(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(54)【発明の名称】デシジョンフィードバックイコライザおよびデータの収集補正方法
(51)【国際特許分類】
H04L 25/03 20060101AFI20230201BHJP
H04B 3/06 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
H04L25/03 C
H04B3/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573783
(86)(22)【出願日】2021-02-04
(85)【翻訳文提出日】2021-12-10
(86)【国際出願番号】 CN2021075309
(87)【国際公開番号】W WO2022095297
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】202011224933.0
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521542959
【氏名又は名称】アナロジクス (スージョウ) セミコンダクター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ANALOGIX (SUZHOU) SEMICONDUCTOR CO., LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】521542960
【氏名又は名称】アナロジクス インターナショナル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】ANALOGIX INTERNATIONAL LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ジァウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ソン,フェイ
【テーマコード(参考)】
5K029
5K046
【Fターム(参考)】
5K029AA03
5K029AA13
5K029AA18
5K029BB03
5K029CC01
5K029EE01
5K029HH05
5K029HH13
5K046AA01
5K046BA06
5K046BB05
5K046EE10
(57)【要約】
本願は、デシジョンフィードバックイコライザおよびデータの収集補正方法を開示する。当該デシジョンフィードバックイコライザは、第1デシジョンサンプリング回路と、第2デシジョンサンプリング回路と、を含み、第1デシジョンサンプリング回路の入力端子は、サンプリングデータを受信し、且つ直前のサンプリング期間に第2デシジョンサンプリング回路によって出力された第1サンプリング結果を受信して、第1サンプリング結果に基づいて、サンプリングデータの第1補正方式を決定し、第1補正方式でサンプリングデータを補正し、第2デシジョンサンプリング回路の入力端子は、サンプリングデータを受信し、且つ直前のサンプリング期間に第1デシジョンサンプリング回路によって出力された第2サンプリング結果を受信して、第2サンプリング結果に基づいて、サンプリングデータの第2補正方式を決定し、第2補正方式でサンプリングデータを補正する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デシジョンフィードバックイコライザであって、
第1デシジョンサンプリング回路と、
前記第1デシジョンサンプリング回路と反対のサンプリングクロック信号を介してサンプリングを実行する第2デシジョンサンプリング回路と、を含み、
前記第1デシジョンサンプリング回路は、
サンプリングデータを受信する入力端子が、前記第2デシジョンサンプリング回路の出力端子に接続され、直前のサンプリング期間に前記第2デシジョンサンプリング回路によって出力された第1サンプリング結果を受信することで、前記第1サンプリング結果に基づいて、前記サンプリングデータの第1補正方式を決定し、前記第1補正方式で前記サンプリングデータを補正し、
前記第2デシジョンサンプリング回路は、
前記サンプリングデータを受信する入力端子が、前記第1デシジョンサンプリング回路の出力端子に接続され、直前のサンプリング期間に前記第1デシジョンサンプリング回路によって出力された第2サンプリング結果を受信することで、前記第2サンプリング結果に基づいて、前記サンプリングデータの第2補正方式を決定し、前記第2補正方式で前記サンプリングデータを補正する、前記デシジョンフィードバックイコライザ。
【請求項2】
前記第1補正方式は、前記サンプリングデータと第1サンプリング補正データとの重ね合わせ、または前記サンプリングデータと前記第1サンプリング補正データとの減算のうちの1つであり、
前記第2補正方式は、前記サンプリングデータと第2サンプリング補正データとの重ね合わせ、または前記サンプリングデータと前記第2サンプリング補正データとの減算のうちの1つである、
請求項1に記載のデシジョンフィードバックイコライザ。
【請求項3】
前記第1デシジョンサンプリング回路または前記第2デシジョンサンプリング回路は、
入力端子が前記サンプリングデータの受信、および直前のサンプリング期間内に収集されたサンプリング結果の受信を行い、前記サンプリング結果に基づいて、前記サンプリングデータの前記補正方式を決定し、且つ前記サンプリングデータを補正・増幅して、第1サンプリングデータを出力する選択サンプリング回路と、
入力端子が前記選択サンプリング回路の出力端子に接続され、前記第1サンプリングデータを増幅し、且つ増幅結果に従って正または負のデシジョンを実行して、デシジョン結果を出力する増幅比較回路と、
入力端子が前記増幅比較回路の出力端子に接続され、前記デシジョン結果を保持し、且つ保持されたデシジョン結果を現在のサンプリング期間のサンプリング結果として決定する保持回路と、を含む、
請求項2に記載のデシジョンフィードバックイコライザ。
【請求項4】
前記選択サンプリング回路は、
第1差動増幅回路と、
第2差動増幅回路と、を含み、前記第1差動増幅回路および前記第2差動増幅回路は、それぞれ同じサンプリングクロック信号に接続され、
前記第1差動増幅回路は、第1入力端子が、直前のサンプリング期間内に収集されたサンプリング結果を受信し、且つ前記サンプリング結果に基づいて、前記第1差動増幅回路のオンオフを決定し、2つの差動入力端子が、それぞれ前記サンプリングデータとサンプリング補正データとの重ね合わせの結果を受信し、前記重ね合わせの結果に対して増幅処理を実行して、2つの第1差動出力信号を出力し、
前記第2差動増幅回路は、第1入力端子が、直前のサンプリング期間内に収集されたサンプリング結果を受信し、且つ前記サンプリング結果に基づいて、前記第2差動増幅回路のオンオフを決定し、2つの差動入力端子が、それぞれ前記サンプリングデータと前記サンプリング補正データとの減算の結果を受信し、前記減算の結果に対して増幅処理を実行して、2つの第2差動出力信号を出力する、
請求項3に記載のデシジョンフィードバックイコライザ。
【請求項5】
前記増幅比較回路は、
前記サンプリングクロック信号に接続され、2つの前記第1差動出力信号または2つの前記第2差動出力信号に対して増幅を実行して、2つの第3差動出力信号を取得する第3差動増幅回路と、
前記サンプリングクロック信号に接続され、前記2つの第3差動出力信号を受信し比較して、第1デシジョン信号と第2デシジョン信号を取得する比較回路とを含む、
請求項4に記載のデシジョンフィードバックイコライザ。
【請求項6】
前記第3差動増幅回路は、
それぞれ前記第1差動増幅回路の2つの差動出力端子に接続され、前記第2差動増幅回路がオフで、且つ第2組の差動入力端子がオンである場合、2つの前記第1差動出力信号に対して増幅を実行して、2つの前記第3差動出力信号を出力する第1組の差動入力端子と、
それぞれ前記第2差動増幅回路の2つの差動出力端子に接続され、前記第1差動増幅回路がオフで、且つ前記第1組の差動入力端子がオンである場合、2つの前記第2差動出力信号に対して増幅を実行して、2つの前記第3差動出力信号を取得する第2組の差動入力端子の2組の差動入力端子を含む、
請求項5に記載のデシジョンフィードバックイコライザ。
【請求項7】
前記選択サンプリング回路はさらに、
第1機能回路と、
第2機能回路と、を含み、前記第1機能回路および前記第2機能回路の入力端子は、それぞれ直前の期間内のサンプリング結果に接続され、
前記第3差動増幅回路の前記第1組の差動入力端子に接続される前記第1機能回路の出力端子は、前記サンプリング結果に基づいて、前記第1組の差動入力端子がオンになっているか否かを判断し、
前記第3差動増幅回路の前記第2組の差動入力端子に接続される前記第2機能回路の出力端子は、前記サンプリング結果に基づいて、前記第2組の差動入力端子がオンになっているか否かを判断する、
請求項6に記載のデシジョンフィードバックイコライザ。
【請求項8】
前記比較回路は、
第1位相反転器と、
第2位相反転器と、を含み、前記第1位相反転器および前記第2位相反転器は、それぞれ前記サンプリングクロック信号に接続され、
前記第1位相反転器の入力端子は、前記第2位相反転器の出力端子に接続され、前記第2位相反転器の入力端子は、前記第1位相反転器の出力端子に接続され、前記第1位相反転器の入力端子および前記第2位相反転器の入力端子は、それぞれ前記2つの第3差動出力信号を受信し、前記第1位相反転器の出力端子および前記第2位相反転器の出力端子は、それぞれ前記第1デシジョン信号と前記第2デシジョン信号を出力する、
請求項5に記載のデシジョンフィードバックイコライザ。
【請求項9】
前記保持回路は、ラッチである、
請求項3に記載のデシジョンフィードバックイコライザ。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載のデシジョンフィードバックイコライザに適用される、データの収集補正方法であって、
直前のサンプリング期間内にサンプリングデータを収集して得られたサンプリング結果を取得し、且つ前記サンプリング結果に基づいて、前記サンプリングデータの補正方式を決定するステップであって、前記補正方式は、前記サンプリングデータとサンプリング補正データとの重ね合わせ、または前記サンプリングデータと前記サンプリング補正データとの減算であるステップと、
前記補正方式で前記サンプリングデータを補正して、補正されたデータを取得するステップと、
前記補正されたデータを収集し、収集結果を出力するステップと、を含む、前記データの収集補正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年11月5日に中国特許局に提出された、出願番号が202011224933.0であり、発明の名称が「デシジョンフィードバックイコライザおよびデータの収集補正方法」である中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容が参照によって本願に組み込まれる。
本願は、データ伝送の技術分野に関し、具体的には、デシジョンフィードバックイコライザおよびデータの収集補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高速データ伝送のプロセスで、チャネルの非理想的な特性によるシンボル間干渉のため、信号の完全性に影響を与えてしまう。
関連技術では、フルレートのデシジョンフィードバックイコライザ(Decision Feedback Equalizer)を使用してシンボル間干渉を排除する。フルレートのデシジョンフィードバックイコライザは、既にデシジョンされたデータを採用して、現在のデシジョンデータに存在するISIを排除し、正しいコードパターンを復元するのに役立つ。高速インターフェースの伝送速度が増加し続けるにつれて、フルレートイコライザは回路のタイミング設計に対して非常に厳しい要件を持ち、これにより、フルレートイコライザは回路の設計コストと難易度の増加につながる。
【0003】
フルレートイコライザの厳しいタイミング要件、設計コストと難易度の増加の問題を解決するために、ハーフレートイコライザが関連技術に登場した。ハーフレートイコライザは、サンプリング周波数がデータストリーム周波数の半分であることを意味し、回路のタイミング設計がより寛大になるようにするが、ハーフレートデシジョンフィードバックイコライザは、奇数チャネルと偶数チャネルの両方で、前の信号の加算および減算が後の信号への影響値を先に収集し、次にどの収集値を保持する画を判断するため、サンプリングに4つのサンプラが必要とする。その結果、ハーフレートデシジョンフィードバックイコライザの消費電力と面積が大きくなる。
関連技術でのハーフレートデシジョンフィードバックイコライザにおける複数のコレクタの使用による回路の大きい消費電力およびサイズの大きい問題に関して、いまだに、効果的な解決策が提案されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の少なくとも一部の実施例は、関連技術でのハーフレートデシジョンフィードバックイコライザにおける複数のコレクタの使用による回路の大きい消費電力およびサイズの大きい問題を解決するために、デシジョンフィードバックイコライザおよびデータの収集補正方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例の1つによれば、デシジョンフィードバックイコライザを提供する。当該デシジョンフィードバックイコライザは、第1デシジョンサンプリング回路と、第1デシジョンサンプリング回路と反対のサンプリングクロック信号を介してサンプリングを実行する第2デシジョンサンプリング回路と、を含み、第1デシジョンサンプリング回路は、サンプリングデータを受信する入力端子が、第2デシジョンサンプリング回路の出力端子に接続され、直前のサンプリング期間に第2デシジョンサンプリング回路によって出力された第1サンプリング結果を受信することで、第1サンプリング結果に基づいて、サンプリングデータの第1補正方式を決定し、第1補正方式でサンプリングデータを補正し、第2デシジョンサンプリング回路は、サンプリングデータを受信する入力端子が、第1デシジョンサンプリング回路の出力端子に接続され、直前のサンプリング期間に第1デシジョンサンプリング回路によって出力された第2サンプリング結果を受信することで、第2サンプリング結果に基づいて、サンプリングデータの第2補正方式を決定し、第2補正方式でサンプリングデータを補正する。
【0006】
例示的に、第1補正方式は、サンプリングデータと第1サンプリング補正データとの重ね合わせ、またはサンプリングデータと第1サンプリング補正データとの減算のうちの1つであり、第2補正方式は、サンプリングデータと第2サンプリング補正データとの重ね合わせ、またはサンプリングデータと第2サンプリング補正データとの減算のうちの1つである。
【0007】
例示的に、第1デシジョンサンプリング回路または第2デシジョンサンプリング回路は、入力端子がサンプリングデータの受信、および直前のサンプリング期間内に収集されたサンプリング結果の受信を行い、サンプリング結果に基づいて、サンプリングデータの補正方式を決定し、且つサンプリングデータを補正・増幅して、第1サンプリングデータを出力する選択サンプリング回路と、入力端子が選択サンプリング回路の出力端子に接続され、第1サンプリングデータを増幅し、且つ増幅結果に従って正または負のデシジョンを実行して、デシジョン結果を出力する増幅比較回路と、入力端子が増幅比較回路の出力端子に接続され、デシジョン結果を保持し、且つ保持されたデシジョン結果を現在のサンプリング期間のサンプリング結果として決定する保持回路と、を含む。
【0008】
例示的に、選択サンプリング回路は、第1差動増幅回路と、第2差動増幅回路とを含み、第1差動増幅回路および第2差動増幅回路は、それぞれ同じサンプリングクロック信号に接続され、第1差動増幅回路の第1入力端子は、直前のサンプリング期間内に収集されたサンプリング結果を受信し、且つサンプリング結果に基づいて、第1差動増幅回路のオンオフを決定し、第1差動増幅回路の2つの差動入力端子は、それぞれサンプリングデータとサンプリング補正データとの重ね合わせの結果を受信し、重ね合わせの結果に対して増幅処理を実行して、2つの第1差動出力信号を出力し、第2差動増幅回路の第1入力端子は、直前のサンプリング期間内に収集されたサンプリング結果を受信し、且つサンプリング結果に基づいて、第2差動増幅回路のオンオフを決定し、第2差動増幅回路の2つの差動入力端子は、それぞれサンプリングデータとサンプリング補正データとの減算の結果を受信し、減算の結果に対して増幅処理を実行して、2つの第2差動出力信号を出力する。
【0009】
例示的に、増幅比較回路は、サンプリングクロック信号に接続され、2つの第1差動出力信号または2つの第2差動出力信号に対して増幅を実行して、2つの第3差動出力信号を取得する第3差動増幅回路と、サンプリングクロック信号に接続され、2つの第3差動出力信号を受信し比較して、第1デシジョン信号と第2デシジョン信号を取得する比較回路とを含む。
【0010】
例示的に、第3差動増幅回路は、第1差動増幅回路の2つの差動出力端子にそれぞれ接続され、第2差動増幅回路がオフで、且つ第2組の差動入力端子がオンである場合、2つの第1差動出力信号に対して増幅を実行して、2つの第3差動出力信号を出力する第1組の差動入力端子と、第2差動増幅回路の2つの差動出力端子にそれぞれ接続され、第1差動増幅回路がオフで、且つ第1組の差動入力端子がオンである場合、2つの第2差動出力信号に対して増幅を実行して、2つの第3差動出力信号を取得する第2組の差動入力端子の2組の差動入力端子を含む。
【0011】
例示的に、選択サンプリング回路はさらに、第1機能回路と、第2機能回路とを含み、第1機能回路および第2機能回路の入力端子は、それぞれ直前の期間内のサンプリング結果に接続される。ここで、第3差動増幅回路の第1組の差動入力端子に接続される第1機能回路の出力端子は、サンプリング結果に基づいて、第1組の差動入力端子がオンになっているか否かを判断し、第3差動増幅回路の第2組の差動入力端子に接続される第2機能回路の出力端子は、サンプリング結果に基づいて、第2組の差動入力端子がオンになっているか否かを判断する。
【0012】
例示的に、比較回路は、第1位相反転器と、第2位相反転器とを含み、第1位相反転器および第2位相反転器は、それぞれサンプリングクロック信号に接続され、第1位相反転器の入力端子は、第2位相反転器の出力端子に接続され、第2位相反転器の入力端子は、第1位相反転器の出力端子に接続され、第1位相反転器の入力端子および第2位相反転器の入力端子は、それぞれ2つの第3差動出力信号を受信し、第1位相反転器の出力端子および第2位相反転器の出力端子は、それぞれ第1デシジョン信号と第2デシジョン信号を出力する。
例示的に、保持回路は、ラッチである。
【0013】
本発明の別の実施例はさらに、上記のいずれか1項のデシジョンフィードバックイコライザに適用される、データの収集補正方法を提供する。当該方法は、直前のサンプリング期間内にサンプリングデータを収集して得られたサンプリング結果を取得し、且つサンプリング結果に基づいて、サンプリングデータの補正方式を決定するステップであって、補正方式は、サンプリングデータとサンプリング補正データとの重ね合わせ、またはサンプリングデータとサンプリング補正データとの減算であるステップと、補正方式でサンプリングデータを補正して、補正されたデータを取得するステップと、補正されたデータを収集し、収集結果を出力するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本願は、第1デシジョンサンプリング回路と、第1デシジョンサンプリング回路と反対のサンプリングクロック信号を介してサンプリングを実行する第2デシジョンサンプリング回路とを含み、サンプリングデータを受信する第1デシジョンサンプリング回路の入力端子は、第2デシジョンサンプリング回路の出力端子に接続され、直前のサンプリング期間に第2デシジョンサンプリング回路によって出力された第1サンプリング結果を受信することで、第1サンプリング結果に基づいて、サンプリングデータの第1補正方式を決定し、第1補正方式でサンプリングデータを補正し、サンプリングデータを受信する第2デシジョンサンプリング回路の入力端子は、第1デシジョンサンプリング回路の出力端子に接続され、直前のサンプリング期間に第1デシジョンサンプリング回路によって出力された第2サンプリング結果を受信することで、第2サンプリング結果に基づいて、サンプリングデータの第2補正方式を決定し、第2補正方式でサンプリングデータを補正し、これにより、関連技術でのハーフレートデシジョンフィードバックイコライザにおける複数のコレクタの使用による回路の大きい消費電力およびサイズの大きい問題を解決する。第1デシジョンサンプリング回路と第2デシジョンサンプリング回路は、まずサンプリングデータの補正方式を決定してから、サンプリングデータを補正及び収集し、これにより、コレクタの使用を減少し、さらに回路の消費電力を低減し、回路のサイズを減少する効果を実現する。
【0015】
本願の一部を構成する図面は、本願の更なる理解を提供するために使用され、本願の例示的な実施例およびその説明は、本願を説明するために使用され、本願の不適切な制限を構成するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】関連技術によるデシジョンフィードバックイコライザの概略図である
【
図2】関連技術によるデシジョンフィードバックイコライザのサンプリングのタイミング図である。
【
図3】本願実施例1によるデシジョンフィードバックイコライザの概略図である。
【
図4】本願実施例1によるデシジョンフィードバックイコライザにおける選択サンプリング回路の概略図である。
【
図5】本願実施例1によるデシジョンフィードバックイコライザにおける第3差動増幅回路の概略図である。
【
図6】本願実施例1によるデシジョンフィードバックイコライザにおける比較回路の概略図である。
【
図7】本願実施例1によるデシジョンフィードバックイコライザにおける保持回路の概略図である。
【
図8】本願実施例2によるデータの収集補正方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
矛盾しない限り、本願の実施例および実施例の特徴は、お互いに組み合わせることができることに留意されたい。以下、図面を参照しながら、実施例と併せて本願を詳細に説明する。
以下、当業者が本出願の技術案をよりよく理解できるように、本願実施例における図面と併せて、本願実施例における技術案を明確かつ完全に説明する。明らかに、記載された実施例は、すべての本願の実施例ではなく、本願の実施例の一部に過ぎない。本願における実施例に基づいて、創造的な作業なしに当業者によって得られた他の実施例は、本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【0018】
なお、本願の明細書、特許請求の範囲および上記の図面に言及された「第1」、「第2」などの用語は、類似した対象を区別するために使用され、必ずしも特定の順番または前後順位を説明するために使用されるわけではない。ここで説明する本願の実施例を、ここで示した又は説明した順番以外の順番で実施可能なものにするために、このように使用されたデータは適した場合であれば互いに取り替え可能なことは、理解されるべきである。なお、「備える」と「有する」およびそれらの変形は、非排他的な包含を網羅することを意図している。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、明記されたステップ又はユニットに限定されず、明記されていないか又はこれらのプロセス、方法、製品又は機器固有の他のステップ又はユニットを含んでもよい。
【0019】
以下、説明の便宜上、本願実施例に関する名詞または用語の一部を説明する。
シンボル間干渉:ISIと略称し、英語のフルネームは、Inter-Symbol Interferenceであり、高速伝播の信号間の関連干渉を指す。
サンプラ:SAと略称し、英語のフルネームは、Sampler Amplifierである。
マルチプレクサ:MUXと略称し、英語のフルネームは、multiplexerである。
関連技術におけるフルレートイコライザの厳密なタイミング要件の問題、設計コスト及び難易度の増加の問題を解決するために、次のハーフレートデシジョンフィードバックイコライザが関連技術に登場した。
【0020】
図1に示されるように、データが入力された場合、奇数(odd)パス、偶数(even)パスのサンプラ(SA)でデータのサンプリングを実行する。ここで、CKBは、CKの逆位相であり、奇数のデータパスはデータoddを取得し、偶数のデータパスはデータevenを取得する。
図2は、
図1のサンプリングのタイミング図であり、
図2に示されるように、data1がdata2に与える影響を排除するために、偶数のデータパスがdata2をサンプリングする前に、data1に対する奇数のデータパスのサンプリング結果を利用して、data2が1つのH1を加算するか減算するかを決定する(H1は、ISI影響を排除する電圧振幅を示す)。
【0021】
data1のサンプリング結果が1であれば、data2へのdata1の影響がプラスであることを意味し、data2のデータに電圧上昇の影響を与えることができ、偶数のデータパスでは、マルチプレクサ(MUX)を介して負のH1の方のパスのSAを選択する。同様に、data1のサンプリング結果が0であれば、data2へのdata1の影響がマイナスであることを意味し、偶数のデータパスでは、MUXを介して正のH1の方のパスのSAを選択する。したがって、関連技術におけるハーフレートデシジョンフィードバックイコライザは、4つのSAを利用して、その消費電力と面積がより大きくなる。
これに基づき、本願は、上記の技術的課題を解決できる技術案を提供することを望んでおり、その詳細は、後続の実施例で説明する。
【0022】
(実施例1)
本願の実施例1によれば、デシジョンフィードバックイコライザを提供する。
図3は、本願の実施例1に係るデシジョンフィードバックイコライザのフローチャートである。
図3に示されるように、当該デシジョンフィードバックイコライザは、
第1デシジョンサンプリング回路と、
第1デシジョンサンプリング回路と反対のサンプリングクロック信号を介してサンプリングを実行する第2デシジョンサンプリング回路と、を含む。
ここで、サンプリングデータを受信する第1デシジョンサンプリング回路の入力端子は、第2デシジョンサンプリング回路の出力端子に接続され、直前のサンプリング期間に第2デシジョンサンプリング回路によって出力された第1サンプリング結果を受信することで、第1サンプリング結果に基づいて、サンプリングデータの第1補正方式を決定し、第1補正方式でサンプリングデータを補正する、
サンプリングデータを受信する第2デシジョンサンプリング回路の入力端子は、第1デシジョンサンプリング回路の出力端子に接続され、直前のサンプリング期間に第1デシジョンサンプリング回路によって出力された第2サンプリング結果を受信することで、第2サンプリング結果に基づいて、サンプリングデータの第2補正方式を決定し、且つ第2補正方式を介してサンプリングデータを補正する。
【0023】
図3に示されるように、本願実施例におけるデシジョンフィードバックイコライザを利用してサンプリングデータを収集する場合、サンプリングクロックの立ち上がりエッジ信号CKを採用して、偶数チャネルの第1デシジョンサンプリング回路を介して偶数シーケンスのデータを収集することができる。逆に、サンプリングクロックの立ち下がりエッジ信号CKBを採用して、奇数チャネルの第2デシジョンサンプリング回路を介して奇数シーケンスのデータを収集し、これによりサンプリングデータの収集を完了する。
【0024】
なお、第1デシジョンサンプリング回路と第2デシジョンサンプリング回路は、それぞれ奇数チャネルと偶数チャネルの破線ボックス内の回路であり、破線ボックス内の回路は、1つのMUXと1つのSAの機能を統合し、サンプリングデータを受信すると同時に、直前のサンプリング期間に別のパスによって収集されたサンプリング結果を受信する(偶数チャネルの場合、奇数チャネルのサンプリング結果oddを受信し、奇数チャネルの場合、偶数チャネルのサンプリング結果evenを受信する)。MUXは、まず、サンプリング結果に基づいて、補正方式を決定してから、SAが補正されたサンプリングデータを収集する。関連技術におけるハーフレートデシジョンフィードバックイコライザと比較して、使用するサンプラの数が減り、これにより消費電力と面積がほぼ半分に削減される。
【0025】
なお、SAの内部にMUXを追加し、関連技術におけるハーフレートデシジョンフィードバックイコライザTSA+Tmux<1UIのタイミングの制約(TSAは、SAがデータを収集してからMUXに伝送するまでの時間を示し、Tmuxは、データがmux入力端子から出力端子までの時間を示し、1UIは、サンプリングクロックの高レベルと低レベルの持続時間の和を示す)と比較して、タイミングの制約は、1つのTmuxの時間を緩和することと同等であり、これにより、より高いデータストリームをサンプリングすることができ、デシジョンフィードバックイコライザのサンプリングレートを向上する。
【0026】
第1補正方式と第2補正方式は、いずれもサンプリングデータのシンボル間干渉を排除するために使用され、例示的に、本願実施例によるデシジョンフィードバックイコライザにおいて、第1補正方式は、サンプリングデータと第1サンプリング補正データとの重ね合わせ、またはサンプリングデータと第1サンプリング補正データとの減算のうちの1つであり、第2補正方式は、サンプリングデータと第2サンプリング補正データとの重ね合わせ、またはサンプリングデータと第2サンプリング補正データとの減算のうちの1つである。
【0027】
本願実施例によるデシジョンフィードバックイコライザは、第1デシジョンサンプリング回路と、第2デシジョンサンプリング回路とを含む。ここで、第1デシジョンサンプリング回路と第2デシジョンサンプリング回路は、反対のサンプリングクロック信号を介してサンプリングを実行し、サンプリングデータを受信する第1デシジョンサンプリング回路の入力端子はさらに、第2デシジョンサンプリング回路の出力端子に接続され、第1デシジョンサンプリング回路の入力端子は、直前のサンプリング期間に第2デシジョンサンプリング回路によって出力された第1サンプリング結果を受信し、第1サンプリング結果に基づいて、サンプリングデータの第1補正方式を決定し、第1補正方式でサンプリングデータを補正するように構成され、サンプリングデータを受信する第2デシジョンサンプリング回路の入力端子はさらに、第1デシジョンサンプリング回路の出力端子に接続され、第2デシジョンサンプリング回路の入力端子は、直前のサンプリング期間に第1デシジョンサンプリング回路によって出力された第2サンプリング結果を受信し、第2サンプリング結果に基づいて、サンプリングデータの第2補正方式を決定し、第2補正方式でサンプリングデータを補正するように構成され、これにより、関連技術でのハーフレートデシジョンフィードバックイコライザにおける複数のコレクタの使用による回路の大きい消費電力およびサイズの大きい問題を解決する。第1デシジョンサンプリング回路と第2デシジョンサンプリング回路は、まずサンプリングデータの補正方式を決定してから、サンプリングデータを補正及び収集し、これにより、コレクタの使用を減少し、さらに、回路の消費電力を低減し、回路のサイズを減少する効果を実現する。
【0028】
図3に示されるように、第1補正方式は、偶数チャネルのサンプリングデータの基でH1を加算するか、または偶数チャネルのサンプリングデータの基でH1を減算することである。同様に、第2補正方式は、奇数チャネルのサンプリングデータの基でH1を加算するか、または奇数チャネルのサンプリングデータの基でH1を減算することである。
【0029】
第1デシジョンサンプリング回路と第2デシジョンサンプリング回路は、同じ回路構造を有し、例示的に、本願実施例によるデシジョンフィードバックイコライザにおいて、第1デシジョンサンプリング回路または第2デシジョンサンプリング回路は、選択サンプリング回路と、増幅比較回路と、保持回路とを含み、入力端子がサンプリングデータを受信し、および直前のサンプリング期間内に収集されたサンプリング結果を受信する選択サンプリング回路は、サンプリング結果に基づいて、サンプリングデータの補正方式を決定し、且つサンプリングデータを補正および増幅して、第1サンプリングデータを出力するように構成され、入力端子が選択サンプリング回路の出力端子に接続される増幅比較回路は、第1サンプリングデータを増幅し、且つ増幅結果に従って正または負のデシジョンを実行して、デシジョン結果を出力するように構成され、入力端子が増幅比較回路の出力端子に接続される保持回路は、デシジョン結果を保持し、且つ保持されたデシジョン結果を現在のサンプリング期間のサンプリング結果として決定するように構成される。
【0030】
具体的に、選択サンプリング回路は、先に選択した後、サンプリングする機能を実現し、サンプリングのデータを補正されたデータとし、増幅比較回路は、補正されたデータを判定して、保持回路は、判定結果の読み取りを容易にするために、デシジョン結果を保持するために使用される。
【0031】
選択サンプリング回路は、機能的には、mux選択機能を備えたサンプリングプリアンプ回路であり、例示的に、本願実施例によるデシジョンフィードバックイコライザにおいて、選択サンプリング回路は、第1差動増幅回路と、第2差動増幅回路とを含む。ここで、第1差動増幅回路と第2差動増幅回路は、それぞれ同じサンプリングクロック信号に接続される。ここで、第1差動増幅回路の第1入力端子は、直前のサンプリング期間内に収集されたサンプリング結果を受信し、サンプリング結果に基づいて、第1差動増幅回路のオンオフを決定し、第1差動増幅回路の2つの差動入力端子は、それぞれサンプリングデータとサンプリング補正データとの重ね合わせの結果を受信し、重ね合わせの結果に対して増幅処理を実行して、2つの第1差動出力信号を出力する。第2差動増幅回路の第1入力端子は、直前のサンプリング期間内に収集されたサンプリング結果を受信し、サンプリング結果に基づいて、第2差動増幅回路のオンオフを決定し、第2差動増幅回路の2つの差動入力端子は、それぞれサンプリングデータとサンプリング補正データとの減算の結果を受信し、減算の結果を増幅処理して、2つの第2差動出力信号を出力する。
【0032】
図4に示されるように、本実施例は、偶数チャネルの第1デシジョンサンプリング回路を例として、選択サンプリング回路の構造を説明する。第1差動増幅回路は、スイッチ管M3L、M4L、M1L、M2LおよびM01Lで構成され、第2差動増幅回路は、スイッチ管M3、M4、M1、M2およびM01で構成され、第1差動増幅回路と第2差動増幅回路は、それぞれ同じサンプリングクロック信号CKに接続されている。
【0033】
具体的に、第1差動増幅回路の第1入力端子、即ち、M01LのGピンは、奇数チャネルで直前のサンプリング期間内に収集されたサンプリング結果を受信する。M01LはNMOS管であるため、サンプリング結果は0である場合、即ち、低レベル信号TAPLの場合、第1差動増幅回路をオンにし、第1差動増幅回路の2つの差動入力端子、即ち、M1LとM2LのGピンは、それぞれサンプリングデータとサンプリング補正データとの減算の結果IPLとINLを受信し、減算の結果に対して増幅処理を実行して、2つの第1差動出力信号ONLとOPLを出力する。
【0034】
第2差動増幅回路の第1入力端子、即ち、M01のGピンは、奇数チャネルで直前のサンプリング期間内に収集されたサンプリング結果を受信する。M01LがNMOS管であるため、サンプリング結果が1である場合、即ち、高レベル信号TAPHである場合、第2差動増幅回路をオンにし、第2差動増幅回路の2つの差動入力端子、即ち、M1とM2のGピンは、それぞれサンプリングデータとサンプリング補正データとの重ね合わせの結果IPHとINHを受信し、重ね合わせの結果に対して増幅処理を実行して、2つの第2差動出力信号ONHとOPHを出力する。
【0035】
増幅比較回路は、選択サンプリング回路によって出力された2つの第1差動出力信号または2つの第2差動出力信号を増幅して判定し、これにより、サンプリング結果が読み取られることになる。例示的に、本願実施例によるデシジョンフィードバックイコライザにおいて、増幅比較回路は、第3差動増幅回路と、比較回路とを含み、サンプリングクロック信号に接続される第3差動増幅回路は、2つの第1差動出力信号または2つの第2差動出力信号に対して増幅を実行して、2つの第3差動出力信号を取得するように構成され、サンプリングクロック信号に接続される比較回路は、2つの第3差動出力信号を受信し、2つの第3差動出力信号を比較して、第1デシジョン信号と第2デシジョン信号を取得するように構成される。
【0036】
図5に示されるように、第3差動増幅回路は、スイッチ管M33、M44、M111、M222、M11、M22およびM02で構成され、選択サンプリング回路と同様に、サンプリングクロック信号CKが接続される。第3差動増幅回路は、第1差動増幅回路がオンになり、第2差動増幅回路がオフになった場合、2つの第1差動出力信号ONLとOPLを増幅して、2つの第3差動出力信号SPとSNが得られ、第2差動増幅回路がオンになり、第1差動増幅回路がオフになった場合、2つの第2差動出力信号ONHとOPHを増幅して、2つの第3差動出力信号SPとSNが得られる。
【0037】
例示的に、本願実施例によるデシジョンフィードバックイコライザにおいて、第3差動増幅回路は、第1組の差動入力端子と第2組の差動入力端子との2組の差動入力端子を含む。ここで、第1差動増幅回路の2つの差動出力端子にそれぞれ接続される第1組の差動入力端子は、第2差動増幅回路がオフになり、且つ第2組の差動入力端子がオンになった場合、2つの第1差動出力信号に対して増幅を実行して、2つの第3差動出力信号を出力するように構成される。第2差動増幅回路の2つの差動出力端子にそれぞれ接続される第2組の差動入力端子は、第1差動増幅回路がオフになり、且つ第1組の差動入力端子がオンになった場合、2つの第2差動出力信号に対して増幅を実行して、2つの第3差動出力信号を取得するように構成される。
【0038】
図5に示されるように、第1組の差動入力端子M111、M222は、第1差動増幅回路の出力端子M1L、M2Lに接続され、第2組の差動入力端子M11、M22は、第2差動増幅回路の出力端子M1、M2に接続される。2つの第1差動出力信号ONLとOPLに対して増幅を実行する場合、第2差動増幅回路の影響を回避するために、第2組の差動入力端子M11、M22がオンになるように制御する。M11とM22は、オンになると、2つの第1差動出力信号を増幅するときの第2差動増幅回路の影響を回避するためのワイヤに相当する。2つの第2差動出力信号ONHとOPHを増幅する場合、第1差動増幅回路の影響を回避するために、第2組の差動入力端子M111、M222がオンになるように制御する。M111とM222がオンになると、2つの第2差動出力信号を増幅するときの第1差動増幅回路の影響を回避するためのワイヤに相当する。
【0039】
選択サンプリング回路を採用する機能回路は、第1組の差動入力端子および第2組の差動入力端子のオンおよびオフを制御する。例示的に、本願実施例によるデシジョンフィードバックイコライザにおいて、選択サンプリング回路はさらに、第1機能回路と、第2機能回路とを含み、第1機能回路と第2機能回路の入力端子は、それぞれ直前の期間内のサンプリング結果に接続される。ここで、第3差動増幅回路の第1組の差動入力端子に接続される第1機能回路の出力端子は、サンプリング結果によって第1組の差動入力端子がオンになっているか否かを判断するように構成される。第3差動増幅回路の第2組の差動入力端子に接続される第2機能回路の出力端子は、サンプリング結果によって第2組の差動入力端子がオンになっているか否かを判断するように構成される。
【0040】
図4に示されるように、第1機能回路は、スイッチ管ML0およびML1で構成され、第2機能回路は、スイッチ管MH0およびMH1で構成される。ML0、ML1、MH0およびMH1は、PMOS管であり、奇数チャネルの第2デシジョンサンプラ出力結果が0である場合、即ち、低レベルTAPLである場合、ONLおよびOPLは1であり、第1組の差動入力端子M111、M222はオンになる。第3差動増幅回路が2つの第2差動出力信号ONHおよびOPHに対して増幅を実行する場合、M111とM222は、第1差動増幅回路の影響を回避するためのワイヤに相当する。
【0041】
逆に、第2デシジョンサンプラ出力結果が1である場合、即ち、高レベルTAPLである場合、ONHおよびOPHは1であり、第2組の差動入力端子M11、M22はオンになる。第3差動増幅回路が2つの第1差動出力信号ONLおよびOPLに対して増幅を実行する場合、M11とM22は、第2差動増幅回路の影響を回避するためのワイヤに相当する。
【0042】
第3差動増幅回路に加えて、増幅比較回路はさらに、比較回路を含み、例示的に、本願実施例によるデシジョンフィードバックイコライザにおいて、比較回路は、第1位相反転器と、第2位相反転器とを含む。ここで、第1位相反転器と第2位相反転器は、それぞれサンプリングクロック信号に接続され、第1位相反転器の入力端子は、第2位相反転器の出力端子に接続され、第2位相反転器の入力端子は、第1位相反転器の出力端子に接続され、第1位相反転器の入力端子および第2位相反転器の入力端子は、それぞれ2つの第3差動出力信号を受信し、第1位相反転器の出力端子および第2位相反転器の出力端子は、それぞれ第1デシジョン信号と第2デシジョン信号を出力する。
【0043】
図6に示されるように、比較回路も、サンプリングクロック信号CKに接続される。比較回路は、M6、M8、M5、M7、M9、M03を含む。ここで、M6とM5が第1位相反転器を構成し、M8とM7が第2位相反転器を構成し、第1位相反転器の入力端子は、第2位相反転器の出力端子に接続され、第2位相反転器の入力端子は、第1位相反転器の出力端子に接続され、第1位相反転器の入力端子は、第3差動出力信号SNに接続され、第2位相反転器の入力端子は、第3差動出力信号SPに接続される。
【0044】
なお、ONLとOPL、ONHとOPHは、勾配の異なる立ち上がりエッジ信号または勾配の異なる立ち下がりエッジ信号であり、SPとSNは、第3差動増幅回路を介して増幅した後の勾配信号であり、即ち、勾配の異なる2つの勾配信号である。読み取り可能な補正後のサンプリングデータを判定するために、比較回路を採用してSPとSNの勾配を比較して、第1デシジョン信号と第2デシジョン信号を取得する。
【0045】
具体的に、立ち上がりエッジ信号について、勾配の大きい信号を1と判定し、勾配の小さい信号を0と判定する。立ち下がりエッジ信号について、勾配の大きい信号を0と判定し、勾配の小さい信号を1と判定し、これにより、サンプリングデータの判定を実現する。
デシジョン信号を安定的に出力するために、例示的に、本願実施例によるデシジョンフィードバックイコライザにおいて、保持回路は、ラッチである。
具体的には、
図7に示されるように、保持回路は、ラッチであることができ、デシジョン結果SPとSNを入力して、保持されたデシジョン結果OUPとOUTNを取得する。デシジョン結果を所定時間保持できるので、収集された補正後のサンプリングデータに対する後続の回路の読み取りを容易にする。
【0046】
(実施例2)
本願実施例2はさらに、データの収集補正方法を提供する。本願実施例に係るデータの収集補正方法は、本願実施例によるデシジョンフィードバックイコライザに適用されることができる。以下、本願実施例によるデータの収集補正方法を説明する。
図8は、本願実施例2に係るデータの収集補正方法のフローチャートである。
図8に示されるように、当該方法は、次のステップS801、S802、S803を含む。
【0047】
ステップS802において、直前のサンプリング期間内にサンプリングデータを収集して得られたサンプリング結果を取得し、サンプリング結果に基づいて、サンプリングデータの補正方式を決定する。ここで、補正方式は、サンプリングデータと、サンプリング補正データとの重ね合わせ、またはサンプリングデータとサンプリング補正データとの減算である。
【0048】
ステップS804において、補正方式でサンプリングデータを補正して、補正されたデータを取得する。
ステップS806において、補正されたデータを収集し、収集結果を出力する。
具体的に、直前のサンプリング期間内的サンプリング結果が直前のサンプリングデータのサンプリング結果であり、現在のサンプリングデータおよび直前のサンプリングデータに従って補正方式を決定する。例えば、伝送されたデータが001であり、直前のサンプリングデータが0であり、現在のサンプリングデータが1である場合、直前のサンプリングデータ0が現在のサンプリングデータ1に対する影響は負であり、サンプリングデータ1とサンプリング補正データとの重ね合わせを行うことにより、サンプリングデータの補正を実現する。
【0049】
さらに例えば、伝送されたデータは011であり、直前のサンプリングデータは1であり、現在のサンプリングデータは1である。直前のサンプリングデータ1が現在のサンプリングデータ1に対する影響が正であり、サンプリングデータ1とサンプリング補正データとの減算を実行することにより、サンプリングデータの補正を実現する。
【0050】
なお、先に補正方式を決定してから、サンプリングデータに対して補正及び収集を行う。一方で、関連技術におけるハーフレートデシジョンフィードバックイコライザと比較して、使用するサンプラの数を減り、これにより、消費電力と面積がほぼ半分に削減される。もう一方で、関連技術におけるハーフレートデシジョンフィードバックイコライザTSA+Tmux<1UIのタイミングの制約と比較して、タイミングの制約は、1つのTmuxの時間を緩和することと同等であり、これにより、より高いデータストリームをサンプリングすることができ、デシジョンフィードバックイコライザのサンプリングレートを向上する。
【0051】
本願実施例によるデータの収集補正方法は、直前のサンプリング期間内にサンプリングデータを収集して得られたサンプリング結果を取得し、サンプリング結果に基づいて、サンプリングデータの補正方式を決定する。ここで、補正方式は、サンプリングデータと、サンプリング補正データとの重ね合わせ、またはサンプリングデータとサンプリング補正データとの減算であり、補正方式でサンプリングデータを補正して、補正されたデータを取得し、補正されたデータを収集し、収集結果を出力して、関連技術でのハーフレートデシジョンフィードバックイコライザにおける複数のコレクタの使用による回路の大きい消費電力およびサイズの大きい問題を解決し、まずサンプリングデータの補正方式を決定してから、サンプリングデータを補正及び収集し、これにより、コレクタの使用を減少し、さらに、回路の消費電力を低減し、回路のサイズを減少する効果を実現する。
【0052】
なお、添付図面のフローチャートに示すステップは、コンピュータ実行可能な命令のセットなどのコンピュータシステムで実行することができ、論理シーケンスはフローチャートに示されているが、特定の場合によっては、ここに示されている手順とは異なる順序で実行することもできる。
【0053】
なお、用語「含む」、「備える」またはそれらの他の変形という用語は、非排他的な包含をカバーすることを意図しているため、一連の要素を含む、プロセス、方法、商品または機器は、それらの要素を含むだけではないことにも留意されたい。ただし、明示的に例示されていない他の要素も含まれる。または、このようなプロセス、方法、商品または機器に固有の要素も含まれる。これ以上の制限がない場合、「1つの…を含む」で限定された要素は、要素を含むプロセス、方法、商品または機器内の他の同一の要素の存在を除外しない。
【0054】
当業者は、本願の実施例は、方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として提供され得ることを理解すべきである。したがって、本願は、完全なハードウェアの実施例、完全なソフトウェアの実施例、またはソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施例の形態を採用することができる。さらに、本願は、コンピュータ使用可能プログラムコードを含む1つまたは複数のコンピュータ使用可能な記憶媒体(ディスクストレージ、CD-ROM、光ストレージなどを含むが、これらに限定されない)で実施されるコンピュータプログラム製品の形態を採用することができる。
【0055】
以上、本願の実施例に過ぎず、本願を制限するために使用されるものではない。当業者にとって、本願は様々な修正および変更を加えることができる。本願の精神および原則の範囲内で行われたいずれの修正、均等の置換、改良などは、すべて本願の請求項の範囲に含まれるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の実施例による技術案は、データ伝送技術の技術分野に適用されることができる。本発明の実施例において、デシジョンフィードバックイコライザは、第1デシジョンサンプリング回路と、第2デシジョンサンプリング回路とを含み、第1デシジョンサンプリング回路の入力端子は、サンプリングデータを受信し、直前のサンプリング期間に第2デシジョンサンプリング回路によって出力された第1サンプリング結果を受信して、第1サンプリング結果に基づいて、サンプリングデータの第1補正方式を決定し、第1補正方式でサンプリングデータを補正するように構成され、第2デシジョンサンプリング回路の入力端子は、サンプリングデータを受信し、直前のサンプリング期間に第1デシジョンサンプリング回路によって出力された第2サンプリング結果を受信し、第2サンプリング結果に基づいて、サンプリングデータの第2補正方式を決定し、第2補正方式でサンプリングデータを補正する。第1デシジョンサンプリング回路と第2デシジョンサンプリング回路は、まずサンプリングデータの補正方式を決定してから、サンプリングデータを補正及び収集する。これにより、コレクタの使用を減少し、関連技術でのハーフレートデシジョンフィードバックイコライザにおける複数のコレクタの使用による回路の大きい消費電力およびサイズの大きい問題を解決する。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
ステップS801において、直前のサンプリング期間内にサンプリングデータを収集して得られたサンプリング結果を取得し、サンプリング結果に基づいて、サンプリングデータの補正方式を決定する。ここで、補正方式は、サンプリングデータと、サンプリング補正データとの重ね合わせ、またはサンプリングデータとサンプリング補正データとの減算である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
ステップS802において、補正方式でサンプリングデータを補正して、補正されたデータを取得する。
ステップS803において、補正されたデータを収集し、収集結果を出力する。
具体的に、直前のサンプリング期間内的サンプリング結果が直前のサンプリングデータのサンプリング結果であり、現在のサンプリングデータおよび直前のサンプリングデータに従って補正方式を決定する。例えば、伝送されたデータが001であり、直前のサンプリングデータが0であり、現在のサンプリングデータが1である場合、直前のサンプリングデータ0が現在のサンプリングデータ1に対する影響は負であり、サンプリングデータ1とサンプリング補正データとの重ね合わせを行うことにより、サンプリングデータの補正を実現する。
【国際調査報告】