース基板での正投影がシールドライン344のベース基板での正投影と重なる。シールドライン344は第2絶縁層のビア331を介して第2導電層330の遮光部S1に接続され、このように、遮光部S1に固定電位を付与し、それにより閾値補償トランジスタT3とその近くにあるその他の導電パターンとの結合作用をさらに低減させ、表示基板の作動性能をより安定的にする。
【0209】
例えば、遮光部S1と閾値補償トランジスタT3の2つのゲート間の活性半導体層310とが重なることで、2つのゲート間の活性半導体層310の特性が光照射により変わることを防止し、例えば、この部分の活性半導体層の電圧が変わることを防止し、クロストークの発生を防止する。
【0210】
本例は、遮光部とシールドラインとの接続を模式的に示しているが、それに制限されず、両者は接続されていなくてもよい。
【0211】
例えば、
図9A~10Aに示すように、第3電源信号ラインVDD3は、第3絶縁層及び第4絶縁層の少なくとも1つのビア351を介して第1電源信号ラインVDD1に接続され、第4接続部353は、第3絶縁層及び第4絶縁層のビア354を介して第3接続部343に接続される。
【0212】
例えば、第3絶縁層はパッシベーション層であってもよく、第4絶縁層は第1平坦層であってもよく、第3絶縁層は第4絶縁層とベース基板との間に位置する。第4絶縁層は有機層であってもよく、且つ有機層の厚さがパッシベーション層などの無機層よりも厚い。
【0213】
例えば、ビア351及びビア354はいずれもネストビアであり、すなわちビア351は第3絶縁層の第1ビアと第4絶縁層の第2ビアを含み、第3絶縁層の第1ビアと第4絶縁層の第2ビアの位置が対向し、且つ第4絶縁層の第2ビアのベース基板での正投影が第3絶縁層の第1ビアのベース基板での正投影内に位置する。
【0214】
例えば、第3電源信号ラインVDD3はグリッド状に分布しており、X方向に延びている部分とY方向に延びている部分とを含む。X方向に延びている第3電源信号ラインVDD3の部分のベース基板での正投影は、第1電源信号ラインVDD1のベース基板での正投影とほぼ重なるか、第1電源信号ラインVDD1のベース基板での正投影は、X方向に延びている第3電源信号ラインVDD3の部分のベース基板での正投影内に位置し(
図10Aは、両者の投影がほぼ重なる場合を例として示す)、第3電源信号ラインVDD3と第1電源信号ラインVDD1が電気的に接続されることで、第1電源信号ラインVDD1の電圧降下を低減させ、それにより表示装置の均一性を改善することができる。
【0215】
例えば、第3電源信号ラインVDD3は、ソースドレイン金属層と同じ材料を用いてもよい。
【0216】
各ビアを明確に示すために、
図10Aには、ビアと各層との位置関係が示されていない。
【0217】
例えば、
図9A~10Aに示すように、本開示の一例は、第1色サブ画素110及び第3色サブ画素130の画素回路に含まれる各部材の相対位置関係が同じである場合を例とし、例えば、第1色サブ画素110及び第3色サブ画素130の第4接続部353がいずれも各サブ画素に含まれる第1発光制御トランジスタT5のドレイン領域と重なる場合を例とする。第2色サブ画素120(例えば赤色サブ画素)の画素回路の第4接続部353は第1発光制御トランジスタT5のドレイン領域と重ならず、例えば第2色サブ画素120の第4接続部353及び第1発光制御トランジスタT5のドレイン領域はそれぞれY方向に延びている第3電源信号ラインVDD3の両側に位置する。例えば、
図9Dに示すように、第1色サブ画素及び第3色サブ画素の第3接続部343はいずれもブロック状構造であり、一方、第2色サブ画素の第3接続部343はX方向に延びているストリップ状部であり、該ストリップ状部の一端は後続で形成される第4接続部353に接続され、ストリップ状部の他端は第1発光制御トランジスタT5のドレイン領域に接続され、それによって、第4接続部は第1発光制御トランジスタT5のドレイン領域に接続される。この場合、後続で形成される各色サブ画素の陽極はビアを介して対応する第4接続部353に接続され、それにより第1発光制御トランジスタT5のドレイン領域との接続を実現する。
【0218】
本実施例は以上の場合を含むが、それに制限されず、各色サブ画素の第4接続部の位置は、有機発光素子の配列規則及び発光領域の位置により決められる。
【0219】
例えば、
図10Bは
図10AのAA’線に沿って切断された部分断面構造模式図である。
図10A及び10Bに示すように、第2色サブ画素120の画素回路において活性半導体層の第1発光制御トランジスタT5の第2極(例えばドレインT5d)のベース基板100から離れた側にはゲート絶縁層103が設置され、ゲート絶縁層103のベース基板100から離れた側には第1発光制御信号ラインEM1が設置され、第1発光制御信号ラインEM1のベース基板100から離れた側には第1絶縁層104が設置され、第1絶縁層104のベース基板100から離れた側には第2電源信号ラインVDD2が設置され、第2電源信号ラインVDD2のベース基板100から離れた側には第2絶縁層105が設置され、第2絶縁層105のベース基板100から離れた側には第3接続部343が設置されている。第2色サブ画素120の第3接続部343は、ゲート絶縁層103、第1絶縁層104及び第2絶縁層105のビア352を介して活性半導体層310の第1発光制御トランジスタT5の第2極T5dに接続される。第3接続部343は第2電源信号ラインVDD2及び第1発光制御信号ラインEM1の両方と重なる。第3接続部343のベース基板100から離れた側には、第3絶縁層106及び第4絶縁層107が順に設置され、第4絶縁層107のベース基板100から離れた側には、第4接続部353及び第3電源信号ラインVDD3が設置されている。第3電源信号ラインVDD3は第2電源信号ラインVDD2と重なる。第4接続部353は、第3絶縁層106及び第4絶縁層107に位置するネストビア354を介して第3接続部343に接続され、それにより第2発光制御トランジスタとの接続を実現する。
【0220】
例えば、
図10Bに示すように、データラインVdは、ゲート絶縁層103、第1絶縁層104、及び第2絶縁層105のビア381を介してデータ書込みトランジスタT2のソースT2sに接続され、第1接続部341の一端は、ゲート絶縁層103、第1絶縁層104、及び第2絶縁層105のビア384を介して閾値補償トランジスタT3のドレインT3dに接続され、第1接続部341の他端は、第1絶縁層104及び第2絶縁層105のビア385を介して駆動トランジスタT1のゲート(すなわち記憶コンデンサーCの第2極CC2)に接続され、駆動トランジスタT1のチャネルT1cはそのゲートのベース基板100に向く側に位置し、且つビア385と重ならず、駆動トランジスタT1のソースT1dは、そのゲート及び記憶コンデンサーCの第1極CC1の両方と重なる。
【0221】
例えば、
図10Cは
図10AのBB’線に沿って切断された部分断面構造模式図である。
図10A~10Cに示すように、第1色サブ画素110と第2色サブ画素120の相違点としては、第2色サブ画素120の第4接続部353のベース基板100での正投影は、その第1発光制御トランジスタT5の第2極T5dのベース基板100での正投影と重ならない一方、第1色サブ画素130の第4接続部353のベース基板100での正投影は、その第1発光制御トランジスタT5の第2極T5dのベース基板100での正投影と重なる。第1色サブ画素110において、第3接続部343は第2電源信号ラインVDD2及び第1発光制御信号ラインEM1の両方と重ならない。第1色サブ画素110において、駆動トランジスタT1のチャネルT1cはそのゲートのベース基板100に向く側に位置し、且つビア385と重なる。このことから分かるように、第1色サブ画素の駆動トランジスタのチャネル幅は、第2色サブ画素のチャネル幅より大きい。
【0222】
例えば、
図9A~10Aに示すように、第2方向Xに、第1走査信号ラインGa1、第1リセット制御信号ラインRst1、及び第1リセット電源信号ラインInit1はいずれも第1色サブ画素の画素回路の駆動トランジスタT1のゲートの第1側に位置し、第1発光制御信号ラインEM1は第1色サブ画素の画素回路の駆動トランジスタT1の第2側に位置する。
【0223】
例えば、第1走査信号ラインGa1、第1リセット制御信号ラインRst1、第1発光制御信号ラインEM1、及び第1リセット電源信号ラインInit1はいずれも第1方向Yに延びており、データラインVdは第2方向Xに延びている。
【0224】
例えば、第1電源信号ラインVDD1は第2方向Xに延びており、第2電源信号ラインVDD2は第1方向Yに延びている。第1電源端子VDDの信号ラインは表示基板にグリッド状に配線される。つまり、表示基板全体に亘って、第1電源信号ラインVDD1及び第2電源信号ラインVDD2はグリッド状に配列され、それにより、第1電源端子VDDの信号ラインの抵抗が小さく、電圧降下が低く、さらに第1電源端子VDDによる電源電圧の安定性が向上する。
【0225】
なお、各画素回路の駆動回路、第1発光制御回路、第2発光制御回路、データ書込み回路、記憶回路、閾値補償回路及びリセット回路などの配列位置関係は、
図9A~10Aに示す例に制限されず、駆動回路、第1発光制御回路、第2発光制御回路、データ書込み回路、記憶回路、閾値補償回路及びリセット回路の位置は、実際の応用ニーズに応じて具体的に設定されてもよい。
【0226】
図11Aは本実施例の一例に係るアレイ基板の部分構造模式図である。
図11Aに示すように、本例のアレイ基板の各色サブ画素に含まれる画素回路は
図10Aに示す画素回路である。例えば、
図9A~11Aに示すように、第3電源信号ラインVDD3の第1電源信号ラインVDD1から離れた側には第5絶縁層(未図示)がさらに設置されている。例えば、第5絶縁層は第2平坦層であってもよく、その材料が第4絶縁層(すなわち第1平坦層)の材料と同じであってもよく、例えば有機材料である。
【0227】
例えば、
図9A~
図11Bに示すように、少なくとも1つの画素ユニットにおいて、第2色サブ画素120の第1発光制御トランジスタT5の第1極は、第1接続孔343-1を介して接続構造343に電気的に接続され、接続構造343は、第2接続孔343-2(すなわちビア352)を介して第2色サブ画素120の第2電極123に電気的に接続され、第1接続孔343-1の少なくとも一部の、ベース基板での正投影は、発光制御信号ラインEM1のベース基板での正投影の一方側に位置し、第2接続孔343-2の少なくとも一部の、ベース基板100での正投影は、発光制御信号ラインEM1のベース基板100での正投影の他方側に位置し、少なくとも1つの画素ユニットにおいて、第3色サブ画素130の第2電極133は、ベース基板100に垂直な第3方向に、第3色サブ画素130の有機発光素子を制御する駆動トランジスタT1のチャネルT1cと重ならない。
【0228】
本開示は画素配列構造を提供し、該画素配列構造では、2つの接続孔と発光制御信号ラインとの位置関係の設定及び第3色サブ画素の第2電極と駆動トランジスタのチャネルとの位置関係の設定により、画素配列のコンパクトさを向上させて、画素解像度を向上させ、これに加えて、接続構造を介して第2色サブ画素を効果的に発光駆動する。
【0229】
本開示は、異なる層のデータライン及び電源ライン、すなわち二重層信号ラインを設置することで、画素のコンパクトな配列及び最適化な配線方式を実現することができる。
【0230】
例えば、
図11A及び11Bに示すように、第2色サブ画素120の第2電極及び第3色サブ画素130の第2電極は第2方向に交互に配列されている。例えば、第3色サブ画素の第2電極と第2色サブ画素の画素回路はベース基板に垂直な方向に重なる。本開示では、第3色サブ画素の第2電極を第2色サブ画素の画素回路と重なるように配置することにより、画素配列のコンパクトさを効果的に向上させることができる。
【0231】
例えば、第1接続孔343-1のベース基板100での正投影の中心は、発光制御信号ラインEM1のベース基板100での正投影の一方側に位置し、第2接続孔343-2のベース基板100での正投影の中心は、発光制御信号ラインEM1のベース基板100での正投影の他方側に位置する。
【0232】
例えば、
図9A~11Bに示すように、第2色サブ画素120において、接続構造343は、接続構造343と第2電極123との間に位置する無機層及び有機層の少なくとも一方の第2接続孔343-2を介して第2電極123に電気的に接続される。例えば、絶縁層106は無機層であってもよく、絶縁層107は有機層107であってもよいが、これに制限されない。無機層は、電気的絶縁、水・酸素隔離の作用を果たし、有機層は陽極の平坦性を確保する作用を果たす。例えば、第2接続孔343-2は第4絶縁層107に位置するビア354である。上記第1接続孔及び第2接続孔はいずれも接続構造に直接接続された孔である。例えば、接続構造は、第2接続孔を介して第2電極に電気的に接続され、接続構造と第2電極との間には、アダプタ用の、その他の膜層に位置するビアが含まれてもよい。例えば、接続構造343は、第3絶縁層106及び第4絶縁層107に位置する第2接続孔343-2を介して第4接続部353に接続され、第4接続部353は第5絶縁層に位置するアダプタ孔を介して第2電極に接続され、それにより、接続構造は第2電極に電気的に接続される。
【0233】
例えば、
図10A、
図10B及び
図11Aに示すように、少なくとも1つの第2色サブ画素120において、第1接続孔343-1(すなわち352)のベース基板100での正投影は第1面積を有し、第2接続孔343-2(すなわち354)のベース基板100での正投影は第2面積を有し、第1面積と第2面積は異なる。
【0234】
例えば、
図10A、
図10B及び
図11Aに示すように、少なくとも1つの第2色サブ画素120において、第1接続孔343-1は第2方向に発光制御信号ラインM1までの第1間隔を有し、第2接続孔343-2は第2方向に発光制御信号ラインEM2までの第2間隔を有し、第1間隔と第2間隔は異なる。ここで、接続孔から発光制御信号ラインまでの間隔とは、接続孔と発光制御信号ラインの互いに接近するエッジの間の間隔であってもよいが、これに制限されず、接続孔の中心と発光制御信号ラインの中心線との間の間隔であってもよい。
【0235】
例えば、
図9A~11Bに示すように、第1色サブ画素110の有機発光素子の第2電極113(すなわち陽極)は、第5絶縁層のビア1133を介して第4接続部353に接続され、それにより第1発光制御トランジスタT5のドレイン領域との接続を実現する。同様に、第3色サブ画素130の有機発光素子の第2電極133(すなわち陽極)は、第5絶縁層のビア1333を介して第4接続部353に接続され、それにより第1発光制御トランジスタT5のドレイン領域との接続を実現する。第2色サブ画素120の有機発光素子の第2電極123(すなわち陽極)は、第5絶縁層のビアを介して第4接続部353に接続され、更に第3接続部343に接続され、それにより第1発光制御トランジスタT5のドレイン領域との接続を実現する。
【0236】
例えば、
図9A~11Bに示すように、少なくとも1つの画素ユニットにおいて、第3色サブ画素130の第2電極133は、第3方向に、その他の色サブ画素(例えば、第1色サブ画素110及び第2色サブ画素120)の有機発光素子を制御する駆動トランジスタT1のチャネルのいずれとも重ならない。
【0237】
例えば、
図9A~11Bに示すように、少なくとも1つの画素ユニットにおいて、第2色サブ画素120の第1接続孔343-1のベース基板100での正投影は、第2色サブ画素120の第2接続孔343-2のベース基板100での正投影よりも、第2色サブ画素120の第2電極123のベース基板100での正投影から遠く離れる。本開示の実施例では、第2色サブ画素の第1接続孔及び第2接続孔はいずれも、第2色サブ画素の発光領域から遠く離れ、従って、第2接続孔が第2電極と発光層との重なり領域に近い場合であっても、発光領域内の発光層及び第2電極の平坦性に影響を与えない。
【0238】
例えば、
図9A~11Bに示すように、少なくとも1つの画素ユニットにおいて、第2色サブ画素120の第2電極123は、第3方向に、第2色サブ画素130の有機発光素子を駆動する駆動トランジスタT1のチャネルと重なり、それにより画素のコンパクトな配列を実現し、画素の解像度を向上させることができる。
【0239】
例えば、
図9A~11Bに示すように、少なくとも1つの画素ユニットにおいて、第2色サブ画素120の画素回路に接続されたデータラインVdと第2色サブ画素120の第2電極123とは、第1方向(すなわちY方向)に互いに離間している。第2色サブ画素120の画素回路に接続されたデータラインVdのベース基板100での正投影は第2色サブ画素120の第2電極123のベース基板100での正投影と重ならない。
【0240】
例えば、
図9A~11Bに示すように、第2色サブ画素120の第2電極123は、第3方向に、第3色サブ画素130の画素回路に接続されたデータラインVdと重なる。
【0241】
例えば、
図9A~11Bに示すように、少なくとも1つの画素ユニットにおいて、第1色サブ画素110の第2電極113及び第3色サブ画素130の第2電極133の、第2方向に延びているの第1直線での正投影はいずれも、第2色サブ画素120の接続構造343の第1直線での正投影と重なる。
【0242】
例えば、
図9A~11Bに示すように、少なくとも1つの画素ユニットにおいて、第3色サブ画素130の第2電極133の、第1方向に延びている第2直線での正投影は、第2色サブ画素120の接続構造343の第2直線での正投影と重なる。
【0243】
例えば、
図11Aに示すように、各色サブ画素の有機発光素子の第2電極はいずれも本体電極と接続電極を含み、且つ各色サブ画素の本体電極の形状はいずれも六角形である。
【0244】
例えば、
図11Aに示すように、第1色サブ画素110の第2電極113は、第1本体電極1131と第1接続電極1132を含み、第1本体電極1131と第1接続電極1132は一体構造とされてもよく、且つ第1接続電極1132は接続孔1133を介して第4接続部353に接続され、更に第3接続部343に接続され、それにより、第1色サブ画素110の第1発光制御トランジスタT5の第2極との接続を実現する。第2色サブ画素120の第2電極123は、第2本体電極1231と第2接続電極1232を含み、第2本体電極1231と第2接続電極1232は一体構造とされてもよく、且つ第2接続電極1232は接続孔1233を介して第4接続部353に接続され、更に第3接続部343に接続され、それにより、第2色サブ画素120の第1発光制御トランジスタT5の第2極との接続を実現する。第3色サブ画素130の第2電極133は第3本体電極1331と第3接続電極1332を含み、第3本体電極1331と第3接続電極1332は一体構造とされてもよく、且つ第3接続電極1332は接続孔1333を介して第4接続部353に接続され、更に第3接続部343に接続され、それにより、第3色サブ画素130の第1発光制御トランジスタT5の第2極との接続を実現する。
【0245】
例えば、
図9A~11Bに示すように、第1色サブ画素110の本体電極1131の第1直線での正投影は、第2色サブ画素120の接続構造343の第1直線での正投影と重なる。
【0246】
例えば、
図9A~11Bに示すように、第3色サブ画素130の本体電極1331の第2直線での正投影は、第2色サブ画素120の接続構造343の第2直線での正投影と重なる。
【0247】
例えば、
図9A~11Bに示すように、第2色サブ画素120の第2電極123は、第3方向に、走査信号ラインGa1と重なる。第2色サブ画素120の第2電極123のベース基板100での正投影は、走査信号ラインGa1のベース基板100での正投影と重なる。
【0248】
例えば、
図9A~11Bに示すように、第2色サブ画素120の第2電極123は、第3方向に、該第2色サブ画素120の画素回路に電気的に接続された走査信号ラインGa1と重なる。例えば、第2色サブ画素120の第2電極123のベース基板100での正投影は、該第2色サブ画素120の画素回路に電気的に接続された走査信号ラインGa1のベース基板100での正投影と重なる。
【0249】
例えば、
図9A~11Bに示すように、少なくとも1つの画素ユニットにおいて、第1色サブ画素110の第2電極113及び第3色サブ画素130の第2電極133はいずれも、第3方向に、発光制御信号ラインEM1と重なる。例えば、少なくとも1つの画素ユニットにおいて、第1色サブ画素110の第2電極113のベース基板100での正投影及び第3色サブ画素130の第2電極133のベース基板100での正投影はいずれも、発光制御信号ラインEM1のベース基板100での正投影と重なる。
【0250】
例えば、
図9A~11Bに示すように、第1色サブ画素110の第2電極113は、発光制御信号ラインEM1の両側にそれぞれ位置する第1サブ電極部113-1及び第2サブ電極部113-2を含み、第1サブ電極部113-1の面積が第2サブ電極部113-2の面積より大きい。
図11Aに示すように、発光制御信号ラインの中心線を基準として、第1色サブ画素110の第2電極113のうち発光制御信号ラインの中心線の両側に位置する部分は、それぞれ第1サブ電極部113-1及び第2サブ電極部113-2である。
【0251】
例えば、
図9A~11Bに示すように、第1色サブ画素110において、第2接続孔343-2のベース基板100での正投影の中心及び第1サブ電極部113-1のベース基板100での正投影は、それぞれ発光制御信号ラインEM1のベース基板100での正投影の両側に位置する。
【0252】
例えば、
図9A~11Bに示すように、少なくとも1つの画素ユニットにおいて、記憶コンデンサーCの第2極CC2は駆動トランジスタT1のゲートとして多重化され、第1色サブ画素110の記憶コンデンサーCの第2極CC2の面積は、第2色サブ画素120の記憶コンデンサーCの第2極CC2の面積と異なる。
【0253】
例えば、
図9A~11Bに示すように、第1色サブ画素110の第2電極113の面積は、第2色サブ画素120の第2電極123の面積より大きく、且つ第1色サブ画素110の記憶コンデンサーCの第2極CC2の面積は、第2色サブ画素120の記憶コンデンサーCの第2極CC2の面積より大きい。
【0254】
例えば、
図9A~11Bに示すように、第2色サブ画素120において、記憶コンデンサーCの第1極CC1は、第3方向に、接続構造343と重なる。
【0255】
例えば、
図9A~11Bに示すように、第1色サブ画素110の第2電極113は第3方向にデータラインVdと重なり、重なり部分は、第2方向における長さが、第2方向における第2電極113の最大長さの80%より大きく、それにより、第1色サブ画素の第2電極の平坦性を向上させる。例えば、第1色サブ画素110の第2電極113のベース基板100での正投影は、データラインVdのベース基板100での正投影と重なり、重なり部分は、第2方向における長さが、第2方向における第2電極113の正投影の最大長さの80%より大きい。
【0256】
例えば、
図9A~11Bに示すように、第1色サブ画素110の第2電極113は、第3方向に電源ラインVDD3と重なり、重なり部分は、第2方向における長さが、第2方向における第2電極113の最大長さの80%より大きく、それにより、第1色サブ画素の第2電極の平坦性を向上させる。例えば、第1色サブ画素110の第2電極113のベース基板100での正投影は、電源ラインVDD3のベース基板100での正投影と重なり、重なり部分は、第2方向における長さが、第2方向における第2電極113の正投影の最大長さの80%より大きい。
【0257】
例えば、第1色サブ画素110の第1接続電極1132は、Y方向に、第1本体電極1131の中心の、該サブ画素の画素回路のデータラインから離れた側に位置するとともに、X方向に、第1本体電極1131の中心の、該サブ画素の画素回路の発光制御信号ラインから離れた側に位置する。例えば、第1色サブ画素110の第1接続電極1132及び第1本体電極1131はX方向に配列され、第1接続電極1132は第1本体電極1131の右下隅に位置する。例えば、第2色サブ画素120の第2接続電極1232は、Y方向に、第2本体電極1231の中心の、該サブ画素の画素回路のデータラインから離れた側に位置するとともに、X方向に、第2本体電極1231の中心の、該サブ画素の画素回路の発光制御信号ラインに近い側に位置する。例えば、第2色サブ画素120の第2接続電極1232及び第2本体電極1231はX方向に配列され、第2接続電極1232は第1本体電極1231の右下隅に位置する。例えば、第3色サブ画素130の第3接続電極1332及び第3本体電極1331はY方向に配列され、第3接続電極1332は第3本体電極1331の右側に位置し、すなわち、該サブ画素の画素回路のシールドラインに接近する側に近い。
【0258】
例えば、
図9A~11Bに示すように、隣接するサブ画素の間には画素画定層(
図1Bに示す画素画定層101)がさらに設置され、画素画定層は、各色サブ画素の発光領域を画定するための開口を含む。画素画定層の開口のベース基板での正投影は、対応する第2電極の本体電極のベース基板での正投影内に位置する。
【0259】
例えば、
図1B、9A~11Bに示すように、表示基板は、各サブ画素の第2電極のベース基板100から離れた側に位置する画素画定層101をさらに含み、画素画定層101は、各サブ画素の発光領域を画定するための開口1010を含み、各サブ画素の有機発光層の少なくとも一部は開口1010内に位置し、画素画定層101の開口1010のベース基板100での正投影は、各サブ画素の第2電極の本体電極のベース基板100での正投影内に位置する。画素画定層101において、各第3色サブ画素130の発光領域を画定する開口1010-3の面積は、各第2色サブ画素120の発光領域を画定する開口1010-2の面積より大きく、且つ各第1色サブ画素110の発光領域を画定する開口1010-1の面積より小さい。
【0260】
例えば、各色サブ画素は、有機発光層(
図1Bに示す有機発光層112又は122)をさらに含み、有機発光層は第2電極のベース基板から離れた側に位置する。各色サブ画素の第2電極と有機発光層は画素画定層の開口箇所で接触し、画素画定層の開口はサブ画素の発光領域の形状を定義する。例えば、有機発光素子の第2電極(例えば、陽極)は画素画定層の下方に設置されてもよく、画素画定層はサブ画素を画定するための開口を含み、該開口は第2電極の一部を露出させ、有機発光層が上記画素画定層の開口内に形成されている場合、有機発光層は第2電極と接触し、それにより、この部分は有機発光層を発光駆動できる。
【0261】
例えば、画素画定層の開口のベース基板での正投影は、対応する有機発光層のベース基板での正投影内に位置し、すなわち有機発光層は画素画定層の開口を覆っている。例えば、有機発光層の面積は、対応する画素画定層の開口の面積より大きく、すなわち有機発光層は、画素画定層の開口内部に位置する部分に加えて、画素画定層のベタ構造を覆う部分を少なくとも含み、通常、画素画定層の開口の各境界での画素画定層のベタ構造に有機発光層が覆われている。なお、有機発光層のパターンについての上記説明は、例えばFMMプロセスによって形成されたパターン化の各サブ画素の有機発光層に基づくものであり、FMM製作プロセス以外、オープンマスク(open mask)プロセスを用いて表示領域全体に全体の膜層を形成する有機発光層もあり、その形状のベース基板での正投影が連続的なものであり、従って、必然的には、画素画定層の開口内に位置する部分及び画素画定層のベタ構造に位置する部分がある。
【0262】
本開示の別の実施例は、
図9A~11Bに示す表示基板を備える表示装置を提供する。
【0263】
図11Aに示すように、各色サブ画素の有機発光素子の第2電極の形状は六角形である。複数のサブ画素は、X方向及びY方向にアレイ状に配列されている複数の画素ユニット群10に分けられる。各画素ユニット群10は、Y方向に配列されている2列のサブ画素を含み、各列のサブ画素は、いずれも第1色サブ画素110、第2色サブ画素120及び第3色サブ画素130を含む。X方向に、各画素ユニット群10の2列のサブ画素は互いに1つのサブ画素未満のピッチだけずれており、例えば、各画素ユニット群10の2列のサブ画素は互いに約サブ画素半分のピッチだけずれている。例えば、隣接する2つのサブ画素の対向する辺が略平行である。例えば、隣接する列内の第1色サブ画素、第2色サブ画素、第3色サブ画素の配列順番は同じである。例えば、X(列)方向に、第1色サブ画素は隣接する列内の第2色サブ画素と第3色サブ画素との間に位置し、第2色サブ画素は隣接する列内の第1色サブ画素と第3色サブ画素との間に位置し、第3色サブ画素は隣接する列内の第1色サブ画素と第2色サブ画素との間に位置する。
【0264】
例えば、1つの画素ユニット群10において、第1列内の1つの第1色サブ画素と、第2列内で1つの第1色サブ画素に隣接する1つの第2色サブ画素及び1つの第3色サブ画素とは、1つの画素ユニットを構成し、1つの画素ドット表示を実現できる。1つの画素ユニット群10において、隣接する2つの画素ユニットのうち、1番目の画素ユニットの第1列のサブ画素及び第2列のサブ画素が、2番目の画素ユニットの第1列及び第2列と置き換えられ、例えば、1番目の画素ユニットでは、第1色サブ画素が第1列に位置し、第2色サブ画素及び第3色サブ画素が第2列に位置し、2番目の画素ユニットでは、第1色サブ画素が第2列に位置し、第2色サブ画素及び第3色サブ画素が第1列に位置する。例えば、第1色サブ画素は青色サブ画素であり、第2色サブ画素は赤色サブ画素であり、第3色サブ画素は緑色サブ画素であり、各画素ユニットはいずれも、一列に位置する1つの青色サブ画素と、隣接する列に位置し且つ該青色サブ画素に隣接する1つの赤色サブ画素及び1つの緑色サブ画素とを含む。
【0265】
例えば、1つの青色サブ画素の発光領域の面積は、1つの赤色サブ画素又は1つの緑色サブ画素の発光領域の面積より大きい。例えば、1つの青色サブ画素の陽極の面積は、1つの赤色サブ画素又は1つの緑色サブ画素の陽極の面積より大きい。例えば、第1色サブ画素及び第3色サブ画素の陽極の本体電極の形状は略正六角形であり、第2色サブ画素の陽極の本体電極の形状は非正六角形であり、且つ2つの対称軸を有し、X方向における対称軸のサイズが、Y方向における対称軸のサイズより大きい。
【0266】
例えば、
図11Aに示すように、第1色サブ画素110の第2電極113の第1本体電極1131は第1色サブ画素110の駆動トランジスタを覆い、第2色サブ画素120の第2電極123の第2本体電極1231は第2色サブ画素120の駆動トランジスタと実質的には重ならないか、部分的に重なり、第3色サブ画素130の第2電極133の第3本体電極1331は第3色サブ画素130の駆動トランジスタと重ならない。
【0267】
例えば、
図11Aに示すように、第1色サブ画素110(例えば青色サブ画素)の第1本体電極1131は、走査線及び発光制御信号ラインと重なり、第2色サブ画素120(例えば赤色サブ画素)の第2本体電極1231は、走査線及びリセット制御信号ラインと重なり、第3色サブ画素130(例えば緑色サブ画素)の第3本体電極1331は、発光制御信号ライン、次行の画素回路のリセット制御信号ライン、及び次行の画素回路のリセット電源信号ラインと重なる。例えば、第3色サブ画素130(例えば緑色サブ画素)の第3本体電極1331は、次行のうちそれと隣接する第1色サブ画素(例えば青色サブ画素)の画素駆動回路の領域と重なる。
【0268】
例えば、第1色サブ画素110の第1本体電極1131は、隣接する第3色サブ画素130の駆動トランジスタと部分的に重なり、且つ第1色サブ画素110の第1本体電極1131は、その画素回路のデータライン、シールドライン及び隣接する第2色サブ画素120の画素回路のデータラインのいずれとも重なる。第2色サブ画素120の第2本体電極1231は、その画素回路のデータラインと重ならず、且つその画素回路の第1電源信号ライン、隣接する第3色サブ画素130の画素回路の第1電源信号ライン及びデータラインのいずれとも重なる。第3色サブ画素130の第3本体電極1331は、その画素回路のデータライン及び第1電源信号ラインの両方と重なり、且つ隣接する第2色サブ画素120の画素回路の第1電源信号ラインと重なる。
【0269】
例えば、
図11Aに示すように、第1色サブ画素110の第1本体電極1131は、次行のリセット制御信号ラインに近い側には、それに接続された第1接続電極1132が設置され、第2色サブ画素120の第2本体電極1231は、次行のリセット制御信号ラインに近い側には、それに接続された第2接続電極1232が設置され、第3色サブ画素130の第3本体電極1331は、その第2発光制御トランジスタに近い側には、それに接続された第3接続電極1332が設置される。
【0270】
例えば、
図11Aに示すように、第1色サブ画素110の第1接続電極1132は、その画素回路の第2発光制御トランジスタの第2極と重なる。第2色サブ画素120の第2接続電極1232は、その画素回路の第2発光制御トランジスタの第2極と重ならず、第2色サブ画素120の第2発光制御トランジスタの第2極は、第3色サブ画素130の第3本体電極1331と重なる。第3色サブ画素130の第3接続電極1332は、その画素回路の第2発光制御トランジスタの第2極と重なる。
【0271】
図12は、本実施例の別の例に係るアレイ基板の部分構造模式図である。
図12に示すように、本例のアレイ基板の各色サブ画素に含まれる画素回路と
図10に示す画素回路との相違点としては、本例の第2色サブ画素120の画素回路の第3接続部と第3色サブ画素の第3接続部との形状及び相対位置関係はいずれも同じである。また、第2色サブ画素120及び第3色サブ画素130において、画素回路の第4接続部353は、第3接続部343の接続ビア354に接続され、第1発光制御トランジスタT5の第2極の第1発光制御信号ラインEM1から離れた側に位置する。一方、第1色サブ画素110において、画素回路の第4接続部353は、第3接続部343の接続ビア354に接続され、第1発光制御トランジスタT5の第2極の第1発光制御信号ラインEM1に近い側に位置する。例えば、第1発光制御信号ラインEM1と重なってもよい。第2色サブ画素120の第2電極123の第2接続電極1232は、第4接続部353の第2陽極接続ビア1233に接続され、ビア354の第1発光制御信号ラインEM1に近い側に位置する。第3色サブ画素130の第2電極133の第3接続電極1332は、第4接続部353の第3陽極接続ビア1333に接続され、ビア354の第1発光制御信号ラインEM1に近い側に位置する。第1色サブ画素110の第2電極113の第1接続電極1132は、第4接続部353の第1陽極接続ビア1133に接続され、ビア354の第1発光制御信号ラインEM1から離れた側に位置し、それにより、第1色サブ画素の第2電極の接続電極と第3色サブ画素の第2電極の本体電極との間に間隔を有し、両者の重なりや接近による不良を防止する。
【0272】
例えば、
図12に示すように、第2色サブ画素120(例えば赤色サブ画素)と第3色サブ画素130(例えば緑色サブ画素)はY方向に交互に配列され、第2色サブ画素120及び第3色サブ画素130に隣接する第1色サブ画素110(例えば青色サブ画素)もY方向に配列され、且つ第2色サブ画素120及び第3色サブ画素130からなるサブ画素列と第1色サブ画素110からなるサブ画素列はX方向に交互に分布している。例えば、1つの第1色サブ画素110の第2電極の本体電極の面積は、1つの第2色サブ画素120の第2電極の本体電極の面積より大きく、且つ1つの第3色サブ画素130の第2電極の本体電極の面積より大きい。例えば、1つの第3色サブ画素130の第2電極の本体電極の面積は、1つの第2色サブ画素120の第2電極の本体電極の面積より大きい。例えば、1つの第1色サブ画素110の第2電極の本体電極のY方向におけるサイズは、1つの第2色サブ画素120の第2電極の本体電極のY方向におけるサイズより大きく、且つ1つの第3色サブ画素130の第2電極の本体電極のY方向におけるサイズより大きい。例えば、1つの第1色サブ画素110の第2電極の本体電極のY方向におけるサイズは、1つの第2色サブ画素120の第2電極の本体電極と1つの第3色サブ画素130の第2電極の本体電極とのY方向におけるスパン以下であり、すなわち第1色サブ画素110の第2電極の本体電極、第2色サブ画素120の第2電極の本体電極、第3色サブ画素130の第2電極の本体電極がそれぞれY方向における直線で投影し、第1色サブ画素110の第2電極の本体電極の投影は、第2色サブ画素120の第2電極の本体電極及び第3色サブ画素130の第2電極の本体電極の投影の最も遠い両点の間に位置する。例えば、1つの第1色サブ画素110の第2電極の本体電極のX方向におけるサイズ、第2色サブ画素120の第2電極の本体電極のX方向におけるサイズ、第3色サブ画素130の第2電極の本体電極のX方向におけるサイズはほぼ同じである。例えば、第2色サブ画素120の第2電極の本体電極のX方向におけるサイズ、第3色サブ画素130の第2電極の本体電極のX方向におけるサイズはほぼ同じであり、且つ1つの第1色サブ画素110の第2電極の本体電極のX方向におけるサイズとの比が0.8~1.2である。例えば、第2色サブ画素120の第2電極の接続電極、及び第3色サブ画素130の第2電極の接続電極はいずれも、第1色サブ画素110の第2電極の本体電極に向く一方側に位置する。例えば、第1色サブ画素110の第2電極の接続電極は、第2色サブ画素120と第3色サブ画素130からなるサブ画素列と、第1色サブ画素110からなるサブ画素列との間に位置し、且つ第3色サブ画素130の第2電極の、第2色サブ画素120の第2電極から離れた側に近い。
【0273】
例えば、Y方向に配列されている第2色サブ画素120及び第3色サブ画素130において、第2色サブ画素120の第2陽極接続ビア1233、及び第3色サブ画素130の第3陽極接続ビア1333は、Y方向に延びている直線上にあり、第2色サブ画素120及び第3色サブ画素130に隣接する第1色サブ画素110の第1陽極接続ビア1133は、該直線の第1走査線Ga1から離れた側に位置する。例えば、第1色サブ画素110の第1陽極接続ビア1133と、第2色サブ画素120及び第3色サブ画素130の接続ビア354とはほぼ、Y方向に延びている同一の直線上にあり、第2色サブ画素120の第2陽極接続ビア1233、及び第3色サブ画素130の第3陽極接続ビア1333は、それぞれの第1発光制御トランジスタT5の第2極と重なり、第1色サブ画素110の第1陽極接続ビア1133は、その第1発光制御トランジスタT5の第2極の、第1発光制御信号ラインEM1から離れた側に位置する。
【0274】
例えば、
図12に示すように、第2色サブ画素120の画素回路の第4接続部は、第1発光制御トランジスタT5のドレイン領域と重なり、第2色サブ画素120の画素回路の第4接続部と第3色サブ画素の第4接続部の形状及び相対位置関係はいずれも同じである。第1色サブ画素110の画素回路の第4接続部353のX方向における長さは、別の2種の色サブ画素の第4接続353部のX方向における長さより大きい。第1色サブ画素110の画素回路の第4接続部353は第1発光制御信号ラインEM1と重なり、一方、別の2種の色サブ画素の第4接続353は第1発光制御信号ラインEM1と重ならない。
【0275】
例えば、
図12に示すように、本例の表示基板は、第1方向及び第2方向にアレイ状に配列されている複数の画素ユニット1を含み、1つの画素ユニット1は、1つの第1色サブ画素110と、それに隣接する1つの第2色サブ画素120及び1つの第3色サブ画素130とを含む。
【0276】
なお、以上の例では、図面には、各サブ画素の第2電極の形状、サイズ及び位置が模式的に示されており、各サブ画素については、実際の発光領域が画素画定層の開口により画定される。例えば、画素画定層はグリッド状構造であり、各サブ画素の第2電極(例えば陽極)のエッジを覆い、且つ画素画定層は複数の開口を含み、各開口が1つのサブ画素の第2電極の一部を露出させ、発光層は少なくとも複数の開口内に形成され、発光層のベース基板から離れた側には第1電極(例えば陰極)がさらに形成されており、各サブ画素の対応する開口に対応する第1電極及び第2電極は発光層を発光駆動する。例えば、各サブ画素の画素画定層の開口のベース基板での投影は、該サブ画素の第2電極のベース基板での投影内に位置し、従って、各サブ画素の配列、画素画定層の開口の配列、及び第2電極の配列の位置は1対1で対応する。例えば、各色サブ画素の第2電極の配列位置には複数の形態があり、
図11A及び
図12に示すような形態に加えて、他の画素配列も適用できる。例えば、各サブ画素の画素回路は、X方向及びY方向に複数行及び複数列としてアレイ状に配列され、駆動トランジスタのサイズ及び接続電極の構造以外、各サブ画素の画素回路構造、例えばデータライン、電源ライン、容量電極などは、ほぼ同じであってもよい。例えば、Y方向に、各サブ画素の画素回路は、第1色サブ画素の画素回路、第2色サブ画素の画素回路、第3色サブ画素の画素回路の順に配列され、X方向に、各列のサブ画素の画素回路は繰り返し配列される。
【0277】
なお、
(1)本開示の実施例の図面は、本開示の実施例に係る構造のみに関し、他の構造は通常の設計を参照すればよい。
(2)矛盾がない限り、本開示の同一の実施例及び異なる実施例の特徴を互いに組み合わせることができる。
【0278】
以上は、本開示の例示的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲を制限するものではなく、本開示の保護範囲は添付の特許請求の範囲により定められる。
【符号の説明】
【0279】
10 画素ユニット群
11 繰り返しユニット
22 サブ画素
100 ベース基板
101 画素画定層
1010、1010-1~1010-3 開口
102 平坦層
103 ゲート絶縁層
104~107 第1~第4絶縁層
110 第1色サブ画素
111 第1駆動トランジスタ
112 第1有機発光層
113 第2電極
113-1 第1サブ電極部
113-2 第2サブ電極部
1131 第1本体電極
1132 第1接続電極
1133 ビア
114 第1電極
120 第2色サブ画素
121 第2駆動トランジスタ
122 第2有機発光層
123 第2電極
1231 第2本体電極
1232 第2接続電極
124 第1電極
130 第3色サブ画素
131 第3駆動トランジスタ
133 第2電極
1331 第3本体電極
1332 第3接続電極
1333 ビア
220 有機発光素子
221 画素回路
222 駆動回路
223 第2発光制御回路
224 第1発光制御回路
226 データ書込み回路
227 記憶回路
228 閾値補償回路
229 リセット回路
310 活性半導体層
320 第1導電層
330 第2導電層
332 ビア
340 ソースドレイン金属層
341 第1接続部
342 第2接続部
343 第3接続部、接続構造
343-1 第1接続孔
343-2 第2接続孔
344 シールドライン
350 第3導電層
351、352、354 ビア
353 第4接続部
381~385 ビア
1000 表示基板
C 記憶コンデンサー
CC1 第1極
CC2 第2極
T1 駆動トランジスタ
T1c-1~T1c-5 サブチャネル
T2 データ書込みトランジスタ
T3 閾値補償トランジスタ
T4 第2発光制御トランジスタ
T5 第1発光制御トランジスタ
T6 第1リセットトランジスタ
T7 第2リセットトランジスタ
Ga1 第1走査信号ライン
Ga2 第2走査信号ライン
VDD 第1電源端子
VDD1~3 第1~第3電源信号ライン
VSS 第2電源端子
Vinit1 第1リセット電源端子
Vinit2 第2リセット電源端子
Vd データライン
Init1 第1リセット電源信号ライン
Init2 第2リセット電源信号ライン
Rst1 第1リセット制御信号ライン
Rst2 第2リセット制御信号ライン
EM1 第1発光制御信号ライン
EM2 第2発光制御信号ライン
【国際調査報告】